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2015-05-26 第189回国会 参議院 厚生労働委員会 15号 公式Web版

  1. 平成二十七年五月二十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月二十二日     辞任         補欠選任      高橋 克法君     武見 敬三君  五月二十五日     辞任         補欠選任      野田 国義君     西村まさみ君      行田 邦子君     山田 太郎君  五月二十六日     辞任         補欠選任      山田 太郎君     行田 邦子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸川 珠代君     理 事                 大沼みずほ君                 羽生田 俊君                 福岡 資麿君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 石井みどり君                 木村 義雄君                 島村  大君                 高階恵美子君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                三原じゅん子君                 足立 信也君                 石橋 通宏君                 西村まさみ君                 白  眞勲君                 牧山ひろえ君                 山本 香苗君                 川田 龍平君                 小池  晃君                 行田 邦子君                 山田 太郎君                薬師寺みちよ君                 福島みずほ君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働副大臣  永岡 桂子君    大臣政務官        財務大臣政務官  竹谷とし子君        厚生労働大臣政        務官       橋本  岳君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        内閣官房健康・        医療戦略室次長  中垣 英明君        厚生労働省医政        局長       二川 一男君        厚生労働省健康        局長       新村 和哉君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       三宅  智君        厚生労働省老健        局長       三浦 公嗣君        厚生労働省保険        局長       唐澤  剛君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○持続可能な医療保険制度を構築するための国民  健康保険法等の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、高橋克法君、野田国義君及び行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君、西村まさみ君及び山田太郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長唐澤剛君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 福岡資麿

    福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。  総理におかれましては、充実審議のために今日はこの委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。確認の意味も含めまして、一問質問をさせていただきます。  社会保障制度とは、国民の生活に安心、健康長寿をもたらすものでございます。我が国では保険証一枚で誰もが安心して適切な医療を受けることができるという世界に誇るべき国民皆保険を実現してきておりまして、これまで多くの国民の命と健康が守られてきました。少子高齢化がますます進展し、医療費の増大が避けられないといった大きな環境変化に直面している中で、この昭和三十六年に実現した国民皆保険制度を次世代に引き継いでいくことが今を生きる私たちの使命であるというふうに考えております。  そうした状況の中で今回の法案を見ますと、まさに持続可能な医療保険制度を構築する観点から、国民皆保険を支える重要な基盤である国保の安定化を図ること、給付と負担のバランスの取れた持続可能な制度とするため負担の公平化を図ること、予防、健康づくりを推進していくこと等に関する施策が盛り込まれているものと理解をしています。  この法案によります改革の意義と、医療保険制度にとどまらない持続可能な社会保障制度の構築に向けた総理の決意をお伺いしたいと思います。
  7. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の法案は、少子高齢化が進展する中、給付と負担のバランスの取れた持続可能な医療保険制度としていくため、国保について財政運営の責任主体を都道府県とした上で財政基盤の強化を図るほか、後期高齢者医療への支援金や入院時の食事代について負担の公平化を図る、予防、健康づくりの促進により医療費適正化を推進するなど、必要な改革を進めていくものであります。  世界に冠たる国民皆保険を始めとする社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくため、消費税率の引上げにより、将来にわたって安心できる年金制度の確立、医療や介護が必要になっても地域で暮らせる仕組みの構築、子ども・子育て支援の充実など、社会保障の充実、安定化に取り組んでいるところであります。  同時に、制度を持続可能なものとしていくため、重点化、効率化に取り組むなど、不断に改革を進めてまいりたいと考えております。
  8. 福岡資麿

    福岡資麿君 ただいま総理から力強い決意を伺うことができました。  この委員会でもずっと議論してまいりましたけれども、必要な医療については保険でしっかりカバーされるという原則が今後もしっかりと守られていくことが大切だというふうに考えておりまして、そのことを是非強く推し進めていただくことをお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  9. 足立信也

    ○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也です。  総理、本日午後から衆議院本会議安保法制の審議が始まります。安全保障社会保障は国の根幹です。特に社会保障は、私は国の、国家の礎だと、そのように思っています。どうかこの午前中の審議も熱意を持っていただきたいということをまず冒頭申し上げておきたいと思います。  さて、本法案は、今総理がおっしゃったように、国保の所掌を市町村から都道府県へ、それは我々、元々そういう考えでございましたし、保険者機能を考えれば、医療提供体制も医療計画も都道府県である以上、私は保険者も県がいいと、そのように従来思っております。  しかし、その至適な範囲というものは、昨今少しクローズアップされてきておりますが、インテグレーテッド・ヘルスケアネットワーク、これ統合ヘルスケアネットワークと言われておりますが、我々は二〇〇六年の段階でこれを健康生活圏と称して、民主党の医療政策ということで提言、定義いたしました。つまり、百万から百五十万ぐらいの範囲が、保険者機能を持ってやるには一番至適範囲であるということなんです。ですから、都道府県によってはちょっと人口が足りない、あるいは、むしろその都道府県の枠を超えて広げた方がいいというような考えは当然我々持っておりまして、ここで終わることがないようにしなければいけないと、私はそう思っています。  この分野は我々賛成なんですが、しかし、健康保険法の改正あるいは高齢者医療制度の改正ということが入っていて、その中にはやはり賛成できない部分があるということで、そのことについて質問をしていきたいと思います。  まずは、患者申出療養です。資料が行っていると思います。これは参考人質疑で、二枚目を御覧ください、元々、この答弁で一度訂正がありましたけれども、私は評価療養の一類型だと思っていますが、二枚目です。保険外併用療養の一類型である、つまり保険外併用療養が選定療養と評価療養と患者申出療養になると。参考人は、評価療養の一つでなければ困ると、そういうふうに言っておりました。特に、その主張は、現在の評価療養を身近でと、これが大事なんだということでございました。  資料の二なんです。規制改革会議における選択療養の提言がまず去年の三月にあって、そして五月二十八日、このように変わってきているわけです。一番大きな違いは、やはり保険適用に関することだと思いますが、まず一問目。去年三月出してきた、選択療養から患者申出療養へ変わりました。これは、いろんな政府内の協議で深化したというふうにお考えでしょうか、それとも全く別のものになったというお考えでしょうか。
  10. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 未承認薬を早く使いたいという気持ちを持っておられる難病等、病気に苦しんでいる方々がたくさんおられるのは事実であります。  患者申出療養は、そうした思いに応えていくために、先進的な医療について、患者の申出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであります。同時に、保険適用に向けたロードマップの作成等を医療機関に求めることとしています。  議論の当初、規制改革会議から、治療の選択肢を拡大する新たな仕組みとして選択療養の提案が行われましたが、今般の患者申出療養は、こうした提案も踏まえ更なる検討を加えた結果、患者の申出を起点とし、国が安全性、有効性を確認するとともに、将来的な保険適用を目指すという点を付加又は明確化して創設することとしたものであります。
  11. 足立信也

    ○足立信也君 ちょっと歯切れが悪いような気がします。  私は、選択療養という定義であれば、三つ目の類型だというものもある程度理解できる。しかし、それにこだわったんじゃないかと思うんです。内容が変わってきて、これはまさに評価療養の一つになったんですよ。なったけれども、選択療養で三つ目の形をというものだから、保険外併用療養の一類型と言わざるを得ないんだと思うんです。  一番の違いは、先ほどから申し上げているように、二枚目の、評価療養は必ずしも保険導入のための評価を行うものではないということから、将来の保険収載につなげると変わってきたわけですね。  総理、率直に、聞き方をちょっと変えますが、これは、選択療養のこの形と患者申出療養のこの形、総理の意にかなっているのはどちらなんでしょう。
  12. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 患者申出療養は、規制改革会議からの選択療養の提案も踏まえまして更なる検討を加えた結果、困難な病気と闘う患者の申出を起点とする、国が安全性、有効性を確認する、将来的な保険適用を目指すという点を付加又は明確化して創設することとしたものであります。このような仕組みを通じて保険適用に必要な科学的根拠を集積し、安全性、有効性の確認を経た上で保険適用につなげることにより、広く国民が医療保険制度の中で先進的な医療を受けられるようにしていきたいと考えております。
  13. 足立信也

    ○足立信也君 今の説明ですと、あくまでも評価療養なんだけど起点が違うんだということだけのような気がしますし、その点については参考人は、今現在先進医療をやっている参考人はかなり懸念を示しておりました。  そのことを申し上げますが、今も答弁そうですが、これまでの本会議の答弁でも総理は先進医療を念頭に置かれているというのがはっきり分かるんですが、やはり総理としては、これはあくまでも先進医療がターゲットなんでしょうか、申出療養として。
  14. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 現行の先進医療制度医療機関を起点として先進的な医療を受けられるようにするものでありますが、今般の患者申出療養は患者の申出を起点としている、先進的な医療を身近な医療機関で迅速に受けられるようにするという点が異なるということでございまして、医療機関を起点とするのか、あるいは患者の申出を起点とするのかということでございます。  患者の方々からは、先進医療を身近な医療機関で受ける、先進医療の対象から外れる患者も治療を受ける、先進医療の対象となっていない国内未承認医薬品等を使用するなど、様々な医療について申出が行われることが考えられます。こうした患者の方々の申出に適切に対応できるよう、患者の方々を含む関係者の御意見を伺いつつ、丁寧に準備を進めていきたいと考えております。
  15. 足立信也

    ○足立信也君 先進医療を身近でと、これはキャッチフレーズのようになっているわけですが、資料の一を御覧ください。これは薬師寺委員が何度も何度も資料として出されましたし、我々野党の人間はこれを基に説明をずっと受けてきています。与党の議員は更に詳しい資料で説明を受けているのかもしれませんが。この患者申出療養の創設、この説明、ポンチ絵ですね、先進医療という言葉は一言もないですよ。どこにもないですよ。これが我々にされている説明です。しかし、先進医療を身近でとおっしゃる。どこにも書いてない。  これ、いきなり総理にお聞きするのは失礼だと思いますので、大臣、なぜ先進医療が一言も書いてないんですか。
  16. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りをいただいたこの「患者申出療養の創設」と書いてございますが、国内未承認医薬品等を迅速にというところは先進医療の意味合いではあるわけでございます。  ということではありますが、しかし、先ほど総理から答弁申し上げたように、今回はそれとは別に、患者が申出の起点となって、そして国が安全性、有効性を迅速に確認しながら、さらに、身近に、先進医療では認められていてもいろいろな面で、もう一つは適用外というか範囲がその中に入っていない人たちもできるようにするといった、先進医療とは少し違うジャンルとして今回の患者申出療養をつくり出したと、こういうことでございます。
  17. 足立信也

    ○足立信也君 私、評価療養の類型は四類型あるんだということをこの前ずっと申し上げました。それでほとんどはまるんですね。しかし、先進医療という説明は、このポンチ絵、この説明には一切書いてないんですよ。  先進医療というのは医療技術なんですよ。そして、未承認薬や適応外薬を使うBと、関係ないAがあって、その先進医療というのは、ある程度専門的な方々がきちっとプロトコルまでしっかり作って、まとめて、評価している。そういうものがないとやっぱり危険なんですよ。  例えば、以前、アメリカで大腸がんのスタンダードの治療だというものを日本に導入して、しかし、同じ治療法をやったら大変な副作用と亡くなる方が出てきた。それは、用法用量がやっぱり違うんです。あるいは、イレッサのことを皆さんは覚えていると思います。保険適用を物すごい急いで、恩恵を受けた患者さんはもちろんいらっしゃいます。しかし、事後しっかり検証をやったら、その後減りましたね、多くの死亡者が出て。そういうふうに、先進的なものあるいは医療技術というものは、やはり評価がしっかりしなければ危ないんですよ。  先進というふうにあくまでもおっしゃる、説明には一切そういうことはなかったけれども、おっしゃるので、三枚目御覧ください。  これ、先進医療は、Bについてはこの前答弁でもありました、まだ期間が短いので保険収載はないとありました。これ、始まったときからの先進医療Aのその後、保険導入をするのか、あるいはこれは保険導入は認められない、削除していくのかという、それを保険局といろいろ相談しながら詳細に今までのものを調べてみたんですよ。  いいですか。二十一年六月に始まって、一年弱、十か月なので、保険導入最初の八と削除の六というのは、これは少ないのはやむを得ない。しかし、これ診療報酬改定に合わせてやりますから、二年後、我々の政権のときは、二十三を保険導入して十二を削除した、合わせて三十五です。しかし、二年後、安倍政権では僅か十三ですよ、三分の一ぐらいですよ。  先進医療というものは、きちっと専門的な人間が症例を集めて検討して、これは保険適用すべき、これはすべきではない、削除する、そういうことをしっかり評価する医療なんですよ。我々のときには二年間で三十五をやった。政権替わって十三しかやっていないじゃないですか。先進医療に対する取組がこれだけ停滞しているのに、新たな類型を作りました、患者さんからの申出が起点ですといっても、先進医療の評価、保険導入や、これはすべきではないということはきちっとできると僕は思いませんよ。  この変化、同じ期間、二年間で三十五から十三に減ってしまった。この取組はどうなんですか。先進医療に対してしっかり保険導入すべき、あるいは削除すべきだというようなことは今やられているんですか。大臣の方がいいかもしれません。
  18. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今、先進医療Aについての御指摘を資料とともにいただいたわけでございますけれども、この先進医療Aにおいては、診療報酬改定の際に、先進医療としての実施状況とか、それからそのデータにより確立されたエビデンスに基づいて保険収載の可否について検討をしているところでございまして、実施状況などはそれぞれの技術によって異なっておりまして、今御指摘がございましたけれども、結果的に各改定ごとの保険収載数についてもばらつきが生じているということで、今お話があったように、二十四年改定では二十三ありましたが、二十六年では八ということになっているわけでございます。  なお、平成二十六年度の診療報酬改定後には実施医療機関、初めて医療機関に集まってもらいまして、必要に応じて関連学会との連携をすることによって保険収載への方向性とかあるいは具体案を検討するように求めたところでございまして、先進医療Aにおいてもエビデンスの集積が進み保険収載につながるように引き続いて取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
  19. 足立信也

    ○足立信也君 我々のときは、先進医療会議、これの頻度を上げてしっかり議論をして、とにかく結論をしっかり付けていこうと、一つ一つ、そういうふうに指示をして、実際そうやってもらいました。これ、誰が見ても明らかに減っていますよ。  今の答弁と重複するかもしれませんが、もう一年以上たっているわけですね。来年は診療報酬改定がある。これからどれだけ進むか分かりませんが、どうやってこの評価を迅速化させようとしているんですか。
  20. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) いみじくも先生から今、繰り返しになるかも分からないがという話でありますけど、まさに今、実施している医療機関の当事者から意見を聞きながら、そのまた関連の学会とも連携をして、この保険収載へどういうふうにしたら迅速にできるのか、具体化するのかというようなことを今御意見をいただきながら、そして何よりも先ほど申し上げたように大事なことは、やはりエビデンスの集積というものがないとこの保険収載にはなかなか、収載を最終的に判断をするということができないわけでございますので、引き続いて現場での、医療機関の御意見をしっかり伺いながら、そしてまた関連学会とも意見交換しながらそのエビデンスの集積を進めて保険収載につなげてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  21. 足立信也

    ○足立信也君 具体的に何をやるのかはっきりしませんが、総理、やっぱりこれは明らかに遅れていますよ。あの政権交代後、遅れていると思います。そのことをお認めいただいて、やはりこの分野は、多くの方がそこに登録をし、専門機関で実施をし、評価をしようとしているんです。ここはもっと早くこれがワークするように是非指導力を発揮していただきたいと、そのように思います。  残りの時間で、今のは健康保険法の一部、余り賛成できないところの話で、今度は高齢者医療制度のことなんですが、やはり、この前資料でもお示ししましたけれども、医療保険制度というのは今もう空洞化しています。その意味は、未加入者、未納者が多くなったということに加えて、再分配機能が相当、もう半分ぐらい占めているということなんです。従来のリスクの分散ということの保険の分野とほぼ同じぐらい、例えば組合健保はもう四四・二%、協会けんぽは四三・五%、ほかの医療保険制度に対する拠出になっているんです。私はそこは、事業主がほかの保険制度に拠出するのはやはりおかしいと思うんです。助け合いというふうに言いますが、今、これは中小企業にとっては最大の負担ですよ。これによって雇用も抑えられているし、正規雇用も制限されていると私は思います。もう五〇%以上拠出している健保組合が二二%まで達しているという話です。  なので、私がこの前提言したのは、再分配、この部分は本来税ということです。保険料であれば、実際の医療費よりも多くの保険料を払うのはおかしいですから、頭打ちが当然ある。しかし、再分配機能、税による再分配機能という形にすれば、これは収入に応じた定率の負担ができる。将来、持続可能性のためには、私は、本来のリスクの分散である保険の部分と、再分配の機能、これは本来税が持つべきものです、それは分離して制度をつくったらどうですかという提言を申し上げたんですが、総理、いかがでしょう。
  22. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) こうした制度につきまして、何割を税で持つ、何割を保険で持つ、あるいは全てを保険で持つ、あるいは全てを税で持つ、様々な考え方があるわけでありますが、現行の後期高齢者医療制度は、限られた財源の中で公費を重点的に投入する観点から高齢者を対象に独立した制度としまして、給付費の約五割に公費を投入した上で、国民全体で負担すべきだという社会連帯の精神に基づいて、約四割を現役世代からの拠出金で賄う仕組みとしております。この拠出金は、高齢者の医療社会全体で支え、国民皆保険を維持するために必要なものであると考えます。  今回の改革においては、この拠出金について、負担能力に応じたより公平な負担とするため、被用者保険者間で全面総報酬割を導入するとともに、高齢者医療への拠出が重い被用者保険者の負担軽減を図ることとしています。これによって、拠出金制度を前提としつつ、より安定的に支えていくこととしております。
  23. 足立信也

    ○足立信也君 では、あとは午後に回します。  終わります。
  24. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 おはようございます。民主党・新緑風会の西村まさみです。  総理、本日、どうぞよろしくお願いをいたします。  私からは、まず患者申出療養についてお尋ねしますが、昨年の六月十日、慶応大学病院を視察された後、総理が非常に重要なことをおっしゃっています。困難な病気と闘っておられる患者さんたちの強い思いをしっかりと受け止めなければならないと改めて思ったと。まさに私はここが一番大切なことであり、また、これが今まで欠けていたことの一つなんだろうと思っていました。さらに、会見後では、総理は、まずこの療養制度をつくることによって、迅速、そして負担を軽減して、身近な場所でというポイント三つをお話しになられました。  まず、迅速にということでお尋ねをしたいんですが、今まで本会議でも総理にお尋ねしましたし、この委員会でも度々お尋ねしてまいりました。六か月でやっていたものを、これを六週間、また、初めてでないものに対しては二週間で承認をして、そして国民の皆様に、患者さんを起点として、申し出たものに対してそれを使えることができるようにする制度、大変これはいい制度の一つだと思うんですが、ここで一番心配なのは、安全性が果たしてその僅かな期間の中で担保できるかということをお尋ねしても、一向にその回答は得られていませんし、また、例えばこのように短い期間でやったときに患者さんに何か健康被害等があったときの救済制度についても、これから御議論いただくというような回答であります。  患者さんの保護、被害救済に対しての制度等含めまして余りに不十分だと思うんですが、総理はこれを聞いてどうお考えになりますか。
  25. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、安全性というのは、これ当然のことでありまして、治療行為医療行為を行っている以上、患者さんの病気を良くする、あるいは命を救うわけであって、逆に、病気が悪化したり、あるいは命が危うくなることがあってはならない、これが基本的な姿勢であります。  その中において、しかし、患者さんの側からすれば、あるいはもう相当、自分の命の長さは余りないかもしれないという中において、新たな先進的な医療を受けたいという方もおられるわけでありまして、そういう方にとっては例えば半年とか一年という期間は長過ぎるわけであります。あるいはまた、既に難病等で苦しんでいる方にとっては、一日も早くそうした薬と出会いたいと思っているわけであります。  そこで、では、ただ単に期間を長くすれば安全保障されるかということではないわけでありますし、一方、拙速になってしまって安全性が脅かされてはならないというのは当然なことではないかというわけであります。  そうした観点から我々はこの期間を導き出しているわけでありますが、当然、その中におきましても安全性を確保するというのは大前提であろうと、このように思います。
  26. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 総理、確かにそのとおりなんですが、私が聞きたかったことは、もし何か健康被害が生じた場合の方策というものがこの議論の中では全く見えてきていない、そこをしっかりやらなければいけないんじゃないかということをお尋ねしたんですが、いかがでしょうか。
  27. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今の有害事象が起きたような場合についての対応については、これまでの先進医療などでも同じでございますけれども、しっかりと事前に病院と患者の間で取決めを交わした上でそれに向かうというのは、これまでと同じやり方でいくわけでございますので、その点についての備えはきっちりとしていかなきゃいけないというふうに思っているところでございます。
  28. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 今の大臣の御答弁を聞いても、やはり明確になっていないんです。これは非常に重要なこと、総理も先ほどお話しになられたように、もしかしたら命があと僅かかもしれない、その皆さんに対して、新しい制度を使って、一人でも多くの方にというようなことに対しては、やはりそれに引き続いて起こるような救済制度をきちっと整えてからやるべきだと思うので、是非早急に御検討いただきたい、これをお願いしたいと思います。  また、二つ目、負担軽減についても総理はお話しになりました。これ当然、保険収載というものを将来的に目指すということで負担の軽減ということなんでしょうが、今まで視察をしてきたところ、それから参考人の先生方からのお話を聞いても、今すぐのなかなか負担軽減にはつながらないんです。  何度も私も例に挙げて質問しましたが、一つの薬を、例えばですが、モデルケースですが、今の自由診療、使えない、未承認の薬だと、患者さんの負担が百五十万を超えるもの、これが今回この患者申出療養制度になっても僅かの軽減にしかならない。本来、保険収載されれば、高額療養費制度等を使えば十万円以下という、そのくらい価格が違うと、やはりこの部分をいかに短くするかということも大きく必要性があると思うんですが、総理が考えている負担軽減、患者さんに対する負担軽減とはどういうことなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  29. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 負担軽減というのは、まさに掛かる治療費が軽減されるということであります。  その中におきましては、例えば難病の方々に対しましては今回も大幅に対象の疾病を増やしたわけでございます。そしてまた、今回の患者申出療養制度につきましても、これは完全な自由診療から、一部は、そのお薬そのものに附属する治療については、これは保険の適用になってくると。根っこから、自由診療というところからはこれは変わってきて、これ併用できるようになってくるわけであります。  もちろん、最終的に保険に収載されることによって全てがこれは保険適用になれば、先ほどおっしゃったように、高額療養費制度が効いてくるのは当然のことであろうと、このように思いますが、まずは、この患者申出療養制度におきましては、言わば保険と保険適用外の治療との併用は可能になってくると、こういうことではないかと思います。
  30. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 明確にちょっと理解できないんですけれども、これ大変重要なとってもいい制度をせっかく総理が提案されていても、具体的なところがこれからであったり、確かに保険収載されれば負担の軽減になると思いますが、その道筋が明確でなかったりというところに大きな問題があると思うんです。  総理は、もう一方、身近な医療機関でということもよくお話しになりますが、これについても、やはりこれ、もし、もし万が一この僅かな期間で可決、成立することがあったとしたら、二十八年の四月一日から導入なんです。それに対して、身近な場所でするに当たっても、視察先のがん研究センターの藤原先生は、現行では不十分な専門医の育成をもっとしなければいけないとおっしゃっていましたし、参考人の石黒先生からは、新しい医療技術を実施するためには医療技術者の充実、指導というものをきちっとやっていかなければならないんだというお話もいただいています。  是非私が総理に申し上げたいのは、せっかく総理が慶応大学視察した後、このような申出療養というものが必要だと、国民の皆さんが自分たちからの申出で、迅速に、そして安全性を担保して、負担を軽減して身近な場所でということをするのであれば、もっとしっかりと議論をし尽くしてからやってもおかしくないということを一言申し上げて、総理には次の質問をさせていただきたいと思います。  患者の負担についてです。  この法案の中には、患者の負担というものの中に大病院受診時の患者の負担というものがあります。これ、外来機能分化のためというのはよく理解できるんですが、総理も、総理の個人的なことで大変恐縮でありますが、難病にかかって大変苦しい思いをされたということを私も理解していますし、先日の、難病・疾病団体協議会、実に八十五団体が入っていて、患者の御家族二十八万人で組織するその代表の伊藤参考人の御要望にもあるんです。実は、私事で更に恐縮ですが、私の母もサルコイドーシスという難病発症して、確定診断までには相当な時間を要して、日本全国の病院を、私も数か所一緒に行きました。  そういった場合に、大病院を受診したときというのは、本人の意思とは別に長期にわたる場合が非常にあるということ、そうすると、今回このように大病院の受診時の定額負担を五千円から六千円とすることによって、患者さんのいわゆる負担、経済的な負担だけではなく、受療の機会というものも失ってしまうと思うんですが、総理、この辺の、患者さんが大病院を受診するときの負担というものについてどうお考えになっていらっしゃるか、安倍総理に御見解をお尋ねしたいと思います。
  31. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 今これおっしゃっているのは、紹介状なしで大病院を受診した場合に定額負担を求める措置ということだと思いますが、これはかかりつけ医と大病院の間で外来の機能分化を更に進めるとともに、勤務医の負担軽減を図るための一つの方策として実施するものであります。  これはまず基本的に、全ての方が大病院に行くということではなくて、やはりかかりつけ医があって、そこで、これはやはり大きな病院に行った方がいいという紹介を受けて大病院に行くという仕組みの方が、本来大病院で診るべき人が早く診てもらえるということになっていくんだろうと、こう思うわけであります。  対象となる大病院を受診する場合には、原則、かかりつけ医等、他の医療機関からの紹介状がなければ定額負担をお願いすることとなりますが、周囲に適当な医療機関がない等のケースは例外として負担を求めないこととしております。例えば自分は難病ではないかと考えられる方などについても、多くは紹介を受けるものと考えられますが、更に特別な配慮をすべきかどうかについては、今回の趣旨に照らし、厚生労働省において関係者の意見も聞きながら更に詰めていくことにしていかなければならないと、このように思います。  いずれにいたしましても、難治性の疾患をお持ちの方を含め、日頃からかかりつけ医を持ち、相談できる体制をつくっておくことが重要であろうと、このように思うわけでございます。また、言わばかかりつけ医の方々が、これは自分の範囲を超えるということを直ちに判断していただくこともとっても大切なんだろうと思うわけでありまして、その上において大病院に速やかに紹介をしていただき、そこで診断がなされるということになれば、それほど長い時間が、ある程度もう分かっている難病については、ある程度難病の診断が確立している難病については、かかりつけ医に行って、そして病院に行って判断がなされるということではないかと、このように思います。
  32. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 いえ、私はそんな一般論をお尋ねしているんではなくて、難治性の疾患の場合は、症状があってもなかなかその原因が分からなかったり、確定診断するまでに非常に時間が掛かる、複数の病院を行かなければならない。そのときに、毎回毎回かかりつけ医の先生に相談して紹介状をもらうということはなかなか負担が大きいということ、だからこそ、こういった場合の負担の軽減というものを考えなければいけないということを是非御理解いただきたいということとともに、専門医がいる病院というのは大体大病院が多いんです。ですから、やはりそういったところに行くときに、日本全国例えば行くときに、なかなかそこまで行かない患者さんの視点というものを第一に考えていただきたいということをお願いをしたいのと、もう一点だけどうしても言いたいことがあります。  入院時の食事代の負担ということも、これ非常に大きいんです。いろいろ低所得者の方とか指定難病の方とか小慢の方とかはこの対象外と今回なっていますが、やはり子供の病気、いわゆる在宅との公平性というんですか、私はどうしてそこに公平性を求めなきゃいけないのかがよく理解できません。  病院の食事代というのは、治療の一環でもありますから、そういった具体的なこと一つ一つをもっともっとしっかりと審議する時間を持っていただきまして、この国民皆保険制度をしっかりと堅持するためにも、持続あるものにするためにも、このような短い時間でもはや終わることはないと思いますが、是非ともそこのところを改めて総理にお願いして、総理の肝煎りで始まっているような様々なこともあります、総理御自身が悩んでいる、苦しんでいらした難病のことでもあります、是非ともそこのところを総理自ら厚生労働省に強く御指示をいただきたいということを心からお願いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  33. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明です。  先日の参議院本会議で、我が党の佐々木さやか議員が国民皆保険を維持していく決意について伺ったのに対しまして、総理は、世界に冠たる国民皆保険をしっかりと次世代に引き渡していく必要があると御答弁されました。  確かに、我が国の医療保険制度、これはもう諸外国からすれば驚嘆すべきものであります。しかし、私たちにとっては、ともあれ、場合によってはつい当たり前というふうになってしまいがちな部分もございます。  これからはかつてのような高度成長が望めない反面、高齢化あるいは医療技術の高度化、こういうことによって医療費がますます増加していくことが見込まれているわけでありますが、そうした中、国民皆保険制度を維持していくためには、その意義を絶えず認識をしながら、同時に国民の理解を確かめながら進めていくことが必要かと思います。  そこで、国民の皆様にいかに国民皆保険の意義を理解していただくか、また、国民皆保険を今後も維持していくために必要な制度見直しを行うに当たってどのように理解を得ていくとお考えか、総理の御所見を伺いたいと思います。
  34. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 保険料や、あるいは税を負担し、国民皆保険を支え守っていくのは国民であります。改革の推進に当たりまして、国民の皆様の御理解をいただくべく努力していくのは当然のことだろうと思います。このため、国民一人一人の視点に立って国民皆保険の意義や改革の考え方について十分説明していかなければなりません。そして、将来を担う若者に制度の意義や適切な医療のかかり方を理解いただくため、社会保障教育を推進していく必要があると考えます。  幅広く国民的な理解が深まるよう、引き続き努めてまいりたいと思います。
  35. 長沢広明

    ○長沢広明君 国民皆保険達成直後の状況とは異なりまして、現在、国保は高齢者あるいは非正規雇用という方々が多く占めております。現行の医療保険の各制度を前提とする限り、この構造はそれほど大きな変化はないかもしれません。  今回、効率化に向けて努力している国保の保険者に対しまして、めり張りを付けた支援を行うということをしております。やはり国保に対しては今後もしかるべき規模の公費を投入していかざるを得ません。  また、被用者保険のうち協会けんぽについても、中小企業の従業員、またその家族が多く加入している、こういう現状を踏まえますと、その財政力の弱さを支える、そのためには一定の国庫補助を継続していく必要があると思います。  そこで、総理の御決意を伺いたいわけですが、国保及び協会けんぽに投入する今後も公費の安定的な確保が必要だと思います。この点についての総理に御決意を伺いたいと思います。
  36. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 国保は国民皆保険を支える基盤であり、今回の改革では、低所得者が多いなど厳しい財政状況に鑑み、年三千四百億円の追加的な財政支援を行うなど、財政基盤を大幅に強化することとしています。  また、主に中小企業の従業員が加入する協会けんぽについては、財政基盤が脆弱であることから、国庫補助率について、当分の間一六・四%と期限の定めをなくし安定化させ、その運営の安定を図ることとしています。  今後とも、引き続き国保と協会けんぽの安定的な運営が可能となるよう必要な公費の確保に努めるとともに、医療費の適正化を推進し、国民皆保険を堅持していく考えであります。
  37. 長沢広明

    ○長沢広明君 時間が来ましたので、終わります。  ありがとうございました。
  38. 川田龍平

    川田龍平君 維新の党の川田龍平です。  総理は、四月の予算委員会で、日本の医療について、国際的には相対的に中位の医療費で世界最高レベルの健康寿命を達成しており、世界に冠たるこの国民皆保険制度をしっかりと次の世代に引き渡していきたいと答弁いただきました。本当にうれしく、これについてはお礼を申し上げます。  しかし、総理はこの国民皆保険制度が今危機に瀕しているということを御存じでしょうか。もちろん知っていると思いますが、財政難による危機ではなく、混合診療の全面解禁によってお金のある人しか医療を受けられなくなるという公平性の危機です。  総理は、患者申出療養は保険収載に向けた仕組みと答弁しましたが、法案には保険収載を目指すと明確には書かれておらず、皆保険に風穴を空けるきっかけにならないか、とても患者として不安です。患者申出療養は例外であって、必要な医療はこれからも保険診療で行われるとはっきり答弁いただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
  39. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国では、国民皆保険の理念の下、必要かつ適切な医療基本的に保険給付の対象とすることとしています。その上で、患者申出療養については、今回の法案において給付の対象とすべきか否か評価を行うものとして位置付け、将来的な保険収載を目指すものとしています。  具体的には、保険収載に向けたロードマップの作成等を医療機関に求めることとし、また、保険収載に向けた状況等を把握するため、医療機関から国に対し少なくとも年に一回は患者申出療養の実施状況等を報告することとしています。さらに、ロードマップどおりに進んでいない場合は追加的に報告を求めるほか、必要に応じて患者申出療養から除外することも含めて対応することとしております。  このような仕組みを通じ保険収載に必要な科学的根拠を集積し、安全性、有効性の確認を経た上で保険適用につなげることにより、広く国民が医療保険制度の中で先進的な医療を受けられるようにしていきたいと考えております。
  40. 川田龍平

    川田龍平君 総理は、国民皆保険制度において疾病リスクの少ない加入者の保険料を安くすることについて、賛成ですか、反対ですか。
  41. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の国民皆保険制度では、国民皆保険の中で相互扶助の理念の下、疾病リスクにかかわらず誰もが必要な医療を受けられることを原則としています。このため、疾病リスクにより保険料に差を設けることは結果としてリスクの高い方が保障を受けにくくなるおそれがあり、適当ではないと考えています。  一方、少子高齢化の下、国民一人一人ができる限り長く健康に暮らせる社会をつくり、また、医療保険制度を持続可能なものとしていくため、予防や健康づくりを積極的に進めていくことは重要な課題と認識をしています。  このため、今回の改革では予防、健康づくりを幅広く進めていくこととしており、その中で個人のインセンティブを強化するため、保険者が加入者にヘルスケアポイントを付与するなど工夫を凝らした取組を更に進めていくこととしております。  しかし、それは先ほど申し上げましたように、リスクの高い方が保障を受けにくくなるおそれがあるようなことになってはならないということは、もちろんこれは基本的な考え方であるということは繰り返し申し上げておきたいと思います。
  42. 川田龍平

