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2015-05-19 第189回国会 参議院 財政金融委員会 11号 公式Web版

  1. 平成二十七年五月十九日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         古川 俊治君     理 事                 愛知 治郎君                 若林 健太君                 大久保 勉君                 西田 実仁君                 藤巻 健史君     委 員                 石田 昌宏君                 大家 敏志君                 伊達 忠一君                 塚田 一郎君                 長峯  誠君                 西田 昌司君                 森 まさこ君                 山本 一太君                 礒崎 哲史君                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 風間 直樹君                 前川 清成君                 竹谷とし子君                 大門実紀史君                 中山 恭子君                 中西 健治君                 平野 達男君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        内閣府副大臣   赤澤 亮正君        財務副大臣    宮下 一郎君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        越智 隆雄君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 伸一君    政府参考人        金融庁総務企画        局長       池田 唯一君        金融庁総務企画        局総括審議官   三井 秀範君        金融庁検査局長  遠藤 俊英君        金融庁監督局長  森  信親君        復興庁審議官   西田 直樹君        財務省理財局長  中原  広君    参考人        日本銀行副総裁  岩田規久男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (金融機能の再生のための緊急措置に関する法  律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の  ために講じた措置の内容等に関する報告に関す  る件)  (地域金融機関の総資金利ざやに関する件)  (量的・質的金融緩和に関する件)  (金融機関の国債保有に関する件)  (被災地における債務整理支援に関する件)  (アジア開発銀行に関する件)  (コーポレートガバナンス・コードに関する件  )     ─────────────
  2. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長池田唯一君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁岩田規久男君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。  まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
  7. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 昨年六月二十日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出させていただいております。  報告の対象期間は、平成二十五年十月一日以降平成二十六年三月三十一日までであります。  本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。  初めに、管理を命ずる処分の状況につきまして申し上げます。  今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。  次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高につきまして申し上げます。  破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中に破綻金融機関の清算結了時の残余財産の発生に伴う返還等が生じたことにより三億円の減額となり、これまでの累計で十八兆九千九百十七億円となっております。  預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。  また、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、平成二十六年三月三十一日現在、各勘定合計で二兆五千八百五十五億円となっております。  ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。  金融庁といたしましては、今後とも、日本の金融システムの一層の安定確保に向けて、万全を期してまいる所存であります。  御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。  以上です。
  8. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 大久保勉

    ○大久保勉君 おはようございます。民主党の大久保です。  まずは、銀行の経営環境及びガバナンスに関して質問したいと思います。  先週の金曜日辺りから地方銀行で決算発表が出ています。株価は上昇しておりますし、一方、国債で含み益が出ているということで史上最高益を出している銀行もありますが、もう少し実態を分析していく必要があるということで質問したいと思います。  最初は、麻生大臣に質問いたします。  いわゆる総資金利ざやというのがあります。その総資金利ざやがマイナスということは、いわゆる地方銀行並びに銀行の経営にどのような影響があるのか、このことに関して質問したいと思います。
  10. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 地域銀行の総資金利ざやというものは、最近、貸出金利の低下などにより全体として低い水準で推移いたしておりますのは御存じのとおりであります。地域銀行の中にはマイナスになっているところがあることは、預貸業務の収益性の低下の表れであるとも考えております。  他方で、地方の地域銀行の決算の状況を見ると、資金利益が減少する一方で、投資信託の販売等に係る役務手数料収入や有価証券の売買益等の増加並びに取引先の業況改善による信用コストの減少などによって当期純利益は堅調に推移をしておりますのは、もう御存じのとおりです。  自己資本比率につきましても、全体として規制を大きく上回る水準を維持しているなど、地域銀行の経営は全体としては足下において安定的に推移をいたしておると、そのように考えております。
  11. 大久保勉

    ○大久保勉君 ここで、政府参考人に質問しますが、総資金利ざやというのはどういう概念かということです。  やはり、金融機関にとっては本業中の本業であって、そこがマイナスということは持続可能性がないというようなことも言われておりますが、これは森局長がいいと思いますが、一般論として総資金利ざやに関してどのような意味があるか、検査監督上の意味を教えてください。
  12. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) 総資金利ざやは、御案内のように、貸出金利息とか有価証券の利息配当金等の資金運用収益から資金調達費用、預金利息それから営業経費などを引いたものでございます。言わば、商業銀行としての本来業務でございますので、現在のように総資金利ざやがだんだん低下しているという状況は、我々としても注視していかなければいけないと思っております。
  13. 大久保勉

    ○大久保勉君 森局長の方に質問したいんですが、いわゆる総資金利ざや、本業がマイナスになるということは相当大きな話だと思いますが、例えば平成二十七年度、総資金利ざやがマイナスの金融機関の数と名称を教えてください。
  14. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) 本日までに、地域銀行百五行の平成二十七年三月期決算が公表されておりますが、その中で総資金利ざやがマイナスになっている銀行は六行ございます。その名前は、三重銀行、近畿大阪銀行、筑邦銀行、佐賀銀行、北九州銀行、東京スター銀行と承知しております。
  15. 大久保勉

    ○大久保勉君 名前を初めて聞いて、関心がありますのは、北部九州に、佐賀銀行ですか、筑邦銀行、北九州銀行等があって、かなり一定の地域では貸出し競争が激し過ぎて持続可能性がなくなっているということが言えるんじゃないかと思いますが、検査監督上は、何かこういった総資金利ざやがマイナスであるということに関しては特別な指導とか若しくは配慮はありますか。
  16. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) これは、その地域ごとの競争条件といったものにも左右されますし、同じ地域にあっても、貸出しの利息が急速に低下している銀行と利息を維持している銀行と、それぞれ銀行によってばらつきがございます。  我々としましては、単なる貸出し競争ではなくて、やはり銀行が企業に、事業を活性化させるとか、付加価値を付けることによっていろいろな形で収益を上げていくと、そういう方向にそれぞれが努力することを検査監督を通じて慫慂しております。
  17. 大久保勉

    ○大久保勉君 運用に関しましては、企業に対する貸出しというのもありますし、あとは住宅ローンもあると思うんです。  今起こっていることは、金利が低いと、つまりリスクを取りたくない、安全なところにしかお金を出せないというような競争があるとしましたら、本来の地域金融機関のいわゆる資金貸出しとしては正しくないと思います。ある程度は利ざやを取っていくということも必要でありますし、また住宅ローンに関しましては、やはりリスクが少ないということでかなりの競争が出てきていると思います。  このことに関しては私も注視しておりまして、資料を作ってまいりました。資料一というのが、総資金利ざやがマイナスの地域金融機関ということで、金融庁の方から資料をいただきまして、平成二十四年三月、地方銀行で二行あったのが、二十五年六行、二十六年四行、そして二十七年が五行ということです。第二地方銀行に関しては、昨年度がゼロ行で今年一行になってきているということです。激変はしておりませんが、増加傾向にあるんじゃないかと思います。  この辺り、どうして総資金利ざやがマイナスになっているかと。やはり、構造的な問題として、銀行の調達、預金金利はもうゼロ%近くになっていますが、それ以下に、マイナスにすることはできないという状況です。いわゆる調達コストのフロアがあると。一方で、貸出金利がどんどん下がってきていると。特に、預金というのは短期調達で長短の金利差を取って長期の国債を買うとか、若しくは長期の住宅ローンを貸出しすることによって利ざやを上げていたところも多いと思いますが、だんだん長期金利も下がってきたと。こういったことが影響しているのかなと思います。  じゃ、どうして長期金利が下がってきたのかと。やはり、この財政金融委員会でも何度も議論しておりますが、日本銀行の量的・質的金融緩和が影響しているということかなと思います。  そこで、麻生大臣の方に質問したいんですが、こういった総資金利ざやがマイナスの傾向になっているのは日本銀行の政策と連動しているかどうかの認識に関して答弁を求めたいと思います。
  18. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行が実施をしておられますいわゆる第一の矢、いわゆる量的・質的金融緩和というものは、それは波及効果の一つとして金利の低下を促すというのは、これははなから分かっておるところであります。それによって、民間需要を刺激し需給ギャップを改善させることで物価安定目標の実現につなげるという狙いであるものと承知をいたしております。元々の話でありましたので。  金利低下につきましては、これはもう需要がないというのが一番大きな理由なんだと思いますが、影響につきましては、個々の金融機関の運用方法や資金の調達条件により異なりますので、これ一概に申し上げることは困難でありますが、いわゆるイールドカーブのフラット化と言われる金利の低下というものは、これは国債の利息の収入というものや貸出金利収入の減少を通じて、いわゆる今御質問のありました総資金利ざやというものの縮小につながっていったというものだと考えておりますので、全体を申し上げればそこが基本だと考えております。
  19. 大久保勉

    ○大久保勉君 いろんなことがありましたが、最後の、イールドカーブがフラットニングしている、その結果、地銀の収益にもろに響いてきていると、これが一般的な理解でありまして、大臣も同じようなことを最後の方で表現されたと私は理解しております。  ですから、日銀の金融政策に関しましては、恐らく二%になるまでオープンエンドでずっと続けていく、最初のターゲットは二年後と。ところが、だんだん二〇一六年度の前半というふうに下がってきています。場合によっては更に二年、三年という可能性もありますが、その結果、地方銀行の経営環境厳しくなるといったことも考えていくべきだと思います。もちろん、金利を下げることによって企業側の方の調達コストが下がり、設備投資が増えたらいいんですが、なかなかそうならなかった場合にちゃんと金融システムを考えていかないといけないと、こういったことが議論できると思います。  もう一つ、地域金融機関に関しましては、調達コストがゼロ%で一定として運用がなかなか出てこないと。そうした場合は国債で運用しております。当初は短めの国債、三年とか五年、で、もう三年、五年とかの金利が下がってきたと、だったら十年の国債金利、さらには十年の金利が下がったら二十年、こういう形で長期の運用をしていくと。それで何が起こるかといいましたら、金利リスクを大量に取っていくと。その結果、一旦日銀が出口政策に入った段階で一斉に国債の金利が上がって地方銀行は大きい損失を発生すると、こういったことを今のうちからしっかりと点検していく必要があると思います。  こういった傾向を助長する会計制度があると思いますから、会計制度に関して政府参考人に確認したいと思います。  現在、多くの地方銀行が、長期国債を買った場合は満期保有債券として償却原価法で会計処理することが許されております。つまり、時価評価する必要がないということです。その結果、本来は相当リスクがあるのにそのリスクが顕現化しないと。こういったことによって、いわゆる会計制度によって将来のいわゆる時限爆弾が点火されていると。金利が上がった段階で不良債権問題になって、その結果、預金保険機構のお世話になると、こういったことになったら大変だと思います。  ですから、会計処理、このことに関してそろそろ、国債の会計処理に関しましては、満期保有から、いわゆるその他有価証券ということで時価評価をする方向に主導していったらどうなんでしょう。かなり大きな変更になりますが、森局長の方に質問します。
  20. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) 平成二十六年三月末の数字でございますが、地域銀行の保有国債が約四十三兆円ございますが、その中で満期保有目的の債券となっているものは約二兆円でございます。大宗は、その他の保有目的とされている国債が占めております。  これは、満期保有でいきますと、途中で金利が上がった場合に、損失を認識する必要はないんですけれども、やはり借入金利が上昇していきますものですから、長期国債を満期保有しますと、やはりALM上逆ざやになってくると、そういうリスクがあるからではないかと考えております。  一方で、委員御指摘のとおり、地域銀行の保有債券の平均残存期間というのは大手行に比べても長いものになっておりまして、また、円金利リスクの指標も高い水準で横ばいに推移しております。これは、低金利環境の中、金融機関が少しでもサーチ・フォー・イールドと申しますか、高い利回りを確保しようという考え方によるものと思われます。
  21. 大久保勉

