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2017-03-23 第193回国会 参議院 厚生労働委員会 5号 公式Web版

  1. 平成二十九年三月二十三日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十三日     辞任         補欠選任      小池  晃君     倉林 明子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         羽生田 俊君     理 事                 島村  大君                 そのだ修光君                 高階恵美子君                 足立 信也君                 山本 香苗君     委 員                 石井みどり君                 小川 克巳君                 太田 房江君                 木村 義雄君                 自見はなこ君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                三原じゅん子君                 宮島 喜文君                 石橋 通宏君                 川合 孝典君                 川田 龍平君                 牧山ひろえ君                 熊野 正士君                 谷合 正明君                 倉林 明子君                 片山 大介君                 福島みずほ君                薬師寺みちよ君    国務大臣        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働副大臣  橋本  岳君        厚生労働副大臣  古屋 範子君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       堀内 詔子君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 成子君    政府参考人        内閣府子ども・        子育て本部審議        官        中島  誠君        文部科学大臣官        房審議官     神山  修君        文部科学大臣官        房審議官     瀧本  寛君        厚生労働大臣官        房総括審議官   宮川  晃君        厚生労働省労働        基準局長     山越 敬一君        厚生労働省職業        安定局長     生田 正之君        厚生労働省職業        安定局派遣・有        期労働対策部長  鈴木英二郎君        厚生労働省職業        安定局雇用開発        部長       坂根 工博君        厚生労働省職業        能力開発局長   宮野 甚一君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       吉田  学君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    堀江  裕君        中小企業庁事業        環境部長     吉野 恭司君        国土交通大臣官        房審議官     早川  治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として倉林明子君が選任されました。     ─────────────
  3. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十八日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長生田正之君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 太田房江

    ○太田房江君 自由民主党の太田房江でございます。  代表質問に引き続きまして、雇用保険法等の一部を改正する法律案について質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。代表質問と重なる部分も少々ございますけれども、確認の意味で再度お伺いすること、お許しいただきたいと存じます。  まず初めに、失業等給付に係る保険料率の引下げの効果についてお伺いをいたしたいと思います。  アベノミクスの成果による失業率の低下や雇用増によりまして、雇用保険の財政状況等は大変良好でありまして、平成二十七年度決算における積立金は約六兆四千億円ということでございます。この成果を還元するということで、昨年も雇用保険法の改正によりまして保険料率を〇・八%へと引き下げましたけれども、今回の改正では暫定的に更に〇・六%へと引き下げます。これによって、働く人々の手取り収入が増加をするということになるわけです。失業率が下がって、雇用が増え、手取り収入が増えるということは、これはアベノミクスの目指すいわゆる経済の好循環であり、雇用保険料はそういう意味で今回もこれに大きく貢献することになると思います。  そして、雇用保険料は労使折半ということでありますから、企業側も保険料負担が軽減されることになる。この軽減される分、約三千五百億円というふうに伺っておりますけれども、この分が設備投資や賃上げに活用されるということになれば、今後更に経済の好循環が加速化されることになりますけれども、この効果への期待について、塩崎厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。あっ、済みません、副大臣にお願いいたします。
  10. 橋本岳

    ○副大臣(橋本岳君) お認めいただきましてありがとうございます。  さて、近年の雇用情勢の改善によりまして、雇用保険の被保険者数が増加するとともに、受給者数も減少傾向にあるため、雇用保険財政は安定的に推移をしております。これを踏まえまして、今回の法改正におきまして、費用負担者である労使の負担軽減をするという観点から、平成二十九年度から三十一年度までの三年間に限定をして保険料を引き下げることといたしました。今委員からお話がございましたように、総額でいうと三千五百億円、まあ労使折半ですから、労使それぞれが約千七百五十億円の負担軽減が図られるということになるわけでございます。  これについては、今例えば春闘が行われておりますけれども、ベアが実現をするようなという報道も出ておりますし、また、全体として四年連続の賃上げの流れが続いております。こうした中でございますので、今回の保険料の引下げが消費の底上げや企業の経営力強化といった更なる経済の好循環実現につながることを強く期待をしているところでございます。
  11. 太田房江

    ○太田房江君 安倍政権は経団連への働きかけを含めて大変頑張っておりますが、今回のこの保険料率の引下げがこれと相まって更に景気の上昇にいい影響を与えることを私も期待しております。  続きまして、失業等給付の拡充に関連してお伺いをしたいと思います。  今回の改正では、雇用機会が不足をしている地域に居住する方に対し基本手当の給付日数を六十日延長する暫定措置が五年間実施をされます。これは、景気回復の波を全国津々浦々に広げ、地方創生を後押しするという意味でも重要な取組だと考えます。一方で、代表質問でもこのことは申し上げましたけれども、地域や業種によっては人手不足が大変に深刻であります。  資料をお配りしておりますもののうち一を御覧ください。これは職業別の有効求人倍率を全国と四つの都府県について見たものでございます。見ていただいて分かりますように、全職業一・四三ということで、全都道府県で一を超えているということの証左でございますけれども、右に介護関係、保育士、貨物自動車運転手というように見てまいりますと、三・五、二・七六、二・二四というふうに大変人手不足感も強くなっているという数字になっていると思います。  当然、大都会ほどその数値は高くなっているわけですけれども、ここに岡山県を掲げましたのは、副大臣のお地元ということはもちろんのことですけれども、ちょうど県民所得が中位ぐらいなんですね、岡山県というのは。それで代表的な地域になるかなと思って挙げたんですけれども、ただ、岡山県は自動車メーカー立派なのがございますので、全職業では一・七八ということでちょっと全国平均より上、介護が三・一七、保育士一・九六と。特に、製造業が盛んだからでしょうか、貨物自動車運転手のところが三・六八と結構高い数値になっております。  こういうことで、業種によっては人手不足状態にあると思われる数字がこのように並んでいるわけでありまして、こういうことを背景にして、今、人手不足感の強い業種でいろいろな動きが出ていることは皆様御承知のとおりだと思います。  特に物流業界、最近も報道で大きく取り上げられましたけれども、大手宅配業者が春季労使交渉の中で賃上げとともに働き方改革を協議したということが伝えられております。  例えば、私どもも宅配便よく受け取るわけですけれども、二時間ごとに時間指定ができるわけですね。しかし、その中で正午から午後二時を廃止して運転手さんが昼食休憩を取りやすくしよう、こういうことも妥結の内容に入っているというふうにお伺いをいたしましたし、また、再配達受付、私なんかも本当に申し訳ないなと思うぐらい何回も再配達をお願いせざるを得ない状況ですけれども、この再配達受付の締切りを午後七時まで繰り上げる、余り遅くになったらもう再配達はお断りをするというようなことでこの再配達に掛かるコストを低減していこうという動きもございます。  また、勤務間インターバル、これはほかの業種でも当然必要になってくる措置でありますけれども、この大手宅配業者の場合には、退社と出社を最短十時間空けるというような形で勤務間インターバルを設けるという制度を十月に導入するということで妥結をしたというふうに新聞紙上では伝えられているところです。  ただ、こういう対応ができますのは業界のトップ企業だと私は思うわけです。中小零細企業がこういうことができるかといえば、荷主さんの思い、荷主さんに気を遣ってなかなかできることではない。こういうことで、中小零細企業は頑張れるだけ頑張るしかないというのが今のところの実態ではないでしょうか。  資料二を少し持ってまいりました。これは、トラックドライバーの労働条件ということで国土交通省からいただいたものなんですけれども、これを見ますと、トラックドライバーは、全産業と比較して、低賃金、長時間労働が甚だしく、人手不足の解消に向けては労働条件の改善が不可欠になっているわけですけれども、先ほども申し上げたように、荷主との関係でなかなか改善できないという状況がここのところ続いているというふうに思われます。  そこで、お伺いをいたしたいと思いますけれども、今年三月末に取りまとめ予定の働き方改革、今、最終の大詰めの取りまとめを行っていらっしゃる時期で、まだ外に公表されておりませんのでその点は大変恐縮でございますけれども、この中でも足下の人手不足対策をどうするのかということが検討されているように伺っております。どのような内容になりそうでしょうか、その点、問題のない範囲でお伺いしたいと思います。
  12. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  まず、人材不足分野でございます介護等の福祉分野、あるいは建設分野、警備分野、それから運輸分野におきます人材確保のために、まずハローワークでは、担当者制などによりまして、個々の求職者の実情に応じたきめ細かな職業相談、職業紹介を行っております。また、事業所訪問等によりまして、求人条件の見直しなどの求人充足のための支援、あるいは、企業説明会あるいは事業所見学会、就職面接会を同時に行うツアー型面接会などのマッチング支援に取り組んでいるところでございます。さらに、平成二十九年度からは、IT分野等も含めまして人材確保のニーズが高い地域のハローワークに人材確保の総合専門窓口を創設いたしまして、業界団体と連携してマッチング支援を強化するということをいたしております。  また、こういう人材確保に当たりましては、職員の方の処遇改善やあるいはその職場環境の改善を図るということで、採用機会の増大や職員の方の離職率の低下を図るということが重要でございます。そのために、まず全国のハローワークの求人窓口で、また訪問もいたしまして、事業主に対しまして魅力ある職場づくりに向けた啓発を行っております。  また、支援策といたしまして職場定着支援助成金というのがございます。これは、労働条件の改善やあるいはその処遇の見直しなどによって従業員の定着につながるような取組を行う事業主に対して応援するものでございますけれども、こういった中身につきましても拡充を図るということといたしております。  こういった取組をも含めまして、様々な取組を通じまして引き続き人材不足分野におきます人材確保対策を推進してまいりたいと考えてございます。
  13. 太田房江

    ○太田房江君 ハローワークを中心にいろいろやっていただいていることはよく分かりました。  ただ、働き方改革の中でも労働時間の上限規制というものが議論になっております。一方で、今申し上げたように、業種、業態によっては、あるいは地域によっては大変な人手不足が起こっている中で、長時間働きたくはないけれども働かざるを得ないというようなところもたくさん出てきているわけでございます。  今日の朝も、医師の長時間労働、これは問題なんだけれども、やはり人の命を守らなくてはならないという職場において、どのような労働時間規制であり得るべきなのかというような議論も厚生労働部会等で行われました。業種によっては本当にこの労働時間の規制というのが、少なくとも足下のところでは生産性が上がるところまでは大変難しい状況が恐らく続いていくだろうと思っております。  この言葉は少し古いかもしれませんけれども、多くの産業は、例えば資本集約型であるとか知識集約型であるとか労働集約型であるとか、業種、業態によってどうしても人手を使わないと済まないいわゆる労働集約型という業態が存在をするわけです。今申し上げましたトラック運送業ですとか外食産業はこれに当たると思うんですけれども、こういう特徴がある中で、また、これから生産性を上げてこれからの働き方改革やっていかなくてはならないんですけれども、大企業はスピード感を持って生産を上げられるけれども、中小企業の方はなかなか、コストが掛かることも多くあって、その向上策がスピード感を持って講じられないということになりますと、大企業と中小企業との間に生産性向上格差が生じてくる。  こういう中で、全産業に一律の超過勤務規制、これを掛けていくという方向で今議論が進んでいるわけですけれども、多少無理があるのではないだろうかと、少し足下の人手不足対策に対して細かい配慮をしながら全体の方向をしっかり決めていくということであってほしいと、このように考えておりますけれども、厚労省、いかがお考えでございましょうか。
  14. 山越敬一

    ○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。  時間外労働の上限規制についてでございますけれども、今御質問にございましたように、働き方改革の実現会議で議論がされておりまして、この上限規制の内容につきまして労使の合意がなされているところでございます。  労働時間の見直しを進めていくためには、中小企業を含めまして生産性の向上を図ることも重要であるというふうに思っておりますし、業務によりましては、例えば自動車の運転業務のように、荷主の都合によりまして手待ち時間が発生するといった業務の特性や取引慣行上の課題もあるというふうに考えておりまして、こうした取引条件の改善など、業種ごとの取組の推進を図ることも課題であるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、三月末には時間外労働の上限規制を含みます働き方改革についての実行計画が取りまとめられることとされておりますので、これに沿いまして法案の作成や必要な対策に努めてまいる考え方でございます。
  15. 太田房江

    ○太田房江君 先ほど来、最も人手不足に悩んでいる業界としてトラック運送業を具体例に挙げさせていただきながら議論をさせていただいております。今日は国土交通省にも来ていただいておりますので、今回の働き方改革の中で、このトラック運送業についてどのような取扱いをなされているのか。もちろん、これまでもパイロット事業等いろいろな取組をしてこられていると聞いておりますけれども、私はやはり、荷主さんが一方にいて、そして中小零細企業が大変多いこの運送業界においては、労働時間を短縮しながら生産性を上げていこう、そしてトラックドライバーさんにももっと人手として、労働力として来ていただこうというような環境をつくるためには、業界が一定のルールを作って、行動計画というような言葉も働き方改革の中には出てきておりますけれども、そういった業界のルールを作って、これをみんなが守りながら、今申し上げたような生産性向上や労働時間の短縮などの対策を歩調を合わせながら、業界全体が歩調を取って進めていく必要があるというふうに考えておりますけれども、今この方針について具体的に御検討いただいておりますでしょうか。
  16. 早川治

    ○政府参考人(早川治君) お答えいたします。  トラック運送業につきましては、先ほど委員御指摘がございましたとおり、ほかの産業に比べて長時間労働、低賃金の傾向が見られ、ドライバー不足というのが深刻な課題となっております。物流を通じて我が国の国民生活と経済活動を支えておりますトラック運送業の担い手を確保するため、国土交通省としては、トラック運送業における取引環境及び労働条件の改善を図ることが重要と考えております。  そこで、厚生労働省と共同で設置をいたしましたトラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会の枠組みの中で、平成二十八年からは、トラック運送事業者と荷主が連携をして、待機時間の削減や荷役の効率化など、長時間労働の改善に取り組むパイロット事業を全国で実施をしているところでございます。  取引環境の改善に向けましては、官邸に設置されました下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議の枠組みを通じ、独占禁止法、下請法等との関係において問題となり得る行為類型や望ましい取引の在り方を示したリーフレットを作成し、荷主を含めた関係者に対してセミナー等で周知するといった取組も行っております。  また、トラック業界における取引環境の改善に向けたルール作りということも重要でございますことから、昨年十一月、国土交通省からトラック運送業界団体に対しまして、適正取引推進に向けた自主行動計画の策定を要請したところでございまして、これを受けて、荷待ち時間など運送以外で生じたコストの負担に関するルールの明確化、下請多層構造を改善し、原則二次下請までに制限することといった取組内容を盛り込んだ自主行動計画が三月九日に策定されたところでございます。  国土交通省といたしましては、こういった取組進めておりますけれども、今まさに働き方改革の議論が進められておりますが、そういう中で、その前提としてといいますか、また業界団体からもそういう荷主との関係を含めた環境整備といったような御要請もございます。  国土交通省といたしましては、今後とも、業界団体及び関係省庁と連携しつつ、トラック運送業の担い手確保に向け、取引環境、労働条件の改善に取り組んでまいることといたしております。
  17. 太田房江

    ○太田房江君 ありがとうございます。  私は全国比例でございますので、いろいろなところに参ります。どこに行きましても本当に人手不足で困っている業界の方々の叫び声を聞かされるわけですけれども、例えばガソリンスタンド、中小飲食店といったサービス業、これはもちろん人手不足なんですけれども、日本の基幹産業であります自動車産業なんかにおいても、部品メーカーに参りますと、本当に人が来ないということをおっしゃられるわけです。もちろん、自動車整備といったようなところは、こういった関連産業も人手不足であることは間違いありません。  こういうことが続いていきますと、私は、我が国の産業の競争力やエネルギーのサプライチェーン、供給の基盤というものにも私は影響が出てこないとも限らないと、こういう懸念すら持っておりますので、どうかこの人手不足対策も、生産性向上というようなことでもちろんいろいろな対策は打っていくわけですけれども、当面の足下のところがしっかりと歩んでいけるようなそういうきめ細かい対策を是非お願い申し上げたいと思います。  次に、今申し上げましたように、中小企業の生産性の向上ということが大変大事になっているわけでございますが、この中小企業の生産性向上と賃上げということについて伺います。  皆さん御承知のように、我が国におきましては、事業所数の九九・七%、それから従業員数では七〇%、これが中小企業によって占められております。アベノミクスが目指しております成長と分配の好循環、これを持続させるためには、この中小企業の労働生産性を一層向上させ、賃上げできる体力というものを付けていくことが重要だと考えます。  資料の三と四を少し見ていただこうと思いますけれども、まず、資料の三の方は、これは名目労働生産性の各国比較でございます。二〇〇五年を一〇〇としたときに、日本は御覧のようにずっと低迷を続けておりますけれども、他の欧米諸国はIT化等大変な努力をされているんだと思います。名目労働生産性はこのように日本との格差がどんどん広がっているという状況が見て取れます。  それから、もう一つの方は、これは中小企業と大企業との生産性格差について中小企業庁からいただいた資料でございますけれども、上の方の青い線と赤い線が大企業の製造業と非製造業です。一度リーマン・ショックのときに大きく下がってはおりますけれども、その後、大企業の方は回復をして、特にこの製造業、非製造業とも最近は生産性のアップの状況が見られる。一方で、中小企業の方を見ていただきますと、ずっと低迷をしており、どちらかといえば下降ぎみであるということが見て取れます。当然のことながら、この流れの中で中小企業と大企業の生産性格差は拡大をしているということになります。  この中小企業の部分の生産性の向上とそれに伴う賃上げできる体力ということについてでありますけれども、今回、この雇用保険法の改正案では、労働関係助成金制度について生産性の向上を図る企業に対して助成の割増し等を行うということが盛り込まれました。ただ、中小企業については、今申し上げたように、大変生産性向上には時間も掛かりコストも掛かるということですから、生産性の伸びが大きくない場合でも、金融機関の事業性評価を活用して判断しようということになっております。ただ、これもまた地方に行くとよく聞かれることですけれども、中小企業になかなかお金を貸していただける金融機関はないんだと、金融機関は中小企業の融資に対して厳しい対応を取ることが多いという不満、まだ強くございます。  したがって、金融機関の事業性評価というものと連携して今回の労働関係助成金制度、運用されることになると思いますけれども、この金融機関が本当に財務データや担保、保証に必要以上に依存することなく事業内容や成長可能性から適正に判断していただけるのか、その適正な判断の下に今回のこの助成金割増し制度が活用されることになるのか、この点が多少懸念があるなというふうに思います。  そこで、是非この助成金使って中小企業の生産性アップしてもらいたいという見地から伺いますけれども、労働関係助成金が中小企業の生産性向上をしっかり後押しできるように工夫をしていただきたい、特に金融機関との連携うまくやっていただきたいと、このように考えておりますが、対応についてお伺いをいたします。
  18. 坂根工博

    ○政府参考人(坂根工博君) お答えいたします。  急速な少子高齢化の進展によって労働力人口の大幅な減少が見込まれております。そうした中では、中小企業で働く方々を含めて労働者の能力を安定させ生産性を高めていくことは雇用の安定にもつながることから、生産性の向上を図る企業に対しまして労働関係助成金の割増しを行うことによってこうした企業を積極的に支援することとしております。  この生産性の判定に当たりましては、地域の企業の経営状況を的確に判断し育成していく使命を金融機関が持っておりますから、その金融機関の知見を活用することが有効であるというふうに今考えております。金融機関が各企業について行う事業性評価の結果を参考として、助成金の割増しも考えていきたいと考えております。  この取組を進めるに当たりましては、助成金の支給事務を行います都道府県労働局と各金融機関との間で密接な連携を図ることによって、企業の生産性が伸びる可能性を適切に判断していきたいと考えております。
  19. 太田房江

    ○太田房江君 今日は中小企業庁にも来ていただきました。先ほども、生産性における大企業と中小企業の格差が拡大しているという実情、資料で見ていただきましたけれども、今回の改正で生産性要件がより明確になったということを踏まえて考えますと、私は、中小企業庁あるいは経済産業省で行われる生産性向上施策、これともしっかりタイアップして今回のこの助成金の制度をより多く使われるような工夫をしていくべきではないかというふうに考えております。  特に労働生産性が低いと言われているサービス業、これはGDPの七五%を占めております。ですから、中小企業の生産性向上という場合には、この七五%を占めるサービス産業の生産性向上が不可欠になってくるわけですけれども、中小企業庁においては、このサービス産業を始めとした中小企業、零細企業の生産性向上についてどのような対策を取っておられるのか、今後の対応を含めましてお伺いいたします。
  20. 吉野恭司