    川田龍平君 しっかり理解していただけて、ありがとうございます。  今回の法案では、予防、健康づくりの取組に応じて加入者に現金給付するとのことですが、これは実質的に保険料の値引きであり、民間保険商品と同じ発想です。  生存権を保障した憲法二十五条に基づく社会保険基本原則を破壊し、国民皆保険が民間保険化するとの批判をどう受け止めますでしょうか。
  43. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 受診をしないということでポイントを与えるようなことはないというふうに我々は考えておりまして、むしろポジティブなインセンティブになるように考えるというのが私たちの考え方の基本だというふうに思います。
  44. 川田龍平

    川田龍平君 総理に聞きたいのは、生存権を保障した憲法二十五条に基づく社会保障基本原則を破壊し、国民皆保険が民間保険化するとの批判をどう受け止めますか。
  45. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど私が申し上げましたのは、言わば自分でちゃんと健康管理をして生活習慣病にもならないように努力している人たちに対して、そういう努力を続けていくと何かいいことがあるなというインセンティブとして考えていくのは当然のことだろうと思いますが、言わば医療保険の基本設計として、そもそも病気、疾病にならない人の保険料が安くなっていく、あるいはまた、逆に、疾病が繰り返される方については、民間保険がそうですが、保険料が高くなっていくという、そういう設計にはしていかないというのは、これは当然のことであろうと思います。
  46. 川田龍平

    川田龍平君 この臨床研究の実施に当たっては、次の質問ですが、国際水準の医療技術開発を推進と、総理の答弁に加え、塩崎大臣からは、患者申出療養は基本的に臨床研究として行われると先日の委員会で答弁があったわけですが、そうすると、患者申出療養は、定められた期間内にこの認定倫理審査委員会の審査を受けて行われ、また国際水準、つまりICH―GCPにのっとった臨床研究として行われるということで理解してよろしいかどうか、総理、お願いします。
  47. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) やや細かなことも含まれておりますので私の方から答弁いたしますが、この患者申出療養は実施計画の作成などをまず医療機関に求めるということが基本でありまして、基本的に疾病の治療方法の改善等を目的として計画的に行う臨床研究としてこれは実施されるものだと。この場合には、患者申出療養は、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針、この指針に沿った対応となるわけでございまして、倫理審査委員会による実施計画の審査や参加に当たってのインフォームド・コンセントなど、今お話のございましたICH―GCPに準拠した手続を行うということとなると考えております。
  48. 川田龍平

    川田龍平君 そのようにやっていただかなければ、この患者申出療養における安全性の確保というのはできません。このことについては午後も引き続き大臣と質疑させていただきたいと思いますが。  次に、いわゆる群大病院、群馬大学病院の事件について、難度の高い医療技術の導入プロセスについて検討を進めると本会議で総理に答弁をいただきました。ヨーロッパでは、フランスのほかにも、厚労省が把握していないところで、オランダ、デンマーク、スウェーデンなどにも外科手技の研究に適用する法律があると聞いていますし、またインド、韓国、台湾にもそのような法律があるようです。  検討に当たっては、厚労省がこれまで知っている限られた情報だけで判断をせず、国際的な動向も視野に入れた上で行っていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
  49. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 群馬大学病院における腹腔鏡手術における死亡事故など、大学附属病院等において重大な医療安全管理上の問題が発生したということを踏まえて、私ども、厚労省内に今タスクフォースをつくって、大きな病院に、大学病院を始めとするところに入って検査をしているわけでありますが、厚生労働省としては、この特定機能病院での難度の高い医療技術の導入プロセスなどについて今申し上げたタスクフォースにおいて検討を進めているわけでございまして、その際には、米国やそれからEU各国の規制状況とか国際的な動向をできる限り把握した上で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  50. 川田龍平

    川田龍平君 総理、群大病院事件、それからディオバン事件、さらには病気腎移植であるとか代理母の問題を考えると、薬の臨床試験承認申請目的のものに限らず薬機法で規制する、そのほかの人を対象とする研究は被験者保護法や生命倫理法といった法令で規制するという、こういった国際的にスタンダードであるという制度設計を目指すべきだと、日本もそうするべきだと考えますが、アジア諸国、それからアフリカの諸国においても、治験以外の薬の臨床試験も薬事法制下で実施をされています。  このままでは、日本は医学研究の法制においてガラパゴス化してしまうおそれがあると考えていますが、総理の見解を伺います。総理、いかがでしょうか。
  51. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) やや細かいものですからちょっと私の方から答えますが、御指摘のとおり、欧米においては医薬品それから医療機器において治験と臨床研究は同じ法律の中で規制をされておって、また、その他の人を対象とする研究については国によって法規制を行っている場合もあるというふうに理解をしております。  我が国は、治験は医薬品等を製造、販売しようとする企業がその有効性や安全性を証明するデータを集めるために行うものであるため、医薬品医療機器法において規制をされている一方で、臨床研究は医学的課題を解決するために人を対象に行う医学系研究でその内容も様々なものでございまして、学問の自由への配慮も求められることから、倫理指針による対応をしてまいったところでございます。  法制度の在り方は、歴史や規制に対する考え方などを背景として、それぞれの国でそれぞれの形があるわけでございますが、それぞれの国における適切な判断が必要だというふうに思っておりまして、臨床研究の在り方について、我が国の臨床研究に対する信頼を回復、確保する観点は重要であることは、もう先生からの御指摘が重ねてありますが、そのとおりであって、法制化に向けて今、厚労省の中で検討をしているわけでございまして、その中で規制の枠組みについてしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
  52. 川田龍平

    川田龍平君 この九大、九州大学でかつて行われた人体実験について総理に本会議で質問したところ、九州大学の認定のとおりであったとすれば極めて遺憾と答弁されました。九州大学の当事者の証言も明確にした上で史実として認めているのですから、あったとすればではなく、政府としても認めるべきではないでしょうか。アメリカでは、一九四〇年代に特にグアテマラで行われた人体実験について、二〇一〇年に大統領が政府として謝罪し、国内の臨床試験を含む幅広い被験者保護法制の改革を現在行っていることを御存じでしょうか。  総理はまた、この九州大学の件と現在の臨床研究は全く異なる次元のものと答弁もされましたが、一体どういうことなのか。そういったことを知っているかどうかも含めて説明をください。よろしくお願いします。
  53. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) ややまたいろいろ詳細がございますので私の方から答えたいと思いますが、本事案については、この参議院の厚労委員会で私も五月十二日に答弁をいたしましたが、九州大学が事案発生から長期間たって資料としてまとめたものでございまして、九州大学の認識のとおりであれば極めて遺憾だというふうに思っております。  米国では、グアテマラの事案については多くの倫理上の違反があったとされておりまして、また、厚生労働科学研究班の報告書において、臨床研究の被験者保護に関するルールの改定に向けた検討がなされているとの報告があると承知をしておりまして、御指摘の九州大学の事案、これについては、戦時中に行われたとされる事案であって、現在、倫理指針の下で実施される臨床研究とは比較できないものであることから異なる次元というふうに申し上げたところでございます。  政府としては、今後とも、臨床研究の実施に当たっては、研究者等に対し倫理指針の意義について十分な理解を求めることを通じて被験者保護を徹底してまいりたいというふうに思います。
  54. 川田龍平

    川田龍平君 時間的に最後になりますので総理に聞きたいんですけれども、先日、文科省の調査で、学用患者という会計費目を持っている国立大学病院がまだ十六もあることが分かりました。この第二次世界大戦の関東軍七三一部隊がマルタと呼んだ時代と変わらず、医学発展のための材料として学用患者として扱う風潮がこの国の医学界に依然としてまだあります。そして、その結果、日本は世界の周回遅れの臨床研究研究倫理、さらには医の倫理の状況が放置され、研究と臨床の区別も自覚できずに様々な事件、事故を引き起こし続けていると私は考えています。  この七十年目の節目、戦後七十年の節目に、是非この戦時中の医学界の犯罪について徹底した検証と反省をしていただきたいと思いますが、総理、これ最後の質問ですので、いかがでしょうか。総理、よろしくお願いします。
  55. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問通告が来ておりませんので……
  56. 川田龍平

    川田龍平君 いや、しています。
  57. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、私のところには来ておりませんから、事前に私もつまびらかに承知をしておりません。  その上で、今、九大における事象について大臣が答弁したわけでございますが、政府としては、今後とも、臨床研究の実施に当たっては、研究者等に対し倫理指針の意義について十分な理解を求めるなど、被験者保護を徹底していく考えでございます。
  58. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 川田龍平君、時間ですので、おまとめください。
  59. 川田龍平

    川田龍平君 はい。  総理は今回の質疑に関して、やっぱり是非、この患者申出療養もそうですし、機能性表示食品についても総理がやるということで始まっている制度ですけれども、これも大変不十分な検討のままこういった制度自体が進んでしまって、六月から発売される機能性表示食品についても安全性の確保が疑わしい商品が販売されかねない状況になっております。  質問の時間がなくなってしまいましたのでまとめますが、本当にアメリカでもこういった事例によって健康被害、死亡事例も起きて、こういった成長率に寄与するという制度が、結果として成長率も急激に落ち込んでいるという二十年前の事件があったわけです。そういった反省を踏まえた上でやっているならまだしも、こういった安全性や、そしてしっかりとした有効性も審査されないままこういった制度だけが先走ってしまう、そのことを大変危機感を持っております。そして、日本の国民皆保険制度がこの患者申出療養によってないがしろに、この混合診療の全面解禁によって……
  60. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 川田委員、恐縮ですが、おまとめください。
  61. 川田龍平

    川田龍平君 この国民皆保険制度がなくなるようなことに絶対にならないように、総理に患者としてしっかり訴えて、最後、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  62. 小池晃

    小池晃君 日本共産党小池晃です。  この法案の背景にある社会保障に対する基本認識、総理に伺いたいというふうに思います。  今後の社会保障費の自然増について、財務省は、今後は高齢化による伸び相当の範囲内にするということで毎年五千億円に抑制するとしております。  総理は、昨年六月のこの委員会での私の質問で、かつて小泉内閣が行った社会保障削減路線については、社会保障費の伸びに機械的にキャップを掛けて抑制するという手法には副作用として様々な問題が発生した、安倍内閣としては単純に社会保障費の伸びを抑えるためのキャップを掛けるということはいたしませんと答弁をされています。  総理にお聞きしますが、今議論されている社会保障費の増加を五千億円という範囲内に抑制する、これはまさに社会保障費にキャップ、シーリングを掛けるということになるのではありませんか。
  63. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障関係費の伸びについては、過去三年間、経済雇用情勢の改善等の効果制度改革の効果が相まって、消費税増収分を活用した社会保障の充実等を除き、平均〇・五兆円、五千億円程度と、高齢化による伸び相当の範囲内となっています。これは、それにキャップを掛けて抑えたのではなくて、様々な改革成果等々、経済が良くなっている結果等々も踏まえてこうなっているということでございます。  今後、団塊の世代が後期高齢者になり始める二〇二〇年初頭までに受益と負担の均衡の取れた社会保障制度を構築する必要があります。このため、引き続き、社会保障費の削減額を機械的に定めるやり方ではなく、国民皆保険を維持するための制度改革に取り組み、経済再生に向けた取組と併せ、社会保障制度を持続可能なものとする努力を続けていく必要があると考えております。
  64. 小池晃

    小池晃君 私が聞いているのは、財務省が今言っている主張なんですよ。五千億円、この範囲内に抑えるというふうに言うわけじゃないですか。高齢化の伸びの範囲は五千億円だから、そこに抑えると言っているわけではありませんか。改革積み上げて達成するというんじゃなくて、毎年五千億円というこの枠組みで抑制するということは、まさに総理がこの委員会で昨年否定をされたキャップを掛けて抑制するという手法ではないんですかというふうに聞いているんです。お答えください。
  65. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、今後の社会保障費の伸びの在り方については、現在、財政健全化計画の策定に向けて検討している最中であります。具体的なことは申し上げませんが、いずれにせよ、社会保障費の削減額を機械的に決めるやり方ではなく、国民皆保険を維持するための制度改革に取り組み、経済再生に向けた取組と併せて、社会保障制度を持続可能なものとする努力を続けていくという考え方で取り組む必要があると思います。  ですから、繰り返しになりますが、小泉政権のときに、伸びを例えば毎年毎年二千二百億ですか、伸びを二千二百億円カットする、これ五年間やっていきますよ、まあ五年間できなかったんですが、という手法は取らずに、しっかりとサービスは維持しながら、しかし効率化は徹底していく、無駄を徹底的に省いていく、そしてそれをまた更に制度的な改革を行っていくことによって、我々は大体こうした範囲内に収めていくことも、これは額ありきではなくて、そしてそういうことによって削減をしていきたいと、適正化していきたいと、こう考えているところでございます。
  66. 小池晃

    小池晃君 私には今の説明では違いが全く分かりません。  先ほど、制度改革の効果が相まってこの三年間五千億になっているという話があったのでちょっと聞きたいんですが、厚労省に聞きますが、大臣、過去三年間、社会保障費の伸びは年間五千億円と言っているんですが、過去三年間の概算要求段階での自然増の見込みはどうだったんですか。
  67. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今総理から結果として五千億ぐらいの増で来たということでありますが、今御質問の自然増の見通しはどうだったのかということでございますが、過去三年間見ますと、概算要求時点で社会保障関係費の自然増として政府全体で平成二十五年度は八千四百億円、平成二十六年度は九千九百億円、平成二十七年度は八千三百億円というふうに予想をしておったものでございます。
  68. 小池晃

    小池晃君 これがやっぱり妥当な線なんですよ。内閣府の甘利大臣も記者会見で、社会保障の自然増は八千億から一兆円が相場だと。実際にこの三年間の概算要求、そのとおりになっているわけですね。しかし、これまで三年間も、結果として、制度改革の効果が相まってというけど、五千億円に抑制してきたわけですよ。これが実態なんですよ。  これをこれからも五千億円に抑え込むということになれば、総理は先ほど小泉内閣の二千二百億とは違うと言ったけれども、もっとすごいですよ、これ。三千億から五千億の自然増の抑制をこれまでもやってきたし、これからもやっていくということになるではありませんか。違うというのであれば、きちっと説明してください。
  69. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) では、きちっと説明させていただきたいと思いますが、この自然増を八千三百億と見込んでおりました。しかし、私たちが進めた経済政策によって経済が良くなった、その結果、経済雇用情勢の改善等を反映した生活保護費、雇用関係費が減ったんですね。これ、二千五百億円減りました。これ、二千五百億円減ったわけでありまして、これはあらかじめ減ったんじゃなくて、経済環境が良くなったからこれは減ったということであります。のほか、また、介護報酬の改定を行いまして適正化をしたわけでありまして、そうした制度改革等を行った結果千七百億円出てきたということでありまして、その結果四千二百億円の増となったと、こういうことではないかと思います。
  70. 小池晃

    小池晃君 介護報酬の削減は、削減じゃないですか。自然増の抑制ではありませんか。今言ったのは一年分だけですよ。その前、二年間はどうだったんですか、景気良かったんですか。結局、この間やっていることは、もう八千億円あるいは一兆円近い自然増を五千億円に抑えるということをやってきたから、日本の社会保障は今大変なことになっているわけですよ。それをこれから更に五千億でずっとやっていくということになれば、私は本当に大変なことになると思いますよ、これから。  しかも、財務省は、高齢化による伸びは認めるけれどもそれ以外は認めないとかと言っているんだけど、こんなの区別できるはずがないんですよ。結局、自然増の中には医療技術の高度化の部分もありますから、そこは抑制するというふうに言うんだけれども、一〇〇%切るなんということはできないわけで、そうなれば結局高齢化の部分だって切り込んでいくことになるということは明らかだと思いますから、私はこんなやり方はきっぱりやめるべきだと申し上げたいと思います。  そして、総理、社会保障のために消費税を増税するというふうに言いながら、結局、増税した途端に、今日も経済財政諮問会議これからあるようですが、社会保障歳出抑制路線がもうたがが外れて出てきていると。こういうだまし討ちのようなやり方で国民は納得すると思いますか。お答えいただきたい。
  71. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど来答弁しておりますように、世界に冠たるこの社会保障制度、国民皆保険制度、こうしたものを次の世代にしっかりと引き渡していくために消費税を引き上げたわけでありまして、そして、消費税引上げによって、平成二十六年度予算において国民皆保険における低所得者の保険料軽減の拡充や、あるいは難病対策の充実などを実施しています。さらに、平成二十七年度予算では、子ども・子育て支援新制度の予定どおりの施行、国民皆保険を堅持するための国保の財政基盤の強化、認知症施策などを実施することとしているわけでございます。同時に、給付と負担のバランスの取れた持続可能な制度としていくためには、負担能力に応じて公平に負担いただくこととともに、必要な給付が適切に行われるように、制度の重点化、効率化といった不断の改革を進めていくことが重要と考えます。  保険料や税を負担し、社会保障制度を支え守っていくのは全て国民であり、改革の推進に当たり国民の皆様に理解をいただくことは欠かせないと、このように考えております。
  72. 小池晃

    小池晃君 私の質問に全く答えていないですよ。  社会保障のために消費税を増税した、国民は、消費税増税された分は社会保障が良くなるんだろうなと普通は理解しますよ。ところが、今いろいろとおっしゃったけど、これやった、あれやったと言うけれども、昨年度でいうと五兆円の増税分のうち社会保障の拡充に回ったのは五千億円ですよ、一割ですよ。それから、今年度でいうと八兆二千億円の増税になりましたけれども、拡充に回ったのは一兆三千五百億円ですよ。ほとんどそれ以外は拡充になっていないわけですよ。  総理、消費税増税した分が社会保障の拡充に全部回れば、私は、これは国民は、消費税の分が、これで社会保障良くなったと実感できると思うけど、違うじゃありませんか。例えば赤字国債の解消、あるいは今まで別の財源で社会保障をやっていたものを、これを消費税で賄ったと言ったらば、これは結局、その部分の財源はこれは社会保障以外に回るわけですよ。大企業の減税に回るかもしれない、あるいは軍事費に回るかもしれない、公共事業費に回るかもしれない。社会保障が充実するわけじゃないじゃないですか。これで国民が納得すると思いますかと私は総理に聞いているんです。総理、お答えください。
  73. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税の増収分は、当然、全額社会保障費に充当しています。これは何回も言っているとおりでございますが。  じゃ、例えば二十七年度消費税増収分の内訳でありますが、これは八・二兆円でございます、増収額計。このうち、まず三兆円は基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げであります。そして次に、先ほどるる申し上げました社会保障の充実、子ども・子育て支援の充実や医療、介護の充実や年金制度の改善であります、これは一・三五兆円。そして、消費税引上げに伴う社会保障費四経費の増、これに〇・三五兆円掛かります。これは、診療報酬や介護報酬、年金、子育て支援等々、物価上昇に伴う増であります。そして、もう一つは後代への負担の付け回しの軽減であります。高齢化等に伴う自然増を含む安定財源が確保できない既存の社会保障費でありますが、これは三・四兆円、これを足し込んでいくと八・二兆円になっていくということでございます。
  74. 小池晃

    小池晃君 いや、それは私、分かって聞いているんですよ。今、前段で言ったじゃないですか。いろいろと言うけれども、その分は別の財源でやっていたんだから、そこに消費税入れたと言ったって、その財源は今度は別に使われるということになれば消費税増税が社会保障の充実になっていないでしょうと。これについては全く答えられないということですよ、やっぱり。  結局、建前すら投げ捨てて、そしてさらにこれからもっと大規模に社会保障を削減する、こんなこと、やっぱり私は絶対許せないと。今度の法案はそのやっぱり第一歩になるというふうに言わざるを得ないと思います。  安倍政権は、社会保障の削減には非常に熱心なんですが、一方で、医療を成長産業に位置付けるということにも大変熱心であります。しかし、これは一体何を目指すものか。健康医療戦略というのを掲げておられますが、内閣府に聞きますが、この健康医療戦略室の、民間から十二名参加をしている、この前職、簡潔にお答えください。
  75. 中垣英明

    政府参考人(中垣英明君) お答えいたします。  内閣官房健康医療戦略室、私どもの部屋に常駐する職員につきましては、民間企業、大学等から専門的な知見を持った者を任用しているところでございます。  御指摘の十二名の前職でございますが、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、大日本住友製薬株式会社、第一三共株式会社、富士フイルム株式会社株式会社東芝より二名、アステラ製薬株式会社株式会社日立製作所、テルモ株式会社国立研究開発法人理化学研究所、慶應義塾大学、国立大学法人東京工業大学となっております。  以上でございます。
  76. 小池晃

    小池晃君 保険会社製薬企業、医療機器メーカーばっかりじゃないですか。  総理、このメンバーでバランスの取れた議論ができると思いますか。総理、総理ですよ、これは。
  77. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) それぞれ見識を持った方々にお集まりをいただいたと、このように思っております。  そしてまた、言わば創薬について、もちろん、いいお薬ができて、そのお薬が廉価に安定的に患者さんの手に届くということも重要でありますが、当然創薬の分野においてもしっかりとした成長産業として成長していきながら国際社会の競争に打ち勝って、国内にしっかりとそうした創薬メーカーが存在するということも私は重要ではないかと、そういう観点から見識を持った方々にもお集まりをいただいているということではないかと思います。
  78. 小池晃

    小池晃君 私は、製薬企業の人が一人も入っちゃいけないとは言いませんよ。しかし、十二名のうち、ほとんど全てじゃないですか、そういうメーカーが。医師団体からも病院団体からも一人も入っていない。見識のある人というのは製薬企業とか医療機器メーカーにしかいないんですか。私は、もっと医療健康戦略というのを立てるのであればバランスの取れた人材でやるべきだと思うし、こんなことでやったら、結局、この健康医療戦略というのがこうした企業の収益拡大の場を提供するための戦略だというふうに言われても仕方ないんじゃないですか。
  79. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 安倍内閣総理大臣、時間でございますので、簡潔に答弁をお願いします。
  80. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) じゃ、簡潔に。  これは単に製薬メーカー等々だけではなくて、アカデミックな世界の方々からも入っていただいておりましてバランスが取れていると、このように思います。
  81. 小池晃

    小池晃君 一言。  こういうやり方では私は許されないということを申し上げます。  終わります。
  82. 山田太郎

    ○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。  今日は、持続可能な医療制度ということなんですが、患者申出療養制度から行きたいと思います。  ちょっとこれに関しては、全体の制度設計の話の中で一つだけ奇異な感じもします。逆に言うと、私はこれ交ぜて議論するよりも別個にやるべきだったかなというふうにも思うんですが、ただ、これについては非常に重要な今後の実は混合診療どうなっていくのかということが含まれると思いますので、その辺りを集中して聞いていきたいと思います。  混合診療に関しては、昨年の春、四月十六日、二〇一四年の四月十六日ですね、安倍総理が官邸で、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で、保険外診療と保険診療を併用する混合診療の大幅な拡大を検討するようにと関係閣僚に指示したとなっています。とうとう安倍総理の方、規制緩和に取り組む覚悟を決めたんだなと、こういう意気込みを感じたわけであります。  大変、個人的な話に踏み込むのもいけないのかもしれませんが、総理もつらい闘病を経て内閣に戻ってきたと、相当意気込みがこの辺りはあるんではないかな、そういった思いで、肝煎りでまさに患者申出療養制度を考えられたと思うんですが、最終的にはこれは保険収載を目指すという形になっています。  では、これはそもそも、その当時、スタートした時点、安倍総理が考えたものと違うものになってしまったのか、そうではないのか、まずその辺りからお聞かせください。
  83. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 患者申出療養制度は、規制改革会議からの選択療養の提案も踏まえまして更なる検討を加えた結果、困難な病気と闘う患者の申出を起点とする、国が安全性、有効性を確認する、将来的な保険収載を目指すという点を付加又は明確化して創設することとしたものであります。  これは、患者申出療養は、世界に冠たる国民皆保険を堅持しつつ、困難な病気と闘う患者の方々の未承認薬等を迅速に使用したいという思いに応えるものであります。  今、後段、私が申し上げたことが私の考えの原点でございますが、その中におきまして、前半に申し上げましたような形で制度設計されてきたと、こういうことでございます。
  84. 山田太郎

    ○山田太郎君 それでは、今後、まさに混合診療の検討は一切しないのか、別の形でもって混合診療の道を切り開いていくのか、その辺りは総理はどう考えていらっしゃいますでしょうか。
  85. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今回、患者申出療養を導入する際にも、基本は皆保険を堅持をするということが安倍内閣としての基本線でございまして、いわゆる混合診療を解禁するというような考え方は持っていないところでございます。
  86. 山田太郎

    ○山田太郎君 今回、私自身は、この患者申出の制度というのは大変考えられた、ある意味でいい制度だなと、こういうふうにも見ていたわけであります。  ただ、最終的に保険収載という形になりますと、実は有効性、安全性というものも確かに今の議論であるんですが、普及性という問題もあるわけであります。例えば患者申出療養制度で、最終的に保険収載の際、普及性が認められなくて収載されないものは、結局は全部自由診療という形でしか行われなくなってしまうわけなんですね。  ただ、類いまれなるような例えば難病であったりとか、そういう病気に苦しむ方々がいらっしゃいます。今日もこの問題について、安全性、それから有効性ということは、厚労委員会ですから専門の先生方も多いということで議論になりましたが、一方で、そういう方々に対する今後の救済の措置、そういったときに、仮に普及性が欠けるとしても、私は、保険収載にならなくても、保険適用の道を断つんではなくて、違った形での混合診療の道ということも一つ検討にあってもいいんではないかなと、こういうふうにも思うわけであります。  保険収載がもうされないというふうに決まってしまうと、それだけで、実際、患者申出制度によって最初スタートしたものが結局は完全自由診療の形になってしまう、ちょっとこれでは最初の何か趣旨と違うのではないかなと、こういうふうに思うわけでありますが、特にこの辺りいかがなんでしょうか。
  87. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 先生のお気持ちは、前々からそういうことをお聞きをしているわけでありますけれども、今回の患者申出療養につきましては、あくまでも保険適用をすることが前提で、広く国民が医療保険制度の中で先進医療を受けられるようにするというのが基本でございます。  だからこそ、臨床研究中核病院においてこの計画を作ってもらって、そして六週間、初めてのことでも六週間というようになっていますけれども、しかし、安全性とか有効性とか、そういう問題にぶち当たるときは、やはり必ずしも期間にとらわれないで、議論した上で、患者申出療養としてしっかりとやれるようにするということでございます。  それは、保険収載に向けてのロードマップをきっちりと作って、それがどうも実現できないということであれば、これは先ほど総理からも答弁申し上げましたけれども、この制度からは除外をするという可能性になってくるわけであります。  しかし、今先生、それで、じゃ、残された道として保険収載されていないものしかないじゃないかという問題については、それはまた別途議論をしなければいけないというふうに思っておりまして、今回のこの制度においてはやはり保険収載を前提として、あくまでも皆保険の下で新たな制度として未承認の薬などが使えるように、患者の思いに言ってみれば心を添えていこうということだと思います。
  88. 山田太郎

    ○山田太郎君 ちょっと論点が違う感じもするのでありますが。  要は、今回、患者申出制度によってクイックに認められたものに関しては滑り込みで、いわゆる保険の適用部分も残りながら自由診療の部分もあるという組合せになると思うんですが、それでは保険収載にならないと言っちゃった瞬間に、今度は、それでもその道しかないという人たちはもう間に合わないというか、滑り込んだ人はそれの適用になって、滑り込めなかった、その後決定されちゃったものについては完全自由診療になっちゃうわけですよね。これは医療の公平性という問題にも大きな問題を残すというふうに私は思っているわけであります。  そうなったときに、確かに安全性、有効性の問題は残るのは分かりますが、仮に安全性、有効性が認められ、ただ、保険収載というのは必ずしも安全性、有効性だけではないと。いわゆる普及性という問題もあるんだから、それで例えば収載されない場合に、実際に併用してできるという期間を延ばしたり、その他のことを考えられないのかどうか、この辺りを聞いているんですが、いかがですか。
  89. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど大臣が説明させていただいたものは、言わば保険収載を目指して患者申出の療養制の中で投薬を例えばしていく上において、例えばほとんどの、効果が全く認められないということになれば、これは保険収載への道ということは無理ですねということになってくるわけでありまして、それであれば、例えば患者さんについても、使っていても実際に効果がないということになっていくんだろうと。ですから、それはもうこの道から外れていくのは当然のことなんだろうと、こう思うわけであります。  あと、後段言っておられた言わば希少薬、いわゆるオーファンドラッグと言われている薬等につきましては、希少薬については希少薬の仕組みの中で考えていくべき問題ではないかと、このように思います。
  90. 山田太郎

    ○山田太郎君 ちょっとこればかりやると時間なくなりますので、もう一つ関連して、重要なことをもう一つ議論しておきたいんですが。  全て保険収載にならないと、自由診療部分がどんどん大きくなっていって日本の皆保険制度は壊れていくんだ、こんなような議論があるんですが、それは本当なのかどうかというところも、特に総理に、その辺りのお考えですよね。そもそもは、総理自身は、いわゆる混合診療の大幅な拡大ということを認めようということで話をスタートしたわけでありますが、その間いろんな国民的な議論を聞いて、確かに混合診療というのは皆保険制度を壊すものだというふうに認識に至ったのか、いやいや、そうじゃないのか。その辺りは、今後、多分この問題はずっと続くことになるというふうに思いますので、是非総理の御見解いただきたいんですが、いかがでしょうか。
  91. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど塩崎大臣から答弁させていただきましたように、いわゆる混合診療は取らないということについては、政府の立場として申し上げさせていただいているわけでございます。  しかし、その中におきまして、既に先進医療等におきまして保険と併用する形においての治療が可能にはなっているわけであります。私たちはあくまでも患者さん本位に考えながら、患者さんが様々な病気に苦しむ中において、新しい薬を使ってみたい、あるいは新しい技法で治療をしたいという中において、まだ保険に収載されていないという中において、様々なこれは対応があるということで今まで種々の制度をつくってきたわけでございますが、今回は患者の申出を起点とするという新しい制度をつくったと、こういうことであります。
  92. 山田太郎

    ○山田太郎君 私は、もちろん医療安全性、それから有効性、大事なことだと思いますが、わらをもすがる思いで、それしか選択がない人がいて、その人がそういったものを使ったときに、全てだからといって保険適用にならないので、自由診療になって全くの負担がなくなってしまうということ自身も、本当にそれでいいのかなという問題提起は別の立場からあるというふうに思っております。  最後の質問に移りたいと思いますが、持続可能な医療保険制度ということですが、実は持続可能な医療機関というふうにもしなきゃいけないわけでありまして、控除外消費税についてもちょっとだけお伺いしたいというふうに思っています。  御案内だと思いますけれども、医療消費税適用外と言っていますが、実際は消費税の負担は医療点数にいわゆる加味されているということですが、実際の診療報酬では賄い切れていない、こういう現状があるということで、各医療機関からも、これではほとんど利益がなくて大変だということを指摘されています。  今回、消費税を上げるというような議論がされているわけですけれども、この問題、全くけりが付いていません。厚労省、それから財務省、立場がそれぞれあると思うんですが、控除外消費税分については還付を受ける仕組みに今後していくのか、あるいは保険点数としてより透明化するのか、この辺りは厚労省にお伺いしたいと思っております。  それから、今日、財務省、政務官も来ていただいていますので、この控除外消費税の問題を財務省はいつまで放置するのかと。税の適正化といった問題をこのまま私は放置できないというように思っておりますし、医療機関が維持困難になれば制度も維持できないわけでありますから、是非この辺り、財務省としてもしっかり考えていただきたいと思います。  あるいは、厚労、財務はいろんな利害関係者がいますので、この問題、もしかしたらいろんな関係大臣さんいるので、総理のイニシアチブがなければ前に進まないかもしれません。最後に総理にも見解をお聞きしたいと思います。  それぞれよろしくお願いします。
  93. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 消費税が非課税とされております社会保険診療においては、医療機関医薬品等を仕入れる際に支払う消費税分がこれまでは診療報酬で手当てをされてまいりました。  医療に係る消費税の在り方につきましては、医療界から、医療機関等の消費税問題の抜本的解決を図ることという御要望があることは我々もよく承知をしているわけでありますけれども、昨年末の与党税制改正大綱では、医療に係る消費税等の税制の在り方について、抜本的な解決に向けて、個々の診療報酬項目に含まれる仕入れ税額相当額分を見える化することなどにより実態の正確な把握を行いつつ、税制上の措置については、医療保険制度における手当ての在り方の検討等と併せて、関係者の意見も踏まえ、総合的に検討し結論を得るということになっています。  いずれにしても、税制抜本改革法において医療に係る課税の在り方については引き続き検討するということになっておりまして、引き続いて、状況を踏まえながら検討をしっかりとしていかなければならないというふうに考えております。
  94. 竹谷とし子

