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2018-07-06 第196回国会 参議院 本会議 33号 公式Web版

  1. 平成三十年七月六日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第三十四号   平成三十年七月六日    午前十時開議  第一 特定複合観光施設区域整備法案(趣旨説   明)  第二 民法及び家事事件手続法の一部を改正す   る法律案内閣提出、衆議院送付)  第三 法務局における遺言書の保管等に関する   法律案内閣提出、衆議院送付)  第四 ギャンブル等依存症対策基本法案(衆議   院提出)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 特定複合観光施設区域整備法案(趣旨説明)  本案について提出者の趣旨説明を求めます。国務大臣石井啓一君。    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  3. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) ただいま議題となりました特定複合観光施設区域整備法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  一昨年末に成立した特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律においては、政府は同法の施行後一年以内を目途として必要となる法制上の措置を講じなければならないこととされております。  このため、同法並びに衆議院及び参議院内閣委員会の特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案に対する附帯決議に基づき、特定複合観光施設区域整備推進会議において検討を行いました。さらに、全国で国民の御意見を直接伺う機会を設けた上で、日本型の特定複合観光施設に関する制度設計を進めてきたところであります。  この法律案は、国際会議場、展示場や、日本の伝統、文化、芸術等を生かした観光の魅力増進施設等を一体的に設置、運営することにより、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を推進するという政策目的を実現するものであり、同時に、世界最高水準のカジノ規制等によって、様々な懸念に万全の対策を講じるものであります。  以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、特定複合観光施設区域の整備について、国土交通大臣による基本方針の作成、都道府県等による民間事業者との区域整備計画の共同作成、認定申請、その際の地域の合意形成等について規定しております。また、国土交通大臣は、認定区域整備計画の数が三を超えることとならないよう区域整備計画を認定することとしているほか、特定複合観光施設の設置運営事業者の監督等の制度を規定しております。  第二に、特定複合観光施設の設置運営事業者は、カジノ管理委員会の免許を受けたときは、カジノ事業を行うことができることとし、主要株主等その他の関係者についても、免許制等の下で所要の規制を設けております。また、カジノ行為の種類及び方法、カジノ関連機器等についても、所要の規制を設けております。さらに、日本人等のカジノ施設への入場回数について、連続する七日間で三回、連続する二十八日間で十回に制限するとともに、二十歳未満の者、暴力団員等に対し、カジノ施設への入場等を禁止をしております。  第三に、安易な入場を抑止する等の観点から、日本人等の入場者に対し、国と認定都道府県等がそれぞれ三千円の入場料を賦課することとしております。また、カジノ事業者に対し、国と認定都道府県等に納付金の納付を義務付けております。国庫納付金として、カジノ行為粗収益の一五%に相当する額及びカジノ管理委員会の経費のうちカジノ事業者に負担させることが相当なものの額の合計額を、認定都道府県等納付金として、カジノ行為粗収益の一五%に相当する額をそれぞれ納付させることとしております。  第四に、内閣府の外局としてカジノ管理委員会を設置し、委員長及び四名の委員については、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することとしております。また、カジノ管理委員会のカジノ事業者等に関する監査、報告の徴収及び立入検査、公務所等への照会等に関する規定を設けております。  その他、所要の規定の整備を行うこととしております。  最後に、この法律案は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において、順次、施行することとしております。  以上が、この法律案の趣旨であります。  速やかな御審議をよろしくお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。堂故茂君。    〔堂故茂君登壇、拍手〕
  5. 堂故茂

    ○堂故茂君 おはようございます。自由民主党の堂故茂です。  私は、自由民主党・こころを代表し、ただいま議題となりました特定複合観光施設区域整備法案について質問します。  本法案は、平成二十八年に成立した特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律、いわゆるIR推進法の実施法に当たります。このIR推進法の審議では、ギャンブル依存症に総合的に対処するための仕組み、体制の構築、徹底したマネーロンダリング対策など、多数の要望事項が附帯決議に盛り込まれています。本日は、このIR推進法をめぐり行われた議論も踏まえて質問をいたします。  我が国を訪れる外国人観光客数は、昨年、二千八百六十九万人を数え、その経済効果は四・四兆円に上ります。もはや、インバウンド観光が我が国を代表する大きな産業に成長したことには疑問の余地はありません。少子高齢化に直面する我が国において、経済活力を生み出すツールとして推進力のあるインバウンド観光を生かさない手はありません。  今、観光に力を入れている国々では、大規模な国際展示会や国際会議、シンポジウムなどを外国人観光客の誘致に活用する戦略が主流になりつつあります。会議や商談会の後に様々なエンターテインメントを楽しむといった多面的な魅力を提供することで、新たに多くの海外からのお客様を呼び込むことができると考えます。残念ながら、我が国では、このような多様な楽しみを提供する環境整備がいま一つではないかと思います。見本市ビジネスに必要な大規模な国際展示場も、諸外国から見れば小粒と言わざるを得ません。  今回の法案では、国際会議場、展示場や、日本の伝統、文化、芸術、食などを生かした観光の魅力増進施設等を一体的に設置、運営することにより、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するということを政策目的としています。一部ではカジノ法案と呼ぶ方もおられますが、それは、この法案のごく一面だけを見ていると言わざるを得ないと考えます。  そこで、総理に伺います。  本法案において実現を目指すという国際競争力の高い魅力ある滞在型観光とはどのようなものなのか、そのイメージをできるだけ具体的にお示しください。  次に、特定複合観光施設区域の認定数について質問いたします。  IR推進法の附帯決議では、IR区域の認定数は、我が国の特定複合観光施設としての国際的競争力の観点及びギャンブル等依存症予防等の観点から、厳格に少数に限ることとされています。今回の法案でも全国で三を上限と法定化されており、この附帯決議の趣旨は十分反映されています。  一方、IR区域の整備を要望する地方自治体の数も多く、与党では、最初の区域認定から七年経過後に区域認定数を検討することとしました。先行したIR区域の状況を見ながら、柔軟に対応することも大切であると考えています。  IR区域の上限数について、政府は今後どのような手順で見直していくつもりなのか、その際、最初に認定された区域への評価などはどのように行われるのかという点も含め、石井担当大臣にお尋ねします。  次に、ギャンブル等依存症等への懸念に関してお伺いします。  今回の法案で懸念される一つは、今回の法案で解禁されるIRの中に設置されるカジノにより、ギャンブル依存症が増えるのではないかということです。  この点については、一昨年の参議院でのIR推進法の審議でも議論となり、附帯決議で、依存症予防等の観点から、カジノには厳格な入場規制を導入すること、その際、自己排除、家族排除プログラムの導入、入場料の徴収等、諸外国におけるカジノ入場規制の在り方やその実効性等を十分に考慮することとされました。  ただ、自己排除、家族排除プログラムといっても国民の皆様には伝わりづらく、ギャンブル依存症への不安は払拭されないのではないでしょうか。  そこで、今回の実施法案では、この附帯決議をしっかり受け止めた上で、ギャンブル依存症などへの懸念を払拭できるだけの措置がとられていることを、石井担当大臣に国民の皆様に分かりやすく御説明いただきたいと思います。  IRの中に設置されるカジノへのもう一つの懸念は、犯罪によって得た収益を、その出所や真の所有者が分からないようにして、捜査機関による収益の発見や検挙を逃れようとする行為であるマネーロンダリングに利用されることです。  IRの中に設置されるカジノでも、マネーロンダリングをしっかりと防ぐために、入場者同士のチップの交換やカジノ区域外へのチップの持ち出しなどの厳格な禁止などの措置を講ずる必要があります。  そこで、石井担当大臣に伺います。  マネーロンダリングを確実に防止するという決意とともに、防止のための具体的な措置の考え方について分かりやすくお答えください。  加えて、マネーロンダリング防止には、IR事業者やカジノ事業者に十分な経営能力と社会的信用があり、反社会勢力が参入する余地など全くないことが必要であると考えますが、それらを担保するためにどのような措置を講ずるのでしょうか。国民の皆様が安心できるようなお答えをお願いいたします。  最後に、改めて、インバウンド観光を含む我が国経済へのIRがもたらす効果に関し、総理に伺います。  IRにおいて開催される国際会議や見本市、あるいは様々なエンターテインメントによって海外からのお客様を増加させるためには、IRが魅力あふれるものである必要があります。それには、IR事業者はもちろん、国や地方自治体による相当な努力が不可欠であります。  同時に、このIRによる効果がIR区域の位置する地方自治体だけではなく、周辺地域、ひいては我が国全体に観光振興や雇用創出などで様々な経済効果がもたらされるような工夫も必要であると考えます。  そこで、政府においては、IRによる経済効果、雇用効果が広域に及ぶよう、どのような工夫を講じていくおつもりなのかという点を総理にお伺いして、私の質問を終わります。  ありがとうございます。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  6. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 堂故議員にお答えいたします。  魅力ある滞在型観光の具体的なイメージについてお尋ねがありました。  日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営され、これまでにないような国際的な会議ビジネス等を展開し、新たなビジネスの起爆剤となり、また、世界に向けて日本の魅力を発信する、まさに総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれるものとされ、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となると考えております。  今後、我が国の魅力ある多種多様な観光資源を強みとした魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  IRの効果を広域に及ぼす工夫についてお尋ねがありました。  IR区域の整備に当たっては、IRへの来訪客が全国各地を訪れることにより、IR区域の整備による効果を全国各地に波及させることが必要と考えています。  このため、IR整備法案では、日本型IRの中核施設の一つとして、日本各地の魅力を紹介するなど、国内観光を促進するための施設を設置し、運営することを義務付けております。  日本型IRを実現することにより、世界中から観光客を集めるとともに、IRの来訪客を全国各地に送り出し、地域の活性化、さらには日本全体の経済成長につなげる滞在型観光を推進してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  7. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 堂故議員にお答えをいたします。  認定区域整備計画の上限数の見直しについてお尋ねがありました。  本法案では、認定区域整備計画の上限の数については、最初の認定の日から起算して七年を経過した場合において検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしております。  認定区域整備計画の上限数の見直しについては、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現、カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響、日本型IRの実現による効果、影響等について十分検証した上で行うことになります。  また、認定区域整備計画については、実施状況を国土交通大臣が毎年度評価を行うとともに、評価の結果を業務運営の改善へ反映させることとしており、これらの対応状況も上限数の見直しに係る検証に用いることとしております。  ギャンブル等依存症対策についてお尋ねがありました。  IR推進法に係る国会審議の中では、依存症等の悪影響について懸念があるとの議論がなされ、厳格な入場規制等について附帯決議が付されたものと認識をしており、IRに関して新たな依存症が生まれるとの御懸念があることは承知をしております。  このため、IR整備法案では、カジノ行為に対する依存を防止するため、他国には例のない長期、短期の一律の入場回数制限や、相当額の入場料の賦課に加え、利用者の個別の事情に即した措置として、本人、家族からの申出による利用制限や、依存防止の観点から利用させることが不適切と認められる者に対する早期発見や声掛け等による利用制限、相談窓口の設置や情報提供等、利用者の適切な判断を助けるための措置について、カジノ管理委員会が依存防止の観点から十分なものと認めた依存防止規程に従って実施することをカジノ事業者に義務付けております。  