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2015-03-26 第189回国会 参議院 外交防衛委員会 4号 公式Web版

  1. 平成二十七年三月二十六日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十五日     辞任         補欠選任      豊田 俊郎君     岸  宏一君  三月二十六日     辞任         補欠選任      岸  宏一君     豊田 俊郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         片山さつき君     理 事                 北村 経夫君                 佐藤 正久君                 三木  亨君                 大野 元裕君                 荒木 清寛君     委 員                 宇都 隆史君                 小坂 憲次君                 末松 信介君                 豊田 俊郎君                 松山 政司君                 北澤 俊美君                 小西 洋之君                 福山 哲郎君                 藤田 幸久君                 石川 博崇君                 小野 次郎君                 井上 哲士君               アントニオ猪木君                 浜田 和幸君                 糸数 慶子君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     中谷  元君    副大臣        内閣府副大臣   葉梨 康弘君        防衛副大臣    左藤  章君    大臣政務官        外務大臣政務官  宇都 隆史君        防衛大臣政務官  石川 博崇君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  横畠 裕介君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       前田  哲君        内閣官房内閣審        議官       北村 博文君        警察庁警備局長  高橋 清孝君        法務大臣官房審        議官       上冨 敏伸君        外務大臣官房地        球規模課題審議        官        尾池 厚之君        外務大臣官房審        議官       山上 信吾君        外務大臣官房審        議官       中村 吉利君        外務大臣官房審        議官       下川眞樹太君        外務大臣官房審        議官       岩井 文男君        外務大臣官房審        議官       佐藤 達夫君        外務大臣官房審        議官       豊田 欣吾君        外務大臣官房審        議官       岡庭  健君        外務大臣官房参        事官       鈴木 秀生君        外務省中南米局        長        高瀬  寧君        外務省欧州局長  林   肇君        外務省領事局長  三好 真理君        厚生労働大臣官        房審議官     谷内  繁君        海上保安庁警備        救難部長     中島  敏君        環境省自然環境        局長       塚本 瑞天君        防衛大臣官房長  豊田  硬君        防衛大臣官房衛        生監       塚原 太郎君        防衛省防衛政策        局次長      鈴木 敦夫君        防衛省運用企画        局長       深山 延暁君        防衛省人事教育        局長       真部  朗君        防衛省地方協力        局長       中島 明彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○外交、防衛等に関する調査  (外交の基本方針に関する件)  (国の防衛の基本方針に関する件)     ─────────────
  2. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官前田哲君外二十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。  外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。  防衛大臣におかれましては、御就任おめでとうございます。前大臣がああいう、ある意味でいうと不祥事のような形でお辞めになられまして、その後を受けて、この安全保障法制が大議論になるところでの、大臣、本当に御苦労さまだと思います。よろしくお願いします。  前も申し上げましたが、私は大臣とはいろんな政策、御一緒にやらせていただいたこともありますので、人となりとしては僕は大変信頼をしておりますので、是非よろしくお願いいたします。  まず、最近の話題になっております総理が我が軍と発言をした件について、私は、あの総理ですからこのぐらいの言葉を言いかねないかなという気持ちもあって、どの程度この問題については問題視するかというのは、少し実は様子を見ていようと思っていたんです。そうしたら、昨日、官房長官が自衛隊も軍隊の一つと、総理の御発言をまた上塗りをするような発言をされました。  これは非常に問題だと思っておりまして、つまり、総理の発言にこうやって政府高官が上塗りをしていくと、どんどん既成事実化をしていきます。官房長官が言われた会見での御発言は、自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている、このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだと言われました。実はこれが問題で、これまでの政府見解は、我が国の防衛の任務を有するものの、憲法上自衛のための必要最小限を超える実力を保持し得ない等の制約を課せられており、通常の観念で考える軍隊とは異なるものと考えているというのが政府の公式見解です。  つまり、官房長官の言われた我が国の防衛を主たる任務としているから、これまでは自衛隊は自衛隊なんだと、通常の軍ではないんだという議論をしてきたんです、政府は。実は、最初のところの我が国の防衛を主たる任務としているまでは一緒なんですけど、結論が真逆になっているんですね。  これは私は非常に問題だと思っていて、その中で、国際法上は自衛隊の海外活動が広がっているので、例えば捕虜になったときのことも含めて自衛隊を軍隊と捉えるという考え方はもちろんあるのは私は存じ上げています。現実に海外でこれだけ自衛隊の皆さんが活動されているわけですから、そのことを政府なり社会なり国民が理解をした上で、それは国際法上はそういう状況じゃないと、もし万が一捕虜になった場合の対応をしなきゃいけない。そんなことは重々分かった上で政府はこれまで通常の軍隊とは違うというふうに言っていますし、陸海空軍その他の戦力には当たらないと答弁をされています。  防衛大臣の御認識をここできちっと、今までの政府と同様の認識をしていかないと、どんどん何か既成事実だけが重なっていきます。是非、防衛大臣、これまでの御答弁、政府の認識も含めて、ここは真摯にお答えをいただきたいと思います。どうぞ。
  6. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は我が国を防衛する任務を有するものですが、憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約が課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるとされております。  他方、自衛隊は、過去六十年間にわたって国内外における活動を積み重ね、我が国の平和と安全を維持するとともに、国民の高い信頼と支持を得てきているものと認識しておりまして、防衛大臣としては、このような国民の信頼に応えられるよう、自衛隊が国民のためにこれまで以上に能力を発揮できる環境づくりや、隊員諸兄がより一層誇りを持って働ける組織とすることに力を尽くしてまいりたいと考えております。
  7. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 まあ、前半の答えは軍ではないという政府答弁をしっかりと踏襲をいただいたので、総理や官房長官の発言は少しそこを逸脱しているということを、大臣、認めていただけるわけですね。  後半部分は私は全く異論ございません。自衛官が海外で活動されて、そのことに対して国民の中の信頼も上がり、地位も上がり、そしてそれぞれ誇りを持って仕事、職務に専念していただくことに関しては私も全く異論はありませんが、前半の部分に関しては、総理や官房長官の発言は少し今までの政府の見解よりかは逸脱をしているということは、大臣、お認めいただいたということでよろしいですね。
  8. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 防衛大臣としては評価めいたことを差し控えますが、昨日の官房長官がお述べになったとおり、私は誤りがあったとは承知をいたしておりません。過去にこのような答弁もございました。  いずれにしても、防衛大臣としては、自衛隊が国民のためにこれまで以上に能力を発揮できる環境づくりや、隊員諸兄がより一層誇りを持って働ける組織とすることに力を尽くしてまいりたいと思っております。
  9. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 私は、誤りであったかどうかを聞いているわけではありません。これまでの政府の答弁から見れば、総理の発言や官房長官の発言はある意味でいうと逸脱がありましたねということをお認めいただけるかどうかと聞いています。  これに類する類いの発言が、例えば小泉元総理からあったとかいうことも私も存じ上げています。しかし、そこは、この場ですから、逆に言うと、国会の場ですからこそ、防衛大臣、まさに指揮をされるわけですから、防衛大臣としてそのことについてきちっとお認めをいただきたいと申し上げています。もう一度お願いします。
  10. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は我が国を防衛する任務を有するものですが、憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約が課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるとされております。
  11. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 まあ、防衛大臣もお立場があるでしょうからそれ以上答えにくいと思いますが、今はっきりそうおっしゃっていただいたということは、僕は非常に評価をしたいと思います。  何か総理が勢い付いて言っちゃったことを、内閣が何とか守らなきゃいけないとそこに上塗りをしていくことによって、いろんなこれまでの、自民党政権も含めての歴史の積み重ねみたいなのが崩れていくというようなことについて、私は非常に懸念をしています。  おかしなことはおかしいと言わなきゃいけない。その後、それで変えるんだったら、そういう手続をもって変えればいいけれども、何もしないでこんなふうに、何か話をして、その後官房長官が上塗りをしたらそれで物事が通ってしまうようなのは私は非常に問題だと思っておりますので、今防衛大臣が通常の観念で考える軍隊とは異なるということを何度も答弁をされたことを多として、次に行きたいと思いますが、そこについては非常に懸念を持っているということをまずお伝えをしたいと思います。  防衛省の設置法の改正案についてお伺いします。  これは法案の質疑があると思いますので細かいことまでは申し上げませんが、実は、いたずらに私はこのことについて批判をしたいと思っているわけではありません。昨日、北澤元大臣に古文書出してきたなと言われたんですけど、防衛省改革に関する大臣指示、これ、私の今横にいらっしゃいます北澤防衛大臣が出された指示です。  これは、二〇一〇年の六月の三日に出ておりまして、中央組織の改革についてというところで、シビリアンコントロールは防衛政策の根幹であり、これを確保するためには、その主体であり政治家たる防衛大臣に対する、UC各々の専門性を十分に生かした補佐体制が必須、まあ当然のことを書かれています。内局が省としての意見集約を図る一方で、防衛大臣がUC各々の専門性を生かした組織的意見を聞くことができる仕組みは妥当なものと考える、このような観点から、運用部門や防衛力整備部門における内局及び幕僚監部への一元化やUCの混合化について再検討すること。検討することまで北澤元大臣も了解をされていて、その問題意識は共有をしています。だから、その問題意識を共有していることは私理解した上で質問をさせていただきたいと思います。そして、運用部門においても、内局と統幕の業務の重複を避け、UCの協働を確保しつつ意思決定の迅速化を図るため、事態ごとのシミュレーションを行いながら、業務の在り方について検討することというのがあって、このことは非常に私は重要な、我々自身の政権のときの、まあ何というか、歴史の一つだと思っています。  それで、逆にお伺いしたいんですけど、具体的検討項目というのが、この北澤元防衛大臣の指示の後、検討項目というのがそれから二か月後に出ていまして、意思決定から事態対処にわたる大臣補佐の在り方についてシミュレーションにより検証とされました。この検証の結果は一体どうだったのか、それから、この検証の中で、内局と統幕が、今の状況、いわゆる今の十二条の問題で何が問題があるということになったのか、どういう結論だったのか、お答えいただけますでしょうか。
  12. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 配付資料は防衛白書平成二十四年度版から抜粋いただいたものでございまして、北澤防衛大臣の下で、防衛省改革又は将来の在り方についても組織の在り方についても組織を検討いただきまして、成果を出していただいたことには敬意を表したいと思っております。(発言する者あり)はい、間違えました。白書でそういうことを書かれていたということでございます。  この点につきまして、平成二十二年六月に民主党政権が策定をいたしましたこの防衛省改革に関する防衛大臣指示の中で、運用部門においては、内部部局と統合幕僚監部の業務の重複を避け、文民と自衛官の協働を確保しつつ意思決定の迅速化を図るために、事態ごとのシミュレーションを行いながら、業務の在り方について検討するとされておりました。  こうした指示を踏まえ、同年八月に取りまとめた検討の柱に基づく具体的検討項目の一つとして、運用部門においては、実際に発生した事案等も参考にしつつ、意思決定から事態対処にわたる大臣補佐の在り方について、各種事態を想定したシミュレーションを数回実施したところでございます。事柄の性質上、シミュレーションの内容、その他の結果等についてはお答えを差し控えたいと思っております。
  13. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 じゃ、大臣の指示にあった検証は何点かしたと。されたけれども、その中身についてはお答えが事の性質上無理だと。そこまで私も理解したとします。その結果、今回の十二条改正をしなければいけないような問題点とか具体的事例は、つながったようなものはあったんでしょうか。
  14. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 当該シミュレーションは、意思決定から事態対処にわたる大臣補佐の在り方について検証したものでございますが、いずれにせよ、当該のシミュレーションの結果、特段の問題点が明らかになったものではありません。
  15. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 そうなんですよね。僕も防衛省に聞いて、個別のシミュレーションはさすがに私も教えてくださいとは厚かましく言えなかったんですけど、しかし結果として防衛省は、複数回シミュレーションを行ったけれども、何らかの形で問題というものは起こっていないと言われているんですね。ところが、巷間、メディア等も含めて言われるところによると、今回の十二条の改正は、内局が制服の間に入ることによって致命的にいろんな物事が遅くなったり報告が上がらなかったりといった部隊の運用に支障を生じたケースがあるからだというふうにメディアを通しては言われているんです。  これは、石破大臣の時代にそのことが問題視されたのは私も理解をしています。しかし、我々から見れば、直近の元防衛大臣が指示を出して、シミュレーションをしろと、問題意識は一緒だと。そのときに防衛省は、今大臣がお答えになったように、何らかの問題的な事案は起こっていないと言われています。  それでは、なぜ今回の設置法の改正につながったのか、御答弁いただけますでしょうか。
  16. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 防衛大臣の補佐というのは、政策的見地からの補佐と軍事専門的見地からの補佐がいわゆる車の両輪としてバランスよく行われることが重要と考えておりまして、現在の体制の下で部隊運用に支障が生じていたとは考えておりません。  他方、これまで、例えば自衛隊の部隊運用に関する対外的な連絡調整や防衛大臣への状況報告といった業務につきましては統合幕僚監部のみならず内部部局も行っており、実際の部隊運用に関する業務については、内部部局と統合幕僚監部との間に実態としての業務の重複、これが存在をいたしておりました。  我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、自衛隊の部隊運用について的確性を確保した上で、迅速性、効率性を向上させる必要があります。このため、今般の防衛省改革においては、実際の部隊運用に関する業務を統合幕僚監部に一元化する、このことによってこのような業務の重複を改めるということにいたしたいと考えております。
  17. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 なかなかよく分からないですね。  歴史的に言うと、もうここにいらっしゃる委員の先生方は皆さん御案内だと思いますけれども、警察予備隊から保安隊、自衛隊に規模が戦後拡大するに当たり、どうしても旧軍人の皆さんを登用しなきゃいけなくなります。その中で、やっぱり自衛隊の幹部が旧軍人になるので、そこで、戦前の反省も含めて、内局の一定の、当時の言葉で言えば統制をするということで、このいわゆる保安隊、自衛隊の流れがあるわけです。  今、別に私は、昔話を持ち出して、殊更これが大事だと言っているわけではないんですが、しかし一方で、お手元に今日お配りをしている資料を見ていただければと思いますが、お配りをしている資料、議事録のところでございます。  これ、実は佐藤栄作総理は、自衛隊のシビリアンコントロールは、国会の統制、内閣の統制、防衛庁内部における文官統制、及び国防会議の統制による四つの面から構成されておると。明確にシビリアンコントロールはこの四つの要件ということを言われています。  さらには、中曽根防衛庁長官は非常にやっぱり含蓄のあることを言われていて、文民統制という言葉について、私は、部内の背広の者が制服の者に威張るということではない、それは政治理念が軍事理念に優越するということであると。具体的に言えば、国民の代表である政治家が軍事を掌握することである、そういう意味において、国権の最高機関である国会云々とあって、その下です。しかし、私は内局による統制というのは必要だと思っているんです、それは防衛省設置法を作ったときに、作った一人は私でもありますといって、中曽根総理はその当時の歴史的な経緯についてお話しになって、次です。そういう面から見て、陸海空三軍ができてきますと、またばらばらになってけんかをする、そういう意味において、それは内局において統一した方がよろしいと。その次です。三軍がばらばらにならないように、そういう意味で内局においてこれを統合するということは非常に大事な要素でもあるのですと。そういう意味におけるシビリアンコントロールというのはある程度あるでしょう、なぜならば、内局というのは長官を補佐する、いろいろ部隊、各幕に対して指示を与えるときも内局が審査して、そして報告に来るのも、また上から下へ下達するのも、内局を通してやるというシステムになっておるのです、これは非常に大事な要素であると思うのですと。これ、中曽根当時長官が明確に言われています。  これは佐藤総理の言われていることと僕は内容的には軌を一にしていると思っておりまして、さらには竹下大蔵大臣は、防衛庁そのものの中にいわゆるシビルの方、内局の方がコントロールしていかれる。これは統制という言葉をコントロールという言葉で言われておられます。さらには、総理になられてからもですが、まず内局と制服とのいろいろな話合いがあって、内局というものが制服をコントロールすると申しますか、そういう機能がまず第一義的に、つまりこの一義的にという言葉が重要なんです、一義的にあるのではないかと言われています。  ところが、平成十年になって変わります。久間国務大臣、内部部局が自衛隊をコントロールするという、それがシビリアンコントロールだとは思いません。これははっきり変わります。そして、その後に御案内のように石破大臣の防衛省改革会議の報告書につながっています。  今回、中谷防衛大臣が衆議院の予算委員会の審議の後、統一見解だといって文書を作っていただきました。三枚目見ていただければと思う。これを早々に出していただいたことは私は是としますけれども。  これ、シビリアンコントロールは、民主主義国家における軍事に対する政治の優先を意味する、我が国の文民統制は、国会における統制、内閣による統制とともに、防衛省における統制で、どういうわけか内局における統制という佐藤総理の四つのうちの一個がすぽんと抜け落ちています。そのうち、防衛省における統制は、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営し、統制することであるが、これも急に文民である防衛大臣がという言い方をして、これまでは文官と言っていたんですね、防衛副大臣、防衛大臣政務官等の政治任用者の補佐のほか、内部部局の文官による補佐も、ここも急に補佐になっているんです、この防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしていると。文民統制における内部部局の文官の役割は防衛大臣を補佐することであり、内部部局の文官が部隊に対し指揮命令するという関係にはない。  指揮命令するなどというのは、歴代の総理や大臣も全然言われていません。全く言われていません。このことを衆議院でも何度も中谷防衛大臣は言われていますが、我々も指揮命令するなどというのは全く考えていません。指揮命令は防衛大臣であり、内閣総理大臣の職務です。文官がそんなことをやったらそれこそ大問題になります。だから指揮命令するという関係ではないというのは我々当然のことと思っていますが、一体この佐藤総理の言われる四つの統制、それから中曽根総理の言われている文官による一つの、何というかコントロールというか一義的な統制、統合みたいなのが必要だとおっしゃっていることの考え方は一体どこに消えてしまったのかと。  これも実は先ほどの、済みません、申し訳ありませんが、我が軍と言われたり、元々の政府の見解について結論だけころっと変わっていたりするのと一緒で、中谷防衛大臣がせっかく作っていただいた統一見解もいつの間にか文官統制という言葉が消えているんです。これは一体どういう経緯で、どういう状況で、いいですか、私は先ほど申し上げたように、十二条の改正そのものについて今批判的なことを言っているわけではなくて、なぜなら北澤防衛大臣のときにその問題意識があったということも紹介しています。  検証して何か問題があったのかと言ったら、それは問題ないと言われている。問題ないと言われている状況なのに、いつの間にかこの文官統制という言葉が消えてなくなって、過去の総理や大臣の答弁がいつの間にか指揮命令をするという関係にはないという、非常に何か懸け離れた議論の中で何となく収まりを付けようとしているということなので、法案の審議がもうすぐ始まりますけれども、確認として防衛大臣にお伺いをしておきたいということですので、一体、文官統制ということについては答弁を変えたのか、それからなぜ、四つの佐藤総理の言われている統制からいつの間にか三つに変わっているのか、理由を中谷防衛大臣、お答えください。
  18. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 保安庁法また防衛庁法の創設時からこれは一貫しております。  説明申し上げます。文民統制というのは、民主主義国家における軍事における政治の優先を意味するものでありまして、我が国の文民統制は、国会、内閣、防衛省における統制があります。防衛省における統制は、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営して統制することですけれども、防衛副大臣、防衛大臣政務官等の政治任用者の補佐のほか、内部部局の文官による補佐もこの防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしております。  お尋ねの佐藤総理、竹下総理の答弁でございますが、これにつきましては、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であると解されます。  また、創設期に戻りまして、昭和二十七年、保安庁法の創設期でございますが、参議院の内閣委員会において、当時の大橋国務大臣から、内局の局長とかも保安庁長官の補佐機関でございますが、こういうものから部隊長に対して命令が出ることはない、補佐機関といたしましては幕僚長のほかに内局というものがあるわけでございまして、内局と併列して補佐をすることに相なるのであります、内局が担当すべき部門は一般的な方針あるいは大綱についての事柄、こういうことを分担いたしますし、幕僚長は軍事的、専門的な事柄を分担するわけでございますと答弁しております。  また、防衛庁、これが発足するときに、当時の木村国務大臣から、これも昭和二十九年四月五日の衆議院の内閣委員会において、政治が全て優先的にものを支配していくべきである、シビリアンコントロールという言葉はよく使われますが、結局根本原則はそこにある、何もいわゆる普通のシビリアンを軍務に従事している者の上に置くという意味じゃありません、自衛官と内局の職員は混然一体を成していかなければならぬ、対立関係があってはならぬと答弁しております。  また、参議院の内閣委員会におきまして、昭和二十九年五月二十八日、同じく木村国務大臣から、私は文官優位という言葉を使いたくないのであります、いかにも内局に勤めておる者が実施部隊、制服の上にあるというような見方をし、また自然にそういうことが内局に勤めておる者が考えるようなことがあっては、これはいかぬと思うと答弁をいたしております。  したがいまして、文官が自衛官をコントロールするといった考え方は、保安庁新設当時や防衛庁新設当時においても取っていないと考えております。  なお、民主党政権におきましても、文官が自衛官をコントロールするといった考え方は取っていないと承知をしております。
  19. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、非常に難しいんですけれども、取っていないと言われても、総理がおっしゃっているんですよ。これ、最高指揮官じゃないんですか。総理がおっしゃっていることについて、取っていないって今防衛大臣言われるんですけれども、その取っていないというのは、この総理の、じゃ、当時の答弁はどういうふうに整理されるんですか。
  20. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) もちろん、部隊と指揮関係ないわけですね、内局の人は。先ほど説明しましたように、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文官統制の趣旨であると理解されます。
  21. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 福山先生、やられますか。(発言する者あり)  では、中谷防衛大臣、追加答弁認めます。
  22. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 今のちょっと発言で訂正させていただきます。  内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であると理解されます。
  23. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、総理の発言を真っ向から否定されるのは問題だと思いますよ。いや、前の答弁を持ち出して竹下総理や中曽根総理の発言を、真っ向から佐藤総理の発言を否定するのは、これどういう整理なのかよく分からないですね。  いや、じゃ、文官統制という言葉はどう判断すればいいんですか、大臣。
  24. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) この文官統制という定義、それは今までございません。ですから、私も、この文官が自衛官をコントロールするという考え方は、この保安庁新設時、また防衛庁新設時においても取らないと当時の大臣が言っておられまして、この文官が自衛隊をコントロールするという考え方は私もないというふうに思います。
  25. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 防衛大臣、中曽根長官は、当時、私は、防衛庁設置法を作ったときに、作った一人は私でもありますとおっしゃっているんですよ。じゃ、今の防衛大臣の御答弁は真っ向からこの中曽根総理の答弁を、立法意思を否定しているわけですよ。  いいですか、私は、今このことに対しての是非を問うているんじゃないんです。こういう答弁が積み重なってきたのに、今回の統一見解とかで議論がされていることがずれているんじゃないですかと、そのことについてはどう整理されるんですかと言ったら、今度は、その前の答弁を持ち出してきて、コントロールするという考えはないと。そうしたら、ここのこの答弁はどういうふうに整理するんですか。
  26. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 先ほどお話ししましたが、組織を考えても、大臣から部隊に命令権があるわけです。それを補佐するのは、一つは内局の政策的な補佐と幕僚長の軍事的専門家の補佐でありまして、この構図からしましても文官がコントロールするようなことはあり得ないわけでありまして、この内部部局の補佐の中で調整、吻合という言葉を使っております。大橋さんも創設期に調整という言葉を使っておりますが、それ以上のことはあり得ないと思います、制度的にそういう文言がないわけですから。  したがいまして、この両者が車の両輪のごとく補佐をするという中で、内局の官房長や各局長は政策的なことについて制服の意見を聞いて、そこで調整、吻合をして大臣に意見具申、補佐をするという意味でございまして、一言で言いますと、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であるというふうに理解をいたしております。
  27. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、今の趣旨であると、何が何の趣旨であると今お答えになられましたか。  今大臣が言われた政策的なものを補佐するというのは今回の改正の中身であって、これまでは運用的なものも補佐しているわけですから、それは、先の話は、これは法律が、まだこれから、審議もされていないんですけど、とにかく、だって、中曽根総理は内局において統一した方がいいと、つまり、三軍がばらばらにならないように内局において統合するということは非常に大事だと、そのことがいわゆる文民統制の基だと、本質的なものだということを言われていて、佐藤総理もそう言われているわけです。今防衛大臣は真っ向からその歴代総理の御発言を否定されているわけですが、これはどういうふうに整理したらいいんですかね。もう一回お答えください。
  28. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 防衛省内部における文官統制というものは、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨でございます。
  29. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 これは法律の審議ではないのであれなんですけど、これちょっと整理してもらわないと、今、中谷防衛大臣がおまとめになられたこの統一見解だけではどう考えても説明不足ですし、都合のいいところだけは抜いて、そして、いきなり指揮命令をするという関係にはないと。指揮命令をするなんて誰も言っていないですよ。これまでもどなたも言っていない。  この統一見解は少し整理して修正をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
  30. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) もう一度申し上げます。  佐藤総理大臣の答弁における防衛庁内部における文官統制という表現は、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣、防衛庁長官における文民統制の趣旨であると。また、竹下総理大臣の答弁によります内局によるコントロールという表現も同様の趣旨であるということでございまして、上下関係、これはないわけでございます。これは創設をした大臣が説明をいたしているように、幕僚長のほかに内局というものがあるわけでございまして、内局と併列して補佐をするのに相なると。  また、防衛庁ができたときに、いわゆる普通のシビリアンを軍務に従事しておる者の上に置くという意味じゃありません。自衛官と内局の職員は混然一体を成していかなければならぬ、対立関係があってはならぬ、これはずっと一貫したものではないかと思っております。(発言する者あり)
  31. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 福山委員、どの部分が不十分かをもう一度御指示いただけますか。
  32. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 止めてください、時間を。
  33. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) じゃ、今時間止めました。  速記止めてください。    〔速記中止〕
  34. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。  中谷防衛大臣、再度御説明をお願いいたします。
  35. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) お尋ねの防衛省内部における文官統制という意味は、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文官統制の趣旨でございます。  また、中曽根答弁を言われましたが、先ほど福山委員も言われました答弁の中に、文民統制とは背広の者が制服の者に威張るということではない、国民の代表である政治家が軍事を掌握することである、陸海空自衛隊がばらばらにならないように内部部局や統合幕僚会議により施策の統一を図ることが重要である旨を答弁したものでございまして、当初の防衛大臣が言われるように、これは調整である、その補佐である。したがいまして、調整、吻合によりコントロールするという意味でございます。
  36. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 言葉尻つかまえるわけではありません。先ほど大臣は文官統制という定義はないとおっしゃったんですよ。今はそういう趣旨ですといって、これも実は審議の中で定義はないといったのに、今説明されているわけです。ここも整理していただかなきゃいけないし、中曽根防衛庁長官のお話を引かれましたが、佐藤総理は、四つの面から構成されているといって、自衛隊のいわゆる、これはあれですよ、文民統制の要件を四つ言われたんです。文民統制の要件を四つ言っているんです。その四つを今回の統一見解はいつの間にか一つ落ちているんです、落ちているんです。それでなおかつ、いや、最初の防衛庁長官はこうですと言って解釈を言われているということは、だからそこが問題だから、ちゃんと歴史との整合性を言ってくださいと。今僕は、設置法がいいとか、十二条が今回の改正がいいとか悪いとかは申し上げていないはずです。そのときはそれは法案の審議があるでしょう。しかし、元々の出発点が、随分出発する場所が違うんじゃないですかということを申し上げているんです。  問題意識があるのは、当初、北澤防衛大臣がやられたことも含めて私は最初申し上げたはずです。そして、検証したのかと言ったら、検証しているけど何らかの問題はないとおっしゃっているのに、こんなふうに、これまで佐藤総理が四つの要件だと言っているものを落としたり、いきなり指揮命令をするという誰も言っていないような言葉を出したりすることがあるから、それはいろんな思いの中でおかしいからちゃんと答弁をしてくださいと言ったら、ほとんど定義はないと言ったのに定義を新しく出してくるわ、解釈も新しくするわですから、これはちょっと一回、もう一度この統一見解を作り直していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
  37. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 定義がないと言われましたが、聞かれたから私は誠実に答えただけでございます。  この四つのシビリアンコントロールという中の国防会議の統制、これは国防会議がありません、今あるのは三つでございます。この中の防衛省内部における文官統制と申し上げますのは、先ほどから説明しておりますように、文官は補佐以上のことはできませんので、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であるということでございます。
  38. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 これは非常に重要な問題です。誤解をされると困るので、私は別に制服組がいいとか悪いとか申し上げているつもりはありません。制服は一生懸命やってくれています。横に大臣いらっしゃいますけど、東日本大震災のときの十万人派遣のときだって、制服と背広が本当に連携してやっていただきました。まさに大臣言われたみたいに、そごはない状況で今まで動いているということも含めて、こういう形で解釈を変えていったり、文言を変えていったりすることは非常に私は歴史に対して不誠実だと思いますので、議事録を精査をしてもう一度このことについては確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  実は、特定秘密保護法案の審査会ができることについて、情報監視審査会について私質問しようと思って副大臣をお呼びしていたんですが、もうあと七、八分ぐらいしかありません。また次回お越しいただければと思いますが、お許しをいただければと思います。  それで、あと七、八分、横畠長官、私これ事実関係知らないので、事実だけお答えください。これまで安全保障法制に対する与党協議がありました。先週の金曜日に一定の合意がなされたと聞いておりますが、この与党協議の場には横畠長官は出席をされているんでしょうか。
  39. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 事実関係でございますが、出席しておりません。
  40. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 法制局のどなたかが陪席をしている、オブザーバーとして参加をしているという事実はあるんでしょうか。
  41. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) あくまでも与党間での協議でございますので、法制局の職員が陪席等をしたということもございません。
  42. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 じゃ、その与党協議の場には法制局の職員は誰もいないと。そこはまあ一応与党協議という場ですが、それ以外のところでは与党の幹部と横畠長官は協議をされているという事実はもちろんあるわけですね。
  43. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 協議という形であるかどうかは存じませんが、折に触れ、与党に限らず野党の先生もそうでございますけれども、説明を求められれば必要な説明はさせていただくことがございます。
  44. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ありがとうございます。  いや、そこのちょっと事実関係を確認したかっただけで、もう時間がないので、単に事実関係を確認しています。  これ、外務大臣と防衛大臣、今、与党協議を行われてこれから法制化するわけですが、この与党協議の中身については、政府としては今どういう距離感というか、どういう形なんでしょう。  つまり、これから法案作成されるのは、多分政府の中でされます。与党協議で、いろいろあるんですけど、外務大臣、防衛大臣でも結構ですが、今、与党協議の議論の中や政府から出てくるペーパーを見ると、例えばPKO法の改正について、今までできなかった治安維持任務ができるようになっているんですが、これは法制局長官、聞いて答えていただけるんでしょうか。例えば、今までできなかった治安維持任務がPKO法改正与党協議の中でできるとしたときには、それは根拠は何になるんでしょうか、長官。
  45. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) PKO活動における治安維持活動における武器使用につきましては、従来から、武器使用の相手方が単なる犯罪集団など国家に準ずる組織でないことが明確であり、その武器使用が武力の行使に当たるおそれがないと言えるような枠組みを設定することができる場合には、治安維持活動における武器使用であっても、憲法上許容されないわけではないということを国会でも申し上げてきているところであります。  与党協議と申しますより、昨年の閣議決定でお答えさせていただきたいと思いますが、閣議決定におきましては、いわゆるPKO五原則の枠組みの下で、領域国及び紛争当事者の受入れ同意が必要とされており、また、過去二十年以上にわたるPKO活動等の経験からも、受入れ同意をしている紛争当事者以外の国家に準ずる組織が敵対するものとして登場することは基本的にないとの認識を基礎として、特に紛争当事者の受入れ同意が安定的に維持されているという要件を満たす場合にはPKO活動における治安維持活動が可能となるというものでありまして、具体的な法整備の検討はこれからでございます。
  46. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 法制局長官、お伺いしたいんですけど、PKO五原則は維持されるんですね。維持されるという前提ですね。これは誰に聞いたらいいのかよく分からないんですけど、与党協議ですから。  防衛大臣、いかがですか。
  47. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) PKO五原則の枠組みについては、これを維持をしてまいります。  その上で、昨年の閣議決定を踏まえまして、国又は国家に準ずる組織が敵対するものとして登場しないということを確保した上で、駆け付け警護に伴う武器使用及び任務遂行のための武器使用を行うことができるように受入れ国の同意の安定的維持等について担保する枠組みを設ける必要がありまして、この趣旨をPKO五原則の第五原則に反映することを考えております。  ただ、これは、与党協議会で考え方の方向性、これを示していただいたものでありまして、今後更に与党で議論をした上で法案を検討して作成をするということでございます。
  48. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ということは、与党はまだ決まっていないということですか。つまり、与党協議は合意したというけれども、決まっていない部分があって、これからまだ継続して協議を続けるということですね。  それで、今、質問、私の仕方が悪かったので、もうあと一分ぐらいしかないので。  PKO五原則の枠組みは維持されるのですねと私聞いちゃったので、枠組みは維持すると大臣はおっしゃられたんですけど、PKO五原則は維持されるんですか。
  49. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 先ほど答弁した内容でございまして、与党の協議会におきましては文書で方向性を示されましたので、それを基に我々も法案を検討いたしまして、さらにその後、与党でもう一度議論をしていただきたいということでございます。
  50. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 済みません、大臣、もう一回。先ほど答弁したとおりじゃ駄目です。先ほど答弁したとおりだったら、先ほどの答弁、もう一回読んでください。
  51. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) PKO五原則の枠組みについては、これを維持をしていくということです。
  52. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 枠組みは維持することは、私は了解しました、了解というか聞きました、聞こえました。  私が聞いたのは枠組みじゃなくて、PKO五原則は維持されるんですかと聞いているんです。
  53. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) これを維持してまいります。その上で、昨年の閣議決定を踏まえて、国又は国に準ずる組織が敵対するものとして登場しないことを確保した上で、駆け付け警護に伴う武器使用及び任務遂行のための武器使用、これが行うことができるよう、受入れ国の安定的維持等について担保する枠組みを設ける必要がありまして、この趣旨をPKO参加五原則の第五原則に反映することを考えております。
  54. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 深山運用企画局長。
  55. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いやいや、何も聞いていないよ。(発言する者あり)
  56. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 深山運用企画局長。(発言する者あり)今、局長を補佐説明させております。
  57. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) 大臣の御答弁を若干補足させていただきます。  先ほど、法制局長官からも御答弁がありましたとおり、現在、憲法の範囲内で行われる、国又は国に準ずる者が現れない場合におきます武器の使用ということを治安維持の任務の場合にも認めるということは議論されております。  そういたしますと、現在の第五原則は、現在の、今ある法規に基づく武器使用原則によって書かれておりますので、今大臣がお答えしましたように、その部分について、その枠組みに入れる等の修正を検討する必要があるかと思います。
  58. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ほら、大臣、全然、今、答弁違いますよ。違いますよ、今。今のは、五原則は変えると言っているんですよ。修正するとおっしゃったんですよ、五原則はね。五原則の枠組みはとおっしゃったのは変えないと。  ところが、五原則もどうするんですかと言ったら、深山さんは修正する必要があるかもしれないとおっしゃった、大臣は変えないとおっしゃった。(発言する者あり)いやいや、さっき、だって、私が、個別に確定したときには変えないとおっしゃったんですから。(発言する者あり)
  59. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 発言中です。
  60. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 済みません、これも実は大問題で、実は私が今日、ずっと実は通底している話は、我が軍の話もそれから文官統制の話も今回の話も、五原則の枠組みは変えませんと。五原則はどうだと言ったら、大臣は変えると言ったら、深山さんはいやいやそこは修正があり得るかもしれないと。つまり、枠組みは変えないという話と五原則を変えるという話違いますからね。  こういう議論が常に今回の安全保障法制ではまかり通っているんです。このことについては、国会は言論の府です、答弁とかそのときの言葉とか、本当に私は重要だと思っています。こういったことも本当に一つ一つ詰めなければいけないということを私自身申し上げるのと、今の安倍総理、安倍内閣だからこそ、余計国民の皆さんにはこういった言葉の使い回し等について不安が広がっているということも指摘をして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  61. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 まず、私は、今も議論がありました安保法制の見直しについて防衛大臣にお尋ねいたします。  先般、安全保障法制の具体的な方向性についてということで、与党安全保障協議会で三月二十日に取りまとめが行われました。これは、昨年の七月一日、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」というこの閣議決定を今後法案化しなければいけないわけでありますが、その法案化に当たっての一定の方向性について与党で確認ができたと、こういう趣旨であると理解をしております。  この取りまとめ文書には、政府はこの方向性に即して作業を加速化し、必要な法案を本年五月半ばには国会に提出できるよう更に準備を進めていくように求める、このように言っております。そして、この取りまとめに基づいて与党両党で、安倍総理に対しましても、政府に対して申入れをしておるところでございます。  そこで、与党の文書では、必要な法案を五月半ばには国会に提出できるよう、このように求めているわけでありますが、実際、政府の方でこの法案作成のスケジュールについてはどういう見通しを持っているのか、大臣にお尋ねします。
  62. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 安全保障法制の整備につきましては、昨年七月の閣議決定に基づき、政府において検討作業を進めてきたところでございます。二月から再開された与党協議においては、政府のこれまでの検討状況について説明を行い、与党で御議論をいただきました。今般、与党で御議論いただいた結果として、現時点における法整備の具体的な方向性について示していただきました。  政府としては、与党に示していただいた方向性を踏まえまして作業を加速化し、さらに与党にも御議論をいただきながら、必要な法案を大型連休明けの頃、五月半ばを視野に入れて提出できるように努めてまいりたいと思っております。
  63. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 そういうことであれば、法案化に向けて我々与党もしっかりと更に議論をしなければいけないと思っております。  そこで、この取りまとめ文書の冒頭に、自衛隊の海外における活動の参加に当たっての三原則が書かれております。これは公明党が強く主張した点でありまして、いかに武力行使目的ではないとはいえ、自衛隊が海外で活動するについては、やはり一部マスコミで批判がされるような、際限なくそれが広がるようなことがあってはいけませんから、きちんと歯止めを掛けなければいけない、そういう三原則であると理解をしております。  念のために読み上げますと、①は自衛隊が参加し、実施する活動が国際法上の正当性を有すること、②国民の理解が得られるよう、国会の関与等の民主的統制が適切に確保されること、③参加する自衛隊員の安全確保のための必要な措置を定めることとここに書いてあります。  したがいまして、今後、自衛隊の海外活動の目的、要件、手続を条文化するに当たっては、この三原則をきちんと踏まえた上で条文化をしなければいけない、このように考えておりますが、大臣の見解をお尋ねします。
  64. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 政府としましては、この与党協議会の取りまとめを十分に踏まえ、まず国際法上の正当性については、国際社会の平和と安定への一層の貢献に当たって、どのような場合に自衛隊の活動の実施が可能となるかを定める要件として、民主的統制の適切な確保に関しては、国会承認の在り方を定める規定として、そして自衛隊員の安全確保のための必要な措置としては、関係する立法例などを参考に関係する法律に規定する方向で検討しているところでございます。
  65. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、昨年の閣議決定のときに一番注目されましたのは憲法第九条の下で許容される自衛の措置ということでございまして、今回の取りまとめ文書にも、第五項として、そういう表題の下、方向性がまとめられております。  その中では、このいわゆる閣議決定で決めた新三要件ですね、そしてそれについて、その後の国会質疑において明らかにされた政府の答弁ということを踏まえた上で、今後の条文化に当たりましては、その新三要件及びこの国会における政府の答弁を今後の条文に過不足なく盛り込むこととすると、このように書いてあるわけであります。この意味は、もう新三要件を書き入れることは当然ですけれども、それについての国会での七月のやり取りがあるわけでありますから、その重要な点についても書かなければいけない、こういう趣旨であると考えておりますが、そういう理解でよろしいですか。
  66. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 従来のいわゆる自衛権発動の三要件については、自衛隊法においてこれらに対応する規定があります。昨年七月の閣議決定で示された新三要件を満たした場合に可能となる武力行使も我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置であることを踏まえ、新三要件を条文に過不足なく盛り込む考えでございます。  いずれにせよ、政府としては、与党に示していただいた方向性を踏まえて作業を加速化し、さらに与党にも御議論をいただきながら、必要な法案を早期に提出できるように努めてまいります。
  67. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 そこで、もう少し具体的に、第一要件ですね。これは言うまでもなく、他国に対する武力攻撃であっても、それによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある、これが第一要件でありますけれども、それについての昨年の国会での総理の答弁では、「国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」、こういうことも総理は答弁をされておりますけれども、この趣旨もきちんと盛り込まれる、このように考えてよろしいですか。
  68. 前田哲

