運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2016-04-05 第190回国会 参議院 国土交通委員会 6号 公式Web版

  1. 平成二十八年四月五日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月五日     辞任         補欠選任      中野 正志君     和田 政宗君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子 洋一君     理 事                 豊田 俊郎君                 渡辺 猛之君                 広田  一君                 増子 輝彦君                 河野 義博君     委 員                 阿達 雅志君                 青木 一彦君                 江島  潔君                 大野 泰正君                 金子原二郎君                北川イッセイ君                 小泉 昭男君                 末松 信介君                 山本 順三君                 田城  郁君                 野田 国義君                 谷合 正明君                 辰巳孝太郎君                 室井 邦彦君                 和田 政宗君                 行田 邦子君                 脇  雅史君    国務大臣        国土交通大臣   石井 啓一君    副大臣        国土交通副大臣  土井  亨君        国土交通副大臣  山本 順三君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       江島  潔君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局経済取        引局長      松尾  勝君        警察庁長官官房        審議官      掛江浩一郎君        法務大臣官房審        議官       辻  裕教君        国土交通大臣官        房技術審議官   池田 豊人君        国土交通省土地        ・建設産業局長  谷脇  暁君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        金尾 健司君        国土交通省住宅        局長       由木 文彦君        国土交通省自動        車局長      藤井 直樹君        国土交通省航空        局長       佐藤 善信君        観光庁長官    田村明比古君    参考人        旭化成株式会社        代表取締役社長  小堀 秀毅君        旭化成建材株式        会社代表取締役        社長       堺  正光君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査  (基礎ぐい工事問題及び軽井沢スキーバス事故  等に関する件) ○海上交通安全法等の一部を改正する法律案(内  閣提出)     ─────────────
  2. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局長松尾勝君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に旭化成株式会社代表取締役社長小堀秀毅君及び旭化成建材株式会社代表取締役社長堺正光君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、基礎ぐい工事問題及び軽井沢スキーバス事故等に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 おはようございます。自由民主党の豊田俊郎でございます。  今日は、横浜市で施工されたマンション建築の基礎ぐい工事問題、そして軽井沢スキーバス事故問題について御質問をしたいというふうに思います。  ところで、年間の住宅の着工件数が前の年、統計で発表されておりますけれども、去年の新築住宅着工戸数でございますけれども、年間で九十万九千二百九十九戸、持家が二十八万三千戸、貸家が三十七万八千戸、給与住宅、社宅ですね、六千戸、分譲マンションでございますけれども、分譲住宅が二十四万一千のうち十一万五千六百五十二戸が新築着工されたわけでございますけれども、大変多くの戸数、棟数が毎年新たに建設をされておるわけでございまして、その過程の中で起こった課題、問題であろうというふうに認識をいたしておるところでございます。  平成二十七年十二月二十五日、基礎ぐい工事問題に関する対策委員会から中間取りまとめの報告がなされております。この報告書の中身を見させていただいたわけでございますけれども、今から十年ほど前に起こりましたいわゆる構造計算書偽装問題、姉歯事件でございますけれども、これとは内容を異にするという報告でございました。姉歯問題は意図的な耐震偽装で建物の安全性を損なった事件であり、今回とは質が違うという、そんな提言のまとめ方だというふうに理解をしているところでございます。したがって、この中間報告では法改正や罰則の導入には踏み込んでおらないと言ってもいいのではないかなというふうに思っております。  さて、今回の横浜の都筑マンションでございますけれども、その後、同一敷地内に建っております西区のマンションでも新たな疑念、偽装が発覚をいたしました。このマンションは、報道によりますと、全て建て替えするということが決定をしたというふうな報道でございます。  今回のこの基礎ぐいのマンションでございますけれども、これも報道によりますと、三井不動産レジデンシャルが昨年十月に提示した一律三百万円の補償と引っ越し代などの経費負担について同社と合意を交わすことも決まったとございますが、この補償金額でございますけれども、民間同士の合意とはいえ、政府としてこの数字を聞いたときにどんな感想を持ったか、お聞かせ願いたいというふうに思います。
  8. 谷脇暁

    ○政府参考人(谷脇暁君) お答え申し上げます。  今御指摘ございましたように、横浜の都筑区のマンションにつきましては、三井不動産レジデンシャルがマンションの住民に対しまして、今御指摘ございましたように、昨年の十月に、建て替えなどに関する手法、それと建て替え等によって仮住まいが必要となる場合の費用負担、転出を希望する住民に対する買取り価格、慰謝料などの補償の方針について説明を行ったところでございます。  現時点では、補償内容につきまして住民と協議中ということでございまして、具体的な数字の答弁はちょっと控えさせていただきたいと思いますけれども、一時的に転居を希望している住民や転出を希望している住民に対しては適宜対応を行っているというふうに承知をしております。  そういう中で、国土交通省といたしましては、引き続き三井不動産レジデンシャルに対しまして、売主として責任を持ってマンション住民の方々の意向、これを踏まえながら誠実に対応していくように求めているところでございます。
  9. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 それぞれ民間同士のことでございますので、政府が関与する案件ではないということは承知しておりますけれども、実は私も現地に赴きまして実際の住民の方から御意見を伺ってまいりました。七百戸のうち百軒余りが既に引っ越しを済ましているということでございましたし、私がお邪魔しました当日も引っ越し社の車両が三台ほど着いておりまして、年度末ということもございましたので、いろんな事情で引っ越す方もいらっしゃろうというふうに思いますけれども、着実に引っ越しが進んでいる感、そんな感を抱いたわけでございます。現場管理者、いわゆる管理事務所にお訪ねしてお聞きをいたしましたら、最終決定には至らないけれども、一日も早い住民との話合いを進めていきたいという、こんな報告もございました。  ところで、このマンションでございますけれども、三井不動産レジデンシャル側は既に七百戸のうち二十戸を買い取っていると伺っております。買取り希望があればどんどんこの後も買い取っていくということだろうというふうに思いますけれども、考えようによっては、売却が進み三井不動産レジデンシャルの持分が増えていくわけでございまして、建て替えには反対はしないまでも建て替えを保留した場合、建て替え賛成者の比率が当然下がってくるわけでございます。マンション建て替え円滑化法の中で、区分所有者五分の四以上の確保ができれば、これは建て替えができるということになっておるわけでございます。  また、先ほど申し上げました西区のマンション、これは住友不動産の販売した物件だそうでございますけれども、この物件は、既に売却した世帯は何と六十六戸もあると聞いております。売却された世帯を所有する住友側は住民の意向に沿うとの方針を示しておりますが、全棟建て替え、必要な区分所有者の五分の四以上をめぐる攻防というか、これも大きな課題になってくるというふうに思います。  そういう観点から、是非、国交省においてもこのことにはしっかり注視をしていっていただきたいというふうに思います。  このような問題が出ますと、どう抑止力を働かせていくかということが常に議題になります。こういう住宅問題ばかりではなく、政府においてはいろんな取締りとか監督指導という枠組みが施されておるわけでございますけれども、ちなみに、私がこんなことを言う必要もないとは思いますけれども、麻薬取締官、いわゆる麻薬Gメンと言われているような組織ですね、これは厚生労働省所管でありまして、何と捜査を行う職員には小型武器、いわゆる拳銃等の所持が認められているほか警察官同様の逮捕術の訓練なども受けていると。  また、マルサと言われている、これは国税の専門官でございますけれども、これは財務省の所管ということでございまして、御案内のとおり、税金に関する調査や指導を行う専門家のことでございまして、個人や企業を訪問し適正な申告か調査を行い、税金の催促や財産差押え、また、脱税を見付け検察官に告発すると。ちょっと変わったところでは、税関職員、これも財務省所管だそうでございますけれども、税関職員は、関税、とん税、特別とん税及び内国税の賦課徴収、外国を往来する船舶、航空機の取締り、国内にある外国貨物の取締り、貨物の輸出入の取締り、関税法等の違反事件の調査、処分を主な任務とする職員もいると伺っております。  また、厚生労働省でございますけれども、これは食品衛生監視員、食監と通称言っているそうでございますけれども、ここでも食料品店の監視、指導及び教育を行っていると伺っております。  最近できたまた一つ、これも法務省それから厚生労働省の共同提出により二〇一五年三月六日に提出された、外国人技能実習機構を認可法人として新設し、技能実習計画の認定、報告を求め、実地に抜き打ち検査を行う、違反した企業には罰金や五年間の受入れ停止などの罰則を設けていると。各業界、各団体、いろんなところでやはり政府の関与、国の関与ということは必要不可欠だというふうに思います。  それよりも何よりも、冒頭申し上げました、違反を起こしたマンション、要するに不法行為による建築は必ず、必ず建て替えさせられるという、こんな抑止力を今回のこの事件を通して広く周知を図っていただければというふうに思います。  それでは、今回提出された基礎ぐい工事問題に関する質問をしたいというふうに思います。  昨年末に取りまとめられた基礎ぐい工事問題に関する対策委員会の中間取りまとめ報告では、データ流用が判明した物件について、十二月二十五日時点での安全性の確認状況を基に、データ流用と建築物の安全上の問題との関連性は低いとの見解が示されているところであるが、現時点における安全性の確認についてお伺いをしたいというふうに思います。
  10. 山本順三

    ○副大臣(山本順三君) お答えいたします。  くいのデータ流用が判明した物件でございますけれども、中間取りまとめの十二月二十五日時点で、旭化成建材では三百六十件、コンクリートパイル建設技術協会の会員企業では八社五十六件でございました。この時点において安全性が確認されたものは旭化成建材の三百三件であり、調査は継続中であるものの、対策委員会では、データ流用と建築物の安全上の問題との関連性は低いと考えたところでございます。  データ流用が判明した物件につきましては、その後も引き続き工事施工者等が安全性を確認し、特定行政庁においてその妥当性を確認してまいりました。  少し詳しく御説明申し上げたいと思いますけれども、まず、旭化成建材の物件につきましては、データ流用が判明した三百六十件のうち、これまで三百五十七件で調査が終了し、その全てで安全性を確認をいたしております。残り三件でございますけれども、この問題のきっかけとなった横浜市のマンション一件と、現地確認の調査方法について住民の了解を得ることに大変時間を要している分譲マンション二件となっております。また、旭化成建材以外の八社五十六件につきましては、全て調査が終了し、その全てで安全性を確認をいたしております。  さらに、中間取りまとめ以降も、ジャパンパイル、三谷セキサン、これは業界一位、二位ということでありますけれども、などのコンクリートパイル建設技術協会の会員企業におきましては、継続して施工データの点検等を実施をいたしておりまして、また旭化成建材においては、中間取りまとめ時点では施工データが確認できなかった物件等の精査を現在進めているところでございます。  国といたしましては、こうした安全性の検証ができる限り早く完了するように、くい施工業者、元請建設会社等を指導するとともに、特定行政庁に対する技術的支援も引き続き行ってまいりたいと思っております。
  11. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 それでは、このマンションの事案から判明した課題を踏まえ、基礎ぐい工事の適正な施工のための再発防止策がまとめられたと伺っております。中間取りまとめを受けた国土交通省のこれまでの取組と、今後の再発防止に向けた大臣の決意をお伺いしたいというふうに思います。
  12. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 基礎ぐい工事問題につきましては、昨年末に、有識者で構成をいたします対策委員会において再発防止策の中間取りまとめが行われております。  国土交通省におきましては、まず中間取りまとめに記載された事実関係を踏まえまして、一月十三日に、建設業法に違反する行為を行った建設業者等に対して同法に基づく監督処分を行っております。また、基礎ぐい工事の適正な施工を図るため、三月四日に、基礎ぐい工事の一般的な施工ルールや工事監理ガイドラインなどを定め、関係する通知を発出しております。  さらに、重層下請構造など建設業の構造的課題につきましては、中央建設業審議会、社会資本整備審議会に設置をされております基本問題小委員会におきまして、六月めどの中間取りまとめに向けて今議論を進めているところでございます。  引き続き、しっかりと再発防止に取り組みまして、建設工事の個々の現場の改善、建設業の信頼の回復へとつなげてまいりたいと存じます。
  13. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 どうもありがとうございます。  報告書では、建設業の構造的な問題も今回の事案の背景にあったのではないかとされております。  下請構造の行き過ぎた重層化は、技能労働者へのしわ寄せを生む一因との指摘もございます。その改善なくして建設業の健全な発展は望めないのではないか。国土交通省の重層下請構造に対する問題意識と改善に向けた取組について、これも大臣に伺いたいというふうに思います。
  14. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 建設工事におきましては、工事内容の高度化等による専門化、分業化や、受注する工事量の増減及び繁閑、忙しかったりそうでなかったりすることの発生への対応等のため、元請と下請が適切な役割分担の下に施工体制を構築することは合理的であると考えております。一方で、行き過ぎた下請構造については様々な弊害があるとの指摘があることも承知をしております。  重層構造の改善や請負契約の適正化等、建設業の構造的な課題につきましては、先ほど申し上げたところでありますけれども、現在、基本問題小委員会において議論を開始をしているところでございます。  この基本問題小委員会におきましては、実質的に施工に携わらない企業を施工体制から排除することによる行き過ぎた重層化の回避、また民間工事における受発注者間や元請、下請間の役割分担の明確化等について対策を検討しているところでございます。  建設業の健全な発展を図るため、六月めどの中間取りまとめに向けまして、しっかりと議論を進めてまいります。
  15. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 ありがとうございました。  公共工事、私も自治体を預かっておりましたけれども、年間で公共工事、大体私のところは約二十万人の市でございますけれども、百前後の公共工事が出ます。そのうち橋梁等も含めて年間四、五件の基礎ぐいを打つ工事もあるわけでございますけれども、年間百件を超える検査を実は職員は三名で行っておりまして、なかなか細部にわたる検査体制というのは取れないと。また、いわゆる民間の指定確認検査機関でございますけれども、随分全国では多くの機関がございます。機関によっては、一社、一法人で年間四万件、五万件の確認を受けているということもございます。  本当に、全てをチェックすることは不可能でございますので、先ほど申し上げました別組織でのチェック機能、こういうものも今後検討していただければと、これは要望させていただきたいというふうに思います。  さて、もう一つの軽井沢国道十八号線碓氷バイパスの事故の問題でございますけれども、本当に、若い命が失われ、無念であったというふうに思います。御家族、遺族の思いは本当に察して余りあるものがあるというふうに思います。心から哀悼の意を表したいというふうに思います。  何点か質問させていただきたいというふうに思います。  軽井沢スキーバスの事故のような悲惨な事故を二度と起こさない速やかな対策が求められているところでございますけれども、事故発生からこれまでの国土交通省の対応についてお伺いをしたいというふうに思います。
  16. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 本年一月十五日に発生をいたしました軽井沢スキーバス事故を受けまして、国土交通省では事故直後に対策本部を設置をいたしました。また、私も翌日に現地を視察する等、迅速に情報収集を行ってまいりました。事故を起こしました株式会社イーエスピーに対しましては、事故直後から特別監査を実施をいたしまして、多数の法令違反が判明したことを受け、二月十九日に事業許可取消しの処分を行っております。  国土交通省としては、今回の事故を踏まえた緊急対策といたしまして、一月十九日から三月中旬にかけて全国の貸切りバス事業者に対し集中監査及び街頭監査を実施するとともに、旅行業者に対して集中立入検査を実施をいたしました。また、一月二十二日に有識者から成る軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を設置し、貸切りバスの抜本的な安全対策の検討を進めており、三月二十九日には中間整理を取りまとめていただきました。  国土交通省では、この検討委員会におきまして、夏の総合的な対策の取りまとめに向け、引き続き議論を深めることとしておりますが、実施可能な対策から速やかに実行してまいるところでございます。
  17. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 更に進めていただきたいというふうに思います。  緊急対策として行った街頭監査において数々の法令違反が見付かったと伺っているところでございます。全国の街頭監査の結果と、それを踏まえた今後の対応についてお伺いをしたいというふうに思います。
  18. 山本順三

    ○副大臣(山本順三君) 国土交通省では、軽井沢スキーバス事故を受けた緊急対策といたしまして、一月の二十一日の新宿での街頭監査を皮切りに、三月末まで全国延べ三十八か所で街頭監査を実施してまいりました。その結果、監査を実施した貸切りバス二百四十二台中八十六台に運行指示書の記載不備や車体表示の不備等の違反が見付かりました。  一月二十一日、最初の抜き打ち監査でありますが、私とそれから宮内政務官も一緒に立会いをいたしましたけれども、六台監査をして五台が運行指示書に不備があったというようなことでございまして、大変残念に思ったところでございます。  ちょうど当日、私も、事故当日でありますけれども、軽井沢に入りましたけれども、本当に悲惨な現場を見て心を痛めると同時に、十三名の若者を含む全部で十五名の方々の尊い命が失われると。本来なら、その十三名のうち大勢は今年入社式ないしは入所式に出る予定の方だったというふうに思っておりまして、更に心を痛めるところでございますけれども、こういった悲惨な事故直後であるにもかかわらず、このような法令違反の状況が明らかになったことは大変に遺憾であるというふうに思っております。  国土交通省としては、違反した事業者に対し、直ちに是正を指示して改善させるとともに、三十日以内に再度監査を実施し、他の運行についても法令違反がないか、今確認をしているところでございます。また、二月三日に、全国の貸切りバス事業者に対し、運行前に法令遵守状況を確認するためのチェックシートを配付し、法令違反が起こらないよう厳しく指導したところでございます。  今回の街頭監査の結果や軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の三月二十九日付けの中間整理を踏まえまして、法令違反の早期是正や処分の厳格化等、監査の実効性を向上させるための施策について夏までに検討し、総合的な対策として取りまとめ、速やかに実行に移してまいりたいと、このように考えております。
  19. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 どうもありがとうございます。  最後になりますけれども、三月二十九日に軽井沢スキーバス検討委員会の中間整理が取りまとめられたということでございます。大臣の所感と今後の再発防止に向けた御決意を是非お聞かせをいただきたいというふうに思います。
  20. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 軽井沢スキーバス事故対策検討委員会におきましては、十三人の若者の命を一瞬にして奪った今回の事故発生から二か月間、このような悲惨な事故を二度と繰り返さないという決意の下に七回にわたり議論を重ね、中間整理をまとめたところでございます。  国土交通省といたしましては、今回の中間整理に掲げられた対策について、実施可能なものから速やかに実行に移してまいります。また、予防的なチェックとしまして、事故防止の観点から、監査で判明した法令違反を早期に是正をする、民間団体等の活用による監査事務を補完をさせる、全ての新規雇入れ運転者に対する適性診断の受診及び実技訓練の実施の義務付け等の仕組みを構築する、こういったことによりまして監査の実効性と運転者の運転技能の向上を図り、事故防止の徹底に努めてまいります。  こういったことも含めまして、対策の実効性を確保するためには、中間整理に示されたとおり、平成二十四年の関越道事故以降の対策を含むこれまでの安全対策を徹底的に再検証すること、関係事業者に法令遵守を改めて徹底をし、悪質事業者には市場からの退出を含め厳しい態度で臨むこと、利用者の視点に立ち、ソフト、ハード両面の施策を多角的に講ずることが重要であると考えております。  今後、検討委員会において、このような基本的な考え方の下に、再発防止に向けた総合的な対策の取りまとめに向け引き続き御議論をいただくことになっております。国土交通省といたしましては、検討の結果をしっかりと受け止め、速やかに実施に移すことによりまして貸切りバス事故の再発防止に万全を期してまいります。
  21. 豊田俊郎

