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2016-05-20 第190回国会 参議院 政府開発援助等に関する特別委員会 6号 公式Web版

  1. 平成二十八年五月二十日(金曜日)    午前十時五十一分開会     ─────────────    委員の異動  五月十一日     辞任         補欠選任      井上 義行君     三宅 伸吾君      井原  巧君     石井 準一君      滝波 宏文君     藤川 政人君      石上 俊雄君     大野 元裕君  五月十二日     辞任         補欠選任      荒木 清寛君     杉  久武君  五月十九日     辞任         補欠選任      木村 義雄君     長峯  誠君      伊達 忠一君     井原  巧君      藤川 政人君     柘植 芳文君      前川 清成君     西村まさみ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         赤石 清美君     理 事                 岩井 茂樹君                 大沼みずほ君                 高橋 克法君                 藤田 幸久君                 柳澤 光美君                 石川 博崇君     委 員                 井原  巧君                 石井 準一君                 大家 敏志君                 島村  大君                 柘植 芳文君                 中泉 松司君                 長峯  誠君                 松山 政司君                 三宅 伸吾君                 水落 敏栄君                 相原久美子君                 礒崎 哲史君                 小野 次郎君                 大久保 勉君                 大野 元裕君                 西村まさみ君                 羽田雄一郎君                 杉  久武君                 辰巳孝太郎君                 藤巻 健史君                 山田 太郎君                 又市 征治君                 谷  亮子君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君    事務局側        第一特別調査室        長        松井 一彦君    政府参考人        外務省国際協力        局長       山田 滝雄君    参考人        独立行政法人国        際協力機構理事        長        北岡 伸一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○政府開発援助等に関する調査  (G7伊勢志摩サミット、第六回アフリカ開発  会議及び「持続可能な開発のための二〇三〇ア  ジェンダ」に向けた我が国の取組に関する件)  (我が国開発協力における基本方針に関する件  )  (G7伊勢志摩サミット、第六回アフリカ開発  会議(TICADⅥ)及び「我々の世界を変革  する:持続可能な開発のための二〇三〇アジェ  ンダ」に向けた我が国の開発政策に関する決議  の件)     ─────────────
  2. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、石上俊雄君、滝波宏文君、井上義行君、荒木清寛君、前川清成君、木村義雄君及び伊達忠一君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君、柘植芳文君、三宅伸吾君、杉久武君、西村まさみ君、長峯誠君及び石井準一君が選任されました。     ─────────────
  3. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に外務省国際協力局長山田滝雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際協力機構理事長北岡伸一君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 政府開発援助等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 藤田幸久

    藤田幸久君 おはようございます。民進党の藤田幸久でございます。  今日は、外務大臣、そして北岡理事長、御出席ありがとうございます。  前提として、外務大臣にお伺いしたいと思いますが、御承知のとおり、八年前、洞爺湖サミットのときには福田総理が御出席いただきまして、今週クエスチョンタイムがあった等の関係で、安倍総理、残念ながら今日は御出席いただいていないわけですが、同じような影響力のある岸田外務大臣にお越しをいただいておりますし、私、今回は、後ほど決議を提案させていただきますけれども、決議の対象はこれは伊勢志摩サミットでございまして、伊勢志摩サミットの前に広島の外務大臣会合とございましたけれども、今回の内容は政府全体としてお受けいただくということでございますので、まさに総理に代わって実質的に岸田外務大臣に御出席いただいていると、そういうふうに理解をさせていただきたいと思いますが、それについて御答弁をいただきたいと思います。
