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2015-06-16 第189回国会 参議院 経済産業委員会 17号 公式Web版

  1. 平成二十七年六月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月十二日     辞任         補欠選任      浜野 喜史君     小林 正夫君  六月十五日     辞任         補欠選任      林  芳正君     中泉 松司君      小林 正夫君     石上 俊雄君  六月十六日     辞任         補欠選任      中泉 松司君     堀井  巌君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         吉川 沙織君     理 事                 磯崎 仁彦君                 滝波 宏文君                 宮本 周司君                 加藤 敏幸君                 倉林 明子君     委 員                 阿達 雅志君                 岩井 茂樹君                 高野光二郎君                 中泉 松司君                 堀井  巌君                 松村 祥史君                 渡邉 美樹君                 石上 俊雄君                 直嶋 正行君                 安井美沙子君                佐々木さやか君                 浜田 昌良君                 東   徹君                 松田 公太君                 中野 正志君                 荒井 広幸君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        経済産業大臣   宮沢 洋一君    副大臣        経済産業副大臣  山際大志郎君        経済産業副大臣  高木 陽介君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       岩井 茂樹君    政府特別補佐人        原子力規制委員        会委員長     田中 俊一君    事務局側        常任委員会専門        員        奥井 俊二君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      田口  康君        内閣府政策統括        官        平井 興宣君        総務大臣官房地        域力創造審議官  原田 淳志君        経済産業大臣官        房商務流通保安        審議官      寺澤 達也君        資源エネルギー        庁長官      上田 隆之君        資源エネルギー        庁原子力損害対        応総合調整官   森本 英雄君        資源エネルギー        庁資源・燃料部        長        住田 孝之君        資源エネルギー        庁電力・ガス事        業部長      多田 明弘君        国土交通省道路        局次長      黒田 憲司君        環境省地球環境        局長       梶原 成元君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○電気事業法等の一部を改正する等の法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、浜野喜史君及び林芳正君が委員を辞任され、その補欠として中泉松司君及び石上俊雄君が選任されました。     ─────────────
  3. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電気事業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、資源エネルギー庁長官上田隆之君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 自民党、福井県選出の滝波宏文でございます。  さて、以前より私は、リーマン・ショック、三・一一後の今、市場と政府、どちらかが絶対ということではなくて、共に、共働して良い社会をつくる、そういう視点で政策も考えるべきだということを申し上げているところでありますが、今回のエネルギーシステム改革においても、小売参入の全面自由化を進め、市場の力を最大限活用しつつ、電気、ガスの安定供給等がしっかりなされるよう、マーケットデザインも含め政府が責任を果たすという、こういう発想が求められるんだろうと思ってございます。  ちょっと時間の関係で質問順変えますけれども、今回は電力だけでなくガスシステム、こちらの方も改革いたします。その実施に当たっても、政府が責任を果たすべきガスの安定供給の確保、これが重要でありますが、この点、災害時の緊急時なんかにおいても安定的に供給するという国土強靱化の視点が不可欠だと思ってございます。現に三・一一の際には仙台―新潟間のパイプラインによって被災地へのガス供給、これが確保されたと聞いてございます。  私の地元福井県でも、日本海側に面した敦賀市にLNG基地、そしてLNG発電所の整備と併せて、パイプラインを滋賀県の既存導管網に接続することで日本海側と太平洋側のガス導管、これを接続しようというふうな構想が出てございます。  国土強靱化の観点から、国土の六%弱しか整備されていないガス導管網の更なる整備、これは不可欠であると考えますが、敦賀の件も含めて、今後の整備方針について総理にお伺いしたいと思います。
  7. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) LNG基地をつなぐ広域的なガス導管の整備は、災害時の供給体制の強化など、個々の事業者にとってのメリットにとどまらない意義も有しています。  今回の法案では、ガス導管の整備を促進するため、国が導管整備に係る事業者間の協議を命令、裁定できる制度などを創設いたします。これによって分断されている導管がつながり、都市ガス供給が拡大されることが期待されます。  加えまして、今、滝波委員が御指摘になったように、敦賀の件も含めまして、広域的な導管網について、経済性や国土強靱化の観点も踏まえた国全体としての整備方針を策定することとし、経済産業省において適切な場を設けて検討してまいります。
  8. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  そして、電力システム改革においても電気の安定供給、これは政府が責任を果たすべきであり、私はやはり原子力が鍵を握っていると考えております。この関連で、三・一一後の今こそ国にしっかり主導していただかなければいけないものに原子力防災がございます。中でも避難道の整備、これは地元の者にとってはまさに死活問題であります。  福井エリアでございますと、配付資料にもございますように、発電所足下の嶺南地域の国道二十七号線、百六十一号線、また嶺北地域でも三十キロ圏内の避難に不可欠となる国道八号線や四百十七号線、中部縦貫自動車道など、様々なこういった主要道を早期に整備進めていただきたいというふうに思ってございます。  そして、私が特に心配してございますのは、こういった主要道から外れていかにも目配りからこぼれそうなものとして、以前に当委員会でも取り上げたことございますが、内外海半島のバックアップ道路です。内、外の海と書いてウチトミと読みますけれども、配付した資料の二、三ページ目が大飯原発から十キロ圏内にある同半島の拡大図でありますけれども、この宇久湾に面した三集落、こちらは平成十六年の災害で県道が崩落して孤立したこともある、そういった状況でございます。地元からはバックアップのためにもトンネルの要望が出てございますけれども、県道からの枝線ということで市道になる扱いのようでございますが、今、我が国全体挙げての課題となっている原子力防災の観点からすれば、これはまさに政府が、国がしっかりと対応していかなければならない案件だと思います。  ついては、内外海半島始め福井県内の整備も含めて、原子力防災としてのバックアップを含めた避難道整備の御決意を総理にお伺いします。
  9. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力防災対策の充実は、地元の住民の方々の安心、安全を高めていく上で極めて重要であると考えています。  政府としては、原子力発電所が立地する各地域ごとに関係自治体と関係府省が参加する地域原子力防災協議会を設置をし、関係自治体と一体となって地域防災計画、避難計画の充実強化に取り組んでいます。  住民の防災措置については、避難経路の多重化や屋内退避施設の整備、万が一の場合の国の実動組織による救助等、総合的に検討することとしています。必要な避難経路の整備については、地域原子力防災協議会での協議を踏まえて具体的な検討を行うこととなります。  政府を挙げまして、もちろん福井県も含めまして、避難計画、地域防災計画の具体化、充実化を支援してまいりたいと考えております。
  10. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 全ての地域住民にバックアップを含めた避難の道が用意されなければならないはずですし、集落が孤立しかねない半島、特に配慮が必要だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  続けて、原子力についてでございますが、三・一一が明らかにしたことの一つは、都会は都会だけで成り立っているわけではないということであります。福井など原子力立地地域としては、今まで思っていた以上のリスクを抱えながら、安定、安価な電力を大消費地に供給してきたんだ、もっと感謝されてもいいはずだと、そういう思いがあるにもかかわらず、現状としては全く放置されている、そんな状態でございます。我が国は都市国家ではなくて、今申し上げたように、立地地域と大消費地のように、地方と都会が支え合ってこの厳しい国際情勢を生き抜いていく、これが我が国の形なんだということを改めて認識していただきたいと思います。  そこで、立地地域を抱える議員として、中央の皆様に分かっていただきたいことが二つございます。一つは既存の立地サイトの重要性であり、もう一つは原子力発電所のアップグレードの重要性であります。  新規の立地サイトの地元了解、これが事実上、三・一一後の今、困難な中、国として貴重な既存の立地サイトの、まさに地元の方から聞いたことが耳に残ってございます。自分たちは国にとって、日本の社会にとって必要な最先端の技術を引き受けたんだと。誇りを持ってそういったものを引き受けた方々に対して、そういう地元の方々に、単に廃炉に向かう古い技術と何十年も共にしてくれと、これはちょっと言うことができません。  必要なのは、安全向上を含めた最新技術へのアップグレードであります。そのためには、廃炉と新増設、すなわちリプレースによって初めて可能になりますし、何よりも国の原子力維持についてのコミットメントが不可欠であります。  以上を踏まえ、いかにこのような立地自治体地域の思いを政策に反映させ理解を得ていくのか、総理の決意をお伺いしたいと思います。
  11. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) これは規制委員会の話でありますけれども、まず今回は、新しい規制基準、大変世界最高水準と言われている厳しい規制基準を設けて審査をしているということに加えまして、バックフィットといって、その後、規制基準が変わったときには、既存の炉についてもその新しい基準を適合して改良するというようなことを入れた上で、まさに最も新しい炉といったものが日本で発電をすると、こういう体制になっているということであります。  一方で、まさに立地地域の皆様につきましては長年にわたりまして多大な御協力をいただいております。まさに原発立地地域の力強い御協力で今日までの原子力発電が発展したものということはしっかりと肝に銘じて対応していくということが大変大事だと思っております。
  12. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 ありがとうございます。  より立地地域に対する敬意と感謝の念を忘れずに、放置せずにしていっていただきたいと思います。  その点お願いしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
  13. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 おはようございます。民主党の直嶋でございます。  今日はこの委員会に総理に御出席をいただきました。なかなかない機会でございますので、総理の御所見を、特に今日は原子力発電に関してお伺いをさせていただきたいと思っておりまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。  原子力事業ということでいいますと、福島の第一原発の事故からちょうど四年三か月ということでございます。もう申し上げるまでもないことなんですが、まだ人が住めない地域が存在していますし、約十二万人、今年の二月の統計ですけど十二万人の方が避難生活を続けていると、こういう状況でございます。  一方、原子力事業に関して言いますと、御承知のとおり、原子力規制委員会が三条委員会としてスタートをして、行政の仕組みも含めて変えて、より安全性を重視した体制になったというふうに思っています。そして、去年の四月に閣議決定されましたエネルギー基本計画では、エネルギー政策の要諦は、安全性を前提とした上で三つのEを遂行するんだと、こういうことで、安全性というのをエネルギー政策の基本に据えたということでございます。  そこで、この安全性というのをどのようにどこまで捉えるんだということについて、先月の二十八日だったと思いますが、原子力規制委員長や宮沢大臣とも議論をさせていただきました。ここは、そのときに大体確認できたなと思っていることを改めて総理の御認識をお伺いしたいのでございますが、そのときのやり取りでは、この安全性については、原子炉を始めとするいわゆる発電所の施設設備の安全性を確保するということだけではなくて、放射性廃棄物等の適正な処分が行われる、それから、万が一の事故に備えた実効性のある地域住民の避難計画が作られる、この三つが少なくとも安全性ということの中には含まれているんだということを先般確認をさせていただきました。  同様の認識で受け止めてよろしいのか、安倍総理の御認識をお伺いいたします。
  14. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 直嶋委員と田中委員長の当委員会でのやり取り、議事録拝見させていただきました。  原発の安全性に関し田中委員長が発言された趣旨は、我が国が原子力を利用していくためには、避難計画、地域防災計画の充実強化について政府を挙げて取り組むことが重要であること、放射性廃棄物の処理処分について基準に基づき安全に行われることが重要であることを指摘したものであるというふうに承知をしております。  避難計画、地域防災計画については、地域の実情を熟知する自治体が中心となって策定することが適切でありますが、一方で、自治体だけではなく、国の関係機関が大きな役割を担わなければ実効性のある計画はできません。このため、避難計画の策定について、国の関係省庁が積極的に関わり、その具体化や充実化に関係自治体と一体となって取り組むこととしております。  また、放射性廃棄物の処理処分についても、国が前面に立って安全性を確保しつつ、着実に進めていくこととしております。
  15. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  基本的には変わらないということで受け止めさせていただきます。  それで、まず後の方でお触れになった放射性廃棄物の処理について、若干現状の受け止めを私の方から申し上げさせていただいて、総理の御所見を伺いたいと思うんです。  現状は、使用済核燃料を始めとする各レベル、高レベル、低レベルの放射性廃棄物の処分が処分場を確保できないために進んでいないということでありまして、これは、将来にわたって原子力発電の利用の安全性を確保するためにも早期に解決しなきゃいけない課題だというふうに思っております。  高レベル放射性廃棄物の処分については、これまで最終処分場の選定に向けて十五年掛けてきたんですが、大臣も言われるように、全く成果がなく頓挫をして、先般新しい基本方針を閣議決定されたばかりであります。また、低レベル放射性廃棄物についても、三月に新たに五基の廃炉が決まりました。これからは廃炉時代を迎えるとも言われておりまして、今後その量が急増する。しかし、処分地が見付からず全く処分が進んでいないというのは、前回の委員会においても東海原電や浜岡の状況を資料で提出をさせていただきました。  そこで、総理にお伺いしたいんですが、現在もこの福島原発事故の状況が収束がなかなか見通せない中で、トイレのないマンションと言われ続けているように、高レベル廃棄物の処分だけではなく、低レベルの放射性廃棄物の処分もその道筋が全く見えていない、こういう状況で、二〇三〇年に政府は電源構成で二割以上、原子力発電所の基数にして三十基半ばというふうにされておりますが、これだけ多くの原発を使い続けることが本当に可能なのかどうか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
  16. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高レベルの放射性廃棄物の最終処分場をしっかりと確保することは政治の責任であります。最終処分場の選定は、国民や地域の御理解をいただきながら一歩ずつ進めていくことが不可欠であると考えています。これまでのやり方を見直し、国から科学的有望地を提示するなど、国が前面に立って取組を進めていく考えであります。  低レベル放射性廃棄物についても、その処分が着実に行われることが重要であります。発生者責任の原則の下、事業者が処分に向けた取組を進めることが基本でありますが、国としても、規制基準の整備や受入れ地域に対する説明など、適切に対応していく考えであります。
  17. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 きっちり処分地の確保を含めて対応していくから大丈夫なんだと、こういうことかもしれませんが、私は、政府が見通しで方針を決めてフロントの方を一生懸命使っていく、それでバックの方は現状進んでいないわけですね。このやり方というのは三・一一前と全く変わっていない、やはりこれは改める必要があるんじゃないかなと思うんです。  例えば、今回のエネルギーミックスにおいても、政府は原子力を重要なベースロード電源だと、こう位置付けておられます。しかし、一方で原子力発電を取り巻く環境を考えますと、まず、国民の多くの方が、もうあの福島の事故を経験して懲り懲りだと、原発は、こう思っておられて、なかなかその意識が払拭できないんですね。  私たちももちろん当面は使わざるを得ないと思っておるわけです。しかし、この国民の皆さんの意識がどうしてもなかなか変わっていかないというのが現状でありまして、これをバックにして、今総理からお答えいただいたんですが、高レベルだけでなく低レベルの放射性廃棄物についても廃棄物の処分場が全く確保できないんですね。これは、政府が方針を作ったりとか、あるいはこういうやり方でやりますよという基準を作る話とは別なんですよね。それを幾ら作っても具体的に場所がないと。こういう問題にどんどんなりつつあるわけです。  そのために、現状を見ても、先回お話ししたとおり、東海、浜岡も御承知のとおりの状況です。そこに併せて、福島の事故処理が非常に長期の計画でなかなか前へ進んでいかないと、こういう現状があるんですよね。ですから、総理がおっしゃるようにこれから使い続けていくとすれば、やはり何といっても国民世論の理解を得ることが欠かせないと思うんです。  そのために、やはり福島原発の処理はもちろんなんですけど、放射性廃棄物の処分場の確保を始め廃棄物の処理にきちっと見えるように道筋を付けていく、そういう必要があると思うんですが、現状は、何度も言いますけど、一般原発の廃炉すらまともにできていないというのが現状で、もう私はこれは論外だと思うんです。ですから、原子力は重要なベースロード電源と政府はおっしゃるんですけど、私は安定した電力供給源にはならないんではないかと、こう思わざるを得ないんです。  そういう意味で、今回のエネルギー政策においてもベースロード電源として位置付けておられますが、私は、そういう意味では安定性に欠ける、そうならないんではないかと、こう思っているんですけれども、この点について、世論との関係も含めて、総理、どのようにお考えでしょうか。
  18. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島第一原発のあの過酷事故を経験したわけでございますから、原子力政策につきましては、分かりやすく丁寧に国民の皆様に説明をしながら進めていくことが重要であると考えております。  御指摘の放射性廃棄物の処分につきましては、着実に行われることが重要でありまして、国、事業者共にしっかりと取組を進めていくこととしています。また、世界にも前例のない東電福島第一原発の廃炉そして汚染水対策については、今月十二日に関係閣僚会議で決定いたしました中長期ロードマップにのっとりまして、東電任せにはせずに国が前面に立って取り組んでいく考えであります。  こうしたことも踏まえた上で、原子力発電は、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時の温室効果ガスの排出がゼロであることから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であると考えております。  今申し上げましたことにつきましても、これから更に国民の皆様に分かりやすく政府としても説明に心掛けていきたいと、このように考えております。
  19. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 お答えありがとうございました。  ただ、先ほど申し上げたように、ちょっと問題意識のずれがあると思っています。さっきから、非常に失礼なんですけど、この処分場の話に関しては、国が計画を作ろうが、前面に出て、この決意を示すだけではなかなか見えてこないんです。やはり、事が運んでいるよということが見えてこないとなかなか国民の皆さんの気持ちも変わらないんではないかと、私はこういうふうに思っていまして、このままでいくと政府が今回お作りになったエネルギーミックスも場合によったら作り替えることもせざるを得なくなってくるかもしれない、ちょっとそういう思いも私なりに持ってこういう質疑をさせていただいているということでございます。  それで、時間限られていますので次に行きたいと思うんですが、続きまして、先ほども滝波委員の質疑の中でもちょっとやり取りになっていましたが、地域住民の避難計画についてお伺いしたいと思います。  まず最初に田中原子力規制委員長にお伺いをしたいんですが、いわゆるUPZ内の地域住民の避難計画なんですが、これは先ほど総理からもお答えがございました。自治体が作るんだけれども、国もしっかり関わって作っていくんだと、こういうことなんです。  ただ、今、形の上では責任を持つのは自治体であって、国がその責任を共有するという形にはなっていないと思うんです。私どもは、例えば、安全に関しては原子力規制委員会がちゃんとこれでいいよという確認をする、そして避難計画全般についてはやはり内閣府がこれでいいよという確認をする、そういう法制度上同意を得るというような形で今の仕組みを改めるべきではないかというふうに思っています。  先般、この問題について質問いたしましたときに、田中委員長も答弁の中で、法制度上、避難計画を評価する立場には今ないので、側面的な応援をしていますと、こういうお答えでございました。  実際に事が起きた場合には、ほかの災害とは違って、原子力に関しては内閣総理大臣が避難指示を出すことになっています。そして、福島の例もそうなんですけど、この事故に関する情報は、国と事業者がほぼ一手に握って対応すると、こういうことになるわけでありまして、今のままでいくと、やはり自治体任せになっていますので、十分機能するとは思えないわけであります。  実際に避難指示を出す国が計画作成の責任を持つ方が、制度としても一貫性があって、実効性も高まるんではないかと、こう思っていますが、まず、田中委員長の御見解をお伺いします。
  20. 田中俊一

