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2016-11-10 第192回国会 参議院 経済産業委員会 4号 公式Web版

  1. 平成二十八年十一月十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月十日     辞任         補欠選任      丸川 珠代君     小野田紀美君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小林 正夫君     理 事                 岩井 茂樹君                 滝波 宏文君                 宮本 周司君                 石上 俊雄君                 石井  章君     委 員                 青山 繁晴君                 井原  巧君                 小野田紀美君                 北村 経夫君                 林  芳正君                 松村 祥史君                 吉川ゆうみ君                 渡邉 美樹君                 礒崎 哲史君                 浜口  誠君                 平山佐知子君                 伊藤 孝江君                 石川 博崇君                 岩渕  友君                 辰巳孝太郎君    国務大臣        経済産業大臣   世耕 弘成君    副大臣        経済産業副大臣  松村 祥史君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       井原  巧君    事務局側        常任委員会専門        員        廣原 孝一君    政府参考人        経済産業大臣官        房審議官     中川  勉君        経済産業大臣官        房審議官     保坂  伸君        資源エネルギー        庁長官      日下部 聡君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       藤木 俊光君        資源エネルギー        庁資源・燃料部        長        山下 隆一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構  法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院  送付)     ─────────────
  2. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、資源エネルギー庁長官日下部聡君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 吉川ゆうみ

    ○吉川ゆうみ君 おはようございます。自由民主党、吉川ゆうみでございます。  本日は、トップバッターでJOGMEC法改正について御質問をさせていただきたいと思います。  昨日、アメリカの大統領選、歴史的な大接戦の末、新たにトランプ政権が誕生いたしました。原油価格の年末に向けての注目点、これは、一つにはアメリカの大統領選、そしてもう一つにはOPECの総会というふうに言われておりましたので、昨日のこの結果は、昨日は少しリスクを回避するという意味で油価は少し下落したというふうには伺ってはおりますけれども、多少の差はあれ、何かしらこれからの原油価格に影響してくるものではないかなというふうに思っておるところでございます。  今回のJOGMEC法の改正、昨今の原油価格の下落を受け、この低迷をまさに我が国のチャンスとして捉え、我が国企業の海外の優良な石油ガス権益の獲得と、それを加速化していこうというものであり、私は、日本のエネルギー安全保障強化という観点から、また我が国の国益という観点からも本改正を支持しているところでございます。本日は、こういった立場から御質問させていただきたいと思います。  まずは、石油、天然ガスの我が国におけるこれからの役割についてお伺いをしたいと思います。  昨年、COP21により、パリ協定採択されました。そして、今般それが発効するということもございましたけれども、温室効果ガスの削減、これは先進国も後進国も超えた世界的な課題となっているということがございます。それと同時に、サステーナブルなエネルギー源というものが求められているというのも現状、現在のところであるかというふうに思っております。  他方、国内資源に乏しく、地震など自然災害も多い我が国においては、まだまだ石油あるいは天然ガスは現在のところ生活にとって不可欠な重要なエネルギー源でもあります。  政府といたしましては、今後のエネルギーミックスの中で、またエネルギー源に関しまして、他国においては技術革新を超えた抜本的な改革がなされているという中において、石油、天然ガスの位置付けあるいは重要性をどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。また、再生エネルギーや省エネルギーなど、温暖化対策とどのような形でバランスを取っていかれるお考えか、世耕大臣にお伺いをできればと思います。
  6. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 今、吉川委員御指摘のように、石油や天然ガスというのは、今、日本のエネルギー供給全体のうち七割が石油、天然ガスということになります。その用途としては、自動車や発電、そういったところの燃料などに幅広く利用されているわけでありまして、国民生活や経済活動にとって欠かすことのできないエネルギーだというふうに思っておりまして、この石油、天然ガスのこれからの安定供給というのは非常に重要だというふうに思っています。  ただ、一方で、中東依存度が八割と非常に地政学上のリスクが高いということ、そして、日本の天然ガスの輸入価格というのは国際的に比較しても非常に高い水準になっているということ、あるいは、石油や天然ガスの消費によってこれはもう二酸化炭素がどうしても出てしまうという課題もあるわけであります。  こういったいいところと悪いところというのは、これは石油、天然ガスに限らず、再生可能エネルギーも含めたあらゆるエネルギー源には強みと弱みというのがあるわけでありまして、そういった強みが最大限発揮できて弱みをうまく補完していくような多層的なエネルギー構造、いろんなものを組み合わせてバランスを取っていくということが非常に重要だというふうに思っています。  その実現に向けて、徹底した省エネ、再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電の高効率化、そして安全最優先での原発の再稼働などを進めて、バランスの取れたエネルギー需給構造を実現していきたいというふうに考えています。
  7. 吉川ゆうみ

    ○吉川ゆうみ君 大臣、ありがとうございます。  まさにおっしゃったように、多層的なエネルギー構造によって、安定的かつ安全な形でメリット、デメリットをうまく補完し合いながら進めていく、これが重要であるというふうに思っております。  他方、化石燃料や天然資源というものに関しましては、世界の投資家からダイベストメントのような動きがあるというのも、昨今の動きであるというふうに思っております。  是非とも、大臣のリーダーシップにおかれまして、エネルギー安保とそして世界的潮流のミックスというか、バランスというところを取っていただきながら、より良い形でお進めいただけることをお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。  さて、今回の法律の狙いの一つ、これはまさに欧米メジャーや中国、インド等の国営石油会社の資源獲得に我が国が後れを取ることがないよう資金面で日本企業をバックアップしていく、そこに狙いがあるというふうに思っております。しかし、その前提として、国のレベルでも積極果敢に資源外交を推進し、オールジャパンで資源確保に取り組んでいく必要があるとも考えております。  また、本改正のもう一つの狙いとして、我が国として欧米メジャーと対抗していくことができる中核的企業の育成、これを進めていこうというお考えがあると聞いております。これは実際、かなり前から課題として挙げられてきたことであると思いますけれども。  まず、資源外交について、これまでの資源外交は十分な成果を上げることができたのでしょうか。そしてまた、今後どのような国や地域を重点的な対象として考えていらっしゃるのかについて。そして、中核的企業の育成につきましてはこれまでの成果と課題、そして、今回の改正では具体的にどのような効果を、実際的にどのような効果を狙って今回の改正でこの中核的企業の育成を考えておられるのか、井原巧大臣政務官に御所見をお伺いできればと思います。
  8. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) 御指名ありがとうございます。吉川委員の御質問にお答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、我が国の石油、天然ガスの安定的な供給を確保するためには、JOGMECによるリスクマネー支援とともに、おっしゃるとおり、政府による積極的な資源外交が必要不可欠というふうに考えております。これまでも総理の指揮の下、積極的に資源外交を展開し、一定の成果を上げていると考えております。  例えば、UAEとは、総理、閣僚レベルで石油権益の獲得や延長交渉を行うとともに、教育や医療などエネルギー以外の分野も含めた人材育成や技術協力等を進めてまいりました。こうした努力が一部結実し、昨年、世界最大級のアブダビ陸上油田において、アジア企業として初めて国際石油開発帝石、INPEXといいますが、が権益を獲得したところであります。  また、米国では安全保障上の理由でLNGの輸出に個別承認が必要でございますが、総理や大臣から再三承認の働きかけを行った結果、二〇一四年には我が国が参画する全てのLNGプロジェクトの輸出承認を獲得したところであります。  今後とも、我が国といたしましては、我が国の石油権益の多くが集中し、その六割が二〇一八年に権益期限を迎えるアブダビ、また、欧米による制裁が解除され、今後外資への権益開放が見込まれるイラン、加えて、我が国への原油の最大供給国でありますサウジアラビア、そして、地理的にも近接し、豊富な石油、天然ガスの埋蔵量を有するロシア等の国を中心といたしまして、外務省その他の関係省庁とも緊密に連携をしつつ、戦略的に資源外交を展開してまいりたいと考えております。  また、中核的企業の育成についてでありますが、JOGMECによる支援の効果もありまして、更に改善の余地はありますが、一定の成果が上がってきているというふうに感じております。  具体的には、我が国の中核的企業に位置付けられている先ほど申し上げましたINPEXの生産規模でありますが、二〇〇六年度の日量約四十一万バレルから二〇一五年度には日量約五十一万バレルに増加をしております。  また、同社は、豪州のイクシスLNGプロジェクトにおいて、日本企業として初めてオペレーター、操業主体を務めておりますし、この生産開始等によりまして生産規模は日量六十から七十万バレル程度まで増加する見込みでありまして、メジャーは百万バレルというふうに言われておりますから、近づきつつあるということではございます。  二〇二〇年代前半に日量百万バレル達成という同社が掲げる目標に向け、いかに次のステップを具体化させるかが目下の課題であるというふうに考えておりまして、今回拡充されます企業買収支援は、我が国上流開発企業が効率的に優良権益を獲得することを後押しするのみならず、パートナーたる海外の企業を通じて、石油、天然ガスの生産現場におけるノウハウを獲得し、将来の活躍のフィールドを広げることを可能にすると考えておりまして、中核的企業育成の更なる加速に資するものと考えているところでございます。
  9. 吉川ゆうみ

    ○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  井原政務官からは、アブダビ、イラン、サウジなどの具体的な国名をお伺いすることができました。また、INPEX、まだまだメジャーの百万BDまでは行かないまでも、またサウジアラムコなどはもう一千万超えているというところもございますので、そこにはということはございますが、少しずつメジャーに近づきつつあり、中核的企業の育成に今向かっている最中だというお話もお伺いしました。  是非とも、積極的かつ今回の法改正ではより確実なお取組と成果をお願いできればというふうに思う次第でございます。  今、井原政務官の中から挙げていただきました国の中でも、とりわけロシアにつきましては、まさに世耕大臣がロシア経済協力担当大臣に任命をされ、先頭に立って推進をしていただいているところでございます。先週も、大臣御自身ロシアに御出張をされ、様々なお話を推進してこられたというふうに伺っております。  ロシアは、石油ガス分野においても生産量世界二位、四位の国営石油企業を持つなど、資源エネルギー分野を始め幅広い分野の非常にポテンシャルの高い国であると認識をいたしておりますが、世耕大臣といたしまして、このロシアとの経済協力、どのように戦略的に強化をされていかれ、また、中長期的に我が国の国益となるような形でつなげていかれるお考えでいらっしゃいますでしょうか。世耕大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  10. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 日本にとっては、ロシアというのはまさにフロンティアだと思っています。特に産業界ですね。これだけ隣接する大国でありながら、貿易額でいくと、日中と比べると日ロの貿易額というのは十分の一です。累積投資額になりますと八十分の一でありまして、これ、まだまだ伸び代があるというふうに思っております。  これは、安倍総理とプーチン大統領の度重なる首脳会談の中で信頼関係も積み重なって、そしてそのことが今八項目の協力プランという形で日本とロシアで経済協力を進めていくという話が進んでおります。今は私がそれを具体化する作業を相手側の大臣と一緒になって鋭意進めているわけでありますが、これは日本にとっても非常にメリットのある、何かロシアにあげるとかいう話ではなくて、日ロが協力してお互いにメリットを生み出すプロジェクトだというふうに思っております。  特に資源に関しては、この八項目の協力プランの中の四番目に資源エネルギーを入れておりますけれども、日本にとって、やっぱりエネルギー戦略上、どうやって中東の依存度を減らすかということが非常に重要であります。ロシアは世界最大級の石油、ガスの埋蔵量を誇っているわけでありまして、しかも地理的に北側から運んでくるという形になるわけですから、非常にこの中東の依存度を減らすバックアップのルートとしては非常にロシアというのは有望ではないかというふうに思っているわけであります。  ただ、やっぱり今、経済プロジェクトが進んでいる前提というのは、やっぱり首脳間の信頼関係ができて政治関係が安定した、だから経済協力が進んでいる、そしてこの経済協力が進めばより政治関係が安定する、この好循環に入っていくことが重要だと思います。  エネルギーもそうだと思います。今我々は、ようやく、ロシアからの天然ガスでいいますと、大体依存度一〇%なんですね、ロシアの。じゃ、これを増やしていいかとなると、やっぱり今度は政治的信頼感がないと依存度なかなか増やすという判断もできないわけでありますから、そういった面で、エネルギーも含めて政治と経済の関係がどんどんどんどん循環しながら強まっていくという好循環に日ロが入っていくということが重要ではないかなというふうに考えております。
  11. 吉川ゆうみ

    ○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  累積投資額が八十分の一ということで、本当にまだまだ大臣おっしゃったように我が国にとってフロンティアでございまして、様々な多くの多くの可能性があると。一方で、この連携をより深めていくには、政治経済の部分の信頼関係、より構築していくことによっての好循環がまずは大前提として必要である、そこを八項目の部分で更に深めていく、あるいは大臣が言っていただいたような形で、より人的関係を信頼度を深めていくことによって、より我が国との関係を深め、そして国益にということで、非常によく分かります。是非とも、更なる世耕大臣のリーダーシップでもって我が国とロシアとの関係を強めていただくことができればというふうに思っております。ありがとうございます。  ここからは、各論といいますか、制度のスキームについてお伺いをしたいと思います。  JOGMECは、これまで、海外の石油ガスプロジェクトに際しまして、JOGMECと上流開発会社とでSPCをつくって出資し、JBICだけでなく民間の金融機関からもSPCにデットを入れるということで案件組成をしてきたと理解をいたしております。そして、その際には、金融機関のリスクに対する支援として一定割合の保証というものを付けてもらっていたかというふうに思います。  石油ガス田の探鉱や石油ガス開発という非常にリスクの高いプロジェクトに関して、JOGMECという目利きができる組織が一定のリスクテークをしてくれるということで、民間における海外でのビジネスチャンスが非常に広がるということで、我が国への還流ということにもこれまで非常に役立ってきた有り難いスキームであったというふうに理解を私もしておるところでございます。  ただ、今般の改正におきましては、新たに海外の資源会社の買収、あるいはこうした会社の資本提携に際してもSPCをつくってデットを入れていくというようなスキームにするというふうに伺っておりますけれども、そしてそこに民間部分も入れていくというふうに伺っておりますけれども、これまでのJOGMECが専門としている探鉱であるとか、そういった目利きの部分、そこが今度は、会社を買ってくる、あるいは株式を取得してくる、今までのJOGMECの専門ではない、とんがっているところではない部分に対してSPCをつくり、そこにデットも入れていくというようなことでございますので、これまでの前提条件とは案件組成に際して様々な意味で変わってくるのではないかなというふうに思っております。  また、JOGMECが株式を取得する、サウジアラムコのようなこれから上場しようというところの株式を取っていこうというようなときに、その場合に、SPCをつくってデットの部分を入れていくことになると、返済原資が配当であるとかそういったことになると想定されますので、そういたしますと、回収は非常に劣後していくのではないかということで、民間にとりましては非常に今までよりも更にリスクが高まっていくのではないかなと。それによって、参入障壁といいますか、参入したくてもなかなかそこを参入させてもらうことができないというようなことが起きてしまわないかなということを危惧いたしております。  SPCにデットを入れる民間との連携、今後どのような形で進めていかれようと考えていらっしゃるのか、また、国営石油会社の株式をJOGMECが単独で取得されるということも可能になりますけれども、この場合、これまでと異なり出資元に企業が入らないということになりますけれども、民間金融機関などのリスク負担などの面でどのように関わってくることができるのか、山下資源エネルギー庁資源・燃料部長にお伺いをできればと思います。
  12. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 海外の資源会社の価値の大部分は鉱区や技術などに由来するため、JOGMECの既存人材の目利き能力というのは海外資源会社の買収でも有効に機能するというふうに考えております。  先生御指摘のように、他方、企業の経営力、財務力、それから人的リソースに関する価値の評価も必要になりますので、外部の専門家の資産評価のプロセスを追加するなどして審査体制を強化していくということにしてございます。こうしたことを踏まえれば、民間金融機関とはこれまで同様の連携を図ることが可能であるというふうに考えてございます。  また、国営石油企業の株式の単独取得につきましては、JOGMECが民間金融機関から借り入れる資金につきましては政府が保証するということを可能としておりますので、民間金融機関にとってのリスクを低減させるということになってございます。  今後とも、民間金融機関にとりまして使い勝手の良さを十分に考慮しながら、一定の規律も働かせながら円滑な債務保証制度の運用がなされるようにJOGMECを監督してまいりたいと思ってございます。
  13. 吉川ゆうみ

    ○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  是非とも、様々な民間が参加し、そして実際のこの権益を取っていく、あるいは利潤になるところという、周りの、我が国の企業が活性化していく、あるいは経済が活性化していく、そのような仕組みにつなげていただくことを願いまして、そして、今の原油の価格、この時期をまさに我が国の商機と捉えて世界のメジャーに近づいていく、そのような形になることを願いまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  14. 青山繁晴

