運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2015-06-12 第189回国会 参議院 本会議 26号 公式Web版

  1. 平成二十七年六月十二日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十六号   平成二十七年六月十二日    午前十時開議  第一 水銀による環境の汚染の防止に関する法   律案(内閣提出、衆議院送付)  第二 大気汚染防止法の一部を改正する法律案   (内閣提出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災   害対策基本法の一部を改正する法律案(趣旨   説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。環境大臣望月義夫君。    〔国務大臣望月義夫君登壇、拍手〕
  4. 望月義夫

    ○国務大臣(望月義夫君) ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  東日本大震災の発生後、政府では、被災地の廃棄物処理に関する指針を策定し、震災から三年以内にその処理を終えるべく、鋭意取り組んでまいりました。その結果、福島県を除く被災地の廃棄物処理はおおむねその目標を達成することができたものの、課題として、事前の備えが不十分であったこと、そのため、災害発生の初期段階で関係者が十分に機能、能力を発揮できなかったこと、さらには、国が速やかに処理の指針を示し、それを実施するための特例措置を講じて、円滑、迅速な処理を促すことができなかったことなどが浮かび上がりました。  これらの課題を近年の災害の教訓も踏まえて解決するため、災害時の廃棄物対策の在り方について、専門家の意見も聞きながら検討してまいりました。その結果、国、地方公共団体、民間事業者等、廃棄物処理に関係する者がそれぞれ主体的に連携協力した上で、平時から災害に備える必要があること、また、その平時の備えを災害発生後に実際に活用し、実現するための制度的担保が必要であることが明らかになりました。さらに、大規模災害に備え、地方公共団体だけでは対処し難い場合を想定し、国が自ら処理に当たるための制度が必要であるとの結論に至りました。  そこで、これら制度的な担保が必要なものについて法制度を整備すべく、本法律案を提出した次第であります。  以下、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、平時の備えを中心としつつ、通常起こり得る規模の災害対応も含めた廃棄物処理における災害対策の強化についてであります。  まず、災害時においても適正かつ円滑、迅速な廃棄物処理を図るとの基本理念を明確にするとともに、国、地方公共団体、事業者等、災害時の廃棄物処理に関わる者の連携協力の責務を明確にした上で、その担保として、国が策定する基本方針等の規定事項として、災害に向けた備えを追加することとしております。  また、通常規模の災害が発生したときの円滑、迅速な廃棄物処理に向けて、災害廃棄物の処分に係る仮設処理施設の設置手続を簡略化するなど、所要の措置を講ずるものであります。  第二に、大規模災害時の廃棄物処理対策の強化についてであります。  大規模災害が発生したときには、通常規模の災害への対策に加えて、政令による指定を受けて、環境大臣が、当該災害により生じた廃棄物について処理に関する基本的な指針を策定することとしております。  加えて、以上の措置及び既存の特例措置によってもなお不十分であるときは、環境大臣が、一定の要件の下、被災地域にある市町村の長からの要請を受け、当該市町村における災害廃棄物の処理を自ら代行することができることとしております。  以上が、本法律案の趣旨でございます。(拍手)     ─────────────
  5. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。高橋克法君。    〔高橋克法君登壇、拍手〕
  6. 高橋克法

    ○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。  私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案について、望月環境大臣に質問をいたします。  今回の法案は、非常災害により生じた廃棄物の処理について、平時から実際に災害が発生したときの対応まで、切れ目のない対策を講じることを目的としています。  そこで、まずお伺いしたいのは、本法案で言う非常災害とは、どの程度の災害を想定しているのかという点です。過去の事例に照らせば、東日本大震災が該当するのは当然として、ほかにどのような災害が当てはまるのでしょうか。つまり、本法案に定める非常災害時の措置は、どのような災害であれば発動をされるのでしょうか。  自治体や事業者にとって、本法案がどの程度の災害を想定しているのかによって、それを受けた対策も変わってくるはずです。