運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2015-05-21 第189回国会 参議院 厚生労働委員会 13号 公式Web版

  1. 平成二十七年五月二十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月十九日     辞任         補欠選任      足立 信也君     羽田雄一郎君  五月二十日     辞任         補欠選任      井原  巧君     武見 敬三君      羽田雄一郎君     足立 信也君  五月二十一日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     森本 真治君      白  眞勲君     櫻井  充君      山本 香苗君     杉  久武君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸川 珠代君     理 事                 大沼みずほ君                 羽生田 俊君                 福岡 資麿君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 石井みどり君                 木村 義雄君                 島村  大君                 高階恵美子君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                三原じゅん子君                 足立 信也君                 石橋 通宏君                 櫻井  充君                 西村まさみ君                 白  眞勲君                 牧山ひろえ君                 森本 真治君                 杉  久武君                 山本 香苗君                 川田 龍平君                 小池  晃君                 行田 邦子君                薬師寺みちよ君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働副大臣  永岡 桂子君    大臣政務官        財務大臣政務官  竹谷とし子君        厚生労働大臣政        務官       橋本  岳君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        文部科学大臣官        房審議官     徳田 正一君        厚生労働大臣官        房年金管理審議        官        樽見 英樹君        厚生労働省医政        局長       二川 一男君        厚生労働省医薬        食品局長     神田 裕二君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       三宅  智君        厚生労働省保険        局長       唐澤  剛君    参考人        公益社団法人日        本医師会副会長  中川 俊男君        名古屋大学医学        部附属病院長   石黒 直樹君        一般社団法人日        本難病・疾病団        体協議会代表理        事        伊藤 建雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○持続可能な医療保険制度を構築するための国民  健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、井原巧君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、患者申出療養関係について三名の参考人から御意見を伺います。  御出席をいただいております参考人は、公益社団法人日本医師会副会長中川俊男君、名古屋大学医学部附属病院長石黒直樹君及び一般社団法人日本難病・疾病団体協議会代表理事伊藤建雄君でございます。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。  なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず中川参考人にお願いをいたします。中川参考人。
  4. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) おはようございます。  患者申出療養について、日本医師会の見解をお話しさせていただきます。  資料を用意いたしましたので、お願いいたします。よろしいでしょうか。  患者申出療養というものに関しては、我々は評価療養の一類型だという認識であります。右下一番をお願いいたします。  保険外併用療養、特に評価療養について、日本医師会は、一定の安全性、有効性が確保されていること、将来の保険収載を前提としていることが絶対的な条件だというふうにしています。今回の患者申出療養については、安全性、有効性の確認と、将来的に保険収載を目指すという点が盛り込まれておりまして、最低限の担保がなされたと考えています。  一枚お開きください。二番です。これまでの流れについて少々お話しさせていただきます。  二〇一四年の三月二十七日に、このような選択療養というものが規制改革会議によって提案されました。この選択療養というものの時点では、安全性、有効性が事後検証でいいんだと、保険収載の可能性については必ずしも保険導入のための評価を行うものではないといった、二〇〇〇年代の前半の混合診療全面解禁のときの議論に戻ったような提案でございました。その後、いろんな議論がありまして、五月二十八日には、将来の保険収載につなげるんだといった、非常に改善されたといいますか、格段に改善された内容になったというふうに認識しております。  三番をお願いします。  現在の先進医療の課題というふうにタイトルがありますが、現在、先進医療は、安全性、有効性の確保を絶対として審査されておりまして、おのずと実施医療機関が限定されており、アクセスが容易でない場合もあります。  改めて申し上げますと、先進医療A、これは五十八技術、八百二十二医療機関で実施されており、未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴わない医療技術、又は未承認であっても体外診断薬の使用若しくは検査薬の使用は行う、これがAであります。  先進医療Bについては、四十三技術、五百十医療機関で実施されていますが、これは未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴う医療技術ということになります。  四番をお願いします。  しかしながら、先進医療がどのぐらいの医療機関で実施されているのかということに関して見ますと、例えばA、五十八技術、八百二十二医療機関で実施されているんですが、このグラフにありますように、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術といったものを除けば、ほとんど十以上の医療機関で実施されているという先進医療Aはごくごく一部になっています。  五番をお願いします。  患者申出療養の意義について簡単にまとめますと、日本医師会はこのように考えます。  現行の先進医療などの評価療養の新たな一類型というふうに思いますが、この仕組みは、保険収載を前提として安全性、有効性の確保を絶対として審査されるものであり、高く評価できます。しかし、対応医療機関の近くの患者以外は先進医療を受けにくい現実があります。患者申出療養はこの部分を補完するというふうに思います。対象患者が広がることによって先進医療の症例が積み重なることが予想され、保険適用が早まる可能性も出てくるというふうに思います。  六番をお願いします。  これは、二〇一四年の十一月五日の中医協総会に出されたときの、患者申出療養の対象となる医療のイメージが(1)から(3)まで提案されました。すなわち、先進医療の実施計画対象外の患者に対する療養、例えば高齢者、病期の進んだ患者、合併症を有する患者等が対象になるのではないか。二つ目は、先進医療として実施されていない療養、一部の国内未承認、海外承認医薬品等の使用、実施計画が作成されていない技術等であります。三つ目は、現在行われている治験の対象とならない患者に対する治験薬等の使用であります。  これに加えて、一番対象の数が多くなるだろうというふうに思われるのがこの黄色いところです。評価療養、特に先進医療の実施医療機関の近辺にお住まいでない患者さんが医療を受けられなかったという場合に、その方々が対象になるのではないか、これが一番多いグループだというふうに思いまして、提案し、これが追加されております。  七番をお願いします。  患者申出療養の実施に向けての留意点ですが、患者申出療養に治験候補の薬などを組み込むため製薬企業等が患者や主治医に働きかけることがあってはならないと思いますし、このことについては、製薬メーカーからそういうことはないという明言をいただいております。先発品メーカーとしての矜持として、私は信じたいと思っています。二つ目は、安全性と有効性の確保のために、現行の評価療養と同様に、プロトコールの確認等、一定水準の安全性、有効性の確認は必須であるべきだと思います。そして、何よりも大事なことは、将来的に保険収載につながるようにすることが大前提であります。  八番をお願いします。  改めて、今申し上げた上で、混合診療の全面解禁には明確に反対であることを申し上げます。  必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保するという、二〇〇四年の混合診療全面解禁の激論の末に合意した国民皆保険の理念をこれからも堅持すべきだと考えます。資産や所得の多寡で受けられる医療に格差が生じ、必要な医療が受けられなくなるようなことがあってはなりません。財政審で議論されている公的医療保険の給付範囲の見直し、患者自己負担増も問題です。一方、ドラッグラグについては、現状のエビデンスを認識すべきです。審査ラグは、ヨーロッパの水準まで解決されていると思います。  この際、ドラッグラグについて少しお話ししたいと思います。九番をお願いします。  日本はドラッグラグがあって、他の先進諸国と比べて非常に問題があるという話がありました。しかし、ここに示すように、データ的には二〇一一年度までしか明らかになっていませんが、審査ラグというものは非常に短くなってきており、関係者の努力によって非常に改善されてきているというふうに思われます。  問題は、開発・申請ラグ、いわゆるメーカーの申請ラグであります。これについてはいろんな問題を解消しなければなりませんが、メーカーは早急に申請して、国も協力して薬事承認及び保険収載を目指すべきだと思います。  最後に、十番をお願いします。これは、専門家の意見をお聞きした中の一部を紹介したいと思います。先進医療会議の構成員の意見です。  がん研有明病院の副院長である山口先生のお話です。例えば胃がんのガイドラインがいい例です、胃がんの分野でも、やはり最初に作ったときはなくて駄目だったのですけれども、今は臨床試験が日本で進んで、ティーエスワンなどはむしろアメリカで使えなくて日本で使えるものさえ出てきました、結果として成績には大きな差がありますから、むしろかわいそうなのは、胃がんについては米国の方ですと言っております。  それから、聖路加国際病院院長の福井先生は、私は診療ガイドラインの作成に深く関わってきました、十年近く前は確かに海外で承認されていて日本で使えない薬もガイドラインに書かざるを得ない状況がありましたが、最近はほとんどなくなってきていますとおっしゃっています。以前は海外で承認されているけれども日本では承認されていない薬を使いたい患者さんに病院としてどう対応するかという事案が幾つかありましたが、最近はほとんどなくなりましたとおっしゃっています。  こういう現状で、患者申出療養というものが、あるべき姿で、いい面を強調して発展、拡大していくことが望まれるというふうに思います。  以上です。ありがとうございます。
  5. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。  次に、石黒参考人にお願いをいたします。石黒参考人。
  6. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 名古屋大学の石黒でございます。  では、お時間をいただきまして、私、資料を用意してまいりました。この資料でございます。それに従って説明申し上げたいと思います。  めくっていただきまして、私は、この制度を評価療養制度、現在七種類が認められておりますけれども、そこの中に加えていただきたいというふうに主張しております。これ考えますと、ここで四角で囲ってあります一番下の部分ですけれども、私、医師になってからもう三十年以上たちますけれども、この制度を利用したことがありません、一番下の大きな四角は。二番目は、これ企業治験ですから広く行われております。三番目は、今話題になりました先進医療制度というやつで、最近認めていただいて随分良くなったというふうに考えております。  それでは、なぜこの患者申出制度が必要かということを大学病院の立場から説明したいと思います。めくっていただきまして、次のページです。  大学病院が直面する現状の問題点と題させていただきました。まず、医療のグローバル化、複雑化に実は皆保険制度というのが追い付いていないのではないかという疑問を私どもは持っております。  まず、未承認薬の問題です。先ほども指摘がありましたように、確かに官公庁、PMDAの御理解によってかなり短縮されましたけれども、メーカーはそれを申請したがりません。なぜかというと、お金と費用が掛かるから。  例えば、多剤耐性の緑膿菌に対する抗菌剤、これ、別に最近出てきたわけじゃなくて、数年前から疑問になっていますけれども、このコリスチンという薬剤は二〇一五年三月に製造販売承認を受けました。ですから、それ以前はこれに対する抗菌剤は我が国ではなかったという。これを使って、抗生剤でたたいていきますと、最後にこの菌が残ります。この菌が残って、じゃ、これが生命に関わるときになるとコリスチンを並行輸入して使わざるを得ない。そうすると、途端に患者さんにそれは請求できなくなります。そんなことを私どもは初めに説明していませんから、全部医療機関がこれをかぶることになります。  もう一つ、経口GVHD治療薬、これクリッパーといいますけれども、ちょっとかわいい名前が付いていますけれども、これは実は小児科の領域で骨髄移植をして、GVHD、消化管の出血等が起こった場合に使う全く吸収されないステロイド剤です。非常に優れた薬効を持ちますけれども、小児のGVHDを生じる、要するに骨髄移植を生じるという領域は非常に限られていますから、これも開発しようとしない。これはEMAでは承認されています。  もう一つ、未承認医療機材というところでいいますと、これは大動脈ステント、今、トリプルA、要するに大動脈瘤・解離あるいは胸部大動脈解離、胸腹部大動脈解離といったものは高齢者に起こる場合が多いですし、糖尿病の患者に起こる場合が多いものですから、できるだけステントでやろうという動きがあります。ところが、ステントというものは非常に開発が速いということ。開発が速いと、一つの形式を認定しても、その次の形式が出てくるわけですね。あるいは、今もっとあるのは、テーラーメードといってオーダーで作るというものもあります。そういったものも日本ではなかなか承認が得られないといったことがあります。  次に、適応拡大での医療機器使用、これは小児外科領域での内視鏡手術があります。赤ちゃんが生まれます。例えば食道裂孔ヘルニアなんかがありますと、早く手術しておなかに臓器を戻してやらないと、肺、呼吸ができなくなって死んでしまいます。だけれども、たかだか三キロあるいは四キロといった患者さんに対して胸部と腹部の開腹を行うのかといった問題、これは非常に高度な技術が必要になりますけれども、こういった問題は患者さんが少ないがゆえになかなか保険収載されません。ですから、小児領域はほとんど内視鏡手術ペケになっています。  結局、そうすると、自費診療を選ばざるを得ないということになりますと、若いお母さんあるいはお年寄りの方々に非常に高額な自費を請求せざるを得ないというのが大きな問題です。でも、彼らはちゃんと国民保険の保険料を払っているんです。でも、その途端に受けられなくなって、その分を何とかしろということになってしまいます。  じゃ、この制度を導入することによって予想される効果と課題、私の考えをまとめてまいりました。  先ほど来問題になっていますデバイスラグ及びドラッグラグの最小限化、これは確かにありますけれども、こういったものを広く行えば薬事法が形骸化します。  もう一つ、最先端医療技術の迅速な導入、提供といったことは、非常に聞こえがいいんですけれども、一方で、医療者の能力を超えた技術導入が行われ、結局ラーニングカーブ、要するに、新しい医療技術は我々は学ばねばなりません。学ぶためには何例かを経験を積むことによって徐々に蓄積されてくるわけで、初めから野方図に広げてしまえば、ラーニングカーブ、習熟する機会を医療者は得ることができなくて、非常に危険な手技が行われるであろうという問題です。  続きまして、患者による治療選択肢の拡大、これは非常に良いことです。でも、情報の非対称性、後で述べますけれども、あくまでも医療者はよく知っていて、患者さんは余りその情報をお持ちにならないといったところで、この問題ですね。ですから、情報の非対称性によるミスリーディング、例えばがんも切らずに治る式の発言とかが行われて、それを信じてしまう。そうすると、結局、患者さんの人権保護、治療機会が失われるということになります。  続きまして、そもそもは希少疾患、難病患者への対応であるということです。そうなると、普遍性を求めるものではない。例えば、大学病院にあるCPCと呼ばれる細胞加工技術とか、そういうものを用いて治療する、あるいは高度なステントを用いて治療するというのは、一般的な病院あるいは診療所で行われるようなことではありません。となると、そもそも皆保険の、誰もがどこでも受けられるという趣旨に合っているのかという根源的な疑問が出てまいります。そうすると、皆保険制度になじむものでないかもしれないということを御審議いただきたいと思います。  それで、保険併用による医療費負担の軽減というものが考えられていますけれども、これは新しい需要喚起を起こす可能性があります。特に広げれば、民間保険が導入されれば、その民間保険のカバーするところ、でも基礎部分は公的保険ですから、これによってかえって医療費が増大する可能性も全くないとは思いませんから、これ、よく御議論いただきたいと思います。  一番大きな問題は、社会的な不公平感の拡大がこれによって、高額な医療費を設定することによって、私はこの医療が受けられるけれども、この医療を私は受けられないということになると、これは皆保険の根幹を揺るがす、あるいは社会的な要因としても非常にマイナスです。こういったことを考えますと、特定な機能を持つ病院群での対応が一番よいのではないかというのが私の意見であります。  この中で特に重視されるのは、治療の妥当性の検証、医療者の教育、治療経過の管理監督、そして最終的には社会への開示が必要である、開示責任を負って、それをやるということが絶対に必要である、以上の機能を果たせる病院群を選ぶべきであるというのが私の主張であります。  続きまして、めくっていただきます。  医療における情報の非対称性。特に新規性が高い、あるいは希少疾患領域では、これが著しくなります。医療に関わる情報は常に非対称性があります。一方で、国民皆保険というものは治療を規定することによってそのリスクを軽減しております。間違った医療が行われないようにしているわけです。ですけど、その一方で、審査には時間と金が掛かるという、ですからメーカーはやりたがらないという問題が発生します。要するに、せっかくそれでやったとしても、時間と掛けるお金にペイしないような保険領域においては、彼らは開発しようとしないんです。  もう一つ問題点は、供給者誘発需要の存在。これはどういうことかといいますと、間違った医療にしろ、自分が持っている以上は、患者さんに、こういうのがありますよ、ああいうのがありますよと訴えて、大して有効性もない医療が行われるという側面であります。これは非常に大きな問題で、先ほども言いましたように、そうすると患者さんは治療機会を失い、機会喪失ですね、そして病状が進行した段階で初めて正規の医療機関を訪れられると。そうすると、最後は医療保険になってしまって、しかも社会的なロスが起こり、患者のロスが起こり、生命の損失が起こるという、患者に人権侵害が起こるであろうという問題点です。  非対称性のマネジメントをどうするべきか。これはシグナリング、一つは、そういう医療機関を定めて、そこの技能等を開示させる、あるいは開示するといったことである程度の縛りを掛けるということです。もう一つは、エージェント、第三者による妥当性の助言といったところにあります。ですから、セカンドオピニオンを求めるといったところが一番大きなポイントになるかと私は思います。  続きまして、不公平感の問題、階層医療の発生について少し議論していただきたいと私は思います。  これはどういうことかといいますと、このグラフの右側の部分なんですけれども、もしもこの制度で十万円の医療負担が患者さんに起こるとすれば、恐らく保険診療で三十万円、これは仮定法の話ですけれども、であったものが四十万円になりますから、多くの方は制度が利用できると思います。  ところが、百五十万円の医療費増加ということになりますと、これは随分患者負担が発生しますから、余り多くの方がこの制度を利用することができなくなります。ですから、お金持ちしかできなくなるということで不公平感が非常に強くなると。皆さん、基礎的な部分で皆保険のお金を払っているにもかかわらず、最後の部分がお金が払えないがゆえに、随分ハードルの高いことになるということであります。  一方、現行保険制度でいいますと、先進医療では、当該部分の医療行為が患者請求、自費となっています。ですから、実は非常に高額なものが発生しているというところがあります。これでは皆保険の趣旨が全うされませんから、やはり患者申出制度においてはそこら辺の部分をよく考えていただいて、その新しく導入されたものだけ、例えばステントの置換でしたらば、ステントが新しいんだからステントは患者申出制度にしましょう、だけど、それに関わる麻酔料、術料というのは、そもそもは手術が必要なんですから、それは患者さんに請求しないような、そういう制度をしていただきたい。  あるいは、薬剤についても、今ですとそこの部分に関わる部分が全部外れてしまいますけれども、そうじゃなくて、その薬剤だけが違っているんだから、そこの部分を面倒見てほしいと。そういう制度にしていただければ、患者さんにとってみれば随分いい制度になると私は思いますし、負担感、不公平感が軽減されると私は信じております。  以上であります。
  7. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。  次に、伊藤参考人にお願いいたします。伊藤参考人。
  8. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) ありがとうございます。  冒頭ですけれども、難病法の成立には大変お世話になりました。ありがとうございました。  患者申出医療に関しては、少し私どもの資料を持ってきておりますが、それでなく、今日は具体的な、口頭で申し上げたいと思います。  患者申出医療に関しては、混合診療への道を開くのではないかとか、あるいは自己責任の問題であるとか、安全性についてなど、様々なことで有識者の皆さんや国会でも議論をされてきたことだと思いますし、難病患者でもあります川田議員もこの委員会で様々な指摘をしておられることですので、そのことにつきましては今日も大変すばらしい御意見を専門の方々からお受けしておりますので、そのことには触れないで、患者の視点からの問題について少し意見を述べたいと思います。  これは一般的なことですので、患者と専門家の間には様々な情報の非対称性があると言われていますが、これが本当に一般の患者さんになるともっとこの非対称性が強くなりまして、患者申出による医療というネーミングの持つ一種のうさんくささといいますか、うろんさとかいうものについて若干抵抗感があると言っていいのかと思います。  第一に、患者家族は高度な先進医療の情報とか実態の情報をどのようにして得ることができるのかという問題でありますが、これは情報の非対称性の問題だけではなくて、その情報に対する評価とか、あるいは主治医によるお勧めというものに対する患者家族の選択の余地というものがどのように保障されるのかという実態の問題にもう少し触れていただきたいと思います。  それから二番目に、患者の申出による医療と言っておりますけれども、それはいかなる状況を想定するのかということであります。そもそも、突発的な事故とかごく少ない場合を除いて、患者の申出によらない医療というのはあり得るのかということです。少なくとも健康保険においては成り立たないのではないだろうか、もしあるとすれば、ヘルシンキ宣言を逸脱した状況というのを想定しなければならないのではないだろうかと思います。  三番目に、この制度による医療を利用する必要があるという人もいるということは私たちは否定しませんが、国民皆保険の中では、それは一部の人のためにだけあるのではなくて、あまねく全ての国民が利用できるということを保障するものでなければならないと考えます。また、高度な先進医療技術は、その開発と研究には少なからず、あるいは莫大な国費、公費が投入されているのではないだろうかと思っております。とすれば、その技術により、医療が一部の国民だけ、あるいは経済的に豊かな者だけが利用できるという性質のものであってはならないと思います。  先ほどの参考人、石黒先生のお話にもありましたが、例えばこういうようなことが言われております。現在、医療の負担が幾らかということは、過去から見てどういうことが今後想定されるかということですけれども、二〇〇八年の時点では例えば先進医療の負担額というのが約四十九万円であったと、それが二〇一四年では七十三万円になっている。とすると、今百万円でも、五年後、十年後には一体どういう金額になるのか、それまでの間に果たして保険収載がなされるのかというようなことで疑問を持っております。  さらに、私たちの今までの経験から言えることですが、本当に患者を助ける医療がすぐ目の前にあるとして、それが勧められたら、これは患者だけではなくて、家族や親類、友人たちを巻き込む有形無形の大きなプレッシャーにさらされることになるわけです。ある医療をなぜ使わないのか、費用が掛かるとしたらなぜそのお金を集めなきゃならないのかということで、今までも度々言われてきたことですが、その資金を集めるための大きなプレッシャーになるわけですし、うまく集められたとしても、既にその手術には間に合わなかったとか、その額に達しなかったとか、様々な悲劇も生まれているわけです。  四番目に、この患者申出医療がなぜ患者家族だけではなくて多くの国民の理解を得られていないのかという問題があるかと思います。それは、保険外併用療法といいますか、評価療養制度とかあるいは選定療養というものとどう違うのかが分からない。なぜ先発諸制度の拡充ではいけないのか、なぜ新しい制度にしなければならないのかという疑問であります。一層複雑さを増すだけでは、かえって国民の疑惑をそらし、混乱や治療を受ける諦めも生み出すのではないだろうか、もっとここでは丁寧になぜ必要なのかということを説明しなければならないのではないでしょうか。技術面とか新しい薬の開発、様々なことについては、こういう制度があることによってそれが一層開発促進されるという利点についてはあるわけですけれども、そこだけなのかという問題であります。  五番目ですが、そもそもそれらの制度は、混合診療の実質的な一部解禁だったのではないだろうかというように思うわけですが、その裏には、単なる技術とか審査ラグとかドラッグラグとかというものを補うということだけでなくて、先ほどのお話もありましたが、例えば私的な保険で補う、現在コマーシャルなんかもされておりますが、先進医療に対応する医療保険が売り出されてきているというようなことですが、じゃ保険に入っている人は安心なのかというとそうでもありませんし、また、その保険に加入することもできない人もいるということから考えれば、この制度を考えるときにもっともっとそういう部分も加味して御検討いただきたいと思います。  六番目ですが、患者申出医療とはちょっと離れまして、この機会に保険に係ることで三点のお願いをさせていただきたいと思います。  第一点は、このように国民全体の生命や医療、健康に関する制度の創設や改変を伴う審議会等には、必ず現在医療を受けている当事者として患者会やあるいは一般国民の代表も参加させて、そういう利用する人の面からの意見も聞きながら議論を行うべきではないだろうかと思います。専門的な議論だけではなくて、このような一般国民や患者の視点での議論というのも必要なのではないかと思います。そういう意味で、この度この委員会で意見を述べさせていただく機会を得ましたことは本当に有り難いことだと思っております。  第二点は、入院給食費の自己負担の引上げについてです。いつもその説明に使われている言葉ですが、患者と一般の方の不公平をなくすというようなことがあるんですが、患者が入院するというのは、大変な心身の負担や不安、苦痛の中にあるということです。また、様々な経済的な負担を伴い、さらには失職の状態も余儀なくされている患者も少なくないわけであります。  この度の難病法においては、難病患者は入院給食費につきましては二分の一の負担という御配慮をいただきました。それでも、経済的な負担や様々な不安が大きいことには変わりはないわけです。難病も含めて、患者、家族がそういう状態にあるときに、公平性という言葉を用いて説明しようというのはいかがなものかと我々は受け止めるわけです。国民の目といいますか、あるいは患者、家族から見れば、ちょっと非常に不愉快な比較、表現に感じざるを得ないわけです。  経済的にも一般国民の所得と比べて大きくその所得が下回っている患者たちの多くは、一体毎日一食幾ら辺りで暮らしているかということを御存じでしょうか。このような場合には、是非保険や医療機関の経済コストからの面だけでこの話を持ち出すのではなくて、まず患者家族の生活の実態調査をしてから議論の俎上にのせていただきたかったと思います。  第三点は、大きな病院への主治医の紹介状を持たないで受診する場合の初診料の大幅な引上げです。  これは、混合診療を受けることができるかどうかという問題にも比較的近い問題だというように思っているんですが、難病対策が始まりました四十年前と違って、相当に一般の医療機関でも難病の発見や診断、さらには大きな病院への紹介が増えたと言えますが、しかし、まだまだ多くの患者は自らの努力で幾つもの医療機関を回り、ようやく診断や専門医にたどり着くという実態があります。  例えば、厚生労働省の平成二十二年度の障害者総合福祉推進事業で行いました難病患者等の日常生活と福祉ニーズに関するアンケート調査では、難治性疾患の診断が付くまでに通った医療機関のおおよその数についてを調べております。  その中で、一か所で済んだというのは、これは本当に四十年前とは大きく違っているんですが、改善されていると思いますが、それでも一か所で診断の付いたという方ですが、これはサンプル数千三百八十名を対象にしておりますが、一か所で診断が付いたという方は二五・九%にすぎないと言っていいかと思います。二か所回りましたというのが二九・四%、これも本当に改善された数字だと思いますが。しかし、三か所から五か所を回って診断が付いた方が二九・九%、六か所から七か所、ぐんと減りますが、それでも二・五%ありますし、八か所から九か所で一・七%、十か所以上回ったというのが二・五%あるわけです。これは、紹介状を持って回ったのではなくて、患者が、何かおかしいとか診断が付かないのも不思議だとか、あれ、これは何でもないよと言われても、異常な所見はないと言われても、何かおかしいといって自分の力で、あるいは様々な友人たちの情報を得て、回ってたどり着いた診断の結果なわけです。  そういう状態がある中で、コストの削減を前提として、受診を制限するような高額な紹介状料を設けるというのは、多くの患者、家族の生命と健康に直接関わる大きな問題であります。そして、一か所や二か所だけで高度な医療を行う医師、医療機関に巡り合う機会というのがこれからも保障されるのでなければ、このようなことはちょっと十分に慎重に検討していただきたいと思いますし、特に、最悪の場合、その費用を節約したがために受診することができなくて、もしも亡くなったとかあるいは非常に重度の状態に陥ったという場合には、それはどこに、誰に責任があるのかということであります。速やかに専門医にたどり着ける普遍的な制度、体制を保障した上で紹介状の料金を考えていただきたいと思います。  医師を信頼しろと言われたり、あるいは患者がドクターショッピングをすると言っていますが、そういう切実な状況の中でそういう現象が起きているということを考えていただきたいし、医師を信頼しろという建前論だけでは、セカンドオピニオンもインフォームド・コンセントも正確な実態を反映していると言えないのではないだろうかと思います。そのため、患者、家族の困難と不安、苦痛を救うためにも、慎重に御検討いただきたいと思います。  患者申出医療に関連して、その要望もさせていただきましたが、是非、患者、家族の声、あるいはその生活の実態というものも十分調べた上でこういう議論を進めていただきたいと思います。  そういうことを要望いたしまして、患者、家族を代表しての陳述といたします。ありがとうございました。
  9. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 大沼みずほ

    ○大沼みずほ君 本日は、大変お忙しい中、参議院厚生労働委員会にお越しいただき、貴重な御意見賜りましたことを、まずもって心から御礼を申し上げます。  先ほどお話を伺う中で、最初に石黒参考人のお話の中で、これからの患者申出療養におきましては、保険制度に例えば麻酔であるとか一部の薬が使えるようになるだけで大分助かるのではないかという御意見を拝聴いたしまして、中川参考人に伺いたいんですけれども、今回、将来の保険収載が前提とされているということは高く評価したいという御発言がございましたが、保険制度に、一部それを保険適用にしていく、つまり、何回か使うことによって、それを最初に保険適用にしていく方が好ましいとお考えか、それとも、ある程度全体として保険適用になる、収載になるようにしていく、これは多分順番がいろいろお考えがあると思うんですが、中川参考人のお考えをまず伺いたいと思います。
  11. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 御質問の趣旨がちょっと一〇〇%理解できていないんですけど、大体分かったつもりでお答えしたいと思います。  新しい医療技術、医薬品にしても医療機器にしても、その安全性、有効性が担保できないと保険収載するしないの議論にまでも行きませんよね。そのために、この保険外併用療養の評価療養というシステムは、近い将来保険収載できるかどうかを評価する療養という意味なんです。したがって、新たな医療技術、医薬品、医療機器、これが出てきた場合には、まずは評価療養の中で症例を一定程度積み重ねる中で安全性、有効性を十分に確認しましょうというシステムです。患者申出療養は、その一類型が増えたというふうに理解した方がいいと思います、いや、理解すべきだと思います。  石黒先生も強調されましたが、いろんな新しいものはどうしても第一線の現場の医師は使いたいというのはそれは本音です。しかし、それはきちんとした手続をしないと、結果として、過去にたくさん事例があります、急ぐが余り大変な副作用、事故を起こしたということもございますから、適切な手順を踏んで、それもかなり速やかに、無駄を省いて迅速に手順を踏んで評価をするという仕組み、これはやっぱり守るべきだと思っています。  必要な薬が使えなくて大変だというのはそのとおりでありますが、これは先進医療の中に薬事承認、今でいえば医薬品医療機器等法承認のしていない薬もできるだけ早く先進医療に組み込んで、特に認められた部分解禁された混合診療の中で早くやりましょうという道筋に乗せて、若しくは治験に乗せて、そして保険収載を早める、早期収載を目指すというふうにするべきだと思っています。
  12. 大沼みずほ

    ○大沼みずほ君 ありがとうございます。  次に、石黒参考人にお尋ねいたします。  やはり患者申出と申しましても、実際には、お医者さんからこういう未承認であるけれどもお薬があるというようなお話を聞いて、いろんな方に患者さんが相談した上でサインをするということになると思うんですが、その際に、やはり製薬会社さんや治験を回避しようとするような、医療機関等々からそのような働きかけがあった場合に、患者さんがなかなか拒否するのが難しい状況に陥るのではないかという懸念はいろんなところから声を聞かせていただいていますが、それに対して診療計画の提出や中立的な専門家による確認で妨げられるというふうになっているんですが、本当にこれが可能であるのか、また、こうしたことが起こらないためにもっとやるべきことというのがお考えの中であればお聞かせいただければと思います。
  13. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 石黒です。  今の質問に答えますと、まずメーカーはマスで出る領域は自分で開発しようとするでしょう。ですから、希少領域については引き合わないから開発しないといったところは常に付いて回ります。ですから、そもそも売れる量が分からないような非常に希少なものです。そして、それらがこぼれていて、そういう患者さんが大学病院に集まってくる、大病院に集まってくることが私どもの非常に大きな負担になっているというところは申し上げたいと思います。  そして、私どもが患者さんに圧力を掛けて間違った医療を誘導するんではないかという問題ですけれども、これは常にそういう問題、付いて回ります。確かに否定しません。ですから、それは私どもの内的な機関、要するに内部監査機関を十分に持つことが病院において今後求められますし、そういう病院でなければこの制度はやってはいけないと思っております。  ですから、先生の御指摘は全く正しいと思います。でも、それは私どもの自助努力、要するにどうやって情報を開示していくのか、そして情報をどうやって集めていくのかというところでやっていかないと、これは回っていかないと思います。
  14. 大沼みずほ

    ○大沼みずほ君 ありがとうございます。  次に、伊藤参考人にお尋ねをいたします。  今回の患者申出療養制度は患者の申出が起点となっておりますけれども、やはりここで補償や責任といったところが非常に重要なポイントになってくると思います。  救済措置について、これは国が認める以上何らかの国の関与も必要となってくると私は思いますけれども、国による基金の創設であったり、いろんな予算措置等々を含めて考えていかなければいけない問題であると思いますが、患者側の立場からいたしまして、この治療しかないと言われた場合、個別の補償となれば大変弱い立場になると考えますが、それに対して御意見を賜れればと思います。
  15. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) それは、実際に今まで起きている医療事故あるいは医療裁判とそう本質的には変わらない現象が起きるのではないか。つまり、患者が弱いというのは、申出をした医療だから弱いのではなくて、基本的に、それがなぜ起きたのか、どういうところに原因があるのか、あるいはこれはやむを得ないと思われるのかどうかというのは、やはり専門家の方々の御判断をいただかなきゃならないわけですけれども、そのときに大きな差が出てくるのではないだろうか。  特に、患者からすれば、本当に助からないと思われた命を助けようとしていろいろお世話になった先生方を悪く言うとか、あるいはその先生に何か補償を求めるとか、そういうことを思う方というのは、いないわけではないでしょうけど、そう多くはないわけです。そこで起きてくる現象は、若干危惧をしております。  若干といいますか、例えば、いろんな評価の問題もそうですが、特に希少性の高い疾患であればあるほど、そのことに詳しい医師あるいは技術者というのは非常に少ないわけですから、少ないということはお互い顔見知りといいますか、よく原子力の問題で言われたような原子力村みたいな、何か本当に同じ領域の方々がお互いに切磋琢磨して技術を高めようとしている方々の中で起きていることでありますから、そういう中でどういう判断がなされるのかということは大きな問題です。  先生方の専門家としての矜持といいますか、そういうものが裏付けになるとは思うのですけれども、今までの経験からいえば、ちょっと患者としてはいつも多少不安に思うところであります。
  16. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 大沼委員、時間でございますので、おまとめください。
  17. 大沼みずほ

