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2018-05-17 第196回国会 参議院 外交防衛委員会 15号 公式Web版

  1. 平成三十年五月十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         三宅 伸吾君     理 事                 猪口 邦子君                 塚田 一郎君                 中西  哲君                 杉  久武君                 藤田 幸久君     委 員                 宇都 隆史君                 佐藤  啓君                 佐藤 正久君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 堀井  巌君                 山本 一太君                 山口那津男君                 小西 洋之君                 福山 哲郎君                 牧山ひろえ君                 井上 哲士君                 浅田  均君               アントニオ猪木君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     河野 太郎君        防衛大臣     小野寺五典君    副大臣        外務副大臣    中根 一幸君        外務副大臣    佐藤 正久君    大臣政務官        外務大臣政務官  岡本 三成君        外務大臣政務官  堀井  学君        外務大臣政務官  堀井  巌君        防衛大臣政務官  大野敬太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        人事院事務総局        職員福祉局次長  遠山 義和君        外務大臣官房長  下川眞樹太君        外務大臣官房審        議官       石川 浩司君        外務大臣官房審        議官       川村 博司君        外務大臣官房審        議官       高橋 克彦君        外務大臣官房審        議官       飯島 俊郎君        外務大臣官房審        議官       松浦 博司君        外務大臣官房参        事官       林  禎二君        外務省北米局長  鈴木 量博君        財務大臣官房審        議官       新川 浩嗣君        国税庁調査査察        部長       金井 哲男君        環境大臣官房政        策立案総括審議        官        米谷  仁君        防衛大臣官房長  高橋 憲一君        防衛大臣官房サ        イバーセキュリ        ティ・情報化審        議官       小波  功君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省整備計画        局長       西田 安範君        防衛省人事教育        局長       武田 博史君        防衛省地方協力        局長       深山 延暁君        防衛省統合幕僚        監部総括官    鈴木 敦夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○税源浸食及び利益移転を防止するための租税条  約関連措置を実施するための多数国間条約の締  結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議  院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び  に脱税及び租税回避の防止のための日本国とデ  ンマーク王国との間の条約の締結について承認  を求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び  に脱税及び租税回避の防止のための日本国とア  イスランドとの間の条約の締結について承認を  求めるの件(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局職員福祉局次長遠山義和君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 おはようございます。国民民主党の藤田幸久でございます。  条約に入ります前に、ちょっと順番変えさせていただきまして、小野寺防衛大臣に。  河野統幕長の任期が延長されるというニュースが出ておりますけれども、この統幕長、かなり長い間やっていらっしゃいますが、様々な日報問題の責任は統幕にあったと思います。それから、小西議員に対する暴言を行ったと言われる幹部自衛官も、これは統幕の所属でございます。その統幕長が更に延長をするということは非常に合点がいかない話でございますが、なぜ延長するのか、理由をお聞かせいただきたいと思います。
  6. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 河野統幕長については、昨年五月に一年間の勤務延長を行い、本年五月二十七日まで引き続き任用するとされたところであります。  人事については、適時適切に実施することとしておりますが、現時点において河野統幕長の人事について何ら決まっておりません。
  7. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 では、その日報問題及び小西議員に関する暴言問題についての責任はどう考えて、それも適宜適切だったということでしょうか。
  8. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしては、人事については適時適切に実施したいと思っております。
  9. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 後に佐川国税庁長官と同じようなことにならないことを望んで、次の質問に移りたいと思っております。  カンボジアでございますが、連休中にカンボジアを訪問いたしました。もう二十五年前になりますけれども、この復興支援の最中にポル・ポト派に殺害された高田警視の追悼式にも参加をさせていただきました。また、私の長男でございますが、カンボジアで分骨をしておりますが、その追悼式にも参加をさせていただきましたが、実はそこに、小野寺大臣のある意味では後輩、あるいは福山先生、宇都先生の後輩になるのでしょうか、堀本崇さんの遺影もございまして、同じところで追悼をさせていただきました。  その追悼式にもう一人いらっしゃった方が、カンボジアの最大野党の党首でございました救国党のケム・ソカ党首の奥さんでございました。そのケム・ソカ党首でございますが、昨年、国会の副議長であった際に逮捕をされ、普通であれば、これカンボジアの方にお聞きすると、日本であれば小菅辺りに入るところを、その日のうちに網走のような国境地帯の刑務所に送られて、それから六か月間、これは奥さんに聞いたところ、このケム・ソカ党首は、いわゆる医師、ドクターではなくてメディック、医学生のような人による血圧検査しか受けられないと。実はこのケム・ソカ党首は、肩の腱板断裂ということで診断書が出ておりまして、手術が必要だろうということになっておるわけでございますけれども、この彼の釈放あるいは治療に関して、カンボジア駐在の堀之内大使の方からどういう働きかけをカンボジア政府に行っているのか、お答えをいただきたいと思います。
  10. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) カンボジアでは、昨年九月にケム・ソカ党首が逮捕され、同十一月に最大野党であります救国党が解党されました。このような政治情勢の緊張の高まりにつきましては、様々な機会を捉え、我が国の懸念の伝達と状況の改善に向けた働きかけを行ってきております。  勾留中の方が人道的に扱われるべきことは当然であり、ケム・ソカ氏への健康状況への配慮につきましては、現地の大使よりカンボジアに申入れを行っているところでございます。
  11. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 何かそっけない話で、これだけ、言わば、しかも日本の野党と違いまして過半数の支持を得ている最大野党の党首が、国会の副議長なのに逮捕をされ、半年間こういう状況にある、それに対してそういう程度の話でしょうか。  もう一度、具体的に、大使なりがこの人道的な治療等に関してどういう対応を取っていらっしゃるのか、もう一度お答えをいただきたいと思います。
  12. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) カンボジア側への働きかけの内容の詳細につきましては、外交的やり取りでございますので、コメントを差し控えたいと思います。
  13. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 時間の関係で、資料の一枚目御覧いただきたいと思います。ちょっと英語のままで持ってきてしまいました。内容は、世界各国で在住のカンボジア人の方々が河野外務大臣に寄せられた陳情書であります。  内容の主な点は、昨年の地方選挙で国民の約半数の支持を得た最大野党のカンボジア救国党が昨年十一月に解党を命じられた際、日本政府は強い懸念を表明し、また七月の選挙が国民の意思を反映した選挙であるべきことをカンボジア政府に伝えてきました、半数の国民に選択の余地がない選挙となるならば日本政府は選挙に対する支援から撤退すべきである、世界で有数の民主主義国家である日本がカンボジアの民主主義の道を強化するよう支援をしてほしいという内容であります。最近、朝鮮半島問題なんかでは外されっ放しの日本外交ですが、これだけ注目を浴びているということは極めて重要だと思っております。  それから、二枚目以降の、これはサイトによる、これは日本の市民の方々からの要請が、これも河野外務大臣に届いたと聞いておりますけれども、日本国民の税金をカンボジアの独裁的な選挙の支援に使わないでということで、これはおとついか三日前の段階で八千七百六十九名、ですから一万人に近づいているということでございます。  こういう、内外から、つまりカンボジア、世界のカンボジア人及び国内の市民の方々から河野外務大臣にこうした要請がされておりますけれども、これらに対してどういう対応をされるおつもりでしょうか。
  14. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 陳情書並びにこの署名については承知をしております。藤田議員を始め日本の国会議員あるいは日本のNGOの皆様もカンボジア政府に対して様々働きかけをしていただいていると承知をしております。  日本政府といたしましても、この七月の国民議会の選挙が、国民の意思が、カンボジア国民の意思が適切に反映される形で実施されるということを非常に重要視しておりまして、カンボジア側に対して様々な形で働きかけをしてきているところでございます。  七月の選挙まで残された時間は限られておりますが、選挙がカンボジア国民の意思が反映される形で実施されるよう、引き続き必要な働きかけを継続してまいりたいと思っております。
  15. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 資料のこれ五枚目ぐらいになるんですが、カンボジア国民議会選挙政党登録結果という外務省の資料をお配りしております。これは十四日に締め切られた政党登録で登録された政党ですけれども、これほとんどが与党人民党系であります。読売新聞の記事によりますと、主要政党はフン・セン首相率いる与党人民党のみ、圧勝は確実で、フン・セン氏も首相に再任される見通しだと。  これでは実質的に国民の半数の支持がある野党抜きでの選挙になるというふうに思われますけれども、これに対しての認識と同時に、最近聞いた情報では、政府側が罰則も含めた投票を強制する法案を検討しているという、これ極めて恐ろしい情報でありますけれども、この情報についてどう認識をされておられるか、お答えをいただきたいと思います。
  16. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 罰則を含めた投票を強制する法案を検討しているという具体的な情報には接しておりません。  七月の選挙に、国民の、カンボジア国民の意思がしっかりと反映された形で行われるというのは、先ほど申し上げましたとおり日本政府としても大変重要視をしているところでございますので、残された時間は限られておりますが、日本政府としてしっかりとカンボジア側に働きかけを続けてまいりたいと思っております。
  17. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 実質的に、過去二回の選挙で国民の半数の支持があった野党抜きの選挙というものは国民の意思を反映した選挙というふうに位置付けられるんでしょうか、それとも位置付けられないんでしょうか。イエスかノーでお答えをいただきたいと思います。
  18. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 七月のカンボジアの選挙がカンボジア国民の意思が反映される形で行われるように、引き続き日本政府としてカンボジア側に働きかけをしてまいりたいと思います。
  19. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 次に、おとついの、この米国の戦略態勢委員会における秋葉公使、当時で、現事務次官の出席問題について質問させていただきました。一番最後のページに資料として付けましたのが、おとついのこの委員会で河野大臣が引用をされました米国戦略態勢委員会の委員など二名によるジャパン・タイムズへの投稿であります。  これは、秋葉事務次官に対する誤解を解こうという善意の投稿と思われます。この中で、秋葉さんは非核三原則を度々繰り返したと書いてくださっておりますが、これよかったと思っておりますけれども、つまり、秋葉公使は、この日本の政策である非核三原則を述べたという部分、これは間違いございませんですね。
  20. 鈴木量博

    ○政府参考人(鈴木量博君) 御指摘のとおりでございます。非核三原則についても言及しているというふうに承知しております。
  21. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 私は、この委員会の事務局長であったヒューズさんに直接お会いしました。河野大臣も鈴木局長も直接お会いしていないんだろうと思いますけれども、この委員会が非公開であるということも初めからおっしゃっています。私はその理解の下で会っているわけです。  それはもう当たり前のことで、その最終報告書が出た後は、ただし、もう既にこれが出てから数年たっておりますから、その後、今どなたかがいろいろ発信するということまでは制御ができないというふうに思ったわけですけれども、これ、ある意味では、新聞に内容を明らかにして、それを外務省の方でもこの根拠の一つにしてあるわけですから、この秋葉さんの名誉のためにも、日本の政策をどういうふうに秋葉さんが説明したかということについてはもっと自由にそれは公開をされたら、逆に言うと、説明をされた方が誤解を払拭するには妥当ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  22. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 特に誤解を払拭するような必要があるとも思えません。これは非公開の前提で行われた議論でございますので、日本政府として何かやるつもりはございません。
  23. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 私、非常に不思議と思ったのは、私は国会議員としてアメリカ議会から委託を受けた人に会っているわけですね。  ある意味じゃ、その立法府の人間がアメリカの立法府の関係者に会ったものを、私を疑って日本大使館がその後で連絡をして、私とそのヒューズさんがやり取りしたことについて疑いを持って何か裏を取りに行ったということは、これはある意味では議会と議会との関係にこれ行政がある意味では介入したというふうにも取れるわけで、私とすれば、非常に私は疑われているんだなと、非常に不快な思いをしたんですが、いかがでしょうか。
  24. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) この件につきましては、対外的に記録もなく云々という説明を常々米側から受けているところでございまして、質問通告の内容がそれと違いましたので、事実関係を確認したまででございます。
  25. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いや、事実は、私が会って、しかもちゃんと本人の了解を取って話をした内容であります。それを外務省の方が、私とその本人同士のやり取りについて違うというふうに、それは、じゃ、そういう疑いを持って接触をしたということですか。
  26. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) これまで米側から聞いている話と違ったものですから、念のために確認したことに問題はないと思います。
  27. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 では、私が話したことと、米側というのは、これはヒューズさんほかですね、じゃ、どことどこが違うかというのを資料を出していただきたいと思います。
  28. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) そうした外交上のやり取りを詳細に明らかにするのは、今後の情報収集その他に問題が起きると思いますので控えたいと思います。
  29. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いや、これはアメリカ議会が行ったことに対して私が日本の国会議員としてやり取りしたことですから、そのこと自体について外務省が言わば口を出すべき話でなくて、あくまでも、それはアメリカの議会とそれから外務省との間、つまりゲストとして呼ばれていった方の部分についてはアメリカ側とのやり取りだろうと思いますけれども、私が議員として向こうの議会関係者とやったことについては外務省関係ない話ですよね。
  30. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 国会で答弁をする以上、正確性を期す必要がありますので確認をしたまででございます。
  31. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 私と、議員である私と向こうの議会関係者とのやり取りについて、もしそれが違うというならば資料を出していただきたい、どこが違っているのか。それを是非、委員長、委員会の方に要請をしたいと思います。
  32. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議させていただきます。
  33. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 では、続いて、この関係でございますけれど、防衛大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、朝鮮半島の非核化と駐留米軍の関係についてお伺いしたいと思いますけれども。  いわゆる非核化という場合に、核を有する北と現在核を有しない韓国との調整をどういうふうにするのか、軍事的にですね、それから、核なき南北といった場合に、駐留米軍の有無はどうなるのか、幾つかその選択肢が今語られておりますけれども、その組合せについて、可能性について防衛省としてどう考えているか、お答えをいただきたいと思います。
  34. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) この問題については、今後、米朝の会談の中で進んでいくものということでありますし、外務省を中心にして、これは日米、日米韓でしっかりと様々な協議をしているというふうに理解をしております。  その中で、今御指摘がありました在韓米軍の撤収について、これは北朝鮮が要求する可能性があるということ、これは私どもも承知をしております。その上で、国際社会の度重なる警告を無視してミサイル発射や核実験を強行し、地域の安全保障を脅かしてきているのは北朝鮮の方であり、国際社会の一致した要求に従い非核化を実現しなければならないのは北朝鮮の方であるということを明確にする必要があると思っています。  一方、在韓米軍を含むアジア太平洋地域の米軍の抑止力は、地域の平和と安定に不可欠なものであります。四月二十日の日米防衛大臣会談においても、在韓米軍を始めこの地域への米軍の抑止力をしっかり維持していくことの重要性については私とマティス米国防長官の間で認識が一致しております。また、五月九日、米上院における公聴会の場でマティス国防長官は、在韓米軍の存在はアジア太平洋地域の安定に貢献していると指摘し、直ちに撤収や規模を縮小する可能性を否定しています。また、これは北朝鮮と交渉する問題ではないといった旨の発言をしていることも承知をしております。  いずれにしても、我が国は、北朝鮮による完全な検証可能な不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの廃棄を実現するため、引き続き日米韓三か国で緊密に協力していきたいと思っております。
  35. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 先ほどの秋葉さんの関係で一つ聞き忘れたことがありますが、実は、この最後のページの資料、ジャパン・タイムズの記事ですが、右上御覧になっていただきたいと思いますが、別添と書いてあります。これはどういうことかというと、昨日、沖縄等米軍基地問題議員懇談会という議員グループに対して外務省が資料として提出したこれ資料なんです、ジャパン・タイムズの記事だけじゃなくて。ということは、前回も河野大臣がこれを、つまり私が聞いた話と違うという論拠にされて、昨日外務省がこれを資料として出してきたということは、この資料の中身は妥当であるというふうに認識されているわけですね。
  36. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) この委員であり、関係者であった方がこういうことを出しているということをお伝えしたまででございます。
  37. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 それを論拠に私に対する反論をされたわけですから、ここで、例えば秋葉さんはいわゆる核貯蔵について質問をされたけれども、そういったことはされていないというふうに書かれておりますけれども、こうした内容についてもこれは正確だと、したがってこれを資料として出されたということの理解でよろしいですね。
  38. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) やり取りの中身については非公開ということになっておりますので、お答えを差し控えたいと思います。
  39. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いや、非公開と言いながら、いやしくも資料としてこれを出してこられて、これがつまり外務省の立場を説明をする論拠としているわけですから。  しかも、直接、これに出ていたこの方が、こうやって中身について話しているんですよ。出た方が中身について。それから、もう一人、私がアメリカで会ったハルペリンさんという人も中身について話していらっしゃるんですよ。その中身について話した方の記事を論拠にして外務省が答えられているということは、この中身については是認をしているということしかあり得ない。でなければ、こういう資料を使う必要がないわけで、その点明らかにしてください。
  40. 鈴木量博

