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2016-03-17 第190回国会 参議院 予算委員会 16号 公式Web版

  1. 平成二十八年三月十七日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  三月十六日     辞任         補欠選任      田中 直紀君     櫻井  充君      室井 邦彦君     清水 貴之君      寺田 典城君     川田 龍平君      中山 恭子君     和田 政宗君      松田 公太君     山口 和之君      又市 征治君     福島みずほ君  三月十七日     辞任         補欠選任      櫻井  充君     相原久美子君      紙  智子君     田村 智子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岸  宏一君     理 事                 石井 準一君                 宇都 隆史君                 岡田  広君                 高橋 克法君                 二之湯武史君                 堀井  巌君                 長浜 博行君                 野田 国義君                 山本 香苗君     委 員                 愛知 治郎君                 赤池 誠章君                 井上 義行君                 石田 昌宏君                 猪口 邦子君                 大野 泰正君                 片山さつき君                 古賀友一郎君                 島村  大君                 高野光二郎君                 羽生田 俊君                 三木  亨君                 三宅 伸吾君                 山下 雄平君                 相原久美子君                 石上 俊雄君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 小西 洋之君                 櫻井  充君                 広田  一君                 藤田 幸久君                 荒木 清寛君                 河野 義博君                 新妻 秀規君                 田村 智子君                 辰巳孝太郎君                 東   徹君                 清水 貴之君                 川田 龍平君                 和田 政宗君                 山口 和之君                 福島みずほ君                渡辺美知太郎君                 平野 達男君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣     高市 早苗君        法務大臣     岩城 光英君        外務大臣     岸田 文雄君        文部科学大臣        国務大臣     馳   浩君        厚生労働大臣   塩崎 恭久君        農林水産大臣   森山  裕君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        損害賠償・廃炉        等支援機構))  林  幹雄君        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君        環境大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        防災))     丸川 珠代君        防衛大臣     中谷  元君        国務大臣        (復興大臣)   高木  毅君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣府特命担        当大臣(消費者        及び食品安全、        規制改革、防災        ))       河野 太郎君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(国家戦        略特別区域))  石破  茂君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(経済財        政政策))    石原 伸晃君    副大臣        総務副大臣    土屋 正忠君        財務副大臣    岡田 直樹君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        高木 宏壽君    政府特別補佐人        人事院総裁    一宮なほみ君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 亮治君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       澁谷 和久君        人事院事務総局        給与局長     古屋 浩明君        内閣府政策統括        官        前川  守君        内閣府政策統括        官        田和  宏君        内閣府地方創生        推進室室長代理  川上 尚貴君        金融庁監督局長  遠藤 俊英君        消費者庁次長   川口 康裕君        総務大臣官房総        括審議官     稲山 博司君        総務省自治行政        局公務員部長   北崎 秀一君        総務省自治税務        局長       青木 信之君        総務省情報流通        行政局郵政行政        部長       武田 博之君        総務省統計局長  會田 雅人君        外務大臣官房審        議官       水嶋 光一君        外務大臣官房審        議官       大菅 岳史君        文部科学大臣官        房長       藤原  誠君        文部科学省生涯        学習政策局長   有松 育子君        文部科学省初等        中等教育局長   小松親次郎君        文部科学省高等        教育局長     常盤  豊君        厚生労働省医政        局長       神田 裕二君        厚生労働省医薬        ・生活衛生局長  中垣 英明君        厚生労働省職業        安定局派遣・有        期労働対策部長  坂口  卓君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       香取 照幸君        厚生労働省老健        局長       三浦 公嗣君        厚生労働省保険        局長       唐澤  剛君        農林水産大臣官        房総括審議官   大澤  誠君        農林水産省生産        局長       今城 健晴君        経済産業大臣官        房地域経済産業        審議官      井内 摂男君        経済産業省経済        産業政策局長   柳瀬 唯夫君        中小企業庁長官  豊永 厚志君        国土交通省土地        ・建設産業局長  谷脇  暁君        国土交通省道路        局長       森  昌文君        国土交通省住宅        局長       由木 文彦君        国土交通省鉄道        局長       藤田 耕三君        国土交通省自動        車局長      藤井 直樹君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君        日本郵政株式会        社常務執行役   千田 哲也君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成二十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成二十八年度政府関係機関予算(内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十八年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本郵政株式会社常務執行役千田哲也君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、一般質疑を八十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党十分、民主党・新緑風会三十二分、公明党八分、日本共産党六分、おおさか維新の会六分、維新の党三分、日本のこころを大切にする党三分、日本を元気にする会・無所属会三分、社会民主党・護憲連合三分、無所属クラブ三分、新党改革・無所属の会三分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  5. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより質疑を行います。大野泰正君。
  6. 大野泰正

    ○大野泰正君 質問の機会をいただきまして、委員長を始め理事の皆様、大変ありがとうございます。また、本日は、広島県内で大きな事故が起こっているということであります。岸田大臣、いろいろ御心配だと思いますが、政府としてしっかりと御対応をいただきたいと思います。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  私は、昨年十二月、ODAの調査でアフリカのジブチ、エチオピア、マダガスカルに行ってまいりました。ジブチでは、自衛隊、海上保安庁の大変な御努力で、アデン湾の海賊対策に大きな成果を上げています。また、各地域でJICAや青年海外協力隊、そして各国際機関の日本人職員さんが、日の丸を背負っているという誇りを胸に、厳しい生活環境の中でも目を輝かせながら一生懸命最前線で働いている姿が、ただただ頭が下がりました。  日本の若い力が一生懸命活躍しています。どうかこの方々を安全に、一心に任務が遂行できるよう、より一層しっかりとしたバックアップ体制を取ることが政府としての務めだと思います。是非、その活躍を最大限に生かすために、協力隊のキャリアに対する正当な評価による再就職の支援の充実、そして国際機関拠出金の戦略的支出による日本人職員に対するバックアップ体制を強化し、キャリアアップを後押しすることで、各機関での我が国の影響力アップにつなげていくことが大切であります。  今回の調査では、特に女性の皆様が力強く輝いて活躍されている姿が印象的でありました。この方々を応援し、世界の平和と安定に日本がより一層重要な役割を果たしていくことがこれからの日本の繁栄の基礎であると思います。どうか力強い御支援をお願いしたいと思います。  また、今年は日本でサミットが開催されます。そして、八月には日本政府主導によるアフリカ開発のための国際会議、TICADが六回目を迎え、初めてアフリカの地で行われます。その前後で総理がイランを訪れるという報道もありました。様々な意味を持ち、日本という国柄だからこそできることがあると思います。日本が中東の平和、安定に貢献していくために、非常に意味深い訪問になると思います。  TICADⅥとイラン訪問に懸ける日本の思いを、外務大臣にお聞きいたします。
  7. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、TICADですが、TICADは我が国のアフリカ開発に関する大変重要なフォーラムであり、一九九三年からスタートしております。そして、今回、六回目にして初めて、アフリカのオーナーシップの高まりに応え、初めてアフリカで開催するということになりました。  TICADにおきましては、日本の強みを生かして、人材育成ですとか、あるいは質の高い技術を通じてアフリカの進める開発アジェンダを後押しする、こうした重要な機会だと思っておりますし、官民連携や民間セクターの関与の強化、これが大きな柱になっています。  そして、前回のTICADから今日までの様々な経緯を振り返りますときに、アフリカでエボラ出血熱が流行した、あるいは暴力的過激主義が拡大した、また資源価格が下落した、こうした動きの中で経済基盤が脅かされ、開発の前提となる平和と安定に対する脅威となる事態、これが顕在化しております。  是非、こうした具体的な課題に対応するためにも、G7あるいは国際的な開発アジェンダと連携しながら、議論をTICADⅥにおいて深めていきたいと考えます。  そして、イラン訪問の方ですが、まず、安倍総理によるイラン訪問については、現時点ではまだ決まっておりません。決まったという事実はございません。  ただ、イラン、これ地域の大国であり、中東地域の平和と安定に大きな役割を果たします。また、豊富な石油、天然ガスを持ち、そして大きな市場を有しています。我が国としてイランとの関係を重視し、私自身もザリーフ外務大臣とこれまで五回会談をしておりますし、昨年十月、私自身二回目のイラン訪問を行わさせていただきましたが、日本企業にも多く御同行いただいた、こういったことでありました。本年一月、核問題に関する最終合意の履行の日が到来したということで、国際的に大きな注目も集めています。  是非、我が国としまして、日・イラン関係、伝統的な友好関係、更に強化していきたいと考えます。
  8. 大野泰正

    ○大野泰正君 ありがとうございます。  今回伺ったアフリカの国々も、状況も体制も様々でありました。各国に寄り添うような形での援助を今後も進めていただきたいと思います、対日感情も非常に良いということを実感してまいりましたし。ただ、一つ非常に懸念は、昨今、中国の進出が急激であり、各国とも戸惑いながらも受け入れている状況で、港湾施設、道路、鉄道等、様々なプロジェクトで中国の大きな力が働いていることを目の当たりにしてまいりました。今後、この地域がどのようなパワーバランスになるのか、不安を感じずにはおれません。  そこで、お聞きしますが、先ほども申し上げたような様々な要因がある中で、アデン湾、ペルシャ湾、そしてアラビア海からインド洋を見渡した環インド洋の平和と安全には、日本が今後より重要な役割を担うと思います。我が国にとって、エネルギーの問題だけでなく、世界の平和と安定のため、全体を俯瞰した戦略的な外交をより一層進めていただきたいと思いますが、外務大臣のお考えをお聞かせください。
  9. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、インド洋を取り巻く国々、地域を全体として見て外交を進めるべきだという御指摘、これ大変重要な御指摘だと思います。  この地域、インド、中東、アフリカ、あるいはASEAN地域も含む地域であります。こうしたインド洋を取り巻く地域は、人口あるいは経済規模、こういった面から見ましても大きな成長が予想されています。また、中東地域はエネルギー資源確保の観点から重要な地域ですが、その意味からも、インド洋を取り囲む地域の安定、シーレーンの確保といった観点からも大変重要であると認識をいたします。  是非、環インド洋地域といいますか、さらにはインド洋と太平洋を併せた地域、この全体を幅広く捉えて戦略的に外交を進めていく、こうした姿勢は大変重要であると考えます。米国、インド、豪州、こうした基本的な価値、戦略的利益、共有する国々と連携しながら、戦略的な外交を進めていきたいと考えます。
  10. 大野泰正

    ○大野泰正君 ありがとうございました。  安倍政権になって日本の政治が安定したことが世界の平和に貢献できる、信頼される日本になったことは間違いなく、世界の期待に応えていかなくてはなりません。また、その中では、現場に伺って改めて感じたことは、何といっても抑止力の大切さであります。  昨年、ソマリア沖の海賊被害は一件もありませんでした。ソマリア問題の根本原因が解決したわけではなく、現在も海賊船はいます。しかしながら、自衛隊、海保を始め、各国の連携によって抑止力が働き、行動に出ることを諦めたということであります。当然、根本原因の除去にも心を砕かなくてはなりませんが、未然に防ぐ抑止力の大切さを実感し、昨年、平和安全法制が成立したことの重みを改めて強く心に刻ませていただきました。  これからも、抑止力の大切さについて国民の皆様に丁寧に説明し、御理解いただけるように努めてまいりたいと思います。  次に、日本にとって大切な石油の安定供給体制について伺ってまいりたいと思います。  我が国は、地政学的にリスクの高い中東地域に原油の八割を依存しており、特にサウジアラビアへの依存度が高いわけですが、今後、サウジとの関係をより強化する一方で、様々な国とパイプをしっかり持っておくことが原油の安定供給、価格の安定化につながることだと思います。  例えば、アフリカの国々は、レアアース等地下資源も多く、さらに石油もあるのですが、石油については中東ほど良質ではないと言われています。しかしながら、国内の製油所の施設更新によってその問題は解決できるとも伺っています。施設の更新により供給チャンネルを増やせることは、日本が世界に対し交渉力を増すということになり、安定した価格での供給につながるということであります。  ここ最近、原油価格は落ち着きを見せていますが、一時一バレル百ドル以上の時期が続きました。現在は、米国のシェールオイルの価格が技術革新によって四十ドル程度と競争力を付けてきたこともあり、WTIも現在は三十ドルから四十ドルというところで推移しています。  現在、この低油価によって財政的に大変に苦しんでいる産油国や、油田の閉鎖、また油田を手放すという話も入ってきます。今こそ日本は、そのような国や企業を援助したり円満に買い取ったりすることで日本の自主開発油田を一気に拡大するチャンスだと私は思います。  ただ、これは非常にリスクの大きい投資でもありますので、民間企業だけに背負わせることは非常に難しいと思います。官民が一体となって日本の安心と強靱化のため今こそ取り組むべき課題だと思いますが、経済産業大臣のお考えをお聞かせください。
  11. 林幹雄

    ○国務大臣(林幹雄君) 大野委員御指摘のように、低い原油価格が続いておるわけでありまして、産油国は、財政状況の悪化などを理由に、保有する優良な油田権益を売却する可能性がございます。日本の企業にとって自主開発権益を拡大するチャンスであるのは事実でございます。しかしながら、日本の企業も原油価格の下落によって財務的には非常に厳しくなってきておりまして、投資のための余力が低下しているところでございます。  このため、政府としては、まず積極的な資源外交を展開すること、これに加えまして、JOGMECを通じた資金援助を強化すること、これらで油田権益獲得を強力に後押ししてまいりたいというふうに考えております。  中東産油国との関係強化について言えば、我が国は原油輸入の約八割を中東に依存しておるわけでございまして、関係強化は不可欠でございます。サウジアラビアやUAEなど、相手国のニーズを踏まえながら、医療、教育、あるいは産業の多角化など、幅広い分野における協力を一層進めてまいります。  中東以外のアフリカやロシアなどの国々においても豊富な原油埋蔵量が確認されておりまして、開発の余地は非常に大きいというふうに思います。この調達先の多角化を更に進めてまいりたいと思います。ただし、調達先を広げていくに当たっては、我が国の製油所で世界各地の様々な性状の原油を精製できるよう、技術革新を進める必要がございます。資源外交の努力のみならず、必要な技術開発への支援も進めてまいります。
  12. 大野泰正

    ○大野泰正君 ありがとうございました。大変力強いお言葉であったと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  また、私は、このエネルギー問題、将来に向けて当然ベースロードになる再生可能エネルギーの開発をスピードアップすることも大変大切だとも思っています。またさらに、私は、もう一つのベースロードとして、地上の太陽と言われる安全で環境に優しい我が国独自のヘリカル方式でのプラズマ生成による核融合発電技術を一日も早く実用化しなければならないと思います。  核という名称が付くと皆さんも不安になられると思いますが、実際、研究所に伺うと、普通の作業服で装置内部に入り、実験準備をしている光景に出会います。是非、皆様も研究所を訪れていただき、日本の技術の高さとその安全性を実感していただきたいと思います。  できれば、核融合研究所という名前も、誤解を避けるためにプラズマ研究所等に変更するなどして、国民的理解を得る御努力をお願いしたいと思います。  実用化に向けた取組に関して、文部科学大臣に御所見をお伺いいたします。
  13. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 核融合研究は、現在、核融合の科学的、技術的実現性を実証する段階にあり、高温、高密度プラズマの生成という点で優れた性能を持つトカマク型の実験炉を用いて、これを実証するため、ITER計画を世界七極の協力の下で推進しております。  一方で、長時間運転という点で優れた性能を持つヘリカル型については、核融合炉の選択肢を広げる観点から、核融合科学研究所を中心に学術研究に重点を置いて研究を推進しているところであります。  平成二十八年度末から重水素を用いた実験を開始する予定と聞いており、引き続き、ヘリカル型の核融合研究も推進してまいりたいと思います。  なお、トカマク型もヘリカル型も、閉じ込め磁場のつくり方以外の部分では一緒に研究する課題も多くなっているところであります。実験炉の次の段階である原型炉に進む際には、トカマク型、ヘリカル型の研究の成果を踏まえていくこととしております。
  14. 大野泰正

    ○大野泰正君 是非スピードアップしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  先日、東日本大震災から五年の追悼式がありました。  改めて、犠牲者の皆様、行方不明の皆様の安らかならんことをお祈りするとともに、避難されている皆様が元の生活を、そして未来に向けて歩み出していただけるよう、私たちは今まで以上に精進していかなくてはならないと感じました。  ただ一方で、五年目を迎え、様々な報道を見ていると、風化という問題が例年以上に大きく取り上げられていたと思います。私は、この三・一一が風化していくということは、東日本の問題にとどまらず、今後三十年間の間に七〇%の確率で発生する首都直下地震、また南海トラフ三連動地震に対しても、どこか私たちは心の中で風化させて、防災・減災に対してスピードを失っているのではないでしょうか。今こそ東日本大震災の教訓を生かし、スピード感を持って対策を進めなくてはなりません。  東日本大震災では、震災直後から当たり前のことが当たり前でなくなった時間が長く続きました。その間、時間は掛かったものの、石油の供給を回復させることができ、人々が暖を取り、食事を作り、病院の機能が維持できたことが命をつなぐ一つの要因であったと感じています。  私の住んでいる岐阜県に運ばれてくる石油製品は、愛知県、三重県のコンビナートで精製されたものです。コンビナート自体の液状化対策はもちろん、震災時には輸送ルートの確保が必要となるわけです。巨大地震が起きれば港は使用不能になることが予想されます。その場合、日本海側からのルート確保によりエネルギーを届けていかなくてはなりません。  ルート確保の当面の課題として、東海北陸自動車道は大きな問題点を抱えています。それは、飛騨トンネルが法律によって危険物車両の通行ができないということであります。中央道の恵那山トンネルも同様ですが、全国にはこのようなトンネルが数多くあります。何とか緊急時の対策として危険物を運ぶタンクローリーが通行できるよう、至急法律の運用を考えていただきたいと思います。  また、命をつなぐための強靱な国土づくりには、日本海と太平洋をつなぐ動脈をつくることが大切です。このことは、私は県議会の時代から取り組んでいる問題でありまして、今後、一宮西港道路という東海北陸自動車道の南伸部を名古屋港まで直結させ、太平洋と日本海をつなぐ強靱な大動脈を完成させていきたいと思っています。  国としてもしっかりと視野に入れていただければと思いますので、ここで、トンネル問題とともに国土交通大臣の御所見をお伺いいたします。
  15. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) まず、トンネルの危険物車両の件ですが、現在、飛騨トンネルを始め長大トンネル、これは五千メーター以上、及び水底トンネルについては、交通の危険を防止するため、危険物積載車両の通行を規制しております。  一方、東日本大震災を契機としまして、被災地への石油供給を確保するため、緊急時における通行規制を緩和するよう各方面より要請をいただいているところでございます。これを踏まえまして、現在、関係省庁や石油業界と関係事業者と、通行時の安全確保のための方策等について調整を行っているところでありまして、課題の抽出を行い、早期実現に向けて方策の検討を進めてまいりたいと存じます。  続いて、一宮西港道路でございますが、これは、名神高速道路と伊勢湾岸自動車道とを連絡をし、東海北陸自動車道と一体となって、太平洋と日本海を結ぶ広域ネットワークを形成する約三十キロメートルの地域高規格道路として位置付けられております。一宮西港道路は、尾張西部地域における生活圏の形成や、名古屋港、名古屋国際空港と岐阜地域とを連絡することで、企業立地や観光周遊等が期待をされます。また、切迫している南海トラフ巨大地震等の大規模災害時に、住民の避難や緊急物資の輸送、復旧を支えることが期待をされます。  現在、愛知県におきまして、並行する名古屋第二環状自動車道等の整備状況等を踏まえながら、必要性の検討を進めているとお伺いをしております。国としては、引き続き、愛知県からの要望を踏まえ、必要な支援を実施してまいります。
  16. 大野泰正

    ○大野泰正君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。  とにかく、いつ起きるか分からないことでございますので、一日も早い御対応をよろしくお願いいたします。  最後の質問になりますが、私は大学時代、アイスホッケーをやっておりました。合宿の帰り道、河口湖から大月に向け、中央道の対面二車線区間を走っておりました。寒い時期でしたので、道は凍結し、対向車がはみ出し、私はよける場所もなくどうしようもない状態に陥ったことがあります。そのときはぎりぎりで正面衝突が避けられたので今ここで質問できているわけですが、まさに命の危険を感じた一瞬でありました。  我が国の高速の総延長の四分の一以上に当たる二千五百キロメートル余りが暫定二車線区間であり、中央にラバーポールを立てただけの対面交通の大変危険な状態であります。当然、暫定二車線は死亡率が高いことは数字に表れています。せめて、対向車の飛び出しを防ぐ構造にするための命を守る対策を早急にしていただきたいと思います。  正面衝突が起きない対策を取ることは、国民の命だけではなく、今後も増える外国人観光客に対する日本の責任であると私は思います。国土交通大臣の御所見をお伺いいたします。
  17. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 我が国の高速道路は車線数四車線以上を基本に計画をされておりますが、ネットワークの早期整備を図る観点から、交通状況や整備コストなどを踏まえ、暫定的に二車線で開通している区間が多くございます。このような暫定二車線の区間は対面交通となっているため、死亡事故の発生する確率が四車線となっている区間の約二倍となるなど、重大事故が発生しやすく、安全性に課題があることは認識をしております。これまでも、ラバーポールや舗装を工夫するなど安全対策を実施しており、また高速道路の安全性などを向上させる付加車線をより効果的に設置するための検討も始めたところでございます。  引き続き、高速道路の暫定二車線区間の安全性を確保するため、四車線化や付加車線、中央分離帯の設置などを含めた効果的な対策を、第三者の意見も聞きながら検討してまいります。
  18. 大野泰正

    ○大野泰正君 終わります。ありがとうございました。
  19. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で大野泰正君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  20. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井充君。
  21. 櫻井充

    ○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。月曜日に引き続いて質問させていただきます。  月曜日の奨学金の続きをやらせていただきたいと思いますが、改めて文部科学大臣にお伺いしたいんですが、サービサーを使って行ってくるような今の取立ての制度というのは、本当にいいと思っているんでしょうか。
  22. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 適切であると思っております。
  23. 櫻井充

    ○櫻井充君 これじゃ議論のしようがなくて、じゃ、このまま継続されるということであって、本当にそのサービサーに、まあまあ、しようがないですね。そういう認識であるとすれば、それはそれで受け止めておきたいと思います。あとは、これは学生の皆さんがどう判断されるかだと私は思いますが。  もう一つ、公的支出が少ないんですよね、日本の場合には。これをもう少し増やすべきだと考えますが、これについていかがでしょう。
  24. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 突然のお尋ねでありますが、公的支出ということは……(発言する者あり)奨学金制度とか経済的負担による軽減を図るということであるならば、より一層公的支出というのは、教育に対する公的支出を増やした方がよいと、当然そう思っております。
  25. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、通告しております。  教育予算に対しての公的支出を増やした方がいいんじゃないですかというふうに私は通告しておりますので、改めて答弁いただきたいと思います。
  26. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 失礼いたしました、私が勘違いしておりまして。  教育予算全体含めて公的支出はより一層充実をした方がよい、そのように考えております。
  27. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、OECDで日本の教育予算に関する公的支出というのはどの程度の順番か御存じでしょうか。
  28. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) OECD諸国の中では下から数えた方が早い、随分と低位にあるというふうに承知をしております。
  29. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、私、OECDの資料を調べましたが、五年連続で最下位ですけれども、大臣、いかがですか。
  30. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 公的支出の在り方ということについては、改めて申し上げるわけでもありませんが、より一層充実した方がよいと、そのように思います。
  31. 櫻井充

