運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2017-03-30 第193回国会 参議院 財政金融委員会 9号 公式Web版

  1. 平成二十九年三月三十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月三十日     辞任         補欠選任      鶴保 庸介君     元榮太一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤川 政人君     理 事                 大家 敏志君                 中西 健治君                 長峯  誠君                 三宅 伸吾君                 大塚 耕平君     委 員                 愛知 治郎君                 石田 昌宏君                 徳茂 雅之君                 中山 恭子君                 松川 るい君                 三木  亨君                 宮沢 洋一君                 元榮太一郎君                 山谷えり子君                 風間 直樹君                 古賀 之士君                 白  眞勲君                 藤末 健三君                 杉  久武君                 平木 大作君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 藤巻 健史君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君    内閣官房副長官        内閣官房副長官  野上浩太郎君    副大臣        内閣府副大臣   越智 隆雄君        財務副大臣    大塚  拓君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 伸一君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       望月 明雄君        内閣官房内閣審        議官       向井 治紀君        内閣官房内閣参        事官       相馬 弘尚君        内閣官房内閣参        事官       吾郷 進平君        内閣府政策統括        官        北崎 秀一君        金融庁総務企画        局長       池田 唯一君        金融庁検査局長  三井 秀範君        金融庁監督局長  遠藤 俊英君        法務大臣官房審        議官       加藤 俊治君        外務大臣官房審        議官       水嶋 光一君        外務大臣官房審        議官       飯田 圭哉君        外務大臣官房審        議官       増島  稔君        財務省主計局次        長        可部 哲生君        財務省主税局長  星野 次彦君        財務省関税局長  梶川 幹夫君        財務省理財局長  佐川 宣寿君        財務省国際局長  武内 良樹君        国税庁次長    飯塚  厚君        農林水産省農村        振興局農村政策        部長       新井  毅君        経済産業大臣官        房審議官     中川  勉君        国土交通大臣官        房建設流通政策        審議官      海堀 安喜君        国土交通省航空        局航空ネットワ        ーク部長     和田 浩一君    参考人        日本銀行副総裁  岩田規久男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (官民ファンドに関する件)  (学校法人森友学園に関する件)  (日本経済の下方リスクに関する件)  (金融機関のアパート向け融資に関する件)  (国際的な金融取引への課税に関する件)  (金融緩和の出口戦略に関する件) ○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官望月明雄君外十六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁岩田規久男君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾であります。  昨日、東芝が、米国の原子力関係の子会社につきまして連邦破産法の適用の申請をしたということでございます。そのこともあり、東芝は今年度末時点で債務超過に陥るというような見通しになったと聞いております。経営破綻しないようにしっかりとやっていただきたいと思うわけでございますけれども。  経営破綻といえば、今からちょうど六年前の三月でございますけれども、会社更生手続に入っておりました日本航空、当時の社名は日本航空インターナショナルという名前だったんですけれども、現在の日本航空の会社更生手続が終わったという決定を東京地方裁判所が今からちょうど六年前にしております。  麻生大臣にお聞きしたいんでございます。この国が関与した大型の企業再生の手続でございますけれども、振り返りますと、どのように評価をされていますでしょうか。
  8. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、三宅先生御指摘がありましたように、平成二十四年にこのいわゆるJALの再上場をさせていただいたんだと記憶しますけれども、これは旧企業再生支援機構において売却益が三千億円出たということだと存じます。その結果として、この機構からは、平成二十四年度までに利益剰余金から約八百九十億円の国庫納付がなされております。  このJALの支援につきましてはいろいろ御意見があって、特定の企業に対する支援ということに関しましては、一つの企業じゃないかとか、また航空行政の観点からは、これ、一社独占というのではなくて二社ということは必要であるなど、あの当時、様々な御意見が出されたと記憶をしますけれども、一回この会社はいわゆる、何というか、倒産させちゃう、その上でまたとか、あのときに何かいろいろ御意見が出た。前原大臣のときだったかな、あのときは。何か余りちょっと正確な記憶じゃないんですけれども、なったんですけれども、最終的には、今申し上げたように、いわゆる再生支援機構においてこれを再生させるということで、結果として再生をさせることになって、日本航空の株を持っていた人の株が全部チャラになったり、いろいろあの頃は御意見も出たとは思いますけれども。  いずれにしても、国庫納付の側面を多とはいたしておりますと同時に、企業支援というものを今後考えていく上においては、いろいろ示唆を与える事例として考えておかねばいかぬなと捉えておるところであります。
  9. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 ありがとうございます。  私は、あの当時、日本経済新聞の編集委員でございまして、この破綻処理、つぶさにフォローをいたしておりました。当初、前原国交大臣は破綻をさせないと言い切っておられましたけれども、紆余曲折ございまして、破綻をさせて見事に再生に成功されたということで、民主党政権下の経済そして産業政策の成功例の一つだと私は評価をいたしております。  この日本航空の破綻の更生手続のときに管財人を務めておりましたのが、いわゆる企業再生支援機構でございます。現在、地域経済活性化支援機構というふうに衣替えをしております。この地域経済活性化支援機構を含めまして、十以上のいわゆる官民ファンドというものがございます。ちょっと今日は官民ファンドについて御議論をさせていただきたいと思っております。  このいわゆる官民ファンドの一般的な定義、それから主なファンドの名前、そして国から官民ファンドへの現在又は近時点での出資額と信用供与額、それぞれの総額を教えていただけますか。
  10. 吾郷進平

    ○政府参考人(吾郷進平君) 官民ファンド、まず定義でございますけれども、一つ目、政府の成長戦略の実現、地域活性化への貢献、あるいは新たな産業、市場の創出等の政策的意義のあるものに投資先を限定した上で、二番目として、民業補完を原則として、民間で取ることの難しいリスクを取ることによって民間投資を活性化させ、民間主導の経済成長を実現することを目的とするものというふうに考えてございます。今御指摘がございましたけれども、これに該当するファンドが今十四というふうに認識しております。  それから、主なファンドでございますけれども、今お話のありました地域経済活性化支援機構、それから産業革新機構、農林漁業成長産業化支援機構、海外需要開拓支援機構等があるものと承知しております。  それから、その出融資等の総額でございますけれども、国から官民ファンドへの出融資額の総額は、平成二十八年九月末現在で七千百九十四億円でございます。また、政府保証枠の総額は三兆八百九十一億円でございます。
  11. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 かなりの数、そしてかなりの規模の出資、そして信用供与が行われているわけであります。  近時、金融庁中心となりまして、企業のコーポレートガバナンス、それから機関投資家に対する様々な規律を改善しよう、そしてまた監査法人に対しても様々な自主的な、ソフトローと言われておりますけれども、規律を強化して、しっかり株主の方にも従業員の方にも、そして経済成長に資するような立派な会社をつくろうということで今やってきているわけでございます。  私の関心は、大きくなったいわゆるこの官民ファンドでございます。この官民ファンドもしっかり規律を働かせて、その設立趣旨に沿った形で運営をしていかなければいかぬというわけでございます。そういった意味で、官民ファンドの運営に係るガイドラインというのがございます。概要を教えてください。
  12. 吾郷進平

    ○政府参考人(吾郷進平君) このガイドラインでございますが、官房長官を議長とする官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議において策定しております。  その内容は、大きく分けて五つの柱に分かれておりまして、一つ目、運営全般、二つ目、投資の態勢及び決定過程、三つ目、ポートフォリオマネジメント、四つ目、民間出資者の役割、五つ目、監督官庁及び出資者たる国と各ファンドの関係、この五つの内容を含んでおりまして、これを使って横串チェックをしているというものでございます。  具体的に幾つか御説明いたしますと、一つ目の官民ファンドの運営全般の部分では、法令上の政策目的に沿って運営されているかどうか、民業補完に徹しているかというようなことをチェック項目としているところでございます。  また、二つ目の投資の態勢及び決定過程につきましては、例えば投資の決定に関する組織について、監視、牽制する仕組みが明確化されて機能しているかどうか、あるいは投資の実績の評価及び開示が適切になされているかどうか、こういった点が示されているところでございます。  また、最後の監督官庁及び出資者たる国と各ファンドとの関係につきましては、投資方針の政策目的との合致、あるいは政策目的の達成状況、競争に与える影響の最小化等につきまして、国とも意見交換を行うための態勢を構築しているかどうかなどがチェック項目として示されているところでございます。
  13. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 このガイドライン、拝読をいたしますと、投資の判断をするときにはいろんなことを注意をして慎重にやれということをたくさん書き込んであるんですけれども、私一番気になったのは、投資をやめるとき、いわゆるエグジットということに関する記述がほとんどございません。言葉は三か所出てまいりますけれども、行きはよいよい何とかということもありますように、実はエグジットが非常に難しい場合があります。  このガイドラインにエグジットに関する記述がほとんどないのはどうしてでしょうか。
  14. 吾郷進平

    ○政府参考人(吾郷進平君) 先ほど御紹介いたしましたガイドラインの概要のうちの投資の態勢及び決定過程の中で投資実績の評価、開示のようなことも盛り込んでおりまして、投資決定の時点、それから投資中の経営支援、それから投資終了時点でのエグジットみたいなことも含んだ形の規定にはなっておるのでございますが、御指摘のとおり、表現が、エグジットと明記したものが少のうございます。  実は、この官民ファンド運営ガイドラインを決定いたしました関係閣僚会議の下で野上内閣官房副長官を議長とする幹事会を設置しまして、そこで、金融の専門家の方、ファンドの運用経験のある実務家の方など有識者四名の方にも御参加をいただきまして、このガイドラインに基づく検証作業を行っております。  その中で、最近投資案件のエグジットも増えてきているということもございまして、有識者の先生方からも、透明かつ公正な手続でエグジットを行うべきじゃないか、あるいはどのようなエグジットをすれば全体として成長力に資するかどうかということも検討すべきではないか、あるいはエグジットに必要な体制を改めて点検すべきではないかと、こういった御指摘がなされているところでございます。  したがいまして、これを踏まえまして、私ども幹事会での検証事項としても、エグジットの基本方針や決定プロセス、エグジットの実績、エグジットの際の競争的状況の確保などについてその取組状況を今検証しているところでございます。
  15. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 幹事会の方で御議論をやっているというのは評価をいたしますけれども、このガイドラインに沿っての議論ではガイドラインの枠内にとどまってしまいますので、多分このガイドラインをプロの方が読むと、やっぱりガイドラインは改定をして、そしてエグジットのところについても、基本となる、通常考えると、何のために投資したのかと、そもそもそのファンドの設立趣旨、それからエグジットの場合の、今おっしゃいましたけれども、プロセスですね、プロセス、入札等の競争的環境でやると、そういうのは多分どのファンドであろうと同じだろうと思いますので、是非このガイドラインは改定をしていただいて、国民の皆様が納得しやすいようなものにしていただきたいと思っております。  もう一つ、私、官民ファンドで関心がございますのは、大きな上場会社に官民ファンドが出資をしたと、時価総額が一兆を超えるものも実はもうあります。そうした場合に、官民ファンドが出資をしている上場会社の株式の評価、資産評価と、それから官民ファンドの資産、そして官民ファンドに出資を、投融資をしている国のバランスシートの関係、これ、とっても気になるわけでございます。上場会社に対して三分の二以上の株式を保有する官民ファンドがあった場合、その官民ファンドに対して当然国が金を出資しているような場合、国のBS上は上場会社の株式の資産評価はどのような形でひも付けされるんでしょうか。
  16. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。  ただいま官民ファンドが保有する株式等の資産と国の財務諸表、財務書類におきます貸借対照表との関係についてのお尋ねがございました。  国の財務書類におけます貸借対照表、バランスシートでございますけれども、この中で、官民ファンドへの出資金の額は、ファンドの純資産額に国の出資割合を乗じた額で計上をいたしております。したがいまして、出資金の評価額は、出資先の官民ファンドがそれぞれ保有株式について時価評価を行っているか否かという、各ファンドの会計処理に依存することになります。  仮に、官民ファンドが時価評価を行っておりますと、そのファンドの出資先法人の株価が上昇し、当該ファンドの純資産が増加するということで、国の財務書類の貸借対照表の出資金も増加すると、そういう関係になっております。
  17. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 官民ファンドが保有する上場株式の評価を時価評価していれば反映されるという御説明でございました。していない場合も念頭にあるということでよろしいんでしょうか。
  18. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 御指摘のとおりでございまして、官民ファンドは通例、企業会計原則にのっとってその評価を行っているということが多うございます、例えば株式会社の場合等でございますけれども。そういたしますと、市場価格を、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券等については時価では評価ができないというようなことになりますので、それぞれのファンドがそれぞれの保有株式について時価を把握することができるかできないかというようなことに依存してくるということになります。
  19. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 やっぱりこの官民ファンドの運営に係るガイドラインの検討においても、是非、開示の点ですね、今、私、議論させていただきました。やっぱり会計がある程度、まあ当然、官民ファンドでも様々な目的のものがあろうかと思いますけれども、いわゆる投融資をそのメーンにして、かつ産業に使うようなところについては、可能な限り会計ルールを統一して、そしてかつ、もう今、世の中は時価会計の方向にずっとこの数十年来ているわけでございますので、できる限り時価会計の方向で直近の国のBSに反映されるような形でしませんと、何兆円も国がお金を投融資しているのにどうなっているのかよく分からないということでは国民の理解が余りいただけないように思います。  お配りしておりますこの産業革新機構の株主概要というのがございますけれども、これ、産業革新機構は国が二千八百六十億円しておりまして、残り百四十億円を企業とそれから一番最後に書いてありますけれども設立時の経営陣が出資をして産業革新機構というのができております。産業革新機構が出資している企業にルネサスエレクトロニクスがございます。これ半導体の会社でございますけれども、今日は、おとといの終値で国の含み益が幾らになっているのかと計算をしてみますと、機構が六九・一五%の株を持っておりますけれども、含み益が一兆二千四百十五億円ございます。一兆を超えるような含み益を生むような投資でありまして、最初の出資は一千三百八十四億円ぐらいでございますので、すばらしいリターンを現時点では上げております。  問題は、民業圧迫にならないように、それから出資をしたときのその出資目的、それに合致するような形で、この経営状況を見ながら適切な形でできる限り早く僕は売却するのが正しいと思います。人生を懸けて会社を経営している方も当然世の中にはたくさんいらっしゃるわけでございますから、再生に成功したら、これはやっぱり民のことは民に早く任せるという方向で、透明な手続でこのルネサスのエグジットもしていただきたいと思っております。  少し早うございますけれども、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
  20. 松川るい

    ○松川るい君 委員長、ありがとうございます。自由民主党大阪選挙区選出の松川るいです。  今国会は森友国会になっております。地元大阪で起きた事件でございますので、私も解決は大切だと思って注視してまいりました。しかし、北朝鮮が、この脅威が新たな段階に入り、これ以上、こういう中で、国会で本問題を長引かせて政治的に不安定化させることは国益を害すると思っております。英国はEUの離脱を正式に通知を行いましたし、隣の韓国では大統領不在の混乱が続いております。G7でも安定した強いリーダーはメルケル首相と安倍総理だけ。この中で、トランプ大統領、習近平国家主席、プーチン大統領と伍し得る安倍総理というリーダーがいることがどれほど日本にとって幸運なことなのか。私が今日一番申し上げたいのは、厳しい安全保障環境、そして国際政治のこの激流の中で、この森友問題に日本の進路、国益を過たせてはいけないということであります。  その上でですが、自分自身も外務省で長らく国家公務員として勤めてまいりまして、また昭恵夫人とも、世界女性会議、WAW!などを始めとして一緒にお仕事をさせていただきましてお人柄にも触れてきましたし、ここに至ってちょっと取り上げられている論点には非常に違和感を感じるところがございまして、短時間ではございますが、質疑をさせていただくことにいたしました。  森友問題は、私には中世の魔女狩りのようにちょっと思えるところがございます。魔女は本当にいるのかと。森友問題がここまでこじれたのには、幾つか大きな誤解があると思います。  まず根幹の点なんですけれども、第一に、高い土地を格安で売ってもらったという点なんですけど、これは本当なのか。私には安い土地が安く売られたとしか思えないんです。同じ豊中市の給食センターへの売却事例で森友とほぼ同じぐらいの土地があります。七・七億の評価額。このごみ処理費は十四億であります。マイナス価値なんです。八億円のごみ処理費はそんなに本当に高いんでしょうか、財務省にお伺いします。
  21. 佐川宣寿

    ○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。  地下埋設物などが存在する国有地を売却する場合は、その撤去費用を見積もりまして、更地価格からその費用を引いてこの売却価格を出すというのがこれもう一般的でございます。  本件は、隠れた瑕疵も含め一切の瑕疵について国の責任を免除する特約を付すことも念頭に置きまして、産廃の撤去処分に十分な知見と実績を有します大阪航空局にその撤去費用を見積もっていただきまして、不動産鑑定の更地価格からその価格を適正に引いて売却価格一・三億円という時価を算定したところでございます。
  22. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  要するに、森友の土地は小学校建設が前提条件ですから、建物の下のごみは除去しなければならない。つまり、九億が一・三億になったわけではなくて、最初から一・三億の価値しかないということだと思います。  次に、谷氏のファクスですが、普通なら照会したりしないのに昭恵夫人の指示があったから谷さんは財務省に照会したんじゃないかとか、昭恵夫人付きからの照会だったから財務省が答えたんじゃないかと言われておりますけど、これもずれているなと思います。  自分もやっていましたが、霞が関の役人にとって外部からの照会というのは極めてごく日常的な業務でありまして、誰か偉い人からの照会じゃないと回答しないということはなくて、一般の方から照会があってもお答えするものだと思っておりますが、財務省ではいかがなんでしょうか。
  23. 佐川宣寿

    ○政府参考人(佐川宣寿君) お答えします。  国有財産につきましては、購入手続など、財務省あるいは財務局に様々な問合せがございます。こうした問合せに対しまして職員は、法令、手続等の内容につきまして丁寧に説明を行ってございます。今般の総理夫人付きからの問合せにつきましてもそうした問合せの一つでございまして、ファクスでの回答内容は法令、契約に基づく一般的な内容を説明したものでございます。
  24. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  谷さんの場合は、自分の知り合いで昭恵夫人も御存じの方である籠池さんから手紙で照会されたわけですから、これは回答するのが当たり前。そしてまた、その谷さんから、一般人でも回答するところを谷さんから照会を受ければ、それは当然財務省として回答するのが当たり前。  ということで、ファクスの正当な論点は、回答してあげたかどうかではなく、財務省が総理夫人だからといって本来できないことを無理やり曲げて回答しているかどうかという一点だけでございますが、これはもう皆様御存じのとおりゼロ回答であるということであります。  この点に関しまして、先日の大門先生の決算委の質疑におきまして、実はファクスは一見ゼロ回答だけれども、籠池さんの望みは全てかなっているからそんたくはあったのではないかという御指摘がございました。これも、私、ちょっと違うのではないかと思っております。  というか、森友問題がこじれた一番の大きな誤解は、財務省が随意契約とか分割払とか、相手方に親切というか、相手方の事情に配慮をした対応をしていることが、例外的であるとかおかしい、悪いことであるというような捉え方をされているところに問題、その点がちょっとおかしいんじゃないかと思っております。  財務省にお伺いしますが、契約において、財務省は売却を希望する者に対して寄り添った対応をすることは異例のことなんでしょうか。
  25. 佐川宣寿

    ○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。  本件、会計法令におきまして、小学校の用地として国有地を利用する場合には、随契で売却あるいは貸付けをすることが認められておりまして、私ども法令に基づきまして貸付契約を結んでございます。  さらに、国有財産の売払い代金の分納、分割払の話でございますが、これも国有財産特別措置法におきまして、一括して支払うことが困難な場合には分割とすることが認められてございます。  したがいまして、私ども、本件の処分につきましては、全て法令に基づきまして適正に行っているということでございます。
  26. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  元々、国有地の売却先がまず地方公共団体、次に学校や社会福祉法人といったところを優先しておられるのは、そのような公共の目的で国有地を有益に使ってもらいたいという、そういう制度趣旨だと思います。  随意契約というのは、最初から相手を結婚相手として決めて付き合うようなものでございますから、法令の範囲内で公共目的の事業を遂行しようとしている相手方の事情にできるだけ配慮してあげるのは、私は当たり前のことではないのかなと思います。  つまり、政治的な圧力がなければ親切な対応をするはずがないと思っているから、何かしら圧力やそんたくがあったに違いないという色眼鏡で見ているわけでございますけれども、私は、途中でいろんな、この教育目的はどうだとか資産力があるのかといった点、指摘されましたけれども、最初、皆さんは、籠池さんは一生懸命自分の信念の小学校をつくりたいと奔走しておられたわけで、相手方の事情、この場合は四月に開校するということにできるだけ法令の範囲内で対応してあげようとしたということではないかと思います。事実は小説より奇なりというよりも、事実は尾花に枯れススキではないかと思うわけです。  ここなんですけど、本件問題のそもそもの発端は、大阪府が認可相当の判断をしたところからあると思うんです。認可相当が出てなければ、財務省の国有地売却は始まっておりませんし、籠池さんも学校建設をしていない。だからこそ、籠池さんも、一番恨んでいるというと変ですけれども、思いがあるのは大阪府知事だと述べられたのではないかと推察いたします。  また、もしもこの学校が愛国教育的な小学校じゃなくて、例えばシングルマザーの家庭の子女のため夕方まで預かりますよといったような学校をつくるというプロジェクトであったとしたら、ほかが全て同じだったとして、ここまで問題になったんだろうかと。  結局、この問題の本質は、我が党の西田議員が明らかにしましたように、資金力に問題があり、また教育内容についても少々疑義がある学園について、一体なぜ大阪府が認可相当の判断をしたのかというところにあるのではないかと思います。したがいまして、今後は国会ではなく大阪におきましてこういった点、しっかりと解明をしていただきたいと思う次第でございます。  済みません、まだ一分ぐらい時間があるので、少し追加だけ申し上げますと、百万円の寄附については、私が、昭恵夫人の御性格からして、お渡しになったんだったら、多分そう言うと思うんですね。ただ、受け取ったかどうかは私はもう本質的に関係がない、どこまで行っても違法ではない問題ですから、国会で云々する話ではないと思います。  実はマイナンバーの話を、大きな話を大臣にお伺いしたいと思っていたのですが、ちょっと時間が十分ということで足りなくなってしまいました。誠に申し訳ございませんが、午後の関税定率法の時間で併せてお伺いして差し支えなければそうさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  27. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 民進党の大塚でございます。  今日は幾つかの話題について質問させていただきたいんですが、森友の話は最後に聞こうと思っていたんですが、今、松川さんが触れられましたので、ちょっと私も付言させていただきますが、松川委員におかれては大変優秀な方だということは十分伺っておりますが、議会の先輩として一言申し上げると、大門さんの質問は違うというふうにおっしゃられましたけれども、委員会の場というのは、自分の意見を言うのはもちろん当然のことだと思いますが、余り他の委員の御発言を引用してそれを否定するための発言というのはされない方がいいんじゃないかと思います。例えば、先ほど三宅さんがおっしゃった東芝とかJALの話は、私は考え方は同じなので三宅さんに賛同するというようなことを申し上げようと思っていたんですが、賛同する場合はともかく、それは違うということを、特にこの問題は今大変大きな問題になっているわけでありますので、松川さんの御意見をおっしゃられるのはもうそれはそれで結構なことかと思いますが、大門さんの意見は違うと思うというような御発言は少しお控えになられた方がいいんではないかなと、僣越ですが申し上げたいと思います。  さて、それで、せっかく松川さんが森友のことを聞いていただいたので、確かに役所が、まあ私も役所のようなところの存在の出身でしたので、できるだけ親切にやるべきだというのはこれは分かります。ただ、やはりできるだけ親切にやる、この間の森友への対応が、籠池さんへの対応が決して不自然じゃなかったという前提に立つと、ちょっと確認をしておきたいことがあるんですが、理財局長、籠池さんからの手紙が谷さんに届けられたのは、それは何月何日でしたでしょうか。もし御記憶にあればお答えください。
  28. 佐川宣寿