    ○政府参考人(鈴木量博君) お答え申し上げます。  補足説明として申し上げさせていただければと思いますが、この戦略態勢委員会の会合のやり取りの詳細を明らかにすることは私どもとしてできませんが、他方で、説明責任を果たす観点からは、既に可能な範囲で対外的に説明してきております。  すなわち、この戦略態勢委員会に対しては、第一に、我が国は日米安保条約を堅持し、それがもたらす核抑止を含む抑止力を重要な柱として自国の安全を確保していること、第二に、これとともに、核兵器を含む軍備削減等の努力を重ね、核兵器を必要としない平和な国際社会をつくっていくことが重要であること、第三に、我が国としては、米国が保有する核戦力と通常戦力の総和としての軍事力によって提供される抑止力について、その信頼性が維持されることを重視していることという基本的な考え方に基づく説明を行ってきております。  以上の内容は、民主党政権時代に既に答弁しております。それ以上の詳細については、対外的に説明することは差し控えさせていただきたいと思います。
  41. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 時間がないんですが、これについての話をしているわけで、民主党政権時代の云々とは関係ないと思いますけれども、時間が参りましたので、引き続き、この関係について、議員と議員との関係という重要性に鑑みて更に続けてまいりたいと思います。  以上で質問を終わります。
  42. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会の牧山ひろえです。  まず、一言申し上げます。  前回、十五日の参議院外交防衛委員会で、小野寺防衛大臣は、防衛省統合幕僚監部の三等空佐が同僚の小西議員に国益を損なうなどと暴言を吐いた問題につきまして、国会における文民統制に支障を来すことは想定されないとの見解を示されました。  佐藤栄作総理が、シビリアンコントロールの背景には戦前の苦い経験があると本会議で指摘されています。戦前の苦い経験とは、五・一五事件や二・二六事件において、当時の実力組織である軍部が内閣や国会を萎縮させたことによって戦前の文民統制を破壊させ、その結果、太平洋戦争の悲劇に至ったことを指していると思われます。  小野寺大臣は、空佐による暴言は私的な言動であり、国会による文民統制の仕組みに支障を来すことは想定されないと御主張されています。  これ、非通告なんですが、大臣にお聞きしたいと思います。  では、小野寺大臣は、今回のような暴言が多数の自衛官によって連続してなされたとしても、それが職務時間外であれば国会議員の議会活動に支障を来さないとおっしゃるんでしょうか。
  43. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 文民統制は、民主主義国家における軍事に対する政治の優先、又は軍事力に対する民主主義的な政治による統制とされております。  我が国の場合、終戦まで、今委員が御指摘ありましたが、その経緯に対する反省もあり、自衛隊が国民の意思によって整備、運用されることを確保するため、厳格な文民統制の制度を採用しております。その一つが、国民を代表する国会が自衛官の定数、主要組織などを法律、予算の形で議決し、また防衛出動などの承認を行ういわゆる国会による統制であります。  今回、幹部自衛官が小西議員に対して暴言を含む不適切な発言を行ったことは、これはあってはならないことだと思っています。防衛省・自衛隊としてこの自衛官が行ったことについては全く是認しておらず、あってはならない規律違反として処分したこと、今回の事案は本人の統合幕僚監部での職務とは関係のない私的な言動であり、国民による統制という文民統制の制度、仕組みに支障を来すようなことは想定されないこと、今回の事案は幹部自衛官が政治的目的もなく自分の勝手な小西議員へのイメージだけで暴言を含む不適切な発言を行ったものであること、国会による統制は国会と防衛省・自衛隊との間の関係を律したものであり、国会議員と一自衛官との関係を律したものでないことから、今回の事案により国会による統制や文民統制が否定されたとか、その統制が機能しなくなったということにはならないと考えております。  その上で申し上げれば、国会での審議の場における国会議員による防衛省・自衛隊に関する質疑は国会による防衛省・自衛隊に対する監督の機能の表れであり、いわゆる国会による統制を機能させる上で重要な役割を果たすものであると思っております。  今回の事案については、現職の幹部自衛官が国民の代表である国会議員に対して暴言を含む不適切な発言を行い、服務義務に反したものであります。私どもとしては、再発防止策を含めしっかり対策を講じていきたいと思っております。
  44. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 長い御答弁ですが、全く私の質問に答えていなくて、もし同じようなことがあったら私は本当に怖いなと思いました。そういうふうにおっしゃるんだったら、本当に多くの国会議員が不安に思うと思います。  戦前の五・一五事件や二・二六事件は、公的な職務として行われたものではないんですね。また、小野寺大臣は、文民統制は国会と防衛省と自衛隊の組織同士の関係を律するものだとおっしゃいますが、何が文民統制上問題かは実態に合わせて判断がなされるべきであり、被害を受けた国会議員が議会活動に支障を来されたと言っているわけですよ、それを加害側が否定するのは筋が違うのではないかなと思います。このことを立法府の構成員として申し述べさせていただきたいと思います。  続きまして、本日の本題であります諸条約につきまして、特に、税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約、いわゆるBEPS防止措置実施条約の締結などについて質問させていただきたいと思います。  衆議院での答弁に出ているように、米国を含む本条約の未署名国や地域に対する条約署名に向けた働きかけは大変重要だと思っております。なぜ米国などはこの条約に対する署名に消極的なのでしょうか。単に署名に向けた働きかけだけではなくて、署名に関して消極的な理由を把握した上で、それに沿って働きかけをしていっていただくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  45. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 御指摘のとおり、米国を含め、BEPSプロジェクトには参加しているものの、現時点でBEPS防止措置実施条約に署名をしていない国があるというのは御指摘のとおりでございます。  BEPSプロジェクトはより多くの国が参加することで真価を発揮することができるから、BEPSプロジェクトを主導してきた日本としては、これまでも米国を含むBEPS防止措置実施条約の未署名国に対してこの条約への署名を呼びかけてきております。  米国につきましては、この条約に署名しない理由は現時点で米国は明らかにしておりませんが、我が国としては、引き続き、米国に対して粘り強く本条約の重要性等に対する理解を求めていく中で、米側の意向の把握に努めつつ、効果的な働きかけを行ってまいりたいと思います。
  46. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 BEPS防止措置実施条約のような国際的取決めは、加盟国が多ければ多いほどその効果を発揮すると思います。タックスヘイブンと言われている国や地域も含めて的確な働きかけをお願いしたいと思いますし、また、大臣今おっしゃっていたように、理由もしっかりと聞いた方がいいと思いますので、是非お願いしたいと思います。  続きまして、租税条約や投資協定などの経済協定について御質問したいと思います。  今回と前回に審議した分だけでも、アイスランド、リトアニア、エストニアとの租税条約、アルメニアとの投資協定などについて、日本を除くG7諸国、中国、韓国などとの間で発効済みという状況が目に付きます。当局は、それらの国とは日本は経済関係が現状では薄いために優先度的に後回しになったと説明されているんですけれども、G7諸国などについてはまだともかく、例えば韓国などよりもこれらの国との経済諸協定の締結が遅いというのは、やはり出遅れなんではないかなと思うんですね。  どうしてそうなっているのかという理由と、今後どうするのかという方針を明確に御説明いただければと思います。
  47. 堀井巌

    ○大臣政務官(堀井巌君) お答えいたします。  我が国は、相手国との経済関係、我が国経済界からの要望、条約の締結、改正から生じ得る効果などの観点を踏まえ、各経済関連条約を締結してきております。  例えば、経済関係が緊密な国との間において早い段階で租税条約を締結しておりまして、そのネットワークは我が国からの対外直接投資先の約九九%を既にカバーいたしております。また、投資協定でいいますと、我が国は現在二十四本の投資関連協定の交渉を進めておりますが、これらの協定も仮に発効いたしますと、九十二の国・地域、日本の対外直接投資の約九三%をカバーすることになります。  したがいまして、実質面に鑑みますと、我が国の経済関連条約の締結状況は、G7や中国、韓国などの他国との比較において必ずしも締結が遅れている状況にあるというふうには考えてはおらないところでございます。  政府といたしましては、今後とも、我が国企業の海外展開を支援する上で必要な経済関連条約の質的、量的な拡充を進める方針でありまして、引き続き各経済関連条約の新規締結、改正に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
  48. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 韓国もすごく頑張っておりまして、韓国は地理的にも近い国で、あれだけ頑張っているわけですから、是非日本もお願いしたいなと思います。経済界からの要望待ちだけではなくて、先行して需要を喚起するという視点で積極的に取り組んでいただきたいと思います。  続きまして、名護市辺野古の新基地建設をめぐって、沖縄防衛局が二〇一四年に発注した工事について海上警備業務を請け負った警備会社が約七億四千万円を過大請求していたことが判明していたことは御承知だと思いますが、防衛省はその後も、昨年まで、同じ警備会社と別の業務提携を結んで、その積算額も会計検査院から警備会社の過大請求があったことが指摘されています。  配付資料一を御覧ください。  防衛省の内部要領では、契約先から下請に不正又は不誠実な行為があった場合、一定期間の指名停止を行うとしているんですけれども、同局は、今回の件のペナルティーを警備会社への口頭注意にとどめて、入札参加を認めているんですね。  小野寺大臣もこれを不適切と認めていらっしゃいますけれども、なぜ不正を知りながら、内規に反して、契約の解除をしなかったりあるいは指名停止を行わなかったんでしょうか、なぜ口頭注意だけで済ませて契約を継続したのか不思議でならないので、是非御説明していただきたいと思います。
  49. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 三年前の契約に基づく業務において二年前に確認された事案についてのお話でありますが、当時の沖縄防衛局の担当者に確認したところ、平成二十八年一月四日及び五日に、工事の受注者である大成建設からの委託を受け海上警備業務を実施した業者の従業員とされる方からの連絡を受け、まずは当該海上警備業務に係る減額措置などについて検討をし、警備業務の実施業者に対する監督責任を有する大成建設に対し注意をし、減額措置を行ったこと。次に、こうした検討を踏まえた方針の下、海上警備業務実施業者と沖縄防衛局が直接契約をしていた海上警備についても、減額措置を行ったこと等の事情を勘案し、契約中止や海上警備業務実施業者の指名停止等の措置を講じなかったということであります。平成二十八年一月に情報提供を受けた当時、沖縄防衛局が本件に関し海上警備業務実施業者に対して直接対応を取っていなかったことについては適切ではなかったと考えております。  いずれにしましても、本件に関しては引き続き事実関係をよく確認する必要があると考えておりますが、平成二十九年十二月、私が大臣になって以降の海上警備業務においては、入札参加意欲がある警備業者が増加するよう、業務実施期間を従来よりも長期化するなどの措置により競争性の向上に努め、結果として複数社の入札がありました。そして現在、海上警備業務は別の警備業者が実施をしております。
  50. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 今のことは別として、過去のことを聞いているわけですね。  過大請求を把握した後も、当局は言い値に応じる形で契約を続けていたことになるんです。警備を担当したライジングサンセキュリティーサービスは、警備員の勤務実績を偽装する写真まで組織的に撮影していたんですよ。明確に、こういったことを見ても極めて悪質なケースだと思うんです。これは過失ではなくて、明確に不正だと思います。  このライジングサンセキュリティーサービスは、大成建設からの受託契約において約七億四千万円分を水増しして報告していました。その後、防衛局が直接契約に切り替えた一五年九月以降も減額措置は継続しており、更に約十九億円分あったとのことなんです。  資料二を見ていただきたいんですけど、減額措置の総額は約二十六億四千万円に膨らみます。当局は、仕様書に記載された要求人員数をライジング社がそろえられなかったので、実績に応じて減額を行ったものであり、水増しでの支払は、発注していないので被害はないというふうに説明しています。  ですが、四つの契約で連続して人員をそろえる義務を果たしていないんですね。多い場合には、当初契約額の三分の一の規模の減額が発生しているというのは大問題だったと思うんです。当初予定していた人員よりもそろえられなかったということで、金額だけ減らせばいいという話ではなくて、実際に約束した人員がそろえられなかったこと自体、すごく問題だと思うんですね。  なぜ、これだけ悪質な不正を行って、それに引き続いて契約上の義務を果たせないような企業に四つの契約にまたがって発注をし続けるようなことがまかり通っていたのか、本当に不思議でならないです。これ見てください。  今は問題はないというふうにおっしゃいますけれども、もっと早く契約や入札条件の見直しをすべきなのにしなかったのはなぜなんでしょうか。
  51. 西田安範

    ○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  沖縄防衛局は、御指摘の海上警備業務の受注者との間で平成二十七年の七月以降に契約した四件の警備業務で、最終的に約十九億円の減額をしてございます。この減額につきましては、当時の沖縄防衛局の担当者に確認をしましたところ、仕様書で求めた警備員の配置人数に対し、業務の受注者が警備員の不足を理由に充足ができなかったということ等によりまして減額の契約を行って、最終的に減額契約を行っているということでございます。  これらにつきましては、当時の担当者に確認をいたしましたところ、本件海上警備の内容に鑑み、警備状況様々でございますので、臨機に対応する必要もあるということで、警備計画自体の見直しというものは行っておりませんが、一方で、防衛局はその後、入札参加要件を一部緩和するなどして、少しでも多くの業者に入札の参加を促す対応も取っておったということでありますけれども、結果としては一社、この同じ業者が落札をすることになったということでございます。
  52. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 本当はこれ、防衛大臣に対する質問なので、どう思われるかは防衛大臣に聞きたいんですけれども、やっぱり最初に言った人員がそろえられない、それが繰り返しされるということは問題だと思いませんか、大臣。
  53. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) この一連の経緯については、私どもは適切でなかったと思っております。いずれにしても、本件に関しては引き続き事実関係をよく確認をするということであります。  私もやはりこのような事案はおかしいと思いまして、現時点では、現在は、平成二十九年十二月以降の海上警備業務においては複数社の入札が行われ、現在、海上警備業務は別の警備業者が実施しているということであります。
  54. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 非常に問題だと思いますし、また、防衛省沖縄防衛局の対応は非常に甘かったと言わざるを得ないと思います。どこまで本気でこの問題の深刻さを認識されていたのか、そして問題の早期解決に真摯に努めていたのか、本当に疑問がたくさん残ります。  一五年九月からは、警備業務が直接契約に切り替えられました。一般競争入札に掛けられましたけれども、海上警備の実績要件が厳しく、応じたのは結局ライジング社だけだったそうです。頻繁にあるわけではない海上警備において実績要件を課すと、ライジング社以外の応札が困難になることなど、当初から想定されたことだったんじゃないかなと思うんですね。  また、見積りも同社だけが提出しており、落札率は九八から九九%に上ったということなんです。ということは、一〇〇%に近いほど落札業者の利益が大きく、談合や例えば入札価格のリークがあったんではないかということも考えられるんですが、これによって落札率が上がれば、結果的に税金が無駄遣いされるということになります。全国市民オンブズマン連絡会議などは、九〇%以上は談合の疑いがあって、九五%はその疑いが極めて強いというふうに指摘もされております。  これだけ不自然な状況があって、加えて、不正発覚時の甘い処分を考えますと、普通に考えて、当局と業者の癒着が疑われてもおかしくないと思います。少なくともそのような懸念が持たれるような状況である以上、今回の件につきましてはそのような視点も含めて徹底した調査を行うべきでないかと考えますが、いかがでしょうか。
  55. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しになりますが、当時、沖縄防衛局が本件に対して対応していた内容については、私どもは適切ではなかったと思っております。いずれにしても、本件に関しては引き続き事実関係をよく確認する必要があると思っております。  私はこのような認識に立っておりますので、私が大臣就任以降、この状況を改善すべく、平成二十九年十二月以降の海上警備業務においては、入札意欲がある警備会社が増加するよう、業務実施期間を従来よりも長期化するなどの措置によって競争性の向上に努め、結果として複数社の入札が現在行われ、そして現在は海上警備業務は別の警備業者が実施しているということであります。
  56. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 私は、今の改善した状況をお聞きしているわけではなくて、その当時のことは忘れてはならないと思いますので、そのことに対する調査を、しかも第三者による調査をやっていただけるかどうかを聞いています。
  57. 西田安範