    ○青山繁晴君 皆様、おはようございます。自由民主党の青山繁晴です。  私は、これが国会での初質問となります。党利党略のためでなく、ただ国益のためにこそ不肖ながら質問いたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  私は、今回のJOGMEC法の改正、すなわち独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構をめぐる法改正について、祖国の画期的な新しい挑戦として断固支持いたします。しかし、それは私が与党議員だから申し上げるのではありません。一つには、国会に出るまで、専門家の端くれとして、例えば地球物理学の国際学会でエネルギーに関して学会発表を行ってきた、そういう知見に基づく、あえて申せば客観的な支持であります。  もう一つには、昨日のアメリカ大統領選挙の結果は、さきの大戦後につくられてきた世界の終わりを意味するからです。大戦の真の勝者はアメリカのみであり、敗者は私たちでありました。以来、七十一年余りにわたって、私たちは戦争に負けて、しかも資源のない国、その国民に甘んじてきました。資源エネルギーで申せば、戦勝国アメリカの支配する国際メジャーの言うがままに高値で主として中東から買い付けてきました。次期大統領に就任されるトランプさんにおかれては、中東政策についても、選挙中に自らを支援してくれたロシアのプーチン大統領に接近し、中東政策を変えてくる可能性も十分にあると思います。そうした中ですから、日本はこれから自前の資源エネルギー政策を持ち、自前の中東政策も持たねばなりません。  そこで、世耕大臣にお尋ねいたしたいと思います。  JOGMECが実質的に国民の税も投じて、例えばサウジの国営石油会社が上場した場合にその株を場合によっては大量に買うこともできるようにする、あるいは場合によってはアメリカの中堅企業を買収することもできるようにする、それらをもって資源のいわゆる上流に位置する日本企業を育てるよう法改正するということは、分かりやすく言えば和製メジャーを目指すと、和製メジャーを育てることを目指すということなのでしょうか。  もしもそうであるなら、どのような新しい国家戦略、いや、むしろ戦略論だけではなくて、どんな新しい国家の哲学を構築されつつ和製メジャーを目指していかれるのか、それを大臣にお聞きします。
  15. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) まず、国としての戦略としては、今御指摘のように非常に中東情勢が流動化をしております。そしてまた、欧米ではナショナリズムが高まっているという状況であります。そういう中で、石油や天然ガスのほぼ全部を海外に依存している我が国にとって、やっぱり自主開発の石油、天然ガスの権益を獲得をしていく、これが国家戦略として非常に重要だというふうに思っております。  ただ、残念なことに、いわゆる国際メジャーというものに比べると、彼らはもうアラビアのロレンスの時代から中東に関与して、その頃に大体源流があるわけでありまして、それと比べたら我々はもうはるかな後発国であります。今も大体、日産ベースでいうと、エクソンが四百十万バレル、BPが三百二十四万バレルに対して、日本で一番大きいINPEXが五十一万バレルという状況であります。  ですから、こういう中でやっぱり資源獲得をしっかりと行っていく必要があるというために、これまでもJOGMECを通したリスクマネーの供給支援とか、あるいは積極的な資源外交の推進ですとか、あるいは中核的企業の育成などをやってきたわけですが、依然まだまだ開きが大きいということで、この欧米メジャーと対等に競争していけるような中核的企業を形成をしなければいけないというまだ状況にあるわけであります。  今回の法改正は、今油価が下がっています。下がっている今こそ権益を獲得するチャンスだと、この差を埋めて、権益を獲得をしていくために差を埋めていくチャンスだというふうに思っておりまして、まさに青山先生御指摘の中核的企業、和製メジャーの育成支援も今回の法改正の大きな狙いの一つであります。  こうした取組を通じて、ただ大きい会社をつくって喜ぶだけではなくて、やはり日本経済や国民生活の土台である安価で安定的なエネルギー供給を実現をして、日本のエネルギー安保を確固としたものにしていきたいというふうに考えております。
  16. 青山繁晴

    ○青山繁晴君 ありがとうございます。  今、出るのかな出ないのかなと思ってお聞きしていたら、最後に和製メジャーという言葉が大臣の口から出まして、非常に勇気付けられました。  次は、私も井原巧政務官にちょっとお聞きしたいと思います。  実は、この和製メジャーへの挑戦というのは、本当は初めてじゃないと思います。JOGMECの前身であります石油公団が行き詰まって解体されるとき、平成十五年に総合資源エネルギー調査会、これは経産大臣の正式な諮問機関でありますが、そこが打ち出した方針を改めて見てみますと、この石油公団も、ばらばらな資産ですけれども集めれば準メジャーに相当するぐらいはあると。それを解体するに当たって、新しくナショナル・フラッグ・カンパニー、国力を集中的に注入するエネルギー企業をつくるんだということが盛り込まれているわけですね。  その後、JOGMECが創立されてもう十二年になるわけですけど、では、その十二年の間、なぜこの和製メジャーへの挑戦ということが達成できなかったのか。できなかったのは事実ですから、この十二年の間からどんな教訓を酌み取られて、何を変えて見果てぬ夢でありました和製メジャーに挑戦されるのか、これを井原政務官にお尋ねいたします。
  17. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) 御指名ありがとうございます。青山委員にお答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、反省点が必要だろうというような話でございました。石油公団時代の反省点として、一つには、政府、公団、石油、天然ガス開発企業のそれぞれが主体性に欠けて、責任の所在が明確でなかったのではないか。二つ目には、小規模プロジェクト会社が乱立をし、自立的な企業体を育成できなかったこと等が挙げられるというふうに考えております。  こうした反省を踏まえて、平成十六年に設立したJOGMECのリスクマネー供給機能については、融資は行わず、出資に限った上で、支援割合については五割を上限とする、つまり民間主導の原則を決めたところであります。また、新しい資源開発の担い手として、欧州メジャー等に伍する中核的企業の形成を図ることといたしました。  中核的企業として位置付けられたのは国際石油開発帝石、INPEXについてでありますが、JOGMECによる支援策も活用し、その育成に一定の成果を上げてきていると認識をいたしております。先ほどお答えをさせていただきましたが、二〇〇四年には国際石油開発がUAEに権益を持つジャパン石油開発をまず傘下に置きました。二〇〇六年に帝国石油と経営統合し、今のINPEXが発足いたしております。  INPEXの生産規模は、先ほど大臣からもお話ありましたが、二〇〇六年度の日量約四十一万バレルから二〇一五年度には日量約五十一万バレルに増加している上に、豪州イクシスLNGプロジェクトにおいて日本企業として初めてオペレーターを務め、この生産開始等により生産規模は日量六十万から七十万バレル程度まで増加することが見込まれているのが今の状況でございます。  しかし、INPEXの生産規模は欧米メジャーと比較すれば依然として小さいのは事実でありまして、INPEXは、二〇二〇年代前半に準メジャー級とされる生産規模、日量百万バレルの達成を目標に掲げておりますが、その達成に向けては更なる取組が必要であることは間違いありません。  今回の法改正では、新たに企業買収等の支援策を追加することにより、我が国上流開発企業がMアンドA等を通じ海外資源会社の経営ノウハウや技術力等を獲得を何とかいたしまして、競争力を強化していくことが可能になります。こうした取組により、中核的企業の育成を加速してまいりたいと考えております。
  18. 青山繁晴

    ○青山繁晴君 今、井原政務官からINPEXの伸び代といいますか、今後への期待も込めてのお話をいただいたんですけれども、大臣からも政務官からもお話ありましたとおり、一日当たりの生産量でいえば、確かにやがては百万を目指せるかもしれませんが、今回の法改正でも肝腎なことの一つは投資規模ですけれども、投資規模で見ると、米英のスーパーメジャーはもちろんのこと、いわゆる準メジャーと比べても実はかなりINPEXは見劣りがすると思います。ざっと十分の一ぐらいでしょうか。例えば、お隣の中国のペトロチャイナであったり、あるいはフランスのトタール、あるいはイタリアのENIのようなところと比べても、投資が特に見劣りしますよね。それを考えますと、やっぱり基本的には業界再編も必要ではないかと。  INPEXは、確かに国際石油開発と帝石が合併してつくられた中核企業の根っこではあるんですけれども、そこに例えば商社のその部門であったり、そういうところを再編していくことも必要ではないでしょうか。その際、まさかJOGMECが直接再編に乗り出すわけではなくて、あくまで官民連携によって行うわけですけれども、今までできなかった業界再編、業界の側にもその願い、なくはなかったと思いますけれども、そのできなかった再編をよき官民連携でどのように遂行していかれるのか、もし業界再編を目指すとすればですけれども。これも井原政務官、お尋ねいたします。
  19. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。  御指摘のとおり、我が国の上流開発に携わる企業の生産規模をまず見ていきますと、先ほど申し上げたINPEXで日量五十万バレル台、そのほかにも上流開発専門企業、大手商社や電力、ガス会社などが複数携わっておりますが、それぞれ日量数万バレルから十万バレル台というのが現状でありまして、百万バレル以上を有する欧米メジャーや準メジャーに比べれば確かに生産規模の面で大きく劣後しておりまして、これが企業体力や投資余力等の差につながっているというふうに考えております。  海外勢が合併等により財政基盤を強化しながら大規模案件や先端技術への投資を進めている一方、小規模な企業が複数存立しております我が国の業界構造の下では、まず資金、技術、人材等の限られたリソースの効果的な活用、海外での現場経験の蓄積といった点から課題があると認識もいたしております。また、上流開発専門企業の技術力、商社の営業ネットワーク力、電力、ガス会社の購買力といった各社が有する特徴とか強みは、その相乗効果が発揮できれば一層伸ばすことが、お話のとおり可能になるという視点も重要であると考えております。  こうした問題意識から、我が国の上流開発産業の国際競争力強化という視点で今後のJOGMECのリスクマネー供給を戦略的に実施していくことが非常に重要だろうというふうに思っております。我が国企業がオペレーターとして参画する案件、大規模な埋蔵量が期待できる案件、企業間での経営資源の連携、集約化に資する案件といった案件に支援を重点化していくことで、それがひいては業界再編にもつながって国際競争力強化につながると、このように考えて取り組んでまいりたいと考えております。
  20. 青山繁晴

    ○青山繁晴君 今回はJOGMEC法の改正の審議でありますから、エネルギーの中でも在来型の原油、天然ガスの自立した確保を目指す挑戦だと理解しています。しかし同時に、資源エネルギーは必ずベストミックスを目指さないといけないと思います。  そこで、日本の自前資源の開発についても大臣にお願い、いや、お尋ねしたいと思います。お願いではありません、お尋ねしたいと思います。思わず本音が出ました。  私たちは長年資源のない国だと思い込まされてきましたが、実際には、凍った天然ガスでありますメタンハイドレート、あるいは熱水鉱床、あるいはレアアースを含むレアメタルといった自前資源の存在が既に確認されています。中でも、燃える氷と呼ばれるメタンハイドレートは、アメリカ、中国、インド、ロシアを始め世界が注目する新資源となりました。これを実用化することは、JOGMEC法改正で取り組むところの在来型の資源エネルギーをめぐる新しい取引においても交渉力を日本が持つことにつながります。  このメタンハイドレートには、念のためですけど、二種類あります。主に太平洋側に賦存する砂層型のメタンハイドレート、つまりこれは砂と混じり合ったタイプですね。それから、主に日本海側に賦存する表層型メタンハイドレート、これは海底の表面に白い塊が露出していたりする純度の高いものです。  政府はこれまで主として太平洋側の砂層型に注力してきましたけれども、表層型メタンハイドレートは日本海側に多く存在しますから、過疎に苦しむ日本海側に、日本には決してあり得ないはずだった資源産業を勃興させる可能性があります。そのために、青森から山口まで日本海側の十二府県による日本海連合も結成されて、地元の期待も大変高まっています。  この表層型は、先ほど述べましたとおり、日本海の海底の表面に露出しているものもあって、砂と混じらず純度が極めて高い特徴があります。この特徴のために、日本海の海底からは、済みません、委員長、ちょっと僕の手元を見ていただきたいんですけど、これが海底だとしますと、こういうような形の柱がたくさん実は立ち上がっています。これは平均でスカイツリーぐらいの高さがある、つまり六百五十メートル前後の平均の高さがあって、ちっちゃいものでも東京タワーぐらいあります。この巨大な柱というのは、実は全部メタンハイドレートの粒々です。したがって、これが海面近くで溶けてなくなってしまう前にそれを採取すればかなりの量が、実は近未来の技術じゃなくて現在の技術でも採取が可能だと思われます。  そうやって採取したメタンハイドレートから天然ガスを取り出して、その量はもちろん日本全体の資源を賄う量はありませんけれども、ないと思われますけれど、例えば象徴的な小さな発電システムを作って、地域でともしびをともす。ミニ発電所だけではなくて、あるいはそこから取り出した天然ガスでバスを走らせることもできます、既に天然ガスで走るバスはありますから。このバスを、例えば先ほどの日本海連合の十二府県の県庁所在地、青森、秋田、山形、新潟、そして富山、金沢、そして福井、そして京都、神戸、さらに鳥取、松江、山口、こういう県庁所在地の公営バスで走らせたり、あるいは先ほど言いました小さなミニ発電所、これは中が見える構造にすることも可能ですから、そういうちっちゃな象徴的なミニ発電所、メタンハイドレートで電気がついている、それを過疎に、過疎というか人口崩壊に苦しんでいるところの町や村にそれをセットアップすれば観光資源にもなります。  こういうことについて経産省と自治体で新しい連携を、先ほど言いました本音としては、できればお願いしたいと考えております。一つの具体的な提案として、できれば、世耕大臣、お答え願えますか。
  21. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) このメタンハイドレートについては、青山委員は大変専門家でいらっしゃって、独立総合研究所社長として、私も一議員として何回も青山委員からレクチャーを受けて勉強をさせていただいていますので、かなり議員の中ではメタハイについては詳しい方だと思っていますし、今御指摘のあった太平洋側というのは、まさに私の地元の和歌山の沖合でこの砂層型メタンハイドレートの研究が進んでいるわけであります。  メタンハイドレート、いろいろ技術的な課題とかまだまだありますけれども、やはりこれをいつでも日本は利用できるんだぞと、そういう技術を確立をしているんだぞということをやはりきちっと世界へ伝えていくことが、天然ガスとか石油に対する価格交渉力を付けるとか、そういう意味でも非常に重要だというふうに思っています。  砂層型メタンハイドレートの方がちょっと少し先行して進んでおりまして、今年度中には第二回目となる海上での生産実験が実施をされるわけであります。  一方で、今御指摘の表層型メタンハイドレートについては、少しスタートは遅れましたけれども、平成二十五年度から二十七年度の三か年で資源量の把握のための調査が実施をされました。その結果、表層型メタンハイドレートが存在する可能性のある、今おっしゃっていた煙突状になっているガスチムニー構造と呼ばれる海底の地形を千七百四十二か所確認をしたところであります。一か所において資源量を試算したところ、一定の幅を持つ値ではありますけれども、メタンガスに換算をして約六億立米、ということは、我が国の天然ガスの消費量の約二日分に相当するメタンハイドレートの存在が確認をされたわけであります。  ただ、どうしても、この表層型の場合、ガスチムニーごとにメタンハイドレートの分布が異なるとか、あるいはどうやって回収するかという手法がまだまだ確立をされていないとか、いろいろまだ問題点がありまして、エネルギー資源としての有用性を何か方向性を持って今決めていくのはまだちょっと早いかなというふうに思っております。  国としては、資源開発の可能性を見極めるために、提案公募による回収手法に関する調査研究も開始をしたところであります。その先には、今委員御提案のようなミニ発電所ですとか、それで公営バスを走らせるなどというアイデア、これは非常に興味深いというふうに思いますし、地域からの期待があるということは、私のところにもそういった希望、期待は寄せられているところであります。  よく技術面、経済面でのハードルをうまくこなしながら、是非、最初は小さな形かもしれませんけれども、民間企業、大学、自治体も含めていろんな英知を結集をして、できるだけ早く、少しでも、小さな形でもいいから実用化が進むように調査、研究開発を加速してまいりたいというふうに思っております。
  22. 青山繁晴

    ○青山繁晴君 ちょっと質問の予定項目にないんですけれども、今大臣がちょうどガスチムニーということをおっしゃってくださったので、補足して一点お話ししておきたいんですけれども、実は、そのガスチムニーというものとさっき申しましたメタンプルームは別物です。  ガスチムニーというのは、チムニーという言葉を使うから、煙突です、煙突という言葉になっちゃうので、柱のように立ち上がっていると誤解されるんですけど、この場合のチムニーというのはもわもわもわもわと広がって出ているようなものをいうのであって、そうしますと、ガスチムニーの場合、おっしゃったとおり、国が三年間掛けて調査したのはガスチムニー中心ですけれども、それは掘削しないといけないんです。海底下の掘削技術というのはこれからですから、おっしゃったとおり、まだ時間掛かると思います。  私が今問題提起というか提案しましたメタンプルームというのはそのチムニーとは別物で、さっき申しましたとおり、粒々が海底から立ち上がっている柱状のものですから、だから、例えば、ここ海面ありましたら、ここで待っていて、すると、柱が上がってきますから、粒々が上がってくるので、これで捕集して、日本は膜の技術も高度なものがありますから、それを地上に上げたら溶けてそのまま天然ガスですから、したがって、海底を掘削するような困難な技術を使わずとも一定量は実際捕集できます。  実は、捕集実験もいたしました。もちろん、利害関係、関係なくいたしまして、国立大学と連携してそれを進めてきたわけですけれども、その量は、試しに取っただけですからもちろん大したことはありませんけれど、その量だけで実はバスを走らせたり、小さなミニ発電所を作ったりすることができるという問題提起でありますので、最後、これは突然のお尋ねですけれども、僅かなものを使って国民の意識を変えていただく、資源がないんだという思い込みを取りあえずみんなで卒業していく、そのことについて最後、お答え願えますでしょうか。
  23. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 経産省の方で調査したのがチムニーだったものですから、チムニーを中心にお答えしましたけれども、表層型の中でこのプルームも非常に可能性がある。もう既にぷくぷく泡が出ているわけですね、ガスが出ているわけですから、これもどうやって回収をしてどうやって活用していくか、このことも、プルーム型も含めてしっかり実用化へ向けて研究開発を進めてまいりたいというふうに思っております。
  24. 青山繁晴