    ○政府参考人(佐川宣寿君) 大変申し訳ございません。籠池さんから谷さんへの手紙ということであれば、私、承知してございません。
  29. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 谷さんが籠池さんに回答したファクス、あれはたしか何日ぐらいでしたですか。
  30. 佐川宣寿

    政府参考人(佐川宣寿君) 大変申し訳ございません。たしかその日付は入っていなかったと思われますけれども、平成二十七年のたしか十一月頃だったというふうに記憶してございます。
  31. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、私が確認したかったのは、松川さんの御質問、なるほどなと思って聞いていたんですが、たしか九月五日に講演をされて、昭恵さんがですね、その後、あの手紙が谷さんのところに送られて、谷さんの回答はたしか十一月だったと思いますから、そうすると約一か月ぐらいのクイックレスポンスをしているわけです。あの手紙の内容と、それから、それだけの短期間であれだけのことを調べてああいうふうに丁寧に対応するというのが、あれが役所の標準ということであれば、今後、国有地等々の様々な問合せがほかの人から来たときもあれを標準としてやってもらわないと困ることになりますので、そういうことでよろしいですね。
  32. 佐川宣寿

    ○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。  委員おっしゃるとおりでございまして、御質問があればなるべく速やかにお答えをするというのがもう私どもの姿勢でございますが、ただ、案件にもよりますし、中身にもよると思いますので、それに応じてきちんとやらせていただきたいというふうに思います。
  33. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、だから大変先ほどの松川先生とのやり取りは意味があるんですよ。国民の皆さんにとっては、今回の籠池さんへの対応は役所の標準だということで、これからしっかり対応をしていただかなくてはならないということが確認できた質疑だったと思いますので、そのようにこれから対応していただくことをお願いをしておきますが、理財局長、よろしいですね。
  34. 佐川宣寿

    ○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。  これまでも私どもは一生懸命、誠実に現場で対応してございますので、引き続き、そういうお問合せがありますれば、私どもとして法令等についてきちんと説明していきたいというふうに考えてございます。
  35. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 その上で、今日通告をしている質問で、三月九日にも質問をしたんですが、森友学園の小学校建設用地の土砂の処分地の問題なんですね。これも今、松川さんが御質問されていたように、最終的な評価はこの土地は約一・三億円になったわけなんですけれども、この一・三億円に減価をする前提として土砂を入れ替えて運び出すということになっていたのでこの金額になったと、それはもうそのとおりの計算だったと思います。  ただ、ここに至る二か月ぐらいの議論を聞いていると、その土砂がどこに運ばれたんだというようなことは、それはもう森友学園側の問題なので役所は一切あずかり知らぬと、こういう論立てでずっと抗弁をしておられるんですが、しかし、私は、これ国家公務員法上の善管注意義務に違反すると思いますね。これがあそこに何かビルを建てるとか、いろんな用途があるんですが、特段善管注意を払う必要のない事案ならともかく、ここに小学校の用地を、小学校を建てるという案件ですからね。かつ、文科省の小学校建設の指針を見ると、校庭とかは土壌に注意しろと書いてあるわけですよね。  だからこそ、僕たちはお伺いしているわけですし、僕も三月九日にお伺いしましたが、ということは、減価をする前提として土砂を入れ替えて運び出すということになっていたので、その土砂、私が聞いたのは、くいの部分の千七百トンと、それから建物、土地の部分の九千五百トン、約一万一千トン、これをどこに持っていったのか、それを先方に確認してみてくださいと、こういう質問だったんです。国交省はせんだってゼロ回答でしたが、もう一回、国交省にお伺いをします。約一万一千トンの土地の処分地はどこでしたでしょうか、御確認をいただけましたでしょうか。
  36. 和田浩一

    ○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。  三月九日の本委員会で大塚委員から御指摘をいただきましたので、私ども、本件土地の産業廃棄物に係る処分地についていわゆるマニフェストの提出先であります豊中市に確認を行いましたが、現時点では把握をしていないということでございました。  航空局といたしましては、財務省それから近畿財務局とも連携をしながら、今後のフォローアップに努めてまいります。
  37. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 現時点ではそれで結構だと思いますので、しかし事案が事案ですので、もし彼らがあの建設をする過程で運び出して処分したと言い張るのであるならば、やっぱり最終的に確認をする努力をしていただきたいなと思います。  もちろん、せんだっての財務省内の、本省から近畿財務局に話を聞いてくださいということとは少しレベルが違って、せんだって佐川局長から御報告いただいたのは、あくまで財務省の中の確認だから早くやってくださいということで我々お願いをしていたところ、藤川委員長の御指導でようやくあれは決着を見ました。今回の件は相手は第三者ですので、相手から情報が出てくるかどうか、これは分かりません。分かりませんが、先ほど申し上げましたように、土地の減価をする前提として、小学校を建てる上でその土砂を入れ替えるということを条件に減価をしたわけですから、国家公務員の善管注意義務の範囲内の問題としてやっぱり確認をしていただくべき問題だと思いますので、引き続き御努力をいただきたいというふうに思います。  さて、今日、冒頭に質問しようと思っていた話に戻らせていただきますが、今日は三宅委員からJALや東芝の話等々が出まして、なるほどなと思ってお伺いしていたわけであります。今後も、やはりナショナルフラッグのような企業とか、分野によっては簡単に市場原理に任せて潰すという選択ができない企業というのも出てこようかと思います。その場合には適切に対処していくことが必要だと思うんですが、ただ思い返してみれば、JALも結局それまでの航空政策の影響を受けています。もちろんJALの経営陣自身の経営の失敗というのもありますけれども、不採算の路線にいっぱい飛ばさざるを得なかったということも影響しています。それから、東芝の場合は、これは申し上げるまでもなく原子力政策の影響を受けているわけでありますので、やはり企業の存亡というのは国の産業政策にも大きな影響を受けると。  とりわけナショナルフラッグのような企業は、いざ何かが起きると、企業の経営者ないしは社員の責任が問われがちなんですが、その前提としては、国がかじ取りしてきた産業政策の失敗、あるいはその他のもろもろの政策の失敗というものも大きく影響するということを我々は意識をしておかなくてはならないなというふうに思っております。  そういう観点から大臣にお伺いしたいんですが、金融業界も常に政策の影響を受けやすい業界であるわけでありますが、大臣はせんだってのG20のコミュニケの第一番で、世界経済の下方リスクに大臣も同意をする形で言及をしておられるわけでありますけれども、世界及び日本、とりわけ日本における下方リスクというのはどういうものがあるということでこのコミュニケに賛同されたんでしょうか。
  38. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 下方リスクの方からですけれども、これは間違いなく緩やかに全体として回復傾向にある。これはいつと比較すればといえば、四年前若しくはリーマン・ブラザーズの後等々に比較してということになろうかと思いますが。  緩やかな回復が続いていますけど、例えば中国、明らかに過剰設備、過剰金融等々のものははっきりしていますので、こういったものが今いろんな形でいろいろ、修復ね、修復という表現は正しいんですかね、もうちょっと激しいような感じしますけど、まあとにかくこの問題を片付けないかぬということでいろいろやっておられるのが、激しくいろいろな動きが出てきています。そういったものでは、これ下振れリスクがあるということは一つの要素だと思っております。  それから、イギリスの場合のハードブレグジットという話で、昨日のイギリスの話はよくこっちは聞くところですが、EU側の話というのは余り日本の新聞には載っかっていないように思いますので、EUなんかのニュース見ていると、これもう極めて厳しい話になっていますから、日本のに出ている話とは随分違うなと思っていますので、この点に関しては、やっぱり金融機関なんかの場合、日本の場合は、ロンドンに置いてある企業のリスクは圧倒的に高いと思いますので、それをどこに移すんですか、若しくはそのまま残すんですか等々につきましては、これ極めて大きな要素になると思っております。  また、アメリカも今、トランプという人がやっているところが今よくまだ見えていないんで、私らとしては、選挙期間中、選挙後、またこの最近と随分いろいろ変わってきていますのでちょっとよく見えないところがあるんですが、金利を上げることによって当然のこととして新興諸国にあるいわゆる金がドルに流出する、いわゆるキャピタルフライトが起きるということになると、これは新興国経済にとっては大きな不安定なリスクになると思いますし、日本にとりましても、金利差が生まれれば、これはドルが高くなる、円が安くなるということになるんだと思いますけれども。  そういった意味では、これはいろんな意味で金融政策とか経済政策とかいろんなものに多大な影響が出てくるという感じがしますので、この点に関しましては、どれがどう、これが起きたからとかいうんじゃなくて、その三つとも、大きく分けて地域別に言いましたけど、その三つとも、そのほかに中近東の分も考えておかないけませんので、そういったものを考えますと、なかなか今不確定要素が多くて、どれがどう組み合わさってどう影響出てくるかというのはいま一つ正確に読めるわけではありませんけれども、私どもとしては、そういった点は、常に国家経済というものを運営していくに当たっては考えておかないかぬところだというように考えております。
  39. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 日本においては、この委員会でももうずっと議論になっております異次元緩和、この金融緩和の影響が、これが、もちろんプラスの面もありますが、下方リスクを潜在的に高めている面もあるということを私は認識をしているんですけれども、そこで、事務方で結構なんですが、二〇一三年度以降の全国銀行の不動産向け融資の対前年比の伸び率を、数字をちょっと順番に教えていただけますでしょうか。
  40. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。  日本銀行の統計によれば、二〇一三年以降の国内銀行の不動産向け融資残高の対前年比伸び率は、二〇一三年一・四%、二〇一四年二・二%、二〇一五年五・二%、二〇一六年七・〇%となっております。
  41. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 不動産向け融資の数字は今お伺いしたとおりですが、手元にアパートローンというのは何か数字持っておられますか。
  42. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) アパートローンという形の数字は、私、今手元には持っておりません。
  43. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 恐らく、商品構成でそういう分類をすると、今の不動産向け融資の伸びより少し高いんじゃないかなという気がいたしております。  それでは、今全国銀行でお伺いをしたんですが、その不動産向け融資の伸びを全部お伺いすると時間が掛かりますので、メガバンクと地銀という分け方で比較をしていただくとどうなりますでしょうか。
  44. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 二〇一三年以降の金融機関による不動産向け融資につきまして、大手行と地域銀行という形で、二〇一四年三月末、二〇一五年三月末、二〇一六年三月末時点におけるそれぞれ対前年比伸び率を申し上げます。  大手行につきましては、順次、マイナスの二・三%、〇・九%、四・二%でございます。地域銀行に関しましては、順次、三・八%、六・八%、七・七%でございます。
  45. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 下位業態の方が伸びが高いということだと思います。  それから、もう一つ数字をお伺いしたいんですが、全国銀行の同様の期間の預貸率、その裏返しは預証率ですから、取りあえず預貸率で結構ですが、預貸率の推移、全国銀行と大手銀行と地銀と、こういう形で数字を教えていただけますでしょうか。
  46. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 二〇一三年以降の全国銀行の預貸率の推移を申し上げます。  二〇一四年三月末六八・四%、二〇一五年三月末六八・三%、二〇一六年三月末六八・〇%、二〇一六年九月末六七・九%でございます。  業態別でございますけれども、まず大手行の預貸率は近年低下傾向にございます。二〇一六年九月末で六三・八%で、これを二〇一四年三月末で比べますと、六・四%ポイント減少しております。  地方銀行及び第二地方銀行の預貸率は近年上昇傾向でございまして、直近二〇一六年九月末でそれぞれ地方銀行七二・八%、第二地方銀行七四・四%でございます。二〇一四年三月末比でそれぞれ二・五%ポイント、それから一・一%ポイントの増加になっております。
  47. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 地方銀行の預貸率が伸びるというのはそれは悪いことではないんですが、それが、今お伺いした不動産向け融資の伸び率が全国銀行の平均や大手より高いということを考えると、不動産とかに傾斜し過ぎていないかどうかということは御確認をしていただいた方がいいと思います。  それと同時に、預貸率が地方銀行で増えているということは、預証率は減っているので、それはそれでいいことだとは思うんですが、恐らく国債の保有比率を見ていただくと、大手行、メガバンクは大分これを圧縮している一方で、地方銀行においては、預証率そのものは下がっているかもしれませんが、国債の保有比率は多分高くなっているということだと思います。  大臣にも十分御理解をいただけると思いますが、やはりこれだけの金融緩和をすれば何がしかマーケットや経営に影響を与える、ないしは与えるのを目的にやっているわけですから、そのことには留意をしていかなくてはいけないんですが、私は、前回のバブルの発生から崩壊の過程、ずっとマーケットないしは金融機関の担当ということで日銀の中で仕事をしておりましたけれども、今の、去年から今年にかけての雰囲気は、それは、マーケットの雰囲気及び金融機関の不動産向け融資の伸びの雰囲気は一九八七年頃とそっくりだなというふうに個人的には感じています。  八七年というのはブラックマンデーが起きた年で、ところが、ブラックマンデーが起きたんだけど、日本の株価はずるずるは下がらずに、それから二年間むしろ反転して上がり続けて、ちょうどその二年間で日本は、世界がどうなろうと日本だけは発展し続けるというイリュージョンにみんながはまってしまって、八九年に日経平均三万九千円をピークにバブル崩壊が起きたということなんですが、個人的な印象ですけれども、何か八七年によく似ているなという感触を今持っております。  そこで、G20で下方リスクに言及をしていただいたことは結構なことだと思うんですが、日本の国内における下方リスク、今申し上げたような観点から、日銀による金融緩和、そしてその金融緩和を前提として今政府が進めている経済政策全体を総括して下方リスクについてどのようにお考えになっているか、御意見をお伺いしたいと思います。
  48. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 言われましたように、八五年の九月のプラザ合意、考えてみれば、あのプラザホテルもトランプさんが持っていたんだよな、あの頃はたしか、そういう記憶がありますけれども。いずれにしても、あのプラザ合意でやって、まあ早い話が、アメリカはありとあらゆる話をしたんですけれども、日本の経済力の強さに負けて、結果的に円というものを二百四十円から一挙にぼんということになって、ああいった形で合意をしたというのがこの前の円安に対抗して起きた現象であります。  したがって、保護主義とかいろんな話を今されておりますけれども、全体としてクローズ、クローズって、保護主義にするか、プラザ合意やるか、その間の中間の何とか別の手口を考えるか、これはいろいろ今からやっていかないかぬところだと思いますが、今、日本の金融システムとして、これは全体として、総体としては極めて健全に安定しているんだと思っているんですけれども、いずれにしても、金融機関の経営に影響を与えるような潜在的なリスクというのを常に考えておかないかぬというのは、これは日本銀行出身者としては当然のことなんだと思うんですが。  先ほど申し上げましたように、国際的なリスクが顕在化した場合は、これは金融機関の内外の貸出先に影響が出てくることは、もうこれははっきりしていますし、証券市場というものの運用で見ましても、あのとき、今言われましたように、一九八九年十二月の二十何日でしたか、最後の日が三万八千九百十七円ですから、今日が一万九千円というところで、まだ我々は二万円、動産としては損しておるわけですからね、個人的には。まだそういった意味ではストックとしてはそれだけ下がったままの状態続いているわけですから、そういった意味では、私どもはこの証券市場での運用というのを考えたときには、この後この株価がどうなるかというようなことも、これは与える影響は大きいんだと思っております。  もう一つ、やっぱり我々は考えておかないかぬのは、今地域でいわゆるアパート、マンションへのというお話があったんですが、これは多分愛知県でも同じようなことが起きているのかなと思いながら伺っていたんですけれども、今多くの地方銀行は遺産相続のときにアパートの経営を勧めていませんか、おたくでも、おたくでもと言うのは愛知県でも、と思うんですね。これ、ほかのところもみんな、地元歩いている歩いていないかで違いますよ、これは。歩いている人だったら意味が分かると思うんだけどね、俺の言っている意味が。勧めるんですよ、地銀。どうします、おたく、マンション建てればいいじゃないですかと言って、それで相続税対策になりますよと。なりますから、事実。で、マンションは建つわけですよ。じゃ、人口の減っているところで人が誰が住むんだねということになりはしませんかねと、僕は将来的にはそう思いますよ、これは。  だから、そこに人が増えてくれれば、それは間違いなくアパートの採算としては合いますけれども、人が増えてこなければ、中に入ってくれる、入居してくれる人が数が少ないと、増えないというんであれば、それはアパートを建てた人の場合、それ借入金で建てたりなんかしていたりという前提になった場合は、それはなかなかそれの回転というものを考えないといかぬことになるんじゃないかなというのが懸念すべき材料になり得るんだと、将来としてはそういうのがあるんだと思いますので、これは金融機関としてはそこまで考えているかねといえば、金融機関はそこを担保に取ってありますからその分でいいわというようなことになって、いわゆる遺産をそれに託した人にとっては、それはなかなかいい形にはならないんじゃないかなという点も考えておくという程度のことは、これ借りている方が考えないかぬところなんですけど、なかなかそういう話に乗せられるほど知識のない方も世の中にいっぱいいらっしゃいますから、そういった意味ではリスク管理というものを考えておかないかぬのだと思っております。  いずれにしても、こういった点を含めて、今、日本の場合、出口戦略というのは今アメリカもやりつつあってなかなか、イエレンさんとも何回かしゃべりましたけれども、それはなかなかできない状況になるのは向こうも確かなんで、こちらも、我々としては今からこれ日本銀行、黒田さんのところで考えていただくことになるんですが、いろんなことを考えておかないかぬとは思っておりますけれども、いずれにしても、今の現在の状況の中でやっぱり避けて通れぬのは高齢化、人口減少、この二つは長期的にはまず避けられないという前提でこの種の経済モデルを考えておかないとなかなか話が、今のようなものがずっと続くという前提で安易に考えるというのは将来的、中長期的には問題が起きる可能性をはらんでいるんだというふうに、私どもはそう思って臨みたいと思っております。
  49. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 その辺、事務方の皆さんにも的確に御指示いただいて、アーリーウオーニングを発するような行政対応をしていただきたいと思いますし、今、相続税対策でアパート建設を勧めているんじゃないか、マンション建設を推奨しているんじゃないかというお話でしたが、現実そうだと思いますし、八六年、七年頃もやっぱりそうだったんですが、プラザ合意後の円高不況でなかなか中小企業向け融資が増えないなどと言っていたら、たしか八六年の秋ぐらいからだと思いますが、妙に毎月金融機関のヒアリングをしていると融資残高が増えるようになりまして、これは実需が出ているんですかと聞きましたら、いやいや、これはアパートローンが増えているんですと。当時は生産緑地という言葉がなくて、長期営農制度を使って農地に相続のときにアパートを建てたりしているんですとか、いろんな説明受けたんですけれども。  多少、もう四半世紀たっているのでディテールは違いますけれども、遠目に見ると非常に似た感じになってきているということをあえて申し上げておきますので、大臣のみならず金融庁の皆さんにも十分な注意力を発揮していただきたいなというふうに思います。  その上で、今日は俗に言う共謀罪の法案と財金委員会との関係の観点から質問をさせていただきたいと思います。  私も改めてこの組織的犯罪処罰法なるものを読んでみて、かつ今回閣議決定されたこの法案見てみましたら、結構財務省と金融庁の所管の法律もびっしり書き込まれているんですね。  そこで、まず財務省、金融庁それぞれにお伺いをしたいと思うんですが、当初、重罰犯罪、懲役四年以上の犯罪全部に網を掛けて六百七十六の犯罪が対象になると言われていたのが、今回政府が閣議決定した案では二百七十七まで絞られているんですが、財務省、金融庁それぞれの所管の法案で、六百七十六のときは何本の所管法案が対象になっていて、今回のこの原案になった二百七十七では何本が対象になっているかという、取りあえず本数だけで結構ですから、お答えいただけますか。
  50. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  長期四年以上の懲役、禁錮等が定められている罪を規定する法律のうち、財務省所管の法律は共管を含めて四十二本でございます。  その上で、今般の組織犯罪処罰法案改正案において、テロ等の準備罪の対象犯罪のうち、財務省所管の法律及び当該法律に規定されている犯罪の数でございますけれども、法律数でございますけれども、共管を含めまして十三本でございます。
  51. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 もう一回聞きたいんですが、当初報道で、今年の年初にかなり幅広にこの法律を作ろうとしていたときの本数と今回の原案の本数という、そういうことでお答えいただけますか。
  52. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  原案のときには法律数としては四十二本でございます。そして、今の案での法律数を申し上げますと、共管も含めてでございますけれども、十三本でございます。
  53. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 金融庁はいかがですか。
  54. 池田唯一

    ○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。  金融庁所管の法律、これは共管のものも含みますが、前者が二十件の法律で、現在の案では八件ということでございます。
  55. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今日は法務省にも来ていただいているんですが、先生方のお手元には法務省のレク用の一枚紙も配らせていただいております。  率直に申し上げて、非常に難しいし、作りが余りエレガントでない法律だなというふうに思いました。ここで、つまり、下の方に別表一、別表二というのが③の犯罪収益の前提犯罪の拡大等のところに出てきます。それから、①のところに別表四とか別表三という記述があるんですが、この別表一、二、三、四というのはそれぞれ何が書き込まれているものかを、せっかくの機会ですからちょっとレクチャーしていただけますか。簡要に御説明ください。別表一はこういうもの、別表二はこういうもの、別表三はこういうものというポイントを是非御説明ください。
  56. 加藤俊治

    ○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。  まず最初に、先ほど財務省からお答えになった点について補足でございますが、六百七十六と言われているものは、本年一月一日現在で長期四年以上の懲役、禁錮が定められている罪の数を数えてみると六百七十六になるという趣旨であろうかと存じますが、これは、政府として何らかの原案を決定して、意思決定をした原案を作った上でその対象が六百七十六であったということではございませんので、閣議決定された法案についてはその対象犯罪の数は二百七十七というものでございます。  その上で、ただいまの別表についての御質問にお答えを申し上げます。  御指摘のとおり、組織的犯罪処罰法の改正法案は、エレガントではなくて誠に申し訳ないのでございますが、別表第一から第四までの四表が設けられております。お手元の資料にございますように、お手元の資料左側①のテロ等準備罪の新設というところにございますように、別表第三と別表第四は、これはテロ等準備罪に関わる別表でございます。それに対しまして別表第一と別表第二は、右側の③のところに表れますけれども、主としてマネーロンダリングの前提犯罪に関わる別表でございます。  個別に申し上げますと、別表第一は、TOC条約によって犯罪化が義務付けられている罪を掲げたものでございます。同法の第二条第二項の規定によって犯罪収益の前提犯罪となる罪及び、そのほか②番になりますが、証人等買収罪の対象犯罪となる罪となるものであります。  次に、別表第二は、TOC条約によって犯罪化が義務付けられているものでなく、かつ長期四年未満の懲役、禁錮に当たる罪であって、すなわち比較的軽い罪であってマネーロンダリングの前提犯罪となる罪、これを掲げたものでございます。  それから、別表第三でございますが、これはテロ等準備罪の適用対象となる組織的犯罪集団の結合関係の基礎としての共同の目的となる罪、これを掲げたものでございます。  さらに、別表第四は、同じくテロ等準備罪の対象となる罪、これを掲げたものでございます。  以上でございます。
  57. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 つまり、私もいろいろ教えていただいて分かったんですが、テロに関わるのは別表三と別表四なんですね。  そこで、財務省と金融庁にそれぞれ答えていただきたいんですが、別表三、つまりテロの目的犯罪に関わるような犯罪行為が起こり得るということで、この別表三に含まれているそれぞれの所管の法律は、どういう法律がそこに記載されていますでしょうか。
  58. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答えを申し上げます。  先ほど共管を含めて十三本と申し上げましたけれども、その中には、所得税法、法人税法等の税法、それから関税法、外国為替法などが入ってございます。
  59. 池田唯一

