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2016-03-16 第190回国会 参議院 本会議 13号 公式Web版

  1. 平成二十八年三月十六日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第十三号     ─────────────   平成二十八年三月十六日    午前十時 本会議     ─────────────  第一 東日本大震災からの復興のための施策を   実施するために必要な財源の確保に関する特   別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を   図るための公債の発行の特例に関する法律の   一部を改正する法律案(趣旨説明)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより会議を開きます。  日程第一 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(趣旨説明)  本案について提出者の趣旨説明を求めます。財務大臣麻生太郎君。    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  3. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明させていただきます。  政府は、東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源を確保するため、復興債の発行期間を平成三十二年度まで延長する等の措置を講ずることとするとともに、最近におけます国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることに鑑み、平成二十八年度から平成三十二年度までの間の財政運営に必要な財源の確保を図るため、これらの年度における公債発行の特例措置を講ずることとし、本法案を提出した次第であります。  以下、この法案の内容につきまして御説明を申し上げさせていただきます。  第一に、復興債の発行期間を平成三十二年までの五年間延長するとともに、財政投融資特別会計投資勘定から国債整理基金特別会計への繰入金及び日本郵政株式会社の株式処分収入を復興債の償還費用に充てる等の規定を整備することといたしております。  第二に、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化の目標や経済・財政再生計画を踏まえ、平成二十八年度から平成三十二年度までの五年間、各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行できるようにする等の規定を整備することといたしております。  以上、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)     ─────────────
  4. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。長峯誠君。    〔長峯誠君登壇、拍手〕
  5. 長峯誠

    長峯誠君 自由民主党の長峯誠です。  私は、自民党、公明党代表して、ただいま議題となりました復興財源確保法及び特例公債法の改正案について質問いたします。  震災から丸五年がたちました。被災された方々に対しまして、この場を借りて改めてお見舞いを申し上げたいと存じます。  いまだに十七万人以上の方が避難生活を送っています。産業、なりわいの再生、風評被害対策、廃炉・汚染水対策など、解決すべき課題も山積しており、復興はまだ道半ばというのが全ての人に共通する認識ではないでしょうか。  来年度からは、新たに復興・創生期間の五年間が始まります。被災地の自立につながり、地方創生のモデルとなるようにという願いを込めた命名です。その名のとおり被災地に活力がよみがえる五年間となるよう、観光復興に向けた取組の強化を図るなど、我々与党としても、あらん限りの知恵と手だてを尽くし、被災地の人々に寄り添い、人々に笑顔と活力、そして穏やかな暮らしを取り戻す、まさに心の復興、人間の復興を進めるため、全力を尽くしてまいりたいと思います。  特に、福島の原子力災害地域では、来年春までに帰還困難区域を除く避難指示を解除し、一人でも多くの方にふるさとに戻っていただくことを目指すこととしています。福島の再生なくして東北の再生なし、そして、東北の再生なくして日本の再生なし。このことを肝に据えて、最重要課題の解決に向けて議論を進めたいと思います。  さて、政府は、復興・創生期間の事業費を六・五兆円程度、新規に必要となる財源を三・二兆円程度と見積もっています。復興事業費は、これまでの五年間で二十五・五兆円が執行される見込みですが、それに比べて、今後五年間で六・五兆円というのは、一見少ないようにも思えます。インフラ整備などのお金の掛かる部分は既に大部分が執行されたということかもしれませんが、この金額で十分だと言えるのか、不安に思う方もいらっしゃると思います。六・五兆円という数字の根拠について、高木大臣から御説明をお願いいたします。  次に、特例公債法案について伺います。  この法案では、赤字国債発行を認める特例期間を五年間としています。この点について、五年もの間赤字国債の発行を認めることは、国会のチェック機能を奪うものだという意見があります。しかし、具体的な国債発行額は毎年度予算案で国会承認を得るわけですから、そこでしっかりとしたチェックを行うことは可能であります。また、そもそも国債を発行するかしないかについて、チェックができないという意見もありますが、現状では国債を発行しないという選択肢は事実上取り得ません。  私は、参議院議員になる前に宮崎都城市長を務めておりました。現在の特例公債法が成立した平成二十四年には、法案の成立が十一月までずれ込みましたが、そのときの混乱は大変なものでした。地方交付税の交付が遅れ、自治体は資金ショートを大変心配をいたしました。最終的には、借入分の金利を国が全額補填するなど、自治体の負担は回避されたわけですが、無用な混乱は大きな政治不信を生みました。  こうした経験から、与野党の立場を超えて、特例公債法を決して政局に使ってはならないと申し上げたいと思います。