    ○大沼みずほ君 どうもありがとうございました。
  18. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 民主党の西村まさみでございます。  今日、お忙しい中、三人の参考人にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。  大変短い時間ですので、まず端的にお伺いしたいと思うんですが、中川参考人と石黒参考人にお尋ねします。  今回のこの制度は、保険外併用療養費制度の中の一つと捉えられていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。
  19. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 保険外併用療養の中の評価療養の一類型、新しい一類型だというふうに思います。
  20. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 私も同意見です。評価療養制度の一つだと考えております。
  21. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 ありがとうございます。  実は、足立委員が一昨日の質問の中でもそれをお尋ねになっていますが、どうも政府の答弁とはちょっと違う感覚なのかなという気持ちがしています、私としても。  もう一つお尋ねしたいのは、まず石黒参考人にお尋ねしたいんですが、やはり私も患者さんの選択肢を広げるということは非常に大切であるというふうに思っています。しかし、何よりも大事なのは、いわゆる利用する患者さんの保護というものが大事だと思うんです。例えば医師の要請であったり、様々な高度な技術を使うわけですから、その辺について石黒参考人は、患者の保護についてのお考えをもう少し詳しくお聞かせいただけたらと思います。
  22. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 石黒です。  患者さんの保護は絶対に必要です。先ほども言いましたように、選択肢が広がるというと、かえって選べなくなってしまって間違った選択がされるということも起こります。  それにおいて、どうやって患者さんに正しい選択肢を与えるのかということ、これについては、先ほども言いましたように、シグナリングといって、一つのこういう基準でもってこういう病院はこういう制度を持っていますよということを明らかにする。  一番やっぱり大切なのは、医療者のやはりヒロイズムに走った暴走といったところの問題がありますから、常にそれが病院の中で管理監督されていること、そして患者さんの倫理的な側面が必ず守られていること、そしてこの医療の妥当性が保護されていること、医療機関においてこういったところが全部明らかになるようなこと、こういうシステムを持った病院がまず必要であろうということで、そうなるとかなり大規模な病院、あるいは研究あるいは臨床研究といったところをしっかりやっているところでないとなかなかやれないんではないか、当初は、と思います。ですから、広がっていかないだろうと思います。  次に、そういう中で、じゃどうやってやるかというと、医師の教育ですね。特にラーニングカーブ、新しい技術については全く経験がないといったこともありますから、海外で経験を積ませてくる、あるいはトレーニングをして経験を積ませてくる、そしてそれを評価して行わせないと危ないです。まして新規の医療ですから、当然、ラーニングカーブ、要するに学ばねばなりません。その学ぶのを広く百か所でやったら、ちっとも学べませんよね、経験数が上がらないから。だから、ある程度の数で絞ってやって、それを徐々に広げていくといったような操作も必要です。  こういった非常に多段階のステップで保護する必要があると私は申し上げたいと思います。
  23. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 石黒参考人、続けてちょっとお尋ねしたい。  今の保護の問題なんですが、今様々な病院の在り方、医師の在り方、お答えいただきましたが、さらに、それをきちっと監督するような外部でのシステムというものも私は必要じゃないかと思うんですが、参考人はどうお考えでしょうか。
  24. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 全くおっしゃるとおりで、外部監査は絶対必要です。  外部において、その医療行為の妥当性が、更にその病院を監査しないと僕は全く間違ったことが行われ得ると思いますし、組織の閉鎖性といった問題においてもこの観点は是非とも必要だと思っております。御指摘ありがとうございます。
  25. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 ありがとうございました。  それでは、伊藤参考人にお尋ねしたいんですが、これは本当に高度な医療技術、非常にその定義自体も難しいんですが、様々な例えば医療技術を、患者さんが本当にその知識を自分たちで探して、またお医者様から様々なことを教えていただいたとしても、最終判断を患者なりその御家族がするということが果たして本当に、誰もが平等にできるというようなことから考えても、平等に患者さんができるのかということを非常に不安に思うんですが、伊藤参考人はいかがお考えでしょうか。
  26. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) そのとおりだと思います。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  今の医療でさえ、高度な負担を伴う生物製剤の服用を続けなきゃならないような治療については、なかなか家庭の経済を考えてちゅうちょするということはいっぱい起きておりますし、やはり、一つは、詳しく教えていただくにしても、受け止める側の受け止め方、あるいは受け止める能力、あるいはそのときの精神状態とか様々にあるわけですから、なかなか一律にどうだということは言えないと思いますが、多くの方々は冷静には受け止め切れないのではないかというように思っております。  よく聞かれるんですが、我々が患者さんに聞くんですが、先生に何て言われましたかということを後でお話しすると、ほとんどの人は覚えていないんです。そのとき何言われたんだか分からない、何か頭真っ白でとかという感じです。それと、あとお金の心配でとか、いろんなことを言います。  そういう状況の中で、通り一遍の説明だけでなくて、何らかの説明をする技術と、そういう権限を持った説明専門の部署といいますか、お困り相談所でない何かをそういう機関では持つ必要があるのではないだろうか、患者と医療機関あるいは医師との間に立つものという。移植の場合なんかは、よく移植コーディネーターとかと言っておりますけれども、ここでもそういうものが必要だというように考えております。
  27. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 もう私もまさに参考人と同じように、なかなかこれ、国民皆保険制度の下でできる制度としても、広く皆様にお伝えできるのかなという、非常に懸念を持っているところは同じ意見だなと思いました。  申し訳ありません、石黒参考人にもう一点だけお尋ねしたいんですが、先ほど、対象として広げる中で、非常に、言葉が正しいか分かりません、恩恵を受けることができるのに、小児の難治性の患者さんたちというお話があったと思います。小児の患者さんというのは、私も常にそう思っていまして、まず数が少ないということであるとか、様々ないわゆる実証というのができないと思っています、症例数も少ないし。その辺についてもう少し詳しく、小児の慢性疾患の患者さんたち、小児の患者さんたちにとってどのぐらいこの制度がもし導入されれば広げることができるのかとお考えか、お尋ねしたいと思います。
  28. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) では、実例で説明させていただきますと、小児の内視鏡手術というのがあります。先ほども言いましたように、例えば先天性の胆道閉塞あるいは食道裂孔ヘルニアといったところも内視鏡で今手術をやります。ところが、その内視鏡手術が保険適用がないというところで、もし自費になりますと当該医療行為の全てが外れますから、麻酔料、手術料全部入れて四、五百万の患者負担が発生します。一歳とかゼロ歳の子供を持った若い家族に四百万、五百万の金を払えということはとても私どもは言えませんから、結局、医療機関の負担になります。
  29. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 これは、大変大きな問題だと思うんですね。私も医療に携わる人間の一人として、目の前でやるべきことを誰かの過度な負担によってやらなければいけないということはそもそも大変大きな問題であると思いますし、今の四、五百万というお金、確かにゼロ歳、一歳のお子さんを持つお若いお父さん、お母さんや、またその御親族だってなかなか負担できるものじゃないと。これはもう国民皆保険制度に本当につながらせて保険収載をさせていく道筋にしていかなければならないと思うんです。  ただ、今まで三人の参考人の皆様から伺いました、これ様々な問題点とか、やはりこういったところをもう少し明確にしなければいけないといったこと、そして御要望も頂戴した中で、本当にこれを早期に制度として確立されてしまっていいのかなという非常な心配を持っています。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  三人の方にそれぞれ、今すぐこれができることが必要なのか、必要じゃないのかということをお尋ねしまして、私の質問としたいと思います。  ありがとうございました。
  30. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 今の御質問を聞いていて、この患者申出療養という仕組みについての御理解が不十分だなというふうに思います。  評価療養の一類型というふうにまず御理解いただきたいということが非常に重要で、患者申出療養というのは、最大の対象患者のグループが、現在行われている先進医療が実施されている医療機関は限られますから、その近辺にお住まいの患者さん以外は受けられないんです。それを主治医が、何々さん、今の普通の保険適用の治療ではもう治りませんよ、しかし今、先進医療として例えば東京の大学病院ではこういうものをやっているからどうだろうと、その有効性、安全性について十分に説明して、理解、納得した上で、形として患者さんから申し出たという形で先進医療を受けたいといって受けることができるようになるかどうか、これが患者申出療養の新しい仕組みの提案なんです。ですから、私は評価療養の新たな類型だと申し上げているんです。  決して、混合診療の拡大とか、安全性、有効性をないがしろにしてどんどん拡大するという仕組みではないです。これは今後、中医協でもしっかり議論していきますが、是非御理解いただきたいなというふうに思います。
  31. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 私も評価療養制度の一つとしての位置付けですけれども、少し意見が違うのは、これは広げるものではないと。  なぜかといいますと、これはあくまでも現行のシステムから漏れているところを拾う方法であって、そこの中で患者さんの方からのリクエストというものをどう私どもが拾うか。要するに、レストランに入ってメニュー表があって、ここの中でこういうものがあって、そのときに、いろいろなレストランがあって、やっぱりちゃんとしたレストランに行って御飯食べたいと思う患者さんがそこで選べるレストランでいたいと我々は思っていますし、そこの中でのメニュー表で正しいメニューが選ばれることを私どもは期待していると、それが一番大切です。  ただし、そこでの医療結果において一番大切なのは、保険診療を目指す以上は、ちゃんとそこでデータが取られて、患者さんの人権が保護されて、なおかつそれが開示されると。そのスキームがない以上は、保険診療を目指すといったって誰もそのデータを信じませんし、誰もそのデータでもって保険を認めようとは思いません。そこの部分が一番の重大なポイントで、ここは是非とも御議論いただきたい。保険診療を目指す以上は、保険診療を目指すちゃんとした医療機関でもって審査、開示しなければ、そんなデータ、誰も役に立ちません。
  32. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) 患者、国民にとってはやっぱり分かりにくい。分かりにくい制度というのは本当に選択のしようもない。説明するときに、先進医療A、B、そしてこの患者申出医療という、どこがどう違うんだという説明をきちんとし切れるのか、受け止められるのかということがあれば、先生方が保険外併用の一類型とおっしゃるのであれば先進医療Cにするとか、もっと分かりやすくしていただかないと。  それに、対象者はそんなに多くないでしょうから、一般国民の中に広がるかどうかというのはちょっと疑問ですけれども、先ほども言いましたけれども、必要だと思われる方がいるということも否定できませんが、やはり公平性と分かりやすさというのが根本ではないだろうかというように思います。
  33. 西村まさみ

    ○西村まさみ君 ありがとうございました。
  34. 長沢広明

    ○長沢広明君 参考人の皆様、今日はお忙しいところ大変貴重な御意見を伺いまして、ありがとうございます。  今のそれぞれの御意見ということを踏まえて、ちょっと少し聞き方変えたいと思っているんですが、一つは、医療における情報の非対称性ということについて、先ほど石黒参考人からは御意見がございました。この患者申出療養、そもそも患者からの申出が起点となるということで、これがきちんと機能するために、やっぱり患者の方々が国内の未承認薬等を含めて多くの情報を入手できる環境づくりをしなければいけないというふうに思います。  ただし、国内では、国内未承認の医薬品等の情報が入手しにくいと思いますし、患者本人が使いたいと思っている医薬品について必ずしも正確な情報を持っていない場合もあるということもありますし、患者本人がそのメリットやリスクについて十分に理解しないまま療養が行われたりするということは、これは避けなければならないと。海外でどのような国内未承認薬が治療にどのような効果を上げているのか、情報を入手できなければ患者の方からの申出のきっかけもないわけで、せっかくの制度が活用されないということになってしまいます。  この未承認薬等に関する情報の周知の現状と、患者が医薬品等の情報を入手するに当たっての課題について、まず石黒参考人は先ほど情報の非対称性についてお述べになりましたが、もし今の観点で付け加えることがあればお述べいただきたいということと、その後、伊藤参考人の御意見と、それから最後、中川参考人の御意見を伺いたいと思います。
  35. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 全く御指摘のとおりだと思います。ここで私が強調したいのは、一つは、いわゆる家庭医、ファミリードクターですね、GPの方々がそういう情報を正確に持たれている、あるいは我々が開示した情報に注目されていて、それで患者さんの相談に乗ってあげる、要するにエージェントとして機能されることがまず一つだと思います。  それと、類型的な病院あるいは専門医の間でセカンドオピニオンを求めていただく、患者さんに。そして、セカンドオピニオンでもって同じ意見が返ってきた場合にそれが成立するようにしておけば、よほどそういったそごは防げるのではないかと私は思っております。
  36. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) 患者の立場でいいますと、セカンドオピニオンにしろ何にしろ、非常にやりにくい、何か先生に申し出にくい、言いにくいという現象もいっぱいあるわけですから、先ほども言いましたように、何かもっと患者や家族が気軽に相談に行けるものがなければ駄目だと思います。  そもそも、医療を行う側と受ける側とでは、相対したときに既に一種の、何といいますかね、そういう非常に知識も技術も知性も持っておられる先生方対自分というものが出てくるわけです。患者が自分というのを意識するときには、病気を持っているということ、あるいは治療を受けなきゃいけないという負い目も含めてそういう感情が支配的になってくるわけですから、そこで本当に医療機関の中で相対で、医療者と相対で正確な情報は得たいと思っても、なかなかそれはそのことさえ言い出しにくい状況でありますから、そういう中では情報の提供というものについては十分に御検討いただきたいと思います。
  37. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 長沢先生がおっしゃったことは、御質問は非常に大事なことだと思います。  患者申出療養が、患者さんの申出が起点となるというのはまさに文字どおりなんですが、例えば国内未承認、海外承認薬を患者さんが自分でどこかで見付けるのかという問題がありますね。例えばインターネットで見付ける、口コミで聞く、知っている人から何か情報を得ると。一般的な保険適用の治療がもう終わって、これ以上治療がないという方の状況ですから、専門家でない一般の方がそれを探すのは極めて難しいと思います。それを、情報の非対称性を解消すればいけるんだということでも、私はそう簡単にはいかないと思うんです。  一番大事なのは、自分の信頼するかかりつけ医、主治医の方と一緒に、これからどうしよう、自分の治療をどうするんだといったときに、繰り返しになりますが、先進医療ではこういう薬を使っている、ある企業の治験は評価療養の中の治験としてこういうことをやっている、たまたまあなたは対象にならなかったけど、患者申出療養という形で申し出ればそういう治療も受けられますよと、そういう仕組みになっていくというふうな提案なんですよ、今の。  ですから、単純に情報の非対称だから大変だどうだということではなくて、落ち着いた議論でこういう仕組みを発展させていくことで、海外承認、国内未承認薬が今よりも迅速に保険適用になるというふうに私は思っているんです。  以上です。
  38. 長沢広明

    ○長沢広明君 もう一点、現行の先進医療との関係の問題、課題との関係の問題で、これは医師である石黒参考人と中川参考人にお伺いします。  現行の先進医療の枠組みについて、どういう課題があり、その改善のためにどういう対策が考えられるかということについて、石黒参考人にお伺いしたいということ。  その後、もう一つ続けて、中川参考人には、昨年の六月の記者会見で、中川参考人がやはりこの現行の先進医療の関係で述べられているんです。先進医療Aは現在五十六種類あるが、眼科的手術を除いて実施医療機関は限られていることなどを示して、患者アクセスが困難な面もあるというふうに指摘をされて、そういった意味では、今回の患者申出療養によって、現行制度では対象とすることができなかった患者に光を差すこともできるのではないかと述べたというふうに報道されておりますが、現行の先進医療の課題と、先ほど意見陳述の中でも参考人おっしゃっていらっしゃいますが、その関係でこの患者申出療養をどう評価するかという点について、続けてお述べいただきたいと思います。  じゃ、まず石黒先生からお願いします。
  39. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 石黒です。  先ほど、先進医療とどう違うのかというところがありましたけれども、先進医療制度で先ほど私が問題点として挙げましたのは、非常に一部のものが高額になっております。例えば、ダビンチ手術というのが今先進医療で認められておりますけれども、あれ大体百五十万から二百万ぐらい患者負担が発生します。  機械が高額だからこれはしようがないだろうと言われればそうかもしれませんけれども、手術料が全部保険から外れてしまうわけですね。そうすると、非常に高額な患者負担がある。だから、なかなか広がっていかないといった面も、患者さんは、結局、値段がハードルになっていて選択できないといった面があります。  ですから、この轍を踏まないということを考えますと、そもそも機械料だけが外れて、手術が必要なんだ、麻酔は必要なんだと考えれば、機械料だけ患者さんに請求する形にすれば、随分安い形になり、もう少しアクセスが良くなるんではないかというのが一つの観点であります。  それともう一つ、最終的に保険を目指すわけですけれども、残念ながら、一部の先進医療、保険になじまないものも入っております。例えば、私どもがやっている細胞を用いた治療なんかは、最終的にあちこちの病院でやれるとか医療機関でやれるようなものではありません。要するに、そもそも皆保険になじまないものも入っていると。そういったものはどこで出口を求めていくのか。先進医療である以上は評価医療制度ということで常に評価が付いて回りますけれども、そこの部分の出口を失っているものも入っておりますから、そういったところを少しまた別のところで受けていただくことも必要ではないかというのが私の考えであります。
  40. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 先進医療のところでちょっと補足させていただきますが、保険外併用療養という制度ですから、本来保険適用で給付される部分は保険外併用療養費として給付されます。保険適用でない部分、医薬、医療技術、医療機器の部分だけが患者負担、実際的にはメーカー負担とか研究費で負担されるんですが、そういうふうになっています。ですから、ダビンチ手術が非常に高額な保険外部分があるというのは、実はディスポ製品が八十万、九十万するんですよ、一回しか使えない、そういう附属品が。そういう問題があるんです。これは別問題として解決、クリアしなければならない課題なんですが、そういう問題がありますことをまず追加したいと思います。  先進医療の課題として、実施医療機関数は、これは患者申出ではなく医療機関申出でこういう新しい医療を実施したいというのが現在の先進医療ですから、そういう協力医療機関と一緒に出してくるわけですけど、大体十医療機関以下です、全国で。ですから、四十七都道府県を考えると、ほとんどの県でそういう実施している医療機関がないというのが現状なんですよ。その実施していない、医療機関がない県の方で同じような疾患、対象になる患者さん、病状をお持ちの方がたくさんいるはずです。そういう方にとって、ある一部光が差してくるんではないかということを強調しているんです。そういう意味では、いい改善だと、評価療養の改善形だと思います。  もう一つの課題は、幾らいい改善形だといっても、ずっとここの評価療養の中に、保険外併用療養の中にたまってしまうと、どんどんどんどんたまって、随時保険適用しなければただの混合診療になってしまいますから、この点は是非御理解いただきたいなというふうに思います。  以上です。
  41. 長沢広明

    ○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
  42. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございました。  患者の立場で私も委員をしておりますけれども、本当に今日は患者申出療養ということで、患者が申し出ることでそういう制度ができるということで、本来であれば患者からそういう制度をつくってほしいということがあって患者申出療養ができるんであればいいんですけれども、なかなかこのでき方が、何かやっぱり先ほど、患者の立場から、視点からいうと、うさんくささとか抵抗感があるという話も伊藤参考人からありましたが、一度でも患者から何か意見を聞かれたことというのは、この参考人で呼ばれるまでにあったでしょうか。伊藤参考人。
  43. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) まだ多くの患者さんが、先進医療も含めてですけれども、皆さんが理解して議論するというふうな状況ではないと思います。  ただ、保険外の進んでいる医療を受けるときに、保険適用部分も駄目になるというのはどうかねというふうな、そういう経済的な問題にまつわることが多くて、治療の内容まで踏み込んだ皆さんの御意見とか質問とかというのは余り受けないですね。
  44. 川田龍平

    ○川田龍平君 それから、患者団体として、政府からこの患者申出制度について何か意見を求められたことというのはありますでしょうか。
  45. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) 先般、保険局からお話を聞きたいというのがあって、そんなに昔じゃない、本当に最近のことですけれども、一度ありました。
  46. 川田龍平

    ○川田龍平君 私は、やっぱりこの制度が、患者ではあるんですけれども、安倍総理がやるといって、それで規制改革会議まで進んで、こういう制度ができてきた経緯があるんですけれども、本当にもうちょっと詳しく練っていかないと、決まっていないことが多過ぎて、法案として非常に不十分ではないかというふうに考えているところもあるんですが。  特に、患者申出といいながら、一例目、二例目、三例目で、例えば三例目を、医者の方からこういう患者申出という制度があるんだけど使ってみるかと言われて、患者が、ああ、それじゃやりたいですと言った場合というのは、その発端、先に患者が言うんではなくて医者から言われてやるような気がするんですけれども、それについて中川参考人、三例目についてはどうなんですか。
  47. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 三例目というのが意味が分かりませんが。
  48. 川田龍平

    ○川田龍平君 一例目というのは、臨床研究中核病院ですとか特定機能病院とかに六週間の審査でということになっていて、二例目については、二週間で審査をしてそれ以外の病院でもできると。三例目については、結局、患者の人が例えばそういう例があるということを知って、その知ったのはお医者さんとか製薬会社からそういう制度があるから使ってみませんかと言われてやる場合には、その審査というのは、結局三例目ということで、患者申出ではなくなるということだということなんですけれども。
  49. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 患者申出療養として初めてやるというのは、世の中で初めてやるのではなくて、患者申出療養として初めてやるんです。ですから、もう先進医療としてやっている治療も、患者申出療養としての一例目は初めてやるということになるんです。そこは、担当は臨床研究中核病院が主体になります。二例目からは患者申出療養として前例のある医療ということになりますので、二例目も三例目でも四例目でも、同じく患者申出療養として前例のある治療ということになります。ですから、そういう意味では、三例目も四例目も変わりません。
  50. 川田龍平

    ○川田龍平君 それから、石黒参考人、お聞きしたいんですけれども、やはり本来であれば治験をやるべき、それから本来であればその治験から漏れた先進医療でやるべきというところで、そこにもう既に人が割かれている、さらに今回、患者申出療養ということで、臨床研究中核病院に負担がまた増すんではないかという懸念があります。  本来であれば治験に割くべき人が、またこっちを先にやるべきだということで、ハイウエーみたいな形でほかのものをやらなきゃいけないということで、またそれによってその研究を、世界的な研究をしていこうという研究者の立場で世界のトップレベルと競争している中に、患者が申し出るということで患者のその仕事も更に加わるということになると思うんですが、それについて石黒参考人としてはちょっと迷惑だなと思っているのか、それとも、そういうのは本当に質の高い治験が広がると考えているのか、どちらでしょうか。
  51. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 私は後者です。  私どもは、大学病院というのは基本的に希少疾患、難病を対象としておりますし、製薬企業は、何度も言いますけれども、例えば降圧剤だとかああいう高脂血症の薬というのはよく売れますから、彼らがやればいいわけです。彼らが手を出さないところで患者さんを救うのが本来の私どもの使命だと思っておりますから、そういったところでこういう制度を入れていただいて、今でいいますと人的負担は起きますし、財政的負担も起きます。ですから、それをどうにかしていただければ更に私どもはそれに精進できると思いますし、また、オーファンの中から新たなエポックメーキングなドラッグが生まれてくるというのは、その可能性があります。  今、ブロックバスターと呼ばれる一般的な薬剤の開発が非常に難渋していて、むしろ多くのメーカー、グローバルのメジャーと呼ばれるメーカーがこちらへ入ってきています。ですから、それに乗り遅れないようにも、ですから、私どもが開発した薬剤もこのトラックに乗っけて、ちゃんとデータを出して保険収載が目指せるようなふうにしていただきたいと思っております。
  52. 川田龍平

    ○川田龍平君 この石黒参考人の今日事前に配られた参考資料で、「病院」という雑誌の七十三巻の七号という、中部先端医療開発円環コンソーシアムというこの資料が大変興味を持って読ませていただいたんですけれども、特に私自身、倫理委員会の共同化についても書かれておりまして、倫理審査委員会の指針の法制化をやっぱりしっかりやるべきではないかという立場で今法制化の法案も提出をさせていただいているんですが。  やっぱり、こういう特に質を向上させるという意味において、非常に一病院だけではなく地域全体としてこれを高めていくということが大変すばらしいと思っているんですが、是非こういった問題を、特に患者申出療養だけではなくて、本当に臨床試験全体としてどうやって高めていけるのかということの参考意見などあれば、是非お伺いしたいと思うんですが。
  53. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 先生の御指摘のとおりで、第三者による監査、評価は絶対必要です。一組織だけでやっていると、やっぱり秘匿とかいろいろな問題が起きますから、これは常に開示であり、第三者の評価を受け、オープンな議論を常に続けていく必要があります。  ですから、私どもは、そういう意味で、倫理委員会あるいは効果安全委員会といったものを第三者的に行うといったところが絶対必要ですし、そういうグループでもってこういった制度が動けば、僕は非常に速やかに症例蓄積が起こるんじゃないかと思って期待しています。
  54. 川田龍平

    ○川田龍平君 それから、腹腔鏡手術について、先ほど小児の例が出ましたけれども、この間、群馬大学病院での腹腔鏡の問題がありまして、そういった高度な技術が必要とされる手技について、臨床研究としてあれはちゃんと倫理審査を事前にするべきであったというのが病院の内部の事故報告書では出てきたんですけれども、これはなかなか、臨床研究なのかそれとも治療なのかというところで、特に腹腔鏡下の肝切除手術での問題というのは、あれは臨床試験にするべきだったと思うでしょうか。石黒参考人。
  55. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 私は、あの問題は、先生が御指摘のとおり、本当に研究かと言われると、あれは診療行為なんですね。ですから、診療行為における倫理審査というのが絶対必要ですし、その中では技能審査が必要です。先ほど言いました医療の、我々には常に新しい技術にはラーニングカーブが存在します。そこのラーニングカーブの習得、技術の習得なしにやればああいうことが起きますし、もう一つ、組織内での閉鎖性、要するに議論がなかったという問題、病院のガバナンス機能の問題だと思います。  ですから、二つの側面があります。要するに、倫理審査でちゃんとオープンな状況で開示してこれをやりますというところ、それと、それが効果、安全として常に評価され、しかも、先生が御指摘のとおり、もっと言うと、組織を超えて、例えば名大病院ではないところから更にそれが監査が行われると。
  56. 川田龍平

    ○川田龍平君 臨床試験ではないということだったんですけれども、それが学会で報告されたりとか、症例報告ですけれども、そういう研究成果としてそれを出しているということを考えると、それもやっぱり臨床研究としてちゃんとやるべきだったんじゃないかという意見もあるんですけれども、それでもやっぱりそれは診療の一環だったというふうに思いますか。
  57. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 確かに、御指摘の面、学会に発表しているから研究だろうと言いますけれども、じゃ、ここから新規性のもの、あるいは新しい何か知見が出てくるかというよりは、むしろ目の前の患者さんを治そうとしていたという行為が一つあると私どもは思っています。
  58. 川田龍平

    ○川田龍平君 分かりました。ありがとうございます。  それでは、最後に、有害事象についてそれぞれの参考人にお聞きしたいんですけれども、特に治験の場合には製薬企業が責任を持ってやる、それから先進医療の場合には病院の方で保険に入ってやる。ただ、抗がん剤の場合などには入れないものもあったりして、何か事が起こったときに、副作用とか有害事象が起きたときに、それはやっぱり患者申出療養の場合には一体どこが持つのかと。それはまだ決まっていないんですけれども、これ、やっぱりちゃんと決めておかないと、いろいろ問題になると思うんですね。  そういった意味で、伊藤参考人と石黒参考人、二人にちょっと絞らせていただきますけれども、是非、この問題についてはどういうふうに考えるかということで。
  59. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 時間過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
  60. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) はい。  一つは、患者申出医療とはいいながら、国が認めた制度でそういう事故が起きるのであれば、これは国が責任を持つべきだということが一つ。  もう一点は、じゃ民間の保険に加入することができるかというと、そこで認められるかというと、そういう危険も承知で受けた治療というのは、保険の審査の中でどういう評価を受けるかという点では懸念をしております。
  61. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 確かに大きな問題だと思いますけれども、一部の介入的な調査を伴うものについては、現在も臨床研究において民間保険の加入を義務付けております。一部、内容によって民間保険会社が売ったり売らなかったりするんですけれども、実は。民間保険会社から医療機関として保険を購入しております。
  62. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございました。
  63. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  最初に中川参考人にお伺いしたいんですけれども、当初、規制改革会議が言っていた選択療養制度、あれに比べれば一定の歯止め掛かったということは私も理解するんですね。ただ、先ほど言われたような点でいうと、いろんな懸念、私持っているんですが、一点お伺いしたいのは、中川参考人は将来的に保険収載につながることが大前提だというふうに言われているんですが、私もそのとおりだというふうに思うんですが、今の評価療養を見ても、結局、保険収載に至っているケース、非常に少ないという実態があります。今回、こういう別ルート、さらに一形態だとおっしゃったけれども、つくることによって、治験逃れ、特にオーファン、希少薬などについては、製薬企業はむしろ保険収載という王道を逃げる手段として使うのではないか、やっぱりそういう懸念があって、ロードマップ作るとかいろいろ言っているんですけれども、逆に保険収載が遅れてしまうんじゃないかという懸念を持つんですが、その点について参考人はどうお考えになりますか。
  64. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 質問は最後の一点だけですか。
  65. 小池晃

    ○小池晃君 はい、そうです。
  66. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 治験逃れをするほど症例が患者申出療養という形で集まるかという、現実的に考えると私は難しいと思います。私は、中医協の場でも製薬協の代表の専門委員にこの辺のことは聞きましたが、先発品メーカーの矜持としてあり得ないということまでおっしゃいますので、それに近いことをおっしゃいますので、私はそういうふうにやってほしいと強く望みますし、そう信じたいと思います。心配はもちろんありますけれども、楽観はしません、厳重に監視はしていきますけれども、そういうことであります。  それと、質問にはなかったですけれども、最初の選択療養に比べれば大分ましになったという小池先生のお話ですけれども、私は全く別物になったというふうに思っています。  以上です。
  67. 小池晃

    ○小池晃君 いや、余り別物というところまで行っていないんじゃないかなという気がするんですが、分かりました。私、余りちょっと製薬企業の矜持って信じていないものですから、しっかりやっぱり監視していかなきゃいけないんじゃないかなとは思いますが。  石黒参考人にお伺いしたいんですけれども、私が懸念するのは、要するに身近な医療機関で受けられるというのは、逆に言うと、もう非常に広がってしまう。それで、参考人は、やっぱり一定の機能の病院で対応すべきだとおっしゃっていますが、今回の仕組みでいうと、とにかく臨床研究中核病院がいて、実施医療機関は施設基準もないわけで、実施計画作るけれども、それから外れるケースも出てくるということは厚労省も国会で認めていますし、そうなってくると、果たしてこれできちっと安全性が担保できるんだろうか、あるいは保険収載に向けたデータの集積という点でも、単なる症例報告になってしまって、エビデンスとして使えるようなデータが集まるんだろうか等々、非常に逆の意味で広がることの懸念を持っているんですが、その点はいかがでしょうか。
  68. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 御指摘のとおりです。データの信頼性を持たないものが果たして保険収載のときに審議対象になるかということです。これはよく御議論いただきたいと思います。  ですから、これは広がったらデータの信頼性は失われるかもしれません。審査体制と管理体制がないところでの医療機関、それがしっかりとして外形的に認められない以上は、そういうところでやれば必ずデータの信頼性は疑われる可能性があるし、指摘される可能性はあるということを申し上げたいと思います。
  69. 小池晃

    ○小池晃君 私は、やっぱりこの点は、ちょっと今までの保険外併用療養と違う点ではないかなと、根本的に、仕組みとして。やっぱりそれは大変懸念があるんじゃないかなというふうに思っております。  それから、伊藤参考人に、ちょっとこれ患者申出から離れるんですが、この間、入院食費問題で、私も予算委員会なんかでもやっているんですけれども、難病難病というふうに盛んに言うわけですよ、難病を除外したと。ちょっと待ってください、これ一月から導入したばっかりなわけですよね。だから、今回対象から外れたということであって、決して難病は除外した、弱い立場に配慮したと、それはちょっと違うでしょうというふうに思うんです。それから、指定難病になっていなければ、これはもう負担掛かってくるわけですよね。心臓病の本当にお子さんをお持ちの方なんかは、大変負担がこれは重いという声も聞いています。  その点でいうと、やっぱり弱い立場に配慮したというふうに言うのであれば、これは一月からの難病の食費負担はもう撤回すると。今回のやり方は、もちろん私は認められないけれども、そうしないと筋が通らないんじゃないかなというふうに思っているんですが、その点いかがでしょうか。
  70. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) 確かに、私どもも大変な中ですから、入院給食費が自己負担なくなるというのは希望するところですけれども。ただ、配慮をしていただいたというか、一部その負担がほかの方々より少なくなっているというのも、指定難病に限ってですけれども、それもあるのかなとは思いますが。指定難病といっても、特に入院の必要性が高い患者さんというのは、むしろ検査のときとか初期の方々が多くて、重症度認定の中では外されている方々ではないかという懸念もしております。  これもやっぱり調べるというか、調査が必要なんではないだろうか。どの程度指定難病の方が入院をしているのか、期間はどのぐらいなのかということも調べていかないと、我々の感覚だけではちょっと言えない部分はあるかなというように思っております。
  71. 小池晃

    ○小池晃君 先ほどのお話の中で、やっぱり実態調査もしないでこういう負担増をやるのはおかしいというのは私も全くそのとおりだと思いますので、その点もちょっと政府には引き続きただしたいと思います。  石黒参考人にもう一回お伺いしたいのは、今回、最初のケースで六週間、二回目以降は二週間というふうに言っているわけですよね、この患者申出について。結論出なければそこで打ち切るというか、それはしないとは言っていますけれども、ただやっぱり、今まで六か月と言っていたものを短くする、早いことがいいことだとは思いますが、早ければいいというものではないと思うし、やっぱりこういう形で期限を区切ることが現場へのプレッシャーということに働いてくるという懸念、この辺についてはどのようにお考えになるでしょうか。
  72. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 御指摘の点は、ないとは言えません。要するに、症例を集めたいがゆえに誘発させるということだと思いますけれども、そういうプレッシャーとしてなる可能性はあると思いますから、やはりその期限を切るというのはいかがなものかと思いますし、患者さんの発生というものは私ども予測できません。
  73. 小池晃

