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2015-08-06 第189回国会 参議院 経済産業委員会 25号 公式Web版

  1. 平成二十七年八月六日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  八月四日     辞任         補欠選任      高野光二郎君     世耕 弘成君      渡邉 美樹君     塚田 一郎君      浜野 喜史君     小林 正夫君  八月五日     辞任         補欠選任      世耕 弘成君     高野光二郎君      滝波 宏文君     堀内 恒夫君      塚田 一郎君     渡邉 美樹君      林  芳正君     三木  亨君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         吉川 沙織君     理 事                 磯崎 仁彦君                 高野光二郎君                 宮本 周司君                 加藤 敏幸君                 倉林 明子君     委 員                 阿達 雅志君                 岩井 茂樹君                 堀内 恒夫君                 松村 祥史君                 三木  亨君                 渡邉 美樹君                 小林 正夫君                 直嶋 正行君                 安井美沙子君                佐々木さやか君                 浜田 昌良君                 東   徹君                 松田 公太君                 中野 正志君                 荒井 広幸君    国務大臣        経済産業大臣   宮沢 洋一君    副大臣        経済産業副大臣  高木 陽介君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       岩井 茂樹君    事務局側        常任委員会専門        員        奥井 俊二君    政府参考人        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        間宮 淑夫君        警察庁刑事局組        織犯罪対策部長  樹下  尚君        法務大臣官房審        議官       金子  修君        厚生労働大臣官        房審議官     成田 昌稔君        経済産業大臣官        房長       嶋田  隆君        中小企業庁長官  豊永 厚志君        中小企業庁事業        環境部長     木村 陽一君        中小企業庁経営        支援部長     土井 良治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○中小企業における経営の承継の円滑化に関する  法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  本日、平成二十七年八月六日は、広島原爆の日に当たります。  ここに、広島、長崎において原爆の犠牲となられた多くの方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。  御起立願います。黙祷。    〔総員起立、黙祷〕
  3. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  4. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、浜野喜史君、林芳正君及び滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として小林正夫君、三木亨君及び堀内恒夫君が選任されました。     ─────────────
  5. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に高野光二郎君を指名いたします。     ─────────────
  7. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、中小企業庁長官豊永厚志君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 宮本周司

    ○宮本周司君 自由民主党、宮本周司でございます。  質問に先立ちまして、改めまして、原爆の犠牲になられました尊い御霊に対し、心から哀悼の誠をささげたいと思います。  では、質問に入らせていただきます。よろしくお願いします。  まず、中小企業、我が国企業の九九%を占め、また雇用も全体の七割ほどを占めるなど、やはり我が国経済の基礎を形成する存在となっております。このような中小企業の事業承継を円滑化することそのものが、やはり事業の継続、発展を通じて雇用確保、また地域経済の活力維持に資するものと、極めて重要であると考えているところでございます。  しかし、非上場の中小企業経営者の平均年齢、二十年ほど前と比較しますと六歳ほど上昇して、現在、約五十八歳になっているということで、かなり高齢化が進行している。そしてまた、経営者そのものが多忙であることでなかなか事業承継に向き合わなかったり、当然後継者が不足をする、また事業承継にはやはり資金であったり若しくは金銭的な負担を伴う、こういったいろんな要因も増えてきている中で、やはり日本経済の発展を支える中小企業の事業承継問題への対応、これは喫緊の政策課題であると私も認識をしております。  経営者の平均引退年齢、これもやはり上昇傾向にありまして、中小企業白書によりますと、最近事業承継を行った経営者におきましては、中小企業の経営者で引退年齢が六十七歳を超えております。そして、小規模企業、小規模事業者に至っては七十歳を超える状況になっている。  また、同じく中小企業白書による後継者の決定状況に関するアンケート調査というものもございまして、この中では、中小企業において、後継者が決まっているという回答は三三・八%、決まっていないが後継者はいるが四九・七%、約半分ですね、そして候補者もいないというのが一六・五%になっています。小規模企業の場合は、決まっているが四三・六、意外と中規模企業よりは多い回答になっていますが、決まっていないが候補者がいるが三八・二%で、候補者もいないが一八・二%という結果だそうです。  ただ、この中で、決まっていないが候補者はいる若しくは候補者もいないと回答した方々のみに、社外の第三者への事業承継、いわゆる外部招聘であったり若しくはMアンドAですね、この検討状況を聞いたアンケート調査によりますと、社外の第三者への事業承継を検討していると回答した数が中小企業で約四割、小規模事業者でも約五割存在すると。これは本当に、今回この法改正のもとになった親族外承継が全体の四割を占めてきたという状況以外にも、社外に後継者を求めようとする流れが中小企業の中でも顕著に見えてきたというのが現在の状況だと思っております。  これらデータにありますように、中小企業また小規模事業者の経営者の高齢化が進みまして、事業承継に対する考え方も多様化する現在を鑑みまして、次の世代にしっかりと事業を円滑に承継をしていくことがやはり重要な課題であると認識しております。  改めて、今回の法改正の内容、またその改正の背景についてどのように考えていらっしゃるのか、まずは中企庁長官の方にお尋ねをしたいと思います。
  11. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。  今、宮本委員のお話とかなり重複するところがあることを御容赦ください。  まず、背景でございますけれども、中小企業・小規模事業者、我が国雇用の七割を支えております。これらの事業者は優れた技術、ノウハウを有しておりまして、多くの顧客や取引先との信頼関係を構築するなど、地域の経済を支える重要な存在だと考えております。また、違った見方では、地域のお祭りへの参加とか消防団等の社会貢献活動も行っておりまして、地域の社会を支える存在でもあると認識してございます。  委員の御指摘のとおり、こうした中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化も進展してございます。事業承継が重要な課題となっていると考えております。このため、政府といたしましても、中小企業・小規模事業者の事業承継が円滑に進むよう、必要な措置を講ずることが求められていると認識しているところでございます。  次に、内容でございます。  内容につきましては、本法案によりまして、事業者を受け継ぐ側であります後継者と事業を譲る側であります先代経営者の課題を一体的に解決する、そうした施策の強化を図りたいと考えているところでございます。  まず、後継者側の課題に対応するものでございますけれども、経営承継円滑化法におきまして、現在、親族内承継についてのみ認められている遺留分に関する民法特例を、近年、御指摘のとおり、増加しつつございます親族外承継にも適用できるよう拡充することといたしたいと考えてございます。  一方、先代経営者におきましても、事業承継後の生活に不安を覚える方が結構多いというふうに聞いてございます。そうした不安が事業承継を滞らせることになってはいけないというふうに考えるわけでございます。これに対応するため、小規模共済制度におきまして、後継者である子供が先代を扶養するとは限らなくなっている現状を踏まえまして、親族内承継を行う場合の共済金額を引き上げたり、また経営層の代替わりの促進を目的といたしまして、加入年齢にかかわらず、六十五歳以上の役員退任時の共済金額を引き上げることとさせていただきたいと考えてございます。  さらに、事業承継を行うに当たって様々な課題に直面する経営者や後継者にきめ細かいサポートを行うという観点から、独立行政法人中小企業基盤整備機構の業務に経営者や後継者に対する助言業務を追加することということが主な中身でございます。  以上であります。
  12. 宮本周司

    ○宮本周司君 ありがとうございます。  この約十年ぐらいで、中小企業全体でも百万者近い企業、事業所が何らかの事由で商売、事業を停止しておる状況でございます。いわゆる個人事業者、自営業者におきましても、やはり後継者が不在で廃業するなどという理由が多く、そしてこの十年間では、やはり十年前との比較で三割ほど減少して、現在は二百二十万者弱であると認識しています。  経営者の高齢化若しくは健康上の問題、事業の先行きに対する不安、こういったものが廃業を決断した大きな理由として挙げられておりますが、経営者が亡くなった場合にやはり後継者が事業を引き継ぐ際に掛かる相続税等の負担が大きい、これもやはり廃業を決定する大きな要因となっていると思っています。  個人事業者におきましても、例えば宿泊業であったり飲食サービス業、医療、福祉、また運輸業とか、いろいろな個人事業者におきましても、土地のほかにも例えば建物、そして機械、設備若しくは車両とか、多額の事業用資産を有しているのが現状だと思っています。これらの事業承継を支援していくために、やはりこういった相続税での優遇措置を拡大する必要性もあるんじゃないかと私は考えています。  個人事業者に関しましては、相続する事業用の土地の評価額を路線価を基にした一般の評価基準よりも八割減額をする特例がありますが、今後さらに、建物若しくは機械、設備、事業用車両、そういったものに関しましても一定額評価額を減額するとか、若しくはその事業が軌道に乗るまで、どうしても個人事業者になりますとその経営の状況が脆弱でございますので、軌道に乗るまでの一定期間猶予する、そういった方策の検討も必要ではないかと考えています。  本年一月になりまして相続税の税率の上がったことを鑑みまして、また、私の地元も含めまして地方の方から、個人事業主の相続税負担が増しているという声が多くなっていると認識をしています。  個人事業者の事業承継につきましては、昨年末の税制改正プロセスにおいて、現行制度上、先ほど紹介しました事業用宅地に対する特例措置はあるものの、既に相続税負担の大幅な軽減が図られているという指摘もありましたが、やはりほかの相続税全般に関しても長期的な検討をするという扱いになっているかと思います。税制改正の実現に向けて、中小企業庁の方でもどのように検討を行っているのか、是非お聞かせをいただければと思います。
  13. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 個人事業者でございますけれども、地域経済社会にとってなくてはならない存在ということで、事業の持続的な発展が図られるべきものだということでございます。他方、御指摘のとおり、個人事業者の建物等の事業用資産につきましては、資産の承継に伴いましてやはり多額の相続税負担が発生するという場合もございます。一般的に担税力が低いために資産の売却等をせざるを得ず、事業承継に支障を来すおそれがあるというふうに承知をしてございます。  平成二十七年度の税制改正要望におきまして、建物等の事業用資産の特例に係る要望を行わせていただきました。しかしながら、平成二十七年度与党税制改正大綱におきましては、小規模宅地特例があり、既に相続税負担の大幅な軽減が図られている、事業用資産とそれ以外の資産の区別が困難であるといった問題があることに留意し、総合的に検討することとされております。  この過程におきましては、個人事業者が果たしている意義を踏まえまして、近年の相続税負担の状況でございますとか、あるいは事業用資産とそれ以外の資産の区別の手法といったものについて御議論はさせていただいたところでございますけれども、御理解を得るにはいまだ至っていないということかと思います。  引き続き、この税制大綱の趣旨、それから建物価格の状況でございますとか、あるいは相続税の課税強化による影響等をしっかり踏まえさせていただきまして、引き続き検討を進めてまいりたいと考えてございます。
  14. 宮本周司

    ○宮本周司君 ありがとうございます。  続いて、小規模企業共済のことに関しまして質問をさせていただきたいと思っています。  事業承継の円滑化を図る、また経営者の若返りを具現化するということで、新陳代謝を進めていくということも含めて、今回、小規模企業共済契約者の約半数を占めている方々が六十歳以上である、こういったいろいろな現状を鑑みて一部改正がなされると認識をしております。  小規模企業白書におきまして、今年から新たに設けられた白書でございますけれども、大変充実した内容がたくさん載っておりまして、経営者年齢別の経常利益の状況という調査項目がありました。増加傾向にある、若しくは横ばい、若しくは減少傾向という三択なんですが、減少傾向、これ、経常利益の状況が減少傾向と回答した数が、四十歳未満の経営者が回答した中では四一%、四十歳代になりますとこれが約五割、そして五十歳代、六十歳代は約六割、そして七十歳代に至っては約七割が減少しているという回答をしているんです。  経営者の高齢化に伴ってその利益が減少傾向にある、これも一つの現実、事実として確認できると思っています。様々な判断力であったり、若しくは事業展開力、発想力、いろんなところに加齢というものが何らか影響を及ぼしているということを判断せざるを得ないのかなと思っています。より若い世代に早い段階で経営を託していく必要性を考えさせる結果であると。そして、まさに事業承継を進めていく、新陳代謝を促していく、この必要性を感じる結果であると私は思っております。  ただ一方で、現経営者が後継者に事業承継を行うことをちゅうちょする、こういった個人的な要因を聞いた調査結果では、当然、厳しい経営環境下で事業を引き継ぐことへのちゅうちょ、いわゆる後継者若しくは後継者候補に対しての人生に関する配慮ですね、こういった回答も多いのでありますが、次に多かったのが、事業を引き継いだ後の収入、生活面での不安、これが次に多いんですね。ですから、後継者に引き継ぐことへの気遣いがあるとともに、自身の生活若しくは経済的な安定が大きな関心事になっているということも確認できております。  今回、小規模企業共済制度におきまして、経営者等の新陳代謝を促すために様々なアイデアはあったと推察いたしますが、今改正法案におきましては、会社役員の退任に当たっての共済金支給要件を六十五歳以上にするなど、いろいろな幾つかの改正がございます。それに至った背景、理由、若しくはこの改正に伴って今後期待をされる効果、これに関してお話を伺わせていただければと思います。
  15. 土井良治

    ○政府参考人(土井良治君) 委員まさに今御紹介のとおり、白書等におきまして、経営者が高齢になるほど経常収支が減少傾向になるというお話、それから、アンケートによりますと、収入、生活面での不安があるという調査結果などがございまして、このようなことを踏まえまして、高齢の役員について世代交代が行われることが企業の収益力の低下を防ぐことにつながるというふうに期待しております。  このため、本改正法案におきまして、高齢の役員が引退する際の共済金の水準を引き上げることにより、会社役員の円滑な引退を通じた世代交代を促すことを目指しているわけでございます。  具体的に申し上げますと、現行の小規模企業共済制度では、会社の役員が事業承継するために任意に退任する場合には、掛金相当額しか共済金は支給されないこととなっております。他方で、会社の役員が六十五歳以上、かつ十五年以上の掛金を納付した場合、その場合には、役員を退任せずとも、任意に会社の役員を退任するよりも高い共済金を支払うことになっております。この結果、六十五歳以上でありましても十五年以上の掛金を納付していない方々は、十五年の掛金納付の条件を満たすまで役員の地位にとどまり続けるというような誘因になっているということがございます。  こうした事情を踏まえまして、加入年数にかかわらず六十五歳以上の役員退任の共済金額を引き上げることとし、経営層の代替わりを促進することを目指しているというのが本改正法案の背景、理由でございます。
  16. 宮本周司

    ○宮本周司君 ありがとうございます。  今の御説明にあるように、これをもって、当然、事業承継の新陳代謝が進められる、これは期待するところでありますが、同時にちょっと一つ心配するのが、実は私この小規模企業共済制度の契約者でございまして、制度そのものに言及することは受益者でもありますので差し控えさせていただきますが、今回、要は支給額が増加するということになるわけですね。ただ、掛金そのものが変わるわけではない。ということは、単純な話、収入は変わらずに支出が増える。この部分におきまして今後この共済制度が健全に運用されていくのかどうなのか。  また、ここ十年で中小企業が全体的に減ってはいるものの、特にこの直近三年間だけでも小規模企業が一割ほど減少するなど、やっぱり小規模企業そのものが減少傾向にある中で、この契約者数もしっかりと確保できているのか、今後どうやって増やしていくのか、そういった持続的な運用の可能性、状況に関しましても是非お話を聞かせていただければと思います。
  17. 土井良治

    ○政府参考人(土井良治君) 運用についての御質問、それから契約者を増やす取組ということでございます。  今回の法律改正の効果につきまして共済金の支払実績などを基にしまして推計いたしますと、全体で十三億円程度の共済金支払額の増加が見込まれます。これは、平成二十五年度の共済金等の総支給額の〇・二%程度に相当しておりまして、共済財政に大きな影響を与えるものではないというふうに考えております。  また、委員御指摘の加入者の獲得も大変重要と認識しております。先ほど委員の方から全体の数が減少しているというふうな御指摘がございましたけれども、小規模企業共済制度の直近三年間の在籍者数は、平成二十四年度から百二十一・七万者、百二十二・六万者、百二十四・九万者と、近年は増加傾向に推移しております。  このような状況にありますけれども、本年度から、さらに、加入率が低い業界団体への説明、女性向け創業セミナーでの説明、インターネット動画配信サイトでの広告掲載など、加入促進のための一層の努力をしているというところでございます。  今後も、小規模事業者の皆様に対しまして、今回の改正内容の周知及び制度のPRを図りつつ、一層の加入促進に努めてまいりたいと思います。
  18. 宮本周司