    政府参考人(池田唯一君) 金融庁所管の法律で申しますと、例えば金融商品取引法保険業法、貸金業法、出資法などが入っております。
  60. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そうすると、今回、結局六百七十六から二百七十七に絞る過程で、テロとして認定し難い過失犯とか独立未遂犯とかそういうものに関わるものは順番に落としていって、最後に残ったのは五つだというふうに言われています。テロの実行に関わるもの、薬物に関わるもの、人身に関する搾取ですか、その他資金源、司法妨害と。例えば保険業法などというのはこれ含まれているんですけど、その五つの観点のどれと関係があるということでこの別表三に残っているんでしょうか。
  61. 加藤俊治

    ○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。  保険業法違反につきましては、ただいま御紹介いただきました五つの中では、その他組織犯罪集団の資金源となり得る、それに関する犯罪であるということで選択をしております。
  62. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いやいや、そうではなくて、その組織犯罪そのものは別表一と別表二で元々この法律の対象としている暴力団とか何かなんですよ。今回、別表三、別表四はテロの対象行為を摘発するために新たに作られたもので、その別表三の中に保険業法も入っているんですが、保険業法がさっき申し上げましたテロ防止のための五つの犯罪のカテゴリーのどれと関係するということで別表三に残ったんですかということをお伺いしているんですが、これは、いや、僕は法務省というよりも、これは例えば金融庁に、あるいは財務省にお答えいただかなきゃいけないんです。これは、この法律作る過程で各省とみんな調整をしているはずですから、どういう認識でこの保険業法が例えばテロの対象になるような犯罪を構成する、それに関連する法律として残ったのかと、どういう認識でいらっしゃるかというのを金融庁か財務省の方にお伺いしたいと思います。
  63. 加藤俊治

    ○政府参考人(加藤俊治君) 御指名ですのでお答えさせていただきます。恐れ入ります。  まず、テロ等準備罪の対象となる犯罪をどのように選択したのかということでございますが、これは先ほどのTOC条約との整合性等を考慮いたしまして、例えばそれぞれの犯罪の主体、客体、それから行為の態様、犯罪が成立する状況、あるいは現実の犯罪情勢等に照らしまして、組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定されるかどうかという観点から選択をしております。  その上で、御指摘のように、対象犯罪はおおむね五つに分類することができると考えておりまして、その一つがテロの実行に関する犯罪でございますが、その他に薬物に関する犯罪、人身に関する搾取犯罪、さらにその他組織的犯罪集団の資金源に関する犯罪、さらには司法妨害に関する犯罪の五つに分類できると考えております。そして、保険業法違反につきましては、ただいま申し上げました四番目、その他組織的犯罪集団の資金源に関する犯罪に当たると考えております。
  64. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、ということであれば、別表一、二の組織的犯罪の網でもうこれは十分対応ができているわけですから、テロの実行に関わる別表三になぜ保険業法とかほかの金融関係の業法を含める必要があるのかということなんですよ。もう既にその組織的犯罪でこの資金源の話はカバーできているわけですね。なぜそのテロとの関係で別表三に金融関係の法律が残るのかと。  例えば、だから保険を例に取りますよ。これは、何か計画をした段階、テロを計画をして実行準備行為をした段階で摘発をできるわけですよ。保険業法に関わるような顧客の行為のうち、どういう行為がこのテロの実行及びその準備行為というふうに認定されて、保険業法の適用を受けて摘発をされるのかという、そこの理屈を説明してほしいんですが、これは法務省がやっぱり答えちゃ駄目なんですよ。  財務省も金融庁も、これ自分たちの問題としてお考えいただかないと、例えば保険なんていろんな保険を組み立てられるわけで、その組み立てた背後に何かテロ組織との関係があったなんてその保険を掛けた人はひょっとしたら自覚症状がないかもしれないというような事態も起きるかもしれない中で、一体金融関係の、あるいは財務省関係の法律がこれだけ別表三に残っているということについて、一個一個どういうふうに考えて同意をしたのかというところが大きなこの委員会としての論点だと思っていまして、ちょっとその辺、今日は別に明確な答えをここで導き出そうなんというつもりは私もありませんので、どういう調整が行われて、皆さん、財務省と金融庁側としてはどういう認識でそれらの法律を残したのかというところを率直にちょっとお伺いしたいのですが、財務省と金融庁にお願いします。
  65. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  この法律につきましては、今まで法務省との間で協議を続けてまいりまして、その協議の過程でどの法律を入れるということについて結論を得たわけでございます。
  66. 池田唯一

    ○政府参考人(池田唯一君) 金融庁におきましても、これは法律一般について言えることではありますけれども、省庁間の法令協議等を通じまして協議を行ってきております。その上で政府として成案を得ているということであります。ただ、テロ等準備罪の対象となる犯罪の範囲あるいは法律の構成等については、基本的に法案を所管する法務省の方から回答されるものであるというふうに理解をしているところでございます。
  67. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、これ、今のこのお二人の答弁を委員の皆さんも聞いていただいて、ううん、十分に本当に協議したのかなという印象を持たれた方がいらっしゃるのではないかなと思いたいんですけれども。  テロ対策というふうに言われると、それは、テロ対策は必要だよなということで、国民的にも何となく、その部分については反対する人は誰もいませんし、我々だってそれはそうだと思っているわけなんですが、じゃ、そのテロ対策という冠の下で余り論理的ではない法律構成が組み立てられていて、そのことによって、将来、仮にこの法律が今後国会で審議されて可決されたときに思わぬ予想外の悪影響が出はしないかということが懸念もされるし、まさしくそこがこれから議論になっていくんですけれども、恐らく財務省と金融庁の所管の法案は、ほとんどが元々現行法に含まれている組織的犯罪処罰のための網掛けで対処可能なものばかりで、このテロのために新たに作った別表三に含める必要はほとんどないんじゃないかなというのがまず現時点での率直な私の印象なんですが、だから、そういう問題意識の下にもう一回質問しますけれども、例えば保険業法がなぜその別表三に含まれなきゃいけないのかと。  もっと細かいことを言い始めると、例えば投資信託及び投資法人に関する法律第二百三十六条四項とか、投資主の権利の行使に関する利益の受供与等についての威迫行為の罪とか、もろもろ読んでいくと、何でこれがテロ対処の法律の枠組みの中に含まれなきゃいけないんだろうかというのが長く財金で仕事をさせてもらっている者としては不思議でしようがないんですが、本当にこれ、法務省と膝詰めで議論をした結果出てきている法案なのかどうなのかということが心配でならないんですが、もう一回、財務省、金融庁それぞれに、ちょっと自分たちも更に深く検討してみる必要があるということなのか、いや、もうパーフェクトだと思っておられるのか、どちらでしょうか、それぞれにお伺いしたいと思います。
  68. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  今般の組織犯罪処罰法改正案の作成過程においては、ほかの法律と同じく、主管官庁たる法務省から協議を受けていたところでございます。
  69. 池田唯一

    ○政府参考人(池田唯一君) 繰り返しのお答えになりますけれども、法令協議等を通じ協議をさせていただき、その上で政府として得た成案であるというふうに考えております。
  70. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 法務省も。
  71. 加藤俊治

    ○政府参考人(加藤俊治君) お答え申し上げます。  法務省といたしましては、法案を立案する責任官庁、主管官庁といたしまして、各省庁と必要十分な協議をさせていただき、現在御提案をさせていただいていると認識しております。  なお、一点だけ補足させてください。  既に別表第一、第二に載っている、掲載されている罪であれば改めて別表第三、第四に載せる必要はないのではないかという御指摘がございましたが、先ほど御説明いたしましたように、マネーロンダリングの前提となる犯罪、それを別表第一、第二に載せておりますが、そこに載っているからといって自動的にテロ等準備罪の対象犯罪となるわけではございません。それをテロ等準備罪の対象犯罪とするかどうかは、そのマネーロンダリングの前提犯罪とするかどうかとは別の観点からまた改めて選択をしているものでございまして、この両者に重複して載っているものは多数あるわけでございます。その点を御確認くださいませ。
  72. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それじゃ、法務省にお伺いしますが、テロリズムの定義そのものがこの法律に書いてありますか。
  73. 加藤俊治

    ○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。  テロリズムの定義はこの法律案の中には書き込んでございません。
  74. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それでは、結局、保険業法とか金融関係の法律は、多分、準備罪を適用するときに、防止をするということであれば、実際にお金を収奪される前に摘発をすることが必要になるわけなんですが、準備罪の定義というのはどういうことになっているんでしょうか。法律の中に書き込まれていますでしょうか。
  75. 加藤俊治

    ○政府参考人(加藤俊治君) お尋ねは、テロ等準備罪の構成要件がいかがなものかということのように思われますが、そうでありますれば、この法律案の六条の二にテロ等準備罪の成立要件は全て書き込まれてございます。
  76. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今日は、まずは、何というか、私も小手始めの質問をさせていただいたつもりなんですが、非常に懸念の多い法律であり、また法律構成はエレガントでなく、そして各委員会所管の法律が非常にたくさん含まれているんですが、それぞれの役所が十分に法務省ないしは法制局と協議をしたとは思えない部分があるなということを現時点では感じておりますので、今後も委員会等を通じてしっかり議論をさせていただきたいというふうに思っております。  次に、あと十分少々なので、せんだってこの委員会で御質問させていただいた、京都大学の松井三郎さんという名誉教授が首相夫人にお願いをしてケニアにエコトイレを造る件について予算を八千万付けていただいたという、こういう件についての質問を続けさせていただきたいというふうに思います。  驚くことに、二十二日にこの質問をさせていただいたんですが、二十一日に質問通告を出させていただいたところ、質問の前の日、二十一日にこういうホームページにコメントが出ているわけなんですね。そう言われてみれば、前回の委員会のときに外務省から、議事録を読むと、既にホームページにも出ておりますがというお話があったので、ああ、このことかと思ったんですけれども。  これは、あれですね、先方に質問があるのでということで問い合わせた結果、先方がこのコメントを出したという理解でよろしいですね。これは外務省にお伺いします。
  77. 増島稔

    ○政府参考人(増島稔君) 御指摘のような事実関係ではございません。先方から自発的にホームページに掲載があったというふうに理解しております。
  78. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 しかし、外務省としては事実関係を確認するために先方に問い合わせたという理解でよろしいですか。
  79. 増島稔

    ○政府参考人(増島稔君) 事実関係については私どもの方から確認をいたしました。
  80. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そうすると、文書は御覧いただいたとおりですが、松井三郎理事の誤解による発言でありましたというのは、これは、昭恵さんのどういう対応を誤解とされたのかというのを確認してきてくださいというのを昨日通告してありますので、確認した結果を教えてください。
  81. 増島稔

    ○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。  松井理事がおっしゃっている誤解につきましては、NICCOに確認いたしましたところ、外務省として、御指摘のありますケニアにおける新規案件に今年八千万円の予算を付けた事実がないにもかかわらず、松井理事が当該予算が得られたと単純に勘違いされたものであるとの説明をNICCOから受けております。
  82. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 この松井さんという方が、上の四角の箱、つまり講演でお話しになった内容をでたらめを言っているというふうに取るのも松井さんに対して失礼ですし、また、何か昭恵夫人が不正をするなんていうことは、それはもう僕もそんなことはみじんも考えていませんので、この両者を結合すると、なかなか予算が付かないということに対して、新年度の予算で何とかするように頑張りますと、あるいは助力しますというようなことをおっしゃったことを付いたというふうに誤解をされたということかなと推量せざるを得ないわけなんですが。  加えて、今日は内閣官房土生さん来ていらっしゃらないので恐縮なんですけれども、委員の皆さんはここで聞いてきていただいたと思いますが、官邸に行ったことは確認できていないし、そういうことは確認できない、記録もないというふうにおっしゃっていたんですが、何と前の日に、十二月一日に公邸に行ったと、こうやって先方が発表しているわけですから、そうであれば、この席ではっきりそう言ってもらった方がよかったなと。こういうところの答弁の不誠実さに、やはりどんどん疑問とか懸念が広がっていってしまう原因を自らつくっているんですね、自らつくっている。  そういう意味では、ちょっとこの問題は更にフォローアップしなきゃいけないと思っているんですが、外務省又は内閣官房にお伺いしますが、松井さんという方が映像の中で言及したエコトイレに関して過去に予算が付いたことがあるのかということと、それから、このNICCOという協会の主催する事業等に平成二十四年度以降今日まで幾ら予算が付いているか、簡単に数字をおっしゃってください。
  83. 増島稔

    ○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。  外務省が実施しております日本NGO連携無償資金協力事業のうち、エコサントイレの設置を事業内容に含む事業につきましては、これまで十一件の実績がございます。上記案件はいずれも日本国際民間協力会、NICCOが実施しているものでございます。  それから、お尋ねがございましたNICCOが主催する事業に対して、同団体からの申請に基づいて外務省が平成二十四年度から平成二十八年度までの間に支出した金額は、年度別に申し上げますと、平成二十四年度約一・九億円、平成二十五年度約一・一億円、平成二十六年度約一・四億円、平成二十七年度約四千七百万円、平成二十八年度約六千百万円となっております。
  84. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 もうあと一問で終わりにしますが、この問題、ネット上でこういう展開になってしまったので、NICCOに対して、この予算はもう可決されましたので、今後どのぐらいの予算が執行されるのか、決まった段階ないしは決まる直前の段階で御報告をいただきたいと思っておりますので、お願いをしておきます。  最後になりますが、森友問題でもう一問だけ。これは内閣官房か理財局長かにお伺いしますが、籠池さんから谷さんに送付された手紙、これは、たしかどなたかがパネルにして見せるというのはやっているんですが、公開をされないんでしょうか。つまり、例の寄附金の問題も含めて、公開してくれれば、例えば、冒頭に先日は御寄附ありがとうございましたとかですね、書いてあるか書いていないかというのは、これは結構重要な問題なんですよ。だから、公開をしていただくべきだと思うんですが、公開する御予定はあるんでしょうか、ないんでしょうか。これを最後の質問にします。
  85. 望月明雄

    ○政府参考人(望月明雄君) お答え申し上げます。  御指摘の手紙の公開につきましては、さきの予算委員会、三月の二十四日、大塚委員の方からも既に御指摘をいただいております。その後、予算委員会の理事会の預かりという形になっておりまして、直近ですと、三月二十七日の参議院の予算委員会、こちらの方で辰巳孝太郎委員から質問がございまして、それに対しまして官房長官の方から、同委員会理事会で協議されていると承知しており、その判断に従いたいという形で御答弁をさせていただいているところでございます。
  86. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 終わります。
  87. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  本日いただいた時間が二十分というちょっと難しい尺の質問の時間になります。今日、いろいろ考えたんですけれども、あえて一つのテーマに絞りまして、先ほど大塚理事からも質問ございましたけれども、今問題となっておりますアパート融資について少しお伺いをしていきたいと思います。  あえて取り上げようと思いましたのが、この委員会でも度々言及されてきたわけでありますが、今週日曜日の日経新聞に大分大きな記事が載りました。内容を紹介しますと、金融機関による不動産向け融資が十二兆円を超えた、過去最高でバブル期も上回っているという話がありまして、先ほどもまさに大塚理事が当時の状況と似ているという話をされました。私もちょっとこれは異常な状況なのかなというふうに思いまして、今日、ちょっとなるべく先ほどの質問と別の角度からいろいろお伺いをしていきたいと思うんですが、先ほどの議論の中にもありましたとおり、相続対策としてやっぱりアパート融資に取り組む、アパート投資に取り組むという方が多いというのは恐らく多くの皆様の認識の一致するところかなというふうに思っております。  まず、議論の初めとして、金融庁として先ほども少しありましたこのアパート融資の実態というのをちゃんとどの程度つかんでいるのか。先ほども、日銀統計でいろいろ数字が出てきているわけでありまして、これ記事の中にも、アパート融資の金額というのが二〇一六年で三・八兆円と、先ほどの十二兆の中の三・八兆円ですから、まあ三分の一ぐらいですね。で、これ対前年比が二一%増ということで、大分やっぱり伸びが大きいんです。  ここをちゃんと金融庁として把握しているのか、また、その先も踏まえまして、将来的にもし不良債権化する、そういう懸念があるのであれば、きちっとこれ今のうちから是正措置なり打っていただきたいわけでありますが、この点についてお伺いをしたいと思います。
  88. 三井秀範

    政府参考人(三井秀範君) 不動産融資、中でもアパート・マンション向け融資の御質問でございます。  お答え申し上げますと、まず不動産業向けの貸出しということの状況でございます。残高の伸び率ということだけで見ますと、過去の拡大局面と比べて必ずしも高いというわけではないんですが、絶対額、新規融資額で見ますと二〇一六年は通期の比較において過去最高水準であるところでございまして、そこは先生御指摘のとおりでございます。  また、不動産向け融資の増加の要因には、二〇一五年度の税制改正に伴う相続対策としてのアパート・マンション建築資金というのがあるというふうに私どもも承知してございます。  御質問の金融システムの健全性という点でございますけれども、このアパート・マンションローン等のデフォルトについて見ますと、現状低位で推移しておりますし、また担保で債権が保全されておるという状況でございます。  また、相対的に資産富裕層向けに行われているという実態もありまして、足下、金融機関の健全性に重大な問題が懸念される状況ではないというふうに認識してございますが、いずれにしましても、今後の動向についてはしっかり注視してまいりたいと存じます。  それから、このアパート・マンションローンについての新聞報道にあったところでございますけれども、実際お聞きしておりますと、不動産業者から持ち込まれてアパート・マンション融資に至るというケースが多いというふうにお聞きしておりまして、家主イコールそのローンの借り手ということになりますけれども、こういった家主のローンの借り手の方が空室リスク、将来的に空室が出てくる、増えてくるというリスク、あるいは賃料が下がっていくというリスクについて十分に理解していない状況も散見され得るところであるというふうに認識してございます。  そうしたことから、金融庁におきましては、金融機関においても、金利上昇や空室リスクあるいは賃料低下のリスクについて、融資審査の際に適切に評価した上で、それらを分かりやすく借り手、家主の方に伝えるように金融機関に要請しているところでございます。
  89. 平木大作

    ○平木大作君 現状でもデフォルト率は低位で推移していると、あるいは、この論点はそもそも不動産で担保されているということもあるという御指摘でありまして、ただこれ、やっぱりちょっと長い目で見ていかないといけないわけですね。今、いろいろ見ていく点、注視していくんだということも御紹介いただきました。  関連してちょっともう一つお伺いしておきたいんですけれども、今御紹介したこの日銀の統計というのは、そもそもいわゆるノンバンクから出されている融資というのは含まないんだということも同時に言われておりまして、じゃ、いわゆる預金を預からないノンバンク、リース会社ですとか信販会社ですとか、そういったところから、実際にこれ、不動産融資なりアパート融資なりというものが大分行われているとすると、ここってちゃんと指導、監督されているのかということがやっぱり一つ問題になるわけであります。  この点について、金融庁としてきちんとこれ把握できているのか、お伺いしたいと思います。
  90. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 金融庁におきましては、消費者向け貸金業者や事業者向け貸金業者のほかに、委員御指摘のような信販会社あるいはリース会社などの貸金業法の登録を受けた貸金業者から、これは年次ベースでございますけれども、住宅購入資金を含めた消費者向け貸付残高あるいは事業者向け貸付残高について報告を受けております。  議員御指摘のアパート融資の計数そのものの報告というのはないんですけれども、このアパート融資を含む個人向けの住宅資金貸付けの残高、これは把握しております。これは、微増傾向ということでございまして、二十六年三月末に一・一兆円、これは対前年比マイナスの〇・〇八%、二十七年三月末はそれに比してプラスの〇・〇二%、二十八年三月末は前年に比してプラスの〇・一一%ということでございまして、微増傾向にあるというふうに認識しております。
  91. 平木大作

    ○平木大作君 一応念のための確認なんですけれども、ノンバンクというと、いわゆるちょっと監督官庁が金融庁だけではなくて、例えば経産省なりほかの省庁も見ているというイメージがありまして、本当に確認なんですけれども、つまりこういう不動産の融資あるいはアパート融資行っている事業の部分、ここは金融庁として、ある意味金融機関だからとかノンバンクだからという形でいわゆる指導、監督の在り方として立て分けがないと、こういう理解でよろしいでしょうか。
  92. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 業態いろいろありまして、他の役所の管轄の部分もあるのでございますけれども、我々は、あくまで貸金業法に登録された業者ということで、それは、いわゆる消費者金融を行う貸金業者のみならず、信販会社であるとかリース会社もまさに貸金業を行うという形で統一的に見ております。
  93. 平木大作

    ○平木大作君 先ほどの御答弁の中でもありましたアパート融資が増えてしまっている一つの遠因として、そもそも賃貸不動産事業者が相続税対策になりますよと言って大分勧誘に歩いているという話があります。  今日、ちょっと国交省にも来ていただいておりまして、結局、なかなか融資でアパートを建てるということのリスクが不動産を所有している方に分かっていない。安易に不動産投資に乗り出してしまうときの一つのきっかけが、いわゆる不動産事業者がアパートを建ててくれたら長期一括で借り上げますよというふうに約束をする、だから、ああ、これなら安心なんだねといってやってしまう、いわゆるサブリース契約というのがございます。この点についても、最近、空室率が上がってくるに伴いまして、当初約束していた賃貸料というものが入らなくなってくる、どんどん下がってくるみたいなことで訴訟になったりですとか、いわゆるトラブルが起きているということも一部報道で見るわけであります。  この点について、こういった不動産業者と土地の保有者との間のトラブルですとか、最近どういう形で勧誘を行われているのか、こういう点についてきちっとこれ、国交省、把握をされているのか、またもし問題があるとすれば、これきちっと是正の措置、指導されているのか、お伺いしたいと思います。
  94. 海堀安喜

