運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2015-02-18 第189回国会 参議院 本会議 7号 公式Web版

  1. 平成二十七年二月十八日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第七号   平成二十七年二月十八日    午前十時開議  第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。山口那津男君。    〔山口那津男君登壇、拍手〕
  3. 山口那津男

    ○山口那津男君 公明党を代表して、ただいま議題となりました安倍総理の施政方針演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。  さきに成立した平成二十六年度補正予算に続き、平成二十七年度予算案を一日も早く成立させ、本格的な経済再生に向け、スピード感を持って切れ目のない経済対策を推進し、デフレ脱却を成し遂げていかなくてはなりません。経済の好循環を地方、中小企業、家計にまで届けていけるかが問われています。  一方、アベノミクスに関連して格差を指摘する声があり、経済全体を底上げしつつ、併せて格差是正にも目を配ることが必要です。多様な民意を幅広く受け止め、多くの国民が納得できる合意の形成、きめの細かい政治の実行へ、与党としての責任を果たすべく決意を新たにしております。  安倍政権においては、与党の政権合意に基づいて、震災復興と経済再生を最優先し、地方を元気にし、さらに社会保障を安定強化させるなど、国民が望む政治の実現に施策を総動員して取り組むべきと考えます。  初めに、テロ対策について伺います。  いわゆるイスラム国と称するテロ集団による卑劣なテロ行為によって邦人二名が殺害されたことは、断じて許すことはできません。改めて心から哀悼の意を表するものであります。  こうしたテロ行為が繰り返されることのないよう、国内対策はもとより、国際社会と連携したテロ資金の遮断や戦闘員の流入阻止などに取り組むことが重要です。  その一方で、我が国としては、難民への食糧や医療の提供などの伝統的に行ってきた人道支援を更に進めるとともに、より根本的な解決のために、テロの温床となっている貧困や抑圧から人々を解放する人間の安全保障に立脚した支援を継続していくことも忘れてはなりません。  テロの根絶へ国連を中心とした国際社会の連携強化が求められる中、我が国の果たすべき役割について、総理のお考えを伺います。  景気・経済対策について伺います。  十六日に内閣府が発表した昨年十月―十二月期のGDP速報値は、年率換算で実質二・二%増となり、昨年四月の消費税率引上げ後初めてプラス成長となりました。一方で、景気回復の鍵を握る個人消費や設備投資は小幅な伸びにとどまり、景気回復の勢いに力強さは見られないと指摘されています。政労使の合意に基づき、協力して企業収益の増加を雇用の拡大、賃金の上昇、下請中小・小規模企業との取引価格適正化へとつなげ、経済の好循環を確かなものにできるかどうか、今年が正念場です。  平成二十七年度税制改正においては、本社機能移転促進のための税制、賃上げを促し家計支援につなげる所得拡大促進税制の要件緩和など、好循環の実現を後押しする環境を整えるとともに、地方創生に向けた取組を強化しました。  さて、昨年の総選挙において多くの国民の皆様から御期待いただいた軽減税率の実現は待ったなしの課題です。食料品などの生活必需品にまで重い消費課税を強いることは、国民の消費意欲を損ない、消費増税に対する国民の理解を妨げることになりかねません。  与党は、二〇一七年度からの軽減税率導入に向け、秋口までに制度案をまとめることで合意し、具体的な制度設計に着手しました。スピード感を持って議論を詰めていくことが、消費者、事業者共に安心感をもたらすことになると確信いたします。  平成二十七年度予算案は、経済再生や地方創生への取組を強化する内容になりました。特に地方創生における経済政策は、都市部の大企業が成長し、地方がその恩恵を受けるという従来型の経済構造だけに頼るのではなく、地元発の産業が各地で生まれ、地域経済において自律的な好循環を生み出すという視点が重要です。  一方、財政健全化も避けて通れない重要な課題であり、本予算案において目標であるプライマリーバランスの赤字半減の達成を見込み、一般会計においても中期財政計画上の目標を達成している点を評価いたします。国債発行額についても、前年度から四兆円超の大幅な減額を行っており、引き続き、経済成長による増収と歳出抑制をバランスよく取り込み、財政健全化を着実に進めるべきです。  以上のような観点から、経済の好循環実現に向けた総理の御決意を伺います。  地方創生について伺います。  二〇〇八年に始まった人口減少は、地方だけの問題ではなく、やがて都市機能にも重大な影響を及ぼすと指摘されています。今こそ官民挙げて真正面から立ち向かわなければ、危機的な状況に陥ることは明らかです。  そこで、政府は、人口減少に歯止めを掛け、地方の活性化を推進するまち・ひと・しごと創生長期ビジョンと五か年計画の総合戦略を策定しました。  そこで示された施策を進めていく上で大切なのは、地域が責任を持って、自ら知恵を絞り、実情に応じた戦略を立て、実行することです。地域住民の知恵と発想を柔軟に展開できる仕組みづくりが必要であると公明党は一貫して訴え、全国の地方議員とともに取り組んできました。現場で生きる人々がその力を存分に発揮できる、人が生きる地方創生としていかなければならないと考えます。  豪雪地帯で知られる新潟県十日町市の事例を紹介します。  同市では、過疎の山中にある廃校舎をレスリング道場に改築。それが世界トップレベルの女子日本代表の合宿所として注目を集めるようになり、地域に活力が生まれています。  また、地域おこし協力隊では、任期終了後も約六割の隊員が同市に残り、家族も含めると退任者数二十三人を上回る二十八人が定住しています。  さらに、隣接する津南町とともに、三年に一度、大地の芸術祭を開催。およそ二百の集落の地域そのものをキャンパスとして現代アートの作品展が展開され、世界中の芸術家や都会の学生が制作のために長期間泊まり込むほか、世界から多くの観光客が訪れ、地元産品の販路拡大にもつながっています。  こうした施策は市議会公明党も積極的に支援しており、自然の豊かさや地域の特色を生かした更なる地域活性化策にも取り組んでいます。  これなどは地方創生の意欲的取組の好例と言えるでしょう。まさに知恵は現場にありです。地方版総合戦略の策定においては、地域の特色を生かした新しい視点での政策が数多く生まれるよう、情報や財政、人的な側面を含め、国として最大限支援するよう強く求めます。  さらに、乳幼児医療費助成等の地方単独事業に対して、現物給付の場合、一般的に医療費の増大が見られることから、法定割合どおりに徴収している自治体との間に不公平が生じるということで、ペナルティーとして国保の国庫負担金や普通調整交付金の減額算定措置が行われています。しかし、今後、人口減少問題への意欲的、自発的取組を促し、国保の財政運営が都道府県に移行する方向であることに鑑み、こうしたペナルティーは見直すべきと考えます。  以上、地方創生への取組について、総理の答弁を求めます。  東日本大震災からの復興の加速化について伺います。  心の復興、人間の復興、公明党は一貫して被災地、被災者に寄り添いながら、全党挙げて取り組んでまいりました。その一環として、あの大震災を忘れない、そして瓦れきの山から立ち上がる力強い復興の姿を写真を通して全国の皆さんに伝えたいとの思いから、「人間の復興へ」と題する写真展を全国巡回で開催しています。御覧になった方から、震災を風化させないためにもこのような企画が必要ですとの評価をいただいています。  公明党は、風化と風評の二つの風にこれからも立ち向かってまいります。  震災から四年。二〇一五年度は集中復興期間の最終年度となります。しかし、復興はまだ道半ばです。被災地どの地域も、将来の復興計画に向けたスタートをようやく切ったというのが実情であり、まだまだ国の支援の継続は欠かせません。復興が成し遂げられるその日まで財源を含めて国が支援を継続する、そのメッセージを被災地の方々に向かっていち早く送ることが何よりの希望へとつながるのです。  被災地における住宅再建、町づくりが本格化する中、被災三県における災害公営住宅の早期供給を後押しする狙いから、被災三県の災害公営住宅の標準建設費が一月から引き上げられました。このように、復興のステージによって変化する被災地、被災者のニーズや要望を国がしっかりと酌み取り、被災自治体とも連携して、タイミングを外すことなく、タイムリーに打ち出していくことが欠かせません。  一方、例えば法テラスにおける東日本大震災法律援助事業の延長など、政府がカバーできない部分は議員立法として、与野党を超えてしっかりと整備をしていくことも重要です。  国としての支援の継続と今後の生活再建に関わる課題への取組について、総理の答弁を求めます。  福島の再生については、福島イノベーション・コースト構想の具体化に向けた動き、福島十二市町村の将来像に関する有識者検討会の開催など、具体的な未来像の議論が進みつつあります。ふるさとで早く暮らしたい、かけがえのないふるさとへの帰還を今か今かと待ち望んでおられる方は少なくありません。その思いに応えていくために、健康、医療の問題、住まい、町づくりの課題、雇用や産業の振興の在り方など、将来へのビジョンとその方策を、国と自治体が一体となって、より具体的に早急に策定し、実行に移すべきです。  「うつくしま、ふくしま。」を取り戻す。福島再生に向けた総理の御決意を伺います。  消費増税一〇%への引上げが延期され、社会保障の充実ができなくなると心配する声があります。しかし、難病に対する医療費助成の対象疾患拡大や、国民の三人に一人が負担軽減の対象になる高額療養費制度の改善が一月から始まっています。子育て世代の支援を拡充する子ども・子育て支援新制度は、予定どおり二〇一五年度から本格実施されます。政府は、社会保障の充実について丁寧な説明をすべきです。  また、地域包括ケアシステムの構築が重要課題となっています。高齢化がピークを迎える二〇二五年に備え、高齢者が住み慣れた地域で医療、介護、生活支援サービスなどを一体的に提供するものです。我が党も、地域包括ケアシステム推進本部を立ち上げ、政府に提言等を行ってきたところです。  同システムの構築に向けたポイントの一つが、地域医療介護総合確保基金の創設です。この基金は、介護サービスの充実と人材確保を目指し、介護施設の開設準備に必要な経費の助成や多様な介護人材の参入促進などを推進するものです。今後、在宅での療養生活に伴う医療ニーズが高まるため、訪問看護ステーションの大規模化などを支援すると聞いています。  そうした中、先般、全体として二・二七%引き下げる介護報酬改定の概要が公表されました。介護現場から撤退せざるを得ない事業所が出るのではないか、あるいは、介護職員の処遇改善加算が確保された、重度の高齢者や認知症高齢者の処遇について加算が付けられたといっても、人材不足から必要な人員の配置ができず、結果として加算が取れない事業所も多いのではないかとの声が出ています。結局は介護サービスの低下につながるのではないかと危惧する声に政府はどのように応えるのでしょうか。  また、介護現場における人材の確保は喫緊の課題であります。二〇一五年度から始まる第六期介護保険事業計画では、二〇二五年を見据えて必要な介護人材の確保策も同時に検討されると理解していますが、今回の介護報酬のマイナス改定で介護人材の確保策に影響が出るとの懸念も寄せられます。  さらに、今回の介護報酬改定では、介護事業所の収支差率ばかりがマスコミで報道されました。介護事業所、特に社会福祉法人の内部留保の在り方について、社会福祉法人改革として明確に示すべきです。特別養護老人ホームなど福祉施設における内部留保が大きい、もうけ過ぎているのではないかとの誤解を国民に与えていることから、改めて社会福祉法人などの会計の在り方を国民目線から明確にすべきと考えます。  以上、介護報酬改定をめぐる諸問題について、総理の答弁を求めます。  認知症対策について伺います。  政府がこのほど、国家戦略として認知症対策に総合的に取り組む新オレンジプランを策定したことを高く評価したいと思います。中でも、認知症の早期診断・対応のため、医師や看護師などが自宅訪問をする初期集中支援チームを、今年度四十一市町村での実施から、二〇一八年度までに全ての市町村に設置する目標を掲げたことは画期的です。高齢化のスピードが世界一の日本における認知症対策は、世界でも注視されています。認知症対策の促進について、総理の御決意を伺います。  生活困窮者に対する支援の強化について伺います。  今年四月から施行される生活困窮者自立支援法に基づき、二〇一五年度予算案には四百億円が計上されました。生活困窮者は様々な困難を抱えていますが、包括的な相談支援や就労支援等を実施することが重要と考えます。生活困窮者への支援強化について、総理の御見解を伺います。  労働政策について伺います。  政府は、働き方改革の一つとして、時間ではなく成果で評価される制度を創設する方針ですが、サービス残業の合法化や長時間労働の常態化を招かないよう、慎重な制度設計が必要です。  また、公明党は、労働者の健康確保が新制度の大前提であると一貫して主張してきました。対象となる業務や労働者を厳格に見極め、労働時間の適切な把握の下、健康確保に有効な対策を講じるべきです。  また、新制度とは別に、過重労働の防止は大変重要です。昨年は、議員立法により、過労死等防止対策推進法を制定しました。長時間労働の抑制、有給休暇の取得促進など、法整備も含め幅広く対策を講じるべきです。  労働政策について、総理の答弁を求めます。  女性の活躍推進について伺います。  女性の活躍推進法案が今国会に再提出される見通しですが、一日も早く成立させ、女性活躍の基盤づくりを政府を挙げて推進するよう望むものです。また、女性の活躍の基盤は何といっても健康です。女性の健康包括的支援法案、すなわち、議員立法で出す予定の法案の成立も実現させたいと思います。  女性の活躍が大きく後押しされる一方で、単身女性の三人に一人が貧困状態であると指摘する調査結果が注目を集めるなど、女性の貧困が社会問題となっています。女性は男性より非正規雇用で働く人が多く、結果、男女の賃金格差が生じるなど、雇用環境の整備が追い付いていないことなどが大きな要因です。全ての女性が輝く社会を目指すのであれば、光が当たる活躍推進だけでなく、社会の中で悪戦苦闘している人々の問題にも積極的に対応していただきたいと思います。総理の御見解を伺います。  若者の雇用について伺います。  若者が生き生きと働ける社会の実現に向けて、公明党は昨年、若者の雇用を促進する法律の制定を提案しました。先月、厚生労働省の労働政策審議会は、若者の雇用対策に関する初めての法律制定に向けた報告書をまとめました。若者の雇用不安を解消するような実効性ある法案にしていくべきと考えます。  そのためには、若者の使い捨てが疑われるブラック企業等悪質な企業から若者を守り、若者を企業と適切にマッチングしていくために、離職者数や残業時間、有給休暇などの職場情報を企業が積極的に提供していくことが必要です。また、ハローワークや民間の職業紹介において、実態と大きく乖離する求人が横行するような事態も改善しなければなりません。さらに、社会に一歩踏み出すことをちゅうちょしてしまうような若者無業者に働くことについての自信と意欲を持たせ、就労に結び付けていく取組も拡充し、継続的に支援を行っていくべきです。  若者の育成、活躍なしに将来の我が国の社会経済の発展はありません。若者雇用対策の抜本強化に懸ける総理の御決意を伺います。  奨学金の拡充について伺います。  所得格差が教育格差につながっていると指摘されていますが、家庭の経済状況による学びの弊害や格差を減らす取組が重要です。とりわけ奨学金制度の拡充に公明党は力を入れてきました。  平成二十七年度予算案において、有利子から無利子へシフトする流れが加速され、無利子奨学金は新たに一万九千人分が拡大されます。総理は、施政方針演説で、将来的に、必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるようにすると述べておられますが、いつまでに実現しようとお考えか、お聞かせください。あわせて、所得連動返還型奨学金制度の拡充、大学生を対象にした返済不要の給付型の奨学金の創設を強く要望します。総理の答弁を求めます。  消費者行政について伺います。  食品への異物混入問題は、一義的には事業者による一層の取組強化が不可欠ですが、関係行政機関による適切な指導監督等、いま一度消費者目線に立った対策の強化によって、食品の安全、安心を確保することが重要です。  また、今般の内閣府機能の見直しにおいて、消費者委員会を消費者庁に移管すべきとの議論もある中、公明党の強い主張を受け、引き続き消費者委員会を内閣府に置くことが閣議決定されました。消費者委員会は独立した第三者機関であればこそ、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して意見表明を行うことができ、重要な役割を果たしております。  今後も監視・提言機能が抑制されることのないよう留意すべきと考えますが、総理の御見解を伺います。  ドクターヘリを始め、緊急時に活躍が期待されるヘリの操縦士確保について伺います。  ドクターヘリは救命率の向上に大きな成果を上げており、我が党の推進により、二〇〇七年に全国配備を目指す法律が成立して以来、着実に配備が進んでいます。年々ニーズが高まり、二〇〇八年度に約五千六百件だった出動件数は、二〇一三年度には二万件を超えました。  一方、ヘリ操縦士の人材不足が深刻化しています。我が党の主張を受け、退職した自衛隊の操縦士が民間航空会社へ転身することが昨年から再び可能になったものの、ヘリコプター操縦士は高齢化が進み、民間パイロットも不足しています。ドクターヘリだけでなく、自治体の消防防災ヘリの出動にも支障が出始めています。  かつて航空大学校でヘリ操縦士が養成されていましたが、ニーズがないとの理由で一九九九年度から募集をやめたため、現在は公的な養成機関がありません。民間では免許取得まで高額な費用が掛かり、それも操縦士不足の一因になっています。養成には時間が掛かります。ドクターヘリや消防防災ヘリを始め、新たなニーズが増大している今日、航空大学校での養成再開はできないものでしょうか。太田国土交通大臣に伺います。  また、ヘリ操縦士の育成確保は喫緊の課題にもかかわらず、関係する省庁はそれぞれの事情を主張するばかりで前に進みません。ヘリ操縦士の需要者側がそれぞれ単独で養成する余裕もありません。ここは縦割り行政の弊害を打ち破って、国として継続的養成の仕組みを確立すべきではないかと考えます。総理のお考えを伺います。  外交課題について伺います。  戦後七十年を迎える本年、我が国は、平和国家としての確たる歩みを継承しつつ、国際社会の平和と安定に更なる貢献を果たしていくとの姿勢を明確に発信することが重要と考えます。まずは、中国、韓国との関係改善を進め、地域の安定と繁栄に積極的な役割を果たすべきです。日中関係では、昨年の首脳会談での合意事項である海空連絡メカニズムの早期運用開始などを具体化させ、日韓関係においては、国交正常化五十周年を迎える本年こそ首脳会談を実現させ、未来志向の新たな関係構築を進める必要があります。  また、外務大臣は、日中韓の外相会談を行い、首脳会談につなげる意欲を示されていますが、この三国の枠組みを活用して、貿易・投資、環境・エネルギーなど、幅広い分野の協力関係を強化する総理御自身の姿勢を期待したいと思います。  この地域の安定と繁栄を考えるとき、自治体間の交流拡大や草の根レベルでの民間交流を促進し、交流の層を厚くしていくことが重要です。  例えば、日中、日韓、中韓の二国間で進めている既存の姉妹都市交流の中には、東京、北京、ソウルや、山口県、山東省、慶尚南道のように、三都市、三広域自治体が共通しているところも見られることから、日中韓の自治体間交流を更に国も支援していくことで共通課題の解決や地域の活性化に資する有効な取組になると考えます。  中韓両国との関係改善と三国の枠組み活用について、総理の答弁を求めます。  我が国を取り巻く安全保障環境が変化する中、海上保安庁や自衛隊の持つ技術や能力を国際的な安全保障環境の改善に生かすことは極めて重要です。  海上保安分野の国際協力について、海上保安大学校では、航行の安全、人命救助、災害対応、海賊対策、環境保全など海上保安能力の向上を図るアジア海上保安初級幹部研修など、各種の研修を行ってきました。また、自衛隊では、東南アジア等開発途上国への自衛官派遣等を通じ、人道支援や災害救援、海洋安全保障等の能力向上に資する能力構築支援事業を実施しており、これらの取組は各国から高い評価を得ています。  しかしながら、アジア海上保安初級幹部研修は、三年間で四か国十八名の修了者を輩出しながら、民間資金で運営していたため三年間で終了してしまいました。昨年、我が党の衆参議員から、このような有効な取組は国費で継続的に行い、アジアに海上保安協力のネットワークを形成すべきとの提案をいたしました。  海上保安大学校での研修再開など、国際協力の推進について、太田国土交通大臣に伺います。  以上のような平和国家にふさわしい取組を更に充実させ、海洋秩序の強化や地域の安定に我が国が主導的な役割を果たしていくべきと考えますが、総理の御所見を伺います。  最後に一言申し上げます。  公明党は、地方議会から党勢を拡大し、国民の皆様の声や現場の実態に即してきめ細かな政策を実現してきました。その蓄積により今日の全国的ネットワークを形成するに至りました。公明党が連立政権の一翼を担うようになって、国政と地方の政治がしっかり結び合わされ、政策実現のサイクルが育まれました。このネットワークが政策の推進力として機能しており、連立政権において果たす役割はより一層重要になっていると自覚を新たにしております。  大衆とともにという民主主義の基本ともいうべき立党精神を胸に、公明党は連立政権の担い手として、国民の期待に応える政治の実現に全力を傾けてまいる決意を申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  4. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山口那津男議員にお答えをいたします。  テロの根絶に向け、我が国が果たすべき役割についてお尋ねがありました。  