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2015-02-03 第189回国会 参議院 本会議 3号 公式Web版

  1. 平成二十七年二月三日(火曜日)    午後六時五十六分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第三号     ─────────────   平成二十七年二月三日    午後六時 本会議     ─────────────  第一 平成二十六年度一般会計補正予算(第1   号)  第二 平成二十六年度特別会計補正予算(特第   1号)  第三 平成二十六年度政府関係機関補正予算(   機第1号)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、裁判官訴   追委員及び同予備員辞任の件  一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員等各種委員   の選挙  一、日程第一より第三まで  一、地方交付税法の一部を改正する法律案(内   閣提出、衆議院送付)      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  井上義行君から裁判官弾劾裁判所裁判員予備員を、薬師寺みちよ君から裁判官訴追委員を、福岡資麿君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。  よって、いずれも許可することに決しました。      ─────・─────
  4. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) この際、欠員となりました  裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、  裁判官訴追委員、同予備員各一名、またあわせて  検察官適格審査会委員予備委員一名の選挙 を行います。  つきましては、これらの各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、  裁判官弾劾裁判所裁判員予備員に西村まさみ君を、  裁判官訴追委員に福岡資麿君を、  同予備員に牧野たかお君を、  検察官適格審査会委員予備委員に大野元裕君を、 それぞれ指名いたします。  なお、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、西村まさみ君を第二順位といたします。  また、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、第二順位の石井準一君を第一順位に、牧野たかお君を第二順位といたします。      ─────・─────
  6. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 日程第一 平成二十六年度一般会計補正予算(第1号)  日程第二 平成二十六年度特別会計補正予算(特第1号)  日程第三 平成二十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長岸宏一君。     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔岸宏一君登壇、拍手〕
  7. 岸宏一

    ○岸宏一君 ただいま議題となりました平成二十六年度補正予算三案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。  補正予算三案は、去る一月二十六日に国会に提出され、二十八日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院から送付の後、二月二日及び本日の二日間、安倍内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行ってまいりました。  質疑は、補正予算の目的と効果、今後の経済運営と財政健全化の方針、シリアにおける邦人拘束事案への対応、新たな安全保障法制に向けた基本姿勢、戦後七十年の総理大臣談話に向けた考え方、震災復興及び防災・減災に向けた取組、地方創生の推進、選挙制度及び議員定数の見直し、少子化対策と女性の活躍支援策、介護労働者の処遇改善、オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた対応、農協改革の目的、北朝鮮拉致問題など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論、採決の結果、平成二十六年度補正予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  8. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。藤田幸久君。    〔藤田幸久君登壇、拍手〕
