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2017-04-19 第193回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 5号 公式Web版

  1. 平成二十九年四月十九日(水曜日)    午後二時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         金子原二郎君     理 事                 高階恵美子君                 長峯  誠君                 福岡 資麿君                 森本 真治君                 河野 義博君                 山添  拓君                 清水 貴之君     委 員                 青山 繁晴君                 赤池 誠章君                 岩井 茂樹君                 上月 良祐君                 島田 三郎君                 そのだ修光君                 藤木 眞也君                 森 まさこ君                 山下 雄平君                 石上 俊雄君                 石橋 通宏君                 浜野 喜史君                 矢田わか子君                 三浦 信祐君                 市田 忠義君                 片山 大介君                 山本 太郎君    事務局側        第三特別調査室        長        山内 一宏君    参考人        一般財団法人日        本エネルギー経        済研究所理事長  豊田 正和君        株式会社住環境        計画研究所代表        取締役会長    中上 英俊君        東京大学大学院        工学系研究科エ        ネルギー・資源        フロンティアセ        ンター教授    加藤 泰浩君        国立研究開発法        人産業技術総合        研究所安全科学        研究部門エネル        ギーシステム戦        略グループ主任        研究員      歌川  学君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○原子力等エネルギー・資源に関する調査  (「新たな時代に向けた我が国の資源エネルギ  ー像」のうち、資源エネルギー情勢と我が国の  対応(資源エネルギーの安定確保))     ─────────────
  2. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。  原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。  「新たな時代に向けた我が国の資源エネルギー像」のうち、「資源エネルギー情勢と我が国の対応」について調査を行うに当たって、本日は「資源エネルギーの安定確保」について参考人から意見を聴取いたします。  御出席いただいております参考人は、一般財団法人日本エネルギー経済研究所理事長豊田正和君、株式会社住環境計画研究所代表取締役会長中上英俊君、東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター教授加藤泰浩君及び国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門エネルギーシステム戦略グループ主任研究員歌川学君でございます。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多用のところ本調査会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。  皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  議事の進め方でございますが、まず豊田参考人、中上参考人、加藤参考人、歌川参考人の順にお一人二十分程度で御意見を述べていただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、豊田参考人からお願いいたします。豊田参考人。
  3. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御紹介をいただきました日本エネルギー経済研究所理事長の豊田でございます。  本日は、お招きをいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  二十分をいただいておりまして、三十八ページほどの紙でございますので、幾つか飛ばしながらお話をさせていただきます。お手元に資料もあろうかと思いますけれども、スライドの方で進めさせていただきたいと思います。(資料映写)  エネルギー情勢が大きく変わっているということを前提に日本はどのような対応をすべきかというような、そういう整理をしておりますけれども、三つほどに分けてお話をさせていただきます。  一つは、国際エネルギー情勢、内外のエネルギー情勢が変わってきている、大きく変わってきているというのが一つです。これ、五つのリスクと書いてございますが、ついこの間まで、先生方のお手元に、場合によっては七つのリスクのお話があると思うんですが、その後も八つ目が出てきたり九つ目が出てきたり、むしろ五つにまとめ上げましたということです。それからもう一つは、福島の原発の事故以降、あるいは今申し上げた五つのリスクも踏まえながら、政策の視点がどう変わってきているのか。そして最後に、政策として、政府としての政策、企業としての戦略という意味において、今五つの方向ということで整理をさせていただきました。  まず、リスクの方でございますけれども、一つは、原油価格が大きく下落をしてきておりますけれども、その先行きがよく分からないというのが一つですね。そしてもう一つ目は、中東のみならず、最近は朝鮮半島も含めてですけれども、地政学的な不安定性というのが際立ってきていると。三つ目は、パリ合意で多く世界中で共有されておりますけれども、気候変動への対応。そして、福島の事故を発端に原子力の安全性への懸念が高まったということ。最後が、去年の十一月以降に加えたものなんですけれども、新しい米国政権の誕生ということです。  ファクトが中心でございますので、早めに進めさせていただきますけれども、まず、原油価格が下落したというのはもう皆様も御存じのとおりでございます。去年の一月には一バレル二十ドル台まで下がったんですけれども、最近五十ドル前後で少し落ち着いているということですね。問題は、その結果として、この右の表にあるように、多くの産油国はみんな財政赤字でございます。これが長く続くと、中東がほぼ中心ですけれども、政治的不安定さが出てくる、もう既に出てきておりますけれども、産油国でさえおかしくなってくるということがございます。  加えて、こうやって四十年ベースで見ますと、大きな山が二つあるわけですけれども、これ二〇一四年のリアルバリューでやっておりますが、そうすると、ちょうど同じぐらいの高さになると下がり始めるということですね。問題は、下がりっ放しではなくて、どこかでまた上がるということでございます。そのタイミングがよく分からないので非常に不安であり、なかなか投資が進まない。そうすると、将来、どのぐらいのタイミングか分かりませんが、また石油価格が上がるということがあり得るということでございます。  二つ目のリスクが地政学的な不安定性ですね。中東はもう御案内のとおりで申し上げるまでもございませんけれども、加えて、ウクライナ、その背景のロシア。この右下の方にロシアへの依存度も案外高いということを書いてございます。ロシアもしっかりと安定をしていただかないと困ると。それに加えて、アジアも、中国の南シナ海への進出のみならず、最近では北朝鮮も予測不能な動きを見せてきているということは御案内のとおりでございます。この南シナ海はちなみに、原油の九割、LNGの四割が通ってくるというものです。  こういった地政学的な不安定性というのは、米国政権が一歩引いてしまったことからきていると。トランプ政権はオバマ政権のその対応をストラテジックペーシャンスというような言い方をしておりますけれども、それは言ってみれば、この下にございますように、国民の厭戦気分を反映したものでもあると。最近のトランプ政権の動きはちょっと様子が変わっておりますが、その件は後ほどもう少し申し上げたいと思います。  三つ目のリスクが気候変動でございます。この右の上にありますように、科学的には温度が上がってきているというのは否定できないと思いますが、そのスピード、そしてその影響については必ずしもはっきりはしないと。ただ、パリの合意で一定の合意ができております。そういう意味では、気候変動についてはまた後ほど述べますけれども、国際的な合意になっているということです。  それから四番目が原子力ですね。これ、最新時点の日本の再稼働のスピードを表しておりますけれども、事故の当時五十四基あったものが、廃炉分を引きますと四十二基になり、そのうち現在二十二基が審査中であり、三番目に、営業運転してきているのがほぼ四基になりつつある。これ、高浜の三号が今止まっておりますので、実際に動いているのは四列目の三基ということになりますが。高浜については、御案内のように、大阪高裁で仮処分が取消しになっていますので、三号が動き四号が動くというタイミングはそう遠くないと思いますが、いずれにしろ、二十二基のうち、審査中の、二十六基のうちこれだけしか動いていないということだと思います。  これちょっと御説明省きますけれども、原発が幾つ動くかによって電力コストが幾らになってGDPがどういうふうに変化していくのかというのを書いたものです。御質問があれば御説明をさせていただきます。  最後が米国の新政権の誕生でございます。  エネルギー、環境として整理してありますが、これは次のページでまた詳しく述べますので一番下の外交を見ていただきますと、もう一言で言えば、オバマ政権よりは前に出てくると。ただ、一般論としては、他国への介入主義は是正しているという意味では変わっていないんですが、私どもの言い方ですと選択的介入というような言い方をしております。その代表がISIS対策はしっかりやりますよと。加えて、最近では北朝鮮ということになっていると思います。中国の為替の話は、御案内のように方向転換しちゃいまして、認定をしないで終わっていると。あと、イランあるいはテロ支援国家に対する対応というのは恐らくしっかりやっていくんだろうと思います。  エネルギー、環境だけちょっとつまみ上げまして、次の二ページで御説明をいたします。  アメリカ・ファースト、アメリカ第一主義のエネルギー政策というふうに彼らは呼んでおりますけれども、一つは化石燃料重視であると。地下に眠っているアメリカの資源は可能な限り使うと。これは天然ガス、よりクリーンと言われている天然ガスのみならず、そして石油のみならず石炭も含めてということだと思います。  二つ目のキーストーン、これは、パイプラインは環境を汚すということでオバマ政権は禁止していたんですけれども、カナダから石油を運んでくるパイプラインも許可をいたしました。その結果として中東依存がほぼゼロに理論的にはできると。今のところは油種の関係でまだ中東から輸入はしておりますけれども、いざとなれば中東から輸入しなくてもいい体制ができたということだと思います。そこが日本と大きく違う点ですね。  三番目の再生可能エネルギーへはインセンティブを提供しない、連邦政府としては提供しないということですね。州政府は、提供しているところは引き続きやっていくだろうと思います。  原子力は不明なんですが、ここ最近の予算の動きを見ていると、あのユッカマウンテンの処分場に対する予算を復活させていますので、通るかどうかは別として、原子力には比較的前向きだろうというふうに私どもは推測をしております。  次のページへ参りますが、温暖化対策については、初めはでっち上げであると、ほとんど信じないような御発言をされておりました。ただ、選挙後はだんだんトーンが緩やかになってきていて、慎重に検討する、あるいは既成観念なしでオープンマインドで見ていこうということでございます。  最近の状況を見ていると、国務長官がパリ合意から離脱はやめましょうとどうも言っておられるようですので、まあ離脱はしないかもしれませんが、今まで申し上げたことで、化石燃料が増えていくという意味においては、オバマ政権の公約がうまく実現できるかどうか分かりません。  中東の関わりは、先ほど申し上げましたように、エネルギーという意味ではほとんど依存しないで済んでしまう体制ができてきて、選択的介入という意味で反テロ集中型に行くんだろうというふうに考えております。  環境庁長官に環境庁は要らないんだという人がなっておられることは御案内のとおりですけれども、環境庁についてはむしろいわゆる古典的な公害対策に集中すべきであるというそういう立場のようでございます。  次に、政策の視点ということですが、もうこれは先生方御案内のとおりなので確認のために一枚だけ見ていただきますと、福島の事故の前はエネルギーセキュリティー、エコノミックエフィシェンシー、エンバイロンメントという3Eを中心に議論していたものが、セーフティーというSが加わったということでございます。  御案内のとおりでございますので、これ以上深いところには入らないで先へ行かせていただきます。  じゃ、どうするかということで、五つほど整理をしております。  不安定な状況、先がよく見えない状況下で行うべきこととして五つほど挙げておりますのは、省エネルギー、エネルギーミックス、これは決定しましたので、実現ということになると思います。それから三番目に温暖化ガス削減目標、これも決定しましたが、実現というところが問題だと思うんですね。それから原子力の安全確保と、この温暖化ガスの削減目標のためにも再稼働は進めないと実現しないということです。それから五番目が再生可能エネルギーのコストダウンということです。今再生可能エネルギーは非常に高くなっているということが大きな問題になりつつあります。  一つ一つ簡単に参りますけれども、省エネルギーのところは、もう中上先生が最も御専門家であられますので、ありますということだけ申し上げて、先へ進ませていただきます。  二つ目のエネルギーミックスのお話ですけれども、これももう皆様御案内のとおりでございますけれども、括弧の二番目の策定の基本方針ということで、委員会でも合意した三つの項目というのがございまして、安全保障の観点から自給率を事故の前の水準に上げるということで、二五%程度にするということ。それから、電力コストは現状より、これが決まりましたのは二年ほど前ですけれども、それよりも下げるということ。そして三番目に、温暖化ガスは欧米に遜色がないものという。この目標を定性的に決めた後に言わば自動的にいろんな数字が出てきたんですが、3Eという観点から見ると完璧なエネルギーは一つもないということで、結果的には多様化、バランスというものが出てきた。  この電力、二十二ページの電源別コストというのが前提になっております。これも御説明を省きますが、ワーキンググループでこれを作った上で、先ほどの電力コストが今よりも下がるという、そういう計算をしたわけですね。  二十三ページと二十四ページは、もうしょっちゅう御覧になっているものだと思いますから御説明は省きますけれども、一次エネルギーにおけるエネルギーミックス、そして電力におけるエネルギーミックスが決まっているわけですが、ゼロエミッションという意味においては、再生可能エネルギーと原子力で四四%というのを目標にしたと。この四四%が実現できませんと温暖化ガスの削減というのは非常に難しくなってくるということでございます。  ちょっと先へ進ませていただきます。  二十六ページのパリ合意ですね。これはパリ合意と京都合意を比較していますが、パリ合意の方が百九十か国が参加している、京都は三十七か国にすぎなかったという意味では成功なんですが、合意を立ち上げても減ってはいないというところが大きな課題になっているということです。  その中で、二十七ページに多数の国が出してきた数字が書いてございますけれども、下の方を見ていただくと、BAU比ですから、ビジネス・アズ・ユージュアル、ほっておけば伸びるものが少し減りますよというふうな目標を立てている国が多いものですから、結果的には決して減っていないということです。  二十八ページが、日本、アメリカ、EUの比較でございます。基準年次が違うので簡単に比較できないんですが、そう遜色のあるものではないということは言えるだろうというふうに思います。  二十九ページですけれども、伸び伸びと増えていくビジネス・アズ・ユージュアルがこの上の黒い線ですね。それから、努力をすれば下がるだろうというのが赤い線でして、努力の半分近くが省エネになっています。そして、再生エネルギーと原子力と燃料転換、例えば石炭から天然ガスへと。下の方に黒三角がございますけれども、黒三角が今IPCCで合意されている二〇五〇年半減の数字ですので、とてもそこに届かないということでございます。  私どもの研究所としては、今のエネルギー体制、技術体制では十分ではなくて、三十ページにあるような新しい技術が必要だということを申し上げております。  ちょっと中身は省きますけれども、例えば水素製造が、CCS、カーボン・キャプチャー・ストレージとともに使われますと、先ほどのほぼ横ばいのものが更に下がるということは言えると思いますが、この技術というのはまだ必ずしも十分確立していませんし、日本にはそもそも場所もないということで、日本としては水素にして輸入するというような考え方が出てきております。  原子力の安全性については、技術と制度、これ独立性ですね、そして安全文化という三つが重要だというふうに私どもは思っております。  三十二ページに整理をしておりますが、技術はそれほど日本は遜色はないと、津波が来る前はしっかり耐えたわけですので。ただ、津波で全電源が喪失してしまったということが規律の中に入っていなかった、安全規制の中に入っていなかったという意味では制度の問題があったと。その制度も今は直っているので、むしろ文化の問題だというふうに私ども考えております。事業者が規制の基準をはるかに上回る努力を自主的に行うことと、国民が、ある意味で一定のレベルまでリスクが下がれば合理的な許容範囲だというふうに捉えて、それを支持できるかどうかということだと思います。欧米の国々はそういう考え方で進めておられます。  三十三ページは、放射線というものがある意味で相対的だということを申しているものでございますが、ちょっとお時間も限りがございますので、省かせていただきます。  そして、これが、今、司法の問題ですね。多くの国では、規制機関の判断を司法は尊重するということになっていますが、日本もようやく大阪高裁でそれに近づいたということです。  これが最後でございますけれども、再生可能エネルギーというのは大きく入ってきております。ちょっと字が小さくて恐縮ですけれども、一番右の列の一番下に八八五八というのがございますけれども、去年の九月の段階で八十九ギガワット、八千九百万キロワット入ってきています。実際には、入ってきているとは言い過ぎで、認可されています。この三分の一近くが実現していて、今後三分の二が実現していくと、その一番下に書いてございますが、FITのタリフの支払が今後二十年で五十八兆円という大きな数字であるということは多くの国民と共有をしておく必要があるだろうというふうに思っております。  そのために、再エネが太陽一辺倒でないように、三十六ページに、バランス化ということを進め、コストダウンのために必要があればオークションも入れる、そして、効率的な電力取引を実現するというようなことを念頭に改正FIT法というのも実現をしているということでございます。  以上申し上げて、大きなリスクが不安定な状況を今つくり上げていますけれども、五つの政策あるいは戦略というものを進めていったらいかがかというのが私どもの主張でございます。  ちょっと駆け足でございましたが、お時間でございますので、以上でございます。  ありがとうございました。
  4. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) ありがとうございました。  次に、中上参考人にお願いいたします。中上参考人。
  5. 中上英俊