    ○政府参考人(吉野恭司君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、サービス業でございますけれども、中小企業における雇用につきましても、七割を占める重要な産業ということでございますけれども、その一方で労働生産性は製造業などに比べても低い、サービス業の生産性の向上は喫緊の課題というふうに認識をしております。  こうしたサービス業を含めた中小企業の生産性向上を支援する目的で、昨年七月に中小企業等経営強化法が施行されております。この法律では、生産性向上のために取っていただきたい方策を事業分野別の指針として公表をしております。これを基に事業者の皆様が計画を策定することになっておりますけれども、この事業分野別指針、十四分野で策定されておりますけれども、このうち厚労省の関係では、医療、介護など六つの分野で策定、公表をしていただいているところでございます。  施行後八か月の実績としましては、既に一万六千百四十六件を認定をしているということでございます。この計画を認定した企業に対する支援としましては、固定資産税の軽減措置、それから金融支援などを講じているところでございます。  さらに、平成二十九年度の税制改正法案では、生産性向上が課題になっております小売・サービス業にもより使いやすいものとするために、機械装置に加えまして、器具、備品、建物附属設備などを対象として加えることにしておりまして、より幅広く生産性向上を後押しできるものと期待をしております。  具体的にも、既に生産性向上が期待される計画も出てきております。厚労関係で一例を挙げますと、高齢者を対象とした宅配事業、それから障害をお持ちの方々の就労支援を行っていらっしゃる会社のケースなんですが、既存事業で得たネットワークを生かして新たに訪問介護、通所型の介護事業に進出をされるとか、それから、職員の方々に対しましては、タブレット端末というものを導入をして手書きによる事務負担を軽減させる等、業務の効率化を図ることで生産性の向上に向けて取り組まれていると、こういう例も出てきているところでございます。  さらに、生産性の向上の観点からは人材育成も重要でございます。この法律では、業種ごとに生産性向上に知見がある組織を、少々長いんですが、事業分野別経営力向上推進機関として認定をしまして、この組織が人材育成を行う場合に労働保険特会、具体的には厚労省の、こちらのキャリア形成助成金により支援が行われることとなっております。これまで日本自動車整備振興会連合会など七つの組織を認定しておりまして、現在人材育成の取組も促しているところでございます。  サービス業の生産性向上に関する以上のような取組に関しましては、厚労省を始め関係省庁との連携が鍵になると認識をしております。今後も、中小企業等経営強化法を軸に関係省庁一体となりまして中小企業の生産性向上に向けた取組を全力で後押ししてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  21. 太田房江

    ○太田房江君 ありがとうございます。  厚労省で用意をされた労働関係助成金がうまく活用されるためにも、この中小企業庁あるいは経済産業省と厚生労働省との連携は私は不可欠だと思っておりますし、また、中小企業庁に注文を付けたいのは、厚生労働省の所管であります、これからの発展産業だと言われている様々な業種、例えば介護にしましても、子育て支援にしましても、あるいは医療関連産業にしましても、さらには生活衛生同業組合に関連した様々なサービス業などにいたしましても、これは経済産業省の所管ではないものですから、少し、何というんでしょうか、現場の感覚をしっかりつかんだ上での生産性向上対策になっているかという点、私は、是非関心を持ってといいますか、注意を払っていただいて、より現場に即した、実態に即した生産性向上対策を講じていただきたいと、このように考えているところです。よろしくお願いを申し上げます。  ところで、今、連携ということを申し上げました。私は、中央でも厚労省と中小企業庁が連携をして、一体となって生産性向上と同時に経営改革を進めていく必要があるというふうに考えますけれども、厚労省の方はこの点についてどのようにお考えいただいているでしょうか。
  22. 坂根工博

    ○政府参考人(坂根工博君) まさに委員御指摘のとおりでございまして、厚生労働省といたしましては、中小企業の生産性向上の後押しのために、中小企業庁を始めとする関係省庁との連携を積極的に図っております。今後一層、地方においても、都道府県労働局とそれから関係省庁との、出先機関との連携を図っていくことが重要だと考えております。  具体的な連携の取組を申し上げますと、地域の実情に応じた働き方改革を進めていくため、現在、労働局が呼びかけを行いまして、都道府県や各地域の労使団体などによって構成されます地方版政労使会議を開催しているところでありますけれども、この会議に地方の経済産業局にも御参画いただくなど、地域における労働行政と経済産業行政との連携を推進をしております。  また、特に助成金の周知については積極的に連携をしているところでありまして、例えば去年キャリアアップ助成金を拡充しました際に、中小企業庁と連携いたしまして、全国に一千か所以上の相談窓口を設置しまして、事業主に対する周知を行いました。また、毎年度、中小企業が、中小企業向けの政策ガイドブックを作成しておりますが、そのガイドブックに労働関係助成金についての項目を設けていただいて、その具体的な内容を中小企業の方々に紹介をしているところでございます。  今後とも、中小企業の生産性向上を支援するため、中央だけじゃなくて地方においても関係省庁との連携を進めていきたいと考えております。
  23. 太田房江

    ○太田房江君 ありがとうございます。  私、地方行政に関わったときに思いましたのは、余り正直に申し上げるのもなんでございますけれども、中央よりも地方の方が各支分部局の連携が大変スムーズにいっているように感じました。中央はどうしても各省庁の縦割りというのが大変強くございますけれども、地方は意外と自治体を含めて横の連携が比較的うまく連携いっているように私は感じましたから、是非、中央がそれにまた先導役を務めていただければ一層連携が増していくのではないかと、このように期待をいたしております。  次に、仕事と育児や介護との両立支援についてお伺いをいたしたいと思います。  代表質問でも申し上げたんですけれども、多様な経験を持つ人々が活躍する企業はユニークな製品やサービスを生み出す力が高いということで、我が国の産業の強みというのはこういうところにも一つの源泉があるというふうに考えております。言わば消費者の視点に立って、あるいは当事者の視点に立って、産業あるいは製品、考えていくという視点ですね。  子育てや介護の経験というものも実はこういう消費者の視点に立った製品を生み出していく大きな力になると私は思うわけで、そういう意味からも、子育てや介護をしている方々が一度引っ込まれても、またもう一度職場に戻ってきて、その経験を生かした製品の開発やあるいは消費者のためのサービスづくりということをやっていただければと、こういうふうに思うわけです。これがまさに今回、仕事と育児、介護との両立支援をより円滑に行うために、雇用保険法上、改正された中に埋め込まれた考え方ではないかと私は考えております。  余りたくさん事例は時間の関係で挙げられませんけれども、例えば、イクメンのイクメンによるイクメンのためのベビーキャリア、これはだっこひもだそうですけれども、ジーンズメーカーとそれからベビーグッズメーカーが協業して、イクメンが格好よくだっこできるデニム素材のだっこひもというのを作られたそうでございますし、また、これは働くお母さんが考え付いた母親向けに託児付きランチサービスを提供するということ、これはすごくいいお値段なんですね、六千円台のランチということなんですけれども、高級レストランと提携をして、子供を預けて食事ができるサービス、これを提供しておられるそうです。たまには悩みを打ち明け合いながら、ちょっとおいしいものをお父さんいない間に六千円で食べちゃおうと、こういうサービスも大変はやっているようですね。陰で五百円ランチを食べているお父さんにはなかなか言えないことかもしれませんけれども。  こういうことで、介護や子育ての経験というのは離職した後復職して大いに生かせるということで、私は今のような事例も紹介をさせていただきました。  今回の雇用保険法の改正案でも、保育所の入所時期との関係で、原則一歳まである育児休業を六か月延長しても保育所に入れない等の場合、更に六か月、つまり二歳まで延長できることになったと、こういうことで、働くお母さんには私はこの部分は朗報だというふうに思います。また、この延長に合わせて育児休業給付の支給期間も延長できるということになりました。これによってキャリアを継続したいと考えておられる方々の不本意な離職が防止できるということになります。  ちょっと意外と時間のたつのが早いので、一問だけ飛ばさせていただきますけれども、この六か月の再延長に関しまして、職場の雰囲気が再延長しにくいという雰囲気でありますとその効果が半減をしてしまいます。  今回の改正では、育児休業の取得を断念することにならないように、事業主が対象者に育児休業の周知、勧奨をするための規定を整備されました。育児目的休暇制度というのも新設をされたところでございます。私はこうした規定大変すばらしいと思っておりまして、説明にもその他の改正というところに入っているんですけれども、実はこの部分の運用のやり方によっては職場の雰囲気を大きく変えることができるんではないだろうかと、こういうふうに考えます。  今後、こうした規定を活用して是非職場の雰囲気を変えることに尽力をしていただきたいと思いますけれども、この規定の運用の方向についてお伺いをいたします。
  24. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  今御指摘いただきましたように、育児休業制度、法律にございますけれども、私ども、二十七年に調査機関において調査をさせていただいたところ、育児休業を取得しなかったという方の理由を拝見しておりまして、その中には、職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったという形でお答えいただいている方が男性の正社員で二六・六%、女性の正社員で三〇・八%というデータがございます。  このようなデータ辺りも労働政策審議会などでも御議論をいただき、お取り上げいただいた上で、今御指摘いただきましたように、今般の改正において、事業主が育児休業の対象となる方を把握したときにその方に個別に取得を勧奨する仕組みを設ける、あるいは就学前の子供を持つ働く方々が育児にも使えるような育児目的休暇制度というものを盛り込むという形で努力義務として盛り込ませていただいております。  具体的には、事業主による働く方々への個別周知について、育児休業の取得を希望しながら制度があることを知らないとか、あるいは育児休業が取得しにくい職場の雰囲気などで断念することがないようにという趣旨でございまして、事業主が対象となる方に対して個別にこの育児休業制度などの周知に努めなければならないという形の根拠規定とさせていただこうと思っております。  また、育児目的休暇制度につきましても、特に男性の育児参加を促進するためという趣旨もございまして、就学前までの子供を持つ働く方々に対して育児にも使える休暇制度を設けるよう努力義務とさせていただいているところでございます。  法成立後は、今御指摘いただきましたように、こうした仕組みが円滑に少しでも活用されるということが大事だというふうに私ども思っておりますので、リーフレットを作成する、あるいは企業への説明会などあらゆる機会を捉えましてこの施策の周知努めますし、企業の方々の御理解もいただいて、男女双方にとって育児や仕事の両立をしやすい環境づくりに進めさせていただきたいというふうに思っております。
  25. 太田房江

    ○太田房江君 是非ともこの規定をうまく使っていただいて、男女とも、お母さんもお父さんも育児休暇しっかり取れるような方向をつくっていただきたいと思います。  次に、出産などを機に離職した方々の再就職支援についてお伺いをいたします。  資料五に女性の年齢別就業率、いわゆるM字カーブというものを持ってまいりました。御承知のように日本はM字になっているわけですね、就業率とそれから年齢層との関係がM字型になっておりますけれども、欧米はこれがないということで、これをどんどん、このM字のへこみを上に上げていこうということをこれまで男女共同参画あるいは女性活躍推進ということで進めてきたわけですけれども、まだ日本はこのへこみが明確にあって、右にございますように、このへこみのところで再就職を希望しておられる方、就業希望者ということで見ますと、この部分で百三十六万人ですか、二十五歳から四十四歳で百三十六万人の方がこのM字のへこみのところから出てくれば潜在的な労働力が顕在化する、こういうことでこういう図を持ってまいりました。ですから、一度離職した方々がもう一度職場に戻ってきていただくと、日本の先ほど来申し上げております人手不足というものも大きく改善をされるということだと思います。  しかし一方で、現代の技術革新を含めたスピード感のある変化の中で、僅か数年のうちに仕事に求められるスキルも変わっていく。そういう時代の中で、この変化に遅れること、変化に付いていくことができなくなっては困ってしまうということを心配して、子育てを諦めたり、介護のために離職したりという方々が出てこられるわけです。  離職後、資格を持っているけれども、ブランクが心配で現場に復帰したくてもできないという看護師さん、保育士さん、それから介護士さんなどの方々も大勢いらっしゃって、私は、こういう方々が、二〇二五年問題と言われる中で今職場に戻ってきていただければ、今申し上げたような職種における、人手不足と申し上げるのもちょっとどうかなと思いますけれども、人材の活用ということが図られることになるのになと政務官をやったときも強く思いました。本当にもったいない話だと思います。  今回の雇用保険法改正では、教育訓練給付が拡充をされることになります。就業ニーズの高い分野において、高度かつ実践的なスキルの習得を目的とする講座の増設、これが期待されているわけであります。また、平成二十九年度の予算案では、出産、子育てなどでのブランクが長くなっても教育訓練給付を受給できるように、その期間を十年に緩和をすることになっております。リカレント教育講座などの開設数がまだまだ必要という声もあるものの、今回の改正はその大きな前進、第一歩であるというふうにも評価できます。  ただ、気になることが私には一つございまして、これはリカレント教育ということだけではないんですけれども、最近、企業自身が自前で行う能力開発投資というのが減少傾向にあるということなんですね。  資料六、最後の資料を見ていただきますとお分かりいただけると思いますけれども、企業の支出する教育訓練費、これが、見ていただいて分かりますように、一九九一年と二〇一一年とを比べますと、青い棒グラフが一九九一年、そして赤い方が二〇一一年ですけれども、いずれの従業員数のところでも大きくこの能力開発投資、教育訓練費が減っているのが分かります。中小企業の方は割合頑張っておりますけれども、特に一千人以上の大企業のところ、これが半分近くに減っているというのは、私はちょっと心配な点だなというふうに考えております。  こういう企業の傾向について厚労省はどのように捉え、どのように対応していかれようとしているのか、お伺いをさせていただきます。
  26. 宮野甚一

    ○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。  今先生からお示しをいただきましたとおり、近年、企業の支出する教育訓練費が横ばい、減少傾向にございます。我が国の経済を持続的に成長させていくためにも、厚生労働省としても、企業への支援等を通じ人材育成にしっかり取り組む必要があると認識をしております。  このため、厚生労働省では、企業が従業員に対して行う職業訓練に対する助成措置を通じて企業の人材育成に関する取組を支援してまいりました。さらに、今年度から、働く方の自律的なキャリア形成支援について他の模範となる取組を行っている企業を表彰するグッドキャリア企業アワードを実施をし、その理念や取組内容等を広く発信するなど、経営トップの意識改革を含めまして、企業によるキャリア形成支援の重要性の普及啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。
  27. 太田房江

    ○太田房江君 私は、この教育訓練費の減少傾向というのは、企業の企業経営における視点、つまり短期の利益を追求する余り中長期の投資、人材投資もその一つだと思いますけれども、に対して、以前に比べますとかなり消極化しているということが影響しているんではないかというふうに見ております。また後でもちょっとお伺いをいたしますけれども、こういう傾向は日本の競争力を長い目で見るとそいでいく方向になりますので、是非とも、厚労省におかれましても、企業への働きかけ、これを努めていただければなと考えております。  さて、女性のリカレント教育に関しまして、今日は文科省にも来ていただきました。大学等と自治体、産業界が連携をした女性の学び直し、これをサポートする地域モデルを今構築しておられるというふうに聞いております。再就職支援を実りあるものにするためには、雇用主、産業界が求める実践的な能力を正確に把握してリカレント教育に反映していくことが欠かせないというふうに考えますけれども、リカレント教育を推進していく際の産業界との連携について、どのように進めていかれるお考えなのか、文科省の御見解をお伺い申し上げます。
  28. 神山修

    ○政府参考人(神山修君) お答え申し上げます。  文部科学省におきましては、女性のリカレント教育を推進していく際の産業界との連携につきましては、今先生御指摘をいただいたように、地域におきまして大学等が地元の産業界や男女共同参画センターあるいはハローワークといった関係機関とネットワークを構築し、それぞれの役割を認識しながら求められる人材像を共有し、女性の学びから再就職等の出口までを一連のものとしてつなげていくような地域モデルの構築を図ることとしております。  また、大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的、専門的なプログラムを文部科学大臣が認定する職業実践力育成プログラム認定制度という制度がございますが、この制度の認定におきまして、企業と連携した授業の実施や教育課程の編成を行うに当たって企業等の意見を聞く仕組みを整備するなど、企業のニーズを踏まえたプログラムを認定してございます。また、現在、女性が通いやすい短期のプログラムの認定制度の創設に向けて検討を行っているところでございます。  今後とも、女性のリカレント教育の充実に私どもとして取り組んでまいる所存でございます。
  29. 太田房江

    ○太田房江君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをいたします。  次に、職業紹介事業等の機能強化や求人情報等の適正化についてお伺いをいたします。  今回の改正によりまして、職業紹介事業者の選択に役立つ情報の提供や労働契約締結前の労働条件等の明示などの義務付けがなされる一方、虚偽の求人申込みの罰則対象化などが盛り込まれました。これによりまして、実際の労働条件が事前に示されていた求人内容と異なることから発生するトラブルが減少し、求職者としても安心してハローワークや職業紹介事業者を利用できる環境が整うものと考えます。  一方、このような制度を設けたとしても、トラブルに巻き込まれた場合に制度自体を知らなかったために泣き寝入りをしてしまうのでは意味がありません。特に、初めて仕事を探す社会人になる前の方々は、学校等でこのような制度をしっかり知っておくことが大切であります。  そこで、これらの仕組みについても、文部科学省等としっかり連携して教育や周知を徹底すべきというふうに考えますが、厚労省にお考えをお伺いいたします。
  30. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  今回の職業安定法の改正におきましては、虚偽求人等へのトラブルの対策を盛り込んでおりまして、例えば労働者の方がこの求人の内容が虚偽ではないかというような疑いを持った場合には、都道府県労働局に通報いただければ、事業主等に対しまして必要な指導を行いまして是正を図ることができるわけでございますけれども、委員御指摘のように、そもそも制度を知らないということになりますと通報ができないわけでございます。  そういった意味で、今回の改正の内容も含めまして、法制度の内容の周知を図ることは、対策の実効性を高めまして、様々な問題の防止や問題の早期収拾に役立つものと考えてございます。特に、これから仕事に就く若者への教育が重要とも考えてございます。  このため、これまでも労働法教育につきましては、文部科学省等と連携をいたしまして、例えばこれから就労する大学生等を対象にしまして、労働法制についてのハンドブックの作成でございますとか大学等へ出向いての出張講座の実施なども行ってきたところでございます。  今後とも、文部科学省等関係者と連携いたしながら、例えばインターネットを活用してより効率的にやる等の周知などにも取り組んでまいりたいと考えてございます。
  31. 太田房江

    ○太田房江君 最後に、ちょっと持論の展開みたいになって恐縮なんですけれども、企業の子育て支援を始めとする人材投資、先ほど能力開発投資が少し下降ぎみであるというようなことを御紹介申し上げましたけれども、これをもっと活発化する必要があるということについてお話をさせていただく一方、質問いたしたいと思います。  フランスの事例をちょっと御紹介したいんですけれども、日本経済研究センターというところの報告書でございますので、全部が正しいかどうかという点については確かめなくてはなりませんけれども、フランスは、皆さん御承知のように、一度大変落ちてしまった合計特殊出生率が復活をして二に近くなってきたと、今二を超えている年次もございました。  その歴史をこの日本経済研究センターというところの報告書でたどってみますと、一九九〇年代の初頭、今申し上げたように、出生率が一・六程度にまで下がったわけですけれども、その後上昇いたしまして、近年は、人口置換水準近辺、これ二・〇七でありますけれども、この付近まで上昇をしたと。そして、二〇一四年では一・九八というところまで来ております。  上昇の契機となった事項をちょっとたどってみますと、一つは認定保育ママ制度への支援強化、それから育児手当の拡充などの子育て支援の強化、これがやっぱり大きく効いたというふうに年表の中で重ねていきますと考えられるわけですけれども、一方で週三十五時間労働奨励法の公布とも重なっておりまして、今、日本が進めようとしている働き方改革の道筋がある程度子育て支援、出生率の向上にも役立ったということがフランスでは起こっているわけであります。  これもまたよく知られているところなんですけれども、フランスは少子化問題を狭く捉えるのではなくて、教育、住宅、雇用等を含む家族政策として捉えて、これらの政策パッケージとして政策対応を行っていると。これもよく言われるところであります。また、税制も、N分N乗方式というんでしょうか、子供さんをたくさん持たれた家庭の方が所得税が少ないというような税制も、これ世界に有名ですね。  こういったようなことが功を奏して、フランスも非常に長い間出生率が低下をしていったんですけれども、九〇年代に入って徐々に上昇をし始め、現在、今申し上げましたように一・九八というところで推移をしているということだろうと思います。  家族関係予算のGDP比というのを改めて見てみますと、日本は一・三%、それからフランスは二・九%、更に高いところがスウェーデンで三・六%と、こういうことになっております。  そして、もう一点、強調したいことなんですけれども、家族支援の歴史にフランスでは企業が大きく関わってきたということです。精査をしておりませんので、もう少し勉強しなくてはならないと思っておりますけれども、例えば、一九一八年に人口減少に大きな危機感を持った一部の企業が家族手当補償金庫というものを設立したというふうに聞いております。そして、これが発展をしていって、この金庫への企業の加入義務化が始まったのが一九三二年、そして一九四六年には家族手当金庫、これはよく知られているものですけれども、CAF、これが設立をされたということです。  二〇一二年の家族給付の歳入内訳、これを見てみますと、約四五%が企業の負担ということになっておりまして、国、自治体による拠出分の三二%を大きく上回っております。精査が必要ですけれども、私が見た資料ではこのようになっておりました。このことは、やはり企業が子育て支援を始めとする様々な国の政策に大きな役割を果たしている証左ではないだろうかというふうに考えられます。  日本では、二十八年度から五万人分の保育の受皿整備として企業主導型保育事業というものが始まりました。これは、国の政策に対する、国の政策というんでしょうか、あるべき社会をつくるために企業が積極的に参加をしてきた好事例ではないかと私は捉えておるところでございます。予算も、この企業主導型保育事業については、二十八年度約八百億円、そして二十九年度約千三百億円ということで拡充をされております。  そして、この制度、私が期待するのは、ただ単に自分たちの企業で働いている従業員のお子さんだけではなくて、地域住民に開放される形であってもらいたい。そして、その地域枠というものも自主的に設けることができるようになっておりますけれども、その地域枠が有効に活用される形でこの企業主導型保育事業が広まってもらいたいと、このように願っているわけですけれども、企業主導型保育事業、まだ始まったばかりではありますけれども、現状についてお聞かせ願えますでしょうか。
  32. 中島誠

