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2016-04-26 第190回国会 参議院 財政金融委員会 10号 公式Web版

  1. 平成二十八年四月二十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月一日     辞任         補欠選任      高野光二郎君     岩城 光英君      吉川ゆうみ君     山谷えり子君      小池  晃君     大門実紀史君  四月四日     辞任         補欠選任      石田 昌宏君     岩井 茂樹君      礒崎 哲史君     大野 元裕君  四月五日     辞任         補欠選任      岩井 茂樹君     石田 昌宏君      大野 元裕君     礒崎 哲史君  四月十四日     辞任         補欠選任      礒崎 哲史君     小西 洋之君  四月十五日     辞任         補欠選任      小西 洋之君     礒崎 哲史君  四月十八日     辞任         補欠選任      石田 昌宏君     野上浩太郎君  四月十九日     辞任         補欠選任      野上浩太郎君     石田 昌宏君      礒崎 哲史君     水岡 俊一君  四月二十日     辞任         補欠選任      水岡 俊一君     礒崎 哲史君  四月二十一日     辞任         補欠選任      礒崎 哲史君     櫻井  充君  四月二十二日     辞任         補欠選任      櫻井  充君     礒崎 哲史君  四月二十五日     辞任         補欠選任      中川 雅治君     井原  巧君      山谷えり子君     井上 義行君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         大家 敏志君     理 事                 愛知 治郎君                 石田 昌宏君                 長峯  誠君                 大久保 勉君                 西田 実仁君     委 員                 井上 義行君                 井原  巧君                 岡田 直樹君                 伊達 忠一君                 中西 健治君                 中西 祐介君                 宮沢 洋一君                 山本 一太君                 礒崎 哲史君                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 白  眞勲君                 前川 清成君                 竹谷とし子君                 大門実紀史君                 藤巻 健史君                 中山 恭子君                 平野 達男君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        内閣府副大臣   福岡 資麿君        財務副大臣    岡田 直樹君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        牧島かれん君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 伸一君    政府参考人        内閣府政策統括        官付参事官    中村裕一郎君        金融総務企画        局長       池田 唯一君        金融庁監督局長  遠藤 俊英君        総務大臣官房審        議官       宮地  毅君        財務省主計局次        長        茶谷 栄治君        財務省主税局長  佐藤 慎一君        財務省理財局長  迫田 英典君        財務省国際局長  門間 大吉君        国税庁次長    星野 次彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (金融機能の再生のための緊急措置に関する法  律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の  ために講じた措置の内容等に関する報告に関す  る件)  (需要創出と格差是正のための施策に関する件  )  (BEPSプロジェクトへの取組に関する件)  (平成二十八年熊本地震に係る被災者支援に関  する件)  (海外投資家による国債買入れに関する件)  (平成二十八年度補正予算の早期編成に関する  件) ○株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律  案(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  この度の熊本県熊本地方等を震源とする地震により甚大な被害がもたらされ、尊い人命を失いましたことは誠に痛ましい限りでございます。  犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様にも心からお見舞いを申し上げます。  ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。  御起立願います。黙祷。    〔総員起立、黙祷〕
  3. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────
  4. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、高野光二郎君、吉川ゆうみ君、小池晃君及び中川雅治君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君、大門実紀史君、井原巧君及び井上義行君が選任されました。     ─────────────
  5. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に石田昌宏君を指名いたします。     ─────────────
  7. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官参事官中村裕一郎君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。  まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣
  10. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 昨年十二月十一日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出させていただいております。  報告の対象期間は、平成二十七年四月一日以降平成二十七年九月三十日までであります。  本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明させていただきます。  初めに、管理を命ずる処分の状況につきまして申し上げます。  今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。  次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高につきまして申し上げます。  破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関等に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中に日本振興銀行の清算法人である日本振興清算に対する減額等が生じたことにより四十七億円の減額となり、これまでの累計で十九兆三百八十七億円となっております。  預金保険機構によります破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。  また、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、平成二十七年九月三十日現在、各勘定合計で二兆一千九百五十四億円となっております。  ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。  金融庁といたしましては、今後とも、日本の金融システムの一層の安定確保に向けて、万全を期してまいる所存であります。  御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
  11. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 石田昌宏

    石田昌宏君 自由民主党石田昌宏でございます。  本日は、日本経済全体につきまして質疑をさせていただきたいと思っています。  前回も質問で取り上げましたけれども、アベノミクスによりますデフレからの脱却というのは、言い換えれば慢性的な需要不足を解消するという観点であると思いますが、その観点からまず最初にこれまでの流れを振り返ってみたいと考えています。  まず、需要を喚起していくために、アベノミクスは異次元の金融緩和を行いました。それが将来への期待というのを改善させて、それによって円高も修正され、さらに、ここにちょうど原油安によるコストの減少も重なりまして、企業の業績は大企業を中心に過去最高の収益水準まで好転しました。しかし、その一方で、地方とか中小零細の企業の経営者の声を聞くと、新しい事業環境に適応してアベノミクスの恩恵を受けるにはいましばらく時間を要するといったこともまた事実であろうと思います。  こういった中でしたが、こういう明るい兆しの中で、いよいよデフレ脱却かというやさきに、新興国や産油国を中心としまして世界経済の先行きに対する不安感が世界中で台頭し始めまして、徐々に回復しつつあった将来への期待というのが腰折れしてしまうかもしれない、こういったリスクの下に、今年の二月十六日、日銀はマイナス金利というものを開始しまして更なる金融緩和を進めたというのが流れだと思います。この金融緩和、マイナス金利に関連しましては、効果が現れるにはある程度時間が掛かっていく、今そこにいる状況が現在だと思います。  こういった中で政府国際金融経済分析会合が行われているわけですけれども、第一回目にも御出席くださったスティグリッツ教授は、この会合の後になるんですけれども、四月十三日に、プロジェクトシンジケートという世界最大の言論組織というかNPOがあるわけですけれども、そこの機関誌の方に寄稿をしています。マイナス金利の政策に関連する論考なんですけれども、それによりますと、マイナス金利政策に関する寄稿として、これは日本のマイナス金利を言っているというよりも、これよりも早く導入があったヨーロッパのマイナス金利のことを主に念頭に置いての発言だとは思うんですけれども、こういうことをおっしゃっているんですね。企業による投資の判断にはコンマ数%の借入金利の低下よりも需要の見通しの改善の方が重要であるといったことをおっしゃっています。  確かに、金融政策だけで全ての経済的な課題が解決できるような万能薬とは言えないとは思います。こういった観点は、第三回ですかの会合にも出てくださいましたクルーグマン教授も同じようなことを言っていらっしゃると思うんですが、そういった点では、金融政策と同時に、もう一つ以上の政策を同時に行うべきだということだと思います。そして、その解が、お二人とも、世界全体が協調した財政出動じゃないかということを見立てていらっしゃいます。それは、現在は世界全体でグローバルに需要が不足しているという状況の現状認識が根底にあるのではないかと思いますが、こういった考えは確かに一つの傾聴に値するものではないかなと思われます。  同時に、世界だけじゃなくて日本に関連して言っても、確かに日本の経済の潜在成長力を高めるためには長期的な構造改革を進めなければならないのは当然なんですけれども、あわせて、財政出動による需要の創出がなければ、改革によって、単に改革するだけだと、例えば失業率がかえって増えてしまうだけじゃないかといった意見もあるようです。  こういった観点で、今、世界中から見ても、また日本の観点を見ても、需要の創出のためには金融政策から財政政策に主役が替わりつつあるのではないかというふうな意見が強いと思いますが、まずその御見解を大臣にお伺いしたいと思います。
  13. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 金融だけで経済というものが直るというようなお考えの方、いわゆるシカゴ学派とか、昔そういった方々は多くいらっしゃいましたし、財政再建か経済成長か二者択一みたいな話をされた方もいらっしゃいましたけど、大体そういう方はみんな間違えられたと最近は分かっておられると思いますので、大分影が薄くなってきたかなと思ってはいるんですけれども、でも基本的にはそういう考え方があることは確かです。  前、小泉内閣のときにも日銀は、あのときはたしか三十兆円の金を出して、結果的には需要が付いてきていないというので、反対をした我々の方は、全然そのときは駄目でしたので、力なく三十兆円、結果的に日銀はその出した三十兆どうしたかといえば、そのまままた引き揚げるということになりましたので、そういった意味では余り意味がなかったというのは既にもう実証済みですから、そういった意味では財政というものが必要だというのはこれは昔から言われている話であって、別にクルーグマンとか、この人たちから言われなくても昔からそうです。  したがいまして、今回の国際金融分析会合でいろんな方々が話をされるのは、これは日本が今後サミットを主催するに当たりまして、議長国をやりますものですから、それに当たってのいろんな事情等々を聞くというのが主たる目的でありますので、この人たちの言われた個別の見解というものは、私にとってはコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。  加えて、日本の経済の現状につきましては、もうこれは御存じのように、昔とは違って企業収益というのは過去最高ということになっておりますし、有効求人倍率などというものは間違いなくこの二十四年間で最高ということでありますので、ファンダメンタルズは確かだということはもうはっきりしておりますので、したがいまして、新たに経済政策を今の段階で出すということは考えておりません。  先行きにつきましては、熊本の地震等々につきましては、これはどういう影響が出てくるかというのは、まだ余震が続いておりますような状況でもありますので、あの辺、元々地震がないところでありますので、東京におられた方は震度二とか三とかいえば別にああというようなものなんでしょうけど、震度三がありますと大体炭鉱は全部潰れますので、もし今から三十年前に今の炭鉱があったら、一番方の時間でしょうから、一番方ですと数十万人の人が生き埋めになっていたというようなことになっていただろうと予想されますので、その意味では、炭鉱が閉山していたということで、その点は我々としてはよかったなということを感じないわけではありませんけれども。  いずれにしても、この地震というものの影響というのは考えないかぬところだとは思いますが、民需主導の経済というものの好循環が更に拡大していくということをこれから大いに期待するところですが、政府といたしましては、過去最大規模の九十六兆七千億の予算編成というのをこの二十八年度の予算でつくらせていただいておりますし、それに伴いまして執行の前倒しをやるということで通常六〇%台だったものを八〇%台までということを申し上げてきておりますので、公共事業でいくと約十二兆ぐらいですから、その一割ということになると一兆数千億のものが上半期の契約に前倒しされるということになりますので、その予算を国民の皆様にできるだけ早く、それが大きな需要の喚起につながっていくというようなことになればと思っております。
  14. 石田昌宏

    石田昌宏君 ありがとうございます。  じゃ、ちょっと違う観点からまた御質問させてもらいますが、スティグリッツ教授にしてもクルーグマン教授にしても、多くの経済学者が、近年のこの世界的な経済停滞というのは一九三〇年代の大恐慌に類似しているんじゃないかというふうにおっしゃっています。これは何かというと、一言で言うと経済格差の拡大ではないかというふうに思います。資料を御覧いただきたいのですが、この資料は、これはアメリカの例ではあるんですけれども、大恐慌期直前の一九二八年、これは最上位一%の富裕層に国民総所得の二五%ぐらいが集中していたという話です。その後、大恐慌を経て次第に集中が緩和されましたが、一九八〇年頃から再び富の集中が進み始めまして、最近は一九二〇年代の水準にまで戻ってきているという形です。  このように富が富裕層に集中したら何が起きるかということなんですけれども、富裕層が余剰資金をたくさん持っているわけです。それを全部消費に使えばいいんでしょうけれども、現実的にはそんなに消費できるものでなくて、むしろ投機などに回っていきます。その一方で、低所得者は、消費をしたいんですけれどもお金がなくて、借金しなければ消費は増やせないといった状況になります。言ってみたら、金融資産全体は伸びていくんですけれども、実際に消費によって実体経済がそれほど伸びていかないということになります。これがある意味、金融危機の原因になっているといった解釈になります。  一九三〇年頃のアメリカの状況と現在の日本の経済状況が類似するとすれば、当時のアメリカの対応が現在の日本にとって大いに参考になると思われますが、この類似性について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  15. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) この一九二九年の株の大暴落、一九二九年九月のウォールストリートの株の大暴落という、中学校教科書に出てくる話なんだと思いますが、このときに世界的なデフレのいわゆる不況によりますものが世界にも広まって、日本でもこの影響を受けたのは間違いありません。したがって、このときの内閣が、犬養毅内閣がこの時代だと思いますので、憲政会だったのでこの方は経済分からぬというので、時の政友会の総裁だった高橋是清という元日本銀行総裁、元大蔵大臣、元内閣総理大臣という人を、民主党の方に頼んで自民党が、いや、逆か、これは、あのときは逆ですから、民主党が自民党に頼んで財務大臣を出せということを約束して、そのときに高橋是清は、五回目かな、ぐらいの財務大臣を引き受けてそれをやって、日本はデフレ不況からの脱却に成功しております。  そのときのルーズベルトという民主党の大統領候補がその政策を見て、これはいい案だと丸々パクって、パクっては品がないですな、もうちょっと、模倣して、そして、この人はそれをニューディールという名前の風呂敷に包んで、これが俺の新しいディールだといってやったのがニューディール政策というものの始まりで、金融政策、今我々がやっております三本の矢と似たようなことをやって、間違いなく失業率は三年ほどで、二四%あったか五%あった失業率は一二%まで下がり、GDPはほぼ元に戻るというのを約三年間でしておりますので、当然のこととして三八年には大統領に再選しております。それがこのアメリカの歴史です。  したがって、今回、この話は似ているというけれども、これは成功したのは我々が最初にやったんであって、アメリカのまねをしたんじゃありません。こちらのものをアメリカがまねしたんだと。学校の教科書じゃこれを教えないところが問題なんだと思いますけれども、是非調べてみてください、そういうことになっておりますから。  したがって、我々は、この状況というものを見た場合においては、デフレーションによる不況というものは近年では少なくとも戦後ではありませんので、大東亜戦争以後、さきの大戦以後はデフレ不況はありませんが、この当時は、デフレーションというのは第一次大戦のときにも起きておりますので、こういったものがあったので、我々としては、デフレ不況というものを参考にするならこのときのデフレ不況が一番というので、今、高橋是清という人が取られた政策というものを我々は大いに参考にすべきものだと、私どもはそう思ってここまでやらせてきていただいておりますが、基本的には需要が出てきていないというのは確かでありますので、このときは需要の喚起だと、需要が喚起しないと失業率は増えない等々、言われたことは同じことなのでありますので、是非そういった意味では、私どもとしては、今後ともこの種の話をやらないけないんだと思っておりますが。  この中で、新分野への投資が不振であったのは、収益性について十分確信の持てる新製品が容易に見出せなかったことの反映であるとの当時の米国経済に対する分析というのは、これは日本の現状にも類似する、これは私どももそう思っております。  いずれにいたしましても、状況の一番違いますのは、過去最高水準の企業収益は出ているわけですから、この頃は出ていませんから、そういった意味では、いわゆる収益というものが賃金とか設備投資とかそういったものにきちんと回っていくというところが大事なんであって、官民対話やら政労使の会議等々を通じて再三御指摘させていただいているところです。  幸いにして、今年の一月の新年会の経済団体の各会長の御意見はこの点を反映されておりますので、賃上げやら設備投資を積極的に進めていくということを申しておられますので、私どもは三年連続で、ベアが少ないとか多いとかいろいろ御意見は例によってありますけれども、少なくともベースアップなんか過去全くなかったものが三年連続続いたということだけでも大したものだと思いますし、ベースアップの額が中小企業の方が大企業より多かったというのも非常に特徴だったと思っておりますが、企業のマインドが少しずつではありますけれども確実に変化してきているかなというところがありますので、一層そういう方向で自信を持って進んでもらえることを期待しております。
  16. 石田昌宏