    ○政府特別補佐人(田中俊一君) 若干繰り返しになりますけど、御指摘のとおり、地域防災計画、避難計画については、災害対策基本法に基づいて関係自治体が作成することとされております。  政府としても、この取組を全面的に支援するため、各地域ごとに設置した地域原子力防災協議会において、内閣府原子力防災が中心となり、原子力規制庁を含む関係府省庁が関係自治体と一体となって、地域防災計画の充実強化に取り組んでいるところでございます。  また、地域の防災、避難計画が具体化してきた段階においては、その地域防災計画が原子力災害対策指針等に沿った具体的で合理的なものであることを地域原子力防災協議会で確認し、私も参加しております総理の下での原子力防災会議において国として了承することとしております。  以上でございます。
  21. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 その最後の部分をもっと明確にきちっと国が責任を持つという形にしたらどうかというのが、今日私が今御提案させていただいているわけですが。  それで、総理、どうなんでしょうか。我々今実は議員立法を作っていまして、今申し上げたとおり、この地域の避難計画については内閣府の長である内閣総理大臣及び原子力規制委員長がそのできた計画に同意をすると、こういう枠組みにして、より明確な形にしてはどうかということで考えておりまして、こういう形になると初めて国が責任を持つと、こういう制度になると思うんです。  そういう意味で、自治体の避難計画の妥当性の評価、確認を国がする、国が責任を持ってしっかりと作ると、こういう形にしてはどうかということなんですが、御所見を承れればと思います。
  22. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 避難計画、地域防災計画は、住民の方々の避難ルート、避難先といった地域の実情を熟知する自治体が中心となって策定するのが適切であると考えています。  一方、自治体だけでなく、国の関係機関が大きな役割を担わなければ実効性ある計画はできないわけでございまして、原発立地地域の関係自治体が国に対して求めているのは、国の機関が第三者的にチェックや審査を行うのではなく、避難計画の策定について、国の関係省庁が積極的に関わり、その具体化や充実化に関係自治体と一体となって取り組んでいくことであります。  このため、安倍政権になって、避難計画の策定を自治体任せにはせず、政府が積極的に前に出ていくことにいたしました。この三月末には、災害対策基本法に基づく法定計画である防災基本計画に国の関与、支援を位置付け、法的にも国の責任を具体化、明確化したところでありまして、具体的には、原発所在地域ごとに関係省庁や関係自治体が参加した地域原子力防災協議会を設置し、国と自治体が一体となって避難計画、地域防災計画の充実強化を進め、その上で、地域原子力防災協議会で避難計画、地域防災計画がIAEAの国際基準や原子力規制委員会が策定する原子力災害対策指針などに沿った具体的で合理的なものであることを詳細に確認し、総理大臣である私が議長を務める原子力防災会議で国として了承する。さらに、住民や関係機関が参加した訓練から得られた反省点について協議会で検討した上で避難計画等を改善強化することとしています。  原子力災害への備えに終わりは、完璧はないわけでございまして、この取組を各地域にしっかり定着させ、避難計画、地域防災計画の継続的な改善に努めていく考えでございますが、ただいま直嶋委員からお話がございました、こうした新たな視点から議員立法を考え検討しておられるということでございますが、まさに原子力防災に関しましては与党も野党もなく知恵を結集していくことが重要であろうと、このように考えております。
  23. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 私も、今総理がお話しになった国が従来以上に関わって相談に乗って作っているということは別に否定はいたしません。ただ、制度上そこがきちっとはっきりしていない、それをはっきりさせることが必要ではないかというふうに申し上げていまして、また御提案させていただいたらいろいろ御議論させていただきたいと思います。  次に、電力システムをこれから自由化をしていくわけでありますが、それとの関わりで、若干私の所見も含めて、原子力発電について議論させていただきたいと思います。  原子力事業は、百年以上にわたる非常に超長期の事業なんですよね。建設決めてからでき上がるまで二十年以上掛かります。それから四十年使う、あるいは六十年という話もありますが、いずれにしても四十年以上使って、廃炉に大体今三十年掛かるんですよね。そういう意味では、私は、個人的な意見ですけど、こんなに長い長期にわたる事業を民間企業が事業として考えるとすると、これはもう間尺に合わない事業だというふうに思っています。  先般、この当委員会に電事連の会長さんに参考人で出席をしていただきましてお話を聞きましたが、電事連の会長さんも、特に今のこの事業スパンの中でいいますと、稼働を停止した後三十年掛けて廃炉をしなきゃいけない、その間に燃料の処理とか様々な問題があると。  今まではなぜやってこれたかというと、これは総括原価方式があって、しかもしっかり地域独占で電力を供給するという体制があったから事業としては成り立ってきたんですと。  しかし、福島の事故以降、さっき大臣から御説明あったように新しい規制基準によってバックフィットも含めて、膨大な費用が掛かります、これも先々幾ら掛かるかよく分からないところがある、しかも自由化によって他社と競合するんですと。場合によってはそれは事業者が退出を余儀なくされることだってあり得る。つまり、環境激変で事業の予見性が持てないと。ですから、民間だけで維持していくというのは非常に厳しい。  その中で特におっしゃったのは、サイクル事業や損害賠償制度、これ無限責任になっていますが、こういう制度の見直しとかも含めて、新たな国営民営化の在り方を検討してもらいたいと、こういうふうにおっしゃっていました。これはもう委員の皆さんも御一緒にお話を聞いていた話であります。  一言で言うと、要は、国がもっとリスクを取ってほしいと、そして民間事業者が投下資本を着実に回収できるような、そういう仕組みにしてほしいと、こういうことだと思うんですけれども、これからも政府は原発を活用していくというふうにされているわけでありまして、この参考人が要請された新たな国策民営、これは逆に言いますと、国の負担が増える、したがって国民の負担が増えるということになるわけでありますが、こういった制度的な裏付けについてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。  また、これは、そのときにおっしゃったのは、電力の自由化に先駆けてこういう方向を示してほしいと、こうおっしゃったわけです。ということは、会長さんは、これは自由化と原子力事業というのは両立しないと暗におっしゃっているのではないかなと、私はそういうふうに受け止めたんですが、こういう国の政策等についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
  24. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の八木参考人の発言は、民間事業者が原子力事業を行っていくことを前提に、巨額な初期投資が必要であり、事業が超長期にわたるといった原子力事業の特殊性を踏まえて、事業の予見性があることが重要だという趣旨であるというふうに承知をしております。  政府としては、昨年四月に閣議決定を行ったエネルギー基本計画において、電力システム改革によって競争が進展した環境下においても、原子力事業者が円滑な廃炉や安全対策、安定供給などの課題に対応できるよう、事業環境の在り方について検討を行うこととしています。  今後、必要に応じ、事業環境の整備について具体的な政策措置の検討を進めてまいりたいと思います。
  25. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ということは、おっしゃったようなことの方向性でこれから政府としてもそういう政策について議論していくと、こういうことでよろしいですか。
  26. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今申し上げましたように、最初の初期投資が必要であり、また、事業が超長期にわたるという中において、事業の予見性があることが重要だという趣旨で御意見を述べられたわけでございまして、今後必要にまさに応じまして具体的な政策措置の検討を進めていきたいと、このように考えております。
  27. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 宮沢大臣、ちょっと確認させていただきたいんですが、先般の衆議院の経済産業委員会のやり取りの中で、ちょっと私はこれ直接伺っていませんので議事録で拝見しただけなんですが、原子力の発電コストを何らかの形で消費者に負担させるという制度について、少なくとも私が経済産業省の責任者である間にそういうものの検討を指示することは一切ないと、こういうふうにお答えをされています。  その中でもう一つおっしゃっているのが、二〇から二二という原発比率について、事業者も相当な意欲を持っているので、規制委員会の審査というのはもちろんあるんだけれども、この比率に持っていくことは不可能ではないと、こういう言い方をされていました。  ただ、今総理も、民間事業者がやることを前提におっしゃったんだと、こうおっしゃっていますが、私は、逆に言うと、国がちゃんと手当てしてくれないと事業者は先行き見えないからやれないよと、こういうふうにおっしゃっているというふうに聞いたんですけれども、そういうふうにおっしゃっているとすると、宮沢大臣のこのお答えと全く逆の話になってくるんですけれども、この辺りについてはどんなふうに見ておられるんでしょうか。
  28. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まず、衆議院における馬淵議員とのやり取りでありますけれども、イギリスにおきまして、CfDといって原子力発電のある意味ではコストを保証するような制度がございまして、これにつきましてエネルギー審議会で一回制度の説明を実はしたことがございます。それをもって我が国も同じような制度を導入する気があるのではないかと、こういう流れの中での御質問でございました。  CfDというのは、まさに発電そのもののコストに利益を上乗せして、それを丸ごと保証するというものですから、いわゆる総括原価方式にほぼ近いようなものであります。私からはそのような制度を検討を命ずることもないという答弁を衆議院ではさせていただきました。  そして、二〇から二二という数字につきまして答弁をさせていただきましたけれども、電力会社、既に再稼働の申請をした炉もございますし、またその申請の準備をしている炉も多数ございまして、そういった意味で電力事業者の意欲というものは高いというようなことを申し上げたわけであります。  一方で、新増設、リプレースにつきましては、現時点で政府としては全く想定をしておりませんけれども、一方、電力会社の中ではそういうものについても期待を持っている電力会社があるということもまた事実でございます。
  29. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今の最後の部分はあれですか、そういう期待に応えることもあり得るという意味での御答弁ですか。
  30. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 現時点では全く想定をしておりません。
  31. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 現時点というのは気になるんですけど、ここは次に進めたいと思いますが。  ということはあれですかね、大臣、今のお答えでいくと、CfDは否定したと、しかし、さっき参考人の言として御紹介させていただいた国策民営化の在り方についてはこれとは別だと、こういう受け止めでよろしいでしょうか。
  32. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まず、CfD的ないわゆる総括原価方式的なものについては全く導入を考えておりません。  ただ一方で、電事連の会長等々からいろんな御希望があることも確かでありまして、どういう形で応援できるかということはまた考えていかなければいけない側面もあろうかと思っております。もちろんお金だけの話ではなくて、地元の説得等々といったこともあると思っております。
  33. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 委員長、田中委員長への質問はもう終わりましたので、お取り計らいよろしく。
  34. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 田中原子力規制委員会委員長は御退席いただいて結構でございます。
  35. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 またこれから議論したいと思うんですけど、今CfDは考えていないということなんですが。  このイギリスの新設の、新しい原子力発電所の話なんですが、あれ実は安全対策とかいろんなことを含めて、大きな原発なんですけど、建設費が二基合わせると二兆七千億だったと思います。とてつもない負担になっていまして、実は以前にも申し上げたことあると思うんですが、新しい原発というのは物すごく費用が高くなっています。今日はこれ議論しませんが、また機会があれば議論したいと思いますけど。  ですから、政府の価格検証委員会のあのモデルは、これからの話として考えると、私はちょっと合わないんじゃないかと思っていますし、あのモデルで計算したものを今回のエネルギーミックスに入れるというのはちょっと違うんじゃないかなと思っています。  さっき大臣がおっしゃったように、今回は増やさないし、今のままの設備を使ってやるんだということですから、本来は今のままの設備で費用を計算すべきものではないかなと。これはちょっと一つの意見として申し上げておきます。  それで、もう時間がございませんので、あと地球温暖化についてちょっと総理の御所見をいろいろお聞きしたかったんですが、余り時間がございませんのでちょっとはしょらせていただきます。  それで、石炭火力について御質問させていただきたいと思うんですが、実は過日、環境大臣が、これは恐縮なんですが、たしか総理の地元ですね、山口宇部パワーの石炭火力について、要するに、これは受け入れ難いという意見表明をされました。これについて経産大臣が今月の二十六日頃に御意見を言われるのではないかということを伺っています。  ただ、今日はその個別の話よりむしろ、ちょっと私の手元にあるんですが、今、電力会社だけではなくて新しい参入者も含めて石炭火力の計画がめじろ押しでありまして、これ二枚あります、裏表。実はエネ庁にいろいろデータ出してほしいと言っているんですけれども、集計していませんというのが公式の御返事で、よく分からないんですけれども。ですから、これは詳しく調査している方から私が頂戴したもので必ずしも全て正確ではないかもしれませんが、簡単に言いますと、これ全部合わせますと四十五か所ありますが、大きいもの小さいもの合わせて合計で出力が二千三百二十七キロワット、CO2の排出量、年間推定排出量ですけど、一億三千九百六十七万キロワットと言われていまして、これ全部やっちゃうと、一つは石炭火力の比率が、政府がエネルギーミックスの中でおっしゃっている二六%ではなくて、もっとはるかに超えてしまうんじゃないかと。これでどれぐらいになるんですかとお聞きしたら、四〇ぐらいになるかもしれないとおっしゃっていました、これは合っているかどうか分かりませんが。いずれにしても、多分環境大臣はそういうことが御心配であの意見表明をされたんではないかというふうに思っています。  これ、私も思うんですけれども、どう考えても何らかの規制が必要じゃないかなと。このままやっちゃうと、これ将来大変なことになるんじゃないかなと。一回造ると四十年以上動かすというのが大体普通の石炭火力ですから。そういう意味で、どういうふうに対処されようとするのか、それからこの二六%というのはやはり守ることができるんだろうか、この点についてお伺いしたいと思います。
  36. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 石炭火力につきましては、まず数で言いますと、十一・二五万キロワットの、いわゆるアセスが必要ないものが数的にはかなりあるようでございまして、なかなかそれ自体どれだけあるか我々としても把握できていないというのが正直なところであります。これらにつきましては、まさに燃料の燃焼効率が大変悪いわけで、環境負荷が大きいということがありまして、省エネ法の規制強化によってある程度の制限を加えるということを今考えております。  そして一方で、それ以上のものはまさに環境アセスを経るわけでございまして、先日環境大臣から意見が出てきたところでありますが、それにつきましては、やはり地球温暖化対策の計画目標の策定と整合的な形で、まさに電力業界の自主的な枠組みを構築をしていかなければいけないと考えております。  そういう中で、まさにエネルギーミックスは二〇三〇年の電源構成、エネルギー源構成の見通しであり、あるべき姿でありますから、あるべき姿に近づけていかなければいけないと考えております。  そういう中で、今の日本の石炭火力につきまして言いますと、超超臨界の高効率なものが約半分でございます。残りの半分はまさに効率の悪いものということでありますので、これらにつきましてはなるべく早い時点でやはり効率のいいものに替えていかなければいけない。そういう中で、全体を二六%の枠内に収めていくという、ある意味では政策的な先ほど言った自主規制も含めたところであるべき姿を実現していくということをこれからやっていきたいと考えております。
  37. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 時間が来ましたのでもう終わりたいと思いますが、ちょっと一言言わせていただきますと、一つは今のこの石炭火力の話について、小さいのは規制を掛けると、省エネ法で、大きいのは業界で話し合えと、話し合って枠の中に収まるようにせよと、これはちょっと変な話ですよね。今自由化しようとしてこの法律審議していて業界で話し合えというのは、やっぱりすっきりしないですね、筋が通らないと思うんです。何か規制して、その同じルールの下で皆さん頑張ってくださいというのがこのそもそもの電力自由化の趣旨だと思うんです。これは一言申し上げておきたいと思いますし、それから石炭の二六%も、私どもは高過ぎると思っていますし、CO2の方の二六は、温暖化対策の二六の方は低過ぎると思っています。二六は高過ぎるのと低過ぎるのと両方あると、こういうふうに思っていまして、この点についてはまた改めて議論をさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  38. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。  今日は、総理に日程を御調整をいただいて委員会にお越しいただきました。それは、この法案が電力システム改革の総仕上げの改正でございまして、同時にガスなどほかのエネルギーについても総合的に改革を行うものであって、国民の生活にも、また社会経済にも直接的に大きな変化をもたらす重要なものであるからであります。総仕上げの改正に当たって、改めてこの一連の電力またガスのエネルギーシステム改革の狙い、また総理の御決意を伺いたいと思っております。  自由化につきましては、この委員会でもこれまで議論をしてまいりましたとおり、諸外国の例を見ましても、本当に自由化をして電気料金などが下がるのか、かえって上がりはしないかと、こういった心配の声もございます。また、災害などの場合の復旧、保安、これまでと同様にしっかりなされるのかという点も需要家また消費者としては大いに関心が高い問題でございます。  今回の改革は、こうした懸念にもしっかりと配慮したものであって、需要家の利益を実現することが目的であるという点を総理に確認をさせていただきたいと思います。
  39. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 電力システム改革を最後までやり遂げていくということと、ガス事業でも小売を全面自由化して、まさにエネルギー市場の垣根を越えた改革を一体的に進めてまいります。このことによって、革新的な技術の導入や異なるサービスの融合などダイナミックなイノベーションを生み出すとともに、エネルギー選択の自由度の拡大や料金の最大限の抑制を実現してまいります。  これまで国民が築き上げてきた保安水準を維持向上していくことは、エネルギーシステム改革の大前提であります。エネルギー供給に携わる事業者がそれぞれの保安上の責任を確実に果たし、必要な連携協力がきちんと行われるよう国としてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  40. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 電力システム改革によりこれから自由化が進んでまいりますと、どういった電源でどういうふうに発電するかということも自由競争に委ねられていくことになると思います。そうした中で、国のエネルギーミックス、これをどのように実現をしていくことになるんでしょうか。  例えば、石炭火力につきまして、先ほども直嶋委員からも御質問がありました、少し重なるところがございますけれども、石炭火力はコストが低いですけれどもCO2排出量は多くなるということで、自由化の中でこうした環境負荷の大きい電源が増えていくということも想定されるかと思います。二〇三〇年度には一三年度比で温室効果ガスを二六%削減するという目標も達成していかなければなりませんけれども、こうした問題、どのようにお考えになるでしょうか。
  41. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) エネルギーミックスというのは、先ほども直嶋委員にお話しいたしましたけれども、二〇三〇年の電源構成、またエネルギー源構成の見通しであり、あるべき姿、まさに見通しということは、ある程度現実的でなければならない、しかし、あるべき姿ということで、まさに政策的な方向に誘導していかなければいけない、こういうものだと思っております。  そして、今回、電力、ガスにつきまして総括原価方式がなくなる、まさに託送料金のみ規制料金となるということで、これまでに比べますとやはり政策の強制力といったものが弱まってきていることは確かでありますが、一方で、単に市場任せにするというわけにはいかないわけでございまして、省エネ、再エネ、原子力など、各エネルギー政策分野に応じ、必要なまさに政策の見直し、それから法律、規制、予算、税など必要な政策措置を講じて、まさにあるべき姿に近づけていかなければいけないと考えております。  具体的に言えば、まず再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向けて、固定価格買取り制度の適正な運用や、低コスト、高効率化のための技術開発の促進、また低廉で安定的なベースロード電源を一定程度確保するため、原子力、水力、地熱などの運転の円滑化などを図るための電源立地対策、さらに広域的運営推進機関が行う電源建設者の募集の仕組みの活用、さらにエネルギーミックスの実現に向けた電力業界の自主的な枠組みの構築の促進といった措置を講じて誘導していくということをしたいと思っております。  石炭火力につきましては、先ほど直嶋委員からもお話がありましたけれども、まず一点目としましては、いわゆる石炭ガス化技術、IGCCという次世代の炉につきまして技術開発を進めるというようなことを考えておりまして、本日、次世代火力発電の早期実現に向けた協議会を立ち上げることといたしております。  さらに、先ほど申し上げましたように、省エネ法の規制強化によって火力発電の高効率化を促進していくという、これは十一・二五万キロワット未満の炉に対応するものでありますけれども、エネルギー小委員会の下に火力発電に係る判断基準ワーキンググループを設置して今後検討を進めて、早期に所要の措置を講じていきたいと考えております。  先ほど申し上げましたように、電力業界の自主規制というものの枠組みを構築いたしますが、やはり政府といたしまして、政策誘導、特に石炭についての政策誘導の最後の手段というのはまさにアセスメントでありまして、アセスメントというものをいかに活用しながら、石炭につきましても二六%というエネルギーミックス、電源構成の比率を目指してまいりたいと考えております。
  42. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 残り時間が僅かでございます。最後に、総理に再生可能エネルギーの導入拡大についてお聞きしたいと思います。  この再生可能エネルギーの導入によって町づくりをしていきたい、また活性化に取り組んでいきたいと、こういう自治体、福島を始めとして、たくさん今ございます。そうした自治体からは、再生可能エネルギーの導入目標をより高く掲げてほしいと、こういう声も強くありまして、こうした声もしっかり受け止めていきたいと私自身思っております。  地方創生、また地域活性化、こういう観点から、再生可能エネルギーの導入拡大について総理はどのようにお考えでしょうか。
  43. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再生可能エネルギーは、エネルギーの安全保障の観点、そして低炭素社会の創出という観点、さらには今委員が御指摘になったような地方創生の観点からも重要なエネルギーである、電源であると考えておりまして、政府としては最大限導入を進めていくということが基本方針であります。  他方、電力コストが相対的に高いという課題があるのも事実であります。固定価格買取り制度を軸に技術開発や規制改革等を組み合わせて強力に推進をしています。この結果、制度開始後の約二年半で再生可能エネルギーの導入量は約八割増加をしています。また、今般のエネルギーミックスの政府案においては、太陽光は足下から約七倍、風力や地熱は約四倍と最大限の導入を見込んでおり、今後ともその実現に向けて全力を挙げてまいりますが、その際、地方創生という観点もしっかりと頭に入れておきたいと、このように考えております。
  44. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 以上で終わります。ありがとうございました。
  45. 東徹

    ○東徹君 維新の党の東徹でございます。  電力システム改革と電気料金の抑制ということにつきまして、まず質問をさせていただきます。  今回の電力システム改革、我々も、電力の自由化、そしてまた発送電を分離していく、こういったことは非常に大事だということでこれまでも取り組んでまいりました。今回の法案によって総合的なエネルギー市場をつくって、競争的で異なるサービスを融合していくことでイノベーションを生み出していくということは、我が国の経済にとって大変重要であるというふうに認識をいたしております。  ただ、今回の法案で、消費者利益という点で、電力自由化によって実際に電気料金が抑制されるかどうか、ここは大変大事なポイントであるというふうに思います。そのためには、発送電分離前においても発送電の中立性を確保することが非常に大事であるということで、今回、電力・ガス取引監視等委員会をつくるなど制度上の措置というものがなされておりますが、この制度が実際にしっかりと運用されていくかどうかというところが大事でありまして、電力自由化による料金抑制のための運用面を含めた取組について安倍総理にお伺いしたいと思います。
  46. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 改革によって自由な競争が促され、電気・ガス料金の抑制効果が働くことを期待しており、今般創設する電力・ガス取引監視等委員会は、こうした競争が行われているかを厳しく監視していくことになります。  また、託送料金や経過措置期間中の小売料金といった規制料金については、委員会が厳格な審査を行い、その審査結果を踏まえて経済産業大臣が料金の認可を行う仕組みとしています。  このほか、委員会は送配電部門の中立性が確保されているかどうかも厳格に監視することとしており、運用面でのこうした役割をしっかり果たすことで、電気料金の最大限の抑制という改革の目的が達成できるよう取り組んでいく考えでございます。
  47. 東徹

    ○東徹君 電力会社が本当に電力料金を抑制していく努力をしっかりしていっているのかどうか、そこをしっかりと監視をしていっていただきたいというふうに思います。  コストというのが非常に大事だと思うんですが、続きまして、石油火力発電についてお伺いをしたいと思います。  石油火力発電ですけれども、中東に八割を依存する地政学的リスクを抱えるエネルギーである上、発電コストも高いわけであります。今日お配りしております資料の中にもありますが、二〇三〇年では一キロワットアワー当たり二十八・九円から四十一・七円と、石炭とかLNGの二倍以上ということが試算されているわけであります。一方、CO2の排出量を見ましても、お配りしました資料にもありますように、一キロワットアワー当たり、LNGが五百九十九グラムのところ、石油は七百三十八グラムということで、LNGよりも二割以上多く温室効果ガスを排出するということになるわけであります。  二〇三〇年のエネルギーミックスでは、石油火力はピーク電源との位置付けで三%程度というふうに見込まれておりますけれども、これからの少子高齢化、人口減少、国民の節電意識、省エネの推進、デマンドリスポンス、そういった電力のピーク需要が抑制されることによって、そしてまたLNGの火力を用いていくことによって石油火力をゼロにすることも可能であるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  48. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃるように、石油火力につきましては、その燃料費が高い、またCO2の排出量も石炭に次いで高いということでデメリットがございます。  ただ一方で、まさに今おっしゃったように、ピーク電源としての位置付けでありまして、一点目としましては、たき増しを急にするとか、また急に出力を抑えるということになりますと、LNGに比べまして石油の方がはるかに実はレスポンスが早いという点で優れたところがございます。そしてもう一点、LNGと比べて大事な点は、LNGというのはまさに気体でありますので基本的に備蓄ができませんが、石油につきましては、百六十九日分ですか、国内で備蓄があるということで、いざとなったときのまさにピーク電源として使えるという実はメリットもございます。  そういった点を考慮いたしまして、まさに必要最小限ということで三%としたところでございます。
  49. 東徹