    ○政府参考人(前田哲君) お答え申し上げます。  今先生御指摘の第一要件における我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合と申しますのは、今先生御指摘になりましたように、他国に対する武力攻撃が発生した場合においてそのままでは、すなわちその状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に対して我が国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということをいうものと考えております。  法案の作成に際しては、これらの提案も踏まえまして、新三要件を条文に過不足なく盛り込んでいく考えでございます。
  69. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、もう一つ、第二要件に関しまして、第二要件は、我が国を防衛するために他に方法がないという、こういう要件でありますが、このことについても昨年の七月の総理の答弁では、他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権の行使を認めるものではない、このように明確に言われているわけでありますから、この答弁の趣旨も法案にはきちんと書き込まれるべきであると考えておりますが、いかがでしょうか。
  70. 前田哲

    ○政府参考人(前田哲君) お答えを申し上げます。  第二要件は、他国に対する武力攻撃の発生を契機とする武力の行使につきましても、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置に限られ、当該他国に対する武力攻撃の排除それ自体を目的とするものではないということを明らかにしているものでございます。  法案作成に関しては、この点も踏まえて、新三要件を条文に過不足なく盛り込んでまいる考えでございます。
  71. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 それでは、次の議題に移ります。  外務大臣に先般の日中韓の外相会談について、その成果といいますか意義についてお尋ねします。  こういう会談が、三者が顔を合わせた。大臣は朴槿恵大統領とも会ったわけでございますけれども、そういう三外相会談が行われたこと自体私は大きな意義があると思いますけれども、それも含めて、今回の会議の成果はどのような点にあるのか、御説明をお願いします。
  72. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今回の日中韓三か国の外相会談、三年ぶりの開催となりました。そして、三年ぶりに三か国の外相会談を開催するのと同時に、共同報道発表という形で合意した文書を発出することができた、これは大変大きな成果であったと受け止めています。会議の中身におきましても、防災、環境、あるいは青少年交流、テロ対策、中東、アフリカなど、幅広い分野にわたりまして日中韓の協力について議論を行い、また地域や国際情勢につきましても忌憚のない意見交換を行うことができました。こうした日中韓の対話のプロセスを三年ぶりに再開することができたという意味で、これは一つ大きな意義があったと思います。  そして、そもそも日中韓の外相会談というのは、日中韓のサミットへの準備段階と位置付けられていました。そもそもそういう趣旨で設けられたものであります。ですので、今後、是非この日中韓サミットに向けて開催努力を続けていかなければならないと考えています。先ほど触れました共同報道発表の中にも、最も早期で都合の良い時期にサミットを開催することということで明記することができました。三か国でこの点においては一致したわけであります。  是非、引き続きまして早期のサミット開催に向けて努力をしていきたいと考えています。
  73. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 外相会談では、特に中国、王毅外相が、報道によりますと、かなり歴史認識問題を言い立てたという、そういう認識を持っておりますけれども、それを踏まえて、今回の合意文書ではその歴史認識問題についてはどういうふうにまとめて、またそれは日本としてはどう評価しているのか、御説明願います。
  74. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今回の日中韓外相会談、そしてあわせて、日中の外相会談、日韓の外相会談も行いました。こうした会談の中で、それぞれこの歴史についても率直な意見交換ができたと振り返っています。  そして、この会議の結果としてまとめました先ほどの共同報道発表という文書の中においては、歴史に関しては、歴史を直視して未来に向かうという表現を使って記載をしておりますが、この表現はこれまでも日中韓サミットの中で度々使われた表現でありますし、例えば昨年十一月の日中の間で確認した四項目がありますが、その中においても、歴史を直視し、未来に向かうという表現を使っていたと存じます。  そういった表現において一致をすることができ、そして文書に書き込んだということでありました。
  75. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 大臣も日中韓外相会談は日中韓サミットの実現に向けての準備だというお話でございました。今回の取りまとめでは、都合の良い時期に日中韓サミットを開くということですから、これはまさに、近いうちに解散じゃありませんけど、時期が決まっているのか決まっていないのかよく分からない、そういうことになっているわけでありますけれども、実際いつ頃を想定しているといいますか、どういう見通しの下にこのサミットを実現に持っていくのか、大臣の決意をお尋ねいたします。
  76. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国は従来からこの日中韓の対話のプロセスを重視してきましたし、日中韓サミットの早期開催を重視してきました。そういった観点からは、今回、文書によって、最も早い都合の良い時期に開催する、こういったことで一致したことは歓迎したいと思っています。ただ、具体的な時期、場所を含む詳細については現在決まっているものではありません。これから調整していくことになります。  そして、日中韓、三か国のサミットですが、特に韓国とは昨年来外相会議を早期に開催してサミットにつなげていきたい、こういった思いは共有してまいりました。是非中国も含めて、一層意思疎通を図り、サミットの早期開催に向けて努力していきたいと考えております。
  77. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、日中韓FTA交渉についてもお尋ねいたします。  これは、二〇一二年十一月に交渉が開始されておりますけれども、中国が前向きな姿勢を示す一方で、韓国は日本の工業製品への市場開放を警戒し消極的であると言われております。また、我が国は、中韓両国に対して高い水準の自由化を求めており、交渉は難航していると報じられております。  そこで、今回の日中韓外相会議におきましても交渉の加速化に継続的努力を払うと、このようにされましたけれども、中国、韓国のFTA交渉への意欲について、大臣はどういう感触を持ったのか、また今後、中韓との交渉の中で何を求め、どういう形でのFTAを目指すのか、外務省の、大臣の見解をお尋ねします。
  78. 佐藤達夫

    ○政府参考人(佐藤達夫君) お答えいたします。  日中韓外相会議の共同報道発表において確認されたとおり、日中韓FTA交渉を加速すべきとの認識については三か国で一致してございます。  日中韓FTAは、三か国の貿易投資を促進するのみならず、アジア太平洋地域における重要な経済連携強化の取組の一つでございます。包括的かつ高いレベルのFTAを目指しまして、物品貿易、すなわち関税削減等、あるいはサービス貿易、投資、知的財産、競争、電子商取引等を含む我が国企業の活動の支援やアジア太平洋地域におけるルールづくりに貢献する協定となるよう、引き続き精力的に交渉を進めていく考えでございます。
  79. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 それでは次に、核不拡散、核廃絶問題についてお尋ねいたします。  もうこれは私も含めて何回もこの委員会でも質疑が行われております。本年は、五年に一度の核兵器不拡散条約、NPTの運用検討会議が五月にニューヨークで開催をされる非常に重要な年でございます。あっ、本年四月ですね、済みません。会議は四月末に開催されるということでありますけれども。  したがいまして、その前に岸田外務大臣から、運用検討会議に臨む決意、考え方をお尋ねしたいと思います。まず、唯一の被爆国日本としてどのような方針を持って、あるいはどのような手段でこの会議をリードし、成功に導いていきたいと決意しているのか、具体的な方針を大臣からお聞かせ願います。
  80. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、今年は被爆七十年です。そしてその年に、五年に一度のNPT運用検討会議が開催されます。是非、我が国としましては、唯一の戦争被爆国として軍縮・不拡散の議論をリードしていかなければならないと思っています。そして、核兵器のない世界を目指すという大きな目標に前進するためには、核兵器国と非核兵器国が協力してNPT運用検討会議で充実した成果を上げることが重要だと認識をしています。  今回のNPT運用検討会議のために、五年間の間隔の中で三回準備委員会が開催されてきました。こうした準備に当たりまして、我が国としましてはNPDIという議論の枠組みを通じて貢献をしてきました。NPDI、軍縮・不拡散イニシアティブですが、このNPDIを通じまして核兵器国と非核兵器国の双方に具体的な行動を求める、こうした合意文書を提出してまいりました。これまで十八本の文書を提出してきましたが、今回、改めてこの十八本をまとめる形で一つの文書を国連に対して改めて提出する、こういったことを行いました。  是非、こうした我が国がNPDIの枠組みを通じて提出した文書をNPT運用検討会議におけるコンセンサスの基礎としていくことを通じて、会議における成果文書を充実させて、そして会議を成功に導く、こういったことにつなげていきたいと思っております。
  81. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 我が国がそうした三回にわたる準備委員会の中でNPDIという核軍縮イニシアチブを発足させ、十八本も文書をまとめた、大変私は評価をしております。  そこで、NPT加盟国には、核兵器国あるいは非同盟諸国、新アジェンダ連合等のグループがあるわけでありますけれども、そうした中でNPDIという枠組みは、そのNPT加盟国の中では、どういう立ち位置といいますか、存在感といいますか、意味合いがある、そういう組織なのか、このことについてお尋ねします。
  82. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、NPDIは日本とオーストラリアが主導して立ち上げた核軍縮・不拡散に関する地域横断的グループです。それ以外にも、ドイツですとか、オランダですとか、トルコですとか、合わせて十二か国の非核兵器国で構成をしています。このグループの活動を通じて多国間のNPT運用検討会議プロセスに効果的に貢献することが可能であり、これは大変有用な枠組みだと認識をしています。  NPT加盟国、核兵器国と非核兵器国で構成されるわけですが、その中においては、核軍縮・不拡散に関しまして多様な立場、さらには多様なアプローチが存在いたします。そういった様々な立場やアプローチがある中にありまして、NPDIは、特徴としまして、現実的かつ実践的な取組を提案しているというところが特徴だと思います。核兵器のない世界に向けて、核戦力の透明性の確保、あらゆる種類の核兵器の削減や核軍縮交渉の将来的なマルチ化、あるいは核兵器の非人道性の議論の下での国際社会の結束、こうした現実的かつ実践的な取組を提案しているというのがNPDIの特徴だと認識をしております。こうした特徴を生かした十八本の基本文書を提出いたしました。さらには、それを取りまとめる文書も提出いたしました。  そして、このNPT運用検討会議での成果文書においてNPDIの提案をコンセンサスの基礎とするために、私の方から全NPT締約国の大使館に働きかけを指示したところであります。是非、議論をリードしていきたいと考えます。
  83. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 このNPDIは、現実的、実践的な取組、提言をするというところに特徴があるということが分かりました。そうであれば、今回、十八本の文書を一本にまとめてNPT運用検討会議に提出をする、したんですかね、ということなんですけれども、その一本化した文書は、現実的、実践的な取組という点からするとどういうところが一番肝になるのか。そして、その一本化した文書のどういうところを運用検討会議の取りまとめに反映させていきたいと思っているのか、簡潔に決意を語っていただければと、このように思います。
  84. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) NPDIの提案ですが、今委員の方から触れていただきましたように、現実的かつ実践的な取組が特徴だと思っています。そして、このNPDIの立場から核兵器国と非核兵器国双方に対して具体的な行動を求めるというのが立ち位置だと思っています。  この中で、核軍縮につきまして、核戦力の透明性の確保、あらゆる種類の核兵器の削減、そして核軍縮交渉の将来的なマルチ化、核兵器の非人道性の議論の下での国際社会の結束、こういったものを重視してきました。  例えば、核戦力の透明性でいいますと、NPDIとして核兵器国に対して核戦力に対する標準報告フォームというのを提案して、その型式、フォームに基づいて報告を求め、透明性を高めていく、こういった具体的な提案をしているということであります。是非、それ以外の課題におきましてもそれぞれ具体的な提案をしているところでありますが、こうした内容をNPT運用検討会議のコンセンサスの基礎とするべく努力をしたいと思っています。
  85. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 今の大臣の答弁の中にも、この一本化した提案の中には核兵器の非人道性のことも触れてある、もう一つの柱である、このように了解しました。  大臣は、これまで、核兵器の非人道性の側面ということについては、これを考慮することが国際社会を結束させる触媒であるべき、このように繰り返し述べてきておられますけれども、この国際社会を結束させる触媒というのは、具体的にはどういう意味合いを持ってそのように大臣は言われているのか、御説明願いたいと思います。
  86. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今回のNPT運用検討会議を成功させるためにも、さらには、大きな核兵器のない世界を目指すという目標に向けて前進させるためにも、核兵器国と非核兵器国の協力が不可欠であると認識をしています。そして、核兵器の非人道性を認識し、核兵器を廃絶していかなければならない、こういった思いを共有することによって、国際社会は立場やアプローチの違いを超えて核兵器のない世界の実現に向けて結束していくことができる、このように考えています。  こうした結束のために核兵器の非人道性の認識というのは重要であるという認識の下に、この核兵器の非人道性について説明をさせていただいています。是非、唯一の戦争被爆国として、こうした被爆の惨禍を世代や国境を越えてしっかり伝達していきたいと考えております。
  87. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 さらに、我が国は核兵器の非人道性への取組のために、複数の核軍縮・不拡散の取組を同時並行的に進めていくブロック積み上げ方式の考え方を主張していることも知られてきておりますが、このブロック積み上げ方式の意味するところも御説明願います。
  88. 中村吉利

    ○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  御指摘のブロック積み上げ方式につきましては、昨年四月、NPT運用検討会議第三回の準備委員会に対しまして、我が国が主導いたしまして二十か国が共同で提出をした作業文書で示された核軍縮のアプローチでございます。  ブロック積み上げ方式につきましては、様々な核軍縮措置がある中で、委員御指摘のとおり、実施可能なものから取り組んで、複数の措置を同時並行的に実施していくということを想定をしております。  先ほど申し上げました準備委員会に提出いたしました作業文書の中では、具体的な措置といたしまして、兵器用核分裂性物質生産禁止条約、FMCTと言っておりますけれども、この交渉の開始、包括的核実験禁止条約、いわゆるCTBTでございますが、この発効、核戦力の透明性向上、あらゆる核兵器の数の削減、軍縮・不拡散教育の推進といったことが挙げられているところでございます。  我が国といたしましては、核兵器のない世界に向けて現実的かつ実践的な取組を同時並行的に進めるため、関係国と協力をしていく考えでございます。
  89. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 一方で、今月、ロシアのプーチン大統領が、クリミア編入の際に核を準備していたという発言をしております。これはブラフであるという見方が一般的ではありますけれども、しかし、核兵器国の核軍縮への姿勢を疑う極めて重大な発言である、このように懸念をしております。このような核兵器のない世界、核廃絶に向けた努力と逆行するような発言が国際社会に及ぼす影響ということを強く懸念をしなければいけないと思っております。  そこで、このプーチン大統領の発言についてどのように分析しているのか、外務省のお考えを説明願うとともに、こうした核の恫喝というのを決して許してはなりませんので、このことについての大臣の強い決意、国際的な発信をここでお尋ねいたします。
  90. 宇都隆史

    ○大臣政務官(宇都隆史君) まず、情報を正確にお答えしますと、プーチン大統領は、三月十五日、ロシアのテレビで放映されたドキュメンタリー番組の中で、インタビュー質問に答える形で、昨年三月のクリミア併合に際して、あらゆる事態に備えてロシア軍に指令を出し、核戦力も即応態勢に入らせる用意があったと趣旨を述べたものであり、核兵器の使用とまでは断じていないと承知をしております。  ロシアによるクリミアの一方的併合などの力による現状変更の試み、これについては断じて認められないものであります。我が国としては、G7の連携を重視しつつ、ウクライナ問題の平和的、外交的解決に向け、引き続きロシアに対して建設的な役割を果たすよう働きかけを行ってまいります。  いずれにせよ、核兵器の使用などは断じてあってはならないと考えており、唯一の戦争被爆国として、引き続き核兵器のない世界に向けた取組を前進させていく考えでございます。
  91. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 大臣も、この点についてどういうふうに考えていますか。
  92. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のプーチン大統領の発言につきましては、まず基本的に、力による現状変更、ロシアによるクリミアの一方的な併合、これは断じて許してはならない、これは当然のことであります。そして、いずれにしましても、核兵器の使用はあってはならないと考えており、引き続き核兵器のない世界に向けた取組を進めていきたいと考えています。  また、今回のクリミア併合そのものが九四年のブダペスト合意との関係においてこれは問題であると認識をしております。こうしたことが核軍縮あるいは不拡散の後退につながるようなことがないように、より一層、唯一の戦争被爆国として、核軍縮・不拡散にしっかり取り組んでいかなければならないと考えます。
  93. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、時間の関係もありますのでちょっと順番を変えまして、防衛省にお尋ねいたします。  それは、島根県浜田市における米軍機の飛行に係る騒音問題でございます。  米軍岩国基地のF18などの米軍機の飛行訓練についてお尋ねいたします。私ども公明党の地方議員から、特に島根県西部における米軍機の低空飛行訓練による騒音問題について、従前から率直に言いまして悲鳴のような声を聞いております。実際、昨年の十一月十二日には、特に深刻な事態となっております浜田市、その市会議員と市当局の担当者が国会に来られまして、現状について伺う機会を持ちました。これには石川防衛大臣政務官も参加をし、切実な声を聞いているはずでございます。中には、夜間の訓練もあるということでありますし、民家の窓ガラスが割れるような騒音もあった、このように聞いているわけでございます。  こうした実態を防衛省としてはどのように把握をしているのか、まずこの現状認識について、現状調査についてお尋ねをいたします。
  94. 石川博崇

    ○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。  米軍そのものが訓練を通じてパイロットの技能の維持及び向上を図ること自体は即応態勢を維持する上で不可欠な要素でございまして、在日米軍が実施している飛行訓練というもの自体は日米安保条約の目的達成のために極めて重要であると考えております。  しかしながら、もちろんそうした飛行訓練を実施する際には、安全性が確保されていることが最も重要であると同時に、地域の住民の方々への配慮がなされることが不可欠でございます。在日米軍も安全性の確保及び地域住民への影響の最小化に配慮しながら訓練を行っているものと承知しているところでございます。  しかしながら、今、荒木先生から御指摘をいただきました島根県浜田市の住民の方々からは、我が防衛省中国四国防衛局に対しまして島根県を通じて米軍機の飛行に関する苦情を多数寄せていただいているところでございます。私自身も昨年十一月に公明党で主催していただいた島根県西部における米軍機騒音問題対策会議に出席をさせていただきまして、浜田市における米軍機の飛行訓練の映像を視聴させていただくとともに、市の職員あるいは市議会議員の方々から直接地元住民の方々の声を伺わせていただく機会を頂戴をいたしました。  防衛省といたしましても、これまで島根県知事からの要請あるいは地域の方々からの苦情等、米軍機の飛行に関する苦情が多数寄せられている状況でございまして、こうしたことを踏まえて、平成二十五年九月から試行的な騒音調査を実施をさせていただいております。浜田市に騒音測定器を設置させていただいておりまして、調査を行わせていただいております。これまでの調査によれば、平成二十五年九月から二十七年二月までの間において、七十デシベル以上の騒音発生回数が月平均で約六十六回となっている状況を防衛省として現在把握させていただいております。  今後とも、引き続き浜田市における騒音状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
  95. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 七十デシベル以上の訓練が月六十六回ということは大変多いと、このように思っております。  今も答弁にありましたように、島根県、また浜田市からもそうした苦情が来ているわけでありますので、この地元の苦情に対して防衛省はどのように対応したのか、お尋ねいたします。    〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕  事態が改善されないことから、周辺五市町村における米軍機騒音対策協議会が発足をし、低空飛行訓練の中止を求めて県共々に要請活動を行っているところでございます。当然、これは防衛省あるいは日本政府として住民への影響が最小限度になるように米軍に強く要請すべきだと考えますが、いかがでしょうか。どのように対応してきましたか。
  96. 石川博崇

    ○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。  今、荒木先生御指摘いただきました米軍機騒音対策協議会、周辺五市町村によって発足いただいているものでございますが、平成二十五年十月と平成二十六年十月にこの騒音対策協議会の方々が島根県知事と共に防衛省を訪問され、島根県における米軍機による飛行訓練の中止等の要請をされたと伺っております。  防衛省におきましては、米軍機の飛行に係るこのような苦情を受けた場合には、米軍に対しましてその内容を通知し、事実関係を問い合わせるとともに、その結果を地方自治体等に情報提供をさせていただいております。  防衛省といたしましては、米軍機の飛行に際しては、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう、今後とも引き続き米側に働きかけてまいりたいと考えております。
  97. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 その都度米軍に対して申入れといいますか伝達をしてあるということですけれども、その結果少しはこの事態の改善というのはあったんでしょうか。
  98. 石川博崇

    ○大臣政務官(石川博崇君) 特に島根県の浜田市に所在する認定こども園あさひ子ども園の園児の方々が米軍機の騒音に悩まされているということを伺っております。こうした地元の声もしっかり伝えさせていただいておりまして、今後とも米側に働きかけ、また騒音調査についても継続をさせていただきたいと考えております。
  99. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 今も答弁にありましたように、この浜田市には、認定こども園あさひ子ども園がありまして、そういう飛行訓練のときにたまたま当たってしまうと園児が泣き出してしまうというようなことも聞いているわけでありますので、今後そうした地元の具体的な声をしっかりと政府において米軍に伝えていただくことを要請いたしまして、この件については終わりたいと思います。(発言する者あり)じゃ、石川さん。
  100. 石川博崇

    ○大臣政務官(石川博崇君) 今御指摘をいただきました特に認定こども園あさひ子ども園の園児が泣き出したり恐怖心を抱くといった苦情が寄せられていることにつきましては、防衛省としても承知をしているところでございます。  島根県の意向を踏まえまして、あさひ子ども園の近傍に先ほど申し上げました騒音測定器を設置をさせていただいて騒音状況の把握に努めているところでございます。また、その騒音測定のデータを米軍に対して示しつつ、地域住民に与える影響を最小限にするよう配慮を求めてきているところでございます。  こうした中、米軍は、島根県から特に山間部の保育施設に関し深刻な状況が累次指摘されていること等を受け止めて、飛行訓練の実施に当たり、現在更なる配慮を払っていると承知をしております。  いずれにせよ、防衛省といたしましては、米軍機の飛行に際しては、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう引き続き米側に働きかけてまいりたいと考えております。
  101. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 是非、大臣また大臣政務官共々、取り組んでもらいたい、このように思います。  それでは、また外務大臣に戻りまして、開発協力大綱に関して二点ばかりお尋ねしたいと思います。  昨年はODA大綱が見直されまして、本年二月には新たな大綱、開発協力大綱が策定をされました。我が国は、新たな大綱の下でポスト二〇一五年開発目標の合意や二〇二〇年以降の地球温暖化防止に関する枠組みの合意にも臨むわけでありまして、こうした大綱に盛り込まれた考え方、中でも人間の安全保障という考え方をポストMDGsなり、あるいは地球温暖化防止会議の議論にしっかりと反映できるようリードしてもらいたいと考えております。  そこで、今年の五月に福島県いわき市で第七回太平洋・島サミットが開かれます。今申し上げました新たな開発協力大綱にもこの島嶼国の開発支援の必要性ということも盛り込まれているわけでありますので、この太平洋・島サミットでどのような合意を目指し、日本としてリードしていく考えなのか、大臣にお尋ねします。
  102. 豊田欣吾