    ○政府参考人(西田安範君) いずれにいたしましても、本件につきましては引き続き事実確認をしっかりやってまいりたいと考えてございます。
  58. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 ということは、調査を行うということですか、大臣。大臣に聞いています。調査を行ってください。やるべきだと思いますので、もうやってください。
  59. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) いずれにしても、本件に関しては引き続き事実関係をよく確認する必要があると考えております。
  60. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 ということは、調査を行うということで、はっきり言ってください。第三者による調査をやってください。必要性がある、であれば調査をやるということなので、やってください。
  61. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しになりますが、当時、沖縄防衛局が本件に対して対応していたことは、対応していた内容については適切ではなかったと考えております。  本件に関しては、引き続き事実関係をよく確認する必要があると考えております。
  62. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 済みません。必要性があるなら調査をやると言ってください。しつこいようですけれども、次の質問に行けないので、ちゃんと言ってください。調査をやると言ってください。
  63. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 事実関係をよく確認をするということ。その上で、私どもはこの事案について明らかにしていきたいと思っております。
  64. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 では、調査をやるというふうに受け取りましたので、是非よろしくお願いいたします。  加計問題のことを思い出しちゃいました、今の答弁を聞いていて。答弁と、このライジング社の、ライジング社ありきの話を聞いていて、この不自然さ。何でライジング社ばっかり繰り返し繰り返し選ばれたのか。  防衛省は、不正を知りながらも税金で契約を続けたという事実なんですね。なぜこのようなことになったのかという国民の疑義に真摯に御対応なされるということを私は信じておりますので、是非大臣、さっきの重い言葉、ありがとうございます。  二〇一五年五月に、自衛隊OBらでつくる公益社団法人隊友会の東京支部、東京都隊友会が改憲を求める署名を呼びかけ、用紙の送り先を陸自の指揮監督下にあります自衛隊東京地方協力本部のファクスにしていた事実が判明しました。既に宛先は変更されているんですけれども、当初はそういうふうになっていました。  隊友会の活動のうち、このような党派や政治性がある活動に自衛隊や防衛省が関与した事例は過去も含めほかにありますでしょうか。広い意味での政治性がある活動に自衛隊や防衛省が関与した事例は過去も含めほかにありますでしょうか。防衛省、お願いします。
  65. 武田博史

    政府参考人(武田博史君) お答えいたします。  まず、隊友会が憲法改正の署名の送付先を東京地方協力本部としていたとの報道につきまして、隊友会や東京地方協力本部に確認を行いましたので、事実関係について申し上げます。  平成二十七年当時の東京都隊友会の事務局便りにおいて、会員に対して憲法改正に関する署名用紙のファクスの宛先の一つとして、東京地本予備自衛官課を記載いたしました。しかしながら、本記述は東京地本とは調整されたものではなかったことから、事務局便り掲載直後、東京地本より返送先を隊友会に改めるよう働きかけを行ったところであり、東京地本において実際の署名集約は行われていないところでございます。  その上で申し上げれば、隊友会は平成二十三年以降、内閣府から公益社団法人の認定を受けているところでございますが、公益社団法人を規定している関係法令におきましては公益社団法人の政治活動に関する法令上の規定はないことから、公益社団法人たる隊友会が政治活動を行うことは禁じられていないと解されていると承知をしております。  また、いかなる活動が委員御指摘の党派や政治性がある活動に該当するかは、一概に申し上げることは困難でございますが、昨日、五月十六日の立憲民主党安全保障部会に参加された議員の方から、憲法改正の署名活動を含め、隊友会はどのような政治活動を行っているかとの御趣旨の御質問がございました。次回までに回答を求められておりますので、現在、隊友会に事実関係を確認しているところでございます。  いずれにいたしましても、現職の隊員は退職自衛官等である正会員とは異なり、隊友会の意思決定に何ら関与しているものではなく、もとより、隊友会の憲法改正に関する提言やそのための活動を支援しているものではないと認識しております。
  66. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 私がたしかそれ質問したと思うんですけれども、そのときの、じゃ、あったということですね。たくさんあるんだったら時間が掛かるわけですから、では、いろいろあるということですね。
  67. 武田博史

    ○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。  今ほど申し上げたとおり、現在、隊友会に事実関係を確認しているところでございまして、分かり次第、次回の部会におきましてもお話をさせていただきたいと考えております。
  68. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 現に、今回隊友会の政治活動に自衛隊が関与しかけたわけで、過去も含めてしっかり検証していくことが重要なのではないかと思いますので、是非そのリストをいただきたいなと思います。今時間が掛かっているところを見ると、たくさんあるんではないかなと推測します。  昨年十月二十五日に行われた憲法改正原案の国会提出を求める国会集会の開催に際して、打合せに自衛隊東京地方協力本部の会議室を利用していたことが明らかになっています。これは無料で貸し出していると聞いています。  では、隊友会と防衛省・自衛隊との関係、特に実務上の関わりを具体的に御教授いただければと思います。
  69. 武田博史

    ○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。  隊友会は、国民と自衛隊との懸け橋となるとの趣旨で設立をされ、自衛官の採用、再就職に対する協力や地域社会に対する協力などといった活動に継続して取り組んでいると承知をいたしております。  昭和三十五年に当時の防衛庁監督下の社団法人隊友会として設立されましたが、現役の自衛隊員は、国民と自衛隊との懸け橋となるという隊友会の趣旨に賛同して賛助会員となっているところでございます。さらに、平成二十三年以降、隊友会は内閣府から公益社団法人の認定を受けております。  隊友会は、自衛官の採用、再就職に関する協力を行うとともに、PKO等や災害派遣部隊などの見送り、激励に加え、予備自衛官などに対する支援を行っております。  具体的に申し上げれば、平成二十八年度において、自衛官の採用については隊友会から二百七十一件の情報提供があり、六十七名が実際に入隊をしております。また、再就職につきましては百三十七件の情報提供があり、三十五名の就職が決定いたしました。  また、二十八年度においては、海賊対処行動派遣部隊及び南スーダン派遣施設隊に対して十一回の見送りや激励を行っていただいております。さらに、熊本地震に派遣された部隊に対する見送り及び激励を行っていただくとともに、熊本地震においては、熊本県隊友会を始め九つの県の隊友会の会員延べ六百六十人がボランティアとして支援活動を行っていただいております。  さらに、隊友会は、地方協力本部と連携して、地元企業等に対する予備自衛官等制度の普及活動や予備自衛官本人に対する激励に加え、永年勤務者に対して平成二十八年度においては二千百十個の予備自衛官勤続記念き章を贈呈していただいたところでございます。
  70. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 自衛隊は賛助会員の登録業務も行っています。実際に、隊友会には約十七万人もの現役自衛官も賛助会員として所属しています。全体で二十二万人ですから、大多数ということになります。また、自衛隊は賛助会費の徴収も行っています。本部事務所も格安で市ケ谷の防衛省敷地内に置いています。  防衛省・自衛隊がこれだけ密接にコミットし、かつ支援している組織が政治的な党派性に傾く活動をするのは、実質的に自衛隊の政治的行為の制限を規定した自衛隊法に反する可能性が生じるのではないでしょうか。防衛大臣、よろしくお願いいたします。
  71. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 現職の自衛隊員は、退職自衛官等である正会員とは異なり、隊友会の意思決定に何ら関与するものではなく、もとより隊友会の憲法改正に関する提言やそのための活動を支援しているものではないと認識しております。  また、これまで隊友会との関係において自衛隊法第六十一条に定める政治的行為の制限に抵触した事例はないと承知をしておりますが、いずれにしても、引き続き自衛隊員に対して政治的行為の制限の遵守について周知徹底をしてまいります。
  72. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 自衛隊の政治的中立性は実質的に判断がなされるべきだと思います。隊友会と地方協力本部は地方でほぼ一体化しているという指摘もございます。隊友会と自衛隊を政治的に明確に切り分けなければ、自衛隊の政治的中立は保てないと思います。隊友会が政治的活動を行わないか、自衛隊との関係性を峻別するかのいずれかの選択肢をしなければ自衛隊法違反の懸念は避けられないと思うんですね。政治は責任を持って指導するべきだと考えます。  隊友会のホームページには、「顧問・相談役のページ」として、自衛隊OBを始めとした自民党国会議員の方のページのリンクが張られております。このような活動は現役の自衛官にも影響がないとは断言できません。このような、自衛隊と政治との距離感の取り間違いが小西議員への暴言事件を生む背景にもなっているんではないかと推測いたします。  続きまして、前回に引き続きましてイラク日報隠蔽疑惑について質問させていただきたいと思います。  今回のイラク日報隠蔽疑惑に関連して、自衛隊の海外派遣時の日報を四月二十日までに統合幕僚監部に集約するように、四月七日付けの通達が出されました。その結果は、四月二十三日付けで現地部隊からの報告文書の集積状況ということで公表されています。集約されたのは延べ約四万三千件に上りまして、存在しないとしていたにもかかわらず新たに見付かったイラクの日報は、合わせて四百六十九日分にもなりました。  この発表の後は、またどこかからか日報が新たに発見されるということはないということでよろしいでしょうか。防衛省。
  73. 高橋憲一

    ○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。  四月七日でございますが、防衛大臣から全ての部隊、機関におきまして、海外に派遣された自衛隊の活動に関し、全ての日報を含む定時報告の探索作業を徹底して行い、統幕への集約作業を原則として四月二十日までに終えるように通達を出していただきました。その結果、四月二十三日に、先ほど御指摘がございましたように、延べ約四万三千件の日報を含む定時報告を集約した旨の結果を公表させていただいたところでございます。  今般の探索作業は、防衛大臣の指示を受けまして、全国約二十五万人の隊員が所属する全ての部隊及び機関において日々の業務を行いながら行ったものでございまして、その作業の結果については私ども重く受け止めるべきと考えてございます。
  74. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 今回の統合幕僚監部への集約の指示は、四月七日に初めて出されたわけではございません。防衛省は、去年の七月の二十八日、南スーダンPKO日報問題の特別防衛監察を受けた再発防止策で、海外派遣部隊の日報を統幕参事官室に集約して一元管理することなどを省庁に通達しているという経緯がございます。  去年の通達後の日報の集約状況はどのような状況だったんでしょうか。
  75. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。  行動命令に基づきまして活動する自衛隊部隊が上級部隊へ報告するために作成した定時報告でございまして、防衛大臣又は上級部隊の判断に資するもの、いわゆる日報につきましては、御指摘のように、南スーダンPKOの日報問題の教訓を踏まえまして、昨年七月より統合幕僚監部において一元的に管理することになりました。  このプロセスの中で、先ほどお話ございましたが、四月七日に小野寺大臣から、全ての部隊、機関において海外に派遣された自衛隊の活動に関する日報の探索作業を行うよう通達がなされまして、その結果、集約された文書のうち、かかる日報に該当する可能性があるものは、重複等も含めまして、延べ四万三千件が確認されました。これらは二十一の活動に従事した部隊からの定時報告でございます。  具体的には、イラク人道復興支援活動特措法に基づく活動に加えまして、カンボジア国際平和協力業務、東ティモール国際平和協力業務、イラク被災民救援国際平和協力業務、ホンジュラス国際緊急援助活動、マレーシア国際緊急援助活動に係る定時報告などでございます。
  76. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 今回の件数は、三週間余りで四万三千件なんですね。数か月以上も掛けて三千件、これ比べると、本当桁が違うんです。今回は本気でやったということかもしれませんけれども、大臣の指示が数か月間にわたって徹底されなかったというのは、シビリアンコントロールの上で問題があるということではないかなと思うんですね。  小野寺大臣の指示で設置された今回の件の調査チームについてお伺いしたいと思います。  大野政務官をトップとする調査チームの進行状況をお示しください。今何を調べていて、具体的にどこら辺まで来ていて、いつ頃終了する見込みなのか、明確にお示しください。
  77. 大野敬太郎

    ○大臣政務官(大野敬太郎君) 恐れ入ります。  この調査につきましてですけれども、小野寺大臣よりは、正確な事実関係を着実に調べること、ただ一方で、それは時間掛けていいわけではなくて、速やかになるべく早く事実関係を把握して、そして速やかに国会の皆さんに御報告をするように、こういう御指示をいただいておるところでございます。  そんな中で、これまで実際に二十七回にわたるその調査チームを開催いたしまして、調査チームというのは、私が参加して私が直接聞き取る、あるいは私から、これを聞き取るように、あるいはこれを調査するように、あるいはそのチームのそれぞれのメンバーから、こういう事実関係をしっかりと把握するように、実際のファクトファインディング、証拠というものをしっかりと把握するように、この証拠というのは何かというと、例えばどういう経路でその指示が下りて、どういう結果が返ってきたのか、どういう文書があるのか、あるいは、この取扱いについてどういう制度があるのか、このギャップはどこにあるのか。  そういったものを、その事実を実際に調べているという、こういう段階でございまして、時期につきましては、与野党の国会対策委員会の中で、与野党のその議員の先生方の中で今月中に報告をするようにという合意をなされていることはしっかり把握をしているところでございますので、もちろんこれに間に合うようにしっかりと頑張っていきたいと思っておりますけれども、現時点で直ちに公表できるというレベルに達していないことはありますけれども、今月中だというので、今月中いっぱいまで掛けるというつもりではなくて、なるべく早く皆様に御報告できるようにしっかりと頑張ってまいりたいと思います。
  78. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 時間がちょっと限られ、もう終わりますので、実は私、次回聞こうかなと思っているのは、以前の私の質問に対する答弁で、統合幕僚監部から大臣への一か月の報告遅れ、これについて調べる予定はないというふうにおっしゃっていた。この理由は本当に私は疑問に思っていることなので、絶対知りたいなと思っているので、次回、粘り強くこれについてもお聞きしたいなと思います。  質問を終わります。
  79. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  まず、中東情勢についてお聞きします。  イラン核合意離脱、イスラエルの大使館移転、シリアへの攻撃など、トランプ政権の政策変更や軍事行動によって、今、中東の平和と安定に重大な事態が生じております。  総理も外務大臣も、連休中に中東を訪問されました。先日、十四日の参議院の予算委員会で総理は、日本はパレスチナともイスラエルとも良好な関係を持ち、イランとも歴史的に良好な関係を持っておりますから、日本独自の外交が展開できると答弁をされました。  具体的にどうするかが今問われております。まず、イラン核合意からの米国の一方的な離脱表明でありますが、その後、イスラエルがシリア領内のイラン軍の軍事拠点へ攻撃を加えるなど、緊張が高まっております。  同じく十四日の参議院予算委員会での総理答弁は、この核合意については日本は支持する立場は明確だと述べました。他方、トランプ大統領がサンセット条項など様々な課題があると述べていることは理解するとも言われました。ですから、この離脱に対して賛成なのか反対なのかがよく分からないんですね。明確にしていただきたいと思うんです。  このイランの核合意は国連安保理でも全会一致で承認をされて、イランが遵守していることは履行を監視するIAEAが確認をして、そして米政府もそれを承認をしてきたわけであります。ここからの一方的離脱というのは全く道理がない、国際的にも厳しい批判の声が上がっております。私は反対だと明確に示すべきだと考えますけれども、現状認識、今後の対応も含めて、河野大臣、御答弁いただきたいと思います。
  80. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日本は国際的な不拡散体制を維持強化していくという視点から、あるいは中東の安定に資するという観点からも、このJCPOA、イラン核合意を支持しているところでございます。今回のアメリカの発表により核合意の維持を困難とするような大きな影響が出るとすれば大変残念でございますが、関係国による建設的な対応を期待をしているところでございます。  日本といたしましては、核合意の維持に向けて、イランの外相との電話会談を始め関係各国と緊密に協議をし、また協議を続けていくところでございます。今回の様々な発表が及ぼす影響について注意深く分析をしながら、情勢を注視してまいりたいと思います。
  81. 井上哲士

    ○井上哲士君 イランの外務大臣との協議というお話がありましたけど、これ、離脱したのはアメリカの方なんですね。アメリカの対応が問われているわけでありまして、やはりこれはイラン核合意を支持する立場であれば、これの離脱は反対だということを明確に言った上で対応が必要かと思いますけれども、その点、もう一度明らかにしていただきたいと思います。
  82. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 核合意を支持するという日本の立場につきましては、アメリカに対して様々なレベルで累次伝えてきております。アンマンでもポンペオ新国務長官とお目にかかりまして、核合意に対する日本の立場を直接伝えているところでございます。  イラン政府につきましては、こうしたアメリカの発表があっても抑制的に対応してほしいということを申し上げたわけでございます。  引き続き、関係国と緊密に連携をしてまいりたいと思います。
  83. 井上哲士

