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2018-12-03 第197回国会 参議院 本会議 7号 公式Web版

  1. 平成三十年十二月三日(月曜日)    午後一時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第七号     ─────────────   平成三十年十二月三日    午後一時 本会議     ─────────────  第一 経済上の連携に関する日本国欧州連合   との間の協定締結について承認を求めるの   件及び日本国欧州連合及び欧州連合構成国   との間の戦略パートナーシップ協定締結   について承認を求めるの件(趣旨説明)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 経済上の連携に関する日本国欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(趣旨説明)  以上両件について提出者の趣旨説明を求めます。外務大臣河野太郎君。    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
  3. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) ただいま議題となりました経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府は、平成二十五年四月以来、欧州連合との間で協定の締結交渉を行いました。その結果、本年七月十七日に東京において、安倍内閣総理大臣とトゥスク欧州理事会議長及びユンカー欧州委員会委員長との間で、この協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、我が国と欧州連合との間において、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させるとともに、電子商取引、政府調達、競争政策、知的財産、中小企業等の幅広い分野での枠組みを構築するものであります。  この協定の締結により、幅広い分野において経済上の連携が強化され、そのことを通じ、我が国及び欧州連合の経済が一段と活性化し、また、我が国と欧州連合との関係が一層緊密化することが期待されます。  次に、日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府は、平成二十五年四月以来、欧州連合との間で協定の締結交渉を行いました。その結果、本年七月十七日に東京において、安倍内閣総理大臣とトゥスク欧州理事会議長及びユンカー欧州委員会委員長との間で、この協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、我が国と欧州連合及び欧州連合構成国との間で、幅広い分野における協力を促進し、戦略的パートナーシップを強化するための枠組みを構築するものであります。  この協定の締結により、我が国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の将来にわたる戦略的パートナーシップを強化するための法的基礎が設けられ、対話、協力等が一層促進されることが期待されます。  以上が、これらの協定の締結について承認を求める件の趣旨でございます。(拍手)     ─────────────
  4. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。堀井巌君。    〔堀井巌君登壇、拍手〕
  5. 堀井巌

    ○堀井巌君 自由民主党の堀井巌です。  私は、自民・公明を代表して、ただいま議題となりました日EU・EPA、SPAの締結の承認について質問します。  冒頭、二〇二五年大阪万博の開催決定について感謝申し上げます。安倍総理を先頭に、政府や経済界一丸となった誘致活動の成果であると思います。私も、関西に在住する者として心から喜んでおります。  さきの一九六四年の東京五輪、一九七〇年の大阪万博は、我が国の高度経済成長の象徴的イベントであり、新しい時代の幕開けでもありました。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会、そして二〇二五年大阪万博も、二十一世紀の我が国の新たな成長を加速させる絶好の機会です。すばらしい万博となるよう、政府には力強い取組や御支援をよろしくお願い申し上げます。  それでは、日EU・EPA、SPAについて伺います。  二十一世紀における我が国の成長戦略にとって、自由で開かれた国際経済体制が重要な土台であることは疑いがありません。日EU・EPAは、TPP11と並んで我が国に世界の成長を取り込むための基盤であり、保護主義の流れを食い止める防波堤でもあります。  また、日本とEUは、人権、民主主義という基本的価値観を共有しています。双方とも、教育や研究の水準も高く、質の高い製品、サービスを生み出すことに喜びを感じる国民性と長い伝統文化を有する社会でもあります。  そこで、レベルの高い自由貿易の実現に向けて交渉を進める我が国にとって、このEPA、SPAは我が国の外交戦略上どのような意義を持つとお考えか、河野外務大臣にお伺いをいたします。  次に、物品貿易に関するアクセス向上に伴う経済効果等について伺います。  交渉の結果、我が国産品へのEU側関税撤廃率は品目数ベースで約九九%となっています。中でも、我が国工業製品への関税撤廃率は一〇〇%です。例えば、現在、関税一〇%である乗用車は八年目に〇%に、自動車部品は貿易額ベースで約九割が即時関税撤廃となります。  我が国より先にEUと協定を締結していた韓国は乗用車等でEU向け輸出を伸ばしましたが、日EU・EPA発効後は我が国も韓国と同じ土俵で戦うことができます。産業の裾野が広い自動車等の産業が伸びれば、地方への波及効果も大きなものがあります。  そこで、物品市場アクセスについて、我が国はどのようなメリットを勝ち得たのか、また、我が国経済への効果をどのように見込んでおられるのか、さらに、このチャンスを生かすためにどのように政策を加速させていくのか、茂木担当大臣にお伺いをいたします。  次に、農林水産物の市場アクセスについて二点お伺いをいたします。  まず、我が国の農林水産物のEU市場へのアクセスについて見れば、牛肉、茶、水産物等ほぼ全品目で関税撤廃、かつ、ほとんどが即時撤廃、酒類も全ての関税を即時撤廃という高いレベルになっています。農産品や日本酒等に係る地理的表示、GIの保護も確保されました。  欧州では、日本食はクールジャパンの代表であり、そして健康的であるということから高い人気を誇っています。個別の食材を見ても、ホタテなど極めて高い評価を受けている産品も数多くあります。品質、技術、そしてブランド戦略を練りに練って、人口約五億人を擁する欧州に進出すれば、我が国の農林水産業の可能性も大きく広がります。  政府として、日EU・EPAで拡大する農林水産物等の売り込みのチャンスを生かすためにどのような施策を講ずるのか、吉川農林水産大臣にお伺いをいたします。  他方、EU側農林水産品の日本市場へのアクセスに関しては、EU側との激しい議論の結果、関税撤廃率約八二%となりました。米は関税撤廃、削減等の対象から除外、また、麦、乳製品の国家貿易制度、砂糖の糖価調整制度、豚肉の差額関税制度など基本制度の維持、関税割当てやセーフガードなどの有効な措置も確保しています。ソフト系チーズも、一定の輸入数量の枠内に限り十六年目に無税となる関税割当てとして、その枠の数量を国産の生産拡大と両立できるものとしたと伺っています。  しかし、個別に見れば、イベリコ豚、ゴーダチーズなどブランド力のある製品、さらに我が国林業で期待が大きいクロス・ラミネーテッド・ティンバー、CLTもEU側の競争力が向上します。  将来、逆風が強まるかもしれないという不安が高まり、農林水産業が衰退すれば、食料安全保障や国土保全などに深刻な影響が及びます。このような事態は回避されなければなりません。額に汗して経営改善に取り組んでいる農林水産業の皆様に、苦労が報われる明るい展望を提示することこそが政府の責務であります。  日EU・EPAの発効に向けて、農林水産業での不安を払拭するための対策や競争力や生産性を高めていくための施策は、もちろん十分に取られていると考えております。その上で、対応に万全を期すためにも、できる施策は発効を待たずに執行し、さらに足りない施策があれば臨機応変に追加していくということが重要と考えますが、吉川農林水産大臣の御決意をお伺いいたします。  最後に、英国のEU離脱について伺います。  日本と英国は、基本的価値観を共有し、北朝鮮問題を始めとした国際的課題への対応についても緊密に連携してきました。また、英国は、本年九月に欧州で初めて日本文化発信の拠点であるジャパン・ハウスが開所された国でもあり、我が国文化に高い関心を有しています。経済面でも、自由かつ公正な貿易の旗手として関係を強化してきました。我が国企業も英国の都市間高速鉄道車両を現地生産し、自動車メーカーも英国に欧州向けの部品の生産拠点を置いています。  このように強い日英関係があるからこそ、英国のEUからの離脱は様々な影響を与えかねません。英国のTPP参加模索を報じた報道もありますが、いずれにしても、英国とEU、双方の状況を見ながら、英国が我が国との経済連携の枠の外とならないようにすることが不可欠であると考えます。  そこで、EUからの離脱に向けた英国の対応を踏まえながら、どのように英国と緊密かつレベルの高い経済枠組みを維持、構築していくのか、河野外務大臣にお伺いをし、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