    ○政府参考人(豊田欣吾君) お答え申し上げます。    〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕  大洋州、カリブ諸国を始めとする小島嶼国は、気候変動による海面上昇や自然災害による被害に大きな影響を受けやすいといった特有の脆弱性を抱えてございます。こうした認識を踏まえて我が国は、新たな開発協力大綱の下、環境、気候変動、防災といった小島嶼国特有の開発課題に特に配慮しつつ、今後とも各国のニーズに即した支援を実施していく方針でございます。  お尋ねの第七回太平洋・島サミットに向けての対応でございますが、前回のPALM6におきまして、日本は三年間で五億ドルの支援を約束してございます。PALM6後、二〇一二年度及び二〇一三年度の二年間でコミット額を超える五・三四億ドルの支援を実施してきました。PALM7におきましては、これまでの支援の継続性も踏まえ、太平洋島嶼国が抱える諸課題に共に取り組むため、我が国の経験や知見を生かした支援を検討してまいりたいと考えております。
  103. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 この新たな開発協力大綱には、ODAの量をGNI比で〇・七%とするという国際的目標を念頭に置くということが初めて記されたわけであります。ODA予算の増額というのはなかなかままならない状況ではありますけれども、我々与党としても全力でバックアップをしていきたいと思いますので、このODA予算の増額についての大臣の決意をお尋ねします。
  104. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) ODAのこの対GNI比〇・七%目標ですが、これは一九七〇年の国連総会において合意されたものですが、それ以降、我が国としましても繰り返しコミットしてきたものであります。そして、ただいま委員の方から御指摘いただきましたとおり、今般策定した開発協力大綱においても、この国際目標を念頭に置きつつ、開発協力の実施基盤の強化のために必要な努力を行う、こうしたことを明記させていただきました。  我が国のこのODAの状況ですが、二〇一三年の我が国のODAの対GNI比は〇・二三%でありまして、DAC加盟国二十八か国中十八位にとどまっております。外務省としましても、これからも引き続きグローバルな課題にしっかり貢献していくためにも、日本らしい、そして質の高い協力を実施していかなければならないと思っておりますが、あわせて、額におきましても〇・七%目標の達成に向けて努力をし、我が国の外交にとりまして最も重要な手段の一つであります開発協力を効果的にそして戦略的に展開するために、予算確保も最大限努力していきたいと考えています。
  105. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 最後に、この開発協力大綱につきまして大臣の決意をお尋ねいたします。  今回の大綱は、これまでのODA大綱と同様に、人間の安全保障を日本のODAの開発協力の指導理念としております。新たな大綱の下でも、非軍事的貢献を重視してきた日本の強みを生かす方針が明確に生かされているところでございます。  今回の五月の、先ほど言及しました太平洋・島サミットもその実践の一つであると思っておりますけれども、この新たな大綱の下での人間の安全保障の推進について、大臣の見解を最後にお尋ねします。
  106. 宇都隆史

    ○大臣政務官(宇都隆史君) 御指摘のとおり、開発協力大綱では、人間の安全保障の考え方を我が国の開発協力の根本にある指導理念と改めて位置付けました。新しい大綱を踏まえ、人間一人一人、特に脆弱な立場に置かれやすい人々に焦点を当て、その保護と能力強化を通じて人間の安全保障の実現に向けた協力を行ってまいります。  また、国連防災会議や太平洋・島サミットなど、様々な機会において開発協力に関する議論を行う際には、こうした我が国の理念を踏まえ、日本の強みを生かした貢献を引き続き打ち出していく考えでございます。
  107. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 終わります。
  108. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  今日は、まず自衛官募集の問題についてお聞きいたします。  二〇一三年の十二月に閣議決定された新しい防衛大綱に、初めて自衛官募集に関する内容が盛り込まれました。社会の少子化、高学歴化に伴う募集環境の悪化を踏まえ、多様な募集施策を推進するとしております。その下で、昨年の七月の一日には、集団的自衛権行使容認等の閣議決定が行われました。この日が解禁日だったということで、同日、全国でこの適齢者である高校三年生に自衛官の募集のダイレクトメールが発送されたと。時が時だけに、赤紙が来たのかと思ったとか、なぜうちの子の個人情報を防衛省が知っているのかとか、こういう声が全国で上がったのは報道されたとおりであります。  自衛隊は、このダイレクトメールの送付などの自衛官募集活動のために、市町村から自衛官の適齢者情報の提供を受けております。その形態は二つ、一つは住民基本台帳の閲覧によるもの、それから紙媒体等の名簿の提出によるものということだと思いますが、住民基本台帳の閲覧により提供している市町村の数及びそのうち抽出した名簿で行われている数、それから、紙媒体等で名簿を提出している市町村の数及びそのうち電子データで提出している数はそれぞれどうなっているでしょうか。
  109. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) まず、各四情報の提供件数、今委員お尋ねのあった件でございますが、全部で、これは二十七年の二月一日現在でございますが、住民基本台帳の閲覧によりますのが千八十八件でございます。それから、紙媒体等での資料の提供を受けておりますのが五百八十一件でございます。
  110. 井上哲士

    ○井上哲士君 閲覧のうちに抽出でやっているものは何件ですか。
  111. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) いわゆる抽出閲覧の件数につきましては、同じく今年の二月一日の時点で七百五件でございます。
  112. 井上哲士

    ○井上哲士君 この閲覧の場合、それからその名簿の提供という場合ですね、それぞれの法的な根拠はどうなっているのでしょうか。
  113. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) まず、資料の提供を受けていると、これにつきましては、直接の根拠といたしましては、自衛隊法の施行令の第百二十条でございます。それから、閲覧に関しましては、自衛隊法におきましては第二十九条、それから第三十五条でございます。
  114. 井上哲士

    ○井上哲士君 自衛隊法に基づいて、そして市町村は住民基本台帳法で対応していると、こういうことでよろしいですかね。
  115. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) 基本的には今おっしゃったとおりでございます。
  116. 井上哲士

    ○井上哲士君 個人情報を守るという今日の流れ、そして法律の趣旨等からいいますと、私はこの根拠というのは大変疑義がありますし、そういう声があります。同時に、法律そのものに反することが行われております。  昨年、自衛隊の新潟地方協力本部が、中学生の情報に関する資料提出を市町村に求めました。しかし、高等工科学校生というのは自衛隊員という扱いでもうなくなっているわけですね。ですから、自衛隊法に基づく資料提出を求めることは本来できないはずであります。  それから、自衛隊の滋賀地方協力本部が県内の中学生本人に自衛隊高等工科学校の募集のダイレクトメール五百一通を送りました。これも大きな問題になりましたが、中学生の場合は本人ではなくて家庭に送るというふうにしている防衛事務次官の通達にもこれ反しているわけですね。  ほかにこういう同様の違反の事例はなかったのか、なぜこういう違反が起きたのか、再発防止策はどうするのか、大臣、いかがでしょうか。
  117. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) 今委員おっしゃったように、中学生に直接ダイレクトメールを送ったその滋賀の例、あるいは中学生の関する情報を市町村に求めた件と、これについてはいずれも適切でない例でございまして、まさにその点につきましては本当に私ども深く反省しているところでございます。  それで、実際に、原因あるいは理由ということにつきましては、私どもの認識では、基本的には自衛官等に関する募集事務の実施部署、実際の実施いたします各地方協力本部でございますけど、そういうところで根拠となる規則、根拠となる法令等の理解が徹底されていなかったことではないかというふうに考えておりまして、したがって、対策といたしまして、自衛官等の募集事務を行う部署へのそういった法令関係の教育を徹底しまして、関係規則類の周知徹底を図る、それによって再発を防止してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  118. 井上哲士

    ○井上哲士君 ほかに同様の違反例はなかったのかということをお答えいただいておりません。  それから、今そういう関係部署に徹底を図ると言われていますけれども、そういう会議はどういう範囲で、どこが参加してやっているのか、今回の問題についてはどこで徹底をされたんでしょうか。二点、お答えください。
  119. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) まず、今、同様の件はなかったかということにつきましては、中学生本人にダイレクトメールを送ったという件につきましては、この滋賀の例だけだというふうに、私ども調べたところでは滋賀の例しかなかったというふうに認識しております。  それから、市町村に対して中学生に係る資料の提出を求めたと、この件につきましては、残念ながら二十一個の、新潟地本を含め全部で二十一個の地方協力本部からそのようなことを行ったという事例を確認したところでございます。
  120. 井上哲士

    ○井上哲士君 二十一の地方本部でやっていたと、驚くべき数でありまして、報道では新潟の件しか、報道というよりも、これ質問主意書に答弁でこの新潟の件しか認めていなかったのが、今二十一もあったと、私、大変驚いております。  それで、先ほどの問いですけれども、そういう担当者に対する会議はどのぐらい、どういう参加者でやっているのか、この件についてはどういう形で徹底をしたのか、お答えください。
  121. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) 私どもその点を認識いたした後に、地方協力本部からの募集担当者の全国的な会議、そういった場におきまして、こういった事例を示しまして、こういうことが起こらないようにということで周知徹底を図るなどしたところでございます。
  122. 井上哲士

    ○井上哲士君 まさに法律そのものに反するようなことが行われているということでありますが、確認しておきますが、この適齢者情報の紙媒体等での資料の提出について、これ自衛隊からはあくまで依頼であって、これに応じるかどうかは市町村の判断だということが、過去、繰り返し答弁をされてきました。例えば、二〇〇三年四月二十三日、これは当時の石破防衛庁長官の答弁ですけれども、私どもは依頼をしているわけでございますし、そのことについて答えられないということであれば、それはそれで仕方がないとしているわけですけれども、この点に変わりはないでしょうか。  これ大臣の元々答弁ですから、大臣お答えください。
  123. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 防衛省といたしましては、募集対象者の情報についての資料の提出をいただくことは自衛官及び自衛官候補生の募集事務の円滑な遂行のために必要であることから、資料の提出の根拠となる法令等を丁寧に説明した上で、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いをいたしております。  こうした従来の防衛省の姿勢には、現在も変わりはありません。
  124. 井上哲士

    ○井上哲士君 市町村が可能な範囲で答えるということに変わりはないというお話でありました。  もう一点、本人やその親などから、適齢者情報名簿から自分の名前ないしは子供の名前を削除してほしいと、こういう求めがあった場合、これもやはり当時の石破長官が、それは自治体の判断だと答弁をされております。この点も変わりないかということと、それから、本人ないしは親御さんなどが防衛省に対して自分や子供へのダイレクトメールの発送はしないでくれと、こう求めた場合はどういう対応をされるんでしょうか。
  125. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 募集対象者本人等から市町村に対して、防衛省に提出する資料に当該資料を記載しないでもらいたいとの申出があった場合の対応は当該市町村が判断すると考えますが、防衛省に対して募集に係るダイレクトメールを送付しないでもらいたい等の申出があった場合にはその意向を尊重して対応いたします。
  126. 井上哲士

    ○井上哲士君 この問題で、防衛大臣の地元である高知県の自衛隊の地方本部の対応について更にお聞きいたします。  高知市ではこれまで自衛官の適格者情報の提供は住民基本台帳の閲覧で対応をしてまいりました。ところが昨年、自衛隊の高知地本が高知市に対して、書面で資料を提出するよう強く求めました。お手元に資料を配付しておりますけれども、昨年の十二月の二十五日に、自衛隊の高知地本募集課長の名前で高知市に対して送付された文書であります。  この文書の二、現状の問題点というところで、法定受託事務として各市町村長がその一部を行うとされている四情報の提供が自治体判断により執行されていない、代替手段として住民基本台帳法第十一条に基づく閲覧行為として扱われている現状は、行政の無駄を削減し効率的な事業の実施を必要とする昨今の行政への期待に反していると、こう書いているわけですね。  地方自治体は、個人情報を勝手に使ってほしくないとかいろんな住民の声がある中で、その期待にも応えていろんな判断をしているわけですね。それを、まるで地方自治体がまともな行政を行っていないかのように述べた上で、今年度、従来の方針を変更し強く適齢者情報の提供を求めるという内容の文書になっております。  この文書については一月十日の地元紙でも大きく報道されまして、高知市は法定受託事務を果たしていないなどと指摘されたことはないと、なぜ今になってこんな要請が出るのかとコメントをし、困惑をしているということが紹介をされておりますし、高知市の三月市議会でも問題となっております。  この文書の関わる事実経過及びこの文書に対する防衛省の見解及び対応について、大臣、いかがでしょうか。
  127. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) 今委員御指摘の資料につきましては、経緯といたしましては、昨年の十二月に高知地方協力本部の募集課長から市の方に提出、手交されたものでございます。  内容につきましては、今おっしゃったとおり、本来、先ほど申し上げました自衛隊法施行令百二十条の趣旨を踏まえて、市町村長に対しては関係の情報について資料の提出を依頼すべきものでございまして、それを越えて、今御紹介あったような内容の文書を出して要求するということは適切でないということでございます。  この防衛省からの、実際にその行為につきましては、後日でございますけれども、これ、三月、今月でございますけれども、高知の地方協力本部長が高知市長に対しまして、防衛省の従来の立場を踏まえずに不適切に資料提出を要請したことについて謝罪をいたしているところでございます。これ、防衛省としても全くそのとおりということでございます。
  128. 井上哲士

    ○井上哲士君 不適切であり、謝罪をしたと、それは当然だと思うんですね。  私は、本来依頼なのに、強く求めるということを書いた理由の、この(3)のところもまたひどいと思うんですね。平素から自衛官募集等に関する強固な信頼関係を確立し、地元の地理に精通した高知市出身隊員を多く輩出することは、南海トラフ地震等発生時の円滑な震災対応基盤の構築につながると、こう書いているわけです。  高知市の市民協働部長は、平和新聞の取材に答えて、災害発生時に自衛隊が対応するのは当然のことで、それと自衛官募集のための名簿提出を一緒にするのはどうかと、まさかそれを盾にしてということではないと思うがという不快感を示しております。私も本当にそう思うわけでありますが、まさか大臣、こういう災害発生時の対応と名簿提出ということを盾に取るというふうな考えをお持ちではないでしょうね。
  129. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 自衛官等の募集活動に当たっては、国民の皆様及び地方公共団体の御理解があって成り立つものでございます。このため、自衛隊の活動などについて説明することは重要であると考えておりますが、しかし、高知地本募集課長が高知市に提出した文書は、自衛官及び自衛官候補生の募集に必要な募集対象者の氏名等の情報に係る資料の提出の必要性について説明するためのものであったことから、御指摘の点につきましては、当該説明に直接無関係な内容であり、不適切であったと考えております。
  130. 井上哲士

    ○井上哲士君 もう一回これ大臣に確認いたしますが、この文書は、法定受託事務が執行されていない、昨今の行政への期待に反しているなど、まるで市町村が怠慢だと言わんばかりの中身の文面になっております。この文書が防衛省の従来の立場を踏まえていないということでありますが、つまり、防衛省としては、現在の市町村の対応が適切でないとは考えていないと、不適切だとは考えていないと、こういうことでよろしいですか。
  131. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 自衛官及び候補生の募集は、自衛隊の人的基盤を支えるとともに、組織の精強性を維持するという観点から極めて重要でございまして、地域社会との深いつながりを有する地方公共団体を通じて確実に行うということも必要不可欠でございます。  防衛省としましては、募集対象者の情報についての資料の提出をいただくことは、自衛官及び自衛官候補生の募集事務の円滑な遂行のために必要であると考えており、地方公共団体から一定の理解を得ているものと考えております。引き続き、資料の提出の根拠となる法令等を丁寧に説明をいたしまして、地方公共団体が実施し得る可能な範囲においての協力をお願いしていきたいと考えております。
  132. 井上哲士

    ○井上哲士君 防衛省の姿勢は繰り返しなので分かりますが、その結果、今地方自治体が判断をして、可能な限りの対応をしているというこの現状を、防衛省として適正でないとお考えなのかどうかということをお聞きしているんです。
  133. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 基本的には防衛省からの依頼でございまして、今回、高知地本の募集課長が高知市に対してそういった防衛省の従来の立場を踏まえずに不適切な要請を行ったということは誠に遺憾に思いまして、今後改めて地本に対する指導を徹底してまいりたいと思っております。
  134. 井上哲士

    ○井上哲士君 つまり、現状が適正でないという認識ではないということで、確認しますが、よろしいですか。
  135. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) はい。今回は不適切であったということで、今後指導を徹底してまいりたいと思っております。
  136. 井上哲士

    ○井上哲士君 なぜ防衛省のそういう立場と違うこういう文書が現場の課長から発出をされたのかと。ちょっと組織的としか考えられないかと思うんですが、これはなぜなんでしょうか。
  137. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) 先ほどの御答弁と少し重なるかもしれませんけれども、私どもは現場における関係法令、関係規則の理解が十分でなかったということが主なその原因ではないかというふうに考えておりまして、繰り返しになりますけれども、そこら辺の理解をまず現場に徹底させていくということが再発防止のために重要なんだというふうに考えているところでございます。
  138. 井上哲士

    ○井上哲士君 担当部署の会議などで徹底するというお話でありましたけれども、そこの中身がどうなのかということなんですね。  ここ、私、今持っていますのは、この防衛大綱が閣議決定される直前の、二〇一三年の十一月六日に開かれた自衛隊の募集・援護担当者会議に出された説明資料を今、私、手元に持っております。  この中身を見ますと、新防衛大綱において強化すべき人事機能として、陸上自衛隊の人事業務の現状や強化方向等が示されております。閣議決定前にもかかわらず既に決まったかのような記述になっているわけでありますが、その資料の二十二ページを見て私は驚いたんですが、地方自治体との役割分担による法定受託事務の適正化と、こういう見出しになっているんですね。そして、法定受託事務において自治体に最も期待する自治体からの適齢者情報の提供は約三割にとどまっていることから、今後の協力を拡大するための方策が必要だと、こういうふうに述べております。  先ほど、防衛省、防衛大臣は、今の市町村の対応について不適正と考えているのかと聞きますと、そうではないというお話だったわけですね。ですから、にもかかわらず、この自衛隊の内部の会議では、現状は不適正だと、こういう認識を全国の担当者に伝えていると。これ、全く反しているんじゃないですか。
  139. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) 恐らく、今委員が御紹介いただきました文書、その趣旨につきましては、私ども自身の、先ほど大臣からもございました募集のために必要な資料を提出いただくために、関係の法的根拠を丁寧に説明した上で地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いする、この努力を強化していかなければならないと、そういう趣旨のものというふうに私ども考えているところでございます。
  140. 井上哲士

    ○井上哲士君 適正化が必要だということは、現状が不適正だと、こういうことの裏返しなわけですね。  先ほど述べましたように、まさに今の協力が三割にとどまっているということを挙げて、不適正だと、現状がですよ、適正化が必要だと、こういう認識を述べられているのが、先ほど来のこの高知の文書が適切でないといったことの答弁と違うと言うんですよ。  この資料は、適正化の方向性と幾つかの項目を挙げておりますが、その一つに、地本による自治体の働きかけ(あるべき姿の共有)と、こういう項目があるわけですね。ですから、この会議の提起に基づいて高知地本の課長がストレートに対応したということだと思うんですね。適正じゃないから直さなくちゃいけないということで、この法定受託事務が執行されていないと、こういう強い言い方をして市に迫ったと。ですから、防衛大臣がこの間繰り返し歴代答弁している、そういうことと違う中身をこういう会議で認識を徹底をして現場で進めていると、私はこういうことがあってはならないと思うんですが、大臣、地元で起きていることですから、しっかり対応してほしいと思いますが、いかがですか。
  141. 真部朗

    ○政府参考人(真部朗君) 確かに、今御紹介いただいた文書、表現ぶり等に誤解を招きかねないところがあり得たものかと思います。今後は、いずれにせよ、そういった関係、現場の募集担当者等に対して、誤解を招かないような形で指導をいたしていきたいというふうに考えております。
  142. 井上哲士

    ○井上哲士君 全国の会議で、適正化が必要だと、こういうことが言われたから、それをやらなくちゃいけないということで、私は、現場の課長が、防衛大臣の地元でもあるし、そういう思惑があったかどうかは知りませんけれども、さっき言ったような高知地本の文書になったわけですよ。  ですから、なぜこういう表現が行われているのか、防衛大臣が答弁していることと違うようなことが自治体の内部の会議で徹底されているとすれば重大問題でありますから、これは大臣、きちっと事実を調査をして対応していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
  143. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 今回、不適切な要請が行われたことを踏まえまして、改めて地本、協力本部に対する指導、これを徹底してまいりたいと思っております。
  144. 井上哲士

    ○井上哲士君 この会議の資料自身をきちっと取り寄せて間違いを正すということが必要かと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
  145. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 改めてこの文書を精査をいたします。基本的には、依頼に関して、地方公共団体に対して資料の提出の根拠となる法令等を丁寧に説明をして、可能な範囲で協力をお願いをするということが本意でございますので、それを徹底してまいりたいと思っております。
  146. 井上哲士