    ○参考人(中上英俊君) 今日は貴重なお時間を頂戴しまして、ありがとうございます。  私の方からは、エネルギーの需要の動向について、特に国民に一般に御関心が深い家庭用に焦点を当てながら御紹介したいと思います。(資料映写)  開けていただきまして、三ページから行きたいと思います。  これは省エネ小委員会で私が提出したデータをやや加筆したものでありますけれども、これは、二〇〇五年三月に決めた長期需給見通しがどうなっているのかということを実際に実データで検証しようということで作ったわけでありますが、濃いブルーで右の方に伸びております一番上にありますのは、これが、ちょうど二〇〇五年に立案しました長期見通しの二〇三〇年の、ビジネス・アズ・ユージュアルでいくとこの四百二十五という数字に至るだろうと。これではとてももろもろの温暖化対策等々がクリアできませんので、この時点でも、おおむね五千万キロリッター近い省エネを見込んで三百七十七と、三億七千七百万キロリットルになりますが、そこまで下げようというのがこの二〇〇五年の目標だったわけですね。  しからば、現状どうなっているかというので、実際のデータをこれエネ研のデータから頂戴してきまして、豊田さんのところのデータを頂戴しまして、この薄いブルーになっているのが実際の実消費データでありますが、ちょうど二〇〇五年に立てたときのデータの基が四百十三というのが発射台でありますけれども、そこから自然に増えるだろうと見込んだものに対しまして、徐々に下方に移り、横ばいないし下方方向に推移しているわけでありますが、一段と下がっているのがそこにありますリーマン・ショックで、これだけ落ちたと。いかにリーマン・ショックというのが社会経済だけでなくエネルギーに対して非常に大きな影響をもたらしたのだなということがよく分かります。それが、揺り戻しが来て戻りかかったところに、御案内のように三・一一が来たわけでありまして、そこからまた下がり始めて、今三百四十二と書いてありますが、先般の速報値といいますか、でいきますとこれを更に下回り、一%ほど下回る状況で二〇一五年の実績値が出ておりますから、ある意味では省エネが加速度的に今進化している様子が読み取れるわけであります。  ただ、この傾向がこのままずっと外挿して下へ下がっていくかというと、それはそう簡単ではありませんので、これを一段と引き下げるためにどういう施策を追加的に打っていくかということが今、省エネルギー小委員会でも最大の課題になっているところでございます。  しかし、いずれにしましても、二〇〇五年に立てたときに三百七十七であったものが、もう既に二〇一四年の段階で三百四十二ですか、一割以上、これ下回っているわけでありますから、見方によっては非常に省エネ政策がうまく機能したということが取れますが、ただ、その中にリーマン・ショックがかなり大きな比重を占めておりますので、これは角を矯めて牛を殺すようなことになりかねませんから、これは決して喜ばしいことではないので、この辺をどう評価するかということは今経産省の審議会の方でもまだ審議を深めているところでありますが、幾つかここに情報が入っておりますのは、いろんな施策がこの時点時点で打たれたということは御理解いただきたいと思います。  次に、四ページでございますが、これは、じゃ、一般の御家庭でエネルギー代として支払っている光熱費がどういうふうに推移してきたかということを一九七〇年からずっとプロットしてあるわけでありますが、ここ数年を見ていただきますと、九五年以降ほぼ横ばいないし微増程度であったのが一段と上昇している傾向がうかがわれると思いますけれども、特に電気、一番下のブルーの部分が電気でありますが、電気代の負担がかなり高くなったことがお分かりいただけると思います。  折れ線グラフで消費支出に占める光熱費の割合を書いておいたんですけれども、これ六・四%になっております。  これ、実は、アメリカ、英国と比較しますと、一般御家庭で消費支出が六%なんという国はありません。大体三%から四%水準で、過去からずっと一定の率で推移しております。ここが日本の御家庭にとっては大変負担が増えている。ですから、この右の縦に書いてあるのが消費支出の光熱費支出の割合でありますけれども、大体ヨーロッパ等々は四ですから、一九七〇年代から八〇年代ぐらいの水準の比率でずっと推移していると。日本の家庭はその倍近い家庭の負担になっている。これはやはり大変家計を圧迫していることになるわけでありますから、これを何とかしていかなきゃいけない話であります。  それと同時に、その次のページを見ていただきますと、これはエネルギーの消費量を、今度一世帯当たり消費量をプロットしたものでありますけど、これは先ほどの支出額とは違いまして、大体二〇〇〇年ぐらいをピークにしてだんだん下がってきている。要は、一般一家庭当たりのエネルギー消費量は省エネの方向に完全に変わったということですね、傾向が。よく家庭用が増えた増えたと言われますけれども、家庭用の省エネは基本的には一家庭ずつでやらなきゃいけないわけでありますから、現実には、一般の世帯においてはエネルギー消費量は減少傾向に転じていると。  特に、先ほど電気代のところで見ていただきましたが、電気代は支出上がっていましたけれども、消費量を見ていただくと下がっているわけですね。電気の消費量は下がっているけれども、逆に支出は伸びているということは、やっぱり電気代の負担が極めて家庭にとって大きいということがこういうデータから取れるわけです。これは、元々は総務省の家計調査年報から取っておりますので、公式な統計値に基づく実績値であります。  次のページ、六ページでありますけれども、これは、今のは一家庭当たりでしたが、今度は総世帯当たり、全部世帯数掛け合わせた値でどうなるかという推移でありますが、ここも、御覧になっていただくと分かりますように、二〇一四年の総世帯の原単位は、これは二〇〇〇年がピークでありまして、それから約一六%ぐらい減っていると。二〇一四年の家庭部門の総エネルギー消費量は、ピークの二〇〇五年から、右のグラフですね、比べると約八%減っていると。したがいまして、なかなか省エネが進まない進まないと言われていました家庭においても、現実には──資料の方を御覧になりながらお聞きいただきたいと思います。  七ページに参りまして、これはどういう用途、あるいはどういうエネルギーが減っているのかということを種別に分析したものでありますけれども、このグラフも非常に象徴的でありまして、特に右側のグラフを見ていただきますと、二〇〇〇年、二〇〇五年ぐらいをピークにしまして、非常にいろんな用途で下がってきている。特に、二〇一〇年には照明・家電製品がまだ増エネ要因であったんですけれども、二〇一一年以降はもうほとんど全てのエネルギー用途にわたって減少が加速しているということがお分かりいただける。これは決して家の中で我慢しているとか、そういう節約しているというだけではなくて、それよりむしろ省エネの製品の普及であるとか、あるいは住宅の省エネ化であるとか、そういったものが一層この数年で加速していることがお分かりいただける。また後ほど違う図で御紹介したいと思います。  次に、八ページ目はこれ国際比較なんですね。これ、なかなかこういうデータ、お目にかかることないかもしれませんけれども、これ一番上がアメリカでありまして、以降、二番目がイギリス、それからフランス、ドイツ、それからお隣の韓国が入っていまして、一番下が日本なんですね。総量で見ていただいても、日本の総量は四十三と書いてありますが、欧米諸国が大体これの二倍弱ぐらいあると。アメリカは二・五倍ぐらいある。  ただ、中身を用途別に見てみますと、圧倒的に差があるのはこれは暖房用なんですね。むしろ一番右側に日本の、濃いブルーで描いてある、これは家電製品とか照明になるわけですが、ここは十五という数字なんですけれども、これはヨーロッパ諸国と比べていただくと日本の方が多いんですね。国によって随分エネルギーの使い方、エネルギー機器の普及の程度が違うことがお分かりいただけます。  専ら住宅の省エネというと暖房用のエネルギーを減らすので、そちらの省エネ改善をしろという御指摘が非常に多いんですけれども、これはヨーロッパと比べて五倍も差がありますから、ヨーロッパ諸国がここの省エネをやって光熱費が浮いてくる分と日本の分と比べると五倍の開きがあるものですから、投資効果がなかなか出てこないんですね。同じお金を投下しても、それで得になるエネルギー消費量というのは、向こうは五倍の規模で効いてきますけど、日本は五分の一しか効かないということで、なかなかこの断熱改修というものがスムーズに進まないというのが日本の難点なんですけれども、これはこういうところにもあります。  逆に言うと、日本の暖房水準が非常に低いと。これを外国の友人に見せますと、日本はさすがに省エネ大国だな、こんなに暖房エネルギー消費が少ないんだと言って褒めてくれるわけでありますが、冗談じゃない、家の中は寒いんだと言うんですけれども、冬に来てもらわないとなかなか実感できないわけであります。  もっとこれは付言しますと、家の中に暖かいところと寒いところがあるというのはこれまた日本の特色でありまして、昔のようにどの部屋も暖房をしていなければ、家の中でヒートショックになることはないわけですね。家の中に、居間なんかすごく暖かくて、さあ、これでお風呂に入ろうとか、トイレに行ったら全然暖房が効いていなくて、えらく寒くて、そこでヒートショックが起きる、それで家の中で死者が出るというような大変悲惨なことになっているわけでありますけれども、これは暖房が部分的に進んだものだからそういうことが起きているわけで、これは欧米はなぜこういう数字かといったら、全館冬中暖房しているという状況です。  参考までに、僕、韓国を挙げましたのは、韓国は、ほとんどの部屋は昔のオンドルというのがございまして、これは空気式の床暖房で、煙突を床下中に張り巡らせて、そこの空気で暖房したと、有名な暖房装置であります。それが今や完全な温水暖房にシフトしておりまして、ですから、韓国は冬でも家に行くとみんなはだしで歩いているというようなことで、ほとんど全館暖房に近いレベルです。  そうすると、日本の二・三倍ぐらいありますが、大体日本でもその水準に、今の断熱構造比とミックスしてやれば、三倍ぐらいあればそういう性能は確保できるんですけれども、もう今更エネルギーを増やすということを言うと叱られるものですから、この十をいかに削るかということばかり指摘されるものですから、大変苦労しております。  ちょっと横道にそれましたので、時間ないですから、次のページに行きます。  これは、今日、家庭用に絞ってお話しするのは、実は、先生方は御案内どおりかもしれませんが、日本には家庭用のエネルギー消費を構造的に経年的に捉えたデータはないんですね。先ほど私がお見せしましたのは、家計調査年報から推計したデータなんです。あるとすると、供給側のデータから分類していって、家庭用はこうだろうというのはあるんですが、実際に家庭でどう使われていたかというのを経年的に変化した統計がないんです。先進国でこういう国は日本だけであります。韓国も日本より大分早くそういう統計を整備しておる。いわんや業務用、これも一方民生で増えていると言われている非常に大きな用途の一つでありますが、業務用に至ってはもうほとんどデータがないと。  したがいまして、詳しく精査して省エネの施策を打とうとしても、現実の中身が詳細に分かっておりませんので、的確な政策反映になかなか移っていない。そういう意味では、ここ、後ほど示しますけれども、長期見通しで省エネの目標を作っておりますが、まだ抜け落ちているものは大分あると思っております。それはひとえに、データに基づいてきちっと物申すにはいささかちょっと不足しているという状況であります。  これは環境省で、総務省の公式の統計調査にやっと認定されまして、今年度から本格調査が始まりますが、去年の事前調査の結果をちょっと御紹介します。  十ページ。世帯当たりのCO2の排出量で、全国平均でいきますと一世帯当たり三・五トンぐらい出ているわけですね。左側がエネルギー種別ですけど、電気が大体七割ぐらいをそのうち出していることになります。これは家庭で出しているわけじゃないんですけど、電力会社から来るときに、電力を発電するときにこれだけ掛かっているものを家庭用に乗せているわけでありますけれども。右側が用途別でありますけれども、一番多いのはやはり四七・四%、家電製品、照明等というのは電気に由来するところが半分近く、四分の一弱が暖房と給湯であるというふうなシェアになっているわけであります。  次です。これもよく言われる図でありまして、集合住宅と戸建て住宅と比べてどうかという話でありますけれども、御覧になっていただきますと分かりますように、どちらがいいか、右の図でいきましょうか、戸建て住宅と集合住宅では倍半分ぐらい違うんですね。ですから、本当は集合住宅というのは極めて省エネルギー的でありますし、CO2少ない生活が実現できるわけであります。もっともっと本当は評価すべきだったんですが、この種のデータが余りなかったものですから、余り強調されなかったと。そういう意味では、集合住宅の在り方というのはもう一度政策的にも位置付ける必要があるんじゃないかと私も思っております。  ここで、もちろん戸建てと集合ですと面積の違いがあります。当然、戸建ての方が広いわけですし、居住人数も戸建ての方がやや多いですから、その辺を割り引いて考えなきゃいけませんが、それにしても随分差がある。特に暖房のところを見ていただくと、一番左側の赤いところですね、これでいきますと、戸建てと集合では二倍から三倍ぐらい暖房に差があると。それから、集合住宅は周りが囲まれている住居が多いわけでありますから、戸建て住宅はもう全方位外気にさらされているものでありますから、それだけやっぱり暖房の必要熱量は違うわけですね。そういったことも今回の調査で明確になりました。  次は、世帯類型別です。もうここも詳しく申し上げませんが、例えば右左どちらでも結構ですが、同じ単身者であっても高齢者と若中年では違うと。これもすぐ御理解いただけると思いますが、高齢者の方が滞在時間が長いというようなことになりますから。そういった意味で、世帯類型別でもこういうふうな差が今回明確になった。  次の十三ページでは、延べ床面積別でありますけれども、これも基本的には床面積が大きくなればエネルギー消費が増える、これは大体皆さん理解しやすいと思いますが。右側の、右でも左でもどちらでもいいんですが、集合住宅見ていただきます。集合住宅は百平米ぐらいにピークがあって、それ以上はむしろ面積が増えてもエネルギー消費は増えていないと。ちょっとお考えになっていただくと分かると思いますが、二百平米、三百平米の集合住宅というのは余り一般的じゃないわけですね。とんでもない値段しますし、恐らくお若い方は買えないわけでありますから、ここに住んでいらっしゃるのは下手すると一人か二人とかだったり、実際の生活がその辺とは違っているんじゃないかと。戸建ての場合は、大体家族人数が多ければ広くなっているという、大体それと相関しておりますけど、集合住宅の場合はこの逆転現象が出るというのは非常に面白い結果であると思いました。  こういうことを言っていると余り時間がないんですが、次に行きますと、消費者行動とエネルギーであります。いろんな省エネ項目をチェックしていただきまして、その実施率に従って分類しましてエネルギー消費を比較しますと、やはり非常によく小まめに省エネ行動をやっていただいている方は平均に比べても一五%ぐらい低いと。ここで着目すべきは、やはり消費者の行動をいかに変えていくのか、省エネ型にしていくのか、これからの非常に大きなテーマだと思います。今までここは余り着目されてきませんでした。掛け声ではいろいろありましたが、定量的に数字がありませんでした。今回こういうデータが出ましたので、一層この分野について注力する必要があろうかと思います。  次に、十五ページであります。これも非常に面白いところでありまして、これ建築年次別に、着工年次別にエネルギー消費を比較したものでありますが、二〇一一年以降に建てられた住宅は明らかにエネルギー消費が少ないんですね。いや、これだけやっぱり、いい悪いは別にしまして、非常に大きなインパクトがあって、消費者の選択行動にまで大きな影響があって省エネが加速したということが言えると思います。  同じようなデータで、次のページでLED、これは最も今省エネ、省CO2で活躍している器材の一つでありますけれども、ここも、これはLED照明ですから、別に新築しなくても家の中で取替えが利くわけでありますから、これは着工年次別に同じような時系列で並べてありますけど、明らかに二〇一一年以降に建った住宅はもう半数以上にLEDが入っているわけですね。居間に入っている。ほかのところは、取り替えるんだけれどもそこまではまだ加速していないということで、やはり二〇一一年以降、先ほど冒頭にお見せしました図からも読み取れるとおり、かなり省エネ意識、それから省エネ行動が進化してきたんだなと思います。  次の十七ページ、これは同じようなデータで、二重ガラスにしたかどうか。これも、近年に建てられた住宅はもうほとんど半数以上が複層ガラスを使っている。しかし、まだ入っていないのも四五%あるわけですから、ここはまだまだ手当てが必要でありますが、近年の住宅はより省エネ性が高くなっているということです。  十八ページ、地域別であります。ここも詳しく説明している時間はございませんけれども、一番多いのは何と北陸になるんですね。エネルギー消費量で一番多いのは北海道なんですね、当然寒いですから。しかし、CO2で換算してみますと、北陸が一番多くなる。これはなぜかというと、北陸の一世帯当たりの電力消費量が非常に多いんですね。その影響で、左の図を見ていただいたら分かりますように、ブルーのところが一段と高くなっておりますけれども、こうやって並べると北陸が一番多くなっているということであります。エネルギー消費でいくと、沖縄というのは実は九州よりずっと少ないんですけれども、ここも電力由来のCO2の排出量が多くカウントされますので、結構比重は高くなっているということはお分かりいただけると思います。  次に、省エネでありますが、ここはもう先ほど豊田先生のお話もありましたのでスキップしていきたいんですが、とにかく五千万キロリッターやらなきゃいけないと。五千万キロリッターというのがどういう数字かと私よく申し上げるんですが、今現在、日本中の住宅で一年間に使っているエネルギー消費量がおおよそ五千万キロリッターですから、その程度を減らそうと、これから二〇三〇年に向けて減らそうというのが今回の目標であります。  そのメニューが二十一、二十二と入っておりますけれども、この辺りをまた精査して、五月からまた省エネ小委員会が再スタートいたしますけれども、実績値を踏まえながら掘り込んだ議論をしようとしているところでございますけれども、大体、産業部門が四割から五割ぐらいトータルのエネルギー消費を占めているわけでありますが、省エネに対しての比重がどこに掛かっているかというのは、御覧になっていただきますと、業務用が一千二百万、家庭用が一千百万でございますから、ほとんどここにフォーカスされているということでありまして、これからの省エネは、もちろん産業も運輸ももっともっと深掘りしなきゃいけませんけれども、業務、家庭用について更に軸足を置いて深掘りしていこうというのがこれからの政策の目標であります。  次に、二十三ページ、二十五ページ、これはアメリカのACEEEという公的な省エネ機関でありますけれども、そこが世界の省エネルギーを比較して評価しているわけであります。国別の努力、建物、産業、運輸という四部門について百点満点で評価しているわけでありますけれども、次の二十六ページに結果が並べてありますけれども、日本は、おかげさまでといいますか、トップではないんですが、二位にいるわけであります。  ただ、最近ヨーロッパに行ってドイツでヒアリングしてまいりましたが、ドイツはこれだけ評価では高いんですけれども、ドイツの省エネ目標は、いわゆる再生可能エネルギーに比べると余り実際の効用は上がっていないということであります。当初の二割ぐらいの削減しようというのがまだ半分ぐらいしか行っていないということで、どうやって更に省エネを深掘りするかということで今頭を悩ませていると聞いてきましたので、もう日本の方がそういう実績と比較してみれば多分トップに来ていいんではないかと思いますけれども。  いずれにしましても、日本の実績というのは、いろんな評価の仕方がありますが、こういった表から見ても非常に高いということがお分かりいただけると思います。  次の二十七ページには、どこが遅れているかということでいえば、このビルディングと書いてある、先ほどの業務用と家庭用に類するところですね。ここが弱いのでもっと強化しろと言われているのが日本への評価でありますが、ここも最近省エネ法が強化されましたので、次回の評価ではこれは一段と上がってくると思いますから、恐らく世界のトップにもう一回日本が返り咲くのではないかと思います。  次に、もう時間がございませんので、三十ページに飛んでいただきまして、これからの省エネの中で、先ほどちょっと触れましたけれども、消費者行動をいかに省エネ型に変えていくのかという研究が今欧米では非常にフォーカスされておりまして、特に日本の場合には、エネルギー問題ってどうしても理系といいますか、そういう工学系の方がメーンなんですけれども、アメリカやヨーロッパに行きますと、この行動のポテンシャルについての評価には半数以上が女性が出てきて議論しているという状態でありまして、女性がやっぱり主役にここでもならないと実際の省エネ行動に響いてこないんだなということを痛感しましたけれども。これは、行動だけで変えていっても二割ぐらい余地があるよと。これ、全部が全部できるわけじゃありませんから、しかし余地としてはこのぐらいあるというわけでありますから、これを技術だけでやろうとしたら大変なことですけれども、消費者行動というのは非常に大きなインパクトを持っているということをちょっと御理解いただきたい。  それにつきまして、おととしでありますが、経産省の委託で、北陸電力の管内で、オーパワーというアメリカのこの分野では非常に有名な研究機関と一緒に作業をやりまして、消費者行動を変えてもらうとどうなるかという調査をやりました。  三十三ページ御覧になっていただきたいんですが、こういうレポートを請求書と一緒に一般家庭にお返ししたわけですね。こういうレポートを出しますと、こういうレポートが行っているところと行っていないところと比べると、やはり省エネ率が高くなってくる。  どの程度高くなるかというのが次でありまして、これ左が日本の実績でありますけれども、これ二か月しか予算の関係とそれを実施した時期の関係でフォローできていないわけでありますが、右側が世界中でオーパワーという会社がやったときの実例だそうでありまして、赤い線が、日本が行くと多分この線には行くだろうと。ブルーの線が、太い、細い、いっぱいありますが、これはアメリカのいろんな電力会社で彼らが実施した実績であります。オレンジ色が欧州の実績でありますけれども、恐らく日本の実績からいくと二%ぐらいまでは行くんじゃなかろうかという話をしました。  二%程度の省エネじゃしようがないというふうに批判を受けたこともあるんですけれども、いや、そんなに小さな値ではありませんよと。全国の家庭で、もしその一・二%が削減されると、今現在の冷蔵庫を全国の御家庭で千五百万台分ぐらい最新の省エネ型の冷蔵庫に変えたと同じぐらいの効果があるんですね。これ、お金にしてみるとすぐ数兆円の金になる。一台十万円じゃ今買えません、十数万しますから。そう見ますと、一%、二%は決して小さな数字ではないと。  ところが、すぐ省エネというと非常に大きな数字を求められるものですから、大きな数字を求められるとするとそういう対象は限定されてきます。しかも、それはそう簡単には普及してこないということがありますから、小さい努力だけでもこういうものをいかに多く積み上げていくかというのがこれからの省エネの非常に大きなポイントだと思いますので、是非先生方も御理解いただいて、こういうことをサポートしていただければと思います。  ちょっと雑駁になって、しかも時間オーバーしてしまいましたけれども、私からの御報告は以上でございます。  ありがとうございました。
  6. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) ありがとうございました。  次に、加藤参考人にお願いいたします。加藤参考人。
  7. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) 私は、御紹介いただきました東京大学工学系研究科の加藤でございます。  本日は、こういった海底資源、特に海底鉱物資源の開発を含めた我が国の資源確保戦略についてお話をさせていただきますが、私、スライドをポインターで指す関係上、ちょっと立って話をさせていただきたいと思います。(資料映写)  今、海底鉱物資源、どういうものがあるか。四つのタイプのものが知られております。一つ目が、海底の火山の活動に伴う熱水性の硫化物鉱床。そして、二つ目がコバルトリッチクラストという、これは、海の底には富士山と同じぐらいの高さの山がそびえていて、そこに薄皮で二センチから五センチぐらいの二酸化マンガンの皮膜が覆います、それがコバルトに富んでいるので資源になるのではないかと言われているものです。それで、三つ目がマンガンノジュール。これはもう百年以上前に見付かったものです。四千メートル深いところの海底に、直径が五センチから十センチぐらいの非常に小さい玉ころが転がっております。これが銅とかニッケルの資源になるというふうに言われているものであります。四つ目の資源が、私たちが二〇一一年に見付けた、レアアースを含んだ泥があるという新しいタイプの資源であります。  今日は、この下の三つについては、開発の可能性とかあるいはどういう課題があるかということに関しては、御質問をいただければ答えさせていただきたいと。私たちが見付けたこの資源、レアアース泥について中心に話をさせていただいて、資源の戦略どうあるべきかということを少しお話をさせていただきたいと思います。  さて、最初に、レアアースというものですが、これは、元素の周期表の中でこの黄色く塗られたところがレアメタルというものでございます。そのうちの一部がレアアースと言われるものです。第三族のスカンジウム、イットリウム、さらに、ランタノイド十五元素をここに並べております。このトータル十七元素をレアアースというふうに称しております。  質量数の軽い方、重い方、軽レアアース、重レアアースという呼び方をして、実はこれ資源としては、軽レアアースは比較的地球の表面の近くに潤沢に存在しています。それに対して、重レアアースというものが非常に希少性が高くて、ごく僅かしか取れないと。なおかつ、ここで五つ色を付けておりますが、これは資源としてより重要性の高いものを色を付けました。ジスプロシウム、テルビウム、イットリウム、これ全て重レアアースと言われるものです。それから、今日、後半の方で、実はこれからスカンジウムという資源が非常に重要になるということをお話しさせていただきます。  レアアースというのは、我が国の産業にとって非常に重要なものです。まず、なぜレアアースを使うかというと、世界で一番強い磁石を作ることができる、それから多彩な色を出すことができるというものであります。  レアアースを使うと、実は、これLEDとかハイブリッドカーに入っているのが分かるように、省エネ、エコ技術が一気に進むというグリーンテクノロジーに非常に効く資源であるということも特徴です。それと、機械が小型軽量化するために航空宇宙産業にも多用されているものです。アメリカなんかにとってみると、実はこれ軍事に非常に多用されているもので、安全保障の観点から最重要視されている資源になります。  我が国では、中国からレアアースの原料、これ五百億円分を年間輸入していて、それを使ってレアアースの製品を作っております。それの経済規模というのが大体五兆円、GDPの一%に相当する非常に大きなものになっております。我が国にとっては、まさにこれハイテク産業の生命線と言われるものですが、後半の方ではこれがエネルギーに非常に関わってくるということを先生方にお話をしたいと思います。  さて、レアアースは今後も急激に需要が見込まれております。どんどんどんどん使われるようになるだろうと。しかし、非常に深刻な資源の問題を抱えております。  一つが、まず、依然としてほとんどのものが中国に独占されているという状況、供給が中国に限られているということであります。中国は、こういった背景を踏まえて、しばしばレアアースを外交カードとして使ってまいりました。先生方御存じのように、二〇一〇年の九月七日の尖閣諸島の漁船の衝突事件をきっかけにして、中国は日本と欧米に対して輸出を非常に強く制限いたしました。こうした構図が、今レアアースの価格は下がっているので皆さん非常に誤解をされるんですが、依然として中国にこのぐらい独占されていると、中国にとってはこれ最強の外交カードであることに違いはありません。  中国がこれだけ出していると、ほとんどの鉱山全部中国にあるかというと実はそうではなくて、このレアアースの資源って世界中に存在しております。ただし、注意が必要なのが二点あって、ほとんど全てが軽レアアースの資源です。先ほど言った産業上重要度の高い重レアアースというのは、実は中国南部に限られております。ただし、オーストラリアとかアメリカとか資源の供給国としては理想的なところに軽レアアースはあるわけですから、それは本来出せるはずなんですが、これが出せない難しい深刻な問題があります。  それが、軽レアアースというのは資源として濃集する、軽レアアースが濃集するんですが、同時にトリウムとかウランも一緒に濃集してしまいます。そのために、この資源を開発すると必ず放射性元素の廃棄物の問題が起こるという非常に難しいことが起こってまいります。オーストラリアは、非常に環境基準が厳しいので、自国で製錬することはできません。それに対して中国は、環境基準が非常に甘いために、この資源を依然として安く生産できている状況になっております。  また、もう一つ注意いただきたいのは、スカンジウムという、これから重要になると言いましたが、これは中国のバヤンオボという内モンゴルの鉱山が年間十五トンしか出せない、そういう状況に今なっております。ただし、これが非常に重要になるということを後でお話しします。  それと、もう一つの重レアアースの資源というのは中国でどう開発しているかというと、これも非常に深刻な環境汚染が進んでおります。中国では、大地というか鉱山の山全体に酸をばらまいてしまうんですね。ばらまくことによってレアアースを回収しております。まさに、これ実は、どちらも環境に非常にダメージのある環境破壊型の資源というふうに言うことができます。  そうした中、私たちは、陸上のレアアースの資源と全く違うタイプのものが海の底にあるということを二〇一一年に発表したわけであります。それがレアアース泥と私たちが名付けたものです。  タヒチの東側、それからハワイの周辺海域に、大体一〇〇〇ppm、〇・一%ぐらいレアアースを含むものが大量に存在している、分布していると。例えばタヒチ沖だと、これ中国で取っているものに比べて濃度が五倍ぐらい、ハワイだと二倍ぐらいのものが十メートルとか七十メートルの厚みで積もっているということを見出したわけであります。  次の年には、私たちはこれと同じような資源が南鳥島周辺の排他的経済水域にあるということを発表いたしました。それを受けて、その次の年、二〇一三年に、ここでJAMSTECと一緒に私たち調査をして、七〇〇〇ppmという非常に高い濃度のレアアースの泥を発見するに至りました。  このレアアースの資源の長所を五つほどお話しさせていただきます。  一つ目が、今言ったように、レアアースの含有量が高いというだけではなくて、実はバランスが非常にいいんですね。希少性の高い重レアアースが何と五〇%入っている。これは中国の重レアアースが二五%であるのに対して倍入っていて、バランスが極めて理想的であると。  それから、資源量が膨大で陸上埋蔵量の千倍は優にあると。  三つ目は、これ、広い海域に泥の地層として安定して存在しているので、探査が非常に簡単です。千平方キロ、広い海域をこの四隅だけでいいんです。ピストンコアという非常に簡易な方法で取るだけで、これ一発で一週間で終わります。一週間で概略の資源探査が終わるという非常に優れたものであります。    〔会長退席、理事福岡資麿君着席〕  そして四つ目、これが一番重要です。実は、陸上のレアアースの資源、先ほど言ったようにウランとかトリウムの問題があるんですが、このレアアース泥はほとんどそういったものを含まない極めてクリーンな資源というふうに言うことができます。  五つ目は、この泥は非常にきめが細かいので、そこに常温で薄い酸を短時間漬けているだけで、塩酸の場合だと九七%、ほとんど全てのレアアースを回収できると。  まさに四拍子も五拍子もそろった夢の泥と言われているんですが、一つだけ欠点がある。それが、水深四千メートルを超える深い海にしかないということですね。  私たちは、二〇一三年から三年間にわたってJAMSTECと一緒にこの海域の概略探査を行ってまいりました。ほぼ完了いたしました。黄色いところにレアアース泥があると。赤いところに、なおかつ非常に濃度の高いものがあることを見出しております。そのうちの一部、三百十五平方キロメートル、これは南鳥島の排他的経済水域全体の僅か〇・〇七%の面積です。その部分だけでも、日本の必要量のレアアースが二百年分から三千年分あると、膨大な量があることが分かっております。  さらに、スカンジウム、これから極めて重要になると思っている資源について、先ほど言ったみたいに中国の鉱山から僅か十五トンしか出てこないもの、それが今の需要、十五トンであれば一万年分はこの三百十五平方キロにあることを確認いたしました。  じゃ、こういった資源をどうやって開発するかということに関しては、私たちは関連する、一緒に共同研究している企業と議論しております。その考えでは、基本的には南鳥島の水深、五千五百メートルを超えております。五千五百メートルを超えているんですが、エアリフトという方式で、これは泥を引き揚げる、揚泥管ですが、揚泥管に補助管を三か所ぐらいから圧縮空気を送り込みます。そうすると、泥と海水が混合したスラリー状のものを船の上に浮力を与えて引き揚げることができるだろうというものであります。  私たちは、船の上に泥を引き揚げたら、そこでもう泥からリーチングしてレアアースを取り出します。その取り出したものは東京湾周辺に運んで、残った泥については南鳥島の埋立てに使うと。これは、塩酸でリーチングしますので、水酸化ナトリウムで中和して、塩にして無害化して埋立てに使うと。これは全て、セメント会社とかいろいろ工夫をしていて、うまくいくことが分かっております。    〔理事福岡資麿君退席、会長着席〕  先生方、こういった海底の資源というと、まずもって経済性がないんじゃないかというふうに、非常によくそういうふうに言われるんですが、決してそうだとは我々は考えておりません。  これは、二〇一三年に私のところで経済性評価を行ったものです。当時は、一〇七〇ppmのレアアースの泥、平均でこれしか見付かっていなかったので、これに基づいて計算を回しました。レアアースの価格が二〇〇六年から現在までの価格で非常に上がったとき、こういうふうに上がったときであれば実は収益が出ます。ところが、御存じのように、今はここから十分の一ぐらいに下がっている。下がってしまったんですが、今我々がターゲットにしているのは五〇〇〇ppmを超える超高濃度のものをターゲットにしていて、これであればとんとんぐらいまではいける。  さらに、次のスライドでお見せする粒径選鉱というのを使うと、五〇〇〇ppmから更に倍の一万ppmにレアアースの濃度を上げられそうだということが分かってまいりました。それから、この経済性評価には最も価格が高い高価なスカンジウムを入れていなかったんですが、スカンジウムを加えると更に経済性が上がって、これは高収益で回収できるのではないかと考えております。  粒径選鉱は何かというと、泥は中に均一にレアアースが含まれているのではないんですね。非常に高濃度に含んでいるのは、実は生物源のアパタイトというのが一万から二万ppm含んでいることを我々は見出しました。実は、そのアパタイトというものがほかの泥の構成粒子に比べて有意に粒径が粗いんですね。粗いので、このダイソンの掃除機みたいなの、これハイドロサイクロンといいますが、こういったものをぐるぐると回すと、細かいものと粗いものにうまく分離することができる。で、粗いものだけを、これが欲しいですから、この濃度の極めて高いものだけを将来的には揚げることを考えています。そうすると、泥そのものも減容化することができて、なおかつ物すごい濃度の高いものが揚がってくると、こういうふうに我々は考えております。  今、東京大学にはレアアース泥開発推進コンソーシアムというのをつくっております。日本を代表する二十七の企業、機関に参加していただいて、まさに世界初の海底鉱物資源開発にそういう期待が高まっているわけであります。  ここからちょっと政策に関わる部分というか、戦略的な部分を少しお話ししたいと思います。  レアアースは、二〇一〇年から一二年にかけてのレアアースショックによって価格が暴騰したわけであります。そのときに実は日本の企業が被った損害、これは余計にお金を中国に払っているわけです。価格が高いけど買わざるを得なくて、三千億円過剰に支出しております。さらに、このとき、政府は一千億円の補正予算を投入していますから、官民合わせれば四千億円損失を被ったことになります。  じゃ、これをどうやって防げばいいのかというと、まず一つ目、私たちは揚泥実証試験というのをまずやるべきだと考えております。これは、国交省の海上技術安全研究所に二〇一四年に検討していただいたものです。日本の持っている現存の機材を活用してこの泥を引き揚げる実証試験ができないかと。これは「ちきゅう」という船を使います。「ちきゅう」という船を使えば、二年間でこのくらいの予算規模でできるのではないかという結論がこの委員会の結論でした。  これは、まず揚泥実証試験に成功するのはどういう意味を持っているかというと、それは、南鳥島の排他的経済水域に我々はレアアースの天然備蓄をしているのと全く等価になります。ですので、中国が価格を上げてくれば、ああ、それだったら「ちきゅう」を展開して二、三か月レアアースを取るだけで価格の安定化に資することができるだろうと。まずはこの試験をやることで、これは、この試験そのものはレアアースショックのときの損失の大体百分の一程度で実現可能なものです。まずはレアアースの安定確保のリスクヘッジとしては当然やるべきものだと、これは国がやるべきものというふうに考えております。  そして、今、実は中国とアメリカはこの泥に大変に興味を持っております。中国は、何と南鳥島の南側の海域でコバルトリッチクラストというものの鉱区を取っているんですが、実際に彼らは泥の調査をしていると言われております。さらに、アメリカは、ニュージーランドの近くのクック諸島沖で既に権益を確保して、そこで開発を進めようというふうにしております。  今、私たちは南鳥島の周辺にレアアース泥という国産の資源があることを確認いたしました。国産の資源があるとどういう資源戦略を取ることができるかというお話を少ししたいと思います。  その前に、今実はレアアース以外の戦略元素も非常に危ない状況になってまいりました。これは、リチウムイオン電池に必須のリチウムとコバルトの価格の変動を示したものです。急激に上がり始めました。これは、中国がコンゴのコバルト鉱山の権益を押さえることによって、さらにそれ、鉱石を自国に運んで生産するということで世界の市場を支配しようとしております。  中国の意識は、実はこれ、原料を押さえるということで、基本的には、より大きな製品マーケットサプライチェーン全体を支配することを強く意識してやっております。こういったことができるのは、実は市場規模が小さいレアメタル系のもの、レアアースとかリチウム、タングステン、アンチモンなどは非常に寡占化しやすくて、こういった展開ができると。  もう一つ注意が必要なのは、フィリピンのドゥテルテ政権が環境保護を名目にニッケル鉱山の操業停止をしております。このためにニッケルの価格は高騰が始まっております。こういう環境問題を大義名分とした資源ナショナリズムが今まさに起こり始めていて、こういう資源を握る国が自国優先主義に走ると意図的な価格の操作が可能になってまいりました。  今まで日本は、元素、資源は買ってくればいいというふうにやっていたわけですが、これは日経ビジネスの最新版ですが、これはもう元素が買えない、そういう時代に突入する可能性が出てまいりました。  じゃ、どうすればいいかということに関して、実はレアアースとかリチウム、コバルトというのはエネルギーの生産に必須の戦略的な物質で、そういったものを押さえられてしまうと、それは石油禁輸と同じようなインパクトがあります。ですから、これは国として、こういった戦略元素の資源政策というのは、基本的には、資源セキュリティーの観点で中長期的によく考えていかなければいけないと。  特にレアアースみたいなものは、これは対中国ですから市場原理が機能していないんですね。それに対して民間企業はリスクを取ることはできません。私たちのこういうプロジェクトに対してよく言われるのは、それだったら民間でやった方がいいんじゃないかということを言われるんですが、当然これ、対中国ですからリスクを取り切れないということになりますので、もう国の戦略的なバックアップが必要であるというふうに考えております。  それからもう一つ、国産資源を持つとどういう強みがあるかというと、まず供給不安リスクに左右されないということと、余計なキャッシュアウトが出ていかないということですね。それから、事業コスト自体は鉱山を開発するのにコストが掛かったとしても国内の経済に全て還元することができるので、国富の海外流出を防ぐことができます。是非とも、こういう国産資源を活用すべきではないかと考えているわけです。  もう一つ、我々が見付けたこの資源を使うとどういうインフラを整備できるかと。これは、革新的な次世代エネルギーインフラの構築ということで、時間の関係上、一例だけお話しします。  先生方、エネファームというのを御存じだと思います。各家庭で都市ガスから水素を取り出して発電するシステムです。これはもっと大規模化することも可能です。今、日本の中では、水素社会を構築しようという、エネルギー社会として水素社会ということが一部で言われておりますが、こういった水素を使う社会をつくるときに、このSOFCという、ソリッド・オキサイド・フュエルセルですね、こういった燃料電池が必ず必要になってきます。  今現在、一番効率的、高い発電効率でできるのが、実はスカンジウムを使ったものになります。今までスカンジウムは、先ほど、中国で十五トンしか出ないということがあってなかなかそれを使うことができなかったわけですが、私たちはこれに代わる非常に最高にすばらしい資源を見付けたと考えていて、これを活用すべきではないかと。  さらに、いろいろとレアアースを使えば、いろんなエネルギーインフラを構築できます。私たちは、こういったものを、国産資源を活用して次世代のエネルギー技術の創成で日本が世界を牽引すべきではないかと考えております。  これは、最後の一枚になります。私から提案として二つ集約できます。  一つは、こういった揚泥実証試験をやることによってリスクヘッジをまずすべきだと。天然の資源備蓄で中国を牽制することができるだろうと。それから、泥から始めて、泥は非常に簡単に実はスラリー状に揚げることができる。ところが、マンガンノジュールとか固形物になると結構揚げるのが大変なんですね。だから、まずは一番簡単な泥から技術開発をして、それを水平展開してほかの鉱物資源に転用することを考えた方がいいというふうに考えております。いつでも生産可能となれば外交上取れる資源戦略が一変しますので、まずはこれは国としてやっていただきたいことと考えております。  それから、もう一つが、さっき言いました、この国産の資源を活用して新産業を育成すべきではないか、創成すべきだということで、私としては、採掘から物づくりまで国家戦略として一連のサプライチェーンを構築するということを考えるべきではないかと思っております。  以上です。  どうもありがとうございました。
  8. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) ありがとうございました。  次に、歌川参考人にお願いいたします。歌川参考人。
  9. 歌川学