  6. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) EPA及びSPAの外交上の意義についてお尋ねがありました。  両協定は、日EU関係を新たな次元に引き上げる歴史的なものです。  日EU・EPAは、世界で保護主義的な動きが広がる中、日本とEUが貿易自由化を力強く前進させていくとの揺るぎない政治的意思を示す戦略的意義を有するものです。  日EU・SPAは、民主主義、法の支配、人権及び基本的自由という価値及び原則を共有する我が国とEU及びEU構成国が、将来にわたる相互の戦略的なパートナーシップを強化していくための法的基礎となるものです。  今後、価値及び原則を共有するパートナーであるEUとの関係をあらゆる分野で力強く発展させ、共に自由貿易の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄に貢献していく考えです。  EU離脱後の英国との間の将来の経済枠組みについてお尋ねがありました。  英国のEU離脱後の両国間の経済関係の強化のため、日英の首脳間で一致したとおり、日EU・EPAの規定を踏まえ、日英間の新たな経済的パートナーシップの構築に速やかに取り組んでいきます。  また、政府としては、英国のTPP11参加への関心の表明を歓迎しており、引き続き英国に対して必要な情報提供などを行ってまいります。(拍手)    〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
  7. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 堀井議員から、日EU・EPAの貿易面でのメリット、我が国経済への効果、そして、このチャンスを生かすための政策についてお尋ねがありました。  日本とEUの貿易関係は、これまで、日本側が有税品目が三割、EU側の有税品目は七割という言わばアンバランスが存在しておりましたが、EU側は、協定発効と同時に九六%、最終的には九九%の関税が撤廃されることとなり、我が国にとって輸出拡大の効果が期待されます。  また、経済効果については、まず、貿易投資が拡大することで我が国の生産性が高まり、これによって賃金が押し上げられ、労働供給も増加するというマクロ経済全体の効果が見込まれ、この結果、日EU・EPAの発効によって、GDPが五・二兆円、労働力が二十九万人増加すると予測されております。  さらに、日EU・EPAによるチャンスを生かすため、昨年十一月末に改定をしました総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、優れた技術を有する我が国の中堅・中小企業と海外の企業とのマッチングの支援など、きめ細かな施策を実施することで、日本の中堅・中小企業、農林水産業の海外展開や国内産業の高度化につなげていきます。(拍手)    〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
  8. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 堀井議員の御質問にお答えいたします。  日EU・EPAを生かした農林水産物等の輸出についてお尋ねがありました。  日EU・EPAにより、EUへ輸出される日本の農林水産物・食品の関税は、輸出重点品目である水産物、緑茶、牛肉などを含め、ほとんどの品目で即時撤廃されます。この機会を捉え、今後、牛乳や卵を原料とした菓子などを含めて、EUの高所得市場における日本産農林水産物・食品のPRや、バイヤー招聘、展示会への出展支援などを戦略的に行い、輸出拡大に力を入れてまいります。  日EU・EPAの対策についてのお尋ねがありました。  我が国農林水産業は、TPP11や日EU・EPAにより新たな国際環境に入ることから、これに対処するため、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、協定発効を待たずに生産コストの低減や品質の向上等を実現するための体質強化対策を講ずるとともに、協定発効に合わせて経営安定対策を充実させるなど、万全の国内対策を講じています。  引き続き、日EU・EPA発効後の動向も踏まえながら、意欲ある農林漁業者の方々が安心して再生産できる環境をしっかりと確保し、強い農林水産業の構築に全力で取り組んでまいります。(拍手)     ─────────────
  9. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 牧山ひろえ君。    〔牧山ひろえ君登壇、拍手〕
  10. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会の牧山ひろえです。  会派を代表しまして、この度議題となりました日EU間のEPA及びSPAについて、政府に質問いたします。  まず、総論としまして、EPAやFTAは、自由貿易の促進拡大による経済的メリットや協定国間の信頼関係の熟成などの政治的メリットが見込まれるケースでもあり、それ自体については我が国にとっても有益となり得るものと、その意義と必要性は否定はしません。  しかし、EPA、FTAの内容としまして、日本の国益が守られているか、日本の真の国益にかなったものであるのかという観点は厳しく問われなければなりません。今回の協定については、政権の点数稼ぎのための早期の締結ありきで、日本側が日本の経済界や市民の利益を代表して最後の最後まで粘り強くぎりぎりの交渉をし、日本のために最善の好条件を勝ち取ったという形跡は乏しいのです。  国益が守られているか疑わしいのは、最近の北方領土交渉でも変わりません。河野大臣、北方領土は我が国固有の領土です。ですのに、河野外務大臣は、最近、四島の帰属の問題を解決しという言葉を言わなくなり、領土問題を解決しと言い換えているようですが、それはなぜでしょうか。  以下、EUと協定について具体的に質問いたします。  今回の交渉について安倍内閣は、TPP交渉のように秘密保持についての特別な約束があったわけでもないのに、情報公開について非常に消極的でした。国内農林水産業やEUに進出する我が国企業などに及ぼす影響等を判断するのに必要な説明責任及び情報提供を政府は果たしてきておりません。結果、締結された協定が我が国の国益を守り得る内容となっているか疑問を抱かざるを得ません。  政府においては、参議院審議に臨むに当たり、これまでの姿勢を省み、都合の良い情報だけではなく、問題点や課題にも真摯に向き合い、国民の懸念に十分に応える誠意ある対応をすべきと考えますが、外務大臣、政府の決意をお聞かせください。  そもそも、安倍外交の特徴として、非常に閉鎖的、秘密主義的な傾向が強く、政府、外務省のみによる独占的な外交の弊害が顕著にあります。今回のEUとの交渉もそうですが、日本外交は国民世論を背景にしていません。国民から信頼され、世論の強い支持を背景にしてこそ強い外交力を発揮することができるのではないでしょうか。そのためにも、あらゆるステークホルダーを巻き込んで議論を尽くし、公開性、透明性を守りながら国益を守ることを第一義に進めていくことを日本の外交交渉の原則とすべきと考えますが、外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。  本協定において我が国は、TPPを上回る政府調達市場の開放を約束しました。具体的には、都道府県及び政令指定都市に加え、人口二十万人以上の中核市による調達について新たにEU事業者の参加を認めることとしております。今後、これらの入札にEU事業者が参入することによって地元の中小企業の仕事が奪われることになるのではないでしょうか。また、公共事業にもEU企業が参入するようになると、社会インフラも低価格競争にさらされる可能性が高まるのではないでしょうか。これらの調達市場についてTPPを上回る開放を約束した理由と併せて、総務及び外務大臣の答弁を求めたいと思います。  また、国際入札の手続に対応しなければならなくなる中核市の負担については、どのような支援をお考えなのでしょうか。現在五十四ある中核市については、年々その数が増加しており、中核市への移行を検討している都市も複数あるなど、将来的には対象都市が拡大していくことが見込まれます。政府は、今後、我が国の政府調達市場の一層の開放が進み得る状況をどのように認識しているのでしょうか。実際の影響見込みも併せ、総務大臣の見解を伺います。  我が国の食料自給率は、四割を下回る状態から一向に回復せず、平成二十九年には三八%に落ち込みました。農林水産分野の体質強化対策や経営安定対策が実施されてきたにもかかわらず、生産基盤の弱体化、国産シェア低下が続いている理由は何でしょうか。そもそも、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおける関連対策を始めとして、農林水産分野の自由化が行われるたびに行われてきた国内対策がどのような効果を発揮したのかについての分析、そして、想定どおりの効果を発揮した事例はどの程度あるのかという点も含め、御答弁をください。  また、EPA、TPP11を受けて、日本の食料自給率はどのような影響を受けると分析されるのでしょうか。普通に考えて、このままEPAやTPP11を進めれば、食料自給率の更なる低下を招き、食料安全保障上問題と考えますが、農水大臣の御見解を伺いたいと思います。  今回のEPAでは、EUが競争力を持つチーズやワイン、パスタ、菓子といった加工品でもTPP以上に譲歩しています。このTPP以上の譲歩の理由を御説明ください。また、このチーズなどに関する今回の大幅な譲歩が、我が国がこれまでに締結した経済連携協定や今後行う協定交渉に与える影響について、見通しをお示しください。  牛肉は、EU加盟国の多くの関心が小さいにもかかわらず、TPP同様九%までの関税引下げを認めています。相手側の関心が低い分野に関しては、安易に先行事例に準拠するのではなく、より国内産業を守る方向での交渉を行うべきだったのではないでしょうか。いずれも外務大臣の御答弁を求めます。  政府の「農林水産物の生産額への影響について」では、TPP及びTPP11の場合と同様に、関税削減などの影響で価格低下による生産額の減少が生じるものの、国内対策の実施などにより国内生産量及び食料自給率が維持されることを前提としています。この前提では、輸入が全く増えない、高齢化や人口減少による消費減少を考慮すれば、むしろ輸入が減ることさえ意味しています。