    ○豊田俊郎君 どうもありがとうございました。  両案件とも、最後は人なりということになろうかというふうに思います。しかし、そうとも言っておられないのも事実でございます。国を挙げてこの両事案についてはしっかりとした対応を今後とも求めて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────
  22. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、中野正志君が委員を辞任され、その補欠として和田政宗君が選任されました。     ─────────────
  23. 広田一

    ○広田一君 民進党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。  まず、基礎ぐい工事問題について御質問をさせていただきます。  本日は、大変御多用中にもかかわりませず、旭化成株式会社代表取締役社長の小堀秀毅参考人、そして並びに旭化成建材株式会社代表取締役社長の堺正光参考人におかれましては、大変御多用中のところ本当に、御出席をいただきまして心から感謝を申し上げます。  それでは、質問に入らさせていただきます。  今回の基礎ぐい工事問題を受けまして、この旭化成のトップ、そして旭化成建材のトップそれぞれが引責辞任をするという本当に異例の事態となったところでございます。それぞれの新社長におかれましては、消費者の信頼回復に向けて今先頭に立って再発防止策を含めて取り組まれていられる、このように考えるところでございます。  そこでまず、小堀、堺両社長から、今回の基礎ぐい工事問題に対する御認識と再発防止に向けた決意についてお伺いをしたいと思います。
  24. 小堀秀毅

    ○参考人(小堀秀毅君) この四月から旭化成の代表取締役社長をしております小堀と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  この度、グループ会社旭化成建材がくい工事におきまして長年にわたり一部施工データの流用を行っていた問題につきまして、その判明となりました横浜のマンションの住民の皆様、関係各位の皆様並びに広く国民の皆様に御心配、御不安、御迷惑をお掛けしましたことをこの場を借りて深くおわび申し上げます。  今後も引き続き、横浜の案件並びに個別案件につきましては誠意を持って誠実に対応していく所存でございます。  今御質問のございました再発防止等についての決意という点につきましては、グループ会社旭化成建材がくい事業におきまして再発防止ということを徹底していくということはもちろんでございますが、旭化成グループ全ての事業において、コンプライアンスの観点から、このようなことが起きないように再点検をしていくということを今実行、進行、進めている段階でございます。  そのためには、私の個人の経験からも踏まえて、三現主義、現場に行き、自分の目で現実を確かめ、現物を知るということを、このステップを全社社員一人一人に徹底していくということを訴え続けていきたい、求め続けていきたいというふうに考えております。  また、旭化成グループはこの四月から新しい中期経営計画をスタートさせました。その冒頭におきましても、信頼回復に向けてコンプライアンス意識を高め、社会、お客様からの信頼回復に努めるということをうたっております。グループ全体の責任者として、実効性を高めていくということを是非行っていきたいと思っております。  何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。
  25. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 旭化成建材、堺でございます。  今回、横浜都筑区のマンションを始めとする一連のくいデータの流用問題で、建物の所有者の皆様、居住者、利用者の皆様、建設業界の皆様、多大な御迷惑と御心配をお掛けしたことを心よりおわび申し上げます。  現在、流用のあった物件に関しまして、国土交通省様の指示の下、建築主様、元請様の御協力を仰ぎながら、安全確認を、調査を進めております。一日も早く建物の健全性を確認し、安心していただくことが当社の責務だと思っております。  また、本年の一月、国土交通省様より監督処分を受けました。この事実を重く受け止め、これまでの当社の取組が不十分であったということを深く反省し、二度とこのような問題を起こさぬよう、社内の意識改革と具体的な作業手順から管理体制まで全ての見直しをしていく所存でございます。  くいは、施工終了段階ではその出来形が管理できません。契約の段階から施工完了まで、その作業手順ごとに定められた事項を的確に実行し、その現場で取得した現物記録をしっかりと残すことにより、品質に対しての説明責任を果たすことが重要であると考えております。このプロセスを着実に実行し、くい工事及びくい業界に対する信頼回復の実現に向け行動していく所存でございます。  以上でございます。
  26. 広田一

    ○広田一君 ただいまそれぞれの参考人の方から御答弁をいただいたところでございます。  御答弁の中でもございましたように、やはりキーワードは、信頼回復、コンプライアンス、そして三現主義だというふうに思います。これまた御答弁の中にもございました。これらのキーワードを是非とも実効性のあるものにしていただきたいというふうに思います。特に、信頼回復というのは一朝一夕にいくものではございません。これからの住民の皆様方への対応も含めて、是非誠意ある対応をしてくださいますようによろしくお願いを申し上げます。  それでは次に、安全性の確認結果についてお伺いをいたします。  昨年の十二月二十五日に公表されました基礎ぐい工事問題に関する対策委員会の中間取りまとめ報告書によりますと、旭化成建材によるデータ流用があった物件は三百六十件、そして旭化成建材以外のデータ流用物件は八社で五十六件であります。旭化成建材のデータ流用が他社八社合計と比較して六倍以上というふうに突出をしているわけでございます。  これについて国交省にお伺いしたいと思いますけれども、これは、調査対象期間など前提が違うところがあるのではないか、単純に比較をすることはできないという思いもあるわけでございますけれども、この点についての御所見をお伺いをしたいと思います。
  27. 谷脇暁

    政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。  今御指摘ございましたように、旭化成建材におきまして多数のデータ流用があったということでございますけれども、この点につきましては、昨年十二月の国交省対策委員会の中間取りまとめにおきまして、旭化成建材におけるデータ流用の主な要因といたしまして、機械・記録媒体の不具合、不注意による機械操作ミス、あるいは電流計データ等の管理や報告についての明確なルールがなかった、さらに、くい工事管理者にデータの欠落を報告する必要性の認識が希薄であったのではないかといったような点が挙げられております。  このような要因によりまして、旭化成におきまして多くのデータ流用が発生したというふうに考えているところでございます。
  28. 広田一

    ○広田一君 今は旭化成建材についての御答弁でございましたが、他社の現状と比較してどうなのか、この点についてよろしくお願いいたします。
  29. 谷脇暁

    ○政府参考人(谷脇暁君) 調査自体は、先ほど御指摘がございましたように、範囲とかいろいろと違いますので、その数字自体を単純に比較できるものではないと思いますけれども、今申し上げましたような理由が、要因が重なりまして、旭化成建材でのデータ流用が他の企業と比べて多かったのではないかというふうに考えているというところでございます。
  30. 広田一

    ○広田一君 ただいまの谷脇局長の御答弁を踏まえて、次に堺社長にお伺いをしたいと思います。  今回のデータ流用の要因、原因について先ほど御答弁があったわけでございますが、いずれにいたしましても、他社と比較して現状においてはその数が多いわけでございます。  そこで、旭化成建材の場合は外部調査委員会の方でも指摘をされております。これによりますと、データが適切に取得できないという状況が長年放置されていた状態というふうに、こういうふうに、データを確実に取ることが保証、担保されていないのではないか、こういった御指摘がありますけれども、この点についての御見解と改善策につきまして、堺社長にお伺いをしたいと思います。
  31. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 長年にわたりまして多数のデータ流用が発生したこと、まずもっておわび申し上げます。誠に申し訳なく思っております。  改善策を述べる前に、長年こういった環境の中で流用があったということに関して言いますと、この流用、データに関する重要性ということを私ども経営層が認識が薄かったということが最大要因かと思います。加えまして、建設の現場におきましてデータの取得がしづらい環境にあったということ、これは機器の問題もございましたし、作業環境の問題もございました。そういったことが大きな要因となって、加えて、そのデータを余り重要視していないということも要因となってこういったことが長年続いてきたというふうに今反省しております。  今後、データの欠落をなくすためには、機器を改善する、あるいは作業環境を改善する、加えまして、仮にデータが欠落してしまったときにはあらかじめ元請様と事前に協議して決定しておく、あるいは、まずもって現場で作業してくださる作業員の皆さんにこのデータ自体が将来にわたってこの物件の安全のトレーサビリティーを担保するものだということを認識してもらう、そういう教育も含めて改善を図っていきたいというふうに思っております。
  32. 広田一

    ○広田一君 今御答弁をいただいたところでございますが、長年にわたってデータについての重要性というものの認識をされていなかった、これがデータ流用の一つの理由だったわけでございます。  このデータ流用をすること、それ自体も非常に問題があるわけでございますが、と同時に、私はデータ流用、改ざんと偽装というものは全く違うんだろうと考えております。くいが支持層に届いていないにもかかわらず届いたかのようにデータを操作をするこの偽装というものは、もう許されない行為だと思うわけであります。これを行った場合、建設業法又は建築基準法上どのような処分になるのか、国土交通省の御所見をお伺いをいたします。
  33. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) データの流用につきましては、昨年末の対策委員会の中間取りまとめを受けまして、くいの一般的施工ルールを定めるなど、その再発防止は徹底をしているところでございます。  一方で、データ流用につきましては、建設業法や監督処分基準に処分の対象として規定されているものではなく、データ流用のみをもって建設業法違反として処分することにはなりません。しかしながら、例えば基礎くいが支持層に届いていないことによって建築物等に重大な瑕疵が生じた場合には施工不良ということになりますので、建設業法に基づき処分を行うということになります。  また、建築基準法につきましても、データ流用のみをもって直ちに建築基準法違反に当たることにはなりませんが、くいが届いていないことによりまして建築基準法第二十条に基づく構造耐力の規定に違反することが判明した場合には、建築基準法に基づき、地方公共団体の建築指導部局は当該建築物の違反を是正するために必要な措置を命ずることができるところでございます。  このような規定に基づきまして、建築物等の安全性に問題のある施工を行った事業者には厳格に対応することになるわけでございます。
  34. 広田一

    ○広田一君 ただいま大臣の方から御答弁がございましたように、データ流用そのこと自体とやはりデータの偽装というものは、本当に本質的に異なる、また対応も処分も違ってくるというふうなことでございます。  そこで、堺社長にお伺いをいたします。今回の社内調査、また外部調査、これらの結果を踏まえまして、横浜市のマンション事案も含めまして、旭化成建材としては、くい工事の施工上の瑕疵を隠すためにデータの流用は行っていない、データ偽装はない、このように明言することができるのか、堺社長の御所見をお伺いをしたいと思います。
  35. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) これまで調査してきた限りにおきましては、社内調査委員会、外部調査委員会の双方からも、御指摘のような目的でデータ流用を行ったという報告は受けておりません。おりませんが、今後も御指摘のような事実がなかったかどうかの調査は引き続きやってまいりたいと思います。
  36. 広田一

    ○広田一君 現状では、ヒアリング等々ではそういった事実はないということでございましたけれども、今実際、横浜市の事案も含めてボーリング調査等々がなされているわけでございますので、この点についても不断の検証、検討をしていただきますようによろしくお願いを申し上げます。  そこで、国土交通省にお伺いをいたしますが、昨年の十二月二十五日に公表された、先ほど言いましたような中間取りまとめの報告書、これは、横浜市のマンション事案のくいの支持層到達の判断について三井住友建設と旭化成建材の認識とはそごがあるというふうに指摘をしているところでございますが、この点について、もう既に三か月以上経過をしておりますけれども、その後どうなったのか、御説明をいただきたいと思います。
  37. 由木文彦

    ○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  三井住友建設は、昨年十一月二十四日に横浜市に対して提出をいたしました構造安全性検討書において、地盤調査の結果から、一部のくいに支持層未到達が想定されると報告をいたしております。一方で、旭化成が二月九日に公表いたしました社内調査委員会の中間報告書によりますと、旭化成建材は三井住友建設によるこの判断に疑義を呈しており、くいの施工不具合の有無を明らかにするためのボーリング調査の実施を求めたというふうにされているところでございます。このように、お尋ねのようなそごがございます。  これにつきましては、特定行政庁でございます横浜市におきまして、建築基準法上の構造耐力の適合性について、第三者の意見も踏まえた上で検証結果を報告するようにというふうに事業者に求めているところでございます。その一環といたしまして、くいの未到達の状況やくいの周辺の土質について追加でボーリング調査を行ってきちんと調べるようにということと、くいが未達の場合にはその原因について調査を行うことということを事業者に求めているところでございます。  まだこの点について事業者の方からの報告がなされていない状況でございますけれども、今後、こういった安全性の検証をする中で、基礎ぐいの到達状況についても早期に解明されることが必要だというふうに考えておりますので、私ども国といたしましても、引き続き横浜市に対し技術的な支援を続けてまいりたいというふうに考えております。
  38. 広田一

    ○広田一君 今御答弁がございました、引き続き横浜市に対しては技術支援をすると同時に、住民、国民の皆さんにとっても非常に関心の高い案件でございますので、できるだけ早くこの結果が出るように取り組んでいただきたいというふうに思うわけでございます。  そこで、堺社長にお伺いをしたいと思いますが、先ほど御答弁にございましたけれども、旭化成建材といたしましては、今回の三井住友建設株式会社の六本は支持層に未達という判断、これについて疑義を呈しているわけでございますけれども、その根拠は一体何なのか、お伺いしたいと思います。
  39. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 先般、三井住友建設様は、簡便な調査方法でありますスウェーデン式サウンディング試験の調査結果のみを根拠として支持層未達と判断されました。また、この調査結果は、三井住友建設様があのマンションの着工前に実施したボーリング調査の結果と異なっておりました。  我が社といたしましては、設計者でもある三井住友建設様が着工前に実施したボーリング調査を踏まえて支持層の判定をしている以上、スウェーデン・サウンディング調査の結果だけでボーリング調査とは異なる結果が出たと判断することは適切ではなく、より正確なボーリング調査をしてくださいと、追加調査をしてくださいと申し入れている次第でございます。  三井住友建設様から正式な調査結果を提供されていない現時点におきましては、弊社はくいの支持層到達に関する判断はできないというふうに判断しております。
  40. 広田一

    ○広田一君 ただいま堺社長の方から、現状においての御認識について御答弁があったところでございます。いずれにしても、課題等々があるわけでございます。今の答弁も受けて、是非、国交省といたしましても、より一層問題意識を持って事実の解明に取り組んでいただきたいというふうに思うわけでございます。  そういった中で、先ほど御答弁がございました、今、横浜市の方で調査等も依頼して進めているというふうなことでございます。当初は、この支持層に到達しているか否かについて三月末までにこれを報告するようにというふうなことでございましたけれども、これが先般、六月三日まで延期をされたところでございます。この延期について、国交省としてどのような理解と認識を持っているのか、お伺いしたいと思います。
  41. 由木文彦

    ○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  今お話ございましたように、横浜市は三井不動産レジデンシャル株式会社と三井住友建設株式会社に対しまして、三月三十一日までに構造耐力の適合性及びその一環としてのくいの未達の原因について報告を求めておりましたが、お話にございましたように、報告の提出見込み日が六月三日に遅延するという旨の報告が横浜市に対し三月二十九日に二社から行われたというふうに承知をいたしております。  その報告遅延の理由でございますけれども、くいの未達の状況やくいの周辺の土質等の詳細調査の終了見込みが四月の上旬になってしまうということ、それから、その結果を踏まえまして構造耐力の検証を行った上で、第三者機関に確認を行っていただく必要があるということ、また、マンションの住民に対して調査結果を十分に説明する必要があるということ、この三点が事業者の方から横浜市に対し報告をされているということでございます。  横浜市の方は、会社の方の報告を受け止めて、できるだけ早く報告がなされるようにということで指導しているというふうに承知をしておりますが、私どもといたしましては、その横浜市の状況を注意深く見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  42. 広田一

    ○広田一君 是非とも注意深く、と同時に、先ほど来繰り返しておりますけれども、それぞれ三つの理由があるということでございました。  それらが説得力ある合理的なものなのかの評価は別にいたしまして、是非ともこの点についても更なるフォローアップ等をしながら、すべき指導、助言等は適切に実施してもらいますようによろしくお願いを申し上げます。  そこで、次に堺社長の方にお伺いをいたします。  先ほどの疑義を呈した理由等々の方の御答弁も聞きながら改めて感じたわけでございますけれども、今回の事案の教訓といたしましては、やはり地盤などの事前調査の重要性であるとか、また必要なときには設計変更、これにつきましては柔軟に対応すべきだというふうに改めて思ったところでございます。  これらを踏まえまして、くい工事で発生するトラブルも含めて、不確定要因について、建物の施主、施工会社、今回の場合であればくい施工会社が、資金とか工期も含めて事前に協議をしていく体制が必要だというふうに思いますけれども、この点についての堺社長の御見解をお伺いをいたします。
  43. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 先生の御指摘は、私も全くもって同感でございます。
  44. 広田一

    ○広田一君 非常に簡潔で適切な御答弁をいただいたところでございますが、この点を踏まえまして石井大臣にお伺いをいたしたいと思います。  先ほど質問した点と同時に、これは十二月二十五日の中間報告でも指摘をされておりますけれども、いわゆるマンションの青田売り、この問題点も関連があるのではないかなというふうに思いますので、これらの点についての石井大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  45. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 設計変更の方でしょうか、青田売りの方でしょうか、御質問は。
  46. 広田一

    ○広田一君 先ほど堺社長に説明したことと併せまして、これと関連いたしますので、いわゆるマンションの青田売りの問題点についての御所見を併せてお伺いしたいと思います。
  47. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 青田売りは、一般には建物の建築工事の完了前に物件の売買を行うものでありますが、我が国の不動産取引においては長年行われてきた取引方法の一つであると承知をしております。  建築工事の完了前の売買は、購入者にとっては内装、設備や間取りなどを希望により変更することが可能であるなどのメリットがあります。また、不動産販売業者においても、事業資金の早期回収が可能となることや金融機関から融資を受ける際の与信になるなどのメリットがございます。  一方で、購入者に対して不測の損害を与えないように、建物の建築計画が法令に適合しているかどうかの確認、建築確認等があった後でなければ売買契約を締結してはならないなど必要な規制を行っているところでありますが、先ほどの工期とかあるいは設計変更の絡みで申し上げれば、工期が制約されるのではないかといった課題等については、現在、基本問題小委員会におきまして、工事着手後に生じ得る様々な施工上のリスクを具体的に想定した上で、関係当事者間において設計変更の必要が生じた場合の工期変更などに関し協議の基本的な考え方をあらかじめ明確にしておくことが重要ではないかといった議論を今しているところでございます。  いずれにいたしましても、不動産販売業者には瑕疵のない安全な物件を提供する義務が課されておりますので、国土交通省としましては、不動産販売業者に対しまして、売主としてきちんと責任を持って誠実に対応するように求めているところでございます。
  48. 広田一

    ○広田一君 是非、この構造的な問題についても大臣がリーダーシップを発揮され改革していただきますように、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、今回の基礎ぐい工事問題に関する質問は終了させていただきたいと思います。  続きまして、軽井沢のスキーバスの問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。  もしあれでしたら、お二人の参考人につきましては御退室をしていただいて結構でございます。
  49. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) それでは、お二方、御退室して結構でございます。
  50. 広田一

    ○広田一君 この問題につきましては、前回、三月十日の質疑において、国交省のイーエスピーに対する監査の在り方について質問をさせていただいたところでございます。この件の検証なくしていわゆる監査の在り方についての改革はあり得ない、こういった問題意識からであります。大臣の方からは、イーエスピーについてもしっかり検証をさせていただくという御答弁をいただいた次第でございます。  このことを踏まえて、まず一つ目の論点でございました、今回、イーエスピーが健康診断及び適性診断の受診をしたかしていないか、こういったことがあったわけでございますけれども、これは、事柄の性質上、確認をするのに一か月も要するというのは到底理解することができない、なぜこんなに時間を要したのか、この点について検証してほしい、こういうふうな指摘をさせていただいて、局長の方からは、これは検証結果を報告するというふうな御答弁がございましたので、この点についての御所見をまずお伺いしたいと思います。
  51. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  平成二十七年二月二十日、監査日に、株式会社イーエスピーが、所属する運転手が適性診断及び健康診断を受診済みと主張しておりましたけれども、それを証明する資料を同社は提示をしておりませんでした。特に、適性診断結果につきましては、その受診機関から診断書の再発行手続を行うための猶予期間を与えてほしいという事業者からの申出がありまして、監査を行いました東京運輸支局の監査官が一か月間、三月二十日までと猶予期間を認めたということが検証の結果でございます。  この検証期間、長過ぎるのではないかという委員からの御指摘をいただいていると認識をしております。御指摘も踏まえた上で、事業者が資料を準備するのに必要な期間ということを検討した上で、この猶予期間の短縮を図ることについて検討してまいりたいと考えているところでございます。
  52. 広田一