    ○参考人(歌川学君) 産業技術総合研究所の歌川です。よろしくお願いいたします。  またエネルギーに戻りまして、省エネがどういう大きな意義を持っているのか、説明をさせていただきます。豊田先生、中上先生が説明したところは省きながら説明をしたいと思います。(資料映写)  まず、省エネ、私、技術屋ですので、こんないい技術が工場で出荷を待っているので、どんどん普及をしたら大変大きな意義がある、効果があると思うんですけれども、省エネは、現場で我慢するものだという、そういうちょっと誤解がございます。現場の行動、大事なんですけれども、これだけに頼りますと、模式的なグラフ描かせていただきましたけれども、省エネ行動だけですと、省エネ行動の積み重ねというのはなかなかそんなにうまい具合にいかないところがあります。無理をしてしまうと、だんだん我慢がきつくなって、現状維持が難しくなる。  それに対して、省エネの設備更新をすると、一年目はLEDの改修をして、二年目に空調をしてというふうに積み重ねができて、それが、その対策効果をずっと継続ができるということで、こうした行動、こうした設備投資をどんどんやっていくことで全体の効率を上げていくと、それにプラスして省エネ行動も生きて、全体として大きな削減ができると期待できるということです。  省エネ対策の利点で、釈迦に説法で恐縮ですが、環境保全とエネルギー安定供給と経済とで大きな意義、効果があります。  温暖化防止、豊田先生紹介されていましたが、まず、科学の要請で、これからの気候変動、非常に厳しいものがあるので、化石燃料消費を大幅に削減をしないと異常気象ですとか生態系の破壊ですとか大きな悪影響があるんですが、これを防止する、あるいは緩和、その悪影響を小さくしていくために温室効果ガスを大きく削減をしなければいけないと。  これを、この科学レポートを国際政治が受け止めて、パリ協定で大変厳しい全体目標、気温上昇を産業革命前から二度に抑えよう、努力目標として一・五度にしよう、今世紀後半に人為的な温室効果ガス排出量をゼロにしようと、そんなことが話し合われて、全体目標としては出てきています。  そうすると、今見付かっている化石燃料の資源どれぐらい使えるのかということをいろんな機関が試算をして、IEA、国際エネルギー機関の試算でも、今見付かっている分、石炭が百年、石油、天然ガス五十年分ぐらいあると思いますが、それの三分の一ぐらいしか使えないと。さらに、カーボントラッカー、もっと厳しい数字を出しているところだと、全体の五分の一しか使えないのではないかという、そういう厳しいことが言われています。そうした環境制約を考えながら私たちはエネルギーの使用を考えていかなければいけないということです。  次が、大気汚染の防止と有害物質、これは化石燃料の消費、公害やいろんな有害物質の排出がございます。省エネをすれば当然こうしたものを削減できますし、また、省エネをうまくやることによって環境負荷の大きな資源から減らしていくと、そういう工夫もできると思います。  安定供給は、海外依存度の低下、こうしたことを、省エネをうまくすることによって大きく寄与することができるということですね。  あと、経済を三つ書きました。企業や家庭で光熱費を大きく削減して、省エネをすれば当然光熱費削減されるわけですけれども、設備投資が掛かります。多くの対策の場合には設備投資費も光熱費で回収ができます。エネルギーを使う側にこうしたメリットがあるということです。  今度、この省エネ設備投資をするということは、これを受ける産業がございます。この産業は需要が拡大します。省エネ工事を受注するような建設業ですとか機械産業ですとか関連サービス業などで大きな需要が拡大するということです。  これらを全体、トータルにして化石燃料の輸入費、今石油の値段下がっていますけど、石油の値段下がる前は年間で二十五兆円、高い年は二十八兆円、国民一人当たり年間二十万円を毎年毎年石炭、石油、天然ガスの輸入に費やしてきました。大変もったいないことです。こうしたことを大きく削減して、国外に流出しているこういう燃料費を、国内にお金の流れを取り戻すという、そういう大きなメリットがあるということです。  では、そうした省エネ、どういうことが考えられるかで、象徴的なところで、これは中上先生の審議会の資料ですけれども、日本の工場、石油危機以来、大きな省エネ対策をしたんですが、八〇年代に大々的に省エネ設備投資をして、それが少々老朽化して傷んでいるところがございます。それによって、このように断熱をきちんとしていたはずの配管が傷んで、ここからエネルギーロスが生じているというようなことがあります。こうしたことを点検をして、確実に防止をして省エネ対策を取っていかないと大変もったいないことになるということです。  日本の省エネの可能性といいますか、日本のエネルギー、実は三分の一しか有効に使えていなくて、三分の二は残念ながら廃熱などでロスをしてしまっているということです。この三分の二のロスは、完全には今の技術でゼロにはできませんけれども、いろんな省エネ技術を導入していくことによってこれを大きく削減することができるということです。  では、そうしたことがこれまで行われてきたかどうかですが、このグラフ、縦軸はエネルギー効率、製造業ですと生産量当たりのエネルギー、オフィスなどですと床面積当たりのエネルギー、あと車ですと輸送量当たりのエネルギー、こうしたものが九〇年に比べて良くなっていれば一より下に、つまり下に来ていて、一より上に来ているということは効率が悪くなっているということになります。  二〇一〇年までを見ますと、製造業でも運輸の旅客でも貨物でも、業務部門というのがオフィスなどです、あと家庭などでも余り効率改善が進んでいない。あと、運輸旅客については大きく効率が悪化してしまっているということがありました。二〇一一年以降、大きく省エネモードに転換をして効率が大きく改善をしています。  エネルギー総量も、二〇一〇年から見ますと、あの東日本大震災、原発事故を契機にだと思いますけれども、一〇%ほど下がってきているという、大きくモードが転換をしたということです。  では、どういう対策がこれから可能性があるのか、それを示唆するような過去の事例を見てみますと、西日本の工業都市で調査された環境省の補助事業で、ここでは四〇%削減という大きな削減値が出て報告されていました。これ、高い対策をいっぱいやったのではないかというふうに見られますけれども、全体で投資回収年が四年程度という非常に費用対効果もいいようなことでこれだけ大きな削減ができたということです。  次に、環境省の自主参加型の排出量取引、これ、取引をやっていたのではなくて、一部ありますけれども、省エネ設備投資補助も出ていて、ほとんどは自社で削減をしていたということで、これがやはり三〇%近い削減が参加工場で得られたということです。  あと、東京都が排出量取引制度を導入して、取引制度といっても、ここも取引自体は非常に制約があるような制度で、ほとんど自社で削減をされていると。これで、参加しているところの平均で、二〇一五年に基準年から二六%削減が得られて、ほとんど省エネでされているということです。  あと、ESCO事業、これは省エネサービス産業の取組ですが、オフィス系で設備更新を伴うような工事をやったところが二〇%削減、あと、工場では少し率が落ちますけれども、やはり設備更新を伴うところでは一六%削減で、いずれも結構大きな削減が過去に得られていて、それが結構日本の工場やオフィス、サービス業施設などでも可能性がありそうだということが分かります。  そうしたことの見分けとして、床面積当たりのエネルギーや床面積当たりのCO2が、同じ業種、業種が違いますと、オフィスと病院では当然病院の方がたくさんエネルギー使いますけれども、同じオフィスで比べてもどうも大きく差があるということが限られたデータですが分かってきます。  これは東京都の民間オフィスの例で、エネルギーのデータがちゃんと得られなかったのでCO2で見てみますけれども、山の中心のところに比べると、その二倍、三倍もエネルギーを使ってCO2を出しているような、そういうビルが結構あるということが分かりました。  こういうエネルギーをたくさん使ってCO2を出しているところは、別にそこの従業員がだらしないわけではなくて、そこの例えば照明器具が旧型であるとか空調設備が旧型である、あるいは断熱性能が悪い、そういうことでよそよりも二倍も三倍もエネルギーを使ってしまっていると、そういうことになっているということが考えられます。ですから、こうしたところが自社の点検をして、どういう省エネ設備を入れたらいいのかということを点検をして実際に行動に移していくと、順番にこうした行動をやっていくと、全体として大きな削減になるということが考えられます。  東京都はデータが公開されているのでこうしたことができるんですけれども、こうした整理をしていくと、各企業の経営者やエネルギーの担当の責任者の方が、自分の会社は一体、同業他社に比べてどうだろう、よそと比べてどうかという立ち位置を確認することができるので非常に自社の対策を立てやすい、そうしたことが考えられると思います。  今後の省エネ対策の模式図として、これまで省エネ法で毎年一%の効率改善が示されて、それに基づいて多くの大きな事業所では対策をやってきたと思いますが、この絵のように、よその二倍、三倍エネルギーを使っているようなところがあるとすると、そういうところは一%効率改善ではなかなか済まなくて、よそに追い付き追い越すような、そういう省エネ設備投資をやっていく、そういう可能性があるということです。それは、その会社にも、よその三倍もエネルギーを使っている、それだけ余計に使って、同業他社に対して光熱費で負けているようなところがありますので、いかに費用効果的なもので省エネ対策をやって追い付いていくかというようなことが課題になると思います。  業種別の省エネ可能性、幾つかのデータで、どれぐらいできるのかというのを示唆するような数字があります。ここに発電所は書いていないんですけれども、例えば火力発電所ですと、ここ二十年ぐらいで天然ガス火力発電所の効率向上、大変著しいものがあります。一九九〇年ぐらいまでですと発電効率四〇%以下、つまり一〇〇の燃料を使っても四〇しか電気にならない、そういう発電所が多かったわけですが、その後、八〇年代の終わりぐらいから、ガスタービンと蒸気タービン、二段階の発電をすることによって、今の最高ですと発電効率五四%、一〇〇の燃料を入れて五四が電気になると、そうした発電所まで成長してきています。そうしますと、同じ発電量でも燃料消費量が二五%から三〇%削減ができるという、今、LNG価格が安いところでも百万キロワットで大体百億円から百三十億円ぐらいは節約ができるような、そういう優秀な発電所ができてきています。  次に、素材製造業、鉄ですとかセメント、化学、紙パルプなど、こういうところはエネルギーをたくさん使ってエネルギーコストもたくさん掛けていたので、それなりに対策はやってきたところですけれども、省エネ法のベンチマークと経済産業省の制度で業種平均と優良事業者との比較ができるようになりました。そうしますと、その差が製鉄業でも九%程度、もっと大きな差があるところがあります。仮に全体が、全部の工場がいくか分かりませんけれども、全体の平均が今の優良事業者レベルになるとこうした大きな削減がどうも既存の技術でできそうだというようなことが示唆されます。  右側はオフィスなどでの削減なんですが、二段になっていますが、東京都の制度では基準年から二〇一四年までに平均で二六%も総量の削減ができて、効率も一六%から三〇%ぐらい改善をしているんですけれども、これでもう省エネ余地はないのかと見ますと、そうした削減をした後でも、平均レベルと優良レベル、ここでは上位一五%、偏差値でいいますと偏差値六十のレベル、その偏差値六十のレベルの事業所の効率を比較すると、まだまだ、一六%から大きな業種ですと半分になるような、そういう可能性があるということです。そうした可能性がこの効率を見ることによって示唆されますので、こうしたことはもっと広く情報提供されると、こうした事業者の経営者に非常に有力な判断材料になると見られます。  研究ではどんな数字が出ているかというのを、レビュー結果を、二〇三〇年の省エネ可能性をレビューしたところで、まあいろんな研究がありますけれども、二〇一〇年に比べて一〇%ぐらいの削減というところから大きなところですと三五%削減ぐらいまで、結構幅を持っていろんな研究があることが分かります。二〇五〇年ですとまだ研究は余りないですけれども、三〇%から四〇%ぐらいの大きな省エネが二〇一〇年からできるという、そういう研究もあることが分かりますので、そうすると、温室効果ガス、二〇五〇年、日本は八〇%削減という、そういう目標を地球温暖化対策計画で出ているんですけれども、こうしたことが省エネをこれだけ大きなことでやっていくとその前進に寄与するということになると思います。  これが、今度、経済性のところでどういうメリットがあるのかというのを見ますと、省エネはほとんどの場合、ほとんどの対策は光熱費の削減で元が取れますので、例えば三年で回収するようなLED化のような対策ですと、間、三年間、光熱費が下がった分、省エネ設備投資費の返済に充てて、四年目からはもうけになるということで、このもうけを人件費に回したり新規の投資に回したりという、いろんなことができるということです。  この費用対効果ですが、大まかな目安で、照明ですとか先ほどの断熱配管の改修ですとか、あと、モーターなどで融通が利かなくて常にフル出力になっているような、そういう古い機械がたくさんありますけれども、それを出力の調整が可能なものにして大きく省エネができるようにする、そうしたものは結構短期間で省エネ改修ができます。それに比べると、空調の更新などではもっと長い投資回収年になる。これは厳密には使い方と古い機器をよく調べてみないといけないんですけれども、こうした大まかな相場観を持っていただくと企業の方が安心して同意ができるんじゃないかと。  あと、お金の使い方、光熱費はほとんど、特に化石燃料代は海外に出てしまうのが、省エネ設備投資費やメンテナンス費ですと国内企業の取り分が非常に多くなって、うまくすると国内企業、地場産業でこうしたことができるということです。地元の雇用に大きく寄与する可能性があります。  経済発展で、これはGDPを成長させながらエネルギーを減らしている例です。日本ですと二〇一〇年以降そういう傾向が見られて、ヨーロッパの国はそれより前からそういう傾向が見られるということです。逆に、そういう成長が可能だということでもあります。  地域からの光熱費で、都道府県で数千億から二兆円ぐらいの光熱費の支出があって、恐らくほとんど都道府県の外に流出していると思います。これを省エネあるいは再生可能エネルギーで投資をして光熱費を減らして、その減らした分を県内の建築業ですとか機械産業などに回すことができれば、地域で省エネを達成して、かつ地場産業振興になるということです。その規模は結構大きな規模で、産業連関表でざっと計算すると数千人から数万人の雇用増になる可能性があります。  全国で対策の雇用がどれぐらい増えるかで、二〇二〇年あるいは二〇三〇年の対策試算で百六十万人から二百万人ぐらいの、これ、省エネだけでなくて温暖化対策などで再生可能エネルギー産業なども入っていますが、それぐらい大きな試算があります。  対策を更に進めるために、公的、中立な情報を出すですとか、あと相談窓口ができる、あるいは省エネの専門家の情報を提供する、いろんな施策が考えられると思いますので、そろそろ時間だと思いますので、こうした情報提供、寄与をすることによって企業あるいは地域での省エネを進めて、それが地場産業の振興や地域の雇用増加にもなるという、非常においしいメリットにもなり得るということで、省エネ対策の意義、効果などについて紹介をさせていただきました。  時間超過して申し訳ありませんでした。
  10. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。  また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。  なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。  そのだ修光君。
  11. そのだ修光