    ○大久保勉君 一点安心したのは、国債保有四十三兆円のうち満期保有が二兆円ということで若干安心したんですが、この二兆円、もし平均残存期間が十年だとしましたら、デュレーションが十年だとしましたら、もし一%金利が上がった段階では一〇%の損失です。ですから、二兆円の一〇%ですから、二千億円の損失がその金融機関全体に掛かってくると。金利が上がり出したら、一%どころか二%、三%急に上がる可能性もありますから、要注意ですね。  森監督局長、森さんに質問しますが、いわゆる金融機関との対話のときに、満期保有債券がどの程度あるか、特に満期保有債券が多い地域金融機関に関しては、何らかの指導とか若しくは検査等をされていますか。
  22. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) 個別にどういうことをやり取りしているかということはコメントを差し控えさせていただきますが、委員と同様、銀行が長期国債を保有することは、やはり今後、金利の将来の不透明性を考えますと、きちんとしたリスク管理の下、それからガバナンスの下で行うべきと考えておりまして、やはりどういう認識でどういったリスクを取っているかということは対話の中で行っております。
  23. 大久保勉

    ○大久保勉君 次に、同じような問題意識に対して、国際的な枠組み、バーゼルにおきます自己資本規制との関係で質問したいと思います。  バーゼル規制、いわゆるバーゼル3では、過度に国債等を保有している、金利リスクを保有している銀行に関してはアウトライヤー規制というのがありまして、アウトライヤー銀行であるという認定がなされています。  このアウトライヤー銀行に関して、日本では何行あり、銀行の名前を教えてもらいたいと思います。
  24. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) アウトライヤー銀行が具体的に何行あるか等につきましては、個別銀行の信認等への影響なども勘案しまして、従来からコメントは差し控えさせていただいております。  なお、銀行によってはアウトライヤー比率を公表しているところがございまして、平成二十六年三月期では、全ての主要行、それから三十九の地域銀行がこれを公表しておりまして、これらの銀行はアウトライヤー銀行には該当しておりません。
  25. 大久保勉

    ○大久保勉君 個社の名前は開示する必要がありませんが、せめて行数だけは開示すべきだと思います。もし金利が上がり出した場合には、そういった金融機関の経営がおかしくなって、最終的には預金保険という公的な財源を使わざるを得ないということですから、開示ということは重要だと思いますし、開示することによりまして、金利リスクに対しても要注意ということをしっかりと地銀のマネジメントに対して伝えることができると思います。  さらに、麻生大臣に質問したいと思いますが、こういった金利リスク、国債投資に関する金利リスクに関しては、欧州の金融当局を中心にかなり危機意識があります。現段階では、バーゼル上はアウトライヤー規制だけなんですが、いわゆる国債の時価評価等に関して資本に直結しようと、こういった意見も出ています。もしそういったことになりましたら、日本の金融機関自身は、国債をこれ以上買えるどころか大量に売らないといけないと。その結果、日本の金融システム若しくは金利にも大きく影響しますし、日銀の政策にも影響しますから、非常に気にしております。  まだまだ決まっていないというのは承知しておりますが、麻生大臣の方に、現段階でどのような議論があるのか、説明してもらいたいと思います。
  26. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) バーゼルの銀行監督委員会におきまして、今お話にありましたように、国債に限らず銀行勘定で保有する資産、負債全体の金利リスクの規制の枠組みに関する検討というものが行われておりますのはよく承知をいたしております。  これは国際交渉中の事項でもありまして、議論の方向性や規制の導入の可能性とか、またさらに、それが国債に与える、市場に与える影響につきましてはこれはコメントすることを差し控えますが、いずれにせよ、日本の銀行が資本の積み増しを迫られているというような方向に固まっているというわけではありません。
  27. 大久保勉

    ○大久保勉君 非常にあっさりとしたコメントで、実はいろんな議論があるということを私どもは承知する必要がありますし、そのことが日本の金融システムに多大な影響があるということは承知して、立場上なかなか言えないというように理解しております。  次に、地域金融機関の経営環境に関して議論したいと思います。  特に、地域に関しましては、高齢化、人口減少社会に突入しておりまして、将来的には預金が減少したり、また中小企業の資金ニーズが減るということで、経営環境は更に厳しくなると思います。  こういった状況下において、金融庁は、例えば地域金融機関の統廃合を促進するといったことも実施されていると思います。もちろんこれは、経営統合に関しては金融機関自身が自ら選択すべきものでありますが、そういったことに対して、さきの予算委員会では、そういったことを麻生大臣は認知していると、そのことに関して若干の評価もいただいたと思いますが、現状、地域金融機関の経営環境に対しての判断並びに地域金融機関の統廃合に対する判断等に関して御所見がございましたら、教えてもらいたいと思います。
  28. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 多くの地域において生産年齢人口は減少が予測をされているところでありますので、それに伴いまして、各地域において貸出市場の規模が縮小する、また経営環境が変化していくということは当然予想されるところであります。こうした中で、地域金融機関におきまして、単に量的拡大を追求していくというようなビジネスモデルでは、これは中長期的には成立しないという可能性があります。  したがいまして、地域金融機関としては、企業の事業内容とか成長可能性などを適切に評価をした上で、それを踏まえて解決策、対応策を検討、提案ということになるので、その実行を支援をしていくということが重要であろうと存じます。また、こうした取組によって取引先企業の生産性の向上とか経営改善というものをもたらすということであって、金融機関自らの安定的な収益の確保とか、また健全性の維持、向上につながって、地域金融機関のビジネスモデルの持続可能性が高まるということになるんだと考えております。  いずれにいたしましても、金融庁としては、こうした観点に立ちまして、引き続き地域銀行において、その地域によって状況が大分違いますので、そういったものについてはきちんとモニタリング等々取り組んでいかねばならぬところだと思っております。
  29. 大久保勉

    ○大久保勉君 次に、資料を準備しましたが、資料三というのを御覧ください。金融庁及び東証等が進めておりますコーポレートガバナンス・コード等に関する質問をしたいと思います。  こちら、この資料では、社外取締役を二名以上、東証の上場企業に関しては設置すべき、もし設置できなかった場合にはその理由を説明しなさいといったことを言っております。金融庁自身は、さらには、機関投資家の方からしっかりと経営を監視すると、スチュワードシップ・コード、こういったことも行っておりまして、この点に関しては、私は安倍政権は非常によくやっていると思います。つまり、企業の効率を良くする、銀行の効率を良くすることによって日本全体の競争力を高めていくと。まあ、口が悪かったら、唯一成功している分野かなというような意見もあります。  そこで、このコーポレートガバナンス・コード、さらには会社法改正によって銀行の経営力が向上すると考えているのか、さらには独立取締役を設置することによって銀行の経営にとってプラスになるか、このことに関して麻生大臣に質問したいと思います。
  30. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 上場銀行等々におきましては、いわゆる改正された会社法、改正会社法とは、コーポレートガバナンス・コードの適切な実践によって持続的な成長可能性とか中長期的な企業価値の向上が図れることは期待されているところなんですが、これ、コードによれば、独立社外取締役を複数名設置すれば、基本的には、経営方針などに関わる助言とか、また取締役会の意思決定を通じた経営の監督とか、また経営陣、支配株主等々との利益相反の監督などにおいてその存在が十分に生かされる可能性が大きく高まるということが私どもとしては考えているところであります。  ただし、銀行を含みます個々の企業におけるコーポレートガバナンスの適用の仕方というものにつきましては、これはそれぞれの会社が自ら置かれた状況に応じて工夫していただかなきゃいかぬところでありますので、その点は十分に留意して、一概に同じようなやり方をするのはいかがなものかとも思っております。
  31. 大久保勉

    ○大久保勉君 続きまして、預金保険との関係で、銀行の経営に関するインパクトに関して議論したいと思います。  東証の上場企業に関しましては社外取締役を入れるといったことがありますが、実は多くの地方銀行、さらには信金、信組は非上場です。ですから、こういった圧力はないということです。外部の力を入れるということによって経営改善というのは、私は必要だと思っております。  そこで質問したいんですが、預金保険の料率が二〇一五年度引き下げられております。約半分になったと思うんですが、預金保険というのは、保険料をもらって、で、何かあった場合に、破綻した場合にしっかりと保証するということです。保険業務になっています。ですから、預金保険の立場から考えたら、銀行の経営がうまくいくということは、破綻する可能性が減りますから、いかに経営を改善するインセンティブを付けていくかというのが非常に重要だと思います。  保険料を使ってインセンティブを使っていくということは重要で、例えばアメリカのFDICにおいては手数料が可変となっています。つまり、経営状況が良くなった、いいところに関してはデフォルトの確率が少ないということで預金保険料を下げると。日本も制度的にはそういったものがあり得ると思います。  ここで、応用形なんですが、もし、ガバナンスが非常にいい銀行に対しては、当然ながら経営がうまくいっていて破綻する可能性が少ない、だったら保険料率を下げろと、下げることができると、こういった改正をしたらどうなんでしょう。一般的に、信用力が劣っている、だから保険料を上げるということでしたら、預金者の方が預金をしない。で、資金が流出するおそれがありますからなかなか採用するわけにはいきませんが、ガバナンスがいいところに関しては保険料率を下げていくと。その結果、更に独立取締役を入れたり、若しくは様々な経営革新をすると、そういったインセンティブを導入することに関していかがでしょう。これは大臣でも若しくは政府参考人でも結構です、御所見を賜りたいと思います。
  32. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今、大久保先生御指摘のいわゆる可変保険料率の話ですけれども、これは市場規律を補うという面があることは確かですが、同時に、経営が悪化した金融機関に対しましては当然のこととして他の金融機関より高い保険料率ということを課す、いわゆる負担をそれだけ課されるということになりますので、更なる経営悪化をもたらすという可能性というのは十分あろうと存じます。  したがって、様々な角度から検討すべきものだと思っておりますが、コーポレートガバナンス・コードというものは、法令のように、これは一律に義務を課すというものではありません。その適用の仕方では、それぞれの会社が自ら置かれた状況においてこれは当然工夫をされてしかるべきものだと考えております。  したがって、コードの遵守状況などを当局が一律機械的に評価する性格という種類のものではないのではないかと思っておりますので、保険料率を変動させるということについては、それによって保険料率を変動させるのはいかがなものかというような感じがいたしております。
  33. 大久保勉