    ○広田一君 今、猶予期間の短縮を図ることを検討するというふうなことでございました。これはもうケース・バイ・ケースもありますし、一概には言えないというふうに思いますけれども、先ほど言いましたような、まさしく形式的な、事務的なことの確認については、これは猶予期間といったものを縮めて是非実施してもらいたいというふうに思いますので、その方向で進めていただきますように強く要請をしたいと思います。  次に、給与簿を確認して、労働保険及び社会保険の保険料が徴収をされていないことが既に確認をされているにもかかわらず、その関係機関に対する照会になぜ三か月も空白期間が生じたのか、この理由についての検証結果をお伺いをいたします。
  53. 藤井直樹

    政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  本事案について監査を行った東京運輸支局は、社会保険及び労働保険に関する関係機関への照会を監査事案の関東運輸局への上申と併せて行ったところでございます。このため、上申の前提となる事業者からの健康診断、適性診断の受診状況の報告を待って関係機関への照会の起案を行うということになり、結果として監査日、二十七年の二月二十日から社会保険の照会、五月十八日まで三か月を要したということが検証の結果でございます。  御指摘の点につきましては、この関係機関への照会ということを監査事案の上申と切り離して監査後に速やかに行うと、そういった方向で検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  54. 広田一

    広田一君 藤井局長、確認なんですけれども、つまり、こういった今回の照会起案のような極めて事務的、形式的な起案については、これについては迅速にやっていく、こういう方向で改革をするというふうな理解でよろしいんでしょうか。
  55. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、監査後すぐに始められる照会については速やかに開始をする方向で改革を進めたいと思っております。
  56. 広田一

    ○広田一君 はい、分かりました。  それと、あわせて、やはり上申する起案、これは非常に重要だというふうに思っております。行政処分というのは、言うまでもなく、処分される側から見れば不利益処分になるわけでございます。よって厳密、厳格でなければならない、これはそのとおりだと思いますし、訴訟にも備えるといった観点も重要だと思います。現場の監査官の皆さんは非常に頑張っていらっしゃいますし、適切な対応をされている、こういったことを前提にしながら、是非、今、切り分けないといけないというふうに思っておりますが。  ただ、今回のこれほど、三か月も要したもう一つの理由といたしましては、やはり、さはさりながら、決裁される方の数がやっぱり多過ぎるんじゃないか、もっと合理的に絞って適時適切な上申起案等もする必要があるんじゃないか、こういうふうなことも言えるというふうに思いますけれども、この点の見直しについて御所見をお伺いしたいと思います。
  57. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。  本件事案につきましては、東京運輸支局において起案者以外の七名の監査官が事案を決裁をしておりました。さらに、上申を受けた関東運輸局においても、関東運輸局における起案者以外に四名の監査官が順次決裁をしていると。そういったことが時間を要した一つの理由になっているものと考えております。  今御指摘いただいた点につきましては、決裁者の数の見直しなど、手続の合理化を図ることによって決裁に要する時間をできる限り短縮することについて検討してまいりたいと考えております。
  58. 広田一

    ○広田一君 最後に、石井大臣にお伺いをしたいと思います。  これらのイーエスピーに対する監査に対する検証結果等を踏まえて、今後の監査の在り方の改革の方向性、具体策について石井大臣にお伺いしたいと思います。
  59. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 株式会社イーエスピーに係る監査から処分まで時間を費やした要因を個々に検証してみたところ、期間短縮を図ることができる余地は十分にあると考えております。  先月二十九日に取りまとめました軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理におきましても、監査から処分までの期間短縮のための方策として、監査に必要な書類を営業所に備え付ける義務を課すなどの方策が示されているところであります。  国土交通省といたしましては、今回の事故を受け、監査の実効性の向上が重要であり、そのためにも監査から処分までの期間をできる限り短縮する必要があると考えており、できる限り速やかに期間短縮のための方策を講じてまいりたいと存じます。
  60. 広田一

    ○広田一君 終わります。
  61. 田城郁

    ○田城郁君 こんにちは。民進党・新緑風会の田城郁です。  広田委員に引き続き、バスの事故から質問させていただきます。  日本一のバスターミナルでありますバスタ新宿がJR新宿駅新南口の屋上にオープンをいたしました。関越高速バス事故でクローズアップされました散在する新宿駅周辺の停留所あるいは違法駐車での乗り降り、こういうことを一気に解消するということでオープンをしたわけですけれども、まだまだ問題はこれからも出るかもしれませんが、バス業界としては一定の前進が図られたのではないかと思います。  一方で、しかし、この軽井沢のバス事故、起こってしまった。構造的な問題が克服されないと、そういう中で起きている事故だと私は思っております。そういう立場でしっかりと、失われた十五人の皆様の命を無駄にしないためにも、しっかりと構造的問題の克服、こういうことをしっかり実現をしていかなければならないと思っております。  まず、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理を受けて、質問をいたします。  私は、監査体制について二月十日の本委員会、三月十日ですか、監査における民間団体の活用について提案をいたしました。軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理でも、監査における民間団体の活用の具体化を図るとされております。しかし、三月十七日に山陽道でトラック多重衝突事故が発生をいたしました。事故を起こしたゴーイチマルエキスラインはトラック協会の加盟事業者でした。トラックにおいて各都道府県のトラック協会が既に巡回指導体制を構築しておりますけれども、この体制にも漏れがあったということが三月十七日の事故につながったと考えられます。  民間団体の活用にも限界があって、最終的には国土交通省が責任を持って監査体制を強化をする必要があると考えますが、石井国交大臣、いかがでしょうか。
  62. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 監査の目的は、事業者に対しまして道路運送法等関係法令を遵守させるとともに、法令違反に対し適正な行政処分を行うことにございます。これらにつきましては、国土交通省が責任を持って実施すべきものと認識をしております。  軽井沢スキーバス事故対策検討委員会におきましてはこの監査において民間団体等の活用について言及されておりますが、これは監査業務を補完する観点から有効であるという考え方の下、既にトラック事業において導入されている適正化事業実施機関の仕組みを参考にしつつ、行政との役割分担を含め、貸切りバス事業への導入の検討を進めているところでございます。  監査の実効性を向上させるために、監査において判明した法令違反の早期の是正、また、市場からの退出を含めた悪質事業者に対する厳正な処分といった基本的な考え方の下で、夏の総合的な対策の取りまとめに向けて監査体制の強化策について検討を進めてまいりたいと存じます。
  63. 田城郁

    ○田城郁君 それでは、事故を起こしたゴーイチマルエキスラインも平成二十五年十二月の監査の行政処分を本年三月に受ける予定であったとされておりますが、監査から行政処分までただでさえ十一か月も掛かっていたという軽井沢スキーバス事故のイーエスピーの倍以上、二十七か月も掛かっております。行政処分の遅れに関しての検証は広田委員からも指摘をされておりますが、しかし、中間整理ではその検証や監査官の増員は検討事項になっていないと、そのようになっております。  そこで、四点お伺いをいたします。  まず、運輸局の現行の監査官三百六十五人体制について大幅な増員が必要なのではないでしょうか。いかがでしょうか。
  64. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  国土交通省では、平成十四年七月の規制緩和直後の百八名と比較して現在三倍強の三百六十五名の体制で監査業務を行っており、監査体制の強化に努めてきたところでございます。  軽井沢スキーバス事故対策検討委員会におきましては、民間団体等の活用や監査後の違反改善の早期の確認等、監査の実効性を向上させるための施策の見直しを行っているところであり、これらの具体化に合わせ、必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えております。
  65. 田城郁

    ○田城郁君 では、一事業者に対して最低毎年一回の監査を実施するとしたら理論的には何人の監査官が必要であるか、お答えください。
  66. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  平成二十六年度には、現在の三百六十五名の監査要員体制の下、貸切りバス事業者については、四千四百七十七事業者のうちこの二十六年度に千七百九十八の事業所等に対し監査を実施しております。一事業者に対し最低毎年一回監査を実施する場合、平成二十六年度の実績に基づいて単純に仮定の試算をした場合には約二・五倍の監査官が必要と推定をされます。  監査の実効性の向上方策については、御指摘の点も含め、軽井沢スキーバス事故検討会での議論も踏まえて今後検討してまいりたいと考えております。
  67. 田城郁

    ○田城郁君 国会論議では監査官の増員は論点の一つになっているわけです。今後、国会での質疑のやり取りも事故対策検討委員会の資料に追加をして、監査官の増員も含めて具体的に反映して検討を進めるべきだと考えますが、石井大臣、いかがでしょうか。
  68. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理におきましては、監査要員体制という構造的問題を踏まえつつ対策の検討を行うとしているところでございます。監査の実効性の向上を図るために、監査における指摘事項の早期是正や、監査から処分までの期間の短縮を行うべきとされたところであります。  国の監査要員体制の在り方につきましては、民間団体等の活用による監査事務を補完する仕組みの構築も含め、監査機能を十分に発揮させる観点から今後検討を進めてまいりたいと考えております。
  69. 田城郁

    ○田城郁君 さらに、中間整理においては、いまだ小さな政府にこだわっているような、そういう気がします。無駄に大きな政府をつくれと言うつもりはありませんが、安全確保のためには、増やすべきは増やす、必要な規模の政府、これを目指すべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  70. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 安全を確保するためには監査の実効性向上が必要であります。  このため、まずは、現行の体制におきましても、監査から処分までの期間の短縮や処分量定の見直し等の方策を実施をしてまいります。その上で、監査における指摘事項の早期是正が的確に実施できる体制、方策を民間団体等の活用も含め検討し、構築をしてまいりたいと存じます。
  71. 田城郁

    ○田城郁君 それでは次に、参入あるいは体質、そういうところについて少し触れたいと思いますが、現在のバス業界は大型バス五台の保有で参入できるということで、資金力の乏しい零細事業者でも参入できます。最低保有台数の引上げは最低でも十台以上の保有として、車齢制限の厳格化は早急に実施するべきであると考えます。車両整備は一年車検及び法定三か月点検が義務化されておりますけれども、社内規定によりブレーキ等の部品に関して一か月点検を実施している、そういうバス業者もあります。現在運行されているバス車両自体の安全性の点検による安全性の維持向上を目指すという視点も必要ではないかと思います。  まずは、当面の間、貸切りバス業界を正常化するためにも、新規参入を一旦止めて、二〇〇〇年の規制緩和以降に参入した保有台数十台以下の事業者に対しての徹底監査を実施するべきであると考えます。国交大臣、いかがお考えでしょうか。
  72. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 貸切りバスの新規参入につきましては、適正な競争による事業の活性化、サービスの多様化といった観点から、参入を一旦止めるということではなく、事業参入前後の安全性に関するチェックの強化をしっかり講じていくべきものと考えております。  事業参入に係るチェックの強化につきましては、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会から出された中間整理におきまして、事業許可の再取得要件の厳格化、また運行管理者資格の返納・再取得要件の厳格化について今後具体化を図るべきとされております。また、最低保有車両数の引上げ、一定以内の車齢の義務付け、事業許可の更新制の導入について引き続き検討すべきとされております。一方、既存の事業者への対策を含む事業参入後のチェックの強化につきましては、事業停止、事業許可の取消し対象となる範囲の拡大、処分量定の見直し等について速やかに講ずべきとされております。  国土交通省といたしましては、この中間整理を踏まえまして、引き続き検討を進め、本年夏までには総合的な対策を取りまとめ、具体的な対策を実施に移してまいりたいと存じます。
  73. 田城郁

    ○田城郁君 問われているのは実効性です。よろしくお願いいたします。  次に、バス運転手は、業務の関係上、不規則な時間帯に食事を取って、あるいは仮眠を取ります。特に昼間と夜勤を交互に行う場合は、生活リズムがばらばらになってしまうために、ゆとりのある休息時間の確保が必要であります。勤務終了後の休息時間を八時間から十一時間にすること、一日の拘束時間を最長十六時間以内から十三時間以内にすること、少なくとも七日に一日の休日を付与するべきであると考えます。勤務と勤務の間が八時間で運転者の安全が保たれるとお考えでしょうか。八時間では、通勤、食事、入浴等の時間を除けば、睡眠は僅か、すぐに寝付けたとしても四時間、五時間となる過酷なバス運転手の生活実態があります。  運転者の労働時間を定めた改善基準告示の具体的な見直しが必要と考えます。その検討に向けて、具体的なスケジュール及び方針について、石井国交大臣、お伺いいたします。
  74. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) バス運転者の労働時間を定めました改善基準告示がございますが、これは、自動車運転者の乗務の特性を踏まえまして、全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい拘束時間の制限や休息期間の確保等の規制の在り方について関係の労使の同意を経て作成、策定をされたものであり、自動車運送事業の実情を踏まえたものになっていると認識をしております。  国土交通省としては、まず、この基準の遵守を図るため、厚生労働省と連携しつつ、事業者への指導や悪質事業者への重点的な監査等によりこの改善基準告示の遵守の徹底を図っているところであり、引き続きバス運転者の長時間労働の改善を図ってまいりたいと存じます。  なお、休息期間は一日継続八時間以上とされていることと。これは裏返して言うと拘束時間が最大で一日十六時間ということになりますが、この中には仮眠等の休憩時間も含まれておりまして、かつこの十六時間となるのは日数も制限されております。拘束時間が十五時間以上は週に二回までという制限もございますし、そういったことを踏まえると、実質睡眠時間が四時間になるとは必ずしも言えないというふうに考えております。  以上でございます。
  75. 田城郁

    ○田城郁君 夢のような職場実態はありません。厳しい状況の中で運転を強いられ、そして事故が起きているということを十分御認識をいただきたいと思います。  国土交通省として、バス運行の根幹でもあるバス運転者の労働条件を見直すために、改善基準告示の改正に向けた検討会の設置を具体的に検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  76. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  改善基準告示につきましては、所管が厚生労働省ということになりますので、御指摘の点も含めて厚労省の方の検討がまず先に立つものと考えているところでございます。
  77. 田城郁

    ○田城郁君 時間がありませんので次に行きます。  中間整理の安全対策は安全確保のチェック体制の強化が中心ですけれども、中長期的には業界を育てるという視点も必要ではないかと思います。  国の支援による安全研修機関の創設を提案したいと思います。モデルとしては、ジェイアールバス関東が栃木県佐野市に平成二十五年六月に開設した安全研修センター、これを御紹介したいと思います。そこでは、高速バスタイプの訓練専用車を導入するとともに、経験豊富な指導運転員を常駐をさせて、新任運転者の養成を始め、全ての運転者に対する定期的な訓練を統一した基準とカリキュラムに基づいて実施をしております。  このような安全研修機関を創設して、自社で研修が困難な中小事業者などから積極的に希望を募り、運転者の教育訓練だけでなく、一定のレベルの教育を証明する認定証を交付するなど、運転者のキャリアアップに向けた取組を実施すべきだと思います。  特に、初任運転者に対しては、安全哲学と高速道路走行、夜間走行、雪道等の悪天候での走行という特殊性も加味した訓練が必要だと考えております。その上で、認定証の取得によって、バス運転サービスのエキスパートとしてどこでも認められるようになれば、若い人に目標を持たせることにつながり、疲弊する業界を支援することにもなるとも思います。  また、経営者の運転安全マネジメントの研修なども実施して、総合的な安全のための研修もできるものと思っております。経営者になったからといって突然バスに対する安全意識が高まるなどということはあり得ないわけです。国土交通省が実施している運転者の人手不足解消のための人材確保、育成の施策とも合致するとも考えます。  安全研修機関の創設を是非とも前向きに検討していただきたいと思いますが、国土交通大臣、いかがでしょうか。
  78. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 今回の軽井沢スキーバス事故におきましては、長年、大型バスの乗務経験が乏しい運転者が事故を起こしたバス車両に乗務していたことが問題となっております。こうした事実を踏まえまして、バス運転者の技量を確保する方策といたしまして、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理におきましては、新たに雇い入れた全ての運転者に対する適性診断の義務付け、また初任者及び事故を起こした運転者に対する実技訓練の義務付け等を速やかに行うこととされたところでございます。  現在、独立行政法人自動車事故対策機構等が全国の貸切りバス事業者等に対して運転者の運転特性を測定するための適性診断ツールを提供しているところであります。これらの機関の協力の下に、国といたしましても、バス事業者に対し必要な支援を行い、バス運転者に対する教育指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
  79. 田城郁

    田城郁君 実態はどうなのかということが問われているんだと思います。教える側のレベルアップも求められているのではないでしょうか。是非、安全研修機関の創設を前向きに検討していただければと思います。  次に、軽井沢スキーバス事故では、新運賃・料金制度では二十七万円のところを十九万円で受注されていたと報じられておりますが、キースツアーが取り扱ったツアー料金は一万二千三百円、一泊三日でそういう値段でしたね。このツアーは具体的にどのようなサービス内容だったのか把握をされているのでしょうか。一万二千三百円のうち幾らがバス事業者に支払われる金額であったか調査しているのでしょうか。調査していないのであれば、今回の格安料金の内訳についても事故対策の中で分析をすることが重要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  80. 田村明比古

    ○政府参考人(田村明比古君) お答えいたします。  キースツアー、この旅行会社でございますけれども、東京都知事登録業者でございますので、東京都の立入検査に同行して調査を行ったところでございます。今回のスキーバス事故当日のツアー、これ出発日で料金が違うのでございますけれども、スキーバス事故当日のツアーにつきましては、その夜発日帰り、あるいは一泊三日といったツアーが設定されておりまして、ツアー料金はそれぞれ最低価格が一万六百円及び一万三千三百円で設定されていたと承知しております。また、そのツアー料金には、バス代それからリフト券代、それからスキーとかスノーボードの板のレンタル代でございますとか、それから日帰り以外の旅行者については宿泊代も含まれていると承知しております。  今回のツアー料金のうちバス事業者に支払われる分につきましては、この調査の過程でおおむね六千円近かったというふうに聞いておりますけれども、今回の事故発生を受けて、現在、事業者間で精査中であるというふうに聞いております。
  81. 田城郁

    ○田城郁君 鳥鍋食べ放題というのも付いていたというふうに聞いておりますけれども、いずれにしても、このような低額の中で全てを満たす、あるいはバス事業者にも、あるいは宿泊施設にも、もちろん旅行会社にもですが、本当に利益がこれで上がるのかというような、業界全体が疲弊していく、そういうような料金体系なのではないかと思います。是正しなければいけないのではないかと思いますが。  中間整理において、検討に当たっての基本的な考えで、速やかに講ずべき再発防止として、旅行業者を含めた安全確保のための対策強化策、適正な運用が当然行われなければなりません。実効性のある貸切りバスの上限・下限運賃の厳格化とかそういうことですが、このような悲惨な事故が繰り返されぬよう、これも実効性が問われておりますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
  82. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 平成二十六年の四月に導入をいたしました現行の貸切りバスの運賃・料金制度は、人件費や車両の更新など安全運行に必要なコストを適正に運賃、料金に反映した制度となっております。  国土交通省といたしましては、貸切りバスの安全運行の確保のために、この運賃・料金制度に従って貸切りバス事業者による適正な運賃・料金収受が徹底されることが極めて重要と考えております。  三月二十九日に取りまとめました軽井沢スキーバス事故検討委員会の中間整理におきましては、速やかに講ずべき対策といたしまして、貸切りバス事業者と旅行業者間で取り交わす書類における運賃・料金の上限・下限額の明記、また、手数料等の確認、下限割れ運賃等の通報窓口の設置を行うこととされております。これらの対策を今年の夏までに実行に移すこと等によりまして、運賃・料金制度の適正な運用を図ってまいります。
  83. 田城郁