    ○小池晃君 ありがとうございました。  患者申出療養についてのちょっと懸念が様々浮かび上がった議論になったのではないかなというふうに思います。  終わります。
  74. 行田邦子

    ○行田邦子君 行田邦子です。  本日は、お三方の参考人には貴重な御意見賜りまして、ありがとうございました。  先ほどの質問の中で、患者申出療養というのは評価療養の一類型という認識をお三方とも持たれているということでありました。また、これは先進医療Cというふうに捉えてもよいかもしれないというお話もありました。  そうしますと、患者申出療養というのが先進医療A、Bと大きく違う点が何かというと、これはもうこの名称のとおり、患者の申出を起点とするということだというふうに思っておりますけれども、そこで、三人の参考人それぞれお伺いしたいと思いますけれども、患者申出を起点とするということの良い点と問題点、それぞれお聞かせいただければと思います。
  75. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 揚げ足を取るわけではないですが、先進医療Cというのはちょっと不適切だと思います。なぜかというと、評価療養の中の治験、これに対象外で入れなかった患者さんが治験に後から参加できるという枠組みもつくってありますから、先進医療だけではないんです。新たな評価療養という表現にとどめていただいた方が誤解がないかなというふうに思います。  それから、患者申出ということに関して、これはずっと先ほどの質問の先生方にもお答えしましたが、やはり全国の方が、全国津々浦々の患者さん方が、仕組みとしては、現在やっている先進医療A、Bを受けることができるという意味では改善されたんだろうというふうに思います。  そこで、問題は、全国の患者さんの主治医、かかりつけ医がこういう先進医療に対する情報を持っているかどうか、理解が進んでいるかどうか、これが非常に大事になってきます。ですから、例えばがんを例に挙げると、がん治療のことに関しては、かかりつけ医、主治医の方がかなり勉強しなければならないだろうというふうに思いますので、その辺はこれからの問題だと思います。
  76. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 確かに的確な御質問で、患者申出制度というところの一番の利点は、やっぱり患者さんに選択肢を与えるという態度が見えているというところだと思います。ただ、これ繰り返しになりますけれども、患者さんに選択肢を与えることが本当に正しい、ベストチョイスにつながるか、ベターチョイスにつながるかという問題は常にあります。ですけど、患者さんが医療を選ぶことができるという点で非常に画期的なシステムであることは間違いありません。ただし、繰り返しになりますけれども、常に間違いが存在するというところの問題点をどう是正していくかという議論だと思います。  先進と、じゃ基本的にどこが違うのかというと、先ほども言いましたように、敷居を低くしていただいて、患者さんの負担をできるだけ減らしていただく、これだけでも大分違います。より選択しやすくなりますし、保険への道が大きく広がります。なぜか。症例の蓄積が簡単になるからです。  中川先生がおっしゃったように、症例は思ったほど広がっていかないんじゃないかと言いましたけれども、それは百万も二百万も掛かるような費用でしたらば、受ける人は減ってきますし、社会の中のある一定の層しか受けられませんから、そういうことはちょっと考えていただきたいと思っております。
  77. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) 私たちの、患者の立場からいえば、元々この制度をつくる発端というのが、本当にわらをもつかむ思いで、どんな治療でもいいからやってくれという希望が患者に多くて、医療の側が困ったというところから始まっていったというようなことを思っております。  様々な議論の中でいろいろ改善されるものは改善されてきているとは思いますが、元々がそういうのが根底になっていますので、そういう一般的な医療といいますか、保険収載とかそういうところにたどり着くのかなということについてはかなり疑問を感じております。  また、保険行政が、今保険制度そのものが赤字じゃないかというような、非常に財政事情が悪い中で、お金が掛かるものであれば、本当にそういう面からも、保険の中に入るのかなというような、数の上でもそんなことを懸念している、いっぱい疑問はたくさんある、期待はするけれども疑問はあるという状況だと今は思います。
  78. 行田邦子

    ○行田邦子君 ありがとうございます。  この患者申出療養の制度なんですけれども、初めての医療を実施する場合は、これは原則六週間でということになっていますけれども、先進医療Bと比べるとかなりスピードアップ、かなり短縮されるということですが。  そこで、石黒参考人にお伺いしたいんですけれども、なぜ短縮できるのかという一つの理由としては、臨床研究中核病院が患者申出療養の申請を行うというところにもあるというふうに考えているんですけれども、そこで伺いたいんですけれども、本当に原則六週間で実施にまで至ることができるんだろうかという疑問があるんですが、いかがでしょうか。
  79. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) できないとは言いませんけれども、なかなか困難である、非常に高いハードルであると思います。ドキュメントを全部一式そろえるだけでかなりの時間が掛かりますし、まあ六週間でやれと言われればやりますけれども、難しいです。
  80. 行田邦子

    ○行田邦子君 次に、ちょっと私の理解がなかなかできていない部分があると思うんですけれども、教えていただきたいんですが、中川参考人、石黒参考人に教えていただきたいんですが、この患者申出療養の対象の中の一つとして、先進医療として実施されていない療養、一部の国内未承認、海外承認医薬品等の使用や実施計画作成が進まなかった技術というふうになっているんですけれども、私の理解ですと、もし安全性、有効性を確認して保険収載したいと思えるような医療であれば、それは先進医療Bの対象とすればよいのではないのかなと思うんですね。一方で、またその実施計画作成が進まなかった技術というのは、何かの問題があって進まなかったのではないかと思うんですが、こうしたものを患者申出を起点として対象とするということをどう捉えたらよいのか、お答えいただけますでしょうか。
  81. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 先進医療として成り立たなかった、途中で挫折したというものについてということだと思いますが、やっぱりいろんな問題があったんだろうと思います。例えば、国内未承認、海外承認薬だとすると、いろんな対象患者の問題、日本と外国と違いますから、いろんな問題があったんだと思います。  患者申出療養は、患者さんが申し出たら、そのまますっと行って六週間でいいですよというふうになるわけではないんですよ。患者申出療養として初めての場合は、臨床研究中核病院でまず患者さんに説明します。有効性、安全性を説明して、十分理解、納得した上で、臨床研究中核病院が、分かった、これは申請しようと思って初めて国に申請するんです。これは適応は無理だという場合は、そこでもう終わります。  ですから、そういう意味では、医療法上に基づいた今度の新しい臨床研究中核病院の役割は飛躍的に重くなります。そういう意味では、いろんなチェック機構といいますか、患者さんを守る、ある意味守るというチェックシステムは随分きちんと考えられていると思います。
  82. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) そうですね、今言った、まあ論点は同じようなものですけれども、じゃ、どうして先進医療に行かないのかというところに関して言いますと、最終的にこれは本音の話かもしれませんけれども、先ほども問題、資料の中に書きましたけれども、結局、ある技術というのは、余りに高度かつ余りにそのエリアが狭いがゆえに、本当に保険になじむのかといった疑問を常に私どもは持っております。例えば、年間に百人も発生しないような患者さん、あるいは五十人、十人といった、保険に載っけて本当にいけるのかといった問題もありますから、皆保険制度というのはどこの医療機関でも受けられなければならないのに、実は今の医療行為というのは、特に大学病院なんかでやっている医療行為は、大学病院でしか受けられないとかどこそこ病院でしか受けられないというのが入っているんです。今後出てくるであろう細胞治療療法なんかは、セルプロセッシングセンター、CPCと呼ばれる機関を持っていないとやれません。そういうものは一体どこにあるのか、皆保険になじむのかといった根本的な疑問も持っておりますから、やはりこういう場所でこういう議論をしていただくのは必要じゃないかというふうにも考えております。
  83. 行田邦子

    ○行田邦子君 ありがとうございました。
  84. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。  私も、がんセンターにおりまして、治験をやっておりました。そういう視点でちょっと中川先生にまずお伺いをしてみたいと思います。  今回、この患者申出療養の中で、最初に出てきますのが患者からの申出ですけれども、その隣に、図でも書いてございますけれども、かかりつけ医というものの存在、これ大変大きな問題ではないかと思っております。中川先生もかかりつけ医の代表といたしまして、この制度におけるかかりつけ医の役割というものをどのように考えていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。
  85. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 患者申出療養というのは今大変な注目を集めていますが、最後の最後、わらをもすがる患者さんが一体誰に頼るのかといったときに、やっぱり私は主治医、かかりつけ医だと思うんです。ですから、役割は非常に重い、ますます重くなってくると思います。ですから、勉強も必要だとさっき申し上げました、今まで以上に勉強も必要だと、先進的な新しい治療法に関する勉強も必要だと。その理解があって、初めて最寄りの専門家にかかりつけ医が相談する、若しくはかかりつけ医から紹介されて患者さんが専門家に相談して、その先に患者申出療養という形で新しい治療を受けられる可能性がありますよという道が開いてくるという仕組みだというふうになってほしいなと、まあなると思いますが、そういうことだと思います。
  86. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  そういう情報というのは、どのようなサポートというものを政府に望まれますでしょうか。そのような情報を開示するようなシステムを作成してほしい等々でも結構でございますので、何かアイデアがございましたら教えていただけますでしょうか。
  87. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 患者さん、一般の国民の方だけではなくて、やっぱり例えばがん治療に関しては、専門家以外の方、もう大専門家以外は最新の治療の情報はなかなか広がらないということも医師の中にもありますので、その仕組みをまた新たに何か工夫する必要があるというふうに思いますね。
  88. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  石黒先生にもお伺いをしていきたいと思うんですけれども、先ほど中川先生からもお話がございましたけど、今回のこの制度の中でやっぱり肝となるのが臨床研究中核病院、これ、多大な負担が私としては想定されるんではないかと思っているんですが、現在のところ、どのようなサポートをしたらいいのかということも政府はまだまだアイデアがないような時点で、先生として、今まで予算事業の中でも臨床研究中核病院としての機能を名古屋大学というものは果たされてまいりました。  今後、このような制度の中で、玉石混交の患者の様々な要求を応えるべく、もちろん予算でも結構でございます、どのようなことを政府としてサポートしていったらいいのか、もしアイデアがございましたら教えてください。
  89. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) ありがとうございます。  臨床研究中核病院は、今予算化されてお金が下りてきております。ただ一方で、多く政府の事業というのは自立化が求められています、今。ですから、自立のプログラムをこうやって今立てている最中でありますけれども。  政府のお金というのは非常に有り難いものですけれども、一方で、予算主義になっていて、年度の繰越しができないといった問題が発生しています。  具体的に言いますと、例えばある治験を行うについて、患者さんの発生を私どもは予期できないと言いました。そうなってくると、今年十例やるという予算組みをしていても必ずしも終わらない。製薬企業だって予算期間が延びることはいっぱいありますよね、治験期間が延びる。そういうことが起こり得るものですから、そうすると、予算主義で縛られていますと、年度の予算が途中で切れてしまうといったこともありますし、この年は余ったんだけど次の年は足りないといったことも当然発生します。ですから、必ず執行で縛られているのが私ども一番つらい問題であります。  それと、早く独立して、次の、自立性をとおっしゃるんでしたらば、そこの部分とこういった制度を大幅に見直していただいて、臨床中核、拠点病院にある程度のアローアンス、要するに、それだけの、先ほども言いましたように、第三者が見張るという前提でもってある程度のアローアンス、許容を認めていただきたい、今よりも大きな自由度を認めていただきたい。当然、それには開示と監視がありますけれどもというところです。
  90. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  先ほど川田委員も取り上げてくださっておりますけれども、私も愛知でございますので、中部ではコンソーシアムを既に立ち上げられまして、様々な共同のワーキンググループというものを持っていらっしゃいます。  今回、このように多くの役割というものを臨床研究中核病院が持つということになると、その地域地域で、選択と集中ではないですけれども、ある程度の予算を投入しながらこのコンソーシアムのようなものを確立していく必要があると思いますけれども、そのような点について、先生、御意見がございましたら教えていただけますでしょうか。
  91. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) ありがとうございます。  臨床中核病院というのは非常に巨大な組織を持ちます。およそ百人以上の単位の職員をそこだけで抱えることになります、統計専門家を置いてということで。それに付随する組織も非常に大きくなります。それを全ての大学病院が持つ、あるいは全ての県の中核病院が持つとすれば非常に不効率なことになります。  ですから、一か所がそれを中心的な役割を持つことによって、あとは関連した組織あるいは大学といったものを入れて一つのコンソーシアムを組むという態度でやっております。幸いなことに、臨床中核病院というのが中部円環コンソーシアムの中には二つ存在します。役割を分担しながら国費を無駄なく投入して、全体のレベルアップを図るというのでやっております。
  92. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  それが地域地域の、例えば九州であれば九州コンソーシアムが必要だ、東北では東北コンソーシアムのようなものが必要だというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。その辺りの御意見をお聞かせください。
  93. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 僕は、できればいいなと思っております。  ただ、一つの大学でやっていける力のある大学もあるかもしれませんけれども、やはり多くの参加者を募ってやった方が経済効率は上がるんではないかと思っております。
  94. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  では、最後に伊藤参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  これ、患者が起点になるということは、患者会の存在というものが大変大きなものにもなってくるかと思います。お一人で情報を集めるよりも、同じ疾患の皆様方が集まって情報収集してそれを検証していく、この仕組みというものを患者会でも持たなければ、今後、このせっかくできた制度も有効に使用できないんではないかと思いますけれども、患者会の皆様方、こういう問題について、どのようなことを政府側にサポートしてもらいたいなという御意見などございましたら、教えていただけますでしょうか。
  95. 伊藤建雄

    ○参考人(伊藤建雄君) 患者会も様々な情報を提供しております。特に、患者会を通じての医療情報というのは、多くの患者さんに役に立っていると思います。  ただ、こういう患者申出医療のようなかなり特殊といいますか、の治療があるよということを患者会が機関誌や講演会などで提供できるかという問題があります。それは、それぞれの患者さんが主治医を持っているわけですから、その先生から見れば、あるいはその先生と考え方が合わないと、時々言われることがあります、患者会、余計なことを知らせるな、みんな迷うんではないかとかいうようなことを言われることを考えると、ちょっと難しいかと。  それから、難病情報センターがかなりの使われ方をしておりますし、いい情報を出していると思いますが、例えばそういうところでそういうごく特殊な、まれな情報、こういう治療があるよという情報を出すことができるかどうか。  そういうことも含めると、患者会での情報提供にも限界がありますので、何かやっぱりちょっと別な、本当に病院に直結したような情報提供の在り方を患者会が、例えばそういうところではこういう情報がありますよということをお知らせするとか、あるいは主治医の先生の講演会のときに提供するとかというような、少し工夫は必要かというふうに思います。
  96. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  時間となりましたのでこれで終わらせていただきますけれども、本当、まだまだこれ、患者申出療養につきましては課題があるんではないか、議論の余地があるんではないかと思っております。私ども、これからもしっかり議論を重ねていくつもりでございますので、サポートしていただきますようよろしくお願い申し上げます。  本当に今日はありがとうございました。
  97. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今日は、お忙しい中、三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。  患者申出制度のメリット、デメリットというのは先ほど話していただいたんですが、私自身は、この患者申出制度が国民皆保険制度を強化するものになるのか、あるいは弱体化するものになるのかという問題関心を持っております。  石黒参考人のお配りいただいたペーパーの中に、医療における情報の非対称性、供給者誘発需要の存在というのがありますが、ここについてもう少し話していただけますでしょうか。
  98. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 供給者誘発需要というのは、例えばある機械を買った医者がいたとします。そうすると、その機械を有効に活用しようと思って、しなくてもいいものを勧めるということにつながってくる、これが供給者誘発需要ですね。  はっきり言うと、日本ではCT、MRIが諸外国よりもはるかに大きい台数がある。それを皆さん買われて、それをせっせと使われると。
  99. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ありがとうございます。  私は、国民皆保険制度と日本の医療制度が極めてうまくいっていれば、この患者申出制度は必要ないというふうにも思うんですね。つまり、今の制度に不十分な点があるから、未承認薬であっても患者がそれを使ってくれと言わざるを得ないと。この点について、本来ならばちゃんと承認をして、日本のシステムの中でちゃんとやっぱり安心して受けられる必要があるというふうに思っています。  がんセンターを視察して、とても努力をしていたり、あるいはきちっと点検しながら投薬をしていることもよく分かりました。しかし、これでは医者の負担も病院側の負担も人件費もすごい掛かるわけですね。本来ならば日本の国民皆保険制度の下で、保険の中でこういうことをやるべきで、そのことを追求すべきじゃないかという思いもありますが、例えば石黒参考人、いかがでしょうか。
  100. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) おっしゃるとおりです。  ただし、国民皆保険というのは、何度も言いますけれども、みんなにいい医療を届けるためのシステムです。ということになってくると、当然そこでの審査は厳しくなります。間違いが起こってはなりません。その審査については当然時間も掛かります、十分な症例の蓄積が必要ですから。  ただ、そうじゃなくて、希少性のあるもの、緊急性のあるものは常に生じています。特に、医学の進歩においてそのターンオーバーは早くなっていますから、そこの部分を補完する制度であって、国民皆保険を壊しては元も子もありません。
  101. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ありがとうございます。  これ、法案も制度もどうネーミングするかはとても大事で、患者申出制度だと思うんですが、もしかしたら医者申出制度になるかもしれないというか、どっちが誘導したか、魚心あれば水心じゃないですけれども。ですから、石黒参考人が、ミスリードをしないように外形基準による提供者の限定などをおっしゃっているんだと思います。  それで、中川参考人にお聞きをいたします。  この患者申出制度だと、外資系の製薬会社が、やはり日本で薬を使ってほしいというインセンティブが働くと思うんですね。お医者さん側はそれに対してどうやって担保していくのか。  一つは、例えば講演やいろんなものを製薬会社から受ける場合に、医者がどういうところからその依頼を受け、幾ら講演の報酬を受けたのかというのを開示する、あるいは製薬会社からもらったお金を全部開示するのか。あるいは、もしそういうことが制度としてできたら、いや、実はNGOを介して講演依頼、何とかの会というのをつくって、たくさんの講演依頼をして、やっぱり医者に使ってもらおうという、ロビー活動というのも活発になるんじゃないかというふうに思っているんですね。政官業癒着や、それから製薬会社からのやっぱり働きかけ、これが公正な場合もあるでしょうし、不公平な場合もあるだろう。  さっき、医者のそういう倫理ということも少しお話をいただきましたし、小池委員は製薬会社の矜持は信じていないとおっしゃいましたけれども、やっぱり製薬会社、とりわけ外資系も含めた製薬会社からの不当な、不当なというか、そこの癒着、あるいはそれによって医者が動くということがあり得ることをどうやって遮断するか、どういう制度が必要とお思いでしょうか。
  102. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 先生、患者申出療養と関連しての質問ですか。いや、こっちから質問するのは恐縮ですが、意味がよく分からないので。
  103. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 この患者申出制度ができると、医者と一緒に、こういう薬、未承認薬ですが使いますかという話合いに入るわけですよね。そのときに、やはり未承認薬ですから、その薬を医者が勧める、あるいは患者が言ったときにそれを使いましょうとなるときに、政官業癒着ではありませんが、製薬会社からの働きかけをどうそこで遮断するか、公平にやってもらうための制度の担保というのが必要ではないかと思っているので、お考えをお聞きしました。
  104. 中川俊男

    ○参考人(中川俊男君) 患者申出療養は、先ほどから申し上げているように、きちんとシステムとして先進医療だとか治験だとか、システムとして申請されて了承されて始まっているわけですから、そこに新たに患者申出療養として個人的な、医師が個人的に患者さんに製薬メーカーからお世話になっているからこれを勧めるということはあってはならないし、もしあるとしたら厳重に監視していきたいと思います。
  105. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 石黒参考人、今の点についてはいかがでしょうか。
  106. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) 恐らく製薬メーカーからすれば、グロスで大量に出るところは経済的利得に乗っかりますから、そちらでやると僕は思っています。経済的利得に乗らないから、こういう隙間ができるというふうに考えています。ですから、彼らがそもそも経済的利得に乗らなくて開発しない領域について大金を払って宣伝するとは余り僕らは信じていないものですから、その辺の経済原則で。  もっとその辺を、あれでしたらば、このトラックに乗っけて開発した薬剤は、思い切って並行輸入している薬剤と同じ値段にしちゃったらどうですか。
  107. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ありがとうございます。  がんセンターに行ったときも、国民皆保険を強化する方向でやりたいということで、その点についての質疑応答があったんですが、例えば未承認薬を作るとすると、そのことによって症例が、未承認薬を使うことで症例が集まって、より承認に道を開くという面と、日本の製薬会社からすれば、もう外国の製品をそういうふうに使っているのであれば、余りこれを、日本の承認薬として頑張ってやろうというインセンティブが弱くなるという面と、いろんなケースが考えられると思うんですが、この患者申出制度ができることと日本の承認の薬の振興ということについてどうお考えでしょうか。
  108. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) その直接的な回答になるかどうか知りませんけれども、今現在インターネットでも未承認薬買えちゃうんですね。それが自由診療とかそういうえたいの知れない形でやられていることは確かですから、逆にこういうトラックに乗っけていただいて、ちゃんとした管理下で行われれば、本当にそれが保険として通用するのかしないのかも分かってきますし、患者さんの保護にもつながるんじゃないかと思います。  確かに、御指摘の面は否定できませんけど、それは製薬会社のモラルハザードの問題です。でも、彼らはモラルハザードを起こしているからそもそもこういう希少疾患に開発しないわけで、そういう意味でいうと信じていないというのは正しいかもしれませんし。
  109. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 がんセンターでも、誰が最終的に責任を取るのかということで、さっき川田委員からもありましたが、医者が最終的な責任を取るというそのときは回答だったんですね。  医者側の負担というのが極めて大きくなるというふうにも思いますが、その点について、石黒参考人、いかがでしょうか。
  110. 石黒直樹

    ○参考人(石黒直樹君) ですから、私どもは組織として動いているところでありますから、医師の責任イコール組織の責任です、結局。患者さんは、何か起こったときに必ず病院長とその医師両方を訴えますから、病院の責任は免れ難いんです。  だから、そういう意味でいうと、やはりこういう公的なところで少し議論していただいて、その中で道筋を決めていただいた方がよほど私どもにすれば助かります。
  111. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 どうも本当にありがとうございました。
  112. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  午後一時二十分に再開をすることとし、休憩をいたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時二十三分開会
  113. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。     ─────────────
  114. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長唐澤剛君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  116. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  117. 櫻井充

    ○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。  久しぶりに厚生労働委員会で質問させていただきますし、仲のいい塩崎さんに何か厳しく質問し難いものがありますが、大事な問題なので明確な答弁を是非お願いしたいと、そう思います。  まず最初に、今日は国民負担率についてと、それからもう一つは負担の公平性について質問させていただきたいと思います。  まず最初は事務方で結構でございます。現在の国民負担率、税と社会保障の保険料のですけれども、それからもう一つは、再来年、消費税が一〇%に引き上げられた際、これ年金も少しずつ上がっていきますが、この際の国民負担率は何%になるのか、教えていただきたいと思います。
  118. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) まず、現在の国民負担率でございますけれども、国民所得比で申しまして、平成二十七年度の予算ベースでございますが、租税負担が二五・六%、それから社会保障負担が一七・八%ということで、合計いたしまして四三・四%というのが現在の国民負担率でございます。国民所得比でございます。  そして、消費税が一〇%に引き上げた時点の国民負担率というのは、なかなかどのように見込んでいくかというのは難しいところがございますけれども、少なくとも計画的に保険料率の引上げが決まっておりますのは、厚生年金の保険料率が現在一七・四七四という水準でございますけれども、二十九年の四月には……
  119. 櫻井充

    ○櫻井充君 悪いけど、端的に言ってください。
  120. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) はい。  二十九年には一八・一八二ということで〇・七%ほど引き上がるということでございます。医療費の方は、医療費の伸びに従ってまいりますので、ちょっとなかなか難しいところがございます。
  121. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、ちゃんと通告しているんです。  税の方も消費税が上がっているので、税の負担も増えるはずです。ですから、全体として何%になるんですか、端的に答えてください。
  122. 竹谷とし子

    ○大臣政務官(竹谷とし子君) 税の方についてお答えをさせていただきます。  国民負担率につきましては、消費税収の動向のみならず、分母である国民所得また分子である消費税収以外の税収、そして社会保障負担の動向によっても変動しますことから、消費税率を上げた場合の影響の全体像について確たることを申し上げるのは大変難しいと思います。  その上で、仮に平成二十七年度の国の消費税収及び国民所得を基にして、消費税率八%から一〇%への二%引上げ分の国民負担率への影響を極めて機械的に試算をいたしますと、国民負担率一・四%の増となります。
  123. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、今四三・四%の国民負担率が、ざくっと申し上げれば四五%まで上がってくるということです。  さて、塩崎大臣、この四五%の国民負担率についていかがお考えでしょうか。要するに、国民の皆さんは一体どのぐらいまで負担に耐えられるとお考えでしょうか。
  124. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 私も政治家になって二十一年たっておりますけれども、この国民負担率というのは本当に長い間いろいろ考えてきた問題でもございます。特に橋本内閣のときには、潜在的な国民負担率と今言われている国、地方の借金を合わせた負担も含めて五〇%という数字を橋本総理は言ったことがあったと思います。  これはどこまで可能なのかという、今、櫻井先生のお言葉でございますけれども、これは、いずれのサイドも、つまり給付も負担も、社会保障においては、それから税の負担についても、受け入れるのは、あるいは合意をするのは、やっぱり国会における審議において国民が受け入れるかどうかということでございまして、特に少子高齢化が進む中で、受益と負担というのが、均衡の取れた持続可能な社会保障制度を構築するために両方を上げていくということがどこまで議会で認められるのかということで、これはどういうふうになるのかは、それぞれやはり国民の考え方次第で変わってくると思います。  よく中福祉中負担とか高福祉高負担とかいろいろ言われて、スウェーデンやあるいはフランスのように高い国民負担率のところもありますけれども、それがなぜうまくいっているのかというと、それはやはり国民が受けている政府からのサービスというものに納得をしているからでありますので、そういう意味では、にわかに定量的に申し上げるのはなかなか難しいのかなというふうに考えております。
  125. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうでしょうか。  今までの厚生労働省は、例えば昭和四十五年当時の国民負担率、これは所得一〇〇に対してですが二四・三%ぐらいだったと思います。それが今、ここまで上がってきました。一時期は、厚生労働省が元気な時代は、財務省がなかなか金を集めるのが下手くそなので、介護保険とか別な財布をつくって、行け行けどんどんでずっと事業を展開してきたわけですよ。  ところが、ここに来てみて、国民負担率が、国民の皆さんが耐えられなくなってきたから、じゃ今度は歳出をいかに抑えるかと。だから、医療の無駄を省けとか年金の支給額をどうするかとか、そういう議論になってきているんですよ、もう現実問題。ですから、一体どのぐらいまで耐えられるのかということで設計していかない限りは、私は回らないと思っているんです。  特に、大臣、御地元にお帰りになられればよくお分かりかと思いますが、中小企業が今一番苦しんでいるのは、これは社会保険料の負担ですよね。ですから、今回、協会けんぽのところも総報酬割になってある程度負担の軽減はされるんでしょうけれど、じゃ、中小企業は一体どのぐらいまで耐えられるということで保険料の設定されているんでしょうか。
  126. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 中小企業も個々の企業によってそれぞれ置かれた状況はまちまちで、経営状態とかいろんなことであって、一般的には、しかし、中小企業は今先生がおっしゃったように大変厳しい状況であることは、そのとおりだろうというふうに思います。  保険料負担にどれだけ耐えられるのかということでありますけれども、先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、年金については平成十六年の制度改正で最終的には一八・三%にとどめるという保険料率の上限というのを設けたわけでありまして、一方、健康保険、これは今御議論いただいている制度でもございますが、それから介護保険については、中小企業がどこまでの保険料負担に耐えられるかというのは、まさに今アベノミクスで中小企業の生産性を上げていこうというようなことで、つまりそれは最終的には収益力を増していくということでありますので、これが経済情勢でどういうふうになるというのは、なかなか、これもまたやはりさっき申し上げたように、定量的には申し上げる上限というのは難しいんではないかというふうに考えておりまして、健康保険については、今回の制度改革において、中小企業が多く財政力の弱い協会けんぽに対する国庫補助率を期限の定めをなくして当分の間一六・四%ということとし、財政基盤を安定化をさせるということで、保険料率の上昇を抑制をさせるということで今回御審議をいただいているわけでございまして、これは中小企業にとどまらず、企業が今社会保険料の負担について非常に重たいというふうに言っていらっしゃる方が多いということも先生御指摘のとおりだと思います。
  127. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、企業がどのぐらい負担に耐えられるのかということを考えずに、それではこれからもずっと保険料の設定をされていくんですか。  企業が、これだけ社会保険料を支払えなくなってきているとか、あとは、例えば従業員が五人以上だと、社会保険の強制加入になっていますよね。何で四人で止めるのかといえば、社会保険に入らなくて済むからですよね。そうやって、雇い止めといいますか、雇用を本当は増やせるんだけどなかなか大変だと。一人増やした際に、一人分の裏負担ではありませんよね、五人分の裏負担をしなきゃいけなくなるわけですよ。そうすると、例えば年収が四百万なら四百万だったとすると、今、社会保険料の負担がざくっと申し上げれば年金と医療で三〇%ぐらいです。事業主負担が半分の一五%ですから、一五%掛ける四百万だと六十万です。四人の場合にはこれは全く発生しませんが、この六十万が五人になった瞬間に三百万企業が負担しなきゃいけなくなるわけです。そうすると、一人の人を雇えるようになっちゃうんですよ。だから、ここのところが重くてみんな四人で止めようとしたりしているわけですよ。  ですから、大臣、中小企業がどのぐらい耐えられるのかとかその辺のところを念頭に置いてもらわないと、私は国民皆保険制度が守られなくなるんじゃないかと思っているんですけど、この点についていかがですか。
  128. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは、冒頭申し上げたように、この社会保障というのは、負担があると同時に給付があるから負担を受け入れるということになっていると思います。個人であろうと企業であろうとそれは同じであって、企業になるときには、やはり自分の社員として、言ってみれば生活の質として社会保障でちゃんと守るという形での、企業の中での言ってみれば福祉を守るということが一つの価値になって人材も集められるということもございますので、そういうことになると、やはりここは、最終的には給付があって、つまりサービスがどれだけ提供されるかということでどれだけの負担をしても納得がいくかということになるのであって、それが今おっしゃるように、四人でやめてしまうという形で、法人成りしないで、企業にならないでやるということになるところがたくさん出てくるようなことになるということは、それは我々は、これは今の状態では納得ができていないんだなということを悟らないといけないのかなというふうに思うわけでありまして、そういうことは、しかしいずれにしても、法案の形で国民に対して考えていただくということを私たちはやりながら、給付と負担のバランスを見て決めていかないといけないんではないかというふうに思っております。
  129. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけれども、いつもの塩崎さんらしくない、歯切れが悪いような私は気はしますけれどもね。それは、負担と給付はそのとおりですよ、そのバランスで決まってくるんですから。だけど、であったとすると、負担は、じゃ、どこまでだったら耐えられるのかというだけの話ですよ。  だから、負担耐えられないんだったら給付を抑制しなきゃいけなくなるわけでしょう。だから、企業としての負担がどのぐらいまで可能なのかということ、じゃ、こういうふうに聞いた方がいいんでしょう。こういった、どのぐらいの負担まで耐えられるのかということを念頭に今回の法案って出されているんでしょうか。
  130. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の保険制度の改革について、この負担に関わる問題について様々な関係者と議論を重ねながらここに至っているというのが現実でございまして、それは当然のことながら負担として受け入れる可能性のある範囲内で、私たちはそれを考えた上で法律にして御審議を願っているということでございまして、それは定量的な限度というものを最初から決めるということ自体はなかなか難しいと思うんです。  それは、やはり、いろいろ今お話があったように、給付をカットしていくんじゃないかというお話が出ましたが、それは今の負担のままでいかざるを得ないということであれば、それは給付をカットするという事態も一般的にはあり得ると思いますけれども、それにもやっぱり限度がありますから、ここまでだったら負担はやっぱりここまでにしないといけないんじゃないかということになって、それを国民が納得できるかどうかというところで折り合いが付くのが国会ではないかというふうに、私はかねてから思ってまいりました。
  131. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣がおっしゃっていることは重々理解した上で、端的にお答えいただきたいんですが、国民負担率についてある程度念頭に置かれてこれは議論されているんですね。この点だけ答えてもらえませんか。  繰り返しになりますが、世界の国々はもっと国民負担率高い国あります、後でやりますけれど。なぜそうやって耐えられるのかというと、住宅の事情とそれから教育コストが全く違うからです。ですから、家計からのある程度重いものを改善しない限りは、国民負担率を引き上げていくということはすごく私は大変なことだと思っているから、今日はこうやってあえて質問させていただいているのであって、繰り返しになりますが、こういったことを一応念頭には置かれて議論はされたんですよね。
  132. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 先生の御指摘はそのとおりでございます。  私ども、上限をどのくらいまでかというのはなかなか難しいところございますけれども、一つには国民健康保険の負担、非常に重くなっておりますので、この負担を緩和しなきゃいけないということが一つ。それから、総報酬制ということで、これは中小企業でありますとかあるいは財政力の弱い健保組合、こういうところが負担を緩和できるようにということで、全体としての負担を緩和するという観点から今回の改革を提案をさせていただいているところでございます。
  133. 櫻井充

