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2016-10-25 第192回国会 参議院 法務委員会 3号 公式Web版

  1. 平成二十八年十月二十五日(火曜日)    午前十時二分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         秋野 公造君     理 事                 西田 昌司君                 山下 雄平君                 真山 勇一君                佐々木さやか君     委 員                 猪口 邦子君                 中泉 松司君                 古川 俊治君                 牧野たかお君                 丸山 和也君                 元榮太一郎君                 柳本 卓治君                 有田 芳生君                 小川 敏夫君                 仁比 聡平君                 高木かおり君                 糸数 慶子君                 山口 和之君    国務大臣        法務大臣     金田 勝年君    副大臣        法務副大臣    盛山 正仁君    大臣政務官        法務大臣政務官  井野 俊郎君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局人事局長   堀田 眞哉君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      鈴木 三男君        警察庁長官官房        審議官      高木 勇人君        警察庁長官官房        審議官      白川 靖浩君        法務大臣官房審        議官       菊池  浩君        法務大臣官房司        法法制部長    小山 太士君        法務省民事局長  小川 秀樹君        法務省刑事局長  林  眞琴君        法務省矯正局長  富山  聡君        法務省保護局長  畝本 直美君        法務省人権擁護        局長       萩本  修君        文部科学大臣官        房審議官     神山  修君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (司法修習生に対する経済的支援の在り方に関  する件)  (ヘイトスピーチ解消法施行後の課題に関する  件)  (司法ソーシャルワークの普及促進に関する件  )  (大分県警察による監視カメラ設置事件に関す  る件)  (少年院における矯正教育に関する件)  (選択的夫婦別氏制度導入のための民法改正に  関する件)  (刑事手続における告訴・告発の取扱いに関す  る件)     ─────────────
  2. 秋野公造

    ○委員長(秋野公造君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官鈴木三男君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 秋野公造

    ○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 秋野公造

    ○委員長(秋野公造君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 皆様、おはようございます。自由民主党千葉県選出の元榮太一郎です。  道なきところに道をつくるというスローガンを掲げて、県民手作りの国会議員として七月の選挙で初当選をし、参議院にやってまいりました。  本日が初めての質問となります。質問の機会を与えていただき、秋野委員長、理事、委員の皆様、誠にありがとうございます。また、金田大臣、盛山副大臣、井野政務官始め法務省の皆様並びに最高裁の皆様、よろしくお願い申し上げます。  法務委員会は、法務省及び裁判所の司法行政に関する事項がその所管であると承知しております。私は弁護士でもありまして、今まで司法の現場で法律を使う立場でしたが、今度は立法の世界に身を置くこととなりました。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。  まずは、司法修習生に関しての質問をしたいと思います。  私の知っている千葉県の司法修習生から、金銭的負担の大きさに悲鳴が上がっております。その修習生の場合、大学とロースクールの奨学金と修習生のときに貸与された修習資金とを合わせると合計四桁もの借金があるということです。司法修習を終えて法曹のスタートラインに立った時点で、既に一千万円以上という、マイホームを買うぐらいのローンを背負っていることになります。  御存じのとおり、以前は司法修習生には国から給与が支給されていました。これは給費制と申しますが、この給費制は平成二十三年十月までで廃止され、その後、第六十五期の司法修習生からは希望者に修習資金を貸与するという現在の貸与制が実施されております。先ほどの悲鳴はこの貸与制により修習資金を借りた修習生から上がっております。お金のない人が法曹になるためには莫大な借金をしなくてはならず、そのような借金を嫌い、法曹とは別の生き方を選択する法曹志望者もいます。  司法は、我が国の繁栄や成長のために不可欠なインフラの一つです。司法インフラが強力である国こそが国際競争力を保ちます。その司法インフラを担う弁護士などの法曹が弱体化の傾向にあるのは憂うべき事態であります。国際私法や企業内弁護士、弁護士過疎地など、司法人材を必要とする分野はまだまだ多く、法曹をもっと魅力あふれる職業にする必要がありますが、そのためには法曹養成における経済的な裏付けも必要であり、それは我が国のためになるものだと考えます。  医師という医療インフラの重要性は世間に十分認識されていると思いますが、社会生活上の医師として、また法の支配を実現する担い手としての法曹というインフラの重要性は、いまだ十分に認識されていないと感じます。  以上の観点から、司法修習生に対する経済的支援について質問いたします。  司法修習生に対する経済的支援については、平成二十五年七月十六日に法曹養成制度関係閣僚会議によって決定された「法曹養成制度改革の推進について」において、同年十一月修習開始の第六十七期司法修習生から、実務修習地への移転、転居費用の支給、集合修習期間中の入寮の確保、兼業許可の運用緩和の実施が期待されると示されました。そして、それらの経済的支援は、法曹養成制度関係閣僚会議の決定のとおり、現在実施されております。  そして、その後、平成二十七年六月三十日に決定された法曹養成制度改革推進会議の「法曹養成制度改革の更なる推進について」では、司法修習について、法務省は、最高裁判所等との連携協力の下、司法修習の実態、司法修習終了後相当期間を経た法曹の収入等の経済状況、司法制度全体に対する合理的な財政負担の在り方等を踏まえ、司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討するとしています。  この決定を受けて、司法修習生に対する経済的支援の在り方について、現在法務省ではどのような検討を行っているのでしょうか、法務大臣の御所見を伺いたいと思います。
  6. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) ただいま委員からまさに御質問のあったように、司法修習生に対する経済的な支援の在り方につきましては、昨年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定におきまして、司法修習の実態、司法修習終了後相当期間を経た法曹の収入等の経済状況、そして、司法制度全体に対する合理的な財政負担の在り方等を踏まえて検討をしていくということが決定したわけであります。  この決定を踏まえまして、法務省としては、法曹の経済状況調査といった様々な調査を実施いたしますとともに、法曹養成制度改革連絡協議会といった場を通じまして、最高裁判所等との間で必要な連絡協議を進めているところであります。  お答えとして以上です。
  7. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  引き続き、経済的支援の検討というところを続けられているということなんですが、次に、司法修習生の身分、法的な地位について伺います。  裁判所法第六十六条第一項は、司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずると規定しています。最高裁判所と司法修習生は法的にどのような関係にあるということでしょうか、お答えください。
  8. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  司法修習が法曹養成に必須の課程として国家によって運営されている制度であり、一年間という限られた期間内に高度に専門的な内容を身に付けなければならないことや、司法修習が実際の法律実務活動の中で行われるものであって、実際の法曹と同様に、中立公正な立場を維持し、利益相反活動を避けたりする必要があるといったことがございます関係で、司法修習生は司法修習の期間中において守秘義務や修習専念義務を負うものとされているところでございます。
  9. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 司法修習生は修習に専念する義務があるということで、先ほど申しましたように、平成二十五年に若干緩和はされたもののアルバイトも原則禁止されておりまして、収入を得ることが大変困難となっております。  司法修習生の給費制ですが、本来平成二十二年に廃止されるはずだったものが、議員立法により廃止が一年延期されました。ただ、当時の論調は、法曹になれば十分な収入があるので貸与金は十分返済できるはずだなどとして、給費制の延期に対して厳しいものがありました。しかし、今年八月の新聞報道によりますと、法務省の調査で昨年の新人弁護士の平均年収は五年前と比べて二百十万円減ったことが分かったということであり、また、全体的に弁護士の平均収入は減少傾向にあることも分かったということになっております。  このように、給費制廃止時と比べて弁護士の置かれている経済的状況は大変厳しくなっており、司法修習生に対する経済的支援の必要性は高まっているように感じます。  そこで、司法修習生に対する経済的支援として、新たな給費制の創設など抜本的な経済的支援も是非御検討いただきたいと思いますが、法務大臣の御所見を伺いたいと思います。
  10. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) ただいま委員が言われたような状況の下で、司法修習生の経済的な支援の在り方について様々なやり方が考えられるというのは事実だと思います。現時点で、しかしながら、特定の方向性を示すことはまだ困難であります。  でも、いずれにしましても、先ほど申し上げました法曹養成制度改革推進会議の決定、あるいはいわゆる骨太の方針、経済対策の中で法曹人材確保の充実強化の推進というものに言及をされておりまして、このことはやはり重く受け止めなければならない、このように考えておりますので、現時点で特定の方向を示すことは困難であるにせよ、法務省としては、いわゆるこうした様々な方針が示されている現状を踏まえて、最高裁判所等とも連携協力をしながら引き続き検討を重ねてまいりたい、このように思っております。
  11. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 今検討中ということですので具体的なことをおっしゃることができない、そのような状況にあるかと推察いたします。  しかしながら、改めて申し上げますと、やはりこの政府の掲げる強い経済の実現、これを担う不可欠のインフラとして司法というのは位置付けられていると思います。あらゆる国際競争力を競い合っているのが今の国際状況であり、やはり道理が通る、そして、やはりルールのとおりに物事が進む、そのような司法がしっかりしているかどうか、それを担う人的なインフラである弁護士が、意欲があふれて、専門分化されて、しっかりとこの社会に息づいている、そのような社会をつくることこそがこれからの明るい日本の未来をつくると思います。  そういった意味では、この司法の更なる強化のためにも、担い手である法曹養成に是非とも一層の御支援をいただきたい、司法修習生に対する経済的支援を力強くお願い申し上げます。  続きまして、ストーカー犯罪の再犯防止等についてお伺いいたします。  こちらも千葉県です。五年前ですが、女性にストーカー行為を繰り返していた男がその女性の母親と祖母を殺害するという大変痛ましい事件がありました。その後も全国各地で痛ましい事件が起こっております。私も弁護士の端くれとして活動してまいりました。また、私が運営する無料法律相談サイト、弁護士ドットコムというサイトには、ストーカー被害に遭っている方々の悲痛な叫びが相談として寄せられています。そういった意味では、心を痛めております。  そこで、平成二十五年に閣議決定された、犯罪対策閣僚会議、「世界一安全な日本」創造戦略は、国民が安全で安心して暮らせる国であることを実感できる世界一安全な国日本、これをつくり上げることを目標としており、ストーカー対策の推進もその内容の一つとなっています。  また、ストーカー犯罪は再犯の可能性が高いと言われます。平成二十四年、犯罪対策閣僚会議によって再犯防止に向けた総合対策が示されましたが、そこにはストーカーについての記述はありませんでした。しかし、近年、ストーカーの被害も増加傾向にあり、今年、同じく犯罪対策閣僚会議が決定した薬物依存者・高齢犯罪者等の再犯防止緊急対策には、ストーカー加害者に対する具体的な取組が示されるに至りました。ストーカー犯罪の再犯防止に向けた取組が進展することを心強く思います。  そこで、ストーカー対策及びストーカー犯罪の再犯防止対策として警察庁及び法務省はどのような具体的な取組を行っているのでしょうか、お答えください。
  12. 鈴木三男

    ○政府参考人(鈴木三男君) お答えいたします。  平成二十七年中に警察において受理したストーカー事案の相談等件数は約二万二千件で、高水準で推移をしております。この種事案は重大事件に発展するおそれが高く、国民の安全で安心な生活を脅かすものであり、その対策の一層の強化が必要であると認識をしております。  警察においては、こうした情勢を踏まえ、ストーカー事案等に対処するために必要な体制の整備を図り、個別事案への対応に当たっては、被害者に対しては、具体的な防犯指導、一時的に避難するための支援、緊急時の通報装置の貸与等を通じその安全確保を図るとともに、加害者に対しては、警告や検挙等の措置の迅速な実施に努めております。  また、ストーカー加害者には、警告や検挙をされた後も付きまとい等を続ける者が存在することから、その更生に向け地域の精神科医等からストーカー加害者への対応に係る助言を得るなどの取組を推進しているほか、保護観察付執行猶予又は仮釈放となったストーカー加害者について、保護観察所と連携して対応するなどの措置を講じているところであります。  今後とも、被害者の安全確保を最優先に、関係機関等との連携の下、諸対策を推進してまいります。
  13. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 やはり、特に女性の方を中心としまして、このストーカー被害というのは本当に皆様悩まれている方が多く、そして、そのとき警察は守ってくれるのか等々、非常に日々の穏やかな生活を阻害される、そのような状態になっております。警察庁、法務省含めまして、皆様本当に御尽力いただいているかとは思いますが、やはりまだまだ弁護士の現場、そして私の運営する弁護士ドットコムの現場にもストーカーの被害で悩まれている方はいらっしゃいますので、より一層の御尽力をいただいて、女性の方含めまして安心、安全な暮らしが実現できる、そのような日本の実現を強くお願いいたしまして、私からの質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  14. 有田芳生

