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2015-08-31 第189回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 4号 公式Web版

  1. 平成二十七年八月三十一日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  四月二十七日     辞任         補欠選任      和田 政宗君     中山 恭子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中曽根弘文君     理 事                 塚田 一郎君                三原じゅん子君                 白  眞勲君                 矢倉 克夫君     委 員                 赤池 誠章君                 石井 浩郎君                 猪口 邦子君                 衛藤 晟一君                 北村 経夫君                 二之湯武史君                 有田 芳生君                 長浜 博行君                 柳澤 光美君                 柳田  稔君                 平木 大作君                 藤巻 健史君                 井上 哲士君                 井上 義行君                 中山 恭子君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        国務大臣     山谷えり子君    副大臣        外務副大臣    城内  実君    大臣政務官        防衛大臣政務官  石川 博崇君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       槌道 明宏君        外務大臣官房審        議官       山上 信吾君        外務大臣官房審        議官       中村 吉利君        外務大臣官房参        事官       大菅 岳史君        外務省アジア大        洋州局長     伊原 純一君        防衛大臣官房審        議官       辰己 昌良君        防衛省運用企画        局長       深山 延暁君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に  関する調査  (北朝鮮の韓国への砲撃事案及び南北の共同報  道文合意に関する件)  (北朝鮮の特別調査委員会による調査に関する  件)  (日朝外相会談に関する件)  (拉致問題解決に向けた国際的連携に関する件  )  (北朝鮮の核・ミサイル開発に関する件)  (朝鮮半島有事における拉致被害者等の救出に  関する件)     ─────────────
  2. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る四月二十七日、和田政宗君が委員を辞任され、その補欠として中山恭子君が選任されました。     ─────────────
  3. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官槌道明宏君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。  この際、山谷国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山谷国務大臣。
  6. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 拉致問題担当大臣の山谷えり子でございます。  本年五月に行った私の米国出張について御報告申し上げます。  今回の米国出張では、拉致問題等に関する米国政府関係者等との意見交換及び拉致問題に関する国際シンポジウム開催のため、本年五月三日から六日の日程でワシントンDC及びニューヨークを訪問しました。  ワシントンDCでは、リンチ司法長官やマヨルカス国土安全保障副長官と会談を行い、北朝鮮による拉致問題等について意見交換を行うとともに、拉致問題の解決に向けた米国政府の協力を求めました。また、国務省関係者や有識者とも、拉致問題、人権問題を含む北朝鮮問題等について意見交換を行いました。  ニューヨークでは、五月五日に日本政府主催で北朝鮮による拉致を含む人権侵害に関する国際シンポジウムを開催しました。  シンポジウムでは、私から基調講演を行い、北朝鮮による拉致問題の悲惨さを訴えるとともに、引き続き、国際社会との緊密な連携の下、COI報告書やそれを受けた一連の国連決議の着実なフォローアップの取組においても貢献していく考えを伝えてまいりました。  シンポジウムには、マルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権状況特別報告者やロバート・キング米国北朝鮮人権問題担当特使のほか、拉致被害者御家族の横田拓也さんや拉致議連会長代行の渡辺周衆議院議員等に御参加いただき、拉致問題の解決を含む北朝鮮の人権状況の改善に向けたスピーチをいただきました。また、拉致議連事務局長として塚田一郎参議院議員にも御参加いただき、シンポジウムの開催に御協力をいただきました。この場をお借りして、改めて深くお礼申し上げます。  シンポジウムは満員となり、活発な議論が行われる等、拉致問題の解決に向けて意義のあるイベントとなったと考えています。  このほか、ニューヨークでは、エリアソン国連副事務総長と面会し、拉致問題等について幅広く意見交換を行い、国連の場を通じた解決努力の重要性について意見が一致しました。  拉致問題を始めとする北朝鮮の人権状況の改善を求める国際社会の機運はこれまでになく高まってきています。今後とも、国際社会との連携を更に強化して、全ての拉致被害者の即時帰国に向け、全力を尽くしていく所存です。  引き続き、中曽根委員長を始め理事、委員の皆様の御理解、御協力を心よりお願い申し上げます。
  7. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 自由民主党の三原でございます。  国会も大詰めという中で、委員長を始め両筆頭には、今回開催ということに御尽力をいただきましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。  拉致問題に入る前に、まず、南北の軍事的緊張についてお話をお伺いしたいと思います。  八月四日に発生いたしました南北非武装地帯の韓国側における地雷爆発、二十日の砲撃等によって、韓国と北朝鮮の間で軍事的緊張が高まりました。二十二日には板門店において南北高官による協議が始められ、二十五日になってようやく合意に至ったと承知しております。  合意では、南北関係改善のための当事者会談の早期開催、北朝鮮が地雷爆発により韓国の軍人が負傷したことに対し遺憾を表明、地雷爆発を受けて韓国が開始した北朝鮮向けの拡声機放送の中断等々、六項目が挙げられたと承知しております。  この南北合意についてどのように評価しているのか、南北関係や地域の安全保障環境が改善に向かうと考えておられるのか、また我が国にとっていかなる意義があると考えるのか、お聞かせください。
  9. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、四日以降南北の間で緊張感が高まり、そして二十二日から二十五日にかけて南北の間で接触が行われ、そして南北の共同報道文がまとめられた、こういった経緯をたどってきました。  まず、今回の南北の間における緊張の高まり、これは我が国の安全保障にも直結する問題であります。我が国としましては、こうした緊張の高まり、強く懸念をし、そして、米国や韓国を始めとする関係国とも連携をしながら注視をしてきました。そして、まずもって、今回の南北間における共同報道文の合意につきましては歓迎をしたいと思っています。ただし、御指摘のように、この共同報道文の中には六項目の内容が盛り込まれています。重要なことは、この六項目が実際実行されるかどうか、これが大変重要な点であります。  そういった点から、我が国としましては、引き続きこの状況は注視していかなければならないと思っておりますし、この六項目が実際実行されるかどうか、これをしっかりとフォローしていかなければならない、このように考えております。  そういった観点から、我が国としましては、引き続き、米国、韓国等関係国ともしっかり連携しながら、情報収集、さらには分析、こういった点におきまして万全を期していきたいと考えております。
  10. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 今回の南北の軍事的緊張というのは北朝鮮の常套手段である瀬戸際外交であると評価する向きがあると思います。すなわち、一方的に緊張を高める行動を取って、そしてその後、対話に転じて譲歩を迫るというものであります。  合意により一方的に緊張は緩和されたものの、今後も維持される保証はなく、今大臣がおっしゃったとおり、引き続き北朝鮮の動きを注視するという必要があると考えますが、政府の今後の対応についてお伺いをしたいと思います。
  11. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員の御指摘のとおりであると思っています。  今回の動き、そして今後の北朝鮮の動きにつきまして、北朝鮮の意図が何であるかというところまで申し上げる立場にはありませんが、引き続き、こうした動きは我が国の安全保障問題、さらには様々な北朝鮮をめぐる課題に影響を与え得る問題でありますので、状況についてはしっかりと注視をしていかなければならないと思います。  今後も、例えば十月十日には朝鮮労働党創立七十周年という動きもあります。こうした動きをめぐって様々なことが取り沙汰されてもおりますので、引き続き、我が国としましては、しっかりと情報収集、さらには分析に努めなければならないと思いますし、状況をしっかり注視し、そして関係国との連携もしっかり強めていかなければならない、このように考えます。
  12. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 地雷爆発から二十五日の合意に至るまでの南北の軍事的緊張が高まる中において、北朝鮮南東部で短距離弾道ミサイルスカッド、北西部で中距離弾道ミサイルノドンの発射準備を北朝鮮が行っているとの報道がなされました。  今回は、南北が合意に至りましたので発射は行われませんでしたが、先ほど大臣がおっしゃったとおり、朝鮮労働党創立七十周年を迎える十月には、国威発揚のために長距離弾道ミサイルの発射あるいは核実験を行うとの見方もあると、このように考えております。政府は、十月に北朝鮮が軍事的行動を起こすという見方について、今大臣がおっしゃったとおりでありますが、是非注視をしていただきたいと思います。  それでは、拉致問題についてお伺いをしたいと思います。  昨年五月ストックホルム合意に基づきまして同年七月四日に北朝鮮が開始した調査は、期限の目途とされた一年を経過したにもかかわらず、北朝鮮からは何の報告もなく、いまだ拉致被害者等の帰国は実現しておりません。  こうした中、本年八月六日にクアラルンプールにおいて、岸田外務大臣と北朝鮮の李洙ヨン外務大臣との間で日朝外相会談が開催されたと承知しております。拉致被害者家族等が被害者の帰国を待つ中で、日朝外相会談の次の一手として北朝鮮にどのような働きかけをお考えなのか、お聞かせください。
  13. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 拉致問題は、安倍政権にとりまして最重要課題であります。そして、こうした問題につきまして、政府としましては、対話と圧力、そして行動対行動、こうした原則で取り組んできました。  そして、この対話と圧力という部分を考えた場合に、圧力としましては、従来から、国連安保理決議ですとか六者会合合意等に基づいて、国際社会と連携しながら圧力を加えてきました。また一方、国連の人権委員会ですとかあるいは国連総会の場においても、国際社会と連携しながら圧力を掛けてきたわけです。  一方、対話の部分につきましては、しばらく対話が途絶えていた中にあって、昨年、一年四か月ぶりに対話のプロセスを再開いたしました。そして、五月にストックホルム合意が行われ、その後、特別調査委員会に基づく調査がスタートしました。  こうした動きを経た後一年以上たった今、今現在、依然として調査を通じて拉致被害者の帰国が実現していないこと、これは大変遺憾なことであると考えています。しかし、だからこそ、今月、安倍総理の直接の指示を受け、具体的な行動を引き出すために、私自身、北朝鮮の李洙ヨン外相に直接働きかけを行いました。  是非、今申し上げました対話と圧力のプロセスをしっかりと大切にし、そして何よりも、今月、こうした働きかけを行いました。こうした働きかけによって具体的にどんな反応が北朝鮮から出てくるのか、これが大変重要だと考えています。この反応をしっかり見極めた上で次の対応を考えていかなければならないと考えます。  いずれにしましても、北朝鮮側から具体的な、そして前向きな対応を引き出すためにはどうあるべきなのか、これを絶えず真剣に考えていかなければならない、このように考えます。
  14. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 拉致被害者家族からは、全被害者の一括帰国の期間の限定というものを設定して、実現しない場合には制裁を極限まで強めると北朝鮮に通告すべきであるといった声もございます。このまま状況が膠着するのであれば、昨年解除した制裁の復活に加えて、新たな制裁を科すといった措置も検討する必要があるのではないかなと、このように考えられるところでありますが、最後に山谷大臣にお伺いをしたいと思います。  岸田大臣との一連の今のやり取りを踏まえて、担当大臣として、この問題解決に向けた決意というものを是非お聞かせをいただきたいと思います。
  15. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 北朝鮮にとらわれている被害者の皆様のことを思うと、一日も猶予はならないというふうに思っております。また、御家族の高齢化、健康の問題等々も考えまして、一刻も早くというふうに思っているところでございます。  先月、総理からは、岸田外務大臣と私に、北朝鮮から具体的な動きを早急に引き出すべく働きかけを強めるようにという指示がございました。  国際社会におきまして、岸田外務大臣もおっしゃられましたが、私も深く関与しました昨年二月の国連調査委員会、COI報告書の公表を受けまして、これは、八十人余りの証人、そして二百四十回を超えるインタビューで約四百ページにわたる、北朝鮮の人権状況と、そして拉致問題、これがいかに残酷なことであるかという報告書が出されまして、それに基づいて、昨年末には、国際刑事裁判所への付託も含むかつてない強い文言の決議が賛成百十六、反対二十か国で決議されたわけでございます。また、初めて安保理で正式な議題ともなりました。そして、今年の六月には、そうした責任追及あるいは解決のためのソウルに現地事務所も設けられました。国際社会の連携、そして拉致問題解決への機運というのはかつてないほど高まっている状況にございます。  こうした国際社会とも連携しながら、全力で、オールジャパンの体制で拉致問題の解決に向かって進んでいきたいと思います。
  16. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 ありがとうございます。  私も、この五年間、当委員会、そして拉致議連に所属させていただいて、山谷大臣の今までの御活動というものをずっとそばで見てまいりました。山谷大臣が拉致担当大臣になられたということで、拉致被害の家族の方のみならず日本中、そして私たちも全てが山谷大臣に非常に大きな期待を抱いていると思っております。  是非、全員の即刻の帰国に向けて全力を尽くしていただきたいとお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございます。
  17. 有田芳生