    ○大臣政務官(竹谷とし子君) お答え申し上げます。  社会保険診療を現在の非課税から課税に転換をして、医療行為消費税を課するということにつきましては、いろいろな論点があると考えております。医療行為への課税について国民の理解を得られるかということ、また、仮に軽減税率あるいはいわゆるゼロ税率とする場合に、新たに仕入れに係る税額等の控除が可能となることによって生じる税収減によって十分な社会保障財源を確保できるのかどうかということ、また、小規模の診療所等が免税事業者が多いという実態がございます。課税化によって申告する必要が生じて事務負担が増加する等の問題があると考えております。  こうした課税の在り方につきまして様々な論点が生じておりますため、今後も、平成二十七年度与党税制改正大綱で示された方針また与党の議論を踏まえつつ検討してまいりたいと思っております。
  95. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 安倍内閣総理大臣、時間でございますので、手短にお願いします。
  96. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。  先ほど大臣からも答弁をさせていただきましたが、税制抜本改革法において医療に係る課税の在り方については引き続き検討していくということでございまして、ただいま与党で議論をしているところでございますので、それを見守っていきたいと、このように思っております。
  97. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願い申し上げます。  私は、この患者申出療養、もう何度も何度も大臣にもお尋ねしているところでございますけれども、今日もこれだけ取り上げられるということはどれだけ問題が山積した制度設計であったかということの証明であるとも思います。  まず総理にお伺いしたいのは、厚労省の分析によりますと、近年の医療費の伸びは高齢化で一・五%前後、医療の高度化で一%から二%前後の伸び率だと分析がなされております。持続可能な医療保険制度を確立するためには、高齢化の対策と同時に医療の高度化に対する医療費の伸びについても論じていかなければならないんじゃないんでしょうか。  皆様方の手元に資料も準備をさせていただきました。これは厚労省で審議会に提出された資料でございます。医療の高度化の例、見ていただきましても、関節リウマチにおきましては、メトトレキサート、年に十万でよかったものが、効果が上がったもの、エタネルセプトというものを使ったその途端に年に百万から二百万の負担と。大きな負担がこの保険というものにも掛かってくることはこれからますます起こってくる事態だと考えられます。  このように、新薬、大変効果があるものでも大変高い。皆保険制度を維持するためにも公的保険でこの全てをカバーしていくのか、どの辺りまでカバーすべきなのかということも議論が必要かと思いますけれども、御意見をいただけますでしょうか。
  98. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国においては、国民皆保険の理念の下、必要かつ適切な医療基本的に保険適用とすることとしております。少子高齢化が進展する中、給付と負担のバランスの取れた持続可能な医療保険制度としていくため、重点化、効率化に取り組み、医療費の適正化を進めることは重要な課題でありまして、引き続き、予防、健康づくりの推進、後発医薬品の使用促進等により医療費適正化に取り組んでまいりたいと思います。  また、医薬品医療機器等の診療報酬上の評価に当たって、費用対効果の観点を平成二十八年度に試行的に導入することを目指しておりまして、中央社会保険医療協議会において議論を進めていく考えでございます。
  99. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  多くの患者様方、やっぱり高いお薬がなかなか保険収載されなくなってしまって、結局お金がある方だけがいい治療が受けられるんじゃないかというようなことも危惧をなさっていらっしゃいます。しっかりと、今御説明いただきましたように、費用対効果を判定した上で有効なものは保険収載をしていただき、多くの皆様方、使っていただけるような制度としていただきたいと私からはお願いをしていきたいと思っております。  ところで、今回、この患者申出療養制度、大きな鍵の掛け違いというものが最初からございました。  資料二を御覧いただきたいと思います。この日本再興戦略二〇一四では、医療産業競争力強化の要請により適切に対応するための施策として患者申出療養制度というものが創設するとなされておりました。この資料にもございます、健康産業の活性化と質の高いヘルスケアサービスの提供、効率的で質の高いサービス提供体制の確立、保険給付対象範囲の整理等により、社会保障制度の持続可能性の確立と健康産業の活性化を図る、こういう言葉の下に患者申出療養というものが書かれている。これでは患者申出療養というものが医療産業の成長、ひいては日本の経済の成長に資する、それだけのために存在するのではないかということもその危険性として見受けられます。  この辺り御説明をいただきたいと思います。本当に日本の経済の成長に今回の患者申出療養制度というものが寄与するものなんでしょうか。
  100. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この制度は、基本はまさに、患者申出療養というのは困難な病気と闘う患者の皆さんの要望に応えるわけであります。同時に、先進的な医療の開発を促進するという点において、成長分野としての我が国の医療イノベーションにも資すると、こう考えております。言わば多くの患者さんたちがこの申出制度によって、患者さんの申出を起点として、もちろん安全性については国がしっかりと責任を持っていくということになっているわけでありますが、こうした様々な先進的な医療にアクセスしやすくなっていくということになれば、言わばそうしたお薬等を作っている創薬メーカーにおいても、そうしたものをこれからも研究をしながら市場に出していこうというインセンティブにもつながっていくんだろう、しかも、それは保険収載にもつながっていくということでありますから、そういうインセンティブには十分に私はなり得るのではないかと、このように思います。
  101. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  そういうインセンティブが働けばよろしいんですけれども、結局、マーケットとして日本が成り立つという判断をしたときには製薬会社は治験に回すんですね。治験でしっかりとしたデータを取って、保険収載を目指していく。でも、それに載らなかったものが今回の対象となって、特に希少疾患の皆様方などにとっては、マーケットとして日本が成り立たないために手に入らない。だとすると、そういう皆様方に対してこのような治療を提供する、機会を提供するということは私は大賛成でございます。しかし、それがひいては日本の経済の成長に資すると言った途端にかなりの方々がアレルギー反応を起こされることだけは重々御承知いただきたいと思います。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  そのアレルギー反応の一端といたしまして、私、ちょっと気になる記事を拝見をいたしました。十九日の経済財政諮問会議におきまして、民間委員が医療・介護分野の産業化促進を提言したことにつきまして、大臣は五月二十二日の記者会見で、医療や介護などの産業化を進むべしと。もう一つは、インセンティブを付与して予防などしっかりやるようにといったような話があったというような記事を拝見したところでございます。  資料三に準備をさせていただきましたものは、その際に大臣が経済財政諮問会議に提出されたその一部でございます。このような三本の柱から成る政策パッケージで社会保障制度、今後、方向性を打ち出していこう、具体策をこの二十六日、本日お示しになるはずでございますけれども。  この医療や介護などの産業化を進むべし。またこれ、大きなアレルギーが起こりかねない言葉でもございます。私どもにとりまして、医療の本体というものはビジネスであってはならないと思っております。我々医師というのは医は仁術として教えられてまいりました。しっかりとその周辺産業を育てて医療を支えていただく分には構いませんけれども、このような言葉を使っていただきますと、医療市場原理の中に放り込んでしまうんじゃないかということで、更に危惧される方もいらっしゃると思いますけれども、この言葉の真意を御説明いただきたいと思います。
  102. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りをいただいた諮問会議で私の方から配付をした資料には産業化という言葉はたしかないはずでございます。  五月十九日の経済財政諮問会議では、社会保障政策の大きな方向性として経済再生と財政健全化を両立をさせるという、新たな社会保障政策について御説明をいただく中で、その具体的な施策として医療、介護の産業化の取組を言ってみれば提示をさせていただいた格好になったというふうに思います。  一方で、患者申出、それは、特に私どもが意識しているのは、例えば介護ロボットであったり、それからデータヘルス、情報分析であったり、それから、医薬品医療機器再生医療などの言ってみればイノベーション、こういったものについて私はあり得る産業化ということを申し上げているだけで、医療、介護そのものを産業化するというようなことを言っているつもりは全くございませんで、もちろん患者申出療養も、先ほど来総理から答弁申し上げているように、やっぱり困難な病気と闘う患者の皆さん方の思いに心を寄せて、何が可能かという中で出てきた皆保険制度の中での一つの可能性ということでやらせていただいているというふうに思っております。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
  103. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  それで胸をなで下ろされた方々も多いのではないかと思いますが、今まで、私はまだまだ患者申出療養制度、大きな問題が残っていると思います。足立議員の議論でも様々なお答えございましたけれども、どうも腑に落ちないことがあるんです。  日本版コンパッショネートユースというものがこれから制度化されようとしていることは私も調べて分かっております。基準から外れた患者様方でも人道的見地から治験への参加を可能にする、いわゆるルール・オブ・レスキュー、救助原則というものが世界では当たり前のように行われている。それを今後日本でも持ち込み、そして治験においてそれをトライアルしようじゃないかというところです。しかし、日本では医療品として販売承認されるその大部分が保険収載されるシステムというものです。しかし、海外では医薬品としての販売承認と保険収載というものを分けて二段階の審査を得るというようなシステムを持っている国々もございます。システムも違います。  実は、この日本版コンパッショネートユース、今聞いておりましても、その患者様、いち早く救い出す、特に治療法が今までないと言われたような方々に使って、その治験薬というものを、規格から外れた方でも何とかその治験薬を手に入れることができるようにする。私は、今回の患者申出療養制度というのはこの日本版コンパッショネートユースの一類型ではないかと思っております。実は、この制度というものが提案がなされたのが二〇〇七年、人道的見地から治験への参加を可能にすると、この一文だけでも、まだまだ八年経過がたっても、その成果がようやく今年出ようか出まいかというところなんです。  結局、このように、医療の文化をつくっていく、倫理観をつくっていくということは、それだけ長い時間を掛けなければできない話なんです。しかし、今回の患者申出療養制度というのは、規制改革会議からぽんと提案が出た途端に、まあハイウェイ構想ではないですけれども、途端にこういった制度になされてしまう。これは私、これからのこの財政諮問会議におきましても、大変、今の大臣の説明にもございましたけれども、産業化というものが別の方向で考えられるとしても、この流れというものは注視していかなければならないと考えております。  今回行われております経済財政諮問会議におきまして、経済再生と財政健全化を両立する計画の策定に向けての議論、今後どのような過程において医療、介護などの具体策として落とし込んでいかれるつもりなのか、総理、御意見をいただきたいと思います。
  104. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、経済再生と財政健全化の両立を目指し、本年六月末頃までに取りまとめる骨太方針二〇一五の中で二〇二〇年度の財政健全化目標を達成するための計画を策定することとしております。  五月十九日の経済財政諮問会議では、経済・財政一体改革に向けて重点的に取り組むべき各分野の論点について民間議員に整理いただき、医療、介護については、医療データの利用環境を前倒しで整備することなどによる社会保障サービス産業化促進、疾病予防等について保険者と被保険者双方が自ら努力することを促すインセンティブを強化する仕組みづくりなどの改革の基本方針の考え方をお示しいただきました。  本日夕方の経済財政諮問会議には塩崎厚生労働大臣にも参加をいただく予定でありますが、今後、この基本方針も踏まえて、引き続き、骨太方針二〇一五の策定に向け精力的な審議を行うこととしております。
  105. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今回の患者申出療養制度にありますように、産業界からの要請で制度をつくっていくということになってしまいますと、また多くの患者様、そして医療界の皆様方から反論が噴出いたします。まず制度化する前にコンセンサスを取り、そして、どのような制度が一番適切なのかということをしっかりと多くのステークホルダーの皆様方から意見を聞かれた上で制度設計をしていただくようにお願いをしたいと、私からは再度強く申し上げさせていただきたいと思います。  あと、もう時間もございませんので、お願いに代えさせていただきたいと思います。  総理も大変今回はいい仕事ということ、私から大変恐縮でございますけれども、申し訳ございません、もう本当に、このような制度がある中で、生産年齢人口におきましてもだんだん減っていく、その生産年齢において、データヘルス計画と健康経営というものを両輪としていただくためにも、健康経営銘柄というものも今回定めていただいた。これ、本当に私、喜ばしいことだと思っております。  企業にはなかなかメリットが見付からない中で、保険者機能の強化だけではなく、さらに企業に対して強く健康というものにも注力していただくよう、これからも総理の方がどうぞいろんなところで講演をしていただけると私は有り難いかなと思っております。  最後に、もう時間もございませんので、国民皆保険制度というのは、医療者、特に医師と看護師の命を削って成り立っているものだということは、どうぞ総理も大臣ももう一度認識をしていただきました上で制度設計お願いをしたいと思っております。  私からは以上です。ありがとうございました。     ─────────────
  106. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山田太郎君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君が選任されました。     ─────────────
  107. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  総理、患者申出療養制度を成長戦略と位置付けていますか。
  108. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 患者申出療養は、先進的な医療について、患者の申出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであり、困難な病気と闘う患者の思いに応えると同時に、成長分野としての我が国の医療イノベーションにも資するものであると考えております。
  109. 福島みずほ

    福島みずほ君 成長戦略と位置付けてスタートしたこの制度、問題だと思います。所得の高い低いにかかわらずひとしく医療サービスを享受できるということがやっぱりこれで壊れていく、つまり、イノベーションあるいは成長戦略と位置付けたところからスタートが間違っているというふうに思います。  総理は、今日も度々、難病の患者の皆さんや患者の皆さんのとおっしゃいました。しかし、参考人は、難病・疾病団体協議会の会長さんは、保険収載のめどが立たず、結果として患者負担が増大すると反対の意思を表明されています。このことをどう受け止められますか。
  110. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの制度は、患者の皆さんの先進医療を受けたいという申出を起点といたしまして、安全性において国がしっかりと責任を持つ中において、保険と言わば自由診療の併用において患者さんの負担も軽減をしていくと。同時に、そうした形で新たな先進的な医療へのアクセスが広がることによって、製薬メーカーを含め医療の提供側においても更にイノベーションを進め新しいものをつくっていこうと、こういうインセンティブが働いていくんではないかと、こう考えるところでございます。  患者の皆様方、患者団体の皆様方に対しましては、さらに今後ともしっかりと丁寧な説明をし続けていかなければならないと、このように考えております。
  111. 福島みずほ

    福島みずほ君 現在、保険外併用療養制度の評価療養、選定療養があります。これらを改善していけば先進医療も未承認薬の使用も一定可能です。なぜ患者申出療養という枠組みを新設する必要があるんでしょうか。総理、お答えください。
  112. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) これはもう委員会で何度も御答弁申し上げてまいりましたけれども、今回、先進医療制度と異なるのは、何度も申し上げますけれども、まず第一に、患者の申出を起点とするということであり、それから、国が安全性、有効性を迅速に確認をしつつ、そしてまた地方でも身近な医療機関で受けられるようにすると。もちろん前提は将来的には保険収載を目指すということで、現在と、その点は先進医療と同じでありますけれども、今申し上げた三つの点ではやはり先進医療とは違うということで、新たなジャンルとしてこの患者申出療養というものを設けるということにさせていただいているわけでございます。
  113. 福島みずほ

    福島みずほ君 患者申出療養制度をつくることが混合診療へ道を開く一里塚になるのではないかと思っております。患者申出療養制度における保険収載の見通しはどうなっていますか。現行の先端医療の保険収載はどうなっていますか。
  114. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) これも申し上げているように、必ず保険収載に向けて、臨床研究中核病院で作成をいたす計画の中でロードマップをきっちりと書いた上で保険収載のめどを明示をするということがなければこの対象になってこないということでございます。全く新しい案件の場合には原則六週間ということにしているわけでございますが、当然、しかし、それは安全性を大事にするという意味において医学的判断が分かれるというようなことは、それは当然あり得るわけでありますから、そのときは必ずしもこの六週間という期間で終わり切らないといけないということはないので、ここはしっかりと安全性は確保するということで、期間にはとらわれないということでございますが、しかし、今回、臨床研究中核病院にこの書類作成をお願いをするわけでありますから、原則六週間、今は大体六か月ぐらい掛かるところを六週間にするということで患者の思いにちゃんと応えるということでございます。
  115. 福島みずほ

    福島みずほ君 現行の先端医療の保険収載は、先端医療百九件中、保険収載は八件しかありません。保険収載されていないんですよ。結局、これからどうなっていくのか。お金のある人は未承認薬を求めていく、あるいは、ここの先端医療が使えますよという形で、今もありますが、民間保険がこの部分に入ってくる。しかし、保険収載は、現状でも、先端医療百九件中、保険収載は八件しかありません。結局、お金の多寡が決まっていく。所得の高い低いにかかわらず国民皆保険の中でやれるということが崩れていってしまいます。  保険の中に入れば、公定価格ですから、一定程度リーズナブルな医薬品の値段になります。しかし、それに入らない医療を認めるわけですから、この部分でまさに混合診療に道を切り開くと思います。現状を見ても、患者申出療養制度医療技術医薬品が保険収載につながらずに保険外にとどまり続けるということは明らかではないでしょうか。国民皆保険制度の崩壊につながるおそれもあり、大問題です。  次に、国民健康保険について、今の現状の認識について総理にお聞きします。  そもそも国民健康保険料が高くて支払われない人々が増えております。保険料滞納世帯は三百六十万人、うち短期証や資格書の交付は百四十万世帯。国保料が高過ぎて支払われず必要な医療を受けることができない、このような事態をどう認識し、どう変えていこうとされているんでしょうか。
  116. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 国保は、医療費水準が高い一方で所得水準が低いなど、構造的な問題があります。このため、低所得者の保険料軽減措置等を講じるとともに、滞納者に対しては納付相談などを通じて個々の実情に応じたきめ細かな対応を行っています。  平成二十六年度には、消費税引上げによる財源を活用し、年約五百億円を投入し、低所得者の保険料軽減を拡大したところであります。今回の改革ではさらに、平成二十九年度以降、年約三千四百億円の財政支援を行うなど、財政基盤を大幅に強化することとしています。これによって保険料の伸びの抑制を図り、保険料を納めやすい環境を整えたいと考えています。  なお、保険料を滞納する世帯の割合は近年低下傾向にあります。平成二十三年度二〇%から二十五年度一八%と減っていっています。今後とも、こうした形でしっかりと、所得の低い方々に対しましても保険がしっかりと行き届くようにしていきたいと、このように思っております。
  117. 福島みずほ

    福島みずほ君 今回の改正で、国保の財政運営が都道府県に移行することによってお金の流れが変わります。市町村ごとの標準保険料率は従来のような一般会計法定外の繰入れを見込んでおらず、市町村の保険料の標準化は保険料の引上げにますますつながるのではないかという懸念もあります。ですから、そういう問題、解決していませんし、自治体が要求していた様々なものも、この法案の中に盛り込まれていないものもたくさんあります。  残りの時間、せっかく総理がおいでですから、社会保障の切捨て、何に私たちは財源を使うのかということについてお聞きをいたします。  この厚生労働委員会の中で、介護の切捨てや生活保護の本当に引下げ、年金の抑制、そういうことがどんどん法律で通ったり、議論をしてまいりました。社会保障の切捨て、こういう形でやったら生活が壊れるというふうに思っております。持続可能な社会保障制度と、それから格差のない豊かな社会をつくるためには、平和であり、格差をなくし、社会保障の充実を間違いなくしなければなりません。税金は極めて限られています。  そこで、どこに私たちはお金を、税金を使うのか。オスプレイ十七機の購入価格について米国防総省は、総計三十億ドル、三千六百億円と米議会に報告をいたしました。一機当たり二百億円であり、日本政府の発表した一機百億円から倍の値段に跳ね上がっております。こういうものをこれから長期に買っていく必要があるんでしょうか。また、本日、安保法制、私たちは戦争法案と言っておりますが、本会議衆議院で始まります。集団的自衛権の行使を仮にし、後方支援という名の下に弾薬を提供したり発進する戦闘機に給油をする、自衛隊を派遣する、莫大なお金が掛かります。何にお金を使うか。社会保障費の削減ではなく、まさに社会保障にお金を充てるべきではないか、このことについて、総理、いかがですか。
  118. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 今いろんなことをおっしゃいましたが、社会保障に充てるべき予算はしっかりと社会保障に充てていくという方針には全く変わりはないということでございます。
  119. 福島みずほ

    福島みずほ君 答えていないですよ。だって、一方で多額のものを買えば一方で社会保障費の削減になるじゃないですか。大砲よりバター、オスプレイより医療ですよ。現に、この六月末にまとめる財政健全化計画について議論している政府の経済財政諮問会議は、医療費抑制、年金、介護の見直しの議論が出ています。今まで社会保障費の削減をしてきたが、これから更に削減をしていくのではないか、医療が本当に傷んでいくと心配をしています。お金の使い道、総理、考え直すべきときではないですか。
  120. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障費については、いわゆる削減ではなくて、伸びが抑制されているわけでありまして、そこが違うんだということはまず申し上げておきたいと思います。  また、先ほど介護報酬についてお話がございました。介護報酬については、例えば介護報酬は、施設者の方々にとっても、私どももずっと日頃からお付き合いもございます。もちろん引き上げられれば引き上げたいという思いはみんなあるんですよ。しかし、ただ単純に引き上げれば、それは保険料が上がっていくことにもつながっていくわけでありますし、そこももちろん考えなければならないわけであります。その中におきまして私たちは適正化をしたということでございまして、そのように御理解をいただきたいと思います。
  121. 福島みずほ

    福島みずほ君 抑制している、プラスやはり削減ですよ。介護報酬は引き下げるし年金は抑制するし、要支援一、二の通所と訪問サービスを地域包括移管にする。今度の法案にも、入院したときの食料費の値上げや大学病院に行くときの紹介料、盛り込まれているじゃないですか。お金のない人は医療にかかりにくくなる。明らかに医療を壊しますよ。  医療費適正化計画について、最後にお聞きをいたします。  医療費適正化計画は、指標を達成した場合の効果が曖昧、かつ、都道府県が管理できない要素が大きい医療費の増減について都道府県に責任を負わせようとするものと言えます。見直しの内容を見ても、国民の健康を増進する視点よりは、医療費の額を抑えることに重点が置かれております。問題ではないですか。
  122. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 都道府県が策定する医療費適正化計画は、現在、医療費の見通し、そして特定健診や保健指導の実施目標等を内容として五年を計画期間としています。医療保険制度を給付と負担のバランスの取れた持続可能なものとしていくため、医療費の適正化を進めることは重要な課題であります。  今回の改革では、医療費適正化計画について、将来のあるべき医療提供体制を示した地域医療構想を踏まえて都道府県が医療費目標を設定するとともに、PDCAサイクルにより医療費の動向について要因分析や対策を行います。そして、後発医薬品の使用割合に関する目標を追加するなどを行うこととしています。  医療費適正化計画の見直しは、医療機能の分化、連携や予防、健康づくりを促進し、それによって医療費適正化を図ろうとするものであり、必要な人が医療にアクセスできなくなるという、そういう御指摘は当たりません。
  123. 福島みずほ

    福島みずほ君 今の話を聞けば聞くほど、適正化計画がやはり医療費の抑制になるんじゃないか。今回も、例えば大学病院に行くときの紹介がなければお金を払うとか、やはりお金の多寡がその患者さんの医療のアクセスや保障とまさに密接につながっています。この医療費適正化計画については、数値目標を設定することから、都道府県からも不安の声が上がっています。  何に私たちは税金を使うのか、どんな社会を私たちがつくるのか。持続可能な社会保障制度をつくるためには、これは、混合診療に道をつなげる患者申出制度や、それからオスプレイや、そういうことにお金を使うのではなく、社会保障費にきっちり使うべきだと。経済財政諮問会議の社会保障費の削減としっかり闘うべきですし、お金の使い道について、しっかり、それは厚生労働省としても国会議員としても、ここにこそお金を使い、安心して医療にかかることができる国民皆保険制度の堅持こそすべきであるということを申し上げ、私の質問を終わります。
  124. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  125. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  126. 島村大

    ○島村大君 自民党の島村大でございます。塩崎大臣、今日はよろしくお願いします。  まず、法案に入る前に、ちょっと私の地元の箱根町に関しまして、昨日、箱根町の山口町長、また地元の牧島かれん代議士とともに、大臣、お忙しいところ本当にお時間をつくっていただき、ありがとうございました。  そのときにもちょっとお話しさせていただきました件なんですけど、一点は、今、箱根の状況は、ちょうど一か月前、今日は五月二十六日ですから、四月二十六日、箱根の大涌谷でやや活発な火山活動が観測されております。ただ、こういう現象は、二〇〇〇年以降も、二〇〇一年また二〇〇八年、一一年、一三年と、やや規模の大きな群発地震活動は今までも観測されておりました。ですが、幸いにも、いずれの場合も噴火等の大きな災害はございませんでした。  今回も、直ちに噴火につながるのではないとは有識者の方々から、専門家の方々からは聞いておりますが、大涌谷付近で規模の小さな噴火現象が突発的に発生する可能性があるという気象庁の方からの情報を受けまして、箱根町と箱根火山防災協議会メンバーにより今後の防災対策についての協議を行った結果、今、大涌谷火口付近だけ、約三百メートルの内だけレベル二ということで、温泉会社並びに大涌谷の上空を通過するロープウエーとか事業所が今休業状態に陥っております。  ですが、これは今災害を受けているわけではないので、この一つ、災害を受けていないということと、まだ事業所そのものが倒産したわけではございません。ですが、やはりこれは長期化する可能性もあるということで、厚生労働省関係としましては雇用調整助成金等の支給ができないものか、是非とも大臣、よろしく聞かせていただきたいと思います。
  127. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 箱根で火山活動が活発化しているということで大変御心配をいただいているわけでございますが、今立入り制限されているところを中心に、仕事にならぬと、こういうことで御苦労されている方々がおられることは、昨日、箱根の町長さんにもおいでをいただいて、お話を島村先生、牧島先生共に聞かせていただきました。  ただいま御指摘ございました雇用調整助成金でありますけれども、これは事業主による雇用保険料を財源としておりまして、経済上の理由により事業活動の縮小を行わざるを得ない場合に雇用の維持を図ることを目的として支給をされるものということになっておりまして、この法文では、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合ということになっております。  このため、今回のように、直接的に経済上の理由ではなく、立入り規制などを理由として事業活動を停止、縮小した場合の休業については、これまでの適用でいけば支給対象とはならないということになっておりまして、一方で、休業をしていないような場合には、例えば事業再開に向けて教育訓練社員に対して行うというような場合は支給する助成金もあることから、このような助成金の活用の可否も含め、管轄労働局やハローワークにおいて丁寧に御相談に対応してまいりたいと、このように思っているところでございます。
  128. 島村大

    ○島村大君 大臣、ありがとうございます。  雇用調整助成金は大変ながら難しいというお話を聞きましたが、それ以外で今前向きの御答弁をいただきましたので、是非とも、この箱根という名前は、海外に行きますと、残念ながら神奈川県とかそういう名前は余り浸透していないんですけど、箱根という地名を言いますと、世界どこでも、やはり有名なところですので、この箱根を是非とも厚生労働省としましても守っていただきたい。これを是非とも大臣にお願いいたしたいと思います。  それから、今委員の先生方も、大臣ももちろんそうなんですけど、箱根に来ていただく方がだんだんだんだんやっぱり少なくなっております。是非とも皆様方、お時間忙しいと思いますが、一度足を運んでいただき、この箱根の現場を大臣を先頭に視察をしていただければ、(発言する者あり)野党の方々からもお力強い今御意見をいただきましたので、是非ともその方向で行っていただければと思います。日帰りで十分行けますので、是非ともよろしくお願いします。ありがとうございます。  これで終わりますとは言えませんので、それでは本案に入らせていただきます。  今回の国民健康保険法に対しての一部改正に関しましては、今までもいろんな御質問、また御答弁をいただき、また、今回も参考人からもたくさんの御意見をいただきました。私どもとしましても、ちょっと何点か確認の意味でもう一度聞かせていただきたいと思います。その一点目が、国保組合の広域化による格差是正ですね、この件に関して大臣にお伺いさせていただきたいと思います。  国保の運営はもちろん今は市町村ですが、都道府県に移行する、いわゆる広域化になると。そうすれば基本的には地域間格差が今まで以上にはなくなり、都道府県の中では標準化されるのではないかと、このように進められると聞いております。ただ、保険料の負担が標準化されるということは、どうしても保険料の引き上げられる地域も懸念されるというのが今やはり私ども神奈川県の地元でも言われております。  神奈川県は三十三の市町村があるんですけど、約三百六十万名の横浜市、それから村があるんですけど、村は三千名強の小さな村があります。これだけの差がある市町村でございますから、これを標準化しようとするとどうしても、先ほどお話ししました、一つの医療サービスが画一化されたとしても、地域医療構想とか地域医療計画でうまく全部画一化されたとしても、これはどうなのかというのは、三百六十万人と三千人の町が、どう考えても短期だけではなく中長期的に今後もなかなか画一化されるのが難しいと思われるんですけど、そこに関しまして、中長期的にもどうお考えかをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  129. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 保険料は時間を掛けて平準化をされる、こういうことだろうと思いますが、各市町村の保険料率は今後都道府県に納付をいたします納付金などによって影響を受けるわけでございますが、納付金の額については、市町村ごとの保険者機能が積極的に発揮をされるよう市町村ごとの医療費水準を反映をするとともに、市町村ごとの被保険者の負担能力の差を是正する観点から、市町村ごとの所得水準を反映することとしておりまして、医療サービスの違いによって医療費水準に差が生じている場合には保険料負担にも反映をされるということになるわけでございます。  また、地域医療構想の策定などの主体でございます都道府県を国保の財政運営の責任主体とするということによって、都道府県が医療保険と医療提供体制の両面を見ながら地域の医療の充実を図って、効率的かつ質の高い医療を提供できるように取り組んでいただきたいと、こう思っているわけでございます。  これらによって、被保険者が負担をする実際の保険料の水準については、医療サービスの平準化の進捗と併せ、今回の改革後、一定の時間を掛けながら保険料水準の平準化が進むのではないかというふうに考えているところでございます。
  130. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。  時間を掛けてしっかりと小さい地域も守っていただけるという御答弁をいただきましたので、よく激変緩和とかいって四、五年はしっかりと厚労省さんは面倒を見ていただけるんですけど、その後急に、あれっということも今まで幾つかありましたので、是非とも中長期的にしっかりと、小さい市町村に関しましては温かい目で見守っていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いします。  それから、二番目に関しましては、やはり今回の国保保険の一部改正だということで、いわゆる市町村を県単位にして、保険料負担とかいわゆる平等とか財政の安定化をするというのはもちろん大切なことなんですけど、もう一つは、やはりこういう改革があるということは被保険者にとってどういう、メリットと言ったらおかしいですけど、保険そのものがメリットだと思うんですけど、それ以外にもっと今回の改革で良くなるということがあるのかをお聞きしたいんですけど。  その一つが、私の神奈川県でもこれよく言われているんですけど、現在の高額療養費制度で、前回、行田委員からもお話あったと思うんですけど、今、一年間に三回以上の高額療養費の支給を受けている場合は四回目以降は自己負担の上限が下がる、この制度はしっかりとあります。ただ、これ残念ながら市町村単位ですから、市町村で転勤してしまうとかいわゆる転居してしまうと、この制度がリセットされて、また転居先からは一回目から始まるわけですね。  これに関しまして、今回は市町村単位から都道府県単位になるわけですから、これに関しては、同じ県内であればこのようにリセットされないで行われると聞いておりますが、その確認と、まだほかに被保険者に関していわゆるメリットがあったら教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  131. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) ただいま御指摘いただきましたように、我が国の高額療養費制度には多数回該当というのがございます。同一の世帯で直近十二か月間に高額療養費が支給された月が三か月以上になった場合ということで、四か月目から減額されるわけでございますが、通常は連続いたしますので、三月高額療養費に該当すれば四月目から下がる。例えば、これは年収によって違うわけでございますが、年収三百七十万から七百七十万ぐらいという一般的な世帯の方では、軽減前は八万百円プラスちょっとという金額ですが、軽減をいたしますと月額四万四千四百円というような水準になるわけでございます。  ただ、これは御指摘のように、現在の国民健康保険制度では市町村が変わりますと一回リセットされるということになっておりまして、また数え直す、一か月目からというようなことになっておりますので、今回は都道府県が県全体で財政責任を負うという改革になりますので、この多数回該当を例えば県内の市町村で転居をしても引き継ぐことになる、数え直さないというようなことにさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  このほかに、被保険者の方にとりましては、もちろん一つには三千四百億円の追加公費ということで保険料の伸びの抑制、それから特に小さな町村におきましては、県全体で財政運営がされますので、リスクの分散ということが起きることで、保険制度そのものの安心というものがもたらされるというふうに考えております。  そのほか、今回は納付金の仕組みが各市町村医療費とそれから所得水準というようなもので決まってまいりますし、県の方で標準保険料率を示すということになりますので、県全体の市町村ごとの状況というものが見える化されるというような点も被保険者の方には分かりやすいものになってくるのではないかと考えているところでございます。
  132. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。  こういう今までと違ってもう少し使いやすい制度になっているわけですから、国民に分かりやすく、広報の仕方を是非とも厚労省としてもより一層考えていただきたいと思っております。  次に、国保の保険者機能についてお伺いさせていただきたいと思います。  地域保険、いわゆる市町村の国保は、職業保険である健保組合と異なりまして、保険者機能の発揮がなかなかしづらいというのか、やっぱり難しいなというのは私も一市民としてすごく痛感しております。例えば特定健診等の受診率ですね、残念ながら健保組合よりは低くなってしまうと。やはりこれは国保でやむを得ない点は多々あると思うんですけれども、今回新たに、保険者努力支援制度ですか、これを設けられたということで、健康、予防に対してのインセンティブを付けるとおっしゃっておりますが、これを具体的にどのように今工夫をなされているのか、お聞きさせていただきたいと思います。
  133. 橋本岳

    ○大臣政務官(橋本岳君) 今委員御指摘のとおり、市町村国保と例えば健保組合の間などで特定健診の受診率などが大分違っているといった形で、保険者機能というものが必ずしも市町村国保の方で十分に発揮できていないという課題はあろうということは私どもも認識をしております。  それを受けて、今回の改革では、国保の財政基盤強化策の一つとして保険者努力支援制度を創設し、その中で特定健診、特定保健指導等に積極的に取り組む自治体の財政支援を行うことを検討しておりまして、市町村の予防、健康づくりへのインセンティブを高めてまいりたいと考えております。  さらに、国として、市町村の特定健診、特定保健指導の受診率を高めるために、被保険者の特性に応じて、例えばターゲットを絞って個別具体的な受診勧奨を行うでありますとか、未受診者への電話や家庭訪問による受診勧奨など、市町村の方できめ細かな取組をしていただくことが大事だと思っておりまして、そうしたような取組を引き続き支援してまいりたいと、このように考えております。
  134. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。  今、橋本政務官からお話がありましたように、市町村が本当に努力をなさっていただきまして、個別に訪問してやっていただいているというのは、それはすごく理解できるんですけれども、例えば、もっとある意味では、やっぱり健康とか予防ですから、楽しいと言ったらおかしいですけれども、市民の方々が浮き浮きするとか自分からやろうと思うような仕組みを是非とも仕掛けをつくっていただきたいなと思うのが一つなんですね。  例えば、今、私のたまたま診療室の隣がスポーツクラブで、一日二千人ぐらい来るスポーツクラブなんですけれども、そのスポーツクラブが、昔は若い方々が多かったんですけれども、今は高齢者の方々。若い方々は、時間がない方々はただ単にお風呂に入りに来るだけとか、そういうような使い方をする方々が多いんですね。  それだけやはりいわゆる自分の健康に関してはすごく前向きな方々が多いですし、そこは民間ですからなかなか難しい点はありますけれども、そういう例えばスポーツクラブとジョイントをするとか、例えばまた、皆さんがよく通う、その地域の方々が通うところは銀行というよりは郵便局が多いわけですね。やはり高齢の方々は郵便局が多いですから、郵便局とどうにかタイアップするとか、もう一歩何か考えていただきたいというのが現場の我々の声ですし。  例えば、あと横浜市に関しましては、無料で四十歳以上の方々に万歩計を今配っております。この万歩計がある一定以上行くと、いわゆる点数化されて還元するようになっているんですけれども、これ六百幾らで、いわゆる郵送料のみで配っておる。六万人から七万人ぐらいの希望者がいて、もう初年度の万歩計は全部終わって、今、次年度、二回目に入っているんですけれども、それも希望者が多いと言われています。  ですから、やはりちょっと視点を変えていただいて、厚労省の方々も、よく厚労省の方々は地域地域のニーズに合わせておやりになるということをおっしゃいますけれども、それは、皆様方からもいろんな成功事例とかを出していただきたいというのがもう一つの最後のお願いですので、是非ともそこは考えていただきたいと思います。  時間も大分押していますので、最後にちょっと、一つ飛ばしまして、国保組合に関して、政務官、よろしくお願いします。  国保組合に関しまして、今回の市町村国保と同じように改正の案が出てきております。この国保組合、やはりその成り立ちですよね。要するに、国民皆保険制度をこの日本で昭和三十六年に制度をしっかりとつくるのだと。そのときに、その前にやはりできる業種は自分たちでまずはつくっていただけないかということで、国がある意味ではこれは要請してできた成り行きがこの国保組合だと言われている。そういう歴史的なことを一つは考えていただきたいのと、ただ、今の国の財政から見て、少し自分たちで自助努力できるところは自助努力をしていただきたいという気持ちは私も分かります。  今回の補助率に関しましていろんな案が出ていますけれども、それはそれで、私どもは、一つは補助率をある一定以上はしっかりとやっぱり守っていただきたいというのが第一条件ですけれども、それを含めて、もう一つ考え方が、やはり我々、国保組合に関しましても自助努力をどのようにやるかということを考えなくちゃいけないというのは私も痛感しております。  その一つが、一つの国保組合、今回は市町村国保は広域化されたわけですから、やはりスケールメリットを考えて、国保組合もある程度スケールメリットを考えながら大きくしていかなくちゃいけないのではないかという考えも一つの考え方ではあると思うんですね。  もう一つは、やはり組合員をどう増やすか。組合員をどう増やすかということに関しましても、組合員の増やし方に関しましては、組合組合の規約によって組合員というのはどういう自分たちは組合で組織されているかというのは決まっていますから、その規約をもう一度各組合が考えていただき、スケールメリット、要するに、持続可能な保険制度をどうするかということを自助努力、今の時代に合ったものにしていきたいと思っていますが、そこに関しましては、政府としてのお考え方をお聞かせ願いたいと思います。お願いします。
  135. 橋本岳