    ○櫻井充君 そういうことなんだと思うんです。ある程度の負担が重くなってきて、これ以上だと耐え切れないという判断をされたからなんですよね。  そうすると、ある程度目標を決めておいてもらわないといけないと思っていて、それはなぜかというと、これで財政調整のために一六・四%になりました。これは、ここまで附則で一三%、これは平成四年に、自民党政権下で一六・四%から二〇%、財政調整のために税金を投入すると言っていたのを、附則で一三%に引き下げました。あの当時、協会けんぽは一兆円近い余剰金があったかと思いますが、この結果、毎年一千億ぐらいずつ吐き出すことになって、赤字に転落して現在に至っております。  そうしてくると、この一六・四%、特例で我々の政権のときにやらせていただきましたが、特例という言葉は僕は間違っていると思っていて、本則に戻しただけの話ですから。  そうすると、今回の法改正で一三%から二〇%と、むしろ財政調整のための税の投入額を減らせる可能性をまず残したまま、暫定的な措置として一六・四%投入するという話になっていますね。この今の一六・四%で果たして十分なのか、我々民主党からすると二〇%まで引き上げるべきではないのかという話になっているんですが、まず、この一六・四%にした根拠を教えていただけますか。
  134. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 協会けんぽの国庫補助率は、ただいま御指摘いただきましたように、元々一六・四%のものを特例で一三%にされて、二十年近くその水準で参りました。ただ、リーマン・ショックがございまして非常に厳しい財政状況になって、保険料率を一一%ぐらいに引き上げなければならないということがございまして、そんなことになったら大変なことになってしまいますので、私どもの厚生労働省の立場で申しますと元の一六・四%に戻してほしいということで手当てをしていただいたわけでございます。暫定でございますけれども、手当てをしていただきました。  それを今回は、その一六・四%という水準が昨年度で切れてしまいますので、その水準は何とか維持できるように、この国庫補助率をめぐって不安定な状況にならないようにということで、一六・四%という率を固定をさせていただきたいということでございます。
  135. 櫻井充

    ○櫻井充君 だったとすれば、別に一三%の附則をやめてしまって、一六・四から二〇の本則だけ残せばよかっただけの話であって、何でこれ一三からというふうに改正されることになったんですか。これは唐澤さんじゃなくて結構です。財務省にお伺いしたいと思いますが、もうこういうことをやってくるのは財務省がやっていることぐらい分かっていますから、財務省がなぜそこのところで一三%にこだわったのか。  済みません、そして今、一六・四%にしていただきましたと、唐澤さんはやっぱり正直な方ですから、これは財務省との折衝で一六・四%、仕方ないからそこにしてもらったんだと思うんですね。しようがないので財務省の要求をのんで一三%という数字を入れたと思うんですけれども、財務省にお伺いしておきましょう、なぜここの一三%という数字にこだわったんでしょうか。
  136. 竹谷とし子

    ○大臣政務官(竹谷とし子君) 今般の改革法案では、約二十年間、平成四年から二十一年度にわたりまして国庫補助率が一三%とされてきた経緯等を踏まえまして、本則において一三%から二〇%までの範囲内と規定しつつ、今おっしゃられましたように、附則において当分の間一六・四%と規定するという措置を講じさせていただいて、当分の間は協会けんぽの国庫補助率の安定化に資すると考えさせていただいております。
  137. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、二十年間一三%になった結果、財政状況が物すごく悪くなったのは御存じですよね。先ほど申し上げたとおり、余剰金というのか積立金というのか分かりませんが、約一兆円協会けんぽとしては余裕があったんですが、もう二十年間でこれ全て取り崩したわけですよ。その結果、二割負担になり、三割負担になり、そして、しかも保険料率がどんどんどんどん上がっていって、組合健保や共済から比べれば高い保険料率を強いられる結果になっているんですよ。  そうすると、これ厳しいことは間違いないじゃないですか。それなのに、何でこうやって一三%という数字にこだわられたんですか。
  138. 竹谷とし子

    ○大臣政務官(竹谷とし子君) 協会けんぽの財政状況につきましては、リーマン・ショックの直後に比べると改善してきており、現時点において国庫補助率を引き上げるような状況にはないと承知をしております。
  139. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあ、じゃ、いいでしょう。  ですから、そこのところで、今度は財政調整は今これで大丈夫、やっていけるんだという話。だから、ここからなんですよ、先ほどから大臣にお伺いしているのは。であったとすると、本当に保険料率が上がらないんですね、そして上がるとするとどこまで耐えられるのかと。耐えられなければ財政調整のところの税金の投入額を増やさなきゃいけなくなるんですよね。ですから、どの程度のところを目標にされているのかということを私はお伺いしているわけです。  大臣、この点もう一度、改めてですけれども、協会けんぽ、非常に厳しいです。ですから、今回、その厳しいことが分かっているから様々な手当てをされていますよね。ですが、これで果たして十分なのかどうか、果たしてその一三%という数字を残す必要性があったのかどうか、財務省に折衝で負けているんだからこういうことになっちゃったんだと思いますけれども、やはり厚生労働大臣としてはもっと頑張っていただかないと私はいけないと思いますけれども、大臣、いかがですか。
  140. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、もちろん協会けんぽが中小企業で大変厳しい経営状況の中で医療の保険としてちゃんと回っていくようにしていくというために、この保険料率はこれは一〇%で、そしてまた今の国庫負担も当分の間一六・四%ということで、一方で、これだけをやっているわけではなく、他の国民健康保険においても、あるいはこの協会けんぽにおいても、医療費をどう抑制していくのかというようなことも、これから本格的に保険者として力を入れて、健康づくりとそれから予防、あるいは重症化予防などに取り組んでもらわなきゃいけないということで、私どもが見通す限りで、この当分の間の一六・四%を前提に、保険料も一〇%という現在の水準を維持しながら、様々な医療の改革をする中において、この協会けんぽもちゃんと回っていくようにするということだというふうに私たちは思っております。
  141. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、今回、附則で一六・四と書いていますよね。一六・四と附則で書いているということは、これ、上げなきゃいけないときは、もう全部毎回国会で議論して、ここで承認することになりますね。  前は、法律で一六・四から二〇というふうに幅を持たせていて、これは厚生労働省の考え方として、ここで大変なことになると言えばすぐに措置できるようなことになっていましたね。なぜ一六・四というふうに幅を持たせて、それで役所の中で調整をすると。そうでないと、毎回毎回やってくることになると、私はかなり大変で、それからすぐに対応できないんじゃないかと、そう思います。  だから、これを何で固定するような形で一六・四と法律に書き込まなければいけなかったんでしょうか。繰り返しになりますけれども、ある程度の幅を持たせた方がよかったんじゃないかと思いますが、なぜこういうことになったんでしょうか。
  142. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 法律的な位置付けにつきましては、先生の御指摘のとおりでございます。つまり、法律の本則は、幅の中で政令で決めるという枠組みになっておりますけれども、これは附則で一六・四%という率を固定しておりますので、これを変えるときには法律を改正する必要がございます。  その上で、もう少し、幅の上限が二〇%ということになっておりますけれども、その中で決めた方がよいという御意見も、もちろん当然の御意見としてあるわけでございますけれども、最終的な政府内での調整の結果、非常に厳しい状況についての御指摘も他方であって、ただ、我々は、一六・四%を少なくともこれを維持をしていって、しかも、時限というような形で延ばしていくのは協会けんぽの財政運営の上でも非常に不安定ということで、とにかくこれを少なくとも固定をさせたいということで一六・四%にしたというのが私どもの考えでございます。
  143. 櫻井充

    ○櫻井充君 この問題、これ以上やっても多分進展しないので、一言だけ申し上げておきますが、先ほど塩崎大臣は、アベノミクスの効果で中小企業がこれから良くなるかのような話、されましたが、絶対にそれはあり得ませんので。これは確信しております。なぜならば、円安によって輸入の原材料費が上がっているんです。中小企業は価格決定権ありませんから。そうすると、大企業に言われて、そこの価格で抑え込まれているんですよ。トヨタが空前の利益出したって、下請業者は全然利益率上がっていませんからね。これ、調べていただければよくお分かりだと思いますが。とすると、原材料費だけが上がって価格に転嫁できなければ、利益率が下がりますよ。ですから、地方に行ってみれば、アベノミクスのおかげで中小企業はまた厳しい状態に追いやられているんです。賃金上げろなんという話にはとてもなりません。  ですから、そういう中で、この保険で本当に耐えられるのかどうかは改めて検討していただきたいと思っていますし、それから、繰り返しになりますが、かなり柔軟に対応できるような体制を取っておかないと問題が起こるんじゃないのかと、そう思います。  それで、次に、負担の公平性についてお伺いしたいと思いますが、この財政調整によって、例えば賃金格差がありますね、組合健保とそれから協会けんぽのところで。この一六・四%の投入によって賃金の格差の分というのはこれは埋まることになるんでしょうか。
  144. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、現在の例えば健保組合の平均的な報酬、それから協会けんぽの平均的な報酬を申しますと、二十七年度の予算ベースで健保組合が五百六十三万円、これは被保険者一人でございます。それから、協会けんぽは三百七十五万円ということで、ここに百八十八万円の差があるというのが実情でございます。  それで、国庫補助につきましては、一六・四%の補助をいたしますと、予算で申しますと九千九百四十六億円という金額でございますが、これを保険料率に換算をしますと一・三%ぐらいになります。それを保険料率に換算したものを標準報酬の差に戻して、一〇%ですのでそれを十倍するということなんですが、いたしますと、一人当たり四十七万円の報酬格差の改善に寄与したというふうに考えているところでございます。
  145. 櫻井充

    ○櫻井充君 こういうことなんですよ。四十七万程度しか改善しないということなんです。  ですから、厳然たる所得格差が存在していることになって、なおかつ、これまでは総報酬割ではなくて、突き抜け方式というか人頭割になっていましたから、だから、今度は協会けんぽの方からの拠出金が重くなって大変ですねという話になっているわけです。  繰り返しになりますけれども、こうやって一六・四%の財政調整でも少なくとも所得格差はまず埋まっていないんだという、この現実だけは大臣には御理解をいただきたいと思います。  さて、その上で、今回、後期高齢者の医療制度の分については総報酬割にしていただいたと、この点については評価したいと思います。一方で、これだけではなくて、前期の高齢者についても人頭割になっている間は協会けんぽの方の拠出金の割合が重くなりますから、所得の多い人たちがある程度負担するというのはこれは当然のことでして、その点から考えてくると、前期の高齢者の分もこれは人頭割ではなくて総報酬割にすべきではないかと思いますが、この点についていかがでしょう。
  146. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 現行の高齢者医療については、今七十五歳以上の後期高齢者を独立の制度としてその費用の四割を現役世代から支援金で補填をするという格好になっています。それから、前期高齢者については独立した制度とせずに、各保険者における前期高齢者の偏在を踏まえて、前期高齢者の加入率に応じて各保険者の負担を調整するという仕組みを今取っているわけでありますが。  今回の改革では、今お話にございましたように、後期高齢者支援金については全面総報酬割を導入をするということでございますが、一方で、これは財務省の財政制度審議会などでは既に提案もされているようでございますけれども、今先生が御指摘になったように、前期高齢者についても総報酬割にすべきだという御指摘があることは私どももよく承知をしているところでありますが、これが本当にそのまますんなりいくかどうかということについてはよく検討しないといけないと思うんですけど。  一つは、前期高齢者の加入率に応じて偏在を調整するという機能が被用者保険者内でなくなるということをどう考えるのかということと、もう一つは、やはり一番本質的なのは、前回のこの委員会でも大分出ましたけれども、相対的に報酬が高く負担増となる健保組合などの納得を得られるのかどうか、あるいは他の保険制度のための支援に半分以上持っていかれるのはいかがなものかとか、いろんな考え方があって、特に出す側の健保組合などの納得が得られるかどうかということがなかなか難しい問題として、解決すべき問題としてあるのかなというふうに思っております。
  147. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、これは要するに人頭割を前提にしているからそうなっているのであって、じゃ、ちょっと違う点からお伺いしたいんですが、社会保険制度というのは、これは所得の再配分機能を有するものなんでしょうか。
  148. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは、今回も予算委員会で随分議論になったところでございますけれども、結論からいうと、これはやはり再分配機能はあるということだろうと思うんですけれども。  実際に、この所得再分配調査をジニ係数で見てみると、もう先生御案内のとおりでありますけれども、平成二十三年の調査では、社会保障、それから税の再分配を考える前は〇・五五というジニ係数が再分配後は〇・三八まで低減をされて、所得再分配によって約三割の改善効果が見られる、つまり再分配の効果があるということで、この機能はやはり示されているとおりのことだというふうに思っておりますので、今先生のお尋ねは再分配機能を有しているのかということでございますが、社会保障制度にその機能はあるというのが結論だというふうに思います。
  149. 櫻井充

    ○櫻井充君 一部あること、それはもう当たり前のことだと思っていて、それが今の程度でいいのか、更に強化されるべきなのかという議論だと思います。  少なくとも、税は六段階に累進課税になっていて、当たり前ですが、所得の高い方々の方が負担割合が高くなっています。ところが、一方で、これは国保の加入者でいうと、一千十万でしたっけ、ここまでは定率負担ですが、この後は定額負担になるはずなんです。これがちょっと今回引き上げられるはずです。ですけれども、その後、定額負担になるということはどうかというと、所得の高い人たちであればあるほど今度は負担割合が減るということになります。そうすると、ある所得以上になってくると完全に逆進性になるんですよね。こういうことで本当にいいのかどうかということが僕は最大のポイントだと思っていて、なぜこれを一律定率にしないんでしょうか。  これは、国保だけの問題ではありません。これは、組合健保の方も同じような形で、たしか賃金だと一千五百万ぐらいでしょうか、ざくっと申し上げると、その後は全部定額になってきていると。サラリーマンの皆さんでも、ある程度、これは累進を掛けろと言っているんじゃないですよ、税のように累進まで掛けてくださいということを申し上げているんではなくて、定率にしてくるとかなりの分の財源が確保できるんじゃないかと私は思います。  そういう点でいうと、なぜ定率負担にしないで途中から定額負担になるんでしょうか。
  150. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 社会保険方式を採用しております医療保険制度では、保険料負担というのは負担能力に応じた公平なものである必要があるわけでありますが、受益との関係において被保険者の納付意欲というのもこれも大事であって、これに与える影響などを考慮して被保険者の保険料負担に一定の限度を設けているというのが今の制度だと思います。  国保のいわゆる賦課限度額については、これまでも段階的に、先生御案内のように、引き上げてきておりまして、平成二十七年度も四万円合計引き上げて八十五万円ということで、これは医療分と介護納付金分の合計でありますけれども、上げてきておりますが、今後とも負担能力に応じた負担ということになるように、地方の御意見も踏まえつつ必要な見直しを行ってまいりたいというふうに思いますし、これは平成二十年度、二十一年度、二十二、二十三、そして二十六、二十七と、ずっと引上げをしてきているわけでありますけれども、最終的には、今お話がございましたように、この被保険者の納付意欲などの影響も考慮しながら、こういった制度に今はしているということでございます。
  151. 櫻井充

    ○櫻井充君 ある部分は応能負担で、ある部分は応益負担であるべきだと思うんですよ。そうすると、医療のことで申し上げると、保険料は私は応能負担だと思うんです。だけど、今度は窓口負担について言えば、これは応益負担でもいいんだと思うんですよね。  ですから、大臣、要するに、皆一律三割負担になっているんです、ほとんどの方々が。これは応益負担で、これは低所得者の人も高額所得者の人も国民皆保険制度では同じ医療が受けられるので、そのことについて言えば応益負担ですから、同じ負担割合でも私はいいと思います。ただし、高齢者の方々は、この部分についても一割負担であったり、それから今度から二割負担になる方々もいらっしゃいますが、ある部分は応能負担になっているということです。  そうすると、保険料のところは、ある部分、今度、繰り返しになりますが、応能負担に統一してこないと不公平が出てくるんじゃないかと思うんですよ。これ、例えば、どこがいいでしょうか、税金でいうと九百万からたしか一千八百万が同じ税率だったと思いますけれども、先ほどのところで、九百万から一千八百万だと税率が三三%になっています。  だけど、この人たちのところで保険料率今度調べてみれば、恐らくざくっと申し上げれば、一千万の人と一千五百万の人だと保険料率は相当差が出てきます。三分の二ぐらいになるはずなんです、単純に申し上げれば、定額ですから。そうすると、税率と今の保険のものを足してくると、高額所得者の方が税を加えたって実は負担は軽くなるんです。こういうことで本当にいいんでしょうか。これで公平性が保たれるんでしょうか。  そして、今納税者の立場というお話がありましたが、これは高額所得者、高額納税者に対して配慮しているだけであって、そうでない人たちについては私は全く配慮されていないんじゃないかなと、そう思いますけど、大臣、いかがですか。
  152. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) そこは少し税と保険料は異なるところがあるのではないかというふうに思っていまして、税の場合には強制徴収ができる、法律で税を取るということになっているわけでありますが、問題は、保険の場合に、今申し上げたように、累次にわたって、これは上げていないのが二十四年度、五年度の二年度だけ、平成二十年度以降も上げていないのはその二年度だけというぐらい上げてきているということは、先生が御指摘になっている点については十分念頭に入れながらこういう形でやってきているというふうに私は思っております。  しかし、じゃ、これを税と同じように累進的にずっと全部やるかどうかということについてはいろいろ御意見があって、リスクプールとしての医療の保険がきちっと成り立っていくかどうかというときに、やはりそこはいろいろ考えながらこういう形でやっていって、どちらかというと累進的になってきているというのが現実だろうと思いますが、しかし、それを一挙に、じゃ、この賦課限度額やめて累進的にするかというと、そう簡単には、将来の保険プールの形というものを考えるとなかなか難しいのかなということで、そこはよく見ながら検討していくということを重ねていくのかなというふうに思っております。
  153. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、ちょっと勘違いされています。私、累進と申し上げておりません、定率にしてくださいと言っています。  あるところまで定率なんです。あるところから定額になるんです。定額になっているところは逆進性なんですよ。所得の高い人たちの方が負担割合が低くなるので、そういうことになっているから、だから定率負担にしてくださいというお願いをしているだけであって、方向性は、今大臣がおっしゃっていると、少しずつ引き上げているわけですけれども、それを何も、そこを取っ払っていただけないんでしょうかと。定額負担──これ、ちょっと済みませんね、事務方、いや、このぐらいちゃんと大臣も理解できているんだから。  それで、大臣、これは医療だけじゃないですよね、年金もそうですよね。年金のところの保険料率もどこかで、これサラリーマンの場合ですけど、頭打っているはずなんです。そうなってくると、社会保険料のところは高額所得者の方が圧倒的に有利になっているんです。だから、これを累進化してくれなんて一言も言っていません。定率にしてください、その方が公平じゃないですかということを申し上げているんです。
  154. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 累進という言葉が、ちょっと税と同じように考えていたとすればそれは違うので、私が言っているのは、定額ではなくて定率ということは、金額は増えていくという意味ですから、それを申し上げているので、ですから、それは定率ということでいくとすれば、保険のプールとしてうまく機能していくかどうかということも同時に考えないといけないんじゃないかということを申し上げたかったので。申し訳ありません。
  155. 櫻井充

    ○櫻井充君 じゃ、そうすると、例えば先ほど申し上げました税のところで九百万から一千八百万の人たちの中で、多分、これ後で財務省か厚生労働省と併せて計算してきてもらいたいんですが、要するに、この層で多分一千万の人と一千五百万の二人の方を比べてみると、額はもちろん一千五百万の人たちの方が多くなっているはずです。それは税の分で率が一緒ですから。(発言する者あり)税です、所得税です、三三%ですから。  だけど、今度はどうなるかというと、社会保険の場合には額はどうかというと、一緒になってきていますよね。割合のところだけ取ってくればどういうことが起こるかというと、所得の高い人たちの方が負担割合が低くなるんですよ。だから、同じ例えば納税額のところの九百万から一千八百万の層でもこういうふうに所得の高い人たちの方が減額されるみたいなことになり、更に上の層、次のところで四十何%の税のところだって、一千八百万以上です、同じことが起こり続けるわけですよ。だから、これだとすると、逆に言うと、九百万から一千八百万の層からしてみれば、何で俺たちの負担割合が高いんだって不満が出るのは私はこれ当然だと思います。  もうここの場で、あとちょっとほかの質問もあるので議論する気はありませんが、ちょっとこれは委員長にお願いですけど、今の層で結構でございます、税負担とそれから社会保険料のところで負担格差が出てきているはずなので、これの資料要求を求めたいと思います。
  156. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 後刻理事会において協議をさせていただきます。
  157. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  それから、もう一度、今度国民負担のところで検討させていただきたいんですが、高校卒業、それから大学卒業で、ざくっと申し上げると、生涯年収というのはどのぐらいになるんでしょうか。
  158. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 生涯賃金でございますけれども、これは一定の前提で推計をいたしますが、平成二十六年の賃金構造基本統計調査結果、これを使いますと、一般労働者、フルタイムの方で正規の方の大学・大学院卒の方、この方を前提にしまして二十二歳から六十歳まで、これを各年齢階級の月収と年間賞与を足し上げますと、単純に合計しますと約二億五千万円という金額でございます。
  159. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、あと高卒だと幾らになるんでしょうか。
  160. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 高卒でございますけれども、同じ正規社員という前提で一億九千万円でございます。これは男女計の平均でございます。
  161. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  この人たちが二十二歳から六十歳までに支払うであろうおおよその税負担の額、それから社会保険料の額、これは通告してあります、これは幾らになるんでしょうか。
  162. 竹谷とし子

    ○大臣政務官(竹谷とし子君) 所得税の負担額についてお答え申し上げます。  まず、大学・大学院卒の正規社員の場合、今厚生労働省から答弁がありました平均生涯年収約二億五千万円に対して、所得税額は約一千万円、そして高校卒の正規社員の場合、平均生涯年収約一億九千万円に対して、所得税額は約四百万円というふうに試算をすることができますが、所得税に関しては社会保険料と異なりまして、各種控除や累進税率の適用などによって納税者の事情を考慮する仕組みとなっておりますので、これはあくまでも前提を置いた試算ということで御理解いただければと思います。
  163. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 社会保障の負担のお尋ねでございましたが、この生涯年収の額、先ほど局長から答弁したものに現在の年金、医療、介護、雇用、それから労災、それぞれの保険料率を乗じると社会保険負担額があらあら出てくるわけでありますけれども、これを本人負担と事業主負担合計で見ますと、大学・大学院卒の正規の場合には七千七百万円、それから高卒の正規、これで五千七百万円となります。
  164. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、多分これの半分ということになるんだろうと思いますが。  ちょっと済みません、税負担は現在所得に対して二五%ぐらいの負担なはずなんです。今、所得税のところだけをお話しされました。私は税負担と申し上げたので、消費税とか固定資産税とかほかの税があるはずなんですね。そういう意味では、この程度の一千万とかそれから四百万と、この数字ではないので、済みません、今日はこれの数字しかないのであれば、またこれについて、税負担についてきちんとした数字を教えていただきたいと思います。  委員長にお願いします。
  165. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 後刻理事会において協議をさせていただきます。
  166. 櫻井充

    ○櫻井充君 さて、そこの中で今度は、日本の場合には先ほど教育コストとそれから住宅コストだということを申し上げました。ちなみに、幼稚園から、地方の場合になかなかあり得ないことですが、地方から、公立で、それから大学まで公立に進学した場合の教育コストは幾らでしょうか。
  167. 徳田正一

    ○政府参考人(徳田正一君) お答えします。  子供一人を幼稚園から大学まで全て公立学校へ入学した場合の平均的な家庭の負担は、文部科学省の調査によると八百三十五万円になります。
  168. 櫻井充

    ○櫻井充君 八百三十五万円なんです。  一般的に申し上げると、大体幼稚園は私立なので、幼稚園で、あと全て公立で、もし大学まで卒業できた場合には幾らになりますか。(発言する者あり)ごめんなさい。じゃ、幼稚園から全て私立の場合、これの場合は幾らになりますか。
  169. 徳田正一

    ○政府参考人(徳田正一君) お答えします。  全て私立の学校に通った場合は、約二千百九十三万円になります。
  170. 櫻井充

    ○櫻井充君 多分、これが東京でなかなか子供さんを育て難い最大の理由であって、このほかに、これは塾とか家庭教師とかそういうものは入っていない額ですよね。ですから、これにまだプラスアルファがあること。  それから、もう一つ申し上げておきたいのは、住居手当みたいなものがないので、例えばどこかほかの県に移って生活しますというと、更に負担が増えてまいります。そうすると、お分かりいただきたいのは、生涯賃金が大学卒業者だとして二・五億円、それから高校を卒業して働かれている方が一・九億円で、子供さんが二人いて、仮に、ずっと私立でなくても結構なんです、もうちょっと可能性があるとすれば、大学は最終的に私立になるかもしれないと。  ちょっと、ちなみにこれの額は幾らでしょうか。幼稚園が私立、それから小中高が公立で、大学だけが私立の場合は幾らになりますか。(発言する者あり)いや、あるんですよ、数字が。
  171. 徳田正一

    ○政府参考人(徳田正一君) 今の先生の分でいくと、約九百十五万ぐらいになるかと思います。
  172. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、これ文科省からもらっている資料がありまして、一千百二十五万ぐらいになるんです。このぐらいになります。これは今度は、ですから、例えば地元の仙台の人が東京の大学に進学しました、私立に入りましたというと、授業料込みでこのぐらいの値段になるので、あとは居住費がここに加算されるということになると。この負担が非常に重いわけですよ、他の国と比較すると。  だから、国民負担率を引き上げていくときには、この手の教育コストを削減しないとこれから先、負担割合は上げられないんじゃないかと、私はそう考えますが、これはどちらに聞いたらいいんでしょうか、塩崎大臣にお伺いした方がいいんですか、それとも文部科学省でしょうか。
  173. 徳田正一

    ○政府参考人(徳田正一君) お答えします。  家計の教育負担の軽減についてでございますが、教育の機会均等は重要な課題でございまして、文部科学省といたしましては、家庭の経済状況等にかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての子供、若者が質の高い教育を受けることができるように取り組んでいるところでございます。  平成二十七年度予算におきましても、幼児教育について低所得者世帯の保護者負担の軽減を盛り込むなど、無償化に向けた取組を更に前進させるとともに、学校等奨学給付金の拡充、大学の授業料減免の充実、大学等奨学金の事業の有利子から無利子への流れの加速化等、必要な予算を計上しているところであり、今後とも教育負担軽減の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
  174. 櫻井充

