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2014-10-28 第187回国会 参議院 厚生労働委員会 5号 公式Web版

  1. 平成二十六年十月二十八日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十月二十三日     辞任         補欠選任      井原  巧君    三原じゅん子君      酒井 庸行君     武見 敬三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸川 珠代君     理 事                 大沼みずほ君                 羽生田 俊君                 福岡 資麿君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 石井みどり君                 木村 義雄君                 島村  大君                 高階恵美子君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                三原じゅん子君                 足立 信也君                 石橋 通宏君                 西村まさみ君                 白  眞勲君                 藤田 幸久君                 山本 香苗君                薬師寺みちよ君                 山口 和之君                 東   徹君                 小池  晃君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   塩崎 恭久君    副大臣        厚生労働副大臣  山本 香苗君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       高階恵美子君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        総務省統計局長  井波 哲尚君        総務省政策統括        官        田家  修君        厚生労働省医政        局長       二川 一男君        厚生労働省労働        基準局長     岡崎 淳一君        厚生労働省職業        安定局長     生田 正之君        厚生労働省職業        安定局雇用開発        部長       広畑 義久君        厚生労働省政策        統括官      石井 淳子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関す  る特別措置法案(第百八十六回国会内閣提出、  衆議院送付)(継続案件)     ─────────────
  2. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  去る二十三日、酒井庸行君及び井原巧君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君及び三原じゅん子君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長岡崎淳一君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 おはようございます。民主党の藤田幸久でございます。厚生労働委員会、初デビューですので、塩崎大臣、よろしくお願いをいたします。  まず、視覚障害者の、法案の前に、障害者認定について質問をさせていただきます。  私の大変親しい友人の奥様が脳外科の手術をした後、片目が見えなくなってしまいました。ところが、片目失明に伴ってもう一つの目の方が視力が良くなったために、片目失明であるにもかかわらず障害者手帳がもらえないという事実があるというのに気が付きました。  その関係で調べておりましたところ、六月三日に、NPO片目失明者友の会代表の久山公明さんほかが、今資料をお配りしておりますけれども、「片目失明者を障害者に認定すること等を要望します」という、当時の厚生労働大臣宛ての要望書を佐藤茂樹副大臣に提出をしたと、これは三万六千以上の方の署名が添付されていたということでございます。  要望は、ここに出ておりますように、片目失明者を障害者に認定してくださいと。それで、その認定基準を見直すか、あるいは等級を身体障害者程度の設定をしてくださいという要望でございますけれども、これから、六月三日ですから四か月以上たっておりますけれども、この要望に対する塩崎大臣の答えをいただきたいと思います。
  7. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先生今御指摘になられました要望書を手元にいただきましたが、身体障害者福祉法で身体障害の認定を行っているわけでありますけれども、その際どういう考え方に基づいているかといいますと、身体機能に一定以上の障害が存在し、かつ、その障害が永続していることという考え方に基づいて身体障害の認定が行われて、身体障害者手帳が交付をされているわけでございます。この認定基準については、各障害間のバランスを考える、そして医学的、専門的な観点から審議をされた結果に基づいて決定をされているというふうに理解をしているところでございます。  身体障害者福祉法によります視力障害の認定については、両眼の視力全体を評価をして一級から六級の等級によって行われているのが現在の運用でございます。片目の視力がない場合については、もう一方の目の視力が〇・六以下の場合は認定の対象となっておりますけれども、〇・七以上の場合には日常生活の制限の程度は相対的には低いというふうに考えられることから、片目の視力がないことのみをもって認定の対象とする取扱いとはされていないというのが現在の運用でございます。
  8. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 日常生活について影響のない程度という話でございましたが、この資料の七ページにその基準が出ておりますけれども、資料の四ページ目を御覧いただきたいと思います。これは、私が片目失明者であることで今まで経験してきたことということで、この片目失明者の方が経験をつづったものであります。  四ページ目ですけれども、ここで、まずはいじめに遭ったということが書かれております、小学校。それから次に、希望する工学系の高校に入学できなかったということが真ん中辺、進学問題について書いてあります。  それから、二ページめくっていただきまして六ページ、通し番号でなりますけれども、これ、上の方ですけれども、身体障害者手帳の交付を申請したときに県の担当者から連絡があったと。これ島根県だそうです。それで、あなたの右目は白内障の疑いがあるので今回の申請は受け付けできないと説明があったと。それから、二つぐらい下の段落に行きますと、そこでその方が経験したことを説明したところ、県の担当者は、あなたが今までどんな経験をしたか知らないが、そのことと今回の身体障害者手帳の交付申請とは別問題ですと言われたと。それから、下から二つ目の、このページの、段落辺りでございますけれども、市の担当者から、あなたの申請は県の指導により受け付けできないので、提出した申請書を撤回する旨を文書で出してほしいと連絡があったというんですね。こういうふうなことを県、市の方で言われたと。  それから、ここに資料は出しておりませんけれども、ある方が大学の教育学部に進学したところ、視力検査で右目が見えないことが分かると、二年生になって専門課程に入る際、大学側から、私は将来教師になれなくても構いませんと書かれた書類を渡されて、それに署名して判を押すように促されたということなんですね。  大臣、ちょっと聞いていただきたいことは、県と市がこういう対応を取って、大学も、教育学部に入ることを自分から断念するようなことを、署名までしろと言われたと。私は、何か非常に冷血で無機質な、門前払いのようなこの行政が、国、県、市、それから教育機関まで浸透していると。  私はまず、大臣、こういう片目失明者の皆さんの大変苦しくてつらい現状等のヒアリングをしっかり厚生労働省としてやっていただきたいと思いますが、いかがですか。これはもう大臣、その場で決めていただけることだろうと思いますので。
  9. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) こうした問題に限らず、ヒアリングは必要とあらばいつでもやるべきだろうと思いますので、また先生からもいろいろ御指導いただけたらと思います。
  10. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 ありがとうございます。  それで、先ほどの答弁の中で現状の認定基準によればというお話をされたんですが、このいわゆる視力に関する認定基準ですね。これ、一九五〇年に基本的には制定されて以来ほぼ変わっていないと昨日事務方から伺いました。一九五〇年というのは大変歴史的な年で、塩崎大臣が生まれられた年なんですね。ということは、六十三年ぐらいですか、実質変わっていないということなんですよ。  ということは、大変苦しい思いをされているというような方、聞いてみますと、例えば目がかすんで頭痛がして嘔吐が起きると。つまり、片一方が見えないということは、もう一つの目の方に非常に負担感が出るということなんですね。そうすると、一九五〇年、私も大体同じですけれども、当時はまず車を運転する人はほとんどいなかったですね、自家用車で。それから、今問題になっている携帯電話とかパソコンとかいうこともなかった時代。それから、当時は、いろいろ聞いてみますと、自分が障害者であるという不利を自ら開示するような社会的な許容度もなかった時代なんです。したがって、今片目であるという方と当時違う中で、当時の視力の基準で今やっていること自体が非常にこれは不適切ではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
  11. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 確かに時代が変わればいろいろな、何というか、生活パターンが変わったり、そういうことがあると存じますけれども、基本的には先ほど申し上げたように、身体機能に一定以上の障害が存在し、その障害が永続していることということが基本的な要件としているわけで、その要件をどう基準化していくかということがあるのだろうと思うので、目下のところは、一九五〇年に作られたものといえども、これを運用してきたわけであって、当然のことながら、行政のやることですから、行政の判断に対しての不服申立てというのは当然あり得るわけでございますので、運用の仕方ということについてどう考えるのかということを併せていかなければいけないこともあろうかと思いますので、お話のように、生活パターンが随分変わったということはそのとおりだと思いますけれども、なかなかそれでどうするかというところまでは、まだこの基準については行っていないというところだろうというふうに思っています。
  12. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 ヒアリングは是非やっていただきたいし、前向きな答弁いただきましたが、もう一つは、不服があったら言ってほしいというのはちょっと、非常に上から目線の感じにも聞こえたんですが、やはり専門家の眼科医の先生方の意見等も反映させるべきだろうと思います。その点はいかがでしょうか。
  13. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 当然、行政でやる場合には専門家の考え方というのを参考にしながら決めていかなければ、微妙なケースは特にですね、今先生おっしゃるように、ということだろうと思うので、専門家の意見を聞くということは当然ではないかなというふうに思います。
  14. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 実は、日本眼科医会という眼科の先生方の団体がありますが、その重鎮のお一人が羽生田先生でございます。羽生田先生は、これやっぱり基準がおかしい、改めるべきだと前々から、ほかの眼科医の方もそうですけれども、おっしゃっていただいたということでございますので、今日は発言は御自身はしていただけないようですが、羽生田先生、ずっとおっしゃってきたということをおっしゃっておられる。羽生田さん、そのとおりですね。  ということでございますので、やはり眼科の専門の方がそうおっしゃっておられるわけですから、それも是非ヒアリングと同時に受け止めていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  15. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 我々、特に政治家も、それからお役人も、まあ多くのお役人も基本的にはその道の専門家ではなくて、その道の専門家の意見を聞きながらいろいろな行政の尺度を決めていっているわけでありますから、当然、絶えず最新の知識というものはアップデートしておくというのは、行政に携わる者あるいは政策決定に携わる者としては当然ではないかというふうに思います。
  16. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 では、それに基づいて、見直し等に関して是非前向きに取り組んでいただきたいと思います。  事例の一つとして、これ新聞記事を付けております。通しでいうと三枚目ぐらいですかね、新聞記事。これ、「片目失明者の実情知って」という、去年の新聞ですから現在三歳になっておられる北海道の方でございます。この方は、私も聞いたんですが、片目が失明しているということは顔がゆがむんだそうです。だから、そこに義眼を入れなければいけない。北海道でこの義眼を扱っているお店が一軒しかないと。それで、大体義眼というのは二十万円ぐらい掛かると。多少は補助が出るにしても、ほぼ全額負担で、特に若い方の場合には一年に二回取り替える必要があるということです。  ということは、しかも、このお母さんおっしゃっているように、この今三歳の女の子はずっとこれで義眼を取り替えながら生きていかなければいけないということでございますけれども、やはりこういった実態があって、今、全国でもかなりの方々が、恐る恐る自分もそういう片目失明者であるということを匿名であったり実名であったり名前を挙げて、やっと組織が進んできている。  今までは、一旦片目失明というといろんな事例があって、なかなか結婚が難しかった、就職も難しかった。あるいは警察官とか自衛官とか消防士等にはなれない等の方がいるという事例も出ておりますので、そうした実態に基づいて、大臣が生まれられた年の基準でまだ残っているということを踏まえて、そして眼科医の、そういう方々を見ていらっしゃる方の専門的な知見もあるという観点から、是非これは、冷血的な、あるいは門前払い的な、無機質な対応ではない、心のこもった厚生労働大臣としての指導性を発揮していただきたいと思いますが、大臣、決断いただけませんか。
  17. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、今義眼のお話を御提起いただきました。  障害者に対する給付の中では補装具費というのが支給をされる制度がございますが、義眼もこの補装具に位置付けられるものでございます。これは、本人の日常生活とか就労とか、そういうところにおける制約に着目をして、体の欠損を補完、代替するという制度趣旨と理解をしておりまして、視覚障害に関しましては、そのような制約については、片目だけではなくてもう一方の目の視力が一定程度以下であるか否かを考慮して、そのような人に義眼の購入、修理に掛かる費用を今支給をしているというのが現在の制度でございます。  一方、羽生田先生おいででございますけれども、眼窩保護というのがあって、眼球摘出後の空間を放置することによる眼窩、つまり目の入っている骨組みとか、あるいはまぶたの萎縮を防ぐために義眼を装着する、使うということによって正常な形態に保つことであって、例えば先生お配りをいただきました新聞にも子供さんのケースが取り上げられておりますけれども、特に小児の場合には眼窩の発育を促すために義眼の装着が必要となることが先生御指摘のようにあるということでございまして、これに関しては、障害ということよりも、義眼の装用が必要な場合は医療保険制度における療養費の対象となっているというふうに理解をしているところでございます。
  18. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 今どうなっているかということよりも、実際にこの三歳の女の子が年に二回交換しなければいけなくて、ずっとそういう形でいくということと、片目が見えないがゆえに、より見える側の様々な制約があって、むしろ片目が見えるがゆえに実は大変苦労されているという事例がたくさんあるということが今回分かったことでございますので、そういう観点から是非対応をしていただきたいと。  それから、少なくとも、先ほど事例で申し上げたような、厚労省のこういう基準ですということが門前払いのようになって、県も市も、大学の当局者までが文書まで書かせて、こういう申請はするなというようなことが行われている実態については、もう一度大臣の方から指示を出していただいて、そういう申請をするという方が来たらば検討は少なくともして、丁寧に例えばその方々の症状について聞いて実態を勉強するというぐらいの指示は出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  19. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどの県と市の担当者のお話は、余りにもちょっとしゃくし定規過ぎて冷た過ぎるなということを私自身も感じたところであって、そもそも、それは厚労省の基準があろうとなかろうと、やはり障害を持っている方が相談に来て申請をしたいというときに取る行動ではないなということを感じさせていただきました。  したがって、厚労省から市町村や県に上意下達で何か指示をするという話では私はないとは思いますけれども、しかし、障害者行政全体について厚労省が言ってみれば元締をやっている限りは、やはりそういうことが、現場の運用において不足をもたらすようなことはやっぱりあってはならないというふうに思いますので、なおそういうことがないように、どういうふうに県や市に伝えることができるのかということは考えていきたいというふうに思います。