    ○宮本周司君 ありがとうございます。どうぞ健全な運用をよろしくお願いします。  今年も、中小企業白書、また小規模企業白書が本当に充実した内容で取りまとめていただいておりました。  白書による経営者の年齢別事業承継の予定時期、こういった調査もありまして、このデータを見ますと、五十歳代を過ぎると事業承継を十年以内の経営課題として捉える傾向が、数が急増しているんですね。ただし、一方で、三年以内に事業承継をすると考えているのが、六十歳代の経営者ではたった一八%しか存在していない、七十歳代でも三八%、八十歳代の経営者でも四八%と。高齢経営者の四割、五割の方がまだ事業承継は三年以上先のことだと思われているというこの調査結果に、ちょっと私、不安を感じたところでございますが、やはり事業承継に対する危機意識が低いんだろうなと思っております。  また、別のデータで事業承継に対する準備状況、余りしていないとか、全くしていない、若しくは準備の必要を感じない、こういった回答をされた方が六十歳代の経営者でも約六割いらっしゃいますし、七十歳代で約五割、八十歳代でも約四割存在している。  これを考えますと、やはりいろいろな環境を整備するだけでなくて、中小企業・小規模企業の経営者に対する啓発活動、これにも一層力を入れなければいけないと考えるところでございます。事業承継に対する意識を向上させて、もっと早い段階から取組を始めていただく、このことに関しましては、今回の改正の中にあります中小企業基盤整備機構、中小機構による適切なサポートも非常に重要になってくると考えております。  経営者の新陳代謝を促す制度的な環境は今回整うといたしまして、機構との連携、また機構によるサポート機能の強化、また、二〇一一年から始めております事業引継ぎ支援センターですね、現在三十一の都道府県で設置をされていて、残りは窓口機能と認識しておりますが、こういったものの全都道府県への拡大も含めまして、今後、経営者の新陳代謝を具体的にどのように進めていくのか、是非、政務官から御意見をお聞かせください。
  19. 岩井茂樹

    ○大臣政務官(岩井茂樹君) お答えをいたします。  委員御指摘のとおり、本法案の成立によりまして経営者の新陳代謝を促進するための制度的な環境というのが整備できると考えております。その中で、二つ重要だと考えておりまして、まず一点が経営者の若返りを図ること、そして二点目が新しい経営者の下で事業自体をどうやって活性化をさせていくかということだと考えております。  まず一点目の経営者の若返りにつきましては、事業承継の早期かつ計画的な取組を促すことが重要だと考えておりまして、そのためにも中小機構や税理士等の専門家との連携をまずは強化をしてまいりたいと考えております。具体的には、平成二十六年度補正予算におきまして、中小企業新陳代謝円滑化普及等事業、これ、予算の額にして八・九億円でありますけれども、措置をさせていただいたところであります。この予算をしっかりと活用いたしまして、全国各地におきましてセミナーを約五十回、そして各事業者に対する税理士等の個別相談員の派遣を約七百回、それぞれ行うこととしております。  そして二点目の新しい経営者の下で事業の活性化というところでありますけれども、後継者不在の事業者に対するマッチング支援のための取組を今行っているところであります。具体的には、事業引継ぎ支援センターを全国三十二か所に設置をいたしまして、ほかの十五か所につきましては事業引継ぎ相談窓口を開設をしているところであります。平成二十七年度中には、事業引継ぎ支援センターの全国展開を図る予定であります。  こうした取組を通じまして、中小企業・小規模事業者の経営者の新陳代謝をしっかりと図ってまいりたいと考えております。
  20. 宮本周司

    ○宮本周司君 ありがとうございました。  では、時間も少ないので、最後に大臣に御質問をしたいと思います。  取引相場のない株式に対する評価方式、このことに対してお尋ねをしたいんですが、現在、中小企業の中でも、大会社、若しくは中会社、小会社という分類、全体的に五分類になるかと思いますが、それに対しまして、同族株主の企業においては原則的評価方式が採用されて、その株式の評価がなされています。  大会社等の類似業種比準価額方式におきましては、今本当にバブル期並みの高水準の株価を実現している大企業を中心とした現状の類似業種の数字が反映されてくる。これによって、中小企業の業績が伴っていなくても必然的に評価が上がってしまうという不具合が発生しています。  逆に、小さいところに課されています純資産価額方式におきましては、当然、純粋な資産状況に関して評価されるわけですので、健全であればあるほど支払う額、相続税等が多くなると。当然もうかっているところから取るというのが根底にあるかと思いますが、規模が小さくなればなるほど負担というものも大きくなると思っています。  今後事業承継を進めていく非上場の企業に関しまして、こういった不具合も見られるようになっております。是非、このことに対して、最後に大臣のお考えをお聞かせくださいませ。
  21. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 非上場株式の評価というものは、かねてからいろいろ問題になってきたわけであります。  当初は純資産方式で、全ての純資産計算するというところから始まっているわけですけれども、やはり事業の継続性、また中小企業の特性等々ということで累次見直しが行われて、最近では一番大きい改正が平成十二年の改正で、資産の分と利益の分というようなことに分けていく。それにプラス十四年の改正で一〇%の軽減措置ができたわけでありますけれども、やはり評価だけではなかなか難しいということで平成二十一年に事業承継税制というものが導入されて、そして、それぞれ使いにくい点があるということで、二十五年度改正で少し事業承継税制の手直しをして今年の一月からこれが動き出していると、こういう状況が経緯であります。  まさに、事業承継をする、継続性を保つということは大変大事でありまして、現在、株価が高くなっているという関係から、相続税高くなってしまうなという不安をお持ちの方がいらっしゃることは私の耳にも入っておりますが、なかなか株が下がったから下げてもいい、株が上がったからまた上げてもいいと、こういう話、株が下がったから若干上げてもいい、株が上がったから下げてもいいと、こういう話でも恐らくないんだろうと思っております。  したがって、これまでいろいろ努力をしてきた成果が承継税制でありますけれども、一方で評価というものが根本の課題であることはよく分かっておりまして、どういう知恵ができるかまた年末にかけていろいろ工夫をして、課税当局の賛同を得られるようないい知恵が出るように努力をしていきたいと考えております。
  22. 宮本周司

    ○宮本周司君 ありがとうございます。  終わります。
  23. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。  早速質問に入ります。  事業承継は中小企業が直面する課題の中でも重要かつ非常に悩ましいものであると同時に、地域経済の観点からも国として重要課題の一つと位置付けるものだと認識をしております。  今回の改正案につきましては、増加傾向にある親族外承継に対応するために遺留分の民法特例制度を親族外にも適用できる拡充措置等を含むものであり、改正案自体に異論はございません。十年以上前から親族外承継が四割にも達していることからすれば、むしろ時代の流れに合わせてもっと早く改正すべきだったと考えています。  そこで、法律自体についてというよりも、中小企業政策全般について今日はお伺いをいたします。まず、安倍政権の言ういわゆる地方創生との関連でお伺いをいたします。  地方創生、これは昨年の臨時国会で安倍政権の重要課題として急浮上いたしまして、一方、今ではすっかり安保の陰に隠れて鳴りを潜めているように感じます。アベノミクスの効果を日本の津々浦々までというフレーズも最近余り聞かなくなりました。  しかし、地元を回っていますと、私の地元、元気な愛知県であっても、アベノミクス効果は限定的という印象を多くの方々と話した結果持っております。ましてや地方創生の取組については、何らかの効果が発現したとか、人々の口に上ること自体が皆無でございます。まち・ひと・しごと創生本部という屋上屋の組織をつくってわざわざ担当大臣を置いた割には、やっていることがプレミアム付き地域振興券であったり、相変わらず中央集権的発想で、地方版総合戦略を地方に策定させ、役人を派遣してサポートをさせるなど、旧来のアプローチの域を出ていない、私はそう思います。  私は、昨年の臨時国会での地方創生に関する特別委員会や今年の予算委員会でも指摘をさせていただきましたけれども、地方創生には中小企業の活性化が要だと考えています。地方創生の担当大臣や本部の必要性自体、石破大臣に質問しても納得のいく答弁はいただけませんでしたけれども、こういったものをつくった以上は、中小企業政策を最重要課題と位置付け、中小企業庁としっかり連携するようにお願いいたしました。  まち・ひと・しごと創生本部ができて、閣議決定以来約一年たちましたけれども、中小企業庁とどのように連携をしているのか、デマケの状況とか連携の状況を具体的に教えてください。
  24. 間宮淑夫

    ○政府参考人(間宮淑夫君) お答えいたします。  まち・ひと・しごと創生本部は、我が国が直面する人口減少克服、地方創生のための司令塔として、多分野にまたがる政策の目標や基本的方向性を明示し、各省の縦割りを排し、従来の取組の延長線上にはない政策を力強く実行することとしております。  中小企業との関係で、具体的には、中小企業庁を始めとする関係省庁と意欲と熱意ある地方公共団体との緊密な連携を促し、国と地方が一体となって地方創生を着実に実行することを通じ、ローカルアベノミクスの実現を図ってまいりたいと考えております。  このため、地方が成長する活力を取り戻すための五か年の政策をまとめた総合戦略を昨年末閣議決定し、さらに、この総合戦略に盛り込まれた政策を一層拡充強化するため、本年六月三十日に、まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五を策定いたしました。  この方針に基づき、地域の中小企業等が有するグローバルトップクラスの技術を発掘、育成するための仕組みの構築や地域資源を活用した六次産業化の推進などを通じ、中小企業庁を始めとした関係省庁と連携し、地域企業の活性化を促し、地域の稼ぐ力の向上に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  25. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 意思は分かりましたが、具体的な中小企業庁との連携についてお伺いしました。
  26. 間宮淑夫

    ○政府参考人(間宮淑夫君) この地方創生には、地域の中小企業の活性化、地域の稼ぐ力、これをいかに強化していくかということが重要でございまして、そのような観点から、中小企業庁が取り組んでおります中小企業のイノベーションの政策ですとか、あるいは中小企業の活性化のための政策、これを地方創生の重要な中身として位置付けて、連携を取ってやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
  27. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 もう一年たったんですけれども、考えていきたいと思うということでは大変困るのでありまして、同じ質問を中企庁の方にも伺いますけれども、一年たって、地方創生本部との連携が始まったはずなんですけれども、仕事の仕方、どう変わったでしょうか。
  28. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。  今本部から御説明ありました。私ども中小企業庁といたしましても、中小企業・小規模事業者の活性化という政策課題に取り組むに当たりましては、まち・ひと・しごと創生本部等関係機関との適切な連携に心掛けております。  今具体的なお話がありました。例えば中小企業庁が、商店街の先進的なモデルとなる取組の支援や、地域資源活用、農商工連携を通じたふるさと名物の開発、販路拡大といった事業者を対象とした施策を行っているわけでありますけれども、まち・ひと・しごと創生本部では、地域住民生活等緊急支援のための交付金、これを活用しまして、地方自治体が発行するプレミアム付き商品券などを通じて、商店街の商品やふるさと名物等を購入する消費者を対象とした施策を行っております。言わば、供給、需要両面から地域の活性化に取り組んでいるということかと思います。  それで、お尋ねの、中小企業庁の施策は変わったのかというお話かと思いますけれども、中小企業庁の役割そのものについては、私どもは、中小企業・小規模企業者の成長、発展に責任を有する役所としてその役割は変わっていないと自認してございます。一方で、司令塔である本部の誕生で、これまで以上に本部を始めとする他省庁機関との連携また施策の一体的実施ということは、従来以上にその意識を高めていく、また実際に強まっているとも認識してございます。  当庁としましては、今後とも、こうした連携によりまして、中小企業・小規模事業者、そしてまた地域の活性化に関係機関と協力して取り組んでまいりたいと考えてございます。
  29. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 もちろん、中小企業庁の役割は変わりません。仕事の仕方がどう変わったかという御質問をさせていただいたんですけれども、地方創生本部よりは明確なお答えいただきました。  地方創生本部ができた当初は、中企庁がずっと取り組んできたJAPANブランド事業についてお伺いしても、知らないので中企庁に聞いてくださいと言われました。これは、この事業ですけれども、中小企業にとってハードルの高い海外販路の開拓において外部専門人材を採用する等の支援を行う事業で、一定の効果を上げているものと私も評価しています。今では理解してこれにも関与していますか。
  30. 間宮淑夫

    ○政府参考人(間宮淑夫君) ブランド事業については、もちろん把握、認識をしております。  地方全体、地域をどういうふうに活性化していくか、取組の中で、ほかの施策などとの組合せ、連携も考えながら、そういった地域ブランドの事業、JAPANブランドの事業についても進めていただきたいというふうに考えて、中小企業庁と意見交換、情報交換等も実施しておるところでございます。
  31. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 余りいじめちゃいけないと思っています。  地方創生本部は、既に走っている中企庁の具体的事業についても評価をしたり軌道修正をしたりする立場にあるんですか。
  32. 間宮淑夫