国際社会は一致団結してISILやアルカイダ等の国際テロ組織と闘う決意を鮮明にしており、国連安保理は、これらの国際テロ組織を非難し、資金の提供、武器の供与、戦闘員の移動、身の代金の支払等を禁じる決議を累次にわたって採択してきています。我が国は、これら安保理決議を遵守することにより、テロの根絶に貢献してまいります。同時に、我が国は、最前線で過激主義と対峙している穏健イスラム諸国への人道支援を更に拡充し、テロと闘う国際社会において、日本としての責任を毅然として果たしてまいります。  また、御指摘のとおり、貧困や抑圧といった問題がテロの温床になっていると考えられます。我が国は、人間の安全保障の理念に基づき、女性の雇用創出を通じた生計向上等の支援を積極的に行うことにより、テロと闘う国際社会との連携強化を進めてまいります。  経済の好循環についてお尋ねがありました。  山口議員御指摘のとおり、経済の好循環を確かなものにするためのまさに正念場を迎えております。そのため、昨年の総選挙の後、直ちに政労使会議を開催し、私から今春の賃上げを要請しました。経済界の皆さんには、賃上げに向けた最大限の努力と、原材料費高騰に苦しむ下請企業の価格転嫁といった取組に合意をしていただきました。これを受け、経団連は、春闘の基本方針である経労委報告において、雇用の拡大などと併せて、賃金の引上げを前向きに検討することが強く期待されるとの昨年より踏み込んだ方針を表明しました。  経済の好循環をしっかりと回すことにより、賃上げの流れを今年の春、来年の春、再来年の春と続け、全国津々浦々に景気回復の実感をお届けできるよう全力を尽くしてまいります。  消費税の軽減税率についてお尋ねがありました。  消費税の軽減税率制度については、二十七年度与党税制改正大綱を踏まえ、与党で議論が進められているものと承知しており、引き続きこれを見守ってまいりたいと考えております。  地方における経済の好循環についてお尋ねがありました。  地域経済において、仕事と人の自律的な好循環を生み出すことが重要と認識しており、昨年末取りまとめた地方創生の総合戦略においても、新たな雇用を地方に創出するため、地域産業の競争力強化に取り組むこととしています。  具体的には、地域経済分析に基づき、強みを持った産業や事業を特定した上で、中核企業の育成や創業を支援してまいります。さらに、ふるさと名物の販路開拓支援やサービス産業や観光など、地域に根差した産業の競争力を強化してまいります。  財政健全化についてお尋ねがありました。  安倍内閣においては、経済再生と財政健全化の両立を目指しています。歳入面では、強い経済の実現を目指した取組を進めることにより、税収を増加させるとともに、社会保障の充実、安定化のため、昨年四月に消費税率を八%に引き上げました。また、歳出面では、社会保障の自然増を含め、徹底的な重点化、効率化を行ってまいりました。  こうした取組もあり、平成二十七年度の新規国債発行額は四・四兆円の減額となり、六年ぶりに四十兆円を切るとともに、一般会計の基礎的財政収支も前年度比四・六兆円改善しました。これにより、国、地方の基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としました。  二〇二〇年度の財政健全化目標についてもしっかりと堅持し、本年の夏までにその達成に向けた具体的な計画を策定いたします。その際、歳出改革については、歳出全般にわたり聖域なく徹底的な見直しを行ってまいります。  地方版総合戦略の策定支援についてお尋ねがありました。  地方創生では、地方自らの主体的な取組が極めて重要です。地方の皆さんが、地域の資源の活用について知恵を絞り、実効性のある地方版総合戦略を策定し実施していただくことにより、それぞれの地域に適した地方創生の実現を目指します。やる気のある地方の創意工夫を全力で応援するとの方針に基づき、国は地方の取組に対しあらゆる方策を使って後押ししてまいります。  具体的には、地域経済分析に基づく情報の提供を行うとともに、地方の総合戦略の推進に必要な予算を確保していきます。また、税制措置や地方の要望に応じた人材の派遣なども行い、地域の特色を生かした新しい政策づくりを最大限支援してまいります。  国民健康保険の国庫負担の調整措置についてお尋ねがありました。  地方単独事業により窓口負担が軽減される場合、一般的に医療費が増加するため、限られた財源の公平な配分の観点から、増加した医療費分の国庫負担を減額調整しており、この調整措置の見直しについては慎重な検討が必要であると考えています。  一方、今国会に法案提出を予定している国民健康保険改革においては、子供の多い自治体への財政支援を強化するなど、地方の実情に着目した財政基盤の強化を行ってまいります。  東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。  復興の加速化は、安倍政権の最重要課題であります。平成二十七年度予算においても、復興の加速化に重点化しております。具体的には、住宅再建と復興町づくり、町のにぎわいを取り戻すための産業、なりわいの再生、被災者の心身のケアなど、復興を進める上での様々な課題に対応することとしております。まずは、この予算の成立に全力を尽くしてまいります。  集中復興期間が終わっても、我々は決して止まりません。閣僚全員が復興大臣であるとの意識を全閣僚で共有し、二十八年度以降についても被災者の方々に寄り添い、しっかり対応してまいります。  なお、法テラスの震災法律扶助事業の延長については、議員立法による震災特例法の改正の際には、政府としても必要な協力をさせていただくとともに、法テラスの活動を支えてまいります。  福島の将来へのビジョンとその方策についてお尋ねがありました。  福島の一日も早い再生は国の責務です。避難指示等の出た十二市町村の将来のビジョンとその方策を検討するため、昨年末、有識者検討会を立ち上げ、地元と連携しつつ、中長期的かつ広域的な視点で検討を進めています。地元からも期待の高いイノベーション・コースト構想なども踏まえつつ、今年の夏頃には取りまとめられるよう、国、県、市町村が一丸となって取り組んでまいります。地方再生のモデルとなるような総合的な対策でにぎわいを取り戻すことを目指して、二〇二〇年の具体的なビジョンと、三十年から四十年後の夢のある将来コンセプトを提示したいと考えております。  介護報酬改定についてお尋ねがありました。  高齢者が大きく増加する中、介護保険制度の持続可能性を確保しつつ適切なサービスと人材を確保することは重要な課題です。  このため、今回の改定では、全体として事業者の安定的な経営に必要な収支差が残るようにしつつ適正化を図るとともに、最重要の課題である介護職員の確保を図るため、他の報酬とは別枠で、一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算を設ける、中重度の要介護者や認知症高齢者を受け入れた場合等にきめ細かく加算する、小規模な地域密着型サービスなどは高い報酬を設定するなど、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬が支払われることとしています。また、これにより、高齢者の保険料の上昇を抑制し、利用者負担を軽減できると見込んでいます。  さらに、平成二十七年度からは、都道府県に設置した基金に約七百億円を充て、介護施設等の整備や介護人材の確保に向けた取組を一層推進し、国民が安心して介護サービスを利用できる体制を構築してまいります。  社会福祉法人のいわゆる内部留保については、国民に対する説明責任を果たす観点から、客観的に明らかにする仕組みを構築してまいります。  認知症施策についてお尋ねがありました。  認知症は、今や誰もが関わる可能性のある身近な病気です。最も速いスピードで高齢化が進む我が国こそ、社会全体で認知症に取り組み、世界のモデルとなる取組を進めていく必要があります。  このため、新たに策定した総合戦略では、消費税増収分を活用し、初期集中支援チームを平成三十年度までに全市町村に配置するなど、できる限り早い段階から認知症の方を支援するとともに、予防や治療のための研究開発を推進し、認知症の方や高齢者に優しい地域づくりを進めることとしています。  今後とも、認知症の方ができる限り住み慣れた地域で暮らすことができるよう、政府一丸となって取り組み、環境を整えてまいります。  生活困窮者への支援についてお尋ねがありました。  生活保護に至る前の段階にある生活困窮者の方への自立支援の強化を図るため、本年四月に生活困窮者自立支援法が施行されます。今後、この法律に基づき、様々な困難を抱える生活困窮者の方に対し、個々の状況に応じ、生活全般の相談や就労支援、家計再建に向けた指導など包括的な支援を実施してまいります。  平成二十七年度予算においては、これらの支援に必要な経費を計上しており、自治体にきめ細かな助言を行うなど、円滑な施行に万全を期してまいります。  働き方改革についてお尋ねがありました。  政府が検討を進めている労働時間制度の見直しは、ワーク・ライフ・バランスの観点から、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進めるものであります。働き過ぎの是正については、企業に対して、働く人の意見を聞いて休暇を指定することの義務付けなどの検討を進めるとともに、長時間残業に関する監督指導の徹底など、幅広く対策の強化を図ってまいります。  また、グローバルに活躍する高度専門職として働く人を対象とした、時間でなく成果で評価する新たな制度の検討に当たっては、公明党の御指摘も踏まえ、健康の確保に十分留意することとしております。具体的には、対象業務や年収について法律により厳格な要件を定めるとともに、対象者の健康が損なわれることのないよう、在社時間等を把握した上で一定の休日を必ず与えるなどの措置を求める方針であり、働く人たちが健康を保ちつつ創造性を存分に発揮できる環境をつくってまいります。  全ての女性が輝くための取組についてお尋ねがありました。  私が目指しているのは、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会です。女性の職場での活躍を推進するため、企業に採用、登用等の行動計画の策定を義務付ける女性活躍推進法案については、今国会に速やかに提出し、早期の成立を目指します。  また、キャリアアップ助成金を活用した非正規の方の処遇改善の推進、再就職を希望する女性に対する職業訓練や就職支援など、様々な状況にある女性を応援する政策についても積極的に推進してまいります。  さらに、御指摘のとおり、心身の健康は女性が活躍する基礎となるものです。御党を始め超党派で提案されている女性の健康に係る議員立法の趣旨も十分踏まえつつ、政府としても、女性の健康に係る相談・支援サービスの充実に努めてまいります。  若者の雇用対策についてお尋ねがありました。  若者は将来の社会を担う貴重な人材であり、その可能性を最大限発揮できる環境を整備していくことが重要です。  このため、若者が自らにふさわしい仕事を選べるよう、離職者数や残業実績など新卒者の選択に役立つ職場情報の提供を企業に義務付ける、若者の使い捨てが疑われる企業についてハローワークで新卒求人を受け付けない、若年無業者の職業的自立を支援する地域若者サポートステーションを整備などについて法案の検討を進めているところであります。また、求人条件と実際の労働条件が異なるといった問題が生じた場合は、労働局やハローワークが迅速な事実確認と必要な指導等を行ってまいります。  奨学金の充実についてお尋ねがありました。  希望すれば大学や専修学校に進学できる、そのような環境を整えるよう、奨学金制度について公明党から積極的な御意見をいただきながら、これまでも充実を図ってまいりました。  来年度においても、無利子奨学金を更に拡充することとしています。今後、できるだけ早期に、必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるよう充実に努めてまいります。また、御指摘のありました、将来の収入に応じて返済ができる所得連動返還型奨学金制度については、現在導入に向けた準備を進めております。  なお、給付型奨学金については、財源の確保や対象者の選定など、導入するには更に検討が必要と考えております。  食品の安全及び消費者委員会の役割についてお尋ねがありました。  食品の安全と安心の確保は、国民生活に直結し、消費者の関心も高い重要な課題であります。政府としては、これまでも食品関連の事業者団体や地方公共団体に対し食品への異物混入防止対策の徹底を要請しているところですが、今後とも、食品の安全、安心の確保に向けて積極的に取り組んでまいります。  消費者委員会は、消費者行政全般に対する監視機能を持たせるため、独立した第三者機関として内閣府に設置されたものです。引き続き、期待された役割を最大限発揮し、消費者の利益の増進のため、専門的な観点から消費者行政全般に関する建議等を積極的に行っていただくことを期待しています。  ヘリコプター操縦士についてお尋ねがありました。  御指摘のヘリコプター操縦士については、ドクターヘリなどを中心にニーズが増大していることから、その養成確保の在り方について関係省庁で検討させてまいります。  中国、韓国との関係改善と日中韓三か国の枠組みの活用についてお尋ねがありました。  中国とは、北京での日中首脳会談で戦略的互恵関係の原則を確認し、関係改善に向けて大きな一歩を踏み出しました。今後、様々なレベルで対話を深めながら、大局的な観点から、安定的な友好関係を発展させ、国際社会の期待に応えてまいります。  韓国は、最も重要な隣国です。日韓国交正常化五十周年を迎え、関係改善に向けて話合いを積み重ねてまいります。日韓間には難しい問題もありますが、だからこそ、前提条件を付けずに首脳レベルでも率直に話し合うべきです。私の対話のドアは常にオープンであります。  日中韓三か国は、この地域の平和と安定に大きな責任を有しており、この三か国の枠組みを活用して、貿易・投資、環境・エネルギー、自治体間交流、草の根レベルでの民間交流など、幅広い分野で協力関係を強化してまいります。  海洋秩序の強化や地域の安定についてお尋ねがありました。  海洋における安全の確保は、我が国にとっても、また世界全体にとっても平和と繁栄の基盤となる重要なものです。  こうした観点から、アジア諸国の海上保安機関の職員に対する研修実施による人材育成への協力、各国海上保安機関との共同訓練の実施など、長年取り組んできた海上保安分野での人的交流を更に促進し、アジア諸国との協力関係を強化してまいります。  また、自衛隊の能力構築支援事業を積極的に活用し、海洋安全保障分野等に関する東南アジア諸国等の能力を向上させるなど、国際的な安全保障環境の安定化に向け、事業の充実強化に努めてまいります。  こうした取組の更なる充実を図り、海洋秩序の強化や地域の安定に我が国として主導的な役割を果たしてまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣太田昭宏君登壇、拍手〕
  5. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) ヘリコプター操縦士の養成についてお尋ねがございました。  我が国航空業界では操縦士不足が深刻な問題となっており、養成規模の拡大に向けて様々な対策が講じられているところでございます。そうした中で、御指摘のあったように、ドクターヘリを中心としてヘリコプター操縦士のニーズが増大しており、これに対応してヘリコプター操縦士の養成確保を進めていくことが重要な課題であると認識しています。  今回の御指摘を踏まえて、関係省庁とも連携し、ヘリコプター操縦士の養成に当たって、航空大学校と受益者となる民間の協力の在り方、航空大学校による既存の民間養成機関への支援の在り方、これらの観点から検討をしっかり行ってまいりたいと考えております。  次に、海上保安分野における国際協力の推進についてお尋ねがございました。  海上保安庁は、これまで長年にわたり人命救助、海賊対処等の技術支援を行い、アジア各国の海上保安機関の能力向上に貢献をしてまいりました。  御指摘のアジア海上保安初級幹部研修につきましては、終了後も国費により継続的に実施すべきとのこれまでの御提案を踏まえまして、来年度予算案において、海上保安大学校に海上保安政策課程を創設する形で具体化することとしております。これは、アジア各国海上保安機関の初級幹部に対する国際法や事例研究などの高度な教育により、共通認識を構築し、アジアにおいて海上保安協力のネットワークを形成しようとするものであります。  今後とも、海上保安機関の人材育成支援を通じて、アジア地域の海上保安分野の国際協力を積極的に推進してまいります。(拍手)     ─────────────
  6. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 柴田巧君。    〔柴田巧君登壇、拍手〕
  7. 柴田巧

    ○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました安倍総理の施政方針演説に対し、総理並びに関係閣僚に質問をいたします。  まず初めに、過激派組織イスラム国による邦人拘束事件は、残念ながら最悪の結果となりました。お亡くなりになられましたお二人の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げます。  こうした残虐非道なテロ行為を断じて許すわけにはいきません。また、絶対にテロに屈してはなりません。しかし、今後のテロ対策に生かしていくためにも、なぜ今回人質の救出ができなかったのか、一連の対応をしっかり検証し、国会に報告されることを安倍総理には強く求めておきます。  さて、私たち維新の党は、利権圧力団体などとのしがらみがなく、既得権益にまみえないからこそ、地域主権改革、規制改革、公務員制度改革など、今この国に求められる改革を真に行える政党です。  実際、大阪では、維新の会が主導して、市長の報酬、退職金カット、府議会の定数や報酬の削減を始め、各種事業をゼロベースで見直す徹底した行革による身を切る改革を断行しました。その一方で、それらによって捻出された財源で教育や子育て支援を充実し、実のある改革を実行してきました。  私どもは、国政でもそのような国民本位の改革を実現すべく、官僚統制、中央集権、既得権益を打破し、地域が主役で民間が主導する活力ある日本の創造を目指してまいります。  総理は、施政方針演説で、戦後以来の大改革を断行すると勇ましく述べられましたが、大改革の名に値する中身が本当に伴っているのか甚だ疑問です。維新の党は、建設的な対案を示しながら、徹底論戦を通じてしっかり見極めていきたいと存じます。そして、地域の底力と民間の活力を最大限に発揮させる改革の実現を厳しく迫っていくつもりです。  このことを申し上げて、以下、具体的な質問に入ります。  まず、予算制度改革についてお尋ねをします。  二〇一五年度一般会計予算は、前年度当初予算比〇・五%増の九十六兆三千四百二十億円と、当初予算としては過去最大となりました。安倍政権になってから、当初予算としては三年連続で最大を更新しています。しかし、新年度も約五十四兆円しか税収が見込めないのに、歳出の切り込みが甘く、税収の倍近い予算案となっています。こういう具合に歳出の膨張を安易に認めていては、どれだけ増税しても財政は再建できるわけがありません。  このため、聖域なく歳出削減を断行する必要がありますが、と同時に、予算をめぐる制度の改革も必要です。  我が国では、予算を決める政治の意思決定システムが官邸や与党などに散らばっており、内閣に入らない与党議員が拒否権を行使し、しばしば政府の意思決定をゆがめます。責任を負わない者が実質的に意思決定をすれば、財政再建などの難しい課題はどうしても先送りされ、無駄な事業をやめようとする力が働きません。  このため、予算増額を狙う各省庁や族議員などの抵抗を排除し、予算の大胆な組替えや削減を行うためにも、財務省から主計局を分離し、官邸に予算の査定・決定権限を持つ内閣予算局を設け、政治主導による予算編成を可能にすべきです。総理の御所見をお伺いをします。  また、一九九〇年代以降、財政再建に成功した国では、政府が自ら財政目標を定め、その達成状況を定期的に検証することを政府に義務付け、国民が監視できる仕組みがあります。我が国においても、財政再建が先送りされることのないよう、財政規律を守らせるための強制力ある法律の制定が不可欠です。  自民党は野党時代に、廃案となりましたが、財政健全化責任法案を国会に提出しています。政権に復帰した今こそ、閣法として財政規律を確立するために拘束力のある法案を提出すべきですが、総理の所見を求めます。  次に、文書通信交通滞在費の公開についてお尋ねします。  我々維新の党は、増税の前に国会議員自らが身を切る改革をすべきと訴えています。それゆえ、維新の党は、これまでも国会議員の定数や報酬削減法案、文書通信交通滞在費の使途公開法案などを国会に提出してきました。また、私たちは、自主的に暫定ルールを作成し、文書通信交通滞在費を独自に公開しています。やはり国会議員が率先して身を削り、税金の使い道をオープンにしなければ、痛みを伴う改革を公務員に納得させ、新たな負担を国民にお願いするわけにはいきません。  先日、衆議院の本会議で、我が党の江田代表が、総理、閣僚だけでも文書通信交通滞在費の公開をしてはどうかと質問をしましたが、総理は、公開のルール化については各党会派で議論を深めていく課題であるとして、真正面から答えませんでした。  そこで、総理や閣僚の文書通信交通滞在費の公開をやるのかやらないのか、明確な答弁を求めます。  次に、行政改革についてお尋ねをします。  第一次政権と比べると、現政権の行革の取組は決して十分なものではありません。このままでは、官僚や族議員などの抵抗は激しさを増し、国民が支払った貴重な税金を貪るタックスイーターの跳梁ばっこを許してしまいます。このタックスイーターは、特別会計、独立行政法人などに潜み、国民の税金に群がり、私腹を肥やそうとします。これこそ退治しなければなりません。  したがって、我々維新の党は、税金が無駄遣いされていないか、資金が有効活用されているか、民業を圧迫していないかなど、徹底行革をまず強く求めます。  最初に、特別会計ですが、特会は受益と負担の関係や事業ごとの収支を明確にするために設置されています。しかし、予算全体の仕組みが複雑となり、監視が行き届きにくくなることから、不正の温床になりやすいとの指摘がされてきました。  