  9. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) G7サミットという我が国の外交にとりまして大変重要な機会を控えて、外交政策の最も重要な手段の一つであるODAを御議論いただいている本委員会の御知見を賜るということ、これは政府としましても大変重要な機会だと認識をしております。  本日、あいにく総理の出席はかないませんでしたが、代わりに、外交を預かる外務大臣として、政府代表して私が出席をさせていただきました。委員皆様方の御意見、しっかり受け止めさせていただきまして、政府としてこのG7サミット成功に向けて取り組んでいきたいと考えます。
  10. 藤田幸久

    藤田幸久君 八年後にはまた恐らく日本でサミットが開催されると思います。そのときにはまた、この参議院にしかないODA特別委員会として、こうした決議ということが提出されることが、二度あることは三度あると、可能性あるわけでございますので、今御答弁いただきましたように、政府代表してこのサミットに関してお受けいただく立場の方、つまり、次回も総理大臣が基本的に出席をしていただくということが、八年後のこれは党派を超えてこの委員会に出席される方々に対して、私どもがそういう前提で今日議論を進めているということが非常に重要なんだと思いますので、そういう立場の方が八年後もこういう機会がありましたらば出席をしていただくというのが前提であるというふうに理解をさせていただきたいと思いますが、その辺をまたもう一度、確認を含めてコメントをいただければ有り難いと思います。
  11. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 国会の個々の委員会への出席は、日程ですとか諸般の事情等を勘案して委員会において御判断いただくものであると承知しておりますが、御指摘の点はしっかりと受け止めさせていただき、今後も政府として対応させていただきたいと考えます。
  12. 藤田幸久

    藤田幸久君 ありがとうございます。  八年後の皆さんがこの議事録を見て、時の総理も、それまでには岸田大臣は総理を終えた後の元総理大臣になっている可能性が高いんではないかと思いますけれども、是非その辺の引継ぎもよろしくお願いを申し上げたいと思っております。  ところで、今朝の閣議でSDGsの対策本部が政府にできたというふうに理解をしておりますが、これは非常に重要なことでございます。つまり、ODA特別委員会はこれまでは海外の援助に関しての対応が多かったわけですが、SDGsというのはまさに国内政策を推進をする、それを政府で取り組むというふうに理解をしておりますので、どう政府全体として取り組んでいくのかについて、大臣からお伺いをしたいと思います。
  13. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、本日、SDGs推進本部第一回会合が開催されました。これを受けて、まずは我が国の内外における取組を省庁横断的に総括し、優先課題を特定した上で、SDGs実施指針を作成していく予定にしております。外務省としては、ODAを通じ開発途上国のSDGs達成に貢献してまいります。  G7伊勢志摩サミットに向けても、中東地域の社会安定化と包摂的成長、国際保健システムの強化、女性の活躍推進のための貢献策、新たな開発戦略も策定しました。今後、しっかりと取組を進めていきたいと考えています。
  14. 藤田幸久

    藤田幸久君 重要なことは、ODA政策として提言していると、実はそれは国内でもやってください、やらなければ範を示してくださいというのが今回のSDGsの特徴だろうと思うんです。  私は、思い起こすんですが、対人地雷禁止条約に取り組みました。そのときは、時の橋本総理が国際会議で、対人地雷禁止活動をやるべきだ、これだけお金を出しますと言っていたところが、実は自衛隊が百万個地雷を保有していたと。そこでそごが生じたので法律を改正をして、自衛隊が百万個をやがて廃棄をしていくわけですが、ということで進んだんです。  ということは、外に言っていることと、実は国内で、例えば教育の問題なんかも今回も出ておりますけれども、相対的貧困率が実はOECD諸国の中でも五番目に高いとか、つまり外でODA政策として外国に言っていることと、中で実はそこまで行っていない、その差を埋めるということが今回のSDGsに、政府で本部をつくっていただいた意味があると思いますので、ある意味で、私どもは、この委員会というのは、外務省が今まで外で言っていたけれども国内的に難しいのを超えて政府で取り組むための応援団として今回の決議もあると思っておりますので、そういう意味で、国内政策に対して本部ができてどういうふうに切り込んでいくのか、その辺について応援団として是非お聞きしたいので、お答えをいただきたいと思います。