    ○政府参考人(間宮淑夫君) 具体的に軌道修正ですとか変更をこの創生本部の考えだけでできるものとはもちろん考えておりませんけれども、地域の全体の活性化を調整する観点から、いかにうまくほかの施策との連携あるいは政策の充実を図っていくかという観点からの意見交換はさせていただける、あるいは、いただいているものと考えております。
  33. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 せっかく地方創生本部ができました。地方創生は喫緊の課題です。中小企業庁の荷物になってはいけないと思います。本当に、プレミアム付き振興券のようなことをやっていないで、是非中小企業にもっと注目をしていただきたいと思います。そして、中小企業庁がある意味実際の中小企業を目の前にしてミクロの政策を行っているとしたら、もっとマクロ的視点で、町づくりという観点でもっとアドバイスをするとか、本当に生きた仕事をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  さて次に、ベンチャー企業の創出についてお伺いをします。安倍政権の成長戦略に位置付けられているベンチャー企業の創出について伺います。  これ、大臣所信に対する質問のときにも大臣にお伺いしました。ベンチャー・創業の加速化を日本再興戦略改訂二〇一四のトップテンの中に掲げている割には、決め手となる政策が見当たらず、細かい政策の寄せ集めになっているというふうに指摘をさせていただきました。また、幼少時からのベンチャーマインドの醸成といった、息が長過ぎて政策評価のしようがないものもありました。  かといって、私自身、シリコンバレーのようなインキュベーター的な環境、仕組みをつくるのはもちろん一朝一夕では難しいと痛感しておりまして、これといった代替案を出せるわけではありません。中小企業需要創生法案の審議のときに参考人が紹介してくださった長野県飯田市のビジネスネットワーク支援センター、これは産官学の連携ができ始めている好例と理解したんですけれども、いかんせん、日本ではまだベンチャー創出機能が弱いと思っています。  二〇一三年六月に閣議決定された日本再興戦略の中で、開業率が廃業率を上回る状態にし、開廃業率をアメリカ、イギリス並みの水準一〇%台にするという目標が掲げられておりまして、二〇一四年六月に閣議決定された改訂戦略においてもこの目標が堅持されているものと理解しています。  その質疑の際に、その開廃業率の目標自体については、人や資本の流動性を高める、新陳代謝を良くするという意味でそれなりに理解していたんですけれども、今回の事業承継の議論においては、むしろ廃業より継続を奨励する、一種真逆の政策になっています。  政府としては、廃業率を高める政策目標と事業承継を成功裏に導くための政策の整合性をどのように説明なさるでしょうか。
  34. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 私は、この廃業率を高める政策目標と事業承継というのはある意味では車の両輪だと思っております。  委員は金融にお強いわけですけれども、金融庁がこのところ少し金融機関に対する対応を変えてきておりまして、これまでは、しっかり担保を取れ、焦げ付くなと、こう言っていたものを、しっかりと、特に中小企業を中心に、キャッシュフローをよく見て、そしてキャッシュフローを見た上で、例えば担保がなくても貸し付けなきゃいけないし、一方で、キャッシュフロー的に将来性がないんであれば、たとえ担保があってもそれは仕事を畳む方向で指導しろという方向に若干変わりつつありまして、これは恐らくこの話と同じ方向の話だろうと思っております。  市場環境の変化等々で、また将来のキャッシュフロー等で、やはりそろそろもう畳めるうちに畳んだ方がいいというところにつきましては、金融機関にも力をいただいた上で、それこそ個人保証の取扱いとか廃業後の生活資金など課題に対応した支援を行うことによって廃業をさせやすくする、していただくと。  一方で、まさに将来性、業績は堅調であるし将来のキャッシュフローもしっかりしている、しかし経営者自身がそろそろ譲りたいといったところについては、やはりしっかりと後継者を見付けなければいけないわけでありまして、これまではお子さんとか親族が中心だったわけですけれども、それ以外のところとしっかりと結び付けていくといった意味で事業承継ということも大変大事でありまして、やはりしっかりと将来を見通した上で、そして将来性のある中小企業また小規模事業者を育てていくという政策が何より大事だろうというふうに思っております。
  35. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 大変分かりやすい御答弁いただきました。  開廃業率をアメリカ、イギリス並みに倍にするという、目標年次は定まっていませんけれども、その目標自体が実はちょっと非常に分かりにくいということは前回も御指摘申し上げましたけれども、今のお話も二つの要素が混ざって、車の両輪でありながら、廃業率を高める、流動性を高めるために廃業率という数字を、目標を持つということは非常にやりにくいことじゃないかなというふうに思います。ですから、あのときはベンチャー創出の話で出てきた目標値の話でしたけれども、ベンチャー創出、それから流動性を高める上でのポジティブな廃業、これについては何か違う目標をきちっと定めた方がいいようにやはり今日御答弁聞いていて思いました。  客観的に見たら、先行きの見通しも余りなくて、そして赤字であったりとか、ほとんど収益が出ていないとか、そういったふうに延命すべきでないというふうに考え得る、先ほど、ある時期に畳んだ方がいいんじゃないかというふうに見える企業でも、たまにMアンドAで華麗によみがえる例があるんですよね。そうしますと、これ非常に悩ましくて、政策的判断というのもなかなか大変だと思うんですけれども、これについてはまた後で質問させていただきたいと思います。  もう一つ、この開廃業率についてですけれども、前回の質問のときに、なぜ日本では開業率が低いのかということを大臣にお伺いしたところ、企業を継続したまま新しい分野に入っていく、いわゆる第二の創業が日本では多い、このことも理由の一つとして考えられるというふうに御答弁されました。これは私は分析としては恐らく正しいのだと思っているのですけれども、問題はこれどうするかということです。  日本では既存の企業が第二の創業的に新分野に挑戦することの方がもし風土に合っているのであれば、成長戦略としてはむしろそちらに注力する必要があると思われるんですけれども、いかがでしょうか。
  36. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 日本でなかなかベンチャーが育ってこないというのはいろんな理由があって、例えば大企業志向が強いとか、またベンチャーマインドが割合少ないといったような点が多々あるわけでございますけれども、正直言って、じゃ、ベンチャーマインドがある若手を増やしていくということには相当時間が掛かってくるということも確かだろうというふうに思っております。そういう中で、おっしゃるように、第二の創業ということは我が国の今の状況を見ていますと大変大事なことだろうと思っております。  それで、私はこの委員会でも何度か申し上げたんですけれども、大臣になりましたときに、やはり成長戦略の主役は中堅企業、中小企業だろうと、こういう人たちに新たな事業に入っていっていただいて、そして第二の創業をしていただくと、こういうことを応援するものをしていこうじゃないかと。成長戦略の見える化をしようということで、実は、もう三週間ほど前でありますけれども、東京の立川で第一回の発表会をいたしまして、先週は大阪でいたしました。  全国各地でやろうと思っておりますけれども、一年近く掛けまして、全国の、ある意味じゃ新しい事業分野に入っていった、また起業したということも含めてですけれども、成功例をたくさん集めてまいりました。また、失敗例も集めてまいりました。  そして、そういう中では、どうして、こういうことをやれば失敗しなかったのにということまで調べた上で、そういう事例集を作って、そして、それを読んで、やる気になってくださった企業、また、それを読んで、うちの融資先のここなら使えると思った金融機関にそれを応援するプラットホームをつくろうということで、例えば、政府がやっている補助金とか、また税制の施策だけでもかなり複雑で、すぐには分かりません。また、私の地元の広島県もいろんな施策をしております。市もやっております。そういうものが、例えば広島県の広島市に住んでいる人、企業であれば、どういう施策があるかということを当然ワンクリックで分かるようなものとかですね。  また、試験研究開発ができない企業にそういう公的な機関を御紹介するとか、また、当然高付加価値のものを狙っていくわけでありますから、日本国内だけではなくてアジアの各国で出てきている富裕層とか中産階級プラスアルファといったものがターゲットになるわけですが、そういう方たちが、例えば中国の上海ではこういうものが欲しがっている、大連ではこうだ、広州ではこうだ、またベトナムのハノイではこうだ、ホーチミンではこうだというふうに、まさにアジアの国に売れるものであり、売れるサービスというものはこういうものがあるといった情報もすぐにお届けする等々という。  応援するものを使いまして、まさにこれは成長戦略の三つの見える化ということで、これから全国キャンペーンを張りますし、中小企業あなたが主役ですというタイトルを付けながら、是非これを起点にして中小企業また中堅企業が新しい事業にどんどん入っていく、またベンチャーが育っていく、そういう政策にしていきたいと考えておりまして、これにつきましては再興戦略にも頭出しをさせていただきましたし、これからしっかりと関係者に周知徹底していきたいと思っております。
  37. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 しっかりそこを意識してもう取り組んでくださっているということをお聞きして、よかったです。  私は、その再興戦略を見ていてそこに余り目が行かなかったので申し訳なかったんですけれども、真っ更な一からのスタートのベンチャー・創業支援というのだけがちょっとトップの方にあって目に入ったものですから、今の第二の創業ということを改めてくくり出して、一般的な中小企業支援とはまた別の、今事業承継の話をしているわけですけれども、これから先どうやっていこうと考えている中小企業の方々が衣替えをするとかバージョンアップするというチャンスが大いにあるんだということに目覚めていくようなくくり出し、キャンペーンをしていただければいいのかなというふうに思います。  先ほども申しましたけれども、真っ更の一からのスタートのベンチャー創生というのは本当に大変だと思います。どんなに最初に補助金を付けたり支援をしたりしても、その補助金が切れたときに、結局続かなくて、テークオフできないという例が非常に多いですよね。ですから、第二創業というのは、それに対して、それなりのこれまでの実績があり、既存の事業を維持発展させるということは、もちろん地域経済、雇用に大きな意味があるわけですから、是非これについては重要視していただきたいというふうに思います。  最後に、この件については、やはり開廃業率を倍にする、そしてこの目標年次が定まっていない目標であること、それから、あのときに確認しましたけれども、ベンチャー企業の定義もはっきりしていなかった、こういう目標の設定ではやっぱり効果的な政策は立てられないと思います。創業支援ということで、目指すべきベンチャーの姿をもう少し明確化して政策を打つべきだと思いますし、今の第二創業の点についても同じぐらい頭出しをしていただければと思います。  では、事業承継について少しお伺いをします。  先ほど宮本委員の方からいろいろなデータをお示しいただいたのでもう繰り返しませんけれども、皆さんも本当に高齢化の現状については共有したと思います。  今の六十代って物すごく元気で、何というんですか、まさに現役という印象でございまして、特に私の地元愛知県は健康寿命日本一なんですね。この前もちょっとテレビでやっていましたけれども、なぜ健康寿命が一番かという話で、どうも外出率が高いということでした。確かに、地元にいますと、朝五時ぐらいから歩き回っている方も多いですし、モーニングという文化もありますし、とにかく外にいると。これが、人とのコミュニケーションも非常に高いということで、元気の源なのかなと思います。これを私も実感として理解していまして、実年齢に比べて非常に若々しい方が多いので、そんな六十代ぐらいで自分が引退して事業を次世代に継ぐなんという実感が湧きにくいというのも理解できるんですね。  一方で、物づくりの拠点だけあって、中小・小規模企業の数もすごく多くて、平成二十四年度経済センサスによれば、二十二万者のうち九九・六%が中小企業、そして雇用者は二百六十万人のうち六〇・七%で、事業承継の悩みは御多分に漏れず深刻でございます。  愛知県事業引継ぎセンターに行ってきました。話を聞きましたところ、元気な高齢者が多い上に、先ほど宮本委員もいろいろおっしゃっていましたけれども、最近は更に、子供が少ない、そして晩婚化で親と子供の年齢が離れている傾向があって、事業承継への着手が遅くなりがちなのだというふうにお話をしてくださいました。また、教育熱心で、愛知県は私本当に教育熱心だと思いますが、子供を遠くの大学に行かせて大企業に就職させたがる傾向があって、昔はでっち奉公というのがあったんですけれども、今は自分が若くて元気なこともあるものですから、いつまでも戻さなくて、気が付いたら子供もいい年になって、そこの先で役職付きとなって戻ってこないと、こういうケースがよくあると聞きました。  事業承継はもう十年スパンのプロジェクトなんですね。家族を筆頭にステークホルダーの皆さんと誰を後継者にするかということをさんざん話し合ってようやく決まっても、その後継者を育成しなくてはならない。社内の様々な部署を経験して、仕事を理解してもらって、人脈をつくらなければならない。人だけでなくて、株などの資産を引き継ぎやすいように整理するとか、やらなければいけないことがたくさんあって、十年スパンだというふうにおっしゃっていました。  これ、こんなにたくさんやることがあるのに、いざ自分がそろそろ承継を考えなきゃいけないなとよぼよぼになって初めて思ってではとてもできない、弱音を吐きたくなった頃になって始めてはとても間に合わないということなんですね。一般の相続でもこういったことは言えるわけですけれども、事業承継においてはなおさら経営者が元気なうちに考え始めなければいけないということですが、実際にはそうなっていないということです。  一方で、やっぱり地元の話を聞いていますと、業績のいい企業というのは資金的にも能力的にも人脈的にもいろいろ余裕があるので、承継も早めに着手しているんです。三十代後半の息子が社長さんとして出てくることがよくあります。だから、彼らは手元資金もあるうちから株の生前贈与をしたり、個人保証の問題もなく、非常にうまくいくわけですね。ですから、結局この事業承継の問題というのは、赤字であったり業績が低迷していたり、事業環境の厳しい中小・小規模企業の問題だというふうに言えると思います。  私、今こんな情景をちょっとお話ししたんですけれども、愛知県、ちょっと日本の中でもかなり元気のいいところなので特殊なのかなと思うんですけれども、中小企業庁長官は御就任されて間もないですけれども非常に中小企業にお詳しいので、こんな私の理解についてどういうふうに思われるか、所見をお願いしたいと思います。
  38. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) 私、前職、日本政策金融公庫の中小企業事業本部長を二年間いたしておりました。その間、沖縄を除く四十六都道府県に参りまして取引先の方々ともよく意見交換をさせていただきました。  現状の景気動向からいうと、安井委員いらっしゃる大都市が元気が良くて、地方は元気がないということなんですが、確かに、印象論ですけれども、大都市の方の方が若い社長が多いような印象はあります。その取引先の会の幹事会というのがあるんですけれども、私の郷里の鹿児島、これも仕事で行く機会があったわけですけれども、人間山脈のような年齢の方も並んでおられるところがございまして、そういう意味では、今回の着任で、事業承継のお話が出てきたときに、担当することに当たり、そういうことも感ずるところでございます。  いろいろなことを安井委員おっしゃったので、私がどうコメントしていいのか分からないところはございますけれども、先ほどの大臣のお話ではありますけれども、創業なり事業承継と同時に、第二創業等々で日本の中小企業が持っている技術、リソースが分散しないようにしていくということが大事だろうと思っています。  ちょっと話が飛んで恐縮です。緊張しておりますものですから、飛んでしまいますけれども、日本の特に物づくりを例示に挙げますけれども、強みは明らかに中小企業にあると私は思っています。アセンブルする大企業にあるのではなく、その企業に部材を提供する、その要請に基づいて、あるコストで、ある納期に応じて製品を改良して出していく力は、このアジアのほかの中小企業の人たちを見ていてもありません。日本は圧倒的にこの中小企業があるから、私は日本のトヨタを始めとして物づくりの企業があると思っています。いろんな対策を講ずることによって、こうした分厚い中小企業層を維持することが中小企業庁としての責任だと感じております。  取り留めのないお話で恐縮でございますけれども、以上で終わります。
  39. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 通告しない方がきっと生のお声を聞けると思いまして、中小企業庁長官のやはり中小企業への愛情を私はしっかり感じまして、これからのお仕事、期待をしております。どうぞよろしくお願いします。  中小企業、全ての企業を私も延命すべきとは思わないんですけれども、最近の中小企業における廃業の状況とその主な理由、企業規模や経常利益、債務、個人保証の状況など、概況を教えていただけますでしょうか。
  40. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 中小企業の廃業は、そもそも定義が様々ございますけれども、経済センサスの基礎調査、活動調査によりますと、二〇〇九年時点で存在が確認されたが二〇一二年時点では存在を確認できなかった企業というのを例えば廃業ということで集計をいたしますと、この三年の間で七十三万者、小規模事業者も含めますが、が廃業しているということでございます。  企業の規模別で見ますと、大企業が約千者ぐらいございますけれども、大多数が中小企業でございまして、そのうち、いわゆる小規模事業者六十六万というデータが一つございます。それから、民間の調査会社でございます東京商工リサーチ社というのが公表しております。これも母数も定義も異なるわけでございますが、廃業・解散件数というのは年間約三万者という数字もございます。  一つは、経済産業省が平成二十五年度に行いましたアンケート調査によりますと、廃業時に経常黒字だという企業が約五割弱、資産超過若しくは負債と資産が均衡しているという企業が約八割というデータはございます。  理由でございますけれども、様々考えられるわけでございますが、やはり経営者の高齢化や事業の先行きの不安、あるいは後継者の見通しが立たず比較的経営余力がある中で廃業した企業もあるということが考えられるわけでございます。  今後十年間で経営者の過半数が経営交代のタイミングを迎えるということを踏まえますと、事業を継続したいという思いに反して、これもアンケートがございまして、中規模で六三%ぐらい、小規模では四二%ぐらいが引き続きやりたいという思いがあるわけなんですが、それに反して廃業せざるを得ない企業というのがございます。これが今後ますます増えてくる可能性があるなということで予想をしているところでございます。
  41. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 今の状況をお聞きになって、大臣、先ほど車の両輪とおっしゃった、廃業すべきところと、それから事業承継して、あるいは第二創業、MアンドAなどということでうまく発展させるという両方があるわけですけれども、今の状況をお聞きになって、余りつぶさには私もよく分からない説明だったんですけれども、どのようにそこを線引きするか。廃業をしてしまった企業であっても、例えばこういうケースであればもしかしたら事業承継などほかの道を歩ませられることができるんじゃないかとか、そこはどのように線引きをされますか。
  42. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まさにそこはなかなか難しいといいますか、先ほども申し上げましたように、恐らく一番企業の状況を客観的に見ているのは地域の金融機関、もちろんメーンバンクがメガというところもありますけれども、地方においてはほとんど地域の金融機関がメーンバンクでありますから、そういう企業が大体の状況を見ているんだろうと思います。そして、そういう中で、今までは、担保さえあれば、別段事業を続けてもらっても金融機関の方からいえばそれだけで利息が取れるわけですから、そういうことをやってきたわけですが、今後は、恐らくこれからいろんな融資のノウハウといいますか、キャッシュフローの見方の勉強等々を重ねて、まさにおっしゃるような線引きをやっていくことになるんだろうというふうに思います。  私の地元でいいますと、これはまた個別のケースですから全体には当てはまりませんけれども、やはりお子さんが、大体継がれているのは息子さんか娘婿さんが企業としてしっかりしているところは継いでいる。いない場合には、一つのケースは、番頭さんが継いだり、また一つのケースは、大手の飲料メーカーの子会社になって、これはもちろん非上場の会社ですけれども、子会社になって生き残るという道を見付ける等々といったようなことも、例えば子会社になるようなケースは金融機関の仲介でやっておりますし、そういうことをこれから金融機関を中心にやっていくということが大変大事なんだろうというふうに思います。
  43. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 以前、商工中金の改正法の質問のときにも、そのような地域金融機関への期待ということは議論させていただいたと思います。私ももっともだと思います。  それに加えてなんですけれども、今行っていらっしゃる事業引継ぎ支援センターですね、私はこれに非常に期待をしています。先ほども申しましたように愛知県の引継ぎセンターにちょっと行ってきたんですけれども、いい仕事をしていると思います。資料を配ったのを忘れておりましたけれども、二ページ目に愛知県事業引継ぎセンターの相談状況というのを。開設以来四年弱で二百七十者の相談に乗ってきた、そして累計二十四者の成約、MアンドAですけれども、五百人の雇用維持をしてきたということです。もちろん最初は全然存在すら知られないわけですから、時がたつにつれてこれが数が多くなっていったということなんですけれども、累計はこういうことです。  偉いのは、関係機関による紹介で相談に来る場合もあるわけですが、多くはセンター側から帝国データバンクの情報を基に事業承継の問題を抱えていそうな企業にDMを送って相談につなげているということなんですね。中小企業の経営者は、日々の経営で手いっぱいで先のことを考える余裕もない場合が多いわけです。事業経営そのものについてはともかく、承継手続などについてはほとんど知識がない上、すぐに相談できる税理士などの専門家が身近にいるとも限らず、そしてそのコストを賄える余裕もないということなので、こういう無料の相談できるセンターというのがあるのは非常に有り難いことだと思いますし、事業承継のめどは付いていますかとセンターから働きかけることで初めて潜在的な問題意識が顕在化してきて、それまでつい頭のどこかでは分かっていたけれども先送りしてきた問題に取り組もうという気持ちになるそうです。私は、このぐらいのおせっかいをしなければいけないんだと思います。  ですから、そういう意味で、この事業支援センターというのは私は非常に期待をしています。先ほどもありましたが、今年中に全都道府県に設置がされるということで、加速していただきたいと思っています。  愛知のセンターは、今、愛知、岐阜、富山、石川をカバーしているんですけれども、相談件数でいえば愛知が六割強ということです。県内も広くて、遠くて何度も足を運ぶのは大変なのに、ましてや県外からだと大変だろうなと思います。  あと問題は、相談に乗る人です。今、愛知では金融機関の、銀行のOBが非常に親身になって、専門知識と経験を生かして相談に乗ってくれています。センターをつくっても適任者がいないと意味がありません。全国のセンターにおける担当者の前職とかプロフィールとか、こういったものはどういうふうになっているんでしょうか。そして、今後これを増やしていくに当たって、資格とか要件とか、そういったものは設けているんでしょうか。
  44. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 現在、全国の事業引継ぎ支援センターに、責任者として仲介業務を行う相談担当者は三十二名おるんですけれども、その前職は金融機関二十名ということで一番多いわけでございます。それ以外に、中小企業診断士でございますとか、あるいは民間の仲介業者の御出身の方、それから弁護士、あるいは商社の御出身の方といった前職をお持ちの方が多うございます。  相談担当者に求められる資質でございますけれども、やはり一般的には、組織のマネジメント力ですとか、折衝、交渉、あるいはコミュニケーションといった力が必要でございますけれども、MアンドAに係る十分な基礎知識も必要でございます。やはり、金融機関におきます実務経験でございますとか、あるいはこれらと同等の能力を有すると認められる者を採用すると。特段資格のようなものを今考えておるわけではございませんけれども、例えば金融機関でMアンドAの仕事に従事をしていたとか、あるいは事業の再生をやってきたといったような経歴の方をやはりしっかりと採用していくということではないかなというふうに思っております。
  45. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 これは金融機関のOBとか今おっしゃったような方々の再就職先としても非常にいいと思いますし、是非いい方々をヘッドハントしていただきたいと思います。  MアンドAって、特にアレルギーを起こす、聞いただけでアレルギーを起こす中小企業の経営者も多いと聞きます。そうだと思います。最初から民間のそういったMアンドAの仲介業者のところに行くというのは多分考えにくいし、手数料も非常に高いですから、そういった意味でも、選択肢の幅を広げる意味で、無料であるということ、それから公的機関であるという安心感、こういったことで、足を運ぶのも比較的ハードルが低いということで、私はこの事業引継ぎセンターを大いにアピールしていただきたいと思います。  先日、日経新聞がやっている事業承継のセミナーに行ってきたんですけれども、ああいう何百人規模のものというのはたくさん中小企業の方が来ていますけど、やっぱり個別の相談というのが大事で、入口としてはセミナーもいいんですけれども、やっぱり個別の相談に気軽に乗ってもらうということで先々のことを考えるきっかけになるのではないかと思っています。  MアンドAですけど、自分の会社を人手に売り渡すぐらいなら廃業した方がいい、そんなものは恥だと思う人たちも多いと聞いています。でも、中小・小規模企業といっても、企業というのは社会の公器であるという、そういう側面もありまして、何としてもこの、何というんでしょうか、MアンドAに対するハードルを低くしていく必要があると思います。  先ほどの資料で、譲渡相談企業の平均像というのを出していただいているんですけれども、これ見ますと、何というのか、余り問題がなさそうに見えるかもしれないんですけれども、こういった平均像であっても、よく見ると、財務諸表などのデータではなかなか分からないんだけれども、実は社長の報酬が三百万円ぐらいであったりとか、本来の報酬を払ったら赤字になるとか、それから個人保証が付いているとか、資産を時価で計算すると含み損が出て債務超過になるとか、そのまま廃業したら手元に全くお金が残らないと、こういうケースがあるわけなので、それがMアンドAをした結果救われて、無事にハッピーリタイアメントができると、こういうこともあるわけです。  愛知の成約ケースというのを聞いていても、思ったほど大きくないというか、規模がすごく小さいケースもあってびっくりしたんですけれども、たった一店舗の飲食店が新規事業を求めている企業に買われたというようなケースまでありました。  こういうきめの細かい対応をすることで、従業員、雇用が守られる、それから今までの積み上げてきた資産が守られ、地域が守られるということであれば、本当にいいなというふうに思います。  さて、今回の法改正においては、メーンは親族外への事業承継の話になっていますけれども、地方創生の観点、第二創業支援の観点から、事業譲渡、MアンドAを促すような政策にも力を入れるべきだと考えていますが、大臣、いかがでしょうか。