    ○大久保勉君 可変保険料率に関しては、もうこれまでも何回か金融庁と議論しておりますが、なかなかここは固くて、保険料を一律にすると、こういった意見です。頭の構造がまだ護送船団のままであるかなと思います。是非前向きな、若しくは建設的な議論をしてもらいたいと思います。つまり、預金保険は何のためにあるのか、どういう形で預金保険をうまく使っていくかと。もちろん金融庁の検査も必要ですが、この辺りも是非今後検討していただきたいということで、これは私の意見です。  続きまして、金融審議会の決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ中間整理、こちらに関して議論したいと思います。  この中で、決済等に関しましては、新しい金融技術、ファイナンシャルテクノロジーということでフィンテックという概念がございます。麻生大臣に質問したいと思いますが、世界のフィンテックの動きに金融行政がどのように対応しようとしているのか、このことに関して麻生大臣に御所見を賜りたいと思います。
  34. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) このフィンテックの拡大というものは、これは物すごく大きな変化が私は将来予想されるんだと思っております。大久保先生、将来、多分iPad若しくはスマートフォン一台あったら銀行の支店がなくなるというほど進みますよ、これは。それぐらい技術が進んでいるということは、物理的には可能ですから。それぐらい進むという時代を、頭が付いていっているのは我々の世代ではほとんどいないと思っております。これ、世界中ほとんどいないと思いますが、それぐらいもう現場では進んでおります。  専用回線がある、無線でですよ、無線で専用回線ができるという技術が既に日本にはありますから、そういったようなものまで考えますと、今後、金融とITの融合というものは、これは金融サービス業の在り方を大きく変えるという可能性があるものだと認識をいたしておりますので、日本でも、これは決済業務はもちろんのことですけれども、金融サービスの分野においてイノベーションとか、まあいろいろな言葉がありますけれども、そういった新しいサービスに向けた取組は強化をする重要な課題になっているということだと私ども考えております。  また、決済業務の高度化とか、また金融サービス部門におけるイノベーションといった問題は、これは金融グループのIT戦略や経営戦略と密接不可分な関係にあろうと思っておりますので、金融グループをめぐる制度の在り方は、これは重要な関連性を有するであろうと思っております。  このため、昨年の九月と今年の三月、私の方から金融審議会に対して、決済業務の高度化及び金融グループをめぐる制度の在り方についての審議を諮問いたしております。  金融庁としては、こうした金融審議会での審議なども踏まえて、金融サービス分野の更なるイノベーションの促進等に向けて積極的にそれに対応できるようにしていかねばならぬということで、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  35. 大久保勉

    ○大久保勉君 ありがとうございます。  非常に前向きな答弁で、総論は大賛成と理解しておりますが、各論を議論しないと余り意味がないと思います。  先日も、全銀協の協会長の佐藤会長、みずほフィナンシャルグループの社長が就任挨拶で、やはりITテクノロジーは極めて重要だ、大きく金融業界が変わろうとしていると。こういったことに関して極めて前向きな対応を考えています。ところが、本当に個別の案件について言っているのかに関しては大きな疑問があります。特に地方銀行とか金融機関の経営者等を考えた場合、ITは重要だと、でも、結局ITというのはいわゆるコスト削減、つまりバックオフィス業務に限定していて、むしろ攻めのITというのはなかなか手当てができていないと、こういった分野もあると思います。  今日は資料の四というのを作ってまいりました。五月十七日、日曜日の朝日新聞に出ていました米国のフィンテックの状況です。米ビットコイン、安心PRに重点を置いているということなんですが、昨年私はビットコインに対する質問主意書を出しました。その関連もありまして、麻生大臣の当時のコメントに関して、通貨として誰もが認めているわけではない、所管もよく分からないと話された。米国等では昨年のマウントゴックス破綻にもかかわらず、ビットコインが事実上の通貨として利用されつつある。現段階でビットコインを通貨として認識したり、取引に対して消費税を掛けるなど、税法上の取扱いの方針を日本国として、財務省として若しくは金融庁として出しているのか。この点に関して議論したいと思いますが。  あれから一年、自民党のIT戦略室等でも、ビットコインに関しては価値情報とか、そういった定義が出てきたと思いますが、このビットコインは通貨として考えているのか、もし通貨でなかった場合は税務上どうなるのか、また金融機関がビットコインを扱うことができるのか。この点に関して、麻生大臣並びに必要があれば政府参考人に質問したいと思います。
  36. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 法定通貨というのは、もう御存じのように、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律がございまして、これによって貨幣及び日本銀行券のみとされておりますので、したがって、お尋ねのようなビットコインは法定通貨ではありません。これははっきりいたしております。  これを前提に、課税上の取扱いについて一般論として申し上げさせていただければ、ビットコインの譲渡というものは、これは消費税法上の資産の譲渡等に該当するということになろうと思いますので、消費税の課税の対象となります。また、ビットコインの譲渡により、キャピタルゲイン、いわゆる譲渡利益が出た場合は、当然のこととして所得税又は法人税課税の対象となります。  いずれにいたしましても、国税当局におきましては、これは個々の具体的な事実関係に基づいて判断することとなっておりまして、これは意見の大勢がまだまだ確定するところまで至っているとは申し上げられませんけれども、いろんな意味で、今まだ情報収集等々にこれはかなり追われている、潰れたりしているところもありますし、極めて難しいところかなと思っております。
  37. 大久保勉

    ○大久保勉君 これ、先ほどの答弁は一年前の質問主意書とほぼ同じ内容ですから、ほとんど議論が進んでいないと。  では、森さんに質問しますが、ビットコインを金融機関が売買することはできますか。じゃ、池田さんに質問します。
  38. 池田唯一

    ○政府参考人(池田唯一君) お尋ねの点につきましては、ビットコインに関します行為の具体的な態様等によるところが大きいと思われますので一概にお答えすることは困難でありますけれども、一般論で申し上げますと、例えば、ビットコインを資金移動の手段として利用したり、ビットコインの保管、送付、交換等のサービスを提供する場合には、銀行法あるいは資金決済法に規定する為替取引への該当可能性、あるいは銀行の固有業務との親近性等、様々な観点から具体的なサービスの態様に応じてその可否を判断していく必要があると考えております。
  39. 大久保勉

    ○大久保勉君 結局、何も決まっていないということじゃないですか。ですから、さっきのフィンテックに関しては重要だといっても、個別に関しては何も決まっていないという状況です。  実は、一年前にマウントゴックスが破綻して、日本は一年間何もせずと。ところが、この新聞記事には、ニューヨークの金融当局はビットコインのエクスチェンジを認めていると、そういった部分もありますから、この辺りは、民間企業だけの競争でなくて、やはりいろんな規制当局もしっかりとその中に入っていって民間金融機関を応援するということが金融技術の革新に貢献すると思うんです。  霞が関でしたら、縦割り行政で、ある部分は経済産業省、ある部分は財務省、ある部分は金融庁ということでなかなか難しいのは承知しておりますが、この辺り、是非、力のある麻生大臣の方が音頭を取って縦割り行政を打破しない限りは、総論賛成、各論に関しては全く金融技術に適応できないと、こういう状況になると思います。もし御意見があったら、麻生さん、お願いします。
  40. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) さっきのフィンテックの話とこれと一緒にしておられるということなんでしょうか。フィンテックの話とこれと一緒にするつもりはありません。フィンテックの話はフィンテックの話として個別にどんどん進めていかにゃならぬと思っておりますけれども、このビットコインに関しましては、それの一部になり得るかなり得ないか、これが法定通貨となり得るか否かにつきましても、まだ検討の段階で、なかなかそれほど定着しているとも思えませんし、これが将来定着し得るかということに関しましても大いに意見の分かれているところでありますので、何もしていないんじゃない、議論が極めて紛糾しておるというように御理解いただいた方が正確だと存じます。
  41. 大久保勉