    ○大臣政務官(橋本岳君) 今委員御指摘を、国保組合につきましていただいたわけでございますけれども、これまで国保組合は同種同業の保険集団として加入者の健康の保持、増進に御尽力いただいておりまして、国保組合の自主的な運営に基づく保険者機能は今後とも是非大切にしてまいりたいと、このように思っているところでございます。  これまでも、合併をされたりあるいは組合員の確保に取り組まれるなどによりまして組合の運営基盤の強化を図られるケースというのはございました。こうした国保組合の自主的な取組によりまして、組合の在り方を時代に見合ったものに変えていただくということは重要な視点であると私たちも思っておりまして、国としても各組合の要望なども伺いながら国保組合の取組に対応してまいりたいと、このように考えております。
  136. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございました。  国保組合に関しましても、自分たちでできることはしっかりとやらせていただきますので、是非国の方からも今まで以上に国保組合を温かく見守っていただければと思います。  最後に、是非とも、最初に言って皆様方が忘れるとあれなので、箱根の方をよろしくお願いします。  これで終わります。ありがとうございました。
  137. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。  患者申出療養についてお伺いしたいと思います。  今回の制度におきまして何よりも重要なのは、私の質問ですとか私の質問主意書に対して明確に御答弁いただきましたように、まず安全性と有効性が確保されているということ、それから将来の保険収載を前提としていること、すなわち混合診療の原則禁止は維持すること、これが重要だと思っております。  この二点は国民皆保険堅持のためにも非常に重要な点ですし、そして総理が本会議でも答弁されていたように、困難な病気と闘う患者がより迅速に必要な治療を受けられるための制度ということで、患者さんを救いたいという思いは私も同じように持っております。また、対応医療機関の近くの患者以外は先進医療を受けにくいという現行の評価療養を補完する効用もこの制度にはあると思っております。それだけに、問題のない運営がなされればと願っております。ただ、多くの懸念事項がありますので、確認させていただきたいと思います。  患者申出療養が適用され、新しい治療法あるいは医薬品が試された結果、医療事故や副作用被害が発生した場合、その責任はどのように分担されるのかという問題についてお伺いしたいと思いますが、この問題に関する参議院本会議での西村まさみ議員からの質問に対し、厚労大臣は次のように答弁されております。  重篤な健康被害が生じた場合の責任などについては、現行の先進医療では、あらかじめ実施医療機関が患者に説明をし、同意を得た上で決定することとしており、患者申出療養でも、このような対応や、患者を含む関係者の御意見を踏まえ、具体的な詰めを行う、このように答弁されており、前回の私の大臣所信質疑についても同じような御答弁をされておられます。  要は、現在の先進医療と同じ方法でやる、すなわち、あらかじめ十分な説明をして患者が納得した上で決定するということをおっしゃっているだけですので、説明あるいは納得の上だから患者の責任ということになりやすいのではないでしょうか。やはり患者に過重な負担が課せられる懸念は拭えないんですね。  そもそも現在の先進医療が、厳選された言わば純保険収載医療とも言えるものであるのに対し、患者申出療養というのは対象も激増しますし、それに伴って医療事故リスクも当然増大することを考慮するならば、現在の先進医療と同様ではなくて、現在の先進医療よりもより慎重に責任の事前の切り分けをすることが必要なのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  138. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 先生御質問、患者申出療養における責任の所在はということでございますが、この患者申出療養におけます医療には本当に様々なものが想定をされるわけでして、生じ得ます有害事象などのリスクも様々であると考えられます。このため、先進医療と同様に、まずは医療の内容に応じた重篤な有害事象の可能性、そしてその責任補償の内容などにつきましては、医療機関が患者に説明をして、そして同意を得ることがまずは重要であると考えております。  その上で、万が一有害事象が生じた場合には、患者との事前の合意に基づきまして、患者申出療養を提供した医療機関におきまして適切に対応をしていただくということになります。
  139. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 そもそも従来の先進医療はどうなのかというと、これは事前に厚労省に問合せをしたんですけれども、死に至るまたは生命を脅かすレベルの医療事故とも言える事態となったケースは今までにないということだったんですね。これは現在の保険外療養制度がいかに慎重に取り扱われているかということの証拠でもあるかと思うんです。  それに対しまして、先進医療においては深刻な医療事故が発生していないのに、今回の患者申出療養の導入でそれに関する医療事故が増加ないし深刻化した場合には、当然、制度の導入を進めた国の責任が生じると考えるんですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。  増加した場合には、患者申出療養という制度を導入した国の責任が生じる、それとも生じないんでしょうか。いずれかで明確にお答えいただければと思います。  大臣、お願いします。
  140. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 先生御指摘のように、もちろん保険に導入する前の療養でございますので、安全性が完全に確立している状態にはなりません。しかし、やはり第一に確認すべきものは、先生の御指摘のように、安全性であると思います。  私どもも、新しい患者申出療養につきましても、先進医療と同様に安全性の確認についてはしっかりとさせていただきたいと思いますが、先のことを全て見通すのは難しいんですけれども、この患者申出療養で例えば御指摘のような重篤な事態が続いていくというようなことになれば、これは当然制度を見直さなきゃいけないというようなことにつながってくると思います。  私どもは、当然そんなふうにしてはなりませんので、その手前の方の対策できちんと実施をしたいと考えているところでございます。
  141. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 このように質問を重ねてまいりましても、苦しい状況から抜け出したいとわらにもすがる思いの患者側が過重な責任を負わされる可能性が否定し切れないと思うんですね。  先ほども副大臣もおっしゃっていましたし、また今朝大臣もおっしゃっていましたけれども、事前に取決めを交わすことが重要というふうにおっしゃっていました。確かに事前に取決めを交わすことも重要なんですけれども、それだけが全てだとは思いません。やはり患者申出療養の域に入る段階のところで安全性が確認されているということが大前提ですから、後に、事前に取決めを交わしたからそれでよしとするというか、それが全てではないので、ここで改めて申し上げておきます。  少なくとも、患者申出療養に当たっては、自己責任論の名の下に国の責任が軽減されることがないことを事前に明確にするべきだと思います。その辺りの責任分担の交通整理もしっかりしてから制度の導入を御検討いただければと思います。  さて、続きまして、インフォームド・コンセントについてお伺いしたいと思います。  患者側からの申出といっても、患者は、通常のお医者さんと異なって、当然治療医薬品について専門的な知識を持っておりません。情報知識にギャップがある中で患者側が適切な医薬品治療方法を申し出ることができるのか、不安が残ります。このような情報の非対称性から非常に困難だとは思いますけれども、誘導ではない本当の意味でのインフォームド・コンセントが必要だと思います。  インフォームド・コンセントという概念自体を丁寧に分けて改めて考える必要があると思います。まず、インフォームドとコンセントと二つ言葉がありますが、インフォームドの部分では、全ての情報、すなわちどのように治療が行われ、そしてどのような結果が生じ得るのか、素人が理解できる分かりやすい説明を十分な情報によってなされるということ、これが大事だと思います。それから、コンセントの部分ですけれども、十分な情報が与えられ、そして患者側がそれを理解でき、またその上で患者側の真の意味での納得が得られたということ。  私がアメリカ弁護士になる前にロースクールで繰り返し教わったことなんですけれども、リーガリーズを避けなさいと繰り返し私は先生に言われてきました。教わりました。リーガリーズ、つまり一般的に難解と言われる法律表現ですとか法律文書、こういったものを作っても、読んだ相手に伝わらなければ意思疎通ができているとは言い難いから、だからリーガリーズははやらないというふうに私はロースクールで教わりました。  本当の意味のインフォームド・コンセントにつきましては、事前に知恵を絞って、そして検討しておく必要があるかと思うんですね。患者が安全性、有効性を十分に理解した上で自己決定ができるように、患者の申出段階から療養の実施段階まで医療機関における十分な情報提供と相談体制を確保すべきだと思うんです。そして、全国どこの病院における患者申出療養の適用であっても、同じように高いレベルのインフォームド・コンセントがしっかりと確保されるようにガイドラインに組み込んでおくなどの対策も御考慮いただきたいと思います。  これらに対する私の考えですとか提案について、いかがでしょうか、大臣。
  142. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今先生がおっしゃったことは大変大事な点でございまして、細かな点は追って定めなければならないと思っておりますが、患者申出療養については、患者が治療内容をしっかりと理解をする、今おっしゃったように、専門用語でよく分からぬというようなことがあってはならないので、そこのところをしっかりと理解をし、納得した上で申出をしていただくということがとても大事だということは先生御指摘のとおりでございます。  患者からの相談に対してかかりつけ医などがまず適切な支援を行うことが重要であるわけでございますし、関連学会などの協力を得ながら、予測される薬剤のリスト化とか、対象となった医療だけでなくて、申出はあったが対象とはならなかった医療についての、これはホームページ上で厚労省としても公表するとかいった事前の患者に対する情報提供、つまり非対称性を解消するための情報提供というのがまず大事だというふうに思っています。  今先生がおっしゃったように、御本人が本当にそれを同意をしたのかどうかということが確認ができなきゃいけませんので、これに関しては、国へ申請をする際に必ずインフォームド・コンセントの書類を添付をしてもらうということであり、またもちろん患者御本人の署名入りの申請書がなければいけませんし、それから、患者さんと臨床研究中核病院の面談記録というのがあって初めてそこからいろいろな計画をこの臨床研究中核病院で作ってもらった上で、それを患者申出療養に関する会議で、これは国レベルで審査をするということですから、その審査の際にそういうものがきちっとそろっていないといけないということでございまして、今おっしゃったように、入口の段階でまず情報をしっかりと理解をしてもらった上でコンセントしていただくということをまた確認ができるようにして初めて申請が行われるということにならなきゃいけないというふうに思っております。
  143. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 大臣がおっしゃるとおり、署名していただくというのも非常に大事だと思いますけれども、それ以前の、署名の前の前提としては、やはり患者が十分に理解したということが大前提となることを申し添えておきます。  今回の法案に関し、先日、厚労委員会で視察に参りました。その際、国立がん研究センター企画戦略局長藤原康弘先生から次のようなことを教えていただきました。患者申出療養の申出を患者さんから受けてから研究実施計画書、プロトコルと同意説明文書を作成する手間は非常に大変だということを教わりました。また、申出を受けてから準備を開始していては時間的に間に合わないということも学びました。また、解決策は事前準備だということでした。  事前準備が必要だということですと、どうしても誘導に結び付きやすいんじゃないかと思ったんですね。そうすると、患者申出ということが起点という制度の趣旨に反するのではないでしょうか。そもそも、誘導ではない、本当の意味でのインフォームド・コンセントは実際に可能なんでしょうか、大臣。
  144. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 先ほど先生から御指摘いただきましたように、インフォームド・コンセントというのは、これは相手に伝達することではありませんで、共通の理解に達するということで、納得をしていただくことが大変重要なわけでございます。  御指摘のように、研究者の方がやりたいことを患者さんに十分理解しないまま実施をするということになれば、これはもう患者申出療養ではございませんので、やはりきちんと理解と納得ということをしていただくということを一番基本に据えていくべきだというふうに考えております。
  145. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 そういう事例は少数だと信じておりますけれども、企業や企業と不適切な関係にある医師による宣伝ですとか販売促進活動が薬害を発生、拡大させてきた歴史があります。また最近も、医師が製薬会社から多額の講演料などを受け取った事例の中に不適切なケースがあったという報道もありました。この点、十分留意しつつの制度運用が必要かと考えます。  この件に関連して、五月十九日の川田龍平議員の質問に対し、政府参考人は、医師の方が先に計画を作って、研究を患者申出という形でやっていただくのは適正ではないと思っておりますというふうに答弁しております。  これは、もしお医者さんの方が患者さんの申出より先に計画を作っていた場合には、患者申出療養の申請は認めない、却下するということでしょうか。
  146. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) この準備の中身が、例えば未承認の抗がん剤などは既にどういうものがあるかということが分かっておりますので、それについてあらかじめ準備をするということはあり得ると思いますけれども、今先生御指摘のように、例えば、企業が自分のところの医薬品研究として実施すべきものを患者申出療養という形で先生と一緒に先に作っていて、そして十分に納得と理解を得ないままこれを実施するというようなことであれば、これは患者申出療養としてはやはり認めることはできないというふうに考えております。
  147. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 準備も大変だと思いますけれども、十分に理解いただけて、そして十分な説明と納得の上で実施していただきますようお願い申し上げます。  先ほども述べましたように、患者申出療養において将来の保険収載につなげていくこと、これは私のライフテーマでもあります国民皆保険の堅持の観点からも非常に重要なポイントとなります。  今回の患者申出療養は、現在の保険外併用療養の延長線上に位置付けられています。現在の保険外併用療養における先進医療の実績では、平成二十六年度実績で、保険収載されたものが百九技術中僅か八技術にすぎません。現在のある意味厳選された技術でも一〇%以下の収載率なのに、患者申出療養では、対象となる技術数は今までと比較し、飛躍的に増加するというわけです。これでは将来の保険収載を前提にするというお約束は単なる作文で終わってしまう危険はないでしょうか。そうならない保証と根拠として、政府側は保険収載に向けたロードマップの作成などを挙げています。  ここで質問なんですが、その上で、ロードマップどおりに進んでいない場合は、必要に応じて患者申出療養から除外することも含めて対応すると答弁しておられますが、患者申出療養から除外するケースの大枠について方針をお示しいただければと思います。大臣、お願いします。
  148. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今、患者申出療養から除外をする場合ということについてのお尋ねがございましたが、患者申出療養では、少なくとも年に一回は実施状況などを国に報告するようにということを御説明をしてまいりましたが、医療機関に報告をしてもらうと。  計画どおりにどうも進んでいないというような場合には、追加的に更に報告を求めて、そして対応をするわけでありますけれども、さらに、必要に応じては、患者申出療養としてどうも適正ではないかも分からないというそういう履歴であれば、除外することも含めて対応することを考えなければならないということでありまして、どのような場合にでは除外をするのかということについては、例えば、計画から大分遅れているということが見られるにもかかわらず合理的な対応をそれに対して講じていないというような場合とか、あるいは事前に承認を受けていた基準に照らして実施計画の見直しをせずに対象外の患者に実施された場合とか、そんなことも考え得るわけでございまして、いずれにしても、今回私どもが想定をしている患者申出療養の要件から外れていないかどうかをしっかりとチェックをしてまいりたいというふうに思います。
  149. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 今大臣から除外について少し説明がありましたけれども、ペナルティーとして患者申出療養から除外という場合、その治療法や薬品自体を今後は患者申出療養の対象から外すという意味なのか。つまり、ほかの病院からの申請も認めないということなのか、それとも、そうではなくて、同じ医療機関のみが同じ治療法や薬品について患者申出療養の対象とすることを不適とするのか。  つまり、除外された医療機関の再申請は認めないけれども、ほかの医療機関が同じ治療法や薬品について患者申出療養の申請をしてきた場合には改めて申請の対象とするのか、あるいは単に当該患者申出療養自体を失効させるだけにとどまるのか。つまり、同じ医療機関が計画を練り直して、同じ治療法や薬品について再度申請をするということも認めるのか。どれに値するのでしょうか。
  150. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 先生から様々なケースを御指摘をいただきましたけれども、これはその除外の原因に関連をすると思っております。最近起こっておりますような医療機関側の様々な問題というような場合には、これは当該医療機関に係るものを除外をしていくということになろうと思います。  そして、その医療機関から再度申請が認められるのかということになりますけれども、これは認められないとまでは申し上げませんけれども、相当な改善の担保がなければ基本的には認めないということになろうと思います。今までそういうケースは余りないと思っております。一度外れたものがまた、いわゆる不祥事のようなもので外れた場合に、戻るということはなかなかないと思います。  それから、病院の方の問題というよりは、ある治療方法そのものに事前に予想しなかったような問題が生じているというような場合につきましては、これは技術そのものの問題になってまいりますので、これはほかのところでもちょっと認められない、新しい知見が得られるまではというようなことが考えられると思っております。
  151. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 ありがとうございます。  今申し上げましたけれども、患者申出療養については、将来の保険収載との関係性が非常に重要なポイントとなってまいります。この関係性についてお伺いしたいんですが、将来の保険収載を目指せばよしとするのか、あるいは将来的な保険収載につながる、すなわち患者申出療養の次の段階での保険収載へのチャレンジが位置付けられていればいいとするのか、あるいは将来の保険収載を前提とするのか、つまり、もちろん例外はあるとはいえ、多くは保険収載されるということなのか、このどれに当てはまるんでしょうか。
  152. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今いろいろなケースをお触れになりましたけれども、保険収載に向けてはロードマップをまず作るというわけでございますが、そのロードマップがどういうことを述べるのかという御質問かというふうに思いますけれども。  この患者申出療養を計画している時点において、臨床研究中核病院が患者申出療養に続く治験とか薬事承認などの保険収載に向けた段取りを想定をしている期限を含めて具体的に記載をするということになっておりまして、この際、必要に応じて厚生労働省の関係部局が連携をして事前相談に応じるといった対応を行うこととなると考えておりまして、ロードマップをできる限り具体的に作成していただいた上で、必要な科学的根拠を集積して、安全性、有効性の確認を経た上で保険収載につなげていきたいというふうに考えておりまして、やはり保険収載を前提とした上の今回の患者申出療養ということでございます。
  153. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 では、患者申出療養のうち、どの程度の比率の保険収載が必要と想定されておられますでしょうか。津田議員からの同様の質問に対し唐澤局長は、先進医療の比率を上回っていくという気持ちで臨んでまいりたいというふうに過去に答弁されていますけれども、申し訳ないんですけれども、これ、答弁になっていないと思います。  保険財政や国民皆保険の堅持に大きな影響を与える極めて重要な比率だと思います。当然、当局としては見通しを持っているべき、持っていないといけない数値だと思います。でないと、志には賛同したとしても、制度としては欠落法案だと思います。年間の間で何%から何%の範囲内、何%から何%という形でも結構ですので、数字を出していただきたいんですね。  また、そもそも患者申出療養技術の保険収載比率は高ければ高いほど好ましいという認識でよろしいでしょうか。  二つ質問ですので、お答えください、大臣。通告済みです。
  154. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 我が国では、国民皆保険の理念の下で、必要かつ適切な医療というのは基本的に保険診療でいくということになっていますけれども、今回の患者申出療養においては、保険収載に向けたロードマップを作成を医療機関に求めると。そして、保険収載に必要なデータとエビデンスを集積をして、安全性、有効性を確認した上で将来的な保険適用につなげるということでありますが、今お話しのように、何%から何%というのは、これは先進医療の場合でも様々なケースがあって、様々な薬剤や治療などがございまして、今回の患者申出療養ももちろんかなり幅があることを想定をするわけでありまして、この実施をされる新しい制度の下での医療については、保険収載される技術の割合をプリサイスに何%というようなことで具体的にお答えするのは、なかなかやはり難しいのではないかというふうに思います。  着実に保険収載につなげていくことについては、先ほど申し上げたようなロードマップの中でできる限りの具体性を持って、期限も切って書いてもらうということにしているわけであって、その結果、保険収載につなげていくということで、広く国民が医療保険制度の中で必要な医療をこの新しい制度の下で受けていくことが可能になるようにするということを実現をしていくしかないんじゃないかなというふうに考えております。
  155. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 先ほど私の質問に対しては、保険収載を前提とするというふうにおっしゃっていましたけれども、もし比率を問わないということであれば、保険収載を目指しさえすればいいということになるかと思うんですね。当局が断念した昨年の選択療養との根本的な違いが、将来の保険収載が前提であることという点だと思うんです。これがあるから賛成しているという団体もあります。この重要な言葉の中身をしっかりと確定させてください。  では、保険収載への道筋となるロードマップですが、どの程度のレベルのものを求めていることになるんでしょうか。二つ質問があります。保険収載の可能性についてですが、保険収載の可能性が極めて高いレベルを求めているのか、それとも保険収載の可能性があればいいのかどうかということと、保険収載までの期間も当然ロードマップには記載されると思いますけれども、例えば二十年先の保険収載なんてロードマップは当然許容しないと思いますけれども、何年間以内での保険収載をめどとされているおつもりでしょうか。二点、お答えください。
  156. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 保険収載の可能性をどの程度まで要求するのかということと、また保険収載の目標期限ですね、何年まで先かということでございますが、患者申出療養では、保険収載に向けて実施計画の作成などを臨床研究中核病院に求めることとなっております。  具体的には、保険収載までのロードマップというものについての記載を求めることになっているわけでございますけれども、保険収載に向けたロードマップというのは、患者申出療養を計画している時点において、臨床研究中核病院が患者申出療養に続きます治験、そして薬事承認などの保険収載に向けた段取りを想定する期限を含めまして具体的に記載するものではございます。その段取りというのはやはり技術により異なるために、保険収載の目標期限、これを一概に設定するということは困難ではないかと考えております。
  157. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 繰り返しになりますけれども、困難な病気と闘う患者がより迅速に必要な治療を受けられるという、こういった点におきましては大いに賛成しておりますけれども、今回の質疑で明らかになりましたように、懸念事項が大変多く、制度としましてはまだ詰めなければならないたくさんの事項がありますので、生煮えな状態だと思います。  そのことを御指摘申し上げて、質疑を終わらせていただきたいと思います。
  158. 足立信也

    ○足立信也君 民主党の足立信也です。  午前中のことをちょっと振り返ろうと思うんですが、総理は私の質問にできるだけ全部答えていただいて、それはよかったんですが、全部棒読みで、しかも更問いをして気持ちを聞いても棒読みで、やっぱり今やっている衆議院本会議での安保法制の方は相当熱意があるけど、この国民にとって非常に大事な法案については余り熱意がないのかなと改めて感じました。  安保法制は二本法案があるわけですが、一つは十本をまとめて一本にして、けしからぬとおっしゃいますが、この法案は二十七本を一本ですよね、二十七本まとめて一本ですから。そこはそういうことも知っておいてもらいたいなと、そういうふうに思います。  患者申出療養にかなり集中しているので、ちょっと目先を変えて、今まで何度か通告しながら聞けなかった質問から行きます。十三番です。  経済財政諮問会議の民間議員から、薬価改定、毎年実施すべきだという意見が出されました。これから六月の骨太の方針でどう対処されるかということなんです。大臣は元々、大臣になる前は毎年の薬価改定が持論でしたね。しかし、大臣になられてからは答弁でも、最終的には与党や中医協の議論に任せるというようなことをおっしゃっています。  そこでそういう意見がまた出てきた。この点について、大臣の今のお考えはどういうお考えですか、薬価改定、毎年やるということについて。
  159. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 大臣になる前に明快に毎年改定しろという考えを持っていたつもりは私にはないわけでございます。  この問題については、基本的に今薬価改定が二年に一回行われているという中で、診療報酬の改定の際に実勢価格に応じて変更が行われているわけでありますけれども、私も大臣になってからいろんな人と話をこの問題についてしております。また、海外からもいろんな人が来て、市場原理主義の国の人たちからも毎年改定はやめてくれというような話も随分聞いて、何というか、いろんな考えがあるんだなということを感じたこともありますが。  この毎年改定については、やはり幾つか考慮しなけりゃいけない問題があることは、私はそれは事実かなというふうに思っています。それは、一つは、これはまた海外の新薬中心のメーカーなんかの人たちも一緒に言っておりますが、やはり新しい薬を作るイノベーションへの影響というか、その意欲の、これについて投資をする、つまり研究開発をする、そういう意味で革新的な医薬品の創薬意欲をどう考えるかというのが一つ。  それと、流通現場にどういうインパクトがあるのか、さらには、これはやや技術的ではありますけれども、市場価格を毎年だとどのくらい正確に捉えられるのか、なかなか決まらないとかいろんなことがありますが、それと、毎年やることについての調査のコスト、これなどをどう考えるかということを組み合わせた上でよく考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っておりまして、診療報酬本体への影響もあろうかと思いますので、まだこれから議論を深めるところでありますけれども、骨太方針の取りまとめに向けて、今後、政府部内でよく調整をしなければならないというふうに考えております。
  160. 足立信也

    ○足立信也君 持論じゃないとおっしゃったので、言うつもりなかったんですけど、二〇〇六年、日本製薬工業協会主催の政策セミナーで、マーケットに合わせて皆が競争して頑張るということならば、当たり前のように薬価の毎年改定をやった方がいいというのは塩崎さんの発言です。  田村前大臣は、技術的にも困難であるし、調査費用が新たに掛かる、診療報酬改定と同時でなければ意味がないというふうに答弁を今までしてきたんです。そのことは今御案内だと思いますが。  これ、まず妥結率の問題がありますね。それから、今この調査というのはほとんど卸業界のボランティアでやっているようなものですね。それから、医療経済実態調査と合わせなきゃいけないですね。また、これ、医療機関としてはそのシステム負担にどんどんどんどん毎年お金が掛かるという話です。誰のためになるんだということで、これは田村大臣はそういうふうに答弁されているんですが、診療報酬改定とセットじゃないと意味ないと、それはお認めになりますか。
  161. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 私もそのように考えております。なかなか決まらないと言っているのは、先ほど先生がおっしゃった、なかなか卸との間で値段が決まらないとかいろんなことがありますので。それと、コストの話も今私が申し上げたとおりでございますので、基本的に同じことを言っているというふうに思います。
  162. 足立信也

    ○足立信也君 じゃ、申し訳ないですけど、また患者申出療養に戻って、私、以前現場の人間として、様々なやっぱり気になる点があるので、一つずつただしていきたいと、そのように思います。  参考人質疑でお二人の方、後で私、話をしたんですが、評価療養の一つでなければ反対してもいいというような感じでおっしゃっていましたよ、かなり強く。それは申し上げたい。  ただ、条文上は、明らかにこれは保険外併用療養制度の一類型になっています。それは、やっぱり元々選択療養で新たな類型をと言っていたから、どうしてもそこに拘泥されているんじゃないかと思います。  これ、似ているのは、やっぱりどう見ても先進医療のBなんですね。未承認とそれから適応外。ちょっと紹介しますが、国会図書館で「レファレンス」出しています。二〇一五年、今年の三月に、混合診療をめぐる経緯と論点ということで、先進医療Bと患者申出療養の違いが経緯を追ってずっと書かれていますので、それを読みながら私もやってきたわけなんですけれども、そういうことです。  そこで、牧山さんの質問を引き継いで聞きますが、保険収載を目指さないものもロードマップが必要なのかと、気持ち的に。あるいは保険収載を目指さないものというのはこれは一切認めない、それでいいんですね。
  163. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 制度上、私どもとして、保険収載までのロードマップの提出を求めるということでありまして、そうなれば、当然、この患者申出療養の申請というのは保険収載に向けたロードマップを記載した実行計画を添えて行うわけでありまして、保険収載を目指さない医療、今先生が御指摘の点、これについては申請の対象外というふうに考えております。
  164. 足立信也

    ○足立信也君 もう一つ、答弁で、患者さんが理解し、納得した上で申出を行うためにかかりつけ医が非常に大事だと、かかりつけ医が相談に応じて支援を行うと、そういうふうに答弁されているんですが、これ今、最初の例は、当然、臨床研究中核病院や特定機能病院ですよね。それから二例目以降は、大臣はがん診療拠点病院も挙げられている。そこの医師もかかりつけ医という感覚ですか。
  165. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは資料の方にはかかりつけ医等になっておるんですけれども、私どもが元々想定をしておりますのは、患者に身近な、言わば診療所の先生ですとかあるいは中小病院の先生というような、本当にいつも生活習慣病を中心に診ていただいているような先生に、言わば信頼している先生という方に御助言をいただくということを想定をしております。  ただし、きちんとした御説明や納得をしていただくという観点からは、もちろん臨床研究中核病院、特定機能病院、あるいはがん診療連携拠点病院といったような大病院の医師も、この説明をしていただく際にはきちんと患者さんに理解をしていただけるように、納得していただけるように説明をしていただきたいというふうに考えております。そこは等の方で入っているという理解でございます。
  166. 足立信也

    ○足立信也君 はい、分かりました。身近ではないところ、大きな病院はかかりつけ医ではないということですね。  先ほどの牧山さんの質問の中で、私、インフォームド・コンセント、大きな意味で言われたんだと思いますが、それは極めて大事、この制度では本当に根幹ですね。  これ、インフォームド・コンセントの議論がしっかりされたのは二十年ぐらい前なんです。説明と同意ですよね。しかし、その五年たった後はインフォームド・チョイスですよ。説明と選択なんです。そして更に五年ぐらいたつと、インフォームド・ディシジョンになったんです。説明と自己決定なんですよ。そういうふうに変わってきているということは、今、元々申請する臨床研究中核病院、それから身近にあるがん診療拠点病院、そしてかかりつけ医、違った説明されたら困るんですよ。一番の問題は、言うことが違うというのが患者さんにとっては一番困るんです。これ、五〇%寛解を迎えるかもしれませんよ、あるいは次に行ったら二〇%だと、正確に言うと分かりませんと。患者さん、何にも決められないです。  ということならば、本当は、申請をした中核病院の先生と実際にやるがん診療拠点病院の先生とかかりつけ医、一緒になって説明しないと、患者さん納得しません。どうするんですか、これ。
  167. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、先生の御指摘のように、新しい治療法ですから、それぞれごとに聞いて患者さんが迷うということは起こり得ると思います。  それで、実は、今回の制度の中には、臨床研究中核病院のような大きな病院でもちゃんと患者さんに相談に応ずる、患者申出療養について相談に応じる部署をつくっていただきたいというふうに考えているわけでございます。これは特定機能病院でもそうです。先進医療の方では今そういう仕組みはございませんので、相談を受ける義務というとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、そういう責任というものを持っていただく枠組みがないわけでございますけれども、患者申出療養はそういう枠組みを設けていただきたいというふうに考えております。  その上で、今先生御指摘のように、例えば三人がそれぞれ違うことを言う可能性というのは、それはないとは申せません。そこの間の、これは先進医療だけに限らず、ある種の医療病院の機能の連携、診療所も含めてということになると思いますので、どういう枠組みでそういうものを設けるかということまではちょっと今明言できませんけれども、そういうことは実施していただけるような工夫というものも我々は考えていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
  168. 足立信也

    ○足立信也君 考えていかなきゃいけないのはそのとおりですけど、非常に難しいですよ。臨床研究中核病院、この前、申請締め切ったら十一か所だという話でしたね。教えてくれませんでしたけれども、多分四国なんかはないでしょうね、今までの十五病院見てみると。  しかし、言うことが違うというのはあり得る、多分多いですよ。かかりつけ医の方は、がん診療拠点病院の人に任せておけばいい、その人は中核病院の先生に全部聞いてくれみたいな話になるんですよ。ここを担保しないとやれるものではない。  まず第一点。ある未承認薬を使った治療をやりたいと考える、中核病院が二か所でそれをやろうとしている。これは一か所しか認めないんですか。
  169. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは一か所だけということはございません。二か所同時に出てくるということもあり得ると思います。
  170. 足立信也

    ○足立信也君 二か所同時も当然あるということですね。そうなると、その後にまた問題が出てきますが。  じゃ、これ、年に一回報告を集積して科学的根拠にするということになります。この前の質問で、それだと保険適用まで、年に一回の報告では少なくとも三年以上は掛かるだろうなという話をしましたが、これ、安全性、有効性の確認にはフォローしなきゃいけないですね。  新たなこれ仕組みだというから聞きたいんですけれども、その薬の部分、未承認薬でいいますと、その薬の部分は自己負担だと、ほかのところは保険適用だということをおっしゃいますが、安全性の確認のためには保険で認められていない検査をしなきゃいけないんですよ。例えば、脳の検査であるとか心臓の検査であるとか、あるいは月に何回までしか認められていないものをオーバーしてそのフォローアップをしなきゃいけないんですよ。ここは保険適用になるんですか。
  171. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これはなかなか微妙なところがあるんですけれども、現行の先進医療の場合は、御指摘のフォローアップに必要な検査であって保険に収載されているものにつきましては、これは医療保険の給付を認めております。  したがって、保険に収載されていないものはもちろん保険適用できないわけでございますけれども、保険に収載されているものについては保険の適用を今の先進医療では認めておりますので、この取扱いを踏まえて詰めを行ってまいりたいと思いますが、原則的には同様の考え方になるのではないかと考えております。
  172. 足立信也

    ○足立信也君 現場の方はお分かりだと思いますが、二回まではオーケーだと。けど、フォローアップするには三回、四回必要だと。これ、査定されますよ。医療機関の負担になりますよ。  例えば、突然心電図を撮る、あるいは脳のCTを撮る、頭のですね、これは何の適用だと査定される可能性ありますよ。ここら辺もきちっとやらないと、私はなかなか広まっていかないと思いますよ。そういうことが、石黒参考人でしたか、薬だけではなくて、その治療に関わることを全部保険適用にしないと広がらないということをおっしゃっていて、まさにそのとおりだと思います。これは、役所の方がそれは大丈夫にしますと言っても、言ってもですよ、やっぱり査定する機関、支払機関等は当然査定していきますよ。この点、しっかり詰めないとワークしない、進んでいかない、そのことを申し上げたいと思います。  それから、先ほど一か所ではないという話なんですが、これ、複数の臨床研究中核病院で新たな治療法の評価、異なった評価が出たとき、どうするんですか。
  173. 橋本岳

