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2018-03-20 第196回国会 参議院 農林水産委員会 3号 公式Web版

  1. 平成三十年三月二十日(火曜日)    午後二時二十分開会     ─────────────    委員の異動  三月八日     辞任         補欠選任      高木かおり君     儀間 光男君  三月十九日     辞任         補欠選任      進藤金日子君     鶴保 庸介君      田名部匡代君     難波 奨二君  三月二十日     辞任         補欠選任      鶴保 庸介君     進藤金日子君      野村 哲郎君     足立 敏之君      難波 奨二君     浜口  誠君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岩井 茂樹君     理 事                 中泉 松司君                 舞立 昇治君                 舟山 康江君                 紙  智子君     委 員                 足立 敏之君                 礒崎 陽輔君                 上月 良祐君                 進藤金日子君                 平野 達男君                 藤木 眞也君                 山田 俊男君                 小川 勝也君                 徳永 エリ君                 浜口  誠君                 谷合 正明君                 横山 信一君                 儀間 光男君                 森 ゆうこ君                 川田 龍平君    国務大臣        農林水産大臣   齋藤  健君    副大臣        厚生労働副大臣  高木美智代君        農林水産副大臣  谷合 正明君    大臣政務官        外務大臣政務官  堀井  巌君        農林水産大臣政        務官       上月 良祐君    事務局側        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局経済取        引局長      菅久 修一君        厚生労働大臣官        房生活衛生・食        品安全審議官   宇都宮 啓君        農林水産省食料        産業局長     井上 宏司君        農林水産省生産        局長       枝元 真徹君        農林水産省経営        局長       大澤  誠君        農林水産省政策        統括官      柄澤  彰君        林野庁長官    沖  修司君        水産庁長官    長谷 成人君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (平成三十年度の農林水産行政の基本施策に関  する件)     ─────────────
  2. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  去る八日の委員会におきましては、異例の状況の中で開会することとなり、委員長としては大変遺憾に思っております。  そのため、本日は、まず初めに、齋藤農林水産大臣の発言として再度所信を聴取することとしたいと思いますので、御報告いたします。     ─────────────
  3. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 委員の異動について御報告いたします。  本日までに、高木かおり君、田名部匡代君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として儀間光男君、浜口誠君及び足立敏之君が選任されました。     ─────────────
  4. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局長菅久修一君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 農林水産に関する調査を議題といたします。  この際、齋藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。齋藤農林水産大臣。
  7. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) それでは、再度所信を述べさせていただきます。  農林水産委員会の開催に当たりまして、農林水産行政に関する基本的な考え方について申し述べます。  我が国の農林水産業に活力を取り戻し、いかにして魅力ある成長産業にしていくか。そのことが美しく活力ある農山漁村の実現につながっていくとの確信の下、安倍内閣においては、これまでの五年間、意欲ある農林漁業者の創意工夫を生かし、所得の向上を実現するための改革に全力で取り組んでまいりました。  その結果、平成二十八年の農業総産出額は過去十七年で最高の九・二兆円、生産農業所得も過去十八年で最高の三・八兆円に達しました。  農林水産物・食品の輸出も堅調です。昨年の輸出額は八千億円を超え、五年連続で過去最高を更新しました。米は約二割、牛肉は約四割、イチゴは約六割増加するなど、実績を大きく伸ばしています。  これからの農業を担う四十代以下の新規就農者は、統計開始以来初めて三年連続で二万人を超えました。停滞していた担い手への農地集積率も、農地中間管理機構の発足以降上昇基調に転じ、五四%に達しています。積極的な経営展開を行う農業者も増えており、担い手が利用する経営改善向け制度資金の新規融資は、昨年度約二割増加しました。  また、全農においても、取り扱う肥料の銘柄を約四百から十七に減らし、価格も最大三割下がるなど、農業者の所得向上を目指した取組が進められています。  しかしながら、我が国においては、昨年一年間だけで、前年より七万人以上多い、実に四十万三千人もの人口が減少しました。そして、今後もそのペースは加速することが見込まれます。この人口減少のスピードを考えれば、成長産業化の取組のために残された時間は多くはありません。これまでの歩みを緩めることなく前進し、農林漁業者の更なる所得向上を実現すべく、今後とも、緊張感を持って、農林水産業全体にわたる改革を強力に展開していかなければなりません。  以下、具体的な施策を申し述べます。  まず、農業についてです。  最重要課題の一つである担い手への農地の集積、集約化を一層加速していきます。農地中間管理機構の取組を検証しつつ、農業委員会の活動や基盤整備との連携強化、所有者不明農地について、管理費用を負担している相続人が簡易な手続で農地中間管理機構にリースできる仕組みの創設等の措置を講じてまいります。  また、効率的な農業経営を行おうとする担い手のニーズに応え、底地を全面コンクリート張りした農業用ハウス等について農地転用許可を不要とする仕組みを導入いたします。  さらに、強い農業に必要な基盤整備を引き続き推進するとともに、土地改良施設の適切な維持管理を図るため、土地改良区の組合員資格の見直し等を進めてまいります。  加えて、農業法人での実践的研修や農業経営塾での経営ノウハウの習得等を通じて、今後も女性や若者を始めとして次世代の担い手を育成します。  農業者の更なる所得向上には、一円でも安く生産資材を調達し、一円でも高く農産物を販売できる環境を更に整備していかなければなりません。引き続き、生産資材業界や農産物流通加工業界の再編、参入を促進いたします。また、農薬の規制について最新の科学的根拠に基づく見直しを行います。  さらに、食品流通の多様化が進む中、時代の変化に即した流通構造の確立に向け、情報通信技術の導入や物流の効率化等により、卸売市場を含む食品流通全体の合理化を進めます。これにより、生産者、消費者双方のメリット向上を実現します。  今年から、米政策が変わります。行政による生産数量目標の配分は廃止しました。輸出を含め、様々な需要に応じた生産、販売を推進するため、引き続き、全国ベースの需給見通し等の情報提供や、麦、大豆、飼料用米等の戦略作物への支援を実施いたします。  平成二十六年六月に始まった五年間の農協改革集中期間は、既に三年半が経過しました。農林水産省としても、JAグループの具体的な取組とその成果を継続的にフォローアップし、農業者の所得向上に全力投球できる農協の実現に向け、協力してまいります。  諸外国への輸出は、我が国農林水産物・食品の生産拡大につながる有効な手段です。平成三十一年の一兆円目標達成に向け、HACCPやハラールなど輸出先のニーズに対応できる施設の整備、JFOODOによる米粉、和牛、緑茶等の重要品目の戦略的プロモーション等により、成長が続く世界の食市場に挑戦する皆様を応援いたします。  農山漁村の活性化も重要な課題です。地域資源を活用した創意工夫に富む活動が活発で、都市部や海外からも多くの人が訪れ、地域住民に雇用の場も確保される。そのような活力ある農山漁村をつくらなければなりません。そのために、特色ある農林水産物の生産、加工、販売等を一体的に行う六次産業化の展開、都市農村交流や農泊の取組の促進など、中山間地域を始めとした農山漁村の個性を生かした取組を推進します。  野生鳥獣による農作物被害は、これまでの捕獲強化等により、その額がピーク時から約三割減少したものの、営農意欲に関わる深刻な課題です。今後とも、鳥獣害対策を一層推進するとともに、安全で良質なジビエの利活用を進めます。  AI、ICT、ドローン等、発展著しい先端技術を活用すれば、農林水産業の生産性を飛躍的に高めることができると考えます。中長期的視点で基礎的、先導的な技術開発に取り組むとともに、現場への実装を強力に推進するため、明確な開発目標の下における技術開発と研究成果に直接アクセスできる環境の整備を促進いたします。  食の安全と消費者の信頼確保のため、引き続き科学的根拠に基づく食品の安全性確保と正確な情報伝達による消費者の信頼確保に取り組むとともに、動植物の防疫措置等に万全を期してまいります。  昨年、TPP11協定の大筋合意と、日EU・EPA協定の妥結という大きな節目に至りました。  農林水産分野では、重要五品目を中心に関税撤廃の例外等必要な国境措置を確保しました。それでもなお残る農林漁業者の方々の不安や懸念にしっかりと向き合い、合意内容について丁寧に説明を尽くすとともに、昨年十一月に改訂された総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、これまでの実績の検証等を踏まえた所要の見直しを行いながら、国内対策を着実に講じてまいります。平成二十九年度補正予算において、これまでのTPP対策に加え、国産のチーズや構造用集成材等の競争力を高める体質強化対策を講ずるとともに、協定発効に合わせ、経営安定対策を実施してまいります。  我が国には、先人が私たちに残してくれた森林と、暖流と寒流が織り成す世界有数の広大な漁場が存在します。これらの豊かな資源を適切に管理しつつ、林業、水産業の成長産業化を図る。これまでの農政改革に加え、林業、水産業の改革にも本腰を入れて取り組まなければなりません。このため、昨年十二月、農林水産業・地域の活力創造プランを改訂し、抜本的な林業改革の内容を固めるとともに、水産業改革の方向性を明確化しました。  林業については、市町村を介して、森林所有者の経営管理権を意欲と能力のある林業経営者に集積、集約化するとともに、いわゆる仮称森林環境譲与税、森林環境税も活用し、経済ベースに乗らない森林等について市町村が公的管理を行う新たな森林管理システムを構築します。また、新システムを構築する地域を中心に、路網整備の重点化、川上と川下の連携強化による木材流通コストの削減、木材需要の拡大等を進めてまいります。  水産業については、国際的に見て遜色のない科学的、効果的な水産資源の評価・管理方法を確立し、水産資源を維持、回復させる。その上で、漁業に関する制度を、漁業の生産性の向上を促進し、有効活用されていない水域について新規参入が行いやすい仕組みにしていくことが重要です。今後、活力創造プランに盛り込んだ水産政策の改革の方向性に沿って検討を深め、本年夏を目途に具体的な改革案を取りまとめます。  東日本大震災から今年で七年目になります。約九割の農地や全ての漁港の陸揚げ機能が復旧し、震災直後に五十四の国や地域で設けられた農林水産物の輸入規制も約半数が撤廃されました。本年も、農林水産業の再開支援や風評対策等、東北の未来を見据えた復興に全力で取り組みます。  また、度重なる豪雨、台風災害や熊本地震で被災した農地や森林、農林水産関連施設の復旧についても継続して支援してまいります。  以上、私の基本的な考え方を申し上げました。  引き続き、農林水産業の成長産業化と農林漁業者の所得向上を実現する。そのことを通じて、活力ある地域社会の維持、食料安全保障の確保、そして食料自給率の向上に向け、全力で取り組む所存であります。  岩井委員長を始め委員各位に、重ねて御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
  8. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 平成三十年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治でございます。  本日は、時間もないことから、早速質問に入りたいと思います。  一問目でございますが、まず、農政の基本方針ということで、農業は国の基であり、国民の生命をつなぐ、守る産業として非常に重要な産業でございます。世界の人口が七十億人を超え、百億人に向けて増え続けることが予想される中で、いかに自分の国の食料は自分の国で賄うようにするかは国政の最重要課題の一つであり、もっと食料安全保障の観点を前面に出し国民理解を深めるとともに、地産地消、地消地産への取組に協力を求めながら、私としては自給率、自給力の向上に真正面から取り組んでいく必要があると考えております。  現在は、一昔前に比べて農業生産額なり農業所得が大きく減少する中で、基幹的農業従事者の平均年齢も六十六歳を超え、耕作放棄地はこの二十年で約二倍に増えた。一方で、深刻な人手不足に陥るなど、持続可能性が怪しくなってきておりますので、私も改革は待ったなしの状況だと思っております。  そういった中で、平成二十四年末の第二次安倍政権発足以降、あの活力創造プランによりまして、農地バンクですとか日本型直接支払制度の創設のほか、米政策や土地改良、農地制度の見直し、あるいは輸出の促進、農協、農業委員会改革等々、これまでハイペースで改革を行ってきたところでございます。改革の方向性自体は間違っていないとは思いますし、農業の持続可能性を高めるためにも必要な改革を行っていかなければなりません。  現在、食料自給率が上昇する気配が見えてこない等々の様々な課題が山積しておりますけれども、幸いにもこの五年間で農業生産額は九兆円台に、そして農業所得も約四兆円弱まで回復し、輸出も増えるなど、一定の成果を上げてきてはおりますけれども、ともすると、現場からはまだまだ声が多くございます。例えば、農業関係者が入っているとは言えないメンバーで構成された規制改革推進会議主導で農政改革が実施されているように見える、必要ない又は必要以上に改革をやらされている印象が強い、はたまた、産業政策に偏っており、特に国土の七割以上を占める中山間地域の農業を維持発展させるための支援、つまり地域政策が十分ではないといった御意見も少なからずお伺いしているところでございます。  農政におきましては産業政策と地域政策は車の両輪と言われますが、基礎と応用とも言われます。地域政策の基礎がしっかりしていなければ、全国津々浦々、農村社会は維持できないと考えますし、産業政策も面的な広がりにはつながっていかないと思っております。  中長期的に農業の持続可能性を高めていくことが必要だと思っておりまして、今後の農政におきましては、現在、重点的に取り組んでいる産業として成り立つ農政を引き続き推進するとともに、具体的施策にはここであえて触れませんけれども、特に中山間地域の農村社会を維持し活力を取り戻すための地域政策を積極的に講じる必要があると考えますが、大臣の御所見を伺います。
  10. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) 我が国の農業は、今、人口減少に伴うマーケットの縮小や農業者の減少、高齢化の進行などによりまして大きな曲がり角にあると思っております。我が国の農業に活力を取り戻し、魅力ある成長産業にしていくことは待ったなしの課題であります。  このような認識の下、安倍内閣におきましては、これまで米政策改革、農地集積バンクによる農地集積、六十年ぶりの農協改革、農林水産物・食品の輸出促進、生産資材価格の引下げや流通加工構造の改革など、農政全般にわたる改革を進めてまいりました。引き続き、農業を産業として強くするための改革を積極的に進めてまいります。  同時に、農村に活力を取り戻すための施策も積極的に講じておりまして、地域の農業者が取り組む共同活動への支援などを行う日本型直接支払制度の創設、御指摘の中山間地域については、地域の特色を生かした多様な取組を総合的、優先的に支援する中山間地農業ルネッサンス事業の創設、農泊を観光ビジネスとして実施する地域を創出するための支援、鳥獣被害対策や安全で良質なジビエ利活用の推進など、多様な施策を展開しているところであります。  今後とも、これらの施策を車の両輪として総合的に実行していくことによりまして、強くて豊かな農業と美しく活力ある農村をつくり上げていきたいと考えております。
  11. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 大臣、ありがとうございました。  私も、現場で、地元で、平場では非常に明るい話題も多く聞けるような状況が出てきておりますけれども、なかなかやはり中山間地域は厳しいという声が圧倒的に多くて、例えば島根県のある町では、町が出資して農業公社みたいなのをつくって、そこで農業者を雇って中山間地域の農地集積に当たっているとか、いろんなケースが出てきておりますので、是非ともまた地域政策の充実についても御配慮いただければと思っております。  続きまして、TPP、日EU・EPAの関係についてでございますが、TPP11の大筋合意や先般の署名のほか、日EU・EPAの交渉妥結を受けまして、まだまだ現場には不安が根強くあるところでございます。  また、アメリカとの関係におきまして、冷凍牛肉をめぐるセーフガードの見直し問題のほか、二国間EPAなりFTA、TPP復帰の検討に伴う再交渉の懸念等々、不安は尽きないことに加えまして、さらに、今後も他の諸外国と経済連携協定を締結する機会も多く予想される中で、全体としては日本の経済成長には寄与すると思いますけれども、その陰で農林水産業はマイナスの影響を受けるばかりだと懸念しております。  そうした中で、政府の影響額の試算結果は楽観的ではないかとか、あるいは、やがて国内での再生産可能との説明はもたなくなるんじゃないかとか、さらには食料自給率、自給力は下がるばかりじゃないかといった懸念の声も多く聞かれるところでございます。  こうした不安や懸念を抱いている農林漁業者に寄り添っていくためにも、政府の一方的な判断で今やっている対策を打ち切るようなことはせず、しっかり、与野党の意見はもちろんのこと、現場関係者からもう大丈夫だよと声が上がるようになるまでの間は万全の国内対策を継続して実施すべきと考えますが、大臣の御所見、御決意をお伺いできればと思います。
  12. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) TPPや日EU・EPA交渉におきましては、農林水産分野について、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割当てやセーフガード等の措置を獲得しているところであります。その上で、国内対策につきましては、平成二十七年十月のTPP協定の大筋合意によりまして我が国農林水産業は新たな国際環境に入ったということから、総合的なTPP関連政策大綱に基づきましてこうした国際環境に対処できるよう、平成二十七年度及び平成二十八年度の補正予算において、国際競争力の強化を図るための体質強化策を講じてまいりました。  加えて、昨年七月には日EU・EPA交渉が大枠合意に達し、昨年十一月には、TPP11協定が大筋合意したことから、大綱を改訂し必要な施策を盛り込んだところであります。  この中で、体質強化策はできるだけ早く実を上げていくため、平成二十九年度補正予算におきまして、これまでのTPP対策について所要の見直しを行った上で、国産チーズの競争力を高めるための原料乳の低コスト、高品質化、製造コストの低減等の推進、構造用集成材等の木材製品の競争力を高めるための加工施設の効率化、原木供給の低コスト化等の推進などの対策を新たに盛り込んだところでございます。  また、協定発効後の経営安定対策としましては、牛・豚マルキンの補填率の引上げ、糖価調整法に基づく加糖調製品を調整金の対象に追加するなどの措置を講ずることとしているところでございます。  引き続き、農林漁業者の方々の不安や懸念にもしっかりと向き合って、新しい国際環境の下でも安心して再生産できるよう十分な対策を講じてまいりたいと思います。
  13. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 ありがとうございます。  いろいろと工夫しながら何とか国益を確保していただけるように努力していただいているのは理解いたしますけれども、やはりTPP11で九百億から千五百億、そして日EUのEPAでは六百億から千百億といったようなマイナスの影響試算も出ているところでございまして、犠牲になっていくのは事実という状況を受け止めながら、しっかりとまた万全の対策に努めていただければと思っております。  続いて、米政策に関してでございますが、本年は、米の生産調整に関しまして国主導から産地主導での調整に変わるほか、戸別所得補償の廃止など、非常に米政策の転換の大きな節目を迎える年でございまして、失敗は許されないところでございます。私も質問しようと思いましたけれども、今日は、米の大専門家、山田俊男先生がしっかりこの問題、集中して取り組むということでございますので山田俊男先生に譲るといたしまして、私からは、米政策に関連いたしまして、昨年、種子法を廃止したわけでございますけれども、そのときの国会質疑では不安や懸念の声が多く上がったところでございます。  そこで、当農林水産委員会でも四項目にわたり附帯決議がなされたところでございますけれども、都道府県が種子の供給業務を行う上での必要な予算の確保など、その後、附帯決議への対応状況はどのようになっているのか、お聞かせいただければと思います。
  14. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) ただいま御指摘ございました平成二十九年四月十三日の当参議院農林水産委員会におけます附帯決議につきましては、政府として重く受け止め、しっかりと対応していきたいと考えているところでございます。  附帯決議におきましては、種子法の廃止後も、稲、麦類及び大豆の種子につきまして四点決議をいただいております。一点目としまして、優良な品質の流通を確保するため、種苗法に基づき生産等についての適切な基準を定めること、二点目としまして、都道府県の取組が後退しないよう地方交付税措置を引き続き確保すること、三点目としまして、民間事業者と国、都道府県との連携を推進するとともに、国外に流出することなく適正な価格で国内で生産されること、そして四点目としまして、需要に応じた多様な種子の生産を確保し、特定の事業者による種子の独占によって弊害が生じることのないよう努めること、以上四点について御決議をいただいたものと承知しております。  以下、順次農林水産省としての対応を申し上げたいと存じます。  まず一点目につきましては、種子に関する一般法でございます種苗法の告示であります指定種苗の生産等に関する基準に、平成二十九年十月二日付けで稲、麦類及び大豆の種子の生産等に関する基準を追加した上で、農研機構及び都道府県が適切に制度の運用を行えるよう周知したところでございます。  二点目につきましては、都道府県が行う稲、麦類及び大豆の種子供給の事務に要する経費につきまして引き続き地方交付税措置がなされる方針であることを本年一月二十六日付けで各都道府県に周知したことなどを踏まえまして、各都道府県の種子供給業務が継続されるというふうに承知をしております。  三点目につきましては、官民の連携や競争力強化を進めるに当たりまして国益を損なうことのないよう、共同研究契約等につきまして本年一月十日付けで農研機構及び都道府県等に通知して周知をしたところでございます。  四点目につきましては、農業競争力強化支援法の趣旨を踏まえまして、官民を挙げた種子、種苗の開発、供給体制を構築するために必要な取組等につきまして、本年一月十日付けで関係者に対して周知徹底したところでございます。
  15. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 ありがとうございます。  まだまだたまにこういった種子法廃止への不安の声を聞くことがございますので、引き続き適切に対応していただければと思います。  続きまして、輸出の促進につきましてお伺いしますけれども、政府が掲げます攻めの農林水産業の重要な柱の一つである輸出促進につきましては、平成三十一年輸出額一兆円目標を掲げておりますが、その達成につきましては、年々増えてはいるものの、直近の伸び率等を勘案すると、正直なかなか達成が難しいんじゃないかと思われるところでございます。  そこで、農林水産物や食品の輸出拡大に向けて今後どのように取組を強化していくのか伺うとともに、韓国始め諸外国による原発事故に伴う輸入規制の撤廃のほか、中国への米の輸出に関する指定登録施設の追加、牛肉以外の畜産物に対するEUへの輸出解禁等に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
  16. 上月良祐