    ○政府参考人(海堀安喜君) お答えいたします。  サブリースに関する家賃保証契約等についてでございますが、私どもも報道や賃貸住宅管理業者などから報告を聴取することによりまして、その一部でトラブルが発生しているということは承知しております。  こういったことを踏まえまして、国土交通省では、賃貸住宅の管理業の適正化を図るために、平成二十三年十二月から、サブリースを含む賃貸住宅の管理業者の任意の登録制度、これは任意でございますが、登録制度を開始させていただいております。御指摘のようなトラブルの発生を受けまして、この任意の登録制度を、昨年八月、制度改正を行ったところでございます。  具体的には、家賃保証をめぐりますトラブルのより一層の防止のために、サブリース契約の締結前の貸主への重要事項説明、これの内容に将来の家賃変動等の条件に関する事項を明記するということで、必ずそういったことを説明するということの説明内容の徹底を図ることといたしました。また、加えて、昨年の九月には、この制度改正と併せまして、将来の家賃変動の説明について、サブリース契約、これは大家さんから借り受けるサブリース契約だけではなくて、その前に行いますいわゆる賃貸住宅の建設契約、この建設契約のときにおいても十分な説明を行うように、いわゆる登録規定に登録している業者のみならず、登録していない事業者も含めて広く業界団体に指導を行っているところでございます。  今後とも、関係機関と連携いたしまして、サブリース契約を含む賃貸管理業の適正化に努めてまいりたいというふうに思っております。
  95. 平木大作

    ○平木大作君 これもちょっと念のための確認なんですけれども、今きちっと契約の中に当初約束したものが下がっていくようなリスク、そういったものを明記させるんだというお話ありましたが、今これ行われている、あるいはこれまで行われているものというのは、例えば下がると書いてあるんだけれどもすごく小さい字で契約書に書いてあって気付かないように書いているとか、いわゆるちょっと詐欺的な勧誘が行われていないか、この点、把握されていますでしょうか。
  96. 海堀安喜

    ○政府参考人(海堀安喜君) 先ほど答弁させていただいたとおり、この賃貸住宅管理業の制度というのは、平成二十三年から、我々、任意の制度としてスタートさせていただいております。  今先生御指摘のいろんな条項というのは、結構それから、それより前にいろいろやられているということで、そういったことを含めて、我々、いわゆる説明の適正化ということを今関係業者に指導しているところでございます。
  97. 平木大作

    ○平木大作君 是非これ注意して見守っていただきたいと思っております。  もう一点、ちょっと気になることがありまして、今度また別の角度なんですけれども、このアパートを建てていくという話を、具体的な事例を聞くとよく出てくるのが、畑のままほっておいてもしようがないからいわゆる農地を転用してアパートにしているんだみたいな事例が割と多くて、私ちょっとこれ気になっております。特に最近、委員の皆さん御存じだと思いますけれども、農地の転用については、この許認可というのが、基本的に今どんどんどんどん地方分権化の流れの中で、大臣とかあるいは都道府県知事というところからいわゆる市町村の方に落としていくという流れの中にあります。  こういう中にあって、本来だったらきちっと保全されなければいけない農地が、大局的な観点から判断をなされずに、ある意味安易な形で農地転用というのが認められているんじゃないかという御指摘もあるわけでありまして、これについて、これ農水省にも来ていただいておりますので、近年アパートに転用されてしまった農地というのは一体どのくらいありそうなのか。あるいは、農地転用というのは基本的にやっぱり安易に認めてはいけないというふうに認識をしておりますけれども、この点について何らかの措置を講じられているのかお伺いをしておきたいと思います。
  98. 新井毅

    ○政府参考人(新井毅君) お答え申し上げます。  第五次地方分権改革一括法によります農地法の一部改正によりまして、農地転用許可権限につきましては、昨年の四月一日から農林水産大臣が指定します市町村が都道府県知事に代わりまして農地転用許可を行うこととしたところでありますが、現時点での指定市町村の数は四十一市町村となっております。その際、農地転用許可基準等の緩和を行っていないということでございます。  このように、この度の地方分権に際しまして規制緩和を行っておりませんし、また、指定市町村の仕組みが施行されましてからまだ一年足らずということでございますので、その制度の移り変わりによってどれだけアパート向けの農地転用が増えたかということは把握していないところでございますけれども、そういう状況でございますので、現段階では、市町村への農地転用許可権限の移譲によりましてアパート建設投資が増えたとは考えにくいのではないかというふうに考えています。  農振制度あるいは農地転用許可制度、これは、優良農地の確保を図りながら住宅を含む農地転用の需要を農業上の利用に支障の少ない農地に誘導する仕組みとなっておりますので、農林省といたしましては、今後とも制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
  99. 平木大作

    ○平木大作君 いわゆる転用の許可権限自体は都道府県ですとか、あるいは大臣ですとか、そういったところから市町村にという流れはあるんだけれども、まだ始まったばかりであるということ、そして、その農地転用の基準自体、これ自体を別に緩和しているわけではないんだ、きちっとこれまでどおりの基準の中で、あくまでも権限、いわゆる許認可権者が替わっているだけの話であって、規制を緩めているわけではないというお話でありました。これ、なかなか今この農地の転用というものが止まらないという現状があります。その中で、きちっと農水省としてもこれ見ていただきたいと思っております。  もう一度、ちょっと融資の方に戻っていきます。  これ、金融機関としては悩ましい問題だと思うんですね。不動産に過度にいわゆる偏重した融資ってやっちゃいけないんだというのは何となく分かっていると思うんですけれども、一方で、先ほどもありましたけれども、一つは、これ担保が取れる貸付けでありますから、ある意味、無担保のものとか事業の将来性を見ましたというものよりは稟議として通しやすい、現場としてやっぱりそういう判断になるわけです。そして、こういうものが積み上がっていって、例えば金融庁として指導していただいて、これちょっと不動産に偏重し過ぎていませんかと言われますと、多分次に個々の銀行の判断として出てくるのは、あっ、じゃ、自分の銀行のアセットが不動産に偏重しているんだったら、これちょっとバランスシートから切り離せばいいという判断が次働くはずでありまして、ここについては、いわゆるアパート向けですとか不動産向けの融資の部分を証券化していわゆる今度売却する、市場で売却するということが、これ技術的には全然普通にできてしまうわけですね。  この点について、今実際にちょっとこういうアパート融資とか、そういったものが証券化商品になって出回っているという話もちらっと聞くんですけれども、金融庁としてどう把握されているのか、お伺いしたいと思います。
  100. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 証券化の件に関しましては、証券化市場の動向調査というのがございます。これは日本証券業協会と全国銀行協会が取りまとめているものでございますけれども、これで見ますと、これ、直近一年間の証券化事案におきまして、裏付け資産がアパートローン債権であると報告されている事案はないものというふうに承知しております。  この証券化市場の動向調査は、二〇〇四年以降、これ毎月、日証協、全銀協が金融機関から報告を受けて月次で集計を公表しているというものでございまして、今回これ全て見ましたけれども、アパート融資を原債権にして証券化している事例はなかったということでございます。
  101. 平木大作

    ○平木大作君 アパート融資、原債権にしたものはないということであれば、これで安心という話ではまたないと思っております。ただ、同様なものがちょっとあると私も市場関係者からちらっと聞いただけですので、実際ちょっとどういうものなのか、勘違いされているんであれば、それはそれでよしとするんですけれども、この辺の話というのは、いわゆるリーマン・ショックをどうしても連想させるわけですね。リーマン・ショックの引き金となったアメリカでいうところのサブプライムローンとまさにちょっと重なるところがあります。  これ、例えば原債権として、何を原債権として発行しているのかということと同時に、やっぱり見ておかなきゃいけないのは、今マイナス金利下で、とにかく金融機関、機関投資家、大変運用環境は厳しいという中にあって、少しでも利回りが出るんだったらといってやっぱり手を出すところが私出てこないこともないなというふうに思っております。こういった点、いわゆる発行の状況もそうなんですけれども、運用商品としてこれ例えば機関投資家がどのくらい持っていそうかとか、そういった点も是非今後注視して見ていただきたいと思っております。  もう時間なくなりました。これ、本当でしたら政府全体としての方針としてお伺いすればいいんですが、やはり今日の質問の中でも、例えば、農水省にお話をお伺いしたり、国土交通省にお伺いをしたり、これはなかなか一挙に解決するのが難しいというか、銀行の健全性というところだけで解決をしようとすると誤る問題だというふうに思っております。そういう意味で、これ例えば、金融庁に最終的にはきちっとグリップを握っていただきたいんですけれども、他省庁としっかり連携しながら、この問題、引き続きこれ注視していただきたい、また、必要とあれば、是正措置、取り組んでいただきたいと思いますが、この点について最後お伺いして終わりたいと思います。
  102. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 金融機関におきましては、融資を行うに当たりまして、担保、保証に過度に依存することなく、事業からのキャッシュフローを含めて、借り手の事業の内容を総合的に判断して行うことが重要であるというふうに考えております。  一方、この問題に関しましては、家主が賃貸アパートを借入れまでして建設するかどうかを決める際の、借り上げ家賃などに関する建設業者などからの家主への説明についても留意が必要ではないかなというふうに思っております。  この点につきましては、先ほど国土交通省の方から御答弁ありましたように、賃貸住宅管理業者に対して、将来の借り上げ家賃の変動リスクでありますとか、管理受託契約の締結前に重要事項としての説明の徹底を求めるなどの対応を行っているというふうに承知しております。  我々金融庁といたしましては、金融機関の財務の健全性、それから顧客本位の業務運営ということを言っておりますので、まさにこの事案における顧客というのはローンの借り手、家主の立場に立った業務運営だということだと思います。そういった点を確保する観点で、賃貸住宅を含む不動産市場の動向あるいは金融機関の不動産向け融資の動向、これを注視しながら、必要に応じて関係省庁とも連携して適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  103. 平木大作

    ○平木大作君 終わります。ありがとうございました。
  104. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門です。  森友問題はまた材料が出てきたときにやりたいと思います。松川さんもめげないで頑張っていただきたいと思いますけれども。  おととい、二十八日に決算委員会で森友とともに取り上げたのが銀行のカードローンなんですけれども、ほとんどゼロに近い金利で調達した資金を生活費が足りないようなワーキングプア層に一四%もの金利で貸しているという問題でありましたけれども、今日はその銀行の問題を課税の面から取り上げたいと思いますが。  まず、その税の話の前にカードローンの話で、大塚副大臣がそこにいらっしゃいますので、副大臣は元銀行マンで金融詳しくて、そして、あの二〇〇六年の貸金業法改正のとき一緒に、改正するために一緒に取り組んだ同志だというふうに思っておりますけれども、あのときのサラ金問題、高金利問題が大銀行のカードローンという形で表面化してきているという点について、今の銀行の在り方も含めて、当時一緒に頑張った方として、副大臣の立場として今どうお考えになっているか、ちょっと感想を聞かせてもらいたいなと思って。
  105. 大塚拓

    ○副大臣(大塚拓君) 一昨日、決算委員会で麻生大臣との質疑を聞きながら、あの二〇〇六年当時、一緒に取り組まさせていただいたことを懐かしく思い出していたわけでございますけれども、私自身、今直接所掌しているわけではありませんけれども、当時のよしみということで御質問いただいておりますので、当時のこともちょっと振り返りつつ、少し思いをお話ししたいと思いますが。  当時は、明らかに多重債務問題が大きな社会問題、百八十万とか二百万とか言われるような数の方が多重債務に陥っていたわけですけれども、結局、貸金業者がどう考えても返せる当てがないような貸付けを行っていた。高利で、所得に見て高額な貸付けをしていて、しかもその資金使途を見たところ、それを消費しちゃったり飲んでしまったりギャンブルに使ったり、元々返ってくるわけもないようなお金を、しかも安易に、無人機とかそういうのが非常に普及をしていて、そういう中で貸付けを行っていたことによって、当然のことのように、借りた方、返せなくなると。  返せなくなったときに当時起きていたのは、大手に最初借りて返せなくなったら、もうちょっと審査基準の緩い中小に駆け込んで、当時、サラ金ビルみたいなのがありまして、一階で借りて駄目だと二階に行って借りて三階に行ってと、こういうふうに行って、そのビルを全部制覇してしまうと今度は闇金業者に行くしかなくなると、こういうことで、闇金業で借りて返していたと。闇金業者は、当然普通に取り立てて返ってくるわけないので、最後は体で払えという、こういうようなことになっているという状況だったわけでございまして、これ、金融論的に見ると、明らかに市場の失敗が起きていたんだろうというふうに思います。  返せないものを、これ経済学用語で言うと逆選択とかアドバースセレクションとかいうふうに言いますけれども、そういうことで市場が劣化をして外部不経済というのが発生をしていて、その外部不経済というのは、もう取りも直さず闇金業者にとっての市場というものを正規の業者がつくり上げてしまっていたと、こういう状況になっていたことを踏まえて貸金業法の改正というものを一緒に取り組まさせていただいて、これはかなりきっちりした形で貸金業法の改正ができたというふうに思っておりますけれども、そういう経緯で、貸金業界自体は相当適正化が進んできたものというふうに思っております。  金額規模も、当時十三兆以上あったのが今二兆そこそこと、こういうぐらいの規模感になってきて、要するに、闇金業者に拾ってもらわなければ貸せないようなものは貸さないということがかなりでき上がってきたわけでございますが、そこに、あろうことか銀行がカードローンということで、相当これ急激に伸びてきているわけでございます。  低金利環境なので、収益を求めて安易に走ってしまうということが起きているのではないかなというふうに思っておりますけれども、思い返せば、当時も貸金業者に銀行が手を貸すような形で進出をしていっていたんですよね。それで貸金業に信用を付与するような形になって気軽に借りる人が増えてしまったと、こういうことがあったと思うんですけれども、当時は、少なくともそれでも銀行の方が貸金業者よりはちゃんと与信をしているという前提に立った業法改正をやっているんですけど、今、果たしてどっちの方がちゃんと与信をしているだろうかということも含めてよく見る必要があるんじゃないかというふうに思っておりますけれども。  その当時の貸金業法改正の趣旨というものを、今の銀行がこれをよく理解して、それに沿った経営をしているのかどうか。それから、大銀行ですから社会的責任というものは非常に大きいものがあるわけでございます。そうした自らの社会的責任というのをしっかり認識をして、それに合致するような行動を取っているだろうかと、こういった点を、これをよく見て、カードローン業務が適正に行われているかどうか、これ金融庁においてしっかりモニタリングされるものというふうに認識しておりますけれども、まあ適正な市場、せっかくつくり上げた適正な市場ですから、またその市場が悪い方向に行かないようにしっかりしていかなければいけないのではないかというふうに思っているところでございます。
  106. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 是非、大塚さんの立場からも注視していただきたいというふうに思います。  本題の方に入りますけれども、大塚さん、元気があり余っているようなので、もう一問、大塚さんに聞きたいと思いますけれども、異次元の金融緩和でメガバンクにじゃぶじゃぶに供給されたお金がどこに向かったか。先ほど、一つは平木さんから言われた不動産の方ですね、一般貸付けが伸びませんので。もう一つが先ほどのカードローン。実はもう一つ、資料をお配りいたしましたけれども、海外への融資が伸びているわけであります。とりわけタックスヘイブンですね、オフショアのところもずっと伸びているということでございまして、特にこの間問題になってきておりますけれども、タックスヘイブン、ケイマン諸島への融資額がこの間急増しているんですね。これ、額が大きいのであれなんですけれども、急増しております。ケイマンへの貸付額は、直近のデータでいきますと、昨年末の段階で約六千二百八十億ドルですので、七十兆円を超える巨額の融資が日本からケイマン諸島に行われております。  大塚副大臣にお聞きいたしますけれども、財務省として、課税当局として、日本の銀行が今問題になっておりますタックスヘイブンのケイマンにこれだけの巨額の融資をしているということに課税当局として関心を持っておられるかといいますか、注視されているのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  107. 大塚拓

    ○副大臣(大塚拓君) これは財務省としても大変関心を持って注視をしているところでございまして、あわせまして、政府の税制調査会とか与党の税調の方でもこれは関心を持って見ていられるところだと思いますけれども、昨年の政府税調、あるいは平成二十九年度与党税制改正大綱というところにおいても、グローバル経済、日本経済の構造的変化として、オフショアセンターへの資本蓄積及び日本から証券投資残高においてケイマン諸島が米国に次ぐ二番手に今急伸しているというこの事実、当時は二〇一四年の数字を使って約六十三兆円となっておりましたけど、最新の数字だと七十兆を超えてきていると、こういうことだと思いますけれども、こういうことが指摘をされている中、財務省としても、多国籍企業等における国際的な租税回避に適切に対応する上でこうした実態をこれまずしっかり把握をしていかなきゃいけないということがございますので、そのために、BEPSの最終報告書でも書かれていたことを、これを受けた形で多国籍企業情報の報告制度というのを導入をしております。  それから、これは更にしっかり裏を取っていかなきゃいけないということで、金融機関、海外の機関を利用した脱税というのに対処をしていくために海外の情報をちゃんと取得をしなければいけないということで、これは国際基準に基づいて、非居住者に関わる金融口座情報を、ケイマン諸島、これを含んで百か国あるいは地域との間で自動的に交換する、こういう制度を平成二十七年度改正で導入をしてきているなど、措置を講じているところであるわけでございます。  これを、こうした流れにしっかり状況の把握も努めていき、また穴になっているところがあったらこれをしっかり塞いでいくということが今後も取り組んでいく必要があるというふうに考えておりますけれども、一方で、租税回避目的であるものとそうじゃないものというものの峻別もいささか難しいところがありますから、こういったところも実態をよく把握をして、実体経済に影響を与えないというか、適正なものじゃないものをしっかりと抑えていく、こういう制度、そして運用に向けて更に頑張っていきたいというふうに思っております。
  108. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ありがとうございます。  この間、もう少し御紹介いたしますと、メガバンクなどが、巨大銀行グループがこのケイマンに融資している中身なんですけれども、これはケイマン諸島を拠点とするヘッジファンドと連携を強めているわけでありまして、例えば三菱UFJグループは、これはもうケイマンのヘッジファンドの管理会社を次々買収しております。それから、三井トラストも、イギリスのマン・グループというケイマンにある大手ヘッジファンドと連携をして業務提携をしております。  要するに、日本のメガバンクがケイマンのファンドに融資する理由というのは、そのファンドにはいろんな投資家からお金が集まるわけですけれども、その資金を何倍かの資金にするということで、レバレッジを利かせて利幅を大きくするためにファンドに加えて日本のメガバンクは融資しているということでございます。この銀行融資がタックスヘイブンのファンドに貸し付けられて、それが投機マネーとして循環をして、この間いろいろいわゆる為替の市場の乱高下を拡大させているということになるわけであります。  この点で注目されるのがヨーロッパで、こういう投機的な金融取引とか金融機関の投機に関する課税制度が導入されてまいりまして、三年前のこの委員会でも詳しく取り上げさせていただいた問題でありますけれど、その後の経過も含めて質問したいと思いますが、まず資料を配付いたしまして、二枚目の資料ですけれども、これ、イギリスやドイツ、フランスが導入しているいわゆる銀行税でありますけれど、星野さん、簡単で結構です、概略をちょっと説明をお願いしたいと思います。
  109. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  欧州主要国、今先生御指摘ございましたイギリス、ドイツ、フランス、二〇一一年にこういう制度が導入されておりますけれども、リーマン・ショックを契機といたしまして、国際的に金融危機に伴うコスト負担等に関する議論が提起される中で、そのための方策としていわゆる銀行税が導入されたものと認識をしております。  例えばイギリスの例で御説明をさせていただきますと、イギリスでは、銀行に対しまして経済危機に係る幅広いコストに対応するための費用を負担させるとともに、低リスクでより安定的な投資を促すことを目的として、バンクレビーと呼ばれております銀行税が導入されております。具体的には、原則として銀行の負債、資本の総額から預金と自己資本の額を除いたものに対しまして現在は〇・一七%の税率で課税をしております。  なお、長期負債等長期資金の調達に係る部分については〇・〇八五ということで、低い二分の一の軽減税率が適用されておりますが、この税率は現在徐々に段階的に引下げを行うという予定になっております。こうした負債、資本に対する課税に加えまして、二〇一六年からは、新たに銀行の利益に対しても八%の税率で課税する制度、バンクサーチャージと呼ばれておりますけれども、こういった制度が導入をされているということでございます。
  110. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ありがとうございます。  これは、二〇一一年と書いてあるとおり、やっぱりリーマン・ショックを受けてこういうふうな課税制度が導入されてきたわけでありまして、今、星野主税局長からあったとおり、一つは、銀行の投機的な、マネーゲーム的な動きを抑えるということと、もう一つは、いざ金融危機が起きたときにその費用を誰が負担するのかという議論があって、書かれているとおり、銀行、金融機関にそういう金融危機に発生するコストについては負担させようという議論の二つからこういうものが具体的に導入されてきているということでございます。  時間の関係で、三枚目に金融取引税も書いてございますけれども、これはもうこちらで、私の方で簡単に説明いたしますと、この金融取引税の方は、まさに投機的な取引について課税するということで、簡単に言いますと、証券等の取引の回数、譲渡の回数、回数が多くなれば多くなるほど負担が重くなるというようなことでありまして、つまり、投機の、ずっと資産が、長期的な投資で持っているということではなくて、もう絶えず売買をして利ざやを稼ぐというマネーゲームをやればやるほど課税されますよというのが金融取引税でございます。  これは銀行税とはちょっと違って、これは国際連帯といいますか、国際的にみんなでやろうということにならないとなかなか難しいものがあって、フランス、イタリア等々はあれしますが、EUの中の議論はまだそれほど進んでいないというのがあります。それは国際連帯という難しさがあるかというふうに思います。  もう時間の関係で麻生大臣に伺いますけれども、三年前にこういうものをお考えいただくべきじゃないかという質問したときに、もちろん議論すべき課題だということと、やっぱり国際連帯の、国際的にやらなきゃいけない問題だということをお答えいただいていて、その認識はまず変わらないのかと思いますけど、いずれにせよ、更に研究していただいて、何から実現できるのか、よく検討してもらいたいと思うんですけれども、麻生大臣、いかがでしょうか。
  111. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 大門先生の御指摘のこの銀行税とか金融取引税の話ですけれども、今、星野の方から説明をいたしましたけれども、リーマン・ショックのときの話で、銀行の不良資産やら何やらかにやらというのがちょっと外に出ていた数字とは全く違った。ところが、我が方は、リーマン・ブラザーズのサブプライムローンに引っかかった人の数が少なかった。日本の銀行は大したものだというような話になったんですけれども、それは確かにそうなのかもしれませんが、あの難しいデリバティブの話を理解できる英語力が日本の銀行にはなかったんですよ、僕はそう思っていますね。だから、あれだけ売りに来て、日本は買っていませんもんね、あれ、正直なところ。英語ができなかったからでしょうと僕はいつもからかうんですけれども、結果として買わなかったんですよ。買わなかった結果、日本の銀行の内容はヨーロッパに比べて物すごく内容が良く見えましたけれども、だから、あのサブプライムのあれを買ったか買わないかだけでこんなに違っちゃったということだったと思って、私は今でもそう思っているんですけれども。  その議論になって、いわゆる経済危機とか、ああいった、欲にくらんだ経済危機の話なんですけれども、みんな欲にくらんで商売するんでしょうけれども、とにかく、それはともかくとして、対応した費用について金融セクターに負担を求めるという点と、もう一個は、いわゆる、怪しげな不健全な経済的投機を抑制するということを目的としてあれを導入、今回、富裕税と銀行税、これを導入したのが多分ヨーロッパの、ドラギなんかの話聞いていると、ドラギってECBの総裁ですけど、あの人の話聞いているとそうなんだと思うんですが、日本の場合は、今金融機関に対する規制もしっかりしていましたし、そのところもあったし、九七年のアジア通貨危機のあったあの辺りも加えて、その前の銀行に対する返済金が多くて貸出しが全然増えないという、早い話が貸金業が成り立たないような状況というのがかなり続いた時期がありましたので、そういったこともあったので、結構銀行のリスク管理というのはきちんとせざるを得ないような状況に陥っていたこともあったものですから、今直ちにこういったものを導入しなきゃならないというような状況に今あるかと言われると、私は今の状況ではまだそういう状況にはないだろうなと思っているのが一点。  もう一つは、こういう取引税というのを仮にやるとすると、これは多分中小には、結構そっちに影響が大きいかなという感じがしますのと、取引自体が下手すると海外にシフトしかねないとか、いろんなことを考えておかないかぬなとは思うんですけれども、いずれにしても、こういった新しいものを導入するというのは十分な留意をして、税金というか、新しい税をつくる場合にはよほど注意してやらぬといかぬものだと思っておりますので、いずれにしても、こういったものを検討するに当たりましては、どういった影響が出るかとかいろんなことを考えて、公平でかつ効率的とかそういった点とか、既存の税制とはどういうふうにさせるかとかいうような幅広く検討する必要があるんだと思いますけれども、いずれにしても、今、先ほど、大塚先生の質問じゃありませんけど、将来にわたっていろんなこれからの状況の中で銀行の状況がどうなっていくかというのを考えていったときに、こういったヨーロッパで起きた話が日本で起きないという保証はありませんから、そういった意味においては、こういうふうにあらかじめ検討しておく必要はあろうかと思っております。
  112. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  113. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。  岩田副総裁にお聞きしたいんですけれども、私が銀行にいて現役の頃、日銀のバランスシートって五十兆、六十兆ぐらいのイメージがあるんですけれども、日銀の今統計資料を見ていて、一番遡れる資料を見ていましたら九八年の四月だったんですが、そのときのバランスシートは大体八十兆円。今二月現在で四百八十八兆円ということで、この約二十年近くで約六倍超になったわけですけれども、同じ時期にECB、FED、どのくらいバランスシートを膨らませたか教えていただけますでしょうか。
  114. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 一九九九年の三月末時点と比較しますと、ECBは約五倍になっています。
  115. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 あと、FEDはいかがですか。
  116. 岩田規久男