  20. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 ありがとうございます。是非動いていただきたいと思います。  では、法案の方について質問させていただきます。基本的なちょっと認識をまず伺いたいと思います。  大臣、この有期雇用法案ですけれども、まず、雇用ということは大臣はどう認識されているんでしょう、雇用ということについて。
  21. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、哲学的なお話がよく、昔からよく私もお話をしていましたが、まさに雇用とは何なのかということでありますが、当然のことながら、働くことの喜びとかいうことがなければいけませんし、一方で、働くということは、やはり所得を得るために働くということも当然のことでありますから、そういう意味で、雇用というのは我々にとっては本当に基本的に大事なことではないかなというふうに思っております。  雇用という問題について申し上げるとすれば、そういうことではないかなというふうに思います。
  22. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 そんな考え方だろうと思いますが、私なりにそれを整理すると、雇用とは、やはり生活者にとって生きる手段だろうという認識で雇用という問題を、これからいろいろ派遣法の問題も含めてありますけれども、生きる手段だという認識で当たっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  同じように、では労働者というのはどういうふうに大臣、認識されますでしょうか。
  23. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 個人個人の働く人ということだろうと思います。  当然のことながら、一人一人ということになれば、会社と、会社の一員になれば、会社は組織でありますから、その組織の下で働くということになると、その力関係は歴然としているわけであって、雇う側と雇われる側ということになると、我々も事務所をそれぞれ先生方も含めて抱えているということは、そこで働いている人たちがいるということで、その際に我々がどういうふうな接し方をするのかということは極めて働く側にとっては重要な要素になるわけでありまして、我々としては、働く側の論理と働いてもらう側の論理がうまくやっぱり一致をするということが大事であって、お互いウイン・ウインになって、そのことが仕事のアウトプットも良くなるということがあって、働いている人にとってはアウトプットをつくり出すその喜びもやっぱり当然のことながらあるわけであります。  ですけれども、一つ大事なことは、ですから、一人一人の個々人の働く人の言ってみれば権利をどうちゃんと守って立場を尊重していくかということを念頭にきちっと入れながら、一緒に共通目標である、例えば会社なら会社、我々だったら事務所の目的を達成していくということに一緒にスクラムを組めるというのが一番大事なことではないかなというふうに思います。
  24. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 大変いいお答えをいただきまして、ありがとうございます。  それから三つ目なんですが、雇い止めということについてはどうお考えでしょうか。
  25. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど、先生、働くということは、雇用ということは生きるすべだということをおっしゃったと思いますけれども、要するに賃金を得るということであって、所得を得る。  この雇用を通じて、言ってみれば、一人一人の方々は所得を得て毎日の生計を立てるということになって、家族を養って、まさに我々一人一人、どんなことがあったって最後は家庭で幸せかどうかというのが一番大事なことでありますので、その働くことが家庭の幸せにつながるようにしなきゃいけないのであって、そうなると、今お話があった雇い止めということがありましたが、どういう形でそういう事態が起きるのかというのは、これは千差万別だと思いますが、不合理な形で雇い止めと言われていることが起きるならば、それは生活をしていく上にも大きな影響を与えてしまうわけでありますから、それはやはり我々としては、法律でもって、法令でもってそういう不測の事態が本人の了解もなしに起きるということがないようにするというのが大事なことではないかなというふうに思います。
  26. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いい御答弁いただいて、ありがとうございました。  私は、したがって、雇い止めというのは生殺与奪権の行使だろうと思っております。したがって、いかにこの雇い止めということが重要かということを是非認識をしていただいて、これから行政に当たっていただきたいと思っております。  法案について幾つか質問をさせていただきます。質問通告細かく出しておりますので、私の方でそれ申し上げますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。  まず最初は、無期転換ルールというものを見直すために立法事実が存在していないということは、これは行政の恣意的な制度運用とか法律解釈につながり得ると。これが労働者にとって不利益をもたらすことも考えられるわけですが、この点について、大臣、お答えいただきたいと思います。
  27. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) お答えさせていただきます。  本法案につきましては、御存じのとおり、労政審におきまして、有期労働者のうちで限定して、高度な専門的知識等を有する者と定年後に継続雇用される高齢者という形に限定させていただいて、それぞれの対象者の特性に応じた雇用管理の下で労働契約法に基づく無期転換申込権が発生するまでの期間の特例を設けることとさせていただいているわけでありまして、労働者に一方的に不利益を強いるものではないと考えております。  また、私どもといたしましては、こうした特例等を通じまして、高度な専門能力の有効な発揮や高齢者の労働参加の拡大を通じて活力のある社会の実現につながると思っておりますし、また、この特例が設けられなければ、企業がプロジェクトの進捗状況等に応じて必要な高度専門職を雇用しにくくなったり、六十五歳を超える高齢者の継続雇用に慎重になるなど、そういった問題があることも労政審で指摘をされていたところでございます。こうした不都合が生じる前に、この本法案を是非とも成立させていただきたいと考えております。
  28. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 成立後の計画の認定手続についてですが、大企業もそうなんですが、中小企業も利用するケースがあると。そうすると、中小企業にとって計画の作成、申請に当たって過大な負担とならないようにすべきではないかと思いますが、お願いいたします。
  29. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) 御指摘のとおり、過度なものにならないようにしてまいりたいと思っております。  このため、認定の具体的な事務手続を定める省令策定の際には、労政審でしっかりと労使双方からも意見を出していただいて、それを踏まえつつ過度なものにならないようにしてまいりたいと思っておりますし、また、計画の内容につきましても、高度専門職に対する措置につきましては、企業の実態に応じまして、教育訓練を受けるための有給休暇の付与に限らず、経費の援助だとか教育訓練を受けるための勤務時間の短縮など、幅広いそうした措置が対象となると考えておりますし、また、高齢者に対する配置、職務、職場環境に関する配慮につきましては、高年齢者雇用安定法に基づいて対応している企業が通常行っている措置を考えておりますので、いずれも対象となる中小企業も含めて、過度な負担にならないようにしていきたいと考えております。
  30. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 無期転換回避のために雇い止めは許されないということの周知徹底が必要だろうと思いますことと、プロジェクト期間中に雇い止めを行わないように認定事業主に周知すべきではないかと思いますが、お答えいただきます。
  31. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) 御指摘の御懸念のあります点につきましては、厚生労働省といたしまして、しっかり雇い止めの抑制に努力してまいりたいと考えております。  具体的に、おっしゃったように、改正労働契約法の周知や有期労働契約に関する労働基準法の規定の遵守の徹底、そして無期転換に取り組む企業へのコンサルティングの実施など、個別企業に対しての支援等についても、来年度の概算要求等におきまして必要な経費、これを今計上させていただいているところでございます。  こうした予算も活用しながら、しっかり監督署やハローワークにおきまして、求職者や求人企業も含めた労使への周知に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  32. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 高齢者について、高年齢者雇用安定法によれば、希望する全ての労働者が六十五歳まで雇用継続が求められていると。企業に対して六十五歳までの雇用確保というこの趣旨をもう一度周知徹底すべきではないかと思っておりますことと、今回の特例の認定を受ける事業主においては、この法律の趣旨に基づいて六十五歳以降の雇用継続も確保できるよう努力すべきではないかと思いますが、その二点についてお答えをいただきます。
  33. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、この高年齢者雇用安定法というのが改正をされて、希望される方は六十五歳まで働けるということに相なったわけでございまして、当然のことながらこの趣旨を没却するようなことがあってはならないというふうに考えておりまして、雇用管理はきちっとやっていかなきゃいけないということだろうと思います。  これについて、御指摘のとおり周知徹底を図るということとともに、こうした措置が適切に講じられていない場合には、当然のことながらハローワークにおいて是正に向けた助言や指導を徹底的にやっていかなきゃいかぬというふうに考えているところでございます。  今回、法案では、定年後引き続いて雇用される高齢者を特例の対象とすることで、六十五歳時点で雇い止めをされるということがなく、六十五歳以降も継続して雇用が図られる環境整備に資するものだと思っておりまして、特例の認定を受ける事業主に対しては雇用管理に関する措置についての計画が着実に実施されるよう必要な助言等を行うとともに、六十五歳を超える継続雇用制度や定年の引上げなどを導入した場合の事業主に対する助成を行っていますし、それから、六十五歳以降も働ける職場づくりに向けた事業主への相談援助などの支援策も活用して、六十五歳以上の雇用継続を促進をしていかなければいけないなというふうに思うわけであります。もちろん、これは希望をする方に対しての措置として、希望どおり、働きたいと考える方は働けるようにすべきではないかということだと思います。
  34. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 先ほど雇用とか労働者について伺ったときに、雇う側の人、雇われる側の人、その両方の立場が一致してというふうなお話をしていただきましたが、ということは、先ほどの片目失明者に戻りますけれども、やはり失明をした方々が一番苦労をしておられるわけですから、そういう方々と行政、そして眼科医の方々がそういった方々を救済しようとしているわけですから、そういう現場で苦労されている方の立場に立った、是非、片目失明者に関して対応を同じようにいただくことを要請して、質問を終わります。よろしくお願いします。
  35. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。  藤田委員に続きまして、本法案について質疑をさせていただきたいと思います。質問多岐にわたりますけれども、時間が限られておりますので、大臣ほか政務三役の皆さんにおかれましては、簡潔明快な答弁を是非よろしくお願いをいたしたいと思います。  最初に、今、藤田委員からも最後のところでございました。私たちも、先週の質疑、また参考人の質疑も通じましていろいろと問題点を追及させていただいておりますが、改めて今回の法案、やはり立法事実が存在しないところが最大の問題ではないかというふうに思っております。先ほど山本副大臣から、いや、問題が生じる前に云々というお話もございましたけれども、先週、経団連の参考人の方に、この一年半の運用の中で具体的な問題があるのかと聞いたら、問題ないというような答弁も、参考人の経団連の側から答弁もあったところでございます。  まだ立法事実がない、そして、そもそもの今回の法案の発端が、国家戦略特区ワーキンググループが議論を始めて、法律に縛りを掛けて今回の法案提出につながったという、そもそものプロセスの問題についても私ども指摘をさせていただいております。  本来、労働契約関係にある全ての労働者にひとしく適用されるべき無期転換申込権、これは労働者の権利でありまして、この権利を一方的に本法案によってまた新たに二つのカテゴリーの労働者について制限を掛けてしまうということは、我々は大変大きな問題であるというふうに思っております。  そこで、大臣にまず見解をお聞かせいただきたいと思いますが、これは、二つの労働者について今回の法案によって権利に制限を加えると。それについては、もちろん十分な代償措置を今回の法案によってひとしく保障すべきだというふうに考えておりますが、大臣もそういう見解でよろしいかどうかという点と、今回の法案によってそれが十分にこの二つのカテゴリーの労働者について保障を担保されているとお考えかどうか、その二点について確認をお願いいたします。
  36. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) このところ、いろいろな雇用法制につきまして問題提起を政府の側からもさせていただいているわけで、その一つがこれ有期雇用の特措法ということでございますが。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  大きな状況を考えてみると、やはり、今経団連のお話をされましたけれども、我々は別に経団連の言いなりになっているわけでもないし、経団連の言うことだけを聞いて物を決めることはないわけであって、我々がやっぱり一番考えなきゃいけないのは、いろいろなパターンの働き方をされたいと思っている方々がおられる、そしてまた、企業の方もいろいろな形の雇用形態があった方がいろいろな面でプラスだというところがあって、そこの折り合いの付くところはどういうところだろうかということで、今いろいろな新しい雇用法制が考えられているのではないかというふうに私は思っているところでありまして、今先生、制限というお言葉をお使いになられましたけれども、どちらかというと我々は、制限というよりは当然の、おっしゃるとおり無期転換ルールという、押しなべてこれは当てはめられなければいけない権利だというお話でありましたが、それについて、その権利を外してもらった方が都合がいいという方も中にはおられるということがあるのかなということを感じながら今の御質問を拝聴しておりました。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  この法案については、もう先生御案内のように、特区の法律の中の検討規定を受けて、労使の代表の参集しております労政審議会で検討結果が出て、それを踏まえて今お話しの二つの人たちのグループ、高度の専門的知識等を有する者と定年後に継続雇用される高齢者に限定をして、これらの対象者の特性に応じた雇用管理の下で、労働契約法に基づく無期転換申込権が発生するまでの期間の特例を設けるということで、むしろ高度な専門的知識等を有する者はそういうような形の方が働きやすいと考えている方々がおられるのではないか、まあ割合、人数は限定的ではありますけれども。  それともう一つは、これは別に特区の議論から出てきたわけではなくて、むしろ労政審の中で定年後の継続雇用される高齢者というのは出てきたわけでありますので、先生今おっしゃったように、そういうような様々なことをお考えの方々の、高齢者を含めて、労働参加の拡大を広げることが経済社会の発展に結び付くんじゃないかなというふうに思います。
  37. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、なるべく質問に簡潔に答えていただければと思いますが。  今のような答弁ですと、そもそもの改正労契法の十八条の趣旨をちょっと余りきちんと踏まえられていないのではないかなと。  大臣、労働者がいろんな働き方をしたい、それはそのとおりです。しかし、労契法十八条というのは、労働者の側に無期転換申込権を発生させるという、そういう措置でありますから、もし大臣がおっしゃるような趣旨であれば、労働者がそういうふうに無期転換申込権を行使しなければいいわけでありまして、七年間、八年間のプロジェクトで、いや、僕は七年間、八年間のプロジェクトで働いて、それで次へ行けばいいんだと思えば無期転換申込権を行使しなければいいわけでありますから、それをあたかも、労働者の権利をこれによって、いや、いろんな働き方をしたい労働者がいるから制限をしてもいいんだというのは全く趣旨が違うということを断言させていただきたいと思います。  その上で、幾つかちょっとまず第一種計画の部分について確認をしておきたいと思いますが、これ、第一種計画認定手続を受けるということになっております。十年近くにも及ぶ長期プロジェクトですので、そのプロジェクトの中には様々な特定有期業務を含むものだというふうに理解をいたします。認定を受ける第一種計画の中には、この第一種の特別な技能を持った方々を雇用すべき特定有期業務全てについてきちんとその業務の内容と、そして始まりと終わりの期日を書き込まなければいけない、それが認定をするに当たっての認定要件になるという理解でよろしいですか。
  38. 高階恵美子