    石田昌宏君 丁寧な答弁ありがとうございます。  確かに、歴史を振り返ってみるとむしろおっしゃるとおりで、日本でやってきた政策がアメリカに持っていかれたとすると、今の状況もデフレの解消は日本が一番最初に取り組んだ政策ですから、むしろ今後世界に持っていくような考えも必要かなと今聞きながら思っておりましたけれども。  当時、確かに需要の創出をしなければならないというのは当たり前ではあるのかもしれませんが、一つ引用したいんですけれども、その頃、大恐慌時代のアメリカのその時代にFRBの議長をしていたエクルズさんの発言があるのでちょっと紹介したいんですけれども。大量生産には必然的には大量消費が伴わなくてはならないように、大量消費には人々が生産財やサービスにふさわしい購買力を持つことができるようなしかるべき富の分配が期待されている。ところが、このような分配が行われずに、一九二九年から三〇年頃までに巨大な吸引ポンプが作動して、生成された富の多くが一握りの富裕層の手へと吸い上げられてしまった。その結果、資本家の手元に資本が蓄積される一方、大衆消費者の購買力は減衰し、結局、資本家たちは自らの生産物への有効需要を自ら打ち消すことになったと言っています。  つまり、さっき財政出動の話もちょっとありましたけれども、根本治療というのはそこにあるわけではなくて、大衆消費者の購買力を上げる政策が大事であって、言ってみたらピラミッドの底上げをするみたいに、経済全体の果実が国民全体にどう行き渡るかといった制度づくり、それはもちろん予算財政であったりとか税制であったりするんですけれども、が必要だと思いますけれども、これにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  17. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) これはもうおっしゃるとおりで、総需要というものを拡大させない限りは経済成長の成果というものを国民全体に行き渡らせることはできないということなんだと思いますので、これは重要な課題なんだと、私どももそのように認識いたしております。  したがいまして、安倍内閣においては、経済全体のパイを大きくしていわゆる企業の収益というものを賃上げ等々の方につなげて、これがまた雇用やら所得やらまた消費を拡大していくという形での経済の好循環というのを回すことを目指しております。  その結果、具体的には、先ほども申し上げましたけれども、三年連続でベースアップが行われておりますし、多くの企業で、特に中小においてもその傾向がはっきりしてきておりますので、ため込んでおられました五十兆、二年間、二年少々で五十兆円ぐらいの内部留保が、設備投資に約五兆、賃金に約三千億、大体十分の一ずつぐらいしか回っていなかったと、大きなアバウトな計算でそれぐらいになっておりますので、その五十兆の部分が更に賃金等々に、三千と言わずに桁を変えていただかないかぬというところの方向にいかないかぬのだと、私どもはそう思っておりますし、最低賃金も三年連続で上がっておりますので、五十円ぐらい上がった計算に、最低賃金、時間当たりでそれくらい上がったんだと思っております。  また、制度づくりというのもやらないかぬということで、非正規雇用労働者の待遇改善とか、高齢者、若者、障害、難病等々のある方への就業促進とか女性の就業促進、それを助長させていくためには、子供等々のいわゆる保育の問題、また御主人の長時間の労働の問題、また子供教育問題、あわせて子育て環境等々、そういった整備というものを検討していくところなのであって、これをきちんと六月中に取りまとめて一億総活躍社会というものにつなげてまいりたいと思っておりますが。  いずれにしても、日本にとってこれまでの労働環境なり、そういったものを大きく変えないかぬでしょうし、女性がそれだけ労働社会に参加してくるという前提に立ったときの税制とかそういった形での勤務の在り方とかいうものを、いろんなものを総合的に検討しなきゃならぬという大きな問題であって、これは本当に、日本で戦後いろいろやってきた価値観というものすら大きく変えるなりいろんな形でのものを考えないと、意識の変化というのを行き渡らせない限りはなかなかそういったものは全体では、一部やっても全体では作動しませんから、そういったものを全体で変えていくというものをやらねばならぬということなんだろうと思っております。
  18. 石田昌宏

    石田昌宏君 ありがとうございます。  本当に大きな政策の変換が必要だと思いますし、やっぱり総需要の喚起こそが大事であって、そういった点では、今おっしゃったような政策を早急に進めていただきたいと思いますが、最後に一言だけ言って終わりにしたいと思いますけれども、これがうまくいった場合の更に未来を考えますと、仮に総需要が喚起されて政策が進んで経済良くなったとしても、そのお金が外国に流れてしまって、そこで止まってしまってはいけないわけです。  今回、質問はちょっとできませんが、ですからこういった時代こそ、更にもう一個先にBEPS、前回質問をしましたけど、その問題ですとか、今話題になっているキャピタルフライトの問題ですとかを同時に解決しておかないと、やはりそれは果実は得られないと思いますので、そういった点につきましても是非今後進めていただきたいと思いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  19. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 民進党の大塚耕平でございます。よろしくお願いいたします。  大臣から今、高橋是清総理大臣のお名前が出たので、ちょっとイントロで高橋是清翁についてのエピソードをお話しさせていただきますと、大恐慌のときに高橋是清さんの御活躍のことがよく取り沙汰されるんですが、農務省でも勤務しておられて、その昔。私、愛知県なんですけれども、愛知県民にとっては、実は高橋是清氏は特許条例をつくった方という意味で大変恩人なんですね。  といいますのは、明治になって第一回内国博覧会というときにガラ紡という、いわゆる機織りの生産性を十倍ぐらいにする機械を作った方が、臥雲辰致という人がいるんですけれども、この方が第一回内国博覧会にこのガラ紡を出したら、もう大変評判で、そのことによってだんだん綿でも毛織物でも生産性が上がっていったんですけれども、第二回内国博覧会のときにその模倣品がいっぱい出てきたんだそうですね。発明した臥雲辰致本人は貧乏のどん底にあえいでいて、まねした人たちが大富豪になっている。その現状を見た、時の農務省のお役人だった高橋是清翁が、これでは発明者の権利が守られないといって、我が国で初めて特許条例をつくったと。その特許条例に触発されて、豊田佐吉さんを始め全国の発明家たちが東京にやってきて自分の発明を登録をして、そこから様々なものが始まったものですから、実は豊田佐吉さん、今のトヨタグループも高橋是清翁が特許条例をつくらなければ存在しなかったという意味では、高橋是清さんはそういう御活躍もされた方だということを、ちょっとうんちくを垂れて恐縮でございますが、せっかくお名前が出たので御紹介をさせていただきました。  さて、その上で、今日はFRC報告でありますが、FRC報告に関して一点だけお伺いしたいと思います。  ちょっと質問通告の文章の内容が少しおかしくて恐縮でございましたけれども、今回の報告書によると、ペイオフコストの範囲内で資金を提供した金額が七兆六千二百二億、ペイオフコストを超える、つまり範囲外の金銭の贈与の額が十一兆四千百八十五億円となっておりますが、それぞれの中における、日本で唯一ペイオフを発動した日本振興銀行に対する金額はそれぞれ幾らになりますでしょうか。
  20. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) お答えいたします。  日本振興銀行の破綻処理におきましては、今、大塚先生おっしゃいましたように、ペイオフを初めて発動したということでございますので、ペイオフコストを超える金銭贈与は行われておりません。ペイオフコスト範囲内の金銭贈与だけが行われたわけでございますけれども、その金額は平成二十七年九月末時点で千六百八十五億円となっております。
  21. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そうすると、このペイオフコストを超える金銭の贈与の額の十一兆四千百八十五億、これの財源については特別保険料ないしは交付国債ということですが、例えばペイオフコストを超える金銭の贈与の財源に充当される特別保険料の保険料率とか交付国債の条件について御説明をいただきたいと思います。
  22. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) 数字と、それからその財源について申し上げます。  まず、これまで預金保険機構が実施したペイオフコストを超える金銭贈与の額は十一兆四千百八十五億円でございます。そのうち十兆四千三百二十六億円が交付国債を財源としております。交付国債というのは、預金等を全額保護するためにペイオフコストを超える金銭贈与が行われるように預金保険機構に交付された無利子の国債でございます。預金保険機構は、必要の都度この国債の償還請求を行ってその償還額を金銭贈与として使用しております。  十一兆四千百八十五億円のペイオフコストを超える金銭贈与のうち、残りの九千八百五十九億円は金融機関が納付した特別保険料、これを財源としております。特別保険料というのは、預金等を全額保護するためにペイオフコストを超える金銭の贈与に充当するために、平成八年度から十三年度の間、金融機関に料率〇・〇三六%でもって納付を義務付けた保険料でございます。
  23. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 通常の保険料の料率はどのぐらいになりますか。
  24. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) 通常の保険料の料率は、平成八年度から平成十三年度、特別保険料率を付加した時期に、一般保険料率〇・〇四八%でございました。
  25. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 日銀がマイナス金利政策を採用したことによって金融機関の利ざやが薄くなるということで、金融機関大分経営の先行きに懸念を抱く先も多いのでありますけれども、ペイオフなどということは二度と起こらないことを祈っておりますけれども、この金融機関の再編あるいは破綻などということはないとは思いますが、こういう動きについて、マイナス金利政策との関係で大臣はどのような見通しを持っておられるかということをお伺いしたいと思います。
  26. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) マイナス金利の導入とかそれを受けた金利の動向等々が金融機関の収益に与える影響というものについては、これは一概に申し上げることは困難なんですが、一般的に申し上げれば、間違いなく貸出しの利息収入の低下とか運用手段によりますいわゆる利益の減少という影響が出てくることは出てくるでしょうけれども、同時に、今度は資金調達コストが低下しますし、持っております保有国債等々の評価益が発生する等の影響も出ますので、これはそれぞれが両方出てくるんだと思いますが。  日本銀行は、このマイナス金利による金融機関収益への影響について、四月の金融システムレポートの中では、収益は長期的に見て高水準にあるとしつつ、金利低下に伴う利ざや縮小によって当面下押し圧力を強める方向に作用するが、金融機関は充実した資本基盤を備えておって、前向きなリスクテークを継続する力を有しておって、そのポートフォリオ・リバランスが経済物価情勢の改善と結び付けばこれは回復にもつながる、こういう分析をしておられるものだと私どもは承知しておりますので、そういった意味では、金融機関の再編やら金融機関が自らを取り巻く経営環境等々を踏まえて、いろいろな経営判断に基づきいろんなものが決定されるものだと思っておりますので、今の段階でこれ以上のコメントをちょっと申し上げることは差し控えさせていただきます。
  27. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 日銀のレポートを引用されて今御答弁されたわけですが、金融機関の経営環境は決して悪くないというような趣旨の今レポートの内容だったと思いますけれども。    〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕  そうすると、この委員会でも何回か御指摘申し上げておりますけれども、マイナス金利政策、それはそれで、アベノミクスとの整合性とかいろんなことを考えて、日銀も、黒田総裁もそれを採用されたわけですが、経営環境、収益環境がそんなに悪くないということであるならば、従前ここで申し上げたように、金融機関の日銀への当預残高、日銀に預けている当預残高の基礎部分の二百兆円分ですね、これに、マイナス金利政策を採用したといってもここにはプラス〇・一がまだ掛かっているわけですから、何もしなくても年間二千億の利益が出るわけですよ。  この辺は、金融担当大臣として少し、それでは経営に緩みも出るかもしれないし、あるいは、今日この後BEPSの議論やタックスヘイブンの議論をさせていただきますが、ただでさえ不良債権処理の過程で、先ほどFRC報告のところで数字をおっしゃっていただいたように、トータルでは二十兆円近い資金を投入して経営を再建した金融機関、そして今は経営環境悪くない、収益環境も悪くない、マイナス金利でも何とかなると言っているわけですから、その上、まだ基礎残高の二百兆円部分にプラス〇・一を掛けて毎年二千億の言わば補助金を提供し続けるというのは私はいかがなものかと思うんですけれども、金融担当大臣として、この点を日銀に対して何らかの意見を申し上げたり調整をするお気持ちはございますか。
  28. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 金融政策というものについて具体的な話ということになってくるんだと思いますが、この手法等々についてはこれは日銀に委ねるべきものであると、基本的にはそう考えておりますので、この決定についてのコメントというのは差し控えさせていただきたいと思いますが。  いずれにしても、日銀が経済とか物価情勢とかいうものを踏まえて物価安定の目標というのを、これは二%の物価というのを目指しておるわけなんで、この実現に向けて努力されていくことを期待しておりますので、それに当たって金融機関等々が一層そういう方向で貸出し等々についていろんな形のリスクを取って貸し出すというような、そういった姿勢を持ち続けてもらう余裕というものも必要なんだと思っておりますので、そこのところは一概にこの政策がどうといって、したがってどうしろというような話を日本銀行に対して申し上げるつもりはありません。
  29. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 公式に申し上げていただかなくても結構ですが、非公式には是非いろいろと意見は言っていただいた方がいいと思います。  それに関連してですが、日本のメガバンクも大変な数の海外現法を持って様々な税務対策をやっておられるわけですが、財務大臣としてお伺いしたいんですが、BEPSの最終報告書策定に向けてリーダーシップを取って御努力をされたお立場でありますので、世界の企業によるBEPS行為に伴う逸失税収、収入というのは大体どのくらいと想定しておられるのか、あるいは、日本においてはBEPS的行為による想定される逸失税収というのはどのぐらいだというふうに考えておられますか。
  30. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。  まず、先生のお尋ねの世界の企業によりますBEPS行為に基づきます逸失の税収ということですが、これはOECDの昨年公表されましたBEPSプロジェクトの最終報告の中で、BEPSによります法人税収の逸失規模というのを機械的に計算をしたということ、あらあらの計算ということでございますが、世界全体で一千億ドルから二千四百億ドルだという推計になってございますが、ただ、その中で、報告書におきましては、この推計の基礎となりますデータあるいはその試算方法については非常に課題が多いので、実態を反映した結果とは必ずしもなっておらないことから更なる検討をすべきだと、こういう条件を付けた形で数字が出ておるところでございます。  日本につきましては、そういう状況でございますので、基本的にデータベース等々制約ございますので、そういう推計は今のところ行っておりません。
  31. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 しかし、世界で、例えば一千四百億ドルですか、一ドル百円で計算すると十四兆円ですよね。日本のGDP、例えばGDP並みにそれがあるとすると、一〇%としても一兆四千億というふうになるんですが、なかなか先進国以外ではこのタックスヘイブンの活用というのは簡単ではありませんので、GDP比よりは実際に日本で行われている割合というのは高いと思いますので、そうすると、二〇%とすると二兆八千億とか、やっぱり数兆円の規模はあるんではないかと思うんですが。  そこで、今パナマ文書というのも随分話題になっておりますので、ちょっとBEPS的行為の実情を知る意味あるいは実情を推測する意味で幾つかお伺いしたいことがあります。  日本の企業が海外現法をどのぐらい持っているかというのは、BEPS対策に力を入れる、しかも世界の中でそのリーダーシップを発揮してきたという自負がある日本の財務省としては、当然そういう情報はしっかり捕捉をするべきだと思うんですが、例えば資本金一億円以上の企業、これが今幾つぐらいあって、その企業が有する海外現法の総数はどのぐらいかということについてお答えをいただきたいと思います。
  32. 星野次彦