    ○井上哲士君 そういう大臣の答弁と違うことが自衛隊の担当者の会議でやられているということを私は問題にしているので、ここはきちっと対応していただきたいと、改めて強く求めておきたいと思います。  その上で、残された時間、集団的自衛権行使の三要件の問題についてお聞きをいたします。  集団的自衛権の行使は、攻撃を受けている国からの要請があることが前提とされるわけです。外国から集団的自衛権行使の要請があって、日本がこれに応えるか否かを検討する際に、その要請元の国が自衛権行使と主張して行っている武力行使そのものの正当性というものは、日本政府が検討、判断を行うんでしょうか。
  147. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、憲法上許容される武力行使を行うに当たっては国際法を遵守するということ、これは当然のことであります。そして、その際に、まずは国際法上、集団的自衛権を行使するために課せられている要件、一般的には、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意があること、そして他に適当な手段がないこと、そして必要最小限度の実力行使であること、こうした要件を満たす必要があります。そして、こうした国際法上の考え方を踏まえつつ、我が国が武力行使を行うか否かについては、あくまでも新三要件を満たすか否かによることになります。  しかし、いずれにしましても、国際法に従っていない国を支援することはあり得ません。ですから、仮に、ある国家が何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず違法な武力の行使を行っているような場合、そういった国を支援することはあり得ないと考えております。
  148. 井上哲士

    ○井上哲士君 つまり、相手国、まあ要請国の武力行使の正当性については、三要件に合致するかどうかの前に判断をすると、こういうことでよろしいんでしょうか。
  149. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 前か後かは分かりませんが、いずれにせよ、先ほど申し上げました国際法上の要件、集団的自衛権の要件、そして我が国の新三要件、そして、何よりも国際法を遵守していない国を支援することはあり得ません。正当な自衛権を行使しているかということは、これはしっかり判断しなければならないと考えます。
  150. 井上哲士

    ○井上哲士君 これまでいろんな、周辺事態法であるとか様々な自衛隊の後方支援の議論に関わって、同盟国であるアメリカが国際法違反を行うことは想定されないと、こういうような答弁も多々ありました。  ただ、実際、アメリカ自身が、イラク戦争は間違っていたと、こういうことをブッシュ大統領自身が言っているわけでありますし、今回は、アメリカ以外の密接な関係のある国の場合でも集団的自衛権行使は可能と、こうしているわけですね。ですから、その武力行使の正当性というものの判断を必ずする必要があると思うんですが、そうしますと、例えば要請国の行った武力行使が先制攻撃であって、それによって反撃を受けた場合、この場合は、先制攻撃は国際法上違反でありますから、日本は集団的自衛権の行使をしないと、こういうことでよろしいんでしょうか。
  151. 山上信吾

    ○政府参考人(山上信吾君) 委員御質問の件でございますが、国連憲章上は、自衛権の発動が認められるのは武力攻撃が発生した場合であるということが明確に規定されております。したがいまして、単に武力攻撃のおそれや脅威があるだけでは自衛権の発動は認められません。よりまして、いわゆる先制攻撃や予防戦争などが国際法上認められないということは、従来から政府として申し上げているとおりでございます。
  152. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、認められないけれどもやっているわけじゃないですか、多々アメリカは。  じゃ、更に聞きますが、アフガニスタンに対する攻撃は、これは対テロ戦争だということでアメリカはやったわけですね。NATOは集団的自衛権行使ということで参加をしたわけでありますが、こういう対テロ戦争、自衛権の発動だと言ってきた場合に、日本はそれを正当のものとして考えるということでいいんでしょうか。
  153. 山上信吾

    ○政府参考人(山上信吾君) 個別具体の事情にどのように判断するかというのは、その際の国際情勢とか、攻撃国の意図とか、攻撃の態様等々、もろもろの事情を勘案して判断する必要がございますので、ここで一概に断定するわけにはいきませんが、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、武力攻撃の存在というものが自衛権の発動の前提になるという考えに立って、国際法上認められない行為を我が国として支援することはないということでございます。
  154. 井上哲士

    ○井上哲士君 それをどう担保していくのかなどなど、更に今後聞いていきたいと思いますが。  日本が集団的自衛権の行使をする場合に、現に自国が攻撃を受けている、それを排除するための作戦を行っているところに後から日本が入っていくということが基本的ケースだと思うんですが、その際、日本の自衛隊はそういう作戦行動の指揮下に入るということになるんでしょうか。
  155. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 先般の閣議決定におきましても、憲法九条の下で許容されるのはあくまでも国民の命と幸せな暮らしを守るための必要最小限度の自衛の措置のみでございます。海外で我が国の安全と無関係な戦争に参加することは断じてありません。  我が国に対する武力攻撃に際して日米が共同対処する場合について言えば、我が国は従来から適時適切な形で種々の調整を行いつつ、日米がそれぞれの指揮系統に従って行動することとしておりまして、自衛隊が米軍の指揮下に入るということは想定しておりません。  この新三要件が満たした場合に、我が国が集団的自衛権を行使する際にも、我が国が主体的に判断して行動すべきことであるから、同様に、自衛隊が外国の指揮下に入るということは想定していません。
  156. 井上哲士

    ○井上哲士君 そうしますと、今出ました第三要件の必要最小限に関わってくるわけですけど、集団的自衛権行使の際のこの必要最小限というのは、他国に対する武力行使を排除するための必要最小限ではなくて、我が国の存立が脅かされ、根底から覆される明白な危険に至っている武力攻撃を排除する上での必要最小限だと、こういうことでよろしいですか。
  157. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 第三要件に言う必要最小限度というのは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される原因をつくり出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度を意味いたします。それは、武力攻撃の規模、態様を始めとする具体的な状況に応じて判断することができると考えております。
  158. 井上哲士

    ○井上哲士君 そうしますと、その必要最小限は日本政府が判断をするということでよろしいですね。
  159. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) もちろん我が国が主体でございますので、我が国が判断するということです。
  160. 井上哲士

    ○井上哲士君 しかし、一旦戦闘に一緒に加わった場合にそういう判断が可能なんだろうかと。そもそも他国に対する武力攻撃が行われておりまして、これを排除する作戦が行われていると、そのうちに、じゃ、この作戦は日本の存立を脅かす武力行使を排除する作戦で、こっちはその国に対する武力行使のみを排除する作戦だというような切り分けが実際の現場でできるんでしょうか。どうやってやるんですか。
  161. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 新三要件の第三要件の必要最小限度は、我が国の存立が脅かされて、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される原因をつくり出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除し、我が国の存立を全うし、国を守るための必要最小限度を意味しておりまして、その具体的な限度というのは、武力攻撃の規模、態様を始めとする具体的な状況に応じて判断すべきであって、一概に述べることは困難ですが、いずれにせよ、個々の戦闘行為について逐一必要最小限度であるか否かを判断するものではございません。  なお、実際に我が国が武力行使を行う場合には、現実に発生した事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなりますが、そのために必要な情報については外交ルートや防衛当局間における情報交換その他の様々なチャンネルなどを通じて得ることが可能であると考えております。
  162. 井上哲士

    ○井上哲士君 法理論的にはそういうことなんだと思うんですよ。それがしかし、現場に行ったときに、この攻撃は日本の存立を脅かす事態だと、こっちの攻撃はそうではないというような切り分けが果たして現実のものとしてできるのか。そして、そういう判断をする上では、武力攻撃を受けている国が全局を当然見ているわけでありますから、そこからの情報ということになってくるわけでありますが、その国がわざわざこの部分は日本の存立を脅かすようなことですみたいな情報を出してくるのか。私は極めて非現実的だと思うんですけれども、大臣、そう思われませんかね。
  163. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) あくまでも主体は、我が国が判断をいたします。現実に発生した事態の個別具体的な状況に即しまして、全ての情報を総合して客観的、合理的に判断をすると。そのために必要な情報については様々なルートを通じて得て、適切にしっかりと判断をすることになります。
  164. 井上哲士

    ○井上哲士君 今日、午前中には予算委員会の公聴会もありまして、柳澤さんが来られておりましたけれども、現実にそういう作戦行動が行われるときに、その指揮下に入らない日本の自衛隊が入っていくということが極めて危険であり、かつ問題が多いんじゃないかということであるとか、そして、そういう切り分けが果たしてできるのかということは甚だ疑問だというお話もありました。私もそう思うわけですね。ですから、結局、足を踏み入れれば歯止めなき方向に入っていくのではないかと、こういう疑念をますます強くいたしました。  この問題は、更に今後質問していきたいと思います。  時間ですので、終わります。
  165. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできるということで、今回お断りしていましたね、済みません、ありがとうございます。元気があれば季節もやってくるということで、一月は行き、二月は逃げて、三月は去って、四月はどうするのか分かりませんが。  戦後七十周年ということで、テレビにも、あるいは新聞も含めて、毎日、戦時中のことが報道されていますけれども、また、中谷大臣におかれましては、先日、硫黄島に行かれて、本当にお疲れさまでした。  私も三十九年前に、最初に、今度天皇が行かれるペリリュー島にも行き、遺骨の収集、またサイパン、いろんなところを回ったことがありますが、先日、パキスタンのパーティーの折に、パプアニューギニアの大使関係の方が来られて、是非是非、パプアニューギニアにも大変な遺骨がまだ残っていますので来てくださいという話がありました。  それで、ペリリューや遺骨の収集に関して、今どのような状況で、これからどのように進めていくか、お聞かせください。
  166. 谷内繁

    ○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。  今議員御指摘のペリリュー島でございますけれども、昭和二十七年度から二十二回にわたりまして政府派遣団による遺骨収集を実施しておりまして、戦没者約一万二百人のうち約七千六百柱の御遺骨を収容しているところでございます。また、今月二十四日から二十九日までの間、まさに現在進行形でございますけれども、パラオ共和国及びペリリュー州政府の協力の下、まだ開いていない壕の調査を行っているところでございます。  御遺族が高齢化されている中で、一柱でも多くの御遺骨を早期に可能な限り収容できるよう、今後も引き続き、遺骨収集帰還事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
  167. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 次に、自衛隊の心のケアということについてお聞きをしたいと思いますが、たまたまこれもテレビを見ていたところ、先日、またアメリカが公開したものだと思いますが、米ソが全面戦争に突入しそうなキューバ危機の折ですが、米軍区内のミサイルがソ連や極東に向けて配置されていたわけですけど、それをゴー、発射というんですかね、命令が出て、発射寸前のところまで行ったときに、そこの司令官が、おかしいということで、その発射を、判断を自ら止めたというニュースが流れて、大変、第二の広島になってしまうようなことが回避されましたが。  私の友人からもらった本で、一生懸命、余り本を読むのは苦手なんですが、読んでいたところ、「悪の引用句辞典」というのがありまして、「人間の本性、社会の深層を見抜くために」。ちょっと長いんですが読ませてもらいますが、第一次大戦のときですね、「突撃」という一九五七年十二月二十日公開された映画で、カーク・ダグラスが主演で、第一次世界大戦のとある戦線、フランス軍のフルラール大将は、ドイツ軍の堅牢、陣地、俗称アリ塚というところを陥落させようと画策し、ミロー大将の部下であるダックス大佐は、カーク・ダグラスですが、兵士たちは疲れており士気も低く、攻撃は無謀です、いたずらに戦死者を出すだけだと抗議しますが、命令は覆らなかったと。作戦が開始されると、ダックス大佐はピストルを持って自分たち連隊の先頭に立ち、兵士とともに戦うが、熾烈な砲撃と機銃掃射で連隊は前進を阻まれる。そんなような状況でミロー大将から突撃命令が出される。しかし、鉄の嵐が吹き荒れる中、命令は実行できなかった。  突撃命令を実行しなかったとして、ダックス大佐、カーク・ダグラスですが、連隊は命令不服従の疑いを掛けられ、そして、ミロー大将はダックス大佐に対して命令不服従の代表として兵士三名を選ぶように命令する。兵士は形ばかりの軍法会議にかけられ、見せしめとして銃殺するためだと理解し、ダックス大佐は元弁護士という経歴もあり、軍法会議で果敢に上層部に立ち向かう。しかし、軍隊という組織は非情にも訴えを退け、不幸な兵士三人は、銃殺刑を言い渡しました。  こういうことなんですが、先日、やはりこれもテレビを見ていたときに、硫黄島の最後のとき、もう二つに分かれたというか、やはり命を大事にするべきだと、今後日本のために君たちは頑張らなきゃいけない、しかし、その反対派は、とにかく命を捨てても日本の名誉をというようなことで、分かれた状況のテレビが放映されましたが。  本当に、自衛隊の中でそういうような極限の状態とか、私は経験がないんですが、リングに立つたびに非常に神経もすり減らしたり、そんな中で、前にも自衛隊員の自殺の問題が出ていましたが、その辺の心のケアについてお伺いしたいと思います。
  168. 塚原太郎