    ○有田芳生君 おはようございます。民進党・新緑風会の有田芳生です。  今朝、地下鉄の駅から永田町に向かうときに、駅の構内に法務省が作成した「ヘイトスピーチ、許さない。」という啓発ポスターが貼ってありました。この数年間で初めて最寄り駅で見ることができたんですけれども、この啓発活動について、ポスター、チラシなどをこれから増刷をされて全国各地に更に展示というか掲示をされるというふうに伺っております。  いわゆるヘイトスピーチ解消法ができてからも、例えば法務省の横にずらりと啓発ポスターが掲げられたり、あるいは阪神甲子園球場で映像が流れたり、あるいは差別扇動のヘイトスピーチデモ、集会が行われた例えば川崎の駅でも大型街頭ビジョンが用いられ、あるいは中原区で行われたヘイトスピーチのデモの現場には、法務省の広告宣伝車、アドトラックがヘイトスピーチをやっている連中の近くで出動したということがありました。さらには、十一月の二十八日から十二月の十一日ですが、大阪駅のBIGデジタルサイネージでは、朝の六時から二十四時まで、やはりヘイトスピーチ啓発動画、これは三十秒と三分間があるそうですけれども、そのように全国各地で更なるヘイトスピーチ許さないという動きが強化されるということは非常に好ましいことだというふうに思っております。  法務大臣も、先日の衆議院の法務委員会で、ヘイトスピーチ問題については一層頑張ると、そのように答弁されておりましたので、その立場から具体的にお聞きをしていきたいというふうに思います。  前回の法務委員会でも、沖縄県東村高江での大阪から派遣をされた機動隊員による土人発言、それを取り上げました。そのことについては、私は、第一次琉球処分以前から、日本の政府が琉球王国に対して、そこを支配する人を酋長だと、そこに住む人たちは土人だというようなことが公式の文書にも明治の初めなどには載せられていたことを新たに見ることができましたけれども、同時に、政府がそういう態度を取っているだけではなくて、これも前回お話をしましたけれども、沖縄の那覇出身の詩人の山之口貘さんなども、大正十二年に、職を探して歩いているときに大阪で求人広告があって、朝鮮人と琉球人お断りというようなことを明白に経験された悲痛な思いを書かれておりましたけれども、そのように、歴史的、構造的にやはり沖縄に対する差別というものがあるということは、これも人種差別撤廃委員会でも明らかにされてきたことです。  そこでもう一度、この警察官という公人による差別発言について確認をしておきたいと思います。  前回のこの法務委員会で人権擁護局長は、その機動隊員による発言についてどのような認識示されましたでしょうか、もう一度お答えください。
  15. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 先日の繰り返しになりますが、不当な差別的言動はいかなる者に対してであってもあってはならないものであると考えております。  御指摘の発言につきましては、報道されている以上の詳細を把握していないためコメントは差し控えますけれども、一般に警備中の警察官が御指摘のような発言を行うことは人権擁護上問題があると理解しております。
  16. 有田芳生

    ○有田芳生君 今、人権擁護局長は、土人発言について不当な差別的言動であると、そのようにおっしゃいましたけれども、法務大臣もそのような認識でいらっしゃいますか。
  17. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 同じ認識であります。そして、警察官が不適切な発言を行ったことは大変残念であるとの官房長官コメントもございましたが、これと同じく、大変残念で許すまじき行為と考えております。  よろしいですか。
  18. 有田芳生

    ○有田芳生君 もう一度確認します。  沖縄に派遣された大阪からの警察官、機動隊員の土人発言というのは差別だと、そういう認識でいらっしゃいますね。
  19. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) ただ、私は、とても残念で許すまじき言動であるというふうに思いますが、御指摘の警察官による発言が差別的意識に基づくものかどうかというのは、事実の詳細が明らかでない状況の中ではお答えは差し控えたいと思います。
  20. 有田芳生

    ○有田芳生君 差別発言なんですよ。土人という言葉は差別発言だとお認めになりませんか。もう一度お答えください。
  21. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 一般論として申し上げた場合には、不当な差別的言動というものはいかなる者に対してもあってはならない、そして人権擁護上問題があると考えております。
  22. 有田芳生

    ○有田芳生君 機動隊員による土人発言について、人権擁護局長は不当な差別的言動であるとおっしゃった。大臣も今そのようにおっしゃった。そこはなぜ一般論になるんですか。質問は具体的な問題を問うております。それに対する答えですから、一般論になぜなるんでしょうか。
  23. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 委員御指摘のこの警察官による発言が大変残念で許すまじき行為であるということは申し上げました。ただ、差別的意識に基づくものかどうかは、事実の詳細が明らかではございません部分もありますので、お答えは差し控えさせていただいた部分があるということであります。
  24. 有田芳生

    ○有田芳生君 差別的意識によるものかどうかは、それは該当の警察官に聞かなければ分からないという意味だと思いますが、しかし、土人という言葉は差別用語だとお思いになりませんか。
  25. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) その言葉のみを捉えてどう思うかと言われました場合には、委員御指摘の御発言は私は同じように思うものであります。
  26. 有田芳生

    ○有田芳生君 要するに、不当な差別的言動であるということですね。
  27. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) そういう前提を置いて申し上げました場合にはそうなります。
  28. 有田芳生

    ○有田芳生君 沖縄では、様々な御意見があることは承知の上なんですけれども、沖縄県警だけではなくて全国各地から警察官が派遣をされております。警察庁に伺いたいんですけれども、沖縄に派遣される機動隊員などの方々に何らかの、例えば、中正公立でいいんですけれども、例えば沖縄の歴史はこうなんだとか、そういう教育なんかはなされているんでしょうか。
  29. 白川靖浩

    ○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。  警察では、犯罪捜査等の人権に関わりの深い職務を行っていることから、平素から様々な機会を捉えて人権尊重に関する教育等を実施しているところでございます。  また、沖縄県警察では、県外からの機動隊員の受入れに際しまして、沖縄県の歴史、米軍基地をめぐる状況等について教養を行っているものと承知しております。  今般、機動隊員が不適切な発言を行った事案を受けまして、警察庁から全国警察に対し、人権に配意した適切な警備実施を確保するための必要な指導教養の確実な実施、個々の警備実施に当たり関係者の人権を尊重すること等についての指示の徹底について指示を行ったところでございます。
  30. 有田芳生

    ○有田芳生君 いわゆる土人発言についてですけれども、当委員会では谷垣法務大臣の時代からヘイトスピーチ問題というのは多くの委員とともに議論を続けてきたんですけれども、ヘイトスピーチ解消法ができる前の問題として、そもそも、日本が加入している人種差別撤廃条約の第四条(c)項、つまり「国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は扇動することを認めないこと。」と、これ国と地方公共団体だけではなくて、公の人物、政治家も含めて、そういう差別をなくすということがもう責任になっているんですよね。それだけではなくて、ヘイトスピーチ解消法が当委員会で可決をされて、そして参議院の決議ができました。それは、不当な差別的言動をなくさなければいけないということだけではなくて、やはりもっと広く人間の尊厳を守らなければいけないと、当委員会の決議でもありますし、あるいはヘイトスピーチ解消法の衆議院、参議院の附帯決議でもそのことは明らかになっておりますので、やはりこれからはこのヘイトスピーチ含めた差別の問題を一層頑張るとおっしゃった大臣ですから、明確にこれからもお答えをいただきたいということをお願いをしておきたいというふうに思います。  さらに、この問題について、ヘイトスピーチ解消法が成立してから、まず警察庁、どのような通達を出されましたでしょうか、具体的にお示しください。
  31. 白川靖浩

    ○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。  警察庁におきましては、いわゆるヘイトスピーチ解消法が公布された日、六月三日でございますが、に全国の都道府県警察に対し、同法の目的や概要に加え、同法の趣旨を踏まえ、警察職員に対する教養を推進すること、法務省からの各種広報啓発活動等への協力依頼に積極的に対応すること、いわゆるヘイトスピーチといわれる言動やこれに伴う活動について違法行為を認知した際には厳正に対処すること等により、不当な差別的言動の解消に向けた取組に寄与するよう指導をしたところでございます。
  32. 有田芳生

    ○有田芳生君 警察庁についてはまた具体的に後ほどお聞きをしますけれども、その前に、文科省も通達を出されておりますけれども、どういう内容なんでしょうか。
  33. 神山修

    ○政府参考人(神山修君) お答え申し上げます。  文部科学省といたしましては、この法律の施行を受けまして、本年六月二十日付けで、全国の都道府県教育委員会、国公私立大学などの関係機関に対しまして、本法の内容と併せまして、同法の第六条におきまして、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動等について規定されていることなどを周知するための通知を発出いたしまして、本法を踏まえた適切な対応について依頼をしたところでございます。
  34. 有田芳生

    ○有田芳生君 この日本でも、五十年前、百年前にはもう平然と日常生活の中で差別的な言動が行われてきた、言葉であっても、それが啓発あるいは教育などによってなくなっていったという歴史があるというふうに思いますので。  やはり、例えば日本でいえばオウム真理教などのようなカルト団体なんですけれども、アメリカやヨーロッパなんかでは子供の頃からカルト教育というのをやっていまして、そういうことがあるからなかなか引っかからないケースもあるという、そのように、やはりヘイトスピーチ、差別の問題というものも、学校教育などでもやはりきっちりと位置付けていくことがこれからはもっと重視されなければいけないんだというふうに思っております。  そのようにヘイトスピーチ解消法ができてから様々な動きがあるわけですけれども、しかし、解消法ができてしばらくの間は、ヘイトスピーチ、差別扇動の集会、デモというのはちょっと収まった。そういう集会、デモがあっても、シュプレヒコールなんかがおとなしくなったという傾向があったんですが、それがまた僅か数か月にしてぶり返しつつあるという憂うべき現実がありますが、警察庁にお尋ねしますが、このしばらくの間、ヘイトスピーチ解消法が成立後に、いわゆる右派系市民団体による集会、デモというのはどのぐらいの件数あるとつかんでいらっしゃいますか。
  35. 白川靖浩

    ○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。  いわゆるヘイトスピーチ解消法が施行された平成二十八年六月三日以降、右派系市民グループによるデモは、十月二十四日現在でございますが、全国で約二十件を把握しているところでございます。
  36. 有田芳生

    ○有田芳生君 先ほども指摘しましたように、もう一度ぶり返しつつあるという傾向だというふうに思っております。それがなぜなのかについては、また後ほど質問をしたいというふうに思っております。  実は、おとといも秋葉原から上野にかけて右派系市民団体による集会とデモがありましたけれども、その詳細は、簡単に、詳細じゃなくて簡潔にお答えいただけますか。
  37. 白川靖浩

    ○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。  委員御指摘のデモにつきましては、十月二十三日、都内千代田区におきまして、日韓国交断交国民大集会イン帝都というふうな名称の下で右派系市民グループにより行われたものと承知しております。
  38. 有田芳生

    ○有田芳生君 日韓断交という政治的な主張を掲げているんだけれども、二日前のその集会、デモだけではなく、例えば四月十七日の岡山だったら拉致問題解決といううたい文句で、実際にそこに行ってみるともう平然と差別の扇動、ヘイトスピーチが行われている、そういう現状が続いているということなんですが。  実は、先ほど警察庁が通達を出されたとおっしゃいましたけれども、現場の警察官の基本配置に変化があるんでしょうか。つまり、デモ隊、それからそれに抗議をする人たちがおりますけれども、いわゆる基本配置、変わっているならば教えてください。
  39. 白川靖浩