    ○東徹君 非常に、何度も申しますが、発電コストも高く、そしてCO2の排出量も多いこの石油火力発電、今や石油火力に頼る時代ではないというふうに思っておりまして、安倍総理、この点についてはいかがでしょうか。
  50. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣からも答弁させていただきました。  確かに、石油火力については中東依存度が高いなど、燃料の供給安定性の問題なども含めて、委員が御指摘された様々な問題もあるというふうに承知をしておりますが、一方で、大臣が答弁いたしましたように、貯蔵がしやすい、あるいは輸送がしやすい、また備蓄量が多いというのも事実でございまして、突然の発電所の停止などがあった場合にこれを代替するなどの役割も期待ができるという中におきまして、様々なエネルギー源、電源には長所、短所があるわけでありますが、それを組み合わせたものがまさにベストミックスでございまして、火力発電については今後も一定程度は確保していかなければならないと、このように考えております。
  51. 東徹

    ○東徹君 続きまして、固定価格買取り制度の賦課金の国民負担についてお伺いしたいと思います。  先ほども再生可能エネルギーのことにつきましてありましたが、報道では、賦課金に関する国民負担を抑えるために登録制を導入する上で急増する太陽光発電の買取り総額に上限を設けるというふうなことも報道ではありました。今年度、二〇一五年度の固定価格買取り制度の買取り総額、一兆三千億円程度というふうに見込まれておりまして、標準的な家庭の負担は年間五千七百円程度ですが、二〇三〇年のエネルギーミックスでは買取り総額最大で四兆円ということで、標準家庭の負担は年間一万円を超えるというふうに見込まれておるわけであります。  再生可能エネルギーの導入は促進していかなきゃなりませんけれども、賦課金など国民負担はこれは上がっていくわけでありまして、これをどう抑えていくのかというところが非常に大事であるというふうに認識をいたしております。  この国民負担を抑えていくことにつきまして、安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。
  52. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 固定価格買取り制度は、制度開始以来、約二年半で再生可能エネルギーの導入量が約八割増加するなど、再生可能エネルギーの推進の原動力にはなっております。一方で、太陽光中心の導入が進んだ結果、国民負担上昇の懸念等の課題が顕在化していることは承知をしております。そのため、これまでも太陽光発電の買取り価格の引下げ等を進めてきているほか、低コスト化、高効率化のための技術開発等に取り組んでいます。  今後は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制を両立させるという観点から、外部有識者による審議会において、まずは固定価格買取り制度を含む再生可能エネルギー導入促進策の在り方を議論し、この結果も踏まえて、必要に応じて所要の見直しを検討していく考えであります。
  53. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  是非とも、再生可能エネルギーについて議論をして、見直しをしていっていただきたいと思います。  ちょっと時間になりましたが、あと一点だけ質問させていただきたいと思います。  先ほども直嶋委員の方からもありました、山口県宇部市の石炭火力発電所の建設計画について望月環境大臣が是認し難いという意見を出されました。  石炭火力の比率を二〇一三年の三〇%から二六%に引き下げる以上、既存の石炭火力を減らさなければ新設は認めないという意思表示であるというふうに言われておりますけれども、現在、我が国では、運転開始から五十年以上経過した石油火力など、老朽化した石油火力や石炭火力の発電をしておりまして、最新式の石炭火力発電設備の方が発電効率も良く、それゆえ温室効果ガスの排出量も少ないというふうに考えられます。温室効果ガスの削減をするためには、先ほどもありましたが、まずはやっぱり最新式の石炭火力へ転換を進めていくべきだというふうに考えます。  その中で、一点だけ質問させていただくとすれば、電力自由化を控え、発電コストの低い石炭火力は新増設の計画が相次いでおりますけれども、電気料金の抑制と温室効果ガスの削減、このバランスを具体的にどう取っていくのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  54. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まさにおっしゃるように、電気料金の抑制と、それからまさに地球温暖化目標に二〇一三年比マイナス二六%という欧米と遜色ない目標を立てたわけで、これを実現するということをやっていかなければならない。そういう中で、今回エネルギーミックスを策定いたしましたが、三つの目標を立てたわけであります。  まずエネルギーの自給率を二五%程度確保すること、現在よりも電気料金を上げないということ、そして国際的に見ても遜色のないCO2削減目標を持つという中で、今回、二六%という石炭については数字になって、これはコストの点では非常に貢献をしておりますが、一方で、まさにおっしゃるようにCO2が多く出るということは事実でありまして、やはり先ほど御答弁いたしましたように、現在の日本が持っている石炭火力発電所の半分はまだ古いものでございまして、これはやはり超超臨界という新しいものに替えていくとともに、いわゆるIGCCという新しい技術も早く実用に供するようこれからやっていかなければいけないと考えております。
  55. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございました。  以上で質問を終わらせていただきます。
  56. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  先ほど来、石炭火力のことが話題に上がっていますけれども、私もまず石炭火力から質問したいと思います。  電力小売自由化を前にしまして、石炭火力発電所の建設ラッシュという状況になっております。既に、二〇一三年度の一般電気事業者の石炭火力発電量、これは二〇三〇年度の電源構成案において石炭火力で確保を見込む発電量を既に上回っているという状況にあります。さらに、環境省がつかんでいるアセス法対象の大型石炭火力発電所だけで設備容量は一千三百万キロワットとなると。二〇一三年度の一般電気事業者の石炭火力発電所の設備容量、この約三割にも相当する新たな計画があるんだということが明らかになりました。しかも、法対象外の小型発電所については、先ほどありましたように、全容が把握できる仕組みになっておりません。  このような石炭火力発電への依存、さきに行われましたG7サミットで合意された二〇五〇年までに温室効果ガスを一〇年比で四〇から七〇%の高い方で削減するとされたわけですけれども、この目標どころか、二〇三〇年度までの削減目標との整合性、これは私全く見えないというふうに思うんです。新たな石炭火力発電の建設はまず中止すると、こういう決断をすべきではないでしょうか、総理。
  57. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) エネルギーの特性を考えますと、安定供給、そしてコスト、また環境負荷、安全性といったあらゆる面で優れたエネルギー源は残念ながらないわけでありまして、このため、エネルギー資源に恵まれていない、そして海に囲まれている我が国としては、各エネルギー源の強みが生き、全体として弱みを補完する柔軟かつ多層的なエネルギー供給構造を構築をしていく必要があるわけでありまして、我が国において石炭火力は安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源であり、今後、一般電気事業者以外の新規参入事業者を含めた競争によるコスト低減も期待されます。  一方で、温室効果ガスの排出量が多いという課題があるのも事実でございまして、このため、温暖化目標と整合する実効性のある電力業界の自主的枠組みの早期構築等を促すことにより、また、先ほど大臣から答弁をしたように、超効率化も含めて、なるべくCO2排出をしない新しい石炭火力発電設備にリプレースしていくということも含めまして、環境負荷を低減しつつ石炭火力を活用していく考えであります。  また、日本がサミットでもお示しをしたCO2の二六%の削減というのは欧米からも高い評価を得たところでございます。
  58. 倉林明子

    ○倉林明子君 減らしていくという決意、転換をしていくべきだというふうに私は思うんですね。  日本は国内だけじゃなくて今海外でも石炭火力発電所の建設を進めていると、NGOからも問題だと指摘がされているところです。大量の温室効果ガスの排出国になっているし、その削減についても先進国としての責任を果たすどころか温暖化加速するようなことは、私、国際的にも許されないことだと、これは強く指摘をしておきたいと思います。  そこで、世界の流れは今、議論もしてまいりましたけれども、やっぱり多かったところも含めて、大量排出していたところも含めて、脱石炭へと、再生可能エネルギーの大量導入で二酸化炭素削減を進めていこうと。新たな産業、大きな雇用も生んでいるということになっているわけです。我が国でも、地球温暖化対策、農山漁村の活性化などを目的として地域で取組が始まっているということになっています。  ところが、昨年九月に起こりました一般電気事業者による再エネの接続保留、これによりまして、時間を掛けて地元の合意を苦労してつくった、そういう木質バイオマスや小水力発電、こうした事業の見通しが立たなくなっていると農水省から説明もありました。全国知事会からも、地域活性化に向けた再エネ導入の取組にブレーキ掛かっているという趣旨の報告がありました。  総理は、私の本会議の質問に対しまして、再エネ接続の対応措置は今後も受け入れていけるために講じたと、こう答弁されております。  しかし、一般電気事業者が再エネの接続を拒否できる、こんな規則改正をやっているわけで、政府自身が進めてきた農山漁村を始めとした地域活性化の取組の可能性、これ潰すことになっているんじゃないでしょうか。認識、いかがですか。
  59. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再生可能エネルギーの接続保留問題への対応措置は、今御紹介がございましたように、前回申し上げたとおり、電力会社が停電を起こすことなく、これからも再生可能エネルギーをしっかり受け入れていけるために講じたものであります。  すなわち、大規模太陽光の接続申込みが電力会社に殺到する中で、将来にわたって停電を起こさず電力を安定的に供給するには発電事業者に一定の出力制御をお願いする必要がありますが、まさにこれは、接続自体を拒否されないようにし、より多くの再生可能エネルギーを導入するためのものであります。  いずれにせよ、地域活性化等の観点からも重要な再生可能エネルギーについて、政府としては最大限の導入を進めてまいります。
  60. 倉林明子

    ○倉林明子君 再エネの事業の予見性が極めて低くなる、事業予見性を奪うような固定価格買取り制度の見直しというのはやるべきではないと、これは申し上げておきたい。  ところが一方で、原発の事業の予見性、先ほども議論がありました。電事連の会長が参考人質疑で発言をして、これまでは総括原価方式等の諸制度があって原子力発電の予見性が得られてきたと、ところが今後の予見性は大きく低下すると説明がありました。事業者は電気料金に費用が上乗せできないと、自由化によって。こうなると多大な費用が回収できなくなる、こう吐露されたことだと理解しましたが、よろしいでしょうか。
  61. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 電力システム改革によって、総括原価、地域独占が撤廃されることにより、事業者にとって事業の予見性、安定性が低下することは事実であります。  このため、昨年四月に閣議決定を行ったエネルギー基本計画においては、電力システム改革によって競争が進展した環境下においても、原子力事業者が円滑な廃炉や安全対策、安定供給などの課題に対応できるよう、事業環境の在り方について検討を行うこととしています。  政府としても、必要に応じて、事業環境整備について具体的な政策措置の検討を進めてまいりたいと思います。
  62. 倉林明子

    ○倉林明子君 結局、先ほどもありましたように、多大な費用を、国策民営の在り方を示してくれということで私は露骨な要求があったなと思うんです。その上で、二〇三〇年度の電源構成案で原子力の事業環境を整備するということに明記されたわけで、これは電事連の要求に応ずるという意思表示になったんじゃないかというふうに思うんです。原発を維持するために更に国は税金をつぎ込むということなのか、これが一つ。  もう一点は、事業者は事業環境が整わなければ見通しが立たないということを言っているわけですけれども、宮沢大臣は衆議院で、二〇三〇年には三十基台半ばの稼働を見込んでいると答弁をされました。今後も非常に多大となる費用をつぎ込むことになるんじゃないですか。
  63. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 高くなる費用とおっしゃいますけれども、エネルギーミックスの検討過程で、各電源ごとの費用をかつての民主党がやられた方式とほぼ同じような方式でやっておりまして、その結果といたしまして、当然、原子力につきましては十・一円、これは安全対策、また廃炉等々についても全て含まれた上で十・一円以上ということをお示ししたものでありまして、決して多大な費用をつぎ込むというものではございません。
  64. 倉林明子

    ○倉林明子君 電事連の会長が来て、多大な費用が掛かって見通し立たへんさかい何とかしてくれと言っているわけですよ。これに応えるなんということは絶対あってはならぬ、申し上げて終わります。
  65. 松田公太

    ○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。  重要法案がめじろ押しの中、本日、安倍総理、経済産業委員会にお越しいただきましてありがとうございます。  実は、先週、宮沢大臣に、私がかねてから提案をさせていただいております原発国有化法について本委員会で質問させていただきました。そこで安倍総理にもしっかりと提案をしておいてくださいというお願いをしたところ、それは自分でやってくださいというふうに言われてしまいましたので、しつこいと皆さんに思われるかもしれませんが、今日はその話を冒頭に少しさせていただきたいと思います。  実は以前にもこれにつきましては総理とお話をさせていただいたことがありますので細かい話はしませんけれども、この原発国有化法につきましては議員立法もさせていただきましたが、残念ながら審議をしていただくこともかなわなかったわけですね。  しかし、私は、今も、このスキームにありますように、東電の法的整理が実現すれば、汚染水、廃炉、賠償、その他問題になっている多くのことが解決するというふうに思っております。東電の経営陣には賠償し切れないと言っていた事故を起こしてしまった責任を取ってもらい、退陣をしていただきまして、株主にも責任を取っていただく。国で一旦原発と送電網を引き取ることによって、一定の収益を得ながらも公正なグリッドの使用を実現して新規参入を促していく。そして、東電管内におきましては所有権分離がこれ自動的に実現されるということになるわけですね。つまり、真の電力自由化が始まるということになろうかと思います。  ここで総理いかがでしょうかと聞いてしまいますと、またあのスキームの細かい話にはまってしまって、ああだこうだとあっという間に十二分過ぎてしまうと思いますので今日はそのような聞き方はしませんが、私は本日総理にお聞きしたいのは、私がここまでこだわっております所有権分離についてなんですね。送配電の分離で我が国の先を行っていますのは例えばドイツとかイギリスがあるわけですけれども、そういった国々を見ても分かりますとおり、真の競争原理を実現するというためには、いずれは法的分離では行き詰まってしまう、最終的には所有権分離が必要になってくるというふうに思うわけです。そのことについては、総理はどのようにお考えでしょうか。
  66. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今日、朝、事務方から再び松田委員の御提案について説明を受けました。こうした課題について建設的な議論をしていただくことについては敬意を表したいと思います。  その上で、この所有権分離については、安定供給確保のための資金調達に支障が生じるおそれや、あるいはまた電力会社における財産権の侵害となる可能性など、課題があると考えています。このため、今回の改革では、中立性を確保するための人事、予算等についての規制を行いつつ、法的分離を実施することで送配電ネットワークの公平な利用を実現することとしています。  なお、法的分離の制度の下では、各会社及び株主の自主的な判断によって資本関係を解消する所有権分離を選択することを妨げるものではありません。
  67. 松田公太

    ○松田公太君 財産権の話、また安定供給の話等、以前も宮沢大臣とお話をさせていただきましたが、実はこのスキームによってそういった部分も解消されるというふうに私は思っております。これは、東京電力、もう皆さん御案内のとおり、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が既に所有をしているということですから、ある意味国有化されていると言っても過言ではないと私は思っているんですね。ですから、その流れで東京電力をこのような形で法的整理に、ちゃんとした電力再生委員会等の審査を経た結果ですけれども、私は決して無理がある話ではない、財産権を侵害するような話じゃないんじゃないかなというふうに思っております。  また、総理、私は国会議員としてまだ五年という状況ですけれども、日本の法律というのは一度決められてしまうとなかなか改正するのが難しいというふうに感じているんですね。どうしても前例主義といいますか、新しいものにチャレンジしようというそういった機運がなかなか生まれづらい。特に自由化とか規制改革、そういった部分、私、そういうふうに感じております。だからこそ、今回の法案には、私、少なくとも、原則、所有権分離を目指すんだという方向付けが必要なんじゃないかなというふうに考えているわけです。法的分離のままで、やはり電力産業で新しいチャレンジをするというベンチャーもなかなか生まれないと私は思いますし、新規参入もなかなか増えないんだろうというふうに感じてしまうんですね。そうなると、結局は国民の電気代も下がりませんと。じゃ、自由化は何のためにやったんだ、失敗だったんじゃないかということに私はなりかねないと思っております。  以前もお話をさせていただきましたが、ドイツの例というのがまさしくそこでして、法的分離の途中の過程においてそういうことが起こってしまったわけですね。残念ながら、百社ぐらいの新規参入があったわけですが、そのほとんどが撤退をしてしまったという状況を生んでしまったんです。だからこそ、私はやるのであれば徹底的にやるべきだというふうに考えておりまして、自由化の場合は、やはり中途半端が最悪の結果を招いてしまうんじゃないかなというふうに感じている次第でございます。  次に入らせていただきたいと思いますが、原発国有化法案、この原子力損害賠償についての、この無限責任というところが私は前提となっているんだなというふうに思っております。そのために、その原子力損害賠償・廃炉等支援機構法への対案として出させていただいたわけですけれども。  政府は新規制基準に適合していると認められた原発につきましては再稼働を進めるという方針なわけですけれども、現状では、最終処分場も決まっていません、避難計画も定まっていません、そして原子力事業者は何と原子力損害賠償マニュアルも整備していないというのが現状なんですね。先日、参考人質疑で、私、電事連の八木会長から、マニュアル作成につきましては、自社も含め、再稼働まで滞りなく各社に整備してもらうとの答弁をいただいたわけですけれども、現在原子力損害賠償専門部会によってその制度の見直しが行われているという最中だと思います。  三・一一直後なんですけれども、当時の東電の清水社長が賠償免責規定の適用を要望していたり、先日も八木会長が無限責任じゃなくて国も責任の分担を考えていただきたいと述べていたりと、原子力事業者としては当然に有限責任というものを望んでいるんだと思います。つまり、本音を言えば、この賠償制度の行方を見守りつつ、その方向性が出るまでは各社の賠償マニュアルなんか作れないというのが実情なんじゃないかなというふうに思うんですね。  しかし、現在は再稼働が早ければ今年中になってしまう可能性もありますし、原賠法の改正を待っていたらとても間に合わないんです、そのマニュアルが。ですから、八木会長は鋭意進めるということだったわけですけれども、賠償マニュアル、これを確実に実現するよう、私、総理の方からも是非指導していただいて、確認をしていただきたいと、このように思うんですが、いかがでしょうか。
  68. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 今の話につきましては、まさに今、原子力委員会の下で原賠法についての検討が行われておりまして、早く、早期に結論を出していただいて、それに沿って対応していくということになろうかと思います。  一方で、今の各社の対応につきましては、まさに今、原賠機構の下でスキームができているわけでございますので、そういうスキームの中で各社のマニュアルというものは、それは早く作っていただいた方がいいと思っております。
  69. 松田公太

    ○松田公太君 また事故というのはいつ起こるか分からないという状況だと思います。このままでは、やはりまた事故が起こってしまった場合に、全く同じ私は問題に直面してしまうんだろうなというふうに思うんですね。果たして、今の原賠機構がもう一度の事故に耐え得るのかどうかという心配も私はあろうかと思います。  総理にここはお聞きしたいんですが、もしまた近い将来このような事故が起こった場合は、今、やはり宮沢大臣がおっしゃったように、今の原子力損害賠償支援機構法でしのごうというお考えでよろしいでしょうか。
  70. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、ああした過酷事故が二度と起こらないように、原子力規制委員会において厳しい基準を定め、その基準に適合したものしか我々は再稼働をしないということを前提としているわけでございますし、また、避難についてもしっかりと自治体と協力していいものを作っていきたいと、このように思っているところでございますが、同時に、もちろん絶対安全はないわけでございますが、今委員がおっしゃっておられる、原子力損害賠償の責任の所在を、言わば国有化、こうした状況が起こった場合は、破綻処理をして国有化して、国が前面に立てという御意見だというふうに承知をしておりますが、廃炉・汚染水対策、今回のような廃炉・汚染水対策や賠償等を着実に実施をし、国民負担を最大限抑制しつつ、福島の再生を加速をしていくことが最優先であると、今の、今回の対応においてはですね。  そして、仮に会社更生法に沿って東電の法的整理を行うこととした場合には、現行の電気事業法に基づいて電力債が優先弁済される一方で、被害者の方々の賠償や下請企業の方々への支払が十分に行われなくなるおそれがあるとともに、事故収束や電力の安定供給、海外からの燃料調達等に支障が生じるおそれがあり、適当ではないと思います。  先ほど大臣が答弁したように、現行のスキームの下、賠償の責任は一義的には東電が負うことになっています。東電を国有化して賠償のお支払を国が行うことについては、多大な国民負担が生じるおそれがあり、適当ではないと、このように考えております。
  71. 松田公太

    ○松田公太君 済みません、ちょっと私の質問の仕方が悪かったかもしれないんですが、若干ちょっとかみ合っていない部分があるなと思いますけれども、時間がもうありませんので、もう一点質問を用意していたんですが、質問というよりか、要望としてお話を聞いていただければと思いますが、質問として考えていたのは、汚染水と廃炉の工程についてなんですね。これは、先日、福島第一原発の一―三号機の燃料棒の取り出しの開始時期がまた三年間マックスで延期されたと発表されましたように、今様々な問題がここ続いているわけです。  かれこれもう数年間、原子炉の下に穴が開いている以上、冠水工法は無理なんだという話を私はさせていただきました。気中工法もしっかり検討してほしいという話をしてきたわけですけれども、先日、やっとそういったことも進んでいるということで、少しほっとしている状況でありますけれども、まだまだいろんな問題があるわけです。  山側から地下水を遮水するための凍土壁工法、これも私は問題がありますよという話をずっとしてきておりますけれども、これもキャナル方式に変えるべきだということも申し上げていますし、また、ALPS処理後のトリチウムを含む水の取扱い、これが決まっていなかったり、本当に多くのことが不安として残っているわけですね。  私は、このような問題も含めて、原発を国有化することによって、全て国が全責任を持って、前面に立つということじゃなくて、本当に完全にテークオーバーすることによって進めていくべき、そういう問題だと思っているわけです。  廃炉というのは、本当に今の状況では四十年も五十年も掛かってしまうと思いますので、是非、引き続き、一旦国有化するということも含めて御検討をいただければと、このように思って、私の質問を終わりにさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  72. 中野正志