  46. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 親族以外の例えば番頭さんにしても、それからまた第三者にしても、事業を承継するときにはそれに対応する対価を当然払うわけでございますので、どこからどこをMアンドAというかというのは正直なかなか難しい点があろうかと思います。  昨年の暮れでありますが、大阪のある中小企業を視察に行きまして、そこは、新たな事業に挑戦をしてそれを成功させて、それのまさに成果を元に、MアンドAといいますか、もっと大きな企業に会社を売って、元々のオーナーも特別顧問のような形で経営に参画していると、こういう会社でありました。  それで、伺いましたのが、単なるMアンドAですと、なかなか中小企業の場合、期待したような価格が付かないんだというようなことをおっしゃっていました。そういうこともあって、新分野に挑戦をして成功させて付加価値を付けて、それなりの金額を自分のポケットに入れることができたと、こういう話でございまして、恐らくのれん代的なものをどういうふうに見ていくかということは今後MアンドAを盛んにするためには大変大事なことだろうと思っておりまして、やはり、それは経済産業省なのか、それとも金融庁等々とも手を組むのかでありますけれども、少しそういうガイドライン的なものというものは用意をしていかなければいけないんだろうということで昨年も聞いておりましたし、今日のこの御議論を聞きながらもそう思っていた次第でございます。
  47. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 済みません、順番が前後しまして。今大臣からもお話があった件については後でまた伺いたいと思いますけれども。  今、資料の三枚目にありますように、実際にMアンドA、多くなっていますけれども、現在政府が把握しているMアンドAの状況というのはどういうふうになっていますでしょうか。
  48. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 答弁どなたですか。  木村事業環境部長。
  49. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) MアンドA全体につきまして、何件といいますか、ちょっと手元に統計等は今ございませんけれども、従前に比べましてMアンドAについての抵抗感というのはかなり薄れてはきているのかなというふうには考えております。  他方、現在、アンケート調査等を見ますと、MアンドAによる事業売却への抵抗感というのがやはりあるというふうにお答えになられている方が四〇%以上いらっしゃるというようなこと、あるいは親族外承継において心配な点というのがあるということで、これは、例えば個人保証の引継ぎでございますとか、あるいは自社株式の買取りでございますとか、あるいは後継者による事業資産の買取りが難しいといったような事情でなかなか二の足を踏んでいるというような実態はあろうかというふうに考えてございます。  親族内承継、親族外承継、資料の三ということで先生からお配りいただいたとおりでございまして、親族外への承継にそれなりに軸足が移ってきているということは事実かなということでございます。
  50. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 そうしますと、私が出した資料、これ中小企業庁委託調査ということで野村総研が加工しているものですけれども、ここにあります承継の中でMアンドAが一八%あるというこの数字は、政府の取っている調査ではこれをバックアップするようなデータはないということでしょうか。
  51. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 答弁どなたですか。  木村事業環境部長。
  52. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) この出典そのものはお書きいただいているとおり中小企業庁の委託調査でございますので、この数字そのものに信憑性がないというようなことを申し上げているつもりはございません。申し訳ございません。
  53. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 そういうつもりじゃなくて、中小企業のMアンドAの実態と成立の経緯ということで通告してあったと思うんですけれども、もしあれでしたら政府の方である程度数字とかあるいはその実態についてもう少し分析があるのかなと思っていたんですが、いかがでしょうか。
  54. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 済みません。今、私どもが全体として親族内承継、それから親族外承継、MアンドAということで分類したものは、現在私どもが御提示している中小企業庁のその委託調査、二〇一二年の十一月でございますけれども、これが私どもの今持っているデータでございます。
  55. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 あれなんですかね、MアンドAは何か調べにくい理由があるんですか。データって取りにくいものなんでしょうか。
  56. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) 調べにくい状況というよりは、統計的に、さきの大臣の言葉にもありましたように定義上の問題もございますし、また情報の獲得をする手法というところでも限界があろうかと思っております。  ただ、今回の準備が十分でなかったところをおわび申し上げた上で、どこまでMアンドAの我が国における実態が把握されているのか、私どもの宿題とさせていただければ幸いかと思っております。調べた上で、機会を得て御報告したいと考えます。
  57. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 是非お願いをいたします。  なぜかと申しますと、私もこのMアンドAについても非常に重要だと思っているんですね。それは、先ほどベンチャーの企業がテークオフできないという問題点を指摘しましたけれども、ここにMアンドAという出口があれば非常にベンチャー企業も安心ではないかと。それは、買収されるのがうれしいというわけじゃないですけれども、立ち行かなくなったときに、だけれども、非常に自信のある技術があったり、これからまだやり続けたいという思いがあるときに、買収をしてもらうというのは一つの出口戦略ですよね。アメリカのグーグルとかヒューレット・パッカードとかそういうところは、企業外に研究機関を持つような気持ちでどんどんベンチャーに研究をやらせて、そこを買収してその事業をやっていくということを繰り返して大きく成長していっていますよね。  ですから、そういった意味でMアンドAの実態というものを日本の中でももうちょっと研究をして、これからどういうふうにベンチャー支援という意味でもやっていけるのかということを考えていただきたいというふうに思っているんです。  そのことと、それから最後に大臣に、そのことについても御答弁いただきたいんですけれども、先ほどちょっとのれん代のことをお触れになりました。よく、グーグルやHPにできて日本にできないのはこののれん代の問題があるんだということも聞きます。IFRSへの基準の変更といったものも含めて、のれん代の非償却ということ、これ財務省と経産省の攻防があるのかもしれませんけれども、成長戦略の一環として私は検討に値すると思っています。是非、このことについても含めて、MアンドAに対する経産省の今後の戦略についてお考えをお聞かせください。
  58. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まさに事業承継と同じ種類の出口としてMアンドAというものが大変大事な役割を果たしていくということは、これから大事なことだろうと思います。  恐らくMアンドAの定義次第でいろいろ広がってまいりますけれども、番頭さんなんかがお金を出したやつはある意味じゃ企業の継続性が高いということで、別の企業と一緒になるなり別の企業に買収されるというようなことをMアンドAと定義するということになりますと、恐らくいろんなインフラを整えていかなければいけない部分というのは出てくると思います。  かつては、それこそ中小企業の決算書というのは三つあって、税務署に出すやつと金融機関に出すやつと本当のやつと三つあると、こう言われておりまして、今はそれほどひどいことはないわけでありますけれども、まさに企業の中身というものがしっかり第三者にも把握できるようなシステムというものがないとなかなかこれは進んでいかないわけでありまして、そういうものをどういうふうに構築していくのか。そして、企業の評価自体のまさに技術といったものがやはりアメリカ等に比べれば日本は遅れているということでありますから、のれん代を含めて、そういうものを評価する技術というものも高めていかなければならない。その上で、まさに中小企業の場合もMアンドAというものがかなり盛んになってくるんだろうというふうに思っております。  のれん代につきましては、これはいろんな考え方があると思います。減価償却していく方がまさに経営としては安定性がある、安全性が高いということは事実でありますし、一方で、それがあるためになかなかいろんな問題が生じ、突然国際基準になって赤字から黒字になるといった企業が出てきていることも確かでありまして、これは金融庁とこれからいろんな検討をしていかなければいけない課題だろうと考えております。
  59. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 是非前向きな検討をお願いをいたします。  中小企業政策、私は本当に、最初に申しましたとおり、地方創生ひいては日本の経済の今後の成長、発展の要だと思っています。しかし、その中小企業政策も旧態依然としたものでは駄目なのでありまして、やはり世の中の流れ、世界の流れに合わせて中小企業政策自体も成長しなければいけないということだと思います。  今の、最後に、今日は事業承継の話からMアンドAの話まで広がりましたけれども、そういったMアンドAのインフラを整えるということも中小企業政策の進化の一つだと思います。進化させるためのインフラであれば当然やっていかなければいけないことですので、是非、今後前向きに検討していただくためにも議論を進めたいと思います。  今日はありがとうございました。
  60. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。  今回の法改正は、中小企業・小規模事業者の事業承継に関するものということで、今日もいろいろとお話が既に出ておりますけれども、中小企業の事業承継については、後継者不足などの問題から、親族以外の外部の人材ですとか従業員などへの承継の割合が増えてきていると。こうした中で、親族外承継を円滑化するために、今回の改正では、一つは、遺留分に関する民法の特例、これを親族外承継の場合にも拡大するということになっております。  この遺留分に関する民法の特例というのはどういう制度かといいますと、先代経営者から生前に株式が後継者に贈与されたと、こうした場合に、その株式については相続が発生した場合に遺留分の対象とはしないと、こういう合意を推定相続人間、また親族外承継の場合にはその後継者も含めて全員で合意を行うと、その上で経産大臣の確認と家庭裁判所の許可を得るということで、後に相続が発生した場合にも遺留分の主張をされなくて済むので株式の分散が防ぐことができると、こういう制度になっております。  今申し上げたように、この合意というのは全ての推定相続人が参加をしなきゃいけないと。もし一回合意をしても、後に新しい推定相続人が出てきたような場合にはもう一回やり直しというような形になっておりまして、私ちょっとこれを勉強したときに、なかなかハードルが高いなと思いまして、この全員の合意を取るということ自体も結構大変なのではないかなというふうに感じました。  それで、もう少し使い勝手がいいような方法がないのかなとも個人的には思っているんですけれども、まず、質問といたしましては、そもそも、親族外承継は今回の改正ですけれども、この民法の遺留分の特例の制度というのはどういう狙いを持った制度なのかと、この制度の趣旨について改めてちょっと説明をお願いしたいと思います。
  61. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) まず、遺留分でございますが、もう御承知のとおり、遺族の生活保障などのために遺族に留保される相続財産の一定割合ということでございます。これは非常に強い権利でございまして、本人の真意に基づく放棄がなされない限り何人によっても奪われないということでございます。他方、会社経営を安定的に行うためには、株式を後継者へ集中することが必要であるということでございます。  先ほど来議論になってございますが、後継者を親族外に求めるということが起こってきている、しかも制度が発足いたしました頃には基本的に親族外への贈与というのはなかなかないだろうという想定だったと思うんですけれども、そういうものも実態として存在し得るということでございます。  したがいまして、株式をそういう親族外の方も含めた後継者に集中することが重要であるということになりますと、遺留分減殺請求権がやっぱり行使をされると株式が分散をし経営に関する意思決定に支障が生じるおそれがあるということから、今回、そのバランスを考慮いたしまして、遺留分の特例、これについては全員の合意が必要だということを条件にしたものでございます。  従来から、この特例そのものにつきましては、今先生も御紹介いただきましたとおり、推定相続人が増えたような場合にはやはりやり直しということになるというルールになってございますけれども、その遺留分の算定基礎財産を全体として算定した上で個々の遺留分権利者の法定相続分を考慮した個別的遺留分の額を算出するという、そういうこととされておりまして、全体の基礎を成す遺留分算定基礎財産というのがやはり相続人ごとに異なる事態を生じさせるというのは適切ではないかなというのが現行法の基礎となる考え方でございまして、そのこと自体に、やはり今回変更することはなかろうというのが一つの考え方でございます。
  62. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 私、この話を事前のレクでもちょっと申し上げて、この制度ってちょっと使い勝手が悪そうに感じるんですけど、そういうことも原因でもしかして余り活用されていないんじゃないでしょうかと、ちょっとこういう議論をしたんですね。そのときに、説明としては、この制度というのは、相続の開始前に、生前お元気なうちに経営者がこれからの事業承継どうしようかということをしっかり考える、その経営者自身がリーダーシップを取って合意を形成をしていくということが前提というか、となっているので、経営者自身の、何というんでしょうか、その事業承継についての準備というものが大事なんだと、それをあくまで前提とした制度なんだという説明があって、ああ、そういうことなのかというふうに私はそのとき思ったんですけれども。  どうしてかというと、個々の遺留分の放棄であれば、一人と合意ができればその人にしてもらえばいいわけですし、一人一人言ってみれば解決できていくわけですけれども、これをあえて全員一遍に合意しないとこの遺留分の特例の制度というのは使えないので、そういう意味で、どうしてなのかなというふうに思ったんですね。  結局、ですので、この民法の特例の制度というのが法施行以来八十九件しか使われていない、ちょっと少ないんじゃないかなと思っているんですけれども、この制度が活用されていくためには、先ほど申し上げた経営者自身の事業承継に対する考え方、準備というものをしっかりしていってもらう必要があると。なおかつ、合意の形成のサポートというのも重要ではないかと思います。  この遺留分の特例の制度を使わなきゃいけない場合というのはどういうことかというふうに考えると、推定相続人が少なくて余りもめていないという場合には遺留分の放棄してもらえばいいわけですから多分使われないと思うんですね。じゃ、やっぱりある程度人数も多くて少しもめるような要素がある、そういう場合にこの制度をあらかじめ使っておくという意味があるのかなと思いますから、やっぱりそういう合意の形成自体もなかなか難しいかもしれないので、そういったところもしっかりとサポートをするということがこの制度の、今後、せっかく改正もいたしますし、活用されていくことにつながっていくんではないかなというふうに思います。  そういった意味で、この事業の承継が円滑化していく、そのための合意の形成や経営者の事業承継への、何というんでしょうか、計画というか、そういったことを考えていく上でのサポート、そうした体制はどのようになっているのかということをお聞きしたいと思います。
  63. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) まさに今の御指摘いただきましたとおり、まずは先代の経営者に当たる方がリーダーシップをしっかりと発揮をされまして、後継者と推定相続人間の調整などを円滑に行うというのが第一であろうというふうに思っております。その上で、特に、個別ケースにもなりますけれども、親族外の承継が今回お認めいただければ入ってくるということでございますが、そうなってまいりますと、やはり全員の同意が今までに比べて困難な場合というのも出てくるだろうということはおっしゃるとおりと思います。  その上で、やはり中小企業基盤整備機構の業務といたしまして、今回、経営の承継の円滑化に関する助言業務の追加というものをお願いをしてございますけれども、これは、経営者に対しまして、民法特例の活用を含めた相続財産の分配方法等につきまして、税理士等の事業承継コーディネーターと申しますけれども、そういう専門家を派遣してサポートを行う、直接的なサポートを行う、そういう体制も強化をしたいというふうに考えてございます。  こうした取組でございますとか、あるいは先ほど申しました先代経営者のリーダーシップによりまして事業承継を円滑に行っていただきたいというふうに期待をしておるところでございます。
  64. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 この民法の特例、法施行以来八十九件ということで、いまいち活用されていないように感じますが、その原因としてもう一つ考えられるのが周知不足ということもあるのかなと思っております。今申し上げた八十九件中二十七件が東京ということで、地域での偏りというものも見られます。ですので、東京に限らず、また大きな都市に限らず、こうした事業承継について問題を抱えている企業というものは多くあるはずですので、地域の偏りというものをなくすためにも、また更なる適切な活用のためにも、この周知というところについてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。  そこで、この制度の周知ですとか、それから利用のためのアドバイスの体制ということについて、どのようになっているのか、説明をお願いいたします。
  65. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。  今、利用実績に御言及ございました。  この民法特例の利用実績は、平成二十一年の三月一日、この施行の日から今年三月末までに六年間で八十九件というお話がありました。確かに年に十五件でございます。これを多いと見るか少ないと見るかですが、数字としてはそれほど大きくないということだと思います。  その背景でございますけれども、そもそも相続時に遺留分が問題になるケース、これはどれくらいあるのかということかと考えますが、ちなみに平成二十五年度中にお亡くなりになった死亡者の数、これは百二十六万人ということでございますけれども、そのうち、そのうちといいますか、この年に家庭裁判所に遺留分放棄の許可申立て件数があったのは一千百五十四件ということになってございます。しかも、このうち、事業承継絡みのものであるかどうかは残念ながら特定できておりませんので、この内数ということになるわけでございます。  こうした中で、事業承継に際して、その遺留分に係る紛争の未然防止を目的とするこの民法特例、用意されていること、利用されることが可能であること自体が重要だと思っております。件数はその意味では決して大きいものになりにくいところがあるかもしれませんけれども、この用意が、民法上のルールを整備していくことが大事だと考えるわけでございます。  そこで、地域の偏在のお話がございました。民法特例の利用件数は東京都が二十七件、愛知県が九件、大阪府が六件と、大都市部での利用が多くて地方の企業による利用件数が少ないのが現状でございます。  要因として、必ずしも分析できておりませんけれども、株価に化体される不動産価格その他の影響もあるのかもしれませんけれども、重要なのは、まずもって全国でこの民法特例の認知度が高まっていくことであろうと思っております。二十六年度に、私どもは全国で二百七十回、八千人の方々を対象にセミナーを開きました。そのうち、二百三十七回、六千七百二十三人は三都府県以外ではあったわけですが、残念ながら、この利用実績の数字にまだ十分反映できていないところでございます。  先ほど岩井大臣政務官からも話ありましたけれども、二十六年度補正予算もいただいておりますので、今後は一層地方での周知にも努めていき、全国的な御利用が進むように努力したいと考えてございます。
  66. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。  ちょっと時間が、あと十分ということなので、少し質問を飛ばさせていただきまして、一つ飛ばしたいと思います。  この法案の中身に関してちょっと一点お聞きしたいと思いますけれども、この法案の六条では、こうした遺留分の特例について合意をした場合に、併せて、推定相続人間、また推定相続人と後継者との間で衡平を図るというための措置についても定めることができるようになっております。  この規定というのは、今回の改正、前から同様な規定はあったそうでありますけれども、親族外承継ということで、親族外の人が入ってくるとなると少し変わってくる部分もあるのかなと思うので、この点を確認をしたいんですけれども、この推定相続人と後継者との間の衡平を図る措置というものというのはどういったものを想定しているのか、お聞きしたいと思います。
  67. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 本改正におきまして親族外後継者に対する株式等贈与を民法特例の対象に加えるということで、それとのある種の代償関係といいますか、それによりまして推定相続人とその親族外後継者との間の衡平を図るということで、御指摘の六条一項のその措置につきましても親族外承継を対象に加えたものでございます。  一般的な話になってしまうかもしれませんけれども、具体的には、後継者が株式を取得する代わりでございます。推定相続人が先代経営者から不動産や現金等の財産を取得する、後継者が、親族外でありますけれども、株式を取得するわけでございますので、推定相続人が先代経営者から別の財産を取得するというようなこと、あるいは後継者が先代経営者の債務を負担するといったようなことがここで約束をされるということが考えられると思っております。  いずれにいたしましても、その六条を活用することで、親族外承継の場合においても合意を円滑に取り進めるということになればよろしいかなというふうに期待をしているところでございます。
  68. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 では、大臣にお聞きしたいと思います。  平成二十四年に行った中小企業の調査によりますと、これは小規模事業者についてですが、廃業を希望する理由の五四・六%が後継者難ということでありまして、小規模事業者また中小企業が廃業をこの後継者難を理由に行うということが少なくないと言えると思います。今日も議論にありましたとおり、特に若い世代にどうやって引き継いでいくかということが重要であると思います。  私自身としては、例えば厚労省さんが行っているようないろいろな事業、若者の雇用に関する事業なんかもございますけれども、そうしたこととも連携をしながら、後継者を探すための取組といいますか支援といいますか、そうしたことを充実をさせていくことが重要ではないかと思います。例えば、地方都市なんかで、その地域にいなければ、東京とか若い世代が多いところから移住をしてもらって引き継いでもらうようなことも考えられるかもしれません。  こういった後継者が不在で事業の引継ぎが難しいというような中小企業・小規模事業者に対する支援の取組について、また課題について、大臣の御所見を伺います。
  69. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃいますように、後継者難から廃業する中堅企業、中小企業また小規模事業者が多いわけでありますし、また、経営者の平均年齢が六十超えているというようなことでありますから、やはり今後十年間に経営交代をしなければいけない企業というもの、事業者というものも格段に増えてくるという状況でございます。  そういう中で、まさに事業承継の重要性というものが増しておりまして、これまでも親族内で承継が行われる場合については、事業承継税制の創設、拡充や本法に規定する遺留分に関する民法特例などの支援策を講じてきたところでありますし、また、親族外承継に対応するため、今年一月から事業承継税制について親族外承継を対象とするとともに、そして今回、本法案を提出させていただいているところであります。  先ほど安井委員ともいろいろ議論をさせていただきましたけれども、そういう中で事業引継ぎ支援センターの設置ということをやって、事業後継者不足に悩む経営者の支援に努めてきているところでありますけれども、おっしゃいますように他省庁の施策もございます。また、経産省自身でもUターン、Jターンを応援する施策がありまして、これ基本的には大都市に出た方等々につきまして、地方の、地域の企業に勤めていただくマッチングをするということでありますけれども、そういう中にまさに起業であり事業承継といったものも含めて、他省庁とも連携をしながら事業を進めていきたいと考えております。
  70. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 では最後に、小規模企業共済についてお聞きしたいと思います。  これも今回改正に盛り込まれておりますけれども、経営者の廃業や退職後の生活の安定などのためにこの共済制度存在しておりますけれども、次世代へのバトンタッチを促すと、こういうための今回は改正になっております。  この改正の中に、利便性の向上といたしまして、掛金の納付の滞納があっても正当な理由がある場合には共済契約の解除がされないという改正があります。これまでは、理由のいかんを問わず、十二か月以上掛金を納付しなかった場合には解除となったそうですけれども、これは改正されるということです。  この正当な理由として想定されるのが、一つ、災害の発生ということがあるかと思います。この災害の発生、これから例えば東日本大震災のような大きな災害が発生するということも可能性として否定はできないわけでございますけれども、この正当な理由として災害の発生ということを考えた場合に、具体的にどういう規模の災害が対象となるというふうに考えられるのか、また、大きな災害の場合には手続が混乱するということもあると思いますので、できるだけ柔軟な、また簡易な手続の方がいいのではないかと思いますけれども、この点についてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。
  71. 土井良治

