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2015-05-21 第189回国会 参議院 外交防衛委員会 15号 公式Web版

  1. 平成二十七年五月二十一日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  五月二十日     辞任         補欠選任      松山 政司君     馬場 成志君      北澤 俊美君     野田 国義君      新妻 秀規君     石川 博崇君  五月二十一日     辞任         補欠選任      石川 博崇君     河野 義博君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         片山さつき君     理 事                 北村 経夫君                 佐藤 正久君                 三木  亨君                 大野 元裕君                 荒木 清寛君     委 員                 宇都 隆史君                 小坂 憲次君                 末松 信介君                 豊田 俊郎君                 馬場 成志君                 小西 洋之君                 野田 国義君                 福山 哲郎君                 藤田 幸久君                 石川 博崇君                 河野 義博君                 小野 次郎君                 井上 哲士君               アントニオ猪木君                 浜田 和幸君                 糸数 慶子君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     中谷  元君    副大臣        外務副大臣    城内  実君        防衛副大臣    左藤  章君    大臣政務官        防衛大臣政務官  原田 憲治君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  横畠 裕介君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        外務大臣官房長  上月 豊久君        外務大臣官房地        球規模課題審議        官        尾池 厚之君        外務大臣官房審        議官       山上 信吾君        外務大臣官房参        事官       吉田 朋之君        外務省北米局長  冨田 浩司君        経済産業省貿易        経済協力貿易        管理部長     坂口 利彦君        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        住田 孝之君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    鎌形 浩史君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       北島 智子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○水銀に関する水俣条約の締結について承認を求  めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、新妻秀規君、松山政司君及び北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君、馬場成志君及び野田国義君が選任されました。     ─────────────
  3. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  水銀に関する水俣条約の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房長上月豊久君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 水銀に関する水俣条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 馬場成志

    ○馬場成志君 おはようございます。自由民主党の馬場成志でございます。  本日は、私が熊本県出身ということで御配慮をいただいたと思います。感謝を申し上げながら質問に入らせていただきます。  まず最初に、岸田外務大臣にお尋ねでございますが、私は熊本県会議員時代から、特に水俣病対策特別委員会のメンバーとして水俣病問題には取り組んでまいりました。  昭和三十一年、高度成長前のまだ貧しかった日本が国全体で経済的豊かさを求めていく中で、公害の原点と言われている水俣病が公式確認されました。水俣病のために多くの命が奪われただけでなく、地域全体に対して差別や偏見の目も注がれ、地域は大きなダメージを受けました。水俣病公式確認から五十九年たった今も水俣の負のイメージは完全に払拭されたとは言えず、また、救済を求める多くの方々がおられる状況にあります。水俣病の問題は、熊本県政の最重要課題であるとともに、国にとっても大きな課題であります。  一方、水俣は、市民の力で地域のきずなを取り戻して再生への歩みを進めています。また、不知火の海は、多くの人々の絶え間ない努力を経て静けさと美しさを取り戻しております。  そのような中、平成二十五年、熊本市と水俣市で水俣条約外交会議が開催され、百四十の国と地域から千人を超える参加を得て、水銀に関する水俣条約が採択されました。  まずは、水俣の地名を冠した本条約の持つ世界的な意義についてお尋ねをいたします。
  7. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) まず、熊本県議会時代からこの水俣病問題に取り組んでこられました委員の御努力に敬意を表し申し上げます。  そして、我が国は、この水俣病の経験を踏まえ、世界各国における水銀汚染対策の強化を進めるべきという立場から、本条約の交渉に積極的に参加をしてきました。特に、この水俣病と同様の健康被害及び環境汚染が二度と繰り返されてはならないという強い決意を示すために、我が国は、この条約採択の外交会議を我が国に誘致いたしましたし、また、同様の観点から、この条約の名称を水俣条約とする提案をし、各国の幅広い賛意を得た次第であります。  本条約の意義ですが、水銀が人の健康及び環境に及ぼすリスクを低減するための包括的な規制を定める、こうした重要な条約であると認識をしています。その意味で、水銀から人の健康と環境を保護するための国際的取組の推進に大きく寄与するものであると認識をいたします。このため、条約を早期に発効させ、実効性を確保していくことが重要だと考えます。  水俣病の経験を有する我が国として、是非、我が国自身がまず本条約を早期に締結し、こうした取組の推進に積極的に貢献をしていきたいと考えております。
  8. 馬場成志

    ○馬場成志君 ありがとうございました。今、お気持ちも込めて御答弁をいただいたと思います。  続いて、外務省にお尋ねをいたしますけれども、昨年十一月にタイで行われた政府交渉委員会を訪れた水俣病患者が、今、岸田大臣からも急いでやるというような話をいただきましたと思いますが、海外のNGOから、日本は水俣病の発生国である、また、日本で条約が採択されたのになぜまだ条約を批准していないのかと問われて大変悲しい思いをしたということを聞きました。患者が言われたように、我が国は水俣病の発生国であり、条約が採択されたのはこの日本であります。その日本が世界に先んじてこの条約を批准し、条約が発効されるようほかの国を後押ししていくことこそが我が国の果たすべき役割ではないでしょうか。  なぜ一番でなかったかということを確認したいところもありますけれども、今日はそこについてはお尋ねはしません。私ども、国会をしっかりと通過させていただいて、速やかに手続を進めていただきたいというふうに思っています。  ここからが質問でございますが、ほかの国が早期に条約を締結するよう、どのような働きかけをしていくのか、聞かせていただきたいというふうに思います。  岸田大臣は、本条約の署名後、我が国の支援策として、途上国の環境汚染対策のために三年間で総額二十億ドルのODAによる支援を実施することを表明されました。また、本条約について、途上国が締結することを支援するために、水銀汚染に特化した人材育成支援を新たに実施することを表明されました。我が国が率先して途上国支援を表明し、水銀をその生活環境から排除していく努力は重要なことであります。外交会議でこのような支援策を表明した意図についてお尋ねをいたします。  加えて、これら表明された支援策が現在までにどのように実施されたのか、お尋ねをいたします。
  9. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、水銀の使用、排出の削減に対しまして先進的な取組を行ってきた我が国といたしまして、世界から水銀による健康被害や環境汚染をなくすために、本条約の早期発効に向けた後押しを行うことは極めて重要でございまして、努力をしていきたいと考えてございます。  この観点から、平成二十六年の水俣条約外交会議において、安倍総理及び岸田外務大臣から、途上国の環境汚染対策を支援すべく、大気汚染、水質汚濁対策及び廃棄物処理の分野で、平成二十六年一月からの三年間で総額二十億ドルの支援を行うことを表明したところでございます。これらのうち、二〇一四年十二月の時点ではございますけれども、下水道設置の整備計画ですとか火力発電所建設計画など、七か国計九件の計画に対する支援を決定してございます。また、水銀汚染防止に特化した人材育成を行うべく、JICAの枠組みにおきまして、平成二十六年から三年間、途上国などの水銀分野での人材育成を行う予定でございまして、昨年は七か国から十名の研修を受け入れたところでございます。
  10. 馬場成志

    ○馬場成志君 本来の目的であります公害防止に最大の効果というものを引き出していただけるように使われると同時に、条約締結につながるよう生かしていただきたいというふうに思います。  次は、環境省に対してお尋ねをします。  現在、我が国で水銀が使用されている製品対策についてでありますが、我が国の現在の水銀使用量は、水俣病の当時には最大で二千五百トン程度でありましたが、現在では約八トン程度に削減されています。しかし、いまだ主に蛍光灯や計測器製造などの製品製造用途に使用されています。今後は水銀が使用されていない製品や使用量が少ない製品への転換を促進する必要がありますが、現状ではどの製品に水銀が含まれるかどうかの情報が十分ではないと思われます。  熊本県では、水銀フリー熊本宣言を行い、国に提言をしていますが、提言の一つとして、製品の製造事業者、輸入事業者及び販売事業者に対して、製品中の水銀の有無及びその量を明記し、水銀含有製品の廃棄方法について表示を行うよう働きかけるとされています。  私も、製品廃棄時だけではなくて、製品選択時にも資するような情報提供を行わせることが水銀フリー社会を日本でつくっていくために必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  11. 北島智子

    政府参考人(北島智子君) お答えいたします。  御指摘のとおり、正確な情報を消費者に提供することは極めて重要であると考えております。本法案におきましては、条約の要請より踏み込んだ措置として、水銀使用製品の製造や輸入を行う者が水銀等の使用に関する表示を行うことなどにより、消費者が適切に分別、排出するために必要な情報を提供する努力義務を規定しております。また、この措置を講じることによって、消費者が製品を選択する際の効果もあると考えております。  法案成立させていただきましたら、速やかに対象範囲や消費者にとって分かりやすい表示の在り方も含め、情報提供に関する一定の指針を作成し、事業者に求められる具体的な取組の内容を明らかにしてまいります。
  12. 馬場成志

    ○馬場成志君 よろしくお願いします。  ほかに、地方自治体においての負担増というものがまた別に発生してくるかというふうに思っております。また、これは事前にお聞きした中では、大概のことはもう地方自治体でもやっておるというようなことでありますから、新たに発生することはないだろうというようなことでありましたけれども、現場というものは本当に様々なことが起きますので、その辺りは地方の自治体ともしっかりと連携を取っていただきたいというふうに思います。  次は、経済産業省へお尋ねをさせていただきます。  輸出に関してですが、日本には現在、水銀の一次鉱山は存在しませんが、我が国で行われる銅や亜鉛などの非鉄金属の製錬過程において必ず発生してしまう副生物に水銀が含まれており、この副生物から水銀をリサイクル抽出して世界中に輸出しているという現状があります。我が国からの水銀輸出を全面禁止しないのはなぜでしょうか。
  13. 坂口利彦