    政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  国税庁の平成二十六年度分会社標本調査によりますと、活動中の内国普通法人の資本金一億円以上の法人数は、連結納税を行っている場合には一グループを一社として数えるものといたしまして、これを含めて二万九千六百七十二社でございます。この資本金一億円以上の法人が有する海外現法、法人の総数については把握をしておりません。  なお、いわゆるタックスヘイブンに所在する海外現地法人の数につきまして平成二十六事業年度、申告実績に基づいて申し上げると、資本金一億円以上の本邦大法人等のうち約千七百社が税負担が一定水準に満たない特定外国子会社等を約九千社保有しているということでございます。    〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
  33. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今、タックスヘイブンに所有しているというふうにタックスヘイブンというお言葉をお使いになったんですが、後段のところでは一定の税率に達していないというふうにおっしゃったので、多分タックスヘイブンの定義はそういうことなんだろうと思いますが、その一定の税率というのは何%ですか。
  34. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。  日本のいわゆるタックスヘイブン税制、いわゆる俗な言葉でございますが、外国子会社合算制度という制度が正式名称でございます。その制度で申し上げますと、いわゆるトリガー税率というのがございます。二〇%未満で、境に振り分けるというふうになっております。
  35. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それは表面税率ですか、それとも実質的な実効税率ですか。
  36. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) 実質的な負担ということで見ることにしてございます。
  37. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そうすると、日本もタックスヘイブンだということでいいですね。
  38. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) タックスヘイブンというのは、日本の国から見て、日本の国の税負担とのバランスでどう考えるかということでございます。個々の企業のいろんな実態、個々の企業がどういう形で国外展開をしているかという個々の実態を見て判断していくということでございます。
  39. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今日は財務大臣にも時々お伺いしますけど、是非一緒にお考えいただきたいと思うんですが、この委員会でも何度か取り上げていますし、予算委員会でも大臣にお示しをしましたが、例えば法人税率、日本は基本税率二五・五ですが、租税特別措置等々で実質的にはそれより約八%低いわけですよ。そうすると、単純に八引いても一七・五ですからね。そうすると、今おっしゃった基準に照らすと、日本もタックスヘイブンなんですよ。  だから、タックスヘイブンとは何ぞやというのは非常に難しい議論だと思うんですが、いずれにしても、国民の皆さんには消費税の増税やら様々な御負担をこれからお願いをしなければならない財政環境、社会情勢の中で、それ負担できる方あるいは企業からも応分の負担をしっかりしてもらわないと、それは国民全体の納得性は高まらないですよね。  そういう意味でしっかり全貌を把握していただきたいと思うんですが、それでは、先ほど一億円以上の企業という基準でお伺いしましたけれども、いわゆる上場企業ですね、全上場企業の数とその上場企業が海外に持っている現法の数というのは把握していますでしょうか。
  40. 池田唯一

    政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。  国内の証券取引所に上場しております日本企業の数は、現時点で三千六百三十六社でございます。そのうち東証一部に上場しているものが千九百四十九社ということになります。これらの企業が有する海外現法の総数ということでございますが、証券取引所に照会いたしましたが、証券取引所においてはそうした計数を把握はしていないということでございました。
  41. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 ということは、例えば私どもが金融庁なり財務省に、その上場企業三千六百三十六社、うち東証一部上場が千九百四十九社、それらの企業が持っている海外現法の数を調べて教えてくださいというふうに質問をすると、どういう調べ方がありますか。
  42. 門間大吉

    政府参考人(門間大吉君) 本邦資金の出入りにつきまして統計がございます。一つはフローについての統計でございますが、こちらにつきましては対世界及び投資地域の本邦資金の出入りを財務省が公表します国際収支の状況というものがございます。もう一つはストックについてでございますけれども、対全世界での本邦からの資金の出入りを財務省が公表しております本邦対外資産負債残高というデータがございます。この二つとも、こちらは財務大臣委任を受けて日本銀行において集計等の作業をしていただいております。  この統計と同時に、日本銀行におきまして、本邦資金の出入りを投資地別に分類して日本銀行が公表しております直接投資・証券投資等残高地域別統計というのがございます。これらにおいて、その本邦資金のフロー及びストックについて国別、地域別のデータを把握できるような状況になってございます。
  43. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今、門間局長がお答えいただいたのは投資の実額を把握するのには役立つ話なんですが、私がお伺いしたかったのは、日本の企業がタックスヘイブンを利用してBEPS的行為を行っているかどうかの把握をするために、日本の企業が持っている海外現法の数を調べてくださいといったときにどういう調べ方があるかという質問なんですが、どなたでも結構ですけど、どういう方法があるでしょうか。
  44. 池田唯一