    ○政府参考人(白川靖浩君) ただいま、デモに対する基本方針についてのお尋ねだと存じますけれども、警察におきましては、いわゆるヘイトスピーチ解消法施行後も、右派系市民グループによるデモ等について、中立性、公平性を確保しつつ、デモ等の参加者とそれに反対する方々とのトラブルから生じる違法行為の未然防止等の観点から、必要な警備措置を講じているところでございます。  また、警察といたしましては、これらのデモに際し違法行為を認知した場合には、法と証拠に基づき、あらゆる法令の適用を視野に入れて厳正に対処しているところでございます。
  40. 有田芳生

    ○有田芳生君 基本的な認識なんですけれども、ヘイトスピーチ解消法ができて、その第三条、本邦外出身者などに対する不当な差別的言動をなくしていくことは国民の努めになったわけですよね。  ですから、現場で差別の扇動、ヘイトスピーチに抗議する人たちというのは、ヘイトスピーチ解消法の三条に基づいてそういう行動を行っているんだけれども、実は、二〇一四年の八月に人種差別撤廃委員会、ジュネーブで行われた会議では、この日本でどんなヘイトスピーチが行われているかというビデオを見ていただきましたけれども、多くの委員の方々はみんなびっくりした。何をびっくりしたかというと、日本では差別の扇動、ヘイトスピーチをやっている集会やデモを警察官が守っているんですねと驚きの声を何人もの方がおっしゃった。  それはなぜかというと、つまり、ヘイトスピーチをやっている集会、デモ、そしてそれに抗議をする人たちがいる、差別はいけないという人たちがいる。そのときに、現場の警察官たちというのはヘイトスピーチをやっている人たちを守っているように見える。つまり、反対する人たちの方にずっと向かっていたわけなんです。多くの人が驚きました。日本でも映像を御覧になった方、安倍総理も、それから菅官房長官も驚いていた。  しかし、それではいけないということで、例えば、法律ができる前の四月十七日、岡山市で行われた、拉致問題を掲げているんだけれども、実際には在特会の前会長の桜井誠前会長が主導をして、平然と路上でもヘイトスピーチをまき散らしていた。そのとき、私は現場にいてあれっと思いました。つまり、ヘイトスピーチをやっているグループに対しても警察官が向かっている。そして、トラブルがないようにそれに反対する人たちにも警察官が交互で向かっている。皆様方のところに資料としてお配りしましたけれども、写真、右の上です、交互に警察官が対処している。ああ、変化だなというふうに思いました、まだ法律ができていないのに。  法律ができて以降もこういう配置で進んでいたんですが、実は二日前の秋葉原、写真見てください、左側、ずらりと警察官、反対する人たちに圧倒的に向かっている。向こう側にヘイトスピーチを事とする人たちがいる。だから、この下の写真見ていただければ分かりますように、誰が見たってヘイトスピーチをやっている人たちを警察官が守っているとしか見えない。これ、おかしくないですか、逆行していないですか、いかがでしょうか。
  41. 白川靖浩

    ○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。  警察におきましては、これまで警備実施に際しまして中立性、公平性の確保を徹底してきたところでございます。  もとより、そこの現場の方々あるいは通行される方々の安全確保というのは非常に大事だと考えておりまして、そういう中で、その現場現場におきましていろんな警備の、機動隊員の配置のやり方等はあろうかというふうには思います。  ただ、一点だけ、先生御指摘の左上の写真と存じますが、これは右上の方を御覧いただきますと、実は右派系市民グループのデモ参加者は右の上の方にいるわけでございますけれども、そこの部分につきましては、機動隊員はこの右派系市民グループの方に向けて立つような形での配置になっていると承知しております。
  42. 有田芳生

    ○有田芳生君 確かにそうなっているんですけれども、圧倒的に数が違うんじゃないですか。だから、やはり誤解されないこと、あるいは公園から外国人観光客を警察官が追い出す、怖いというような声が起きるような警備というのはやはりこれからも改善していっていただきたいなと強くお願いしたいというふうに思っております。  そこで、そうしたことも含めて、警察の警備の在り方も含めてですけれども、あらゆるところで差別の扇動、ヘイトスピーチをなくしていかなければいけないんですが、法務省にお聞きをします。九月三十日に会議をなさったそうですけれども、その概要をお示しください。
  43. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 本年九月三十日にヘイトスピーチ対策専門部会という会議を開催いたしました。  この会議は、ヘイトスピーチの解消に向けた法律の施行を受けまして、同法の趣旨を踏まえた人権教育、啓発活動の取組について検討を行うため、法務省人権擁護局を含む五つの関係省庁、それから十三の関係地方公共団体の課長級職員の出席を得て開催したものでございます。  会議の内容は主に三点ございまして、一つ目として、法務省から、ヘイトスピーチの現状についての報告として、ヘイトスピーチの解消に向けた法律の成立に至る経緯やその概要等の報告を行い、二つ目としまして、法務省を始めとする関係機関のこれまでのヘイトスピーチの解消に向けた取組や今後予定している取組に関する報告を行い、三つ目としまして、これらの報告を前提に国と地方公共団体との連携協力に向けた意見交換や質疑応答等を行いました。
  44. 有田芳生

    ○有田芳生君 そのときに、福岡、大阪など、あるいは東京、神奈川、福岡県、もちろん福岡市、川崎市などもそうなんですけれども、要望書が出されていますよね。  その中に、例えばヘイトスピーチ解消法の第二条は定義なんですが、地方からは、何が差別的言動に含まれるのかというようなことについて基準や具体例を明らかにしてほしいという要求が出されておりますが、そういったガイドラインについて今後準備をされる御予定はあるんでしょうか。
  45. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) この法律の趣旨あるいはこの基本理念等を踏まえまして国及び地方公共団体がヘイトスピーチの解消に向けた取組を適切に推進していくためには、国と地方公共団体、あるいは各地方公共団体の間といった関係機関相互で継続的に情報の共有あるいは情報の交換を行うなど、連携協力して切れ目のない施策を講ずることが重要であると考えております。  そうした施策を行うに当たって参考となる情報を法務省人権擁護局において地方公共団体に提供させていただくことを現在検討しているところでございます。どのような内容をどのような形で提供するか等は現在検討中でございますが、関係地方公共団体の御要望や御意見も踏まえながら、できる限り速やかに準備を進めてまいりたいと考えております。
  46. 有田芳生

    ○有田芳生君 そういうガイドラインについて検討中で、速やかにというお話ですけれども、速やかにというのは、大抵、広辞苑なんか見ると速やかにとかはまあ数か月というような意味合いで使われることが多いんですが、どんなものなんでしょうか、年内にできますか。
  47. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 現時点で具体的な時期を申し上げることはできないのですけれども、年内を目標に取り組んでいきたいと思っております。
  48. 有田芳生

    ○有田芳生君 そのときに、ヘイトスピーチ解消法の第四条、国及び地方公共団体の責務に関して、東京都などからの要望書の中にはヘイトスピーチ対策の全体フレームを示してほしいという要望もあるんですが、それも年内に明らかにすることはできますでしょうか。
  49. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、どのような内容をどのような形で御提供することができるか、それは国と地方公共団体との関係という問題もありますので、そうしたもろもろの諸事情を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
  50. 有田芳生

    ○有田芳生君 現場からの強い要請だということは十分御承知だと思いますので、是非とも速やかにそういうものをつくっていただきたいというふうに思っております。  次に、ネット上でのヘイトスピーチというものが異常な状況が放置されたままでおりますけれども、人権擁護局長にまずお聞きをしたいんですが、擁護局の中にヘイトスピーチ被害相談対応チームというものができたと伺っておりますが、どのぐらいの陣容で行動されているんでしょうか。
  51. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 相談は、調査救済業務の一環としまして人権擁護局の中の調査救済課が担当しております。その調査救済課の担当職員の中で、ヘイトスピーチについて相談が上がってきた場合に専門的に対応するスタッフを何人か決めているという状況でございます。
  52. 有田芳生

    ○有田芳生君 済みません、何人かというのは何人でしょうか。
  53. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 現時点では三名の職員をヘイトスピーチの担当としております。
  54. 有田芳生

    ○有田芳生君 ネット上でゆゆしき異常な事態がずっと続いているわけですけれども、皆様方に資料をお配りしました。十月二十二日付けの神奈川新聞です。「ネットの差別野放し 在日三世、人権侵害訴え」と、こういう記事ですけれども、要するに、例えば、記事にもありますけれども、この在日三世の女性と日本人の夫との間に生まれた十四歳の少年に対して、例えば、そこに、記事にもありますように、こういうことは本当は言いたくもないんだけれども、記事にもなっておりますし事実ですから、差別と闘うためには差別を知らなければいけないわけですから読みますけれども、十四歳の少年に対して、チョンやから日本語が分からぬようやな、日本が嫌なら帰っていいんだよ、えせ日本人などと、民族的差別がずっと続いている。そういうことを人権擁護局長は確認されていますでしょうか。
  55. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 御指摘の事案については把握をしております。
  56. 有田芳生

    ○有田芳生君 その事案について、差し支えない範囲で人権擁護局の取組を教えてください。
  57. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 御指摘の事件ですけれども、その被害を受けたという方から申告を受けまして、人権侵犯事件として現在取り扱っております。これにつきましては、相手方に対して勧告をすると同時に、複数の動画共有サイトの管理者にその動画の削除を要請したところでして、本日までにその一部の管理者が削除に応じた状況にございます。
  58. 有田芳生

    ○有田芳生君 十月六日に削除要請出されたということで間違いありませんね。
  59. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 済みません、今、ちょっと答弁を間違えましたので、その確認をしておりましたので、済みません、もう一度質問をお願いいたします。
  60. 有田芳生

    ○有田芳生君 十月六日に削除要請をされましたね。
  61. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 失礼いたしました。  まず、先ほどの答弁の訂正をさせていただきたいと思います。先ほど私申し上げましたのは別の事件の関係ですので、先ほど、相手方に対し勧告し複数の動画サイトに削除要請し一部が削除されたという答弁は撤回させていただきたいと思います。  改めての答弁になりますけれども、今委員御指摘の事件につきましては、その被害者自身が被害を受けたということを自ら公表なさっておりますのであえて申し上げますけれども、人権侵犯事件として調査をしているかどうか、それも含めて、相手方の、相手方というかその関係者との信頼関係の問題がありますので、個別の事件についての具体的な言及は差し控えたいと考えております。
  62. 有田芳生

    ○有田芳生君 ツイッター社に十月六日に削除要請を出して、今日で十九日たっておりますけれども、削除要請をしても削除されない。それはお認めになりますか。
  63. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) その点も含めまして、今議員御指摘の事件を取り扱っているかどうかについて御答弁を差し控えたいと思います。
  64. 有田芳生

    ○有田芳生君 ツイッター社は、利用ルールとしてこう掲げております。人種、民族、出身地、信仰している宗教、性的指向、性別、性同一性、年齢、障害、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます。これがツイッター社の利用ルール。  人権擁護局が積極的に動いてくださって削除要請したにもかかわらず、もう十九日たつけれども全く動きがない。そうした事実に対してどう対処されようとしておりますか。
  65. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 繰り返しの答弁になって恐縮ですけれども、委員から具体的な固有名詞などが出て事案の御指摘がございますけれども、そうした事件の取扱いの有無も含めまして、答弁は差し控えたいと考えます。
  66. 有田芳生

    ○有田芳生君 積極的に動いてくださって、そういう削除要請したにもかかわらず、プロバイダーの方が対応しないという現実があります。  先ほど答弁間違えたとおっしゃいましたけれども、二〇〇九年の十一月に朝鮮大学の前で在特会の当時会長の桜井誠氏が、おい朝鮮人、出てこいよ、殺してやるからよというようなことを叫んでいた。そのことに対しても削除要請が以前ありましたね。
  67. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 今の委員の御指摘については、御指摘のとおりでございます。
  68. 有田芳生

    ○有田芳生君 それで、そういう動画は削除されたんですか。
  69. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 今の件につきましては、複数の動画サイトへのアップが確認されまして、要請をしまして、その一部に応じていただいた状況でございます。
  70. 有田芳生