しかも、一般会計より特会の方が予算的にも大きく、新年度も特会は約四百三兆六千億円で、特会間の重複や国債の借換えを除いた歳出額はおよそ百九十五兆一千億円となっており、一般会計の二倍以上です。それゆえ、特会の中身、そして在り方を厳しく問わねばなりません。  特に、特会の巨額の積立金は、財政の効率的な運営に逆行するとともに、不要施設の建設などにつながり、結果として国民負担を大きくする要因と問題視されてきました。先般発表された二〇一三年度決算では、十五ある特別会計のうち、十の特会に積立金がありますが、その総額は約百三十四兆円にもなります。そもそも、特会にこれだけの積立金が本当に必要なのでしょうか。国民のためではなく、役所のためにため込んでいるのではないですか。まずは、積立金の規模と水準を明確にし、その根拠を国民に示すべきです。  二〇一三年に特会法が改正されましたが、その際、参議院の財政金融委員会で、特別会計の積立金・資金については、その必要性、積立基準や規模・水準等について適切な情報開示を行うこととの内容を含む附帯決議が付されました。しかし、新年度特会予算書では、積立金の適正水準について数字で根拠が記載されたものがある一方、積立金制度を単に説明するにすぎないものもあります。  そこで、財政金融委員会での附帯決議を真摯に受け止め、特会予算書においては、積立金を有する全特会について、その具体的な適正水準を明確な数字をもって公表すべきですが、麻生財務大臣の答弁を求めます。  ところで、特会の中でも労働保険特会には多額の積立金がため込まれています。二〇一三年度決算によれば、労働保険特会には約五千六百九十四億円もの剰余金が発生していますが、このような剰余金は翌年度に繰り越され、毎年蓄積されて、積立金は約十四兆四千億円にもなります。この中には労災勘定の将来に備えた責任準備金約七兆八千億円がありますが、それを除いても雇用勘定に六兆円強の資金が積み上がっています。にもかかわらず、労働保険特会には新年度予算案でも一般会計から約一千五百二十六億円が注ぎ込まれます。多額の積立金がある特会に更なる資金を投入する必要はないのではありませんか。確かに、雇用保険法の附則において当面国庫負担率の軽減がなされていますが、一層下げることができるはずです。  そこで、労働保険特会への一般会計からの繰入れを一段と削減すべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。また、積立金が六兆円も積み上がっているのなら、雇用保険料を引き下げて被雇用者と雇用者双方の負担軽減を検討すべきです。総理の見解を求めます。  一方、財政投融資特別会計の投資勘定からは、JTやNTTの配当金などを原資として産業投資へ支出をしていますが、第二次安倍政権が発足後の二〇一二年度補正予算以来、産業投資から官民ファンドへの出資が目立ち、総資金量は四兆円を超えています。官民ファンドについては、民間で取ることが難しいリスクを取ることによって民間投資を活発化させるとしていますが、行政の専門家である官に果たしてそれが可能でしょうか。彼らが革新的なビジネスや成長分野の経営に適しているとは到底思えません。  一般会計が厳しくなったため、こうした特別会計で裏の国家予算を増殖させているのではありませんか。総理の答弁を求めます。  また、官民ファンドについては、役割が重複し非効率な状況も指摘されています。新年度の財政投融資計画では、産業投資から二百億円投じて地上デジタル放送網の整備など海外案件に共同出資する総務省所管の官民ファンド、海外通信・放送基盤等事業推進機構(仮称)を新設することになっています。しかし、既存の国土交通省所管の海外交通・都市開発事業支援機構、経済産業省所管のクールジャパン機構もそれぞれ輸出を支援しています。基本的な役割が同じなら統合した方が効率的ですが統合せず、国交省のファンドには三百七十二億円、経産省のファンドには百億円の追加出資が行われます。このように、各省庁は、一般会計予算の増額が認められないため、財政投融資で官民ファンドを増やし、省益の拡大を図ることに血眼になっています。  そこで、官民ファンドが乱立し、かつファンドの役割が重複していますが、新年度、総務省のファンドを設定するに当たっていかに厳しく精査したのか、財務大臣にお尋ねをします。  また、リターンが前提の官民ファンドの拡大は、民間金融機関との競合による民業圧迫、投資の損失を生じるなどの懸念もありますし、官僚OBによる天下りの温床となるおそれもあります。  そこで、どのようにそれらを防ぐ手だてを講じているのか、総理にお聞きをします。  さらに、独立行政法人の改革もまだまだです。  独法制度については、二〇〇一年一月に創設されて以降、運営費交付金という国民の税金を主な財源としているにもかかわらず、無駄で非効率な業務運営が行われていることのほか、天下りの温床となっていること、多額の不要資産の存在など、様々な問題が指摘されてきました。  このため、昨年六月には独法通則法が改正をされ、本年四月から新たな独法制度がスタートすることとなりました。今般の改革では、主務大臣が法人の目標設定から業績評価までを一貫して行うこととするとともに、監事の権限の明確化など法人内部のガバナンス強化なども盛り込まれました。しかし、国民の税金の使途としてふさわしい業務運営が行われているかなどを不断にチェックし、更なる見直しにつなげることが不可欠です。  そこで、まず政府としては、具体的な方法を含め改革のフォローアップをどのように行うのか、総理にお伺いをします。  また、第一次安倍内閣で策定がスタートした独立行政法人整理合理化計画では、独法の廃止や民営化など抜本的な改革案が示されていました。  ところが、今般の改革では、九十八ある独法を来年春までに八十七に減らす計画で、確かに法人の統合はありますが、廃止や民営化されるものは僅かで、迫力に欠けます。独法の中には、民間が十分できる業務を独占的に行うことにより多額の資金を保有したり、不要な資産を抱える法人がいまだ多いのが現状です。ため込まれた独法埋蔵金を国庫返納させ、真に国民に必要なところに使えるようにすべきです。  そこで、大胆な廃止や民営化により資産、資金を国庫納付させるなど、更なる独法改革が強く求められますが、どのように取り組むのか、総理にお尋ねをします。  さて、私たち維新の党は、国税庁と日本年金機構の徴収部門を統合し、歳入庁を設置して、税と社会保険料を一体徴収すべきと考えています。このことにより、行政の効率化が進み、行政コストが大幅に削減するとともに、徴収漏れとなっている消えた保険料数兆円規模の増収を図ることができます。  政府は、一昨年二月、歳入庁構想について検討チームを立ち上げましたが、国税庁も納付率の低い国民の所得情報をそれほど把握していないとか、徴収職員が保険料と税の両方を覚えるのは大変だとか、できない理由を列挙し、結局設置は見送られました。  しかし、いずれも歳入庁設置を否定する論拠としては十分ではありません。納付率の低い国民の所得情報については、少なくとも税と保険料の二つの徴収部門が一つになった方が集めやすいでしょう。また、納付する国民は、保険料と税の両方について、面倒な制度を一生懸命に勉強して納めているのですから、公務員が両方覚えるのは難しいなどというのはいかがでしょうか。  この問題は国民目線、利用者目線で考えるべきで、窓口一本化による納付者の利便性向上というメリットを重視し、歳入庁設置を再度真剣に検討すべきと考えますが、総理の所見をお伺いします。  次に、教育・保育バウチャー制度についてお尋ねします。  教育バウチャー制度とは、私立学校の学費軽減など、学校教育に使用目的を限定したクーポンを子供や保護者に直接支給することで、学校選択の幅を広げ、学校間の競争により教育の質全体を引き上げようとするものです。これまでの教育施策においては、児童生徒や保護者よりも教育供給者の方に軸足が置かれてきました。しかし、供給者の競い合いの中でこそ教育の質と学力を向上させ、需要者、消費者の満足度を高めることができます。  一方、この教育バウチャーは、低所得層の教育支援にも役立ちます。  我が国の子供の貧困率は一六・三%、つまり六人のうち一人が貧困状態にあり、先進国の中でも極めて高いものがあります。このままでは、貧困家庭の子が十分に教育を受けることができず、貧困状態から抜け出せないという貧困の連鎖が続きます。これに歯止めを掛けるには、親の経済力で子供の学習機会に格差を生じさせないよう、低所得者層の子供の教育支援を充実させることが重要です。  このため、大阪では、就学援助などを受けている家庭の中学生を対象に、学習塾のほかスポーツ教室や習い事などに使用できるクーポン、月額一万円を上限として配付する学校外教育バウチャー制度、塾代助成事業を二〇一二年九月から一部の区で試行し、一昨年十二月からは市内全区で実施しています。  教育バウチャー制度については、教育改革の一環として第一次安倍政権でも検討がなされましたが、その後立ち消えとなりました。しかし、子供の貧困が大問題となっている今、低所得層への教育支援策としても、学校外を含む教育バウチャー制度の導入を本格検討すべきでありますが、総理、いかがでしょうか。  また、子育てサービスを充実させるためには、保育バウチャーの導入が求められます。保育バウチャーは、子供を持つ家庭に支給される保育や教育施設のみで使えるクーポン券で、アメリカの一部やイギリス、スウェーデンで実施され、高い効果を上げており、OECDなども合理的な仕組みと推奨しています。教育分野同様、供給者側に投入している補助金をバウチャーに替えて需要者、消費者に支給をしていくことで、選択する側に主導権を渡し、サービスの質を高める競争を促すべきです。  そこで、保育バウチャー制度を導入して、利用者が子育てサービスを選び、競い合いによる量と質のレベルアップを実現すべきですが、総理の所見をお伺いをします。  最後に、総理は、さきの施政方針演説で、吉田松陰の言葉、知と行は二つにして一つを取り上げました。政治は、まさにやるかやらないか。そういう意味でも、三十六回改革という言葉を連呼することより、一つでも実行することが大事です。  今、大阪では、二重行政を解消し、住民自治の拡充を目指す大阪都構想が正念場を迎えています。そして、この構想の先には、道州制の導入を含む我が国全体の統治機構改革があります。  維新の党はこれまでも、この国を前へ前へと進めるために、抜本的な改革を提唱し、実践してきました。そして、今後も、日本を維れ新たにする改革実現に向け、果敢に行動し続けることを申し上げ、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  8. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柴田巧議員にお答えをいたします。  政治主導による予算編成と内閣予算局についてのお尋ねがありました。  安倍内閣においては、各年度の予算編成において、社会保障の自然増を含め、聖域なき見直し、歳出の徹底的な重点化、効率化を行ってきました。その際には、私のリーダーシップの下、経済財政諮問会議等の議論を踏まえて大きな方向性を示し、その方向性に沿って財務大臣が予算編成の任に当たりました。  その過程において、財務大臣には、税収などの歳入面との関係をよく見ながら歳出面について各大臣と折衝を行うなど、予算編成プロセス全般において必要な調整を行ってもらいました。二十七年度予算編成においても、こうした私と財務大臣の適切な役割分担の下、社会保障の充実を行う一方で、徹底した重点化、効率化、予算配分のめり張り付けを実現しました。また、国、地方の基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算とすることができました。  したがって、御指摘のような内閣予算局を設置する必要性はないものと考えています。  安倍内閣においては、経済再生と財政健全化の両立を目指しています。こうした考えの下、二〇二〇年度の財政健全化目標をしっかりと堅持し、本年夏までにその達成に向けた具体的な財政健全化計画を策定することとしております。  財政健全化の実効性の確保については、法制化という手段そのものよりも、来年度予算について基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としているように、政府として定めた目標にコミットし、責任を持って実現していくことこそが重要であると考えています。  文書通信交通滞在費の公開についてお尋ねがありました。  政治活動に係る費用の問題は、議員活動、ひいては民主主義の根幹に関わる重要な問題であります。その在り方については、歳費等も含め、政治活動に係る費用全体について、金額の多寡、使途の範囲、国民への説明責任など、多角的な視点から総合的に議論すべき問題であるとともに、様々な事情や環境の下にある者が国会議員として活動をするための基盤となるものであることに鑑みれば、多数の意見で押し切る性格の問題ではないと思います。  したがって、文書通信交通滞在費の公開の是非のみを論ずるのではなく、国会において、こうした観点も踏まえ、各党各会派で真摯に御議論いただいた上で結論を得るべき問題であると考えております。  雇用保険に関するお尋ねがありました。  雇用保険の国庫負担は、失業という問題が政府の経済・雇用政策と密接に関連していることを踏まえたものです。また、積立金は、過去の不況期に急速に減少したこともあり、安定的運営を確保するために必要なものです。  国庫負担割合は、原則二五%のところ、暫定的に一三・七五%とされていますが、平成二十三年改正の際、できるだけ速やかに安定した財源を確保した上で暫定措置を廃止するという検討規定が設けられており、その取扱いについては、この規定や財政状況等も踏まえながら慎重に検討する必要があると考えています。  また、雇用保険料率は、既に法律に規定された範囲の下限まで引き下げられています。更なる引下げについては、昨年の給付拡充による財政影響も注視しつつ、雇用保険財政運営の安定を図る観点から検討していくべきものと考えています。  財政投融資特別会計の投資勘定についてお尋ねがありました。  投資勘定は、一般会計と異なり、政府出資から得た配当金等を財源として、産業の開発等のための投資に関する経理を明確化するために設置されたものです。投資勘定から官民ファンドへの出資については、民間の資金や知恵を活用し、政策性の高い分野に重点化したリスクマネーの供給等を行うためのものであり、こうした機能は経済の持続的な成長を促すために重要であると考えております。  官民ファンドについてお尋ねがありました。  官房長官を議長とする官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議を設置し、ここで官民ファンドの運営に係るガイドラインを策定しております。各官民ファンドの所管府省庁において、このガイドラインに基づき、民業補完の徹底や投資採算について監視をしっかり行わせるとともに、政府一体となった横串チェックも重要であるとの観点から、関係閣僚会議においても検証作業を行っています。  また、いわゆる天下りに関しては、再就職等監視委員会による監視の下、不適切な行為を厳格に規制していくことで再就職に関する国民の疑念を払拭していきます。  独立行政法人改革のフォローアップと更なる改革についてお尋ねがありました。  独立行政法人改革は、第一次安倍内閣以来の改革の集大成として、法人の政策実施機能の最大化を図る観点から、制度、組織両面で抜本的な見直しを行ったところです。  本年四月に施行される独法通則法の法改正においては、毎年度法人が評価結果を業務改善に反映するとともに、必要に応じ主務大臣が業務改善命令を行うことができることとしています。また、中期目標期間の終了時に、主務大臣が業務、組織の全般にわたる見直しを行い、第三者機関が点検することとしています。  このような仕組みにより、独立行政法人の運営の適切性の確保や無駄遣いの防止等のフォローアップを行うとともに、法人の業務、組織の在り方について、今後も不要資産の国庫納付を含め不断に見直してまいります。  いわゆる歳入庁の創設については、論点整理において、納付率向上への効果は限定的である等の問題点があると整理したところであり、現在、厚生労働省と関係機関が連携し、国民年金保険料の強制徴収の強化、厚生年金の適用漏れ対策等の課題に取り組んでいるものと承知しております。  納付者の利便性向上に関しても、従来から、インターネットを活用した電子申請の推進や納付手続の多様化、添付書類の省略化等を進めてまいりました。政府としては、更なる利便性向上を図るため、年金や税の申請、納付手続について、マイナンバー制度も踏まえ、オンライン上で一括的に処理できるサービスの提供等の実現を目指してまいりたいと考えております。  バウチャー制度についてのお尋ねがありました。  教育分野におけるバウチャー制度については、子供や保護者の選択肢の拡大、低所得世帯の学習機会の充実といった観点から傾聴に値する御意見だと考えております。  御指摘の低所得世帯への教育支援については、高校生等奨学給付金や無利子奨学金の拡充など、その充実に努めているところでありますが、今後とも、誰もが家庭の経済事情によって左右されることなく希望する教育を受けられるよう取り組んでまいります。  また、保育分野については、平成二十七年度から子ども・子育て支援新制度を導入し、小規模保育など多様なサービスについて、質を確保した上で利用者が選択できるようにするとともに、親子の交流の場や子育てに関する相談支援など、多様な支援メニューを充実することとしています。  保育分野におけるバウチャー制度は、利用者の選択の幅を広げるといった効果が考えられる一方、サービスの質の確保等に留意する必要がありますが、いずれにしろ、利用者が質の高い多様なサービスを選択できるよう取り組んでまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  9. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 特別会計の積立金についてのお尋ねがあっております。  特別会計につきましては、特別会計に関する法律などに基づき、特別会計予算に積立金明細表を添付するとともに、平成十八年度以降、特別会計について分かりやすく解説をしたガイドブックを作成、公表するなど、これまでも適切な情報開示に努めてきているところであります。このうち、積立金の水準等につきましては、御指摘の附帯決議も踏まえ、積立金明細表だけでなく、先ほど申し上げた特別会計ガイドブックにおいて更に詳しい説明を加えているところであります。  今後とも、各特別会計を所管する府省において、積立金の水準などに関し、できる限り分かりやすく情報開示に努めることが重要であろうと考えております。  官民ファンドの新規設立についてのお尋ねもあっております。  お尋ねの総務省所管の海外通信・放送・郵便事業支援機構の新規設立を認めるに当たりましては、財務省としては、投資分野の絞り込み、他の官民ファンドとの役割分担、政策的な必要性や収益性、民業補完性などに留意しつつ、厳しく精査を行ったところであります。  例えば、本機構は通信、放送、郵便インフラの海外展開を支援するものであり、同様に海外展開に関する支援を行うものであっても、交通、都市インフラの海外展開を支援する国土交通省所管の海外交通・都市開発事業支援機構、また、クールジャパン関連企業の海外展開を支援いたします経済産業省所管の海外需要開拓支援機構、通称クールジャパン機構とは支援の対象分野が異なるものと考えております。  また、これらの機構を統合した方が効率的ではないかとの御指摘でしたが、各機構がそれぞれの専門性に基づいて業務を行い、投資分野に関しまして目利き能力を発揮することが優良案件の発掘、組成のために効率的かつ効果的であると考えております。(拍手)
  10. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十一分休憩      ─────・─────    午後一時一分開議
  11. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  国務大臣の演説に対する質疑を続けます。山下芳生君。    〔山下芳生君登壇、拍手〕