    政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。  我が国から輸出される水銀は、委員御指摘のとおり、一次採掘由来ではなく、非鉄金属製錬過程からリサイクルされたものが大半でございます。世界的には条約発効後も一定量の水銀需要があることを踏まえますと、我が国からの水銀の輸出を止めることは、かえって他国において水銀鉱山からの新たな水銀採掘の増加を招くおそれがございます。このような観点も踏まえまして、我が国といたしましては、一定の場合を除き、水銀の輸出を原則として禁止することとしております。  具体的に申し上げますと、水銀に関する水俣条約に基づく水銀の輸出規制につきましては、外国為替及び外国貿易法におきまして、水銀の輸出が条約上許可される用途で使用されることなどが確認できる例外的な場合に限りまして輸出承認することを予定しております。また、我が国独自の措置といたしまして、零細及び小規模の金の採掘や暫定的保管のみを目的とする水銀の輸出を禁止することとしております。
  14. 馬場成志

    ○馬場成志君 それでは、その輸出規制についてはまた具体的にどのように行うのか、お尋ねします。その規制措置で、我が国から輸出される水銀が海外で環境汚染を起こすことはないと保証できるか、政府の考えをお尋ねします。
  15. 坂口利彦

    政府参考人(坂口利彦君) 我が国から輸出される水銀が輸出先国で不適切に使用され、健康被害や環境汚染を引き起こさないことを確実にする必要がございます。このため、外為法に基づき行います事前の輸出審査におきましては、輸出先国での水銀の最終用途及び最終需要者などにつき厳格に確認をすることを予定しております。加えまして、事後的にも適宜輸出者に対して報告を求めることによりまして、最終用途及び最終需要者などにつきまして輸出承認時の内容とそごがないことを確認するなど、適切に対応を行ってまいります。
  16. 馬場成志

    ○馬場成志君 ほかにまた、シンガポールや香港などの経由地と思われる輸出先への水銀輸出は、条約発効後はどのように対応することになるか、そして、事前確認の際に確認していた内容が虚偽の輸出であったことが発覚した場合には、輸出者や最終使用者にはどのような罰則が科されることになるのか、お尋ねしたいと思います。また、その罰則などは我が国からの不適切な水銀輸出を減らしていくためのインセンティブとしては妥当と言えるかどうか、お尋ねしたいと思います。
  17. 坂口利彦

    政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。  輸出者が、最終用途や最終需要者などにつきまして虚偽の申請を行っていたなど外為法違反の事実が判明した場合には、輸出者に対する罰則の適用も含め厳格に対処いたします。罰則の内容、程度でございますけれども、刑事罰として最大三年の懲役及び百万円の罰金を科することができることになっておりまして、適当なものだというふうに考えております。  他方、輸出者に責がなく、需要者の側に問題がある場合につきましては、以後の輸出審査におきまして当該需要者への輸出申請に対する審査を特に厳格に行うことによりまして、同様の案件の再発防止に努めてまいる所存でございます。
  18. 馬場成志

    ○馬場成志君 よろしくしっかりとやっていただきたいと思います。  なぜ今のような質問をしたかということでありますが、ここに吉井元水俣市長が書かれた冊子を持ってまいりました。平成四年にブラジルにおいて国連環境サミットの関連会議、国際都市フォーラムというものに出席されたときの話が書いてありますが、水俣病公害の教訓を世界に発信すると意気込んで行ったが、日本は世界各地で環境破壊を起こしていると日本批判が相次いだ、我が国は、開発途上国へのODAで経済発展に貢献して感謝されていると思い込んでいたら、進出企業の起こした公害森林の乱伐など、世界最大の地球環境破壊国であるというような指弾の嵐に強いショックを受けた、水俣市の環境都市づくりはまず日本の信頼回復から始めなければならないと認識を新たにしたというふうに書いてございます。  これは二十三年前の話でありますが、日本から輸出されるものから公害を起こすようなことがあってはならないということであります。経産省、外務省始め政府として確実な対応をしていただきたいというふうに思っております。  ここで提案でございますが、現在、NPTの運用検討会議の中では、我が国は世界の政治指導者及び若者の広島、長崎訪問を提案しておられます。これは、外務大臣、広島の御出身でございますので、本当にこれが絶対必要だというような思いであろうかというふうに思います。これと同様に、私は、世界の政治指導者に水俣を訪問してもらう機会を得たいと考えています。その実相を見てもらうことこそが、水銀対策の重要性を認識し、かつ本条約の早期発効の必要性を認識していただける、先ほど話しましたODAや輸出後の使用を確実なものにつなげていく最大のメッセージになるというふうに考えております。  この提案に対する所見と本条約の発効に向けた我が国の取組についてお尋ねをいたしたいと思います。
  19. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、水俣の被害あるいは我が国の取組を理解していただくために政治指導者に水俣を訪問していただくこと、これは意義あることであると考えます。そして、政治指導者の水俣訪問ということに関しましては、先ほど来も議論の中に出ておりましたが、平成二十五年に熊本で外交会議を開催いたしました。六十か国以上の閣僚級が出席をした会議でありましたが、その際に併せて水俣市において開会記念式典を開催しました。そして、その際に慰霊碑への献花ですとか現地の視察、さらには語り部の方による講話、こうしたものを行ったわけですが、多くの国から参加をしていただきました。こうした取組もあったわけでありますが、是非、今後の機会につきましても、水俣病の経験及び教訓を生かして、本条約の実施を積極的に推進する観点から検討をしていきたいと考えます。  そして、発効に向けた取組についての御質問ですが、先週また一か国、マダガスカルが締約国に加わりましたので、今は締約国十二か国となっています。ただ、発効には五十か国が必要でありますので、是非、我が国としましては、自らのこの締約についても急ぎたいと思いますし、そして、既に締約国になった国と協力しながら積極的な働きかけ、続けていきたいと考えております。
  20. 馬場成志

    ○馬場成志君 もう本当にこれからの御努力に期待をさせていただきます。そして、五十か国締約国が集まって、その後、締約国会議というものが開かれる際には、是非ともまた水俣で会議をしていただきたいと、そういった働きかけもお願いしたいと思います。  もうまとめになりますけれども、熊本県選出議員として、是非、水俣条約を早期に批准し、国際的にも模範となるような取組を進めていただきたいというふうに思います。  水俣は今、水俣病の教訓を基に、市民が一丸となって環境の再生と環境保全に取り組み、青い海を取り戻しております。環境首都と呼ばれるまで、水俣の環境と地域のきずなの再生に取り組んだ吉井元市長の言葉を最後に紹介させていただきます。水俣市民が環境保全に積極的に取り組むのは、環境破壊の恐ろしさを命懸けで学び、持続可能な人類社会のモデルを創造しようと大きな目標を掲げたからである、その高邁な志が挫折すると水俣は後の世代に水俣の失われた六十年だけを残すことになる、この今の気持ち、初心を忘れてはならないという言葉でございます。  あわせて、水俣病問題の解決についてもより一層の取組をお願いして、本日の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  21. 小西洋之

    小西洋之君 民主党・新緑風会小西洋之でございます。  今、御地元の馬場先生の大変思いのこもった、また深い質問の数々で、実は私も考えさせていただいたものが幾つかあったんですけれども、もう完璧にしてくださっておりますので、重ならない範囲で質問をまずさせていただきたいと思います。  その前に、昨日、党首討論がございまして、今朝もマスコミ報道などたくさんあるんですけれども、その報道を見ている中で、ここが根本的にずれているんじゃないかというふうに考えたところがございまして、通告できておりませんけれども、岸田大臣と、あと法制局長官、場合によっては質問させていただきたいと思います。  民主党の岡田代表と安倍総理のやり取りでございますけれども、岡田代表は、集団的自衛権行使の新三要件の下では、相手国のまさに領土領海領空、つまり相手国の領域ですね、相手国の領域で武力行使をこれはするものなんですねと、まさにそれが原則なんですねという質問をしていたんですけれども、それに対して安倍総理は、一般に海外派兵はしません、そこは変わりませんと、その説明として空爆や地上戦は絶対にしないということをはっきり申し上げますというふうに言っております。  つまり、民主党の岡田代表は、エリアを聞いているわけでございます、どこで武力行使をするのか。それは、領土領海領空などの相手国の領域で武力行使をする、それが一般なんだろうということを質問しているんですけれども、安倍総理のその答弁は、それをすり替えて、エリアについては全く触れずに、いや、第三要件で認めているのは必要最小限度の武力行使なんだから、空爆や地上戦はしないんだということを言って、ずれているわけでございますけれども、岸田外務大臣に伺いたいと思います。  集団的自衛権の行使ですから、我が国に対して武力攻撃は発生していない局面でございますので、新三要件の下で安倍内閣が認めたその集団的自衛権の行使というのは、エリアですね、エリアで見たときに、一般に相手国の領土領空領海で行うことが多い、もう一般原則としてはそういう武力行使になるであろうという理解でよろしいでしょうか。
  22. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) ちょっと質問の趣旨、十分把握しているかどうかは定かではありませんが、要は、総理は、一般的に海外派兵については禁止されている、これは従来からも我が国の考え方でありましたし、一般的に海外派兵は禁止されているということはこれからも変わらないということをまず申し上げたんだと思います。そして、他国の領域における武力行動については、この新三要件に該当するものがあるとしたならば、憲法の理論としてこれはそういった行動を取ることは許されないわけではない、こうした考え方を示したものだと理解をしています。  その中にあって、例えば湾岸戦争イラク戦争のような、こうした武力を用いる、相手国に攻撃する、撃滅をする、こういった行動については、新三要件を満たさない、要は最小限度を超えている、こういったことから許されない、こういった趣旨を説明したものだと私は理解して聞いておりました。
  23. 小西洋之