    有田芳生君 民主党・新緑風会の有田芳生です。  今日は、日朝協議の現状と問題点についてお尋ねしたいと考えております。  昨年の五月にストックホルム合意が結ばれて、七月に北朝鮮に特別調査委員会が発足をし、調査が始められたと伝えられましてからもう一年以上が経過をしました。残念ながら、結果として成果が得られていないということ、どこから打開していけばいいのか、その点を中心にしてお尋ねしたいというふうに思います。  昨年、ストックホルム合意が結ばれたときに安倍首相はこう語りました。全面解決の第一歩となることを期待していますと。それから一年がたって、例えば日本報道機関ですと、ストックホルム合意から一年目に当たる今年の五月二十九日にNHKが解説を放送しました。その結論だけを御紹介いたしますと、拉致問題などを解決する枠組みができたことは重要です、この枠組みを壊してしまっては元も子もありませんとNHKの解説委員が発言をいたしました。  一方で、外務省に対して、非常に厳しい批判が渦巻いているというのはちょっと大げさかも分かりませんけれども、外務省に対する批判というものがあることもまた事実です、成果がないじゃないかと。  例えば、ジャーナリストの櫻井よしこさんは今年の八月一日号の週刊ダイヤモンドでこう語っておられます。外務省は北朝鮮外交でも大失敗を犯している、その後に、一年が過ぎた今、何の成果もない。何の成果もないから、外務省は北朝鮮外交においても大失敗なんだと、櫻井よしこさんは厳しい評論をなさっておられます。  私は、そういう意見をこれまで何度も耳にしたときに非常に疑問を感じております。どういう思いかといいますと、外務省は安倍首相を始めとした官邸の指示を無視をして一方的な交渉をやるんだろうか、官邸の指示があったからこそ外務省は現場で努力をされていると思うんですが、果たしてそこのところ、外務省が独自に交渉しているから大失敗をしているというような認識、私は批判的なんですけれども、岸田外務大臣、どのようにお考えですか。官邸の指示があって具体的に外務省は交渉をされているんじゃないんでしょうか。
  18. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、北朝鮮との交渉に当たりましては、官邸の指示を得ながら、対話と圧力、行動対行動の原則に基づいてオールジャパンで取り組んでいる、これが政府の姿勢であると考えています。  先日の八月六日の李洙ヨン外相と私の外相会談につきましても、総理からの強い指示を受けて直接働きかけを行ったということであります。従来から、拉致問題対策本部事務局、あるいは警察庁を始め関係省庁連携しながら、北朝鮮との交渉、そして拉致問題に取り組んできたわけですが、この姿勢はこれからも全く変わらないと考えております。
  19. 有田芳生

    有田芳生君 そこで、具体的にお尋ねをしたいと思います。  八月十七日に、京都の学者たちを含んだ日朝友好京都ネットが北朝鮮を訪問いたしました。そして、北朝鮮政府高官とミーティングを昼間行いました。二時間二十分にわたるミーティングの中で、このようにその北朝鮮政府高官は語っております。日本人拉致被害者などの再調査というのはもう既に終了をしていて報告書も完成しているんだと、日本側には外交ルートで伝達したと語っており、もし日本側から提案があれば明日にでも北京で発表するが、報告書を受け取ろうとしないんだという発言を行っております。  昼間のミーティングです。私はその北朝鮮政府高官がお酒でも飲んで放言を吐いたのかなという疑問を持ちましたけれども、調べてみますと、昼間の会議で、しかも北朝鮮政府高官はメモを見ながら発言をしている。しかも、自分の名前は言わないでほしい、北朝鮮政府高官ということならば日本でコメントを発してもらってもいいというようなことも含めて、幾つかの条件を出しながらそういう発言を行っております。  これは事実でしょうか。
  20. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のような報道は承知しておりますが、そういった事実は一切ございません。  先日の日朝外相会談におきましても、私の方から李洙ヨン外相に直接日朝合意の履行を求め、一日も早い全ての拉致被害者の帰国をしっかりと求めました。今回の働きかけの結果をしっかり見極めなければいけませんが、迅速な調査、そしてその結果を通じて一日も早い全ての拉致被害者の帰国を求めていく、この我が国の立場、これは全く変わっていないと考えています。
  21. 有田芳生

    有田芳生君 その北朝鮮政府高官が何度も日本政府に対して外交ルートを通じて合図を送ったと、こう発言しているんですが、岸田外務大臣の認識では、この外交ルートというのは、日朝間の外交ルートというのはどういうものだと理解されていますでしょうか。
  22. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 外交ルートとしましては、まず、北京の大使館を通じての大使館ルート、これは様々な機会に、そして様々な機会を通じて意思疎通を図ってきております。引き続き、こうしたルートは維持されております。このルートが基本になると考えています。
  23. 有田芳生

    有田芳生君 北京の大使館ルートを外交ルートと言う御理解のようですが、ならば、非公式協議は外交ルートでしょうか。
  24. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 委員のおっしゃる、非公式ルートとおっしゃるのはどういったことをおっしゃっているのか、もう少しちょっと説明をお願いできますか。
  25. 有田芳生

    有田芳生君 外務省の担当者の方が水面下で北朝鮮側と何度も交渉されているという事実がありますが、それは外交ルートと言いますでしょうか。
  26. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましては、この大使館ルートを始めとする公式に認めたルート以外については、何か明らかにしたことはないと考えます。  よって、我が国の外交ルートというのは、大使館ルートを始めとして、正式に接触したことを明らかにしたルートを指すと考えます。
  27. 有田芳生

    有田芳生君 局長級会談などを準備するために、北朝鮮サイドと日本外務省の担当者の方が非公式に水面下で何度も今年に入ってからも交渉をされている中で、仮に北朝鮮側から、もう既に調査は終わっていて報告書はいつでも出せるんですよということを発言されたならば、当然、岸田外務大臣、伊原局長にもそういう報告が上がり、それが官邸にも行くという、そういうシステムになっているんじゃないでしょうか。
  28. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 報道等で水面下で接触をしているのではないか等々報じられているのは承知しておりますが、そういった報道一つ一つについてコメントすることは控えなければならないと思います。  あくまでも、外交ルートというのは、我が国自身が公にしている、正式に認めているルートを指していると思っております。そして、いずれにしましても、そうした外交ルートを通じまして何か新しい動きがあれば、当然、私の方に情報は入ってくると思いますが、先ほど御指摘があったような既に調査が終わっている云々の話につきましては、全く事実ではないと考えております。
  29. 有田芳生

    有田芳生君 外交ルートというのが北京の大使館ルートであって、仮に水面下で北朝鮮側と日本の外務省が交渉があったとしても、それは外交ルートであると外務大臣は理解されていないということを承知いたしました上で、そうした場合、例えばこの北朝鮮高官が言っているように、もう既に拉致問題も含めた報告書はできていて、いつでも、言われたらあしたにでも北京でも発表できるという、そういう発言をしているわけですけれども、私の理解では、日本側はどういう受け取り方をしようかと、そういう思案の段階にあるという理解でよろしいですか。
  30. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 昨年九月に北朝鮮側から、調査につきましては一年程度を要するという発言がありました。  今現在、この調査を通じて拉致被害者の帰国が実現していないこと、これは大変遺憾なことではありますが、その中で、七月二日の日に北朝鮮側から、まさに大使館ルートを通じまして、調査にはいま一つ時間が掛かる、こうした通告がありました。それに対しまして、我が国としまして七月三日の日に、遺憾である、こういった意を伝えさせていただいております。  今現在、調査につきまして具体的な通報がその後北朝鮮側からない現在にありまして、どのような受け取り方をするのか等々、これは今まだ申し上げる段階ではないと思います。  いずれにしましても、まず直近においては、八月六日の外相会談において強く働きかけを行いました。その具体的な反応、どのような返答が北朝鮮側から返ってくるのか、これをしっかり注視していきたいと考えます。
  31. 有田芳生

    有田芳生君 八月十七日に北朝鮮政府高官が、もう既に拉致問題を含めた報告書はできていて、日本側が求めれば明日にでも北京でも発表できるんだということを語ったことについて、それ以降、八月十七日以降、外務省は北朝鮮サイドにこういうことは事実ですかと確認されましたでしょうか。
  32. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮側とは、大使館ルートを通じまして意思疎通を図り続けております。その中にあって、今御指摘のような事実はないと我々は認識をしております。  こうしたやり取りを通じた上で、先ほど申し上げましたように、そのような事実はないとお答えをしている次第であります。
  33. 有田芳生

    有田芳生君 外務大臣が事実でないと言うのは、日本政府が拒否をしているという部分ですよね。  北朝鮮側がそういう報告がもう既にできている、明日にでも報告ができるんだということについて確認はされましたか、北京ルートで。
  34. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮側から正式な通報を受けたのは七月二日の段階で、いましばらく調査には時間が掛かるということのみであります。  それ以後、意思疎通を図ってはおりますが、その七月二日以降、通報のその後について何か正式あるいは大使館ルート等を通じて北朝鮮側から新たな通報あるいは内容を受け取ってはおりません。
  35. 有田芳生

    有田芳生君 この北朝鮮政府高官は岸田外務大臣も伊原局長も御存じの方ですから、そういう北朝鮮側の日本問題の重要な役割を担っている人物が八月十七日に、もう報告は終わっているんだ、あしたでも北京で発表できるんだということを語ったならば、それが事実なのかどうか、それを確認すべきじゃないでしょうか。
  36. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 八月十七日以降も、大使館ルートを通じて北朝鮮側とは意思疎通を図っております。是非、引き続き意思疎通は続けていきたいと考えます。
  37. 有田芳生

    有田芳生君 そうすると、北朝鮮側が拉致問題を含めた調査報告、その結果が出たということを言ってきたならば、日本政府としては、それを受け取る、そういうおつもりはありますでしょうか。
  38. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 仮定の御質問に答えるのは控えますが、いずれにしましても、我が国として、調査を通じて全ての拉致被害者の帰国を実現する、この立場は全く変わっておりません。そのために、まずは北朝鮮側から具体的にどのような反応があるのか、これをしっかり見極めていきたいと考えます。
  39. 有田芳生