    ○そのだ修光君 自民党のそのだ修光でございます。  今日は、先生方には本当ありがとうございます。先ほどから本当にいろんな形で、私が質問しようと思ったことを全部答えていただいておりまして、もう一回再確認という意味でお尋ねいたします。ちょっと地元のことも入って先生方にお聞きしたいと思いますから、よろしくお願いいたします。  まず、再生可能エネルギーの取組状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。  私の地元は鹿児島県で、再生可能エネルギーの供給割合が全国有数の県でありまして、様々な取組が行われております。特に太陽光発電は、平成二十四年に県内初となるメガソーラーが日置市で発電を開始して、その翌年には、国内の最大規模となる発電所が鹿児島市の七ツ島というところに建設され、発電が開始をされております。県内の多くの施設が建設、計画、あるいは導入が進んでおります。また、風力発電においても大規模な風車が多数建設されているほかに洋上風力発電の開発も進められており、その実現が期待をされております。そのほかにも、地域の特性を生かした水力あるいは地熱、バイオマスというような発電が行われております。  そこで、豊田参考人にお聞きをいたします。  我が国は再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しておりますが、長期エネルギー需給見通しによると、二〇三〇年度の電源構成は再生可能エネルギーの比率が二二%から二四%程度となっております。この実現可能についてどのようにお考えをされておられるのか、また、実現するためにはどのような取組が必要とお考えになられているのか、教えていただきたいと思います。
  12. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  物すごく大ざっぱに申し上げますと、お金を掛ければできますよということだと思います。  例えば、先ほど申し上げた太陽光、ほぼ八十八ギガワットの九五%ぐらいが太陽光なんですけれども、これは認可されたものでして、実現したものは三分の一ぐらいなんですね。ただ、今経産省が、取り消しますよ、ゆっくりやっているとということになってきていますので、みんな急いでやろうとしております。そして、恐らく七割ぐらいまで行くんじゃないかなという気がいたします。  何で残るかというと、土地が確保できていなかったり、電力会社との接続契約が終わっていなかったりして、それをやろうと思ったら土地が確保できなかったり、そういう問題が出てくるから、恐らく三割ぐらい残ってしまうだろうと思いますが、例えば、もう一回やって買取りの価格を非常に高く保てばまた入ってくると思います。ただ、今はどんどん買取り価格下げていますので、そういう意味では、価格を気にしなければ入ってきますというのが一つですね。  それからもう一つは、これは太陽の場合なんですが、今度、風力ですとか地熱の場合ですと環境アセスメントが厳しいと、あるいは、特に地熱の場合には住民の方のみならず温泉業者の方が、ここを何か工夫をしないといけないんじゃないかという気がいたします。むしろ、出資者になっていただくとか、そういう形でやっていかざるを得ないと思うんですが、これも、じゃ、買取り価格を、今風力などは下げていませんが、なるべく高く維持し、あるいは更に高くすれば実現できるかもしれませんが、そうすると高くなり過ぎちゃうんで、このバランスが非常に重要だという気がいたします。  先ほど申し上げましたように、今認可されているものが全て実現しちゃいますと、今後二十年間で五十八兆円、買取り価格が変わりますので、それだけで家庭用が一四%、産業用が二〇%電気代が上がってしまいますので、そういう意味で、お金を掛ければできますよと申し上げましたが、いかにお金を掛けないでそれを実現するかということが今の工夫のしどころだと思います。  そういう意味では、環境アセスメントを速やかにやる、あるいは少しずつ進めております国立公園における開発もより緩和するとか、いろいろな工夫も併せてしないとコストばかり高くなってしまうということだと思います。  以上でございます。
  13. そのだ修光