    ○大臣政務官(橋本岳君) 御案内のとおり、患者申出療養については、その実施計画等を臨床研究中核病院が作成することになっておりまして、保険収載に必要なデータやエビデンスは当該臨床研究中核病院が申請することとなっております。  今御質問がありましたように、要するに、二か所から同じ薬だとか同じ治療について申請が出ていて、その研究が行われているというときにどうなのかという御質問だと思いますけれども、こうした場合でもやはりそこは御相談をいただくようなことになろうかと思いますが、一つが主たる臨床研究中核病院としてデータを集積するような形にしていただくことであろうというふうに考えておりまして、それは私ども相談に乗りながらその調整をして、一つのところが臨床研究中核病院としてデータを集積するということとさせていただきたいと思います。
  174. 足立信也

    ○足立信也君 ちょっと、じゃ、順番を追って聞きましょうね。  同じ治療法が二つないし三つ中核病院で申請時でスタートすることがあり得ると。年に一回の報告だと。それを集積するんですね、当然。やり方を変えなきゃいけないとか、加わりますね、修正が。その集積はどこでやるんですか、保険局ですか、中核病院ですか。
  175. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) それは臨床研究中核病院で集積をしていただくということでございます。
  176. 足立信也

    ○足立信也君 そこで、中核病院で違う結論が出たらどうするんですかという質問を今したわけで、その前にちょっともう一個言いますね。  これは有害事象の件なんですが、非常に近い先進医療Bというのは、その評価項目の一つに補償内容についてちゃんと申し出ることになっているんです。どういう補償をするかと、先進医療Bでは。これは、患者申出療養の場合も、この有害事象に対する補償というのは義務付けするんですか。
  177. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 基本的には、有害事象に対する補償はきちんと位置付けるということで、義務付けという表現が適切かどうか分かりませんけれども、きちんと講ずるということを求めるということでございます。
  178. 足立信也

    ○足立信也君 総理も先ほど言っていましたが、安全性については国が責任を持つというのとどう整合性があるんですか。
  179. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、もちろん承認前の治療法あるいは医薬品であったりするわけでございますので、予想を超える副作用が生じるということはあり得るわけでございます。  しかし、承認の段階で、予見できる範囲内で国で集積されたエビデンスを基にきちんとチェックをするということをいたしませんと、これは申請者側の言った状況だけということになってしまいますので、それは国が担保する。  しかし、その枠を超えて更に有害な事象が起こるということも、これも承認前の医療技術でございますのであり得るわけでございますので、それに対する備えというものをきちんと講じていただくというふうに考えておりますので、国は当然国の責任がございますし、実施の医療機関には医療機関責任があるというふうに考えております。
  180. 足立信也

    ○足立信也君 ということは、総理もはっきり言っていた、安全性については国が責任を持つというのは承認の段階であって、その後の有害事象については責任は持たないと、そういうことですね。分かりました。  先ほどの質問です。複数の中核病院から異なった結果が出た場合に、先ほど集積、調整は中核病院だとおっしゃっていましたが、これは十一医療機関、今どこが申請するか知りませんが、大学の経験者としては、激しい闘いになる可能性もありますね、中核病院にやらせたら。異なった場合、どうするんですか。唐澤局長、どうですか。
  181. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 私どもが考えておりますのは、臨床研究中核病院の複数からそういう申請が起こってくるというのは、技術としてはかなり将来性のある技術の可能性が高いと思っておりますので、そういうときこそ、全部できるかどうか分かりませんけれども、私どもも主導的に必要なものは関与をいたしまして、協力して臨床研究を実施していただくようにするということが一番望ましいのではないかと思います。  これは、日本の臨床研究の実情を見ましても、先生よく御承知のように、海外医療機関などは、三千床規模の大きな病院で国際治験の基準に照らして実施をしているというのが多いわけでございますので、まだそこまで行っていないところが我が国の実情でございますけれども、全部がそうできるかということは申し上げられませんけれども、国もそういうときには協力して、研究を実施をする枠組みというものに努力をすべきではないかと考えているところでございます。
  182. 足立信也

    ○足立信也君 保険局が中心的に関与してそこの調整には当たる、これがないとできないと思います。そこは確認できたので、いいと思います。  先ほどの牧山さんの質問の中で、患者申出療養から除外された場合、これは医療機関主導の先進医療Bで申請することは可能ですね。
  183. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 制度は別々でございますので、申請が禁止されることはございません。ただ、もちろん、患者申出療養の審議の状況というものは考慮をした上で審査がされますので、無関係ということにはならないと思います。
  184. 足立信也

    ○足立信也君 じゃ、いよいよ最後の詰めの段階、保険適用は中医協マターだと思います。そこで、先ほどもあったかもしれません、中医協提出前の最後の詰めの工程、保険適用に向けてですね、これがどうなっているかと。  先ほどちらっと答えがあったように、これだけ効果があり安全性も高いということであれば、治験に回る、あるいはこれだけの中核病院がやっているんだから、それは公知申請の形で認める、いろいろあると思うんです。そこの最後の詰め、中医協へ提出して議論していただく、ここはどう考えているんでしょう。
  185. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、先進医療の方は先進医療会議というものが設置をされておりますけれども、患者申出療養につきましては、それとは別に患者申出療養の会議というものを別に設置をすることにしておりますので、この会議におきまして、保険収載の方向性について議論をしていただくことになろうというふうに思います。  その際に、午前中の御質疑で先生からも御指摘いただきましたけれども、現在の先進医療についても保険収載の方向性について更に強力にきちんと国で指導をすべきだと、あるいは措置をすべきだという御指摘をいただいておりますので、この患者申出療養会議におきましても、例えば制度的な面からは国の保険局とか医政局が関与をいたしますし、それから医薬品医療機器ということになれば、やはりこれはPMDAにもかなり協力してもらわないと、なかなか治験を突破するというのは大変でございますので、そういうところにも協力していただく枠組みで会議が設置できないかということを考えているところでございます。
  186. 足立信也

    ○足立信也君 会議の設置ということですね。  普通、考えると、保険適用まではこれ自己負担で、保険適用されれば公定価格になるわけですから、当然、価格は下がりますね。そうすると、製薬業界もあるいは保険者も、保険適用になれば保険でカバーする範囲がぐっと広がるわけですから、なかなか保険適用しようというインセンティブが働かないと思うんです。ですから、ここは会議を作ってしっかり国がやろうという方向性を示して、あるいはPMDAも使いながらやっていかないと無理だと思いますね。  それは今お答えがあったので聞きませんが、それに加えてもう一つ、我々の政権のときに、未承認薬あるいは適応外薬、これをしっかり開発していただくところには、それだけインセンティブを付けないと開発の意欲が薄れるということで、新薬創出・適応外加算というものを付けました。これは今政権が替わっても継続していただいていますが、いまだに試行の段階ですね。  私は、これがなくなると、今言ったような理由で、ますます保険適用ということに関して製薬業界のインセンティブというのは働かなくなる可能性があると思っています。この点はどうされるおつもりなんでしょう、今試行段階ですが。
  187. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今、促進加算のお話があったかと思いますが、この新薬創出・適応外薬解消等促進加算というのは、難病などの医薬品研究開発を行っている企業の一部の新薬について、市場実勢価格に基づく薬価の引下げを一時的に猶予をした上で革新的な新薬の創出を加速させる、あるいは適応外薬、未承認薬の解消を促進させるということで、開発につながるようにということで、患者が必要な医薬品をできるだけ早く利用できるようにという、こういう趣旨でできているというふうに理解をしております。  この加算は、今お話がございましたように、平成二十二年度の診療報酬改定において試行的に導入をして、二十六年度の改定でも試行を継続をしております。今後の新薬創出・適応外薬解消等促進加算の在り方については、平成二十六年度の改定における中医協の附帯意見を踏まえて、その影響等を検証して、引き続き検討していくということでまいりたいというふうに思っております。
  188. 足立信也

    ○足立信也君 まあ成長分野というふうに捉えているようなので、継続して今の政権でも。ここはしっかり研究開発というものを促進するようにしていかないとなかなか難しい、ひいては国民の皆さんに有益なようにならないと思いますので、是非しっかりした制度として確立させていただきたいと、そのように私は思います。  次に、ちょっと気になっていることなんですが、以前、唐澤局長の答弁だったかと思いますが、紹介状なしの大病院での初診、再診の件ですね、選定療養。今、これが実際に選定療養としてお金をいただいているところは四割だというような話があったと思うんですが、今回これを義務化する。義務化するにはそれなりの理由があると思います。外来の機能分化ということがありましたが、それだけではありません、当然。四割。六割はこれ取らないということの理由の分析はされているんでしょうか。
  189. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 現行の比較的大きな病院でございますけれども、二百床以上の病院紹介なしの患者さんの特別な料金の徴収、御指摘のように、全国で二百床以上の病院が約二千六百病院ございますが、そのうちの四割の千二百病院でこの料金を設定していると。残りの千四百につきましては設定していないということでございます。  その設定をしていない理由でございますけれども、一つには、地域の医療機関、地域医療ということでございますけれども、その中で、自分のところの病院の患者数を確保するという経営上の問題というのが一つございます。それから二つ目は、これは他の医療機関が非常に少なくて、紹介状のない患者が、つまり医療機関がその病院以外が少ないということで受診せざるを得ない状況というようなものがございまして、特別な料金を設定していないというような実情にあるというふうに考えております。
  190. 足立信也

    ○足立信也君 そのできないんだという理由を、その除外をやっぱり明示しなきゃ駄目ですね。これは医療機関が困ります。ほかの、こっちに行ったら取られなかったのに、こっちに行ったら取られるぞみたいな話になりますからね。明示を必ずやってください。  そこで、一つお願いしたいのは、小児科不足というものの中で我々は推進してきたんですが、大病院で地域の開業医さんが小児外来、これ準夜帯も含めて持ち回りで外来をやっている。これは私は非常に医師不足、小児科医不足にとっては有効だと思っているんです。これも当然除外してもらわないと成り立たなくなります。これは是非お願いしたい、そのように申し上げます。  もう時間ですので、最後に、これは質問ではないと思いますけれども、以前、薬師寺委員が質問されたことですが、先進医療のことは、これは国も、最先端医療迅速評価制度国家戦略特区の先進医療、これも物すごく早めて三か月だというふうになっているわけですね、国がやるものは。先ほど言いました石黒名古屋大学病院長、参考人は、六週間では難しいとはっきりおっしゃいました。何よりも、ポンチ絵には先進医療とは一言も書いてないけど、先進医療を身近でとおっしゃる。先進医療というものは、非常に注意深くやらないと潰してしまうんですよ。ここは専門科のところでしっかり理解した人がいて、そこに症例を集積して、本当にこれがいいのかどうかという結論を出してあげないと、なかなかできるものではないです。  そのことから考えると、先進医療に限る特定機能病院でも、保険適用につなげるような先進医療を行うなら、専門スタッフだけでも百人以上必要と言っているんですよ。これは、がん診療拠点病院では不可能です。ですから、私は、先進医療ではないんじゃないですかと。先進医療というものは評価療養の中でやるべきであって、ここで多分多いのは適応外使用ですよ、ほかのところで、ほかのがんであるいは使われているんだから、ここで使ってもらえないか、そういうようなことだろうと思いますよ、一番多いのは。それぐらいちょっと区分をしないと、本当に将来性のあるものも潰してしまう可能性がある。  そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございます。
  191. 長沢広明

    ○長沢広明君 今日は、これまでの質問で少し漏れた部分を含めて質問させていただきます。  まず、医療提供体制と医療保険財政における都道府県の役割について何点かお伺いをさせていただきます。  医療費の適正化計画はこれまで都道府県が作成してきているわけですけれども、今回の法改正で、保険者として国保の財政運営の主体としての役割も担うと。地域医療構想を含んだ医療計画の策定によりまして、都道府県は医療提供体制のコントロールも引き続き担うと。医療提供体制と医療保険財政の双方のコントロールを都道府県が一体的に担うということで、これによってどういうメリットが出てくるというふうにお考えになっているのか、説明を願いたいと思います。
  192. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 先生御承知のとおり、今回の国保改革では、医療保険制度におけます都道府県の役割を強化することとしております。具体的には、都道府県を国保の財政運営の責任主体と位置付けておりまして、高額な医療費などのリスクを都道府県全体に分散をすること、そして、都道府県が地域医療構想などを踏まえまして、医療費の適正化計画に医療費目標を定めることとする、これなどの役割を都道府県が担うこととなっております。  これらを通じまして、都道府県が医療保険とそれから医療提供の体制の両面を見ながら地域の医療の充実を図りまして、効率的かつ質の高い医療を提供できるよう取り組む体制が築き上げられるものと考えております。
  193. 長沢広明

    ○長沢広明君 これは都道府県にとってもいろいろと試行錯誤しながらということになると思いますが、その一方で、今回の改正で導入される国保事業費納付金、これは都道府県内の国保で必要となる保険料収納必要額を市町村に割り振るということで、市町村ごとの納付金の額は各市町村医療費水準と所得水準に応じて決定する、こういうことになっております。ただし、その際に勘案されるのは、実績としての医療費水準であります。  このため、都道府県による医療費適正化の努力は反映されるのか、国保事業費納付金にですね。都道府県が医療提供体制と医療保険制度の双方をコントロールするというその中で、国保事業費納付金の額の決定と医療費適正化の都道府県の努力、これはどういうリンクをすることになるのか、この点についても説明をお願いしたいと思います。
  194. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) ただいま先生から御指摘いただきましたように、都道府県が今度、医療提供体制と連動をして医療費の目標を設定していただくわけでございますけれども、この都道府県、特に医療提供体制、病床の機能分化というようなものに都道府県が取り組んでいただきまして、そして県内の医療費というものが全体的に効率的に提供されるようになれば、県内の医療費の伸びというものが適正化されて少し伸びが低くなるというようなことが想定されるわけでございますので、そういうふうになれば、市町村の納付金の金額もその分比例的に下がってくるというふうに考えているところでございます。
  195. 長沢広明

    ○長沢広明君 もう一点、前の質問のときにも指摘をしました保険者努力支援制度ですが、今回の改革で、都道府県や市町村医療費の適正化に向けた取組をするよう、そのインセンティブを与えるということで保険者努力支援制度が導入されるわけであります。  保険者努力支援制度の導入に当たって、都道府県が策定する医療費適正化計画とも整合性が取れているということがこれは求められると思いますが、保険者努力支援制度医療費適正化計画との関係、今回の改正によって、都道府県の医療費適正化の役割をどう期待し、また、今後あるべき方向性をどう考えているか。すなわち、ちょっと複雑ですけれども、市町村に向かったベクトルの話と都道府県のベクトルの話とが、今度どこでリンクしてちゃんと効果を発揮をするように考えているのかということについて説明をしてもらいたいと思います。
  196. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 今度、国民健康保険医療費につきまして、保険者努力支援制度というものを平成三十年度から創設をさせていただきたいと考えております。  それで、医療費の適正化につきましては、都道府県が全体の計画を作りますけれども、言わば総論、統括的な役割は県でやっていただくということと、分野といたしましては、やはり医療提供体制、病床の機能分化、急性期、回復期、慢性期というような病床の適正な機能分化そして連携というものは主に都道府県でお願いをしたいと考えております。  他方、市町村につきましては、やはり身近なところでございますので、予防ですとか健診も含めた健康づくり、それから保健指導、こういうようなものは市町村で中心に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。  そして、保険者努力支援制度でございますけれども、これは新たに七百億円規模くらいを今想定をしておりますけれども、これまではこういういろいろな適正化努力をしていただきましても、その努力を直接に評価をするという枠組みがございませんでした。これは財政的な問題もございましてできませんでしたけれども、今後は、この保険者努力支援制度の方でも医療費の適正化の努力というものを評価をして、そしてその支援のための費用というものを国の方から都道府県に交付させていただきたいと考えているところでございます。
  197. 長沢広明

    ○長沢広明君 都道府県の役割が非常に大きくなっていくと同時に、やっぱり都道府県が計画の策定も含めてハンドリングというか、コントロールすることが非常に複雑で難しくなっていくと思うんですね。  昨年の医療・介護総合確保推進法の制定、そして今回の医療保険制度改革法案、そして医療政策分野における都道府県の役割はますます大きくなっていくということで、これを円滑に進めるには、都道府県において医療政策に携わる人材の育成が鍵ではないかと、先日の参考人質疑の際に栃木県の福田知事にお伺いをいたしました。そのときに福田知事からも、そのとおりであると、そこでお願いがありますと。国の方からも、都道府県における医療政策の人材の育成に向けて、そういう政策を担当する職員、人材の育成確保に向けて、研修とか国からのサポートを強化してほしいと、こういうお願いが参考人からありました。これについてきちんとお応えをしてあげてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  198. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 御指摘のとおり、今度この医療保険制度の運営というものも都道府県に、国民健康保険の運営をお願いをしていくわけでございますので、これをきちんと運営をし、そして市町村ときちんと相談できる人材を養成するということが一番中心的な課題になると考えております。  これは、昨年の地域医療構想の関係、医療・介護総合確保推進法の関係でも、現在医政局でも同じ人材養成に取り組んでおりますけれども、私どもも、医政局とも連携し、それから総務省ともまた連携をさせていただいて、各都道府県の、都道府県中心ですけれども、職員の人に対する研修会、あるいは改正に対する丁寧なブロックあるいは各県ごとの説明会というようなものも開催させていただきたいと考えております。  いずれにしても、かなり大きな改革でございますので、きちんとした手当てのある養成体制、支援体制を組んでいきたいと考えております。
  199. 長沢広明

    ○長沢広明君 是非お願いしたいと思います。  後期高齢者支援金の全面総報酬割にちょっと関連をしてお伺いしたいと思いますが、これの導入で被用者保険者間の負担が負担能力に応じたものになる、同時に拠出金の負担が増える被用者保険者が生じることにもなります。今後十年間は被用者保険者の前期高齢者納付金の負担が一層重くなるということで、これちょっと大臣にお伺いしたいと思っております。  今後十年間、被用者保険者の前期高齢者納付金の負担は重くなりますが、今回の制度改革では前期高齢者納付金に力点を置いて、こういう被用者保険者への支援が実施されることになります。しかし、二〇二五年、団塊の世代が後期高齢者になるということを考えますと、被用者保険者の後期高齢者支援金の負担は、十年後さらにまた新たな課題になるのではないかということが考えられます。  今回これだけ大きな制度改正を行うわけですけれども、十年後を見据えると、これに加えて更なる検討が必要になってくるのではないかというふうにも考えるんですが、この点についての大臣の見解を伺いたいと思います。
  200. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今回、後期高齢者医療制度をより安定的に運営をするということで、後期高齢者支援金について、負担能力に応じた負担ということで、被用者保険者の支え合いを強化する観点から全面総報酬割を導入をすることにしたわけでありますが、一方で、今後高齢者の増加などによりまして、被用者保険者の高齢者医療への拠出金負担が更に増加をしていくということが見込まれるわけで、これを踏まえて、今お話をいただきました約七百億円の追加的な財政支援を行って、高齢者医療への拠出金負担が重い被用者保険者の負担軽減を図るということにしたわけでありますが、これによって当面は高齢者医療への拠出金負担の伸びの抑制に資すると思うわけであります。  さあ、これから十年先どうなんだと、こういう話でございましたが、私どもとしては、当面更なる取組が必要になるとは想定をしておりませんが、今後、中長期的な観点から、今回の改革に加え、更なる見直しが必要かどうかということについては、改革の実施状況などを見ながら見極めてまいらなければならないというふうに思っております。
  201. 長沢広明

    ○長沢広明君 医療費適正化への取組とか、今回の改革の中に入れている様々なツールをしっかり回転をさせていくということがまず前提であるということだというふうに思います。  医療費適正化計画について、この後でお伺いしたいと思いますが、近年の医療費の伸びが、ある意味では医療保険制度の持続可能性をやや脅かす一つの要素にもなっていると。国保の財政基盤を安定化させ、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入については、保険者に入ってくるこれは財源の話でございました。  医療保険制度の持続可能性を高めるには、出ていく費用も管理する必要があるという一つの観点がございます。すなわち医療給付費についてですけれども、これは単純にただ抑制すればいいというものではないというふうに思います。必要な方が必要なときに質の高い安全医療を受けられるということを堅持することは重要です。  今回の法律案には、医療費適正化計画の見直し、予防、健康づくりの促進、医療費適正化に関する事項がこのように盛り込まれておりますが、この医療費適正化計画の見直しでは、進捗状況を公表する、あるいは暫定評価を導入すると。それに加えまして、医療費の実績が医療費目標を上回った場合は、その要因を分析し、そのための対策の実施ということも導入するということで、いわゆるPDCAの強化に重点が置かれていると。  しかし、PDCAを行うのであれば、政策全体においてもいわゆる効果の検証を十分に行う必要があるというふうに思います。平成二十年度から二十四年度の五年間、第一期医療費適正化計画、これについては計画期間終了後に実績評価が行われていると思います。厚生労働省としては、この第一期の医療費適正化計画の実績評価の結果をどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。
  202. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 平成二十年度から二十四年度の第一期の医療費適正化計画でございますけれども、この計画におきましては都道府県ごとに三つの目標を定めておりました。一つは、特定健診、保健指導の実施率でございます。二つ目は、平均在院日数の短縮でございます。三つ目は、計画期間における医療費の見通しの設定でございます。  そういう三つを定めておりましたけれども、まず最初の特定健診、保健指導でございますが、こちらは全体で七〇%以上というものを目標にしておりましたところ、平成二十四年度の実績は四六・二%でございました。これは、やはり国保でございますとか、あるいは被扶養者の方、奥様でございますけれども、主にそうした方がなかなか受診率が上がらないというようなことがございまして、これ工夫が必要だと考えております。特定保健指導保健師さんの保健指導でございますけれども、四五%以上を目標にしていたところでございますが、実績は平成二十四年度で一六・四%ということで、計画当初よりは伸びておりますけれども、更に改善が必要な状況だと認識しているところでございます。  平均在院日数でございますけれども、こちらは、計画策定時、平成二十年度の実績は三十一・六日という水準でございましたけれども、目標は平成二十四年度で二十九・八日でございましたが、平成二十四年度の実績はほぼ同じ水準の二十九・七日となっております。これはDPCなどの様々な要素、特に急性期の在院日数が短縮してきておりますので、そうしたものが影響してきているのだというふうに受け止めているところでございます。  最後に、医療費の金額でございますけれども、計画策定時に見込みました平成二十四年度の医療費は三十八兆六千億円という水準を見込んでおりましたが、実績は三十八兆四千億円ということになっておりまして、二千億円低いという結果になっているところでございます。これが全て在院日数の短縮のせいだとまでは申し上げられませんけれども、一定の効果はあったのではないかと考えているところでございます。
  203. 長沢広明

    ○長沢広明君 三十八・四兆のところは効果があったということですけれども、それ以外の指標については非常に差の激しい、大きい、指標と現実がすごく差が開いているところが出ているということは、ひとつもう一度再点検する必要があるんじゃないかというふうに思います。  医療費適正化計画が、今回、医療計画に合わせて平成三十年度以降は期間を五年間から六年間に延ばすと。加えて、今話のあった特定健診とか保健指導の実施率、あるいは平均在院日数といった現状の指標について必要な見直しを行う、新たな指標を検討するということです。その例として、例えばジェネリック医薬品の使用割合等を検討しているというような話も漏れ伝わってきております。  一方、この法案の衆議院の審議の中で、今あった特定健診とか保健指導とか、現行の指標でさえも医療費適正化に対して実際に意味のある結果を与えているのかどうか、その辺は検証が必要ではないかという議論がありました。また、厚生労働省医療保険部会においても、特定健診、保健指導の実施率や平均在院日数等の指標が医療費適正化に効果を及ぼしているのかどうか、それは不明確であると、こういう指摘も現実になされているはずです。  現行の指標はもちろん、ジェネリックというような新たな指標を設定するというようなことに当たっては、それが医療費の適正化に本当に結び付くのかどうか、論理的なつながりをちゃんと説明する必要があると思います。これはつまり、ある指標が医療費適正化に与える効果の分析、これは絶えず進めていく必要があるということでもあると思います。  新たに設定する指標が医療費の適正化につながるということを示すために、平成三十年度からの新たな医療費適正化計画の策定に向けて、国としてどう分析し、検証していくつもりか、お考えを伺いたいと思います。
  204. 橋本岳

    ○大臣政務官(橋本岳君) 医療費適正化計画では、まず法律上は、医療の効率的な提供それから予防の推進という二つの観点から、医療費適正化の指標を定めるということになっております。  このうち、医療の効率的な提供に関する指標について、現在は平均在院日数の短縮というのが具体的な指標として定められておりますが、例えば後発医薬品の使用促進や医薬品の重複処方の是正など薬剤使用の適正化でありますとか、病床機能の分化、連携や地域包括ケアシステムの推進などが課題となっておりまして、これらについて具体的にどのような指標が適当なのか、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。  また、予防に関する指標につきまして、現在は特定健診、保健指導の実施率が具体的な指標として定められておりますが、これに加え、今後は、糖尿病性腎症の重症化予防でありますとか高齢者の虚弱予防の推進などが課題であると認識をしておりまして、これらについて、具体的にどのような形で指標として設定をしていくのが適当か、検討していきたいというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、新たな指標につきましては、今後、社会保障制度改革推進本部の下に設置されている専門調査会で、レセプトデータ等の分析をしながら、専門家の皆様方の御意見を踏まえて検討して、年度内をめどに取りまとめてまいりたいと考えておりまして、先ほどの委員の御指摘もしっかりと考慮してまいりたいと考えております。  以上です。
  205. 長沢広明

    ○長沢広明君 政務官、加えて、医療費の実績が医療費目標を上回った場合、その要因を分析せよ、そして対策を実施せよというようなことで、こういうことをやっていくことは非常に大事だと思います。  ただ、この実効性を担保するためには、都道府県が医療費適正化により積極的に取り組めるような国としての方針をきちんと示して、それに対する具体的な支援をやるということをきちんとやっていかなければいけないというふうに思いますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
  206. 橋本岳

    ○大臣政務官(橋本岳君) 医療費の実績が目標を上回ってしまったということについてですけれども、やはり何で上回ってしまったのかという分析をまずきちんとしていただいて、それに対する対策を取るということで、その要因分析をするということが大事なんだろうというふうに考えております。  その上で、その一因として、例えば予防、健康づくりに係る行動目標が未達成なことが背景である場合においては、都道府県ごとに設置されている保険者協議会を通じて、取組の実施者である保険者に対して取組の促しを行っていただくことでありますとか、地域医療構想に定める病床機能の分化、連携が進んでいないということが例えば背景にあるといった場合でありましたら、総合確保基金の仕組みの活用や、地域医療構想調整会議を通じ医療関係者への働きかけなどの対策を講じていただくということを考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、都道府県での要因分析や対策実施の方法などについては、年度内をめどに作成する新たな医療費適正化基本方針において示してまいりたいと、このように考えております。
  207. 長沢広明

    ○長沢広明君 時間が来ていますので、最後に一問だけ、ちょっと保険局長にお伺いします。  紹介状がない場合の大病院受診時の定額負担の問題で、地域によってはやっぱり近くに大病院しかないとか、やむなく大病院診療科にかからざるを得ないとかという、そういう地域事情というのもあると思うんですね。  今後、厚生労働省で具体的な負担額というものは検討されていくということですけれども、こういう紹介状なしで大病院を受診するときの負担、これは定額負担といいますが、全国一律の額なのか、あるいは地域の事情を考慮するということもあり得るのか、この点だけお答えいただきたいと思います。
  208. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 詳細はもちろん今後いろんな皆様の御意見を聞くことになりますけれども、私どもが現在考えておりますのは、全国的に標準的な金額というものは国で定めると。ただし、先生御指摘のように、地域ごとに大分事情が違いますので、その御事情に応じて設定していただけるような方法、方向で考えてまいりたいと考えているところでございます。
  209. 長沢広明

    ○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
  210. 川田龍平

    川田龍平君 維新の党の川田龍平です。  既に患者申出療養として前例がある医療について、ほかの医療機関が実施する場合は改めて患者の申出が起点である書類を求めるとされていますが、既に実施が認められた医療機関における二人目、三人目の適格基準内の患者についても、最初に申し出た患者と同じように、患者の申出が起点であることを証明する書類を求めるんでしょうか。
  211. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、一人目の場合、例えばある臨床研究中核病院で実施をしていただいた場合には、当然、今先生御指摘のように患者が起点である書類を付けていただきますけれども、その臨床中核病院で二人目以降実施をする場合は、その書類を国に提出をしていただくということは必要ないわけでございます。  ただし、その場合でも、当然、医療機関と患者の方との間で医療の内容についてきちんと納得をしていただいたという、これは書類は残しておいていただかなければいけないと考えております。
  212. 川田龍平

    川田龍平君 実施計画に予定されていた症例が足りなくなりそうになった場合には、実施が認められた医療機関が適格基準内の患者を探し出してきて、この医療を受けませんかと勧めることも起こり得るんではないでしょうか。
  213. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これもいろいろ御議論ございましたけれども、なかなか当初思っていたように症例が集まらなかったということはあり得ることだと思います。  ただし、これは先ほども御議論ございましたけれども、医療機関の方で患者さんが十分理解しないままにこれに参加を勧めて、そして言わば本当に誘導してくるような形というのは、私どもは、患者申出療養の趣旨とは違うので、それは不適切なものであるというふうに考えております。
  214. 川田龍平

    川田龍平君 医療機関の方から勧めるというのは、もうそれはもはや患者申出療養とは言えないのではないでしょうか。  この患者申出療養は基本的に臨床研究として実施されると、大臣答弁に関連して以下質問いたします。  先進医療の適格基準外の患者が患者申出療養として前例のない医療を受けたいと申し出てきた場合に作成する患者申出療養の実施計画は、倫理指針に基づく臨床研究計画、つまりプロトコルが含まれるんでしょうか。
  215. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、先進医療の適格基準外の患者さんが前例のない医療を受けたいと、患者申出療養としてという申出をしていただいた場合でございますけれども、これは倫理指針に基づく臨床研究計画を含めた実施計画というものを策定をして申請を行う必要があるというふうに考えているところでございます。
  216. 川田龍平

    川田龍平君 患者申出療養として既に認められた医療があって、適格基準外の患者がその医療を受けたいと申し出てきた場合、実施計画を変更したり、またその期間を延長したりするのか、それとも新たな実施計画を作成するのでしょうか。
  217. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは適格基準外の患者さんを追加する場合でございますけれども、これはレベルの問題だと思いますけれども、既存の実施計画を一部変更することで対応が可能だという場合もあるでしょうが、ただ、内容によっては、これはもう新しい実施計画を作っていただかなければいけないだろうということで、その作成を、新たな計画を求めるということもあろうというふうに考えているところでございます。
  218. 川田龍平

    川田龍平君 そのいずれの場合も患者の申出が起点であることを証明する書類というのは求めるんでしょうか。
  219. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、患者申出療養の実施計画が変更となって、あるいは新しい計画になるということでございますので、これは患者の申出が起点であることを証明する書類をきちんとお願いをするということになると思います。
  220. 川田龍平

    川田龍平君 その実施計画の変更のたびに認定倫理審査委員会の審査を受けるんでしょうか。
  221. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これはある種の高度な医療でございますので、実施計画が変更するということになれば、その変更に当たりまして臨床研究計画が変更されるということで、患者申出療養を実施する医療機関におきまして倫理審査委員会の審査を受ける必要があると考えております。
  222. 川田龍平

    川田龍平君 患者申出療養の適格基準外であることが明確な、例えば末期のがん患者に対し、既に実施が認められた医療機関の方からこの医療を受けませんかと勧めることもあるんでしょうか。
  223. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは基本的には、患者申出療養については、患者さんが治療内容を理解、納得していただいた上で申出を行うことが基本でございます。  先生の今御指摘のようなケースがどの程度実際にあるのかちょっと分かりませんけれども、既に例えば実施されている患者申出療養の適格基準外の患者さんにおいても、何らかの根拠によりまして、それはちゃんとそれなりの根拠があるという意味でございますけれども、治療効果が期待できるという場合に、その治療を患者さんに紹介するようなケースが全くないということは言えないと思っております。  ただ、それは最終的には、いずれにしても患者さんがきちんと納得して理解をするということが基本でございますので、単に医師が勧めるというだけではこの患者申出療養には制度の上に乗ってまいりませんので、やっぱり患者さんが納得していただくということを必ずきちんと確認をしていただいて、書類も残していただくということが必要だと思います。
  224. 川田龍平

    川田龍平君 患者申出療養の適格基準外の患者に新たな実施計画を作る場合、それはたった一人のための実施計画となると思われますが、それにも臨床研究計画、プロトコルが含まれるんでしょうか。
  225. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 患者申出療養の対象として適格基準外の患者さんを追加をする場合、原則としては臨床研究として既存の実施計画を変更する、又は新たな実施計画を作成する場合が考えられまして、この場合には臨床研究計画、プロトコルが含まれるということでございます。  一方で、例えば他の治療法が全くない末期のがん患者に対する治療のように、臨床研究という形式で実施することが難しいため、臨床研究計画、プロトコルを策定できない例外的な場合があって、その場合には実施計画に臨床研究計画、プロトコルは含まれないこととなりますけれども、臨床研究中核病院における検討を踏まえて、患者申出療養に関する会議、国の方でつくられる会議において倫理性等も含め個別に審査を進めることになるというふうに考えております。
  226. 川田龍平

    川田龍平君 プロトコルを含まない患者申出療養の実施計画が例外的にあるということであれば、それは臨床研究の倫理指針にのっとった、安全性、有効性を科学的、統計学的に検証するための実施計画ではないということになります。  倫理指針にのっとった実施計画なしに臨床研究や治験の適格基準外の患者もこの患者申出療養の対象にすることは、安全性は確保されず、単なる自由診療となるのではないでしょうか。症例にもならないのに、それでも保険収載に向けた療養だと強弁するということでしょうか。
  227. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 今御指摘のケースはかなり例外的なケースだと思いますが、ただ、先ほどのお話のように、他に治療法がないような患者さんで、ただし、それも当然、患者さんが十分理解、納得をしていただくという前提の上でございますけれども、患者申出療養について、保険収載に必要なデータやエビデンスを集積をして安全性、有効性の確認を経た上で保険適用につなげていくわけでございますが、想定した以外の患者さんが希望した今のようなケースについては、実施計画の見直しや臨床研究計画の策定を行うことを基本としていただきたいと思います。  ただし、例外的にこの実施計画を策定することが難しいということがございますので、そのような場合には、今大臣からもお話ございましたけれども、患者申出療養における会議、国に設置をする予定の会議でございますけれども、病院に任せるのではなくて、国に設置をする会議に、きちんとした公の会議におきまして、倫理性等も含めて個別に審査を行った上で実施をするということを考えております。  もちろん、先生御承知のように、現在の先進医療会議も、これも公開で実施をされておりますので、私どもは、そういう透明性を確保した上で、会議で御審議をいただきたいと考えております。
  228. 川田龍平