    政府参考人(池田唯一君) 一つの書類としまして、有価証券報告書というものがこれ投資者に対する情報開示のための書類として存在をしております。  有価証券報告書におきましては、連結子会社や持分法適用関連会社についての開示が求められておりまして、これらの会社の名称、住所、資本金及び主要な事業の内容等について有価証券報告書に記載することが求められております。ただし、これは投資者の投資判断のための書類でございますので、投資者の投資判断に重要な影響を与えるものについて記載するということでございますので、例えば連結子会社や持分法適用関連会社のうち重要性が乏しい会社については、ただいまのような内容に代えて社数のみを記載するということで許されているところでございます。
  45. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 私も自分の考え得る範囲でいうと、おっしゃるように有価証券報告書だと思うんですよ。今まさしく池田局長がおっしゃっていただいたように、有価証券報告書は株主や投資家の投資判断に資するためということですが、大臣、これBEPS的行為の捕捉とそれから適切な税収確保のために、有価証券報告書等の開示書類の開示基準を変更して、海外現法は全てこれを掲載させるというような変更を行われるお考えはありませんか。こういう案はどうでしょうか。
  46. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) このBEPSの細目につきましては、今からいろいろ、これ一国だけでやっても何の意味もありませんので、各国で同じような条件を皆同時につくってもらうという話をいたしますので、この話は今の一つの参考の意見とはさせていただきますけれども、これを各国で同様に皆どれくらいやり切るかというのが今一番問題なんですけれども、最低限これだけはやってもらいますよというのをずっとやることになりましたので、そういった範疇の中で一つの御提案として検討させていただきます。
  47. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 有価証券報告書という書類は、これは日本独特の項目もいっぱい入っていますし、全ての内容を世界共通にするというのは難しいと思います。というよりも、日本において日本の企業が日本国政府に対して適切な税収をちゃんと納めていただくという意味においては、海外との整合性をまたずとも、有価証券報告書などの開示書類について今私が申し上げたような工夫をしていただいてこそ初めて財務省本気なんだなと、そういうことであれば、企業からも適切な税収を納めてもらって、国民の皆さんも消費税の税率アップにも協力しようと、こういうことになると思うんですけれども。  そこで、大臣にちょっと数字を聞いていただいて一つ質問したいんですけれども、昨日財務省から法人季報に基づいた全企業の売上高の合計、経常利益の合計、法人税収の合計を一九九〇年から数字をいただいたんですよ。売上高に対してどのくらいの税収があるかという比率を、直近の二〇一四年は〇・八%、売上高が千四百四十七兆円で、それに対して税収が〇・八%、ほぼ同じぐらいの金額で同じような経済環境はいつかなと思って見てみると、バブルが崩壊して少し景気が下押しされてきた局面、今は逆に政府の見解としては底堅いという見解ですからね、まあほぼ同じような感じで一九九三年が例えば売上高全体が千四百三十九兆円、ほぼ今申し上げた二〇一四年と一緒なんですが、その売上げに占める法人税収の割合は二〇一四年と同じ〇・八%です。つまり、ほぼ同じ環境です。  そこで、一九九三年においては、法人税収の経常利益に対する割合、まあ税率、疑似税率と言ってもいいと思うんですが、これが五九%ありました。二〇一四年はどのくらいだと思われますか。想像で結構です。
  48. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 半分ぐらいでは二四、五。
  49. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 これ、昨日計算してみて私も驚いたんですよ。一七%です。  つまり、全法人の売上高はほぼ一緒、売上高に対する税収比率は同じ〇・八、にもかかわらず、経常利益に対する税収比率を見ると、一九九三年は五九%、二〇一四年は一七%なんですよ。これは物すごい、法人減税というよりも、法人の税負担の軽減がこの二十年で起きているというのは、これはいい悪いの問題じゃなくて、事実として数字がそういうことになっているんですね。  そこで、今日お配りした一枚紙を皆さんにも御覧いただきたいんですが、これも財務省から提出していただいた資料なんですけれども、これ平成六年からずっと直近までの海外現法の数なんですよ。例えば、特定外国子会社等を有する内国法人数、つまり海外現法を持っている企業は平成六年の七百四十社から千七百十二社に増えている。それはそうですね、海外進出も起きていますし、これは別に不思議ではないです。  しかし、上記に係る特定外国子会社の数を見ると、平成六年の三千八百社から今九千二百社。これも、それぞれの倍率を考えるとそんなに不思議なことではないんですけれども、今申し上げた、法人税収の利益に対する負担率が五九%から一七%に下がる過程で海外現法が激増をしているという、こういうデータと照らしてみると、これはやっぱり何らかの因果関係があるというふうにお考えになりますか。これは是非大臣にお答えいただきたいんですが。
  50. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) うかつに想像で言って、後で引っかけられるのはかないませんので。  法人企業統計のベースというのは、御存じのように、これは経常利益から算出したいわゆる計算上の、何というのかな、法人税額と実際の法人税収に差が出てくるということなんだということなんで、これは例えば、受取配当益の不算入とかいうものも入ってきているでしょうし、繰越欠損というのもこの中に当然入ってきているでしょうし、所得税額控除とか外国税額控除とかいうのも多分この時代にこれだけ、そうですね、二十年近くになりますので、そういうことなんだと思いますので、御指摘の差というのは多分結構な額になっているというのは私もそう思います。思いますけれども、税額適用除外というのがいろいろありますので、そういったものも随分あろうとは思いますが。  いずれにしても、こういったものが非合法じゃなくて合法になっている、できているというところが国際的に見て今一番問題なんだと思っていますので、BEPSとしては、これを非合法とは言いませんけれども、これが合法的にやられている、しかもその得た利益というものは、我々が納めた税金でできた道路であり、できたいろいろなインフラをただで利用して、利益は全然別のところにというのに持っていって、そこでも利益が出ている分は一切、そこに税金を納めているわけではありませんから、ケイマンにしてもパナマにしてもどこでもいいですけれども、そういったところが不公平だということが今回の一番の背景だと思っております。
  51. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、今大臣が非常に重要な御答弁をしていただいたんですけれども、さっきの局長とのやり取りでも御理解いただけますように、例えばタックスヘイブンとは何ぞやと定義したときに、一定の税率、約二〇%を境に議論をすると、日本の実効税率もタックスヘイブンとも言えます。  それから、こういう海外現法をいっぱいつくっていろんな税務戦略で企業を経営する、これ合法ですからね。実際にそのタックスヘイブンという言い方を二〇〇〇年代の半ばまでしていたのに対して、他国の税制に口を挟むのは内政干渉だといって批判も出るようになったので、タックスヘイブンと言わずに別の言葉を生み出したという意味もありますから、非常に難しいです、これ、定義は。  そこで、今まさしく大臣がおっしゃったように、合法だから、別に違法ではないんだけれども、納めるべき税金をやっぱり納めてもらいたいという趣旨でBEPS対策をやったわけですが、納めるべき税というのはどのくらいの水準を想定してBEPSの議論をしていたんですか。同時に、このBEPSの報告書に関する財務省の資料、いろんな資料に出てくる表現なんですが、課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行うことがないようということなんですが、だってどれも合法ですから、どういう行為が課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行うことに該当するのかという、その定義が実は極めて曖昧なままこのBEPSの議論が行われているんです。  同時に、日本のタックスヘイブン税制から考えると、日本の国内の税率そのものがタックスヘイブン的であり、そして日本の法人は、特に大企業を中心に大量の海外現法をつくって様々な税務戦略を合法的にやっているわけですが、じゃ彼らのどういう行為が課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行っているということと定義しているのか、そこをお伺いしたいです。
  52. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) BEPSの言わば取組の趣旨というのは、様々な、個別具体的な、例えば、ある多国籍企業において、そこが実際の世界全体で稼いでいる収益に対して税がどの程度かということがイギリスとかアメリカとかいろんなところで御議論があったということかと思います。そういう中で、個別具体的に、そういう積み上げの中で、やはり先生が御指摘のように、全体としての利益がある中で納められている税収が少ないんじゃないだろうかという問題意識から発足しているのがBEPSということでございます。  それじゃ、どういう行為をBEPSと見てそれを制限するかというのは、確かに一つの決めの問題という面がございます。したがいまして、それは、ただ海外に子会社をつくり、あるいは国と国の間の租税条約の違いとか税制の違いというのをあたかも意図的に利用することによって、税の仕組みが複雑になって、結果としての税負担が小さくなってくるという実例もあるということを踏まえてのことでございますので、それじゃ、そこに何がしかの、どういうような言わば制限を加えることがより価値を生んだところにしっかりとした税ができるかという問題意識とリンクするかということで、手探りながら言わば制度を構築しているということかと思います。  特に、海外子会社など関連会社を、言わば、前回ありましたが、キャッシュボックスというような形で非常にペーパーカンパニー的につくった場合にそれが容易になるという実例が見受けられるということもございますので、それはやはり経済実態がないじゃないかということと、実際に税負担、経済実態がないところにまさに所得が集められて、全体として税収が、税が上がってこないということもあろうかと思いますので、その辺のところを言わば各国共通して検討しましょうというのがプロジェクトであったということでございます。  したがって、手法として様々な手法があるわけでございます。過大利子の控除であるとか様々出ておりますけれども、その辺を包括的に捉えながら牽制をしていくというふうになっているということでございます。
  53. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 聡明な佐藤局長の苦しい答弁ぶりが伝わってきますので、要するに定義はないということですね。
  54. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) これがそういうものだという定義はございませんが、ただ、経済実態から見て、今申しましたように、実際の関係者の言わば経験からして、例えばキャッシュボックスのような形でそういう法人存在することが、全体として価値が生むところにしっかりとした税負担が行っているかどうかということをやはり邪魔している可能性も十分あるわけでございまして、その場合、それじゃ、どこの税負担が軽減されるかということは十分チェックする必要があるし、そういう部分について、やり過ぎた場合について一定の制度として牽制すると。  大塚先生のお話、恐らくやり過ぎるってどういう意味だということかもしれませんけど、そこはよく、国とか地域間で税の差があったりすることがそういうことを誘発しておりますので、少なくとも何がしかの差がなくすことが、そういうインセンティブを失っていくというふうな形で牽制をしていくということの言わばトライ・アンド・エラーだというふうに思いますけれども、第一歩踏み出しているということかと思います。
  55. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、BEPS対策されることはいいことだと思うんですよ。別にそのことは否定していませんし、是非一生懸命やってほしいと思います。  ただ、大臣、これはOECDに行っていた浅川さんの名前もよくお出しになって答弁しておられましたけれども、日本が主導してきてといって自負をしておられたと思いますし、省内では今のような説明をいろいろ聞かれて、うん、そうだなと納得しておられたと思いますけど、要するに定義ないんですよ、これ、一言で言うと。定義がない中で、我が国は何と法人税収の対経常利益比率は一七%ですから、人様のことを言える状況じゃないんです、これ、二〇切っているんですから。ということをまず大臣にも御認識いただきたいと思うんです。  そこで、お配りした資料の先ほど見ていただいたものの裏側は、平成二十六年度のどこの国に海外現法をつくっているかという、先ほどの裏側の九千二百七十社に該当する数字が、この一番下に九千二百七十と出ていますので、国別のこれは数字であります。  やはり、こういうものの少なくとも日本国内の法人の実態を、日本国内の法人海外でどういう活動をしているかということの実態を、まず自分のところの庭先が完璧にフォローできなければ、よその国のことをとやかく言っていても説得力がないですね。  そこで、ここは財政金融委員会ですから、取りあえずメガバンク三行を例に取ってお伺いをしたいと思います。  メガバンク三行の有価証券報告書を見ると、例えば東京三菱は、連結対象は四十六社、うち外国法人が私が数えた限りでは二十一社。これは名前が出ているんですよ、これだけは。ところが、その他連結対象百八十社。三井住友は、連結対象として公開されているのは六十一社、うち外国法人は三十五社。三十五社のうちケイマンだけで十六社。それとは別に、その他連結対象が二百五十六社。これ、詳細一切分からないんですよ。それから、みずほ、公開連結対象百五十社、うち海外法人八十七社。ケイマンだけでその約半分の四十一社。  みずほの場合はその他連結対象というのは有価証券報告書に記載がなかったんですが、まず、お伺いしますが、みずほはその他連結対象はないという理解でいいですか。
  56. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) ないという理解でよろしいと思います。
  57. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それ、是非確認してください。もし、ないとすればいいですけれども、あるけど記載していなければ、それは有価証券報告書の記載義務違反ですか。どうなりますか、これは。
  58. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) 今回御質問がございまして、有価証券報告書上、委員がおっしゃっているような形で、重要性の乏しい会社、この内訳で特に海外にその会社があるかどうかということを確認いたしました。その過程でみずほに確認いたしましたので、それはないということで我々理解しております。
  59. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 海外だけじゃなくて、例えば今申し上げた東京三菱のその他の百八十社。つまり、その他百八十社としか書いていないんですね。一切中身分からない。三井住友も二百五十六社。これは、海外現法だけじゃなくて国内法人も多分あると思うんですよ。だから、みずほはその他で海外現法はないかもしれないけど、国内の連結対象の法人も一切ないという理解でいいですか。
  60. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) おっしゃるとおりでございます。国内も含めて重要性の乏しい会社はないということでございます。
  61. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そうすると、例えば、東三と三井住友とみずほは、大分海外法人を利用した税務戦略であったり財務戦略というのはちょっと違いがあるなという、これは企業戦略ですから別にいいんですけれども。  じゃ、もう一つお伺いしたいんですが、名前が公開されている企業と、その他連結対象としてくくってしまっている企業と、この公開基準の差は何ですか。
  62. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) 重要性の乏しい会社として有価証券報告書上に詳細を説明、内容を載せるかどうかというのは、これは各上場会社の判断に任されているというふうに認識しております。  有価証券報告書の作成要領、これは財務会計基準機構が作成しているものでございますけれども、そこで示されている作成に当たっての重要性の判断基準というのは、当該関係会社の規模でありますとかグループ業績への貢献度、あるいは将来性等を勘案して記載することが適当という記載がございます。
  63. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 大臣にお伺いしますけれども、さっきの質問をもう一回繰り返しますけど、例えば現在の有価証券報告書は、株主や投資家の投資判断に資するためということで、個別企業名の開示等々については、今の局長の御答弁によれば個々の企業の判断だということになっているんですが、何かちょっと気持ち悪くないですか、これは。二百五十六社も百八十社も一切投資家がこの情報分からなくて、そもそも投資判断に資する資さないという意味においてもやや問題があると思いますし、BEPS的行為に対する世界的な対処のリーダーシップを取ってきたと自負する日本としては、少なくとも我が国の有価証券報告書については、一部上場企業については連結対象企業は全て有価証券報告書に記載すべしというぐらいのことを、財務大臣金融担当大臣として号令一下、そのような方針を打ち出しても全然おかしくないと思うんですが、麻生大臣ならできると思いますが、いかがでしょうか、やっていただけますでしょうか。
  64. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 麻生大臣ならしないんじゃないかと言っていただけるのかと思ったんですが。  今のお話ですけれども、みずほがゼロ、海外に行くより国内対策が大変だったろうね、おたくは三行一緒になったからと思って、そっちの方にちょっと同情したし、東京三菱は、多分東京銀行の支店がやたら海外に多かったはずですから、三菱はそんな支店が多かったはずはないんで、東京の数、合併したから多いんだろうなとか、いろんなことを思いながら聞いておりましたが、今の話の中で出てきております名前を出ている出ていないということに関しましては、これは多分有価証券報告書の基準があるんだと思いますので、その基準の内容がちょっと私どもの方として分かりませんので、今の段階でお答えすることを差し控えさせていただきます。
  65. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 ここは私も知らないところですので、是非ここははっきりさせた方がいいと思うので、私が個人的に金融庁や財務省から説明伺うのもいいですけれども、これは委員の皆さんと情報を共有した方がいいと思いますので。  これは委員長にお願いしますが、日本の有価証券報告書の連結対象の企業の公開基準はどのようなルールで決まっているのかということについて、そのエビデンスも含めて委員会に提出していただいて、今後の審議の参考資料とさせていただきたいと思いますので、よろしくお取り計らいいただきたいと思います。
  66. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  67. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それでは、分かる範囲で結構なんですが、じゃ、例えば、みずほはケイマンだけで、公開されているベースで四十一社、会社持っているんですよ。これは金融庁が把握をしている情報で、開示できる範囲でいいんですけれども、どういう経緯で四十一社もケイマンに持っているんでしょうか。
  68. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) 個別の銀行の個別のケイマン等に置いてありますSPCの趣旨というのは、そこまでは公表資料にございませんので私ども把握しているところではございませんけれども、一般に三メガバンクがいわゆるタックスヘイブンにそういったSPCを設立して活用しているといったことに関しては、二つの大きな活用態様があるというふうに私ども理解しております。  一つは、銀行自身の資金調達目的がございます。これは、かつて一九九〇年代後半でございましたけれども、バーゼルという国際規制の枠組みがございまして、そこで海外SPCの発行する優先出資証券についてティア1可能というルールでございました。そのために銀行自身がそのSPCを海外につくったといったことが一つございます。  それからもう一つは、顧客であります企業の資金調達目的のために銀行がSPCというものを設立し、そこで例えば資産流動化、証券化スキームを組んだり、金銭債権、企業の持っている金銭債権というものをそのSPCに譲渡して企業の資金調達目的を満たしたといった状態がございます。  ということでございますので、三メガのタックスヘイブンの活用形態に関しては、租税回避目的というのは全く異なる経済的な意味を持って活用された、設立されたというふうに理解しております。
  69. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それは私も理解できます。別に海外につくった現法が全部租税回避のためなどとは思っていませんし、かなりの部分は今おっしゃったような理由でもあろうというふうに思います。  ただ、それは、例えばみずほ銀行自身の租税回避でないとしても、もし、今おっしゃったように、顧客の資金調達のためにつくったSPCだったりすると、その顧客は、今日前半でお伺いしたとおり、例えば上場企業三千六百三十六社、東証一部上場で千九百四十九社、これらの企業が何らかの理由で資金調達やその後の税務処理のために取引先銀行であるみずほ銀行に設立をしてもらっているのかもしれないですし、こういう全貌を把握するためにも、やっぱり、もし手掛かりが有価証券報告書しかないというのであれば、私もそういう理解ですし、先ほどの皆さんの御答弁でも現状ではそういうことでありましたので、やっぱり有価証券報告書の開示内容というのをBEPS対策のリーダーシップ国としてそれにふさわしい内容にするべきだということが今日のこの質疑の趣旨なんですけれども、改めて、大臣に是非御検討していただきたいということをもう一回お願いしますので、御答弁をお願いしたいと思います。
  70. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 度々申し上げておりますが、このBEPSというものは、これは各国が競争で法人税を止めどもなく下げ続けていくというようなのは全く愚行に近いと、少なくともG7の財務大臣はこういった流れを止めて、法人税というものはしかるべきところでしかるべき額に決めて、そして皆ほぼ競争という条件を整えるようなことを考えないと、少なくとも法人税の値下げ競争みたいなことをやるのは、やって結果として自国の財政を悪くしているのは愚の骨頂ではないかというところからこれはスタートしておりますので、しかも、その出た経費を節減した企業はそれをしかるべきところに、どこにも払っていないというのもさらにこれは税に対する公平性を欠く、したがって納税義務に対するモチベーションも下げる等々が一番問題だというので、これはそもそもこの話を振り込んでスタートさせていただいておりますので。  これ、ここまで三年ぐらい掛かりましたけれども、自国としては皆それぞれいろんな思いもおありだと思いますので、これ今から、やっと合意まで取り付けておりますので、これから今細目にわたって七か国以外、OECDを更に広げて他国にもというので条約をやらせていただくことになり、少なくともやっと第一回として、パナマだけはその条約に入っていなかった数少ない、世界四か国あったかな、四か国のうちの一つだったんですが、そのパナマは正式に日本と取決めをするというのを今回正式に総理との間で契約をしておられますので、その意味では、世界に対してはきちんと日本はパナマとやりましたよということを申し上げられるような状況をつくっておりますし、いろんな形で先頭を切って今やらせていただいておりますけれども、今言われましたようなことに関しましても、有価証券報告書の信用の問題等々を含めて新しい状況が今出てきておりますので、この有価証券報告書への登録に当たってはどのようなことというようなことについては少し検討させていただかねばならぬと思っております。
  71. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 ありがとうございます。  このBEPS対策に注力しておられることには全く異論はありませんので、しっかり御対応いただいて実効性のある展開にしていただきたいんですが、繰り返し申し上げて恐縮ですが、ところが、その我が国自身がタックスヘイブン的であるかないかの基準であった実効税率二〇%以下の法人税収対経常利益比率であるということであるということは、これが俗に言う灯台下暗しということでありまして、そういうことになっている中で、消費税率再引上げという、片方では財源確保のためのこういう動きがいま一つ国民の皆さんの腑に落ちないという点かもしれませんので、是非しっかり御対応いただきたいと思います。  ちなみに、先ほど門間局長がお答えになられた日本銀行の直接投資・証券投資等残高地域別統計、いわゆる国際収支統計から作った統計ですが、たまたま私の古巣ですから、日銀のために言うわけじゃないですが、これは、日銀は財務省から委託を受けて作っている統計であって、国際収支統計そのものはこれ財務省の所管ですからね。財務省がこの国際収支統計を有効活用して、例えば今は日銀が委託を受けて作っている統計では一部の国は実数で出ていますけど、その他マイナーな国や地域については特段くくり出されておりませんけれども、統計のそもそもの所管官庁として全部の国・地域について網羅をされるという御努力をされてもいいですし、そのことを日本銀行委託すれば、今度は日銀がそれ作業することになりますが、できるだけ精緻かつBEPS的行為に対する対策を打つ上で有益な資料となるように御尽力をいただきたいと思います。  ちなみに、その日銀の統計、過去から遡って見てみますと、例えばリーマン・ショックのあった二〇〇八年にはケイマン経由の我が国の証券投資、その年の残高と言ってもいいんですが、三十三兆円だったのが、新聞等で報道されている二〇一三年の、五年後の残高では五十九兆円、直近の二〇一四年だと六十三兆円、リーマン・ショック以降でこれ約倍になっているんですね。だから、やはり日本の企業もかなりBEPS的な行為を行っているというふうに推測ができますので、これをしっかり捕捉し、対処してほしいと思うんですが、先ほどの佐藤局長の御答弁から返す返すやっぱり難しいなと思うのは、じゃ、それらの企業とやり取りするときになぜ我々が追徴課税されるんですか、何がBEPS的行為ですかというときに、その定義がないわけですよね。  そうすると、皆さんとしては何をするかというと、よっぽど皆さんの税務当局としての判断基準と異なる過少な税収しか納めていない企業に対して、言わばスケープゴート的な、まあ摘発という言葉は適切じゃないですが、指摘をして、それが新聞で表沙汰になって、何らかの形で示談的な対応をする。そのことによって警鐘を鳴らして、企業全体に対してもう少し自粛をしろというようなアナウンスメント効果を出そうということぐらいしかできないのかなというふうにも思いますが。  そういうことでは、BEPS対策というのは所詮目に付いたやつだけやるということであって、全体的な対策というのは非常に難しいということになりますし、皆さんの御苦労を十分理解しながら、やはりまずは全体像を把握するというその一助とするために企業の情報開示について今まで以上にきちっとした体制を整えていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  じゃ、もし御答弁があれば最後にお願いします。
  72. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) 済みません、お時間を最後いただきまして。  先生の問題意識、十分承知しているつもりでございます。ただ、BEPSの意義というのは、確かに決めの問題はございますけれども、やはり国同士が制度が大きく違っていることが、そこが言わば一つの隘路となりまして様々なスキームを生んでいるということも事実でございますので、各国協調しながら制度設計をしていくという大きなムーブメントというのがあるということは結構重要だと思います。  ただ、そのときに恐らく、様々なやつが行き過ぎた制度であるかどうかということについては、BEPSでの御議論を十分踏まえながら最終的に国内法手当てをしていかなければなりませんので、この委員会でも恐らくそういう御議論をいただくということがあると思いますし、既にBEPS絡みの様々な情報の交換制度でありますとか、その手のことは二十七年度、二十八年度改正でも既にそれぞれやっていただいておりますので、それぞれの項目につきまして本委員会において御議論いただくということでチェックをしていただくということかと思っております。
  73. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 終わります。
  74. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。  本日はFRC報告に関する質疑ということではございますが、熊本地震関連で質問させていただきたいと思います。  金融庁にお伺いいたします。  地震保険請求手続の簡素化が金融機関の対応として金融庁のホームページにも公表されておりますけれども、これ非常にいい判断であったというふうに思っております。東日本大震災の教訓を踏まえて、私も現地に行きましたときに、五年前、地震保険の支払、これは被災者の生活再建に非常に重要なものでございますが、大変混乱していた、損保各社も大変御苦労されたと思います。これが今回簡素化する、こう判断した経緯について伺いたいと思います。
  75. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) 今、竹谷委員御指摘のように、日本損害保険協会では、今般の熊本地震における地震保険金支払の迅速化に向けて大きく二つの対応を取っております。一つは、保険金請求書類の提出などが困難であるなど一定の条件に合致する顧客について一部の提出書類を省略する対応。もう一つは、木造建物、家財の半損までの損害について、従来の立会い調査だけでなく、顧客からの自己申告書面及び写真の提出による損害調査を行う対応といった手続の簡素化を実施する旨、これは四月二十日水曜日に発表しております。  それに先立つ四月の十八日に、日本損害保険協会は地震保険中央対策本部を立ち上げ、被害状況の把握と対策を進めております。このような保険金支払の簡素化対応は、今回の地震被害の甚大性及び、御指摘ありましたように、東日本大震災のときの経験を踏まえて、被災者の一日も早い生活再建を支援するために実施しているものであるというふうに承知しております。  当局といたしましては、引き続き日本損害保険協会及び各損害保険会社の対応状況を注視いたしまして、被災者に対する地震保険金の支払が迅速に行われるよう適切に指導してまいりたいというふうに考えております。
  76. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。  被災者の生活再建を支援するために、今までと同じではなくて、更により良い改善をしていくということはあらゆる面で非常に重要であると思います。  次に、長期化に備えた被災者の住まいに関連して内閣府に伺いたいと思います。  今、連日連夜の対応で大変な中で御答弁に立っていただき、ありがとうございます。どうしても被災者、被災地域から伝えてほしいということがあり、私自身も本当にそのとおりであると思っておりますので、質問させていただきます。  今、一次避難ということで体育館等に避難を主にされておられます。これから被災者の長期化に備えた住まいを考える上で、まずは避難所、そしてその次は応急的な住まい、そして最終的には恒久的な住まいというふうに移っていくわけでございますけれども、一次避難の中でも、今、福祉的な避難ということで、旅館ホテル、民間の、これを国交省が全旅連と調整をして、また市、県から今熊本の方で御利用の案内がされているところでございますけれども、その対象者、これ御自宅が損壊するなどして避難所等で生活されている方々のうち、高齢者障害者、妊産婦など特別な配慮が必要な方とその介助者というふうに御案内がされております。  まずは優先させるべきはその方々であると思いますが、国交省によると、既に熊本県内で千五百ぐらいの用意がある、さらには九州全域でも提供の用意があるということでございますが、二十四日時点で五十数名ぐらいの御利用者、これは東日本大震災のときに比べると非常に迅速に進められていることであると思いますけれども、まだ空きはあるのに、利用が今始まったばかりということでございまして、これ更に対象を拡大して広く受け入れていくべきであると思います。  というのは、今まで我慢して、健康であった人も突然エコノミー症候群ということになってしまったり、また、避難所衛生環境が悪くてノロウイルスというものが発生して、今は鎮静化いたしましたけれども、そういったものも問題として発生してくることを考えれば、もっと広く旅館ホテル等を利用した二次避難所というものを開放していくべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。
  77. 中村裕一郎