    ○井上哲士君 IAEAもイランが遵守しているということを確認をしている。その合意を米国が一方的に離脱をするということになりますと、米朝首脳会談の行方への悪影響も指摘をされております。私は明確な対応をするべきだと思うんですね。  さらに、エルサレムをイスラエルの首都として認めて、アメリカ大使館を移転をさせた問題であります。  国連は、一九八〇年の安保理決議四七八を始めとする諸決議で、イスラエルが一九八〇年に占領地を含むエルサレム全体を首都とした決定を、国際法違反で無効なものとして認めておりません。トランプ政権の行動は、この国連の諸決定に反して、中東和平に重大な障害を持ち込んで、地域の緊張を高めるものであります。既に抗議するデモに発砲が行われて、六十人を超える市民が犠牲になるなど深刻な事態になっておりますし、先日の安保理の緊急会合でも厳しい批判の声が上がりました。  これも、日本は従来から二国家の平和共存によるイスラエルとパレスチナ問題の解決を支持をしてきたわけであります。そういう下で、今のこの現状認識及び今後の対応をどうするのか。こうした大使館の移転であるとか、イスラエル軍による市民への、デモ隊への発砲、これは明確に批判をする立場を表明するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  84. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 十四日、アメリカはエルサレムに在イスラエル米国大使館を移転をいたしました。日本といたしましては、これをきっかけとして、今後の中東和平をめぐる状況が一層厳しさを増したり、また中東全体の情勢が悪化し得ることについて懸念をしており、この動向につきましては大きな関心を持って注視してまいりたいと思います。  中東和平をめぐる状況は大変厳しいものがございますが、当事者間の交渉が再開し、和平プロセスが進展することを期待をしております。  我が国は、イスラエル、パレスチナ間の紛争の二国家解決を支持しており、エルサレムの最終的地位の問題を含め、当事者間の交渉によりこの問題が解決されるべきという立場に変わりはございません。  他方、十四日以降、ガザ地区におきまして、米国大使館のエルサレム移転に反対するなど、デモ活動を行っていたパレスチナの方々とイスラエル治安部隊との暴力的な衝突により多くのパレスチナの方々が亡くなられ、あるいは負傷したという報告に接して、深く憂慮するとともに、懸念を持って情勢を注視しているところでございます。  日本といたしましては、事態をエスカレートをさせないよう全ての関係者に強く求めたいと思っております。  もちろん、平和的なデモをする権利というのはパレスチナの方々にあるわけでございますが、平和的にこの権利が行使されることを望みますし、これに対応するイスラエル治安部隊に対しましては、暴力的な衝突がこれ以上発生しないように特に抑制的な対応を求めてまいりたいというふうに思っております。  また、こうした厳しい状況だからこそ、日本独自の取組であります平和と繁栄の回廊構想などを通じて、当事者間の信頼醸成や対話の機会の提供促進に積極的に貢献をしてまいりたいと思っております。  先般も、死海リゾートのホテルにおきまして、平和と繁栄の回廊に関する日本、パレスチナ、イスラエル、ヨルダン、四者の閣僚による閣僚級会合を開催をし、この平和と繁栄の回廊構想の、更に進めるというような四者間の合意もできた。イスラエル、パレスチナ自治政府との閣僚同士の話ということもできたわけでございますので、日本といたしましては、日本の独自の立場からしっかりと信頼醸成に向けてやれることをやってまいりたいと思います。
  85. 井上哲士

    ○井上哲士君 その四者会合が行われた後にこういう事態になっているわけですね。ですから、私はもっと強く日本は発信をするべきだと思います。やはり、この事態を巻き起こしたアメリカの大使館移転、もっと明確に批判をするべきだと思うんですね。  その中で、さらに、日本ができることをやると、こうおっしゃいましたけれども、是非この機会にパレスチナの国家承認、これを行うべきではないかと思うんですね。  二〇一二年に国連総会で、パレスチナをオブザーバー国家として承認する決議が賛成百三十八、反対九、棄権四十一で採択をされました。日本はこれに賛成をしております。この決議は、国際社会がパレスチナの民族自決権を支持をして、パレスチナの独立とイスラエルとの平和共存を強く求めているということを示したことになったと思います。  こうした下で、今パレスチナを国家として承認する国の数も増えて、百三十五か国、国連加盟国の七割に至っているわけですね。私は、二国家解決の逆流が強まっているときだからこそ、そして、やっぱりイスラエルとパレスチナの直接対話が困難になっているときだからこそ、このパレスチナ国家の承認をして促進を支援をすることが必要だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  86. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 今の委員のお話は理解できるところもございます。パレスチナの国家承認につきましては、和平プロセスの進展に資するかどうかという観点から、適切なタイミングにおける将来の国家承認に向けて引き続き検討してまいりたいと思います。
  87. 井上哲士

    ○井上哲士君 私、今だと思うんですね。  二〇一四年に国家承認をしたスウェーデンの外務大臣は、当時、和平交渉におけるイスラエルとパレスチナの立場をより平等にしていくことでその交渉を促進をしていきたいと、こう述べているんですね。今非常に客観的にパレスチナの立場は困難になっているというときだからこそ、私は、その促進をするために、将来の問題ではなくて今取り組むことが必要ではないか。  日本が承認することは、私、三つのメッセージになると思うんですね。一つは、パレスチナ支援というメッセージになります。それから、イスラエルに対して二国家共存の重要性を示すというメッセージにもなる。そして、国際社会に対してもそういう方向でこそ真の解決だということを示すメッセージにもなると思うんですね。  冒頭、総理の答弁を紹介しましたけれども、日本がやっぱり独自の外交ができる、そういう中東でのプレゼンスを持っているという中でいえば、今やるべきではないかと思いますけれども、重ねていかがでしょうか。
  88. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 委員と向いている方向は同じなんだろうというふうに思っております。そのタイミングをどう捉えるかということで、私は、この和平が、プロセスが進展をし、やはりここぞというタイミングで、一度しか切れないカードでございますから、これをどのタイミングで切るかというのは、一番有効なところでカードを切りたいというふうに思っているところでございます。  先般、パレスチナのナビル・シャース大統領顧問が来日されまして、そのときにも、国家樹立に向けたパレスチナの努力を日本は政治、経済面から支援をし、日本は二国家解決を全面的に支持をしているということから、この将来の適切なタイミングにおける国家承認に向けて日本は引き続き検討しているところだという旨を伝えております。  恐らく、委員と同じ方向で、どのタイミングかという、そのタイミングの判断が若干違うのかと思いますが、しっかりと最善の場面でカードを切れるようにやっていきたいと思っております。
  89. 井上哲士

    ○井上哲士君 和平の促進を見てじゃなくて、促進をさせるために今必要だということを重ねて申し上げておきたいと思います。  続いて、BEPS防止措置実施条約に関連してお聞きいたします。  多国籍企業による租税回避による二重非課税が国際的な問題になる中で、その対策としてこのBEPSプロジェクトが承認され、これを各国が結んできた租税条約に適用させるというのが今回の条約であります。この租税回避に悪用されてきた一つが、外資系の法人が日本国内で事業を行っていても、恒久的施設、PEがなければ課税されないというこれまでのルールでありました。  昨年もお聞きしたわけでありますけれども、このBEPSの最終報告に基づいて、恒久的施設認定の人為的回避の防止ということが条約に盛り込まれております。これは具体的にどういうことがこの間問題になってきたということなんでしょうか。
  90. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  BEPS防止措置実施条約では、多国籍企業が進出先国に置く支店等の拠点が課税対象となる恒久的施設、PEと認定されることを人為的に回避することによって、進出先国で生じる事業利得への課税を免れる行為に対処すべく、PEの定義を拡大する規定を盛り込んでおります。  これまでのOECDモデル租税条約におきましては、商品の保管や引渡し等のみを行う場所はPE認定ができないものとされてきました。その結果、例えば、商品の契約等は法人の本国で行い、顧客が存在する進出先の国では商品の保管等のみを行う倉庫を置くことにより、進出先国でのPE認定を人為的に回避するといったような問題が生じてきておりました。  BEPS防止措置実施条約の規定はこうしたケースに対応するものでありまして、倉庫のような商品の保管、展示、引渡しや購入のみを行う場所であっても、それが企業の事業にとって準備的、補助的な活動ではなく本質的な活動であると認められる場合には、PE認定して課税をすることを可能にするというものでございます。
  91. 井上哲士

    ○井上哲士君 今答弁ありましたけれども、特にこれはネット通販企業で問題になってきました。日本では、通販大手のアマゾンに関わって問題になって、本社のアマゾン・ドット・コムの報告書で日本の税務当局がアマゾンの子会社に対して百四十億円分の追徴課税を行ったけれども、その後、日米間の話合いの中で日本の税務当局は大部分を解除したというふうに書いてあって、当時大きな問題になりました。  今実態はどうなのかと。アメリカ・アマゾンの年次報告書によりますと、一四年度の日本での売上高は八千三百八十七億円です。ところが、アマゾンの日本法人二社が官報掲載の決算公告で公表した一四年度の売上高はその一割の八百九十九億円と、約九割をアメリカで計上して課税逃れをしていると見られるわけです。その結果、このアマゾンの日本法人二社の法人税額は合計十一億円なんですね。  同じネット通販大手の楽天は、売上げはアマゾンの七割程度の五千九百八十六億円ですが、法人税額は三百三十一億円で、約三十倍払っているわけですね。ですから、現在も百億円単位での課税逃れが行われると見られるわけでありまして、国税当局はこのアマゾンのときも課税をしようとしたわけでありますから、こういう実態をある程度把握をされていると思います。どのような把握をされているのか、そして、今後この条約の下で、こうした人為的回避から課税ちゃんとするどういう取組をされるんでしょうか。
  92. 金井哲男

    ○政府参考人(金井哲男君) お答え申し上げます。  大変恐縮でございますが、個別にわたる事柄についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。  国税当局といたしましては、恒久的施設につきましても、今般の倉庫等に係る租税条約の改正も含めまして、租税条約及び国内法令の規定に基づき、あらゆる機会を通じて情報収集を行いますとともに、課税上問題のある取引が認められれば税務調査を行い、個々の納税者の実態を見極めました上で、今後とも適正、公平な課税に努めてまいりたいというふうに考えております。
  93. 井上哲士

    ○井上哲士君 今からの話ではなくて、この間もいろんな税務調査等の中で一定の対象になるべきものというものは把握をされていると、こういうことでよろしいでしょうか。
  94. 金井哲男

    ○政府参考人(金井哲男君) お答え申し上げます。  繰り返しで恐縮でございますけれども、個別にわたる事柄についてはお答えすることを差し控えさせていただきたいというふうに存じます。  これまでにつきましても、租税条約、また国内法令の規定に基づきまして、必要がありましたらば税務調査を行うなどいたしまして、個々の納税者の実態を見極めました上で適正、公平な課税に努めてきているところでございます。
  95. 井上哲士

    ○井上哲士君 税収も失われております。税に対する国民の信頼を損なうし、そして、同種の企業でいいますと、きちんとした納税をしているところと比べますと競争上の不利益にもなっているわけですから、きちんとやっていただきたいと思います。  同時に、これ、今のアマゾンはアメリカ法人でありますから、この条約にはアメリカはまだ参加をしていないという下で、適用にならないということになるわけですね。衆議院の答弁でも米国を含めて対応していくということでありますが、この間、どういう場面で、どういうレベルでアメリカに対してこの条約への参加を求めてきたんでしょうか。
  96. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  BEPS防止措置条約につきましては、より多くの国・地域が参加することで真価を発揮するものでありますので、このプロジェクトを主導してきた日本といたしましては、米国を含む本条約の未署名国に対して条約の署名を呼びかけてきております。こうした働きかけは、二国間でのやり取りやOECDの場、あるいはG20などの多国間の枠組みといった場も使って行ってきております。  特定のやり取りにつきましては外交上の問題がございますので差し控えさせていただきますが、米国に対しましても、二国間、多国間のこういった場を活用して様々なレベルで働きかけを行ってきているところでございます。
  97. 井上哲士

    ○井上哲士君 この間、日米経済対話とか新たな通商交渉の場とか設置をされておりますけれども、そういうところでも課題になっていくのかどうか。  そして、先日、衆議院での河野大臣の答弁では、大臣レベルではまだやったことがないと。これ、是非やってほしいということに対して、大きな論点だと思いますのでしっかり検討していきたいと思いますという答弁が行われました。私からも、是非大臣レベルでこういう米国に対する働きかけをやっていただきたいと思いますけれども、日米経済対話などの議題になるか等も含めて答弁をいただきたいと思います。
  98. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 国際的な租税回避行為に対処するためには国際的な協調の下での取組が大変重要であり、BEPSプロジェクトはより多くの国が参加することで真価を発揮するものと考えております。  BEPSプロジェクトの合意事項の着実な実施について本条約が果たす役割は非常に大きいと考えておりますので、BEPSプロジェクトを主導してきた日本としては、引き続きアメリカを含む本条約の未署名国に対して、様々な機会を捉え、外交ルートを含め様々なチャンネルを通じて本条約への参加をしっかりと働きかけてまいりたいと思います。
  99. 井上哲士

    ○井上哲士君 終わります。
  100. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  今の井上委員の質問と一部かぶるところもあるんですが、まずBEPS防止措置実施条約についてお尋ねしていきたいと思います。  井上先生のお話の中にもありましたけれども、アマゾンですね、アメリカに本社があって、日本法人がしかるべき税金を納めていないと。アマゾンの、これはクレジットでしか決済できないわけでありますが、クレジットカード決済センターがアイルランドのダブリンにあると。日本国内では、アマゾンのクレジット決済を利用しても海外での購入という扱いになって、アマゾン側は、日本法人を補助業務を行っているだけの存在という位置付けですので、つまり恒久的施設、PEではないため日本に法人税を納める義務はないというふうに説明されております。  それで、質問ですが、恒久的施設が日本にないという理由で税金を払っていなかったと。もしアメリカがBEPS防止措置実施条約に署名し批准されたら、同社、アマゾンは日本で納税せざるを得なくなるんでしょうか。今ほどのお話ですと、楽天は三百三十一億円払っているのにアマゾンは十一億円しか払っていないというお話もありましたが、アメリカが署名し批准したら日本で納税せざるを得なくなるんでしょうか。その根拠は何でしょうか。
  101. 金井哲男

    ○政府参考人(金井哲男君) お答え申し上げます。  大変恐縮でございますけれども、守秘義務がございます関係上、個別にわたる事柄についてお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。  一般論で申し上げますと、BEPS防止条約におきましては、ある国の企業が他国に重要な倉庫を有し、その倉庫を使用しております場合には、その倉庫は恒久的施設に該当することが明確化されますなど、BEPS防止条約の趣旨でありますPE認定を人為的に回避することによる租税回避への対応が強化されているところでございます。  いずれにいたしましても、個別の外国法人等への課税につきましては、その事業活動の実態ですとか恒久的施設の具体的な状況に即して判断されるということになりますが、繰り返しで恐縮でございますけれども、個別にわたる事柄についてお答えすることは差し控えさせていただくことを御理解いただければと存じます。
  102. 浅田均

    ○浅田均君 個別の名前は出しておりますけれども一般的なことということでお答えいただけたら有り難いんですが。  アマゾンという会社は日本に倉庫を、配送センターとかいうのを持っていますよね。ところが、クレジット決済がアイルランドで行われていると。だから、PE認定はできなかったところ、このBEPS条約にもしアメリカが署名して批准したら、それもPE認定ができるようになるという理解でいいんですね。
  103. 金井哲男

    ○政府参考人(金井哲男君) 個別にわたる事柄については答弁を差し控えさせていただくことを御理解いただければと存じますけれども、この条約の改正なども踏まえまして、個別の外国法人への課税につきましては、その事業活動の実態ですとか、あるいはその恒久的施設の具体的な状況に即してということになりますので、それを踏まえて判断されるということになると思います。
  104. 浅田均

    ○浅田均君 そうしたら、今アメリカとの間には租税条約しかないわけでありまして、アメリカはこのBEPS防止措置実施条約に署名をしておりません。だから、当面の間は租税条約により課税ということになりますから、現在の状況は続くという理解でいいんですか。
  105. 金井哲男

    ○政府参考人(金井哲男君) お答え申し上げます。  繰り返しで大変恐縮なんですけれども、個別の事柄につきましてはお答えを差し控えさせていただくことを御理解いただければというふうに存じます。  私どもといたしましては、恒久的施設につきましては、租税条約及び国内法令の規定に基づきまして、あらゆる機会を通じて情報収集を行いますとともに、課税上問題があるということでありますれば税務調査を行うなどいたしまして、納税者の実態を見極めました上で、適正、公平な課税に努めているところでございます。
  106. 浅田均