    ○櫻井充君 最下位という現実をちゃんとまず受け止めていただいて、その上で御答弁いただきたいと思いますが。  済みません、財務大臣、財務大臣、財務大臣、公的支出について、財務省として増やしていただけないでしょうか。
  32. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これはあらかじめ質問予告はないと確認させていただきます、まず最初に。質問通告ありませんね。その上で答えさせていただきますから。  教育は、これは一人一人が受けるものだと思っておりますので、公的負担、子供一人当たりで見るべきだとは思いますが、OECDの平均並みであるということは別の数字もあろうと思っておりますので、GDPに占めます公財政教育支出というのを見ていただきますと、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの中で平均を見ていただくと、日本というのはその中では三・七%ということになっておりますので、イタリア等々に比べては多いということになろうかと思いますが、低いということには間違いないと思っております。  また、一人当たりの年間の公的支出というものを見ていただきますと、これはOECDの平均でいきますと、日本の場合は二四・八%でありますので、OECDの平均二四・〇%に比べれば平均よりは上だということになろうとは思いますが、これは、各国とも様々なこれ、櫻井先生、考え方があろうかと思いますので、税金というものを国民みんなで多くを負担して家計の負担を抑制すべきという考え方もありましょうし、一方で、一般に大学まで卒業すると生涯賃金が高まるということから利用者に一定の負担を求めるべきという考え方もありますので、これ両方ともありますので単純な比較というのはなかなかできないんだと思いますが、税金の負担率は諸外国の中で、税金ですよ、税金の負担率は諸外国の中で、二割、いわゆる平均の負担の額からいいますと、日本の場合では最低レベルでありますので、すなわち、家計の可処分所得の割合が最高レベルであること等々いろいろなあれができますので、私どもとしてはいろんな面からこれ考えていく必要があろうかと思っておりますので、どこで教育機会を確保できているのかといったことを議論するとか考慮することなしに公的支出の高低だけを議論するというのはいかがなものかというのが基本的な私どもの考え方であります。
  33. 櫻井充

    ○櫻井充君 奨学金を受けるのは、結局、低所得者の方々が中心になるんだろうと思っていて、この方々が大学を卒業したときには、ゼロからのスタートではなくてマイナスからのスタートになってくると。やはりここを何とかしていくということがすごく大事なことではないのかと思っていて、是非財務省の中でもきちんと議論をしていただきたいと、そう思います。  改めて奨学金についてですが、返還義務のない奨学金というのは世界ではどの程度あるのでしょうか。
  34. 常盤豊

    ○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。  OECD加盟国三十四か国のうち、返還義務のない給付型奨学金は三十二か国で、貸与型奨学金は少なくとも二十二か国で実施をされております。
  35. 櫻井充

    ○櫻井充君 現在、日本は、無償の奨学金というのは、返還義務のない奨学金というのはあるんでしょうか。あるとすると額はどの程度でしょう。
  36. 常盤豊

    ○政府参考人(常盤豊君) 民間の奨学財団などにおいては一部そういう返還義務のないものもあろうかと思いますが、日本学生支援機構の実施しているものにつきましては、無利子、有利子共に返還義務がある貸与型の奨学金でございます。
  37. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、日本も公的な分野で返還義務のない奨学金をつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  38. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 改めて言うまでもありませんが、家庭の経済状況に応じて高等教育を受けることの機会を狭められる、こういうことのないように、より一層の経済的支援が必要だと思っておりますし、そのような取組もこれまでしてきておりますが、給付型の奨学金制度については改めて、公的資金の使われ方の問題と、財源の問題と、対象者をどうするかという問題と、また給付の在り方をどうするか、こういったことをやはり十分に議論が必要だと考えております。
  39. 櫻井充

    ○櫻井充君 議論の論点は今お話があったとおりです。その方向で進めていただけるのかどうかについてはいかがですか。
  40. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) まさしく今、議論の検討の論点を明確に申し上げたのでありまして、その議論を深めていく必要があると、そのように私は考えております。
  41. 櫻井充

    ○櫻井充君 議論を深めていただくということは検討していただくということなんでしょうか。そう取りたいと思います。  あとは国立大学の授業料も、この間も申し上げましたが、ある程度引き下げることが必要かと思いますが、この点についていかがでしょうか。
  42. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) ちょっと解説を踏まえて申し上げます。  国立大学の授業料については、最近の十年間は値上げをしておらず、来年度予算案においても、授業料標準額を対前年度同額五十三万五千八百円として、引上げを行わないことといたしました。また、授業料減免についても各大学において家計の状況等に応じた支援を促すため、対象者を二千人増員することとしております。  今後とも、意欲と能力のある学生等が家庭の経済状況にかかわらず大学教育を受けられるように、大学等奨学金事業や授業料減免の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  御指摘の国立大学の授業料の引下げについては、国立大学の運営に当たって必要な財源の確保や受益者負担の在り方などから慎重な検討が必要であると考えております。国立大学の授業料については、高等教育の機会提供という国立大学の役割を踏まえつつ、私立大学の授業料の水準のみならず、大学教育を受ける者と受けない者との公平の観点などの様々な社会経済情勢等を総合的に勘案して設定することになっております。
  43. 櫻井充

    ○櫻井充君 理屈はそのとおりなので、是非低所得者の人たちも夢を持って生きられるような社会にしていただきたいと、そのことだけお願い申し上げたいと思います。  もう一つ、例えば小学校などは教科書代は無料ですけど、いわゆる算数セットとかみんな親が負担しなきゃいけないと。このお金は六年間で一体どのぐらいになるのでしょうか。
  44. 有松育子

    ○政府参考人(有松育子君) お答え申し上げます。  平成二十六年度の子供の学習費調査というものの結果がございますけれども、その結果によりますと、いわゆる学用品、実験実習材料費という項目を見ますと、公立の小学校の場合、一年生から六年生の間で十万一千四百八十四円、私立の小学校の場合、一学年から六学年の合計で十五万三千四百十四円等となってございます。
  45. 櫻井充

    ○櫻井充君 そんなものですか。私、文部科学省から見せていただいたら、一年で五万円程度というふうに報告を受けましたが、それでいいんでしょうか。
  46. 有松育子

    ○政府参考人(有松育子君) 御指摘のものがどれか分かりませんけれども、学校で使うための学用品等についてはただいま申し上げた数字でございます。
  47. 櫻井充

    ○櫻井充君 分かりました。  そうすると、給食費などが入っていないはずなので、給食費とか修学旅行費とか、そういうものを加えると幾らになりますか。
  48. 有松育子

    ○政府参考人(有松育子君) お答え申し上げます。  いわゆる学校教育費、これは給食費を含みませんが、私立の場合は授業料なども入りますが、あるいは修学旅行費ですとか、ただいま申し上げました学用品とか制服などを含めますと、公立の小学校の場合、いわゆる学校教育費が六年間で三十五万三千八百八円でございます。私立の小学校の場合、学校教育費が六年間で五百三十二万一千円余りでございます。それ以外に、学校教育費といたしまして、公立小学校の場合六年間で二十五万九千円余り、私立の小学校の場合二十七万六千六百円程度でございます。
  49. 櫻井充

    ○櫻井充君 ちょっと済みません、よく分かりません。  公立の小学校で六年間だと家計からの支出というのは結局幾らぐらいになるんですか。
  50. 有松育子

    ○政府参考人(有松育子君) お答え申し上げます。  いわゆる学習費総額、つまり学校教育費と学校給食費、学校外活動費全て含めますと、公立の小学校で六年間で百九十二万四千円余りでございます。
  51. 櫻井充

    ○櫻井充君 こういうお金が多分相当重いんだと思うんですね。  それで、例えばですけれども、済みません、業者の方に大変申し訳ありませんが、算数セットって微妙に変わって、毎年毎年買わなきゃいけなくなっているんですよ。これもうそういうことをやめて、学校に備え付けて、みんなが大切に使い回しをするような、そういうことにしていくと親の負担というのは軽減されるんじゃないかと思いますが、大臣、その点いかがでしょうか。
  52. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 学校においてどのような教材を使用するか、またどのような教材に対して保護者負担を求めるか、あるいは公費負担とするかは、各学校、各教育委員会が判断することとなっております。  こうした様々な教材のうち、個人の所有となるものについては原則保護者負担となりますが、経済的理由により就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村による援助を実施しております。  文科省としては、平成二十七年三月四日付け初等中等教育局長通知において、教材の購入に関して保護者に経済的負担が生じる場合は、その負担が過重なものとならないよう留意するよう各教育委員会等に求めたところであります。引き続き、機会を捉えて指導してまいりたいと思います。
  53. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  月曜日にも申し上げましたが、家計からの支出で、例えば洗濯代から髪をカットする費用から、それから世帯主の交際費から仕送りから、もういろんなものを切り詰めて生活しているわけですから、この手のものを是非切り詰めて、切り詰めてというか支出しないで済むようなことにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは次に、医療、福祉の方で質問させていただきたいと思いますが、消費税引上げって社会保障の充実のためということだったはずなんですが、なぜ今回は診療報酬改定、ネットでマイナスになったんでしょうか。
  54. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 診療報酬改定の改定率は、これはもういつものことでございますけれども、物価、賃金の動向、あるいは医療機関の経営状況や保険料負担等の国民負担の在り方などを勘案をいたしまして決定するということになっていて、平成二十八年度につきましては、薬価等について、市場実勢価格を反映させて一・三三%引き下げるということ。そして、その一方で、物価、賃金の動向、今申し上げたような経営状況等を踏まえて、診療報酬は、いわゆる本体と呼ばれているところにつきましてはプラス〇・四九ということでプラス改定をいたしまして、地域包括ケアシステムの構築等、質が高く、そして効率的な医療提供体制の構築に取り組むという、そういうことで決めさせていただいたわけでありますが、今、消費税率の引上げの問題との関係を御指摘をいただきました。  これにつきましては、増収分については、これは全額、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げ、あるいは医療、介護、子育て支援といった社会保障の充実、そしてまた安定化に充てられておりまして、消費税を上げたにもかかわらずなぜマイナスなのか、診療報酬がということとは少し全体像でいくと異なる姿ではないかということで、御指摘は必ずしも当たっていないのではないかというふうに思っているところでございます。
  55. 櫻井充

    ○櫻井充君 今、物価のお話がございましたが、物価はこれ上昇しているということを前提に診療報酬定めたんでしょうか。
  56. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) そうであるとともに、賃金についても上昇することを前提に組み立てているという改定でございます。
  57. 櫻井充

    ○櫻井充君 不思議なんですけど、ネットでマイナスになるということは、病院の収入、それから、特に今回薬価ですから、調剤薬局などの収入は全体として減ることになるので、賃金は上がらないんじゃないですか。
  58. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、これもう釈迦に説法でありますが、薬価については、これは市場実勢、薬価などですね、材料もありますから、市場実勢を反映をするということがまず大前提であって、しかし、調剤薬局での調剤報酬について、私どもは今回初めてかかりつけ薬剤師あるいはかかりつけの薬局という概念を導入して、そういうことを、ちゃんと患者本位の医薬分業を行った際には加点をするということで点数化するというようなことも含めてやっておりますので、結果としてどうなるかということは必ずしも、やり方次第で、それが我々としての政策誘導でもあるということでございますので、今先生がおっしゃったような、一律にそうなるんだということではないのではないかというふうに思います。
  59. 櫻井充

    ○櫻井充君 薬価差で利益を出すということがいいことだとは私も思っておりません。ただ、今回、薬価で五千六百億の引下げになっていて、ざくっと申し上げれば、二千八百億ずつ病院とそれから調剤薬局で負担する形になります。  今、かかりつけ薬局などの話がありましたが、この診療報酬改定で、プラス改定で八十億程度です。そうすると、今ので差引きすると大幅なマイナスになるはずなんですが、いかがですか。
  60. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先生がおっしゃったように、薬価差でかつてかなり収入になっていた医療機関が多かったわけでありますけれども、それはやはり我々としては余り好ましいことではないということでずっと縮小をしてきた。  そんな中でございますが、今回、調剤薬局の在り方も含めて全体を見直すということでございまして、先ほど申し上げたような、かかりつけ薬局という、いわゆる薬歴管理をちゃんと一元的、継続的に行うということができる体制に誘導したいというふうに考えていて、それがメリットとして患者さん一人一人に反映をされるということで、そういう意味で、そちらへの点数は多めに付けるということにしたわけでありますが、全体として大幅なマイナスじゃないかというお話でございますけれども、それは今回の、特に仕入れをされている薬剤の価格の反映ということで、その中でどういうバランスになるのかというのを今後見ていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。
  61. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、繰り返しになりますが、薬価差で利益出すのは僕は決していいと思ってないんですよ。だけど、それでも実際のこと言えば、もう本当にアバウトな数字ですけど、二千八百億ぐらいが調剤薬局の収益になっていたと。それから、病院の方で入院施設のところで調剤していますから、それが二千八百億ぐらいのプラスになっていた。医療関係は診療報酬で千八百ぐらいのたしかプラスでしたから、そうすると一千億のマイナスになるんですよ、これは、どちらにしろです。  そうすると、本当に賃金を上げられるとお考えなんですか。
  62. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話ございましたとおり、私どもは、この診療報酬を決める御議論をいただく際に、医療機関の経営がどうなっているのかということで今数字を出していただきましたけれども、今回、その収益率については特に医療機関ごとにどういうふうになっているのか、種別にも見てまいりまして、その中で、今回のような形にするということで決めたわけでありますけど、やはりそれぞれどういう診療のスタイルでいくかということについて、私どもとしても一つ一つ、例えば七対一であっても、本当の意味で急性期なのかというようなことも含めて見直す中で、めり張りを付けた診療報酬改定をさせていただくという考え方で今回の報酬を決めさせていただいたと、こういうことでございます。
  63. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、答弁になっておりませんで、マクロの数字で見れば全体で減収になっているわけですから、賃金は上がるんですかと聞いているんです。
  64. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 同じことで恐縮ですけど、経営状況を見ながら、そしてこういう形で決める中で、おっしゃるようにマクロでマイナスだということは、薬剤費そしてまた材料費を含めて見ればそのとおりでありますけれども、そんな中で、経営の中での御努力もお願いしないといけないということもあるわけでありますので、そういう中で、賃金を上げるということについてどうお決めになるかは、それはもちろん一つ一つの医療機関がお決めになることではありますけれども、私どもとしては、上げていただくように御努力願うということを期待しながら今回の方針を決めているということでございます。
  65. 櫻井充

    ○櫻井充君 物価が上がって賃金が上がらないので問題で、民間企業には賃金上げろとこれだけ要求しているんだとすると、今の診療報酬改定で私は賃金上がると思いませんが、これで本当に賃金上がるとお考えなんですか。
  66. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 収入は、いわゆる価格掛ける人数というか、PとQの掛け算で決まってくるわけでありまして、今、診療報酬というのはPの世界であります。  これから高齢化が進む中で医療費が、あるいは介護も含めてでしょうけれども、こういう社会保障に関連するコストが掛かっていくわけで、その中で医療について、やはり趨勢的には増えると。それをどういう中身でどういうふうにしていくかということを常に我々考えているわけで、諮問会議などでも厳しくいろいろ言われますけれども、我々としては、効率的であってもやはり良質な医療を提供しなきゃいけない。  それをお願いをする医療機関の行動について大きな影響を与えるこの診療報酬については、当然慎重に考えるわけでありますが、全体として今申し上げたようなことで、これからちゃんと重きを置くべきところには重きを置いてやってきているわけで、もちろん合理化をするところは合理化をさせていただいている、そういう形の診療報酬ではないかと思いますので、そんな中で賃金を上げることを期待を申し上げているということでございます。
  67. 櫻井充

    ○櫻井充君 賃金上げられるかどうかは、済みませんが、診療報酬なり介護報酬なりで決まってくるものだと私は思っているんです、大きくいうとですよ。それは、各々の努力が必要であることは認めますけど、大きな流れでいえばそうなっているわけですよね。  じゃ、医療じゃなくて介護の分野でお伺いしたいことがありますが、介護の事業者の倒産件数というのはどのぐらいになっているんでしょうか。
  68. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは東京商工リサーチが出しております老人福祉・介護事業、この倒産件数でございますけれども、平成二十五年が五十四件、二十六年がやはり同じ五十四件、そして平成二十七年については七十六件と、こうなっておりまして、二十六年と二十七年の倒産件数についてもう少し詳しく見てみますと、二十七年の一―三月、去年の一―三月、つまり介護報酬が変わる寸前の一―三月の件数の増加分というのがこれ多くて二十七件ございますが、四月以降の増加件数は、もちろん増えてはいるわけでありますけれども、減少傾向にあるということでございます。  ただ一方で、これは東京商工リサーチが調べている倒産件数ということでございまして、介護報酬改定の前後でどうなるかというときに特に我々が注目しているのは、いわゆる請求事業所数というのをよく見ておりまして、これは実は増加を続けておりまして、この介護サービスについても安定的な増加傾向の中で提供がされているというふうに理解をしているところでございます。
  69. 櫻井充

    ○櫻井充君 それは当然でして、新規参入者がいて、それから廃業というか倒産される方々もいらっしゃるわけですから、そのようになると思っているんです。  今の本当に例えば介護報酬で経営が成り立っていくのかどうかということ、これは医療と全く同じでして、これは国として診療報酬なり介護報酬を決めることになりますから社会主義的な側面が非常に強いわけであって、ここについて十分手当てされているとお考えでしょうか。
  70. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) マイナス二・二七ということで、いろいろ御指摘をいただいてまいりましたが、当然これを決める際には、サービスの内容ごとに経営状況等、経営する方々、事業所数というものをみんな見て、そして、なおかつこの介護を受けられる方々のニーズというものがだんだんに変わってくるわけでありますので、それに見合ったサービスを提供するベストなコンビネーションのサービスの体系と、それぞれの、PQのうちのP、つまり介護報酬のあるべき姿ということを考えて今回決めたわけでありますので、いろいろ、倒産件数を引用しながら、厳しいというお話があることはよく我々も理解をしているわけでありますけれども、私どもが決めたときの決め方の中には、加算などを含めて一定方向に我々としては行っていただきたいという、様々な介護ニーズに合った形で経営をいただいて、少なくとも一定程度の収支差は残るようにつくらせていただいているというのが今回の見直しだというふうに理解をしているところでございます。
  71. 櫻井充

    ○櫻井充君 介護の現場で人材不足だと、少なくとも宮城県ではそう私は言われています。  塩崎大臣の御地元でどういうふうに言われているのかということが一つと、なぜそうすると集まらないとお考えなのか、御説明いただきたいと思います。
  72. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 当然、私の地元でも人材がなかなか集まらないという話はしばしば聞くことでございます。全国的にそうでありますし、とりわけ大都会では特にそれがひどいというふうに聞いているわけで、その原因は何かということですけれども、いろいろあると思いますけれども、もちろん、まず、所得水準が低いということについては我々はよく認識をしているからこそ、この月一万二千円相当の加算を去年の四月から導入をして、大体七割ぐらいのところでは導入をして、今これ調べていますから、今月中に大体の実態が分かると思いますが、おおむねそれはちゃんと我々の期待を満たしていただいているんではないかという結論になりそうな雰囲気のことを聞いているわけであります。  一方で、やはり介護はきつい。御案内のように、専門学校、養成校の定員割れがかなり極端になっているということ。それで、私の地元でも、実は、あそこもやめるのかというぐらいやめるところがあるということはやっぱり深刻に受け止めなければいけないので、私ども厚生労働省で十二月から、介護の仕事としての魅力をどうやって増していくのか、これはやはり賃金をどうやって上げていくのかということと、やっぱり負担が軽くなって、なおかつ温かい介護ができるような環境をどうつくっていったらいいのかということを今懇談会で議論していただいているということでございます。
  73. 櫻井充

    ○櫻井充君 全くそのとおりなんですよ。  賃金が上がらないのは、経営者の努力の問題なんでしょうか、それとも介護報酬でしょうか。まあ両方あるかとは思いますが、私はやはり介護報酬を上げていただかないと何ともならないと思っていますし、もう一つは、定数そのものが非常に低く抑えられている、その定数の中で報酬が決まってきているからこういうことになっているんだと思っています。  ユニット化になってくると動線が長くなりますから、それだけ人手が必要になってくるので、その施設の定数の見直しも含めてやらないといけないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  74. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、最低基準を決めて、それ以上に手厚い介護をやっていただいているところがたくさんございます。  そういう意味で、その基準を全部上げればいいじゃないかということは、そういうことを言えないことはないわけでありますけれども、問題は、財源はもう三つしかなくて、これは保険料と税と御自身の、介護を受けられる方々の負担という中にあって、私どもとしては最大限の努力をどうするかということで今やっているわけで、当然、さっきから申し上げているように、報酬については十分ではないということについてはよく分かっておりますので、今いろいろと御指摘を受けながら、どういう可能性があるのかということを考えているというところでございます。
  75. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、今保育所のことが随分取り上げられていますけれども、介護施設の入所待ちの人もいっぱいいるんですよ。ですから、ここのところを充実させていくというのはこれ保育所と全く同じことなんだと思っているんですね。  そういう点でいうと、まだまだ十分じゃないんじゃないかと思っているんですが、この点についていかがですか。
  76. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 我々は十分だということを言っていることは全くございませんで、これはひとえに努力を続けていくしかなくて、どうやって皆さん方、働いていらっしゃる方々が本当に誇りと自信を持ってやれるようにするにはどうしたらいいのかということを念頭に努力をしているところでございます。
  77. 櫻井充

    ○櫻井充君 これを解決するために消費税の引上げというのを決断したのであって、そういったものをもう少し十分活用していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  78. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、消費税の増収分は既に全て社会保障の充実そして安定化に投入をしてきましたし、あと残っている二%についてももうそういう考え方でいくことは何も変わっていないので、二%上げずにできていないことについては、できるだけこれは、お約束は早くちゃんと実行するということが大事だというふうに思っております。
  79. 櫻井充

    ○櫻井充君 財源が厳しいことは重々承知して申し上げていますが、地方に行くとやはり介護というのは雇用の面で非常に大事な分野なんですよ。そういうことも是非お考えいただいて財政当局と御議論いただきたいなと、そう思います。  同じように、診療報酬が上がっていかない中で苦しんでいるのがコメディカルスタッフ、コデンタルスタッフの方々なんですが、特に技工士さんを取り巻く環境って非常に厳しくなっているかと思っていますが、厚生労働大臣の認識はいかがでございましょう。
  80. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 歯科技工士のお話を今頂戴いたしましたけれども、実はこの歯科技工士の養成施設を見ますと、五十三校中四十八校が定員割れをしていると、そして、平成二十二年度以降は三校閉鎖となっておりまして、養成者数は近年減少ぎみということであります。  また、就業しておられる歯科技工士のうち五十歳以上の方が、平成十六年には二二・六%だったものが、今、平成二十六年時点で見ても四六・六%、半分近くがもう五十歳以上ということで、大変担い手も高齢化をしているわけでありまして、日本歯科技工士会が三年ごとに実施をしております歯科技工士実態調査、これによりますと、他業に移りたいと回答した方が平成二十七年度で二五・四%、四分の一おられて、歯科技工を続ける上での問題として、低価格、低賃金、それから長時間労働が高い割合となっております。  したがいまして、二十八年度の診療報酬改定においても、歯科技工士が関わる義歯、入れ歯ですね、などの製作に関する点数についても引上げをいたしました。そして、二十七年度からは歯科技工所の規模と労働時間や業務内容等の労働環境との関係について研究を行っておりまして、今後、この結果や現場の御意見等も踏まえながら労働環境の改善が図られるように検討してまいりたいというふうに思います。
  81. 櫻井充

    ○櫻井充君 あと十年たつと多分相当技工士さん減っちゃうんですよ。それで、今、中国で技工物作った、この間、例申し上げますけれども、鉛が検出されたりしているんですね。ですから、それが全て中国製が悪いとは申し上げませんが、海外で作ってくるリスクというのは非常に高くなるんだと思っていて、国内で技工士さんちゃんと養成することは大事なことだと思うんですが、改めて決意をお願いしたいと思います。
  82. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 私も地元で技工士の皆様方とはよくお話をしますが、これから特に高齢化が進む中で歯科医療の重要性というのはますます増してくるわけでありますので、その際に技工士の方がやっぱり上手な技工でいい義歯を作っていただく等々のことは極めて大事でありますから、人材育成には力を入れていかなきゃいけないと思います。
  83. 櫻井充