    ○櫻井充君 意気込みは評価いたします。あとは実現していただきたいんですが。  子育ての中で不安要因は何ですかというと、経済的な要因というのが七〇%を超えているんですね。ですから、ここを軽減してこない限りはなかなか少子化の問題は解決しないんじゃないかと。この少子化の問題を解決しないと社会保障制度にも恐らく相当大きな影響を及ぼしてくることになるんじゃないのかなと、そう思います。  そうすると、やはり子育てした方が有利になりますよという社会をつくっていくことになると、例えばフランスのように社会保険料のある部分の減免をするということも一つあるかもしれません。一方で、フランスは、授業料などは私が聞いている限りにおいてはもう無料で、何回でも大学に入れるんだそうでして、そういうことがいいかどうかは分かりません、ずっと大学に入りっきりでそれが社会に生かされないということになると問題がありますから。ですが、ある程度教育コストをまず軽減していかないと対応できていかないんじゃないかということが一つです。  それから、住宅を購入するとどうなるかというと、例えば三千万の住宅でも、今ローンを払うとざくっと申し上げれば倍ぐらい掛かりますから、六千万ぐらい払うことになるわけですよ。そうすると、この生涯賃金の二・五億や一・九億から六千万を差っ引いてしまうと、本当に負担できるというのは限られてくるんですね、大臣。  今の、例えば子供さん二人いて、それから住宅このぐらいのものを造っちゃうと、高校卒業の方の生涯賃金からしてみると、果たしてどのぐらいの負担に耐えられるのかという議論をしてもらわないと、何ともならないんです。  ですから、これからその負担をどうしたって上げていかなきゃいけないわけですよね、少子化になり、それから超高齢社会を迎えるに至ってはですよ。これは当然の流れだと私は思っていますし、それから、一医療人から申し上げれば、今の医療の提供レベルを下げるというつもりは毛頭ございません。もちろん、無駄なところがありますから、そこは改善することが必要だと思います。ですが、こういったことについてちゃんと議論していただいた上で負担を求めるということにしないと、残念ながら国民の皆さんには理解していただけないんじゃないかなと、そう考えております。  改めて、大臣、もう一度ですが、国民負担というのは、先ほど冒頭五〇%というお話をされました。五〇%ということについて耐えられるとすれば、住宅政策なり教育政策というのをある程度考えていかないと何とも負担できないんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  175. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、国民負担率というのは、税とそれから社会保険料、まあ社会保障負担、それに国、地方の借金というものを合わせて潜在的な国民負担率といいますが、さっき申し上げたとおり、抽象的ではありますが、最終的には国民が政府から受けるサービスと政府に税ないしは保険料で供出をする額との見合いをどう考えるのかということに尽きるんだということを先ほど申し上げたと思うんですが、今まさに先生がおっしゃるように、教育あるいは住宅、非常にコストが高いということはそのとおりだと思います。  一方で、今フランスの例が出ましたが、これは今、いわゆる国民負担率は日本が四三ぐらいでありますけれども、向こうは、フランスは六五、六六ぐらいであります。スウェーデンも五六ぐらいであります、表面的には。そういう中でなぜこれだけの負担を満足しているのかといったら、それに見合うだけのやっぱり国からのサービスや地方からのサービスというのが、あるいは現金給付があるからこれで納得しているんだろうと思うんです。  教育の問題も、確かに日本は非常に今数字があったように高いということですが、しかし、アメリカの場合にはもっと高いレベルでありますが、奨学金が物すごく充実をしているとか、そういうこともあって、住宅も似たようなところがありますが、要するに、先生がおっしゃるように、医療の負担を考える際に、教育、住宅などについても暮らしという観点から同時に考えなきゃ駄目じゃないかというのは、私もそのとおりだと思います。  したがって、これから社会保障の見直しとかいろんなことを、これから諮問会議なんかやりますけれども、これはやはりトータルでやっぱり見ていかなきゃいけないというお考えには私も賛同をいたすところでございます。
  176. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  最後に、ちょっと時間がなくなってしまって、お手元に資料をお配りしているかと思いますが、今度、食事が二百六十円だったのが四百六十円に引き上がった結果、一体どういうことが起こるのかと。  これは、ある程度負担の低くなっている人たちもおりますけれど、年収が二百十万円の方々ですと、ここから一食四百六十円の負担をお願いすることになります。四百六十円で一日三食で、平均の入院日数が一般病棟ですと十七・五日なので、十七日で掛けると二万三千四百六十円になります。  ちょっとこれ、うちの資料で、これ年収で割ってしまったものですから一・一一になりますが、これに十二か月を掛けていただいて、十七日しか入院しないので、一か月分の負担になってくると、収入の一〇%を超える、一三%ぐらいの負担になるんです。これに高額療養費負担があったとすると、合わせるとこれとにかく十万円を超す負担ということになります。  ここの図からもお分かりいただけるとおり、所得の高い人たちにとってみれば負担割合は非常に低くて何とかやっていけるのかもしれませんが、三段階に分けていただいていますけど、二百十万の方がここのところまで負担するというのはすごく大変なことだと思うんですね。  食事というのは、例えば糖尿病の患者さんたちから見れば医療ですから、何で医療なのにこういうような負担を強いられなきゃいけないのか、この点非常におかしいと思います。健康づくりのところで、食をちゃんときちんとしなさいというのはこれ厚生労働省が言っていることであって、食事の負担までこうやって押し付けるということは非常に大きな問題で、財源の確保のところは、先ほど申し上げたところで定率負担にすると一兆円ぐらい出てきますから、こういったところをちゃんと上げて、こういったところを何も引き上げるというようなことはしないでいただきたいなと。  済みません、時間になりましたので、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
  177. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。  櫻井議員から、極めて哲学的な議論、あるいは大局的な見地からの議論がございました。私は少し現実的、小局的な議論をしたいというふうに思います。  国民皆保険制度がスタートしたのが一九六一年ですから、五十年を超えるわけでございます。半世紀ぶりの大改革ということであります。我が国では医療保険は強制加入になっているわけでございまして、被保険者は所得に応じた保険料を支払う、その所得に応じた、応じ方の問題は櫻井議員から様々に指摘があったところでございます。  しかし、その一方、その対価である給付、これは所得に応じて増額をされるわけではありません。ここが年金との決定的な違いであります。年金は掛金が増えればもらいも多くなる、給付も多くなるわけであります。したがって、そこでは当然のこととして、被保険者、応能負担の保険料、これやはり、今申し上げたようなことからすれば、払いが多くなったからもらいが多くなるわけじゃない、このことについては、やはり納得性というものについて甚だ問題が出てくるわけでございます。  大臣が衆議院で、基本的に保険料については応能負担の仕組みを国民は選んでいるというふうにおっしゃっているわけでございます。国会がそういう法律を制定しているからといって、国民が納得しているわけではない。現に、被用者保険全体では高齢者医療への拠出金が保険料収入の四割、これはもう各党、与党も含めてみんな指摘をしているわけであります、問題だと。五割を超えている健保組合が三百五組合ある。しかも、団塊の世代が高齢化をしていくと更にこの負担が増えていくのではないかということでありますから、当然、この制度改正に当たって最重要課題というのは、被用者保険サイドの納得性の確保、これをしっかり得ていくということが大変重要であるというふうに考えますが、大臣の見解をお伺いします。
  178. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今後、被用者保険者の高齢者医療への拠出金負担の増加が見込まれるとともに、全面総報酬割の実施によって、結果として報酬水準の高い保険者は負担が増えるわけでございます。このため、厚生労働省としては、被用者保険者を始め関係者の理解を得られるように、様々な機会を捉えて被用者保険の関係者の方々と丁寧に議論を行ってまいったところでございます。  そのような中で、被用者保険者からは、国の財政責任の被用者保険への転嫁との意見があると承知をしておりますけれども、しかし、全面総報酬割で生じた財源を用いて、国民皆保険を支える重要な基盤でございます国民健康保険、ここへの財政支援を拡充をして国民健康保険制度の安定を図ることは、国民皆保険を維持していくためにこれは必要な事項だというふうに考えておりまして、是非御理解を賜りたいと思っております。  いずれにしても、制度改革に当たっては、被用者保険者の納得を得るという、今先生が御指摘になった、この納得を得るということが極めて重要な課題で、先ほど申し上げた国会での議論というのもその納得を得るプロセスの一つだと思っておりますけれども、その認識を先生と共有をさせていただくわけでありますが、今回の改革において、被用者保険者の負担軽減措置として、負担増の半額程度でございます約七百億円の追加支援、これを何とか確保するに至ったというところでございます。
  179. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 そのことを大臣も強く認識をされているということであります。  私も、櫻井議員に倣って、少し哲学的な話をさせていただきたいと思いますが、この国民皆保険制度、一九六一年、この前年に、昭和三十五年ですね、厚生白書が発行されておりまして、そのときに、我が国が福祉国家に至るための条件として、この厚生白書でこのように書かれています。  社会保障を充実させるか否かは、基本的には、国民の間に、社会連帯の思想が、生存権尊重の理念が、どの程度に強く浸透しているかに懸かっていると言わなければならない。人間は、働く義務を持つとともに、市民として生きる権利を持つという思想が、国民の間に徹底し、稼得能力、稼得能力というのは労働を提供することで所得を得る力という、そういう意味だそうでございますが、この稼得能力のない者を貧困のままに、疾病にあえぐ者をそのままに放置しておくことのできない精神が、社会的に組織化され、国家的に確立されるところにこそ、社会保障を成立させる基盤がある。  すばらしい名文であります。私は、この厚生白書の言葉を踏まえて、我が国は今日までの社会保障の歩みを続けてきたというふうに思うわけであります。  しかし、最近、社会保障の各分野で、当事者、関係者の理解と納得を得ていない中で制度改革が行われてしまった例も少なくないと思います。最大のその例が高齢者医療制度だというふうに言わざるを得ません。年齢で一律に区切って疾病リスクの高い高齢者のみを別建てとしている限り、国民各層からの納得性を伴った持続可能な医療保険制度は、これはどう考えても、これどうでしょう、納得性というのはもう出てこないんではないかと思うんですね。  大臣が衆議院で、今回の改革議論では、後期高齢者医療制度について、どうしても抜本改革を行うべきという強い意見はなかったという答弁をされているんですが、社会保障審議会医療保険部会では抜本改革を求める意見が幾度も出され、最後に、せめて検討規定に盛り込むべきだという意見もあったというふうに聞いているんですね。  私は、この高齢者医療制度についての抜本改革の検討、幾ら安倍政権、どうも関心がないと言われておりますけれども、そういうわけにはいかないと思うんです。現政権においてもこの高齢者医療制度の抜本改革の検討はしっかりやっておかなければいけないことだと思うんですが、大臣、いかがですか。
  180. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど私の衆議院での発言を引用いただきましたが、どういうコンテクストで申し上げたかあれですけれども、確かに審議会などの議論の中でいろんなことが出てきたことはそのとおりだろうと思いますが、私のレベルでいろいろ聞いてみたところでは、そういう意見は余り聞かれなかったという意味で申し上げたつもりでございますが。  この後期高齢者医療制度を確かに導入をしたのは、今から七年前でございまして、その際には本当にいろんな議論がありました、そこに至るまでにも随分いろいろありましたが。しかし、現在では私どもとしては十分定着をしていると考え、また、安定的な制度運営が行われているというふうに認識をしております。  このため、現行制度を基本としながら実施状況等を踏まえて必要な改善を行っていくことが適切ではないのかなということで今回このようなことに至っているわけでございまして、後期高齢者医療制度そのものを廃止することは私どもは考えていないところでございますけれども、中長期的な観点からは、これは、高齢者医療の負担の在り方については更なる検討が必要かどうかは今回の制度改正の実施状況なども踏まえて見極めていかなければならないというふうに思っているところでございます。
  181. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 見極めていかなければならないという答弁では、ちょっと私どもは大変不満なんですけれども。  これ本当に、さっきの厚生白書、やっぱり国民全体で支えていくという精神がなかったら、もたなくなるんですよ。そのことは、やはりこの後期高齢者医療制度をこのままにしておいたんではもたなくなると私は同じ意味だと思っているわけで、そのことについてもう少ししっかりした考え方を持っていただきたいと思います。  そこで、後期高齢者支援金の全面総報酬割の件であります。  問題は、全面総報酬割そのものではなくて、これはもう皆さんおっしゃっていることですよ、これで浮いた国費を国保に優先活用している、ここの点が一番問題なわけであります。医療費の適正化策あるいは市町村国保自身の努力もまだ不十分であります。そういう中で、全面総報酬割の導入によって生じた国庫補助の多くを国保の財政安定化の財源とするというのは、これは筋違い。国庫の肩代わり、この肩代わりということを言われたら、もうこれ納得性なんて出てきません。  大臣は、衆議院においてこの問題について、中長期的には、高齢者医療の負担の在り方については、今回の制度改革の実施状況等を踏まえて、見直しの必要性を含めて検討していくべき課題と考えているというふうに答弁されたわけであります。  私も、仮に今回の法案が成立してしまったとするならば、この全面総報酬割の影響の評価、検証は不可欠というふうに考えるわけですが、これは間違いなく行う、そして評価、検証を法律の施行後何年程度を目途として行うことが適切と考えているのか、併せて答弁してください。
  182. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の後期高齢者医療への支援の全面総報酬割による被用者保険者への影響については、私どもとしてもしっかりと把握していく必要があると考えております。  このため、後期高齢者支援金の全面総報酬割が導入をされる平成二十九年度以降につきまして、まず、この導入による各保険者における後期高齢者支援金の増減、そして、約七百億円規模の追加支援を行うわけでありますけれども、これによる各保険者の拠出金負担の減少度合いなどの点について個々の健保組合を始め被用者保険者の状況を適切に把握をし、また評価、検証をしてまいらなければならないというふうに思っております。
  183. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 何年程度を目途として行うんでしょう。
  184. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この支援金につきましては、概算と精算ということでやっておりますので、初年度の実績が出てくるのは翌々年度という状況でございます。そこで一年目が出てまいりますので、三年目には少し議論ができる状況になりまして、四年目になるともう丸々一年間の実績が把握できるかなというふうに思っておりますので、やっぱりそういうことを念頭に置いて検討させていただきたいと思います。
  185. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 分かりました。  そこで、橋本政務官にお伺いしたいと思います。  私が過去の審議においても健保組合の重要性というものを再三取り上げました理由は、この保険者機能、これももうこれまでの議論の中ではさんざん出ているわけであります、この保険者機能が健保組合の場合はしっかり発揮されているという点、ここが重要だというふうに考えるんです。  健保組合の場合も協会けんぽの場合も、従業員やその家族が健康でいて、心身共にベストで仕事をしやすくなる、当然企業の業績も上がるし、さらに直接的な医療費の窓口負担も減る。ここまではいいことずくめなんですね。  健保組合の場合は、そうしたことが保険料率にも影響してくる。事業主にも大きなインセンティブが働く。一方で、協会けんぽの方はどうかといいますと、適用事業所数が百七十万事業所、一支部当たり三万六千事業所。これなかなか、個々の企業で健康づくりの努力を行ったとしても、これは保険料率には反映するというのは、これは大変なことでございます。  橋本政務官、仮に我が国の健保組合が全て解散したとするならば、翌年以降国の財政にどのような影響が生じるか、機械的な数字をお答えいただくとともに、協会けんぽに移行したことで保険者機能を発揮されづらくなって医療費が増大することも見込まれるわけでありますから、そうしたことも踏まえた実質的な推計値をお答えください。
  186. 橋本岳

    ○大臣政務官(橋本岳君) お答えをいたします。  御指摘の国庫補助の影響額につきましてですけれども、厳密な試算をしようとすれば様々な要因がありまして、約千四百ある健保組合でそれぞれ医療費の水準や報酬の水準などが違うとか、健保組合から協会けんぽへ移ることによって保険者による医療費適正化の取組の効果がどのように変化するか見込むことなど難しい面もありますので、正確かどうか、厳密かどうかということは少し議論があろうと思いますが、その上で、国庫補助率一六・四%というのは変わらないという前提の下で、全ての健保組合の加入者が協会けんぽに移行したと仮定して、国庫補助額の変化を機械的に計算をしてみました。  まず、移行後の加入者一人当たりの保険給付費が、現在の健保組合の加入者一人当たりの保険給付費約十三・一万円が変わらずに維持される、要するに保険者機能が健保組合のままだったという仮定の下というか、そのまま機械的に計算をされたという場合では、国庫の負担は約六千三百億円の増ということになります。  移行後の加入者一人当たりの保険給付費が、現在の協会けんぽの加入者一人当たりの保険給付費、これが約十四・四万円となりますが、これと同じ水準に増加をしていくというような前提とすれば、約六千九百億円の増となります。  以上でございます。
  187. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 試算とはいえ、六千九百億円負担が増える、協会けんぽに全部組合健保が移った場合には、こういう数字であります。このことをしっかり踏まえて議論をしていきたいというふうに思うんです。  団塊の世代が高齢化をして、平均寿命の延び、年齢に伴う疾病リスクの高まりを踏まえれば、拠出金がますます増加の一途をたどるということは、これはもう疑いないわけです。  大臣が、拠出金がかなり高いのも事実である、先ほどもそういうふうにおっしゃいました。現状を率直にお認めになっておられますから、今後の高齢化の進展を踏まえるならば、今回、法的に制度とされた拠出金負担が重い保険者への負担軽減策、今百億円という規模、これは拡大していくことが私は必要不可欠だと思うんです。西濃運輸や京樽みたいにどんどん協会けんぽに行ってもらっちゃ困るわけですよ。頑張ってもらわなきゃいかぬ。衆議院では、与党の公明党の伊佐議員も、この百億円はもっと増やしていかなきゃいかぬというふうに発言されているわけです。  大臣、これは認識は同じということだと思うんですけれども、そこをもっと増やしていくという答弁をしてください。
  188. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改革におきましては、被用者保険者への支援として、今先生から御指摘のございました約百億円を含めて約七百億円を措置をしているわけでありますけれども、これは、平成二十九年度において全ての健康保険組合で義務的な支出に占める拠出金負担の割合を五〇%程度以下に抑えるために必要と推計される財政規模六百四十億円、これをカバーできるものとなっているというふうに考えておりまして、当面は高齢者医療への拠出金負担の伸びの抑制に資するものだというふうに考えております。  いずれにしても、今回の制度改革の影響を含め、被用者保険者の負担の状況等を把握の上で必要な負担軽減を行っていくことが極めて重要でございまして、今後ともこの財源確保に向けた努力を精いっぱいやっていかなければならないというふうに考えております。
  189. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 日本語でお答えになると、努力をされるという意味合いというのは、増やしていくという意味合いと理解してよろしいですね。うんうんと言いましたね。  今、大臣が七百億とおっしゃったのは、もう一方では約六百億円の高齢者医療運営円滑化等の補助金、この課題であります。  大臣は、衆議院で、毎年度の予算編成で財務省と調整していくものであるが、被用者保険者に対する必要な負担軽減を行うことが大事であり、今もおっしゃいました、全力で守っていく努力をしなければならないというふうに述べられて、この必要性を認められているわけであります。  不肖私も、政務官時代に行政刷新会議とバトルをしました。減らせ減らせと、同じ党内ですから余り言いたくないんですけれども、言われて、冗談じゃないということで闘った記憶があるわけでございます。  今回の六百億円、こういう金額、大臣や厚労省の事務方の努力を一定程度は認めたいと思いますけれども、今後段階的に総報酬割が進展していくということを考えますと、健保組合の被保険者、事業主の納得を得るためには更にここも拡大が不可欠、先ほど百億円も含めて取り組むというふうにおっしゃいましたけれども、高齢者医療運営円滑化等補助金についてもしっかり増額をしていく、そういう答弁してください。
  190. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今の七百億円、この今回の改革の中でございますけれども、そのうち六百億円程度が高齢者医療運営円滑化等補助金と呼ばれるものでございまして、これを拡充して前期高齢者納付金の負担の重い保険者への支援を行うこととしているわけでございますが、今先生からお話がございましたが、この補助金についても、先ほど同様、被用者保険者に対する必要な負担軽減を行っていけるように、今後とも財源確保に向けた努力を、これもまた精いっぱいやっていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
  191. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 先ほども言いましたように、西濃運輸や京樽のように、もう健保組合やめた、もう一生懸命保険者能力を発揮しても全然認めてくれない、それだったらもう協会けんぽでいいやというふうにみんな雪崩を打っていったら、六千九百億円なんですよ、これ大変なことになりますよ。やっぱり頑張ってもらわなきゃいけないんですよ、組合健保には。だから、そこはやっぱり大臣、言葉どおり本当に増額にしっかり努力をしていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。  次に、多くの皆様がこれまでも指摘をされております患者申出療養、今朝、午前中の参考人質疑でも様々な観点から議論を行いました。  おとといの我が党の足立議員の質問に対して唐澤保険局長が、患者申出療養は正確に申しますと評価療養の一形態という答弁をいたしました。今朝の参考人質疑におきましても、日本医師会さんも、あるいは名古屋大学病院長も、まさに評価療養の一形態、一類型、まあ一形態と一類型の違いは余り大したことはないと思うんですが、そういう答弁を行われたわけであります。  唐澤局長は、午後になってこの発言を訂正されたわけです。名誉のためにちゃんと申し上げておきます。申し訳ないけど、大臣ならしようがないと思うの、分からないから。だけど、専門家である局長が、この制度の根幹部分に関して誤った答弁を行うこと自体が、今回の患者申出療養が非常に私は生煮えのまま提案されているということを、これは恐らく与党の皆さんも含めて認識共通をしているんではないのかなというふうに思うわけであります。  唐澤局長にお聞きしますが、これまで先進医療の対象となった技術数と保険収載された技術数、それぞれどれだけであり、保険収載される比率は約何%なのか、また、保険収載される比率に関して、今回の患者申出療養についてはその数字を当然私は上回ると認識しているんですが、まさか下回るというような認識はおっしゃらないと思うんですが、端的にお答えください。
  192. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 前回の御答弁で大変失礼をいたしました。改めておわびをさせていただきます。また、正確に御紹介いただきまして、ありがとうございます。  ただいま御指摘いただきました先進医療の対象技術数でございますけれども、平成二十七年四月一日現在で百八技術というのが収載をされております、実施されております。そのうち先進医療A、これ六十技術。これは薬事法の、医薬品医療機器法ですけれども、薬事の未承認のものや適応外のものは入っていないもの。それから、先進医療Bの方は四十八技術でございまして、これは未承認や適応外の医薬品や医療機器が入っているということで、こっちの方がハードル高いわけでございますけれども、全部で百八ございます。  それで、この保険収載につきましては、平成二十六年度の報酬改定の時点で、前回の改定の際の状況を申しますと、Aの方の技術のうち八技術というものが保険適用されております。これは、実はその時点では六十五ということで、その後削除した、削ったものもありますので六十五なんですけれども、比率でいいますと一二%という割合で保険適用されているところでございます。Bの方は、これはまだBという区分を正確につくってから日もたっていないということがございまして、保険適用されているものはBの方はまだこれからという、ゼロという状況でございますが、これからという状況でございます。  いずれにしても、保険収載につなげていくことは非常に重要なことでございますので、患者申出療養におきましても、必要な科学的根拠を集積して、これを上回るかどうかと一概には言えませんけれども、上回っていくという気持ちで私どもも臨んでまいりたいと考えております。
  193. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 上回ると考えているですか。当然上回るというふうに答えられるのかと思ったら、まだ自信がないということのようではあります。  続けてお尋ねをしたいと思います。  唐澤局長は、評価療養と患者申出療養はある部分重なるというふうに答弁されているわけでありますが、例えば同じ薬について、評価療養の審査と患者申出療養の審査が重なるということは、同時並行で進むということがあるんでしょうか。そこのところ、しっかり説明してください。
  194. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 原理的にはあり得ると思います。  ただ、私どもが想定をしておりますのは、医療の内容としては重なってくるものは多いと思いますけれども、非常に多いケースとして考えられるのは、例えば先進医療の方で既に実施をしていると、ただし、これは大都市の大学病院で一か所しか、二か所しかしていない、そういうものが患者申出療養の方で患者さんを起点として、ちょっと言い方は適切でないかもしれませんけれども、地方の大学病院などで実施をしていただくというような形があるのではないかと、こちらの方が恐らく多いのではないかというふうに考えております。
  195. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 そうすると、これまでこの衆参両院の審議において、患者申出療養については、保険収載に向けたロードマップの作成等を医療機関に求め、安全性、有効性等の確認を経た上で将来的な保険適用につなげていくこととします、これ、この参議院の厚生労働委員会、衆議院の厚生労働委員会、両方でそういう答弁がこれまで行われてきたわけであります。  このロードマップの作成、これは医療機関にとって明確な義務になるという理解でいいのか。それから、医療機関にとって、ロードマップを作成したとしても、その先において本当に真剣に保険収載に向けて取り組む直接の医療機関のインセンティブがどこにあるのか、しっかり説明してください。
  196. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) まず、保険収載に向けたロードマップでございますけれども、これは当然必要不可欠な書類でございますので、つまり義務として臨床研究中核病院に作成を求めることとしております。  その上で、実施をした例えば主に医療機関、病院でございますけれども、病院と研究者とあるいは企業なども関係してくると思いますが、一つには、研究者の方につきましては、やはり自らの研究が公に認められると、それから国の保険制度ということの中に公的に導入されるということは大変大きな名誉であろうというふうに考えております。  それから、病院にとりましても、やはり先進的な研究に取り組むということで優秀な人材が集まってくる。それから、他の医療機関や研究施設などからも相談なども集まってくると思いますし、それから、やはりそのお話をお聞きをしまして患者の方も集まってくるということで、これは症例がたくさん増えてくるということで、これは病院にとっても非常に意義のあることではないかというふうに考えております。  もちろん、企業は、これは保険に導入をしていくような症例が蓄積されていくということについては、非常に大きな企業にとってもメリットがあるというふうに考えているところでございます。
  197. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 今回のこの患者申出療養制度、これが保険収載されないままに用いられるようになると、これはもう国民皆保険制度を崩壊させることになるわけでありますから、しっかり保険収載に向けて取り組めるようにしていただかなきゃならない。これ、使われないと何のために法改正したんだという話になるし、使っても保険収載されなきゃ、これはこれでまた問題になるということで、非常に問題が多い、生煮えだということを指摘しておきたいと思います。  時間がなくなってきましたが、永岡副大臣にちょっとゴールデンウイーク中のタイ・プーケットへの訪問に関して確認をさせていただきます。  今回、衆議院においては公務ではなく政務ということでありますが、プライベートで費用は賄ったのか、それとも政党助成金等の政治資金が使われたのかどうか。それから、副大臣が使用された旅券の種類、公用旅券かどうか。それから、タイの大使館の関与があったかどうか、大使館員が同行したのかどうか。それからさらに、同行者があったのかどうか等についてお答えください。
  198. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) お答えいたします。  まず、これは公務ではなくて政務での取扱いということでございまして、全部私の私費で伺いました。政党助成金などは全く使っておりません。そして、お伺いいただきました旅券、これも普通の赤いパスポートを使っております。そして、大使館の人間を使ったかということでございますが、それも一切、大使館の方にも連絡をしておりませんので、別に副大臣としての地位を利用してとか、そういうことでは全くございません。  以上です。
  199. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 一国会議員であればそういうことはあるだろうと思うんです。今のお話を聞きますと、全く私的に行かれたということであります。  ただ、副大臣ということになりますと、国家行政組織法においても、一定の要件の下でありますけれども、大臣不在の場合はその職務を代行するというふうに規定をされており、司令塔ともなり得る立場です。  今回のホテルは二泊ともプーケットということですから、日本で一大事が起これば、丸一日以上恐らく掛かると思います。観光事業者や農業事業者との意見交換をされたということでありますが、永岡衆議院議員としては必要であっても、副大臣として私は必要とされる活動ではないと思うんです。  そういう点で、副大臣、もっと、こういうことにエネルギーを割くのではなくて、これから参議院で副大臣の担当の審議が始まるわけです。  以前、昨年の通常国会で、全参議院議員に対して医療・介護法案の誤った資料を事前配付したことで、参議院の本会議も当委員会も全部流れたことがあります。あのときも、衆議院で可決した緩みが事務当局にあった、そのことでそういう事件が起きたわけであります。  参議院軽視の姿勢が永岡副大臣にあったのではないか、軽率な点があったのではないかと謙虚に反省する必要があると思いますが、いかがでしょう。
  200. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 副大臣、時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
  201. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 津田先生御指摘のとおり、私はプーケットに参りまして、農業者の方そして観光業者の方などと意見交換もさせていただきました。  しかしながら、今国会で今、さらに、まさに審議をしております、国民皆保険のベースをこれは持続可能なものにするための保険制度の改正、これにつきまして、大変あちらの方からも御意見をいただきました。それは、やはり日本の国民皆保険、それがどのぐらい有用かということでございます。タイのかの地におきましては、残念ながら、所得のある方はしっかりとした医療が受けられるけれども、しかしながら、低所得者の方々の医療につきましては大分そのアクセスに差があるということなども伺いまして、この審議をしっかりとやらなければという気構えで帰ってまいりました。  しかしながら、津田先生のおっしゃることを肝に銘じまして、副大臣としての職務、これからも一生懸命果たさせていただきたいと思います。  ありがとうございます。
  202. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 終わります。
  203. 川田龍平

    ○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。  まず、配付資料一を御覧ください。  仮に患者申出療養として入院費用などを保険診療扱いとして三割負担になっても、高額な薬剤費のために全額自由診療の場合とほとんど負担が変わらないことが分かります。親などが、五十代の男性というモデルですけれども、末期がんに苦しんでいるときに、このような金額を出せる方は限られるのではないでしょうか。国立がんセンターの藤原先生でさえも払えないとおっしゃっていました。  このように薬剤費が高額化している今、患者が望むのは、繰り返しですけれども、やはり安全性、有効性を治験によって確認して、薬事承認されて保険収載がされることなんです。混合診療によって患者の負担が減るというのはちょっと違うのではないかと私は思います。  結局、患者申出療養は、高所得者しか使えず、低所得者の保険料で高所得者の医療費を支えてあげている構図じゃないでしょうか。このグラフを御覧になっての大臣の見解を求めます。
  204. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の患者申出療養に関連しての御質問であろうかと思いますが、今回の制度は、困難な病気と闘う患者さんが保険収載までの間に国内で未承認の医薬品などを安全性、有効性を確認しつつ迅速に使いたいと、こういう強い思いがあって、今回の患者申出療養というのはこういう思いに応えるためにつくるということでございます。  その上で、保険外併用療養費制度における保険外の医療費については、医療保険の給付は行われないで、患者と医療機関の合意によって社会的に見て妥当、適切な範囲で決定されるものだということでございます。  このため、今お配りをいただきましたグラフの医薬品について、患者申出療養の申出が行われた場合の薬剤費についても社会的に見て妥当、適切な範囲で決定されるべきものと考えるわけでありますが、将来的な保険適用につなげて、広く国民が医療保険制度の中で先進的な医療を受けられるようにするための制度ということで、これを進めてまいりたいというふうに思っております。
  205. 川田龍平

    ○川田龍平君 このように高額な新薬が相次いで発売されている事態に対して、開発研究に巨額の費用が掛かるからだと主張がありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。  最近登場する抗がん剤の多くは原価計算方式で算定されており、製薬企業側が提出する原価は妥当なのかという疑問の声が中医協で医師代表からも上がっていると聞いています。製薬企業側は、諸外国と比較し日本が最高額だったケースはないことで正当性があると強調していますが、そもそも米国を始め諸外国での価格が適正なのか、私は大いに疑問です。  配付資料の二を御覧ください。  これは、昨年の十一月六日のイギリスのBBCニュースで報道された内容で、BBCのウエブサイトの掲載されている表を私の事務所で翻訳したものです。製薬業界の利益率がほかの業界と比べて格段に高いことと、それから新薬の開発研究よりもむしろ営業、マーケティングに多くの費用を掛けていることが分かります。この中には当然、医師個人への講師謝金や原稿料、コンサルタント料も含まれていると私は解釈していますが、直近では競合する薬が発売されるようになって、製薬会社各社は割引価格での販売を始める動きも出ているようですが、新薬が超高額になっている実情とその対策について厚労大臣の見解を求めます。
  206. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 言うまでもなく、日本の新薬の価格というのは、薬価というのは、中医協で定められた薬価算定のルールでございます薬価算定基準に基づいて決定をされておるわけでございます。  新薬の薬価が高額ということで今御指摘をいただいたところでございますけれども、薬価の算定は、先ほども先生からもお話ありましたけれども、二つあって、一つは、効能、効果等から類似の薬剤がある場合、これについてはその類似薬の相当の薬価として有用性等を評価して加算を行うということになっております。もう一つは、類似薬がない場合でありますけれども、製造原価等に基づき薬価を定めるということになっていますけれども、いずれにしても、透明かつ公正なルールに基づいて当該新薬の価値に見合った薬価が算定されているというふうに思うところでありまして、一方で、薬価の収載後は市場実勢価格に基づく薬価の見直しを行って、画期的新薬のイノベーション評価と、それから薬剤費の適正化の両立を図るということをやっているわけでございます。
  207. 川田龍平

    ○川田龍平君 今月十三日に中医協は、C型肝炎治療の新しい飲み薬を保険適用することを了承しました。米国に本社があるギリアド・サイエンシズ社のソバルディというこの新薬は、配付資料の三の表のとおり、一日一錠、六万一千七百九十九円、これまでの注射薬が不要になる画期的な薬とはいえ、一日六万円、十二週間で治療するとして約五百五十万円、従来のインターフェロン治療より三百万円以上高くなる計算です。  これが、十八日に開催された肝炎治療戦略会議でこのソバルディを国の助成対象に加えることが決まったことは、全国の患者からは待ちに待ったとの歓迎の声が上がっています。今回の助成により、患者負担は高くても月二万円で済むことになるということですが、これだけの高額な薬価算定により、国の医療費負担、保険財政、そして助成によりどのくらい増加することが見込まれているでしょうか。一方で、がん患者への進行を遅らせることにより、将来の医薬費の負担をどれくらい減らせると効果を見込んでいるでしょうか。
  208. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) C型肝炎治療薬のソバルディでございますけれども、この薬自体は、よく知られておりますように、インターフェロンが不要であるということと、それからウイルスの除去率が非常に高い、一〇〇%近いというような、もう本当に画期的な医薬品でございます。  非常に高額なわけでございますけれども、企業による予測でございますと、この投与対象者は約一万九千人というふうに見込んでおりまして、ピーク時で年間約九百八十七億円の売上げというふうに企業の方では見込んでおります。薬価は、先生が先ほど御指摘いただいたとおりでございます。それから、これはC型肝炎の治療ができるわけでございますので、医療費の削減ということも期待できるわけでございます。  現在までの私どもの得られているデータには一定の限界もございますけれども、例えば肝がんの減少について一定の前提でざっくりと計算をしてみますと、幾らとは言えませんけど、例えば一年当たりの現在の肝炎の治療薬の薬剤費、これが大体六百八十万円というような金額でございます。また、肝移植をした場合の費用が二百二十万円というような金額でございますので、こうした費用につきましては削減が期待することができるのではないかと考えております。
  209. 川田龍平

    ○川田龍平君 このソバルディという薬は、米国では、配付資料の三に、左下の方にあるとおり、一錠千二百ドルと超高額で、これは米国の政府に薬価交渉権がないために企業の言い値だからということですけれども、二〇一三年には、世界のトップレベルのがん専門医の百人以上が、がん治療薬が高過ぎるとして値段を下げるべきとの声明を発表して、また、今年に入ってから、二月には、約十三万人の内科医が加盟する米国の内科学会が、余りに高額で患者も医師も負担に耐えられない新薬が増えていることを懸念して、高額化する処方薬に対応を求めるキャンペーンの支持を表明をいたしました。日本が、公的保険の単一支払者制度であるために政府に薬価を決める権限があることがいかに有意義かというのが分かります。  このギリアド・サイエンシズ社では、更に高価なハーボニという新薬の開発に成功しており、昨年十月に米国で薬事承認を受けています。また、五月十四日の当委員会で羽生田先生が配付された資料にもありましたように、年々、医薬品の輸入額というのは増え続けています。是非、公的保険による単一支払制度というものを堅持していただいて、薬価交渉権を国が握ってやっぱり離さないようにしていただきたいと思いますが、大臣の見解を求めます。
  210. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 薬価につきましては、あらかじめ中医協が定めたルールに基づいて、中医協の審議を踏まえて最終的には厚生労働大臣が全国で単一の価格を決定をするということになっています。  このような薬価制度については、国民皆保険の中で全ての国民がどこでも一定の自己負担で必要な医療を受けられるための重要な制度でございまして、今後とも、薬剤費の適正化、そしてイノベーションの評価等の観点から、今の制度をしっかり適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  211. 川田龍平

    ○川田龍平君 この配付資料の四を御覧ください。このソバルディの一錠六万一千七百九十九円という薬価は、この表の左側の類似薬効比較方式Ⅰにより算定されました。今回、この中の画期性加算一〇〇%が認められ、加算といっても倍額に補正されて、更に外国平均価格調整ということで価格を引き上げました。その具体的な数字は、先ほどの配付資料の三のとおりです。  従来の類似薬との薬効の比較では二万三千三百九十六円と算定したのを、画期的だとして倍額の四万六千七百九十三円とし、さらに、米英独仏四か国の平均価格と大きな差が出ないように、六万一千七百九十九円に引き上げたということです。  余りに極端に諸外国より安くしてしまうと、企業が日本市場に参入してこないという理屈は分かりますが、しかしなぜこの四か国とだけ比較をするのでしょうか。今や市場は世界に拡大をしています。このソバルディは、エジプトでは米国での価格の実に九九%割引き、僅か千二百円余りで販売されているんです。  先ほど御答弁いただいたように、日本は貴重な保険財源や国庫助成で何とか二万円まで患者負担を少なくする一方で、エジプトでは最初から千二百円で売られているというこの実情は、結果として日本の国民が世界全体での企業の利益を必要以上に支えている構図があるように思えるのですが、厚労省の見解を求めます。
  212. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この外国薬価制度につきましては、これは元々日本の価格が高いのではないかという御指摘がありまして、諸外国と適切な比較をすべきだということの中で今日まで長い歴史を重ねてまいりました。その際に、やはり薬事承認制度でありますとか、あるいは医療保険制度、あるいは医療制度というものが我が国と同じような、同等の水準にある先進国について対照するということで、今この四か国を対象としているところでございます。  これは、ほかにも、例えばオーストラリアであるとかカナダでありますとか、そういうところも対象にすべきだという御議論がありまして、中医協で議論していただいておりますが、まだそこまで、ちょっと違いが大きいということで、今はこの四か国でございます。エジプトの方のこの金額というのは、私どもは報道でだけお聞きをしておりますけれども、なぜこういう価格付けになっているかということについては、ちょっと私どもも把握をしておりません。  いずれにいたしましても、中医協の審議をきちんと経て、そして先ほど先生御指摘いただきましたように、国で、きちんと公の場で、透明で加算の根拠もはっきりさせて、国民の皆様に分かるようにお示ししていただくことが適正な価格を設定する上で非常に重要なことだと考えております。
  213. 川田龍平

    ○川田龍平君 この新薬の高額化について厚労省がいかに否定をしようとしても、患者の間にはこういう実感がやっぱり確かにあるのです。  医薬品や医療の高度化を理由に挙げるのであれば、新医薬品の薬価算定において、費用対効果、つまり、高い薬を飲んでも、それで長期的に疾病が減り、将来の医療費負担がこれだけ減るのだということをデータで証明するべきと考えますが、このことは中医協で議論が始まったばかりと聞いています。今後の検討スケジュールを含め、政府の取組を御説明ください。
  214. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 先生御指摘のように、特に分子標的薬でございますとかあるいはバイオ製品でございますとかということで、医薬品の新薬の価格が高くなってきていることは事実でございます。そういうようなことも背景にございまして、私どもも革新的な医薬品あるいは医療機器などの診療報酬上の評価に当たりまして、費用対効果の観点を導入することにつきまして、平成二十四年の五月より、中医協におきまして、費用対効果評価専門部会を設置をいたしました。これまで議論を重ねてきているところでございます。  日本再興戦略改訂二〇一四におきましては、革新的な医療技術等の保険適用の評価に際し、費用対効果の観点を平成二十八年度を目途に試行的に導入するということにしておりますので、私どもは、次期診療報酬改定を念頭に置きまして引き続き中医協において議論を進めていただきたいと考えております。
  215. 川田龍平

    ○川田龍平君 それでは次に、ドラッグラグの問題についても伺います。  今日の午前中の参考人の発言にもありましたし、それから国立がん研究センターを視察した際にも、先進医療評価室長の藤原康弘先生は、アメリカ食品医薬品局、FDAでの審査スピードは、がん領域に関しては日本とそれほど変わらないと話されていました。さらに、米国では、承認しても安全性、有効性が認められなかった場合には、六か月程度で薬事承認を取り下げることもしているとのことで、それを踏まえれば、日本において未承認の抗がん剤の審査についてはこれ以上スピードを早める必要はないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  216. 神田裕二