    ○大臣政務官(高階恵美子君) お尋ねの第一種計画におきまして記載すべき中身についてですけれども、まず申請の段階で何を書くかということ、法案第四条の二項に規定をさせていただいております。  この中で、今御指摘の有期雇用労働者が就く特定有期業務の内容、その開始及び完了の日について記載をするということ、あるいは事業主が行う対象有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置の内容、その他厚生労働省令で定める事項等について記載するということが新設することとなってございます。  いずれにしても、過度な内容とならないような工夫が必要だというふうに考えておりますが、その件につきましては、法案の成立後に労政審において検討いただくというふうな状況になってございます。
  39. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 質問は、法文上の規定ではこれが具体的に分からないのでちょっと確認をしているわけです。  これ、業務の、これはお認めになると思うんです、プロジェクトの中には様々な特定の高度専門職の方が介在すべき特定有期業務なるものが含まれるんだと思うので、一つじゃないので、つまりプロジェクト一つで、いや、このプロジェクトはここから始まってここで終わるよということではなくて、そのプロジェクトの中に含まれる全ての特定有期の方が必要な業務がきちんと書き込まれないと、これ後々に検証のしようがないじゃないですか。どの労働者がどこから始まって、その中のある業務の特定技能の方は、例えば九年のプロジェクトでも、九年丸々要らないかもしれない、六年か七年かもしれない。いろんな形があり得るわけですね。そういうことでしょう。  であれば、特定業務については、きちんと始まりと終わりのところを書き込まなければ、そしてそのそれぞれの特定業務について、後に議論をさせていただく年収要件を含めたところがはっきりと分からなければいけないわけですから、それを明示せずに認定して、プロジェクトってばくっと認定してしまったら検証のしようがないし、先ほど大臣が言われた、いや、これは労働者のためなんだと言ったって、それを担保するすべがなくなると思いますのでこれを聞いているんです。  この計画の中には全ての業務について明確に明示をされて、それを厚生労働大臣が認定するということでよろしいですね。
  40. 高階恵美子