五年間という期間を設けることは、そうした混乱を避けるためにも適当だと考えます。  そこで伺いますが、麻生大臣としては、五年という期間を設定する理由をどのようにお考えなのか、御説明をお願いします。  関連して、国債の利払いについて伺います。  国債の利払い費は、平成二十八年度予算で九・九兆円となっており、十年前の七兆円から徐々に増えています。現在は、空前の低金利となっているため、これでも利払い費はかなり抑制されています。過去の金利に基づいた試算では既に十兆円を大きく超えていたはずですから、それに比べれば少ない額で済んでいます。  しかし、今後、もし金利が上がることがあれば、それに伴って利払い費も上がっていくことになります。確かに、金利もいずれは正常な水準に戻らなければなりません。しかし、財政健全化のためには、利払い費の抑制も重要な課題です。この二つの課題にはジレンマがあるわけですが、政府としては両者のバランスについてどのようにお考えでしょうか。麻生大臣の御見解をお伺いします。  国債に関しては、日銀による買入れも重要なテーマです。現在、量的緩和のために日銀が国債を大量に買い入れており、その規模は年間八十兆円に及んでいます。今や日銀は三百兆円を超える最大の国債保有者となりました。  このまま買入れを続ければ、あと二年余りで日銀は五百兆円を超える国債を持つことになります。国債発行残高の五割以上、実に我が国のGDPを上回る額の国債を日銀が持つことになるわけです。その先も、国債の七割、八割、九割と買い続けるというわけにはいかないでしょうから、どの時点になるかは分かりませんが、いずれは日銀がこのままのペースで国債を買い入れるのが難しくなる時期が来るはずであります。  その場合には、先ほどの話とも関連しますが、金利上昇などのリスクに対応する必要が生じます。政府としては、日銀の国債買入れについてどのような見通しをお持ちなのでしょうか。日銀との緊密な連携が必要な問題だと思いますが、麻生大臣のお考えを伺います。  安倍政権発足後、安倍内閣は経済再生と財政健全化の両立を推進してきました。アベノミクスにより、実質GDPは十兆円、名目GDPは二十七兆円増加し、企業収益は過去最高、倒産件数も二年連続で一万件を下回り、また、賃上げ率は二年連続で前年を上回りました。有効求人倍率は一・二八倍と二十四年ぶりの高水準となり、失業率も三・二%と大きく低下しています。正規雇用についても八年ぶりに増加に転じ、正規雇用者数が二十六万人増えました。  もはやデフレではないという状況をつくり出し、日本の経済のファンダメンタルズはしっかりしていますが、年明け以降の中国の景気減速の懸念や原油価格の低下等により、世界経済が必要以上に動揺しているのも事実だと思います。これらを踏まえたG20では、財政出動による景気対策や構造改革の加速の必要性が確認されました。  このような中で、新たな補正予算の編成を求める議論も出てきていますが、財務大臣や官房長官は、まずは現在の予算を執行することが大事だとして慎重な姿勢を示されております。確かに、二〇二〇年度プライマリーバランス黒字化目標を踏まえ、経済再生と財政健全化の二兎を追う政府の姿勢からも慎重な見極めが必要です。  しかしながら、先ほども申し上げましたように、今後の経済状況は予断を許しません。我が国にとってデフレ脱却が懸かっている重要な局面であり、諸外国とも協調した上で、臨機応変な経済対策をためらうべきではありません。  昨日の日銀金融政策決定会合でも、景気判断が二十三か月ぶりに下方修正されました。これら国内外の経済の状況、そして地方の状況にも目を配っていただいて、必要であれば機動的な対策をお願いしたいと思います。このことについて石原大臣のお考えを伺って、私の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  6. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 特例公債の発行期間を五年間とする考え方についてのお尋ねがあっております。  今回の特例公債法の改正案は、二〇一二年十一月に民主党、自民党、公明党三党でお決めいただいた現行の枠組みを引き継ぎ、少なくとも二〇二〇年度までの間は引き続き特例公債を発行せざるを得ないと見込まれる財政状況にある中、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標に向けて財政健全化に取り組んでいくという決意の下で、特例公債の発行を二〇二〇年度までの五年間とさせていただきたいと考えているものであります。  財政健全化と金利の関係についてのお尋ねがあっております。  政府といたしましては、金利の上昇が財政に与える影響については極めて重要な問題として認識をいたしております。このため、金利上昇に伴います利払い費の増加リスクへの対応という観点から、将来的には国債の利払い費を含めた財政収支について考えていく必要があります。  他方、財政健全化は、経済再生と両立させつつ、一歩一歩着実に進めていくことが重要であります。したがって、まずは、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化に向けてしっかりと取り組み、その後の更なる財政健全化につなげていきたいと考えております。  日銀の国債買入れについてのお尋ねもあっております。  国債の買入れなど金融政策の具体的な手法につきましては、日銀に委ねるべきものと考えておりますが、政府と日銀は、常に連絡を密にして、十分な意思疎通を図っているところであります。  政府といたしましては、今後とも、財政健全化の取組を着実に進め、日本国債に対する信認を確保するとともに、国債の安定的な消化が確保されるよう、国債市場の動向を注視しつつ、市場との緊密な対話に基づき、適切な国債管理政策に努めてまいりたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣高木毅君登壇、拍手〕
  7. 高木毅