    ○有田芳生君 人格権の侵害だということで、そういうひどい差別、扇動の動画は削除されたんだけれども、皆さん、部屋に戻って朝鮮大学襲撃なり桜井誠会長なりを検索していただければ、いまだ残っている。これはどういうことなんでしょうか。
  71. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 法務省が人権救済の一環として行っているその調査、処理は、いずれも強制的な手段を持たず、その関係者の任意の協力を得ながら行っているものでして、その範囲で可能な限り適切な措置を講ずるように努めているところでございます。
  72. 有田芳生

    ○有田芳生君 削除要請に応じるところもあれば応じないところもある。じゃ、削除要請に応じないところの差別の扇動、とんでもない映像というものが残っていることに対して、もうそれから既に八か月もたっておりますけれども、これまで差別の扇動、ヘイトスピーチに積極的に取り組んできてくださった人権擁護局はこれからどうなさるおつもりですか、もう仕方がないということですか。
  73. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 人権侵犯事件の調査、処理の一環としまして更なる措置を講ずるかどうかは、その事案に応じてまた適切に判断してまいりたいと思います。  ただ、先ほどと同じことになりますけれども、あくまで強制力を持たない任意の形で行っている業務でして、法務省としましては、こうしたヘイトスピーチの問題につきましては、社会全体の人権意識を高め、そうした言動が許されないことであるという認識を広く醸成することが何よりも必要かつ重要であると考えておりまして、そうした観点から、今後も引き続きそうした粘り強くかつ地道な啓発活動に努めてまいりたいと考えております。
  74. 有田芳生

    ○有田芳生君 削除要請は一回なさっただけですか。応じなければ何度も出されたんでしょうか。
  75. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 済みません、具体的な処理の内容につきましては、関係者との信頼関係の問題がありますので、具体的な言及を差し控えたいと思います。
  76. 有田芳生

    ○有田芳生君 差別の扇動を野放しにしている関係者との信頼関係というのは、どうするんですか。  具体的に言いましょう。さっきの少年に対する差別の扇動はツイッター社、いまだ残っている動画についてはユーチューブ、それに間違いありませんね。
  77. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 今委員から具体的に出ました固有名詞については、コメントを差し控えたいと思います。  繰り返しで恐縮ですけれども、法務省の人権擁護機関が行います人権侵犯事件の調査、処理は、強制的な手段を持たず、その内容の秘匿を条件として関係者の任意の協力を得ながら行っているものでございます。にもかかわらず、その調査、処理の内容を関係者の了解なくみだりに明らかにするということになりますと、関係者の任意の協力を得られなくなる、あるいはその措置に応じてもらえなくなる、そうしたおそれがありまして、人権侵犯事件の調査救済事務に著しい支障を及ぼすおそれがあるというふうに考えておりますので、その事情を是非御勘案いただきたいと思います。
  78. 有田芳生

    ○有田芳生君 ネットを見ればユーチューブというのは誰でも分かるんですよ。  そうした事態にやはりもっと積極果敢に解決のために努力をしていただきたいんですよ、それはもう個人の力ではどうしようもないわけですから。このヘイトスピーチ解消法ができたときに、法務省のある幹部は、これからインターネット問題についても強力に解決のために取り組んでいきたいというふうに私にはおっしゃいました。  例えばドイツ、EUなどは、これは既に報道されておりますけれども、EUの欧州委員会などは、フェイスブック、ツイッター、マイクロソフト、それからユーチューブを運営するグーグルに対して合意をしております。つまり、差別の扇動、ヘイトスピーチ、差別などがインターネット上で発見されたならば、それを今お示しした四つの会社に対して削除要請をしたならば二十四時間以内に削除をするという、そういう合意をしているというのは御存じですよね。
  79. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) 実は、今御紹介いただいた諸外国の法制も新聞報道で実は知ったというのが正直なところでして、詳細までは把握しておりません。
  80. 有田芳生

    ○有田芳生君 そういうことをやはり詳細に把握していただいて、せっかく積極的に削除要請などをなさっているんだけれども、聞くことをしないところがあれば、やはりEUなりドイツのようにもっと違った方法で合意を目指すということが必要だと思うんですが、今後の方向としていかがですか。
  81. 萩本修

    ○政府参考人(萩本修君) インターネット上の個人のプライバシーの侵害あるいは名誉の毀損といった行為につきましては、インターネットでは情報が容易に拡散するということ、また、一旦拡散してしまいますとその消去が極めて困難であることなどから、被害が重大となるおそれが高く、人権擁護上看過できない問題と認識しております。また、衆参両院の附帯決議におきましても、インターネット上のヘイトスピーチにつきまして適切に対処するように求められているということも十分認識しているところでございますので、まだその具体的な方策につきましては現在検討中ですけれども、附帯決議も踏まえまして、また、総務省等関係機関とも連携しまして、インターネット上のヘイトスピーチの解消に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
  82. 有田芳生

    ○有田芳生君 時間が来たのでやめますが、選挙を通じてのヘイトスピーチなど新たな問題が出てきております。  簡潔に最後、大臣、そういうインターネット上の新たな問題解決のために一層頑張るとおっしゃった立場で、簡潔に一言だけ最後にお話しください。
  83. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 法務省の人権擁護機関では、そのインターネット上の誹謗中傷等、そういうことで被害を受けたという相談もございますから、強力にこの問題については今後とも取り組んでいきたいと、このように思っております。
  84. 有田芳生