  9. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 民主党・新緑風会の藤田幸久でございます。  討論に先立ちまして、湯川遥菜さんと後藤健二さんの御家族に深い哀悼の意を表します。また、残忍極まりない犯人グループの暴挙を断固非難いたします。  私は、二〇〇四年のイラクにおける邦人人質事件に際し、民主党からヨルダンに派遣され、現地で逢沢一郎外務副大臣にも協力して人質解放の支援活動を行いました。このときは、日本人五名全員がイラク聖職者協会に引き渡される形で無事解決しました。今回もお二人の解放を願っていただけに、誠に残念です。  私は、ただいま議題となりました平成二十六年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。  私が反対する最大の理由は、安倍政権がこの三年間に計上してきた補正予算の在り方の本質的な問題です。  その手法は、本来は翌年度当初予算で計上すべきものを、余りにも露骨に補正予算に前倒しして計上するというやり方です。しかも、概算要求基準は当初予算のみが対象であり、対象とならない補正予算においては財政規律がルーズになるという根本的欠陥もあります。事業官庁が元々翌年度予算に向けて要望していた事業を補正予算に切り替えて要望し、財務省が甘く査定して計上を行うというのが実態です。これは、概算要求基準を形骸化し、財政法の趣旨に反するものです。  今回の補正予算でも日常的な政策経費が多く計上されています。地域における自殺対策の推進や、警察の捜査力、現場執行力の強化などです。加えて、二千百十億円もの米軍海兵隊のグアムへの移転、輸送ヘリの改修、軽装甲機動車の整備なども平成二十七年度の当初予算で計上すべきことは明白です。  特に今回は、平成二十七年度に基礎的財政赤字を半減するという目標を達成するために、二十七年度予算の歳出をできる限り圧縮して本補正予算に前倒しするという粉飾的な予算を編成したことは看過することはできません。  かつて、塩じいこと塩川正十郎元財務大臣は、一般会計と特別会計について、母屋でおかゆを食っているのに離れで子供がすき焼きを食っていると、特別会計の浪費を表現しました。その後、特別会計については民主党政権下で相当の見直しを行いましたが、第二次安倍政権発足後は、当初予算と補正予算とが同じような逆転現象を生んでいます。当初予算はおかゆで我慢し、後から補正予算という豪華なすき焼きを食べようとしているではありませんか。これは、財政法第二十九条の趣旨に反しています。補正予算の編成についても、当初予算と同じように規律を確保することと、編成要件に基準を設けることを強く求めます。  反対の第二の理由は、本補正予算も二十七年度当初予算も、格差、貧困という現在の日本の最大の問題に目を向けていないことです。  昨年十二月、OECDは、格差拡大と経済成長とに関する報告書をまとめました。その概要は、所得格差が拡大すると経済成長は低下する、格差問題に取り組めば社会を公平化し、経済を強固にすることができるということです。  私は、去る一月三十日、民主党岡田代表ほかと、格差が世界共通の深刻な問題であると警鐘を鳴らしている、「二十一世紀の資本」の著者であるフランスのトマ・ピケティ教授とお会いしました。彼は、いわゆるトリクルダウンはこれまでも起きていないことを指摘していますが、安倍総理は、昨日の予算委員会で、これまでとは異なり、トリクルダウン理論を否定する答弁をするに至りました。  ピケティ教授はまた、物価の上昇を実現するには金融緩和と同時に賃上げが必要で、政府は民間の後を追うのではなく、率先して公務員の賃上げを行うなど思い切った措置が必要だと述べています。これと全く逆の政策が今回の介護報酬の引下げです。大手企業には賃上げを求めながら、政府の方が介護従事者の賃金を実質的に引き下げることは、人手不足の中、負担の大きい職場環境で働く介護従事者を追い詰め、介護崩壊につながりかねない重大問題です。  ピケティ教授が格差を表現する言葉は、フランス語でも英語でも不平等、インイクアリティーであります。そして、経済的な不平等は政治的な発言力の不平等となり、社会問題を引き起こし、民主主義を脅威にさらすと述べています。不平等の拡大を防ぐ予算こそ日本にとって最優先の課題です。  ところが、補正予算の経済対策の中身を見ても、プレミアム商品券の発行補助などの施策を行う地域住民生活等緊急支援のための交付金や住宅市場活性化策、燃油高対策などが盛り込まれています。しかし、これらはいずれも消費喚起の効果が限定的で、経済成長にも格差や貧困の解決にも資するものではありません。  昨年後半の実質GDPは二期連続のマイナス成長となりました。これは、当初の見通しで個人消費の落ち込みや世界経済の動向を甘く見過ぎたと言えます。また、実質賃金も対前年比で十七か月連続で低下しており、国民の生活は苦しくなる一方です。しかし、今回の補正予算は子供や低所得者に対する対策に乏しいものです。