    ○大久保勉君 法定通貨という形で決めてしまったら、新しい技術がなかなか金融機関が採用することができないと。実際に、事実としまして、例えばゴールドマン・サックスの予想によると、世界で三百億ドルほどの個人間の送金手数料が仮想通貨などの技術により今後十年間で六十億ドル分減ると予想とか、アメリカの金融当局に関してはビットコインの取引所に関して認めているとか、様々なことがあります。もちろん、例示としてビットコインと言っていますが、様々な技術を吸収して新しい金融業を考えないといけないということです。  ですから、通貨は法定通貨のみ、それ以外は銀行が一切投資も扱うこともできない、それ以外は個別事情で判断すると。その判断するということで相談しても、一年たっても二年たっても一切回答がないと、こういう状況だったら、結局は日本は金融革新から取り残されてしまうと、こういったことを指摘いたしまして、私の今日の質問とします。
  42. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。  金融機関の経営あるいは破綻に関する影響ということでは、先ほど大久保委員のお話の中にもありました、やはり金利の動きというものが大変大きいというふうにも理解をしております。短期、中期、長期の金利とございますけれども、その金利の動きに対して今大きな働きかけをしているのが日銀の政策というふうに理解をしております。あわせて、この金利の動き、最終的には国の財政状況にも大変大きな影響を与えるという観点を持って、今日は、改めてまた日銀の政策であったり、あるいはそこに対する国の財政状況、そうした関連についての御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  先月、四月の二十三日に行われました当委員会での質疑、これは日銀報告に関する質疑ではありましたけれども、その中で様々なやり取りが私を含めてほかの委員の方からもございましたが、ちょっとやはり理解がなかなか進まない点もございましたので、まずその点について、今日は岩田副総裁においでをいただきましたので、お話を聞かせていただきたいというふうに思います。  前回、前川委員の方から、根本的な、まずベーシックなお話でしたけれども、世の中に供給するお金の量を増やすとどうして企業ですとか個人がお金を使うようになるのかという、少しベーシックなお話をしました。私自身もいま一つ副総裁のお話を聞いたところですっと腹に落とし切れなかった部分もございましたので、改めて今日、その点についてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  43. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 量的・質的金融緩和、二%をできるだけ早期に達成するという強いまず明確なコミットメントをした上で、それを裏打ちする量と質の面の両面で次元の異なる金融緩和を行っている政策です。  まず、量の面では、金融市場調節の操作目標を従来の金利からマネタリーベースという量に変更し、これを大幅に増加した上で、その供給のために主として長期国債などの資産を大幅に買い入れると。次は質の面ですけれども、買い入れる国債の平均残存期間を延長し、ETFやJ―REITなどの買入れを増加させております。  このような量的・質的金融緩和では、まず将来の物価上昇率を考慮した金利、これを実質金利と言っていますが、これを低下させることが波及経路の出発点であります。すなわち、大規模な長期国債の買入れによってまず名目金利を下げるとともに、二%の物価安定目標に強くコミットすることで人々のデフレマインドを払拭して予想物価上昇率を一方で引き上げるということで、この二つが相まって実質金利が低下すると企業の資金調達コストが低下すると。実質金利というのは企業の資金調達コストですから、それが低下し、あるいは株価が上昇するといったことを通じて、最終的には民間投資などの最終需要を引き上げるというメカニズムがあります。  こうした民間需要の増加によって需給ギャップが改善すれば実際の物価も上がってくる、それを見て実際の物価が上がれば、やはり人々の予想物価上昇率は更に上昇するということで、今述べた一連のプロセスが強まってくるということであります。  量的・質的金融緩和の導入後の経済、物価の動きを見ますと、この政策が所期の効果を発揮しておりまして、すなわち、長期金利が日本銀行の長期国債買入れもあって大幅に低下した一方、予想物価上昇率もやや長い目で見れば全体して上昇しておりまして、この間、実質金利は実際に約一%程度低下しております。  そうした下で、実体経済面では所得から支出への前向きな循環メカニズムが働いており、我が国経済は緩やかな回復過程にあると考えております。物価を見ると、原油価格の下落などの影響から、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は最近ゼロ%程度ですが、物価の基調は着実に改善しているというふうに思います。(発言する者あり)
  44. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 答弁は簡潔にお願いします。
  45. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ベーシックな、基本的なことを今お伺いしたので、ほかのことを付け加えられると逆に理解が進まなくなりますので、絞り込んだ形で回答いただきたいというふうに思います。今も、量的・質的という言葉も加わってしまうと、私は単純にお金を増やすとどうしてという話をお伺いしましたので、私的な話ですとか、企業とか株価とか、そういう話まで持ってこられてしまうと多分理解が進まなくなる原因だというふうに思いますので、極めてシンプルに副総裁にはお答えをいただきたいというふうに思います。  自分なりにもまた勉強をいたしました。日銀のホームページですとかあるいは政策決定会合、その他の政府との会合を含めて、いろいろなお話がそこでされています。私なりの理解でお話をさせていただきますが、入口として政策としては二つあるんだと。その一つがお金を増やしていくということ、お金を増やしていくその方法として長期国債を買うんだと、長期国債を買うことによってお金を投入していく、そこにお金を増やすということがつながっているというふうにお話をされています。それが最終的には名目金利の引下げにつながっていく、その名目金利を引き下げることによって企業がお金を借りやすくなる、あるいは個人がお金を借りやすくなる、要は期待に働きかける、これが一つ目の入口だというお話だと思います。  もう一つの入口が物価を上昇させますよというふうに宣言を明確にするということ、これは単純に物価を上げるというふうに言うだけですから、言うだけというとちょっと乱暴に聞こえるかもしれませんけれども、まあ単純に言えばそういうことだと思います。だから、物価を上げると言うことから、ああ、物価は上がるのかな、上がっていくのかな、これも気持ちに対しての働きかけ。  だから、この二つが入口であって、先ほど、ベーシックな話という意味でいけば、供給するお金の量を増やすとどうしてお金を使うようになるのかといえば、そうした金利の部分の引下げによって期待に働きかける、物価を上げますよと発言することによって期待に働きかけると、これが二つの入口だというふうに私理解をしておりますが、こういう理解でよろしいでしょうか。
  46. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 基本的には大体いいんじゃないかというふうに思いますけれども、ただ、言うだけ、二%に上げますと言うだけじゃなくて、まず量的・質的緩和という、その裏打ちがあるということですね、実現するために、実現できるまでそういうことを続けるんだという裏打ちがあることと、それから、過去の二〇〇〇年代の量的緩和と違うところは、長期国債のような長めのものを買うということ、それによって、長めの国債というのは非常にリスクが民間にとってありますので、リスクを日本銀行のバランスシートに置き換えることによって、民間のリスクを減らすことによって民間がリスクを取りやすくするという、そのメカニズムが働いて、リスクのある設備投資などに最終的には需要が拡大するという経路があるということです。
  47. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そこの部分も理解はしております。ですから、あくまでもベーシックな部分と、要は景気を回復させよう、物価を安定させて上げていくというその根本の部分でいけば、やはり期待に働きかけるところだというところをまず確認したかったということです。  今そうした政策を打ってきて二年がたったという形になりますけれども、まず初年度、物価は確かにこれ上昇していったというふうに理解をいたしますが、この物価上昇のメカニズムの中で、さっき言った、金利の低下をする、先ほど岩田副総裁の御説明の中にもありました、金利を低下させることによって民間需要を刺激をしていく、結果的にそれが経済の好転につながっていくというお話もありましたけれども、二〇一三年の物価上昇というのは、今言った、金利が低下をしたので民間需要を刺激して経済の好転につながったことによる物価上昇でしょうか。
  48. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) やはり需要が、まず消費が一番伸びましたけれども、設備投資も前期比でそれまではマイナスが続いていたのがプラスに転じております。輸出の方はなかなか伸びが遅かったんですけれども、最近は輸出もようやく伸び始めているという状況で、全体に需要が伸びて需給ギャップが縮まっていて、現在、もうゼロ%程度まで需給ギャップは縮まっていると。他方で、予想インフレ率も、この政策を始める前、むしろデフレ予想があったのがインフレ予想に変わって、いろんな指標を見ても変わっているということでございます。
  49. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今お話しいただいた中身、ちょっと後半の部分は結局また下がってきたという話になるんではないかと思いますけれども、結局、私の理解でいけば、二〇一三年度の物価上昇というのは少なくともこのメカニズムまでは到達しなかったんではないかなという理解です。結局は金融商品の取引、資産市場に対しての働きかけ、ですから、これによって株価の取引のお金、マネーの取引量が増えましたから、マスが増えたことによって株価が上がったということ。株価が上がったことによって、そこで出たもうけが消費にはつながったというふうにはなるのかもしれませんけれども、それ以上は市場の拡大には広がらなかったんじゃないかなというふうに見えます。  あわせて、円安になったということによってコストプッシュ型の物価上昇が短期的に発生したというのが二〇一三年の状況だったのではないかなというふうにも考えますが、こういう考え方についてはどうお考えでしょうか。
  50. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 委員のおっしゃった前半は全くそのとおりだというふうに思いますが、後半部分で、円安がコストプッシュだというので上がったということで、もしもコストプッシュだけですと実は生産は縮小するはずなんです。コストが上がった分だけ需要が減るので、生産は減るというふうになる。しかし、実際は生産の拡大を伴って物価が上がるということは、円高修正というのも需要圧力があったということであります。そのために生産が拡大したということです。
  51. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 民間需要がそうすると広がったということだと思います。ただ、その後、二〇一四年になって結果的には下がってきたということですけれども、そうすると、一度広がったものが下がって、現に下がってきているわけですけれども、ここが下がってしまったメカニズムというのはどのようにお考えになっているんでしょうか。
  52. 岩田規久男