また、IR整備法案におきましては、カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除に関して、国及び地方公共団体の責務として明確に位置付けるとともに、国の基本方針及び都道府県等の実施方針に基づき、区域整備計画や実施協定において都道府県等及びIR事業者が実施する施策及び措置を記載することを義務付けており、こうした制度的枠組みを通じて依存防止対策が適切に講じられていくことになります。  さらに、IR区域数の限定やカジノ施設の規模の制限のほか、日本人等に対する貸付業務の規制や、広告、勧誘等の誘客時における規制といった重層的、多段階的な取組を制度的に整備をしており、万全が尽くされているものと考えております。  IR整備法案におけるマネーロンダリング対策についてお尋ねがありました。  カジノ事業におけるマネーロンダリング対策は重要であり、マネーロンダリング対策の国際基準であるFATF勧告においても、カジノ事業者は顧客管理措置等を実施すべき事業者として規定をされております。  このため、IR整備法案では、犯罪収益移転防止法を改正し、同法の規制対象にカジノ事業者を追加し、一定額以上のチップの交付等、政令で定める取引について、本人確認等を義務付けるほか、取引記録の作成、保存や、疑わしい取引のカジノ管理委員会への届出等を義務付けることとしております。  また、犯罪収益移転防止法の枠組みへの上乗せとしまして、カジノ事業者に対し、取引時の本人確認等の実効性を確保するため、犯罪収益移転防止規程の作成を義務付け、これをカジノ管理委員会が審査すること、カジノ事業者に対し、法令で定める額を超える現金とチップの交換等についてカジノ管理委員会への届出を義務付けること、他人へのチップの譲渡やカジノ行為区画外への持ち出しを禁止すること等の規制を講じております。  カジノ事業の健全な運営を確保するため、これらの規制により、マネーロンダリングの防止に万全を期してまいります。  カジノ事業者の経営能力と社会的信用を担保するための措置についてお尋ねがありました。  カジノ事業は、IR事業の実施による公益目的達成のため、これまで刑法の賭博に該当するものとして禁止されてきた行為を例外的、特権的に認めるものであり、その実施主体となるカジノ事業者については、関係者も含め、暴力団員等を徹底的に排除するなど、高い廉潔性を確保するとともに高度な規範と責任を求める必要があります。  このため、カジノ事業の免許審査の際、事業者やその役員等が十分な社会的信用を有する者であること、事業者がカジノ事業を的確に遂行することができる能力や健全に遂行するに足りる財産的基礎を有していること、事業者の役員等が暴力団員又は暴力団員でなくなった日から起算して五年を経過しない者に該当しないこと等をカジノ管理委員会が徹底的に調査し厳格な審査を行うことにより、カジノ事業者の経営能力や社会的信用を確認し、カジノ事業の健全な経営を確保することとしております。(拍手)     ─────────────
  8. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 横山信一君。    〔横山信一君登壇、拍手〕
  9. 横山信一

    ○横山信一君 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました特定複合観光施設区域整備法案につきまして質問します。  シンガポールやアメリカ、オーストラリア等の諸外国では、民間事業者が、統合型リゾート、いわゆるIRという観光振興に寄与する諸施設とカジノ施設が一体となった施設群を運営しています。ここではコンサートやスポーツイベントなどが開催され、多くの観光客を引き付けています。そして、IRの運営にはカジノの収益が充てられています。  我が国におけるIRの導入は、人口減少の中での経済社会の活力の向上と持続的発展を図るために、訪日外国人観光客の増大を促すものとして期待されます。  一方、国民の間にはギャンブル依存症などに対する不安の声があります。  公明党では、こうした声を受け止めた上で、検討プロジェクトチームにおいて議論を重ね、カジノ規制の強化などの提言を政府に提出しました。その内容は本法案に反映されていますが、さらに、IR整備に関して国民の不安を解消し、IRが日本の魅力を世界に向かって発信する施設として成功するよう、以下、具体的に質問してまいります。  公共政策としての日本型IRの中核施設には、ショーケースで触れた日本の魅力を実際に体験するために国内観光を促進する送客施設があります。訪日外国人の延べ宿泊者数の約六割は東京、大阪などのゴールデンルートに集中することが課題になっています。日本型IRの送客施設は、その課題解決を担うものとして期待されています。  そこで、日本型IRを拠点にして旅行者が全国に旅立つ送客施設とはどのようなものなのか、総理に伺います。  IRを訪れた訪日外国人がショーケースで触れた魅力を体験するには、現地と送客施設との連携が重要になると考えますが、日本型IRを成功させるための滞在型観光とはどのようなものか、総理に伺います。  カジノ収益を活用してIR施設の整備を推進するとはいえ、可能な限りカジノ収益に頼らないIR施設の運営が望ましいと考えます。それは、IR立地地域の住民の安心と期待につながるからです。  そこで注目したいのはMICEビジネスです。世界に目を向けると、MICEマーケットは拡大し続けています。二〇一六年までの直近十年で、世界の国際会議の開催件数は二七%増加しており、アジア地域では三七%も増加しています。しかし、我が国は、世界的規模のコンベンションを開催できる施設が不足しているため、アジアの巨大市場を逃し続けています。  インセンティブツアーの考え方が乏しく、大規模なコンベンションの誘致経験がない中で、世界で勝ち抜くMICEビジネスの確立を目指し、どのように日本型IRがそれを牽引していくのか、総理の所見を求めます。  IR整備の目的として、観光、地域経済の振興、財政の改善に資することが掲げられています。しかし、IR誘致に名のりを上げている地方都市の中には、収入の見通しが立たないと投資を回収できるかどうか判断できないとか、集客力と釣り合わず過大投資を招くおそれも否めないとの声があります。  施設基準は政令で定めることになりますが、我が国のIR施設に求められる規模や要件にはどのような基準を検討しているのか、IR担当大臣に伺います。  区域整備計画の策定に当たっては、都道府県議会の議決や立地市町村の行政部門の同意など高いハードルがあります。地域住民にとっては、観光や地域経済の振興といったメリットはあるものの、ギャンブル依存症や治安悪化などの心配は尽きません。  IRについて地元住民に理解を深めてもらい、協力を得られるようにするために、どのような方策を講ずるつもりか、IR担当大臣に伺います。  世界のカジノ市場は年間十八兆円に達すると言われますが、米国におけるカジノは過当競争に陥っているとされ、マカオでは中国の反腐敗運動などの影響で来場者が落ち込むなど、世界の主要なカジノ市場は伸び悩んでいると言われています。  その一方で、二〇一七年には、マカオやシンガポールでは入場者数が対前年比で減少から増加に転じ、韓国では一貫して増加を続けています。  カジノ施設を含む日本型IRは、カジノが復調傾向の東アジアでどのように競争を勝ち抜くのか、総理の御所見を求めます。  IRのうち、ゲーミング以外のエンターテインメント施設は、世界的に見てもファミリー向けのデスティネーションとして成長しています。ラスベガスではカジノの売上比率は徐々に低くなっており、現在ではIRの売上げのうち六五%がノンゲーミング部門との報告があります。  日本型IRは、幅広い客層を誘客するための総合的なエンターテインメント施設であり、決してギャンブルを主目的とした施設ではなく、ビジネス客はもとより、ファミリー層のデスティネーションになり得る施設を想定しています。他方、マカオやシンガポールにおけるカジノの売上げの約半分は優良顧客、すなわちVIPとなっています。  これまで、IRではカジノがエンジンとして推進役を担うと説明されてきましたが、改めて、推進役としてのカジノにどのような役割を想定しているのか、総理の御所見を伺います。  本法案では、カジノの設置による弊害を防止するため、世界最高水準のカジノ規制として、免許等による参入規制のほか、公明党の主張で導入される国内客に対するマイナンバー入場や高額な入場料など、様々な規制が設けられています。これらの規制を実効性あるものにするため、独立した強い権限を持ついわゆる三条委員会としてのカジノ管理委員会を設置することになっています。  シンガポールでは、二か所のカジノに対しカジノ規制庁は約百六十名の体制になっています。我が国では、三か所のカジノに対しカジノ管理委員会の規模はどの程度になるのでしょうか。  また、カジノ管理委員会は、カジノ事業者等の廉潔性を確保するために徹底した背面調査を行うこととしていますが、どのような内容を検討しているのか。大規模な企業が参入することも想定されるカジノ事業者に対して、廉潔性を確保するために背面調査が有効な理由は何かをIR担当大臣に伺います。  日本型IRの整備についてはカジノ解禁ばかりがクローズアップされていますが、世界最高水準のカジノ規制の導入やギャンブル等依存症対策を前進させたことは、これまでにない取組として注目すべきです。  最後に、国民の不安解消に努め、IR推進法の附帯決議に基づきギャンブル等依存症対策などの弊害防止対策に万全を期すことを求め、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  10. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 横山議員にお答えをいたします。  日本型IRが目指す送客施設及び滞在型観光の内容についてお尋ねがありました。  日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営され、これまでにないような国際的な会議ビジネス等を展開し、新たなビジネスの起爆剤となり、また、世界に向けて日本の魅力を発信する、まさに総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれるものとされ、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となると考えております。  また、IR整備法案では、日本型IRの中核施設の一つとして、日本各地の魅力を紹介するなど、国内観光を促進するための施設の設置を義務付けています。  日本型IRを実現することにより、世界中から観光客を集めるとともに、IRの来訪客を全国各地に送り出し、地域の活性化、さらには日本全体の経済成長につなげる滞在型観光を推進してまいります。  国際的な会議ビジネスと日本型IRの関係についてお尋ねがありました。  日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営され、また、これまでにないような国際的な会議等の開催により、新たなビジネスの起爆剤となるなど、まさに総合的なリゾート施設であり、我が国を観光先進国に引き上げる原動力となると考えております。  また、このような国際的な会議ビジネス等を展開するため、IRの中核的な施設である国際会議場等の要件、基準については、IRが立地される地域の特性が様々であることも十分に踏まえつつ、我が国を代表することとなる規模等とすることなどを政令等において規定することとしております。  今後、魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  日本型IRの有する国際競争力についてお尋ねがありました。  カジノ施設を含む日本型IRは、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となると考えております。  具体的には、これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設として世界中から観光客を集め、日本各地の豊かな自然、固有の歴史、文化、伝統、食などの魅力を紹介し、IR区域への来訪客を全国各地に送り出すことにより、IRが世界と日本の各地とをつなぐ交流のハブとなっていくことが期待されます。  このように、後発であっても、日本型IRはこれまでの他国のIRにはない独自性と国際競争力を有し、幅広く世界中の観光客を引き付けるものと考えております。  今後、我が国の魅力ある多種多様な観光資源を強みとした魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  IRに設置されるカジノ施設の役割に関するお尋ねがありました。  IR整備法案では、適切な国の監視及び管理の下で運営される健全なカジノ事業の収益を活用して、地域の創意工夫及び民間の活力を生かしたIR区域の整備を推進することにより、我が国において国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現することとしております。  カジノ施設を含む日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営される、まさに総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれるものとされております。  健全なカジノ事業の収益を活用してIR区域の整備を推進することにより、世界中から観光客を集める滞在型観光を実現してまいりたいと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  11. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 横山議員にお答えをいたします。  IRの構成施設の規模等の基準についてお尋ねがありました。  IR整備法案における特定複合観光施設につきましては、カジノ施設のみならず、国際会議場施設、展示施設等、魅力増進施設、送客機能施設、宿泊施設といった誘客のための必置施設が一体となった総合的なリゾート施設であります。  これらの必置施設の基準につきましては、必置施設のそれぞれについて、IRが立地される地域の特性が様々であることも十分に踏まえつつ、我が国を代表することとなる規模とすること等を政令等で規定することとしており、さらに、国際競争力の高い魅力あるIRでなければ区域整備計画の認定を行わないこととしております。  なお、区域整備計画は、全ての都道府県又は政令指定都市が申請を行えるものとしておりまして、各地域において、それぞれの特色を生かした創意工夫あふれる区域整備計画が作成されることを期待をしております。  IRにおける地元住民の理解と協力についてお尋ねがありました。  IR整備法案では、IR推進法の附帯決議を踏まえ、都道府県等は、IR区域の整備に関する区域整備計画を作成しようとするときは、公聴会の開催等、住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないこととしております。  また、都道府県等は、IR区域の整備方針である実施方針の策定、民間事業者の選定、区域整備計画の作成等について協議するための協議会を組織することができることとしております。この協議会の構成員には、都道府県等が必要と認める場合には、都道府県等の住民の代表等を構成員とすることができます。  IR区域の整備に当たっては、こうした仕組みを通じて地域における合意形成を十分に図り、地元住民の皆様の理解と協力を得ることが重要と考えております。  カジノ管理委員会の事務体制と背面調査についてお尋ねがありました。  カジノ管理委員会の事務体制については、今後の予算編成過程において具体化していくこととなりますが、いずれにいたしましても、カジノ管理委員会が与えられた役割をしっかり果たすことができるよう、必要な体制整備を進めることが重要と考えております。  また、カジノ事業は、IR事業の実施による公益目的達成のため、これまで刑法の賭博に該当するものとして禁止されてきた行為を例外的、特権的に認めるものであり、その実施主体となるカジノ事業者については、関係者も含め、暴力団員等を徹底的に排除するなど、高い廉潔性を確保するとともに高度な規範と責任を求める必要があります。  そこで、カジノ事業の免許審査においては厳格な背面調査を実施することとしており、具体的には、申請者に対し、学歴、雇用歴、婚姻歴、犯歴等の経歴、資産、負債、税務申告等の財務情報などを記載した書面やこれらを証明する資料の提出を求めるとともに、カジノ管理委員会において、徹底的に申請者やその関係者を調査することとしております。  加えて、実効性のある背面調査を実施するため、IR整備法案において、公務所等への照会のための規定、外国執行当局との情報交換のための規定、調査業務の民間委託のための規定などを設けております。  このように、カジノ事業の免許審査に当たって、カジノ事業者やその関係者について、カジノ管理委員会において徹底的に調査することにより、それらの高い廉潔性を確認し、カジノ事業の健全な運営を確保できるものと考えております。(拍手)     ─────────────