    ○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。  中間整理では、旅行業者や、いわゆるランドオペレーターの手数料について書面化を実施するというふうにとどまっておりますけれども、安全対策費がきちんと捻出できるように厳しく手数料の上限水準を設定すべきではないかと思います。  そもそも、ランドオペレーター、仲介業者、外国の方が多いので、そういう人たちがオペレーターが必要なのかもしれませんが、そもそも、旅行会社の中にそういうことも含めて業務が遂行できるような体制を取ること自体が私は必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  84. 田村明比古

    ○政府参考人(田村明比古君) バス事業者と旅行業者の間の手数料の収受、これは民間同士の商取引によるものでありまして、従来より認められているものでございます。そして、公正取引委員会の見解によりますと、その事業者間で自由に決められるべき手数料の水準が定率になるような指導をするというのは独占禁止法違反になるおそれがあるというふうに聞いております。  しかしながら、旅行業者が過大な手数料や様々な名称の金銭取引を求めた結果、下限運賃を割り、安全運行に回すべき収入を減少させる場合は、これは道路運送法違反になるというふうに考えております。  こうした手数料、それから閑散期の販売促進費等、様々な名称の金銭取引については、時期によって取引の額等も変わり得るものと認識しております。このため、検討委員会の中間整理では、両事業者間の取引全般の書面化の義務付けに加えまして、バス事業者が安全運行に回すべき収入を確保できているかを個別にチェックするために通報対応組織を設置することとしておりまして、両事業者間の取引関係の適正化に努めてまいりたいと考えております。
  85. 田城郁

    ○田城郁君 ランドオペレーターについては幾つか質問を準備しておりましたが、時間がもうありませんので割愛をいたしますが、最後に、関越ツアーバス事故、北陸道高速バス事故、軽井沢スキーバス事故など、乗客を巻き込んだ深刻な死亡事故の頻発は国民に大きな不安を与えております。その背景には、まさに規制緩和による過当競争と、それによる運転者の過労運転など、労働条件の悪化があります。労働条件の悪さ、過酷さから乗務員募集もままならず、運転手に過重な負担が掛かるという負の連鎖に陥っております。規制緩和が安全性の低下をまさに法則的に導いているのではないかとも言えます。  バスだけでなく、タクシー、トラックについてもこれは当てはまるわけであります。中間整理では安全確保のチェック体制の強化を図るようですけれども、国の厳正、厳格な監査体制も大幅に強化をしなければ実効性が疑われます。また、安全コストを増大させるだけでは業界の疲弊を加速させるので、私が提案をいたしました安全研修施設の創設やドライブレコーダーや各種安全装置に対する補助金の充実など、ソフト、ハード両面からの一層の国の支援が必要ではないでしょうか。バス事業者の体力の強化を図って、旅行業者との交渉力を引き上げることが必要で、最低車両数の大幅引上げなどの規制緩和の見直しこそが根本的な解決策と考えます。このまま規制緩和による過度な競争を放置すれば観光立国日本の推進の障害となる状況にも至りかねません。そのために、今こそバス、タクシー、トラック等自動車運送業全体の正常化のために、行き過ぎた規制緩和を見直す決断が必要であると考えます。石井国交大臣、いかがお考えでしょうか。
  86. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 貸切りバスにつきましては、平成十二年の道路運送法の改正によりまして需給調整規制の廃止を行いました。規制緩和の結果、サービスの多様化など、利用者の利便性向上という点で成果を上げているものと考えております。一方で、安全、安心なサービスの確保は、需給調整規制の廃止後においても最重要の課題であります。  今回の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理においては、最低保有車両数の引上げについて、安全性との因果関係に関するデータや安全確保のために必要な運行規模を踏まえつつ検討すべきであると、また、新たな要件に合致しなくなる既存事業者の扱いについて検討すべきといたしまして、引き続き検討すべき事項とされております。  これらの点を含めまして、事業参入の際の安全確保に関するチェックの強化につきまして、この中間整理を踏まえて引き続き検討を進めまして、本年夏までに総合的な対策を取りまとめ、具体的な対策を実施に移してまいります。
  87. 田城郁

    ○田城郁君 失われた命を無駄にしないためにも、実効性が問われています。よろしくお願いいたします。  質問を終わります。
  88. 河野義博

    ○河野義博君 公明党の河野義博です。  まずは、スキーバス事故に関連をいたしましてお伺いします。  スキーシーズン真っただ中の一月十五日未明、長野県軽井沢町の国道でスキーバスがガードレールを突き破って崖の下に転落をいたしました。乗員乗客合わせて十五人が亡くなるという痛ましい事故が起きました。石井国土交通大臣も、事故後すぐに現場に駆け付けていただきました。公明党の国土交通部会といたしましても、現場視察を行った後、悲惨な事故を二度と起こしてはいけない、こういう強い決意で関係者との協議、検討を行って、早期の原因究明とともに、再発防止に向けた具体的な提言をまとめまして、石井大臣にお届けをした次第であります。  提言の中では、車両の整備状況や運転手の技量などについて、検証を通じて事故の原因究明を早期かつ徹底的に行うということ、それとともに、被害者支援を適切に行うことが当面の最重要課題であるとした上で、現在も多くの貸切りバスが運行されており、政府として、このような悲惨な事故が二度と起こらないよう緊張感を持って早急に再発防止策を講じるべきという、そういう視点で五項目にわたって再発防止の申入れを行いました。  そこで、国交大臣に伺います。この公明党の提言、どのように受け止めていただきましたでしょうか。また、再発防止に向けた大臣の決意をお聞かせください。
  89. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 公明党の国土交通部会におきましては、事故発生直後から精力的に御議論いただきまして、速やかに提言をまとめられたことに敬意を表したいと存じます。  申入れにおきましては、ソフト、ハード両面から多角的な検討を行うこと、シートベルトの着用を徹底すること、貸切りバス事業者安全性評価制度の周知徹底を図ること、参入時、参入後の規制が現場の実態と合致しているかよく検証した上で必要な見直しを行うこと、下限割れ運賃の防止やランドオペレーターの在り方について早急に検討、実施すること等の基本的な考え方に基づき御提言をいただいたものと考えておりますが、これらの点につきましては、今般の事故に関し、監査等により判明した事実に基づく国土交通省の問題意識とも合致をしていると考えております。  国土交通省といたしましては、この申入れを真摯に受け止めまして、三月二十九日の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理に反映をさせていただきました。  引き続き、申入れの内容をしっかりと踏まえつつ、検討委員会におきまして夏に向けて総合的な対策を取りまとめ逐次実施に移すことによりまして、貸切りバスの安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
  90. 河野義博

    ○河野義博君 夏の最終取りまとめに向けて活用していただけるということでございました。  当局にお伺いをいたしますけれども、この具体的な申入れ、五項目、大臣の方から御紹介がありましたので私の方からは割愛をいたしますけれども、現在の対応状況、いかがでしょうか、お聞かせください。
  91. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  今回、国交省の検討委員会で取りまとめをいただきました中間整理は、平成二十四年の関越事故以降の対策を含むこれまでの安全対策を徹底的に再検証すること、関係事業者に法令遵守を改めて徹底し、悪質事業者には市場からの退出を含め厳しい態度で臨むこと、利用者の視点に立ち、ソフト、ハード両面の施策を多角的に講ずることといった基本的な考え方を示しているところでございます。  国土交通省としましては、こういった基本的な考え方の下、総合的な対策を取りまとめ、速やかに実行に移すことにより、貸切りバス事故の再発防止に万全を期してまいりたいと考えております。  具体的には、公明党から頂戴をいたしました申入れの内容に関しまして、シートベルトの着用徹底、あるいは貸切りバス事業者の安全性評価制度の周知、こういった措置につきましては、速やかに講ずべき措置として早急に取り組んでまいりたいと考えております。さらに、参入時、参入後の規制、あるいは下限割れ運賃の防止、ランドオペレーターの在り方の検討、こういった申入れも頂戴しておりますけれども、こういった事項につきましては、中間整理においては引き続き検討すべき事項とされているところであります。  これらにつきましては、夏の総合的な対策の検討会における取りまとめに向けて更に議論を深めてまいりたいと考えているところでございます。
  92. 河野義博

    ○河野義博君 具体的なお取組を御紹介をいただきましたけれども、項目の二番目で、まずはできること、シートベルトの着用、これ徹底させましょうというふうにお願いをしておるわけでございます。  私、よく高速バスを使って移動するんですが、事故直後、やはりバスの運転手さんから非常に強いアナウンスがあって、全員の点検、着用がしっかりなされているかというチェックはあったんですが、三か月しかたっていないんですけれども、今はもうさらっとアナウンスが出て終わっているというような状況もあります。これは、着用はあくまでお願いでなくて義務でありますので、しっかりと実効性が保たれていくように、喉元過ぎて熱さ忘れるじゃなくて、ずっと続けていかなければならない、まずはできることというのもしっかり足下あると思いますので、引き続きの御指導をお願いしたいと思っております。  続きまして、交通安全の担い手ということで、自動車整備士を取り巻く環境、様々な課題について伺いたいと思っておりますけれども、交通安全の最前線の担い手として自動車整備士が存在をいたします。少子化や若者の車離れによりまして、自動車整備士を目指す若者は激減をしております。自動車整備専門学校への入学者数はこの十年で半減しました。整備員の高齢化も着実に進展をしておりまして、近い将来、車社会の安心、安全に直結するこの最前線の自動車整備、この人材不足が顕在化するという可能性が極めて高いわけでありまして、整備業界は従業員十人以下の企業が約八割、大規模な採用というのは困難な状況にありまして、しかも約半数の整備事業者では、アンケートの結果、整備士が不足しているという回答も出てきております。  ここで国土交通省に伺いますけれども、整備士の確保に向けた現在の取組、これ、具体的な取組を教えてください。
  93. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  平成二十六年度に業界団体が実施した調査におきましては、先ほど委員御指摘のとおり、約五割の事業者が整備士の不足、さらには、一割の事業者はそれによって事業の運営自体に支障を来していると、そういった回答を得ているところでありまして、整備士の人材確保は非常に緊急な課題であると認識をしております。  私どもとしましては、自動車関係団体と協力をいたしまして、平成二十七年度におきましては、全国六百四十二校の高等学校に運輸支局の職員が訪問をし、整備士の重要性や魅力について説明をする活動、あるいは小中学生を対象とした整備の仕事の体験のイベント、あるいは女性や若者向けのポスターによるイメージ向上、そういった取組を進めているところでございます。  また、昨年六月、省内に自動車整備人材の確保・育成に関する検討会を設置をいたしまして、自動車整備士の労働環境、待遇に関する実態調査を実施をいたしました。この実態調査におきましては、ほかの業種と比較をいたしまして、給与に関する満足度の低さ、あるいは労働時間が長い、休日が取りづらい、こういったことについての実態が明らかになったところでございます。  今後、労働環境や待遇の改善、あるいは技能向上や育成、あるいは女性の活躍の場の拡大などにつきまして先進的な取組事例を業界全体で共有するなど、実効性のある対策を検討し推進することによって自動車整備士の確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  94. 河野義博

    ○河野義博君 実際に運輸支局長が高校を訪問して自動車整備士の魅力を説明していただくと、これを昨年度、平成二十七年度、六百四十二校やっていただいたと。実際に訪問して生の声を聞くというのは非常にいい機会だと思っておりまして、このお取組、引き続き是非続けていただきたいなと思いますし、パンフレットも作っていただいて、非常に出来栄えのいいものになっていますが、ちゃんとこれが届いているのか、これが役に立っているのかというのは一つ検証していかなければならないんじゃないかなと思います。  こういった各論の取組というのは非常に進んでおりまして、感謝を申し上げる次第でありますが、先ほどお話にもありましたように、給料は他業種と比べても決して低くはない、中間的なものだというふうに位置付けられておりまして、この自動車整備士という資格、国民の生命と安全を確保して、安全で快適な交通社会を実現するという社会使命を負っている国家資格でありまして、この資格を取れば安定した生活が送っていけるんだということを広く周知する必要があると思いますし、真面目に働けば安定した生活ができるんですよということ、若者にここを目指してくれというふうに言うには、やっぱり、自動車産業全体として取り組んでいかれるべき課題ですが、しっかりと国としてもサポートして、担い手確保、引き続き取組をお願いしたいというふうに思います。  次に、未認証工場、無車検車、無保険車の対応状況に関して伺います。  これは、昨年三月の国土交通委員会でも私取り上げさせていただきました。様々これも、国交省、予算も付けていただいて、至極力を入れてやっていただいているんですけれども、改めてこれまでの取組とその成果に関して教えてください。
  95. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。  まず、未認証工場でございますけれども、地方運輸局長の認証を受けずに分解整備を行う未認証工場、これが車検の代行業務を行いまして、車検を依頼したユーザーに適切な整備が実施されたという誤認を与えてしまうと、そういった問題が生じていると認識をしております。  平成二十六年度より行っております車検のユーザーに対するアンケートにおきましては、約五割の車検代行のユーザーが車検代行業者を整備工場だと誤認をしているという、そういう結果が出ているところでございます。  国交省としましては、こういったアンケート結果などを基にしまして未認証の工場に対する指導を行い、その結果、平成二十六年度には九十四の工場に対して新たに認証を受けさせたというところでございます。引き続きこういった取組を進めまして、未認証工場の減少に努めてまいりたいと考えております。  次に、無車検・無保険車でございます。  無車検・無保険車につきましては、安全環境上の問題があるのみならず、事故の被害者に適切な補償がなされないために、車社会の安全、安心を確保する上でその排除が極めて重要であると考えております。  国土交通省としましては、道路に設置をしましたナンバープレートの読み取り装置、これによりまして、平成二十六年度には無車検・無保険車計五百八十八台、これが路上を走っているということを捕捉をしたところでございます。  その上で、車検が切れている自動車ユーザーへの注意の喚起、さらには、ガソリンスタンド、整備事業者など外部の協力者からの通報窓口の設置、より視認性の高い検査標章、車に車検が済んだということを示す標章でございますけれども、これをより見やすいものとする、そういったものを導入するということ、こういった対策を講ずることによって無車検車、無保険車の排除を引き続き進めてまいりたいと考えているところでございます。
  96. 河野義博

    ○河野義博君 代行業者に車検をお願いした人の半数がこれは認証工場だと勘違いしているという調査結果も明らかになっておりますので、これ引き続きの周知徹底が必要だと思っています。  無車検車、無保険車の調査に関しましても、昨年度に引き続いて今年度も、わざわざカメラを設置して、そこで何十万台と撮影をして、その中から抽出をしますと。これ、取組としては正しいと思うんです。正しいと思うんですが、一方で、今あるデータをなぜ使わないんでしょうかという、昨年もこれ提案を申し上げた次第ですが、ナンバーの自動読み取り装置というのはそこらじゅうにありまして、一般道でも高速道路でもカメラいっぱいあるわけですが、なぜそのデータを使わないんでしょうか。取締りに使えない理由を教えてください。
  97. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。  道路管理者が全国の道路に設置しているカメラ、これは道路状況の迅速かつ的確な把握を行うために設置をされているというふうに承知をしているところでございます。  ナンバープレート情報を含むカメラの映像につきましては、個人情報保護法に基づく個人データに該当するおそれがございます。カメラを保有する道路管理者がこの映像を提供するということについては、そういった観点から慎重な取扱いが必要だという点が一点ございます。  また、仮にカメラの映像より通過車両のナンバーを読み取り、運転者を特定するための写真撮影を行えるようにするというためには、システムの大幅な改修が必要になると、こういったことも一つ問題としてはございます。  国交省といたしましては、これらの課題につきまして引き続き検討を進めてまいります。その上で、無車検車を効率的に捕捉できるように、現在無車検車対策に使用しているナンバー読み取り装置の設置場所や設置時間、これをできる限り充実をさせまして、引き続き無車検・無保険車の排除に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  98. 河野義博

    ○河野義博君 個人情報は確かに大事だと思います。一方で、無車検車、無保険車が高速道路を走っているという状況を看過していいのかと。しかも、データはあると。システム改修が必要だということであれば、システム変えれば使えるわけで、引き続き前向きな検討を是非お願いしたいと。各地でわざわざカメラを付けてやることも大事なんですけれども、今あるところを有効に活用するという視点も大事じゃないかなというふうに考えております。  次に、車検時の納税証明書、これ軽自動車の納税証明書、車検場にて普通車でしたら取得できるんですけれども軽自動車は取れない、何とか中で取れるようになりませんかという従来から要望があったわけで、これも昨年質問させていただきましたところ、普通車に関しましては自動車保有関係手続のワンストップサービスシステムというのがあります、ここに軽自動車ものせることを検討します、それによって手続簡素化させるように検討しますという御答弁を昨年、前向きな御答弁いただいておりますが、その後の検討状況を教えてください。
  99. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。  軽自動車保有関係手続のワンストップサービスにつきましては、国土交通省が昨年一月に策定した自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョンにおきまして、早ければ平成三十一年からの導入を目指すということで検討を進めることとされているところでございます。  このため、軽自動車の検査を行う軽自動車検査協会におきましては、本年二月に、有識者あるいは国土交通省を含む関係省庁、関係団体から成る検討会を設置し、軽自動車ワンストップサービスの対象とする手続、あるいはそのシステム構成などについて具体的な検討を開始したところでございます。  議員御関心の継続検査における納税証明書の提示省略、これはシステム整備に要するコスト面あるいは各市町村の意向、こういったものを踏まえながら検討を進めるということになっているところでございます。  この軽自動車ワンストップサービスの導入によりまして自動車ユーザーの負担軽減を図る、これをなるべく早く実現するというために、国交省としましても、登録車、一般の乗用車を対象としたワンストップサービスに係る知見を生かしながら、関係省庁とも協力して軽自動車検査協会における検討を支援してまいりたいと考えているところでございます。
  100. 河野義博

    ○河野義博君 ありがとうございました。  全てやってくださいと言うつもりもなくて、局長おっしゃるとおり費用対効果も非常に大事な観点でございますので、平成三十一年に向けて引き続き検討を進めていただきたいというふうに思っております。  テーマを変えまして、航空機事故に関して今度は伺います。  昨年来、小型飛行機の墜落事故、またグライダーの事故、こういった事故が相次いでおります、残念なことでございますけれども。小型機に関しまして、保険付保、これはどのように制度としてなっているのか、教えてください。
  101. 佐藤善信

    ○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。  航空機について保険を付保するかどうかということでございますけれども、まず、いわゆる事業用機、航空運送事業者や航空機使用事業者につきましては、その事業許可に際しまして、締結する保険契約の概要についての説明を求めまして、事故の際に必要となる損害賠償のために適切な保険契約が締結されていることを確認をしてございます。  一方、自家用航空機につきましては、保険への加入というのは自らの判断に委ねられておりますけれども、保険会社の協力を得て私どもがこれまでに行った調査の結果によりますと、実態としてはほとんどが保険に加入しているというふうに承知をしてございます。
  102. 河野義博