    ○有田芳生君 終わります。
  85. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。  今日は、大臣が所信でも触れられました司法ソーシャルワークについて質問をしたいと思います。  この司法ソーシャルワークといいますのは、司法アクセス障害、これを解消しようという考え方に基づいております。すなわち、必要な全ての人に法律相談などの司法へのアクセスを可能にして、その抱えていらっしゃる問題ですとか、また権利の保護を図っていくと、こういうものでございます。  多くの場合、弁護士による法律相談というのは法律事務所の中で行われます。普通は、電話が掛かってきて予約をして、依頼者の相談者の方に来ていただいてそこで行われるわけですけれども、じゃ、どうやってその依頼者の相談者の方が弁護士事務所を探すかといったら、今の時代は恐らくインターネット、また知り合いの方にたまたま弁護士さんがいた、また知り合いの知り合いの方に弁護士さんがいて紹介をしていただいた、そういう方が多いのではないかなと思います。  こういうことからしますと、司法へのアクセスが容易な人ということをカテゴリー、イメージするとすれば、恐らく健康に通常の社会生活を送っていて、また知り合いもいて、一定程度の学歴も持っている方と、こういうことが言えるかというふうに思います。要するに、そもそも自分が法律問題を抱えている、これは弁護士さんに相談しないといけないな、こういうことを自分で判断できる人と、こう言えるかと思います。  それに対しまして、例えばインターネットが使える環境にない、あったとしてもうまく利用することはできない、また病気ですとか障害があって外出することができない、近所付き合いもほとんどない、交通費を使って行政の窓口に行くなんということもできないとか、こうした場合には、弁護士に相談をする、法律事務所にたどり着くというところまで行くこと自体も困難であります。また、高齢、また障害などの理由によって判断の能力が低下している、そういう場合にはそもそも自分が法律問題を抱えているということに気付くこともできない場合があります。  こういった場合に、すなわちアウトリーチの手法で必要な司法のサービスを届けていこうということがこの司法ソーシャルワークの考え方であるというふうに理解をしておりますけれども、例えば、今、高齢化が問題になっておりますが、お独り暮らしのお年寄りの方で、消費者被害に遭ったりとか、また多重債務の問題を抱えている方ですとか、なかなか近所付き合いもないとか、そういう中で一人で問題を抱えてしまっている、こういった方々をどう支援していくかということが問題になっております。  私が先ほど申し上げたような、高齢で、お独り暮らしで、また障害を抱えていて、なかなか周りに家族とか助けてくれる友人もいない、そういう方であっても、ほとんどの方が介護とかまた福祉のサービスというものは受けているわけであります。ですので、消費者被害であったり、そういう問題の第一発見者になることが多いのがそうした介護、福祉の関係者の方、そうした方々と弁護士が例えば連携をして、問題を早期に解決をして必要な支援をしていくと。  こういったこの司法ソーシャルワーク、これからますます私は重要になっていくと思いますし、是非普及の促進に取り組んでいただきたいと思うんですが、大臣のこの問題についての御所見を伺いたいと思います。
  86. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) ただいま委員が御指摘ございました司法ソーシャルワーク、これは、高齢者あるいは障害者を始めとして、自己が法的問題を抱えていることを認識する能力が十分でないといったような理由で自ら法的援助を求めることができない方々がおられるということ、法テラスが推進しております司法ソーシャルワークは、こうした方々に対しまして福祉機関と連携して積極的に働きかけをする、そして法テラス、福祉機関それぞれの能力やノウハウを生かしながら、こうした方々の法的問題を含めた総合的な問題解決を図っていくというような取組だと、このように受け止めておりますので、法テラスによります司法ソーシャルワークは国民に身近な司法を実現するものとして非常に重要な取組であると、このように認識をいたしております。  法務省としましては、今後も、こうした法テラスの業務体制を充実させる、そして取組を支援していく、こういう努力を行ってまいりたいと、このように考えております。
  87. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 今年の五月に総合法律支援法の一部を改正する法律案がこの委員会で可決、成立をいたしました。この中には司法ソーシャルワークの推進のために重要な改正も盛り込まれておりました。認知機能が不十分な高齢者、障害者の法的支援の充実として、資力を問わない法律相談制度の創設がなされました。  これまでの法テラスの法律相談というのは、まず電話で法律相談の予約などをする、そのときに、法テラスの制度というのは一定の資力要件がありますよと、要するに資力がある方は利用できませんよということでそもそも法律相談に来ること自体できなかったわけですけれども、この改正によって、まずそこの入口については、資力のことは気にしないで法律相談に来てくださいと。結果として資力がある方については御負担いただきますという制度でございますけれども、この司法ソーシャルワークの関係でいいますと、弁護士が出かけていって、また福祉機関の方と連携をして、まず、じゃ何か問題を抱えていそうなのでお話を伺ってみようということになったときに、まず最初にいきなり、資力、あなたの預貯金どれぐらいありますかとか、そういったことから入るというのはなかなか難しいですので、そうしたハードルを低くしてまずお話を聞くことができると、こういった意味のある改正であったと思います。  この法律相談、これから法律の施行、制度が実際に始まるに当たっていろいろと今準備をしていただいているところだと思いますけれども、具体的にどのようなスキームで実施をしていくのか伺いたいと思います。
  88. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答え申し上げます。  今委員御指摘のように、認知機能に問題を抱える高齢者、障害者につきましては、自己の法的問題を認識することができないということでございまして、自ら法的援助を求めて民事法律扶助制度を利用することが期待できないという問題がございます。  そこで、御指摘ございました、さきの国会で成立いたしました改正総合法律支援法におきましては、法律専門家である弁護士等が連携している福祉機関からの連絡を受けてこうした方々に働きかけまして、速やかな法的支援を行うことができるよう事前の資力審査を不要とし、資力の有無を問わずに法律相談を行うこととしております。  そこで、このスキームでございますが、認知機能が十分でない高齢者、障害者に対する新たな法律相談援助の具体的なスキームでございますが、これにつきまして、現在、法テラスにおいてこの法律の趣旨を踏まえまして検討を進めているところでございまして、例えば法テラスと連携している福祉関係者が、その担当する高齢者、障害者の中に、認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれがあると認められ、本人やその親族により弁護士等の法的援助を求めることが期待できない方を発見した場合に法テラスに連絡していただく。これを端緒に、弁護士等が対象者の居住場所に出張してその場で法律相談を行うといった流れを想定しているところでございます。
  89. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 御説明ありがとうございます。  認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれがあって、近隣に居住する親族がいない等の理由により弁護士等のサービスの提供を自発的に求めることが期待できない者に対して資力を問わない法律相談を行うというものというふうに理解しておりますけれども、例えば、今の説明をお聞きしますと、柔軟な対応をしていただけるように検討していただいているのかなと思いますが、近隣に親族が居住していたとしても、なかなか日頃お付き合いがないとか、また、その親族の方が余り関心を持たないとか、そういった場合もあると思いますので、その実情に合わせた柔軟な運用をお願いしたいと思います。また、それについての理解も、法テラスの例えばスタッフの方ですとか、また審査を担当するような方にも是非その制度の趣旨を理解していただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  この司法ソーシャルワークというものは、言葉自体は比較的新しいと思いますが、恐らくそうした分野で弁護士さんたち、これまでもずっと活動してきてくださったと思います。ただ、法テラスがやはり果たす役割というのは非常に大きいというふうに思っております。  なぜなら、司法ソーシャルワークでは、弁護士さんはいろんなところに、現場に実際出かけていっていろんな機関と連携を取って様々な活動をしなきゃいけないと。そうした場合に、問題の性質上、なかなか多額の報酬を得るということも難しいかもしれないと。一般の弁護士さんの場合、事務所の経営ということもありますから、ボランティアでやるわけにもいかないと。これに対して、法テラスの例えばスタッフ弁護士さんについては一度お給料をもらうことができると。こういったこともあって、各地域にある法テラスのスタッフ弁護士さんの担う役割は大きいのではないかと私は思っております。  また、スタッフ弁護士さんじゃなくても、やはり法テラスがそこの地域の司法ソーシャルワークを推進するための基盤となって、いろいろな機関との連携の調整役ですとか、そういったことをしっかりと果たしていっていただきたいと思っております。  そこで、この司法ソーシャルワーク一般についてですけれども、今後、更なる促進のために、大臣からも冒頭お言葉がございましたけれども、具体的にどのように進めていくおつもりなのか、伺いたいと思います。
  90. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答え申し上げます。  御指摘の司法ソーシャルワークにつきましては、法テラスにおきまして、法務大臣が定めました第三期中期目標、これは二十六年度から二十九年度まででございますけれども、に基づき策定いたしました法テラス側の事業計画がございます。これに従いまして、全国の法テラスの事務所におきまして、連携対象となる福祉機関のリストを整備いたしまして、取組の担い手となる弁護士、司法書士を確保するなどして実施体制を整えつつ、さらに、福祉機関との間で業務説明や協議を行うなど連携スキームを構築いたしまして、既に積極的に実施を行っているところでございます。  法テラスにおきましては、今後も、福祉機関等との連携を強化いたしまして、その連携を契機としてより多くの方々が弁護士等のサービスをより身近に受けられるよう、引き続き司法ソーシャルワークを推進していくものと認識をしております。
  91. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。  ちょっと時間が限られているので一問飛ばそうと思っておりますけれども、この司法ソーシャルワーク、入口として法律相談援助がスタートする、これは大きな一歩だと思いますけれども、法律相談の後の支援についても、従来のやはり民事法律扶助、訴訟の提起ですとか対立する相手方との示談交渉という枠内ではなかなか収まらないことが多いと思います。ですので、司法ソーシャルワークの更なる推進のために、その枠を超えた支援の在り方というのも今後の課題として検討を進めていっていただきたいと思いますので、これはお願いとして申し上げておきます。  次のテーマなんですが、総合法律支援法の先ほど申し上げた改正の中には、DV、ストーカー被害者の法律相談という改正も盛り込まれました。これまで法律相談支援、法テラスによる法律相談支援というのは基本的に民事事件に限られまして、刑事事件ですとか犯罪の被害に遭ったと、こういったものは対象ではなかったと理解しておりますけれども、今回こういうDV、ストーカー被害というものが明確に援助の対象になるということが改正されたわけでございまして、重要な改正であったと思っております。  これも施行に向けて各地の相談体制などの検討を行っていただいているところだと思いますけれども、一つお願いをしておきたいのは、やはりこのDV、ストーカー被害というのは緊急を要するケースが多いかと思います。ですので、通常の法律相談とはやはり違うものであるというふうにまず認識をしていただきたい。  そして、通常の法律相談ですと、まず予約をして、そこから実際に相談を受けられるまで一週間とか二週間とか三週間とか掛かることもあるかと思いますけれども、やっぱりそういう対応では緊急性に対応できないと思いますので、このDV、ストーカー被害については、特に相談の連絡が、相談を受けたいという連絡が来た場合には早期に実施できるような体制を整えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  92. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおりでございますが、DV、ストーカー等の被害者、これは深刻な再被害へと急速に発展する危険性が多い犯罪類型の被害者でございまして、この犯罪被害の危険性を感じた場合、できるだけ早い段階で弁護士の助言を受けられるようにする必要がございます。  まさに、御指摘いただきました改正総合法律支援法では、被害者が迅速な利用が可能となるよう事前の資力審査を不要とする、資力を問わない法律相談援助制度を設けたところでございますが、確かに御指摘のとおり実施の方が重要でございまして、このDV、ストーカー等の被害者に対する新たな法律相談援助の具体的な運用方法、これを今鋭意法テラスの方で検討しているところでございますが、委員の御指摘も踏まえまして、利用者からの申込みに応じまして速やかに法律相談を実施できるよう検討を進めることになると思っております。
  93. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 今御答弁あったように、要するに資力のことは最初は気にしなくていいですから早く相談に来てくださいと、こういうための改正でありましたので、資力のある方には御負担いただきますよという説明もしていただかなきゃいけないんですけれども、じゃ、お金が掛かるんだったら我慢して相談に行かなくてもいいかななんということがないように、そういった説明の仕方、また告知の仕方についても検討をいただきたいと思います。  もう一問、最後にですが、児童虐待についてもさきの改正で支援の対象になりました。これも大変重要な改正であると思います。この児童虐待の相談についても、資力に関係なく法律相談、入口として来ていただけるようになったわけですけれども、ただ、資力がある場合には費用を御負担いただくと、同じ構造になっております。  しかしながら、この児童虐待の相談というのは、児童本人、虐待の被害を受けている児童本人からの相談ということを前提にしていると理解しております。そうした虐待の被害に遭っている子供から法律相談費用を取るのかというのは、ちょっと私は個人的にはどうかなといいますか、負担なく相談に来てほしいと思います。  この資力基準についても、恐らく今具体的に検討しているところだと思いますけれども、子供に費用の負担なく相談に来てもらえるように、そういう検討をしていっていただきたいと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  94. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。  さきの国会で成立しました改正総合法律支援法において、児童虐待を含む行為の被害者に対する法律相談援助について、資力のある方には法律相談費を負担させることといたしましたのは、例えば、ストーカーの被害者の方の中には資力を有する方もおり、このような方に対してまで一律に法律相談費を無料とするのは、財政的側面から国民の理解を得られるかどうか問題があると考えられたためでございます。  法律相談費を負担させるか負担させないかの具体的な資力の基準につきましては、現在、法テラスにおきまして、既存の犯罪被害者支援制度の一つでございます被害者参加人のための国選弁護制度における資力要件を参考としつつ検討を進めているものと承知しております。  ただ、児童虐待の被害児童、これは十八歳未満の方ということになりますので、これは未成年者でございまして、就業している方もほとんど少ないだろうと思っております。実際には、今後法テラスが定める資力基準を超えるほどの資力を有する場合は考えにくいのではないかと考えておりまして、いずれにせよ、被害の泣き寝入りにならないような制度構築といいますか、実施が求められていると考えております。
  95. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 今検討中ではありますけれども、想定できるのは、資力基準を超えるような子供は余りいないのではないかと、そういう説明がありましたが、そういうふうに、できるだけ負担がなく相談ができるような資力基準を決めていただきたいと思いますので、お願いとして申し上げておきます。  以上で終わります。
  96. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  前回に続きまして、大分県警別府署による隠し撮り捜査についてお尋ねをいたします。  まず、さきの参議院選挙の取締り体制から確認をしたいと思うんですけれども、事前に警察庁にお尋ねをいたしますと、さきの通常国会の会期末であります六月一日に警察庁次長の依命通達がこの参議院選挙の違反行為の取締りについて出されました。そして、翌日、六月の二日に全国選挙違反取締主管課長会議が行われ、さらに、大分県警に対する巡回指導が六月十日、九州管区警察局における督励指導が六月十四日、これ、それぞれ行われたということですけれども、日にちはそのとおりですね。
  97. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 警察庁では、お尋ねのとおり、六月一日に警察庁次長名で第二十四回参議院議員通常選挙違反取締本部の設置及び違反行為の取締りについてとの表題の依命通達を発出し、六月二日に全国選挙違反取締主管課長会議を開催したほか、六月十日に大分県警察への巡回指導を実施、六月十四日に九州管区警察局において管区警察局管内の各県警察本部に対しての督励を実施したところでございます。
  98. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 それぞれいずれの場でもカメラ使用についての指示、指導なりが行われたのではないかと思うんですが、これ、どのような内容ですか。
  99. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) これらの会議等におきましては、選挙違反の取締りに当たっては基本的人権の尊重と正当な選挙運動や政治活動の自由に十分配意するよう指示するとともに、ビデオカメラの使用についても、捜査目的を達成するため必要かつ相当な範囲内にとどまる限り許容されるものである上、正当な選挙運動や政治活動の自由への配意等から特に慎重を期すべきものであることから、その必要性、相当性について組織的に検討し、警察本部の指揮を受けて行うよう指示したところでございます。
  100. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 その前提そのものが私は間違っていると申し上げてきましたけれども、その点はちょっと今回はおいて、その下で、大分県警では六月の三日、署長・刑事課長合同会議が行われていると思いますが、そのとおりか。加えて、別府署の阿南刑事官もここに出席しているのではありませんか。
  101. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) お尋ねのとおり、大分県警察においては六月三日に警察署長・刑事課長等合同会議を開催し、同会議に別府警察署刑事官も出席していたものと承知をしております。
  102. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 ところが、この阿南刑事官を中心に別府署において労働福祉会館に対するビデオカメラの設置を行ったわけです。この別府署がカメラ使用を具体化をしたのはいつか。ブッシュネルを扱う業者にリースを依頼をしたのはいつなんですか。
  103. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 本件においてビデオカメラの使用を検討し始めた時期についてのお尋ねでございますけれども、本件容疑情報を入手した後における捜査の具体的な進捗状況であることから、お答えは差し控えさせていただきます。  本件ビデオカメラの借受けの状況については、六月十七日に別府警察署刑事官から業者に依頼をし、翌十八日に当該業者がビデオカメラを警察署に持参したものでありますけれども、県警察としての会計上の手続を取ることなく刑事官が個人的に借り受けたものであった旨、大分県警察から報告を受けているところでございます。
  104. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 組織的に検討するようにと指示をしているにもかかわらず、こうした事態が発覚をしたというにもかかわらず、その具体化がいつなのかということを答えられないということで、どうして真相を解明して再発防止ができるというのか。  私は、この点についてもこの委員会にきちんと説明をされるように、委員長、取り計らいを願いたいと思います。
  105. 秋野公造