格差や貧困対策による経済成長を目指す中長期的な政策と、それに基づく中長期的な予算編成にこそ取り組むべきではないでしょうか。  反対の第三の理由は、安倍政権には財政再建という公約を実行する姿勢が見えない点です。  補正予算では国債発行を減額し財政再建にも配慮をしていると自負していますが、税収の上振れ分は、歳出に回すのではなく重点的に国債発行の減額や国債償還に充てるべきです。海外の格付機関が日本国債の格下げを発表したことを踏まえると、財政再建の重要性はリスク管理の上からも増しています。しかし、今回行った国債発行の減額程度の取組では、安倍政権が本気で財政再建に取り組んでいることにはなりません。  以上、補正予算に反対する主な理由を述べました。  参議院議員の議場の皆さん、憲法第八十三条は、国の財政を処理する権限は国会の議決に基づいて行使しなければならないと定めています。これが財政に関する立憲主義の根拠です。一方、憲法は予算についても国会に審議、議決する権限は定めているものの、その提出は内閣にのみ認められています。しかし、内閣に専属する予算提出権を都合よく解釈し、財政法の趣旨を逸脱し、かつ規律を失った補正予算の提出を続けるならば、財政民主主義は形骸化してしまいます。財政における立憲主義を貫くことは国の存立の上からも極めて重要であります。  安倍政権は、昨年七月一日、通常国会の閉会を待って、集団的自衛権行使の憲法解釈の変更という立憲主義の基本を否定する閣議決定を強行しました。憲法や財政における立憲主義をないがしろにすることは、民主主義そのものを否定することになります。  今、フランスの国民の皆さんが命を懸けても守ろうと団結し、世界の多くの国々がそれを支援しているかけがえのない価値が自由です。一方、日本において自由とともに重要なかけがえのない価値は平等であると思います。きずなというお互いの支え合いも、戦争や自然災害の後の、世界の人々が称賛する日本人の冷静な対応や秩序も、差別や格差のない平等な社会こそがその日本の礎にあると思います。  しかし、安倍政権による所得間、地域間、世代間、正規雇用者と非正規雇用者との間などの不平等の拡大は、日本社会の良きアイデンティティーそのものを崩そうとしています。平等と立憲主義を脅かすことは、民主主義そのものを脅かすことです。そうした危険を抱く政府の姿勢は断じて容認できません。
  10. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 藤田君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
  11. 藤田幸久

    ○藤田幸久君(続) 不平等と貧困の是正に向けて全力で取り組む決意を申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
  12. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 中西祐介君。    〔中西祐介君登壇、拍手〕
  13. 中西祐介

    ○中西祐介君 自由民主党の中西祐介です。  私は、自由民主党、公明党を代表して、平成二十六年度補正予算三案に対しまして、賛成の立場から討論を行います。  冒頭、先日二月一日に、ISILにより許し難い凄惨な事件が起きました。御家族の御心痛を思えば言葉もありません。心から哀悼の意を表すとともに、この卑劣極まりないテロ行為を断固非難いたします。テロに屈することなく、毅然と立ち向かう安倍内閣を与党としても全力でバックアップをいたします。  それでは、討論に入ります。  安倍政権の経済政策、いわゆるアベノミクスは、着実にその成果を上げつつあります。有効求人倍率は二十三年ぶりの高水準となり、雇用者の賃金も伸びを見せ、企業の経常利益も過去最高水準となっております。会社が利益を出し、雇用の場が広がり、給料がアップする。更なる消費の拡大や企業の設備投資を呼び込むなど、経済の好循環が生まれつつあります。また、景気好転の効果により、年金基金運用益などが増加し、社会保障制度の基盤強化にも好影響を及ぼしております。  しかし、昨年四月の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動や、夏の豪雨等天候不順の影響に加え、円安による輸入物価の上昇などにより、実質GDP成長率が二四半期連続でマイナスになるなど、我が国経済状況はまだまだ万全だとは言えません。  さらに、全国津々浦々までアベノミクスの恩恵が及んでいるかといえば、必ずしもそのように実感されているわけではありません。政府は、昨年十二月二十七日に、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を取りまとめました。人口減少や高齢化、グローバル化への対応の遅れなど、中長期的な課題を抱える、我が地元徳島県も含む、特に地方部における個人消費を喚起し、経済の好循環を確かなものにするなど、アベノミクスの恩恵を広く行き渡らせることこそまさに今強く求められているところでございます。  