    ○浅田均君 次の質問ですが、日本でこのBEPSにより失われている法人税収はどの程度と見積もっておられるんでしょうか。
  107. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  BEPSにより失われた我が国の法人税収の規模を推計することにつきましては、データが制約されていることに加え、個々の企業に係る事実関係や適用される税法の規定がそれぞれ異なりますことから、税法により課されるべき税額の総計を測ることは困難になっております。  OECDが、そのBEPSプロジェクトの最終報告書の中で、BEPSにより失われた法人税収の逸失規模を世界全体では年間一千億ドルから二千四百億ドル、約十二兆円から二十八兆円と非常に幅広い推計をしておりまして、報告書の中では、実態を反映した結果を示すためには更なる検討が必要というふうに結論付けております。  こういった事情もございまして、我が国におきましてBEPSにより失われた法人税収の規模を推計することは現状困難となっていることについて御理解を賜ればと考えます。
  108. 浅田均

    ○浅田均君 規模は、額をどれぐらいですかと聞きますと難しいというのは確かだと思いますが、失われているという、当然入ってくるべき税収は入ってきていないと、そういう面があるというのは確かなのでこういう条約に加盟するわけであって、それは確かですよね。
  109. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  OECDでの議論におきまして、世界的に逸失利益があるということにつきましては、その規模の範囲は確定できておりませんけれども、あるということについては認識が一致しております。
  110. 浅田均

    ○浅田均君 それでは次に、板門店宣言についてお尋ねしていきたいと思います。  板門店宣言、この間の南北首脳会談で出された宣言でありますが、休戦協定締結六十五年となる今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、南北米三者又は南北米中四者会談の開催を積極的に推進していくことにしたというふうに述べられております。  この終戦を宣言しというのは北朝鮮の意思だけでできるんでしょうか。確認させていただきます。
  111. 石川浩司

    ○政府参考人(石川浩司君) お答え申し上げます。  御指摘の朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言文、これは四月二十七日の南北首脳会談において発出されたものでありまして、当事者でない我が国はその内容についてお答えする立場にはないと思います。  その上で申し上げますれば、今後の議論を予断するものではありませんが、例えば韓国の統一部は、終戦宣言とは、戦争を終わらせ相互の敵対関係を解消させようとする交戦国間の共同の意思表明のことであるというふうに整理しているというふうに承知しておりまして、北朝鮮のみによる意思表明ということは想定していないというふうに理解しております。  いずれにせよ、引き続き、北朝鮮に政策を変えさせるため、日米、日米韓三か国で緊密に協力して、中国、ロシアを含む国際社会とも連携しながら、我が国としてもしっかり役割を果たしていきたいと思います。
  112. 浅田均

    ○浅田均君 御答弁の中にもありましたけれども、あくまで一般的なことでいいんですが、休戦協定を平和条約に転換するとありますけれども、具体的にどのような法的な手続が必要なのか、ちょっと教えていただけませんでしょうか。
  113. 石川浩司

    ○政府参考人(石川浩司君) お答え申し上げます。  我が国は朝鮮戦争休戦協定の当事者ではないということから、お尋ねの点について予断をもってお答えすることは差し控えたいと思います。  その上で申し上げますれば、御指摘の休戦協定の第五条には、休戦協定の各条項は、双方が共に受諾する修正及び補充によって、若しくは双方の間の政治的段階で行われる適当な平和的解決のための協定の規定によって明白に取り替えられるときまで引き続き有効とするというような規定があるものと承知しております。
  114. 浅田均

    ○浅田均君 今、まあ一般論として、双方が受諾する修正というお言葉がありました。朝鮮戦争の休戦協定の当事者というのは、国連軍とそれから中国、北朝鮮というふうに理解しておりますけれども、最終的な平和解決というときの当事者というのは誰になるんですか。
  115. 石川浩司

    ○政府参考人(石川浩司君) 先ほども申し上げましたとおり、四月二十七日の南北首脳会談において発出された朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言文には、南北は、休戦協定締結六十五周年となる今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、南北米の三者又は南北米中の四者会談の開催を積極的に推進していくこととしたという文言があるというふうに承知しております。  御指摘のとおり、朝鮮戦争の休戦協定は、朝鮮人民軍最高司令官及び中国人民義勇軍司令官を一方とし、国際連合軍司令部総司令官を他方とする当事者によって締結された協定であると承知しております。  当事者でない我が国としては、例えば韓国の関与も含めて休戦協定の変更の在り方についてお答えする立場にはないというふうに承知しております。
  116. 浅田均

    ○浅田均君 まあ立場でないというのは分かるんですが、一般論として、国連軍というのが関わっているんですが、国連軍が休戦協定に調印したということで、国連軍というのは、これ誰が代表していると考えたらいいんですか。
  117. 石川浩司

    政府参考人石川浩司君) 朝鮮国連軍につきましては、朝鮮戦争発生後、国連決議によってできたものでございまして、国連軍には総司令部というのが置かれてございます。  いずれにしましても、朝鮮国連軍につきましては現在も有効に機能しているというふうに理解しております。
  118. 浅田均

    ○浅田均君 後でつくられた朝鮮国連軍の話をしているのではなしに、朝鮮戦争の最後の段階で休戦協定を結んだ一方の当事者が国連軍なんです。だから、その国連軍というものを誰が代表するのかという質問です。
  119. 石川浩司

    政府参考人石川浩司君) お答え申し上げます。  朝鮮戦争休戦協定が結ばれた当時の署名者としましては、国連軍司令部司令官合衆国陸軍大将マーク・W・クラークさんという方だというふうに承知しております。
  120. 浅田均

    ○浅田均君 そうしたら、アメリカ軍のマーク・クラークさんという方が当時の当事者ですよね。これ、今、休戦協定の当事者ではない韓国が休戦協定の変更に直接どのように関わるのかということを聞きたいんですけれども、そのマーク・クラークさんという方を代表者とする国連軍というものが休戦協定の変更に直接どのように関わるんですか。
  121. 石川浩司

    政府参考人石川浩司君) 先ほども申し上げましたが、日本はこの休戦協定の当事者でございませんので、休戦協定をどのように変えていくか、そのときにどういうものが関わってくるかということについてここで予断を持ってお答えするのは差し控えたいと思います。
  122. 浅田均

    ○浅田均君 そうしたら、あくまでその当事者同士の判断で、これで終戦と、戦争は終わったと、後でそれに対して日本がどう評価するかという問題であって、我が国としては、予断を持ってお答えできないと言われますけれども、後でそれをもって、これで朝鮮半島、休戦協定が結ばれていただけであったけれどもこれはもう終戦と、戦争は終わった状態であるというふうに認定するという順序になるわけですか。
  123. 石川浩司

    政府参考人石川浩司君) まず、一つの問題としては、この休戦協定をどのように終わらせるか、あるいは処理をしていくかという一つの問題があるかと思います。これにつきましては日本は当事者でないので、予断を持ってお答えするのは差し控えたいと思います。  他方で、朝鮮半島の今後の平和と安全という将来をにらんだ場合には、当然日本は非常に、日本にも深く関わる問題でございますので、そういった問題については日本も関係国と議論していくということだと思っております。
  124. 浅田均

    ○浅田均君 休戦協定を平和条約に変えることで戦争状態が終わるという認識です。そのとき、南北には分断されているわけでありますけれども、その扱いというのも一応日本としては、平和条約にどう変えるかということと密接に関連しているわけですけれども、南北分断をどうするかを当事者が決められるというふうな受け止めでいいんですか。
  125. 石川浩司

    政府参考人石川浩司君) 同じような繰り返しになって恐縮なんでございますが、休戦協定をどうするかという法的な処理の問題、これは日本は当事者でないので予断を持って申し上げることは差し控えたいということだと思います。  他方で、御指摘の点も含めた朝鮮半島の平和と安定ということについては、日本としても関係国としっかりと議論していくということかと思っております。
  126. 浅田均

    ○浅田均君 休戦協定を平和条約に変える、そして分断を統一するということがあれば、それは当事者間の問題であって、そういうことに関する国際的な、一般的なルールというのはないんですか。
  127. 石川浩司

    政府参考人(石川浩司君) 国際的に、例えばドイツ統一とかいろんな大きな事例があったかと思いますが、それらについては個々の状況に応じてやはりその対応がなされてきたというふうに理解しております。
  128. 浅田均

    ○浅田均君 先ほどちょっと言及があったんですが、朝鮮国連軍の存在についてちょっとお尋ねしたいんですが、休戦協定を平和協定に変換する、戦争が終わった状態になるということにした場合、朝鮮国連軍というのは、後方の司令部というのは日本に置かれているわけですよね。この存在はどうなるんでしょうか。
  129. 石川浩司

    ○政府参考人(石川浩司君) まず、議論の出発点となっております南北首脳会談で発出された朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言文、ここにおきましては朝鮮国連軍の扱いについては言及がないというのは承知しております。したがって、これについて日本が何かお答えするということではないと思います。  他方で、委員御指摘のとおり、日本はいわゆる国連軍地位協定の締約国でございます。そして、そういうことも踏まえますれば、朝鮮国連軍の在り方を含めて、朝鮮半島の平和と安全をどのように確保するかということについて我が国を含む関係国間で議論していく課題であるというふうに認識しております。
  130. 浅田均

    ○浅田均君 最後に、河野大臣にお尋ねします。  十六日に南北高官協議が予定されておりまして、突然中止されました。これを河野外務大臣、どのように受け止めておられるんでしょうか。
  131. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 五月十六日に、北朝鮮は、米韓合同軍事演習を非難し、南北高官級会談の中止を発表いたしました。ところが、この米韓の合同軍事演習につきましては五月十一日から既に実施されており、このことは北朝鮮側も認識をしていたと理解をしております。  この南北高官級会談につきましては、南北間の調整の中で、五月十五日に北朝鮮が翌十六日の同会談の開催を提案をし、韓国が同意をした結果、十六日の開催が予定されていたというふうに承知をしております。  北朝鮮が十六日の時点で、数日前に既に開始されていた米韓の合同軍事演習を非難しながら、前日に自ら提案した南北高官級会談の中止を申し入れた背景を予断することは差し控えたいというふうに思いますが、日本といたしましては、北朝鮮の言動一つ一つに振り回されることはなく、米朝会談に向けて日米あるいは日米韓の三か国で緊密に協力をしていきたいと思っております。  この米韓の合同軍事演習というのは、日米の共同訓練、あるいは日米韓三か国の安全保障、防衛協力と並んで重要な抑止力の柱というふうに我々は認識しておりますので、この合同軍事演習が行われているのは当然のことだと考えております。
  132. 浅田均

    ○浅田均君 終わります。ありがとうございました。
  133. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でも食えると。本当は今日はちょっと据え膳に掛けようと思っていたんですが、据え膳食わねば男の恥と思ったんですが、今回はデンマークとアイスランドの条約の問題です。据え膳食べても気を付けないとこれから駄目ですよね。  それはともかく、カラスの鳴かない日はあっても北朝鮮の話が出ない日はないというくらいテレビに毎日報道されるので、どれがどういうことなのかというのが本当に混乱起こすようなことになります。  先ほど同僚議員からも質問があったとおり、韓国統一省が、十六日に予定された南北高官会議を北朝鮮が直前に中止、北朝鮮通信の報道によると米韓軍事演習が原因とのことですが、北朝鮮の、現在行われている米韓軍事演習、北朝鮮侵略のリハーサルで、平和的な板門店宣言に対する露骨な挑戦、北朝鮮情勢の流れに逆行する軍事的挑発、同胞と国際社会に大きな懸念と失望を抱かせるとアメリカを強く批判していますが、先ほど外務大臣からも話がありましたが、六月十二日に開催の予定の米朝首脳会談の中止、そして今回の軍事演習、十一日から始まったと認識していますが、なぜ急にこういう展開になったのか。それぞれの駆け引きがあるのかと思いますが、我が国はどう分析しているのか、お聞かせください。
  134. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 今回の米韓合同軍事演習は、先ほど申し上げましたように、日米の共同訓練あるいは日米韓三か国の安全保障、防衛協力と並ぶ東アジアにおける大変重要な抑止力の柱でございます。申し上げましたとおり、五月十一日から既にこの合同軍事演習は行われておりまして、当然北朝鮮側もそのことは認識をしていたと思います。  そうした上で、南北高官級会談につきましては、南北間の調整の中で北朝鮮が五月十五日に十六日の会談の開催を提案をし、韓国が同意をした結果、十六日に開催をされるということが予定をされていたものと承知をしておりますが、その十六日の時点で、十五日に北朝鮮側が提案をした会談を北朝鮮側が一方的にキャンセルをするというこの意図は、まあ我々よく分かりませんから予断を持って申し上げることは差し控えたいと思いますが、いずれにしろ、こうした北朝鮮の言動一つ一つに振り回されることなく、六月十二日の米朝会談に向けてしっかり各国と緊密に連携をしてまいりたいというふうに思っております。
  135. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 日本政府としてどうあるべきかという、何回もこれについては質問させてもらっていますが、このタイミングの米韓合同軍事演習に何も懸念はなかったのか、アメリカや韓国に何か進言したのか、その辺をもうちょっと日本の国の立場として明言していただくと有り難いと思います。
  136. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) この米韓の合同軍事演習が着実に実施されることは、地域の平和と安全を確保する上に重要だと日本は考えております。その考え方は日米韓で共有をしているものと承知をしております。
  137. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 北朝鮮の高官で二〇一六年に亡命した太永浩氏が、北朝鮮が核兵器を完全に放棄することはないと指摘したという記事を目にしました。太氏は、先日の党中央委員会で金正恩委員長、核開発完了の宣言、核兵器の、ミサイル実験中止を発表したが、一方で、これまで核兵器保有は平和を守るための強力な宝剣と表現してきたので、完全に手放さないだろうと言っているそうです。  私は、核については常日頃絶対反対ということを言っておりますが、日本も当然そうだと思います。世界にはほかにも核を保有している国がありますが、北朝鮮の問題だけではなく、全ての核保有国が世界平和のために動かなければ解決できない問題だと思います。唯一被爆国の日本から世界に向けどういう提案ができるのか、見解をお聞かせください。
  138. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) この北朝鮮の核につきましては、様々な方が様々なことをおっしゃっているというふうに認識をしております。  日本にとりまして核軍縮は大変重要な課題でございますが、北朝鮮という差し迫った核の脅威にさらされている日本にとりまして、国際社会の平和と日本の安全をいかに守るかという観点からもこの問題は極めて重要でございます。  現実の安全保障上の脅威に適切に対応しながら、核兵器国と非核兵器国双方に働きかけをして、現実的な観点から核兵器のない世界を実現するための努力を積み重ねていきたいと我々は考えております。  具体的には、核兵器国と非核兵器国の両者が参加する枠組みでありますNPTの維持強化、あるいはCTBTの早期発効、FMCTの早期の交渉開始、こうしたことに向けて粘り強く取り組んでまいりたい、そう考えているところでございます。
  139. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 先ほどイランの話も出ましたが、九日にサリバン国務副長官と秋葉外務事務次官が、イランの脅威に関する真に包括的な、持続的な解決案に向けて協力するとの話があったとのことですが、具体的にはどういった内容なのか、差し支えない範囲内でお聞かせください。
  140. 高橋克彦

    ○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。  トランプ大統領は、イランとの核合意に関する決定の発表において、イランの核の脅威への真の包括的かつ永続的な解決策を模索すべく同盟国と協力していく旨述べたと承知をしております。  我が国は核合意を支持しておりまして、米国を含む関係国と緊密に協議を続けておりますが、外交上のやり取りの詳細については差し控えさせていただければというふうに思っております。  いずれにいたしましても、我が国としては、今後も核合意の維持に向け関係国と緊密に協議を続けてまいります。また、今回の発表が及ぼす影響についても注意深く分析しながら情勢を注視していきたいと考えております。
  141. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 核に関する非常にアンバランスというか、常任理事国が持ってほかは持っちゃいけない、まあイラク、パキスタン、インドも。そのような流れをずっと見ていきますと、もうちょっと、本当に世界が一つの形になった、もう一つには、常任理事国の立場という部分が、どうもいろんな中で、核は絶対駄目だというのは当然ですが、その辺をトータル的についていろいろ話合いをしてもらったらいいと思います。  トランプ大統領が、ポンペオ国務長官、今後、日本に対してイランへの圧力の強化を求めていく方針と聞きますが、イランと日本は友好関係にあると思います。  こういった局面で、アメリカの意見を聞くだけではなく、日本が仲介役として率先して動くべきだと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。
  142. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日本はこれまで、国際的な不拡散体制の強化と中東の安定に資するという観点から、このJCPOA、イラン核合意を一貫して支持してまいりました。米国による発表がございましたが、この核合意を支持するという立場に変わりはございません。アメリカによる発表によりまして核合意の維持を困難とするような大きな影響が出るとすれば大変残念に思いますが、引き続き関係国による建設的な対応を期待をしております。  この関連で、私は、アメリカが発表をいたしました翌日の十日にイランのザリーフ外務大臣と電話会談を行いまして、日本から引き続き核合意を支持するという立場を申し上げながら、アメリカの発表にかかわらず、当事国による核合意の履行が継続されることが重要だという旨申し上げたところでございます。  日本とイランは伝統的に友好関係にございますので、イラン、アメリカ、あるいはヨーロッパ、関係国と緊密にこの問題について協議を続けてまいりたいというふうに考えております。
  143. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 イランの核合意から離脱を表明したトランプ政権が、欧米六か国と、日本、アジア、欧州、中東同盟国と新たな合意を目指し見直しを掛けていると思います。  北朝鮮合意も見据えての見直しだと思いますが、子細をお聞かせください。
  144. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) トランプ大統領は、核合意に関する決定の発表の中で、イランの核の脅威への真の包括的かつ永続的な解決策を模索するべく、同盟国と協力していくんだということをおっしゃられたと承知をしております。  日本はこの核合意を、繰り返しますが、支持してきておりまして、アメリカを含む関係国と緊密に協議をしてきているところでございます。今後も核合意の維持に向けて協議を続けていく一方、この情勢が北朝鮮情勢に及ぼす影響につきましても注意深く分析をし、事態を注視していきたいというふうに考えております。
  145. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 先日、トランプ大統領が、アメリカとメキシコの国境、不法移民を防ぐ壁ができるまでの間、国土安全保障省の国境警備を支援する目的で最大四千人の州兵を動員する方針という表明をしております。  アメリカとメキシコ国境周辺の現状についてお聞かせください。
  146. 林禎二