    ○政府参考人(神田裕二君) がんなどの重篤な疾患で苦しんでいる患者さんに対して有効かつ安全な治療薬をできるだけ早く届けるということは、重要な課題だというふうに考えております。このため、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議におきまして、欧米で承認されているが日本で承認されていない、いわゆる未承認・適応外薬につきまして、患者でありますとか学会から要望を受け付けまして、医療上の必要性を評価した上で、製薬企業への開発要請ですとか公募を通じまして日本において薬事承認が取得されるよう努めているところであります。また、早期に承認されるよう医薬品医療機器総合機構の審査体制の強化も図っておりまして、審査ラグについては御指摘のようにおおむね解消しているところであります。  いずれにしましても、承認審査の過程におきましては有効性、安全性をしっかりと確認した上で承認することといたしておりますので、承認期間の短縮によって有効性、安全性の確認がおろそかになることがないよう引き続き適切な審査を行ってまいりたいというふうに考えております。
  217. 川田龍平

    ○川田龍平君 次に、アメリカのコンペンディア制度について伺います。  先ほどの藤原先生によれば、アメリカでは、未承認でも保険上の措置で適応外薬の薬剤費が保険償還されるコンペンディア制度があると聞いています。国立がん研究センターの堀田理事長は、用法や用量が明らかに異なる適応外使用は治験を原則とし、先進医療評価制度を弾力的に運用するなどを条件にすれば、現法体系下でも適応外使用は可能であるとしていますが、抗がん剤などのドラッグラグの解消に役立つとされる日本版コンペンディア制度の導入について、厚労省の見解を伺います。
  218. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 米国などで導入をされておりますいわゆるコンペンディア制度でございますけれども、これは医薬品の適応外使用につきまして査読のある世界的雑誌に掲載をされ、さらに第三者評価機関で評価をされ了承されれば、薬事承認がなくとも公的医療保険制度で償還される、費用が認められるということでございますけど、そういう制度であると承知をしているところでございます。  我が国の場合でございますけれども、安全で有効な医療を提供していくという観点から、原則として薬事承認されたものを保険適用するということにしておりますけれども、例外的に、国内で承認をされて再審査期間が終了した医薬品でありまして、再審査期間七年ぐらいは少なくとも必要ですが、学術上の根拠と薬理作用に基づく適応外使用の場合、こういうケースは個々の症例ごとに個別に保険適用の可否を判断して認めているものもございます。これは、審査支払の過程でそういうことを認めているものもございます。  ただ、本当の意味での新薬に近い適応外のような場合には、なかなかこれで認めるというようなものは難しい面がございまして、かなりレベル高いものがございますので、こちらの方につきましてはやはり薬事承認をきちんと取っていただいて、そしてそれを早期に保険適用につなげていくということが重要ではないかと考えております。
  219. 川田龍平

    ○川田龍平君 民間保険の先進医療特約についても伺います。  藤原先生は、先進的な医療は民間保険会社にとってビジネスチャンスだと述べられました。  例えば、アメリカンファミリーのアフラックでは、支払の限度額二千万円まで保障、高額な先進医療の自己負担に備えられますとして、月額九十九円の総合先進医療特約を発売しています。このアフラック社のディスクロージャーの資料を見ますと、保有契約高は二〇一三年度末で約八兆円、これを単純に二千万円で割れば約四十万件の契約、毎年四億八千万円の保険料収入があることが分かります。支払実績は公表されていないので分かりませんが、先進医療の全利用者は二〇一三年度の実績で九百六十六人、自由診療部分は三億九千万円です。一方で、先進医療給付金の医療機関宛て直接支払サービスを始める保険会社が既に出てきています。  このように医療の世界に民間保険がどんどん広がっている実情について、厚労省はどのように考えているのでしょうか。
  220. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 民間保険が広がっているということについては、先進医療特約というような形で普及をしていることについては私どもも承知をしております。  公的保険と民間保険の関係をどういうふうに考えていくかというのはなかなか難しい問題でございますけれども、私どもは、何度も申し上げておりますように、基本的な診療とそれから必要なイノベーションというものはやはり保険の中できちんと適用できるようにしていくということが基本ではないかと考えております。
  221. 川田龍平

    ○川田龍平君 最近とみに厚労省から保険会社への現役出向が増えていることが気になります。  アメリカでは、保険証の種類で受けられる医療が異なり、治療法を医師ではなく保険会社が決めるという実態になっています。皆保険制度の堅持のためにも、厚労省は民間医療保険の加入状況や保険金の支払の実態などを調査すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  222. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 先生御指摘のように、アメリカの場合はもうそれぞれの人ごとに適応薬も違いますし、適応できる技術も変わるということで非常に複雑で不安定な状況があるのではないかと思っておりますけれども、我が国はそのような状況にしてはなりませんので、きちんとした技術は保険で適用していくということではないかというふうに考えているところでございます。
  223. 川田龍平

    ○川田龍平君 民間保険の方の実態を調査すべきではないかと。いかがでしょうか。
  224. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 民間保険の実態でございますけれども、先日、日本医師会の研究機関の方でもこの民間保険の研究データ、出ております。私どもは、そういうデータを活用したり、それから保険の協会もございますので、そういうところからもデータを収集いたしまして、必要な研究をしてまいりたいと考えております。
  225. 川田龍平

    ○川田龍平君 金融庁の方でも、先進医療特約などの特約ごとの保険金支払状況は把握していません。この患者申出療養が始まれば、これに対応する特約も当然出てくると思われます。保険局は、金融庁とも連携して、是非民間医療保険の動向にも注意しつつ公的保険制度の維持に全力を挙げていただきたいと思います。  二〇〇一年の財政制度等審議会は、民間保険の普及を背景に、一定金額までの医療費について免責制を導入すべきとの提言を行いました。さらに、財政審は、二〇〇三年には、いわゆる混合診療の抜本的拡充、先進医療に対する公的保険適用の在り方の見直しも主張しました。  このような公的医療支出を削減したいとする財務当局の思惑は、民間医療保険やがん保険市場を拡大したい生命保険業界の思惑と一致しています。そういう中で患者申出療養の創設であることを私は指摘しておきたいと思います。  このままでは、いつかこの国でも公的保険の保険証一枚では医療機関にかかることができなくなり、低所得者も無理をして民間保険に加入せざるを得なくなり、民間保険ごとに制限された医療しか受けられなくなるのではないかと懸念をしています。あるいは、生活保護に陥って医療扶助に頼ることとなり、結果として国家の財政負担が増えることになってしまうのではないでしょうか。そうならないようにするためには、保険外併用療法を保険外に留め置くのではなく、公的保険収載への道筋をはっきりと明らかにすることが必要で、また、公的医療保険において低所得者対策をしっかりと行うことが重要と考えますが、大臣の見解を求めます。
  226. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 現在行われております先進医療、これは医療機関に対して将来的な薬事承認、これに向けたロードマップの作成を求めて、保険収載に必要なデータとかエビデンスとかを集積に資するように努めておりまして、保険収載につながるように引き続きこれは取り組まなければならないと思っております。  今回の患者申出療養、これにおいても、保険収載に向けたロードマップの作成などを医療機関に求め、そして、医療機関から国に対して一年に一回は実施状況を報告をさせると。計画どおりに進んでいなければ、これは追加的に報告を求めると。必要に応じて患者申出療養から外すということも含めて対応していかなければならないというふうに考えております。  こうした仕組みを通じて保険収載に必要なデータとかエビデンスを集積をして、安全性、有効性などの確認を得た上で将来的な保険適用につなげていくというのがこの制度の根幹でございます。
  227. 川田龍平

    ○川田龍平君 次に、患者申出療養の実施体制について伺います。  患者への安全性、有効性の説明を担うなど、この制度の根幹を担う臨床研究中核病院については、今後、社会保障審議会医療部会の審議を経て基準を満たした病院を承認していくとのことですが、制度開始の来年四月までに何か所整備できる予定でしょうか。現在、何か所の病院から申請が上がっていて、具体的に今年度のいつ頃、何か所承認できるのかのスケジュールをお示しください。
  228. 二川一男

    ○政府参考人(二川一男君) 臨床研究中核病院についての申請、承認の状況でございますけれども、本年四月にこの制度が開始をされておりまして、初回の承認審査を行う申請の受付をこの四月一日から五月十五日まで実施をしたところでございます。現在、十一の病院から申請書が提出されているところでございます。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  承認の時期とか病院の数につきましては、今後、実地調査をした上で審議会において審議がなされるものでございまして、現時点でお答えすることは困難でございますけれども、この承認の取扱いにつきましては、可能な限り速やかに検討してまいりたいと考えているところでございます。
  229. 川田龍平

    ○川田龍平君 同じく基幹的役割を担う特定機能病院については、東京女子医大と群馬大学病院が指定を取り消された上に、残りの八十余りについての安全管理体制の集中検査を厚労大臣が指示したとのことですが、来年四月までにその全ての検査を終えるつもりがあるのでしょうか。
  230. 二川一男

    ○政府参考人(二川一男君) 御指摘のとおり、今般、大学附属病院等の医療安全に関する重大な事案が発生した背景といたしまして、病院管理者、院長が権限と責任を持って病院の管理運営を行うことが実質的にできていないなどのガバナンスの問題があるということを社会保障審議会から指摘をいただいたところでございます。  これを受けまして、この四月三十日に大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォースが設置され、五月十四日に第一回開催したところでございます。今後は、近日中に第二回のタスクフォースを開催をし、集中検査に関する検査項目を定めた上で、六月からになると思いますけれども、三か月程度でできる限り多くの特定機能病院への集中検査を実施し、実態把握の取りまとめを行いたいと考えているところでもございます。  また、取りまとめの時点におきまして、仮にまだ検査に行けていない特定機能病院がある場合につきましても、速やかに検査を続け、できるだけ早期に全ての特定機能病院について検査を完了したいと考えているところでございます。
  231. 川田龍平

    ○川田龍平君 大臣、そんなに焦ってやるべきことなんでしょうか。  そもそも臨床研究中核病院は、日本再興戦略や健康・医療戦略に基づき、ICH―GCPに準拠して国際水準の質の高い臨床研究や治験が確実に実施されるよう、この四月から法定化され、医師主導治験や査読論文の数、実施体制、施設・人員要件など高い水準の基準が設けられています。  また、特定機能病院は、地域の難病患者にとって不可欠な高度な医療の提供、医療技術の開発、評価、研修など、この国の医療を引っ張っていく存在です。  患者申出療養の開始に間に合わせるためにずさんな審査や検査とならないように、この患者申出療養の制度は一旦棚上げして、臨床研究中核病院や特定機能病院の体制整備、立て直しをまずは徹底して行うべきではないでしょうか。  大臣、通告していませんが、是非答弁をお願いします。
  232. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回のこの大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォースというのは、この名前にございますように、医療安全の、先ほど医療分科会からの指摘がガバナンスの問題について特にあったと、こういう話が局長から申し上げたところでありますけれども、今回の立入りは、このガバナンスの仕組みそのものについてどうなのかということなので、実際の医療の中身について点検をするということではなくて、その手前の、組織として安全体制を組めているか、ガバナンスが利いているのかと。どうも見ていると利いていないね、病院長が本当に最終責任者としてやっているのかと。この辺が非常に、何というか、いろんなケースがありますけれども、大学そのものが関与があったり、いろんな形で安全の仕組みができていても、それが機能していない。そのガバナンスの仕組みは一体どうなっているんだろうか、それを至急まず調べようじゃないかということで、これを今三か月ということで申し上げているので、今回の患者申出療養とリンクしているわけでは決してございませんが、いずれにしても、これは特定機能病院として大変問題があるというのは、群馬あるいは女子医大、そしてまたさらには聖マリアンナ等々ございますので、ここのところを、大学病院を始めこういったところを徹底的にまずガバナンスの仕組みを点検しようと、こういうことでございますので、患者申出療養とは必ずしもリンクするものではないということでございます。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
  233. 川田龍平

    ○川田龍平君 やはり安全とそれから有効性というものをしっかりと審査をしてもらわなきゃいけないところでもありますし、本当に病院の機能をしっかりしていくということはとても大事なことだと思います。  この患者申出療養の実施に人員が割かれてしまって、今この国の医療に最も必要な国際水準の臨床研究の推進に水が差されてしまうのではないかということを懸念しています。実施体制の整備というものをしっかりお願いしたいと思って、この臨床研究の方もしっかりやっていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  234. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  一日六百円、一か月になると一万八千円の入院食費の負担増の問題です。  大臣は、本会議で、低所得者の負担を据え置くなどの配慮を行っている、あるいは受診抑制や医療費の膨張は起こらないという答弁されました。しかし、衆議院では、受診抑制をするということは、結果として医療費が増えるということはあり得るという答弁もありました。矛盾しているんじゃないでしょうか。
  235. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 結論から申し上げると、矛盾はしていない発言を二か所でしているというふうに思います。  四月二十四日の衆議院の厚生労働委員会における答弁では、一般論として、患者負担の引上げによって医療機関の受診が遅れて、そのために重症化をすれば医療費に影響することはあり得るとお答えを申し上げました。  一方で、五月十三日の参議院の本会議におきましては、今回の見直しに当たっては、低所得の方の負担を据え置くなど、必要な受診が抑制されないよう配慮を行うことから、重症化や医療費の増加を招くとの御指摘は当たらないと答弁をしたものでございまして、衆議院での答弁とは矛盾をしていないというふうに考えます。
  236. 小池晃

    ○小池晃君 私は衆議院の議事録も見ましたけれども、決して一般論ではなかったと思います。今回のやはり制度がという質問に対してこう答えている。しかし、大臣は、受診抑制すれば結果として医療費が増えるということはお認めになる。じゃ、受診抑制に本当にならないのか。  この案が通りますと、一か月入院した場合、先ほど櫻井委員も指摘をされていましたが、医療費八万円、高額療養費の対象にならない食事負担は四・一万円、合わせて十二万を超える負担になるわけですね。平均的な給与だと三十万、まあ月三十四万程度ですから、これ給与の三割超える負担になっていくということになります、平均的な方でですよ。  局長、これで配慮したと言えるんでしょうか。これで受診抑制が起こらないとどうして断言できるんでしょうか。
  237. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 今回の見直しにつきましては、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、入院と在宅医療の公平を図る観点から食事代についてお願いをしているわけでございます。これは、療養病床に入院されている六十五歳以上の方については既に負担をいただいておりますし、介護保険施設における平均的な負担額を踏まえて、食材費に加えて調理費相当分の御負担をお願いをするというものでございます。この金額は、先生の今御指摘いただきましたように、十七日入院するということにいたしますと、約二万三千円の負担というようなことになってまいりますので、食材費や調理費の相当額はこれは在宅でも御負担をいただいておるわけでございますので、この御負担については御理解をいただきたいと考えております。  それから、もちろん低所得の方につきましては、これは引上げをしないということにしているわけでございます。
  238. 小池晃

    ○小池晃君 いや、その公平論というのはちょっと後で議論したいと思うんですが。  入院すると仕事もできなくなるわけで、今でも医療の現場では、入院勧めても、やっぱりこれは仕事が大変だから何とか通院でお願いしますという実態があるわけですよ。そこでやっぱりこの食事代が、高額療養費の対象にはならない部分が上がれば、私はこれ必要な医療が受けられないという事態が起こってくる危険性は極めて高いと思います。  それから、弱者に配慮した、弱者に配慮したと大臣は繰り返すんですが、これ現実を見ていないんじゃないか。全国心臓病の子どもを守る会がこの間行った調査でも、重症の心臓病で手術、入院、在宅療養を繰り返している病児の保護者にとって、入院時の大きな負担となっているのが高額療養費の対象にならない食費あるいはリネン費なんですね。  熊本県にお住まいの純型肺動脈閉鎖症に苦しんでいる八歳の男児の親御さんからお話聞きました。シャント手術二回、グレン手術一回、その後、在宅酸素療法をやっている。五歳のときにフォンタン手術をされている。この方はこうおっしゃっているんですね。病児を一人でも持つということは家計に相当な負担を強いられます、病状が落ち着くまでは、まず母がフルタイムでは働きません、夫の収入が不安定なら家計全体が不安定になります、予防接種代、風邪を引きやすいための通院費、感染症に掛からないための予防のための医療費、入院に伴う必要経費、兄弟の預け代、保育代、酸素ボンベを運ぶための交通費、小さな出費が重なると山のようになり、確実に家計を圧迫するのです、少しでも医療費が少なくなりますようにと心から祈るばかりですと。  私、こういう声に耳傾けるべきだと思いますよ。この方は難病ですが、この値上がりがそのまま襲う人たちなんですよ。二百六十円が三百六十円、四百六十円になるんです。こういう方たちに更に月一万八千円の負担増を浴びせる、これで弱者に配慮したと大臣繰り返すけれども、そんなことだと言えるんですか。
  239. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の入院時の食事代の見直しに当たって、小児慢性特定疾病、それから指定難病の患者の方については、本年一月から入院時の食事代が原則として一部自己負担となった影響を踏まえまして、負担額を据え置いたところでございます。  今回の見直しは、先ほど来申し上げているように、高齢化の進展等に伴って地域包括ケアシステムを構築する中で、入院とそれから在宅療養の公平を図るために行うもので、ただし、今お話がちょっと出ましたけれども、負担能力に配慮をして低所得の方の負担は据え置くとともに、一般所得の方についても急激な負担増とならないように段階的に二十八年度と三十年度に百円ずつ上げるという配慮をしているところでございまして、さらに指定難病のお話がございました。これは本年七月一日に現行の百十疾病から三百六疾病に拡大をする予定でございまして、指定難病の認定基準に該当する患者の方は医療費助成の対象となるとともに、今回の改正法案における入院時の食事代の見直しについても負担が据え置かれるということになっているところでございます。
  240. 小池晃

    ○小池晃君 聞いていないことまで答えているんですけど、私そのことを言っているんじゃなくて、そういう人でもこれだけ負担増になる、これが果たして弱者に配慮したと言えるんですかと。しかも、指定難病についても、難病据え置いた、据え置いたというふうにこの間ずっと胸張っているんだけど、これ一月から負担増になったばかりだから、さすがにこれは対象にできなかったというだけの話じゃありませんか。  やっぱり、おとといも若干議論あったけど、今紹介した心臓病のお子さんのような、もう難病としか言いようのない状態ですよ、こういった方もたくさんいる。あるいは、がんというのは難病指定じゃないわけですから、非常につらい状況で治療をしているわけですよ。こういう人にまで負担増をかぶせる、これで弱者に配慮したと言えるんですかと。  私は、弱者に配慮しというんだったら、今回これもう撤回すべきだと思うし、そんなに言うんだったら、難病、小慢だって今年の一月から自己負担導入したこと、これ撤回すべきだと私は思いますけど、いかがですか。
  241. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 原則は先ほど申し上げたとおりでございますので繰り返すことはいたしませんが、私どもとしては、この入院と在宅療養の公平性を図るという範囲内でこれをやらせていただくということで、低所得のラインをどこで切るかとかいろいろな問題はもちろんあって、そのボーダーラインのところでは必ず先生からの御指摘を受けるようなことはあり得るわけでございますので、そういう中で別途、小慢についても、あるいは指定難病についても、指定の見直しということを別途やって、それなりのやっぱり配慮をしなければいけないという疾病については、それに取り込むということをしているわけでございます。  ちなみに、先ほどお話がございました心疾患の中でも、例えば拡張型の心筋症とかファロー四徴症などが、この七月から小児慢性特定疾患に該当されるということになるというふうに聞いております。
  242. 小池晃

    ○小池晃君 私は、これは配慮したという中身になっていないですよ、この実態を見ると。  それから、先ほどから何度も何度も繰り返している公平論。これ、そもそも振り返ると、二〇〇五年に介護施設の食費、居住費を自己負担にしたときに、これは介護施設、特に特養ホームはついの住みかだ、生活の場なんだ、だから在宅との負担の公平を図るというふうに言った。  それから、二〇〇六年に六十五歳以上の療養病床の食費、居住費負担を決めたときは、これは介護施設と病院の負担の公平だと。つまり、介護施設も療養病床も生活の場だから、実態としては、だから、同じだから負担をそろえると言ったわけですよ。  今回の改定は、局長、そうした長期療養施設でもない、治療のために短期間入院する、そういう場合も介護施設と同じだけの食費負担を取るということでしょう。今までのロジックと全く違うじゃないですか。こんなことが通用するんですか。いつも公平、公平と言っているけれども、公平の中身、全く違いますよね、議論としては。そのことを認めてください。
  243. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 食事代をどの水準で御負担いただくかということにつきましては、今先生から御指摘ございましたように、二〇〇五年、平成十八年のときに、介護保険におきまして、御指摘のような介護保険施設はある種の住居であるという御議論がありまして、食材費、あるいはそれに生活分というような御議論ありましたけれども、御負担をお願いしたわけでございます。  もちろん、今回は急性期病院の入院でも四百六十円の御負担をいただくわけでございますので、当時とは、ついの住みかであるかどうかという観点とは違う観点から御負担をお願いしているのは事実でございます。それは、在宅との公平という観点から、社会保障国民会議の中で、負担能力に応じた負担をお願いしたいという御議論を踏まえまして今回の御負担をお願いしている、ただし低所得の方については据置きをしているということでございます。
  244. 小池晃

    ○小池晃君 今までの論理とは違うということをお認めになった。とにかく公平とさえ付ければ、どんどんどんどん負担水準高くするところに持っていったら、みんな高くなっちゃうんですよ、こんな議論やっていたら。私、本当にこれは無責任な議論だと思う。  在宅との公平というふうにおっしゃるけれども、入院患者というのは、在宅で治せない重症だから入院するんですよ。入院治療の間は仕事もできないんですよ。入院食は治療の一環なんですよ。特に急性期病床で言えば、これは明らかなんですよ。  在宅で入院と同じような食事指導できるんですか、食事管理ができるんですか。できないじゃないですか。どこが公平なんですか。入院の食事というのは、特にこういう急性期病床の入院の食事は家での食事と全く違うじゃありませんか。家で取る食事と病院の食事、同じだというんですか。局長、説明してください、どこが公平なんですか。
  245. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この食事代につきましては、これは全体として負担能力に応じた負担をお願いをしていくということで、低所得の方に配慮しつつお願いするということでございますけれども、その際に、どこまでのものをお願いをしていくかということがございます。  これは、先生御指摘のとおり、これまでは食材費、つまり材料費に相当するものをお願いをしてくるということで、一般所得の方は二百六十円、低所得の方は、一番低い方は百円、その間の人は二百十円ということをお願いしているわけでございますけれども、今回は、この食材費に加えまして、調理費相当額というものをお願いをしたいということでございます。もちろん、これは食事全体ということではございません。栄養管理などは、これは別になっているわけでございます。
  246. 小池晃

    ○小池晃君 説明になっていないでしょう。何で調理費分は取っていいんですか。今の論理だと全く説明になっていないですよ。六百六十円分四百六十円まで取ったら、もう一〇〇%まではあと一歩ですよ。結局、食事代は全部保険から外すと、このまま行ったらなっちゃいますよ。  こういう公平の拡大の論理やっているから、財務省の主計局は何を言い出していますか。これは、介護施設、六十五歳以上の療養病床と同じく、居住費まで徴収せよと言い出しているじゃないですか。大臣、アパート暮らしの人が病気の治療で一週間入院したら、アパート代一週間安くなるんですか。なりませんよ。こんなときに居住費を取る。急性期患者から居住費まで徴収せよ。結局、厚労省がこんなことをどんどんどんどん拡大してくるから、財務省もこんなところまで言い出しているんじゃないですか。  私、こんなことをやっていたら日本の医療は崩壊すると思います。大臣、いかがですか。こんなこと許していいんですか。
  247. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) あくまでも財政審がそう言っているということなので、それはそれとして財務省のやっておられることなので、まだ我々としては正式にその議論を共にしているわけではございませんで、現在の入院時の居住費については、療養病床に入院されている六十五歳以上の方に限って、介護保険施設における負担を勘案して、原則として一日三百二十円の光熱水費相当額を負担をしていただいているわけでありまして、入院患者の居住費に係る負担の見直しについては、今先生御指摘の財政制度審議会における論点の一つになっていることはもちろん聞いてはおりますけれども、急性期の病床は住まいとしての機能を有すると言えるのかどうか、それから、そのような中で居住費の負担を求めることをどう考えるのかといった課題が私どもから見ればあるということなので、今後それが議論の対象になるならば、我々は我々の考えをしっかり言っていかなきゃいけないというふうに思います。
  248. 小池晃

    ○小池晃君 そもそも、参議院での審議の最中に、その成立前提にして次の課題を財務省が言う。こういうのを言ったら厚労省は怒らないといけないんじゃないですか。聞いていませんで済む話じゃない。しかも、大体聞いていないというけど、本当なんですか。  この間、僕は財務省と闘ってくれとか言ったけど、どうも違うんじゃないかと。財務省が言ったことが何年かたったら必ず実現しているじゃないですか。私、こんなことを認めていたら、これ厚労省も相談の上やっているんでしょう、こういうことを。こんなこと許されるんですか。
  249. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 私には一切相談がございませんので、それで私どもは議論をしていないと言っているわけであります。  財務省が言ったことは必ず実現しているということは全く不正確なお話でございまして、売上税だってうまくいかなかったわけでありますので、そういうことでは、必ずしもそうなっていないこともたくさんありますので、そこはやっぱり国民の世論がどう考えるのかというのが一番大事だというふうに思います。
  250. 小池晃

    ○小池晃君 いや、私は、大体何年かたったら、ああ、あのとき財務省が言っていたことが出てきたなということがこの間続いていると思いますよ。本当にこんなことを許していたら日本の医療は壊れるし、今の議論だって、急性期病棟とやっぱり在宅は違うんだと、居住費の問題では。だったら、食事だって同じじゃないですか。やっぱり食事代を急性期の入院、短期の入院からも取るというのは、これは間違いであるということを改めて申し上げたいと思います。  それから、紹介状なしの大病院受診時の五千円から一万円の定額負担なんですけど、この間の答弁では外来機能分化のためだと繰り返していますが、何で定額負担を義務化すると外来機能分化が進むのか、ちょっと簡単に答えてください。
  251. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、やはり我が国はフリーアクセスでございますので、大学病院でもそれから普通の診療所でも、特に制限なく受診できるということでございますから、やはりその中で、これだけではありませんけれども、外来機能の分化ということをしていかなければなりませんので、その施策の一環としてこの措置をお願いしたいと、こういうことでございます。
  252. 小池晃

    ○小池晃君 根拠を示してと言ったんですよ、何で外来機能を分化するんですかと。
  253. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 外来機能がなぜこれで分化されるのかと、こういうことでございますか。  これは、どのぐらい効くのかということは、これまでのいろいろな施策も併せて考えていく必要があると思いますけれども、幾らぐらいであれば受診を考えるかという、私どもの委託をした研究では五千円程度というような御議論もありますし、もちろんこれだけで、経済的な措置だけで外来を機能分化するということではございません。これは、いろんなほかのものと併せて医療機関にも考えていただくことが必要だと思います。
  254. 小池晃

    ○小池晃君 全く根拠を示せないということだと思うんですが。  私、資料をお配りしたのは、中医協で皆さんに配った資料ですけど、これを見ますと、逆紹介率を上げるための課題の第一は、医学的に逆紹介できる患者が少ないこと。第二は、地域に連携できる医療機関が少ないこと。第三は、患者数を確保するなど経営上の理由があることだと言っています。それから、紹介率を上げるための課題のトップは、選定療養を取っていても紹介状を持たない患者が多数受診すること。役に立たないと言っているわけですよ、選定療養は。第二は、患者数を確保するなど経営上の理由があることです。そしてこの間、紹介率、逆紹介率を上げるために新たに行ったことのトップは、地域で広報活動をした、三八%。ほかの医療機関と事前に連携を行うようになった、三三・三%。選定療養を増額した、あるいは徴収し始めたというのは合わせて四・五%なんですよ。  これ、中医協に皆さん出した資料ですよ。選定療養費では機能分化は進みません、機能分化のためには患者教育あるいは広報活動、医療機関の連携だと言っているじゃないですか。
  255. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) いや、先生御指摘のように、そういういろいろな取組と併せてやることが必要なんだと思っております。  これは、医療機関も、他に連携できる医療機関がないからなどと堂々と言うのはちょっと問題だと思っておりまして、これはやっぱり開業の先生と病院とそれから中小の病院とそれぞれ連携をつくっていただいて、患者さんが安心して受診できる仕組みをつくっていくということが非常に重要ではないかというふうに思っているわけでございます。
  256. 小池晃

    ○小池晃君 苦し紛れにいろんなことを言わないでくださいよ。結局、外来機能分化のために選定療養を義務化すると言うけど、それが根拠じゃないじゃないですか、これだったら。そんなことをやったって、外来機能分化なんてできないということじゃないですか。  大体、病院の外来患者の九割は再診患者です。そして、紹介状を持ってくる患者さんは三割です。ということは、結局、初診患者、しかも紹介状を持たない患者の対策だけやっても数%の患者にしかならないということなんですよ、これは。  これは、実際に、外来機能の分化というけれども、そんなことを本気で考えた提案ではない、はっきり言って。結局、財務省から言われたことを何らかの形でやらなきゃいけないということで、苦肉の策で出してきている、それだけの話なんじゃないですか。しかも、これ、選定療養を義務化すると患者負担は大幅に跳ね上がります。病院一軒当たり診療費二万四百九十三円、三割負担だと六千百四十七円。ここに五千円が加われば、平均実日数一・六一日ですから一万四千百九十七円で、負担割合は実に六九%になります。これ一万円になったら、もう一〇〇%を超えます。  これは、二〇〇二年の改正健保法附則第二条の「医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持する」、これに反するんじゃないですか。
  257. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この健保法の給付の割合七割というのは、これは保険の中の給付割合、三割負担、七割給付ということをお示しをしているというふうに承知をしております。  今回の場合は選定療養でございますので、その外側にあるものでございますが、ただ、先生の御指摘にもございましたように、現在、特定機能病院、大学病院でも約六割の方が紹介状がない、地域医療支援病院でも約七割の方が紹介状がないというままの事態はやはり改善をしませんと、病院の勤務医の皆さんの疲弊も大きくなりますし、医療も効率的にならないんじゃないかと考えております。
  258. 小池晃

    ○小池晃君 だから、それは、その効果がないと認めたでしょう、いろんな手の中の一つだと、大事なのは広報活動だったりというふうに認めたじゃないですか。  それで、今お答えとしては、要するに保険給付外だから大丈夫なんだ、クリアしているんだと言うけれども、患者から出てくるお金は、財布から出てくるお金は保険の給付の外でも内でも同じですよ、これは。しかも、今回の法案で新たに附則第二条、二〇〇二年と同じ第二条なので分かりにくいんだけど、ここには、保険給付の範囲について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずると言った。  すなわち、こんなことをやっていたら、保険給付の範囲を見直して保険給付外の負担を増やしていくということをやったらば、七割給付を維持するという附則は完全に死文化するんじゃないですか。局長、どうなんですか。こんなことをやっていいんですか。
  259. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この七割給付というのは法定されているわけでございますので、この問題をどうするのかというのは、これはもう根本的な大議論であろうと思います。  それから、私どもの今回の法律の附則に付いておりますのは、何かを特別に想定をしたわけではございません。ただ、幅広い意味で、給付の内容であるとか負担の公平であるとかいうことにつきましては、引き続き、医療保険制度、国民皆保険を堅持する観点から議論をしていく必要があるということを書かせていただいたものだというふうに受け止めております。
  260. 小池晃

    ○小池晃君 今回の附則の二条は、だから何でもありだということですよ、これ。  保険給付の範囲について、こういった形で、もう本当に言い逃れのような形で保険外の負担だからいいんだというふうに言い出したらば、保険外の負担がどんどんどんどん拡大していく、実質的な三割負担というのが拡大していくことになるんじゃないですかと私言っている。それに対する答えはなかった。結局、私、こんなことをやっていたら、本当に実質的な負担率はどんどん上がっていく、国民皆保険制度が本当に壊れるということになると思いますよ。  社会保障・税一体改革では、受診時定額負担の導入がうたわれていました。今日の資料の二枚目にあるように、工程表にも示されておりました。これを見ますと、受診時定額負担で千三百億円マイナスということを言っております。  厚労省は、その後、それは撤回したんだと言うけれども、今回のこの選定療養の義務化というのは、事実上の受診時定額負担なんじゃないか。だって、今度の制度について厚労省が医療保険部会に示した資料では、紹介状なしで特定機能病院及び五百床以上の病院を受診する場合等には、原則として、定額負担を患者に求めると書いてある。受診時定額負担ですよ、これ。そのものではありませんか。  保険給付の範囲内で定額負担を取れば三割負担を超えてしまうから、保険給付から外出しで差額徴収という形を取っているけど、これは事実上の受診時定額負担じゃありませんか。違うというなら、その根拠を説明してください。
  261. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 受診時定額負担につきましては、前に御提案をさせていただきましたときにはなかなか御賛同が得られなくて撤回をした形になっております。  それで、受診時定額負担自体は、これはもう外来のたびごとに全ての人に御負担いただく、例えば百円というような金額で御議論をいただいたわけでございますが、こちらの方は大病院に限って、しかも紹介状のない方ということでございますから、できるだけ中小規模の病院でありますとか開業の先生をかかりつけ医に持っていただくと。それで、紹介状があればこの負担はないわけでございますので、そうした役割分担を是非お願いしたいということでございます。
  262. 小池晃

    ○小池晃君 そうすると、受診時定額負担との違いは、病院の規模とか対象の患者の違いだけですね。
  263. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 御質問の趣旨がちょっとあれなんですが、これはもうかなり違うものだと思います。これは、受診時定額負担というのは、負担するかどうかということは患者さんは別に選べませんけれども、大病院の負担は、別にこれをお支払いいただきたいと私は考えているわけではございませんで、できるだけかかりつけ医を持って、外来機能の分担ということを是非患者さんもお考えいただきたいとお願いをしているものでございます。
  264. 小池晃