    ○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。  自衛隊の精強性を維持するため、隊員は心身の健康を保持し、任務を支障なく遂行できる体制を整えることが非常に重要であると考えております。  防衛省・自衛隊におけるこれまでのメンタルヘルス対策につきましては、メンタルヘルス施策強化月間の設定や啓発促進のための教育資料の作成、配付等を行うとともに、カウンセリング体制の充実を図っております。具体的に申し上げますと、各駐屯地、基地などに部内カウンセラー、部内の相談員やメンタルヘルスに関する専門知識を有する臨床心理士を配置しております。また、部外の有識者や部外のカウンセラーを招聘するなどして相談の充実強化、あるいは教育訓練ということを実施をしております。  防衛省では、隊員が適切な任務遂行ができるようにメンタルヘルスケアの機会の充実などの施策に引き続き推進をいたしまして、今後も隊員が安心して相談などを行えるよう所要の体制整備を行うなど、メンタルヘルスに万全を期してまいりたいと存じます。
  169. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 前にも文科省で一回質問させてもらったときに、下村文部大臣に、今、マハリシという、超越瞑想なんですが、事前に役所の方が来て、この質問はと言われたんですが、本人に言ったら、是非是非言ってくださいということで。今、南米やいろんなところでは本当にこの瞑想方法を取り入れて、非常に事件、あるいは刑務所でも取り入れているそうですが、こういうものもひとつ自衛隊の中でも検討されたらいかがかと思います。  そこで、スリランカの港湾についてお聞きしたいと思いますが、去年九月ですか、安倍総理がスリランカに行かれました。これはどういうわけか余り報道が出ていなかったんですが、私もその一週間後に訪問させてもらい、ちょうどダルマパーラ生誕百五十周年、このお坊さんは大変すごいお坊さんで、一八六四年から一九三三年までいた、非常に、仏教の先覚者あるいは建国の父ということで国民から大変慕われ、信頼されている方ですが、その中で、私の仲間でウパテッサというお坊さんがいるんですが、このお坊さんのまた招きで行くことになったんですが。このお坊さんも大変すばらしい人で、先日はローマ法王を自分のお寺にお招きしたりする方で、仏教界では非常に活躍している方で、その人の招待で行きましたし、この間はまた、インドのモディ首相も会われたようですが。  私がちょうど訪問したときに、その一週間後に、総理の後に訪問したんですが、そのときに習近平首席が訪問されていまして、ちょうど最大のお祭りの日だったんですが、競技場でも大変な人でしたが、本当かどうか知りませんが、ちょうど大統領選の最中で、それで習近平首席がこう言われたというんですが、とにかく安倍総理の人の倍を集めろというメッセージがあったそうで、それで、そこに来るはずの人たちが空港へ行ったという話を聞きまして。まあそれはさておき、ちょうどその反対派に回って候補に立った、名前がシリセナ政権、今新政権が誕生したんですが、そのお坊さんもその方の応援していまして、非常に親日的であり、またインド政府とも非常に交流があり、またパキスタンとも非常にいいということを聞いていますが。  これから、どういうことかというと、シーレーンを今中国が押さえようとしていまして、やっぱりスリランカの港というのは非常に条件がいい。それで、どうしてもそこを中国が欲しかったと。それで、港湾の契約を全部、前大統領が契約をしたんですが、その新しい政権はそれを全部破棄しまして、白紙に戻すというような形で。  そういう中で、非常に情報を外務省もお持ちだと思いますが、私なりの本当に民間を通じた情報ということで、これから、できれば、私の場合はスポーツ交流ということですから、国民の皆さんに直接この長い顎を見てもらうということで、行くと皆さんが手を振ってくれて迎えてくれるんです。  そういう中で、日本にとってもインド同様、海上輸送の重要な拠点であると思います。ということで、今後、スリランカに対して、政府としてどのような見解をお持ちでしょうか。
  170. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) スリランカはインド洋の要衝に位置するということで、地政学的な重要性を有しています。また、近年、着実な経済発展を遂げています。経済的な潜在性につきましても国際社会から関心が高まっていると承知をしています。  日本政府としましては、スリランカの戦略的重要性及び歴史的友好関係、これを重視しております。これまでも、政治経済、そして経済協力、平和の定着支援など、幅広い分野において協力を推進してきました。そして、ただいま委員から御指摘がありましたように、今年一月、政権交代がありました。一月に発足したスリランカ新政権との間においても、日スリランカ関係を一層発展させるとともに、新政権の新たな国づくりに積極的に協力する考えです。  こういった考えにつきましては、まず、先月、城内外務副大臣をスリランカに派遣いたしました。我が国の考え方を伝え、先方の要人との意見交換、意思疎通を図ったところであります。それに加えて、今月三月十九日に、私自身、新しく就任しましたサマラウィーラ・スリランカ外務大臣と電話会談を行わさせていただきました。  我が国のこうした方針、新政権との間においても日スリランカ関係を一層発展させる、新政権の国づくりに積極的に協力する、こういった考え方をしっかり伝達をさせていただいた次第であります。
  171. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 次に、ニカラグア運河について。  前にもこれは質問をさせていただいたことがあると思いますが、ちょっと新聞の記事を、九〇年の古い新聞ですが、お配りしていただきましたが。ちょうどニカラグアのオルテガ大統領というのが、ちょうど選挙でチャモロ大統領に負けて、そのたすきを渡すんですね、外国というのは、負けても勝った方に競技場で。その式典に招待されて行きましたが。そのオルテガ大統領が、何年ぶりでしょうか、十六年ぶりぐらいにまた返り咲きましたけど。ちょうどイラクの人質のときに、私がイベントをやったときにすぐ横におられて、いや、あなたは今、神様がくれたお休みの時間じゃないですかと言ったら、うん、俺もそう思いますという、そんな返事が返ってきたんですが。  今回、非常に、このニカラグア運河というのは、竹下総理の時代ですね、話が盛り上がって、その後どうなったのかさっぱり話が消えてしまって、最近になってまたにわかに、ニカラグア運河の、中国が向こう百年間の契約をしてしまったということで。  この辺は中南米の劣等意識というか、アメリカの裏庭じゃないよという、そういう中で、パナマ運河の今のこれが拡張していますが、限界があります。それで、やはり新しい運河として、キロ数はちょっと長くなるようですが、その中で大量輸送というか、例えばブラジルとかああいうところから、鉄鉱石あるいは大豆だとかいろんなものがそこを通って、日本にもプラスになるのか知りませんが、中国にその喉元を押さえられてしまうという。  この辺について、外交戦略というのか、その辺をどの辺のスパンで見ているのか。本当に、竹下総理の時代にこれを日本が押さえていたら大変な状況になっていたんじゃないかなと。まあ、アメリカに気を遣わなきゃいけない日本ですから、その辺は多少理解はできますが。  そういう中で、いろいろな、ニカラグアだけではなく、もう本当に中国の方がありとあらゆるところに行くとみんな団体で来ているということを含めて、この食料戦略、いろんなこれから海上輸送ということで、どのくらいの長期戦略を考えておられるか、お聞かせください。
  172. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 昨年末、ニカラグアで両大洋間運河建設の起工式が行われ、資材を運搬する道路の整備を開始したと承知をしています。  しかし、この莫大な総工費、聞きますと総工費約五百億ドルとも言われていますが、この莫大な総工費の手当ても不明確であり、住民の反対運動もあり、建設が予定どおり進むかは不透明であると承知をしています。また、ニカラグア政府は、計画の実施、運営に関するコンセッションを中国企業に付与してはおりますが、中国政府の関与については明確ではありません。  いずれにしましても、中国政府はインフラ輸出を含めた海外展開戦略の加速化を政策課題として掲げています。こうした観点を踏まえて、引き続き、中国のインフラ輸出につきましては動向をしっかりと注視をしていきたいと考えます。
  173. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 これから、一寸先は闇という言葉がありますが、私は一寸先はハプニングということで、何が起きてもいい方向に考える方ですが。  とにかく、これから大変厳しい状況ですが、やはり、日本も今までこういう経済発展をして、そして今本当に新たな、七十年を境に、役割を果たしていかなきゃいけないと思っております。  そこで、オーガニゼーション・オブ・アメリカン・ステーツという中南米の国々が集まっている機構がありますが、近年、中国の海洋進出や、それだけではなく、いろんな形で台頭が激しく、地元では中国に対する反発も一部起きているということを言われていますが、そういう中で、中国に対する抑止力になり得る、略を言えばOASですね、OAS機構についてどういう情報をお持ちか、お話をお聞かせください。
  174. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) このOAS、米州機構ですが、米州三十五か国全てを含む唯一の地域機関であり、民主主義、人権、安全及び発展という四つの柱に基づいて米州域内における平和と安全、民主主義の強化、発展の促進等を目的としております。  我が国は、米州地域において中心的役割を担うOASを対中南米政策における重要なパートナーとみなしています。一九七三年に常任オブザーバーを取得し、選挙監視活動等でOASと協力をしております。
  175. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 この委員会でも一度質問させて、宮内庁の皆さんに、そのときに新聞やテレビに出ていたものですから、天皇陛下がパラオに訪問されるんですかと言ったら、そういう計画は一切ありませんという、そのときはそれのときの事情だったと思いますので。しかし、今回天皇が来月八日、九日と訪問されることになって、佐藤先生もたしか、今日いませんね、去年ですね、多分行かれて、ペリリューに行かれるといって、そのときには分かりませんでしたが、多分防衛上の問題というか、やっぱり警護の問題だと思いますが。  大変フラットで、一万六千人が玉砕したという歴史があるところですが、そういう中で大変警護をしっかりしないと。今回新聞にも出ていますが、ホテルよりも船に泊まられるということで、しかし、本当はもうホテルに泊まって、私もいつも泊まるところがあるんですが、海がきれいで、そのすばらしい景色を見ていただければと思いますけれども、まあそういうようないろんな事情があると思います。そういう中で、私もパラオの大統領から招待をいただきまして、その時期に訪問させていただこうと思っております。本当ありがとうございます。  そこで、先ほど話にも出ておりましたが、島サミットについて、本当にミクロネシアも含めて、だけじゃなくて、世界中まだ島のところがこれから埋没してしまう、海に沈んでしまうようなニュースも流れていますが、そんな中で非常にこれは大事なサミットかなと思いますが、その中で、どのような我が国は提言をしながら、またどのような役割を果たしていくのか、お聞かせください。
  176. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 本年五月二十二日と二十三日、福島県いわき市で開催される第七回太平洋・島サミットは、日本と太平洋島嶼国の協力関係を一層強化する上で大変重要な機会だと認識をしております。  パラオを始めとした太平洋島嶼国では、気候変動による海面上昇、また海洋環境の破壊、こうした問題が深刻な問題となっていると承知をしております。太平洋島嶼国が抱えるこのような課題を踏まえ、第七回太平洋・島サミットにおいては、気候変動や防災、持続可能な開発など、諸課題における日本の力強い貢献をしっかり打ち出し、太平洋を共有する仲間である太平洋島嶼国と日本とのパートナーシップを新たな次元に高めるべく、引き続きしっかりと準備を進めていきたいと考えております。
  177. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 次に、ちょっと中国の話が続きますが、中国は東シナ海、南シナ海においてもかなりの台頭をしてきています。  周辺国では不法操業、領海侵犯が繰り返されて、我が国も同様、御存じのとおり、アカサンゴの問題もありましたが、そういう中で、先日いただいた資料に島嶼部における防衛のことが書かれていましたが、具体的にどの辺りを指しているのか、また尖閣や竹島はどのような今後考え方を持っているのか、お聞かせしてもらいたいと思うんですが。もう私も何十年前でしたが、沖ノ鳥島の話があったときに、ちょうどパラオでもサンゴのことをずっと増殖をさせているものですから、あそこをサンゴで囲って海の中に沈んでいくのを止めようと、一つの島をつくろうなんという、仲間と話したこともありますが。  沖ノ鳥島も含めて、島嶼部に対する防衛についてお聞かせください。
  178. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 約千の南西諸島の島嶼を始めとして、沖ノ鳥島も入りますが、約六千八百の島嶼を抱える我が国の防衛にとって島嶼防衛体制の充実は極めて重要な課題でございます。  このため、防衛大綱においては、我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえて、島嶼部に対する攻撃に対応するため海上優勢、航空優勢、この確実な維持のために防衛力の整備を優先するとともに、機動展開能力整備も重視をすることとしております。具体的には、水陸機動団及び南西地域への陸自警戒部隊等の新編、オスプレイや水陸両用車の導入、護衛艦五十四隻体制の増勢、潜水艦二十二隻体制の増勢、那覇基地の戦闘機部隊の二個飛行隊化に伴う第九航空団の新編などの取組を今後行っていくこととしておりまして、我が国の領土、領海、領空、これを断固として守り抜くための体制の整備に努めてまいります。
  179. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 ところで、中国とロシアが上海協力機構という組織をつくっていますが、私どももあることで話を聞かせてもらって初めて知ったんですが、その機構の構成国はどのような現状か、あるいは、聞くところによりますと、パキスタンとインドもオブザーバーとして参加しているようです。そうなると、世界人口の割合から見ると今や世界の有数の、いや、一番勢力と言って過言でないと思いますが、その中身と現状をお聞かせください。
  180. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 上海協力機構ですが、ロシア、中国及び中央アジア四か国、計六か国が加盟し、周辺八か国がオブザーバー等の資格を有して参加をしております。そして、加盟国間の相互信頼の強化、テロ、急進主義への対処、政治、経済、防衛などの分野における地域協力推進、こうしたことを目的としていると承知をしております。  同機構では、首脳会合を始め様々なレベルで加盟国間の対話を毎年行っておりますが、同機構が透明性を維持しつつ、地域の安定と発展に寄与していくことを期待しております。
  181. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 次に、北朝鮮問題がここのところ余り新聞にも取り上げられなくなってきていますが、日本人のいい部分か悪い部分か、熱しやすくて冷めやすいというか、みんなで渡れば怖くないという、一つのことになるとわあっとそっちへ走っていって、翌日、忘れられたように話が終わってしまうような、この問題はちょっと次元が違いますが、これからの拉致問題の進展状況についてお聞かせください。
  182. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 拉致問題について御質問をいただきました。  我が国は、北朝鮮に対して、対話と圧力、そして行動対行動の方針で臨んできました。そして、この圧力の部分につきましては、国連安保理決議等に基づいて、関係各国とともに様々な制裁を科し、それに加えて我が国独自の制裁を加えてきたところであります。  そして、対話の方につきましては、一年四か月ぶりに、昨年対話を再開いたしました。そして、五月にストックホルムで日朝の合意を行い、拉致問題を含む全ての日本人の問題につきまして、特別調査委員会を設置し調査を進めていくということで合意をしたところであります。  そして、その調査が今進められているところでありますが、残念ながら、まだ一回目の通報と言われるものが我が国の方に通達されてきておりません。我が国としましては、できるだけ速やかに、そして正直に調査結果を通報するよう求め続けております。  引き続き、北京の大使館ルート等を通じまして、北朝鮮側に働きかけを続けていきたいと考えております。
  183. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 大分前に読んだ本で、ユニクロの柳井社長の本に、当時、三十何年前に上海に行ったときの状況、そして今の上海という話が出ておりました。  私も昔、北京に四十年前に行ったことがあるんですが、ここにちょっと写真を皆さんにお渡ししていると思うんですが、最近の羅津港ということで、私の仲間が撮ってきた写真で、この写真よりもはるかに景色が良くて、非常に極東における最高の港の条件を抱えているということで、まあ拉致問題は当然、今とにかく最優先で解決しなきゃいけませんが、ロシアが既に鉄道を入れたり、そういうような未来へ向けての戦略が、さっきのニカラグア運河ではないんですが、日本としても百年の大計とまで言わないにしても、その辺のことを政府としてはどのように見られていますか。
  184. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 資源の安定的かつ安価な供給確保、これは我が国の活力ある経済のためにも不可欠であります。そして、加えて国家の安全保障上の問題でもあります。このため、供給源の多角化を図っていくことが重要であり、外務省として主要資源国との包括的かつ互恵的な関係強化に努めております。  他方、日朝間におきましては、現在、国交が存在いたしません。また、北朝鮮が核・ミサイル開発を継続し、そして先ほどの拉致問題についても誠意ある対応を見せていない、こういったことを踏まえまして、我が国は輸出入禁止を含む一連の対北朝鮮措置を実施してきております。  まずは、北朝鮮がこの日朝間の諸懸案の解決に向けた具体的な行動を取ることが必要であると我が国としては認識をしております。
  185. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 先日、私がカンボジアをちょっとスポーツ大臣とオリンピック委員長の招待で行ってまいりましたが、去年も行きました。  一つには、もう一回、アンコールワットの中にボッカタオという昔の、キックボクシングよりも古い、壁画というか、石に彫ってあるそうで、何とかその格闘技をもう一回世界に知らせてほしいというのが一つ。もう一つは、テレビでもよく出てる猫ひろし君が国籍を変えてカンボジア代表で走っています。まあ日本の中にも、確かに、選手として選ばれてそこから漏れた選手たち、オリンピックを目指して頑張った選手、そういう選手たちにもチャンスがということで、スポーツ大臣の方からの提案でしたが、もし猫ひろし君みたいな形で我が国に国籍を移していただいて、我が国の代表となっていただければ我が国のスポーツもレベルが上がるんですよということを聞きまして、大変難しい問題はあると思いますが、本来のスポーツの精神というのは参加すること、それからそこに融和というか、その辺をカンボジアが非常に熱心に訴えてきたものですから、これはどなたにお聞きすればいいんでしょうかね。
  186. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 外務省としてのスポーツ分野における取組ですが、人材育成あるいは施設整備、機材供与などの国際協力を行っています。カンボジアに対しましても、JICAボランティアの派遣、あるいは武道デモンストレーションなどを行ってきました。  今後とも、スポーツ・フォー・トゥモロープログラムの実施のために、スポーツ協力に積極的に取り組んでいきたいと存じます。  そして、お話にもありました日本選手がカンボジア国籍を取得して同国代表として国際大会に出場するということにつきましては、まずこの当該日本選手個人の希望次第でもあります。また、カンボジア側の意向もあります。さらに、カンボジア国籍を取得するということになりますと日本国籍を捨てるということになるんでありましょうから、外務省としてこのことについてコメントする立場にはないと考えます。
  187. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 日本の人口問題にも関わってきますからね。  最後に、前にもお聞きしましたが、国際連合経済社会理事会という、私もいろいろ勉強させてもらいました。何とかこの理事会をもっともっと日本がリーダーシップを取って、環境問題、あるいは今国連の中でやれる、いろんな機関があると思いますが、その中でまだやれないこと、そういうものがたくさんあると思いますが、その辺について、この理事会をどうお考えか、お聞かせください。
  188. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 国連経済社会理事会ですが、役割としまして、経済、社会、文化、教育、保健、国際事項に関する研究と報告を行う、また、国連総会、国連加盟国、関係専門機関に勧告を行う、また、勧告を通じて専門機関の活動の調整を行う、こういった役割を担っています。我が国は、一九六〇年以降、ほとんどの期間この経済社会理事会の理事国を務めています。現在も理事国を務めています。  経済社会理事会における開発問題や地球規模課題に関する様々な議論で引き続きリーダーシップを発揮して、国際社会の平和や安定にしっかりと貢献をしていきたいと考えております。
  189. アントニオ猪木