    ○櫻井充君 地元に帰って、大臣がそう答弁されていたと申し上げておきますので、是非よろしくお願いいたします。  先ほどかかりつけ薬剤師のお話がございましたが、今薬剤師さんって、実は病名知らないまま服薬指導を行っているんです。これは非常に大きな問題だと思っていて、薬剤師さんに対して病名告知を行うべきではないかと思いますが、その点についていかがですか。
  84. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 私も実は同じような問題意識を持っておりまして、端的に申し上げれば、病気の名前が書いてないで処方箋だけで見ても、薬剤師さんは当然、これはおかしいんじゃないかということをお医者さんにもう一回尋ね直すということができるわけでありますけれども、何の病気で、どうしてこの処方がされているのか分からないままにやるというのはなかなか難しいことかなということも思うわけでありまして、そうなると、この処方箋様式の変更は、その前に、いずれにせよ、患者の理解を得ることなどに留意をしながら服薬指導をきちっとやるということを考えてみると、やはり患者本位の医薬分業ということを今進めておりますので、その際に、この疾患名を、病名を書くということについても、そういった観点から考えていくべきではないか、メリット、デメリットについてよく考えるということが大事で、京都大学の附属病院などは医療データまで付けているというケースもありますから、よく考えていきたいと思います。
  85. 櫻井充

    ○櫻井充君 前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございます。  患者さんが調剤薬局に行って一番嫌なことは何かというと、大きな声で病名聞かれることなんです。ですから、そこのところでやっぱりプライバシーの問題も出てまいりますので、是非前向きに御検討いただきたいと思います。  それでは、次に経済のことについて質問させていただきたいと思いますが、まず、黒田総裁、三つのルートで物価を上昇させるというお話でした。この総括について、まず、三つのルートで、どういうふうなことで、結果的には御自身が想像したようになっているのかどうかについて御説明いただきたいと思います。
  86. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 量的・質的金融緩和の波及経路としては、第一に、日本銀行が長期国債、ETFあるいはJ―REITの買入れなどを通じまして長めの金利を低下させる、あるいは資産価格のプレミアムに働きかけたりするという効果がございます。第二に、日本銀行が長期国債を大量に買い入れる中で、これまで長期国債の運用を行っていた先が外債であるとかあるいは投信であるとか様々なリスク資産へ運用をシフトさせて、あるいは銀行であれば貸出しを増やしたりするという、いわゆるポートフォリオ・リバランス効果があるというふうに考えられます。第三には、二%の物価安定の目標に対する明確なコミットメントとそれを裏打ちする大規模な金融緩和によって、人々のデフレマインドを転換して予想物価上昇率を引き上げる効果があると考えられます。  具体的に、この量的・質的金融緩和の導入後、これらのいずれの面においても所期の効果が現れてきたと考えております。  第一に、長期金利は量的・質的金融緩和導入後、大幅に低下いたしまして、一月のマイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入後、一段と低下しております。第二に、ポートフォリオ・リバランス効果についても、銀行では保有国債を売却して貸出しを積極化させたり、あるいは外債、投信への投資を増加させるという動きが見られております。第三に、この予想物価上昇率については、確かに、マーケット指標あるいは各種のアンケート調査などを見ますと、このところ弱含んでおりますけれども、企業の価格設定行動あるいは家計の支出行動などを見ますと、やや長い目で見れば全体として上昇しているのではないかというふうに判断されます。  そうした下で、確かに物価上昇率は、生鮮食品を除くベースで見てゼロ%程度ということで、二%には程遠い状況でございますけれども、生鮮食品、エネルギーを除いたもので見ますと、二十八か月連続でプラスを続けて、最近では一%を上回る水準で推移しておりまして、物価の基調という面では改善が見られているというふうに思います。ただ、二%の物価安定目標との関係でいいますと、全く道半ばであるというふうに思っております。
  87. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございました。  要するに、総裁、物価は、結果的には原油価格の下落が一番大きな影響を受けているということでよろしいんでしょうか。
  88. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 足下で生鮮食品を除く消費者物価指数がゼロ%程度で推移しておりますけれども、これは御案内のとおり、一昨年の夏以来、原油価格が七〇%以上下落したということが一番大きな原因であると思います。  ちなみに、欧米諸国でも物価上昇率はゼロ%近傍で推移しております。
  89. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、物価上昇は、結果的には円安に誘導して、海外の物の値段が上がることによって物価が上がるルートが一番効いているということでよろしいんでしょうか。
  90. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、足下の物価上昇率がゼロ%程度で推移している主たる原因は、やはり二〇一四年の夏以降の原油価格の大幅な下落によるところが大きいと思います。  ただ、先ほど申し上げたように、物価の基調は着実に改善しておりまして、生鮮食品とエネルギーを除くベースで見ますと、二〇一三年十月にプラスに転じて以来二十八か月連続でプラスを続けておりますし、最近では一%を上回る水準で推移しておりまして、この点では、やはり需給ギャップが縮小し、特に労働市場は極めてタイトになっておりますから、需給ギャップが縮小し、また、やや長い目で見ると予想物価上昇率が上がっているということがその背後にあるというふうに考えております。
  91. 櫻井充

    ○櫻井充君 総裁、改めてちょっと基本的に教えていただきたいんですけど、物価というのは景気が悪化することの原因になるんですか、それとも、物価は景気が悪いから需要と供給の関係で下がってくるものでしょうか。
  92. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) この物価の見方というのは、委員もよく御承知のように、短期で見るのかあるいは中長期的な趨勢で見るのかによってかなり違ってまいります。  ごく短期の場合は、先ほど申し上げたように、例えば石油価格が一年半で七〇%以上も下がるということになりますと、消費者物価の上昇率は下がってしまうということはございますけれども、やはり、やや長い目で見ますと、先ほど申し上げたように、生鮮食品の動きであるとかあるいは原油価格の動きであるとかいったことを、これはあくまでもいつまでも続くものではありませんので、そういうものを除いた基調としての物価というものについてはやはり経済全体の需給というものが非常に大きく影響しますので、その面では、需給ギャップとそれから人々の中長期的な物価予想、物価上昇率予想というものが効いてくるというのが一般的な経済学者の考え方だと思います。
  93. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、ちょっと頭整理したいのでもう一度簡単に御答弁いただきたいんですが、要するに需要が減っているから物価が上がらないということでよろしいんですね。
  94. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、趨勢としての物価の基調は上がっているわけです、今。生鮮食品とエネルギー品目を除きますとプラス一%を若干超えるぐらいのところで来ております。そういった意味では、需給が全体としてタイトになってきて、また人々の予想物価上昇率も上がってきているということを反映したものだと思っております。  ただ、短期的な状況は、例えば生鮮食品でも動きますし、原油価格が下落したり上昇したりすると動きます。また、為替が動くと影響が出るということでございます。
  95. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、そんな細かいことを言い出したら何でも全部いろんなパラメーターが動くことになるんで、その全てのものが固定されているとしたら需要と供給の関係で決まるというのは、これは経済学的に言われていることじゃないんですか。
  96. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたようにそのとおりでありまして、ですから、生鮮食品とエネルギー品目を除いたところで見て、二十八か月連続でプラスであり、一%を若干上回るぐらいの上昇率になっていると。その背後には、御指摘のような需給関係がタイトになってきたということと予想物価上昇率が長い目で見ると上がってきているということの反映であるということでございます。
  97. 櫻井充

    ○櫻井充君 デフレマインドは払拭されているんでしょうか。
  98. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 現時点で、持続的な物価下落という意味でデフレの状況にないと、デフレの状況ではないということは確かなんですが、デフレマインドという場合に、例えば中長期的な予想物価上昇率というので見ますと、二%には全然達しておりませんで一%程度ということでございますので、二%が物価安定の目標であり、これは先進国ほとんどがグローバルスタンダードになっておりますけれども、それの関係でいいますと、デフレマインドは完全には払拭されていないということだと思います。
  99. 櫻井充

    ○櫻井充君 日本銀行の調査でデフレマインドって払拭されているように私は数字上見えますが、いかがですか。
  100. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) これはいろいろな、先ほど申し上げたように、デフレマインドというときに何をもってデフレマインドを測るかということになると、基本的には予想物価上昇率だということになると思います。予想物価上昇率を何で見るかというと、マーケットの指標であるとかアンケート調査であるとか、あるいは企業の価格設定行動であるとか、様々なもので見るわけでございます。  その一つにアンケート調査があり、日本銀行が実施しておりますアンケート調査の中では確かに物価が今後とも上がっていくだろうというふうな見方をしていることは事実でございますが、数字的に二%、今後ずっと上がっていくというふうに必ずしも見ていないと思いますけれども、いずれにせよ、アンケート調査はデフレマインドを測る上で一つの有力な指標であるというふうには思っております。
  101. 櫻井充

    ○櫻井充君 だって、これ、日本銀行が調査しているんですよ。日本銀行が調査したものが当てにならなかったら、どうやって、何をもって測るんですか。  大事な点は、一年後でも何%か分からないけど物価は上がるというふうにみんな考えてきているんですから、庶民に対して、消費者に対してデフレマインドを払拭することが第一なんだと、気に働きかけることが一番なんだと、あの当時繰り返し繰り返しおっしゃっていたじゃないですか。  ですから、その意味ではデフレマインドというのは払拭されているんじゃないですか。違いますか。
  102. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、デフレマインドというときに基本的に中長期的な予想物価上昇率というものを見るのが普通でございますが、その中長期的な予想物価上昇率の指標として日本銀行のも含めて様々なアンケート調査がありまして、それは非常に有力なものでありますけれども、そのほかにも、市場のブレーク・イーブン・インフレーション・レートであるとか、さらには企業の価格設定行動であるとか、様々なものを見ていく必要があると。そういう意味で、デフレマインドが前と同じようにあるというふうには全く思いません。そういう意味では、デフレマインドが徐々に転換してきているというふうには考えております。  先ほど申し上げたように、いろいろな指標で見ましても中長期的な物価上昇率というのは上がってきていますので、その意味では、かつてのようなデフレマインドがびまんしているという状況にはないということは確かだと思います。しかし、完全にデフレマインドが全くなくなったということまではまだ言いにくいんじゃないかと思っております。
  103. 櫻井充

    ○櫻井充君 よく分かりません。  じゃ、総裁に就任されたときに、直後に予算委員会などでデフレマインドを払拭するんだと言っていた、そのデフレマインドの定義を教えていただけますか。
  104. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおりでありまして、デフレというのは確かに物価が持続的に下落する状況でありますので、そういった状況にはないと、デフレの状況にないということは事実なんですけれども、私どもの物価安定目標というのはあくまでも総合指数が二%上昇する状況というふうにしておりまして、それとの関係でいいますと、まだ物価はその域には達していないと。  ただ、御指摘のように、かつてのようなデフレマインドがびまんしているということは少なくともなくなっていて、所得から支出への循環というのもそれなりに見られておりますので、そういった意味では、私も、デフレマインドは全然直っていないとか、そういうつもりはありません。三年前に量的・質的金融緩和を始める前の状況では物価は下がっておりましたし、予想物価上昇率も極めて低い状況だったわけですが、それから見ますとかなり改善をされておりますし、物価の基調も上昇してきておりますので、そういう意味ではかなり改善されてきたとは思っております。  ただ、政府がよく言っておられますように、デフレから完全に脱却しましたとか、そこまではまだ申し上げる状況ではないというふうに思っております。
  105. 櫻井充

    ○櫻井充君 総理はたしかデフレから脱却したとおっしゃっていたような気がしましたが、違いましたか。
  106. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 私どもも政府も、もはやデフレの状況ではないということは言っておりますが、デフレから脱却したということまでは言っておりません。
  107. 櫻井充

    ○櫻井充君 今、皆さんがお伺いしたいのはそういうことらしいので、デフレから脱却したということと、もはやデフレでないということの違いをちょっと御説明いただけますか。
  108. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) これは、先ほど来申し上げておりますように、デフレーションというのは物価が持続的に下落する状況であります。  今、物価が持続的に下落する状況ではありませんので、デフレではないというふうには言えると思いますけれども、デフレから脱却というと、またデフレ状況に簡単に戻るということはないという状況を恐らく政府は指しておられると思いますし、私どもは、消費者物価の二%上昇というのが物価安定であり、その目標で金融政策を運営しているということでございます。
  109. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、よく分かりませんでした。  ちょっと時間が押してきているので質問を続けたいと思いますが、じゃ、そうだとすると、本当に気に働きかけて消費って増えたんですか。そうお考えですか。効果があったとお思いですか。
  110. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 過去三年間の状況を見てみますと、消費も増加し、物価も、御承知のように、二〇一四年の四月の段階では実は生鮮食品を除くベースで見て一・五%の上昇まで来ていたわけです。二〇一四年四月に消費税が三%引き上げられまして、その結果、特に駆け込みの反動減というのがかなり効いて、GDPの成長率が二四半期マイナスということになりまして、二〇一四年の十月頃には一%前後にまで落ちておりました。  ですから、そういう意味では、物価がそういうふうになってきたときに、やはり消費の動向が大きな影響を与えたことは事実だと思います。それに加えて、二〇一四年の夏以降の原油価格の下落が非常に大きく効いて、生鮮食品を除くところでゼロ%程度で来ているわけですけれども、消費自体は、GDPの統計を見ていただくと分かりますように、確かに昨年は、例えば十―十二月期はマイナスになっておりますけれども、これは、いろいろな分析では暖冬とか季節の影響も大きかったと言われております。  ただ、消費の動向については、今後とも十分注視していく必要があるというふうに思っております。
  111. 櫻井充

    ○櫻井充君 季節の要因って言われるので調べてみましたが、月曜にも申し上げましたが、人間ドックの受診料が三〇%の減ですし、それから世帯主の小遣いも一一%の減ですし、月謝も五%減らしていますし、仕送りなども一〇%ぐらい減らしているわけであって、全然季節と関係ないんです、暖冬と関係ないんです。庶民は物価が上がってくることがよく分かっていて、余計なものをなるべく使わないようにして自己防衛的にもう走ってきているのであって、私は、総裁がおっしゃっていた、物価を上げれば気に働きかけて、そして来年は物が上がるんだから今買おうと考えると、その考え方そのものが一〇〇%間違っていると私は思っているんです。  庶民の気持ちが分からないからいつまでたっても経済が良くならないんじゃないかと思いますが、総裁、いかがですか。
  112. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 私は、そのようには考えておりません。  経済の実態を御覧になっていただきますと、企業は史上空前の収益を上げております。これは大企業も中小企業もそうです。それから、労働市場を見ましても、有効求人倍率が一・二倍程度まで上昇して、失業率も三%台前半まで低下するといった労働需給が極めてタイトな引き締まった状態になっております。  そうした下で、名目賃金も緩やかには上昇しております。ただ、確かに、企業収益が極めて良いと、しかも労働需給が極めてタイトであるということから見ると、やや賃金の上昇率が鈍いかなというふうには思っております。
  113. 櫻井充

    ○櫻井充君 個人消費には全く答えていただかなくて、一方的に大企業の利益だけ言ったってしようがないと思いますね。  じゃ、中小企業はどうなっているんですか。済みませんが、日本銀行が調べている資本金二千万以上じゃありませんよ、政府が調べている資本金一千万じゃありませんよ。本当に中小で、頑張っている中小零細企業はどうなっていますか。
  114. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) たしか、マクロ的な法人企業統計を見ますと、中小企業も含めて史上最高水準の利益を上げているというふうに承知しております。
  115. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、それはどの数字でそういうふうに判断されているんでしょうか。
  116. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 豊永中小企業庁長官。  ちょっと待ってください。その後、総裁、何かあれば答えてください。
  117. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) 失礼いたしました。  中小企業の収益についてでございますけれども、財務省の法人企業統計季報に基づきまして見ますと、三年間で四・八兆円増加という数字がございます。
  118. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 私が申し上げましたのも同じでございまして、いわゆる財務省の法人統計季報のベースで、製造業、非製造業、大企業、中堅、中小企業という分類で示されておりますけれども、中小、中堅企業も史上最高レベルの収益を上げているというデータになっております。
  119. 櫻井充

    ○櫻井充君 僕らが地元で話を聞いている感覚と全く違っているんですが、済みませんが、そこの中堅、中小企業の定義ってどうなっているんですか。
  120. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。  法人企業統計季報における中小企業の定義でございますけれども、資本金一千万円以上一億円未満の企業と定義されてございます。
  121. 櫻井充

    ○櫻井充君 そのとおりなんですよ。だから、私は先ほど質問のときに申し上げたじゃないですか。日本銀行が調査している資本金二千万以上、国が調べている一千万以上じゃなくて、それ以下のところはどうなっているんですかとお伺いしているんです。  これについての統計的な数字はありますか。
  122. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) そのような統計はございません。
  123. 櫻井充

    ○櫻井充君 結局、そういう数字だけ見て判断されているから良くなっているんだということになっていくんだと思っていて、とても地方は良くなっていないし、中小企業で働いているサラリーマンの皆さんの給料が上がっていないから、物価だけ上がっていって庶民の生活は苦しくなっているんだと、そのことだけ是非理解をしていただきたいと、そう思います。  その中小企業がこれから頑張っていくためには、何といっても融資を増やしてもらわないといけないと思っているんですが、中小企業に対する融資というのは増えているんでしょうか。
  124. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 銀行全体の中小企業向け貸出残高でございますけれども、平成二十五年七月以降、前年同月比で増加してきております。本年一月末時点で見ましても、前年同月比二・九八%増の百六十七兆三千六百六億円となっております。
  125. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 答弁者側に申し上げます。  質疑時間の目安としている片道三倍計算を大幅に超過しているため、答弁は簡潔に行うようにお願いいたします。よろしくどうぞ。
  126. 櫻井充

    ○櫻井充君 その中で、金融機関からお金を借り入れる際に担保を求められることが随分ございます。その担保を求められた際の抵当権の設定って、借りる側が全部設定するんですよね。  銀行にもメリットがあるはずなのに、なぜ借りる側だけがこういう負担をしなきゃいけないんでしょうか。まず、公的金融機関側から答弁をいただきたいと思います。
  127. 林幹雄

    ○国務大臣(林幹雄君) 日本政策金融公庫におきましては、無担保での貸出しは融資全体の四分の三を占めておりまして、貸出しの対象は無担保で貸出しとなっているわけでございます。  この担保を取る融資につきましては、通常であれば司法書士費用、登録免許税、融資契約書の印紙税といった費用負担が発生するところ、公庫が資本金五億円未満の事業者に融資する場合は、このうち登録免許税は非課税とされておりまして、公庫を利用する中小企業者の負担は軽減されておりまして、実質的には公庫が抵当権設定費用を一定程度負担しているものと同様の効果が得られていると考えております。
  128. 櫻井充

    ○櫻井充君 民間の金融機関に関してですけれども、やはり借りる側の負担がどんどん大きくなっているということ自体に私は問題があると思っていて、ここの点について是非検討していただきたいと思いますが、金融庁、いかがでしょう。
  129. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 金融庁は、現在、金融機関に対して担保、保証に過度に依存する融資姿勢を改めるということを求めているところでございます。ただ、しかしながら、実際の個別の取引におきましては、融資の際に担保を設定せざるを得ないという場合があると思います。こうした場合の担保設定でございますけれども、議員御指摘のように、金融機関にとってリスクヘッジということでメリットがあるとも考えられますけれども、他方、借り手にとってもこれは融資を受けられるということでございますので、メリットがあるということがあると思います。  一般論として申し上げれば、抵当権設定費用の取扱いにつきましては、金融機関側は利用者利便、利用者保護に十分留意しつつ、貸し手と借り手双方のメリットを踏まえて当事者間で決められるべき事項であるというふうに考えております。  したがって、当局がこの抵当権設定費用についての一律の取扱いを求めるということは適当ではないかなというふうに考えております。
  130. 櫻井充

    ○櫻井充君 貸し手と借り手だと、やはりその立場の差が絶対的にあるわけですよ。優越的地位の濫用とまでは申し上げませんけれど、どうしたって借りる側の方が弱くなって、商慣行上そうなってきていると。  おっしゃるとおり、行政がどこまで介入するかですが、ちょっと同じようなことが起こっているのはトラック業者と荷主の関係なんだと思うんですよ。これは、荷主の方々が十時なら十時に荷物を持ってこいと言うと、仙台の業者、朝六時ぐらいにもう東京まで来ていないといけなくて、四時間の待ち時間があるから、どうしたって労働時間が長くなるわけであって、こういったところに対して例えば時間サーチャージを取るとか、そういうことをやっていけば解決していくんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。
  131. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のように、トラック運送事業者は荷主に比べて立場が弱く、定時到着のための長時間の運転や荷主都合による長時間の荷待ち等を余儀なくされているという実態がございます。  トラック運転者の労働時間の削減に向けては荷主を含めた関係者の協力が不可欠でございますので、今、国土交通省におきましては、厚生労働省と共同いたしまして、荷主も構成員に含めましたトラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会を今年度、中央及び全都道府県に設置し、長時間労働の抑制に向けた議論を進めているところでございます。  そこで、今委員の方から時間サーチャージというお話がございましたが、これは荷待ち等に係るコストを運賃に反映させることと理解をしておりますが、先日開催されました中央協議会、第三回目の中央協議会でも議論になったところでございます。荷待ち時間の削減等の長時間労働の抑制のために取り得る方策につきまして、広く関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。  特に、倉庫前での荷待ち時間の削減につきましては、この国会に物流総合効率化法の改正案を提出しておりまして、トラック予約受付システムの導入等により、荷待ち時間の削減につながる倉庫の整備を支援することとしております。
  132. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  トラックの事業者は、遅れると罰金取られるんです。その時間どおり持ってくるのが当たり前になっていること自体に僕は問題があると思っていて、今のことも含めてですが、これまでの商慣行でいうと、先ほどの貸し手、借り手の問題、それからこのトラック業者と荷主の問題で、立場の差があって、その立場の、済みません、低いと言ったら怒られるかもしれませんが、その方々が御苦労されているので、そこを改めていくというのは僕は行政の仕事ではないのかと、そういうふうに思っていますので、是非、金融庁と、それから石井大臣には御努力、御尽力をいただきたいと思います。  それから、タクシーの規制緩和の、要するに規制強化のための法律を議員立法で作ったわけですが、今度また規制改革会議辺りから白タクを合法化しろという話になってくると、全く我々がやってきたことと逆行するような形になるんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。
  133. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 今回の国家戦略特区法の改正案は、安全の確保、利用者の保護等を十分に図りつつ、訪日外国人を含む観光客の移動手段として自家用車の活用を図ろうとするものでありますが、この事業の実施主体は市町村又はNPO等の非営利団体に限定をされまして、民間企業は想定をしておりません。したがって、いわゆる白タク行為には当たらないということでございますが、また、この事業は、バスやタクシー事業による旅客運送が困難な場合に限って行われるということでございまして、過疎地域その他の交通が著しく不便な地域において行われるというものと考えております。  御指摘のタクシー特措法につきましては、都市部におけるタクシーの供給過剰状態や、それに伴うタクシー運転者の労働環境の悪化、安全性の低下等の弊害の解消を目的とするものでございまして、今回の国家戦略特区法の改正とは目的、適用地域が異なっているというふうに思っております。  都市部を中心にタクシーが供給過剰の状態にある地域においては、タクシー特措法に基づきタクシー供給量の適正化に取り組むとともに事業の活性化を図ってまいりたいと思っております。
  134. 櫻井充

    ○櫻井充君 タクシーの運転手さんたち、賃金本当に下がって苦労してきていて、それを改善するために国会議員全員でこれ決めたものですから、是非その規制強化に対して規制改革会議に負けないで頑張っていただきたいと、そう思います。  その上で、これ、大臣、ちょっと一点要望だけさせていただきますが、タクシーの規制緩和というと、参入業者のところの規制だけの緩和の話にしかなりません。タクシー事業者が何か新しいことをやりたいと思っても、そこはずっと規制が掛かっていて何もやれないと。例えば、バスの代わりに大型のタクシーを用意して、大型というか、まあ六人乗り八人乗りのタクシーを用意してそれを運搬していこうとかいうことになってくると、むしろ規制が邪魔してなかなか参入できないような状況になってきておりまして、こういったタクシーの事業者が新しいことをやっていくようなところについていろいろ認めていただけるようにしていただければと思っておりまして、これは通告しておりませんので御要望だけ、若しくは御決意いただけるのであれば御決意いただければと思います。
  135. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) お答えしますか。
  136. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 検討をさせていただきます。
  137. 櫻井充