    ○国務大臣(高木毅君) 復興・創生期間の事業規模についてお尋ねがございました。  当初五年間の集中復興期間においては、住まいの確保や町づくりといったハードの復興は着実に進展しており、これからの復興・創生期間においては、ソフトも含めきめ細やかな対応が求められております。  復興・創生期間の復興事業の規模については、被災三県がそれぞれ試算した残事業費見込みや、復興庁政務自らも赴いて行った復興・創生期間における復興事業の在り方についての被災自治体との意見交換などを踏まえて、復興庁において六・五兆円程度と見込んだところでございます。  復興・創生期間も含めた財源を確保できたことについては、被災自治体の皆様からも感謝の言葉をいただいております。確保した財源により、被災自治体におかれましては、安心して復興に取り組んでいただけるものと考えております。(拍手)    〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
  8. 石原伸晃

    ○国務大臣(石原伸晃君) 経済の状況に応じた機動的な対策についてお尋ねがございました。  我が国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなどファンダメンタルズは良好であり、その状況に変化があるとは認識をしておりません。  政府としては、今後とも世界経済市場の動向を注視してまいります。同時に、世界経済の成長と金融市場の安定に向けてG7諸国等との国際連携を深めてまいります。こうした中、日本銀行と一体となって、デフレ脱却を目指し、経済再生に向けた取組を更に前進してまいります。  まずは、平成二十七年度補正予算を迅速かつ着実に実施するとともに、平成二十八年度予算及び関連法案の一日も早い成立をお願いしたいと考えております。また、高い水準にある企業収益を賃金や設備投資に更に結び付けることで経済の好循環を更に拡大してまいります。  経済の好循環が全国で進むよう、地方創生推進交付金の創設による地方の先駆的な取組の支援など環境整備を行ってまいります。(拍手)     ─────────────
  9. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 大久保勉君。    〔大久保勉君登壇、拍手〕
  10. 大久保勉

    ○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。  会派代表して、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。  何と長い題名の法律案でしょう。それは、復興債発行を規定する復興財源確保法と赤字国債発行のための特例公債法の二つの全く違う法律を接ぎ木したからです。このような筋が悪い手法は、昨年の平和安全法制でも採用されました。自衛隊法等の十本もの法律を改正する束ね法案国会に提出されたことは記憶に新しいところであります。  このような束ね法案は、国会の審議権を形骸化し、議会制民主主義を崩壊させるものであります。さらに、賛否の表明も分けることができず、国会議員表決権を侵害するものです。性格の異なる二つの法案はそれぞれ分けて国会に提出し、国会の審議権や表決権を確保するのが政府の役割と思いますが、麻生大臣、御見解を伺います。  さて、日本国憲法で予算の単年度主義を定める意義を踏まえれば、将来世代に負担を先送りする赤字国債の発行については、根拠法を毎年度策定した上で国会に提出して議決を求めることが本筋であります。本法律案のように、今後五年もの間、予算の議決のみをもって赤字国債の発行ができるようでは、赤字国債の増発に対して国会が十分に政府を牽制できるか大いに疑問であります。財政民主主義の趣旨を貫徹するためにも特例公債法は単年度の規定にすべきと考えますが、麻生財務大臣の見解を伺います。  そもそも、二〇一二年度から二〇一五年度までの赤字国債発行を規定した現行法は、いわゆるねじれ国会のたまものです。当時野党だった自民党が特例公債法を政争の具として野田総理に衆議院解散を求めたため、国民生活への多大なる影響を当面回避するために規定したものであります。  赤字国債の発行が常態化した一九七六年当時の大平大蔵大臣の答弁の議事録を麻生財務大臣は読み返すべきであります。ここ当分の間特例債の発行をお願いするというような形で国会の御承認を得るというのはどう考えてみても政府の姿として許し難い、国会に毎年毎年御審議を通じて決意を申し上げて、御了解を得ながらまいっていくことが行政府の正しい姿勢ではないかと存じておるわけでございますと答弁しております。こうした大平大蔵大臣の謙虚さと子や孫の世代に対する責任を安倍政権は忘れたのではないでしょうか。麻生財務大臣の見解を改めて伺います。  それでもなお政府が複数年度の規定にこだわるということであれば、現行特例公債法の改正ではなく、赤字国債の発行を禁じる財政法第四条を改正することにより、今後五年間だけの赤字国債の発行を認めてはいかがでしょうか。麻生大臣の見解を伺います。  国債市場に目を転じると、ここにも大きな問題が横たわっています。本来であれば、建設国債、赤字国債を問わず多額の国債発行が続くと、国債価格の暴落を通じて市場による牽制が働きます。ところが、現在日本銀行が行っている異次元の金融緩和によってその規律が失われようとしています。新規国債発行額の二倍以上に当たる年間八十兆もの国債を毎年日銀が購入することは、たとえ銀行や証券会社がワンタッチで介在したとはいえ、紛れもなく財政ファイナンスではないでしょうか。麻生財務大臣の見解を伺います。  日本銀行は、二%の物価安定目標が達成できるのは二〇一七年度前半と表明しております。これまで二度、三度と達成時期を先延ばしてきた日本銀行ですが、現在の物価、経済動向を見れば更なる先延ばしをする蓋然性が高くなっています。二年後に消費者物価が二%に達成しなかったら辞任すると就任時に大見えを切った岩田日銀副総裁も、それに近いコミットをした黒田日銀総裁も、残りの任期は二年となってしまいました。  金融緩和は、言わば経済のカンフル剤です。経済の構造改革、成長戦略がない場合には、最初は効いても、だんだん効かなくなり、更に強い刺激が必要になります。今年の一月二十九日に突然発表されたマイナス金利付き量的・質的金融緩和は、最終手段の劇薬と言えます。  私が懸念するのは、黒田日銀総裁自らが異次元と表現されるこの金融緩和の出口戦略です。日本経済を大混乱させずに、また国民に塗炭の苦しみをなめさせずに、果たして出口を探すことができるのでしょうか。世界中の金融、財政の有識者が疑問に思っています。