    ○アントニオ猪木君 今日は、この前、決算委員会で、総理のまだ了承を得たわけじゃないんですが、最後に一、二、三、ダーをやりますということで、今日はやりませんけど、また、日本を元気にするということで、国会から元気をということで、ありがとうございました。
  190. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。  アントニオ猪木議員から元気を相当注入していただいたんで、両大臣とも元気いっぱい御答弁がいただけるのではないかと期待しております。  先日の十九日の両大臣の所信、これに従って幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、まずは岸田外務大臣、先日の所信で、冒頭、外務省として、テロ対策の強化、中東の安定と繁栄に向けた外交の強化ということを強く訴えられておられます。  そこで、日本人がやはりテロの対象になっているという厳しい現実もあるわけでありまして、特にそういうテロの源というのがこの中東をベースにしているということを鑑みまして、具体的にこのテロ対策の強化、そしてその中東政策ということをどういう方法で大臣としては一体化させて、日本人の生命、財産、それだけでなくて広く世界のテロ対策という形に結び付けようとされているのか、まずはその辺りの基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。
  191. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 中東地域の安定は、我が国のエネルギー政策を始め様々な課題にとっても大変重要でありますし、国際社会の平和と安定のためにも大変重要であります。こうした中東地域の平和と安定のために我が国として貢献しなければいけない、これは我が国にとっても大きな責任であると考えています。  そして、テロ対策についてどのように考えているかということですが、先日、シリアで邦人人質殺害事件が発生いたしました。あの直後に表明させていただいた考え方ですが、一つはテロ対策支援を挙げ、二つ目として中東の安定のための支援を掲げ、そして三つ目として穏健な社会、過激主義を生み出さない穏健な社会を生み出すための支援というものを掲げさせていただきました。この三つの支援を考えるべきだという考えを記者会見等で表明させていただきました。  最初のテロ対策能力支援とした部分ですが、中東地域の様々なテロ対処能力、様々な治安ですとか、あるいは国境における検査ですとか、こうしたテロ対処能力をしっかり支援するべきであるというのが一つ目であります。  そして二つ目、この中東地域の安定のためにしっかり支援をしなければいけないというところは総理の中東訪問においても表明させていただきました。人道支援を始めとする非軍事的な手法に基づいて中東の安定のためにしっかり支援していく、これが二つ目であります。  そして三つ目として、穏健な社会をつくるためにしっかりと支援をしていかなければいけない。こういったことで、教育ですとか、あるいは雇用ですとか、あるいは人材交流ですとか、こういった取組を通じて、この地域における穏健な社会をしっかり支援していく、こういった取組を表明させていただいたところであります。  こういった考えに基づいて支援を続けていきたいと考えます。
  192. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございます。  今週の月曜日に、ISがロンドンの地下鉄に対する生物化学兵器によるテロ予告をネット上で流しているんですけれども、そういう情報に接しますと、やはり我々日本人とすれば、ちょうど二十年前のあの地下鉄サリン事件のことを思い出さざるを得ないわけですね。これはアメリカの新アメリカ安全保障センター、あのリチャード・ダンジック元海軍長官がまとめた、オウム真理教、テロリストたちはいかにして生物化学兵器を開発したか。何度も死刑囚たちに取材をして、周辺の情報を集めて、こういう言ってみれば日本が経験した未曽有のテロ、こういったものを再発させないための提案をアメリカも日本と協力して今進めているわけですね。  今、目の前のISのそういったテロに対する脅迫予告、そういったものに対して、今、日本はテロと闘うそういう世界の国々とどのような形で情報を共有し、また具体的にテロを封じ込める、そういった戦略を練っているのか、是非、外務大臣、現状を含めた上で、対策についてのお考えをお聞かせください。
  193. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、テロ対策を進めるに当たって、様々な国々、関係各国と連携を深めていかなければならないわけですが、その中にあって、テロ対策に係る情報共有、これ大変重要であると思いますし、これまでも積極的に取り組んできたところであります。そして、今後ともしっかりとこの情報共有の部分につきましても連携協力を進めていかなければなりません。  二月十九日にはワシントンでケリー米国務長官が主催いたしました暴力的過激主義対策に関する閣僚級会合が開催されましたが、その会議に中山外務副大臣を派遣し、出席させました。我が国の各国国際テロ対策支援を強くアピールするとともに、関係各国と各種意見交換を行いました。  また、今月、ベルリンにおいて開かれましたG7ローマ・リヨン・グループ会合への参加もありました。  また、日米豪テロ対策対話を定期的に開催するなど、多国間ないし二国間の協議を通じてテロ対策関連情報の共有を強化するべく努力をしているわけですが、引き続きこうした努力は強化していきたいと考えております。
  194. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 是非、日本が経験した未曽有のテロ、地下鉄サリン事件、今回もISが言ってみればそういうオウム真理教の手口に学ぶというか、そういうものを参考にするようなテロ活動を行う危険性もありますし、そういった宗教が絡んでいる組織に対して若い人たちが日本だけじゃなくて世界から引き込まれている、彼らが天国のドアを開けるという意味で自爆テロ、ジハードに参加している。これは日本の若者だってそういうところに引きずり込まれるという可能性は多分にあると思うんですね。そういう状況を避けるためには、本当の宗教の教えは何なのか、あるいは本当の世界の平和と安定に日本が戦後これまで培ってきた平和主義の中でどれだけ世界のために貢献してきたのか、そういう流れをしっかりと日本国内でもPRする必要があると思いますし、世界に対しても訴えていく必要があると思うんですね。  外務大臣は、中東の安定と繁栄に向けた外交の強化の次に、過激主義を生み出さない社会構築への支援を進めると。先ほども若干触れておられましたけれども、そういった観点からすると、安倍総理が中東を歴訪されたときの例の二億ドルの人道支援、これはとても意味のあることだと思います。  残念ながら、日本の一部には、総理がああいう発言をしたことがISの日本を攻撃するきっかけになったんではないかというようなうがった見方をする人たちがいますけれども、私は全くそうではないと思っています。日本はあくまで人道的な観点から周辺国に対する様々な協力支援をしてきたし、これからもそういうことを続ける、そのことによってテロの温床となるような社会の不公正やそういった格差を直す、正すということで日本は積極的な平和主義ということを訴えているわけですから、日本の国内ですらそのことを曲解するような人たちがいるという状況に対して、やはり、総理もそうですけれども、外務大臣も防衛大臣もしっかりと、そうじゃない、あくまで日本が徹底的な平和主義の一環としてこういう人道支援をやっているということを訴えることが欠かせないと思うんですけれども、その点について両大臣のお考えをお聞かせください。
  195. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども少しお話をさせていただきましたが、我が国はこれまでも過激主義と対峙してきた穏健なイスラム諸国を支援するべく、人道支援など非軍事分野において貢献をしてきました。そして、こうした我が国の取組は、中東諸国、そして国際社会からもこれは高く評価されてきたと自負をしています。  そして、お互いの理解という点につきまして、先ほど、テロへの取組として三点挙げさせていただきました。この三点のうちの一番最後、過激主義を生み出さない穏健な社会の構築という部分において、若者の失業対策ですとか、格差是正ですとか、教育支援ですとか、あるいは平和の定着に向けた様々な支援を行いたいというふうに思っていますが、あわせて、宗教指導者の招聘を含む人的交流の拡充、その中には青少年交流ももちろん入ります。様々な関係者レベルの人的交流等もこの対策の中にしっかり盛り込むことによってお互いの理解を深める、こういった結果につなげていかなければならないのではないかと考えております。  総理も中東訪問の際のスピーチの中で表明しておりましたが、中庸が最善という考え方を実践していくとともに、引き続き日本としましてもしっかりと平和や安定に貢献していきたいと思いますが、それにつきまして、国際社会にしっかりと発信することの重要性も委員御指摘のとおりだと思います。是非努力を続けたいと存じます。
  196. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 人的貢献につきましては政府一体となって対応しておりまして、例えば自衛隊に関しましては、内閣府の中にPKO本部がございます。九〇年の湾岸戦争以降、PKO活動に参加をいたしておりますし、また国際緊急援助隊等におきましても、要請を受けて自衛隊を派遣して様々な災害支援等も行っておりまして、こういった活動につきましては各国からも評価を受け、非常に我が国としてのふさわしい活動であると認識しておりますので、今後、政府一体として、このような人的貢献、積極的に活動してまいりたいと思っております。
  197. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 外務大臣はその後の所信の中で、日米関係始め、特に近隣諸国との関係強化ということを強く訴えておられます。特に日中関係に関しましては、最も重要な二国関係の一つだと、大局的な観点から日中関係を発展させてまいりますと、こう述べておられます。今年は戦後七十年ということもありまして、国際協調主義に基づく積極的平和主義というのは、まさに日本が世界に平和貢献として訴えるべき、そういう大きなタイミングだと思っています。  そういう中で日中関係を考えたときに、九月の三日に予定されている北京での七十年のパレード、これに中国政府が安倍総理を招待したいというようなことが言われているようですけれども、外務大臣としては、そういう中国からの総理の招請に対してどのようにアドバイスをされるお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  198. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、日中関係ですが、たしか現在、日中の間には三千億ドルを超える貿易が存在し、五百万人を超える人々が行き来をしています。日中関係、これは最も重要な二国間関係の一つであると認識をしています。そして、日本と中国は、共に地域や国際社会の平和や安定や繁栄に大きな責任を担っている二つの国であると思っています。また、中国が国際社会のルールや法の支配を尊重する形で平和的に発展を遂げること、これは日本にとってもチャンスであると思っています。そして、日中の間には大変難しい問題がまだ依然存在いたしますが、昨年十一月に北京APECの際に首脳会談と外相会談が行われました。その後、様々な分野、様々なレベルにおきまして対話や交流が復活、再開をしています。少しずつこの日中関係の回復、発展に向けて動きが進んでいると認識をしています。  ただ、今月二十一日、日中韓三か国の外相会談と併せて日中の外相会談も開きましたが、その際に、確かに昨年の十一月以降、良い動きは認められるもののまだ不十分だという点につきましても日中両国の外相間で一致をしたということでありました。引き続き、これは努力を続けていかなければならないと存じます。  そして、御指摘の戦後七十年の中国が予定している記念行事への出席の件でありますが、戦後七十年については、我が国として、国際社会が直面する共通の課題に未来志向で取り組む姿勢を示すこと、このことこそ重要であると考えております。御指摘の行事についても我が方の考え方を中国側に伝達をしております。引き続き、関連の様々な動きを注視していきたいと考えています。
  199. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 いや、注視されるのは結構だと思うんですけれども、やはり中国は中国なりに国際社会に向けて、戦後七十年ということで、反ナチズム、日本の軍国主義、そういうものに勝利をしたということをきっかけにして自らの存在感をアピールしようとしているわけですよね。  先般、程永華駐日中国大使も、今回の招待は、決して過去の日本のそういう責任を問うものではなくて、これから平和な世界をどうつくっていくかというための未来志向だという説明をされたと聞いております。そういう観点からすると、やはりそういう場を日本外交としてどう使うのかということも前向きに考えられてはいかがでしょうか。  まあ総理は対話のドアは常に開けているということを繰り返しおっしゃっているわけですから、その開けたドアから一歩二歩踏み出して、中国が言っているおかしいことについてはきちんと正論で対峙すればいいわけであって、せっかく向こうが世界のリーダーを呼んでこれからの未来を語ろうというときに、注視して、まだどうするかということは、外務大臣として、やはり大局的な観点から日中関係を進展させると所信で表明されているということを考えると少し後ろ向きなような感じがするんですけれども、いかがですか。
  200. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども申し上げましたように、我が国としまして、日中関係は我が国にとりまして最も重要な二国間関係の一つだと思っています。そして、今後とも様々な分野、様々なレベルでの対話、交流を通じて二国間関係を発展させていかなければならないとも考えています。  ただ、その中にあって、九月三日の行事に対する対応につきましては、我が国として今何も決めているものはありません。
  201. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 はい、分かりました。  恐らく中国が墓穴を掘るようなことになる可能性だってあるわけですよね。自分たちが実際今アジアに向けて、世界に向けてやっていること、言っていることとやっていることが全然違うということは、見る人が見れば分かると思うんです。しかし、そのことを日本が独自の外交路線としてやはり国際社会に訴えていくという努力も、そういう場面を使って是非やっていただきたいと思うんですね。  中国は、日本をある意味ではおとしめる、批判するという意図があるでしょう。しかし、世界の大勢は決してそうじゃないと思います。例えば、モンゴル。モンゴルは、やはり今年戦後七十年ということで、日本から大変平和主義の観点で協力支援をいただいて今日の発展があるんだと。もちろん中国と国境を接しているモンゴルですから、ロシアとも中国とも仲よくやっていかなければならない。しかし、中国だけに偏るような、中国だけに依存するような国であってはならないということで、今年の戦後七十年の年を機会にモンゴルが主催をして、戦後七十年の日本のすばらしい外交、すばらしい平和外交ということを世界に広める、そういうシンポジウムやフォーラムをどんどんモンゴルがやろうと言っていますよね。もちろん日本政府としても積極的にそれは応じていかれると思うんですけれども、そういう日中関係を打開するためにも、日本のこれまでの七十年の歴史を正当に世界にアピールするためにも、例えばモンゴル、拉致の問題でも横田めぐみさんの御両親がお孫さんと会えるような場面もつくってくれた、そういうモンゴルとの関係の強化、そういったことについては是非外務省にも積極的に検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  202. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 具体的な案件に対してどう対応するかということについては改めてまた確認をしなければならないとは思いますが、ただ、戦後七十年、この年は日本の外交にとっても大変重要な一年だと認識をしています。是非、この節目の年に当たって日本の国の立場、考え方、改めてしっかり国際社会に表明していかなければならないと考えます。  さきの大戦の反省に立って、戦後七十年間、自由や民主主義や法の支配といった価値観を大事にしながら平和国家として歩んできた歴史、これは我が国が誇りとするものでありますが、こういった歴史を振り返りながら、これからも国際社会の平和や安定や繁栄のためにしっかり貢献していく、こうした思いを、姿勢をしっかりと示していかなければなりません。こうした未来に向けての我が国の思いや立場をしっかりアピールする年にしなければなりません。そのためにどのような対応が必要なのか、あらゆる機会を捉えて発信に努めていきたいと考えます。
  203. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 是非そういう国際社会を味方に付けるという動きの中でモンゴルにも積極的な関係構築へ努めていただきたいと思います。鉄道が十分発達していないモンゴルにとって、日本の持っている鉄道の技術、そういったものを是非動員してほしい、あるいは技能実習生にしても、五千人のモンゴルからの実習生を新たに受け入れてほしいというような要請もいろいろと来ているわけですから、そういう人的交流、技術的な交流、そしてある意味では中国を、何というんでしょうか、国際社会の一員としてしっかりとある意味ではコントロールしていく意味でも、周辺の国々が協力していく、そういう動きを日本がつくるということが欠かせないと思うんですね。  大臣、その後で韓国のことにも触れておられますよね。日本固有の領土である竹島、これを粘り強く対応する。粘り強くずっとこれまでやってきたわけですけれども、粘り強い対応だけで事態が改善し、この竹島の問題、解決すれば願ってもないと思うんですけれども、現状はどんどんどんどん既成事実化が進んでしまっていますよね。粘り強い対応だけで果たしてこの竹島の問題、日本の固有の領土が取り返せる、こんなことが可能なんでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
  204. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、竹島は歴史的事実に照らしても、また国際法上も明らかに日本固有の領土であり、韓国による竹島の占拠は国際法上、何ら根拠のないまま行われている不法占拠であります。我が国はこの問題に関し、法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を解決する考えであります。韓国側が行う竹島の領有権の主張等に対しても、その都度厳しく抗議を行っております。  また、我が国は、竹島問題の平和的手段による解決を図るため、韓国政府に対しまして同問題を国際司法裁判所に合意付託することなどを提案してきております。これまでも、一九五四年、一九六二年、そして二〇一二年、こうした年に韓国政府に対し、竹島問題を国際司法裁判所に合意付託することなど提案をしているところですが、韓国政府は応じてはおりません。  引き続き、どういった取組、対応が最も効果的なのかという観点から、様々な取組を検討していきたいと思います。竹島問題、一朝一夕に解決する問題ではありませんが、是非、受け入れられないものについてはしっかり受け入れられないと伝え、大局的観点から対応していきたいと考えています。
  205. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 今年で十回目になるんですよね、竹島の日。政府の政務官の方々も最近は出席されるようになりました。私もお隣の島根県で主催されている大会なので出るようにしていますけれども、実は、韓国からこの竹島の日に反対するデモ、たくさん来ています。と同時に、韓国から、日本の竹島の日、これを、何というか、本当に二国間でもう少し未来志向で解決できるような方向で議論しようという良心的な韓国の人たちも来ているんですね。しかし、日本での報道は、反対でデモをしている韓国の人たちだけを取り上げて、しっかりと議論しようという良識派の韓国の人たちがこの大会に来ているということすら全く触れようとしないんですよね。  ですから、そういう点でも、やはりもっともっと日本がフェアに国際社会に訴えていく。韓国の中にもいろんな考え方の人いると思うんですよ。だから、そういう人たちにも、言ってみれば味方に付けるような、そういう秘策を考える必要があるのではないかと。日本が自分たちの立場や主張をずっと粘り強く訴え続けますと、それはそれで大事ですけれども、それを十年やって二十年やって実際どうなったのかということを考えると、新しい発想というものも必要ではないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
  206. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 様々な動きがあります。様々な課題も存在いたしますが、是非、我が国としましては、種々の情勢、総合的に判断した上で対応を考えていかなければなりません。一つ一つについて丁寧に適切な対応は考えていきたいと思います。
  207. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 同様に、大臣は日ロ関係について、北方四島の帰属、これも粘り強く交渉に取り組んでまいりますと決意を新たにされています。  これも、粘り強く取り組むのは分かるんですけれども、なかなか現実には北方領土のロシア化がどんどん進んでいますよね。ああいう資源開発にしても、中国や韓国の企業が北方領土に入り込んで、しかも北朝鮮の労働力を持ってきて資源開発、エネルギー開発に当たらせている。まさに日本の固有の領土を自由勝手に使っているような状況、これで粘り強く交渉しますと言っていて、ちっともその効果、成果が得られていないように多くの国民も思わざるを得ないと思うんですね。  元の島民の人たち、もう八十、九十、もうどんどんどんどんいなくなられている状況で、どうやって父祖伝来の北方領土を取り戻すのか。やはりタイムリミットをきっちり設けてロシア側と交渉する。あるいは、ロシアだけではなくて、ロシアに強制的に移住させられたウクライナの三〇%の北方領土に住んでいる人たちとも、やはり同じ強制的に移住させられたという観点ではロシアに対する不平や不満もあるでしょう。あるいは、そういうことについて多角的な、多元的なロシア外交ということが必要だと思うんですけれども、今考えられておられる領土問題と平和条約に向けての解決の道筋、やはり期限を区切った決意というものが必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
  208. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、北方領土問題は、戦後七十年たった今に至ってもまだ解決することができない日ロ関係における最大の懸案事項です。政府としては、政治対話を重ねつつ、日ロ関係を国益に資するよう進めていく中で、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという基本方針の下、交渉を続けております。  そして、第三国の北方四島における活動について御指摘もありましたが、第三国の国民や企業があたかも北方四島に対するロシアの管轄権を前提としたかのごとき行為を行うこと、これは北方領土問題に関する我が国の法的立場とは相入れないと考えております。  安倍内閣としましても、この問題、政権にとりまして重要課題だと認識をしています。そして、国益に資する形でロシアと政治対話を重ねながらこの問題の解決につなげていかなければならないということで、第二次安倍政権発足してすぐ、安倍総理としましても、ロシアを公式訪問しました。日本の総理大臣のロシア公式訪問は十年ぶりでありました。そして、それ以後、日ロの間においては二年三か月の間に既に八回首脳会談を行っております。そして、私自身、ラブロフ外相と日ロ外相会談を積み重ね、日本とロシアとの間において、歴史上初めていわゆる2プラス2、日ロ外務・防衛閣僚会合を開催する、こういった取組も行ってきているところであります。ロシアとの政治対話を進めながら、御指摘の北方領土問題についても、解決に向けて努力をするべく具体的に取り組んできたところであります。  現状、御案内のとおり、ウクライナ問題が存在いたします。ロシアとの関係は大変難しい状況にあるわけですが、我が国としましては、引き続き、G7の枠組みを重視しながら、このウクライナ問題につきましても、平和的に外交的に問題を解決するためにロシアにも建設的な役割を果たしてもらわなければならないということで、政治対話を通じてロシアにこうした建設的な行動を促していくべく努力していきたいと存じます。そして、あわせて、政治対話の場で、この北方領土問題につきましても、国益に資する形で日ロ関係を進め、そしてこの北方領土問題、四島の帰属の問題を解決することによって平和条約を締結する、こうした基本方針にのっとって進めていきたいと考えます。  決して簡単な課題ではありませんが、今申し上げましたように、第二次安倍内閣が誕生してから二年三か月、様々な努力を続けて北方領土問題解決に向けても努力を続けてきました。引き続き努力を続けたいと考えます。
  209. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 是非よろしくお願いしたいと思います。  大臣は、その後、経済外交の強化ということを言及されていて、日本企業支援を進めると。これはすばらしい官民の力をバックに、世界中の在外日本公館に日本企業支援担当官を配置されていますよね。私の質問は、そういう担当官を置いていただくのは大変結構だけれども、どのような力を実際に現場で発揮しておられるのかどうか。例えば、中国各地、大使館や総領事館に日本企業支援の専門官が置かれています。そういう人たちのところに日本企業が、例えば、中国の今最大の悩みは何かといえば環境問題ですよね。日本はそういう環境技術を持っている。そういうものを中国に売り込みたいと。そういうときに、じゃ、壁になっている中国の法制度ですとか現状について、今、日本大使館で、あるいは総領事館でこの経済の日本企業支援の担当官の人たちがどの程度この日本企業の要求というかリクエストに応えるだけの体制が組まれているのかどうか。  その辺り、ウクライナの問題もそうですよね。ああいう状況下ですから、ウクライナの土地、建物の地価、値段がどんどん下がっています。日本企業は、そういうときだからこそ新しいショッピングセンターとかコミュニティーをつくろうというので進出したいと考えている日本企業はたくさんいるんです。しかし、万が一、ロシアとの間で更に一層言ってみれば緊張関係が高まれば、投資したものが守れるのかどうか、様々な日本企業が抱えている悩みとか課題、それに対して、今置かれている日本企業支援の専門の担当官の外交官の人たちがどの程度対応ができているのか。もしそれが不十分であるとすると、官民の言ってみれば交流、企業からもそういう人を招いて一緒に日本企業の支援体制を組む、そういうことも必要ではないかと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