本補正予算案の財源は、企業収益が改善し、その税収増による約一兆七千億円や前年度剰余金、あるいは長期金利低下による国債利払い費の減額等を活用したものであります。これは、アベノミクスによるプラス側面の一端を示すものであり、財政健全化の観点からも評価することができます。これら経済と財政の好循環を更に加速化させなければならないと考えるところであります。  以下、本補正予算案に賛成する大きく三点の理由を申し上げます。  賛成の第一の理由は、経済対策における消費喚起策です。  本補正予算案では、地域の実情に配慮した消費の喚起を行うため、地域住民生活等緊急支援のための交付金を設けました。これは、それぞれの地域の実情に応じたプレミアム付き商品券や低所得者向け灯油等購入助成支援などの消費喚起策、生活支援策に対して、国が積極的に支援することにより、自治体が柔軟に使い、結果、地方経済活性化に資するものであります。  また、金利引下げやエコポイント等の住宅対策、高騰する輸入物価等への円安対策、また米価下落への対応や、女性、子育て世代への支援など、生活環境の充実のための措置も行われておるところであります。  あわせて、エネルギーコスト対策には、燃料電池自動車用水素ステーション、EV自動車用充電ステーションの整備、また、再生可能エネルギー等の導入の支援に予算が計上されております。  賛成の第二の理由は、地方の活性化であります。  国民一人一人が景気回復の実感を得るためには、全国の地方経済が活性化し、雇用が増え、賃金が上がるなど、景気の好循環につながることが重要であります。  本補正予算案では、地方の活性化に約五千八百億円、地方交付税交付金に約九千五百億円を計上することにより、昨年閣議決定した、まち・ひと・しごとの創生に向けた地方版総合戦略を先行的に実施し、地域の産業を活性化させ、また、新たな産業創出を図るための支援を行い、地方を活性化するために充実した措置がとられております。  第三の賛成の理由は、災害復旧・復興加速化対策であります。  地震、火山、豪雨等の自然災害によって国民の生命や財産などに大きな被害が生じております。また、東日本大震災から間もなく四年。被災地の復旧・復興、また原子力事故対応加速化のための措置はもはや一刻の猶予も許されない状況にございます。  安心、安全は、政治や行政で取り組むべき最重要課題であり、本補正予算案には約七千五百億円の災害対策、危機対応等の予算が措置されております。緊急度の高い対策であり、速やかな成立が求められているところでございます。  以上、経済対策、地方創生、災害対策という三点の重要課題にタイムリーに対応する本補正予算案は、我が国にとって必要不可欠なものでございます。  安倍総理は、第二次安倍内閣発足以来この二年間、経済政策最優先で取り組んでこられました。多くの国民の皆様が力強い経済の復活、活力に満ちた日本の将来像の実現を切望しておられるわけであります。そのためにも、一刻も早い本補正予算案の成立が必要だと考えます。  以上、本案に対し、多くの皆様の御賛同を賜りますよう強くお願いを申し上げ、私の賛成討論といたします。  ありがとうございました。(拍手)
  14. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 小野次郎君。    〔小野次郎君登壇、拍手〕
  15. 小野次郎

    小野次郎君 維新の党小野次郎です。  私は、維新の党代表して、平成二十六年度補正予算案に対して、反対の立場から討論を行います。  冒頭、イスラム過激派組織のISIL、いわゆるイスラム国が、邦人を人質とした上に殺害した言語道断の残虐行為を改めて強く非難いたします。  現状では、国内と海外とにわたって我が国と我が国民に対するテロを未然に防止する万全な措置をとることが急務です。また、国際テロの標的となることがないよう細心の注意をもって、テロの連鎖の背景につながる医療、食料、教育などの人道的分野においてひたむきな国際貢献を充実させる必要があります。そして、人道支援に専念する日本の姿を国際社会で定評を得ることが何よりも重要であります。  テロ対策に与党も野党もありません。我が党は、協力できる部分は今後ともしっかりと協力していくことをお約束申し上げます。  さて、予算案についてです。  安倍政権は、補正予算と翌年度本予算の合計、いわゆる十五か月予算ベースで、三年連続でほぼ百兆円という巨額の予算を組んでおり、景気対策の美名の下に歳出を膨張させ続けています。一方で、財政再建のために、昨年四月に消費税を八%に増税し、二年後には景気のいかんにかかわらず一〇%に増税すると断言しています。  昨年度補正予算は、昨年四月の消費増税の影響を和らげるためとして五・五兆円規模の対策が打たれ、それが効果を上げなかったため、更なる景気対策として今回の補正予算三・五兆円が出されています。財政の膨張と消費増税が並行して進み、政府の予算規模が膨れ上がる一方となっています。  成長と財政再建の両立のためには政策の順序が重要です。