    政府参考人(中村裕一郎君) 御指摘の旅館ホテル等の提供につきましては、通常の避難所での生活が困難で一定の配慮が必要と見込まれる避難者、今御指摘のありましたように、高齢者障害者などの方を対象に福祉避難所として行っておりまして、そういった必要性の高い方を優先しているということでございます。  もちろん、ただ、これ例示でございまして、その配慮を要するかどうかということにつきましては、現場である程度柔軟に判断をいただければよろしいのかというふうには考えておりますので、特に、例えば保健師さんが御覧になって、エコノミークラス症候群などの発症のリスクが非常に高いと思われるような方であれば配慮が可能ではないかと思っております。  その他、広く住まい等の提供ということで考えますと、公営住宅ですとか応急仮設住宅の提供につきましても熊本県等において準備に着手をしているところでございますので、そういった広い住まいの確保という中で、国におきまして、関係省庁協力し、また県などと緊密に連携しながら努力をしてまいりたいと、このように考えております。
  78. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。  この旅館ホテルの提供に係るコストというのは、ボランティアではなくて、公的な災害救助法に基づく補助が入っていると思います。その費用、今回想定している費用、また、国、地方被災者の負担割合についてお伺いいたします。
  79. 中村裕一郎

    政府参考人(中村裕一郎君) 今般の地震におきまして、通常の避難所での生活が困難な方々についての福祉避難所ということで、繰り返しでございますけれども、旅館ホテルなどを提供しております。  これ、災害救助法の対象ということで進めておりますけれども、費用につきましてはその地域における宿泊の実勢価格を踏まえて被災自治体において検討されるということにいたしておりまして、今回は熊本県では一泊三食付き税抜きで七千円という水準となっております。  この費用の負担でございますけれども、災害救助法に定める負担割合につきましては、国が少なくとも二分の一を負担する、残りを県で負担するということになっておりまして、実際に入っていただく被災者の方々については負担はないということでございます。
  80. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。  先ほど、福祉避難所だけれども柔軟に判断していっていいのではないかという御答弁がございました。やはり県が主体になるわけではございますけれども、国からきちんと補助が入るかということが重要でございますので、柔軟対応して、県の判断で受け入れた場合でもきちんと費用を国が負担するという、そういう御答弁であったというふうに理解をいたしました。  今、八百回以上の余震が続いていて、健康な人であっても非常に不安を感じ、そして疲れがたまってきているという状況だと思います。揺れない場所でリフレッシュしたいというのが今の正直な被災エリアにお住まいの方々の思いであるとも伺っております。また、九州各地の温泉地では地震の風評でキャンセルが相次いで、例年と異なって、これから迎えるゴールデンウイークは閑散とした状況になるのではないかという声が出てきています。  被災された方々のショートステイが可能となるように、九州各地の温泉地や観光地での宿泊施設まで範囲を広げて二次避難所のスキームを適用し、被災者のリフレッシュ、そして九州の地域での風評対策、両方をマッチングしていくことが重要であると思いますので、是非国としても県のバックアップをお願いしたいと思います。  続いて、地方公務員共済組合の宿泊施設の提供について伺いたいと思います。  これも、受入れ枠がある場合に宿泊を無料ということで、今回、私初めてではないかと思うんですが、早い段階で手を打っていただきました。この利用状況、また、これは先ほどの民間の旅館ホテル提供とスキームが違うと思います。その点についてお伺いしたいと思います。
  81. 宮地毅