    ○政府参考人(林禎二君) お答えいたします。  御指摘の件は第三国間に関する事項でございまして、政府としてコメントする立場にはございません。  その上で申し上げますと、トランプ大統領は四月の四日、メキシコ国境の警備に州兵を配備する大統領覚書に署名をし、翌日には、メキシコ国境の壁が建設されるまで二千人から四千人の州兵をメキシコ国境に配備する旨を述べ、順次州兵が配備されていると承知しております。  これに対してメキシコ側からは、四月五日、ペニャニエト大統領がメキシコ国民とトランプ大統領に宛てたビデオメッセージを発しまして、米国に対してメキシコは常に相互尊重に基づいた対話を行う用意がある旨述べたと承知しているところでございます。
  147. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 次に、中国の空母についてお伺いいたします。  十三日、中国初の国産空母の試験航海が実施されたと報道がありましたが、二〇二〇年までに、米軍に対抗し、駆逐艦、潜水艦などを含めた空母打撃群を三個配備できるよう取り組んでいるそうです。  今回の空母の性能について、分かる範囲内でお聞かせください。
  148. 前田哲

    ○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  中国の国防部の発表によりますと、今委員御指摘のとおり、中国の初の国産空母、これが今月の十三日に試験航行を開始したというふうに言われていると承知をしております。  この空母でありますが、昨年の四月に進水をいたしまして、その後も開発を進められてきたものでございます。その関連動向に注目をしているところであります。  お尋ねの点ですが、公刊資料によりますと、今回の初の国産空母、これは中国が現在保有しております空母遼寧とほぼ同様の設計であるというふうに指摘をされてございます。この空母遼寧の方ですが、発艦用のスキージャンプ型の飛行甲板を有し、満載排水量は約六万トン、そして最大二十四機の艦載戦闘機J15、あるいは最大十二機の回転翼機を搭載可能とされているところでございます。  いずれにしても、引き続きこの中国の空母の動向を含む軍事動向について防衛省として強い関心を持って注視をしてまいりたいと、このように考えております。
  149. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 南シナ海スプラトリー諸島周辺に中国が建設した人工島に複数の砲塔が設置されているという映像を見ました。中国が造成した人工島には、他にも通信、レーダーを妨害する装置などが設置されるなど、周辺国も警戒しています。  我が国が中国の人工島の現状をどこまで把握しているか、お聞かせください。
  150. 石川浩司

    ○政府参考人(石川浩司君) お答え申し上げます。  我が国は南シナ海における領有権問題に関する直接の当事者ではないことから、沿岸国による島嶼の支配の現状、あるいはそこに至る過程、さらにその後の埋立てや施設建設について詳細にわたり御説明する立場にはございません。  その上で申し上げますれば、南シナ海の係争中の地形における大規模かつ急速な埋立て、通信やレーダー妨害装置を含む軍事目的の利用などが進んでいるというふうに認識をしております。  南シナ海における動向につきましては政府として重大な関心を持っており、引き続き我が国自身で情報収集を行うとともに、関係国とも情報交換を行うなどして、今後もしっかりと状況を把握していきたいというふうに考えております。
  151. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 今週末にいわき市で太平洋・島サミットが開催されますが、今年の初め、パラオの大統領ともいろいろ今後の島の在り方とか話をしたことがありますが、安倍総理は自由で開かれたインド太平洋戦略提唱していますが、島サミットではどういった話をする予定なのか、お聞かせください。
  152. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序は、国際社会の安定と繁栄の礎でございます。特に、このインド太平洋地域は世界の人口の半数以上を養う世界の活力の中核になっておりまして、この地域を自由で開かれた国際公共財とすることにより、地域全体の平和と繁栄を確保していくことが重要だと考えております。こうした観点から、我が国は自由で開かれたインド太平洋戦略を推進しております。  五月の十八日から十九日にかけまして、福島県いわき市において第八回太平洋・島サミットを主催をする予定でございます。太平洋島嶼国との間で自由で開かれたインド太平洋戦略のビジョンを共有するとともに、その具体化に向けた連携などについて議論したいと考えております。  具体的には、この自由で開かれたインド太平洋戦略の下、太平洋島嶼国との間で海上保安を含む海洋をめぐる協力、国際スタンダードにのっとった質の高いインフラ整備、気候変動、環境及び防災を含む太平洋島嶼国の持続可能な発展の後押し、貿易、投資、観光などの促進を通じた島嶼国の自立的な発展の後押しなどを進めていく考えでございます。
  153. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 中国の一帯一路とはどういうバランスを取っていくのか、お聞かせください。
  154. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を全ての人に分け隔てなく平和と繁栄をもたらす公共財とする、こういう考え方に賛同してもらえるのであれば、中国を含めいずれの国とも協力していけると考えております。  一帯一路につきましては、インフラの開放性、透明性、経済性、対象国の財政の健全性など、国際社会共通の考え方を十分に取り入れることで地域と世界の平和と繁栄に前向きに貢献していくことを期待をしております。日本といたしましては、こうした観点から協力をしていきたいと思っております。
  155. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 ちょっと時間がありますが、おなかの虫が鳴り出したので、終わりにします。ありがとうございました。
  156. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  157. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  158. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓でございます。  質問の機会をいただきまして、関係各位にまず感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。  それでは、早速でありますが、議題となっております条約について逐次質問をさせていただきたいと思います。  まずは、日・デンマークの租税条約に関してであります。  我が国は、現在、百二十三の国それから地域との間で租税条約を締結しております。我が国にとってこのような租税条約のネットワークを規模を拡大していくということはもちろん大事でありますけれども、既存の租税条約の質を向上させるということも海外諸国との経済関係を一層深化させていく上で重要であります。  そこで、今般、約百五十年の長きにわたって緊密な外交、それから経済関係を維持してきておりますデンマークとの租税条約を約五十年ぶりに改正を、全面改正をするということでありまして、改めてこの背景、それから意義について御答弁をお願いをしたいと思います。  そしてまた、この改正によって、日・デンマーク、既に深い関係なわけですけれども、我が国とそれからデンマークにとってどのような経済的な、またその他の効果があるのかについても御答弁をお願いをいたします。
  159. 川村博司

    ○政府参考人(川村博司君) お答え申し上げます。  一九六八年に発効いたしました現在の日・デンマーク租税条約でございますが、これは近年の我が国の締結いたしました条約の例と比較をいたしますと、投資所得に対する限度税率が高い水準になっていると。また、両国が参考としておりますOECDのモデル租税条約、こちらが累次にわたり修正されてきているということ等を踏まえまして、両国において全面改正する必要があるという認識で一致をしたところでございます。その結果といたしまして、昨年でございますが、改正に向けた交渉を開始し、合意、そして署名に至りました。  本条約改正の意義でございます。今般のこの条約の改正によりまして、相手国におきましての投資所得に対する課税の更なる減免でございますとか、条約の濫用防止措置、租税債権の徴収共助の導入等々を導入することによりまして、二重課税のリスクを更に低減し、国際的な脱税、租税回避行為を防止しつつ、両国間の健全な投資、経済交流の一層の促進が期待されるところでございます。  二国間関係について申し上げますと、まさに委員御指摘のとおりでございます。我が国とデンマークは二〇一七年に外交関係樹立百五十周年を祝っております。現在、活発な要人往来、また海事、港湾でございますとか科学技術、保健、医療等々、様々な分野におきまして両国間で戦略的パートナーシップを結んでおりますが、これが着実に進展をしておるところでございます。  今般の租税条約改正によりまして、企業あるいは個人による海外への投資活動を後押しするという経済的な効果がございます。また、投資、貿易を含む経済関係始め、日・デンマーク間の様々な分野での交流の更なる促進につながるものというふうに考えております。
  160. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 ありがとうございました。  それでは次に、アイスランドとの間のこの租税条約、これについてもお聞きをしたいと思います。  我が国とアイスランドでありますが、これまで捕鯨の問題ですとか、又は水産資源の管理に関して協調をするなど、海洋国家として大変良好な関係を築いてきているというふうに認識をしております。  一方で、なかなか一般の国民の皆様にとって、アイスランドってもちろん分かるんですけれども、どれぐらい経済的な関係、また国家的な関係が深化されているのかということについては余り知られていないのかなというふうに思います。  実態としても、現時点での両国間の貿易、投資の規模は余り大きくはない、経済関係が緊密だとは必ずしも言えないというふうに思いますけれども、それでもあえて租税条約を新規に締結する意義と背景について御答弁をお願いを申し上げます。
  161. 川村博司

    ○政府参考人(川村博司君) お答え申し上げます。  日・アイスランド租税条約でございますが、こちらにつきましてはアイスランドから累次の機会にわたり租税条約の締結要望がなされていたということに加えまして、日・アイスランド間の経済交流でございますが、こちらは委員御指摘のとおり、小さい規模ではございますけれども、順調に拡大しておると。今後更なる関係強化が期待されることも踏まえまして、今般条約の署名に至ったものでございます。  今般の条約の新規締結によりまして、配当、利子、使用料といった投資所得に対する源泉地国での課税が減免されることになります。この結果、我が国とアイスランドとの間におきましての投資、経済活動に関する二重課税のリスクが低減し、両国間の健全な投資、経済交流の一層の促進が期待されるところでございます。  二国間関係について申し上げますと、我が国とアイスランドは基本的価値を共有しております。委員御指摘のとおり、捕鯨、水産資源管理等の分野における関心、利益も共有するパートナーでございます。また、二〇一六年には外交関係樹立六十周年を迎えておりまして、近年は例えば地熱分野あるいは観光産業等の分野でも関係強化が進展しておるところでございます。  今般の租税条約の締結によりまして、企業あるいは個人による海外への投資活動を後押しすることができるものでございます。また、投資、貿易を含む経済関係始め、日・アイスランド間の様々な分野での交流の更なる促進につながるというふうに考えております。
  162. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 ありがとうございます。  日・デンマーク、それから日・アイスランド双方について、また両国の関係がより深まるように後押しをお願いをしたいと思います。  それでは、BEPSの防止措置の実施条約についてお伺いをしたいと思います。  BEPSの実施条約又はこのプロジェクトに関しましては、我が国はOECDの租税委員会の議長を務めるということで、これまでプロジェクトにおいては主導的な役割を我が国が果たしてきていると認識しております。こういう取組をしっかり前へ進めていただきたいというふうに思うんですけれども、改めてこのBEPS防止措置実施条約を締結する意義とそれから効果について、御見解をお伺いをいたします。
  163. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  BEPS防止措置実施条約は、租税条約が世界に現在約三千本あると言われておりますけれども、各国が個々の二国間の租税条約を個別に改正するために膨大な時間やリソースを費やすことを回避して、二国間の租税条約を一挙に修正することによって効率的にBEPS防止措置を反映させるために作成されたものでございます。  すなわち、本条約では、各国において既存の租税条約のそれぞれについて二国間で再交渉することではなくて、BEPSプロジェクトにおきまして勧告されております租税条約関連措置を多数の租税条約に効率的に導入することを可能とする枠組みになっております。我が国が本条約を締結いたしますことは、国際的な租税回避行為に更に効果的に対処するとの観点から有意義であるものと考えております。  加えまして、我が国にとってのメリットといたしましては、例えば我が国に進出している外国企業への課税をこれまで以上に適切に行うことができるといった財政面での意義も挙げられるかと考えております。
  164. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 ありがとうございました。  今メリットについても少し、一言触れていただきましたけれども、新たに規制といいますか、を導入するに際しまして、この導入によって得られる公益、それからそれに伴うコストというものを、両方を踏まえながら、バランスの取れた制度設計を常に意識することが必要ではないかなというふうに思っております。  今御答弁いただいた内容というのは、海外の国が日本でビジネスをするに当たって、価値を生み出した場所で課税をするという基本的な原則をしっかり担保するということを、ある意味税務当局のメリットという側面からお述べいただいたというふうに思うんですけれども、一方で、これは企業にとってもメリットがあるものであります。  ですから、このBEPSの防止措置、税務当局にとって多国籍企業の租税回避に対応できるというメリットと併せて、本条約を締結することで企業側に当然メリットが必要なわけですけれども、一方で、企業にもいろんな事務の負担といいますか、そういうものを求めることにもなるということで、実際、企業側にどういう負担増があり得るのか、一方で、また企業にとってどういうプラスがあり得るのか、もちろんイコールフッティングという観点もあると思いますけれども、この辺りを具体的に御答弁をいただければというふうに思います。
  165. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  企業側の観点からでございますけれども、この場合、企業が適切に納税を行っている企業であるか、あるいは過度な節税対策を行っている企業であるかによって異なってまいりますけれども、既に適切に納税を行っている企業にとりましては、次の二点でプラスになるものと考えております。  まず、国際競争上は、過度な節税対策を行っている多国籍企業との関係では不利な立場に追いやられることがないような状況がこれによって確保されること、それから、進出先、源泉地国での課税リスクに関しましては、この条約によって、これまで経済界からも要望のありました仲裁手続も含め、相互協議手続の実効性が、担保しておりますので、二重課税の除去につきましてこれまで以上に確実な動きになっているという点が挙げられるかと思います。  他方で、過度な節税対策をこれまで行ってきた企業がある場合には、本条約の下で適切に課税が行われます結果、税負担が増加するということは、これは当然のことだと考えております。  また、委員御指摘の企業側の事務負担でございますけれども、本条約の実施上は、既に適切に納税を行っている企業である場合には、事務負担が増加するということは想定されておりません。
  166. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 ありがとうございました。  既に適切に税務の対応をしているところには新しい負担がないということで、基本的にはこのBEPSの条約又はその他の対応によってある意味プラスしかないと、企業にとっても利益しかないという御答弁であったかと思います。  それでは、このBEPSの防止措置なんですが、これ、より多くの国が参加をしなければいけない、意味がないということでありますけれども、日本が本条約を締結することによって、本条約の規定が適用される我が国が締結している二国間条約の数はどの程度になる、又はなり得るのか、その数字を教えていただければと思います。
  167. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  我が国は、BEPSプロジェクトで作成された租税条約に関連するBEPS防止措置をできる限り多く反映させるとの観点から、原則として、相手国との間でBEPS防止措置実施条約の適用対象とすることについて認識の一致を見た二国間の租税条約を本条約の適用対象とすることを予定しております。  他方で、我が国がBEPSプロジェクトの最終報告書の勧告内容を踏まえて締結した条約、あるいは今後締結する二国間の租税条約であって、既に本条約に含まれるBEPS防止措置が反映されていると考えられるものにつきましては、これを適用対象とする租税条約とはしない予定でおります。  こうした観点から、現時点で発効しているものにつきまして申し上げますと、具体的には、我が国が締結しております租税条約のうち、本条約によるBEPS防止措置が反映されていない六十一か国・地域との間で適用されている租税条約がこの対象租税条約になると考えております。  なお、昨年六月、本条約の署名式におきまして我が国を含む各国が署名した際には、我が国は暫定的なものとして、三十五か国・地域との租税条約を本条約の適用対象として選択しております。今後、我が国が確定的な通告を行う段階におきまして、二国間の租税条約の相手国の署名、選択状況次第によりましては、実際に本条約の適用対象となる租税条約の数が若干変動し得る点はあろうかと思いますが、現時点では先ほど申し上げましたとおり六十一か国・地域ということになろうかと思います。
  168. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 ありがとうございます。  できるだけこの条約の適用する範囲を広げていっていただくということが重要であると思います。  先ほど来、アメリカのIT企業、PEが実態上あるんだけれどもないような形で営業することで課税を回避しているんではないかというようなお話もありましたけれども、そういう国も含めて、いろんな国にこのような取組を日本がリーダーシップを取って広げていっていただけるようにお願いをしたいと思います。  最後の質問になりますけれども、これはまとめのようなところになりますが、多国籍企業の国際的な租税回避行為、公平な競争条件それから納税者の税制に対する信頼を揺るがす大きな問題であります。引き続き毅然たる態度で対応していただきたいと思っております。  こうしたグローバルな問題には一国だけで対応をすることには限界があります。国際協調に基づく取組が極めて重要になると考えておりますが、この問題に対応するための国際協調を我が国がリーダーシップを取って推進していくということについて、外務省の意気込みをお聞きしたいと思います。
  169. 堀井巌

