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2016-02-02 第190回国会 参議院 本会議 8号 公式Web版

  1. 平成二十八年二月二日(火曜日)    午後二時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第八号   平成二十八年二月二日    午後二時開議  第一 国務大臣の発言に関する件(経済に関す   る発言について)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣の発言に関する件(経済に関する発言について)  石原国務大臣から発言を求められております。発言を許します。国務大臣石原伸晃君。    〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
  3. 石原伸晃

    ○国務大臣石原伸晃君) 経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣として、我が国の経済に関し、一言発言をさせていただきます。  安倍内閣で一体的に推進してきた三本の矢から成る経済財政政策の下、デフレ脱却・経済再生に向けた取組は全体として着実に前進しており、景気は緩やかな回復基調が続いております。  当面の経済財政運営に当たっては、これまでのアベノミクスの成果の上に、デフレ脱却・経済再生と財政健全化を更に前進させます。  デフレ脱却・経済再生については、名目GDP六百兆円を二〇二〇年頃に達成することを目標とし、これまでの三本の矢を束ねて一層強化した新・第一の矢である希望を生み出す強い経済を推進してまいります。これらの成長の果実を活用して、新・三本の矢が一体となって成長と分配の好循環を強固なものとしてまいります。  まずは、昨年十一月末に取りまとめた一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策を着実に実行してまいります。また、六百兆円経済の実現に向けた全体像を経済財政諮問会議等で更に議論を進め、年央の骨太方針でお示しいたします。  日本銀行はマイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入を決定しましたが、経済・物価情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標を実現することを引き続き期待いたします。  財政健全化については、経済再生なくして財政健全化なしとの考え方に立って、骨太方針二〇一五で定めた経済・財政再生計画に基づき、二〇二〇年度の財政健全化目標の達成に向けて取り組んでまいります。経済・財政再生アクション・プログラムにおいて具体化した改革工程やその成果の達成度合いを示す指標に基づき、改革の進捗管理等を行い、工夫の改革を進めてまいります。  強い経済を実現する上で要の政策となる成長戦略については、未来投資による生産性革命とローカル・アベノミクスを車の両輪とし、より一層強力に実行、実現してまいります。必要となる法案を今国会に提出していくとともに、年央の成長戦略の取りまとめに向けて更なる検討を進めてまいります。  健康・医療の分野では、日本医療研究開発機構を中心に研究支援を行うなど、健康・医療戦略を着実に推進してまいります。  TPPのメリットを最大限生かし、強い経済を実現するため、政策大綱に基づき政策の実施に取り組むとともに、協定の早期発効に向けて取り組んでまいります。  社会保障と税の一体改革については、社会保障改革プログラム法に基づき、改革を着実に推進してまいります。  また、本年一月より利用が開始されたマイナンバー制度の利活用を推進してまいります。  アベノミクスによる経済の好循環を一層確かなものにしていくため、我が国の将来への不安を払拭し、国民各層の消費や中小企業を含めた投資が全国津々浦々で積極的に行われる環境をつくることに全力を尽くしてまいります。  国民の皆様、そして議員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) ただいまの発言に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。相原久美子君。    〔相原久美子君登壇、拍手〕
  5. 相原久美子