    ○そのだ修光君 ありがとうございます。  お金を掛ければすぐできるんだよという話でありますけれども、ちょうど先ほど地熱の問題、実は私の指宿というところ、山側で地熱発電ということで、ただ、やっぱり旅館の皆さんとか、温泉が枯渇してしまうんじゃないかということで大変地元が反対しているんですよ。だから現実的にはまだ地熱発電の方向には向いていないんですけれども、これからいろんな形でまた住民の皆さんとも理解を得ていかなきゃならない大きな問題であろうと思っています。  それで、次に、加藤先生にお伺いをいたします。  南鳥島周辺の大量のレアアース泥の確認のことでお話をいただきました。我々の国にとっても資源の安定確保は重要な課題だろうと思っております。また一方で、海洋にある鉱物資源の開発には、採掘技術等の開発を含めて困難を伴うことは、今、今日お聞きをいたしました。  そして、ちょっとこのことについて、私は、地元の鹿児島湾というところで、平成二十三年度の、ここに新聞があるんですよ、五月十六日の朝日新聞に、海底でレアメタルの一つであるアンチモンを主成分とする鉱床の存在を確認しましたと、埋蔵量は我が国需要量の百八十年分に達するということで、鹿児島の地元紙なんかも大きく取り上げたんですけれども、それが一回きりで、その後もう何の話も出てこなくなって、今日はちょうどいいときに先生が来られて、鹿児島のことを聞いてみようと思って、今、今日は質問させていただきます。  このアンチモンというのは強い毒性があって、採掘に当たっては海洋汚染が生じるとか、採掘に新しい技術開発が課題になるんだと。そしてまた、しかしアンチモンは、繊維を燃えにくくする難燃剤や半導体など広く利用されている一方で、我が国は九五%以上の中国からの輸入に頼っていて、この鹿児島湾の鉱床発見は資源安全保障上も大変いいことだろうと思っております。  そこで、加藤参考人にお聞きをしますけれども、もちろんこの鹿児島湾のアンチモンのこともそうなんですけれども、先ほど南鳥島の周辺のことについて話がありました。採掘技術とか、今、今日も、泥のあれを吸い上げる技術のことなんかもやっぱり国でしっかりやってくださいよという、もう一声先生が、いや、こういう面でしっかり国で援助をしてやったら我々のこの資源のない国にとっては大変有意義なことになるんだよということをもう一回先生から訴えていただきたいと。それと、今産学官でいろんな技術のあれが進んでおろうかと思いますけれども、そのことについても先生方の要望があればここでおっしゃっていただきたいと思います。
  14. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) 御質問いただき、どうもありがとうございます。先生のおっしゃるとおりだと思います。  私も、これは技術を開発する、特に海底の鉱物資源についてどういう技術を開発すればそれが可能なのかということがまだはっきりしていない状況があります。特に、先ほどアンチモンの例をお話しされましたが、熱水鉱床とかでは実は探査のところが非常に難しい、火山の活動に伴って不均質な鉱体ができるので、その鉱量の把握というのが実はかなり難しい、そういう困難を伴っております。  それで、先生がおっしゃるように、これ本来いろんな困難をどうしても伴います。海底鉱物資源は、今まで開発した国は一つもありません。そうした中で、言ってみればフロンティアの部分を攻めていくにはどうしてもリスクを伴うので、それを私たちのところではコンソーシアムという形でいろんな企業、関係していただいていますが、そういったところがやっぱりリスクを負うということはやはり無理があると思います。だから、そういう、まず初期的な技術開発の部分については、是非やはり国にそういったところをしっかり資金的にもサポートしていただくのが一番いいんではないかと思います。  もう一点付け加えると、私たち海底の資源見ていると、この順番が、難易度がかなり違う。さっき言いました泥は、比較的、海水と混合すると、深海、五千メートルを超えても多分揚げられるんじゃないかと。ところが、ほかの鉱物資源というのは固形物なので、それを一回砕かなくちゃいけないとか、それをパイプで揚げていくときに、パイプ内で電食といってパイプが摩耗したりとか、いろんなことがあったりとか、そういう困難があるので、まず何かそういう順番を整理してやっていくのがいいんじゃないかと。  今、海底熱水鉱床がまず第一、それから次にコバルトリッチクラストというような感じが国は考えているんですが、私はもう少し考え直した方がいいんではないかと感じております。要するに、簡単なものから順番にやっていって技術を磨くということが日本には必要なんじゃないかと思っております。  以上です。
  15. そのだ修光

    ○そのだ修光君 ありがとうございます。  日本の将来にとって本当にこのエネルギーの問題、また今の鉱物資源の問題、大事なことだろうと思っていますから、国でも取り組むような形を取っていただきたいと思っております。  また、ちょっと時間がなくなりましたけれども、最後に、歌川参考人にお伺いをいたします。  我慢の省エネは長続きしないんだよというのは私も同感なんです。私は地元で社福の事業をやっていて、特養をやっているんですよ。これは大きな施設なんですね。大きな施設で、省エネ関係のものも私も幾つかちょっと経産省の省エネ対策で補助をいただいたり、やっているんですけれども、その中で、やっぱり今日の先生の説明の中でも、医療の部分というのは低いんですよね、すごく。ただ、中に、利用者さんというのは、うちの特養なんかも、余り物の言えない、だけれども気候の変動やら気温のあれをしっかりと保たないとやっていけないんですよ。  そういうことがあって、今、社福、社会福祉法人という形の中で、特養があったり、あるいはまた障害者の施設があったり、また乳児院とかいろんな形のもの、やっぱりそういう社会的な弱者の皆さんのところの施設というのは、利用者さん入っていて、そこでまた省エネの技術を入れていただくというのが本当に厳しいんですよね。これから、国の課題も、あれほど少ない産業の中の一つに出ていましたからね。  これどうしたら、先生の考えをちょっと聞かせていただきたいんですけれども、省エネの施設が進むか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  16. 歌川学

    ○参考人(歌川学君) 病院ですとか福祉施設などでは特に、健康弱者ですから我慢をさせるわけにはいかないという、とんでもないことになるかもしれないので、快適性を保った上でエネルギーだけ減らすということが非常に大事になると思います。  ほかのところと共通に取り組めるものとしては、短期で投資回収年がある照明の交換ですとか、あと、もうちょっと長いものでは空調の更新など、十年ぐらいに投資回収年がなっちゃうかもしれないですけれども、二十四時間使うようなところではもう少し投資回収年を短くできる可能性があります。  あと、医療機器などを使うところで、少々オーバースペックになって温度湿度管理が厳し過ぎるようなところが恐らくあると思いますので、そこは専門の業者と相談をしていただいて、そんなに厳格な温度湿度管理が必要ないということになりますと、大学の、ちょっと似たようなところで、動物実験のところで、厳し過ぎる管理を幾分か緩和したらエネルギー量が二割、三割減ったというような、そんな取組もありますので、医療機器や福祉施設の条件を、管理水準を少し緩和することで削減ができるようなスマートな取組ができる可能性があると考えております。
  17. そのだ修光

    ○そのだ修光君 ありがとうございました。終わります。
  18. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) 石橋通宏君。
  19. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏と申します。  まず、今日は、参考人の皆様、大変貴重な御意見、御提言を賜りまして、本当にありがとうございました。大変勉強させていただきました。  いろいろとお聞きしたいことがあるんですが、時間の関係もありますので、端的にお聞きして、全員の皆さんにお聞きできないかもしれませんが、御容赦をいただく前提で質問に入らせていただきたいと思います。  まず、豊田参考人にお聞きしたいんですが、私、かねがね政府の今後のエネルギー見通し、これは非常に、正直言って原子力に甘く再生可能エネルギーに厳しいのではないかという印象を持っています、電源別のコストの見通しですとか様々な関係で。参考人の今日のお話、事前にいただいた資料も全部読ませていただきまして、実は率直に申し上げて同様の感想を持ちました。  なので、端的にお伺いしたいのですが、例えば今日の資料でいくとスライド十二になりますが、事前にいただいていた資料ですと、先生の研究所が出されている、原子力発電所再稼働ペースの影響二〇一六年度と、再稼働が増えていけば増えていくほど効率的になってコストも低減してという説明資料になっていると思うんですが、残念ながらどこにも、じゃ、再稼働を進めたときのそれに伴う様々なコスト、それは様々な投資が必要だ、安全対策が必要だ、さらには最も重要な将来的なコストといえば核廃棄物が稼働を増やしていけば当然増えていくわけで、しかし、その点が一切、済みません、先生の資料には出てきません、見えません。  これをどのように、先生、コストに算定をしながら、例えばこの種の議論をするときには必ずそのことも併せて見ていかないと、将来の我々のエネルギー政策、議論できないのではないかと思うのですが、そこをどういうふうに考えておられるのか、端的に御説明をいただければ幸いです。
  20. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  お答えさせていただく前に、この二十二ページをちょっと見ていただくと分かりやすいかなというふうに思います。この二十二ページは、先ほど御説明は省きましたけれども、総合エネルギー調査会の審議会で議論することと並行して、ワーキンググループをつくって専門家の方々に入っていただいてそれぞれのコストを試算をしていただいているんですね、二〇三〇年におけるコストは幾らぐらいかと。  そのときに、この原子力、一番左で小さな字がいっぱい書いてございますけれども、約十円ぐらい、十円パー・キロワット・アワーぐらいになるだろうということなんですけれども、この中に、おっしゃる廃炉の部分ですとか廃棄物の処分の問題とか全て入れて計算をしていただいています。福島の処理の話はちょっとおいておいていただいて、それ以外に、事故を起こさずに円滑な形で廃炉をする、あるいは処分をするものも全部入れております。そこを前提にして計算しております。  一方、太陽光ですとか地熱とかについても同じように計算をしております。相当太陽光なんかは下がってきていますが、それでも原子力やあるいは石炭などと比べるとまだ相当高いということだと思います。  最後に一つだけ申し上げさせていただくと、約二〇%ぐらいの電源シェアを原子力が持ったときに一兆円の、それで四十年使うんですね、四十年使ったときに一兆円のコストというのは、電気代では〇・一円パー・キロワット・アワーになるということですね。五兆円掛かったとしても〇・五になるというぐらいの感覚でこの原子力を見ていただくと、それほど過小評価ではないというんでしょうか、過大評価ではないというんでしょうか、そういうことに御理解いただけるかなという気がいたします。  以上でございます。
  21. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ありがとうございます。  まさに御説明をいただいた部分で様々な議論があるというのは、もうあえてここでは申し上げませんけれども、廃炉の費用についても様々な議論があり、将来的なコストにも恐らく様々な議論があるという前提で少しお伺いをさせていただいたので、ここはここにとどめておきたいと思います。  その上で、中上参考人にお伺いしたいのですが、今日、省エネ関係で触れられた、特にお三方の現状についての認識と今後の将来どこまで行けるのかということについて、これ一般的にもいろんな御意見があろうかと思います。  私は、もっともっと行けるはずだと、ちゃんと高い目標を作って短期的に集中的に投資をすればかなり高い目標を実現できる、省エネの進展という意味で、できるのではないかという意見を持っているんですが、そのための鍵が、今日余り時間がなかったので触れていただけなかったんですが、二つあって、一つは、スマートグリッド、スマートメーターの進展、デマンドレスポンス、ネガワット取引、これ、もっと進めていけるのではないかというふうに強く思っています。  我々も、原発事故の後、この点かなり議論しまして、提言もしてまいりました。なかなか思ったようには進んでいないのではないかと。これ、先生、どういうふうにお考えか、今後進めていく必要があるとお考えであれば、どうしたらこれ進めていけるのか、そこは是非伺いをしたいのと、もう一点は、ゼロエネルギービルディングですね。シンガポール視察行ってまいりましたけれども、やはりかなり高い目標で国挙げてやっている。まあ、人口小さい国ですので、だからできるんだという意見もあるかもしれませんが、やはり、二〇三〇年、全体の八割、新規だけではなくて既存のビルも含めてという明確な目標を立てて進めている。これが日本でも必要なのではないかと思うのですが、御意見あればお聞かせください。
  22. 中上英俊

    ○参考人(中上英俊君) 御質問ありがとうございます。  まず最初の件でございますけど、幾つか、省エネといっても理解に違いがあるものがございまして、電力のピークをカットするという意味、これも広い意味で省エネというふうに捉えられていますが、これはキロワットといいますが、キロワットを削減する、これも省エネだと。通常の省エネは、エネルギー消費量そのものを減らすわけですから、キロワットアワーを減らすことになるわけですね。  スマートグリッド、ネガワットというのは、どちらかというとキロワットをいかに減らすかということになりますから、これまではキロワットを減らすようなニーズが余りなかった。これは要するに、キロワットが足りなくなると停電が起きてしまうわけですから、停電を起こしちゃならないという前提でこれまでの九電力会社体制の中では需給がバランスさせてきたわけですけど、御案内のように去年から自由化しましたので、いろんなプレーヤーがここに入ってきます。そうしますと、通常は安い価格で提供しますが、このピークを超えられたらエネルギーは高くなりますよと、これがネガワット対策と結び付いてくるわけですね。これが今後どういう展開になるかというのは、いろんなまだ見方がありますので、もう少し私はその観察が必要かなと思っております。ですから、若干やっぱり意味が違うのではないかということで、もう少し時間見なきゃ分からない。  それからスマートグリッド、それからスマートメーターにつきましては、これは、スマートメーターはどういうふうに使っているかという情報を逐次チェックできるという装置でありますから、これは非常に有効だと思います。これも自由化のタイミングでプレーヤーがいろいろと入ってきていますので、少し普及が遅れていますが、これから、これを加速すべく政府の方でも対応していただいておりますので、これが普及してくると、現実的なエネルギー消費の実態が刻一刻分かりまして、いわゆるビッグデータとして処理ができますので、これはかなり有効な戦略になってくると思います。  それから、スマートグリッドにつきましては、これは今、地産地消ということがありまして、先ほどの再生可能エネルギーと絡んでまいりますけれども、地域でできたものを地域でうまく消費していくんだというときには非常に有効なシステムでありますけれども、これ日本のようにいわゆるナショナルグリッドがかなりきめ細かく行き渡っている場合には、スマートグリッドをどう考えるかというのは、これはいろんな考え方がありますので、これはケース・バイ・ケースで評価しないと難しい。むしろ途上国でありますと、スマートグリッドのようなものを小さい単位で入れていって、つないでナショナルグリッドにしていくと、これは一番いいやり方なんで、是非そういうことを、本来は東南アジア等で日本が積極的にサポートしていくべきだと思いますけれども、これも、ですからかなりケース・バイ・ケースの話になりますので、下手をすると余り省エネにならないケースもあり得ると。  私、御説明しましたように、エネルギー需要も落ちてきていますので、今までこれだけの需要があるはずだという前提で地産地消のモデルを組んでしまうと、将来減ってしまうとこれはバランスが欠くということになりかねませんので、そういう意味では、これは需要をきちっとやっぱり、先を見てこういう新しいシステムを入れていかないと、日本の場合にはいわゆる右肩上がりの時代とは違いますので、非常に難しい時代に来ているのかなと思います。  それから、ZEB、ZEHでございますが、これも先生がおっしゃるとおりでありまして、非常に有効な技術なんですけれども、国によって違います。私、ヨーロッパでもZEB、ZEH見てまいりましたけれども、ヨーロッパの場合には余り冷房の需要がないんですね。そうすると、暖房のエネルギーを減らすことは比較的簡単なんですね。  日本の場合にはむしろ冷房の方がエネルギー消費の比重が高いというビルが多いわけでございまして、そういう意味からすると、ビルでゼロにするということはかなり難しいと言われています。通常、いろんなゼネコンの方なんかに試算していただいたりしますと、三階建てぐらいまでならZEBになるけれども、中層、高層になってくると、太陽電池を置くにしても、床面積に対応した電池の割合が少ないとかありますので、今の技術じゃなかなか行かないと。だから、ZEBを目指しながら、いかに徹底した省エネを図るかというのがまず基本だろうというふうに言われています。  ZEHの場合、これは住宅の場合ですが、これは屋根面積が五十平米、六十平米あれば優に使っている電力と生み出す電力がキャンセルできますから、住宅の場合にはかなり可能性があります。ただ、周辺の技術でまだまだコストが高うございますので、一部の先進のメーカーからはそういうものを普及をいただいていますけれども、これが全戸建て住宅に必ずやれということになりますと、かなりまだハードルが高い。特に、中小工務店の方々にかなりいろんな情報をやっぱりきちっと移転して、理解して造っていただくことになりますから、この辺りも国土交通省さん、非常に今努力されてそういう普及啓発やっていらっしゃいますので、これはビルより早く、ZEH、住宅の方が普及する可能性はあります。しかし、非常に有効な技術ですので、こんなものをどんどん皆さんに知っていただいて、できれば活用していただく方向でいければいいなと思っております。
  23. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ありがとうございました。  その上で、歌川参考人にお伺いしたいんですが、今日参考人がおっしゃっていただいた中の特に最後の後半の部分、全く同感でして、もうパラダイムシフトをやっていかないといけないな、お金をどう地域で回すかという。  これまでは地域のお金が全部外に出ていた。いや、でもむしろ、分散型のエネルギー源を持つ、そして地産地消型のエネルギー、今、中上参考人にも触れていただきましたが、これを実現することで、むしろ地域でお金を回して、地域に雇用を創出して、地域の地場の産業、企業を育てていく、これをまさに実現することができるのではないか、それによって、参考人が言われた、将来的に省エネを更に大幅に拡大していけるのではないか、潜在性にあるのではないかと思うんですが、鍵は一体何だと思われるでしょうか。  一般的に、今、省エネも将来的にせいぜい十数%ぐらいじゃないか。でも今日、参考人の資料の中でも、いや、もっと行けるんだというお話もあった。じゃ、その差は何なのか、その差を埋めるのは何なのか、端的に教えていただければ有り難く思います。
  24. 歌川学