    有田芳生君 日朝協議の中で、拉致問題、それから行方不明者、日本人遺骨問題、それから残留日本人、いわゆる日本人妻の問題がありますけれども、私は物すごく重要だと思いますのは、もちろん政府認定拉致被害者の即刻の帰国というものを強く求めていかなければなりませんが、同時に、北朝鮮に拉致された可能性が排除できない人たちについてもやはり重視していかなければならないと考えております。  政府は、これまで北朝鮮側にこの北朝鮮によって拉致された可能性がある人についてどのような問合せをされてきましたでしょうか。これは伊原局長でもよろしいですかね。
  40. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) これまで北朝鮮に対して、政府認定拉致被害者以外についても拉致された疑いのある失踪者について関連情報を提供し、調査を求めてきております。  政府としては、北朝鮮に対して、この拉致された可能性の排除できない方々に対して過去に情報提供し調査を求めた経緯がありますが、現時点、現在も、北朝鮮に対して引き続き調査をし結果を出すように、ストックホルム合意に従って求めてきているということでございます。
  41. 有田芳生

    有田芳生君 二〇〇二年の十月に、非公式に田中実さん、小住健蔵さんについて未認定拉致被害者として北朝鮮側に問合せを行っており、さらには、二〇〇四年には五人の人物について問合せをした結果、北朝鮮側からは、入境を確認できなかった、つまり北朝鮮に入っていないと、そういう経過があったわけですけれども。  もう一つ、これは拉致対策本部のホームページに今でも出ておりますけれども、こう書かれております。拉致された可能性を排除できない人、過去に三十数名について情報等を北朝鮮側に提出したと。この三十数名の拉致された可能性を否定できない人物について、いつ北朝鮮側に問合せをされたんでしょうか。伊原局長、お願いします。
  42. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) 今委員御指摘のとおり、過去に三十数名について情報等を北側に提供して調査を求めた経緯はございますけれども、まさに、こういった行方不明者について現在北朝鮮が調査をしており、また私どもも協議をしておりますので、これ以上の具体的な内容について紹介することは控えさせていただきたいと思います。
  43. 有田芳生

    有田芳生君 その三十数名の照会をしたのは二〇〇四年ではないでしょうか。
  44. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) 今、正確にいつという、私、情報を持っておりませんけれども、委員御指摘のとおり、過去に三十数名についての情報提供をし、調査を求めた事実はございます。
  45. 有田芳生

    有田芳生君 二〇〇四年だとするともう十一年前になりますけれども、この間、北朝鮮側は、北朝鮮によって拉致された可能性を否定できないこの三十数名について何らかの回答はありましたでしょうか。
  46. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) 今御指摘の点も含めて、全ての日本人に関する調査、その中で行方不明者に関する調査を分科会を設けて特別調査委員会が調査をしていると、これが今現状でございまして、こういった状況を踏まえまして、これ以上の詳細についてお答えすることは控えさせていただきたいと思います。
  47. 有田芳生

    有田芳生君 ストックホルム合意以降、日朝交渉の中で、北朝鮮によって拉致された可能性を排除できない人たちの名簿を新たに提出されましたでしょうか。
  48. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、まさに行方不明者について特別調査委員会で調査の対象として今取り上げられている、そういったこともございますので、この場でこれ以上の内容について御紹介することは控えさせていただきたいと思います。
  49. 有田芳生

    有田芳生君 新たに、ストックホルム合意以降、日朝の交渉の中で、北朝鮮によって拉致された可能性のある人たちの名簿を改めて出していないだろうと私は取材の結果理解をしておりますけれども、この問題も忘れずに解決に向けて全力を、外務省、努力していただきたいというふうに心からお願いを申し上げます。  時間もだんだん迫ってきましたので、昨年の十月末に平壌で行われた日朝協議において、北朝鮮側から日本人遺骨についての報告はありましたね。
  50. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) 昨年の十月の平壌での日朝の協議におきましては、特別調査委員会の方から各分科会の活動の状況について報告はございました。  基本的には、様々な現地調査等を行っているといった報告でございましたけれども、具体的な情報を含む調査結果の通報ということは、この時点では行われませんでした。
  51. 有田芳生

    有田芳生君 昨年の平壌での日朝協議の中で、残留日本人、中国残留孤児が戦後の社会問題に大きくなりましたけれども、同じように戦争の混乱の中で日本に戻ってこれなかった残留日本人、この人たちの報告はありましたね。
  52. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) 残留日本人につきましても、日本人配偶者とともに一つの分科会が調査に当たっているということで、資料を分析し、現地調査等で証言を聴取しているといった説明はございましたけれども、具体的な情報を含む調査結果の通報はございませんでした。
  53. 有田芳生

    有田芳生君 日本人妻、いわゆる日本人妻についても、帰国事業の中で何人の人が北朝鮮に渡り、何人の方が亡くなり、そして何人の方が今生存しているのか、そういう報告はありませんでしたでしょうか。
  54. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) これについても同様、資料を分析し、現地調査等を行っているという説明はございましたけれども、具体的な調査の結果についての通報はございませんでした。
  55. 有田芳生

    有田芳生君 残留日本人が少なくとも調査の結果十数人いらっしゃると、そういう報告はなかったでしょうか。
  56. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) 具体的にはございませんでした。
  57. 有田芳生

    有田芳生君 じゃ、外務省に言葉を換えて御質問させていただきますけれども、政府は、残留日本人は北朝鮮に何人いらっしゃると理解していますでしょうか。
  58. 伊原純一

    ○政府参考人伊原純一君) これは、私どもとして、残留日本人について分かる範囲の情報はかねてから北朝鮮側には渡しておりますけれども、今、先生の御質問に答えられる具体的な数字を、私、手元に持っておりませんので、また後刻答えさせていただきます。
  59. 有田芳生

    有田芳生君 残留日本人のお一人である丸山節子さん、清津にずっと暮らしていらっしゃいました。何とか日本に戻りたいということを御家族に、日本にいる御家族にずっと訴えてきました。ところが、日朝交渉が始まったにもかかわらず、こうした人たちの扱いというものをどうしていくのかということがはっきりしないまま、残念ながら、丸山節子さんは今年の一月十六日に八十六歳で亡くなりました。  こういう方々がいっぱいいらっしゃる。だからこそ、当然、拉致被害者を始めとして、北朝鮮によって拉致された可能性の高い人たち、あるいは残留日本人、いわゆる日本人妻の問題などについても、外務省がこれからもう全力を挙げて、一丸となって頑張っていっていただきたいというふうに思います。  最後に山谷大臣、一言だけ。  そういう日本政府の方針として、やはり北朝鮮側が調査をやって、それを検証していく時期が来るかも分からないと思うんですよね。だから、そういう意味においては、本当にいいかげんな報告をさせない、してきたとしたらそれを覆していくという作業がこれから始まる可能性があるならば、大臣として、北朝鮮側からやはり報告を出してくるというのだったら、それを受け止めて検証していくという立場にあられるかどうかということを最後にお聞きしたいと思います。
  60. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 山谷国務大臣、時間ですので簡潔にお願いします。
  61. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 政府認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の救出、帰国に向けて努めていきたいと思います。
  62. 有田芳生

    有田芳生君 終わります。
  63. 白眞勲

    白眞勲君 民主党白眞勲でございます。  同僚の有田議員に引き続きまして御質問させていただきたいと思います。  先ほど大臣からも、報道にあります、今月の八月十三日から十八日まで平壌を訪れた日本の民間団体に対して北朝鮮の政府高官が再調査終了と報告書の完成を外交ルートで日本政府に伝えたということに関してちょっと質問したいなと思って、今の質問の中で気になったことがあったので聞きたいんですけれども。  大臣は先ほど、八月十七日以降、北京の日本大使館ルートを通じまして北朝鮮側とは意思疎通を図っておりますということを言いました。ということは、これは当然この件について、意思疎通をしているというのはそういうことだと思うんですよね。何らかのこれは、やっぱり言ったことに対して返ってこなければ意思疎通ではないです、こんにちは、さようならじゃどうにもならないわけだから。  そうすると、これについては当然触れるのが当たり前だと思うんですよね。ですから、それについてはやっぱりちゃんと触れて、それに対してということはこの委員会でも報告いただきたいと思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
  64. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 意思疎通の具体的なやり取りは控えますが、やり取りの結果として、先ほど申し上げましたように、御指摘のような事実は全くないということをお答えさせていただいております。
  65. 白眞勲

    白眞勲君 だから、結果だけ言わないでくださいよ。途中の状況もちょっと説明してくださいよ。  つまり、向こうからの報告書があったかなかったか、あるいはこっちが受け取りたくないから受け取らないということでこの事実はないことにしたのか、その辺はどうなんでしょうか。
  66. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 先方からの報告書の提出もなければ、ましてや、我々がそれを拒否したというようなことは全くないとお答えしております。
  67. 白眞勲

    白眞勲君 いや、私が言っているのは、提出したこともなければじゃなくて、その報告書があるかないかを向こうが言ったかどうか、イエスかノーかなんですが、その辺どうなんでしょうか。
  68. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 報告書の存在そのものについて、我々は、この報告までにしばらく時間が掛かるという通報を受けております。ですから、その報告書そのものについて何か我々として把握しているものはありません。
  69. 白眞勲

    白眞勲君 何かしくっとこないんですよね。答え方もしっくりお答えになっていないんですよ。だから、何となく、えっ、えっという感じがするんですね。  もう時間が時間ですのでちょっと先に進みますけれども、私は、やっぱりこの特別調査委員会について、大臣も前々からおっしゃっていますけれども、北朝鮮側から何の音沙汰もないというのは、これは極めて遺憾なことだと思います。  岸田大臣は、調査委員会の期限を区切るべきだということを私は申し上げましたよね、この前の外交防衛委員会で、そのときには、前向きな具体的な成果を北朝鮮から引き出すためにはどうあるべきか、どうするのが効果的か等も踏まえて最善の道を探りたいということでありました。私もそのとおりだと思うんですね。ただ、既に一年以上過ぎてもなしのつぶてであるならば、そもそも論に返れば、何で北朝鮮は特別調査委員会なるものを立ち上げたかという部分をもう一度考えていくべきではないんだろうかとも思えるわけなんですね。  先ほど山谷大臣も、北朝鮮の人権侵害問題というものについて、人道に対する罪というものが認められて、国連の調査委員会によってですね、ICC、つまり国際刑事裁判所に付託ということになったということをおっしゃいました。  これ、別に私、この席で言いたくもなかったんですけれども、何か自分たちだけでやっているようなことは言わないでもらいたいんですね。これは、当然、野田政権時代から、私もジュネーブに行きました。それで、みんなで一緒になってこれをやっているわけですよ、国連人権委員会に働きかけを強めてきたということも事実なわけですから。その辺りはしっかりと私は認識していただきたいなというふうに思うんですけれども。  そういう中で、ICCに付託ということに慌てた北朝鮮が特別調査委員会なるものを立ち上げているんではないんだろうか。であるならば、特別調査委員会がある方が、ずっとある方が彼らにとってみたらICCに付託されなくて済むわけですから。そのアリバイづくりに使われないためには、やはりある一定の時期を切って、そしてきちっと何らかの次の対応をするべきではないのかなというふうに思うんですね。つまり、その期限を切るべきだというのは私は非常に重要であるというふうに、観点としてはあるんですね。  そういう中で、先ほど、大臣が八月六日に向こうの外務大臣と会っていると。その対応を見極めた上で次の対応ということを考えていかなければいけないんだということをおっしゃいました。そのとおりだと思います。ただ、それに対してもやはり期限はあるはずなんですよ。いつまでも待つわけにはいかないわけです、大臣からの対応を。  であるならば、当然これは、もう今日で八月も終わります。あしたから九月なわけですよね。そうしたら、やはりある程度、一か月程度を一つのスパンとして見極めた上で次の対応を考えるべきではないかなというふうにも思えるんですけれども。  もう一回申し上げます。  私が聞きたいのは、外務大臣として、向こうの外務大臣が、八月六日に会ってその返事を待っている状況であるならば、それに対する期限も考えるべきではないんだろうか。それは、やっぱり約一か月くらいを程度として相手からの返事を待った上できちっと対応するべきではないかというふうにも思うんですけれども、その期間はどのぐらいだと見込まれているでしょうか。
  70. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今回の李洙ヨン外相に対する直接の働きかけは、一つ重要なことは、我々の立場や考え方が北朝鮮の指導部にしっかり伝わることだと思っておりますし、そしてもう一つが、今御指摘のように、どのような反応が返ってくるかという点だと思っています。そして、その反応をしっかり見極めて、我が国として具体的な対応を引き出すために効果的な対応をしなければならないと考えています。  そして、その反応の時期、いつまでにこの反応を得るか、ここを区切るべきだという御指摘がありました。しかし、今働きかけを行い、反応を待っているこの段階、今の段階で具体的な期限を切るということ、ある意味では駆け引きの我が国の基本方針を明らかにするということ、これは交渉を行う上において適切だとは考えません。是非、引き続き最も効果的な対応を考えていきたいと考えます。
  71. 白眞勲