    ○政府参考人(中島誠君) 企業主導型保育事業につきましては、委員御指摘のように、仕事と子育ての両立支援の推進を図るという観点から、平成二十九年度予算案では約千三百億円を計上させていただいていますけれども、事業主からの拠出金を活用して実施させていただいているところでございます。これによりまして、多様な働き方に対応した弾力的、柔軟な保育の提供が可能な仕組みとしてつくらせていただいているところでございます。  昨年四月から制度施行でございますけれども、これまでの間、経済団体を通じた周知、広報、また経済産業省さんの地方経済産業局とも連携させていただいて企業説明会を重ねてまいりまして、おかげさまで助成申請につきましてはこれまで約千施設、利用定員につきましては約二万三千人分の申請をいただいて、既に交付決定といたしましては八百十五施設、一万九千十八人分について決定をさせていただいたところでございます。  委員御指摘の地域枠につきましては、制度の仕組みとして総定員の五〇%以内での設定が可能だということにさせていただいていますが、この十六日現在、集計させていただきましたら、七五%に当たる六百十施設において地域枠を設定していただけるということでございます。  今後、平成二十九年度末までに五万人分の保育の受皿を確保するということでございますので、しっかり地域枠の設定も含めまして企業の取組を支援してまいりたいと考えておるところでございます。
  33. 太田房江

    ○太田房江君 私も、この間、七五%に当たる六百十施設がいわゆる地域枠を設定しているということをお聞きいたしまして、この企業主導型保育事業も地域に開かれた事業として大変いい形でスタートしているなということを感じました。このまま地域枠の設定が増えていけば待機児童ゼロにも大きく貢献をするわけでありますから、是非こういう形で進めていただけるようお願いをしたいと思います。  先ほど企業の能力開発投資が減少傾向にあることも御紹介をいたしました。一方、国の方は、働き方改革の中でも、労働保険特会雇用勘定の人材投資関連予算を倍増して、来年度は今年度の千三百億円から二千七百五十億円へと倍増するというふうに聞いております。また、これはどういう形で言葉として残るか分かりませんけれども、これを未来への人材投資プランという名称で推進していこうという議論も行われているようであります。  さっきもちょっと申し上げましたけれども、株主の短期的な利益を追求するだけではなくて、企業が、研究開発にしましても、今のような子育て支援にしましても、あるいはより広く従業員や地域に対する配慮にいたしましても、日本型の中長期的な視点に立った経営の中で、日本の企業には大企業を中心にしてこういった配慮をしっかりしていっていただきたいというのが私の意見でございます。  こういう中で、子育て支援や人材投資など、一億総活躍社会の実現のために企業も含めて積極的な参画ということを望みたいと思っておりますけれども、こういう、皆が支え合う社会を国全体で構築していく、企業も自治体も国もそして経済界全体としてもこういったことに理解を示して、皆が支え合う社会を国全体で構築していく中に参画をしていく、こういう視点が今極めて大事になっているんではないかと考えますけれども、この部分だけは、大臣、よろしいでしょうか。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
  34. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 御質問ありがとうございます。  ニッポン一億総活躍プランに、成長と分配の好循環をつくると、持続可能な社会を構築するためには企業の役割も大きなものというふうに位置付けられているんだろうというふうに思います。とりわけ、一億総活躍の国づくりを進める上で最大のチャレンジだというふうに総理が言ってまいりました働き方改革、近々この実行計画というのが決まることになっておりますが、日本の企業あるいは暮らし方の文化を変えようと、こういう大きな試みであるわけでございます。政府としても長時間労働の是正などに取り組んでまいりましたけれども、企業にも共に協力をしていただかないとこれはうまくいかないわけでありまして、企業風土、文化、これらへの言ってみれば我々としても挑戦をするということではないかというふうに思います。  また、先ほど御指摘あったように、企業からいただいた拠出金によって子育ても支援をしっかりやっているわけで、児童手当もそうですし、それから放課後児童クラブ、これもそうであります。それから、延長保育などもそうでありまして、今年度からは、先ほど御指摘をいただいた企業主導型保育事業、これも新たに創設をさせていただいたわけでございます。  人材育成については少し投資が減っているじゃないかと、こういうお話がありましたが、先進的な企業の取組を表彰、普及するといったことにより、企業による従業員のキャリア形成支援をやはり促していくということが大事だと。同時に、事業主負担のみで賄われている雇用保険二事業によって、企業による従業員の人材育成、これに要する費用を助成をしていこうと思っていますし、これまでもやってまいりました。  さらに、ここで様々な政策目的に合わせて助成をしていこうというふうに思っていますが、こういう子育て支援あるいは人材育成に企業に積極的に参画をしていただくことは、企業側にとっても、従業員の福利厚生や、あるいは能力開発、さらには生産性の向上、こういったことにつながるだけではなくて地域の発展にもつながっていくということで、企業主導型の保育も地域との協力というものも大事な点ではなかろうかというふうに思います。  いずれにしても、こういうような考え方について企業の理解、協力を得ながら、引き続き持続可能な社会づくりを進めてまいらなければならないというふうに思っております。
  35. 太田房江

    ○太田房江君 どうもありがとうございました。  以上で質問を終わります。
  36. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。  今回は、政府提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案について質問させていただきたいと思います。今回の雇用保険法改正案でも保育園に入園できなかったケースの対応に言及されていますけれども、法律案の質問に入る前に、保育に関して、最近の問題について幾つかの点について質問をいたしたいと思います。  兵庫県姫路市内の私立認定こども園、わんずまざー保育園のあきれた実態が次々に明らかにされていますけれども、この保育園ですけれども、定員が四十六人のところ、それを二十二人も超える園児六十八人を超過受入れしていたということが発覚されました。それに伴って、今度は給食の内容もいろいろ発覚しまして、給食が不足していたと。スプーン一杯分のおかずしか行き渡らなかった園児もいたということが後に分かりました。  このことでちょっと私自身のことも思い出したんですけれども、私の子供たちも一歳、二歳のときに認可外保育園に通っていまして、半年ぐらいたったら痩せていったのでおかしいなと思っていろいろ詳しく調べたら、給食が足りなかったということが分かって、びっくりして私すぐやめさせましたけれども、こういったことはもしかしたらいろいろあるのかなと思って本当に心配しています。  また、残った給食を冷蔵、この保育園のことですけれども、冷蔵・冷凍保存し、後日解凍して子供たちに食べさせることもあったという、そういったニュースも流れております。  このほか、保護者が顔を出す時間帯以外は暖房を消していたとか、本当は保育施設内の適切な温度というのは冬場の場合は二十度でなくてはいけないというそういった規定があります。にもかかわらず、二月二日に監査員が入ったときに十四度だったという。本当にかわいそうですけれども、こういったこと二度と起きないようにする必要があると思いますし、寒さに耐えるということも虐待の一つだと思いますので、これは本当に注視するべきだと思います。  保育の質の懸念という点で共通するのが、森友学園が運営する肇國舎高等森友学園保育園、この問題です。こちらの保育園では、児童虐待を疑わせる行為があった可能性もありましたし、助成金を不正受給していた疑いもありますし、また朝八時から十六時半までしか児童を預からなかったという、こういった実態の問題が摘発されておりますが、このような不適切な保育が横行する現状に対し、大臣はどのような問題意識と対応方針をお持ちでしょうか、御所見をお示しいただきたいと思います。
  37. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは衆議院の方でも厚生労働委員会で取り上げられておりましたけれども、保育園の設備運営については、厚生労働省が定める基準に従って、あるいは参酌をして自治体が自治事務として条例を定めるということで基準を決めて、それに従って指揮監督を行っていると、こういう法的な枠組みになっているというふうに思います。  この基準を維持するために、自治体は必要な調査等を行うとともに、基準に達しない場合は必要な改善勧告、改善命令、事業停止命令などの対応を行うことになっていまして、それをきちっと適切にやっていないということになれば、厚生労働省はそれなりにやっぱり言わなければいけないことは言わなきゃいけないということになるんだろうというふうに思っているところでございますので、森友の方では保育企画課、大阪市のですね、ここが指揮監督権を持っておりますので、三月中にも立入調査をするというふうに聞いておりますので、そこからどういうふうに大阪市が判断をするのかということをまず見守っていきたいというふうに思っておりますし、先ほどお取上げをいただきました姫路のケースは、認定こども園としては兵庫県であり、特定教育・保育施設としては姫路市が指揮監督の権限を持っているということでありますので、兵庫県と姫路市、ここにおける対応をしっかりと見て、必要な処分等の対応が適切かどうかも私どもは報告を求めていきたいというふうに思っています。
  38. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 待機児童の問題が深刻化する中で、多くの場所では子供たちや親御さんたちが余り選択肢がないケースが、保育所を選んでいる場合じゃないケースが多いと思うんですけれども、そういった意味においても、やはり保育の質とサービスのレベルというのを本当に一定以上しなくてはいけないということも国の責任だと思いますので、是非留意していただければと思います。  続きまして、本論であります雇用保険法の改正案に関しお伺いしたいと思います。  現行制度では、雇用保険の適用範囲は、一週間の所定労働時間が二十時間以上かつ同一の事業主に継続して三十一日以上雇用されることが見込まれる者というふうにされています。この適用範囲につきましては、これまで徐々に拡大されてきたところがありまして、皆様にお配りした資料の一枚目を御覧いただきたいんですけれども、このように、現行制度となった平成二十二年には当時の推計でおよそ二百二十万人が新たな資格取得者となりました。  最近では、非正規雇用労働者が増え、そして役員を除く雇用者全体のおよそ四割を占めるに至っており、その中でもやっぱりパートタイムの人たちが約半分占めているんですね。二ページ目を御覧いただければお分かりだと思います。  短時間の就労で生計を維持している、そういった人たちは非常に多いということがこれでも分かりますけれども、このような現状を踏まえれば、現在、週所定労働時間が二十時間未満の労働者、雇用保険の適用外となっている人の失業時におけるセーフティーネットについてもやはり検討する必要があるのではないかと思うんですが、この週所定労働時間二十時間の線引きに関しましては去年の雇用保険法等改正案の審議の際にも議論となっていますけれども、雇用保険の適用拡大の必要性に関して、厚労大臣として見解を改めてお伺いしたいと思います。
  39. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 雇用保険制度は、今お配りをいただいたような推移をたどってきているわけでありますけれども、自らの労働による賃金で生計を維持している方について失業時に必要な給付を行って求職活動を支援するという、これが基本の形だというふうに思います。  週所定労働時間が二十時間に満たない方は、労働時間がフルタイム、四十時間の半分に満たないという、そういった方々であるわけでございますが、こうした趣旨に照らしてみますと、雇用保険適用の対象外という整理になっているわけでございます。  これらを拡大をするということは御意見としてあるわけでございましょうが、それにつきましては、やはり労使の意見も伺いながら慎重に検討すべきものなのかなというふうに思っているところでございます。
  40. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 雇用保険制度というのは、その趣旨からして、やはり全ての働く人たちのセーフティーネットにならなくてはいけないんではないかと思うんですね。そういった意味でも、やっぱりこのグラフでも見てお分かりのように、この週所定労働時間二十時間の線引きについて、所定労働時間要件を週十五時間まで引き下げるべきと考えますが、是非御検討いただければと思います。  同じく雇用保険の適用対象に関して申し上げれば、複数の事業主の下で短時間労働の仕事を掛け持ちしているいわゆるマルチジョブホルダーの雇用保険加入の問題がございます。現行法令では、一か所で週二十時間以上の契約で働いている人が雇用保険に入るということになっておりますけれども、例えば二つの会社でそれぞれ十五時間ずつ、週の合計で三十時間働いているという労働者は、雇用保険に入りたくても入れないんですね。雇用保険が適用されていないこうしたマルチジョブホルダーは、全国で何と三十万人以上いるというふうに言われております。  三ページ目を御覧ください。これ、少し前の資料ですけど、今は約三十万人以上いるというふうに言われております。このマルチジョブホルダーの適用対象化については、平成二十二年九月三十日の第六十四回雇用保険部会において保護の必要性が指摘されながら、その後は中長期的観点から議論という方向性が繰り返されるばかりであって、具体的な進展が見られないんですね。  ちょっと四ページ目も御覧いただければと思うんですが、去年の十二月十三日に出されました労働政策審議会の雇用保険部会報告でも、仮にマルチジョブホルダーについて適用を行う場合には、技術的な論点、雇用保険制度そのものの在り方との関係など専門的に検討する課題があることから、専門家による検討会を設置し、検討を進めていくことが必要であるというふうに報告でも言っているんですけど、言わば仮定による記載にとどまっているわけですね。  そこで、マルチジョブホルダーへの雇用保険適用についての大臣の御所見を伺いたいということと、また設置されるという検討会につきましても、具体的なタイムスケジュールなどございましたら是非お示しいただきたいと思います。
  41. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいたいわゆるマルチジョブホルダー、つまり副業、兼業、この問題でございまして、雇用保険の適用ということでは先ほども申し上げたような整理がなされているわけでありますけれども、今お配りをいただいております労政審の雇用保険部会の報告書の、これは去年の十二月の十三日付けの中でも触れておられますけれども、複数の事業主の下での労働時間をどう適切に把握をするのかという問題、あるいは、仮に適用するとしても、何をもって、じゃ、今度は失業というのはどういう場合に、片一方だけでも失業と呼ぶのかといったような問題がありますので、そういうところの判断を解決しないといけないということがございますが、いずれにしても、最近、マルチジョブホルダーであることをむしろ受け入れる会社が出てきているわけでもありますし、それで、今回の働き方改革実現会議でずっと議論する中で、このことについても前向きな、是非進めるべきだという御意見の方もたくさんおられたというふうに理解をしております。  したがいまして、まずは、今月末にこの実現会議の下で働き方改革実行計画というのがまとめられますけれども、その中においても触れられると思いますが、今お配りをいただいた雇用保険部会報告書の中で、この建議としても専門家による検討会を設置するということでありますが、まだ中身についてはどういう方にということは決まっておりませんが、今回の働き方改革実行計画をまとめる中で、こういうような方々に加わってもらって御意見を賜ったらどうだろうかということがだんだんに浮き彫りになってくるんじゃないかなというふうに思っていますので、保険料負担をどうするのかとか、いろんなことがあろうかと思いますので、是非積極的に御議論いただく場をつくっていきたいというふうに思います。
  42. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 技術的ないろいろな検討、課題はたくさんあると思うんですけれども、検討が推奨されてから七年以上たっていますので、是非前向きに検討をしていただきたいと思いますし、検討する期間というのも十分あったかと思いますので、よろしくお願いします。  また、諸外国、特にフランスとかドイツでは、マルチジョブホルダーについて、それぞれの雇用関係において失業保険が適用されるというふうになっているんですね。これは次のページ、五枚目を見ていただきたいんですけれども、これを見てもお分かりのように、こういう取扱いをしている国もあるわけですから、やはりこうした国々の事例も参考にしつつ、検討のスピードのピッチを上げていただきたい。一歩踏み込むべき時期ではないかと考えますので、是非御検討いただければと思います。  今回の改正では、原則一歳までである育児休業を六か月延長しても保育所に入れない場合などに限って更に六か月、要するに二歳までの再延長を可能にするとされております。待機児童問題の解消が喫緊の課題である中で、保育所などに入所できず離職せざるを得ない労働者の就業継続のために緊急的なセーフティーネットの措置を講じること自体は一歩前進だとは一応言えると思いますけれども、ですが、保育環境の整備が十分でなくて男性の育児休業取得率が依然として低い中で、育児休業の延長だけが先行するということは、育児休業取得が女性に偏る現状を助長してしまうと思うんですね。  次のページを御覧ください。その結果、ちょっと心配しますのは、企業が女性の採用についてためらってしまうのではないかということも考えられますので、是非そのことにも留意していただきたいと思います。結論として、政府が掲げる女性活躍推進に逆行するおそれもあるということも心配しなくてはいけないのかなと思います。  政府が目標として掲げている、二〇二〇年までに男性の育児休業取得率を一三%にする、こういった目標を掲げておられますけれども、職場における性別役割分担を払拭する、そして男性の育児休業取得を更に促進するような抜本的な施策が必要と考えております。具体的には、一歳六か月以降の延長の一部を男性の育児休業の取得に割り当てることができるということなど、いわゆるパパクオータ制の創設が効果的なのは明らかではないかと思います。  実際に導入も検討されたとの報道もありましたけれども、それがなぜ今回の案に盛り込まれなかったのか、御説明いただければと思います。
  43. 古屋範子

    ○副大臣(古屋範子君) 労働政策審議会における議論の過程では、一歳六か月以降の延長分の一部をこれまで育児休業を取得していなかった方の親とすべきとの意見も出た一方で、育児休業は労働者の権利であるにもかかわらず、もう一方の性に言わば強制的に取らせるような形となってしまうのはいかがなものかという意見もありました。  現行の育児・介護休業法においては、男性の育児休業の取得促進のため、両親が共に育児休業を取得する場合には、原則よりも最大で二か月長い一歳二か月まで育児休業を取得することができるパパ・ママ育休プラスという特例を設けております。しかしながら、この制度の認知度は妻が正社員の男性で一五・三%と低く、十分に活用されていない実態があります。このため、労働政策審議会の建議の記載の中で、「国は、パパママ育休プラスの周知について徹底すべきである。その上で更に使いにくいという状況であれば、その要因を分析し対策を考えるべきである。」とされたところでございます。  また、今回提出をしております改正法案において、事業主が育児休業の対象となる方を把握したときには、その方に個別に取得を勧奨する仕組みを設けることといたしております。この仕組みも活用いたしまして、従来からのパパ・ママ育休プラスについても一層の周知を徹底してまいります。
  44. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 これまで厚生労働省は、男性の育児休業取得の促進に向けて、パパ・ママ育休プラスを始め制度の周知に取り組んでこられたというのは御承知のとおりですけれども、ですが、男性の取得率は僅か二・六五%にすぎないんですね。  ノルウェーの方を調べてみましたら、一九九三年のパパクオータ制の導入以来、制度導入前は四%だったんですけれども、その後、父親の育休取得率は急増したんです。二〇〇三年には資格のある父親の九割以上がこの制度を利用するに至っています。ですから、こういった海外の好事例も是非参考にしていただきたいと思います。  今回の育児休業期間の延長に合わせて、育児休業給付の支給期間も延長されることになりました。育児休業給付は六か月目までは月給の六七%、それから、それ以降は月給の五割というふうにされております。休業期間が長くなればなるほどこのように休業給付金額の低さがネックになってくるということではないかなと思うんですが、出産前、月給の半額でどの程度の家庭が生計を維持できるのか、これもやっぱり検証する必要があるんではないかなと思います。  ちなみに、高い育児休業取得率を誇る先ほどから挙げていますノルウェーでは、出産前の給料の八割から一〇〇%の支給となっているんですね。本気で育児休業取得率を改善したいというふうにお考えになるならば、給付金額、給付率についてもやっぱり見直しを検討するべきではないかなと思います。もしそれが難しいのであれば、取得率の改善のためどのような取組が考えられるのかということも含めて、大臣の御所見をお願いしたいと思います。
  45. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、男性の育児休業の取得率が二・六五%というのは本当に非常に残念な数字であって、これをどう上げるのかというのは今回の働き方改革の中でも大変重要な議論があったと思います。  介護の離職にしても、それから育児にしても、やはり働き方改革をやらないとなかなか難しいというそういう御意見が、アンケート調査なんかやりますと、保育園の整備とかあるいは老人施設の整備とかに比べるとはるかに多いということなので、それだけ極めて大事だというふうに思います。つまり、取りづらいというのが一番アンケートで出てくるのが会社の中での男性が感じることなので、そこのところをどうするのかということを解決しない限りはあり得ないんだろうなと。スウェーデンの場合には男性が取らないと全体の日数が減るというような仕組みもあるようでありますから、そういうことも学んでいかなければいけないとは思っておりますが。  給付率の問題については、育児休業中の所得保障でありますけれども、今、雇用保険制度の育児休業給付は給付率六七%で来ているわけで、これ平成二十六年の四月から実行しておりまして、これ非課税であるがゆえに、この社会保険料免除措置も併せると、休業前の手取り賃金に比べると実質八〇%というふうにも計算できるわけでありまして、この失業給付、これ失業給付は給付率五〇%から八〇%と幅がありますけれども、一番それの中でいいところと匹敵するというぐらいのところまで来ているので、給付率的にはかなり最大限の努力を払っているというところまで来ているんではないかというふうに考えています。  この取得率、取得を促進するということについて、育児休業取得に対するハラスメント防止対策というのの義務付けをやってまいりました。それから、イクメンプロジェクトの実施、あるいは積極的に取り組む企業に対する助成などもやってきているわけでありますし、加えて、今回、改正法案で提案をしているのは、事業主が育児休業の対象となる方を把握したときはその方に個別に取得を勧奨する仕組み、育児休業を取りなさいということを勧奨する仕組みを新たに努力義務として設けているということでありまして、これらの取組を合わせていくことが、そして何よりも働き方改革でどう企業の文化、風土を変えるかということ、これと組み合わせていかなければ、男性の育児休業の取得がなかなか伸びないんじゃないかなというふうに思いますので、引き続きあらゆる手を尽くして取得を促していきたいというふうに思います。
  46. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 ありがとうございます。  ノルウェーでは、合計特殊出生率が八〇年代は平均で一・六八%まで低下しましたけれども、導入後の二〇〇七年は一・九まで回復しているんですね。安倍内閣が目指す出生率一・八、この目標を本気で達成するためには、就業が出産や育児の妨げにならない環境整備が必要だと思います。是非、前向きな検討をお願いしたいと思います。  育児・介護休業法関係のその他の改正事項として、こう書いてあります。事業主は、労働者又はその配偶者が妊娠、出産した場合、家族を介護していることを知った場合に、当該労働者に対して個別に育児休業、介護休業に関する定めの周知に努めるという育児休業制度等の個別周知についての規定を新設しております。育児休業の取得を希望しながら、育児休業を取得しにくい職場の雰囲気を理由に取得を断念することがないようにすることは非常に重要だと思います。  ただ、この育児休業取得の周知あるいは勧奨の重要性からしますと、努力規定ではなくて義務規定とすべきだったのではないかなと思うんですが、そうしなかった理由を是非御説明いただければと思います。
  47. 古屋範子