    ○大臣政務官(上月良祐君) 我が国の農林水産物・食品の輸出額は、平成二十九年に八千七十三億円となっております。五年連続で過去最高を更新しているところでありますけれども、御指摘がありましたように、平成三十一年の一兆円目標を達成するためには今後更に拡大を図っていくことが必要であるというふうに認識をいたしております。  このため、政府といたしましては、輸出を拡大していきますために、農林水産業の輸出力強化戦略等に沿いまして、まず、JFOODOや品目別輸出団体等によりますプロモーションの実施への支援、そして、国内の農林漁業者、食品事業者の販路開拓のための相談体制の強化や商談会への出展等への支援、そして集出荷拠点や加工施設等の輸出拠点施設の整備、そして輸出先国また地域の輸入規制の撤廃、緩和に向けました交渉など、政府が主体的に行います輸出環境の整備、こういった様々な多様な取組を進めているところであります。  このうち、政府が主体的に行います輸出環境の整備に関しましては、御指摘がありましたそれぞれの点につきまして、まず放射性物質に関します輸入規制につきましては、撤廃、緩和に向けました取組をこれまで鋭意進めてきました結果、東京電力福島第一原子力発電所事故直後に規制を導入した五十四か国・地域のうち、これまでに半数に当たります二十七か国が規制を撤廃したところでございます。先般、韓国によります日本産水産物等の輸入規制に係りますWTOのパネル報告書が公表されたことも踏まえまして、韓国と同様に、日本産食品の輸入規制措置を継続しております国、地域に対しまして、撤廃、緩和に向けまして一層の働きかけを行っているところであります。  また、中国向けの精米輸出につきましては、既に指定登録されております精米工場及び薫蒸倉庫の能力を十分に活用しますほか、新たな精米工場等の追加が課題であると認識しております。このため、追加指定、登録に向けまして、必要なデータを提出いたしまして、様々な機会を捉えまして中国側と今鋭意協議を進めているところであります。  そして、三番目になりますが、牛肉以外の日本産畜産物、豚肉、鶏肉、鶏卵等々でございますが、そのEU向け輸出を可能とするためには、日本がEUの第三国リストに掲載される必要がございます。そのためには、質問票への回答に加えまして、残留物質モニタリング計画の承認、それから現地調査の実施、それからEU加盟国間での協議といった手続が必要となってございます。昨年十月に、EU側によります現地調査が行われたところであります。現在、現地調査報告書の完成に向けましてEUが作業を進めているところでありますので、今後とも、早期に輸出が可能となりますように鋭意手続を進めてまいりたいと考えております。  なお、各地の事業者の皆様方も様々に積極的な取組を進めていただいておりまして、事業者の輸出の積極的な取組を促進していきます観点から、輸出優良事業者の表彰というのを行っております。今年度は、農林水産大臣賞を全農の鳥取県本部さんが受賞いたしていただきました。品目別の輸出団体によるプロモーションも活用していただきながら、二十世紀梨を台湾、香港等に輸出する取組を通じまして生産者の所得向上に寄与してきていただいたことが評価されたものでございます。是非、更に積極的に取組を進めていただきたいと考えておるところであります。
  17. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 上月政務官、といいますか私の総務省の先輩、そんたくという言葉は使いませんが、地元の優良事業者表彰、JA鳥取の事例に触れていただきまして誠にありがとうございました。地元も元気が出ていくと思いますので、是非、今後とも御支援をお願いしますとともに、引き続き非関税障壁の撤廃等に向けてはしっかり取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。  続きまして、先端技術の活用なり外国人労働力の活用の関係でございますけれども、今全ての都道府県で有効求人倍率が一を超える中、農業の現場でも人手不足が深刻化しております。特に中山間、過疎地域では高齢農家が多く、体力的にも精神的にもいつやめてもおかしくない状態の中で、農地バンクによる集積、集約を行おうにもなかなか条件が悪く、担い手が思うように確保できず、遊休化する農地が今後ますます増えていくことが予想されるところでございます。  このため、生産性向上や担い手の負担軽減を図るためにも、ロボット技術の導入やICT等先端技術の活用を推進するとともに、やはり日本人だけの労働力では限界があるところを、移民政策とはきっちりと区別した上で、使い勝手が悪いと言われる外国人技能実習制度やごくごく一部しか認められない国家戦略特区の仕組みに加えて、より使い勝手のいい形で外国人労働力を農林水産業の現場で活用できる全国的な制度を早期に導入する必要があると考えますが、これら二つの問題に対し農水省としてどのように対応されていくのか、伺います。
  18. 上月良祐