    ○河野義博君 実態としてはほとんど加入しているんだけれども、制度上義務化されていないというのが自家用でございます。それが、小規模な飛行場というのは往々にして住宅地に近いケースがある、近傍を飛んでいるというのは非常に今不安に思う、私もその一人なわけですが。  事業用と同じく十分な保険が掛かっているということを前提に飛行機飛ばせるようにしてはどうかと思いますけれども、御見解いかがでしょうか。
  103. 佐藤善信

    ○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。  昨年の七月に発生をいたしました調布市での小型の自家用航空機の事故を受けまして、航空局では、自家用航空機に係る適切な航空保険への加入を奨励、指導しているところでございます。  具体的には、二年ごとのパイロットの特定操縦技能審査の機会を捉えまして、操縦技能審査員を通じて適切な航空保険が付保された航空機に搭乗することを呼びかけることとし、操縦技能審査員に対しては定期講習の機会にその旨を周知しております。  加えまして、昨年来、小型航空機による事故が目立って発生しておりますことから、今般、国が管理する空港につきましては、自家用航空機が空港を利用する際に、航空保険加入の有無を確認することで自家用航空機が無保険の状態で飛行することのないよう措置するとともに、自治体など国以外の主体が管理する空港につきましても、同様の措置が講じられるよう指導してまいりたいと考えております。
  104. 河野義博

    ○河野義博君 非常に前向きな答弁をいただきました。感謝申し上げます。  国管理空港はしっかりやっていきますと、同様の措置を県その他の管理空港にも求めていきますということでありました。  保険の内容、航空機に関しては多岐にわたると思います。物損、それから人のけがや死亡保険、そして第三者賠償、また事業の損失を補填する保険などなど様々ありまして、一つは、やっぱり入れ入れと言うだけではなくて、どんなものに入ったらいいのかというところもひとつ検討していく必要があるのではないかなと思いますので、引き続きの御検討をお願いをいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  105. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  106. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、基礎ぐい工事問題及び軽井沢スキーバス事故等に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  107. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  くい打ちデータ偽装、流用問題に関わって質問をいたします。  本年一月には、国交省は、関わった三社に対しまして、一次下請の日立ハイテクノロジーズ、二次下請の旭化成建材に営業停止十五日の業務改善命令を下し、また元請の三井住友建設は業務改善命令と指名停止一か月の処分が下りました。本来であれば、ほか二社を代表する方々にも委員会として話を聞く必要があったと思いますけれども、今日は旭化成と旭化成建材のお二人に来ていただきましたので、外部調査委員会の中間報告が提出をされておりますので、まずそのことに関わってお聞きをしたいと思います。  報告書では、敷地の地中には残存くいがあったということが報告をされております。また、従前に存在をしていた建築物がどのように解体をされ、どのようにくいを抜き、どのような処理をしたのかなどの情報は元請の三井住友建設から知らされていなかったという報告がされております。  旭化成建材に聞きますが、通常、そのような場合は、元請の三井住友建設から知らされるのが当然だと思いますけれども、どうですか。
  108. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) お答えします。一般論も含めてお答えさせてください。  一般的には、既存ぐいの処理がくい工事に影響があると設計者が認識されている場合は、既存ぐいの情報を持っている元請業者様から情報開示がなされ、撤去後の埋め戻しの方法、あるいは新規打設ぐいの支持力への影響等について相談を受けます。  先生の御質問でありました本件に関しましては、当時の状況を知る者へのヒアリング結果では、既存ぐいの情報はいただけておりません。
  109. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 情報もなかったし相談もなかったということであります。この点、元請の三井住友建設の責任は私は重要だというふうに思います。  この中間報告にはこうも書かれております。工事日報には、掘削作業の過程で地中障害が見付かり、設計上のくいの打設箇所を変更している箇所が比較的多く見られると、こういう記述があるんですけれども、このことに関して旭化成建材の皆さんは三井住友に相談をされましたでしょうか。
  110. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 当時の現場を知る者から聞きますと、確かにくいを打つ位置を変えたというような結果、日報等は聞いておりますけれども、どのような形で元請様の方に相談をしたかということの詳細までは、申し訳ございませんが、今私、承知しておりません。
  111. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 関わって聞きますが、三井住友建設は、地盤調査の結果を踏まえて、くいの打設場所、各くいの長さ、各くいの仕様等を決定をしたわけでありますが、この判断の是非については旭化成建材としてどのように考えておられますか。
  112. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 一般的には、支持層の傾斜などの問題がございますれば、設計者、元請業者から何らか指示されるが、当時はそのような情報の伝達はございませんでした。現時点で把握できている情報、これを当時得られておれば、くい打ち業者として、西棟、傾いていると言われる西棟の支持層が急傾斜していることが想定されるエリアについては更なる追加の地盤調査等の必要性を元請様と協議できていたかもしれないと今現在では思っています。
  113. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 そう考えますと、様々な情報を隠し持っていた元請の三井住友建設の責任は重大だと私は思いますし、もう一つ確認をしますけれども、仮に今後、様々な情報が工事の過程によって、先ほどの工事日報の件もありました、いろんな障害があったということもありました、そういうケースの場合はきちんと元請に相談をするということを徹底するということでよろしいですか。
  114. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 先生の御質問のとおり、今後そういうふうに改めてまいります。
  115. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 ですから、三井住友の責任と、そして当時それをしていなかったやはり旭化成建材の責任も同時に問われなければならないというふうに思います。  次に、工法の問題を指摘をしたいと思います。  大臣認定制度は二〇〇〇年の建築基準法改悪に伴って新しく設けられたものであります。この大臣認定を一度取得をいたしますと、対象土壌など適用範囲が同じであれば現場での載荷試験とその図書、書類を省略することができるというふうになっております。大臣認定以外の工法を使うということになれば、現場で載荷試験を行う必要が出てまいります。この大臣認定の対象土壌にはれき質、砂質、粘土質、この三種類があります。  確認しますけれども、都筑区のこのマンションは粘土質に当たる土丹層ということが分かっておりますけれども、旭化成建材が工法として使用したダイナウイング工法はこの土丹層、つまり粘土質での大臣認定は取っておりません。なぜ大臣認定を取らなかったんですか。取っていれば現地での載荷試験は必要なかったわけですね。土丹は難しいという認識があったんじゃないですか、どうですか。
  116. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 御指摘のとおり、対象として土丹層は対象にしておりません。  マーケットとして見たときに、関東であれば支持地盤は砂質地盤、それから砂れき地盤、この二つが圧倒的に多く、この二つの地盤での認定を取得すれば商売上のマーケットは相当広がるという考えの下にこの二つを対象として取りました。そういう意味では、土丹層というのは関東エリアで相当に少ない地層でございますので、これは対象としませんでした。
  117. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 マーケットが小さいから取らなかったということであります。しかし、現実の施工では土丹層をこの大臣認定を取っていないダイナウイングで施工をしたということには変わりありません。ここに、本当にこの工法を使用することが正しかったのかという疑義が生まれてくるわけでありまして、もちろんこの工法をすると決めたのは三井住友建設でありますけれども、その工法の過程でどういう施工がされたのかというのも指摘をしていきたいというふうに思います。  このダイナウイング工法、プレボーリング拡大根固め工法といいますけれども、一般の埋め込みぐいと比べていわゆる根固め部が担う役割は非常に大きいと言われております。  日本建設業連合会や地盤基礎専門部会の提案でも、この根固め部の拡底部に焦点を当てた品質管理方法が求められると、こう記述をしております。  具体的に聞いていきますけれども、この根固め部について、この日建連は、特に土丹などの硬質粘土地盤では強度低下を招きやすく、速く掘削すると大きな土塊、土の塊となるため、細粒化するために掘削速度を落として羽根切り回数を増して、そして根固め液は注入量を増やして置換率を大きくする、そういうことをする必要があると、こう書いてあるんですが、旭化成建材に聞きますが、これは土丹層ということは分かっていたわけでありますから、このような回転数を増やして根固め液は置換率が大きくなる注入方法を採用したんでしょうか。
  118. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 一般的に根固め部の強度がくいの支持力を発揮するために重要であるということは十分私ども認識しております。根固め液注入前に十分な支持層攪拌を実施し、健全な根固め部の築造、この対策を講じております。  本件、横浜のマンションにおきましても、土丹層においてはより丁寧に十分にこの攪拌をじっくりと実施するように指示しておったという現場のヒアリング結果も出ております。  以上でございます。
  119. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 十分にじっくりというのは、一般的な工法よりもどれぐらい十分にじっくりやったということなんでしょうか。
  120. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 申し訳ございません。数値で表せるデータを私、今持っておりません。
  121. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 ですから、口頭で指示しただけで、本当に実際にそういう工法でやったのか、十分にやったのかということは分からないということであります。  二〇一二年の日本建築学会技術報告書にはこうもありますね。根固め部のソイルセメントの強度が低いと、くい先端から地盤への力の伝達が十分できず支持力低下が生じる、根固め部の強度低下に最も影響する要因の一つに支持基盤の細粒分がある、この細粒分を含むと根固め部のソイルセメントの強度が低い傾向が見られると。この細粒分というのは、粒径が〇・〇七五ミリ未満の土のことでありまして、つまり粘土のことであります。  確認しますが、この細粒分について、ソイルセメントの強度が低くなるという認識は当時ございましたでしょうか。
  122. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 施工しましたのが二〇〇五年の時期だと思いますので、当時その認識を持っていたかどうかというのはちょっと、申し訳ございません、定かでございません。
  123. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 つまり、このダイナウイング工法は粘土質の大臣認定も取っていない、そして、この載荷試験のときはそういう認識が、例えばソイルセメントの強度が低くなるんじゃないかという認識も定かではない、羽根の回転数を増やして根固め液の置換率を大きくなる注入方法、それを本当にしたかどうかも明らかでないと、こういうことであります。  確認しますが、この慣れない工法が今回のマンションの傾きに影響を与えたと考えませんか。
  124. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 私どもでは、今現在、これがゆえのマンションの傾きというふうには思っておりません。現地で行われている調査の結果を踏まえて判断したいと思います。
  125. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 根固めのありようについては、今後調査の中で明らかになっていくことだというふうに思います。  大臣認定制度について改めて確認しますけれども、これは政府に聞きます。この拡大根固め工法は支持層での土質が決定的になります。粘土といいましても、一つ一つの土質は現場で違ってまいります。大臣、確認しますが、このプレボーリング拡大根固め工法において、粘土質地盤の大臣認定を取得したものが幾つあって、そのうちこの土丹で載荷試験を行った認定工法は幾つありますか。
  126. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 基礎ぐいの支持力については、一つは国土交通省告示で示された算定式を用いる方法、二つ目には各建設地の実況に応じた試験による方法、三つ目には支持層の地盤の種類に応じて大臣認定を受けた算定式を用いる方法のいずれかにより算定することが求められます。  大臣認定では、支持層である先端地盤を砂質地盤、れき質地盤、粘土質地盤、腐植土地盤の四種類に分けて行っており、地盤の種類ごとに試験で確認された支持力を上限に認定を行っております。そのうち、粘土質地盤を先端地盤とし埋め込みぐい工法であるものは十七件認定されております。また、粘土質地盤のうち、いわゆる土丹、一般に硬い粘土質地盤でありますが、この土丹について載荷試験を実施し認定を受けたものは二件となっております。
  127. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 土丹で行ったのは二つしかないんですね。ですから、先ほど日建連からも、土丹などの硬質粘土地盤では強度低下を招きやすいという指摘があるわけであります。  これでどうやって正確な性能評価をするんだと。二つしかしていないわけですよ。そもそも大臣認定制度そのものが試験や審査を簡略するためのものでありましたけれども、この規制緩和が安全を脅かしていると言われても仕方のない状況だというふうに思います。  この載荷試験の在り方について、もう少し掘って聞きたいと思います。不可解なのは、くい打ちの着工は二〇〇五年の十二月二十七日であります。そして、この載荷試験で支持力を確認したのは翌年、二〇〇六年の一月二十六日であります。載荷試験より前にこのくい打ち工事が始まっていたということであります。くい工事が完了したのが二〇〇六年の三月十日であります。また、載荷試験の報告書が提出されたのがその後の三月二十三日ということであります。検査機関である日本ERIにこの検査済証が交付されたのは二〇〇五年の十一月二十八日ですから、これ、載荷試験の結果を見ずして確認済証というのが交付をされているということでありますけれども、国交省、これ、こんなこと許されるんですか。載荷試験は事後チェックでよろしいんですか。
  128. 由木文彦

    ○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  横浜市都筑区のマンションにおきましては、設計時には安全側の数値で基礎ぐいの支持力を設定いたしまして、その妥当性を施工時の載荷試験により確認をするという手法が採用されております。具体的に申し上げますと、設計時には、過去にこの工法を別の地盤において用いた際の載荷試験の実績等を踏まえまして、基礎ぐいの支持力を安全側に設定して設計をいたしております。建築確認の申請時には施工時に載荷試験を改めて行い、支持力の確認を行うことということを設計図書に明示をした上で申請がなされ、確認がなされております。  実際に行われました施工時の確認につきましては、工事の初期に敷地内で施工いたしました試験用のくいを用いて載荷試験を行いました結果、設計時の想定を上回る支持力が確認をされております。また、こういった試験を実施した妥当性につきましては、指定確認検査機関によりまして中間検査がなされた際にその妥当性が確認をされているところであります。  以上のような点から照らしまして、特に建築基準法上の問題はないものというふうに考えております。
  129. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 これ、とんでもない話だと思いますよ。安全側の数値入れているから大丈夫なんていう話にはなりません。姉歯の構造計算偽造事件を国交省が明らかにして、建築確認申請の在り方が問われたのがまさにこの二〇〇五年の十一月なんですね。にもかかわらず、事後チェックを認めているということであります。  この規制緩和、二〇〇一年以前であれば、これ、工法ごとに告示で決められた係数から算出された支持力で計算をするか、それ以上の支持力での計算を望むならば一々載荷試験を行って実際の数値を算出することが必要でありました。  この載荷試験は大臣の認定を取得する必要がまずあって、この結果を待って建築確認申請をする必要があったと。これ、間違いないですね。イエスかノー。
  130. 由木文彦

    政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  平成十三年以前は支持ぐいの支持力を算定する方法は現在と違っておりまして、通常は、現在とこれは同じでございますけれども、告示で算定式を用いる方法と、それからくいの載荷試験の結果に基づき大臣が認めた数値を用いる方法、通常はこの二つの方法により行われております。  ただ、くいの周辺に軟弱な地盤がないという場合に限っては建設地での載荷試験に基づく数値を用いることが認めておりましたので、その場合には、限定的ではございますけれども、本件と同様に、設計時には安全側の数値を設定して、その妥当性を施工時の載荷試験により確認することができたという道も、一部ではございますが残っておりました。
  131. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 ですから、基本はまず大臣の認定をもらわないと確認申請もらえないということなんですよ。  大臣認定制度というのは、指定性能評価機関において一定の性能を有していることのお墨付きを与えて図書の省略を許すものでありました。一方で、認定工法以外のものは載荷試験で支持力を確認するから安全だと、ここでお墨付きを与えるものであります。しかし、政府の説明であれば、大臣認定工法以外でも載荷試験の結果を待たずに建築確認申請ができて、工事の実施も可能だと。私は、これこそ安全軽視の規制緩和だと、運用だと言わなければならないと思います。  大臣、本来は載荷試験の結果を付して建築確認申請することが望ましいと考えないんですか。
  132. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 各建設地の実情に応じて基礎ぐいの支持力を設定する場合には、敷地の状況等により可能な場合には設計前に載荷試験を行うことが望ましいと考えております。しかしながら、土地の権利関係の移転や既存建築物の撤去の時期などの関係上、載荷試験を設計前の段階で行うことが困難な場合もあることから、法令上、載荷試験の時期については特に規定をしておりません。  載荷試験を設計前に行わない場合でありましても、設計時に過去にその工法を別の地盤において用いた際の載荷試験の実績等を踏まえて安全側の数値を設定して設計を行った上で、確認申請時には施工時に載荷試験を行い支持力の確認を行うことを設計図書に明示し、工事の初期に実際に敷地内で施工した試験用のくいを用いて載荷試験を行い、設計時の設定を上回る結果を得た上で、その載荷試験の妥当性について中間検査等において確認された場合には、建築基準法上の問題が生じるということはございません。  なお、仮に載荷試験の結果、設計時に設定した支持力を下回った場合には、載荷試験で確認された支持力により構造計算をし直し、必要に応じてくいの本数の追加等の設計変更を行うことになります。
  133. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 時間が来ましたけれども、途中で載荷試験をして構造計算やり直してくいの本数変えるなんて、そんな大変なことなかなかできないですよ。やっぱり安全第一で考えて、載荷試験をきちんとやらせる、それで確認申請やらせると、そういうことにしなければならないというふうに申し上げて、私の質問を終わります。
  134. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 おおさか維新の会の室井邦彦です。  参考人の方々には、今日は本当に御苦労さまでございます。よろしくお願い申し上げます。  早速質問に入りますが、私はこの建物の安全性の確認について再度お聞きをいたします。重複いたしますけれども、御理解のほどお願いをいたします。  まず、くいの到達に関して、三井住友建設は、地盤調査を行ったときに、六本未達、そしてさらに二本根入れ不足と判明したとしている一方で、旭化成建材は、同社のくい工事管理者、全て支持層に達したと、このように証言されておりまして、元請である三井住友建設と下請でくい工事の管理会社である旭化成建材の認識が、食い違いが見られているわけであります。  そこでお伺いするんですが、基礎ぐい工事でくいはきちっと支持層まで到達していたのか、現時点での旭化成並びに旭化成建材の御認識をお伺いをまずはいたします。
  135. 小堀秀毅

    ○参考人(小堀秀毅君) では、お答えさせていただきます。  午前中の質疑でもお答えいたしましたが、先般、三井住友建設様から簡便な調査方法であるスウェーデン式サウンディング試験の調査結果をもって支持層にくいは届いてはいないんじゃないかと推定されるという御指摘がございました。これは、着工前、ボーリング調査ということで、深い地層まで調査できるボーリング調査ですね、この調査をもってくいの長さ等も全部判断をしたということで、我々はそれに基づいて着工をやらさせていただいております。  その試験方法の違う方法での今回は判断であったということで、我々はくいの実態がどうなっているのか事実をしっかり確認するということが必要であろうということで、改めてもう一度正確な状態が判断できるであろうと思われるボーリング調査においてくいの実態を調査していただきたいということをお願いしたということでございます。  今現在、横浜のマンションについては、くいの実態の調査をボーリングという試験を通じて行われているという状態でございまして、到達しているかどうかということはその結果を待ちたいというふうに思っております。  以上でございます。
  136. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 旭化成建材も同じ意見でございます。
  137. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 では、お聞きいたしますけれども、旭化成は横浜のマンションの傾いたという原因はどのように理解をされているのか、その点を確認させていただけませんか。
  138. 小堀秀毅