    白眞勲君 私とはちょっと考え方がその辺りは違うんだろうなというふうに思うんです。  今まで期限が区切っていないから、期限を区切ってもいいんじゃないかなと私は思っているわけなんですね。実際、期限を区切っていなくて今まで結果が、特別調査委員会の結果もなしのつぶてであったわけですから、そういった面では、そろそろ考えてもいいんじゃないのかなというふうに思うんですが。  そういう中で、次の対応を考えていくという中には、当然、経済制裁をもう一回やるとか、今解除したものをもう一回やるとか、あるいはICCへの付託をきちっとやっていくというようなメニューがあるかと思うんですけれども、それは含まれるということでよろしゅうございますか。
  72. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮側から具体的な対応を引き出すために何が最も効果的な対応なのか、これを絶えず真剣に考えていくというふうに申し上げております。ですから、具体的にこれを採用してこれは採用しないというようなことは、今の段階では考えておりません。  今の段階においては、先ほども少し答弁させていただきましたが、対話と圧力の方針の中で圧力をずっと続ける中にあって、対話の部分が昨年一年四か月ぶりに再開された。この対話をしっかりと追求し、結果につなげていかなければならない。そして、改めて外相会談で直接働きかけを行いました。この結果をしっかりと見極めていきたいと考えております。
  73. 白眞勲

    白眞勲君 全く、対応を見極める見極めるじゃ私は先には進まないんじゃないのかなというふうに思います。  ある程度のメニューというのは、腹積もりとしてはあるのかどうか。出さなくてもいいです、今日は。腹積もりはあるのかどうか、その辺はどうですか。
  74. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮側から具体的な対応を引き出すために最も効果的な対応を検討していく、その際に、あらゆる選択肢を想定して検討し、準備をしていく、これは当然のことであります。当然のことながら、交渉でありますのでそれは明らかにすることはできませんが、我々として様々な事態を想定しておくということは当然のことだと考えます。
  75. 白眞勲

    白眞勲君 山谷大臣にお聞きしたいと思います。  先ほど山谷大臣は、国連人権高等弁務官事務所がソウルに北朝鮮人権事務所を設置したということをお話しされました。私も、これは非常に重要な意味のある事務所であるというふうに思っております。私も、先日ソウルに行った際、副所長に会ってきました。開設されたのは六月二十三日、今年のですね。  ただ、私、非常に残念だったのは、その開所式に日本からは別所大使参加しましたけれども、そういったことから、スピーチはゼイド国連人権高等弁務官と尹炳世韓国外務部長官がされたわけですよ。  私、こういう場所って、やっぱり別所大使はもちろん行ってくれるのは当たり前だけれども、山谷大臣、あなたが行くべきだったんじゃないかなと私は思うんですよ。何で参加しなかったんですか。
  76. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 来月、国連人権理事会による拉致問題を含む北朝鮮の人権状況に係るパネルディスカッションが開催される予定であり、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向けて国際社会の理解と協力を訴えていく考えであります。また、本年六月にソウルに開設された国連人権高等弁務官事務所の現地事務所との間で、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況の早期改善のため、連携協力を進めてまいります。  こうした国際社会においてこれまでになく高まっている拉致問題を含む北朝鮮の人権状況の改善に向けた機運を維持強化すべく、米国を始め関係国や国連とも更に引き続き、私、協力連携を強めながら努力を傾けていきたいと思います。
  77. 白眞勲

    白眞勲君 いや、ですから、協力連携を深めるんだったら、大臣、やっぱり参加すべきだったんじゃないんですかということなんですよ。韓国の大臣もそこでしゃべったんですよ。当然、山谷大臣、ソウルなんて二時間で行けますよ。あっという間に着きますよ。さっとしゃべるぐらいのことはできたんじゃないんですか。  私が聞いているのは、何で行かなかったのかということです。何で行かなかったのか、それについてお答えください。その理由をお答えください。
  78. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 別所大使は出席をされております。その後、こうした現地事務所との間で連携協力を進めていくために努力をしているところでございます。
  79. 白眞勲

    白眞勲君 全然答えていないですよ。  じゃ、もう一つ聞きます。  今御報告のありましたニューヨークの拉致啓発イベント、これ、同じ時期に国連本部でアメリカと韓国の国連代表部が、やはりイベントが行われています。何で一緒にやらなかったんでしょうか。
  80. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 我が国政府がシンポジウムを開きました。各国の国連代表部関係者ほか多くの出席を得て満員となりました。スピーチに続く質疑応答では、パネリストとシンポジウムの参加者との間で活発なやり取りが行われました。  この日本政府主催のシンポジウムには、国連人道問題調整事務所や国連の広報局、また国連経済社会局、またNGOアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウオッチ等々が出席をされましたけれども、国内外のメディア約二十社も来場したところでありまして、強く国際社会に向けて日本政府として発信できたと考えております。
  81. 白眞勲

    白眞勲君 違うよ。ちょっと止めてください、委員長。
  82. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  83. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
  84. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) それぞれの国がそれぞれのテーマで行っているところでありまして、日本政府といたしましては、拉致問題の解決に向けて日本政府主催として行ったということであります。それぞれの国はそれぞれのテーマで開いていたということでございます。
  85. 白眞勲

    白眞勲君 それぞれの国がというのは、人権問題という部分においては一緒なんですよ。一緒にやるべきということを私は感じますから、来年はどうするか、それはどういうふうにしているんですか。私は、来年は一緒にやった方がいいと思いますよ。どうですか、その辺は。最後に。
  86. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 拉致問題の解決のために何が最善かということを様々検討しておりますが、そうした状況の中で判断をしていくこととなると思います。
  87. 白眞勲

    白眞勲君 終わります。
  88. 平木大作

    平木大作君 公明党の平木大作でございます。  当委員会では初めて質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  早速ですが、先ほど来ございます、北朝鮮政府がストックホルム合意に基づきまして調査を開始してからもう一年以上経過したわけでありますけれども、結局、何ら進展がないまま、今年の七月、報告の先送りを一方的に通告をしてきたということでございます。これまで一年間掛けて調査をしてきたことになっているわけですけれども、改めてここで、本当に基本的な論点になるわけですけれども、問いたいと思います。  それは、調査ってそもそも何をしているのか。やっぱりこの点に戻らないと、結局のところ、例えば今後仮に、もう一度じゃ期限を仕切り直してやり直しましょうということになっても、また同じことを繰り返すんじゃないか。こういった点、先日、七月四日付けの山谷大臣のインタビュー等でも、拉致被害者は北朝鮮当局の管理下にあると考えるというふうに御発言をされています。自然に考えると、私もそれが素直な考え方だと思うんですね。  そもそも、その中において、じゃ、調べ物って一体何をしなきゃいけないのかというところはやっぱり疑問として出てくるわけでありまして、ある意味、一方的に通告がありまして延期されてしまったわけでありますけれども、これから再度仕切り直す。その上で、少なくとも、じゃ、調査する前の段階で何が分かっていて、これから何を調べるのかと、改めてこの点しっかり確認しなければいけないと思いますが、この点、政府としてのお考えをお伺いしたいと思います。
  89. 城内実

    副大臣(城内実君) お答えいたします。  拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、安倍政権の最重要課題でございます。政府としては、一日も早い拉致問題の解決に向け、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力で取り組んでおります。  調査とは何を行うことかという御質問がございましたけれども、特別調査委員会の調査につきましては、昨年十月の平壌での協議におきまして、北朝鮮側からは、過去の調査結果を参考にするが、それにこだわることなく新しい角度から調査を深めていくとの説明があったところであります。また、その時点で北朝鮮側からは、これから調査を深めていく段階であり、途中段階で臆測を招くような説明をするのは避けるといった説明もございました。また、本年七月二日には北朝鮮から、全ての日本人に関する包括的調査を誠実に行ってきているが、いましばらく時間が掛かる旨の連絡があったところでございます。  特別調査委員会の調査開始から一年以上たった時点で具体的な見通しが立っていないことは極めて遺憾でございます。現時点で特別調査委員会による調査結果の報告は行われておらず、具体的な調査の内容についてお答えすることは適切ではございませんが、政府としては、日朝合意に基づく迅速な調査を通じ、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、引き続き最大限努力してまいる所存でございます。
  90. 平木大作

    平木大作君 この北朝鮮の中に設けられました特別調査委員会、しっかりとした権限を与えたということになっているわけでありますけれども、そもそも、この北朝鮮の中で、今、金正恩政権、側近の粛清ですとか序列の入替えといったものが頻繁に行われているわけであります、続いていると。最近で申し上げますと、玄永哲人民武力部長、これが軍の訓練大会中に居眠りをしていた云々ということで、反逆罪で四月に粛清されたというように伝えられております。また、五月には崔英健副首相がこれも銃殺処刑されたという報道がございます。  こういった形で、これ以外も含めて序列が頻繁に目まぐるしく今動いている、そして、政権発足してから幹部は七十人ぐらいがもう粛清されたんじゃないかということも言われている。政権の中がこれだけがたがた動いていると、なかなか、例えば調査委員会が権限を与えられたとしても、その中でリスクを取ってある意味調査を進めるということ自体がしづらくなってしまっているんじゃないかということを懸念をするわけであります。この点、実際に様々なところからも、まさに政権内の権力闘争ですとか、あるいは金正恩政権の恐怖政治のようなもの、こういったものが調査を進めていく上での妨げになっている、こういった指摘をされる方もいらっしゃるわけでございます。  この指摘が仮に正しいとした場合、果たして、そもそも交渉相手たり得るのかというところまで問題としては行ってしまうわけでありますけれども、現状、政府として、北朝鮮の現在の権力基盤ですとか政権の安定性、これを一体どういうふうに認識をされているのか、把握をされているのか、また、今回この報告を北朝鮮政府として先送りをしてきているわけでありますけれども、その理由を現状ではどう分析されているのか、お伺いしたいと思います。
  91. 城内実