また、品目によって価格低下の幅はそれぞれ異なるのに、結論としてはどの品目でも生産量が維持されるという想定は非現実的としか言いようがありません。  そこで、農林水産大臣にお尋ねしたいと思います。政府の影響試算は妥当な試算になっていないのではないでしょうか。  この件に関し、六月の参議院内閣委員会において、「より精緻なものとなるよう、見直しに努めること。」との附帯決議がなされています。具体的にどのような方向で見直しを行う方針なのか、御説明ください。  また、国内の酪農家の数は、二〇〇七年の二万五千戸から十年後の二〇一七年には一万六千戸と、三六%減少しています。国内生産量は維持されると言いますが、今回のEPAやTPP11によって、この減少速度が加速する、すなわち酪農農家の離農率が高まることはないということでしょうか。農水大臣、見通しを明確にお示しください。  そもそも、国内対策が想定どおりの効果を発揮するということが試算の前提となっています。先ほども申し述べましたように、過去、国内対策は国産シェアの低下を食い止められておりません。  今回の国内対策としては、政府はTPP等関連政策大綱を策定し、前倒しで平成二十七年度から対策予算を計上していますが、競争力強化や経営安定の対策として、この時期の予算措置がどの程度持続的な効果を持つとお考えなのでしょうか。それとも、現在行われている予算確保を始めとする対策が今後にわたって継続する保証があるというのでしょうか。対策とその効果の持続性について、農水大臣のお考えを明確に御説明ください。  結びとしまして、安倍外交の特徴として、自らのレガシーづくりのため、我が国の国益が二の次にしているケースが多い点を指摘させていただき、質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
  11. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 北方領土問題についてお尋ねがありました。  政府の法的立場に変わりはありません。領土問題を解決して平和条約を締結するというのが我が国の基本方針です。この方針に変わりはありません。  日EU・EPAに関し、国民への情報提供についてお尋ねがありました。  政府としては、日EU・EPAに関し、公開できる情報についてはこれまでもしっかりと国民に提供してきています。例えば、これまでに全国で百二十回を超える説明の機会を設けています。  今後も引き続き、参議院での審議はもとより、様々な機会を活用しつつ、丁寧な説明を行っていく考えです。  公開性、透明性を守りながら外交交渉を行っていくことの重要性についてお尋ねがありました。  外交政策を円滑に遂行するに当たっては、国民の理解と支持が不可欠であり、迅速で分かりやすい説明を行うことが重要です。  一方で、一般に、条約交渉に関するものを含め、外交交渉の経緯を開示することは、相手国との信頼関係を損なうおそれがあること、類似の交渉上不利益をもたらすおそれがあることなどから、おのずと制約があります。  政府としては、公開できる情報については、交渉の進展に応じてしっかりと国民に提供してきていると考えており、引き続き、公開性、透明性の確保に努めていく所存です。  政府調達の開放についてお尋ねがありました。  TPPは、WTO政府調達協定を締結していない国が過半を占める複数国間の協定であり、本協定と比較することは適当ではありません。  その上で申し上げれば、共にGPAを締結している我が国とEUは、GPAでの約束を基本とし、双方が市場アクセスの改善を実現しました。例えば、EU側はフランスなどの国レベルの十三の調達機関等を政府調達章の約束に追加することとしました。  日本側は、中核市の一般競争入札による一定基準額以上の調達について、建設サービスを除くものに限り、これまでどおり入札参加者の事業所の所在地を資格要件として定めることを可能としつつ、EUの供給者も参加できるようにするなど、GPAとは異なる特別なルールを適用することとしました。  日EU・EPAにおけるチーズ等の譲許についてお尋ねがありました。  本協定について、政府としては、包括的で高い水準の協定を目指し、農林水産分野のセンシティビティーに配慮しながら、ぎりぎりの交渉を行いました。  その結果、ソフト系チーズは関税割当てにとどめ、ワインは関税を即時撤廃とする代わりにEU側の輸入規制の撤廃を確保し、パスタや砂糖菓子は十年間掛けて段階的に関税を撤廃することとしました。  他方、TPPで国別枠を設定した米は関税削減、撤廃などからの除外としたほか、TPPで関税撤廃したホエーは関税削減にとどめたといった違いがあります。  したがって、全体として、本協定の農林水産分野の譲許内容がTPP以上に譲歩したものとなっているとは考えておりません。  日EU・EPAの交渉結果が、我が国がこれまでに締結した経済連携協定や今後の協定交渉に与える影響についてお尋ねがありました。  日EU・EPAの交渉について、政府としては、包括的で高い水準の協定を目指し、農林水産分野のセンシティビティーに配慮しながら、ぎりぎりの交渉を行いました。その結果、農林水産品の再生産が引き続き可能となる国境措置が確保できたと考えています。  その上で申し上げれば、我が国がこれまでに締結した経済連携協定の中には、御質問の乳製品も対象となる見直しに係る規定を含むものもあります。もっとも、仮に見直しや検討のための協議が実際に行われることとなったとしても、その結果は協議次第であり、何ら予断されていません。  また、我が国が外国政府との間で今後行う協定交渉については、日EU・EPAの影響の有無を含めて、現時点ではお答えすることは困難です。  いずれにしろ、我が国として国益に反するような合意を行うつもりはございません。  日EU・EPAにおける牛肉に関する譲許についてお尋ねがありました。  一般論として、交渉において先方から関心が示されなかった品目について日本側から一方的に譲許を行うことはありません。  本協定について、政府としては、包括的で高い水準の協定を目指し、農林水産分野のセンシティビティーに配慮しながら、ぎりぎりの交渉を行いました。その結果、牛肉については、TPP同様、十五年間掛けて九%までの関税削減にとどめ、またセーフガードを確保しました。(拍手)    〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
  12. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 牧山議員にお答えをいたします。  まず、中核市の調達に関して、地元の中小企業や社会インフラへの影響及び中核市の手続的負担についてお尋ねがございました。  日EU・EPAにおいては、中核市の一定の入札に限って、WTOにおいて都道府県及び指定都市に適用されているルールとは異なる特別なルールを適用することとなっております。  具体的には、建設工事は対象とせず、物品、サービスの調達を一般競争入札で行う際、これまでどおり入札参加者の事務所の所在地を資格要件として設定することを可能としつつ、EU所在事業者も参加できるとするものであります。これは、地方公共団体の意向にも配慮したものでありまして、地域経済への影響も極めて限定的にとどめる内容となったと考えております。  また、都道府県及び指定都市に適用されている英語による公告や公告期間を四十日以上確保することなどのルールについても適用しないこととしており、手続的負担についても配慮しているところであります。  次に、中核市数の増加に伴い、開放が進み得る状況への認識及びその影響見込みについてのお尋ねがございました。  現在、WTO上のルールが適用されている都道府県及び指定都市の一般競争入札においても、国外所在事業者が落札、受注した実績は極めて限られております。  さらに、中核市の調達については、引き続き入札参加者の事業所の所在地を資格要件として設定することを可能としておりまして、中核市の数が増加した場合であっても、地域経済への実際の影響は極めて限定的だと考えております。(拍手)    〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
  13. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 牧山議員の御質問にお答えいたします。  農林水産業の現状についてお尋ねがありました。  我が国の農林漁業については、これまで様々な施策を展開してまいりましたが、担い手の減少や高齢化の進展、耕作放棄地の増加など、厳しい状況にあります。その要因として、食生活が変化する中で需要に応じた生産が円滑に進まなかったこと、担い手への農地集積など構造改革が遅れたこと、農産物等の価値が低迷する中で高付加価値化が実現できなかったことなどの事情があったと認識しています。  こうした状況を克服し、我が国の農林水産業の成長産業化を実現するため、安倍内閣では、米政策の見直し、農地集積バンクの創設、輸出促進や六次産業化の推進など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてきています。この結果、生産農業所得が過去十八年で最高となり、四十代以下の新規就農者が四年連続で二万人を超え、輸出も大きく伸びるなど、着実に成果が現れ始めています。  引き続き、農林水産業の成長産業化の実現に向け、多様な政策を実施してまいります。  国内対策の効果についてお尋ねがありました。  ウルグアイ・ラウンド農業合意を受け実施した関連対策については、農地の大区画化等の支援により、事業実施地区において、担い手の経営規模が二・五倍拡大し、稲作労働時間が約六割縮減するなど、一定の効果を上げたものがありました。  一方で、集落排水施設などの生活環境改善事業や温泉施設などの交流促進施設の整備事業など、農業の競争力強化になじまない施策も実施されたとの指摘もありました。このため、総合的なTPP等関連政策大綱に基づく国内対策については、農林水産業の体質強化に真に必要となる施策を講ずるとともに、協定発効に合わせて経営安定対策を充実させることとしています。  引き続き、実績の検証等を行いながら、万全の対策を講じます。  