    ○政府参考人(土井良治君) お答え申し上げます。  委員御承知のとおり、現行制度では共済契約者は毎月掛金を納付する義務を有しておりまして、十二月以上掛金納付を怠った場合には共済契約が解除されることとなっております。このような十二月以上未納の事態になるという原因の一つには、自然災害による事務所への被害など、共済契約者の責に帰すことができない事由に起因するケースが見受けられるわけでございます。このため、今般の改正によりまして、正当な理由がある場合には契約解除の例外扱いにできることとしているわけです。この契約解除の例外となる正当な理由ということにつきましては、自然災害等の共済契約者の責に帰すことができない事由によって十二月以上の掛金の未納の状況になった場合を想定しております。  具体的な災害発生によりまして共済契約者の責に帰すことができない事由で掛金の納付ができなくなった場合には、当該理由につきまして独立行政法人中小企業基盤整備機構に対し申出を行っていただき、当該理由が正当と認められた場合におきましては契約解除を行わないという手続を考えております。
  72. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 何かあった場合の運用などについても柔軟に対応していただければと思います。  以上で終わります。
  73. 東徹

    ○東徹君 維新の党の東徹でございます。  今回の法案の審議の中でも独立行政法人中小企業基盤整備機構のことが出てくるわけでありますけれども、まず最初に、先日、八月三日の朝日新聞の報道について確認をさせていただきたいというふうに思います。  八月三日の朝日新聞の報道には、経済産業省が所管する独立行政法人の理事長などに人材を出した企業グループに同省OBが役員や顧問として再就職するケースが相次いでいると。十二府省庁が所管する九十八法人のうち、こうしたケースは経済産業省で目立つんだと。独立行政法人の民間人登用が増えた分、減った省庁OBの再就職ポストを企業が補っている形で、有識者は、国民から天下り批判をされかねず再就職先には避けるべきだと指摘するというふうなことが書かれておりました。  朝日新聞の調べでありますが、二〇〇九年以降、経済産業省が所管する四つの独立行政法人理事長に民間企業五社の出身者が五人就いていたと。その後、これらの企業やグループ会社に経済産業省の事務次官、経産審議官、局長経験者ら五人が役員や顧問として再就職していたというようなことで、官民で再就職ポストを交換している形になっているんじゃないか、そういうような指摘でありますが。  まず最初に、二〇〇九年以降、この報道に該当するような形で再就職した経済産業省OBは何人いるのか、お伺いしたいと思います。
  74. 嶋田隆

    ○政府参考人(嶋田隆君) お答えいたします。  管理職でありました国家公務員は、離職後二年間、営利企業等に再就職した場合の届出が義務付けられております。  この届出、それから御指摘の記事、これらを踏まえまして、二〇〇九年以降、経済産業省が所管する独立行政法人の理事長に就任した民間出身者が属していた企業に役員や顧問として再就職した経済産業省の出身者について確認をしたところ、該当者は八名でございます。
  75. 東徹

    ○東徹君 八名ということでありますが、宮沢大臣、今回のこの報道についてどのように思われるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  76. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まず、公務員の再就職につきましては、再就職のあっせんなどの禁止のルールが定められておりまして、経産省としても厳正にこれに基づいて対処をしてきております。  一方で、独立行政法人の理事長の人事につきましては、例えば国家公務員出身者の後任は公募などにより候補者が選定され、また、その任命に際しては人事検討会議なども経た上で所管大臣が任命することとなっておりまして、こういうことでやってきております。  そして、朝日新聞の記事でありますけれども、正直、例えば独立行政法人の理事長職というものは、一般的に言えば高給でありますけれども、一方で、これは委員御承知のとおり、民間の大企業でそれなりの経験をされてきた方からしますと待遇面においては相当劣るところが多々ございます。それは給与水準もそうでありますし、それこそ、しばらく前でありますけれども私が直接耳にしたのは、ともかく土日にゴルフに行こうと思っても会社の車が使えないと、こういうことだったら受けなかったのにと言っている方がいらっしゃいましたけれども。そうした意味では、正直、希望していた方を見付けるというのはそれほど簡単な仕事ではないというのも事実でございます。  そうしたことから、理事長にうちの企業から入ったから、一人、じゃ、経産省から人を採ろうというようなことを考えるとは、とても私には思われないわけでございます。
  77. 東徹

    ○東徹君 私も報道が全て正しいというふうに思っているわけではありませんが、ただ、こういうような書かれ方をすると、経済産業省とそういった企業とで、官民で再就職のポストを交換しているというようなやゆをされないように、是非今後も気を付けていただきたいというふうに思います。  続きまして、今回の法改正による中小機構の業務の追加についてでありますけれども、今回の法案については、今までも各委員の先生方が言われておりますように、事業承継を進める上で大変重要なものというふうに判断しております。近畿二府四県におきましても、近畿の社長の平均年齢は五十八・三歳で高齢化が進んでいるということでありますし、中小企業の約六割以上が事業承継を進めていない状況にあるということであります。  今回の中小企業経営承継円滑化法の改正案では、第十五条第二項として、独立行政法人中小企業基盤整備機構は、旧代表者、後継者その他その経営に従事する者に対して、その経営の承継の円滑化に関し必要な助言を行うものとするというふうなことが新設をされております。中小機構の業務が追加されておるわけでありますけれども、しかしながら、このような業務は既に中小機構がやっていたというふうに思われます。また、中小機構は、既に産業競争力強化法に基づいて中小企業事業引継ぎ支援全国本部が設置されており、認定支援機関同士の情報交流のために事業引継ぎ支援方法に関する助言等行っているところということであります。  なぜ今回、法改正で新たに中小機構が旧代表者等に直接助言を行うこととしたのか、理由をお伺いしたいと思います。
  78. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 現行の中小企業基盤整備機構は、中小法人又は事業体としての個人事業主に対しまして、販路の開拓でございますとか資金調達、そういった事業活動に関する助言を行っているものでございます。産業競争力強化法に基づく事業引継ぎ支援につきましても、企業等とのマッチングなど、事業体に対するサポートということでございます。  他方、本法案で予定しておりますのは、後継者の多様化といった事業承継が複雑化しているということを踏まえまして、経営者や後継者等の個人に対しまして、相続財産の分配方法でございますとか遺言をどう活用するのか、あるいは事業承継により引退した後の生活設計といった、そういった言わば個人的な問題も含めた助言を個人に対して行うというところが違っているということから、このような業務追加を行いたいと考えておるものでございます。
  79. 東徹

    ○東徹君 個人に対してということでありますけれども、この今回の法案の、第十五条の第一項にも、経済産業大臣が経営に従事する者に対して必要な指導及び助言を行うものとするというふうにされておりまして、この二つの助言について、その実施主体、これは経済産業大臣と中小機構ということになるわけですが、どのように異なるのか、またこの二つの助言、連携されるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  80. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 十五条第一項の指導及び助言でございますが、これは、事業承継に伴います例えば雇用の減少ですとか信用状態の低下、そういったことによりまして事業活動の継続に支障が生じることがないように、雇用の確保でございますとか、人材の育成あるいは資金の確保といった幅広い観点から経済産業大臣が助言を行うものでございます。  他方、今回追加いたします十五条第二項でございますが、これは、中小機構、先ほど申し上げたとおり、個人に対しまして、経営者や後継者等の個人に対しまして、相続財産の分配方法でございますとか遺言の活用方法、そういった事業承継そのものをいかに当事者の中でスムーズに進めるかといった観点から、やや個人的な問題も含めた助言を行うものでございます。  経産省と中小機構の連携ということでいいますと、例えば経営者が中小機構から相続財産の分配方法に関する助言を受けまして事業承継の具体的な形態をつくっていただく、その後、例えば、経済産業大臣から助言を受けて関係機関から資金面の支援を受けるというようなことがあり得るかなというふうに思っているところでございます。
  81. 東徹