また、この点について各自治体がそれぞれに共通認識がなければ、それぞれの対策にも整合性が取れなくなります。非常災害の定義について具体例をお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。大臣の見解をお伺いいたします。  次に、平時からの取組について伺います。  非常災害時には、施設の損壊や対応できる人員の不足などにより、平時よりも限定された能力で廃棄物処理を行うことが強いられます。したがって、平時に全く余裕がないような状態では、災害時に処理がパンクしてしまうのは明らかです。災害時を見越して、平時から十分な人員体制の整備、施設の処理容量の強化、耐震化や老朽化対策、周辺交通路の整備など、廃棄物処理システム全体の強靱化を図っておく必要があると考えます。  こうした対策の重要性については、本年二月に環境省が公表した巨大災害発生時の災害廃棄物処理に係る対策スキームにおいても述べられています。平時からの廃棄物処理システムの強靱化について、地方自治体が行うべき施策とそのための国の支援策をどのようにお考えでしょうか、お聞かせをください。  次に、民間事業者との連携体制について伺います。  災害廃棄物の処理に当たっては、処理業者を始め、建設業者や解体業者、運搬業者など、様々な事業者の協力が必要です。また、広い土地を持っている事業者には廃棄物の一時保管に協力をお願いする場面も出てくるかもしれません。  こうした民間事業者との協力体制について、本法案では、非常災害時における連携及び協力の確保という規定が設けられています。また、環境省では、平時からの取組として、民間事業者も含む地域ブロック協議会を立ち上げて情報交換や協議を行っていると伺っております。  これらについて、具体的には、どの範囲の民間事業者を対象として、どのような連携体制を構築しようとしているのか、政府の方針をお聞かせください。  最後に、市町村に対する財政支援の在り方について伺います。  本法案では、市町村が行う指定災害廃棄物の収集、運搬、処分について、国が代行できることを定めるとともに、市町村が負担する費用について財政上の措置を講ずるよう努めることが規定されています。東日本大震災で明らかになったように、大規模災害時には廃棄物の処理ができなければ復旧・復興が始まりません。国が自治体に対してどのような財政支援を行うのか、可能な限り事前に表明しておくことが重要だと考えますが、いかがでしょうか。大臣の見解を伺います。  東日本大震災のとき、震度六強、住宅被害三千四百三十四棟、災害廃棄物の量二万一千七百トンでありました栃木県高根沢町の町長の職にあった者として、災害時に政府の適切なバックアップがあれば市町村は自らの力を発揮できると思っております。万全の対策を講じていただくことをお願いして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣望月義夫君登壇、拍手〕
  7. 望月義夫

    ○国務大臣(望月義夫君) それでは、お答えさせていただきます。  本法案で新たに規定した特例措置が適用される非常災害の定義及び具体例についてお尋ねがありました。  まず、非常災害の定義につきましては、従来から、廃棄物処理法について定義なしに非常災害という用語を使用しているところであり、法案は、個々の災害の規模及び被災自治体の廃棄物の処理能力に応じて特例措置を柔軟に活用するとの観点から、従来の法律上の文言の言い方を踏襲することとしたものであります。  具体的に想定する災害の規模については、例えば、平成二十六年の広島土砂災害や平成二十五年の大島土砂災害のような、被災地域における既存の処理体制では対応できない規模の災害を想定しております。  法案にある非常災害時の特例措置は、被災した都道府県知事又は政令で指定した市の長が必要と認めた場合に適用できるものです。国としては、地域ブロック協議会の場等を通じて、平時から関係者がその地域で想定される災害やその被害状況等について共通の認識を醸成できるよう促してまいる考えです。  廃棄物処理システムの強靱化の推進に当たっての地方自治体が行うべき施策と、そのための国の支援策についてお尋ねがありました。  強靱な廃棄物処理システムの構築に関して、地方自治体が行うべき施設整備面や体制整備面の対策として、計画的な廃棄物処理施設の更新と耐震化、地域の災害廃棄物処理の拠点となる廃棄物処理施設の整備、各自治体における災害廃棄物処理計画の策定、地域ブロック協議会等広域的な処理体制の構築等を進めております。  具体的な施設整備については、施設そのものの耐震化に加え、大規模な災害が発生しても一定期間で災害廃棄物の処理を実施できることが重要です。このため、地方自治体が広域圏ごとに一定程度の余裕を持った施設の整備を進めるため、平成二十六年度補正予算及び平成二十七年度当初予算に、大規模災害時の廃棄物処理システムの強靱化という新たな柱を設け、市町村が行う一般廃棄物処理施設整備への支援を充実させたところであり、今後も一層重点的に支援してまいります。  