    ○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。  安倍総理、御苦労さまでございます。  今回のような大改革、まさに大改革でありますけれども、私はやっぱり日本経済の成長安定期に実行されるべきものと、そう考えております。  幸いに、この間、実質賃金が二年ぶりにプラスになった。私は、アベノミクスの方向性、政策実効性、率直に評価をいたしております。是非、デフレ脱却を確実にして、企業の収益を内部留保ではなくて設備投資に、あるいは賃金上昇、雇用拡大に、いい循環で上昇気流を何としても描いていただきたいものだ、ますます経済政策大事になってくるなと思います。  八%増税、引き続いて一〇%への増税ということで、二〇一五年十月、これを二〇一七年四月へと延期するという英断もありました。しかし、安倍総理はそのときに、再び延期することはない、景気判断条項は付すことなく確実に実施すると発言をされております。  ある意味、景気回復への情熱ほとばしる発言であろうと、こうは理解はしたいのでありますけれども、やはり経済成長に万策を施しても景気の状況によっては、二〇一七年四月の消費税一〇%増税、これを再延期ということも視野に入れるべきではないでしょうか。経済は生き物でありますから、私は、あえてこだわるべきではない、そしてこういった今回のような大改革も自信を持ってやり上げると、こういう安倍総理の御決断を待ちたいと思う。あえて私の提言でありますけれども、安倍総理、いかがお考えになられますか。
  73. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、デフレから脱却をして、そして経済の再生と財政の健全化、これを同時に達成していかなければならないと、こう考えております。もちろん、経済の再生がなければ財政の健全化を行うことはできません。その中でしっかりと成長戦略を進めていくことが大切であろうと思います。  その中で、我々が政権を取ってこの二年半、GDPについては、実質で二・四、そして名目で五・四%成長いたしました。足下につきましても、一―三月において名目でプラス九・四%成長しているという状況でございますし、また賃金においても、今御紹介がございましたように、実質賃金においてもとうとうプラスになった、そして、賃上げについても、昨年は十五年ぶりの賃上げ率であり、今年はそれを上回る状況になっている。こういう状況を更に来年、再来年と続けていくことによって、私は、消費税を八%から一〇%に引き上げていく状況をつくり出すことはできると、このように思っております。  成長と同時に、やはりこの世界に冠たる社会保障制度を次の世代に引き継いでいくという我々の責任を果たさなければいけませんし、国の信認もございます。もちろん、経済は生き物でありますから、細心の注意を払いつつ、しっかりと我々は成長戦略を進め、力強く成長を続けていきたいと、このように思っております。
  74. 中野正志

    ○中野正志君 まさに安倍総理の御認識でよろしいのだとは思います。  ただ、もう御承知でありますけれども、経済財政諮問会議メンバーの新浪サントリーホールディングス社長、経済財政諮問会議、六月一日の会議で、過去の税収弾性値を見ても経済安定成長期は少なくとも一・二から一・三程度を示していると発言をされております。今までの財務省の一・〇の弾性値を吹っ飛ばしたんでありますから、いや、民間経済人というのは大したものだな、率直な私は評価もしたいと思うんです。  この一・三の威力はかなりあると。弾性値一・三を当てはめると、二〇一七年度に予定している消費税率一〇%に引き上げなくても、二三年度には消費税増税したケースよりも一般会計税収が上回る試算結果となると、あえてこのことを紹介しておきたいと思います。  エネルギー政策の方に戻ります。総理に、エネルギー政策全体のビジョンについてお伺いしたいと思います。  エネルギー政策、先ほど来お話がありますように、国家の最重要政策の一つであります。東日本大震災以降、抜本的な見直しをめぐって、エネルギー基本計画、エネルギーミックス、そして一連のシステム改革についてもこの委員会を始めいろいろ議論をされてきたところであります。  総理は度々、責任あるエネルギー政策を構築していかなければならない、あるいは責任あるエネルギー政策を実現するためにはという答弁をされておりますけれども、責任あるエネルギー政策とはどのようなものなのでしょうか。改めて、総理の考え、ビジョンをお伺いをいたします。
  75. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東日本大震災、そして原発事故以来、我が国は、化石燃料に対する依存度増加、原発停止による燃料費の増加、そして電気料金の上昇、さらにはCO2排出量の増加など、新たなエネルギー制約に直面をしています。  エネルギー政策においては、各エネルギー源の特性を考えると、あらゆる面で優れたエネルギー源はないわけでありまして、安全確保を前提として、安定供給、コスト低減、そして温暖化対策を基本に、現実的かつバランスの取れたエネルギー需給構造を実現していくことが責任あるエネルギー政策であると考えています。  先般、今後取り組むべき政策課題と、長期的、総合的かつ計画的なエネルギー政策の方針をエネルギー基本計画として閣議決定いたしました。これに沿って、国民生活や経済活動を支える責任のあるエネルギー政策を推進していく考えであります。
  76. 中野正志

    ○中野正志君 私の地元である宮城県の大衡村というところがあります。誘致企業トヨタ自動車が中心となって、工業団地においてコージェネレーション、太陽光発電、蓄電池を活用して電力と熱を供給をいたしております。コージェネレーションから排出される熱については、自動車での生産工程に活用するだけではなくて、野菜のパプリカですね、パプリカ栽培にも活用をいたしております。さらに、非常事態には、この仕組みで発電した電気を防災拠点となる大衡村の役場に供給することにしているのであります。  電気と熱の需要供給最適化を行って全体のエネルギー利用の効率を高めるとともに、災害にも強いエネルギーインフラ、そして地域活性化の実現につながる、このようなスマートなエネルギー供給の取組、これはもう全国的に推進していくことが大変重要になってきたなと思うのでありますけれども、総理のお考えをお願いいたします。
  77. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再生可能エネルギーやコージェネレーションなどの分散型エネルギーを導入をし、これから生じる電気や熱を面的に利用するスマートコミュニティーの取組は、電気や熱の有効活用によるエネルギー利用の効率化、そしてエネルギーシステムの強靱化、さらにはエネルギーの地産地消による地域の活性化などの観点から、重要であると認識をしています。  政府としても、再生可能エネルギーやコージェネレーションなどの分散型エネルギーの導入支援や、分散型エネルギーから生ずる電気や熱を一定の地域内で面的に活用する取組に対する支援を推進してまいりたいと考えております。
  78. 中野正志

    ○中野正志君 電力・ガスシステム改革の成果についてはあらかじめ評価の指標を明らかにしておくことが有益ではないのかと考えておりますけれども、最後、短くて結構でございます、総理の見解をお伺いをいたします。評価の指標を明らかにしておくことが有益ではないかということです。
  79. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の改革の評価に当たっては、その目的である料金の最大限の抑制あるいは消費者の選択肢や事業者の事業機会の拡大といった点が非常に重要であります。  したがって、例えば、改革後、電気料金やガス料金が抑制されているか、料金メニューやサービスの多様性が進展し消費者による選択が進んでいるか、そして異業種からの新規参入や既存の事業者間の競争が進んでいるかなど様々な評価軸が考えられますが、改革の成否はそれらを踏まえて多面的に評価していくことが適切だと考えております。
  80. 中野正志

    ○中野正志君 ちょうど時間となりました。ありがとうございました。
  81. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 改革の荒井です。  アベノミクス、安倍改革、これはガスの自由化を入れたことによって私は本当に高く評価するんです。エネルギー市場全体の改革ができるようになった。当然、保安、安全対策、これに十分なことを経産大臣にも求めておきますけれども、今までの通信に電気とガスが重なって、ポイント割引であるとか、そしてセット割、様々なことが考えられますし、さらにそれはNHK等を含めてテレビ、そしてケーブルなどの有料放送、これは通信もあります、そして新聞、さらには公営の水道まで全てが一つになって、家計の光熱水道費などの軽減と利便性に大きく貢献するようになるだろうという観点で高く評価しているわけです。これは、家計費が下がるという意味で家計のビッグバンと呼んでおります。異なるサービスの融合、それは営業のイノベーションを日本から起こすことになると思います。  結局、この間も八木電事連会長が言いましたが、原発依存のビジネスモデルは長続きしないと私は思っております。それは、提供者の論理から営業イノベーション、そして最後にはエンドユーザー、選択する国民、消費者一人一人の目が、意識が反映されてくることになるからです。社会革命を、アベノミクス、安倍改革のこのエネルギー市場全体改革は、そこを私は進んでいくものだと思って、これを高く評価をしているわけなんです。  まず、天然ガスという部分だけ抜き出させていただきたいと思いますが、加速的に普及が求められている家庭用コジェネレーション、これは、総理が恐らく今日、頭、若干乱れておりますが、公邸のお風呂に入られたと思うんです、昨日だか今日。あれはまさにエネファーム第一号なんです。発電しながらお湯を沸かしている。そして、スマートコミュニティー、先ほどもお話がありましたが、そういうところでもガスは、ガスエネルギーですね、大変大きなエネルギー、あるべき姿なんですね。  このガスのエネルギーのあるべき姿というものをロードマップにきちんと示してこそ本当にこのエネルギー市場全体改革、更に成功すると思いますが、総理に、ロードマップという形でこのガスエネルギーの在り方、ロードマップに早期に組み立てていただきたいと思います。
  82. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年四月に閣議決定されましたエネルギー基本計画において、天然ガスは、その役割を拡大していく重要なエネルギー源と位置付けられ、コージェネレーションなど電源の分散化や水素源としての利用などにより、産業分野における天然ガスシフトを促進する方針が示されています。  また、今般のエネルギーミックス案においても、引き続き産業分野などにおける天然ガスシフトを明記するとともに、エネファームを含むコージェネレーションについて、二〇三〇年時点で現在の約二倍以上となる導入量を見込んでいます。  こうした方針も踏まえつつ、現在、エネファームやコージェネレーション、高効率な天然ガスボイラーや工業炉、ガス空調等の導入支援を行っています。  引き続き、天然ガスの利用拡大を進めるためにはどのような取組が適切か、検討してまいりたいと思います。
  83. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 是非、ロードマップを示していただくと、先ほどの営業ビッグバン、そして消費者が選ぶ、選ぶ目を持つ、そういうことに寄与しますので、作っていただきたいと思います。  避難されました口永良部島民の皆さんへの慰問を総理はされました。改めて、この皆さんに対する支援、決意をお聞かせください。
  84. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この度の口永良部島の噴火により被災された皆様に対しまして、改めてお見舞いを申し上げたいと思います。  私自身も、被災地の皆さんから直接現状を伺うため、十三日に避難先の屋久島を訪問いたしました。火山活動がいつ終息するのか見通せない状況にありますが、気象庁を中心に火山観測体制を強化する、屋久島に気象庁職員を常駐させ、大学研究機関と連携した観測を行うとともに、地元への情報提供、解説を充実してまいります。  避難されている方々は、梅雨を迎えて、住宅の管理や生活用品、自家用車の持ち出しなどのため、一時帰島を強く望んでおられます。一時帰島への環境整備を早急に行い、町の計画が整い次第、一時帰島を速やかに実現いたします。その際には、安全に実施するため、気象庁による火山監視、海上保安庁巡視船による支援など、政府の総力を挙げて支援をしてまいります。  当面の住まいの確保については、町営住宅、民間賃貸住宅が確保され、入居者も決まりつつあります。一方で、町のきずなを崩さないよう、できるだけまとまって生活をしたいという切実な要望もありました。このような要望に応えるため、県、町は仮設住宅の建設準備を進めており、政府としてもその取組を加速化していく考えであります。  避難者の方々が一日も早く日常の生活に戻られるように、屋久島町、鹿児島県と連携して、政府としても総力を挙げて取り組んでいきたいと、このように思います。  同時に、噴火の影響のない屋久島においてもこの観光シーズンに風評被害が出ております。口永良部島から避難されている方々を応援する意味においても、是非多くの方々に観光で屋久島を訪問していただきたいと思っております。
  85. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今の仮設の件にも関わりますが、原発についてです。  二〇一一年四月二十九日でしたが、総理が一次内閣おやめになりまして、野党でございましたけれども、御一緒に宮城、松島を回らせていただいたことをこの口永良部島の皆さんの訪問をしている姿と私はかぶったんです。もう一人一人の皆さんを、あのときも避難所で総理がお声を掛けながら、全ての、私も驚きましたけど、全ての、あのときは公民館でございましたけど、お回りになりました。あれが私は安倍晋三総理大臣の現在の原風景、私は姿だと思うんです。  その意味において、原発は終わっていないということを是非申し上げたいんです。その原発問題が終わっていないということを申し上げるために、お手元に資料を配付いたしましたけれども、今、口永良部島の皆さんもそうです、やっぱり実情に応じて仮設住宅は用意しなければならないんです。今は二年で、一年ごとなんです。しかし、福島原発の皆さんは、避難したときに子供が中学校に入る前でしたら、総理、三年間、中学校卒業するまで三年間です。三年間どこに住もうかな、仮設だけどどうしようかなと思うのは当然のことなんですね。ところが、この仮設住宅は、今ほど言いましたように、二年、一年ごと見直しなんです。これは災害救助法に基づいて進めているからなんです。ここをやっぱり実情に応じて、私は、五年、そして三十年はセシウム半減期、この単位で被災者の人たちが見通しが立てるようにこの仮設の在り方は変更するべきだと、原発用につくるべきだと。  そして、先ほども総理は絶対安全はないということを改めて言われて、本当にこれは私はうれしいんですよ。国がリスクを認め、責任を取る。これは、安保法制もそうですが、原発の政策上も重要なことです。滝波議員がまさに避難道路整備について求められましたが、避難計画や地域防災計画も当然、国がリスクを認め、責任を取るということが重要なんです。  私は、原発は使いたいけれども使ってはならない技術だと思います。再稼働に反対しますが、再稼働するというなら、少なくとも、総理がおっしゃっているように、絶対安全はない、万が一のために、安全保障もそうではないですか、そのために、この災害というもの、自然災害を原点にした仮設住宅の在り方は見直すべきでしょう。  そして、二つ目には、災害弔慰金というのも地震や天災において亡くなった方々にお見舞いをするんです。弔慰をするんです。原発事故は避難が伴うんです。その避難の中で亡くなっているんです。原発事故における弔慰制度というのも設けてしかるべきではありませんか。どうしても再稼働をするというなら、百歩譲っても、このような安全神話に作られた穴抜けだらけの法律を整備することこそ急務だと思っております。  こうした立法の方針について総理の見解を求めます。
  86. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、御質問にお答えをする前提といたしまして申し上げておきたいことは、東日本大震災における原発事故による被害に対しては、政府として、東京電力に対して、被害者に寄り添った迅速、公平かつ適切な賠償を行うよう指導を行ってまいりました。  そして、その上で、災害弔慰金については、東日本大震災の原発事故による被害が、突発的に発生した未曽有の地震、津波、そして原発事故といった大規模な複合災害であり、亡くなられた方が自然災害によるものか原子力事故に起因するものなのかが明確に峻別できなかったため、こうした状況を踏まえ、市町村において災害弔慰金の対象とし、支給を行っているというふうに承知をしております。  また、災害救助法に基づく応急仮設住宅については、あくまでも応急の仮設建築物として供与をされるものでありまして、その供与期間については原則二年間でありますが、東日本大震災のような特定非常災害については、当該住宅が安全上、防火上及び衛生上支障がないときは一年ごとに延長を行ってきているところであります。  その上で、応急仮設住宅については、基本的に提供期間中に災害公営住宅等の恒久的な住宅へ移っていただくことを想定をしており、期間内に全員の住宅が用意されるよう、各自治体において住宅をあっせんすることとしています。  いずれにせよ、大規模災害への対策については、このように復興の観点から被災者に寄り添った対応を取っていくことが重要であります。そのためにどのような方策がより良いものであるかについて委員からの御提案なども参考にさせていただき、常に考えてまいりたいと、このように考えております。
  87. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 どうぞ、再稼働をするというなら、法律も含めて整備するべきものはそれこそ切れ目なくやるべきことがあるということを申し上げたいと思います。
  88. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  89. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、中泉松司君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。     ─────────────
  90. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 休憩前に引き続き、電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  91. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 午前に引き続き、質問させていただきます。  エネルギーシステム改革とともに、再生可能エネルギーの普及、これが課題になっておりますが、他方で、現行の固定価格買取り制度、FITによって大きな国民負担が生じているのも事実であります。  私が以前研究しておりましたスタンフォード大学が所属しておりますパロアルト市、こちらの方ではゴーグリーンという制度がございました。電力会社からの毎月の請求書とともに、自分は料金も高くていいので再生可能エネルギーを買いますということをチェックする紙が送られてきました。お金を払ってでも再生可能エネルギーを使いたい、そういう人に、その方の意思に基づいて再生可能エネルギーを負担を求める方式であります。  我が国のFIT制度は、電力を使う全ての国民に、それぞれの意思に関わりなく単純一律に負担を求める仕組みとなっていますけれども、再生可能エネルギーを選ぶという消費者の選択によって料金を多めに取ってどうしても高く付く再生可能エネルギーの負担を求めるというのは、まさに市場の機能を活用することだと思います。このことは、消費者の求める高付加価値を付けることでエネルギー産業の成長につなげるということにも合致するものと言えましょう。  こういったアイデアも含めて、賦課金による国民負担を抑制するためにFITをどう見直していくのか、大臣の見解をお伺いします。
  92. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) いわゆるFIT制が導入されて三年たつわけでありますけれども、まさに再生可能エネルギーを導入するといった見地からしますと大変効果のある制度でありました。たしか水力を除きで八割以上導入前に比べて再生可能エネルギーの量が増えているというような状況でありますが、一方で、いろんな問題点といいますか、例えば太陽光にかなり偏って導入が進んだといったような点も出てきているところであります。  そして、おっしゃいますように、まさに再生可能エネルギーの最大限の導入と同時に、国民負担の抑制ということは大変重要な課題と認識をしております。  そのために、まず、現行の再生可能エネルギー特別措置法の運用におきまして、発電コストの低下を踏まえた買取り価格の引下げ、また、実際の発電時のコスト構造を確実に反映すべく、価格の決定時期の見直し、これは接続の申込みの時点だったものを今年から契約の時点と少し後ろに倒しております、を進めていきますとともに、太陽光を含む再生可能エネルギー全般について低コスト化、高効率化のための技術開発等の取組を進めております。また、大規模に開発しますとコスト低減が可能な風力や地熱の導入拡大をするために、環境アセスメントの手続の迅速化や、また、域内送電網の整備実証なども実施をしてきております。  今後は、まさに再生可能エネルギー最大限の導入と国民負担の抑制を両立させる観点から、エネルギー審議会におきまして、固定価格買取り制度の在り方も含め、必要な施策についての具体的な検討を今後進めていきたいと考えております。
  93. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 見直し、しっかり進めていただきたいと思います。  次に、原子力損害賠償制度の見直しについて議論したいと思います。  現在千二百億円にとどまっている賠償措置額ですとか、また事業者の無過失無限責任の例外を規定する損賠法三条ただし書、すなわち異常に巨大な天災地変又は社会的動乱規定、この位置付けなど難しい論点が並び、なかなか一筋縄ではいかない原子力賠償の問題ですけれども、振り返って、今回の原子力賠償機構の設立による対応は、先ほど、午前中、松田委員からもちょっと原子力機構の話について議論及びましたけれども、私はこれ、急場仕立てのものではありましたが、一時的なものという以上によくできた形になっているのではないかと思っております。  何となれば、私は、原子力賠償の議論においても受益と負担の視点ということが欠かせないんじゃないかと思っておりまして、今回の福島の事故に係る損害賠償を最終的に誰が負担をすべきなのか、すぐに国が国がという声も聞こえますけれども、私は、一義的には、これまで福島の方にリスクを負わせて安定、安価な電力を享受、受益してきた東京、首都圏を始めとする東電管内の人がまず負担をすべきだと思っております。税金を通じて北海道や福井や九州、沖縄、そういった人まで負担するというのはあくまで副次的であるべきだと思います。  ただ、副次的ではあっても、じゃ国が全く他人事にできるかというとそうではないし、また他電力管内でも同様な事故が起きる可能性もあったわけで、それに備えた共済的な保険料を、今回は事後的になったわけですが、払う意味も認められると。こういったものを原子力賠償機構スキームでは、東電の特別負担金、他電力の一般負担金、そして国からの交付国債でのバックアップというふうな形で実現をしております。  先ほどちょっと言ったスタンフォードで取り組んだ私の研究テーマというのが、金融危機対応の日米比較だったわけですけれども、そういった視座から申し上げますと、今回の原賠機構スキームというのは、九七年をピークとする日本の金融危機への対応経験、これがなかったら生まれなかったんじゃないかと思ってございます。苦闘の末、九〇年代からつくり上げた預金保険機構に交付国債を渡すことを通じて金融機関に公的資金を投入するスキーム、奇跡的にその転用ができた損賠機構スキームにより、被害者の方々の賠償請求先としても存続が求められた東電を維持して、なおかつ三・一一でエネルギー分野から日本経済が底抜けする、こういうことも防ぐことができました。  この原子力賠償機構、そしてそのモデルとしての預金保険機構、そのエッセンスを原賠法上に位置付け結晶化させていく、このことが原賠制度の見直しとして適切じゃないかと思ってございますけれども、政府の御所見と、また今ある原子力委員会専門部会での原賠制度見直しスケジュール、併せて教えていただければと思います。よろしくお願いします。
  94. 田口康

    政府参考人(田口康君) お答えいたします。  原子力損害賠償制度の見直しにつきましては、内閣官房に設置された副大臣等会議からの要請を受け、原子力委員会に有識者会議を設置して、専門的かつ総合的な観点から検討を行うこととされております。このため、先月、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会を設置いたしまして、今後発生し得る原子力事故に適切に備えるための原子力損害賠償制度の在り方について検討が開始されたところでございます。  検討に当たっては、様々な課題について、また様々な観点から慎重に検討を進めることが必要でございまして、現時点で結論を出す時期について明確にお答えすることはできませんが、先生御指摘の原子力損害賠償支援機構のスキームが東京電力福島第一原子力発電所事故において果たしている役割も踏まえ、適切に検討が進められるようにしてまいりたいと考えております。
  95. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 ファイナンスから見たエネルギーというのも大事な視点じゃないかなと思ってございますので、しっかり踏まえて、こちらの見直しでもよろしくお願いいたします。  そして次に、昨今の電力需給の状況を踏まえた検証規定の関係についてお伺いしたいと思います。  原子力の再稼働がなかなか進んでいないため、今の電力需給の状況、とても安定的とは言えません。緊急避難的に火力発電に過大に依存してきたたき増し状態が常態することは我が国にとっても大きな問題であります。  本法案に設けられた検証規定では、電力の需給状況、これも検証することが明記されているわけでありますが、虚心坦懐に見れば、私はやはり、一定の原子力発電所が再稼働し、たき増し状態が終わらない限り電力需給が安定したとは言えないんじゃないかと思っております。  不安定な需給状況の中で予定どおりシステム改革を進めることが本当に可能なのか懸念もあるところ、検証規定を活用し、そういったたき増し状態からの脱出が確保されるまで改革実施を延期することも考えるべきではないかと思ってございますが、政府として、どのような状況であれば需給安定化が実現したという判断をするのか、また需給安定化に向けて具体的にどのような措置を講ずるつもりなのか、お答えいただければと思います。
  96. 岩井茂樹