  12. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、総理に質問します。  今年の一月十七日は、六千四百三十四人が犠牲となった阪神・淡路大震災から二十年目の日でした。当時、住宅を失った被災者が復興への道を歩み始める上で最大の障害となったのが、私有財産制の国では個人の財産は自己責任が原則という立場をかたくなに取り続け、住宅再建のためには一円も出さないとした政府の姿勢でした。しかし、被災者が中心となって粘り強い共同と闘いが取り組まれ、一歩一歩それが政治を動かし、被災者生活再建支援法を実現させ、ついに国の制度として全壊世帯に三百万円支給するところまで前進しました。  この制度は、運動の発端となった阪神・淡路の被災者には適用されませんでしたが、後に発生した東日本大震災の被災者の大きな支えとして働いています。人々の切実な願いに応え、絶望を希望に変え、より良い社会へと進歩させていく、私は、ここにこそ政治の役割があると思います。  こうした視点に立って安倍政権の基本姿勢と政策を見るとき、そこにどんな希望を見出すことができるでしょうか。  まず、東日本大震災と福島原発事故の被災者に対する対応です。  東日本大震災の被災地では、四度目の厳しい冬のさなか、いまだ二十三万人にも及ぶ人々が避難生活を強いられています。長期化する仮設住宅の暮らしで、心身共に疲弊の限界に達しています。住宅の再建確保はもはや一刻の猶予もできません。災害公営住宅の建設を急ぐとともに、被災者生活再建支援金を少なくとも五百万円に引き上げ、被災者の住宅再建に対する支援を強化すべきです。あわせて、仮設住宅の生活環境を抜本的に改善すること、極度に疲弊した被災者の医療費の窓口負担をなくすことを求めます。  総理は、福島の復興なくして日本の再生なしと言います。しかし、政府が福島でやっていることは何か。福島第一原発事故による営業に関わる損害賠償について、事故から五年となる来年二月で打ち切ろうしています。県商工会連合会会長は、到底納得できる内容ではない、怒りを覚えると述べています。  さらに、政府は、南相馬市における特定避難勧奨地点を解除しました。町には戻れないのに、慰謝料だけが打ち切られると住民は途方に暮れています。総理、これがあなたの言う福島の復興なのですか。  現地の新聞、福島民報は、福島の復興なくして日本の再生なしとする安倍晋三首相は賠償の無期限延長を指示すべきだと主張しています。当然です。総理、加害者である国と東電が賠償と除染の責任を果たし切ることは、福島の復興への大前提ではありませんか。答弁を求めます。  政府は、鹿児島県川内原発、福井県高浜原発を皮切りに、全国の原発を再稼働させようとしています。しかし、福島第一原発の事故はいまだ収束しておらず、事故原因も明らかになっていません。県民の多くはふるさとに帰れず、苦しみ続けています。加えて、再稼働の前提となる新規制基準には、過酷事故に対する住民の安全確保も、複数の原発が同時に事故を起こした場合の対策も考慮されていません。これで原発を再稼働するなど絶対に許されません。総理の見解を求めます。  国民の多数は再稼働に強く反対しています。この声に真摯に耳を傾け、原発ゼロの政治決断を行い、再生可能エネルギーへの抜本的転換を図る、これこそ三・一一を経験した日本が進むべき道ではありませんか。  国民の暮らしはどうでしょうか。  総理はこの間、アベノミクス、この道しかないと繰り返しています。しかし、厚生労働省の調査でも、働く人の実質賃金は十八か月連続で減り続けています。アベノミクスの下で実質賃金は減り続けた、これが紛れもない現実です。総理はこの現実を率直に認めるべきではありませんか。  こうした状況の下で、安倍内閣が国民に示したメニューは一体何か。  第一は、働き方のルールの改悪です。  政府は、どんなに長時間働いても残業代を払わないで済ませる残業代ゼロ法案とともに、労働者派遣法改悪法案を提出しようとしています。  総理は、派遣先企業への直接雇用の依頼など正社員化への取組を派遣元に義務付けますと述べました。しかし、正社員化への取組を義務付けるべきは、派遣元ではなくて、実際に派遣労働者が働いている派遣先大企業ではありませんか。  現行法には、派遣先企業に対し、同じ仕事での派遣受入れは原則一年、最大三年という期間制限を課し、期間を超える場合には直接雇用を義務付けるとの規定があるのです。それでも大企業はその義務を果たさず、派遣労働者を直接雇用することを拒否したり、直接雇用しても短期間で雇い止めしたりしてきました。こうした実態を踏まえるなら、派遣先大企業の雇用責任を明確にすることこそ必要ではありませんか。  ところが、今回の労働者派遣法改悪法案は、この期間制限を撤廃し、三年ごとに派遣労働者を入れ替えさえすれば、同じ仕事で無制限に派遣労働者を使い続けることができるようにしています。総理、これでは、正社員から派遣への大量の置き換えが起こるのではありませんか。正社員化どころか、正社員ゼロ社会になるのではありませんか。  正社員として働くことを希望しながら、ずっと派遣の働き方を強いられているある派遣労働者は、この法案を絶望国家法案と呼びました。総理はこの声にどう応えますか。これらの法案の提出は断念すべきではありませんか。お答えください。  第二は、社会保障の大改悪です。  来年度予算案で政府は、社会保障費の自然増を抑制するとしています。特に重大なのは、介護報酬の二・二七%引下げという過去最大規模の削減です。今、介護の現場は深刻な人手不足にあえぎ、それが介護難民増大の一因ともなっています。  先日、北海道で、「すまん、母さん」と書き置きして、認知症の妻を夫が殺害するという事件が起こりました。警察庁によれば、過去五年間で介護、看病疲れによる殺人、自殺は千七百四十一件、年平均三百四十八件に上ります。毎日のようにこうした痛ましい事件が日本のどこかで起きているのです。総理、異常だと思いませんか。介護報酬の引下げはこの事態に一層拍車を掛けるのではありませんか。  今政府がやるべきは、介護を必要とする全ての人が安心して介護を受けられるよう体制を整備することです。その鍵となる介護職員の待遇を改善することです。政府は介護職員に対して処遇改善加算をすると言いますが、事業者への報酬全体を大幅に引き下げてどうして職員の処遇が改善できるのですか。  一方で、総理は、法人実効税率を二・五%引き下げると言いました。深刻な介護現場に対する報酬を減らし、大もうけしている大企業に大減税する。総理、政治の根本がゆがんでいるのではありませんか。  そして第三に、消費税の一〇%への引上げです。  十六日に発表されたGDP速報によれば、昨年一年間の家計消費はマイナス一・三%、この二十年で最大の落ち込みとなりました。一番の原因は、四月に消費税を八%に増税したことにあります。  日本共産党は、消費税増税ではなく、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革、大企業の内部留保を活用して国民の所得を増やす経済改革、この二つの改革で財源をつくり、税収を増やすことを提案しています。国民の懐を直撃し、暮らしと経済を一層行き詰まらせる消費税一〇%への増税はきっぱり中止すべきです。  以上のように、総理がこの道しかないと言い続けているこの道とは、結局、雇用ルールの破壊であり、社会保障の切捨てであり、消費税の再増税にほかなりません。この道のどこに希望があるのでしょうか。  一月八日発表された日銀の生活意識に関するアンケート調査の結果を見ると、一年後、景気は悪くなると悲観する人が調査のたびに増え、今では三七・八%にもなりました。逆に、良くなると答えた人は減り続け、一年前の半分以下、僅か七・三%にすぎません。国民の多くは、総理のこの道に希望を見出すことができないのです。総理、この結果をどう受け止めますか。  今求められているのは、この道の方向を転換することです。大企業応援から国民の暮らし第一に切り替えて、一つ、人間らしく働ける雇用のルールをつくること、二つ、社会保障を切捨てから充実へと転換すること、三つ、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制に改革すること、ここにこそ政治の役割があり、そうしてこそ希望ある道が見えてくるのです。総理の見解を求めます。  農業問題について質問します。  総理は、農協改革を戦後以来の大改革の冒頭に挙げました。しかし、この改革は現場の声や必要性から出発したものではありません。TPP反対の中心となってきたJA全中、農協を潰そうと考えたのではありませんか。農協の改革は、協同組合にふさわしく自主的に行うべきであります。  安倍政権の下で、農村は空前の米価暴落に襲われ、円安による生産費の高騰も加わって、未曽有の危機に直面しています。政府が力を入れる大規模経営の農家からも、所得倍増どころか赤字倍増だと悲鳴が上がっています。米価暴落への緊急対策こそ実施すべきではありませんか。  TPP交渉が重要な局面を迎えています。全国の農家は、交渉内容を何も知らされず、不安を募らせています。日米合意に向け、日本側は米など重要五項目について譲歩案を検討していると報道されていますが、これは事実ですか。アメリカ型の市場原理主義を国際ルールとして押し付け、農業や食品安全、医療など広範な分野で日本の経済主権を脅かすTPP交渉から直ちに撤退することを強く求めます。  総理は、総選挙で示された国民の意思に全身全霊を傾け、その負託に応えていくと述べました。ならば伺います。沖縄県民の意思にはどう応えるのですか。昨年一年間に、沖縄県民は、名護市長選、沖縄県知事選、総選挙と、民主主義の最も基本的で大切な手続を通して、辺野古への新基地建設ノー、基地のない平和な沖縄をという意思を疑いようもなく明白に示しました。  ところが政府は、新基地建設のための予算を昨年度と比べて八十倍に増やし、建設を強行しています。既に辺野古の海は、投げ込まれた巨大なコンクリートブロックによって貴重なサンゴ礁が破壊され始めています。  造られようとしている新基地は、滑走路を二本持ち、強襲揚陸艦も接岸できる巨大な軍港、広大な弾薬搭載エリアなどを備えた最新鋭の巨大基地であり、その耐用年数は二百年とされています。こんなものが造られるなら、沖縄は半永久的に基地の島であり続けなければなりません。これほど県民の意思を踏みにじる暴挙があるでしょうか。  総理に求められているのは、普天間基地の無条件撤去、辺野古への新基地建設中止を決断し、それこそ全身全霊を傾けアメリカと交渉することではありませんか。答弁を求めます。  今年は、第二次世界大戦が終結して七十年の歴史的節目の年です。この年が日本とアジア諸国との和解と友好に向かう新たな一歩となることを、アジアを始め世界の多くの人々と大多数の日本国民が願っています。そのためには何が必要か。  私は、政府が、村山談話の核心的内容である植民地支配と侵略への痛切な反省の態度を堅持すること、日本軍慰安婦問題について、被害者への謝罪と賠償など、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出すことが大切だと考えますが、いかがですか。  戦後七十年間、日本が戦争によって一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出さなかったのは、日本国憲法、特に戦争を放棄した第九条があったからだと思います。  ところが総理は、この世界の宝ともいうべき憲法九条の解釈を勝手に変更し、集団的自衛権行使容認を柱とした法案の準備に入っています。それは、この間の国会論戦で明らかになったように、アフガン戦争、イラク戦争のような戦争をアメリカが引き起こした際に、自衛隊が戦闘地域まで行って軍事支援する、すなわち、海外で戦争する国づくりにほかなりません。戦後の日本の歩みを否定する安保法制の整備は絶対にやめるべきです。  今年はまた、広島、長崎の被爆七十年の年であり、五年ぶりに核不拡散条約、NPT再検討会議が開催される年でもあります。核兵器のない世界の実現は国民的悲願であり、人類生存の緊急課題です。筆舌に尽くし難い核兵器の惨禍を体験した国として、日本は核兵器廃絶を目指す世界の先頭に立たなければなりません。  核兵器を全面的に禁止し廃絶する条約の交渉開始を求める国は、国連加盟国の三分の二を超えました。核兵器の非人道性を告発し、その廃絶を訴える共同声明には百五十五か国が賛同しました。ところが、日本政府はかたくなに核兵器禁止条約の交渉開始を求める国連総会決議に棄権の態度を取り続けています。総理、被爆国として余りにも恥ずかしい態度ではないでしょうか。この条約の交渉開始を強く訴えることこそ、被爆国としての国際的な責務ではありませんか。  私は冒頭、政治の役割は、国民に希望を示し、より良い社会へと進歩させることだと述べました。しかし、安倍政権からは、国民への希望あるメッセージは伝わってきません。日本共産党は、国民多数の願いと逆行する安倍政権の暴走と正面から対決し、抜本的な対案、希望ある道を示し、国民とともに新しい政治を起こすために全力で奮闘することを述べて、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  13. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山下芳生議員にお答えをいたします。  政権の基本姿勢についてお尋ねがありました。  今日よりも明日はきっと良くなる、そう信じることができる社会、誰にでも何度でもチャンスがあり、みんなが夢に向かって進んでいける社会、それこそが安倍政権が目指す社会であります。  政治の役割は、意欲ある誰もが頑張ることができる環境をつくる、そして、頑張った人たちが報われる真っ当な社会をつくり上げることであります。その根本は自立の精神であります。自助自立を第一としながら、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人には援助の手を差し伸べていく、これが私たちの基本的な考え方であります。  さらに、子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはなりません。子供の貧困は真っ当な社会の根幹に関わる問題であり、教育再生に全力で取り組んでまいります。  日本は今、東日本大震災からの復興、デフレからの脱却など、幾つもの困難な課題に直面しています。しかし、くじけてはいけません。私たち一人一人が、自ら立って、前を向き、未来は明るいと信じて前進することが次の時代の日本を切り開く大きな力になるものと確信しております。  東日本大震災の被災者の住宅再建に対する支援等についてお尋ねがありました。  被災者の仮設住宅での生活が長期化する中で、災害公営住宅の建設の加速化、仮設住宅の補修、補強、被災者の方々の心身のケアなどにしっかり取り組んでまいります。また、国民健康保険制度等においては、被災地の市町村の判断で医療費の窓口負担を減免した場合には、一定の要件の下、その十分の八以内を国が財政支援する措置を講じているところです。なお、被災者生活再建支援制度の拡充については、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して慎重に検討すべきものと考えます。  福島の復興についてお尋ねがありました。  今後の営業損害の賠償については、東京電力が資源エネルギー庁とともに検討を進めていると承知しております。地元の関係する方々の御意見をよくお聞きして、被害者に寄り添った対応を行うことが重要であると考えます。  昨年末に解除された南相馬市の特定避難勧奨地点の住民の方々への損害賠償については、原子力賠償紛争審査会が定めた中間指針に基づき、解除された後も三か月の間賠償が続くこととなっています。  また、除染については、引き続き財政的、技術的支援を行い、政府として責任を果たしてまいります。  原発再稼働についてお尋ねがありました。  原子力政策の推進に当たっては、福島第一原発事故を片時も忘れず、事故を真摯に反省し、いかなる事情よりも安全性を最優先させることとしております。  こうしたことを踏まえ、原子力規制委員会が策定した新規制基準においては、福島事故の教訓を十分に踏まえ、万一複数の原子炉において過酷事故が同時に発生した場合にも、一つ一つの原子炉ごとに対処できる十分な対策を要求しています。この新規制基準に適合すると認めた原発については、地元の理解を得ながら再稼働を進めてまいります。あわせて、避難計画を含め緊急時の対応については、地域の自治体と連携して実効性ある取組を進めてまいります。  同時に、徹底した省エネルギー社会の実現と再生可能エネルギーの最大限の導入などを進めつつ、原発依存度は可能な限り低減するというのが基本方針です。他方で、燃料輸入増、電力料金の上昇、温室効果ガスの排出量増加を踏まえれば、国民生活や産業活動を守り、責任あるエネルギー政策を実現するためには、原発ゼロというわけにはいきません。  実質賃金についてお尋ねがありました。  三本の矢の政策により景気が回復し、雇用が増加する過程において、パートで短時間働く人が増えたため、確かに一人当たりの平均賃金が下がっているという現象があります。ただし、賃金、所得の動向については、雇用者の所得の合計である総雇用者所得で見ることが重要です。  名目については、二〇一三年四月以降、前年比で二十一か月連続プラスが続き、実質で見ても、消費税率引上げの影響を除いて見れば、二〇一四年六月以降、七か月連続プラスで推移しています。  今後とも、三本の矢の政策を前に進め、賃上げの流れを来年の春、再来年の春と続けることにより、景気回復の実感を全国津々浦々にまで届けてまいります。  労働者派遣法改正案についてお尋ねがありました。  派遣労働者のキャリア形成については、雇用契約の当事者である派遣会社が一義的な責任を負うべきものと考えております。提出を予定している労働者派遣法改正案では、この派遣会社の責任を強化し、派遣期間が満了した場合には、正社員になったり別の会社等で働き続けることができるようにする措置を新たに義務付けることとしているものです。  また、法案においては、派遣先事業所での継続的な派遣労働者の受入れについて、三年という期間制限を課した上で、延長する場合には過半数組合等からの意見聴取を義務付けるとともに、派遣労働者の正社員化を含むキャリアアップを支援していくこととしており、正社員から派遣への置き換えを進めるものではありません。  介護報酬改定についてお尋ねがありました。  高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるようにするためには、要介護の方はもちろん、その介護を行う方もしっかり支えることが必要と考えています。  このため、今回の改定では、全体として事業者の安定的な経営に必要な収支差が残るようにしつつ適正化を図るとともに、最重要の課題である介護職員の確保を図るため、他の報酬とは別枠で、一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算を設けることとし、また、質の高いサービスや小規模な地域密着型サービスを提供する事業者には手厚い報酬が支払われることとしています。  また、平成二十七年度からは、都道府県に設置した基金に約七百億円を充て、介護施設等の整備や介護人材の確保に向けた取組を一層推進することとしており、これらにより、介護を行う方を支えるとともに、介護職員の処遇改善を着実に実施してまいります。  介護報酬改定と法人税改革についてお尋ねがありました。  今回の介護報酬改定では、全体として事業者の安定的な経営に必要な収支差が残るようにしつつ適正化を図るとともに、最重要の課題である介護職員の確保を図るため、他の報酬とは別枠で、一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算を設けることとしたものです。  また、今回の法人税改革は、法人税を成長志向型の構造に変え、より積極的な賃上げへの取組や下請企業の価格転嫁といった取組を促すものであり、大企業に単なる減税を行うものではありません。  消費税率引上げについてのお尋ねがありました。  三本の矢の政策により、経済の好循環は確実に生まれ始めています。他方、昨年四月の消費税率引上げが個人消費に影響を及ぼしたのも事実であり、アベノミクスの成功を確かなものとするため、一〇%への引上げを十八か月延期することといたしました。社会保障を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、我が国の信認を確保するため、平成二十九年四月の一〇%への引上げについては確実に実施します。  なお、社会保障制度の財源としては、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定していること、勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから、消費税がふさわしいと考えております。  景気の国民の実感についてお尋ねがありました。  さきの総選挙において、私たちはこの道しかないと訴えてまいりました。そして、再び連立与党で三分の二を上回る議席をいただけたことは、引き続きこの道を真っすぐに進んでいけと、国民の皆様から力強く背中を押していただけたものと考えております。  昨年四月の消費税率引上げ等の影響で、景気の回復の実感が地方に暮らす方々や中小・小規模事業者の方々に届いていないのも事実であります。ただ、足下では、街角の景況感が多くの地域で改善し、先行きは全ての地域で改善するなど、景気回復の兆しも見られます。  今般成立した二十六年度補正予算を迅速かつ着実に実行し、また、賃上げの流れを来年の春、再来年の春と続けていくことにより、景気回復の実感を全国津々浦々に届けてまいります。  日本が進むべき道についてお尋ねがありました。  政府が進めている労働時間制度や労働者派遣制度の見直しは、あらゆる人がワーク・ライフ・バランスを確保しながら、それぞれのライフスタイルや希望に応じて、多様で柔軟な働き方を選択できる社会を目指すものであります。  また、急速に少子高齢化が進む中、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡すとともに、子育て支援などの充実策を講じていく改革を進めているところです。その財源としては、繰り返しになりますが、勤労世代など特定の者への負担が集中しないことなどから、消費税がふさわしいと考えております。  農協改革についてお尋ねがありました。  我が国の農業の活性化は待ったなしであり、安倍内閣では、農政全般にわたって抜本的な改革に取り組んできたところです。さらに今般、意欲ある農業の担い手が活躍しやすい環境となるよう、農協改革を行います。意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、創意工夫を発揮して、ブランド化や海外展開など自由な経済活動を行うことにより、農業者の所得向上に全力投球できるようにします。したがって、農協潰しという御指摘は全く当たりません。  米価対策についてお尋ねがありました。  二十六年産米の価格下落については、収入減少の影響を緩和するナラシ対策に加え、ナラシ対策に加入していなかった方にも国として減収の一部を補填するとともに、米の直接支払交付金の早期支払など、米農家の当面の資金繰りを支援してきたところです。  さらに、二十六年度補正予算において、機械の共同利用など、稲作の生産コストの低減を図る取組などを緊急的に支援することとしております。今後とも、意欲ある稲作農業の担い手が活躍できる環境を整備してまいります。  TPP交渉についてのお尋ねがありました。  日米協議については、いまだ多くの課題が残っており、何ら確定しているものはありません。現在、まさに着地点を探っているところであります。アジア太平洋地域の成長を日本に取り込む潜在力を持つTPPは、成長戦略の主要な柱の一つであります。交渉は最終局面にあり、交渉からの脱退について言及することは不適切と考えます。いずれにせよ、守るべきは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求していく考えであります。  普天間の辺野古移設と沖縄における選挙結果についてお尋ねがありました。  沖縄における選挙の結果については、いずれも真摯に受け止めたいと思います。最も大切なことは、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならないということであります。これが大前提であり、かつ政府と地元の皆様との共通認識であると考えています。  辺野古の移設は、米軍の抑止力の維持と普天間の危険性除去を考え合わせたとき、唯一の解決策であります。この考え方に変わりはありません。一日も早い普天間の全面返還を必ずや実現する、そのために、引き続き、現行の日米合意に従い、沖縄の方々の理解を得る努力を続けながら移設を進めてまいります。  辺野古移設は最新鋭の巨大基地建設であるとのお尋ねがありました。  辺野古の埋立面積は普天間飛行場の三分の一以下であり、滑走路も大幅に短縮されます。