    ○大臣政務官(上月良祐君) 農村地域におきましては、農業就業者の減少や高齢化等が大変進行しておりまして、人手不足が深刻化いたしております。このため、担い手の生産性向上や負担軽減を図りますとともに、収穫等の作業のピーク時や規模拡大等に対応しますため、外国人材を含めた労働力の確保が大きな課題となっております。  担い手の生産性向上や負担軽減を図る観点からは、ロボット技術やICT等の先端技術の活用に向けた例えば中山間地域で活用できる技術といたしまして、多くの人手を要します除草作業のロボット化、あるいは水田の自動水管理技術、あるいはドローンやセンサー等を活用した鳥獣害の対策技術など、現場の課題に応えた新たな技術の開発や導入実証等を鋭意進めているところであります。  また、労働力確保の観点からは、昨年、農業現場で即戦力となる外国人材を労働力として受け入れます国家戦略特別区域農業支援外国人受入事業が創設されたところでございます。  また、それに加えまして、総理から新たな外国人材の受入れに関します御指示が出されております。現在、局長級によりますタスクフォースでの議論が開始されたところでもあります。  農林水産省としましては、これらの検討にも積極的に対応してまいりたいと考えております。
  19. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 ありがとうございます。  是非、今年の骨太の方針で何らかの記述がなされていくと思いますが、積極的に農水省も関与していただきたいと思っております。  続きまして、林業、木材産業の関係に行きたいと思います。  昨年末の政府・与党の税制改正大綱におきまして、内容的に百点とは言えないものの、長年の悲願でありました森林環境税の創設が決まり、これによって森林整備に係る財源は平成三十一年度から段階的に増え、平年ベースで約六百億の財源のめどが付いたことは喜ばしいと感じております。  しかしながら、これとは別に、森林整備の財源につきましては、国際間の約束、国の責任として地球温暖化防止対策を適切に進める上では、当初予算の段階では毎年約一千億足りない状況であることには変わりございませんので、大臣始め政務三役、そして林野庁の皆様におかれましては、新税が創設されたとはいえ、財政当局との予算折衝に当たり今後も必要額の確保に万全を期していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  そこで質問に移りますが、今回の森林環境税の創設と関連いたしまして、今国会には新規の森林経営管理法案と、農林漁業信用基金法の一部改正案が提出され、新たな森林管理システムを導入する予定となっております。  法案に対しましては、小規模な町村が多い中で市町村主体の実施体制で大丈夫なのか、あるいは、意欲と能力のある森林経営者に森林管理を集約していくことで小規模な事業体が切り捨てられるんじゃないかとか、はたまた、そもそも共有者の所在が不明な場合はともかくとして、所在の分かる共有者全員の同意がなければ委託を受けて経営管理できないとなると、なかなか円滑に進まず、適切に整備や管理が必要とされる森林がこれまで同様に放置されたままになるんじゃないかといった様々な懸念もあるところでございますが、こうした懸念に対しまして林野庁としてどのように対応していかれるのか、お伺いいたします。
  20. 沖修司

    ○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。  新たな森林管理システムにつきましては、森林所有者自ら経営管理できない森林のうち、経済ベースに乗る森林についてはその経営管理権限を市町村を介して意欲と能力のある林業経営者に集積、集約化するとともに、経済ベースに乗らない森林については市町村が公的に管理するという仕組みとすることを考えております。  市町村には、地域の森林の経営管理が円滑に行われるように主体的に取り組むことが求められるため、実施体制の整備が重要な課題と認識しており、市町村が林業技術者を地域林政アドバイザーとして雇用する取組への支援、森林経営管理法案においては、都道府県による市町村の事務の代替執行ができる制度の導入など、必要な体制整備に向けた取組を進めることとしております。  また、経営管理の委託を受ける林業経営者については、森林所有者の所得向上につながるよう効率的に施業を行い、また持続的に林業経営を行うことが可能な者を考えており、規模の大小は問わないこととしております。  最後に、共有林においては、共有者の一部が同意しない場合であっても、市町村の長による勧告、都道府県知事の裁定等、一定の手続を経て市町村が経営管理を行うために必要な権利を取得できる仕組みを設けることとしております。  森林経営管理法案については、まず国会審議において丁寧に説明し、法案が成立した暁には、平成三十一年四月予定の法案施行に向け、関係者の意見を踏まえつつ、様々な懸念を払拭できるように運用面の制度設計にしっかりと取り組みたいと考えております。
  21. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 沖長官、ありがとうございました。  実施主体が市町村とはいえ、国、県がしっかりとバックアップしながら適切な森林管理、経営管理を行っていけることができるように、どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、最後、水産業の振興について移りたいと思いますが、水産業の振興につきましては、昨年四月に新たな水産基本計画が策定され、産業としての生産性向上と所得の増大、水産資源とそれを育む漁場環境の適切な保全管理、水産業、漁村の持つ多面的機能の十全な発揮を基本方針として、水産関係者の理解と協力を得つつ鋭意取り組んでいただいているところでございますが、本年は、政府の規制改革推進会議におきまして水産政策の改革の具体的な内容が取りまとめられる重要な年でございます。  今のところ、水産基本計画や昨年末の活力創造プランに盛り込まれた水産政策の改革の方向性に沿った検討が進んでいるものと伺っており、農政改革のときのように、規制会議と農水省、そして与党との間で考え方にそう大きな乖離はないと推察いたしておりますけれども、現場の水産関係者の間では、科学的根拠や現場の意見等を十分に踏まえない過度な資源管理を強制されはしないか、あるいは漁業権の免許取得の手続や行使に関しまして、漁業者からの信頼に加え、漁村コミュニティーの維持や地域振興の重要な受皿となっている漁協の存在が軽視されはしないか、そして養殖業などへの企業参入に当たり、魚価の低迷につながるような安易な参入が促進されはしないか、はたまた農協改革のときのように漁協改革が一方的に行われないか等々、不安や懸念の声も少なからず聞いているところでございます。  規制改革会議で本年夏頃に取りまとめられる予定の水産改革の内容につきましては、現場のこうした不安の声に丁寧に応えながら決めていく必要があると思いますが、水産庁としてこうした不安の声にどのように対応されていくのかお伺いしますとともに、これは長官にお願いしたいと思います。  そして、最後、締めといたしまして、水産日本の復活に向けて現場からの要請が強い漁業構造改革総合対策事業、いわゆるもうかる漁業や漁船リース、省エネ機器等導入事業、漁港整備等の水産基盤整備事業などの予算につきまして、引き続き万全の体制で必要額を確保していくことにつきまして大臣の御決意を順々に伺わせていただければと思います。
  22. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) お答えいたします。  規制改革推進会議水産ワーキング・グループにおいては、昨年九月から会合が開催され、ヒアリング及び議論が行われてきたと承知しております。  水産政策の改革については、農林水産省では漁業関係団体等の御意見を伺いながら検討を進め、昨年十二月に決定された農林水産業・地域の活力創造プランに、先生も御指摘いただきましたけれども、水産政策の改革の方向性ということで盛り込んだところでございます。  今後の水産政策が水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の両立、そして漁業者の所得向上を実現していくものとなるよう、さらに日々現場の御意見をお聞きしながら検討を深め、本年夏を目途に改革案の骨格を取りまとめていきたいと考えているところでございます。
  23. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) 各浜が持つ強みを最大限に活用をして所得の向上を実現をしていくためには、漁業経営の持続力、収益力向上に向けた意欲ある漁業者の取組や、多様なニーズに即した加工流通体制の構築にまで目を配りながら、それらの働きを積極的に支援をして漁業の成長産業化を目指す必要があると考えております。  予算につきましては、今後、水産改革に向けて具体的な前進が図られていく段階にございます。現場の意見よく伺いながら、必要な予算の確保には万全を尽くしていきたいと考えております。
  24. 舞立昇治

    舞立昇治君 ありがとうございました。  大臣の力強い決意表明ということで、引き続き、補正、当初共に万全の確保、必要額の確保をよろしくお願いいたします。  規制改革会議の関係で、まだ長谷長官、いろいろと具体的な内容は言えない段階だとは思いますけれども、かなり農政改革、農協改革のときには、いきなりワーキングからばあんと高いボール、デッドボールとかが投げられて、本当に党の議論が大変だったということがございます。是非とも早め早めに、政府内での検討だけじゃなくて、党の方にも相談なりホウレンソウの方をしていただきながら、しっかりと水産日本の復活、浜の再生に資するような、私らも必要な改革はしなければならないとは考えておりますので、そうした中で政府、与党、連携を取って進めさせていただきたいと思いますので、そこは十分御留意いただければと思います。  時間も参りましたので、私の質問は以上にします。ありがとうございました。
  25. 山田俊男

    ○山田俊男君 山田俊男です。  本日は、この時間をいただきまして、大変ありがとうございます。ただ、時間が余りありませんで丁寧な議論はできません。どうぞ、短い時間でありますので答弁はできるだけ短く、私もできるだけ長く質疑しないという思いでいますので、ぱっぱっぱっぱといきたいと、こんなふうに思っております。  齋藤大臣、政策の大きな変わり目で大臣に御就任されて大変苦労があるというふうに思います。御苦労さんです。ましてや、大きな政策転換を農水省が打ち出すのに先駆けて、何と、規制改革推進会議等がいろいろ注文を付けてくるものですから、農水省も党も、本当にそれに追い付いていけないような状況が生じているように思っております。そういう面では、私なんかも本当に納得のいかない日々を過ごしているということであります。今日、こういう形で大臣と質疑できるチャンスをいただいたことを本当に感謝申し上げたいというふうに思います。  私が本日取り上げますのは、米の生産数量の都道府県別、農業者別の目標配分を行わないという問題でありまして、五年前に産業競争力会議の座長が、私も議員やっていた当時なんですが、唐突に出てきまして、そして、その出てきたことに対して、どうせ先の話だから、五年後の話だからと思って十分詰めてこなかったというふうに思うんですよね。ところが、この間いろんな課題がありまして、とうとう突然このときが来て、そして、目標配分は、全国的な目標は示すんだけれども、それも国が示すけれども、あとは都道府県も生産者も目標がありませんよという世界に入っているわけですから、地方へ行きますと、山田さん、もう一体米どうすりゃいいんだという声がいっぱい上がっているわけであります。  どうぞ、これらのことについてお互いに、もう本当にどうするのか、率直な案を出して、そして議論を深くやっていくということが大変必要だというふうに思っているところであります。  ところで、この現状をどんなふうに受け止めておられるか大臣にお聞きしたいと。お願いします。
  26. 齋藤健