    ○小池晃君 しかし、そんなことを言い出したら、例えば主治医がいないという人は、もう受診時定額負担を取るとか、そういったことだって可能になるじゃないですか。病院の機能分化、かかりつけ機能の強化、そういう、頭に付ければ何でもできますよ。だから、どこが違うのかと言っているんですよ。
  265. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) そんなに何でも負担をしろなどと私ども全く思っておりませんので。本当に、やっぱり大学病院ですとか、五百床を超えるような、五百床と決めているわけじゃありませんけど、大きな病院というのは、やはり専門外来をやっていただきたいと、そういうことでございます。
  266. 小池晃

    ○小池晃君 結局、これは本当に受診時定額負担の突破口になるんですよ、こんなことをやったらば。今の議論を通じてもこの違いというのをきちっと示せないですよ。これどんどん拡大しますよ、こんなことをやったらば。  財務省、これは財政審何と言っているか。受診時定額負担、保険免責制度の導入と言っているじゃないですか。財務省は執念深くこれやっているじゃないですか。  大臣、幾ら否定しても、今回の選定療養義務化が財務省が狙っている受診時定額負担の突破口になる、その呼び水になることは明らかじゃないかと思いますけど、大臣いかがですか。
  267. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは、もう先ほど来繰り返し申し上げているように、今までどちらかというと機能分化のことを前面に出していましたが、機能分化と、それからさっきもちょっと出ましたけれども、やはり勤務医の医師の皆さん方への過重な負荷、そしてそれが結果として患者さんに、三時間待ちの三分診療みたいなことがかつて言われていましたが、それと同じような状況が起きている。これをどうやって、本来プライマリーケアをやる、地域の、今かかりつけ医と言っていますが、地域の医師と、それから大病院の更に高度な医療ができるところとの分化を図って、お互いが分かち合ってそれぞれの役割を果たし合うということをやれるようにするための手だてとして我々は考えているわけであって、今お話が出ているような受診時定額負担というような発想とは全く違うことで我々は提案をしているということでございますし、また、保険免責制度の話が出ましたけれども、これについては財政審が議論をしているようでありますけれども、公的医療保険でカバーする範囲を狭める考え方であって、国民皆保険の理念とか、あるいは将来にわたり、先生が先ほどおっしゃった百分の七十を維持するものとするという平成十四年の健康保険法の改正法の規定の経緯や考え方との整合性など、これは慎重に議論をしなければいけないところがあるお話が今財政審でどうも出ているようだと、こういうことだというふうに我々は理解をしております。
  268. 小池晃

    ○小池晃君 これじゃ駄目ですよ。こんなことをやっていたら、どんどんどんどんやっぱり財政審で言われているようなことが実現することになる。そして、その突破口になるのが今度の法案ですから、これやっぱり廃案にするしかないということを改めて申し上げたいと思います。  終わります。     ─────────────
  269. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、石橋通宏君及び山本香苗君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君及び杉久武君が選任されました。     ─────────────
  270. 行田邦子

    ○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いします。  私は、先日の質問の最後に大臣にお伺いしたんですけれども、また改めて伺いたいと思うんですけれども、今回の改正法案に含まれている国保の都道府県化、国保の安定化、確かにこれは大きな改正、また改革かもしれません。そしてまた、さらには、後期高齢者医療を支えるということでの被用者保険者の後期高齢者支援金の全面総報酬割ということでございますけれども、確かに二つとも大変大きな改正だと思いますけれども、ただ、これで本当に我が国の医療保険制度、つまり皆保険制度がもつんだろうかという疑問を感じているわけであります。  一つ大きな山というのが、やはり十年後、全ての団塊の世代が後期高齢者になるという二〇二五年、ここを何とかして乗り越えなければ日本の医療保険制度、先がもたないというふうに私は思っておりまして、今日は改めてそういった視点で何点かまず大臣に質問したいというふうに思っております。二〇二五年には、ざっくり言いますと後期高齢者の人口が今より一・四倍になるということを踏まえて質問したいというふうに思っております。  まず、市町村国保なんですけれども、これを持続可能なものとするために、本改正案では、先ほど申し上げたように、国保の財政運営の責任主体を都道府県とする、都道府県化をするということでありますけれども、一九六一年、皆保険制度ができて、そして強制加入の市町村国保ができて以来の大きな改革だと大臣もおっしゃっていますけれども、私はこれ、確かにいろんな方を巻き込んでの大きな改正ではありますけれども、けれども、大掛かりな対症療法にすぎないというふうに思っております。  改めて大臣に伺いたいんですけれども、今回のこの制度改正で都道府県国保は二〇二五年まで本当に維持できるのか、大臣の見通しを伺いたいと思います。
  271. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今、大掛かりな対症療法という御指摘を受けてしまっておりますけれども、今回、一九六一年以来の大改革でございます国民健康保険その他の医療保険の改革であろうかと思いますけれども、特にこの国民健康保険は国民皆保険を支える重要な基盤ともいうべき制度でございまして、今後とも安定的な運営を堅持する必要があるというふうに思っております。  一方で、以前にも申し上げたように、これまでは市町村長さんたちが毎年のように東京に来られて、何とかしてくれというお話が出ていたわけであります。そういう状況を踏まえた上で、今回の改革では、毎年三千四百億円の追加的な財政支出を行うことで支援をする、そして都道府県が国保財政の責任主体となるということによって国保制度の安定度は大きく私は増すというふうに考えておりまして、二〇二五年には団塊の世代が七十五歳以上に押しなべてなるということでありますが、そうした高齢社会においても国保の持続的な運営が確保できるものではないかというふうに考えているところでございます。  今後の国保財政の長期的な見通しについては、医療費の動向とか、あるいは今後医療の適正化の取組状況がどう行われるのかというようなことで変わってくるわけでございますが、厚労省としては、医療費適正化の取組を含めて様々な対応をしっかりと進めていかなければならないというふうに思っておりますし、また、国保制度の安定的な運営を持続させる観点から、取組状況の検証とか制度全般についての検討は不断に行って、その結果に基づいて手を打つべきときは手を打っていかなきゃいけないというふうに思っております。
  272. 行田邦子

    ○行田邦子君 抜本的な医療保険制度の改革をしないで、何とか今の日本の医療保険制度を維持して皆保険制度を維持しようとすると、やはり私は、市町村国保については広域化、つまり今回の改正法案に盛り込まれている都道府県化がやむを得ないと私は思っているんですけれども、ただ、これをやったからといってあと十年本当にしっかりもつのかというのは、私はやや楽観的ではないかなと思っておりますので、今回この都道府県化をした後も、高齢化が続く中で本当に国保が維持できるものとなるように改善をしていきたい、していかなければいけないということを申し上げておきたいと思います。  そして、後期高齢者医療なんですけれども、これをどのように支えていくのか、維持していくのかということも大きな問題だと思っております。この度の改正案では、平成二十九年度から被用者保険者の後期高齢者支援金が全面総報酬割となることが盛り込まれているわけでありますけれども、これはかなり健保組合にとっては大変な負担なわけであります。  十年後の二〇二五年、現行制度のまま一人当たり医療費も変わらずに進んだ場合に、本当に健保組合はもつんだろうか、解散するところが出てきてしまうのではないかというふうに私は思っているんですけれども、今二〇一五年は健保組合の保険料収入は大体七・五兆円と言われています。これは、健保連の統計によるものなんですけれども。そして、後期高齢者支援金は一・九兆円と。じゃ、この後期高齢者支援金が今度全面総報酬割になる二十九年度、二〇一七年度はどうなるかというと、二・二兆円という見込み。そして、いよいよ二〇二五年度、平成三十七年度にはどうなるかというと、二・六兆円にまで膨れ上がるということです。一・九兆円だった後期高齢者支援金が二・六兆円にまでなるという試算になっています。  一方で、健保組合の保険料収入、今七・五兆円ですけれども、大体十年たつと、いわゆる現役世代というのは一割以上恐らく減るでしょうから健保組合の加入者も減る、そうすると保険料収入も減るはずです。ですから、この七・五兆円というのも恐らく一割以上は減るだろうというふうに思います。保険料収入が一割以上減る一方で、後期高齢者支援金というのはこれがざっくり言っても一・四倍になるという状況で、本当に健保組合はもつのかということを私は危惧をしておりますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
  273. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 絶えず不断の見直しをしていかなきゃいけないということは当然考えていかなきゃいけないことで、先ほど楽観的に過ぎるのではないかという御指摘を頂戴いたしましたが、それはこれから何をやるかということが大事だという先ほど御指摘のとおりで、これから何をやるのかということを本当に今までやったことのないことを含めてやっていかなきゃいけないというふうに思っております。  今回の改革におきましては、被用者保険者への約七百億円の追加的な財政支援というのを行うことになっておりまして、これによって高齢者の増加等に対応する観点から、拠出金負担の重い保険者への負担軽減を拡充して約百億円を充てる措置を制度化するとともに、団塊の世代の前期高齢者への移行等に対応する観点から、前期高齢者納付金の負担の重い保険者への軽減措置、これに六百億円の追加支援を行うこととしているわけでありますが。  合計で七百億円の財政規模では、平成二十九年度において全ての健康保険組合で義務的な支出に占める拠出金負担の割合を五〇%程度以下に抑えるために必要と推計をされている財政規模、すなわち六百四十億円ぐらいでありますが、これをカバーする大きさであって、これによって当面は高齢者医療への拠出金負担の伸びの抑制に資するものと考えているわけでありまして、今後、中長期的な観点から、先ほど申し上げたような医療費抑制のための新たな予防とか、あるいは重症化予防、健康づくり等々、今回の改革に加えて様々なことをやるわけでありますけれども、更なる見直しが必要かどうかは改革の実施状況を見ながら見極めてまいりたいというふうに思います。
  274. 行田邦子

    ○行田邦子君 七百億円の前期・後期高齢者の拠出金や負担金の軽減策ということで七百億円を投入するわけであります。けれども、これはもうミニマム必要なものであって、これから更に後期高齢者が増えると、健保組合にとっては更にやはり支援策が必要となると私は考えております。  そして、今回、健保組合に御負担をお願いするということ、これはやむを得ないのかなと私自身は思っているんですけれども、なぜかというと、後期高齢者が増えて、誰かがそれを支えなければいけない、負担しなければいけないとなると、今考えられるものといったらば、国保はこれ以上は負担は難しいだろうと。協会けんぽも既に二千四百億円、国が支援をしているわけですから、これは難しいだろうと。そうなると、どこが残るかというと、結局健保組合というような、消去法で考えればそういうことになってしまう、これはやむを得ないのかなとは思っているんですけれども。ただ、今回のこれを提案する、提示するときに、やはりしっかりと健保組合の皆さんにも支え合いなんですよということを御理解して一定程度納得していただくためには、やはり国費を、七百億だけじゃなくて、もっと投入するということも姿勢として見せるべきではなかったかなというふうに私は思っております。  健保組合、今回、一千五百億円の負担が増えるわけです。後期高齢者となっている方は、その多くはかつての健保組合の加入者であって、そして先輩方であるということ、もちろんこれは健保組合の皆さんも重々承知していると思いますけれども、それにしても、取れるところから取るしかないからということで一千五百億円の負担が増えるという、これは本当に大変なことであると思います。そして、七百億円の前期・後期高齢者の拠出金、納付金の負担軽減ということがあるわけでありますけれども、これもずっとこれが将来にわたって約束されているわけではありませんし、七百億円を引いたとしても八百億円の負担なわけです。  国がこの健保組合に負担を押し付ける一方で、じゃ、この後期高齢者の医療を支えるためにどれだけの公費の負担増をしたかというと、実はゼロです。二千四百億円の協会けんぽに出していたお金を、それを引き上げることができたので。じゃ、その二千四百億円のうち七百億円は健保組合に出します、残りの一千七百億円は国保の維持のために使うということですから、今回のこの後期高齢者医療を支えるために国が出した負担増というのは実はゼロと。これでは、やはり健保組合、なかなかこれは、うんとは素直に言えなかったんだろうなというふうに私は理解をしております。  そして、二〇二五年、今から十年後、この大きな山を乗り越えなければいけないわけであります。そして、一つ大きな山を乗り越えた先、その先も持続可能な医療保険制度とするためには、今からどうやってこの医療保険制度を改善していったらいいのだろう、あるいは改革していったらいいのだろうということを真剣に、やはり国民の皆様にも考えていただかなければいけないし、そして我々国会でも考えなければいけないと思っているんですけれども。  そのために、是非私は、この資料一でお示ししたような、医療保険制度の財源構成というこれは図なんですけれども、これの二〇二五年版、今から十年後、後期高齢者が今から一・四倍に膨れ上がるときに、日本の医療保険制度の財源構成が今の現行制度で一人当たりの医療費が変わらないとどういうことになるのかというのを、是非これを示していただきたいと思うんです。恐らく基礎データはあるはずなんですけれども、このような図は作っていない、なかなかちょっとこれは作れないということでしたので、これは是非作っていただきたいと思っております。  私にとってはこれは非常に分かりやすいものでして、確かに、厚生労働省が消費税を上げるときの検討材料としていろんな見込み、推計を出しています。その中に、例えば将来的に一人当たりの保険料が保険種類ごとにどのぐらいに上がっていくのか、そういった数字もシミュレーションを出しているのを私は見ていますけれども、それはそれで意味のあるシミュレーションではありますけれども、そういった一人当たりの保険料がどれだけ上がるのかということに加えて、じゃ、日本の医療保険制度の財源構成がこのままで行ったらば十年後どうなるのかというものを是非示していただきたいと思うんですけれども、そして、そういったものを示していただいた上で、制度改革の議論をもう今からやらなきゃいけないと思っているんですが、大臣はいかがでしょうか。
  275. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改革において後期高齢者支援金の全面総報酬割を導入をして、そして国保への財政支援を拡充するとともに、様々な他の制度改革も行うことにしておりますけれども、この全面総報酬割の導入に伴って、今お話があったように、平成二十九年度において健康保険組合の負担は約千五百億円増加をすることになります。しかし、高齢者医療への負担軽減のための七百億円の追加的な財政支援を健保組合に対しても行うわけであって、これは約千四百ある健保組合の中にはかなり厳しいところもあって、そのために七百億円、高齢者医療への負担軽減のためにも使うということがございます。それから、入院時の食事代の見直しによる保険料負担に対しての約二百億円の財政効果によって、健保組合の実質的な負担の増加というのは約六百億円になるというふうに思います。  一方で、国の出し方が足りないんじゃないかと、こういう御指摘がございましたが、平成二十七年度から実施をいたします国民健康保険の財政支援として、約千七百億円の公費で、このうち国費が約八百億円出るわけでございまして、このことも考慮に入れていただきたいというふうに思うわけであります。この千七百億円は、社会保障と税の一体改革による消費税、地方消費税の増収分から確保したものであって、今回の制度改革において国費を含め相応の公費が充てられているというふうに思っているところでございます。  将来シミュレーションの話がございましたが、二〇二五年における医療を含めた社会保障財政の見通しを示せと、こういうことでございました。社会保障と税の一体改革の検討過程の中で平成二十四年三月にお示ししたものがあるわけでございますが、予防、健康づくり等における医療費適正化の取組状況とか、あるいは国保の財政基盤の拡充を始めとする今回の制度改革の影響などによって、二十四年三月のものとはやっぱりずれが出てくるんだろうというふうに思います。  このため、今後、社会保障全体の将来推計を改めて計算をする機会などにおいて、そのときの直近の状況等を踏まえて、今回の改革も踏まえて医療の財政見通しをお示しすることが適当であるということで、先生が御指摘になった将来像をちゃんと推計を見せろということについて応えられるようにしていきたいというふうに思います。  いずれにしても、医療保険財政の安定化に向けて法案を成立させていただいた後には、円滑な施行に向けた準備、そして、繰り返し申し上げておりますけれども、予防、重症化予防、健康づくり、こうした医療費適正化の取組をこれまでにも増してしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
  276. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非示していただきたいと思うんですけれども、私が申し上げているのは、一人当たりの保険料がどのぐらい上がるのかという、そのシミュレーションもそれは意味のあるものではありますけれども、お示ししている資料一、このような、日本の医療保険制度の財源構成がどうなっていくのかと。例えば、後期高齢者支援金を誰がどれだけ払わなければいけないのか。  そして、例えば、具体的に言いますと、今、平成二十七年度予算ベースでは健保等が二・五兆円出しているわけです。これが単純に言うと一・四倍になるわけです。本当に大丈夫なんだろうかという話。同じく、協会けんぽだって一・四倍になるわけです。ということは、二兆円負担しているものが二・八兆円になるわけであります。国保もそうなんです。国保の負担だって増えるわけです。そうすると、現役世代と言われている保険者からの支援金というのが、これが本当にみんな払えるんだろうかということの心配が分かると思うんですね、出てくると思うんです。  現役世代からの支援金が払えなくなってしまったら、じゃどこが払うかというと、高齢者の保険料は恐らくこれ以上取れないというふうになると、公費で結局賄うしかないと。じゃ、それはどこから財源を捻出するんだろうと。じゃ、このままの一人当たりの医療費で本当にいいんだろうかと、このような議論に発展していくと思いますので、是非作っていただきたいということをお願いをしておきます。  それでは次に、医療費適正化計画について伺いたいと思います。  ちょっと一つ飛ばしまして、局長に伺いたいんですけれども、平成二十年度から医療費適正化計画始まっています。根拠法は高齢者医療確保法なんですけれども、これについてもなぜ高齢者医療確保法なのかなというのもありますが、まず局長に伺いたいと思うんですけれども、第一次計画、平成二十年度から平成二十四年度ですけれども、この実績評価を行っていますが、実績評価として医療費はどれだけ削減されたんでしょうか。
  277. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 第一期の医療費適正化計画、二十四年度までの二十年度からの五か年でございます。  この計画の中では、都道府県ごとに、まず第一に特定健診、保健指導の実施率、それから第二に平均在院日数の短縮、第三に計画期間における医療費の見通しという三つの目標を定めていただいておりまして、その達成状況につきまして評価を行ったところでございます。これは有識者による評価を行ったところでございます。  特定健診、保健指導の実施率につきましては、七〇%以上というのを、これは全保険者平均で、トータルとして目標にしておりましたけれども、平成二十四年度の実績では四六・二%。特定保健指導につきましては四五%以上ということでございましたが、こちらの方はなかなか、訪問というようなものを伴いますので、実績としては一六・四%ということで、かなり改善が必要な状況でございます。  そこで、御指摘の医療費でございますけれども、それに関連して、平均在院日数につきましては、二十九・八日になっておりますものが二十九・七日になっております。大体近いような水準です。  医療費につきましては、平成二十四年度には三十八・六兆円という金額を見込んでおったわけでございますけれども、三十八・四兆円ということで〇・二兆円低いという結果になっております。ただ、これが例えば平均在院日数短縮によってこの結果になっているのかということについては、そこまで明確に言うのは難しいと思っておりますけれども、数字としては今のような状況でございます。
  278. 行田邦子

    ○行田邦子君 今局長がおっしゃられたのは、第一次医療費適正化計画での平成二十四年度の医療費の見通しが三十八・六兆円だったのに対して、実績は三十八・四兆円だったんですと。ですから、見通しよりか実績が二千億円低かったということを言っているにすぎないと思うんですけれども、私が伺いたかったのは、こうした医療費適正化計画というのを国が作って、都道府県が作ることによって、どれだけ医療費が削減されたのかを厚生労働省としてどのように見ているのかをお聞かせいただきたいんですが。
  279. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 総額についてはなかなか難しいところがございます。それは私どもの課題でございまして、次の計画に向けての課題であると受け止めております。  それに関連をいたしますと、具体的に、これは今の三十八兆幾らというのはこれはマクロの数字でございますけれども、ミクロのベースでまいりますと、特定保健指導を受けた方につきましては、メタボリックシンドローム関連疾病の外来医療費につきましては、受けなかった人よりは三割近く低くなったということがこのレセプトデータで示されているところでございます。したがって、特定保健指導をきちんと受けていただければ医療費削減の効果はあるだろうと思っております。  それから、もう一点は、非常に重要な点は、やっぱり入院の改善ということが、入院が中心で増えておりますので、全体の機能分化によって医療費を合理的なものにしたいというのが我々の課題であると考えております。
  280. 行田邦子

    ○行田邦子君 今の御答弁でもはっきりしないと思うんですね。医療費適正化計画を作って、都道府県にも作らせて、そのことによってどれだけ医療費が適正化、つまり削減されたのかということがはっきりと今の御答弁だと御説明になっていないと思います。  そういう中で、都道府県は第二次医療費適正化計画を作って、そして次は今度六か年計画、平成三十年度から始まるわけでありますけれども、そこでちょっと更に質問したいと思うんですけれども、都道府県が作成する医療費適正化計画の任意記載事項の中に、先ほど局長もおっしゃられた特定健診と特定保健指導の実施率に関する目標があります。私は、都道府県が作る医療費適正化計画については幾つか素朴な疑問があるんですけれども、なぜ都道府県がこうした特定健診や特定保健指導の実施率の目標を定める責任があるというか、逆に言い方を変えると、こういった都道府県が実施率の目標を定めて、この数字に都道府県はどうやって責任が持てるのかということが疑問なんです。  というのは、毎回ちょっと自分が住んでいるところの例で恐縮ですけれども、埼玉県でいいますと、埼玉県民の被保険者の約六割が被用者保険なんです。そうすると、県としては直接的に被用者保険者に対して特定健診そしてまた特定保健指導の実施の向上に対する施策というのは打ちにくいと思うんですね。ですから、こういった特定健診や特定保健指導の向上について都道府県ができることというのは私はすごく限られていると思っていまして、にもかかわらず目標値を掲げさせられて、任意ではありますけれども、それに責任を持たなければいけないとなると、非常にこれは酷な話だなと思っていまして、そこら辺、いかがなんでしょうか。
  281. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、先生御指摘のように、実施をするのは保険者でございまして、都道府県は全体の計画を作成するということでございますから少し立場が違うところがございます。それから、保険者の方につきましては、これは医療費適正化努力を評価をする、あるいは財政的な支援制度というのもございますので、保険者についてはそういう働きかけをしてまいりたいと考えております。  それで、都道府県でございますけれども、もちろんこれは被用者保険に直接働きかけるのはなかなか難しい点でございますけれども、まず第一に、私どもは、やはり地域の医療提供体制、これは病院の機能分化、急性期病院とか救急とか、そういうものも含めた体制に責任を持っていただくのはやはり都道府県、それから医師確保、それから看護師の確保という点でも都道府県に重要な責任を持っていただきたいと考えておりまして、もちろん国は当然でございますが、あわせて、予防まで視野に入れた、予防と医療を一体的に都道府県で見ていただきたいと考えているところでございます。  具体的には、財政的な形での働きかけは難しいわけでございますけれども、都道府県では医療費適正化計画の策定に当たりまして、各都道府県に設置されております保険者協議会、これは国保や協会けんぽや健保組合などの各保険者が御参加をいただいているわけでございますけれども、この中で御協議をいただきまして、そして、それぞれの保険者に協力を求めるということもございますし、それからまた、被用者保険の被扶養者の方につきましては、なかなか、特に協会けんぽなどは受診が難しいというような事情がございますので、そういうものは例えば市町村の方にお願いをしていくというようなこともこの中に御協議をいただきたいということで、こうした協議の場を通じまして、都道府県と医療保険者の連携を強化していただきたいというふうに考えているところでございます。
  282. 行田邦子

    ○行田邦子君 医療費適正化計画については、特定健診と特定保健指導、これは任意の記載事項ですけれども、必須として医療費の見通し、今後は目標になりますけれども、これは必須項目なんですけど、これにも同じことが言えると思っていまして、私は、都道府県内の医療費の見通し、これに一番大きな影響を与えるのは、やはり診療報酬などの国の医療政策であり医療制度だと思っていまして、都道府県がその都道府県内の医療費の見通しに責任を持てる、それはすごく限定的だというふうに思っていまして、これも同じことが言えるのではないかなと思っております。  最後の質問なんですけど、大臣に伺いたいと思います。  この医療費適正化計画において目標指標となっている特定健診、特定保健指導、そして平均在院日数の短縮ということと、それから医療費削減の因果関係について、どのように分析をされているんでしょうか。
  283. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話が出ておりました特定健診、保健指導の医療費に対する効果、これについては、国のナショナルデータベースを活用して専門家の協力の下で検証したところ、特定保健指導を受けた方が受けなかった方よりおおむね低いという効果が示されておりまして、例えば平成二十年度から二十一年度のデータで見ますと、特定保健指導を受けた四十歳から六十四歳の方々のメタボリックシンドローム関連疾病の入院外医療費は、受けなかった方々と比較すると三割程度低くなっているということでございます。  そういう意味では、医療費適正化への一定の効果が示されているのではないかというふうに思いますが、一方で、この医療費に対する効果については、メタボ関連の高血圧症、糖尿病それから脂質異常症の三疾患の入院外医療費に限定をしたものだと。それから、特定保健指導を受けた方と受けなかった方の元々の言ってみれば健康意識の違いというのがあったりするわけでありますけれども、そういう影響があるのではないかということまでも留意をしなければいけないというふうに思います。  それから、平均在院日数については、入院医療費との間に高い相関関係があることはこれまでの都道府県別医療費の分析から示されておって、平成二十年度から二十四年度までの先ほど出ました第一期計画の実績で、当初の目標よりも短縮をされ、それから医療費について計画で見込んだ水準より低くなっているということで、平均在院日数の短縮が医療費にどの程度寄与しているかまでは必ずしも明確ではないけれども、一定の効果はあったのかなというふうに考えているところでございます。
  284. 行田邦子

    ○行田邦子君 ナショナルデータベースの蓄積データを活用して、これからもこういった分析、更に進めていただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。
  285. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今朝から午前中を掛けまして、患者申出療養の参考人質疑もさせていただきました。これを受けまして、今日も患者申出療養について集中して質問をさせていただきたいと思っております。  まず、先ほどいろんな先生方にも御意見を伺いました。その中で、一つやっぱり、私疑問に思うことがございます。先日の委員会でも質問をさせていただきましたけれども、これは本当に患者のニーズがあって出てきた制度なのか。先日はニーズ調査も行っていないということを伺いましたけど、もう一度、何も調査を行っていないのかどうか、局長、教えていただけますでしょうか。
  286. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この患者申出療養につきましては、困難な病気と闘う患者さんにつきまして、国内未承認の医薬品などを安全性、有効性を確認しつつ迅速で身近な医療機関で使用したいという思いにお応えをするということで創設をいたしました。  この患者申出療養について、そのものに関するニーズの調査までは行っていないわけでございますけれども、例えば先日の御視察をいただきましたがんセンターの方で、未承認、適応外の例えば候補となるようなものはどの程度あるかというようなことにつきましては、調査をお願いをしたいというふうに考えているところでございます。  詳細な患者さんに対するニーズ調査というのはこれまで伺っておりませんけれども、今後十分御意見を伺ってまいりたいと考えております。
  287. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  いつもは慎重な厚労省がどうして今回無計画なのかなと思わざるを得ないんですけれども、実は私、いろいろ調べておりましたら、ドラッグラグ、デバイスラグというものが問題になっておりました二〇〇九年、このドラッグラグ解消に向けまして、六月から八月、学会や患者団体、個人に対して未承認薬と適応外に対する意見を募集して、三百七十四品目というものが挙がってきた。それを受け、有識者会議を立てられましたですよね。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会というもので様々御議論いただいた上、その中で百八十六件が医療上の必要性の評価が高いものというふうにしっかりと結論付けられたかと思います。  このような根拠があって出てきて、さあ患者の皆様方のためになりますのでといって開示していただけるのだったらあれですけれども、何もない中で、ではないかという、余りにもたらればが多過ぎるのではないのかなと思うのですが、実はこの会議の中で出てきた反省点といたしまして、本当に御苦労をなさった、それもかなりワーキンググループの皆様方が、報告書の作成や保険適用の状況の確認、エビデンスの確認、PMDAのスタッフの皆様方にもかなり過重であった。だからこそ、次回募集するときは、このような調査をして結論を出すときには、要望者であった学会の協力、若しくは責任分担が不可欠であるんじゃないかというふうな意見も見受けられました。  今回、このような制度の中で、調査もない中で走り始めてしまいましたけれども、やはり、医療者そして患者間、さらに情報格差もございます。治療方法について、患者の申出、自由に認めると、無駄、非効率というものも更に生じて、それが臨床研究中核病院の負担となってしまうことも容易に予測できるのではないかと思います。  先ほども御紹介いただきましたように、がん研究センターでは年に二回、そのようなリストというものをアップデートしながら世界の情報というものを収集していらっしゃるということは、様々な関係学会などにも更に協力を求めて、事前に予測される薬剤などリスト化を進める既に必要があるのではないかと思いますが、大臣、御意見いただけますでしょうか。
  288. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) この患者申出療養について、先生から数々、問題点、指摘を頂戴をいたしておりまして、ありがとうございます。  また、今御指摘のように、国立がん研究センターが発表いたしました、国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品・適応のリストなどを、私どもとしても患者申出療養を進めるに当たっては、しっかりこのような情報提供を行う方向で考えなければならないと思いますし、また、対象となった医療だけではなくて、申出はあったけれども対象とならなかった医療という、こういうものについても私どものホームページなどで公表をしていくということによって、世の中に今何が起きていて、何がうまくいって、うまくいかなかったのかということも分かるように、情報提供に十分配慮していかなければならないんではないかというふうに思っております。
  289. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  実は、午前中、日本医師会の方からも中川先生いらしていただきまして、御意見を伺いました。  私も、厚労省から配られましたこの資料、かかりつけ医とまず相談をして、身近なドクターと相談をして、まずそこからスタートだということが書かれております。しかし、残念ながら身近なドクターというのは、専門的知識というものはスペシャリストの皆様方に比べればちょっと格差がある場合もございます。ということは、かなり自分たちも勉強して臨まなければならないということをおっしゃっていらっしゃいました。ですから、患者様だけではなく、そういったかかりつけ医の皆様方にもしっかりと情報提供できるような、共有できるような、しっかりとした在り方というものを検討いただきたいと思います。そうでなければ、患者様の一番身近にいて相談窓口となるかかりつけの皆様方の意見によって、またその先の選択肢というものが左右されてしまいます。同じことを何度も繰り返すのではなく、やっぱり有効な情報提供の在り方というものはどういうものなのか、今までそういうことはございませんでしたので、そこを今後の検討課題ともしていただきたいと思っております。  では、次に、患者申出療養というものは、治療の効果が望めずに人道的見地から使用する場合、それから一方では、希少疾患だからこそ、マーケットベースに乗ってこないからこのような患者申出療養を利用するんだ、幅広く今設定をされております。  臨床研究中核病院が申請する際の臨床研究計画書などの提出資料というものは、保険収載がゴールになっているということで、質を一定に保つべきなんでしょうか。局長、御意見いただけますでしょうか。
  290. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) ただいま御指摘いただきましたように、研究計画の質をきちんと保つということは非常に重要なことだと思います。そのために、私どもはこれを臨床研究中核病院にお願いしたいということで、もちろんいろいろな御負担があるのでいろいろな配慮が必要だと思いますけれども、この臨床研究中核病院を中心にしていただいて、きちんとした実施計画を作成をすることで、質を確保して保険収載につなげていくということが非常に重要だと考えております。
  291. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  また、これは実は午前中、名古屋大学の病院長の石黒先生からお言葉をいただいたんですけれども、一定の機能を持った医療機関でスペシャリストにしかできないような医療も今回提案をされる可能性が高いんですね。ということは、保険収載を目的とされて皆様方に提供できるものでないものも含まれる。じゃ、そういうものについてもロードマップを描かなければならない。その先のゴールは保険収載ということになるんでしょうか。御意見いただけますでしょうか。
  292. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、先生御指摘のような例はレアケースですけれども、あると思います。  私事で恐縮ですけれども、先進医療会議にずっと三年間くらい出ておりましたけれども、その中で、ある手術の実績でただ一人の先生しかできないという申請がございました。だけど、ただ一人の先生だけでは保険収載するわけにはまいりませんので、これは先進医療会議の方で御議論をいただいて、ちゃんと後進を育成をしていただくようにということをお願いをして、広げていただく形で、今保険収載したかどうか確認しておりませんけど、保険収載を目指していくということにさせていただいたわけでございます。  医療の内容によって一概に申せませんけれども、私どもは、そういう非常にある種のレアな職人的にやっているものにつきましても、ちゃんとほかの後進の方を育成、指導していただくということが日本の医療水準全体の利益にもなりますし、患者さんのプラスにもなりますので、そういう形で保険収載を目指していただきたいというふうに考えているところでございます。
  293. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  それから、保険収載をゴールとしてロードマップを描いていくのであれば、やはり一番難しいのが、最初からプロトコルがあって何人の患者様方にどの期間使用して結果を出すんだというものでは、ちょっとこれは違いますよね。ですから、今までの治験の在り方とはまた別の形のロードマップの描き方が必要かと思いますけれども、その辺り、御意見ございますでしょうか。
  294. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、先生御指摘のように、様々であろうと思います。例えば、抗がん剤というような場合であれば、きちんとした腫瘍内科医の専門医の先生を育てていけば地方の方でも実施できますし、その結果、症例数というのもきちんとしたものも集まっていくということになりますけど、医療の内容によってはなかなか集めにくいものもあろうと思います。  その辺のところの収載のつなげ方につきましては、本当に患者申出療養に関する専門家の会議の方でも御議論をいただきまして、どういう形で保険収載を目指していくべきかということもその実施者の人にアドバイスをしていただきたいと思っております。これは、ある意味で、薬事承認に当たってPMDAが重要な医薬品については戦略的に相談に乗るというようなことがございますので、やっぱりこの専門家の会議でも、そういう観点からの、ただ審査するだけではなくてアドバイスをしていくということも必要ではないかと考えております。
  295. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 是非お願いをしたいと思います。  保険収載をするという図柄を描くことは簡単なんです。でも、本当にここに行き着くまで、どれだけ今回の制度が大変なハードルを乗り越えていかなければならないのか、多分現場の先生方だったら一番よくお分かりになっていらっしゃると思いますので、様々なケースを想定した上で更に精密な制度設計をお願いをしていきたいと思います。  ところで、先ほども申し上げましたけれども、かかりつけ医というものが今回ここに、特別に、図柄の中にも描かれております。かかりつけ医の果たす役割というものをどのように考えていらっしゃるのか、局長、教えていただけますでしょうか。
  296. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 私は、かかりつけ医の方の役割は非常に重要だと私ども考えておりまして、もちろん専門的な最先端の医療について習熟しているというところまでは難しいと思います。しかし、継続してふだんから患者さんの診察をされて、治療をして、そして生活の状況とか、地方であれば御家族のこともよく御承知でございますので、やっぱり患者さんが安心して信頼して相談できるという点では、なかなか大学病院の初めて会う先生という方と比べますと、やっぱりいつも診ていただいている先生に相談をしやすいということでございますので、こういう、まず率直な相談を受けていただくということが第一番でございます。  その上で、全ての先進医療について習熟しているなどということは非常に難しいことでございますので、しかし他方で、今回は、特定機能病院でありますとか臨床研究中核病院には、この患者申出療養の専門の窓口、部署というものを設けていただきたいということを考えておりますので、そうしたところに紹介をしていただくとか、あるいは、そこに例えば同じ大学の先輩、後輩なんかがいればその方に御紹介をいただくとか、そういうことも是非お願いをして、受けていただければ、患者さんは例えばその大学病院に行って戻ってきた後もまた御相談ができるので、是非そういうことをお願いしたいと考えているところでございます。  これは、私も今日の参考人の方の御質疑を拝見しておりましたけれども、医師会の方でもそうしたことについては積極的に引き受けていただくというような意向があるようでございますので、是非そういうことをしていただければ大変患者さんも安心であろうと思っております。
  297. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今回の制度によって、一部の特殊な病院だけではなく身近な病院まで巻き込んで未承認薬を使っていったり先端な医療をやっていかなければならない、これ本当に大きな賭けとも言わなければならないようなリスクをはらんでおります。ですから、しっかりとした教育と研修体制、そのアップデートした情報をいかに共有していくかということをこれからも医師会とともにも考えていただきたいと私は思っておりますので、お願いを申し上げます。  では次に、費用負担の話に入っていきたいと思います。  この患者申出療養を申し出る際、臨床研究中核病院の申請費用などは誰が負担をすることになるんでしょうか。教えてください。
  298. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、費用につきましては、基本的にはこの事務的な費用は医療機関が負担すると。したがって、第一番目であれば臨床研究中核病院が主となって負担していく、協力医療機関があれば協力医療機関と分担していただくと。例えば大学病院であればそういうようなことが考えられるわけでございます。  それで、患者さんが国に申出を行う際には、この臨床研究中核病院が作成した書類を添付をしていただくこととしているわけでございますけれども、必要となる費用の負担については、先進医療における対応や患者の申出を起点という趣旨を踏まえて今後検討してまいりたいと考えておりますが、先進医療につきましては、明示的にこういう負担をお願いするということを決めているわけではございません。研究中心でございますので、これは大学が作成をして、あるいは企業が一部研究費として負担するというような形で御負担をいただいているというのが先進医療の方の実例でございます。
  299. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私、やっぱり心配しておりますのが、情報非対称性の中でクオリティーが低いものもかなり出てくる可能性があるということになると、もう幾つも幾つもやはり来たものを処理していかなければならない。これはできないんだ、エビデンスがないんだということを証明するにも、相当なこれは労力が掛かってまいります。  ですから、この費用負担というものの在り方、先日もお願いをいたしましたけれども、しっかりと今後、臨床研究中核病院に対するどのような支援が必要なのかという中でも御検討をいただきたいと思っております。場合によっては、今後患者様にそれを一部負担してもらうような形の施策も、これからの流れですけれども、やっぱりそういったモラルハザードなどが起こる場合には必要になってくるということもあり得るかと思いますので、御検討いただきたいと思います。  では、副作用のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。  これ、私もやはりかなり危惧をいたしておりまして、厚労省からいただいた資料によりましても、今回、例えばの話でございます、先進医療の実施計画、いわゆる適格基準対象外の患者に対する療養というものも入ってきております。ということは、元々リスクが高いからこそエントリーできなかった患者様に使用していく、ハイリスク群に使用していくということになります。  本当に、副作用が起こった際の責任体制であったり、健康被害の救済制度というものを準備をしていかなければ、なかなかドクター側としては、はい、分かりました、これは引き受けますと言えない状況ではないかと思うんですが、大臣、御意見ございますでしょうか。
  300. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) その問題は今の先進医療制度でも存在をするわけでございますけれども、先進医療では、重篤な有害事象の可能性とか、あるいは責任と補償の内容などについてあらかじめ医療機関が患者に説明をして、同意を得た上で決定をするということになっています。  この患者申出療養における責任の在り方については、こうした今までの先進医療における対応を参考に十分しながら、患者の方々を含む関係者の御意見も踏まえて具体的な詰めを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  301. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ここは本当に慎重に議論をやっていただかないと、結局、先進医療は、ある一定の年齢であったり合併症の在り方であったりステージだったりということを規格のように決めて、その方々にそのスペシャリティーが高い皆様方が提供するという制度です。  しかし、今回のは全く別物というふうに先日も御説明がございました。患者様がその規格外にもかかわらずやりたいというようなものを身近な医療機関でやる、これ、本当に先進医療と同じリスクだと考えてしまうと、勘違いをしてしまう可能性もございます。ですから、しっかり、どのような救済制度というものを準備すべきなのか、徹底的にここも私は御議論いただきたいというふうに考えておりますので、厚労省の方でも御検討いただきたいと思います。  現在、先進医療でも設けていらっしゃらないようなこの制度、設けるべきではないかとも思いますけれども、その辺りについて、検討なさっているかなさっていないかだけでも結構でございますので、教えていただけますでしょうか。
  302. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 患者申出療養における医療には様々なものがあるというのは今先生御指摘をいただきましたが、そうしますと、生じ得る有害事象等のリスクも様々だということは十分あり得ることであるわけであります。  このために、先進医療と同様に、先ほども申し上げましたけれども、まずは医療の内容に応じた重篤な有害事象の可能性とか、あるいは責任あるいは補償の内容、これについて医療機関が患者にきっちりと説明をして、さらに同意を得るということが極めて重要だというふうに思います。  その上で、万が一有害事象が生じた場合には、患者との事前の合意に基づいて、患者申出療養を提供した医療機関において適切に対応していただかなければならないというふうに思います。
  303. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  また、この有害事象をどのように取り扱っていくのかということも、これ今までとは違って大変複雑になっていくかと思います。規格外の患者様方に使ったからこそ出てきたものなのか、元々、例えば先進医療の場合で申しますけれども、先進医療のプロトコルそのものに問題があるのか、これを判断するのは大変難しいと思うんですね。  この有害事象というものを今後どのように取り扱われるような予定なのか、局長、教えていただけますでしょうか。
  304. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) まず一つは、先生の御指摘ございましたように、例えば先進医療の適格基準外の患者さんをどのように考えていくかということで、もちろんこれは対象にしていくということで御議論をいただいておりますが、ただやっぱり、その場合の特に安全性につきましては十分議論する必要があるのではないかと考えておりまして、この場合には恐らくあらかじめ決められた時間内、期限内で審査を終了することが難しいケースもかなり出てくるのではないかと思っております。これは、しかし慎重に、やっぱり合併症の問題なども生じる可能性がございますので、慎重に御検討させていただきたいと思います。  それから、先進医療よりも確かに有害事象に対する対応をどうしていくかということは難しい面がございます。これは、基本はやはり先進医療の現在の事例、それから治験の事例などを参考にして決めていくんですけれども、ただ、この有害事象につきましては、この患者申出療養についての信頼を得ていく上で非常に重要なことでございますので、会議の中でもこの点は特に特別に時間を掛けて御議論をいただいて、きちんと信頼できるようなプロセスや会議の中での取扱いにしていくということで進めさせていただきたいというふうに考えております。
  305. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  せっかく先進医療A、Bといい制度が走って、デバイスラグ、ドラッグラグもなく、これからの医療に寄与していただけるような、いわゆるエビデンスが高いものを出していただいている。その中で、規格外の方々が入ってきてしまったがために本来の研究が遅れてしまうことがあっても、これは国民にとって多大な損失だということが言えるかと思います。その辺りをしっかりと仕分けをした上で考えていただけるようにお願いをしたいと思っております。  では、最後に、今回の制度におけるPMDAの関わりについてお尋ねをしてまいりたいと思います。  先ほどから保険収載が最終ゴールだといいながら、いただいたこのポンチ絵の中にPMDAという文字、一つも見受けられません。どのような関わりなのか、教えていただけますでしょうか。
  306. 永岡桂子