滑走路が二本になるのは、地元の要望を踏まえ、離陸、着陸のいずれの飛行経路も海上になるようV字形に配置するためです。これにより騒音も大幅に軽減されます。  岸壁の整備については、滑走路の短縮により、故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるため、代わりに運搬船が接岸できるようにするものであります。強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くありません。また、現在の弾薬の保管、搭載に係る機能の移設に当たっては、辺野古にある既存の弾薬庫を活用しつつ、効率的に整備します。  普天間の有する三つの機能のうち、辺野古に移るのはオスプレイなどの運用機能のみです。空中給油機は既に全機、山口県岩国基地へ移しました。緊急時の航空機受入れ機能も本土へ移します。また、オスプレイについては県外訓練等を着実に進めています。負担軽減に取り組む政府の姿勢が民主主義に反するとは考えておらず、最新鋭の巨大基地建設との御指摘は全く当たりません。  普天間飛行場の一日も早い返還こそが地元の皆様の願いだと思います。引き続き、沖縄の方々の理解を得る努力を続けながら全力で取り組んでまいります。  歴史認識及び慰安婦問題についてのお尋ねがありました。  安倍政権としては、戦後五十年の村山談話、戦後六十年の小泉談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えであります。  慰安婦問題については、これまで累次の機会に申し上げてきたとおり、筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛みます。この点についての思いは、私も歴代総理と変わりません。同時に、私としては、この問題を政治問題、外交問題化させるべきではないと考えております。  これまでの歴史の中では多くの戦争があり、その中で女性の人権が侵害されてきました。二十一世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切であり、日本としても全力を尽くしていく考えであります。  安全保障法制の整備についてお尋ねがありました。  我が国は、戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩んでまいりました。これは、時代の変化に対応しながら、憲法が掲げる平和主義の理念の下で最善を尽くし、自衛隊の創設、日米安保条約の改定、そして国連PKOへの参加など、国際社会の変化と向き合い、果敢に行動してきた先人たちの努力の結果であると思います。  昨年七月の閣議決定は、国民の命と幸せな暮らしを守るため、必要最小限度の自衛の措置が許されるという、従来の憲法解釈の基本的な考え方を変えるものではありません。日本国憲法の基本理念である平和主義は今後とも守り抜いていきます。平和国家としての歩みは、より確固たるものにしなければならない、このことは閣議決定にはっきりと明記しています。  御指摘の、戦闘地域まで行って軍事支援するとの御趣旨は定かではありませんが、先般の閣議決定においては、今後、我が国が行う支援活動は、現に戦闘行為を行っている現場では実施しないこととしています。海外で戦争する国づくりにほかならないとの御指摘は全く当たりません。  政府としては、閣議決定で示された基本方針の下、切れ目のない安全保障法制の整備を進めてまいります。  核兵器のない世界についてお尋ねがありました。  我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会の取組を主導してまいります。他方で、核兵器禁止のための国際約束を作成することについては、現時点で核兵器国を含む多くの国が受け入れておらず、直ちに交渉を開始することができる状況にはないものと認識しています。  このような国際社会の厳しい現実を踏まえ、政府としては、現実的かつ実践的な取組を通じ、唯一の戦争被爆国としての国際的な責務を果たしてまいります。(拍手)     ─────────────
  14. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 柳澤光美君。    〔柳澤光美君登壇、拍手〕
  15. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。  会派を代表して、安倍総理の施政方針演説に対し、私の思いを込めて質問させていただきます。  私事になりますが、私は二〇〇四年に初当選をさせていただき、初めての本会議での代表質問が二〇〇五年四月でした。私の政治信条である、無駄にしません、汗と税、真面目に働く者が報われて、正直者がばかを見ない社会の実現を強く訴えさせていただきました。あれから十年、今も全く同じ思いであります。  私は、その質問の冒頭で、小泉・竹中改革の最大の問題点は、グローバルスタンダード、グローバルスタンダードと言いながら、弱肉強食、強い者しか生き残れないという市場経済原理主義のアメリカンスタンダードを急激に日本に取り入れたことです、その結果、人に対する思いやり、助け合い、そして血縁、地域の縁、職場の縁というきずなを大切にするジャパニーズスタンダードを完全にぶっ潰したことです、改革にも変えていいことと変えてはならないことがあります、日本の根幹を壊してしまった小泉総理の責任は重大ですと主張をしました。その思いは今も変わりません。  そこで、まず、安倍総理は、小泉・竹中改革と同じように、弱肉強食、強い者しか生き残れないという新自由主義のアメリカのような国に日本をしたいのか。目指す日本の姿をどのように考えておられるのか。御所見をお聞かせください。  私は、アメリカに学ぶことは必要ですが、日本がアメリカになる必要はないと考えます。アメリカは、一四九二年にコロンブスが発見しておよそ五百年、一七七六年にイギリスから独立して二百五十年弱、しかし実際は、一八六一年からの南北戦争でリンカーンが南部の奴隷を解放して今のアメリカ合衆国ができて百五十年です。そして、世界から人種も宗教も言葉も肌の色も違う人たちが集まってできた移民国家です。しかも、アングロサクソンの狩猟民族が中心ですから、狩りが上手だという実力主義、実際に獲物を捕ったという成果主義が基本です。獲物を捕った人がおいしいところを食べ、あとは分けてあげる。経営者は短期に業績を上げ、何十億もの報酬を得る。働く人もより多くの獲物を求めて次の森に移っていく。転職も当たり前なのです。  しかし、日本はアメリカとは違います。小さな島国で、大きな人種問題も宗教問題もなく、二千年の歴史と伝統と文化を育んできました。そして、日本は農耕民族です。私も農家の生まれですが、田植は一人ではできません。おじいちゃん、おばあちゃん、子供も孫も家族総出で行います。間に合わなければ親族で助け合う、これが血縁です。そして、隣の田植が遅れていれば手助けをする、これが地域の縁です。そして、働く者も同じ会社や職場で助け合う、これが職場の縁です。  私たちは、人に対する思いやり、助け合い、血縁、地域の縁、職場の縁というきずなを大切にしてきました。この日本の良さを守り、アメリカの新自由主義だけではなく、ヨーロッパ諸国の民主社会主義に学ぶ必要があると考えますが、安倍総理の御所見をお聞かせください。  私はアベノミクスを全て否定はしません。経済全体として明るさが出てきたことは確かですし、第三の矢の成長戦略の成功を私も願っています。しかし、問題は、全体として良くなっても、全員の生活が良くなっていないことです。むしろ、大企業と中小企業、正社員と非正規社員、そして都市と地方など、格差が拡大しています。  特に雇用では、小泉・竹中改革により非正規雇用が急増し、格差が拡大しました。確かに安倍政権になって雇用の改善は見られますが、増えているのは非正規社員です。非正規社員は二千万人を超え、中でもワーキングプアと言われる年収が二百万円以下の皆さんが一千百万人に達しています。  働く人のニーズ、経済情勢や国際環境の変化に対応するために、労働法制を見直すこと自体は否定しません。しかし、格差が拡大する中で、なぜ安倍総理は、労働法制を岩盤規制と目の敵にして、企業にとって都合の良いものに一方的に変えてしまおうとするのか。必要なときに非正規で採用し、残業代も付けずに働かせ、必要がなくなったら金銭で解雇する、この人を物のように扱う労働法制の改悪には断固反対です。安倍総理のお考えをお聞かせください。  壊された日本の良さの一つに労使関係と雇用慣行があります。アメリカでは職種と職務による雇用形態が基本で、労働組合も職種別横断組合が中心です。しかし、日本では企業別に労働組合ができ、長期雇用と年功処遇を基本に労使関係を築いてきました。  特に企業は、入社すると社会人教育を行い、現場で先輩がOJTで知識や技術を教えるなど人材育成に力を入れてきました。この慣行により、企業への帰属意識や仕事に対する責任感を高め、質の高い製品やサービスを生み出してきたのです。  ところが、株式会社は株主のためにあるというアメリカンスタンダードにより、短期の利益と株価が重視され、配当や自社株買いなど株主対応が最優先されました。その結果、株主配当や内部留保は増え続け、一方で労働分配率は下がり続けてきました。  人件費をコストとしてしか考えず、ボーナスはもちろん、賃金カットが当たり前に行われ、その挙げ句が人員整理です。株主代表訴訟もあり、社員への福利厚生などフリンジベネフィットはカットされ続けてきました。これが格差拡大の最大の要因です。  それに対して日本では、企業は株主のためにあると同時に、顧客のために、従業員のために、取引先との関係も大切にして、地域社会そして国のためにもあるという多くのステークホルダーを大切にし、労使で企業の継続、発展を目指してきました。  経営者は日本生産性本部を、労働組合は全国労働組合生産性会議を立ち上げ、雇用の維持拡大、労使の協力と協議、成果の公正な分配という生産性運動三原則を共有し、労使で生産性向上に取り組んできました。これこそが戦後日本の成長を支えた最も大切なジャパニーズスタンダードだと考えます。  円安誘導や法人税減税など企業のための政策が推進されても、全ての企業が従業員や取引先など多くのステークホルダーに成果を公平に分配しなければ成長戦略は実現できないと考えます。この企業の分配機能こそが日本における格差是正の原点だと考えます。安倍総理の御所見をお聞かせください。  また、麻生大臣は一月に、まだ金をためたいなんて、ただの守銭奴にすぎないと発言されました。私も全く同感です。放言との批判がありましたが、とんでもない、本質を突いた問題提起です。是非麻生大臣の率直なお考えをお聞かせください。  私は、経営者の皆さんに訴えたい。生産性運動三原則である雇用の維持拡大、労使の協力と協議、成果の公正な分配というジャパニーズスタンダードを取り戻していただきたい。成果を株主や内部留保だけではなく、従業員はもちろん、多くのステークホルダーに公正に分配していただきたい。売ってよし、買ってよし、世間よし、これが日本の商売の原点です。賃上げも、政府から要請されたからするのではなく、労使で協議し主体的に実施すべきものだと考えます。安倍総理の御所見をお聞かせください。  次に、自殺問題です。  私は、十年前の質問の中で、問題は失業だけではありません、精神的にも肉体的にも追い詰められて過労死も増える一方です、そして、過労自殺も含め、自殺者は一九九八年に三万人を超え、二〇〇三年には三万四千四百二十七人、最悪の結果になりました、これは、一年三百六十五日、毎日どこかで百人近くの人が自殺をしていることになります、私は、国の最大の責任は国民の命を守ることにあると思いますと訴え、自殺対策に真正面から取り組んできました。  当時の参議院厚生労働委員会で、がんを公表され亡くなられた民主党の山本孝史先生の呼びかけに、自民党の武見先生、公明党の木庭先生、社民党の福島先生、共産党の小池先生など多くの委員に尾辻大臣も加わり、超党派の自殺対策を考える議員有志の会が結成されました。翌二〇〇六年には議員立法で自殺対策基本法を成立させ、二〇〇七年四月に内閣府に自殺対策推進室ができ、六月には自殺対策大綱が閣議決定され、秋には自殺対策白書が発刊されました。私は、与野党、党派を超えた取組に感動し、良識の府参議院議員になれて本当に良かったと心の底から思いました。  その後、NPO法人ライフリンクの清水代表を中心に民間団体のネットワークができ、京丹後市の中山市長の呼びかけで自殺のない社会づくり市区町村協議会が結成され、超党派の議員連盟、自殺対策を推進する議員の会、そして日本自殺総合対策学会を設立するなど、多くの皆様の御協力で、昨年は速報値で二万五千三百七十四人まで減らすことができました。  しかし、増え方が減っただけで、まだ二万五千人を超えています。自殺は社会的問題であり、社会構造上の問題です。失業、過労死、格差、貧困、多重債務など、社会のひずみの究極の悲劇が自殺であり、特に二十代の死因のおよそ半数が自殺です。  新たな十年に向かって、厚生労働省への事務移管など推進体制の強化、予算の恒久財源化、そして自殺対策基本法の見直しなど、本番はこれからです。安倍総理、そして所管することになる塩崎厚生労働大臣の自殺対策に対する御所見をお聞かせください。  最後になりますが、スウェーデンを訪ねたときに、日本の皆さんは働くために生きているのですか、生きるために働いているのですかと言われたことが忘れられません。私は、国のために国民があるのではなく、国民のために国はある、組織のために人があるのではなく、人のために組織はある、企業のためにだけ従業員がいるのではなく、従業員のためにも企業はあると考えます。  一人一人が大切にされ、少なくとも、真面目に働いたら安心して結婚をし、子供を産み育て、教育を受けさせることができる、一生懸命働いたら豊かでゆとりある老後を過ごすことができる。生活者、納税者、消費者、そして働く者を守るために、安倍政権の政策運営をしっかりチェックしていくことをお約束させていただき、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  16. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柳澤光美議員にお答えをいたします。  目指すべき日本の姿についてお尋ねがありました。  安倍内閣が目指しているのは、経済の好循環の実現であり、地方経済の底上げであります。このため、政労使による賃上げ、設備投資の促進や下請企業への転嫁などの取組や地方創生などにも取り組んでいるところであります。  柳澤議員が御指摘になったように、日本は古来より、朝早く起きて、共に助け合い、田を耕し、水を分かち合い、そして一緒に五穀豊穣を祈ってきた瑞穂の国であると考えています。  我々は、新自由主義的に政策を進めていく考えはありません。デフレ脱却と経済再生を目指しつつ全体の底上げをしっかりと行っていく、言わば瑞穂の国の資本主義だと考えております。そして、経済再生に取り組み、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、子供たちの誰もが家庭の経済事情に左右されることなく希望する教育を受けられるようにしてまいります。  こうした取組を通じ、誰にでもチャンスがある、そして頑張れば報われるという社会の実現に向け、尽力してまいります。  労働法制についてお尋ねがありました。  ワーク・ライフ・バランスの観点から、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進めることが重要な課題と認識しております。  今国会に提出を予定している労働者派遣法改正案においては、正社員を希望する派遣労働者について正社員への道が開けるようにすることなどを盛り込むこととしています。  また、時間ではなく成果で評価する新たな制度については、希望しない人には適用しない、職務が明確で高い職業能力を持つ人材に絞る、賃金が下がることのないようにするという三つの原則の下、検討を進めており、残業代も付けずに働かせるといった御指摘は当たりません。  なお、労働紛争解決システムの在り方については、雇用慣行が不透明であるという指摘に対応し、働く人の保護に資するよう検討を行うこととしています。金銭によって解雇を自由化していくという考え方ではありません。  企業の分配機能についてお尋ねがありました。  政府がどれだけ所得再配分を繰り返しても、持続的な経済成長を通じて富を生み出すことができなければ、経済全体のパイも個人の所得も減っていくと考えられます。このため、好調な企業の収益を、賃上げ、雇用環境の更なる改善や設備投資等を通じて経済の好循環につなげることが必要です。  そこで、政労使会議の開催や成長志向型の法人税改革を通じ、企業のより積極的な賃上げや下請企業の価格転嫁といった取組などにつながることを目指しています。政労使会議では、特に、円安のメリットを受けて高収益の企業には積極的対応をお願いしたところです。こうした取組により、経済成長の成果が広く国民に行き渡るよう、ひいては格差が固定化しないようしっかり取り組んでまいります。  賃上げについてお尋ねがありました。  議員の御指摘のとおり、賃金の水準は個別労使間の交渉によって決定されるものと考えています。しかしながら、長引くデフレから脱却し、経済の好循環をしっかりと回転させていくことは簡単ではありません。  そこで、経済界、労働界、政府がデフレ脱却と好循環実現に向けて一致協力するため、異例のことではありますが、一昨年には政労使会議を開催し、政府から賃上げを要請したこともあり、昨年の春闘では賃上げ率が過去十五年で最高となりました。また、昨年の総選挙の後、直ちに政労使会議を開き、経済界の皆さんには、賃上げに向けた最大限の努力と原材料費高騰に苦しむ下請企業の価格転嫁といった取組に合意していただきました。本格的にスタートした今年の春闘においても、労使の間で真摯な議論が行われ、賃上げがしっかりと実現することを強く期待しております。  自殺対策についてお尋ねがありました。  我が国における自殺対策は着実に成果を上げていますが、今なお年間約二万五千人の方が自ら命を絶たれるという深刻な状況にあることは変わりなく、国を挙げた対策を更に進めていく必要があります。  政府としては、誰も自殺に追い込まれることのない社会を目指し、きめ細やかな対策が実施できるよう、いただいた御指摘も参考にしつつ、厚生労働省への円滑な事務移管などによる推進体制の強化や必要な予算措置等も含め、しっかりと対応してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  17. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日本企業の内部留保に関する私の発言についてのお尋ねがあっております。  御存じかと思いますが、企業の内部留保というものは、二〇一二年度末、三月末で三百四兆円、それが一年間たちました二〇一三年の三月末には三百二十八兆円、簡単には一年に二十四兆、月割り二兆円ずつ増えているというのが実態であります。  経済の好循環が循環していくという上において、企業の多くが内部留保だけを積み上げていっているという状況ということは好ましいものではないと、そのように思っております。もちろん企業というものは経営者が判断をされるわけでありますから、当然のこととして個々に事情を抱えておられて、実際にどう判断されるかはそれぞれの企業の経営判断であることは当然です。それが大前提です。しかし、私としては、利益が出れば賃上げ、いわゆる給料の引上げ、また労働分配率の引上げ、若しくは配当等々に回していくことが望ましいと考えておりまして、そのためにそれを後押しするような税制上の手当てなどをいろいろ講じているというのは御存じのとおりであります。  お尋ねの私の発言はそのような趣旨で申し上げたものであります。(拍手)    〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
  18. 塩崎恭久

    国務大臣(塩崎恭久君) 自殺対策につきましてのお尋ねがございました。  自殺対策につきましては、自殺総合対策大綱に基づき政府挙げて取組を行っており、これまで一定の成果を上げてきているものの、平成二十六年の年間自殺者数は二万五千人を超えるなど、いまだ深刻な状況に変わりはなく、更なる取組が求められております。  厚生労働省も関係府省の一つとして、うつ病対策などの精神保健医療の充実や職場のメンタルヘルス対策の充実などに取り組んできたところでございますが、こうした取組に加えて、今後は、依然として深刻な状態が続く若者による自殺や自殺未遂者への対策についても強化が必要だと考えておるところでございます。  このため、自殺未遂救急搬送された患者に対して、入院中から精神保健福祉士等によるケースマネジメント等を行うなど、若者の自殺・自殺未遂者対策の強化に努めるとともに、内閣府からの業務移管についても、対策に遅滞が生じないよう準備を進め、厚生労働省を挙げて、また政府全体として一体的、総合的に自殺対策に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)     ─────────────
  19. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 岩城光英君。    〔岩城光英君登壇、拍手〕
  20. 岩城光英