また、体制整備については、全国八か所に設置した地域ブロック協議会を通じて、国が主導的な役割を果たしつつ、専門家の派遣等により計画策定を支援するとともに、市町村や都道府県を始めとした関係者が綿密に連携できるよう、地域の実情に応じた協議を通じて広域的な連携協力体制の強化を図るなどの取組を支援してまいります。  民間事業者との連携体制についてお尋ねがありました。  東日本大震災の教訓を踏まえれば、災害廃棄物処理を円滑かつ迅速に行うためには、分別、再生利用の徹底、再生資材の利用先の確保等が重要であることから、一般廃棄物処理業者や産業廃棄物処理業者はもとより、解体業者、運送業者等、廃棄物の収集、運搬及び処分への協力が期待される事業者、さらには、セメント製造事業者や発電事業者等、災害廃棄物の資材として利用や燃料としての利用に参加し得る事業者など、幅広い業種の民間事業者に連携協力してもらうことが重要だと考えております。  そのため、本法案では、廃棄物処理法において、災害時の廃棄物処理について、関係者間の適切な役割分担と相互の連携協力の責務を新たに規定いたしました。また、法案の趣旨を踏まえ、全国八か所に設置した地域ブロック協議会を通じて、こうした民間事業者と各自治体とが平素から顔の見える関係を構築し、あらかじめ災害発生時の協力関係について取り決め、それぞれ役割分担を明確にした具体の行動計画を定めるとともに、発災時の廃棄物処理について訓練を共同で実施するなどにより、国としても連携体制を強靱かつ実効性の高いものとしてまいります。  大規模災害時における自治体に対する財政支援の在り方についてお尋ねがありました。  大規模災害時に廃棄物の処理ができなければ復興・復旧が始まらないというのは御指摘のとおりであります。東日本大震災の教訓を踏まえて本法律案を提出した次第であります。  国が代行処理を行う場合、収集、運搬、処分に要する費用は一時的に国が負担することとしているため、財政上の問題で災害廃棄物の処理が滞ることはないものと考えております。また、被災地域が自ら災害廃棄物を処理する場合であっても、被災地域への財政支援は極めて重要な課題であると考えております。  本法案において、災害対策基本法の中に大規模災害発生時の災害廃棄物対策を明確に位置付けることによって、これまで以上に政府全体で行う財政支援の対象であることが明確になったと考えております。環境省としては、地方自治体の不安を払拭するためにも、将来、大規模災害が生じた場合には必要な財政支援に努めてまいります。(拍手)     ─────────────
  8. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 長浜博行君。    〔長浜博行君登壇、拍手〕
  9. 長浜博行

    ○長浜博行君 民主党・新緑風会の長浜博行です。  会派を代表して、ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案について、望月環境大臣に質問いたします。  梅雨前線の影響で、九州地方では大雨による被害が出ています。まず冒頭、地球温暖化による異常気象、地震、火山噴火等で被災をされた皆様に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い自然現象の鎮静化、復旧を願ってやみません。  百年に一度の災害という表現もありますが、関東大震災が発生して九十二年経過します。一九九五年の阪神・淡路大震災、長年慣れ親しんだ自宅や会社、買物に行く近所の商店街など、ある意味で日常生活の全てが地震による崩壊や火災で瓦れきの山に変貌してしまいました。同僚議員とともに現地に支援物資を届けたことをつい昨日のように思い出します。  二〇一一年の東日本大震災からの復興事業は、四年三か月が経過した今日も続いています。二〇一三年十二月、政府の中央防災会議が、三十年以内に七〇%の確率で発生するとされているマグニチュード七クラスの都心南部直下地震の被害想定を発表しました。想定される災害廃棄物は九千八百万トンと聞いております。  災害は忘れた頃にやってくるとも言われますが、忘れるどころではありません。先月を振り返れば、五月五日、ゴールデンウイークの観光客でにぎわう箱根では、三回の地震に続き、六日、箱根山が噴火警戒レベル二、火口周辺規制に引き上げられました。なお、浅間山も昨日、噴火警戒レベル二に引き上げられております。二十五日は、震源が埼玉県北部でマグニチュード五・五、茨城県土浦市で震度五弱の地震が発生、決算委員会が開かれておりましたので、審議中に気付かれた方もおられたと思います。二十九日には、口永良部島で爆発的噴火が起き、噴火警戒レベル五、避難となりました。翌三十日には、小笠原諸島西方沖で、震源の深さ六百八十二キロメートル、マグニチュード八・一という大きな地震が発生し、神奈川県内で震度五強を記録をしました。今月に入っても、全国各地で地震が起きていることは御承知のとおりです。  また、政府と損害保険各社は、南海トラフなど巨大地震の最新リスク評価を勘案して、全国平均で地震保険料を一九%引き上げるようです。なお、御承知のように、地震保険の料率は昨年七月に既に一五・五%アップしていますので、官民挙げて大震災発生へのリスクに備える現実味が増してきているとも言えなくもありません。  