    参考人岩田規久男君) FEDの場合は約九倍でございます。
  117. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 それ、九九年と比べてですか。
  118. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 九八年の三月です。
  119. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 九八年。ああそうですか、分かりました。私の認識とちょっと違っていたんですけど、まあそれはいいとして。  あした発表されるECBの消費者物価上昇率なんですけれども、前月二%、前年比ですね、二%でしたから、あしたの数字が二%に達すると、そろそろECBも出口を模索せざるを得なくなると思うんですね。FEDは当然のことながらテーパリングを終えているわけですから、そういう面でいうと、日銀のみが出遅れている感じがするわけですが、それについてどういうコメントがありますでしょうか。
  120. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 日本は、欧米と比べて物価上昇率が高まらない背景としては、予想物価上昇率が依然として低い水準にとどまっているということが挙げられると思います。すなわち、昨年九月の総括的な検証で示したとおり、日本における予想物価上昇率は過去の物価上昇率の実績に引きずられやすい傾向があります。そのため、二〇一四年以降の原油価格の下落などの影響からなお弱含みの局面が続いていると判断しております。  しかし、今後、世界経済が好転する下で日本の景気回復の足取りもよりしっかりしたものになってきておりますので、二%の物価安定の目標にはなお距離がありますが、この点、そういうことで、予想物価上昇率の点で米国や欧州などと大きく状況は異なっております。したがって、現状では二%物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために、現在の金融市場調節方針の下で強力な金融緩和を進めていくことが適切だと思っております。
  121. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 検証のときもそうだったんですけれども、為替の話、出てこないですよね。原油価格が下がっているということは、別にECBにおいてもFEDにおいても同じだったと思うんですが、やはり為替が大きい原因だというふうにお思いになりませんか。円高が進んでしまったがゆえになかなか消費者物価指数が上がっていなかったというふうに思わないでしょうか。
  122. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 原油価格が下がったときに、アメリカもECBも、両方の、ユーロも、ユーロといいますか、も両方とも予想物価上昇率ある程度やっぱり下がっています。しかし、日本の下がり方が非常に大きいんですね。しかし、だんだんと原油価格が戻ってきますと、やはりアメリカやヨーロッパではもう既に予想物価上昇率は二%近くにまた戻ってまいります。  それは、なぜそうなっているかというのは、アメリカもヨーロッパも、ずっともう長い間大体二%ぐらいの物価安定を維持してきたという長い歴史があるわけです。そのために、一時的に原油価格によって欧米でも予想物価上昇率が下がるんですけれども、それは一時的に止まるわけですね。  ところが、日本の場合には、今までもうずっとデフレでありまして、二%のインフレというのを維持したことは実績が全くないわけであります。そのために、どうしても原油価格下がってくると予想物価上昇率も下がり、それが多少上がっても、なかなか欧米のように、二%の物価安定の実績のある欧米のようには予想物価上昇率は上がらないということが一番の原因だというふうに思います。
  123. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今ちょっとお聞きしていると、最初、私の認識も違っていたんですけれども、逆に、私はこれ反対なんですけれども、ECBとかFEDはかなりバランスシートをでかくしていて、日銀が六倍だったらば更に日銀に量的緩和を進めろという意見が出てきちゃう可能性がありますけれども、それについてどう思いますか。先ほど、ECBの方が五倍で、FED九倍だとおっしゃっていましたが、日銀は六倍ですよね。量的緩和を推奨する方、私は絶対反対なんですけれども、推奨する方からは、だったらば日銀がまだ量的緩和が少ないせいじゃないかという意見も出てきちゃうと思いますが、いかがですか。それについてどうお考えですか。
  124. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) おっしゃるように、量的緩和でもっと進めろという意見、そういう学者の方もいらっしゃると思います。ですが、総括的な検証をした結果、それよりもイールドカーブコントロールの方がむしろ物価安定目標二%達成する上では有効であり、そして持続的な可能性も高いということが経験で分かったわけであります。経験し、研究して分かったわけでありますので、そういう政策を今取っているということでございます。
  125. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 ということは、異次元の量的緩和というのは、今のお話ですと成功しなかったというふうにおっしゃっているわけですね、イールドカーブコントロールの方がいいということは。まあイールドカーブコントロールについても私非常に問題があるとは思っていますけれども、今の発言を聞いてまとめると、異次元の量的緩和は効かなかったという結論になっちゃうかと思うんですけれども、いかがですか。
  126. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 量的緩和が効かなかったというんではなくて、量的緩和は十分に効いたということでありますが、これから量的緩和というその一本だけの政策でやるのか、それともイールドカーブコントロールのような組合せでやるのかということであれば、今、量的緩和もやっているわけでありまして、それとイールドカーブコントロールとを組み合わせているわけでありますが、その組合せという、イールドカーブコントロールというのはできるんだということであれば、量的緩和と組み合わせることがより一層効くということで、量的緩和がそれまでの間効かなかったということではございません。
  127. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 これについてはちょっとここで時間がないのでやめておきますけれども、量的緩和が成功するかしないかというのは、まさに出口があるかないかであって、これが出口がなければ大失敗だということになりますので、将来的にも出口については非常に注目しておきますので御注意ください。  その量的緩和が効くか効かないかの話で、今、シムズ理論による財政出動の話が出てきているわけですけれども、前回、黒田さんにお話聞いたところ、黒田さんもシムズ理論は学術的なものにしかすぎなくて実証的研究が少ないとか、いろんな中央銀行の総裁は別に納得していなかったというような話がありました。  しかしながら、シムズ理論に基づいて財政出動をせよという識者もいることはいまして、私はこれ非常に危険じゃないかなと思っているんですが、ここでちょっとお聞きしたいんですけれども、副総裁は御存じだと思いますけれども、シムズ理論というのは、公債割る物価、左辺と、要するにPBの黒字と、それと通貨発行益を現在価値に直してそれを合計したものがイコールになるという恒等式だったと思うんですね。シムズ理論が正しくて財政出動をするというならば、逆に通貨発行益が通貨発行損になると物価が上がることになりますよね。  通貨発行損というのは、配付資料にありますように、二枚目にありますように、国債と、これ今現状では、国債、日銀四百二十兆持って利回り〇・三三二ですから、当座預金がプラス〇・一とかマイナス〇・一とかですから、確かに通貨発行益ですよ。要するに、資産サイドの国債と、それから負債サイドの発行銀行券と当座預金の利回りの差で通貨発行益が出ているわけですけれども、将来利上げをするということになると、当座預金の付利金利、日銀当座預金の付利金利を上げるという話、前回も副総裁も、利上げをするというか、金融引締めに入るのであれば、この日銀当座預金の付利金利を上げるか、若しくは売りオペをするというふうにおっしゃっていたと思います。  ですから、一つのインフレコントロールをするときに当座預金への付利金利を上げるという方式なんですが、そうすると、当座預金の付利金利を上げていけば、当然のことながら通貨発行損になっちゃうわけです。通貨発行損になっていれば、シムズ理論の基になる恒等式で考えると、物価上がっていっちゃうんですよね。  ですから、インフレになろうということで当座預金の付利金利を上げるということでは、このシムズ理論からいうと、金利はどんどん上がっていっちゃってインフレなんかコントロールできないと。要するに、日銀は現状ではもうインフレをコントロールする手段を失ったというふうに理解できるんですが、いかがでしょうか。
  128. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) シムズ理論では、FTPLというやつでは、確かにおっしゃるように、政府債務は最終的には通貨発行益を含む財政黒字でファイナンスされなきゃならないということ、そういう予算制約式から出てくるわけでありますが、しかし、それは前回でもお答えしたとおり、あくまでも学術的な論文であって、物価の決まり方に関する一つの視点を提示したものであるということで、実証的な研究が十分行われていないものだと理解しておりまして、したがって私がシムズ理論に賛成しているわけではありません。  その上で申し上げると、一般的に量的緩和からの出口の局面では、超過準備に対する付利金利の上昇によって中央銀行の収益が減少する傾向があることは御指摘のとおりであります。しかし、前回もお答えしましたが、やや長い目で見れば、中央銀行には継続的な通貨発行益が発生するものであって、出口の局面における損失だけを取り出してその影響を議論することは適切ではないというふうに思います。
  129. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 長い間を見れば通貨発行益が出るというのは、それは確かかもしれませんけれども、その前に日銀が潰れちゃったら戻らないわけですよね。  これ、バランスシートを見ていただければ分かりますが、四百二十兆に対して〇・三三二%しか収益が上がらないのに対して、当座預金で例えば二%、三%と金利を上げていったら物すごいこれはもう通貨発行損ですよ、損の垂れ流しなんですけれどもね。そんなような状況になったときに日銀がもつのかという疑問が非常にあるわけです。  アメリカの場合には、この左側の国債のところ、三%ぐらいあるわけですから、それは当座預金の金利を上げていっても十分余裕がありますけれども、日銀にはそういう余裕が全くないということはやっぱり指摘しておきたいなというふうに思います。  確かに、シムズ理論、私もこんなめちゃくちゃな理論ないと思うんですが、もしこのシムズ理論によって財政出動をする方がいるならば、まさにその人たちは、副総裁はそうじゃないということは分かっていますけれども、シムズ理論によって財政出動を主張する方は、日銀はもう利上げの方法をなくしたと同じことを言っているんだということを十分認識していただいて、シムズ理論による財政出動論をきちんと抑えていただきたいと私は思っております。質問の趣旨は、シムズ理論による財政出動はとんでもない話だということを言いたかっただけでございます。  次の質問に入りますけれども、日銀は外貨、外債を保有しているかどうか、お聞きしたいと思います。
  130. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 日本銀行は、中央銀行として円滑な、かつ機動的な政策、業務の遂行のために、備えるために外貨資産を保有しております。  具体的な外貨資産の活用方法としては、現在実施している成長基盤強化をするための資金供給、それから国際協力の観点から外貨資金の供給をする、もう一つは我が国の金融機関に対する緊急時の外貨資金供給を想定しております。
  131. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 ということは、日銀は理由によれば外貨資産を持てるということだと思いますけれども、よく識者が、日銀は法律上持てないとか言う方が、おっしゃいますけれども、実際日銀は外貨資産を持っているということだと思います。  その上でお聞きしたいんですが、FRBのイエレン議長、先月十四日、上院銀行委員会の公聴会で、今後数か月にバランスシートの戦略について協議すると述べたわけです。要するに、バランスシートを縮めることも考えるということなわけですよね。FRBのバランスシート、ちょっと先ほども言いましたが、〇六年に九千億ドル、約百三兆円だったものが、今四兆五千億ドルと、まあ五百兆円ぐらいになっているんでしょうかね、五倍になっています。確かに、金融の健全化を考えると、バランスシートを急速に縮めていかなくちゃいけないということだと思うんですが、これはなかなか難しいですよね。売出しに入るといったら米国債が暴落しちゃう、長期金利が暴騰しちゃうということで、だからこそイエレン議長は慎重にやると。まあ、これは将来的には日銀も同じ問題は抱えていますけれども、取りあえずイエレン議長は今の段階で慎重にするというふうにおっしゃっているわけです。  もしそうならば、日銀はもうだんだん異次元の量的緩和で買う国債が市場から枯渇していっていますから、日本国債の代わりに米国債を買うというのはいかがでしょうかね。米国債を買っても量的緩和は続けられますし、そして、一番いいのは、出口の問題がないんですよ、米国債は日本国債を買うのと違って。売りたくなっても、日銀が売りたくなっても誰かが買ってくれるんです、きっと。FRBかもしれないし、中国政府かもしれないし、世界の誰かが買ってくれるんですよね。日銀が売りたくなったら誰も買ってくれませんからね。  だから、その点で極めてこの米国債を買うというのは一つの有力な手かなと。まあ今になってはちょっと遅いのかもしれないですけれども、昔から私は主張していたんですが、日銀が米国債を買うというのは非常に有効な手かなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  132. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 現在、日本銀行は長短金利操作付き量的・質的金融緩和をやっておりますが、その下で、国債買入れなどを通じて二%の物価安定の目標を実現するために必要かつ十分な金融緩和が実施できると考えておりますので、FRBから直接取引で米国債を買う必要はないというふうに思っております。
  133. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 年間八十兆円ずつ長期国債を買っていますと、それはだんだんだんだん枯渇していっちゃうと思うんですよね。マーケットからもう既に四割以上の国債を買っているわけですから。  となると、次に考え得るのは米国債の購入かなというふうにも考えてしまいますけれども、これ先ほど言いましたように、アメリカと日本というのはウイン・ウインの関係になりますよね。アメリカの方は金融健全化を図りたい、日本、日銀はもっと量的緩和をしなくちゃいけないというようなことだったらば、買ってあげればいいということで、ウイン・ウインの関係ですから、この結果ドル高になってもトランプさんは怒りようがないですよね、きっと。ウイン・ウインですから、向こうにとってもうれしいことですからね。そのうちに円安ドル高になって日銀も消費者物価指数二%達成できると。全てがいい具合にいくんじゃないんでしょうかね。問題は、そのときに、二%行って日銀が──まあそれはいいや、ということなんですけれども、いかがでしょうか。
  134. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 金融緩和を推進する上で米国債を買う必要はないというのは先ほど申したとおりであります。  ただ、仮に米国債の買入れが為替相場に影響を与えることを目的としているということであれば、日本銀行法上、外国為替相場の安定を目的とする外国為替の売買は国の事務の取扱いをする者として行うとされておりまして、そうした外国為替の売買については、法律上、財務大臣が一元的に所管されると理解しております。
  135. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 ですから、私は、為替操作じゃなくて量的緩和の継続のために買えばどうですかとおっしゃっているわけです。  もちろん、おっしゃるように、為替操作であればこれは財務省の所管であるし、日銀法上できないのは分かっていますけれども、理由なんて幾らでも付くわけですから、これは一つの手段として日銀が買うというのは方法ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  136. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 先ほども申し上げましたように、何も米国債を買わなくても、現在の金融政策を調整して物価二%安定を達成し、さらに最終的には出口にも出れると思っておりますので、そうする必要はないと。  そういう必要のないのにわざわざ米国債を買うということは、やはり為替操作ではないかという、そういう疑念をやっぱり生じる可能性が私はあると思っております。
  137. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 マーケットでは、だんだんだんだん日銀が方策がなくなっているんじゃないかというふうな議論もありますから、じゃ、いずれは考え得るというふうに理解してよろしいんでしょうか。回答はもう結構です、時間がないので。  それで、私、これでやめておきますけれども、次回、今度はマイナス金利の功罪についていずれ聞きたいと思っています。  先ほどイールドカーブコントロールが有効だというふうにおっしゃいましたけれども、これもちょっと疑問がありますので、なぜ疑問かというと、一九七〇年代にアメリカ、FRBが銀行経営を救うためにやったのはイールドカーブを立てることですから、今やっていることと全く真逆のことをFRBはやっているわけですよね。だから、その辺を踏まえて次回は、いつか議論したいなと思っております。  これで質問を終わります。ありがとうございました。
  138. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十六分休憩      ─────・─────    午後二時開会
  139. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎君が選任されました。     ─────────────
  140. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省関税局長梶川幹夫君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  142. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  143. 松川るい

    ○松川るい君 委員長、ありがとうございます。  自由民主党、大阪選挙区選出の松川でございます。  まず、関税定率法等の一部を改正する法律案について質問申し上げたいと思いますが、その前に一問、マイナンバーと納税に関する利用に関して質問を一問したいと思います。  私は、良き納税者が良き民主主義をつくると考えておりまして、それは、良き納税者というのは、別に税金を言われたとおりに払う人というわけでも必ずしもなくて、自分に対してどういう税が掛かっていて、そしてその税がどのように使われているということを分かる、そういう認識とか見識があれば正しく政府の政策であったり予算の支出であったりということを判断ができる。  そういった見識がある、国民的にその意識が高まれば、将来的に我が国の一番の課題は少子高齢化による人口減少で、社会保障費の負担に関しましても種々御議論があるところでありますけれども、また、それから若者に対してもっと私は予算を付けるべきでは、配分としてですね、前回の質問でも申し上げましたように、シフトすべきではないかといったマクロ的なことを考えるに当たりまして、どういったものが自分に課されているか、納税として、そしてまた逆に、どういったものが国家なり地方自治体から自分に対して給付をされているか、それは将来的には年金でありましょうし、医療費の控除かもしれません。子ども手当、子供というか、子供に掛かっている医療費の補助であるとか、いろんなことが考えられるわけであります。しかし、そういったことを全体的に把握できるということがまさに良き納税者、そして良き民主主義をつくっていくものだと信じております。  前回も我が同期の徳茂委員、そしてまた、その前の前でしたでしょうか、古賀委員も、納税者教育であったり、私も初回の質問におきまして、納税者教育の重要性、金融リテラシーの重要性について質問を差し上げました。この同じような認識の御議論が本委員会でされていること、大変私すばらしいことだと思っております。  その観点で、じゃ、具体的にその良き納税者をつくる上でどんなことが施策としてできるかというに当たりまして、お配りした資料の一番上見ていただきたいんですが、マイナンバー制度、これがやはり一番、今後将来的に見渡したときに、自己に掛かっている納税、そして自己が給付し得る、しているいろんな給付について、全体的に個人が把握する上で最も最適なツールになるのだと思います。  このマイナンバー制度についてはまだ普及が足りないとかいろんなことは御指摘はありますが、実は、マイナポータルというサイトがこのマイナンバー制度とともに、例えばコンピューターであったりスマホであったり、サイトとして見られるものを今構築し、既に、まだまだ始まったばかりで三千口座ぐらいでしょうか、とお聞きしましたが、始まっているそうです。  このマイナポータルの中で見られるサービスというのは、例えば行政機関などの持っている自分の特定個人情報が確認できる。この中には、例えば納税した額であるとか、市町村の方だと聞きましたけれども、それからまた公金決済について、ネットバンキングやクレジットカードでの公金決済ができるとか、マイナポータルから外部サイトへのログインが可能になる、これ続きでちょっと御質問しようと思うんですが、e―Taxにもつなげて確定申告にもつなげることができるやに聞いております。  まず、御質問いたしますが、このマイナポータルのサイトでどのような、きめ細かな税の徴収と社会保障の供給ができるようになるということが期待されておりますけれども、国税当局の取組状況を教えていただけますでしょうか。
  144. 飯塚厚