    小西洋之君 では伺いますが、まず政策論として、集団的自衛権行使が必要だという政策判断をなさって、かつ、その根拠になる憲法論ですね、昭和四十七年見解の、まあ私は読み直しで違憲無効だというふうに言っておりますけれども、ただ、集団的自衛権行使が必要だという政策的な判断を皆さんお持ちなんですけど、その政策判断として行われる集団的自衛権の行使というのは、相手国の領域、領土領空領海で行われるものが一般であるというふうに理解してよろしいですか。それとも、我が国の領土領空領海で行われるのが一般なのか、どちらが一般なんでしょうか。
  24. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 一般というこの言葉の意味ですが、要は、我が国が武力行使を行うことが認められるのは、憲法上、新三要件に該当したときだけであります。その中で、実際に武力行使が行われる場所においては、あくまでもその新三要件に該当するかどうか、これに基づいて考えていく、判断していくことになると考えます。
  25. 小西洋之

    小西洋之君 一般に海外派兵は許されないんだということを安倍総理は言っているんですけど、そこの一般にの、私、意味を伺っているんです。それは、エリア的な概念のことについて私は伺っているんですけれども。  新三要件をお作りになって、新三要件の下だったら集団的自衛権行使ができるんだというふうにおっしゃっているんですけれども、それの評価として、政策的な評価として、行われるであろう集団的自衛権の行使は、一般に、エリア的な意味で、相手国の領土領空領海、領域で行われるものが一般的ですよねと、ケースとしては、そういう理解をお持ちですか。あるいは、そういう理解すら持っていない、どこで行われるかというのは政策論としては評価は持っていない、どちらなんでしょうか。
  26. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたように、我が国が武力行使をするに当たっては新三要件が満たされなければならないということですが、そして、その一部は国際法上は限定的な集団的自衛権として説明される部分があります。  そして、それは、それが行使される場所につきましては、公海等もあるでしょうし、様々なケースがあります。これは、そうした限定は特段存在しないと考えています。
  27. 小西洋之

    小西洋之君 新三要件の下で行われる集団的自衛権の行使は一般的にどこで行われるかは限定されていないと考えるというふうにおっしゃいました。じゃ、限定されていないんだったら、なぜ一般に海外派兵はできませんというふうに言えるんでしょうか。
  28. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) あくまでも我が国が武力行使をするのは新三要件に該当する場合であります。  そして、この海外派兵については、例えばかつての湾岸戦争イラク戦争のような事態は新三要件における必要最小限度を超える、こうしたことであります。そういったことから認められない。こうした考え方を総理は説明されたものだと理解しております。
  29. 小西洋之

    小西洋之君 昨日の党首討論は、我が党の岡田代表の真摯な質問に対して、安倍総理は全ての質問に対して答弁を拒否して、はぐらかして、国民の皆様にもそこは正しく伝わっていると思うんですけれども、岸田大臣も今はぐらかしをしていただきましたので、私が伺っておりますのはエリアの話でございます。エリアの話を聞いているのに、安倍総理は、空爆や地上戦はしませんという武力行使の態様ですね、武力行使を行うエリアを聞いているのに武力行使の態様について答弁をして、すり替えているんですけれども。  先ほど、新三要件の下で行われる集団的自衛権行使のエリアの限定というものは持っていない、考えていないというふうにおっしゃいました。そうすると、一般に海外派兵はできない、原則としてできないのは変わりませんという総理答弁のその一般にというのは、エリア的な意味は含まれていないというふうに理解してよろしいですか。
  30. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) エリア的なことについては何も触れていないと思います。あくまでも我が国が武力行使をすることが認められるのは新三要件に該当している場合、我が国の存立あるいは国民の命や暮らし、幸福追求の権利が根底から覆されるような明白な事由があるときのみであります。加えて、他に手段がない場合、そして必要最小限であるということ、こうした三要件を満たす場合だけであると考えております。
  31. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  今、まさに一般という、一般に海外派兵は行わないという総理のその一般というところはエリア的なものではないという明確な答弁をいただきましたので、では、もう他国の領域で行うものであるということだというふうに理解をさせていただきます。  じゃ、ちょっともう一つ、そのまさに関連なんですけれども、空爆や地上戦はしないというふうに言っておりますけれども、新三要件に合致する限りは空爆や地上戦も行えるという理解でよろしいですね。新三要件に合致する限りは空爆や地上戦も行えるという理解でよろしいでしょうか。
  32. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 憲法上の理論で申し上げるならば、我が国が武力を行使できるのは新三要件に該当するときのみであります。  ただ、大規模な空爆あるいは砲撃を加える、あるいは敵に攻め込む、こういったことは新三要件のうちの最小限度を超えること、これは当然のことだと思っています。そうしたことは認められない、これは新三要件に該当しない、そういうことだと思っております。
  33. 小西洋之

    小西洋之君 新三要件の第三要件の必要最小限度の武力行使を空爆や地上戦は超えるというふうに言っていますけれども、第一要件と第二要件ですね、第一要件にある、我が国の国民の生命などが根底から覆される明白な危険があって、それを排除するために他に手段がない、その他に手段がない、まさにその手段として空爆や地上戦以外に手段がない場合は、新三要件第三要件に合致して空爆や地上戦も行えるという理解でよろしいですか。  第一要件、第二要件ですね、国民の生命などが根底から覆される明白な危険がある場合を排除するためにやむを得ない手段としては、もう絶対に大規模な空爆や地上戦というものはあり得ないんだという御判断をされている、そういう解釈であるという理解でよろしいですか。
  34. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 新三要件の第一要件、第二要件に御指摘の点が含まれるかという質問かと思いますが、これはまず具体的にそれぞれ慎重に検討しなければならないと思いますが、いずれにしましても、我が国の武力行使が認められるのは新三要件全てを満たした場合であります。少なくともこの三番目の要件には、御指摘のような大規模な空爆、砲撃、あるいは敵国に攻め込む、こういったことは該当しない、その限度を超える、こうした判断になると考えます。
  35. 小西洋之

    小西洋之君 いえ、新三要件の第一要件と第二要件ですね、我が国の国民の生命などが根底から覆される明白な危険を排除するための手段として大規模な空爆しかあり得ないと、大規模な空爆を行う以外にその危険を排除することはできないという政策判断は、そのときの政権によってやろうと思えばできるし、あり得るんだと思うんですね。  だから、私が申し上げたいことは、実は新三要件のどこを見ても、空爆はできない、地上戦はできないなんて書いてないんですね。書いてあることはもう非常にシンプルで、そういう明白な危険を排除するために他の手段がないと、そういう場合に、それを排除するための必要最小限度のことであればできるとしか書いてないわけですから、その必要最小限度の武力行使が空爆や地上戦だという政策判断をすれば、それはもう全てのことが新三要件成立してできることになるんですね。なるんです。だから、幾ら言っても、いや、それはできませんと言っても、いや、それできないなんてどこにも書いてないわけですから。  じゃ、もう一回だけ伺いますけれども、大規模な空爆や地上戦というのは、新三要件において法理として絶対に許容されることはない武力行使であるというふうに理解してよろしいですか。
  36. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 新三要件を満たすためには、他に手段がない、さらには必要最小限のものでなければならない、こうした要件を満たす必要があります。  そういったことを考えますと、湾岸戦争あるいはイラク戦争のような大規模な空爆、砲撃、あるいは他国に攻め入る、こういった戦闘に我が国が参加することはないと考えます。
  37. 小西洋之

    小西洋之君 まあ、そうなんですね。  例えばイラク戦争は、アメリカは個別的自衛権の行使をしているわけですね。アメリカという国連加盟国が個別的自衛権の行使で行ったものなんですよね、たしか。そうですけれども、それに対してイギリスが行ったのは、一緒に参戦したイギリスは集団的自衛権の行使だったと思うんですけれども。そうすると、アメリカにしてみれば、まさにこれをしなければアメリカ国民が殺されてしまうと、防ぐために他に手段がないという考えでやっているわけですけれども……(発言する者あり)違いますかね。分かりました。いずれにいたしましても、イラク戦争はたしかそうだったと思いますけれども。  法理として大規模な空爆や地上戦ができない、新三要件において法理として大規模な空爆や地上戦ができないというのは第三要件の必要最小限度を超えるからと言っているんですけれども、じゃ、なぜ必要最小限度を超えるんですか。絶対に必要最小限度を超えないというその法理、論理的な説明はどういう説明になるんでしょうか。大臣に伺っております。大臣。
  38. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) まず、各国とも国際法に従って対応しなければならない、それはそのとおりであります。そして一方、我が国が今議論しているのは我が国が武力行使を行うことができる場合ということであり、その結果として新三要件というこの要件を満たすことが必要である、こういったことを申し上げております。そして、その新三要件の中に、我が国の存立、あるいは我が国の国民の命や暮らしや幸福追求の権利、これが根底から覆されるような明白な事由というものをその新三要件の中に掲げています。  こうしたことを考えますと、必要最小限ということを考えた場合に、御指摘のような戦闘、これはこの新三要件を満たすことはあり得ないと考えます。
  39. 小西洋之