    ○相原久美子君 民主党・新緑風会の相原久美子です。  私は、会派を代表し、総理と石原大臣質問をいたします。  まず、甘利前大臣政治と金の問題に関して、安倍総理の任命責任について伺います。  平成二十四年十二月の第二次安倍内閣発足以来、松島みどり法務大臣小渕優子経済産業大臣西川公也農林水産大臣と、既に三人もの大臣政治と金の問題により任期途中で大臣を辞任しています。このように、安倍総理は、これまでも自らの内閣の大臣の任命に当たり、大臣にふさわしい人物を選ぶという当たり前の責任を果たしてこなかった、特に政治と金の問題を軽視してきたと言っても過言ではありません。  趣旨のはっきりしない多額のお金が政治家に渡され、渡される側はよく知らない相手からでももらう、こんなことが当然であってよいわけはありません。  また、辞任の理由が、国会審議に支障を来しかねないというもので、自らの疑惑を国会審議の中で果たすという姿勢が見受けられません。  このような甘利大臣の辞任に当たっても、安倍総理はぎりぎりまで慰留したと報道されています。第二次安倍内閣発足以来、三人の大臣が辞任する原因となっていた政治と金の問題について、今回の甘利大臣の問題に際しても軽視し、適切な対応を取らなかった安倍総理の責任は重大であると考えますが、総理の見解を伺います。  次に、新たに就任された石原大臣の適格性についてお伺いいたします。  まず、環境大臣就任前、自民党幹事長時代の平成二十四年、テレビ番組で二度にわたり福島第一原発を福島第一サティアンと、オウム真理教の施設と同一視するかのような発言をされています。この発言だけでも十分問題であるにもかかわらず、第二次安倍内閣では、あろうことか原子力規制政策を担う環境大臣に就任されます。さらには、中間貯蔵施設をめぐる福島県との交渉に際し、最後は金目でしょうと発言されました。原発の問題に苦しんでおられる福島の住民の方々をばかにしているとしか思えません。  大臣、あなたの育った環境からは、弱い立場に置かれた人の生活は分からないかもしれない。でも、政治を志す者は、その人たちに目を向け、共に考える思いが必要なのではありませんか。  今までのあなたの言動から、我が国経済の重要課題への対応をお任せすることに不安を感じます。石原大臣は、経済財政政策の担当大臣に任命されるに当たって、御自身のこれまでの言動についてどのような認識を持って引き受けられたのか、お伺いいたします。  次に、TPPについてお伺いします。  我が国のTPP交渉は、平成二十五年三月に安倍総理が交渉参加を表明して以来、甘利前大臣がTPP担当として一手に引き受け、昨年十月の大筋合意に至るまで交渉に当たっておりました。その甘利前大臣の後任として石原大臣がTPP担当に就任したわけですが、御自身はTPPについてどのような見解をお持ちなのでしょうか。  平成二十四年十二月の衆議院総選挙を控え、マスコミが行った候補者アンケートによりますと、輸出入関税を原則ゼロにする環太平洋パートナーシップ協定への参加に賛成ですか、反対ですかとの問いに対し、石原大臣は反対と回答しております。反対の立場であるにもかかわらず、なぜTPP担当大臣を引き受けたのですか。言行不一致、内閣不一致ではありませんか。  また、同じアンケートで、TPPの農業分野への対応について、あなたの考えに最も近いものを一つ選んでくださいとの問いに対して、石原大臣は、米など可能な限り多くの例外品目を設けるべきだと回答しておりますが、今回の交渉の結果、どれだけの例外品目が設けられたのでしょうか。米などの重要五項目で聖域の確保ができ、国益が守られたとお考えですか。  次に、TPP協定の経済効果分析についてお伺いいたします。  政府は、昨年十二月、TPP協定の発効に伴う経済効果について、関税削減や投資ルールの明確化により貿易や投資が拡大し、日本経済の生産性が向上することで、GDPを十三兆六千億円押し上げ、雇用が八十万人増加する一方で、農林水産業の生産減少額は一千三百億から二千百億円にとどまるとの試算を公表しました。しかし、安倍内閣がTPP交渉に参加する前に公表した平成二十五年三月の試算では、GDPの押し上げ効果は三・二兆円、農林水産物の生産減少額は三兆円としていて、今回の試算の数字とは大きく異なっております。  その理由について政府は、前回の試算は関税撤廃の効果だけを織り込んでいたが、今回の試算では、投資やサービスの規制緩和などが進み、貿易拡大や企業の海外進出が進むことなどを考慮したほか、農林水産業は国内対策で影響を抑えられるとしております。