    ○岩城光英君 自由民主党の岩城光英です。  参議院自民党を代表して、安倍内閣総理大臣の施政方針演説について質問をいたします。  初めに、安倍内閣の最重要課題である地方創生について伺います。  私は、住民に最も身近な行政である市や町や村が元気を出すことが日本の活力につながるものと考えております。  政府は、昨年末に、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンと、それを踏まえた五か年のまち・ひと・しごと創生総合戦略をまとめ、これに基づき、平成二十六年度補正予算、平成二十七年度予算案、合わせて一兆七千億円の予算を確保いたしました。  ところで、平成二十六年の人口移動報告によりますと、東京圏では転入者が転出者を上回る転入超過が十万人を超え、三年連続の増加となっています。まち・ひと・しごと創生総合戦略では、地方の人口流出に歯止めを掛け、平成三十二年までに東京圏の転出、転入を均衡させる目標を掲げていますが、施策を進める上で現状の把握、分析は大事なことだと考えます。  なぜ東京一極集中が続いているのか、その原因をどのように考えているのでしょうか。そして、それを踏まえ、地方へ人口移動や企業移転の流れをつくるための総理の決意をお伺いします。  次に、外国人観光客の地方への波及についてであります。  政府の観光施策の進展や円安などの効果によって外国人観光客が大幅に増えており、国内消費の押し上げに貢献しています。一昨年に初めて一千万人を超えた外国人観光客は、昨年は一千三百万人となり、今年は一千五百万人になるとも予想されています。  総理は、施政方針演説で、日本を訪れる皆さんに、北から南まで、豊かな自然、文化や歴史、食など、地方の個性あふれる観光資源を満喫していただきたいと述べられましたが、東京や関西などの主要な観光地を巡るルートはゴールデンルートと呼ばれ、外国人観光客の七割から八割がこのルートをたどると言われています。  しかし、我が国にはどの地域にもそれらに勝るとも劣らない魅力があります。外国人観光客の増加を東京や関西だけでなく全国に行き渡らせるための方策について、総理に見解を伺います。  次に、シェアサイクルなど、自転車の利活用についてであります。  三年前のロンドン・オリンピック・パラリンピックでは、移動手段として八千台の自転車、シェアサイクルが整備され、期間中は一日四万回以上の利用がありました。舛添東京都知事は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、自転車の活用を掲げています。  政府は、東京を始め全国で、シェアサイクルの普及やサイクルレーン、駅、商店街周辺での自転車駐輪場の整備を更に進め、自転車走行環境の改善、整備を図ることとしてはいかがでしょう。国内外の旅行者に日本各地の観光スポットを巡る新しい可能性を開く有効な移動手段になり、地方創生に貢献するとともに、都市環境に優しく、健康の増進にも資するものと考えますが、総理の見解をお示し願います。  次に、地方創生と並ぶ最重要課題である女性が輝く社会について伺います。  家庭で、地域社会で、職場で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会、これが政府・与党が実現を目指す姿です。  昔から輝いている女性はたくさんいました。例えば、福島では会津藩の新島八重が挙げられます。大河ドラマ「八重の桜」のヒロインで御存じの方も多いと思いますが、幕末から激動の明治、大正、昭和を生きたハンサムウーマンと言われた女性です。八重の時代から比べますと、女性の生き方は著しい変化を遂げています。女性の生き方の価値観が多様化しているのです。  全ての女性が輝く社会の実現に向けて、総理の決意をお伺いします。  次に、教育問題について伺います。  安倍内閣の最重要課題である地方創生や女性が輝く社会の実現のためには、教育の役割は極めて大きいと考えます。  まず、教育再生実行会議の提言についてであります。  安倍内閣は、二十一世紀の日本にふさわしい教育体制を構築するため、教育再生実行会議を設置し、教育改革を推進しています。同会議においては、いじめの問題等への対応、教育委員会制度や大学教育の在り方等について五次にわたる提言を行っており、政府はこれまでの提言の内容を着実に実行しているところです。  四次提言を踏まえた高大接続の改革については実現に向けた段階に入り、五次提言を踏まえた小中一貫教育の制度化については今国会に法案の提出が準備されているようです。  これらは我が国の教育制度にとって大変重要な改革となりますが、実行に向けた総理の決意をお伺いいたします。  次に、幼児教育の無償化についてであります。  経済協力開発機構の調べによりますと、日本の公的な教育支出は、国内総生産と比較して三・一%と、三十九か国中最下位となっており、教育費の拡充強化が課題となっています。特に幼児教育の無償化は、その重要性に鑑み、低所得世帯を含む全ての子供に質の高い幼児教育を保障することを目指す施策で、政府・与党が推進しているものです。  来年度予算案では、本年度に引き続き低所得世帯の保護者負担の軽減措置がとられましたが、残念ながら無償化対象の拡大はなりませんでした。  総理は、施政方針演説で、幼児教育無償化の実現に向け一歩一歩進んでまいりますとしていますが、人口減少問題が喫緊の課題となり、子育て支援対策が強く叫ばれる中、よりメッセージ性の強い大胆な方策が求められていますので、総理の決意をお示し願います。  次に、東日本大震災からの復興について伺います。  あの大震災から三年十一か月がたちました。安倍内閣は、被災地の復興なくして日本の再生なし、この考え方の下に復興の加速化に努めています。そして、多くの方々が復興のために血のにじむような努力をされていますが、その一方で、期待どおりには復興が進んでいないというもどかしさを被災地に暮らす誰もが感じています。  このような中、集中復興期間終了後の平成二十八年度以降については、復興庁は、五年の枠組みで復興事業に必要な予算を精査し、この夏の概算要求までには一定の絵姿を示したい方針と伺っています。被災地全体の復興に関わる根本的な重要な課題であり、被災地が少しでも将来を見通せるよう、平成二十八年度以降の方針を早期に示していただきたいと考えますが、総理の御所見をお示し願います。  次に、被災地における地方交付税の特別措置についてであります。  平成二十七年度に国勢調査が行われる予定ですが、本調査における人口が普通交付税の算定の基礎数値の一つとなります。ところが、福島、宮城、岩手の被災三県では、多くの方が避難生活を余儀なくされているため、現況の調査結果が反映されることにより、交付税が減額されることを懸念しております。福島では、原発事故によりその影響が特に大きくなると予想されます。全住民避難の町村のみならず、広野町、川内村のように、避難解除後も事故前の人口に戻っていない自治体もあります。  三宅島噴火のときには三宅村に対し交付税の特別措置がありました。今回も同様の措置が望まれますが、総理の見解を伺います。  福島の復興は、他の被災地と比べると残念ながらその歩みは大きく遅れているのが実情です。避難生活を強いられている皆様が今後自立を目指していくために、本年は大変大事な年になります。  福島の子供たちの声を紹介します。  小学六年の女子児童です。「浪江町からひなんしてきた。先生や友達、何をしているのだろう。でも、私は信じている。この空の下、心と心はちゃんとつながっているって。いつか必ず、あのころの仲間と笑顔でもう一度会える日が来るってことを。」。  小学五年の男子児童です。「ぼくは、福島の未来をこう予想します。福島は、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーの最先たんの都市になると思っています。そして、ぼくは、この新しい福島を、世界の人々にしょうかいしていきたいと思います。」。  子供たちは、困難に立ち向かいながら、未来に向かって強く優しく生きています。彼らの夢や希望がかなうよう全力で取り組むことは私たちの責任です。将来を担う子供たちが安心して安全に暮らせる誇りの持てるふるさとを築くためには、事故の収束と廃炉作業の着実な実行が大前提となります。  そこで、まず、廃炉と汚染水対策についてであります。  現在、東京電力福島第一原発における廃炉作業が続けられています。原発の敷地内はタンクの山となり、汚染水対策が喫緊の課題であります。しかし、その対策は試行錯誤の連続です。廃炉作業は、最終的には使用済燃料や燃料デブリの取り出しを完了しなければなりません。今春に予定されているロードマップの改訂では、問題点を捉えた上で、実現可能性の高いものにすることが求められます。  東京電力は、浄化目標を三月から五月に先延ばしすると発表しましたが、地元からは、確かに実現できるのかとの疑問の声が上がっています。総理は、施政方針演説で、廃炉・汚染水対策に、国も前面に立ち、全力で取り組みますと述べられました。  異なる意見のある凍土遮水壁の構築をどうするのか、死亡労災事故が相次いだ現状を踏まえ、廃炉作業の抜本的な見直しや作業に従事する人材の確保や育成をどうするのかなど、廃炉までの課題は様々で、かつ困難なものばかりですが、総理はそれぞれをどのように解決しようとしているのか、伺います。  次に、福島の将来像についてであります。  昨年の八月、私は原爆のプルトニウムを生産していた米国ワシントン州ハンフォードサイトを視察しました。冷戦終結後は、廃炉や汚染物質の除却、地下水対策、ブドウ栽培とワイン製造など、廃炉作業や農業生産の基地として生まれ変わっております。行政が粘り強く住民との対話を繰り返し、丁寧な対応を積み重ねた結果です。福島県の良い参考になると考えています。  昨年十二月、避難指示が出された十二市町村の将来像を検討する福島十二市町村の将来像に関する有識者検討会が設置されました。一次産業や地域の強みを生かした産業振興、健康・医療、観光など、様々な課題を整理しながら夏頃までに提言を取りまとめるとのことです。  地元では、浜通りに廃炉やロボットの研究開発拠点を整備する、いわゆるイノベーション・コースト構想に大きな期待を寄せております。総理も、福島を世界最先端の研究、新産業が生まれる地へと再生する、浜通り地域にロボット関連産業などの集積を進めてまいりますと力強く述べられました。  福島県は、風力、地熱、水力、太陽光、バイオマスなど自然エネルギー資源に恵まれた県であります。福島県を再生可能エネルギーの総合基地とすることは、我が国の再生可能エネルギーの活用の在り方を考える上でも重要ではないでしょうか。  十二市町村を含めた福島の将来像について、総理はどのように描いているのか、御見解を伺います。  次に、原発事故の営業損害賠償についてであります。  原発事故による営業損害賠償は、加害者の被害者に対する果たすべき責任と県民は考えています。ところが、昨年十二月、原発事故により商工業者が被った営業損害に対する賠償支払が平成二十八年二月分で終了するとの素案が示されました。賠償の終期は、帰還や営業再開の明確なめども立たず、風評被害が続く現状においては、いつという形で区切るべきではありません。  以下、被災者の生の声です。町の帰町宣言が出ていない中で、素案が示されること自体が理解できない。移転先では既に商圏ができ上がっているため、新規参入は極めて困難であり、地元で商売している人とのあつれきが生じている。県産の魚の入荷がなく、値段も合わず、品数も少ない、売上げが落ちている。教育旅行関連客は、風評のため、地域によってはまだ二五%しか回復していない。このように、平常時の損失補償などで捉えるほど軽くはないとの商工業者の声は切実です。  商工業者への損害賠償については、一律に打ち切るのではなく、引き続き被害者の自立の度合いに沿って個別具体的に判断すべきと考えますが、総理の見解を伺います。  次に、中間貯蔵施設に関わる交付金についてであります。  中間貯蔵施設については、大熊町、双葉町の両町長が、風評を払拭し、復興を加速化させることを考慮して苦渋の決断をされました。そして、去る二月三日、一時保管場の整備工事に着手いたしました。政府においては、今後、搬入開始に向けて、地元住民、特に地権者に対し、改めて、原発事故によりふるさとを追われた人々の苦しい思いを十分にしんしゃくし、より一層誠意ある丁寧な対応で尽力していただくことを願います。  なぜなら、建設予定地用地価格の最終合意がなされる前に工事着手、搬入予定が決められていることに対する不満の声や、交付金について具体的なすり合わせがない中で本当に自由度が確保されているのかという不安の声があるからです。  中間貯蔵施設に関わる交付金については、中間貯蔵施設等に係る交付金一千五百億円、原子力災害からの福島復興交付金一千億円が財政措置されることになりました。これらは自由度の高い交付金と説明されておりますが、制度上、これまでのものと比較してどこが改善されているのでしょうか。さらに、なぜ福島に対して交付されるのか、広く国民に理解されるよう、政府がその必要性を説明するとともに、その透明性を確保するシステムの構築が求められると考えますが、総理の御所見をお示し願います。  最後に、常磐自動車道の四車線化についてであります。  来る三月一日に、地元の長年の悲願であり、また東日本大震災からの復興の象徴でもある常磐自動車道が全線開通いたします。  現在、いわき中央インターチェンジ以北の区間が二車線で運用されております。昨年十一月にまとめられた中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る基本計画においては、高速道路を積極的に利用することとされております。仙台―東京間の全線開通により、地元の方々の利用はもとより、復興関連や中間貯蔵施設への輸送など、交通量の増加が予想されます。  このような点を踏まえますと、常磐自動車道の四車線化を早期に実現する必要があると考えますが、国土交通大臣の見解をお伺いして、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  21. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岩城光英議員にお答えをいたします。  東京一極集中の要因と地方創生の決意についてお尋ねがありました。  東京圏への人口の過度の集中の原因については、大企業や会社の本社機能が集中し、就職に有利であることに加え、文化施設やイベントが豊富であり、また、多様な商品にあふれ、流行の先端を行く消費生活が楽しめることなどが人を引き付け、今日の東京圏への人口の過度の集中につながっていると考えられます。  そのため、地方における雇用を創出し、地方への新しい人の流れを生み出すため、東京から移転等を行う企業に対する税制措置やワンストップの移住相談窓口を整備すること等により、仕事が人を呼び、人が仕事を呼ぶ好循環を確立し、東京一極集中の是正を目指してまいります。  観光についてお尋ねがありました。  我が国経済の成長と地方創生の実現のためには、観光は大変重要な分野だと考えています。  御指摘のとおり、外国人観光客は、この二年間で五百万人増加し、昨年は過去最高一千三百万人を超えました。日本を訪れる皆さんに各地方の個性あふれる観光資源を満喫していただくため、地方自治体等と協力しつつ、地方の見どころを結ぶ広域の周遊ルートを確立する、世界各地で行われる旅行博等のイベントの機会などを通じ、そうした日本全国各地の魅力を積極的に世界に発信するなどの施策を政府一丸となって強力に推進してまいります。  自転車の利用についてお尋ねがありました。  自転車の利用は、環境にも優しく、また旅行者の観光周遊や地域の活性化等にも有効であると考えております。  このため、先般閣議決定した交通政策基本計画においても、駐輪場や自転車道等の整備など自転車の活用に向けた取組を更に推進することとしたところです。東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年を一つの目標に、各地域における取組が着実に進められるよう、地方公共団体に対する必要な支援等にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  全ての女性が輝く社会の実現についてのお尋ねがありました。  家庭で、地域で、職場で個性と能力を発揮できるよう、様々な状況にある女性を応援する政策を推進することが必要です。このため、企業に女性の採用、登用等の行動計画の策定を義務付ける女性活躍推進法案を今国会に速やかに提出し、職場での活躍を促してまいります。  また、安心して子育てができるよう、子ども・子育て支援新制度を四月から予定どおり開始するとともに、ワンストップの相談窓口の整備などにも取り組みます。さらに、子育てに専念してきた女性の皆さんに地域の子育て支援の担い手として活躍していただけるよう、子育て支援員制度をスタートさせます。こうした施策を強力に進め、全ての女性が輝く社会の実現を目指してまいります。  教育再生への決意についてお尋ねがありました。  第二次安倍内閣においては、教育再生実行会議から累次の提言を受け、これまで、教育委員会制度の改革や大学ガバナンスの改革など、長年議論されながら実現に至らなかった様々な改革について着実に実行に移してまいりました。  今後、大学入試センター試験に代わる新テストの導入など高大接続改革に取り組むとともに、九年間の中で学年の壁にとらわれない多様な教育を可能とする小中一貫教育校を創設するための法案を今国会に提出したいと考えています。  子供たちには無限の可能性が眠っており、それを引き出す鍵は教育の再生です。子供たちの誰もが、自信を持って、学び、成長できる環境をつくるため、引き続き教育再生に全力で取り組んでまいります。  幼児教育無償化についてのお尋ねがありました。  幼児期の教育は人格形成の基礎を培うものであり、全ての子供に質の高い幼児教育の機会を保障することは非常に重要です。また、少子化対策の観点からも、保護者負担の軽減を図ることは重要であります。このため、平成二十七年度予算案においても、所得の低い世帯の保護者負担軽減や市町村に対する補助の拡充を図り、無償化に向けた取組を更に前進させたところであります。  今後とも、財源確保を図りながら、幼児教育無償化の実現に向けてしっかり取り組んでまいります。  集中復興期間後の復興への取組についてお尋ねがありました。  これまで、被災者の方々が一日も早く安心して暮らすことができるよう、住宅再建や産業、なりわいの再生などに全力で取り組んでまいりました。平成二十七年度予算においても、復興の加速化を最重要課題の一つとして重点化しています。まずはこの成立に全力を尽くします。  集中復興期間が終わっても我々は決して止まりません。平成二十八年度以降についても、被災者の方々の心に寄り添い、しっかり対応してまいります。  被災地における交付税の算定についてお尋ねがありました。  地方交付税は、全国どのような地域であっても一定水準の行政を確保するための財源を保障する大変重要なものと考えます。東日本大震災の被災自治体の普通交付税の算定に当たっては、行政運営の状況や今後の国勢調査の結果も踏まえ、御指摘のように、過去に講じた三宅村の特例も参考にしながら、被災自治体の財政運営に支障が生じないよう、政府としてしっかり検討してまいります。  廃炉・汚染水対策についてお尋ねがありました。  岩城議員御指摘のとおり、廃炉・汚染水対策には、凍土方式の陸側遮水壁の構築、労災事故等多くの課題がありますが、昨年八月に発足させた原子力損害賠償・廃炉等支援機構の専門的知見も活用しながら、世界の英知を結集し、安全かつ着実に対策を進めてまいります。  福島十二市町村の将来像についてお尋ねがありました。  福島の一日も早い再生は国の責務です。避難指示等の出た十二市町村の地域再生の道筋を示すため、昨年末、有識者検討会を立ち上げました。地元と連携しつつ、中長期的かつ広域的な視点でこの地域の将来像の検討を進めています。地元からも期待の高いイノベーション・コースト構想なども踏まえつつ、今年の夏頃には取りまとめられるよう、政府一体となって取り組んでまいります。地方再生のモデルとなるような総合的な対策でにぎわいを取り戻すことを目指して、二〇二〇年の具体的なビジョンと三十年から四十年後の夢のある将来コンセプトを提示したいと考えております。  福島の事業者への営業損害に係る賠償についてのお尋ねがありました。  今後の営業損害の賠償については、東京電力が資源エネルギー庁とともに検討を進めていると承知しております。地元の関係する方々の御意見をよくお聞きして、被害者に寄り添った対応を行うことが重要であると考えています。あわせて、事業再建等のための様々な支援策を行うことにより、福島の産業復興を支援してまいります。  中間貯蔵施設に関わる交付金についてお尋ねがありました。  御指摘の二つの交付金については、先日成立した補正予算で措置したところであります。自由度の高い交付金とするため、県及び大熊、双葉二町の基金に一括交付し、地元のニーズに応じて自主的かつ主体的に幅広い事業に活用できるものとしています。  これらの交付金は、福島における中間貯蔵施設の整備等による影響を緩和するため、また原子力災害からの福島の復興を効果的に推進するため、福島に対し交付することとしたものであります。これらの点や交付金の必要性について、引き続き政府としてしっかりと説明責任を果たしていきます。あわせて、具体的な交付金の運用に当たっては、毎年度の事業計画の確認、事業結果の公表等を通じて透明性の確保を図ってまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣太田昭宏君登壇、拍手〕
  22. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) 常磐自動車道の四車線化についてお尋ねがございました。  常磐自動車道は、来月三月一日に、常磐富岡インターチェンジから浪江インターチェンジ間が開通し、東京から仙台までの全線が開通いたします。このうち、御指摘のとおり、いわき中央インターチェンジから岩沼インターチェンジまでの区間については暫定二車線となっております。  この暫定二車線区間については、被災地復興の観点を重視し、全線開通後の利用状況や中間貯蔵施設への輸送などの面を考慮して、四車線化を含めた対策に関し、しっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。(拍手)     ─────────────
  23. 輿石東

    ○副議長(輿石東君) 浜野喜史君。    〔浜野喜史君登壇、拍手〕
  24. 浜野喜史