    副大臣(城内実君) 北朝鮮内部の動向につきましては、引き続き軍幹部等の変動があり、様々な見方があるというふうに承知しておりますが、現時点におきまして、必ずしも情勢が不安定化しているとの具体的な情報に接しているわけではございません。  政府といたしましては、北朝鮮指導部の体制を含め、北朝鮮内部の動向については引き続き重大な関心を持って、米国や韓国等と緊密に連携するとともに、北朝鮮に公館を設置している各国と情報交換を行うなど情報収集、分析に努めてまいります。  また、特別調査委員会の調査につきましては、北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すため、八月六日に岸田大臣から北朝鮮の李洙ヨン北朝鮮外務大臣に直接働きかけを行ったところでございます。岸田大臣からは、昨年五月の日朝合意の履行を求めつつ、日本国内の懸念を伝え、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を強く求めたところでございます。今回の働きかけの結果をよく見極めつつ北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく、引き続き最大限の努力をしていく所存でございます。  また、報告書を先送りしている理由という御質問もございましたけれども、それについては定かではございません。  いずれにしましても、一年以上たっているわけですから、早急に具体的な動きを引き出すべく、引き続き努力してまいります。
  92. 平木大作

    平木大作君 政府からも引き続き努力していくということでございます。  これ、心配事は必ずしも北朝鮮政権の内部だけではございません。日本と北朝鮮という関係の中で、なかなか直接いろいろ事を進めることができない。こういった交渉の際にも、やはり常に、ある意味、対話のこれまでパイプ役となってきたのは中国でございます。ただ、最近、この中国と北朝鮮の関係が悪化しているんじゃないかと、こういった御指摘もあるわけであります。  政府としてこの点をどう認識をされているのかということを改めてお伺いするとともに、例えば七月末には、モンゴルのエルベグドルジ大統領が北朝鮮の金正恩第一書記に送った親書の中で日本人拉致被害者問題の解決に向けた具体的な提案も行ったということが言われております。今後、日本としても、北朝鮮との交渉を進めていく上において、これはやはり中国だけではなくて第二、第三の外交ルートをしっかり、使えるものを全て使ってやっぱり進めていくということが何より大事だというふうに考えておりますが、この点、政府の御見解をお伺いしたいと思います。
  93. 城内実

    副大臣(城内実君) お答えいたします。  まず中国ですが、中国は、経済関係を含めまして北朝鮮と密接な関係を有しており、国連安保理の常任理事国かつ六者会合議長国を務めていることから、北朝鮮に対して引き続き大きな影響力を有していると考えております。また、御指摘のモンゴルにつきましても、北朝鮮に大使館を設置しており、モンゴル政府は一貫して拉致問題について我が国に対し協力する姿勢を示してきております。  拉致問題の解決につきましては、平木委員御指摘のとおり、こうした各国とも連携していくことが必要であります。このような観点から、政府としては、先般のASEAN関連外相会議を始め、二国間の枠組みや国際会議等あらゆる機会を捉えまして、各国に対し拉致問題を提起し、協力を要請してきております。  政府といたしましては、このような取組を通じ、全ての拉致被害者の、全員の帰国を実現すべく、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力を尽くしてまいる所存でございます。
  94. 平木大作

    平木大作君 こういった外交ルートを全て使ってしっかりと前に進めていただく、そして、その中において、今月六日に行われました岸田大臣と、そして李外相とのクアラルンプールでの会談、これは大きな前進だと思うんですね。一つのきっかけをつかむ場であったというふうに思っております。安倍総理も、この問題について北朝鮮から具体的な動きを引き出すために、早急に引き出すために働きかけを強化するんだということを改めていろんな場でおっしゃっているわけであります。  この会談を受けて、なかなか一方で、具体的な何かが出てきているわけではないというのは承知をしておるんですけれども、今後の見通し、改めてお伺いをしたいというふうに思います。
  95. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の外相会談ですが、まず、七月二日に北朝鮮側から、調査についてはしばらく時間が掛かる、こうした通報がありました。大変遺憾に思っています。そして、それを受けて総理の指示が発せられ、是非北朝鮮の外務大臣に直接働きかけを行うべきであるということから、八月六日、私が北朝鮮李洙ヨン外務大臣に直接お会いをし、具体的な行動について働きかけを行った、こういった次第でありました。  私の方からは、日本の今の立場ですとか現状、そして、日朝合意に基づいて一日も早い拉致被害者の帰国を実現するべきだ、こういったことについて強く申入れを行いました。李洙ヨン外相からは、北朝鮮側は日朝合意に基づいて調査を誠実に行っているという発言はありましたが、今現在、この調査を通じて拉致被害者の帰国が実現していないということでありますので、我が国としては、これはもう極めて遺憾なことであるという思いには変わりはありません。  そして、今回の日朝外相会談において一つ大事なことは、我が国の立場や考え方を北朝鮮の最高指導部にしっかり伝えるということであったと考えています。そういった点から外相会談を行い、そして我が国の考え方をしっかり伝えたということであります。  そして、今後は、その働きかけに対して北朝鮮側が具体的にどのような反応をしてくるのかという点にあります。しっかりとこの反応を見極めた上で今後を考えていかなければなりません。  今後の動きについては、今現在、予断を与えることは控えなければなりませんが、今申し上げましたようなこの外相会談の意味合いをしっかり踏まえて、今後の北朝鮮側の反応を見極めていきたいと考えております。
  96. 平木大作

    平木大作君 大変に難しい相手との交渉ということになっているわけであります。  ちょっと時間がなくなってきました。最後の問いになるかと思うのですが、今回の調査報告の延期ということを受けて、関係者の皆様からは、やはり落胆とともに焦りの声というのがたくさん聞こえてきております。残念ながら、今日の委員会までに私も当事者の皆様から直接お伺いすることできなかったんですが、それでも、報道等で様々伝えられているとおりでございます。  特に、拉致被害者の家族の皆様、こういった皆様の声というのは実際に政府にどういった形で寄せられているのか、またそれを政府としてどう受け止められているのか、最後にお伺いしたいと思います。
  97. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 拉致被害者の御家族の方々とは、私といたしまして、折に触れまして直接面会を重ねて、そして御意見を伺っているところでございます。御家族が北朝鮮の不誠実さに対して強い怒りを抱かれておられる、そしてまた、対北朝鮮措置の強化を求めているという方もいらっしゃると承知をしております。  政府全体として、何が最も効果的か、解決のためにということを不断に検討を行いまして、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国実現に向けて努めてまいりたいと思います。
  98. 平木大作

    平木大作君 ありがとうございました。  これ、調査内容等で、じゃ、どれだけ時間掛かるのか、あるいは先方のいわゆる今の状況等を受けてどういう形で交渉を進めていくのか、大変難しい局面にあると思います。  ただ、その中で本当に忘れてはいけないのは、やはりこの関係者の皆様、被害者の家族の皆様、こういった方たちは本当に命の時間といったものと向き合いながら今焦りを強められている。そういった方たちに是非寄り添う形で、一日でも早い解決に向けてまた政府として全力で取り組んでいただきたいということをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  99. 藤巻健史

    藤巻健史君 維新の党の藤巻です。  山谷大臣は拉致というのを北朝鮮による国家的犯罪というふうに捉えられていらっしゃるようで、また、答弁にもそのようにお答えになっていますけれども、他国に無断で入ってきてその国民を拉致していくというのは、まさに我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から侵されているという事態に該当するのではないか、すなわち、これは警察マターというよりは一種の防衛マターになるのではないかというふうに感じますけれども、それはどうかということをまずはお聞きしたいと思います。    〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕  そして、新たに今拉致は現状行われていないという認識をしておりますけれども、これは、もちろんもしもということなんですけれども、今後もし北朝鮮が拉致を再開したような場合、政府はどう対応するのか、シミュレーションをしているのかどうかということをお聞きしたいと思います。  防衛出動を防衛大臣が命じるようなことがあるのかどうか。今、平安特で議論している安保改正なくしても、現行法のままでも防衛出動ができるのかどうか。防衛出動するしないは別として、可能なのかどうかという点をお聞きしたいと思います。
  100. 槌道明宏

    ○政府参考人(槌道明宏君) まず、最初の御質問にお答えいたしたいと思います。  御指摘の、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される事態といいますのは、憲法の下で武力を行使することが許容される場合として整理したものでございます。  今回の事態対処法改正案におきましては、新たに存立危機事態を規定したものでございます。こうした事態はあくまでも武力攻撃の発生を前提とするものでございますので、御質問の、他国で無断に入ってその国民を拉致していくという、そのことでこうした事態に該当するとは言えないというふうに考えます。
  101. 辰己昌良

    ○政府参考人(辰己昌良君) 私の方からは防衛出動について御説明いたします。  現行法上、防衛出動を命ずることができるのは、我が国に対する武力攻撃が発生又は切迫した事態に限られます。このため、我が国に対する武力攻撃が発生も切迫もしていない状況において防衛出動を下令することはできません。
  102. 藤巻健史

    藤巻健史君 ということは、万が一再開されてしまうような事態が起きた場合には、警察のみで対処するという理解でよろしいんでしょうか。
  103. 槌道明宏

    ○政府参考人(槌道明宏君) ただいまお答えいたしましたように、防衛出動をして、あるいは自衛隊を出動させるということになりますと、これは武力攻撃を前提としたということでございますので、それ以外の場合は警察機関をもって対処されるということだと思います。
  104. 藤巻健史

    藤巻健史君 それでいいのかなという気がしないでもないんですけれども、次に行きたいと思います。  先ほど、白理事からの質問にも関連するんですけれども、山谷大臣が先ほどの、最初の冒頭に、五月にワシントン、ニューヨークに出張されたという御報告をされまして、アメリカに協力を求め、そしてシンポジウムを開いたということなんですけれども、そのときに、韓国とかタイ等の拉致被害国の関係者も出席していたのかどうか、お聞きしたいと思います。  どうも他の拉致被害国、韓国とかタイとの共同作戦が余り考えられていない、実行されていないような気がするんですけれども、情報共有その他共同作戦が取れない何か不都合な理由があるのかどうかもお聞きしたいと思います。  四月三日のAFPによりますと、朝鮮中央通信が、日本政府が北朝鮮に圧力を掛け、日本人の拉致問題を国際化して二国間関係を損なっていると非難したそうでございます。  ということは、北朝鮮がこの問題を国際化すれば、すなわち国際協力になるのをいかに嫌がっているかということが分かるようなニュースだと思うんですけれども、なぜ共同作戦を行わないのか、その辺の理由をお聞きしたいと思います。また、このニュースに関して政府は北朝鮮に抗議をしたかどうか、その辺もお答えいただければと思っております。
  105. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 拉致は北朝鮮による国家的犯罪であります。政府といたしましては、我が国の主権及び国民の生命と安全に対する重大な侵害行為に対しては、当該侵害行為を排除すべく、侵害行為者に対して断固たる措置をとるのは当然のことでございます。  五月五日のニューヨークでの国際シンポジウムの各国の国連代表部の出席でございますが、オランダ、ノルウェー、フランス、ドイツ、グレナダ、米国、ポーランド、バングラデシュ、スイス、リヒテンシュタインエストニア、フィリピン、チェコ、パラオ、チリ、イスラエル、カナダ、ニュージーランド、リトアニア、トルコ、EU代表部等々でございまして、そのほかにも、バイで様々な関係国といろいろな説明、意見交換をしたところでございます。
  106. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 済みません、後半の韓国、タイとの連携の部分についてお答えさせていただきます。  拉致問題は、言うまでもなく、我が国の主権ですとか国民の生命、安全に関わる重大な問題でありますが、あわせて、基本的人権の侵害ということから考えますと、国際社会全体にとってこれは普遍的な問題であると認識をしています。そういったことから、委員御指摘のように、韓国やそしてタイ、こういった国々としっかり連携していくというのは大変重要な観点であると考えます。  そういった考え方から、例えば、今年は二月に日本・タイ首脳会談が行われました。そして、六月には日韓外相会談も行われました。そして、七月ですか、日・メコン首脳会議も開催されましたし、八月にはASEAN関連外相会議も開かれました。そういった際に、韓国ですとかタイ、こうした国々を始めとする各国の理解を得るべく努力をしてきたわけでありますし、そして一方で、国連の人権理事会ですとか国連総会、こういった場を通じまして各国の理解と協力を得るべく努力をしてきました。  こうした国際社会にとって普遍的な問題でもある拉致問題につきましては、御指摘の韓国、タイのみならず国際社会との連携、これは大変重要な課題であると考えています。    〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕  先ほど来出ておりますように、我が国自身は北朝鮮との直接の対話において努力をしているわけですが、国際的な圧力という部分については、こうした国際社会との連携は大変重要な取組ではないかと認識をいたします。
  107. 藤巻健史