しかし、大学の研究者などから、前提の置き方によって異なる試算結果となることが指摘されております。  今回は、試算というよりも政府の願望を込めた目標となってはいないでしょうか。今回の試算に対して疑問視する声が出ておりますが、TPP協定締結に伴う政府試算の妥当性について、石原大臣の見解をお伺いいたします。  次に、TPP交渉に関する情報開示についてお伺いいたします。  TPP交渉については、我々民主党は、交渉過程等について国民及び国会に対する必要な情報提供を政府に求めてまいりました。昨年十月の大筋合意後、合意内容については、協定の案文などが小出しに出されてきましたが、今月四日の署名式を控えた一月下旬になってようやく正式な案文がニュージーランド政府のホームページに掲載されるなど、他国の情報での進展があっただけです。  また、TPPの交渉過程に関する情報については、これまで十分に開示されておりません。国民の経済、生活に多方面で影響を与えるTPPについて、その交渉過程が十分に開示されないことでは、この協定承認案件を審議する国会としても、その役割を十分に果たすことができません。協定承認案件を国会に求めるに当たり、政府としては、TPPの交渉過程に関する情報開示について、どのように考えているのでしょうか。  対応が急がれるのはTPPだけではありません。国内経済の課題も山積しています。  先月、日経平均株価が一時、一万六千円近くまで落ち込みました。日銀によるマイナス金利政策の発表後、持ち直しの動きを見せているものの、世界経済の動向に影響を受けやすい不安定な状態であることが露呈する事態となりました。企業は、良好な収益環境にもかかわらず、このような状況から設備投資の拡大には慎重な姿勢を取っています。我が国の経済がいまだ実態を伴う回復を果たしていないことのあかしではないでしょうか。石原大臣に御認識を伺います。  実際のところ、国民の生活は全く楽になっていません。円安や消費増税の影響もあり、実質賃金の低迷が続いています。まさに春闘が始まる時期ですが、消費に回る賃上げを後押しするには、中小企業の実態にどれだけ政策対応を図るかが問われるかと思います。  国民が毎日の生活に安心することができて初めて実態を持った経済回復を果たすことができると考えますが、石原大臣に御意見をお伺いし、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  6. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 相原久美子議員にお答えをいたします。  任命責任についてお尋ねがありました。  政治資金の在り方については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が国民の信頼が得られるよう自ら襟を正し、説明責任を果たすべきものであります。その上で、閣僚の任命責任内閣総理大臣たる私にあります。御指摘のように、私が任命した閣僚が交代する事態を招いたことについては、国民の皆様に対して大変申し訳なく感じております。  経済の再生は、引き続き安倍内閣の最重要課題であります。正念場にあるアベノミクスを前進させ、デフレ脱却を確かなものとすることにより、国民への責任をしっかりと果たしてまいります。内外の課題が山積する中、今後、更に緊張感を持って政権運営に当たっていく決意であります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
  7. 石原伸晃

    ○国務大臣石原伸晃君) 相原久美子議員にお答え申し上げます。  就任に当たっての認識についてのお尋ねがございました。  私は、大臣を拝命するまでの一年半近くでありますが、党の中小企業・小規模零細事業調査会の会長として、地域の中小企業・小規模事業者の皆さんの声に真摯に耳を傾けてまいりました。  ここのところ、アベノミクスの光がようやく地方や中小企業にも波及しつつあると思います。これからも、経済の好循環の流れを確たるものとし、より多くの方々にアベノミクスの効果を実感していただけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  TPPに関する私の認識と農業分野の交渉結果についてのお尋ねがございました。  