維新の党が主張するように、まずは徹底した規制改革と地方分権で経済を成長させること、次いで、身を切る改革など徹底した歳出削減を行うこと、そして、増税は最後の手段とする考え方の方が財政再建は成功しやすく、必要となる増税の幅も小さくて済みます。我が党が主張する財政運営であれば、臨時の景気対策としての補正予算の規模も政府予算案よりも小さい規模で十分であり、現在の歳出膨張の財政運営には賛同できません。  次に、景気対策としてこの補正予算案を見ると、昨年度の補正予算で五・五兆円を費やしたにもかかわらず、昨年は二四半期連続のマイナス成長となり、今年度全体でもマイナス成長の見込みとなっています。昨年四月の消費増税の悪影響を打ち消そうとした前回の補正予算での景気対策は、端的に失敗だったと認めなければなりません。  しかるに、今年度補正予算の事業選択、予算の編成に当たり、昨年度補正予算効果に関する反省が生かされた形跡が見られません。公共事業から中小企業対策、エネルギー対策、防災対策に至るまで、昨年度補正予算と同じ事業のオンパレードです。景気対策としてのめり張りも見られず、各役所、各業界、各団体ごとに例年どおり満遍なく財政支出を行うための、年中行事としての面が強い補正予算になっています。  そもそも、政府は、昨年度補正予算の経済効果の試算さえ行わずに今回の補正予算案を提出しています。  内閣府は、今回の経済対策の効果をGDPで〇・七%としていますが、数字にして三兆五千億円、つまり補正予算の規模と同額です。この効果の計算方法にしても、過去の景気対策の乗数効果など全く考えずに、補正予算の事業額を足し合わせただけになっています。  例えば、東日本大震災復興特別会計へ繰入れ九千八百四十四億円のうち、震災復興関係経費の二千五百九十七億円を除いた七千二百四十七億円は、財政法六条の純剰余金の二分の一に相当し、復興債の償還財源になるだけのことであり、緊急経済対策には当たりません。景気対策の有効性の検証が極めて粗雑であると断ぜざるを得ません。  また、地方向け予算の目玉として、地域消費の喚起、生活支援のための交付金に二千五百億円、総理肝煎りの地方創生の交付金として千七百億円が計上されています。しかし、過去に行われた施策である地域商品券の乗数効果は〇・三二、つまり、一兆円使っても三千二百億円しか景気浮揚効果がなかったと旧経済企画庁が試算しています。今回想定される商品券の経済効果については、この分析を生かした形跡は見られません。  家計を直接温め、消費を上昇させるためには、過去の地域商品券政策の失敗を踏まえて、家計が商品券を確実に消費に回る手だてを考えなければ、確たる成果は期待できません。子育て世代は教育や保育には確実にお金を使わなければならないので、教育クーポンあるいは保育クーポンであれば退蔵されずに使われて、家計への支援、将来世代への投資として十分に意味のある政策となるでしょう。同じように、介護などのための福祉クーポンも効果があるでしょう。  あわせて、こうした直接的な家計支援に対してはもっと重点的に予算を付けるべきです。過去の景気対策への総括も反省も見られない中途半端な補正予算では、家計消費の促進による景気対策の効果も見かけ倒しに終わるおそれが高いと言わざるを得ません。  さらに、今回の補正予算案でのエネルギーコスト対策は、時宜に応じた適切な対応が全くなされていません。この対策費は昨年度の八百九十億円から三千六百億円に増やされていますが、原油価格は昨年六月頃から急落を続けています。補正予算エネルギーコスト対策のうち石油価格高騰対策については見直すべきであります。例えば、漁業経営セーフティーネットの二百二十億円や中小トラック業者への三十五億円は、昨年末の経済対策閣議決定の段階で必要性を再検討すべきであったと考えます。  最後に、補正予算には、十四もの事業で総額四千八百五十七億円もの補助金が基金に支出されています。さきの漁業セーフティーネットも百億円分は基金への支出であります。過去の国会での論議で、緊急性の高い事業に限るべき補正予算で基金への積み増しを行うのは望ましくないとされ、政府も昨年六月の骨太の方針で、使用見込みの低い基金は返納させる方針を打ち出したのではありませんか。さらに、昨年十月に補助金等適正化法政令を改正して基金への支出を厳格化するはずだったのではありませんか。本補正予算では、これらについて納得のいく改善が見られません。  以上のように、今年度補正予算は、増税先行の財政運営を踏襲したものであること、効果の上がらなかった昨年度補正予算の事業を引き継いだものが多く、昨年の補正予算の失敗に学んでいないこと、家計支援の方法が不適切かつ不十分で、家計消費の促進としては甚だおぼつかないものであること、石油価格下落等の環境変化への対応が全く見られないこと、さらには、緊急性の認め難い基金への支出が依然として多く組み込まれていることなど、非効率で無駄の多い予算計上が随所に見られます。  同僚議員の皆さん、こうした問題を多く抱える平成二十六年度補正予算に対しては、維新の党は断固反対であることを申し上げて、私の反対討論といたします。(拍手)