    国務大臣(齋藤健君) これまで私も、山田委員長一緒に、自民党農林部会に部会長として農政の改革に携わってくる中で、規制改革会議の高いボール、先ほど舞立さんはデッドボールと言いましたけれども、そういうものを受ける側で長いこと仕事をしてきておりますので、今後の規制改革会議と我々との在り方については少しずつ直していきたいというふうに思っているところであります。  今御指摘の、生産数量目標がこれから三十年以降なくなっていくという問題につきましては、私も何度もこの場でお話を申し上げておりますけれども、これから人口が減って、残念ながら食べるお米の需要というものが年々減少していくという状況の中で、需要に応じた生産をしていくということがますます重要になってきているんだろうと思います。そこのところを今までのように、今年は幾ら、来年は幾らという配分を続けていくと、どんどんどんどん小さくなっていって、いずれどこかで行き詰まるのではないかと。そうなる前に何とか農家の所得を維持し、米価を安定させる方策を講じていかなくちゃいけないという、そういう思いで米政策の改革というのは行われてきていると私は認識をしているところであります。  来年以降、米の生産数量の国による配分ということがなくなるという、あっ、今年ですね、なくなるということについて、多くの皆さんの不安があることはよく承知をしておりますけれども、この米政策の改革の趣旨をこれからも引き続きよく説明をしていただくとともに、同時に、何かあったときの収入保険制度ですとか、様々な対策もありますので、不安の払拭に向けて努力をしていきたいと思っております。
  27. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣が規制改革推進会議の在り方について注文を付けていきたいというふうにおっしゃったこと、画期的であります。大臣の発言ですからね、心強く思いますから、どうぞ、いろんな場面でこれからどんどん出てくるというふうに思いますので、それはしっかり連携してやりましょう。野党の皆さんともしっかり連携しましょう。それで、大事な日本の地域や農業を守っていかなきゃいかぬと、こんなふうに思っているところであります。  さて、国が目標を配分しないという状況から、生産者の自主的な取組が進んでいると見ていいのか、それとも緩んできているのか、これはマンスリーレポートを出して、最近も出しておられますから、それを踏まえた上でどんなふうにお考えになるのか、評価をお聞きしたいと思います。
  28. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) 三十年産の米政策の見直しにつきましては、二十五年暮れに政府・与党で方向性が決まって以来、いろんな努力を重ねて今日に至っているわけでございます。その環境整備の中で、やはりきめ細かな情報提供をさせていただくということが非常に重要なポイントになっておりまして、現場の皆様にいかに現実のマーケットの状況が推移しているかということをいろんな工夫をしながらお伝えしてきているところでございます。  今、マンスリーレポートのお話をいただきましたが、このきめ細かい情報提供の内容をいま一度整理してみますと、まず、三十年産以降におきましても、私どもが全国ベースの需給フレームは引き続き策定してお示しするということがまずございます。その次に、各県、各地域ごとの実際の作付け動向につきまして、節目節目に県ごとあるいは市町村ごとの動向を公表申し上げる。そして、マンスリーレポートにつきましては、毎月毎月、各産地、銘柄ごとの販売や価格の状況、あるいは産地ごとの事前契約の状況などを公表しているわけでございます。  こういったことをずっと続けてまいりましたところ、この数年間は各産地における需要に応じた生産の販売の取組が進みまして、その結果、直近三年間の二十七、二十八、二十九年産、三年連続で全国ベースの過剰作付けが解消したところでございます。  そして、足下の三十年産の動向でございますが、これにつきましては、今年一月末現在の三十年産米の作付け動向を先般二月二十七日に現時点で取りまとめまして公表いたしましたが、主食用米につきましては、二十九年産と比べまして、都道府県ごとの増減はありますものの、総じて申し上げればさほど大きく変化する状況にはないというふうに見ているところでございます。
  29. 山田俊男

    ○山田俊男君 全国農業再生推進機構、これは簡単に言うと全国組織というふうに我々は言ったりもしていますが、この役割と動きに関してでありますが、これが設置されたわけでありますが、政府はこの組織に何を期待しているのかなと。その割に会長がまだ決まっていないように聞いているんですけど、早急に決めるように提案すべきじゃないかというふうに思うんです。民間の組織だから農水省は関与しないという立場なのかななんて思ったりもするんですが、齋藤大臣、お聞きします。
  30. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) 三十年産米からの米政策の見直しをにらみながら、全国農業協同組合中央会を事務局とする全国農業再生推進機構が二十九年十二月に設立をされたということは承知をしているところであります。  私どもとしては、この組織に関しましては、マーケットインに基づく実需者と産地とのマッチングの支援などを主な活動内容としているものと承知をいたしておりまして、そういう意味では、当該活動が行政による生産数量目標の配分に頼らずとも生産者が中心となって需要に応じた生産を行うという今般の米政策の見直しの趣旨と合致するような形でこの組織の運営がなされていくというふうに見ているわけでありますし、その点期待をしているということであります。  会長の人事につきまして、私どもの方から早くしろとかこうしろとかいうことについては発言を控えさせていただきたいなというふうに思います。
  31. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうぞ大臣、いろんなツールを使って、それで対策を講じていくということが大変大事だというふうに思いますので、嫌がらずにしっかりこの組織を使うということをやってもらいたいなというふうに思うところであります。  さて、今大臣もおっしゃっていただきましたが、行政による生産数量配分に頼らずとも生産者が中心になって需要に応じた生産を行うということが基本だぞと、こうおっしゃっているわけで、それは物すごい大事なことなんですけれど、しかし、都道府県やJAや個々の生産者がそれぞれの判断で目標を設定して取り組もうということなのかというと、そうでもないわけでしょう。だから、もしもそれ自由に設定していいんだよなんて話になると、まさに自由な生産、流通、販売という方向へずっと突き進んでいっちゃうんじゃないかという気がするんですよ。  さらに、昨年の十一月に全国的な推進組織をつくるという動きの中で、今日も参考資料出させてもらっていますが、ここに全国的な推進組織についてと書いてあるところで、この①、②があって、国は情報を提供しますよということを書いてあるのと、全国的な組織の設置に当たっては行政による生産数量配分に頼らずとも云々と大臣がおっしゃっていただいたことがそうなんですが、もう一つ、関係法令に違反しないことというふうに書いてあったりしているわけですね、この紙に。関係法令に違反しないことというのは、これ何ですか。どんな法律に違反しちゃ駄目だということなんですかね。お聞きしたいと思います。
  32. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) 配付された資料は、昨年の秋、私どもが作成した資料ではございます。この資料におきます記述は、この全国的な推進組織の具体的な姿がまだ明らかでない段階でございましたので、極めて当たり前のことではございますけれども、ある意味、あらゆる組織にとって当然のことを書かせていただいたところでございます。  なお、今日、全国農業再生推進機構は既に設立をされているわけでございますけれども、私どもが承知している限りにおきまして、この機構自体の規約におきましても、規約の第十六条というところに、「全国組織の運営にあたっては、関係法令に違反しないよう十分留意する。」というふうに自ら規定されているというふうに承知してございます。
  33. 山田俊男

    ○山田俊男君 率直に聞きますが、関係法令に違反しないことというのは独占禁止法のことですか、お聞きします。簡潔にお願いします。
  34. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) 関係法令というのはあらゆる法令ということで、何かが排除されるということはないと存じます。
  35. 山田俊男

    ○山田俊男君 いや、そんなばかなことを言ってて……
  36. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 待ってください。指名してから発言をお願いいたします。
  37. 山田俊男

    ○山田俊男君 もうあらゆる法律ですといったって、あらゆる法律、どんな法律があるんですか。これを明らかにしてくださいよ。そして、関係法令に違反しないことという法令はこれとこれとこれだといって初めて組織を動かすことができるんじゃないですか、安心して。ところが、そこ、あらゆる法律だと言ったのなら話にならないんですよ。  公正取引委員会にお聞きしますが、今日はわざわざありがとうございます。  私は、これ、公正取引委員会が所管されている独占禁止法の運用のことじゃないかというふうに思っているんですが、あらゆる法律ですか。それ公取に聞くのは申し訳ないんですけれども、お聞きします。
  38. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  このあらゆる法律に何が入っているかというのは私たち答える立場にないかもしれませんけれども、この独占禁止法上問題になるかどうか、今、今般設立されました全国組織が独占禁止法、問題になるかならないかということにつきましては、今回の全国組織、先ほどもありましたとおり、マーケットインに基づく実需者と産地とのマッチング支援などを行うものとされていると承知しておりまして、当方で把握しているところにおきましては独占禁止法上問題になるものではないというふうに考えております。
  39. 山田俊男

    ○山田俊男君 ただ、この全国組織はそういうことで、JA全中だったりJA全農であったり、それから販売団体であったり、たくさんのメンバーが加わっているわけでありますが、JA全中や全農は構成メンバーでありますが、これは独禁法の適用除外、とりわけJAであったり全農はまさに協同組合でありますから独禁法の適用除外になりますね。とすると、この全国組織は独禁法の場合によったら対象になるかもしらぬけれども、構成メンバーは対象にならないという理解でいいですよね。
  40. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、一定の要件を備えまして法律の規定に基づいて設立された組合の行為には独占禁止法の規定は原則として適用されないということにされておりまして、JAにつきましては、農業協同組合法に基づいて行います共同販売などの行為、これがこの範囲内にあれば独占禁止法の規定は適用されない、違反とはならないということでございます。
  41. 山田俊男

    ○山田俊男君 大変明快な整理をいただいておりまして、ありがとうございます。  是非このことをちゃんと役所とそれから生産者の皆さん、多くの団体の皆さん、これ一致させましょうよ。そして、駄目なものは駄目なんですから、注意しなきゃいかぬものは注意しなきゃいかぬ。法律はちゃんと守るのは守りましょうと。ただ、その間のいろんな範囲の問題とかが議論になりますから、それはそれで的確に公取とも相談しながらやっていきたいと、やっていくべきなんだろうと、こんなふうに思っているところでありますので、そうしましょう。  さて、マンスリーレポートで、各産地、各生産者におかれては、公表結果を参考にされ、需要に応じた生産、販売に向けた取組をより一層進めていただくことが期待されていますというふうに、最近発行されたマンスリーレポートにそのように書いてあるわけですが、この程度の情報で、書いてあるような、ないしは都道府県ごとの矢印が書いてあって、従来どおりなのか上向いているのか下向いているのかという矢印が書いてあるわけですが、この程度の情報で生産者が自らの生産を調整するという行為に安定して取り組めるものなのでしょうか。  ここ、私は、マンスリーレポートは出しているよ、出しているよとおっしゃるので、それは大事なことだからそれでいいんですけれど、本当に、申し上げますが、この程度の情報でちゃんと需給の達成に向けたそれなりに取組ができるというふうに考えていいんですか、どうですか。
  42. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) 先ほども御答弁申し上げましたが、この三年間ぐらいの間、言わば私どもよく予行演習と申し上げておりますが、三十年産でがらっといきなり世界全体が変わるということではなくて、準備をしていこうということで各地にお話を申し上げ、そしていろんな積み重ねをしてきております。  そういった中で、例えば私どもがやってまいりました配分自体も県ごとのシェアをもう動かさない、固定するというようなことをやっておりますし、それからまた、配分数量の下の水準に自主的取組参考値というようなものを幅を持った形でお示しするというようなことで、各地の現場現場で自主的に需要がどのぐらいなのか、自分たちの米がどのぐらい売れるのかということを自ら考えるような環境をずっとつくってまいりました。  そういった中で、多くの県、二十九年産で申し上げますと、半分以上の県では、いわゆる深掘りと言っておりますけれども、単に目標を守るということではなくて、自主的にそれより下の水準で実際の作付けを行っていただき生産量を積み上げていただくというようなことでございます。  そういった行為は、やはりこれだけでいいのかという御指摘がございますけれども、ずっと積み重ねてまいりましたマンスリーレポートなどの情報を基に各現場現場で、ああそうか、自分たちの米はこれぐらい売れているんだというような御判断の下で自ら生産量、作付面積を決めてきていただいているということでございますので、そういった状況は三十年産以降も引き続き継続していただけるのではないかと期待しているところでございます。
  43. 山田俊男

    ○山田俊男君 これからの話になりますが、不安を持ちながらも、生産者は、今おっしゃっていただいたように、昨年の取組を踏襲しながら、だって全国目標数字もそういう数字ですから、昨年を踏襲しながらまあ頑張っていこうということで、おおよそ今年の状況はおっしゃるようにまとまってきているかなというふうに思うんです。  ところが、これからです、作柄が良かったようにいったときに、結果として過剰が出てくる場合、一体どう扱ったらいいのか。これは、価格は低落していきますよ、ずっと。余り望ましくないんですが。そうした場合、一体どんな取組をちゃんと行うことになるんですか。これが一番今心配している、生産者が心配している内容ですよ。お聞きします。
  44. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) 委員御指摘のとおりかと存じます。すなわち、現場現場で一生懸命考えられていかに需要に応じた生産を行ったとしても、天候に左右されるという大きな問題がやはりどうしても米にはございます。つまり、需要に応じた作付けを行っても、例えば大豊作が来たというようなことになりますと、確かに、御指摘のとおり、需給が緩むということはどうしても否定できないわけでございます。  そういったことは私どもも心配しておりまして、そういったことにどうやって備えていこうかというふうに考えまして、実は二十七年度から米穀周年供給・需要拡大支援事業という事業を立ち上げまして、この内容は、一言で言いますと、産地ごとにあらかじめ生産者などが積立てを行っていただきまして、この積立てを原資として、仮に今申し上げたような需給が緩んだような場合に、例えばその出来秋にもう全部売ってしまいますと需給がかなり崩れてしまいますので、翌年まで売らないでキャリーオーバーをして、次年度に例えば飼料用米を作ってそこで需給を均衡させていくというような取組を、この事業を原資に行っていただくということをやってまいっております。これは三十年度予算、今回の予算においても計上しております。  そして、この事業は実際多くの県で活用されておりまして、二十九年度におきまして見てみますと、主産地であります北海道、東北、北陸を中心に全国で三十四の道府県において事業実施に必要な体制整備が行われ、産地の主体的な需給調整の仕組みとして言わば定着してきたところだというふうに認識しております。  こういった事業を活用していただいて、三十年産以降におきましても当該産地産地の食用米の需給の安定を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
  45. 山田俊男