    政府参考人(宮地毅君) お答え申し上げます。  今般の熊本地震に際しまして、できる限りの被災者支援をという観点から、総務省の所管の各地方公務員共済組合に対しまして宿泊施設への被災者の受入れの協力を、四月十五日付けで協力をしております。この点につきましては、過去にもそうした対応をしたこともございます。この受入れに当たりましては、宿泊料を無料といたしまして、食事代のみ実費負担としていただくように要請をしているところでございます。  他の制度との関係で申し上げますと、これ協力を要請しているものでございますが、年齢ですとかあるいは障害の有無等は問わないような形でこちらから要請をしております。  この総務省所管の地方公務員共済組合の宿泊施設での被災者の方の利用状況でございますが、受入れ開始から四月二十四日の宿泊分までで六施設で延べ百三十六名と承知をしております。
  82. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。  利用者がもう既にあるということで、これについても是非被災者の方々に広く利用していただけるようにしていっていただきたいと思います。  最後に、今後の応急仮設、また恒久的な住まいというふうに対策が取られていくに当たりまして、もう既に応急住宅の建設地の確保にも内閣府として奔走されているということを理解しておりますが、資料の二ページ目のところにお示しをいたしました応急仮設住宅のコストという過去の実際の単価で、東日本大震災のときには六百万から七百万円台の一戸当たりコストが掛かっていたということでございます。これ、どうしても必要なものでありますので、幾らコストが掛かってもやらなければならない場合があると思います。  しかしながら、一方で、みなし仮設、次のページにありますけれども、これは限度額、上限であっても一か月九万円ぐらいということで、随分と応急仮設住宅を建設する場合とコストが異なってまいります。  また、四ページ目には被災者生活再建支援制度の概要ということで、おうちの全壊、半壊、そうした状況になった方への支援金、お見舞金ということでの制度でございますが、こちらについても最大で三百万円が支払われる、そういった制度があるわけですが、様々な状況から応急仮設のコストが高まっているという状況も鑑みますと、決していい環境ではない仮設住宅、さらには恒久住宅に早めに移動していただかなければならないという、そういった状況に必ずなってまいりますので、早めにそれをやっていくということに目標を定めて、なるべくこの応急仮設住宅のコストについては、掛かる分についてはしようがないんですけれども、被災者の方々のためになるように全体的な住まいの手当てというものを考えていく必要があるのではないかと思います。  災害公営住宅も必要でありますが、ここにも民間の力を借りていく、あるいは自力で再建するということのインセンティブを与えるために住まいの給付金的なものをつくっていくとか、民間の賃貸住宅を造るときにその賃貸料を被災者の方が入る場合に負担をするとか、そうした柔軟な対応を、多様性がある対応をしていくということが重要ではないかと思います。  今より良くなる選択肢があるということが、先ほどのホテル旅館等を活用した二次避難も含めまして、多様な選択肢があるということが希望につながっていくと思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。  答弁は求めずに、これで終わります。
  83. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門でございます。またよろしくお願いいたします。  先ほど大塚さんからもありましたが、タックスヘイブンの問題で、昨日、決算委員会でタックスヘイブン、質問させていただきました。もう税逃れは許さないという麻生大臣の踏み込んだ決意も聞かせていただきました。  ただ、ちょっとこの間、事務方の方といろいろ、レクチャーも含めて、昨日の国税庁次長さんの答弁もそうなんですけれども、大臣はG20の現場でいろいろ肌で感じておられると思うんですけれど、ちょっと事務方が、私はこの問題をもう取り上げて七年、八年になると思うんですけれど、基本的に課税当局を応援する、激励する立場の質問をしてきたつもりです。課税逃れは許さないというかなり強い事務方のそういう姿勢も感じながら来たんですけれど、ただ、この間、パナマ文書以降、国税庁の皆さん、財務省の皆さんとお話ししていて、どうもちょっとやる気が感じられないといいますか、日本の中でのこととか、あるいはもういろいろあるんじゃないのみたいなですね、になっているんじゃないかなというふうにちょっと危惧を抱いておりますので、今日は大臣よりもちょっと事務方を詰めてみたいなと思っているんですけれども。  お配りいたしました、先ほどから名前が出ていますBEPSなんですけれども、OECDの租税委員会で、この議長は財務省の浅川さんということで、立派な方でございます、が主導されてこられたプロジェクトで、税逃れ許さないというプロジェクトですけれども、私は大変重要なことがこの三本柱、下の方にありますけれど、掲げられたなと思っておりまして、Aのところに、グローバル企業は払うべき価値が創造されるところで税金を支払うべきとの観点から、国際課税原則を再構築する、実質性と、これ大変重要なことが掲げられたものと思うんです、当たり前のようなことでありますけれど。  この意味ですね、佐藤さん、主税局長といいますか、課税当局はどう捉えておられるのか。特にこの再構築ですね、この辺の意味をどう捉えておられるのか、ちょっと事務方の意見を聞かせてもらいたいと思います。
  84. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) お答えいたしますが、二つお尋ねでございます。まず、この払うべき、Aのところでございますね、価値が創造されるところで税金を払うべきということについてということと再構築というお尋ねでございます。  まず、一つは、もとより税というのは、当然企業は経済活動をしておりますから、その地域に様々なインフラ等々を活用しながら収益を上げているということでございますので、これらの社会資本の費用というのは、当然その利益を一部何らかの形で、特に税という形で言わば還元しているということかと思います。多国籍企業であってもそれは同じということでございますので、しっかり経済活動が行われた、まさにそこでそれに見合った形の税を納めていただくと、こういうことでございます。  今までの国際租税の原理というのは、どちらかというと二重課税と、国際間でそれぞれ課税権が国同士ございますので、ある所得がどこかで生じたときに、それはその国のものなのか別の国のものかという辺りの二重課税の調整をちゃんとするということが今までの大きなテーマでございましたけれども、やはりここ二十年間ぐらいの間の中に大きくグローバル化が進んで、各企業が自由海外で子会社をつくるということが可能になってくる中で、どちらかというと、国際的な二重の非課税、すなわちどこにも税金を納めなくて済むというふうな状況が生じてくるということが見受けられるようになったということだと思います。  先ほど大塚先生からの御議論がありましたけれども、様々な地域間で税の制度の差がありますと、そこを巧みに組み合わせますと、結局、ほとんど全体としては税金をどこの国にも余り落とさなくて済むという意味では国際的な二重の意味の非課税というのが目立つようになったということで、そういう意味では、今までの二重課税の調整ということに加えて、こういう二重非課税という問題にしっかり取り組もうということでこの再構築という言葉が出てきたということと承知してございます。
  85. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 佐藤さんはよくしゃべられますけれども、そんな難しい話じゃなくて、ここで言っているのは。簡単に言いますと、大塚さんの資料、私も昨日配らせてもらって、なぜペーパーカンパニーが増えているのかという質問を昨日したんですよね。タックスヘイブン税制がありますから、基本的には税逃れしようと思ってもペーパーカンパニーと分かっちゃったら税金掛けられるわけですね、本国と同じように。だから、税逃れでペーパーカンパニーをつくっても意味がないはずなのになぜ増えているのかと質問したときに、次長は、いろんなほかのメリットがあるんでしょうと、あれこれのこと答えられるような、何といいますかね、どこで会社をつくろうが企業の自由じゃないかとか、あるいは法人の設立が簡単だとか、いろいろメリットがあるんでしょうと。それはそれであれだけれども、一応、税逃れといっても合法的にやっているからというようなことで今まで来て、企業の活動自由じゃないかというようなことで、その中で、佐藤さん言われたように、二重課税とかいろんなことがテクニック的に話になってきたんだけれども。  今、そうではなくて、BEPSの議論とかOECDの議論、EUの議論は実はそうではなくて、もっと太い話で、そもそも利益を上げたところで、その国できちっと税金を払ってくれないと各国の財政が大変になってきて、税収は減ってきて国民のための予算も組めなくなってきているというような、当たり前のことなんですけれど、出発点に戻るような、そういう大きなことをここで言っていて、そういう考え方に基づいて税制も再構築をすべき。  つまり、もっと言ってしまえば、そこまで行くかどうか、まだこれからか分かりませんが、ペーパーカンパニーそのものがうさんくさいんですよね、そもそも税逃れじゃなかったとしても。資産を隠すとか匿名性とか、元々うさんくさい話なんですね。だから、ペーパーカンパニーそのものがいかがなものかと。一定の、取りあえず法的にクリアしていればいいんじゃなくて、やっぱりそういう大きな方向のことを浅川さんはここに込められたんではないかと私なんかは思っているわけであります。したがって、時代がそういうことを国際的に求めている、国際協調で求めているのかなというふうに思うわけであります。  昨日、時間がなかったので質問にはできなかったんですけれども、聞いてみたいなと思うんですが、先ほど大塚さんからもケイマンの資料を配られました。実は、日本の証券などの投資、実際の投資、括弧付きの投資ですけど、投資したように見せかけているわけですが、一番大きいのはケイマン諸島でございまして、六十三兆円ですね、先ほども御紹介ありました。今日は資料を用意いたしませんでしたけれども、あっ、投資残高ですね、六十三兆円というのは。そのケイマンの六十三兆円が残高ですけれども、そのリターンであります投資収益が二兆七千億なんですね、投資収益が。ところが、これ国税庁に調べてもらって、昨日資料を配ったんですけど、投資収益が二・七兆なのに課税対象が一千七百五十五億円、課税留保の対象ですけれども。この落差は一体何なのかということなんですね。  昨日は、それは時間がないので私の方でこれこれこういうことじゃないかと説明しましたけれども、財務省としてこの落差についてどういうふうに捉えておられるか、お聞きしたいと思います。
  86. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。  ちょっと数字を、今手元にないのでちょっと曖昧な答えになりますけれども、ちょっと若干感想めいたことを申し上げますと、まず、税金を払うベースとして、比較するベースとして、経常利益、いわゆる会計上の利益が単体として計算されておるのか、それからいわゆる連結ベースになっているのかということによって見えてくる姿が随分違ってくるんだろうと思います。それから、あと、会計上の利益という観点からしますと、連結あるいは単体の企業収益から、まさに受取配当の益金不算入制度の話とか租特とかいろんな課税の制度がございますので、それで引き算がされていってというような話になっていくということで、何を分母で議論しているかというのもちょっとあるんだろうと思います。  制度論的には、やはり受取配当益金不算入だとか外国子会社益金不算入というのは、それ自体としては一般的な制度ということで一応、国会でも様々な御議論ございましたけれども、制度としては定着しておって、しかし、その部分が課税ベースを例えば小さくしているというようなことであれば、その実際に納めている税収とそのベースになる会計上の利益との間に差が出てくる可能性はあるんだろうというふうに思います。  ちょっと感覚的なお話でございますが、以上です。
  87. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 おっしゃったような面もあるんですけれども、そもそも今のタックスヘイブン税制というのは、日本の親会社がその子会社の株式の保有を五〇%を超える保有をしている、そのケースだけが対象になって、なおかつ実体がなければペーパーカンパニーと。ところが、もうこのタックスヘイブン関係にはいろんな税逃れの指南書がいっぱい出ていますけれども、もうよく出てくるのは、五〇%以下に抑えましょうと、あるいは株主も、子会社の株主も一人一〇%以上持たないようにすると、引っかかっちゃうからというようなことをいろいろやられていて、結局、今の日本のタックスヘイブン税制では対象にしていないところはまだいっぱいあるわけですね。  そういうこととか、したがって、私、申し上げたいのは、BEPSで浅川さんが頑張って、日本のいろんな会議の場で麻生さんも一生懸命やってもらうというのは、もちろん一番頑張ってもらっているのは分かっているんですけれども、日本の今のタックスヘイブン税制がこのままでいいのか、もう抜け道だらけと、こういう認識をやっぱり、冒頭申し上げましたとおり、まずその認識を課税当局は持つべきではないかというふうに思うんですけれど、いかがですか。
  88. 佐藤慎一

    政府参考人(佐藤慎一君) 日本の外国子会社合算税制ということにつきましては、先生御指摘のとおり、一定の適用対象外というのがございます。例えば、外国関連会社に対して日本の居住者の持ち株割合が五〇%超という形でいわゆる支配要件といったものがあって、それとの関連で対象になったりならなかったりと、そういうふうな話があるんだろうと思います。その辺のところを見直してはどうかというふうなお尋ねかと思います。  この辺りはBEPSプロジェクトの中でも、この話以外に様々な観点からいわゆるタックスヘイブン税制についての検討というのをできるだけ各国ハーモナイズさせながらやっていきましょうということで勧告をいただいているところでございます。日本の今の制度はそれなりに一つの有力な選択肢だというふうになってございますけれども、一方、先生御指摘のように、やはり現行の要件というのが課税逃れのリスクがあるんじゃないかということもございまして、その問題意識も含めて、引き続き、日本のこれから、今度、我が国で制度化していかないといけません。現行制度のいい部分、悪い部分も含めまして、BEPSの考え方を踏まえながら、今の御指摘の点も含めて検討していきたいというふうに思います。
  89. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 おっしゃるとおり、そういう方向で検討してもらいたいと思います。  とにかく、このBEPSの先ほど申し上げましたAの柱は大変重要な方向を示しているというふうに思いますので、もう大臣には質問をする時間ありませんけれども、是非頑張っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  90. 藤巻健史

    藤巻健史君 おおさか維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。  まず、質問通告していないので、ちょっとコメントだけというか、次回以降、機会があればお聞きしたいと思うんですが。  昨日、実は私ちょっとオフィスに来られなかったので、今日朝来ましたら、机の上に、バーゼル銀行監督委員会による最終文書というのが金融庁から出されていて、その文書が置いてあったんですけれども、先ほどちらっと見ていましたら、その最終文書、四月二十一日に公表された最終文書でショックシナリオというのが書いてあって、円一〇〇ベーシスポイント、米ドル、ユーロ二〇〇ベーシスポイント、イギリス・ポンド二五〇ベーシスポイントというふうに書いてあるんですね。要は、金利がぽんとこれだけ上がったときに銀行が大丈夫かということを表しているんじゃないかと思いますが、ぱっと見て、財政事情を考えると、米ドルとか英ポンドよりも円の方が跳ね上がる可能性強いと思うんですよね。  特に、一九九八年十二月の資金運用部ショック、宮澤当時の大蔵大臣が資金運用部の国債買取りやめるよと言った途端に一か月で〇・六から二・四%まで跳ね上がったわけで、一八〇ベーシスポイント跳ね上がったわけです。あのときというのは、たしか資金運用部というのは発行高の二〇%しか買っていないので、今度は、今、日銀は八〇%買っているわけですから、日銀が買うのをやめると言った途端にもう跳ね上がるんじゃないかと思っているんですが、そういう状況のときに、一〇〇ベーシスポイント、一%なんというのはもう誤差の範囲でしかないと思うんですね。それで金融庁が銀行の健全性、金利リスクについて健全性をチェックしているというのは、余りにも甘過ぎるんじゃないかなと私は今ちょうどこの文書を見て思いました。これは今のところ感想にとどめておきますけど、次回以降、ちょっとそれは聞きたいなというふうに思っております。  質問に入りますけれども、日銀がマイナス金利政策を導入してから、特に中小金融機関、十年債以下がマイナス金利になって〇・一とか何かになってしまったということで、どんどんどんどん長期の国債を買っているというふうに報道があったんですけれども、これ大丈夫かなというふうに思っているのがまずあります。  それと一方、逆に言うと、外国の投資家が、マイナス金利導入以降、二年から五年物の日本国債を大いに買っているという報道もあったんですが、これ、私ちょっと考えるに、クロスカレンシー・ベーシス・スワップと関係があるのではないかなというふうに思うんですが、財務省としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
  91. 迫田英典

    政府参考人(迫田英典君) まず、データからお答えをいたしますが、日本証券業協会の公表資料というのがございまして、これで日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和導入を決定した以降、本年の二月と三月の二月における外国人投資家の国債購入の状況でございます。年限二年それから五年、この中期債につきましては四・一兆円の買い越しというデータがございます。  こうした外国人投資家の国債購入の状況について、一般的には、今委員御指摘のとおり、ドル需給がタイトになったことでドル・円のベーシススワップ取引のマイナス幅が拡大していることが背景にあるんだというふうな指摘があることは承知をいたしておりますが、その一方で、外国人投資家の投資判断というものは、これ以外にも、国内外の経済動向であるとか、あるいは金利の先行きをどう見るかといったようなことを踏まえて、それぞれの経営判断、投資判断というものを行ってやるというところでありまして、外国人投資家の国債買い越しの要因につきまして、政府として一義的に何らか決定的な見解を申し上げるということは差し控えたいと思っております。
  92. 藤巻健史

    藤巻健史君 私のコンタクト先というか仲間は、外国人はみんな、そのカレンシー・ベーシス・スワップがスプレッドがこれほどまでに広がった、これはいいチャンスだというばかりに買っているという事実があるかと思います。  これは何を申し上げたいかというと、ジャパン・プレミアムがかなり拡大してきているということだと思うんですけれども、今後、ジャパン・プレミアムが更に拡大していく、すなわち、日本の金融機関並びに企業のドル調達が難しくなってくる可能性があるのではないかなと。  特に、消費税増税を延期したときのやっぱり一番最大のリスクというのは日本国の格下げ、日本国が格下げされると、格付機関からの格下げ、国が格下げされますと、当然、企業と銀行の格下げということで、更にジャパン・プレミアムが拡大していく、日本の企業と銀行のドルファンディングがかなり苦しくなる可能性があると思うんですけれども、その辺の対処はされているのかどうかをお聞きしたいと思います。
  93. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 御指摘のあったように、クロスカレンシーのベーシススワップというものにつきましては、これは少しずつということは、もう間違いなくそういった数字が上がってきておりますのは、〇・二四、〇・三七、〇・六七、大体そういうところなんだと、二年物で、今の二年物ですよ、二年物でそういうものだと思っておりますが、ドルの需要の高まり等々が背景にありますので、調達コストが上昇しているというのはこれは私どもも認識しておりますけれども、それじゃ邦銀として、日本の銀行として、そういった必要なドル資金の調達に支障が生じているかといえば、そんなことはないと思っております。  したがいまして、金融庁としては、この動向につきましてはこれはモニタリングは当然のこととして継続してまいりますが、外貨流動性について適切なリスク管理態勢というのはこれはきちんとしておかないとなりませんので、その点につきましては検査監督等々をきちんとやらせていただきたいと思っております。
  94. 藤巻健史