  16. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 辰巳孝太郎君。    〔辰巳孝太郎君登壇、拍手〕
  17. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、二〇一四年度補正予算三案に反対の討論を行います。  まず、湯川遥菜さんに続き、ジャーナリストの後藤健二さんが過激武装組織、いわゆるイスラム国によって殺害されたとする映像が明らかになりました。絶対に許されない蛮行であり、強い憤りを禁じ得ません。お二人への心からの哀悼の意を表するものであります。  このような悲劇を繰り返さないためにも、この間の日本政府の対応について冷静な検証が必要であります。二人の日本人が拘束されてから今日に至るまで、政府が取ってきた対応について、検証にとって必要不可欠な情報を公表することを求めます。  今大事なことは、国連安保理決議二一七〇が求めているように、イスラム国への外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断つなどして孤立させ、武装解除、解体に国際社会が一致して追い込んでいくことです。  総理は、今回の事件に関わって、米軍などによるイスラム国への空爆などへの自衛隊の支援が憲法上は可能だと述べ、邦人救出を名目にした自衛隊の海外派兵の一層の拡大の検討を表明しています。テロ集団による蛮行を機に海外で戦争する国づくりを推進するという動きは断じて認められないことも強調しておきたいと思います。  本補正予算案に反対する第一の理由は、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策といいながら、本案が地方経済の再生と住民の暮らしの向上につながるものではないからです。  そもそも、アベノミクスと消費税増税が地方経済の疲弊を加速させるものであります。異次元の金融緩和と財政支出、円安誘導によって、一部の資産家、大企業は莫大な利益を上げました。ところが、GDPは二期連続でマイナス、労働者の実質賃金は十七か月連続で下がっており、どの世論調査でもアベノミクスで景気回復の実感はないが多数を占めています。  それだけではありません。非正規雇用労働者が全体の四割に上り、将来に展望を持って働くことができない青年が増える中、政府は、岩盤規制をドリルで打ち破ると言って、不安定雇用を増やす一生派遣の労働者派遣法改悪法案や、過労死を促進するいわゆる残業代ゼロ法案を今国会に提出することを決めています。労働者の雇用を破壊すれば、GDPの約六割を占める個人消費をますます落ち込ませるではありませんか。  一方で、安倍政権は、法人税の実効税率を二年で三・二九%も引き下げ、もうかっている大企業を更に応援する方針です。しかし、昨年六月の帝国データバンクの調査によると、法人税引下げの使い道トップは内部留保であります。  今必要なのは、労働者の雇用を守り、中小企業への手当てを強めながら、最低賃金を大幅に引き上げ、年金削減をやめ、国民の所得を上げることです。アベノミクスはきっぱりやめて、大企業や大資産家にもうけに応じた負担を求め、国民の懐を暖める経済政策への転換を日本共産党は強く求めるものであります。  経済の好循環のためには、格差と貧困をなくすことが急務です。年収が二百万円未満のワーキングプアが一千万人を超え、今や我が国の子供の貧困率は先進国最悪レベルに落ち込んでいます。また、ナショナルミニマムである生活保護基準が二〇一三年八月以降二回にわたって切り下げられた結果、就学援助の認定基準まで狭められ、行政サービスから締め出される子供が増えました。まさに政府自身が子供を更なる貧困へ追いやる張本人となっているではありませんか。  OECDは、昨年の報告書で、貧困層の教育投資不足が全体の成長を損なうと分析をしました。格差と貧困を放置して国の発展はないのです。持続可能な成長のためにも、今こそ格差と貧困の解消に政府が本腰を入れて取組を強化することを求めるものであります。  昨年四月の消費税増税以降、国民の暮らしは更に苦しくなっています。内閣府が一月十三日に公表したミニ経済白書では、実質所得の減少で、二〇一四年四月から九月にかけて日本経済を支える個人消費が一兆円程度押し下げられたことを認めています。同白書は、消費税率引上げによる物価の上昇は将来にわたって個人消費を抑制するとも述べています。  そして、消費税増税は中小企業の営業にも深刻な影響を及ぼしています。日本商工会議所が昨年十月に公表した実態調査では、消費税の増税分を全て価格に転嫁できていると答えた企業は六割にとどまりました。また、消費税が今後一〇%になった場合、全額転嫁できると答えた業者はたった四割にすぎません。今も身銭を切って消費税を納めているのが中小零細企業なのです。  地方経済の再生のためにも、消費税の増税は先送りではなく、きっぱり中止することを日本共産党は求めるものであります。  本補正予算に反対する第二の理由、それは二千百十億円もの軍事費の増強を含んでいるからです。  