TPP協定は、二十一世紀型のルールによる、人口八億、GDP三千百兆円という世界の四割経済圏を生み出しまして、日本のGDPをおよそ十四兆円拡大いたします大きな経済効果が見込まれるものであると認識をしているところでございます。  御指摘のアンケートでありますけれども、輸出入関税を原則ゼロにするという条件を付けた上で賛否を問う質問であったために、聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP交渉への参加には反対という衆議院議員選挙時の自民党の公約を踏まえた回答を行ったものであります。  その後、二〇一三年の二月、日米首脳会談で、日本には一定の農産品、アメリカには一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティーが両国にあること、最終的な結果は交渉の中で決まっていくことであること、TPP交渉参加に際し一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求めないの三点を明示的に確認されたことを受けて、我が国はTPP交渉に参加をしたわけでございます。  交渉においては、特に農林水産品については、国会決議を後ろ盾とし、各国と粘り強く交渉し、我が国はおよそ二割の関税撤廃の例外を獲得したところでもございます。また、重要五品目を中心に、国家貿易制度の堅持やセーフガードの創設といったようなことを獲得することなど、厳しい交渉の中で国益にかなう最善の結果を得ることができたと考えております。  TPP協定に関する経済効果分析についてのお尋ねがございました。  昨年末に公表した分析では、議員御指摘の平成二十五年のものとは異なり、関税撤廃以外のTPPの幅広い効果についても包括的な分析を行ったところでございます。それでもなお、今回の分析結果は、対内直接投資の効果を含まないなど、TPPがもたらす経済効果の一端を示すにすぎないと認識をさせていただいております。  この分析はあくまで試算ですが、TPPによる成長メカニズムを明らかにすることで、我が国経済を新しい成長経路に乗せるための官民の行動が重要であることをお示しさせていただいたものでございます。今後、政策を総動員し、中小企業や農林漁業者の積極的な行動を促し、最大限の経済効果を実現していきますとともに、現場の声、不安の声に寄り添った政策を主導してまいります。  TPPの交渉経過に関する情報開示についてのお尋ねがございました。  議員御承知のとおり、TPP協定は三十章から成る多岐にわたる分野にまたがる協定でございまして、各章の合意内容については、関税交渉の結果も含め、政府としてはこれまでも丁寧に説明をしてきたところでございます。  TPP交渉参加時に取り交わしました保秘契約によりまして、交渉中にやり取りした文書などにつきましては一定期間開示しないこととされていますが、今後の国会において協定内容を説明していく際には、必要に応じまして、各章の条文が規定された趣旨も含めて丁寧に説明をさせていただきたいと考えております。  国内経済の実態についてのお尋ねがございました。  安倍内閣では、十五年以上続いたデフレからの脱却と経済の再生を目指し、三本の矢の政策を進めてきたところであります。その効果もありまして、デフレでない状況をつくり出す中で、名目GDPは二十八兆円増加、就業者数は百十万人増加、昨年の賃上げ率は十七年ぶりの高水準、有効求人倍率が全ての都道府県で上昇するとともに、税収も増加となりますなど、経済の好循環は確実に生じていると思います。  足下では個人消費や設備投資に改善の遅れが見られますものの、企業収益、雇用・所得環境の改善は続いておりますし、緩やかな回復基調が続いているという認識に変わりはございません。アベノミクスによる経済の好循環を一層確かなものとしていくため、我が国の将来への不安を払拭し、国民各層の消費、中小企業を含めました投資が全国津々浦々で積極的に行われる環境をつくるために全力で頑張ってまいります。  経済回復に向けた政策対応についてのお尋ねがございました。  アベノミクスは、三本の矢の政策によりまして、デフレではない状況をつくり出す中で、中小企業につきましても業況DIが改善するなど、明るい動きが広がっております。また、雇用者の所得の合計を、前年比の伸びを見ますと、名目ではこの二年間、増加傾向にあります。実質でも、消費税引上げの影響がなくなりました昨年の四月以降は増加傾向となっております。  全国の皆さんが景気回復を実感していただけますように、企業の過去最高の収益を、三巡目のしっかりした賃上げあるいは設備投資の拡大に結び付くよう努めてまいりたいと考えております。あわせて、アベノミクスによる成長の果実を、希望出生率一・八、介護離職ゼロに向けた取組に活用することにより、国民の皆様にとって安心できる社会基盤を築いてまいります。(拍手)     ─────────────