    小西洋之君 機雷の掃海はできて、必要最小限で、大規模な空爆や地上戦は必要最小限でないというのは、そういうふうに言われると感覚的にはそうかなと思ってしまうんですけれども、法理論としてはなぜ大規模な空爆や地上戦が必要最小限度にならないのかというのは何も根拠はないわけですね。そういうふうにおっしゃっているだけなんですね。個別的自衛権の場合であれば、我が国に侵略している軍隊をはね返す、はね返して追い払う、排除するということですから、大規模な空爆や地上戦は必要ないと。要するに我が国の領域から追い払えばいいわけですから、おのずと論理的に明らかになるんですけれども、集団的自衛権の場合は、そういう、全然その議論の前提が違うんですね。  だから、私が昨年の秋の臨時国会からさんざん質問させていただいておりますけれども、新三要件は、何の歯止めもない、もう、ぬえのような、何でもできる。さっきは、エリアの指定はないというふうに、一般にというのはエリアではないという明確な答弁いただきましたけれども、どこでも何でもできてしまう要件だと、武力行使の要件だということを御指摘をさせていただきます。  済みません、水俣の大切な条約の質疑でございますので、そちらの方に移らせていただきます。馬場先生の方から、重ねてですけれども、すばらしい御質問をされましたので、ちょっと重ならないように、自分で準備させていただいたものを伺わせていただきたいと思います。  まず、この水俣の条約なんですけれども、もう馬場先生の質疑に尽きるわけでございますけれども、かつての水俣病の経験をもって、日本としてこれを主体的に取り組んできたということでございますけれども、この条約ができるまでの歴史における外務省、環境省を始めとする日本政府のその立派な取組ということを是非伺わせていただきたいんですけれども。  二〇〇二年に世界水銀アセスメントというものが公表をされて、国連環境計画のところですね、そこで二〇〇二年に至る前から活動をずっとされているわけなんですけれども、この二〇〇二年ということも一つの大きな契機となりつつ、この条約の制定に向かっていったということなんですけれども、この条約を作っていく初期段階から中期段階を超えて我が国のリーダーシップというものはどういうものがあったか、外務省、説明をお願いいたします。
  40. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  我が国は、水俣病の経験を踏まえまして、世界各国における水銀汚染対策の強化を進めるべきだという立場から、世界規模での水銀対策の議論に積極的に関与をしてまいりました。具体的に申し上げますと、平成十九年、二〇〇七年ですが、から開催をされました水銀対策の国際的な規制の在り方について検討するための作業グループ会合におきまして副議長を務めてございます。これにより、条約交渉への道筋を付けることに貢献をいたしました。  また、水俣条約の交渉開始後も様々な形で積極的に議論に参加をしてございます。例えば、いかなる国であれ、水俣と同様の健康被害及び環境被害が二度と繰り返されてはならないという強い決意を示すことが重要であることを強調し、この観点から、条約の名前を水俣条約とすること等を提案いたしました。また、第二回政府交渉や条約採択のための外交会議の日本開催を提案するとともに、第一回交渉からアジア地域のコーディネーターを務めてきてございます。  また、条約の内容面でございますけれども、我が国などの主張に基づきまして、水銀に関する健康の側面について独立した規定が設けられるなど、様々な面で貢献を行ってございます。  このように、水俣病の経験を有する国として、我が国の経験及び教訓を生かし、交渉における議論を主導し、本条約の採択に大きな貢献をしてきたところでございます。
  41. 小西洋之