  12. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 矢田わか子君。    〔矢田わか子君登壇、拍手〕
  13. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 国民民主党新緑風会の矢田わか子です。  会派を代表し、特定複合観光施設区域整備法案に関して質問をします。  まず最初に、台風七号と前線による豪雨で全国各地で河川が氾濫するなど大きな被害が出ておりますが、被害に遭われている皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  まず、質問に入る前に、昨日、ギャンブル依存症対策に関する二つの議員提出法案が内閣委員会において審議されているそのさなかに、本法案の本会議での審議入りが議院運営委員会で強行的に決められました。  このIR整備法案の審議入りは、ギャンブル依存症対策に関する法案の成立を前提とすることは与野党共通の認識であったはずです。なぜそれほどまでに急がなければならないのか。内閣委員会を軽視した今回の対応について遺憾の意を表したいと思います。  さて、法案への質問に入りますが、本法案によるカジノ解禁につきましては、数々の世論調査でも明らかになっているように、依然として国民の十分な理解が得られていないということをまず指摘しておきたいと思います。  その理由の一つは、カジノに対する不安です。カジノと聞くと、多くの国民は、過去、芸能人や有名人、政治家や経営者が海外で億単位の負けをしたという報道を連想するのではないでしょうか。  パチンコや競馬などと比べ、カジノは比較的短時間に勝負の結果が出る賭博です。一回に何十万円、何百万円も賭けることができます。アメリカのカジノリゾートでは、一日で約一億数千万円を超える売上げを上げ、毎分一千万円を超える金銭のやり取りが行われていると言われます。スロットマシン、ルーレット、カードゲームのバカラ、ポーカー、ブラックジャックなど、カジノでの主なゲームはいずれも射幸心をあおるものです。  法案では様々な規制が列挙されていますが、大負けによって悲惨な状況に陥る人が出てくることは否めません。IR推進法が成立して一年半がたちましたが、結局は、国民の不安を解消するには至っていない状況です。  この状況の下で政府は本法案を国会に提出されたわけですが、国民に対して本当に説明責任を果たしてこられたのかどうか、総理大臣の御見解を伺います。  次に、カジノ解禁に係る刑法の賭博罪の違法性阻却について伺います。  この課題は、一昨年、IR推進法の審議過程でも審議されました。ここでは、違法性阻却に関し、一、目的の公益性、二、運営主体の性格、三、収益の扱い、四、射幸性の程度、五、運営主体の廉潔性、六、運営主体の公的管理監督、七、運営主体の財政的健全性、八、副次的弊害の防止の八点にわたる考慮要素の検討が衆参それぞれの内閣委員会附帯決議で確認されました。  しかし、この検討が刑法学者などを含め専門家の間で十分に行われ、納得のいく結論が出されたのかどうか、大変疑問が残るところです。そのためでしょうか、法案第三十九条において、認定設置運営事業者がカジノ管理委員会の免許を受けたときは、カジノ行為区画で行う当該カジノ行為については刑法第百八十五条及び第百八十六条の規定は適用しない、つまり賭博罪は適用しないんだとわざわざ違法性阻却を法文上明示されています。  違法性阻却に関する八項目について納得性を持った検討がなされたのであれば、この第三十九条は必要ないんです。この点について、石井担当大臣より明快な説明をしていただきたいと思います。  次に、カジノは一体誰を対象としているのかという点について質問します。  前回のIR推進法案の審議では、カジノは海外からの観光客を対象にした施設、つまり国際観光産業として位置付けられたものでした。議員立法を主導した超党派議員連盟も、その名称は国際観光産業推進議員連盟でした。しかし、いつの間にか、カジノは日本人を主な対象とする遊興施設という性格が強まってきたように見えます。  既に、日本ではパチンコや公営ギャンブルにはまって抜け出せない依存症の人が大勢います。昨日、議員立法によるギャンブル等依存症対策基本法が内閣委員会で可決され、ようやくギャンブル依存症対策が本格化しようとしているときに、非常に射幸性が高く、勝ち負けの規模が違う、全く違うカジノが解禁されれば、ギャンブル依存症患者はますます増え、さらに、家庭崩壊など様々な社会問題が噴出してくることになります。現在、ギャンブル依存症の家族を抱えている方々、そして支援団体の方々、大変心配だという懸念の声が多く上がっております。当初の外国からの富裕層観光客を対象としたカジノ構想が変質し、どうも海外のカジノ資本が日本人を対象に事業を展開し、一もうけしたいという思惑が読み取れるのではないでしょうか。  なぜ日本人をターゲットとしたカジノに性格が変わってきたのか、そして入場制限という対策だけで本当に日本人のギャンブル依存症が防止できるのか、石井大臣より説明をお願いします。  次に、IRが観光資源として、また我が国の国際化対策に資するものとなるのかどうか、質問します。  今日、我が国においては、大型のレジャー施設やテーマパーク、そして国際展示場が運営されており、東京ディズニーランドも大阪のユニバーサル・スタジオも東京のビッグサイトも大きな収益を上げています。そこで、なぜMICEと言われるビジネスイベントを受け入れる施設やレジャー施設がカジノを併設し、その収益でもって運営されなければならないのか、納得できません。  今国会では、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法の一部改正法が成立しましたが、元々この法律は、水道事業とともに空港やMICE施設におけるコンセッションを促進しようとするものです。MICE施設が赤字になるのでコンセッションを導入するという組立てではなかったと思います。  政府は、本法案に、総合的なリゾート施設を整備することによって、観光や地域振興、雇用創出といった経済効果のみならず、こういう新しい国際会議や展示ビジネスを展開して新しいビジネスの起爆剤になることを狙うこと、また日本の伝統、文化、芸術を生かしたコンテンツを更にブラッシュアップして発信することと、まるでバラ色の世界を想定されていますが、カジノを併設するIRがそれを実現する手段と果たしてなるのでしょうか。  海外からの観光客は、日本のどのような魅力を求めて来訪されるのでしょう。日本の伝統や地域に残された歴史的文化や自然、あるいは豊かな食文化にその魅力を感じて来訪されるのではないでしょうか。カジノを目的に日本に来る外国人、一体どれほどいるというのでしょう。  訪日観光客のアンケートでも、日本にもカジノがあるから行ってみたいという観光客はごく少数です。国際観光政策としてIRやカジノを位置付ける構想には大いなる勘違いがあると思いますが、総理大臣はこのことについてどのように考えられていますか、見解をお答えください。  次に、IRの経済効果について質問します。  確かに、IRは、初期投資と施設の運営において一定の経済効果や雇用効果を生み出すのかもしれません。しかし、施設全体が継続的にイベントを開催し、集客力を維持していけるかどうかは、安易には予測はできません。一過性の経済効果だけで終わる可能性も十分にあります。  かつて、我が国においては、リゾート法による大規模開発の失敗事例やテーマパークの失敗事例、数多くありました。経済動向や利用者の嗜好の変化が需要に大きく影響を与えます。とりわけ、カジノについては、アジアにおいても国際的な競争が激化しており、また外国の富裕層の動向などは予測できない面もあります。入場者数を含めたIRの需要の見通しに読み違いが出てくる可能性は十分にあると思います。  確かに、シンガポールでは、二つのIR施設の開発で約一兆円の民間投資が実現、IR開業後四年で国全体の観光客や観光収入が共に増加したとの報告がされておりますが、このシンガポールでの成功事例がそのまま日本において実現する判断は甘過ぎます。  もし経営が困難になれば、地域経済にも大きなマイナスの影響を与えます。IRの施設建設に膨大な投資が行われるわけですが、これを回収できるのかどうか、区域整備計画の認定段階で的確に判断できるとは思われません。  あわせて、仮に利益が上がったとしても、多くは参入してくることが予測される外資系のIR事業者へ渡り、国内資金が国外へ流出する懸念もあるのです。IRの経済効果と経営の見通し、あわせて、経営難に陥ったときの対応について、石井大臣より説明をお願いいたします。  次に、法案に示された様々な規制の在り方について質問します。  衆議院での審議において、多くの疑問点、不明点が明らかになりましたが、時間の関係で以下四点に絞って質問しますので、石井大臣より見解をお願いします。  一点目は、カジノ施設の規模の上限設定の問題です。  当初は、ゲーミング区域の面積規制をシンガポールに倣って一万五千平方メートルかIR施設全体の三%のいずれか小さい数値を上限とする案でしたが、最終的には三%以内の比率規制のみになりました。しかも、この三%の対象はゲームエリアのみであり、政府の説明では、カジノの行為区域から、主要な通路や階段、エレベーター、トイレ、受付・案内所、飲食のスペース、演奏のスペースなどは除外するとしています。したがって、三%の規制の対象は、テーブルや椅子、機器などが置かれている極めて限られた僅かなスペースだけだということになります。  この規制では、通路や飲食スペース、受付などを大規模に取れば、IRの中で非常に大きなカジノ面積を占めるということも可能になるわけです。このような三%規制が本当に妥当なものなのかどうか、伺いたいと思います。  二点目は、カジノ事業者が客に対して貸付業務が行えるということの問題です。  富裕層向けとして、一定のデポジットがあれば無制限に貸金ができることになるようですが、これでは大きな問題を引き起こすのではないでしょうか。我が国においては、諸外国のように、カジノ施設内で顧客に貸付け、回収などの業務を行うジャンケットを認めないという方針ですが、実質的には貸付業務が行われることになりますし、IRの施設の中、ホテルや会議場内に銀行ATMも設置されるのではないかという情報もあります。借金をしてまで賭ける行為を助長するような措置が本当に必要なのかどうか、説明をお願いします。  三点目は、入場制限の問題です。  安倍総理大臣、これまで、世界一の入場制限措置をとると強調されてきましたが、実際は、入場料はシンガポールより安くなっています。また、韓国では、韓国人が入場できる江原ランドは、地元住民は月一回という特別な入場制限を設けていますが、今回はこういった措置ありません。なぜ日本では地元の人たちの入場規制を設けなかったのでしょう。また、暴力団員は入場禁止となっていますが、この入場制限措置はどのような方法をもって担保されるのか、説明をしてください。  四点目は、マネーロンダリング対策です。  例えば、犯罪で得た資金や脱税など不正資金のマネーロンダリング、カジノを利用して行われることが懸念されています。アメリカでは、カジノにおけるマネーロンダリング対策が一段と強化されていますが、日本においてどのような方策を取られるのか。これは一昨年前のIR推進法で参議院だけが付けた附帯決議でも指摘した課題ですので、しっかりと説明をお願いしたいと思います。  最後に、オンラインカジノの規制について質問します。  実は、カジノ施設におけるカジノの運営規制も重要ですが、表に出ない深刻なカジノ問題、オンラインカジノの問題があります。日本の多くの若者がこれにのめり込まないよう、膨大な被害を被らないよう、是非とも規制を強化していただきたい。最近では、賭け金、当せん金が仮想通貨が使われ、ますます実態が見えなくなっているようです。政府としても、カジノへの規制を強化するのであれば、併せてオンラインカジノについても不正なものは摘発する努力をされるべきだと考えます。国家公安委員長、見解をお願いいたします。  以上、カジノが一つもないと言われる現在でも世界一のギャンブル国と言われている我が国において、その家族や子供たちまで巻き込んでしまうギャンブル依存症の患者がこれ以上増えないよう、政府の抜本的な対策強化を求めます。  国民の生活の不安を広げる可能性を残すカジノ頼みの経済成長は、真の経済成長ではありません。そのことを申し上げ、代表質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  14. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 矢田議員にお答えをいたします。  カジノ解禁についての国民に対する説明責任についてお尋ねがありました。  IRについては、カジノばかりに焦点が当たりがちなことから、様々な弊害を心配する声があることは承知しております。  カジノの施設については、依存防止対策、犯罪・治安維持対策、青少年の健全育成対策として、厳格な入場規制や広告・勧誘規制など、重層的かつ多段階的な措置を講じているところです。  政府としては、IR整備法案の策定に当たり、その制度の大枠についてパブリックコメントや説明会を実施し、国民の意見を丁寧に伺う機会を設けてきたところです。また、今後、単なるカジノ施設ではない日本型IRのイメージを具体的に共有させていただくための全国キャラバンを実施してまいります。  