    ○大臣政務官(高階恵美子君) 確かに御懸念の点はあると思います。そして、具体的な中身、プロジェクトの微に入り細に入りどこまでを書かせるのかといったような中身につきましても、法案の成立後に労政審におきまして丁寧に議論をしていただくと、このように考えてございます。
  41. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ここがこの法案の一つの大きな問題でありまして、何でもかんでも、法律上明確になっていなくて、後で決めます、後で議論します、これ省令に委ねますと、いろんなものが委ねられているので、我々もこれ本当に議論のしようがないわけでありますが、じゃ、ちょっと別の観点から聞きます。  既にこれ答弁で、この認定された計画に基づいて個々の特定の有期第一種の労働者と契約する際には、その個別の雇用契約の中に開始の日と完了の日が書き込まれると。つまり、それぞれの労働者について、いつまではこの無期転換申込権が発生しないんだと、いつからは発生するんだということが分かるように明示しますという答弁があったと思いますが、それはそういうことでよろしいんですね。確認です。
  42. 高階恵美子

    ○大臣政務官(高階恵美子君) そのとおりでございます。
  43. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ということは、先ほどのお話で、全てのこれ契約を結ぶ労働者は、この認定を受けた開始の日と完了の日、この完了の日とあった、例えば九年のプロジェクトなら九年間ということで、完了の日を併せて契約をされる、それが個別の契約書に書かれるということになるんでしょうか。
  44. 高階恵美子