    ○大臣政務官(岩井茂樹君) お答えをいたします。  足下の電力需給は引き続き予断を許さない状況というのは委員も御存じだと思います。そのような中で、政府といたしましては、夏冬の需給見通しを踏まえまして必要な対策、例えば節電協力要請とか、あとは需給逼迫への備え等の対策を講じておりまして、今年の夏におきましては、老朽火力の最大限の活用等を前提に、電力の安定供給に最低限必要な予備率三%以上を確保できる見通しであります。  このような状況を踏まえますと、小売全面自由化を含む第二弾改正法の施行時期を延期する状況にはないんではないかと考えております。  また、法的分離の実施に当たっても、その時々の需給状況を把握した上で、節電の要請や火力のたき増しなどの需給両面において必要な措置を講じていく所存でございます。  また、委員御指摘の原発再稼働との関係について申し上げれば、原発については、原子力規制委員会によって新規制基準に適合すると認められた場合には再稼働を進める方針でありまして、今回の法案の附則第七十四条に基づく検証の結果いかんにかかわらず、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  97. 滝波宏文

    ○滝波宏文君 引き続き、エネルギー分野が日本経済の最大のウイークポイントであると思います。慎重に事を進めていただきたいと思います。  私の質問を終わります。ありがとうございました。
  98. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。  電気事業法等一部改正等の改正ということで、この議題もいろいろと議論が進んでまいりましていよいよ最終局面に至っていると、こういうふうな認識の中で、午前中は総理に御出席いただきまして、各会派から質問がなされました。私どももこの改正案を最終的に審議するに当たり、いろいろな視点から、国会としてなすべき議論というものについてはやっぱりしっかり押さえておく必要があるし、またそれも非常に重要なことでありますので、引き続き幾つか御質問をしたいというふうに思います。  まず最初に、余り議論はされなかったんですけれども、需要家の利益とか需要家保護という言葉がよく使われてきたというふうに私も思っております。今回、法文上は、前回、前々回の改正で使用者の利益の保護という条文が明記されました。ガス事業法につきましても同様の言葉が使われております。例えば、ガス事業法改正案の第八十五条では、一般ガス導管事業者及び特定ガス導管事業者は、他のガス導管事業者と相互に協力して、ガス導管事業者が維持し及び運用する導管と他のガス導管事業者が維持し及び運用する導管との接続その他のガスの使用者の利益を増進し、及びガス事業の健全な発達を図るための経済産業省令で定める措置を講ずるよう努めなければならないとしておるわけでありまして、また、他に公共の利益の増進という規定も見られるということであります。  ライフラインあるいは社会インフラと言われておりますこの電力、ガスにつきまして、自由化、規制緩和あるいは法的分離というシステム改革を行うということでございますけれども、一定の経過措置がとられた後は完全な自由競争状態になるということの中で、法案の中で言われています使用者の利益あるいは公共の利益というのは結局何を指し、それぞれの利益とするのか。それぞれの者の立場を含めまして、どういうことであり、かつ政策としてそれを支えていく理屈といいましょうか、そのことについて、私は一応ここは政府の見解をお伺いをしたいというふうに思います。
  99. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 電気につきましてもガスにつきましても、小売の全面自由化後におきましても、まさに国民生活や経済社会における電気事業、ガス事業の重要性、また公共的な色彩があるというところは変わらないと思っております。そうした意味で、総論的に申し上げますと、需要家保護、電気、ガスの使用者の利益の保護を徹底し、これらの事業が社会全体の利益、いわゆる公共の利益に資するものであることが必要だと考えております。  一つ目の御指摘の使用者の利益につきましては、例えば、電気事業法第二条の五第一項第四号におきまして、小売電気事業に係る登録拒否事由として、小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な供給能力を確保できる見込みがないと認められる者その他の電気の使用者の利益の保護のために適切でないと認められる者という規定を設けておりますが、この規定の意味するところは、小売電気事業者が需要家の需要に見合った十分な供給力を確保することにより電気の安定供給が確保されることや、小売電気事業者が需要家に対する説明義務などを適切に果たすことにより需要家が契約内容を正しく理解した上で契約を締結できることなどと考えております。  また、二つ目の公共の利益の増進につきましては、例えば改正後の電気事業法第十八条第三項第六号におきまして、託送供給等約款に係る認可基準として、前号に掲げるもののほか公共の利益の増進に支障がないことという規定を設けております。この規定における公共の利益の増進の意味するところは、例えば、広域的な電力流通を阻害しない託送料金が設定されていることにより適正な競争関係が確保され、最終的には我が国全体の需要家利益に資することなどということであります。  最後に、委員から御指摘のありました改正後のガス事業法第八十五条第一項におけるガスの使用者の利益の増進とは、需要家の選択肢が拡大することや、卸や小売の競争が進むことによりガス料金の値上げが抑制される、あるいはガス料金が低下することなどを意図しております。  使用者の利益と公共の利益といいますと、若干恐らく公共の利益の方が広い概念、使用者の利益を含む広い概念だと思っておりまして、じゃ、その隙間に来るものは何かと担当者と先ほど議論をしておりましたけれども、例えば先ほど言いました送配電網の整備といったものにつきましては、それ自体は公共の利益に資するけれども、託送料金に反映するといった意味では消費者の直接的な損失からいうと若干高くなる、ただ、最終的に送配電網が安定することによって最終的に消費者にも還元されると、こんなことなのかなというような議論を実はしておりました。
  100. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 予想よりも丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございます。  実は、最後に大臣がお答えになった辺りから少し議論に私は走り過ぎてもという思いは私自身持っているんですけれども、もうこれは非常に議論すべきところがあるし、これからも引き続きやるべきというふうに思っています。  なかなか、今言われたように、送配電網をきちっと整備し確保するということは最終的には公共の利益につながるということはそのとおりだし、ガスでいえば導管網をどのように整備をしていくのか、これは単に需要があるからつなぐとかじゃなくて、やっぱり国の最終的なセキュリティーを含めた大きな部分を支える、災害に対する強靱化、国土強靱化のお話も午前中ありましたけれども、それにもつながる話であって、そこのところはやっぱり完全自由化という概念とはやや違ったニュアンス、味付けが残ってきますねと。それはやっぱり電力、ガスというのは、公共的、言わばライフラインの重大なものであって、そこはそこでナショナルミニマムにつながるところがある。  だから、よくカメラとか電気製品買いに行ったら、品切れと言われるんですよね。いや、待ってくださいとか、いつ入るか分かりませんと。これはやっぱり駄目だということですよね。電気が欲しい、ガスが欲しいと言えば、やっぱり出す以上は安定的にガスを供給しなければならないという意味で、私は非常に供給責任ということに大きなウエートが置かれたマーケット自由化であるということだというふうに思いますので、またこのことは機会があれば議論をしていきたいというふうに思います。  二点目、パイプライン整備の支援ということでございますけれども、これも午前中御質問もございましたし、結構いろいろと御答弁がありました。私も、同様、天然ガスの広域パイプライン整備というのは、言わば災害リスクを軽減するということで、未曽有の震災を経験した今日、いろんな意味で、ある重要性を高めているというふうに思います。  また、石油からCO2排出量の少ない天然ガスというふうなものを再評価をしていこうということを含めまして、いろいろと製造業等の需要に応えながら、企業誘致、地域産業振興、こういうふうな政策目標に沿っていろいろと計画が私はあるのではないかというふうに思います。  経産省におかれましても、関東から九州までのいわゆる広域ガス導管設備方針というものを持っておられるというふうに思いますし、前々回の委員会で、広域パイプラインの整備には膨大な費用が掛かるということを指摘をいたしました。政府が想定されている四ルート、横浜―知多、姫路―北九州、長岡―桶川、長岡―彦根の建設だけれども、大規模地下貯蔵施設などを含む建設投資額は一兆九千六百億円、このように推定されております。  整備コスト負担の在り方については、現在のところ、ガスシステム改革においても、基本的には導管等を総括原価主義を維持をし、受益者が負担すべきだということの考えには立たれていないということでございます。しかし、今後、導管事業者のみがこの事業を一手に引き受けることは、幾ら建設費を託送料金に上乗せしたとしても、大きな負担になり、導管網を整備して天然ガス供給できる地域を増やせばセキュリティー向上やCO2削減効果は生まれるというわけでありますけれども、ガスパイプラインそのものは公共性を持った産業インフラではあるということになってきて、単に利益を追求するという立場だけではやはり議論はし切れないというふうなことから、そういうふうなある種個別導管事業者の利益を超えて負担すべき役割という部分について、これは国であるとか地方自治体が負担するということも一つ考えられることではないかと、このように思っております。  いろいろと現在も、茨城県日立、栃木県の真岡、この辺でもパイプラインの敷設が行われているし、これは首都圏の言わばガス供給力を大いに支えるということで意味があるということでございます。  パイプライン整備に関する費用負担について、国、自治体、事業者間の役割分担を明確にしていく必要があると考えますけれども、改めて政府の所見をお願いしたいと思います。
  101. 山際大志郎

    ○副大臣(山際大志郎君) 委員御指摘のように、このガス導管、非常に敷設しようとすると多額の料金が掛かるということもございまして、経済合理性とのバランスを取りながら先に進めていく必要があろうと、このように考えてございます。  今、国、地方自治体等々の役割分担というお話ございましたが、国といたしましては、これまでもこの導管整備に関しましては一定の利子補給等々をやってございます。また、今回の法案におきましては、これも委員御指摘のとおりでございますけれども、一般ガス導管事業につきましては地域独占そしてまた料金規制を維持いたしまして導管整備費用の回収を制度的に担保しておりますが、さらに、これまでにない措置といたしまして、全てのガス導管事業者に導管の相互接続に係る努力義務を課すとともに、国が導管整備に関する事業者間の協議を命令、裁定できる制度を創設してございます。  また、今回のシステム改革の一環といたしまして、建設後一定の期間について高めの事業報酬率を設定できる措置や、あるいは新規に敷設した導管の託送料金を他の導管と遜色ない水準に設定できるような託送料金の設定ルールの柔軟化措置なども講ずること等検討しております。  こうした措置を活用いたしまして事業者において経済合理性も踏まえながら必要なパイプラインの整備が進められるよう、環境整備に努めていくことが重要である、このように考えてございます。
  102. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 今御説明されましたお考えの対策については、これはこれで私は異論があるということではないんです。  ちょっと話が同じことを言っているようですけれども、やはり完全自由化と言われていることから発生する課題と、それからもう一つは、国レベルとして、いわゆる市場原理に基づく企業の行動、ビヘイビア、それとまた違った視点からやはり手当てをすべきことというのはおのずから本件についてはあり得るという問題意識は、これは共有できているというふうに思うんです。ここのところを余り今の段階で精密にやっちゃうと、なかなかこのシステム改革そのものが、導管事業者、送配電事業者の中立性とか、結構いろんな意味での要素がある中で話がややこしくなってくるとは思うんです。  だから、私は、またこれはこれで、例えば送電網も、非常にネットワークとして整備されているように思われますけれども、これよくよく見ると決して面的ではなくて、結構ライン、そしてラインの中に幾つかのループ、小さなネットがこぶのようにひっついているというのが日本の送電網の特徴であって、なかなかこれ周りでカバーする、一か所が短絡したときに周りでカバーしてということもうまくいく場合といかない場合とか、これはいろんな意味で、電力網のセキュリティーという観点から大きな課題があるということですから、ここは御意見として、今後そういう視点から本件についてはお考えをいただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、特定ガス導管事業への規制ということでございます。  この改正におきましては、中圧、高圧の導管のみを維持運用する導管事業者については、特定ガス導管事業という区分を設けられました。この中で、大手の国際石油開発帝石株式会社と石油資源開発株式会社の二社は、東北、上越、関東に非常に長いパイプラインを敷設し、製造拠点を持っておられます。例えば国際石油開発帝石は、新潟から長野を通り群馬、埼玉、東京、あるいは富山、甲府、静岡に天然ガスを供給する約一千四百キロメートルのパイプラインを持っております。また、石油資源開発は、新潟―仙台ラインを始め、八百二十六キロメートルにわたるパイプラインを持っているということであります。  これ、衆議院の審議の中では、この大手二社について、特別ガス導管事業者には入れずに、製造部門や小売部門との法的分離の対象としない方針が示されたということで、政府答弁では、販売量や需要家件数などを基準にして大手三社と区別したと、このようにされております。ただ、そのことについて衆議院の議論を聞いておりますと、十分に説得力を持った説明と私はなっていないような気がいたしました。  再度、特別ガス導管事業者となる基準について説明をいただきたいし、この基準については、今後情勢の変化や自由化の進展の中で変更されていくのかどうか、この辺のところを御説明いただきたいというふうに思います。
  103. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) この特定ガス導管事業者、これを法的分離の対象にするのかどうか等々に関するお尋ねでございます。  衆議院でも大分御議論をいただきましたけれども、私ども、この一般ガス導管事業者、これは東京ガス、大阪ガス等々でございます。これは、特定ガス導管事業者とともに、これは導管部門についてはひとしく中立性を求められているということであると考えておりまして、法律上、法文上におきましては、いずれも法的分離の対象となり得るという構成にしているわけでございます。そして、その対象基準は、具体的には政令で定めることとしておりますけれども、これも両者で同一とすることを今は想定をしております。  じゃ、どういう基準にするのかということでございますが、これにつきましては、やはり導管の総延長というものが長い事業者は、その事業者の規模あるいはガスの供給量、需要家数等々も多くなるわけでございまして、客観的、安定的に判断が可能なそういうデータということで、導管総延長を判断基準としたいと考えております。  具体的には、高圧管、低圧管、それを全て含めました導管の総延長、この全国のシェアが一割以上であるということを想定をしておりまして、こうした基準に該当するのが東京ガス、大阪ガス、東邦ガスの都市ガス大手三社ということでございます。  御指摘のありましたINPEX、JAPEXは、特定ガス導管事業者には該当するわけでございますが、低圧管を持たないため、一般ガス事業者と同じ導管の総延長で判断いたしますと法的分離の対象とはならないと考えておりますし、INPEX、JAPEXそれぞれの需要家数あるいは小売販売量、卸売販売量という販売量で比べても、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスの三社とは大きな差があるということでございます。したがって、あえて特定ガス導管事業者についてより厳しい基準を設定をしまして法的分離の対象に加えるということは、特定ガス導管事業者が地域独占を認められた事業者でないということを考えますと、バランスを欠くのかなと考えておるわけでございます。  それから、一般ガス導管事業と特定ガス導管事業の区別でございますけれども、これは実は現行法の区別を踏襲をしているものでございます。現行法におきましては、一般ガス事業とガス導管事業というのを区別をしているところでございます。  特定ガス導管事業というのは、自らが維持運用する導管を用いまして特定の供給地点において託送の供給を行う事業でありまして、現在のガス導管事業を引き継ぐという形でございまして、現在のガス導管事業でございますが、一般ガス事業者、御案内のとおり、地域独占、総括原価ということでございますが、ガス導管事業そのものは、地域独占が認められていると申し上げました一般ガス事業とは異なりまして、総括原価ではございません、また地域独占も認められていないということでございまして、そういったことの中で自由に営業活動を行ってきたという者でございます。したがいまして、現行のガス導管事業制度の下では、託送料金につきまして届出制ということでございますけれども、その届けられた託送料金の約款が需要家の利益を著しく阻害するというような場合には経産大臣はその変更を命じることができると、こういう仕組みにしているところでございます。
  104. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 そういうことで、政令で定めている基準ということでございました。  取りあえずガス導管の総延長を基準にということで三社と、これは大体うまい具合に三社にある程度収まったというふうな感想もあるかと思いますけれども、需要家戸数だとかいろんな要素を含めて、私は今後柔軟にお考えいただくケースも必要ではないかと、このように申し上げたいというふうに思います。  次に、雇用の確保、保安要員の人材交流、それから人材の確保、育成というこの視点から御質問いたします。  法的分離が行われるということで、これは企業分割ということです、法人が別になったと。そういうふうなことで、従業員に対しましても行為規制による二社にまたがる兼職が禁止されたと。それから、当該の従業員にとっては、会社が別ですから、移るときには転籍になるとか分社先への再雇用と、そういったことで、これは余り変わらないということもありますけれども、形式的に法人が別になると、これ、雇用契約を含めていろんな意味で変わってくるんです。  例えば、私の専門ですから申し上げますけれども、労働組合は、それぞれどういう組織形態にするかは、それは勝手にやっていいということなんです。ただ、多くは企業別に編成した方がある意味やりやすい、それから使用者もやっぱりある種やりやすい。それはそれで、デメリットも主張されていますけれども、当然メリットも多々あり、経験的に過去何十年それを中心に日本の労働組合はやってきたと。もちろん他の組織形態を取るところも多々あるということはありますけれども。  そういうふうな状況の中で、企業分割をしていくことで、雇用契約とか就業規則をどうするのか、先ほど言った労使関係をどのように構築をしていくのか、あるいは労働条件の問題を含めまして、例えば健康保険組合も、これは連合会で行くのかどうかとか、福利厚生面での共通設備の問題だとか、いろんな意味で経験的にいろいろな課題が発生をして、実務的に結構これは、従業員たる皆さん方、組合員たる皆さん方、それぞれ不安とか持っているということでありまして、原則は、これはお伺いするまでもなく、やはり労使協議の場が十分に機能されて、非常にいいコミュニケーションの下で、最終的にはモラルとモラールがやっぱり維持される形で私は決着を図っていくことが非常に大事だというふうに考えておるわけです。  ここのところ、労使自治、労使の自律的関係というふうなことをやはり大切にしたいし、この対象となっている業界は過去、歴史的にいろいろな課題を抱えて努力をされてきましたけれども、結果的に私は労使自治はうまくいっていると。なかなか労使の団結が強過ぎてどうかなという感想をお持ちかも分かりませんけれども、しかし、よくよく考えてみると、ライフラインを担っていくし、それから一旦災害が起これば一致団結して事に当たる、場合によってはお隣の企業からも応援がもらえると、そういうふうなことは非常に大事だし、それから労働安全という面についても、そういうふうな意味では職場の団結とか皆さん方の仲間意識というふうなことは非常に私は大切な業界、産業であるというふうに思います。  小林委員がよく言われていましたけれども、送電線の事業というのは相当数が活線事業なんですね、活線工事。これ二十七万ボルト入った状態で作業をすると。足が地に着くほど背の高い人はおりませんけれども、地に着けば感電するという状況で、これはもう大変厳しい状況ですね。ガスも、これもガス漏れが、今減っていますけれども、何かの原因で引火すると直ちに爆発ということで大惨事、過去にもありましたけれども、そういう環境の中でありますし、特に安全、それから保安、これは訓練、それから問題が起こったときの指揮命令を現場でやる人間というのは、ガスの製造も小売も導管も一気通貫で心得た人でないとやっぱり的確な指揮命令をやることはできないし、電力も私はそういうことであったというふうに思いますので、その辺のところを含めて事業者をどのように御指導いただくのか、お考えがあればよろしくお願いします。
  105. 多田明弘