    ○櫻井充君 前向きに御答弁いただきましてありがとうございます。  次に、空き家対策について質問していきたいと思いますが、まず一般的に言うと、中古住宅市場をどうしていくのかというのはすごく大事なことだと思っています。  日本は、住宅市場で申し上げると、既存住宅の市場は全体でいうと一五%程度、アメリカが今八〇%、イギリスが八八、それからフランスが六六ですから、それから見るとかなり低くなってきていて、これから、新しい家を造って壊すということではなくて、中古住宅市場を、リフォームなりリノベーションなり行って流通していくということがすごく大事なことになるとは思っているんですが、その点について国交省としてのお考えをお伺いしたいと思います。
  138. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 人口減少、少子高齢化が進む中で、既にある住宅を活用して中古住宅市場の活性化を進めることは重要であると考えております。その点、幾つか方向性がございますが、まず既存住宅の質を向上させていく、また、住みたい買いたいと思う魅力を向上させていくことが必要でございます。そのため、耐震化や省エネ性能の向上を図るリフォームに対して、引き続き補助、税制で支援をしてまいります。  続いて、良質な既存住宅が適正に評価される環境を整備することも重要でございます。このため、宅建業者や不動産鑑定士の適正な評価手法の普及、定着を進めてまいります。さらに、国民の皆さんが既存住宅を安心して取引できる環境を整備することが重要でございまして、特に既存住宅については住宅性能表示制度の充実を図ると。また、インスペクション、調査の活用によりまして情報提供の充実等を図るため、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を提出をいたしてございます。  既存住宅流通の活性化は、高齢者の住み替え等の促進や子育て世代等が必要とする良質で魅力的な持家の取得支援につながるものでございますので、今後十年の住宅政策の方向性を示す新しい住生活基本計画においても中心を成す目標として位置付け、より一層積極的に取り組んでまいります。
  139. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、御答弁いただきましてありがとうございました。  今の中で大事な点は、日本の住宅というのは二十年か二十五年ぐらいすると住んでいても価格がゼロになります。もしかするとマイナスになる場合もありまして、世界でそういうことというのはないはずであって、ここは価値がきちんと担保されるようなことをやっていかないと変わらないんじゃないかと思いますが、この点についていかがですか。
  140. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 確かに、委員御指摘の点は非常に大きな課題だと思っております。  現状は、流通市場において戸建て住宅は、一律に築二十年から二十五年程度で市場価値がゼロとなる慣行が存在をしてございます。一方で、個別の住宅の状態においては二十年ないし二十五年たっても十分価値があるものがございます。  そこで、中古住宅の建物評価の改善に向けた指針というのを出しておりまして、まず基礎・躯体部分とそれから内外装・設備部分に区分をする、区分けをすると。基礎・躯体の部分は性能に応じて二十年より長い耐用年数を設定をしていく、例えば現在進めています長期優良住宅については百年超やっておりますので、そういうのも十分ございます。それから、内外装・設備も適切にリフォーム等を行えば価値が回復、向上すると。そういったことを適切に評価をしていこうということで、昨年の七月に既存戸建て住宅の評価に関する留意点というのを策定をいたしまして、不動産鑑定評価の実務へ反映をさせようとしております。  また、同様に、宅建業者が値付けのための査定に用いる既存住宅価格査定マニュアルを改訂いたしまして、宅建業者の査定に反映をさせていこうと、このように努力してまいりたいと存じます。
  141. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  本来価値があるものがゼロなりマイナス査定になること自体が問題なんだと思うんです。  これ、住宅を造ったほかに老後の生活資金もためなきゃいけないと。世界のように中古住宅を売れることになれば、実は老後の生活資金に変わっていくわけですよね。  これは、リバースモーゲージの制度がありますが、なかなかうまくいかないのは、土地の価格などの変動があったりとか住宅の価値が定められないからであって、こういったところに対して昔の住宅金融公庫なりが信用保証を付けてしまえば問題は解決していくことになっていくんではないのかと。ある程度のことをやってあって資産価値があるんですよということを政府全体でつくっていくことが私は社会全体にとっていいことではないのかと思っているんですが、この点についていかがでしょうか。
  142. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のように、良質な既存住宅、中古住宅が適正に評価されるということは重要でございますので、宅建業者、不動産鑑定士の適正な評価手法の普及、定着を進めて、建物の性能やリフォームの状況が評価に適切に反映されるように取り組んでまいりたいと思います。
  143. 櫻井充

    ○櫻井充君 繰り返しになりますが、中古住宅市場が活性化されるためには、僕は住宅が金融資産の中に組み込まれるような制度をつくっていくと変わってくるんじゃないかなと。別にアメリカのような住宅政策等を取れと言っているわけではありませんで、本当に、繰り返しになりますが、資産価値があるものがその資産価値がなくなってしまっているところにすごく問題があると、私はそう思っています。  その上で、中古住宅市場、空き家対策にもつながっていくと思うんですが、これを活性化していくためには、その取引に掛かってくるような余計な税を減免するなり廃止していった方が本来はいいんじゃないかと思っておりまして、例えば不動産取引に関わってくるような印紙税、収入印紙税などをゼロにしたらいいんじゃないかと思っているんですが、その点についていかがでしょう。
  144. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 印紙税に入る前に、今のそのもう一つ前の質問ですけど、中古住宅の取引市場がないんですよ。そこが問題なんですよ。そっちをつくられる方をむしろ一生懸命やられた方がいいんじゃないですかね、実際やられるんなら。そういうの詳しいよ、俺。だから、そっち聞いた方がいいですよ。  不動産取引に係る印紙税の話ですけど、これは、三党合意を経て成立いたしましたこの間の税制抜本改革法に基づいて、消費税率の引上げに当たっては、これは税率の軽減幅をいわゆる二倍に拡充するなどの負担軽減というのをこの印紙税については既に行っておるところでもあります。いわゆる本則税率の一〇から二五の税金を二〇から五〇にしたと思いますので、そういった意味の軽減をさせていただいておるのが一点であります。  それから、そもそも印紙税というのは、各種の経済取引に伴って作成される文書のいわゆる背後にあります経済的な利益に対して担税力があるのではないかという点がありますので、この負担を見出して税を求めるというものが基本でありますので、平成二十八年度のちなみに税収は約三千四百億円程度といって大きな財源となっておるのが現実であります。  こうした点を踏まえますと、現在講じております負担軽減を超えて印紙税をゼロにするとかいろんな御意見があるんですけれども、そういったものは少々適当ではなくて、まずは今申し上げた負担軽減の上限をよく見ていく必要があろうかと考えております。  なお、これ、空き家対策の話というのがこの背後にあるんですけれども、これは空家等対策の推進に関する特別措置法の下で政府として様々な取組を行っているところでして、国税に関しましては、平成二十八年度の税制改正において、空き家に係る譲渡所得というのは当然出てくるわけですけど、それの特別控除の特例というのを設けることとして、その譲渡益から三千万円を控除するということにいたしておると思います。
  145. 櫻井充

    ○櫻井充君 住宅に関しては、冒頭申し上げたとおり、日本の中古住宅市場が余りに低過ぎるので、それをつくっていくためには、ある程度金融的な価値なり、それからマイナスになるのではなくてそれなりの不動産の価値を認めていかない限りはなかなか難しいのではないのかということで申し上げております。  それから、印紙税についてですが、これは元々明治六年にできた税でございまして、今その経済的なものがバックグラウンドにあるという話でしたが、例えば親が子供に仕送りしたときに五万円以上だとこれ印紙税掛かるんですよ。これ、どこにその経済的なバックグラウンドがあるんですか。
  146. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) いい御指摘だと思いますが、当時、五万円というのは結構な金だったんだと思います。
  147. 櫻井充

    ○櫻井充君 違います。これ、済みません、三万円が五万円に最近引き上げられたんですよ。  ですが、財務省が説明してくるのはいつもそういうことで説明してくるので、元々はこれは、明治時代に地租が重くて、農業者に、商工業者にいい課税がないかといってオランダの文書課税を持ってきただけの話であって、今商工業者の方がよっぽど税金払っているんですから、消費税上げるときにもう印紙税なんかなくしちゃった方が本当はすっきりしていいんじゃないかと思うんですけど、大臣、いかがですか。
  148. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、これは、いわゆる銀行を通じて送金を行う場合とか、振り込み依頼を受けました銀行が、いわゆる送金の依頼、やったときとか、振り込み送金とともに振り込み手数料を受け取った際、そのときの受領事実を証明するために作成するということなんだと思いますが、いわゆる依頼人に交付する振込金及び振り込み手数料受取書につきましては、銀行から、振り込み依頼人から受け取った振り込み手数料というのは、これは銀行の売上げに当たることから、売上代金に係る金銭の受取書として印紙税が課せられるということなんですが、御指摘のケースにおいて、確かに親と子の間には経済取引が何もないというのは事実でありますから、振り込み依頼人が、親と銀行との間には、銀行が親から振り込み手数料を受け取って振り込み業務を行うという経済取引がそこに存在しておりますので、印紙税を課するということに関しては、その点に関しては問題ではないのではないかということになろうかと存じます。理屈としてはそうなるんですが。
  149. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあかなり苦しくてですね。じゃ、五万円以下だとよくて五万円以上だとそこに発生するのがおかしな話ですし、大臣御案内と思いますが、五人で飲みに行って、割り勘にしたらお店で印紙税払わなくてよくて大臣が一人で五万円支払っていただくと店で払うようになるんですよ。これ全然おかしいと思いませんか。
  150. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、昔、料飲税って御記憶あると思いますけれども、昔は、喫茶店でも飲んである程度の金額へいくと一三%だったか料飲税というのを取られたものだったんですけれども、そのときには、みんなで割り勘にして、一人だけ大きく払えといって、あとのやつはみんな以下にして、そいつだけ一人多めに払って、料飲税下げるなんということも私どもよく学生のときにやっていましたので記憶はあるところではありますけれども、今いろいろな御指摘があるんだと思いますけど、理由は先ほど申し上げたとおりです。
  151. 櫻井充

    ○櫻井充君 今、文書を発行しないと、取引でも印紙税発生しませんからといってやっている銀行もあるわけですよ。こんな公平でも中立でも簡素でもない税、いいかげんやめた方がよくないですか。
  152. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど申し上げましたとおりに、この種の話は、歴史ももちろんありますし、今の時代の流れとして電子化とかいろんなものもあるのも確かですが、これに入っておりますいわゆる税収というものは、これは決してばかにできない金額でもありまして、そう簡単に税収をゼロというのは今の時代にはとても私どもとして対応できる金額ではございません。
  153. 櫻井充

    ○櫻井充君 是非考えておいていただきたいなと思います。  それからもう一つ、不動産取得税って、どうしてこれは不動産取得すると税金を払わなきゃいけないのか、理論的な根拠を教えていただきたいと思います。
  154. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) ただいま不動産取得税の御質問がございました。政府税制調査会は平成十二年に中期答申において、不動産取得税の理論的根拠を不動産の取得の背後にある担税力に着目して課税される税とした上で、不動産取得税は所得課税等を補完する税であり、不動産の取得、保有、譲渡の各段階での課税として全体として適正な税負担を求めたことは、担税力を的確に捕捉し負担の公平を確保する観点からも適当と、こういう専門家の御意見でございます。
  155. 櫻井充

    ○櫻井充君 よく分からないのでもう一度お伺いしたいんですが、その要するに税を掛ける根拠はどこにあるんですか。
  156. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) 不動産取得税の理論的根拠は先ほど申し上げたとおりでございますが、不動産の取得の背後にある担税力に着目して課せられる流通税として整理をしております。
  157. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、整理するのはいいんです、種類だから。  そうじゃなくて、どうしてそれは税として掛けようという話になってくるのか、その理屈を教えてもらいたいんです。
  158. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) 失礼しました。答弁の狙いは整理じゃなくて、その前の段階にあります。  根拠、理論的根拠のことだろうと思いますが、それは、不動産の取引ができるということは担税力があると、こういう観点でございます。
  159. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあ分かりました。取れるところから取れということなんだろうなと、そう思いました。  それで、不動産の仲介をやっている方々から言われたのは、やはり物件を、中古住宅の取引をやった際に、例えば雨漏りしたとか何とかいったときにその仲介業者が訴えられるような場合もあってなかなか難しいんだということだったんです。  瑕疵担保についてある程度充実させていく必要性があるかと思っていますが、この点についていかがでしょうか。
  160. 由木文彦

    ○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  既存住宅の売買時におきます瑕疵担保責任は、売主が宅建業者の場合には、宅建業法四十条の規定によりまして、少なくとも二年負うことになっております。売主が個人の場合には、売主、買主間のいわゆる契約によって定められるということになりますが、一般的には、現状有姿、つまり責任がないという契約や、あるいは三か月というふうに定めているものが多いというふうに承知をしております。  この既存住宅の瑕疵により生じた損害を補償できるようにするため、二十二年からいわゆる既存住宅の保険制度というものを導入しております。具体的には、国交省が指定します五法人が既存住宅売買瑕疵保険というものを提供しているところでございます。保険料や審査料は期間や金額によって異なりますが、二十二年の導入当時には一種類でございましたけれども、それ以降、消費者が利用しやすい保険商品の開発を促して、保険期間やあるいは保険金額の多様化を図っております。その結果、利用件数がかなり増えてまいっております。  今後とも、目標値といたしましては、今、実は五%、全体の五%が利用しているという状況でございますけれども、将来的にはこれを三十七年度までに二〇%程度に引き上げたいという目標も持っております。そうした目標に向けて、宅建業者との連携を図ること等によりまして、一層の周知、普及に努めてまいりたいというふうに考えております。
  161. 櫻井充

    ○櫻井充君 とにかく、中古住宅の市場を活性化するためにいろんなことを考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  その上でもう一つ、税制について、麻生大臣、土地や建物以外に日本の場合には固定資産税が掛かってまいります。例えば、医療機関であるとMRIとかですね、ああいう大きな設備には実は固定資産税が掛かるんですけど、減価償却していって固定資産じゃなくなるようなものについてなぜ固定資産税を掛けるんでしょうか。あっ、地方税か。
  162. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) 地方ですので私の方からお答えします。  日本の償却資産は、戦後、シャウプ勧告に基づきアメリカに倣って導入したものであります。アメリカの州では一般的に四十七州に課税されているものであり、そのほか、カナダ、イギリス、香港、韓国などにおいてもなされるわけであります。したがって、この償却資産の考え方は、償却資産を持っていることによって、先ほどの担税力と、さらにまた応益的な市町村からのサービスを受けている、それに対応するものだと、こういう理屈、ざくっと言えばそういう理屈でございます。
  163. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、課税の根拠はシャウプ勧告ということになるんですか。
  164. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) 先ほどは、シャウプ勧告は、この税を入れた経緯、元々の経緯、長い歴史の最初のスタートのことでございます。  先ほど申しましたように、その背景にある考え方は、償却資産を持つことによって、当然のことながら様々な、いろいろな償却資産があるんですが、その償却資産を持つことによって様々な対応した市町村がサービスを行うだろうと、それに伴う、そういう応益的な性格だと、このように考えているところであります。
  165. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、世界では、こういう固定資産税を物品に掛けているような国というのは幾つぐらいあるんでしょう。
  166. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) アメリカでは、機械、装置等に掛けているものが三十八州、これ州を一つのステートと考えた場合。カナダ、香港などでも課税されているところであります。
  167. 櫻井充

    ○櫻井充君 それだけなんですよね。ヨーロッパでは掛けていませんよね。
  168. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) 総務省の調べた範囲の中では先ほど述べたようなところでございます。
  169. 櫻井充

    ○櫻井充君 そういうことなんです。だから、世界で日本は割と特別な国なんですね。  今、設備投資を行えということを政府で盛んに言っているのであって、そうだとすると、こういった分野について減税してくると更に設備投資が進んでいくような感じがしているんですけど、この点についていかがでしょう。
  170. 石原伸晃

    ○国務大臣(石原伸晃君) 委員の御指摘のとおり、今回初めてでございますけれども、中小企業の持つ設備投資、機械に対しまして減税を二十八年度税制改正でさせていただいております。
  171. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうなんです。でも、それってたしか三年ぐらいであって、その間にだから短期間でやれというような、要するに需要の先食いになってしまっているので、やはりそれは中長期的にやるべきものだと思いますが、いかがですか。
  172. 石原伸晃

    ○国務大臣(石原伸晃君) これは所管が総務大臣になりますけれども、委員と同じような考えを持っている者も党税制調査会にいたということは事実でございますので、御報告させていただきます。
  173. 櫻井充

    ○櫻井充君 それでは次に、特区による医学部の新設についてお伺いしたいと思いますが、この問題を月曜日に質問したら、何人かの方から質問をやめた方がいいんじゃないのと、そういう電話が掛かってまいりました。それだけいろんなことが絡んでいる案件なんだろうと思っていますけど、これ、公募の期間が僅か一週間でございました。医学部を新設するのに当たって、たった一週間の公募期間というのは余りに短過ぎるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  174. 川上尚貴

    ○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。  国家戦略特区における特定事業の事業者の公募につきましては、他の事業におきましてもおおむね一週間から十日程度で実施しているところでございまして、この医学部新設に係る事業者につきましても、昨年十一月の十二日より八日間公募を行ったところでございます。  本件に加えましては、これに加えまして、医学部新設の特例措置の対象となる事業者につきまして、これよりも更に三か月以上前の昨年七月の三十一日に決定をいたしました国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針におきまして、事業者が特に取り組むべき事項を留意点として具体的に列記し、広く事前に公表しているところでございます。  事業者公募に当たりましても、今申し上げましたような、既にお示しをいたしました留意点に沿って、その対応状況の提出を求めたものでございまして、応募しようとする者にとりましては一定の準備期間が確保されていたものというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  175. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうだとすると、ここにある、特区における医学部新設に関する方針というのがございまして、この方針を見る限り、この文書を読む限りにおいては、いわゆる一般の医療者の育成はできないことになっていますが、それでよろしいんでしょうか。
  176. 川上尚貴

    ○政府参考人(川上尚貴君) 御指摘のとおりでございます。
  177. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、外国人の方を診療するとか、そういういわゆるメディカルツーリズムとか、こういう人たちを育成するということで、それでよろしいんですね。
  178. 川上尚貴

    ○政府参考人(川上尚貴君) お答えいたします。  正確に申しますと、この方針におきましては、民間有識者、文部科学省、厚生労働省からの御意見もいただくなど慎重に検討を進めた結果といたしまして、国際的な医療人材の育成のための医学部新設の方針ということで定めたものでございます。
  179. 櫻井充

    ○櫻井充君 国際的な医療を行うための人材の育成だと。つまり、そうすると、この方々は一般の、今例えば一応私も現職の医者ですけど、一般的な国内の医療に携わる人ではないという認識でよろしいんですね。
  180. 川上尚貴

    ○政府参考人(川上尚貴君) この趣旨につきましては、国内外の優れた医師を集め、最高水準の医療を提供できる、世界最高水準の国際医療拠点をつくるという戦略特区の趣旨を踏まえて、国際的な医療人材の育成のための医学部新設の方針ということで定められたと承知しているところであります。
  181. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、私の質問に答えていただいておりません。  一般的な方を育成するのかしないのか、この点について御答弁いただけますか。
  182. 川上尚貴

    ○政府参考人(川上尚貴君) お答えいたします。  一般的なということではございませんで、国際的な医療人材の育成のための医学部という位置付けというふうに承知をしているところでございます。
  183. 櫻井充

    ○櫻井充君 その方々は、医者になった後に、そうすると、地域医療に携わるとか、そういうことはしないということでよろしいんですね。
  184. 神田裕二

    ○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。  先生御指摘のように、先ほど申し上げた三省庁の医学部新設に関する方針の中で、一般の臨床医の養成確保を主たる目的とする既存の医学部と次元の異なる国際医療人材を養成するということにいたしております。一般的な診療に従事するということを主目的としているものではございません。  ただし、その目的に反して一般の臨床医として勤務するというようなことになった場合には、長期間にわたって社会保障制度に影響を及ぼす可能性もあることから、その場合には、医師需給を踏まえた全体の医学部定員の中で調整を行うということに基本方針の中でいたしているところでございます。
  185. 櫻井充

    ○櫻井充君 こういう方針を出されたら、手を挙げるところ、僕は本当に少ないと思うんです。東北の医学部つくりましょうといったときには、幾つかの大学、幾つかの病院、そういうところが手を挙げてまいりました。ここでつくろうとしているところは、今この方針にのっとっている枠は二十で、残りは、百二十は一般の臨床医と私は聞いていますが、そういうようなことであればとても認められないという認識でよろしいんですね。
  186. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 留学生二十名以外の百二十名ですが、二十名の留学生も含めた入学定員百四十人の全員を対象として国際的な医療人材の育成のための教育を行うということについて、昨年十一月に関係三府省で確認を行っております。  したがって、基本方針の趣旨を十分に踏まえて対応する必要があると思っています。
  187. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  ここの大学には、私は資料請求をお願いしていたんですが、まだ資料が来ておりませんけど、例えば文部科学省の事務次官の方も二人ここに天下りされていますよね。それは事実でよろしいですか。
  188. 藤原誠

    ○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。  国家公務員の再就職の状況につきまして、本省の企画官相当職以上の管理職の職員が離職後二年以内に再就職した場合など、届出及び公表が義務付けられております。  その公表資料を調べましたところ、お尋ねの大学へ再就職した中央省庁の勤務経験を有する者は六名でございまして、その六名の数字は既に本委員会の理事会に提出をさせていただいているところでございます。
  189. 櫻井充

    ○櫻井充君 そこの中に文部科学省の事務次官の方もいらっしゃいますよね。
  190. 藤原誠

    ○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。  今申し上げました六名につきましては、国家公務員としての最終官職につきましては、文部科学省の大臣官房付が二名、厚生労働省の大臣官房付が二名、それから財務省の財務官、それから警察庁の長官でございます。  お尋ねの点につきましては、この調査が、公表された資料が離職後二年以内ということでございますので、お尋ねの方につきましてはここに含まれていないということでございます。
  191. 櫻井充

    ○櫻井充君 ですから、私は、月曜日質問した際に、天下りだとは申し上げておりません。国家公務員として働いたことがある人の中でここの病院で、ここの大学に勤務されている方は何人いるんですかと、それで資料請求しておりますので、改めて、私の方から申し上げておきますが、文部科学省の事務次官の方はここの大学で働いておられますね。  その大学、そこの文部科学省の元事務次官の方から文部科学省に対して、文部科学省はこの件について口出しをするなと、そういうふうな趣旨の電話が掛かってきているはずなんですが、大臣はこのことについて知っておられますか。
  192. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 委員御指摘のことは、承知をいたしておりません。
  193. 櫻井充

    ○櫻井充君 是非調査をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。大臣。
  194. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 委員御指摘のことでありますが、確認をさせていただきます。
  195. 櫻井充

    ○櫻井充君 特区制度を利用して、それから元々の役職を利用して制度をねじ曲げていくようなことがあったとしたら、私はそれは許されないことだと思っているんです。  その医師の需給の問題について、これ通告していないのでもし答えられなければそれでも結構ですが、塩崎大臣、医者はもうすぐ余る時代になる、そう思いませんか。そして、定員増で十四校新設したのと同じことになっております。  ですから、この先医学部をつくっていったら第二の歯学部になっていって大変なことになると思いますが、その点について、塩崎大臣、もし御見解あればお伺いしたいと思います。
  196. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年七月に、内閣府、文科省とともに、国家戦略特区における医学部新設について、方針、先ほどお触れになりましたが、これについては、医学部を新設するとしても一校として、十分な検証を行うということになっています。  骨太の方針二〇一五に基づきまして、地域医療構想との整合性の確保や地域間の偏在などの是正などの観点を踏まえて、昨年十二月から、医療従事者の需給に関する検討会というのを厚労省の中に設置をして、医師の需給について検討を行っております。検討会の議論を踏まえて医師の需給の見通しについて検討をしていかなければならないと思っておりますが、グローバル化する世界の中で日本の医療人材をどう育てていくのか、このことについては様々な要素を考えて決めていかなきゃいけないというふうに思っております。
  197. 櫻井充