    副大臣古屋範子君) 今回の法案では、働く方が育児休業の取得をためらわないよう、事業主が女性社員本人や男性社員の配偶者が妊娠、出産したことを知った場合にその方に対して育児休業を取得できること等を周知、勧奨する努力義務を新たに追加することといたしております。  これを義務とすることにつきましては、妊娠、出産は働く方のプライバシーに関わる事項でありまして慎重な対応が必要となる場合があること、また、事業所の規模や企業風土、対象となる方の状況等を考慮して効果的に個別周知が行われることが望ましいことから努力義務としたところでございます。  努力義務とはいえ、厚生労働省としても、事業主から対象者に個別に周知をしていただくことは育児休業の取得を促進する上で重要だと考えておりまして、この個別周知が効果的に行われるよう、改正の趣旨等を周知徹底してまいりたいと思います。
  48. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 育児休業制度の取得状況調査では、育児休業を取得しなかった理由として、職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だったという回答が一定数ございます。特に日本企業においては、この空気ですとか雰囲気が育児休業取得の大きな妨げになっている側面が大きいです。  この休みを取りづらい雰囲気の払拭には、事業主からの声掛けは絶対に重要だと、必要だと思います。具体的に、かつ漏れなく個別の声掛けがなされるように運用上の御配慮を是非お願いしたいと思います。  本法案には、失業等給付の拡充、求人情報の適正化など、一定の評価をできる内容が含まれていますけれども、本改正案は、雇用保険法、それから労働保険徴収法、育児・介護休業法、職業安定法、こういった重要なものが、大きく四本の法律を束ねて改正しようとするものなんですね。日切れ法案である雇用保険法と、久しぶりの改正となる職業安定法を束ねる、このような安易なやり方は各法案の審議の充実を妨げるものであると思います。今後は是非ないようにしていただきたい。  それからもう一点は、介護保険法改正に関して言いますと、何と十二本、今朝の部会でも出ましたけれども、重ねて一括審議されようとしています。内容論以前の問題として、強くこのパターンをやめていただきたいということを申し上げて、私の質問にさせていただきます。  ありがとうございました。
  49. 川田龍平

    ○川田龍平君 会派を代表して質問させていただきます。今日は女性が多い日ですが、黒二点、頑張ります。  それでは、C型肝炎治療薬ハーボニーの偽造品問題で、薬局の開設者である法人と薬剤師に対して三月十六日に行政処分が下ったということですが、この行政処分は薬局開設者に手ぬるくないでしょうか。  薬機法の限界なのかもしれませんが、個人である薬剤師に対する処分はその後のライフプランにも、変更しなければならないほど重いものとなるかもしれませんが、開設者である法人は単に当該店舗の営業停止処分を数日受けるだけであって、この店舗が不採算だと判断すれば営業をやめてしまえばいいだけですし、法人としては新たな店舗を開設することもできますので、会社名を変えてしまえばもう誰も分かりませんから社会的制裁を受けることもありません。更に言えば、この法人を運営してきた個人は、大臣の言葉をお借りすれば、医療を食い物にしてもうけようという経営方針を貫けるんです。現場で働いてきた薬剤師のみが罰せられて、そういった働き方を会社の方針として許容するような法人やその法人の責任者を追及するすべを現行法では持っていないのです。  大臣は医薬品流通を改善することに熱意を持っておられるようですが、偽造医薬品の問題は、医薬品を患者や国民に直接届ける役目を担っている薬局や病院薬剤部に医薬品の品質管理と品質保証の徹底を求めればよいのです。最後のとりでとしてしっかりと責任を持って仕事をしてもらうためにも、そういった政策を実行すべきと考えます。その意味では、今回の事件で、利益優先で品質管理を徹底することなく漫然と医薬品を提供するような企業は薬局を運営するに値しないと考えます。  この二十九日から偽造医薬品流通防止のための検討会を開催されると聞いていますが、現行の薬機法は法人たる開設者を適正に処分することができません。不良企業に業界から退出いただける方法論を是非検討していただきたいと思いますが、法改正も含めた強い御意思を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
  50. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 冒頭お触れをいただいた事案というのは、平成八年から九年にかけて複数の保険薬局が医師へのリベートを行うなどの健康保険法違反、これによって保険薬局の指定を取り消されて、その後、同じ建物、設備で別の者から新たな薬局の開設許可の申請があったと、こういうものだったと思います。当時の判断では、指定を取り消された薬局と新たに開設許可の申請があった薬局との間には経営上の関係がないということが確認をされたことから、新たな保険薬局として適法に指定をされたものだというふうに理解をしております。  一方、今回のハーボニーに関する事案というのは、そもそもこういう類いのものは実は初めての事案であって、あってはならないことが起きたと私は思っていますので、これについては厳しく対処していかなければいけないし、こういうことが二度と起きない仕組みをしっかりつくっていかなきゃいけないと思っておりますが、この医薬品医療機器法違反によって、医療用医薬品の偽造品が国内で今回実際に流通をして患者まで届いちゃったと、こういうゆゆしきことでありました。薬局に対しては、現在までに奈良県などが同法に基づいて、薬機法に基づいて、業務改善命令や業務停止処分のほか、医薬品の管理に責任を負う管理薬剤師の変更命令などを行っておりまして、問題のある業務体制の是正を図っているというふうに承知をしております。  さらに、今後の制度の在り方に関しては、医薬品の製造から患者さんに渡るまでの一貫した安全な流通が確保されなければならないので、今回の事案をよく検証して、制度的な対応を含めて、来週に立ち上げる予定の検討会、ここでしっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  51. 川田龍平

    ○川田龍平君 大臣、お答えいただいたこの一九九七年の衆議院の予算委員会でも、当時、小泉厚生大臣だったんですけれども、同じようにこの法人薬局の問題について賛同されて、薬事行政の適正化を図るとおっしゃって既に二十年がたちました。是非この機会に、是非ともこの法改正も含めてお願いいたします。よろしくお願いします。  次に、スプーン一杯のおかずや定員の一・五倍の園児の受入れ、先ほど牧山委員からも質問がありました保育士の不当労働契約など、驚くべき実態が明らかになった姫路市の私立認定こども園、わんずまざー保育園が無届けでベビーシッターを派遣していた問題というのを伺います。  私は、この公的ベビーシッター制度をかねてより提案をしていますが、昨年もこの時期、このベビーシッター制度の問題を取り上げて、ベビーシッターの届出制ということになったことについて取り上げ、届出についてのインセンティブが足りないと警鐘を鳴らしてきました。子供たちの命に関わる事件が絶対に起きぬよう、届出制のインセンティブの導入と研修の質の確保に努めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
  52. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  個別の事案とは別に、昨年来委員御指摘いただいておりましたいわゆるベビーシッター事業、法的には居宅訪問型保育事業と申しますが、これを含めた認可外の保育施設については、今御指摘いただきましたように、届出義務が児童福祉法で掛かっておりますし、その義務の対象範囲を昨年の四月から拡大をさせていただきました。この届出の義務が非常に重要なものだというのは私どもも思っておりまして、これ、そもそも届出を行わなかった場合、あるいは虚偽の届出を行った場合には、児童福祉法によって罰則が掛かるという重いものでございます。  この届出を徹底していただくように、いろいろな機会を通じての周知をいたしますとか、あるいは、二十九年度予算からはこの事業者からの届出手続の利便性を図るためのいろいろな予算上のシステム構築経費の補助などもしておりますが、重ねて、今御指摘のように、もっとインセンティブが掛けられないかという御指摘をいただいているところでございます。  私ども、特に認可外の保育施設指導監督基準を満たす旨を証明書という形でこれまで対外的に、ここは基準を満たすような認可外施設だという形のものをしております事業の対象を、この義務の対象拡大と、まあ追っかけてそれを拡大しておりますので、言わば、おっしゃっていただいておりますように、うちは満たしているんだよということの証明書をこういうところで発行していただけるようにさせていただいているところでございますので、こういうインセンティブ的な要素と、先ほど来申しておりますその周知を徹底して、何よりもきちっと事業者の方々の御理解をいただいて届出が適切になされるように私ども取り組んでまいりたいと思っております。
  53. 川田龍平

    ○川田龍平君 昨年も取り上げさせていただきましたが、やはり認可の保育所であるとかの保育士さんの方が研修が受けやすくて、認可外の方が研修が受けにくいといったところもありますので、是非そういったところで、届出をしたことによるインセンティブをいろんな形で付けていただきたいと思います。  さらに、地方の小規模な工場で夜間働くお母さんから、保育サービスが足りないということで、夜間保育サービスの不足についての声を伺っています。例えば、病院など夜間の保育が必要であったりとか、それから若しくは農協ですとかあるいは企業主導型保育所などでの地域開放の取組状況について現状はどうなっていますでしょうか。
  54. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) 恐縮でございます。  まず、御指摘いただきました中の夜間保育事業につきましては私ども厚生労働省の方で担当させていただいておりますので、その実施事業といたしましては、認可を受けた形で実施をいただいております夜間保育所、これは午前の十一時頃から午後の十時頃までという形でやっておられますところ、平成二十八年四月一日時点において全国八十一か所という形で、まあ近年比較的同じような数字になってございますが、事業を展開していただいております。  また一方、いわゆるベビーホテルと言われるような認可外の施設での保育、具体的には夜八時以降の保育、あるいは宿泊を伴う保育、一時預かりの子供が利用児童の半数以上というようないずれかを要するものをここではベビーホテルと申しておりますけれども、平成二十七年三月三十一日時点におけるデータとして、手元、千七百四十九か所という形で把握をしてございます。  また、認定こども園の地域開放について、ちょっと私ども所管でありませんで、急な御質問で手元にございませんが、ざっくりと申し上げれば、非常に大きな、半数近く、半数まで行きません、四割程度のところが今そういう形で企業主導型保育を進める中で開放に努力していただいているということで聞いておりまして、これは内閣府の方と協力をして、地域における受皿確保について我々も見守ってまいりたいというふうに思っております。
  55. 中島誠

    ○政府参考人(中島誠君) 企業主導型保育について、吉田局長から代わって答弁をいただきましたが、改めてちょっと丁寧に答弁をさせていただきます。  企業主導型保育事業につきましては、委員御指摘の中小企業による共同設置とか共同利用も可能としておりますし、また、従業員の勤務時間に対応した形での保育の提供も可能なような形で仕組みをつくらせていただいています。  それで、地域の子供に開放しているいわゆる地域枠の率は、先ほども御答弁申し上げましたが、数にいたしましたら全体の七五%ということです。それからまた、夜間まで開所している施設、病院や工場における設置数につきましては、現時点ではまだ運営が開始されているところが少のうございますので、正確には把握しておりませんが、こうした事例も数多く見られるところでございます。  しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  56. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非、今後しっかり見守っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。  それでは、職業安定法の改正案に関しても何点か伺います。  ここにおられる島村筆頭理事、小川委員と自見委員と薬師寺委員も所属されている、私も会長をやっています国民生活・経済に関する調査会で、先日、労働分野における格差の現状と課題というテーマで千葉商科大学の常見陽平先生からヒアリングを行いました。その常見先生から、民間の求人広告会社を許認可制にするべきとの御意見をいただきましたが、いかがでしょうか。
  57. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  現行の職業安定法におきましては、求人情報サイト等の募集情報等提供事業者につきましては規制や指導監督の制度がございません。  これらの募集情報等提供事業者につきましては、現在広く運営されておりまして、求人情報サイトでございますとか求人情報誌などを展開しているところでございます。こうした者に対しまして許認可制による事前規制を設ける場合には、必要性や妥当性などにつきまして慎重に検討する必要があると考えているところでございます。  その中で、今回につきましては、その適正な業務運営の履行を確保していくために、まずは業務運営の改善、向上に向けた努力義務を課すとともに、必要に応じまして指導助言や報告徴収を行うことができることとすることが適当と思いまして今回の改正案を提出した次第でございます。
  58. 川田龍平

    ○川田龍平君 また、常見先生からはもう一つ、求人広告で表示される情報を適正化すべきとの御意見もいただきましたが、この点、いかがでしょうか。
  59. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) 現行法におきましても、事業主が虚偽の労働条件を提示しまして働く方を募集することは職業安定法に抵触するものでございます。こうした事案に対しましては、指導等により是正を図っているところでございます。  今回の法改正におきましては、求人情報サイト等の募集情報等提供事業に対しまして、情報の適正化に向けた努力義務を課して指導監督を行うこととしてございます。  この努力義務として実施を求める具体的な内容につきましては、これは法律が成立しましてから指針等で示すことにいたしておりますけれども、この指針の内容といたしましては、働く方からの苦情を受け付ける体制を整備すること、それから、募集を行う事業主と協力しまして募集情報を適正化し、協力に応じないような企業がございましたらその不適切な求人は掲載しないことなど適切に対応するといったことを記載する予定でございます。
  60. 川田龍平

    ○川田龍平君 この広告項目については自主規制もあるということなんですが、業界団体非加盟の者はこの自主規制もしていないわけです。本当に多くの業者があるわけですので、是非しっかりとこれやることをやっていただきたいと思っています。  常見先生は大手の求人広告会社に勤務されていたという御経験もあり、これは重く受け止めるべきだと思います。是非、次の法改正の際にはこの二点を検討いただきたいと思います。  職業紹介事業者に義務付ける情報提供について伺います。  ある大手の職業紹介サイトで建設業の職人を一名採用したところ、たった一日で辞めてしまうということがありました。職業紹介事業者からは紹介手数料の半額の二十五万円を請求され、支払わずにいたところ、違約金五百万円を請求されたとの相談を受けたことがあります。確かにウエブ上には手数料についても違約金についてもどこかに書かれていたようですが、見落としがちのようです。  今回の改正で、職業紹介事業者に義務付ける情報提供の手数料に関する事項に返戻金制度が加わるとのことですが、今後は一日で辞めても半額請求されるなどの仕組みが契約前に事前に分かりやすく求人側に伝わる仕組みになるでしょうか。また、違約金も情報提供として義務付けられないでしょうか。  簡便さを重視したウエブ上の紹介契約が主流となっている今、時代に逆行するようですが、トラブル防止のため、手数料や返戻金、違約金などの金額についても明示した契約書を文書で交わすことを推奨すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  61. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  今回の法改正によりまして、今御紹介いただきましたとおり、職業紹介事業者に対しまして、返戻金、これは、紹介で就職した労働者が早期に自ら退職した場合等におきまして手数料の一部を求人者に返戻する制度でございます。これは言わば手数料制度の裏表でございますので、こうした返戻金制度などの内容の情報提供を義務付けることとしてございます。  一方、御指摘の違約金でございますが、これは職業紹介事業者と求人の事業者との間に契約不履行等のトラブルが生じた場合の対応につきまして両者間で取り決めるものと承知してございますが、これは手数料制度とは若干性格が異なっておると思っておりますので、これを返戻金制度と同様に対応することはなかなか難しいのではないかと考えてございます。
  62. 川田龍平

    ○川田龍平君 これ、是非今後は、一日で辞めてしまった場合でも幾ら支払わなければならないか、事前に求人側に分かりやすく情報提供がなされ、これ、契約書面は紙かメールで交付されると理解してよろしいでしょうか。
  63. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) 現行法におきましても、職業紹介事業者は、事業主からの求人の申込みを受理した後、速やかに書面の交付又は電子メールによりまして手数料に関します事項を明示しなければならないこととされてございます。  改正法の施行に当たりましても、返戻金制度の有無やその内容につきましても明示しなければならないこととする予定でございます。
  64. 川田龍平

    ○川田龍平君 やっぱりホームページにどこかに書いてありますというのでは契約が分かりにくいということもありますので、是非紙かメールでやっぱり交付せられるようにした方がいいと思います。改正の成果を見守り、また問題があるようであれば、改めて問題提起したいと思います。  次に、今回、求人票などで示された労働条件と実際の労働条件との変更点の明示が義務化されることは、方向性としては評価できますが、契約締結時に明示さえすれば求人票と幾らでも異なる労働条件を締結してもよいという間違ったメッセージを企業側に与えることになってしまわないかと懸念しています。  そこで、求人票などで示された労働条件から会社側が安易に変更しないために、第五条の三第三項における当該変更する従事すべき業務の内容等その他厚生労働省令で定める事項に当該変更の合理的な理由を含めるべきではないでしょうか。
  65. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  求人票等に記載していた労働条件を変更する場合におきましては、これは様々なケースが考えられるわけでございますけれども、労働契約の締結に至る過程で事業主と働く方との間で交渉が速やかに行われることが通常想定されるところでございます。こうしたケースにおきましては、両当事者が納得して合意に至るということもございますので、こうしたケースまで一律に合理的な理由を明示させるというような義務を付けることはなかなかちょっと負担が大きいのではないかと考えてございます。  また、変更点の明示義務を設けた場合でございますが、その変更の理由等が明らかでなければ、働く方はその理由等を事業主に確認するということが想定されますので、そのような場合には、事業主は当然にその理由等を説明することになるかと思っております。
  66. 川田龍平

    ○川田龍平君 今本当、新人でこんなこと、交渉できるのかということを……(発言する者あり)あっ、やったんですか。本当にそれはしっかりやっていただきたいと思います。  一律な対応が困難だとしても、大臣、これ今回の改正で、求人票などで示された労働条件から会社側が安易に変更をするような事態が起きないようにしっかりと目を光らせていただきたいと思いますが、御決意をお願いします。
  67. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今の労働条件の問題でございますけれども、実際の労働条件が募集段階での広告とかあるいは求人票などで示された労働条件から変わるということは、それはあるんだろうというふうに思いますが、働く方がその変更点を十分理解をしないで正式契約に臨むというのは避けないといけないと、こういうことで、変更点を十分理解した上で労働契約を締結できるようにするということが働く方の保護に資するというふうに考えておりますので、今回の改正は、こうした変更点の明示を新たに義務化する、本契約に臨む前にそれをしっかりと確認をするということだろうというふうに思います。  今回の改正は、募集広告あるいは求人票等で示された労働条件の変更を安易に許容するということでは決してないわけであって、むしろ、当日いきなり今までと違う契約書にサインをせざるを得ないというようなことがないようにするために事前にそれを確認するということでありまして、例えば事業主が虚偽の条件を提示して働く方を募集することや、条件明示が不適正であることは、職業安定法に抵触するものであって、こうした事案に対しては指導などによって是正を図っていく、こういう考えでございます。
  68. 川田龍平

    ○川田龍平君 これ、大臣、やっぱりしっかりやっていただかないと、安易に変更されてしまうということになった場合に、やっぱりそれをないようにしなければいけないわけで、条件が変わったことが分かればいいということじゃないと思うんですね。そこはやっぱり是非、大臣、そこをもう一度はっきりそこはおっしゃっていただきたいと思いますが。
  69. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは衆議院の段階でも、変更をしてそのまま契約をさせるんじゃないかというようなことを御心配される向きがありましたが、今もそういう方向での御懸念ではないかというふうに思いますけど、我々は、そうではなくて、むしろ本番でいきなり初めて変更されたもので契約をしないといけないということがないようにしようということで事前に、じゃ、その事前というのはいつなのかということがここにはっきり示されていないがゆえに皆さん方からそういう御懸念をいただいているんだろうということで、私ども、これ指針を設けて、少し、やっぱりちゃんと自分の目で見て、変更があったとしてもこれならばということを考えるだけの時間的余裕が本契約前に、その間にあるようにしようじゃないかと。それはどのくらいにすべきかということはちゃんと指針の中で明示をしていって、急に一時間前とか、そんなことが許されないということを明確にしていこうというふうに考えています。
  70. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非これ、しっかり目を光らせてやっていただきたいと思います。  次に行きます。時間の関係でちょっと質問の順番を変えますが、公立学校の教員の長時間労働問題について伺います。  この問題は政府の働き方改革実現会議でも取り上げられており、先生の、教員の長時間労働も規制を検討すべきではないでしょうか。これ、また文科省はモデル事業を来年度から行うとのことですが、事業の成果を評価する上で、事業実施前の労働時間の実態をどのように把握するのでしょうか。これ二〇〇六年にやったということなんですが、それ以来実態調査をやっていないということですが、行うべきではないかと考えますが、文科省、答弁をお願いいたします。
  71. 瀧本寛