    ○青山繁晴君 ありがとうございました。以上で質問を終わります。  積極的な答弁いただきまして、ありがとうございます。
  25. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 おはようございます。民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。  経済産業委員会においては初めての質疑となりますので、どうぞ皆様よろしくお願いを申し上げます。  時間も限られますので早速質問の方に入ってまいりたいと思いますが、JOGMEC法の改正案ということで、この後、様々御質問をさせていただきますが、今、吉川先生であったり青山先生の方からも、和製メジャーを目指す、あるいはそもそもの政府方針という点で確認がありました。やはり、法改正ということでありますので、そもそもなぜこの法律が作られたのかということと、今回の法改正によって何がどう変わり、目的含めて変わっていくのかということをできれば最初にやはり押さえておいた方がいいのかなというふうに思っておりまして、聞くと時間が掛かりますので、ざっとお話をさせていただきますと、まず、先ほどありました、石油公団を解体をして、そこからJOGMECができ上がったというところ、やはりここを確認しないといけないと思っております。  その石油公団の失敗のときに学び、何を目指したかということでいけば、まず一つには、やはり我が国の石油あるいはガス、そういったものの上流開発体制というものをきちんと見直すということだったというふうに認識をしております。まずは、公団が主導していた当時の開発体制から、先ほどから出ています中核的企業、これをしっかりと育てて、その企業が効率的な権益を獲得する、あるいはエネルギー供給をしていくという、そういう体制をつくっていこうということ。ただ、いきなりそれを民間に任せるというのは難しいですから、機構ということでJOGMECを立ち上げて、そのJOGMECがリスクマネーの供給をしていくであったり、あるいは研究開発支援をしていくということ。そこに加えて、政府がしっかりと積極的な資源外交を併せて進めていく。この三位一体で進めていくというところが主なこの法律の中身であったというふうに理解をしております。  目下、日本の国の特にエネルギーの自給であったり、あるいは海外からの輸入の依存度ということを考えれば、エネルギーの安全保障という観点でいけば、これはしっかりと進めていくことについては全く異論はありませんし、あるいは、少しでもそのリスクを低減をしていくという政策が必要であるということにも全く異論はございません。その意味で、今回、この石油、ガスという分野においてより積極的な関与ができるような形で法改正をしていくということでもありますので、その意味では積極的に進めていくという立場は同じだというふうにまず認識をしております。  ただ、その一方で、今回は国民の皆さんからお預かりをしている大切な税金を更に分野を拡大し活用していく、利用していくということになりますから、その点ではしっかりと国益にかなうものになっていくのか。公金、税金を使うことの妥当性がしっかりとあるんだよねというところを主眼に置いて、その観点で質問を幾つかさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  少し大きな観点から今お話を始めたんですが、その一方で、済みません、非常に細かいことから聞かせていただきたいと思っております。今回の改正案の背景という部分の中で、今後五年程度の集中投資の期間というような表現がございました。こうした法改正、あるいは早期に、あるいはより業務範囲を拡大するということにおいて、余り期間を設定するというのはないのかなという観点もいたしたんですけれども、この五年という期間を設置した理由について、まずはお伺いをしたいというふうに思います。
  26. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 当面、我々は五年程度、これは我々が勝手に思っているのではなくて、世界銀行とかいろんな各種国際機関とかシンクタンクがいろいろ予想をしているわけですが、そういったものを総合しますと、今後五年程度は、中国経済の不透明感とかあるいは産油国の高水準の生産過剰、こういったものを背景として供給過剰が生まれて、そして石油価格というのが低いレベルで推移をするだろう。そういう中で、例えば資源国の国営会社とかあるいは個別の石油権益といったものが売りに出される、売却に回る、その可能性が大きい。売られるだけで将来的に値下がりしそうな権益だったら、それは今慌てて買う必要はないわけですが、一方で少し中期的な目で見れば、新興国や途上国が成長してくれば、当然また石油やガスの消費というのは増えていって、いずれはまた高くなる。これは世界的な専門家の予想もそういう形になっているわけであります。  ですから、今資源価格が安くていろんな権益や企業が、国営企業が売りに出る可能性の高いこの五年間に我々が機動的に動く必要があるということで五年ということを申し上げているわけでございます。
  27. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 私の方でもいろいろと調べましたけれども、今言われました需要と供給のバランスでいけば、IEAなんかが出している数値でいきますと、二〇二〇年手前ぐらいで需給のこのバランスが逆転していくのではないかといったデータもありましたので、今お話をいただいたことを含めて、私の方でも調べた数字、合致するかなというふうに思っております。  もう一つあるんですが、その中で自主開発比率、これはエネルギー基本計画の中でも示されているものですけれども、今四〇%、これを目指しているということでありますが、その四〇%の実現、これ早期実現というようなことで記述がございましたけれども、これはエネルギー基本計画のその四〇%の目標値を変えるとか達成時期変えるとか、そういうことになるのかどうか、その早期実現と表現された点についてお伺いしたいと思います。
  28. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 目標は堅持をしたいと思っています。二〇三〇年に自主開発比率を四〇%、現状では石油、ガス合わせて大体二七%ぐらいになっていますが、これを二〇三〇年まで四〇%というもう決定されている方針は変えません。  ただ、今この五年間がチャンスで、この五年の間にぐっとこの二七を四〇に近いところまで持っていけるチャンスがあるのではないかというふうに考えているわけでございます。
  29. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ありがとうございます。  目標は変えているというわけではないですけれども、とにかく今の、現下のこの状況をしっかりと捉まえて少しでも早いタイミングで権益を獲得していく、早期実現を目指していくということで理解をいたしました。  では、その現下の状況ということで改めてちょっと数字を確認をさせていただきたいと思っておりますけれども、日本企業ですとかあるいはメジャーの近年の状況が実際にどうなっているか。ちょっと数字について、例えば財務状況であったり投資の状況について、エネルギー庁の方に確認させていただきたいと思います。
  30. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 日本の上流開発企業は、欧米メジャーと比べまして企業の規模や保有する資産の多様性等の面で劣後をしてございます。  こうした背景から、まず財務面で申し上げますと、近年油価の低下で厳しい状況にあるとはいえ、欧米メジャーは数十億ドルから百億ドル程度の純利益があるような状況でございます。一方、日本企業は、赤字あるいは黒字であっても数億ドルというところにとどまってございます。投資額も、欧米メジャーは数百億ドル規模の投資を行っているのに対して日本企業は数十億ドル規模と、十分の一程度という状況にとどまっている状況でございます。  こうした中で、日本企業は低油価による影響を欧米メジャー以上に深刻に被っておりまして、新たな資産や権益の取得のための資金的余力は極めて乏しくなっているというふうに認識をしてございます。
  31. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 これは私の方でも数字少し調べましたけれども、今言われた、元々投資額の絶対額はメジャーと日本で違うわけですけれども、落ち込みとしては同じような傾向。今数字を御紹介をいただきましたけれども、実際に投資額、設備投資の落ち込みでいくと、メジャーでいけば二〇一三から一五でおよそ二四%ぐらい落っこっていました。それから、日本企業においても、同じ期間で見ますと二一%ぐらい落ちているということですから、極端にメジャーが落ちているとか日本が落ちていて何かそこに差があるかというと、そうではないということですので、全体的な、これは業界全体的な傾向であろうというふうに考えております。  では、もう一つ数字について確認をさせていただきたいと思っておりますが、エネルギーの需要と供給の話というのも先ほどありましたけれども、実際にエネルギーの国内の需要と実際に輸出入の関係がどうなっているかという点を確認したいと思っているんですが、まず国内エネルギーの需要の現状ということで、現下あるいは過去からの推移ということと、あと見込みについて、特に石油あるいは天然ガスという観点で状況の確認をまずさせていただきたいと思います。
  32. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 二〇一〇年度から二〇一四年度にかけての変化につきましては、震災後の省エネの進展などで一次エネルギーの供給は九%減少と。その一方、石油、天然ガスの供給量、これは二%増加している状況でございます。福島第一原発の事故後に原発が停止した影響で、電力分野で特に天然ガスの利用が増加をしたこと、これが増加の主たる要因というふうに考えてございます。この結果といたしまして、一次エネルギー供給に占める石油、天然ガスの比率は五九%から六七%に増加をしてございます。  二〇三〇年のエネルギーミックスでは、徹底した省エネ、それから再生エネルギーの最大限の導入、それから火力発電の高効率化、それから安全性の確認された原子力発電所の再稼働といった取組で、経済成長を見込んでも、二〇三〇年度の一次エネルギー供給量は二〇一四年度よりも六%程度減少と。石油、天然ガスの供給量は二〇一四年度よりも二八%程度減少と。そして、一次エネルギー供給に占めます石油、天然ガスの比率は五一%程度となる絵姿をお示ししているところでございます。
  33. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 エネルギーの供給、国内の需要と言い換えてもいいのかもしれませんが、の状況では、やはり石油とガス、全体として震災のやはり影響があったという点はありますけれども、将来的には絶対量としても徐々に減少していく傾向になるであろうということ、あわせて、今後のエネルギーミックスを考えたときに、その比率も低下をしていく、併せて絶対量も低下をしていくというのが現下の状況になっているということでございます。  その中で、今実際に六七%のエネルギー供給の推移ということで数字も御紹介をいただきましたけれども、もう一つ、具体的な数字についてお伺いをしたいと思っておりますが、先ほど出ていましたINPEX含めて日系の石油開発会社のそもそもの生産量と、その中のうち日本国内への輸入量がどうなっているのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。
  34. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 我が国の主な上流開発企業が公表しています石油、天然ガスの生産量の合計は、日量で約百二十万から百三十万バレル程度でございます。また、これらの企業が開発した石油、天然ガスの我が国への輸入量でございますが、これは各社へのアンケート調査によりますと、日量約五十万から六十万バレル程度ということでございます。  なお、JOGMECが出資支援を行っている案件につきましては、企業との契約の際に、我が国のエネルギー安全保障に係る有事の際には所有する権益分の石油、天然ガスを我が国に持ち込むよう努力義務を課しているため、有事にはより多くの石油、天然ガスが我が国に輸入されるものというふうに考えてございます。
  35. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今、生産量と実際に国内への輸入量ということで御紹介をいただきました。これ、百二十から百三十万、直近でいくと百四十という数字もたしかあったと思いますが、生産量に対してやはり国内への輸入量がどうなっているかというのも、これ数字としてはしっかりと押さえていくべきものではないかなというふうに考えています。  先ほど来、そのJOGMECの設立の目的という点でいけば、安定的に廉価なエネルギーの輸入、そうしたものを目指していくということでもありますし、その点でいけば、今回更に公的な資金をより使っていくということでいけば、まさにその目的にかなう形で使われるのかどうかということを非常にこれは意識をして政策を進めていかなければならないんだというふうに思います。  一つ、ちょっと調べたところで気になる点があるんですけれども、今、日系の石油会社からの数字ということで、五十万から六十万ということで数字を御紹介いただいたんですが、ここ数年の傾向というので捉えますと、だんだんこれ日系石油会社からの国内輸入量の絶対値というのが減っているというふうにも、数字を私、調べた限りでは出てきたんですけれども、まずこの点について、ちょっと事実関係をもう一度確認をさせていただいてよろしいですか、その傾向として減っているのか増えているのか。
  36. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 傾向といたしましては、一時期減ったときもありますが、またちょっと増えたりもしていて、それは同じような量になっています。  全体が、自主開発比率のところが、原油と天然ガスを合わせた形でバレル計算をしているのが先ほど申し上げた全体の数字になっているところが、石油の輸入の統計との若干の違いになっているところがあるというふうに認識をしてございます。
  37. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ちょっと、私の多分手元のは石油に限ってしまったのかもしれないですね。天然ガスのところが入っていなかったのかもしれません。  石油に限りますと年々低下の傾向があったものですから、その観点でいくと、せっかくJOGMECが様々なリスクも取りながら、技術開発も支援しながら徐々に生産量も拡大している中で、世界的な日本企業の生産量が拡大している中で、実は国内に戻してきている石油の量は増えていない、逆に減っているということからすると、これはそういう状況の中で公的な資金を使っていったときに我が国の国益に本当につながっているのかという、こういう観点も一つ必要なのかなというふうに思っています。  もしあればで結構なんですけれども、日系の石油開発会社から国内に実際に輸入をする量の将来的な展望あるいはその計画みたいなものがもしあれば教えていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
  38. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 上流開発企業が平時におきまして石油、天然ガスをどの国にどの程度輸出、販売するかについては、その時々の各国の石油、天然ガスの需給状況あるいは購入価格などに左右されますので見通すことが非常に難しいので、御指摘のような輸入数量の見込みというものは立ててございません。  むしろ、政策といたしましては、エネルギー安全保障上、有事においていかに我が国へのエネルギー供給を確保することができるかという点が重要でございますので、この観点から、我が国では自主開発比率の向上を政策目標として掲げて、二〇三〇年に四〇%以上とすることを目指しているということだと認識しております。
  39. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 なかなか難しいだろうなというのは、予想はしておりました。  今、有事の場合には輸入ができるというようなお話がございましたけれども、有事のときにしっかりと国内に持ってこれるというその担保は、これはJOGMECと連携をしている部分だけになるんでしょうか、それとも実際にJOGMECが直接関与していないものについても、日本の企業が生産しているものは優先的に日本に持ってこれる、そういうことになっているんでしょうか。どちらになるんでしょうか。
  40. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) JOGMECが出資をしている案件については、そういう形で努力義務を負わせているということでございます。
  41. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 民間企業が様々な取引をしている中で、なかなか国が法規制あるいは違う形で優先的に持ってこいというのは、市場への介入という観点ではなかなか難しいんだろうなというふうに思いますが、ただ、やはりエネルギーの安全保障ということを考えたときに、二つ、有事のときにしっかりと日本国内でのエネルギーの供給が止まらないという観点と、あとは日常的に安定的に安価なエネルギーを国内に持ってくることができるというのも、やはりこれは重要な政策としては考えなければいけないポイントではないかなというふうに思っています。  その意味で、大臣に一つお伺いをしたいんですけれども、ちょっと済みません、これ、通告していなかった件になりますけれども、自主開発比率四〇%というものは確かに目標値も設定をし行っているんですが、その中で開発したものがどれぐらい日本に返ってくるのかということも例えば目標値にする、目標値までいかないにしても、日常的にきちんとデータをウオッチしながらその推移をしっかりと政府としても把握をしていくということが必要ではないかなと思うんですけれども、大臣の御所見、ちょっと通告ないんですが、お伺いできればと思います。
  42. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 自主開発比率四〇%という目標は立てているわけですから、じゃ日系企業に何か割当てをして、それを日本へ強制的に持ってこさせるというのは、これはなかなか相手が民間企業だという点からいうと非常に難しいというふうに思います。  逆に、ふだんはやっぱり一番高く売れるところへ売っておいてもらって、しっかり経営をやっておいてもらって、そして日本がいざ有事に巻き込まれた、大変なことになったというときに、やはり日本の企業として、そのときにほかの国に石油売っていましたといったら、それは幾ら民間企業でも日本国の企業としてやっぱり社会的責任も問われる場合もあるわけですから、そういうときにはさっとこっちへ、日本に優先に割り当ててもらう、そういう体制を常日頃議論をしておくことが、その方が重要じゃないかなというふうに思っております。
  43. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 冒頭申し上げました、やはり公的な資金を入れていく。何のために入れていくのかということで、緊急事態、有事に対してなのか、それとも日常的なという点になるのか、すみ分けていいものかどうかは分かりませんけれども、その点もしっかりと意識をしながら、これはやはり政策として重要な点だと思いますので、ウオッチをしていくべきなんだろうというふうに思います。ちょっとその観点で私もしっかりと今後またこうした数値は見ていきたいというふうに思っております。  今、具体的な日系の動きについては確認をさせていただきましたが、今回、新たに政府が様々なリスクを更に取っていく形での資金投入ということになりますので、JOGMECの知見のない分野という部分にもこれ業務が拡大されるわけでございます。  その意味では、やはりどういう体制を持ってJOGMECが様々な案件についての審査をしていくのか、その強化ということについては大変重要になるというふうに思っておりますけれども、どういった審査体制の強化を考えているのか、その点について確認をさせていただきたいと思います。
  44. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) JOGMECは元々石油公団の反省というのが根っこにありますので、現時点でも、まず事業部門とは独立した審査部門による厳正な審査を徹底をしている、そして採択後も全ての案件を対象としたプロジェクト毎の厳格な管理というのも行っているところであります。  それに加えまして、今回新たな業務が加わるわけであります。まず、企業買収等の案件、これをやるときには、きちっとしたファイナンシャルアドバイザーなど中立の外部専門家による資産評価、いわゆるデューデリジェンスですね、このプロセスを追加をいたしました。また、国営石油会社の株式を取得するとなりますと、いろいろカントリーリスクとか地政学とかいろんな問題が絡んでまいりますので、この場合には第三者委員会、そのメンバーは、エネルギーや国際情勢の専門家、石油、天然ガスの上流開発の専門家、あるいは法務に精通した、国際法務にも精通したような専門家、ファイナンスの専門家、こうした人から成る第三者委員会の意見を求めなければいけないというプロセスも追加することとしております。  そして、こういう審査やガバナンスがきちっと機能しているかどうか、これは常日頃から経産大臣が所管大臣として独立行政法人を評価する立場から厳格に監督をしてまいりたいというふうに思っております。
  45. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今御説明をいただきました。  やはり、審査をするということでセクションを増やしていくということにもなろうかと思いますし、ある意味プロセスの複雑化にもつながることにはなるのかなと思います。特に、今回いろいろなセクションがまた入ってくる、外部の方のお話を聞くということにもなりますので、責任の分担であったり所在というところがこれは不明確になりはしないのかなということを懸念をしております。  特に、石油公団のときの反省として、結果的にいろいろなところが分散をしてしまって責任の所在がはっきりしないということも反省点の一つにあったかというふうに思います。  その意味でいけば、今回、また外部専門家による評価の工程であったり第三者委員会を立ち上げるということでいきますと、誰がどういう責任分担かというのは明確化、よりきちんと明確化をしておく必要があるのではないかというふうに思いますが、例えばこの体制を法律の中に入れるですとか、あるいはどこかにきちんと明記をするということが必要になるというふうに思うんですが、その点についてこれはどういう形で担保していくのか、お聞かせいただきたいと思います。
  46. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) これは、もう既に独法通則法の中で、JOGMECというのは独立行政法人でありますので、これは明確なんです、責任は。理事長の独任制、あくまでも理事長の責任ということになります。  ですから、第三者委員会とかは、これはいろんな意見は言ってもらえますし、その結果というのは理事長は重視しなければなりませんが、最終的に判断の責任を取るのは、これは理事長ということであります。  また、いろんなガバナンスは強化をしてまいりますけれども、それを法定化するというよりは、あくまでも理事長の責任ということの下にいろんな柔軟な対応もできるようにしておいた方がいいと思っております。  例えば、第三者委員会でも、これ法律でメンバーを固定するよりは、国とか案件によってやっぱりいろいろ専門性が要求される分野が違ったりするわけですから、その辺も機動的に動けるようにしておけばいいのではないかというふうに思っておりまして、審査体制を法定化するというのは、独法通則法上の性格から考えてもなじまないんではないかと思っています。  ただ、やはりきちっとした審査プロセスは絶対に経るということは担保しなければなりませんので、これは私が認可をした上で策定をする業務方法書というのがあります。そこでこの審査プロセスを経なければならないということを明記をするとともに、それぞれのプロジェクトごとに理事長の最終的な意思決定の前には経産大臣の同意も必要でありますから、私が同意をする際にそういうプロセスをきちっと経ているかどうかということを確認をしてやってまいりたいというふうに思っております。
  47. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今、この判断の責任は理事長にあるということで明確に御回答をいただきました。併せて、当然、大臣が同意をするということですから、そこの責任については明確になったというふうに思っています。  少しその中身について細かいことをまた伺いたいと思うんですが、今の外部の専門家のところではそれぞれに精通された方という言い方もされていたんですけれども、実際にそのメンバーの選定基準というものの策定、実際にどこが今どういう形で作っているのかとか、それはじゃどこに記載をされるのか、その点、少し細かいんですけれども、その点についてお伺いをしたいというふうに思います。
  48. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。  外部専門家、第三者委員会のメンバーはどのような基準でということでございますが、一つには、企業買収や国営石油企業の株式取得に際しての資産評価を実施するということでありますから、その外部専門家ということになりますと、MアンドA等の経験を一定程度有するということですから、法律事務所とかあるいは会計事務所等が考えられます。また、実績や価格に基づき総合的に評価した上で選定しておりますから、そのメンバーとしては、先ほど申し上げたような企業の法務、ファイナンスの専門家等々になろうというふうに思っております。  また、加えまして、国営石油企業の株式取得に際しては、意見を聞くときは、その外部専門家の資産評価に加えて第三者委員会を設置して意見を聞くということになっておりますが、それは、先ほど大臣がお話しされておりましたが、国際情勢とか社会情勢とかその国の情勢というのが入ってきますので、一つは、広い知見をもう一つ求めよということになっておりまして、当該国営石油企業の経営状況、業績を見極めるための企業の法務やファイナンスの専門家に加えまして、相手国に特有のエネルギー事情やカントリーリスクを評価するための更に大きな視点の石油、天然ガスの上流開発の専門家や国際情勢の専門家を、識見や当該相手国への知見の深さなどに基づき理事長が選任をするという予定となっております。
  49. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 御説明いただきました。  これ今、井原政務官の方から最後に理事長が選任をするということでありましたので、メンバーは、これはエネルギー庁というよりもしっかりとJOGMECの方で認定していくということになるんだろうということで今確認をさせていただきました。  今、こういう観点で、あるいはこういうメンバーをということで御説明をいただいたんですけれども、その中で特に上流開発に関する専門家というようなお話もございました。そうすると、ちょっと引っかかることがありまして、これちょっと通告をしていないんですけれども、例えば、当該プロジェクトに関わる可能性がある例えば開発会社のメンバーなんかが実際に外部専門家の中に入ったりあるいは第三者委員会の中に入ったりするというようなことがあるのかどうか。  これ、何を気にしているかといいますと、例えばリスクの高低というものの判断も恐らくそういう専門家の中での論議に入ってくると思うんですけれども、例えば当該関係してしまう人が入ったときにそのリスクの見積りが甘くなってしまったり、逆に辛くなってしまったり、少し判断をするに当たってJOGMECに支援を、逆にリスクをしょってもらうような、リスクを求めるようなことで会議体の中身の方向性を少し誘導してしまうようなことになりはしないかなということを少し、今お話を伺いながらちょっと懸念を持ったんですけれども、その点についてお考えあれば。
  50. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 今おっしゃっていることはまさにコンプライアンス、一般の利益相反に当たるわけですから、そういうことは当然ないようにしなければいけないというふうに思います。  先ほど責任のお話で、あくまでも案件を選定する責任は、これは理事長です。独立行政法人ですから、その案件がちゃんとうまくいくかどうかも含めて、これは理事長の責任です。私は、同意をする際には、やはりその理事長が判断したプロセスが大丈夫かどうかというのを点検するのがこれ私の仕事だというふうに思っています。  そういうときに、当然、第三者委員会はどういうメンバー選んだのか、そのメンバーの中には利益相反はないのか、きちっとした専門家が入っているのかどうか、それは私の方で、経産省の方でしっかりチェックをした上で同意をしていくというプロセスでやるべきではないかというふうに思います。
  51. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 プロセスというお話でしたので、ちょっとそこに加えてもう一つ大臣にお伺いしたいんですけれども、では、様々なプロセスを経て決められてきたもの、当然その論議の中身も含めてきちんと精査をされるということですけれども、やはりどのような観点でこういう判断がなされたというものがきちんと、できれば透明化されて、議事録を公表するであったり外部の目から見てもおかしくないねという、そこまでできるのが一番いいというふうに思っているんですけれども、その点について、中身についての公表という観点ではいかがでしょうか。
  52. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) これ、海外との交渉とかかなり値段のやり取りとか生々しい交渉もありますから、すぐ公表できるかどうか、これは案件にもよろうかと思います。内容にもよろうかと思います。ただ、当然そのプロセスの記録はしっかりと残して、当然私が同意をする際にはそれは全部点検をさせていただきますし、何らかの形で後世に対してきちっと説明ができる、記録を残しておくということはこれは絶対にやらなければいけないことだと思います。
  53. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ありがとうございます。  当然、交渉事でありますので、すぐに中身をというのは難しいということは理解をいたします。ただ、最後に今大臣がおっしゃられた、まさに後世にきちんと記録を残すということ、再三申し上げていますけれども、やはり税金を使うということでもありますので、どういう考え方で国民の皆さんの税金が使われたのか、それは後でもしっかりと検証できる形を残しておくことは重要だと思いますので、是非、そうした透明性についてはしっかりと様々な情報が外部から見れるような形でつくられることをお願いを申し上げたいというふうに思います。  それでは、ちょっと次の観点で。今実際に審査体制ということでお伺いをいたしました。もう一つ、実際にその審査がじゃ進んでいったときの最後の判断というところで少しまたお伺いをしたいんですけれども。  今回、特に支援メニューの拡大ということで、より上流工程から実際の生産の工程まで一連に対しての追加支援ができるということもありますけれども、もう一つやはり大きいのは、民間では実施困難な国営の石油会社株式の取得というのがあります。これはやはり大変大きな変更といいますか、追加のメニューになっているというふうに思います。  そうしますと、この判断は非常に難しい判断が求められる局面があるのではないかなというふうに思っているんですが、特に企業の収益上の判断、これは当然経済合理性で判断がされるというふうに思います、収益がプラスになるのか。マイナスになれば当然ないんだと思いますけれども。ただ、その収益の判断と企業の判断と、例えば政治的な判断というのでギャップが発生する可能性が出てくるのではないか、そういう難しい案件が出てくるのではないかということも想像といいますか想定されるのではないかと思いますが、こうしたときにどういう対応をするのか、そのお考えがあればお伺いしたいと思います。
  54. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) これは、あくまでも案件がきちっと、JOGMECが投資すべき案件かどうかという判断は、これはあくまでもJOGMEC側が最終的に理事長の判断で行うものだというふうに思っています。ですから、JOGMECがこれもう嫌ですと、絶対うまくいかないから嫌だと言っていることを、いや、この国とは仲よくしなきゃいけないからやりなさいなんということは、これはあり得ません。あくまでもそれはJOGMECが判断です。  ただ、私が同意する際には、JOGMECのやろうとしている案件が我が国のエネルギー政策全体ときっちり合致をしているかと、ここは点検をさせていただかなければいけない。我が国が、例えばもうこの燃料に関してはちょっと減らしていこうというときに、その特定の燃料を、権益をがばっと買いに行くとかいうときは、それはちょっと待ってくださいよということは、これはそういう政治判断はあるかもしれませんけれども、少なくとも、案件として、JOGMECがやりたくない、あるいはもうやるべきではない、利益が出ないと言っている案件を何か政治的判断でJOGMECに無理やりやらせるというようなことはありません。
  55. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そこの点なんですね。一番気にしているのはそこの点で、やはり、資源外交だけではなくて、これ、いろいろな外交上のやり取りからすると、直接資源ではないんだけれども、外交としてこれはやはり国益にかなうというような政治的な判断もあるときには出てくるのではないかなというふうに思います。そのときに、たまたま案件として資源に関わる部分が外交上のアイテムとしてあったときに、それが政治的な判断の部分にたまたま出てきていた、資源外交の部分のJOGMECの考え方の部分と連携をしたというのが発生したときを想定して今のような御質問をさせていただいたんですけれども、この点はなかなか大臣もお答えづらいといいますか、今の段階でそれを想定してというのは答え得るものではないんだというふうに思いますけれども、ちょっとその点についてもう一度確認させてください。
  56. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 当然、資源外交という言葉もありますから、資源エネルギーに関して政治がいろんな判断をするということはあります。そういった中で、例えばこの国がこういう案件について日本企業の参画を希望しているからJOGMECが資金供給をしてはどうかというぐらいの話はあると思います。ありますが、じゃ、分かりましたとJOGMECがそれを預かって、そして審査プロセス、第三者委員会、いろいろ判断をした結果これは無理ですとJOGMECが言ってくれば、それは我々はそれ以上のことは言えないということです。もちろん、案件を紹介したりとか、この国からこの間の首脳会談でこういう提案があったので検討してみてくれということは、それは言う可能性はありますが、無理だと言われた案件を強制することはあり得ません。
  57. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 その意味も込めて、先ほど、第三者委員会のメンバー選定基準どうですかとか誰が選ぶんですかということを事前に確認をさせていただいたところでございます。  是非、今大臣お話しされた観点については重要だと思っていますので、しっかりと様々判断をいただきたいというふうに思っておりますし、それをなし崩しにすると、JOGMECの独立性という観点についてもこれ疑いが掛かることになります。そうすると、石油公団の反省は一体何なのだとか、違うところにもまた話は波及してくることになりますので、是非その点については大臣の今のお話をしっかりと進めていただきたいというふうに思います。  次に、ちょっと法律の中身の観点で一点お伺いをしたいと思います。  今回、JOGMECが資金を入れて進めてきたもの、これまでの観点でいきますと、省令の方で三年たちますとその権利については譲渡するという形の立て付けになっていたかというふうに思いますが、今回の法改正でその譲渡の期間に関する記述が削除されております。これ、削除した理由についてまずは確認をさせていただきたいと思います。
  58. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) お答え申し上げます。  今回の改正ということでありますが、条文の中に今回加わったのが、石油等の探鉱及び採取ということで、する権利、そして括弧書きで、その権利を取得するために必要な権利を含むということで出資するということになるわけですけれども、今回の改正では、産油国等の国営石油企業の株式取得を業務に今申し上げたとおり追加をしております。この目的が、相手国政府や国営石油企業との間で中長期的なパートナーシップを構築し、将来における我が国上流開発企業の権益獲得の布石とすることにございます。  ですから、将来的に我が国上流開発企業による権益獲得が実現する時期というのが、なかなかその株式取得の目的を達成したと判断できる時期をあらかじめ三年以内というふうに見通しすることは非常に難しいということでございまして、このため、条文上、譲渡の期限を削除し、JOGMECによる保有期間に制限を設けないこととしたということでございます。
  59. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 少し懸念をしていますのは、これまでは省令で三年というのがありましたから、そこをターゲットに様々なものが動いていったと思います。逆に、その歯止めがなくなると、期間的なターゲットがなくなるということで、業務の移管についても少しずるずると先延ばしになったりとか、その辺の管理がルーズになるようなことがないのか。あるいは、民間からすればしっかりと自分たちの方でというような考えがあったことが、少しJOGMECとの考え方の違いがあって、実際に民間への業務移管のときに弊害が発生しないかどうかということも考えられるんですけれども、この点について確認させていただきたいと思います。
  60. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) そういった弊害が出ないように、石油公団からJOGMECに変わったとき、このときにやはり民主導でやっていくんだという哲学があるわけですから、その哲学は変更すべきではないというふうに思っています。  ただ、一方で、特に国営石油会社の買収案件となりますと、相手国が国にしか売らないと、そういう交渉もあり得るわけです。いきなり民間には渡しませんよと、国にしか売らないと言われたときに、じゃ、JOGMECが出ていって買いますけど、三年きりでいいですかと言われたとき、場合によってはそれが五年とか六年になるケースもあるわけなので、そこを柔軟に対応させていただきたいということで、今回、この期限というのを外させていただきました。  ただ、今申し上げたように、やっぱり民主導の哲学は変えるべきではないというふうに思っておりますので、法律からは外しましたけれども、私からJOGMECに対して認める業務方法書、業務方法書には、まず探鉱権、探鉱権に関しては、国じゃないと駄目というケースはありませんから、ほとんどありませんから、これについては三年間という期間限定、探鉱する期間から考えても三年あれば十分でありますから三年と、これは過去の法律と同じ期限をしっかりと規定をしたいと思いますし、一方で、国営企業株式の買収などについては、これも、権益獲得が完全に実現をしたとか目的を達成したらもう売却をしなさいということは業務方法書に書かせていただく。国営石油会社何で投資するかというと、その石油会社が開発する権益に日本企業がかむためにJOGMECは出資するわけですから、その開発がしっかり確定をすれば、もう株を持っている必要はないわけですからそれはすぐ売りなさい、この点はしっかり業務方法書に明記をさせていただきたいというふうに思っております。
  61. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今大臣の方から哲学は変更しないということで力強く御発言がありましたので、ちょっと安心をいたしました。  今回の、あくまで業務拡大によって発生する足の長い案件については三年というのが難しいということでありますから、その意味では、従来の考え方の範疇でできていた投資、支援のメニューについては従来どおりの考えで、三年で移行していくということだと思いますので、この点について今確認をさせていただきました。  是非、冒頭に五年程度の集中投資ということをちょっとお伺いをしました。ですから、集中的にやりますよというこの最初の発信に対して、その一方で、そうはいっても実は足が長いんです、開発が足が長いんです、だから譲渡期間の期間については文言を削除しましたというと少し説明の組立てに違和感を感じたところがあるんですけれども、あくまでもその案件に応じて、従来型でできるところは従来どおりの考え方でやって、言ってみれば今回のが特例に近い、特殊な件についてはこういう考え方だということ、これしっかりとすみ分けて進めていただきたいというふうに思います。もう本当に再三で申し訳ないですけれども、気付いてみたらJOGMECの中に公金使ったんだけどリスクだけたまっていました、こういうことになってはいけないと思いますので、この点については是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。  それと、次にもう一つ、これは法律の中身の記述について確認をさせていただきます。  施行日、期日についてなんですけれども、これは公布日から、もう即日ですね、公布日からとなっております。この理由について確認をさせていただきたいんですが、これだけ、外部専門家の審査もやると、プロセスも変えていきますと、当然、ちょっと今日、確認はしていないですけれども、人材育成なんかもやっていくということで、衆議院の委員会の中でもそういうやり取りがありました。かなりいろいろ準備としてはやらなければいけないことは多いんだというふうに思いますが、その中で、この公布日、すぐだというふうにされている理由について確認をしたいと思います。
  62. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) まず一つは、足下の油価が低迷していると。石油権益の資産価格が低下し、米国中堅企業によるシェールガス子会社の売却など資源会社の資産や株式を売却する動きが非常に出てきているというのが現状としてあります。既に中国、インドでありますが、こうした動きに迅速に対応し、国と国営石油企業が一体となって世界中で権益獲得や企業買収を進めておりまして、また欧米メジャーも買収を活発化していると、こういう現状がありまして、こうした動きに我が国が立ち遅れないようにする必要があるので、できるだけ早くというのが一点あります。  二点目には、今年の五月の伊勢志摩サミットがございました。その首脳宣言におきましても上流開発投資の促進が合意をされているところでありまして、安倍総理が議長ということで、議長国として取りまとめを行った我が国としては、この合意を率先して実行に移していく必要があろうというふうに考えております。  こうした点を踏まえれば、早急にJOGMECの体制を整え、リスクマネー供給の機能を強化する必要があると考えまして、公布日に即施行というふうにしたわけでございます。
  63. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 当然油価が上がる前にというふうな、ある意味急ぐべき案件だということは冒頭からお伺いをしましたので、その考え方に沿った即日ということなのかなというふうにも受け止めましたし、ただ、その一方で、ここ一、二週間、特に新聞報道、マスコミの報道を見ますと、世耕大臣のお顔を拝見する報道が多々ございまして、ロシアとの経済連携のお話ですね、こういった非常に活発な動き、特に来月プーチン大統領が訪日をされるというようなことも決まっております。こういう中でこの即日というのもあると、いろいろもう既に動き出している案件含めて様々な動きがあるのではないかなというふうにも考えるんですけれども、既に動かれている候補案件というのもこれはやはりあってこういう即日の日程というところも考えられたのではないかなというふうに考えたんですけれども、この点について、大臣、いかがでしょうか。
  64. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 現時点で、特定の国とか特定の案件を想定してこの法改正をやっているというわけではありません。  ただ、一方で、生き馬の目を抜く世界でありますから、いろんな売却案件がいっぱい出てきていて、特に中国、インドは非常に迅速に動いている。そういう中で、委員御指摘のように、これはやっぱりデューデリジェンスとか第三者委員会とかいったプロセスも経なければいけないわけですから、ある程度判断にも時間が掛かりますから、できるだけ早くこの法律を施行して、何かの案件があったときにほかの国に出遅れることなくJOGMECがしっかり行動していけるようにしていくべきだというふうに思います。当然、JOGMEC自身は、今でもいろんな形でいろんな案件について当然研究とか分析といったことはやっているだろうというふうに思います。  でも、いずれにしても、この法律は何か特定の案件、国を想定して改正をお願いしているわけではないということは明確に申し上げておきたいと思います。
  65. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 なかなか、先ほど来ありましたけど、交渉事ですから、あるないというのを具体的にここでお話しいただくわけにはいかないんだというふうに思います。  少し、こだわるわけではありませんが、先ほど来、第三者委員会を置く、様々な専門家の意見を聞くという、そのプロセス自体はそのとおりだと思いますし、しっかりと審査はやっていただかなければいけないんだというふうに思いますが、やはりそうはいっても、即日からということで、話がとんとん拍子に進んで、あっという間にこれ実は契約しますということになったとすると、本当に、さっき、今日つい三十分前に確認させてもらったそのプロセスを本当に踏んでいたのかということも懸念としては考えられるわけであります。  ちょっとしつこいようではありますけれども、すぐにといいますか、できるだけ早く案件はまとめるんですけれども、あくまでもあのプロセスはしっかりと堅持をした上で、そして、そこでの議論については後々の公表も含めて透明性を持って進めていくということに、くどいですけれども、もう一度そこの点について確認をさせていただければと思います。
  66. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) まさにおっしゃるように、その審査のプロセス、第三者委員会のプロセスというのは非常に重要でありますから、これをきっちり踏んでいくということになろうかと思います。だからこそ、できるだけ早く施行させていただいて、そういったものが、案件が来た場合に直ちにそういうプロセスに入れるようにしておくことも重要だというふうに思います。そして、そのプロセスで議論されたことはしっかり記録に残して後世に説明をしていく必要があると思っております。
  67. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。  すぐに取りかかる、タイミングはまた別ですけれども、やはり様々な予算含めて体制を整えていく。今、先ほどは審査のプロセスで確認をしましたが、実際に支援をするというのはこれは税金を使っていくということになりますから、予算についてこれはしっかりと確保していくことも必要だというふうに思います。  次年度の予算であったり、あるいは今五年間集中的にという冒頭のお話もございましたので、向こう五か年、どれぐらいの予算規模が必要になるか、そういった数字があれば確認をさせていただきたいと思います。
  68. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) まず、来年度の概算要求ということでありますけれども、石油天然ガス田の探鉱や資産買収等に対する支援のためにエネルギー対策特別会計で九百億円、天然ガス資産の買収や開発、液化等に対する支援のために、財政投融資特別会計投資勘定ということですが、これで四百六十億円を要求をいたしているところであります。  一方、今後の予算規模の見込みについては、要求中の来年度予算も含めて財政当局とこれは当然折衝がこれからあるわけでありまして、現時点で予断をすることは差し控えたいというふうに思っております。  なお、今年度補正予算といたしましては、我が国上流開発企業による海外の企業買収の支援等に活用するため、財政投融資特別会計投資勘定における千五百億円を含む必要額を計上させていただいたところであります。  また、出資金による支援に加えまして、政府保証付借入れを財源とした出資を上乗せすることができるように、約三千二百億円の政府保証付借入枠を追加し、合わせて約五千億円規模の支援枠を用意しているところでございます。  こうした支援枠を最大限に活用し、民間企業からの投資を促すことで我が国のエネルギーの安定供給を図るとともに、我が国上流開発企業の国際競争力の強化を図ってまいりたいと考えております。
  69. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今政務官の方から数字を御紹介をいただきましたけれども、今年度の補正予算の数字も足しますと、今御紹介いただいた数字を足すと大体五千億ぐらいになるんですかね。その意味でいけば、大体、JOGMECの方からの出資の上限が五〇%というような規定もありますので、残りを民間が出して同じく五千積めば一兆円というような基準にもなろうかというふうに思います。  最初の時点で確認をしました日本企業の開発会社の今投資額が年間でいくと大体二兆円ぐらいまで、二兆円ぐらいですかね、多分金額でいくと大体それぐらいの金額になるかと思いますので、それに対してこの規模の支援というのが毎年続いていくということであれば、これは冒頭お話をさせていただきましたけれども、準メジャーをしっかりと目指し、メジャーを目指して今のポジションから更に抜け出せるようなという戦略とは金額としては合致をするのかなと思います。  ただ、その次年度の概算要求の九百億という数字であると、全体の投資額、二兆円ぐらいのスケールがある投資額に対してJOGMECの投資がこの数字で本当に大丈夫なのかなということもあろうかと思いますけれども、これについては、じゃ幾ら投資すればいいと。お金がじゃぶじゃぶあるわけではありませんので、ここはしっかりと大臣先頭に精査もしていただきながら必要な額というものも確保の方はしていただければなというふうに思っております。  最後にもう一つ、法律の制定の観点で一つ確認をしたいことがあるんですけれども、今回公的な資金を入れていく、そうすると、プロセスも様々新たなものも増やしていくということからすると、きちんとお金が使われて益が出ているのか、あるいは国民に対してどういう形で国益に反映をされてきているのかという審査、その振り返りというものがしっかりとしていく必要があろうかというふうに思うんですけれども、今回、その見直しをしていくということ、その検討規定というものが特に法律の中、附則の中にも入ってはいないんですけれども、これ、検討規定を入れなかった理由というのは何かありますでしょうか。
  70. 井原巧