    ○櫻井充君 そういう方針でやっていくことについて、私は異論はございません。世界は、メディカルツーリズムなどで、それで自分たちの国の利益を上げようとしてきているので、私は日本がそういう方向でやっていくことについては間違いはないと思っているんです。ですから、ここに書いてある三省で決めた方針のとおりにやっていただけるかどうかということが極めて大事なことなんだと思っています。  さて、ちょっと自衛隊員の募集状況についてお伺いしたいと思いますが、先日、入隊、入校予定者の方々の激励会に行ってまいりましたが、何か随分今年は少なかったんじゃないかなという感じがしたんですが、募集状況はどういうことになっているんでしょうか。
  198. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 今年度は、依然採用は続いておりますけれども、直近の応募者数について申し上げますと、昨年二月末時点における十一か月間の累計で九万一千人でありました。今年の二月末ですね、今年二月末が九万一千人です。昨年度の通年実績である十万六千人と比して若干減少傾向にはございます。しかし、今年度と同様、有効求人倍率が一を超えていたリーマン・ショック前の平成十九年度の実績である約八万九千人は既に上回っております。  なお、応募倍率につきましても、今年二月末時点における十一か月の累計で、採用計画数との比較では既に六倍を上回っておりまして、こういった景気、雇用の動向に加えて少子化、高学歴化が進行している中にあって、多くの若者が自衛隊を志願してくれているものと考えております。
  199. 櫻井充

    ○櫻井充君 父兄の方々とお話ししていると、やはり心配されている方々が随分多くいらっしゃいまして、そういったことが影響してきているんじゃないかと思うところもあるんですが、その点についていかがですか。
  200. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の中で新しい隊員や、また現職の隊員等と接しているわけでございますが、多くの隊員は国を守るという志もしっかりしておりますし、いろんな職種、いろんな分野におきましてそれぞれの才能を発揮をして、気合が充実した状態で勤務をいたしておりますので、そのようなことは余りないのではないかと思っております。
  201. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は、自衛隊の方々が一つ一つ実績を積み重ねて、しかも海外で高い評価を得るようになってきた、本当にすばらしい活動をしてくださっていると思っています。  この点を評価した上で、更にリスクの高いようなことになった際に一体どうなっていくのかということを心配しているだけの話であって、もう一つ申し上げておきますが、例えばイラクの北部同盟の武装解除などは日本人が行ってきているわけですから、これまででも十分に日本人は私は国際貢献してきていると思っていて、私が反対しているのは、アメリカと一緒になってリスクの高いような戦争に巻き込まれやしないんだろうかと、そういうことがないんだということをもう少し明確に伝えていただきたいなと、その点だけ要望しておきたいと思います。  最後に、TPPについて質問させていただきたいと思いますが、これだけ情報が出ていない中で、これからTPPに関する議論をやれと言われても、私はなかなか十分な議論ができないんじゃないかと思っているんですが、この点についていかがでしょうか。
  202. 石原伸晃

    ○国務大臣(石原伸晃君) TPP協定に関する情報公開については、交渉、昨年まとまりましたけれども、署名が今年の二月でございますけれども、国会等において丁寧な説明がなされていたと承知をしているところでございます。  もう既に民主党の皆様にも、関税交渉結果や協定の本体の内容、かなり厚い内容でございますけれども、TPP協定と附属書というものはあれが全てでございますので、全て示させていただいている。また、これからもいろいろ御質問がございましたら、引き続き丁寧に事務方も含めて御説明をさせていただきたいと考えております。
  203. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、勉強不足でその資料をちょっと見ておりませんでしたので、ありがとうございます。  その上で、今回の交渉というのは日本の国益をかなうと、実現できるような内容になったと胸を張って言えるものなんでしょうか。
  204. 石原伸晃

    ○国務大臣(石原伸晃君) これは総理も御答弁をさせていただいておりますけれども、マルチの交渉の中で国益を十分に確保することができた、このアジア太平洋地域に八億人、そして三千百兆円のGDPを抱えるところで一つの経済連携交渉ができたということは、もちろん発効してからでございますけれども、大変意義のある交渉ではなかったかと考えております。
  205. 櫻井充

    ○櫻井充君 例えば、自動車など、対アメリカとの関税などを見ても、必ずしも十分な成果が上げられていないと思いますが、その点についていかがですか。
  206. 石原伸晃

    ○国務大臣(石原伸晃君) この点については衆議院の委員会でもかなり議論がなされたところでございますけれども、二〇一〇年の数字で申しますと、一兆八千億、二兆円弱の部品、これが日本から、発効された後、八割程度その中の関税がすぐに撤廃されるということで、大変メリットがあるというお話をさせていただきましたが、民主党の同僚の方々からは、完成車、特にピックアップトラック等々について関税の撤廃が三十年という最長ということはどうなんだと、こういう議論があったということでございます。
  207. 櫻井充

    ○櫻井充君 そういうことなんだと思うんです。  その完成車についてはおっしゃるとおりだと思っていて、一方で農業は、それはアメリカなどほかの国々の主張がかなり通ってしまって、地域の農家の方々も相当不安視されているんですが、この点についていかがでしょうか。
  208. 森山裕

    ○国務大臣(森山裕君) 櫻井委員にお答えをいたします。  農業分野につきましては、TPP交渉におきまして、関税撤廃の圧力が極めて強い中、国会決議を後ろ盾にいたしまして、攻めるべきものは攻め、守るべきは守るとのスタンスで粘り強く交渉を行ってきたところでございます。  この結果、農林水産物につきましては、他国が原則的に関税を撤廃する中で、我が国は二割の関税撤廃の例外を獲得することができましたし、また重要五品目を中心に関税割当てやセーフガード等の措置を確保するなど、交渉結果としては最善のものとなったと考えております。  一方、保秘義務が掛かった交渉であったことから、現場の一部には不安な声があることも承知をしております。  今後とも、合意内容を丁寧に説明をするとともに、政策大綱に基づく重要品目が確実に再生産可能となるように、生産コストの低減、品質の向上に向けた体質強化対策や経営安定対策など、万全の措置を講じていきたいと考えております。
  209. 櫻井充

    ○櫻井充君 万全の対策を取っていただきたいと思いますが、それは一時的なものではなくて、世界ではもう直接支払が当たり前になってきていて、我々民主党政権のときに随分ばらまきだと御批判受けましたが、こういったことももう少しきちんと検討する必要性があるかと思いますが、その点についていかがですか。
  210. 森山裕

    ○国務大臣(森山裕君) 交渉の結果に基づきまして政策大綱の中で、省力化機械の整備等による生産コストの低減や品質向上を図るための畜産クラスター事業を強化をさせていただくほか、経営のセーフティーネットである牛、豚のマルキンについて補填率を引き上げさせていただきまして、充実した上で法制化をさせていただく。  さらには、輸出促進や外食産業等との連携など、我が国の高品質な牛肉、豚肉の需要拡大にも積極的に取組をさせていただきたいと思っておりますので、体質強化対策と経営安定対策を適切に実施をしてまいりたいと考えております。
  211. 櫻井充

    ○櫻井充君 地方創生等随分いろいろお話が出ていますが、やはり田舎にとってみたら一番の基幹産業は農業ですから、それをきちんとやれるようにしていただきたいし、それから加工業と販売といわゆる六次化をどんどん進めていかなきゃいけないし、それと、田舎はやっぱり何といっても高齢化が進んでいて、介護だとか医療だとか、そういうところで雇用をつくっていくしかないんです。  ですから、そういう意味では、ある程度社会保障のところに対して消費税を引き上げて財源を確保してきましたので、もう少し処遇の改善を行えるような、それから保育士のことについてもそうですが、こういったことについて改めて税金の投入をもう少し増やしていただきたいなということを御要望申し上げまして、質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  212. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  213. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、新妻秀規君の質疑を行います。新妻秀規君。
  214. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 早速質疑に入らせていただきます。  まず、実態と異なる求人票の是正について伺います。  まず、配付資料の一を御覧ください。  ハローワークにおける苦情は、このように多岐にわたっております。この資料の下の方の具体的な要因の表に示しますとおり、この一番上の行、求人票の内容が実際と異なるという回答が最も多くて三六%にも上ります。  この問題を我が党の青年委員会は深刻に捉えまして、昨年七月の末に政府に提出をいたしました青年政策要望集、青年政策アクションプラン二〇一五には以下の目標を掲げました。特に固定残業代など就業実態と大きく異なる求人票の記載が多いことに鑑み、実態把握を行うとともに、誤解を生じないような記述に改めるなど、その対応策について検討します、このように提案をいたしました。  その後、昨年の通常国会にて若者雇用促進法が成立をし、九月十八日に公布になりました。  この新法の参議院附帯決議では、固定残業代に係るトラブルを防止するため、固定残業代に係る割増賃金の計算の方法等、求人票等に具体的に明示すべき事項を大臣指針で明記するとともに、その周知徹底を図ることと求めています。  この決議を踏まえ、昨年十月一日、この新法に基づいて、この附帯決議を踏まえて厚生労働省より固定残業代についての新たな指針が発出されました。この指針の中の該当の項目は、ざっくり申し上げますとこのようになります。固定残業代を含む労働契約を結ぶときには、固定残業代に係る計算方法、固定残業代を除外した基本給の額、固定残業時間を超える残業についての割増賃金を追加で支払うこと等を明示することという内容です。この項目は、指針発出の日、すなわち十月の一日に即日適用でございます。  この指針は、労働契約を結ぶときではなく、募集の時点で固定残業代について明示させ、そして固定残業代に係る労働時間数及び金額等、明示すべき事項を明らかにしたという点で意義があると考えております。しかし、新法が公布になり、この指針が出され半年近くになりますが、いまだ固定残業代が隠されたり、また説明が不十分であったりという場合が多いと聞いております。  ここでまず、実態把握等の現状について伺いたいと思います。  さきの参議院の附帯決議では、固定残業代等において、求人票等に明示された労働条件と就業実態が相違する問題が依然多発している現状に対処するため、その実態把握、裁判例の整理、法改正を含む対応策の検討を行うことと求めていますが、この決議で求めた実態把握、裁判例の整理について、現時点での進捗はいかがでしょうか。
  215. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  今委員のお尋ねの点でございますけれども、厚生労働省といたしましては、これまでも全国のハローワークにおきまして、求職者などから受け付けます求人条件と実際の労働条件が異なるといった申出の件数については把握してきたところでございます。  まさに今委員の方から昨年の若者雇用促進法の参議院での附帯決議を御紹介いただきましたけれども、私どもとしましては、これを踏まえまして、平成二十七年度の下半期から固定残業代に関する申出などの件数、申出の内容といったものについて、ハローワークにおきましてより詳細に把握できるようにしたところでございます。  それから、あと、また民間の職業紹介機関におきましても、固定残業代を含みます賃金について、求人条件と採用条件が異なっていた場合に、固定残業代が取られているということを知った時期、応募時なのか面接のときなのかといったような問題についても、調査を今行っているところでございます。  私どもとしましては、こういった固定残業代に関する実態の把握の結果ということにつきまして、今年の夏をめどに取りまとめるということとしておりまして、その結果と現在整理を行っておる固定残業代に関する裁判例の関係につきましても踏まえまして、必要な対策について更に検討してまいりたいと考えております。
  216. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 参議院の意思なので、しっかりとしたモニターをお願いをしたいと思います。  次に、指針の周知徹底について伺いたいと思います。  固定残業代等のトラブルを防止するためには、この決議でも求めたように、この指針の周知徹底をすることが必要だと考えます。これまでどのようにしてこの指針を周知してきたのか、現状に鑑み、更に周知を徹底してほしいんですけれども、どのようにして取り組んでいくのか、御答弁をお願いします。
  217. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  先ほど委員の方から御紹介いただきました固定残業代の適切な明示を定める若者雇用促進法に基づく事業主指針でございますけれども、当然、私ども厚生労働省のホームページの掲載ということはもとよりでございますが、ハローワークでの求人受理時におきましたり、あるいは求人者に対するいろいろ説明会を開催しておりますので、そういった際に周知、広報ということに取り組んできたところでございます。  さらに、私どもとしましては、周知しっかり徹底するということで、今年一月にはこの若者雇用促進法、今年の三月からいろいろ職場情報の提供とかという部分も含めまして施行されておりますので、そういった内容も含めて厚生労働省から、経済団体あるいは業界の団体というところ、四百四十二団体でございますけれども、そういった団体に対して、この事業主指針の内容についても傘下の会員企業への周知ということについてしっかり協力をしていただきたいということで協力依頼を行ったところでございます。  引き続き、あらゆる機会を捉えまして、私ども、周知の徹底ということをしっかり図ってまいりたいと思います。
  218. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今おっしゃったようなあらゆる機会を通した周知徹底、また効果的な方法についても更に検討を進めてほしいと思います。  次に、固定残業代を隠せないような仕組みの導入について伺います。  固定残業代の存在を隠せない仕組みづくりが必要だと考えます。固定残業代を隠せないように、求人票のひな形のようなものを作って、基本給の金額のほか、基本給に固定残業代が含まれるかどうか、そして含まれる場合にはその金額とそれが何時間分に当たるのかなどを明記させるようにしてほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  219. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  今委員から御指摘ございましたように、募集要項でありましたり求人票において、この今問題となっております固定残業代というものに関する記載が、そういったものを取られるということであればということになりますけれども、分かりやすく表示されるということは、まさに御指摘のとおり、重要だと思っております。  このため、私ども、今おっしゃいましたような御指摘も踏まえまして、そういった募集要領あるいは求人票の記載が求職者の方にとって分かりやすいというものになるということに即するように、若者雇用促進法の事業主に向けたリーフレットでありましたり、あるいはハローワークにおきまして求人票を書いていただくときのポイントを示したものがございますので、そういったものにおきまして固定残業代について適切な表示の記載例というようなものを示すなどということをさせていただいて、企業の取組ということを促してまいりたいと思います。
  220. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今おっしゃったように、事業主への徹底を是非ともお願いをしたいと思います。  次に、ハローワークでの取組強化について伺います。  ハローワークにおいては、昨年の十二月から、求人票の労働条件と採用条件に違いが生じた場合には変更点と変更理由を確認していると聞いております。しかし、これでは、求人のときには魅力的な条件を提示し、採用時には変更点と変更理由を報告をしさえすれば、それより劣る条件で採用することが可能で、求職者を守ることになっていないのではないかと考えます。重大な違反、相違がある場合には企業名を公表すべきとの意見までありますが、どうでしょうか。
  221. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) 委員今御指摘いただきましたとおり、昨年の平成二十七年の十二月から、私ども、ハローワークにおきまして選考結果を確認する際に、求人条件と採用条件に相違がある場合に具体的な変更点とその理由ということを確認するということにしたところでございます。  ただ、当然、その点について報告を受ければそれでおしまいということではなくて、やはり確認の結果、採用条件に相違があった場合とか、あるいは求職者の方から求人条件と実際の労働条件が違うといったような御相談があった場合ということにつきましては、私ども、全国のハローワークにおいて、まず迅速な事実確認をしっかり行って、それで必要な是正指導を行うということのほか、当然、法違反のおそれがあるというようなケースにつきましては、職業紹介の一時保留であったり求人の取消しといったような点についても実施をしているというところでございます。まさしく求職者保護の観点からということでございますので、こういった是正指導などの的確な実施ということをしっかり行ってまいりたいと思っております。  また、求職者に対しましても、求人ホットラインというような相談窓口ということも求職者の方にも設けておりますので、そういったものも御活用いただければということで考えております。
  222. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今おっしゃったような効き目がある方法を是非とも検討していただければと思います。  最後に、うその情報による求人に対しての対応の強化について、厚生労働大臣に伺いたいと思います。  職業安定法は労働条件の明示を企業に義務付けており、企業が自社で直接募集をし採用する場合には、うその情報に対する罰則があると承知をしております。一方で、民間の職業紹介事業者やハローワークを通してうその求人情報があった場合には、是正を求める行政指導にとどまっていると承知をしております。  職業紹介事業者などを通した場合でも、虚偽情報による求人に対し対応を強化すべきと考えますが、大臣の御所見を伺います。
  223. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 働く方、とりわけ若い方々の働くことに関する夢を壊すわけにはいかないというふうに思います。  求職者の適切な職業選択のために求人内容の適正化を図ることは重要であるということを考えておりまして、民間の職業紹介事業者や、先ほど来出ておりますハローワークなどに虚偽の条件の求人を出す企業への対応の強化につきましては、現在、雇用仲介事業等の在り方に関する検討会というのを開催しておりますけれども、有識者の意見を聞きながらしっかり今検討を深めているところでございます。  求職者の一層の保護が図られるように、必要な対策を講じてまいりたいというふうに思います。
  224. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 前向きな御答弁、ありがとうございます。是非とも求職者の権利を守るために、よろしくお願いをいたします。  次に、ベンチャーの支援について伺います。  資料の二を御覧ください。  資料の二の下半分に示しますように、ベンチャー企業には経済を引っ張る大きな力があります。この下の表、一九九五年以降に創業した代表的なベンチャー、グーグル、アマゾン、フェイスブックなど時価総額総計百五兆円、日本のトップテンの企業の八十九兆円を大きく上回っています。しかし一方で、この上半分の図に示すように、この設立企業の数、そして時価総額でもアメリカに比べて日本は大きく水を空けられている状況であり、応援をする体制がまだ不十分であり、強化の余地が大きいと考えます。  二〇一三年の六月に閣議決定されました日本再興戦略においては、開業率が廃業率を上回る状態にし、米国、英国レベルの開業、廃業率一〇%台を目指すとしておりますが、昨年六月に閣議決定した日本再興戦略改訂版二〇一五年でもこの目標は堅持されております。グローバルベンチャー企業が生まれていくメカニズム、グローバルベンチャーエコシステムの構築に係る施策を推進するとしています。しかし、現状はといえば、資料の三に示すように、この一番下の線が日本でございますが、横ばい、低迷しているという状況でございます。  我が党の青年委員会としても、この状況の改善のため、さきの青年政策要望で以下のような提案を政府にいたしました。経済成長の源となる新たな稼ぐ力を若者が生み出せるよう、オープンイノベーションを活発化させます。研究者や起業家、フリーランスだけでなく、企業に所属する若者も巻き込みながら、多様なバックグラウンドと職能を持つ人々が交流できる場の提供、そして学び直しの機会の充実を推進します。このように提案をいたしました。  まず、ベンチャー支援のこれまでの取組と今後の支援の強化について、経済産業大臣に伺いたいと思います。ベンチャーの支援のため、これまでの取組、そして今後どのようにして支援を強化していくのか、林大臣の御所見をお願いします。
  225. 林幹雄

    ○国務大臣(林幹雄君) 日本再興戦略で掲げる開業率、廃業率一〇%台の目標達成に向けまして、経済産業省では、まず起業家教育や、インパクトのある新事業を創立した起業家を表彰する日本ベンチャー大賞などを通じての意識改革、そしてまた創業スクールなどによるノウハウ面での支援、さらに税制、創業促進のための補助金などによる資金面での支援、そしてシリコンバレーと日本の架け橋プロジェクトにより日本の起業家をシリコンバレーへ派遣するなど、世界とのネットワーク強化などに取り組んでいるところでございます。  今後は、経済産業省のみならず、文部科学省や総務省などとともに、政府一体となって二〇二〇年までのロードマップを策定いたしまして、ベンチャー企業の目線に立った切れ目のない支援策を展開してまいりたいと、このように考えております。
  226. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 前向きな答弁、ありがとうございます。是非とも他省庁と連携した取り組み、推進をしていただきたいと思います。  最後に、ベンチャーエコシステム構築に向けた交流の場の提供について伺います。  日本再興戦略の改訂版でも、ベンチャー支援の方策として、ベンチャー企業、ファンド、大手企業、大学の研究機関等のマッチングネットワーク構築の重要性が指摘をされておりまして、また経団連の報告書でも、こうした関係者が集う場の整備が重要でございます。この推進について、是非とも経産省の答弁をお願いをしたいと思います。
  227. 柳瀬唯夫

    ○政府参考人(柳瀬唯夫君) お答え申し上げます。  公明党さんの青年委員会からもこういった交流の場の提言いただきましたし、経団連からもそういう提言いただいております。  我々も極めて重要だと考えておりまして、ベンチャー企業、大企業、ベンチャーキャピタル、大学などが参加いたしますベンチャー創造協議会というのを我々が事務局となりまして設置をしてございます。現在四百七十社で構成しておりますけれども、マッチングイベントなどをやってございまして、昨年の秋、早速やりましたマッチングイベントでは四千人の方に参加をいただきまして、商談が千八百件、そのうち五割ぐらい、ちょうど半分ぐらいが大企業が再度面会をしたいという、商談の成功率でいっても五割ぐらいというかなり、まさに御提言いただきましてやってみたら物すごいヒットしたということで、実際ニーズがあるなということでございます。  さらに、安倍政権になりまして、安倍総理の肝煎りで日本ベンチャー大賞というのを設置いたしまして、これもこの協議会の方で事務局やらせていただきまして、この間、第二回やりましたけれども、千人ぐらいの方に御賛同いただきまして交流の場を設置しているところでございます。
  228. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非とも取組の強化をお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
  229. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で新妻秀規君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  230. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、田村智子さんの質疑を行います。田村智子さん。
  231. 田村智子

    ○田村智子君 子供の貧困対策を進める上で、貧困率が五〇%を超える母子世帯の収入を増やすということが必至です。  厚労大臣にその認識と施策についてお伺いいたします。
  232. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 子供たちの未来が家庭の経済事情などによって左右されることがあってはならないというふうに考えております。特に、経済的にも様々な困難を抱えている一人親家庭にはきめ細かな支援が必要だというふうに考え、このため、昨年十二月には、すくすくサポート・プロジェクトと呼んでいる、すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクトと、そこで就業による自立に向けた就業支援を基本としつつ、子育て・生活支援、そして学習支援などの総合的な支援を充実することといたしました。  一人親家庭の収入を増やすための就業支援としては、具体的には、就職に有利な資格の取得を促進するための給付金の充実や貸付事業の創設、それから、自立支援教育訓練給付費の支給額の引上げ、さらには、民間委託でございますけれども、求職者支援訓練における一人親が利用しやすい託児サービス付きの訓練コースなどの設定、あるいはマザーズハローワークにおける一人親支援の体制の充実などを行うこととしておりまして、これらの施策を通じて、一人親家庭の就業支援に取り組み、その経済的安定を図ってまいりたいと思っております。
  233. 田村智子

    ○田村智子君 政府は、二〇〇三年以降、今御答弁あったとおり、就業支援ということを政策の柱にしてきました。それでは、十年以上が経過をして、就労収入、就業状況、母子世帯、改善しているのでしょうか。
  234. 香取照幸

    ○政府参考人(香取照幸君) 母子家庭のお母様御自身の年間の平均就労収入でございますが、私ども、全国母子世帯等調査というのを行っております。平成二十三年度で、同調査によりますと百八十一万円となっております。同じく、同調査で平成十五年の数字が百六十二万円でございましたので、こちらは増加してございます。就業率でございますが、同じ調査で、平成十五年が八三・〇、平成十八年、八四・五、平成二十三年が八〇・六ということになってございます。
  235. 田村智子