    小西洋之君 岸田外務大臣、私は、この水俣条約の国会提出、送られてこの条約を勉強させていただきまして、大変感銘を受けまして、まさに水銀の採掘から最終廃棄まで全体を包括した新しい条約を作ると。  まさに、この外務省のお仕事というのは、条約を作ることによって全世界の国民を救うことができると。条約を作ることによって全世界の国民を救うことができる。我々国会は立法しているわけですけれども、我々も条約承認権持っているので、同時に、我々の承認権を通じて国会も全世界の国民の皆さんを救うことに貢献できるわけですけれども、こういう条約作りというのは本当にすばらしいことだなというふうに改めて思ったんですけれども。  ちょっと外務省に伺いたいと思います。こういう有害金属類、水銀ですね、こういう固有の有害金属類について条約が作られたというのは初めてだということだと思いますけれども、我が国の公害、イタイイタイ病、カドミウムもこの代表的な有害金属類に挙げられて、まだ今なお、私もインターネットで調べさせていただきましたけれども、世界各地域で公害問題が、中毒の問題が起きておりますけれども、このカドミウムについても是非、今おっしゃられたように、我が国政府がそのプロセス面あるいは内容面も含めて条約を作るとか、そういうことについてリーダーシップを取る、そういうお考えはいかがでしょうか。
  42. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  国連環境計画、UNEPですけれども、国連環境計画におきましては、本条約作成に先立ちまして、平成十三年、二〇〇一年から、地球規模での水銀汚染に関する活動としてUNEP水銀プログラムを開始をいたしております。平成十七年からは、これに鉛及びカドミウムも対象に加えて、UNEP重金属プログラムというのを開始してございます。これに基づきまして、平成十九年、二〇〇七年の第二十四回UNEP管理理事会におきまして、水銀に加えて世界のカドミウムによる汚染に関してUNEPから報告書が提出されたところでございます。その意味におきまして、水銀だけではなくてカドミウム対策に関する国際的な関心も高まりつつあるというのは事実でございます。  ただ、その一方におきまして、国際社会におけるこれまでの議論の中では、カドミウムについては、水銀に比べて環境中の長距離移動の問題が少ない、途上国における環境汚染や環境被害についての詳細な情報も必ずしも十分にはないということが背景にございまして、条約の作成について具体的な議論が行われるというところには至ってございません。他方、御指摘のとおり、水銀に限らず、人の健康と環境を保護する観点から、我が国がその知見と経験を生かして積極的な取組を行っていくことは重要なことだと認識をしてございます。  この立場から、カドミウム汚染に関する国際的な対策につきましても、関係省庁とよく連携をして積極的に関与していきたいと考えてございます。
  43. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  七割ぐらいの答弁ですかね、積極的にやるというふうにおっしゃってくださいますが。  途上国でのカドミウムの被害などの実態が十分情報がないのであれば、それは情報を集めてみればいいわけですからね。情報をちゃんと調査して、それを評価して、これはやっぱり何らかの国際的な法規制をやっていかなければ、それぞれの国の国内での取組に任せていれば世界の人々は救えないのではないかというふうに我が国外務省として思えば、是非、岸田大臣、こういう国際機関の舞台で我が国の外務省が率先して、四大公害病と言われている一つでもございますので、カドミウム汚染は、まずはその実態をしっかり調べることと、あと必要に応じたそうした条約も含めた対応というのを、外務省がリーダーシップを取って、是非、いつの日か、この外交防衛委員会に条約案を必要であれば出していただきたいというふうに思います。  済みません。じゃ、ちょっともう一つ、水俣条約に戻らせていただきまして、もう一点だけ。  これ、さっき、済みません、馬場先生がもう全部質問して、すばらしい質問ばかりだったのであれなんですけれども、第一回締約国会議というものが条約の発効後に行われることになっております。そこまでに国を集めなきゃいけないということで、それについては馬場先生が御質問されておるわけですけれども、五十か国集まれば会議が持たれるわけでございますけれども、まさに水俣条約、水俣病の名前を冠した条約でございますので、どこまでもこの条約の完全なる実行、遂行のために、もう我が国外務省は、環境省とともにリーダーシップを取っていかなきゃいけないと思うんですけれども。  第一回締約国会議、まさに今、途上国での取組ですとか、いろんなものについて実効的な評価の仕組みあるいは取組というものを考えていかなきゃいけないんですけれども、第一回締約国会議のその議題の持ち方、あるいはこういう会議の回し方、進め方について、どういう今戦略をお考えでしょうか。外務省
  44. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  本条約発効後に開催されます第一回締約国会議では、この条約の実施のための議論が行われる予定でございます。具体的に申し上げますと、水銀の在庫などの特定、水銀の輸出入手続、あるいは水銀の排出に係ります利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行などに関する手引、これらの作成について議論が行われる予定でございます。この第一回締約国会議における議論は非常に重要であると認識してございます。  このため、水俣病の経験を有する我が国といたしまして、本条約が効果的かつ効率的に実施をされますよう、条約の実効性と実施可能性の双方を考慮しながら、それともう一つは、我が国の国内事情に即したものになるように積極的に参加をしてまいりたいと考えてございます。
  45. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  まさに、この水俣条約の下で各国の取組というものが実効性のあるものになるように、我が国がリーダーシップを取っていただきたいというふうに思います。  本当に大切な条約ですので、ほかの話をするのは非常に心が引けるところなんですけれども、ちょっと一点だけ、お許しをいただきまして、お手元に「「いじめ撲滅」決議」と書いた資料をお配りさせていただいております。これ、実は昨年の国連総会で、いじめ撲滅ですね、これ、子供がいる限り、どこの国のどこの学校、どこの社会でもいじめというのは絶対起きますので、それについて国連として撲滅をしていこうという決議をしているところでございます。  一枚めくっていただくと、これ、いじめの法律、一昨年に作った法律の逐条解説、これ、石川先生共々、私も中心になって立法させていただいて、法律の解説書を書いたんですけれども、次をめくっていただきますとその法律の仕組みがございます。  時間がないのでちょっと簡潔に申し上げますけれども、何が申し上げたいかというと、先ほどの話でございます。外務省は条約を作って世界の人々を救うことができるお役所なんですね。今、積極的平和主義の名の下に憲法をじゅうりんして、積極的軍事主義といいますか、そういう軍事力の行使をやることに血眼になられておりますけれども、本来の外務省の役割というものは、憲法の前文の趣旨、そうしたものに従って、やっぱり世界の人々の人権やあるいは人道というものを救っていく、そのためにどこの国よりも率先して頑張っていくのが我が国の外務省の在り方だと思うんですね。これはまさに水銀の水俣条約を作られたのと同じように、我が国の外務省に是非主体性を発揮していただきたいと思うんですけれども。  実は、一昨年の日本で作られたいじめの法律ですけれども、世界一の法律でございます。なぜかといいますと、その作るときに私もいろんなあらゆる世界のいじめの取組の仕組みを調べたんですけれども、このポンチ絵ですね、めくっていただいた図がありますけれども、学校の中で、学校いじめ防止基本方針というのがありますけれども、年に一回いじめは駄目だとか言うのではなくて、いじめが起きにくい、起こしにくい環境をつくるために年間を通じたそういうプログラムをやっていくんですね。  これ実は後で調べて分かったんですけれども、イギリスの仕組みでございます。その下にいじめ対策委員会というのがありまして、全学校なんですけれども、学級担任だけではなくていじめ対策のためのそのチームを、学校の先生や保護者も加わることができるんですけれども、チームをつくる、いじめというのはチームで対応していくと。これも後で調べて分かったんですけど、アメリカの州法でよくやっている仕組みでございます。このイギリスの仕組みとアメリカの州の仕組みをハイブリッドした仕組みというのは世界で日本しかありませんで、実は外国から問合せもあるんですけれども。  外務省に是非伺いたいと思うんですけれども、この冒頭の「「いじめ撲滅」決議」の一番下ですね、こういうことが書いてあるんですね。下線引いていますけれども、来年までに、来年の秋までに各国のいじめ対策のグッドプラクティスとガイダンスについて事例を持ち寄りましょうと。当然、日本のこういういじめの法律についても報告をされるんだと思うんですけれども、そうしたときに、今私が申し上げたようなコンセプト、いじめが起きにくい、起こしにくい環境をつくっていくためのそういう取組、あるいは、いじめというのはそういう、学校がもう先生がみんなで行っていくものであるといったような、そういうコンセプトを一つの国際的な確認ということでできると思うんですね。  私は、いじめの国際条約ということが、子どもの権利条約というのがあって、それを私、立法の基礎にいたしましたけれども、その子どもの権利条約ができるのであれば、子どもの権利条約も対象にしているそのいじめというものについても条約が作れるのではないか。  こういうことについて、外務省、リーダーシップを発揮していくというのは、大臣、いかがでしょうか。いきなりの話ではございますけれども、まさに外務省というのは条約を作って世界の子供たちを救うことができる、日本の法律のようないじめ対策がない国がほとんどでございますので、こうした取組を頑張っていただくというのはいかがでしょうか。
  46. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国は児童の権利に関する条約を締結しています。そして、それを踏まえて、我が国としては、我が国がいじめ対策を講じていることについても、この条約に基づいて設置されております児童の権利に関する委員会に対して報告をしております。  我が国としましては、御指摘いただきましたこの国連総会の「「いじめ撲滅」決議」、二〇一四年の国連総会においては、この決議及び児童の権利決議、こうした決議の共同提案国ともなっております。いずれの決議も、いじめ防止策を講ずるよう各国に求める内容を含んでいるものであります。我が国としましては、こうした趣旨にのっとって、是非、いじめに関するこうした国際社会におけるこの動きについても積極的に関与していくべきだと考えます。
  47. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  済みません、いきなりのといいながら、ちょっと手元に答弁があったようでございますけれども。  要するに、今のお話だと、水銀というのは有害なのでみんなで気を付けましょう、何らかの取組をしましょうというのと変わらないわけですね。いじめ問題というものの本質を捉えて、それを基にした、世界のみんなで共有ができる、そういう何らかの取組の約束、条約というのは私は作れると思うんですけれども、こういうところにプロとしての目利き、直感を働かせて取り組んでいくというのが外務官僚の腕の見せどころだと思うんですね。そういうところを頑張っていただきたいんですね。  ということを、ちょっとこの問題ですけれども、私が解釈改憲問題に取り組んでいる一つは、まさにこういういじめや、あと私、医療福祉の法律、あえて申し上げると、今の日本全国で回っている医療の仕組みと障害者福祉の基盤制度、実は私がつくったものです。そのPDCAサイクル、計画も全部私がつくったものです。こんな偉そうな言い方じゃなく事実として。それはなぜかというと、私の父親は脳卒中で、父親は当時、一級障害で寝たきりだったんですけれども、そういうかけがえのない命や尊厳を救うための政策を頑張りたいという思いですので、なので私は解釈改憲を絶対許さないわけでございます。  もうそのかけがえのない命や尊厳を一番無残に、不条理に奪うのが戦争でございますので、その必要のない戦争を解禁する、しかも、横畠長官いますけれども、同時に、我が国の立憲主義法の支配を滅ぼしてしまう、もうこれぐらいの恐ろしい蛮行というのはないわけでございますので、そういう思いで頑張っているということでございます。  ちょっと時間になりましたので、もう一言、質問はできませんけれども、我々は条約を審議するのであれば、その前提として、まさに今、安倍内閣の下で我が国の国会の条約承認権がじゅうりんされていると。日米安保条約には、日本はアメリカのために集団的自衛権は行使しなくていいということがちゃんと書かれているのに、それを無視して、集団的自衛権を解禁する閣議決定をして、今度は安保法制を作るということでございます。答弁で確認していますけれども、憲法が一番偉くて、次に条約が偉くて、その次は法律でございますので、条約に違反する法律を作ってもそれは無効でございますので、執行もできませんので、そうした問題をしっかりとこれからも追及をさせていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  48. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 水銀に関する水俣条約は、毒性が強く、神経系に有害な影響を及ぼす水銀に関する国際的な取組が実現したものでありまして、水俣病を経験した日本にとっても非常に重要な条約であります。  本条約においては、水銀の採掘から最終廃棄まで包括的に規制をしておりますけれども、それぞれ例外があったり努力規定であったりと規制が緩やかな部分があります。その点を中心にお尋ねいたします。  まず、水銀の一次採掘についてであります。  これについては、既存の鉱山からの産出については最長十五年間許可されるということになりました。水銀の一次採掘がなくならない限り、世界の水銀の全体量は増加していくことになりますけれども、なぜこうした猶予期間を設けることにしたのか、お尋ねします。
  49. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 水銀の一次採掘につきましては、交渉において、これらの採掘を行っている国から、既存の鉱山の閉鎖は困難であり、一定の柔軟性が必要であるという意見が出されました。こうした意見も踏まえて様々な議論が行われたわけですが、まず新規の水銀の一次採掘、これは禁止されることになったわけですが、既存の水銀の一次採掘につきましては、今申し上げましたような議論等を踏まえて、自国について条約が発効してから最長十五年の間は許可される、こうしたことになった次第であります。  本条約、こうした柔軟性を認める一方で、十五年の猶予期間内に一次採掘により得られた水銀の用途や処分方法を一定の場合に限定をする、こうした歯止めは掛けているところであります。その上で、猶予期間の後、水銀の一次採掘が全面禁止されるということになれば、人為的な排出又は放出による環境中の水銀濃度の拡大の抑制、こうしたものが図られることになると認識をしております。
  50. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、水銀の国際貿易についてお尋ねします。  水銀の輸出入については、締約国、非締約国に対しても水銀の用途を限定しつつ、書面による事前同意を必要としております。ただし、この貿易規制の対象は金属水銀に限られ、水銀化合物は対象となっておりません。本来は広く水銀化合物の輸出入も規制の対象とすべきであったと考えますが、これはどういう議論の結果そうなったのか、お尋ねします。
  51. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  本条約におきます水銀及び水銀化合物の貿易規制の在り方につきましては、既存の各国の貿易規制ですとか国連環境計画、UNEPの各種報告書を踏まえて議論が行われました。その結果、水銀化合物につきましては、本条約の発効当初からの貿易規制の対象にはなってございません。これは委員御指摘のとおりでございます。  ただ、本条約上、条約三条に定める六種類の水銀化合物につきましては、今後、締約国会議におきまして規制の対象とすべきか否かについて検討されることになってございます。したがって、これらの水銀化合物につきましては、今後、関係国や国際機関等から提供される水銀化合物の貿易に関する情報を踏まえまして締約国会議において検討が行われるものと認識してございます。
  52. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 是非、実効的な規制が実現するよう、今後そうした会議で、交渉で取り組んでもらいたいと考えます。  次に、小規模金採掘について尋ねます。  水銀の国際的な取引の結果、現在最大の大気への排出源となっている小規模金採掘にこうした水銀が使用されることが懸念をされます。この小規模金採掘については、本条約では、締約国が自国の小規模金採掘について軽微なものではないと認定する場合には削減目標等国家計画を作成することを求めております。しかし、これは各国のある意味で対応に委ねられているわけでありますので、どこまでそうした規制の効果があるのかは不明な点がございます。  小規模金採掘については、その実態把握すらできない現状であることは理解をしますけれども、もう少し実質的な規制ができなかったものか、お尋ねをいたします。
  53. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、本条約は、金の採掘及び加工を行う締約国に対し、金の採掘などにおける水銀などの使用並びに水銀の環境への排出及び放出を削減し、実行可能な場合には廃絶するための措置をとることを求めてございます。  これは、途上国におきます零細小規模金採掘についてまだ必ずしも実態が把握されていないということを踏まえまして、まずは実態の把握、それから国家行動計画の作成など、段階的な措置をとって最終的な廃絶を目指すことがより実効的な措置であるという議論がなされたためでございます。このような段階的な規制は、条約の目的を実現するためには現実的で効果的な方法ではないかということが背景にあると考えてございます。
  54. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、水銀の大気への排出について尋ねます。  水銀の大気への排出につきましては、石炭火力発電所及び産業用石炭燃焼ボイラーなどが規制の対象となっております。その一方で、鉄鋼製造設備については規制の対象から外れました。この鉄鋼製錬も水銀の大気への排出の原因となっているわけでありますけれども、これが規制の対象とならなかった理由は何か、お尋ねをします。
  55. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) 水銀及び水銀化合物の大気への排出につきまして、条約附属書Dにおきましては、委員御指摘のとおり、石炭火力発電所など条約の規制対象となる発生源を掲げているところでございます。  鉄鋼製造施設をこうした規制の対象に含めることについては、実は交渉の過程におきまして、交渉参加国の間で最後の最後まで意見が分かれました。  最終的には、世界的に見ますと、条約附属書Dの対象施設、御指摘のあった石炭火力発電所等でございますけれども、こうした対象施設に比べまして相対的に水銀の排出量が少ない、それからもう一つは、条約の実効性の確保の観点から十分な数の国の締結が必要であるという現実的な必要性もございまして、当初からこの分野を規制の対象に含めることはしないということになってございます。  ただ、その一方におきまして、本条約上、締約国会議の決定によりまして、附属書Dを改正し、新たな発生源を規制の対象として追加することができることになっています。したがいまして、今後、製鉄、製造施設への規制につきましても、締約国会議における規制の実態や実効性を踏まえて、必要に応じて議論をされていくものであると考えてございます。
  56. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 最後に、外務大臣にお尋ねします。  本条約の一日も早い発効を望むものでございます。まだ、発効要件は五十か国の加盟でありますので、それに至りません。そこで、例えば水銀産出量の多い中国、輸出量の多いシンガポール、また小規模金採掘が行われているアフリカアジア、中南米の途上国等に日本がこの条約締結に向けて積極的に働きかけをすることは、水俣病を経験をした日本の責務であると考えております。こうした外交努力について、岸田外務大臣の決意をお尋ねします。
  57. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 本条約の締約国につきましては、先週、五月十三日にマダガスカルが締約することによって、締約国の数、十二か国となりました。そして、世界から水銀による健康被害や環境汚染をなくすため、途上国を含むより多くの国が本条約に参加すること、これは極めて重要だと認識をしております。  我が国としては、既に締約国となった国と協力をしつつ、積極的な働きかけを今日までも行ってきました。例えば、昨年九月、ニューヨークの国連本部におきまして、米国、ウルグアイ、スイスとともに、本条約への各国の署名、締結を促進するための国連総会のサイドイベント、これを実施しまして参加を呼びかけました。  御指摘の国々の中で、例えばシンガポールですとか、小規模金採掘が行われていると言われる国の多くが既に本条約に署名はしております。是非、我が国としても、今後とも機会を捉えて働きかけをし、締結に向けて貢献をしていきたいと考えております。
  58. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 終わります。
  59. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  水銀条約の国内法制について質問をいたします。  まず経産省にお聞きいたしますが、輸出規制について、アマゾン川の流域などで水銀を使った人力小規模金採掘、ASGMによる水銀中毒が大変な問題になってきました。日本から輸出された水銀がこのような目的に使われないように、条約を受けた国内法制ではどのような規制がされているのか、まず確認をしたいと思います。
  60. 坂口利彦