    ○山田俊男君 今日、私は資料で、この資料、皆さんのところにもお出し申し上げているわけで、米マッチングフェアなんていって出ておりまして、まさにこれは下の方に小さい字で書いてあるんですが、今、柄澤局長がおっしゃった米穀周年供給・需要拡大支援事業のうちの一つの事業としてこうやりましたというんでしょう。これ、本当に豊作になって過剰米が、過剰米というか必要な米を上回る形で出てきたときの一つの方法だと、重要な方法だというふうに言えるような代物なんですか、対策はこれじゃ済まないでしょうが。それらの話をどこでどんなふうに議論しているんですか。  ちゃんと、これはこれでいいよ、それじゃ。ところが、この後のもっと大きい話を、過剰が出たときの扱いをどうするかということについて、もっとしかるべく検討をもう行っていかないと、数か月なんてすぐできてしまいますよ。三、四か月でもう稲作が、穂を出してきたりするんですよ。是非、もう一回意見聞きます。
  46. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) 実は、この米穀周年供給・需要拡大支援事業というのは全体で五十億円の事業でございますが、たくさんのいろんなメニューが含まれております。今委員御配付になられましたこのマッチングというものもこの事業の一メニューでございまして、これは現在、外食、中食用のお米がなかなか調達しづらいというような声を踏まえまして、そういった当事者の方と産地の方をまさにマッチングしていただく、こういう取組を年十回ほどやっているわけでございますが。  先ほど、済みません、私が申し上げました豊作のときの対策というのは、こういう取組とまた別途、この事業の中にメニューとして含まれておりまして、先ほど、多くの県で既に積立てをして取り組む体制を整えていただいていると申し上げましたのも、このマッチングではなくて、次年度に、豊作になったときに送るというようなことを含めた部分につきまして申し上げたところでございます。済みません。いろんなメニューが含まれているところでございます。
  47. 山田俊男

    ○山田俊男君 全部否定するわけじゃないんですが、それはそれで、マッチングも必要だからやっていくということなんだというふうに思うんです。  しかし、どうも、私本当に心配するんですが、三年間、この三年間は需給は比較的安定していた、だから米価は毎年千円から千五百円上がっていったわけ、だから本当にほっとしているところでありますが、今度大丈夫だとは到底言えないわけですよ、やっぱり出てくる可能性があるから。だから、やっぱり過剰になったときの対策をどんな対策を打つのかということを今から検討しておかなかったら駄目だというふうに思います。  もしかしたら、まだその検討も、どうも私に言わせると、ちょっと審議会つくるか、水田部会をつくるか、飼料部会をつくるか、米部会をつくるか、何らかの形で対策をもう始めていかないと、今から議論しておかないと間に合わないというふうに思うんです。  もう考え出すと、何だ、ナラシの経営安定対策があるから、いや、そこに加入している人は下がったって大丈夫なんだよ、そこは補填されるからぐらいの話でいたとすると、それは大変ですよ。ナラシも全農家が入っているわけじゃないわけですから、だから、是非検討を早急に私は進めてもらいたいと、こんなふうに思います。  大臣、是非、この大事な部分を新しい組織が始めたんだから、もう今更後に引けないと思うんですよね。だから、失敗しないように、過剰になったときの対策をどうするということを恐れずに是非是非議論をお願いしたいというふうに思いますが、大臣の見解をお聞きします。
  48. 齋藤健

    国務大臣(齋藤健君) まず、この三年間の農家の皆さんが、先ほど政策統括官の方からは予行演習という言い方をしましたけれども、きちんとした需要に見合った生産をしていかないとみんなが大変なことになるという意識というのは、この三年間で皆さんの努力によりましてある程度これは浸透してきたのではないかと思っておりますし、ナラシだけではなくて、収入保険制度というセーフティーネットもこれから用意をされていくということであります。  それからさらに、それでも予想外の豊作になったときはどうするんだということがありますけれども、これも、今、現状のセーフティーネットにできるだけ多くの人に入っていただいて備えていただくというのが私は基本だろうと思っております。その上で、さらに需要に応じた生産をして、水田に余力ができたところは飼料用米とか戦略作物を作っていただいて、そこには政府の御支援もしていただいて、農家の所得も確保できるというような、そういう重層的な対策を今講じておりますので、そういうものをフルに活用をすることによって予想外の豊作になったときにも対応ができるのではないかというふうに考えているところでございます。
  49. 山田俊男

    ○山田俊男君 米の生産農家は、規模の大小を問わないで、法人経営もひっくるめて全部数えますと八十三万人おいでになるんです。それで、八十三万人の規模の平均は一・五ヘクタールです。八十三万人がううんと動くわけです、何らかの形で動いちゃう。動いちゃった後、心配なのは、やっぱりそれぞれの皆さんが個人的にいろんな判断をされる。もちろん、集落営農であったり、JAの取組であったり、法人化した大きい取組であったりすると、それはそれできちっと所得を実現しなきゃいかぬ、そのために価格を実現しなきゃいかぬという発想が当然ありますから、それは一定の取組をきちっとやっていこうということになるわけでありますけれど、往々にして生ずるのは、経済学の理論で囚人のジレンマというのがあるそうですね。私、よく分からないで早速勉強してみましたら、これ、経済学考える上において、経済理論としては物すごい大きな理論らしいんですよ。  要は、八十三万人もおれば誰かがやってくれるだろうというふうに思っちゃうわけですね。そうすると、誰かがやってくれるんだろうと思う人が十人や百人で済めばそんなことはいいんですが、そうじゃなくて、八十三万人のうちの三分の一ぐらいが、三分の二はやってくれるけど三分の一はそれに従わないという形で豊作の作付け拡大の取組になっちゃったりすると、もう大変な状況が出てくるということなんですよね。だから、そういう面ではこの動きは物すごくつかみづらいわけであります。だから、何としても、この八十三万人の米作りの生産者の葛藤は大変苦しくて激しいんだろうというふうに思うんです、米価下がりますからね。これはどう考えるかという問題が出てくるわけ。  今、配分を行わないという形で今回スタートしましたね。しました上で、この囚人のジレンマの経済理論が適合する八十三万人が動揺していろんな動きが出てくる。マンスリーレポートでこんなふうにおおよそみんな取り組んでいますよといったって、相当数の過剰米が場合によったら作柄によって生じてくるということになったら、それはどんな救い方するのかといったって、手だてないと思うんですよ、手だてないですよ。  だから、やっぱり今のうちに検討しなきゃいかぬのと、それともう一つ、実は、ヨーロッパは、かつてEUは酪農制度の仕組みを改めたんですね。自由化したために圧倒的な価格の低落を生んでしまったわけで、大混乱しました。だから、三年前にEU委員会は、バターと脱脂粉乳の買取り等の対策を制度化したんです。それで、ぐうっとやっぱり収まっていっているんですよ。  だから、是非、そういう手だてを今度はちゃんと準備しておかないと、私は政治にならない、政策にならないというふうに思うわけでありますが、EUの例に倣って、EUの牛乳なり乳製品、バターは、これはもう日本の米みたいなものですから、だから、EU並みの政策を私は準備すべきだというふうに思うんですが、大臣、是非検討してもらいたいんです。お願いします。
  50. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) 今、囚人のジレンマのお話がありましたけれども、先ほど私も御答弁させていただいたように、今この三年間の予行演習の期間において、農家の皆さんが囚人にならないように努力をしてきたということを私は大変高く評価をしたいと思っているんですね。  その上で、セーフティーネットについては、自ら参加をしていただくナラシとか収入保険もございますし、それから主食用米以外のものを作ることによる支援もこれから万全を期していくということの中で、この需要が大幅に減っていく時代を迎える中でうまくその経営が継続できるようにしていきたいというのが我々の政策なわけでありますが、いざとなったら買上げをするということをやってしまいますと、その瞬間モラルハザードが起こって、私どもの積み上げている政策についての大変な混乱が起こる、そういう危険も一方であるなと思っておりますので、ちょっと今の時点で、尊敬する山田委員の御提案でありますけれども、難しいかなというふうに思います。
  51. 山田俊男

    ○山田俊男君 もう終わりますが、私は、大臣、私も大臣を尊敬していますから、この時点で、先ほどおっしゃったように、規制改革会議の流れのまま、このまま目標の配分は行わない、そして独禁法の適用はちゃんとやるからさあっと流れていけと、みたいな話でやっていくものではないんだと思うんです。農村は本当に混乱しますよ。来年の参議院選挙なんかやっておられませんよ。大変なことになりますよ。  だから、ここはちゃんとやっぱり大臣の方が一定の体制を仕組んで、そして全国組織、再生組織を生かすのなら生かす、それから、そうでなければ別の取組をしっかり支えとして検討するという取組を是非是非実施に移してもらいたいと、検討に移してもらいたいと、こんなふうにお願いする次第です。  終わります。ありがとうございました。
  52. 横山信一

    ○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  まず最初に、今月は震災から七周年でございまして、改めて復興への誓いを深くし、また一人も漏れなく人間の復興を成し遂げるように努力を続けてまいる決意をさせていただいた七周年でございました。  この東日本大震災の中で、原発事故をきっかけに日本産食品の輸入規制を設けた国が五十四か国ですね、五十四か国・地域ございました。これらのうち、政府の働きかけによって二十七か国で輸入規制が完全に撤廃をされました。残り二十七か国・地域で、でも一部の都県を対象に輸入停止をしている韓国など九か国ありますが、残りの国は検査証明書の添付等で規制緩和に動いているという状況にございます。  この輸出食品の安全性に関する証明書の発行は、相手国からの要請を受けて二国間協議でその内容が決定されることになっております。この輸出食品の衛生証明書の発行というのはどこでやっているかといいますと、中国、韓国、台湾というのは地方厚生局が担当しているのでありますが、それ以外の国々は都道府県の保健所がやっているということであります。言ってみると、都道府県の保健所からすると本来の仕事じゃないことをやっているということになるわけであります。  一方、近年、農林水産物の輸出というのは伸びておりまして、ちょっと伸び率がここ、今年、去年ですね、ちょっと落ちていますが、それでも対前年は超えておりますので、非常に伸びております。その伸びている中で、いわゆる保健所の業務も増えているという実態があります。  そういうことで、地方厚生局が今担当している中国などの国々があるんですけれども、中国向けのこうした地方厚生局で輸出水産食品の証明書を発行できるようになってきた経緯をまず伺いたいというふうに思います。
  53. 高木美智代

    ○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。  食品の輸出につきましては政府全体として推進しておりまして、厚労省といたしましても、輸出先国政府との協議を踏まえて、輸出施設の登録、また衛生証明書の発行などの環境整備に取り組んでいるところでございます。  御指摘の中国向けに輸出する水産食品につきましては、中国から公的機関が発行した衛生証明書を添付するよう求められております。こうしたことから地方自治体が衛生証明書の発行事務を行っておりますが、輸出量が多いために一部の地方自治体におきましては人員や予算の確保ができない、こうしたことの理由によりまして事務を行うことが困難であるとなっております。そうした理由に基づきまして、補完的に地方厚生局が発行事務を行うこととしているところでございます。
  54. 横山信一