    ○東徹君 この十五条の第一項には、当該中小企業者の事業活動の継続に支障が生じることを防止するためというふうなことも書いてあって、本当に似通った内容のことが一項と二項の方に書かれているんだなというふうにちょっと違和感があったんで質問させていただきました。  時間がないので次の質問に移らせていただきます。宮本委員が質問されたところとかぶるところはちょっと省略もさせていただきたいというふうに思っております。  小規模企業共済制度の財務健全性についてお伺いをしたいというふうに思っております。  この小規模企業共済の決算では、昨年度、平成二十六年度ですけれども、運用収入、信託運用損益も含んだもので三千六百十九億円でありますけれども、生命保険会社等に委託している資産運用について手数料がどの程度掛かっているのか、またその手数料の支出を抑えるためにどのような取組をしているのか、まずはお伺いをしたいと思います。
  82. 岩井茂樹

    ○大臣政務官(岩井茂樹君) 共済資産の運用のうち手数料を支払っているのは、信託銀行や投資顧問に運用を委託する信託資産と、生命保険会社に資産を預ける生命保険資産があります。これらについて平成二十六年度に支払った手数料は、合計で約二十九億五千五百万円となっております。
  83. 東徹

    ○東徹君 だから、二十九億ということですけれども、その手数料支出を抑えるためにどのような取組を行っているのか、もう一度。
  84. 岩井茂樹

    ○大臣政務官(岩井茂樹君) お答えいたします。  資産運用に係る手数料につきましては、ほかの信託の受託機関や生命保険会社の手数料水準を公募などによるプロセスの中でチェックすることにより、適切な水準、これが確保されていると考えております。
  85. 東徹

    ○東徹君 今、非常に、運用利回りが四%を超えたため、全体でこれ黒字が確保できているというふうに思っております。これからいつまでもこういう、国内外の株式で運用されておりますけれども、運用環境がずっといい環境が続くわけではありませんので、こういった手数料を抑えていくということも大変大事かというふうに思っております。  もう一つ、先ほど宮本委員からも質問がありましたが、この財務の健全性を確保するためには掛金等の収入を増やしていく必要がありますけれども、そのためには加入者の増加も取り組んでいかないといけないというふうに思いますが、この加入者の増加でありますけれども、結構高い目標値を設定されておるわけでして、加入目標件数を昨年度から五年間掛けて四十六万件というふうにしておるわけですけれども、となると年間九万人程度になるわけですが、近年の加入者数六から七万人前後でありますけれども、この目標をどのようにして達成していくのか、それについてお聞きしたいと思います。
  86. 岩井茂樹

    ○大臣政務官(岩井茂樹君) 一つ御説明をしたい箇所がございまして、この五年間で四十六万件というのは、新規加入のほかに掛金の増額の件数を実は加えておりまして、その数が四十六万ということでありまして、単純計算、五年で割りますと年間九万二千件ということになります。これに対応する件数の二十六年度の実績というのは約十二万件となっておりまして、目標値を達成していると考えております。  なお、加入者の獲得は重要と認識をしております。本年度からは、加入率が低い業界団体への説明、そして女性向け創業セミナーでの説明、またインターネットの動画配信サイトでの広告掲載等、加入促進のため取組を強化してまいりたいと考えております。
  87. 東徹

    ○東徹君 続きまして、独立行政法人中小企業基盤整備機構の交付金についてでありますけれども、中小機構は、国から交付金をいただいておって、自動車運転委託、これにお金を使っているということで、台数も調べますと四十二台程度業務運転委託をやっておるということで、これ中小機構で運転手が要るのかなというふうに思うんですね。これ非常に無駄な使い方をしているのではないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  88. 岩井茂樹

    ○大臣政務官(岩井茂樹君) 中小機構は、本部のほか全国九か所の地域本部また沖縄事務所、また全国九か所の中小企業大学校等におきまして事業を行っております。事業を実施する上で、所管する域内の支援先又は地方公共団体、地域支援機関への訪問、理事長の送迎等のために自動車を使用しているところであります。  リースをしております三十四台につきましては、自動車の運転を外部に委託することにつきまして、職員自らが自動車を運転することに比べ、自動車の待ち時間を減らし、より多くの職員が利用できるほか、熟練した運転手に委ねることで交通事故を減らすことができる、また、必要な場合に限定をし外部に委託を行っているところでもあります。  引き続き、業務の安全性や効率性、ここを考えて行ってまいりたいと思います。
  89. 東徹

    ○東徹君 結構今の答弁を聞いて、ちょっとぷすっと笑ったりとか、首をかしげる方もたくさんおられたと思うんですけれども。講師の送迎でしょっちゅうしょっちゅう要るわけでもないと思いますし、車の運転なんて自分でできるものだというふうに思っております。是非見直しを検討いただきたいと思います。  以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
  90. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。  今回の法改正について言いますと、法の対象を一定拡充するということになりますので、賛成したいと思います。  そこで、この間、現行法がどんな効果を上げてきたのか、平成二十年の経営承継円滑化法制定以来、その実績について確認をまずさせていただきたいと思います。事業活動が継続できた件数は何件であり、そして維持できた雇用人数は何人であったのか。どうでしょうか。
  91. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。  経営承継円滑化法には、事業承継に伴う、まず税負担を軽減するための事業承継税制、二つ目に民法上の遺留分に関する民法特例、三つ目に日本政策金融公庫の低利融資といった金融支援がございます。  事業承継税制は、この間、利用件数が千二十二件、民法特例が八十九件、融資保証が百件、これは大臣認定に基づくものに限ってでございますけれども、百件ございます。この平成二十年来の千二百件の雇用者数を確認しますと、約六万六千人という数字が把握できてございます。これらの千二百件の事業者の継承、六万六千人の雇用の維持に貢献できたものと認識してございます。
  92. 倉林明子

    ○倉林明子君 今日、初回の委員会ということで丁寧に答えていただくのは有り難いんですけど、十五分しか質問時間ありませんので御協力のほどお願いしておきたいと思います。  御紹介あったように、一定の実績があったということは否定するものではありません。しかし、この六年間で見ますと、年間ベースにすると二百件に満たないという事業継続の件数になっていると思うんです。  中小企業全体で見ますと、やっぱり減少傾向が顕著だというのは先ほどの議論の中でもあったとおりかと思うんです。一九八一年以来二〇一二年までの三十一年間の数字の議論がありましたけれども、その間で見ますと百四十一万者減少している、そのうち小規模事業者はどうかというと、百四十万者が小規模事業者になっているということですよね。年間でいうと、ならせば四・五万者という規模で廃業、減少しているということになるわけで、事業継続という観点から見ても、焼け石に水と言っても言い過ぎじゃないと思うんですね。これだけじゃないということだとは思うんですけれども。  一方で、今回対象を拡大するということで、今回の改正によって、事業活動の継続、そして雇用確保の見通し、この点についてはどうお考えでしょうか。
  93. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) 今般の改正法案によりまして、まず特例制度が拡充されるわけでございますから、先代経営者の取り得る選択肢は広がると思います。最適な後継者を選ぶことができるということになるわけでございます。  これのどれくらい件数が増えるかということについては、残念ながら非常に困難だと考えてございます。私どもが行いましたアンケート、一万者に対してアンケートを行ったところでございますけれども、残念ながら回収率が必ずしも高くなくて、制度の存在を知っているというところが二百五十七者あったわけですが、その中で、親族外であるために制度を利用できないという方が十五者、すなわち六%はいらしたというようなことでございますし、制度を知らない方もいらっしゃるようなので、周知等を徹底的に行うことによりまして先生の御期待に応えたいと思っております。
  94. 倉林明子

    ○倉林明子君 本法案の対象となるのは、小規模企業の共済加入という点で見ればおよそ百二十五万人ということで、全小規模企業の六割が対象外ということになるわけですよね。株式会社でない多くの小規模事業者、これも対象外ということになってくると思うんです。  そもそも、私、小規模事業者にとって事業の継続、発展が必要だという位置付けから見ても、そもそもの何でこれだけ小規模事業者が減少し続けているのかという原因をしっかり考える必要があるというふうに思うし、減少に歯止めを掛けるということは、私、喫緊の課題になっているというふうに思うんですけれども、大臣の認識、いかがでしょう。
  95. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃいますように、三年間で中小企業全体で三十五万者減少、うち、小規模事業者は約三十二万者減少しております。  原因については様々な原因があると思いますけれども、一つは、小規模事業者が小売業、宿泊、飲食サービス業など経済社会構造の変化の影響を受けやすい業種であること。それから、先ほど来議論になっておりますけれども、やはり経営者が高齢化をしてきているといったようなところ。更に申し上げますと、先ほど安井委員が配られた資料を見ておりまして、開業率と廃業率につきまして言えば、開業率の方が若干傾向的には上回っているにもかかわらず事業者数が減ってきているといった点は、どうも調べさせましたところ、開業率、廃業率はやはり一人以上の雇用がある者が対象である、一方で、事業者数は一人でやっている方も入ってくる。したがって、一人でやっている方がかなりやめられているケースが多いんだろうというふうに思って、この辺はこれから分析をしていきたいと思っております。  何よりも、やはりこれから企業数を維持していく、雇用を維持していくということは大変大事なことでありまして、そのために生産性をどうやって向上させていくかということがやはり喫緊の課題だと思っておりまして、今いろいろ検討を始めたところでございます。
  96. 倉林明子

    ○倉林明子君 先ほどおっしゃったように、外的な要因を受けやすい業種も多いというお話あったかと思うんですけど、その外的な要因というのをつくったのは誰かということも問われる必要があると思っているんです。  そこで、この間の傾向を丁寧に小規模企業振興法を作る際に調査された白書の中で、委託調査の結果、今日取り出して資料として提出しております。結局何で廃業になっていくかというと、経営環境が厳しい、継ぐに継げない、息子にはやらせられないという声を私もよく聞いてまいりました。  その傾向がどうなってきたかというと、これ、創業年次で分けて二つのグラフになっておりますけれども、一九八〇年代以前に創業したところにより顕著に出てきておりますけれども、事業が最も不調だった時期というのが二〇〇〇年代、二〇一〇年以降、もう顕著に増えているんですね。事業が最も好調だった時期というのを逆転して大いに上回っているという特徴がはっきり出ております。一九九〇年代以降に創業した事業者も、一九九〇年代は好調の方が多いんだけれども、その後で見ると、二〇一〇年代には逆転して不調と。景気悪いということですよね。早い話がそうだと思うんですよ。  この調査によりますと、現経営者が事業継承を行うこと、これをちゅうちょする個人的な要因で挙げている理由は何か、そして、その理由で何%占めているのか、上二つで結構です。お願いします。
  97. 土井良治

    ○政府参考人(土井良治君) 中小企業庁の方では本年一月に小規模企業等の事業活動に関する調査を行いまして、五千八百七十四者の小規模事業者に対してアンケート調査を行いました。この中で、現経営者が事業承継をちゅうちょする個人的な要因について複数回答で回答を得ております。本調査によれば、その要因について、回答の多い順に申し上げますと、一番多いのが、厳しい経営環境下で事業を引き継ぐことへのちゅうちょ(後継者候補の人生への配慮)、六五・七%、二つ目が、事業を引き継いだ後の収入、生活面での不安、五七・五%、三つ目が、後継者の経営能力に対する不安、三八・四%でございます。
  98. 倉林明子

    ○倉林明子君 この三年間の京都府内の事業所の廃業率といいますと、被災地を除くと全国ワーストワンという状況にこの三年間見ればなっているんですね。歴史ある商店街、自営業者が大変多いというのも京都の特徴でありまして、それを反映していると思うんですね。最近も、歴史ある商店街で百四十年間続いてきた魚屋さん、七十代の御夫婦で頑張ってきたんだけれども、廃業という決断をされました。商店街のこうした店舗が、歯止めが掛からないという状況が京都でも続いております。  事業承継の最大の障壁というのは、私、厳しい経営環境そのものだというふうに思っているんですね。そこで、じゃ、本当にどうすれば地域で、地域のコミュニティーや消防団の役割等も先ほど指摘ありました、それを担っている方々、この小規模事業者、中小企業者、どうやって持続的な経営を守っていけるのかということで、私、決定的になってくるなと思っていますのが、先送りになりました、赤字でも負担増になる外形標準課税の中小企業への拡大、それから消費税、これ先送りということになりましたけれども、一〇%への再増税、これは廃業を加速させることになることはっきりしていると思うんですね。  私は、きっぱりやめるように担当大臣として声を上げるべきだと考えます。いかがでしょうか。
  99. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まず最初に申し上げておかなければいけないのは、これまでもやり取りをさせていただいておりますけれども、私どもとしては、廃業そのものを悪いことだというふうに思っているわけではありません。開業率、廃業率を欧米並みにということでありまして、やはり産業の新陳代謝ということは大変重要なことだというふうに考えております。  その上で申し上げますけれども、まず、外形標準課税につきましては、大企業のみ、資本金一億円以上ということで導入をしております。そして、一億円以下の中小企業につきましては、今後慎重に検討を行うということになっておりますけれども、極めて慎重に検討されるべき課題であると認識をしております。  一方で、消費税でありますけれども、消費税につきましては二つの方向から申し上げなければいけないと思っております。  消費税が引き上げられた場合に、例えば三から五に引き上げられたときには相当な実は滞納が生じました。やはり、一年分の消費税を小さい企業は一遍にまとめて払わなければいけない、後から払わなければいけないというようなことで大変な滞納が生じて、実は今回もそういうことが起こるということで相当金融的な措置も考えなきゃいけないのかなと思っておりましたけれども、幸か不幸か、今回の、昨年四月の引上げにおいては滞納はほとんど増えていないというような状況でございまして、やはりそれなりに経済状況が好転しているということが恐らくプラスアルファの方向で作用したんだろうというふうに思っております。  また一方で、問題は転嫁できるかどうかということでございまして、転嫁がともかくしなければいけないということで、全国に転嫁対策調査官、いわゆる転嫁Gメンを配置しておりまして、監視、取締りに取り組んでおりますし、また、膨大な数の企業に対してアンケート調査を行って、そしてその結果に基づいて先ほど言った取締り等々を行ってきているところでありまして、転嫁対策については全力を挙げていきたいと考えております。
  100. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、私求めたのは、一〇%への再増税というのはやっぱり中止すべきだということを求めておりましたが、それについては答弁なかったということは確認をさせていただくだけで結構です。  最後、二点提案をしたいと思うんですね。  一つは、大変ニュースになりましたアメリカの最低賃金引上げのニュースで、十五ドルということが確定した州が出てきたということでニュースになりました。時給でいえば、百二十三円で計算すれば時給千八百四十五円ということで、本当に日本と大きな違いが広がってまいりました。  これを可能にしたということで私注目していますのは、中小企業に対して直接支援をやっているということなんですね。金融危機後、中小企業雇用法を実施したアメリカで、税金減免措置の拡大で税控除した金額というのは百二十億ドルに上るんですね。一兆五千億円弱ということになるかと思います。こうした直接支援に取り組んでこそ最低賃金引上げということにも踏み出していけるんじゃないかと思います。是非検討していただきたい。  もう一つは、六年前、与謝野大臣のときに研究していくということを表明された所得税法五十六条の廃止の問題なんです。  これ自家労賃、自営業者の配偶者、家族の自家労賃を上限決めてそれ以上認めないという差別的な対応なんですけれども、結局小規模事業者の負担になっているというだけじゃなくて、均等でない、青色と比べても均等でないということで、廃止を求める声が、全国四百を超える地方自治体から要望も上がっているというものです。税負担、直接低減するという方向にも向かうものであり、是非廃止に向けて具体的に動くときだと思います。この点は要望としておきたいと思います。  消費税。いいですか。──いいです。また続きやります。  終わります。
  101. 松田公太

    ○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。  今日は、広島原爆七十年の日です。先ほど皆さんで黙祷もさせていただきました。私たち日本人は、唯一の戦争被爆国として平和と核廃絶、これを必死に訴え、推進をしていく責務があるというふうに考えております。  その上で申し上げたいんですけれども、昨日の安全保障特別委員会の中で中谷防衛大臣が核兵器の輸送が可能だと、そのように答弁された件については、私は非常に驚いてしまったわけでございます。岸田大臣も、広島選挙区、非常に、今回初めて聞いたということで驚いたような様相でございました。  率直に宮沢大臣にお聞きしたいんですが、同じ広島の選挙区として、今回のこの安保法案、核兵器が輸送可能だということについて、どのように感じておられますでしょうか。
  102. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 法案の具体的中身につきましては担当大臣ではございませんのでこの場で答弁するのは差し控えさせていただきますけれども、やはり核兵器の廃絶に向けての努力ということは大変大事なことだと思っております。
  103. 松田公太