    政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。  水銀に関する水俣条約に基づく水銀の輸出規制につきましては、外国為替及び外国貿易法におきまして、水銀の輸出が条約上許可される用途で使用されることなどが確認できる例外的な場合に限りまして輸出承認することを予定をしております。また、条約で定められている水銀の輸出規制に加えまして、我が国独自の措置といたしまして、塩化第一水銀等六種の水銀化合物の輸出につきましても原則禁止をすることといたしております。  加えまして、先生御指摘のように、周辺環境の汚染や健康被害のおそれのある零細及び小規模の金の採掘を用途といたします水銀及び水銀化合物の輸出を禁止するとともに、暫定的保管のみを目的とする水銀及び水銀化合物の輸出を禁止することとしております。
  61. 井上哲士

    ○井上哲士君 国内的な措置なわけでありますけれども、外国でそれが転売をされた場合にどういう実効性があるのかが問われると思うんですね。  我が国は、シンガポール及び香港に全輸出量の三八%程度の水銀を輸出をしております。両国において大半は再輸出をされておりますが、その輸出先の主要国には、この水銀を使用した金採掘を行うブラジルインドネシアインドウズベキスタン、ガイアナ、マレーシア、南アフリカなど多くの国が含まれております。ですから、日本が輸出をした水銀が転売をされてASGMに使われてしまうんではないかという懸念があるわけですね。  実際、国連工業開発機関のレポートによりますと、二〇〇五年に日本からケニアに輸出された水銀がASGM使用国である周辺国に再輸出をされてASGMに使用された可能性があると、こういうふうにレポートされているわけで、こういうものもさせないような実効性ある規制になっているんでしょうか。
  62. 坂口利彦

    政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。  我が国から輸出される水銀が輸出先国において不適切に使用されることがないように、輸出規制を着実に実施する必要がございます。このため、外為法に基づき行います事前の輸出審査におきましては、輸出先国での水銀の最終用途及び最終需要者などにつきまして厳格に確認をすることを予定しております。加えまして、事後的にも適宜輸出者に対して報告を求めることによりまして、最終用途及び最終需要者などにつきまして、輸出承認時の内容とそごがないということを確認することを予定しております。  以上申し上げましたように、事後報告の確認を通じまして、安全保障分野の輸出管理と同様に本分野の輸出管理の実効性をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
  63. 井上哲士

    ○井上哲士君 安全保障分野並みの規制にするんだというお話でありました。  そういう規制の下で、過去、安全保障分野のものについては、今言ったようなこの第三国への再輸出で不正な使用がされたりした例は防いできたと、こういうことなんでしょうか。
  64. 坂口利彦

    政府参考人(坂口利彦君) 私どもとして、輸出管理、しっかり対応してきておりまして、第三国への不正な輸出はないように確保してきてまいっております。
  65. 井上哲士

    ○井上哲士君 今後、運用をしっかりフォローをして、必要な場合は一層の規制をするということも含めて求めておきたいと思います。  次に、水銀の回収、最終処分について環境省にお聞きします。  これまでは、水銀の回収業者は、回収した水銀を輸出することで回収コストを捻出をしておりました。今後、この条約の発効によって輸出が規制されますと、環境保全上の懸念があります。一つは、これまで輸出をされていた金属水銀が廃棄物として扱われるという可能性、これはどのような対策が取られているのか。  また、水銀回収のインセンティブが減って、水銀の溶出量が判定基準を超えるような汚泥、ばいじん等の水銀汚染物が埋立処分をされたり、それから蛍光灯などの水銀添加廃製品の埋立処分が増えていくという可能性があると思いますが、こういった場合の環境保全上の対策はどのように考えられているのか、併せてお聞きします。
  66. 鎌形浩史

    政府参考人(鎌形浩史君) 水銀を含む廃棄物についてのお尋ねでございます。  まず、金属水銀でございます。  現在の我が国では、水銀を含む廃棄物から年間約五十トンの金属水銀が回収、再生されておりますが、御指摘のとおり、そのほとんどが有価物として再生利用されております。ただ、水俣条約を受けまして今後水銀需要の減少が見込まれるという中で、これまで有価物として取り扱われてきた金属水銀につきましても、中長期的には廃棄物として処理される場合が想定される、御指摘のとおりでございます。  このため、これまで廃棄物処理法では規制対象として想定してこなかった廃金属水銀につきまして、新たに特別管理廃棄物として規制対象に追加するということとしてございます。  また、環境上、より適正な管理を図っていくために、硫化、固形化、硫化水銀というのは水銀が天然に存在する状態で安定した状態のものでございますが、そういったことにより安定的なものにして処分する、そういった基準を設けることとしてございます。  それから、水銀汚染物あるいは水銀添加製品につきまして、これは現在、廃棄物処理法に基づきまして基準に基づく適正な処理が求められているというところでございます。  ただ、環境上、より適正な管理を確保するための措置を今般定めていきたいと考えてございます。具体的には、高濃度に水銀を含む水銀汚染物については、埋立処分に当たって水銀を回収するということを義務付けようということでございます。また、水銀添加製品につきましては、市町村による分別回収を後押しして水銀回収をより一層推進していくということや、あるいは収集運搬時や処分・再生時に水銀が飛散しないような基準を設けて適切な処理がなされるように対応をしてまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
  67. 井上哲士

    ○井上哲士君 この点もしっかりフォローもし、また関係業者とか地方自治体からもしっかり要望、意見も聞きながら一層の対応を求めたいと思います。  最後に、外務大臣にお聞きしますが、この水銀水俣条約の実効性を担保するために、我が国として今後三年間で総額二十億ドルのODAとか人材育成事業の新設などの支援策が実施をされることになっておりますが、今後、締約国会議でこの条約の実施について再検討や評価が行われるということになります。ですから、それに基づいて、今回出されている支援策にとどまらず、一層の必要な支援も進めることが必要になってくるかと思いますが、それも含めた決意を最後にお聞きしたいと思います。
  68. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、本条約の採択会議におきまして、平成二十六年一月から三年間での総額二十億ドルの支援表明を行いました。また、同会議におきまして私の方から、この水銀汚染分野に特化した支援として人材育成支援、こうした支援も行うことを発表いたしました。これに加えて、これまでも水銀による環境汚染対策あるいは健康被害対策、代替技術の開発など、途上国における水銀対策のための調査、技術移転等に協力をしているわけですが、こうした途上国の取組を後押しすること、これは人間の安全保障の実現の観点からも重要だと思っています。是非、今後ともこうした取組は続けなければならないと考えています。  環境技術を生かしつつ、途上国の水銀被害軽減等を支援していく、また途上国による条約の実施、これもしっかり支援していきたいと考えております。
  69. 井上哲士