  8. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 仁比聡平君。    〔仁比聡平君登壇、拍手〕
  9. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 私は、日本共産党代表して、安倍総理に質問します。  本日、この異例の本会議が行われることとなったのは、甘利明前大臣が、安倍内閣中枢の重要閣僚として政府四演説を行いながら、代表質問の直後に辞任したからであります。しかも、その理由は、前大臣公設秘書が多額の金銭を受け取って口利きを行ったという、あっせん利得罪を始め、議員の資格そのものが問われる重大疑惑です。大臣を辞めたからといって、幕引きが許されるものでは断じてありません。  まず、伺いたい。甘利前大臣を重んじてきた総理自身の任命責任、真相解明の責任の重大性をどのように認識しているのですか。  甘利前大臣は、報道は記憶と違う部分があると繰り返してきましたが、辞任会見で、自ら、大臣室そして地元事務所でくだんの人物と直接面会し、それぞれ五十万円入りののし袋、計百万円の現金を受け取ったことを認め、違いは内ポケットに入れたかどうかにすぎませんでした。それでも、前大臣は何ら国民に恥じるところはないと述べましたが、安倍内閣ではこうした現金の授受が日常茶飯事なのですか。  総理は、早い段階で前大臣から相談されていたと報じられていますが、その時点で、前大臣が自ら現金を授受したのか否かを聞かなかったのですか。  遅くとも一月二十一日、本院決算委員会において、前大臣は、総理の目の前であれだけ追及され、面会の事実は認める一方で、焦点の現金の授受があったことを否定しませんでした。それでも、総理は現金授受の真否を確認しなかったのですか。それとも、授受を知りながら、総理自身、何ら恥じるところはないと判断して、一月二十七日、この本会議場で、重要な職務に引き続き邁進してもらいたいと続投を明言されたのですか。明確に答弁いただきたい。  前大臣は、辞任会見において、地元事務所での二回目の現金授受に当たって、産業廃棄物をめぐるトラブルについて自ら相談を受け、ファイル二冊くらいの資料を東京の秘書に渡すよう指示し、その上で五十万円を自ら受け取ったことを認めました。ファイルを受け取った東京の秘書は関係行政機関に説明を求めたとのことですが、総理の盟友中の盟友であり、アベノミクスの司令塔と知らぬ者のない甘利大臣秘書からの説明要請は、甘利大臣権限に基づく影響力の行使であることは明らかであります。  URへの口利き疑惑について、政府は、決算委員会で石井国土交通大臣が調査を約束しながら、甘利前大臣の辞任会見まで調査中と称して資料を出しませんでした。なぜですか。前大臣とつじつまを合わせたのではありませんか。  URは、甘利事務所と十二回もの接触があったことを明らかにしました。総理、これが口利きでなくて何だというのでしょうか。黒塗りなどせず、メモの原本や電話のやり取りを含め、一切を責任を持って明らかにすべきです。答弁を求めます。  総理、辞任の理由について甘利前大臣は、私の政治家としての美学、生きざまに反するからだと声を詰まらせ、なお、小選挙区だから、いい人だけ付き合っているだけでは選挙は落ちてしまうと金集めを正当化し、居直りました。国民の感覚と懸け離れています。その前大臣を重用し、疑惑が発覚しても、わなを仕掛けられた感があるなどとかばい立てを続けることが総理と自民党の美学ですか。  一体どこを向いた誰のための政治か、そこが問われています。  二〇一二年の安倍政権発足後、大臣辞任は四人目です。二〇一四年、経団連は政治献金の呼びかけを復活し、大銀行や原発利益共同体など、自民党への企業・団体献金は大幅に増加してきました。見返りを求めるからこそ差し出される企業献金への倫理観の麻痺に今回の事件の根源があるのではありませんか。  総理、パーティー券も含め企業・団体献金の全面禁止へ足を踏み出すべきです。その認識を厳しくただし、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  10. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 仁比聡平議員にお答えいたします。  任命責任と真相解明の責任についてお尋ねがありました。  政治活動については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が国民の信頼が得られるよう自ら襟を正し、説明責任を果たすべきものであります。その上で、閣僚の任命責任内閣総理大臣たる私にあります。私が任命した閣僚が交代する事態を招いたことについては、国民の皆様に対して大変申し訳なく感じております。  経済の再生は、引き続き安倍内閣の最重要課題であります。正念場にあるアベノミクスを前進させ、デフレ脱却を確かなものとすることにより、国民への責任をしっかりと果たしてまいります。内外の課題が山積する中、今後、更に緊張感を持って政権運営に当たっていく決意であります。  安倍内閣における政治資金の取扱いについてお尋ねがありました。  甘利前大臣は、さきの会見において、自らに係るものについては秘書に指示し政治資金として処理した旨説明しております。政治家たる者は、内閣、与党、野党を問わず、自らの政治資金について国民に疑念を持たれぬよう、法にのっとり適正に取り扱わなければならないことは当然のことであります。安倍内閣においても、政治と行政への信頼を確保するため、公私混交を断ち、職務に関して清廉性を保持することは当然のことであり、各閣僚は政治資金について法にのっとり適正に取り扱っているものと考えております。  甘利前大臣と私との間でのやり取りなどについてお尋ねがありました。  本件については、当初より甘利前大臣自らが事実関係に関する調査をしっかりと行い、説明責任を果たす姿勢を明らかにしていたことから、私は、国会において、自ら国民に対して説明責任を果たし、重要な職務に邁進してもらいたいと申し上げたところです。そして、その翌日、調査結果とともに辞職の意向を示されたため、その重い決断を尊重することとしたものです。  甘利前大臣事務所とURとのやり取りについてお尋ねがありました。  URとの関係については、国土交通省及びURにおいてしっかりと事実関係を調査した上で、個人情報などに配慮しつつ、必要な情報は適時適切に開示しているものと承知しております。  一般に、国民の代表たる国会議員の事務所から問合せがあればできるだけ丁寧に対応することが基本であり、URにおいてもそのように対応したものと聞いております。  甘利前大臣のかばい立てを続けるのかとのお尋ねがありました。  政治活動については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が国民の信頼が得られるよう自ら襟を正し、説明責任を果たすべきものであります。その前提の上で申し上げれば、政治家たる者、国家国民のために何をなすべきかに常日頃から心を砕いているはずであります。  そうした中で、今般、甘利前大臣が、監督下にある事務所が招いた国民の政治不信を秘書のせいと責任転嫁するようなことはできない、そして、いささかといえども国政に停滞をもたらすことがあってはならないと自らの出処進退を決められたことは、大変重い決断であります。  私としては、そのような甘利前大臣政治家としての出処進退に係る重い決断を尊重したところであり、御指摘のようなかばい立てを行ったことは一度もございません。  いずれにせよ、私が任命した閣僚が交代する事態を招いたことについては、国民の皆様に対し、大変申し訳なく感じております。内外の課題が山積する中、今後、更に緊張感を持って政権運営に当たっていく決意であります。  企業・団体献金の全面禁止についてお尋ねがありました。  政治活動に対する献金の在り方については、長年の議論を経て、企業・団体献金は政党等に対するものに限定されるなど、種々の改革が行われてきたところであります。許してはならないのはお金でもって政策をねじ曲げようという行為です。それは、個人であれ団体であれ同じことであり、企業、団体が政党等に献金すること自体が不適切なものとは考えておりません。  いずれにせよ、この問題は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点から、各党各会派において十分に御議論いただくべきものと考えております。(拍手)
  11. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十九分散会