    ○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。  まず、労使協議の関係でございます。  まず、一般論として申し上げますと、当然のことながら、労使協議につきましては労使間の交渉で進められるべきものだと思っておりまして、私ども監督官庁であります経済産業省として、何かその中身の個別個別に一つ一つ口出しをするということは適当ではないと考えております。  したがいまして、今般の法的分離の実施に伴いましても、今先生の方から御指摘のございました従業員の方々が抱えます不安、これどのように対応していくのか、どのように向き合っていくのかという点につきましては、基本的には健全な経営者の、モラルとモラールというお話ありましたけれども、健全な経営者の御判断に期待したいというのが基本的な立場ではございます。  他方で、やはり御指摘るるございましたように、雇用契約の位置付け等々、不安を抱えておられる従業者の方々がいらっしゃるということはこれ十分想定されるわけでございますので、経済産業省といたしましても、従業員の方々の不安を払拭するための取組がどのように行われているのか、しっかり適切になされているかどうか、そこは注視をしてまいりたいと思っております。その上で何らかの問題が生じているということであれば、その問題の所在を適切に把握いたしたいと思いますし、その問題が行政として関与すべきだということでありましたらそれは関係省庁とも連携して対応するということになるかと思っております。  また、二点目に御指摘のございました作業員の方々の安全を含めた保安という観点でございます。これも大変重要な御指摘であろうかと思います。  行為規制の中で、人事交流については人材育成の観点も含めて適切な規制の内容にしていくといったことはここでも御議論させていただいたかと思っておりますが、私ども、この法的分離に伴って現場での安全あるいは保安の確保に問題が生ずるということはあってはならないと思っておりまして、この行為規制に関しましても、保安の確保に不可欠な現場力の維持向上を妨げるような設計とはしないように心掛けていきたいと思っております。  また、ガスの面につきましては、更に加えまして、今回の法案の中で全てのガス事業者に対しまして保安の確保に係る連携あるいは協力の義務というものを課すことにいたしております。  いずれにいたしましても、今後の詳細設計に当たりまして、法的分離後の保安の確保、あるいは作業員の方々の労働安全の確保、こういったところに悪影響を及ぼすことがないようにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
  106. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 本当によろしくお願いをしたいというふうに思います。  五点目に、天然ガスの安定確保に係るある種国家戦略といえば話が大きくなりますけれども、これについてお伺いしたいと思います。  午前中の質疑の中で、総理答弁で天然ガスの確保等につきましては相当に明らかになって、私としても、まあまあそこは納得ができるということであります。しかし、この天然ガスをどのように安定的に確保していくかということは極めて重要な問題でありますと同時に、変動要因が多々あるということも現実だというふうに思います。これは産出国の事情もあれば、需要国は日本だけじゃないので、これもあるし、当然、中東の石油だとかを含めてそれとの相対関係ということがございます。  また、産出国から見た日本のいわゆるマーケットとしての価値もこれはいろいろ出てくるし、よく言われたんですけれども、日本には原子力発電があるよ、これは電力でも三割近く担っていますよということが、いわゆる天然ガスを買いに行ったときの交渉的力を支えていたんだということは何回も聞きました。それがなくなってしまったらどうするの、あなたのところ何もないんだったら言い値で天然ガスを買いなさいよというこのポジションもつらいものがある。  しかし、逆に、私は、コージェネだとか、それから燃料電池、ある種天然ガス由来のそういうふうなものを膨らませていく、発展させていく、拡大させていく、これは非常に必要だし、この議論も午前中ありました。ただ、需要を拡大することのデメリットもこれはまたあるわけですし、小さ過ぎる需要にするということのデメリットもあるしということで、これは意外と難しい部分もあるというふうに思います。  だから、簡単に、単純な言い方で天然ガスシフトとか、これも言い切らない要素もあるし、じゃ、そのこと自体が他の燃料系に対する違った意味でのプレッシャーを掛けていってということで、相対的に非常にお互いが関連し合った構造になっているという難しいことの中で、またシェールガスにつきましても、これは水圧破砕という技術というのは環境的に非常に注目をされていますし、ガスの漏えいが比較的これ、メタンガスはCO2の八十倍の温暖化効果を持つと、こういうふうに言われていますけれども、これも将来ちょっとリスクが感じられるということで、なかなかこの天然ガスの将来見通しも難しいわけですけれども、ここはひとつ、天然ガスの安定確保、また国内での天然ガスの利用拡大、これはコージェネとか燃料電池、もちろん発電含めてあるわけですけれども、この辺のところのお考えをお聞かせいただきたいということです。
  107. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 天然ガス、LNGにつきましては、アメリカとかヨーロッパの国は、生といいますかガスそのものが使えるというのに比べて、日本等アジアの国はLNGという形で輸入をしてくるということで、価格的にかなり差を付けられている。一方で、LNG価格自体も高止まりをしているという指摘があるといった問題点があって、安価なLNGを安定的に確保するということは我が国にとって大変大事な政策でございます。  政府といたしましても、米国からのシェールガス、LNGの輸入の実現や、また日本企業の上流権益の確保などを通じた供給の多角化、またLNG産消会議というものを日本で産出国と消費国両方来ていただいてやっておりまして、昨年が三回目、今年が四回目、秋に予定をしておりますけれども、こういう産消会議などを通じまして、消費国間の連携強化といったような価格競争力を高めるというようなことを今までやってきております。  特に、アメリカからのいわゆるシェールガスにつきましては、今、日本勢、五つのプロジェクトに参加しておりますけれども、二〇一六年以降、順番に我が国への輸出が開始される予定でございます。そして、アメリカのLNG調達は、石油価格に連動した契約ではなくて米国の天然ガス価格指標に連動しておりますので、昨年度のLNG平均輸入価格に比べ三割程度安価に調達することが可能になると見込まれております。  また、民間部門におきましても、今年に入りまして、中電と東電が燃料・火力部門の包括的アライアンスを結びまして合弁会社を設立しておりまして、こういう価格競争力の強い企業を育てていくということも大事だろうと思っております。  また、おっしゃいますように、使う側につきましても、コージェネを始めとして、エネルギー基本計画におきましてもこの天然ガスについては位置付けをしておりますので、そういう方向で天然ガスの使用というものを多くする努力といったものを政策的にもしていきたいと考えております。
  108. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 今後とも力強い取組を是非お願いをしたいというふうに思います。  最後に、環境保全との関係ということでお伺いをいたします。  システム改革が温暖化対策とのどういう相対的な関係を持つのかということは、これは非常に重要なポイントでありまして、午前中、特に石炭火力の新設等の現下の状況を踏まえて、環境省の報道された対応等について議論がありました。余りスポット的にあれはどうしたこれはどうしたということだけではなくて、自由化をするということは、やはりお客様が価格志向が非常に強いと、どうしても電源に、それからエネルギー源にやっぱり安いものを選択をするという非常に大きなムーブメントができてくるということはもう仕方がないと思うんです。また、そのことが今回のシステム改革を支える一つの考え方だというふうに思っています。  しかし、一方で二六%CO2削減のこういうふうな目標の中で、どこまで行ってもこの排出量というのはずっとこうされると。そのことについては、いわゆる環境アセスメントとそれから省エネの二つの仕組みでいろいろな形でオペレーションができるんだというお話があったんですけれども、それはそれとして、もう午前中質疑は終わっていますので改めてということはございませんけれども、最終的に、この地球環境対策、環境対策とこのシステム改革というふうなものはどこかできちっと折り合いを付けていくというこの仕組みをやっぱり政府なりいろんな場面で持っていただいて、そのことを適宜国民に私は情報公開をして、やっぱり非常に大事なことで、コンセンサスを取りながらやっていくんだということが国のレベルとしても大切だと思いますので、その点について御見解をいただきたいと思います。
  109. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) この点、午前中も御議論いただきました。確かに、一方で電力の自由化を進めていく中で、発電であれ小売であれ、どの事業者も言わば自由に発電所を造ることができることになると。そういうことの中で、他方でCO2の問題もあると。どのようにしていくかということでありますけれども、午前中も御議論ございましたけれども、我々、電力システム改革が進んだという場合におきましても、このエネルギーだけで全ていいというエネルギーはないと考えております。したがって、全体として弱みが補完され、柔軟かつ多層的な供給構造を構築をしていこうということで、単に市場任せということでなくて、様々な政策を講じていかなければいけないと考えております。  石炭火力につきましては、午前中の御議論もありましたように、事業者の枠組みというものの構築、自主的な枠組みの構築を促進するとともに、省エネ法の規制であるとか技術開発の推進であるとか、様々な政策ツールを活用していきたいと考えておりますけれども、今委員御指摘のような、一方で自由にしていく、一方でCO2の問題を始めその制約条件をしっかり達成していく、その辺りのかみ合いにつきまして、今申し上げましたような私ども様々な政策手段を総動員をしたいと思っていますが、そういった考え方、その手法等々につきましては、十分に情報公開をしながら、また多くの方々のコンセンサスをいただきながら進めていきたいと考えております。
  110. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 最後に、この法案の賛否については大変悩みました、実態のところ。それで、特に、例えば電力事業者の自主的な枠組みというふうなことを言われて、それについての意見も午前中いろいろ出たので同じことは言いません。  結局、システム改革というのは、私はやっぱりある種我が国の成熟度を表現していると思うんです、これはこういうふうな形で。というのは、余りにもこの関連する項目が多過ぎて、結構複雑系ですよ。簡単に、最大限、価格、これを抑制するということだけ、そこに結び付くためにはいろいろな問題が、あるいは原子力の問題だってあるし、環境問題だってあるし、資源の調達だってあるし、いろいろいろいろあるということの中でこの議論ができるということは、我が国の私はエネルギーに関わる、電力に関わるやっぱり世論がある意味で成熟しているということは評価しつつも、しかし足らないところもあると。  だから、そのことは私は是非心して、特に国民、皆さん方との対話に私はこれから努力をしていただきたいということを強く要請いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
  111. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。午前中に引き続き、質問をさせていただきます。  ガスの自由化について伺いたいと思います。  今回の改正、ガスについても小売を全面自由化するということでございますけれども、ガスの場合は電力とは少し事情が異なっておりまして、中小事業者が多い。また、地域によっては、地方公共団体などの公営企業体が事業を実施しているというところもございます。  自由化をしてまいりますと、こうした中小の事業者さんも、新規の恐らく大手の事業者の参入によって競争にさらされるということになっていくかと思います。需要家の利益になる競争は好ましいことだと思いますけれども、仮に一部の大手のみが顧客を獲得してしまって、地方の雇用を支えている中小企業がなくなってしまう、そのようなことになりますと、それで本当にいいんだろうかというような思いもございます。  今回の法改正といいますのは、こうしたこれまで地域に密着して供給事業を行ってきた地方の中小企業が淘汰されていくというようなことも許容している趣旨なのかどうか、この辺りについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  112. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 今回の法案によりまして小売料金規制が撤廃されれば、事業者は需要家のニーズに応じたきめ細かいサービスを柔軟に展開することができるようになります。これによりまして、地方の中小ガス会社や公営事業者も、これまで培ってきた営業力や信用力を生かし、地域の実情にきめ細かく対応した魅力的なサービスを提案することで、需要家に選択されることが可能となると思っております。  また、今回の法案で設立されます電力・ガス取引監視等委員会におきまして、地方ガス事業者にガスの卸売をしている大手ガス会社などが卸料金を不当につり上げ、卸先の顧客を奪うといった事態が生じないよう、委員会において厳しく監視してまいります。  さらに、今回の法案では、LNG基地の第三者利用を促進する制度や、導管の相互接続を促進する制度を導入することとしておりまして、卸売市場が活性化すれば地方ガス事業者がより安価なガスを調達することも可能となると考えております。まさに中小事業者も創意工夫をしていただく。  一方で、やはりこの自由化の後というのは、競争状態が常にあるということが大変大事でありまして、監視委員会だけではなくて、私どもも、まさに規制料金をいつ外すか等々といったところがございますので、競争状態を確保することに全力を挙げていきたいと考えております。
  113. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 今回の改正が地域また地方の活性化にもつながっていくことを期待したいと思います。  次に、自由化が進んでいく中での保安の確保についてお聞きします。  これについては、これまでもいろんな委員の皆さんから議論がございましたが、重要な部分ですので私からも質問をさせていただきたいと思います。  先日の参考人質疑におきましても、参考人からもこの点について、重ねて懸念の表明また要望がございました。ガス事業は、災害対応また保安において、導管部門と小売また製造部門、密接な連携を行って高い水準を維持してきたということがございます。行為規制におきましては、安定供給を損なうことがないようにしなければなりません。公平な競争を阻害しないことがもちろん前提ではございますけれども、最大限の配慮の必要があると思います。  政府の責務規定も踏まえて、ガスの保安の確保をどう行っていくか、お聞きしたいと思います。
  114. 高木陽介

    ○副大臣(高木陽介君) ガスの保安を維持向上していくこと、これはガスシステム改革の大前提でございます。  今般の法改正後は、ガスの導管網を始めとするガス設備については既存ガス事業者が基本的にガス導管事業者として引き続き保安を担うこととしており、必要なコストは総括原価方式に基づいて確保することとなっております。また、消費機器の安全性調査等については需要家と直接接点を有するガス小売事業者に担わせることになりますが、保安業務規程の届出をさせ、国がその内容を確認することで、確実なその実施を担保してまいりたいと思います。  さらに、ガス導管事業者とガス小売事業者、これが保安に関して相互に連携協力することも不可欠であるため、全てのガス事業者が保安に関して連携協力する義務を課したところでございます。  今後、附則の責務規定も踏まえまして、審議会において役割分担や連携協力の内容を示すガイドラインを検討していくとともに、託送供給約款等により連携協力の実現を担保してまいりたいと考えております。
  115. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 引き続き、現場で業務に実際に当たってくださる方々の声もしっかりと反映をしていっていただきたいと思います。  最後に、熱供給事業についても今回の法改正の対象となっております。  熱供給事業は、現在、事業者数が七十六社、地区数で百三十七ということでございますけれども、事業者数また販売量共に低減傾向にあります。  省エネルギー、また省CO2という点で優れておりますので、地域で熱を有効に活用していくシステム、これを普及させていくことが重要だと思いますけれども、熱供給事業を促進していくための取組、また今回の熱供給事業法改正が果たす役割について伺いたいと思います。
  116. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げたいと思います。  確かに、熱供給事業、事業者数でいいましてもピークの九十一社から現在七十六社、販売数量で見ましても平成十七年度から二十五年度まで九%減ということで、減少、低減傾向であるというのは御指摘のとおりかと思います。しかしながら、地域におきまして、分散型エネルギーなどから生ずる熱等々を地域内で面的に活用しながら、更なるエネルギー利用の効率化ということを目指していただくことは極めて重要な課題であると考えております。  私ども、支援制度といたしまして、こうした取組を後押しすべく、例えばコージェネレーションシステムの導入支援あるいは税制優遇、さらにエネファームに対する支援措置といったものがございます。また、分散型エネルギーから生ずる電気や熱を面的に利用するスマートコミュニティーへの取組への支援といったところも行っているところでございます。  それから、今回の熱供給事業に関する改革との関係でございますけれども、今回の改革によりまして、熱供給に関する料金規制というものが将来撤廃されるということになりまして、熱供給システム改革を一体的に行うことができるようになるわけでございます。これによりまして、熱供給事業者がこれまで以上に競合するエネルギーサービスとも切磋琢磨をすることができると考えておりまして、例えば、熱供給事業者が、地域の廃熱であるといったものを活用した柔軟なサービスや、そういった今まで余り活用されてこなかったエネルギーを活用したサービスへの提供、こういったことが比較的行いやすくなると考えております。  また、異業種から熱供給事業への新規参入や、電気とガスと熱、こういったもののセット販売などの新たなサービスの創出が進むということも考えられるわけでございまして、今回の制度改革によりまして、熱供給事業者が需要家に選ばれて更なる発展を遂げていくことを期待させていただきたいと思います。
  117. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 以上で終わります。ありがとうございました。
  118. 東徹

    ○東徹君 維新の党の東徹でございます。  午前中も石炭火力発電のことでいろいろと話が出ておりました。  石炭火力発電、これは新しい最新式の火力発電は非常に効率もいいわけでありますし、そしてまた、温室効果ガスの排出量も非常に減っておるということで、どんどんと最新式の石炭火力発電に転換を進めていくべきと、そしてまた、古い火力発電についてはどんどんとなくしていくという方向性が一番必要ではないのかというふうに思っております。  その中で、やはりコストの問題について質問させていただきたいと思っております。  報道でありますけれども、東北電力と海外の資源大手企業が二〇一五年度の発電用石炭の輸入価格を前年度と比べて一七%引き下げるということで合意したということで報道をされておりました。具体的には一トン当たり六十七ドル台後半で合意しており、二〇一一年度が百三十ドルであったことと比べたら五割程度、半額になってきておるということになっております。  発電コストにおける燃料費というのは大きな割合を占めておりまして、燃料価格の低下は発電コストのこれは引下げに確実につながっていくということであります。  そこで、確認でありますけれども、石炭価格、これが一トン当たり六十七ドルとした場合、石炭火力の発電コストはどれぐらいになるのか、お示しをいただきたいと思います。
  119. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) 石炭価格がトン当たり六十七ドルとした場合の発電コストは幾らになるかという御質問でございます。  実は、私ども、この足下の今の六十七ドルをベースといたしました試算は行っておりません。今回、発電コストの検証ワーキンググループにおきまして石炭価格の発電コストを検証しておりますけど、そのときの燃料価格の前提は、まず足下の燃料価格につきましては、二〇一三年の通関CIF価格の平均値であります百十一・四五ドルというものを発射台にしておりまして、将来の燃料価格の増減につきましては、IEAのワールド・エナジー・アウトルックの新政策シナリオというものがございますが、それを標準ケースとしながらその価格を動かしているという前提で、二〇一四年、それから二〇三〇年の燃料価格を計算をしているわけでございます。その結果、二〇一四年に新設した場合の石炭火力の発電コストは、御承知のとおりキロワットアワー当たり十二・三円ということでございます。  ただ、これは、今申し上げました六十七ドルとはかなり違うわけでございまして、そういった事態に備えまして、実は今回感度分析というのを行っておりまして、二〇二〇年時点になりますが、燃料価格が仮に一割、一〇%変化するといった場合にどうなるかという感度分析を行っております。それによりますと、石炭価格が一〇%低減した場合に、発電コストはキロワットアワー当たり〇・四円程度低下するということでございまして、委員御指摘の六十七ドルの試算でございますと、さっき申し上げた百十一ドルの半分ぐらいと勘案いたしますと、二〇二〇年時点での燃料価格が半減した場合の発電コストはキロワットアワー当たり今の十二・三円から二円程度低下するという試算、感度分析の結果を採用いたしますとそういうことになるかと思います。
  120. 東徹

    ○東徹君 長官が言われるとおり、六十七ドルということで試算をすると、感度分析で二円ぐらい下がる。そうなってくると、石炭火力も原子力発電と一キロワットアワー当たりのコストというのがほぼ同じになってくるということでよろしいですね。
  121. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) 先ほど申し上げましたけれども、今の私どもの石炭価格の試算は、足下のCIF価格をベースとしながら、それを国際価格のIEAの動向で動かそうとしているわけでございます。IEAのシナリオは、石炭価格の価格というのは今後、これはIEAのシナリオそのものは国際価格でございますのでベースが違うんですが、八十五ドルから百十ドル弱ぐらいまで増加をしていく、こういうことになると思いますので、仮にその六十七ドルというものを二〇二〇年時点で勘案するとしたとしても、それが今後どういうふうに上昇していくのかといったところについて勘案しないとそれぞれの時点における適正な比較というのはできないかなと思いますけれども、そういう状況でございます。
  122. 東徹

    ○東徹君 そういうことでありまして、これ、石炭だけではなくて、先ほど宮沢大臣の方からも、LNGも三割コストが下がってきたということもありました。これ、LNGも三割削減となると、長官、LNGは一〇%の変化に伴う影響、これプラスマイナス〇・九ですけれども、この場合、単純に計算したらどうなるんですか。
  123. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) LNG、石炭、それから石油につきましても、私ども同じような考え方、日本着のCIF価格をベースにしながら、それをIEAのシナリオに基づいて動かしているということをやっております。  今のLNGでございますが、私どもの感度分析によりますと、委員御指摘のとおり、キロワットアワー当たり一〇%変わった場合には〇・九円変わってくるということでございますので、三〇%変化した場合には二・七円ぐらいですか、そのぐらい発電コストに影響があるものだと試算されます。
  124. 東徹

    ○東徹君 それもそうなってくると、原子力発電とそうコスト的には変わらなくなってくるということが考えられます。  やはり時代に応じて、その時々、確かにこのコストがずっと続くかどうかというのは分からない話ではありますけれども、今の価格に照らし合わせたときに一体どうなっているのか、これはもういろんな段階でやっぱりコスト試算をし直してみて価格を出していくということも大事だというふうに思っておりまして、是非、そういった燃料調達費が下がってきた、そういったときにもう一度試算をしてみるということで比較をしていく、そういうことも大事だというふうに思いますので、お願いしたいというふうに思います。  続きまして、ちょっと順番を変えさせていただきまして、地域エネルギー事業の普及と自治体の役割について質問をさせていただきたいと思います。  ドイツには、シュタットベルケという電力、ガス、水道、交通などの整備や運営を行う公的な事業体、自治体も出資をしておりますけれども、それが九百以上もあるというふうに聞いております。  ドイツの地域住民は、大手の電力会社から買えばより安く電力を購入できるにもかかわらず、地域によっては八割の住民がシュタットベルケから割高な電力を購入して、シュタットベルケの電力小売市場におけるシェアは五割弱というふうな大きな割合を占めておりますけれども、その理由は、地域で資金循環と雇用の拡大でありまして、シュタットベルケの利益は、交通など、ほかの分野も含めて地域における生活に貢献されることを住民が意識しているということが重要であるということであります。  我が国には、世界の半数以上の焼却施設というものが立地をいたしております。熱導管など熱供給のインフラが整っていけば、そこに民間事業者が熱や電力を供給するための設備投資、こういったものを行うことで地域のエネルギー事業も進んでいくというふうに考えられます。そこは自治体の役割というのが非常に重要になってくるわけでありますけれども、こういった焼却施設を使って発電していく、これは非常に大事なことだというふうに思いますし、また焼却施設だけではなくて、水力であったりとか、そういったこともまた含めて自治体で取り組んでいくということ、非常に大事だというふうに思っております。  その中での地域エネルギー事業の普及における自治体の役割について御見解をお伺いしたいと思います。
  125. 原田淳志

    ○政府参考人(原田淳志君) お答えいたします。  地域におけるエネルギー事業の導入につきましては、都市計画、町づくりと一体となって進めていくことが必要でございますので、長期の取組を担保する観点からも、自治体が主体的に取り組むことが必要だというふうに考えております。  総務省におきましては、自治体を核として、需要家、地域エネルギー会社及び金融機関等、地域の総力を挙げまして、バイオマス、風力、廃棄物等の地域資源を活用した地域エネルギー事業を立ち上げていく分散型エネルギーインフラプロジェクトを経済産業省などの関係省庁と連携しながら推進しているところでございます。既に十四団体でマスタープランを策定しておるところで事業化のめどが立っておりますし、今年度におきましても、さらに二十団体程度に事業化支援を行いまして、全国展開を図ることで地域経済の好循環拡大を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  126. 東徹

    ○東徹君 十四団体、今年二十団体、なかなかまだまだ少ないなというのが実感でありまして、先ほど言われましたバイオマスも非常に大事だというふうに思っております。是非とも更に進めていくように取組をお願いしたいと思います。  最後に質問でありますが、電力自由化と卸市場の強化についてでありますが、今回の法案成立後、電力自由化によって競争が促進されていくためには、電力の強力なPPSが電力市場に多数参入して大手電力会社に対抗する構図がつくられれば理想的でありますけれども、その基盤となる卸電力市場は現状、発電電力量に占めるシェアが一%程度ということにとどまっております。今後、卸電力市場の強化というのは不可欠でありますけれども、そのためには卸電力市場における供給される電力量を増やす必要があります。現在、我が国では、卸市場の既存の電力会社から余剰電力を自主的に供給されており、宮沢大臣も、その自主的な取組を国としてモニタリングしていくと答弁されておりました。  欧州では、電力会社に対して卸市場に一定割合の電力を供給する義務を課しておる場合があります。原発が停止して供給と収益に不安が生じている現状では既存電力会社に追加の負担となりますけれども、新規参入を増やし競争を促進するためには、これを、我が国への参入を検討されたらよいと思いますが、御見解のほどをお伺いいたします。
  127. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 時間ですので端的にお願いします。
  128. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) はい。  端的に申し上げますが、現在の厳しい需給状況の下で、今すぐに安価で安定した電源を十分に市場に出せる状況にはないと考えられますが、今後、需給状況の緩和に応じまして、既存の事業者の電源を卸売市場に供出することが市場の活性化につながることを踏まえまして、海外における措置も参考にしながら、卸売電力市場の活性化のために更なる措置について検討をしてまいりたいと考えております。
  129. 東徹