二%の物価安定目標のため、手段を選ばず、出口を考えずに異次元緩和を繰り返し、後は日銀総裁を退任して知らぬふりでは、余りに無責任であります。  そこで、黒田日銀総裁には、自分でまいた種を自分で刈ってもらう、そのために、任期満了後、再任の同意人事国会に提出したらいかがでしょうか。菅官房長官の見解を伺います。あわせて、アベノミクスは異次元金融緩和からの出口の大混乱の責任も負っていることを石原大臣に確認します。  本法律案は、政府が掲げる基礎的財政収支の黒字化目標を踏まえて、二〇二〇年度までの赤字国債の発行を規定するものです。つまり、本法律案は、来年四月の消費税引上げと二〇二〇年までの基礎的財政収支の黒字化が前提となっています。仮に来年四月の消費税引上げを再延期すれば、その前提が崩れてしまいます。政府は、本法律案を提出する以上、来年四月の消費税引上げと二〇二〇年度までの基礎的財政収支の黒字化は必ず実行するという決意であると認識しておりますが、麻生財務大臣に確認します。  関連して、基礎的財政収支の黒字化は国際公約であり、たとえリーマン・ショックや東日本大震災のような経済状況下においても守るべきものであるとの理解ですが、菅官房長官の答弁を求めます。  また、政府消費税の引上げに当たって軽減税率を導入することを決めました。これにより、一兆円もの社会保障予算が削られるおそれがあります。既に四千億円の財源を捻出するために総合合算制度の導入を取りやめにすることにしました。さらに六千億も必要となれば、社会保障のどこにメスを入れるおつもりでしょうか。まさか、子ども・子育て支援もその対象ですか。待機児童問題が社会問題になっておりますが、保育園落ちたとのお母さんたちの悲痛の叫びを、麻生大臣、あなたは聞こえますか。保育園整備の加速化や保育士待遇改善の喫緊の課題に対する麻生財務大臣の認識を確認します。  さて、安倍政権は、株価が上昇するとアベノミクスの効果であると喧伝してきましたが、昨年の夏から株価は大きく下げています。実体経済を見ても、実質賃金は減少し、消費支出は名目、実質とも減少傾向が続いています。株価が上昇したときにはアベノミクスのおかげだと成果をひけらかし、株価が下がったら中国経済の影響だと他人のせいにするようなことはないと思いますが、石原大臣に、株価下落と名目、実質消費支出減少の要因について伺います。  株価の動向は復興財源確保法の改正案にも多大な影響を与えます。政府の復興財源フレームでは、日本郵政グループの株式売却益によって四兆円程度を確保するとしています。本法律案では、これを復興債の償還財源に充てることを明記しています。  昨年の売却では、約一・四兆円の売却益を確保できました。しかし、日本銀行のマイナス金利政策もあり、日本郵政グループ、特にゆうちょ銀行の株価は大きく下がってしまいました。今後、株価が下がり続ければ、四兆円程度を見込む売却益を確保できず、復興財源に穴が空く可能性もあります。どのように対処するつもりなのでしょうか。日本郵政グループの今後の株式売出しの予定を含めて、財務大臣に伺います。  復興財源については、二〇一四年度の税制改正において、復興特別法人税が一年前倒しで廃止されました。このように、もうかっている企業を優遇する一方、大企業による法人税の納付実態は明らかでありません。こうしたことから、大企業の納税実態を明らかにし、法人税に関する議論を活性化させるためのスキームを導入することが不可欠であります。  二〇〇六年度税制改正で廃止された旧公示制度は、所得金額が一定額を超えた場合に法人の名称や所得金額等を公表するものでした。第三者の監視による牽制的効果が発揮されるものと評価されていました。しかし、個人情報保護法の施行に伴っていわゆる長者番付制度は廃止されましたが、個人情報保護とは全く関係のない法人の公示制度まで小泉政権当時に廃止されました。  昨年の通常国会に我々民主党は、維新の党、日本共産党等の野党各党と共同して、資本金百億円以上の大企業に所得金額及び法人税額の開示を求める法人税法の一部を改正する法律案を参議院に提出しました。本日、この通常国会においても同内容の法案を再び野党各党と共同して参議院に提出する予定です。法人税法の一部を改正する法律及び法人税の公示制度復活に対する麻生財務大臣のお考えを伺います。  IMFの統計によると、我が国の一人当たりのGDPは、安倍政権発足前の二〇一一年には世界第十九位でしたが、二〇一六年には第二十五位まで大きく後退する見通しとなっています。過度な円安がドルベースでの購買力を減少させ、国民の豊かさを奪っているという側面もこの数字から見て取れます。このことは、日本人が海外旅行をしたり、また外国産の物品を購入したりするとき痛感させられます。しかし、より深刻なのは、輸入物価の上昇により、食料品等生活必需品の上昇、実質消費支出の減少、地方経済の低迷と、負のスパイラルをつくっていることです。  安倍政権は、アベノミクスで急激な円安になり、大企業を中心に企業業績が回復していると宣伝してきました。国民生活や地方経済への視点の欠如がアベノミクスの落とし穴であります。  過度な金融緩和、過度な円安政策に頼るのではなく、遠回りに見えても強固な財政基盤の下、経済構造改革、教育改革社会保障の安定化を推し進めることが日本の長期的な経済成長につながることを主張して、私の代表質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  11. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 大久保先生から九問頂戴しております。  復興財源確保法と特例公債法の改正を一つの法律案としたことについてのお尋ねがありました。  復興財源の確保は一般会計の財源の確保にも大きな影響を与え、これらは互いに密接に関係をいたすため、平成三十二年度にかけて復興と財政健全化を同時に推進していく必要があります。また、この二つの法改正は、いずれも平成三十二年度までの五年間、財政法第四条の特例となる公債の発行根拠を設けるための改正という点でも共通点があります。  このため、政府といたしましては、二つの法改正を一つの法律案として提出することとしたものであり、御審議をお願いを申し上げている次第であります。  特例公債の発行期間についてのお尋ねもあっておりました。  