    藤巻健史君 ドル調達に支障はなくても、プレミアムが広がっていきますと、かなり高いドルファンディングになってしまって、ひょっとするとドル運用、ドル調達じゃなくて円転で、円からドルに替えてファンディングをするという方向に行く。すなわち、かなりドル高円安が進む可能性もあるのかなと、これは個人的考えを持っております。  これは、そうなると日本経済にとってはいいと思うので、どうでもいいんですけれども、どうでもいいというか、いい傾向とは思いますけれども、ただ、やっぱりその辺の対処というのは考えておくべきかなというふうに思っております。  もう一方、同じことで懸念があるのは、もし金融庁等がジャパン・プレミアムに対して何かいろんな策を打つとなると、逆にまたジャパン・プレミアムが縮まり始める。縮まり始めると、外国人がやっぱり二年から五年物の国債を買うのをやめると。要するに、非常に外国人の今の二年から五年の国債購入というのは逃げ足の速い金であって、これもやっぱり危険があるのかなというふうに思うんですが、その辺の対処は考えていらっしゃるのかどうか、お聞きします。
  95. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) これはあくまでも一般論ですが、外国人の国債保有というものに関して御指摘のような議論があることはよう承知しておりますけれども、海外の投資家の中では中央銀行とか年金基金とか、また生命保険など、いわゆる国債の安定的な保有が見込める投資家というものもかなり存在をしておるのも確かでありますので、そういった意味では、我々としては、多様なニーズというものが海外にもありますので、投資家の国債を、取引ということになるのであれば、市場の状況というものが一定の方向にだけ流れてしまうということを防ぐ意味でも、市場を安定させる効果があると考えております。  また、市場変化の、何というの、環境の変化を前提としての仮定の質問というような感じになりますと、これは無用な混乱を生じかねませんのでお答えは差し控えさせていただきますけれども、国債管理政策というものを適切に運営するということと国債に対する信頼を確保するというものは、これ非常に大事なところでありまして、国債の安定的な消化のためにも、その点は十分に配慮して努めてまいりたいと思っております。
  96. 藤巻健史

    藤巻健史君 ちょっと、余り時間がないので次の質問に入ってしまいたいと思うんですが、日銀のマイナス金利政策導入後やはり長期金利がかなり低下してまいりまして、長期固定で住宅ローンを借りた人に対して銀行からの借換え要請というか借換えの宣伝というか、そういうことが起きている。新聞でも拝見するんですが、新聞にもそういう広告が散見しているんですけれども。  これ、固定金利で借りたものを期前返済してペナルティーが掛からないという事例があるそうなんですね。事業性資金においてはペナルティー当然掛かってくる、これは当たり前なんですけれども、住宅ローンに関しては、期前返済、高いところで借りた、低くなったので借換えをするときにペナルティーが掛かっていない、期前返済に対してペナルティーが掛かっていないという話をちょっと聞くんですけれども、そんなことが本当にあるのかどうかちょっと教えていただきたいんですが、もしそれがあれば余りにも日本は金融未熟国ということで、プットオプションをただであげているようなもので、これは世界に笑われているんじゃないか。  昔、もうかなり前だと思いますけれども、住宅金融公庫が期前返済ノーペナでやっていたという、私なんかは笑っちゃっていたというか、何考えているんだこの人というふうに思ったことがあるんですが、いまだにそういうことをやっている金融機関があるというのは非常に私は疑問に思うんですけれども、本当に公正でもなければ金融、非常に未熟国であるなという感じがするんですけれども、どういうふうにお考えか、教えていただければと思います。
  97. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 住宅ローンの期限前の返済ということに関しましては、これ手数料の話ですけど、これは、取る取らないというのはこれは金融機関によって様々、金融機関の経営判断で決まっておるということだと思っております。また、手数料の設定を含めまして、どのような商品とかサービスを提供するかということに関しましても、これは利用される方々のニーズを踏まえまして各金融機関の経営判断によるということで、それで決定されるものだと思っておりますが。  いずれにしても、今、住宅ローン残高の全額を期限前に返済をする場合は手数料を取るというのが、三菱銀行等々そういうきちんとなっております例がありますけれども、一部だけ返済する場合は手数料を徴収しない等々、銀行によって違っておるというのは事実であります。  したがいまして、金融庁としては各金融機関に対して、提供している商品、サービス等々の特性を踏まえたリスク管理等々、経営の健全性を確保するための取組を促してまいりたいと思っておりますので、銀行において金利の安い方に流れていく、借り換えたらその分だけというので、ある程度これは自然の流れとは思いますし、それに合わせて銀行交渉して、安い金利に合わせて自分のも下げるようにするか、いろいろ各銀行による経営判断によるところが大きいと存じます。
  98. 藤巻健史

    藤巻健史君 今、契約は自由にできるというお話があったんですけれども、各金融機関が契約自由にできるというふうに話がありましたけれども、これは極めて遺憾であって、やっぱりプットオプションをただであげるというのは借主に対して平等ではないし、本来であれば、私が株主だったら株主訴訟、これ規模が大きければ株主訴訟物だと思うんですね。単に銀行の利益を何の理由もなく放棄しているということで、これは大きい問題かなと私は思っています。大体、世界的にそんなことをしている、そんなプットオプションをただであげるなんてことをしている金融機関があるのかどうか、先進国で、と私は疑問に思います。  一応意見で、これで終わりにします。ありがとうございました。
  99. 中山恭子

    中山恭子君 日本のこころを大切にする党の中山恭子でございます。  今日は、やはり熊本県を中心とする地域におきまして亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害者の皆様に対しまして心からお見舞い申し上げます。    〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕  政府が、地震対策として二十八年度予算予備費を投入する、それから普通交付税の繰上げを、交付すると発表しました。また、二十四日には、非常災害対策本部で二十八年度補正予算を編成する方針だということを発表されました。政府の迅速な対応につきましては、大変大事なことをしてくださっていると高く評価しています。  補正予算につきまして、前回この委員会で、四月に入ったら、震災はまだもちろん考えられていなかった段階ですけれども、震災がない場合でも、四月に入ったら、日本経済の活性化を図るために早々に補正予算を組む必要があると申し上げました。今回、この大きな地震災害がありましたので、加えて、被災者の皆様が一日も早く日常を取り戻せるよう、被災者救済復興を図ることが急務であると考えております。  一刻も早く補正予算成立させることが必要だと考えますが、大臣のお考え、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
  100. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 補正予算というのは、この熊本の地震に対する補正予算と理解してよろしゅうございますか。
  101. 中山恭子

    中山恭子君 プラス、全体も含めて。
  102. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 熊本に対する補正を組むべきという指示は月曜日の日に総理の方から出ておりますので、それに合わせて私どもとしては、熊本の補正をと言われましても、まだ今余震が続いております段階で、更に土砂崩れが起きるかもしれない、今日も雨降っておりますが、そういった状況にもありますので、私どもとしては災害が最終的にどれくらいになるかというのの結論は出ておりません。  したがいまして、額を決めろといっても、下から積み上げていって額はできませんので、熊本に対する地震のいわゆる予算としてアバウトなものを作っておいて、その中で予算を、急ぐ場合が非常に多いと思いますので、即時、直ちに対応できるような体制の予算を作っておくという必要を私どもとしては感じておりますので、ちょっとどれくらいの額にするかまだ決めておりませんけれども、早急にその対応をさせていただきたいと思っております。  また、補正のお話はその他別の補正のお話だというお話でしたけれども、この点につきましては、過日、三月の二十九日の日に九十六兆七千億になります戦後では一番大きな予算編成をやらせていただくということができましたので、これに合わせまして予算の執行の前倒しをさせていただきたいと思っております。通常ですと六〇%台のものを八〇%に一挙にしますので、これだけで、公共工事が約十二兆六千億ですから、それに合わせていきますと約一兆数千億円のものが前期、上期に集中することになろうと存じますので、それが景気とかいろんな意味での刺激、需要喚起等々にもつながっていこうと思っておりますので、まずそれをやらせていただきたいと思っております。  その上で補正を今という話でございますけれども、今現在の段階として日本の経済が非常に厳しいから直ちに補正という感じを今の段階で持っているわけではありませんので、日本のファンダメンタルズ等々を考えまして、今の段階で補正予算をということを考えているわけではございません。    〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
  103. 中山恭子

    中山恭子君 九州の災害の額が決まらないということはもう当然のことだと思いますが、大まかな形で相当の金額を取って対応していく必要があるだろうと考えております。  また、一般的な補正予算ですけれども、災害対策だけではなくて、やはり今、日本の経済が停滞していると言ってもいいような状況である中で、やはり景気対策経済活性化のための補正予算財政出動が必要であると考えておりまして、これを早急に明らかに打ち出す必要があると思っております。もちろん、四月十四、十五日の米国でのG20の声明でも同様のことが言われておりますので、是非お進めいただきたいと考えております。  この両方ともに言えることだと考えておりますのは、九州での復興復旧というよりは、災害に遭った地域、道路を建設していくわけでございますので、この道路建設とともに、道路の地下に、何度も申し上げておりますけれども、共同溝を敷設するということをお考えいただきたいと考えています。  今日、共同溝とはという一ページの資料をお配りしてあります。これからインフラを整備するに当たって、東日本のときにも提案したんですけど、残念ながら共同溝の敷設まではされていないようでございますので、今回の九州地方につきましては、復旧復興に当たりましては、復旧、ただ元に戻すのではなく、その町に新しいインフラ施設を設置するという形で動いていただきたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
  104. 岡田直樹

    副大臣岡田直樹君) 私も、以前、共同溝を掘っている現場にヘルメットをかぶって潜らせていただいたこともあるんですけれども、先生御指摘の電気、ガスなどの共同溝の整備につきましては、交通量の多い道路ライフライン関係の道路工事をしょっちゅうやっていつも掘り返しているということをなくして、道路交通を円滑にするとか、あるいは町の景色を良くするとか、あるいは防災上の観点からも重要と考えております。  その一方で、熊本地震発生後、道路などの交通インフラにつきましてはいまだに通行止めとなっているところが多い状況でありますので、これは早急に復旧を進め、アクセスの改善に努力をしなければならないと。スピード感を持って道路の復旧を急ぐ必要がある中で、共同溝の整備を併せて行うことにつきましては、関係をする公益事業者、電気、ガス会社、NTT、水道局とかそういったところや、道路管理者、これは国、地方公共団体、こういったところの連携、調整を円滑に進めるということができるかどうか、大きな課題であると考えてございます。
  105. 中山恭子

    中山恭子君 この共同溝、これまでにも相当広い分野で、町の中で造っていただいているということは耳にしております。ただ、この共同溝の場合、ガス、上下水道、それから幹線系の送電など、公益事業者の参加が非常に重要な意味を持ってまいります。事業者が自ら資金を払って共同溝を造り上げていくという形になると考えておりまして、こういった公益事業者の協力が必ず必要になってまいります。  共同溝は造ったけれども使われていないというような状況もあると聞いておりますので、公益事業者がこの共同溝を必ず使用するというような形の、どう言ったらいいんでしょう、義務化までやれるかどうかですが、そういったこともやっておく必要があるだろう、整えておく必要があるだろうと考えております。もちろん共同溝を造る公共事業費も必要ですが、これを使う人々の、事業者の費用負担ということも相当大きなものになろうかと思いますので、その点につきましてもいろいろ御配慮いただけたらと思っておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
  106. 岡田直樹

    副大臣岡田直樹君) ただいま御指摘のありました公益事業者、様々な形でメリットも受けるということであろうと思いますが、道路管理に当たる国や地方公共団体、その辺りとこれから、この共同溝の整備につきましても、全国的に見ますとまだ完成延長と整備延長と合わせて六百キロというような状況でなかなか進まないということもありますけれども、その辺り、関係者の意見というものも一度よく聞いてみたいと思っております。
  107. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) これ、中山先生、昔から、これは、この話はもう財務大臣になる前から聞いていますので、まあ十年ぐらい聞いているんだと思いますが、私ども元セメント屋としては非常に賛成しますけれども、もうちょっと分かりやすい話をどんどん宣伝された方がいいですよ。  例えば、今、そうですね、東京で、委員長辺りがうろちょろしている六本木とか銀座とかそういうところ、上見たら汚いなと思うのが普通の美的感覚だと思うんですね。東京ぐらい上が電柱と電線で汚いなと思うところは大都市じゃちょっとほかに例がないと、私は基本的にそう思いますが、視線が上見ないで、みんな前の、人の目でしか見てないのでそういったことになっているんだと思いますが。  今、これが最も進んだらどうなったかという分かりやすい例を、連れていかれたら頭の固いのも少し分かるんだと思うんですけれども、今一番は、東京は、東京都内の中で銀座、中央区とかそういうところじゃなくて、むしろ墨田区とかあの辺の方が猛烈これ進んでいますよ。はい、知っている人って、ほとんどいないんですよ、これ。行かれていないから、みんな、そこまで。永田町やら霞が関なんかにいたって全然そういうの分かりませんから。あそこに行かれると、スカイツリーが物すごくきれいに見えるんですよ。電柱が一本もないからです。だから外国人はみんな行くんですよ。だって、それくらいの単純な話をどうしてみんな分からないのかねと思いますけれども、まず行ったことがないから。  でも、言われなきゃそこの選出の国会議員も気が付かない。その程度ですから。もう情けないですよ、本当。だから、もう本当、おまえ、もうちょっとよく見ろといって、あの辺の人はもうみんな、外国人がみんなそこへ来て写真撮るから気が付いたんですよ、あれって。何でみんなこんなところへ来るのかといったら、あそこの通りの真正面に、みんな電柱が一本もなくなっていますから。それは、僕は、そういったようなものを見ると美的にもきれいという点の方も併せて言われると、また電柱が埋設されると、もうこれは全く企業にとってはもうからない話なんですけれども、僕は影響は極めて大きいと、私はそう思ってこの案には賛成なんですけれども、前職が前職なものですからなかなか言わないようにしていますので、あとはひとつよろしく宣伝をお願いします。
  108. 中山恭子