    ○松田公太君 広島の選挙区ということで、もうちょっと踏み込んだ御答弁いただけるかなというふうに思っていたんですけれども。  私も、今回この安保法制、これが整ったことによって核兵器が輸送されるようなことになってはいけないと非常に強く思っておりまして、その点を是非、宮沢大臣の方からも、所管ではないかもしれませんけれども、閣僚の一人としてしっかりと発言をしていっていただきたい、このように思っている次第でございます。  それでは、今回の法案の質問に入らせていただきたいと思いますが、昨日、中小企業庁に、年間どれくらいの個人事業主が開業しているのでしょうかと、また廃業しているのかということを聞いたんですけれども、お答えいただくことができなかったんですね。この場でもう一度確認をさせていただきたいんですけれども、これらの数字というものは把握できているのでしょうか。
  104. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 開業、廃業につきましては、様々な実は統計あるいは調査がございます。  一つは、雇用保険の関係、開業率、廃業率を取るときに使っておるデータというのがございます。これは、年報ベースで毎年取るわけでございますが、ただ、実際、人を雇用をしておりませんとその統計の中には入ってこないということでございます。  それから、経済センサスに基づくデータというのもございます。これは、ただ、三年に一回程度の調査ということでございます。悉皆調査でございますが、企業の減少あるいは増加というものが、趨勢的に取ることは可能です。  したがいまして、そういう様々なデータを私どもとしては組み合わせながら、開廃業についての統計的な世界というものを見ながら業務を進めているということでございます。
  105. 松田公太

    ○松田公太君 今、方法とか手法というのはお聞きしたんですけれども、それでは、数字というものを把握できているのかというのが私の質問なんですけれども、これ、例えば何%若しくは何万人でも結構ですので、どの程度年間で誕生していて、どの程度閉めているのかということを教えていただきたいんですけれども。
  106. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 例えば、個人企業で開業が、これは経済センサスの基礎調査に基づくものでございますが、十三万七千四百四十一件に対しまして、廃業が四十九万七千十六件と、例えばこういうデータがございます。
  107. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  本当は昨日のうちにそのような数字を出していただければもうちょっとこちらでも質問等を更に深めてお聞きすることができると思いますので、次回から是非それをお願いできればというふうに思います。  遺留分に関する民法の特例というのは、皆さん御存じのように、特例中小企業者、つまり、中小企業者のうち一定期間以上継続して事業を行っているものとして経済産業省令で定める要件に該当する会社が対象になっているわけですね。そのため、会社形態を取っていない個人事業主は本特例を利用することができないということになるわけです。しかし、個人事業主は小規模企業全体の約六割を占めているわけですから、その承継についてもサポートをしっかりしていく必要があるんではないかなというふうに考えているわけです。  現在、個人事業主の承継に関してはどのような政策が行われているのか、教えていただければと思います。
  108. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) まず、個人事業主の事業用資産の相続税につきましては、四百平方メートルまでの事業用宅地につきまして評価額の八〇%が減額される、そういう特例措置がございます。  それから、個人事業主が事業承継を行うに際して必要となる事業用資産の買取り資金、そういったものに対応すべく、経営承継円滑化法による金融支援を受けることが可能でございます。  また、個人事業者に対しましても、事業引継ぎ支援センターあるいは後継者人材バンクによるマッチング支援というのを行っております。  また、本法案によります小規模企業共済制度改正により共済金の支給額の増加が図られるといった、そういう御支援をしているところでございます。
  109. 松田公太

    ○松田公太君 今幾つか教えていただきましたけれども、そのような個人事業主に対する支援というものはあるわけですけれども、実際、株式会社と比較するとまだまだ足りない部分があるんじゃないかなというふうに考えているわけでございます。  現在、個人事業主が約二百二十万あるということなんですね。日本においては、一人で株式会社をつくることが可能になっているわけでして、また資本金も一円からこれが可能になっているわけです。そう考えると、個人事業主というのは、事業開始時に個人事業主という形態じゃなくて株式会社を選ぶということが一つ可能なんだろうというふうに思っているわけでして、そのような中で例えば個人がどちらを選ぶのかというところなんですけれども、メリット、デメリット両方あるというふうには考えているんですが、宮沢大臣としては、どちらがどういうメリットがあってどういうデメリットがあるというふうにお考えでしょうか。どちらがある意味得だというふうに思われますでしょうか。
  110. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 例えば、法人では株主の保護の必要があるため、定款に定めた事業内容の変更に当たって株主総会決議を要するなど、自由度は相対的に低い。一方で、個人事業主はこのような制約がないわけでございまして、自由度が高く柔軟な運営が可能となるといったところ。  また、信用面ということでいえば、やはりまさに個人の財産と事業の財産が分離されている法人では一般的には信用度が高い、それに対して個人事業主は一般的には信用度が低いといったような点があると思います。  また一方、税制についていえば、恐らく法人成りした方が各種の税制といった意味では大変使いやすくなっているということに加えて、給与所得控除が受けられるというメリットがあると思います。  ただ一方で、法人の場合ですと、法人成りしてしまいますと、従業者が一人でも社会保険制度に入らなければいけないということになりますが、個人事業であれば、五人未満であれば社会保険に加入しなくて、経営側からいえばしなくて済むというメリットがある。  その辺をいろいろ考えながら、皆さん、法人形態を取るか個人事業主でいくかという選択をされているんだろうと考えております。
  111. 松田公太

    ○松田公太君 今おっしゃったとおりだと思いますが、税制面、控除面、そういった部分を考えると、お金の部分を考えると、特に私は株式会社としてしまった方がいいんだろうというふうに考えているわけですね。  特に今回話し合われておりますこの承継という意味においては、個人事業主の場合は、事業主が死亡して相続が発生すると個人名義の預金口座が一旦凍結されてしまったりするわけですね。そうすると、支払が困難になってしまったり、それによって事業に支障が生じるというようなことも起きるということを私も銀行員時代に経験して認識しているんですけれども、できる限りそういう意味でも会社形態を取った方がいいんだろうというふうに考えているわけです。  先ほど申し上げましたように、資本金も一円からできます、株式会社は一人からつくれますよという状況にはなっているんですけれども、登録免許税、これが実は私高いなというふうに考えておりまして、これ一円でも十五万円掛かるんですね。そして、定款認証に係る公証人手数料、そういったもろもろの手続、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、これも五万円掛かったりですね。そういった費用の部分が最初に考えたときに掛かり過ぎると、まあ個人事業主でいいのかなというふうに考えてしまう方々も多いのではないかなというふうに思います。  こういった点も含めて、株式会社化、事業承継ということも含めて、将来的にはMアンドAも含めて、やはり株式が存在する方が話がスムーズにいくわけですから、こういったことを経産省が中心となって施策を進めていく、これも必要なんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  112. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 恐らく、税制の面も含めて過去の戦後の歴史というのは、株式会社化を進める方向、株式会社じゃなければ個人事業主であっても青色申告を進めていくという方向でずっとやられてきていたわけであります。そういう中で、それこそトーゴーサンとかクロヨンとかいうような、まさに個人事業主が税金を払っていないではないか、サラリーマンばかり払ってと、こういうことが言われてきていたわけでありますけれども。  今になってみますと、与党の税調の幹部などと話しているのは、少し個人事業主がきついことになってしまっているのではないだろうか。逆に、会社を一人でも起こせる、法人成りするとかなり節税ができるといった問題点があって、しかも給与所得控除というのはかなり多額、大きなものがございますので、そういうことが若干経済活動をゆがめてきているのかもしれない。もう少し個人事業主と法人成りした部分とのバランスを、最近十年、二十年で大きく変わってきたところをもう少し税制の面でも考えていかなければいけないのかなという議論を実は内々始めたところでありまして。  まさに法人化するということの方が外から見えやすくはなりますけれども、一人株式会社、また、法人といっても実は株式会社だけではなくて各種いろんな法人がございまして、そういうところで、実は本当は個人のものなんだけれども節税的に使われていることについてどういうふうに対応していくかという議論は、これはまた別の角度からやっていかなければいけないんだろうというふうに考えております。
  113. 松田公太

    ○松田公太君 次のちょっと質問に移らせていただきます、多分時間的に最後になるかもしれませんが。  事業承継の妨げになっているものとして、経営者の個人保証の問題があると思うんですね。これは、ベンチャー企業、会社を起こす際にもネックになっている部分だと思っております。  昨年の二月一日から中小企業の経営者保証に関するガイドラインの運用が開始されているわけなんですけれども、これは法人と個人が明確に分離されている場合などに経営者の個人保証を求めないことを内容とするものでして、経営者保証を禁止するという経産省の考えが私出ているものかなというふうに感じていたわけです。  宮沢大臣も、これは衆議院の審議の場でですけれども、基本は個人保証なしが筋であるというふうにおっしゃっていますので、当然そのようなお立場かなというふうに考えているわけです。また、安倍総理も、個人保証偏重の慣行を断ち切りますと今年二月の施政方針演説でも明確に言っているわけですね。  保証については民法が規定しているわけでして、このような状況ですので、経営者保証については私はもう禁止、廃止する方向で改正がなされるのかなというふうに期待を持って見ていたわけですけれども、今年三月に閣議決定されました民法の一部を改正する法律案を見ますと、経営者保証の禁止、廃止どころか、公正証書さえあれば第三者保証も可能だということでなっておりまして、昨年三月に出されました中間試案より大分後退してしまっているなというふうに感じているわけです。  本日は法務省の政府参考人にも来ていただいておりますのでお聞きしたいんですけれども、なぜこのような法案、方向性になってしまっているのか。これは安倍総理の施政方針演説と矛盾するものじゃないかなと。また、経営者保証の問題については、法務省としては規制はするべきじゃないというふうに考えているのかどうか、それをお答えいただければと思います。
  114. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) お答えいたします。  保証契約は個人的情義等に基づいて行われることも多い、また、安易に保証契約を締結してしまった結果、生活破綻に追い込まれるという事態もあるというような御指摘はそのとおりかと思いますが、法制審議会でも確かにそのような点の指摘があり、そのような事態を抑止するため、民法上も何らかの措置を講ずべきであるという意見がかなりございました。他方で、個人保証を制限し過ぎることにより中小企業が融資を受けにくくするということを危惧する意見も中小企業団体を中心に主張されたわけでございます。  そこで、御指摘の改正法案におきましては、危険を十分に自覚せずに安易に保証人になることを防止しつつ、他方で、中小企業の資金調達に支障が生じないようにするべく、事業のために負担した貸金等債務を主債務とする保証契約を全面的に禁止するのではなくて、このような保証契約について、経営者以外の方でも、公証人が保証人となろうとする者の保証意思を事前に確認しなければならないものとする、こういう手続を経ていなければ保証契約は無効とするということとしています。  また、主債務者の取締役などいわゆる経営者が保証人となる場合につきましては、中小企業団体から、これらの者が主債務者の状況を十分に把握できる立場にあり、その不利益を十分に認識せずに保証契約を締結するおそれは低いと考えられるから意思確認は無用であるという強い要望が出されたこともございました。このようなことを踏まえた改正案というふうになっているものでございます。
  115. 松田公太

    ○松田公太君 終わりにします。  もう本当に銀行を甘やかしているだけの話だと思いますよ、これ。審査能力、このままだったら銀行全く付きませんから、日本の銀行は。ベンチャー立国、これを本当に目指すのであれば、私は、やはりしっかり規制を作っていくべきだ、それを是非宮沢大臣にお願いしたいと、このように思って、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  116. 中野正志

    ○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。  宮沢大臣には、もう今日の朝から、安倍総理大臣共々に、原爆の日、地元であられますから、謹んで哀悼の誠をささげられたニュースは見させていただきました。同時に、この経済産業委員会も、私たちも含めまして、黙祷で謹んで哀悼の誠をささげさせていただきました。  ただ、論評はいただきませんけれども、あの太平洋戦争で私たちの日本軍は確かにハワイ、パールハーバー、軍港は攻撃をいたしましたけれども、ホノルルを始めとして市街地の攻撃はしなかったと、このことだけはあえて申し上げておきたいと思います。論評も要りません。  さらに、九日は長崎原爆の日ということになるわけでありますけれども、どうあれ、ただ単に、私たちは多くの民間人を太平洋戦争で軍民共々に失うことになりました。  改めて、謹んで哀悼の誠をささげながら、私たちはあの太平洋戦争で学んだことをしっかりとこれからの私たちの政策展開の中で生かしていくのでなければならないな、そんな気持ちで改めてこの八月を迎えさせていただいております。  はてさて、経営承継円滑化法の一部改正についてお聞きをする前に、アベノミクスの観点から、本法改正案が対象としている中小企業及び小規模事業者における昨今の景況についてどういう御認識をお持ちなのか、まずはそれをお伺いをさせていただきたいと思います。
  117. 高木陽介

    ○副大臣(高木陽介君) まず、安倍政権発足後、経済状況は間違いなく良くなってきているというふうに申し上げたいと思います。  まず、企業の経常利益や雇用関係を中心に大幅に改善しておりまして、中小企業の方も景況も好転しつつあります。例えば中小企業の資金繰りDIは、日銀短観によれば平成二十七年六月調査ではプラス五ポイントとなりまして、平成二十四年十二月調査の、ちょうど安倍内閣が発足したときですね、マイナス五ポイントと比べて一〇ポイント改善し、平成二年十二月調査以来、約二十五年ぶりの高水準となりました。  また、企業倒産件数も減少を続けておりまして、平成二十六年の倒産件数は九千七百三十一件と、平成二年以来、二十四年ぶりに一万件を下回りました。また、平成二十五年と比べても千百二十四件の減少でございます。  一方で、中小企業は相対的に厳しい状況にありますので、仕入価格の上昇による収益圧迫等の経営課題に直面していることも認識をしております。このため経済産業省としては、本法案に加えて、様々な価格転嫁対策を実施するとともに、平成二十六年度補正予算において約三千億円、また二十七年度当初予算においても約一千八百億円を確保して、中小企業・小規模事業者の活動を後押ししているところでございます。  これらの取組を通じながら、アベノミクスによる地域の活性化を実現し経済の好循環を生み出していく、このように思っております。
  118. 中野正志

    ○中野正志君 トータルの経済産業政策、中小企業対策を始めとしてでありますけれども、しっかりとそういう意味では花開いているなという状況だろうと思います。  平成二十年にこの経営承継円滑化法が施行されてから現在までにどのような成果があったか、また、事業承継税制については平成二十五年度税制改正によって拡充をされ、制度の使い勝手が良くなったという理解を持たせていただいておりますけれども、そういう総括でいいかどうか。さらに、現在どのような課題を把握されており、今回の改正に至ったのか。税制、あえて言わせてもらいましたけれども、含めてお伺いをしておきたいと思います。
  119. 高木陽介

    ○副大臣(高木陽介君) 中野先生、この法制定当時経済産業副大臣でございましたので、そういった中にありまして、まず円滑化法の成果につきましては、事業承継に伴う税負担を軽減するための事業承継税制、民法上の遺留分に関する民法特例、そして日本政策金融公庫の低利融資等の金融支援、これが盛り込まれております。これらの支援を通じて、平成二十年の制度創設から昨年度までの間に、累計約千二百件の支援を行っております。  これらによりまして、支援を受けた中小企業に勤務する多数の従業員の雇用維持に貢献したものと考えられますし、また、国や民間団体が開催する事業承継セミナーに多くの経営者が参加するなど事業承継対策に対する認知度は確実に高まっており、直接の支援対象以外にも、事業承継対策を進める環境整備の効果もあったと考えております。  また、事業承継税制につきましては、平成二十五年度の税制改正において、親族外承継も対象としたこと、さらには雇用を五年間毎年八割以上を維持しなければならなかったところを、五年間平均で八割以上を維持すれば適用されるようにしたこと、さらに、旧代表者が役員として残留する場合も対象化したこと等の抜本的な見直しが行われ、本年の一月から改正が施行され、相続税、贈与税の税率引上げの影響や執行状況等を踏まえて今後の検討を行ってまいりたいと思います。  また、今回の改正につきましては、経営者の高齢化が進展しておりますので、今後十年間で経営者の約半数が七十歳代の引退期を迎えることが想定されております。このような状況を踏まえまして、政府としては、中小企業・小規模事業者の事業承継が円滑に進むよう、制度的な環境整備を早急に行うことが必要と考えております。  特に、近年増加しつつある親族外後継者への事業承継に際しては、民法特例を利用できないのが現状で、また、先代経営者において事業承継後の生活に不安があるとの声も聞いております。これらの課題に対応するために、今回の改正案におきまして、民法特例については事業承継税制と同様に親族外承継を対象とすること、小規模共済制度について親族内承継を行う場合の共済金額の引上げ等を目指しております。  引き続いて本法案に含む施策を積極的に進めることによりまして、中小企業そして小規模事業者を力強く支援してまいりたいと考えております。
  120. 中野正志