    ○大臣政務官(高階恵美子君) そのように理解をしております。  本法案による特例措置の対象となる労働者については、通常の有期労働者とは無期転換申込権が発生するまでの期間が異なるわけですから、その期間がより長くなるということをきちっと明確にするということ、そして、本年二月の労政審での建議にも書かれておりますとおり、特例の対象となる個々の労働者との労働契約の締結あるいは更新に際しまして、無期転換申込権発生までの期間、そして高度専門職については特例の対象となる業務の具体的な範囲を書面で明示しなければならない旨、義務付けを行うこととしております。
  45. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これはとっても大事なところなので、この認定される計画と、それの中に記載される業務と、そして個々の労働者、それに応じて、じゃ、この業務についてこの労働者を雇い入れると、そこで契約書の中にきちんとその条件含めて明示をしていただくということですので、これは非常に大事なところなので、是非確保していただきたいと思いますが。  ということは、この個別の労働契約の中に開始の日と完了の日、つまり五年以上十年未満という理解ですが、の基本的には期間が書き込まれるということですから、その時点で、契約の時点で、当然、その契約する労働者の側には九年なら九年という明示された期間の雇用継続期待権が発生するというふうに思います。ということは、労働契約法十九条に照らし合わせれば、当然その契約に明示をされた期間の間は雇い止めが行われないという期待権が発生するものと理解しますので、それ以前の合理的な理由のない雇い止めは当然禁止をされるということでよろしいでしょうか。
  46. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 今回決まることにつきましては、無期転換権が生じるまでの期間について明示するというのが今回労働条件の明示の際にすることであります。その部分と、それぞれの労働者の、労働契約法の十九条の話とはこれはまた別の話でありますが、その十九条の話については個別具体的な状況の下で判断されると。ですから、ここで九年と定めたらそこで期待権がすぐに生じるということではないというふうに理解しております。
  47. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今の答弁はちょっと問題で、大臣、そうすると雇い止めはありということですか。大臣、答弁してください、ちゃんと。雇い止めはありという答弁ですか、今。
  48. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは民事の契約でございますので、それはいろいろなケースがあり得るということだというふうに思います。
  49. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、じゃ、雇い止めは、これは民事なので、これで契約書にちゃんとその期間を明示したとしても、それ以前に、それはまあどうぞ勝手に雇い止めするならやってくださいと、そういうことですか。それではそもそもの趣旨が違うじゃないですか。  大臣、これ大事なところですよ。雇い止めが、それはもう現場の状況に応じてどうぞ勝手にやってくださいということなんですね。
  50. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 無期転換権がいつから生じるかということを明示するという話と、それから雇い止めが可能かどうかということについては別の問題ではありますが、ただ、再三大臣からも御説明していますように、不合理な雇い止めにつきましては、それはその問題とは別の問題として我々はしっかり対応する必要があるというふうに考えております。  したがいまして、どんどん雇い止めしてくださいという姿勢で対応するつもりはありませんし、労働契約法十九条の考え方にのっとってしっかりとした指導をしていきたいというふうに考えているということでございます。
  51. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これは、大臣、先ほどの説明の趣旨と全然違うじゃないですか。無期転換申込権がいつから発生するか。それは、イコール今回五年以上の、そして十年未満の長期のプロジェクトがあると。この長期のプロジェクトでしっかり能力を発揮していただく、しかし、一般の労働者以上に条件もしっかり担保していただく、そうやって七年、八年一生懸命働いていただける高度の能力を持った労働者がおられる。それで、これ例外規定を設けて権利制限をして、しかし七年間、八年間働いていただくためにこれやるわけでしょう。にもかかわらず、それを明示しておきながら、いや、でも雇い止めはあり得るねと、これは全然趣旨が違うじゃないですか、大臣。本当にそんなことでいいんですか。  ちょっとこれ整理してくださいよ。これ大変な答弁ですよ。
  52. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  53. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
  54. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど先生からお話がありましたように、あるいはまた岡崎局長から申し上げたように、今回のこの法律でもって無期転換申込み発生までの期間というのを明示しているわけでありますけれども、この一番大事なことは無期転換ルールの特例ということで、それを定めている法律であります。  雇い止めというような話と必ずしもこれと一〇〇%リンクするわけではないわけであって、ですからそれはまた少し別の話で、ですから、今岡崎局長が言ったように、雇い止めという問題は、もうそれは今回の法律以前の問題として、我々としてはそれを起きないようにするというふうに指導していくことが大事だということだと思います。
  55. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、じゃ、特別な専門性を持った方が、七年、八年、九年というプロジェクトで、いや、このプロジェクトのために頑張りたいと、報酬もきちんともらいながらもそのプロジェクトのために頑張って能力を発揮したいと。で、九年間、長くて、本当は五年超で無期転換の申込権が出るのに、それすら放棄させられて、でもこの八年、九年のプロジェクトのために頑張るんだと言っていたら、六年たったら雇い止めになりましたと。理由も何かよく分かりませんけど、いろんな理由を付けられて、それで放り出されて、それでオーケーなんですか。そういう趣旨の法律だということですか。  これはまさに労働者の権利を強制的に、さっき大臣は違うと言ったけれども、これはまさにそんなことを許してしまったら、労働者の権利を一方的に破棄しておきながら、労働者の保護が全く十分に保障されていない法案をここで通そうということになるじゃないですか。そんなことは絶対に認められませんよ。  大臣、ちょっと整理されているけど、それでよろしいですか。
  56. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 元々、労働契約法第十九条で、労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されると期待することについて、合理的な理由があると認められるもの等を使用者が雇い止めすることについて、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、そうした雇い止めが認められぬ旨が規定をされているわけでございます。ですから、この労働契約法の第十九条で雇い止めが認められないということを明記しているわけでございますので、それと矛盾するということではないと思います。
  57. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 だから、そこのところを、十九条に基づくとさっき私、元々の質問のときにも申し上げたので、十九条に基づいて、やっぱり雇用契約書に明示されるわけですから、そうすれば当然に、まさに十九条の趣旨から鑑みれば期待権がありますよねと、それを合理的な理由なしに途中で雇い止めをするようなことはこれは認めちゃいけませんよねという、それが趣旨だったわけで、それは大臣、それでいいんですね。(発言する者あり)  大臣、ちょっとこれは大臣。いいですと言っていただければいいんです。そのとおりですと言っていただければいいんです。
  58. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 法律上求められているのは無期転換権が発生するまでの期間であります。ただ、雇われる際の種々のやり取りの中で期待権が生じているかどうかということについては十九条に基づいて判断すべき話でありますし、そこのところについては個々の状況の中で判断する。  したがいまして、この無期転換権が発生するまでのことが、法律上、明示したからといってすぐにではありませんが、全体の状況の中で期待権が生じている場合は当然あると思いますし、そういう場合につきましては雇い止めをしないようにということで、我々もきちっと対応していく必要があるというふうに考えております。
  59. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ちょっとこの問題でこんなに時間使うとは思わなかった。  雇用契約書に期間が、完了日が明記されるということは、その時点で十九条の言う合理的な期待権は発生しなきゃおかしいですよ。それを認めなかったらそもそもの趣旨が違うと私は言っているわけで、今のことに明快な答弁がいただけないということは、まさにこの法案は大いに問題ありと言わざるを得ないと思いますので、このことはもう繰り返し言っておきたいと思います。  それで、残念ながらちょっと時間がなくなってしまったんですが、併せて年収要件についてちょっと確認をしておきたいと思いますが、ちょっと今ので大変不安になりました。  それで、今回、一般の労働者に比して高い年収要件を確保すべしと。それは、こういった高度な専門的な能力を持たれた方だから、一般の労働者よりも有利な条件で交渉力もあるということでこの規定があるということだと思いますが、とすると、この高い水準の年収、今回要請される高い水準の年収要件というのは、これ当然に、同一の事業種で同等の仕事をされる同じ高いレベルの高度な専門性を持った方々が通常もらっておられる賃金や様々な各種手当、そして社会保障制度を含めた、福利厚生施設へのアクセスを含めた、そういったことを総合的に勘案をして、八年なら八年、九年なら九年、そういう契約のスパンでトータルで考えた上での、当然、水準以上の要件が確保されるべきである、そういう趣旨だというふうに私は理解をしますが、大臣、その趣旨でよろしいですね。
  60. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今の高度の専門的な知識等を有する有期雇用労働者を対象にした特例を設けるに当たっての有期労働契約の濫用的な利用を抑制して雇用の安定を図るという労働契約法の第十八条の趣旨を没却させないことが必要であって、このため、特例の対象となる労働者全体に年収要件を掛けているということであって、一定の交渉力がある労働者に対象を限定しているということが大事なところだと思っています。  これは、国家戦略特区で出てきた第二条の考え方と同じであって、また、具体的な年収要件については、何度もこれ答弁を申し上げておりますけれども、労働政策審議会の建議を踏まえて千七十五万円をベースに検討していく方針でありますけれども、今お話がありましたけれども、この年収水準は常時雇用される一般の労働者の平均年収の四百七十四万の二倍以上でもありますし、それから、有期雇用労働者全体の三・六%を占める高度技能活用型の有期雇用労働者のうちの年収一千万円以上の方々は二・一%程度に限られているということであって、そうなると、少なくとも、一般の労働者の皆さんと比較しても、それから他の有期雇用労働者と比較しても、今お話があった、同様な高度の専門知識を持った、専門技能を持った方々の相当程度の高い水準であると、こうした労働者が相当の交渉力を有してこういう形で契約を結ぶということだと思います。
  61. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、質問の趣旨が違うんですが、私が問題視しているのは、まさに大臣、今千七十五万円という具体的な数字を言われたけれども、僕はそれが独り歩きするのがかえって問題だというふうに思っているわけです。  比較されるべきは、特別な高度な技術を持った方が本来その企業に無期雇用、正規雇用として雇用されていた場合に当然享受されるべき労働条件というのはあるわけです。しかし、今回は無期転換権を剥奪をして長期の有期反復更新を認めるわけでありますから、当然にそれらの方々には、その同等、もし無期になったとしたら保障されるべき労働者と同等以上の労働条件、それと社会保障を含めたトータルの報酬というものが保障されなきゃいけないでしょうと。一千七十五万円云々というのはあくまで一つの全体的な目安ですが、比較対象となるべきはその絶対水準ではなくて、当該事業種における同等の正規の雇用の労働者と比較されないとおかしいですよねと、そういう趣旨で今回の法案は組まれているんですよねということを確認したいわけです。  もう繰り返し答弁されていますが、なぜ今回そもそも有期雇用にこの労契法で規制を掛けたかといえば、有期の皆さんというののやっぱり濫用があるから、正規の職員と、無期の方々と比べて大きな格差があるから。それは決して、高度専門職を持った方でも一概にその権利を剥奪してもいいということにはならないわけです。だからこそ、ここでしっかりとその趣旨を踏まえて、一定の水準以上の労働条件を確保しなきゃいかぬということを確認してもらわないとおかしなことになるわけですよ。  大臣、ちょっと時間がないので、その点だけ、趣旨としては、この一定水準以上というのは当然そういう水準を確保するということだと、そこだけ大臣、しっかりと確認してください。
  62. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃるように、当然高い技能を持っているわけでありますから、それに相応するだけの他の、これは無期転換権を行使した後の働く人たちと、それは当然、何というか、比較可能な給料水準というのが当然想定をされるわけだと思います。
  63. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 全くお答えいただいていませんが、時間が参りましたので終わりますが、ちょっと今のような答弁ですと、全くもって本法案の質疑、不十分だと言わざるを得ないと思います。その点を御指摘して、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  64. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。  今日も質問をたくさん作っておりますので、早速質問に移らせていただきたいと思います。  参考人の質疑の中で、私、新谷参考人の発言で大変驚いたものがございました。有期契約労働者の労働者数というものが今までなかなか把握できなかったんだと、昨年の一年からこの数字が統計として表れてくれたと、大変感謝を、その言葉をいただいたわけですけれども、そんなに日本の中で有期労働者という皆様方の数値が取られてこなかった歴史があったんだということを改めて認識をいたしました。  私も調べましたら、昨年の一月、労働力調査で初めて有期契約労働者数というものが公表されたと。この調査で明らかになったのは、有期契約労働者というものがございます。  じゃ、この有期契約労働者というものと本法案にある有期雇用労働者と定義は違うんでしょうか。ちょっと教えていただけますか。
  65. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 労働力調査で、先生おっしゃいますように、昨年一月から有期契約労働者数が公表されています。  これは、常雇の人、臨時雇いの人、それから日雇の人と三つに分けておりますが、これは基本的に契約期間で分けてあるだけでございまして、契約期間がある方をこの三つのカテゴリーに分けて発表されているというふうに認識しておりますので、今回の法案において考えていますものと基本的には同じというふうに考えております。
  66. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ということは、同じ意味合いでも言葉が違うということですよね。その確認でよろしゅうございますか。
  67. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) おっしゃるとおりでございます。
  68. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  皆様方に資料一を配付させていただきました。  私も様々な今回の統計のデータを拝見いたしましたら、その省庁若しくは調査によってそれぞれの言葉の定義が違うということが分かってまいりました。ここにパート労働者の定義というものを表にさせていただいております。総務省と厚生労働省と、その厚生労働省の中でもそれぞれ定義を分けて使っていらっしゃる。パート労働者と一言に言っても、じゃ、どの定義を使ったらいいのか、比較さえもできないということが分かってまいりました。  じゃ、このパートの定義というものは本当に違うのか、違う場合にはなぜ違うのかという理由を、総務省そして厚労省から教えていただけますでしょうか。
  69. 井波哲尚