  210. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 日本企業の海外展開の推進、これは諸外国の成長を日本の成長に取り込んでいく、こういった観点から大変重要だと認識をしています。  この点から、私、外務大臣自身が本部長を務める日本企業支援推進本部を外務省に立ち上げ、日本企業の海外展開の推進に積極的に取り組んでいるところです。そして、在外公館におきましては、大使や総領事が先頭に立って日本企業との連携に取り組んでいます。委員御指摘のように、全ての在外公館に日本企業支援担当官を設置しており、日本企業への各種の情報提供や日本企業製品等のPRを行っています。  また、こうした取組に加えて、日本企業がビジネスをしやすい環境をつくるために、相手国政府、関係機関に対して様々な働きかけを行っております。その中で、日本企業が現地政府から不当に不利な扱いを受けていると判断される場合には、現地政府への申入れや働きかけを行っているところです。  一つ例として申し上げるならば、これはヨーロッパの例だったと思いますが、日本企業の高性能な環境技術を利用した暖房機器が、ある国において騒音規制の対象となり、普及が妨げられていたケースにおきまして、我が国在外公館長が迅速に先方政府ハイレベルに働きかけを実施いたしました。その結果、当該政府では現在法改正の作業が進められており、両国の経済関係強化の好例となっていると聞いております。  今後とも、ビジネス環境整備の取組を進め、日本企業の海外展開、後押ししていきたいと考えております。
  211. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 是非、もっともっとそういう日本企業の海外でのビジネスが成功するように官民挙げて取り組んでいただきたいと思います。  最後、防衛大臣が所信の中で、エボラ出血熱の流行に対し、国連の要請を受けて個人防護具二万セットを自衛隊機によって輸送されたと。国際貢献としては大変高く評価されると思うんですけれども、現状、エボラ出血熱はまだまだ収束していません。CDCの報告を見ても、もっともっと増える傾向にある、実態がよく分からない、そういう状況で、この防護具二万セットを送るだけで十分なのか。  日本の防衛にとっても、エボラ出血熱が、かつてオウム真理教がエボラ出血熱の細菌を取るために二度もこの地域行っていますよね。そういうことを考えると、もう少し日本政府としてこのエボラ出血熱対策に対しては一歩踏み込んだ対策も必要じゃないか。自衛隊の方もPKF含めアフリカにはたくさん行かれているわけで、これからも増える可能性がある。そういうことを考えたときに、今の防衛省としてのエボラ出血熱対策、お考えをお聞かせください。
  212. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) お時間過ぎておりますので、御簡潔に答弁をお願いいたします。
  213. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) はい。  エボラ出血熱の対策におきましては、自衛隊員を、婦人自衛官なんですけれども、ドイツにありますエボラ対策の国連の機関、これに派遣をいたしております。このほかにも、感染症対処能力、また移送力など、更なる能力や機能の強化の向上が必要となると考えられますので、この必要な体制につきましては、今後、政府全体で検討して、必要な対策、措置を講じてまいりたいと思っております。
  214. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございました。  是非、日本……
  215. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) もう質問は終わっております。
  216. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 言い直します。
  217. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 追加してください、中谷大臣。
  218. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) ドイツと申し上げましたが、NATOでございます。
  219. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御訂正ありがとうございます。
  220. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 以上で終わります。
  221. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。  所信に対する質疑をさせていただきますが、最初に、辺野古における海上ボーリング作業の即時中止についてお伺いいたします。  まず、沖縄県におきましては、翁長県知事を始めとして多くの県民が普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対し、県外移設を求めています。特に、昨年の十一月の沖縄県知事選挙や十二月の衆議院総選挙の沖縄選挙区におきましては辺野古への移設を拒否する民意が示されましたが、政府はこうした沖縄の民意について一顧だにしない態度を示しています。民主主義国家の政府であるならば、こうした沖縄の民意を重く受け止め、翁長知事と面会した上で対話すべきだと考えますが、改めて政府の沖縄の民意に対する両大臣の認識について伺います。  特に、中谷防衛大臣は、会っても意味がないと切り捨てられたと承知しておりますが、民主国家の閣僚として、たとえ意見が異なっていても対話自体を拒否することは決して許されないことだというふうに思いますが、大臣の発言の意図の説明を求めます。
  222. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 私の発言につきましては、記者から、翁長知事はあらゆる手段を講じると述べて徹底的に反対する意思を強めているのでどうなのかという問いに対しまして、知事にも理解していただきたいと思っております。ではどうしたらいいのかという点において、少しでも理解が得られればよいと思っておりまして、知事さんのコメントを聞いておりますと、工事を阻止するということしか言われておりません。もう少し沖縄県のことや日本の国の安全保障、そういう点を踏まえてお考えをいただきたいなという気持ちでございまして、お会いして良い結果が出ればいいと思うのですけれども、より対立が深くなるということではお会いしても意味がありませんと申し上げた上で、そういった状況に至ったならば、お会いすれば良い結果が出るのではないかと。何とか御理解いただけるように、こちらとしても誠意を持ってやってまいりますので、お会いしてお話合いをして、いい結果が出ますようにこちらも努力をしていきたいという趣旨でございます。  したがいまして、私といたしましても、こういった中で沖縄県の皆様方と様々なレベルで対話を行いつつ、こういった状況において御理解をいただきたいという趣旨でございます。
  223. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、選挙結果について御指摘ありました。この選挙結果については、いずれも真摯に受け止めたいと思います。  その上で申し上げますが、普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければならない。これは政府と沖縄県民の皆様方との共通認識であると思っています。そして、政府としましては、辺野古への移設が唯一の解決策であるという一貫した立場にあるわけです。是非、負担軽減に取り組むとともに、普天間飛行場の返還が実現するよう、法令に基づいて粛々と進めていきたいと考えています。  そして、知事さんとの面会の話でありますが、今後、国と地元が様々な取組について連携を深めていく中で対話の機会が設けられる、これは当然のことだと思います。是非、地元関係者の皆様方と政府の関係者の意思疎通、理解が進むように努力をしていきたいと考えます。
  224. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、普天間飛行場の辺野古移設拒否との民意を受けて就任した翁長知事は、今年の一月二十六日に、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認手続に関する第三者委員会を設置いたしました。同手続の検証を開始をしております。また、同日、翁長知事は、沖縄防衛局に対して、第三者委員会の検証作業が終了するまで代替施設建設に関する調査を見合わせるなど、作業の中断を求めています。しかし、政府は、こうした申入れを考慮することなく作業を続行し、仮設桟橋の設置工事の準備などを行いました。  政府は、こうした翁長知事の第三者委員会における検証作業や作業中断の申入れの意図について明確に把握しているのでしょうか。防衛大臣にお伺いいたします。
  225. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) お尋ねの申入れは、先般、沖縄県の安慶田副知事さんが沖縄の防衛局を訪れまして、第三者委員会の検証作業の間、同事業に係る調査等を見合わせる等の配慮を求められたと承知をいたしております。また、代替施設建設事業に係る岩礁破砕等の許可に関し、二月十六日、沖縄防衛局は沖縄県から、同局が行ったブイのアンカー設置について必要な手続を実施するとともに、資料や現状写真を求められたと承知をいたしております。  いずれにしましても、最も大事なことは、市街地の真ん中にある普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければならないということでございまして、これが大前提であり、かつ地元と政府の間の共通の認識であると思っておりまして、今後とも、政府全体で連携し、様々なレベルで地元との対話を行いつつ、普天間移設の位置付け、また意義をお話をしていただければと考えております。
  226. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 第三者委員会の件に関しても把握していらっしゃるということでありますが、そういうことであれば、なぜあの作業を続行したのでしょうか。やはり、沖縄の民意は辺野古に新しい基地を造らせないという、そしてそのために検証委員会をつくって、今おっしゃったように安慶田副知事が対応していくというこの状況、今、御存じということでございますが、それは沖縄の民意を示した行動であって、その民意というのは無意味なものでしょうか。防衛大臣の見解を再度求めます。
  227. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 工事の実施等につきましては、様々な角度、見地におきまして沖縄県に調整を行いまして、許可をいただいたわけでございますので、私たちといたしましては、工事の実施等につきましては瑕疵のないものである、一日も早く普天間基地の移設が実現できるように進めていきたいと、そういう気持ちで実施をいたしておりまして、工事の内容等につきましては何ら瑕疵がないというふうに考えております。
  228. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 翁長知事は、第三者委員会の報告を踏まえた上で、承認に法的瑕疵があれば埋立承認を取り消し、そして法的瑕疵がない場合も、辺野古移設拒否との民意を受けて就任した知事としましては、その立場から承認を撤回するとの認識を示しているわけです。  すなわち、繰り返しますが、沖縄の民意は辺野古移設中止、県外移設ということであるわけです。これを踏まえ、政府は直ちに海上ボーリング調査などの全ての作業を中止して、辺野古から撤退をすることを求めます。  ところで、今日は何の日か御存じでしょうか。
  229. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今日は何の日かという御質問ですが、糸数委員のお立場を考えると、一番御縁の深い日として挙げるとしたならば、沖縄戦において米軍が上陸を開始した日だと承知をしております。
  230. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 まさにその日は、七十年前の三月の二十六日に、太平洋戦争で初めて米軍が、日本の沖縄の慶良間諸島、いわゆる日本での地上戦を展開した日なんです。  たくさんの方が犠牲になっているわけですが、そういう沖縄戦が展開されて、その戦争を体験された方が、実は今八十五歳になる島袋文子さんというおばあちゃんがいらっしゃいますが、その方が、昨日ですが、内閣総理大臣安倍晋三殿、いわゆる安倍総理大臣宛てに手紙を出されました。私がお預かりいたしまして、内閣官房内閣総務官室の佐野美博様にお渡しをしたんですけれども、その手紙の内容をちょっと御紹介したいと思います。  私は、沖縄県辺野古に住む島袋文子と申します。八十五歳です。私は、十八年間ずっと辺野古新基地建設に反対して、非暴力で座込みを続けています。安倍首相に是非私の意見を聞いていただきたく、筆を執りました。  私は、七十年前の地獄のような沖縄戦を生き抜いてきた者です。父や兄たちは兵隊に取られ、目の不自由な母と十歳の弟と戦火を逃げ惑いました。十五歳の私は火炎放射器で全身大やけどを負い、今でも傷が残っています。死んだ人の血を、いわゆる泥水を飲んで生き長らえてきました。  沖縄戦では四人に一人の命を失った沖縄の人々は、もう二度と戦争は嫌だというその強い気持ちを持っています。ですから、昨年の名護市長選挙も、そして名護市議選挙も衆議院選挙も、新基地建設ノーの候補者が全勝し、新しい基地は要らないという審判が下りました。これほどまでに何回も示した民意を無視して辺野古に新基地建設を強行している安倍内閣のやり方は、私たちに対する人権侵害です。私は非常に怒りを覚えています。  安倍首相は常々、沖縄県民の心に寄り添ってとか、県民に丁寧に説明してとか言っておられますが、なぜ翁長知事が面会を求めてもお会いにならないのですか。  沖縄は日本本土、そして全体の面積の僅か〇・六%にしかすぎません。小さな島です。その小さな島に戦後、在日米軍専用基地が七三・八%も集中させられています。そして今、辺野古新基地建設が、海でも陸でも海上保安庁や機動隊の暴力によって推し進められています。私は機動隊に暴力を受けて転倒させられ、頭にけがを負わされました。それに対して米軍人は、サッカーでのジェスチャーと同じ、ばかばかしいと言っている始末です。私は、一つしかない命を懸けて座込み行動をしています。この命懸けの非暴力行動に対して、何という失礼な言い方をされるのでしょうか。このような米軍人の発言を許している日本政府も許せません。  安倍首相、辺野古に来て現場を見てください。沖縄だけこのように強制的に基地を集中させ、日本本土は生き延びられると考えているのですか。安倍首相は、我が国を守るためと言っていらっしゃいますが、その我が国の中に沖縄は入っているのでしょうか。沖縄にだけ犠牲をまた強いるのですか。なぜ日本本土に普天間基地に代わる基地を置こうとはしないのですか。  沖縄戦で日本軍は沖縄の人間を守らなかった。現在辺野古で国が行おうとしている、地元の民意を踏みにじってやろうとする新基地建設は、七十年前に日本軍がやったことと同じことです。安倍首相は国民の命と財産を守るとおっしゃいながら、沖縄に新基地が建設されれば、戦争がもし起きたとしたならば沖縄はターゲットにされ、再び沖縄の人間の命は奪われることになります。それでもなお、七十年前の沖縄戦と同じように、沖縄県民の意思など問答無用とばかりに辺野古に新基地建設を推し進めるなら、沖縄にある全基地を撤去せよと私は申し上げたい。  最後に、私の戦争体験を同封します。これを読んで安倍首相の意見をお聞かせくださいということで、これは名護市の辺野古にお住まいの島袋文子さんが昨日私に託したお手紙で、安倍首相に対しては別紙、また戦場体験をされた冊子を同封してお渡しをしております。  安倍首相に対しては、是非、島袋文子さんに対するお返事をいただきたいのですが、今私が読み上げましたこのお手紙を読んで、両大臣に率直な感想をお伺いしたいと思います。
  231. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) お手紙、拝聴させていただきました。  二度と戦争を起こしてはいけない、また平和を維持していかなければならない、そのお気持ち、私も受け止めます。そして、その気持ちは私も共有をいたしております。  その一方で、防衛大臣といたしましては、日本の国の領土、領海、領空及び国民の生命、財産、これはしっかり守っていかなければならないわけでございまして、戦後七十年になりますけれども、日本は平和で、そして経済的な豊かさを維持をし、民主主義も守られているわけでございます。  安全保障でいいますと、やはり自衛隊と日米安保条約、これが日本の安全保障を守ってきた原則でございまして、最近我が国を取り巻く安全保障環境、これは厳しさを増しておりまして、やはり沖縄の海兵隊を含む在日米軍全体のプレゼンス、これを低下させることはできないということ、そして沖縄の地理的優位性、またアメリカの海兵隊の特性、その中でも普天間飛行場の危険性、これは一刻も早く除去する必要がございまして、総合的に勘案しますと、キャンプ・シュワブ、辺野古に移設することが唯一の解決策であるという考え方には変わりません。そして何よりも、移設によって普天間飛行場は全面返還されることですから、沖縄の負担軽減に資するものと考えております。  こういった考え方は政府の考え方でございますが、様々なレベルで地元の皆様方と対話を行いつつ、こういったことについて御理解をいただき、また、皆様方との意見も拝聴させていただきながら事業の推進を図ってまいりたいというふうに思っております。
  232. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) ただいま委員の方から島袋文子さんのお手紙を読んでいただきました。本当に七十年前の大変な御苦労を思いますときに、胸の痛む思いがいたします。  私も出身が広島ですので、七十年前、全く別の形で多くの親族、関係者が悲惨な思いをいたしました。沖縄においては地上戦が行われたわけでありますから、それ以上に大変悲惨な光景が繰り広げられたのではないかと想像をいたします。改めて、そのときの沖縄の皆様方の思い、置かれた立場に思いを巡らし、胸が痛む思いがいたします。  私たちは、こうした多くの沖縄の皆様方が大変な苦難に立ち向かい、そして戦後七十年間、そうした苦難にも負けず、しっかりと生き抜いてこられた、こういった御努力があるからこそ今日があるんだということを忘れてはならないと存じます。私も政治の立場から、こうした方々の思いに少しでも寄り添いながら、沖縄の負担軽減にも努めなければなりません。  しかし、あわせて、政治の責任として、国の安全保障など、様々な観点からしっかり責任を果たしていかなければなりません。是非、そういった思いでしっかり政治の責任を果たしていくべく努力をしていきたいと考えます。
  233. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 何と申し上げていいのかという思いでいっぱいです。  これだけの島袋文子さんの思い、これは何もこの方だけが体験している沖縄戦ではなくて、そういうふうな体験をされた、例えばひめゆりの学徒、ひめゆりの先生方も資料館の前で本当に精魂込めて、御自身のお体から、本当にもう九十歳に届くような年齢ですが、力を振り絞って、二度と再び戦争がないようにということで体験を語ったりしていらっしゃいますけど、その心が本当に日本政府に届かないというのが残念でございますけれども、今の両大臣のお言葉の中から、気持ちは分かるけれども、でも基地は造らせるということであれば、やはり島袋文子さんの思いは届かないのかなという思いでいっぱいです。残念でございます。  それでは、仮設桟橋の問題について伺いたいと思います。  現在、日本政府は、名護市辺野古における普天間飛行場代替施設建設事業の一環としていわゆる仮設桟橋の設置工事を進めていますが、この仮設桟橋は、辺野古のサンゴ礁等の自然環境にダメージを与えるものでその影響は深刻であることから、直ちに作業を中止すべきだと考えますが、まず現在の作業の状況を防衛省に明らかにしていただきたいと思います。
  234. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。  仮設桟橋の設置工事につきましては、準備を進めておるところでございますけれども、必要な準備が整い次第行うこととしております。ただ、その作業の内容及び実施時期などにつきましては、これを明らかにした場合、安全に実施できないなど事業の適正な遂行に支障が生じる可能性がありますことから、お答えについては差し控えたく存じます。  引き続き、気象、海象、米軍の訓練などを含みます現地の状況を見極めながら、関係機関とも調整しつつ、安全確保に万全を期して所要の作業を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  235. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 平成十六年から十七年当時、辺野古で行われましたボーリング調査においてはこうした仮設桟橋の設置は計画されていなかったと承知しておりますが、その当時の計画と比較した上で、今回仮設桟橋を設置する目的やその規模、及びその完成予定時期について防衛省の見解をお伺いします。
  236. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 御指摘の仮設桟橋でございますけれども、代替施設建設事業におけます事業本体の設計に必要な地質データの取得及び確認をするための海上ボーリング調査において、関連する船舶の係留、また資機材の積卸しなどを目的として設置する計画でございます。その規模は、長さ約三百メーター、幅約二十メーターでございます。  先生御指摘の平成十六年頃に辺野古の沖で行われたボーリング作業でございますけれども、この際は、単管足場と申します足場を設置してやるボーリング作業で行っておりました。主として軽量の資材で行うことができましたものですから、仮設桟橋については用いなかったということでございます。  完成時期につきましては、先ほど申し述べましたとおり、スケジュールにつきましてはお答えを残念ながら差し控えさせていただきたく存じます。
  237. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今御答弁の中に長さが三百メートルで幅が約二十メートルと、非常に巨大であり、まさにこれは堤防と言えるのではないかというふうに考えます。  沖縄防衛局が沖縄県に提出した岩礁破砕等許可申請書では仮設岸壁とされていますが、なぜ防衛省側は仮設桟橋と称しているのでしょうか。あたかも印象操作をしているように取られかねません。申請どおりに岸壁と称するべきだと考えますが、仮設桟橋とする理由を含め、改めて防衛省の見解を伺います。
  238. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 代替施設の建設事業に係るボーリング調査に使用する仮設物につきましては、当初より仮設桟橋、仮設岸壁の両方の計画がございました。これは、主に船舶の係留に用いるものを桟橋、それから主に荷揚げに使うものを岸壁というふうな一般的な観念でやっておりますけれども、これらを総称いたしまして、便宜上仮設桟橋という呼称を用いているところでございまして、特段それ以上の理由というのはございません。
  239. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 この仮設桟橋は、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価の対象であったのでしょうか、また、環境影響評価を実施したのか明らかにしていただきたいと思います。
  240. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) この仮設桟橋につきましては、調査のための仮設物ということでございまして、環境アセス法及び沖縄県の環境アセス条例に定めます環境アセスの対象事業には該当しないということで、これらに基づく手続は行っていないところでございます。
  241. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 この仮設桟橋の設置は、辺野古のサンゴ礁等の自然環境に確実にダメージを与えるものであると考えますが、それでも環境影響評価は必要ないと考えているんでしょうか。
  242. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、この仮設桟橋、あくまでも調査のための仮設物ということでございまして、先ほど申し上げました法及び条例に定める環境影響評価の対象事業に該当しないということで、手続は取っていないということでございます。
  243. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 それでは、その工事が終われば、これは調査終了したときに撤去するのでしょうか。
  244. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 仮設桟橋は、所要の海上ボーリング調査を終えた段階で撤去することとしております。
  245. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 仮にこれは調査が終わって撤去するとしても、今、御存じのとおり台風など、あるいは仮設桟橋設置、トンブロックなどのいわゆる投下によって環境が破壊されています。自然環境の回復には時間が掛かり、その影響は深刻であると考えますが、直ちに作業を中止すべきだというふうに考えております。  他方、このまま強行するのであれば、自然環境保護の観点からも環境影響評価の手続を行うべきだというふうに考えますが、改めまして防衛省の見解を伺います。
  246. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 仮設桟橋は、先ほど申し上げましたとおり、ボーリング調査において使用するということで使用しております。  環境影響評価の点につきましては、繰り返しになりますけれども、あくまでも仮設物ということで、そういう手続の対象になっていないということで、特段そういう考えは今のところはございません。
  247. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 改めて伺いますが、じゃ、これは調査が終了したら撤去するということでよろしいんでしょうか。
  248. 中谷元