    ○横山信一君 この農林水産物の輸出の推移というのは、昨年度対前年比で七・六%、八千億円を超えました。中でも水産物は、昨年二千七百五十億円ということで、これもどんどん伸びております。その伸びている国々、輸出をしている国々の中で、今地方厚生局がやっている中国も伸びているんですが、都道府県が担当している国々で急激に伸びている国があるんですね。それがベトナムでありまして、対前年同期比で八六・六%という驚異的な伸びをしております。  こういう状況の中で、今、高木副大臣紹介してくださったように、中国向けは非常に多いので、急激に多くなってきているということで、都道府県ではできなくなったということで地方厚生局がやっていると。このベトナムもそういう状況に今なっているんじゃないのかということを考えているわけですけれども、本来厚労省の仕事ですから、これをベトナム向けも地方厚生局が発行するとか、あるいは輸出拠点であります羽田空港にその衛生証明書を発行する機関を設置するとか、そうしたことを検討されてはどうかと思うんですけれども、副大臣、どうでしょう。
  55. 高木美智代

    ○副大臣(高木美智代君) ベトナム向けの輸出水産食品につきましては、現在、地方自治体が衛生証明書の発行事務を行っております。御指摘のようなベトナムへの輸出状況を踏まえまして、必要な予算や人員の要求を含めまして、御提案のような取組ができないかどうか検討させていただきたいと思っております。  こうした各地域における水産食品の輸出の現状や将来予測などを踏まえまして、羽田空港に衛生証明書の発行窓口を設置する必要性を検討しまして、必要な予算や人員の要求等を検討してまいりたいと思っております。
  56. 横山信一

    ○横山信一君 是非よろしくお願いいたします。  このベトナム向け輸出水産食品にとどまらず、輸出水産食品の取扱量というのは今増加をしております。平成二十八年の中間目標であった二千六百億円、これは一年前倒しで達成をいたしました。  一口に水産物輸出と言っても、相手の国、地域によって様々な輸出の形態というか、品物の取扱いが変わってきます。例えば私の住む北海道で大量に輸出されるホタテガイなんかは、中国向けには冷凍殻付き、それから香港向けには生鮮、アメリカ向けには玉冷と、貝柱の冷凍したものというふうに、同じホタテガイでも輸出をする先によってその製品の形が変わってくるということでありまして、今国会ではこの後重要な法案もかかってきますけれども、輸出をにらんだ体制づくりということが大事になってまいります。  HACCP認証などのそうした体制づくりも重要になってくるわけでありますけれども、平成三十二年までの輸出目標三千五百億円に向けて、何を課題として見据え、どのように取り組んでいくのか、大臣に伺います。
  57. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のように、近年、水産物の輸出額は増加傾向となっておりまして、平成二十九年の水産物輸出実績、速報値ではありますけれども、前年比四・二%増の二千七百五十億円となっておりまして、主な輸出品といたしましては、ホタテガイ、真珠、サバなどです。  平成三十一年の農林水産物・食品の輸出額目標一兆円のうち水産物の目標額は三千五百億円でありまして、この目標を達成するためには、我が国水産物についての更なる海外市場の拡大や輸出先国・地域の規制への対応等が必要であります。このため、農林水産業の輸出力強化戦略などに沿って今施策を実施しているところでありまして、具体的には、水産物・水産加工品輸出拡大協議会というのがございまして、そこによりますオールジャパンでのプロモーション活動の支援、それから、御指摘のように、水産加工施設のHACCP対応等の推進や大規模な拠点漁港における高度な品質、衛生管理体制の構築等の支援。  実は、この間の日曜日に三浦市で低温卸売市場が竣工いたしまして、そこではマグロ専用の市場ということになっておりまして、ここから輸出を頑張っていこうということを現地の人たちも話しておりましたので、そういう施設による対応、それから輸出先国・地域による各種輸入規制の緩和、撤廃に向けた協議や輸出に必要な各種証明書の発行手続の簡素化、迅速化の実施などを行っているところであります。  引き続き、これらの取組を実施することによりまして、水産物輸出額の平成三十一年三千五百億円目標、その達成に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
  58. 横山信一

    ○横山信一君 体制づくり、それから法整備、さらには厚労省にもお手伝いいただいて、この日本の農林水産物の輸出に更に拍車を掛けていただきたいというふうに思います。  ちょっと質問を飛ばしまして、国家管轄権外区域の話をさせていただきたいと思います。  国家管轄権外区域というのは、いわゆる海底とか深海底とか公海、そういったところを指すんでありますけれども、ここの海洋生物多様性準備委員会、BBNJ準備委員会と呼んでおりますが、ここでは、昨年まで新協定テキスト案の四分野について議論を重ねてまいりました。そして、新協定に含めるべき要素を取りまとめた勧告を昨年採択をし、これを踏まえた政府間会議、IGCが今年九月から開始をされることになっております。  この回遊性魚類については国連公海漁業協定というのがありまして、そこには地域漁業管理機関という、まあ幾つもあるんでありますが、日本が加盟しているのは全部で十三機関ありますけれども、この地域漁業管理機関、例えばWCPFCとかNPFCとかという、そういうところでありますけれども、そうした機関によって漁業管理措置が実施をされております。日本が加盟している地域漁業管理機関の中でも、特にIUUという、違法、無報告、無規制という頭文字を取ってIUU漁業と言っているんですが、このIUU漁業の漁船のリストを作っている機関が十機関あります。要するに、何というか、違法操業をしている、そういう漁船のリストを持っている機関ということですね。  そういうIUUリストを持って適正な資源管理に取り組んでいるんでありますが、このBBNJ準備委員会は、先ほど四つと言いましたけれども、その中の一つで、この地域漁業管理機関では、IUU漁業を防げないという理由で、海洋保護区などの設置を求めてきております。しかし、漁業資源の管理措置というのは、漁業を認めないということではなくて、科学的根拠に基づいて資源管理をし適正な漁業をやっていこうと、それを国際的にやっていこうという、そういうものでありますから、本来あるこの地域漁業管理機関のほかにいわゆる海洋保護区のような区域型管理を新たに設置をするということは、これは非常に混乱を招きますし、理屈が分からないというか、そういったことを今後IGCで検討していこうという、今そういう動きになっているということなんでありますが、しかも、この国連海洋法条約との関係もよく分からない、彼らの主張というのはですね。  そういう意味では、このIGCに向けて我が国はどのように臨もうとしているのか、まず外務省に伺います。
  59. 堀井巌

    ○大臣政務官(堀井巌君) 国家管轄権外区域、すなわち国連海洋法条約上の公海及び深海底でありますが、こちらの区域の海洋生物多様性、これ英語で、今委員が御指摘どおりBBNJと一般的に略称されておりますが、その保全及び持続可能な利用に関する新協定の作成について本年九月から政府間会議、これもIGCと呼ばれておりますが、が第一回会合が本年九月に開催されて本格的な交渉が行われるという今予定になっております。  我が国は海洋先進国として、これまで海における法の支配の維持及び発展、我が国の利益の適切な反映などの観点から、このBBNJの準備委員会における議論などにおいて新協定作成の議論に積極的に参加をしてまいりました。  新協定の作成は海洋に関する国際法の新たな展開につながり得るものであり、我が国はBBNJの保全及び持続可能な利用について、双方のバランスの取れた効果的で普遍的な新協定が作成されるよう、新協定の議論に積極的に参加していくという考えでございます。
  60. 横山信一

    ○横山信一君 スマートな討論でしたけれども、矛盾に対してはしっかりと日本の主張をしていっていただきたいんですね。  このBBNJって、今の動きを見ていて危惧されるのは、懸念されるのは、海洋保護区の拡大というのは科学的根拠によらないものなんですね、言ってみれば、環境NGOが主に主張しておりますが。科学的根拠によらない極端な規制措置を講じようとする、そういう動きとも取れてきます。  そこで思い起こすのがIWCなんですね。国際捕鯨委員会が、反捕鯨国が今かなり入ってしまって、そして日本の科学的根拠に基づいた主張がなかなか通っていかないと。そういう事態になっているということを考えると、このIWCの二の舞にならないように日本は取り組んでいく、IGCに取り組んでいかなくてはいけないというふうに思うわけなんですが、そういったことを踏まえて、水産庁長官にお伺いしたいと思います。
  61. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) お答えいたします。  今、外務省の方からも御説明ありましたけれども、新協定が最終的に海洋保護区についていかなる規定を設けるかということにつきましては今後の交渉次第でありまして、予断を持って申し上げることは現段階では差し控えさせていただきますけれども、農林水産省といたしましては、新協定は、委員も御指摘のような、地域漁業管理機関等の既存の国際的な枠組みを損なうべきではないということ、そして、保全及び持続可能な利用の双方のバランスの取れた内容となるべきであるというふうに考えておりまして、これまでの議論におきましてもこのような考え方に基づきまして日本政府として対応してきているところでございます。  政府間会議につきましても、引き続き、今申しましたような立場が適切に反映されますように新協定の議論に積極的に参加してまいりたいと考えております。
  62. 横山信一

    ○横山信一君 しっかり緊張して取り組んでいただきたいと思います。  この後、高木副大臣と、それから堀井政務官には質問ございませんので、退室いただいて結構でございます。委員長のお取り計らいをお願いいたします。
  63. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 退席して結構です。
  64. 横山信一

    ○横山信一君 韓国の水産物輸入規制のことについてもお伺いしたいと思いますが、先月の二十二日にWTO協定に基づくパネルの報告書が公表されました。これによりますと、韓国の措置というのはWTO・SPS協定に非整合的であると。日本にとっては非常に歓迎すべき、日本の主張が通ったという、そういう報告でございました。  韓国は、八県産の水産物輸入禁止に加えて、日本産の全ての食品について、セシウム又はヨウ素がちょっとでも出れば、ストロンチウムやプルトニウムの他の放射性物質の検査も証明書を求めるという、非常にこの、何というか、先ほど冒頭申し上げたように、他の国は規制緩和に動いているにもかかわらず韓国だけは強化をしてくるという、矛盾に満ちた措置が強行されていたわけでありますけれども、今ようやくここでWTOのパネル報告が出たということであります。  他方、韓国は上訴するというふうに言っているんでありますが、まだ上訴は実際されておりませんけれども、上訴するということは公表しております。  このWTOの上級委員会、上訴されるところのWTOの上級委員会には委員が七名いるんですが、七名のうち今三名が欠員という状況になっております。そういう状況の中で、日本の主張を今後しっかりと通していくということを踏まえていくと、このWTOの判断はどのように確定をしていくのかということをお伺いしたいと思います。
  65. 齋藤健

    ○国務大臣(齋藤健君) まず、二月二十二日にWTOのパネルが、韓国の日本産水産物等の輸入規制措置がWTO協定に反すると認定する報告書を公表をして、韓国に対して措置を協定に適合させるよう勧告をしたわけであります。この勧告に対しまして、パネル設置から既に二年半が経過をしている中で、韓国がパネルによりWTO協定に反すると認定された措置を撤廃せずに上級委員会への申立てを行うとの意向を表明をしたことにつきましては、私は極めて遺憾であると思っております。  韓国が上級委員会に上訴するというのは、韓国の持っている権利でもありますので、このことについては合法的なんでしょうけれども、私どもといたしましては、このパネルにおきまして、WTO違反であるということを認定をされ、そして措置を講ずるように勧告をされたということについては、韓国に重く受け止めていただきたいなというふうに思っておりまして、このことを記者会見でもはっきりと申し上げさせていただいたところであります。  今後、上級委員会に現実に上訴された場合にどのようになるかということは、なかなか予測はできないところでありますけれども、一刻も早く我が国の主張がこのWTOの場で認められて、一刻も早く韓国が誠実な対応をすることを求めていきたいと思います。
  66. 横山信一

    ○横山信一君 大臣の大変に心強い御答弁いただきまして、しっかり取り組んでいただけるものというふうに思います。  さて、先ほども三・一一のお話をいたしましたが、農業のことについても伺います。  被災地の農地復旧の現状、岩手県では九一%、宮城県では九八%が農地復旧を果たしました。一方で、福島県ではまだ五九%にとどまっております。この帰還困難区域、福島県のですね、帰還困難区域を除いた全ての避難指示が解除されたとはいっても、福島県の復興はまだまだの現状にあります。  原子力被災地域の農地では、除染が完了し、水利施設の整備、あるいは鳥獣被害対策などの条件整備も進んでおります。今後、営農再開をどのように進めていくのか、お伺いいたします。
  67. 谷合正明