    ○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。  平成九年に閣議決定をされました規制緩和推進計画の再改定というのがございますが、そこにおいて、規制の新設に当たっては、原則として法律に一定期間経過した後には規制の見直しを行う旨の条項を盛り込むというふうにされております。つまり、規制を新設する法律においては検討規定が定められているということになります。  一方、今回のこのJOGMEC法案でありますが、このJOGMEC法案はJOGMECの業務追加ということで、規制の新設ではございません。業務追加に関するものでございまして、国民の権利を規制するものではないため検討規定は置いていないということでございまして、過去二回のJOGMEC法の改正の際にも同様に検討規定は置かれてございません。  こうしたことから今回も置いていないということでございますが、ただし、先ほど大臣が全ての総括の責任者ということをお話しされておりましたが、これはJOGMECは独立行政法人ということでありますから、当然、独立行政法人通則法に沿うことになっております。通則法は、御案内のとおり、PDCAサイクルをしっかり明記しておりますし、毎年度実績評価を行うとともに、中期目標の期間終了のときには中期目標期間を通じた評価や業務、組織全般、極端に言えば改廃までに関する検討をするというふうにしっかり明記されております。ですから、法案に検討規定は置かれていないものの、こうした独立行政法人の評価プロセスの中でJOGMECの業務、組織について必要な検討や見直しをしっかりと行ってまいりたいと考えております。
  71. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 是非検討して、法律上は入っていないということではあって、今御説明いただきましたけれども、しっかりと振り返りの点は通則法含めて定められている規定の中でお進めをいただきたいというふうに思います。やはり公金を入れたその妥当性をきちんと検証していくということは重要だと思っておりますので、是非お願いを申し上げたいというふうに思います。  最後に一問、もう一問だけやらせていただきたいと思います。  ちょっとJOGMEC法の観点とは離れるんですけれども、開発目標、比率四〇%、これは当然生産量自体を増やしていくという観点もあろうかと思いますが、増やしていくことでその数値を上げていくというやり方もあろうかと思いますが、その一方で、全体の国内の省エネを進めることで結果として比率が増えていくという観点もあろうかというふうに思います。その意味では、国内のエネルギーミックスの目標を積極的に進めていく、それこそそれを早期に実現させるということも大変重要なのではないかなというふうに思っております。  その意味で、我が党としてもこれまで省エネの分散型推進法という考え方で様々法律も提出をさせていただいております。例えば分散型のエネルギーを促進していこうだとか、あるいは地熱の利用をしっかりと、地熱といいますか、エネルギーの中から捨てられている熱というものをしっかりと活用していこうですとか、あるいは公共施設の省エネ、そうしたものもしっかり進めていこう、こうした法律も準備させていただいているわけでございますけれども、政府としても今、再生可能エネルギー促進に向けて活動されているというふうに思いますが、この再生可能エネルギーの促進に向けて、現状と、こういう点についてもっとクリアにしていかなければならない、その課題認識について最後に確認をさせていただきたいと思います。
  72. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) これはもうエネルギー基本計画で二〇三〇年度には再生可能エネルギーを二〇から二四%、これを目指すということで取組を進めております。FIT制度開始後の四年間で再生可能エネルギーの導入量は二・五倍になるなど、このFIT制度は再生可能エネルギー推進の原動力となっています。ただ、一方で、太陽光発電に大変偏っているとか、あるいは国民負担がやっぱり増えていくんじゃないかという懸念、あるいは制度の認定を受けていながら稼働していない、そういう未稼働案件の発生とか、あるいは電力系統が十分じゃなくて、せっかく発電しても受入れの部分で制約が発生をしているなどという課題が発生をしているわけであります。  そこで、本年五月にFIT法を改正をして、新たな認定制度を創設して未稼働案件の防止や適切な事業運営を確保するということ、また複数年の買取り価格の目標や大規模な太陽光についても入札制を入れるなど、新たな価格決定方法を導入をして、コスト効率的な導入を進めております。そして、風力や地熱などリードタイムの長い電源については、数年先の認定案件の買取り価格をあらかじめ決定するということで、事業の予見可能性を高めて導入を後押しをしていきたいというふうに思っています。  そういう見直しを行ったところでありまして、この新制度は来年四月に施行されるわけであります。こうした改正FIT法の適切な運用に加え、送電網の増強や制度改革、研究開発など総合的な施策を講じて再生可能エネルギーの導入拡大を進めていきたいというふうに思います。  ちょっと言い間違いがあったみたいですから、待ってください。  済みません、再生可能エネルギーの導入量を二〇から二四と申し上げましたが、二二から二四であります。済みませんでした。
  73. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 終わります。ありがとうございました。
  74. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) それでは、午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  75. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。     ─────────────
  76. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 休憩前に引き続き、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  77. 石川博崇