    ○井上哲士君 終わります。
  70. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば露も払える。横綱の土俵入りじゃありませんけど。昨日、沖縄が梅雨入り宣言をされたようですけど。ところで、大臣、おそばが好きでしょうか。そうですか。私はあなたに命を懸ける、そばツーユーと。済みません。  本題に入ります。  一九九〇年ですが、ブラジルの大統領はコロールで、その大統領に就任する前に私の姉の旦那の空手の弟子だったものですから、コロール大統領が誕生したということで、真っ先に自分の空手の本場の空手を見たいということで、日本に行きたいということで、私が案内をしたことがあります。大変、道場を見て、日本の文化に触れて感激して帰られましたが。  その後、三か月後に私も大統領就任式に招待されまして行きましたら、本当にすごい。カストロ議長も来られて、世界のマスコミが囲んで、そんな中で国民が熱狂する姿というか、本当に直接選挙の在り方というか、国民が一票を投じたという、そういう熱い選挙戦、就任式に招待されて感激しました。  私の今度は長兄なんですが、彼はいろいろ金の鉱山とか何かを探して歩いている。就任式の後に、おい、寛至よ、金を見に行かないかという話をして、突然なんでびっくりしまして、実は今アマゾンでゴールドラッシュが起きているんだということで、じゃ何で行くんだと言ったら、飛行機だと。飛行機代はどうするんだと言ったら、いや、後で俺が金で払うよと言って、結局金で払ってもらえなかったんですけれどもね。そんな、いろいろ行くに当たってちょっとトラブルもありましたが。  とにかく、そこに今お配りしたこの資料のアマゾンの中にあるセラ・ペラーダという、本当に、見た写真のように、アリの地獄みたいに、すり鉢みたいな感じになって、この資料、外務省の方から提供していただきました。ありがとうございました。後ろの写真は、そこに私が行ったときの写真なんですが、何というんですかね、人間の欲望というのか、金に群がる、本当に命も顧みずという場面を見たんですが、その欲望の形というか。  この金山だけではないんですが、先ほど同僚議員からも質問がありました、アマゾン川で金の採取をするんです。私も現場を見て、砂に水銀を入れて、金に付着して、それを取り出して、そうしてそれを今度は蒸気で上げると大気中に飛んでいき、そういう金の採取の仕方がアマゾン川の至る所で行われておりました。  先ほど馬場先生の方からもお話があった水俣病という、初めて私も水俣病という、向こうのブラジル語で言うとドエンサ・デ・ミナマタと、本当にある意味有り難くない病名が世界中に広がったということで、それを摂取した魚が奇形というか、もう背骨がこんなに曲がったりしておりました。それを今度はインディオが食して、そして食物連鎖というか、インディオにイタイイタイ病というのが出たんですね。当時、私も行って、水銀の問題というのを私なりに勉強もさせてもらったんですが、水銀を使わないで何とか金を取り出す方法がないのかと、幾つかの技術も聞いたことがあるんですが。  そこで、今日お聞きいたしますが、水銀を使わないで、その前に、今ブラジルで水俣病の、目の当たりに見ましたけど、現時点で水俣病の発病がある国は何か国ぐらいあるんでしょうか。
  71. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 世界における主な水銀汚染の発生原因としては、工場廃液あるいは有機水銀系農薬によるもの、そして近年では金採掘によるもの、それから廃鉱山から生ずるもの、そして工場跡地残留水銀処理によるもの、原因としましてはこうした多くのものが考えられます。  よって、現在、この水銀による健康被害が確認されている国を網羅的にお答えすること、これ困難ではありますが、住民等に対する水銀暴露の疑いが指摘されている国としては、モンゴル、カンボジアタンザニアブラジルなどがあります。我が国が調査又は技術移転のために研究者を派遣した国だけでも九か国存在するということですが、恐らく実態はそれ以上であると考えます。
  72. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 次に、貯蔵・管理状況を定期報告とありますが、既に存在している水銀を貯蔵する場合、どのような安全管理をしているのか、また、どの機関がどのような報告を受け、現地ではどのような定期検査を行っているのか、お聞きしたいと思います。
  73. 北島智子

    政府参考人(北島智子君) お答えいたします。  水俣条約の担保措置を規定しております水銀による環境の汚染の防止に関する法律案におきましては、水銀等の不適正な貯蔵による環境への飛散、漏出を防ぐ観点から、水銀等の貯蔵に関する指針を策定し、一定量以上の水銀等を貯蔵する者に対し事業所管大臣への報告を義務付けるとともに、必要な場合には指針を勘案し、水銀等を貯蔵する者に対し勧告を行うなどの規制を設けることとしております。  水銀による環境の汚染の防止に関する法律案におきましては、事業所管大臣は、この一定量以上の水銀等を貯蔵する者からの報告を受けまして、その上で、必要な場合には指針を勘案して、水銀等を貯蔵する者に対して勧告を行う、また水銀等を貯蔵する者の事務所等への立入検査を行うことができることとしております。  これらの措置によりまして、水銀等の環境保全上、適正な貯蔵を確保してまいります。
  74. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 まだお聞きしたいこともあるのですが、時間なので。ありがとうございます。
  75. 浜田和幸

    浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。  外務大臣にいろいろとお聞きしたいと思います。  今ずっと話題になりました小規模の金の採掘に関して、やっぱり水銀アマルガム法ですね、ASGM、これが、さっきの猪木議員の写真にもありましたように、途上国を中心にして幅広く採用されている。一説によれば、七十か国以上で一千万人から一千五百万人もの人たちがこういう危険にさらされながら労働に従事していると。しかも、その中には四百五十万人の女性と百万人を超える子供たちがこういう危険な現場で作業に従事している。これは、人道的な観点からも大変大きな問題だと思うんですよね。  日本がこの水俣条約を通じてこういう問題に取り組む、大変すばらしい有意義なことだと思うんですけれども、我が国ではこういったASGMは実際には使っていないわけですよね。こういう経験がない。そういう中で、七十か国以上で実態も分からないような状況に、日本とすればどういう形で支援、協力ができるのか、その辺りについてのお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
  76. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 小規模な金の採掘、いわゆるASGMにおける水銀使用による健康被害を削減するためには、これらの採掘を行う国における能力形成、代替技術の普及等のための支援を行う、これが重要であると認識をしています。この認識の下に、本条約の作成を受けて、地球環境基金、GEFでは、小規模な金の採掘を行う国における水銀の排出、放出削減等のための支援を開始しています。同基金は、この条約上も条約の実施を支援するための資金を供与することとなっており、本条約発効後も引き続きこれらの支援が行われることとなります。  我が国については、これまで、我が国の経験及び教訓を生かして調査、モニタリング技術等の普及、人材育成等を実施しておりますが、特に人材育成支援においては、昨年実施したプログラムにおいてASGMへの対応も取り扱ったところであります。今後も、本条約の目的に資する支援、しっかり行っていきたいと考えます。
  77. 浜田和幸

    浜田和幸君 その地球環境基金、あるいは日本もODA等を通じて様々な途上国の人材育成をする。先ほどの答弁の中にも、昨年、JICAが七か国から十名の研修生を受け入れて日本で研修をさせたと。  要するに、水銀汚染防止に関わる専門家を日本で養成するということですけれども、どういった国からどういう人を受け入れて、日本ではどういうようなところがそういう研修生の言ってみれば技能研修に携わっていたのか。中国とかブラジルから研修生を受け入れたということが言われていますけれども、実際の、一年たって、その研修の効果、あるいは今後にどういう形で日本での研修が生かされることにつながるのか、その辺りについて見解をお聞かせください。
  78. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 平成二十五年の水俣条約外交会議において、我が国から水銀分野に特化した支援として途上国の水銀対策分野での人材育成支援を実施すること、表明をしております。その内容として、平成二十六年度から三年間の間、JICAの課題別研修として約三千万円規模の支援を実施するというものであります。この事業の下で、昨年度については、昨年十一月から十二月にかけて、中国、ブラジルなど七か国から十名が来日し、東京及び水俣で研修に参加をいたしました。  是非、こうした支援を通じて、今後これらの国における水銀対策の具体的な成果が上がることを期待したいと考えております。
  79. 浜田和幸

    浜田和幸君 昨年十一月から十二月にかけて東京と水俣で研修を受けたということですけれども、どういうような研修の中身であったのか、本当に各国が今取り組んでいるそういう問題に効果的な研修が行われているのか。それよりも前に、例えばその七か国からどういうような日本に対する要請、人材育成支援プログラムで日本がお金を出し、技術も提供する、経験を共有する、それはとても必要なことだと思うんですけれども、そういう水銀アマルガム法等を実際にやっている国々の政府から一体具体的にどういうような要請が日本に来ているのか。  もちろん、その要請に基づいてJICAの先ほどの三千万円の予算を使って研修が行われたと思うんですけれども、そういう途上国からの要望と日本が提供している実習とのちゃんとマッチングが行われているのかどうか、その辺りの評価ですね、どういう要望があって、日本がこういうことをやって、その効果がこれだけ確認されていますと。それが分かればほかの国々に対してもそこはアピールすることができると思うんですけれども、その辺りの実際の評価、効果のほどはどういう具合に今受け止められておられるのか、その辺りについてお考えをお聞かせください。
  80. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  今回、今回というか、昨年十一月から十二月にかけて行われた研修でございますけれども、この研修は、七か国、中国、タイ、エクアドル、ブラジル、ケニア、ソロモン諸島クック諸島から十名が来日をいたしました。  このコースが設けられた背景といたしまして、日本の水銀汚染の歴史的背景と、それに日本がどのように対応してきたか、これを事例に即しまして理解をしていただくという、そういうようなプログラムの組み方をしてございます。このおられました間に、実に様々なところに行きまして、非常に幅広い講義あるいは見学などをしてきてございます。その際には、先ほどありましたように、東京にいただけではなくて水俣にも行って、現地で様々な問題を実際に視察をしてきたということでございます。  これが研修に来られた方々の本国でどれぐらいの効果を上げたかについては、まだまだ、割と最近の話ですから見ていく必要があると思いますけど、相当広範な知識を持って帰られたというふうに考えてございます。
  81. 浜田和幸