    ○参考人(歌川学君) 御質問ありがとうございます。  情報が共有されていないことが大きいと思います。積極的にやっている事業者さんはいろいろ調べていらっしゃるからどんどん進んでいるんですけれども、なかなか調査も進んでいないところですと、自社がよその三倍、四倍エネルギーを使っているということに残念ながら気が付いていないというようなことが多々あると思います。  ですから、そうしたところで情報を行き渡らせて、しかも公的情報で、民間の情報は今でも調べようと思えばいろいろ調べられるんだと思いますけれども、自分の製品の宣伝をされてしまったり、あと、見積りを取らないと何も出てこなかったりというようなことが多々あります。それが、国ですとか県ですとかそうしたところが、この業種の効率は大体こんなものですよというようなことを、あるいは売上高に占める割合、光熱費割合はこんなものですよというのがいろいろ公的に提供されると、ああ、うちはちょっとまずいんじゃないかということで、もっとちゃんと調べさせようというような、そうしたインセンティブがどんどん働くようになって、工事も進み、また地場産業がその中で、受注の側で育っていくといういい循環が回り出す可能性が大きいと思っています。
  25. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ありがとうございます。  中上参考人が言われたレポートの関係とも関連するかなというお話だったと思います。  最後に、時間がなくなりましたので、加藤参考人に一点お伺いしたいのですが、これだけ希望のある、また将来性のある、潜在性のあるというお話、今日、大変勉強させていただきましたけれども、政府の取組についてどういうふうにお考えでしょうか。参考人の資料を読ませていただきました。なかなか経産省も、経済性の問題、今日御指摘もありましたけれども、そこについて大変厳しい見方をされている。  政府の取組についてどのような評価をされているのか、今後どのような提言を我々にしていただけるか、最後お聞かせいただいて終わりにしたいと思います。
  26. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) ありがとうございます。  この資源は見付かってからまだ間もないということがあって、まずは三か年の探査ということを経産省、JOGMECが進めてまいりました。  それを受けて経済性評価ということをやったんですが、ちょっと時間不足というか、我々が得ている最新の知見とか最新の成果というのがほとんど組み込まれない形で、例えば、我々、端的に言うと、五〇〇〇ppmの泥をターゲットにしているんですが、報告書では半分の二五〇〇でやるとか、あるいは、引き揚げた泥に対して酸を全部掛けてしまうとかいうふうにやると、当然経済性悪くなるんですよね。だから、そういうところをもうちょっと精緻な評価をしていただきたいなというふうに私自身は感じました。それは、今後、JOGMECと我々の方で精緻なそういうことを一緒にやっていきたいというふうに考えております。  以上です。
  27. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ありがとうございました。終わります。
  28. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) 三浦信祐君。
  29. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 参考人の先生方には、大変興味深い、また知見に富むお話をいただきまして、ありがとうございました。  まず、加藤参考人に様々お伺いをさせていただきたいと思います。  まず、レアアース泥は国家的戦略として進めるべきだということを今日学ばさせていただきました。そういう意味では、日本にとってこれからしっかりと取り組んでいかなきゃいけないということだと私は理解をさせていただいたんですが、今後採掘をしていくに当たっては国際的な取組が生じる可能性もあるのではないかなと、この辺の連携の必要性の有無という部分についてどう考えられているかということが一つと、そもそも、このレアアース泥の権利関係だったりとか採掘後の所有権、資金の流れ等についての現時点での、ある程度こういうことを詰めておかないといけないのではないかなという問題意識もありますので、御検討や知見があったら教えていただければと思います。
  30. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) どうもありがとうございます。  まず、この資源に関して、我々としてもオールジャパンで取組ができると一番いいなと思っているんですが、技術的な部分でいうと、例えば泥を引き揚げる技術に関してはフランスのテクニップ社とか、そういった非常に優れた技術を持っている企業がございます。だから、場合によってはそういった技術を借りるということも考えた方がいいかなと私自身は少し悩んでいる部分もあります。もちろんこれは、国産の資源としては国として対応したいというか、国、オールジャパンという体制でやりたいと思っているんですが、その部分、どうしたものかなと一つは思っております。  あとは、これ、排他的経済水域にある資源ですから、日本が優先的に当然開発することができると。ただ、その場合でも、環境に配慮したとかそういったことに関しては、国際的な、国際海底機構が取り決めた法的な環境基準みたいなのがありますので、そういったところを踏まえながらやらなければいけないだろうと。そのときには、日本独自というよりも、実はこれはアメリカとかフランスと一緒にやるというふうにした方がそういった国際海底機構のコンセンサスを得やすいというところはあります。  だから、そういったことをにらみながら、何が一番いいかということを考えながら我々はやるべきではないかというふうに考えております。  以上です。
  31. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 続けてお伺いさせていただきたいと思いますけれども、レアアースの、これから泥としていろいろ採掘されて、効率よく大体の資源量が分かるという話をしていただいたと思うんですが、一方で、石炭のように、実は、質の良さ悪さ、歩留り、そして採掘先でのその品質、そしてレアアースの充足率の差異と、また品質差というのが後から分かっただけではちょっと投資効果としてはダメージがある可能性があると。  この辺に関する知見を教えていただければと思います。
  32. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) ありがとうございます。  まさにおっしゃるとおりで、実は鉱物の資源としてのそういう品質というか良さというのがどのくらいかってすごく重要でして、実は私たちが見付けた泥に関して言うと、これは鉱山会社の方の言葉を借りると、もしこの資源が陸上にあったら中国を含めた全てのレアアースの鉱山は潰れるだろう、対抗はできないだろうと。だから、品質的には極めていいものである。それはちょっと資料の中でも強調しておりますが、重レアアースの割合が高い、それから、今後非常に重要になるスカンジウムが非常に潤沢に含まれている等を含めて、恐らく品質的にはこれを超えるレアアースの資源はないと思っております。それともう一つは、トリウムとかウランという非常にややこしいものがほとんど入ってこないというのもまた非常にいいものです。  ただ、一つ残念なのは、水深が四千メートルを超える深いところにしかないと。だから、これはやはり技術開発ということが一番私は重要になるんじゃないかなというふうに考えております。  以上です。
  33. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 続けてまたお伺いさせていただきたいんですけれども、このレアアース泥を活用するために必要となる船、四千メートルとなりますと、さあ、すぐやろうといっても簡単ではないと。その採掘をするための配管の技術であったりとか安定性、そして万が一故障したときのリスク、この辺の研究も当然必要なんじゃないかなというのと、あとは地上側のインフラ、これは、先ほど泥を埋め立てるということに活用できるというお話もありましたけれども、一方でそれを安全にどう持ってくるかという部分に関してもいろいろ検討が必要なのではないかなと。成功させるための事前の知見として是非教えていただければと思います。
  34. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) どうもありがとうございます。  まさに、その点に関しても、まず船をどう整備するかと。実は、このレアアース泥を揚泥するところに関わる企業というのは、今現在、深海の石油とかガスの開発をやっている三井海洋開発を中心とした、そういったグループでやることになっております。今、深海の石油、ガスというのは大体三千メートルまで行っていて、それを更に高度化して六千メートル級まで延ばすことが必要になってくるわけですが、そういう会社に聞くと、それほどタフではないんじゃないかなという割かし楽観的なことを言われる場合もあります。  ただ、船としてはそんなに我々心配していなくて、これはもう中古の船を買ってきて一番格安でやろうとか、それと、あと、私たちが東京大学につくっているコンソーシアムというのは、いろんな企業に入っていただいて、今先生が言われたみたいに、実はそのサポートをどうするかと。泥を揚げてきた後に、実際に船の上でその泥からレアアースを抽出して運ぶ船とかその手配は、それは商船三井と日本郵船が入っていて、彼らがそういうサポート体制を取ると。だから、私たちとしては、取ったところから始まって、製錬する、更に製品化すると。  そういう意味では、トヨタとか、今後の展開を希望して東京電力さんとかいろんなところが入っているのは、まさにフローを流そうとしているんですね。取るところからフローを流して、そういうレアアースの一連の、何というんですかね、産業をつくり上げようという意気込みでコンソーシアムはやっております。だから、今先生が言われたようなことは、我々の中でも十分に検討しながらやっていきたいというふうに考えている部分です。  以上です。
  35. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 加藤参考人、最後一つ質問させていただきたいと思います。  これは若干うがった見方なのかもしれませんが、こういうレアアース、リサイクル技術が出てくるという可能性も期待ができる。これは環境省的な発想だと思います。一方で、経産省、JOGMECの皆さんも携われたと思いますが、この先ほどの資料を見ますと、オブザーバーという位置付けになっている。と考えますと、外国鉱山の確保ということをずっと経産省はやってきたものですから、そちらに対するウエートが大きくて、こちらに対する投資というのはなかなかイメージが湧いていないんじゃないかと。これは経産省的な発想。そして、国交省的な発想として、新しい海底資源を持ってくることに様々な技術を投入をして、新たな鉱物を取りに行こうという挑戦的な発想。  典型的な縦割り的な発想かなというところがあるんですけれども、これをうまく効率化させるために我々も勉強しなきゃいけないと思いますので、先ほど石橋先生からもありましたけれども、政策的なところでお話をいただければと思います。
  36. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) ありがとうございます。  まず、リサイクルについてお話をすると、実はレアアースというのは需要がどんどん爆発的に伸びると。つまり、一〇〇%リサイクルしてもとても賄い切れないと。今、レアアースの特徴はほんのちょっとだけ入れているんですね。だから、それを回収するのに非常にコストが掛かるということもある。今、レアアースの価格が下がっていることがあって、逆にそれで全くリサイクルする気すら起きないというような状況になっています。そういうことからすると、リサイクルで何か解決できるという問題ではまずないということが一つ。  それともう一つ、東大のレアアース泥の開発推進コンソーシアムに経産省がオブザーバーという形で入っているのは、何も外からさめた目で見ているわけではなくて、これは実際に私たちがいろいろ、何というんですかね、事業を請け負うときに、当然経産省が、自分たちが入っているとそれは予算措置ということができないという問題もありますから、それはそういう意味でオブザーバーという形で入っております。  今先生が言われたみたいに、縦割りにならないようにと、確かに私もいろいろ見ていて少しじくじたる思いというか、それもう少し融通利かないのかなということがないわけではありません。  一例をちょっと挙げると、例えば今、南鳥島で調査をやっているのは、私たちとJAMSTECを中心とした、要するに文科省を中心としたところとJOGMECで、それぞれにちょっとやっているところもあって、実はそこはデータの共有をしっかり、お互いに取ったデータを共有しようということにはしているんですが、プロセスとしていろいろ、何というんですかね、プロセスを経ないとそれがなかなか難しいとかいろんなことがあって、そこに時間が掛かっちゃって、なかなか効率的に進まないという部分があることは確かです。  それは、私というよりは是非先生方に考えていただきたい部分というのは、せっかく日本の国民の税金使ってやっているのであれば、やはり効率的にやった方が私は無駄なくいくんじゃないかなと個人的には感じております。  以上です。
  37. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 加藤参考人、ありがとうございました。  次に、ドイツの再生可能エネルギー、脱原発政策から学ぶことについて、豊田参考人と歌川参考人、また中上参考人にお伺いしたいと思いますけれども、日本は原発も重要なベースロード電源としていて、また再生可能エネルギーも活用したベストミックス型の政策を取っていくということになっております。一方で、ドイツというのは、福島原発事故以降、安定性にいまだ課題の多い再生可能エネルギーを基盤的電源ソースとして位置付けていると。他方で、電気を輸入するとした政策というのはドイツならではであって、日本ではこれはちょっと採用し得ないことだというふうに私は思います。    〔会長退席、理事福岡資麿君着席〕  加えて、再生可能エネルギーですと、変動型対応の発電設備へのコストも増大している可能性がある。一説によれば、フランスの原発の電源を買ってきているという話も伺います。そして、省エネルギーに対する目標も極めて大きい中で、急進的な投資、技術進展、加えて先ほどありました使う側のモラルも求めているというような印象を受けています。  総括的に考えますと、これを日本にとってエネルギー政策を今後推進する上で学んでいかなきゃいけないこと、いい面も悪い面もあると思うんですけれども、是非教えていただければというふうに思います。
  38. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  先生御指摘のように、学べるところ、あるいは状況が全く違って参考にならないところ、両方あるというふうに思います。  まず、先生御指摘の参考にならない部分から先に申し上げますと、ドイツというのはEU全体の中の一番いい場所を占めていて、おっしゃるように、足らなければ輸入すればよいという考えをお持ちだと思います。もちろん、輸出もするんですけれども、原子力がなくなっていった場合に全てそれを再生可能エネルギーで埋められるかどうかというのは、少なくともドイツの外の人たちは結構疑問を持って見ておられます。そういう意味で、輸入ということが可能な国だということが一点。  それからもう一つ、現在、どちらかというと再生可能エネルギーは増えているんですけれども、天然ガス火力が減っていって石炭火力が維持されているという状況なんですね。    〔理事福岡資麿君退席、会長着席〕  その理由は容易に想像ができるんですが、天然ガス火力が高くて石炭が安いからなんですが、これに対しても、EUは御案内のように排出権取引というのがあるので、それを買ってくればいいというふうに割り切っておられるところもございます。  そういう意味で、参考にならない部分もありますが、ただ、私どもは、例えば省エネであれば、日本よりはもう少し、何というんでしょう、サービスセクターの方々が相当やっておられるので、日本でもむしろ電力供給者というよりはサービス提供者、サービス産業の方、ESCOとかという言い方ありますけど、ああいう方々にもっと頑張ってもらうということと、自治体ですね、地方自治体。先ほどのそのだ先生おっしゃった地熱もむしろ自治体が中心になってやっているので余り摩擦がないみたいな感じがございますので、プレーヤーとして省エネにしても再エネにしてももう少し自治体も参加してこられると大分違うかな、ここは私どもも今一生懸命学んでいるところでございます。  以上でございます。
  39. 中上英俊

    ○参考人(中上英俊君) ありがとうございます。  ドイツと日本の事情の差ですけれども、こういう今の状況に入る前、今から十年以上前ですと、日本の電気代が家庭用の電気代一つ取りましても世界で一番高かったわけでありますが、今やドイツが完全に世界で一番高い電気代を払っていることになる。それを受け入れる国民側のやっぱり受容の態度がそういうふうにさせたんだと思います。御案内のように、これまた産業用は上げないで据え置いたりしていて優遇しているわけですね。日本で恐らくそういう政策を取ると全く反対になりかねないわけでありまして、これはやっぱりドイツ人の国民性の差があると思います。  もう一点は、ドイツの場合には、もちろん福島以降更に原子力に対しては政策を強化されましたけど、それ以前の例のチェルノブイリのときの実被害を経験した、子育てに対してミルクが非常に不安だったり、そういう原体験があるものですから、極めて原子力に対してはネガティブな動きを国民としても合意が取りやすかったし、それに代わる再生可能エネルギーに対しても非常に合意が取りやすかったという、そういう事情があるので、若干やっぱり経緯が違うのかなと思います。  さはさりとて、先ほど国際比較でドイツが一番だと申し上げましたけど、あれはアメリカの機関が自分の基準によって評価したものでありまして、私どもからすると日本の方が上だと思うんですけれども、それでも、再生可能があれだけ成功したと言われながら、省エネルギーが、先ほど申し上げましたように、目標の半分にも届いていないと。いかにこれを深掘りしていくかということが喫緊の課題だと聞いておりますので、恐らく近々に非常に政策が強化されると思います。  ですから、やはり国に、置かれている状況が違うことと、ドイツ人のそういう物の見方というか考え方が日本人とは大分まだ違いがあるなというのが私の実感でございます。
  40. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) 山添拓君。
  41. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  今日は、四人の参考人の皆さん、大変ありがとうございます。勉強させていただきました。  初めに、豊田参考人、また中上参考人に伺いたいと思います。  今も少し話題になりましたが、電源構成、エネルギーミックスを今後どのように見ていくのかということで、温暖化対策やあるいはエネルギー安全保障という観点で化石燃料への依存度を下げていくべきなんだと。これは恐らく今日おいでの参考人の皆さんそれぞれ共通しているところでもあろうかと思いますが、その際に、どういう安全性やあるいはコスト、考慮要素の上に判断するかということになると。  その際に、先ほど石橋委員からもありましたが、原子力のコストという点では、一般的に原子力のコストどうかということだけではなく、福島第一原発の事故があったこの日本でどうするのかということを念頭に置かざるを得ないと。それから、廃棄物の問題ももちろんあります。他方で、再生可能エネルギーについては、前回この調査会の場でも、太陽光のコストが五年で半分になったというような報告も伺いました。世界的な発展産業だということを考えれば、今後もそのコスト低下があり得るんだろうと思います。それから、先ほど中上参考人の御意見の中では、省エネが加速度的に進んでいるというようなお話も伺いました。  そうしたことを考えると、現在の電源別コストなどを前提にしたエネルギーミックス、こういうものも、二〇三〇年度の電源構成、これも不断に見直しをしていくべきなんじゃないかと。そうすれば、その際に、様々にこれからコストがかさむことも予想される原子力に依存する、そういうやり方についても見直す余地があるんではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
  42. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  まず、原子力について、事故を起こした国として、あるいは事故を起こした福島も見ながら考えないといけないのではないかというのはおっしゃるとおりだと思います。その反省に基づいて一番大きく変わったのが規制機関の在り方でございまして、今まで推進官庁の中にあった規制機関が独立したものになって、総理ですら影響力を振るうことはできない状況になっております。そして、世界トップクラスの厳しい基準もできているわけでございます。そういう意味で、安全性の確保について、再稼働遅いと先ほど私は申し上げましたけれども、遅いのもある程度やむを得ないということだと思います。  一方、先生おっしゃったのは、それに加えてコストですよね、コストについても同じように事故を踏まえて考えなきゃいけないんじゃないかということだと思うんです。そのとおりなんですが、ただ、事故を起こした原子炉とそうでない原子炉との廃炉のコストがやはり違いますし、そういう意味で、このワーキンググループでは正常な原子炉の廃炉のコストを計算しております。それは、私としては合理的な考え方だというふうに思っております。  ただ、そうは言ったって、じゃ、事故は絶対に起きないのかというと、それはもうリスクはゼロではないので、それに備えて、事故が起きたとしても大きな問題にならないような手当てを一方でしっかりしていくということが重要で、それに対しては、この規制機関の厳しい規制の下で実現されてきているんだと私は思っております。  それから、もう一つの、再生可能エネルギーについても一言申し上げさせていただきます。  再生可能エネルギーについて、私もびっくりしたんですが、この間、ドバイですか、一月に入札されたときに、日本円で言っても三、四円ぐらいパー・キロワット・アワーでいいんじゃないかと。このワーキンググループですと、二〇三〇年度でも十五円していますから、これでも下がってはいますけれども、高いじゃないかということなんですが、それで、私どもも調べてみたんですが、まず稼働率ですけど、日本の場合にはせいぜい高くて一五%の稼働率、夜は絶対発電しませんので。それに対して、ドバイの場合は四〇%ぐらいで考えているんですね。そうすると、稼働率が二倍、三倍違うとまずコストが二分の一、三分の一になりますということが一つ。それから、土地代ですね。基本的に砂漠ですので、国がリースするみたいな形でほとんど土地代も掛かっていないようです。  そういう意味で、私はもっともっと日本のコストも下げるべきだというふうに思いますけれども、例えばドバイのように、それこそ五倍以上下がっているかもしれませんが、それと同じようになるというのはちょっと無理があるかなと。でも、更に下げる努力はすべきだというのはもう先生おっしゃるとおりだと思います。  ありがとうございます。
  43. 中上英俊