    ○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。本日は質問の機会をいただきまして、心より感謝を申し上げます。  本日はJOGMEC法の改正についての審議でございますが、私自身、外務省時代、アラビア語を専門職として湾岸諸国またイラクに赴任をさせていただき、微力ながら我が国の権益確保、あるいはエネルギーの安定供給、あるいはエネルギーの安全保障といった分野に携わらせていただきました。議員になりましてからも、こうした拙い経験を生かしながら、議員外交を通じて我が国と中東諸国との関係強化に尽力をさせていただいている身でございます。そうした私からいたしましても、本日審議をさせていただいておりますJOGMEC法の改正、これは我が国の資源外交をこれから力強く推し進めていく上でのオプションを増やすということにつながる極めて意義の深いものだというふうに考えております。そういった観点から本日は質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  なお、午前中、吉川先生、青山先生、また礒崎先生が質問された項目と一部かぶる点もございますが、御容赦をいただければというふうに思います。  まず、午前中も幾つか議論になりました自主開発比率につきまして私からも質問させていただきたいと思います。  二〇一〇年に閣議決定されました第三次エネルギー基本計画におきましては、我が国の自主開発比率を二〇三〇年までに四〇%以上に引き上げるということを目標とされました。またあわせて、このとき自主エネルギー比率というものが設けられまして、当時民主党政権下で取りまとめられましたこの第三次エネルギー基本計画でございますが、この自主エネルギー比率を倍増させて七〇%にするという目標が掲げられたわけでございます。  その後、東日本大震災また福島第一原発事故等があり、二〇一四年四月に第四次エネルギー基本計画が、これは自公政権の下で取りまとめられたわけでございますが、その第四次エネルギー基本計画におきましては、数値目標は明確には具体的に記述はされていないという状況になっております。ただ、午前中の質疑でもありましたとおり、政府としてはこの自主開発比率については引き続き四〇%というものを堅持をしているという御答弁でございました。  この明記されていない第四次エネルギー基本計画との関係、さらには第三次基本計画で設けられておりましたこの自主エネルギー比率七〇%という概念は今どういうふうに整理をされているのか、御質問させていただきたいと思います。
  78. 松村祥史

    ○副大臣(松村祥史君) 石川委員の御質問にお答えをしたいと思います。  先生からは自主開発比率と自主エネルギー比率の目標をどのように設定しているのかと、このようなお尋ねかと存じますが、言うまでもなく、資源に乏しい我が国は、自主開発を進めることはこれは重要な課題であると考えております。こうした中で、第四次エネルギー基本計画におきましては、官民が協力をして自主開発比率を上げていくための取組を進めていくと明記をしております。石油、天然ガスの自主開発比率を二〇三〇年に四〇%以上とする目標の早期実現を目指しまして上流開発政策に取り組んでいるところでございます。  また、長期エネルギー需給見通しにおきましては、東日本大震災後、大きく低下をいたしました。ちなみに、二〇一〇年が一九・九%、震災後の二〇一四年が六%でございますが、今後、エネルギー自給率を震災前を上回る二五%程度まで改善することを目標として掲げております。  また、再生エネの導入を国民負担を抑制しつつ最大限拡大していくとともに、安全最優先の姿勢で原子力の再稼働を進めてまいりたいと考えております。
  79. 石川博崇

    ○石川博崇君 自主開発比率四〇%を堅持をしてしっかり進めていくということでございます。  今回のJOGMEC法の改正におきまして、午前中、礒崎先生からも御質問があったところでございますが、しっかりとこのJOGMECの支援を通じて上流開発を進めていく場合に、我が国のエネルギー安全保障、また自主開発比率にどれだけ寄与していくのかという点がやはり国民の税金を使って支援をするという観点からは極めて重要なのではないかと思っております。  そういう意味で、このJOGMEC等が支援をした我が国の石油開発会社が生産をしている石油取引量のうち、実際にどの程度我が国に輸入がされているのかということを把握をしていくことも重要ではあるかと思いますし、また、いざ緊急の事態になったときに優先的に我が国の需要に応じた調達ができるような仕組みを構築していくことが大変重要かというふうに思っております。  午前中の答弁にもございましたけれども、この緊急時に優先的に我が国に調達することについては出資契約に努力義務とするということが規定されているわけでございますが、この条項はあくまでも努力義務にすぎないということになっております。この我が国に優先的に調達することを実効性をいかに確保していくのかについて御答弁をいただければと思います。
  80. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 先生御指摘のとおり、JOGMECが出資支援を行う案件につきましては、企業との契約におきまして、有事の際、我が国への石油、天然ガスの持込みに係る努力義務を課しているところでございます。  この実効性を担保するために、我が国の企業が産油国などとの契約、これを結ぶときに、権益相当分の石油、天然ガスの引取り、処分に関する権利などを有しているかどうかということを、JOGMECが企業に必要な証明を求めることなどを通じて個別に確認をさせていただいているところでございます。
  81. 石川博崇

    ○石川博崇君 是非とも、緊急時にしっかりと我が国に優先的に調達できるよう、今後とも取組をしていただきたいというふうに思います。  続きまして、今回のJOGMEC法の改正によりまして、これまではJOGMECの出資というものは、石油の採取をする権利あるいはその権利を譲り受けて採取を開始するために必要な資金に対して出資をするということに限られていたわけでございますが、今回の改正によってその限定が解除されて、例えば海外の資源会社の買収への支援、必ずしも個別権益の獲得とは直接結び付かない事業であっても支援することが可能になってくるわけでございます。  そうした中にあって、このJOGMECが行う支援というものがいかに我が国の石油、天然ガスの自主開発比率の向上に寄与するのか、この点についてどうお考えなのかということをお聞かせいただきたいことと、また、JOGMECや中核的企業から資本提携に係る出資が案件に対して余りにも小規模であった場合には、例えば日本の持つ株式の保有比率が非常に少ないということから、余りその案件に対して口出しができないのではないか、案件に対するハンドリングが難しいのではないか、我が国の安全保障の向上にインパクトを与えることができないのではないかといったような懸念もございます。  こうしたことについて、我が国として、国としてもしっかりとハンドリングを効かせていくということが重要かと思いますけれども、JOGMECが行う役割あるいは出資先への国の関与、さらには官民の役割分担について、経産大臣、いかにお考えか、お聞かせをいただければと思います。
  82. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 今回の法改正によって、企業買収あるいは国営石油会社の買収、そういったことに関してJOGMECが支援ができるようになるわけであります。そのことによって、JOGMECと日本の上流開発企業が、あるいは商社等が例えば国営石油会社の一定の株を持つとなりますと、例えば役員が派遣できるとかいろんなことが出てくると思います。そうすると、まだ開発に入る前からいろいろ情報が入るとか、あるいはこういうところを探鉱しようと思っているんだけど、それなら日本のこういう技術が使えるよというような、事前の段階から入れるという面で、今回の法改正、非常にメリットがあるんじゃないかというふうに思っています。  もちろん、当然、大半、丸ごと会社買収となるとそれは大変なお金になりますから、そういうことはなかなか現実的ではなくて、一定の比率の株を持つということになるわけでありますが、それはただ単にその比率の株を持つだけではなくて、JOGMECは非常に地質学の専門家とかそういったのもおりますので、そういう人たちとその資源会社が共同研究をすることによってJOGMECの発言力を増していって、そして日本の上流開発会社の後押しをするというようなこともできるようになってくると思います。  それと、政府は、やっぱり総理を筆頭とする積極的な資源外交を展開をしていかなければいけないというふうに思います。日本をパートナーにすることによっていろんなメリットがあるということをしっかり示していく、あるいは、資源開発と何か別の、例えばインフラ整備とかそういったことを政府がセットで行っていくような提案をするとか、そういういろんな形で政府も後押しをしながら、我が国の自主開発比率向上につながるような施策をやっていきたいというふうに思っております。
  83. 石川博崇