引き続き、国民に丁寧に説明を行うとともに、依存防止対策などに万全を期しながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  日本型IRの政策的な意義についてお尋ねがありました。  国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営される日本型IRは、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となると考えております。  具体的には、これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設として世界中から観光客を集め、日本各地の豊かな自然、固有の歴史、文化、伝統、食などの魅力を紹介し、IR区域への来訪客を全国各地に送り出すことにより、IRが世界と日本の各地とをつなぐ交流のハブとなっていくことが期待されます。  このように、日本型IRは、これまでの他国のIRにはない独自性と国際競争力を有し、幅広く世界中の観光客を引き付けるものと考えております。  また、例えば、我が国を代表する大規模な国際会議場については、純粋な民間事業として整備、運営されている例はないと承知しており、国際会議場や収益面での原動力となるカジノ施設が一体的に運営されることが必要と考えております。  今後、我が国の魅力ある多種多様な観光資源を強みとした魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  15. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 矢田議員にお答えをいたします。  カジノ行為に係る賭博罪等の違法性阻却に関する検討及び第三十九条の規定の趣旨についてお尋ねがありました。  IR推進法の附帯決議では、IR区域の整備の推進のために必要な措置を講ずるに当たり、目的の公益性等八つの観点から、刑法の賭博に関する法制との整合性が図られるよう、十分な検討を行うこととされております。  IR整備法案の立案過程においては、これらの八つの観点を踏まえた検討を行い、例えば、目的の公益性の観点では、カジノ収益の内部還元によるIR区域整備を通じた観光及び地域経済の振興等、カジノ収益の国庫等納付、社会還元を通じた公益の実現、運営主体等の性格の観点では、カジノ事業免許等に基づく事業者その他関係者の厳格な管理監督、認定都道府県等と事業者が共同したIR区域整備の推進による公益の追求、副次的弊害の防止の観点では、重層的、多段階的な依存防止対策、暴力団員等の排除や上乗せしたマネーロンダリング対策を、それぞれ具体化した諸制度を整備しているところであります。  このようなIR整備法案は、刑法が賭博を禁じている趣旨を損なうものではなく、法秩序全体の整合性は確保されていることから、第三十九条前段で、認定設置運営事業者は、カジノ管理委員会の免許を受けたときは、カジノ事業を行うことができる旨を規定したものであります。  仮に第三十九条後段の規定がなくとも、IR整備法案に基づくカジノ行為は、基本的には、刑法第三十五条の法令による行為により違法性は阻却され、刑法の賭博罪等で罰せられることにはならないものと考えられますが、刑法第三十五条の適用については、個々具体的な行為が法令による行為と認められるか否かに関しては解釈の余地があり、刑法上の違法性が阻却される範囲について疑義が生じることも考えられます。  他方、IR政策を効果的に推進するためには、IR事業及びカジノ事業の安定的な運営に対する国内外の利害関係者や顧客の信頼と予見可能性を確保することが重要であります。  このため、IR整備法案においては、直接、第三十九条後段の要件を満たしたカジノ行為は刑法の賭博罪等が適用されないことを明記することとし、IR整備法案により行われるカジノ事業は賭博罪等に抵触しない合法な事業であることを明確にしたものであります。  日本人のギャンブル等依存症についてお尋ねがありました。  IRは国内外からの観光客等を対象とした総合的なリゾート施設であり、IR推進法においては、日本人のカジノ施設の利用を一律に禁止することとはされておらず、同法第十条第二項において、外国人旅客以外の者について、カジノ施設の利用による悪影響を防止する観点から、カジノ施設への入場に関し必要な措置を講ずることとされております。  これを踏まえ、IR整備法案では、カジノ施設への継続的なアクセスが比較的容易な環境にある日本人等を対象に、他国に例のない長期、短期の一律の入場回数制限や相当額の入場料の賦課に加え、利用者の個別の事情に即した措置として、本人、家族からの申出による利用制限や、依存防止の観点から利用させることが不適切と認められる者に対する早期発見や声掛け等による利用制限、相談窓口の設置や情報提供等、利用者の適切な判断を助けるための措置について、カジノ管理委員会が依存防止の観点から十分なものと認めた依存防止規程に従って実施することをカジノ事業者に義務付けております。  さらに、IR整備法案においては、依存防止対策として、IR区域数の限定やカジノ施設の規模の制限、一つのIR区域におけるカジノ施設の数を一つに限定すること、日本人等に対する貸付業務の規制や、広告、勧誘の誘客時における規制といった重層的かつ多段階的な取組を制度的に整備しており、万全が尽くされているものと考えております。  IRの経済効果や経営の見通しと、経営難に陥ったときの対応についてお尋ねがありました。  区域整備計画の認定に当たり、IR事業者及び都道府県等は、IR事業の収支の見通し等を含む事業基本計画、区域整備計画の実施により見込まれる経済的、社会的効果等を記載した区域整備計画を申請することとなります。  申請を受けた国土交通大臣は、IR事業が継続的に行われるとともに、観光及び地域経済の振興に寄与すると認められるもの等でなければ、これを認定いたしません。したがって、このような効果が認められるIR事業が継続的に行われることが認定の前提となります。  仮にIR事業の継続が困難となった場合においては、都道府県等が後継事業者を選定し、当該後継事業者が区域整備計画の内容を引き継ぐことを前提に、IR事業者の変更に関する区域整備計画の変更認定及びカジノ事業の承継の承認等の手続により、後継事業者がIR事業を承継することが可能であります。  カジノ施設の規模規制についてお尋ねがありました。  IR整備法案においては、カジノ行為への依存防止等の観点から、カジノ施設の規模を適切に制限しつつ、IRによる観光及び地域経済の振興の効果を最大限に発揮させるため、カジノ施設のカジノ行為区画のうち専らカジノ行為の用に供される部分の面積について、IR施設全体の延べ床面積を基準とし、その一定割合以下に制限することとしております。  この場合、カジノ施設の規模の上限を絶対値とする考え方もあり得ますが、IRの立地地域や規模が未確定である状況では、その上限により、カジノ事業の収益を活用して整備されるIRの施設規模が制限される可能性もあり、IR整備法案の目的である、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するという目的の制約要因になりかねないこと、カジノ施設の規模をIR施設全体の延べ床面積の一定割合以下に制限したとしても、現実のIRの経営においては、需要動向や施設維持等の観点からおのずと設置、運営可能なIRの規模があると考えられ、カジノ施設が無制限に拡大するとは考えられないこと、規制の対象をカジノ行為区域やカジノ施設全体とすると、専らカジノ行為の用に供される部分の規模はカジノ事業者の自由な判断に委ねられることになるため、カジノ行為に使用される機器等が設置される部分を直接的に規制の対象とする方がカジノ施設の規模制限の趣旨に沿うと考えられることなどから、カジノ施設のカジノ行為区画のうち専らカジノ行為の用に供される部分の面積について、IR施設全体の延べ床面積の一定割合以下に制限することは適当であると考えております。  カジノにおける顧客への金銭の貸付けについてお尋ねがありました。  カジノにおける貸付業務は、諸外国において、あくまで利便性の観点からのカジノ行為に付随した顧客への限定的なサービスとしてその必要性の範囲内で認められており、IR推進会議においては、我が国においても、顧客の利便性向上のため、諸外国と同様に認めるべきとされております。  これを受けて、IR整備法案における顧客への金銭の貸付けについては、カジノ管理委員会の免許を受けたカジノ事業者のみに認めることとし、貸付対象を原則として外国人非居住者に限った上で、日本人等については、我が国における平均的な世帯の年間収入等から見て相当の資力を有する者に限定をし、また、いずれの者への貸付けにおいても、顧客の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査し、その結果に基づいて顧客一人一人につき貸付限度額を定めることを義務付けるとともに、その貸付限度額を超えて貸付けをすることを禁止をしております。  このような規制を通じて、カジノにおける顧客への金銭の貸付けについては、適正な範囲で行われることを確保してまいります。  地元住民の入場規制及び暴力団員の入場禁止措置の方法についてお尋ねがありました。  IR整備法案では、日本人等を対象とした一律の入場回数制限に加え、利用者の個別の事情に即した、本人、家族からの申出による利用制限措置の事業者への義務付けなど、重層的、多段階的な取組を制度的に整備をし、依存防止に万全を期しているところであります。  お尋ねのように、特定の地域の住民に限り、より厳しい入場回数制限を課すことは、様々な地理的状況や交通手段がある中で、規制対象の特定の地域の範囲を合理的に設定することは困難であり、入場回数制限は全国に設置される複数のカジノ施設全体を対象として行うものであり、特定の地域の住民による特定のカジノ施設への入場回数を制限しても有効な制限とはならないと考えられます。  したがって、特定の地域住民に限定して一律の規制とは異なる入場回数制限を導入することよりも、先ほど御説明した重層的、多段階的な依存防止対策を進めることが重要かつ適切であると考えております。  また、IR整備法案では、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から起算して五年を経過しない者のカジノ施設への入場を禁止するとともに、カジノ事業者に対し、これらの者を入場させることを禁止し、その違反については罰則を科すこととしております。  入場者からの暴力団員等の排除に当たって、カジノ事業者は、報道等の民間ベースで取得可能な情報など、自らが収集した資料と照合すること、入場者本人から暴力団員等に該当しない旨の確約書を徴収すること等によってその該当性を確認することを想定をしており、仮に暴力団員等に該当する者が入場しようとするのであれば、その入場を拒否することとなります。また、カジノ事業者においては、暴力団排除を行っている他の事業者と同様、必要に応じて警察への照会を行うなどの措置をとることが想定されます。  IR整備法案におけるマネーロンダリング対策についてお尋ねがありました。  カジノ事業におけるマネーロンダリング対策は重要であり、マネーロンダリング対策の国際基準であるFATF勧告においても、カジノ事業者は顧客管理措置を実施すべき事業者として規定をされております。  このため、IR整備法案では、犯罪収益移転防止法を改正をし、同法の規制対象にカジノ事業者を追加し、一定額以上のチップの交付等、政令で定める取引について、本人確認等を義務付けるほか、取引記録の作成、保存や、疑わしい取引のカジノ管理委員会への届出等を義務付けることとしております。  また、犯罪収益移転防止法の枠組みへの上乗せといたしまして、カジノ事業者に対し、取引時の本人確認等の実効性を確保するため、犯罪収益移転防止規程の作成を義務付け、これをカジノ管理委員会が審査すること、カジノ事業者に対し、政令で定める額を超える現金とチップの交換等についてカジノ管理委員会への届出を義務付けること、他人へのチップの譲渡やカジノ行為区画外への持ち出しを禁止すること等の規制を講じております。  カジノ事業の健全な運営を確保するため、これらの規制により、マネーロンダリングの防止に万全を期してまいります。(拍手)    〔国務大臣小此木八郎君登壇、拍手〕
  16. 小此木八郎

    ○国務大臣(小此木八郎君) 矢田わか子議員にお答えいたします。  オンラインカジノについてのお尋ねがありました。  御指摘のオンラインカジノに係る賭博事犯につきましては、これまでも警察において厳正な取締りを推進してきたところであります。  こうした事案につきましては、引き続き、関連情報の収集に努めるとともに、厳正な取締りを実施するよう警察を指導してまいります。(拍手)     ─────────────
  17. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 杉尾秀哉君。    〔杉尾秀哉君登壇、拍手〕