    ○大臣政務官(堀井巌君) お答えを申し上げます。  今委員の方も認識を示されましたように、世界経済が国際化していく中で、企業の活動というのも国境を越えて行われていっております。また、最近は経済がデジタル化、電子化された環境の中でも様々行われているという中で、今までのルールというのがだんだんそぐわなくなってきている、そのような現実があるということはやはり否めないんだろうというふうに思っております。  そういう中にあって、国際的な取引を安定化させ、企業の活動に予見性を持たせ、そして国の財政にも税収あるいは税源といったものをしっかり確保するという意味において、新たな枠組みというのが当然に必要になってくると認識をいたしております。  そういう認識を前提として、こういったこの国際的な課税逃れにどのように対処していくかということでございますが、まずは、やはり各国が国際的な協調の下で対策を実施する、BEPSの防止は一例だと存じますが、また、そういったことを実施するとともに、情報交換といった税務当局間の協力関係を充実させていくことが重要だと考えております。このような観点から、我が国はG20あるいはOECDなどにおける租税回避防止に向けた国際的な取組を主導してまいってきたところでございます。  こうした国際的な課税逃れ対策は、より多くの国が実施することで真価を発揮することから、我が国といたしましても対応を強化するとともに、取組が遅れている国にも対応の強化を促すなどしてまいりたい、そのような中で今後とも国際的な租税回避や脱税の防止に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
  170. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 ありがとうございました。終わります。
  171. 杉久武

    ○杉久武君 公明党の杉久武でございます。  本日は、BEPS防止措置実施条約、また日・デンマーク租税条約及び日・アイスランド租税条約が議題となっておりますので、通告に従いまして順次質問を行ってまいりたいと思います。また、先ほどまでの質疑の中で重複する面もあろうかと思いますが、質問させていただきたいと思います。  私は、長年、公認会計士として多くの企業の財務書類の監査を行ってまいりました。日本では欧米の外資系の子会社、また米国で駐在していたときは米国にある日系子会社を主に担当しておりましたので、まさに国境をまたいだ様々な国際取引というものを目の当たりにしてまいりました。  会計の分野におきましては、統一した基準であります国際財務報告基準、いわゆるIFRSを各国が導入してきており、会計は国際的に共通化というものが図られてまいりました。分かりやすい表現で申し上げれば、同じ物差しで企業の業績が測れるようになり、国際的な企業間の業績の比較が可能となってきたわけでございます。  一方で、この税の分野、税制については、これ各国で大きく異なります。私は、アメリカで働いていたときにアメリカの公認会計士の試験も挑戦いたしましたが、一番苦労したのがやっぱり法律また税制の部分でありました。税制は国の根幹に関わる部分であり、制度の設計や課税の在り方などについてはその国の歴史や文化にも大きな影響を受けているというふうに感じております。  このように税制は各国様々であり、その各国の制度の隙間を狙って、世界各地に拠点を設け事業を展開している多国籍企業は節税スキームを考えてきたわけでございます。しかしながら、二〇〇八年九月のリーマン・ショック以後、世界的な経済不況により各国が財政を悪化させ、より多くの国民負担が求められる中で、税の公平性を損ねる多国籍企業の課税逃れへの批判がこれまで以上に高まってまいりました。そういった背景の下、今回のBEPS防止措置が図られ、今回のまた条約に至ったわけであるというふうに私は理解をしております。  そこで、まず外務省にお伺いをいたします。今回のBEPS防止措置条約の意義と狙い、そして既存の租税条約との違いについて説明をお願いいたします。
  172. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  まず、既存の租税条約でございますけれども、租税条約は源泉地国における課税所得の範囲を明確化すること等によって、国際的な二重課税を除去しつつ、脱税及び租税回避行為を防止することを目的とする二国間の条約でありまして、締約国間の健全な投資、経済交流を促進する重要な制度的なインフラとなっております。  他方、今般御審議いただいておりますBEPS防止措置実施条約につきましては、先ほど申し上げましたとおり、租税条約が世界中に約三千本ほどあると言われている中、各国が個々の二国間の租税条約を個別に改正していくために膨大な時間やリソースを費やすことを回避して、二国間の租税条約を一挙に修正することによって効率的にBEPS防止措置を反映させるために策定がなされております。  すなわち、この条約におきましては、各国において既存の租税条約のそれぞれについての二国間交渉、再交渉ではなく、BEPS防止措置を多数の租税条約に効率的に導入することを可能とする枠組みになっている点で特徴的になっていると考えております。
  173. 杉久武

    杉久武君 今御説明いただきましたが、今回のこのBEPS防止措置実施条約については、これまでの二国間の租税条約と異なり、多国間の条約に参加することによってその規定を二国間の租税条約に効率的に導入するという、こういう手法を取っております。この手法はこれまでにない方法であるため、日本企業も様々な形で今準備を進められているのではないかと思っております。  このBEPS防止措置条約が適用されることになれば、国と租税条約のユーザーである企業等の双方において租税条約戦略的活用というものが今後重要になってくると思います。将来適用を受ける企業においては、BEPS防止措置実施条約における租税回避防止の規定の内容を吟味して、投資先の国における税務リスクを的確に判断する必要があり、このような意味からすると、従来型の租税条約の特徴は静的な適用とするのであれば、BEPS防止実施条約は動的な適用となり、租税条約戦略的活用の側面が強くなった、このように分析をされている方もございます。  そこで、外務省に伺います。  今回のBEPS防止措置実施条約を締結することが日本企業に与える影響についてどのように分析をしているのか、確認をいたします。
  174. 飯島俊郎

    政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  BEPS防止措置実施条約は、我が国の企業にとりまして次の二点におきましてメリットがあるものと考えております。まず、国際競争上、過剰な節税対策を行っている多国籍企業との関係では、日本企業が不利な立場に追いやられることがないような状況を確保できること、次に、進出先、源泉地国での課税リスクに関しましては、我が国の経済界からも要望のございました仲裁手続を含めて、相互協議手続の実効性を確保して二重課税の除去に資するものとなっていること、この二点が挙げられるかと思います。  また、事務負担につきましては、先ほども申し上げましたけれども、BEPS防止措置実施条約の実施上、既に適切に納税を行っている企業の事務負担が増加するということは想定しておりません。
  175. 杉久武

    杉久武君 今回のBEPS防止措置実施条約は、既存の租税条約を各国が別個に修正するというものではなく、一定の手続を経て、それらの租税条約についてBEPS防止措置実施条約の規定による置き換え又は規定を追加するという、こういう方法で行われますけれども、なかなかこれ、言葉で聞いてもイメージが難しいところでありますけど、これは具体的にどういう運用をされるのか、できるだけ分かりやすい説明を外務省にお願いいたします。
  176. 飯島俊郎

    政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  具体的な適用の部分でございますけれども、まず二国間の租税条約の適用に当たりまして、二国間のこの租税条約の規定に代えて、あるいはこれに加えて、BEPS防止措置実施条約の規定を優先して適用することを通じて二国間の租税条約の適用関係が修正されることになります。  BEPS防止措置実施条約におきましては、各国は、自国が締結している租税条約のうち、どの租税条約を本条約、BEPS防止措置実施条約の対象とするかを選択することができることになっております。  また、このBEPS防止措置実施条約に規定する防止措置を導入するか否か、及びその適用範囲をどうするか、こういった点について各国が一定の制限の下で選択、留保することも認められております。  したがいまして、本条約の適用に当たりましては、まず各国は適用対象とする租税条約を選択し、その選択が一致した租税条約について、各国のBEPS防止措置実施条約の規定に関する選択、留保の結果に基づいてそれぞれと適用する措置を決めていくという形になっております。
  177. 杉久武

    ○杉久武君 先ほどの佐藤委員のときの質疑でもありましたが、そういった運用を踏まえた上で、政府はBEPS防止措置実施条約の導入に先立ちまして、我が国におけるBEPS防止措置実施条約の適用に関する我が国の選択の概要の暫定版というものを公表されております。  これはどのような方針に基づき、どの国との租税条約を選択したのか、我が国の見解を確認したいと思います。
  178. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  BEPS防止措置実施条約におきましては、各国は自国のどの租税条約を本条約の対象とするかを選択するようになっております。また、BEPS防止措置実施条約に規定するBEPS防止措置を導入するか否か、及びその適用範囲については各国が一定の制限の下で留保、選択をすることも認められております。  このうち、BEPS防止措置実施条約の対象となる租税条約に係る選択について申し上げますと、我が国はBEPS防止措置をできる限り多く反映させる観点から、原則として相手国との間でBEPS防止措置実施条約の適用対象とすることについて認識の一致を見た場合には、この二国間の租税条約をBEPS防止措置実施条約の適用対象とすることを予定しております。  他方、我が国がBEPS防止プロジェクトの最終報告書の勧告内容を踏まえて締結した、あるいは今後締結する二国間の租税条約であって、既にBEPS防止措置実施条約に含まれる防止措置が反映されていると考えられるものにつきましては、対象となる租税条約として通告をしない予定でございます。  こうした観点から、現時点で発効しているものにつきまして申し上げますと、具体的には我が国が締結している租税条約のうち、本条約に含まれる防止措置が反映されていない六十一か国・地域との間で適用されている租税条約が対象租税条約となり得ると考えております。  今後、我が国が確定的な通告を行う段階におきまして、二国間の租税条約の相手国の署名、選択の状況によりましては、実際に本条約の適用対象となる租税条約の数が若干変動し得ることがあり得るかと思いますけれども、申し上げましたとおり、現時点におきましては六十一か国・地域ということになろうかと考えております。
  179. 杉久武

    ○杉久武君 どの国の租税条約を選択するかという判断が、適用を受ける企業等に様々な影響を与える可能性があると思います。  今回、選択された租税条約、暫定的に選択された相手国には、日本との経済的関連の大きい米国、ブラジル、タイ、フィリピン、ベトナムなどが含まれておりません。その理由は、これらの国が現時点でBEPS防止措置実施条約に署名をしていないという、こういうことであろうかと思いますが、午前中からも議論もありました、先ほどもありましたけれども、米国についてはやはり一つ大きな懸念になるのかなというふうに感じております。  また、米国について言えば、現行の日米租税条約は、現在の租税条約として最新型である日独新租税条約と比較しても、租税回避防止の点で税の抜け道が残っているのではないかという、こういった専門家の見解もございます。  そこで、米国について確認をいたします。  米国については、このプロジェクトそのものには参加をして、交渉にも積極的だったというように聞いておりますが、本条約にアメリカが署名していないことについて外務省としてどのように分析をしているのか、伺いたいと思います。
  180. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  米国は、委員御指摘のとおり、このBEPSプロジェクトには参加してまいりました。他方で、条約の署名には至っておりませんで、この条約未署名の理由について、米国政府は公式にその理由を明らかにはしておりません。  いずれにいたしましても、我が国といたしましては、米国との関係では、二国間の関係はもとよりG20やOECDにおきましてこの重要性を働きかけているところでございますので、引き続き、二国間、米国に対しましてはこのBEPS防止措置実施条約の重要性を訴えて、米国の考え方を聴取しつつ働きかけを続けてまいりたいと考えております。
  181. 杉久武

    ○杉久武君 ちょっとこれは通告をしていないんですけれども、もしお答えできればお答えいただきたいと思うんですが。  ちょっと今、様々今回の今BEPSの防止措置実施条約について議論を重ねてまいりましたけれども、午前中の議論を含めてやっぱりアメリカとの関係というところについて、PEの問題等が先ほども議論がありました。ただ、今回の法律というのはあくまでBEPSに規定しているもの、BEPSに署名、締結すればBEPSの規定が全租税条約に反映されるわけではありませんので、なので、アメリカが仮に今後署名をしたとしても、PEの問題が自動的に解決されるわけではなく、また逆にアメリカがBEPSのこの条約に加盟しなくても、今後二国間の租税条約の中でこのPEの問題を規定していけば解決できる問題、私はこういうふうに理解をしているんですけれども、こういう理解で正しいかどうか、確認をしたいと思います。
  182. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  本件の議論につきましては、国によって考え方が全く同一ではありませんので、ある国によっては二国間の租税条約によって同様の効果を担保することができるというふうに考えている国もあろうかと思います。  したがいまして、仮に、仮定の問題ですけれども、米国が二国間の方式によって同様の効果が担保し得ると考える場合にはそういったことがあろうかと思いますけれども、我々といたしましては、引き続きBEPS防止措置実施条約の方の重要性を説いていきたいと考えております。
  183. 杉久武

    ○杉久武君 済みません、ちょっと今の関連で一つ確認ですけど、先ほど最初に申し上げました、アメリカが、なのでBEPS防止措置条約に署名したからといって、例えばPEの規定が、自動的に新しい規定が適用されるわけではなく、アメリカ側の選択も必要だという理解でよろしいでしょうか。
  184. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  適用対象となる条約の通告におきましては、我が国と相手国との同意が必要となりますので、この同意が確保できない限りは通告することにはならないと思います。
  185. 杉久武

    ○杉久武君 ありがとうございます。  続いて、米国を含む日本との経済的関連が大きな国々について確認をいたします。  BEPSの条約に署名していない国で、今米国のお話はいたしましたけれども、そのほかに、ブラジル、タイ、フィリピン、ベトナムなどについては、やはり今後、日本との経済的関連も強いですので、この租税回避という目的を考えて様々対応が必要になるんではないかと思いますけれども、こういった日本との経済的関連が大きな国々で現在BEPSの条約に署名していない国々に対しての今後の対応について確認をしたいと思います。
  186. 堀井巌

    ○大臣政務官(堀井巌君) お答え申し上げます。  BEPS防止措置実施条約は、BEPS防止措置のうち、租税条約関連措置を二国間の租税条約に効率的に導入することを可能とする枠組みであり、これによって国際的な租税回避行為に更に効果的に対処することができるのは、これはもう論をまたないところでございます。  委員が御指摘されたように、特に我が国と関係が深い国であって、本条約で導入することができる租税条約関連措置を二国間の租税条約において導入していない相手国の参加は相互にメリットが大きいというふうに考えております。  現在、本条約には、我が国を含めて七十六の国・地域が署名をしております。しかしながら、日本と経済関係が深い国の中で、御指摘のあった国々のように本条約に署名していない国があることも事実でございます。  BEPSプロジェクトは、より多くの国が実施することで真価を発揮するものでございます。これまで同プロジェクトを主導してきた我が国といたしましては、我が国と経済関係が深い国を含め、御指摘がありましたような国々、そしてまた、米国を含めて本条約の未署名国に対しまして、国際会議など様々な場を通じ参加を呼びかけてまいりたい、そのような努力をしっかりと行ってまいりたいと存じます。
  187. 杉久武

    ○杉久武君 是非、積極的な働きかけをよろしくお願いしたいと思います。  最後に、BEPS防止措置実施条約そのものからは離れますけれども、BEPSプロジェクトにおける十五の行動と我が国の対応について伺いたいと思います。  BEPSプロジェクトが取りまとめた十五の行動に対し、法改正の要否を含めて検討されている項目があと残り三つございます。それは、移転価格税制と過大支払利子税制及び義務的開示制度であり、平成三十年度与党税制改正大綱においては、昨年度に引き続き、BEPSプロジェクトにおける勧告や諸外国の制度、運用実態を踏まえてのこれらの検討を進めるということになっております。  特に、この中の義務的開示制度、これはプロモーター及び利用者が租税回避スキームを税務当局に報告をするという制度でありますけれども、このような税務当局への開示ルールが我が国にはこれまで存在しなかっただけでなく、そもそも租税回避スキームという概念自体についても、いまだ我が国には確立したものがございません。  この義務的開示制度は、現在、アメリカ、イギリス、カナダなどで既に導入されており、BEPSプロジェクトではこれら国々の知見を踏まえて勧告が作成されたということでございますけれども、義務的開示制度の導入を、可否を検討する際には、関係概念についての議論の状況や企業の法的安定性、予測可能性などにも配慮をして、我が国企業の国際競争力がそがれることのないよう丁寧な検討を行うべきであると考えますが、財務省に見解を伺います。
  188. 新川浩嗣