    藤巻健史君 岸田大臣のお話はよく分かるんですけれども、最初の山谷大臣の、ちょっと聞きそびれてしまったんですけれども、国の中に韓国とタイは入っていたんでしょうか。先ほど、名前を随分読み上げていただきましたけれども、韓国とタイは入っていたのかどうか、ちょっと聞き漏らしてしまったんですが。
  108. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  109. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
  110. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 韓国とはございません。
  111. 藤巻健史

    藤巻健史君 タイはどうですか。
  112. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) タイともございませんけれども、韓国やタイの被害者の家族の皆様方とは以前から交流をしているところであります。
  113. 藤巻健史

    藤巻健史君 今の御回答を聞いたら、やっぱりちょっとまだタイとか韓国との共同作戦がワークしていないのではないかなという印象を受けますので、是非共同してやっていただければと思います。  次に、これ拉致問題というと、もしこれがアメリカですと、特殊部隊を派遣してでも救出しようという過激なアイデアも出てくると思うんですけれども、当然のことながら、日本はその考え方は全く選択肢になっていないと。これは、先ほどの理由である、要するに軍事攻撃を受けていないから救出作戦ができないということなのか、それとも自衛隊にその能力がないからなのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
  114. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  まず自衛隊でございますけれども、自衛隊は、防衛省設置法に基づきまして、また自衛隊法に基づきまして、憲法及び法律の範囲内で所掌事務の遂行に必要な各種の訓練を実施しておるところでございます。  しかしながら、国外に拉致された自国民を救出するという任務は自衛隊には付与されておらず、したがって、そのような訓練を実施していないというのは事実でございます。  一方、現在国会で御審議いただいている平和安全法制の中には、一定の要件の下に在外邦人の警護、救出を可能とする改正案が含まれております。この法案が成立いたしました場合には、当然のことでございますが、この任務を実施するために訓練を実施していくこととなります。  その上で申し上げますと、今御審議いただいている法案の範囲を超えて、領域国の同意が得られない場合にも自衛隊の部隊等を派遣して自国民保護、救出するというようなことを先生が御指摘になっているといたしますると、現時点で、我々といたしましては、そうしたことは国際法上も我が国憲法上も難しいものであるというふうに考えておるところでございます。
  115. 藤巻健史

    藤巻健史君 ありがとうございます。明快になりました。  次に、先日、富士総合火力演習を拝見いたしまして、自衛隊能力の高さ、尊敬いたしました。また、信頼も置けるなというふうに思ったんですけれども、ただ、半島有事の場合、一番怖いのは、北朝鮮の特殊部隊が日本に入ってきて国内テロを起こすことだと思うんですけれども、それに対処する自衛隊能力は養成されているのかどうか、その辺をちょっと確認したいと思いますけれども。
  116. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  御指摘の国内テロにつきましては、警察機関が第一次的な対応の責任を有しておると考えております。自衛隊は、警察機関では対処できない場合などに、治安出動などの発令を受けまして、警察機関と緊密な連携を行いながら対処することとなります。  加えまして、御指摘のような国内テロ、言わば国内テロのような攻撃が我が国に対する外部からの武力攻撃に該当すると判断し、我が国を防衛する必要があると認められるようなケースになりますと、これは、治安出動ということではなく防衛出動により対処するという場合もあり得ます。このような事態に適切に対応できますように、自衛隊は様々な訓練を実施して必要な能力の維持向上を図っております。また、警察や海上保安庁との共同訓練も実施いたしまして、関係機関との連携強化にも努めております。  我々といたしましては、必要な訓練を精力的に実施することによりまして、国内テロへの対応を含めました各種事態への対応能力、こうしたものを築いてまいりたいと考えておるところでございます。
  117. 藤巻健史

    藤巻健史君 先日の富士総合火力演習を見ても、通常兵器での防衛力というのはかなり信頼してもいいのかなと思うんですけれども、単なる主観かもしれませんけれども、北朝鮮の特殊部隊と比べて、対処を自衛隊ができるのかどうか、その辺が非常に素人としては恐怖感を持っておりますので、その辺は是非十分将来的にも考えていただきたいなというふうに思っております。  最後の質問ですけれども、報道によりますと、IAEAは二十六日、北朝鮮の核問題報告書をまとめて、寧辺の核施設で軽水炉の配電用と見られる施設を建設していると指摘したそうでございます。外交筋は、軽水炉完成に向け着々と作業が進んでいることを示していると強調したわけで、IAEAは、核開発計画について憂慮すべき事態として、国連安全保障理事会の決議を守り、中止するように求めたと聞いております。この北朝鮮の動向をどういうふうに分析するか、お答えいただければと思います。
  118. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、二十六日の日にIAEAは、北朝鮮に関する事務局長報告という形で報告を明らかにしています。軽水炉やウラン濃縮用と見られる施設の動きなど、核計画に関する最近の動向が報告されていると承知をしております。  この報告に対する我が国の見解ですが、まずもって、この報告書の中で報告されている動き、これは、北朝鮮が国連安保理決議及び六者会合共同声明に明白に違反をしていることを示すことであります。引き続きこうしたものに違反をして核開発を継続しているということを示しているわけですから、我が国として、これは到底受け入れることはできない、容認はできない、これが基本的な考え方です。  引き続き、先ほど、委員の御質問を受けて、国際社会との連携の重要性について申し上げさせていただきました。こうした国際社会との連携を通じて、国連安保理決議、六者会合の共同声明、こうしたものを誠実かつ完全に実施することをしっかり北朝鮮に求めていかなければならないと思いますし、そうした働きかけをしっかり行っていきたいと考えます。
  119. 藤巻健史

    藤巻健史君 終わります。
  120. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党井上哲士です。  北朝鮮の核問題を中心に質問をいたします。  報道によりますと、北朝鮮の池在竜駐中国大使が七月の二十八日に北京の北朝鮮大使館で記者会見を行っております。この中で、一方的に核を凍結、放棄することを話し合う対話には全く関心がないと述べ、六か国協議には当面応じない考えを強調したとされておりますけれども、外務省としては、こういう発言があったということは把握されているでしょうか。事実関係はいかがでしょうか。
  121. 大菅岳史

    ○政府参考人(大菅岳史君) お答え申し上げます。  ただいま委員御指摘のとおり、七月二十八日の記者会見で池在竜駐中国北朝鮮大使が発表しました内容としまして、北朝鮮は既に核保有を憲法に定め、その核攻撃手段は小型化、多様化の段階に入っている、二点目、一方的に核を凍結又は放棄することを論じる対話には関心がない、さらに、北朝鮮の核抑止力は、米国の核の脅威と敵視政策に対し、自主権と生存権を守るための必須の手段であると、こういった趣旨を述べたものと承知しております。
  122. 井上哲士

    井上哲士君 今、北朝鮮の発言が御紹介ありました。  これまで、三回の核実験を通じて、北朝鮮は核保有国であることの既成事実化を図ろうとしてまいりました。その最大の理論付けが、核兵器は抑止力という核抑止力論なわけであります。北朝鮮は、この論理で核兵器保有を言わば居直っているわけですね。この池大使の発言はその表れなわけで、断じて認められないと思いますけれども、外務大臣の見解を伺いたいと思います。
  123. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の発言、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続は、まずは日朝平壌宣言にも反します。また六者会合共同声明にも反します。それから国連安保理決議にも反します。こうしたことから、これは我が国としてとても容認することはできません。こうした核・ミサイル開発は地域や国際社会全体の平和と安全に対する脅威でもあると我が国は考えております。  決して容認できないということで、こうした我が国の姿勢につきましては、八月のASEAN地域フォーラム閣僚会合においても述べておりますし、また、同日行われました李洙ヨン北朝鮮外相との会談におきましても、拉致問題と併せて核・ミサイル開発等の安全保障問題を取り上げさせていただき、我が国の考え方を伝えた次第であります。
  124. 井上哲士

    井上哲士君 今、日朝平壌宣言、六者会合共同声明、そして一連の国連安保理決議にも明らかに違反していると、こういうお話でありました。この六か国協議をめぐっては、七月の三十一日に日米韓三か国の次席代表者会議が東京で開かれたと聞いております。  会合では最近の北朝鮮情勢に関する意見交換が行われたようでありますけれども、どういうような問題が話し合われて、また確認をされたのか、いかがでしょうか。
  125. 大菅岳史

    ○政府参考人(大菅岳史君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、七月三十一日、外務省内におきまして日米韓の六者会合の次席代表による会合が開催されました。  会合では、日米韓それぞれの最近の取組について情報共有をいたしますとともに、今後の対北朝鮮政策について意見交換を行い、日米韓三か国で緊密に連携しつつ対応していくということを確認いたしました。また、北朝鮮が非核化に向けた真剣な意思を表明し、そのための具体的措置をとることが重要であると、こういった認識を共有しました。さらに、北朝鮮に対する圧力を維持するとともに、北朝鮮が意味のある、信頼できる対話に応じるよう様々な努力を続けていくと、こういったことの重要性も確認いたしました。さらに、引き続き日米韓で緊密に連携し、中国ロシアを始めとする他の関係国とも連携協力しながら、北朝鮮に対し、誠実かつ完全に安保理決議や六者会合共同声明を含む国際的な義務、約束を遵守することを求めていくことが確認されました。  なお、日本側からは日朝関係の現状につきまして各国に説明をいたしまして、拉致問題の解決に向けた取組について改めて米韓両国から理解と支持を得たところでございます。
  126. 井上哲士