    政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。  マイナンバーのポータルサイト、いわゆるマイナポータルでございますけれども、今年の一月から運用が開始されておりまして、先生今、さっきおっしゃいましたように、自己情報の確認や行政などからのお知らせの受取などができる内閣官房を中心に運営されているインターネット上のウエブサービスでございます。  このマイナポータルにおいて、国税庁では、今年一月より、マイナポータルと国税の電子申告・納税システムでございますe―Taxとの認証連携を開始いたしまして、これにより、マイナポータルを通じてe―Taxのメッセージボックスに格納されております所得税の申告書や還付金の処理状況などの閲覧が可能となっております。また、マイナポータルを通じて保険者から納税者に連絡された医療費支払の情報を医療費控除の申告に利用できる仕組み、これの導入に向けて、現在、関係省庁間で調整を行っているところでございます。  なお、必ずしもマイナポータルについてではございませんけれども、マイナポータル制度の導入を契機とした納税者利便の向上策といたしまして、納税者の申告に必要な添付書類の削減を図ることとしておりまして、具体的には、例えば住宅ローン控除等の申告手続におきまして、平成二十八年分の所得税の申告から、税務署から市町村に対し住民票情報を照会することで、要はその申告者による住民票の添付を不要とするような、そういった施策などを既に講じているところでございます。  いずれにいたしましても、国税庁といたしましては、マイナンバーの効果的な利活用を通じて適正かつ公平な課税徴収に努めるとともに、より一層の納税者利便の向上策の実現に向けて、関係省庁とも連携しながら一層取り組んでまいりたいと考えております。
  145. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  これは、現在できているというわけではないと思うんですが、私は、是非、将来的な制度設計といたしまして、例えばこのマイナポータルサイトで自分の場所を開くと、左側に自分が納税をしている欄が広がり、右側に自分がもらう予定、若しくはいただいている社会保障の給付といったものが全体で見られる、そういった形のサイトというのを作っていただければ、これは確実に個々の国民の皆様が、自分はこれぐらい払っているけどこういったところをもらっているんだな、若しくはもらう予定になっているんだなということが全体的に分かると。  もちろん拡張することを前提に多分システム形成はしていただいているとは思うんですけれども、是非このマイナポータル、そしてマイナンバー制度を活用して、個々人の置かれた納税者かつ現在の社会保障の被給付者としての全体的な把握ができるようにマイナンバーを活用していただきたいと思いますが、大臣の御見解いかがでしょうか。
  146. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) マイナポータル、何というんですかね、簡単に言えば、自分の情報が、マイナーなウエブサイトが自分にあるみたいな話ですよね。この言葉言っても通じる国会議員ってほとんどいませんから、そこから説明した方がいいですよ。私の秘書なんかに聞いたら、誰一人知りませんでしたから。だから、そういった意味では、そこら辺から丁寧に説明されぬと、一人だけ言葉に酔っていると、もう全然、マイナンバーとマイナポータルと何の違いがあって、どうたらこうたらと、そこから説明しないと普通は分からないと思いますよ。  いずれにしても、この制度というのは、社会保障制度とか、いわゆる税制とかの効率性とか、また、何でしょうね、透明性というものも良くなってくると思いますので、一般有権者というか、国民にとって利便性が良くなりますし、よく分かりやすくなるしという意味で、公正な社会をより実現していくためには新しいツール、ツールって、道具としては非常に大きな基盤になり得るものなんだと、私はそう思っているんです。  ただ、これ、時間がこういうのは掛かりまして、最初、三十年前にグリーンカードというのが始まったんですけれども、もうバツでしたよ、あれも。あの頃も、これまでに何回も野党の反対とか与党の中でももめて、もう駄目になったものはいっぱいありますから、それがやっぱり時間とともに三十年掛かってやっとここまで来た、技術も進んだということだと思いますので、いろいろ社会の変革には余り、当選一回で気合入っているところ、真っ最中なんでしょうけれども、ちょっと時間が掛かるので余り焦らんと、きちんとやっていかないと理解がされないので、妙にゆがめられて伝えられると、非常にこれの遅れる分だけ社会的な損失になりますので、丁寧に分かりやすい言葉でやっていかれるので。  いずれにいたしましても、今年の一月からこれがやれるようになりました。少しずつ機能が充実していくんだと思いますけれども、いずれにしても、何というの、自らの所得ですかね、そういったものの状況を全てマイナポータルで分かるよう、取得できるようになりますので、そういうように向けて更にもっと便利なものがあるんじゃないかと今言われたようなアイデアも出していただくと、そういうニーズに合わせてこっちもつくっていくということになりますので、税務署やら大蔵省の考えというのは、これが必要だろうなんて、これは世の中に全然必要じゃないものもいっぱいありますので、そういったものをきれいに整理していかぬといかぬので、そういった意味では、是非、要望をお出しになっているということが大事なんじゃないのかなと思っております。  いずれにしても、国税を所管をしております私どもとしては、この制度は納税者の利便性が向上するし、また所得把握の効率化になりますし、適正化にもなると思っていますので、重要なものだと考えております。  いずれにしても、さっきも冒頭に申し上げましたように、この利便性をより高めて、ああ、こんな便利な物があるのかという話になっていくということになるでしょうし、今みんなスマホ使っていますけど、こんな盗聴されやすい道具、みんな簡単に使うもんじゃないなと私いつも思っていますけれども、こういったもの、もうしばらくすると、多分インターネットの専用回線なんてものは自分だけでできるような技術というのは必ずできるようになってくるだろうと思いますので、そういったものを含めまして、もうしばらくすると銀行の支店なんか全部、悪いけどATMとスマホ一丁あったら支店なんかなくなるんじゃないのと僕はよく言うんですけれども、それぐらいの技術、おまけにビットコインなんてものが入ってくると物すごい技術が進みます、社会が変わります。  そういったものに付いていきやすいようなものに徐々に徐々にしていかないと、ある日ぽんとそこに行くととてもじゃないと思っておりますので、そこらのところは丁寧にやっていくにしても、いずれにしても、これ幅広く利用していただけるということは大いに社会の変革につながっていくと、私はそう思っております。
  147. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  私も、ニーズとか具体的にちゃんと把握をしないといけないということも全く大臣おっしゃるとおりだと思いますが、最後におっしゃられたフィンテックが進んでいくということも考えますと、是非こちらの方も考えていっていいのかなと。マイナポータルも使い勝手が将来的に出てくるんじゃないかという大臣のお言葉もいただきまして、ありがとうございました。  それでは、関税定率法の方に行きたいと思いますが、今日は、私は、関税と税関というのはなかなか一般の方には分かりにくいテクニカルな世界な感じがいたしまして、それでちょっと資料を、自分の知的好奇心という部分も踏まえて実は質問させていただこうと思っております。  まず、御質問いたしますが、関税収入は我が国のGDP比でどれぐらいを占めておりますでしょうか。
  148. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) お答えいたします。  平成二十七年度におきまして、決算ベースでの関税収入額は一兆四百八十七億円でありまして、名目GDPに占める割合は約〇・二%となっております。
  149. 松川るい

    ○松川るい君 それでは、税収に占める割合はいかがでございましょうか。
  150. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) 実は、税収に占める割合ということで申し上げますと、五十八兆分の一兆円ぐらいということになりますので二%弱ぐらいという数字になりますけれども、ちょっと手元に数字ございませんで、恐縮でございます。
  151. 松川るい

    ○松川るい君 済みません、今配付をした資料のところに、ちょっと御覧いただければと思うのですけれども、税関における収納額は租税及び印紙収入、国税の約一五・四%に相当し、重要な役割を担っているということでございます。  それで、これ、税金の一部になるんだなということなので増えたらいいなと思うわけです。そこで、どうやったら増えるのかなといいますと、輸出入が増えると増えるのではないか、貿易が。そうすると、FTAとどういう関係があるのかなと。たくさん締結すれば、もしかするとたくさん増えるのかなとも思うわけですが、御案内のとおり、FTAというのは相手方の関税も無税にすることが、自分のところも無税にしますけれども、多いわけで、そうすると、必ずしも連動するかしないかよく分からないなと思いまして。  それで、これは実はちょっとお伺いしたいんですが、実際、FTAがたくさん締結されたことと税関の関税収入というのはどういう関係があるとお考えでしょうか。
  152. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) 今御指摘のEPAですとかFTAの締結が関税収入額に与える影響でございますが、これは二面ございまして、まず一つは、これらの協定に基づきまして関税率が引き下がり関税収入額を押し下げる効果と、その一方で、貿易の促進、円滑化等によりまして輸入が増加し、関税収入額を押し上げる効果と、この二つが一般的には存在すると思います。  ただ、実際の関税収入額ということで申し上げますと、FTA等における具体的な関税制度の変更内容ですとか、あるいは当該物品の市場構造、さらにはその時々の経済、為替の状況等、種々の要因によって決せられるというふうに考えておりますので、EPA、FTAの影響について一概に申し上げるということはちょっと困難であるということを御理解いただきたいと思います。
  153. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  そうなんです。実はちょっと好奇心でここにFTAの締結した時期を全部書き込んでみたんですが、連関は、この税関収納額の推移の下にFTAを締結したものを書き込んでみたんです。平成二十年にインドネシア、ブルネイ、フィリピン、ASEANと、たくさん締結しているので、施行されてからしばらくして効果が出るにしても何か関係があるかなと思いましたら、減っておりまして、余り関係がないんだなということが分かりました。  それで、そうすると、税関で働いている皆様、外から来る関税の収入、どうやって上げるのかなと考えまして、それでその次のページの配付資料に移るわけですが、輸入事後調査というものがございます。これ、要するに申告漏れになっているものを後から回収するという、そういう作業だというふうに承知をしておりまして、これはしっかり税関職員の方がその実力を発揮していただいてやっていただくと増えるのではないかなと思いました。  ちょっと時間が押してきたので、まとめての質問になるんですけれども、申告漏れによる追徴課税額は幾らなのか、そしてまた、その申告漏れというのは調査対象の輸入者の何%ぐらいなのか、教えていただけますか。
  154. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) お答えいたします。  平成二十七年七月から平成二十八年六月までの平成二十七事務年度の一年間に行った輸入事後調査における申告漏れ等による関税等の追徴税額は百四十五億九千九十一万円でございます。これは、事後調査を行った輸入者四千三百二者のうち、申告漏れ等のあった輸入者は二千九百七十七者でございまして、申告漏れ等の割合は六九・二%でございます。
  155. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  私、最初、七割もそんな払っていないというか、申告漏れがあるのかと思って驚いたんですが、実はここは、時間がちょっと押しているので、私の方で教えていただいたことを御紹介したいと思うんですが、早く通関させてあげないといけない、税関を通してあげるという要請と、それから、しっかりと、後からこれはどうかなというところを調査していただくというところのバランスでこうなっているということでございますので、そんなに申告漏れがあるのかというわけでは必ずしもないということでございます。  むしろ、税関の漏れてはいけないものは、次のテーマなんですが、次の資料四、見ていただきますと、東京オリンピックもあと三年に迫りまして、テロ対策、もちろん麻薬も急増しておりますので、この水際対策が非常に大事になっていると思うわけです。ここに関して税関が果たしている役割、非常に大きいと私、考えております。  まず、テロに関係しまして、国際組織犯罪条約、いわゆるパレルモ条約というのが今まさに本国会でも審議対象になっているわけですけれども、ここについてちょっと御質問したいと思います。  このパレルモ条約の締結国は何か国で、そして、未締結の国にはどのような国があるかについて教えていただけますでしょうか。
  156. 水嶋光一

    ○政府参考人(水嶋光一君) 我が国といたしましては、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピック、その前の年にラグビーワールドカップを控えております。テロを含む組織犯罪を未然に防止をする、そしてこれらの国際大会を安全に開催するためにも、国際組織犯罪防止条約の締結に必要な国内法の整備を行って本条約を締結することは極めて重要だと考えております。  委員今御質問ございましたこの条約についての締結国でございますが、平成二十九年三月現在、百八十七の国と地域が締結をしております。未締結の国でございますが、国連加盟国のうち未締結は、我が国を含めまして、ソマリア、南スーダン、ソロモン諸島などの十一か国でございます。
  157. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  ちょっと時間が押してしまって、大変申し訳ないと思うんですけれども、この要するに十一か国、未締結の国は、例えば生まれたての南スーダンであったり、また九一年から内戦状態にあるソマリアであったり、その締結はなかなか準備が難しいだろうなという国と日本が並んでいるということになっているわけでございまして、私は、オリンピック開催国としてしっかりこの条約は締結をしていく必要があると考えております。  テロ対策に関しまして、その水際取締りの強化について今回の改正でどのような改善がなされたか、教えていただけますでしょうか。
  158. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) お答えいたします。  御指摘のとおり、近年、我が国に対するテロの脅威が高まる中で、税関においてはテロ関連物資等の水際取締りに万全を期す必要があると考えております。  我が国のテロ関連物資等の流入を未然に阻止するためには、税関がより充実した情報をより早い段階で電子的に入手することが極めて効果的であることから、今回の法案では事前報告制度の拡充をお願いしているところでございます。具体的には、これまで入手していました入国PNR、これは乗客予約記録でございますが、これに加え、出国PNR等の事前情報を入手するということをお願いしておるところでございます。  税関としては、こうした事前情報を活用し、一層厳格な税関検査を実施することにより、テロ関連物資等の流入阻止に努めてまいりたいというふうに考えております。
  159. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  もう御案内のとおり、訪日客も非常に、大変有り難いことでありまして、増加しております。平成二十三年から二十八年までの五年間で旅行者は千七百八十二万人、三八六%の増であります。税関職員は、この間、二百四十二人、一〇二%の増でありまして、大変厳しい財政状況の折、増加していただいていることは大変私は有り難いと思うわけですけれども、やはり一人の人ができる仕事がスーパーマン的に四倍も五倍も増えるわけではございませんので、今後のオリンピック、それから観光立国としてインバウンドを重視している我が国としまして、非常に重要な税関の課題に対応していくためにも、税関職員につきまして必要な定員確保についてお願いをしたいと思いますが、大臣の御決意をお願いいたします。
  160. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 税関はちょっと、人を増やせばいいといっても、ある程度の能力、技術というのを要求されますので、入社して、はい、次からなんというような仕事じゃありませんので、かなりの訓練を要するということも含めて、少なくとも私どもとしては、これもインバウンドというか、国際線なんか全然降りてくることのなかった佐賀空港なんというのに、福岡で降りられないから全部佐賀に飛行機は降ろしますって。佐賀まで税関をそのときだけ持っていかないかぬということになるやら何やら、ちょっと正直、かなり過重労働の極みみたいな話になっていると思っておりますので、何とかしなくちゃいかぬということで、少なくとも、これだけいろんな形で人数が減っております中で、このところ二十五年までずっと減っていたので、平成二十五年は減らしておりましたものを、二十六年から二十九年まで四十人、百三十一人、百十九人、百三十七人と四年連続増やさせていただいて、今九千百人まで増えてきておりますが、それでも今の二千四百万人のいわゆる旅行客が更に四千万まで増えるということになると、これとてもじゃないだろうという感じはいたしておりますけれども。  いずれにしても、機械等々を含めまして、税関職員プラス機械による捜査も随分発達しておりますので、そういった意味で、現場職員の過重労働というのを、同時にこれきちんとした水際対策をやり切るというのは、先ほどの麻薬の話も去年一挙に一トンぐらい増えておりますので、そういった意味ではきちんとした対応を我々はきちんとやってまいりたいと考えております。
  161. 松川るい

    ○松川るい君 委員長、ありがとうございました。
  162. 藤末健三

    ○藤末健三君 私、民進党・新緑風会の藤末健三でございます。  本日は、関税定率法等の一部を改正する法律案について御質問申し上げます。  私は、やはりこの関税というのは非常に我が国にとって重要なものだと考えます。よく日本はもう貿易立国ではないと言う人もございます。実際に、GDPに占める輸出の割合、今一六%程度に落ちておりますので、貿易が日本を支えているんじゃないと言う方もおられますが、一方で、二〇一五年のデータを見ますと、石油や鉱物性燃料の輸入、十八兆二千億円ございます。また、食料の輸入は七兆円、カロリーベースでは四割の自給しかない状況、そしてまた、医薬品の輸入が増えていまして、今、二兆九千億円、これも輸入に頼っているという状況でございまして、やはり我々は、エネルギーや食料、そして医薬、医療等も海外に頼らないと生きていけないという状況でございます。  そういう中で、私は、貿易の管理を担う税関の方々は非常に重要な地位を占めていると思っておりまして、同様に、先ほども松川委員から御質問ございましたけれど、実際の関税の税収は大体一兆円というふうになってございますが、実は税関で受け取る消費税、地方消費税を含めますと約九兆円近くになっているという状況でございまして、これは、国の税収、約その一六%を占めているという状況でございます。そういう意味で、非常にこの関税というのは重要である中で、ただ、冒頭で御質問申し上げたいのは、やはり財務省の信頼の問題が私はあるのではないかと思います。  今、約九千二百人の方々がこの税関に携わって働いていただいている中で、今、森友学園に対する国有地の売却の問題でございますけれど、ございますのは、やはり、価格がまず公開されなかった、そして非常に特例を用いて契約が進められた、また、産廃、廃棄物で八億千九百万円も値引きをしたのに、その産廃、廃棄物の処理の値段がよく分からない。そして何よりも、財務局において関係する書類が全て廃棄されたという状況でございまして、非常に私は財務省の信頼を大きく落としているのではないかと思います。  そういう中で、是非これは関税局長にお聞きしたいんですけれど、一万人近くの方々が働いているその組織のトップとして、どのようにこの財務省の信頼が失墜したことをお考えであるか、お聞かせください。
  163. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) 御質問の件につきましては、所掌外の事項でございますので、お答えする立場にございませんことを御理解いただきたいと思います。
  164. 藤末健三

    ○藤末健三君 所掌は関係ないというか、私がお聞きしているのは、税関で働いている方々が九千百七十八人でしたかね、たしかおられるはずです、そうですね、九千百七十八人。そういう方々が恐らく、あなたが働いている組織どうなっているのというふうに不安があると思うんですよ。それに対して、私は関係ないとおっしゃるわけですか。
  165. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) 大変恐縮でございますが、私がこの場所に出させていただいておりますのは、行政に関する細目的又は技術的事項についての審査又は調査を行うためということで、政府参考人の立場でお答えさせていただいております。そういう意味で、職員としての見解をお答えする立場にないことを御理解いただきたいと思います。
  166. 藤末健三

    ○藤末健三君 これ、水掛け論になりますからこれで終わりますけれど、やはり信頼の問題は非常に大きいので、それを是非配慮していただきたいと思います。  それで、私、この中身に入らさせていただきますが、この関税の問題と関係ありますのは、やはり経済連携の問題、自由貿易の問題でございますが、まず越智副大臣にお聞きしたいんですが、TPPの今後の見通しをお聞かせください。お願いします。
  167. 越智隆雄

    ○副大臣(越智隆雄君) 三月の十五日に、アジア太平洋地域における統合イニシアティブに関するハイレベル対話というのがチリで行われたわけですけれども、それに合わせまして、米国が離脱して初めてTPPの閣僚会合が開かれました。ここにはアメリカを除くTPP署名国十一か国が出席し、日本からは石原大臣の代理としまして私が出席をいたしました。  その会合におきましては、TPPの持つ戦略的、経済的意義に変わりはないこと、そして、今後のTPPの進め方については各国が緊密に意思疎通していくことが重要であること、あらゆる選択肢を排除せずに、各国と議論する中で何がベストか主導的に考えていきたいという旨、発言をしてまいりました。  閣僚会合の結果としまして、十一か国は今後も結束して対応することを確認する意味で共同声明を発出するということになりました。そして、アジア太平洋地域における経済統合を実現する議論を前に進めていく必要があることについて、各国で共有されたというふうに認識しております。具体的には、五月のAPECの貿易担当大臣会合に合わせましてTPP閣僚会議の次回会合を持つことがその共同声明の中に盛り込まれまして、今後の方向性について議論をするということで合意されたということでございます。  今後とも、我が国が持つ求心力を生かしながら、各国と緊密に連携し、先ほど申し上げたとおり、あらゆる選択肢を排除せずに何がベストか主導的に議論を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  168. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、越智副大臣、TPP、僕はアメリカ抜きで進めてもらいたいと思うんですね、実は。私は、いろいろな議論はありますけど、TPP自体にはもう賛成でございまして、ただ、アメリカがなければ意味がないという議論が多いですけど、私は逆にアメリカがなくても意味があると思っています。なぜかと申しますと、我が国からアメリカに対するタリフ、関税のバリアはそんなに高くはない、正直申し上げて。実際に合意されたTPPにおいては、論点になった自動車、あとピックアップトラックなんかの関税、もう二十年とか二十五年でゼロにしましょうという議論で、私は魅力的ではなかったと思います。  一方で何が大事かと申しますと、アジアの国々に対する、我々がマーケットアクセスができる、金融のアクセスができるというのは非常に大きいものがあると思っていましたので、私はアメリカがなくても、抜いてTPPを進めるべきだと思うんですが、その点いかがですか、越智副大臣。
  169. 越智隆雄

    ○副大臣(越智隆雄君) TPPについては何とか前に進めていきたいというふうに考えております。  そういう中で、あらゆる選択肢を排除しないというふうに申し上げましたのは、あらゆる選択肢を排除しないということでございます。  日米間におきましては、安倍総理とトランプ大統領が何度か会談をしているわけでございますけれども、そのたびにTPPの意義について安倍総理からトランプ大統領に説明をしているということでございます。また、日米共同宣言の中におきましても、日本がTPPを含めたイニシアティブについて推進していくということについてアメリカも理解しているというところでございますので、そういう中で、五月の次回会合に向けて各国としっかりと議論を進めていきたいというふうに考えております。
  170. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非議論を進めていただきたいと思います。  また、僕は越智副大臣にお願い一つありまして、今のTPP対策本部のトップみたいな位置付けになっているじゃないですか、組織的には、TPP対策本部。後でまた御質問、野上官房副長官にさせていただこうと思っているんですけど、もうTPP対策本部はやめて、経済連携対策本部に看板替えてほしいということをここでちょっと申し上げておきます。御回答は結構でございますので。  それで、このTPPに関連しましては、アメリカが離脱の方向になり、日米経済対話が始まると。恐らく、日米FTAというものが議論されるんではないかと思います。その中におきまして、私は、一つこの関税問題に関係してお聞きしたいのは、仕向地課税と。まあ、国境調整税という議論が実際に起きている状況でございます。これは三宅委員からも前御質問されていたみたいでございますけれど、トランプ大統領が出てきたからこのボーダー・アジャストメント・タックスという、国境調整税が出てきたというふうによく思われていますけど、実はこれは昨年の六月時点で下院の共和党議員が、ポール・ライアン下院議長を始めとする共和党の下院議員が提案しているというものであります。  どういうものかと申しますと、アメリカが外国に物を売るときには課税はされないというものを、外国から入った物、輸入品に対しては二〇%税金を課しましょうと、販売のときに。消費税みたいなものでございますが、輸入品だけにそういう消費税を課そうというようなアイデアになってございます。実際にこれを行いますと、十年間で一兆ドルの増収になるという計算もございますが、一方で、我が国のようにアメリカに対して輸出を行う国にとっては大きな打撃になるのではないかと思います。  このようなこれからの日米経済対話、日米FTA、そしてこの国境調整税みたいなものに対する日本企業への影響等につきまして、そしてその対応について、麻生、これ財務大臣ではなく恐らく副総理大臣というお立場かもしれませんが、あと、経済産業省も見解を聞かせていただけませんでしょうか、お願いいたします。
  171. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、国境税というのは、これは法人税ですかね。個人税、法人税、どっちです。両方。ということも分からないでしょうが。俺たちも分からないんだから答えようがないんですよ、これ。誰も知らないもの。こっちがどっちですと聞いても、向こうも答え切らない。その程度の話ですよ、まだ。  だから、余りこの種の話は、大変だ大変だといって向こうの思うつぼにならないようにしておかないといけないと思って、うかつな答弁だけは避けたいと思っていますけれども、少なくとも個人税なのか法人税なのかも全然分かっていない段階で具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っておりますが。  いずれにしても、今、藤末先生、向こう、人いないんですよ。やっと大臣というかセクレタリーと称する閣僚が決まった段階で、デピュティーもアンダーデピュティーも全く決まっていませんから。今ジャスター一人かな、一応決まっているのは。だから、話はジャスターと。  ほかにだって、もう知っていますよ、名前、我々、次になるやつは。その人たちが上院で署名されるまでにあと何日掛かるんですといったら、ううん、何か月といったら、ううん、半年以内といったら、半年かなという人たち相手に私ら交渉しているんですから。政権交代というのはそんなものなんですよ、アメリカの民主主義なんというレベルは。お役人さん、三千百人いませんから。日本でも官庁街から三千百人、局長、審議官がいなくなったら、これ、全部いませんから、全くもちませんよ。私は、そういう人たちを相手に今から交渉するので、余り焦らんと、もうちょっと待っておかぬとどうにもなりませんね、これ。私は話をしようがないと思って。  今度、四月、来ても、大体アジェンダだけは全部出してありますよ、うちはこういうスタッフでやりますと。うちはでき上がっていますからと。向こうはちょっと待ってくれという話ですというのが今の現状です。
  172. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 経産省にも求めますか。
  173. 藤末健三

    ○藤末健三君 はい。経産省、お願いします。
  174. 中川勉

    ○政府参考人(中川勉君) 仕向地課税についての御質問ございました。  まさに委員御指摘のとおり、この議論は、昨年六月、米国の下院の共和党で出されました税制改革案の中に出てきた議論ということを承知しております。他方、トランプ大統領も、いろいろな場所で、法人税率の引下げでございますとか国境税の導入等に言及しておるところでございます。  ただ、中身につきましては、麻生大臣から御説明もありましたとおり、いまだ具体的な税制改革については米国政府及び議会において検討、調整中というふうに承知してございます。また、米国の産業界の中におきましても、輸入時の負担増につながることを懸念して反対する声も上がっておるというふうに承知しております。  現時点におきましては、米国における税制改革の詳細についてはいまだ明らかになってございませんので、そうした状況の中で具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
  175. 藤末健三