    ○東徹君 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  130. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  午前中に続きまして、石炭火力発電、質問します。  山口宇部の大型石炭火力発電所建設計画ということで、午前中も議論がありました。これに係る計画段階環境配慮書に対しまして、環境大臣は、国の二酸化炭素排出削減の目標、計画と整合性を持っているとは判断できず、現段階において是認し難いという、極めて明確な意見でございました。経産大臣に対して意見を出されたということで、ところが、この同日に大臣は、会見で取材に応じて、個別事業の実施を否定されたものではないというふうに述べておいでです。  私、このまま建設計画を大臣は容認していくお考えなんでしょうか、確認したいと思います。
  131. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 御指摘の環境大臣意見につきましては、電力業界全体の二酸化炭素排出削減に関する枠組みが構築されていない状態では国の削減目標等との整合性が判断できないため、現段階において是認し難い、このため、早急に枠組みが構築されることが必要不可欠であるという意見でありまして、個別事業についての実施を否定されたものではないと考えております。  そして、今後のプロセスといたしましては、まさに今は配慮書段階でありますけれども、この後、幾つかのプロセスがありまして、実際に事業者がアセスメントをやったその結果を受けて、もう一度環境大臣から意見を聞く機会があります。そのときに環境大臣に、まさに今申し上げたような枠組みが構築されているということをお認めいただけるかどうかということが、今後の我々の政策立案にとっては大事なことだと考えております。
  132. 倉林明子

    ○倉林明子君 電力業界に温暖化対策の枠組みの構築を促すと、これについては、一昨年の四月の段階で、関係大臣会合、ここでもう既に決まっていたものだと承知をしております。その後、二年間以上たつわけですけれども、この間、業界任せにやっぱりしてきたと、これ本当は反省すべきだと思います。  これまで出された六件の石炭火力案件の計画段階配慮書に対する環境大臣意見でも、経産省に対する意見の中で、電力業界に対し枠組みの構築に向けた議論を促すこと、枠組み構築の検討の進捗を把握し、内容を確認し、実効性を確保すること、また、枠組み構築までの間は事業者に対し代替措置を講じることに関して確認することとしています。  経産省は、関係大臣会合から二年間、さらにこの六件で意見をいただいて以降、一体、電力業界に対してどんな具体的な働きかけを行って、そして業界自身はどんな環境保全措置を具体的にとってきたのか、御説明ください。
  133. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 業界の側からいたしますと、エネルギーミックスそして国全体としての温暖化目標が固まっていないという状況で業界としての目標や取組についてなかなか検討しにくかったという点はあったんだろうと思います。全体の枠組みが見えてきていないと。今年の一月から審議会においてエネルギーミックスの検討を始めたわけでありますけれども、本年三月に電気事業連合会といわゆる新電力の有志企業に対しまして我が省からも働きかけしたこともありまして、温室効果ガスの抑制に向けた自主的な枠組みを検討する場を今年の三月から立ち上げております。  今後でございますけれども、経産省といたしましては、こうした場も活用しながら、自主的な枠組みとはいえ、カバレッジが小さいと実効性のある枠組みとはならないことから、国内における販売電力量の大部分をカバーできるよう主たる事業者の参加を促すとともに、来年の小売全面自由化を見据えて異業種連携も含めた新規参入の様々な動きがある中で、地球温暖化対策との整合性が図られるよう、電力業界の自主的な枠組みの構築を、これまでも促してまいりましたけれども、今回エネルギーミックスがほぼ固まったという状況の中で、作業を更に進展させようと考えております。
  134. 倉林明子

    ○倉林明子君 促してきたと決して御報告できるような中身じゃなかったんじゃないかと私思うんですよ。実際的に動き出したのは三月になってからだということで、この間繰り返し指摘されているし、全面自由化というのが見えている中で、どんどん石炭火力の発電所が小型のものも含めて進んでいるという状況があるわけで、これは本当に一刻も早く対策が必要なことなんだと、それを改めて苦言を呈しておきたいというふうに思うんです。  原発の再稼働が進まない中でコスト優先ということで石炭火力発電所が増設、どんどん広がっているというところに、いち早くやっぱり止めていくんだという政治姿勢を私は経産省としても示すべきだというふうに思います。  そこで、石炭火力発電というのは、最新鋭技術を活用したものでも天然ガス発電の二倍の二酸化炭素を排出すると環境省も説明しておりました。二〇三〇年の電源構成案を上回る規模になっている、これ本当に深刻な受け止めが経産省自身に要るんだと思うんです。  まだ計画段階であると、これから枠組み作って、建設の手前になるまでには間に合うと言わんばかりの判断というのは、私はあかんと思うんですね。きっぱり、山口県宇部の建設計画は中止だと、これは示すべきだと思います。どうでしょうか。
  135. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 宇部の石炭火力発電所は、もう委員御承知のとおり、超超臨界の効率的なものであります。先ほど東委員とも議論をさせていただきましたけれども、やはり国内の石炭火力の半分は古い形、超超臨界ではないという状況を考えますと、古い形のものを使わなくして新しく超超臨界を、まさに効率的なものを入れていくということは、私は大事なことだろうと思っております。
  136. 倉林明子

    ○倉林明子君 やっぱり経産省のスタンスということで二酸化炭素排出減らしていくんだという方向にしっかり向いていかないと、業界の自主的な取組に枠組みはめるなんということできないと思いますので、きっぱりした、減らしていくんだという姿勢に立つことを強く求めたいと思います。  そこで、ベースロード電源に位置付けられた原発なんですけれども、午前中紹介したように、大臣は二〇三〇年には三十基台半ばの原発を動かすと。これ、福島でも驚きを持って受け止められております。  福島第一原発事故の被害というのはいまだ続いております。賠償の問題、私も繰り返し取り上げてまいりまして、第五次の与党の提言が出た際に、六月八日の行政監視委員会で、この問題打切りになってはいけないということで取り上げましたところ、岩井政務官から、これは賠償の打切りを提言しているものではないんだという答弁がございました。  ところが、東電からは既に、営業損害賠償、風評被害、一六年度分で打ち切るんだというような方針が福島県に伝わっているというような報道もあります。地元の受け止めは、本当にこのまま、みなし仮設住宅も精神損害賠償も営業損害賠償も打切りかという声なんですね。  私、被害の事実がある限り本当に実態に応じて適切に賠償を行っていく、これは政府の責任だと思います。いかがでしょうか。
  137. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) まず、三十基台半ばということについて御説明いたしますと、先日、馬淵議員と衆議院で議論をしておりまして、馬淵議員が稼働率七〇%台を前提とするような御議論をされておりまして、その場合には、安全を見ると三十基台半ばというような答弁をいたしました。一方で、稼働率を高めるということがあれば二十基台とか三十基前後といったようなことも可能であるということだけ申し上げます。  今の賠償の話でありますけれども、福島復興指針、先日、六月十二日、閣議決定をいたしましたけれども、打切りの時期が示されたものではなくて、二年間については集中的な自立支援施策に合わせた賠償を行う。その後は、まさにおっしゃったような相当因果関係のある損害に対して、実質的な損害に対して個別の事情を踏まえ賠償を行うこととなります。  本日、高木副大臣から東京電力の廣瀬社長に対しまして、個別具体的な損害に対応して引き続き丁寧に賠償の手続を行うよう求めたところでございます。
  138. 倉林明子

    ○倉林明子君 実際に現場で起こっているのは、東電が一方的に一律に打ち切るというような状況が広がっているということが現実に起こっているので声が上がっているわけです。  今ありましたけれども、一律に賠償打切りというようなことはさせてはならない、東電しっかり指導していただきたいと、これは強く求めたいと思います。  同時に、福島でオール福島の声となっていますのが、福島第二原発も含めた福島県内原発十基全ての廃炉を願う声であります。福島第一原発の廃炉は決めたものの、第二原発についてはどうかといいますと、いまだ結論が示されておりません。他の再稼働をしていない原発とは違いがあるという説明を繰り返してこられましたけれども、第二原発も廃炉にすると政府が早急に決断して、東電にも、そして福島にもその姿勢示すべきではないかと思います。いかがでしょう。
  139. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 時間ですので、端的にお願いします。
  140. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) はい。  なかなか端的にお答えしにくい質問なんですが、まず、第一原発について安倍総理から廃炉を要請して東電が廃炉を決定したという経緯があるので、福島県において第二についてもというお声があることは承知をしております。ただ一方で、第一原発につきましては、原子力災害対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の下にありまして、総理から東電へ必要な指示が法律的にできるといったことを受けた中での廃炉でございます。  一方、福島第二原発についてはそのような事態ではなくて、まさに民間の株主がたくさんいる東京電力自身が判断をされるというのが法律上の位置付けでありまして、株主等々のことを考えますと、私どもが政府として東電に対して第二原発の廃炉を言うのは適当ではないと考えております。
  141. 倉林明子

    ○倉林明子君 県民の声をしっかり受け止めていただきたい。原発はゼロの決断を重ねて求めて、終わります。
  142. 松田公太

    ○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太でございます。  エネルギーミックスと発電コストに関しての質問をさせていただきたいと思います。  先日、コスト検証ワーキンググループから各電源についてのコストの試算が示されたわけですけれども、以前のコスト等検証委員会の八・九円以上と比較して少し上げられたものの、今回も十・一円以上と非常に安い価格で設定されているわけです。ドイツでは十七・二円、イギリスでは十六・八円となっておりますので、日本は突出して安いんですね。この差はどこから来ているのかなとワーキンググループの報告を確認させていただきましたところ、資本費と事故リスク対応費が非常に安く計算されているということが分かるわけです。  まず資本費ですけれども、イギリスでは十円以上、ドイツでも八円以上となっているのに、日本は三・一円と信じられない非常に低い額となっているわけですね。この資本費の中には建設費や廃炉費が含まれておりまして、この二つの見積りが私は甘過ぎるんじゃないかなというふうに感じているわけです。例えば建設費ですけれども、経済産業省の試算では四千四百億円となっております。しかし、諸外国では、福島原発事故以降、ほとんどが安全基準をどんどん上げておりまして、建設費が伸びているという状況です。  福島第一原発事故後の現在、欧州で建設中の原発というのは、フィンランドのオルキルオト三号機とフランスのフラマンビル三号機の二基ということになるわけですが、オルキルオトでは見積りが当初の三倍に膨れ上がっていて一兆円を突破しているという状況になっておりますし、原発をその間も造り続けていましたフランスのフラマンビル、こちらも元々は四千億円程度とされていたわけですけれども、現状では一兆一千五百億円を突破しているという状況です。このような中、なぜ日本だけがこんなに安いのかなというふうに不思議に感じるんですね。  そこでお伺いしたいんですけれども、試算のモデルプラントのサンプルになったのは、東通原発の一号機と浜岡原発五号機、志賀原発二号機、そして泊原発三号機の四基だったというふうに聞いておりますが、それぞれの建設費というのは幾らだったのでしょうか。
  143. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) 私ども、今回、原子力発電コストの資本費につきましては、前回の試算と同様に、直近に運転を開始した四基、今御指摘のありました浜岡五号、東通一号、志賀二号、泊三号の実際のデータを基に最新の物価補正等を行って、かつ規制委員会への新しい規制基準への対応等も見込んで資本費及び運転費を算出をしております。  個別のデータを出すべきではないかという御指摘でございますけれども、個々の発電所の建設単価などのデータは対外的に開示をしないという前提で各電力会社から任意で提供いただいたものでございまして、これらの発電コストそのものは電力会社の発電原価そのものに該当するものでございますので、競合他社との競争において不利な立場に立たされるというおそれがあることから、データを提出するということは適切でないと考えております。
  144. 松田公太

    ○松田公太君 個別の数字が出ないという中で、平均が四千四百億円と言われても、それが本当に適切なものなのかどうかという検証のしようがないと思うんですね。  既にその四基の原発というのはもう建設されてから六年から十年たっておりますので、数字、私は出せるんじゃないかなというふうに思うんですよ。そんなにこれからの競争に大きく関わってくるのか。これからどんどん原発を造っていきますよという状況であればそういう話もあろうかと思いますけれども、もう現状ではやはり新設は難しいという話になっているわけですから、過去のそういう数字を出すというのは、私はそんなに競争の弊害になってくるようなものではないと思っております。  例えば、国有化されている東電の一九九七年に建設された柏崎刈羽七号機、この数字というのは出していただくことは可能でしょうか。
  145. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) これも同様な観点から、発電所、これは原子力発電に限ったことではございませんけれども、それぞれの発電所の建設のコストそのものをお出しすると発電原価そのものが分かってしまうということで、その当事者の競争上の影響、不利にするものであるという観点から、お出しするのは適当ではないと考えております。
  146. 松田公太

    ○松田公太君 発電コストというのは、たしか原発も含めて全体で出しているものですよね。一基一基でそんなに全てがあからさまになって競争に問題が出てくるということではないんじゃないかと再度申し上げたいと思うんですけれども、これ以上お聞きしても多分出していただけないでしょうから、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、廃炉費用についてですね。  これも安いんだなというふうに感じているわけです。政府試算では現状七百十六億円ということですが、他国では二千五百億円から三千五百億円ぐらいになってきているわけです。例えば、イギリスでは四十五基の原発に約十五兆円の、ドイツでは十七基の原発に約五兆円の廃炉費用を見積もっておりまして、計算しますと、単純に、一基当たり二千九百四十億円と三千三百三十億円と非常に高い数字になっているわけです。  ところが、日本では、国内最初の原発である東海発電所、これが廃炉工程に入っているわけですけど、費用の見積りは既に当初の五百四十五億円から八百八十五億円以上に増加していて、今後も増加するというふうに見込まれているんですね。  このような中、なぜ、東海発電所のような十六万キロワットの小さな原発で八百八十五億円以上と既に言われているのに、平均がこれから七百十六億円という数字になってしまっているんでしょうか。
  147. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。  今回、廃炉費用を七百十六億円と見積もっているわけでございますが、これには、先ほど申し上げましたサンプルプラントにおけます原子力発電施設解体金の総見積額というのがございまして、これを平均して算出をいたしましたわけでございます。  この解体引当金制度というものは、各電力会社が電気事業法に基づきまして廃炉に必要な費用を積み立てる制度でございまして、事業者は、毎年度、廃炉に要する見積額を算定し、経産大臣の承認を得るということが義務付けられているものでございまして、廃炉に幾ら掛かるかということを今のような形で、見積額という形で出しているわけでございまして、それの平均値を出したわけでございます。  それから、各国の例あるいは東海原発の例がございましたけれども、東海原発の措置費用、これはちょっとガス炉という固有の炉型に由来するものでございまして、軽水炉と比較して放射性廃棄物の量が多い、処分費用がかさむといった固有な要素があるといったものでございます。  各国の廃止措置費用はそれぞれ、炉型が異なっていたり、廃棄物の処分方法が異なっていたりということで、必ずしも日本に当てはまるものではないと考えておりまして、私どもの場合は、申し上げましたサンプルプラントに関する発電施設解体引当金の見積額を平均して算出させていただいたものでございます。
  148. 松田公太

    ○松田公太君 サンプルプラントという話ですが、もう桁が他国と比較しても違うので、これは余りにもちょっと甘い見積りじゃないかなというふうに感じるわけですね。  私は、やはり国内外の状況を見れば三千億円、少なくとも一基当たり二千億円、このぐらいは見積もっておくのが現実的じゃないかなというふうに思うんですが、宮沢大臣はどのように考えますか。
  149. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 今回のエネルギーのそれぞれの電源ごとのコストにつきましては、これは二〇一一年に民主党政権時代に第一回を行っておりますけれども、基本的にその方式を踏襲して、専門家に計算していただいております。委員九名のうち六名は前回も議論に参加していただいた方でございます。  そういう中で、当然のことながら、最新の物価補正なども行っておりますし、また、その後生じた賠償等々といった新しい要素についても補正を加えた上で算出したものでありまして、例えばほかの国との比較でいえば、イギリスにおきましては、本当に久しぶりの原子炉の建設ということでフィージビリティー調査に相当費用が掛かっているとか、また、フィンランドの場合には、一部のプラントの不具合、溶接の不備などによって建設期間が長期化してコストが上昇したというような状況がそれぞれあるようでございまして、今回見積りとして専門家に出していただいたものは、私はしっかりしたものだと思っております。
  150. 松田公太

    ○松田公太君 民主党時代のコスト等検証委員会のメンバーは引き継いだということですけれども、もっと私、主体的に、メンバー、もしそれでは駄目だと考えるのであれば総取っ替えするぐらいの気持ちで是非考えていただきたいというふうに思います。  やはり、どう考えても、しつこいようですけれども、私は、低い、低過ぎるというふうに感じているわけです。  本日は事故リスク対応費用についてもお聞きしたかったんですが、もう時間がありませんので申し上げさせていただければと思いますけれども、事故リスク対応費用について、これ九・一兆円という試算がされているわけですが、まだ損害賠償や除染が不十分であると言われている福島でさえも十二・二兆円を超えているということからしますと、損害費用、これなかなか試算が難しいということなんでしょうが、民間の研究所、例えば日本経済研究センターでは二十兆円という数字も出ているんですね。これも中身見させていただきましたが、別に突拍子もないことを言っているわけじゃなくて、意外と合理的な見積りだなというふうに感じているわけです。  先ほど申し上げましたコストを全て換算していきますと、例えば建設費を六千億円から八千億円ぐらいに見積もる、廃炉費を二千億円ぐらいに見積もる、そして事故リスク対応費用を二十兆円ぐらいと考えますと、原発コストは十四円から十七円ぐらい、ここら辺が合理的な数字じゃないかなというふうに感じているわけです。  これは以前も申し上げましたけれども、以前の政党で十五・五円という数字を出しているんですが、その範疇に入ってくる数字だと思います。  自然エネルギー財団の試算でもちょうど十四・三円から十七・四円キロワットアワーと出ておりますので、こちらの方が私、説得力あるなというふうに思っているわけですね。大臣は、この財団が出されている試算結果についてどのように感じていますでしょうか。高いと思っているのか、妥当だと思うのか、お答えいただければと思います。
  151. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) どのような方がどういう形で計算されたものか私自身承知していないものですから、軽々にコメントすべきではないと考えております。
  152. 松田公太

    ○松田公太君 終わります。  自然エネルギー財団というのはもう多分御存じだと思います。大分こういった試算をしている財団でございますので、ちょっと答えていただけなかったのは残念だと思いますが、以上で終わりにさせていただきます。ありがとうございます。
  153. 中野正志

    ○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。  午前に引き続き、質問させていただきます。  エネルギーセキュリティーの観点からは、石油依存度の高い運輸部門のエネルギー利用の多角化を進めていく、これが大事だと思います。  例えば、藻、海中などの藻などの微生物から飛行機の動力源となるバイオジェット燃料、これをつくる研究が国内の大学、研究機関で活発化していると聞いております。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックということになるわけでありますけれども、このバイオジェットのフライト実現に向けて取組を加速すべきではないかと個人的にも思っておるのでありますが、いかがでありましょうか。
  154. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 脱炭素社会ということで、例えば車であれば燃料電池車といったような新しい、水素を燃料として走る車、また船であればもう既に原子力の船はたくさんあるわけでございます。一方で、航空機につきましては、石油以外の代替燃料が限られておりまして、微細藻類由来を含むバイオジェット燃料の研究開発というのには期待が高まっております。  経産省ではこの微細藻類に由来するバイオジェット燃料の研究開発を支援してきておりまして、具体的には、微細藻類から大規模かつ経済的にバイオ燃料を生産するため、燃料生産に適した微細藻の品種改良や、大量生産に向けて油分を低コストかつ効率的に回収、抽出するための研究開発などに取り組んでいるところであります。  先週読んだ雑誌によりますと、なかなか藻が小さくて、その藻を回収すること自体が大変だというような技術的な問題があるというようなこともあるようでございますが、このような研究開発と併せまして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会におけるバイオジェット燃料利用なども見据えて、今後関係省庁とも連携して導入体制の整備、検討をしてまいりたいと考えております。
  155. 中野正志

    ○中野正志君 大臣、是非連携をしながら加速をいただきたいと思います。  はてさて、全面自由化によって多様な事業者が電力市場に当然ながら参入し、活発な競争が生まれるということが期待をされております。電力が国民生活や我が国産業にとって極めて重要な基幹インフラであることに変わりはありません。  このような競争環境においては当然ながら外資による参入も想定されるわけでありますけれども、小売ビジネスであればまだしも、やっぱり送配電事業や原発などの主要な発電事業については外資の参入は限定的、抑制的であるべきだと考えます。現在でも、既にOECDルールにのっとり、外為法上、外資による電力・ガス事業の一〇%以上の株式取得は届出制になっております。そのほか、放送法や航空法などのように個別法の中で外資規制を設けている例もありますけれども、この電気事業法の中にこのような規制を置くことも考えるべきではないでしょうか。経産省、見解をお伺いします。
  156. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 現在の制度は、委員おっしゃるように、外為法の規制でございまして、上場会社の発行済株式の一〇%以上を取得する場合や、非上場の場合は全てでありますけれども、届け出ることを義務付けております。  そして一方で、おっしゃいますように、放送法とか航空法等々、外国人の株式保有制限、上限を設けているわけであります。個別法で上限をじゃ電気の場合課す必要があるかといいますと、おっしゃいますような小売事業者とか、また太陽光等の再生可能エネルギー業者とか、これは事前届出でありますけれども基本的には認めてきておりまして、それは一〇〇%でも恐らくいいんだろうということで個別法の規制は設けておりませんが、一方で、おっしゃいますように、原子力事業とか送配電事業に対する外資の参入につきましては、過去、平成二十年度にも、電源開発株式会社の発行済株式の二〇%を取得しようとした際に、外資でございますが、外為法に基づき中止命令を行った事例がございまして、このような原子力事業者とか送配電事業者に対する外資の参入については極めて慎重に対応していきたいと考えております。
  157. 中野正志

    ○中野正志君 是非そのようにお願いをいたしたいと思います。  今回の法案では、小売全面自由化後も競争が不十分な地域として指定された場合、現在の都市ガス事業者に対して経過的に小売料金規制を残すこととしております。都市ガス事業者は、電力と異なり、先日も申し上げましたように、既にLPガスやオール電化などほかのエネルギーとの競争状態にあるため、全面自由化当初からこうした指定制を取っているものと理解をいたしております。  規制なき独占の防止は不可欠でありますが、一方で、自由化の趣旨にのっとれば、事業者間の競争条件はなるべく公平にすべきであり、一部の事業者に過度の規制を課すということは避けるべきであります。したがって、経過的な料金規制の対象とする事業者は慎重に指定し、また、指定された事業者も競争状況を小まめに確認し、十分に競争が生じていれば速やかに規制を解除していく必要があると、こう思うんでありますけれども、御見解をお伺いします。
  158. 岩井茂樹