  15. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 昨年九月、国連におきまして採択されましたこのSDGsですが、多くの目標が定められています。そして、御指摘のように、その目標は先進国もしっかりとこの義務を負うという内容になっております。よって、このSDGsを達成するためには、外務省がODA等を通じて努力するのみならず、国内において多くの省庁が協力することによって国内政策をしっかりと進めていく、こういったことが大変重要であると認識をしております。そういった点から、政府において、省庁横断的にSDGs本部を本日立ち上げたと認識をしております。こういった趣旨をしっかり踏まえて、政府としても努力をしていきたいと考えます。
  16. 藤田幸久

    藤田幸久君 是非その部分を応援したいと思いますので、頑張っていただきたいと思います。  時間が少なくなってまいりましたので、北岡理事長に一つお聞きしたいと思います。  今日、後で提案をいたします決議をお読みいただいたと思いますけれども、この決議についてどういうふうに評価をされるか、また、この決議によって日本のODA政策というものがどういうふうに変わっていくと期待しておられるか、あるいは思われるかについて、北岡理事長からお答えいただきたいと思います。
  17. 北岡伸一

    参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。  私は、この前のMDGsを実施、推進しておりましたときに国連大使としてニューヨークに勤務しておりました。そのときも、MDGsに対する日本の理解、支持はまだまだ、もっと何とかならぬかなというふうによく思っていたわけでございます。今回、それを引き継いで、MDGsの課題を抱えつつ、引き継ぎつつ、また新たないろんな課題にもアドレスしてこれができたわけでございますが、昨年九月にこういうSDGsが採択されたということ、その重要性を国会の方できちっと支持していただいて発信していただく、これはもう大変有り難いことだというふうに思っております。  また、ODAについては二国間関係で考える方も多いんですが、これは我々、グローバルな課題であって、日本はそのグローバルな援助の世界のリーダーとしていろいろやっていかなくちゃいけないというメッセージを出していただくということは、大変時宜にかなった有り難いメッセージだというふうに理解しております。
  18. 藤田幸久

    藤田幸久君 もう時間も大分なくなってまいりましたので、一言、とんちのような、質問じゃないんですけれども、大臣あるいは北岡理事長で、もしお答えできればなんですが、十数年ぐらい前だろうと思うんですが、よく私外国のメディアの人と話しておりまして、ODAといったら、もじってこういう言い方があるというふうに外国の方がおっしゃっていただいたことがあるんですが、耳にしたことございますか、ODAを外国の方がどういうふうに言っていたか。いや、分からなければ。聞いたことないですか。  実は、いや、これ笑い話じゃなくて、ある外国の方がおっしゃったのは、日本のODAというのは、お金だけあげる。本当の話です。当時はやっぱり、日本のODAって、お金だけあげる、箱物だけ、不要のもの。それに比べますと、この十数年といいますか、本当に日本の援助というのは進化をし、きめ細かくなり、受け手の方にとっての配慮をし、そしてほかの国ではできないことをやってきた。その延長で、だけれども日本自身もやっていかなければいけないというのが今日だろうと思いますので、いや、笑い話じゃなく、そうだったんです。ですから、それだけ進化したということを踏まえて、これからも頑張っていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  19. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  ODAの実施、運用について今日はちょっと質問したいと思うんですね。  ODAの実施は非軍事に限定をされなければならないわけでありますが、前ODA大綱では、援助実施の原則として、軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避すると、こうなっておりました。ところが、現開発協力大綱では、ここに加えて、民生目的災害救助等非軍事目的の開発協力に相手国の軍又は軍籍を有する者が関係する場合には、その実質的意義に着目し、個別具体的に検討すると。この実質的というのが非常に曖昧だという声も上がったわけであります。  この間、政府は、二〇〇六年にインドネシアに対してODAで巡視船を供与いたしました。また、二〇一五年、昨年ですね、ベトナムには中古漁船を漁業監視機関にODAで供与しております。これからフィリピンに多目的船十隻を供与するということになっております。  この巡視船供与の際に、軍事利用されない、こういう担保があるのかということをまず大臣にお聞きしたいと思います。
  20. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国は、海洋国家として海洋における法の支配を重視する、こういった観点から、海上法執行機関等に対する巡視船等の装備の供与あるいは人材育成、こうしたものを通じまして、御指摘のように、インドネシア、ベトナム等に対しまして海上法執行能力向上を支援してきております。  そして、こうした巡視船等の供与に際しましては、開発協力大綱を踏まえて、軍事転用されないために、先方政府との間で、目的使用あるいは第三者への移転、こういったことを行わないなど文書で同意を取り付けております。そして、供与後もこれをしっかり維持、確認しておかなければなりませんので、モニタリング等を通じて適切な使用担保する、こういった取組を続けている次第であります。