  18. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾秀哉です。  ただいま議題となりました、いわゆるIR整備法案について会派を代表して質問する前に、まず冒頭申し上げます。  先ほど、オウム真理教事件の松本智津夫死刑囚ら元幹部の死刑が執行されたというニュース速報がありました。改めて、一連の事件で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、全ての被害者、御遺族の皆様にお見舞いとお悔やみを申し上げます。  では、質問に入ります。  安倍総理、あなたは一体いつまで総理の座に居座り続けるつもりなのでしょうか。あなたは憲法を変えて歴史に名を刻みたいのでしょうが、既に憲政史上まれに見るうそつき内閣、ごまかし内閣として立派に名を残しました。もう十分です。即刻辞めてください。  私や妻が関係していたら議員も辞める、学部新設について理事長と話したことはない、こう国会で大見えを切り、自己保身のためについた小さなうそのはずが、他人を巻き込み、そんたくを生み、行政をゆがませ、文書を改ざん、隠蔽させ、自殺者まで出したのです。我が国の最高権力者であるあなたと昭恵夫人は、余りに権力に無自覚でした。それだけで職を辞するに十分値します。  いや、それでもモリカケ問題は小さなうそなのかもしれません。あなたが次々と繰り出してきた異次元金融緩和、成長戦略、少子化対策、北朝鮮拉致問題、日ロ領土交渉などなど、どれ一つ取っても、やってる感を見せるだけで具体的成果に乏しい。まるで政権運営そのものが大きなうそとしか思えません。  あなたは、頻繁に外遊し、外交の安倍を自負していらっしゃるようですが、その内実を見ると、ただただアメリカのトランプ大統領に付き従うだけ。しかも、北朝鮮との対話は意味がないと豪語し、世界に北朝鮮との国交断絶を求めながら、米朝会談が実現し、日本は蚊帳の外と批判されるや、今度は手のひらを返すように日朝首脳会談をやりたいと言い出し、金正恩委員長を指導力があると持ち上げる。  そもそも、あなたには外交ポリシーがあるのですか。これでは完全に北朝鮮に足下を見られるだけではないですか。そして、何より、拉致問題解決と被害者全員の帰国の見込みは本当にあるのですか。  大衆は小さなうそより大きなうそにだまされやすい、これは、麻生財務大臣がよく引用する、かのヒトラーの言葉です。為政者の大きなうそはこの国の行方を誤らせる元凶だということにあなたはお気付きでしょうか。  こうした安倍政権のうそとごまかしは、今回議題となっていますIRカジノ法案もまさにそうです。  そもそも、なぜ今国会の会期が大幅に延長されたのか。その目的は、過労死を増やす働き方改革とギャンブル依存症を増やすカジノ法、そして党利党略そのものの選挙制度改革です。この政権が考えているのは自分たちの延命だけで、国民の命や健康を守る意識が全くありません。  まず、大多数の国民が反対し、数々の懸念を置き去りにしてまで衆議院の委員会で強行採決された本法案には立法事実がありません。にもかかわらず、なぜ本法案を無理やり今国会で成立させようとするのか。  総理、安倍政権にはほかに成長戦略の目玉がないのか、それともカジノ産業を有力スポンサーにするトランプ大統領との間に密約でもあるのでしょうか。私には、あなたがカジノで経済成長というお得意の夢物語を国民に振りまいているとしか思えません。  政府の説明によると、カジノをつくる目的の一つは、世界中から観光客を呼び込むことです。ところが、外資系銀行や誘致自治体の試算では八割前後を日本人客と見込み、政府の想定とは明らかに大きく違います。  加えて、今やアジアのカジノ市場は飽和状態で、外国人旅行客の意識調査を見ても、日本にカジノに行きたいという人は僅か七%しかいません。こうした状況の中で、カジノ最後発の日本がどれだけ海外から客を集められるか、極めて不透明です。  そこで、石井大臣に伺います。  海外旅行客の割合はどれぐらいと想定しているのか、また、経済効果をどう試算しているのか、具体的にお示しください。  そもそも、人の不幸を前提にするカジノはゼロサムゲームです。経済学者のサミュエルソンによれば、新たな価値を生み出さない無益な貨幣の移転でしかありません。それどころか、正の効果を上回る負の効果が大き過ぎる、限られたパイを奪い合うカニバリズム、共食いが起きるというのがカジノの実態です。  カジノ誘致に成功した都市とそうでない都市、それから施設がある地域とそうでない地域、IRはこうした格差を生むだけで、全体的な地方の活性化には全くつながらないのではないでしょうか。  さらに、IRがこければその地域がこける。アメリカのアトランティックシティーや韓国の江原ランドを見ても、カジノ依存の経済構造がいかにいびつか、明白なのではないですか。総理、お答えください。  加えて、今から予想される海外の大手カジノ事業者の参入で、日本そのものが食われる側に立つ。三〇%の納付金を除けば、日本から海外にマネーが流出するだけではないのでしょうか。石井大臣、明快な回答をお願いします。  こうした負の影響の最たるものは、ギャンブル依存症が更に広がることです。日本は世界一のギャンブル大国と言われ、二十兆円産業のパチンコ台は、実に国民二十五人に一台の割合であります。そこに賭け金が桁違いのカジノが入ればどうなるのか。カジノで実に百六億円もすり、関連会社の金を流用して実刑を受けた大王製紙井川元会長の著書「熔ける」が描くカジノ地獄は、決して人ごとではありません。  現に、海外のカジノ業界は、こうした日本と潤沢な個人資産にターゲットを絞っています。例えば、ラスベガス・サンズのトップいわく、日本は賭け事が好きな国で、東京は最高の場所、百億ドル、約一兆一千億円を投資すると、このように豪語しています。  そこで、安倍総理に伺います。  世界最高水準のカジノ規制で万全を期すと総理は発言していますが、一回六千円の入場料と、週三回、二十八日間に十回までという規制のどこが世界最高水準なのですか。そもそも、二十四時間営業可能なカジノに週三回も通うこと自体が既にギャンブル依存症状態ではないでしょうか。そして、何より、井川元会長が言うように、最も有効な依存症対策はカジノをつくらないことではないでしょうか。  こうした疑問点に加えて、本法案では、カジノ施設の面積など、骨格に関わる三百三十一にも及ぶ項目が国会審議に諮られず、政省令などに委ねられています。例えば、カジノ事業者が条件付で客に金を貸せるようになりますが、これは借金してまで賭博することを奨励するもので、絶対に容認できません。  そこで、石井大臣に伺います。  パチンコにも公営ギャンブルにもない、こんな制度をなぜ認めることにしたのですか。これでは、国民がギャンブル依存症に陥る危険性を高めるだけではないですか。  更に問題なのは、これも政令で定められるカジノの面積についてです。当初の与党協議では一万五千平方メートル以下とする基準が示されたようですが、これがいつ、いかなる理由で削除されたのでしょうか。また、与党合意ではIR施設の延べ床面積の三%以下とされていますが、IRを大規模にすれば世界一の巨大カジノを誕生させることができます。その可能性を否定できますでしょうか。  これ以外にも、この法案については、民営カジノの合法性、つまり目的の公益性や運営主体の性格など、刑法で禁じられた賭博罪の例外となる要件を満たしているかや、監督機関であるカジノ委員会の在り方とマネーロンダリング対策、さらには治安悪化や青少年への悪影響の防止など、議論すべき重要な論点を数え上げれば切りがありません。  そして、最後に指摘しておかなければならないのは、政府・与党が法案成立を急ぐ背景についてです。  なぜ今国会で成立させようとするのか、その政治的意図は見え見えです。総理、大阪に万博とカジノを誘致したい維新の会の取り込み、そして、来年の選挙に影響を与えたくない公明党への配慮があるからでしょうか。  この点について石井大臣にも伺います。今国会での成立は公明党から要請したのでしょうか。  それにしても、一体この政権はどこを向いているんでしょうか。こうした政治的思惑を優先させ、あえて国民を不幸にする危険を冒してまでばくちを認める国のどこが品格ある国、尊敬される国なのでしょうか。安倍総理、あなたには美しい国を語る資格などありません。  おととしの臨時国会でIR推進法を自主投票にした公明党の皆様と全ての与野党議員の皆様に、良心に訴えまして、私の代表質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  19. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 杉尾議員にお答えいたします。  内閣の今後についてお尋ねがありました。  選挙で国民の皆様にお約束した政策を一つ一つ実行に移し結果を出していく、これがこれまで五回の国政選挙を通じ国民の皆様から力強い支持をいただいた安倍内閣の責任であります。  今後、公文書管理の徹底など、行政に対する信頼回復に全力で取り組みながら、内閣一丸となってひたむきに政策実現に邁進し、国民の負託に全力で応えていく決意であります。  北朝鮮問題についての外交ポリシーと拉致問題の解決についてお尋ねがありました。  四月のマーラ・ラゴでの日米首脳会談で、私からトランプ大統領に対して、米朝首脳同士の合意を署名文書で残すことを提起した結果、今回の米朝首脳共同声明は、首脳間の合意を署名文書の形で確認した重みのあるものとなり、北朝鮮の非核化に向けた土台となりました。このような形で金正恩国務委員長がトランプ大統領に直接、完全な非核化を約束した意義は極めて大きいと考えます。  拉致についても、トランプ大統領が、マーラ・ラゴでの首脳会談や米朝首脳会談直前のワシントンでの首脳会談で伝えた私の考え方を直接金正恩国務委員長に伝えてくれたことは大きな成果であります。  このように、トランプ大統領とは常に綿密にすり合わせを行って北朝鮮問題に取り組んできており、トランプ大統領に追随するだけで外交ポリシーはあるのかとの批判は全く当たりません。  拉致問題について、誰を拉致しているのかを知っているのは北朝鮮です。北朝鮮は、知っていることを全て話し、そして全ての拉致被害者を一日も早く日本に帰国させなければなりません。  これには大きな決断が必要です。日朝でも新たなスタートを切り、拉致問題について、相互不信という殻を破って一歩踏み出したい、そして解決したいと考えています。  北朝鮮とは、最後は、私自身が金正恩国務委員長と向き合い、日朝首脳会談を行わなければなりません。そして、これを行う以上は、拉致問題の解決に資する会談としなければならないと決意しております。  本法律案の必要性や成長戦略、トランプ大統領との関係についてお尋ねがありました。  日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営され、これまでないような国際的な会議ビジネス等を展開し、新たなビジネスの起爆剤となり、また、世界に向けて日本の魅力を発信する、まさに総合的なリゾート施設であり、我が国を観光先進国に引き上げる原動力となると考えております。  今後、成長戦略の一つとして、魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  なお、先般閣議決定した未来投資戦略では、自動運転、ヘルスケアデジタルガバメントなどの重点分野における新しい技術の社会実装による生産性革命を通じソサエティー五・〇の実現を目指していくこととしており、IRのほかに成長戦略で目玉がないといった御指摘も、これも当たりません。  また、トランプ大統領との間において、米国の企業からの要望等に関する会話をしたことは一切ございません。  IRによる地方の活性化と地域経済への影響についてお尋ねがありました。  日本型IRは、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となると考えております。  具体的には、これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設として世界中から観光客を集め、日本各地の豊かな自然、固有の歴史、文化、伝統、食などの魅力を紹介し、来訪客を全国各地に送り出すことにより、IRが世界と日本各地とをつなぐ交流のハブとなると考えております。  本法案においては、国際競争力の高い魅力あるIR施設でなければ区域整備計画の認定を行わないこととしており、この日本型IRの実現により、地域の活性化、さらには日本全体の健全な経済成長につながる滞在型観光を推進してまいります。  ギャンブル依存症対策についてお尋ねがありました。  IR整備法案における日本人等に対する長期、短期の一律の入場回数制限は、欧米やシンガポールなど他国には例のないものであり、これに加え、相当額の入場料の賦課、利用者の個別の事情に即し、カジノ事業者に対し、本人、家族申告による利用制限等を義務付けるといった重層的かつ多段階的な措置を制度的に整備しており、他国と比べても厳格な措置を講じ、ギャンブル等依存症に陥る人を生じさせないよう努めてまいります。  また、政府においては、IR推進法の附帯決議を契機として、IR整備法を待つことなく、本人、家族申告によるアクセス制限措置や、全国における相談、治療拠点の整備、学校教育消費者教育における指導啓発等の包括的な依存症防止対策を順次実行に移してきたところです。  さらに、ギャンブル等依存症対策基本法案が昨日の内閣委員会において可決されるなど、御審議が進められているものと承知しております。  ギャンブル等依存症対策について、政府一体となって必要な取組を徹底的に講じてまいります。  本法律案の審議の在り方やIR制度導入の趣旨についてお尋ねがありました。  一昨年末に成立したIR推進法においては、政府は同法の施行後一年以内を目途として必要となる法制上の措置を講じなければならないとされており、政府としては、これに基づいて本法律案を国会に提出したものであります。  国会の審議の在り方については、国会においてお決めいただくことであり、行政府の長として申し上げる立場にありません。  日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営され、これまでにないような国際的な会議ビジネス等を展開し、新たなビジネスの起爆剤となり、また、世界に向けて日本の魅力を発信する、まさに総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれるものとされ、我が国を観光先進国に引き上げる原動力になると考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  20. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 杉尾議員にお答えをいたします。  カジノ利用客に占める外国人旅行客の割合及びIRの経済効果試算についてお尋ねがありました。  我が国で整備することになる日本型IRは、外国からの観光客だけでなく、国内観光客も対象とした総合的なリゾート施設であり、世界中から観光客を集める滞在型観光モデルの確立を実現することを目的とするものであります。  カジノを含むIRの利用客の内外比率や経済効果につきましては、現時点では、IRがどこにどのような形で設置されるかが不明であり、定量的にお答えすることは困難であります。  いずれにせよ、日本型IRとして、国内外を問わず、多くの来訪者を引き付けるような魅力ある施設を整備すべきと考えております。  カジノ事業者の収益が海外に流出する懸念についてお尋ねがありました。  IRは、カジノ施設のみならず、国際会議場施設、展示施設等の様々な誘客施設を一体として整備することにより、世界中から観光客を集める滞在型観光モデルを確立をし、我が国を観光先進国に引き上げる原動力となるものであります。  また、IR事業者の法人税や地方税等に加え、カジノ行為粗収益に対する三〇%の納付金の納付によって財政への貢献が見込まれます。  さらに、IR事業者は、カジノ事業の収益を新たな設備投資等IR事業の事業内容の向上や都道府県等が実施する施策への協力に充てるよう努めることとするとともに、これらについて国土交通大臣が毎年度行う評価の対象とし、評価結果を業務運営の改善に適切に反映させることをIR事業者等に義務付けております。  このような仕組みによりまして、カジノ事業の収益の確実な公益還元が図られることから、御懸念のようなカジノ事業の収益が海外に流出するだけということには全くなりません。  なお、IR事業者の資本構成については内外無差別となっておりまして、我が国の企業も様々な形でIR事業に参画できるものと考えております。  カジノ事業者による顧客への金銭の貸付けについてお尋ねがありました。  カジノにおける貸付業務については、IR推進会議において、顧客の利便性向上のため、我が国においても諸外国と同様に認めるべきとされたところであります。  これを受けて、IR整備法案においては、カジノ事業者による顧客への金銭の貸付けについて、貸付対象を外国人非居住者又は平均的な世帯の年間収入等から見て相当の資力を有する日本人等に限定するとともに、貸付限度額を、顧客の収入その他の返済能力に関する事項を調査した結果、基づいて定めることを義務付け、その貸付限度額を超えて貸付けすることを禁止するなど、あくまで利便性の観点からのカジノ行為に付随した顧客への限定的なサービスとして、その必要性の範囲内で認めることとしております。  