    ○藤末健三君 麻生大臣は、フランクな本当に答弁ありがとうございました。  私も、アメリカ側が体制できていないというのはもう聞いておりまして、ただ一方で、是非、麻生大臣の下にやっぱり体制つくっていただきたいと私は思います。  実は私、経済産業省という役所、当時通産省におりまして、日米構造協議というような当時名前付いていたんですけれども、あれでスーパーコンピューター導入担当だったんです、実は。当時を思うと、もうほとんどアメリカとの交渉で一日が終わっていたんですけれども、やはり私は、そのときに思ったのは、役所がばらばらだったんですね。例えば、外務省がいて経済産業省がいて、あと文部科学省がいますよと。当時は郵政省という役所がありました。  是非、私は、麻生大臣の下に各省庁横断したチームでもつくって対応していただく、そういう準備、逆に向こうが準備できていないからこそ、麻生大臣の下に本当に全省庁が力を合わせて議論をする体制をつくっていただきたいとお願いさせていただきたいと思います。  私は、先ほど申し上げました国境調整税とともにちょっと心配しているのがNAFTAの見直しでございまして、このNAFTAの見直し、日本企業や日本経済にどう影響あるかということを経済産業省、簡単に御説明ください。お願いします。
  176. 中川勉

    ○政府参考人(中川勉君) NAFTAの再交渉の方針につきましては、トランプ政権就任とともに改めて表明されるなど、そういう方向で検討が進められておるというふうに承知しております。  NAFTA地域につきましては、米国はもとよりメキシコ、カナダにおきまして、自動車メーカーや自動車部品メーカーを始めとして多数の日本企業が進出しております。具体的には、メキシコには九百五十七社、カナダへは八百社、合計で千七百五十七社の日系企業が進出しているという状況でございます。  このうちメキシコにおきましては、日産、ホンダ、マツダ、トヨタなどが自動車の現地生産をしておりまして、年間百三十万台を生産してございます。さらに、そのうち七十二万台を米国及びカナダといったNAFTAの域内に無税で輸出しておるという状況でございまして、まさにNAFTAを活用した企業活動が行われているというふうに承知しております。  ただ、このNAFTA見直しの交渉につきましても、具体的に何がどう議論されるのかということにつきましてはこれからという状況でございます。そういう状況の下で、NAFTA見直しの影響について、予断を持って日本政府として発言することは差し控えさせていただきたいというふうに思ってございますが、こうした日本企業の進出状況も踏まえますと、我が省といたしましても交渉の行方を注視していきたいと考えてございます。
  177. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非分析を進めていただきたいと思います。  これは一つの仮定で計算されたものでございますが、先ほど申し上げたような国境調整税が導入された場合、日本の自動車メーカーにどういう影響があるかということをある調査会社が計算しているんですけれど、トヨタの場合、二〇一八年三月期の純利益予想が三九%落ちるという予想、あと、ホンダは四四%落ちるという予想、そして日産に至っては、メキシコの工場大きいですから、五四%、そしてアメリカに工場を持っていないマツダは何と一〇二%減と、これ赤字になるという予想。これはちょっと極端な仮説で、仮定で計算はしているものの、よほど大きな影響があるのではないかと思いますので、経済産業省はちょっと準備をきちんとやっていただきたいと思います。  それで、アメリカのことだけをちょっと中心にお聞きしておりますが、もう一つお聞きしたいことがございまして、実はこの三月一日にUSTRがトレード・ポリシー・アジェンダというものを公表しております。非常に分厚い英語の資料でございますが、ある程度読んでみますと、やはり日本に対する言及、多くございました。このトレード・ポリシー・アジェンダにつきまして、恐らくもう外務省も経済産業省も分析されていると思うんですが、日本企業への影響、そして経済への影響をどのように見るか、教えていただけませんでしょうか。お願いします。
  178. 飯田圭哉

    ○政府参考人(飯田圭哉君) お答えいたします。  委員御指摘のように、三月一日、米国通商代表部、USTRでございますが、二〇一七年通商政策課題及び二〇一六年年次報告を公表したということは承知をしております。  その内容でございますが、米国国民にとってより自由で公正な形での貿易を拡大するということを基本原則として、米国の経済成長、雇用創出、貿易パートナーとの相互利益の促進のための貿易を進めることを明記するなど、現時点でのトランプ政権の考え方を表明したというふうに承知をしております。  その中では、二国間交渉に焦点を当てる等の指摘はございますが、そういう点につきましては、日系企業及び日本経済への影響について、またこれも今後具体化されていくことと思いますけれども、現時点で予断を持って申し上げることは差し控えますが、今後の動向については十分注視をしてまいりたいというふうに思っております。
  179. 中川勉

    ○政府参考人(中川勉君) 同様に、米国のトレード・ポリシー・アジェンダといいますものは、現時点におけるトランプ政権の通商政策に関する方針を表明したものというふうに承知してございます。  これが我が国企業や産業にどのような影響を与えるかということでございますが、まさに今回出されました二〇一七年通商政策課題の中で示されております基本指針であるとか目標であるとか、そういった下で具体的にトランプ政権がどのような政策や措置をとっていくかと、そういったことを引き続き注視していく必要があるというふうに考えてございます。
  180. 藤末健三

    ○藤末健三君 私はこれ読んで、トレード・ポリシー・アジェンダ、もう割とむちゃくちゃなことを書いてあるなと思うんですけど、私はトランプ大統領はこのとおりやるのではないかと思っています、今までの動き見ていると。  ちょっとポイントだけピックアップしますと、まず一つございますのが、アメリカの主権を守る、ソブリンを守るということを書いておりまして、何かというと、WTOの枠組みには従わないよと書いてあるんですよ、明確に。明確に。まずそれが一つありまして、恐らくこれから日本とアメリカが経済対話を、若しくは日米FTA等を議論することになると思うんですけれど、恐らくWTOで仲介してくださいねということはできなくなるんじゃないかなというのがまず一つ思いました。  また、アメリカの通商法を厳密に執行するということも書いてございまして、ドメスティックな法律をきちんと執行するということが書いてございまして、これも恐らくアメリカ内で法律を作り、それをほかの国も守らせますよというような議論も多分されるのではないかなと思います。  そして、他の国の市場開放、マーケットアクセスを、あらゆるポリシーメジャーを使って、政策を使ってやりますよと書いてある。あらゆる手段、恐らくいろんなことをやると思うんですよね、正直に申し上げて。  また、新しい通商協定を作っていきますということも、バイラテラル、二国間の協定などを作るということも書いてございまして、そのような非常に大きな方針が示されたわけでございますが、余り日本の新聞とかには載っていませんでしたけれども、私はもう大きな方針がこれで出ていると思っています。  ですから、これから注視しますよという話じゃなくて、役所の方々はある程度前提を置いて準備をしてもらわなきゃ困ると思うんですよ、私は。実際に交渉されるトップの方はやっぱりきちんと構えていただくのは当然と思う。ただ、実際に支える人たちが、いや、これから注視しますよじゃ駄目じゃないんですか、これ、はっきり言って。  いや、ごめんなさい。どう思います、外務省と経産省。
  181. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日本の総理大臣、多数を取っている総理大臣と、大統領の場合、例えば今回のトランプ大統領就任のとき、覚えておられると思いますが、オバマケア・フェイルド、そう言い切ったよね、五回も。そして、対案を出したんですよ。そうしたら、議会でどうなりました、否決ですよ。恥ずかしいやね、俺はそう思わなきゃおかしいと思いますよ。自分で出したんだぜ、否決よ。自分の議会対策から最初にやったらって。それができない人なんか相手になんて我々できませんよって。おたくら国際連盟つくって、それでどうしたの、国際連盟は。入らなかったのは自分たちじゃなかったの。  歴史というのはちょいと勉強すれば誰でも知っていますよ、それぐらいのこと。だから、やれるなら、まずそこはちゃんとやれるようにしてくれないと、こっちもできませんわな。そこがやっぱり、このペンスという人に与えられているのは議会対策ですから、ポール・ライアンとこのマイク・ペンスはそこが最大の仕事なんだと思いますから、それができるようになってからじゃないと、いろんなことを言ってきても通らないんだから、議会の場合は。そこがアメリカの場合の今から抱える最大の問題だと思います。
  182. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) いいですか。
  183. 藤末健三

    ○藤末健三君 いや、役所の人たちにちょっと決意を。
  184. 飯田圭哉

    ○政府参考人(飯田圭哉君) 今の報告書につきましては、委員御指摘のように、いろんな諸点ございます。そういう点は当然承知をしておりますので、そういう面も含めて十分準備をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  185. 中川勉

    ○政府参考人(中川勉君) 経済産業省といたしましても、同様に十分な準備、検討をしていきたいと考えてございます。
  186. 藤末健三

    ○藤末健三君 それでは、アメリカの関係ではこれで終わらさせていただきまして、ほかの国の経済連携協定について質問をさせていただきたいと思います。  まず、日本とEUの経済連携協定でございますけれども、今どのような状況になっているかということを、あと今後の見通しを外務省と経済産業省に簡単にお聞かせいただきたいと思います。  私は、TPPよりもこの日本とEUの間の経済連携協定の方が企業や産業界にとってはプラスになると、大きいと思っています。なぜかと申しますと、例えば車でありますと、韓国はもう既にEUとの間に、二〇一一年にフリー・トレード・アグリーメントを結んでいます。もう我々は七年以上遅れているという状況、七年近く遅れることになると思うんですが、乗用車で一〇%の関税、そしてカラーテレビで一四%の関税が掛かっておりまして、我が国のやはり自動車産業、電機産業は大きく韓国にディスアドバンテージ、不利になっているという状況になっていますので、これをとにかく変えていかなきゃいけないと私は考えますが、この日本とEUの経済連携協定の見通し等を経済産業省と外務省、教えてください。簡単に教えてください。
  187. 飯田圭哉

    ○政府参考人(飯田圭哉君) お答えいたします。  委員御指摘の日EU・EPAというのは大変重要な協定ということは十分認識しておりまして、三月二十一日には日EU首脳会談が行われましたけれども、世界的な保護主義の動きが広がる中、日EUが自由貿易の旗を高く掲げていくという、そういうことが非常に重要だということで認識を一致しています。  その観点から、日EU・EPAについても可能な限り早期の大枠合意に向け双方が精力的に取り組んでいくという強い政治的意思ということでコミットメントを確認したところでございます。  また、委員御指摘のように、韓国のEPAの事情等も十分踏まえますと、この日EU間のEPAは、雇用創出、企業の競争力強化を通じ経済成長に資するものというふうに我々考えておりますので、全力を挙げて精力的に交渉に取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
  188. 中川勉

    ○政府参考人(中川勉君) EUでございますが、委員御指摘のとおり、韓国との間では既に自由貿易協定が二〇一一年に暫定発効してございまして、乗用車については一〇%の関税が撤廃されておるという状況でございます。  他方、言うまでもなく、EUは我が国にとって非常に重要な貿易投資相手国でございまして、自動車について申し上げれば、二〇一六年、日本からEUに向けて五十八万台輸出してございます。さらに、EU域内において日系の自動車企業が百四十九万台を現地生産しているという状況でございます。  他方で、かかる状況の中で、EU市場における日本企業の競争条件を改善していくことというのは非常に重要であるというふうに考えてございます。その観点からも、日EU・EPAの可能な限り早期の大枠合意の実現に向け交渉を継続しておるところでございます。
  189. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、精力的にやっていただきたいと思います。  やはり私自身が思いますのは、EUとの交渉もちょっと遅れ始めている中で、あとRCEPのことも多分同じ回答だからもう聞きませんけど、RCEPの動き、あと日中韓という枠組みも動いているわけでございますが、私は何を申し上げたいかと申しますと、個々の話を聞いて、これは頑張ります、これも頑張ります、これも頑張りますと、みんな頑張りますという話をされているという状況になっています。私自身、政権与党時代にこのTPP等も担当させていただきまして、実は米韓FTAを結んだ韓国に四回実は出張して話を聞いてきました。そこで幾つか印象的なことがありますので、ちょっと幾つか提案をさせていただきたいと思います。ちょうど野上内閣官房副長官が来ておられますので、是非、これは提案でございますので聞いていただきたいと思うんですけど、一つは、私は経済連携協定のこのロードマップを作成していただくべきではないかと思っています。  何かというと、韓国は、今、これ二〇一六年十一月時点のデータですけれど、貿易における自由貿易協定、FTAのカバー率が六七・四%でした、当時。これがどんどんどんどん増えている。じゃ、一方で、我が国が二〇一六年十一月時点の貿易における経済連携協定、自由貿易協定のカバー率は二二・七%、三倍違ったんですね、三倍。ちなみに中国は、二〇一五年末でございますけど三八%と、何と日本の二倍になっています。何で日本が、貿易立国である我が国が自由貿易協定、経済連携協定のカバー率が二割ぐらいしかいかないのという話考えたときに、何があるかと申しますと、やはり計画的に戦略持ってやっていないことじゃないかなというふうに私は思っています。  韓国は実際にこのFTAロードマップというのを二〇〇三年に作って、どの国からどういう順番でいつまでに交渉するかということをプランニングしているんですね、彼らは。貿易が大きい国からやりましょう、なるべく達成、合意がしやすい国からやりましょうという三つか四つのルールを設けて、そしてどこの国からどうやっていくかというロードマップを作り、政権が替わっても実はそのロードマップを使ってやっています、彼らは。それがゆえに、特に貿易が大きい国、例えばアメリカであり、そしてEUであり、中国といったところから順番にやっていこうと。  ただ、我が国を見ていると、逆に何が起きているかというと、結びやすい小さな国がどんどんどんどん進むけれど、僕は政府を批判するつもりはありませんけど、TPPができたら一気にやっと三〇パーぐらい増えますよという説明していたんですよ。ただ、うまくいかなかった。まだ二割台ですよ。  ですから、私は、やっぱり戦略的にロードマップを作っていくということを是非やっていただきたいと思いますし、その際には何をお願いしたいかと申しますと、やはり学術的なバックアップが必要だなという、我々も反省ありますけど、例えばTPPの経済効果何%ですかといったときに、農水省はデータを挙げ、経済産業省はデータを挙げて全然違いますよと、内閣官房から出たデータも全く違ったというのが我々の経験です、これ。ではなく、やはり第三者できちんとした機関が計算したデータに基づき、ここは経済効果が大きいから急ぎましょう、ここは少ないからゆっくりやってもいいですねという、そういう議論が必要じゃないかと思っています。  ちなみに、韓国に伺ったときには、FTAの分析だけを行うFTA研究センターというのを韓国政府がつくっていました、大学内に、お金を出して。それぐらいのことをやらなきゃいけないと思うんですが、まずその点について、野上官房副長官、いかがですか、見解をお聞かせください。
  190. 野上浩太郎

    ○内閣官房副長官(野上浩太郎君) お答え申し上げます。  学術的なバックアップが必要だという御指摘でございますが、これまでも我が国は、EPAの交渉前にシンクタンク、大学等の外部の専門家に経済効果の分析を委託して、その結果も踏まえた上で実際の交渉に入るようにしてきております。また、通商戦略の企画立案に当たっても、外部の戦略家による提言なども参考にしてきておりまして、今後とも様々な知見を活用しつつ、各EPAの交渉に当たっていきたいと考えております。  質の高い通商交渉人材の拡充、育成というのは御指摘のとおり大変重要な課題であります。これまでも、大学関係者ですとか弁護士などを交渉官として採用してきているほか、各種の研修制度の充実や専門性を考慮した人事配置等、政府としても通商交渉の人材育成に努めております。  委員の御指摘も踏まえまして、政府としても、引き続き外部の専門機関とも緊密に連携するとともに、優秀な人材の拡充、育成に努めてまいりたいというふうに思っております。
  191. 藤末健三

    ○藤末健三君 今の状況を申し上げますと、担当官がいて、外部の大学の先生に何か研究調査委託している感じなんですよ。結局、ばらばらにやっているもんだから、恐らく出てくるデータ使えないと思うんです、僕、今の状況ですと。そういう分析の担当者の人はいるけれど、じゃ、お金幾ら使っているかというと、ほとんどその調査費もないような状況でございまして、ちなみに、この韓国がつくったFTAの研究センターは、わざわざアメリカからシカゴ大学の教授を呼び戻したんですよ、お金積んで。全体予算聞いていませんけど、億レベルのお金を使って十六人ぐらいの研究者を集めて、分析だけのためにつくっている。一つの国のレポートはこんなに分厚かったですよ、電話帳みたいに。私、見てきました、実際に。  そこまでやった上で、じゃ、どの国からやっていきましょう、どこの国がやっぱりメリットが大きいですかということを分析した上で、順番を決めてスケジュールつくってやっているというのが彼らのやり方だったんで、これは私はまねしていいんじゃないかと思います。ですから、何か今の役所の体制でという感じではないと思っています。  特に私が思いますのは、TPP対策本部というのができてはございますけれど、是非、経済連携協定対策本部に変えていただいて、経済連携協定全体を見て調整しながら進むという体制をつくるべきではないかと思うんですが、いかがでございますか。これ、越智副大臣も是非、もしよかったら答えてください。野上さんと一緒に。
  192. 野上浩太郎

    ○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 経済連携交渉の推進に当たりましては、これまでも官邸の指揮の下、各省庁間で緊密に連携をしつつ、政府一丸となって取り組んできております。  例えば、御案内のとおりでありますが、TPPについては、主要閣僚会議の下で内閣官房にTPP政府対策本部を立ち上げて、交渉等の総合調整を担う体制を取っております。また、日EU経済連携協定交渉につきましては、岸田大臣を総合調整担当大臣とするとともに、主要閣僚会議を立ち上げるなど、交渉に応じて適切な体制を構築しているところであります。  ほかのEPA交渉についても、これは国益の確保、これを大前提とした戦略的な経済連携を推進すべく、各省庁は緊密に連携をして交渉に当たっております。その結果、これまで二十か国と十六のEPAを署名、発効させるなど、着実に成果を上げてきていると思いますが、いずれにしても、政府一体となって、複数のEPA交渉を精力的に推進していきたいというふうに考えております。
  193. 越智隆雄

    ○副大臣(越智隆雄君) TPP対策本部としましては、TPPに関係することにつきまして、必要に応じて政府部内の各部署と連携しながら進めてきたところでございます。  その範囲を超えることにつきましては、ただいま野上副長官から答弁されたとおりだというふうに思います。
  194. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、体制を強化して進めていただきたいと思います。私はやはり、経済連携協定を進めることは、経済力又は企業の活動に大きく資するものだと思いますので、進めていただきたいと思います。  せっかくですから、これは回答は要りませんけど、もう一つやっていただきたいと思っていますのは、実は、経済連携協定締結の手続を定型化していただきたいということであります。  何かと申しますと、これも韓国ばっかり参考にして申し訳ないんですが、韓国は韓米のFTAのとき、すごい国内でもめまして、国会も大きく荒れたという状況でございます。その中の反省におきまして、二〇一一年に、通商条約交渉に関する国会の情報開示を行うための通商条約の締結手続及び履行に関する法律という法律を作っています。  これは何かと申しますと、交渉状況をきちんと情報開示して、国会で報告し、そして国民の皆様に伝えるという、そういう手続を決めた法律でございますが、私は、実際に昨年、TPPの議論をする中で、情報がきちんと開示されていないという中で進んでしまったなというところは否めないと思っています。ですから、そういう手続を進めるような、通商条約の締結の手続を進めるためのやり方を決めるというのも必要じゃないかと思います。  最後に、税関職員の人材の確保について御質問させていただきます。  先ほど松川委員からも質問していただきましたけれど、今の税関におけるいろんな業務を見ますと、例えば平成十七年と平成二十七年を比較しますと、輸入申告件数は大体一・五倍になっています。あと、入国者数も約一・五倍になっていると。また、先ほど麻生大臣からも増員しているよという話がございましたが、平成十七年と平成二十七年を比較すると、増員の率は大体八・四%という状況でございまして、業務が大体一・五倍になっているにもかかわらずその増加率は少ないのではないかと。実際に、平成二十八年の訪日外国人旅行者数は二千四百三万人と、過去最高になっているという状況でございまして、この増加率を見ますと、平成二十三年から二十八年までの五年間で、旅行者数は千七百八十二万人、三八六%増という状況でございます。  このような中、オリンピックに向けて、また外国人観光客を日本に受け入れるインバウンドを増やしていく中で、この人材の確保につきまして、これ、財務大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。
  195. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども松川先生の御質問にお答えいたしましたように、この四年間で毎年、総量規制で各省が減らしている中で、この税関職員については三桁の大台でずっと三年連続増やしてきておりますので、今の状況というので、私どもとしては、経験が要りますものですから、定年のところを延ばして対応したり、いろんな形でやらざるを得ないところも幾つもありますけれども、私どもとしては、引き続き、総量規制のある中、税関職員につきましては非常事態に近い状態だと思っておりますので、対応させていただきたいと存じます。
  196. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非よろしくお願いします。  これで終わらさせていただきます。ありがとうございました。
  197. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  午前に引き続きまして質問に立たせていただきました。ただ、今日は関税定率法等の改正ということでありますが、今度は、午後は更に短くて十分間という持ち時間でありますので、ちょっと議論を組み立てるのが難しい。今日のところは、この法改正に絡みまして、今後の議論のちょっと端緒となりそうなところ、幾つか御確認をさせていただきたいなというふうに思っております。  まず初めに、税関行政の一つの使命というのは貿易の円滑化であるということであります。それを鑑みまして、先日行われましたドイツのG20、あのG20でニュースになったのは何かというと、やっぱりもうあの声明文のところでありまして、これ、この委員会でも何度も触れられておりますけれども、当初盛り込まれていたあらゆる形態の保護主義に対抗するというこの文言が最後削られてしまった、削除されたというところがやっぱり一番ニュースになったわけであります。  この点に関しましては、例えば今国会の議論におきましても、また記者会見等でも、麻生大臣の方からこれ何度も繰り返し、自由貿易の重要性というのはG20の間で共有されたんだということが、これ答弁していただいた、表明していただいたわけであります。こうはっきりおっしゃっていただいているんですけれども、ただし、やはり今、諸情勢いろいろ見てみますと、特に米国のTPPの離脱の表明から始まりまして、NAFTAの見直しですとか、ちょっとトランプ政権の始まって以来、この発信を見ていくと、やっぱりこれ内向き志向、ちょっと保護主義の台頭ということがやっぱり気になるわけであります。  今日お伺いしたいのは、こういうちょっと不透明な国際情勢の中で、改めてこの日本の立ち位置、あるいはこういう中において日本が果たしていく役割って何なのかという点なわけでありますが、この点について、先日、フロマンさん、TPPのときに日本のカウンターパートになった方ですね、USTRの前代表でありますが、都内で講演されて、こんなことをおっしゃっていました。日本は絶対的にこれから鍵となる国だと、強いリーダーシップを発揮できるということで、この保護主義的な流れに対して自由貿易をきちっと進めていくリーダーになるのが日本なんだということをおっしゃっていました。  最近、誰がはしごを掛けて外したのかみたいな議論って多くて、少なくともTPPに関しては間違いなく言い出しっぺではしごを掛けたのは米国なわけでありますが、そのはしご自分から外してしまって、ちょっと気楽な何かこの発言どうなんだろうとは思うものの、やはりこれ、今米国がなかなかリーダーシップ発揮しにくい、今体制もまだ決まり切っていない、固まり切っていないという中にあって、日本が今まさに世界の貿易の中で、あるいは投資ルール作りの中で果たすべき役割というのは相対的にやっぱり高まっているんだろうと思っております。  この点について、今の日本の立場、お伺いしたいと思います。
  198. 飯田圭哉