    ○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。  委員から、おおむね三点の御質問をいただきました。  一点目は、公立学校教員にも長時間労働の規制を検討すべきという点ですが、現在、政府の働き方改革実現会議で議論をされております時間外労働の上限規制につきましては、いわゆる三六協定に基づく時間外労働の上限を法定しようとするものでございます。労働基準法三十六条に基づかずに時間外勤務が認められております国家公務員、非現業の地方公務員、そして御指摘の公立学校教員につきましては、本規制案の対象となるものではないと考えております。  ただし、公立学校教員につきましても時間外勤務が増えてきていることは様々な調査で指摘をされておりまして、引き続き学校におきます業務適正化に取り組むとともに、今後の労働基準法における時間外労働規制の検討や他の公務員制度におきます取扱いなどを考慮しながら検討してまいりたいと考えております。  それから、二点目に御質問の、文科省が来年度実施予定でございますモデル事業で、事業実施前の労働時間の把握についての御質問でございました。  これにつきましては、現在二十か所程度の重点モデル地域を指定をする方向で準備を進めておりまして、学校現場の業務改善に関する実践研究を行うための予算案を計上しているところでございます。この事業におきましては、勤務実態を把握し、この事業により勤務時間の変化等のエビデンスを蓄積することなどを条件にしておりますので、本事業を実施する教育委員会におきまして適切に勤務時間の管理、把握をしていただくこととしております。  それから、三点目に、二〇〇六年度に実施した教員の勤務実態調査について改めて行うべきとの御指摘ございました。  これにつきましては、今年度、二十八年度から実施をしております教育政策の実証研究の一環として今回十年ぶりに教員の勤務実態調査を実施し、実証分析を進めているところでございます。  文科省としましては、適正な労働と生活のバランスの下で、教員が子供たちと向き合える時間を確保しつつ、教員一人一人が今まで以上に誇りとやりがいを持てる学校現場の環境を実現するために、引き続き業務の適正化を着実に推進してまいりたいと考えております。  以上です。
  72. 川田龍平

    ○川田龍平君 今年度っていつからやっていたんですか。
  73. 瀧本寛

    ○政府参考人(瀧本寛君) 三点目の質問、今年度というのは、昨年の十月から十一月にかけて調査を実施をさせていただいて、現在集計作業を急いでいるところでございます。
  74. 川田龍平

    ○川田龍平君 ちょっと事前に聞いていなかったものですから。じゃ、是非しっかりやっていただきたいと思います。  今のモデル事業の話ですけれども、これ、目的が子供と向き合う時間をつくるために事務業務を効率化するということで、長時間労働の規制にはつながらないのではないかと。子供と向き合う時間をつくるためという目的があって、結局働く時間としては短くなっていないんじゃないかと。事務の作業を減らすということなので、要するに、子供に向き合う教育の時間は同じなわけですから、そこはやっぱり長時間労働規制に向けた取組にも是非しっかりやっていただきたいと思います。  続いて、雇用保険法に関連して伺います。  雇用保険二事業における労働移動支援助成金のうち、送り出し企業側のいわゆるリストラ助成金の見直しについて、昨年の今頃国会で取り上げられていましたが、その後どのような見直しを行ったのでしょうか。  あわせて、今年も年度末となりましたが、昨年同様の助成金を使っての退職強要事例は報告されていますでしょうか。
  75. 坂根工博

    ○政府参考人(坂根工博君) お答えいたします。  労働移動支援助成金につきましては、昨年の通常国会等で様々な御指摘をいただきました。そうしたことから、労働政策審議会における議論も踏まえながら、必要な見直しを厚生労働省として行ってきたところでございます。  御指摘、大きく二点あったかと思います。  一つ目は、退職強要を行う企業に対して支援することにならないよう支給要件を厳格化すべきというものでございました。  これに対しましては、離職して再就職支援を受ける方が事業主から退職強要を受けたと受け止めた場合や、事業主が再就職支援を委託した職業紹介会社が当該事業主に対して退職コンサルティングを行った場合には、事業主に対する助成金を不支給とするなどの見直しを行ったところでございます。  また、二点目でございますが、平成二十六年度の制度拡充の趣旨が成熟分野から成長分野への失業なき労働移動を進めるというものでございましたため、助成内容もこれに沿ったものとすべきというものでございました。  これに対しましては、再就職支援を受ける離職者が良質な雇用を提供する企業に再就職できた場合に送り出し企業に対する助成を割増しする、また、その離職者を受け入れる企業に対する助成についても成熟企業からの離職者を成長企業が受け入れたと認められる一定の場合には割増しを行うなどの見直しを行いました。この助成金につきましては、今後ともこれらの見直しの成果を的確に把握しながら、制度の適切な運用に努めていきたいと考えております。  また、もう一点ございました、実際に退職強要があったかどうかにつきましては、司法によって判断されるべきものと考えております。二十八年度に労働移動支援助成金の支給決定を受けた企業の中にこれに該当するものはございませんでした。  なお、先ほども少し御答弁いたしましたけれども、この助成金については、昨年の四月一日以降、離職して再就職を受ける方が退職強要があったと受け止めた場合は不支給とする見直しを行ったところでございます。  この見直しを行う前に、職業紹介会社に対して再就職支援の委託を行った企業において、これに該当することとなって不支給となった案件が六事業所、十七人分ございました。一方で、四月一日以降に再就職支援の委託を行った企業でこれに該当する案件はございません。
  76. 川田龍平

    ○川田龍平君 時間ですので終わりますが、この見直しでは、本人が職業紹介事業者を自由に選べる方式を排除する企業が出てくるのではないかという懸念、また制度見直しについて、本人向けの情報提供が不十分ではないかというふうに思っておりますので、是非これ、しっかり引き続きまた質問していきたいと思います。  障害部長、済みません、今日、質問に至りませんでした。ありがとうございました。お疲れさま、ありがとうございました。
  77. 山本香苗

    ○山本香苗君 公明党の山本香苗です。  論点が様々ございますが、今日は職業安定法改正案について、まずじっくり審議をさせていただきたいと思います。  ハローワークの求人票に週休二日となっていたのに日曜日しか休めないとか、求人票でありとなっていたのに雇用保険も社会保険もない、正社員と記載されていたのに行ったら非正規だった、面接に行ったら求人票よりもかなり低い賃金を提示された、このような求人票に対する苦情が以前から我が党にたくさん寄せられておりまして、党として強く是正を求めてまいりました。  現在、全国のハローワーク、また労働局、ハローワーク求人ホットライン等を通じまして対応していただいていると伺っておりますが、実際どういう御相談が寄せられており、寄せられた相談に対して具体的にどう対応しているのか、まずお伺いします。
  78. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  全国のハローワークには直接、また労働局やあるいは全国一元的な窓口でございますハローワーク求人ホットラインを経由いたしまして、求人条件とそれから実際の労働条件が違うということなどの申出が寄せられてございます。  具体的には、平成二十七年度で一万九百三十七件、申出がございました。内訳を見ますと、主なもので、まず賃金に関すること、賃金が違うということ、これが二千六百五十四件、二四%ございまして、それから、就業時間が違うということにつきましては二千百二十八件、一九%、それから、職種、仕事の内容に関することにつきましては千四百三十九件、一三%でございました。このような申出がございましたら、全国のハローワークにおきまして迅速に事実確認をいたしまして、必要な是正指導を行うということにいたしております。  それから、法違反のおそれがある場合につきましては、職業紹介の一時保留あるいは求人取消しというふうなことを行っておりまして、求職者の方に不利益が及ばないようにするということといたしております。二十七年度の申出件数につきましては、二十六年度が一万二千二百五十二件でございましたので、一割強減少いたしておりまして、一定の効果が出てきているというふうに考えてございます。  このハローワークの求人ホットラインは非常に大事な仕組みであると思っておりまして、平成二十九年度から更に拡充しようというふうに思っております。従来は平日対応でございましたけれども、土日祝日も受付可能にいたしまして対応の強化を図っていきたいと。こういう仕組みによりまして、今後もトラブルの防止を進めていきたいと考えてございます。
  79. 山本香苗

    ○山本香苗君 ホットラインの拡充につきましてはありがとうございます。  今回の職業安定法改正によりまして、採用時の労働条件が募集時に示した労働条件と異なる場合等にその内容を求職者に明示することが義務付けられる、先ほど来より話になっているわけですが、今回新たに規定される職業安定法第五条の労働条件明示義務と、労働基準法第十五条における労働条件明示義務との関係性について御説明ください。
  80. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  労働基準法第十五条に基づきます労働条件の明示につきましては、労働条件を明確化しまして紛争を未然に防止する、こういう目的のために、労働契約の締結に当たりましては、働く方に労働条件の内容を明示することを義務付けるものでございます。  今回の職業安定法の改正で新たに義務化いたします労働条件の変更等の明示につきましては、これは募集広告や求人票等に記載していた労働条件、これを変更する場合がございますけれども、その変更をいたして労働契約を締結しようとする場合に、働く方がその旨を理解した上で労働契約を締結するということができるように、その変更などが生じていることを働く方に明示することを義務付けるものでございまして、契約締結前、それから後と、適用場面は違いますけれども、両方とも労働者に対しまして労働条件の内容を理解していただく、これを目的とするものでございます。
  81. 山本香苗

    ○山本香苗君 極めて分かりにくいんですよね。  職業安定法第五条の労働条件明示義務というのは、労働契約締結前に変更内容を明示さえすればいいというものなのか、募集時に明示された労働条件は際限なく変更できるというものなのか、お答えください。
  82. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  現行制度の下におきましても、労働契約の締結に際しまして、個々の具体的な労働条件につきましては、通常、事業主と働く方の交渉等によりまして確定するものでございますので、働く方の希望や能力によって募集広告や求人票等で示された労働条件から変更されることも、これはあり得るものと考えてございます。こうした実際の労働条件が募集広告や求人票等で示された労働条件から変更される場合でありましても、働く方がその変更点を十分理解していただいた上で労働契約を締結できるようにすると、これが重要だと考えてございまして、こういう、働く方の保護に資するものとしまして今回の改正の内容を検討した次第でございます。  今回の改正につきましては、募集広告や求人票等で示された労働条件の変更を安易に許容するという趣旨ではございません。例えば、事業主が虚偽の労働条件を提示して働く方を募集することや、条件明示が不適正であると、こういった場合には、職業安定法に抵触するものといたしまして、指導等により是正を図っていく所存でございます。
  83. 山本香苗

    ○山本香苗君 要するに、際限なくできるわけではないんだと。求人票や求人広告で募集時にあらかじめ示した労働条件が不適切だったら、最初の段階で、その段階で不適切だったら厳しく指導、是正するんだということでよろしいですね。
  84. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) そのとおりでございます。
  85. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非、変更時に明示すればいいんだというような、求人者にそう受け取られかねないように厳しく是正指導していただきたいと思います。  先ほどもちょっと話になりましたが、五条の三の第三項で、変更する場合は、当該契約の相手方となろうとする者、すなわち求職者に対して、当該変更する従事すべき業務の内容等その他厚生労働省令で定める事項を明示しなければならないと。ここに言う厚生労働省令で定める事項というのは何を書くことを想定されていらっしゃるんでしょうか。
  86. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  労働条件の変更等の明示につきましては、厚生労働省令で定める場合に、厚生労働省令で定める事項という規定になってございまして、これは具体的には、業務内容、契約期間、就業場所、労働時間、休日、賃金、社会保険、労働保険の適用といった事項につきまして、募集時等に明示された内容を変更する場合にはその変更する内容を明示すること。それから、募集時等に明示された範囲内で特定する場合、これは賃金が幾らから幾らというふうに募集広告で書かれているような場合を想定しておりますけれども、それの中でこの額というふうに特定する場合にはその特定する内容を明示すること。それから、募集時等に明示された内容を削除する場合にはその削除する内容を明示すること。募集時等に明示されていなかった内容を追加する場合にはその追加する内容を明示することというふうにする予定でございます。  また、あわせまして、厚生労働省令で定める方法という記述がございますけれども、これは書面の交付か電子メールによるというふうにする予定でございます。
  87. 山本香苗

    ○山本香苗君 今、労働条件が募集時から変更される場合だとか、ある程度幅があったものが特定される場合であったり、また、新たに追加されるもの、削除されるもの、そういうものについてはしっかりと明示しなければならないという義務が課されているわけですが、求職者がこれを明確に認識できなければ、すなわち分かりやすいものでなければ求職者の保護は図れないと思いますが、具体的にどういう形で明示されなければならないとされるんでしょうか。
  88. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) 労働条件の変更等の明示につきましては、書面の交付等によることとする予定でございますけれども、具体的には、変更点等が明確に認識できますように、当初の明示内容と変更後の内容等を対照できる書面を交付することでございますとか、又は労働条件通知書におきまして、労働条件がばあっと書いてあるわけでございますが、変更箇所等に下線を引いたり着色する、アンダーラインやマーカーを塗るということで明示することを想定してございます。
  89. 山本香苗

    ○山本香苗君 気付かなかった本人が悪いと、そのような運用がなされないような形で、しっかり分かりやすい形を徹底していただきたいと思います。  変更内容を分かりやすく明示されたとしても、明示のタイミングということによって、これが、先ほど来より大臣からも御答弁あったときに、締結前の一時間前とか、そんなのあり得ない話だと思うんですが、なかなかここのところについて、特に、本会議でも取り上げられておりましたけど、新卒者の場合、募集時に明示された労働条件で採用内定したとしても、その条件というのはあくまで見込みであったりする場合が多くて、大概は正式に労働条件が確定するのはもう就職する段階となってしまっていると。長いしんどい就活を経て、いざ就職という段階で募集時の条件と違う条件をぱっと出されても、辞退して就活やり直すというのはもう極めて難しいと思いますし、非現実的だと思います。もう泣き寝入りするしかないという大変厳しい状況になってしまうんじゃないかと大変懸念をしております。  こうした事態をもう何としても防いでいただきたいと。新卒者の就活においては、より一層、普通の場合よりも厳しい対処、更に対策を強化すると、こういったことを是非やっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  90. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正で新たに義務化をいたします労働条件の変更等の明示、これにつきましては、働く方が労働条件の変更等を十分理解をした上で労働契約を締結をできるというためのものであって、あくまでも働く方の保護でなければならないわけで、それに不十分であるということであれば、今いろいろと御指摘をいただくようなことがないように私どもとしてはしているつもりでございますけれども、しっかりと御意見を聞いていかなければいけないと思いますが、一方で、新卒者の話が今お話しあったとおり、労働契約締結時の労働条件が募集時の労働条件から変更されたことに気付いたとしても、改めて就職活動を行うわけにはいきませんから、それはもう職業生活に与える影響は極めて大きい、取り返しが付かないということになってしまいます。  新卒採用におきましては、労働契約締結時の労働条件が募集時の労働条件から仮に変更された場合には、そもそも募集時において労働条件の明示義務に違反をしていたというおそれがあるとして、事業主に対して改善命令や勧告、そしてこれに従わない場合にはその旨を公表するとともに、悪質な場合には虚偽の条件を提示したものとして刑事告発を行うというような形で対策を強化することによってこういうことが起きないようにしてまいりたいというふうに思います。
  91. 山本香苗

    ○山本香苗君 要するに、勧告だとか公表にとどまらずに、悪質な場合は虚偽の条件提示として刑事告発を行うと、そこまで踏み込むんだという御答弁だったと思いますが、是非厳しい姿勢で臨んでいただきたいと思います。  職業安定法の六十五条の方についてお伺いしたいと思いますが、今回新たに、ハローワークや職業紹介事業者、求人雑誌等に虚偽の条件提示して求人票の掲載を依頼した場合は罰するということでございます。  そもそもの話なんですが、なぜ今の今まで求人を出す企業を罰則の対象外としてきたのか、その理由を教えてください。
  92. 鈴木英二郎

    政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  職業安定法は、昭和二十二年にできている法律でございます。その制定当時におきましては、職業紹介におけます中間搾取等、この弊害を防ぐということが一つの大きな目的として作られたものでございまして、このため職業紹介は原則職業安定機関が行うと、こういう体系になってございます。いわゆる今でいうハローワークのみが原則として職業紹介を行うということになっておるところでございます。  こうした元々の体系の中では、募集者と求職者の方が直接相対して行われます募集と異なりまして、職業紹介につきましては、職業安定機関が求人、求職の間に介在するということになるわけでございます。こうしたことによって、虚偽につきましては罰則を掛けていろいろサンクションを設けるという必要性までなく、その職業安定機関が適切に処理をすると、こういう前提で罰則がなかったのではないかなというふうに推測をしているところでございます。  しかしながら、昨今、この求人情報を適正化するという必要性が高まっているというようなこと、それから、当時と異なりまして民間の職業紹介事業者もハローワークと並びまして職業紹介を行うという法律の大前提が変わってまいりましたので、今回の改正法案におきましては、ハローワークや職業紹介事業者に対しまして虚偽の条件を提示した求人者を罰則の対象に加えるということにしたものでございます。
  93. 山本香苗

    ○山本香苗君 もうちょっと早くてもよかったかなと、今の説明を聞きながら思いましたが。  求人を出す企業が虚偽の条件を提示した場合の罰則規定については、虚偽であることの立証が難しいので実効性が乏しいんじゃないかといった指摘もあります。虚偽かどうか、誰がどういう基準で判断することになるんでしょうか。
  94. 鈴木英二郎

    政府参考人(鈴木英二郎君) なかなか確かに求職者の方が虚偽かどうかというのを見抜くのは難しいかと思います。  これは幾つかの場面があるかと思いますが、まず、求職者の方が求人の内容が虚偽ではないかと、こういうふうに疑いを持たれた場合におきましては、まず、私どもの都道府県労働局に通報いただきますと、この労働局で周辺事情等もいろいろ調べまして虚偽かどうかを判断いたしまして、虚偽だと思われる場合には事業主に対しまして必要な指導等を行いまして是正を図ると、こういう形にしてまいることになります。  また、こういった指導等を行ったにもかかわらず是正されない場合につきましては、最終的には、告発をしまして、警察等の捜査を経まして刑事裁判という格好になります。こうなりますと、法廷におきまして罰則の適用の可否というのが虚偽かどうかを含めまして判断されるものと考えてございます。
  95. 山本香苗

    ○山本香苗君 まあ、虚偽かどうか判断するのは難しいといって虚偽が疑われる場合を放置していると、せっかく今回罰則規定を入れたという意味が薄らいでしまうと思うんです、なくなってしまうと。是非、疑わしい場合にはこれまで以上に強い姿勢で是正指導するなど厳正に対処する姿勢をしっかりと示していただきたいと思っておりますので、この点につきましては強く要請をしておきたいと思います。  厚生労働省が公開した平成二十七年度のデータによりますと、苦情の内容で特にやっぱり多いのは、さっきもホットラインのところにもありましたが、賃金に関することがやっぱり多いと。その中で、特に近年は固定残業代に関わるトラブルが増加していると。若者雇用促進法のときの議論の中でもあったように若者雇用促進法に基づく指針で固定残業代の明示を求めておりますが、固定残業代のトラブルって新卒にとどまらない話でもあるので、今回の法改正を契機に、若者雇用促進法に基づく指針と同様に固定残業代の表記を明確化して、全ての求人票や求人広告等において明示させるべきだと考えておりますが、ここの点につきましては建議でもしっかり書かれていたと思いますけど、どういう対応をなされることになるんでしょうか。
  96. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) 御指摘の固定残業代につきましてはこれは賃金に含まれるものと考えてございますが、委員御指摘のように、昨年末に出されました労働政策審議会の建議におきましては、固定残業代に係る計算方法、固定残業代を除外した基本給の額等を明示しなければならないという旨を明確化しろと、こういう御指摘になってございます。  今後におきましては、この建議を踏まえまして、職業安定法に基づきます指針におきまして明確化するということを考えております。
  97. 山本香苗

    ○山本香苗君 固定残業代と同様に、今若者を中心として、試用期間、いわゆるお試し期間のことについてもトラブルが多いと伺っております。  建議においても、この試用期間についても固定残業代同様明確化せよと、明示を義務化せよというふうになっておりますが、この具体的な対応についてはいかがでしょうか。
  98. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) 試用期間につきましては、これまでの、固定残業代は賃金の中に入っておりましたが、特に項目ございませんでした。これにつきましては、昨年末の同じく労働政策審議会の建議におきまして、試用期間の有無と試用期間があるときにはその期間、それから、試用期間中と試用期間満了後の労働条件が異なるときにはそれぞれの労働条件を職業安定法に基づく労働条件明示義務の対象に追加することが適当だというふうにされたところでございます。  この建議を踏まえまして、職業安定法施行規則及び指針を改正することといたしたいと考えてございます。
  99. 山本香苗

    ○山本香苗君 具体的にどういう形で変えるんでしょうか。
  100. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) 具体的には、施行規則の中で、この試用期間の有無でありますとかその期間、それから条件が異なるときにはそれぞれの労働条件というものを列挙させていただきまして、その内容について、詳細については指針の中で披瀝していくという形にしたいと考えてございます。
  101. 山本香苗

    ○山本香苗君 固定残業代があるかどうか、またあるなら何時間、またこの試用期間、今おっしゃっていただいた試用期間のあるなし、またそれが、期間がどれぐらいかということを既にハローワークの求人票というのは記載をするような形になっております。つまり、今回の改正に伴う措置を今のハローワークの求人票というのは網羅したような内容になっておりまして、言わば先取りしたような形になっているわけです。是非このハローワークの求人票を民間で幅広く活用していただけるように、採用していただけるように積極的に働きかけをしていただきたいと思います。  また、併せて是非お願いしたいのは、来年度開設する予定と伺っておりますが、総合的職場情報提供サイトにもこのハローワークの求人票を掲載していただきたいと思っておりますが、橋本副大臣、よろしくお願いいたします。
  102. 橋本岳