もとより、依存防止対策については、IR整備法案において、IR区域数の限定やカジノ施設の規模の制限、一つのIR区域におけるカジノ施設の数を一つに限定すること、日本人等を対象とした一律の入場回数制限や入場料の賦課、依存防止規程に基づく本人、家族の申出等による利用制限措置や相談窓口の設置といった利用者の個別の事情に応じた対応、広告、勧誘等の誘客時における規制といった重層的、多段階的な取組を制度的に整備しており、万全が尽くされているものと考えております。  カジノ施設の規模規制についてお尋ねがありました。  IR整備法案においては、カジノ施設の規模を適切に制限しつつ、IRによる観光及び地域経済の振興の効果を最大限に発揮させるため、カジノ施設のカジノ行為区画のうち専らカジノ行為の用に供される部分の面積について、IR施設全体の延べ床面積を基準とし、その一定割合以下に制限することとしております。  カジノ施設の規模を制限するに当たって、上限を絶対値とする考え方もあり得ますが、これまで検討を重ねてきた結果、IRの立地地域や規模が未確定である状況では、その上限により、カジノ事業の収益を活用して整備されるIRの施設規模が制限される可能性もあり、IR整備法案の目的である国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するという目的の制約要因になりかねないため、絶対値規制を採用しないとの考えに至ったものであります。  また、カジノ施設の規模をIR施設全体の延べ床面積の一定割合以下に制限したといたしましても、現実のIRの経営においては、需要動向や施設維持等の観点からおのずと設置、運営可能なIRの規模があると考えており、カジノ施設が無制限に拡大するとは考えておりません。  カジノ事業者が行うカジノ行為に係る賭博罪等の違法性阻却についてお尋ねがありました。  IR推進法の附帯決議では、IR区域の整備の推進のために必要な措置を講ずるに当たり、目的の公益性等八つの観点から、刑法の賭博に関する法制との整合性が図られるよう十分な検討を行うこととされております。  IR整備法案の立案過程においては、これらの八つの観点を踏まえた検討を行い、例えば、目的の公益性の観点では、カジノ収益の内部還元によるIR区域整備を通じた観光及び地域経済の振興等、カジノ収益の国庫等納付、社会還元を通じた公益の実現、運営主体等の性格の観点では、カジノ事業免許等に基づく事業者その他関係者の厳格な管理監督、認定都道府県等と事業者が共同したIR区域整備の推進による公益の追求を、それぞれ具体化した諸制度を整備しているところであります。  このようなIR整備法案は、刑法が賭博を禁じている趣旨を損なうようなものではなく、法秩序全体の整合性は確保されているものであります。  カジノ管理委員会についてお尋ねがありました。  カジノ事業は、IR事業の実施による公益目的達成のため、これまで刑法の賭博に該当するものとして禁止されてきた行為を例外的、特権的に認めるものであります。  そうしたカジノ事業を厳格に規制、監督するため、IR整備法案では、カジノ管理委員会は、カジノ施設の設置及び運営に関する秩序の維持及び安全の確保を図ることを任務とし、独立して職権を行使するいわゆる三条委員会として設置することとしております。  IR整備法案におけるマネーロンダリング、治安悪化、青少年への悪影響の防止策についてお尋ねがありました。  IR整備法案では、マネーロンダリング対策の観点から、犯罪収益移転防止法の規制対象にカジノ事業者を追加するとともに、同法の枠組みへの上乗せとして、カジノ事業者に対し、犯罪収益移転防止規程の作成を義務付けるほか、政令で定める額を超える現金とチップの交換等について、カジノ管理委員会への届出を義務付ける等の規制を設けております。  犯罪防止、治安維持の観点からは、都道府県等は、区域整備計画の作成に当たって都道府県公安委員会と協議することとしており、また、カジノ規制においては、暴力団員等のカジノ施設への入場を禁止するほか、カジノ事業者に対し、カジノ施設等における監視や警備の実施等の措置を義務付けることとしております。  さらに、青少年の健全育成の観点からは、二十歳未満の者をカジノ施設への入場を禁止するとともに、二十歳未満の者に対する勧誘等を一切禁止するなどの規制を設けており、カジノに対する様々な懸念に対しては万全の対策が講じられているものと考えております。  法案成立に関する公明党からの要請の有無についてお尋ねがありました。  一昨年末に成立したIR推進法においては、政府は同法の施行後一年以内を目途として必要となる法制上の措置を講じなければならないとされており、政府としては、これに基づいて本法律案を国会に提出したものであります。  なお、私は、公明党を代表する立場にはなく、公明党に関するお尋ねについてはお答えする立場にはございません。(拍手)     ─────────────
  21. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 辰巳孝太郎君。    〔辰巳孝太郎君登壇、拍手〕
  22. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、特定複合観光施設区域整備法案、すなわちカジノ実施法案について質問します。  一昨日、文部科学省科学技術・学術政策局局長が受託収賄容疑で逮捕されました。事実とすれば言語道断です。  安倍内閣の下で、公文書改ざん、隠蔽、財務省事務次官のセクハラなど、高級官僚による民主主義を根底から揺るがす重大問題が相次いでいます。綱紀粛正を徹底すると言いますが、一連の腐敗の根っこには、国政の私物化を進め、うそとごまかしを続けてきた安倍総理自身の姿勢があるのではないですか。総理、その責任をどう認識していますか。  森友新文書に関わってお聞きいたします。  我が党が明らかにした財務省と国交省が交渉記録の提出についてすり合わせた文書には、近畿財務局と理財局とのやり取りについては最高裁まで争う覚悟で非開示、大阪地検の刑事処分については、官邸も早くということで法務省に巻きを入れているなどとあります。これらが事実とすれば、法治国家としての前提を掘り崩すものであり、国会での徹底究明が不可欠です。ところが、石井国交大臣は、当該文書の存否について、出所不明だとして、公表から三週間近くたっても調査を拒否しています。  予算委員長からの異例の要請があったにもかかわらず、なぜいまだに調査すらしないのですか。隠蔽を続ける国交省は、公文書改ざん、虚偽答弁、隠蔽という前代未聞の不祥事を自ら解明する気はないということですか。  総理は、六月十八日の決算委員会で、前もって通告をしていただければ、実際にもう一度、それが果たしてあるのかないのかということを調べられますと答弁しました。我が党は既に文書を公表しています。総理、調査を指示しますね。明確にお答えください。  法案について質問します。  どの世論調査を見ても、カジノ解禁に反対する声は過半数を超え、今国会で成立させる必要はないが七割、自民党支持者の中でも六割に達しています。なぜこれほど反対が多いのか、総理の認識を伺います。  反対が多いのは、幾らIRという言葉でごまかしても、国民の皆さんの中に、刑法で禁じられた犯罪である賭博を解禁することへの不安や懸念、人の不幸を土台に経済成長という考えには到底納得できないからです。にもかかわらず、本法案は衆議院で僅か十八時間しか審議されず、強行可決されました。さらに、与党は、会期延長してまで今国会中に押し通そうとしています。政府・与党は、国民が懸念する法案をなぜこれほどまでに急いで成立させようとしているのですか。  国民の反対世論が更に広がるのを恐れて、あるいは、来年に控えた選挙のために早く通したいと焦っているのですか。それとも、カジノとセットで進められている大阪万博に間に合わせるためですか。以上二点、総理、お答えください。  私は、カジノと万博を誘致するという大阪市夢洲を視察いたしました。市の計画は、カジノだけでは経済界からの投資を呼び込んだり税金を使ったインフラ整備がしにくいから万博開催とセットで行おうというものであり、まさにカジノのための万博誘致と言われても仕方のないものでした。だからこそ、大阪の知事や市長は、万博開催前の二〇二四年に何としてもカジノを開業するために、今国会でこの法案を通してもらいたいと安倍政権に要請してきたのではありませんか。総理、いかがですか。  政府は、カジノをつくる目的を、外国人観光客を増やし、経済成長の目玉にするなどと言ってきました。しかし、カジノなどなくても日本への観光客は増加しています。二〇一一年から二〇一六年の外国人観光客の増加率を見ると、カジノのあるシンガポールは一二四%、カジノのない日本は三八六%の増加率です。私が選出していただいた大阪では五九五%、ちなみに、二〇一七年までを見ると、大阪の増加率は七〇〇%、七倍にも増えています。  今、外国人観光客は、日本食やショッピング、文化遺産、自然、観光地が魅力で訪日をしています。おぞましいカジノなどなくても、日本の観光も大阪の観光も十分発展している、今後も発展していきます。総理、国民が反対するカジノ建設などきっぱりと断念した方がいいのではありませんか。  先日の予算委員会で石井大臣は、カジノに来た外国人観光客をそこから全国各地に送り出す送客機能を持たせる、だから観光振興につながると答弁されました。本当でしょうか。例えば、大阪の計画では、関西国際空港から夢洲のカジノまでの高速船を走らせ、外国人観光客をカジノに囲い込む仕組みになっています。また、万博会場の真横にカジノをつくり、万博に来た観光客をカジノに誘導する計画にもなっています。こんなことをすればカジノでお金が吸い上げられて、大阪各地を観光するお金などなくなり、各地に送客どころか本国に帰国させることになるではありませんか。これでは、大阪の観光収入全体も減少してしまいます。  どういう根拠でカジノに送客機能があり、観光振興につながるのか、石井大臣、具体的にはっきり説明をしてください。  大阪、北海道、長崎などカジノ誘致に手を挙げている自治体の計画は、どこも集客見込みの八割程度が日本人です。カジノの本当のターゲットは外国人観光客ではなく日本人なのです。しかも、カジノ事業を実際に行うのは経験とノウハウを持っている海外カジノ資本です。つまり、日本人のお金を海外資本がカジノで吸い上げ、本国の株主、投資家に還元することになります。総理、これこそ究極の売国法案と言われても仕方ないのではありませんか。  昨年九月一日、大阪府知事、大阪市長とアメリカのラスベガス・サンズのアデルソン会長が会談をしています。会談後、アデルソン会長は、IR推進会議のカジノ施設の面積規制案に対し、これでは我々が望んでいたようなカジノを実現できないと批判し、面積上限が設けられれば投資を五十億ドル以下に抑えざるを得ないと述べたと報道をされています。  カジノ規制を緩和しなければ投資を減らすという脅しであります。実際に、当初の政府原案にあったカジノ面積一万五千平米の上限は撤廃されました。今回のカジノ実施法案策定に当たり、海外資本からの要望を受け入れてきたのではありませんか。石井大臣、お答えください。  今回のカジノ実施法案は、歴史上初めて民営賭博を合法化しようというものです。従来、賭博は、競馬や競輪など公営ギャンブルにだけ認められてきました。それは、公的な主体が行うなら、収益の使途を公的なものに限ることや、射幸性、すなわちギャンブル性のコントロールができると考えたからです。  総理にお聞きしますが、粗利益の七割を民間業者が懐に入れる今回の民営賭博がどうして合法だと言えるのですか。  法案が示す入場回数の制限や入場料を取ることと、個々の賭博行為の射幸性をコントロールすることは別のことです。民営賭博は、射幸性を高め、ギャンブル依存症を増やせば増やすほどもうかります。その民営賭博の射幸性をコントロールすることなど不可能ではありませんか。石井大臣の答弁を求めます。  本法案は、強い違法性があるからこそ禁じられてきた民営賭博を、違法性はそのままに解禁しようとするものです。今でさえ深刻な実態にあるギャンブル依存症を更に増加させる前代未聞の悪法です。断固廃案にするべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  23. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 辰巳議員にお答えをいたします。  国家公務員による不祥事についてお尋ねがありました。  行政をめぐる様々な問題について、行政全体に対する国民の皆様の信頼を損なう事態となっており、行政府の長としてその責任を痛感しております。行政に対する最終的な責任は総理大臣たる私にあり、改めて国民の皆様におわびを申し上げます。  再発防止策の徹底など、国民の信頼を回復するための努力を積み重ねるとともに、選挙でお約束した政策を一つ一つ実現すべく、内閣総理大臣としての職責を果たしていく決意であります。  森友学園に関し共産党が調査を求めている件についてお尋ねがありました。  御指摘の件については、先日の参議院予算委員会において国土交通大臣が、どういう対応ができるか検討したいと答弁しているものと承知しております。  カジノを含むIRの導入に関する世論の状況についてお尋ねがありました。  IRについては、カジノばかりに焦点が当たりがちなことから、様々な弊害を心配する声があることは承知しております。  カジノの設置については、依存防止対策、犯罪・治安維持対策、青少年の健全育成対策として、厳格な入場規制や広告・勧誘規制など、重層的かつ多段階的な措置を講じているところであり、政府としては、IR整備法案の策定に当たり、その制度の大枠についてパブリックコメントや説明会を実施し、国民の意見を丁寧に伺う機会を設けてきたところであります。  今後も、単なるカジノ施設ではない日本型IRのイメージを具体的に共有させていただくための全国キャラバンを実施するなど、国民に丁寧に説明を行うとともに、依存防止対策などに万全を期しながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  本法律案の審議の在り方や、大阪におけるIRと万博との関係についてお尋ねがありました。  一昨年末成立したIR推進法においては、政府は同法の施行後一年以内を目途として必要となる法制上の措置を講じなければならないとされており、政府としては、これに基づいて本法律案を国会に提出したものであります。  国会の審議の在り方については、国会においてお決めいただくことであり、行政府の長として申し上げる立場にはありません。  なお、大阪の夢洲で誘致を目指す国際博覧会は、IRと関係するものではありません。  日本型IRの導入の意義についてお尋ねがありました。  観光は我が国の成長戦略の柱であり、安倍内閣ではビザの緩和など精力的に取り組み、外国人観光客は、政権発足前の八百万人から昨年は二千八百万人を超えることとなりました。共産党の皆様にも自公のこの政策を評価していただき、ありがとうございました。二〇二〇年には四千万人、そして更なる高みを目指していきたいと考えております。  