    ○政府参考人(井波哲尚君) お答えを申し上げます。  総務省では、労働力調査それから就業構造基本調査を実施しているわけでございますけれども、両調査とも就業の時間とか日数で区別するのではなくて、勤め先でパートタイマー、あるいはそれに近い名称で呼ばれているかどうかということでパートを定義してございます。  両調査とも世帯を対象とした調査でございまして、雇用者の方の中には自らの雇用契約の内容を詳細に把握していない方もおられるということから、勤め先の呼称という分かりやすいメルクマールにより調査を行うことで回答を容易にし、かつ回答者の負担を軽減することを考慮してこのような定義にしているということでございます。
  70. 高階恵美子

    ○大臣政務官(高階恵美子君) 厚労省の方でお尋ねいただいております賃金構造基本統計調査とそれからパートタイム労働者総合実態調査における定義についてお話を申し上げますと、賃金構造基本統計調査におきましては、パートタイム労働者という表記ではございませんで、短時間労働者と呼んでおります。その定義は、同一事業所の一般の労働者よりも一日の所定労働時間が短い又は一日の所定労働時間が同じでも一週間の所定労働日数が少ない労働者としておりまして、お配りいただきました資料のとおりでございます。  また、パートタイム労働者総合実態調査におきましては、パートタイム労働者の定義を、正社員以外の労働者で、パートタイマー、アルバイト、嘱託、契約社員、臨時社員、準社員などの名称にかかわらず、一週間の所定労働時間が正社員よりも短い労働者としてございます。
  71. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  これ、調査目的が違ったとしても、多分、私たちがリンゴと言ったら一つのものしか想像できませんけれども、リンゴと言ったら全く別のものが出てくるといったような事態が起こってくる可能性が高いと思うんですね。  ですから、総務省、厚労省、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、やっぱり調査目的が違っても、調査対象の定義というものは省庁で統一すべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
  72. 田家修

    ○政府参考人(田家修君) お答えいたします。  統計調査におきます用語につきましては、それぞれの調査を所管する官庁におきまして、その調査目的に従って調査を実施する上で必要な定義を行ってきておりまして、同種の用語が違う定義で用いられている例もあるところでございます。  御指摘のパートにつきましてもこうした例の一つであるというふうに考えますが、本年三月に閣議決定をされました公的統計の整備に関する基本的な計画におきましては、非正規雇用の実態等をより的確に捉える労働者区分の整理、見直しなどを進めるということにしておりまして、企業活動の変化や働き方の多様化等に対応した労働統計の整備の観点から、ただいま府省横断的に検討を進めているところでございます。こうした検討結果に基づきまして、順次調査の見直しを行うことにしておるところでございます。
  73. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 現状、今総務省からお話があったとおりでございます。  私ども、政策を立案していく中では、やはりできるだけ同じ概念というのは必要だと思いますが、それぞれの経緯の中で来たことも事実でございます。  いずれにしましても、今ありました閣議決定の中で、しっかりとした議論に参加しながら対応していきたいというふうに考えております。
  74. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  じゃ、大臣からも是非一言いただきたいんですけれども、やっぱりこのように定義が違って、我々が一つ一つデータを精査する際にも、その定義が違えばまたその数値の読み方も違ってまいります。同じパートというもの若しくは有期雇用労働者というもの、様々な言葉のその定義からまた調べ直さなければならなくなる、また比較することもできない、こんな現状についてやはり統一すべきだという、是非一言お願いいたします。
  75. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 私もかつて日銀というところにいて、いろんなデータを使って調査統計局というところで仕事をしたこともありますが、今お話があったように、それぞれ政策目的によってデータの取り方が違うということは十分あり得ることだと思うんです。それは、自分のところでデータを作るんだったらば、自分の政策目的に合ってないといけないということです。  しかし、先生がおっしゃるように、裏返してみると、使い勝手が、共通項がないものだから、なかなかないということであって、そうなると、先ほどあった、閣議決定で今年の三月に、公的統計の整備に関する基本的な計画というので、労働者区分の整理、見直しなどの取組を推進するというふうになっているわけでありますから、労働関係統計もできる限りやっぱり統一をされた使い方ができるように整理をすべきかなというふうに思います。
  76. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  前向きに御答弁いただいたというふうに受け止めておりますので、私もこれからしっかりデータを活用させていただきたいと思います。  次に、女性問題に移らせていただきます。  本日の新聞報道にもございましたけれども、世界経済フォーラム、二十八日に公表するジェンダーギャップ指数で、日本は昨年の百五位から一つ上がりまして百四位となったということでございます。これを喜んでいいんだか悲しんでいいんだかということは、それぞれお立場があるのでというふうに思いますけれども、このフォーラムで、日本が雇用の男女格差を解消すればGDPを一六%押し上げるんじゃないかというように推察しているというようなレポートも出ております。  では、女性の有期契約労働者というものは今日本にどのくらいの数の方々がいらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。そしてその有期契約労働者のうち、妊娠、出産を契機として退職していらっしゃる方は何名いらっしゃるのでしょうか。お願いいたします。
  77. 高階恵美子