    ○参考人(岩田規久男君) 生鮮食品を除く消費者物価の前年比が、一三年三月の時点で、我々が量的・質的緩和をする前はマイナスの〇・五%だったわけですね。デフレで、むしろデフレの、物価下落率が月ごとに大きくなっていたという状況です。それが、二〇一三年四月に導入した量的・質的緩和が先ほども申し上げた所期の効果を発揮して、消費税率引上げの直接の影響を除くベースで、二〇一四年四月には一・五%というふうにして、二%ポイントも一年間で上昇したということで、所期の、量的・質的緩和は思っていたとおりのペースで進んでいったということです。この物価上昇率の実はペースは、そのペースが仮に続けばですね、四月以降も、去年の七、八月にはもう二%を達成するというスピードでありました。しかしながら、その後、消費税率の引上げの反動減が想定以上に長引いたということで、需要面が弱くなったということで、まず二〇一四年五月頃から物価の上昇率は低下し、消費の低迷を反映して、物価の上昇率は低下していきます。  それに加えて、昨年夏以降、原油価格が一時六割ぐらいも急激に短い期間で下がるということで、さらに消費者物価の伸び率が低下して、直近の一五年三月には〇・二%となっていますが、この原油価格の下落、この急落といいますか、それによる物価上昇率の低下はもう世界的に見られる現象でありまして、米国、英国、ユーロエリアなど、消費者物価の前年比は今ゼロないし小幅のマイナスになっているという状況であります。  しかし、原油価格の下落については、やや長い目で見れば経済活動に好影響を与えますので、物価上昇要因となってきますので、前年比で見た物価押し下げの影響はいずれ剥落するものでありますので、また、消費税率の引上げによる先ほど言った反動減に起因する消費者物価の下押し圧力も段々収束しつつあるというふうに考えています。
  53. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 副総裁、私、下がったところのメカニズムだけお伺いしているので、その後の話は実は結構なんです。  消費税と原油価格の予想外の動きというのが、下がってしまった、結果的には物価上昇が継続しなかった大きな理由と。これは実は前回もお伺いをいたしました。今改めてそこの中身をお伺いをしたんですけれども。  ですから、メカニズムがあって、そのとおりに日銀の政策が動いてきているという前提で様々なお話もされていると思いますし、そうした指標からのコメントも私、見させていただいているんですけれども、そうは言っても、やはり今消費税の話、原油価格の話、様々な要因があって、日銀のそうした物価上昇の政策については大きな影響を受けて、結果的には目標到達の時期が今遅れているという現実があります。そうすると、こういう理由でこういう理由でというふうにお話をされるんですけれども、本当にそうなのかなというのを実は違和感を持っています。  これは前回も少し触れたんですけれども、最後に触れたんですが、私がそのときお話をしたのは、日銀の政策のみで二%の物価上昇到達は可能なのかということで御質問をしました。岩田副総裁、このようにお答えをいただきました。物価を決める要因としては短期的にいろいろあるんだけれども、金融政策で二%を達成できる、ヘッドウインドがあって時間が掛かる場合もあるんだけれども、最終的には可能だと。三本の矢の中で物価を決めていく中で一番大切なのがやはり一本目の矢だと。成長戦略やって、実質成長率が伴った物価二%というのもあるだろうし、成長戦略が全然うまくいかない場合には、少し低い成長率だけど二%という組合せもあるということでお答えをいただきました。  正直言うと、ちょっとここに対しては私は違和感がございます。やはり、日銀の政策の入口二つはどちらも、企業行動として様々な設備投資をしていく、人的投資をしていく、そこに対しての働きかけ、それから二%の物価上昇を訴えることによっての人の消費行動に対する働きかけ、気持ちに対しての働きかけが肝になっているんだと思うんですよね。そうすると、やはり三本の矢の中の一本目だけで本当に成立するのだろうかというのは、私は率直にそう思っているんです。  大臣にお伺いをしたいんですけれども、麻生大臣、以前、景気の気の字は気持ちの気なんだというお話をされました。私も全くそのとおりだというふうに思っています。三本の矢という言葉は最近余り聞かなくなってきましたけれども、政策としてはそのまま継続されているというふうに認識をしておりますけれども、やはり私は、この三本の矢がしっかりとそろうということが必要なのではないかというふうに思っています。マインドに働きかける政策なのだから、気持ちを好転させるということが大切だと思っていますが、そうでなければ日銀のこの政策も僕は不成立になる可能性を秘めているんじゃないかな、あるんじゃないかな、リスクを持っているんではないかなと思いますけれども。  そこで、大臣にお伺いしたいのは、もう財政出動、成長戦略、様々な政策が金融政策と私は深く関わり合うんではないかなというふうに思っています。特に、財政が厳しい中で財政出動をどうしていくのか、これは気持ちに働きかける大切な部分ですね。そこに合わせて財政の健全化もやっていかなきゃいけないということですから、まさにこのかじ取りが今回の政策の肝であって、まさにそこに麻生大臣がおられるというふうに私は認識をしております。  そうした二本目の矢、三本目の矢を含めて、日銀のこの政策との関係性について、大臣の認識、お伺いしたいと思います。
  54. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日銀のいわゆる金融緩和だけで景気が良くなる、物価が上がるということはないというのは、もう既に竹中平蔵、時の財政金融担当大臣でしたかな、何大臣だったか忘れちゃったけど、そのときに三十兆ぐらいやられたんですよ、覚えておられると思いますけれども。結果的に何の効果もなかったじゃないですかと。あのときに閣内で反対した一人でしたので、こんなものをやっても何の効果もありませんよと言い続けて、なぜならそれは需要が伴わないから。今、世の中には需要がないんだと、需要がないのにこんな金融だけ緩めたって何の効果もありませんよということを申し上げて、あのときはえらい対立したんですけど、力なく負けた方ですから、私の方は。  そして、今回は、この二本目の矢というのは、財政のいわゆる機動的出動というのを出さないといかぬというのは、何といっても基本的には、経済成長とかあれというのは基本的には三つであって、個人消費、設備投資、政府支出と、この三つが大きな要素ですから、この三つのうち上二つが止まっている以上は、三番目の財政というものが動かない限りはとてもではありませんということで財政というものをやって、しかも、この政策は、長く継続的にしていきますという政権の安定がなければ、こんなもの、民間から見て、毎年社長が替わるような会社の言い分の話なんか聞きやしませんよと、だから政権の安定というものは絶対ですと。そこのところがなければ三本目の矢の人たちは付いてきませんからということを申し上げさせていただいたんですが。  やっぱり、先生、長いこと続いたデフレのマインドがそんな急に変わるわけはないので、私はこの二年間それなりに変わったという面は結構大きいと思っております。ただ、まだまだなんであって、私どもとしては、財政の出動もやらせていただいておりますし、事実、そのとおりの、計画どおり二〇一五年目標というPBの半減目標、一応達成できつつあるところまで来ておりますが、問題は、これを引き続きやっていかないかぬというところは、これは支出の部分と歳入の部分と両方やらぬといかぬというところだと思いますので、これは二番目、三番目の矢が重なって初めて物価というのは、第一の矢だけに全部責任をおっかぶせてもそれは無理というのはもう既に我々は過去実験をしておりますので、その意味では、今回は二番目と三番目の矢、特に今回は三本目の矢が今三年目に入りまして、ここが一番大事かなと、私どもは基本的にそう思っております。
  55. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ありがとうございます。  今大臣言われたとおりなんだと私は思っています。やはり三つの矢がきちんとそろうということが重要だと思っております。  その意味で、ちょっと済みません、もう時間が来てしまいましたので、ほかにも実は質問を用意していたんですがこれで終わりにしますけれども、岩田副総裁におかれましては是非物価の安定はやっていただきたいと思います。これがまたデフレに戻る、あるいは変に上がり過ぎるということはこれはやはりあってはいけないということだと思いますので、そこに目指して是非頑張っていただきたいと思いますが。  ただ、やはり、物価安定図っていくことで国民経済の健全な発展に資するというのが日銀法の第二条に書かれていることです。国民経済の健全な発展ですので……
  56. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 質疑時間を終了しておりますので、おまとめください。
  57. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 その点についてはしっかりと御理解いただいた上で、各種データはこうなっていますというのではなくて、是非、なぜこうなっているのかというメカニズムとの整合性をきちんと御説明をいただきたい。特に、この国会の審議の場ではその点についてしっかりと御説明をいただくことを最後に改めてお願いをいたしまして、質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  58. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。  先ほど、大久保理事の方から大分質問があって、その質問と用意していた質問が大分ダブっていまして、回答を大分聞きましたので、御回答を聞きましたので、まだ聞き足りないところをちょっと中心にお聞きしたいなと思っております。  まず、これはちょっと大臣にお聞きしておいた方がいいと思うんですけれども、バーゼル銀行監督委員会で、近々いろいろな国債保有規制についての指針が出るということで、先ほど大臣は、そういう討議している内容でこれを公言するのは好ましくないというふうにおっしゃっていたんですが、それはよく分かりますが、いつ頃そのたたき台が出るかぐらいは教えていただきたいと思うんですね。  というのは、新聞で一、二度出ていますから、それなりに認識はマーケットの連中もあると思うんですけれども、それがなくて突然ぼんと日本の銀行に対して極めてネガティブなニュースが出ると、国債の売りが広がってVaRショックみたいなことが起こって大変な混乱が起きてしまうかと思うんですね。  ですから、そういう意味では、やっぱりせめてたたき台がいつ出てくるかということぐらいは公表していただかないと、それに沿っていろいろ各銀行が考えて行動を取ると思いますので、その辺の、いつたたき台が出るかを教えていただきたいと思います。  特に、この前の新聞報道で、二〇一九年からその規制が実行される可能性があるというふうに書いてありましたけど、もし二〇一九年から実行するのであるならば、例えば長期国債に対してはすごくネガティブだと思うんですね。始まるのが二〇一九年でまだ先だなんとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんけど、普通だったらば、二〇一九年からもし規制強化になるんであれば、二〇一九年以降満期になる国債なんて今誰も買わないですよ。きっと一九年が近づくにつれて誰も買わなくなってきますから、みんな売りたいだけ、売りたい売りたいになってきますから。  そういう面でいうと、もう二〇一九年から実行されるということになれば、その国債に対しての需要というのはかなりもう入札の段階で減っちゃうと思うので、そういうことを含めて、せめて少しは情報を流しておかないと大変なことになると思います。  そういう意味で、いつたたき台が出てくるのかだけでも教えていただきたいと思います。
  59. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) まず、国債に係ります銀行規制上の取扱いのバーゼル銀行監督委員会における議論の客観的な状況でございますが、それは予断を持たず注意深く包括的に時間を掛けて議論すると、こういうふうなことで進められております。  したがいまして、現時点では何らかの見直しを行うか否かも含めて決まっていないというのが状況でございまして、正式な発表の時期やたたき台の公表の時期についても決まっていないというのが実態でございます。
  60. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 大臣にちょっとお聞きしたいんですけど。
  61. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 同じことを重ねて申し上げるのも時間の無駄でしょうから、私の方の考え方も基本的には同じです。  したがって、御質問については、国債発行をいたす当局ですから、我々は、当然のこととして、コメントをするということは、無用の混乱を生じさせるというのに助長するようなことをするつもりはありません。
  62. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 いや、私は金融大臣にお聞きしているわけであって、突然そういう情報が出てきて大丈夫かなと私は懸念するのでお聞きしているわけなんですけど、金融大臣としてお答えください。
  63. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 我々として申し上げられることは、重ねてお答えで恐縮ですけれども、市場に無用な混乱を生じさせないようにするために今答えられないと申し上げておるんであって、私どもとしては今後とも国債市場の動向というのは十分に注意してまいりますけれども、国債管理というものに関しましては、私どもとしては、今少なくとも決まっていないわけで、何も決まっておりませんので、したがって、正式の時間とか、また発表の時期とかたたき台に係る公表の時期について全く何も決まっていない状況で、お答えのしようがないということだと存じます。
  64. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 いや、私は市場に無駄な混乱を与えないがために早めに話しておいた方がいいんじゃないかと思ってお聞きした次第です。  次に、先ほどちょっと大久保委員の質疑を聞いていて感じたんですけれども、やはりイールドカーブについて考えなくちゃいけないなと、確かに、大久保委員との質疑で思ったんですが。  思い起こしますに、一九七〇年代にアメリカでSアンドL危機が起こったときに、FRBはイールドカーブを立てたんですよね。そうやって銀行が十分な収益を生むようにして銀行危機を乗り切った。これは、私ちょうどその頃ビジネススクールにいて、教授が言って、ああそうかと思ったので非常によく覚えているんですけれども。  今、日銀はイールドカーブを寝かせているわけです。特に、一週間ぐらい前だったかな、黒田日銀総裁が量的緩和の意義は長期金利を下げたことだと、何か短期金利を下げるのの十倍ぐらい効果があったなんということをおっしゃったと日経新聞に書いてありましたけれども、ということは、イールドカーブを寝かせるのが目的だったようなことを書かれているわけですよ。イールドカーブを寝かすと何が起こるかというと、普通、銀行は、イールドカーブが立っていれば、例えば国債一単位を買えば十分な利益が生まれるんですけれども、イールドカーブが寝ちゃったから一単位のほかに三単位買わないと十分な利益が出ないということで、かなり地銀は国債を買い集めてしまったんじゃないかな、量的緩和のせいで集めてしまったんじゃないかと大久保委員の質問を聞きながら思ってしまったんですが。  それに関連してちょっとお聞きしたいんですが、これは質問通告にありますのでお聞きしたいんですが、地銀の国債の保有残高、それからそのうちの長期国債の保有残高、それの各々の総資産における割合を直近の二〇一三年三月期、九月期、一四年の三月期、九月期、一五年の三月期、ちょっと教えていただければと思います。
  65. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) ちょっと一五年の三月期はまだ計数が未公表でございますので、それまでの期についてお答え申し上げます。  まず、地域銀行の国債の保有残高は、一三年の三月期が四十五・八兆円、それから、これ半年ごとで一三年九月期が四十三・四兆円、一四年三月期が四十二・九兆円、それから一四年九月期が四十三・五兆円でございます。これの総資産に占める比率でございますが、一三年三月期が一三・三%、一三年九月期が一二・六%、一四年三月期が一二・〇%、一四年九月期が一二・〇%でございます。  そのうち、残存期間十年超の長期の国債の保有残高は、一三年三月期が二兆、それから一三年九月期が一・八兆、一四年三月期が一・五兆、一四年九月期が二・二兆でございます。それで、その長期国債の総資産に占める割合は、一三年三月期が〇・六%、一三年九月期が〇・五%、一四年三月期が〇・四%、一四年九月期が〇・六%でございます。
  66. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 二〇一三年度、金融庁は地銀の国債保有リスクを集中点検したと思っているんですけれども、今の残高を聞いて、このときの検査結果をどう総括するのか、そして、ちょっと二〇一五年三月期の結果は聞いていませんでしたけれども、その金融庁の総括を聞いて地銀が改善をしているのかどうか、ちょっと先にお聞きしたいと思います。
  67. 遠藤俊英