今回の特例公債法の改正案は、足下の財政状況を見ますと、少なくとも二〇二〇年度までの間は引き続き特例公債を発行せざるを得ない状況にあると見込まれております中で、二〇一二年十一月に民主党、自民党、公明党の三党でお決めをいただいた現行の枠組みを引き継ぎ、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成に向けて財政健全化に取り組んでいくという決意の下、特例公債の発行を二〇二〇年度までの五年間とさせていただいているものであります。  なお、財政民主主義との関係では、現行の特例公債法と同様、各年度の特例公債の発行限度額は毎年度の予算により国会の議決を経ることになっており、国会の審議権は確保されているものと考えております。  特例公債の発行に関する大平大蔵大臣の見解についてのお尋ねもあっておりました。  将来世代に対する責任を果たすため、私としても、財政健全化を進め、財政法の規定の特例である特例公債の抑制に努めることは極めて重要な問題だと考えております。実際、第二次安倍内閣以降、特例公債の発行額は毎年度減少させてまいり、結果として四年間で約十兆円減少いたしております。  現行の特例公債法には、財政規律が緩まないよう特例公債発行額の抑制の努力義務規定が設けられており、今般の改正案におきましてもこの規定を維持してまいります。こうした規定を踏まえて、引き続き特例公債の発行抑制に取り組んでまいりたいと考えております。  財政法第四条を改正して特例公債を発行してはどうかとのお尋ねもあっておりました。  繰り返しになりますが、今回の法案は、民主党、自民党、公明党の三党でお決めいただいた枠組みを引き継ぐという考え方で現行の特例公債法の改正をお願いしているところであります。  現時点で、国の歳出は租税等をもって賄うべきという原則を述べた財政法第四条を改正することは考えておりません。  日銀による国債買入れについてのお尋ねもあっております。  現在、日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和の下で行っております国債買入れは、二%の物価安定目標の実現という金融政策を目的として、日銀自らの判断で行っているものであることから、財政ファイナンスとの御指摘は全く当たらないと考えております。  消費税率引上げとプライマリーバランス黒字化についてのお尋ねもありました。  平成二十九年四月の消費税率一〇%への引上げは、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものでもあり、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施をいたします。  二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化は、経済・財政再生計画に基づき、不退転の決意で取り組んでまいりたいと考えております。  軽減税率の財源と社会保障についてのお尋ねもあっております。  軽減税率導入のための財源につきましては、現時点で具体的な内容が念頭にあるわけではありません。今後、与党及び政府の税制改正大綱や税制改正法案を踏まえ、与党とも相談をいたしつつ、歳入歳出両面にわたってしっかり検討してまいりたいと考えております。  なお、軽減税率導入の財源確保を目的として、必要な社会保障を削減するということは考えておりませんが、持続可能な社会保障制度を維持する、構築するため、必要な社会保障の質を確保しつつ、効率化や制度改革の取組を継続、強化していく必要があると考えております。  また、安倍政権としては、待機児童解消のため、保育の受皿の整備量を四十万人から五十万人に上積みするとともに、保育士の処遇の向上、就業の促進、離職の防止などを行っております。今後とも、財源を確保しつつ、保育の受皿や人材の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  復興財源の確保と日本郵政グループの三社の株式売却の予定についてのお尋ねがありました。  今後の日本郵政グループ三社の株式売却に関しましては、現時点では未定であります。  売却収入は、市場動向や日本郵政の企業価値などによって影響を受けるものであります。政府といたしましては、既に確保した一兆四千億円を踏まえ、平成三十四年度までに日本郵政株式の売却収入四兆円程度を復興財源として確保できるよう、日本郵政とも連携しながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。  最後になりますが、法人税の納税情報を開示する制度についてのお尋ねがありました。  国が個別情報の納税情報を公表することにつきましては、企業イメージへの影響など日本の企業だけに競争上の不利益が生じるおそれがあり、そうしたデメリットを十分に上回る公益上の必要性があるか否かよく見極める必要があろうと存じます。御提案のように、単に法人税に関する議論を活発化させるためというだけでは公益上の必要性を説明し切るだけの材料には乏しいのではないかと、そう思っております。  また、平成十八年度に廃止した公示制度は、牽制効果の発揮を目的としておりましたが、公示した情報を直接のきっかけとして申告漏れなどの情報を寄せられたことは極めてまれであり、むしろ対象となった企業において競争上の不利益が生じているとの指摘もあったことなどを踏まえ廃止したものであり、これを復活させることは今考えておりません。  以上であります。(拍手)    〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