そこで、平時から災害に備えることはもちろん大切なことですが、不可避的な災害により発生してしまった廃棄物に円滑かつ迅速に対応できるかどうかが復興のキーポイントであるという共通認識の下に、幾つかお尋ねいたします。  まず初めに、環境省の今後の対応として、大きな位置付けが与えられている地域ブロック協議会に関して伺います。  環境省の説明によれば、地方環境事務所を中心として、地域ブロック単位で災害廃棄物の処理に係る行動計画を策定し、平時からの協力、協議する場として設置するとのことであります。これらの措置は、改正案で追加される関係者の連携協力を求める規定などを踏まえていると考えられます。  しかし、地域ブロックが様々な準備や検討の単位として期待されていることが直接的に条文で規定されているわけではありません。地域ブロック協議会が地域における協力の軸となり有効に機能することを担保するためには、直接的に法律に規定した方が確実ではないかと思いますが、なぜそのような規定としないのか、理由を伺います。  改正案は、災害廃棄物処理に関する事前の備えが不十分であるとの前提に立つものでありますが、その一例として、各地方自治体が定める災害廃棄物処理計画の策定が三割程度にとどまっていることが指摘できます。東日本大震災後に策定した地方自治体や検討中の地方自治体も多いとすれば、以前は更に策定率が低かったということになります。このように、策定が思うように進まなかった理由をどのように考えておられるのか、伺います。  また、首都圏の一都三県の市町村については、予想される直下地震を念頭に一〇〇%に近づけるとの目標が決められているようでありますが、国全体としては、どのような目標を持って災害廃棄物処理計画の策定を進めていこうとしているのか、伺います。  次に、より具体的な課題を伺います。  大規模な災害が発生した場合の災害廃棄物処理を円滑に行うためには、速やかに災害廃棄物の発生量を推計することと、あらかじめ仮置場を確保しておくことが不可欠となります。しかし、災害発生直後は、得られる情報は限られており、また、時間の経過とともに変化していきます。そうした中で被災自治体は、災害廃棄物発生量について、とにかくまず推計を行わなければなりません。そして、時間の推移とともに、より多くの情報を取捨選択しながら推計を見直していく必要があります。  このような各段階における推計方法について、それぞれ最も望ましい方法について事前に国から自治体に対して示されている必要があると思いますが、国としてはどのように対応しているのか、伺います。  また、この問題と密接に関係するのが仮置場の確保です。東日本大震災では、災害廃棄物の仮置場の確保が難航しました。環境省が策定した災害廃棄物対策指針では、平時における仮置場の必要面積の算定や候補地の選定を求めています。一方、被災自治体からは、農地を仮置場に使用することの問題点も指摘されました。そもそも、仮置場とすることができる場所というのは、避難所や仮設住宅にも使用が可能な場所が多く、それらと競合する可能性も指摘されております。  様々な課題がある中で、災害時に向けた事前の備えとして、余裕を持った仮置場の確保は重要でありますが、昨年二月に実施したアンケート調査による自治体の状況を伺うとともに、環境省としてはどのように確保していくつもりなのか、御説明をください。  次に、災害発生時の特例措置などについて伺います。  今回、廃棄物処理法の改正で追加される特例措置は、東日本大震災でとられたもろもろの特例措置を踏まえて、あらかじめ備えておけることは定めておくということだと思いますが、多くの特例が考えられる中で、特に本改正案に規定することとした理由を伺います。  また、東日本大震災時に政省令により措置された様々な特例について、今後の災害で同様な特例があり得るのかについてあらかじめ整理して示しておくことは、各自治体の災害時における機動性を高める観点から重要だと思いますが、認識を伺います。  なお、今回とられた措置のうちで、再委託については、更に一定の条件の下で再々委託まで認めるべきだとの要望もあるようでありますけれども、これを認めないとする理由も併せて伺います。  次に、災害対策基本法改正の規定について伺います。  元々、災害対策基本法の廃棄物処理の特例は、平成二十五年の同法の改正により規定されたところであり、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生し、政令により指定があった場合には、地域を限って特例的な廃棄物処理基準などを定めることができるとしております。改正案では、特例を増やして、一定の場合に国による廃棄物処理の代行処理を可能とする規定が追加されるわけですが、あわせて、政令により指定された災害においては、国による代行処理が実施されない場合であっても、国が災害廃棄物処理の指針を定めることとなります。  関係者の役割分担などを定めるとのことでありますけれども、東日本大震災後に策定されたマスタープランと比較して、策定時期や内容などはどのようなものを想定をされているか、伺います。  