    ○副大臣(橋本岳君) お答えをいたします。  職業紹介事業者は、各社それぞれが、働く方と事業主との適切かつ円滑なマッチングに向けて、求人票様式もそれぞれに創意工夫をしている面もあろうとは思います。ただ、今御指摘のようなこともあり得ると思いますので、ハローワークの求人票を参考とするようにお勧めをして勧奨をしていくようにいろんな方法でしていきたいというふうに考えております。  それから、総合的職場情報提供サイトについてですけれども、これは企業の職場情報、例えば平均勤続年数や研修の有無等を一覧的に掲載をすることを想定しておりまして、どちらかというと求職者の人に見ていただくということを想定をしているものではございます。ただ、そこにその求人票のひな形を載せておくということで、例えば求職者の人が、ハローワークではこういう形の求人票を使っているんだと、ほかの事業者さんのところへ行ったら例えばこういう欄がないとか、こういう欄があるとか、そういうことを比較をして見ていただいて検討したりということもできるということになるというのはきっといいことなんだというふうに思いますので、それに掲載するということも含めてどのように活用していくのがよいか、是非検討してまいりたいと思っております。
  103. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非、楽しみにしておりますので、活用していただきたいと思っております。それによってハローワークの求人票、このひな形が、モデル的なものが更に普及できることになると思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  先ほども御質問ありました教育訓練給付の拡充についてお伺いさせていただきたいと思います。  今回大幅に拡充をしていただくということでありまして、子育て等が一段落して、いざ再就職しようとした場合に、新たな技術習得だとかスキルアップということが求められるということは珍しくないと思います。そこで、じゃ、教育訓練給付を活用しようとなった場合に、現行では離職後四年以内に受講しないと教育訓練給付が受けられませんと。今般、この教育訓練給付の受給を可能とする期間を四年から十年まで延長する方針とお伺いしておりますが、なぜ十年なのかなと。十年とした理由と根拠を教えていただきたいと思うんです。  昨年の十二月の八日の日に、働き方改革に関する総理と現場との意見交換会というのが開催されました。そこで塩崎大臣が総理とか加藤大臣と一緒に御出席されて、リカレント教育を体験し、また実施されている方々と直接意見交換をされたと伺っております。その中で、リカレント教育修了者の四人のうちお二人の方が、十年以上のブランクの後にリカレント教育を受講して再就職されているとお話しになっていました。お一人は、十六年間の専業主婦をやった後に、四十三歳のときに社会復帰するためにリカレント教育を半年受講してその後再就職されたとか、もう一人の方は、十四年間育児に専念していたけれども、子供の成長に伴って再び外に出て働きたい、でも、いきなり外で働くのはというので、準備期間としてこのリカレント教育を活用されて再就職されたというような話でありました。議事録を読ませていただきました。確かに、子育てが一段落してといった場合に、必ずしも十年ではカバーできない場合もあるんじゃないかなと思います。  できる限り多くの方に仕事に復帰していただくということを考えるのであれば、この十年というのを更に延ばすということもあってもいいんじゃないかなと思うんですが、塩崎大臣の率直な御意見をお伺いしたいと思います。
  104. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、今回の見直しの教育訓練給付の受給が可能となる十年というのは、根拠は何だと、こういうことでございますが、今お話もあったように、育児のために離職をしてその後再就職した女性のうちで、十年以内に再就職する方の割合というのを足し合わせてみると大体約八割が十年以内というブランクでございます。  一方で、先ほどお話をいただいた、我々車座と言っていますけれども、総理といろんな方々とお話をする中で、リカレント教育を受けて再就職をされた、あるいは初めて就職をされた、子育てが終わってと、そういう方々とお話をしてみて、いろいろ考えさせられました。大変、リカレント教育、大学で受けて、一年間いろいろな能力を付けられて、そして正規雇用の方もおられれば、非正規でまだ子育てがあるのでということでやっていらっしゃるけれども、それなりにやっぱり責任あるポジションに就いていらっしゃるんですね。だから、やっぱりちゃんと能力を開発をされて、その能力をきちっと見ていただいた方は再就職もそれなりのポジションということは、それなりの処遇を受けているということだろうと思うので、是非これは進めていって、リカレント教育を受けた上で再就職ないしは初めて社会に四十代になって出るとか、そういうことがあってしかるべきだなということをつくづく思いました。  先ほどお話があったように、専業主婦だったといえども、十年以上、十六年とか空いて初めて職場に行かれる、あるいは職場に復帰というケースもあるんだなということがよく分かりましたので、今お話があったように、子育て等により十年を超えてブランクがあった方でも職場復帰したいという方の支援ができるように、この十年という期間の更なる延長について私の指示で今から検討させたいというふうに思っています。  車座の場でもこれは検討しないといけないなということも申し上げましたが、改めて今御指摘をいただいて、これからしっかり検討してもらうように事務方に指示をしたいというふうに思います。
  105. 山本香苗

    ○山本香苗君 確かに議事録で、大臣がお話を伺った後に、十年じゃやっぱりちょっと短いのかなみたいなことを率直におっしゃっていただいているところをちょっと捉まえまして質問させていただいたわけでありますが、実態もよく見ていただいて、できる限りやっぱりチャンスはあった方がいいんじゃないかと思いますので、是非検討していただきたいと思いますし、それと併せて、子育て等の事由発生後一か月以内と今されている延長手続の見直しも今回やっていただきます。四年以内になると伺っていますが、この十年を更に延ばすとなったときに、延長手続のところも併せて是非御検討いただきたいと思っておりますので、その点をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  106. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  私も、続きまして、労働条件等の変更の明示の義務付けについて質問をしたいと思います。  この質問をする前に、そもそも現行の職業安定法において労働条件等の明示の義務がある、その設定をした理由というのは何なのか、御説明ください。
  107. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  現行の職業安定法におきましては、働く方が労働条件等を認識した上で応募でありますとか事業主との労働契約の締結に向けた交渉などを行うことができますよう、労働条件等の明示を義務付けているところでございます。
  108. 倉林明子

    ○倉林明子君 あらかじめ知るということが極めて重要だというふうに思うんですね。労働条件等を知る、これがあらかじめよく知っていることでこそ労働者の保護及び定着ということにつながっていくものだと思うわけです。  現在、職業紹介、募集広告で示された労働条件の内容と実際の労働条件が違うということで、求人詐欺という言葉まで出て大問題になっているわけです。先ほど来、御相談や苦情も多いという指摘がありました。この中身は本当にひどいんですね。正社員が契約社員だった、あるいは賞与ありと書いてあるけれどもなかった、さらには、固定残業代、先ほど来紹介ありました、込みなのに記載がない、これは大問題です。こういう労働条件が明示されていたものと実際に異なるということになりますと、労働者の生活設計、人生設計、これ大きく狂わせることになって実際深刻な問題になっているという、ここを本当にしっかり押さえて考えていく必要があると思うわけです。  そこで、法案では、求職者に対して明示すれば労働条件等の変更が可能になるということなんですね。変更の時期はいつまでなのか、また、どんな変更まで認められるのか、ここが極めて大事になってくるわけです。  そこで、先ほど来議論もありましたが、衆議院の質疑のときには、大臣の答弁は、労働契約を締結する前までなら違法ではないと。先ほどは一時間という話もございました。  例えば、こういう場合どうか。契約社員で、給与は十七万円、販売職が本当は欲しいと、こういうふうに思っている企業が、人を集めたいということで、事務職だ、正規雇用だ、給与は二十万円だと、こういう求人情報を出して応募があったという場合、労働契約の前だったら、実際の求人条件を提示したらこれは法違反にならない、そういうことになりませんか。
  109. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 一般論として、初めから求人票に記載した労働条件で雇う意思がないと、そういうような場合には虚偽の条件の提示に該当するというふうに考えられると思います。  現行制度においては、虚偽の条件を提示して働く方を募集した事業主は罰則の対象となるわけでありますが、今回の改正法案では、ハローワーク等に虚偽の条件を提示する事業主も罰則の対象に加えるということでございます。
  110. 倉林明子

    ○倉林明子君 いやいや、明示がこれまでだったら違反なんですよね。そういう意思が、そういう元々虚偽を、こういう雇うつもりもないのにいい条件出していたというような場合はこれは違反なんですけれども、今度は、虚偽の意思があったかどうかというところを立証できないという場合、こういう条件を後から出したら法違反にならない、そういうことじゃないですか。
  111. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) 大臣が申し上げましたのは、そもそも最初から違う条件で雇うことを前提に求人ないし募集を掛けているということでありましたら、これは明示義務の違反があるなしにかかわらず虚偽求人若しくは虚偽募集ということでございますので、募集でありましたら従来から違反でございますし、求人でありましたら今回の改正で違反になるということでございますので、それにつきましては、明示の時期がどうあれ、そちらの条文の方が違反になるということでございます。
  112. 倉林明子

    ○倉林明子君 明確な違反になるというんだけれども、立証が極めて困難という下で重大なトラブルが多発しているということなんですね。まして、違うという条件を示されたとしても、あしたから働かざるを得ない、こういう労働者が契約せざるを得ないという状況に追い込まれているからトラブルが起こるわけですよ。求人詐欺と怨嗟の声が上がっているという現状を本当に是正できるのか、この法改正はと、ここが問われるわけですよ。  私、下手したら、この求人変更を直前に認める、条件変更を認めるということになれば、違反を逆に誘発する、求人詐欺に法的根拠を与えかねないということになると思うんですよ。さらに、虚偽とは言えないけれども、求職者にとって、正規か非正規か、こういう死活問題が隠れていたという場合、書き切れなかったというようなことで隠れていた場合はどうなるか。  現行法で募集時に提示する条件というのが一体、今、今現在ですね、現行法で募集時に明示するという条件はどうなっているか、そして、先ほど来も少し触れられていましたけれども、労政審の建議で今後明示事項に追加すべきとされているものは何になるのか、お願いします。
  113. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  現行の職業安定法に基づきまして労働条件等で明示しなければいけないものにつきましては、業務の内容、それから労働契約の期間、就業場所、始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、賃金、社会保険、労働保険の適用でございます。  加えまして、昨年十二月の労働政策審議会の建議におきましては、試用期間の有無、それから試用期間があるときはその期間、試用期間中と試用期間満了後の労働条件が異なるときはそれぞれの労働条件、さらに、雇用する事業主の氏名又は名称、派遣労働者として雇い入れようとするときはその旨を明示事項に追加すべきとされまして、さらに、明示内容として明確化すべきということで先ほどの固定残業代の事項が挙がっております。
  114. 倉林明子

    ○倉林明子君 大臣に聞きたいと思うんですね。  求職者にとって決定的となる労働条件の明示、これは法的にきっちり担保されるということが非常に大事だし、前提とも言えると思うんです。そこで、労政審の建議では指摘がない事項なんですけれども、裁量労働制、これについても重大な労働条件になっていく、求職者にとっては、重大な労働条件だと言えると思うんです。先ほど労政審で明示すべき事項ということで追加するものも含めて、この裁量労働制もしっかり、私、省令で縛りを掛けていくべきだというふうに思うんですよ。いかがでしょうか。
  115. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がありました、この建議の中では触れられていない裁量労働制についてどうだと、こういうことでございましたが、裁量労働制であるかどうかを明示事項に追加することについては、改正法の成立後、その施行に向けて検討を進める中で検討してまいりたいというふうに思います。
  116. 倉林明子

    ○倉林明子君 指針による明示という分け方もされているんですよね、労政審で出た今後の明示事項について。私、省令でしっかり担保してほしいということです。  先ほども紹介あった職業安定法第五条の三の三項、ここで厚生労働省令で定める方法により行わなければならないという明記もありますので、私は、きちんと明示していく、そういう対応をしていただきたいということですので、検討の上で裁量労働制についてもしっかり検討いただきたいということは重ねて求めておきたいと思います。  隠れた情報というふうにさせないために、先ほども指摘がありましたけれども、こうした明示が必要な労働条件、これを示した求人票ですね、先ほども今の求人票が網羅した中身になっていると山本委員からの指摘もありました。これについては、やっぱり厚生労働省が運用して拡大を図ろうとしています総合職場情報提供サイト、ここに、先ほどは検討していくと前向きな答弁ありました。大臣からも、この掲載については検討していくということでお願いしたいと思います。
  117. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) この総合的職場情報提供サイトにつきましては、先ほど橋本副大臣からも御答弁申し上げましたが、企業の職場情報、例えば平均勤続年数とかあるいは研修の有無などを一覧的に掲載をすることを想定をしているサイトで、かなりの数の項目を今想定をしています。  是非、じゃ、そのような中でどのように活用をするのがよいかを、今お話があったとおり、橋本副大臣からも御答弁申し上げましたけれども、検討をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  118. 倉林明子

    ○倉林明子君 その点では、是非、厚生労働省が開設したサイトということで間違った情報提供にならないという点での一つの重要なポイントにもなろうかと思いますので、前向きに進めていただきたいと思います。  次に、また戻るようではありますけれども、募集時の定義ということが繰り返し議論にもなっています。衆議院段階では鈴木政府参考人が、労働契約を締結するまでに明示せよという解釈だと、つづめて言ったらこういう答弁だったと思うんですね。  募集時というのは募集の開始時ではなくて労働契約直前までと、こういうことなんでしょうか。
  119. 鈴木英二郎

    ○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。  現行の職業安定法に基づきましては、職業紹介、労働者の募集に当たり労働条件を明示しなければならないとありまして、この明示につきましては労働契約を締結する前に行う必要があるというのが現行の解釈でございます。
  120. 倉林明子

    ○倉林明子君 結局、募集時ということでいうと、労働契約直前までということが今の答弁で確認できたと思うんですよ。  求職者がいよいよ就職を決めようと、こういう時点になって、労働契約直前ということでいいますと、そういうときになって初めて、要は変更条件、変更した労働条件が示されるということが私可能になると思うんですよ、これ、この改正では。そうなったら、そのときに初めて固定残業代込みだと、有期雇用だとか派遣社員だと、こんなことが判明したら、私は、職業安定法上であらかじめ知らせると、ここに意味があると、この法の趣旨にも反することになると思うんですよ。  募集時、これを曖昧にするのではなく、労働条件の変更を示す際に、募集開始時と。要は、そういう変更があるんやったら求人票を出し直したらいいんですよ。募集開始時という限定を掛けるべきではないでしょうか。
  121. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今、募集に当たりについては募集時にすべきではないかと、こういう……(発言する者あり)開始時ですね、開始時ということを御提起いただいているわけでありますけれども、この募集時には、一部の条件が定まっていないということもあり得るほかに、個々の具体的な労働条件についての事業主と働く方との交渉の在り方も様々であって、したがいまして、募集時の労働条件について、募集を開始する時点で全てを明示しなければならないと一律に義務付けるというのはなかなか難しいケースがあり得るんじゃないかというふうに考えられます。  なお、一般論としては、働く方の保護の観点から、働く方を募集する際の労働条件の明示は可能な限り速やかに行われることが望ましいというふうに考えているところでございます。
  122. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、職業安定法の根幹にも関わる問題だし、職業を選択をして人生が懸かった問題になるわけですよ。そんな職業やったら選ばんかったというところに就職せざるを得ないというふうに追い込んでいるから、今、求人トラブル、求人詐欺やということで大問題になっているわけです。まして、今人手不足が深刻だという議論もありました。そういうところで懸念されるのは、見かけの良い求人、これがますます増加するという懸念あるわけですよ。労働者を保護すべき厚生労働省、求人詐欺を合法化すると、こんなことはもってのほかだと私は強く言いたいと思います。労働条件の変更、その根幹部分の変更についてはきっちり求人票を出し直すと、こういう対応を求めたいと思います。  次に、雇用保険二事業について質問したいと思います。  今回の法改正で初めて、労働生産性の向上に資するものになるよう、これが法上も明記されるということになりました。そこで、生産性向上を要件として助成が上乗せされるわけですけれども、この生産性向上の分母は何か、雇用保険被保険者数、つまり従業者数ということになるわけですね。で、分子、これが人件費も含まれるということになっております。こうなりますと、どうか。分母の労働者数が減少しても、分子で長時間労働で人件費が増加しても、これ、生産性向上するということになりますね、確認です。
  123. 坂根工博

    ○政府参考人(坂根工博君) 計算式の上ではそういったお考えもありますけれども、委員御指摘……(発言する者あり)従業員を減らすことによって生産性の向上を図ることは、雇用の安定という助成金の目的に照らして適当ではないため、生産性の計算期間内において事業主都合による離職者を発生させないことを要件とし、これを明示をしているところでございます。
  124. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、そんなにあっさり認めてもろうたら困るんですよ。要は、従業員数が減っても、長時間労働でも、この生産性は向上する代物なんですよ。おっしゃいましたよ、事業主都合による離職者は入れないんだと。そんなの当たり前ですよ。厚労省が助成金の上乗せするのに、事業主都合の解雇まで入れられたらたまったものじゃないですよ。問題は、この従業者数を減らすというときに、自己都合ももう隠れていると、これ、実態知っているはずですよ。なのに、この生産性要件を厚労省がやる事業に入れ込むというのは、私はちょっと何考えているんだと思うんですね。  厚労省がやる事業として、経産省がやるのと違うんですよ、厚労省がやるんですよ、その事業に対してこうした生産性の向上要件ということを入れ込むことはなじまないと思いますよ。認めたんだから、余計こんなことはやるべきじゃないと思います。大臣、いかがでしょうか。
  125. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 急速な少子高齢化が今進んでいるわけで、働く方の能力を向上させて生産性を上げるということは、雇用の安定にもつながる上に賃金も上がるということにも近づくわけでございまして、今回、生産性の向上を後押しする理念を雇用保険法に明記をするということにいたしました。  企業の生産性の向上によって、今申し上げたように、賃金のアップあるいは経済成長につなげていくという、あるいは企業の収益力の向上ということで、それが賃金アップにつながってくるわけでありますから、経済の好循環の推進が重要であって、御指摘のように、この雇用保険二事業の中には、経済上、まあ全部についてやると言っているわけではなくて、経済上の理由によって事業を縮小せざるを得ない企業への支援とか、就職が困難な方々の就労支援のための助成金など、生産性の向上を求めることが必ずしもなじまないというようなものについては、それはこの要件の対象とする考えはないわけでありまして、このような形で生産性を上げることが賃金のアップにもつながっていく、このことを私たちは念頭に入れながら助成金行政を改革をしていきたいと思っております。
  126. 倉林明子

    ○倉林明子君 厚労省がやるべきは、そういう首切りにつながるようなことを許さないような雇用の安定の方向というのを考えるべきだと。事業目的にも逆行するような結果を招くことになりかねない、私はそのことも厳しく指摘して、続きはまたやります。
  127. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  もう早速質問に入りたいと思います。  厚生労働省は、雇用保険の受給者で、その後再就職した人たちのデータを集めて毎年公表しています。その一方で、再就職できていない人たちのその後のデータというのは集めていない。私は、もうこちらの方がよっぽど大切だと思っています。  そうした中で、去年の十月、再就職できなかった人たちも含めての初めてのアンケート調査結果というのを公表されたと。この対象は、平成二十五年度に失業給付を受けた一万人が対象で、そのうち回答者は二千三百人だったと。  それで、そのアンケートの一部を抜粋して、それを資料の一枚目に付けました。これを見ると、失業給付を受けた人のうち二五・二%、実に四人に一人の人が再就職をしていない、再就職に結び付いていないという結果が出た。それで、これ資料には付けていないですけれども、その失業給付の受給期間ぎりぎりまで給付を受けて、その後で再就職できればいいと考えている人は、実は四〇%以上に上ったという、こういうデータも出ているんですね。  いずれも大変興味深いというか、その失業給付の有効活用の点からするといかがなものかというようなデータも出たわけなんですが、これについて、まず大臣、どういうふうに思いますでしょうか。
  128. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) 済みません、アンケートのデータでございますので、私の方から答弁させていただきます。  まず、御指摘のアンケートでございますけれども、受給終了後も再就職先が見付からなかった理由につきまして、他のアンケート項目を見ますと、熱心に求職活動を行っていたにもかかわらず就職に結び付かなかったというもの以外にも、介護のためなど様々な理由が見られるところでございます。  それから、もう一つの再就職時期でございますけれども、御指摘のとおり、ゆっくりと再就職するということを望む方がいる一方で、受給終了時期にかかわらず一刻も早く就職したいというふうに答えた方が三割いらっしゃいまして、早期再就職を希望される方も一定数おられます。  私どもの考え方といたしましては、雇用保険制度、失業中の生活の安定を図るという目的と、それから再就職を実現するという目的がございまして、そういう観点からしますと、早期再就職を実現するということは非常に大事なことだというふうに考えてございます。ですから、今後ともこういうデータの把握はやった方がいいと思っておりますし、これからやりたいと思っておりますけれども、早期再就職促進のために様々な施策を投入して対応していきたいというふうに考えてございます。
  129. 片山大介

    ○片山大介君 今の回答だと今後も行っていくというような言い方されたんですが、ちょっと私がこれまで聞いていたのは今後継続的に行う予定ないという方だったので、どちらか知りたいんですけれども。  ただ、どちらにしても、これはきちんと追いかけた方がいいと思うんですよね。それで、技術的にそれができないとも思えないので、ちょっとそこをもう一度お伺いします。
  130. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) こういった調査につきましては、どういう頻度でやるかどうかというのはちょっと今お答え難しいんですけれども、今後は必ずやっていきたいと思っております。
  131. 片山大介

    ○片山大介君 いや、もう是非やっていただきたいと思っているんですね。  それで、アンケートを見ると、再就職できた人でその後また辞めている人なんかもいるんですよね。だから、そうすると、こういう人たちのこういうケースなんかは名寄せとかできているのかどうかと思っちゃうんですよね。だから、かなりこれはきっちりやった方がいいと思うんですが、そういうことも含めてやるつもりなのか、もう一度お伺いします。
  132. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) どこまでできるかちょっと分からないところがございますけれども、議員の御意見も頭に置きながら、できるだけのことはやりたいと思っております。    〔委員長退席、理事島村大君着席〕
  133. 片山大介