  12. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 日本銀行総裁の任期満了後の人事についてお尋ねがありました。  日本銀行総裁黒田東彦氏は、平成二十五年三月の就任以降、量、質共に次元の異なる金融緩和を実施をし、本年一月にはいわゆるマイナス金利政策を導入するなど、安倍政権の重要課題の一つであるデフレ脱却に向けて強い決意を持って取り組まれてきたところであります。  黒田総裁の任期については、平成三十年四月八日までとなっております。内閣としては、その時点で日銀総裁に最もふさわしいと判断する方を任命することが基本と考えており、現時点で特定の人事案についてお答えすることは差し控えさせていただきます。  財政健全化についてのお尋ねがありました。  安倍内閣においては、経済再生なくして財政健全化なし、その基本方針の下に経済再生と財政健全化の両立を目指しております。  これまで、デフレ脱却を目指し、三本の矢の政策を進めることにより税収を増加させるとともに、社会保障の改革を含め徹底的な重点化、効率化など歳出削減に取り組んできたところであります。今後とも、経済・財政一体改革を不退転の決意で断行し、経済再生を図りながら二〇二〇年度における国、地方の基礎的財政収支の黒字化を実現をしてまいります。  また、来年四月の消費税率一〇%への引上げは、社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するため、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施します。  なお、現在、そうした重大な事態が発生しているとは考えておりません。引き続き、経済状況を注視しつつ、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいります。(拍手)    〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
  13. 石原伸晃

    ○国務大臣(石原伸晃君) 大久保議員にお答えいたします。  金融緩和政策の出口についてお尋ねがございました。  安倍内閣では、二十年近く続いたデフレから脱却するため、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢の政策を推進してまいりました。その中でも、第一の矢である日本銀行による大胆な金融緩和によりデフレ脱却に向けて前進していると評価しておりますが、デフレ脱却までには至っておりません。  具体的な金融政策の手法については日本銀行に委ねるべきと考えており、金融緩和政策の出口戦略について言及することは差し控えさせていただきます。政府としては、日本銀行が物価安定を図るという目的に照らして適切な対応を行うものと考えております。  昨年夏以降の株価下落と消費支出減少の要因についてのお尋ねがございました。  昨年夏以降、中国経済の減速や原油価格下落などを背景として、日本を含め世界的に株式市場で大きな変動が見られる局面もありましたが、日本企業の収益は引き続き高い水準となるなど、我が国のファンダメンタルズは確かなものと確認をしております。  個人消費については、力強さに欠けております。この背景としては、記録的な暖冬など天候要因があるほか、身の回り品の価格上昇や世界的な金融市場の変動などを背景に消費者インドの改善に足踏みが見られたことがあると思います。また、賃金上昇が十分に物価上昇を上回るに至っていないことなどが考えられます。  しかしながら、有効求人倍率が一・二八倍と二十四年ぶりの高水準、就業者数は安倍政権発足以来百十万人以上増加、総雇用者所得は名目で見ても実質で見ても増加傾向となるなど、雇用・所得環境の改善が続いております。今後とも、経済の好循環を更に拡大してまいります。(拍手)     ─────────────
  14. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 辰巳孝太郎君。    〔辰巳孝太郎君登壇、拍手〕
  15. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 私は、日本共産党代表して、復興財源確保法及び特例公債法の一部を改正する法律案について質問をいたします。  まず、消費税問題です。  国民生活も経済も財政も壊す消費税増税は中止すべきです。内閣官房参与の浜田、本田両氏からも見直し、凍結論が出ていますが、財務大臣はどう受け止めますか。  アベノミクスによって労働者の実質賃金は下がり、国民に景気回復の実感はありません。  そんな中、保育所待機児童をめぐって国民の怒りが爆発しています。無駄遣いはやめて安心して預けられる保育所をつくるべきだ、子育て世代の当然の要求に、政府は対策を講じると言明しました。しかし、この四月に入所できない児童はどうなるのでしょう。悠長にプランを検討している時間はありません。定員拡大のための分園設置や改修などの緊急の財政措置をすべきです。厚労大臣、決断してください。  また、国有地を無料で自治体に貸し出すべきです。これは財務大臣の判断一つで、予算も要りません。大臣、決断ください。  高学費とローンともいうべき奨学金が若者を苦しめています。二〇一二年、政府は、高校、大学までの段階的な無償化を定めた国際人権規約十三条二項(b)、(c)の留保を撤回しました。ならば、少なくとも給付型奨学金の創設などの打開策を立てるべきではないですか。文部科学大臣、いかがですか。  全世代にわたる格差貧困の広がりの中で、国は予算を何に使っているのか、国民からかつてない厳しい視線が注がれています。予算は、不要不急の大規模開発や軍事費の増額よりも、子育て支援や教育、医療、年金など国民生活を支える社会保障に軸足を置くべきです。GDPに占める子育て支援は、OECD諸国中、日本は最低水準であり、教育への公的支出は最下位です。財務大臣、こうした公的支出の在り方を抜本的に変革すべきではないですか、お答えください。  それでは、まず法案提出の在り方について財務大臣にお聞きします。  政府は、復興財源確保法改正案と特例公債法改正案という、目的も償還財源も違う二つの法案を一括法案として提出いたしました。国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関に対し、内閣が異なる法案を一くくりにして一括審議を求めるというのは、まさに国会軽視であり、立法府を形骸化させるものであります。なぜ本来の在り方に沿って、別々の法案として国会に提出できないのか、その理由をお答えください。  そもそも、赤字国債の発行は財政法四条が禁じているところであります。にもかかわらず、本法案で赤字国債の発行を今後五年間にわたって政府の手に委ねるのは、幾重にも憲法と財政法の精神を踏みにじるものであります。  全く影も形もない、二〇一七年度から二〇二〇年度までの予算案で発生するであろう財源不足の穴埋めを、赤字国債の発行ですべきかどうか、今どうやって審議するのでしょうか。