食料自給率についてお尋ねがありました。  平成二十九年十二月に公表した日EU・EPAやTPP11の定量的な影響試算においては、国内農林水産物の生産額への影響と併せて、食料自給率への影響もお示ししました。  試算の結果、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じるものの、国内対策により国内生産量が維持され、食料自給率の水準は、平成二十八年度カロリーベースで三八%という水準と同程度になると見込んだところです。  このように、日EU・EPAやTPP11は食料自給率に特段の影響を与えるとは考えておりませんが、政府としては、食料自給率の向上に向け、引き続き各般の施策を総合的に講じてまいります。  農林水産物の影響試算についてお尋ねがありました。  農林水産省の試算は、重要品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保したという日EU・EPAの合意内容を踏まえ、個別品目ごとに、国産品と輸入品の競合関係や国内対策の効果等も考慮しながら、子細に検討したものです。その結果、国内生産額は減少するものの、体質強化対策などの国内対策により、引き続き農家所得が確保され、国内生産量が維持されると見込んだものであり、妥当なものと考えています。  なお、TPPの経済効果分析については、参議院内閣委員会で附帯決議が行われ、他のTPP参加国における試算例や各県の試算例も参考として見直しに努めるとされたところであり、農林水産省としては、この決議の趣旨を踏まえつつ、試算例についての情報収集等を行っているところです。  酪農家の離農率についてのお尋ねがありました。  乳製品の合意結果においては、関税割当てやセーフガード等の措置を獲得し、かつ万全の国内対策を講ずることとしており、日EU・EPA等の合意のみにより、離農が加速化するとは考えておりません。  しかし、高齢化や後継者問題により、酪農家戸数が減少しており、職業としての酪農の魅力を高め、後継者による継承や新規参入が円滑に進むよう、引き続き各般の施策を行ってまいります。  総合的なTPP等関連政策大綱に基づく対策についてのお尋ねがありました。  我が国農林水産業は、TPP11や日EU・EPAにより、新たな国際環境に入ることから、これに対処するため、政策大綱に基づき、万全の国内対策を講ずることとしております。具体的には、生産コストの低減や品質の向上等を実現するための体質強化対策を講ずるとともに、協定発効に合わせて経営安定対策を充実させることとしております。  これまで数次にわたり予算を計上し、対策を講じているところですが、政策大綱において、対策の財源について政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保するとされており、これに沿って農林水産業の競争力強化と経営の安定を図ってまいります。(拍手)     ─────────────
  14. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 藤田幸久君。    〔藤田幸久君登壇、拍手〕
  15. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 国民民主党・新緑風会の藤田幸久です。  私は、会派を代表して、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件について、関係大臣に質問いたします。  まず、河野外務大臣、あなたは日本の国益を守る外務大臣であるのか伺います。  次に、吉川農林水産大臣、茂木経済再生担当大臣にも同じ質問にお答えいただきたいと思います。  以下、国益を守る大臣であるという答弁を各大臣から期待しつつ、質問いたします。  まず、九月に日米首脳会談で合意された日米貿易協定を、日本政府が日米物品貿易協定、TAGという勝手な造語を作成して表現したことを安倍首相自身が認めました。つまり、これは実質的な自由貿易協定、FTAであることを隠す必要があることを自ら暴露してくれた意義があると思います。  また、政府は、この首脳会談後の日米共同声明に言う過去の経済連携協定の中に日EU・EPAが含まれることも国会答弁で認めました。日EU・EPAでは、ソフト系チーズ、ワイン、林産物などでTPPを上回る自由化を約束しています。政府は、日米貿易協定交渉において、個別の品目ではTPP以上の市場開放の可能性を認めましたが、TPPと日EU・EPAに加え、米国との間でもTPP以上の自由化を約束すれば、国内農林水産業はもはや持続不可能な状況になると思われますが、農水大臣の見解を伺います。  TPP以上の譲歩はないと繰り返してきた安倍総理や茂木大臣の答弁はうそだったのでしょうか。また、EU側から非関税措置の撤廃要求リストが出されたとも言われていますが、その事実関係もお答えください。  昨日、日米首脳会談でF35B戦闘機の押売が確認されましたが、今後の交渉において、少なくてもこれまでの約束は守り、TPP以上の市場開放は絶対にあり得ないと断言できないのでしょうか。経済再生担当大臣の答弁を求めます。  日EU・EPAには、特定の農林水産品について、各締約国が第三国にこの協定よりも有利な待遇を与えた場合における見直し規定が盛り込まれました。しかも、特定の農林水産品として、日本は、重要品目である牛肉・豚肉、乳製品等を含む多数の農林水産品を掲げています。なぜ農林水産業の存亡に関わるこの規定を盛り込む必要があったのですか。農林水産大臣は日本の農林水産業を守る大臣ではないのですか。  日本EU・EPAでは、ソフト系チーズにおいて国産チーズの価格が低下し、生産額は最大二百三億円も減少すると試算されています。チーズの生産減少は生乳生産も直撃するという構造にあり、生産基盤の弱体化が止まらない状態にある日本の酪農は極めて深刻な事態に陥ります。日本の酪農を守るために政府はどういう具体策を取るのか、農水大臣の答弁を求めます。  日本は、EUが参入障壁としてきた鉄道分野の安全注釈の撤廃を約束しました。これまで安全面を理由に制限することが認められていた鉄道車両や線路等の物品の国際入札にEUの企業が参加することとなり、日本の鉄道市場は完全に開放されます。さらには、日EU・EPAとは別に、鉄道に関する日本国政府と欧州委員会との間の書簡が作成されています。これらは、世界に誇る日本の鉄道の安心、安全の基盤を損なう合意でありませんか。外務大臣の見解を求めます。鉄道に関して、日本はこれ以上何を譲る可能性があるのですか。外務大臣の答弁を求めます。  日EU戦略的パートナーシップ協定は、日本とEU及びEU構成国との間において、政治、安全保障、経済等の幅広い分野における協力を促進するもので、しかも、これまでの協力とは異なり、拘束力を有する国際協定です。  しかし、協定に規定された四十分野にもわたる協力事項は、対話の促進、意見交換の促進など漠然と記載されているのみであり、協力事項の実効性がどの程度担保されるのかは不明です。  協定により設置される合同委員会等の場で具体的な協力事項が検討されるとのことですが、私は日米合同委員会を想起せざるを得ません。日米安保条約という条約以上に不平等とも言える日米地位協定が君臨し、その具体的内容を国会の関与もなく、日米双方の官僚同士で決定できる全権委任的な存在です。この日EU合同委員会に対する国会の関与と報告、ガバナンスと透明性の確保を担保するよう外務大臣に求めます。  本年十月、米国のウィルバー・ロス商務長官は講演の中で、米国、カナダ、メキシコによる新NAFTA、いわゆるUSMCAに中国等のいわゆる非市場経済国との貿易協定の締結を阻止する毒薬条項、ポイズンビルを盛り込むと述べました。カナダやメキシコが中国との自由貿易協定を締結すれば米国がUSMCAから脱退するという規定です。さらに、ロス商務長官は、日本との貿易協定にも毒薬条項を盛り込みたいと述べました。この内容は日本側に伝えられているのか、外務大臣の答弁を求めます。  もし盛り込まれれば、現在日本が交渉を進めているRCEP、東アジア地域包括的経済連携には中国が含まれており、米国に日本の対中貿易を支配されることになりませんか。外務大臣の認識を伺います。  山田外務大臣政務官は、先日、米国閣僚の発言についてコメントすることは差し控えますと、傍観者のような答弁をしました。日本の国益を著しく損なう外国閣僚の公開の場の発言に対しては、速やかに抗議するか懸念を表明すべきではないでしょうか。ウラジオストクでロシアのプーチン大統領による領土問題抜きの平和条約締結発言を安倍総理が否定しなかったことによって、安倍総理がプーチン発言を容認したと受け止められたのと同じではないでしょうか。外務大臣の答弁を求めます。  日産自動車のカルロス・ゴーン会長の逮捕が国際問題ともなっています。グローバル企業の会長が逮捕されたことは大変残念であり、企業のコーポレートガバナンス体制の整備を早急に進める必要があります。  他方、ルノーの大株主であるフランス政府は、ルノーによる日産自動車支配強化を求めていると言われます。政府は、この問題の存在についていつ把握したのか、またフランス政府とどのような対応を行っているのかを答弁を求めます。G20における安倍総理とマクロン大統領との会談の内容についても答弁いただきたい。  日EU・EPAには、日本が締結するEPAでは初めてとなるコーポレートガバナンス章が設けられましたが、日本企業のコーポレートガバナンスに関する何らかの見直しを求められるのか、経済産業大臣に答弁を求めます。  十一月二十日、国連総会第三委員会で、小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言、いわゆる小農の権利宣言が採択されました。家族経営などの小規模農家の価値と権利を明記し、加盟国に対して、小農の評価や財源確保、投資などを促すとともに、食料の安定生産に向けた種子の確保や協同組合への支援を呼びかけています。日本はこの宣言の採択を棄権していますが、その理由を外務大臣に伺います。  日本も、農業の規模拡大のみを追うのではなく、家族農業などの小農の役割と価値を正しく評価し、大規模農家と小農でバランスの取れた農業を目指すことが農業の安定と発展に寄与すると考えますが、農水大臣の見解を伺います。  一連の経済連携協定は、新自由主義やマネーゲームが闊歩する環境整備の要素が極めて強く、食料自給、農林水産業を含めた国の在り方や命や安全を失うおそれが極めて高いものです。この国連宣言に盛り込まれた方向こそが日本の進むべき道ではないかと思います。  日本を売り渡す安倍政権から真に日本を取り戻すために今後も闘う決意を述べ、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