    ○委員長(秋野公造君) 後刻理事会にて協議をいたします。
  106. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 その上で、このブッシュネルというそのビデオカメラ、これ、いつまでリースすると、あるいはレンタルするという、そういう話だったわけですか。
  107. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 本件ビデオカメラは別府警察署刑事官が個人的に業者から借り受けたものでございますけれども、刑事官としては業者との間において借り上げ期間を明確に定めることのないまま即日使用を開始したという認識であった旨、大分県警察から報告を受けております。
  108. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 それ自体とんでもない報告なんだけれども、結局、六月十八日に設置をして、選挙期間中、つまり本番をずっと狙い撃ちにして、継続的に不特定多数の出入りを捕捉しようということが目的だったんではないんですか。いずれにしろ、この六月一日から参議院選挙の取締り体制に入っていて、それと同時進行でこの準備が行われ、かつ実行されたわけです。  別の角度で聞きますけれども、今日も資料をお配りしましたが、警察庁の取りまとめの冒頭にもあるように、このビデオ捜査というのは、選挙運動が禁止されている特定の人物がこれに反して選挙運動をしていると疑われる複数の容疑情報を入手したのが端緒だということになっています。この複数情報を、容疑情報を入手したのはいつですか。
  109. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 容疑情報の入手時期についてのお尋ねでございますけれども、個別事件の捜査内容に関わる事項についてでございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
  110. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 それを差し控えていて本当に検証ができるのかと、先ほど来申し上げているとおりですが、つまり、本部指揮事件だと、県警本部指揮事件だということなんですね。それが厳正に指示されているとおっしゃっている。  となれば、この間、有田議員も指摘しておられたと思いますが、大分県警においてこの通常参議院選挙において摘発された件数というのは四件というふうに聞いていますけれども、この複数の容疑情報というのは極めて県警本部にとっても重要なものだったはずです。当然、本部指揮事件として、その情報をつかんだ段階で本部に報告されていてしかるべきだと思いますけれども、これ、誰が本部の誰に報告をしていますか。
  111. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 情報の報告について、個別事件に関する事項のお答えは差し控えさせていただきますけれども、一般に、選挙違反に関する情報は警察署の刑事部門から警察本部捜査第二課に報告されるものでございます。
  112. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 刑事部門から本部へ報告するということは、別府署の刑事二課長、そういう理解でいいですか。
  113. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) そのように理解していただいて結構でございます。
  114. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 で、報告はされたんですか。
  115. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 本件の情報については、警察本部に報告をされておりました。
  116. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 当たり前なんですよね。こういう容疑があるということが県警本部に報告をされている。  そうすると、この容疑事案についてどう臨むのか、この具体的な指示をし、その後の捜査経過を県警本部がつかんでいるというのは、これ当たり前のことでありまして、事柄はそういうことですよね、審議官。
  117. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 警察本部におきましては、警察本部長の指揮の下、警察署に対して、基本的人権の尊重、正当な選挙運動や政治活動の自由に十分配意すること、不偏不党、厳正公平な立場を堅持しつつ緻密かつ適正な捜査を徹底することなど、必要な指揮、指導を行っているところでございます。
  118. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 警察本部の本部長の指揮の下と今おっしゃったとおりなんですけれども、つまり、この具体的な容疑情報についても県警本部長は知っていたということですね。
  119. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 本件容疑情報については、警察本部長も報告を受けていたものと承知をしております。
  120. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、容疑情報の段階で県警本部長も知っていた。で、県警本部がこれを、具体的にどこまでというのは時間もありませんから聞きませんけれども、指揮をしていたわけですよ。  ところが、後になって、必要性、相当性がないと皆さんがおっしゃる権力犯罪が発覚をしたということなんですけれども、これ、報道によりますと、その別府署の二課長が、刑事官が言うから仕方がないと言って、容疑情報は県警本部に報告しているんだけれども、カメラ使用を刑事官が具体化してきたときに県警本部に報告をしなかったという説明がなされていますが、これは一体どういうことなんですか、審議官。
  121. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 大分県警察本部に対しまして別府警察署からは本件のビデオカメラの設置について一切報告をしておらなかったところでございますが、当人たちは大変軽率な判断であったというふうに申しております。
  122. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、軽率だったんじゃないんですよ。これが警察において当たり前のことだからなんじゃないんですか。  つまり、重大な権利侵害が伴うにもかかわらず、警察庁は任意捜査だと言い張っている。しかも、選挙違反取締りでカメラを使うのは当たり前だというし、固定カメラで継続的に事務所の出入りを撮影することも許される、認められるんだというわけですね。それが、今回ではなくて、ずっと以前から警察庁の選挙運動取締りの方針なんです。その下で今回の別府署の事件が発覚したということなんですね。もし草刈りが行われなければ、選挙戦全体をこうやって監視していたということなんですよ。発覚したから今皆さんこういう議論になっているのであって、発覚しなかったらこれ当たり前なんだから、上司の刑事官が言うんだったらそれに従おうというのが別府署の全体の構造であり大分県警の構造だった、ひいては全国の警察の構造だということなんじゃないんですか。その下で起こっているというのが今回の事件なんですよね。  八月の三日に県警本部の刑事企画課がケース・バイ・ケースでカメラの設置は署が判断するというふうに説明をしていたという記事が九月七日付けの西日本新聞にありますが、ところが、八月の二十六日になって、今回のような重要事案では本部に報告し、判断すべきだったと説明を変えたと指摘をされています。  八月の三日に署が判断するというふうに言っていた、これは一体どういうことなんですか。
  123. 高木勇人

    ○政府参考人(高木勇人君) 必要性等につきましては、第一義的には警察署において検討されるものでございますけれども、これにつきましても、警察署長以下で組織的に検討するものでございます。その上で、警察本部に指揮を伺う旨、指示をしていたところでございます。
  124. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、時間が来てしまいましたけれども、結局、別府署が、あるいはこの容疑を追いかけるその阿南刑事官を中心にした捜査のチームがですよ、判断したら、それはもうどんどんやれというのがこれまでの現実だったんじゃないんですか。  その下で今回の事件が発覚をした。だから、慌てていろんな通達を出して、慎重になんというような答弁をしている。そんなごまかしは絶対に通用しないと。まして、侵入行為と隠し撮り行為を切り分けて、これが不適正ではあったけれども違法、違憲ではないなんという言い逃れをして、これからもやろうなんというようなことをこの国会が許してはならないということを強く申し上げ、指摘をしてきた協議事項を徹底してこの委員会で審議することを強く求めて、今日は質問を終わります。
  125. 高木かおり

    ○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。先日に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。  早速ですが、まず初めに、少年院における矯正教育についてお伺いしてまいります。  先日は、大臣の所信表明に対する質疑におきまして、性犯罪の被害者の立場に立って御質問をさせていただきました。今回は、加害者の方に視点を移し、再犯防止という観点から質問させていただきたいと思います。  私は、再犯防止のためにはやはり矯正教育が最も重要であると考えております。今回は、特に可塑性のある少年を収容している少年院における矯正教育について御質問させていただきます。  少年たちが自分が行ってしまったことへの責任を果たすということは、二度と非行に走らないこと、また犯罪者にならないようにすることだと、要するに再犯しないことだと思っております。再犯をさせないためには、居場所があるということ、就労の機会があること、これが非常に大切だと私は思っておりますが、この再犯防止につきましてどのような矯正教育が現場では行われているんでしょうか、お聞かせください。
  126. 富山聡

    ○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。  少年院におきましては、在院者の犯罪的傾向を矯正し、在院者に対し、健全な心身を培わせ、社会生活に適応するのに必要な知識及び能力を習得させることを目的として矯正教育を行っております。矯正教育の内容は、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導及び特別活動指導の五つの領域に分かれており、在院者の特性に応じ、これらの指導を組み合わせ、体系的かつ計画的に教育を行っております。  生活指導につきましては、在院者が善良な社会の一員として自立した生活を営むための基礎となる知識や生活態度を習得させるよう指導を行うものであり、その一環として、例えば薬物非行防止指導や性非行防止指導などの特定の非行に対応したプログラムも実施しております。こうしたプログラムの指導効果の検証にも取り組んでおるところです。  また、職業指導といたしましては、在院者の勤労意欲を高め、職業上有用な知識及び技能を習得させており、雇用ニーズを踏まえ、就労に必要な各種の資格取得に努めさせるとともに、社会人としての基礎マナー、パソコン操作等の職業定着に必要なスキルも身に付けさせております。  そのほか、義務教育を終了していない在院者などに対して教科指導を行う、健全な心身を育てるための体育指導を行う、あるいは在院者の情操を豊かにするための特別活動指導などを行っております。  また、こうした矯正教育の効果的な実施に加え、出院後に自立した生活を行うことが難しい在院者に対しましては、帰住先の確保や、修学、就労等に向けた様々な社会復帰支援の充実にも努めているところでございます。
  127. 高木かおり

    ○高木かおり君 御丁寧な御答弁ありがとうございました。  少年院における処遇の中核を担うのがこの矯正教育であり、先ほど御説明いただきましたように、五つの分野に分かれているということでございました。その中でまず注目をしたいのが職業指導でございます。  平成二十七年版犯罪白書によりますと、平成二十六年における出院者のうち、職業指導により資格、免許を取得したのがその全体の割合の中で四九・一%、また再犯率は学生さん、また仕事を持っている方が無職よりも低いと、再犯率が無職の方が高いというような統計結果が出ていることは御承知のとおりかと思います。  少年院では様々な指導がなされていることはよく理解をいたしました。様々な職種を取り入れれば、在院者の社会復帰に対する意欲向上にもつながってまいりますし、結果的に自立を図るための知識や技能の習得、また情緒の安定にもつながっていくのではないかと思います。  平成二十八年度現在では、就労のための職業訓練などの職種は、成人におきましては約五十種類、それが少年院の方では十四種類ということになっております。少年院ではカリキュラムが成人とは異なりますのは理解をいたしておりますけれども、是非とも、職種の方を拡充していただけるよう御検討いただきまして、様々な職種の選択が少年院の方でもできるように、そして就労の方へつなげていただけますようにお願いをさせていただきたいと思います。  続きまして、矯正教育の中での生活指導についてお伺いをしたいと思います。  この生活指導は、先ほども御説明いただきましたように細かく分かれておりますけれども、その中でも特定生活指導の被害者の視点を取り入れた教育、これが再犯防止に更に役立っていくのではないかと思っております。この特定生活指導の被害者の視点を取り入れた教育、これをもう少し具体的に御説明していただけますでしょうか、お願いいたします。
  128. 富山聡

    ○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。  少年院におけます生活指導において、特に特定の非行等を行った少年に対してその者の特性に応じた指導を行うということで、幾つかの特定生活指導というものを準備しております。  この特定生活指導の中で、今お尋ねの被害者の視点を取り入れた教育でございますが、非行の重大性や被害者の現状や心情を認識させるとともに、被害者やその家族等に対する謝罪の気持ちを持ち、誠意を持って対応していくということを目的とした指導でございまして、少年院に在院している者の中でも特に重大な被害を与えてしまった少年、あるいは被害者に対する慰謝の意識、あるいは謝罪の意識、そういったものが薄い少年などを対象に実施しております。
  129. 高木かおり

    ○高木かおり君 この指導は、平成九年の神戸事件をきっかけに全国的に指導の仕方というのが統一されたというふうに聞き及んでおります。再教育、更生ということでございますが、そういったことが可塑性のある少年たちには優先されがちなんですけれども、被害者にとっては、加害者が少年であるか成人であるかということは関係ございません。私は、この矯正教育の中でも被害者の視点を取り入れた教育というのは特に重要であるというふうに考えております。被害者の苦しみを加害者に理解させる教育を再犯防止につなげていっていただけるようにお願いをしたいと思います。  大臣も所信で対象者の特性に応じた指導、支援、仕事や居住の確保等を柱とする総合的な対策を関係省庁と連携し、引き続き推進していくと言及されておられました。  最後に、大臣から再犯防止につきましての矯正教育の在り方について御見解をお願いいたします。
  130. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 委員から御指摘がございました、再犯防止のためにはやはり矯正教育、そして出院後の就労の確保が重要だと、こういう御指摘でございますが、私も同じ思いを持っております。  少年院仮退院者の再処分率というものを、平成二十七年版の犯罪白書を見ますと、少年院を仮退院した者のうち、保護観察終了時に無職であった者というのは有職又は学生生徒であった者に比べて再処分率が著しく高いということを私も承知しております。したがって、少年院出院者の再犯防止には、居場所があるというお話もございましたが、就労の確保が極めて重要であると、このように認識をしております。  今後とも、出院後の就労に円滑につなげることができるように、少年院において、雇用ニーズを踏まえた資格の取得、先ほど十四種目というお話もございましたが、資格の取得、就労支援の充実に一層努めていきたいと、このように考えております。
  131. 高木かおり