    ○田村智子君 資料の一を見ていただきたいんです。これ、OECDの調査です。  一人親世帯、働くと、諸外国は貧困率が劇的に大きく改善をします。ところが、日本だけが全く改善をしていないと。果たして就労による自立支援というのが有効と言えるのか、大臣、いかがですか。
  236. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国の一人親は、今お話がありましたように、一人親家庭は約八割が就業しているわけでありますが、そのうち約半数がパート、アルバイトなどの不安定な就業形態にございます。  経済的にも様々な困難を抱えておりまして、このため、正社員など安定的な就業に結び付くようなきめ細かな支援が必要であるというふうに考えておりまして、先ほど申し上げたように、昨年十二月のすくすくサポート・プロジェクトの中では、まず第一に児童扶養手当の第二子以降の加算額の増額、さらに、自治体の相談窓口のワンストップ化の推進、放課後児童クラブ等の終了後に学習支援等を行うことができる居場所づくりの推進、一人親家庭などの保育料軽減の強化など、現物給付と現金給付とバランスを組み合わせて総合的な支援を行うこととしておりまして、これらの取組を通じて一人親家庭の自立の促進に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
  237. 田村智子

    ○田村智子君 これ、シングルマザーの低賃金の働き方というのはほとんど何も解決をしていないんですよ。それでも就業支援だ、働いて自立しろと求められる。そうすると、どうなっていくのか。  今度は総務省にお聞きします。  社会生活基本調査では、六歳未満の子供を持つシングルマザーと二親世帯の母親と、これで一日当たりの仕事時間と育児時間、こういう比較ができる調査を行っています。また、朝八時、夜七時に仕事をしている割合、それぞれ示していただきたいと思います。
  238. 會田雅人

    ○政府参考人(會田雅人君) お答えいたします。  平成二十三年社会生活基本調査の結果から一日の仕事の平均時間を見ますと、六歳未満の子供のいる母子世帯の母は四時間十六分、二親世帯の母は一時間三十四分となっております。同様に、育児時間について見ますと、母子世帯の母が二時間二分、二親世帯の母が三時間二十二分となってございます。  それから、朝の時間帯と夕方の時間帯についての御質問でございますが、お尋ねの六歳未満の子供についての世帯についてのデータはないことから、母子世帯と二親世帯全体について平日の状況で見てみますと、朝八時から朝八時十五分までの間に仕事をしている人の割合は、母子世帯では一六%、二親世帯では八・五%、夜七時から七時十五分までの間に仕事をしている人の割合は、母子世帯で一〇・二%、二親世帯の母が三・五%となっております。  同様に、育児をしている人の割合で見ますと、朝八時から八時十五分までの間に育児をしている人の割合は、母子世帯の母で三・五%、二親世帯の母で九・五%、夜七時から七時十五分までの間に育児をしている人の割合は、母子世帯の母が三・五%、二親世帯の母が八・〇%となっております。
  239. 田村智子

    ○田村智子君 今の数字を聞いても、シングルマザーの子供さん、どうなっているんだろうかという数字なんですよ。これ、育児の時間は二親世帯の母親の六割ぐらいです。夜七時になっても一割が働いているということは、晩御飯も一緒に食べることができないと、そういう働き方をしているシングルマザーが多くいるということです。  子供の視点に立ったとき、私は、やっぱり児童扶養手当等の現金給付を拡充して、もっと子供さんと接する時間をシングルマザーに保障することが必要だと思いますが、いかがですか。
  240. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 一人親家庭に対して、就労による自立を促進することが支援の基本だというふうにやはり考えております。  その際、育児時間を犠牲として働くのではなくて、仕事と育児の両立ということが可能なように持っていくことが大切だというふうに考えておりまして、そのためには、一人親が安定した職に就き、就労収入によって経済的に安定した生活を送ることができるようにするということが重要であって、そういう意味では、先ほど触れたすくすくサポート・プロジェクト、昨年十二月に取りまとめたものの中では、就業による自立に向けた支援を基本としながらも、子育て生活支援、そして学習支援など、総合的な取組を充実することとしておりまして、今、児童扶養手当についてお触れをいただきました。すくすくサポート・プロジェクトの中に入っておりますが、この児童扶養手当につきましては、一人親家庭の生活の安定と自立の促進を図るための現金給付でございますけれども、それだけで就労収入の代替となるようなものではございません。一人親の仕事と育児の両立のためには、やはり安定した職に就けるようにすることが大切だと思います。  いずれにしても、今申し上げたすくすくサポート・プロジェクトに基づいて、一人親家庭の自立を全力で総合的に支援してまいりたいと思っております。
  241. 田村智子

    ○田村智子君 先ほどのOECDの調査、やっぱり日本だけが働いても貧困から抜け出せないという状態、これがなぜなのかということをしっかりと私は見るべきだというふうに思います。児童扶養手当、これ抜本的な拡充が必要だと思いますし、所得制限を強めてきてこの手当額を減らしてきたという政策を取ってきたわけですから、この方向転換がどうしても必要だと、このことを強調しておきます。  次に、児童扶養手当なんです。これだけ大切、命綱と言われていますが、今、支給期間五年で支給額を減らすという措置がとられています。二〇〇八年度以降、この実施状況がどうなっているか、お示しください。
  242. 香取照幸

    ○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。  児童扶養手当につきましては、受給開始から五年を経過した時点で、障害、疾病等があって就労が困難である、こういう事情がないにもかかわらず就労や求職活動等を行っていないという方につきましては支給額の一部停止を行うという措置がございます。  御質問の二〇〇八年以降でございますが、平成二十年になりますが、一部支給停止措置がとられた人数につきましては福祉行政報告例において統計を取っておりまして、これが二〇〇九年から、平成二十一年から統計を取っておりますので、実績で申し上げます。  二〇〇九年、平成二十一年度は三千六百九十一人。二〇一〇年、平成二十二年でございますが、この年度は三千六百十五名。二〇一一年、平成二十三年度は三千九百八十七人。二〇一二年、平成二十四年度は四千四百二十一人。二〇一三年度、平成二十五年度は三千二百七十五名。直近、二〇一四年のデータがございまして、平成二十六年度は三千百十五人ということになってございまして、二〇〇九年から二〇一四年の六年間累計いたしますと、合計二万二千百四名ということでございます。  また、ちなみに、一部支給停止の場合の児童扶養手当の額でございますが、二分の一ということになりますので、平成二十七年度で申し上げますと、満額が四万二千円でございますので、一部停止の場合には受給額は二万一千円ということになるということでございます。
  243. 田村智子

    ○田村智子君 六年間で延べ二万二千人もの方々から手当を半額にしてしまったわけですね。これ、減額した理由、生活への影響などの調査は行っていますか。
  244. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) この児童扶養手当の一部支給停止という制度そのものは、血も涙もないというわけでは決してないわけでございまして、それは理由があって導入をされた制度でございます。  受給者の自立を促進するため、受給開始から五年を経過して、障害、疾病などの就業困難な事情がないにもかかわらず就業や求職活動等をしていないという方について支給額の一部を停止するという、こういう制度でございまして、税金を大事に使うという考え方でこのような制度が導入をされているわけでございます。  平成二十六年二月に自治体を通じて、平成二十五年九月末時点での一部支給停止の措置がとられた方を対象にその理由を調査しました。それによりますと、手続をするつもりがなかった、手続が面倒など、やむを得ない事情なく手続をしなかった方が五〇・九%、手続の時間的余裕がなかった、証明書取得に時間を要したなど、やむを得ず手続できなかったが二九・八%となっておりまして、こうしたことを踏まえて、一時支給停止措置の適用除外に係る手続につきましては、児童扶養手当受給者が制度を理解しやすいように丁寧に説明していただくことや、母子・父子自立支援員など関係部署とも連携を図るなど、受給者の立場に立ったきめ細かな対応について自治体に対して御尽力いただくようにお願いをしておるところでございます。  一部支給停止の措置がとられた方も引き続き児童扶養手当受給者であることから、毎年の現況届などを通じて自治体で受給者の状況を把握しているものと考えております。このため、政府による追跡調査は必ずしも必要ないかなと思いますが、いずれにしても、今回、児童扶養手当を改正をいたします。その周知の際に、この制度につきましても再度徹底をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  245. 田村智子

    ○田村智子君 これ、聞きましたら、一斉に送って、それで就業証明とか、働いていない人はその理由の証明を提出しなさいと、それがなければもう減額と。今の答弁でも、調査した人のうち減額された人の三割はやむを得ない理由だった、これ、とんでもないことですよ。  家計の状況は改善していないのに命綱の児童扶養手当を半減させられたら、子供さんはどうなるのかと。これは、子供の貧困対策に逆行するやり方だと思いますが、いかがですか。
  246. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、どういう事情で就職活動、求職活動がなされていないかということについて私どももしっかりと把握をしていくことが大事かなというふうに思いますし、やむを得ない理由なのかどうかということも含めて、先ほど申し上げたように、この制度自体が徹底をされているように私ども努力をしなきゃいけないと思いますので、今回の改正を機に更に徹底をし、そして、やむを得ない理由であるにもかかわらず手続が取れないとか、そういうことであれば、そこのところは市町村にもそれなりの対応を寄り添ってしていただくようにしていきたいというふうに考えます。
  247. 田村智子

    ○田村智子君 そんなの減額する前にやるべきですよ。減額されたら家計を直撃するわけですから、こんな五年減額の措置というのはやめるべきだということを強く申し上げておきます。  もう一点、なぜシングルマザーが働いても低収入なのかと、その要因についても考えたいと思います。  資料の中に、二〇一一年、社会保障審議会に提出されたものを、四枚目かな、入れています。生活保護を受けているシングルマザーの約五割が高校を卒業していないという調査があるんです。  厚労省は、先ほどの御答弁でも、キャリアアップのために資格取得を奨励していると言います。しかし、ヘルパーとか看護師とか、そういうのも高卒を要件とする資格です。こういうの多いです。高校卒業資格を得られるような支援をする、これは自立支援の上でとても大切だと思いますが、いかがですか。
  248. 香取照幸

    ○政府参考人(香取照幸君) 一人親家庭の自立支援のためには良い条件で就労していただくということはもちろん重要でございまして、私どもの調査ですと、母子家庭のお母様のうち最終学歴が中卒であるという方は約一三・三%ということでございまして、こういった方々につきましては、高等学校卒業程度の認定試験、これに合格していただくように働きかけるということがお話しのような就労促進のためには非常に重要だと考えてございます。  このため、平成二十七年度から、様々な事情で高等学校を卒業されていない一人親家庭の親の方がこの高等学校卒業程度認定試験、いわゆる大卒認定というやつですかね、これに合格できますように、講座を受講する場合にはその費用の最大六割を支給するという事業を実施してございます。  こうした取組を通じまして、厳しい環境にある一人親家庭の皆様方に対しましても就労を通じた自立を支援してまいりたいというふうに考えてございます。
  249. 田村智子

    ○田村智子君 そういう支援は働きながらということが条件なんですよ。乳幼児抱えて働きながらということになると、これはとても大変な負担です。  生活保護を受けているシングルマザーが高校で学ぶ場合、保護費の扱いがどうなるかも教えてください。
  250. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 生活保護制度におきまして、利用できる資産、能力その他あらゆるものを活用することを要件としていることでございますので、稼働能力のある方についてはその知識や技能を生かして就労していただくことが原則でございます。一人親家庭の親についても可能な方はやっぱり就労していただくべきであって、就労しながら高校に就学する場合には、自立助長の観点から高等学校等就学費を支給できる取扱いを設けているところでございます。
  251. 田村智子

    ○田村智子君 これは最後の資料にもお配りしているんですけど、QアンドAです、生活保護の実施要綱。これをやっぱり読むと、働いているということが条件で高校に行っていいよと、十八歳以降だと。  私、ちょっと事例を示したいんです。二十代の女性、婚外出産でシングルマザーとなって生活保護を受給。幼少期から虐待を受け、中学校にまともに通えなかった。我が身を守るために家を出て、真面目に働いてきた。ケースワーカーは、自己肯定感が著しく低い彼女には高校卒業というキャリアが必要ではと高校入学の話をした。彼女は自立のために高校で学びたいという思いを便箋二枚にびっしりと書きつづった。丁寧な字で書かれたその一行一行にケースワーカーは心を揺すぶられたと言います。中卒であるがゆえに職場でもばかにされてきた彼女に今何が必要かを考えたとき、まず高校で学ぶことではないのか、保育所に子供を預ける昼間、高校に通わせてあげたいと、これがケースワーカーさんの言葉です。  現在の生活保護の実施要綱、十八歳超えるとまず働くことが原則。しかし、シングルマザーは、働いて、勉強して、家事や育児も全部やれというのかということになってしまうんですね。これ、この人の自立に資するならば、本人に意欲があるならば、昼間学ぶということも保障すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  252. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 一人親家庭の親の学び直しというのが大事であって、それを支援する観点から、先ほど来お話にあったように、平成二十五年度から新たに、就労しながら高校に就学する場合に高等学校等就学費を生活保護において支給をすることにしたわけでございます。  御指摘の就学と就労の両立、これについては、例えば通信制高校あるいはネットなどを通じて行うということですが、これの活用などの工夫もあり得るものと考えておりますけれども、今後は、平成二十五年度の見直し後の自治体での運用状況等を把握する中で、生活保護の原則との関係にも留意をしながら、子供の貧困対策の観点から何ができるのかを考えてまいりたいというふうに思います。
  253. 田村智子

    ○田村智子君 これは実施要綱の見直しということも御検討いただけますか。
  254. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) それは、今申し上げたように、この生活保護の原則というものを押さえながら就学と就労をどう両立をさせていくのかということをよく議論をして決めていかなければならないと思いますので、今結論としてどういうふうになるかということは分かりませんが、いずれにしても、子供の貧困対策の観点から何ができるのかをしっかり考えてまいりたいというふうに思っております。
  255. 田村智子

    ○田村智子君 これ、やっぱり十八歳を超えたら働けという大原則ができてしまっている。これは、子供の貧困対策のため、私、大きな見直しが必要だと、これ今後も是非議論していきたいと思います。  終わります。
  256. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で田村智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  257. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、清水貴之君の質疑を行います。清水貴之君。
  258. 清水貴之

    ○清水貴之君 おおさか維新の会の清水貴之と申します。よろしくお願いいたします。  今日は、公務員の人件費についてお聞きをしていきたいとまずは思います。  国家公務員の給与のその基になっております人事院勧告制度ですけれども、その民間給与の調査の方法、これは人事院で決めているということで、人事院の民間給与実態調査は事業所の規模が五十人以上です。厚労省もその給与を調査をしていまして、賃金構造基本統計調査、事業所規模が十人以上、国税庁は一人以上が対象の調査を行っている中で、なぜ人事院の調査が五十人以上なのかというところなんですが、人事院に説明を、これを聞きますと、国家公務員というのはやはりある程度というか、かなり大きな組織ですから、組織と組織を比べるためには一定規模の企業でないとその役職とかが一致をしないと、だからある程度の規模がないと駄目なんだという説明なんですね。  それは、国家公務員というのはおっしゃるとおりもう大変大きな組織ですからそれは分からないこともないんですが、ただ、事業所の数でいったらほんの僅か、小さな数の大きな企業を調べて、それによって国家公務員の給与が変わっていく、これが果たして本当に民間の国民の皆さんの感覚と合致しているのかなというふうに僕は疑問に感じるんですが、この辺り、いかがでしょうか。
  259. 一宮なほみ

    ○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 人事院では、ただいま御説明ありましたように、企業規模五十人以上、事業所規模五十人以上の事業所を調査対象としておりますが、これは、職種、職責等を同じくする同種同等の者同士を比較するということを前提に行う調査であるということを踏まえて、企業規模五十人以上の多くの民間企業におきましては、公務と同様、部長、課長、係長等の役職段階を有しており、公務と同種同等の者同士の比較が可能であるということによるものです。  調査対象が僅かであるというお話がありましたけれども、官民比較は公務と民間の個人別の給与を基に比較しておりますので、従業員数の比率で見ますと、企業規模五十人以上の民営事業所の正社員数は民営事業所全体の正社員数の六割を超える人数をカバーしております。
  260. 清水貴之

    ○清水貴之君 その調査の方は分かるんですが、その方法が、国民の皆さんのもちろん税金をこれは使ってその給料というのは払われるわけですから、国民の皆さんの感覚を、それを反映しているもの、合っているものかどうかというのをどう思われますでしょうか。
  261. 一宮なほみ

    ○政府特別補佐人(一宮なほみ君) ただいまも申しましたように、職種、職責等を同じくする同種同等の者同士の比較するということを前提に行う調査であることを踏まえますと、ただいまの調査のように、公務と同等の部長、課長、係長等の役職段階を有している企業同士が比較対象とするということが可能であるという前提でやっておりますので、さらに調査効率や調査の精確性の確保の観点も考えますと、現行の調査対象は適切であるというふうに考えております。
  262. 清水貴之

    ○清水貴之君 ということは、調査の方法は、人事院さんが方法は決めるわけですから、もう国民の皆さんも、それはこのやり方でいいですよと、ああ、なるほどねというふうに納得されているというふうに人事院総裁は思われているということでよろしいでしょうか。
  263. 一宮なほみ

    ○政府特別補佐人(一宮なほみ君) そのように考えております。
  264. 清水貴之

    ○清水貴之君 今ありました役職を合わせていくという話なんですけれども、これはなぜ五十人かというところですね。これは三十人だったら駄目なのか、十人だったら駄目なのか。  前回大きな見直しをしたのが二〇〇六年で、そのとき、企業規模というのを百人から五十人に変えたということで、少しでも多くのサンプルをということでこの変更が行われているわけですけれども、それから十年たっています。働き方というのも変わっています。会社も、係長から課長になって部長になってというようなこういった組織、もちろん多いでしょうけれども、そうじゃない組織というのも増えてきています。働き方も多様化しています。非正規の方も増えています。  そういった中で、今のこの仕組み、前の変更から十年たっていますけれども、今の実情、現状を表せているものと考えますでしょうか。
  265. 一宮なほみ

    ○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 具体的な調査方法につきましては、社会経済情勢の変化を踏まえて常に検証していくべきものと考えておりまして、今おっしゃられたように、これまでも調査対象企業規模や調査対象産業、調査対象の従業員などについて見直しを行ってきているところでございます。
  266. 清水貴之

    ○清水貴之君 ということは、見直しをして今この仕組みがということなんだと思いますけれども、これ調査を、規模だけでこうやって調査をしますと、やっぱり大都市に偏るわけですね。その母体数の企業を見ますと、もう五分の一は東京の会社なんです。  としますと、やっぱり大都市、大企業に偏りがちなので、例えばですけれども、大都市は大企業を調べて、地方に行けば小規模の企業も調査対象に入れて、この調査の仕組みを変えていくとか、そういったことも僕は必要じゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  267. 古屋浩明

    ○政府参考人(古屋浩明君) お答えいたします。  調査規模と調査対象事業所の場所ということでございますが、これは全国対象に調査しておりまして、その関係では、全国都道府県同じような比率で抽出をし、その抽出した結果についてはその逆数で戻すということをしておりますので、全国均一になるような形で調査をしているということでございまして、その対象事業所、その数自体は東京に多いということですが、結果が東京に偏るということではなくて、全体の、先ほど申しましたように、一人一人の給与水準というものを把握するために全てそういう抽出作業を経ながら行っているというところでございます。
  268. 清水貴之

    ○清水貴之君 もう一つなんですが、私は、国がやはりこれだけ今借金を非常に多く抱えている、そういった状況を反映するべきではないかというふうに思っています。企業もやはり経営が厳しくなったら従業員若しくは役員の給与を削って経営を立て直すようなことをやっているわけですが、そういったことは全くこの調査には考慮されないわけですね。そういったものは考慮する必要はないんでしょうか。
  269. 一宮なほみ

    ○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 人事院の給与勧告は、国家公務員の労働基本権制約の代償措置として民間準拠による適正な給与水準を確保するものでございます。他方、国家公務員給与を含む国の歳出の優先順位や歳出に必要な財源の確保は、内閣が国政全般の観点から判断し、最終的に国会において議決される事項でございます。  給与勧告において財政事情を考慮することは歳出の優先順位について人事院が判断することとなりますが、それは代償機関である人事院の権能を超えるものと考えております。
  270. 清水貴之

    ○清水貴之君 続いて、先日の予算委員会でもお聞きしたんですが、この人事院勧告に沿って連動して地方の公務員の給与も決まっていくということで、高市大臣に先日もお聞きしたんですけれども、ちょっと時間がなかったもので、今日も余りないんですけれども、引き続き質問をさせていただければと思うんですけれども。  大都市ではないというさっき説明でしたが、大きな企業、母体数の大きな企業を基に作った調査によって人事院勧告はなされると。国家公務員の給与が決まっていくと。これに合わせて地方公務員の給与も連動していくということなんですが、地方公務員法二十四条では、地方公務員、職員の給与は、国家公務員、これは連動していますね、地域の民間企業の給与を考慮して定めなければならないというふうに書いてあります。  僕は、この官民格差というのが地方へ行けば行くほど大きくなるんじゃないかと。それこそ地方に行けば、全く自分の町からは調査対象の企業が入っていないような、五十人規模の企業がない、事業所がない町も村もあるわけですから、そういったところの給与、民間の給与と地方公務員の給与というのは、差が地方に行けば行くほど大きくなってしまうんじゃないかと思うんですが、この辺り、地方公務員法二十四条には民間企業の給与を考慮しと書いてありますが、考慮されているというふうに考えられますでしょうか。
  271. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) 地方公務員の給与は、今、清水委員がおっしゃっていただいたとおり、地方公務員法第二十四条の給与決定原則に基づいて、地域民間給与や国家公務員の給与等を考慮して定められます。人事委員会を置かない小さな市町村もございますが、地域民間給与などとの比較に基づいて行われる都道府県の人事委員会勧告等を参考に給与改定を行っておられます。  今、多くの市町村では、組織の規模に応じて国の俸給表の中下位の級のみを使用しておりまして、一般市や町村の給与水準は、国や都道府県、指定都市を下回っております。さらに、国家公務員給与においても平成二十七年四月から総合的見直しが実施されていることを踏まえて、地方公務員給与についても地域民間給与のより的確な反映など適切に見直しをしていただくように要請をしておりますので、各団体において取組が進められております。  ただ、やはり地域住民の皆様の理解と納得が得られることが重要ですから、総務省としても適切な助言を行ってまいります。
  272. 清水貴之

    ○清水貴之君 もう一つ、技能労務職員なんですが、この官民格差が更に大きいんですね。東京都、データ公表していますが、大体倍ぐらい民間の給与より高い給与を技能労務職員の皆さんはもらっているということなんです。これも法律には、類似の職種に従事する民間事業従業者との均衡を考慮してというふうに書いてありますが、この差が大きく、また、しかも同一労働同一賃金ということを安倍政権はまた言っていらっしゃるわけですから、ここもしっかり見ていかなきゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。
  273. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) 技能労務職員の方々の給与は、一般行政職とは異なっていて、労使交渉を経て労働協約を締結することができるんですけれども、法律上、職務の内容や責任に応ずるものとしなければならず、また、同一又は類似の職種に従事する民間従業者との均衡を考慮して定めなければならないとされています。いわゆる賃金センサスによる技能労務職員と民間類似職の給与比較に当たっては、平均年齢や雇用形態等が一致するものではないということにも留意をしなければなりません。  従来から、技能労務職員の方々の給与が同種の民間事業の従業者に比べて高額となっているのではないかという厳しい御指摘がありましたので、総務省としては、各地方公共団体に対して、民間の類似職種等の給与との均衡に一層留意して、住民の御理解と納得が得られる適正な給与制度、運用とすること、それから民間給与データと比較した給与情報を開示するといった取組を徹底することを要請してまいりました。
  274. 清水貴之

    ○清水貴之君 引き続き、しっかりと是正に取り組んでいただければと思います。  石破大臣、来ていただきましたので、最後に、済みません、一つお願いいたします。  地方創生関係の交付金なんですけれども、やみくもに、私は、もういろいろ交付金でばらまくタイプでは、今やっていられることはタイプではなくて、地方が計画を作ってそれを提出して国が審査をして予算を付けるというのが今の仕組みですから、非常に地方の独自性も発揮されますし、地方がいろいろ考えてやるのでばらまくよりは非常にいいとは思うんですけれども、とはいえ、やはり国にお伺いを立てているというような、国に何とかお金をということで地方が一生懸命計画を練ると、またその負担も地方にとっては決して小さくないというふうに考えております。  このやり方を変えるために、もっと地方に私は財源、権限を回していく必要もあるんじゃないかと思っていますが、この点について、大臣、お願いします。
  275. 石破茂