  16. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) 私が国益を守る外務大臣であるかについてお尋ねがありました。  当然のことながら、外務大臣として国益の増進に全力を尽くしています。  鉄道分野におけるいわゆる安全注釈及び鉄道に関する日本国政府と欧州委員会との間の書簡についてお尋ねがありました。  日EU・EPAの政府調達分野における合意内容及び御指摘の書簡、いずれも鉄道分野に関する国内の安全基準を変更するものではありません。EUの事業者にも我が国の安全基準への適合が求められます。  御指摘の書簡は、鉄道市場における主要プレーヤーである日本とEUの良好な協力を促進することを目的とするものです。鉄道に関して新たな市場アクセス等を約束するものではありません。  SPAに基づいて設置される合同委員会への国会の関与等についてお尋ねがありました。  日EU・SPAの下で設置される合同委員会は、SPAによって構築されるパートナーシップを調整すること、SPAの適切かつ効果的な実施を確保すること、SPAの解釈、適用又は実施から生ずるあらゆる紛争の解決に努めることなどを任務としています。  このような合同委員会における議論について逐一国会にお諮りすることや報告することは考えていませんが、政府として、合同委員会の適切な運営に努めるとともに、その議論の内容については、必要に応じ適切に国会を含む国民の皆様に説明し、透明性を確保していく考えです。  米国・メキシコカナダ協定における非市場経済国との自由貿易協定締結に関する条項と日米物品貿易協定交渉等についてのお尋ねがありました。  御指摘のロス商務長官発言に関する報道は承知しておりますが、米国閣僚の逐一の発言に関する報道についてコメントすることは差し控えます。  また、米国との交渉は、今後、茂木大臣とライトハイザー通商代表の間で行われることになりますが、今後の米国との交渉を予断した質問にお答えすることは差し控えます。  いずれにしろ、RCEPについては、我が国としては、包括的でバランスの取れた質の高いRCEP協定の二〇一九年の妥結を目指し、引き続き精力的に交渉を進めていく考えです。  なお、御指摘のプーチン大統領の発言全体の中には、様々な意味が含まれています。安倍総理は、フォーラムという公開の場で交渉の一部となるようなやり取りを行うことは適当ではないと考え、終了後直ちに、プーチン大統領に対し、領土問題を解決して平和条約を締結するというのが引き続き我が国の基本的な立場であることを伝え、突っ込んだやり取りを行ったと承知しています。  国連総会第三委員会における小農民の権利宣言への対応についてお尋ねがありました。  政府としては、小農民及び地方で働く人々の人権保護すること自体は重要であると認識しています。  他方、本件決議への対応については、これまで、人権条約などにより定められてきた人権に加えて、新たに小農民に特化した個別の権利を確立するべきか否かについては、国際社会において意見が収れんしていないこと、また、これらの人々の人権保障するためには既存の人権メカニズムを活用することが効果的であることとの考え方から、フランスドイツイタリアなど四十八か国とともに棄権票を投じました。(拍手)    〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
  17. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 藤田議員の御質問にお答えいたします。  私が国益を守る大臣であるかについてのお尋ねがありました。  農林水産業は国の基であります。農林水産業の再生産を将来にわたって確保していくことが国益を守ることであるとの認識の下、農林水産大臣として全力で取り組んでまいります。  日米物品貿易協定交渉についてのお尋ねがありました。  日米共同声明では、農林水産品については、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限との日本側の立場が明記されました。また、農林水産品について最も水準が高いものはTPPであると理解しています。  農林水産省としては、日米共同声明を大前提に、将来にわたって我が国の農林水産業の再生産が確保されるよう最大限の努力をしていく考えです。  日EU・EPAの見直し規定についてのお尋ねがありました。  日EU・EPAにおいては、日豪EPAやTPPと同様、関税撤廃の例外とした一部品目などについて見直し規定を設けています。この見直し規定に基づき検討を行う場合にあっても、その結果が予断されているものではなく、この規定によって我が国の農林水産業の再生産が危うくなるものとは考えていません。  いずれにしても、農林水産省としては、将来にわたって農林水産業の再生産が確保されるよう最大限の努力をしていく考えです。  日EU・EPAの発効により影響を受ける酪農に対する対策についてお尋ねがありました。  政府においては、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、生産コストの削減や品質向上など酪農の体質強化対策及び経営安定対策に加え、特にチーズについては、国産チーズの競争力の強化を図るため、チーズ向け原料乳の高品質化、チーズ工房等の施設整備、国産チーズの品質向上、ブランド化等に関して支援するなど、万全の対策を講じているところです。  引き続き、酪農家の方々の不安や懸念を払拭し、新たな国際環境の下でも安心して再生産に取り組めるよう対応してまいります。  家族農業についてのお尋ねがありました。  家族農業経営は我が国農業経営体の約九八%を占めており、今後ともその健全な発展を図っていくことが重要であると考えています。  このため、意欲と能力のある農業者であれば、経営規模の大小、家族農業か否かの別にかかわらず、地域農業の担い手として幅広く支援しております。また、日本型直接支払制度により、草刈りや水路の管理などの地域の営農継続等に必要な支援を行っております。  これらの取組を総合的に推進することにより、多様な農業者の意欲的な取組を後押ししてまいります。(拍手)    〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
  18. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 藤田議員から、私の大臣としての責任についてお尋ねがありました。  重い責任を負っていると考えております。  私は、これまでのTPP11協定の交渉やこれから開始をされる日米物品貿易協定の交渉責任者として、また、本日議題となっている日EU・EPAの国内対策の取りまとめを行ってきた責任者として、常に国益を最優先してきました。  今後とも、国益に沿った交渉、対策を進めてまいります。  次に、日EU間における非関税措置の分野のやり取りについてお尋ねがありました。  日EU・EPA交渉では、EU側が一方的に非関税措置の撤廃要求リストといったものを出し、日本がそれに応えるといった形ではありませんでしたが、日本とEUが非関税措置に関する双方の関心事項については議論をしてきました。  その結果、非関税措置に関する日EU双方の約束が、日EU・EPAの自動車及び部品に関する附属書、日本の焼酎の輸出促進に関する附属書等に定められております。  次に、日米物品貿易協定交渉における農林水産品の扱いについてお尋ねがありました。  農林水産品については、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であるとの日本の立場が、九月の日米共同声明に明記をされました。そして、過去の経済連携協定で最大限のものはTPPであると考えており、その旨も米側に説明をしております。  さらに、我が国としては、最終的にもこの立場を維持する旨を米国に対して明確に伝えているところでありまして、農業者の方々にも御懸念がない形で今後の交渉を行える環境を整えることができたと考えております。  いずれにせよ、我が国として、いかなる国とも国益に反するような合意を行うつもりはありません。  次に、日産自動車問題とコーポレートガバナンスについてお尋ねがありました。  フランス政府がルノーに対して日産への関与についてどのようなことを求めているか、日本政府として承知しておりませんが、フランス政府とは、世耕経済産業大臣が十一月二十日と二十二日にフランスのルメール経済・財務大臣と会談を行った際に、日本政府とフランス政府は、日産、ルノーのアライアンス、また協力関係を維持していくという彼らの共通の意志に対してしっかりサポートすることを再確認しております。  また、十一月三十日、G20ブエノスアイレス・サミットの際に安倍総理とマクロン大統領が会談を行い、日産、ルノー、三菱自動車間のアライアンスについて、安定的な関係を維持していくことが重要との点で一致したと承知をいたしております。  日EU・EPAのコーポレートガバナンス章では、両国の既存の制度を踏まえ、コーポレートガバナンスに関する一般原則や株主の権利、取締役会の役割等の基本的要素について規定しております。これらは、我が国企業のコーポレートガバナンスについての制度変更や運用の見直しを必要とするものではありません。(拍手)     ─────────────
  19. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 井上哲士君。    〔井上哲士君登壇、拍手〕