    ○政府参考人(遠藤俊英君) 二〇一三年度の金融モニタリングでございますけれども、この二〇一三年度におきましては、有価証券運用について幾つかの地域金融機関に市場リスク管理態勢を中心にヒアリングを実施したところでございます。こうしたヒアリングでありますとか金融機関からのデータ徴求、これを基にして作成、公表いたしました、二〇一四年七月に公表いたしました金融モニタリングレポートがこうした検証の総括ということでございます。それには次のようなことを記述しております。  まず、地域銀行の金利リスクについては、預貸率が低下する一方で、国債の運用残高の増加などから金利リスクは上昇傾向にあり、二〇一三年四月に決定された日本銀行の金融緩和以降は、保有国債残高は減少するものの、社債等を買い増したことや有価証券のデュレーションの短期化がさほど進んでいないことなどから、直近では金利リスクは全体として横ばいとなっているということ。それから、態勢面でございますけれども、多くの地域銀行において、有価証券の運用規模は増加し、収益全体に占める有価証券運用利益の割合も増加していることから、運用の巧拙が地域銀行の経営等に与える影響は増大しており、運用の状況に合わせたリスク管理態勢の高度化が望まれるといった記述をしているところでございます。
  68. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 ちょっとあと四分しかないので何を先に聞いていいか分からないんですけれども、ちょっと先に、じゃ財務大臣、これに関しての質問はちょっと後でもう一回したいと思いますが、財務大臣にお聞きしたいんですが、地銀で国債保有が一〇%台、国債保有が一〇%前半ということなんですけれども、日銀は総資産の八四%が今国債なわけですよね。十数%で金融庁は地銀に対して金利が上昇するリスクがあると今おっしゃっていたわけですけれども、八四%を持っている日銀は大丈夫なのかと。  確かに、日銀は金融政策の独立性が担保されていますけれども、別に経営の独立性は担保されていないと思うんですね。この前もいろいろ、日銀OBの方、参議院のデフレ調査会でお聞きしたところによりますと、いろいろ利上げになってくると、金利が上がってくると、当座預金の付利を上げて、日銀が損の垂れ流しになってしまうかもしれない、マイナスになってしまうかもしれない、そうすると、国が予算を手当てして損失補填をしなくてはいけなくなる可能性があるということをお三方おっしゃっていたんですけれども、そういう事態になる可能性もあるときに、日銀がどんどんどんどん買って、将来的に国民の税金を投入しなくちゃならないような経営をやっていていいのかどうか、監督する必要はないのかどうか、大臣にお聞きしたいと思います。
  69. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日銀の独立性というものに関する御疑念なのでしょうか、よく分かりませんけれども、言っている意味の本質がよく分からぬのですけど、日銀は独立し過ぎとると言われたいのですか。
  70. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 いや、私は日銀の金融政策については独立すべきだと思っています。ただ、独立すべきなのは金融政策の独立性であって、経営に関してはやはり国が関与しなくてはいけないんじゃないか。なぜならば、ひょっとすると予算措置が起こって国が損失を税金で補填しなくてはいけないかもしれないので、日銀の経営をほったらかしにしておいてはいけないんじゃないかという質問なんですけど。
  71. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、今、日銀の持っております国債の評価がえらいことになったら大変なんだからという、まあ転ばぬ先のつえみたいな話をおっしゃりたいのかな。  日本銀行の国債の評価方法ということになるんだと思いますけれども、これは、償却原価法というのを先ほど御質問があっておりましたように採用しておりますので、時価評価を行っているわけではありません。したがって、長期金利が上昇したといたしましても、決算上、保有国債に関する評価損失が計上されることはないということはもう御存じのとおりであります。  また、日銀の財務につきましては、これは各種リスクに対応するため、法律上、準備金の制度が設けられておりますのも御存じのとおりです。したがって、今、財務省といたしましては、日銀の業務及び組織運営の適正な運用というものを確保するという観点から、日銀の業務運営に関する自主性というものもこれは十分に配慮をした上で、毎年の決算の承認や法定準備金の超過積立て、あれ基本的には法律は五%、今二〇%ぐらいになっていると思いますが、そういった積立ての認可を行っておりまして、こういったものは適切に今後とも判断をしていかなければならぬとは思っております。
  72. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日銀の準備金は、私の記憶によりますと六兆円ちょっとだったと思うんです。まあ今年なんかは積み増すということですけれども、六兆円ちょっとだったと思いますので、赤字になればそんな準備金はすぐ枯渇してしまうのではないかなと思います。  もう一つ、日銀が国債に対して簿価会計をやっているから大丈夫とおっしゃいましたけれども、別にマーケットというのは簿価会計なんかで判断しませんから、やっぱり時価評価をしますから、時価評価をされると日銀の資産がぐっと減る、当然のことながら負債サイドもぐっと減っちゃうわけです。  要は何が言いたいかというと、円の価値が暴落しちゃうよということで、簿価会計をやっているから日銀の健全性は大丈夫だという議論は極めて危ないかなと。要するに、資産が暴落する、簿価会計で大丈夫であろうと時価会計でやると資産価値が下がる、マーケットはそう見ます。当然、負債サイドも落ちます。バランスシートですから当然のことながら落ちます。すなわち負債サイドの円の価値は下がる、すなわち円が暴落してしまうという事態を招く可能性があるので、私は懸念をしているところです。  ちょっと時間がなくなってしまって、たくさん残っちゃったんですけれども、これで終わります。
  73. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門でございます。  今日は被災地の金融問題を取り上げさせていただきます。  東日本大震災から四年以上たちました。先日も宮城県に行ってまいりましたけれども、沿岸部の復興というのはまだまだこれからでございまして、私は、特にこの委員会でも、被災者の金融支援について度々取り上げさせていただいてきております。  被災者の金融支援というのは大きく分けて二つありまして、個人の方々の債務整理、住宅ローンとかそういう問題と、もう一つは事業者、中小事業者の債務整理あるいは債権の買取りということですけれども、まず一つ目の個人の債務整理ですけど、これは私的整理ガイドラインの問題を何度も取り上げさせていただいて、簡単に言えば債務の一部を弁済して残高を免除するというような仕組みでありますが、あくまで銀行と被災者との民民の話ではありますけれども、こういう被災地復興という中で金融機関もよく配慮して相談に乗るようにというようなガイドラインであるはずだったんですけれども、当初はなかなか進まなくて、そのガイドライン運営委員会が作った物差しは大変厳しいものだということで、現地の、地元の仙台弁護士会等々から抗議声明が出るぐらい、対応を変えてくれというのがあったんですね。この委員会でも取り上げさせていただきました。  麻生大臣の御指示もあって、ちゃんと調べろ、ちゃんとやれということになって、金融庁が、今日来られておりますけど、西田審議官が、当時は課長さんでしたけれども、被災地に何度も何度も行って、そのガイドラインの在り方も含めて見直しを進めてもらって、それで行って相談解決が増えたわけですね。  だから、金融庁は頑張っていただいたというのはよく分かっているわけですけれども、ただ、今日の資料をお配りしたように、ちょっと今現在、ぐっと進んだんですけれども、またちょっと停滞しているなというふうに思うんですけれども、今現在のこの私的整理ガイドラインの活用、あるいは個人の被災者の債務整理状況がどうなっているのかということと、金融庁として今後の課題は何なのかと、どういうふうに把握されているのかを教えてもらいたいというふうに思います。
  74. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) ガイドラインの活用状況についてでございますが、平成二十七年五月十五日時点におきまして、個別相談の受付が五千五百三十九件、債務整理に向け準備中の案件が百三十八件、債務整理が成立した案件が千二百三十三件となっております。先生からいろいろ御指摘もいただきまして、ただいまそのガイドラインの活用状況というのはスムーズにいっているものと思います。  今後の課題ではございますが、金融庁としましては、これから、防災集団移転事業の進捗など、だんだん復興のフェーズが変わってまいります。そういった中で、新たな二重ローンとかニーズが出てきたときにしっかりと対応しつつ、引き続きガイドラインの活用、促進、普及に取り組んでまいりたいと考えております。
  75. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 私も聞き取りをちょっとやったんですけれども、何なのかなと思いますと、何といいますか、もう震災から四年以上たちましたから、金融機関としては、だんだんだんだん平時の考え方、モードに戻っているところがありまして、被災者の方に、まあ通常はそういうことかも分からないんですけれども、払えるだけ払ってもらいましょうというふうなモードに変わってきておりまして、私は当初から申し上げているように、この被災地の復興は再スタートできる状況まで支援する、この立場でやらないと、払えるだけ払ってもらいましょうとなるとこれは平時の話でございまして、それはこの震災の被災者にはちょっと違うんじゃないかと思っておりますけれども、やっぱり今局長おっしゃったように、集団移転とか住宅取得これからということで、まだまだこれからの話なんですね。  そういう点では、やっぱり原点に戻って、払えるだけ払ってもらいましょうということじゃなくて、この方はどうしたら再スタートできるのか、どうしたら新たな住宅に住めるのかという点で考えていただきたいなと思うんですね。その点、金融機関に何度も金融庁は頑張って指導をしてもらっているのは分かっておりますけれども、再度この時点で、そういう立場で特に金融機関に対して指導を強めてほしいと思いますけれども、局長から、一言どうですか。
  76. 森信親

    ○政府参考人(森信親君) 我々としましても、そのガイドラインの積極的な活用を含め、それから被災者に対する金融面での対策が万全となりますよう、金融機関を指導監督してまいりたいと考えております。
  77. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 是非よろしくお願いいたします。  もう一つが、中小事業者の債務整理の方なんですけど、資料の二枚目以降なんですけれども、これは東日本大震災事業者再生支援機構、復興庁の機構であります。  これも最初は中小企業庁の中に買取り機構というのができて、私は、一緒にやっていて大変頑張っていたんですけれども、当初、自民党さんが野党で、その中小企業庁の買取り機構は駄目だ駄目だと、大きいところしか買い取らないと。実はそうじゃなかったんですよね、小さいところも頑張っていたんですけど。  そういうのがあって、片山さつきさんとかが、どんと思い切って、がばっと買い取れというふうな枠組みとしてこの復興庁の再生支援機構を提案されて、五千億規模の、五千億の政府保証ですから非常に大規模な話で、私たちも、二つ買取り機構があってもいいし、大きくどんとやるということは悪いことではありませんので、与野党みんなで賛成してできたんですが。  ところが、この事業者再生支援機構というのは、鳴り物入りでできたにもかかわらず、一向に買取りが進まないという状況がありまして、なぜかといいますと、これも現場で相談に乗るこの機構の専門家もあるいは対応する金融機関も、やはり平時のモードを抜け切らないといいますか、経済合理性みたいなことばかり言って、通常の債務整理と変わらないような対応に基本的になってきたもので買取りが進まないという状況があって、当時、復興担当大臣が平野さんだったんですけれども、私も何度も質問でやっていたので、平野さんからお電話いただいて、どうしたら進むのかというようなことで知恵を貸してくれというようなこともありまして、今、証券監視委員会事務局長の大森さんがちょうど担当だったんですよね、大森さんがうちの部屋に来られて議論したりいろいろやって、平野当時の大臣の御指示もあって、ちょっと柔軟に、買取りの専門的な話は抜きますけれど、簡単に言えば柔軟な買取り基準にしてということになって、ぐっと一気に買取りがまた進んだんですよね。  ところが、この数字を見ると、ぐっと進んだ後、またやっぱり頭打ちになっていると。これは何なのかなんですけれど、数字からいってもそうですね、支援決定は、相談が五千件ぐらいあったけど、結局、支援決定が五百八十五件ですか。買取り対象元本が九百六億、債務免除がたった三百七十八億。五千億の政府保証を用意したんですよね。五千億がどうかというのはありますよ、しかし、あるけれども、ちょっと少な過ぎるんじゃないかと思うんですよね。  なぜこの水準にとどまっているのか、復興庁、今日は西田さん、金融庁なんですけど復興庁も兼ねておられるということで来ていただきましたが、西田審議官、どういうふうに捉えておられますか。
  78. 西田直樹