    ○石川博崇君 我が国の自主開発比率を考える上で極めて重要なターニングポイントが明年やってくると考えております。お手元に先生方に配付させていただいております資料を御覧いただければというふうに思います。  これはアブダビ海上油田権益についてでございますが、我が国の自主開発原油の約四割が実はアブダビ首長国の海上油田にございます。その四割の我が国の自主開発権益のうち、六割の契約期限が再来年の三月、到来をすることになりまして、我が国のエネルギーの安定供給を確保していく上で極めて重要なタイミングとなってまいります。  本年の末以降、こうした新たな入札に向けたプロセスがスタートするというふうに伺っておりまして、これまでも高木副大臣、何度もアブダビに訪問され、ハイレベルとの人間関係の構築、それを精力的にやっていただいておるというふうに伺っておりますし、また、ここに書いてありますとおり、エネルギー分野以外の協力というものを多層的に進めていっておられるわけでございますが、これから年末そして再来年の三月に向けて極めて厳しい外交戦が必要になってくる中にあって、経産大臣より今の現状そして今後の取組について決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。
  84. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) アブダビの海上油田には、我が国自主開発原油の約四割が集中しているという状況であります。そして、その六割以上について二〇一八年に期限が到来します。したがって、これらの権益の延長というのは、我が国のエネルギー安定供給を確保する上で極めて重要であります。  これまでもこの権益の延長に向けて、今年五月には私の前任の林経産大臣が直接、アブダビ国営石油会社CEOに対して働きかけを行いました。また、高木副大臣がこの一年間で何と四回もアブダビを訪問してもらっていまして、マンスールUAE副首相を始めとした王族や関係閣僚に対して直接働きかけを行ってきているところであります。  また、アブダビ側も、石油だけの経済じゃ駄目だということでいろんな要望を持っておりますので、それに応える形で、医療、教育、先端技術、投資促進など幅広い分野における協力事業を民間企業や大学などと連携をしながら実施をしてきております。私も、アブダビの研修生、官房副長官時代、受け入れて、いろいろ講演などもしたことがあります。いろんな形で密接に関係を続けております。  私も、できるだけ早くアブダビを訪問をして、王族を始めとした重要な関係者と会いたいと思っています。特にアブダビは、よく御存じのムハンマド皇太子という方が実権を大変握っておられて、私はこの方は、安倍一次政権のとき、二〇〇七年に訪問したときも、あるいは二次政権で二〇一四年に安倍総理が訪問したときもずっと会談とか夕食会も同席をしておりまして、その席で分かったのが、この方は大変魚の養殖に興味があるということで、私、実は二〇〇八年だったと思いますが、近大マグロを持って会いに行ったこともありまして、普通、当時私、政府の役職何にも就いていなくて、ムハンマド皇太子は、大臣でもなかなか会わないと言われている方が、一議員として、マグロ持ってきましたと言ったら、すぐ会ってくれたというのもありまして、多分向こうも覚えていてくれていると思いますので、是非行って、できればお目にかかって、海上油田権益の延長についてしっかり働きかけを行ってまいりたいと思います。
  85. 石川博崇

    ○石川博崇君 今大臣が御紹介いただきました第一次安倍内閣でアブダビ、UAE訪問されたとき、私は総理通訳として同行させていただきまして、魚の件、通訳させていただいたのも記憶しております。  私も議員としてしっかりこの案件推し進めてまいりたいというふうに思っておりますので、是非今後とも、特にこの年末から再来年の三月にかけて重要な時期を迎えますので、力を入れていただきますよう心よりお願いを申し上げる次第でございます。  ちょっと論点を変えさせていただきまして、JOGMECの体制強化、また人材育成についてお伺いをしたいと思います。  JOGMECは、我が国の資源エネルギーの安定供給を目的として、中核的企業等に対する戦略的なリスクマネー供給あるいは研究開発支援を行っております。石油、天然ガスの探鉱開発に対する出資の支援、また、対象となる事業につきまして、技術や経済性、政策的重要性、また労働安全衛生とか環境負荷低減等の確認あるいは審査等を行っておられます。そういった意味で様々な専門的な分野からのスキルを抱えているわけでございますが、それに必要な人材育成にもしっかり取り組んでいただいているというふうに思います。  まず、これまで、従来のJOGMECの人材育成体制について確認をさせていただきたいと思います。
  86. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) JOGMECは中期計画におきまして、入ってから十年目を目安に一定の専門性、それからマネジメント能力を身に付けさせるということにしております。これを踏まえまして、四十歳以下の若手職員に対して、専門性、それから現場経験、それから語学力の向上を主要な柱とした人材育成を実施しております。  具体的には、専門性の観点から、地質や探査、あるいは財務分析、経済評価などに関する講義、あるいは国内外の教育機関への留学などを実施するとともに、現場経験の観点からは、OJTに加えまして、資源系の企業での現場研修あるいは資源系企業への出向などを実施しているほか、語学力の向上の観点からは、語学研修を実施するとともに、留学、海外短期語学研修などで実践的かつ高度な語学習得を図っているところでございます。
  87. 石川博崇

    ○石川博崇君 今回のJOGMEC法の改正によりまして新たな事業というものがJOGMECには多く付与されることになってまいります。海外の資源会社の買収、資本提携への支援、また石油開発への追加支援及び民間では実施困難となります産油国の国営企業株式の取得等が入ってまいります。  こうした場合、今回の法改正におきましても、外部専門家による評価や第三者委員会を設置すること等ももちろん盛り込まれているわけですけれども、今御紹介をいただいたJOGMEC自身の人材育成の体制強化ということも重要かと思います。内部の職員の能力向上、あるいは新規採用、体制の強化等、いかに取り組んでいくのか。  特に、今年の九月、JOGMECは技術開発ロードマップというものを公表されておりまして、石油や天然ガス採取の地質的成功確率の向上、あるいは埋蔵量評価の精度向上、開発・生産段階でのコスト削減に資する事項に取り組むと、こういった分野での新たな技術開発に取り組むというロードマップを公表されております。このロードマップとの関係性も含めていかに人材育成に取り組まれるのか、大臣より御所見をいただきたいと思います。
  88. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) まず、JOGMECは、地質構造とか物理探査とかそういった技術系の人間はかなり層が厚いというふうに思っております。  具体的には、技術系、石油関係の技術者だけで百三十三名おります。うち修士課程が八十四名、博士課程十六名で、専門別でいうと地質系が三十名、物理探査系が二十六名、開発系が三十六名、エンジニアリング系が四十二名ということですから、かなり技術系の専門家はおりますので、こういった技術面から海外の資源開発会社が保有する鉱区とか技術に対する審査は十分可能だと思っています。  ただ、これから企業買収を行うとなると、その企業の経営力とか財務力、あるいは人的リソース、それを金額でどう判断していくのかというようなことが求められるわけですが、これに関しては、まだMBAが三名、そして海外の会計事務所で研修してきた人が六名という状況でありますので、ここはちょっと拡充が必要かなというふうに思っております。  また、今民間セクターでもう既に経験を持っている人も積極的に採用するということもやっていかなければいけないというふうに思っていますし、また今いる人材に対しても、企業買収等に関する研修ですとかあるいは機会を見て海外留学とかそういったことをやって人材の層を厚くして、内部での専門的知見、審査能力を高めていかなければいけないというふうに思っています。  また、一方で、今御指摘のように、今年九月に技術開発ロードマップというのを発表をしております。ここに全部JOGMECが今後注力すべき技術分野の取組というのが明示をされておりますので、今たくさんいる技術系人材については、このロードマップに沿った形で共同研究とか共同研修を進めて、更に能力をアップさせていきたいというふうに考えております。
  89. 石川博崇

    ○石川博崇君 JOGMECの業務の今後の向上に資するためにも、やはり人材の確保それから育成というのは極めて重要かと思いますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。  続きまして、このJOGMEC、午前中の質疑にもございましたが、石油公団の廃止、その反省を受けて、民主導による中核的企業の育成を前面に立て、その中核的企業に対するリスクマネーの供給、こういったことに取り組んできたわけでございます。  石油公団が廃止された二〇〇三年三月に取りまとめられた石油公団の資産の処理に関する方針におきましても、効率的な海外権益獲得とエネルギー供給の実現、またJOGMECによるリスクマネー供給と開発支援、また政府が推進する積極的な資源外交と、この三点を三位一体として推進させていくという方針が示されました。  石油公団廃止後十年余りが経過しているわけでございますが、これまでのこの方針に基づいた取組についてどのように評価をしているのか、お聞きをしたいと思います。
  90. 松村祥史

    ○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、石油公団の保有に関する資産の処理に関する方針については平成十五年三月に取りまとめられたわけでございますが、御指摘のとおり、海外権益獲得、それから資源外交、そしてリスクマネーの供給、こういったものについてどのような評価をしているのかというお尋ねかと思いますが、まずリスクマネーの供給につきましては、JOGMECにおきまして、これまで石油、天然ガス分野におきまして、平成二十七年度末時点で累計で五十三事業、五千百十八億円の出資を行っております。このうち、二十一事業で石油、天然ガスの十分な量の存在が確認をされているところであります。五十三事業のうち二十一事業かと、こういう御意見もあるかもしれませんが、これにつきましては、探鉱事業がハイリスクであることを考慮いたせば、一定の成果を上げていると考えております。  また、資源外交については、総理の強力なリーダーシップの下で積極的に展開をしておりますし、これまで一定の成果を上げていると考えております。先ほど大臣からも御発言がありましたとおり、アブダビについてはアジア企業として初めて国際石油開発帝石が権益を獲得した、こういった成果も既に出ているところであります。  このように、民間企業の主導する海外権益の獲得を、政府の資源外交とJOGMECによるリスクマネー供給が後押しすることで着実に権益獲得が進んでおり、平成二十七年度の自主開発比率は過去最高の二七・二%に達したところでもございます。  今後とも、引き続き取組を推進してまいりたいと考えております。
  91. 石川博崇

    ○石川博崇君 この十年余り中核的企業の育成ということを進めてこられて、それなりに成果は出てきてはいるというふうには私も認識はしておりますけれども、客観的に見て、午前中の質疑にもございましたとおり、残念ながら欧米のいわゆるメジャーと比べると比肩できるような状況にはないのが実情でございます。  お手元にお配りをさせていただいている資料、午前中にも御議論がございました、他国の主要開発企業と生産量を比較いたしますと、日本が中核的企業と位置付けておりますINPEX、一番右にございます、五十一万バレルという状況と比べて、中国あるいは欧米諸国の主要開発企業がどれだけ生産量を持っているかということ、一目瞭然でございます。  このようなかなりの開きがあると言わざるを得ない状況、他国の上流開発企業と比べて依然として立ち遅れている状況を大臣としてどう分析されておられるのか。またあわせて、今回の法改正によってJOGMECの役割というのは極めて大きくなってまいります。そうした中で、今後ともこの中核的企業の育成ということは方針として堅持をして進めていく予定となっておりますけれども、どのように取り組んでいくのか、併せて経産大臣から御所見をいただきたいと思います。
  92. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) このINPEXでありますけれども、このグラフで見れば分かるように、生産規模は海外の資源メジャーと比較すると依然として極めて小さなものだというふうに思っています。ただ、これはやはり歴史の長さとかいろんな要因があろうかというふうに思っています。  更にもう少し取り組んで頑張ってまいりたいと思いますし、今までいろんな支援策も活用して、その支援策で育成に関しては一定の成果は出てきているというふうに思います。例えば二〇〇六年に比べて、当時は四十一万バレルでありましたけれども、今は五十一万バレルまで増えております。また、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトにおいては日本企業として初めてオペレーター、いわゆる操業主体を務めて、この生産開始などによって生産規模は日量六十から七十万バレルまで増加することがもう見込まれております。  INPEXについては我々は引き続き中核企業としてしっかり育てていきたいと思いますし、二〇二〇年代前半に準メジャー級とされる生産規模、日量百万バレルまで何とか持っていきたい、そのことを目標にしているわけであります。  今回の法改正で企業買収、出資その他を含めたいろんな参画の仕方が可能となってまいる、JOGMECが支援ができるようになります。今回の法改正による支援策を通じてこの準メジャーになる後押し、できるだけ早くなれるように頑張ってまいりたいというふうに思います。
  93. 石川博崇

    ○石川博崇君 時間も限られておりますので、最後に石油備蓄体制についてお伺いをしたいと思います。  我が国は、御案内のとおり、原油の輸入について約八二%を中東地域に依存している中にございます。中東情勢の不安定さと輸入の不確実性、こうしたものが常にあることを考えれば、エネルギー安全保障の観点からは十分な量の石油備蓄をしっかりと確保していくということが重要でございます。  我が国は、国家備蓄、そして民間備蓄、さらにはUAE、サウジとの間で二〇〇九年以降開始しております産油国との共同備蓄という三種類で備蓄を行っているわけでございますが、先般の第四次エネルギー基本計画におきましては、この石油備蓄政策について、今後の石油需要動向やリスク等を勘案して、備蓄総量、国家備蓄における原油、製品の比率を見直しつつ、危機発生時における機動力を向上することに重点を置くとされております。  この方針を受けて現在どのように取り組んでおられるのか、お伺いをしたいと思います。
  94. 松村祥史

    ○副大臣(松村祥史君) 危機発生時における機動力の向上に向けた取組についてのお尋ねかと存じます。  まず、我が国では、海外からの供給途絶や国内災害による石油不足が発生した場合におきまして、国民生活や経済生活への深刻な打撃を回避するために国内需要の約半年分に相当する石油の備蓄を確保しているところでございます。また、実際に危機が発生した際には機動的に備蓄を活用できるようにするために、全国に十か所ございます国家備蓄基地における放出の訓練、備蓄している原油の種類を我が国が輸入している原油に応じた構成に近づけまして精製を行いやすくするための油種入替えや、ガソリン等石油製品での備蓄の増強などを行っているところでございます。  なお、備蓄石油の管理につきましては多額のコストが掛かってまいります。したがいまして、国家備蓄基地の修繕、保全方法の見直しによりまして、経費圧縮など事業の効率的な執行にも留意しながら施策を遂行しているところでございます。
  95. 石川博崇

    ○石川博崇君 この備蓄体制を強化していく上でやはり重要なことは、今副大臣からもおっしゃられましたように、大変なコストも掛かります。また、国際社会との協力関係を推進していくということが重要でございます。  先ほども申し上げましたが、我が国は産油国との共同備蓄を二〇〇九年以降行っておりまして、UAEまたサウジの国営石油会社に対して鹿児島そして沖縄の原油タンクを貸し出す形で、両者が所有する原油を沖縄、鹿児島に貯蔵するという形で、危機時にはこのタンク内の原油を我が国の石油会社が優先購入するというような体制を取っている中にございます。  またさらには、アジア諸国との関係強化というものも極めて重要でございます。ASEANプラス3のエネルギー大臣会合といった枠組みもございますが、しっかりとアジア諸国との間で緊急時にいかに石油を相互融通していくのか、こういう枠組みを構築していくことも重要かというふうに思います。  現在のこうした諸外国との備蓄に関する協力体制構築に向けた取組に関して、経産大臣から御所見をお伺いをしたいと思います。
  96. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のとおり、日本は産油国との関係強化、そして石油備蓄を効率的に実施をするという観点から、産油国であるアブダビとサウジアラビアの国営石油会社、企業との間で日本の石油基地を利用した共同備蓄事業というのを行ってきております。  サウジアラビアとの共同備蓄については、今年の九月に安倍総理とサウジアラビアの副皇太子との間で更なる事業拡大について大筋合意をされまして、先月、私がサウジアラビアを訪問した際にアル・ファーレフ大臣、私のカウンターパートになりますが、この大臣との間で事業を三年延長することと、そして備蓄量の拡充について合意の署名を行ったところであります。  また、御指摘のようにアジア諸国では今石油需要が大変拡大をしております。そういう中で、世界的な石油需要動向に与えるアジア地域の影響力が高まっております。このため、供給途絶等の緊急時に各国が協調して対応する体制を構築することが重要です。こうした体制を構築するために、アジア諸国との間で備蓄制度が確立されていない国々に対する制度の構築支援を進めております。また、今後は、アジア域内での緊急時の協力枠組みについての検討も進めていきたいというふうに思っています。  今後とも、産油国そしてアジア諸国等の連携を強化することによって、我が国ひいてはアジア全体のエネルギー安保を確保するように取り組んでまいりたいと思います。
  97. 石川博崇