財務大臣、説明ください。  一九七五年十二月、当時の大平正芳大蔵大臣は、特例公債の発行が習い性となっては困るわけでございますので、異例の措置であればその年度に限り、その目的のためにこれだけのものをお願いするというように限定しなければならぬと言いました。つまり、特例公債法を単年度に限定したのは、財政規律を保つための最低限の措置であり、大平氏はそれが財政法の精神だとも述べています。  同じ自民党の麻生財務大臣は、赤字国債の自動発行を五年間も認める法案を提出されました。大臣にとって財政法の精神とはどういうものか、お答えください。  財務大臣は、法案の規定により発行抑制が掛かるとか経済・財政再生計画などが歯止めになると言いますが、このような規定や計画が歯止めにならないのは、目標を達成できず、国民生活と日本経済を痛め付ける毒矢となっているアベノミクスを見ても明白ではありませんか。財政規律においても、時の政権の暴走を止めるのは国会によるチェックにほかならない、これこそが憲法に定めた原則ではありませんか。答弁を求めます。  財政法第五条からの逸脱も重大です。財政法第五条は、全て、公債の発行については日本銀行にこれを引き受けさせ、また、借金の借入れについては日本銀行から借りてはならないと定めています。これは、戦前、戦中において大量の公債発行が日銀引受けによって行われた結果、激しいインフレーションを引き起こしたことへの反省に基づいて規定されたものであります。  しかし、現状はどうでしょう。日本銀行は長期国債を年間八十兆円の規模で買い入れる異次元金融緩和を進め、既に長期国債の保有率は全体の三割を超えています。この規模で量的緩和を進めれば、日銀総裁の任期が切れる二〇一八年度末で五〇%近い保有率にまで上昇します。  財務大臣は、日銀が国債をどれだけ保有しても、たとえ半分を占めるに至っても、財政法第五条が禁止する日銀引受けではないと否定されるのでしょうか。また、量的緩和をどれだけ進めても国債が暴落することはないとの考えなのでしょうか。答弁ください。  金融緩和に歯止めが掛かりません。本年一月にマイナス金利が導入されたことで、財務省の入札で国債を調達し、より高い価格で日銀に転売し利益を得る、いわゆる日銀トレードが加速したとの指摘が起こっています。  財務大臣アベノミクスが始まって以来、どれだけの新規発行国債を日銀が購入しているのか、年度ごとの保有割合を示していただきたい。  最後に、復興財源について質問します。  東日本大震災から五年。今でも十七万五千人もの被災者が仮設住宅などで避難生活を強いられ、被災関連死は三千四百人に達しています。被災地の復興、被災者のなりわいの再建は国の最重要課題であります。  二〇一一年に成立した復興財源確保法では、復興特別増税を、連帯して負担を分かち合うとして、復興特別所得税は二〇一三年から二十五年間、復興特別住民税は二〇一四年度から十年間、そして復興特別法人税は二〇一二年度から三年間の増税となっていました。  ところが、法人税増税分については、財界の要求を受け入れ、前倒しで廃止をいたしました。理由は、企業収益を賃金の上昇につなげていくきっかけとするでありました。では、賃金の上昇は実際に起こったのですか。結局、過去最高の水準の利益を上げている大企業の内部留保を更に積み上げたのではありませんか。財務大臣、お答えください。  憲法と財政法の規定を幾重にも踏みにじる本改正案には断固反対であることを表明して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  16. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 辰巳先生から十問頂戴いたしております。  消費税の引上げについてのお尋ねがありました。  現在の経済状況を見れば、企業収益は過去最高となるなど、日本経済のファンダメンタルズは確かなものであるということを十分に認識をされておりますのは、日本だけではなく世界的にもそう認められていると存じます。  平成二十九年四月の消費税率一〇%に引上げは、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任がありますとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものであって、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施をさせていただきます。  保育所増設のための国有地を無料で自治体に貸し出すことについてのお尋ねがあっております。  社会福祉分野につきましては、これまでも優先的売却や定期借地権による貸付けを通じて国有地の活用を積極的に進めてきたのは御存じのとおりです。この結果、特に保育所につきましては、これまで介護施設の約二倍近い件数の国有地が提供されておりますのは御存じのとおりだと思います。  引き続き、保育所も含め、必要な社会福祉施設の整備に国有地が有効に活用されるよう積極的に対応してまいりたいと考えております。  公的支出の在り方についてのお尋ねがありました。  まず、社会保障教育につきましては、政策的な経費である一般歳出の約三分の二を占めており、今後、高齢化に伴う伸びも見込まれますのは御存じのとおりです。このため、国民の安心を支える社会保障制度を持続可能なものとして次世代に引き渡していくためにも、効率化や制度改革は避けて通れない課題だと考えております。  また、社会保障教育だけでなく、国民生活や産業の基盤となりますインフラの整備、一層厳しさを増します日本周辺の安全保障環境への対応など、政府の重要な役割は幾つもあり、効率化、重点化を図りつつ必要な予算を計上しているところであります。  なお、子育て支援や教育は重要な課題でありますが、国際比較に当たっては、そもそも税や保険料の国民負担率が諸外国の中で日本は最低レベルにあることや、子供の割合が諸外国に比べて少ないこと等に留意する必要があります。  いずれにせよ、今後とも、歳出全般にわたり不断に見直しを行いつつ、諸課題に適切に対応してまいりたいと考えております。  復興財源確保法と特例公債法の改正を一つの法案としたことについてのお尋ねがありました。  復興財源の確保は、一般会計の財源の確保にも大きな影響を与え、これらは互いに密接に関連をいたしますため、平成三十二年度にかけて復興と財政健全化を同時に推進していく必要があります。