    ○副大臣(永岡桂子君) 患者申出療養におきますPMDAと、それから臨床研究中核病院との関係、関わりということでございますが、この患者申出療養におきましては、保険収載に向けました実施計画の作成などを臨床研究中核病院に求めることとしております。  臨床研究中核病院が実施計画を作成するに当たりましては、未承認の医薬品などの場合、治験実施中かどうかというものにつきましては厚生労働省に確認を行うということになっております。その際に、厚生労働省はPMDAとしっかりと連携をいたしましてその確認を行うこととしております。
  307. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  先進医療Bの例を取り上げましても、もう申請ではPMDAと薬事戦略相談というものを既にここで推進をしているんですね。患者申出療養でもやはり推進していく必要性というものも考えられますけれども、局長、いかがでしょうか、御意見いただけますでしょうか。
  308. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) やはり未承認の部分につきましては、PMDAの戦略相談は非常に重要でございます。特に、相談を受ける際に重要なのは、指標上どの程度まで進んだら承認に近づいているかということをあらかじめ言ってもらうということがかなり重要なんですが、これもいつも言ってくれるわけじゃありませんけど、FDAなどはそういうような助言をしていると言われておりまして、PMDAの役割、非常に重要だと思います。  それから、先生の先ほど御指摘のありました未承認薬の適応外の解消会議、こういう中での御議論も非常に重要でございますので、そうした中でPMDAにも重要な役割をお願いしたいと考えております。
  309. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  このPMDA、最近、様々な専門家の皆様方も拡充をされたかというふうに私考えておりますが、先ほど御紹介をさせていただきましたように、医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬の検討会議におきましても、大変多大な過重な負担を掛けてしまったということがあるかと思います。それがために、今回、様々なハイウエーであったり特区における事前の審査の在り方について、その拡充をしていくような施策なども取り組まれているかと思いますけれども、今回、私も今日もいろいろ議論をさせていただきましたけれども、まだまだ不確定要素、まだリスクが高い要素というものもこの制度の中に含まれていることは確かです。しかし、私たちが求めなければならないのは、クオリティーが高く安全性が高い薬品そして技術を一日も早く国民の皆様方に提供すること、もうこれに尽きると思うんですね。ですから、その最終ゴールというものをどうもちょっと見失いがちなこの制度というものをもう一度改めて検討をしていただきたいというふうに思います。  一番最初に私申しました、患者様から出てきたアイデアであれば、どんどんこれ活性化していくべきだと思います。しかし、患者様から出てきたわけでもない、今日の午前中、中川参考人からも御紹介がございましたけれども、規制改革会議から言われ、そして自分たちも意見を統合していったがために、どうもかなりぎくしゃくしたような制度に最後落ち着いてしまったようにしか私には思えてならないんです。  ですから、これから、もしこの制度が実際に走り始めたときに危惧されることというものを徹底的にやはり様々な検討会議で話し合っていただいた上、実行に移していただかないと、私が何度も何度も申し上げておりますように、ハイリスク群を、それも今までのようなクオリティーが保っていないような身近な先生方に行っていただく、これが一体どういうことなのかということを、もう一度厚労省の方でかみ砕きながら、検討しながら、落としどころを見付けていただきたいと思っておりますので、以上、私の要望といたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  310. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  まず、入院時食事療養費の見直しについてお聞きをいたします。  現行制度における一般所得二百六十円負担、低所得Ⅱ、住民税非課税、低所得Ⅰ、住民税非課税かつ一定所得以下の人数、男女別年齢、入院年数はどうなっているでしょうか。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
  311. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 私どもの方で、現在の入院時食事療養費の対象になっている方につきましては、まず所得の区分と人数ということで区分をして推計をしております。  それで、全体の今の入院患者数百万人というくらいでございますけれども、このうちの七十万人の方が一般所得の方でございます。それから、低所得Ⅱ、これは基本的には住民税非課税の方でございますけれども、この方が二十万人。そして、最も所得の低い低所得Ⅰの方、これは七十歳以上の年金収入では八十万以下というような方でございますけれども、こういう方が一番所得の低い方でございますが、約十万人というような推計をしているところでございます。
  312. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 男女別年齢、入院年数についてのデータはないということでよろしいですね。
  313. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 男女別、入院年齢別などの推計はしておりません。
  314. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 年収についての説明がありました。ということは、一般所得が七十万人、つまり七割の方が対象になるわけです。負担増になる人の割合が七割に上るというのは、これは問題ではないですか。
  315. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、私どもは、食材費に加えて調理費相当のお願いをしたいということで今回お願いをしているわけでございますけれども、そのうち住民税を負担していないような所得の低い方につきましては、これは据置きにさせていただきたいということで、負担能力に応じた負担をお願いしたいということで、今回の改正を御提案しているものでございます。
  316. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 私の質問は、負担増になる人の割合が七割に上る、七十万人というのは問題ではないかという質問です。
  317. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、入院患者の中で七割の方が住民税課税世帯ということでございますので、その方には負担していただくということで、その割合が著しく高いというふうには私どもは受け止めておりませんで、これは課税をしていただいている世帯で負担をお願いできるのではないかと考えているわけでございます。
  318. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 七割の方が負担増になると。で、食費がやっぱり高くなって、一回は一見少なく見えるけれども、それが何か月となると、それは物すごい負担増であると。月に何万円とか高くなることで、それはやっぱり負担増であるというふうに思います。入院している皆さんたちの、だから七割が負担増になると。  財政影響なんですが、一食二百六十円が三百六十円とした場合、二〇一六年度年間給付費三百億円減、それで、一食三百六十円を四百六十円とした場合、二〇一六年度年間給付費千二百億円減、内訳が公費五百億円減、保険料七百億円減ということでよろしいでしょうか。
  319. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 御指摘のように、二百六十円の一食分を三百六十円、四百六十円ということで段階的に引上げをお願いしたいと考えておりますけれども、平成二十八年度から百円引き上げた場合、この場合は給付費のベース、保険料も公費も全部込みですけれども、その場合は六百億円の減、給付費ベースでですね、そのうち公費は約二百五十億円というふうに見ております。  それから、四百六十円の場合は、先生からも御指摘いただきましたけれども、給付費で千二百億円の減、そのうち公費の金額は約五百億円の減というふうに見込んでおります。
  320. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 食材費と調理費の内訳で公的負担と患者負担について、今現状と改定後の見通しについて話をしていただきました。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  やっぱり巨額なお金が変わっていくわけですよね。一食当たり負担額を現行の二百六十円から二〇一六年度三百六十円、二〇一八年度で四百六十円、つまり二百六十円から四百六十円と上がるわけですが、増幅額が大き過ぎて、かつ負担増の移行期間が短期で急激過ぎないでしょうか。
  321. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この金額そのものは、一つには食材費に調理費相当額をお願いをしたいと、在宅療養との公平という観点からお願いをしたい。そして、今の医療療養病棟、それから介護保険の関係の三施設などでもこうした御負担をお願いをしておりますので、そうしたものを踏まえてこの水準をお願いしたいと考えているわけでございます。  ただ、引上げに当たりましては、一度に引き上げることについては急激な負担増になる可能性がございますので、二〇一六年度、平成二十八年度と平成三十年度の二回に分けて百円ずつ引き上げることをお願いをしたいと考えているところでございます。
  322. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 この委員会でもありましたが、入院しているときは基本的に仕事ができない、治療費も掛かるわけです。そして、二百六十円が、これが倍ではありませんが、二〇一八年度では四百六十円になると。そして、それが毎日三食、毎日毎日なっていくわけで、やっぱりこれは負担増であると。しかも、これが七割の入院患者に掛かっていくというのは、やっぱりこれは社会保障のある意味物すごい負担増に掛かるというふうに思いますし、基本的に問題があるというふうに思います。  次に、患者申出療養制度についてお聞きをいたします。  日本において、保険外併用療養などを除き混合診療が禁止されているのはなぜでしょうか。
  323. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、大きく分けて二つございます。  一つは、混合診療を全く自由にいたしますと、有効性や安全性が公に確認されていないもの、そういう医療が行われることになるおそれがございます。  それから、二つ目でございますけれども、先進的な医療あるいは新しい技術革新の成果といってもよろしいわけでございますけれども、そういうものが保険収載につながらずに保険の外にとどまってしまうと。したがって、国民の皆様、一般の皆様の医療の現場に還元することができない、特定の人しか受けられなくなる、そういうおそれがあるということで、原則としてこれを禁止しているところでございます。
  324. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 そのとおりだと思います。  二点とおっしゃいましたが、三点あると思うんですね。事前にはこの三点ということで聞いておりますが、一、安全性、有効性が確認されていない医療が行われるおそれ、二、先進的医療が保険収載されないまま保険外にとどまり続けてしまうおそれ、三、誰もが一定の自己負担で必要な医療を受けられなくなってしまうおそれ、これが混合診療が禁止されている理由だということでよろしいですね。
  325. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 三番目はちょっと略してしまいましたけれども、おっしゃるとおりで、患者負担や国民負担の増大につながるというおそれがございます。
  326. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 混合診療が禁止されているこの三つの理由なんですが、患者申出療養制度は、まさしくその三つのおそれを現実のものにする制度ではないですか。
  327. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) この三つのおそれを現実にしないようにする制度であるというふうに思っております。
  328. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、この三つのおそれがそのまま、なぜなら、一、安全性、有効性が確認されていない医療が行われるおそれ、これがどうしてクリアできるのか。先進的医療が保険収載されないまま保険外にとどまり続けてしまうおそれ、これがどうしてクリアできるのか。三、誰もが一定の自己負担で必要な医療を受けられなくなってしまうおそれ、これがなぜクリアできるんでしょうか。
  329. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) まず、安全性、有効性が確認されない医療が行われますと、それこそ大変な患者さんに不利益が生じます。したがって、この点につきましては、臨床研究中核病院を中心にして実施に当たっていただきますけれども、国では、この患者申出療養のための特別の専門家の会議を設置をしまして、そこで有効性、安全性を公に確認させていただくということにしているわけでございます。  それから、二つ目の、先進的な医療が保険収載につながらないで保険外にとどまり続けるということになるのではないかという御懸念につきましては、これも何度も御指摘をいただいております。  一つには、私どもは、これはちゃんとロードマップを作る、保険収載に向けてそれぞれの段階の目標というものをきちんと決めたロードマップを作るということがございます。それから、先ほども御議論出ましたけれども、特に医薬品などにつきましては、未承認薬、適応外、これを解消するための公の会議なども設けられておりますので、こうした中でも取り上げていただくというようなことも出てまいると思います。そういうものによりまして、きちんと保険収載につなげていくということが必要だと考えております。  それから、三つ目、患者負担と国民負担の増大でございますけれども、もちろん、この患者申出療養は保険外併用療法でございますので、保険の利かない部分には患者負担が発生するわけでございますけれども、しかし、できるだけ早期に保険適用に、保険収載につなげていくということがこの患者申出療養の趣旨でございますので、そのためにロードマップもございますので、そのことによって、無制限に混合診療を解禁するようなものとは違いまして、保険に収載することで、日本の皆保険の下できちんとした最新技術の医療が受けられるようにするという枠組みでこの患者申出療養を進めていきたいということでございます。
  330. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 この混合診療を禁止している三つの理由が全てきれいにクリアできるのか。つまり、将来は、一つは、保険収載される場合もあるでしょうし、されない場合も、つながらない場合もあるかもしれない。それから、誰もが一定の自己負担で必要な医療を受けられるということを、一時的であれ、この患者申出療養制度はこれを一旦やっぱり壊すわけですよね。その意味では、混合診療が禁止されている三つの理由を、実はこの患者申出制度は、この三つのおそれがやっぱり存在するんじゃないかというふうに思います。  患者申出療養制度は、元々規制改革会議が選択療養という名称で打ち出したものです。名称を変更したのはなぜですか。
  331. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、御指摘のように、最初は選択療養という名前で御議論が出てきたものでございまして、これは、私も当時の詳細なことは承知をしておりませんけれども、選択療養そのものは、医師と患者さんが同意をして新しい治療を実施をすることを選ぶという意味で選択療養ということになっていたんだというふうに思っておりますけれども、ただ、それだと、有効性と安全性の確認はどうするのか、あるいは保険収載を目指すのかどうかという点が非常に重大な問題でございまして、そういう御審議でいろいろなやり取りの結果、これは患者申出療養という名前で患者さんが起点ということを明らかにする一方で、きちんと有効性、安全性は確認する、公にですね。そして、あわせて、保険収載は必ず目指す、そういうロードマップを作ってもらうということを踏まえてこういう名称になったというふうに受け止めております。
  332. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 患者申出療養制度というのが患者の申出が起点だとしても、やはり医者からによるある種のリードはあり得るわけじゃないですか。そこで医者が、いや、やめなさいよと言えばやめるでしょうし、やったらいいと言われたらやっぱり患者は選択すると思うんですね。  この選択療養という言葉を患者申出療養制度と変えて、患者さんの意思によるというふうに名称を変えただけで、中身は変わっていないんじゃないですか。
  333. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) しかし、やっぱり名称として法律上、患者申出と付けるのは私は重要なことだと思います。  現実問題として、先進医療というのはやっぱり研究主導の面というのはどうしてもございます、かなり高いレベルのもの。そういうものの中で、やはり患者申出ということが、これがスタートであるということを法律上の名称としても明らかにするということは、これは患者さんの保護の観点からも重要なことではないかというふうに私どもは思っているところでございます。
  334. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 政府は、患者申出療養制度を成長戦略と位置付けていますが、医療は国民、市民の生命と健康を守る重要な役割を持つことや、保険によって所得の高い低いにかかわらずひとしく医療サービスの享受ができるということを考えれば、ビジネスとして位置付けるのは問題ではないですか。
  335. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、成長戦略に記載をされておりますが、患者申出療養は、もちろん困難な病気と闘う患者さんの思いに応えると、大変厳しい状況の病状の方もいらっしゃると思いますけれども、そうした方の思いに応えるという面が非常に重要なわけでございますが、あわせて、先進的な医療の開発を促進するという意味での我が国の医療のイノベーション、これは成長にもつながっていくわけでございますけれども、そういう面にも大きく資するものであるというふうに私どもは考えているところでございます。政府全体としてもそのように考えているというふうに受け止めております。
  336. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 大臣、これイノベーションに重要性があるんでしょうか。どうなんでしょうか。
  337. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているように、患者申出ということで患者の申出が起点となるということが大事で、一番はやはり患者本位で、今の保険には収載をされていないけれども、その安全性をきちっと国が確保しながら、患者の申出どおり迅速に、身近な医療機関で、今保険では認められていないものを保険に収載するということをきっちりとロードマップで絵を描きながらやるということであって、あくまでも患者の思いに我々としても力を注ぐということであります。  しかし、一方で、そのことがイノベーションを結果としてもたらしていくということで、他の言ってみれば新しい技術開発などにもつながるかも分からないということもあり得るということであって、それが決して目的ではないというふうに私は思っております。
  338. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 政府が、患者申出療養制度を成長戦略と位置付けて始めたというのは問題であるというふうに思います。  保険外併用療養のうち選定療養は、差額ベッドによるアメニティー追求など医療内容と直接関連しないものであります。また、評価療養も、将来保険収載を前提とした先進医療や新薬の一時的先取りなどに限定するなど国民皆保険維持の建前が曲がりなりにも維持されております。  一方、今回の患者申出療養制度においては、早期の保険収載を前提としているというふうにしております。  患者申出療養と評価療養ではどこが違うんでしょうか。
  339. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、医療の内容についてはかなり重なる部分があると思いますけれども、第一に、患者さんの申出を起点とするということです。これは、研究がスタート地点ではなくて、患者さんの申出がスタート地点だということでございます。  それから二つ目は、国が有効性や安全性を迅速に確認をするということで、先進医療は今六か月ということでちょっと遅いので、これは私ども問題があるので縮めなきゃいけないと思っておりますけれども、それに対して、原則は六週間くらい、前例のない初めてのケースでございますけれども、六週間くらいで迅速に確認をする。  そして第三点に、地方でも身近な医療機関で受けられるようにしていくということでございます。これは、先進医療の方は、非常に限られた先進的な医療機関数か所に限られているというものはかなり多うございますので、例えば抗がん剤などにつきましてはがん診療連携拠点病院、これ、がん対策基本法で定められた全国四百か所程度ございますけれども、こうしたところでも受けられるようにするという点で、この三点で現行の評価療養とは違ったものになっているというふうに理解をしているところでございます。
  340. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 現行の評価療養では駄目なんですか。
  341. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) やはり患者さんが出発点という点が私は非常に重要であると思っております。  医療というのは、どうしても研究している研究者の人が主導している面というのはかなりあると思います、かなり専門的でもございますので。でも、そういう中で、やっぱり患者さんの気持ちをまず第一に、思いというものを第一にするということを制度上明らかにしておくということは重要ではないかというふうに思っております。
  342. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 あらゆる制度は患者さんの意思を尊重するわけで、患者はかかりつけ医に相談するわけですから、それはやっぱりどっちが先かという、患者がまず口火を切ったかどうかではなくて、お互いに相談したり、どういう医療がいいかということで患者が申し出たことが、これが特色だと言われると、ちょっと首をかしげてしまうんですね。あなたがいいと言ったから、あなたの合意でしょうという形になりませんか。  先ほども、これから質問しますが、問題が起きたときにどう誰が責任取るかというときに、先ほどの答弁で、事前の合意に基づいてとありました。つまり、患者が申し出て、事前の同意があって、同意書があって、問題が起きたときには私はそれは承認しますという、手術の承諾書じゃありませんが、書くという、患者にリスクが、負担するような形ですし、私は、患者が言い出したか医療機関が言い出したか、両方が相談し合いながら医療を決めるわけで、それが何か決定的だとは実は思わないんですよ。
  343. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは、もちろんそれだけでということではございませんけれども、ただ、これは私どもも反省しなきゃいけない点がございますが、例えば今の評価療養の先進医療というもので例を取りますと、例えば先進医療について専門に患者さんの相談を受ける部署を設けるというふうなことには今なっていないわけでございます。これは私どもの問題かもしれません。しかし、今度は、先進医療やあるいは未承認、適応外のものを患者さんの身近なところで患者さんの思いに応えて使っていただけるようにということできちんと法律上に位置付ければ、患者さんの思いに応えるような仕組みをどうやってつくっていくかというその発想のところで、私はこの点は実は重要ではないかというふうに思っているところでございます。  それから、もちろん責任の問題は、患者さんに責任があるということではございませんで、先進医療と同様に医療機関それぞれがきちんと責任を負わなければならないというふうに考えているところでございます。
  344. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 患者の側が主体的に申し出ると言いますが、実際には療養メニューの提示や医師の推奨などが大きな判断要因となるのではないですか。
  345. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) それは非常に重要だと思います。  もちろん、それだけで決まるということではなくて、先ほど来お話が出るように、例えばきちんとした機関が、どのようなものが例えば候補になり得るのかと。例えば、がん研究センターで作っていただいた未承認、適応外の抗がん剤のリストというようなものを国民の皆様に例えばこういうようなものが考えられますということをお示ししていただけることもありましょうし、それから、現在の先進医療の中で、百余りございますけれども、これをもう少し全国に普及するという観点からこの患者申出療養でやっていただけるものがあるのではないかというふうにお示しをしていくというふうなことも私は重要ではないかと思います。この点は、国の責任も重要ですし、それから関係学会についてもお願いをしてまいりたいと思います。  それからもう一点。やはり、かかりつけの先生という、いつも御相談をしていただく先生、これはもちろん詳しい技術的なことは分からないかもしれませんけれども、患者さんがやっぱり信頼している先生ですね、信用している先生からいろいろ意見を言っていただくということは私は重要だと思いまして、今まで先進医療については、例えば医師会でそういう相談に乗ってくれるという枠組みはございませんけれども、今回は医師会なども非常に前向きにお話をいただいておりますので、かかりつけの先生たちがどういうようなアドバイスをしていただけるのかというような枠組みについても御相談をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
  346. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 あらかじめメニューが定められている評価療養と違い、患者申出療養制度にはメニューが存在しない状態から検討がスタートいたします。安全性や有効性を担保できるとは到底考えることができない。構造的な欠陥であり、問題ではないですか。
  347. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) これは先ほどでもございましたけれども、一つには、候補となり得るものが想定されるものもございます。ただし、先生の御指摘のように、あらかじめ医療の内容を全部決めているわけではございませんので、想定されないものもあろうと思います。それにつきましては、国の方に患者申出療養に関する専門家による会議というものを設置をいたしまして、そこできちんと審査をして有効性、安全性を確認をしてまいりたいと考えております。
  348. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 質問しながら、評価療養を充実させることで足りるのではないかというふうにも思うんですね。評価療養の方が明らかに国民皆保険の維持、その範囲でやっているということになりますので、その方がいいのではないかというふうにも思います。  患者申出診療制度がスタートすれば、製薬会社や医療機器メーカーはこれまでのように地道に時間やお金を掛けて保険適用を目指すという動機が薄れ、高額な自由診療が蔓延、拡大してしまうということはないでしょうか。
  349. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 私どもは、この患者申出療養につきましては、規制改革会議等御議論をいただく際にも、とにかく保険収載をきちっと目指していくということが非常に重要なことでございますので、そういう枠組みについては先進医療と同様に保険収載をきっちり目指していくということで、新しい医療技術につきましても、国民の皆さんが合理的な負担で保険によって診療を受けられるというものを目指していきたいと考えております。
  350. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 局長ばかりが答えているので、大臣も時々お願いします。  医療技術や医療機器開発がビジネス優先になってしまうだけでなく、生命保険、損害保険などの分野においても先進医療特約保険などの商品化が進み、国民皆保険制度の崩壊に拍車が掛かるとともに、所得格差によって受けられる医療サービスに著しい格差が生じてしまうのではないでしょうか。いかがですか。
  351. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) この患者申出療養では、これは当然、保険収載に向けるということが大前提でありますけれども、ロードマップの作成などを医療機関に求めて将来的な保険適用につなげていくこととしているわけであって、これは国民皆保険の下で広く国民が先進的な医療を受けられるようにしていきたいという考えが基本でございます。  今、民間保険の話が出ましたけれども、先進医療に関する特約等が附帯された民間の医療保険が販売されることについてはもちろん承知をしておりますけれども、厚生労働省として民間保険について所管をしているわけではございませんので、保険行政についてのお答えをする立場にはないというふうに思います。
  352. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いずれ保険収載を目指すとしても、今保険適用されないわけですから、人々は、自分が万が一がんになったりいろいろな病気になったときにちゃんとした医療が受けられるように、それは民間保険に入る人はいると思いますよ、そういう経済的に余裕がある人は民間保険にやっぱり入っていく、でも、とてもそういう余裕がない人は入れない。やっぱりこれも国民皆保険制度が壊れるという一つの道になるのではないかというふうに思っています。  だって、将来保険収載を目指すわけであって、今は保険適用ができないわけで、とすると、自分が病気になったときに、民間保険やっぱり入ろうというインセンティブが働いて、国民皆保険に頼るよりはやっぱり民間保険に入ろうというふうになってしまうのではないでしょうか。  そして、患者申出療養制度において医療過誤や薬害事件などが発生した場合、責任は誰が取るのか、救済システムはどうなるんでしょうか。
  353. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 重篤な健康被害の発生というような場合でございますけれども、現在の先進医療におきましては、その場合の責任と補償の内容についてあらかじめ実施医療機関とそして患者御家族に説明をして、同意を得た上で決定をするということになっておりますし、それから、GCPの治験の場合でも、治験の依頼者と実施機関につきましては、健康被害の補償に関する事項を定めた契約を締結する、あるいは健康被害の補償のために、あらかじめ保険その他の必要な措置を講ずるというようなことになっているわけでございますので、患者申出療養におきましても、こうした規定を踏まえまして、今後、中医協等において十分な御議論をいただきながら詰めてまいりたいと考えております。
  354. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、医療過誤や薬害が起きたときの具体的な対応システムが全くできていないじゃないですか。これから議論をしますと。それから、ずっと患者と事前に合意すると言うけれども、わらにもすがる患者は合意しますよ。でも、その後薬害や事故が起きたときにどうするかという問題です。  事故や副作用も公的補償制度から除外され、患者が責任を負わされる危険性があります。そうではないですか。公的補償制度から外れますよね。
  355. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) 公的補償制度というのは、例えば副作用被害救済基金のようなものであれば、それはまだ未承認でございますので、そのまま適用されることはございません。  ただ、現在の先進医療につきましても、あるいは治験におきましても、被害が生じた場合には実施機関においてどういう対応をきちんとするかということをあらかじめ定めておくということになっているわけでございますので、私どもは同じ方向でこの具体的な内容を詰めてまいりたいと考えているところでございます。
  356. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 公的補償に現状では入らないですよね。
  357. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 唐澤保険局長、時間でございますので、簡潔にお願いします。
  358. 唐澤剛

    ○政府参考人(唐澤剛君) はい。  これは未承認の医薬品でございますので、入りません。
  359. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 時間ですので。  今ので、結局、患者申出療養制度をやった場合の問題が発生した場合の仕組みはできていないんですよ。つまり、事故や副作用の場合に公的補償制度から除外されるということで、これもやはり問題というか、ここまで仕組みを厚労省がつくるんだったら、しっかり対応策まで考えてやるべきであって、見切り発車はよくないというふうに思います。  混合診療全面解禁に向けた一里塚になりかねないということを申し上げ、ちょっと時間がオーバーして済みません、質問を終わります。
  360. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十八分散会