    ○参考人(中上英俊君) 今の意見に少し私の知見を申し上げますと、太陽電池で太陽光の日射の条件ですけれども、アメリカの一番悪い地域と日本の一番いいところが同じぐらいなんですね。だから、やっぱり国によって随分日射条件が違うということですね。  省エネの話でありますけれども、これまでの需要の見通しというのは、大体高めに見積もって、それをできるだけカバーするために供給をいかに追い付けていくかというのが見通しの基本にあったわけですが、京都議定書以降はそうではなくて、全部下がる見通しになってきまして、全く百八十度見通しの意味が違ってきたわけですね。  そういう意味では、低め低めに見積もっておりますから、省エネはこれからますます非常に重要な役割を負うわけでありますけれども、先ほど申し上げました今のペースで行くかというと、大体いいところからやっていきますから、だんだん残りは難しいところが残ってくるわけでありまして、そこをいかに拾い上げるかとなると、一〇%、二〇%の省エネの玉を探すということはかなり難しくなっていきます。もちろん、部分的にはございますけど。トータルでいくと、ですから、むしろ、もうちょっと小さなものをいかに拾い集めるか。一%のものを十個集めれば一〇%になるわけですからそういう努力をすべきなんですが、ついつい政策課題としても、政策を実行する方としても見栄えのいいものを取りたがるものですから、一%をやるより一〇%をというふうになってしまうので、今回の五千万キロリッターの積み上げについても、かなりそういう多めのものを見積もってありますので低めのものがかなり抜け落ちている。これは別に政策側が怠慢だからではなくて、データが、細かいものをやろうとするともっと細かいデータが必要になる、そのデータがないわけです。今やっとそういうのに対して前向きな政策が取られておりますので、今後は両面から省エネが加速できると思います。  ですから、今の省エネ見通しが非常に甘いとおっしゃる方もいらっしゃるし、難しいとおっしゃる方がいらっしゃいます。それはそういう意味があって、大きいものをやろうとすると難しいけれども、小さいのを取ればもっと取れるというふうなことだと思います。ただ、それを数値化するにはもう少しまた努力が必要だということだと思います。
  44. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございます。  そういう意味では、電力需要そのものについても絶えず見直しも可能だし、していくべきことだということだと思います。  次に、歌川参考人に伺いたいと思いますが、省エネ対策で、これを先ほどおっしゃった中でいえば、雇用につなげていったり、あるいは中小企業、地域の産業につなげていったりというお話がありました。事前に読ませていただいた著書の中では、省エネ対策というのはもうかる対策なんだというようなことも書かれておりまして、一定の期間で元が取れればコストは回収できるし、利益を上げるのと同じ効果を導くものなんだと、こういうことをおっしゃっていて、その意味では経済成長の伸び代でもあるということだろうかと思います。  こういう経済成長をさせていく省エネ対策を進めることによって省エネ産業としての新たな需要を生み出していく、その上で、先ほど情報の共有が鍵だというお話もありましたけれども、政治の側では、その政策的な面、あるいは政治そのものの姿勢としてどういう変化が求められているとお考えでしょうか。
  45. 歌川学

    ○参考人(歌川学君) 御質問ありがとうございます。  情報でいえば、その情報を公的なところできちんと収集をして広く伝えていくということは非常に大事だと思います。これまでは、そうした個別のデータはいっぱい実はあるんだと思いますけれども、それをまとめて提供するようなところがなかなかできてこなかったんだと思います。それをもっともっと広く伝えられればいいと思いますし、また、そのデータが出てきたときにそれを、じゃ、それぞれの企業で生かすときに具体的にどうしていったらいいのかの専門家活用がなかなかこれまでもできなかったので、その専門家情報も提供をして、また地域ですと、自治体にそうした専門家がなかなか今は配置ができない状況にあると思います。  ヨーロッパと比べるのは状況が違うのでよくないのかもしれないですけれども、ヨーロッパの自治体には、人事異動なしに、エネルギーの分野で学問を積んできた方が、州や県の研究所のサポートなどを得ながら、更に専門性を蓄積しながら地域の企業ですとか住民の政策指導に当たっているようなことがあります。そうした専門家をうまく活用して国や自治体の職員も専門性を更に高めて更にサポートを高めていく、そうした体制ができると相乗効果で非常にうまくいくのではないかと思います。  あと、受注側、地域の産業の側でも、一体、省エネ工事、地域で何かあるらしいけれども、どうやっていいか分からないというようなところで、行政も一緒に、工務店ならこういう断熱工事がこれから広まるので研修を一緒にやりましょうですとか、機械メーカー、地域の設備業者や中小事業者がちゃんと受注ができるように情報交換しながらパワーアップしていくようなところでも専門性を高めるような工夫が国や自治体がかんだ形でできるのではないかと考えています。
  46. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございます。  そういう点は、恐らく再生可能エネルギーに関わっても、地域に固有のエネルギー源を使って行っていくという意味で、活用策が地域の中小企業の仕事や雇用に結び付くと、地域経済に取り込むことで地域の新たな収入が生まれるという意味で非常に重要な指摘なのではないかと思いました。ありがとうございます。  最後に、もう一問行けそうですので伺いたいと思います。  レアアースに関わって伺いたいと思っているんですけれども、加藤参考人に伺いますが、今、南鳥島近海で、日本もやっているけれども中国もまた参加をしてきているというお話がありまして、資料の中では十五ページになるんでしょうか、南鳥島の周囲のEEZの外の場所で日本の獲得鉱区があり、また中国の獲得鉱区もあるということで御紹介もいただいていました。  これは、何か調べますと、国際海底機構との契約によって中国や日本が領海以外の公海上の海底資源の探査なども行っているということなんですが、とりわけ公海上での、こうした海底での鉱物の探査や試掘なども含めてなんでしょうか、国際的な規制というのはどのようになっているのか、また、今後そうしたものについてどのようにあるべきだとお考えでしょうか。
  47. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) どうもありがとうございます。手短に答えたいと思います。  まず、南鳥島の南側千キロに中国が、これは元々、レアアース泥ではなくて、コバルトリッチクラストという別のタイプの資源の鉱区を申請をして獲得したものです。日本の獲得鉱区、これもコバルトリッチクラストの鉱区を獲得しています。南鳥島の東側にあるところはそういうコバルトリッチクラストの鉱区、これは元々、韓国も含めて三か国が国際海底機構に申請を出していました。そのうち、基本的には、韓国は海底資源開発の実力としてはいま一つだというふうに判断されて、中国と日本だけが認められる形になったということです。  つまり、それは、まずどういうやり方でやるか、あるいはそれが本当にできるのかということを踏まえて、国際的な枠組みの中で公海上の資源については審査をして、それに通ればできるということですね。  それで、一点だけ。中国は、コバルトリッチクラストというのはそのオレンジ色のところに本来存在しているんですが、日本が取っているところはオレンジ色の海山がいっぱいあるんですが、中国のところはあえてぽつぽつと散点的にしかないと、大きいんですが。それは多分、彼らの狙いはコバルトリッチクラストではなくて、私は、泥にあるんだと、泥の調査にあるというふうに懸念しております。  済みません、ちょっと長めになりました。
  48. 山添拓

    ○山添拓君 レアアースについては、申請をして認められるというような、そういう仕組みはないわけですね。
  49. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) 今のところは、国際海底機構にレアアース泥についての枠組みというのはないんですよ、まだ、それは見付かったばかりなので。  ただ、これからできる、もちろんそれはできることに多分なると思いますので、特に中国は、そうなった瞬間に南鳥島の南側の公海上でレアアース泥の鉱区を獲得するように多分申請をするんじゃないかと思っています。今の時点ではそういう申請する制度はありません、レアアース泥に関しては。
  50. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございました。  終わります。
  51. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) 片山大介君。
  52. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  今日は、四人の先生方、本当に大変貴重な話をありがとうございました。私は、それぞれの先生方のちょっと話の中で気になった点を順番に聞かせていただきます。  まず豊田参考人で、私もちょっとエネルギーミックスの関係でお伺いしたいんですけれども、先生言われたように、これ、温暖化ガスの削減ありきで二〇三〇年の電源構成を決めていて、それで原発が二〇から二二%ですかね。ただ、これをやるには、新規の建設が、これが恐らく簡単にはいかないでしょうから、運転延長を十基ぐらいしないとたしかこれ成り立たない計算だったような気もするんですけれども、これは、先生、専門家の立場から見て実現可能性があるのか、どのようにこのミックスについて思っていらっしゃるか、お伺いしたいんですが。
  53. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) ありがとうございます。  ちょっとごめんなさい、質問確認します、何十基とおっしゃいました。
  54. 片山大介

    ○片山大介君 十基ぐらい、十基ぐらい運転延長必要になるのかなという。
  55. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) もし御質問を間違って捉えていたら、御指摘くださいませ。  今の、二〇三〇年に向けた二〇から二二%の原子力のシェアを実現するためには、八〇%の稼働率に上げて、事故前は六〇%だったんですね、八〇%に上げて、私ども研究所の計算ではやっぱり三十二、三基は要るということだと思います。  先ほど申し上げましたように、今四十二まで、廃炉をしちゃっていますから、四十二までが申請可能なものですが、その中で二十六しかまだ申請しておりませんけれども、三十二、三までは可能ではないかと私どもは計算していますけれども、その場合も、稼働率を六〇から八〇にしていますね。アメリカは今九〇まで行っています。韓国も九〇まで行っていますので、この独立した規制機関のより厳しいもので、それが効率良く進められれば八〇%は最低可能だろうというような議論で審議会の数字は決まっておりますし、私どもは八〇を超えてもっと九〇に向けて頑張るべきだというふうには思っていますが、モデレートなところで抑えていますので、非現実的な数字ではないのではないかというふうに私どもは考えております。
  56. 片山大介

    ○片山大介君 そうするとあれですか、余り延長ということは、四十年を超えても問題はないということ。
  57. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  二〇三〇年までは、三十二、三あれば大丈夫だということであれば延長、延長というのは四十年の延長ですか、四十年の延長であれば必要ですね。それは入っています。それを計算して、恐らく、ちょっと今数字が、必ずしも覚えていませんけれども、四十年から六十年のものを、恐らくそれまでの間に三割ぐらいは計算しているんじゃないかと思います。  ただ問題は、それが二〇四〇年になったらば四十年を六十年にしたとしても足らなくなってくる可能性があって、それで新増設という議論が出てくるということだと思います。
  58. 片山大介

    ○片山大介君 それで、エネルギー基本計画、これからまた、来年の見直し作業がこれから出てくると思うんですけれども、そこでは原発を可能な限り低減させていくというふうに、その一方で核燃サイクルも堅持すると言っているからそこにもちょっと矛盾を感じるんですけれども、その低減の中でそうしたことをやっていくというのがすごく、少し何か論理的にちょっと疑問に感じることがあるんですけれども、そこはいかがでしょうか。
  59. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) ありがとうございます。  低減をしていかなければいけないというのは大きな基本方針だということで、事故前は三〇%を超えたこともあるこの原子力のシェアを二〇ないし二二%にしたということですので、そういう意味では相当程度の低減はしているということだというふうに思います。  問題は、この後どうしていくかということはあると思いますけれども、地球温暖化に対する要請は更に厳しくなっていくわけですので、二〇五〇年に向けて更に厳しくなってまいりますので、そういう意味では、ここから先は私どもの研究所の考え方ですが、最低この下げた二〇ないし二二%からは維持をしていくのかなというふうに思っておりますが、ここは審議会ではまだ議論がされておりません。
  60. 片山大介

    ○片山大介君 分かりました。ありがとうございます。  時間がないのでちょっと次、中上先生に、光熱費の支出金額が、日本は六・四%で欧米に比べて高いとおっしゃっていて、それで、その後で消費原単位だと低いのにという話だったんですが、ちょっとここの、どう見ればいいのかが一つ分からなかったのと、これを改善していくためには、下げていくためにはどうしたらいいのかというのを併せてお伺いしたいんですが。
  61. 中上英俊

    ○参考人(中上英俊君) ありがとうございます。  なぜ高いかというと、一に掛かって電気が象徴的ですけれど、電気の使用量は落ちているんです、下がってきているんですけれども電気の支払額は上がっているという、ここが三・一一以降の非常に大きな特徴でして、六%の支出を経験したことは今まで日本は一度もなかったわけです。先進国ではまずないわけですね。消費態様でいくと、所得水準の低い方は六%というのはもちろんあるんですけれども、平均値で六%というのは非常に異常な値であります。これを下げるには、もちろん電気代が下がるにこしたことはないんですが、自分たちでやろうとすると、やっぱりエネルギーの使い方を減らす以外にないわけですね。それは、本当に細かいことを含めて総点検をしないと、簡単に六%が四%に下がることにはなりません。だから、そういう意味じゃ、あらゆる知略を動員して可能性を探っていく。  さらに、これから、日本はトップランナーという極めて厳しい家電製品等の基準を決めているわけでありますけど、更にこれが強化できるかどうかということをまた深掘りしなきゃいけないということで、これからの省エネの施策というのは、本当にかなり地道な作業をかなり多く続けていかないと、先生おっしゃるように、六%が簡単、簡単とは申しませんけど、そう昔のように四%に下がるということは簡単なことではないと私は思います。
  62. 片山大介

    ○片山大介君 それで、今言った一つの省エネの行動ですか、それで国民にも省エネルギー行動を促すという。ただ、これ、そのインセンティブを働かせるのってなかなか難しいような気がするんですけれども、これは具体的にどういうことをやれば国民運動みたいになっていくと思うのでしょうか。
  63. 中上英俊

    ○参考人(中上英俊君) 一つは、行動心理学のような手法を利用するというのは、これはアメリカやヨーロッパで既にやられていると。これも、日本でも今年から環境省で非常に大規模な実験を行う予定にしていますけれども、同じ情報を出すにも、これだけ下げたら得ですよという言い方もありますけど、こういうふうにすると省エネになりますが、ほとんどうちの近所の人はみんなやっていますよと言うと動くんですね。  人間の行動というのは極めて何かそういうところに左右されるらしくて、平均値と比べて多い、少ないという情報を出しただけでは駄目で、少ないと安心しちゃって元へ戻っちゃうんですね。そこに、アメリカの場合はにこにこマークを付けて、次は泣き顔になると、これはいかぬといって、にこにこマークが欲しいからまたやるというようなことがありますので、そういう意味では、行動を変えるというのはいろんなところにヒントがあるんだなと思います。  もう一点、行動を変えるのに重要なことは、日本人はどうも過剰な性能のものを買うことがいいことだと思っているところがあるんじゃないかと。テレビのリモコンスイッチ一つとっても、ほとんど押したことのないボタンがあるのにやたら付いているわけですけど、あれ、あらゆる人が使えるようにと作ってあるんでしょうけど、ほとんどの人が使わないボタンもあるわけですね。そういう物づくりの方も過剰になっているし、選ぶ方もいっぱい付いている方がいいと思っていると。ここ辺りもやっぱり消費者行動の広い意味での理解の仕方じゃないかと思っているんです。これから徹底的にちょっと調査してみたいと思っておりますが。
  64. 片山大介

    ○片山大介君 是非頑張っていただければと思います。  それで、歌川参考人に聞きたいのは、歌川参考人には企業側の方でちょっと聞きたいんですけれども、先ほどからちょっと質問が出ていて、経営者の意識だとか情報の共有だとかと言っていますけれども、これも大手の大企業だったら少しはそういうことに対しての考え方が働くと思うんですが、中小企業だとか、なかなか簡単にそれだけでやろうというところまで行かないと思うんですが、それに対してはどのようなアプローチというか、これ政府の、国の仕事というんでしょうか、そこら辺はどうお考えでしょうかね。
  65. 歌川学