  20. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  会派を代表して、日欧経済連携協定、EPA、日欧戦略的パートナーシップ協定、SPAについて質問します。  まず、日米通商協議についてです。  米国第一主義を掲げるトランプ政権が一方的な制裁をちらつかせて日本と二国間FTAを結びたいと迫る中、安倍政権は、日米間の通商協議、FFRに応じました。  この協議について、六月の本会議での私の質問に、茂木大臣は、FTA交渉でもなければその予備交渉でもない、双方の利益となるような様々な成果が考えられると答弁しました。  ところが、結果はどうか。本年九月、米国との二国間貿易協議の開始に合意しました。米国は、物品貿易のみならず、非関税障壁など他の貿易、投資に関する事項でも二国間交渉を認めさせる成果を手にしましたが、日本は一体どのような成果を得たのですか。  トランプ大統領は、車にすごい関税を掛けると言ったら日本はすぐに交渉を始めたいと言ってきたと経過を明らかにしています。交渉中は自動車に対する制裁を回避できたことを成果だというのですか。それは、一方的な圧力に屈したことを成果だと誇るに等しいではありませんか。認識をお聞きします。  日米の合意内容のうち物品交渉だけを切り出して、TAGなる造語を掲げ、あくまでFTAでないと言い張ることは、国民に対するごまかしであるのみならず、世界に通用するかが問われます。WTOの最恵国待遇の原則では、特定の国だけの関税を撤廃することはできません。その唯一の例外が自由貿易協定です。  そこで聞きますが、FTAでないというのならば、日米交渉で米国に約束する内容は、最恵国待遇の原則に従い、全てのWTO加盟国に認めるのですか。日米交渉の結果がWTOに整合するかどうかを予断できないというのならば、FTAでないと言い張るのはやめるべきです。  以上、茂木大臣の責任ある答弁を求めます。  次に、日欧EPAについてです。  日欧EPAは、農産品の八二%の関税撤廃を約束するものであり、日本の農業に大きな打撃を及ぼすことが懸念をされる内容となっています。中でも、政府が農産物のうち重要としてきた米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖の五項目について見ると、米こそ除外したものの、その他の品目では、パスタ、チーズなどEUの強い分野でのTPP水準以上の譲歩を行うことを含めて、関税撤廃又は大幅削減を行うものとなっています。  この結果を見れば、日豪EPA、TPPに続いて、守るべきものは守るとしてきたものは全く守られていないと言うべきではありませんか。  日欧EPAが農産物、加工食品の輸入と国内生産にどのような影響を及ぼすかは、生産者のなりわい、生産地域の将来を左右する問題であり、消費者も含めて当然の関心事です。ところが、その影響に関する政府の試算には大きな疑問を持たざるを得ません。  欧州委員会は、二〇一八年七月に公表したファクトシートにおいて、日本とのEPAの締結により、加工食品の対日輸出は、五一%、十億ユーロ、約千三百億円増加するとし、特に乳製品の輸出については、実に二一五%、七億二千九百万ユーロ、約九百四十八億円増加するとの試算を明らかにしています。ところが、日本政府の影響試算では、乳製品の国内生産の減少額は最大でも二百三億円とされています。両者の試算は全く懸け離れたものとなっており、日本政府の試算は余りにも楽観的過ぎるとの指摘が出ています。この声に一体どう答えるのですか。  乳製品の生産額への影響は、キログラム当たりの単価でどうなるのですか。乳製品の輸入が欧州委員会のファクトシートが示す水準の増加になった場合でも、国内生産の減少額が政府の試算にとどまるのですか。だとすれば、国内市場の規模そのものの拡大を見込んでいるのですか。その場合、具体的な金額は幾らなのですか。生産者にとっては死活問題です。明確に答えていただきたい。  国内の乳牛飼育戸数は二〇一一年の二万一千戸から一万五千七百戸まで減少し、乳牛頭数も大きく減りました。日欧EPAは、国内の酪農に一層深刻な打撃となることは避けられないのではないですか。  政府は、EU向けの農林水産品のほぼ全品目で関税が即時撤廃されると、あたかも日本からEUへの農林水産物輸出が期待できるように説明しています。しかし、EUが設ける動物検疫等により、日本から輸出が禁止されている品目が少なくありません。その品目を具体的にお答えください。  政府は、輸出解禁に向けて協議中としていますが、農水大臣は十月二日の会見で、まだまだ輸出が可能な状況となっていないと述べています。状況はどう変わっているのですか。  以上、農水大臣の答弁を求めます。  日欧SPAは、共通の関心事項に関する政治的な協力、四十に及ぶ分野別協力、共同行動を促進することにより、パートナーシップを強化することを目的として枠組みを設けるものです。  外務省は、具体的な協力の在り方について、今後双方にて検討するとしています。重要なことは、コップが立派かどうかではなくて、コップにどんな水を入れるのか、つまり、どのような協力を実際に協議するようになるのかということです。  SPAは、外交及び安全保障に関する政策について、相互の関心事項について、対話及び協力によりパートナーシップを強化することを想定しています。  安倍政権は、二〇一三年十二月に策定した国家安全保障戦略で、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場を掲げ、欧州を共に主導的な役割を果たすパートナーと位置付け、我が国の政策を実現していくために、EU、NATO、OSCEとの関係を強化するとの方針を明示しました。  これに照らせば、本協定は、安倍内閣の積極的平和主義に基づく外交安全保障の施策を後押しするものになるのではないですか。  EUとの間で、安全保障分野でどのような関心事項に基づき、いかなる協力を協議するつもりなのか。あわせて、日EU間の協力に地理的な範囲はあるのか、具体的に説明をしていただきたいと思います。  EUは、共通安全保障・防衛政策、CSDPに基づいて、軍及び文民による作戦能力を用いて、域外における平和維持、紛争予防、国際的な安全保障の強化に当たるCSDPミッションを設置し、昨年までに軍事作戦十三件を含む三十五件を実施しています。  EUは域外国との間で、CSDPミッションに要員、装備等の提供を受けるための参加枠組み協定、FPAを結んでいますが、外務省としてどの国と結んでいると承知していますか。  EUの駐日代表部の広報誌では、日本にもFPAの締結を提案をしたことを紹介をしています。日本政府はこの提案にどう臨んでいるのですか。  SPA協定によって設立されることとなる合同委員会は、FPAの締結についても協議を行うことになるのですか。  以上、外務大臣に明確な答弁を求めます。  日欧EPAは、国民生活、とりわけ農業、酪農に大きな影響を与えるにもかかわらず、衆議院では野党が求めた連合審査も行われずに採決をされました。参議院では、連合審査も含めた徹底した審議を強く求めて、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
  21. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日EU・SPAと積極的平和主義の関係についてお尋ねがありました。  本協定においては、国際及び地域の平和及び安全を促進するための協力や、テロ等国境を越える脅威に対する協力などを規定しており、日EU間では、今後更なる協力を追求していく考えです。  我が国は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、本協定の下でのEUとの協力をも通じて、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していきます。  EUとの安全保障分野における協力についてお尋ねがありました。  日EU間では、安全保障分野において、これまでに、日本の経済開発援助とEUの共通安全保障・防衛政策ミッションとの連携や、海賊対処活動における共同訓練の実施といった協力が行われてきています。  今後、このような実績も踏まえつつ、相互の安全保障上の関心事項について、更なる協力の在り方を適切な形で検討していく考えです。  日EU間の協力の地理的な範囲についてのお尋ねがありました。  本協定は、日EU間の将来にわたる協力の在り方や方向性を規定するものですが、平和及び安全の促進の分野等における協力について、地理的な範囲は特段設けられていません。  EUが域外国と締結している共通安全保障・防衛政策ミッションの参加枠組み協定についてのお尋ねがありました。  EUの公開情報によれば、EUは、これまで、米国、カナダ、韓国、豪州、アルバニア、ジョージア、アイスランド、ノルウェーなど、合計十八か国との間でCSDPミッションの参加枠組み協定を締結しているものと承知しております。  EUとの参加枠組み協定の締結についてのお尋ねがありました。  我が国は、これまで、EUとの間で将来的な共通安全保障・防衛政策ミッションへの参加の可能性について議論を行ってきています。同ミッションへの参加を検討するに当たっては、派遣の枠組み、派遣ニーズ、我が国の提供し得る専門性や派遣可能性など、様々な点を検討する必要があります。  いずれにしろ、現時点では、参加枠組み協定の締結を含め、同ミッションへの将来的な参加については何ら決まっておりません。  日EU・SPAの下で設置される合同委員会による参加枠組み協定に関する協議についてのお尋ねがありました。  現時点で、参加枠組み協定の締結を含め、EUの共通安全保障・防衛政策ミッションへの将来的な参加については何ら決まっておりません。また、合同委員会は、本協定によって構築されるパートナーシップを調整することなどを任務としていますが、その個別具体的な活動の内容については、現時点で何ら決まっておりません。(拍手)    〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