    ○片山大介君 是非頑張ってやっていただきたいと思います。  それで、次に、受給要件を満たせずにその適用外になっている人、これが多いことについて次は伺いたいと思っているんです。  完全失業者の数というのは、昨年度ですか、二百二十万人ほどいると。それで、その一方で、失業給付の受給者の実人員、これが大体およそ四十四万人ほどなんですね。だから、この開きが百七十万人ぐらいいるんですが、これについてはどのように見ているのか、教えていただきたいと思いますが。
  134. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) 恐れ入ります。数字の御質問でございますので、私の方からお答えいたします。  まず、完全失業者と受給者実人員の差につきまして、平成二十八年ということで平均を取って客観的に比較しますと、百六十二万人の差があるということでございます。労働力調査とそれから雇用保険受給者の比較でございますので、なかなか判定が難しいわけですけれども、そもそも労働力調査におきます完全失業者の中には雇用保険の受給者としてカウントされない方が含まれてございます。  一つは、雇用保険につきましては、正当な理由がなく自己都合で辞めた方につきましては、離職があらかじめ予期できるので、循環的な離職を防止する観点から基本手当の支給開始を三か月遅らせる仕組みがございまして、その三か月間の給付制限期間については労働力調査の完全失業者の中に入ってこないということがございます。それから、これまで仕事を探されていなかった方が新しく仕事を探されるようなケースにつきましては、もちろん雇用保険の給付の対象にはなっておりませんし、あと自営業を廃業した方もなってございません。  こういった様々な方が入っておられますので、この両者の乖離につきましては、これが問題であるということは考えていないということでございます。
  135. 片山大介

    ○片山大介君 ただ、これだけ開いているんだから、この開きに対して雇用保険の制度として本当に救うべき人がいないのかどうか、これきちんと私はアプローチした方がいいと思っているんですね。  今、働いている人の三人に一人が御存じのように非正規労働者になっているわけですよね。その非正規の人やパートの人が雇用保険に入る場合は、先ほどほかの委員からもあったように、労働時間が一週間当たり二十時間以上になっている。この要件は徐々に拡大されてきているとはいうんですけれども、まだまだこれから漏れている人は多くいる。その実例として先ほど挙がったのがやっぱりマルチジョブホルダーですよね、二か所以上で働いている。一つの場所で十時間やって、足して二十時間になっても今は適用の対象外になっちゃっている。だから、それ以外にも委託だとかフリーランスだとか、いろんな働き方が今出てきているわけです。  今、政府は働き方改革を進めていますね。そうすると、働き方はもっと多様化してくるわけなんで、それで、こうした雇用保険の適用外になっていく人というのが、もっとこの開きというのが広がってくる可能性があると思うんですけど、こういうものに対してきちんとアプローチをしていく、真に救うべき人を救うということに対してはどのように今後はやっていくおつもりなのか、お伺いしたいと思いますが。
  136. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 最近の数年間の傾向を見てみますと、完全失業者数と受給者数、この実人員の差は必ずしも広がっているとまでは言えないものだというふうに思っておりますが、雇用保険の適用につきましては、平成二十二年の法改正によって、非正規で働く方に対する適用範囲の拡大を行う、これ六か月以上雇用見込みから三十一日以上雇用見込みということに拡大をしたわけでございますけれども、そして昨年の法改正によりまして、高年齢者を適用対象とするということなどを社会経済情勢の変化に応じて対応を図ったところでございまして、今後とも、こういった社会経済情勢の変化、これを踏まえながら、特に高齢化が進む中で、雇用保険の適用対象、これにつきましては必要に応じ検討を行っていかなければならないというふうに思っております。
  137. 片山大介

    ○片山大介君 そして、今、こうした失業給付の適用外の人たちが受け取っている制度というのが求職者支援制度。  今日は、この資料、今度は二枚目の資料に付けたんですけれども、これは、職を失っても雇用保険の適用から漏れちゃっている人たちが生活に困るからということでつくられた制度で、これ、ここのちょっと赤い枠で付けた職業訓練受講給付金というのが月に十万円支給されることになっているわけですね。これ、リーマン・ショックの後の平成二十三年につくられたと。それで、第二のセーフネットというふうにも呼ばれているんですが、その割に、実はこの制度を受講している人って少なくて、これ昨年度、四万人ぐらいなんですね。  この制度の原資というのは、今回の改正で一般会計から五%、そして雇用保険の積立金から九五%が出されることになっている。今雇用保険の積立金に剰余が発生しているというのであれば、この求職者支援制度をもっと拡充してもいいんじゃないか、第二のセーフネットの網を私もっと広げてもいいんじゃないかと思っている。そうすると、生活保護に陥る人を、可能性のある人を救えることができて、なおかつその生活保護に係る費用というのも抑制できるんじゃないかと思っているんですが、これについてはいかがでしょうか。
  138. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今資料をお配りをいただいておりますけれども、求職者支援制度、これにつきましては、雇用情勢の改善に伴って利用者が減少しておるわけでありますが、制度を利用して訓練を受けておられる方の約六割が雇用保険が適用される就職を実現をされておりまして、セーフティーネットとして一定の役割はなしているのではないかというふうに思われます。  さらに、昨年の十月から、育児中の女性向けに託児付訓練コースとか、一日四時間程度の短時間訓練コースといったニーズに合ったコースを設定をするような対応をしておりまして、こういった制度の拡充の中で、引き続いて真に支援が必要な求職者に対するセーフティーネットとしての機能をしっかりと確保してまいりたいというふうに思っております。
  139. 片山大介

    ○片山大介君 そこで、その参考になるのがドイツで、大臣も御存じの以前行われたハルツ改革。そのハルツ改革では、失業手当を受けていない人に対して支払われる失業扶助、だから日本でいえばさっき言った求職者支援制度に近いものだと思います。それと、あと日本の生活保護に当たる社会扶助、この二つを一緒にしたと。それで、その支給する額というのは最低限の生活水準が保てるような額にしてあげている。それで、その代わりに給付期間を短くする、それでその分しっかりと再就職先を見付けるように促すと。その結果、ドイツでは再就職する人が増えて、それで失業手当などに係る費用も削ることができたというんですが、これは参考になるんじゃないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
  140. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) ハルツ改革は、単に労働政策だけの改革ではなくて、コーポレートガバナンスの改革であったり、あるいは資本市場の改革であったり、様々なものの組合せでドイツの経済の再生というのが行われたというふうに私は理解をしておりまして、その中の大きな大事な固まりがこの労働政策の改革であったかなというふうに思っておりまして、中身を見てみますと、この失業給付の今お話があった支給期間の短縮、それから前職の給与に応じて半永久的に支給をされておりました失業扶助を定額化をして、期待可能な労働を拒否した場合等には給付を削減する。つまり、やっぱりなるべく就業して働くように持っていくという、そういうことだろうと思いますが、こういったことなどをハルツ改革の中で労働市場関係はこのようなこともやっていったというふうに思っております。  ハルツ改革については様々な評価があるわけでありますけれども、我が国としても、求職者の早期再就職、これを促していくことが重要だと、いつになっても重要だというふうに思っておりまして、昨年の法改正においても、基本手当の給付日数を一定以上残して再就職した場合に給付を行う再就職手当の給付率の引上げを行ったところでございまして、今後とも、再就職手当の活用を促すなど雇用保険受給者の早期再就職支援に積極的に取り組まなければならないというふうに考えております。
  141. 片山大介

    ○片山大介君 それで、ちょっと時間がなくなってきたので、次、もう一つ聞きたいのが教育訓練について、今回これの拡充もうたっているんですが、具体的には専門実践教育訓練給付、二年半前に設立された制度ですね、これ。ですけれども、利用者は実は少ないと。平成二十七年度が、昨年度六千六百人、それで今年度は十二月までのデータで一万九千人なんですね。  配付資料の三枚目、今度はこっち見ていただきたいんですが、じゃ、この各年度ごとに厚生労働省が付けた予算がどうなっているのか、これ青色です。それに対して実際に支給した額がどれくらいなのか、これオレンジ色です。それで、割った額を、割ったのを棒グラフで示した。そうすると、平成二十七年度が百二十八億円に対して十一・六億円なんですよ。  あともう一つ、この訓練というのは、失業した人だけじゃなくて今仕事を持っている人に対してもこれ支給されて、アンケートを行ったら、仕事を持っている人の方がこれの受給率が高いんですよね。しかも、一番多くもらっているのは正社員だと。そうすると、失業者にとってどこまで意味のある制度なのかなというふうに思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
  142. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十七年度に実施をいたしました専門実践教育訓練給付の受給者へのアンケート、今お話がございましたが、これによりますと、受講時に就業していたと回答している方から、受講の効果として、処遇の向上に役立つ等の肯定的な意見を八割程度の方からいただいているところでございます。また、受講時に就業していなかったと回答している方から、受講の効果として、希望の職種、業界で就職できるなどの肯定的な意見を九割程度の方からいただいているわけであります。  さらに、専門実践教育訓練給付については、平成二十九年四月以降に多くの受講者が講座を修了することになるため、資格を取得をし、雇用保険の被保険者として雇用されている方の割合を指定講座ごとに把握することなどが可能となるところでございます。  こういうことをしっかりとデータとして分析をしながら、今後、より詳細な政策効果の検証をしていきたいと思っているところでございます。    〔理事島村大君退席、委員長着席〕
  143. 片山大介

    ○片山大介君 それで、今その分析とおっしゃったんですが、この訓練、まだ制度が始まって三年たっていないので、まだ効果分析できていないというんですよね。でも、今回の法改正では、この講座の数を二千五百から五千に倍増させるんですよね。それで、よく聞いたら、三年ほど掛けてIT人材だとか女性を対象にしたものを増やしていくというんですが、具体的な講座の中身まだ決まっていなくて、要は、枠を付けているというんですよね。だから、これ、効果が分析できていないのにこれだけ倍増させるというのは、ちょっと急ぎ過ぎやしないかというふうに思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
  144. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  専門実践型の教育訓練給付の対象講座につきましては、二千五百から五千に増やすということを考えてございます。この講座につきましては、まず対象者数は講座が増えないと増えないという特徴がございまして、まず、講座で魅力あるものをつくっていくということをやらないといけないということだと思っております。  現在の対象講座につきましては、医療福祉分野の資格を取得するための養成課程でございますとか、ビジネス、観光、デザインといった専修学校の職業実践専門課程など、特定の分野が多いということでございます。  今回、働き方改革で個人のキャリアアップを強力に応援するという観点からしますと、現在の受講ニーズがある分野というのをきちんと対応していかないといけないということでございまして、まず高度なIT分野につきましては、人手不足感も非常に強い分野でございまして、こういった分野、あと子育て女性のためのリカレント教育に応えるということも非常に重要でございます。また、そういった方につきまして、土日、夜間、あるいは完全e―ラーニングで勉強するといったようなことも含めまして、対象講座を多様化、拡充するということがまず大事だというふうに思っております。  現状把握につきましては、引き続き確実に進めていきたいと思っておりまして、この拡充していく過程でも把握を続けていきたいというふうに考えてございます。
  145. 片山大介

    ○片山大介君 それで、この訓練の目的は、専門性のある労働者の中長期的なキャリアアップを支援というふうにうたっているんですね。だけど、これだけ講座が増えると結構総花的になっちゃって、専門性のある教育訓練を支援ということから、目的からも乖離していくんじゃないかというふうに私は懸念をしちゃうんですね。  ですから、その効果分析するというのであれば、できるだけその増やすのに合わせてというか、増やすより前にきちんと効果を私は分析していくべきだと思うんですが、これもう最後の質問になるので、大臣にお伺いしたいと思いますが。
  146. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 私ども、車座で総理と一緒にいろいろな議論をして、リカレント教育などはかなりそれなりの効果がやっぱりあるんだなということを改めて感じました。  したがって、今も橋本副大臣と話していたんですけど、利用率が随分低いのがけしからぬとは言えないことももちろんないわけですけれども、あるわけですけれども、しかし、使っている人は……(発言する者あり)言えないことはないと言っている。いや、使った人はそれなりのやっぱり効果があるということでありますから、どうやったらこれを、おっしゃるように、ただ広げるなというお考えですが、私どもは必要だろうと思うものを広げようとしていますけれども、できる限りやはりこれはもっと知っていただいて、こんなに、もちろん働いている人も失業している人もいずれも使えるという講座で、自分の能力アップで次のステップアップにつながるものを使わないというのはもったいない限りだなということで、しかしそれは、どうもこの広報、PRがうまくないんじゃないかと、もっともっとやらないといけないし、それをどうやったらいいのかということを徹底的に考えようねという話を今しておりました。  皆さんのやっぱり職務能力を付けるということに役立つ制度にどうやったらできるのかということと、どうやってみんなに知っていただいて利用していただくようになるかということを考えていきたいというふうに思います。
  147. 片山大介

    ○片山大介君 是非効果的に改善していってほしいと思います。  ありがとうございました。
  148. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  ハローワークの問題についてお聞きをいたします。  ハローワークで働く人は、国家公務員の方も多いんですが、本当に非正規雇用の方が多くて、ハローワークで、つまり若者や、私も知り合いも含めて様々な人がハローワークで本当にお世話になるんですが、そこで働く人たちが非正規雇用が極めて多いわけです。ハローワークの非常勤職員の多くは期間業務職員と呼ばれ、雇用期間は一年です。契約更新の可能性もありますが、三年に一回は必ず公募にかけられ、多くの他の求職者と現に従事しているポスト、仕事を争うことになります。極めて不安定な立場です。  民間企業に対して無期転換、正社員化を進める厚生労働省の立場とは全く逆さまな扱いではないでしょうか。
  149. 宮川晃

    ○政府参考人(宮川晃君) 期間業務職員の採用などの運用につきましては、任期は一会計年度内とし、改めて採用する場合は公募によることが原則とされ、例外的に公募によらない採用を行うことができる場合もそれは二回までとすることが人事院規則あるいは関連通知により定められております。  ハローワークにおきましても、これらの人事院規則や関連通知に基づき行っているところでございます。ハローワークの期間業務職員につきましては、行政ニーズ等を年度ごとに精査し、必要に応じて配置しているところでございます。
  150. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 その人事院の規則や通知というのは理解しているんですが、ハローワークで働く非常勤の職員の皆さんたちとずっと意見交換、あるいはこういう問題があるというので何度も何度も話を聞いてまいりました。  これに関しては、ハローワークってやっぱり雇用の安定とか雇用のためじゃないですか。何が残酷かというと、自分が働いているハローワークの現場で、ハローワークの職員、非常勤職員の案内が出ているわけですね。ですから、求人に応募している人が、これどういうものですかと自分が実際働いている人に聞いてくると。  つまり、現に働いている人とハローワークに来てハローワークの職員になりたい人が競合するわけです。これもなかなか本当に大変で、親切に親切にその人に、いや、ハローワークの職員の臨時職というのはこういうのでって言わなくちゃいけないんだけれど、それをやると自分が職を失うという、つまり物すごくつらい立場なんですよ。ハローワークの人たちは一生懸命いろんな人の就職を応援するわけで、公募をやるというのは、実は、この公募を見て応募しようと思う人は、よもや相手が同じ公募で争うと思っていなかったり、結果的にそのハローワークの人が選ばれたりすると、何かだまされたじゃないですけれども、自分に勧めながら一体何だという感じになるわけです。ですから、とても残酷というか、こういうことで雇用の安定が本当にできるだろうか。私が今日、ハローワークの非常勤職員のことを取り上げるのは、まず隗より始めよというか、ハローワークの現場こそきちっと非常勤で一年おきで不安定でというのをやめていただきたい。  とりわけ、たくさんの全国のハローワークで働く非常勤職員の人と話を本当に聞いてきました。残酷なんですよ、本当に。親切にやればやるほど、自分が、落ちるというか、一つの椅子を争うわけですから、これもうやめたらどうか。ちょっと知恵を出していただけませんか、どうですか。
  151. 宮川晃

    ○政府参考人(宮川晃君) この制度、例外的に公募にならない採用を行うことができる場合として、人事院では、その能力実証を面接及び期間業務職員としての従前の勤務実績に基づき行うことができる場合というのは、二回まで公募によらない採用ができる取扱いとなっております。これは、公募による採用の例外という位置付けでございまして、国家公務員法に定める平等取扱いの原則及び成績主義の原則を踏まえて原則二回とされているとされているところでございます。ハローワークの期間業務職員、繰り返しになりますが、これに基づきまして行っているところでございます。  なお、期間業務職員、再採用しない場合につきましても、その場合には、早期に就職できるよう相談支援を行うなど、再就職支援に取り組んでいることを併せて申し上げたいと思います。
  152. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ですから、毎年なんですが、毎年じゃなくて三年に一遍公募をするというのもあるわけですが、でも、現に従事している者がいる仕事を毎年のように求人としてハローワークに出して労働者を公募するやり方は、やっぱり問題ではないですか。つまり、厚生労働省とはどういう役所か。正社員化を進めてください、無期転換を進めてくださいと民間企業に訴える立場じゃないですか。だとしたら、矛盾しませんか。
  153. 宮川晃

    ○政府参考人(宮川晃君) 繰り返しになりますが、原則が一年でございまして、先ほど先生からの御指摘もありました、二回までは例外として認められるというのが現在の取扱いでございます。この取扱いの範囲内で私ども採用を行っているところでございます。
  154. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 成績主義ということであれば、それまでの勤務を適正に評価するということで十分担保できるのではないでしょうか。常勤職員は公募しないが、成績主義の下で勤務をしています。やっぱりハローワークの職員って、スキルがないとなかなか相手にいいサービスというか仕事ができないと思うんですね。平等原則は三年に一度の公募を意味しないというふうに思います。  実際、非常勤職員の全てが公募で採用された方たちです。更新時に公募するという発想は、雇用の安定性に一切考慮しない間違った考え方ではないでしょうか。例えば、公立の保育園で入園者を公募で入れ替えるというようなことが適当でしょうか。それが平等原則と言えるんでしょうか。むしろ、育児を担う労働者に働き続けることを困難にさせて大混乱を招くと。だったら、雇用の場面でもそうではないか。  三年に一度、あるいは一年に一回公募をすると。しかも自分の仕事が公募をされていて、ハローワークの来た人がその人に、これどういうものですか、これはこういうふうに書いて是非応募してくださいと、自分の職を言ってやるわけですね。でも、私は、ハローワークこそ長年の人を見る目とか地元のいい企業を知っているとか、まさにスキルアップしてきちっと仕事をする、それこそ成績主義で、しっかり常勤化や更新をちゃんとやる。  公募制度が現場にすごいひずみを与えているんですよ。だって、実際は公募をやりながら現職のハローワークの人を採用するんだったら、ハローワークに来た人は、何じゃこりゃというふうに仕組みを知らない人は思うわけですし、ハローワークで働く人にとっては、毎年あるいは三年に一遍すごくつらいと。職場の中がもうぎすぎすしちゃうんですね。  これ、もうちょっと、本当に、なぜこの問題を取り上げるかというと、ハローワークが雇用の中ですごく大事な役割を果たしていて、このハローワークで働く人の非常勤職員の公募をやめることがまず第一歩じゃないか。この委員会で国家公務員の非常勤問題についてずっと取り上げてきました。国家公務員の非常勤問題も深刻です、地方公務員も深刻だけれど。だとしたら、まずハローワークからこんな公募というのをやめてもらえないか、いかがでしょうか。
  155. 宮川晃

    ○政府参考人(宮川晃君) 繰り返しになりますが、ハローワークの期間業務職員、これは、行政ニーズを年度ごとに精査し、必要に応じて配置していると。この期間業務職員というのは任期は一会計年度内とされておりますので、改めて採用する場合には原則公募であると。ただし、例外的に公募によらない場合は二回まで行うことができるという人事院規則あるいは関連通知に基づいて現在運用しているところでございます。
  156. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 しかし、現在やっぱりすごく問題が生じていると。  それで、毎年更新というか、更新して、そしてその人がしっかり働いていて頑張っているんだったら、更新し続ければいいじゃないですか。公募という制度を三年に一遍必ずやって競い合わせるというのは、つまり三年置きに自分がどうなるか分からないし、ハローワークに来た人に是非これ応募してくださいとアドバイスしなくちゃいけないんですよ。現場でどうかこれに応募してくださいと一生懸命説明して応募してもらうんですよ。自分と競合する人に親切にやらなくちゃいけないというのがハローワークの仕事です。どうでしょうか。是非こういうのを見直してほしい。  私は、国家公務員の非常勤問題、非正規雇用の問題は改善すべきだと思っているんです。まずハローワークからやったらいい。だって、雇用を扱うところなわけです。これ、少し知恵出してくれませんか。橋本副大臣、いかがでしょうか。
  157. 橋本岳