    ○副大臣(谷合正明君) 横山委員が言及されたとおりでございますけれども、この三月十一日で東日本大震災から七年がたちました。特に、この福島県の農業につきましては、風評払拭とまた営農再開という大きな二つの課題があるというふうに思っております。  私自身も、営農再開の現状をしっかりこの目で把握するという目的を持ちまして、昨年の十一月に福島県を訪れまして、現場の関係者の皆様の声を直接伺ってまいりました。改めて、本格的な復興には農林水産業の役割というものが極めて重要であるということを強く認識をしたところでございます。  農林水産省といたしましては、この営農再開でございますけれども、まず、福島相双復興官民合同チームの営農再開グループに参加して、地域農業の将来像の策定を支援するとともに、インフラ復旧、除染後農地の保全管理、また作付け実証、放射性物質の吸収抑制対策、機械、施設や家畜等の導入など、この一連の取組を切れ目なく支援をしております。  また、営農再開を加速するため、本年度、すなわち昨年の四月から、営農再開グループに担当課を設けまして、農業者訪問担当員を拡充しまして、これまでに一千百名を超える農業者を個別に訪問しております。要望調査、また支援策の説明を行っているところであります。  今後もこうした個別訪問、これ全ての農業者を、行き渡っているわけでもありませんし、一度行ったから終わるということでもございません。この被災地の皆様の気持ちに寄り添って、一日も早い営農再開に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っています。
  68. 横山信一

    ○横山信一君 復興は、これ今の段階というのは一人一人の状況が様々に、この七年という歳月を経て状況が変わってきている。全部一体でやれるというよりも、一人一人個別の状況が様々に生まれてきているということでありますので、細やかな対応をお願いしたいと思います。  この福島県の農業を考えたときに、農業者の不安というのは、その条件整備が整って営農を再開しても、果たして自分が作ったものが売れるのかというその不安というのは常にあるわけであります。農林水産省では福島県農林水産物の流通実態調査というのを行ったようでございますけれども、その結果からどのようなことが明らかになったのか、お伺いいたします。
  69. 井上宏司

    ○政府参考人(井上宏司君) 福島県産の農林水産物の流通実態調査につきましては、昨年五月に施行されました改正福島復興再生特別措置法に基づきまして現在実施をしてございます。  具体的には、福島県内のほか、首都圏、関西圏を中心に、米、牛肉等の畜産物、桃、キュウリ等の青果物、キノコ、ヒラメ等の水産物の計二十品目につきまして、生産者、卸売業者、小売業者、外食・中食業者に対しまして取引量、取引価格、取引相手の反応等のヒアリングを行うほか、消費者に対して福島県産品の印象や購入の意向のアンケート調査を行ってきたところでございます。  現在、これまで行ってきた調査の結果を整理、分析しているところでございますけれども、その中では、例えば米や牛肉について、他県産に切り替えられた後、再度福島県産に戻らない等の実態が明らかになっているところでございます。  今後、三月末を目途に調査結果を取りまとめをいたしまして、これを踏まえて関係事業者等に対して指導、助言等を行ってまいりたいと考えております。
  70. 横山信一

    ○横山信一君 効果的な対策を講じれるように御努力をいただきたいと思います。  この参議院の食堂でも被災地の食材を使っているわけでありますけれども、何の不安もなく私たちも食べているわけでありますから、そうした思いが全国に伝わるようにお願いしたいと思います。  もう一問、被災地の話をさせていただきますが、水産加工業です。  二月十九日に谷合副大臣が大船渡市の復興状況を視察されました。その折にも水産加工業の加工原魚不足などの要望を受けたというふうに聞いております。  被災した水産加工業者の多くはグループ補助金の自己負担分などの債務を抱えております。しかし、これは被災地に限ったことではありませんけれども、主に東日本、北日本では、加工原魚のスルメイカ、それからサンマ、サケの漁獲量が今減っております。そのために、被災した水産加工業者がなかなか営業が元に戻っていかないという状況に、苦境に立たされている。苦境に立たされていて、なおかつ返済期限が迫っていると、そういう状況に置かれている事業者も多くおります。  そんな中で、返済期間の延長など、水産加工業者のこの要望に対して復興をどのように進めていくのか、谷合副大臣にお伺いいたします。
  71. 谷合正明

    副大臣谷合正明君) 被災地の皆さんの御尽力もございまして、岩手、宮城、福島三県の水産加工施設については、業務再開を希望する施設のうち約九割が業務を再開するというように復旧が進んできたところではございます。ただ一方、委員御指摘のとおり、まだまだ課題も残されております。  実際、水産庁が行ったアンケートによりますと、青森、岩手、宮城、福島、茨城の五県の水産加工業者を対象にアンケートを行い、そうしますと、売上げが八割以上回復した事業者は五割弱にとどまっていると。一つは人材の確保、そして原材料の確保、販路の確保、風評被害等が課題として挙げられております。実際、私自身も大船渡の水産加工業者の皆様の声を聞いたときも、資源回復への強い要望を伺ったところでございます。  農林水産省といたしましては、資源回復の取組、また輸入による加工原料の確保に加えまして、被災地水産加工業者の原料転換や省力化等のための加工機器の整備等の支援、また、販路の回復、新規開拓に向けて専門家による個別指導や東北復興水産加工品展示商談会の開催等を実施しているところでございます。  また、補助事業に係る事業者の自己負担部分を含めまして、日本政策金融公庫の水産加工資金を利用する場合には、震災特例として償還期限、据置期間の延長、実質無利子化等の措置を講じてきているところでございます。  今後とも、復興庁また関係省庁と連携いたしまして、被災地の実情を踏まえて水産加工業の復興に取り組んでまいりたいと思っています。
  72. 横山信一

    ○横山信一君 資源の回復ということも大事なんですが、一方では、やっぱり地球的な規模で環境が変動していっているということもありますので、そういう意味では、今副大臣おっしゃったような原料の切替えということも視野に入れていかなきゃいけないんですが、それはそのまま新しい投資になりますので、そこをどうやってこれから支えていくのかということをしっかり取り組んでいただきたいと。このことはまた改めて質問させていただきたいというふうに思います。  以上で終わります。
  73. 儀間光男

    ○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。  早速質問に入らさせていただきますが、JFOODO関連で。  新たな輸出サポート機関として、日本食品海外プロモーションセンター、いわゆるJFOODOが創設されてやがて一年になるというふうに理解をいたします。その活動内容とは、海外各国でどういうものが日本食品の需要があるのか、これを現地で調べると。どの国に何を出していけばいいのか、これは小売なのか中食なのか外食なのかというような。さらに、目標達成に向けた国内の情報を収集し、現地の需要、市場をつくり出す戦略をつくっていくんだと。四つ目に、インバウンド等の関連事業で、政府で規制あるいは手続緩和交渉などを行う。これ対外国だと思うのですが、こういう活動内容は輸出強化のためには至極当然な話であるわけです。  したがって、この四項目にわたる情報が余すことなく生産者側に伝わることが重要だと思うんでありますが、つまり、計画生産あるいは契約生産、こういうことが可能になってくるわけですから、この情報伝達は非常に現場にとって大事だと思います。そういうことを、方法とはどういうことをやろうとしているのか。  さらに、同機関の組織体制は、センター長及び事務局長は外部登用とされております。事務局長二名程度は外部登用、東京本部は二十名のうち十名程度を外部から登用するとしております。農林水産省からもここに出向にあるのかどうかを興味を持って見ているところです。海外拠点は二十名程度とされ、原則外部登用ということになっておりますが、この原則は原則で、そうじゃない場合もあるわけです。原則はそうだけど総合的に検討したらこうなったということで、農林水産省からの人的配置があるのかどうか、あるいは将来は民営化するということを視野に入れていると聞いているんですが、その職員配置はどうなっているか、その辺をまず聞きたいと思いますし、創設されたこの一年の活動状況、あるいは本部以外の拠点人員について今説明いたしました。お答えいただきたいと思います。
  74. 井上宏司

    ○政府参考人(井上宏司君) お答え申し上げます。  日本食品海外プロモーションセンター、JFOODOでございますけれども、昨年の四月に設置をされまして、その後、小林栄三センター長の下で体制の整備を進めてまいりました。現在では、計三十五名、うち外部が二十一名ということでございます。  当面の体制整備の予定でございますけれども、本部につきましては現時点までに二十二名を指名をしておりまして、また国内の地域拠点には十一名を配置をしております。海外につきましては、後ほど申し上げますような、現在、相手国・地域を絞って、また品目を絞って進めようとしております戦略の実行に伴って順次必要な国に配置を進めてございまして、現在は二名を配置を既に終えておりますけれども、今後、最終的には十二名の配置を行う予定でございます。  整理させていただきますと、当面の人員配置といたしましては、四十五名を東京の本部、それから国内の各地域の拠点、それから海外に配置をする予定にしておりまして、そのうち三十一名は外部から登用をする予定としてございます。  活動状況でございますけれども、昨年の十二月に、和牛、水産物、緑茶、日本酒等の七つのテーマについてマーケティング戦略を策定をいたしました。そして、このJFOODOの活動に当たりましては、国内の生産者、事業者と連携をして行うということにしておりまして、このJFOODOの取組に参加する事業者を応募しましたところ多数応募がありまして、こういう事業者と協力をしながら、今年の一月から戦略に基づく具体的なプロモーション等を順次行っているところでございます。  例えば、香港では、春節に合わせて、日本産の水産物をすしネタとして現地の消費者に訴求をするために、すし店の店頭で使う販売促進ツールの作成でありますとか、地下鉄、バス等での広告展開などを進めておりますし、台湾では、日本産和牛を他国産と差別化をしながら訴求をしていくために、しゃぶしゃぶを中心としながら消費者向けのイベントや広告展開などを実施をしているところでございます。  こうした取組の成果につきましては、活動を開始したばかりでございますけれども、取組に参加をしている事業者からの聞き取り、それから消費者に対して、相手国の消費者でございますけれども、認知度、購入意向の変化などについての調査を、できる限り定量的に把握をしながら進めてまいりまして、より一層効果的なプロモーションができるように取り組んでいくということになっております。
  75. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。  積極的に海外展開をしようという政府の心意気がうかがえて大変うれしく思うんでありますが、細かいところを見るといろいろありますけれど、これはおいといて後でまた時間があればやるとして、どうぞひとつ今申されたことを完全に実施できるように頑張っていただきたいと思います。  次に、これとも関連する、今のものとも関連するんですが、米の海外市場拡大戦略プロジェクトが立ち上がっております。平成三十一年、輸出量十万トンとしている。輸出業者と輸出産地のマッチングの推進、あるいは輸出国を特定した重点的なプロモーションの実施等で更なる輸出拡大を図ろうという戦略をお持ちのようであります。  そこで、これは非常に時宜を得たことだと思うんですが、我が国の米の消費とあるいは海外マーケットへの展開を少し追ってみますというと、御承知のとおり、米の消費量は毎年八万トン減少します。その減少した分を、単純に言うと、海外市場でこれを補わぬというと、米農家は立ち回らないと、単純計算にそういうふうになると思います。  したがって、国は今、米あるいは加工品を含めて十万トン、六百億円の目標を三十一年で達成するんだというようなことを言われておりますが、その状況を少し報告いただければと思います。目標数値や参加状況等が示されておりますので、今後の展開をひとつお示しいただきたいと、こう思います。
  76. 上月良祐

    ○大臣政務官(上月良祐君) 農林水産物・食品の輸出につきましては、平成三十一年の全体の輸出金額目標を一兆円といたしております。その中で、今委員から御指摘のありましたとおり、米及びその加工品につきましては六百億円を目標といたしまして取り組んできたところでございます。  ただ、米につきましては、年間約八万トンの国内需要が減少していきますので、額だけではなくて数量という観点も重要であるということを考えて、十万トンというかなり意欲的な数量目標でありますけれども、これを掲げまして昨年九月に新たにプロジェクトを立ち上げたところであります。  政府の目標におきまして、数量を目標にしておりますのはこの米ということでございます。この中では、海外で需要拡大が期待できる一方で、まだ輸出量が比較的少ない精米や玄米の輸出拡大にプロジェクトの焦点を当て、今取組を進めているところであります。  この中で、本プロジェクトに参加いたしました輸出事業者の現時点における目標の合計は十三・三万トンということになっております。これはほとんどが精米、玄米での輸出を前提にした数値ということになっているところでございます。
  77. 儀間光男