    ○大臣政務官(高階恵美子君) お尋ねの女性の有期契約労働者数でございますが、平成二十五年の労働力調査の結果によりますと、総数で八百七十九万人となっております。また、妊娠、出産を機に退職している有期契約労働者の数についてのお尋ねですが、現にこの雇用形態の方についての数というのは調査してございませんで、一方で、出生動向基本調査というのがございます。平成二十二年のデータに基づいて御報告させていただきますと、職場でパートあるいは派遣といった呼称で呼ばれている方のうち、第一子の出産を機に仕事を辞められた方、全体の八二%となっております。
  78. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  八二%という数字も出てまいりました。一方で、まだ調査を実際に行っていないという今政務官からの御答弁もございました。  では、労働局の雇用均等室が取り扱った労働者のうち、女性労働者のマタニティーハラスメントによる雇い止めに相当する件数が何件あったのか。また、このうち何件が改善をされたというふうに把握されているのか、教えていただけますでしょうか。
  79. 高階恵美子

    ○大臣政務官(高階恵美子君) 女性労働者へのマタニティーハラスメントによる雇い止めという観点での調査、把握、この点についても、してはございません。  平成二十五年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられた不利益取扱いに関する労働者からの相談件数、これは男女雇用機会均等法第九条に規定する婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いに関する相談の件数でございますが、全体で二千九十件でございます。ですから、この内数として先生お尋ねの事例も含まれているだろうというふうに推察するところでございます。  また、平成二十五年度の男女雇用機会均等法第九条に関する行政指導による是正の件数でございますが、これは二十八件、同法九条に関する紛争解決援助の終了件数が百六十八件、そして機会均等調停会議による調停件数が八件となってございます。
  80. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  労働者からの相談件数というのが二千件近く、その中の一割程度しか解決がなされていないということ。また、マタニティーハラスメントについても調査もないということが分かってまいりました。  じゃ、各県の労働局雇用均等室が把握できていないマタニティーハラスメントによる雇い止めも、多数まだまだこの奥底に秘められていると考えられます。ですけれども、女性が輝く社会ということをこれからうたうに当たって、上っ面の聞こえのいいようなもう政策だけでは駄目だと思うんですね。しっかりとした、これ根底に何があるからこそ女性が働きにくいのか、子供が生まれたら女性は雇用というものの中に恵まれない条件としての一つの項目として入れられてしまうわけですよね。まさに、これからの女性が輝く社会を我々がつくり出していくに当たっても、女性の雇用に隠された闇というものをあぶり出すために、調査をまず行うべきではないでしょうか。  対策を打つためにも、実態調査を、是非大臣の方からも行いたいという一言をいただきたいんですが、お願いいたします。
  81. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先般も最高裁でマタハラ判決というのが出ました。  言うまでもないことですけれども、男女雇用機会均等法で違反になるこのマタハラですから、当然、解雇や雇い止めなどの不利益な扱いというのは許されるものじゃないということだと思います。  それで、今お話がありましたように、きちっとした統計が取れていないということでございまして、確かに、この詳細な実態把握が当然のことながら必要であって、ましてや今、安倍内閣として女性が輝く社会を築き上げようということでありますので、どういった形で行い得るかを検討することも含めて、適切な対応を先生の御趣旨に沿って我々としても考えていきたいというふうに思います。
  82. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  本当に前向きな御答弁いただきました。私ども女性が輝くために、さらに、私ども女性だけではなく、男性の皆様方もバックアップいただきたいと考えております。  では次に、女性の正規労働者及び有期雇用労働者の育休取得率を教えてください。
  83. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) 平成二十五年度の雇用均等基本調査の結果におきましては、育休の取得率につきましては、出産した女性労働者全体のうち、有期契約労働者の区分で集計しておりまして、女性労働者全体では八三%、有期契約労働者につきましては六九・八%となっております。
  84. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  でも、実はここ、数字のマジックがございますですよね。分母にとって分子に何を置くのかということによってかなりこのパーセンテージが変わってまいります。分母に置かれているものはその調査の前年の一年間の出産者数であって、その中に結局マタニティーハラスメントのような形で辞められた方の女性の数って含まれていないんですよね。ですから、調子がいいようにこの六十何%、八十何%というものを使っていただくと、我々女性としても、ちょっとこれは、先ほども申しました闇の部分が全く含まれていないんじゃないか、やっぱりこの統計の取り方というものも、しっかり今回の判決を受け、見直していただきたいと考えております。  では、育児休暇、そして介護休暇におきましては、育児・介護休業法によって、育休、そして介護休暇が取得できるという権利を労働者は持っております。その中に、これまで取りにくかった理由がある、それは就業規則に載っていないから知らなかった、分からなかったという方々が多い。じゃ、どのくらいの企業、事業数が就業規則にそのようなルールを載せていないのか、また未整備であるということは違法ではないのか、教えていただけますか。
  85. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) お答えさせていただきます。  労働基準法第八十九条におきまして、常時十人以上の労働者を雇用する事業主は就業規則を作成し届け出なければならないというふうにされておるところでございます。  就業規則の作成につきましては、休暇については必ず記載をしなければならない事項とされていることから、就業規則の作成義務のある事業主は育休についても就業規則に記載しなければならないとなっているわけです。  平成二十四年度雇用均等基本調査の結果によりますと、育休の規定がある事業所が七二・四%、規定がない事業所が二七・二%となっておりまして、ただし、先ほど申し上げましたとおり、本調査は労働者五人以上の事業所を対象として実施しておりますことから、この二七・二%全てが違法状態とまでは言えないんですが、おっしゃるとおり、規定が未整備の企業、事業所というのもこの二七・二%の中に含まれておると認識しております。
  86. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  時間もなくなってまいりましたので、次の質問もお願いに代えさせていただきますけれども、実は、石井局長であった時代に、小池先生の質問に対しまして石井局長から、集団的手法なども取り入れて就業規則の中に徹底的に入れ込んでいくような施策を推進していくというような御答弁もいただいたところでございます。ですから、このことにつきましては、更に厚労省の方でも問題視をし、そして御指導いただきたいと思っております。  では、済みません、一問飛ばしまして次の質問とさせていただきます。  本法案の第三条では、特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置に関する基本的な指針を定めることになっております。この法案にかかわらず、一般的に、事業主が行う雇用慣行には、産休、育休制度は含まれておりますでしょうか。教えてください。
  87. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 一般的に、雇用管理の中には、産前産後休暇でありますとか育児休暇は含まれております。
  88. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  本法案は、特定有期雇用労働者という方々が最大限に実力を発揮していただき、ステップアップをしながら学んでいただく機会であったり、男女共に更にそのスペシャリティーを発揮するための環境整備というものがなされなければならないと私は理解をいたしております。  ということは、十年間無期転換ルールというものが適用されなければ、女性が出産、妊娠をし、子育てをするという機会が増えるということにもなってまいります。ですから、厚生労働大臣の基本指針で定める雇用慣行に関する措置の内容といたしまして、専門的知識を有する女性有期雇用労働者の産休、育休の取得促進ができるような環境整備というものを明確に規定していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  89. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法律で、事業主が実施する雇用管理に関する措置について、厚生労働大臣は基本方針を策定するということでありまして、今先生の御指摘のように、この基本方針の中に何を入れるのかということが問題だということでございます。  その具体的な内容は、もう言うまでもなく、法案の成立後、労政審で議論するということになっておりますけれども、それを踏まえてもちろん我々としては策定をしてまいりますけれども、御指摘の産前産後休業あるいは育児休業の取得ができる環境整備についても、当然その中で労使の御意見を伺いながら検討すべきかというふうに思っております。
  90. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  是非前向きに検討していただきたいんですけれども、現在の労政審のメンバーの男女比を教えていただけますでしょうか。
  91. 石井淳子