    ○国務大臣(石破茂君) 権限、財源をこれから先、より地方に渡していくことに何ら異存はございません。  ただ、私はこれは地方と国との共同作業だと思っています。どっちが上でどっちが下とか、査定をするとかされないとか、そういうことではなくて、お互いが学びながらやっていくというところがたくさんあると思います。ですから、地域間連携とか官民連携とか政策間連携とか、我々も気が付かなかったものがたくさんあります。  私、職員の皆様方にお願いをしているのは、どっちが上とか下ではないと、共同作業としてやっていくのであり、地方の方々が使い勝手が悪いとか効果が余り出ないということであればそれは我々の責任だと思っておりまして、共同作業ということを徹底してまいりたいと考えております。
  276. 清水貴之

    ○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  277. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で清水貴之君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  278. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田龍平君。
  279. 川田龍平

    ○川田龍平君 まだ維新の党の川田龍平です。  九日に続き、人工芝の黒ゴムチップの有害性についてシリーズでお願いします。子供の命を守る観点から伺います。  学校や地域の人工芝グラウンドでは多くの子供たちが寝転んだり遊んだりしていますが、黒ゴムチップが口に入ったり傷口に触れたりすることで子供たちの健康影響が懸念されていることについて文科大臣の見解を伺います。口に入れないようにするなどの注意喚起をすべきではないでしょうか。
  280. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 学校などの運動施設は、子供たちにとって安全な施設であることが最も大切であります。既に、先日の御指摘を踏まえ、三月十五日に厚生労働省を中心としてゴムチップと発がん性に関する関係省庁打合せが開催され、文科省も参加し、情報共有に努めております。  御指摘の注意喚起も含め、今後、国内外の原因究明の結果に応じて適切に対処してまいりたいと思います。
  281. 川田龍平

    ○川田龍平君 昨年一月に人工芝の張り替えを行ったばかりの明治神宮野球場でも黒ゴムチップが使用されています。大手メーカーの住ゴム産業によれば、毎年全国に敷かれている量は百三十万平米とのことですが、これはサッカー場二百個分になります。  人工芝グラウンドの総面積、利用人口を教えてください。
  282. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 人工芝が使用される可能性のある施設として、多目的運動広場、球技場や野球場などの箇所数については調査を行っております。一方、それらの施設のうち、人工芝が使用されている施設の箇所数や面積は現時点では把握しておりません。また、利用者数も把握しておりません。
  283. 川田龍平

    ○川田龍平君 文科省が把握する公立学校百七十六校以外にも、私立学校では相当数が人工芝グラウンドを持っています。大震災の被災地でも次々と人工芝グラウンドが整備されています。  韓国では国民体育振興公団が調査を行い、八百二十六の学校のうち六百五十件の人工芝ゴムチップから重金属が検出され、発がん物質であるベンゾピレンは四十四校が基準値を超過、最高で四百三十倍に達するところも確認したとのことです。二〇一〇年に人工芝に関するKS標準規格が制定される前に廃タイヤなどを使用する場合が多かったのが原因との報道です。  このベンゾピレンの発生源や発がん性、経口暴露による健康リスクについて、特に白血病のリスクについて評価書ではどのように評価をしていますでしょうか。
  284. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) 環境省では、ベンゾピレンの一種であるベンゾ(a)ピレンについて、平成十八年に化学物質の環境リスク初期評価結果を公表しています。ベンゾ(a)ピレンは、物の燃焼等によって発生する多環芳香族炭化水素、いわゆるPAHの一つです。主な発生源としては、石炭及び石油燃焼プラント、コークスとアルミニウムの製造プロセス、石油精製、タイヤ用カーボンブラックの生産やアスファルトへの空気の吹き込みなどのPAHを含む原料を扱うプロセスや、PAHを多量に含むコールタール及び関連製品の製造、使用などが挙げられております。本物質の環境を経由した経口暴露による人健康リスクについては、動物実験で発がん性を示す信頼性の高い論文が複数あることから、発がん性の観点から詳細な評価を行う候補と考えられると評価をしております。  一方、御指摘の白血病については、幅広に収集した関連情報の一つとして、黒鉛電極製造工場において急性白血病を含む造血器系腫瘍による死亡率が高かったという情報が記載されています。しかし、この情報は統計的に有意なレベルのものではなく、また白血病等の発症とベンゾ(a)ピレンの相関関係も示されていないと承知をしております。
  285. 川田龍平

    ○川田龍平君 人工芝でのスポーツ、遊戯等は健康被害が出る可能性があるのではないでしょうか。
  286. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 国内において、人工芝グラウンドで使用されております黒ゴムチップと血液性のがんであるリンパ腫あるいは白血病の関係が疑われるような事例の報告はまだ入っておりません。  一方で、今般の報道等を踏まえて、厚生労働省では、中古タイヤで作られるゴムチップ等の、原料とした人工芝のがんとの関連性等について必要な調査を行うこととしております。
  287. 川田龍平

    ○川田龍平君 大手二社が安全性を確認したとの前回答弁でしたが、アストロ、泉州敷物、大嘉産業、メモリーターフなど、ほかの人工芝メーカーにも早急に製品の安全性を確認させ、公表させるべきではないでしょうか。そしてまた、韓国のように人工芝の標準規格を定めるべきではないでしょうか。
  288. 林幹雄

    ○国務大臣(林幹雄君) 大手二社は、自社で製品の安全性を確認しているというふうに承知しております。それ以外の人工芝メーカー等についても、各社が既に把握しているゴムチップの安全性に関する情報について自主的に公表するなど、適切な対応が取られることが望ましいと考えています。まずは各社の対応ぶりについて早急に確認してまいりたいというふうに思います。  人工芝の標準規格を策定すべきとの御意見については、まずゴムチップの安全性、我が国における人工芝の製造、輸入、流通の実態、諸外国の取組などについて情報収集を行うことが必要だと思いますし、厚生労働省などの関係省庁と連携の上、必要な情報収集を行ってまいりたいと考えています。
  289. 川田龍平

    ○川田龍平君 廃タイヤのリサイクルに当たっては、有害物質の大気への飛散や経口暴露につながることのない利用方法を求めるべきではないでしょうか。
  290. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) 我が国においては国内で発生した廃タイヤのおよそ九〇%がリサイクルとされており、そのうち、ここ数年間平均いたしますと、およそ一五%が再生タイヤや再生ゴムなど原型加工利用されていると承知をしております。こうした廃タイヤのリサイクルに当たっては、環境の保全上の支障が生じないように適正に行われることが重要であると認識しております。  このため、環境省としても、廃タイヤで作られたゴムチップの安全性に関する国内外の原因究明の結果に応じて、廃タイヤのリサイクルについて廃棄物処理法など関係法令に基づき適切に対処をしてまいります。
  291. 川田龍平

    ○川田龍平君 びわこ成蹊スポーツ大学の青木名誉教授は、黒ゴムチップが劣化すると、含まれるカーボンブラックが舞い上がり、春の突風などで近隣に飛散し、PM二・五以上の健康への影響が懸念されると九年前から警鐘を鳴らしています。これは環境大臣の仕事ではないでしょうか。
  292. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) 様々な国内外の原因究明の結果に応じて適切に対応してまいりたいと存じます。
  293. 川田龍平

    ○川田龍平君 オリンピックを控え人工芝の整備が進むと思いますが、子供たちの命を守るために、黒ゴムチップの使用禁止に向け、アメリカや韓国同様に、利用実態、有害性の調査を各省連携して早急に開始すべきではないでしょうか。
  294. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、厚生労働省でもこの黒ゴムチップとがんとの関連性について必要な調査を行うということにしていますが、引き続き、これ関係省庁としっかりと連携の上で、米国における調査についても情報収集をし、必要な対応を取ってまいりたいというふうに考えております。
  295. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 関係省庁と連携を取りながら取り組みます。
  296. 川田龍平

    ○川田龍平君 丸川大臣の原発事故被害者を愚弄する発言について再度伺います。  ICRPが採用する直線閾値なしモデルは科学的根拠がないと考えているんでしょうか。
  297. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘の直線閾値なしモデル、LNTモデルについては、ICRP二〇〇七年勧告において、約百ミリシーベルトを下回る線量においては、ある一定の線量の増加は、それに正比例して放射線起因の発がん又は遺伝性影響の確率の増加を生じるであろうという仮定である直線閾値なしモデルに根拠を置いて勧告を行ったと認識しております。  平成二十三年十二月に取りまとめられた低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループの報告書において、この直線閾値なしモデルについては、科学的に証明された真実として受け入れられているのではなく、科学的な不確かさを補う観点から、公衆衛生上の安全サイドに立った判断として採用されていると指摘されております。  ですので、LNTモデルを裏付けるエビデンスはございませんが、専門家が科学的に議論したという意味において科学的であると考えております。
  298. 川田龍平

    ○川田龍平君 二十から百ミリシーベルトの発言部分は、緊急時被曝状況の参考レベルを除染の基準と勘違いした明確な誤りと認めますか。
  299. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) 平成二十三年十一月十一日に出されております特措法の基本方針の除染等の措置に関する基本的事項の基本的考え方の中で、追加被曝線量が年間二十ミリシーベルト以上である地域については、当該地域を段階的かつ迅速に縮小することを目指すものとするとなっております。  これを私は、追加被曝線量年二十ミリシーベルト以上の地域の除染の目標として、まず二十ミリシーベルトを目指すと理解をしておりました。正しくは、除染だけで達成できるわけではないけれども、年間の追加被曝線量が二十ミリシーベルト以上の地域が縮小することを目指していくということでございました。  また、現存被曝状況と市町村除染の話をしているところについては、私はこの緊急被曝状況と現存被曝状況についての二種類の参考レベルの範囲についての説明を挟まなければならなかったところ、その説明が飛んでおりましたので、撤回をさせていただいた次第です。  私が申し上げたかったのは、二十ミリシーベルトを避難指示解除の要件とした一方で、解除の範囲を決めるプロセスで五ミリシーベルトから、済みません、解除じゃない、除染の範囲ですね、市町村除染の範囲を決めるプロセスで五ミリシーベルトから一ミリシーベルトという数字の変更があり、結果として、長期目標である追加被曝線量年間一ミリシーベルトが、あたかも除染のみによって達成されなければならない、あるいは除染等により一ミリシーベルト以下にならなければ帰還できないという誤解を招いているということです。
  300. 川田龍平

    ○川田龍平君 国際基準で公衆の被曝限度が年間一ミリとされていることは認めますか。
  301. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) ICRPが二〇〇七年勧告において、計画被曝状況、これは線源が管理をできる状況の中で、その区域外に対しての公衆における被曝の線量に関しての目安でございますが、この計画被曝状況における公衆被曝に対しては、限度は年一ミリシーベルトとして表されるべきであると勧告をしており、これは一九九〇年勧告より引き続いての勧告であると認識をしております。  また、福島県においては現存被曝状況が適用される状況にあると理解をしております。
  302. 川田龍平

    ○川田龍平君 周辺監視区域の線量限度や排気、排水の濃度などの規制値はこの国際基準に基づいて定められたものと認めますでしょうか。
  303. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) 実用発電用原子炉施設の周辺監視区域に係る線量限度や排気、排水の濃度限度については、国際放射線防護委員会の勧告等を踏まえ設定されているものと理解をしております。  具体的には、施設からの排気又は排水に含まれる放射性物質による追加的な影響が施設の周辺監視区域外において実効線量で年間一ミリシーベルト相当を超えないように定められているものと承知をしております。
  304. 川田龍平

    ○川田龍平君 国際環境疫学会からの書簡にはいつ返信されますか。
  305. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) 国際環境疫学会の会長から書簡が届いていることについては承知をしております。  今回の書簡も含めて学術団体等から寄せられる意見や提案などについては、個別に返信することはせず、適宜担当者において業務の参考とさせていただいているところです。  なお、今回の書簡にある福島県民の健康を科学的に記録、追跡し、そのリスクをより良く理解、評価する取組については、福島県の県民健康調査や健康不安対策などを通して既に行われておると承知をしております。
  306. 川田龍平

    ○川田龍平君 この一月に出ました「ルポ 母子避難」という岩波新書、これ大臣読みましたでしょうか、丸川大臣。
  307. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 丸川環境大臣、読んだか読まないかだけ。
  308. 丸川珠代

    ○国務大臣(丸川珠代君) まだ読んでおりません。
  309. 川田龍平

    ○川田龍平君 丸川大臣、この間大変勉強をされたと思います。この「ルポ 母子避難」も是非お読みいただいて、岩波新書は、いろいろ新書出ていますけれども、一番校正が厳しいと言われていますので、是非、この岩波新書、「ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者」、政府はこの母と子を守らなかったと、やはりこれを是非読んでいただいて、どんな思いでこのお母さんたちが子供を守るために避難を必死の思いでしているのかということを是非理解していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。是非お読みください。よろしくお願いします。  ありがとうございます。
  310. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  311. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、和田政宗君の質疑を行います。和田政宗君。
  312. 和田政宗

    ○和田政宗君 日本の和田政宗です。  三月十一日は、東日本大震災発災から五年目の日でした。改めて、お亡くなりになった方の御冥福を心からお祈りし、被災された方々の生活再建がしっかり成るよう力を尽くしてまいります。  三月十一日には、政府主催の東日本大震災の追悼式が開かれ、各国の大使も参列されましたが、中国がまた欠席しました。政府は欠席の理由について中国に確認したのか、中国は何と理由を述べたのでしょうか。
  313. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、東日本大震災に際しては中国政府及び国民の方々からも多大なる支援をいただきました。心から感謝しております。  そして、中国側が平成二十五年の第二回追悼式典以降、同式典を欠席していることについては、政府として残念に思っており、その旨、中国側に伝えてきております。中国側の欠席理由についてですが、我が国政府としてこれはお答え、説明する立場にはありませんが、中国外交部は、平成二十五年三月十一日の同外交部報道官談話において、追悼式における台湾代表の扱いについて不満と抗議の意を表明していると承知をしております。
  314. 和田政宗

    ○和田政宗君 つまり、追悼より国のメンツだということだと思うんですけれども、これはまた更に質問していきますが。  次に、待機児童の問題が議論されておりますが、アベノミクスの効果により失業給付金が減り、労働保険特会の雇用勘定には積立金が七兆円近く積み上がっています。これを取り崩して、保育士の給与引上げを提案したいと思いますが、厚労大臣、財務大臣、いかがでしょうか。
  315. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 労働保険特別会計雇用勘定の積立金についての御指摘、御提案がございました。この財源は労使から徴収をいたしました雇用保険料でございます。雇用保険制度以外の財源として活用することについて、保険料を負担をいただいている方々の御理解をいただくことが必要となってまいります。  待機児童の解消に向けて保育の担い手である保育人材の確保もこれは喫緊の課題でございまして、保育士の給与引上げ等の処遇改善は人材確保を図る上で極めて重要な課題であると考えております。このため、子ども・子育て支援新制度において、消費税財源を活用して公定価格上三%相当の処遇改善を既に行ってはおりますが、さらに、この春に取りまとめを行いますニッポン一億総活躍プラン、このプランの中で、安定財源を確保しつつ、具体的で実効性のある待遇の改善策を示してまいりたいというふうに思っております。
  316. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には今と同じことになろうかと思いますが、特別会計の決算剰余金というのはいろいろありますけれども、これは特別会計法に基づいておりますので、個々の特別会計の制度趣旨というものを踏まえて対応をせねばならぬのは当然のことでありまして、積立金への積立て、例えば年金特会とか、翌年度の繰越事業に充てる場合、例えば復興特会とかなどを除きまして、既に一般財源として活用できるものはいろいろ活用させていただいておりますが、御指摘の労働保険特別会計雇用勘定の積立金につきましては、今も厚労大臣からお話がありましたように、労働者並びに雇用者が負担する保険料の原資となっておりますので、保険給付以外の原資として活用するということになりますと、これは労使の理解の上、いただかねばならぬことになろうかと存じますので、なかなかこの点に関しましては、それを活用するのはいかがなものか、適切ではない、そのように承知をいたしております。
  317. 和田政宗

    ○和田政宗君 それではお聞きしますけれども、雇用勘定では一年に約三千六百億円の剰余金が発生しているのに、なぜ一般会計からこの特別会計に千五百億円も繰入れをするんでしょうか。
  318. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 二十八年度の予算におきましては、一般会計から労働保険特会雇用勘定への繰入れとして約一千五百億円を計上しております。これは、平成二十八年度に必要と見込まれます失業給付などに対して、法定、いわゆる法定というのは雇用保険法ですから、この負担割合は一三・七五%などというものに基づき計算をした国庫負担でありまして、この雇用保険の国庫負担というのは、失業という問題が政府の経済・雇用政策と密接に関係していることを踏まえたものであります。  雇用保険の国庫負担の当面の在り方につきましては、これは昨年の経済財政諮問会議においてもいろいろ話が出されて、改革工程表におきましても、関係審議会において検討して、その結果に基づいて必要な対応を行うということとされておりまして、これは今後、これに沿って検討を進めていくということになろうかと存じます。
  319. 和田政宗

    ○和田政宗君 この雇用勘定を使うのが適切でないというふうにおっしゃられるのであれば、やはり総体的に、厚労大臣言われたように、保育士の給与が上がっていくための財源確保を望みたいというふうに思います。  次に、安倍総理は、東北を訪れる外国人観光客を二〇二〇年に現在の三倍となる百五十万人に増やす考えを先頃示しました。東北の要である仙台は観光に更に力を入れなくてはなりませんが、国交大臣は仙台の観光の売りは何だと思いますか。
  320. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 仙台市には、七夕祭り、青葉城、カキ、笹かまぼこ、牛タンと、魅力的な観光資源が多数ございます。また、東北新幹線の拠点駅である仙台駅があり、近傍には七月に民営化する仙台空港を有するなど、東北のゲートウエーとなる都市であり、東北各地へ向かう拠点となる都市であると認識しております。また、周辺にも、松島や蔵王、山寺などの歴史文化や自然を体験できる魅力あふれる観光資源が多くあり、仙台都市圏は観光の魅力にあふれた場所だと認識をしております。
  321. 和田政宗

    ○和田政宗君 仙台は杜の都で名が通っています。仙台市中心部には、手元の資料写真のとおり、イチョウやケヤキが街路樹として植えられています。仙台の緑の風景についてはどう思いますか。
  322. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 仙台市は、東北地方最大の都市にもかかわらず、定禅寺通や青葉通のケヤキ並木など、美しい景観を有していると認識をしております。
  323. 和田政宗

    ○和田政宗君 仙台の緑は観光の売りになると思いますか。
  324. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 仙台の緑は日本人観光客にはよく知られておりますけれども、外国人観光客にはまだよく知られていないと思っております。そこで、観光庁といたしましても、地元と協力をして魅力の情報発信をしていきたいと思っています。
  325. 和田政宗

    ○和田政宗君 この写真の中央分離帯のイチョウ、樹齢六十年なんですが、ごっそり十二本も切ると聞いたらどう思いますか。
  326. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) これは、基本的には、道路植樹でございますけれども、この道路植樹の管理に当たっては道路管理者が適切に判断をするものだと思っておりますが、今資料でいただいたところのは広瀬通の街路樹でございますね。これは、仙台市から聞いているところでは、平成二十八年度末に駅周辺の幹線道路網の完成に伴いまして広瀬通の交通量が増加する見込みであると、この広瀬通の渋滞対策として中央分離帯を撤去し右折レーンの整備等を行うため、街路樹のイチョウを伐採する予定であるというふうに聞いております。  具体的な道路計画については、円滑な交通の確保、交通安全や良好な景観の形成などの視点を総合的に踏まえまして、仙台市において判断されるべきものと考えております。
  327. 和田政宗

    ○和田政宗君 国交省は、都市緑化において街路樹を増やしていくべきと考えるでしょうか。
  328. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましては、緑化政策について、景観の向上ですとか環境の保全とか日陰の形成、防災などの各機能、さらには地球温暖化対策、ヒートアイランド対策等の観点から大変重要な政策であるというふうに認識しているところでございます。  道路行政におきましても、街路樹整備等を通じて緑化を推進をしているところでございます。
  329. 和田政宗

    ○和田政宗君 道路脇や中央分離帯の街路樹を切る場合、何を根拠に行い、どういった配慮が必要となりますか。
  330. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 道路緑化の一般的な技術的基準につきましては道路緑化技術基準で定めておりますが、ここでは、地域に求められる緑化の機能を考慮するとともに、安全かつ円滑な交通の確保等に留意することを規定をしております。  この基準の中では、樹木等の管理に当たっては、道路交通に支障があるかどうか、また道路利用者等の危険の未然の防止、また歩行者や道路標識がよく見えるかどうか、視認性の確保、異常気象による被害の軽減、樹木の健全度等の観点から適切に行っていくということとされております。  街路樹の管理につきましては、地域の事情も踏まえて、それぞれの道路管理者が適切に行っていくべきことと認識をしております。
  331. 和田政宗

    ○和田政宗君 実は、手元の写真にある仙台市の広瀬通は、仙台市のみどりの基本計画、これ市が決定したものですが、これで緑化重点地区に指定されて並木の保全を図ることとなっていますが、この計画を無視して、中央分離帯などのイチョウ並木十四本が道路の利便性向上という理由でおよそ二百メートルにわたって伐採されます。  街路樹の伐採に当たっては、利便性の向上と緑の保護の兼ね合いが十分検討されるべきと考えますが、どうでしょうか。
  332. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のこの広瀬通のイチョウ並木につきましては、先ほど申し上げたとおり、渋滞対策として中央分離帯を撤去し右折レーンの整備等を行うため、街路樹のイチョウを伐採する予定であると仙台市から聞いておりますけれども、具体的にこの道路をどう整備していくのか、その上で街路樹を伐採するかどうかといったことにつきましては、円滑な交通の確保、交通安全や良好な景観の形成などの視点を総合的に踏まえて、道路管理者である仙台市において判断されるべきものと考えております。
  333. 和田政宗

    ○和田政宗君 今回の件は、利便性を優先すると仙台市は話しているんですけれども、街路樹の保護に当たって国の考え方が自治体に明確に伝わっていないんじゃないでしょうか。  国交省は、都市緑化月間ですとか、そういったもので街路樹の整備を推進しているわけですけれども、仙台市を含め、自治体にはどういった指導をしているんでしょうか。
  334. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 道路の緑化の基準、道路緑化技術基準につきましては、平成二十七年三月に改定をしたところでございます。この技術基準につきましては、国の関係機関への通達として発出するとともに、地方公共団体に対しては、地方自治法第二百四十五条の四第一項に基づく技術的な助言として送付をしております。  一般的に、街路樹の計画及び管理に当たっては、沿道の住民や地元商店街の方々、道路利用者等の御意見もいただきつつ、それぞれの道路管理者において判断されるべきものというふうに考えておりまして、国土交通省といたしましても所要の助言等の対応を行ってまいります。
  335. 和田政宗

    ○和田政宗君 町づくりの観点からも、そして観光の観点からも、やはりこれは国交省がしっかりと指導しないと、もう気付いたら、売りだった観光の緑も気付いたら何もなくなっていたなんというふうになってしまったら、これは東北の観光という観点からも私はおかしなことになるというふうに思いますので、適切な対処をお願いしたいというふうに思います。  終わります。
  336. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で和田政宗君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  337. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、山口和之君の質疑を行います。山口和之君。
  338. 山口和之