    ○参考人(小堀秀毅君) お答えいたします。  やっぱり原因というものは、やっぱり現場における一つ一つの事実の確認、その確認を関係者がしっかり共有していくということが物すごく大切なことだというふうに私は考えております。  そういう意味では、やはりその原因を突き止めるには、くいの実態がどうなっているのかということをやっぱりしっかり確認し、関係者でその事実の内容を共有すると。そのくいの状態をベースに建物の全体の安全性がどう担保されているのかという、ステージを上げてステップ、ステップで確認していくことが重要ではないかというふうに思います。  現時点では、くいの状態がまだ調査中ということであり、我々はその原因についてはまだ判断できる段階ではないというふうに考えております。  以上でございます。
  139. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 このマンションの傾きが発覚、民民同士での話合いでごたごたやっておられたというのは平成二十六年の十一月というふうに聞いておりまして、その後、横浜市との話が出てきたと、対応されていると、後は二十七年にいよいよ国に報告されたという順序で、平成二十八年の二月九日、今日まで一年四か月強の時間が流れているわけであります。  そういう中で、いろんな各社がいろんな記事を書いておりますので、私も非常に、今それぞれのトップの方々の懇切丁寧な、くい打ちの状況というのは非常にこれは人間にとっても命みたいな、心臓みたいな部分でもありますし、その件については素人ながらでもいかに重要な部分かというのは私も理解をしておりますし、もちろんプロのあなた方はそれ以上のことは理解されておられるはずでありますが、このくい打ちの現場で、要するに、現場責任者がこのデータの取得に失敗した際に、他のデータを流用して施工報告書の体裁を整えて提出していたということが考えられるというように、各社がそのように書いているわけでありますけれども。  また、この旭化成の社内の調査に対し、複数の現場責任者がデータの取得失敗を元請に相談したときに、何とかしろと言われたと。この何とかしろというのはどういう意味なんでしょうか、お答えできたらお答えしていただけませんか。
  140. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 申し訳ございません。適切な表現がちょっと見当たりません。恐らく取り繕えということかもしれません。分かりません。  取り繕えという意図でおっしゃったのかどうか、ちょっとそこは分かりませんけれども。
  141. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 まあそういうことなんでしょうね。  しかし、これ、お勤め人、サラリーマンの方ばかりじゃなく商売人の方もそうでしょうけれども、こつこつとためて一生の住まいを購入するんですよ。それなのに、これから申し上げますけれども、持家、自分の家を持つということは人生の最大の仕事ですよね。そして、あなた方は誇りを持って、そして責任感を持って、難しいことは何もないんですよね。ただ、ルールを守るということであればこんな問題は全然出てこないんだけれども、その一流会社の社員がルールを守れないという、非常に言葉が私も、今日は質問しなくちゃいけないけれども、言葉が見当たらない。そして、いろいろとそれぞれ皆さん方で対策を講じておられます。難しいこともたくさん書いておられるけれども、幾らこんなものを書かれても、最終的にはルールを守るという原則、これがないと駄目なんですよね。  そこで、ちょっと脱線しましたけれども、今、そのあなたの答えに対して、理解はできないけれども、一応議事録にもきちっと書かれますので、それでいいと思います。  じゃ、次の質問に入りますが、この旭化成建材によるデータ流用があった三百六十件の物件、その安全性についての確認、全ての物件で完了しているのか、まず、ほかの先生方からも御質問があったかと思いますけれども、改めて全ての物件で完了しているのか、確認をさせていただきます。
  142. 由木文彦

    ○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  データ流用が判明いたしました三百六十件のうちこれまで三百五十七件で調査が終了し、その全てで安全性の確認がなされております。したがいまして、残りは三件ということでございます。  これにつきましては、午前中に山本副大臣からの御答弁申し上げましたとおりでございますが、この三件につきましては、いわゆる横浜の都筑区のマンション一件と、それから、現地確認の調査方法につきまして住民の了解を得ることに時間を要している分譲マンションが二棟ございます。この二件の合計三件が、まだこれから確認をしてまいるものということでございます。
  143. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 確認は丁寧に慎重にやらなくちゃいけないんですけれども、どのくらい、どうなんでしょうかね、時間的に掛かるんでしょうか、最終的に答えが出るというか。
  144. 由木文彦

    ○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  まず、横浜のマンションにつきましては、午前中の質疑でもございましたように、事業者の方から横浜市に対する回答の期限を延ばしてほしいというお話が出てまいっておりまして、六月の初頭になるのではないかということでございます。  それから、残っております分譲マンションにつきましては、引き続き施工者の方で粘り強く所有者の方と交渉していただいておりますので、所有者の理解が得られれば速やかに調査に入っていただいて、安全性の確認を行っていただけるものというふうに考えております。  以上でございます。
  145. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 では、続いて質問いたします。  この基礎くいデータの不正問題を踏まえて、旭化成並びに旭化成建材は業界にもちろん先駆けて再発防止に取り組んでいくということが当然でありますが、国のこの基礎ぐい工事問題に関する対策委員会による中間取りまとめ報告における総括を二月九日の旭化成の社内調査委員会で中間報告書にどう反映させていこうとしているのか、どう反映させたのか、お聞きをしたいと思います。
  146. 小堀秀毅

    ○参考人(小堀秀毅君) お答えいたします。  基礎ぐい工事問題に関する対策委員会による中間取りまとめ報告書、この内容について、安全・安心と信頼、業界の風潮・風土、個人の意識、建設工事に関わる者の責任体制等の論点において基本的な考え方が統括されているというふうに思っております。その内容につきましては、大変的確な内容が御指摘されており、我々にとっても大変参考になるものでございました。  その内容を参考にしながら、当社の社内調査委員会においては、中間報告書の中において、施工データの確実な取得・管理、適切な管理体制の構築、技術者倫理・コンプライアンスに関する教育の実施等の再発防止策が検討、提言されているというふうに理解しております。
  147. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 続いて、もう少し深くその件についてもお伺いしたいんですけれども。  この国の中間取りまとめ報告書に示されている、五つ基本的な考え方、論点があるわけでありますが、設計と施工の論点についてでありますけれども、旭化成建材は現場に即した明確なルールの下で適正な施工管理体制を今後どのように構築していこうとして考えておられるのか、お聞かせください。
  148. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) お答えいたします。  私ども旭化成建材としましては、元請様の総合的な建物品質の管理の下、くいを適切に施工し、性能を確保すべく十分な能力を備えたくい工事管理者、これを育成、配置するとともに、個々の現場における施工管理、品質管理、施工記録作成が適切に行われていることを確認し、会社として性能を保証できる仕組み、これを構築していきたいというふうに思っております。  もう少し踏み込んでお話ししますと、その品質保証の仕組みとしては、社長である私をトップとする品質マネジメントシステムというものを構築してこれを推進していくこととするとともに、外部監査の実施と、そのレビューを私がすることにより全社のチェック機能を強化していきたいと、かように考えております。
  149. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 もう一点、この五つの中の論点で機械等の高度化やIT技術の活用ということがあるわけでありますけれども、この中間取りまとめの報告書に示されているハードウエアの論点についてでありますけれども、旭化成建材はこのハードウエアの高度化、IT技術の活用を今後どう進めていこうとされているのか、聞かせてください。
  150. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) 将来的には、現場で取得できたデータをITツールを使って本社の方にデータ転送するとか、紙ベースで汚損されたりデータを紛失したりすることがないような、そういったことをカバーできるような仕組みというものを構築していきたいというふうに考えております。
  151. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 この質問は最後になるわけでありますけれども、これは大臣にお聞きする質問だと思いますが、安全性を後回しにせずに不正に対する問題意識を強く持つ事業者、自ら必要な安全対策を実施していく、建築物の安全性向上や品質確保の高みを目指して努力をし続けている企業がやっぱりかなりございます。高く評価をしていかなくちゃいけないところでありますが、ただ、評価だけではなく、またそれをそういった入札制度へ改めるべきではないのかなというふうに私は、私見でありますけれども、そう思っておりますが、大臣どのように思われますか。
  152. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 公共建築物も含めまして、公共工事の発注に当たりましては、安全性も含めた工事の品質が確保されるよう、価格のみならず技術力などの要素も適切に評価されることが極めて重要であります。  このため、公共工事品質確保法等におきましては、工事の性格に応じて総合評価落札方式を適切に活用することとされております。この方式の活用に当たりましては、過去の同種工事の施工実績や当該工事の施工計画、技術提案等に加えまして、企業や配置予定技術者のこれまでの工事成績や表彰などの評価項目も必要に応じて設定することとしております。  これらの趣旨を踏まえまして、例えば国土交通省が発注する官庁営繕工事においては、ほぼ全ての発注工事において総合評価落札方式を実施することによりまして、議員御指摘の建築物の安全性向上や品質確保の観点も含めて、企業や技術者の技術的能力の評価を行っているところでございます。引き続き、公共工事品質確保法等に基づきまして、公共工事の各発注者におきまして総合評価落札方式が適切に活用されるよう取り組んでまいりたいと存じます。
  153. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 じゃ、もう一つ質問をさせていただきます。  大臣は、この三月の十日の参議院国土交通委員会で、バスの件でありますけれども、調査期間が約八か月というのは長い、各先生方からも出ており、また大臣もそう思っておられます。全体にこの監査から処分までの期間を短縮する、これも前向きな御返答をされておられるというのも今日確認させていただきました。重複いたしますけれども、改善指導してきたことはきちっと守らせる、これは実行させるということであります。  ここで、過去処分歴があっても問題を抱えるバス会社に監査に入った場合、処分が決まるまで何も指導できないというのはおかしいなと。そして、その間、営業も普通どおりできるということに対して非常に疑問を感じておるわけでありますが、この期間中であってもバス事業に何らかの制約を課せられる制度というふうに変更すべきではないのかというふうに私は思っておりますが、その点はいかがでしょうか。これを最後の質問にいたします。
  154. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 今回の軽井沢スキーバス事故におきましては、監査を行った後も法令違反の状態が是正されぬままに運行が継続されていたということを踏まえまして、三月二十九日の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理におきましては、監査における指摘事項を早期に是正すること、また、監査から処分までの期間の短縮を速やかに行うとされたところでございます。  これらの措置を徹底することによりまして、問題のある事業者が法令違反の状態を放置することを防止し、今回のような事故の再発防止を図ってまいります。
  155. 室井邦彦

    室井邦彦君 終わります。
  156. 和田政宗

    和田政宗君 日本の和田政宗です。  まず、軽井沢のスキーバスの事故についてお聞きをしていきたいというふうに思いますけれども、この委員会室から窓の外を見ますと桜が咲いております。このスキーバスの事故に遭わなければ、乗っていた乗客の方々、学生さんが多かったわけですけれども、新社会人でありますとか新学年をこの桜を見ながら迎えられていたということを考えますと、本当に悲しくなります。このような悲惨な事故を繰り返してはならない、これはもう皆さんの思いがあるというふうに思います。その観点から聞いていきたいというふうに思います。  高速道路を走るバスですが、これはシートベルトを義務化されているはずです。ただ、現状、これ、ベルトをしている人は少ないというふうに認識をしております。私は高速バスを使うことがありまして、私は当然するわけでございますけれども、周りを見ていても、運転手さんの呼びかけはあるわけですけれども、しない方が多いというふうに認識をしております。  これ、様々な事故において、シートベルトをしっかりしていれば助かった命は当然あるわけでございます。後部座席において着用させる義務を負っているのは運転者であるわけでございますけれども、これは、命を守るという観点からも、直接的に着用しない後部座席の人たちを取り締まることができるのか否か、これについてお聞きをしたいというふうに思います。
  157. 掛江浩一郎

    ○政府参考人(掛江浩一郎君) 道路交通法においては、同乗者を安全な方法で乗車させることも含め、運転者に対して車両の安全確保に係る第一義的責任を負わせているところであります。シートベルトの着用義務についても、運転者に対しシートベルトを着用しない者を乗車させて運転することを禁止することにより、その着用の徹底を図っているところであります。  車両の同乗者自身に対して義務を課すということにつきましては、現在、運転者に対する義務があるわけですが、それについては違反した場合には運転免許の行政処分の点数を科すという義務履行の担保措置がございますけれども、例えば免許のない同乗者にどうするかというような問題が生じてまいります。また、国民がそういった義務を受け入れてくれるか、理解が進むかという国民の受容性等の観点もございます。そうした観点から慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
  158. 和田政宗

    ○和田政宗君 今の答弁ですと、現行法令上ですとなかなか厳しいということであります。  ということは、事業者を指導するのは国土交通省であるわけでありますから、こういったものが各バス事業者において徹底されるように、国交省の方からしっかりとした指導監督をお願いしたいというふうに思います。  次に、大型車の速度制限についてお聞きをしたいというふうに思います。  高速道路や一般道でも大型自動車のスピードの出し過ぎなどにより悲惨な事故が繰り返されております。私は、速度の取締りの徹底というものを、これはしっかりとやるべきであるというふうに思っております。そして、あわせて、これはもう大型自動車というものはある意味、走る凶器と言ってはいけないのかもしれないですけれども、それだけの威力を持っているものでありますので、法定速度を下げることも含めて検討できないか、この点についてはいかがでしょうか。
  159. 掛江浩一郎

    ○政府参考人(掛江浩一郎君) 委員御指摘のとおり、大型自動車につきましては、大型自動車が、特に大型貨物自動車でございますが、第一当事者となった交通事故の死亡事故率、これが二・八%。全ての自動車の場合に比べますと約四倍となっておりますとおり、致死率が高いと。一旦事故があった場合には重大事故につながりやすい傾向がございます。  このため、従来より、高速道路における大型貨物自動車の法定速度を他の自動車より二十キロメートル毎時低い八十キロメートル毎時としておりますほか、最高速度違反等の悪質、危険な違反を重点とする交通指導取締りの推進、そして生活道路等における大型車通行禁止規制等の適切な実施等の取組を行っているところでございます。  こうした取組もございまして、平成二十七年中の大型自動車が第一当事者となった交通事故のうち最高速度違反に起因しますものを十年前、平成十七年と比べてまいりますと、百三十二件でありましたものが事故全体としては三十六件に減少、そして死亡事故は十七件から五件と、それぞれ約七割の減少となっております。  そういうことを踏まえまして、私どもとしては引き続きこうした取組を着実に推進してまいる所存でございます。
  160. 和田政宗

    ○和田政宗君 改善がなされたということは評価をしたいというふうに思いますけれども、それでもやはり五件の死亡事故があります。これがゼロになるように、引き続き必要な措置をとっていただければというふうに思います。  次に、基礎ぐいの工事問題についてお聞きしたいというふうに思います。  今日は旭化成の社長、旭化成建材の社長がお越しになっておりますけれども、旭化成といいますと、あの茨城の水害のときに、あれは旭化成建材、旭化成ホームズになるというふうに思うんですけれども、ヘーベルハウスの建物が濁流の中で残って、おっ、これはすごいというような評価を受けたわけでございます。ちょうどその頃に私の妻が使っていましたサランラップ、これも旭化成ケミカルだというふうに思いますけれども、箱のところに、恐らく住宅フェアでもらってきたんだと思うんですけれども、旭化成建材ですとか旭化成ホームズという名前が入った形で様々な住宅の写真があって、これだけ旭化成っていろいろなところに根付いているんだなというふうに私は思ったわけでございます。  そうしたらこういった問題が出てきてしまったということで、日本を代表するブランドであるからこそ、もうこういったことは起こしてはほしくない。起こしたからこそ、逆に日本で一番しっかりと建物を造る、そういった会社に生まれ変わってほしいというふうに私は思っております。  そういった観点からお聞きをしたいというふうに思いますけれども、旭化成建材が業務を発注したいわゆる下請の業者が十分な工期を取れるようにどのような配慮をしていたのか。また、元請に対して、また元請との間に日立ハイテクノロジーズが入っていたというふうに思うんですけれども、こうした会社に対して、十分な工期を取るためにどのような交渉や要請をしていたのか、これについてお答えを願います。
  161. 堺正光

    ○参考人(堺正光君) お答えいたします。  まず、下請さんに対しては、請負契約の見積りの段階で工期についてのすり合わせを十分に行っております。その際に下請さんからの御要望等で必要であると判断すれば、工期の延長、施工条件などについて、それらの要請を上位の請負者あるいは元請に対して行っています。  更に言及しますと、今回の横浜都筑区のマンションにおいての工期に関しては、これは特段厳しいものでなかったというふうには現在認識しております。  以上でございます。
  162. 和田政宗

    ○和田政宗君 それでもデータの転用等、流用等が起こってしまったわけでありますから、やはり現場ではとにかく急いでやらないといけないというような形であるというふうに思うんですね。  これはやはり工期が十分に取られているというふうにはおっしゃいますけれども、私、現場の方々なんかに聞きますと、やはり大雨ですとか大風が吹いてできなくなる期間があると、そこをまたできるようになってから詰めてやらないといけないということで、前倒し前倒しでやっていく、こういったことがあるというふうに思いますので、そういったところも十分にしっかりと考えていただきたいというふうに思っております。  そして、それに関連して、これは国交省の方にお聞きをいたしますけれども、民間のマンション、ビルなどの建設におきまして、これ工期に追われていれば、当然品質よりも、品質もですけれども、品質よりも工期優先に頭が働くというのはこれはそうなるんだろうというふうに思っております。工期を詰めて受注するダンピングといいますか、そういったような無理な例も私は散見されるというふうに認識をしております。  これ、しっかりとした工期の下、工事が進むように、全休日、必ず休むという日を二週間に一回程度定期的に取るように、これは国交省と業界団体の申合せ、申合せの場合はこれは強くしていただければというふうに思うんですけれども、義務付けに近いような形でできないか、これはいかがでしょうか。
  163. 谷脇暁

    ○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘がございましたように、建設工事の現場におきまして、発注者、元請、下請、関係者がしっかりと協議をしていただきまして適切な工期を設定するということは非常に重要なことだというふうに考えております。  また、御指摘がございました休日の件でございますけれども、これ、工期との関係もあろうかと思いますけれども、技能労働者の就労環境の改善という観点からもしっかり休日が確保できるということ、これも非常に重要だというふうに考えております。  ただ、一方で、民間の工事でございますので、そこに行政がどういうふうに介入をしていくのかと。行き過ぎた介入ということになりますとマイナス面もあるということでございますので、その全休日を半強制的にといいましょうか、そういうふうに取るようにという義務付け的なことを行うことにつきましては慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えてはおります。  先ほど申し上げましたように、適切な工期の設定でございますとか、休日のしっかりした確保、こういうことは非常に重要だと思っておりますので、業界内でそういうことが浸透するようにしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
  164. 和田政宗

    ○和田政宗君 しっかりと業界ですとか業者からヒアリングもしていただければというふうに思います。普通に土日、建設現場、これ民間のものの横を通りますと、普通にもう土日もぶっ通しでやっているわけですね。平日はどうかというと、平日もぶっ通しでやっているというようなことがございますので、今、政府参考人が言われたようなことがやはり担保されれば現場の従事者も休日をしっかり取れるというようなことがあろうというふうに思いますので、しっかりとその辺りは業界団体とコンセンサスを取っていただければというふうに思います。  そして、もう一点、マンションの施工のことについて聞きますけれども、マンションの施工異常の発見、これはマンションの管理組合や住民に負うところが多いわけでございます。これは、そうではなくて、それも含めてということですけれども、建設した者の責任として、これ、施工業者に点検を十年後まで義務付ける、こういったような考えはいかがでしょうか。
  165. 谷脇暁