    ○副大臣(橋本岳君) 何というんですか、これまで総括審がお答えをしていたように、当然ながら法令等を守りながら運用しなければならないというのが私たちの立場でございますから、そこはそう申し上げなければならないわけであります。  ただ、本当にお話を聞いていて、なるほどなと思いながら伺ったということは感想としては思いましたので、ちょっと何ができるのか考えたいとは思います。
  158. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ありがとうございます。橋本副大臣が何かなるほどなと思って聞いてくださっているような表情だったので、そういう答弁していただいて、本当にありがとうございます。  やっぱりこれ残酷なんですよ。本当に、自分が働いている職をハローワークに来た人に勧めて、三年置きにどうなるか分からないってもう落ち着かないし、ハローワークで働く人こそ、スキルアップとか、いい仕事をやり続けてもらった方がいいじゃないですか。実は、ハローワークに来る人、そんなの知らないから公募であれば応募するんだけれど、実はそういうふうな形で競い合わせられていると知らないんですよ。だから、やっぱりこういう制度を是非ハローワークから改善してほしい。せめて公募をまずやめていただきたい。成績主義なら、いい仕事しているんだったら更新すればいいじゃないですか。  民間だったら、労働契約法で五年働いたら有期から無期の転換ってあるけれど、国家公務員ってこれないんですよ。それは、本当に国家公務員の非常勤問題、解決すべきだと思います。なるほどなと是非政務三役考えていただいて、大臣がそういう顔をしているかどうか分かりませんが、何となくしているような気もしますので、是非政務三役で議論していただきたいというふうに思います。  次に、職業訓練校への支援についてお聞きをいたします。  私は、二〇一四年九月に岐阜県立森林文化アカデミーに行きました。これは「WOOD JOB!」をやっているところで、岐阜県が三億円ほど出して若者の森林に働く人たちを応援していて、とても頑張っていると思いました。今年二月に職業能力開発短期大学校東京建築カレッジに行きました。今、マンションや一戸建ても、組立工みたいな形でマンションも造って、本来の意味の大工さんの養成がなかなかできない。かつては工務店の親方の背中を見てという感じだったのが、今一人親方も多いですし、なかなかきちっと教えられない。このまま十年たつと、実は家をリフォームするいわゆる大工さんがいなくなってしまうんじゃないかということも現場から本当に聞きます。  若い人たちなどがそういう日本の伝統工芸や物づくりに一生懸命取り組んでいる、そういう若者を本当に応援しなくちゃいけない、こうした分野に対して支援を更に強化すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  159. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今、建築の大工さんのお話でございますけれども、あるいは木工職人、こういった物づくり分野で働く人材の確保あるいは育成につきましては、熟練技能者が高齢化をするという傾向でありますので、技能をしっかりとつないでいく、これは大変大事なことだと思っています。  このため厚労省としては、国や都道府県が実施をいたします公共職業訓練において、求職中の方や働きながらスキルアップを図りたいと思っていらっしゃる方々を対象にして、物づくり分野の職業訓練を実施をしております。  それから、都道府県知事が認定をいたします認定職業訓練を行う訓練校、これに対しても国は都道府県が支給する補助金の二分の一の額を補助していると、負担をして、特に今建設分野につきましては、平成二十七年度から、都道府県が補助をする額が一定基準を下回る場合には国がその差額を補填をするという仕組みを暫定的に設けて、より手厚くこういった分野での人材の言ってみれば伝承を確保していこうというふうにしているわけでございますので、今後ともこうした施策を通じて引き続き物づくり分野の、日本の言ってみれば伝統技能を担う人材を育ててまいりたいというふうに思います。
  160. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 建設現場で働こうと思う若者たちを是非応援していただきたいと思います。  次に、子育て支援についてお聞きをいたします。  地方自治体が設置主体となっている公立保育園の数は、二〇一二年の一万二百七十五から二〇一六年八千九百十七まで激減をしています。ずっとこの厚生労働委員会で公立保育園潰すなと言ってきたんですが、御存じ、公立保育園は、がががががっと本当に減っております。今、保育園落ちた日本死ねって出てきていますが、私は公立保育園をこんなに激減させてきたというのが、それは本当に間違いだったと思いますが、それの反省ってあるんでしょうか。
  161. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  公立保育園の数は、今委員御指摘いただきましたように、平成二十四年、二十八年の間に数減ってございますけれども、この間に子ども・子育て支援制度ができて認定こども園に抜けたみたいなケースもございますし、民の方も合わせて考えますと、公立と私立の割合はこの間でもおおむね四対六という状態でございます。また、待機児童問題もいろいろと御指摘いただいている中、私立も含めた保育の受皿量、利用者量という整備は、着実にこの間も、もっと言えば大幅に増やさせていただいているというのが実態でございます。  この上で、具体的に今後その公立保育園、どういうふうに考えていくかということかと思いますけれども、どういうふうにそれぞれの地域において保育の受皿を整備していただくかということにつきましては、公立か私立かということを問わずに、保育園以外にも小規模保育事業ですとか家庭的保育事業など多様な保育の受皿も活用できるかというふうに思いますので、潜在的ニーズですとかあるいは地域の実情も踏まえながら、それぞれの自治体において着実な整備につなげていただくことが大事であるというふうに私どもとしては考えております。
  162. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 多様な受皿は結構ですが、だとしたら公立保育園の数を減らすような、一般財源化をしてというこの十年間ぐらいの動きは明らかに間違っていたと思います。  前、横浜市で、公立保育園、土地は売却、建物は払下げ、そして園児はそのままのまま民営化をしました。裁判が起きて、やっぱり、要するにある日から先生たちが全部全取っ替えになったわけで、子供たちが本当に不安定になって、裁判が起きます。  一審の地方裁判所は、まさに急激にやった、保護者の同意もない、このことは問題であったと、損害賠償で慰謝料を認めました。二審では残念ながら負けるんですが、私は、こういう急激な民営化や、とにかくある公立保育園を全取っ替えしちゃう、建物はそのまま、土地もそのまま、園児もそのまま、だけど先生たちと主体が変わるなんて、こういう乱暴なことを、実は全国でも起きたり、公立保育園変えられていくんですよね。  公立保育園の方が、やはり障害のある子供を引き受けている割合は高いです。医療的ケアの必要な子供たちについて、厚労省は今調査をして、ヒアリングをやっていただいていて、その結果をまた見て是非提言もしていきたいと思っているんですが、公立保育園の果たしてきた役割ってあると思います。  私は、今日質問するのは、今、保育園落ちた日本死ねで、みんな本当に保育園に入れなくて悲鳴を上げているけれども、今までのやっぱり政策の検証は必要だし、今後どうしていくかという点において、やっぱりそれは反省すべきところは反省してやっていただきたいというふうに思います。  男性の育児休業なんですが、今日も、今回も同僚議員から、牧山委員を始め質問がありましたが、二〇二〇年の数値目標として男性の育児休業取得率一三%を掲げています。でも、今は二・三%、あるいは二・六五%ですね。一体どうやって一三%まで上げるんですか。
  163. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  御指摘いただきましたように、またこの委員会でも御指摘いただいておりますように、私ども、現在男性の育児休業取得率二・六五というものを、政府で掲げます取得率、二〇二〇年までの一三%に向けて、あらゆるいろいろなことを企業の方々にも御理解いただきながら進めなければいけないというふうに思ってございます。これまで、イクメンプロジェクト、あるいは企業に対する助成等を行ってきましたほか、昨年の育児・介護休業法の改正におきまして、育児休業取得に対する事業主のハラスメント防止措置などを新たに義務付け、今年の一月から施行させていただいておりますし、今回の法案でも、事業主が育児休業の対象となる方を把握したときに個別に取得を勧奨する仕組みを努力義務として設けさせていただいているところでございます。  このような施策、まず取り組ませていただきながら、またきちっと実態も見ながら、私どもとして取り組ませていただきたいと思っております。
  164. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 保育園に入れないから育児休業を延期するという話をたくさん聞きます。本末転倒だと思います。  それから、男性の育児休業の取得を進めるためには、労働時間短縮しなければなりません。残業時間百時間未満なんて冗談じゃないと。一日の労働時間を短く本当に規制しないと……
  165. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 時間ですので、よろしく。
  166. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 はい。働き続けることができないということを申し上げ、質問を終わります。
  167. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今日は、福島みずほ先生に続きまして、男性の育休についてまずは取り上げさせていただきたいと思います。  皆様方に資料をお配りいたしておりますけれども、じゃ、本当に休暇を皆様方取っていらっしゃるんだろうかというところから入っていきたいと思います。  有給休暇取得率を見てみます。そうしましたら、何と、もらっているその付与の日数は十八日にもかかわらず、労働者一人当たり取得しているのは九日にも満たない、これが現状ですよね。ですから、まずしっかりとその有休を皆様方に取っていただいて、皆様方も必要があったらちゃんと休んでいいんですよという土壌を整備しないと、子供が生まれたから休んでください、そう言われたって、どんなに制度を整備しても休むものも休めないです。これが今の日本の抱えている現状ではないのかということを問題提起をまずはさせていただきたいと思います。  実は、私もこれを議論するに当たりましていろいろ文献に当たらせていただきました。そういたしましたら、大変面白い資料が出てまいりました。皆様方の資料二にお配りをさせていただいております。じゃ、世界では有休、どのような形で取っていらっしゃるのかなというところを調べてみましたら、何と厚労省ではその世界比較というものがない。じゃ、どこかないかなと探しましたら、エクスペディアという、実はこれ旅行会社が毎年毎年同じような形で資料を出していらっしゃることが分かりました。  日本人の有休消化率はここに挙げている国では最低だということです。この消化率が世界一低いにもかかわらず、休みが不足していると感じている人は三割しかいないんです。一番休んでいないにもかかわらず休みが不足していないと。その辺りをもっと詳しくこの企業では調べていらっしゃいました。休みを取ることに罪悪感があると考える日本人の割合は、約六割にも上っている。かつ、日本人が休みを取らない理由で職場環境が挙げられており、そのうち同僚が休んでいないのに自分が休むなんてと考えていらっしゃる。だから、こういう企業風土を変えていかなければ、制度だけ準備をしても、どうか休んでくださいといっても休めない現状があります。  ですから、しっかりとまず有休をみんな消化して、休めるだけの職場環境というものを整備していくことが、まず男性の育休取得というものを進めていく第一歩ではないかと私は考えておりますけれども、大臣のお考えいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  168. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 育児休業取得率の話は先ほど来出ていますけれども、女性は八割台、男性二・六五%という惨めな姿であります。その理由の一つとして、先ほど来出ているように、やはり育児休業制度取得しづらいという職場の雰囲気だと思うんですね。そういうことがアンケートで見て取れると。  年次有給休暇についても同様の受け止めがあって、働く方の三分の二が取得にためらいを感じていると。その理由は、みんなに迷惑が掛かると感じるからということ、あるいは後で忙しくなっちゃう、あるいは職場の雰囲気で取得しづらい。いずれにしても、働き方として有給休暇を取るということ自体が非常に取りづらい、そういう日本の職場環境、企業文化、風土、これだと思うので、ですから、ここをどう変えるかということで、ですから、並のことではなかなかこの文化というのは変わらないもので、それを、並でないことをやっていかないといけないんじゃないかと私は局長なんかにはいつも言っているわけでありまして、こういう中で、今回の改正は、育児休業の取得を希望しながら職場の雰囲気等を理由に取得を断念することがないように、事業主が育児休業の対象となる方に対して個別に制度の周知に努めなければならないという規定を設けて、努力義務ということにはなっているわけでありますが。  なお、年次有給休暇について、二〇二〇年までに年次有給休暇の取得率七〇%という政府目標があるわけでありますが、これを、十月を年次有給休暇取得促進期間として集中的な広報を行うということで、休暇を取りやすくしやすい雰囲気づくりに取り組んでいるわけでありますが、促進期間というものを設けたところで、それで文化が、風土が変わるかというと、私はまたなかなかそれは力不足だろうなというふうに思いますので、今回は取りあえず努力義務の規定を入れておりますけれども、引き続き働き方改革の中でしっかり考えていかなければならないというふうに思います。
  169. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、長期の休暇を取るということにまず日本人は慣れていないんですよ。だから、長期の休暇を取る育休が急に何か皆様方にとって違和感を感じてしまう、ここがいけないんですよね。  だから、二枚目に付けておりますけれども、時間単位で有休が取れる、これは私、それはそれなりに評価をいたしておりますけれども、しかし、時間単位で取っているというのは世界でもなかなか珍しいことのようで、本当に数日単位でしっかり休みを取って体を休めていく、そのために本当は有休というものはあるべきものであって、もう少しこの有給休暇の在り方というものも見直していただきたいと思います。  山越局長、先ほど大臣からかなり御答弁いただきましたので、付け加えることがございましたら、推進策につきましてお願いを申し上げます。
  170. 山越敬一

    ○政府参考人(山越敬一君) 先ほど大臣から御答弁があったとおりでございますけれども、それに加えまして、欧米で取得率が高いということの原因として、欧米では年休の取得日を原則として雇用主の方で決めるというようなこととしている国もあるというふうに承知をしておりますので、そういったことも参考といたしまして、現在提出させていただいて継続審議になっております労働基準法の改正法案では、年次有給休暇のうち年五日間につきましては、企業の方から働く方と相談した上で時季を指定して与えていただくということを義務付けるということにしているところでございます。
  171. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  このように本当に全般的に取り組んでいかなければ、ここだけ切り取ってしまっても全く意味がございませんので、そちらをお願いしたいと思います。  それから、今回は育児休業期間の延長というものも提案をされているわけでございますけれども、結局、保育園が今定員が満たされてしまって入れないからこそこういう施策が出てくると。先ほどから本末転倒だよねという話もございましたけれども、私なりにいろいろ考えてみまして、今日は幾つか提案をさせていただきたいと思っております。  今まで、保育園、通るか落ちるか、生きるか死ぬかみたいな話に今なっているんですけれども、もう少しこの保育園自体をみんなでシェアしていけないかということでございます。席は決まっております。その席をみんなが八割ずつ利用することによって、もしかしたらもう一人、二人、しっかりその枠の中に入れますよね。ですから、同じ席でも、みんなが一日だけ在宅にしよう、若しくは短時間勤務をやめてフルタイム、でも一日二日は休めるようにということにしていくことによって、だんだん入れる人数を増やすことができて、みんながウイン・ウインの関係を築くことができると。今までのように、ゼロサムじゃないですけれども、入れるか入れないか、生きるか死ぬかというよりも、もう少し柔軟な考え方を、そこで、みんなでどうやってこの席を奪い合わずに使いこなせるのかというような発想を持って考えていくと、もっとみんなが幸せな道が私は見付かると思っております。その辺り、厚生労働大臣として何か新しいアイデアございますでしょうか。  私は本当に、今のお母様方の声を聞いていて、通知書を受け取るその瞬間が本当に恐怖だと、もう本当に、こんなに、やっと職場に戻れるといううれしい声がだんだん悲惨な声に変わっていくのは耐えられません。いかがでございましょうか。
  172. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回働き方改革実現会議の中でいろんな議論をしておりますけれども、基本はやはりそれぞれのニーズに合った柔軟で多様な働き方を自ら選択できるという日本に変えるということが大事で、ヨーロッパなど、いろいろ報道等で見てみますと、週三日だけれども支店長だとかいう女性がおられたり、あと、御主人と組み合わせて、夫婦が片一方が勤めていて片一方が休んでいるという、そういうことが週の中でもシェアされているということで、まさにシェアリングエコノミーの人間版みたいなことで、働く人版でやるということ、そしてそれを保育にも同じようにやったらいいんじゃないかというお考えについては私もあり得べき形だなということで、今回働き方改革の中でも条件整備としては保育の方もそういう形にする。今はフルでいくというのがもう定番メニューになっていますから、定食だけではなくて、やっぱりアラカルトでいけるように保育もやっていくという方向性は私もまさに賛成であります。  そのほか、それをサポートするためには、テレワークとか短時間勤務とか、いろいろな形を許容するような労働市場の規制というものも考えなきゃいけないと思っておりますけれども、何よりもやはり大事なことは、時間じゃないよ、成果だよということですから、週三日であろうと二日であろうと、やるべきことをやっていれば評価をされるという、我々そういう形で高度プロフェッショナル制度を出していますが、まさに職務を明確にし、そしてそれに必要な能力も定義をして、それに応じてどういう働き方をしようとも結果が出せれば、週二日でも三日でも働くのは、会社に行くのはそれだけでいいということは十分あり得ると思うので、是非そういう形で、もう既に出している労働基準法の改正案もございますので、是非御一緒に議論をしていただくと有り難いなというふうに思います。
  173. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  本当に、私どもが余りにも頭が固過ぎるという面もございます。定員が何人じゃなくて、席がトータルで一週間幾つあるからどういうふうに使いこなしていくのかという、もう少し柔らかく柔らかく厚労省の方も頭になっていただければもっといいアイデアが出てくると思いますので、よろしくお願い申し上げます。  それから、最近保育園に入れないイコール仕事ができないというような形になっておりますけれども、中小企業ではかなりいいアイデアを出してくださっているところもございます。  職場に子供がいてその辺りではしゃぎ回っても普通に仕事ができる、お母さんが営業に出たときにはほかの社員の方がお子さんの面倒を見ていらっしゃる、これが我が社では普通だよというようなところもございますし、もちろん私もそうでございました。教員やっているときに、子供がいてどうしようと思ったときに、学長が判断いただきまして、ある空いている研究室を一つ、じゅうたんを敷いていただきまして、そこにお子さん連れてきても大丈夫だよと、保育の単位を取っている学生なんかが入れ替わり立ち替わり見てくれたりして、授業時間本当に助かったこともございます。  やっぱりこういった柔軟なものというものをやっていらっしゃるところのもっと私は広報をしてもいいんではないかと思います。こんな事例もあった、こんな事例もあった、だから保育園落ちたから働けないわけではなく、もっと企業側でも努力をしてそういうお母様方でも少しでも働いていただけるようなことを試みたらどうかというような形で、好事例集などを紹介するサイトなどがあってもいいかと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  174. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 私も全く同感でありまして、いろいろな会社がいろいろな工夫をして、出して、お子さんがおられようと、いろんな条件が整っていなくて働きづらいという人たちに働きやすい条件を提供するような企業があれば、私たちはやはりそういうものをもっともっとみんなに知ってもらって、ああそうか、こういうやり方があるのかということをヒントとして考えてくれたらすぐやるというところが出てきてくれることを我々としても大変期待をするわけであります。  ですから、先ほど申し上げたとおり、在宅就業であっても会社にどのくらい行くのかという組合せもそれぞれやはりきちっとした、その企業なら企業への貢献というものができればいいんだろうなということで、そこのところの評価をしっかりとしてさしあげるような、言ってみれば賃金体系とか処遇体系というものを整える、そして人事評価体制を、これは非正規であろうと正規であろうとやっぱり能力を同等に見るというのが同一労働同一賃金の発想ですから、まさにこの今回同一労働同一賃金を導入するに当たって、そういうようなことが同時にできるようにしたいと思いますし、いい例はどんどん広めていきたいというふうに思います。
  175. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  本当に、考えてみますと、いろいろな法令の中で実はいろいろ仕掛けをつくってくださっているんですけど、それがなかなかつながっていっていない、発想としても企業側もそれが持てないといったようなことがございますので、しっかり次の世代の皆様方に、本当にああ子供を産んでも自分たちがすごくハッピーな生活ができるんだなと思っていただかないと、いつまでたってもこの少子化という問題も解決してまいりません。子供がいたらこんなに苦しむんだというふうにしか今映っていない大変残念な場面でございます。  そこで、私ももう一つ提案をさせていただきたいんですけれども、資料三に、皆様方にお配りをさせていただいております。  大企業ではいろいろ取組をするのにコンサルタントを入れたりということがございますけれども、中小企業の皆様方はその余裕もございません。人事であったり管理を行っている皆様方ももうたった一人でやっていて、いろんな研修があっているのは分かっているけれども、それに行くことができないんだというお声もよく聞きます。  調べてみましたら、この新潟県、大変いい事業を行っていらっしゃいます。ワーク・ライフ・バランス推進企業応援事業というものでございます。育児だとか介護の休業だけではなく、残業をいかに少なくしていくかということも併せまして、本当にライフ・ワーク・バランスを取り組む中小企業に、これ無料、六回まで無料でコンサルタントしていただいているような状況ですよね。  やはりこういうものを全国的に私は展開をすることに大きな意義を感じております。ですから、厚労省の方でも、このような形でワーク・ライフ・バランス推進コーディネーター派遣事業というようなものをどんどん打ち出していただけたら、もっともっと多くの皆様方が、先ほど私も提案いたしましたような、残業だけではなく有休もしっかり使い切って自分の生活も充実していこうじゃないかというような働きにもなるかと思いますが、大臣の御意見、最後にいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  176. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、この問題提起で初めて私も知りましたけれども、県としてこういうワーク・ライフ・バランスを中小企業に勧めていくということをやっているのは大変すばらしいというふうに思います。  いずれにしても、育児にしても介護にしても、それぞれほかの問題を抱えながらでも仕事ができるということについていろいろな工夫を言ってみれば伝授してくれるというのは、あるいはヒントを下さるというのは大変いいんじゃないかなというふうに思っています。  厚労省では、平成二十六年度から、中小企業で働く方が育児休業や介護休業を取得して円滑に職場復帰がそこからできるように、中小企業が育休復帰支援プラン、育休から復帰するときの支援プランあるいは介護支援プランを策定することを支援をしております。  具体的には、企業がこれからのプランを策定する際に社会保険労務士などの企業の労務管理に詳しい専門家をプランナーとして派遣をするということでありますが、仕事と育児等との両立支援に取り組む中小企業に対してコーディネーターを派遣して働きやすくする、このような新潟のような試みというのは是非参考にしながら、私どももそれを推進していきたいと思いますが、何よりもやはり、繰り返して申し上げますけれども、企業の文化、風土がこういうものを受け入れるかどうかということが大事なので、国を挙げてやはり受け入れるように持っていくというのが我々の責務じゃないかなというふうに思います。
  177. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  大企業は変わるのは大変難しいんですけど、中小の皆様がトップの判断で迅速に動いてくださる、逆に言うと、そういった小さな企業若しくは中小企業の皆様方が変わっていくことによってこの風土というものがどんどん大企業に波及していくんではないかというふうに私は期待しておりますので、是非御協力いただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  178. 羽生田俊

    ○委員長(羽生田俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時散会