  21. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 モニタリングという話がありましたが、岸田外務大臣は同時に透明性を高める取組も必要だという話しされています。具体的にどういう取組なんでしょうか。
  22. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) この開発協力大綱ですが、新しい大綱におきましても、ODAを軍事目的に用いないというこれまでの原則、これは全く変わっておりません。  この原則との関係で、開発協力の透明性あわせて適正性、これを確保することが重要だということで、具体的な取組としましては、まずは、案件採択前の調査段階において、NGOを含めた民間の有識者から構成される開発協力適正会議、ここで御議論をいただき、そして議事録をホームページ上に公開しています。そして、先ほども申し上げましたが、相手国と取り交わす文書等の中で、軍事目的使用しない、これを確認しております。そして、援助実施後も、我が国の開発協力軍事的用途に使用されたり国際紛争助長につながったりすることがないように、相手国政府協力も確保しつつ、在外公館を通じたモニタリングや事後評価を通じてしっかりフォローするとしています。  あわせて、JICAのホームページ上のODA見える化サイト、あるいは外務省のODAホームページ上で全ODA案件を公開する、あるいは開発協力白書、国別データブック、こういったものにも掲載する、こういったことを積み重ねることによって透明性と適正性、確保するよう努めている次第であります。
  23. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 それでは、二〇一五年、去年にベトナムにODAで供与された中古漁船について確認したいと思います。  これはノンプロジェクト無償資金協力でありまして、南シナ海における海上法遵守のための監視体制の強化を図ることを目的にして、日本で使われていた船舶をベトナムの海上法執行機関、海上警察及び農業農村開発省、漁業監視部隊に供与するものでありました。  当然、軍事転用されることはないということだと思いますが、モニタリングはされましたでしょうか。
  24. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) ベトナムに供与した中古船ですが、まず、一隻が海上警察の管理下で使用されています。これは適正に使用されているということが確認されています。残り五隻は海上警察又は漁業監視機関の管理下で活動開始に向けた補修中又は補修手続中であると承知をしております。
  25. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 これから使われる予定だということなんですが、現地の報道によりますと、ベトナム国内で武器、弾薬、補助武器の使用管理法令の改正が行われ、二〇一三年ですが、この漁業監視部隊が現在使用できるのは催涙スプレーとか麻酔剤とかレーザーとかスタンガンなどに限られていますが、今後は銃や爆弾、弾薬などの軍用武器の装備を可能にするものの改正が行われたと。昨年の一月には、漁業取締り部隊用の軍用武器と補助武器の装備、管理、使用に関する共同通達が発効し、漁業取締り船でこれらの武器の使用が正式に可能になったと、こういう報道がされておりますが、このことは確認されていますでしょうか。
  26. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) ちょっと、今御指摘のベトナム側の方針については私は詳しく直接承知はしておりませんが、いずれにしましても、我が国のODAにより供与した巡視船及び中古船に先方が武器等を搭載することについては、海上警察による海上法執行活動等のために真に必要と判断される範囲内かどうか、こういった判断に基づくものであると思います。  先方が武器等を搭載する場合、我が国としましては、モニタリング等を通じて、目的使用等が行われない、こういったことをしっかりと確保していく、こういったことによってフォローしていくべき問題であると考えます。
  27. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 私が伺いたいのは、警察行動と海上法執行ということなんですが、しかし、現にベトナムの法律では、武器、弾丸、爆薬などのこういった軍用の搭載が認められる法律になっているんじゃないかということなんですね。つまり、そういうところにODAで船を供与しているわけですね、日本から。これはやっぱり運用上問題ではないかということなんですけど、その点についてはどうですか。
  28. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 肝腎なのは、その海上法執行活動のために真に必要なのかどうかということであると思います。  先ほども申し上げましたように、供与に当たっては、事前に文書等を通じまして、目的使用あるいは第三者への移転、これは行ってはならないということを確認しています。海上法執行活動以外の目的使用されるようなことがないようにしっかりとモニタリングをしていく、このことが重要であると考えます。