    ○政府参考人(西田直樹君) お答えいたします。  先生御案内のとおり、今、支援決定が五百八十五件ということでございます。政府保証枠に比べて、例えば債権の買取り額が九百六億円ということで少ないということでございますが、少し御説明させていただきますと、この支援決定先のうち、例えば借入金十億円未満の中規模とか小規模事業者が五百五十六件ということで、全体の九五%を占めているということもあって、業務開始当初の想定に比べて比較的規模の小さい事業者が多かったんだと思います。  ただ、先生お話がありましたように、被災された事業者の中には、震災から四年余りが経過する中で、例えば財務状況が厳しさを増している事業者でありますとか、あるいは震災前からの取引先との取引関係や販路というものが細くなったり失われたりされた事業者もおられるものと考えております。  したがって、機構におきましては、やはり法で定められている事業の再生を図ろうとする被災事業者の再生を支援すると、こういった役割を積極的に発揮して、債権買取りあるいは債務免除などの金融支援でありますとか、さらには販路開拓等の本業支援を行うことによって、より踏み込んだ対応を行って、できる限り多くの被災事業者の再生支援に努めていくということが必要だろうと考えておりますし、復興庁としてもそうした機構の取組を支援していきたいと考えているところでございます。
  79. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 そうですね、もう最初から、いわゆる当事者、担当者とか金融機関が、よく言うのは経済合理性ということを絶えず言うわけですね。この復興に関して言えば、私は復興合理性、復興していくことに理があるんだということで、平時の考え方をちょっと横に置いておいて、全部捨てるわけにはいきませんけれども、置いておいて考えないと支援事業にならない、特に金融なんかは難しいですよということを申し上げてきて、それで、やっぱりそれが絶えず出てきて、また、金融庁が頑張って、復興庁の担当の方が頑張ってお尻をたたけばちょっと進むんですけれども、また経済合理性みたいなところで止まってしまうという状況が続いているような気がいたしますので、この問題もやっぱり、できるだけ債権放棄しない、できるだけ自分で、自力でやってもらうと、その考え方は大事な部分もあるんですけれども、やっぱり再スタートできるところまで支援するというのが基本にしてもらいたいというふうに思います。  今、沿岸部を見ていますと、防潮堤ができつつある、道路もできつつある。しかし、そこに人が本当に戻って住むのか、そこで事業所が本当に開かれるのかということになっておりまして、四年もたっているだけに、そこに本当に戻ってやろうとする人もだんだん少なくなっているわけでありますので、これから本当にそこで仕事をやろうという人たちは大変貴重な存在なんですよね。全面的に支援をするということで頑張っていただきたいと思いますし、西田さんはさっき言った私的整理では本当に現地に乗り込んで状況を変えた方でありますので、いい方が担当になったと思いますので、この機会にこの支援機構もぐっと前に進めるように頑張っていただきたいというふうに思います。  最後に、麻生大臣、この被災地の金融支援について一言いただければというふうに思います。
  80. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、今、復旧から復興の段階に掛かりつつある、四年近くたちますのでそういったことになりつつあるんだとは思っておりますけれども、いわゆる平時であれば当たり前の話で、回収の当てのないものなんかに貸すなんというのは、これは法律的にもおかしなことになりますので、そういった状況ではない。  しかし、今は非常事態だからということで、あの当時も随分、意識を変えるように、少なくとも金融処分庁と言われていた金融庁を金融育成庁というイメージに変わるぐらいのものに変えなければ何の意味があるんだという話をして、最初からかれこれそれで三年たちますので随分変わってきたとは思いますけれども、それはやっぱり長いこと、二〇〇八年のリーマン・ショック、その前の九七年の金融危機、その前の銀行等々の、まあデフレへ陥りまして、株価が急激に下がったのが一九九〇年から、土地が下がったのは九二年から、それでずっと下がって、金融危機が九七年。あの頃までもう間違いなく金融に限らず銀行は成り立たない形になるほどで、結果として都市銀行も潰れ、今、昔の名前で出ています銀行なんというのはほとんどなくなって、りそなだかパソナだか分からぬようなものに全部なったわけですよ、現実問題として。昔の名前、興銀って今何と言うんです、東海銀行は何と言うんですって、言える人の方が少ないというぐらいになりましたから。  そういったもので、やっぱりそれから変えるのにはそれはかなり皆努力をされて、今日やっと銀行は税金を納めていただけると、あと何行か残っておりますが、そこまで復興してきたとは思いますので、やっぱり今言われたように、きちんとする部分と非常事態用のやつとちょっと発想を変えないかぬ、特にあの地域においてはというところの指導が最も難しかったので苦労したところなんですけれども、復興庁と金融庁とこれは結構現場で連携をしていろいろやらせていただきましたけれども、引き続ききちんと対応していくように努力をさせていきたいと思っております。
  81. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  82. 中山恭子

    ○中山恭子君 次世代の党、中山恭子でございます。  少し話題を変えまして、AIIBそれからADBについて御質問したいと思いましたが、AIIBについてはこの後参考人質疑が行われるということでございますので、今日はADBについてお伺いしたいと思います。  ADB、アジア開発銀行が設立されましたのが昭和四十一年。ちょうど私、大蔵省に入省した年でございました。その二年前に東京でオリンピックが開かれていたという状況でございます。当時、本拠地を、本店を日本に置けなかったということで、担当者の方々が非常に残念がっていたということを思い出します。  また、渡辺武総裁が初代の総裁でいらっしゃいますが、マニラに赴任なさるということを見ながら、日本にはこんな仕事もあるんだと、新米でしたけれども、日本の門出とも思うような気分でこの状況を見ておりました。  日本は当時、まだ戦後の復興期からようやく経済発展期に差しかかったところでございまして、国民一人当たりGDPが三十九万円、ドルに直しまして千八十三ドルだったと資料には書いてございます。外貨準備高が二十億ドルでして、二十億ドルを切ると、当時、大蔵省の中、大慌てで、輸入制限、例えば金利を上げるなどして輸入を制限する政策を取るというのが常でございました。  まだまだ苦しい時期ではありましたけれども、アジア地域全体の経済発展のために日本が果たせることをやろうと皆が考えておりました。そのため、資本金十億ドルのADBの設立に中心的な役割を果たし、日本は全体の五分の一に当たる二億ドルを負担いたしました。ADB設立は、日本にとって国際貢献を行うその第一号であったと言えると考えています。  あの当時からもうすぐ五十年の時間が経過しようとしています。ADBは、アジア太平洋地域の生活向上のための様々な支援を実施してきています。アジア地域の貧困削減を図り、経済成長の実現に大きく貢献してきたと私も考えております。  ADBが今まで、これ大臣にお尋ねするのは恐縮かと思いますが、どのような融資等を行い、どのような貢献を果たしてきたのか、今日、資料としてグルジアの案件などを配付しておりますが、御説明いただけたらと思います。
  83. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、昭和四十一年に通称アジ銀、アジア開発銀行というのがスタートしておるんですけれども、これはもう東京にというのを非常に希望したんですけれども、残念ながら、その時代、そういうわけにはまいらず、フィリピンのマニラにこれは置いて、今現在に至るもそこ。  ただ、総裁はずっと初代から今日に至るまで、黒田さんの前が千野さん、その前は佐藤さん、ずっとこれ日本の人が行ってきておるというのが現状だろうと思っておりますが、主にアジアの途上国におけますインフラの整備のための融資をやってきたんですけれども、アジアにかかわらず、今、ジョージアの話が出ましたけれども、いわゆるこれは水の話をしておられるんだと思いますけれども、この話をやらせていただいて、今住民の健康改善というもの、この水を良くしたというものぐらい貢献したものはないという、評価は極めて高いものだとは思っておりますので。五億ドルぐらいの融資だったということを聞いております。  他方、アジアにおける膨大なインフラ投資の需要というのは、大体年間約七千億ドルから七千五百億ドルぐらいというものがありますので、あの地域の方々からは、ADB、アジア開発銀行の融資能力、今大体年間百億ドルぐらいだと思いますので、そういったものをもっと何とかならぬかと。  また、融資の承認に関する時間が長いというような意見もありますので、私どもとしては、この部分に関しましてはその対応策を考え、承認に関する時間というのは、現地で決裁ができるようにということで、マニラまで帰ってこないで現地で決裁できるようにというようなやり方やら何やらするために機能強化を進めていく等々の問題を抱えておりますので、そういったものも含めてやらさせて、今後とも積極的にこのアジア開発銀行というものを通じてアジアの発展というものに支援してまいりたいと考えております。
  84. 中山恭子

    ○中山恭子君 ADBの行っている事業、非常に良質なものが多いというふうに見ております。  私自身が直接関わった案件を一つ御紹介いたしますと、二〇〇〇年のとき、私自身ウズベキスタン共和国大使を務めておりましたが、独立後間もないウズベキスタン共和国から教育への協力を依頼されました。日本とADBとの協調融資でウズベキスタン全国に五百校の農業専門学校と工業専門学校を創設しました。  ウズベキスタン共和国からは、欧米諸国ではなく日本に教育支援をしてもらいたいという非常に強い要請がございました。ウズベキスタンは、この高等学校までを義務教育、その後ですね、義務教育として十八歳まで全ての子供たちが無償で教育を受けられるという制度をつくりました。  この当時、ウズベキスタン始め中央アジアそれからアラブ諸国から、十四、五歳の子供たちがアフガニスタン、アルカイーダやタリバーンの拠点に連れていかれて、そこで非常に激しい訓練を受けてテロの実行犯として鍛えられているという話がございました。  ウズベキスタンでは、テロに対して銃は要らない、教育こそがテロを防げる手段であるという考えの下に、日本にこの高等学校の設立を依頼してまいりました。一か国で支援するというのも難しいということで、ADB、アジア開発銀行と日本との協調融資でこの高等学校の設立支援をしたことでございました。  ウズベキスタンでは、その後、十八歳まで学校にいて職業的な能力も身に付けられるということで、ウズベキスタンからアフガニスタンに連れ出される子供はなくなりました。そういった意味で、ADBの支援というものも、国際自爆テロの実行犯になる人々を教育によって防ぐことができるという、これもADBの事業の一つとしては非常に大きな意味があると考えております。  先ほど大臣から承認の時間が長いのではないかというようなお話がございました。その関係国、これだけ良質の支援をしていながら、今回のAIIBが話題になり実現しそうでございますので、そういった状況になっているということは、そのような決裁の時間が長いとか、又はそれ以外にもいろいろ問題があろうかと思います。  良質なインフラを整備していってほしいと思いますが、更に言えば、前回のADB総会で大臣の演説にもございましたけれども、日本としてパッケージで支援していく、イニシアチブが必要だというようなお話がございましたが、その点についてもう少し詳しくお知らせいただけませんでしょうか。
  85. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) まず最初のADBの機能強化ですけれども、この機能強化に当たりましては、一年半、二年近くになろうかと思いますが、検討を進めてきておりまして、アジア開発基金、ADFというものと、オーディナリー・キャピタル・リソーシズ、何といったか、通常資本財源というものとを一緒にしてアジア開発銀行のいわゆる融資能力を約五割拡大できるということになりますので、大体約百三十億ドルぐらいのものから約二百億ドル程度ぐらいまでにこれを拡大できるというようなものをやりたいということで、これはアジ銀とずっと交渉を一年半ほどさせていただいて、ほぼそれができ上がるようになりつつあります。  そして、加えて、現地、人手が足りないというような、いろいろ小さな国がいっぱいありますので、そこで決裁ができるようにしてやらぬとということで、そのために少々人も要るんですけれども、あの辺、交通事情もなかなか結構そんな簡単じゃありませんので、そういったものもきちんとやっていくようにするべきではないかということもやらせていただきたいと思って、それを今実質申し上げております。  過日のアジア開発銀行の総会のときに申し上げましたのは、質の高いインフラ投資に当たっては四つのイニシアチブが要りますということで、過大な負担にならないように、とにかく借りたい借りたいといったって、返済能力もないのに借りたいという話がいっぱいありますので、そういった過剰負担というか、過剰な債務負担にならないようにするということと、環境にも十分に注意しておかないと、とにかくどんどんどんどんダムは掘ったはいいけど環境破壊ということにならぬということも考えて、日本の造った橋だけは落ちないとかいろいろよく言われるところでもありますけれども、その分だけ過剰設備じゃないかと言われることも考えたりしなくちゃいけませんので、いろいろ考えないかぬところだと思っておりますが、いずれにいたしましても、新たなイニシアチブとして官民一体となってアジア向けのインフラのあれをやりますというのが一点。  それから、国際的なスタンダードとして、いわゆる良質なインフラをやるということをやらないと、安かろう悪かろうでは駄目ですという点と、それから、いわゆるPPPのインフラ投資の促進に向けて、JICAとADBとを組ませて共同の枠組みをやりますと、もう既に話が終わっておりますけれども。また、JBICの体制強化を通じて、世界最先端の技術とかノウハウというものがJBICにありますので、そういったものを活用させていただいて、成長しておりますアジアの膨大なインフラの需要に応える方針というのを私の方から明らかにさせていただいて、数字等々後で説明をするから取り急ぎこれだけの方向をということを申し上げさせていただいているというのが今あらあらなお答えであります。
  86. 中山恭子