    ○石川博崇君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
  98. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  大臣、まずお聞きをします。  昨日、アメリカ大統領選挙がありました。トランプ大統領誕生ということになったわけですが、トランプ氏はこの間、TPPの撤退ということも言っております。今日、衆議院の本会議が職権で立てられたわけでありますが、TPPの批准、日本国としてもするべきじゃないと思いますけれども、どうですか。
  99. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 国会の審議の状況について私は申し上げる立場にはありません。  TPP一般として申し上げますけれども、これは非常に自由で公正で開かれた新しい経済のルールでありまして、これをアジア地域にしっかりと展開をしていくということは我が国の国益に資するものだというふうに考えております。
  100. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 我々、TPPというのは、国益というよりも一部の多国籍企業の利益のためのものだというふうに考えておりますし、日本の農業、酪農、林業、漁業を始めとした様々な影響というのも計り知れないと。また、医療の開放、皆保険制度の懸念なども出されているところでありますので、これはもう撤退しかない、批准すべきじゃないということをまず申し上げておきたいと思います。  さて、このJOGMEC法の中身の審議に入る前にもう一つ、政府のエネルギー政策について聞いておきたいと思います。  本年十一月の四日にパリ協定が発効をいたしました。現在、モロッコのマラケシュでCOP22が開かれております。政府は、この同じ条約であるTPPを強行に採決しようとしながら、パリ協定、これは後回しにいたしました。  このパリ協定というのは、世界の平均気温の上昇を産業革命以前よりも二度未満に抑えて、一・五度に抑える努力をしようということでありまして、今世紀後半にCO2などの排出を実質ゼロにしようというものであります。  日本はこの批准が間に合わずに大失態と、こういうことでありますが、大臣にお聞きします。この地球温暖化対策の政策をも担う経産大臣として、このことをどう受け止めておられますか。
  101. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) パリ協定は、史上初めて全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みでありまして、我が国としても一日も早い締結に向け、これまで作業、調整を行ってきたところであります。政府としては、パリ協定の署名が可能となりました四月二十二日に署名を行い、経産省としてもパリ協定と所管する国内法との整合性の確認などを行った上で、臨時国会後の審議日程の見込みなどを踏まえて十月十一日に閣議決定を行ったところであります。  このように、政府としては、外務省を始めとする関係省庁が一体となって可能な限り迅速に作業、調整を行った結果として先般の閣議決定に至ったと認識をしております。  また、一昨日には、国会での御審議を経て、日本政府として国連事務総長宛てにパリ協定の受諾書を寄託をいたしました。現在、COP22が開催をされ、パリ協定の実施指針策定に係る交渉が行われているところでありますが、我が国としても、引き続き交渉において主導的な役割を果たしてまいりたいというふうに思います。  現在開催中のCOP22の会期内においては、パリ協定を締結国の国がメンバーとなるパリ協定の第一回締約国会合が開催される予定であります。ただし、パリ協定の実施指針策定に係る交渉は我が国を含む国連気候変動枠組条約の全締約国が参加する場で行われており、協定発効後も引き続きCOP22を含む全締約国が参加する場で行われる見込みであります。
  102. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 大臣からは、批准が遅れたことについての受け止めということはなかったと思います。  当時、丸川環境大臣は、六月の二十一日に、このパリ協定は遅くても来年の通常国会にはやりたいんだという発言をしているわけですね。安倍首相も、この臨時国会の所信表明演説で、TPPの早期発効には言及をしながら、パリ協定には一言も触れなかったわけであります。挙げ句の果てには、山本環境大臣が、荒技があってもええというような暴言、放言があったわけで、日本主導でこれを進めていこうという態度ではなくて、結局、他国の様子見をした結果、こういう批准の遅れということにつながったという反省が大臣の答弁からはなかったと思います。  この地球温暖化に対する世界の取組に背を向けてきたのが、私は日本政府だと思うんですね。二〇一四年では、この第一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合は九二%ということになっております。二〇三〇年度のエネルギーミックスにおいても七六%とされておりまして、依然高いと言わなければなりません。パリ条約に照らしても、再生可能エネルギーを爆発的に普及をさせる政策こそ今日本では求められているというふうに思います。  今回、JOGMECの法案でありますが、石油権益の獲得拡大のために出されております。私は、かつての公団の反省もなく、化石燃料の権益確保にひた走るような政策で本当にいいのかということを改めて問うていきたいというふうに思っております。  経産省に聞きますが、なぜ今JOGMECの改正を行って、更なるリスクマネーの供給、これを行う必要があるんでしょうか。
  103. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 国際エネルギー機関、IEAによりますと、二〇三〇年に向け、世界的な石油、天然ガスの需要は引き続き拡大を続ける一方で、供給に占める中東依存度も拡大する見込みとされております。新興国を含めました資源獲得競争は今後ますます激化していくことが予想をされます。  我が国におきましては、今後、需要の絶対量は減少はしていくものの、二〇三〇年度時点でも石油、天然ガスは一次エネルギーの半分近くを占める見込みでございます。権益確保は今後も重要な課題だと認識をしております。  こういった状況の中で、原油価格の低迷に伴って、石油権益の資産価格の低下、あるいは海外の資源会社の資産売却といった動きが出てきていると。集中投資によってこれらを獲得すれば、我が国のエネルギー安全保障の強化につなげることができると。このため、今後五年程度の間に集中投資を進めるべく、JOGMECによるリスクマネー供給機能の拡充を行うことにしたものでございます。
  104. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 この間の審議の中でも、このJOGMEC法改正に当たっては、つまり原油価格が低迷して投資が減少しているんだ、今が海外の資源会社の買収や権益、海外の国営石油会社の株式の買いどきなんだという話があったわけであります。  しかし、私は、欧米メジャー始め様々な開発会社が石油の開発から手を引き始めているといいますか、投資がなかなかできないというのは、油価の下落だけが原因じゃないんじゃないかということも提起をさせてもらいたいと思うんですね。  現在、午前中の審議の中にも少しありましたけれども、ダイベストメント運動というのが世界から注目をされております。これはどういうことかといいますと、イギリスのシンクタンク、カーボントラッカーという報告書が出まして、これによりますと、気温の上昇を二度未満に抑えようとすると、現在企業などが保有している石炭、石油、天然ガス等の化石燃料資産をこれ全て到底燃焼できず、現在世界が保有している化石燃料の八割は燃やすことができないという報告であります。  そのほか、シティグループでも、確認されている埋蔵量のうち石油は三分の一、天然ガスは半分、八〇%以上の石炭は使うことができないという結論付けた報告書を出しております。また、ロンドン大学、オックスフォード大学、世界最大級のメガバンクであるHSBCなども同様の試算や研究を発表をしております。IEAの試算でもこのCO2回収、貯留、いわゆるCCSの技術が広範に普及しない場合、世界の気温上昇を二度以内に抑えるという目標を達成しようとすると、化石燃料の確認埋蔵量の三分の一しか二〇五〇年までには消費できないんだと、こういうふうに結論付けているわけであります。  大臣、このダイベストメント運動、どのように受け止めておられますか。
  105. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) パリ協定においては、産業革命以前の水準から温度上昇を二度未満に抑えるとの目標が規定をされております。そして、ダイベストメント運動というのがあるというのもよく承知をしております。  ただ、その気温上昇を抑えるに当たって押さえなければいけないCO2の排出経路というのは、これは化石燃料だけではないわけです。いろんなものがあるわけでありまして、その二度未満に抑制する過程で直ちに化石燃料が全部使えなくなるわけではないというふうに思っています。  ですから、我々も、別に独り善がりで、五年間ちょっと安い状況が続いて、その後、中期的には、やはりエネルギー価格は、化石燃料の価格は高くなっていくというのは、これはまたいろんな国際機関、シンクタンクが出している数字に基づいているわけであります。  特に、今御指摘のように、化石燃料のうちCO2の排出量が多い石炭を中心にダイベストメントの動きが一部あることは承知していますけれども、一方で、経済性やエネルギー安全保障の観点から化石燃料の需要は引き続きまだあり続けて、重要なエネルギー源であり続けるだろうと我々は思っています。  例えば、途上国がいきなり原子力発電所とかLNG火力を造ったりとかいうことはできないわけであります。やはり石炭火力とか石油火力というのを造っていかざるを得ない面もあるわけでありますから、そういう視点を持ちながら、しかし一方で抜本的な排出削減は実現していかなければいけませんので、化石燃料に代わるエネルギー源を開発するためのイノベーションが必要でありまして、その前提となる経済成長を実現すべく、地球温暖化への影響も考慮しながら経済性に優れた化石燃料を安定的に活用できるよう投資することは合理的だというふうに考えております。
  106. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 とはいいながら、世界はこの化石燃料の開発に対するリスクというのをきちっと見始めているということなんですね。  ノルウェー政府の年金基金ファンドの運用を行っているノルウェー中央銀行ですけれども、日本のいわゆるGPIFの運用ということですね、売上げの三〇%以上を石炭関連事業から得ている企業を投資先から除外するとしまして、その中には北海道電力、四国電力、沖縄電力などが含まれております。そういう世界の流れに全く逆行しているというのが日本政府だと言わなければならないと思うんです。  先ほど、石炭を中心にという話もありました。しかし、海外の石油会社の株主というのも声を上げ始めているんですね。自然エネルギー財団の資料によりますと、スーパーメジャーの一つであるロイヤル・ダッチ・シェルですけれども、二〇一五年の株主総会において、九九%の投資家が気温上昇を二度未満に抑えるという目標と企業活動が一致しているかどうかを報告することを要求をいたしました。また、本年、エクソンモービルの株主らが気候変動対策等が事業の利益にどう影響するのかということを今後の年間報告書で記すべきだと求めて、約四割の株主がこれに賛同をいたしました。シェブロンも同様に、気候変動対策による事業への影響の報告を四割の株主が求めているわけであります。  大臣にお聞きしますけれども、JOGMECとして、やはり気候変動対策やこのダイベストメント運動を踏まえた化石燃料事業への投資リスクを研究、試算していくべきじゃないでしょうか。
  107. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) JOGMECは、出資とかあるいは債務保証など個々の案件の審査を行うときに、例えば油価の動向、生産量、開発費や為替レートなど事業の経済性に大きな影響を及ぼす様々なファクターについて感度分析を行って、そしてその中で、たとえそれらが事業環境に不利に作用する部分があった場合でも投下資本の回収が相当程度確実と判断されることを確認をした上で採択の可否を決定をしているわけであります。  気候変動対策やダイベストメントの動きが石油、天然ガスなどの化石燃料の開発事業の資金調達やリスクにどのように影響するのか、現在の知見についてまずはしっかりと研究や検討を行った上で、一定程度定量的な評価が可能なのであれば感度分析においてその知見を取り込んでいくことが望ましいと考えております。
  108. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 やはりこれ、中長期的に分析そして試算をしていくということが大事だと思うんですね。  しかし、安倍政権がエネルギー基本計画において原発と石炭火力発電をそもそも重要なベースロード電源と位置付けているということ、これが私はやはり大きな問題をはらんでいるというふうに考えております。輸出や開発をその成長戦略の柱としているわけであります。  安倍首相が昨年の五月の二十一日に第二十一回国際交流会議「アジアの未来」という晩さん会において行ったスピーチで、アジアの資源、石炭をもっと効率的に活用しようということを述べております。安倍総理は、燃料電池を付けるなど技術を進化させていけば、石炭を使って天然ガス並みのCO2排出量に抑えることも十分可能だと述べております。続けて、それだけではないんだと、ガス化する技術を用いることによって、これまで石炭火力には不向きだとされてきた褐炭が有望な資源となるんだと、褐炭は宝の山だというふうに述べております。  大臣、眠っている石炭を掘り起こすというのが政府の方針なんでしょうか。
  109. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) アジアに多く存在する褐炭、これは元々水分が多いことなどから、これまで十分に活用はされてこなかったわけであります。  しかし、日本の有する最新の石炭ガス化技術を活用すれば、褐炭をガス化することで水分が除去をされて、発電や化学製品の製造などなど様々な用途に活用することが可能となっております。これによって、褐炭の産炭国にとっては、それまで未活用であった資源の利用が可能となって経済的なメリットを得ることが可能となります。また、石炭のほぼ全量を輸入に頼る我が国にとっても、低廉かつ安定的な石炭の調達先の確保につながり、エネルギー安全保障上のメリットがあります。  政府としては、このように、お互いの国にとってメリットを生む技術であることから、産炭国のニーズに応じてその活用を進めていきたいと思っております。  なお、石炭をガス化して発電する技術を活用することによって、従来の褐炭をそのままボイラーで燃やす発電よりも発電効率は向上して、CO2の排出量も少なくなるわけであります。
  110. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 やはり石炭に固執をするわけですね。日本は海外石炭火力技術の輸出支援を世界トップで行っているわけですが、そもそも天然ガスよりも二倍のCO2を排出するのが石炭であります。たとえ高効率の技術であっても、一度建設してしまえばこれ長期間CO2を排出し続けるという技術ですから、やはり私はパリ協定との整合性というのは取れないというふうに思うんですね。  OECDは、二〇二〇年までに先進国、官民合わせて一千億ドルを発展途上国に投入をして気候変動への取組を支援しようという取組をしております。ところが、この総額一千億ドルの総額から日本の石炭関連への投融資というのは除外をされているわけでありまして、私はこの日本政府の認識というのが世界と逆行していることの証左だというふうに思います。  さて、JOGMEC法に改めて移りたいと思うんですね。  世耕大臣は、二十八日金曜日、衆議院の経産委員会で、法案提出の目的はあくまで日本国民に安くて良質で安定的なエネルギーを供給することだと答弁をしております。そのため、現在二七・二%の自主開発比率を二〇三〇年には四〇%にするという目標を立てておられます。  改めて、自主開発比率とは何でしょうか。
  111. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 自主開発比率とは、要すれば日本に必要な石油、天然ガスの量のうち、日本企業が持っている石油、天然ガスの量がどの程度あるかの割合を表すものでございます。正確に定義を申し上げれば、石油及び天然ガスの輸入量と国内生産量の合計に占める日本企業が権益を保有する量と国内生産量の合計の割合でございます。
  112. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 ということは、自主開発比率が高まれば多くの資源が日本に入ってくるということになるんでしょうか。つまり、権益下にある油田から、じゃ、具体的にどれぐらいの量の燃料が輸入をされているんでしょうか。
  113. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 昨年度の我が国の石油、天然ガスの自主開発比率は二七・二%、我が国の企業による引取り量は日量約百四十六万バレルでございます。このうち我が国への平時の輸入量につきましては、各社へのアンケート調査によれば、日量約五十万から六十万バレル程度でございます。
  114. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 百四十六万バレルですかね。(発言する者あり)
  115. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 発言待ってください。
  116. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 ということだと思うんですね。つまり、三分の一程度ですか、しか日本に来ていないということであります。つまり、これ権益そのものへの出資をJOGMECがするわけでありますが、そのうち全ての燃料が日本には輸入をされていないと。結局JOGMECが出資した分の油を引き取る権利はないということであります。実際に、各日本の企業が世界市場の中でより高く買ってくれるところに油を売却すると、こういう話であります。  ちょっと確認しますけれども、JOGMECが半分、まあそれ以上出資しているプロジェクトもあると思うんですが、そういう中で実際に日本には全く来ていないものもあるということですか。
  117. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 個別のケースについては少し精査をしなければいけませんが、その可能性はあるということでございます。
  118. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 JOGMECが五割それ以上出資してですよ、プロジェクトに、それで来ていないかもしれないという話であります。  となると、この改定案は、自主開発比率を高めるためのリスクマネー供給ということでありますけれども、大臣、これ、先ほど、日本国民に安くて良質で安定的なエネルギーを供給することという話でありますが、これとちょっと直結しないことになるんじゃないですか。どうですか。
  119. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) いや、日本の上流開発会社がしっかりと権益を確保して経営が安定するということは、これは長い目で考えた場合、やはり安くて安定的なエネルギー供給につながると思いますし、先ほども別の答弁で申し上げましたけれども、やはり、いざ有事のときなんです、問題は、有事のとき。しっかりと経営を平時はやっておいてもらって、有事のときに、日本に石油エネルギーが途絶したというときに日本にさっと回してもらう、そういうことが一番重要だと思っていまして、JOGMECが出資する先は、有事の際は日本にしっかり回すようにということを確認した上で我々はJOGMECに出資をさせているわけであります。
  120. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 有事という話がありますけれども、先ほどもありましたとおり、これ緊急時に日本に持ち込む努力をしてもらうということでありまして、決してこれ担保、完全な担保にはならないですね。努力規定ということであります。有事というのがどういう有事かちょっと分かりませんけれども、日本だけが足りないということになるような状況というのは余り考えられないわけでありまして、いろんな周辺国が足りないということになれば、結局、日本の一民間企業、商社としては高いところに売ってしまうんじゃないかという懸念は拭い去れないわけであります。  もう一つ、自主開発比率の計算方法について確認をしたいと思うんですけれども、JOGMECが出資をしていないところがありますね。日本企業、商社、開発会社だけがやっている、JOGMECはそこのプロジェクト会社に出資はしていないと。日本企業だけの権益の油田については、これはさすがに自主開発比率には算入していないということでよろしいですね。
  121. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 先ほど定義を申し上げましたが、その定義上はJOGMECが出資をしている先というふうに限定をしておりませんので、JOGMECが出資をしていないものにつきましてもこの自主開発比率には入ってございます。
  122. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 そうしますと、ますますこの比率の計算、これでいいのかということになるんじゃないでしょうか。  先ほど、有事の際という話にありました。そのときは、契約で努力規定だが担保している。しかし、このJOGMECが入っていないところについては、契約そのものがJOGMECとしていないわけですから、そうですね、それなのに、これ比率の中には入っているわけですよ。比率を高めることがエネルギー安全保障に資するんだという議論というのは、これはやっぱり直結しないというふうに思うんですね。  こうなってくると、本改定案の柱でもある自主開発比率を高めるというもっともらしい話は、国民への安定供給ということよりも、更なるリスクマネー供給の拡大を行うことによって、油価低迷とか資産下落によって一時的に大もうけを上げているわけですから、日本の企業も、一時的に経営のしんどい日本の資源開発会社を助けてあげるための方便に私は聞こえてくるわけですね。これでは石油公団の反省も何もあったもんじゃないというふうに思います。  結局、本法案のリスクマネー供給拡大も、総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会において、石油鉱業連盟副会長より、原油安期間に限定してJOGMECの探鉱出資比率を最大九〇%にまで高めてほしいという身勝手な要求から出発をしているということも指摘をしなければならないというふうに思います。  既にJOGMECは設立以来多くの事業に対し出資をしております。しかし、事業終結による損失も出しております。実績を示してください。
  123. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) JOGMECでは平成十六年の設立以来、平成二十七年度末までに累計で五十三事業に対して五千百十八億円を出資しており、うち二十一事業で石油、天然ガスの十分な量の存在が確認されております。そのうち八事業で生産中、六事業で開発中、七事業で開発検討作業中という成果が得られてございます。  一方で、二十一事業では商業的な十分な規模の石油、天然ガスの埋蔵が認められずに事業を終結してございます。
  124. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 繰越欠損金はどれほどになっていますか。
  125. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) JOGMECの繰越欠損金は、平成二十七年度末で千四百七十八億円となっております。
  126. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 そのうち事業終結評価損というのは幾らになっていますか。
  127. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 事業終結に係る評価損は約八百億円となってございます。
  128. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 これまで経産省は、機械的にこの一千五百億円の出資額の二分の一を一旦評価損に計上するんだ、保守的なルールでやっているんだと、これ衆議院の答弁でも言っているわけですけれども、しかしその半分以上が結局事業の失敗、事業終結評価損になっているわけでありまして、このJOGMECがどういうふうにプロジェクトそのものを評価して出資をしたのかということが大きく問われているというふうに思っております。  本法案は、上流開発企業による企業買収等への支援のためにJOGMEC当初はなかった政府保証付借入れを行おうというものであります。JOGMECにおける政府保証契約の限度額、これの推移を二〇一〇年からですかね、これを示していただけますでしょうか。
  129. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 二〇一〇年からでございますか。
  130. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 はい。
  131. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) 限度額の推移は、平成二十一年度で一・一兆、二十二年度で一兆、二十三年度で二・二兆、二十四年度で二兆、二十五年度で二・五兆、二十六年度で二・六兆、二十七年度で二・八兆、二十八年度で二・八兆、二十八年度の補正で三兆円ということになってございます。
  132. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 これ、だからJOGMEC発足のときにはなかった、そういう政府保証の借入枠ということであります。年々借入枠が増やされてきたわけであります。つまり、今回から、よりリスクのあるこういう事業にも充てていくというために、今、当初一兆円だったものが補正も合わせますと三兆円の枠に借入枠が膨らんだということであります。  よりリスクのある事業にこれ失敗をすれば、国民の負担に、直接負担になっていくという形になるんじゃないですか。その辺はどうですか。
  133. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 今回の改正で私は決してリスクが高まるとは思っていません。今まではあくまでも個別の炭鉱の権益にしか投資ができなかったわけであります。これはもう当たるか当たらないか、ゼロか一〇〇かみたいな世界になってしまうわけであります。今度は企業に出資ができるようになるわけです。企業はもう既に持っている権益がありますから、その配当も得られます。あるいは、その企業は幾つも同時に探鉱をしたりということをやりますから、当たらないものもあれば当たるものもあるという、ある程度ポートフォリオが組めるようになるというふうに思っております。  私は、今回の改正で逆にJOGMECの投資リスクというのは低くなるのではないかというふうに思っておりますし、決してこれまでのJOGMECの実績も、これ、ほかの類似の会社に比べて決して悪いものではない。どうしても会計処理上ああいう形にはなっていますけれども、これは長く、資源開発というのは長く収益を取り返していく、得ていくものでありますから、今のところはこうなっていますが、長期的には十分バランスの取れた収支構造になっているというふうに思っております。
  134. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 大臣はポートフォリオのことをおっしゃいますけれども、私が伺ったのは、政府保証の三兆円という枠を、元々はなかったわけですよ。それを一兆円、三兆円と増やしていくことが、つまりこれはリスクのある事業に国民の税金ですよね、そこを投入していく、失敗をすればそういうことになるんじゃないかということを申し上げたわけであります。  公団の失敗からの反省もなしに開発をどんどん進めていくという本改正案には反対だということを申し上げて、私の質問といたします。
  135. 石井章