    ○大臣政務官(岩井茂樹君) ただいまの御質問、ガスの小売料金規制に関しまして、市場の競争状況と、またその規制の在り方という問題意識の御質問かと思います。  まず、都市ガスは、LPガスやオール電化などのほかのエネルギーとの競争が既に生じておりまして、全面自由化後の競争状況は各地の事業者ごとに大きく異なると考えております。これを踏まえまして、料金経過措置は都市ガス間の適正な競争関係が確保されていない場合などに経済産業大臣があらかじめ指定した上で講じることとしております。ほかのエネルギーとの競合が既に激しい場合には、全面自由化の実施当初から対象に指定しないということも想定をされております。  また、経過措置の対象として指定された事業者も、その後の状況を踏まえ、経過措置の必要がなくなったと認められれば指定を解除されることとなっております。実際の解除に当たりましては、例えば、新規参入の状況、既存事業者間の競争の状況、そして自由料金メニューを選択する消費者の割合、また、これは電気と異なるところでありますが、ほかのエネルギーとの競合状況などの競争の進展状況を慎重に見極めつつ行うこととなっております。  なお、審議会では、定期的に競争の進展状況の確認を行い、経過措置が必要でないと認められる状況となった場合には迅速に解除できるようにするべきとの意見がございました。こうした御意見も踏まえつつ、今後適切に対応してまいりたいと考えております。
  159. 中野正志

    ○中野正志君 ガス管でありますけれども、埋設から時間が経過したガス管、やっぱり腐敗などにより劣化し、当然ながらガス漏れを生じるおそれがあります。この間の委員会でも話しましたが、大震災のとき、まあ本当に、我が仙台始めといたしまして、所々方々、ガス管、結局は破壊されております。  ガス管の中で、需要家敷地内のガス管、いわゆる内管は需要家の資産でありますから、その交換は消費者側、需要家の負担であり、ガス会社が経年化の状況に応じて消費者に内管交換の要請をしていると、こう聞いておるのであります。消費者の方はガス管が劣化しているのか健全なのか自分では分かりませんから、内管交換に関するガス会社の役割、非常に重要だと思いますけれども、今回のガスシステム改革後もこれまでと変わらずガス会社はその役割を果たせるのか、果たすのか、お伺いをいたします。
  160. 寺澤達也

    ○政府参考人(寺澤達也君) 委員御指摘のとおり、需要家が保有しております老朽ガス管、経年内管でございますけれども、この取替えについてガス会社が果たしてきている役割、これはガスシステム改革後も引き続き重要でございます。このため、今回の法改正後、内管の保安についてはガス導管事業者が基本的に役割を担うこととしており、既存のガス事業者はガス導管事業者として引き続き需要家との間で老朽化した経年内管の取替え等に向けて折衝等を行っていくということになります。  経産省としては、ガス導管事業者に対する指導に加えて、関係省庁、関係団体と連携をしながら、経年内管の取替えに向けてしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
  161. 中野正志

    ○中野正志君 四十七分まででございますので、ちょうど時間です。終わります。
  162. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 改革の荒井でございます。  まず、光と影の部分で、影の部分ですが、LPガスの一部業者は不透明であって、料金が非常に不透明であると、こういう苦情もあるわけです。  LPガス取引の適正化について前回に続いて細かくお尋ねをさせていただきます。  経済産業省と公正取引委員会は、今の一般ガス事業について、公正な競争環境の整備をするという立場で、ガスの価格設定などに関する適正なガス取引についての指針を定めております。今回の改革で事業類型の見直しなどが図られることになっていますけれども、この場合、適正なガス取引についての指針というものはこのままなのか、見直されるのか、お尋ねします。
  163. 多田明弘

    ○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。  御指摘の適正なガス取引についての指針でございますが、これは都市ガスの自由化を進めた際に競争原理が有効に機能するか懸念があったということで、ガス市場を競争的なものにしたい、そして事業者が規制を守った上で自主性をしっかり発揮する、そしてそれがゆえに市場参加者が安心して経済取引が行えると、こういう環境を整備したいということで公正取引委員会とともに作ったものでございます。その後、平成十二年に作って以降二度ほど改定をいたしておりますが、現在は五分野について、ガス事業法や独占禁止法と整合性の取れた適正な取引の在り方というものを具体的な事例も紹介しながら示しているものでございます。  今御指摘のとおり、今回の法律の中で事業類型の見直しを行いました。また、経過措置というのは一部残りますけれども、自由化の範囲が全ての需要家向けにも拡大されます。したがいまして、私ども、今回指針に記載された内容については見直す必要があると思っております。  他方で、今回のガス事業法、非常に大幅な見直しでございますので、どのような見直しを行うことが適切か、この指針の在り方全体を含めまして、公正取引委員会を始め関係者と連携して検討していきたいと、このように考えております。
  164. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 見直しがちょっと遅れているんじゃないかと思うんですね。  LPガスについて、全国LPガス協会が自主ルールでLPガス販売指針を定めているようですけれども、役所としては都市ガスと同様の取引に関する指針というのはあるんでしょうか。
  165. 上田隆之

    ○政府参考人(上田隆之君) LPガスにつきましては、都市ガスと同様な国の指針については定めておりません。
  166. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 非常に難しいところではあると思うんですが、今度の法律案に基づいてガスの類型の見直しが図られ、ガス小売事業はLPガス販売事業者と同様の登録制になっていくと。  我が国における都市ガスとLPガス、せんだっても申しましたけど、また参考人も言っているとおり、意外に五分五分なんですよね、五分五分なんです。大臣、山小屋だけの問題だけじゃなくて、これは五分五分でございますから。生活者としては、LPガスについても、業界、その自主ルールは尊重するものの、都市ガス同様の取引指針みたいなものがあった方がいいんじゃないかと、こう思うんですが、どうでしょうか。
  167. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) 六月十一日のこの委員会でもこの点について委員と議論をさせていただきまして、私の方から、標準的な価格を設定することはなかなか難しいということは事実でありますけれども、トラブルが続くようであれば、地域をどの程度細分化するかという難しい話があろうかと思いますけれども、そういうことも検討するという姿勢を政府が示すことによって、業者にしっかりと、ホームページで料金を公表する、しかも分かりやすい形で公表するということを自主的にさせていくということはまずやってみてもいいのかなと今伺って思っておりますと答えた。そのとおりだと思っております。
  168. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 結構ネット上で全国の関係者は見ているようなんですけれども、やっぱりそういう問題点があるよということを事業者の皆さんもしっかり認識していただきたいと思います。そのためにもそうしたことを申し上げておる次第です。  これ、大臣、特にガスが入ったことで私は画期的に変わると度々申し上げているんですが、例えば今後予想されるのは、前にも申し上げましたけど、いわゆる料理をするときに、ガスのこんろというんですかね、あそこにIHの電気が入ってくると。一番いいとき、一番、何といったらいいんでしょうか、メリットだというんでしょうかね、料金的なものを、HEMSというか、スマートメーターで適時適切に判断して、今はどっちがお得ですよと、ガスと電気ならどっちですよ。その電気も太陽光であったり様々な外から、あるいはエネファームであったり、自家発電ですね、そういったもので選べるようになるというわけなんですね。  これは、私は産業構造革命以来の大きな革命だと思うんです。それは、提供者の論理から、我々エンドユーザーが、ユーザーじゃなくて今度は我々がまた主体的に問題を提起できる、解決できる、自分自身が解決できるということになってくるわけだと思うんです。  こういったことで考えると、いろいろ組合せを考えてみました。前にも御披露しましたように、検針業務をやっているような事業者が、検針業務、今までそれぞれの事業体が、例えばガスの検針ってあるわけですね、保安も含めて。電気も一部ありますね。そこに今度、水道なんか公営ですけど、これも検針みたいなものをやっている。そういったものが一緒になって、消費者にメニュー提示してセット割をする。その原資は何かといったら、検針を三人それぞれでやっていたところを二人でやるというようなことの合理化によって浮いたものがセット割に入ってくるというようなことは容易に想像できるんですよ。それにガスが入らなかったら全く意味がなかったってことです。  そして同時に、ピークアウト、もう十二時から二時までの間はお夕飯の総菜を早めに買いに行ってくださいと、それ携帯で連絡が来て、そしてあるお店から、そのときにバーゲンをやっておりますと、七時からの総菜安いのを今ならば百円引きです。それでみんな涼みながら買物をするということで、家庭の電力を使わないということもあるわけです。それをきちんと携帯で証明できたらポイントがもらえる。  こういうようなことを全部入れていきますと、何と、私が思いますのは、原発に逃げ込むということがなかなかできなくなるということを私はここで言いたいんですね。原発に逃げ込むと言うとお叱りいただくような言葉かもしれませんが、電気の元の発電所を選べるということになるわけですよ。そういうものでメニューが出てくる。そういうことで、今度は企業体がグループ化されるということです。原発を中心に据えた電力を買わない場合には、そのポイントはうちの企業で使えますと。それは、原発じゃない再生可能の協力している企業なんで、私のところはそこに限ってポイント使えるんですということになってくるわけなんですね。これは恐らく予想じゃないと思うんです。予想というのはひっくり返って読むとウソヨと読めるんですけれども、私はこれはもう近い将来出てくると。  それから、排出量取引ができますね。原発の場合は排出量が低いという長所もありますから、そうすると、おたくの選んでいるメニュー、その中で排出量が下がっているんで排出量を買い取らせていただきますと。今トン当たり非常に安いんでそんな高いものになりませんけれども、その排出量取引で海外の中国やいろんなところから今排出量、CDMクレジットやっていますが、そこに金を使わないで、家庭に投資して家庭から買っていく、こういうことも成り立ってくるということになると、まさに社会革命ということになってきます。  そして、新聞とか雑誌も、非常に意見が同じ、再生可能に近い主張のところがポイントで買えるとか、ある種そういう意識化というか、少し考え方が違うグルーピングで企業が回ってくる時代というのもすぐそこに来ているように私は思っているわけなんです。  大臣、こういうことを考えますと、最終的に、防災の観点も含めてこういったものに長所が入ってくる、短所が入ってくると思うんですね。LPガスなら災害に強いです。そういうものも含めて様々な選択ができる。この選択ができるというところが、これがいいですね。熱源も、そして熱も、今度は暖房も使えると。これは様々な可能性を私は示していると思うんです。  御意見を聞きたいと思いましたけれども、原発について、私は最後に大臣に、そして皆さんに申し上げたいと思っているんですが、東芝も粉飾でしたね。これは、やっぱり主力の原子力発電等々のところの頭打ちのところも影響したのではないかと言われていますね。それから、アレバ社が、これがもう斜めになりました。これも全部日本の再処理含めてやっていたところでございますけれども、やっぱり強大な原子力の裾野の広がりなんですよ、企業体の。  しかも、何といいましても、広島はウラン型でしたし、長崎はプルトニウム型の原子爆弾でした。安全保障の観点でいえば、原発こそ最大に狙われるところなんです。それは原子爆弾の代用にもなるからなんです。安全保障上の観点においても非常にこの原子力発電というのは難しい問題です。皮肉なことに、いわゆる五大国、国連常任理事国以外、ここはイタリアもドイツも原子爆弾持っていません。方向転換したというのはある意味当然なんです。原爆を持たないからです。原子力発電と原爆は残念ながら表裏一体です、表裏一体です。  私は余り核のごみのことを言わないのはなぜかというと、核のごみが根源的な問題という大きな位置付けですが、核のごみを処理するためにプルトニウムにいったりプルサーマルにいったり、アメリカはそれにいくか、それとも処分するかということで非常に振れた歴史です。今はユッカマウンテンどうにかなる、ならないというのがありますが、そこに仮に貯蔵したって、あと十五年、二十年もたないんじゃないかと言われているんです、あそこに捨てただけだって。というぐらい問題があって、アメリカ自身が非常に揺れている。  そういう中で、安全保障上の問題も考えて、我々は原子力発電というのをどう考えるか。産業構造にもうがちっと組み込まれたいわゆる原子力村、こういう体制をどのように考えていくかということを、四年たってもう一回忘れてはならないということで、大臣に申し上げる次第です。  時間が参りましたので、意見開陳だけで失礼します。
  169. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  170. 倉林明子

    ○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、電気事業法等の一部を改正する等の法律案に反対する討論を行います。  反対する第一の理由は、電気、都市ガス、熱供給事業の一体的な全面自由化により十兆円を超える総合的なエネルギー市場がつくり出され、新たな規制なき独占につながる危険があるからです。  総合エネルギー市場の担い手となるのは電力、石油元売、総合商社などであり、自由競争どころか、巨大資本による寡占化が進みかねません。持ち株会社等のグループ一体経営を認める発送電の法的分離や、一般担保付社債による資金調達を当面継続するなど、東電救済、電力優遇策だと言わざるを得ません。  第二は、まるで福島第一原発事故がなかったかのように、原発回帰を一体として進めるものだからです。  二〇三〇年度の電源構成案でも原子力の事業環境整備を行うと明記しており、本法案の附則第七十四条に盛り込まれました。これは、電事連が新たな国策民営の役割分担を政府に求めるなど、原子炉メーカー、ゼネコン、メガバンクなど原発利益共同体の強い要求に応えたものであり、容認できません。  第三は、都市ガス事業の導管分離や自由化を急ぐ理由がないからです。  多数の中小業者が担うガス市場の寡占化による料金値上げに対する懸念、長年培ってきた一体的な保安体制が後退する懸念など、消費者利益の侵害をもたらす危険があるからです。  第四は、公共料金である電気・ガス料金について、説明会や電源構成を含む原価情報の開示義務が明確にされないまま、従来の公聴会などの手続を廃止することになり、消費者にとって料金の中身がますます見えにくくなり、消費者の知る権利を奪うものだからです。  電力・ガス取引監視等委員会には、消費者が適正な価格かどうか監視できる仕組みを盛り込むべきです。消費者、国民にとって欠かせないインフラである電力、ガスの料金を監視し、その原価を査定する独立性の高い規制機関が必要です。  現在一基も動いていない原発が二〇三〇年には三十基台半ばを稼働することを見込んでおり、そのために再生可能エネルギー導入を抑制する様々な制度変更を進めています。同時に、石炭火力発電所の建設ラッシュが続いており、今後は石炭火力依存度が高まることは明らかです。  地球温暖化対策、農山漁村で既に始まっている取組を発展させ、地域活性化を進めるためには、地域が主体となった再生可能エネルギーの最大限の導入をエネルギー政策の土台に据え、市民、地域共同の小規模分散・地域経済循環型のエネルギーシステム改革とすべきである、このことを強く指摘しまして、反対討論といたします。
  171. 松田公太

    ○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。  会派を代表しまして、電気事業法等の一部を改正する等の法律案に対し、反対の討論をさせていただきます。  日本では不可能だとまで言われていた電力自由化がここまで進んだことに対しては一定の評価をしております。しかし、多くの事項がまだまだ不十分であると言わざるを得ません。  宮沢大臣も答弁の中でおっしゃっていたように、電力自由化の目的は、新規の事業者の参入によってダイナミックなエネルギー市場を形成し、消費者に多様な選択肢と安価な電力を提供することです。そして、こちらも大臣がお認めになっていたことですが、新規参入を増やすためには、発送電が分離され、送配電網を自由に使えるようになることが一番重要なのです。  政府は、発送電分離について法的分離こそがベストの選択であると考えているようですが、我が国の先を行く他国の例を見ても分かるとおり、法的分離による自由競争は行き詰まり、いずれは所有権分離が必要になってきます。送配電事業者と発電、小売事業者の資本関係を認めれば、送配電網の自由な利用がゆがめられてしまいます。  本気で自由化を実現するためには、所有権分離が不可欠なのです。今の中途半端なままでは、ベンチャーも再生可能エネルギーも増加せず、消費者のニーズにも応えられず、電気料金も安くならず、電力改革そのものが失敗だったということになりかねません。  本法案では、所有権分離への道を示さずに、法的分離をもってゴールとするものであること、ホールディングカンパニー内での役員の持ち回りが規制されておらず、兼職禁止の行為規制措置も実効性がないこと等から、送配電事業の中立性、透明性が確保されているとは言えません。また、二〇一六年に小売全面自由化された後も、当面の間は一般担保付社債の発行が認められている等、自由競争の促進と逆行する内容も含まれております。  審議の中でも御提案させていただきましたが、真の電力自由化を進めるためには、まずは実質国有化されている東京電力について、原発国有化法案のスキームの下で送配電網と原発を一時国有化し、所有権分離の実例をつくることから始めるような抜本的改革が必要です。  日本を元気にする会は、今後とも電力改革のための積極的な提案を続けていくことを申し上げ、反対討論を終わります。
  172. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  電気事業法等の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  173. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、加藤敏幸君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
  174. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました電気事業法等の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、次世代の党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     電気事業法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 附則第七十四条及び附則第七十五条に基づく電力システム改革及びガスシステム改革の実施に係る検証に当たっては、改革の目的である電気・ガスの安定供給の確保と、小売に係る料金の最大限の抑制並びに使用者の選択の機会及び電気・ガス事業における事業機会の拡大を実現するため、改革の各段階での検証を適切な場で行い、電力・ガスのいずれについても、あらゆる可能性を排除することなく、検証の結果に基づき目的達成のために必要な措置を講じて着実に進めること。  二 原子力発電の稼働が進んでいない中で海外からの化石燃料の輸入が増加し、国民負担の増大が懸念されていること、電力が市場に十分に供給されることが市場における競争環境上重要であること、平成二十八年を目途に電力の小売全面自由化の実施が予定されていることを踏まえ、必要となる電力の需給状況の安定が確保されるための有効な措置を講ずること。また、今後増加する原子力発電所の廃炉の円滑な実施、新規制基準への対応、使用済燃料の処理や原子力損害賠償制度の在り方等の課題への適切な対処が可能となるよう、必要な措置について速やかに検討し、遅滞なく実施するものとすること。  三 電力の小売全面自由化に伴って電力の安定供給が損なわれることのないよう、電力広域的運営推進機関の権能の適正な行使等を通じた必要な供給予備力の常時確保を図ること等により、万全の措置を講ずること。また、発電事業者、送配電事業者及び小売電気事業者が連携して災害時など緊急時における電力の安定供給を確保するための仕組みについて、復旧作業の安全確保はもとより、経験と技術を有する人材が関係事業者に確保、育成されるよう、十分な検討を行い、適切な措置を講ずること。  四 送配電部門の法的分離に当たっては、一般送配電事業者が需給調整、周波数維持等の最終的な安定供給責任を果たすために必要かつ十分な調整力・予備力を確実に確保できるようにすることに加え、通電・遮断の明確化を始め、従業者の作業安全が損なわれることのないよう、仕組み及びルールを適切に整備するものとすること。  五 ガスの小売全面自由化、導管部門の法的分離に当たっては、保安の確保が大前提であることに鑑み、導管部門と新規参入者を含めた小売部門の連携が十分に図られるようにするとともに、経験と技術を有する人材の確保・育成、関連技術・技能の継承を十分に考慮するなど、不安の払拭に万全を期すこと。また、法的分離の対象となる事業者の範囲に関しては、公益的観点から導管部門の公正中立を確保するとの趣旨を踏まえ、欧米の動向等も参考にしつつ、適切な基準を設定すること。  六 今回のガスシステム改革においては、ガスの安定供給と小売料金の最大限の抑制を実現する上で、LNGの低廉かつ安定的な確保が重要であることから、官民連携の下、LNGの調達について全力を挙げるとともに、コージェネレーション・燃料電池の普及拡大策を始めとする天然ガスの利用拡大策を継続、推進していくこと。  七 電力、ガス及び熱供給の小売全面自由化の趣旨に照らし、規制料金に係る経過措置の対象については、需要家保護の観点に十分留意しつつ、エネルギー間の競争状況等についても慎重に見極め、電力・ガス取引監視等委員会の意見を聴いた上で指定を行うこと。また、経過措置の対象となる場合でも、委員会が競争状況等について継続的に監視・検討を行い、必要がなくなった時には、可及的速やかに規制料金を撤廃すること。  八 電力・ガス取引監視等委員会については、市場取引が一層公正・適切に進められるよう、強力に監視を行うものとすること。また、委員会運営の公正性及び中立性に疑念を抱かれることがないよう、委員長及び委員の選任に当たっては、法の趣旨を踏まえ、電力会社及びガス会社に在職する者並びにこれらの会社の経営に影響力を与えてきた者の任命は厳に慎むとともに、業務の状況を毎年公表すること。さらに、電力・ガス・熱の取引の監視等のために必要最小限の組織とすること。  九 法的分離に伴う行為規制については、従業者の人事異動等の規制は労働者の権利の制約であるとの懸念から法律に明文規定が設けられていないことを踏まえ、特定の従業者を特定の業務に「従事させてはならない」とする規定については、「兼職を禁止する」という規定の趣旨に沿った運用を確保することとし、今後の詳細な制度設計や電力・ガス取引監視等委員会における基準やルールの検討・運用に際しては、電気事業及びガス事業の実態や関係者の意見を踏まえるとともに、客観性、透明性や中立性について十分な確保を図ること。また、過度な規制によって従業者の職業選択の自由や電力・ガスの安定供給及び保安の確保等に不可欠な人材の育成等に影響を与えないよう、兼職禁止の対象や範囲については、中立性確保の観点から必要かつ合理的な限度にとどめること。  十 電力・ガス・熱供給システム改革の遂行に際しては、今日まで電力・ガス等の安定供給を支えてきた電力・ガス等関連産業の労働者の雇用の安定や人材の確保・育成、関連技術・技能の継承に努めるとともに、改革の過程において憲法並びに労働基準法に基づく労使自治を尊重するものとすること。また、電気事業の労働者について一定の形態の争議行為の禁止を定める「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律」については、自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図るとともに、憲法上の労働基本権の保障も踏まえ、本改正法の施行後の検証時期に併せ、「労働政策審議会電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の在り方に関する部会」報告における再検討の指摘に基づき、その廃止も含めた検討を行い、結論を得るものとすること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  175. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) ただいま加藤敏幸君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  176. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、加藤敏幸君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、宮沢経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮沢洋一経済産業大臣。
  177. 宮沢洋一

    ○国務大臣(宮沢洋一君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
  178. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 吉川沙織

    ○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十四分散会