    川田龍平君 先進医療Bは、全て倫理指針にのっとった実施計画が求められていますが、他方、この患者申出療養には、倫理指針にのっとらない実施計画も含まれるということであれば、これはこの国で初めて研究目的ではない、つまり、保険収載のための症例の蓄積にならない、自由診療と保険を併用する混合診療へと道を開くものとなります。これは絶対に認められません。  本会議でも申し上げたように、薬害被害者の一人として私が何よりも最も懸念をすることは、万一の健康被害、副作用などが発生したときの責任の取り方、補償の在り方です。万一の健康被害、副作用などが発生したときに、患者に責任を負わせないことを治験薬と同じように法的に担保するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  229. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 患者申出療養におきまして有害事象が起きた場合の責任補償の内容につきましては、まず、あらかじめ患者さんに対しまして十分な説明をしていただくということが重要でございます。その在り方につきましては、現在の先進医療の中での対応、あるいは治験の枠組みなどを参考にいたしまして、患者の方々を含む関係者の御意見を踏まえまして具体的な詰めを行ってまいりたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、安全性の確保は非常に重要でございますので、どのような補償の内容に関する書類を求めるかということにつきましても、実施までの間に皆様の御意見を聞いて、しっかりと定めたいと考えております。
  230. 川田龍平

    川田龍平君 まだ、そのように有害事象が発生したときの責任の取り方、補償の在り方が何も決まっていない段階で、患者申出などという、責任を患者に転嫁するような、国際的にも類を見ないような恥ずかしい名称で未承認医療技術制度をつくるという考え方自体、全く患者の立場に立っていないと私は強く主張いたします。  その点、本会議では大臣からはっきりと御答弁いただけなかったので、大臣、これ通告しておりませんが、その点どう思われますか。改めて伺います。
  231. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど答弁したと思いますけれども、補償の内容に関する取決めというのは、所定の書類として含まれて、必ずそれを確認した上で審査を受けるということになるわけでございますので、当然のことながら、前にも申し上げたとおり、事前に医療機関とそれから患者との間でしっかりとした話合いが行われて、当然、説明をし、同意をしたその書類がなければいけないということでありますので、基本的にこういうことで、あらかじめ設定をされたものが確認をされるというプロセスが大事だというふうに思っております。
  232. 川田龍平

    川田龍平君 先進医療Bでさえも、民間の臨床研究保険に加入している技術数は三十一技術中まだ十七しかない状態です。先進医療Bよりも更に保険の加入割合というのは減るのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  233. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 患者申出療養におきまして事故や副作用が起きた場合の責任補償の在り方については、個々の医療技術等により様々な態様になることは考えられます。  現時点で患者申出療養における臨床研究補償保険への加入割合の見込みというのをお答えすることは難しいわけでございますけれども、私どもは、患者申出療養自体はもちろん医療の内容をこの範囲というようなことを決めるということにはなっておりませんので、原理的にはあらゆる範囲というものは考えられるわけでございますけれども、やはり一番想定をされるのは、適応外の医薬品の使用などというものは実際には多くなってくるのではないかと思っているところでございます。数字まで申し上げられませんけれども、そういうものは既に前例に近いものも出てきておりますので、そういうものは設定しやすいのではないかと考えているところでございます。
  234. 川田龍平

    川田龍平君 患者申出療養の適格基準外の患者で、プロトコルを含まない実施計画に基づいて医療を受け、万一有害事象が起きた場合、実施医療機関が加入する保険ではカバーされないのではないでしょうか。プロトコルから外れている患者のために医療機関は高い保険料を払ってまで臨床研究保険には加入しないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  235. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、適格基準外の患者さんに対する有害事象の扱いというものをどのように位置付けていくかということは、この患者申出療養でも非常に難しい問題の一つであろうというふうに考えているところでございます。  もちろん、その場合には、生じ得る有害事象等のリスクも様々ございますので、責任補償の在り方も異なってくるわけでございますけれども、ただ、私どもはそうした場合に、もちろん保険に加入できれば必要な保険に御加入いただくという、医療機関の方に加入していただくということを考えたいというのが基本でございますが、全体として、今先生の御指摘のような、適格基準外の患者さんの場合にどのような有害事象への対応措置を講じていくか、求めていくかということについては、十分患者申出療養に関する会議でも御議論をいただきたいと、そしてきちんとしたものを定めたいというふうに考えております。
  236. 川田龍平

    川田龍平君 実施機関が臨床研究保険に加入できないとなると、万一の副作用発生時は全力で治療しますなどと契約書に書かれるだけで、副作用の治療のかいなく死亡したり後遺障害に至った場合は、結局自己責任ということになるんではないでしょうか。
  237. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 今非常に難しいケースのお話がございましたけれども、今先生お話しのように、結局自己責任ということにならないようにきちんとした措置を講ずる。これは、適応外の医薬品などの場合は、前例もたくさんあるし患者さんの数もたくさんあるので設定しやすいんでございますが、本当に初めてのようなものでかなり難しい適応外の方につきましては、これは審査も通常のものよりはかなり掛かることになると思いますので、そうした中で相当御議論いただかなければいけないというふうに思っております。
  238. 川田龍平

    川田龍平君 この事態に対応するために、損保会社なども含め各種の民間保険会社が有害事象発生時の補償をするための患者向けの商品開発をする可能性も指摘されていますが、先日も申し上げたとおり、厚労省として、民間保険会社の動向について、患者の権利保護の観点からしっかり調査して把握していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  239. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは先日も先生から御指摘いただきました。  民間保険会社先進医療に関する特約などを付しました商品が増えている、販売されているということは私ども承知をしております。それで、これは私どもも、やはり公的な医療保険というものと、それから民間の保険というものの関係を適切に把握をしていくということは重要だと思っております。やはり全体として、民間保険でありましても国民の皆様の保険料の負担ということでございますから、当然、私どももこれは関心を持ってその動向をしっかり調査研究してまいりたいと考えております。
  240. 川田龍平

    川田龍平君 先ほど、午前中の質疑でも、健康医療戦略室の中に損保ジャパンの出身の人がいたり、それから保険局医療課には昨年まで東京海上火災からの出向者を受け入れていたと聞いています。現在も保険局には民間保険会社から出向者がいるのでしょうか。どこの会社から何人、どういう役職なんでしょうか。
  241. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 保険局には民間保険会社から三名の職員がおります。会社は、東京海上日動火災が二名、それから日本生命保険相互会社が一名でございまして、役職はいずれも管理職ではございませんで、課長補佐と主査、係長級でございますが、あと係員という状況でございます。
  242. 川田龍平

    川田龍平君 既に患者申出療養として前例がある医療をほかの医療機関が実施する場合は、いわゆる多施設共同研究として申請されるということですが、その場合、二週間で本当に審査を終えることができるんでしょうか。臨床研究中核病院に過大な負担を強いることになりませんでしょうか。
  243. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) まず、二週間につきましては、臨床研究中核病院の方で当初実施をした患者申出療養ということでございますので、その範囲内でしっかりした体制で審査を終えていただきたいと考えております。  その場合に、先生の御指摘のように、臨床研究中核病院にかなりの負担が生じないかという問題があるわけでございますけれども、これは一つには、私どもも、様々な面から臨床研究中核病院につきましても必要なバックアップをしなければいけないと思いますが、臨床研究中核病院につきましても、やはり日本の医療研究というものをリードして世界に向かってチャレンジしていくという大きな責任を持った病院でございますので、そうした体制を取っていただくようお願いをいたします。私どもも必要な支援をしていく必要があると考えております。
  244. 川田龍平

    川田龍平君 当該患者に身近な医療機関における実施体制についても、ICH―GCPにのっとって審査されるということでよろしいでしょうか。また、認定倫理審査委員会の審査も二週間以内に行うんでしょうか。
  245. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) まず患者申出療養の実施計画の作成につきましては、基本的に疾病の治療方法の改善等を目的として計画的に行う臨床研究として実施をしていただきます。したがって、患者申出療養につきましては、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に沿った対応となるものでございまして、原則二週間以内に倫理審査委員会による実施計画の審査を行っていただきたい。また、参加に当たってのインフォームド・コンセントにつきましても、同指針に定められた手続を行っていただきたいと考えております。  以上でございます。
  246. 川田龍平

    川田龍平君 米国にはエクスパンデッドアクセスINDという制度があり、それは、重篤な疾患でほかに治療法がない患者を救う可能性があるといった限定的な条件が付いています。このような条件を患者申出療養にも付けるべきではないでしょうか。
  247. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 患者申出療養につきましては、困難な病気と闘っておられる患者さんの御希望に応えるということを理念としておりまして、疾患や病状、治療法など様々なケースが考えられると思っております。既に他の疾患で十分な経験が蓄積しており、安全性が高いと思われる治療法を適応外の他の疾患に実施する場合などもあろうと思います。こうした場合には、対象疾患を広く考えることができると考えております。  したがって、申請について一定の安全性、有効性を有することを個別に審査することが適切でございますので、あらかじめ医療条件を付すことは考えておりませんが、ただし、実際の個別の審査の中で、どういうような実際の治療、患者申出療養が、これはどういう条件で実施されるのが望ましいかということは御議論いただくことになろうと思います。
  248. 川田龍平

    川田龍平君 ちょっと飛ばして、最後に大臣に質問をさせていただきますが、この特定機能病院の集中検査について、ガバナンスの仕組みを点検するものであって、患者申出療養とは必ずしもリンクするものではないと大臣は答弁をされました。しかし、ガバナンスの良しあしによって安全性の確保の仕組みが機能するかしないか変わってくると思います。患者申出療養と特定機能病院のガバナンスは無関係ではないと考えますが、いかがでしょうか。
  249. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 五月二十一日のこの厚生労働委員会で私から、議員通告外でございましたが、患者申出療養の開始に間に合わせるようにずさんな検査とならないよう、患者申出療養の実施を一旦棚上げし、臨床研究中核病院や特定機能病院の体制整備、立て直しを徹底して行うべきではないかとの御質問に対して、私の方から患者申出療養とリンクしているわけではないというお答えをしたのは、今般の特定機能病院に対する集中検査は今後三か月で実施をするものでありますけれども、患者申出療養の施行時期、これは平成二十八年四月を予定をさせていただいておりますけれども、これに間に合わせるためのものではなくて、今般の重大事案を、数々ございますが、それを踏まえて早急に対応するという趣旨でお答えを申し上げたもので、一方で、臨床研究中核病院について本年四月より医療法に位置付けられておりまして、今後、社会保障審議会医療分科会の審議を経て、基準を満たした病院承認していくこととしておりまして、医療安全管理体制についてしっかりと担保した上で患者申出療養を実施してまいりたいというふうに思っております。
  250. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 川田委員、時間を過ぎておりますので、おまとめください。
  251. 川田龍平

    川田龍平君 はい。  もう一度言いますが、来年四月からのこの患者申出療養の開始に合わせるように検査、点検をするのでは徹底してやったことにならないですので、特定機能病院への国民の信頼を完全に回復するまでは、せめてこの患者申出療養は延期すべきと考えます。その意見を申し述べて終わらせていただきます。  三宅食品安全部長、毎回済みません。  質問を終わります。ありがとうございます。
  252. 小池晃

    小池晃君 日本共産党小池晃です。  患者申出療養が評価療養の一形態なのかそうでないのか、政府の答弁も混乱しておりますが、しかし、その評価療養との違いは三点。患者の申出が起点、迅速性、地方の身近な医療機関で受けられる、そういう説明です。  この三点について聞きたいんですけど、まず第一点の患者の申出が起点。ところが、参考人質疑で日医の中川副会長はこう述べています。  主治医が、何々さん、今の普通の保険適用の治療ではもう治りませんよ、しかし今、先進医療としてやっているからどうだろうと、その有効性、安全性について十分に説明して、理解、納得した上で、形として患者さんから申し出たという形で先進医療を受けたいといって受けることができるようになるというんですね。  私も、実際には現場ではこれが主流になると思うんですよ。主治医の方からこれどうだろうかといって、受けると。ならば、あくまで起点はこれ主治医であって、起点が患者申出ではありませんよね。これは何で患者申出が起点だというふうに言い張るんですか。
  253. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、もちろん先進医療でも患者さんが理解と納得をしていただくことは当然なんですけれども、この患者申出療養は、特にやっぱりその点に重点を置くと申しますか、今の先進医療では、患者さんが例えば臨床研究中核病院のような大きな病院に行ったりあるいは大学病院に行って、東京の大きな病院ではこういう治療法をしているようですけど私はこれについてお伺いしたいんですがと言っても、別にそれについて説明をしてくれる部署というのはなかなかないわけでございます、枠組みもですね。そういうものを私はこの患者申出療養の場合はきちんと受けていただくという観点からも、やはりこれは患者さんが起点だというふうに考えております。
  254. 小池晃

    小池晃君 いや、じゃ、聞き方を変えますけど、先ほどから局長は答弁で、患者申出でなくても、結局最終的に患者が同意すればこれは患者申出療養になるんだと言いましたよね。そういうことですね。
  255. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、理解と納得をきちんとしていただくということが患者の起点ということでございます。
  256. 小池晃

    小池晃君 だから、これ患者申出療養じゃないんですよ。結局、どこが出発点になったって、患者が同意すれば患者申出療養だというわけでしょう。しかも、同意なんというのは当たり前じゃないですか。保険診療だって同意がなけりゃ医療行為はできないんですよ。だから、この患者申出が起点だというのは全く意味のない定義だということを私は申し上げたい。だから、これはもう除外すべきだと。  そうすると、残るのはあと二つです。迅速性と、どこでも受けられる。これ大問題ですよ、逆に。  迅速性ということでいうと、患者申出療養というのは治療法を限定していないわけで、国内未承認、実験的医療、これも対象になり得るわけで、現在でもこれは、臨床例が数例でも、先進医療の評価療養の対象になっているものはたくさんあります。今の評価療養もこれは六か月なわけで、実際にはそれ以上掛かっている例もあるわけで、今回のように六週間、こんなことで安全性を確保する。だとすれば、私は、これは抜本的な体制強化がなければ安全性なんか確保できないと思う。  大臣、厚労省としては、今回のこの患者申出療養の導入に当たって、これは課一つつくるぐらいの人員要求しなきゃできないはずですよ。やったんですか。どういう人員要求したのか、結果として何人増えましたか。
  257. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 患者申出療養の創設に当たっては、厚生労働省としても十分な体制を取って臨まないといけないというふうに考えております。  昨年の十月には、患者申出療養を含む業務を取り扱うために、保険局医療課に医療技術評価推進室という室を設けまして、十二名体制で業務を行っております。これは、本務の者が五名、それから医療課を本務とする併任者が七名、合計十二名体制でこの室を設けたわけでございます。二十七年度の組織・定員要求、これにおきましては、医療技術評価推進室の担当者三名の増員要求を行って全員が認められたところでございまして、この増員は平成二十七年、今年の十月からということを予定をしております。  今後も、患者申出療養などの対応を十分に実施できるよう体制の確保に努めていきたいというふうに考えております。
  258. 小池晃

    小池晃君 三名増員だと、今年の予算でいうと。これでは本当に心もとない。  結局、体制強化なしに迅速性を追求すれば絵に描いた餅になるし、逆に、体制強化もせずに迅速性を追求すれば、私は、安全性が後回しになって、犠牲になるのは患者さんだということになりかねないんではないかというふうに思うんですね。  それから、地方の身近な医療機関で受けられるというんですが、現在の先進A、Bでは、実施医療機関施設基準があったり、あるいは国が承認するわけですが、今回の患者申出療養を実施する身近な医療機関には施設基準はあるんでしょうか。国による承認手続はなされるんでしょうか。
  259. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、患者申出療養として実施をしていただくということになりますれば、もちろん、その医療技術の内容にもよりますけれども、先進医療の場合では、今先生御指摘いただきましたように、ある技術を実施するための例えば施設設備としてどういうものが必要かだとか、あるいは人員の、医師の基準がどうかというようなことがございますので、それは技術の内容によって必要なものは求めることになろうと思います。
  260. 小池晃

    小池晃君 いや、ごまかさないでください。身近な医療機関の基準は、これは臨床中核病院が認めればどこでもなれるんでしょう。国として施設基準があるんですか。国が承認する手続がこの中にあるんですか。身近な医療機関ですよ。
  261. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは当然、最初の一例目の承認をしたときの基準というのがあるわけでございますから、臨床研究中核病院と全部同じにはならないまでも、当然一定のレベルが必要と。したがって、がんにつきましては、がん診療連携拠点病院クラスまでが考えられるということをお話ししているところでございます。
  262. 小池晃

    小池晃君 私が聞いていることに答えていないんですよ。  一例目はそうかもしれないけれども、これどんどん拡大するわけでしょう、協力医療機関は。それについての基準はあるんですか。国がそれを一つ一つ認定する仕組みになっていますか。なっていないじゃないですか。臨床中核病院が認めればそこでできるんでしょう。
  263. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) もちろん、この審査をするのは、臨床研究中核病院が二例目以降をやるわけでございますけれども、医療技術の内容に応じてどの程度の医療機関が、レベルが、体制でございますけど、必要かということについては、国の方でも示す必要があろうというふうに考えております。
  264. 小池晃

    小池晃君 それはその目安を示すだけで、この仕組みの中では認定という作業はないわけですよ。  国の施設基準もない、国が承認もしていない医療機関で実施して有害事象が発生したら、これ国が責任取れるんでしょうか、こういうことで。実験的医療すら行われる可能性があるのに、そんな無責任な体制でこれを進めてしまっていいんでしょうか。
  265. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、国とそれから臨床研究中核病院、そして有識者による患者申出療養における会議におきましてきちんとしたガイドラインを定めたいというふうに考えております。
  266. 小池晃

    小池晃君 それも全然まだ決まっていないわけですよね。少なくとも患者申出療養を実施する協力医療機関については、せめて大学病院本院あるいは同程度の機能を持つ病院に限定すべきだという意見がありますけれども、私はこれは妥当性があるんじゃないかと思いますが、どうですか。
  267. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 一般的な医療技術の水準ということで考えますと、大学病院、特定機能病院でございますけれども、臨床研究中核病院は当然ですけれども、特定機能病院クラスということが考えられると思います。  ただ、がん診療につきましては、がん診療の連携拠点病院まで一遍に全部拡大できる力が全部に付いているかどうかという御議論がまた別途ございますけれども、そうしたところまで拡大することができればかなり身近なところで御利用いただけることも期待できるのではないかと考えているわけでございます。
  268. 小池晃

    小池晃君 私は、こういうのは厳格な基準を設けなければ非常に大変なことになると。特に有害事象なんかが起きたときに、じゃ、誰がその責任を取るのかということがこれは大問題になってくると思いますよ、こんなのスタートさせたら。  それから、先進医療患者申出療養の実施計画の適格基準外の患者さん、先ほどから議論になっています。これも患者申出療養として認める仕組みになるわけですね。確認しますが、その場合は、実施計画の変更、新たな実施計画を作成する、国が改めて一例目と同様の審査を行うということでよろしいですね。
  269. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 適格基準外の患者さんをこれまでの計画に追加をするに当たりまして、既存の計画を変更する場合、あるいは更にもっと大きく新しい計画を作らなければいけない場合につきましては、改めて国の患者申出療養における会議におきまして個別に審査をさせていただきたいと考えております。
  270. 小池晃

    小池晃君 そうすると、適格基準外の患者さんに対応しようとする、実態としてはこれ目の前の患者さんの状態に合わせた実施計画にならざるを得ないと思うんです、私。これはあらかじめ計画を作るということとは言い難いのではないか。  かつて選択療養が議論になったときに、厚労省は規制改革会議に対してこう言っています。  データの蓄積は行うものの、計画が事前に策定されていないため症例報告が中心になると考えられる、蓄積したデータに基づいて行った後ろ向き研究では検証的治験を行う前提となる有効性、安全性を確認することは難しい。  結局、こういう形で適格基準外の患者さんに一々この計画を作るってやっていったら、この厚労省が規制改革会議に対して出した批判がそのまま跳ね返ってくるんじゃないですか。そうではないというんだったら説明してください。
  271. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、適格基準外の患者さんにつきましては、非常に末期に近い段階の方で他に治療法が全くないような患者さんという方がいらっしゃるわけでございまして、そうした方に対してこの患者申出療養を適格基準外として実施をすることがあろうと思います。それがそのまま、確かに先生の御指摘のように、保険収載やエビデンスにそのまま該当するのかと言われれば、なかなかこれは難しい面がございますけれども、最初の御指摘でございましたように、非常に困難な状態にある患者さんでございますので、そうした御要望というものについてもやはり考えていく必要はあるのではないかというふうに考えているところでございます。
  272. 小池晃

    小池晃君 保険収載が前提だと言ったじゃないですか。結局、こんなことをやり始めたら、保険収載を度外視にした治療がどんどんどんどん広がっていくということになりますよ。そういったことはやっちゃいけないということを言っていたのが厚労省だったんじゃないんですか。こんな後ろ向きの研究では、これは何の役にも立たないというふうに自分で言っていたじゃないですか。  結局、こういう適格基準外も認めるなんということになったら、本当に止めどなく広がっていくということになるし、今おっしゃったように、本当にわらをもすがるというような状態の患者さんだと思います。それでも治療していこうというふうになれば、結果的にこれは有効性、安全性も度外視するということになりかねない、データも集まらない、保険収載にもつながらない。これはちょっととんでもないと思いますよ、私。  金沢大学が行っていたカフェイン併用療法、これは適用基準外の最大八十人の患者さんへ治療が行われる。これ、カフェイン併用療法は臨床研究指針違反によって中止になりました。並木幹夫金沢大学病院長は記者会見で、ルールを厳守せず患者にリスクを負わせてしまったと謝罪しました。  カフェイン併用療法だけじゃありません。ほかの先進医療でも、これは倫理指針違反が見付かって中止になった例はございます。金沢大学附属病院は治験中核病院として指定をされ臨床研究中核病院を目指す医療機関でしょう。もちろん国の審査を受けてカフェイン併用化学療法の実施機関となったにもかかわらず、こういう問題が起きた。倫理審査基準違反を見逃していた、あるいは見逃す可能性がある病院がさらにほかの医療機関の実施体制を審査する、こんなことでは、私は、今よりも国の関与は後退しますからね、患者の安全を守る担保など何もないというのがこの事件の教訓ではありませんか。いかがですか。
  273. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) この金沢大学のカフェイン併用療法につきましては、これは誠に当初のプロトコルを無視した研究実施になっていたということで、これは大変問題であろうと思いますし、それに対応した措置をとらせていただいたわけでございます。  この点につきましては、医療法の関係に関連する行政とも連携をさせていただきまして、きちんとした審査をしていただけるように、私どもは患者申出療養会議の枠組みなども考えてまいりたいと思いますし、こうした問題のある事例に対しては、きちんと厳しく対応させていただきたいと考えております。
  274. 小池晃

    小池晃君 あなたの決意表明では患者の命は守れないんですよ。問題は制度なんですよ、これは。  中医協の資料を見ると、先進医療として実施されていない療養もこれは患者申出療養の対象となる医療のイメージとして挙げられているわけで、そうなると、迅速審査、共同研究を行う協力医療機関は広げられる、先進医療よりも緩いです、これ。容易です。結局、患者申出療養が先進医療を置き換えてしまうということになるんじゃありませんか。
  275. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これはこの委員会でもいろいろ御議論ございましたけれども、先進医療というもの、それから患者申出療養というもの、あるいは国家戦略特区における研究なども、それぞれの役割分担をどういうふうに考えていくかということであろうというふうに思っているわけでございます。  もちろん、患者申出療養につきましても、国内未承認医薬品の使用あるいは適応外というようなものもかなり考えられるわけでございますので、どういったものが患者申出療養の主流のものになってくるかはまだ予断は持てませんけれども、私どもは、未承認適応外などの抗がん剤の使用などはかなり多くなってくるのではないかというふうに考えているところでございます。  もちろん、先進医療で箇所数の少ないものもあろうと思いますが、これはかなり高いレベルがないと実施がなかなか難しいかなと思っております。
  276. 小池晃

    小池晃君 私の質問に全然答えていないと思いますよ。  先進Bは薬よりも医療技術の方が多いですからね、実態としては。これ、実態としてはそっちに広がっていく可能性があるんじゃないか。  大前提は保険適用だ、その問題。先進的な医療技術を保険適用する、これが前提だと。ロードマップ作ります、安心してくださいと。しかし、先日から言われているように、先進医療でも保険収載に至ったものは少数です。それに比べて今度の患者申出が保険収載に結び付きやすい制度なんですか、これ。  参考人質疑では、名古屋大学の石黒直樹病院長はこう言っています。  患者申出療養制度の保険収載に向けたデータの集積については、審査体制と管理体制がないところでの医療機関、それがしっかりとして外形的に認められない以上は、そういうところでやれば必ずデータの信頼性は疑われる可能性があるし、指摘される可能性はある、データの信頼性を持たないものが果たして保険収載のときに審議対象になるのかと。  私も本当にそのとおりだと思いますよ。そんなことないというんだったら、説得力のある反論をしてください。
  277. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、私も参考人質疑を拝見しておりましたけれども、石黒先生からそうした御指摘をいただいておりましたものをお聞きをしておりました。  もちろん、先生のおっしゃるように、きちんとしたプロトコルに従ってそれを遵守してデータを集めて、そして保険収載に向かっていくのが望ましいわけでございますけれども、しかし、中には、先ほどお話し申しましたように、適格基準外の患者さんから強い御希望があるというようなことも生じようと思います。それを臨床現場でどのように御判断いただくかということは大変難しいわけでございますが、それはもう最初から受けないんだと、この制度では対象にしないんだということまでは決めるところまでは私どもは考えていないということでございます。
  278. 小池晃

    小池晃君 ちょっと、ちゃんと答えていただきたい。全く今の反論していないじゃないですか。結局、反論できないと思いますよ。これ、こうなりますよ、こんな制度をつくったら。患者申出だというその冠を付ければ何でも許されるみたいなことは、これおかしい。  もう一回聞きますけど、今の先進よりも保険適用になる、保険収載される可能性が何で高いんですか。施設基準はない、より先進的だ、そしてデータの集積だって今までの仕組みのがっちりしたものに比べればかなり緩い。そして、局長自ら認めたように、わらをもすがるという、もうほとんどデータにはならないようなケースだっていっぱい入ってくる。  どうして今までの先進医療よりも今度の患者申出療養は保険収載に結び付きやすいのか、言ってください。
  279. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 一概に全て結び付きやすいかどうかという御議論はございますが、私どもが考えておりますのは、やはり先進医療で物を、患者申出療養でかなり普及していくということも考えられるのじゃないかと思うわけでございます。現実には、先進医療は、中川副会長の御発言にもございましたけど、やっぱり三か所ぐらいで実施をしているところがございますので、基本的にはやはり症例を集めてきちんと普及させていくということが考えられるのじゃないかと思います。
  280. 小池晃

    小池晃君 めろめろですよ、はっきり言って。  これ結局、保険収載に行く行くというけれども、私は、これが起こったらどうなるかといったらば、保険収載というゴールに至らない医療技術がどんどんどんどん増えて、言ってみれば引込線みたいのがどんどんどんどんできていって、そこに医療技術がどんどんどんどん入っていくということで、先はないと。結局、こんなことをやったらば、混合診療の実質的な解禁以外の何物でもないじゃないですか。  私、これ本当に危険だと、こんなこと。本当はやりたくないから何かまともに説明できないのかもしれないけど、上から言われてやっているからそういうことになるんじゃないかと思いますが、私は、こういうことを本当に通しちゃいけないというふうに思います。  ちょっと残る時間、ヘルスケアポイント、保険料の傾斜設定のことを聞きたいんですが、保険者が加入者の予防、健康づくりに応じてヘルスケアポイント、その取組例として厚労省は、中国地方のある自治体で一年間受診しない場合に一万円キャッシュバックするというのを事例として紹介しておりますが、健保連の白川副会長は、現金を渡すということは実質保険料の変更であって、これは反対だと、健康な人の保険料を下げるということは病気の人の保険料を上げるということで、そういう世の中であってはならないと言いました。  私も全くそのとおりだと思いますが、いかがですか。
  281. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 参考人質疑も私も拝見しておりましたけれども、白川副会長からの御意見で、個人健康状態に応じて保険料の差を設けることは皆保険の趣旨に反するのではないかと、そういう御指摘がございました。これはそうした御懸念を表明されたものと思います。  私どもが今回の改正で考えておりますのは、個人の主体的な予防、健康づくりの取組を促すことを目的とした一部の医療保険者で実施をされております、これは保健事業の中で、レベルですけれども、実施されておりますヘルスケアポイントの提供する仕組み、あるいは予防、健康づくりに加入者に対する保険料面での支援などを考えているところでございますが、これは、疾病リスクによって加入者の保険料に差を設けるというようなものにつながってはなりません。それから、医療機関への受診抑制につながってはなりませんので、そうしたことにならないように設定をしていくということが重要であろうと思っているところでございます。
  282. 小池晃

    小池晃君 つながってはならないというけれども、そういうつながるようなものを提案しているじゃありませんか。キャッシュバックと傾斜保険料、どう違うんですか。  おっしゃるように、リスクに見合ったものでなくて負担能力に見合ったものにするのは社会保険の保険料の大原則ですよ。それを壊すことになるんじゃないですか、このキャッシュバックなんということをやり始めたら。それで、財務省がこれ言っているわけですよ、保険料傾斜設定。  大臣、やっぱり今回のこのヘルスケアポイント、保険料支援、こんな提案をやれば、私は、社会保険原理の否定、民間保険化につながると思います。たとえ限定的なものであっても、こんな呼び水みたいなものを、財務省が狙っているような傾斜保険料みたいなものにつながるようなものは撤回すべきじゃありませんか。
  283. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 国民皆保険である我が国の医療保険制度において、相互扶助の理念の下で、疾病リスクにかかわらず、誰もが必要な医療を受けられることを原則としているわけであって、このために、疾病リスクによって保険料に差を設けるという、今お話が出ましたが、設けるということは、やはり結果としてリスクの高い方が保障を受けられなくなるおそれがあるということでありますから、やっぱりこれは適当ではないというふうに考えておりまして、御指摘の財務省の提案は、具体的な内容は我々もよく明確ではないので分かりませんが、厚労省としては、国民皆保険としての医療保険制度の趣旨も踏まえれば、疾病リスクなどの個人の属性を評価するんじゃなくて、個人の主体的な予防、健康づくりを推進するというポジティブな観点からインセンティブ提供の具体的な方法等について考え方を整理をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  284. 小池晃

    小池晃君 ここはやっぱりこの厚労省の提案は、財務省につながっていく。  経済財政諮問会議でも、民間議員が保険料の傾斜設定を主張して、大臣は、考え方は民間議員とそう変わらないと言ったそうじゃないですか。今日これからあるんでしょう、経済財政諮問会議で。結局、ずるずるこういう方向に持っていかれるんじゃないですか。  こんなことの呼び水になるようなこの法案は、これはもう廃案しかないということを改めて申し上げて、質問を終わります。
  285. 行田邦子

    行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。  まず、先日の質問の続きなんですけれども、医療費適正化計画、データヘルスについて伺いたいと思います。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  医療費適正化計画において指標となっている特定健診、また特定保健指導の実施率、そして平均在院日数の短縮ということと医療費の適正化の因果関係について前回質問いたしましたけれども、御答弁を伺っている限りでは、必ずしも明確になっていないと。平均在院日数については一定の因果関係が見出されるということでしたけれども、特定健診、特定保健指導については因果関係が余りはっきりしないということだったと思います。  大臣に伺いたいんですけれども、平成二十一年度からレセプトがオンライン化されています。こうしてレセプトデータ、特定健診データが電子的に保有することが可能になっていて蓄積されているわけでありますけれども、こうした蓄積されたレセプトデータを活用して、今後、こうした特定健診、特定保健指導と、それから医療費適正化の因果関係についてどのような検証、分析を行われる予定でしょうか。
  286. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 特定健診、保健指導については、これまでも国のNDBを活用して専門家による医療費の適正化効果の検証作業を進めてきておりまして、一定の効果は示されているというふうに申し上げてきたと思います。  先ほど話が出ましたけれども、平均在院日数の短縮については、先ほども少し紹介がありましたが、平成二十年から二十四年度までの第一期の計画実績では一定の効果があったというふうに考えられる結果が示されているわけで、短縮に関してですね、ありますけれども、医療費にどの程度影響を与えるのかという寄与度とか、こういう面については必ずしもまだ明確ではないというふうに率直に認めないといけないと思っております。  このため、今後とも、今御指摘のナショナルデータベース、かなり蓄積をされてきておりますけれども、このデータを活用しながら、社会保障制度改革推進本部の下に、今、専門調査会というのがございますが、ここで議論をしていただいていますけれども、特定健診、保健指導医療費への効果について更に時間を掛けて経年的な分析等を実施をしないといけない。  それから、平均在院日数と入院医療費との関係については、さっきも話が出ておりましたが、より詳細な分析を行わなければいけないというふうに考えておりまして、医療費適正化に効果があるかどうかということについて、これはやっぱりきっちりとしたデータ分析をしていかなければならないというふうに考えております。
  287. 行田邦子