カジノ施設を含む日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営され、これまでにないような国際的な会議ビジネス等を展開し、新たなビジネスの起爆剤となり、また、世界に向けて日本の魅力を発信する、まさに総合的なリゾート施設であり、我が国を観光先進国に引き上げる原動力になると考えております。  今後、成長戦略の一つとして、魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  売国法案ではないかとのお尋ねがありました。  日本型IRは、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となると考えております。  具体的には、これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設として世界中から観光客を集め、日本各地の豊かな自然、固有の歴史、文化、伝統、食などの魅力を紹介し、IR区域への来訪客を全国各地に送り出すことにより、IRが世界と日本各地とをつなぐ交流のハブとなると考えております。  カジノによる収益の三割は、国に納付され、社会福祉の増進や文化芸術の振興に関する施設にも充当されます。  本法案は、この日本型IRの実現により、地域の活性化、さらには日本全体の健全な経済成長につながる滞在型観光を推進していくものであり、売国法案との指摘は全く当たりません。  カジノ事業の合法性についてお尋ねがありました。  IR推進法の附帯決議では、IR区域の整備の推進のために必要な措置を講ずるに当たり、目的の公益性等八つの観点から、刑法の賭博に関する法制との整合性が図られるよう、十分な検討を行うこととされております。  政府におけるIR整備法案の立案過程においては、附帯決議で示された八つの観点を踏まえた検討がなされ、特に、目的の公益性や収益の扱いについては、カジノ収益の活用によるIR区域整備を通じた観光及び地域経済の振興や、カジノ収益の国庫等納付、社会還元を通じた公益の実現、カジノ収益の不当な外部流出の防止、運営主体等の性格については、カジノ事業免許等に基づく事業者などの厳格な管理監督や、認定都道府県等と事業者が共同したIR区域整備の推進による公益の追求など、その趣旨に沿った制度設計がなされております。  このように、IR整備法案の内容は、刑法が賭博を犯罪と規定している趣旨を没却するようなものではなく、法秩序全体の整合性は確保されていると考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  24. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 辰巳議員にお答えをいたします。  森友学園への国有地売却についてお尋ねがありました。  交渉記録の公表について財務省と国交省が相談しているものとして共産党から公表されている文書については、出典等が明らかではなく、どのような性格の文書か分かりかねますので、確認を差し控えておりましたが、国会での御議論も踏まえ、どういった対応が可能か検討をしているところであります。(発言する者多し)
  25. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 静粛に願います。
  26. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君)(続) IRの送客機能についてお尋ねがありました。  IR区域の整備に当たっては、IRへの来訪客が全国各地を訪れることにより、IR区域の整備による効果を全国各地に波及させることが必要であると考えております。  このため、本法案では、IRの必置施設の一つとして、各地域の観光の魅力に関する情報を適切に提供し、併せて各地域への観光旅行に必要なサービスを一元的に提供することにより、国内の観光旅行を促進するための施設、いわゆる送客施設の設置、運営を義務付けております。  また、IRの区域整備計画の認定基準として、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現を図ることにより、観光及び地域経済の振興に寄与すると認められるものであることを定めております。  この認定基準に照らし、国土交通大臣が区域整備計画を認定するに当たっては、IRへの来訪客が周辺地域、さらには全国各地を訪れることを促す内容となっているかどうか、確認することとしております。  これらを通じまして、IRへの来訪客が全国各地を訪れることにより、IR区域の整備による効果が全国に波及する仕組みとしており、来訪客をIR区域に囲い込んで、カジノのみでお金を使わせるようなことにはならないと考えております。  本法律案の策定に当たって、海外資本からの要望についてお尋ねがありました。  本法律案は、IR推進法及び両院内閣委員会の附帯決議に基づき有識者会議で検討を行い、パブリックコメントを通じて内外から多数の御意見をいただいた上で策定したものであり、特定の要望を受け入れて制度設計したものではありません。  カジノ行為の射幸性についてお尋ねがありました。  IR整備法案では、射幸性の程度の観点に関し、カジノ行為の種類及び方法について、カジノ事業の健全な運営に対する国民の信頼を確保し、その理解を得る観点から、我が国においても行われることが社会通念上相当と認められるものとしてカジノ管理委員会規則で定めるものに制限するほか、IR区域の数やカジノ施設の数、面積の制限、カジノ施設へのアクセス等の制限、公正なカジノ行為の実施の確保を具体化した諸制度を重層的、多段階的に整備をしております。  こうした射幸性の程度を始めといたしまして、IR整備法案は、刑法の賭博に関する法制との整合性を図る上で検討すべき八つの観点を踏まえた十分な諸制度を整備しているものであり、刑法が賭博を禁じている趣旨を損なうものではなく、法秩序全体の整合性は確保されているものであります。(拍手)     ─────────────
  27. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 清水貴之君。    〔清水貴之君登壇、拍手〕
  28. 清水貴之

    ○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。  党を代表して、特定複合観光施設区域整備法案について質問をいたします。  マカオやシンガポールなどの観光に力を入れている国や地域は、統合型リゾートが国際的な観光スポットとして注目され、多くの外国人観光客を集めています。統合型リゾートを活用することによって観光地としての魅力を高め、外国人観光客数を増やし、観光産業の更なる成長が見込まれ、地方創生の大きな要因の一つにもなり、日本の国際的地位を高めることも期待されます。  六月十二日の歴史的な米朝首脳会談は、シンガポールのリゾート施設であるカペラホテルで行われました。シンガポールは、リゾート施設に国際会議を誘致することによって国際的地位を高めてきました。日本も負けてはいられません。我が国も統合型リゾート施設を利用して多くの観光客を誘致し国際的地位を高めていくべきであるという考えの下、どのような施設がふさわしいのか、質問をしていきたいと思います。  まず初めに、観光戦略としての統合型リゾート施設についてお聞きをします。  訪日外国人客が右肩上がりで増えている一方で、日本では、ナイトライフが充実していないために、夜間の観光やアミューズメントを好む欧米系の観光客の需要を取り逃がしているとも言われてきました。  公益財団法人日本交通公社による平成二十九年版アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査によると、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアにおいては統合型リゾート施設への関心の高さにはばらつきが見られたものの、統合型リゾートの中で利用してみたい施設として、ショッピングモール、ホテル、アミューズメント施設、温浴施設を挙げた人は、アジア地域ではおよそ四〇%、欧米豪地域ではおよそ三〇%を占めた一方、カジノを利用したいと答えた人は共に七%と低く、両者の人気には大きな差があります。こうした外国人観光客のニーズを踏まえると、カジノも魅力の一つではありますが、カジノ頼みではなく、カジノ以外の施設の魅力を最大限高めることで集客力が増すと考えられます。  統合型リゾート施設の整備に当たり、集客ターゲットや魅力ある施設づくりへの思いについて、総理の考えをお聞かせください。  次に、観光戦略における他国との差別化についてお伺いをします。  先ほど御紹介した意向調査によりますと、観光先として検討した際に日本と比較した国や地域として、アジアからの観光客は韓国を一番に挙げています。韓国は五十年以上統合型リゾート施設を運営してきた国であり、旅行先として日本が選ばれるためには、これらの国々よりも更に魅力ある統合型リゾート施設を整備する必要があります。  日本には風光明媚な観光地や歴史的な建造物が数多くあるので、これらの観光資源と統合型リゾート施設とが有機的な融合を図ることで、日本文化への理解を深めてもらうための強力な手段となり得るものと考えられますが、観光地として実績を上げてきている国々と比較してもより強い魅力を発する統合型リゾート施設とするための差別化はどのように図るべきだと考えますか。総理にお伺いをします。  次に、IR実施法案に係る国民の意識について質問をいたします。  今年三月に共同通信において実施されたIR実施法案に係る世論調査では、反対が六五・一%、また、四月に朝日新聞社が実施した実施法の今国会における成立の必要性についての調査では、七一%が必要はないとした結果が出ています。これは、統合型リゾート施設においてカジノの床面積が三%にとどまるにもかかわらず、ギャンブルやカジノに偏った印象を与えてしまっていることで、本来注目されるべき魅力ある施設について国民の間で理解が進んでいないことが背景にあると考えます。  今後、政府として、国民に対してどのような周知啓発が必要とお考えでしょうか。カジノという言葉への反発や抵抗感もある中、統合型リゾート施設を核とした地方創生計画を国民の理解を得ながら進めるためにも、正しく内容を伝えていくことが必要と考えますが、総理、今後の周知啓発の方針はどのようなものでしょうか。  本法案では、統合型リゾート施設を設置できる認定区域整備計画の数の上限を三としています。しかし、現在、統合型リゾート施設を誘致しようとしている地域は、北海道、横浜、大阪、長崎など、既に三を超えています。当然、選定の結果、誘致できない自治体が見込まれるわけですから、選定の過程は公平かつ透明性があるものが求められます。統合型リゾートは日本にとって初の取組であることから、事業性を計画の段階で評価するノウハウは積み上げられていませんが、どのような形で事業性を評価し、候補地を選ぶのでしょうか。また同時に、選定過程の公平性、透明性をどのように実現するのでしょうか。  加えて、区域整備計画の認定の有効期間が当初十年、更新は五年とされています。更新の際には、認定時と同様に議会の議決を経なければならないため、事業者にとっては不確定要素が大きく、積極的な再投資が見込めない等の懸念が生じるのではないでしょうか。治安や依存症対策、インフラ整備といった経済的、社会的効果は長期スパンで考えないと目的が達成されないと思われます。長期的な取組を前提とするのであれば、自治体と事業者が作る区域整備計画についても、有効期限にかかわらず長期間をベースとするべきではないでしょうか。石井大臣の見解をお聞かせください。  次に、カジノ管理委員会について質問いたします。  カジノ管理委員会は、その指定する者に、検定に必要な試験の実施に関する事務の全部又は一部を行わせることができると定められています。カジノ設備の認定試験機関については、公平性の担保だけでなく高度な専門性が必要と考えますが、政府としてどのような組織体制が必要とお考えでしょうか。総理にお伺いをします。  次に、カジノ免許について伺います。  大臣より区域整備計画を認定されてから、事業者はカジノ管理委員会にカジノ免許を申請するとともに工事に着工できるようになります。事業者にしてみれば、カジノ免許が下りる前に投資に踏み込むことになりますが、その事業者にカジノ免許が下りる保証はありません。免許が下りなければ、当然、事業者は統合型リゾートの運営ができなくなりますので、大きなリスク要因となります。また逆に、申請すれば必ず免許が下りるというのであれば、カジノに関する厳正な審査は望めません。この相反する要件をどう実現するのでしょうか。石井大臣、お答え願います。  次に、マネーロンダリング対策について質問いたします。  第百三条においてマネーロンダリング対策について定めているところですが、その具体的な内容として、取引時確認のための体制整備や評価を行うことなどが規定されています。体制整備や評価に当たっては、政府においてガイドラインの作成やあるいは評価指標等についての指針策定が必要ではないでしょうか。今後の方針についての見解をお伺いします。  次に、違法カジノの取締りについて質問をいたします。  本法律案は、統合型リゾート施設内のカジノ事業者を保護するものとされており、施設内のカジノは、目的の公益性や運営主体等の性格、収益の扱い等の八つの要素から考えて、その違法性は低く、刑法が賭博罪によって処罰していることとは矛盾しないとの説明になっています。  一方で、市中には闇カジノや違法賭博が問題となる現状がありますが、ここには公益性がない上、運営主体には正統性もありません。こうした違法カジノに対する取締りの強化について、政府としてはどのように対応するのでしょうか。国家公安委員長、具体的にお答えを願います。  我々日本維新の会は、統合型リゾート施設に、地方創生の中心的な役割を担うこと、また海外の方に日本を理解してもらうことを推進するという二つの側面について期待をしています。一方で、社会的な問題にもなっているギャンブル依存症対策は、このIR実施法と両輪で進めることによって健全性を担保することが必要と考えています。今後とも、豊かで夢のあるリゾート事業を進める努力をしていくことをお約束して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  29. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 清水議員にお答えをいたします。  IRの集客ターゲット及び魅力ある施設づくりについてお尋ねがありました。  日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営され、これまでにないような国際的な会議ビジネス等を展開し、新たなビジネスの起爆剤となり、また、世界に向けて日本の魅力を発信する、まさに総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれるものとされ、我が国を観光先進国に引き上げる原動力となると考えております。  今後、魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  日本型IRの有する国際競争力についてお尋ねがありました。  