    浜田和幸君 ということは、水俣でのこれまでの歴史的な経緯ですとか、そういうことを情報として持って帰られたということで、例えば新しい技術移転につながるような、そういう技能研修とは違うという理解でよろしいんですね、今のところは。
  82. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答え申し上げます。  水俣の事例だけではなくて、より新しい様々な日本の対策についても研修が行われています。例えば一例を挙げますと、石炭火力発電所からどうやって水銀を除去するか、そういうような話ですとか、あるいは環境アセスメントの在り方についてなど、必ずしも水俣と直接関係したわけではない新しい話についても様々な研修がございました。
  83. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございます。  大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、そういったことについて総合的に取り組むということが織り込まれているわけですから、是非、日本の技術、経験といったものを世界に共有できる、そういう方向で進めていただきたいと思います。  最後に、先ほど大臣の答弁の中で、日米のこの分野の協力の一環として国連のサイドイベントを昨年されたと。オバマ政権はこの水銀問題に対して大変熱心に取り組んでいるということが言われているんですけれども、日米の協力、この分野の、それについての見通し、具体的に今後どういうようなことが可能なのか、もし具体的な協力の案件があれば御紹介いただければと思います。
  84. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答え申し上げます。  日米で協力する可能性があるとすれば、アメリカも日本もそれぞれこのアジア地域でいろんなことをやっていますので、GEF、まさにGEFの資金を使いまして日米がやっていることをそれぞれ連携させていく可能性はないかという話は現にございました。これにつきましては今回の日米首脳会談の中でも、もちろん首脳同士の話ではありませんけれども、ファクトシートの中で言及をされていまして、今後どういうことができるか、日米間で議論していきたいと考えてございます。
  85. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございました。     ─────────────
  86. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として河野義博君が選任されました。     ─────────────
  87. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数です。よろしくお願いいたします。  まず、人や環境に有害な化学物質について国際的な管理を目的とした国際条約には、これまで、バーゼル条約やロッテルダム条約など一定の有害物質を対象にした条約がありました。今回、有害金属類の中でも水銀に特化して条約が作成され、その名称も水銀に関する水俣条約として水俣の名前が掲げられたことは、我が国が経験した水俣病の教訓を忘れず、それを象徴するものとして有意義なことであるというふうに思います。  有害金属類にはほかにも鉛やカドミウムなどがある中で、今回なぜ水銀に特化した条約が作成されたのか、その経緯をお伺いいたします。
  88. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) まず、水銀は、一度環境に排出されると、分解することなく環境中を循環する特性を有しています。よって、産業革命以降、人為的な排出によりまして環境中の水銀濃度は増加し続けている、こういった実情があります。そして、現在でも途上国を中心として利用され、金の採掘や廃鉱山からの水銀汚染、工場跡地における残留水銀の処理等の問題が発生し続けています。  このような事情を踏まえて、平成二十一年、国連環境計画第二十五回管理理事会において本条約の作成が決定されるに至りました。我が国は、この水俣病の経験を踏まえ、水銀汚染対策の強化を進めるべきとの立場から、本条約の交渉に積極的に参加し、計五回の交渉が行われました。そして、その結果、平成二十五年十月十日、熊本において開催された外交会議において本条約が採択された次第であります。このような経緯をたどっております。
  89. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 この水銀の管理の強化については、二〇〇〇年代以降、国際的な議論が進められてまいりました。その中で、当初は、水銀の輸出入、それから排出について、まず法的拘束力のある国際約束を作成しようとする考え方と、各国による自主的な取組を強化することで対応可能であるとする考え方があったというふうに聞いております。  まず、議論のその最初の段階で、米国、EU、そして中国などがこうした水銀管理の条約化についていかなる考え方を持っていたのか。その上で、我が国がどのような立ち位置を取り、どのような提案を行ったのか。水俣病の経験を持つ我が国は、この水銀の管理について最も厳しい主張を行い、法的拘束力のある国際約束を作成することを強く推進していく必要があったのではないでしょうか。この条約作成に当たって我が国が果たしてきた役割、改めて伺います。
  90. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、本条約の検討に当たっては、様々な考え方、立場の違いがありました。当初、米、EU、中国を含む各国は、法的拘束力のある枠組みを求める国、一方で自主規制で十分だとする国など立場の違いがありましたし、また、交渉過程では、途上国を中心に、一次採掘や水銀添加製品の製造、輸出入など多くの分野で、条約発効後の即時の規制導入について消極的な国が存在いたしました。  こうした立場の違いがありましたので、我が国としては、こうした状況を踏まえつつ、我が国でこの会議を開催すること、あるいはアジア太平洋地域のコーディネーターとしての役割を果たすなど、交渉促進に貢献してきた次第であります。条約の名称についても、水銀に関する水俣条約とすることを提案いたしましたし、また、条約の内容面におきましても、我が国等の主張に基づいて、水銀に関する健康側面について独立した規定が設けられる、様々な貢献を行った次第であります。我が国としての取組、貢献については、以上申し上げたようなことであると認識をしております。
  91. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、本条約においては水銀を使った製品のリストが掲げられ、それらが製造や輸出入が禁止されておりますが、電池や蛍光ランプ、体温計などがその対象となっておりますけど、同様にそれぞれ例外も認められています。なぜ水銀を使った製品について一律に利用を禁止することができなかったのでしょうか。  また、禁止の対象となった製品は、その廃止期限について二〇二〇年までというふうにされておりますが、締約国の要請によればこれを最大十年延長することもできるとなっております。条約作成過程において利用禁止の対象として判断されたのであれば条約発効後即時に利用を禁止すべきだと考えますが、どのような事情があったのか、お伺いいたします。
  92. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。  世界的規模で実効的な水銀の規制を行うためには、本条約への途上国を含む幅広い参加を得ることがどうしても必要でございました。この観点から、条約の作成過程におきましては一定の柔軟性を持って交渉が進められたと。この結果、段階的に水銀の使用を削減するというふうな内容で合意された部分もございますし、あるいは、今委員から御指摘がありましたように、最初五年間、さらに、締約国会議の許しが得られれば更に五年間の延長を認めるというふうな形での柔軟性が設けられているところもございます。  ただ、この条約が現に規制しているものが未来永劫これしかないということではないのでございまして、この条約の中には将来的に追加的な規制を検討するための規定というものも置かれてございます。条約の目的を実現するために現実的かつ効果的な枠組みを定めるものというふうになっておりまして、将来的には規制対象が広がるということも十分考えられてございます。
  93. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 加えて、我が国におきまして、電池や体温計など国民生活に身近に関わってくる製品をめぐる現状と、条約が発効した場合にはどうなるのか。例えば、虫歯の治療に使われる歯科アマルガムについては、使用禁止ではなく、段階的に削減するための措置を締約国がとることとされておりますが、なぜ歯科アマルガムだけこのような扱いとなったのか、併せて我が国の使用状況も伺います。
  94. 尾池厚之

    政府参考人(尾池厚之君) 歯科アマルガムに関しまして、まず御答弁を申し上げます。  歯科アマルガムは、歯科治療の充填剤として現在でも途上国ではかなり広く使われてございます。そのため、即時の使用禁止とすると対応が困難であるという国がございました。こういうことで、交渉過程におきまして、使用を段階的に削減する措置をとるということで合意されたところでございます。  我が国に関しまして申し上げれば、歯科アマルガムの利用状況で、これは国内で使われている水銀の使用量約八トンのうち、この歯科アマルガムで使われているものは二十キログラム、僅か〇・三%ということでございます。  それから、それ以外の様々な、蛍光ランプですとか体温計でございますけれども、これらのものにつきましては、二〇二一年以降の製造及び輸出入が禁止をされているということになってございます。
  95. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 最後に、水俣病を経験した我が国が、水銀の恐ろしさをよく認識し、水銀を使った製品の利用を減らしていくことができたかもしれません。しかし、途上国を始めとして、暮らしの中でいまだ水銀が常態的に利用されているという現状があります。  我が国は、国際社会に向かって率先して水銀利用に対する注意喚起を行っていくべきだと思いますが、本条約を締約するに当たって、外務大臣の認識を伺って、終わりたいと思います。
  96. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 情報提供あるいは注意喚起について御質問をいただきましたが、水俣病の経験を有する我が国においては、他国に先駆けて水銀代替・削減技術の開発、導入が進められています。しかし、その一方で、世界においては途上国を中心に相当量の水銀が引き続き使用され、水銀汚染が発生しております。こういった状況ですので、我が国が情報提供、注意喚起を率先して行う、大変大きな意義があると考えております。  これまでも、世界における水銀対策のための調査、あるいは日本が培ってきた環境技術の移転等の協力、また、水俣条約への各国の署名、締結を促進するためのサイドイベント、こうした情報提供に取り組んできましたが、是非こうした取組は今後も続けなければならないと思いますし、一層強化していきたいと考えます。
  97. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 終わります。
  98. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  水銀に関する水俣条約の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  99. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  外務大臣は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────
  101. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 次に、防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。中谷防衛大臣。
  102. 中谷元

    国務大臣(中谷元君) ただいま議題となりました防衛省設置法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  防衛省の所掌事務をより効果的かつ効率的に遂行し得る体制を整備するため、防衛装備庁の新設、技術研究本部及び装備施設本部の廃止、内部部局の所掌事務に関する規定の整備、自衛官定数の変更、航空自衛隊の航空総隊の改編等の措置を講ずる必要があります。  以上がこの法律案の提案理由であります。  次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。  まず、防衛省設置法の一部改正について御説明いたします。  第一に、平成二十七年度に実施する防衛省改革の主な事業として、統合運用機能の強化、内部部局の改編、防衛装備庁の新設を行うこととしており、これらに必要な措置として、防衛装備庁の設置、任務、所掌事務を新たに規定するとともに、統合幕僚監部の所掌事務、内部部局の所掌事務についても所要の規定の整備を行うこととしております。  第二に、防衛装備庁の新設、自衛隊の部隊の改編等に伴い、自衛官の定数を変更することとしております。  次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。  第一に、南西地域における防空態勢の充実のため、航空自衛隊の那覇基地に第九航空団を新編することとしております。  第二に、防衛装備庁の新設に伴い、同庁の職員である隊員の任用等は、幹部隊員及び自衛官を除いて、防衛装備庁長官又はその委任を受けた者が行うこととする等の所要の規定の整備を行うこととしております。  第三に、自衛隊の部隊の改編に併せ、即応予備自衛官の員数を変更することとしております。  最後に、自衛隊倫理法の一部改正について御説明いたします。  これは、防衛装備庁の新設に伴う所要の規定の整備を行うこととしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いをいたします。
  103. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会