    ○石井章君 JOGMEC法改正案について、日本維新の会、石井章が質問したいと思います。  JOGMECの前身は、御案内のとおり、小泉元総理による特殊法人改革によって平成十七年三月に廃止されました石油公団であり、その後、金属鉱業事業団との統合などを経て、現在の独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構となったわけでありますが、当時の石油公団はその累積赤字が五千二百億にも達しました。  今回の法改正でJOGMECの機能強化が主な目的とされておりますけれども、産油国の国営石油企業の株式の取得などについて、国民からは、公団の廃止からこれまで出資枠の拡大がされるなどきておりましたけれども、また石油公団の轍を踏むのではないかという危惧する声もありますけれども、その点について大臣から御所見をお伺いします。
  136. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 石油公団の轍というのは、例えば、個別プロジェクトに関しては七割まで出資、融資ができたという点、あるいは融資については、もしプロジェクトが失敗した場合にはもう債務が減免されるというメカニズムになっていたという点、また、特に大規模プロジェクトをやるときは多数の民間企業が少額ずつ出資する何か持ち合いみたいな感じになっていて、実際どこが主人公なのか、誰が主導しているのかが分からなかったということで、責任の所在が曖昧なまま開発が進められてきたということが石油公団の失敗の一番の反省点だというふうに思っています。  そういう意味で、JOGMECは、できたときから、リスクマネー供給機能については、まず融資は行わないであくまでも出資に限る、そして支援割合については五割以下として、あくまでも民間主導の原則を貫くという形にしているわけであります。  今回、国営石油会社の株式取得等ができるようになったわけでありますけれども、これは石油公団の反省に立ってリスク管理を厳格にしていく、理事長が意思決定をする際には中立の外部専門家によるデューデリジェンスや第三者委員会の意見を求めるプロセスを追加をするということになっています。また、そういったプロセスがきちっと機能しているかどうかは、私がそれぞれの案件について、上がってきたときに同意するかどうかの判断のときによく点検はしていきたいというふうに思っております。
  137. 石井章

    ○石井章君 午前中からいろんな方々が御質問していますので、多少質問の内容がダブりますけれども、御容赦いただきたいと思います。  石油、天然ガスの自主開発比率が現在二五%でしかありませんけれども、政府は、二〇三〇年までに四〇%以上に引き上げる目標を掲げております。しかし、報道などによりますと、本年度の我が国の上流開発投資は前年よりも四割近く減るというふうに見込まれておりまして、エネルギーの自主開発比率を上げていくためには政府のてこ入れは必要不可欠であると考えております。  しかし、投資には完全にこれはもうリスクが伴います。豪州のライナス社の問題については後ほどお伺いしますけれども、JOGMECがこれまでに出資した石油、天然ガス分野における総事業総数と失敗となった事業数、その損失額を簡単にお伺いしたいと思います。
  138. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) JOGMECは、平成十六年の設立以来、平成二十七年度までに累計で五十三事業、五千百十八億円を出資してございます。うち二十一事業で商業的な十分な規模の石油、天然ガスの埋蔵が認められず、事業終結をしてございます。二十一事業に対しては、合計八百三十四億円を出資をいたしました。一方で、二十一事業で石油、天然ガスの十分な量の存在が確認をされておりまして、そのうち八事業で生産中、六事業で開発中、七事業で開発検討作業中という成果が得られてございます。  一般的に石油、天然ガスの探鉱事業は非常にリスクが高くて大部分が商業化に至らない事業であることを考慮すれば、更に良い成果を目指すことは求められるものの、一定の成果を上げているものと考えてございます。
  139. 石井章

    ○石井章君 先ほどの辰巳先生の御質問の中でもありましたけれども、既にもう八百三十四億もの損失が出ております。  そして、レアアースの開発の豪州ライナスに双日とJOGMEC合わせまして二億二千五百万ドルの債権を保有しております。  本年六月には一億三百五十万ドルの返済を受ける予定でありました。しかし、同社が発表しました二〇一四年の下半期の決算では、純損失が一億三百五十万豪ドルという多額の損失を出しまして、前年同期から赤字額がほぼ倍増しているなどというような数字の結果が出ております。恐らくこれは経営危機に瀕していると言われておりますけれども、債務返済が困難になっているのが実態であります。  投資した当時は中国がレアアース禁輸措置をとっておりまして、日本としても非常に焦ったわけでありますが、中国以外でレアアースを生産する数少ない企業ということもありまして急遽投資を決めたということでありますが、以前よりライナスについては様々な問題点が指摘されておりましたけれども、しかしながら、それらの声を無視する形で出資が行われたとも言われております。  ライナスの場合は融資でありますけれども、JOGMECの石油ガス部門では投資も行われております。よりリスクの高い石油ガス部門の個別案件への投資の可否を判断する際の決定スキームを教えていただきたいと思います。
  140. 山下隆一

    ○政府参考人(山下隆一君) JOGMECは、出資案件の採択に際しましては、まず地質構造から一定の埋蔵量が見込まれること、それから成功時において一定の経済性が確保されること、そして、仮に失敗するケースを想定しても投下資本以上の回収が期待できることなどを判断基準としてございます。採択基準は、事業部門と独立した審査部門による厳正な審査を行った後、エネルギー政策との整合性について経産大臣に協議をした上で、理事長が採否を決定してございます。  今回の法改正に伴う新規業務につきましては、これまでのプロセスに加えて、企業買収などの案件の採択に関してはファイナンシャルアドバイザーなどの中立の外部専門家による資産評価のプロセスを追加するとともに、国営石油企業の株式取得の採択に際しては、さらにエネルギーや国際情勢の専門家などから構成される第三者委員会の意見を求めるプロセスを追加することといたしてございます。  また、判断基準につきましても、買収や株式取得の相手方となる企業の経営状況の健全性等を追加することを想定してございます。
  141. 石井章

    ○石井章君 御説明ありがとうございました。  非常に高度な専門的な知見からの判断が必要であるというとともに、不確実で流動的な要素が多く、その結果だけを見て評価を行うことは適当ではないと思いますけれども、どちらかといえばお役所仕事的で、また親方日の丸的な風潮が色濃くまだ私は残っていると思っております。  我が党が追求している無駄をなくすという点からすれば無駄がたくさんあるように見えてならないんですけれども、今回の法案については賛成の立場での御質問でありますので、御安心していただきたいと思うんですが。  しかし、この内容について誰が責任を負うのか。万が一、これは万が一、当然これはもうリスクがありますので、必ず成功するとは限りません。これまでの累積赤字、石油公団のときにも五千二百億もの赤字があって、小泉総理だからこそああいうふうにこう一刀両断、ぶっ潰せとやりましたけれども、そのようなことがまた起きないとも限りませんけれども、今回の責任はどなたがどのように負うのかを大臣、お伺いします。
  142. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) これは、独立行政法人という性格上、これは独法通則法であくまでも理事長の独任制ということになりますから、全ての投資案件に関する責任は一義的には理事長が負うものであります。  また、JOGMEC全体が非常に運営がまずくて、今御指摘のような無駄が多いとか、そういうことがあれば、これはいわゆる独法を我々評価をするわけでありますから、その過程で厳しく見ていくということになろうかと思います。
  143. 石井章

    ○石井章君 当然、投資にはリスクが伴います。そこで重要なのが適正なリスク管理とリスクマネーの規模であります。  ただいま御説明いただいた投資は国民の税金を元としたものでありまして、政府は常にその責任を負う覚悟が必要であります。政府には、その投資対象の選択、選定過程における判断事由やその成果と失敗などについて広く国民にまたその情報を開示する義務があると思います。しかし、現状ではそれらの結果を本気で伝えようという姿勢がまだ見受けられないと思います。  これまで国会では、ほかの類似の問題につきましても野党から同様の質問が繰り返されてきたわけでありますが、その都度、政府の答弁は努力するあるいは検討するなどが連綿として繰り返されてきたわけでありますが、実際に何かが進められたということは記憶にないです。言われてからでも、努力します、そのうち大臣も替わりまして全く先に進まないというのが自民党政治のいいところでもあるし悪いところでもあると思うんですけれども。  しかし、本件は国民の税金を大量につぎ込むという、こういったことがもう手に取るようにして分かるわけでございますから、そういった説明責任と、そして国民への周知徹底のために具体的にどのように考えているのか、そしてまたJOGMECのこの法改正後のリスク管理の考え方について担当からお伺いさせていただきます。
  144. 松村祥史

    ○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。  まず、案件の採択や成果などにつきましては、JOGMECはこれまで、まず採択審査基準をホームページにおいて公表をしてございます。また、採択を受けた後、採択決定時には判断事由を含めてプレスリリースを行っております。その後、生産段階に達するなど成果が出た段階においても、プレスリリースを行っているところでもございます。議員御指摘の国民の皆様への報告や周知は私どもも極めて重要であると考えておりますので、引き続きしっかりと行ってまいりたいと思っております。  また、投資リスクについてでございますが、これは、これまでも案件の採択に当たっては、事業部門から独立をした審査部門による審査を踏まえた上で、理事長を始めとして役員で構成する委員会での採否決定を行っているところでございます。先ほども発言がございましたけれども、今回の法改正に合わせまして、企業買収等におけるフィナンシャルアドバイザー等の中立の外部専門家による資産評価のプロセスや、国営石油企業とのパートナーシップ構築に際しまして第三者委員会の意見を求めるプロセスを追加をいたしまして、審査機能を強化することとしてございます。  また、案件の採択後におきましても、全ての出資、債務保証案件を対象に四半期ごとの点検を行うとともに、年一回、各案件のリスク分析を含む総合評価を実施するなど行いまして、個別のプロジェクトごとに厳格な管理を行っているところでございます。  法改正で追加する企業買収案件等についても、こうした投資リスク管理をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
  145. 石井章

    ○石井章君 丁寧な説明をありがとうございました。  時間がもうなくなりそうなので、最後の質問をしたいと思います。  本年十月にも、中国の新たなガス田開発が確認されております。新たなガス田も稼働中のガス田も日本側に実際は東シナ海の地下でつながっているということが言われております。中国はこの開発を停止するどころかもう加速させておりますので、現在。政府の対応はいつも、厳しく抗議したと、厳しく抗議した、それだけで終わっております。中国は当然ながら意にも介しないのでありまして、誰の目に見ても明白でありまして、政府も国民も半ば諦めムードでありますが、しかし、中国の覇権主義はこれはもう止まらない、これからもどんどん幅を増やしていくだろうというのが周りから見た目でもございます。  しかし、私は、この東シナ海のガス田に関して、元経産大臣の、亡くなられた、私も尊敬しております中川昭一大臣が東シナ海の係争の海域での試掘を帝国石油に対して認めたんです。ところが、内閣改造で大臣が中国寄りの方に替わりまして、名前は言うと幹事長とすぐばれますので、大臣が替わった途端にその試掘を駄目だ、やっちゃと、もう中国に譲れというような態度で、日本の政府の態度が変わったんですね。  しかし、その辺の流れから見て、東シナ海の現状を鑑みますと、日本もです、これ一番日本に近いところで資源があるわけですから、これをわざわざ遠くの方に行って買い付けたり、試掘をして新たなガス田を開発することなどしなくても、松村先生の近くの鹿児島からすぐなんですよ。だから、そういうところをもう一度試掘をしてやる、これは世耕大臣の指揮、采配の下ですから、最後に大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わりにしたいと思います。  以上です。
  146. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 松村副大臣の地元は熊本でございます。済みません。  累次の申入れにもかかわらず中国側が東シナ海において一方的な開発を進めていること、これはもう極めて遺憾だというふうに思っています。政府としては、二〇一三年六月以降に設置された十二基の新たな構造物については、その都度、関連の動向について把握をし、中国側への申入れを行ってきております。御指摘の先日見付かったものに関しても、直ちに厳重に抗議をしているわけであります。  政府としては、引き続き中国側に対して一方的な開発を行わないよう強く求めるとともに、東シナ海資源開発に関する日中協力についての二〇〇八年合意に基づく協議を早期に再開をして、同合意を早期に実施に移すよう、引き続き強く求めていきたいと思います。  御指摘の点に関する今後の対応については、中国側の対応もよく見極めながら、政府全体として戦略的観点から検討してまいりたいというふうに思っております。
  147. 石井章

    ○石井章君 ありがとうございました。
  148. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  149. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  先日、パリ協定の批准が国会において承認され、政府が批准手続を取りました。我が国は、温室効果ガス主要排出国としてパリ協定を実践する責務があります。そして、今世界では化石燃料からの投資撤退、ダイベストメント運動が注目を集めております。  東電福島第一原発事故による未曽有の被害を教訓とするならば、原発や石炭、石油火力に頼るのではなく、再生可能エネルギーの飛躍的な導入を行うことこそ、この世界の流れに沿う道です。  しかしながら、我が国はいまだに原発や石炭火力をベースロード電源と位置付けております。温暖化を防止する未来への役割を果たすその道筋と整合の取れた資源確保戦略が策定されなければなりません。しかしながら、本法案にはそういった視点が欠落していると言わざるを得ません。これが第一の反対の理由です。  反対理由の第二は、資源開発会社が油価低迷、資産下落に陥っていることを口実としてJOGMECのリスクマネー供給対象を拡大する問題です。  JOGMECは、その前身である石油公団が成功払い融資、債務保証の不良債権化や浪費問題について国民の大きな批判を浴びて廃止された、その反省に立ち、設立をされました。しかし、この間、支援措置が追加、拡大され、本改正ではさらに政府保証借入れによるリスクマネー供給の拡大を行うとしています。これではまさに資源開発で一兆三千億円もの大穴を出した石油公団の二の舞となってしまう危険性が非常に高いと言わざるを得ません。  反対理由の第三は、国営石油企業の買収やMアンドAにまで出資対象を拡大することが日本国民への安定したエネルギー供給につながる担保はどこにもないということであります。  質疑の中で、自主開発比率の引上げが我が国への安定的な資源輸入に必ずしも結び付かないことが明らかになりました。巨大商社や石油会社は、原油安によって資産価値が下落している中においても大規模投資を行っております。開発から撤退したわけではなく、短期的な効果を生みやすい企業買収案件に選択と集中をしているにすぎません。多国籍企業化した資源開発会社によるこういった投資リスクを国民に肩代わりをさせ、資源開発の成果をこれまでよりも更に独占させるものになりかねません。  以上の問題を指摘し、反対討論といたします。
  150. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  151. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、石上君から発言を求められておりますので、これを許します。石上俊雄君。
  152. 石上俊雄

    ○石上俊雄君 私は、ただいま可決されました独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」という。)における案件の審査に当たっては、石油等の安定的かつ低廉な供給に資するという法の趣旨に厳格に従うとともに、当該案件の採択による現在及び将来の我が国国内の資源やエネルギー産業に対する影響、相手国の環境・社会面への影響等多方面から検討が行われるよう努めること。  二 海外資源会社の買収や産油国国営石油企業株式の取得等の新たに拡充する支援については、経済性の低い権利の取得等が行われ将来の国民負担が生じる懸念があることを十分踏まえ、機構内において厳格な審査を行い得る人材を確保するほか、外部の専門家による資産評価や第三者委員会による確認の手続等の審査体制の整備を通じ、業務に係る意思決定の客観性・透明性を確保するとともに、事後の評価に資する十分な情報公開が行われるよう努めること。  三 海外資源会社への出資等の業務により獲得される石油等については、低廉で安定的な供給に資するよう、我が国におけるニーズを把握した上でその利用のために万全の対応を図るとともに、対象となる国からの輸入状況等について、適切な情報開示を行い、説明責任を果たすこと。  四 石油等開発技術は、将来に向けて更なる高度化・広範囲化が求められ、技術が複雑化していることを踏まえ、機構において、幅広い知見を持ち、最適な技術を選択できる人材の育成が積極的に行われるよう取り組むこと。  五 産油国国営石油企業株式の取得に当たっては、国営企業との間で長期的かつ総合的な取組を進め、信頼関係の構築により将来の権益獲得に資するものとなるよう、担当人材の育成等の組織体制の強化等に努めること。    あわせて、産油国との戦略的パートナーシップの構築に資するよう、資源外交を積極的に展開するとともに、将来的な権益獲得に向けて、政府、機構、民間資源開発会社が緊密に連携して取り組むこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  153. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) ただいま石上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  154. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、石上君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。世耕経済産業大臣。
  155. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
  156. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  157. 小林正夫

    ○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十三分散会