  29. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 しかし、結局こういう法律ができたということであれば、海上活動、警察活動等、いわゆる軍事の活動の境界線が非常に曖昧になっていると。武器、弾薬を搭載できるようになっているわけですから、まさにそういうところにODAで供与するということの問題だと思います。  この間の武器輸出三原則の撤廃であるとか集団的自衛権の行使容認であるとか、また軍事転用されるおそれの極めて高い機関へのODA供与ですね、私は、積極的平和主義の名の下にODAの精神平和憲法もないがしろにするものだということで、こういう運用は改めるべきだということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  30. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  藤田幸久君から発言を求められておりますので、これを許します。藤田幸久君。
  31. 藤田幸久

    藤田幸久君 私は、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派共同提案によるG7伊勢志摩サミット、第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)及び「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ」に向けた我が国の開発政策に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     G7伊勢志摩サミット、第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)及び「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ」に向けた我が国の開発政策に関する決議(案)   本年は、我が国の外交、国際開発協力及び国内の諸政策の向上を図る上において歴史的な年である。五月二十六、二十七両日にはG7サミットが我が国伊勢志摩の地で、また、八月二十七、二十八の両日には第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)が初めてアフリカ、ケニアの地でそれぞれ開催されるほか、昨年十二月、国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」を踏まえた環境・気候変動への取組も本格的にスタートする。昨年十二月にはASEAN経済共同体が発足し、六億二千万人の欧州共同体を上回る巨大市場が誕生した。一方、未曾有の東日本大震災福島第一原発事故から五年目の節目を迎えた中、熊本県などで大規模地震が頻発し、多くの人々が生命や生活の基盤を失うなど、人間の安全保障の実現を世界に訴えてきた我が国の真価が問われる年でもある。   加えて本年は、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ」(二〇三〇アジェンダ)がスタートする。これは、「人間、地球及び繁栄」のための行動計画であり、「我々の世界を変革する」ための「誰一人取り残さない」ユニバーサルかつ包括的なアジェンダである。この実現には、旧来の「南北」の二分法を乗り越え、全ての国・地域、市民社会、民間セクター等あらゆるステークホルダーによる支え合い、学び合いの新たなグローバル・パートナーシップが必要である。   昨年、戦後七十年を迎え、世界平和への貢献を改めて誓った我が国は、平和憲法や人間の安全保障、二〇三〇アジェンダを踏まえ、国の在り方を自ら省み、自己改革をなすことを通じて世界に範を示しつつ、こうした諸課題への取組における牽引役として、グローバルな役割を積極的に果たすべきである。   政府においては、以上を踏まえ、我が国の国際開発協力及び国内諸政策に関し、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。  一、持続可能な開発への取組の基本姿勢    持続可能な開発とは経済、社会、環境において「将来の世代のニーズを満たしつつ、現在の世代のニーズも満たす開発」と定義される。そもそも開発とは「開発(かいほつ)」に由来し、人々が各自の可能性を内発的に開花させ、生産的かつ創造的な人生を営むことができるような環境を創出することである。人々の生命保護と能力向上により全世界を「恐怖と欠乏」から解放しようという人間の安全保障の理念は、日本国憲法の理念にも相通ずるものである。こうした理念をいかしながら、政府はユニバーサルな十七の「持続可能な開発目標」(SDGs)及び百六十九のターゲットを含む二〇三〇アジェンダを完全に実現していくために指導力を発揮すべきである。その際、政府は、市民社会等マルチステークホルダーとの対等なパートナーシップに基づき、全国民の参加を促進しつつ、政策立案、実施、モニタリング・評価、説明責任と透明性の確保に全力を挙げて取り組むべきである。  二、貧困削減、格差・不平等の解消及び適切な雇用の確保    貧困・格差問題は全世界的な問題であり、持続可能な開発の最優先課題でもある。絶対的貧困層が世界人口の六分の一に上る一方、世界の富の半分を百人以下の人たちが独占しているという分析もある中で、我が国についても、人口の六分の一が相対的貧困状態にあり、ジニ係数はOECD諸国中十番目に高いことが指摘されている。