    ○国務大臣(中谷元君) 仮設桟橋は、所要の海上ボーリング調査を終えた段階で撤去することといたしております。
  249. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 現在実施されているボーリング調査は比較的水深の深い地点の十二か所が対象だと聞いておりますが、これらの調査予定期間を明らかにしていただきたい。その上で、十二か所の地点のうちに仮設桟橋を使用するものは仮設桟橋完成まで実施できないとの認識でいいのでしょうか、防衛省の見解を伺います。その上で、改めて仮設桟橋の完成予定時期と撤去予定時期及び仮設桟橋を使用するボーリング調査の実施期間との関係について、改めて防衛省の見解を伺います。
  250. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 仮設桟橋は、三月十二日からボーリング調査を再開しておりますけれども、元々事業本体の設計に必要な地質データの取得、確認をするための、今申し上げましたボーリング調査で、関連する船舶の係留、それから資機材の積卸しなどに使用することを目的として設置を計画しておるところでございます。  仮設桟橋の設置に係る工事は、必要な準備が整い次第着手することを考えておりますけれども、現時点では仮設桟橋を使用することなく海上ボーリング調査を実施できているところでございます。仮設桟橋の設置につきましては、今後、海上ボーリング調査の実施状況などを確認していく中で検討していくこととしております。  先生が御質問の完成予定時期、それから撤去予定時期につきましては、度々で恐縮でございますけれども、今後の作業内容、スケジュール実施時期につきましては、事業の適正な遂行に支障が生じるということで、お答えは差し控えさせていただきたく存じます。
  251. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 では、次に過剰警備問題についてお伺いをしたいと思います。  名護市辺野古におけるボーリング調査に当たっては、海上保安庁が巡視艇やゴムボートを作業水域周辺に配備をして、工事に対して抗議活動を行っている市民に対して不当な過剰警備を行っており、これらに対しても繰り返し抗議を行ってきました。しかし、いまだに続いていますが、直ちに中止すべきと考えます。  改めて、海上保安庁が現地で行っている過剰な警備活動の法的根拠を伺います。海上保安庁にお伺いします。
  252. 中島敏

    ○政府参考人(中島敏君) お答えします。  海上保安庁では、海上保安庁法第二条に基づきまして、現場海域における安全の確保及び法令の遵守の観点から安全指導等を行っております。それでも安全指導等に従わず臨時制限区域に侵入する行為は、刑事特別法第二条に違反し、この状態を解消するため必要な措置を講ずることがあります。  また、工事現場に近づき、危険が及ぶおそれがある場合など、海上保安庁法第十八条第一項の要件に該当する場合は、警察比例の原則に留意しつつ、船舶を移動させる等の措置を講ずる場合があります。  いずれにせよ、海上保安庁におきましては、現場海域における安全の確保及び法令の遵守の観点から、個別具体的な状況に応じ適切に対応することとしております。
  253. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今お答えいただきましたけれども、この辺野古における過剰警備によって、本年二月二十二日には米軍の日本人警備員による市民二名の不当拘束事案が引き起こされるに至りました。  まず、市民の方はどのような理由で拘束されたのか、また、日本の警察側への引渡し、送検、あるいは釈放等の経過について、この件について明らかにしていただきたいと思います。
  254. 高橋清孝

    ○政府参考人(高橋清孝君) 米軍当局の身柄拘束につきましては、警察としてお答えをする立場にはございませんけれども、二月二十二日午前九時三十分頃、米軍当局から沖縄県警に対し、日本人の男性二名の身柄を拘束した旨の通知がなされました。その後、午後一時十三分、沖縄県警が両名の引渡しを受け、同時刻、両名が正当な理由がないのに米軍キャンプ・シュワブのメーンゲート内に侵入したとして、刑事特別法に基づき緊急逮捕いたしました。沖縄県警は、午後五時頃、逮捕状を請求し、同日午後八時三十分頃、裁判官から両名の逮捕状が発付されました。両名につきましては、翌二十三日午後三時頃、沖縄県警が那覇地方検察庁に送致いたしました。
  255. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 このお二人の状況についてですが、起訴されたのかどうかを含めて改めてお伺いをいたします。
  256. 上冨敏伸

    ○政府参考人(上冨敏伸君) お尋ねの事案につきましては、平成二十七年二月二十三日、那覇地方検察庁に送致されておりまして、同日午後八時頃に同地方検察庁において二名を釈放しているものと承知しております。  また、お尋ねの事案については、現時点においては公訴を提起したとは承知しておりません。
  257. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 先日、米軍当局関係者によって、米側が撮影したとされる市民が不当に拘束された際の映像がインターネットで公表されました。これは、市民の方のプライバシーを踏みにじる断じて許すことのできない行為であります。  日本政府として断固抗議すべきものであると考えますが、当該事案に対する日本政府の認識を明らかにした上で、抗議をしたのかについても明らかにしていただきたいと思います。  また、米軍側から経緯等について説明がなされたのか、そして謝罪があったのか、明らかにしていただきたいと思います。仮に説明がなかった場合は直ちに日本政府から説明を求めるべきだと考えますが、政府の認識を求めます。
  258. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、お尋ねいただきました件、報道は承知しておりますが、外務省として、事実関係の詳細あるいは映像の出所を承知しているわけではありませんので、コメントは控えたいと存じます。  したがって、特段、米側に対して本件を取り上げる考えはございません。
  259. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 市民二人はいわゆる刑事特別法第二条違反で拘束されたということですが、抗議活動に参加されていた他の市民の証言や、それからさきの不当な米側の映像を見ても、二人に侵入の意図がなかったことは明らかであります。  たまたま数度境界を越えたにすぎないというのが実際のところだと思われますが、この程度の状況で刑事特別法違反ということになるのでしょうか。政府の見解を法務省に改めて求めます。
  260. 上冨敏伸

    ○政府参考人(上冨敏伸君) 犯罪の成否につきましては、個別に収集された証拠に基づいて判断されるべき事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
  261. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 それでは、過去に刑事特別法第二条違反として逮捕等が行われた事例について、具体的にどのような侵入行為がなされたのか、説明を求めたいと思います。
  262. 高橋清孝

    ○政府参考人(高橋清孝君) 沖縄県警におきましては、刑事特別法第二条違反によりまして、平成二十四年は三件、平成二十五年は二件で被疑者を逮捕しているところであります。このうち直近のものとしましては、平成二十五年九月二十五日、米軍が使用する普天間飛行場に侵入した者一名を米軍が身柄拘束し、同日、沖縄県警察が同人の引渡しを受けて、同条違反により逮捕した事例があります。
  263. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 いずれにいたしましても、このような米軍側の対応については、やはり市民の表現の自由も侵害する行為であります。断固として抗議するとともに、政府においても今後このようなことがないよう米軍側に強く申し入れることを求めてまいりたいと思います。  そして、海砂の問題、ちょっと時間の関係で、一点だけお伺いをしたいと思います。  これまで、名護市辺野古における普天間飛行場代替施設建設事業は同地の豊かな自然を破壊する行為であるということを主張してまいりましたが、建設工事は辺野古以外の日本各地の自然にも影響を及ぼすことが指摘されています。すなわち、辺野古の埋立工事に使用する土砂については、政府は鹿児島県の奄美大島や徳之島、そして瀬戸内海圏域からの採取、搬出を計画していると言われておりますが、こうした土砂の採取、搬出は当該地域の環境を破壊するのみならず、不用意に動植物の卵や種子等の移動そして攪拌をもたらすことで辺野古の海にも深刻な影響を与えるおそれがあると考えます。  まず、前提として、普天間飛行場代替施設建設事業における埋立作業に際して、どのくらいの量の土砂が必要と見積もっているのか、防衛省の見解を求めます。
  264. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 本事業におけます埋立土砂につきましては、約二千百万立米、二千百万立方メートルが必要であるという想定をしておるところでございます。
  265. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 このような膨大な土砂について、どの地域からどの程度の量を採取、そして搬出する予定であるのか、具体的な地域名を明示した上で、当該採取、搬出の計画の詳細を明らかにしていただきたいと思います。
  266. 中島明彦

    ○政府参考人(中島明彦君) 埋立土砂についてでございますけれども、先ほど全体で二千百万立方メートルというふうにお答え申し上げました。このうち、キャンプ・シュワブの既存陸上部及び辺野古ダム周辺からの採取により約四百万立方メートルを確保いたしまして、沖縄県外からは約千七百万立方メートルを調達することを想定しております。  ただ、その調達場所については現時点では未定でございまして、これの具体的な地域名につきましては、今後、埋立土砂の安定確実な供給、また環境などの観点から、採取場所などについての必要な調査検討を行った上で適正な手続を経て調達することとしておりまして、現時点において具体的な採取場所を明示することは困難であることを御理解いただければと存じます。
  267. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 糸数慶子君、そろそろお時間でございますので、おまとめください。
  268. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 はい。  辺野古地域以外から約一千七百万立方メートルという膨大な量の土砂の調達が必要であるにもかかわらず、採取場所が全く未定といういいかげんな答弁では到底納得できるものではありません。また、沖縄県から遠距離にある土地からの採取、搬出も難しいと考えますが、改めまして、九州地域それから瀬戸内海圏域など、現時点での、私ども沖縄に関して、この辺りの土砂の採取はやめてほしいと国に求めてほしいという申入れもございます。先ほど御答弁を伺いましたら、答えられないということでありますが、また引き続きお伺いをしたいと思います。  いずれにいたしましても、沖縄だけではなく、本土の今採取予定と想定されている地域からの住民の声があるということも、この場を借りて、環境破壊につながるということを改めて訴えて、終わりたいと思います。ありがとうございました。
  269. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十六分散会