    中山恭子君 ありがとうございます。高橋是清のお話が出ましたけれども、麻生太郎の共同溝ということで進めていただけますと、日本も本当に、先進国の中でこれほど道路が余り美しくないところというのは日本だと言えるかもしれませんので、全国ベースで、大きな都会からでしょうけれども、是非、美しい日本をつくっていただくためにお力をお貸しいただきたいと思っております。  いろいろ質問しようと思いましたが、思うようにできませんでした。今日はこれで、でも大変有り難いお答えいただきまして誠にありがとうございました。  終わります。
  109. 平野達男

    平野達男君 平野達男でございます。  通告を全くしておりませんでしたけども、冒頭、熊本大分の地震災害について、若干の御要望を申し上げたいというふうに思います。  あの地震は本当に異常な地震だと思います。超大型のある意味では群発地震ということであって、多分、地震学者もびっくりしているんじゃないかなというふうに思います。あれだけの、しかも震源域が別府から八代市まで広がっているという、ああいう広域での震源域になっているということ、それから地震の発生期間が非常に長いですね。先ほど麻生大臣がおっしゃいましたけれども、まだこれから何が起こるか分からない、それから地域全体が地すべり地域でもありますから、本当にこれから大変だということだと思います。  今日ちょっと申し上げたいのは、テレビで見ていますと、まだ私、現地行っていませんから詳しい状況は分かりませんが、車で避難されている方が非常に多いですね。ああいう災害が起こりますと、大体体育館とか公民館に行くというのが普通なんですが、体育館についても、耐震建築を施したにもかかわらず天井が剥げ落ちているという、これは四クラス以上のやつが二日に一遍とか三日に一遍とかいう形で、例えがいいとは思いませんけれども、ボクシングでいえば強烈なジャブが、ボディーブローがどんどんどんときているような状態が続いていますから、体育館自体も、本来被災するはずのない体育館が被災しているということで、避難所自体も余り、少ないんだろうと思います。  そういう中で、車の中で寝泊まりしている方が多いということでありまして、これから予備費支出するということだと思いますが、私、先週から、所構わずテントを送れと、テントを送って、あそこにテントを立てて、とにかく眠るところを確保したらどうかということを言い続けていまして、山岳協会とか何かにもどんどん働きかけて、やったらどうかということを先週からずっと言っておるんですけれども、是非、足下の問題として、寝場所の確保ということについては、足伸ばして寝られるところという意味においてはテントが一番いいと思います。これは、東日本大震災のときは、避難場所というのは体育館とかなんとかと比較的まだありましたから、パーティションとかあれは、その確保でちょっと時間が掛かったりしましたけれども、少なくとも寝るときには足を伸ばして寝られる場所というのがあったんですね。  だけど、こんなに、いまだにまだ車の中で、あの中で暮らしておられて、そして寝るにも寝れないということを言っているという状況は、これはやっぱりこれから体にいろんな変化も現れてくると思いますし、そこのところは予備費支出の中の主要な項目に是非挙げていただきたいというふうに思いますが、そのことに対して一言、麻生大臣の方からも感想をちょっと一言お伺いしたいと思います。
  110. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 私ども、福岡熊本等々、これは地震というのの余りないところであります。当たり前の話で、筑豊で地震震度三あったら全炭鉱潰れますので、もし昭和三十五、六年頃にこの地震が起きていたら死者は十万人は楽にと、私はそう思いますので、その意味では、この地震はそれぐらい地震のないところで起きておりますので、私どもとしては、やっぱり、おられた方々は、東京にいると震度二とか三とかは余り驚きませんけど、あそこでは初めての経験で、震度三というのはかなりのことだろうと思っておりますので、うちに帰るのが怖いというような話になってきて、震度三なら潰れませんよと思っても、何となく、初めての経験の方が多いと思いますので、対応としては、今、足を伸ばせて寝られるようなというので、昨日だか見ていたら、何か大きなテントがざあっとあそこに設置され始めておりましたので、いいことで、足を伸ばせるとかいって子供が騒いでいるのがテレビで出ていたりしていましたけれども、そういった形で少しずつ遅ればせながらやりつつあるのかなと思って、市長はそういった意味でえらく喜んでおりました。
  111. 平野達男

    平野達男君 本当に麻生大臣がおっしゃったように、中央防災会議なんかの災害予想の中でもあの地域というのは余り注目されていなかったというか、安心していると言ったら言葉言い過ぎかもしれませんけれども、私もちょっと調べてみましたけれども、少なくとも明治以降では大きな地震というのはなくて、最近福岡でちょっと大きな地震があって、家が数軒、二年前でしたかね、倒れたというぐらいがニュースにちょっと出ているぐらいだったと思います。  その一方で、これ予算委員会等々でも何回も申し上げましたけれども、地震学者の中には、一九九五年、阪神・淡路の大震災以降、日本はまた活動期に入っていると。過去のいろんな災害の歴史を見てみますと、五十年スパンとかあるいは数十年スパンで火山活動でありますとか地震とか津波というのが集中する傾向が結構あるようです。そのことはもう一回私ども想起していく必要があると思いますし、ああいう地震が起こるんだということについて私ども予想していなかったということについては、まだまだ私どもは地震ということについても火山ということについても分かっていないことが多いのではないかという意味で、もう一度やっぱりこれ謙虚にこの自然災害に臨むということも大事ではないかなということをちょっと申し上げさせていただきたいというふうに思います。  今日は、通告を申し上げている質問の方に残りの時間ちょっと入らせていただきますけれども、経済の成長ということについて若干の質問をさせていただきたいというふうに思います。  GDPで私どもは経済の成長率を見るわけでありますが、GDPは、御案内のように一番大きいのは支出面で見た場合には個人消費ということになりますし、それから政府の最終消費支出と、それからあといわゆる資本形成、まあ設備投資等々が、住宅等々が入りますけど、これが三つの大きな柱になっています。今日特に取り上げたいのは、三番目の資本形成の中の企業の設備投資と、それから時間があれば公的資本形成ということで、公共投資と言われるものの二つについて若干の質問をさせていただきたいんですけれども。  お手元にこういう横の長々とした図をちょっと用意させていただきまして、これは固定資本形成・減耗の推移ということで四つのグラフが描いてございますが、そのうち左下が民間設備投資ということになります。設備投資は二つありまして、ここに書いてありますけれども、純固定資本形成というものと固定資本減耗というのがあります。  固定資本減耗というのは何かというと、分かりやすく言ったら更新事業ですね。今まで造っていたものが耐用年数が来たと、あるいは少しグレードアップしようということで設備投資するのがこの固定資本減耗ということになりまして、全く新たに工場を造成する、それから設備を新たな場所に導入するということについていえば、これは純固定資本形成ということになります。  言うまでもなく、日本の経済がこれからどんどん伸びる、消費も拡大していく、それから新たなニーズも出てくるということになりますと、当然今までの機械更新をしなくちゃなりませんが、プラスこの純固定資本形成というのがかなり出てこないとおかしいということだと思います。  たまたま私、古い本の、下村治さんという方が好きだということは何回も予算委員会でちょっと申し上げたんですが、下村治さんの本なんか読んでいますと、高度経済成長のときは政府の支出の三倍、四倍ぐらいで住宅建設、設備投資が進んでいたということだから、それぐらい設備投資、新規の設備投資がすごい活発だったというようなことを、何かちょっとぱらぱらとめくっていたらそんな記事が出ていましたけど、そんなエッセー風のあれがちょっと出ていましたけれども、下村さんは晩年は日本は経済成長は止まるという予想をされていました。その最大の原因というのは、原油価格が高騰ということと、それからあと、これ以上の、高度経済成長以上のニーズというのは出てこないだろうというのが一つの理由でありました。  最近、宮沢先生からちょっと紹介を受けました一橋大学の齊藤誠先生が定常ということを言っておられて、全く同じ論調のことを言っておられるんですね。今日のこの資料は、その齊藤誠さんと下村治さんのところにちょっと頭があったものですから、それを基にして内閣府にちょっと資料を作らせていただいたんですけれども、どうもこの状況を見ますと、民間設備投資でいきますと、ほぼ今の民間設備投資はイコール更新になっているということです。これを裏返してみますと、企業の皆さん方というのは、国内的には少なくとも余りニーズは出てこないというふうに見ておるということのセットではないかなというふうに思います。  こういう中で、日銀政策、大幅な金融緩和等々をやっていますけれども、この状況の中でどういう経済政策を取っていくことでこれからの経済成長というのが、六百兆とかという目標を掲げていますけれども、筋道が描くことができるのか、やっぱり少しちょっと疑問だなというふうに思いますが、この図を見て、麻生大臣、どのような感想を持たれるでしょうか。
  112. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) GDPの中に占めます三大要素は、個人消費、企業の設備投資、そして政府の最終支出、この三つが一番大きなGDPの中に占めます三大要素であります。その中で、いわゆる、二つ止まっておりますので、政府としてまずはというので財政出動ということになるんですけれども、この中で設備投資に、今質問が平野先生から出ていますけれども、設備投資に関して言わせていただければ、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、企業の金の使い方は、このところ史上空前の利益が出たものの、かなりな部分を、いわゆる内部留保に約五十兆、そして設備投資に約五兆、そして賃金に約三千億というのが、この二、三年で出た、アバウトな数字を言うとそういうことになるんですけれども、少しずつ変わってきて、設備投資もマイナスがプラスに出てきて、一応この額で見ましても前年度プラスで少しずつ出てきておりますけれども、設備投資の場合はもう少し考えなきゃいかぬのは、二十年間ぐらいデフレのおかげで設備投資をしておらない分だけ間違いなく設備は古くなっております。古くなっている分だけ生産性は低い。  したがって、生産性を上げようということになるのであれば、今新しいものに変えていくというので電力消費量も違いますし、使っている光もLED使ったり、もう今の機械というのはこの十年間の間に恐ろしく変わってきていますので、そういったようなものを新しく設備投資をするということによってこういった消費の額が増えるというので、そちらの方に税制も、今やられるんだったら一括償却認めますとか、いろんな形でさせていただいて、かなり思い切ったところをやっておられる企業もありますし、そうじゃないところもある。なかなか出てきていないんですけれども。  今後とも、この民間の設備投資というものをやろうとしているときに、一つだけちょっと難しいのは、かなりの企業が設備投資といった場合に、新しいものをつくるときには海外でつくられる、国内でつくるよりは海外ということになっていったというのがこの数年間の言える傾向だと思いますが、中国でああいう騒ぎになってきておりますので、多くの企業は中国の工場を閉鎖、大阪ではダイキンみたいな会社が中国閉めて今度は滋賀県で新しく研究所を建てられたり、いろんな工場がいろんなことをされておられますけれども、そういった流れが出てきておりますけれども、積極的に日本の設備投資を増やしていった方が、今やれば償却が、税金がというようなことのインセンティブを出すことにしておりますけれども、なかなかそれをいま一つ踏み切るところまで来ていないかなと思っておりますが、今年に入って企業の経営者の発言が変わってきておりますので少しずつ変わりつつあるかなと思っておりますが。  いずれにしても、この部分が出てこない限りは、これは民間の中には住宅建築も入りますけれども、そういったものを含めてきちっとしたものが出てこないとなかなか景気感が良くなってこない、そこが大きな要素になるんだと思って、引き続きこの点はきちんとフォローしていかねばならぬところだと思っております。
  113. 平野達男

    平野達男君 住宅に関して言えば、この図で見ると固定資本減耗が総固定資本形成よりも上回っていますから、住宅の陳腐化がどんどんどんどん進んでいるということでありますね。これは、背景には人口減少等々があるんだろうと思いますが。  あともう一つは、この図の一番右下なんですけれども、社会資本整備に関して言いますと、今度は逆に相当ストックがたまっていまして、これの更新をどうするかということは、これは大きな課題だということについては皆さん方御承知のとおりでありまして、社会資本ストックマネジメントということで国交省を中心にいろいろ取組されておるわけですが、どうも今のペースでいきますと住宅と同じような状況にもなりかねないという状況の中で、今まで以上にこの社会資本ストックマネジメントということについては取り組んでいく必要があるんじゃないかなというふうに思います。このことについては、岡田副大臣、最後に答弁を願いたいと思いますが。  あともう一つは、やっぱり経済成長というのは、この民間設備投資を見れば分かりますけれども、企業人がどういうふうに見ているかということをもうちょっと現実的に捉えていく必要があると思います。スローグロースとかセキュラースタグネーションとか横文字でいろんなことを言いますし、それは低成長であろうが定常であろうが何でもいいんですけれども、そちらの、そういう言葉の方が現実的にはちょっと合ってきているのではないかということで、そのことをもう一回繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。  最後に、岡田副大臣に、この社会資本ストックマネジメントについての取組の基本方針について、時間ちょっと過ぎましたけれども、簡単で結構でございますから答弁をちょっとお願いしたいと思います。済みません。
  114. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 時間を過ぎておりますが、岡田副大臣から簡潔に願います。
  115. 岡田直樹

    副大臣岡田直樹君) はい。  今、平野先生から御指摘のありました過去に行われた公的資本形成というもの、老朽化を迎えるものについては、この二十八年度予算でもしっかりと重点的に対策を組んでおりますし、今後も検討を続けてまいりたいと思います。
  116. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  117. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣
  118. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) ただいま議題となりました株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。  日本企業の海外展開をより一層後押しするため、株式会社国際協力銀行について、海外における社会資本の整備に関する事業に係る更なるリスクテークを可能とするとともに、銀行等からの外国通貨による長期借入れを可能とする等の規定を整備することとし、本法案を提出させていただいた次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、海外インフラ事業向けの貸付け等について、個々の貸付け等の償還が確実であると認められる場合以外にも、当該貸付け等に係る条件を適切に定めた上で行うことを可能にすることとしております。その際、業務全体での収支相償を確保することを求めるとともに、当該業務について勘定を設け、区分して経理することといたしております。  第二に、途上国のインフラ事業で需要が大きい現地通貨建ての融資を拡大するため、国際協力銀行が現地通貨を調達する方法として、銀行等からの長期借入れを可能とすることといたしております。  第三に、海外インフラ事業に係る銀行向けツーステップローンや社債等の取得等を可能とするほか、その他所要の規定の整備を行うことといたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
  119. 大家敏志

    ○委員長(大家敏志君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会