    ○中野正志君 是非そのようにお願いをいたしたいと思います。  先ほど来もちらっとありましたけれども、中小企業及び小規模事業者の現状について、その推移についてお伺いもしておきたいと思います。  民間の調査のデータでありますけれども、ここ三十年程度、中小企業及び小規模事業者の減少数は約百四十万者以上に上ると言われておりますけれども、このデータについて把握されている数字をお伺いをしておきたいと思いますし、プラスして、日本経済を支える企業の九九・七%を占める中小企業及び小規模事業者の数がそれだけ減少しているということでありますと、当然、国民総生産にも大きく影響しております。見過ごせない数字であると考えておりますけれども、この原因、また課題設定及びその解決策について、本改正案との関係を踏まえた御所見をお伺いをいたしておきたいとあえて思いますので、改めてお伺いをしておきたいと思います。
  121. 豊永厚志

    ○政府参考人(豊永厚志君) まず、中小企業・小規模事業者の現状、三十年間の数字の御質問がございました。事業所統計調査及び平成二十四年経済センサス活動調査によりますと、中小企業の数は一九八一年五百二十六万者、二〇一二年三百八十五万者でありましたので、この三十一年間、委員がおっしゃるとおり百四十一万者が減少になっております。このうち小規模事業者の数は百四十万者減ったということになっているわけでございます。  また、こうしたことの原因についての御質問がございました。中小企業事業者の数が減少してきているわけでございますが、その理由でございますけれども、アンケート調査によりますと、先ほど大臣少し触れましたけれども、経営者の高齢化、健康問題、後継者問題が約五割、その他事業の先行き不安や取引上の不安が約二割ということになっております。  この間、自らの判断で市場を退出される事業者もおられるわけですけれども、こうした方々に対しては窓口の整備、個人保証の取扱いの対応等々を行ってきたところでございます。  他方で、経営者の高齢化や後継者問題、これについては、今後十年間で経営者の過半数が七十代の引退時期をお迎えになるということでございますので、これを踏まえて、事業を継続したいという思いに反して廃業される企業が増えることを懸念してございます。  こうした状況を踏まえれば、政府といたしましては、中小企業・小規模事業者の事業経営が円滑に進むよう、総合的に対策を講じる必要があると思っております。その具体的な中身につきましては、高木副大臣の先ほどの答弁と重複しますので、ここでは割愛させていただきます。
  122. 中野正志

    ○中野正志君 ありがとうございます。  小規模企業共済法改正では、配偶者と子供への事業の譲渡については支給額を廃業した場合と同等とし、また、六十五歳以上の役員が任意に退任した場合は老齢給付と同等に引き上げるということで、私は評価に値する改正内容であると考えておりますけれども、本改正後にこの支給額の引上げ分としてどの程度の予算上昇を見積もられているのか、同時にその予算の財源についてもお伺いをしておきたいと思います。  また、前回の小規模企業共済法の改正で、共同経営者、いわゆる奥さんでありますとか後継の子供さんでありますとか、小規模企業共済制度の対象として認められるようになりましたが、これまでの共同経営者の加入状況はいい意味でどのようになっておりますのか、併せてお伺いをしておきたいと思います。
  123. 土井良治

    ○政府参考人(土井良治君) お答え申し上げます。  今回の法律改正の効果につきまして共済金の支払実績等を基に推計いたしますと、全体で十三億円程度の共済金支給額の増加が見込まれております。その財源措置に関しましては、共済契約者が納付しておられる掛金を運用することによって共済金の財源を確保することといたしております。  なお、今回の改正に伴う増加額十三億円に関しましては、平成二十五年度の共済金等の総支給額の〇・二%程度に相当しておりまして、共済財政全体に大きな影響を与えるものではないと考えております。  それから、共同経営者の加入状況についての御質問がございました。  前回の法律改正によりまして、平成二十三年一月から共同経営者の方々が加入が認められております。それで、その運用の開始から平成二十六年度末までの四年ほどの間に合計で四・五万人の方々が新規加入しておられます。年平均に換算しますと、約一万人に相当するわけでございます。
  124. 中野正志

    ○中野正志君 私は、ラーメン屋さんとか建具屋さんとか板金屋さんとか、いわゆる家業と言われている小規模事業の組合の顧問をさせていただいております。ラーメン屋のおんちゃんから伺ったのでありますけれども、自分はやめると、幸いに自分の奥さん、また子供さん方も小規模企業共済に入れるということになったと。自分がやめるということで計算してもらったら、一千六百万になったと大変に喜んでいるんですね。それが、奥さんにも子供さん方にも、今度は、若い時分のときから入れるようになるわけでありますから、経費で認められる、なおかつ年数も掛けられるということになりますと、小規模事業者としても大変に有り難い有用な制度だということで、是非いろいろたくさんの人に勧めたいという話も聞かせてもらっております。  是非、こういった小規模企業共済法、改めて、商工会であれ商工会議所であれ、その他の中小・小規模事業団体、しっかりと数を確保して、共々成長できるようにしてもらいたい。中小企業庁を始めといたします関係団体の皆様方のますますの御活躍、御健闘を、重ねて私は是非頑張っていただきたいと思うところでもあります。  以上です。終わります。
  125. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 改革の荒井です。  早速に大臣にお尋ねします。  小規模企業共済制度について、NPO法人、この法律では含まれていないんですが、どういう理由でございましょうか。NPO法人を対象に加える妥当性とか課題とか、御説明願いたいと思います。
  126. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 御指摘のとおり、NPO法人につきましては、現行法上、加入者となることができません。  先般審議をお願いいたしました中小企業信用保険法の改正では中小企業信用保険の対象に一定のNPO法人を追加することといたしましたが、これはNPO法人の御希望もあり、実態等々、NPO法人に対する融資が政府系金融機関等々において増加してきていると、こういうような状況を踏まえて対象といたしたものでございます。  今回、この小規模企業共済につきましては、実は加えるかどうかという検討の対象にはNPO法人はなってきておりません。NPO法人を対象とするということになると、これは法人の経営者が対象ということですから、理事長とか理事の方の、まさにどういう形で給与が支払われ、これは一種の退職金でございますから、どういう退職金が実際上支払われたり必要かと、こういうような検討を今後更に詰めていかなければいけないものと思っております。
  127. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 NPOの、それぞれ非常に幅広く今活動していますから、ある程度のところ見てみないとまだ判断できないというような御趣旨かなというふうに思います。これは御検討願います。  事業承継税制についてですが、私は二十三年五月十七日の当委員会で、事業承継税制のうち相続税の納税猶予制度について意見を申し上げました。一言で言うと、もっと大胆に緩和したらどうだと、こういうものでございます。特に、経済産業大臣の認定以外の要件は取り払って、最後に第三者に株式を渡すときに課税すればよいんじゃないかというようなことも提案をいたしました。  その後、経産省としては、二十五年度の税制改正で、適用要件の見直しや手続の簡素化を図っていただきました。例えば本年一月からは、後継者は、現経営者の親族に限定されてきたものを拡充して、親族外も承継の対象となりました。雇用の八割以上を五年間毎年維持していくとされた要件は、これは五年間平均で八割以上の雇用というふうになったと承知しております。  評価できるところですが、これらの措置が開始されてからまだ半年ではありますけれども、猶予制度の実績として効果は見受けられているのか、現段階の評価をお聞かせください。
  128. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 委員御指摘のとおり、平成二十七年一月から適用要件の緩和というのが行われておりますが、この改正、平成二十七年一月以降に相続が開始され、あるいは贈与が行われたケースから適用されるということになってございます。  実は、相続税につきましては、経済産業大臣の認定を受けるためのその申請期間は、相続開始日の翌日から五か月を経過する日以降、相続開始日の翌日から八か月を経過する日までの間となってございます。また、贈与税につきましては、贈与した年の十月十五日以降、翌年の一月十五日までの間ということでございます。したがいまして、経産大臣に対するその認定申請がまだ出てきていないという状況でございまして、活用事例としては残念ながらまだゼロ件ということでございます。  他方、今般の改正による効果は今後判明してくるということでございますので、注視をしてまいりたいと考えてございます。
  129. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 動向、雰囲気ぐらい感じませんか。
  130. 木村陽一

    ○政府参考人(木村陽一君) 私どもとしては、これによりまして大幅に適用実績が増えるということを強く期待はしてございます。ちょっとにおいはまだ正直申し上げてきちんとは嗅いでいないということでございます。
  131. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 五か月、八か月、また翌年の一月ですかね、そういうところまでの状況を見てみたいと思います。  事業承継を円滑にしていくためには、中小企業にとって相続税に伴う税負担をより軽減していく必要はこれはあろうと思いますね。納税猶予の対象を現行の株式等に係る課税価格の八〇%、発行済株式総数の三分の二に達するまでの部分に限るとしている点を見直すなど、猶予の対象となる幅を拡充していくことを積極的に検討してみてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
  132. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) この二十五年度改正につきましては、私は税制を自民党でまとめる側におりまして経緯をよく承知しておりますけれども、かなり渋い財務省が、始まって四年の制度にしてはかなり大胆に直したなと、了解したなというのがそのときの印象でございます。  したがって、今年の一月から始まったばかりでございますから、次の段階に行くにはまだ正直言って早いわけでありますけれども、ただ一方で、例えば課税価格の八〇%といったものは、事業用資産等々、小規模宅地につきましても八割といったような、相続の場合の特例のある意味では基本的な線が八割ということになっておりますので、これを直すのはそう簡単ではないなという印象がございます。
  133. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 検討課題にしていただきたいと思います。  小規模事業、いろんなものがありますが、前回から申し上げていますように、誰でも健康に気を遣わない人はいません。長生きしたいと、こうも思うわけですが、漢方薬を作っている、私は漢方と言うよりは和方と言う方がいいんだと思いますが、そうした漢方に携わっている農家や商店というのは非常に小さいんですね。  ですから、こういう小さいところも、しかし古い歴史を持っているんです、承継していけるようにするというのも非常に重要なポイントだと思うんですが、その中で、厚生労働省に聞きますが、こうしたいわゆる漢方薬などの製造販売、承継権限を都道府県に移譲するというようなことをしたらどうか、関連告示で改正をしたらどうかと、こういう意見がありますが、その方向で進んでいるんでしょうか。
  134. 成田昌稔

    ○政府参考人(成田昌稔君) 従来より、一般用医薬品のうち、風邪薬、解熱薬、せき止め薬などの十五薬効群につきまして、それぞれの有効成分の種類や配合割合、分量、効能及び効果などについて委任の範囲を定めまして、その承認権限を都道府県知事に委任しているところでございます。  これまでも、平成二十六年の地方からの提案等に関する対応方針において、一般用医薬品のうち風邪薬等四薬効群について、承認基準を見直して都道府県知事の事務権限とする品目等を拡大するとされたことを踏まえまして、本年四月には葛根湯加桔梗エキスを有効成分として含む風邪薬などの承認権限を都道府県知事に委任したところでございます。  漢方製剤につきましては、化学合成品と比べまして成分、分量等のばらつきが大きいことから、各都道府県が行う承認審査の統一性を欠くことのないよう、その品質等を担保するための統一的な承認基準が必要であると考えております。  厚生労働省といたしましては、そのような基準を取りまとめられるものにつきましては都道府県への承認権限の委任について引き続き検討してまいりたいと考えております。
  135. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 統一基準ができたら、是非これを移譲する方向にしてください。  前回、警察に聞けなかったので警察庁にお尋ねしますが、この漢方薬の中でも、まあ漢方薬に入るかどうかという御意見もありますが、医療用大麻です。大麻というと、これはもう完全に麻薬取締法の観点になります。しかし、我が国でも医療用の大麻について限定的に調査研究をして、どのように我々の人体、体に効くのかということの研究ぐらいのところには入らないと、もう海外に研究開発、創薬の部分、一番は我々の健康や長生きに携わるところに直結する話になってきます。  麻薬取締法の観点から、医療用というとジャンルが違う、省庁が違うと言うのかもしれませんが、限定的ならば医療用で研究するということの、何というんでしょうか、幅を取って、研究ぐらいは構わないよというふうなことにはできないものでしょうか、お尋ねします。
  136. 樹下尚

    ○政府参考人(樹下尚君) 大麻につきましては、我が国も批准しております千九百六十一年の麻薬に関する単一条約におきまして、その乱用による害悪を防止するため国際的に規制すべき物質に指定されておりまして、我が国では大麻取締法により規制がなされているところでございます。  大麻事犯の検挙人員につきましては、平成二十六年中は千七百六十一人と、前年より二百六人増加をしておりまして、全薬物事犯の検挙人員のうち覚醒剤事犯に次いで約一割を占めることとなっております。  警察におきましては、末端乱用者やその供給者に対する取締りを進めるとともに、大麻乱用に係る危険性に関する広報啓発に取り組んでいるところでございます。  医療用大麻の調査研究や臨床試験を実施すべきかどうかということにつきましては、大麻取締法を所管する厚生労働省を中心に検討されるべきものと認識をしているところでございます。  いずれにいたしましても、警察といたしましては、我が国では大麻が覚醒剤に次ぐ乱用薬物であるという実態を踏まえつつ、引き続き、法律の規定に従い厳正な取締りと乱用防止対策を徹底してまいりたいと考えております。
  137. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そのとおりですよね。乱用されては困るので、これはもうしっかりしなくちゃいけないわけです。  厚労省にもこの間聞きましたけれども、改めて、医療という観点からどのように考えていらっしゃいますか。
  138. 成田昌稔

    ○政府参考人(成田昌稔君) 大麻は我が国を含め世界の多くの国々で乱用されている薬物の一つでございます。今、警察庁の方から御説明させていただいておりますように、大麻の国際条約や各国の法律により規制されているところでございます。我が国におきましては、大麻取締法により、都道府県知事の免許を受けた大麻研究者、大麻栽培者以外の大麻の栽培、所持、譲受け、譲渡し、研究のための使用は禁止されております。また、大麻から製造された医薬品の施用等も禁止されているところでございます。  世界保健機関、WHOにおきましては、大麻が医療用として有効であるとの見解を示しておらず、現時点では大麻を使用した場合の有害性を否定できないと考えております。このような状況下において、我が国において人に投与する医療用大麻の研究、臨床試験を認める状況にはないのではないかと認識しているところでございます。  一方、大麻に含まれる成分でございますテトラヒドロカンナビノールを化学合成したものにつきましては、麻薬及び向精神薬取締法で麻薬として指定をされておりまして、国内では医薬品としての承認はございませんが、麻薬及び向精神薬取締法により、麻薬研究者としての免許を受ければ国内での医療用等の研究は可能になっているというところでございます。
  139. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 アメリカでは、皆さん、二十三州で、プラスワシントンDC、医薬用大麻を合法化しています。同時に、産業用大麻由来、これは精神作用がありません、CBDというふうに言います、カンナビジオール、五十州全てで合法です。これはどういうことかというふうにいいますと、先ほどの乱用の問題と裏腹ですが、例えば進行性がんに伴う痛みに効くと言われているんです。その場合に、モルヒネは使えてもマリファナは使えないと、こういうことになるんです。モルヒネはあへん由来です。こういうものを、先ほどの大麻取締法の免許を持っていればというようなお話が一部ありましたけれども、実際上、今使えないんです。  ということで、WHOが今効能をはっきり示していないということですが、これは原子力発電の低線量長期被曝にも影響するんですが、大体、駄目だとか大丈夫だとか、勝手なことを言っているんですよ。後になって大変だったなんていうのがいっぱいあるんです。その研究成果が来年春にも出るというふうに言われているんです。今非常に研究が進んでいるんです。  ですから、今後研究を進めていきませんと、患者や、健康体であっても免疫システムのバランスを取るという効能は認められるという論文も多数出ております。我が国が置いてきぼりになり、患者が置いてきぼりになるということもあります。  こういった観点で、我が党としては派遣団、研修団をアメリカにこの夏出す予定にしておりますけれども、どうぞそのような世界の動向があることも厚生省そして警察庁も分かっていただきたい。ある限定した範囲で限定の研究にもう少し道をつくっていく必要があるのではないかということを申し上げたいというふうに思います。  終わります。
  140. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  141. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、加藤敏幸君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
  142. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本共産党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 遺留分に関する民法の特例措置については、制度創設以来地域や企業規模毎に活用件数の差があることを含め、全体として必ずしも十分に活用されているとは言えない状況を踏まえ、中小企業支援を担う各関係機関とも協力しながら、制度の存在や利点及び手続方法等について中小企業に十分認知されるよう周知徹底に努めること。  二 相続税及び贈与税の納税猶予制度については、本年一月の適用要件緩和後における中小企業者及び関係者の評価を踏まえつつ不断の検証を行うとともに、必要に応じて更に適用要件を変更する等の措置を講ずること。  三 小規模企業共済については、資産の安全かつ確実な運用を行うとともに、加入者数の増加に努めながら、収支の安定化ひいては制度の長期的安定の確保に最大限の努力を払うこと。また、予定利率の変更や付加共済金の支給率の決定等については、加入者のニーズに応えるとともに、共済財政への影響を十分に検討した上で行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  143. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) ただいま加藤敏幸君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  144. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、加藤敏幸君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、宮沢経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮沢洋一経済産業大臣。
  145. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
  146. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時七分散会