    井上哲士君 この北朝鮮の核問題は、まさに六か国協議を軸としながら、やはり国際的な圧力、国際的な世論で包囲をしていくということが何よりも大事だと思います。  その点で、先ほども少しありましたが、八月六日、マレーシアのクアラルンプールでASEAN地域フォーラムの閣僚会合が開催をされております。岸田大臣、それから城内副大臣も出席をされておりますが、この閣僚会合では北朝鮮問題をめぐって各国から核・ミサイル開発について懸念が示されたと聞いておりますけれども、どういう懸念が各国から示されたんでしょうか。
  127. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) このARFの閣僚会合では各国から北朝鮮の核・ミサイル開発に懸念が示されたわけですが、幾つかの国から様々な表現で懸念は表明されました。あわせて、安保理決議や六者会合共同声明の遵守、こうしたことも呼びかけられました。  我が国がこの核・ミサイル問題について我が国の立場をしっかり表明するのは当然のことでありますが、それ以外にも、幾つかの国から北朝鮮問題につきまして今申し上げましたような懸念が示された次第であります。
  128. 井上哲士

    井上哲士君 我が国の立場をしっかり表明するのは当然だというお話がありました。具体的には、岸田大臣はこの閣僚会合でどういう立場を表明されたのか、伺いたいと思います。
  129. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 私の方からは、日本として、日朝平壌宣言に基づいて拉致、核、ミサイル等の諸懸案の包括的解決を目指す方針には変わりはない、これをまず申し上げました。そして、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続は安保理決議に明白に違反をしているということ、そして、北朝鮮には地域の緊張を高めるような行動を自制するとともに、安保理決議や六者会合共同声明を誠実かつ完全に実施し、非核化に向けた意味のある対話に応じるよう求める、こうした表明をさせていただきました。
  130. 井上哲士

    井上哲士君 そういう各国からも懸念が表明され、そして日本からも今のような立場が表明をされたわけですが、その結果、この閣僚会合では議長国であるマレーシアから議長声明が発出をされております。この議長声明では、北朝鮮問題、どういう内容が確認をされたんでしょうか、御説明いただきたいと思います。
  131. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 八月のARFにおける議長声明、議長マレーシアによるこの声明の内容ですが、まず一つは、朝鮮半島平和、安全及び安定の重要性や紛争平和的に処理する必要性、二つ目として、緊張を緩和され、非生産的な行動を自制するべきとの要請、三つ目として、北朝鮮に対し全ての関連する国連安保理決議における義務の完全な履行の要請、そして四つ目として、二〇〇五年の六者会合共同声明の下のコミットメントを関係者が遵守することの必要性、そして五つ目として、平和的な方法による朝鮮半島の非核化を実現する六者会合の再開に向けた建設的関与を行うための全ての努力、こうした内容が示されております。
  132. 井上哲士

    井上哲士君 今ありましたように、紛争平和的に処理する必要性、そして国連安保理決議の完全履行、北朝鮮を始め関係国に六者会合共同声明の遵守を求めるという大変重要な中身だと思いますが、大臣のこの議長声明についての受け止めはいかがなものでしょうか。
  133. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今紹介させていただきましたARFの議長声明の内容ですが、この内容につきましては、まずは国際社会の様々な懸念をしっかり受け止めていると思います。そして、核・ミサイル問題に関する重要な要素はきちっと盛り込まれたものであると認識をしております。  我が国としましても、こうした議長声明を踏まえながら、引き続き北朝鮮に対しまして、まずは地域の緊張を高めるような行動を自制する、これをしっかり求めなければならないと思っていますし、安保理決議あるいは六者会合声明、こうしたものを誠実かつ完全に実施するよう国際社会とともに働きかけていきたいと考えます。
  134. 井上哲士

    井上哲士君 この議長声明にありますように、この問題は、北朝鮮の問題解決は、国際社会の包囲、とりわけ六か国協議の枠組みの中で平和的、外交的に解決する努力、これが何よりも必要だと思っております。  一方、今、安保特では安全保障関連法案を審議をしているわけでありますが、専ら軍事的対応を強調するということが、むしろ日本の側から緊張を高めていく、こういうことにもなるという指摘もされているわけでありますが、こういう軍事対軍事の悪循環に陥っていくことは、私はこの北東アジア平和的な環境を整える上でも、この問題の解決の上でも逆行しかねないと、こう思うわけでありますが、その点、大臣いかがでしょうか。
  135. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今御議論をお願いしている平和安全法制の議論の中においても申し上げさせていただいておりますが、我が国の外交安全保障の要諦、最も重視すべきものは、まずは外交を通じて我が国にとって好ましい国際環境をつくることであると考えています。そして、こうした外交努力を続けながら、万が一の場合に備えて切れ目のない安全保障体制をつくっておかなければならない、これがこの平和安全法制の基本的な考え方であります。  あわせて、今現在、新たな、容易に国境を越えてくる脅威が出現している中にあって、どの国においても一国で自分たちの国を守ることができない、これが国際社会の常識になっている中にあって、国際社会平和や安定を守っていくことにしっかり貢献していく、このことが自らの平和と安全にもつながっていく、こういった考え方に基づいて国際社会平和や安全にもしっかり貢献していく、こういった内容を平和安全法制の中に盛り込ませていただいております。こうした取組をしっかりやることによって、我が国のリスクを低減していく、不測の事態が発生しない状況をつくっていく、これが基本的な考え方であると思っています。  基軸は、外交を通じて好ましい安全保障環境をつくる、そして、その上で我が国において不測の事態が発生しないしっかりとした取組を進めていく、そして国民の命や暮らしのリスクを低減していく、こうした基本的な考え方を引き続きしっかり御説明させていただきたいと考えております。
  136. 井上哲士

    井上哲士君 私は、とりわけ北東アジア地域平和ということを考えた場合に、日本に足りないのは軍事力ではなくて平和的な外交力だと思っております。ここに本当に徹して解決をしていく、このことが必要だということを重ねて述べまして、質問を終わりたいと思います。
  137. 井上義行

    井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。  岸田外務大臣とは委員会で何回もこの問題で議論をしておりますが、先ほど他の委員の方からの答弁で、北朝鮮側と交渉をしたときに、日本から向こうにボールを投げて、そして北朝鮮からの対応を見極めるというような答弁がありましたが、以前もボールはどっちにあるかという話をさせていただきましたが、先ほどの答弁で、対応を見極めるという話がありました。実際、大臣が持っているその見通しというものを是非お聞かせ願いたいと思います。
  138. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今、委員の方からボールがどちらにあるかという御指摘もいただきました。  今回のこの外相会談は、そもそも、七月二日に調査の結果通報までにはまだ時間が掛かるという通報があり、大変に遺憾に思い、そして、総理自らの指示を受けて北朝鮮側に直接働きかけを行った、こうした次第であります。  この外相会談において最も大切なことは、我が国の考え方、立場、そして今の日本の国の国内の現状、こういったものをしっかり北朝鮮の最高指導部に伝えることであったと思っています。そのために開いた外相会談であると認識をしておりますので、私も、そういった点を念頭に、北朝鮮側にしっかり伝えさせていただきました。  北朝鮮側も、李洙ヨン外相自らメモを取りながら、大変真剣な雰囲気の中で、更に言うと緊張感のある緊迫した雰囲気の中でやり取りが行われたと振り返っています。こうした会議の結果を今しっかり見極めたいということを申し上げさせていただいております。  こうした考え方に基づいてきた会議の結果を、具体的な結果を是非北朝鮮からできるだけ早く受け取ることを期待したいと考えています。
  139. 井上義行

    井上義行君 こうしたことが拉致被害者の家族からすればもう何十年続いているわけですね。白眞勲先生も申し上げましたが、期限を切ったというのは、多分ここ一年とかという話じゃないわけですね。もう何十年もたって、私もこの拉致問題をやるようになってからもう十六年以上たつわけですね。もう拉致被害者が奪われてからはそれ以上にたっているわけです。  ですから、期待をしては家族が谷底に突き落とされ、また期待してはまた更に谷が深くなっていくということがあって、家族の心境を考えると、やはり一日も早く救出をしなきゃいけない、そういう気持ちが本当に強くなるわけであります。  そこで、最近の拉致被害者家族の心境について、山谷大臣はこれまでずっと家族とともに行動をしてきました。拉致被害者家族が今どのような心境で日本政府の協議を待っているかということが一番よく分かると思います。その拉致被害者家族の心境についてお答えを願いたいと思います。
  140. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 非常に苦しみが大きくなっているというふうに捉えております。本当に一つ一つ、長い年月の苦しい歩みでございましたけれども、ここ一年は特に厳しい状況というふうに感じております。  したがいまして、必ず全員救出という結果を出したい、必ず取り戻したいと思っております。
  141. 井上義行

    井上義行君 拉致被害者家族の方々も高齢になって、本当に子供たちが帰ってくることを夢見て、それだけで本当に頑張っているというふうに思います。  そこで、先ほどの外務大臣の会談もありました、そしてあるいはストックホルムがありました。様々な中で、やはり政策戦略というのは非常に大事だというふうに思っております。政策戦略というのはそれぞれ駆け引きですから、ずばり言う必要はないんですが、多分、こうした委員会の発言というものも北朝鮮はしっかりと報告が上がるわけですね。ですから、私は、それぞれ両大臣から北朝鮮の政府に向けて、あなた方は拉致被害者を帰さないとこういうことになる、あるいは拉致被害者が帰ってきたらこういうふうになるというメッセージ的なものも是非込めた政策戦略について、お伺いを両大臣にお願いしたいと思います。まず、外務大臣からお願いします。
  142. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員御指摘のように、これまでの長い道のりを考えますときに、拉致被害者の家族の皆様方のつらい思い、これは我々は深刻にしっかりと受け止めなければならないと感じます。その上で、政府挙げて全力で取り組まなければならない、これはもう当然のことだと思っております。  そして、何よりも我々が目指しているのは、全ての拉致被害者の方々が無事帰国されることであります。この目的のために物事を具体的に進めるためには何ができるのか、あらゆる知恵を絞らなければならないと思っています。  そして、御指摘のように長い道のりがあったわけですけれども、今現在は、今のプロセス、要は、国際社会とともに圧力を掛け続けてきましたが、対話と圧力の対話の部分について、昨年から一年四か月ぶりに対話のプロセスを再開して、何とか具体的な結果につなげようということで努力をしてきております。そして、そのプロセスの中で、先ほど申し上げましたように、総理の指示を受けて直接北朝鮮の外相に働きかけを行った、こういったことであります。是非、今現在においては、このプロセスにおいて結果を出すべく我々は全力で取り組んでいきたいと思います。  こうした姿勢で臨みたいと思いますが、何よりも、我が国が北朝鮮との関係において拉致問題、これを最重要課題であるということ、これをしっかりと改めて北朝鮮側に伝えると同時に、具体的な行動が求められているんだということをいま一度しっかりと訴えていきたいと考えております。
  143. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 先ほども答弁で申しましたが、国際社会、また国連は、この北朝鮮の人権侵害の状況、また拉致問題の解決に向けて取り組むようにということを強く求めているわけでございます。  北朝鮮は誠実にそうしたことを踏まえながら、つまり、それを踏まえなければ北朝鮮は国際社会の中でその未来を描いていくことは困難だということをしっかりと重く受け止めて、具体的な行動を早く取るべきだというふうに思っております。そうした働きかけを強めていきたいと思っております。
  144. 井上義行