    行田邦子君 今、各保険者においては、レセプトデータシステムといったものが、データベースシステムができているわけでありますけれども、各保険者においてもこういった分析というのを進めているところでありますが、それと同時に、やはり国としても、今御答弁にあったナショナルデータベースを活用して、更に要因分析というのをお願いしたいと思います。  そうでないと、この医療費適正化計画、都道府県が作るものにおきましては、医療費が見込みよりか上回った場合は要因分析をしっかりと都道府県はしなければいけないことになっていますので、確固たるエビデンス、また、その根拠、データがないとやはりこれは意味のないものになってしまいますので、是非こうした要因分析というのを進めていただきたいと思います。  それで、データヘルス計画なんですけれども、各保険者においてデータヘルス計画が作成されて、今年度四月から実施のフェーズに移っているはずなんですけれども、市町村国保においてはこの計画策定がまだできていないというところが結構あるようです。私の埼玉県でも半分以上がまだできていないというふうに認識していまして、このデータヘルス計画の策定、また、その実施が非常に困難な小規模な市町村国保に対して、やはりこれはしっかりと国としても支援をしていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  288. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) ただいま御指摘いただきましたように、やはり小規模な市町村に対する支援というのは非常に重要でございまして、市町村国保で見ますと、データヘルス計画が策定済みの保険者が全体の約二二%の三百八十余りというような状況でございまして、今後進めてまいりたいということを私ども伺っているわけでございます。  その取組を支援をするということで、これは市町村だけでやってくださいというだけではできませんので、私どもの方では、各都道府県ごとに置かれております国民健康保険団体連合会、国保連合会に有識者から構成される支援体制というのを整備をしていただいております。データヘルス計画の策定に当たりましては、この国保連合会の有識者の、まあ委員会のようなものでございますけれども、そちらの方から助言やあるいは市町村の職員への研修を実施をしていただきたいと考えております。また、厚生労働省におきましては、こうした国保連合会における支援体制の整備への取組につきまして、財政面での支援を行っているところでございます。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  こうした取組を通じまして、市町村データヘルス計画の策定を推進していただきたいと考えております。
  289. 行田邦子

    行田邦子君 市町村だけでは、単独ではやはりマンパワー的にもまたノウハウ的にも足りない部分があると思いますので、国保連合会において支援をし、またその財政的支援も国でやるべきだと思いますし、また今後、市町村国保が都道府県化するに当たっては、やはり都道府県がこのことについてらち外というわけにはいきませんので、都道府県の関与、関わりということもしっかりと決めていただきたいというふうに思っております。  次に、紹介状なしの大病院受診時の定額負担について伺いたいと思います。  大病院の外来のうち初診患者というのは、これは九・三%にすぎないというデータが、これは社会保障審議会医療保険部会に示されているわけでありますけれども、九・三%ということです、大病院というのは五百床以上という意味ですけれども。これでは外来診療の数を減らすことへの効果が限定的ではないかというふうに思っております。  紹介状なしの大病院受診時の定額負担というのは、大病院に一般の外来、軽症な外来がたくさん来てしまって、そこに大病院の先生方が追われてしまって本来の大病院としての役割を果たすことができなくなってしまうと。大病院の医師の負担軽減ということが、そのことによる外来の機能分化の推進ということがあると思うんですけれども、これでは、初診患者はそもそも九・三%しかいませんので、定額負担をしてもそんなに減らないというふうに思います。  そしてまた、再診についてなんですけれども、逆紹介率を上げるための課題として医療機関が最も多く挙げているのは何かといいますと、医学的に逆紹介できる患者が少ないこと、これが一番です。その次にあるのが、その他に次いでなんですけれども、地域に連携できる医療機関が少ないことというふうに医療機関自身が答えています。現状では医療機関がこのような認識があるわけですので、そうした中で、定額負担制度を導入するだけでは逆紹介は進まないんではないかというふうに考えています。  大臣に伺いたいと思います。  定額負担を課すだけでは外来の機能分化と医療資源の効率活用、進まないと思いますが、いかがでしょうか。
  290. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 先生今御指摘のように、いわゆるプライマリーケアの体制そのものを強化をしていくということは、それはそれでとても大事なことであって、その一つの方策とも考え得る政策として、今回、かかりつけ医と大病院の機能分化、そしてまた勤務医の負担軽減を図ってより適正な役割分担ができるようにしようじゃないかということで今回の定額負担をお願いを申し上げているわけでございまして、初診の話が今ございました、九%にすぎない。  初診において紹介なしで大病院を受診する方ではなくて、我々は、再診においても今回の措置の対象としたいというふうに考えておりまして、現在、見てみますと、先ほど来お話が出ております二百床以上の病院二千六百五十六病院のうちで、初診は千百九十一病院で何らかの料金設定していますけれども、再診について料金設定しているのは、選定療養を設定しているのは百十病院でございます。今回は、これは四%にすぎないのであって、これを義務化することになるために、外来の機能分化が促進をされるというふうに私ども考えております。  御指摘のとおり、外来機能の分化、連携の推進については、経済的なインセンティブというか誘因だけで解決できる問題ではないということは事実でございまして、平成二十六年度の診療報酬改定において、複数の慢性疾患を有する患者に継続的かつ全人的な医療を行う医療機関を評価するという取組を進めております。つまり、かかりつけ医でありますが。  さらに、かかりつけ医の普及自体を図るために、地域医療介護総合確保基金、この基金を活用して、かかりつけ医の普及、定着に資する事業を実施することができることとしておるわけでございまして、これらの取組を総合的に行って、更なる外来機能の分化、連携、そしてまた大病院の過剰負担というものを解消していきたいというふうに思っております。
  291. 行田邦子

    行田邦子君 私が先ほど申し上げたのは、逆紹介率を上げるための課題としては、医療機関が感じていることとしては、医学的に逆紹介できる患者が少ないこと、そしてまた地域に連携できる医療機関が少ないこと、こういう認識がなされているので、ですから、定額負担の制度を設けても、なかなか逆紹介も進まないのではないかという問題意識も示させていただいたんですけれども。  それで、大臣に続けて伺いたいんですけれども、やはりこういった定額負担を導入する前に、まず、身近なところにいて、何かあったときに相談ができて、体調の管理や病気の治療、予防などを診てくれて、そしてまた必要なときには適切な専門医療機関紹介してくれるかかりつけ医というものを定着させることが先ではないでしょうか。
  292. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、質が高く、効率的な医療提供体制を実現するためには外来機能の分化というのが必要だということで、今回の定額負担をお願いをしようということを一つの政策としてお願いをしているわけでありますが、そのためには、今御指摘のように、かかりつけ医の普及、定着、それから総合的な診療能力を有する医師の育成というのがとても大事であって、それがさっき申し上げたプライマリーケアの体制整備ということが大事だということを私が申し上げたゆえんでございまして、このために、平成二十六年度の診療報酬改定において、複数の慢性疾患を有する患者に、さっき申し上げたような継続的かつ全人的な医療を行う医療機関を評価するという診療報酬改定をした。  そして、総合診療専門医というのを新たな専門医の一つに位置付けて、平成二十九年度から養成開始を目指すという取組を行っておりまして、これは卒後三年目からということで予定をしているわけでありますね。  外来機能の分化を急ぐためには、これらの医療提供サイドの施策と併せて、今申し上げた紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担の導入のように、患者側に対して働きかけをするという施策も併せて導入することが大事なんじゃないかということで申し上げているわけで、単に定額負担だけやったらうまく機能が分化するみたいな話ではないというふうに我々も考えているところでございます。
  293. 行田邦子

    行田邦子君 それでは、国民の間でかかりつけ医というものがどれだけ普及、定着しているのか、どういう認識がなされているのかなんですけれども、お手元に資料をお配りしているので御覧いただきたいと思いますが、国民のかかりつけ医に関する意識調査というものがあります。これは日本医師会総合政策研究機構の調査の結果でありますけれども。  まず、かかりつけ医の有無について、この調査自体は四十歳以上の男女に聞いていますが、かかりつけ医がいますかといった質問についてなんですが、これは、四十歳以上の男女では六五・一%がかかりつけ医がいると回答しているということです。私の印象だと、思ったよりか多いんだなと思いました。  ところが、一方で別の質問なんですけれども、かかりつけ医に当てはまることは何ですかという質問については、気軽に何でも相談できる六五・一%、あなたの健康管理を行い総合的に診てくれる四八・八%、あなたの病歴を知っている六一・五%、必要時には専門医病院などを紹介してくれる五六・一%と。こういったいわゆるかかりつけ医、厚生労働省あるいは医療提供者がかかりつけ医というふうに定義をしているものについては、約半分の人がかかりつけ医はこういうことをしますよという認識はありますけれども、残りの半分の人はそういう認識はないと。  つまり、これ裏を返せば、かかりつけ医といったときに、その捉え方として、かつて何かの病気でかかったことがある近くの診療所だというだけであったりとか、あるいは何かの病気で今かかっているたまたま近くにある診療所だと、その程度の認識しかない国民というのも結構多いのではないかなというふうに思っております。  それで、局長に伺いたいんですけれども、かかりつけ医というものについての広報・啓蒙活動をまずは国民に対してしっかりと行うべきだと思っていまして、それを行わずに定額負担を導入するということだと、国民にとってはこれは単なる負担増にしか見えなくなってしまうと思うんですね。かかりつけ医制度について国民に知ってもらうためにどのような取組を行うのでしょうか、お答えください。
  294. 二川一男

    政府参考人二川一男君) かかりつけ医の普及、定着、大変重要な課題というふうに認識をしておるところでございます。  かかりつけ医につきましては、確かに最初のきっかけにつきましては、何かの疾病を診てもらったとか、そういったことがきっかけになってその医師との信頼関係が築かれて、いろいろなことが、直接の治療ではなくても、いろんな健康相談、そういったようなこともしてもらう、場合によっては専門医とか専門医療機関紹介してもらう、そういったような総合的な能力を有する医師というふうな位置付けのものだというふうに私どもも考えておりますし、医療提供者側も考えているというところでございます。  そういった位置付けのものにつきまして、国民の側につきましてもそういった認識を持っていただくといったことが、地域包括ケアを全国各地で推進していくといった観点では大変大きな課題だというふうに考えているところでございます。  この点につきましては、先ほど大臣からも答弁がありましたとおり、診療報酬改定におきましても、そういったかかりつけ医機能とかなりオーバーラップする部分になると思うんですけれども、健康管理や服薬指導も含め継続的かつ全人的な医療を行う、そういった主治医機能の評価も行っておりますし、それから、地域医療介護総合確保基金の対象事業としても、各県におきまして、在宅医療等を推進する観点から、かかりつけ医を育成するといった事業、そういった関係のものを基金事業として対象をして普及啓発活動をしていただこうという形で位置付けてきてございます。  今後におきましては、かかりつけ医の先行事例の収集とか、それの展開、そういったことも行いながら、一層かかりつけ医の普及に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  295. 行田邦子

    行田邦子君 私は、定額負担を導入する前に、やはりもっとかかりつけ医というものを国民に知ってもらう、理解してもらうということが先だというふうに考えております。  患者申出療養について伺いたいと思います。  この委員会でずっと、さんざん議論がなされてきたわけでありますけれども、私からは二点聞きたいと思っております。  まず大臣に伺いたいんですけれども、希少疾患についてなんですが、患者申出療養で医療が実施された場合、安全性と有効性が確認されれば、どのように希少なものであっても、また、かつ高価なものであっても保険収載するというふうに言えるのでしょうか。
  296. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返し申し上げておりますけれども、我が国は、国民皆保険制度制度自体が定着をして、この理念を大事にしてきているわけでありまして、必要かつ適切な医療基本的に保険診療で見ていくということだと思います。  今回の患者申出療養においても、保険収載に向けたロードマップの作成を医療機関に求めるということによって、保険収載に必要なデータあるいはエビデンスの集積をして、そして安全性、有効性の確認を経た上で将来的な保険収載につなげていくということを大事にしていきたいと思っておりまして、革新的な医薬品などの診療報酬上の評価に当たって、費用対効果の観点を導入することについて、平成二十八年度に試行的に導入することを目指して中央社会保険医療協議会において議論を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  297. 行田邦子

    行田邦子君 私は、これ、患者申出療養が始まりますと、必ずしも安全性と有効性が確認されれば希少なものであっても保険収載に結び付けるというふうにならないんじゃないかなというふうに思っていまして、希少疾患に対するものであるがゆえに、データ、エビデンスが十分にそろわなかったりということでなかなか保険収載につながらないまま時が過ぎてしまうということもあるでしょうし、そしてまた、局長に伺いたいんですけれども、希少疾患、希少なものだからこそ製薬会社等が申請をちゅうちょしてしまって、患者申出療養、つまり保険外にとどまるものが結構出てくるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  298. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) この点は非常に重要な点でございます。  それで、実は、最近の医薬品の中で、これまで未承認適応外になっているもので保険収載されたものの中には、対象の患者数が十名以内というようなものも出てまいりました。非常に少ないものも出てまいりました。こういうものに関連をいたしまして、例えば患者申出療養でいかに保険に収載をしていくか。難病のような患者さんのお薬が多いわけでございますけど、それは非常に重要でございます。そのために、ロードマップと定期報告と、そして患者申出療養に関する会議というようなものを活用して保険収載の道につなげていきたいと思います。  具体的には、今日の御質疑でもありましたけれども、未承認適応外の解消の検討会議というようなものもございますので、そうしたところでの御議論もしていただくということになろうかと思います。
  299. 行田邦子

    行田邦子君 先進医療経済的な部分で重要な一翼を担っているのが民間の企業である製薬会社、企業であるという現状を考えて、かつ一方で、公的医療保険制度、国民皆保険制度を支えるためにはやはりしっかりと国が関与しなければいけないということも踏まえて、是非この検討会議といったものをうまく機能させていただきたいというふうに思っております。  私は、患者申出療養の議論をずっと聞いていまして今思うところは、そもそも新しい薬、また先端医療ができた場合に、それが安全性と有効性を確認し、そして保険収載を判断するという今の先進医療Bの範疇の話と、それと、非常に希少な疾患で苦しんでいて、また難病で困っていらっしゃる患者さんに対して新しい道を開くというような、あるいは先進医療ではあるけれども地理的な条件なども含めて適格基準外になってしまっているような方たちに救いの道、選択肢を広げるという、言ってみれば人道的な見地での策と、この二つのことが何かごっちゃになってしまっているのではないかなというふうに思っていまして、私は、これは人の命に関わることですので、もっときちんと整理をして、また議論を尽くしてから法案として出していただきたかったということを申し上げておきたいと思います。  最後になりますけれども、この法案、本当にいろんな内容が含まれていまして、私は、国保の都道府県化、これはやむを得ないと思っています。医療保険制度の抜本的な改革がすぐにできないのであれば、とはいっても何にもしないわけにいかないので、今できることとしてやむを得ないと思っています。やり方に非常にまずい部分はあったと思いますけれども、それはやむを得ないと認めるんです。これは私は賛成なんですけれども。  ただ、この患者申出療養については、やはり議論が非常に中途半端なまま、ごちゃごちゃっとした、何だか分からないままで法案が出てしまったということに非常に私は疑問、問題を感じておりまして、どうしてこのようないろんなものを一つのパッケージとして法案で出されたのかなということを非常に抗議をしたいと思っておりまして、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
  300. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今日になりまして患者申出療養が花咲いてきているんですけれども、私、今日ここで患者申出療養をやってしまうと、患者申出療養しかやらなくなってしまいますので、別の分野について質問をさせていただきたいと思っております。  先ほど長沢先生からもございましたけれども、やはり今回は県の負担というのがかなり過重なものになってまいります。都道府県というのは、医療費適正化計画を見直し、地域構想と整合的な目標を計画の中に設定することとなってきております。この二つを計画して実行に移していくという、これは至難の業だと私自身は考えております。  国は、県のシステム構築においてどのように今後サポートしていかれるおつもりなのか、まずは御意見いただけないでしょうか。
  301. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 先生おっしゃいますとおり、都道府県で医療提供体制の整備ですとか、あとまた医療費の適正化の役割を担っていただく上で、国において十分な支援を行うことは大変必要であると考えております。  地域医療構想につきましては、地域医療介護総合確保基金への財政支援を実施しているほか、この三月には地域医療構想策定のためのガイドライン、これを都道府県にお示しをしたところでございますし、また今後、都道府県の担当者に対しまして地域医療構想の策定のための研修会、これは六月、七月、十月と三回に分けまして計八日間、これはもう本当に朝から晩までということでございますので丸々八日ということになりますが、その研修を開催いたしまして、医療提供体制の現状と患者さんの医療状況の把握を始め、地域の医療構想の策定方法に精通していただくということにしております。  また、医療費の適正計画につきましても、都道府県が医療費の目標を定める際の算定方法などを盛り込みました医療費の適正化基本方針につきまして、今後、専門家の御意見も踏まえながら、今年度をめどに取りまとめてお示しをしてまいります。  また、都道府県が医療費の分析、これを行うためには、データセットについて、これ先ほどから何回も出ていますように、ナショナルデータベースなども活用しながら、国においてそれを策定をして配布をすることなどを通じまして、都道府県に対する必要な支援を行ってまいります。
  302. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  副大臣も、ガイドラインを出すからということです、研修をするからと。これ大変大切なことだと思うんですけれども、これこそやっぱり競争原理を働かせていくべきだと思っているんですね。  やっぱり地域によって全く事情が違う、年齢構成も違えばアクセスも違って、医療提供体制も違うということは、都道府県によっていかに地域特性を生かしたような適正化計画を立てていくのか、地域医療構想を立てていくのか、ここが一番肝腎なことであって、金太郎あめのようなものをこちらから提供し、それをまねしてくれ、これではいつまでたっても地域の自立にはつながっていかないと思うんですね。  ですから、しっかりとこれから様々な研修の中で、若しくは、最初は一律かもしれませんけれども、これはいいと思ったような試みについては横の広がりを持たせていくとともに、そういったインセンティブというものをどんどんどんどん働かせるような仕組みづくりというものも考えていただきたいと思っております。  それを策定するに当たってです。今、人材不足だということが、私、実感をいたしています。今後、都道府県に必要になってくる人材というものについても御検討いただけていると考えておりますけれども、どのような人材育成が取り組む予定なのか、まず教えていただけますでしょうか。
  303. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) これからの都道府県、役割が大きくなる一方でございまして、我々も期待をしているわけでありますが、医療費適正化を推進するに当たって、市町村などの医療保険者が地域の保健課題を適切に反映した効果的な保健事業を実施できるように、必要な支援を行っていかなきゃいけないと思っておりますけれども、このためには、やはり都道府県の職員が専門性を高めて、併せて都道府県単位で公衆衛生などの専門知識を有する人材を育成をし、活用していくということもとても大事だと思うわけでございます。  こういう観点から、国においても、都道府県職員に対する研修、この実施を進めるとともに、都道府県職員や保健事業を実施する市町村職員に対して公衆衛生等の専門家が助言する仕組みを構築することなどを通じてこの支援をしっかりやっていきたいと思っておりますが、私も愛媛県保健福祉部に聞いてみたところ、全職員の中での医師の割合が十人弱、今本庁にいるだけで見ると二人しかいない。これからそういう中で適正化計画あるいはビジョンを作る、なかなか大変だなということを言っておりまして、我々としてもしっかり支援をしていかなきゃいかぬというふうに考えておるところでございます。
  304. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  大臣御認識のように、やはりこの公衆衛生、社会医学に関わる医師というものはこれからますます養成していかなければならないというところでまず共通認識を持ちたいんですけれども、保健所を例えば取ってみますと、四百九十ある保健所長のうち約一割が兼務している状況であって、医師の資格のある行政職員というのが全国的にも充足していないという認識でいいのか、まず教えていただけますでしょうか。
  305. 新村和哉

    政府参考人(新村和哉君) 今御指摘ございましたとおり、平成二十六年度末現在におきまして、全国の保健所長の約一割、これは四百九十名のうち四十八名が他の保健所長の職務を兼務しているという状況でございます。
  306. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  保健所長など、社会医学、公衆衛生に携わる医師がなかなか集まってこない理由というものを分析していらっしゃいますでしょうか。
  307. 新村和哉

    政府参考人(新村和哉君) 保健所長など、公衆衛生に携わる医師の確保が難しい背景といたしましては、幾つかあると思いますが、例えば医学生や医師の多くに臨床医志向があるということ、また、公衆衛生医師の重要性ややりがい、あるいはキャリアパスなどが十分に理解されていないといったことなどが理由としてあると考えられております。
  308. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  厚労省は、公衆衛生医師確保に関する各種取組についてということで、登録事業も行っていらっしゃいます。この登録事業、成果が上がっていらっしゃいますでしょうか、教えてください。
  309. 新村和哉

    政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。  公衆衛生に携わる医師を確保するため、厚生労働省では、平成十六年度より公衆衛生医師確保推進登録事業を行っております。この事業は、保健所等において公衆衛生に従事することを希望する医師の情報と、保健所等において公衆衛生に従事する医師を必要とする自治体の情報をそれぞれ登録いたしまして、希望条件に合致する登録自治体及び登録医師についての情報提供を行うものでございますが、この事業を通じまして、これまで十六名の医師の地方自治体への就職が決まっているという、そういった実績でございます。
  310. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 やはりなかなか成果が上がってこなくて、充足もできず、保健所長さえも兼務という、これが地方の実態でございます。こんな中で、医療費適正化の計画も描きなさい、保険者機能も強化しなさいということを次から次へと制度として落とし込まれても、地域はこれはお手上げの状況が続いてしまいます。  そこで、私が考えておりますのが、やはり先ほどもございましたキャリアパスということをしっかり考えて、公衆衛生に興味があるようなドクターを育成していくこと、これ、肝腎な厚生労働省としての役割ではないんでしょうか。  皆様方のお手元に配らせていただいておりますけれども、専門医というものが、この度、新しく日本専門医機構というところで取りまとめられることになってまいりました。この中に、残念なことながら、公衆衛生であったり社会医学系というものの専門医、見当たらないんです。国の施策をこれから地域に落とし込んでいく、その上で一番必要なこのような分野というものが専門医制度になっていないということは、私、これ大きな問題なのではないか。専門医を採り、そして地域で活躍するような医師を一人でも多く輩出するためには、この専門医制度というものをしっかりと組み込んでいく必要があると思いますけれども、御意見をいただけますでしょうか。
  311. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) ただいま先生おっしゃいますとおり、社会医学の領域専門医につきましては非常に少のうございます。そんな中で、基本領域専門医というのは、これは相当ベースになっておりますが、先生のこの資料の上の方、この中にもないということでございます。  そんな中にありまして、日本公衆衛生学会など五つの社会医学系の学会が中心となりまして、社会医学領域専門医制度化に向けた具体的な検討が開始されているものと承知をしております。新たな専門医の仕組みにつきましては、平成二十五年の四月に取りまとめられました検討会の報告書に基づきまして、これは専門医による自律性を基盤といたしまして、昨年五月に設立されました日本専門医機構が専門医の認定などを統一的に行うこととされておりまして、平成二十九年度からの養成開始を目指して今準備を進めているところでございます。  厚生労働省といたしましては、社会医学の領域専門医制度が公衆衛生医師の確保に資するように関係学会と連携をいたしまして、一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。
  312. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  現在、日本で公衆衛生大学院は九つございます。公衆衛生を修士課程のコースに取り込んでいる大学院が十一と、合計で二十以上の大学院で公衆衛生を学ぶということも可能でございます。ということは、学生からのニーズは少なくないんじゃないかと思いますし、私も九州大学医療経営・管理学という専門職大学院を卒業して、医療政策というものを大変興味を持ったという経緯もございます。武見先生もハーバード大学の公衆衛生大学院研究をしていらっしゃったということで、やっぱりこういったステップを踏んで更に人材を確保していくということも肝腎だと私は考えております。やはりキャリアパスを明確にして、よりよく、多くの方々にこの分野について学んでいただける努力をしていただきたいと私からはお願いをさせていただきたいと思います。  さらに、この専門医に関わりますことでもう一問質問をさせていただきたいんですけれども、先日、がん研究センターに視察に伺った際に、やはり今回の患者申出療養につきましても専門医の役割というのが大変重要になってくる。先ほどから答弁にもございますように、じゃ、どういう疾患が対象になるんだということになると、がんだろうということが言われているんですね。しかし、ここの専門医の中でがん専門医というものは掲げられておりません。がん専門医について今後どのような検討を進めていくべきなのか、是非厚労省にも支援をしていただきたいと思うんですけれども、御意見いただけますでしょうか。
  313. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 確かに、がんというと大分身近な病気ではございますが、この専門医としての横串を刺したようなものがないというのは確かでございます。御指摘のように、がん医療に関わります専門医の育成、これ大変重要と考えるわけでございます。  このために、平成二十四年の六月に策定いたしました第二期のがん対策推進基本計画におきましては、関係学会の協働を促しまして、がんの診療に関わる専門医の在り方を整理するとともに、地域のがん医療を担う専門の医療従事者の育成を推進することとされております。  こうした取組の結果、がん医療に関わります専門医につきましては、平成二十七年四月現在、日本臨床腫瘍学会では千三十五名の方、これはがんの薬物療法専門医を認定をいたしまして、そして日本緩和医療学会は百八名の専門医を認定をいたしました。そして、日本医学放射線学会及び日本放射線腫瘍学会では千二十九名の放射線治療専門医を認定してきたところでございます。  また、新たな専門医の仕組みにつきましては、平成二十五年四月に取りまとめられました検討会の報告書に基づきまして、専門医によります自律性を基盤といたしまして、昨年五月に設立されました日本専門医機構が専門の認定等を統一的に行うこととされておりまして、平成二十九年度から養成の開始を目指しまして準備を進めております。
  314. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  この日本専門医機構というものがプロフェッショナルオートノミーを利用して中立的な第三者機関として立ち上がったことはもちろん私としても認識をいたしております。しかし、国の施策としてこういった分野の専門医が必要だよというようなことも是非御助言をいただけるような機会があればというふうに考えております。  がん専門医にいたしましても、これから多くの皆様方がこのような患者申出療養制度、もし成立をいたしましたら利用をしていく、それに当たっての専門職がどこに配置をされているのかというような様々な情報を集約し、そして患者様方に提供していくということも重要な厚労省としての役割かと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  今は医師のことを取り上げましたけれども、これからますますニーズが高まっていく職として保健師という職もございます。高階先生が保健師でいらっしゃいますように、本当に保健師の皆様方、これから、この制度だけではなく、ストレスチェックテストというものを保健師、かなり大きな役割を、私も一緒にタッグを組みながらやっておりますけれども、果たしてくださっております。  この役割も今後見直さなければならないと思いますし、実は保健師の資格を保有している方々は二十四万人いらっしゃるということで、厚労省の方から資料も提出いただきました。しかし、現場で活躍していらっしゃる方々というものは五万人弱にすぎない、大変少ない数となっております。自治体で働いてくださっている方々は三万人なんですね。  ですから、医師というものは、まだ医師不足でございます。この公衆衛生の分野ではもっともっと多くの医師にも活躍していただきたいですけれども、せっかく免許を持って資格を持っていらっしゃるんでしたら、保健師の皆様方の活躍の場というものも広げていくべきだというふうに私は考えておりますけれども、今後、保健師の皆様方の活躍を推進していただくような御予定はございますでしょうか、教えてください。
  315. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 先生おっしゃいますとおり、地域におけます保健師さんの活躍場所ですね、本当に地域住民のために健康相談ですとか、あとまた健康教育、それから訪問指導などの本当に幅広い、また住民の方たちに大変近い保健サービスを行っておりまして、こうした保健師の活動というのは、住民の主体的な健康づくりに大変支援をいたしますし、健康で質の高い生活を送ることを応援するということで、大変重要なものであるというふうに考えております。  そのために、地域におきます保健活動の更なる推進、それが図られますように、平成二十五年の四月に、これは局長通知なんですけれども、地域における保健師の保健活動に関する指針、これを改定いたしまして、この中で、地区担当制、これを進めることですとか、また保健師の保健活動の総合調整などを行う部署を明確に位置付けまして、その部署への保健師の配置を明記するなど、保健師さんの更なる活用を推進することを目指したわけでございます。  また、病院におきましては、人間ドック健康診査後の保健指導、それから慢性疾患の重症化の予防ですとか、あとは地域連携などについて保健師さんが一翼を担っているということになります。また、産業保健領域でございますけれども、保健師さんは、労働安全衛生法に基づきまして、健康診断の結果に基づく保健指導を行うなどの業務を行っております。またさらに、今年十二月から施行されます改正労働安全衛生法、これのストレスチェック、先ほど先生もおっしゃいましたけれども、そのストレスチェック制度におきましては、医師、保健師などを実施者として規定しているわけでございます。  厚生労働省といたしましては、今後とも、このような保健師さんによる保健活動の円滑な実施を図るために必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
  316. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  医療となると全てが医師だという考え方ではなく、その周辺環境を整備する上におきましても、看護師、そして保健師、様々な関連職種の皆様方と分かち合いながら、タッグを組みながら、チームでやはりしっかりとこの行政も行っていくというような姿勢を是非今後とも貫き通していただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  時間もございませんので、これ多分最後の質問になってしまうと思います。  私は、今回、都道府県化という言葉、その中で、都道府県単位というものと都道府県保険者という、この間には大きなギャップがあるんじゃないかというふうに感じておりました。その点について質問させていただきたいと思います。  現在の市町村国保も、当初は国保組合が保険者でございました。行政というものはいわゆるレフェリーというぐらいの役割を持たなければならない、プレーヤーとして行政から独立した主体というものが当たっていかなければならない、これが私、自然な姿なのではないのかなと考えます。特に、電子化されたレセプトデータや健診データの蓄積が進み、保険者機能を発揮するインフラが整備されつつある状況を踏まえますと、保険者には専門的かつ高度なデータ分析能力というものも求められてまいります。  そうした場合、一般行政機関である役所ではこれは限界があるのではないか、専門的スキルを有するスタッフを抱えられる専門的な保険者組織というものを想定すべきではないかと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
  317. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今回、都道府県に市町村とともに保険者として役割を成してほしいということを申し上げているわけでございますが、地域医療構想をつくる、それから病床の機能分化も担う、提供体制に責任を負う、こういう中で、今回都道府県が国保の財政運営にも責任を負うということになるわけでありまして、先生今おっしゃったように、保険者としての都道府県ということになると、単に、確かに自治体の職員だけではなかなか難しいところがあるのではないかという御指摘は、私も基本的には賛成でございます。  特に、データをこれから分析をしながら、保健事業や予防、それも一次予防、二次予防、こういうところまで担っていくことを保険者に期待をするならば、やはりそこに専門性というものがなければいけないし、リーダーシップも必要だというふうに思いますし、なかなか被保険者全員あるいは加入者全員にしっかりとこの思いが行き渡るようにするためには相当なエネルギーが要るんじゃないか、そんなふうに私も思っているところでございまして、都道府県はデータ分析も含めて新たな役割を担う必要があると。今回の国保改革に当たって、地方自治体職員に対するやはり保険者とは何かということを含めた研修、説明会を充実していかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。  現在、市町村が都道府県単位で共同して設置しております国保連合会、ここもありますが、これまでも審査支払業務とか市町村が担う事務の共同処理を行うなど、いわゆる専門的な業務という、ペイヤーとしてのですね、ということは行ってきておりますけれども、これは国保改革後においても、都道府県が担う事務の一部について委託を受けて実施するなど、都道府県が担う専門的な役割を積極的に支援することが期待をされるということになるんだろうというふうに考えているところでございます。
  318. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  時間が参りましたので、質問を終わらせていただきますけれども、やはり地方分権の流れの中でこれは大きなトライアルだと私は考えております。  やはり、地方分権というふうに考えるのであれば、権限も財源も人間も移譲していかなければならない。権限だけ、制度だけ押し付けて、財源、人間というものは国が抱え込んでしまう、これでは地方はこれ以上受けられない、受け止められないという体制になりかねません。ここから第一歩を進めていくというような制度、私は、地方もウエルカムだよ、どんどんどんどんやっぱり権限も財源も人間も地方が受け止められるというような制度にしていくためにも、今回大きく厚労省は試されているんだというふうに、是非そういう考えで臨んでいただきますようお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  319. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  評価療養のほかに、いわゆる患者申出療養というのをなぜ設ける必要があるのか、全く分かりません。  条文に基づいて質問いたします。  健康保険法の改正法案における今回この患者申出制度をやる、六十三条二項四号に患者申出療養があります。ここに「高度の医療技術を用いた療養」とありますが、定義を教えてください。
  320. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 高度な医療については、これは医学的に決まるものでございますので、法律的に高度な医療とはこれというふうに規定はしていないわけでございます。これは医学の常識に従って決まっているということでございます。
  321. 福島みずほ

    福島みずほ君 これは先進医療に限らないということですね。
  322. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 必ずしも先進医療に狭く限らないということでございます。
  323. 福島みずほ

    福島みずほ君 条文は「高度の医療技術を用いた療養」とあるので、がん、がんの緩和や様々なものが入るということですか。これ無限に拡大していく可能性がありますね。どうですか。
  324. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 範囲が具体的に限定されていないということは、医療の内容につきまして、それは先生の御指摘のとおりでございますが、やはり先進医療で今取り組まれているものというのは、一定の範囲というのは実際には研究されている分野というものもございますので、それはそういう実際の研究の実情を反映した結果になってくるのではないかというふうに考えているところでございます。
  325. 福島みずほ

    福島みずほ君 答弁が支離滅裂で、高度の医療技術を用いた療養は先進医療に限りませんねと言ったら、はいそうですと答えましたね。高度の医療技術を用いた療養というのはかなり広範囲じゃないですか。それはさっきお認めになられましたね。どこで限定するんですか。
  326. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 高度な医療というものを、これこれと、この領域とこの領域とこの領域が高度という、そういうような定義はされませんので、これは医学的に学会で決まっていく、事実上ですね、というものでございます。したがって、線は引いていないわけでございます。
  327. 福島みずほ

    福島みずほ君 先ほど先進医療に限らないというふうにおっしゃったので、そのとおりだと思います。  三号が評価療養の規定ですが、ここにも「高度の医療技術を用いた療養」とあります。三号の評価療養と四号の患者申出制度の「高度の医療技術」、同じものですか、違うものですか。
  328. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、法律の表現としては同じものであると考えております。
  329. 福島みずほ

    福島みずほ君 同じものであれば、なぜ評価療養のほかに今回患者申出療養を設けるんでしょうか。  先日質問したら、患者の申出が起点、迅速に審査を行う、身近な医療機関で受けられる仕組み、三点答弁がありました。  条文六十三条二項四号には、「当該療養を受けようとする者の申出に基づき、」と条文にあります。患者が申し出ないで医者が先に言ったら、この患者申出療養制度に該当しないということでよろしいですね。
  330. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、先ほどからも御議論がございましたけれども、物理的な順番ということよりも、患者さんがきちんと理解と納得をしたかということでございます。  それで、もちろん、患者申出療養制度について、がんセンターで先日御覧いただいたように、あらかじめこういうことが考えられますということを出していただいているものもありますでしょうし、そうでないものもあろうと思います。
  331. 福島みずほ

    福島みずほ君 条文に反するじゃないですか。
  332. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 条文に反するとは思いません。
  333. 福島みずほ

    福島みずほ君 だって、条文に「当該療養を受けようとする者の申出に基づき、」と書いてありますよ。反するじゃないですか。
  334. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、当然、患者さんの申出書というのを添付していただくわけですから、それが申出のきちんと証明ですから、そういう意味で、当然、申出に基づいているわけです。申出がなければできません。
  335. 福島みずほ