  22. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 井上議員から、九月末の日米合意の成果についてお尋ねがありました。  九月末の日米合意は、日米交渉の最終的成果というより、今後、日米交渉を進めるに当たっての基本的枠組みやお互いの立場を確認したもので、具体的交渉はまさにこれからであります。  また、物品貿易以外で何を対象とするかについては、私とライトハイザー通商代表との間で今後交渉し、合意したもののみが入ることになるので、現時点では何ら決まっているものはありません。  いずれにしても、我が国として、いかなる国とも国益に反するような合意をするつもりはありません。  次に、自動車に対する追加関税の回避についてお尋ねがありました。  九月の日米合意では、日米は今後、信頼関係に基づき議論を行うこととし、協議が行われている間は共同声明の精神に反する行動は取らないことで合意をいたしております。これは、我が国の自動車に米国通商拡大法二三二条に基づく追加関税が課されることはないという趣旨であり、この点は首脳会談でも安倍総理とトランプ大統領との間で直接確認しているものであります。  国益を懸けた具体的な交渉はまさにこれからでありますが、交渉のスタートに当たり、首脳間でこのような確認をすることができたことは大きな意義があると考えております。  次に、日米物品貿易協定の性格及びWTOとの整合性についてお尋ねがありました。  日米物品貿易協定の交渉は、基本的にグッズ、物品を対象とするものであります。その上で、これと併せて、早期に結論が出るものについても交渉することで合意いたしましたが、これは、例えば通関手続など貿易円滑化に関する措置など、物品貿易と同じタイミングで結論を出せるものに限定されると考えております。したがって、今回の合意は、これまで我が国が結んできた多くの経済連携協定とは異なり、サービス貿易全般をカバーするFTA、さらには、ルール分野も含む包括的FTAを前提とした合意ではありません。  米国との交渉は今後行われるものであり、その結果について現時点で何ら決まっているものはありませんが、国益に沿った形でしっかりと交渉を進めてまいります。その上で、我が国として、いかなる貿易協定もWTO協定と整合的である必要があると考えております。(拍手)    〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
  23. 吉川貴盛

    国務大臣吉川貴盛君) 井上議員の御質問にお答えいたします。  日EU・EPAの合意内容についてのお尋ねがありました。  日EU・EPAにおいては、米は関税削減、撤廃などからの除外としたほか、麦、乳製品国家貿易制度豚肉の差額関税制度など基本制度の維持、関税割当てやセーフガードなどの有効な措置を獲得しました。  このように、日EU・EPAにおいても、関税撤廃の例外をしっかりと確保し、農林水産業再生産が引き続き可能となる国境措置を確保することができたと考えています。  日本とEUの試算の乖離についてのお尋ねがありました。  欧州委員会が本年六月二十九日に日EU・EPAの経済効果分析を公表したことは承知していますが、試算の前提や根拠が明らかでないため、本分析にコメントすることは差し控えます。  日EU・EPA交渉では、関税割当てやセーフガード等の措置を獲得し、それでもなお残る農林漁業者の方々の不安を受け止め、安心して再生産に取り組めるよう、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき万全の対策を講じていきます。  今回の農林水産省の影響試算は、こうした点を十分に勘案し、適切に評価した結果であると考えています。  乳製品の生産減少額の単価についてお尋ねがありました。  乳製品は、その種類ごとに取引乳価も今回の合意結果による影響も異なることから、単純に生産額への影響をキログラム当たりの単価に換算することは適当ではないと考えています。このため、影響試算においては乳製品の種類ごとの減少額を示しており、例えばソフト系チーズと競合する国産チーズ向け生乳価格については、キログラム当たり四から八円下落するとしております。  欧州委員会による試算と農林水産省の影響試算の関係についてお尋ねがありました。  欧州委員会の試算については試算の前提や根拠が明らかでないため、同試算にコメントすることは差し控えます。  なお、農林水産省の影響試算は、輸入量が増加するかどうかではなく、国産品が輸入品によってどの程度置き換わるかどうか、それにより、意欲ある農林漁業者の方々が再生産できるのかどうかという観点から試算を行ったものであり、輸入が増えることを前提として試算をしたものではありません。  日EU・EPAの発効による酪農への影響についてお尋ねがありました。  政府においては、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、畜産クラスター事業等の体質強化対策、生クリーム等を加工原料乳生産者補給制度の対象に追加するなどの充実した経営安定対策等、万全の対策を講じているところです。  引き続き、酪農家の方々の不安や懸念を払拭し、新たな国際環境の下でも安心して再生産に取り組めるよう対応してまいります。  EU向けの輸出禁止されている品目及び輸出解禁協議の進捗についてのお尋ねがありました。  EUに畜産物を輸出できるようにするため、動物検疫協議を積極的に進めております。  例えば、牛肉については平成二十五年から輸出が可能となっていますが、豚肉、鶏肉及び鶏卵については平成二十七年に、乳製品については平成二十八年に輸出解禁を要請し、EUと協議しているところです。  今後とも、食品衛生を担当する厚生労働省と連携しながら、輸出解禁の早期実現に向け、積極的に取り組んでまいります。(拍手)     ─────────────
  24. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 浅田均君。    〔浅田均君登壇、拍手〕
  25. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  私は、会派を代表して、日EU経済連携協定と日EU戦略的パートナーシップ協定について、関係大臣に質問いたします。  日本維新の会は、結党時から、自由貿易圏の拡大を公約に掲げております。比較優位論と比較生産費説に立脚した貿易理論、さらには国際分業体制と自由貿易圏の拡大こそが日本に利益をもたらすと考えております。  今国会は、この比較優位論と比較生産費説に全く相入れない結論を導くかもしれない二つの法案が論戦を挑んでおります。一つの法案は、言うまでもなく、ただいま議題となっております日EU経済連携協定であり、もう一つは出入国管理法改正案です。  比較優位論と比較生産費説は、資本と労働が自由に移動しないことを前提にしています。これに対し、出入国管理法改正案では、上限は曖昧ですが、新たな在留資格で入ってくる人がいるのは確かです。  明らかに労働投入は増えます。労働生産性は労働投入の逆数ですから、労働投入を増やせば労働生産性は落ちる。政府は、生産性を高めよと言う一方、生産性が下がることを同時にやる。また、受入れ数の上限を明らかにしないと、生産フロンティアと限界変形率が計算できない。つまり、日本にとって何が比較優位に立つのか、計算ができません。したがって、安倍内閣で、方向性が矛盾する二つの法案を同時に通過させるという前代未聞のことが起きる可能性を否定できないのです。  日本とEUの経済連携協定は、国際分業体制と自由貿易に立脚するものであり、しかも、最新の貿易ルールを追求してきたものと理解しています。世界に自由貿易の範を示すものであり、日本こそがその旗手としての役割を果たすべきであると考えます。  まず、日欧戦略的パートナーシップ協定に関して質問します。  この協定は、民主主義、法の支配、人権、基本的自由といった私たちが評価する価値について、日本とEUが改めて認識を共有し、戦略的パートナーシップを強化するものです。これら認識の共有と強化こそが対話と協力を促し、それが世界の安定と発展をもたらすものであると考えます。同じ目的でつくられた世界貿易機関、WTOのゲームのルールが脅かされ、改めてWTOのルールを立て直さなければならないときに直面していると考えております。  そこで、外務大臣に質問します。  戦略的パートナーシップ協定という観点から、WTOと貿易ルールにはどのような問題があり、その再構築について日本とEUはどのような役割を果たすべきとお考えか、お尋ねいたします。  次に、日EU経済連携協定について質問します。  同協定は、二十一世紀の自由貿易のゲームのルール作りにおいて重要な位置を占めるものと考えています。ゲームのルールは、時代の変化に合わせて進化させるべきものであります。本協定は、環太平洋パートナーシップ協定、TPP11締結後の主要な経済連携協定ですが、TPP11と比較して、どのような点が自由貿易を進めるものとして更に進んだ協定になっているのでしょうか。外務大臣の答弁を求めます。  安倍総理がこの二つの協定の署名のための訪欧を中止したにもかかわらず、欧州からわざわざトゥスク欧州理事会議長とユンカー欧州委員会委員長が来日され、東京で署名することになりました。本協定の締結に対する欧州側の並々ならぬ期待を感じます。  本協定の欧州にとってのメリットは何でしょうか。欧州にとっての今回の協定に対する期待、重要性、そして利益を日本政府はどのように分析しているのでしょうか。外務大臣の答弁を求めます。  本協定の経済効果について質問します。  二〇一七年十二月に公表された日EU経済連携協定等の経済効果分析においては、本協定による経済効果として、実質GDP水準が約〇・九九%増加することが期待されるとされています。EUは、我が国にとって最大の直接投資相手であり、英国、オランダを中心に三十五兆円近い直接投資を行っています。本協定を進め、効果的な協定にするに当たり、EUに進出する企業に支援はあるのでしょうか。茂木担当大臣の答弁を求めます。  イギリスのEU離脱は、当のイギリスとEUを混乱させております。日本からの直接投資額はEU諸国の中でもイギリスが一番多いことを考えれば、イギリスの離脱が、この協定による日本の実質GDP水準の伸びに影響が出てくることは必定です。  現在、イギリスとEUは、離脱に関し、最終調整中です。