    ○高木かおり君 今大臣の方からも、就労は大変この再犯防止には重要であるというふうにおっしゃっていただきました。それとともに、先ほど申し上げました被害者の視点を取り入れた教育というのも私は大変重要であると思っております。  少年の支援、更生をしていく上で、課題はまだまだ様々残されているというふうに考えております。例えば、生活指導の領域でございますけれども、再入院した子供たち、再非行要因を的確に把握した上で、そこに焦点を、スポットを当てて再非行防止のための指導が十分に行われてきたのかどうか。また、職業指導ですとか教科教育等もございます。そういった範囲の中で社会人としての基礎的な力を養うということ、社会生活に円滑に適応するということを可能にするという観点から、指導内容、方法に改善の余地が多く見られるのではないかという点。さらには、少年が未熟な上に被害者の視点に立った教育、これは少年たちの精神バランスを崩すのではないかという指摘もあるようでございます。  しかしながら、再犯防止のためには、こういった少年たちが社会生活を送っていく上で被害者の痛みに思いをはせるということ、被害者の視点に立った教育、これは大変重要であるということは考えが変わっておりません。是非とも、こういった部分、引き続き行っていただきたく、また課題が少しでも改善していくように、再犯防止それから少年たちの更生へとつなげていっていただきたいと要望をさせていただきます。  時間の限りもございますので、この矯正教育についてはまた様々ございますが、機会を改めて質問をさせていただきたいと思います。  続きまして、無戸籍児問題についてでございますけれども、時間が余りございませんので数問質問させていただきたいと思います。  数年前、無戸籍の子供の存在が発覚して、大変ショッキングな報道もなされました。学校に行っていないですとか予防接種を受けていない、またパスポートが取得できない、こういったことが話題になったかと記憶しております。本年三月十日時点で法務省がまとめた無戸籍の子供は百九十三名、うち六十四名が未就学の可能性があったと聞いております。  今、無戸籍者の発覚から数年たっておりますけれども、現状はどうなっているんでしょうか、お聞かせください。
  132. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  平成二十八年十月十日現在、無戸籍者の累計、これは平成二十六年九月から調査を開始しましたので、それから把握した数ということになりますが、無戸籍の方の数は累計で千百七十七名でございます。このうち、調査を開始して以降四百八十三名の方について戸籍に記載されるに至っておりまして、二十八年十月十日現在で無戸籍者として把握している人数は六百九十四名ということでございます。
  133. 高木かおり

    ○高木かおり君 今の御答弁によりますと、まだまだ無戸籍の児童がたくさんいるということでございます。  ほかにも、無戸籍のままだと、先ほど私が申し上げた以外ですね、無戸籍のままだと不具合があることが多々あるのではないかと思います。どのような不具合があり、今後どのように無戸籍を解消していくのか、お聞かせください。
  134. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  無戸籍の方は、戸籍謄本などによって身元を証明することができないということになりますので、その意味で国民としての社会的な基盤が与えられていないという状況にございます。このため、各種行政サービス、例えば、御指摘ございましたように、旅券の取得ですとか住民票の取得といった各種行政サービスを受ける上で様々な困難が生じる場合があるというふうに考えられるわけでございます。  そこで、それに対する対応ということでございますが、長期間無戸籍の状態になっている方々につきましては、法務局において市区町村などと連携して情報を集約し、その情報を分析、共有するなどして、一人一人に寄り添いながら戸籍に記載されるための丁寧な手続案内を進めるなどの取組を行っております。  さらに、無戸籍者問題に関する認識を共有し、連携を強化するため、関係府省を構成員といたします無戸籍者ゼロタスクフォースという会議体を設置して、日本弁護士連合会とも情報共有を行うなど、無戸籍者問題解消に取り組んでいるところでございます。  今後とも、このような対応を通じまして無戸籍者問題の解決に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  135. 高木かおり

    ○高木かおり君 今自治体の方としっかり連携をしていくという、そういった取組をしていただいているというふうにお聞きをいたしました。  時間の関係上、少し質問を飛ばして、最後になるんですけれども、法務省といたしまして、自治体との間における相互的な協力体制の充実、これが最も重要かと思いますけれども、この今後の無戸籍解消について、大臣の御決意をお願いしたいと思います。
  136. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 今後の無戸籍者の解消に向けて、決意でございますが、無戸籍者問題というのは、国民としての社会的な基盤が与えられていない、そして人間の尊厳にも関わる重大な問題であると、このように認識をいたしております。  したがって、今後とも引き続き、ただいまお話の出ました、市区町村等と連携して情報を集約していく、そして戸籍に記載されるための丁寧な手続案内をお一人お一人に寄り添いながら取り組んでいくといったようなこと、あるいは各関係府省を構成員とする無戸籍者ゼロタスクフォースというものを設置して、関係団体、例えば日本弁護士連合会といったようなところとも情報の共有を行い、この解消に取り組むということを心掛けてこの問題の解決に積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。
  137. 高木かおり

    ○高木かおり君 終わります。
  138. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の風の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。  まず、二十日のこの法務委員会でお尋ねいたしました在日朝鮮人と沖縄県民に対するヘイトスピーチについて、明確な御答弁をいただいておりません。改めてお伺いをします。  核実験等の後に在日朝鮮人へのヘイトスピーチや嫌がらせが繰り返されていることについてどう対処されるのかということと、さらに、沖縄県民への土人、そしてシナ人発言に見られるこのヘイトスピーチの再発防止の具体策について、再度お伺いいたします。
  139. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) まず、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的な言動はあってはならないものと考えております。そして、先般の沖縄の件につきましては、御指摘の警察官の発言につきまして事実の詳細が明らかではないので、これがヘイトスピーチであるか否かはお答えはしかねるものでございますが、警察官が不適切な発言を行ったことは大変に残念であるとの官房長官のコメントと同じく、大変残念であり、許すまじき行為だと、このように考えております。
  140. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 前回もお伺いいたしましたけれども、具体的なその再発防止のために何をなさるのかということをお伺いをしております。再度お伺いいたします。
  141. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 取組についてのお尋ねでございますので、一般論として申し上げますと、不当な差別的な言動というのはいかなる者に対してもあってはならず、人権擁護上の問題があると、このように考えております。  このような言動をなくすためには、地道で粘り強い啓発活動を通じまして社会全体の人権意識を高め、こうした言動が許されないことであるとの認識を醸成することが必要かつ重要なことであると、このように考えておりまして、法務省としても、不当な差別的言動の解消に向けて各種の人権擁護活動に引き続き努めてまいりたい、このように考えておる次第であります。  また、在日韓国・朝鮮人に対する差別的発言につきましては、ヘイトスピーチの解消に向けた法律が施行されたことを踏まえまして、法務省人権擁護局におきましては、ヘイトスピーチが許されないことと、この法律の施行に関します周知広報活動を行っているほか、関係省庁や関係地方公共団体出席の下、ヘイトスピーチ対策専門部会を開催するなど具体的な取組を進めておりまして、今後も相談体制の整備、啓発活動など、その解消に向けた取組を一層推進していきたいと、このように考えておる次第であります。
  142. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、無戸籍問題についてお伺いいたします。  二十日の法務委員会で、無戸籍の要因とされる民法七百七十二条の規定のどこに問題があるのか、法制審議会で議論する必要があるのではないかとの私の質問に対しまして、この制度が存在することによってもたらされている子の利益は全体として見ますと非常に大きいと答弁されました。  私、推定制度をなくせと言っているわけではなく、この無戸籍の要因となっている規定の見直しが必要であり、法制審議会で議論すべきだと言っているわけです。政府参考人も、改正の要否や改正する場合の制度設計の在り方などについては様々な考え方があり得るとお答えになっていらっしゃいます。  二〇一〇年頃に議員立法の動きもありましたが、やはり私は、民法というこの基本法は法制審議会で十分に時間を掛け様々な観点から御議論をいただくのがよいというふうに思いますが、再度、政府参考人、御答弁を伺います。
  143. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  無戸籍の方が生ずる原因は様々なものが考えられるわけでございますが、法務省においては全国の市区町村を通じて無戸籍者に関する情報を集約するという取組を行っておりまして、その結果によりますと、民法七百七十二条により嫡出推定が及ぶ場合に、戸籍上、夫又は前夫の子とされるのを避けることを理由として出生届を提出しないとしている者が多いというのが現状でございます。  しかし、現行の嫡出推定制度は、法律上の父子関係を早期に確定し、家庭の平和が脅かされる事態を防ぐことによって子の利益を図るものでありまして、このような制度には合理性があるものと考えております。また、平成二十六年七月十七日の最高裁判所判決も嫡出推定制度は合理的なものであると判示したものと承知しております。  この点に関しまして、無戸籍者問題の解消などのために、嫡出否認の訴えの提訴権者の範囲など、現行の嫡出推定制度を見直すべきという意見があることは承知しております。もっとも、この問題は法律上の父子関係をどのように定めるかという家族法の根幹を成すものでありまして、改正の要否などにつきましては様々な考え方があり得るところでございまして、見直しに向けた議論についても慎重な検討が必要であるものと考えております。  法務省といたしましては、まずは、無戸籍者の問題については、今後とも引き続き実態の把握に努めますとともに、手続案内を懇切に行うなどして無戸籍者の状態の解消に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  144. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 裁判の結果もございますけれども、やはり法制審議会で十分に時間を掛けながら様々な観点からの議論をしていく、そのことを再度求めたいと思います。  次に、旧姓の通称使用についてでありますが、二十日の法務委員会におきまして金田法務大臣は、選択的夫婦別姓を可能とする民法改正について、我が国の家族の在り方に深く関わる問題であり、国民の間に様々な意見があるので、国民的な動向を踏まえながら慎重に対応していくと否定的な見解を示す一方で、旧姓の通称使用が広がることは望ましいというふうに答弁をされました。  法改正されないために、法律婚を断念し事実婚をしている夫婦や、やむを得ず通称使用している方など本当に困っている方々が、政府が我が国の家族の在り方に深く関わるとして法改正しないことを納得されるのでしょうか。大臣のおっしゃる家族の在り方というのは、家族のあるべき姿ということなのでしょうか。同姓夫婦、別姓夫婦、別姓家族になることで何か困ることがあるのでしょうか。  家族は今多様化しています。事実婚夫婦は親の一方が子供と別姓ですし、再婚相手の連れ子と養子縁組をしなければ親子で違う戸籍名の家族となります。民間調査によりますと、働く既婚女性の四人に一人が通称を使用しております。その通称使用の親と子供は別姓ですが、戸籍名かどうか外部からは分かりません。分かるのは家族で違う名前を名のっているということであります。このように複数の名前を持つ家族が現実として受け入れられています。  夫婦だけの家族、夫婦と子供の家族、シングルの親と子供の家族、ステップファミリー、さらに独り暮らしなど家族の形も多様化しておりますが、金田大臣、我が国の家族の在り方に深く関わるとは、これは民法を改正しない理由にはならないのではないかと思います。納得できる御答弁を、大臣、お願いいたします。
  145. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) ただいまの御指摘に関しましては、仮に選択的夫婦別氏制度、別姓、別氏制度を導入しました場合には、夫婦の双方が婚姻後も自らの氏を称することができるという新たな選択肢が設けられることになるわけでありますけれども、それにとどまらず、夫婦の間に生まれてくる子が必ず夫婦の一方と異なる氏を称することになるということになろうかと思います。その是非を含めて、国民的な議論の動向を踏まえながら、国民の大方の理解を得て行う必要があると、このように私は考えて申し上げておりました。  もっとも、旧姓の使用が認められないために特に女性は社会生活上の不便を被っているというものと認識しておりまして、こうした社会生活上の不便につきましてはできる限り解消をしていくという必要があると思っております。  したがいまして、法務省としてもこうした観点を踏まえまして、旧姓の通称使用の拡大に向けました政府全体の取組に必要な協力を行っていくということを申し上げたいと思います。
  146. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今の御答弁は、全く私の質問に答えているとは思えません。法改正しないその理由を世論に上げて国民に責任転嫁することは、法務大臣の職責を果たしているとは思えません。改めてまた質問させていただきたいと思います。  次に、旧姓の通称使用が広がることは望ましいとの見解を示されましたけれども、どの程度の広がりを想定しているのか、伺いたいと思います。  また、戸籍以外で通称使用が広がった場合、民法上の氏がほとんど登場しないということもあり得ると思いますが、その場合、民法上の氏とは何なのかということになりますが、法務省はどのように整理されているのか、お伺いいたします。
  147. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  旧姓の通称使用というものが行われてまいりますと、戸籍上の氏、今お話ありました民法上の氏とその通称との関係をどう整理するかという使い分けが必要となる点は委員御指摘のとおりでございます。  また、旧姓の名義での銀行口座の開設などについて、例えば犯罪への悪用を防止するためということで一定の制約が課される場合もあるというふうに考えられるわけでございまして、通称使用の拡大による対応で社会生活上の不利益が全て解消されるわけではないものというふうに認識しております。  もっとも、旧姓の使用が認められないことによりまして特に女性が被っております社会生活上の不便をできる限り解消する必要があるということから、法務省といたしましても旧姓の通称使用の拡大に向けた政府全体の取組に必要な協力をしてまいりたいと考えているところでございます。
  148. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 角度を変えて別の質問をいたします。  次に、女性差別撤廃条約選択議定書についてお伺いいたします。  この条約については外務省が所管しており、私も外交防衛委員会で度々質問してまいりましたが、内容には法務省が大きく関わっておりますので、法務委員会でもこれまでの経緯を簡単に言及し、質問させていただきます。  一九七九年に外務省、法務省、内閣府等の関係省庁が参加する個人通報制度関係省庁研究会が設置されました。政府が懸念する司法権の独立を侵害するおそれについては、二〇〇三年、第三回日本政府報告書審査において委員が、選択議定書の批准は司法権の独立を強化し、国際法を使う正当性を強化することになると指摘しております。実際、百六か国が選択議定書を批准しており、当然ながらそれらの国々は司法権が独立しているものと承知しております。  選択議定書が発効して以来、二〇一四年十月末までに四十件の見解が示され、権利侵害ありとされたのは十五件で、その多くは性暴力やリプロに関するものでありました。  委員会は、二〇〇三年の第三回政府報告書審査から二〇一六年二月の第七回、第八回政府報告書審査まで、選択議定書を批准するよう勧告をしています。  選択議定書の批准を求める国会請願は二〇〇一年の第百五十一回国会から提出され、参議院では審査未了はあるものの、不採択とされたことはありません。二〇〇一年の第百五十三回国会において初めて請願が採択され、翌二〇〇二年の第百五十四回国会の七月三十一日の外交防衛委員会においては、当時の武見敬三委員長が外務省に対し、請願が要請する条約の批准に向けて、内閣による検討の状況、問題点、検討終了の目途及び条約の国会提出時期について説明を求める異例の事態となりました。  今年の通常国会で、参議院では、選択議定書批准を求める請願が二十件目の採択となりました。会期末の請願審査では、外務省の審議官による出席を要請し、請願が要請する条約の批准に向けて、内閣による検討の状況、問題点、検討終了の目途及び条約の国会提出時期について聴取したところです。  外務省は、今年八月二日に林陽子委員長を講師に研究会を行ったと聞き及んでおりますが、そこで法務省に伺います。現在、法務省としてどのような取組を行っているのか、検討状況を伺います。
  149. 秋野公造