    ○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。福島在住の議員として、風評被害に対する質問をさせていただきたいと思います。  第七回の風評被害に関する消費者意識の実態調査というのが行われておりました。資料を見ていただきたいんですけれども、この資料の中の問い九の中に、放射線、放射性物質、放射能について、あなたが知っていることをお答えくださいという質問があります。この調査は、二十五年の二月から年に二回、三年間、二十八年の二月まで取られた、七回の調査結果に基づくデータでございます。その中で、赤で囲まれたところを見ていただきたいんですが、人体の外にある放射性物質からの放射線を受けることを外部被曝といい、空気、水、食物などを摂取して体内に取り込まれた放射性物質から放射線を受けることを内部被曝というと。これはもう福島に住む人の中では当たり前のことなんですけれども、この結果を見ますと、初期には、二十五年の二月には六八・四%、今回の調査結果では四一・二%ということでした。  次のページを見ていただきたいんですが、次のページの問い十ですけれども、放射線が人体に与える影響について、あなたが知っていることをお答えくださいという質問です。この質問の中では、放射線の影響は、大人よりも細胞分裂が活発な乳幼児、子供、妊産婦(胎児)の方が受けやすいということで、その結果を知っているとお答えしてくれた方が当初五九・三%、その後四二・七%に落ちています。また、放射線の与える影響についてあなたが知っていることをお答えくださいということの質問の、知っているものは特にないというものが一八・五%から三七・七%、過去最高になっているということです。  本来であれば、リスクコミュニケーション等々が普及すればするほど実際は広がってくるはずなんですけれども、このような結果になっていることについてどうお考えか、お答え願います。
  339. 川口康裕

    ○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。  御指摘の調査につきましては、消費者庁において平成二十五年二月から行っているものでございまして、今回七回目ということで、三月十日に公表したものでございます。  今般の意識調査の内容について、数値は先生御指摘のとおりでございますが、消費者庁といたしましては、食品中の放射性物質につきましては、消費者が正確な情報を得て自ら考え自らの消費行動を決定していくということが重要と考えているところでございます。この観点からいたしますと、御指摘のような幾つかの設問におきまして消費者の理解が低下している傾向を示していることは好ましいことではないと考えているところでございます。  他方、設問によっては回答の傾向にばらつきも見られるところでございますので、いずれにせよ、消費者意識の実態につきましての調査を継続いたしまして、引き続き動向を注視していく必要があると考えているところでございます。  以上でございます。
  340. 山口和之

    ○山口和之君 次のページの資料なんですが、問い十九のところで、食品を買うことをためらう産地を次の中から選んでくださいといったところで、福島県がまだ一五・七%。  その次のページを見ていただきたいんですけれども、基準値を超える食品が出た場合は同一品目の食品が出荷されていない、流通されていないということを知っているかということに対して、五八・八%から四二%に落ちている。また、検査が行われていることを知らないという方が増えているという、この実態についてお伺いしたいと思います。
  341. 川口康裕

    ○政府参考人(川口康裕君) 消費者庁では、これまで、積極的に正確な情報の提供を行い消費者の理解の増進に努めていくことが重要と考えまして、努力をしてきたところでございます。このため、関係省庁、地方公共団体及び各種団体と連携いたしまして、食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションをこの五年間で五百十八回実施したところでございます。  リスクコミュニケーションについては、食品の放射性物質の検査について政府のガイドラインに従って計画的に実施されていること、また、基準値を超えた食品は回収、廃棄をしていることなどを具体的に説明しているところでございますし、また情報発信のための冊子、これにつきまして詳細に説明をしてきているところでございます。
  342. 山口和之

    ○山口和之君 大臣には失礼しました。またの機会でよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  343. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で山口和之君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  344. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
  345. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  国連女性差別撤廃委員会が先日出した総括所見について、総括所見のフォローアップについて、民法改正と複合差別について、勧告の履行のためにとられた措置に関する情報を二年以内に文書で提供するよう要請されています。  履行のためにどのような措置をとるつもりですか。
  346. 岩城光英

    ○国務大臣(岩城光英君) お答えをいたします。  本年三月七日に公表されました女子差別撤廃委員会の最終見解においてフォローアップが求められている勧告の内容は、次のとおりであると認識しております。  まず、民法につきましては、一つに、現行の夫婦同氏制度を改正し、婚姻前の氏を引き続き名のることができるようにすること、二つ目に、女性のみ十六歳としている婚姻年齢を男性と同等の十八歳に引き上げること、三つ目に、女性の再婚禁止期間の廃止等の改正を遅滞なく行うようにというものであります。  次に、委員御指摘の複合差別につきましては、まず、マイノリティー女性に対する性差別的なスピーチ等を規制する法の整備、さらに、マイノリティー女性に対する偏見を解消する取組の効果のモニター及び評価を行うようにというものであると認識をしております。  そこで、まず民法の改正について言及されたもののうち、選択的夫婦別氏制度の導入及び男女の婚姻年齢の統一についてでありますが、これは、我が国の家族の在り方に深く関わるものであり、国民の間にも様々な意見がありますことから慎重に対応を検討する必要があると考えておりますが、国民的な議論や国会における議論の深まりを関心を持って注視しているところでございます。  また、女性の再婚禁止期間の規定につきましては、昨年十二月十六日の最高裁判所大法廷の違憲判決を受け、民法第七百三十三条第一項の定める再婚禁止期間を六か月から百日に短縮するなどの措置を講ずることを内容とする法律案を今国会に提出をしております。  他方で、いわゆる複合差別についてでありますが、法務省としては、最終見解の趣旨を尊重しつつ、我が国の実情等を踏まえ、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。  いずれにしましても、女子差別撤廃委員会の指摘も踏まえ、どのような対応が可能か検討するとともに、今後もフォローアップの機会等を通じまして、我が国の立場や状況について十分な説明をし、理解が得られるよう適切に対応してまいりたいと考えております。
  347. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 是非履行をお願いします。  複合差別については、勧告は、法律を作ること、措置の効果の監視と評価を定期的に行うことをフォローアップとして言っています。いかがですか。
  348. 岩城光英

    ○国務大臣(岩城光英君) 先ほども申し上げましたとおり、この女子差別撤廃委員会の御指摘も踏まえ、どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。
  349. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 是非履行をお願いします。  人種差別やヘイトスピーチは人間の尊厳に対する重大な人権侵害と考えますが、いかがですか。
  350. 岩城光英

    ○国務大臣(岩城光英君) 人種差別、それからいわゆるヘイトスピーチとされる言動は極めて残念なことであり、あってはならないことであると考えております。  私たち法務省としましては、「ヘイトスピーチ、許さない。」というメッセージをポスター等に明確に示し、啓発活動、これを実施しております。そして、今後も、一人一人の人間としての尊厳が守られるような社会を実現するため、引き続き粘り強くかつ地道な啓発活動を行うとともに、人権相談等を通じまして人権侵害の疑いがある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として立件し、適切な救済に努めてまいりたいと考えております。
  351. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としては、自由、民主主義、基本的人権、法の支配、こうした基本的な価値観を重視しながら外交を進めております。  御指摘の人種差別、これは、人種、民族的出身等に基づく区別、排除等によって平等の立場での人種及び基本的自由を享受することを妨げる行為であると認識をいたします。人種差別撤廃条約の締約国としてしっかり取り組んでいかなければならないと考えます。  ヘイトスピーチについては、一部の国や民族を排除しようという言動があること、極めて遺憾であり、あってはならないと考えます。
  352. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 街頭での、ゴキブリ死ねとか帰れという、そういうデモなどが後を絶ちません。法務大臣、これは具体的な人権侵害ではないですか。
  353. 岩城光英

    ○国務大臣(岩城光英君) 一般的に申し上げますと、人権侵害とは特定の者の人権を具体的に侵害する行為を意味するものであります。したがいまして、人権侵害に当たるか否かは具体的な事案に即して判断されるべきであると、そのように考えております。
  354. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 法務省が二〇一六年度予算案でユニバーサル社会の実現に向けた新たな人権擁護施策の推進を新しい法務省の方針とし、二〇二〇年オリンピック開催をめどに人権大国日本の構築を掲げたことは評価をいたします。それを促した背景の一つとして、ヘイトスピーチ等による外国人排除運動に対する国連自由権規約委員会等からの是正勧告があるという理解でよろしいでしょうか。
  355. 岩城光英

    ○国務大臣(岩城光英君) 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えまして、訪日外国人の数が急速に増加する中、外国人の人権がより重大な課題となっていくことが予想されます。また、本年四月一日に施行されます障害者差別解消法の下、障害のある人に関する理解を一層促進する必要があります。  そこで、外国人や障害のある人の人権を始めとした国内の人権状況をより良いものにするため、人種、障害の有無などの違いを理解し、自然に受け入れ、互いに認め合うことのできるユニバーサル社会を目指し、人権大国日本を構築することとしたものでございます。こうした施策を推進することとするに当たりましては、近年、いわゆるヘイトスピーチが大きな社会問題となり、マスメディアやインターネット等で大きく報道されるなどしたことや、自由権規約委員会及び人種差別撤廃委員会から勧告があったことなどを踏まえております。  法務省の人権擁護機関としましては、常に我が国の人権状況に関する諸事情を広く把握し、的確な取組、対応を実施できるよう今後も努めてまいりたいと考えております。
  356. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 二〇一四年には国連自由権規約委員会と人種差別撤廃委員会の両方からヘイトスピーチについて禁止などの適切な措置をとることが勧告されております。どのような検討がされ、実行されるんでしょうか。
  357. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 岩城法務大臣、端的な答弁をお願いします。
  358. 岩城光英

    ○国務大臣(岩城光英君) 人種差別を禁止する特別かつ包括的な法についてということでありますが、法律による規制につきましては、現行法の下でも、いわゆるヘイトスピーチとされる言動が民法の不法行為に該当する場合には、そのような行為を行った者に損害賠償責任が発生いたします。また、一定の場合には刑法の名誉毀損罪等が成立し得ることから、刑事事件として取り上げるべきものがあれば刑罰法令を適用して適切に対処しております。  他方、民法の不法行為にも刑事罰の対象にもならない行為に対する規制については、正当な言論までも不当に萎縮させることになりかねず、表現の自由との関係を慎重に検討しなければならないと承知をしております。  法務省といたしましては、現行法の適切な適用をしつつ、引き続き粘り強くかつ地道な啓発活動を行うとともに、人権相談等を通じて人権侵害の疑いがある事案を認知した場合は、人権侵犯事件として立件し、適切な救済に努めてまいりたいと考えております。
  359. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 現行法では止まらないので議員立法として法律が出ておりますが、新たな立法が必要だと考えます。人権大国日本の構築のためには、国連の人権諸機関から度々指摘され、世界的には整備されている制度を日本が整備しなければならないのではないか。例えば個人通報制度の受入れについて、これまで国連のどこの機関からいつ勧告されたのか、全て挙げてください。
  360. 水嶋光一

    ○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。  個人通報制度の受入れの検討に関しましては、国連の人権諸条約の委員会から公表された最終見解におきましてそれぞれ次のとおり勧告されております。  自由権規約委員会からは一九九三年、九八年、二〇〇八年、二〇一四年でございます。社会権規約委員会からは二〇一三年。女子差別撤廃委員会からは二〇〇九年と二〇一六年。児童の権利委員会からは二〇一〇年。人種差別撤廃委員会からは二〇〇一年、二〇一〇年、二〇一四年。それから、拷問禁止委員会からは二〇〇七年と二〇一三年でございます。
  361. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 規約人権委員会と女性差別撤廃委員会において個人通報制度を批准している国はそれぞれ何か国ですか。
  362. 水嶋光一

    ○政府参考人(水嶋光一君) 御指摘の個人通報制度を規定しております選択議定書につきましては、自由権規約については百十五か国、女子差別撤廃条約については百六か国がそれぞれ締結をしております。
  363. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 日本政府が推薦し、自由権規約委員を二十年務め、委員長にもなった京都大学安藤仁介名誉教授は、日本がこの点で肩身の狭い思いをしたと述懐をしています。  二〇二〇年オリンピックをめどに人権大国を構築し、また、五月に伊勢サミットを開催するなら、その前に個人通報制度を採択し、サミットでそれを紹介すべきではないでしょうか。もう十分検討はできており、政府が決断すればすぐに採択は可能ではないでしょうか。
  364. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 我が国として人権諸条約の実施の効果的な担保を図る、こういった観点から、個人通報制度、注目すべき制度と認識をしております。  個人通報制度の受入れに当たっては、我が国の司法制度や立法政策との関連での問題の有無、実施体制の検討課題があると認識をしており、その是非については、各方面から寄せられる意見も踏まえつつ引き続き真剣に検討を進めている、こうした状況にあります。  御指摘の個人通報制度、すぐに進めるべきではないかという御指摘ですが、今申し上げました点をしっかりと検討しながら、真剣に検討を続けていきたいと考えています。
  365. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 検討は理解できるんですが、最高裁も、これは批准しても構わない、自分たちがハードルではないと言っています。何がハードルなんですか。人権大国と言うのであれば、これはもう批准すべきではないですか。
  366. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 検討の中身ですが、要は、個人通報制度、これは委員会から見解が各国に示されることになるわけですが、この委員会が国内判決と異なる見解を示した場合にどう対応するのか、あるいはこの司法手続が行われている最中に見解が示された場合どのように対応するのか等、我が国の司法制度や立法制度との関係において検討する必要がある、こういった認識で検討が続けられています。  まずは、人権関係の諸条約に基づく国連等に設けられた委員会に対する個人からの通報事例、これを可能な限り収集する、こういった作業を進めながら、今の点につきましても検討を続けているということであります。
  367. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 日本が批准しない理由が分からないんですね。先進国ではほとんどこれはもう批准している、韓国もどこも批准している、そういう中でなぜできないのか、諸外国がやっていて日本がやれないわけはないと。  私は、人権大国ということでこれを批准すべきであると、ヘイトスピーチをなくすために前進すべきだということを申し上げ、質問を終わります。
  368. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  369. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、渡辺美知太郎君の質疑を行います。渡辺美知太郎君。
  370. 渡辺美知太郎

    ○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。  前回に続きまして、マイナンバーについて御質問させていただきます。  前回、マイナンバーの申請数と発行数に大きな差があるということを申し上げました。地方公共団体情報システム機構のシステム障害が原因でマイナンバーが交付できず、その原因が解明できていないという問題であります。  今のこのシステム障害が続くと、マイナンバーカードの交付は大幅に遅れ、実際に交付を行っている自治体に過度な負担を掛けることにもなりかねません。また、申請者がカードを受け取りに行っても、システム障害が原因で受け取れないことが続くことがあります。自治体に現状を伺ったところ、システム障害の問合せやマイナンバーカードの交付申請をしたが連絡が来ないと、自分のカードはいつ交付されるのかといった問合せが増えているようです。  システム障害を含む現在の状況が改善する必要がこれはあります。スムーズにマイナンバーカードを交付できる見通しは立っているのか、総務省に伺います。
  371. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) マイナンバーカードの申請と発行につきましては、これまで順調に推移してきております。一方、市区町村における住民の皆様へのカードの交付には一定の時間を要しております。  その要因といたしまして、市区町村でカードを受領してから、カード券面の破損、印刷ミスなどの確認、公的個人認証機能の確認、カード受取に関する住民の方へのお知らせの発送などの事務処理が必要となりまして、また、窓口の混雑を緩和するために交付通知書の送付を段階的に行っていただいている市区町村もありますので、結果として実際の交付に至るまでに時間を要しているということが考えられます。加えまして、J―LISのカード管理システムの不具合、これもカードの円滑な交付に影響を及ぼしているということは事実でございます。  マイナンバーカードの交付というのは、マイナンバー法によって市区町村の事務ですけれども、カード作成に係る事務、業務というのは、市区町村の事務負担軽減の観点から、全ての市区町村から地方共同法人でありますJ―LISに委任されています。これから市区町村が年度末の繁忙期を迎えるということも踏まえまして、昨日、私から改めてJ―LISの理事長に対し、不具合の早急な原因究明と再発防止に取り組むように、また関係事業者にもしっかりとその意向を伝えてほしいということで、改めて要請を行いました。  引き続き、J―LIS、市区町村、関係事業者との調整をしっかりと行ってまいります。
  372. 渡辺美知太郎

    ○渡辺美知太郎君 是非とも原因解明をお願いしたいと思います。  システム障害の原因がちょっと不明でして、この状況を今解消するめどは付いていませんで、自治体からも要望が上がってきています。東京都は今月の八日、都内の六十二区市町村を代表して、システム障害でカードを交付できない場合があることを一般へ周知すること、障害発生時には各自治体へ迅速かつきめ細やかな情報提供をすることの二点を要望しています。しかし、新聞報道では、地方公共団体情報システム機構は周知を考えていないとしています。  地方公共団体情報システム機構が周知を考えていないのであれば、所管をする総務省は周知をする考えはあるのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
  373. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) J―LISにおいてこのシステムに不具合が生じた場合には、市区町村や国民の皆様に対して十分に周知を図るようにお願いをしてまいります。
  374. 渡辺美知太郎

    ○渡辺美知太郎君 つまり、総務省の方では行わないということでよろしいですよね。
  375. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) J―LISの方で対応していただくべきだと考えております。
  376. 渡辺美知太郎

    ○渡辺美知太郎君 今申し上げました東京都の話、これは東京都だけの問題ではなくて、このままシステム障害が続きますと、発行が遅れまして、全国の自治体への負担は大きくなります。  人件費などの経費はマイナンバーカードの枚数により補助金で支払われていますが、実際に掛かる経費はもっとあるのではないかと言われています。例えば大量の通知カードの戻り分の管理やトラブルなどの対応を含め、各自治体への負担軽減をする必要があるのではないかと思うのですが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
  377. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) 窓口事務に係る経常経費は普通交付税で措置をしております。マイナンバーカードの交付によって増加する経費に対しては、国において補助を行っています。  今年度の当初予算では、一千万枚分の交付事務に係る補助金として約四十億円、今年度補正予算で同じく一千五百万枚分として約六十五億円計上しております。補正予算で計上した補助金ですけれども、基本的に来年度に繰り越しまして、現在御審議いただいております来年度予算案の五百万枚分の交付事務に係る補助金約二十二億円と一体として適切に執行して、市区町村の負担軽減にしっかりと努めてまいりたいと思います。
  378. 渡辺美知太郎

    ○渡辺美知太郎君 是非とも、自治体への負担軽減、お願いしたいと思います。  マイナンバー制度は、行政を効率化して、国民の利便性を高めて、公平公正な社会を実現する社会基盤であると思っております。しっかりと御対応していただきたいと思います。  質問を終えます。
  379. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で渡辺美知太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  380. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
  381. 平野達男

    ○平野達男君 昨日に引き続きまして、復興に関して質問させていただきます。  今日は、原発事故災害からの復興ということで質問させていただきますが、地震・津波災害からの復興というのは、被災自治体が主体になってやるということになっています。原発事故災害からの復興というのは、国が前面に立つというふうに言ってきました。  その前面に立つということの中身について、具体的にどういうことを考えておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  382. 高木毅

    ○国務大臣(高木毅君) まさに、福島は大変な状況でございまして、そうした意味において国が前面に立って行っていく、さらに、復興・創生期間が終わった後でも国が引き続き前面に立っていくということを示しているところでございますが、もちろんこれはいろいろ、それぞれがそれぞれの立場でしっかりと対応していくべきものだというふうに思いますけれども、何におきましても、これまでにない状況でもありますので、国がまさに前面に立っていくということかというふうに思います。  それは、すなわち、例えば予算面におきましても、復興・創生期間は、津波被災地域は一部地元負担がございますけれども、そういったこともなく、しっかりと福島に関しては引き続き国が予算面においても責任を持っていくということかというふうに思いますし、あるいはいろんな人員等におきましてもそうだと思います。また、言うまでもありませんけれども、除染だとかあるいは中間貯蔵施設だとか、そういったことについてもしっかりと国が責任を持って進めていくということではないかというふうに思います。
  383. 平野達男

    ○平野達男君 その中で、復興庁はどういう役割を果たしていきますか。
  384. 高木毅

    ○国務大臣(高木毅君) 原子力災害だけではなくて、福島のことにつきましては、やはり何といいましても、度々申し上げておりますけれども、各省庁の縦割りを排する、あるいはまたワンストップという機能もこれございます。そうした中において復興庁の役割を果たしていくということだというふうに思いますけれども、何におきましても、福島の、特に十二市町村でございますけれども、被災者の皆様が今後の生活に希望を持てるよう、そしてその将来像を作成して、それを着実に実現するということが復興庁の役割だというふうに思っております。  具体的には、先ほども申し上げましたけれども、住民の帰還に向けて、除染、インフラ復旧、生活関連サービスの復旧、またイノベーション・コースト構想を含めた産業・なりわいの復興の将来の姿を示すことが重要だと考えております。このため、昨年、有識者の御意見をいただきながら、中長期、広域の視点から十二市町村全体の将来像を作成し、その実現に向けて、関係省庁あるいは県、市町村、民間事業者等と連携しながら現在取り組んでいるところでございます。  また、避難指示解除準備区域あるいは居住制限区域については、事故から六年後までに避難指示を解除できるよう、除染の十分な実施はもとより、インフラや生活に密着したサービスの復旧などを関係省庁が連携して地元の声を聞きながら進めているところでございますが、いずれにしても、そうした関係省庁をリードしていく、司令塔としての役割を果たしていくというのが復興庁の役割だというふうに考えております。
  385. 平野達男

    ○平野達男君 国が前面に立つ、そして復興庁の役割、今の説明聞いていてもなかなか見えてきませんね。  一つお尋ねしますけど、例えば浪江町あるいは双葉町、大熊町、市町村だけで復興計画を作るということについては限界がありますね。また、それから、帰る人が、もう今の段階で六〇%、七〇%、帰ることについて帰らないと決めている方がいます。帰ると決めている方も高齢者が多い。これはもう調査の結果で表れていると思います。  こういう状況の中で、復興計画は誰が作るんですか。
  386. 高木毅

    ○国務大臣(高木毅君) 先ほども申し上げましたけれども、福島十二市町村の将来像に関する有識者検討会で将来像というのを示していただきました。それに基づいて、しっかりと国がまさに前面に立って復興計画というものを立てていくというふうに存じております。
  387. 平野達男

    ○平野達男君 そうしますと、将来像ではなくて、復興計画そのものは復興庁が作るという理解でよろしいですね。
  388. 高木毅

    ○国務大臣(高木毅君) これは、もちろんそれぞれの被災自治体の御意見というものも十分に踏まえる必要があると思いますけれども、復興庁が中心になってやはり計画というものも作っていく必要はあるだろうというふうに思います。
  389. 平野達男

    ○平野達男君 これは本当に大事なことでありまして、五年、六年目、たっても、復興計画すらまだ出されていないんです、原発地域の復興については。そして、誰が復興計画を作るかについても今までどちらかというと曖昧になってきた。今、初めてここで復興大臣が復興庁が作ると言った。それはそのまま受け取りたいと思います。安心しました、そこは。  何か訂正ありますか、訂正しない方がいいと思うんですけれども。せっかくいいところで。
  390. 高木毅

    ○国務大臣(高木毅君) 失礼しました。  国が前面に立っていろいろとその復興計画についてもやっていきますけれども、基本的にはそれぞれの自治体が復興計画を立てるということでございます。
  391. 平野達男

    ○平野達男君 それじゃ復興なんか進まないと、これはずっと言い続けてきたことです。市町村単位での復興計画は、双葉郡では限界がありますよ。それは現地を見れば分かりますから。国が前面に立つということは、復興庁が、とにかく復興庁と県が連携して、復興計画のビジョンじゃなくて、計画を策定することですよ。  最近、復興庁が全く目立たない。特に福島県に関しては何をやっているかがよく見えない。これは、復興大臣がもう一度、前面に立つというのは何なのかということをよく職員と議論してもらいたいと思います。少なくとも復興庁つくったときは、福島の復興というのは復興庁が引っ張っていくんだぞという、そういう意気込みでやってきたつもりですよ。最近見えない、本当に。  そして、市町村に任せても県に任せても、復興計画の策定自体は本当に難しいですよ。それは国がやらないと。そのために復興庁をつくったようなものだから。復興庁が動かないと、目立っていかないと、復興が進まない。別に復興庁のために目立ってもらいたいというんじゃないですよ。それをやらないと福島の復興は進まないから。  そのことを強く申し上げて、高木大臣、是非頑張ってください、それは。復興庁がとにかく計画を作らない限りは駄目だということで、そのことを重ね重ね申し上げて、私の最短の質問を終わらせていただきます。
  392. 岸宏一

    ○委員長(岸宏一君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)  次回は明十八日午前八時五十五分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十八分散会