中には、沖縄の米軍海兵隊のグアム移転費用や、ジブチにおける自衛隊海外基地の恒久化を進めるための活動費まで入っており、来年度予算案と合わせると五兆円を超え、大軍拡に道を開く予算であります。  また、本案には、辺野古新基地建設に係る護岸工事費、安全対策費が含まれ、認めるわけにはいきません。  沖縄は、昨年の県知事選挙での翁長新知事の勝利、続く総選挙でのオール沖縄候補の完勝で、新基地建設にノーの民意が明確に示されています。ところが、総理は、選挙の結果を真摯に受け止めると言いながら、辺野古新基地建設を進め、抗議する市民に対しては過剰な警備を続けています。  総理は、昨年九月二十九日に行われた所信表明演説において、沖縄の方々の気持ちに寄り添うと述べました。その言葉に偽りがないなら、沖縄の方々の気持ちを踏みにじる辺野古新基地建設は今すぐ中止するべきです。  第三に、原発再稼働を前提とした過酷事故対応等に九十億円を計上していることであります。  東京電力福島原発事故から今年で四年。いまだに十二万人もの避難者が故郷に帰れず暮らしています。汚染水対策は行き詰まり、一度事故が起こればコントロールできず、故郷もなりわいも失い、家族とも引き離されるのが原発です。人類と共存はできない、これがあの事故の重大な教訓です。国民の多数が反対する原発再稼働は絶対にすべきではありません。  以上、大企業や富裕層には能力に応じた負担を求めて、消費税に頼らない別の道を進むこと、軍備拡大路線をやめること、格差と貧困をなくすためにも、所得の再分配機能を強化し、国民の命と暮らしが第一の政治へ転換することを求めて、補正予算案に反対する反対討論を終わります。(拍手)
  18. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  19. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより三案を一括して採決いたします。  三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  20. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  21. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            百三十九     反対             九十四    よって、三案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  22. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) この際、日程に追加して、  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。総務委員長谷合正明君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔谷合正明君登壇、拍手〕
  24. 谷合正明

    ○谷合正明君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、地方財政の状況等に鑑み、震災復興特別交付税のうち、東日本大震災に係る復興事業等の実施状況により平成二十五年度の決算において不用となった金額を減額するとともに、復興事業等の実施のため、平成二十六年度分の震災復興特別交付税について加算措置を講ずるほか、補正予算により増加した同年度分の地方交付税の額の一部を平成二十七年度分の地方交付税の総額に加算して交付することができることとするものであります。  委員会におきましては、震災復興特別交付税に不用額が生じた理由、補正予算で増額した地方交付税を翌年度に繰り越すことの妥当性、今後の臨時財政対策債の在り方等について質疑が行われました。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉良よし子委員より反対する旨の意見が述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  25. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  26. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  27. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十六     賛成           二百二十五     反対              十一    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  28. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。    午後七時四十三分散会