    井上義行君 是非、外交圧力もしっかりと掛けながら、そして一日も早い、拉致被害者を救出してほしいんですが、その一方で、万が一のためというものを考えていく必要があります。  これまで、安保あるいはここでも議論をさせていただきましたが、お手元の配付資料にあるとおり、北朝鮮有事における北朝鮮拉致被害者等の輸送に関する特別措置法案、これは私の私案でございますが、これは、今、安保法案でも議論されています、相手国の承認がないと入れないという議論があります。この法案は、言わば暫定地域を想定した法案を作りました。これは、例えば南北で緊張が高まって一定の暫定地域ができる場合、あるいは北朝鮮が内乱によって双方に分かれたその一方が国連に助けを求めるとか、そうしたことによって、相手国ということではなくてその暫定地域管轄者、これが国連あるいは安保理に助けを求めたときに自衛隊が輸送できるような、拉致被害者が輸送できる任務をできるように作った法案であります。  拉致被害者というのは、国の主権を侵されて一方的に奪われた、まさにテロ事件であります。こうしたことを受けて、北朝鮮人権法案では、国の責務として拉致被害者を救出しなければならないという、国の責務ということが書かれているわけですね。ですから、こうした特別措置法というものを作って、やはり普通の方と違う救出方法があってもいいのではないかということで作成をしました。  この間、安保法案の審議の中で中谷防衛大臣は、ようやく、政治家として研究したいということのお言葉をいただきました。  是非、これは防衛省管轄にはなりますが、山谷大臣、これまで拉致議連でもいろいろ研究をされてきました。そして、やはり大臣になったとしても、政治家として、やはりこうした国の責務として拉致被害者を救出しなければならない、どんな状況であろうと拉致被害者を救出しなければならない、そのための担保としてやはり法案を整備をしておく必要があるんだろうというふうに思っております。  拉致問題担当大臣として、あるいは政治家としてこのような法案について研究するということを、中谷防衛大臣も岸田外務大臣の横で答弁をしていました。是非、どうでしょうか、政治家としてこのことを検討する、あるいは研究するということを発言願いたいと思います。
  145. 山谷えり子

    ○国務大臣(山谷えり子君) 北朝鮮有事における北朝鮮拉致被害者等の輸送に関する特別措置法案、井上私案でございますが、これは、本年七月にも開催されました政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会においても席上配付いただきました。拉致問題の解決に向けた議員のお取組に敬意を表したいと思います。  私といたしましても、仮に北朝鮮有事が発生した場合において、拉致被害者の皆様の安全確保、救出を図りたいという気持ちは全く同じでございまして、拉致被害者の方々の安全確保、救出というのは極めて重要であります。政府として様々な状況を想定して対応を考えるべきことは当然であり、また、その際、同盟国たる米国との協力は極めて重要であります。  今後とも、拉致被害者の救出のために何ができるか、特別措置法案、井上私案も含めまして不断の検討を継続してまいりたいと考えます。
  146. 井上義行

    井上義行君 終わります。
  147. 中山恭子

    ○中山恭子君 次世代の党、中山恭子でございます。  今、井上委員からの話の続きといいましょうか、その点をもう一度確認してまいりたいと思っております。  私ども、私自身もですが、拉致関係者の多くの者は、今回の自衛隊法の改正に少し期待を掛けてきておりました。七月三十日の平和安全法制特別委員会でも質問いたしましたが、今回の自衛隊法の改正において、外国における緊急事態に際して、生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人の保護措置を自衛隊の部隊等が実施できるようにするということで、輸送だけではなく警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置をとることができるようになりました。非常に前進した考え方だと思っておりまして、大変評価をしております。  ただ、これを実施するに当たって、以下の三つの要件を全て果たす場合という条件が付いております。その中の二番目ですけれども、特にこの二番目のことが重要になってくると思いますが、自衛隊が当該保護措置をとることについて当該外国等の同意があることとなっております。  もう三十年くらいも前のことでしたら、それぞれの世界の全地域が、国という形があって、そこで何か問題が起きれば当該国がその地域をしっかり管理しているという状態であったかもしれません。でも、今、国際情勢は本当に大きな変化をしておりまして、それぞれの地域で当該国家というような、当該外国というようなものが存在しない状態がたくさん出てきております。ISILですとかその他の内乱状態ですとかがあって、日本人が被害に遭っている場所を誰が管轄しているのか、そこを管理している外国があるのか、見当も付かないような状態が各地に出てきております。その地域日本人が被害に遭って人質になったとき、その当該外国というのは何を指すのか、どうやってその同意を得るのか、まず不可能な状態になっているかと考えております。  北朝鮮による拉致被害者が隔離されている、監禁されている状態というのもほぼ同じであろうかと思っています。その地域を支配している集団が拉致ということを、その集団自体が拉致ということを行っている。そこに救出のための日本からの自衛隊が入ることを同意されるはずがありません。  こういう状況の中で今回のこの自衛隊法の改正というのが行われ、一部大変いい方向へ進んだかと思いましたのに、この要件があるばかりに、全く無意味なと言っていいほどの法改正になっております。  この点について、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書では、自衛隊が被害者救出のために動くことについて国際法上も憲法上も縛られることはないという報告を出しております。それにもかかわらず、政府から出てきた改正案というのは、この法案があれば自衛隊の中で訓練したり対応のための準備をしたりすることはできるようになると思いますので、そこは是非続けていってほしいと思いますが、いざ拉致被害者が北朝鮮のどこかに固まっている、そこが分かっても北朝鮮の同意がなければ入れない、行けないというのが今回の改正でございます。  この点について、今回の改正では間に合わないかもしれませんが、是非もう一度検討をしていただきたい、そのように思っておりますが、いかがでしょうか。
  148. 石川博崇

    大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、拉致被害者の方々の安全確保というのは極めて重要な課題でございますし、また、政府全体として、拉致被害者の方々の全員帰国と救出のために何ができるか、不断の検討は続けてまいりたいと考えております。  一方で、先生御指摘いただきましたとおり、今回の安全保障法制の検討をするに当たりまして、海外における邦人の命をどのように守るべきかということは重要な課題であって、その中に拉致被害者の方々が含まれるというふうに考えていることは当然でございます。  一般に、在外邦人の安全確保というのは、その邦人の所在する領域国が一義的な責任を有することとなるわけでございますが、今般の平和安全法制によりまして、海外の邦人の安全を守るための制度の充実を図ったところでございます。しかしながら、御指摘のとおり、自衛隊の活動につきましては、国際法上正当な活動でなければならず、また我が国憲法上も許される範囲である必要がございます。  したがいまして、そのために、今般新たに設けさせていただきます在外邦人等の保護措置は、昨年の閣議決定でお示しさせていただきましたとおり、領域国の同意に基づく武力の行使を伴わない警察的な活動として行うものであり、領域国の同意がある場合に、その同意が及ぶ範囲、すなわちその領域において権力が維持されている範囲で活動することを前提としているところでございます。  なお、一般的に、諸外国が在外の自国民保護の活動を行う場合に当たっても、領域国の同意を得て、協力を得ながら行うことが通常であると承知しているところでございます。  いずれにいたしましても、在外邦人等の安全確保の在り方につきましては、今後とも不断に検討を行っていくべき課題であると考えております。
  149. 中山恭子

    ○中山恭子君 国際法上、このような動きというのは当然のこととして認められているというのが現状であると言えると考えております。  領域国の同意がない場合にも、在外自国民保護、救出は、国際法上、所在地それからその所在国が外国人に対する侵害を排除する意思又は能力を持っていない場合、そして当該外国人の身体、生命に対する重大かつ急迫な侵害があり、ほかに救済の手段がない場合には自衛権の行使として許容される場合があるというのがこの懇談会の報告書で、考え方でございます。私も、それは当然のことだと考えております。  また、憲法上の問題ですけれども、この懇談会の報告では、憲法が在外自国民の生命、身体、財産等の保護制限していると解することは適切でなく、国際法上許容される範囲の在外自国民保護、救出を可能とすべきである、国民の生命、身体を保護することは国家の責務でもありますとしっかりと書き込んでおります。  どうぞもう一度御検討いただき、何とか、北朝鮮で内乱状態になるようなことがあったら、そして、日本人の被害者たち又は他の邦人も含めて、そこにいることが分かっている、救出に行けませんではなくて、国際法上も憲法上も許されるという考え方があるわけですから、もう一度再考していただきたいと考えております。是非この後御検討いただきたいと思っています。  今日、ストックホルム合意で一年たったというお話が何度も出てまいりました。このストックホルム合意によって拉致被害者が帰国できるというようにお考えになった方がいたとしたら、それは、北朝鮮との拉致問題について余りにも、何というか、外に知らされていることだけ又は外務省のおっしゃっていることを信じ過ぎているのではないかと、そのくらい残念な思いを込めて考えております。  ストックホルム合意、昨年五月二十九日に発表されました。この合意を読んだ瞬間に、この合意では、日本人拉致被害者を救出する、帰国させるという考え方が全く含まれていない合意であるということが明確に読み取れるものでございます。このストックホルム合意は、国交正常化を進めるための合意であり、その中で拉致問題が取り残されると困るので取り入れたという程度のもので、拉致問題に関しては、ストックホルム合意の位置付けはそういったものであろうと考えております。  このストックホルム合意の中に、拉致問題について合意されておりますのは、北朝鮮側の措置として、その第五に、「拉致問題については、拉致被害者及び行方不明者に対する調査の状況を日本側に随時通報し、調査の過程において日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じることとした。」となっております。  いかにも救出に努力をしたような文章ではございますが、これは、実態は北朝鮮側が思っているとおりのことでございまして、日本人が発見された場合であっても、日本側から政府の人が来て、そこで、あなたは北朝鮮に残りますか、日本に帰りますかと問いかける、そこで去就を決めるというのがこのストックホルム合意の拉致被害者に関する唯一の項目でございます。決して日本に帰ると北朝鮮の中で、監視の中で言えない、この現実をしっかりとわきまえた上で北朝鮮側と交渉しなければなりません。平壌宣言もそうですが、このストックホルム合意につきましても、被害者救出、被害者の帰国というものが最重要課題になっていないということをしっかり認識して掛かる必要があると考えております。  岸田外務大臣がそういう冷たい方だということは決してないということをよく存じております。だけど、この合意を結ぶ外務省の方針、政府方針というのは、二〇〇二年のときに、たった十人のために日朝国交正常化が遅れてはならないという、拉致被害者は犠牲になってもしようがないんだというこの考えが貫かれていると、その証拠のようなものでございます。  したがって、もう一度外務大臣にお願いでございます。  この形では被害者は帰国できません。交渉というのは、もっと被害者救出のための交渉、日朝国交正常化交渉はその後でしていただきたい。昨年十月に、安倍総理から最重要課題だ、行ってこいと言われて、北朝鮮で会合がありました。このストックホルム合意が結ばれたときには最重要課題にはなっていなかったということでございますので、もう一度外務大臣に、拉致被害者救出を最優先で行っていくという御決意を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  150. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、長年にわたってこの拉致問題に関わってこられました中山委員の御指摘でございます。この御指摘につきましては、これは謙虚に耳を傾けなければならないと存じます。  その上で改めて申し上げなければならないことは、今の政府、この拉致問題、最重要課題であるということ、これは当然のことですが、その目的は、あくまでもこうしたストックホルム合意を通じて全ての拉致被害者の方々が無事帰国されること、これが目標であり目的であるということであります。その目的のためにこの事態を前進させる、そのためにあらゆる知恵を絞らなければならない、このように考えております。  この大きな目標、これだけはしっかりと掲げながら、しっかりとこれからも取り組んでいきたいと存じます。引き続きましてのまた御指導をお願い申し上げます。
  151. 中山恭子

    ○中山恭子君 ありがとうございました。
  152. 中曽根弘文

    ○委員長(中曽根弘文君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十六分散会