日本型IRは、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となると考えております。  具体的には、これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設として世界中から観光客を集め、日本各地の豊かな自然、固有の歴史、文化、伝統、食などの魅力を紹介し、IR区域への来訪客を全国各地に送り出すことにより、IRが世界と日本の各地とをつなぐ交流のハブとなっていくことが期待されます。  このように、日本型IRにはこれまでの他国のIRにはない独自性と国際競争力を有し、幅広く世界中の観光客を引き付けるものと考えております。  今後、我が国の魅力ある多種多様な観光資源を強みとした魅力ある日本型IRを実現するために、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  IR整備法案に関する周知啓発の方針についてお尋ねがありました。  IRについては、カジノばかりに焦点が当たりがちなことから、様々な弊害を心配する声があることは承知しています。  カジノの設置については、依存防止対策、犯罪・治安維持対策、青少年の健全育成対策として、厳格な入場規制や広告・勧誘規制など、重層的かつ多段階的な措置を講じているところであり、政府としては、IR整備法案の策定に当たり、その制度の大枠についてパブリックコメントや説明会を実施し、国民の意見を丁寧に伺う機会を設けてきたところです。  今後も、単なるカジノ施設ではない日本型IRのイメージを具体的に共有させていただくための全国キャラバンを実施するなど、国民に丁寧に説明を行うとともに、依存防止対策などに万全を期しながら、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進してまいります。  指定試験機関に関するお尋ねがありました。  IR整備法案では、健全なカジノ事業の運営を確保するため、電磁的カジノ関連機器等の型式の技術上の規格への適合性についてカジノ管理委員会が検定を行うこととするとともに、検定に必要な試験事務については、カジノ管理委員会の指定する試験機関に行わさせることができることとしております。  御指摘のとおり、指定試験機関については、高い廉潔性を確保することに加え、技術上の規格への適合性を正確に判断するため、高度な専門的知識及び経験を有する組織であることが求められるため、指定試験機関の指定に際しては、カジノ管理委員会が、申請者やその役員等が十分な社会的信用を有することや暴力団員等に該当しないこと、技術的能力や経理的基礎を有すること等の基準に適合するかを厳格に審査し、指定後についても十分な監督を行うこととしております。  カジノ事業者におけるマネーロンダリング対策についてお尋ねがありました。  IR整備法案では、マネーロンダリング対策の的確な実施の観点から、カジノ事業者に対し、犯罪収益移転防止規程に従って、従業者に対する教育訓練の実施、業務を統括管理する者の選任等の体制の整備、事業者自らが行う対策に関する評価の実施等を義務付けることとしております。  政府においては、犯罪収益移転防止法に基づいて、カジノ事業におけるマネーロンダリングの危険性の程度等の分析結果を作成、公表するほか、事業者が行うマネーロンダリング対策の参考となるガイドラインの作成等、必要な情報の提供の在り方について検討してまいりたいと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  30. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 清水議員にお答えをいたします。  IRの選定方法と選定過程の公平性、透明性の確保についてお尋ねがありました。  IR区域の整備については、都道府県又は政令指定都市が、公募により選定したIR事業者と共同で区域整備計画を作成をし、国土交通大臣の認定を受けることとしております。  認定に当たりましては、IR整備法案の目的に最大限資するよう、国土交通大臣において、認定基準に適合するかを厳正に審査をし、さらに、関係行政機関の長に協議をし、これらの同意を得るとともに、全閣僚から構成されるIR推進本部の意見を聴いて、認定を行うこととなります。  また、認定審査に当たりましては、透明性の確保が重要であるため、あらかじめ、審査項目や審査基準等、具体的な審査方法を定め、公表することが必要と考えております。  さらに、三という認定数の上限の範囲内で優れた計画を認定するため、例えば第三者による審査委員会を設置すること等により、公平かつ公正に審査を実施することが必要と考えております。  具体的には、今後、国土交通大臣において更に検討することとなります。  区域整備計画の期間についてお尋ねがありました。  本法案は、IR区域の整備を推進することにより、我が国において国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現をし、もって観光や地域経済の振興に寄与することを目的としており、IR事業を長期にわたって継続的かつ安定的に実施することは望ましいものと認識をしております。  また、IR区域の整備は地域における経済雇用情勢等に大きな影響を与えることから、本法案では、区域整備計画の作成に当たり地元において十分な合意形成を図るとともに、地元の合意を得た区域整備計画に従ってIR事業を実施することをIR事業者に義務付けております。  このような趣旨に鑑みまして、IR事業者は、積極的な投資を通じて観光や地域経済の振興に貢献するとともに、カジノ事業の実施に伴う弊害対策に万全を期すことにより、健全なIR事業に対する地元の理解を深め、地元の積極的な協力が得られるよう努めることが肝要と考えております。  なお、IR事業を長期間にわたって実施しようとする場合には、区域整備計画の申請主体である都道府県等とIR事業者が、双方の合意に基づき締結する実施協定において、協定の有効期間として長期の期間を定めることが考えられます。  カジノ事業免許の審査についてお尋ねがありました。  カジノ事業は、IR事業の実施による公益目的達成のため、これまで刑法の賭博に該当するものとして禁止されてきた行為を例外的、特権的に認めるものであり、その実施主体となるカジノ事業者については、関係者も含め、暴力団員等を徹底的に排除するなど、高い廉潔性を確保するとともに、高度な規範と責任を求める必要があります。  このため、区域整備計画が認定されたからといって当然にカジノ事業免許が付与されるわけではなく、カジノ管理委員会において、カジノ事業免許の申請者やその関係者に対し、徹底した背面調査を行うなど、厳格な免許審査を行い、それらの高い廉潔性を確認することは、カジノ事業の健全な運営を確保するために極めて重要であると考えております。(拍手)    〔国務大臣小此木八郎君登壇、拍手〕
  31. 小此木八郎

    国務大臣小此木八郎君) 清水貴之議員にお答え申し上げます。  違法カジノについてのお尋ねがありました。  これまでも警察においては、違法な賭博店等の厳正な取締りを推進してきたところであります。  こうした事案につきましては、引き続き、関連情報の収集に努めるとともに、厳正な取締りを実施するよう警察を指導してまいります。(拍手)
  32. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  33. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 日程第二 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案  日程第三 法務局における遺言書の保管等に関する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長石川博崇君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔石川博崇君登壇、拍手〕
  34. 石川博崇

    ○石川博崇君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案は、高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に鑑み、相続が開始した場合における配偶者の居住の権利及び遺産分割前における預貯金債権の行使に関する規定の新設、自筆証書遺言の方式の緩和、遺留分の減殺請求権の金銭債権化等を行おうとするものであります。  次に、法務局における遺言書の保管等に関する法律案は、高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に鑑み、相続をめぐる紛争を防止するため、法務局において自筆証書遺言に係る遺言書の保管及び情報の管理を行う制度を創設するとともに、当該遺言書については、家庭裁判所の検認を要しないこととする等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、参考人から意見を聴取するとともに、配偶者居住権の評価価値、特別の寄与に関する請求権者の範囲、相続における事実婚等の相手方の地位、遺言書保管制度の周知と遺言者への成り済ましの防止策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主党・民友会を代表して小川委員より、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案に反対、法務局における遺言書の保管等に関する法律案に賛成、沖縄の風を代表して糸数委員より、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終局し、順次採決の結果、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案は多数をもって、法務局における遺言書の保管等に関する法律案は全会一致をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  35. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  まず、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  36. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  37. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百三十     賛成              二百     反対              三十    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  38. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 次に、法務局における遺言書の保管等に関する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  39. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  40. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百三十     賛成           二百二十九     反対               一    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  41. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 日程第四 ギャンブル等依存症対策基本法案(衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長柘植芳文君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔柘植芳文君登壇、拍手〕
  42. 柘植芳文

    柘植芳文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、ギャンブル等依存症がギャンブル等依存症である者等及びその家族の日常生活又は社会生活に支障を生じさせるものであり、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせていることに鑑み、ギャンブル等依存症対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、ギャンブル等依存症対策の基本となる事項を定めること等により、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進しようとするものであります。  委員会におきましては、小西洋之君外一名発議に係るギャンブル依存症対策基本法案と一括して議題とし、参考人から意見を聴取するとともに、都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画の策定義務化の必要性、基本的施策として講じられる教育の振興、民間団体の活動に対する支援等の方向性、ギャンブル等依存症対策におけるパチンコ等の位置付け及び規制の在り方、ギャンブル等依存症対策に係る予算の確保及び費用負担の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  本法律案について質疑を終局した後、希望の会(自由・社民)の山本委員より、関係事業者に拠出を求めるための仕組みについての調査研究等を内容とする修正案が提出されました。  次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より原案及び修正案に反対、希望の会(自由・社民)の山本委員より原案に反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。  次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  43. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  44. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  45. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成            百八十三     反対             四十六    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  46. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十八分散会