    福島みずほ君 そうしたら、それは厳密な意味での患者申出制度じゃないですよ。評価療養と一体どこが違うんですか。結局、患者さんはお医者さんと話をしながら決めることだってあるでしょう。  結局、これ、ずるいんですよ。患者が申し出たということを錦の御旗にしながら、条文にも患者の申出に基づきと書いているんですよ。でも、実際は医者がサジェスチョンするかもしれないし、一緒に決めるかもしれないんですよ。わらをもつかむ患者は同意するでしょう、自分が申し出ましたと。でも、そんなの意味ないですよ。患者の申出がメルクマールの大きな一つでしょう。でも、評価療養とどこが違うんですか。条文に反するじゃないですか。
  336. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは何度も御議論ございましたけれども、やはり患者さんの申出、思いというものを大切にするかどうかということが重要だと思います。  それからもう一つ、これは……(発言する者あり)ちょっと聞いてください。一行しか答えられないので、ちょっと申し訳ございません。  やっぱり患者さんが医療の実情について全部知っているわけじゃありませんから、当然、お医者さんとは相談していただかなければいけませんし、その際に、先進医療というか高度な医療を担当している先生だけではなくて、ふだんから診ていただいている先生にも御相談をしていただいて支援をしていただきたいということを申し上げているわけでございます。
  337. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、答弁がめちゃくちゃですし、条文にも合っていませんよ。  患者が何もかも分かっているわけではないと言っているでしょう。結局、これって選択療養を、選択療養というと、お金持ちは選択できる、お金のない人は選択できない、混合診療じゃないかと言われるから、名前を変えただけなんですよ。  患者が申し出たということを錦の御旗にして、条文には患者の申出に基づきと書いてあるけれども、患者の申出がなくたっていいといったら、条文、何の意味があるんですか。  次に、保険収載へのロードマップとか保険収載という言葉がありますが、条文に一切そういうのがないですね。どこに書いてありますか。
  338. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、元々の保険外併用療養制度の枠内でやっているわけでございまして、それで、評価療養は保険収載を目指しているわけでございますし、当然、これは私どもの方針として保険収載を目指すということでございます。
  339. 福島みずほ

    福島みずほ君 迅速に審査を行うということで六週間ということがありますが、条文は「速やかに検討を加え、」としかありません。六週間なんて条文はありませんが、いかがですか。
  340. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、私どもの考え方として、原則として六週間で実施したいということを申し上げているわけでございます。
  341. 福島みずほ

    福島みずほ君 先ほどもありましたが、結局、患者の申出が起点というけれども、それは今の局長の答弁で、大した意味ない、条文にはあるけれども意味がないんですよね。迅速に審査とあっても、これは条文には、速やかに審査を加えとしかない。  三点目の身近な医療機関で受けられる仕組みというのが評価療養と違うんですが、むしろ身近な療養機関で受けられる仕組みだったら、ましてや、先ほどもありましたが、評価やデータとしていいかどうかということで、評価療養よりもランクが落ちるじゃないですか。どうしてこれが保険収載につながるんですか。
  342. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) ランクが落ちるかどうかは私は分からないと思います、それは何をランクと呼ぶかによりますけれども。  ただ、先ほどからお話し申し上げておりますように、先進医療というのは実施箇所数が非常に少ないものが多いのは事実でございます。それから、未承認適応外についてもなかなか広がっていないというような実情がございます。  そうしたものにつきまして、それは患者さんがそういうものについて当然知ることもございますから、患者さんの方の申出を尊重して、そして普及をしていくという枠組みができれば、それはやはり保険収載につながっていくというふうに考えております。
  343. 福島みずほ

    福島みずほ君 さっぱり答弁になっていないじゃないですか。患者の申出だったら何で保険収載につながるんですか。  しかも、局長、問題があると思うのは、先ほどから、先進医療じゃなくて、条文上も「高度の医療技術を用いた療養」とあって、先進医療に限らないと言いながら、すぐ先進医療とか言うじゃないですか。先進医療に限っていないでしょう。これ、どんどん拡大しますよ。だって、高度の医療技術を用いた療養なんて、定義次第で幾らでも拡大しますよ。厚生労働大臣が認めれば幾らだってこれは拡大するんですよ。だから混合診療に風穴を空けるものだと反対をしているわけです。なぜこれが保険収載につながるのか全く分かりませんし、条文上もその担保は一切ありません。  先進医療、現行の先端医療の保険収載が、先端医療は百九件中保険収載は八件ということでよろしいですね。
  344. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは先進医療Aのことをお話しされているんだと思うんですけれども、ちょっと数字ですのでお待ちください。  先進医療Aの保険導入につきましては、これはそれぞれの時点でいろいろございますので、二十二年のときには八件保険導入されました、その前の、一年前の導入では九十でしたけど。それから、二十四年の改定のときには、その一年前は八十九ございましたけれども、そのうち二十三が保険導入をされております。それから、二十六年四月の診療報酬改定でございますけれども、そのおよそ一年前の時点の六十五という先進医療技術の中から八件につきまして保険導入をされているわけでございます。  それから、先進医療Bにつきましては、これはまだ最近でございますけれども、全体の先進医療技術、四十ほどございますが、そのうちで薬事承認、保険収載済みの技術というのは二という状況でございます。
  345. 福島みずほ

    福島みずほ君 極めて少ないじゃないですか。  先ほどの保険収載八件は、先端医療の、それは百九件中八件ということでよろしいですね。
  346. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 合計すればそういうことでございます。
  347. 福島みずほ

    福島みずほ君 つまり、百九件中保険収載は八件なんですよ。だから、保険収載するするするすると言っているけど、するする詐欺みたいなもので、それはなっていないじゃないですか。  つまり、私たちが心配しているのは、保険収載になれば、それは公定価格になってきちっと国民皆保険の中でやれるし、患者さんの負担も減るんですよ。でも、保険収載を目指すと言いながら、実際そうだと思いますよ、保険収載、先端医療だったら特にそうなると思います、そんなに保険収載できないですよ。だとしたら、それは自由診療というか、もう混合診療になるわけで、だとしたら金持ちしかそれはできないですよ。国民皆保険を壊しませんか。
  348. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは先進医療、確かにBは薬事未承認なのでなかなか難しい、越えなければいけないハードルがたくさんございます。Aの方では、午前中の御議論でも出ましたけれども、二十三件収載されたときがございます。ただ、ちょっと減っております。  しかし、いずれにしましても、きちんと保険収載を目指していくという原則はしっかり立てませんとこれは皆保険の原理を壊してしまいますので、それは私どもはいささかもゆるがせにするつもりはございません。
  349. 福島みずほ

    福島みずほ君 保険収載を目指すと言いながら、先端医療で百九件中保険収載は八件、実際難しいというか、実際そうなんですよ。だから、保険収載を目指すから見逃してくれというか、これ認めてくれと言われても、私たちはそれを信頼することはできないですよ。  ということは、結局、これは保険収載されるものもあるが、ほとんど保険収載されないんですよ。どんどんどんどん高度な医療を用いた療養で患者が申し出たと。そうすればどんどんいろんなことをやって、これは国民皆保険の中では使えない、お金をがばっと払わなければこれは得られない医療なんですよ。  これをつくったら駄目でしょう。保険の中でやるように厚生労働省はやるべきじゃないですか。順番が違うでしょう。テンポをアップさせるかもっと速くするか、こういうふうに抜け道をつくって、いずれ保険収載されるかもなんという話ではなくて、きちっと国民皆保険の中でやるべきでしょう。混合診療に道を開かないというふうに答弁できますか。
  350. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) もちろんこれは混合診療の全面解禁のようなものに道を開くものではございません。これはもう何度も何度も大臣からもお話しされておりますけれども、これを緩めてしまいますと本当に日本の医療制度壊れてしまいますので、これだけは絶対守らなきゃいけない、私どもはそう考えております。  ただし、何でもすぐに保険に入るわけじゃございませんから、やっぱりプロセス、学会からストレートに保険収載に来るものもありまして、保険で適用するものもございます。ただ、やっぱり難しいものにつきましては、こういう先進医療のような高度な医療の部分のものは研究プロセスを通じて入ってくるというものもあるわけでございます。
  351. 福島みずほ

    福島みずほ君 混合診療の全面解禁なんて言っていないですよ。部分解禁につながって、いずれそれは、部分解禁ということは、国民皆保険制度が壊れるから、そう言っているんです。  だって、今答弁されたとおり、先端医療は百九件中保険収載が八件だとしたら、ほとんど保険で使えないということじゃないですか。百一件は保険適用されない自由診療で、お金がなければ使えないんですよ。そういうものをつくっていくということじゃないですか。これは混合診療への解禁と言わないんですか。
  352. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) 先進医療については、これは診療報酬改定の年によって少し多めに保険に導入されたものもありますし、それから少ないところもあるんです。ただし、これまでの御審議の中で御指摘いただいたように、先進医療に入っているものを更に保険導入するべく督励をすべきであるという御指摘はいただきましたので、それは私どももきちんと考えていかなければいけません。  いずれにしても、保険収載を目指すということについては全く変わりはございません。
  353. 福島みずほ

    福島みずほ君 保険収載を目指すのは当たり前のことです。でも、それが今までの実例からいっても、例えば百九件中、繰り返して言いますが、保険収載が八件。百一件、ほとんど保険収載されていないんですよ。  だから、どうやっていわゆる患者申出制度をやって、患者さんの申出が、条文に反していると思いますが、この制度を導入した暁に保険収載を目指すとしても、保険収載されないものの方が多いかもしれないじゃないですか。結局、その部分は自由診療のまま残っていくんですよ。あるいは、保険収載されるものが一部分あるかもしれないけれど、どんどん自由診療の部分が拡大するんですよ。それは民間保険でしかやれません。皆保険のあなたの保険では駄目ですということじゃないですか。そういうものをつくっていいんですかということです。  大臣、これ、保険収載を目指すと答弁繰り返してありますが、どれぐらい保険収載される見込みですか。
  354. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、この数については、事前的にそういうことをこの幅だというようなことで言うことはなかなか難しいということは繰り返し申し上げてまいったと思います。  それで、今回の患者申出療養の対象となる医療は、もちろん今のように保険収載をすることを前提としてロードマップを作ってもらうということが多いわけでありますけれども、しかし一方で、もう一つは、先進医療を現在実施していない身近な医療機関でもできるようになるということもあります。  それから、先進医療の実施計画の対象外で年齢の幅が少し一、二歳はみ出るとか、そういうようなもので、例えば六十五歳までとなっているのを、六十七歳の方が今だと適格基準から外れてしまいますけれども、ここをどう考えるかということで、患者が自分のやっぱり思いとしてどうしてもこれをやりたいといった場合にも患者申出療養に入ってくるわけでございますので、そういうことも含めて、今回は患者の思いを大事にして、しかし、新しいものであれば、保険収載をロードマップできっちりと書き切れるものでないとやっぱり対象にはならないということであり、その他のものについては、臨床研究中核病院で作られる計画の中で書き込んで、そしてもちろん本人の申出ということをエビデンスを付けて出してくるという中で認められていくというのは、これは国レベルの患者申出療養に関する会議で審査をされるわけであります。
  355. 福島みずほ

    福島みずほ君 評価療養でできるじゃないですか。評価療養で今十分できるんですよ。だって、保険収載を目指すというのは評価療養の中に入っているわけですし、それから、今大臣が答弁された何歳、何歳とかそういうものに関して言えば、別に法律にそういう規定が今あるわけではないから、厚労省が評価療養の中でしっかりやるんだと決断すれば、それはできることですよ。  確かに、今の評価療養制度医療機関の手挙げ制です。しかし、それだって別に、法律改正で今度、患者申出制度という怪しいやつ、患者申出もどきですよね、患者申出がなくてもあったようにする患者申出制度を怪しくつくらなくても、評価療養制度をきちっとやればできるんですよ。納得できないのは、何でこういう怪しい制度を選択療養と言わずに持ち込むかなんですよ。これはやっぱり混合診療に道を開くというふうに思える、保険収載にロードマップを作るといったって、そんな道筋が全然見えないからこのことを言っているわけです。  こういう形で混合診療にずっとこの委員会も反対してきましたし、いろんな立場の人も反対をしてきました。こんな形で混合診療突破の一里塚をどさくさに紛れてやることは許せないというふうに思いますよ。実際、これをやれば、保険収載されない限りその部分は保険外で残り続けるわけですから、それは私たちは絶対にこういうのは認められない、廃案にすべきだというふうに思っています。厚労省、いろいろあるかもしれないけど頑張ってくださいよ。何で規制改革ごときに負けるのかというのがさっぱり分かりません。  それで、次、質問で、参考人の方から、協会けんぽについて、後期高齢者支援金の全面総報酬制の導入について意見がありました。協会けんぽへの国庫補助額の減額二千四百億円の七割に当たる千七百億円が国保の財政対策に優先的に投入されることについて、被用者保険団体から、これはおかしいと、被用者保険の負担増に転嫁するものだとあり、参考人からも意見がありました。厚生労働大臣の見解を教えてください。
  356. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改革では、後期高齢者医療制度をより安定的に運営をするというために、後期高齢者支援金につきまして、負担能力に応じた負担として被用者保険者の支え合いを強化する観点から、いわゆる全面総報酬割というのを導入をすることとしているわけであります。  被用者保険者からは、全面総報酬割導入により生じる財源を国保の財源支援に優先投入するのは、国の財政責任を被用者保険の負担増に転嫁するものであるとの意見があること、我々は認識をしております。  しかし、国保は国民皆保険を支える重要な基盤でありまして、国保への財政支援を拡充し、都道府県が財政運営責任を担うということになって国保の安定化を図るということは、国民皆保険を維持するために重要な事項でございまして、国保への財政支援に全面総報酬割で生じた財源も投入するということに御理解を賜れればというふうに思っているわけでございまして、なお、全面総報酬割の導入に伴う健康保険組合の負担増の半額程度でございます約七百億円については、追加支援によって拠出金負担の重い健康保険組合に対して必要な負担軽減を実施をするということにしているところでございますので、御理解を賜れれば有り難いなというふうに思います。
  357. 福島みずほ

    福島みずほ君 参考人の中から、これは納得できないというお答えがあり、確かに、よそから持ってくることについては納得がいかないというふうに思います。  それから、国保の財政運営、これ午前中も聞いたんですが、これは重要な問題だと思うので、午後も聞かせてください。  国保の財政運営を都道府県に移行することによってお金の流れが変わります。市町村ごとの標準保険料率は従来のように一般会計法定外の繰入れを見込んでおりません。つまり、各市町村は、これは繰入れが来ないのではないかと、各市町村の保険料の標準化は保険料の引上げにつながるのではないか。いかがでしょうか。
  358. 唐澤剛

    政府参考人(唐澤剛君) これは、私どもは、国保の基盤強化で三千四百億円追加投入をいたします。もちろん、標準保険料率は、各市町村で繰入れをするかどうかは各市町村の御判断でございますので、私どもが禁止するわけではございませんから、それをお示しすることはできませんけれども、いずれにしても、三兆円に対して三千四百億円程度の財政規模の支援ということになりますので、国保財政についてはかなり改善をされるのではないかと思っております。その上で、一般会計をどうするかということは、私どもは健全な運営をお願いしたいんですけれども、それは自治体の御判断ということになろうと思います。
  359. 福島みずほ

    福島みずほ君 しかし、一般会計法定外の繰入れを見込んでいないために、実際、頑張る自治体がなかなか厳しかったり、お金が来ないわけですから、保険料の標準化が保険料の引上げにつながってしまうんではないかというふうに思っております。これは、なかなかこの点はやっぱり厳しい問題で、自治体が実は保険料の引上げがこれから起きるんじゃないかということについて、私たちはそれはおかしいということをしっかり言っていきたいと思っております。  様々な、法案に問題がありますが、とりわけ、やはり患者申出制度でも、条文は患者申出になっているけれど、それは関係ないというか、最後に患者が納得すればいいという答弁は条文違反で、全く納得ができません。  こういう形で混合診療に道を開くんだと。保険外の部分がどんどんどんどん増えていく。それは、患者が申し出たからだという口実の下にいろんな病院もそういうものを取り扱うようになれば、やっぱり情報とお金がある人は保険外のものをどんどんやっていく、お金と情報がない人は保険内でしかできない。お金がある人は民間の保険会社で保険を掛けていて、様々な高度医療やがんや高度の医療技術を用いた療養、先端医療、民間保険にどんどん入っていく、しかし、そういうのができない人はできない。結局、国民皆保険制度は、誰もが一定の負担をすればちゃんと医療を受けられるということを、こういう形でやっぱり崩してはいけないというふうに思っております。  この大改悪に関して断固反対で廃案しかないということを申し上げ、質問を終わります。
  360. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について薬師寺君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。薬師寺みちよ君。
  361. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 私は、ただいま議題となっております持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、無所属クラブを代表して、修正の動議を提出いたします。  その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。  これより、その趣旨について御説明申し上げます。  現在、健康保険法等により、保険診療との併用が認められている療養に対し、保険外併用療養費が支給されることとされており、そのうち療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から、評価を行うことが必要な療養として評価療養が位置付けられております。この中で、先進医療医薬品等の治験に係る診療、薬事承認後で保険収載前の医薬品等の使用、薬価基準収載医薬品等の適応外使用を対象に保険外併用療養費が支給されてまいりました。加えて、平成二十五年には、医療上の必要性が高いとされた抗がん剤に係る専門評価体制が創設されるとともに、今後は、再生医療医療機器を含めて最先端医療迅速評価制度として整備されることとされております。  こうした制度があるにもかかわらず、今回の改正案では、新たに患者申出療養制度を設けることとされました。患者申出療養制度については、患者申出が起点となることと審査の迅速化、身近な医療機関で受けられることが利点とされておりますが、これらは現行の評価療養制度の改善で実現することが可能であります。患者申出療養制度を設けることによる制度の複雑化、また、事故、副作用等が生じた場合の補償問題など、懸念される問題点について再度検討し、その必要性や申請機関の負担などについて十分調査し、従来の評価療養制度などをいかに改善するかについてまず検討すべきであります。  このような観点から、本修正案を提出いたしました。  修正の要旨は、患者申出療養に係る規定を削除するほか、所要の規定の整理を行うものであります。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  362. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) これより原案及び修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  363. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 私は、民主党・新緑風会代表いたしまして、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。  反対の理由は、第一に、法定外一般会計繰入れや保険料収納率など国保固有の課題の改善が十分でない段階で、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入により生み出される財源の大半を国保に投入することは問題が大きいからです。  後期高齢者支援金を当事者である被用者保険の保険者の総報酬に応じて負担してもらうことで、協会けんぽに投入されている国庫補助の一部が軽減されますが、一方で健保組合などの負担は増えます。被用者保険関係五団体は、国保に対する国の財政責任を被用者保険の負担増に転嫁するものであり、全く容認できないと批判しています。  今回の改正は、言わば取れるところから取ってほかに回すという財政調整のやりくりに終始しており、負担が増える被用者保険の保険者からの理解は得られず、当座はしのげても、今後更に不満は高まることは明らかであります。  第二に、高齢者医療に係る負担について、保険者間、世代間の格差是正などの抜本改革がなされていないという点です。  後期高齢者医療制度と国保という本質的に自立が難しい保険者の在り方に手を着けないまま、あくまで相対的に所得が高い保険者の負担を増やし続けていくやり方を持続可能な制度と言うことは到底できません。更なる高齢化、人口減少が進む中、現役世代に過度に依存する制度を見直し、小手先だけではなく、医療保険制度全体の抜本改革に取り組む必要があると考えます。  第三に、患者負担の増加についてです。  入院時食事療養費の自己負担引上げについては、そもそも介護や在宅療養との公平を理由に負担を引き上げる道理はありません。入院時の食事が医療の一環、治療の一環であるならば、療養の給付として評価すべきです。また、高額療養費制度の対象にもならず、長期入院を必要とするがん患者さん、難病患者さんからは負担増に対しての不安の声があり、患者さんだけではなく御家族の声にもっと耳を傾けるべきです。  紹介状なしの大病院受診時の定額負担導入についても、審議を通じて具体的な制度設計は全く明らかになりませんでした。外来の機能分化、勤務医の負担軽減につながるのかもよく分かりません。難病患者は診断から確定するまで複数の病院を回ることも多く、定額負担は患者の経済負担を更に重くし、患者の受療の機会を奪うものになりかねません。  第四に、患者申出療養について。  総理は、迅速に必要な治療を負担を軽減しながら身近な場所で治療を受けられるようにしたいと述べられました。しかし、でき上がった法案は全く異なると言わざるを得ません。  まず一点目。現在六か月掛かっている制度が六週間で行われ、迅速にはなりますが、患者が起点のこの申出により、副作用や健康被害が生じた場合の患者保護、被害救済に対する制度は甚だ不十分です。そして二点目は、実際に保険収載につながるかどうかが全く担保されていません。三点目は、専門医の育成、体制整備については、医療従事者技術教育、技術評価、認定、さらには実施後の管理、外部の監督などがセットで必要であり、施行日までにこの体制が整備できるとは思えず、余りに拙速だと言わざるを得ません。  本会議質疑から委員会質疑に至るまで、政府は、詳細はこれから検討するとの答弁に終始しました。具体的な検討がこれからならば、今回はまさに廃案にし、しっかりと当事者の声を聞き、制度設計を確立させてから改めて提出すべきであります。  本日の総理の御答弁を聞いたところ、目線を患者である国民に向けているとは到底思えず、関係企業等の成長戦略のための改正としか思えません。委員会では、二十七本もの法改正を必要とするにもかかわらず、僅か五日間の審議で採決を行う姿勢は、断固抗議します。  世界に類を見ない超高齢社会が進行する我が国において、国民皆保険制度をしっかりと守り、誰もが安心、安全医療を受けられるようにするためには、医療保険制度の抜本改革なしで持続可能な医療保険制度の構築など確立できるはずもなく、国民目線に立った具体的な改革を進めることを強く求め、反対討論といたします。
  364. 小池晃

    小池晃君 私は、日本共産党代表して、国民健康保険法等の一部を改正する法律案について反対討論を行います。  反対理由の第一は、本法案が高過ぎる国保料の更なる負担増を招き、医療費削減の新たな仕組みを導入するものだからです。  本法案による国保制度の改革が実行されても、協会けんぽの一・三倍、組合健保の一・九倍という保険料の水準は全体として変わらず、逆に今後、給付費増による保険料高騰が避けられません。保険料徴収により所得生活保護基準以下に落ち込む境界層の問題、子供が多い世帯ほど負担増となる応益割の問題なども本案によって何ら解決されません。  都道府県による財政管理、標準保険料率の提示、保険料平準化の推進など、本法案に盛り込まれた改変が市町村を保険料引上げに駆り立て、無慈悲な取立ての強化につながることは、法案の内容を先取り実施している大阪府の実態からも明らかです。  しかも、本法案は、都道府県が策定する医療費適正化計画に医療給付費の目標総額を明記し、それを地域医療構想による病床削減とリンクさせ、新たに導入する都道府県国保運営方針も適正化計画と整合させるよう義務付けています。まさに都道府県を司令塔にした強力な給付費削減の仕組みづくりにほかなりません。  国保改革というのなら、全国知事会など関係諸団体が求めるとおり、削減されてきた定率国庫負担を抜本的に増やし、せめて協会けんぽ並みに保険料を引き下げ、低所得者の負担軽減、受給権の保障を図るべきです。  反対理由の第二は、協会けんぽの国庫補助削減と保険料値上げのレールを敷き、中小企業の苦境に追い打ちを掛けるからです。  国庫補助率一三%の本則への明記、高齢者医療支援金の総報酬制による国庫補助削減、一般保険料率の上限の引上げなど、法案に盛り込まれた制度改変は、協会けんぽに対する国の責任を後退させ、それを保険料引上げに転嫁するという政府の方針を体現しています。実質賃金の低下や経営難に苦しむ中小企業の労働者、事業主に更なる打撃を与えることは許されません。  反対理由の第三は、受診抑制と重症化をもたらす患者負担増です。  本法案が実施されれば、高額療養費と入院食費を合わせた一か月の入院に掛かる費用は十二万円、平均給与の三割を超えてしまいます。今回の食費負担増が、介護施設や療養病床の負担増の際に言われた生活の場だから在宅との公平を図るという論理で説明できないことを厚労省も認めざるを得ませんでした。公平の名で高い方に合わせる御都合主義の負担増は、患者の困難に追い打ちを掛け、国民皆保険の基盤を危うくするものだと言わねばなりません。  紹介状なしの大病院受診時の定額負担が厚労省の言う外来の機能分化に役立たないことも審議の中で裏付けられました。選定療養義務化と言いますが、事実上の受診時定額負担の導入にほかなりません。  反対理由の第四は、患者申出療養の導入が混合診療の全面解禁に道を開く危険があるからです。  審議の中でも、安全性、有効性の審査を置き去りにする患者申出療養の問題点が浮き彫りとなりました。保険収載が前提といいながら、制度上の担保はありません。製薬大企業や医療機器メーカーのもうけを最優先に、保険給付や医療安全性を切り縮めていく安倍政権の医療産業化、競争力強化は国民皆保険を危うくするものであります。  以上のように、本案の内容は、社会保障費削減という安倍政権の路線の下、医療への国庫負担を削減しながら、保険者、自治体を医療費削減へ駆り立て、患者負担増と医療の規制緩和を進めるものです。まさに国民皆保険に大穴を空け、土台から掘り崩す危険な暴走と言わざるを得ません。  衆参両院における本法案の審議中にも、財政制度審議会経済財政諮問会議では、医療、介護の次なる負担増、給付減案が怒濤のように提案されています。参議院で法案が審議されている最中にその成立を前提に次の課題を打ち出すなど、国会審議を愚弄するものにほかなりません。  改めて、このような問題だらけの重大法案は廃案とすべきであり、不十分な審議のまま採択に付すことは断固反対します。  なお、無所属クラブ提案の修正案は患者申出療養の導入を削除するものであり、賛成であることを申し述べて、討論を終わります。
  365. 福島みずほ

    福島みずほ君 福島みずほです。  私は、社会民主党・護憲連合を代表して、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について反対の立場から、無所属クラブ提案の修正案に賛成の立場から討論をいたします。  本法案は、国民健康保険制度発足後の大改定であります。内容は、重要かつ多岐にわたるにもかかわらず、十分な審議が尽くされておりません。  本法案に対する反対の第一の理由は、国民健康保険制度の財政運営を市町村から都道府県に移行するに当たり、国民保険料の引上げや一方的な徴収強化が横行しかねないからです。  市町村は保険料の収納状況に関係なく都道府県に納付金を一〇〇%納めなければなりません。都道府県が示す標準保険料率は、将来的な保険料負担の平準化に向け、一般会計の繰入れを反映しない、より高い料率が示されることが予想されます。保険料の引上げ、厳しい保険料の収納対策が推進されれば、三百六十万を超える保険料滞納世帯が更に増加しかねません。高過ぎる保険料が払えず、必要な医療を受けることができない国民の問題について、本法案は何ら応えておりません。  また、地方から見直しが求められている子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入、乳幼児医療費助成制度などの地方単独事業に関する国庫負担調整措置の見直しについて抜本的な改正を図るべきです。  第二の理由は、患者申出療養の導入です。  現行の保険外併用療養費制度に、なぜ新たに患者申出療養という枠組みが必要なのか、政府の説明では納得がいきません。適用の審査時間は非常に短く、持ち回り審査も可能とされているため、安全性、有効性が十分に確認できるのか、非常に不安です。また、患者が申出の起点であることから、患者保護、医療事故などが起きた場合の被害救済も薄弱です。さらに、保険収載がされず、患者負担が増大することも懸念されます。導入はきっぱりやめるべきです。  第三の理由は、入院時食事代の自己負担引上げ、紹介状なしで大病院を受診する際の定額負担の義務化、七十五歳以上高齢者の保険料軽減の特例の廃止など、全ての世代にわたり負担が増加することです。  本法案は、国民皆保険制度を危うくするものです。いつでもどこでも安心して医療が受けられる国民皆保険制度は、世界に誇れる私たちの財産であり、更に維持発展させるべきであることを強く主張し、私の反対討論を終わります。
  366. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、薬師寺君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  367. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 少数と認めます。よって、薬師寺君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  368. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、羽生田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽生田俊君。
  369. 羽生田俊

    羽生田俊君 自民党の羽生田俊でございます。  私は、ただいま可決されました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会公明党、維新の党、日本を元気にする会・無所属会及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、国民健康保険について   1 都道府県を市町村とともに国民健康保険の保険者とするに当たっては、都道府県と市町村との間の連携が図られるよう、両者の権限及び責任を明確にするとともに、国民健康保険事業費納付金の納付等が円滑に行われるよう必要な支援を行い、あわせて、市町村の保険者機能や加入者の利便性を損ねることがないよう、円滑な運営に向けた環境整備を着実に進めること。また、都道府県内の保険料負担の平準化を進めるに当たっては、医療サービスの水準に地域格差がある現状に鑑み、受けられる医療サービスに見合わない保険料負担とならないよう配慮すること。   2 国民健康保険の保険料負担については、低所得対策として介護保険には境界層措置があることも参考に、その在り方について検討するとともに、子どもに係る均等割保険料の軽減措置について、地方創生の観点や地方からの提案も踏まえ、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響等を考慮しながら、引き続き議論すること。   3 国民健康保険に対する財政支援に当たっては、保険料の収納率の向上等、国民健康保険の運営面の問題の改善を図った上で、その財源を安定的に確保するよう努めること。また、財政支援の効果について、国民健康保険の持続可能な運営を確保する観点から、その評価及び検証を行うこと。   4 都道府県の財政安定化基金からの貸付け及び交付については、国民健康保険における市町村の財政規律を維持するため、それらの要件が適切に設定されるよう必要な措置を講ずること。   5 保険者努力支援制度の実施に当たっては、保険者の努力が報われ、医療費適正化に向けた取組等が推進されるよう、綿密なデータ収集に基づく適正かつ客観的な指標の策定に取り組むこと。   6 国民健康保険組合については、今後とも、自主的な運営に基づく保険者機能を発揮できるよう、必要な支援を行うとともに、定率補助の見直しに当たっては、対象となる被保険者が多いなど個々の組合の財政影響等を踏まえた特別調整補助金による支援や、定率補助の見直しに伴い保有すべき積立金が増加することへの対応など、補助率が引き下げられる組合に対する適切な激変緩和措置を検討すること。また、所得水準の高い組合に対する定率補助の見直しについては、実施状況の検証を行うこと。  二、高齢者医療制度及び被用者保険について   1 高齢者の医療費の増加等に伴い、現役世代の負担が大きくなっている中で、持続可能な医療保険制度の確立に向けて、更なる医療保険制度改革を促進するとともに、負担の公平性等の観点から高齢者医療制度に関する検討を行うこと。   2 前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金については、今後高齢化の一層の進展が見込まれていることを踏まえ、現役世代の拠出金負担が過大とならないよう、本法に規定された拠出金負担が特に重い保険者に対する拠出金負担軽減措置を講ずるとともに、将来にわたって高齢者医療運営円滑化等補助金の財源を確保するよう努めること。   3 後期高齢者支援金の総報酬割の拡大に当たっては、被用者保険の保険財政への影響の評価及び検証を行うとともに、被用者保険の保険者及び被保険者に十分な説明を行い、その理解と納得を得るよう努めること。   4 協会けんぽに対する国庫補助の在り方については、加入者の報酬水準が相対的に低いことに鑑み、その加入者の保険料負担が過重とならないようにするため、必要な財源の確保に努めること。  三、患者負担について   1 入院時食事療養費については、今後も引き続き、低所得者、難病患者及び小児慢性特定疾病患者はもちろん、長期にわたり入院を余儀なくされている療養患者等への配慮を十分に行うこと。   2 紹介状のない大病院受診に係る定額負担の導入に当たっては、外来の機能分化促進の効果、低所得者等の受診状況の変化等を調査し、その結果に基づき適切な措置を講ずるとともに、定額負担の対象とならない症例等、事例の明確化及び積極的な周知を行うこと。  四、医療費適正化計画及び予防・健康づくりについて   1 特定健康診査及び特定保健指導の実施率、平均在院日数等の医療費適正化計画における指標については、医療費適正化効果の定量的な分析を行うとともに、今後の医療費適正化計画の指標の在り方については、地域医療の実態を分析し、地域医療構想を踏まえた指標を検討すること。   2 保健事業において保険者が実施する予防・健康づくりのインセンティブの強化に当たっては、保険者に対し好事例の周知に積極的に取り組むとともに、必要な医療を受けるべき者が受診を抑制し、重症化することがないよう、インセンティブ付与の在り方について十分に検討すること。  五、患者申出療養について   1 患者申出療養については、患者からの申出が適切に行われるよう、患者が必要とする医薬品等の情報を容易に入手できる環境を整備するとともに、製薬企業から不適切な関与が起きないことを担保しつつ、医学的に適切な判断に基づいて、ヘルシンキ宣言及び「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づく臨床研究等として、患者申出療養が実施されるよう、患者等に対する相談体制及び倫理審査体制の整備、利益相反の適切な管理等必要な措置を講ずること。   2 患者申出療養の実施に当たっては、医の倫理及び被験者保護の確保と、その安全性及び有効性の確保を十分に行うとともに、患者の不利益とならないよう、また、患者に責任が押しつけられないよう、患者申出療養の実施に伴い、副作用、事故等が生じた場合に、患者が十分かつ確実に保護される枠組みとすること。   3 臨床研究中核病院が作成する実施計画については、患者申出療養に関する会議において厳格かつ透明性ある審議が迅速に行われるようにするとともに、保険収載に向けた評価が着実に実施されるよう、また、臨床研究計画の内容が国際水準を目指したものとなるよう、必要な措置を講ずること。   4 患者申出療養においては、円滑な制度の運用に資するため、負担が重くなる臨床研究中核病院等の医療機関に対し、必要な支援措置を講ずるとともに、患者申出療養に関わる医療従事者等が長時間労働にならないようにするなど、医療従事者等の負担について十分な配慮を行うこと。また、関係学会等に協力を要請し、患者申出療養において申出が予想される医薬品等のリスト化を行うなど、申請作業の迅速化及び効率化が図られるよう、所要の措置を講ずること。   5 評価療養の中で実施されている先進医療、最先端医療迅速評価制度及び国家戦略特別区域での先進医療に加え、新たに患者申出療養制度が設けられることにより、保険外併用療養費制度がますます複雑化することから、制度の効率化を図るとともに、国民にとって分かりやすいものとすること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  370. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいま羽生田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  371. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 多数と認めます。よって、羽生田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣
  372. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
  373. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  374. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十四分散会