    ○浜野喜史君 民主党の浜野喜史です。  民主党・新緑風会を代表して、厳しい社会経済情勢の中、真摯に様々な課題に向き合い、懸命の努力を続ける数多くの方々の思いを踏まえ、政府四演説に対して質問いたします。  本年は国連創設七十周年です。  四演説では、国連改革の必要性と国連安保理常任理事国の責務を担う姿勢が示されました。  総理は、安保理常任理事国の国際平和維持のための権限と責任の関係をどうお考えでしょうか。  総理は、自衛隊が武力行使を目的として集団安全保障に参加することはないと繰り返しておられます。この姿勢は、我が国が常任理事国入りした場合でも変わらないのでしょうか。常任理事国として賛成した安全保障活動に自国は参加しないということが可能でしょうか。総理の見解を伺います。  来年度予算案は、総額九十六兆三千四百二十億円と過去最大であります。  政府は国債費の金利を一・八%と想定していますが、現在の〇・三%程度の長期金利と懸け離れており、このままでは国債費に大きな不用分が生じます。既に年度後半にはこれを財源とした補正予算を組まれるお考えなのでしょうか。  消費税増税に際して、我々は、社会保障制度の維持、充実に加えて、財政健全化を約束したはずです。そのためには、徹底した歳出削減に本気で取り組んでいかなければなりません。  金利を多めに見積もって不用分を財源に回すというやり方では、歳出削減への取組が中途半端になり、財政健全化目標は達成できません。国債費の不用分は全てを国債償還に充てるなどの財政法改正が必要と考えますが、総理の見解を伺います。  今国会には、いわゆる残業代ゼロ制度、労働基準法改正案の提出が予定されています。働く者の代表として議席をお預かりしている私として、この法案には強い懸念を持っております。過重労働の防止策は示されず、制度の不明確さ、対象範囲の拡大などに対する不安も全く払拭されていません。  そもそも、残業代ゼロ制度を創設する理由はどこにあるのでしょうか。経済団体の要望もあると承知していますが、具体的にどのような職種の方、企業が制度創設を本当に希望しておられるのでしょうか。寡聞にして私は存じませんので、お教え願います。  また、本制度は金融市場を過剰に意識したとも疑われるものであり、我が国の雇用、労働を破壊するものと断ぜざるを得ません。総理の見解を伺います。  製造業の拠点の国内回帰について伺います。  総理は、昨年十月の衆議院予算委員会で、輸出の伸び悩みについて、企業は為替など諸条件の変化が続くかどうか見ており、今後、国内への投資が伸びていくことによって是正されていくと述べられました。また、法人税減税にも取り組む姿勢を示されています。しかし、企業は投資を判断する際、為替や税率だけではなく、自らに関わるトータルのコストを見ています。  昨年末、再生可能エネルギー発電設備の接続に関する回答保留が大きな話題となりました。必要な見直しを行わず、ただ機械的に認定し続けた結果、大量の設備が高値で認定されました。経済産業省は、認定設備が全て運開した際には、系統電力の利用者が負担する賦課金は年間二・七兆円に上ると試算しています。今回の法人税減税額は六千七百億円、減税額をはるかに上回る負担であります。現在も認定は増え続けており、加えて、電力流通設備対策や調整用電力設備の確保など、更なる追加負担も発生してきます。負担は二・七兆円にとどまらず、どこまで増えるか分かりません。    〔副議長退席、議長着席〕  このような状況では、企業は安心して製造拠点を国内に設けることなどできません。賦課金の上限を設けるなど、早急な制度の見直しが必要と考えますが、総理の見解を伺います。  また、現行の制度では、自家発電を導入すれば賦課金を逃れることができます。自家発電を導入できる余裕があれば負担を回避できますが、そうすると賦課金を分担する方が減り、自家発電を導入する余裕のない方の負担は更に増えることになります。負担の在り方についても早急な見直しが必要と考えますが、総理の見解を伺います。  総理は、地球温暖化対策について、昨年一月の参議院本会議で、「我が国の二〇二〇年削減目標については、エネルギー政策及びエネルギーミックスの検討の進展を踏まえて見直し、確定的な目標を設定いたします。」と述べられました。これは、聞こえの良い数字を決めた後、つじつま合わせをするというのではなく、現実的かつバランスの取れたエネルギーミックスを検討した上で削減目標を設定するということでしょうか。設定のプロセスについて総理の見解を伺います。  総理は、先月の参議院本会議で、政策実行に係る政治姿勢について、できることしか約束しない、約束したことは必ず実行すると述べられました。削減目標設定に当たっては、理想的な姿を描いたチャレンジングな目標も重要です。一方で、過去の新エネルギーの目標などを見ても分かるとおり、エネルギーの開発は計画どおりに進まないのも現実です。国際公約となる削減目標については我が国の実情を踏まえたものとする必要があると考えますが、総理の見解を伺います。  総理は、いわゆる岩盤規制の打破に強い決意を示されました。イノベーションを阻害する規制を改革していくことは重要です。一方で、無責任に規制を改悪し、新規参入をあおった結果、重大な事故を起こしたツアーバスのようなことになってはなりません。  電力は、発電所や送電線など、設備形成に長期間のリードタイムを要するものが多く、一度システムが崩壊すると容易に元に戻せません。原子力発電所の長期にわたる停止の結果、需給状況はタイトとなり、電力会社の財務体質は大きく毀損しております。このような状況下で、自由化や会社を分割して経営の柔軟さや企業体力を奪う法的分離を行うと、守るべき電力の安定供給に支障が生じかねません。  電力システム改革については、安定供給のための仕組み、ルールの整備や、改革に即した原子力事業環境整備、電力需給環境の改善など、システム改革を進める前段で解決すべき課題が山積しています。こうした課題についてどのように対応していくのか、総理の見解を伺います。  電力システム改革を進める一方で、ガスシステム改革は電力システム改革に数年遅らせるとの報道がありました。エネルギー基本計画にもあるように、総合エネルギー事業を育成していくという観点からは、電力、ガスの改革を一体で進めていくべきであると考えますが、総理の見解を伺います。  改革に関連して検討課題とされていた電力に関わる労働者のスト規制法については、電力需給が逼迫し、供給への不安が残っているなどという理由でスト規制法の存続が妥当とされました。電力供給不安があるので労働者に関するスト規制は残す、片や電力供給不安はあるがシステム改革は進めるでは、全く整合性が取れていません。  電力システム改革については、やみくもに実施時期を決めるのではなく、さきに述べた課題を一つ一つ検証し、解決した上で進めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。  さらに、電力で働く者に関しては、会社役員だけではなく一般の従業員についても、送電部門から発電や小売部門等への異動を制限する人事管理規制を導入するとの資料が経済産業省から提示されています。  人事院勧告で保護され、身分保障のある国家公務員においても廃止された関連企業等への転職規制を導入するというのは、電力で働く者への性悪説に立つものであり、日々安定供給のため懸命に努力する者が納得できるものではありません。これは、憲法で保障されている職業選択の自由を阻害するものと考えますが、総理の見解を伺います。  万が一にも、電力間競争の公正の観点からこうした規制が必要であるとするならば、送配電部門から新電力への転職も規制すべきとなります。また、送配電部門から新電力への転職には守秘義務を課すことで足りるのであれば、電力グループ間の異動においても同様の義務を課せばよいとするのが道理です。総理の見解を伺います。  何より、働く者の権利を制限しなくては安定供給が保たれないとするならば、それは制度設計が誤っているということです。制度のゆがみを働く者に押し付けない、王道のシステム改革を行うという総理の決意をお聞かせください。  次に、原子力規制委員会について伺います。  原子力発電所の再稼働について、当初、審査に掛かる期間は一基当たり半年から一年との目安を原子力規制委員会委員長が述べておられましたが、一年半が経過した現在でも、一基も審査は終了していません。審査が最も進んでいると言われる川内原子力発電所は、昨年の九月に原子炉設置変更許可申請が許可され、十一月には地元同意が得られましたが、いまだに工事計画認可の審査が終わらない状況です。  二〇一二年の衆議院選挙で、自民党は、再稼働の可否については順次判断し、全ての原子力発電所について三年以内の結論を目指すとしていました。新たな規制基準のため当初の想定を上回る審査内容となっているのであれば、体制の強化はもとより、安全性の徹底的な追求の上に立った効率的な審査がなされるような施策が講じられるべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。  原子力規制委員会の現状については、昨年の衆議院原子力問題特別委員会で意見を陳述をされた参考人を始め、有識者や立地自治体など各方面から、科学的、技術的視点から離れている、独善的であるなどの数多くの指摘が寄せられています。  原子力規制委員会設置法には三年以内の見直し規定があり、問題点を早急に整理していく必要があります。どのように検討し、見直していくのか、総理の見解を伺います。  最後に、我々民主党は、平和で活力に満ちた誇りある日本の継承、創造に向け、責任ある選択肢、政策を国民に示していく決意であることを申し上げ、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  25. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 浜野喜史議員にお答えをいたします。  安保理常任理事国入りと集団安全保障についてお尋ねがありました。  安保理常任理事国入りのいかんにかかわらず、憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、新三要件を満たす場合に限られます。これは、国際法上の根拠が、集団的自衛権となる場合も、国連安保理決議が採択されて集団安全保障となる場合も変わりません。  安保理常任理事国であるか否かにかかわらず、国連加盟国は、当然、各国の憲法が許す範囲内で安全保障理事会の決定に基づく措置を実施することとなります。  国債費の積算金利と不用についてのお尋ねがありました。  平成二十七年度予算における国債費の積算金利については、将来の金利動向を正確に見通すことが極めて困難である中、金利の変動により国債の利払いに不足を来すことのないよう十分な予算措置を講じる観点から、過去の一定期間の平均の金利と、過去に金利が急上昇したときの例を参考に設定しています。  国債費については、国債の利払いが不足するといった懸念を市場に持たれることのないよう一定のバッファーが必要と考えており、足下の金利のみをもって積算金利の水準を議論することは適切ではないと考えています。  また、平成二十七年度において補正予算を編成することは想定しておりません。  国債費の不用を含む決算上の純剰余金については、財政法第六条により、その二分の一を下らない金額は、原則として、公債又は借入金の償還財源に充てなければならないとされており、同規定に沿って適切に対応しているところです。  労働時間制度の見直しについてお尋ねがありました。  政府が検討を進めている労働時間制度の見直しは、ワーク・ライフ・バランスの観点から、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進めるものです。  時間ではなく成果で評価する新たな制度は、グローバルに活躍する高度専門職として働く人を対象に導入する方針です。具体的には、研究開発業務や金融商品の開発業務などの分野において、例えば、アイデアが湧いたときには存分に集中して働きたいといったニーズに応えてまいります。  この制度について、希望しない人には適用しない、職務が明確で高い職業能力を持つ人材に絞る、賃金が下がることのないようにするという三つの原則の下、検討を進めており、残業代ゼロ制度、雇用、労働を破壊するものといった指摘は当たりません。  再生可能エネルギーについてお尋ねがありました。  固定価格買取り制度については、制度開始後の約二年半で再生可能エネルギーの導入量が約七割増加する一方で、太陽光中心に認定が急増しており、国民負担上昇の懸念等の課題が生じております。  こうした状況を踏まえ、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制とを両立させる観点から、必要な見直しを検討してまいります。  温室効果ガス削減についてのお尋ねがありました。  エネルギーミックスは、責任あるエネルギー政策を推進する柱となるものであります。原発再稼働、再エネの導入、温暖化をめぐる国際交渉などの状況を見極めつつ、しっかりと議論を行ってまいります。  温室効果ガスの削減目標は、エネルギーミックスと密接に関係するものであることから、政府部内で連携して、エネルギーミックスと整合的なものとなるよう、我が国の実情も踏まえつつ検討を深めてまいります。  電力システム改革についてのお尋ねがありました。  電力システム改革については、御指摘の課題への対応も含め、低廉で安定的な電力供給を実現すべく、安定供給の確保に万全の備えをしながら着実に進めてまいります。また、ガスのシステム改革も一体的に進め、競争的でダイナミックなエネルギー市場をつくり上げてまいります。  同時に、この改革は、これまで長年続いてきた仕組みを変えるという大変難しい改革であるからこそ、電力需給の環境や電気事業で働く労働者を取り巻く環境なども含め、様々な課題を検証し、克服しながら進めてまいります。  電力システム改革における従業員の人事異動の制限についてお尋ねがありました。  送配電部門の法的分離を行うに当たっては、送配電部門の中立性を確保するため、グループ内での人事や会計面での規制を講じる必要があり、送配電部門で働く従業員の人事管理に関しても、中立性を確保するために、必要かつ合理的な範囲で、公益性の確保の観点から必要な行為規制を行ってまいります。  具体的な制度設計については、法案提出に向け、政府・与党内で調整しているところですが、職業選択の自由などにも配慮した上、適切な制度設計に取り組んでまいります。  原子力規制委員会による原発の再稼働の審査についてのお尋ねがありました。  これまでに、原子力規制委員会の審査体制や専門能力を強化するため、定員の拡充、能力の高い人材の中途採用、専門的知見を蓄積した原子力安全基盤機構との統合などを行っています。  また、原子力規制委員会は、最初の設置変更許可となった九州電力川内原発の審査書を審査チームの総力を挙げて作成し、これを公開しました。公開された審査書は、後に続く事業者が審査の内容を十分に理解するための参考とできるものです。加えて、原子力規制委員会においても、最初の許可の際の経験を生かし、その後の審査を行うことにより、効率的な審査を努めているものと承知しています。  原発については、安全が最優先。その前提の下、独立した原子力規制委員会において、世界で最も厳しい水準の規制基準に基づいて、科学的、技術的に審査してまいります。  原子力規制委員会の見直しについてお尋ねがありました。  原子力規制委員会設置法に基づく三年以内の見直しについては、昨年九月、望月大臣の下、小里副大臣を座長とする関係府省横断的な検討チームを設置したところです。この検討チームにおいて、法律の趣旨を踏まえて検討を進めてまいります。(拍手)     ─────────────
  26. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 松田公太君。    〔松田公太君登壇、拍手〕
  27. 松田公太

    ○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。  会派を代表して、政府四演説に対して質問をさせていただきます。  日本人二人の尊い命が奪われたこと、世界各国の無辜の人々が犠牲になり続けていること、言葉にならないほどテロに対する憤りを感じております。御家族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。  日本を取り巻く安全保障環境は激変しています。  昨年七月、安倍政権は集団的自衛権の行使を容認する政府解釈を閣議決定しました。私はその基本的な方針には賛同いたしました。  しかし、正直に申し上げて、強い葛藤もありました。その理由の一つは、軍事行動を取っている国を支援することで日本国民に対するテロのリスクが増大してしまう可能性があると考えたからです。  また、先日、ODA大綱が改定され、軍に対する非軍事的支援が解禁されました。他国軍をODAや現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で支援し、時には集団的自衛権を行使する。日本の行動はその線引きがどんどん難しくなってきています。  どんな法案や政策にもメリットとデメリットがあります。大転換と言える自衛権の議論の前提となるべきこれらのリスクについて、安倍総理の国民に対する説明は不十分です。  集団的自衛権の行使を可能にすることのプラスの部分はこれまで十分に語っていただいています。可能にしないことによって考え得るリスクも理解しました。それ以外で想定されるマイナス、リスク、デメリット、そういった部分、全くないとは言えないはずです。どのようなものがあるのか、総理、お答えいただきたいと思います。答えをはぐらかし続けますと、私のような行使容認派もだんだんと疑義の念を抱くことになりかねません。重要な問題に正面から答えるのがリーダーのあるべき姿だと思います。  今国会で審議される見込みの安保法制、これも国民的議論を経ることが不可欠です。  私は、選挙期間中のインターネット解禁を当選直後から推進してきました。二〇一二年には発議者として議員立法も二度行っております。安倍総理が就任直後の記者会見で解禁とその納期を表明してくださったことで最終的に実現したわけですが、その趣旨は、最も政策に対する関心が高まる選挙期間中にこそ議論を更に喚起したいというものでした。  地方選挙は国政選挙とは違うと言われるかもしれませんが、世論を喚起し、国全体で考えるためにも、安全保障関連法案は統一選挙前に、要旨だけではなく、その具体的な内容を示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  昨年、国民投票法が改正され、自民党は来年の通常国会に憲法改正原案を提出し、参議院選後の発議を目指すという話も聞こえてきます。しかし、その前には参議院の違憲状態を是正する必要があります。  私は、昨年一月三十日に行った施政方針演説に対する代表質問で、安倍総理は国会議員の定数削減を本当に実現したいと考えているのかという質問をしました。これに対して、与党がリーダーシップを発揮し、各党各会派と真摯に議論を行い、早期に結論を得ることが大切であると考えておりますとの答弁をいただきました。  しかし、一年がたった今となっても何も変わっていません。今年の演説では、選挙制度改革、定数削減を実現させようではありませんかと再度力強く訴えられましたが、その本気度を疑わざるを得ません。違憲状態から脱するための最低限レベルの是正には取り組まれると思いますが、必要なのは一票の格差をなくすための本格的な改革です。投票価値を平等にする民主主義の前提が一人一票なのです。  総理は、一人一票の実現についてはどのように思われていますか。また、その場しのぎではない、大幅な改革をするための御決意を昨年に引き続きもう一度お聞きします。  憲法改正の対象については、環境権や緊急事態条項の新設が挙がっているそうですが、これも昨年の代表質問で表明したとおり、私も巨大災害や原発事故等の厄災に備えて条項を設けるべきだと考えています。  一方で、一人一人が個性を発揮できる社会を実現することを考えたとき、社会の最小構成単位である家族について考える必要があります。  先日、東京渋谷区が同性カップルに結婚相当証明書を発行する条例案を区議会に提出するとの報道がありました。これは、人口の五%になると言われるLGBTの方々にとって希望となるニュースです。  同性婚を認めるのは先進民主主義国家を中心に約二十か国となり、今我が国としても同性カップルの生活上の困難を取り除いていく必要があると思いますが、その前提として憲法二十四条は問題となるとお考えでしょうか。なるとお考えの場合は、憲法改正の候補として検討されてはいかがでしょうか。  LGBTにとどまらず、家族の在り方に多様な価値観を反映させることは、国民の自由を尊重する観点からも重要だと思います。  例えば、スウェーデンではサムボ法が、フランスではPACS法が制定され、事実婚が広く法的に保護されることとなりました。注目すべきは、両国の出生率が最悪期を脱し、一・九一、二・〇一と高水準を達成していることです。多様な家族の在り方を認めることは出産へのハードルを取り除くことにもつながります。法律婚という婚姻形態だけでなく、事実婚に対して広く法的な保護を与えることを検討すべき時期に日本も来ていると考えますが、いかがでしょうか。  御存じのとおり、マグニチュード七クラスの首都直下型地震は、今後三十年以内に七〇%の確率で起きるとされています。その被害は、最悪の場合、二万三千人もの死者を出すと言われています。オリンピックが開催される二〇二〇年に向かってますます東京一極集中の様相は深まりますが、そんなときにこそ総合的に未来の首都について議論するべきだと思います。  オリンピック直前、若しくは開催中に地震が発生する可能性なども踏まえ、前回のオリンピックに合わせて突貫工事で造られた首都高の強度化や建物の耐震化、そして防災訓練などを徹底的に行うのは当たり前。今改めて首都機能の移転を検討するべきであると考えますが、安倍総理の御所見を伺います。これは、東京一極集中に伴う防災リスク、人口の分散、経済、景気と、その波及効果は広範に及ぶと考えています。  これも昨年の代表質問でお尋ねしましたが、総理の掲げた目標である開業率一〇%の達成時期については、いまだお答えいただいておりません。納期が明確でないと、そもそも目標とは言えません。  日本の経済を活性化し、雇用を生み出すのはベンチャー企業です。米国では世界トップ企業の約三分の一が既にベンチャーとなっています。我々日本を元気にする会には、ゼロから創業し会社を上場させた経験を持つ国会議員、総数三名のうち二名が在籍しております。アントレプレナーの育成、小中学校からのベンチャー教育、クラウドファンディング、そして経営者保証の在り方など様々な提案をさせていただき、開業率向上のために徹底的に協力してまいりたいと思いますので、明確な目標年度を設定していただきたいのですが、いかがでしょうか。  安倍総理は、先日の予算委員会で、与党が衆議院の三分の二の議席を取れたので原発再稼働の公約も信任されたとの見解を示されましたが、その考えには疑問を持たざるを得ません。  選挙は、多様な争点について国民の意見を聞く方法ではありますが、万能の手段ではありません。個別の政策にまで一〇〇%同意して投票することは事実上あり得ないと思います。だからこそ、私たち国会議員には、あらゆる手を尽くして国民の意思を確認し続け、国政に反映させる責任があるのです。  読売新聞と日経新聞の二月、一月の世論調査では、原発再稼働に反対という声が五二%を占めました。さらに、毎日新聞の一月の世論調査では、川内原発の再稼働に反対する人が五四%です。このように、原発再稼働についてはどの調査でも国民の過半数は反対の立場を取っており、明らかに選挙結果とねじれています。  