二〇三〇年までに世界の絶対的貧困層を削減し、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある全ての年齢の人々、特に女性、子どもの割合を半減させるという目標を実現するため、質の高い雇用を生み出す産業の振興、ジェンダー平等の実現、公平な社会の実現に資する税制や社会保障制度の構築など、国内外において必要な施策を講ずるべきである。  三、飢餓の削減と過剰な生産・消費の抑制    世界ではいまだに約八億人弱が飢餓状態にある。一方、我が国は世界の年間食糧援助総量三百二十万トンをはるかに上回る六百四十二万トンの食料を廃棄している現状にある。政府は、国連が二〇三〇年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させる目標を掲げていることを踏まえ、SDGsが唱える生産性向上、生態系維持、災害適応能力向上、持続可能な食料生産システム確保などによる「足るを知る経済」、「少欲知足」型社会への転換を促す取組を進めるべきである。  四、テロ、紛争への平和的対応、及び日本在住外国人への包摂的対応    自由、民主主義、法の支配人権等が人類普遍の価値として広く認識される一方、テロリズムが世界的に多発し、国際社会への脅威となっている。テロへの対応や紛争解決に当たっては、司法や法執行、外交など武力によらない手段を第一とすべきであり、平和憲法を有する我が国は、引き続き非軍事的な貢献を行っていくべきである。テロや紛争の根底にある貧困・格差や移民等へのあらゆる差別等をなくし、社会的包摂に取り組むほか、我が国に居住する外国人についても、多文化共生のために基本的人権に留意した措置を講ずるべきである。さらに、人道主義の見地から、難民の受入れについても国民的議論を積極的に進めるべきである。  五、地球温暖化・気候変動への取組及び持続可能なエネルギーへの転換    我が国は、世界の気候変動問題への対応に当たり、「京都議定書」の取りまとめにおいて、リーダーシップを発揮した。引き続き、我が国がこの問題への対応においてリーダーシップを発揮し、世界に貢献していくため、昨年合意した「パリ協定」に基づき、二〇三〇年度までに二〇一三年度比で温室効果ガス排出量の二十六%削減に取り組むとともに、環境問題について有する知見と経験を、国際開発協力等を通じて世界に広めるべきである。また、気候変動によって深刻な影響を受けている太平洋島嶼国については、太平洋・島サミット等を踏まえ、「太平洋環境共同体」の更なる推進に向けて努力する。気候変動の要因緩和と対策能力の抜本的な強化が求められる。陸上での生態系保持と森林保護、砂漠化防止、深刻な水不足への対応など環境における十全の措置を講ずるべきである。さらに、気候変動を踏まえた持続可能性の観点から、二酸化炭素を大量に排出するエネルギーから水素、太陽光、風力、地熱、波力等を活用した再生可能エネルギーへの転換を図っていくため、安価でかつ信頼できる供給を実現する支援等も含め、必要な措置を講ずるべきである。  六、防災への更なる取組と世界的リーダーシップ    災害に対する我が国の知見や経験を世界と共有していくため、昨年開催された国連防災世界会議において策定された「仙台防災枠組二〇一五―二〇三〇」の目標実現に向け、十全の努力をすべきである。同時に、現下の課題である東日本大震災からの完全復興や熊本地震の救援・復興に早急に取り組むとともに、今後予想される東南海地震首都直下型地震への「人命・暮らし・健康と、個人・企業・コミュニティ・国の災害リスク及び損失の大幅な削減」など、防災において世界を牽引すべきである。  七、質の高いインフラ投資とインフラ危機への対応    我が国ODAの強みの一つに経済インフラの整備が挙げられ、それらはアジア諸国等途上国の開発に大きく寄与してきたとされている。今後、ODAに限らず、民間やその他公的資金(OOF)等においても、包摂性、持続可能性、強靱性を兼ね備えた質の高いインフラ投資を進めるため、「環境社会配慮ガイドライン」の義務化に向けた取組を進めるべきである。他方、我が国のインフラも老朽化などにより抜本的な対策が急務となっており、その維持管理・更新には膨大な予算を要するおそれがあることを踏まえ、技術革新による長寿命化など、インフラの質の向上を図る。一方、自然環境が有する多様な機能を活用するグリーンインフラも重視すべきである。また、我が国同様の危機は他国でも想定され、我が国の教訓を踏まえた質の高いインフラ投資が行われるよう働き掛けていくべきである。  八、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを中核とした保健分野への支援の推進    我が国は、九州・沖縄サミットで世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の設立に寄与する等、国際保健分野の政策で世界を牽引してきた。G7伊勢志摩サミットでも同分野において引き続き指導力を発揮すべきであり、特に、万人が安全で効果的かつ質が高く安価な保健サービスにアクセスできる、誰一人取り残さない「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(UHC)を実現するため、現地コミュニティとの対話に基づく実効性ある制度が構築されるよう、建設的な提案を行うべきである。また、グローバル化に伴う地球規模での新たな感染症の脅威が高まる中で、早期対処システムとその基盤となる保健システムの強化に取り組むべきである。国内外における保健危機克服のため、保健財政支出の増額、ODAの増額、国際機関への拠出増など、保健分野への投資を拡大すべきである。  