    ○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘ございましたように、居住しておるマンションにおきまして施工した企業が定期的に点検を行うということにつきましては、居住者にとりましても安心感が高まるということで非常に心強いことだというふうには思っているところでございます。それで、現状におきましても、個々の不動産販売会社の判断によりまして、アフターサービスというような言い方をしておりますけれども、施工業者による点検が行われるということがかなり広く行われているというところでございます。  この点につきましても、これを義務化をするということになりますと、この点検に掛かる費用につきましてこれはマンションの販売価格等に転嫁されるというようなこともあるわけでございまして、全てのマンションにこの点検を義務付けるということにつきましてはやはり慎重な検討が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
  166. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、消費者がどう思っているのかということもリサーチをしていただければというふうに思いますけれども、安全がやはり担保され、十年間アフターサービスがしっかり付いて、その間何か問題があれば対処がされるということであれば、これは販売価格に転嫁をされてもそれでよしとする考え方もあるというふうに思いますので、これも実態把握をしっかりしていただければというふうに思います。  次に、ずさん工事というのは、こういったことはあってはならないわけでございますけれども、そこで、お手元の資料の気仙沼市の荒谷前海岸の防潮堤について聞きたいというふうに思います。  これは高さ十一・三メートルの防潮堤でありまして、いそでアサリとか取れていたところをこのように潰して造ったわけなんですけれども、二枚目の写真と三枚目の写真、見ていただければと思うんですが、これもう既に完成している防潮堤なんですが、写真のように表面がぼこぼこして段差が生じていて、これ本当に大丈夫なのかというように感じました。  これ、なぜこんな状況になっているのかということと、これで、いざ津波が来たときに防げるのかどうか、その回答をお願いします。
  167. 金尾健司

    ○政府参考人(金尾健司君) 荒谷前地区海岸についてのお尋ねでございます。  事業主体である宮城県からは、県が定めた防潮堤の構造に関する基準に沿って設計をいたしまして、県の監督の下に施工し、書類や現場における検査の上、平成二十八年一月八日に竣工したものというふうに聞いております。その後、四月一日に表面に段差が生じていることを現地にて確認したため、今後調査を実施し、維持、補修方法の検討を行う予定であるというふうに聞いております。  宮城県といたしましては、竣工後、一月十八日から十九日に通過した低気圧に伴う高波等によりブロック背面の裏込め材が一部吸い出しを受けました。その結果、ごく一部、これ護岸の総面積の〇・三%にも満たないような範囲でございますけれども、この範囲のブロックの沈下につながったものというふうに宮城県の方では考えておりまして、しかしながら、この堤防本体の機能には問題が生じていないというふうに宮城県の方では考えておるというふうに聞いてございます。  国土交通省といたしましては、海岸管理者である宮城県が今後とも調査、維持、補修等、適切に対応するものと認識してございます。
  168. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは事業主体、県なんですけれども、行政が事業主体となってやる工事でこれがあっていいのかというふうなのは私の率直な思いです。〇・何%というようなことがありましたけれども、アリの一穴が堤防を破壊したりというようなことはこれ当然過去の事例でもあるわけでございますし、あの宮古市田老の大防潮堤も結局壊れたわけでございます。  私は、防潮堤については見直し派でありますけれども、造るのであれば、しっかりと造っていただかないと防潮堤の趣旨にこれもう反するというふうに思いますので、これはしっかりやっていただきたいというふうに思います。  こうした防潮堤工事の、ここというわけではありませんが、一般的な事例におきまして、これ工事データの改ざんや手抜き工事が分かった場合はどのように対処するんでしょうか。国交大臣、お願いします。
  169. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 東日本大震災の被災地における防潮堤工事において、工事の受注者は工事の仕様書や施工管理の基準に基づき工事を実施しているものと思われます。  施工管理の基準では、築堤のための盛土の締め固めの品質やブロックの出来形形状等について管理するとともに、公共工事の発注者としては適切な監督、検査の下で竣工しているものと認識をしており、工事の品質として問題はないものと思われます。  仮に、工事完成後に、受注者の悪質な意図により、工事データの改ざんや手抜き工事のみならず、出来形等に不適切を発見した場合には、発注者としては、修補、補修の措置をとるべきことを請求するとともに、発注者による粗雑工事の検証結果や建設業者の補修等の対応状況等を踏まえ、建設業法に基づき適切に対応することになるわけでございます。
  170. 和田政宗

    ○和田政宗君 最後にお聞きしますけれども、手元の資料の最後のところ、中央防災会議の津波の専門調査会の座長の河田惠昭教授が述べていることでもありますが、どうも中央防災会議の専門調査会と違う意図のもの、すなわち巨大な防潮堤ができてしまっている、このように河田惠昭教授は新聞のインタビュー、土木学会等の各種学会でも述べているわけでございます。このように、そもそもの立案に当たった人が、これ全然違うものできているじゃないかというふうに声を上げ始めているということも含めまして、これは防潮堤工事が始まった場所で漁獲量が半分になった地域も実はもう生じています。  巨大な防潮堤というのは、これ実は国立公園内に、もう高い、白だったり灰色だったりそういった防潮堤がこれできているわけでございますけれども、これ本当に胸を張って、これは命を守る事業なんですというふうに、国交大臣、これはおっしゃることができるのか、国交大臣の答弁をお願いしたいというふうに思います。
  171. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 防潮堤の高さにつきましては、いわゆるL1津波、数十年から百数十年に一回程度の津波を前提として、町の安全、ハード、ソフトの組合せ、環境保全や市町村によるまちづくりの議論などを踏まえ、海岸管理者である県などが適切に定めることになっております。  河田先生の発言、正確には承知をしておりませんが、今お配りいただいた資料によりますと、防潮堤を計画する際、まちづくりと連動させ、住民の生活と結び付ける作業をしてこなかった。巨大なものがいけないとは言わないが、将来性のあるまちづくりを考える中で位置付けるべきだった。あるいは、明治三陸地震のシミュレーションからその最大値に設定したようだが、そんなことは言っていないと、これは中央防災会議は言っていない。巨大堤防だけ残ってどうするんだという思いだ。こういった発言をされていらっしゃいます。御指摘がございます。  まず、中央防災会議の専門調査会による明治三陸地震の津波シミュレーションの最大値を機械的に用いれば過大となるということは、そのとおりだと認識をしております。そのため、岩手、宮城両県では、この中央防災会議の専門調査会の委員を含む地域の津波に詳しい有識者の意見を聞き、過大とならないように、各海岸ごとに近傍で得られた津波の痕跡を重視して明治三陸地震のきめ細かい津波シミュレーションを行い、それ以外の津波も踏まえてL1津波の高さを設定したと承知をしております。  また、防潮堤で守られる背後の居住地や経済活動拠点を防護するため、L1津波の高さで堤防を復旧することとした場合だけでなく、高台に移転するなどによりL1津波より低い堤防高で原形復旧することとした場合等、まちづくりの議論も踏まえて各海岸の堤防高は決められております。このような方法は、中央防災会議の専門調査会の報告も踏まえた適切なものだと認識をしております。  国土交通省といたしましては、どのような防潮堤の計画が地元にとって望ましいかについて、十分に話し合っていただいて合意形成を進めていくことが重要であるというふうに考えております。引き続き、県などに丁寧に対応していただき、合意が得られた地域については速やかに復旧が進むよう、最大限の支援を行ってまいります。
  172. 和田政宗

    ○和田政宗君 時間が来たので終わりますけれども、これ、河田惠昭教授にも是非国交省の方からお話を聞いていただきたいというふうに思います。  終わります。
  173. 脇雅史

    ○脇雅史君 初めに、基礎ぐいの問題について触れさせていただきますが、これは当初新聞記事になったときに非常にセンセーショナルな形で報道されましたものですから、私も、とうとう物づくりの分野、我が建設産業界もこんなことになっちゃったのかと、技術者の倫理観といいましょうか、物をつくっていくときの一番大事な部分ですね、何事も基礎を大事にしろというんで、まさに文字どおり建物の基礎をおろそかにしていいわけがないんで、そんなことが本当に起こったのかと唖然とした思いだったんですが、今日のお話を通じても、技術者としての倫理観がそこまで下がったということではないようなんですが、様々な工夫をして、これからも、日本の原点ですから、しっかりとしたいいものをつくっていただきたいというふうに思います。  その上で、やはり契約問題というのは大事なことで、一番元請が安値受注をすれば、どうしてもだんだん安くなってしわが下請に寄っていきますね。また、工期の問題でも、適切な工期がなければどんどん下請はいじめられるんですね。ですから、適切な、適正な契約がなされるということをこれからも見守っていきたいというふうに思っています。  それから次に、バスの話でありますが、何度もこういう追突事故等は起こりまして、本当に何の罪もないような人が亡くなりますよね。本当に悲しいことです。いろんなことをして、今日もお話がたくさん出ていましたけれども、様々な規制をしても、最後は人間が運転することですから、居眠りしたり、どうしても不注意が起こるんですね。  今、そういうことに対して機械的に対応が可能なんですよね、自動ブレーキ掛かるんです。私、十年前の車だけれども、私の車もちゃんと自動ブレーキ掛かるんです。もう十年もやっているんですよ、この国はね。今盛んにやっていますが、自動操縦なんと言っていますけれども、そんなことはおいておいて、まず人命を守るために全ての車、まあ順番があってもいいですよ、大型貨物は先にやらせるとか、様々な工夫があっていいんですが、自動ブレーキを標準装備とするような法改正をしたらどうだ。すぐにはできませんよ。ですから、例えば十年後以降の新車は自動ブレーキがなかったら売れませんと。それまでに、車検のときには必ず変えなさいと、いろんな過渡期の措置があるでしょう。しかし、今決めれば、あのとき決めておいてよかったなというふうになるんです。決めるの大変だから先送りしようといったら、また十年たって同じことが起こっている。  最近、痴呆の方とかいろんな方がおられて、車の運転も危なくて、駐車場で急発進して下へおっこっちゃうとか、あるいはどこかへ突っ込んじゃうとか、あれだって自動ブレーキでできるんですよ。もうそんなもの標準装備にすればいいだけの話、待つ必要ないんです。今すぐだっていいんです。ただ、皆さんお金が掛かるから、いきなりというわけにはいかないので、それを是非やってほしい。閣法でやらなかったら議員立法でもいいんです、やろうじゃないですか。  日本は世界に先駆けて、交通安全、これだけ交通事故を減らしてきました。これをやれば、更に事故が起きても人が亡くなるということがうんと減ると思いますよ。世界に先駆けてやったらどうでしょうか。ちゅうちょする必要はないと思います。  回答は要りませんが、是非御検討をお願いしたところで、いつもの話に戻りますが、恐縮でございます。  談合の話、いろいろこれまで申し上げてきましたが、刑法上、不正な利益を得る目的で談合しちゃいけませんよと言っているんですが、その不正な利益を得るということについて、これは一般論で結構なんですが、どんな捜査が行われるんでしょうか。
  174. 辻裕教

    ○政府参考人(辻裕教君) あくまで一般論として申し上げますと、捜査機関は、談合事件、刑法の談合罪に関する個別具体的な事件におきまして、必要に応じまして被疑者等が得た利得の額、例えばいわゆる談合金を得たのかどうか等の解明を含めました所要の捜査を遂げた上で、法と証拠に基づいて適切に対処しているものと承知しておるところでございます。
  175. 脇雅史

    ○脇雅史君 私も実態は存じ上げないんですが、よく報道によりますと、談合がなかりせばその落札率でできたはずだから、その差額は不正利得としようではないかというようなことがありますが、この間お話ししましたように、元々予定価以下の話なんですから、それが不正であるかどうかは極めて問題ですよと申し上げた上で、もしそういう過去の落札率との差額を不正というのであれば、これは仮定値ですよね。実際に捜査に行って、何ぼ掛かったのかと。正当な支出を見て、それから収入があるわけですから、あんたのところのこの仕事でこれだけ不正な利得を得ていますねということを捜査すればできるはずですよね。それは本社経費もそれぞれ常識的に見て、明らかに不正な利得を得たじゃないか、だからあなたは悪いんですよというんならいいけれども、調べもしないで、いや、調べているかどうか分かりませんから、そう言ってはいけないんですけれども、調べもしないで、もしですよ、そういうことで人を罰するというのは刑法上おかしいですよね。普通、盗みに入れば、あんたが何ぼ取りましたということを確定するんですよ。確定した上で、あんたこれだけ悪いことしましたねというのでなければいけないのであって、何だか知らないけれども、仮定の落札率でこれだけおまえもうけたはずだという、はずだで人を罰してはいけないのではないでしょうかということを申し上げたいと思います。  それから、これ、仮にですが、不正な利得を得ようと、そういう目的を持っていたとしますよね。実際に工事します。しかし、工事というのは常にリスクが伴いますから、その利得を得ようと思ったら、実際にはその工事、大変な工事で、損しちゃったということもあるわけですよ、赤字が起きる。そういうときは一体どうなるんだと。例えがいいかどうか分かりませんが、窃盗をしようと、空き巣に入ってもうけてやろうと思ってよその家に入る。そうしたら、そこには何にもない、結局何も取れなかった。何か借金の借用書ぐらいは持っていったかもしれない。そんなときには、それは窃盗罪にはなるのか。それは、不正に住居に侵入したということは問題だと思いますが、果たして窃盗罪、いや、普通の窃盗犯はこういう場合だと一千万ぐらい取ったはずだから、おまえも一千万、罰するぞという話はないでしょう、多分、やはり事実に基づいて判断してもらわなくちゃいけないので。  仮に不正な利得を得ようという目的があったとしても、赤字になったときにはどんな罪になるのか、ちょっと教えていただきたいと思うんですが。
  176. 辻裕教

    ○政府参考人(辻裕教君) 誠に申し訳ございませんが、犯罪の成否は捜査機関によって個別具体的な事件において収集された証拠に基づいて個別的に判断されるべき事柄であるということでございますので、申し訳ございませんがお答えは差し控えさせていただければと存じます。
  177. 脇雅史

    ○脇雅史君 まあ一般論ですから当然そういうお答えで別に構わないんですが、しかし、実際に人を罰するということですから、是非捜査当局はそのことをしっかりと頭の中に置いて、犯した悪いことはしっかりと罰しなくちゃいけないし、犯していないことは犯していないんですから、それはそれなりの評価をしていただきたい。是非現実をしっかりと見ていただきたいということをお願いしておきます。  それから、そもそも談合とかなんとかということが悪いことだということは、自由市場、適正な競争を阻害するということが大きな意味があるわけですけれども、自由市場って何だというと、売手が、物を売る方ですね、売手が自由に市場参入できますよと。そして、買手は自由に自分の好きなものを買える、正しいものを買うんじゃないんですね、自分の好きなものを買うんです。それがあって初めて自由市場というのが成立するんですね。何を売ろうかと、好きなところへ行って売れる。  ところが、公共事業というのは、実は買手側が全て、公共事業の買手というのは発注者ですね、お金を出して橋を買ったりダムを買ったりする、その買手は全て自分で決めるんですよ、今年度はどこにダム造ろう、どこに橋造ろうと。売手が決めるんじゃないんですよ、この分野は。全部買手が勝手に決めちゃう、値段も決めちゃう、全て決める権限を持っていると。  そこで、ちょっと古い話なんですが、これ、もう十二年前に、私、予算委員会で質問したんですけれども、当時、これももう随分古いから今は使っていないんでしょうけれども、独占禁止法のガイドブックというのを公正取引委員会で、更にそれより前だから二、三十年前かもしれませんが、ガイドブックというのを作っていまして、そのときの話をもう一回言いますと、私たちの経済社会では、国や政府が何をどれだけ生産するか決めて命令するというようなことはなく、多数の企業がそれぞれ独自に判断して生産を行います、そして、企業はその商品が消費者に購入されることを目指して競争し、消費者は品質が良く値段も安いものを選ぶよう努めますと、これが自由主義経済で、それを守るための法律ですよというガイドブックがあるんです。  ちょっと待ってくださいよ、これ、公共事業、国や政府が決めちゃっているじゃないですかと。ですから、公共事業の分野は、ある意味では統制経済の分野なんです。だけれども、競争は大事だからうんと競争していただきたいんですが、極めて、ほかの分野と比べ、車を売るとかテレビを売るとかという市場と比べると、少し変わった性質を持っていませんか。その変わった性質の中でいかに競争をうまく確保するかということを工夫をしていただきたい。  特殊性ということについては経済学者も公取も認めたがらないわけですが、どうでしょう。
  178. 松尾勝

    ○政府参考人(松尾勝君) お答えいたします。  一般にいろんな市場がありますが、各市場にはそれぞれの特性が存在するということは確かであると思います。また、公共事業の分野についても、買手である発注者が国や地方公共団体であるなど、他の市場とは異なる特性は認められることも確かでございますが、競争政策の観点から申し上げますと、いずれの市場でありましても、より低廉で高品質の商品、サービス、これを確保していくためには、事業者間の公正かつ自由な競争、これを促進していくことが必要であるというふうに考えておるところでございます。
  179. 脇雅史

    ○脇雅史君 特殊性をどこまで考えるかということですが、特殊であるとかないとかという議論ではなくて、実態を見て、本当に国民のためにしっかりと競争していいものができるということを目指すわけですから、条文どおりというか、実態をよく見ていていただきたいというふうに思います。  それから、お話もありますが、公共事業においては、この間も申し上げましたが、要するに買手側が予定価格をつくるということで、言わば価格を完全にコントロールできるんですよね。高い値段でやらせないんですから、これは厳密に言えば自由市場を阻害しているんですよ、自分勝手に決めちゃうんですから。この間も言いましたけれども、それは地位の優越利用じゃないかと、優越した地位の濫用ではないかということも考えられるわけですけれども。  そういう意味で、価格をどうこうという、安けりゃ安くていいんですけれども、それ以上に品質で競争するということを目指した方がいいのではないかと。いいものを造った人こそちゃんと報われるということにしないと、価格で一円でも安いからということの競争は大した意味を持たないのではないか、この予定価がある世界では。本当に品質競争を一生懸命させる方が生産的ではないかなと思うんですが、どうでしょうか。公取か局長。
  180. 池田豊人

    政府参考人(池田豊人君) お答えします。  公共工事国民生活や経済活動の基盤となる社会資本を整備するものでございますので、その品質の確保は極めて重要だと考えております。  このため、国交省では、件数ベースで九五%以上の直轄工事において、企業の選定に当たりまして価格のみならず技術力を評価する方式を採用しております。また、平成二十七年度からは、従来の技術では実施が困難な工事について技術提案を公募いたしまして、その審査結果を踏まえて選定した企業随意契約を行う方式を導入したところでございます。  今後とも、公共工事の品質が確保されるよう、適切な入札制度の運用に努めてまいりたいと考えております。
  181. 脇雅史