改正案で規定されている代行処理の要件は、市町村長からの要請を前提としている点で、東日本大震災直後に制定された東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法と同様と言えます。特措法による代行処理は、結局、四市町において実施されたわけですが、発災時に制度があればもっと多くの代行処理の要請がなされた可能性もあります。  確かに、市町村長からの要請を受けて代行処理をするという考え方は、一般廃棄物の処理が市町村の責務であるから当然であると言えば当然であると言えるかもしれません。しかし、大規模災害時には、国の責任で、国の判断の下に、要請を待たずに代行を始めなければならない必要が生じる可能性もあります。都道府県との役割分担もあると思いますが、市町村による要請が何らかの理由で遅れたとき、又は遅れそうなときの対応は改正案で万全と言えるでしょうか。今回、特措法の考え方を踏襲することとした理由を伺います。  あわせて、代行処理に係る自治体の費用負担の問題について伺います。  東日本大震災における代行処理では、特措法の規定を根拠として、処理費用を国が実質的に全額負担するという仕組みがつくられました。この費用負担について、改正案では、特措法の規定とは異なり、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるとするにとどまっております。国の費用負担についてどのように考えているのか、認識を伺います。  最後に、放射性物質に汚染された廃棄物の処理に関して伺います。  東日本大震災では、東京電力福島第一原子力発電所の事故により放射性物質が広域にわたって拡散し、各地で放射性物質に汚染された廃棄物が大量に発生しました。この問題は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法を制定して、国の責任により必要な措置が講じられることとなりましたが、事故から四年余りが経過した今日においても、放射性物質に対する住民の不安が大きく、当該廃棄物の長期管理施設等が確保できておりません。  政府の巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会においても、委員からこの点について指摘があったと聞いておりますが、本改正案において、放射性物質により汚染された災害廃棄物への対応を対象としなかった理由を御説明願います。  大きな自然災害が起こらないことを祈りつつ、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣望月義夫君登壇、拍手〕
  10. 望月義夫

    ○国務大臣(望月義夫君) 地域ブロック協議会の取組を法律に規定しない理由についてお尋ねがありました。  地域ブロック協議会は、地方環境事務所が中心となって、地方自治体や地域の民間事業者、専門家などが参画する地域の災害廃棄物対策について、共に考え、協力をしていくための場でございます。この協議会は、事前の対策と災害発生後の対処方法の両方について、関係者が役割分担を明確にし、連携協力して取り組んでいくための軸として有効に機能していくことを期待をしているわけであります。  この協議会の趣旨を踏まえれば、発生した廃棄物の種類や量に応じて円滑かつ迅速に対応するためには、あらかじめ法律によって協議会の役割、目的を限定し、あるいは、会に参画する者の地理的範囲を限定するのではなく、各自治体レベル、地域ブロックレベル、さらには複数の地域ブロック間レベルという重層的なレベルでの協力関係が柔軟に築かれるようにしておくことが重要であります。このため、地域ブロック協議会においては法定しないことが適当と考えたものであります。  自治体における災害廃棄物処理計画が進んでいない理由についてお尋ねがありました。  自治体の多くは、災害廃棄物処理計画の策定の必要性を認識していても、作成に当たる職員を確保できない、作成に必要な専門的な知識や経験がないといった課題を抱えているため、策定が思うように進められない状況にあるものと考えております。  このため、国としては、専門家の派遣に加え、災害廃棄物処理を経験したことのある自治体の職員等をリスト化しておき、支援が必要な自治体に対し当該人材を派遣し、災害廃棄物処理の計画策定を支援できる人材ネットワークの構築を進めることとしております。  災害廃棄物処理計画の策定の進め方についてお尋ねがありました。  御指摘のとおり、国としては、平成二十七年三月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画において、東京都のほか、埼玉県、千葉県及び神奈川県の全市町村については、平成三十七年度に災害廃棄物処理計画の策定率を一〇〇%に近づけることを目指すこととしております。また、他の地域におきましても、国土強靱化基本計画に基づき作成された国土強靱化アクションプラン二〇一四において、災害廃棄物の処理計画の策定率を全市町村について平成三十五年度までに八〇%まで引き上げることとしております。  