    ○政府参考人(新川浩嗣君) お答え申し上げます。  委員御指摘のありました義務的開示制度でございますが、これは租税回避スキームによる税務リスクを迅速に特定するというものでございますので、適正、公正な課税を確保する観点から重要でございます。こうした制度が課税逃れを抑止するための重要な手段であると、私ども認識をしておるところでございます。  それから、これも委員から御指摘ございましたが、平成二十九年度あるいは三十年度の与党税制大綱におきましても、これらについては今後検討を進めるとされているところでございますので、財務省といたしましては、この具体的な検討を進めるに当たりまして、納税者の法的安定性、それから予測可能性、それから政策目的の達成と健全な経済活動のバランス、こういった観点にも留意しながら丁寧に検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
  189. 杉久武

    ○杉久武君 時間になりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  190. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  議題のBEPS防止条約等は、公正な国際課税ルールを整備するために必要な措置であると考えます。  去る五月三日、世界自然遺産登録を目指していた奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島について、国連教育科学文化機関、ユネスコの諮問機関である国際自然保護連合、IUCNから登録延期勧告が出され、五月十四日にレポート全文が公表されました。沖縄県や地元自治体では世界自然遺産登録への期待も高かっただけに、県民としては複雑な思いもあります。  一方で、この間、米軍北部訓練場のヘリパッド建設や、その後のオスプレイ低空飛行訓練などによる生態系、生物多様性への悪影響がIUCNの勧告の背景にあるのではないかとも考えます。米軍基地の問題でもありますので、本委員会で取り上げます。  環境省に伺いますが、このIUCN勧告、また推薦書提出以降のIUCNとのやり取りの概要について伺います。
  191. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 今般、我が国から推薦を行っております奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島につきまして、IUCNの評価がユネスコから通知され、延期の勧告を受けました。  IUCNの評価書では、延期の理由として、今回の推薦区域の設定には主に次の二点で課題があるとされています。すなわち、推薦地は連続性に欠け、遺産の価値の証明に不必要な分断された小規模な区域が複数含まれていること、二つ目に、推薦地の連続性の観点で、沖縄の北部訓練場返還地が重要な位置付けにあるが、現段階では推薦地に含まれていないことであります。  一方で、絶滅危惧種や固有種の生息地であるという点で四島が世界遺産としての可能性を有していること、推薦地の保護管理の状況は世界遺産としての要件を満たしていることなどが評価をされています。このため、延期と勧告されたものの、世界遺産の登録の可能性が十分にある候補地として一定の評価は得られたものと考えております。  もう一点、御質問がありました推薦書提出以降IUCNとのやり取りをどのようなことを行ってきたかということでございますが、環境省といたしましては、昨年十月に実施されたIUCNによる現地調査において、派遣された専門家とともに推薦した四島を回り、推薦地の顕著な普遍的価値や保全の取組について説明を行いました。その後、現地調査後の追加的な情報の提出を経て、昨年十二月にIUCNにおいて世界遺産の推薦案件に関する審査委員会が開かれたと聞いております。  この会議での審議を踏まえて、昨年十二月末にIUCNより推薦地の境界の説明や将来的な拡張の可能性、ノネコ問題などに関する追加的な情報照会を受けました。これに対して、環境省では本年二月末に必要な情報をIUCNに提出し、三月にIUCNを訪問して提出した追加情報に関する説明を行ったところでございます。
  192. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 北部訓練場返還地の追加と世界遺産推薦の見通しはどのようなものでしょうか。また、返還地について、防衛省が支障除去措置を行っていますが、地元紙は取り残された米軍ごみ等についても報じています。環境省の責任において、独自に汚染状況や自然環境の調査を行うべきではないでしょうか。
  193. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) まず、世界遺産推薦の今後の見通しについてでございますが、世界自然遺産に関しては、今後も早期の世界遺産登録を目指すということに変わりはなく、関係機関や自治体、専門家とも協議の上、速やかに今後の対応を決断したいと考えております。  北部訓練場の返還地については、地元の国頭村や東村からの要望も受けて、将来的な世界自然遺産への追加推薦を見据え、まずはやんばる国立公園への指定に向けた手続を進めており、七月までに指定を完了する予定でございます。まずはこの手続を確実に進め、IUCNが求めるように、推薦地に追加していきたいと考えております。  それから、環境省の責任において独自に調査を行うべきではないかという御指摘につきましては、沖縄県における米軍施設・区域の返還に当たっては、防衛省において、返還地の有効かつ適切な利用が図られるよう返還地を土地所有者等に引き渡す前に支障除去措置を講じられているものと承知しております。  北部訓練場の返還地においても、返還地全域を対象とした資料等調査を行った上、土壌汚染調査や廃棄物処理等を行い、必要な支障除去措置を講じたと防衛省より報告を受けております。仮に、新たに廃棄物などが発見された場合にも、防衛省において土地所有者や関係機関と調整した上で適切に対応されるものと認識をしています。  このため、環境省として独自の調査を行う必要はないと認識をしております。
  194. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 防衛大臣、今の答弁では、環境省としては防衛省がしっかりやっているものというふうに理解をしておりますが、そのことを担保する責任は防衛省にあるということでよろしいでしょうか。
  195. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 世界遺産登録の問題のことでございますので、これは環境省が対応すべきものと承知をしておりますが、防衛省としても、環境省から要望があれば必要に応じて対応していきたいと思っております。
  196. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私が今お聞きしたのは、返還された北部訓練場のことです、四千ヘクタールのですね。その中における汚染やあるいは支障除去を、もし不十分な面があれば当然防衛省としてやるということでよろしいでしょうか。
  197. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 沖縄県における米軍施設・区域の返還に当たっては、防衛省において、跡地利用特措法八条七項に基づき、返還地の有効かつ適切な利用が図れるよう、返還地を土地所有者等に引き渡す前に土壌汚染調査等の支障除去措置を講じております。  防衛省としては、北部訓練場の返還地においても、返還地全域を対象とした資料等調査を行った上、土壌汚染調査や廃棄物処理等を行ったところであり、必要な支障除去措置を講じたものと考えておりますが、新たに廃棄物などが発見された場合には、土地所有者や関係機関と調整した上、適切に対応してまいります。
  198. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 通告はしてありませんので、今防衛大臣が述べた支障除去措置の結果報告、これについて防衛省からの資料の提供を求めます。
  199. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議させていただきます。
  200. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 このやんばるの豊かな自然には、国の特別天然記念物に指定された、絶滅危惧種にも指定されておりますノグチゲラ等が生息しております。IUCNのレッドリストにおいて、絶滅の主要な脅威として米海兵隊北部訓練場の六つの新たなヘリパッドの建設が記されております。  ノグチゲラに関するIUCNレッドリストの記載について、環境省の認識、取組はどんなものでしょうか。
  201. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) IUCNが作成いたしましたレッドリストのノグチゲラの項目の主要な脅威というところの項目においては、ノグチゲラの減少の第一要因として、伐採やダム建設及びそれに付随する道路建設、農地開発、ゴルフ場建設により相当な速度で続いている森林破壊が記述され、また、残されている森林地域の更なる潜在的な脅威として海兵隊北部訓練場の六か所の新たなヘリパッドの建設が記述され、さらに、病気や自然災害、持ち込まれた捕食動物なども記述されていることは承知をしております。  当該ヘリパッドの建設工事については、事業者である防衛省が自然環境に配慮しながら適切に対応されたものと認識をしております。
  202. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 IUCNは、これまで、二〇〇〇年十月及び二〇〇四年十一月にIUCN総会において、やんばるの適切な環境保全対策を求めた勧告を採択しています。  特に、二〇〇四年十一月勧告では、日本政府に対して、ジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保護区を設置して、保全に関する行動計画を作成すること、米国政府に対しては、沖縄の希少な野生生物生息地におけるアメリカ合衆国軍の基地建設について、米軍の環境管理に関する基準に基づいて日本政府と環境保全、野生生物保護の観点から協議することと明記されております。  二回のIUCN勧告に対し環境省はどのような対応をしましたか。勧告事項に関する環境省の取組は十分だったとお考えでしょうか。
  203. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) ジュゴンにつきましては、大きな脅威となる漁網での混獲による事故等を未然に防ぐため、漁業に関係する方々の理解を得て、網に掛かってしまったジュゴンを救出するための訓練等を行っているところでございます。  また、ノグチゲラ及びヤンバルクイナにつきましては、鳥獣保護管理法に基づき、平成二十一年十一月に国指定鳥獣保護区として安波鳥獣保護区及び安田鳥獣保護区を指定したほか、種の保存法に基づく保護増殖事業の実施に向けた十か年計画を策定し、両種の保全のための生息状況調査や交通事故対策、これらの生息を脅かすマングース等の外来種の防除等の保全対策を実施しているところでございます。
  204. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 IUCNは、二〇一六年、島嶼生態系への外来種の侵入経路管理の強化を勧告しています。  五月十五日には、新たに建設された北部訓練場ヘリパッドG地区においてカラスノエンドウを含む五種の外来植物が確認されたと報道されました。特に要注意外来生物に指定されている二種も含まれています。懸念された事態が現実に生じています。  北部訓練場に新たに建設されたヘリパッドに外来植物が侵入している事態について、環境省としてはどのように対処するのでしょうか。
  205. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 工事の実施による環境配慮につきましては、自主的な環境影響評価の結果も踏まえて、必要に応じて事業者である防衛省において適切に行われるものと認識をしております。
  206. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 防衛省はいろんなことを適切にやるかもしれないけれども、先ほどから指摘しているように、決して十分ではないという。  しかし、外来生物の問題というのはそもそも環境省の問題ではありませんか。皆さんとしての対応の方針はないんですか。
  207. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 本件につきましては、先ほど申しましたように、事業者である防衛省において適切に行われるものという認識をしております。
  208. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 世界自然遺産登録に関するIUCNの基準では、推薦地域の周辺に緩衝地帯を設定する必要があると理解していますが、具体的に北部訓練場内での緩衝地帯の設定や土地利用規制について米軍と協議は行ってきましたか。
  209. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 本件の世界自然遺産推薦に関して、米軍に対しては、北部訓練場に隣接する区域において、やんばる国立公園への指定や世界遺産への推薦を行うことを情報共有をしてきました。また、世界遺産の推薦に当たって、マングース等の外来種対策等の重要性の認識を共有するとともに、推薦地の保全管理を図るため、意見交換を行うことを文書で合意しています。
  210. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 IUCNの勧告レポートでは、二〇一六年十二月七日に日米両政府が米軍北部訓練場に関し基本的な共同合意、コラボレーションアグリーメントを締結したと記載されています。  具体的にどのような内容でしょうか。文書を資料で提供していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
  211. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 当該文書は、今般の世界自然遺産への推薦について、日米両政府は推薦地に隣接する北部訓練場における自然環境保全に関する日米の協力について協議をした、北部訓練場を含む沖縄島北部一帯において侵略的外来種の防除等により同地域の保全へ特段の配慮をすることの重要性の認識を共有した、推薦地の保全、管理を図るために意見交換等を行うことに合意したという内容のものでございます。  当該文書につきましては、関係者の確認が取れ次第、御提供する方向で検討したいと思います。
  212. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 やんばるの自然を守るという観点から、北部訓練場の区域内にきちんと日本政府の管理権を及ぼしていこうという環境省の取組は評価したいと思います。  日本政府は、これまで、北部訓練場は米軍の管理権の下にあって日本の国内法が及ばないと逃げてきました。しかし、実際は、直径四センチ以上の立ち木の伐採には許可を要するなど、林野庁が管理している国有林であり、国内法は当然及んでいます。米軍北部訓練場の区域内についても、日米両政府で協定を締結し、世界遺産の緩衝地帯に設定して実効性のある環境保全対策を講じていくべきです。  米軍には、日本環境管理基準、JEGSに基づく環境保護が義務付けられています。日本政府としても、JEGSに基づく米軍の環境保護の履行確保の義務を負っています。JEGSについては、第十三章で自然資源及び絶滅危惧種の保護が規定されています。私が提出した「在沖海兵隊施設の「自然資源・文化資源統合管理計画」の入手経緯に関する質問主意書」に対する今年四月十日の答弁書によれば、JEGS十三章に基づく統合管理計画を環境省が初めて入手したのは二〇一七年六月です。日本政府の世界遺産の推薦書には、JEGSの記載も統合管理計画の記載もありません。  環境省は、米軍との協議に当たって、北部訓練場にJEGSや統合管理計画が適用されていることを認識していたでしょうか。
  213. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 本件の世界遺産推薦に関する協議にかかわらず、北部訓練場に対してJEGSや統合管理計画が適用しているということは認識をしております。
  214. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 北部訓練場を緩衝地帯に設定する協定締結に向けて、改めて米軍と協議すべきではありませんか。
  215. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 本件の世界遺産推薦に関するIUCNの評価書においては、北部訓練場は推薦地に対する実質的な緩衝地帯として機能し、景観の連続性や重要種の生息に貢献していると評価をされています。このため、北部訓練場に緩衝地帯を設定する必要はないというふうに考えております。
  216. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今回は北部訓練場跡地、返還地が世界自然遺産になっていくわけですから、そのときにはまさに接しているのが北部訓練場になってしまうという、こういう現実があります。ここら辺については今後とも検討願いたいと思います。  統合管理計画では、北部訓練場内の世界遺産や国指定の史跡などの存否について確認をする項目が設けられており、北部訓練場内を日本政府が公園に指定することも想定されています。この統合管理計画は五年ごとの改定が規定されており、二〇一九年に向けて見直しの作業が進められております。  環境省としても、返還地の自然遺産登録や国立公園指定に伴う北部訓練場の緩衝地帯としての環境管理について、米軍の統合計画に盛り込むよう求めるべきではありませんか。
  217. 米谷仁

    ○政府参考人(米谷仁君) 本件の世界遺産推薦に関するIUCNの評価書においては、北部訓練場は推薦地に対する実質的な緩衝地帯として機能し、景観の連続性や重要種の生息に貢献していると評価をされております。  米軍に対しても、この評価内容を情報共有し、北部訓練場の自然環境が引き続き適切に保全されるように求めたいと考えております。
  218. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 残っている北部訓練場の区域内は、世界自然遺産に相当する豊かな自然を保っています。二〇一七年一月の世界遺産登録の推薦書の中では、登録価値証明の中で、五つのジャンルで、部類でその種が示されておりますが、陸生哺乳類と鳥類、両生類でも、北部訓練場の方が申請している北部地区よりは数が多いということが示されます。そういう意味では、やはりこれだけの価値があるわけですから、是非これもまたしっかりと保全をしていく必要があると思います。  そういう意味で、日本政府全体として、米軍北部訓練場への緩衝地帯の設定、北部訓練場への環境省による調査と環境管理を米国に対して求めるべきだと考えます。最後に、外務大臣、防衛大臣の見解をお伺いして、終わりたいと思います。
  219. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
  220. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 環境省と連携しながら、必要に応じて米軍に働きかけをしてまいりたいと思います。
  221. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 環境省からの要請があれば、必要に応じて米側に働きかけてまいります。
  222. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ありがとうございました。是非そのようにしていただきたいと思います。
  223. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 他に御発言もないようですから、三件に対する質疑は終局したものと認めます。  防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  224. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党を代表して、日本・デンマーク及び日本・アイスランド、二つの租税条約に対する反対討論を行います。  二つの租税条約は、投資所得課税に係る源泉徴収税率を減税ないし免税を含めて措置するものです。これは、日本の大企業とその海外子会社が、当該国内の外資優遇税制のメリットを十二分に受けつつ、その上、租税条約により投資に対する源泉地国課税が劇的に軽くされるなど、税制優遇措置を二重、三重に享受することを可能とするものです。  日本経団連の要求に応え、国際課税分野における日本の大企業優遇税制を国内外で更に拡大、補強するものにほかなりません。  次に、BEPS防止措置実施条約については、多国籍企業による税逃れの防止に役立つものであり、賛成です。  以上、討論とします。
  225. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  226. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  227. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  228. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  229. 三宅伸吾

    ○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四分散会