    ○政府参考人(飯田圭哉君) 委員からるる御指摘ありましたように、英国の動き、それから米国の動き、欧米の動きですね、いろんな懸念の材料がございます。その中で、お尋ねにあった我が国の立ち位置ということでございますけれども、我が国は特に当初から、マルチについては、WTOについてはガット時代から通商政策の主要な柱ということで、ルールに基づく多角的貿易体制の維持強化に向けた取組を積極的に参画をしてきております。  また、先ほどから議論がありましたように、経済連携協定、これはEPAと呼んでおりますが、これもTPPを始めとして、日EU、それからRCEP、日中韓等のメガFTA交渉において、できる限り質の高い協定を目指すとともに、またほかのコロンビア等の二国間経済連携協定にも積極的に取り組んで、自由貿易の推進に全力を尽くしているところでございます。  御指摘のように、我が国こそが今注目を浴びておりまして、ある意味での求心力があるというふうに思っておりますので、自由で公正な共通なルールに基づく自由貿易体制こそが世界経済成長の源泉という考え方の下、積極的に貿易投資づくりの旗を揚げて取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  199. 平木大作

    ○平木大作君 そういう中で、やはり次に注目を集めるのは、この四月に、来月ですね、迎えます麻生大臣とそしてペンス副大統領との経済対話ということであります。  先ほどの議論の中でも、この段階で不用意な発言を政府の側からしてしまうのはどうかという大臣の御答弁ありましたので今お伺いはいたしませんが、一つやっぱりこれ明確にしておかなければいけないポイントというのはあると思っていまして、それは、政策を発動することによって強制的に貿易収支の改善を図るみたいなことというのは、これはもう世界経済のみならず米国経済のためにもなりませんよということ、これはやっぱり繰り返ししっかり訴えていかなきゃいけないポイントなんだろうと思っております。  先ほどお昼休みに、少し休憩時間に部屋に戻りましてニュース見ましたら、ちょうどファーストリテイリングの柳井会長のニュースが流れておりましたけれども、仮にもし直接自分たちの企業が米国内で工場を造ってこの国内で作れというふうに言われたら米国から撤退したいなという発言をされていまして、何で撤退したいかというと、もう端的に言うとそれは消費者のためにならないからだというふうにおっしゃっていて、これは本当に明確だなと思いました。  結局、こういうことをやってある意味貿易収支のところだけ一生懸命見て改善しようとしても、それは消費者のためにもなりませんし、いたずらに物価を上げて、米国経済あるいはそれは米国の生産だとか雇用というものにも結局は回り回って悪い影響が行ってしまうということでありますので、こういった点、日本としてやはりこれから国際社会の中でオピニオンリーダーとしてきちっとこれ表明していっていただきたいということだけお願いしたいと思います。  もうほとんど時間を使い切ってしまったんですが、一点、じゃ、少し具体的な中身についてもお伺いしておきたいと思います。  私、海外行ったときに余り熱心に免税店等で買物する方じゃないので、正直、今回この到着時免税店制度というものについて見たときに、ぴんとちょっと来ませんでした。これ、内容を簡単に申し上げると、国際空港の出国エリア若しくは航空機内で買ったものというものであれば、基本的には行った先のところで免税の対象になるというルールがあるわけですけれども、今般の改正で、これ今度着いた先の空港内で、入国エリアの中で買ったものも含めてこの免税の対象にしますよという改正が行われるということであります。  今まで余り私、これ意識していなかったんですが、この制度を導入する狙いについてお伺いしたいと思います。
  200. 梶川幹夫

    政府参考人(梶川幹夫君) お答えいたします。  国際空港等の入国エリアに設置されております免税店、いわゆる到着時免税店制度につきましては、入国者が購入して輸入する物品について、合計二十万円以下、酒三本等、現行の携帯品免税制度の範囲内でその関税等を免除するというものでございます。  到着時免税店の設置により、入国者は、外国及び機内販売に加えまして、日本に到着した後も免税品の購入が可能となる。このため、入国者の利便性の向上等につながるものというふうに考えております。
  201. 平木大作

    ○平木大作君 入国者の利便性ということは確かにそのとおりなんですけれども、やっぱりこれ狙いは経済効果なんだと私は思っています。  特に、これから二〇一九年のラグビーワールドカップ、それから二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、こういう中で世界中のお客様を日本は迎えていくわけですね。このときに、ある意味、出国する段階で一生懸命買い込んで持ってくる必要ないんですよ、日本に到着してからもこれだけいいものを買っていただけますよ、免税店利用していただけますよということ、やっぱりこれに尽きると思うんですね。これきちっと、これ制度として始めていただくわけでありますけれども、一体どのくらいの経済効果を狙うのかというところも含めて見通していただきたい。  あわせて、これやっぱり今回の制度というのは、必ずしも外国人に限らないで、日本人の方が帰国されるときも適用されるということでありますから、これ大いに使っていただいていいなと思うんですけれども、やっぱり海外からインバウンドでいらっしゃる皆さんに知っていただかないと、たくさん買い込んで、二十万円ぎりぎりのところまで買い込んで、飛行機降りてみたら、何だ、ここで買えたんだというんじゃ本当に意味がありませんので、是非こういうところをしっかり発信していただきたいと思います。  もうちょっと聞きたかったんですが、時間が参りましたので終わらせていただきます。ありがとうございました。
  202. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 関税法関連は賛成でございますので、一つだけ聞きたいんですけれども、今回の関税法の関係で、犯則調査手続の見直しでパソコンやサーバー内の電子データを差押えできるようにするということが改正点でございますけれども、こういう改正が必要になっている現場での具体的な理由をちょっと、それだけ一点教えてくれますか。
  203. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) お答えいたします。  経済活動のICT化等の進展に伴いまして、関税の脱税事件及び不正薬物の密輸入事件等の犯則事件を取り巻く環境が急速に変化しております。  そこで、関税法上の犯則調査手続に電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法、それから接続サーバー保管の自己作成データ等の差押え、それから記録命令付差押えについての規定を整備することとしております。  そのほか、税関は関税法及び国税犯則取締法等の両法を執行している面もございまして、国税犯則調査手続との調和を図る必要もあることから、犯則調査手続の明確化、通告処分の見直しについての規定を併せて整備することとしております。
  204. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 この前、国犯法が通則法に編入される理由について具体的に何も分からなかったわけでございますけれども、今回のこの関税の方は大変分かりやすい、具体的に現場で起きていることの対応をするということでありますので、いかに国犯法を通則法に編入する理由がいまだ不明確なのかというのが逆にこの関税のことで分かるのではないかと思います。押しなべて法改正というのは、そういう具体的な立法事実がないと軽々にやるべきではないということを申し上げておきたいと思います。  残った時間ですけれども、この間、ずっと税法の議論、経済論議をやってきて、全体を見通した上で問題の核になる話を、税法の議論の最後ですので、一つだけ麻生大臣にお考えを伺いたいというふうに思います。  資料をお配りいたしましたけれども、お聞きしたいのは、今のこの日本の資本主義がこのままでいいのかということであります。お手元に配った資料は、何度も取り上げてきた大企業の内部留保の問題でございます。それが賃金、雇用などを通じて国民に回っていないと、それが今の日本の経済の構造的な問題点だということでございます。この資料は、本当は決算委員会のテレビ中継のときに配ろうと思ってきれいに作ったんですけど、森友問題で時間がなくなって、もったいないから今日使わせていただいているわけでございます。  誤解のないように申し上げておきますと、我が党は別に大企業を敵だとかやっつけてやろうと思っているわけではありませんので、余りにもちょっと大企業寄りになっている日本のこの経済政策、政治の問題を取り上げているわけでありまして、応分の負担、それに応じた社会的責任を、社会的存在に応じた責任を果たしてほしいということで取り上げているということでございますので、そういう点で聞いてもらいたいと思うんですけれども。  このグラフが意味しているものは、本会議でも申し上げましたけれど、経常利益が、二〇一〇年から二〇一五年の比較ですけど、経常利益が一・五五倍になっている中で、配当金はそれ以上に伸びていると。一人当たりの年間役員報酬も伸びているが、賃金が一・〇一倍、ほぼ横ばいにしかなっていないということでございます。本会議のときに申し上げたんですけれど、かつての日本企業の経営者というのは、会社が苦しいときは従業員の給料を余り下げないで自分たちの報酬とか下げて、ボーナスを抑えたりして、従業員をもっと大事にしたわけなんですけれども、今はこういう全然違う形になっているということであります。  ちなみに、うちの本家は大阪の交野の、もう御存じの方も多いと思いますが造り酒屋でございますけど、なかなかおいしいお酒を出しておりますので、今度国際的な賞も取りましたので、それは何の関係もありませんが、その大阪の交野、枚方という辺りは、松川さん御存じだと思いますけど、松下のファミリー、松下に勤めている役員の方とかそういう方が多いものですから、うちの大門家との交流というほどじゃないんですけど、知っている方かなりいまして、松下の経営というのはうちのおやじのときからよく聞いていて、私も会ったことあるんですよね。  そういう経営というのは、まさに従業員を大事にしてきた、まあいろいろありますけれど、今に比べたらかも分かりませんけれど、随分働く人を大事にしてきて、二〇〇〇年に電機リストラがばあっと広がったときも松下は最後までなかなか、従業員を大事にすると、やらなかったんですよね。ところが、その後、一気に松下もリストラをやり始めて、むしろ偽装請負とか大変な問題を引き起こすということになったわけであります。  その松下が今どうかとか、あるいはソニーが今どうかと思うと、本当に企業そのものとして、かつてのような発展ないわけですよね。しかし、その根底にこういう問題があるんじゃないかと、人を大事にしない経営があるんではないかというふうに思います。  分かりやすく言うと、ROEという物差しが出てまいりまして、自己資本利益率ですね。分母が資産とか資本、分子が利益ですよね。このROEが高いほど企業価値が高まって株価が上がるということで、それが追求されてきているわけでありまして、その中で、人はできるだけ減らして利益を生むと、そうするとその会社の株価が上がると。これは、全てROEという変な物差しがずっと経営を支配してきている中で起きていることだというふうに思います。  研究開発減税というのがこの間議論になりましたけれど、あれも長期投資ですよね。結果的にどうなるか分からない部分あるようなですね。そういうものに投資をするならば配当しろ配当しろ、短期的な利益を追求しろというようなことが背景にあるんで、研究開発というのはほっとくと余り伸びないんで、インセンティブを与えるためにああいう減税をやると。  つまり、企業経営がおかしくなっているのを元に戻すために減税をやって、国民の税金を使ってインセンティブ与えなきゃいけなくなっているというような、そういう変な面もこのROE物差しだと起きたりするわけでありますし、長時間労働もそうですね。できるだけ人が少ない中で利益を上げようとするから長時間労働になると。  今いろんなこと起きていますけれど、根源は、経営の在り方のところに大本はあるのかなというふうに思うわけでありまして、いわゆる、何というのかな、株価資本主義というんでしょうか、株主資本主義というんでしょうか、そういうものがいろんなことをゆがめているんじゃないかなというふうに思うわけでありまして、この間のいろんな経済議論の根底にあるんじゃないかと思っているところでございます。  麻生大臣は経営者のお一人として、こういう日本の今の経営について、あるいは資本主義の在り方そのものなんですけれど、いかが思われるか、税制の議論のまとめとしてお聞きしたいというふうに思います。
  205. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 予算委員会に比べてよほどまともな意見が出ているなと思って、この間から感心して聞いていたんですけれども。  正直言って、労働分配率、余りふだん使われない言葉ですけど、労働分配率という言葉は余り、永田町とか霞が関で余り使われない言葉だと思いますけれども、昔は七八から八〇はあったと思うんですね。今は七〇切っているでしょう。六六か七、そんなものだと思いますが、現実問題としてこういうところは。それが一点。だから、間違いなく労働者に対する分配率が下がっているということですよ。それはもうこの数字に表れているんだと思いますけれども。  それからもう一つは、これは、配当の話が出ていますけれども、少なくとも、この間、政府のある関係の会議で出て、ばかの二つ覚えって。何だい、二つ覚えって、一つは分かるけど何だって聞いていたら、経営者は利益が出たらどうするかと、自己株買い。自己株買ったら、御存じかと思いますけど、配当は上がりますから、自己株買いが増えるということですよね、これは、会計学が分かれば基本みたいな話ですから。  もう一つはMアンドAですよ。海外の会社を買う。だって円が高くなっているんだから、二百四十が百二十円になったら海外の会社は半分の値段になったということですから、そういった意味ではMアンドAを増やして、今は、日本の場合は、GDPという言葉よりグロス・ナショナル・インカムといってGNIという言葉の方が増えて、実質でGNIの方が多いですから、それぐらいな経営のやり方であって、利益は全て設備投資に回さない、賃金に回さねえというような話になって、自己株買いをやって配当を増やすか、もう一人の金よといってやっている。  全然やらないと、余った金は内部留保。毎年二十三兆から二十五兆増えて、この三年間で七十三兆円ぐらい増えましたから、そういったような実態になっておるのが今の日本。それで税金安くしろと言うから、ふざけてくれるなと言っていろいろ言い合うことになったんですけれども、結果として、少なくとも、いろいろやっていただきましたけれども。  銀行でも、この間言っておられましたけれども、この間の銀行の話にしても、少なくともカードローンの話やら何やらで、ほかのところで金を借りてくれる人がいないからあの層に目を付けるというのは分からぬことはありませんけれども、出た利益で少なくとも、今度の春闘でベースアップしたのはメガバンクのうち、三行のうち一行だけですからね。あとのところはやっていないでしょうが。何でたたかないんですか、みんな。共産党なんか最も言える手口だと思いますがね。これ、我々自民党じゃ何か言いにくいのがいっぱいいるのかもしれませんけれども、私どもはいつもそう思いますよ、おかしいじゃないですかっていうので、一行ですよ、増やしたのは。  だから、そういった意味じゃ、どう考えてもちょっと、今の場合、デフレが長く続いたせいでかなりメンタルには追い込まれたし、企業も今までのあれでは全くうまくいかなかった。とにかくじっとしておきさえすれば物価が下がって金の値打ちが上がってくるというのが二十数年続いたというのが、やっぱり大門先生、経営者の意識を変えてしまった非常に大きなところだと思いますので、これはある程度何か力をもって変えていかぬとどうにもならぬなと、私はこの十年ぐらいそう思っていましたので、今この安倍内閣になってからそこらのところはかなりいろいろやらせていただいてはおりますけれども、少しずつ経営者の方の物の言い方が変わってきたなという感じがしていることは確かなんで、ある程度、金は眺めているものでもないし、たらたら持っているものでもないんで、あれは使わないと値打ちがありませんので、是非、そういった意味では、預けておいても金利なんか付かねえんだから、だったら投資に回したらどうですという話になっていく意欲、そういったものもないし、だったら給料を、ベースアップはしんどいかもしれないけど、一時金でも何でもいいですよと、いろんなやり方があるんじゃないんですかと、個別の経営者にはほとんどこの話を、私、この四年間、最低三年はしていると思いますけれども、こういった話をして、みんな納得するんです。ああ、そう言われてみるとそうですねという人もいっぱいいるので、やっぱりある程度ワーニング、警告をして揺さぶっていかぬといかぬのじゃないかなというので、もうちょっと時間が掛かるかなという思いはしますけれども、少なくともその方向でこの内閣の間は必ず、私がこの職にいる間はその方向で事は進めてまいりたいと思っております。
  206. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 済みません、終わります。
  207. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。  最初に、沖縄における関税制度上の特例措置についてお聞きしたいんですけれども、もう私、沖縄が大好きで、よくホリデーで行くんですけれども、全然この制度知らなかったんですけれども、この制度自身が平成十年に創設されたということなんですが、沖縄返還以降全然存在しなかったものがなぜ突然平成十年にできたのか、何かの見返りか何かだったのか、その辺ちょっと教えていただきたいんですが。
  208. 北崎秀一

    ○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。  沖縄型特定免税店制度は、沖縄におけるショッピング観光の魅力を向上させ、観光競合地との優位性を確保することにより、観光客の誘致拡大と観光収入の増加を図ることを目的としております。  この制度は、平成九年十一月の沖縄復帰二十五周年記念式典における当時の橋本内閣総理大臣式辞を踏まえて、沖縄の経済において重要な位置を占める観光の一層の振興を図るため、平成十年に創設したものであります。ただ、実質的には、復帰前の沖縄からの土産品に適用されていた携帯品免税制度及び復帰時に導入されました観光戻し税制度を引き継ぐものとして創設されております。  以上であります。
  209. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 聞いていますと、別に特別に必要だった、要するに、返還以降ずっと平成十年まで使っていなかったわけですから、特別に必要だったわけでもなく、何かお土産的な感じがいたしますですね。別にこれ感想ですけどね。  それについてちょっとお聞きしたいんですが、これで平成十年に復興したというかつくって、どれだけの経済効果があったのか、検証したことがあるんでしょうか。
  210. 北崎秀一

    ○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。  この免税制度の効果といたしましては、沖縄県の推計によりますと、平成二十七年度は免税店の訪問者数が九十五万二千七百五十二人、また免税店での購入額が百十七億二千百万円となっておりまして、制度を改正しました三年前の平成二十四年に比べますと、購入額で四千三百万円の増、また訪問者数で六万五千六百八十人の増となっておるところでございます。  広く利用されておりまして、沖縄の観光促進にも貢献しているから、現在、延長をお願い申し上げているところでございます。  以上であります。
  211. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 別に私、これはけちを付けているわけでは全然ないんですが、今、九十五万二千人、年間とおっしゃっていましたけれども、これ三百六十日で割るときっと一日三千人行かないかですよね。あんまり多く使われているというような印象はないかなと思います。  もう一つこれについて聞くと、今まで適用期限が五年ずつ延びていたんですが、今回三年ということなんですが、これはそろそろ終わりという前提で三年に短縮したんでしょうか。
  212. 梶川幹夫

    ○政府参考人(梶川幹夫君) お答えいたします。  沖縄における特定免税店制度の延長期限につきましては、制度の利用状況や沖縄の経済状況等を踏まえたよりきめ細やかな検証を可能とするということの観点から、三年の延長期限としたものでございます。  今般の見直しは、沖縄関連の租税特別措置全体の延長期限の短縮を踏まえてのものでありますが、特定免税店制度を三年の延長期限としたのは、他の観光促進策の一つである航空機燃料税の軽減措置の延長期限、これが三年でございまして、これに合わせたためでございます。
  213. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 特にクレームを付けたいと思って聞いているわけじゃないのであれですけれども。  次に、外国人の爆買いについてお聞きしたいんですけれども、今日の日経新聞の「経済教室」は非常に面白かったんですが、それは、トランプ氏の国境調整税、これはよく保護主義だというふうに批判されているけれども、実は税制改正の位置付けにするべきだという記事で、消費税なんかは仕向け国主義であると。アメリカの場合、今、源泉国主義だった法人税を仕向け国主義に変える改正であって、これこそ税率が低いから海外にアメリカの企業が逃げちゃうとかそういうことを防止するための、非常に何か、割と建設的な捉え方をしているので非常に面白いなと思ったんですけれども、何はともあれ消費税というのは基本、仕向け国主義だと思うんですね。  その観点から聞きたいんですが、爆買いをした外国人旅行者が日本国内の会社に転売されているといううわさを聞くんですが、この仕向け国主義ということであれば、これは完璧な消費税脱税ということになるかと思うんですが、いかがでしょうか。
  214. 飯塚厚

    ○政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。  消費税のいわゆる免税店制度についてのお尋ねでございますけれども、消費税法令において、通常の生活の用に供しないものは免税販売の対象外とされております。また、非居住者が事業用又は販売用として購入することが明らかな物品は免税販売の対象とならないというふうにされておるところでございます。
  215. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 いや、私の質問は、まず、国内で外国人が買ったものを日本国内企業に売ってしまったのは、これは脱税ですねということをお聞きしたんですけれども。
  216. 飯塚厚

    ○政府参考人(飯塚厚君) 免税店によって購入したものについては、海外に持ち出すことが前提でございますので、それを国内で売るということはこの制度の趣旨に反するということでございます。
  217. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 もう一つ、外国人がその買ったものを自国に持ち帰って、例えばアリババみたいなものを通じて売却するという話、うわさ、これも単なるうわさですけれども、聞くんですけれども、そういう事実はあるのかどうか。そして、そっちの方はどうしていけないんですか。海外行っちゃった後に売るというのは事業用ではいけないというような話だったんですけど、どうしてその辺はいけないんでしょうか。
  218. 飯塚厚

    ○政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。  あくまで、この免税店によって購入したものというのは、日本の消費税が免除されるということでございますので、それはその品物を海外に持ち出すということが前提でございます。したがいまして、また持ち込むという場合には、またこれ新たに輸入手続を取らなければいけないということだと思います。  それから、おっしゃいましたのは、この実態がどうかということでございますが、私どもは必ずしも実態は把握しておりませんけれども、いずれにいたしましても、この免税店制度の仕組みの中に海外への持ち出しを行わない、不正を防止する仕組みがインボルブされております。販売時におきましても、非居住者から免税店に対して購入した物品を国外に輸出する旨の誓約書を提出するでございますとか、あるいは免税店は購入の事実を記載した書類を旅券に貼付して割り印を押すと、こういった仕組みが盛り込まれております。また、出国時におきましても、非居住者は旅券に貼付した購入記録票を税関に提出する、あるいは購入物品を所持していない場合は非居住者から免税相当額を徴収すると、こういった仕組みがインボルブされております。  したがいまして、私ども国税当局といたしましては、免税店の制度が適正に運用されることが重要と考えておりますので、免税の許可時を始めといたしまして、免税店に対して適正に手続を履行するよう指導を行いますとともに、免税店において消費税法で認められていない販売が行われているものを把握した場合には、その事業者からの申告について是正を行っているというところでございます。  また、出入国の段階というのは税関の話でございますけれども、税関におかれましても、必要に応じて購入記録票と購入物品との確認に努めておられるというふうに考えております。
  219. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 爆買いを余りにもきつく規制してしまうと、経済効果は良くない、売れなくなっちゃいますので良くないということもありますし、また逆に、一方、消費税脱税もこれまたまずいわけですから、兼ね合いを考えて適度にきちんと規制監督していただければと思います。  以上です。終わります。
  220. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  関税定率法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  221. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、大塚君から発言を求められておりますので、これを許します。大塚耕平君。
  222. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和のとれた対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。  一 日本企業からの技術流出を防ぐとともに、営業秘密を保護し我が国産業の国際競争力を強化する観点から、経済産業省等の関係省庁との連携及び情報共有を強化しつつ、一層厳格な水際取締りを行うこと。  一 最近におけるグローバル化の進展等に伴い、税関業務が増大し、複雑化する中で、適正かつ迅速な税関業務の実現を図り、また、覚醒剤等不正薬物・銃器を始めとした社会悪物品等の国内持込みの阻止など水際におけるテロ・治安維持対策の遂行により、国民の安心・安全を確保するため、取締検査機器等の整備に努めるとともに、高度な専門性を要する職務に従事する税関職員の定員の確保、処遇改善、機構の充実及び職場環境の整備等に特段の努力を払うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  223. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) ただいま大塚君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  224. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 全会一致と認めます。よって、大塚君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣。
  225. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたく存じます。
  226. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  227. 藤川政人

    ○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十八分散会