    ○脇雅史君 大分前向きな話なんですが、要するに、市場で業者、選別されるというのは、買手側が好きだから買う、欲しいから買うという、それが原点なんですよね。正しいから買うんじゃないんですよ、消費者というのは。自分が好きだから買っちゃう、とんでもないものでも買う、そういう自由があるからこそ選別が起こる。  ところが、税金で仕事をしているから、国は自由に選んだらこれは癒着ではないかというようなことで、なかなかその選別できないんです。その選別しないということは、これ自由市場を否定しちゃうんですよ。  ですから、公共事業の分野でも、一生懸命仕事をしたいい会社は、おまえ、いい仕事したなと、じゃ次の年は、あんた、真っ先に仕事取ってくださいと、そういうことが普通の市場は起こるんです。ところが、それは悪いことだと否定している、なぜならば癒着があるからじゃないかと。そんなことを言ったら自由市場にならないんですね。癒着にならないような工夫は様々必要ですけれども、基本的に選別できるということが自由市場を守る原点なんですよ。  そのことを肝に銘じて、いい仕事をした会社はしっかりとその次の仕事ができるように、今、点数が若干上がるとかありますけれども、もっときちんとしたことをやってもいいんだと、それをやっても国民の皆さんに御理解いただけるんだというやり方を考えなくては駄目なんですよ。そういうやり方は否定されるんだと思ったら、私は間違いだと思うんです。是非、一生懸命工夫してそういう方向に行ってほしい。  この人いい仕事するかどうかというのは、これから先のことだからそのときに分かりにくい。それはやっぱり過去の例を、同様の仕事を、これだけいい仕事をした実績があるということで、やっぱり実績主義なんですね。ですから、検査をして点数を付けるということが極めて大事なんです。そこで不正があるようなことがあったら元も子もない。だから、それも更に工夫をしていただきたいと思います。  それから、最後になりますが、二回前に申し上げましたけれども、災害時等に契約をする場合には、通常の競争では多分無理だと。鬼怒川が壊れたときに一般競争しましょうなんて、そんな話ではないですね。あらゆる力を出して一刻も早く災害復旧をしましょう、やれるところを適切に探さなくちゃいけないと。  それを、いろんな工夫を現実になされているわけですけれども、もう少し法的にはきちんとその手続論とか定めておいた方がいいのではないかと。県なんかもそういう仕事を出すときに、ある一定の法律の定めにのっとってそういうことができると、この人にやらせていいんだよということを、まさに一刻も早くやらなくちゃいけないんですから、そういう工夫を是非していただきたいと思うんですが、どうでしょう。
  182. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) お答えいたします。  災害時の復旧工事の契約方法につきましては、早期復旧が実現できる方法を採用することが重要だと考えております。このため国交省では、平常時は一般競争入札を原則としておりますけれども、災害時には工事内容や緊急性を考慮いたしまして随意契約及び指名競争入札を必要に応じて採用しております。例えば、東日本大震災の際には二百二十三件の応急復旧工事を随意契約で発注いたしました。また、出水期の前に完了させる必要のある本復旧工事におきましても、手続期間が短い指名競争入札を適用するなどの運用を行っております。  今後とも災害時に迅速かつ適切に工事が実施できるよう、公正性に留意しつつ、このような契約方法の適切な運用に努めてまいります。必要な見直しについても考えていきたいと思っております。
  183. 脇雅史

    ○脇雅史君 災害が起こってすぐのときは分かりやすいですよね。じゃ、一月後にはどうか、二月後にはどうかと、どこかに境目が要るんですが、そのときにやはりそれなりによって立つ根拠が要るので、これまでもいろいろ工夫されていると思いますが、必要ならば法整備まで視野に入れて、地方自治体や様々な人が判断に迷わないような適切な方法を考えていただきたいと思います。  それから、災害時、起きてすぐに、建設業というのはみんなすぐ災害復旧にイの一番に出ていきますね。そのときに、災害出動ということで、国の出先でありますとか県とか、それぞれに協定を結びますよね、災害協定、出動協定なんですが、あれは有料で協定しているんですか。
  184. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 災害時に迅速に復旧工事を担っていただけるように、平常時より今委員おっしゃったような協定を結んでおります。これにつきましては有料ということではなく、無料といいますか、そういうお金のやり取りとは別に協定は結んでございます。
  185. 脇雅史

    ○脇雅史君 それも優越的地位なんだと思いますね。ちゃんといざというときに人を出そうと思ったら、それなりの手当て要るんですよ、お金要るんです。それは僅かな金かもしれないけれども、必要な金で契約をすると。  そして、今一番悪いのは、一生懸命仕事をしますよね。我を忘れてみんな仕事をしたら、後、そこに本格的な復旧工事が出ると、一般競争ですよといって一生懸命やってきた人が除外されたりするんですよね。それも変な話なんです。  不正があってはいけないけれども、しっかりと、現場でイの一番に出て一生懸命仕事をした人が報われるようなことをしてあげなかったら、世の中駄目なんですよ。不正をしろと言っているんじゃないんです。必要なものを何もしないで、いざというとき出てくれよという、そんな虫のいい契約が本来できるわけがないんだから、ちゃんと必要な経費は見なくちゃいけないし、災害時についてのそういった対応というのはまだまだ不利な部分があると思いますので、しっかりと法的な対応もひっくるめて御検討いただきたいと思います。  以上で終わります。
  186. 行田邦子

    ○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。  まず、スキーバス転落事故について伺いたいと思います。  一月十五日に軽井沢で起きたスキーバス事故によりまして十五人の尊い命が失われたわけであります。このような事故を二度と起こさないように、国土交通省におきましてはあらゆる対策をしっかりと講じていただきたいと思っております。  質問に入ります。  このスキーバス転落事故におきまして、旅行業者とバス会社の間にバスを手配する中間業者、ランドオペレーターという言い方をしているようでありますけれども、ランドオペレーターが介在していました。トラベルスタンドジャパンという会社で、旅行業法上の登録もしていたということでありますけれども。そこで伺いたいと思うんですけれども、ランドオペレーターの実態をどのように把握をされていますでしょうか。
  187. 田村明比古

    ○政府参考人(田村明比古君) お答えいたします。  今回の軽井沢スキーバス事故では、御指摘のとおり、旅行業者から依頼を受けたランドオペレーターが安全性に問題のあるバス会社を手配し、結果的に多くの旅行者が事故の犠牲になりました。ランドオペレーターは、結果としては、旅行の安全と質に関わって旅行者に大きな影響を及ぼす役割を果たしていたということであります。  国内旅行においては、スキーツアーバス等でバスが不足したときなどにバスを手配するブローカーとして活動していると。それから、インバウンド旅行については、ケースによって特定の土産物店に送客をして不当に高い買物をさせるなどのトラブルが発生していることも承知をしております。しかしながら、ランドオペレーターは現在法規制の対象となっておりませんため、旅行商品の企画、手配にどのように関与しているか等、その実態の全貌が必ずしも明らかになっておりません。このため、関係業界の協力を得て、実態把握を開始したところでございます。
  188. 行田邦子

    ○行田邦子君 ランドオペレーターは、今御答弁にもありましたけれども、なかなかその実態が把握しづらいということです。  今回の間に入っていたトラベルスタンドジャパンは旅行業法上の登録はしていますけれども、ランドオペレーターは、そもそも旅行業法の登録、旅行業の登録がなくても行えるわけであります。バス旅行などでは、いわゆるランドオペレーターというか、業界ではバス転がしというような言い方もされているようでありますけれども、なかなか実態がつかみにくいということで、そして法規制の網から抜け落ちてしまっているということであります。  私は、この度の事故をきっかけに、この旅行業者とバス会社の取引の適正化、そしてまた見える化が輸送の安全確保にもつながると、このように考えておりますので、ランドオペレーターに対する法規制を検討すべきと、このように考えていますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  189. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) これまで旅行業法におきましては、旅行者に直接サービスを提供する旅行業者を対象としておりまして、旅行業者の依頼を受け運送、宿泊等のサービスの手配を行うランドオペレーターは旅行業法の対象外となっておりました。  しかしながら、今回の軽井沢スキーバス事故のように、旅行業者からの依頼を受けたランドオペレーターが安全性に問題があるバス会社を手配し、結果的に多くの旅行者が事故の犠牲になる等、ランドオペレーターが旅行の安全と質に大きく関わり、その結果、旅行者に影響を及ぼしている事案が生じております。  このため、今後、速やかに実態把握を進めまして、ランドオペレーターを含め、旅行の安全と質を確保できる規制の在り方を検討し、結論を得たいと考えております。
  190. 行田邦子

    ○行田邦子君 まず実態把握をしていただいて、そしてまた、何らかの法の網に掛けるといったことも検討していただきたいと私は考えております。  それでは、基礎ぐい工事の問題に移ります。  以前よりかは、昨年よりかは報道の過熱ぶりといったのは収まったようでありますけれども、当初、私も昨年の十月、十一月ぐらいにこういった報道を見て非常に衝撃を受けまして、施工業者が、くい打ちの未達が起きて、それを隠蔽するためにデータの改ざんを行って、そのことによって建物が傾いたり、またあるいは二センチ程度ずれたりということが起きているというように理解がされてしまうような、そのような報道ぶりだったと思うんですね。実際私も、当初報道に触れたときにはそのように誤解をしておりました。  しかしながら、いろいろと情報を見ていますと必ずしもそういうことではなくて、今回のことについては、くい打ちをしっかりと行うということと、それからくい打ちの未達があったとか、あるいはその打ち方不足であったりということと、それからそのデータを改ざんしてしまったということと、それから建物の安全性ということ、これを分けて考えなければいけないのではないかなと、このように思っておりますし、是非、消費者の皆さんが冷静に判断ができるように正しい情報を、国土交通省としても、また業界団体としても発信していただきたいと思っております。  その上で、質問に入らせていただきます。  とはいっても、くい打ちのこのデータを改ざんする、流用するということは、これはもうあってはならないことであります。特に、くいというのは地中の中に埋まるものですので、消費者から見えないもの、国民から見えないものでありますので、このデータが頼りになるわけですから、このデータを改ざんするというのは、これはあってはならないことだと思っております。  しかしながら、今回明らかになったのは、旭化成建材だけでなく、計八社によるくい打ちデータの改ざんといったことが今現在で明らかになっているわけであります。旭化成建材においては三千五十二件中三百六十件と、そしてまたそのほかの八社では五十六件ということであります。  なぜこのように建設業界においてくい打ちデータの改ざんが起きているのでしょうか。
  191. 谷脇暁

    ○政府参考人(谷脇暁君) 多くのデータ流用が行われたということにつきまして、その要因の分析を対策委員会の方でもいたしまして、その結果をまとめているところでございます。先ほども若干答弁させていただきましたけれども、一つは機械・記録媒体の不具合、不注意による機械の操作ミスといったようなこと、それと電流計データの管理、報告についての明確なルールがなかったといったようなこと、こういったようなことに加えまして、データ流用を許容する業界全体の風潮、企業の風土というものがあったのではないかと、さらに、施工データによる施工状況の作成記録、確認、保管、これを軽視する個人の意識の問題というようなこともあったのではないかというようなことが指摘されているところでございます。
  192. 行田邦子

    ○行田邦子君 今の御答弁を伺っていても、かつては現場打ち、くいを現場で打つというようなことで、そこで何が重要だったかというと、建設職人の経験値であったりとか、それから勘というか技能、建設技のようなものが非常に求められていたのかなと思うんですけれども、その後、生産性の向上が求められたりとかあるいは機械化が進んだりといったことで既製ぐいというものが使われるようになって、そうするとデータが取れるようになったりというような建設現場での進化が起こっているわけですけれども、そこに建設職人が追い付けていないというような実態もあるのかなというふうに私は思っております。  ですから、くい打ちの技能の問題というよりかは、むしろ、データ軽視というか、建設現場に求められているもののニーズにしっかりとうまく建設職人がまだ応え切れていないんではないかと。そしてまた、これからはこうした進化する建設現場のニーズに応じた職人の育成ということにも取り組んでいただきたいというふうに思っております。  今回のこの都筑区で起きたくい打ちデータ改ざんにおきましてですけれども、元請は三井住友建設、そして一次下請には日立ハイテクノロジーズが入っています。  この日立ハイテクノロジーズなんですが、会社概要によりますと、事業分野は電子デバイス、ファインテックシステム、科学・医用システム、産業・ITシステムとなっていまして、これを見る限りではくい打ちの専門業者とは考えにくいわけであります。  ところが、三井住友建設はこの会社に対して下請の請負契約を結んだわけであります。これはなぜなんでしょうか。
  193. 谷脇暁

    ○政府参考人(谷脇暁君) 日立ハイテクノロジーズがくいの工事を行っておりますことについて、若干経緯がございますのでちょっと説明をさせていただきたいと思います。  今御指摘ございましたように、日立ハイテクノロジーズの主力の事業は現在、半導体製造装置の製造等となってございますけれども、同社は二〇〇一年にグループ事業を再編する中で工業資材商社を合併をしております。この合併によりまして、建材販売の代理店としての業務を担うとともに、元請の建設会社からくい工事を請け負う事業を行っているというふうに承知をしております。したがいまして、同社は、くい工事を施工するために必要な、建設業法上の必要ないろいろな許可等を取ってございますし、必要とされる技術者を雇用しているというところでございます。  そういう企業でございまして、この横浜市のマンション工事におきまして、同社は旭化成建材の営業面での代理店というふうになっているようでございます。三井住友建設が旭化成建材のくい工法を採用するに当たりまして、三井住友建設と日立ハイテクノロジーズとの間でくい工事の請負契約を結んだというふうに承知をしております。
  194. 行田邦子

    ○行田邦子君 この日立ハイテクノロジーズは建設業の許可も取っているということでありますけれども、この元請とそれから二次下請、旭化成建材の間に入っているその経緯というのは、くいの資材の販売代理店という立場であったということであります。それは、御答弁理解はするんですけれども、じゃ、そのくいの販売代理店が、今回のその対策委員会の中間取りまとめの報告書を見ても、くいの販売代理店である日立ハイテクノロジーズがこの施工、この工事におきまして主体的に関与していたという、実際に関与していたというふうには理解がし難いわけであります。  今回の中間取りまとめが出た後、一月に国土交通省としては行政処分を行って、十五日間の業務停止命令とそれから業務改善命令を出したということでありますけれども、これはもう明らかに建設業法の二十二条、一括下請負の禁止ということに該当するわけでありますけれども、今回のこのような問題が起きた背景には、私は、重層化した下請構造の問題があるというふうに思っております。実質的に施工に携わらない業者の介在を排除する法令整備を検討するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  195. 谷脇暁

    ○政府参考人(谷脇暁君) 建設工事におきましては、工事内容が高度化をしておるというようなこともございまして、あるいは専門化、分業化しているということもございますので、あるいはまた受注する工事量の増減、繁閑、忙しい、暇だ、こういうものへの対応ということで、元請と下請が適切な役割分担の下に施工体制を構築するということ自体は合理的な部分があるというふうに考えておるところでございます。  しかしながら、その行き過ぎた下請の構造につきましては様々な弊害があるという指摘があるということも承知してございます。特に、今御指摘ございました実質的にその施工に携わらない企業が施工体制に直接参画するというのは種々の弊害があるというふうに考えているところでございます。この点につきましては、中央建設業審議会等の基本問題小委員会におきましても重要なテーマの一つというふうになっております。実質的に施工に携わらない企業の施工体制からの排除について、必要な対応の検討を現在行っているところでございます。六月目途の中間取りまとめに向けて、しっかりと議論を進めていきたいと思っております。
  196. 行田邦子

    ○行田邦子君 今回のこの基礎ぐい工事問題を機に、是非、この建設業における重層的な下請構造の弊害というのを取り除くにはどうしたらよいのか、しっかりと検討していただきたいと、このように思っております。  実は私もマンション住民でありますけれども、今回の事件が起きたときに、まずやはり、うちのマンションは大丈夫だろうかと思ったわけですけれども、こういう消費者も多いかと思います。  そこでお聞きしたいんですけれども、消費者の相談窓口体制がどのようになっているのか、そしてこれまでに相談件数がどのぐらい来ているのか、またどういう相談が来ているのか、教えていただけますでしょうか。
  197. 由木文彦

    ○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  住宅に関する相談体制につきましては、従来より公益財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話相談窓口において幅広く住宅に関する相談を受け付けてまいっております。横浜市の事案の報道を受けまして、基礎ぐいに関する相談が増加するということが想定されましたので、昨年十月二十七日以降、電話相談窓口の体制を増強いたしまして、住民の方々などからの相談を受け付けているところでございます。  相談件数につきましては、横浜市の事案が報道されました十月の十四日以降三月三十一日までの間、基礎ぐい問題が契機となっていると思われる相談は百六十九件となっております。相談内容といたしましては、マンションの購入を検討しているけど大丈夫だろうか、あるいは所有しているマンションの安全性を確認したいといった一般的な不安を訴えるものが多い一方で、データ流用があった物件の所有者等から、瑕疵担保責任の期間が過ぎた場合の対応でございますとか転売価値の低下に関する損害賠償の在り方といったような、具体的かつ専門的な内容の相談も来ているところでございます。  今後とも、こういった住宅所有者等からの相談には丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  198. 行田邦子

    ○行田邦子君 多くの消費者にとってはマンションというのは一生に一度の大きな買物であるわけであります。是非、消費者の立場に立って、丁寧かつ適切な対応を取っていただきたいと思っております。  それでは、最後の質問、大臣に伺いたいと思います。  今回の事件の報道を見て私自身も実感したんですけれども、多くの消費者というのは、マンション建設の工程とかあるいは技術的な知識というのは必ずしも十分ではありません。例えば、くいを打たなくてもいいような建物も結構あるんだということが知られていなかったりとか、そしてまた、基礎ぐいと、それから建築物の安全性との因果関係というのはどのようになっているのかとか、そういったことは知識が十分ではありません。  そこで、今回のことを機に、是非、消費者に対して適切な情報発信、そしてまた啓蒙活動といったらいいんでしょうか、啓発というか、に業界としても取り組むことを国土交通省としても後押しをすべきではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
  199. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 建設工事の品質について消費者に安心していただくために施工に関する情報提供を適切に行うことが重要と考えております。  今回の横浜市のマンション事案につきましても、基礎ぐい工事問題に関する対策委員会の中間取りまとめにおいて、データ流用と建築物の安全上の問題との関連性は低いことが指摘をされており、このことについても、消費者に対して適切な情報提供を行い、御理解をいただくことは重要と考えております。  このため、まずは現にデータ流用のあった物件については速やかに安全性の確認を行うとともに、安全性が確認されたものについてはその情報を発注者やマンション管理組合等に提供してきたところであります。  また、三月末からは、基礎ぐい工事に関連する建設業団体が作成をいたしました自主的な施工ルールを国土交通省のホームページに掲載をいたしまして、適正な施工に向けた業界の取組を周知することで消費者に安心していただくよう努めております。  さらに、建設業の構造的な課題について検討しております中央建設業審議会等の基本問題小委員会におきましても、マンション等の施工に関する情報提供の在り方は重要なテーマの一つとなっております。六月めどの中間取りまとめに向けまして引き続き御議論いただいた上で、これを受けた対応策に取り組んでまいりたいと存じます。
  200. 行田邦子

    ○行田邦子君 終わります。ありがとうございます。
  201. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  202. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 海上交通安全法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。石井国土交通大臣。
  203. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) ただいま議題となりました海上交通安全法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  近年、船舶の大型化や危険物取扱量の増加が進んでおり、船舶交通が著しくふくそうする海域においては、津波等による非常災害が発生した場合に、危険を防止するため、船舶を迅速かつ円滑に安全な海域に避難させる必要があります。また、平時から信号待ちや渋滞による船舶交通の混雑が発生していることから、混雑を緩和し、安全かつ効率的な船舶の運航を実現することが求められております。  このためには、湾内の船舶交通を一体的に把握しておく必要があり、海上保安庁では、まずは東京湾において、レーダー等の設備を整備するなど、一元的な海上交通管制の構築を進めているところでありますが、その運用に併せて、非常災害時の海上交通機能の維持等のために所要の制度を設ける必要があります。  このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第であります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、非常災害が発生した場合に、船舶交通が著しくふくそうする海域のうち、レーダー等により船舶交通を一体的に把握することができる海域にある船舶を迅速かつ円滑に避難させるため、これらの船舶に対して、海上保安庁長官が移動等を命ずることができることとするなど、非常災害時における特例措置を講じることとしております。  第二に、船舶の負担を軽減し、安全かつ効率的な船舶の運航を実現するため、海上交通安全法と港則法に基づく事前通報の手続を簡素化するとともに、港内の水路を航行しようとする船舶に対し、港長が必要な指示をすることができることとしております。  第三に、航路標識の設置を促進することにより、船舶交通の安全性を向上させるため、航路標識の設置の許可基準を明確化するとともに、簡易な航路標識の設置については届出制を導入することとしております。  その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
  204. 金子洋一

    ○委員長(金子洋一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十五分散会