安倍総理は、この結果をどのように考えますか。これでも国民から原発推進についての信任を得たとお考えでしょうか。エネルギー政策について、国民投票などにより改めて国民の意見を聞くべきだと思うのですが、いかがでしょうか。  川内原発や高浜原発の再稼働に当たっては、地元同意の中にUPZ三十キロ圏内の自治体も全て入れ、最終的には住民投票を行って決めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。  電力自由化の改革は中途半端だと言わざるを得ません。脱原発と発送電の所有権分離を進めるドイツの場合、大手四グループの発電量は約四割に縮小しそうな見込みです。地産地消の小さなエネルギー会社が数多く生まれたからです。それにより、発電所の一極集中が緩和され、リスク分散にもつながりました。  日本も、完全自由化を実現し、自然エネルギーと新規参入を増やし、その技術力を磨くことによってノウハウを世界に輸出していく体制を構築するべきだと思いますが、いかがでしょうか。一般電気事業者の所有権分離が実現すれば、日本経済を活性化させる規制改革、第三の矢となることは間違いありません。  政府は、二〇六〇年に人口一億人程度を確保することを目標に掲げています。そのためには、出生率を現在の一・四三から二十五年後には二・〇七にまで上昇させる必要があります。しかし、ここ二十年では一・五さえ上回ったことがないのが現実です。昨年は、一八九九年以降、百十五年で最低の出生数になってしまいました。  政府は、人口一億人を維持することが難しく、八千万人になってしまった場合などを想定した計画は作っていないとしていますが、私は、目標が達成できなかった場合のダウンサイドリスクを想定し、それを国民に正直に示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  私たち日本を元気にする会は、人口が伸びずに八千万人になってしまうことを前提に、それでも国民が幸せになれる国づくりの計画を真剣に策定する時期に来ていると考えています。これは決して後ろ向きの提案ではありません。人口が減少しても、最低限の社会保障と充実した教育があり、ベンチャー企業がどんどん生まれ、エネルギーも含めて各地域が地産地消で循環する、そのような具体的なビジョンを提示することが今の日本には必要だと思います。そのためにも、問題を先送りにするのではなく、現実的な数値目標を国民とともに設定しなくてはいけません。  安倍総理は演説の中で吉田松陰先生の言葉を引用されましたが、私も心にとどめている言葉、草莽崛起を挙げさせていただきたいと思います。これは松陰先生が民衆主体の改革を望んで唱えた言葉です。  今の日本人は、政治を諦め、投票にも行かなくなり始めています。しかし、ここ数十年で最も重要な議論を交わさなくてはいけない時代に日本は差しかかっています。今こそ、国民一人一人が思いを胸に、積極的に政治に参加をする必要があるのです。その土台をつくることこそが我々国会議員に求められていると思います。日本を元気にする会は、直接民主型システムを導入することによって国民参加の政治を実現することをお約束し、代表質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  28. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松田公太議員にお答えをいたします。  集団的自衛権の行使を認めることによるリスク等についてお尋ねがありました。  戦争に巻き込まれてしまうのではないかといった議論がよくなされますが、六〇年安保のときにも同様の議論が盛んに行われ、その結果は既に誰の目にも明らかになっていると思います。  我が国の存立が脅かされ、国民の命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合といった新三要件を満たす場合にのみ、自衛の措置として集団的自衛権の行使が可能であること、集団的自衛権は権利であって義務でなく、政策判断によって行使しないでおくことができること、その行使に当たっては国会の事前承認が必要となることを改めて指摘したいと思います。  日本国民に対するテロのリスクが増大するのではないかとの議論もあります。今後、万が一、邦人がテロ集団の人質になったような場合に、その安全を確保するためにあらかじめ万全の備えを行っておくことは、先般の閣議決定にもあるとおり、政府の重要な責任であると考えます。  自衛隊員の命が危険にさらされるのではないかとの議論もあります。自衛隊員は、災害派遣や個別的自衛権の行使に当たっても、自らの危険を顧みず、身をもって任務の遂行に努めてくれます。ふだんから厳しい訓練を行い、士気と能力に秀でた自衛隊だからこそ、今後とも我々の期待に見事に応えてくれる、そう確信しております。  また、徴兵制が復活するのではないかとの議論もあります。徴兵制は明確な憲法違反であり、いかなる場合であっても導入する余地はありません。  安全保障法制の関連法案を統一地方選の前に示すべきとお尋ねがありました。  安全保障法制については、平成二十四年末の総選挙でも、また一昨年の参議院選挙でも一貫して訴えてきた課題です。昨年の総選挙でも、我々は、閣議決定に基づき、切れ目のない安全保障法制を速やかに整備することを明確に公約として掲げたところであり、まさに大きな争点の一つでありました。  法整備の具体的な内容や法形式については現在検討中ですが、引き続き、与党と御相談しながら、できるだけ速やかに法案が提出できるよう、精力的に準備を進めてまいります。また、国会審議に際しては、国民の皆様の御理解を得るため、関連法案は一括して提出し、その全体像をお示ししたいと考えています。  一票の格差是正についてお尋ねがありました。  一票の格差是正に関する問題は、民主主義の根幹に関わる重要な課題であることから、議員の示されたような議論も含め、各党各会派が真摯に議論を行うことが重要であります。  現在、衆参両院においてそれぞれ第三者機関、議院による協議機関で様々な議論が行われておりますが、大切なことは、各党各会派においてこの問題に正面から向き合い、第三者機関による答申に従うなど、早期に結論を得ることによって国民の負託にしっかり応えていくことであると考えます。  同性カップルの保護と憲法二十四条との関係についてのお尋ねがありました。  憲法二十四条は、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立すると定めており、現行憲法の下では、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません。同性婚を認めるために憲法改正を検討すべきか否かは、我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要するものと考えております。  事実婚に対する法的保護についてお尋ねがありました。  我が国においては、法律婚を尊重する意識が国民の間に幅広く浸透しております。事実婚にどのような法的保護を与えるべきかは、このような国民意識を踏まえつつ、それぞれの法律の趣旨や目的等に照らして検討すべきであり、これを一概に論ずるのは相当でないと考えております。  首都機能移転についてお尋ねがありました。  首都機能の移転については、一貫して国会主導で検討が行われてきたところですが、平成十六年十二月に国会等の移転に関する政党間両院協議会において座長取りまとめがされた後、国会での議論自体が止まっている状況であると承知しております。  政府としては、国会での議論が進むことがまず大事であると考えていますが、国会から協力の要請があれば、国民への情報提供や必要な調査を行うなど、適切に対応してまいる所存です。  開業率の達成時期についてお尋ねがありました。  直近の開業率は増加しておりますが、開業率一〇%という目標の達成には、政府の施策だけではなく社会の意識改革も大きく影響するため、あらかじめ期限を決めているものではありません。  この目標をできる限り早期に達成するため、起業家をたたえる日本ベンチャー大賞の創設、小中学校からの起業家教育、個人保証がなくとも融資を受けられる要件等を示したガイドラインの周知、普及などに全力で取り組んでまいります。  日本を元気にする会も積極的に御提案をいただき、共に日本の経済活性化に取り組んでいただきたいと思います。  原発再稼働についてお尋ねがありました。  痛ましい原発事故により、福島を始め多くの方々に多大な御迷惑をお掛けしています。復旧・復興はいまだ道半ばであり、原発への反対の声があるのは当然のことと思います。他方で、原発が全て止まり、これに伴う著しい燃料輸入の上昇は、国民生活や中小・小規模事業の皆さんに大きな負担となり、また、温室効果ガスの排出量は大幅に増加しています。  こうしたことを考えると、国民生活や産業活動、中小・小規模事業者を守る責任あるエネルギー政策を実現するためには、世論調査の結果だけを見て安易に原発ゼロというわけにはいきません。  原発の再稼働に当たっては、地元の理解を得ることが重要です。その範囲や理解を得る方法については、各地の事情が様々であることから、国が一方的、一律に決めるのではなく、各地とよく相談して対応することが重要です。いずれにせよ、立地自治体など関係者とよくコミュニケーションを取りつつ適切に対応してまいります。  いずれにせよ、原子力・エネルギー政策については、国民の皆様の御意見を賜りながら、より理解を得られるよう粘り強く取り組んでまいります。  電力自由化についてお尋ねがありました。  来年を目途に電力の小売市場の全面自由化を行うこととしており、電気事業への新規参入や多様な電源の活用が進むことが期待されます。さらに、ガスのシステム改革も一体的に進め、競争的でダイナミックなエネルギー市場をつくり上げることで、エネルギー産業の海外展開にもつながると考えております。法的分離と併せて人事や会計面での規制を行い、誰もが公平に送配電ネットワークを利用できるようにすることで、日本経済を活性化させる競争的な電力市場を実現いたします。  御指摘の所有権分離については、財産権や資金調達の面で課題があると考えております。  将来の人口目標についてお尋ねがありました。  長期ビジョンにおいては、現状のまま推移した場合には、二〇六〇年、総人口が八千万人台にまで落ち込むことを示し、人口減少への対応が待ったなしの課題であると提示しています。その上で、二〇六〇年に一億人程度の人口を確保する中長期展望を示しています。これは、若い世代の結婚、子育ての希望を実現することにより、二〇三〇年に合計特殊出生率が一・八程度、二〇四〇年に二・〇七程度まで改善された場合に実現するものです。  諸外国では、例えばフランスの場合、人口問題について国民的な論議を重ね、育児と仕事の両立支援等を拡充することにより、出生率を一・六六から二・〇まで回復させています。  こうした諸外国の経験も参考にしながら、的確な政策を展開し、官民挙げて取り組めば、出生率を向上させることは可能と考えています。  今回の地方創生では、地方に仕事をつくり、若者が安心して結婚、子育てができる町づくりを進め、これにより東京から地方への人の流れをつくり、人口減少を克服することを目指しています。総合戦略に掲げられた各種施策を、確かな結果が出るまで、断固として力強く実行してまいります。(拍手)
  29. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) ただいま理事が協議中でございますので、しばらくお待ちください。     ─────────────
  30. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 中山恭子君。    〔中山恭子君登壇、拍手〕
  31. 中山恭子

    ○中山恭子君 次世代の党、中山恭子でございます。  安倍総理に対し、会派を代表して、施政方針演説に関し、質問いたします。  まず、平和の維持について伺います。  今般のISによる残虐な殺人行為には強い憤りと悲しみを感じています。改めて犠牲者の皆様に心から哀悼の意をささげます。  今回、安倍内閣が自ら被害者の救出に当たったことは、画期的なことであると敬意を表します。  人質救出がいかに困難なものであるか、一九九九年に中央アジアで日本人鉱山技師の救出に携わった者として十分理解しています。  この拉致事件も、イスラム原理主義者たちが中央アジアのフェルガナ地方にイスラム国の建設を目指して活動していたさなかに起きた事件でした。四人の被害者が無事解放された後、ウズベキスタンの関係者を通してアフガニスタンのタリバンに日本をテロの対象とするのかと問いただしましたら、自分たちは日本が米国によって原爆を落とされた国であることは知っている、しかし、日本は欧米諸国の一員であり、攻撃の対象となるとの返答がありました。  私は、政治家の最も重要な役割は平和を維持することであると考えています。今、国際社会は激動の中にあります。国際テロの組織の動きは一か国にとどまる問題ではなく、国際社会全体に広がる問題であり、一丸となって対抗しなければ防げません。  総理は、日本が国際社会の一員としての役割を果たしつつ、平和を維持していくことについてどのようにお考えか、御所見を伺います。  次に、北朝鮮による拉致問題について伺います。  今回の人質救出の動きを見ながら、私は北朝鮮によって拉致された被害者に思いをはせました。北朝鮮に監禁されている被害者の多くは、両手両足を縛られ、猿ぐつわをはまされ、船底に押し込まれて連れ去られた日本の人々です。北朝鮮工作員が日本国内に侵入することを防げず、拉致されたことが分かっていながら放置してしまった案件であり、現に今も続いている非道なテロであります。  今回の総理の施政方針演説を伺い、私は危惧の念を抱きました。総理は、昨年、所信表明演説で、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国に向けて全力を尽くしてまいりますと述べられました。しかし、今年の施政方針演説では、拉致問題について、北朝鮮は、迅速な調査を行い、一刻も早く全ての結果を正直に通報すべきでありますと述べられ、被害者の救出や帰国については一言も触れておりません。  この違いは何を意味しているのでしょうか。総理は、被害者の救出に向けての熱意を失われたのでしょうか。又は、新たな情報に基づく判断なのでしょうか。総理、その真意をお聞かせください。  憲法改正について伺います。  自民党は、結党時から現行憲法の自主的改正をうたっていますが、最近は環境権や緊急事態条項など受け入れやすいものから改正するとしています。  自民党の改正草案QアンドAにありますように、現行憲法は主権が制限された中で制定された憲法であり、前文を始め、独立国として欠落している項目など、重要な改正が必要であることを考えれば、その整合性を確保するためにも一括改正することが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。総理の御見解を伺います。  教育の再生について伺います。  教育の大切さは言をまちません。ゆとり教育が見直され、教育改革が着実に進められていることを高く評価します。  しかし、占領政策から派生した自虐教育が七十年もの長きにわたっていまだに続いており、ゆがんだ教育がゆがんだ国家観を形作っています。第一次安倍内閣で改正された教育基本法では、国を愛する心という表現が使えず、国を愛する態度を養うとなっています。愛国心という言葉を使うことがはばかられるような国であってはなりません。  総理の言われる、日本を取り戻すために、家族、ふるさとを大切にし、生まれた国に誇りを持ち、豊かな心を育む教育を行うことが大切であると考えます。そして、それが他の国の人々、文化を尊重することにつながります。  教育の再生、教育基本法の再改正が必要であると考えますが、総理の御見解をお聞かせください。  外交の在り方について伺います。  日本の外交は、これまで、経済支援に頼り、上辺の友好関係を重視する余り、日本をおとしめている慰安婦問題や南京事件などについて、日本の名誉を守るための毅然とした対応をしてきませんでした。  史実に基づき真実の姿をしっかりと主張し、正しい理解を得ることによってのみ真の友好関係を築けると考えますが、総理の御見解を伺います。  公共事業について伺います。  公共事業は、政府が責任を持って実施しなければならない、まさに国の仕事です。公共インフラは、人々が快適に生活するための基礎であり、生産に不可欠な要素であります。  昨年十月に発表されたIMFの世界経済見通しでは、これまで公共事業は無駄であるとしていた考え方を変更し、インフラの必要性がある国では今がインフラ推進の好機である、また、公共投資は生産の要であり、借入資金による公共インフラ投資は正しく行われるならば元が取れるだろうと指摘しています。  今の日本の状況を見れば、老朽化した橋、トンネル、上下水道など、社会インフラの再建や防災インフラの強化は喫緊の課題です。  震災に強い共同溝の敷設、景観を損なうことなく津波を防ぐ町づくりを、例えば二百兆円規模の基金をつくり、全国規模、長期計画の下で推進する必要があると考えますが、総理の御見解を伺います。  文化による国際貢献について伺います。  長い歴史の中で育まれた日本の文化は、相手のことを思いやり、美しいものを尊ぶ奥行きの深い文化です。  二十世紀は西洋文明が支配した世紀と言われますが、二十一世紀は、それぞれの国や地域の文化の大切さが認められ、文化の交流が深まる世紀になると考えています。  日本は、国際文化交流の拠点として非常に適した国であります。日本各地で、あらゆる国々、多くの民族が集まる国際的な文化交流の祭典を開催し、その後百年継続することを目指すなら、日本は世界から、文化の国、世界の文化交流が行われる国として親しまれ、国際社会に大いに貢献することができると考えます。  世界の文化が輝きあふれ交流する場、そんな日本をつくっていこうではありませんか。若者たちも高齢者も生き生きと動き出すでしょう。地方創生にもつながります。  この構想について総理の御見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  32. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中山恭子議員にお答えをいたします。  国際テロ組織への対処についてお尋ねがありました。  国際社会は一致団結してISILやアルカイダ等の国際テロ組織と闘う決意を鮮明にしており、国連安保理は、これらの国際テロ組織を非難し、資金の提供、武器の供与、戦闘員の移動、身の代金の支払等を禁じる決議を累次にわたって採択してきています。  我が国としても、これら国際テロ対策関連の安保理決議を厳格に履行するとともに、食糧、医療などの人道支援を拡充し、テロと闘う国際社会と一丸となって世界の平和に積極的に貢献するよう全力で取り組んでまいります。  拉致問題についてお尋ねがありました。  拉致問題は安倍内閣の最重要課題であり、私の被害者の救出に向けた熱意は、昨年の施政方針演説のときといささかも変わっておりません。昨年との違いは、北朝鮮が国防委員会から特別の権限を付与された特別調査委員会を立ち上げ調査を開始したことであり、その観点から、今年の施政方針演説では、拉致問題について、北朝鮮は、迅速な調査を行い、一刻も早く全ての結果を正直に通報すべきでありますと述べたところであります。  いずれにせよ、御家族が自らの手で被害者を抱き締める日が訪れるまで私の使命は終わりません。全ての拉致被害者の救出に向けて、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力を尽くしてまいります。  憲法改正の方法についてお尋ねがありました。  憲法改正の原案は、国会法において、内容において関連する事項ごとに区分して個別に発議する旨定められております。これは、個別の事項ごとに民意を正確に反映させるという要請と、相互に矛盾のない憲法体系を構築するという要請とを調和させる趣旨であると承知しています。  憲法の改正については、一つ一つが大変重い課題であり、時間が掛かろうとも丁寧に一つ一つ審議をしていくことが重要と考えます。実際にどの条項から、またどのように改正していくかについては、国民的な議論の深まりや憲法審査会における検討を踏まえ判断されるべきものと考えます。  愛国心と教育基本法の再改正についてのお尋ねがありました。  第一次安倍内閣で改正した教育基本法では、教育の目標として、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養うことを規定するとともに、学校教育法や学習指導要領を改め、基本法の理念に沿った教育内容の充実を図ったところです。  子供たちが国に誇りを持ち、郷土を大切にできるようにするためには、教育基本法を再び改正するのではなく、現在の基本法の理念に沿って教育を充実していくことが重要と考えます。今後、道徳教育の抜本的な改善、充実を進めるなど、教育再生に全力で取り組んでまいります。  日本の名誉を守るための毅然とした対応についてお尋ねがありました。  我が国としては、客観的な事実に基づく正しい歴史認識が形成され、日本の取組に対して国際社会から正当な評価を受けることを強く求めていきます。国際社会の正しい理解を得るべく、これまで以上に戦略的かつ効果的な発信を強化してまいります。  共同溝等についてお尋ねがありました。  インフラの整備に当たっては、従来より、社会資本の老朽化対策や防災・減災対策などに重点化して行ってきているところです。特に、御指摘の共同溝については、防災の観点からも、また町づくりの観点からも重要な施設と認識しております。今後も、国民の生活を守るため、真に必要な社会インフラの整備を着実に進めてまいります。  国際文化交流についてお尋ねがありました。  二十一世紀は、それぞれの国や地域の文化が大切にされ、相互尊重の精神の下、文化の交流が深まる世紀になってほしいと期待しています。その中で、日本が国際文化交流の拠点となり、世界の文化が輝きあふれ交流する場を提供できるなら、こんなにすばらしいことはありません。そうなれば、御指摘のとおり、若者たちも高齢者も生き生きと動き出し、地方創生にもつながると考えます。是非、この場におられる議員の皆様と力を合わせ、このような日本をつくっていきたいと思います。(拍手)
  33. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十分散会