    ○儀間光男君 玄米、精米、これで将来十三万トン。今十万トンを更に三万トンを超えて、しかも玄米と精米の米でそれをおやりになろうというような話のようでありますが、直近のデータ見ましても、三十年一月現在、これの状況を見ますと、米それから加工品で二十一億円で前年比三八%増、この内容が、米という産品の内容が僕はちょっとどうかと思うんですね。  これを見てみますと、米は援助米を除いて九百八十九トン、金額にして三億円。今年、三十年一月の段階です。それから、米菓、あられや煎餅などは二百六十三トンで、金額、これも同じように三億円。日本酒、ここが問題なんですね。先般の質問でも申し上げましたが、日本酒、つまり清酒が千九百四十四キロリットルで、金額十五億円。七割強は清酒が占めているんですよ。  米といえば米粒しか連想しない。しかも、清酒は外国産じゃなしに日本で製造しますから、米の流通は国内流通なんですよ。海外マーケットじゃないんです。それを、清酒も含めて十万トンっておっしゃったけど、さっき言い直しがあって十三万トン目標にする、米と玄米でやるとおっしゃるから、それはそれでいいんですが、これからの努力でしょうけれど、ここで現在示されている米の構成を見ると違うんじゃないのかなと思うんですね。  あくまでも米を海外で市場を確保するのが十万トンですから、米か米菓ぐらいじゃないと、清酒を入れてこれも米でございますよといったらちょっと違うと思うんです。その辺どうお考えでしょうか。
  78. 上月良祐

    ○大臣政務官(上月良祐君) 輸出数量の実績を年ベースで二十九年で見ますと、原料米換算、米の、まあ米粒というんでしょうか、換算したベースで見ますと、お米そのものが約一・二万トン、米菓にしたものが約〇・三万トン、日本酒につきましては原料米換算しますと約一・三万トンということで、日本酒が年ベースで見ますと七割ということではなくて、精米、玄米とまあほぼ同じような状況になっております。  米の加工品であります米菓や日本酒につきましても、海外への輸出が拡大すればその原料である国産米の需要が拡大するということになります。かつ、やはり加工品として付加価値を付けて売ることができるということでありますので、十万トンの目標設定に当たっては、精米、玄米というお米そのものに加えて、これらの米の加工品も含めて設定をいたしておるということでございます。
  79. 儀間光男

    ○儀間光男君 いや、それは政務官、分かるんですけれど、国内で酒蔵さんが国産米を使って製造して、メード・イン・ジャパンで酒で海外市場へ持っていくわけですよ。米じゃないんです。確かに米が原料ですが、これは国内市場で消費されたやつですよ、使われたやつですよと。国外展開の米にこれを入れるということ自体、変ではありませんかと僕は言うんですね。  ですから、ここは米かあるいは米粉か米菓か、その辺の加工品で、できたら清酒もどこか海外でプロモートをもって日本の米を輸入してもらって、そこで向こうでできたんだったら海外市場へ米が出たということになるんですよ。そう思いませんか。だって、酒行って、酒の売上げが多くなったんであって、海外で日本の米が拡大されたということにはならないと思うんですね。もう一度確認させてください。
  80. 上月良祐

    ○大臣政務官(上月良祐君) 済みません、ちょっと質問の趣旨をうまく受け止められているのかどうか分からないんですが、日本国内の米を使ってそれを日本酒にして、それを海外に出しているということで、国内のお米を使って、まあ形が変わっておりますけれども、出しているということで、国内のお米を使うという需給を引き締めるという効果もプラスあるわけでございまして、プラス付加価値を付けて高く売れるのであれば、それも一つの形を変えた米の輸出の仕方であろうというふうに思っておりますので、お米、米菓、米粉とかに加えまして日本酒という形で米が加工をされて、そしてそれがたくさん海外で売れる、使っていただけるのであれば、その形ももちろんありなんだろうというふうに思っております。  ただ、それに加えて、先生御指摘のように、米そのものを輸出するというようなこともしっかりやっていくべきじゃないか、米粉あるいは米菓ですね、そういう姿で出していくことも必要じゃないかということについては重々認識はいたしておりまして、そのことについて、そういうことも含めて今このプロジェクトというものを立ち上げていって今進めているところでございます。
  81. 儀間光男

    ○儀間光男君 どうも理解が至らなくて見解が一致しないんですが、私はちょっと違うと思う。  酒の生産統計をどこでやるんですか、売上げは。酒の産業統計は農業でやるんですか、どこでやるんですか。それ、統計、変になりませんか。国内の市場で酒蔵さんが米を購入して、酒を造って出したこの酒の付加価値分、付きますよ。それが米を売った形になるというのは僕は変だと思うんですね。だから、さっき言ったように、海外に日本酒の生産メーカーがあって、日本の米を海外に米を移動させて、向こうで造って売ったなら米が輸出されたという統計に出てくると思うんです。これは酒が出ていったんです、清酒が。  もう一度、何かいただけませんか。
  82. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) 委員御指摘のように、お酒が輸出される場合には、それは統計上お酒が輸出されるということで、米が輸出されるということではございませんけれども、私ども農水省でございますので、米の市場をどのように拡大していくか、内外を含めた市場をどのように拡大して実質のマーケットを確保していくということが一番のポイントかと思います。その際、お酒の国内のマーケットももちろん伸びておりますので、その国内のお酒のメーカーに米を供給することも伸ばしているわけでございますが、それにとどまらず、海外でのお酒の部分の原料も供給すれば、それだけお米のマーケットはやはり更に広がるわけでございますので、それは農政上極めて有意義なことだろうというふうに考えておるわけでございます。
  83. 儀間光男

    ○儀間光男君 どうもかみ合いませんね。  国内で製造すれば、国内の市場から米は国内流通で酒屋に行くんですよ。付加価値を付けて、酒に化けて、行って、これも米の輸出ですよというところにちょっと問題があるんじゃないかと思うんですね。国民誰に聞いても、酒が米に登録されているなんていうのは、産業統計上考えていないはずなんです。何だい、これという話にきっとなると思うんですね。まあ、それはどうもかみ合いませんので、時間ないので、次やってもかみ合わなければもう諦めるしかありませんが。  要するに、米そのものが海外へ出ていって、外貨を獲得して、米が元気が出ましたよ、八万トン減らしたけどその分海外で確保しましたよ、できますよ、米粒そのものはということにならぬというと、何か積極的になっていない。消極的に、どっかに隠れようとしているというような感じがしてならないんですが、ちょっと時間の都合上次へ行きましょう。宿題としておきたいと思います。  次に、農業再生とGAPがあるんですが、その前にウナギの話をちょっと大臣と、あるいは水産庁長官とやりたいんですが。  いつだったか分かりませんが、大臣がテレビ、記者会見で、ウナギのシラスウナギが不足して、原料が不足して成鰻がこの三十年は足りないんだと大騒動している頃、大臣が、いやいや、心配しなくたっていいですよ、三十年度の土用うしの日の需要分は池入れしてありますから大丈夫ですよという記者会見があって、そのとき僕は全然違和感を感じたんですよ。  今年のうしの日、去年並みに確保できそうですか。
  84. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) お答えいたします。  今期のシラスウナギが不漁であるというのは事実でございます。大臣がお答えした背景としては、不漁なので夏の土用のうしの日にウナギが全くなくなるんじゃないかというような心配あるいは報道というかな、あったということに対してだったと思うんですけれども、そのお答えの背景をちょっと御説明いたしますと、我が国のウナギ養殖ですけれども、この冬のシラスウナギの時期、十一月から翌年の一月末頃までの比較的早い時期に捕れたシラスウナギを池入れして六か月程度育てて七月の土用のうしの日に出荷する単年養殖と、その後の二月から四月頃の比較的遅い時期に捕れたシラスウナギを池入れして一年から一年半程度育てて出荷する周年養殖の二つの方法がございまして、その生産の八割程度は後者の周年養殖によるものなんです。このため、今年の土用のうしの日に出荷されるウナギの多くは昨年漁期に既に池入れされた周年養殖のものが出荷されるということであります。昨年漁期は平年並みの池入れがされているところであります。  さらに、我が国のウナギの供給量のうち約六割は、周年養殖が主体の台湾ですとか中国などから輸入された活鰻やかば焼きなどの加工品もあります。さらに、ウナギ加工品については冷凍物も多く流通しているということでございまして、そのようなことから、今年の夏の需要期におきましては一定の供給は確保されるというふうに大臣お答えしたんだというふうに思っております。
  85. 儀間光男

    ○儀間光男君 百歩譲って今の背景は了といたします。  問題は、国内の内水面、つまり養鰻業者の今後をどうするんですかという話になるんですよ。シラスが国際的にも遡上しなくなった。大きな原因は何か分かりませんが、エルニーニョ現象で黒潮が大きく太平洋側に蛇行して日本列島やインドネシアの辺から離れていってしまうというようなことも理由であろうというんですが、そうなのかも分からないわけです。また黒潮がいつ列島沿岸に寄ってくるかもよく分からない。そんなような中で、持続して毎年シラスを確保できなければ養鰻業は成り立たぬわけですよ。外国から代用品入れたからといって、国内の、じゃ、内水面業者、養鰻業者のなりわいはどうするんだという議論になってしまうんですね。  台湾も、台湾は露地池に入れてやっているんですよ。しかも、高水温ですから肥育時間が短い。ですから、大体二月―三月池入れして、六月―七月揚げていくんですね。日本は十一月から十二月、一月頃までシラスを捕って、十二月池入れして六―七月揚げていくという三月、四月の差があって、これまでは台湾で十一月から十二月まで捕れたシラス、これを日本に入れていたわけですよ。ところが、昭和五十一年、日本がシラスの輸出を、台湾に対してもそうですが、禁止をしたということから、返り討ちみたいに、返り討ちと、変な言葉じゃないんですが、対抗手段として平成十九年十一月―三月のシラス漁期の間の日本への輸出を台湾禁止しちゃったんです。今、交渉が再開されて開けましょうよという話が台湾でも出ているんですね、議会でも行政府でも出ています。出ているんですが、台湾そのものもシラスが非常に減少しているんですよ。だから、今、日本に十一月頃捕って渡しますよといったって、来るかどうか分からない、需要を満たすかどうか分からない、そんなような危機的状況にあるのが日本の食文化であるウナギ業なんですよ。  水産長官、何か心配ありませんか。
  86. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 委員から御指摘もありました今のシラスウナギの減少については、海流の変化ですとか、あるいは捕り過ぎじゃないかとか、そもそも沿岸域ですとか河川などの生息環境が悪化したからではないかと、大体三つ、学者の方は言われることが多いわけでございます。  そういう中で、台湾との貿易の話も出ました。これについては、現在、民間協議等を行っておりまして、双方の輸出禁止措置を撤廃することできないかということで協議は進めております。  この取組は実現に向けて努力してまいりたいというふうに思っておりますが、それ以外につきましては、養鰻業者の池入れ量を制限するだとか、川の漁師さんが産卵場に向かうウナギを保護しようとか、それから河川の生息環境を改善しようというような話は、関係省庁、国交省ですとかと一緒に取り組んでいるところであります。  また、もう一つ、根本的な話といたしまして、ウナギ養殖の種苗は全量が天然のシラスウナギでございまして、今その供給が大変不安定な状況でございますので、人工種苗の量産化が喫緊の課題となっております。そういうことで、シラスウナギの大量生産システムの開発も行っているというようなことであります。  いずれにしましても、ウナギについては生態に不明な点が大変多いわけでありますけれども、ウナギ養殖業の持続、食文化の持続ができるように、これからもしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  87. 儀間光男

    ○儀間光男君 昨年十一月二十三日の台湾議会の資料が手元にあるんですが、ここで、台湾の林聡賢という農業委員会主任、この方と国民党の張麗善立法委員、国会議員ですが、やり取りが、議事録、手元に来たんですよ。これを見ると、香港経由で今日本に少ないけれど一番多くシラスが入っている、ウナギが入っているということで、その原因は何かといったら、これ、きっと密輸、日台がそれないものだから密輸しているんじゃないかと。密輸による、香港に行っているんじゃないかと。香港の地勢を考えると、川ないですからシラスが遡上するはずない。したがって、香港でシラス捕れるはずがない。きっとどこかから供給されていると思うんです。そういう中で、農業委員会の漁業署の陳添寿という署長がこの議員の質問に、輸出の解禁が密輸問題の解決につながるかと質問したら、この漁業長はこう言った、署長は、輸出を再開したら密輸する必要はどこにあるんですかと答弁。  今そういう状況に、日台の中、あるということですよ。そこをきちっと詰めていって、養鰻業者の原料確保にこれ努めないと駄目ですよと、これが言いたくて取り上げました。御感想を。
  88. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 台湾との関係なものですから、先ほども民間協議などと、こういうふうに申し上げましたけれども、まさに委員御指摘のように、貿易が制限されているがゆえに香港経由での不透明なウナギ流通ということがマスコミでも取り上げられている状況でございます。  そのような問題意識を踏まえまして、我々としても、まさにそういうことで台湾側に働きかけ、民間とも連携して今取組をしているところでございます。
  89. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので。
  90. 儀間光男

    ○儀間光男君 終わります。どうもありがとうございました。
  91. 岩井茂樹

    ○委員長(岩井茂樹君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四十三分散会