関心はイギリス国内の手続に移りつつあります。状況は予断を許しませんが、英EUの合意あり離脱の場合と合意なし離脱の場合とでは、日本への影響が違うと思われます。日本政府としては、両者の間でどの程度の差異を見込んでいるのでしょうか。茂木担当大臣の答弁を求めます。  また、イギリスに拠点を置く日本企業に対する影響は無視できないものと考えられますが、イギリスの離脱後、イギリスとの間に新たな二国間の経済連携協定を進めるのかどうか、外務大臣の答弁を求めます。  農産物の輸出拡大について質問します。  本協定では、日本の輸出重点品目である牛肉や水産物など、ほぼ全ての品目で関税が即時に撤廃されます。この点は外交交渉の成果であると評価します。しかしながら、本協定の発効後に十分な経済効果を得るためには、農業分野の輸出拡大に関する戦略が必要です。  EU向けに牛肉などの動物性食品を輸出する場合、動物疾病に関する管理プログラムや衛生管理システムがEUと同等であることが認められなければなりませんが、現在の日本の食品の認定状況はどうなっているのでしょうか。  そして、まだ認可されていない場合、輸出ができるようにするためにどのようなスケジュールで準備を進めているのでしょうか。農林水産大臣の答弁を求めます。  原産地証明制度について伺います。  これまで、原産地証明制度としては第三者証明制度が採用されてきました。ところが、本協定では、TPPと同様、自己申告制度のみが採用されます。TPPも日EU経済連携協定のいずれもがまだ発効しておりません。  第三者証明制度と自己申告制度との併用が認められている日豪EPAにおいては、自己申告制度が実績としてどの程度利用されているのでしょうか。既に十分に実績があるとお考えでしょうか。農林水産大臣の答弁を求めます。  最後に、著作権の保護期間に関する戦時加算について質問します。  我が国は、第二次大戦の敗戦国であり、サンフランシスコ平和条約の締結の際に、連合国十五か国から著作権について、開戦から講和独立までの約十年間分の戦時加算がなされております。つまり、著作権者が亡くなって以降、著作権が保護される期間が戦時加算分長くなっています。  環太平洋パートナーシップ協定においては、オーストラリアが日本に対して戦時加算を適用しないことを表明しました。これは、オーストラリアが戦後の日本の平和的姿勢について評価したものと解釈してよいと考えます。  本経済連携協定の締結に当たり、日本に対する戦時加算の不平等性に関して、どのように主張し、どのような交渉状況になっているのでしょうか。外務大臣の答弁を求めます。  日本維新の会は、現在の保護主義的傾向について強い懸念を示すとともに、日本が自由貿易の維持拡大に対して大きな貢献をすることを望んでおります。我が国が自立するためには自由貿易圏の拡大が不可欠であることを改めて申し上げまして、質問を終えます。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
  26. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) WTOと貿易ルールの問題及びその再構築についての我が国とEUの役割についてのお尋ねがありました。  世界において保護主義の懸念が高まる中で、自由で公正なルールに基づく貿易を世界に広げていく重要性は一層高まっております。WTOは、引き続き多角的自由貿易体制の中核です。しかしながら、現代の国際貿易における諸課題に十分に対応できていないのも事実であり、WTO改革の必要性が国際社会で認識され、機運が高まっています。  こうした問題意識の下、我が国は、戦略的パートナーであるEUと共にWTO改革の議論に貢献し、自由で公正なルールに基づく貿易体制の強化を積極的に推進してまいります。  日EU・EPAとTPP11の比較についてお尋ねがありました。  日EU・EPAとTPP11は、共に高いスタンダードを定めるものであり、自由で、開かれ、かつ公正な貿易・投資ルールの二十一世紀におけるモデルとなるものです。  日EU・EPAとTPP11とは、交渉相手も協定内容も異なり、単純に比較することは困難です。その上で申し上げれば、日EU・EPAにおいては、例えば企業統治章や農業協力章のように、TPP11協定を含めた我が国のEPAとして初めて独立の章として設けられた規定がございます。  日EU・EPAが有するEUにとっての意義についてお尋ねがありました。  本協定が発効すれば、人口六億人、世界のGDPの約三割を占める、世界で最大級の規模の自由で先進的な経済圏が誕生することになります。日EU相互の市場開放等による貿易、投資の活性化、雇用創出、企業競争力の強化等を通じ、日EU双方の経済成長に資することが期待されます。  EU側としても、同様の観点から本協定を評価していると理解しています。また、本協定が署名された七月にEU側が公表した資料においては、環境や気候変動等地球規模課題や保護主義に共に立ち向かうパートナーを得るという戦略的メリット等についても触れられていると承知しています。  英国との間の新たな二国間の経済連携協定についてお尋ねがありました。  EU離脱後の英国との二国間の経済関係強化のため、日英の首脳間で一致したとおり、日EU・EPAの規定を踏まえ、日英間の新たな経済的パートナーシップの構築に速やかに取り組んでまいります。同時に、英国のEU離脱が日系企業の活動に及ぼす影響を最小化すべく、英EU双方にあらゆるレベルで働きかけつつ、日系企業への情報提供に努めてまいります。  日EU・EPA交渉に際しての著作権の戦時加算の扱いについてお尋ねがありました。  本協定の交渉に際し、戦時加算はサンフランシスコ平和条約上の我が国の義務として規定されており、同条約の権利義務を法的に変更することは現実的には困難であることも考慮しつつ、問題の現実的な打開に向け、鋭意交渉しました。  その結果、関係する英国、フランス、オランダ、ベルギー、ギリシャの各政府との間で個別に文書で、戦時加算問題への対処のため権利管理団体と権利者との対話を奨励すること、及び必要に応じてこれらの対話の状況及び他の適切な措置を検討するため政府間で協議を行うことなどを確認いたしました。(拍手)    〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
  27. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 浅田議員から、EUに進出する企業に対する支援策についてお尋ねがありました。  日EU・EPAによる効果を最大化するためには、大企業のみならず、優れた技術やサービスを有する中堅・中小企業が積極的にEU市場への進出を図ることが重要であります。  このため、昨年十一月末に改定をいたしました総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、日EU・EPAのメリットや利活用のための支援策についての説明会の開催、海外向けの新商品、サービスの開発や、海外企業とのマッチング、展示会への出展など販路開拓に対する支援、ジェトロの専門家による事業計画策定から商談成立に至るまでのそれぞれの段階に応じた支援など、中堅・中小企業に対するきめ細かなサポートを行ってきております。  こうした取組を通じて、引き続き、日本が自由貿易協定の旗手としての役割を果たすとともに、我が国の中堅・中小企業の海外展開への支援に全力で取り組んでまいります。  次に、英国のEU離脱による日本への影響についてお尋ねがありました。  英国のEU離脱による日本への具体的な影響については、英国議会、欧州議会の対応を含む英EU間の離脱交渉結果次第であり、現時点で予断をすることは困難であります。  ただし、英国が何の取決めもないままにEUから離脱した場合には、来年三月末以降、直ちに英国とその他EU加盟国との貿易において、通関手続、関税の支払や、英国、EU双方の安全基準への対応が必要となるなど、合意に基づいて離脱する場合よりも日本企業への負担は大きいと考えられます。  これまで、英国のEU離脱が我が国経済や日系企業の経済活動に及ぼす影響を最小化すべく、英国、EU双方にあらゆるレベルで働きかけるとともに、日系企業への情報提供や相談対応を行ってまいりました。  引き続き、英EU間の離脱交渉を注視し、現地日系企業の声にしっかりと耳を傾け、必要な対応をやってまいります。(拍手)    〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
  28. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 浅田議員の御質問にお答えいたします。  EU向け畜産物の輸出解禁の状況についてのお尋ねがありました。  EUに畜産物を輸出できるようにするためには、まず、EU向けに畜産物を輸出できる国のリストに日本が掲載された上で、HACCPなど、EUの求める衛生管理基準に対応した施設が登録されることが必要となります。  牛肉については平成二十五年から輸出が可能となっていますが、豚肉、鶏肉及び鶏卵については平成二十七年に、乳製品については平成二十八年に輸出解禁を要請し、EUと協議しているところでございます。  輸出解禁の見通しについては、相手方のあることでもあり、協議途中の段階で確たることを申し上げることはできませんが、食品衛生を担当する厚生労働省と連携しながら、輸出解禁の早期実現に向け、引き続き積極的に取り組んでまいります。  日豪EPAの下での自己申告制度の利用状況についてお尋ねがありました。  日豪EPAの原産地手続において、日本企業が輸出の際に用いる自己申告については、豪州側の税関においてその利用数が非公表のため、具体的な利用状況は承知しておりません。  今般の日EU・EPAにおいては、TPP11協定と同様、自己申告制度を採用しています。自己申告制度においては、輸出時における原産地証明書の取得手続が不要となり、コストの削減につながるため、貿易円滑化に資するものと考えております。(拍手)
  29. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十八分散会