九、包摂的で質の高い教育の実現    教育は、一人ひとりが自らの能力を開花させる、持続可能な開発の中心を成すものであり、基本的人権の一つである。「万人のための教育」(EFA)実現に向けて、「すべての人に包括的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」ために世界の八億人弱の非識字者の解消、障害者・少数民族紛争下の人々等脆弱な立場に置かれやすい人々への包摂的で質の高い教育のための国際開発協力を行うべきである。また、我が国でも、貧困、障害、いじめ、外国人等様々な理由により十分な教育を受けられない人々が多数存在することに留意し、これらの人々の教育を受ける権利を保障する取組を強化すべきである。子ども・若者への投資の増大を図り、OECD諸国の中で最低レベルの教育への財政支出割合を、OECD平均水準に引き上げることを目指すべきである。  十、少子高齢化対策を通じた持続可能な地域開発及び国際社会への貢献    我が国の少子高齢化・過疎化は世界的に見ても高い水準に達し、深刻化している。他方、少子高齢化への取組の好事例も見られる。例えば、G7伊勢志摩サミット会場にほど近い大紀町では、高齢者が有機栽培に取り組み、自給自足、朝市による収入向上や健康増進、地域社会の強靱化に努めている。こうした活力ある高齢化の取組は我が国における地方創生としての面だけでなく、今後、同様に都市化や高齢化が進む途上国等にとっても意義深いものであり、「地元の智慧」の好例を世界に向けて発信すべきである。また、認知症への対応についても、医療面や地域での取組などの好事例を発信・共有することにより、国際社会の課題解決に貢献していくべきである。  十一、アフリカにおける持続可能な開発の達成―TICADⅥに向けて    アフリカでは、国際資源価格の下落による成長率の落ち込みや、感染症の流行、暴力的過激主義の拡大など開発を妨げる事象も生じている。我が国は、TICADを通じ、アフリカの人々のニーズを十分に把握し、誠実なパートナーとして支援を一層強化すべきである。資源依存経済からの脱却を図り、全ての人々に経済成長の果実が届くよう、国際開発協力、民間投資等に加え、学びと技術力を重視した包摂的で質の高い教育の普及、UHCの実現、草の根の力をいかした産業化の促進、所得分配機能の強化等の支援を積極的に行うべきである。また、アフリカ連合による「アジェンダ二〇六三」の採択に鑑み、TICADプロセスと調和させ、真の自立への支援を進めていくべきである。  十二、持続可能な開発のための資金調達とタックスヘイブン、腐敗、汚職の防止    タックスヘイブンや腐敗、汚職によって開発資金が適切に使われないばかりか、これらの行為が必要な資金を収奪し巨大な損失を与えていることが明らかになっている。法制度整備や国際的監視体制、ガバナンスを強化し有効な資金活用を図るべきである。加えて、SDGs達成のため、G7諸国が主導し、ODAの対GNI比〇・七%目標の達成に取り組むほか、地球規模での富の再分配と、人間の安全保障にのっとった国際開発協力を促進するために必要な資金を捻出することが急務である。そのために、国際連帯税等の革新資金調達メカニズム等の設立を促進すべきである。  十三、PDCAサイクル及び透明性の確保、説明責任と国民参加    政府は、二〇三〇アジェンダ実現に向けて、政策の立案や実施、支出等の透明性の確保を果たすために、PDCAサイクルを実施し、グローバルなレビュープロセスに参加するほか、国民参加の下で同アジェンダを推進する司令塔の設置、市民社会等マルチステークホルダーとの包括的なパートナーシップの確保にしっかりと取り組むべきである。また、「二〇三〇アジェンダ白書」(仮)の刊行、「あいち・なごや宣言」の完全実施と「持続可能な開発のための教育」(ESD)の振興を図るべきである。また、我が国の持続可能な開発研究をリードし世界に発信するため「アジェンダ二〇三〇拠点(連合)大学」(仮)の指定、科学技術研究予算の持続可能な開発分野への重点配分、持続可能な開発関連学会等との連携に取り組むべきである。本決議文がG7伊勢志摩サミットに十分に反映されるよう議論を主導すべきである。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  32. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) ただいまの藤田君提出の決議案の採決を行います。  本決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  33. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、岸田外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岸田外務大臣
  34. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 政府としては、ただいまの決議の御趣旨を踏まえ、ODA等を通じて積極的に我が国の開発政策を推進していくとともに、G7サミットやTICADⅥを含む関連の国際会議でリーダーシップを発揮するようしっかりと取り組んでまいります。
  35. 赤石清美

    ○委員長(赤石清美君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十二分散会