これら計画に定めた目標を達成すべく、国としては、都道府県廃棄物処理計画において、災害対応について本法案で新たに規定することを踏まえ、その実施を促すとともに、全国八か所の地域ブロック協議会において、自治体に対して災害廃棄物処理計画の策定の必要性を適切に説明し、さらに、策定のための分かりやすい指針を示し、専門家を派遣することにより自治体における処理計画策定を支援することとしております。  災害廃棄物発生量の推計方法についてお尋ねがありました。  災害廃棄物発生量の推計は、将来の災害廃棄物対策に向けた処理計画を策定する上で、また発災直後に迅速に災害廃棄物の処理を進める上でも非常に重要であります。  そのため、平成二十五年度から、有識者会議において東日本大震災の教訓を踏まえた発生量推計に必要な係数を確定し、推計方法を具体化したところです。今年度はさらに、時間の経過に伴う木くずの腐敗等による廃棄物の質の変化等を考慮し、かつ自治体が活用しやすい推計方法を確立すべく検討を進めてまいる考えであります。  仮置場の確保に係る自治体の状況と対策についてお尋ねがありました。  昨年二月にまとめたアンケート調査の結果では、約三割の自治体において仮置場の候補地を選定しているとの回答をいただきました。災害廃棄物処理においては仮置場を迅速に確保することが極めて重要であることから、環境省としても、国が所有する公有地の情報について、地域ブロック協議会を通じて都道府県や市町村に情報提供などを行い、各自治体における仮置場の確保を促してまいる考えであります。  本法案で措置した特例についてお尋ねがありました。  法案に規定する特別措置の考え方につきましては、東日本大震災時に措置した特例だけではなく、そのほかにも必要な特例措置はないか、専門家や関係自治体等が参画する検討会での議論や、東京都への個別のヒアリング、東日本大震災当時の被災自治体からの要望等を踏まえ、検討いたしました。  その結果、法律における特別措置として、東日本大震災時に措置した国により代行措置に加え、廃棄物処理施設の新設及び既存施設の活用に係る手続の簡素化について新たに規定することとしたものであります。  なお、東日本大震災時に措置した特例であって、今回の法案において規定しなかった特例措置としては財政支援に係る措置がありますが、これについては、発生後に確定的な措置を講ずるものであるため、発生前からあらかじめ特例措置を整備する今回の法案においては規定しておりません。  今後の災害に備え、東日本大震災時に政省令により措置された特例と同様の特例をあらかじめ整理しておくことについてお尋ねがありました。  お尋ねの点は極めて重要であると考えており、今回の法改正に係る一連の災害廃棄物対策におきましても同様の考えに沿った作業を進めております。  具体的には、東日本大震災時に政省令等により行った特例的な措置につきましては、これらの政省令等を総点検し、今後の災害にも措置することが必要なものにつきまして、本法案と時期を合わせて政省令を改正、施行する準備を進めております。  災害廃棄物の処理の再々委託を認めない理由についてお尋ねがありました。  災害廃棄物処理の再委託につきましては、東日本大震災時に行った特例のうち、今回の法改正と併せて整理する必要がある特例として、政令改正により対応することとしております。  他方、再々委託につきましては、一部の業界からこれを認めるべきではないかとの御指摘があることは承知しておりますが、一般廃棄物の処理については、本来は市町村が処理業者と直接委託契約を結び、処理が確実に行われるよう指導監督をすることが原則であります。再々委託を可能にすると、市町村の責任を不明確にし、不適正処理につながるおそれがあること、東日本大震災の例に鑑みても、再委託までの特例で適切に対応できると見込まれることから、再々委託については認めないことといたしました。  国が大規模災害の発生後に策定する処理指針についてお尋ねがありました。  まず、策定時期につきましては、東日本大震災には、発災から約二か月後にマスタープランを策定いたしました。他方、本法案に基づいて新たに規定した処理指針については、東日本大震災の際に要した期間の半分である、おおむね一か月以内に策定することを想定し、あらかじめその準備を進めておくこととしております。  また、内容につきましては、現在、有識者会議において議論をしていただいているところでございますが、東日本大震災後に策定したマスタープランの内容を基にしつつ、更に詳細な内容、具体的には、その災害により生じた廃棄物についての要処理量の試算結果、被災地域の特性を踏まえた廃棄物の種類別の具体的な処理方法、広域処理や国による代行処理、災害対策基本法に基づく特例的な措置や財政措置の方針などを盛り込む予定です。  国による代行処理の考え方についてお尋ねがありました。  これにつきましては、国による代行処理は、あらかじめ定めた関係者の役割分担に基づき、被災市町村以外の周辺市町村による処理や事務委託を受けた都道府県による処理を補完するものとして想定されること、また、国においては、自治体における処理が円滑に進められるよう、廃棄物処理基準を緩和した上で、被災地域に対し環境省職員や専門家を派遣し、都道府県間の調整や、処理を支援するための民間団体との調整等の被災地域の実情に応じた支援を積極的に行うこととしておること等を総合的に判断して代行処理の要件を定めたものであります。