    ○参考人(歌川学君) ありがとうございます。  情報を出すのはまず一つで、中小企業の方が調べられていないところが、経営者の方が全部一人でやらないといけないようなところがありますので、情報が確実に届くようにするというのが一つと。  あと、省エネ設備投資をするときに中小のところの方が厳しいかもしれないですね。五年で元が取れるけれども初年度の設備投資のお金が出ないというようなときに、長期の低利融資が確保されていて、事実上持ち出しなしで、光熱費の浮いた分でちゃんと返済していけますということになると、中小企業の方がもっと積極的に省エネ対策をやっていただけるのではないかと思います。
  66. 片山大介

    ○片山大介君 それで、先生の資料で、二ページ目でちょっと気になったんですけど、この計画年次のところで省エネ行動の青色とかは結構減っているんですけど、ここの説明はちょっと聞かなかったんですけど、ここはどういうことなんでしょうか。
  67. 歌川学

    ○参考人(歌川学君) 省エネ行動で、我慢で物すごく強いるようなことになると、例えば冷房をかなり止めて頑張るというようなことだと、一年目は一生懸命頑張ってやったけれども、二年目以降はちょっとそこまでは、去年きつかったので今年はちょっと勘弁してほしいというような、現場の理解が得られないとだんだん低下してしまう可能性すらあるので、もっと無理のない形でやっていく必要があるのではないかということで模式的に書かせていただきました。
  68. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、そこは中上参考人とはちょっと意見が相反するところというか、ですかね。
  69. 歌川学

    ○参考人(歌川学君) いや、ではなくて、省エネ行動でもいろんなものがあって、創意工夫でこういうところはもっと突っ込んだらいいのではないかというようなところを選んでやっていくと生きると思いますし、もうひたすら我慢で苦痛を伴うような、企業でしたら生産が落ちてしまうような、そういうことはやはり長続きしないのではないかということで、もっと生活もあるいは生産や企業活動もちゃんと維持したままウイン・ウインでやっていけるような、そういう行動を探していけると長続きすると思います。
  70. 片山大介

    ○片山大介君 ありがとうございました。  それで、あと、加藤参考人にお伺いしたいんですが、このレアアースの、レアアース泥でいいんでしたっけ、四千億円の損失に対して三十億円でできるか実証実験をというふうにおっしゃっているんですが、この実証実験で、じゃ実際に、中国を牽制できるとかというのは書かれていますけれども、どれくらいの量が取り出せるのか、実証実験だから実用化まで行く前の段階ですから、実証実験での実際の効果というんでしょうか、物理的なというか、そこはどういうふうにお考えでしょうか。
  71. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) どうもありがとうございます。  そのポイントは、何というんですかね、実証試験については、我々が考えているのは、「ちきゅう」の六インチのドリルパイプを使って一日千トンぐらいを揚げようと、それを五日間、連続的に揚げるということをまず目標にしております。それ自体は、じゃ、それを揚げた泥について、私たちはそれフローに流して実際に製品化までやるつもりではもちろんいます。ただ、それで売って何とかということを考えているわけではなくて、大事なことは、技術として、日本の技術をもってすればいつでも取れるって非常に重要なことなんですね、それを獲得しておくということは。  それが中国に対する牽制ということでいうと、当然のことながら、多分私が想像するに、中国はレアアースの価格が下がってきた一つの効果が、我々がレアアース泥というものを見付けたということが一つはあると言われていて、見付けただけ、ただそれだけじゃ駄目で、やっぱりいつでも取れるぞという体制を取れるということが非常に重要なので、その効果は非常に大きいと思います。
  72. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、まだ実用化だとかそうした時間、結局経済的にペイできるかとかというのが実用化に向けての大切な基準になってくると思うんですが、そういうお金の面だとか時間どれくらい掛けてとかというところはまだ、そこまでの計画というか見通しというのは、まず実証実験やった上でじゃないと先に進めないというか、分からないという感じでしょうか。
  73. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) どうもありがとうございます。  先生のおっしゃるとおりです。まずは実証試験をやって揚げられることの見通しを立てること、それからそのフローを全部流せるということを確認してから、なおかつFSをしっかりやって事業化ということにその後で持っていくという、そういうことになります。  以上です。
  74. 片山大介

    ○片山大介君 あと、最後に、中国はこれ、地表というか地底で見付かっているんですかね、レアアースというのは。要は、日本の場合、海底の四千メートルってかなり難しいところなんですけど、例えば日本の地表だとか地底だとか、そういったところで今後新たな埋蔵が見付かる可能性というのはこれ期待できるものなのか、なかなかもうそこはたどり着けないものなのか、最後にそれをお伺いしたいんですが。
  75. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) どうもありがとうございます。  中国で取っているレアアースの資源というのは、我々が見付けているものと全く違うタイプのもので、陸上の別のプロセスでできているので、トリウムが多い、ウランが多いという非常に複雑なことがあるんですね。  それと、日本に、じゃ、そういうものが見付けられるかというと、実は日本の、我々も陸上でということももちろん考えているんですが、僅かながらあることはあります。ただし、それは日本の産業にとってほとんど、何というんですかね、インパクトを与えないぐらいの量しかなくて、長いこと続けるとかそういうことはとてもできない、期待できないので、やはり私は海しかないだろうなというふうに考えております。  以上です。
  76. 片山大介

    ○片山大介君 ありがとうございました。
  77. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) 山本太郎君。
  78. 山本太郎

    ○山本太郎君 参考人の先生方、貴重なお話、ありがとうございました。  自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を代表して先生方にお聞きいたします。  レアアース泥、非常に夢のあるといいますか、実際にそうやって資源を確保できれば、世界中がどういう状況になろうと安定した、何というんですか、国の運営が行えるというか、産業界にも不安を与えずに安定した国の運営というものが行えるんだなということが分かりました。これが実際に運用されれば非常に大きな力になるだろうという思いになりました。  まず、加藤先生にお伺いしたいんですけれども、申し訳ないんですけれども、私ちょっと我慢できなくてお手洗いへ途中行っちゃいまして、もし私の質問がほかの先輩方とかぶっていたらお許しください。  先ほど、レアアース泥、これ一千平方キロメートル当たりの資源探査というものを行う場合には三十二キロの長さで四点ですか、これをピストンコアというもので探索するだけで資源量が把握できるというお話をされていたと思うんですけれども、この資源探査という段階でも、そして実際に開発していく上での試掘、採掘というものが始まったときに、この穴を掘っていくといいますか、という作業が地震を誘発するようなことというのは、そういうリスクというものは考えられますか。
  79. 加藤泰浩

    ○参考人(加藤泰浩君) 御質問いただき、ありがとうございます。  まず、探査について、千平方キロメートルであれば三十二キロ掛ける三十二キロで、ピストンコアラーというのは、実は長さ的には十五メーターぐらいなんですね。十五メートルの金属管を自由落下させて、泥の試料を私たち取っております。実はそれが非常に簡便にできる探査の方法で、一日二本取れるんですね。だから、移動を含めてやろうと思えば三日ぐらいで四本であれば取れると。ただし、それはまず概略の資源量なので、実際に本当に開発しようと思ったら、我々としては五キロ掛ける五キロぐらいのグリッドで探査をやって、一番やっぱりいいところがどういうところかということを把握することがまず大事であると。  先生が御懸念の地震を誘発することがないかということに関しては、私たちは開発するのであれば海底面の表面の十五メーターぐらいがターゲットである、それより深いところをやるつもりは全くない、経済性が良くなりませんから。海底面に近いところでよりいい資源を見付けようと思っていますので、実質的には海底面から五メートルぐらいのところで泥を揚げると。そういうふうに考えると、地震を誘発するということは、ほとんどそういう心配はございません。  以上です。
  80. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございました。  心配部分が払拭されました。ありがとうございます。  続きまして、豊田先生にお聞きしたいんですけれども、原子力をエネルギーとして選択するということを選ぶならば、まず必ず考えなきゃいけないのが、やはり核のごみ捨場をどうするかという議論になると思うんですよね、使用済み核燃料についてどうするのか。最終処分の方法に関しまして、先生にもしもいろいろ御存じのことがあれば教えていただきたいと思います。
  81. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  ごみ捨場、ハイレベルの放射性物質を処分することにほぼ成功した国はフィンランドなんですね。そして、スウェーデンがそれに次ぎ、フランスがもうちょっとというぐらいな感じだと思います。実際には地下に埋める、地層処分と言われていますが、そういう形だと思います。  技術的には、フィンランドが実際やってみないと確実だとは言えないかもしれませんが、フィンランドは穴も掘り、そして実験をしながら安全性も確認しながら今やっていて、あと数年で実際に、何というんでしょうかね、現実のものにするというふうに思いますので、ほぼこの地層処分のやり方というのは確立してきていると思います。  問題は、それを受け入れる場所がないということですね。フィンランドはそれを受け入れた場所があり、スウェーデンも場所は決まっている。アメリカでさえ決まっておりませんし、日本はそれを、今、民間に任せていたのを国主導で、その要件をまず整理をして、そして、それに当てはまるところを公募するみたいな形になるんだと思います。最後はどうなるのかはこれからの問題ですが、ほぼ頭の整理はできていて、夏ぐらいには、夏前にはそういう形で世の中に公表されるのではないかと思います。  したがって、むしろ技術的な問題というよりは、候補地の選定の問題だと思うんですね。候補地の選定が難しいのは、もう全ての方が理解されているように、私の庭の裏には持ってこないでねという考え方ですので、そういう意味で、どこまでコンセンサスを取れていくのかというのは重要なことだと思います。  一言だけ。私、そのフィンランドのオルキルオトの現地に行って、どういうふうにしてコンセンサスが取れたのかということを伺いましたら、それは安全保障だと言っていましたね。フィンランドの場合には化石燃料の方を一〇〇%、とりわけ今、天然ガスですけれども、天然ガスの一〇〇%をロシアに依存していて、そこからの依存度を可能な限り下げたいということで国民のコンセンサスが取れていったということだと思います。温暖化についてはもうヨーロッパ全体が高い意識を持っておりますので、温暖化だけだとフィンランドが何で早かったのかというのは説明が付かないんですが、そこはプラス安全保障ということの意識が非常に高かったということだと思います。  日本の場合には、中東に依存する度合いも非常に高いですし、安全保障も重要ですし、温暖化については、やや福島以降意識が低まっている感じがいたしますし、ここは高めていかないといけませんし、コストについては、先ほどの先生以来たくさんの先生方の御質問でいろいろ議論はあるかもしれませんが、相対的には安いということに言われていると。ただ、完璧でないのは安全性についての懸念でございますので、ここについてはやはり規制委員会の大きな役割というのを私どもも期待をしているということでございます。
  82. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  今のお答えに対して、そして加えてお聞きしたいことがちょっと出てきたので、お聞きしてもよろしいでしょうか。  今先生に教えていただいたのは、ヨーロッパにおける地層処分のお話だと思います。まず、日本とヨーロッパを同じように考えていいのかというのが一点。というのは、例えば、日本は本当に地震大国と言われるような状況の中で、地層処分というのが本当にふさわしいのか。  一方で、地震が少ないヨーロッパでは成功したという例。でも、その中でもドイツ、直接私も行ったことがありますけれども、中間貯蔵というところで止まってしまっている。最終処分というのも、あと一歩というところで白紙撤回されてしまった。中間貯蔵の時点でもう駄目になってしまった理由は何かというと、人間が掘った穴によって水が通る道ができてしまって、水というのは一番大敵であるという部分で、本当にちょっと絶望的な状況になってしまっているという現実があると思います。  加えて、地震が多い日本でこの地層処分というのはそのままスライドしていいものなのかという部分が一つ。  そして、先生のお示しになられた資料、これは二十二ページになるんですかね、この中にはこの最終処分のコストという部分も上乗せされているのかという部分をお聞きしたいのと、そして、その最終処分というのは何年というめどでこれコストを上乗せしてこの原子力が一番安いという値段になっているのかという点をお聞きできればと思います。
  83. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  まず、地震大国と言ってよろしいんでしょうかね、地震の多い日本と、特にフィンランドは地震が少ないところだと思いますので、その比較の議論は非常に重要な論点だと思います。ただ、それは、先ほど国が一定の基準を決めてということを申し上げましたが、岩盤の硬さ、全体として地震があるのはもう事実ですけれども、その中で、日本の中で岩盤の硬さというのが一定の規模である部分を探しているというふうに考えていただいてよろしいかと思うんですね。だから、その中に、言ってみれば地下の倉庫を造るような形で造るということですので、どこでもいいというわけにはいかないと思います。  そういう意味では、フィンランドなどと比べればよほど見付けるのは難しいけれども、ただ、これは専門家の先生方が集まってそういう要件を決めて、そして今一定の候補地を見付けているという意味においては、その点は、地震国でも十分対応できるような場所を今見付けつつあるというふうに理解をしております。  それから、コストの中に入っているのかということなんですけれども、この二十二ページの表の中で、ワーキンググループはそれを入れております。  ただ、先生の御指摘は、それがもっと大きくなったらどうかとか、間違いはないのかということについてなんですけれども、非常に見にくい表で大変恐縮なんですが、この左の棒グラフのすぐ上に原子力の感度分析というのが入っていまして、そこに、例えば廃炉にしても、費用が倍になったらどうなりますかというような計算もしているんですね、感度分析という形で。ここで、二倍の場合には、例えば廃止措置費用が二倍になったらばプラス〇・一円上がりますというような計算もしております。だから、オーダーとしては、二倍になっても〇・一円、三倍になっても〇・三円というようなオーダーの計算はしております。  これ、私は参加していなかったんですが、専門の方々が十名ぐらい、私どもの研究所から一人専門家が入っておりましたけれども、そういう方々の一応のコンセンサスだと考えていただいてよろしいかと思います。
  84. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  一般的には、核の処分、核燃料、使用済みのもののどれぐらい保存しなきゃいけないのかということに関しましては、一万年とか言われる声もありますし、十万年、私が直接ドイツで廃炉作業そしてその処理をなさっている省庁の方に伺ったら、低レベルも高レベルも百万年の管理が必要だというお話をおっしゃっていたので、これ、一万年にしても、その分コストを上乗せしたら原子力が一番安いなんということになるのかなと少し心配してしまいました。ありがとうございます。  本日の資料の中にもあったんですけれども、なぜ原発事故は起こったかという部分に関しまして豊田先生は、これ事前の資料だったんですけれども、原子力安全機構の独立性保たれていなかったこと、独立した規制機関がなくても安全を保てると過信していた部分があったんだ、けれども、事故後は独立した原子力規制委員会がつくられた、そして元々日本は安全基準は世界トップクラスだったというようなお話だったと思うんですけれども、本日の資料の中にも、技術では元々オーケー、そして制度でも今やオーケーと表現されている部分があったと思うんですね、三十二ページになるんですかね。  ここに少し気になることがありまして、地震には耐えたというのが技術オーケーの部分にありまして、地震に耐えたという部分がちょっと不思議に思うのは、要は、国会の原発事故調の報告、最終報告とは大きくずれる部分なのかなという部分なんですね。報告書は、揺れが機械を壊したおそれが解明されていない中で、今回の事故原因を想定外の津波として片付けているのには受け入れ難いと強調したと。これ、政府や民間が設けた事故調は、必ずしも地震の揺れが機器に深刻な影響を与えたとは考えていなかったというものとは少し逆といいますか、けれども、国会事故調では、これは地震も原因があるだろうと。  ある意味、これ、ちょっと真相の究明というのがまだなされていないという部分で、非常にこの地震には耐えたという見解というのが、まだ安全神話というものが生きているんじゃないかというような考え方にもなってしまうのが怖いなという思いがあります。  原子力規制委員会の委員長、田中さんも、適合性審査であって安全審査じゃないよと、政治的には分かりやすい意味で安全だということをおっしゃったのかもしれないということをおっしゃっていて、絶対はないというのは当然なんですけれども、もう一度事故が起こったときには、恐らくこれ本当の経済破綻がやってくるんだろうなというふうに思うわけですね。政府は二十二兆円と言っているものが、民間のシンクタンクでは五十兆から七十兆掛かるだろうという話も出ています。スリーメルトダウンという世界初の史上最悪の東電事故ですから、試算額を超えるのは当然のことだと思うんですけれども、その一方で、政府の地震調査研究推進本部では、首都直下地震が三十年以内、マグニチュード七で七〇パー、東海地震、三十年以内にマグニチュード八、八七%の確率、南海トラフも六〇から七〇%の確率で来るという話なんですよね。  先生は、これらに原発が実際に耐えられる理由、お墨付き、今の時点で出せますか。
  85. 豊田正和

    ○参考人(豊田正和君) 御質問ありがとうございます。  真相の究明が終わっていないんでないかということについては様々な議論があろうかと思いますが、私の理解は、先生が今お使いになった言葉として申し上げれば、事故の原因は何なのか、地震がその直接の原因だったのかどうかということについては、恐らく多くの学者の方々は、地震では、もちろん損傷した部分はあろうかと思いますけれども、それで全電源喪失したのではないと、全電源喪失をしたのはその後に来た津波によってであったと。したがって、津波対策、別の言葉で申し上げますと、今回の場合は全電源喪失対策がなかった。  全電源喪失対策は、欧米ではもう当然視されていたんですね。九・一一のテロ以降、これは審査機関の基準の中にみんな入っていた。日本の場合には、残念ながら、私は過信もあったと思います、それができていなかった。独立した規制機関がお互いの規制を比較し合いながら統一基準を作っていけば、日本もそうなっていなかったんではないかというふうに思います。  お墨付きを与えられるかということについては、大きな事故が起きない対策は、今の体制あるいは安全基準で、ちょっとこの言葉を使わせていただきたいんですが、許容レベル、リスクというのはゼロにはならないけれども許容レベルまで下げることはできるという言い方が欧米の考え方です。ゼロではない、許容レベルであると。分かりやすいのは、飛行機に私ども乗りますけれども、事故の確率はゼロではないと。だけど、私どもが飛行機に乗るのは許容レベルまで下がっているからであると。この考え方を原子力に同じように当てはめれば、お墨付きという言葉が適当かどうかは分かりませんけれども、許容レベルまで下げることはできるということについては私は信頼してよろしいかというふうに思っております。  以上でございます。
  86. 金子原二郎

    ○会長(金子原二郎君) 質疑も尽きないようでございますが、予定の時刻も参りましたので、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  豊田参考人、中上参考人、加藤参考人及び歌川参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございます。本日お述べいただきました御意見は、今後の調査の参考にさせていただきたいと思います。本調査会を代表いたしまして改めてお礼を申し上げまして、心からお礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十三分散会