また、この二つの法改正は、いずれも平成三十二年度までの五年間、財政法第四条の特例となる公債の発行根拠を設けるための改正という点でも共通性があります。  このため、政府としては、二つの法改正を一つの法律案として提出することとしたものであり、御審議をお願いを申し上げているところであります。  今後、五年間にわたって特例公債の発行を可能とすることについてのお尋ねがありました。  今回の特例公債法の改正案は、足下の財政状況を見れば、少なくとも二〇二〇年度までの間は引き続き特例公債を発行せざるを得ないと見込まれる中で、現行の枠組みを引き継ぎ、二〇二〇年度までのプライマリーバランス黒字化目標の達成に向けて財政健全化に取り組んでいくという決意の下、特例公債の発行を二〇二〇年度までの五年間とさせていただいているものであります。  なお、現行の特例公債法と同様、各年度の特例公債の発行限度額は毎年度の予算により国会の決議を経ることになっており、国会の審議権は確保されているものと考えております。  財政法の精神についてのお尋ねもありました。  私といたしましては、財政健全化を進め、財政法の規定の特例であります特例公債の抑制に努めることは極めて重要であり、まさにこれが財政法の精神であると考えております。実際、第二次安倍内閣以降、特例公債の発行額は毎年減少させてまいりました。四年間で約十兆円減少させていると存じます。  現行の特例公債法には、財政規律が緩まないよう特例公債発行額の抑制の努力義務規定が設けられており、今般の改正案におきましてもこの規定を維持しております。こうした規定も踏まえ、引き続き特例公債の発行抑制に取り組んでまいりたいと考えております。  財政規律についてのお尋ねがありました。  安倍内閣では、特例公債の発行を複数年度化した現行の特例公債法の下であっても財政健全化を着実に進めており、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標も達成できる見通しであります。今後も、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成に向けて、経済・財政再生計画に基づき、不退転の決意で取り組んでまいります。  なお、先ほど申し上げました各年度の特例公債の発行限度額は毎年度の予算により国会の議決を経ることとなっており、国会によるチェックは確保されておるものと考えております。  財政法第五条と日銀による国債買入れについてのお尋ねもありました。  財政法第五条本文では、日銀による国債の直接的な引受けを原則として禁止されております。他方、現在、日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和の下で行っております国債買入れは、二%の物価安定目標の実現という金融政策を目的として、日銀自らの判断で行われているものであり、既にマーケットで流通しております国債を対象としているものであることから、日銀の国債引受けには当たらないと考えております。  また、国債の金利につきましては、経済、財政の状況や海外の市場動向等の様々な要因を背景に市場で決まるものでありまして、お答えは差し控えさせていただきますが、政府としては、今後とも、財政健全化の取組を着実に進め、日本国債に対する信認を確保するとともに、国債の安定的な消化が確保されるよう、国債市場の動向を注視しつつ、市場との緊密な対話に基づき適切な国債管理政策に努めてまいります。  日本銀行の国債購入に関するお尋ねもありました。  新規国債発行のうち、日本銀行が年度ごとにどれだけ国債を購入しているかについては現時点では承知をいたしておりませんが、既に発行されております債券を含めた、既発債を含めた日本銀行の利付債購入額をその年度の新規利付債の年間発行額で除した割合は、二十五年が六割、二十六年度は七割、二十七年度は八割、もう一回申し上げます、二十五年度は六割、二十六年度は七割、二十七年度は八割になるものと承知をいたしております。  最後になりますが、復興特別法人税の前倒し廃止についてお尋ねがありました。  二十六年度税制改正におきます復興特別法人税の前倒し廃止は、所得拡大促進税制の拡充や政労使会議における取組とともに、企業収益を賃金引上げにつなげていくために行ったものであります。こうした対応も一つのきっかけとして、過去二年間の春闘におきましては二年連続の大幅な賃上げが実現するなど、経済の好循環が確実に生まれてきているものと考えております。(拍手)    〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
  17. 塩崎恭久

    ○国務大臣塩崎恭久君) 辰巳孝太郎議員にお答え申し上げます。  待機児童対策についてのお尋ねがございました。  待機児童につきましては、待機児童解消加速化プランに基づく保育の受皿の整備目標を四十万人から五十万人に上積みをし、平成二十九年度末までの解消を目指しております。  保育園の分園設置や改修による定員拡大については、地方自治体に対して、施設整備費の国の補助割合を通常の二分の一から三分の二にかさ上げし、支援を行っているところでございます。  本年度補正予算や来年度当初予算においても整備費予算を確保しており、引き続き保育の受皿の確保に全力で取り組んでまいります。(拍手)    〔国務大臣馳浩君登壇、拍手〕
  18. 馳浩

    ○国務大臣(馳浩君) 辰巳議員から、給付型奨学金についてお尋ねがありました。  高等学校においては、平成二十六年度より、低所得世帯を対象とした返済不要の給付型奨学金として高校生等奨学給付金を創設したところであります。  高等教育段階においては、大学の授業料減免等の充実を図るとともに、大学等奨学金事業における有利子から無利子への流れを加速し、より柔軟な所得連動返還型奨学金制度の制度設計を進めております。  基本的には、こうした制度を着実に運用していくことで学生等の経済的負担の軽減を図ってまいります。その上で、大学等の給付型奨学金については、財源の確保、対象者の選定、給付の在り方など、導入するには更に検討が必要と考えております。(拍手)
  19. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時九分散会