    ○中山恭子君 ありがとうございます。是非、ADBの価値というものはAIIBができても決してなくなることはないはずでございますし、日本としてリードをしていただけたらと、それを期待しております。先ほど現地で決裁できるようにするというお話でございました。それも是非進めていただきたいですし、環境との関係も、ADBであれば環境破壊をするような仕事はしないであろうという思いもありますので、大いに期待するところでございます。  一つだけ、ADB、やはり国際機関でございますので、これは私見、自分の感じでございますが、ADBもやはり西欧的な事務処理、特にアメリカの事務処理のやり方というのは非常に優れておりますので、そこに引っ張られてADB自体がアメリカ的な事務処理の仕方をしてきている、そういう傾向が強くなっているのではないだろうかという思いもいたします。もっと日本的な感じで日本のやり方で進めていただくということもあってよいだろうと考えております。  また、AIIBにつきましては二十八日に議論が行われるということでございましたので、今日はADBについて大臣から非常に分かりやすい御説明をいただきましてありがとうございます。もし御感想があればですが……
  87. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) もう、ちょっと質問時間が過ぎておりますので。
  88. 中山恭子

    ○中山恭子君 時間が来ておりますので、今日はこれで終わらせていただきます。
  89. 中西健治

    ○中西健治君 無所属クラブの中西健治です。  今日は最終質問者でございますので、いましばらく、皆さん、お付き合いいただきたいと思います。  コーポレートガバナンス・コードについてお伺いしたいと思います。  先週、東証が水曜日にコーポレートガバナンス・コードを最終的に公表したということであります。これに先立ちまして、東証はパブリックコメントを募集しまして、コーポレートガバナンス・コードの公表と併せまして、パブリックコメントの結果についてというものをPDFファイルで公表しております。それが皆さんのお手元の資料一と資料二ということになるわけでありますが、これ御覧いただきますと、この発表された文書、これ東証が作っているんですね。東証が作っている文書について、これ文書のプロパティーを調べました。そうしましたら、五月十四日、私たちが見たところでは、この文書のプロパティーが何と金融庁ということになっております。  私どもの方でこれはおかしいということで、金融庁宛てにメールでこのパブリックコメントの結果についての作成における金融庁の関与を尋ねたところ、翌十五日、これが資料の二枚目ですけれども、我々に何の説明もないままに、金融庁のクレジットが消えていたということであります。  これはいかがなものかということであります。随分細かいところを見ているなということかもしれませんけれども、細部にこそ真実が宿るということでもあります。  これ、一連の経緯から考えますと、本来、東証が作成すべきパブリックコメントの結果についてを金融庁が作成して、東証がそのままホームページにアップしたところ、金融庁のクレジットが残ってしまった。そして、当方から問合せがあったので、金融庁のクレジットに気付いて慌てて消したというように思えるわけでありますけれども、このパブリックコメントの結果については誰が作成したのか、そして、なぜ金融庁のクレジットが入っていたのか、また、どうして翌日に金融庁のクレジットが消えたのか、これについてお伺いしたいと思います。
  90. 池田唯一

    ○政府参考人(池田唯一君) ただいま議員御指摘のパブリックコメントの結果につきましては、東証が作成し、五月十三日に公表したものであります。金融庁は東証と共同でコーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議の共同事務局というものを務めておりましたことから、主にコーポレートガバナンス・コード原案との整合性を確保する観点から、東証が作成しましたパブリックコメントの結果の素案につきまして、その素案の段階において、担当者同士で電子媒体のやり取りを行ったと理解をしております。このやり取りの過程で電子媒体のプロパティーに、カンパニー、金融庁という記載が残ったのではないかと考えられますが、いずれにしても、この素案を作成したのは東証でありますし、金融庁がパブリックコメント結果の素案等を作成したという事実はございません。  また、東証におきましては、PDFファイル等のプロパティーは削除してから公表することとされていると承知をしておりますが、五月十三日に東証が公表したPDFファイルについては、御指摘のとおり、そのプロパティー情報に古いファイル名が表示されていたことから、これに気付いた東証の担当者が十五日にファイル自体を差し替えたために、カンパニー、金融庁という記載は結果として消えたものだというふうに聞いております。
  91. 中西健治

    ○中西健治君 局長そうおっしゃいますけれどもね、では大臣にお伺いしたいと思うんです。  このコーポレートガバナンス・コードの採用に当たっては、内閣総理大臣の認可を受ける必要があるということとされています。そして、その認可権限が金融庁長官に委任されているということであります。まさに金融庁が監督官庁ということでありますけれども、一方で、東証というのは公益性は有しています、取引所ですから公益性は有していると思いますけれども、株式会社日本取引所の子会社ということであります。この金融庁とそして東証が、本来東証が作成すべき文書のプロパティーに金融庁の名前が残ってしまうほどのこの結び付き。しかも、これ発表段階です、認可段階でですよ。これは、チェックを受ける者と、する者の区別を曖昧にして、金融庁による管理監督を損なうということになっていませんか。
  92. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今の話は技術的な話なんだと思いますけれども、いずれにしても、この種の誤解を招かないように、今後とも十分に東証と詰めていくという対応が必要なんだと存じます。
  93. 中西健治

    ○中西健治君 技術的な話ということでもありますけれども、ただ、申し上げたとおり、細部に真実が宿っているということは往々にしてあるということだと思うんです。そんな中で、これは、実際は東証が作っていないんじゃないか、金融庁が作っているんじゃないかというふうに思いたくもなりますし、あと、金融庁と東証の間の関係というのは、監督関係というのはどうなっているんだということについても当然疑義が生じるということになりますから、こんな、文書のプロパティーに金融庁の名前、監督官庁の名前が残っているというようなことは決して認められるようなことではないということだと思います。その点だけ確認させていただきたいと思います。
  94. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 何というの、技術的な話とかいろんな話で、何となく、どういうことでなったんだかその経緯をよくちょっと調べたわけではありませんので知りませんけれども、少なくとも、そういったような形でプロパティーのところに少なくとも金融庁の名前が残るということは好ましくない、はっきりしております。
  95. 中西健治

    ○中西健治君 是非、こうしたことが実際のことを示しているのではないようにしていっていただきたいというふうに思います。今後もしっかり注意してやっていっていただきたいというふうに思います。  中身に少し入りたいと思うんですが、独立社外取締役についてであります。  二名以上の独立社外取締役を選任することが求められることとなりました。これは望ましい方向であるというふうに思っておりますし、これは大久保筆頭理事ともよく、民主党政権時代からもいろんなこれについては話をしたりしてきましたので、方向性としてはいいというふうに思っておりますが、そうなりますと、このとおりやっていきますと、東証一部、二部上場企業で新たに三千人近くの独立社外取締役が求められるということになります。  この独立社外取締役について、去年、会社法改正、これの審議をしているときに、衆議院の法務委員会では当時の谷垣法務大臣がこういう表現を使っているんです。社外取締役は、極めて大物と目されるような人に対して社長が説明しなきゃならないということになるので、海千山千の経営者でも相当緊張するんですよと、だからいいんですということをおっしゃられているんです。  極めて大物というのを三千人用意するというのは極めて難しいということになるんじゃないかなというふうに思いますが、麻生金融担当大臣が独立社外取締役に求める資質、そして、どのような人がなるべきであるかということについてお伺いしたいと思います。谷垣大臣は極めて大物ということをおっしゃられておりましたけれども、麻生大臣はどのように表現をされるのか、お聞きしたいと思います。
  96. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 格好だけ付けて、大会社の場合は子会社の社長さんをそこの担当にする、よくあるケースだと思いますし、事実いっぱいありますでしょう、そういうのも。だから、そういったのはやめてもらうという話でこの話はスタートしたのが最初だったと、私の記憶ですけれども、会社の名前もずらっと当時出ましたので、言えると思うんですが。  この種の話を少なくとも重役会で言うというのには、これは給料をもらっている関係もあったりなんかしていますので、これ言って俺、首になったら食えなくなるななんて思うようなやつはやらせられないんですよ、簡単なことを言えば。そういうことになりますでしょう。なかなかいないですよ。加えて、知見もあって、しかもしゃんとしておるというのは、僕は簡単な話じゃないだろうなと思うから、兼務する人がいっぱい出るだろうなと思いますね。出ざるを得ないと思いますが。  ただ、これが何千人も何千社も兼務できるわけはありませんから、そうすると、いろんな意味で、極めて、選ぶ基準を、ともかくもう適材というか適応した人物がいるかねと言われれば、これはかなり限られてくる。多分、会社経営をやったことがあるとか、大きな組織を動かしたことがあるとか、査察をやったことがあるとか、いろんなその会社によって求める人が違うのは当然だと思いますので、うちはそういった社外は要らねえと、俺たちの求めているのはこういうやつだというのは会社によって違うと思いますので、ちょっと一概にはなかなか申し上げられないと思いますけれども、何となくその会社に食わせてもらっているという人が最もふさわしくないだろうと思います。
  97. 中西健治

    ○中西健治君 物を言える人と、まあ要約するとそういうことなのかなというふうに思いましたけれども。  この物を言える人ということでありますが、三千人ということになってくるといろんなところから求めてこなきゃいけないということになるかと思います。その中には官僚のOBというものも入ってくるということにはなるだろうというふうに思いますが、官僚OBであっても、独立社外取締役、いわゆる独立性の要件さえ満たせばそれで認められるというのか、それとも天下り防止の観点から特別の要件というのを課していくべきと考えるのか、そちらについてお伺いしたいと思います。
  98. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは繰り返しになろうと思いますけれども、独立社外取締役の選任というのは、これは本当、各企業が主体的に自分で選んでいただかないかぬのだと思いますので、一律に特定の属性をこれ駄目と、役人といったら、ちょっと見て役人やったら駄目とかいうような話ではないんじゃないかなと思っておりますので、私どもとしては、これは駄目とかあれは駄目とかいうような問題よりは、その人物が適正かどうかの方がよほど重要だろうという感じはいたします。
  99. 中西健治

    ○中西健治君 それぞれの会社が選んでいく、選任していくということになりますけれども、やはり一定の利害関係があった、監督官庁であったということであれば当然利害関係があったということになりますし、あと、今天下りとして認定されるかどうかという中に、継続して同じポストに次の人が入ってくるというような反復性、こうしたものも問われるということになりますけれども、そうしたことがあったと。ですから、官僚の場合には一定の利害関係があったりする可能性があるわけじゃないですか、それを排除しなくていいのかどうかということと、あと反復性ということについてどうお考えになられるか、お聞かせいただきたいと思います。
  100. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、これ一番肝腎なことは、こういうコーポレートガバナンスというのをきちんとやることによってその会社の信用が高まるということが一番大きなところだと思いますので、私は、反復性とか継続性とかいろいろあろうかと思いますが、その人物が極めて健康で適正であれば、その会社としてはそれは最も都合がいい話なのであって、そういった方はそんな簡単に見付かるわけじゃありませんので、なるべく長くいてもらいたいと考える方が普通だろうと思っております。  反復性につきましては、その人が年齢をもう経られて健康のあれでというので後の人物を探さないかぬというときに、探す方もこれは結構大変な作業でして、いろんなところでもう既にほかに取られちゃっているとか、先に唾付けてやったらほかのところにもっといい給料で持っていかれちゃったとか、いろいろ例がありますので、そういったところを考えたときには、やっぱりある程度の、その組織なりなんなりからしかるべき人を推薦してもらう、それで面接するというような形のものというのは十分に起こり得るだろうなと思いますし、それによってその企業がどう判断されるかということに懸かってくるのかなという感じはいたします。
  101. 中西健治

    ○中西健治君 今後の運用というのを見ていかなければならないというふうに思いますけれども、やはり、組織のあっせんということになるとまさに就職のあっせんみたいなことにもなりかねません、推薦ということになるとあっせんということになりかねませんし、そこら辺、これからの運用状況をきっちり見ていかなきゃいけないというふうに思います。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  102. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  103. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 古川俊治

    ○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五分散会