このことは、東日本大震災後に整備した特別措置法の考え方と異なることはないため、今回の法案についても同様の要件といたしました。  他方、大規模災害時には、発災直後に国自ら被災地域全体について災害廃棄物の要処理量を衛星写真等によって把握することとしており、被災自治体からの要請を待たずに、必要に応じて国による代行処理の準備を進めることとしております。このように、発災時には必要に応じ迅速な対応を行えるよう努めてまいります。  国が災害廃棄物の処理を代行するときの費用負担についてお尋ねがありました。  大規模災害発生時においては、莫大な災害廃棄物の処理を適正かつ迅速に行うため、政府全体で支援していくことが重要であります。実際に、東日本大震災においては、社会的、経済的影響が極めて大きな災害であったことから、財政支援のための特別法が制定され、実質的に全額国庫負担としたところであります。  本法案において、災害対策基本法の中に大規模災害発生時の災害廃棄物対策を明確に位置付けたことによって、これまで以上に政府全体で行う財政支援の対象であることが明確になったと考えております。環境省としても、地方自治体の不安を払拭するためにも、将来、大規模災害が生じた場合には必要な財政支援に努めてまいります。  本法案において放射性物質により汚染された災害廃棄物への対応を規定しない理由についてお尋ねがありました。  今般の法改正は、東日本大震災によって生じた災害廃棄物の処理が、福島県の一部地域を除き昨年三月末までに完了したことから、その経験、知見に基づき、制度的な視点から今後必要となる対応について検討を行ってきたことを受けたものであり、放射性物質に汚染された廃棄物を対象とするものではありません。  他方、東京電力福島第一原子力発電所の事故によって生じた放射性物質により汚染された廃棄物は、いまだ処理の途上にあり、次に同様の事故が起きた際の対応については、現在行っている処理の結果を見極める必要があるため、まずはその処理を完遂することが重要と考えておるところでございます。(拍手)
  11. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  12. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 日程第一 水銀による環境の汚染の防止に関する法律案  日程第二 大気汚染防止法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。環境委員長島尻安伊子君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔島尻安伊子君登壇、拍手〕
  13. 島尻安伊子

    ○島尻安伊子君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  両法律案はいずれも水銀に関する水俣条約の的確な実施を確保するための国内法整備を行うことを目的とするものであります。  まず、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案は、水銀鉱の掘採、水銀使用製品の製造等、特定の製造工程における水銀等の使用、水銀等を使用する方法による金の採取、特定の水銀等の貯蔵及び水銀含有再生資源の管理の規制に関する措置等、所要の措置を講じようとするものであります。  次に、大気汚染防止法の一部を改正する法律案は、水銀排出施設に係る届出制度を創設するとともに、水銀排出施設から水銀等を大気中に排出する者に排出基準の遵守を義務付ける等、所要の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、水銀等の輸出入管理の厳格化、水銀使用製品に関する情報を消費者に提供する必要性、水銀廃棄物の適正な回収、処理の在り方、水銀の大気排出抑制のための具体的な取組等について質疑が行われたほか、参考人からの意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  14. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより両案を一括して採決いたします。  両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  15. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  16. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十四     賛成           二百三十四     反対               〇    よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  17. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十二分散会