    ○委員長(秋野公造君) 簡潔にお答えください。
  150. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  女子差別撤廃条約選択議定書は個人通報制度を定めるものでございますけれども、個人通報制度は条約の実施の効果的な担保を図るという趣旨から注目すべき制度であると考えております。  他方、個人通報制度の導入に当たりましては、我が国の司法制度や立法政策との関連での問題の有無でありますとか、個人通報制度を受け入れる場合の実施体制などの検討課題があると認識しております。  これらの検討課題を踏まえますと、個人通報制度の導入は法務省だけで検討できる問題ではないと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、引き続き各方面の意見を伺いつつ、個人通報制度の導入の是非について真剣に検討を進めてまいりたいと考えております。
  151. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 終わります。
  152. 山口和之

    ○山口和之君 無所属の山口和之でございます。  金田大臣は所信的挨拶の中で、検察改革のための取組を引き続き実施してまいりますと述べていらっしゃいます。さきの通常国会で成立した刑事司法改革関連法は、大阪地検の証拠改ざん事件や鹿児島や栃木の冤罪事件など検察の不祥事に端を発したもの、それらの再発防止は当然のことと思います。  検察改革の目的は、刑事手続に関する全ての法令が適切に運用されることでなければならないと思っています。そこで、今日は、刑事手続に関する法令の運用に課題があるのではないかという観点から、告訴、告発制度についてお尋ねしたいと思います。  まず初めに、法務省は、告訴、告発が刑事手続においてどのような意義を有しているのか、教えていただきたいと思います。
  153. 林眞琴

    ○政府参考人(林眞琴君) まず、告訴でございますけれども、告訴は、犯罪の被害者その他の告訴権者が検察官又は司法警察員に対しまして、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示でございまして、また、告発につきましては、犯人又は告訴権者以外の第三者によるやはり同様の意思表示でございます。いずれも、捜査機関が捜査を開始するためのきっかけ、端緒となるものでございます。また、一部の犯罪においては、告訴又は告発があることが公訴提起の条件とされている場合がございます。  このように、告訴、告発は、一つにおいては捜査の端緒、また一部の犯罪については公訴提起の条件となっている重要な手続でございます。
  154. 山口和之

    ○山口和之君 刑事訴訟の目的である刑罰法令の適正かつ迅速な適用、実現にとって非常に重要であると、その意義を持つということだと思います。  告訴、告発が受理されず、事件が放置されているケースもあると伺っております。例えば、地元福島県で、住民千三百人以上が原発事故に関して東電の会長など三十三人を業務上過失致死罪で告訴、告発した際、福島地検は約二か月間これを受理しなかった。また、これ以外にも、福島の例ではないんですけれども、弁護士を頼んで告訴状を出したが、受理されなかったという例も聞いております。  法務省は、こうした不受理の実態を把握しているのか。把握しているのであれば具体的な数字を教えていただきたい。また、不受理とする理由は何なのか。そもそも、告訴、告発の不受理は法律上認められるのか、教えていただきたいと思います。
  155. 林眞琴

    ○政府参考人(林眞琴君) 告訴、告発は、捜査機関に対して犯罪を申告して、その犯人の処罰を求める意思表示でありますことから、例えばその内容自体から何ら犯罪を構成しないことが明白である場合、犯罪事実の公訴時効が完成していることが明白である場合、趣旨が全く不明であり、かつ補正が困難と認められる場合など、明らかにその要件を欠く場合には適法な告訴、告発とは言えず、受理しないことも許されると解されております。  このようにして、最終的に受理しないこととされたものの件数については把握しておりませんけれども、検察当局におきましては、告訴状や告発状が提出された後、告訴、告発の要件を点検して、犯罪事実の特定が不十分であるなど不備がある場合には、その補正あるいは再検討を求めるなどした上で、告訴、告発の要件を満たす場合にはこれを受理しておるわけでございまして、提出から一定の期間を要する場合もあるものの、適切に対処しているものと承知しております。
  156. 山口和之

    ○山口和之君 もう一度確認したいんですけれども、告訴、告発に形式的な不備がある場合、その旨を伝えて、かつ補正のアドバイスも行っているのでしょうか、そこについてちょっとお伺いしたいんですけれども。
  157. 林眞琴

    ○政府参考人(林眞琴君) 検察当局におきましては、告訴状又は告発状に形式的な不備がある、こういった理由で直ちには告訴、告発を受理し難いものにつきましては、その補正あるいは再検討を求めることがあるものと承知しております。
  158. 山口和之

    ○山口和之君 そもそもそのときに不受理の理由についても説明されているのか、もう一度お伺いしたいと思います。
  159. 林眞琴

    ○政府参考人(林眞琴君) 告訴状、告発状が提出された段階で、直ちには形式的な不備があるなどの理由で告訴、告発を受理し難いものについては、補正でありますとか再検討を求めることがございます。その補正、再検討を求める場合におきましては、やはりどの部分が不備であるのかというようなことについては必要に応じた説明を行っているものと承知しております。
  160. 山口和之

    ○山口和之君 不受理とされる場合もあるということだったんですが、形式上、しっかり丁寧に出ているのであれば、一旦受理をして、罪とならず、嫌疑なし、嫌疑不十分などの終局処分を下すべきではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
  161. 林眞琴

    ○政府参考人(林眞琴君) 告訴、告発の要件を満たすものについては、当然これは受理すべきものでございまして、検察におきましても、そういった要件を満たすものについては受理しているものと承知しております。  その上で、告訴・告発状のその自体から明らかに何らその記載、告訴・告発状に記載された事実が何ら犯罪を構成しないことが明白であるような場合、これにつきましては、やはり告訴、告発としての要件を欠いておりますので、適法な告訴、告発として受理することは困難であると考えております。
  162. 山口和之

    ○山口和之君 そこで判断すべきことなのかどうかということを問いたいと思うんですけれど、裁判であれば上訴、行政処分であれば審査請求や行政訴訟、不起訴処分であれば検察審査会による強制起訴等、違法な判断に対してはそれを是正する仕組みがあります。それが適正な制度運用を支えているものだと思います。  告訴、告発の不受理が違法である場合、これを是正する仕組みはあるのかどうか、教えていただきたいと思います。
  163. 林眞琴

    ○政府参考人(林眞琴君) 刑事訴訟法上、検察当局が告訴、告発の要件を欠くとして受理しない場合におきまして、これをその告訴状や告発状を提出した者の申立て等によりまして検察当局が告訴、告発の受理を義務付けられるような制度、このような制度については存在しておりません。  もっとも、その告訴、告発が受理されないことに疑義がある場合、これについては、事実上当該検察官に対して再考を求めるということが考えられまして、そのような場合においては、検察当局においてはこの不受理の理由を説明した上で、事案に応じては先ほど申し上げましたような補正あるいは再検討を求めるなど、告訴状、告発の適正な取扱いが図られているものと承知しております。
  164. 山口和之

    ○山口和之君 やはり形式的に問題がないものは全て受理するのが法の趣旨ではないのかなと思います。  最後に大臣に伺いたいと思いますが、告訴、告発制度が適切に運用されているかをチェックするためには、受理した件数だけでなくて、届出があった件数と不受理の理由についても把握しておく必要があると思います。それはなぜかといいますと、受理されている場合が余りにも低かったり、地方ごとでばらつきが多かったりすると、刑罰法令の適正かつ迅速な運用、実現にも支障が生じるものではないかと思います。そのようなことをなくすためにも、届出件数と受理件数、すなわち不受理件数、理由の把握を前向きに検討していただきたいと思いますが、大臣の御意見はどうでしょうか。
  165. 金田勝年

    ○国務大臣(金田勝年君) 委員御指摘のただいまの議論、伺っておりました。  検察当局においては、告訴状や告発状が提出された場合に、ただいまの議論でも明らかなように、告訴、告発としての要件の有無を検討する、その要件を満たしていない場合には受理しない一方で、要件を備えている場合には受理をすることとしているということでございまして、その結果、必要な捜査を遂げた上で適正に処分をしていくということになろうかと思うんですけれども、私としましては、その法律の要件、法律上の要件を備えた告訴、告発が受理されるべきことは当然のことと考えておりまして、今後とも検察当局におきまして適切に対応していくことを望み、かつそのようにしていくものと考えております。
  166. 山口和之

    ○山口和之君 先ほど事例を、福島県の例とそうでない例をお話ししましたけれども、そうでない理由の中に、どう見ても受け取ってもいいのではないかと思うような内容も見受けられました。ということは、受け取るところでの判断というものが全て適正なのかどうかということも把握しなければいけないのではないかと。そう考えると、受理件数、不受理件数、その理由を明確にすることと、地域差あるいはその場所によっての違いがあるのかということもしっかり把握すべきだと思います。  適正な法律を施行するために判断していく材料をしっかりと取っていくことが大事だと思いますので、今後検討していただくことを期待して、終わりたいと思います。
  167. 秋野公造

    ○委員長(秋野公造君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時二十二分散会