    ○政府参考人(石井淳子君) 労働政策審議会の委員は、公益委員、労働者委員、使用者委員、三者構成、各側十名ずつで構成されておりまして、ただいま現在、三十名のうち十名が女性委員ということでございます。したがいまして、女性委員比率は三三・三%でございます。
  92. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  もちろん公労使の三者構成であることも理解しておりますけれども、女性がやっぱり輝く社会、女性の就労支援というものが求められている現状でございますので、男女共同参画という観点からも、なるべく女性の比率を更に高めるような施策もお願いしたいんですけれども、大臣、最後に一言いただけますか。
  93. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 男女共同参画基本計画の変更についてという平成二十二年十二月十七日の閣議決定で、平成三十二年までに女性の委員の割合が、国の審議会等の委員における女性の登用ですけれども、その割合が四〇%以上六〇%以下の状態を目指すということになっています。  また、政府として女性の活躍推進を進めていることから、この労政審でも、当然のことながらまずは四〇%以上を目指していくべきだと思っておりますが、世の中、女性と男性半分半分でありますから、当然、半分半分の五〇%を目指すというぐらいの意気込みでもってやっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。
  94. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  女性の味方になってくださるという大変心強い答弁をいただいたと受け止めております。今後とも、私もそうでございますし、ここにいる女性議員も、大臣のその答弁を信じてしっかりと監視をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  では、私の質問を終わらせていただきます。
  95. 山口和之

    ○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。  ただいまの質問に若干継続させていただきたいと思うんですけれども、労政審の報告では、法案成立後、厚生労働大臣が作る基本方針の中身について、高度専門労働者は労働者が自ら能力の維持向上を図る機会の付与、高齢者においては高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえた高年齢者の配置等に関する配慮など盛り込まれておるんですけれども、わざわざ盛り込む理由とそれぞれのポイントについて、もう一度お伺いしたいと思います。
  96. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 今回、この特例を定めるに当たりまして、それぞれ、高度専門労働者あるいは高齢者の方々でございますが、その特性に応じてしっかりとした雇用管理がされることを前提としまして無期転換権について特例を設けようと、こういう議論でございました。  したがいまして、そこのところがしっかりされていないと、ただ無期転換権の特例が定められただけということになるというふうに思います。したがいまして、それぞれの労働者の方の状況も守りながらということで定めることになったことでありますので、ここはしっかりとしていく必要があるというふうに認識しております。
  97. 山口和之

    ○山口和之君 そうしますと、今までの有期雇用者にそういった危惧されていたことがたくさん起きていたということになるんでしょうか。つまり、今、例えば育児休暇、介護休暇もありましたけれども、そういうことを含めて有期雇用の場合は不利になっている方が多かったというふうに考えてよろしいんでしょうか。
  98. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 今回、特例に際しまして、計画で雇用管理措置を特に定めると、ここの部分につきましては、むしろ今回、無期転換権の特例を設けるに際して更に必要なことということで書いたものでございます。  しかしながら、先ほど来議論がありましたように、現行の中で有期雇用の方の状況がどうかということにつきましては、それはこの法律とは関係なく、しっかりとこれはこれで対応しなきゃいけない問題であるというふうに認識しております。
  99. 山口和之

    ○山口和之君 恐らく過去の例で有期雇用に対する労働環境は余り良くないというふうな判断もどこかに入っているんだと思いますし、先ほど来、データをしっかり取っていく必要があるでしょうということも含めて考えていきますと、そこをしっかりしないと、まずこの法案について、賛成する、賛成しないというところでは大きな問題になってくると思います。  無期転換ルールの特例対象について、事業主が計画を作成して国が認定します。そして、その認定する要件が適切に雇用に反映されているかどうかということが危惧されるんですけれども、そこをどうやって確認していくのか、教えていただきたいと思います。
  100. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 最初の段階で事業主の方が作成しました計画につきましては厚生労働大臣が認定することになっております。  具体的に実施された後につきまして、法案の第十条によりまして、事業主が認定された計画に係る措置を十分に実施していないというような場合につきまして、厚生労働大臣が必要な指導、助言を行うという規定がございます。さらに、法案の第十一条でございますが、計画の認定を受けた事業主から必要な報告を求めることができるという規定もございます。  これらの規定も用いながら、しっかりと計画に定めた対応を事業主がしていることを確保していきたいというふうに考えております。
  101. 山口和之

    ○山口和之君 済みません、もう一度なんですけれども、どのように確認をするんでしょうか。しっかりと施行されているぞと、守ってやっているぞということをどうやって確認するのか、教えていただきたい。
  102. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) これは計画を厚生労働大臣が認定するわけでありますので、どこの事業場でこの措置がとられるかと、これは確認、確認というか、認識できるわけでございます。それらのところにつきまして施行後どういう状況かということにつきまして、先ほど申しました規定も用いながら、我々としてはしっかりとしたフォローアップをする、そういう中で対応していきたいというふうに考えているわけでございます。
  103. 山口和之

    ○山口和之君 出てきたもので認定をします。それは計画ですね、あくまでもこういうふうにしますよという。実際計画は出しているんだけれども、守られているかどうかを確認する作業はどのように行うんでしょうか。
  104. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 当然、当該労働者等の方から情報が入ったというふうな場合には、先ほど申しました規定を用いながら報告を求めるということになるというふうに思いますが、それ以外にも、新たにつくる制度でございますので、状況を見ながら、そういう情報がなくても、しっかりやれているかどうかのフォローアップについては検討してまいりたいというふうに考えております。
  105. 山口和之

    ○山口和之君 そうすると、守られていないですよという労働者の方からの報告があって、その後、確認をするということが今考えられることだということでしょうか。
  106. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 情報があった場合には、当然、先ほど申しました規定も用いながら必要な指導をするという、これは当然だと思いますが、それ以外にも、新たな対応でございますので、状況を把握するようなことについては考える必要があるというふうに認識しております。
  107. 山口和之

    ○山口和之君 是非しっかり確認できるようにしていただきたいのと、どうやって取り消すのかも含めて検討していただきたいなと思います。  もう一つ質問があるんですけれども、これ先ほど藤田委員の方から出て大臣がお答えになっているものですので、一つ飛ばさせていただいて、前回資料を出しました内閣府の高齢者の地域社会への参加に関する意識調査二〇〇八年において、我が国では、六十五歳以上も就労したいという方が七割、六十歳以上働きたいという人は九割です。就労の希望には生活のためという方が非常に多いんですけれども、それについてどう考えますか。大臣にお答えを願いたいと思います。
  108. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 日本の高齢者は就業意欲が高いというふうに言われておりまして、今先生御指摘の調査からも、多くの高齢者が働き続ける意欲を持っているということが読み取れるわけでございますし、国際的にも非常に高いというふうに思っております。  また、何の理由でということなんですが、六十から六十四歳までは生活のためというものがやはりどちらかというと多い。しかし、六十五から六十九になりますと、生活のためというのが大分減りまして、それに代わって、社会参加、生きがい、こういう理由で出る、あるいは健康にいいからと、働き続けた方がやっぱりリズムがあっていいんじゃないかと、こういうようなことで就業されるニーズが増加傾向にあるということで、そういうときに働く機会がちゃんと与えられるかどうかということはとっても大事なことだというふうに思っております。
  109. 山口和之

    ○山口和之君 時間なんですけれども、働くことが一番だという社会なのか、あるいはワーク・ライフ・バランスじゃないですけれども、人生の質というふうに考えていくと、お渡しした資料を見ていただくと、日本と韓国だけが突出して働いている人が多いわけで、ドイツ、フランス、イタリアなどを見ると、働いている方は非常に少ない。  働いていることが全てというような社会がいいのか、ライフ・ワーク・バランス、成熟した社会、豊かな国として、厚生労働省としてはいろいろそういうことを含めて考えていかないと、仕事を終わった瞬間何もすることがないですよという人生になってしまうと、そこをバランス良くトータルで考えていくことが厚生労働省に課せられている課題であろうかなというふうに思いますので、是非その辺も考慮に入れていただきたいなと思います。  以上です。
  110. 東徹

    ○東徹君 維新の党の東徹でございます。  まず、ちょっと質問に入る前に、昨日、大阪泉南アスベストの問題について、塩崎厚生労働大臣が大臣室で大阪泉南アスベストの原告団に対して直接謝罪をされたということで、誠意ある対応であったというふうに評価をさせていただいております。今後は和解が進んで解決できるように、是非ともお願いしたいと思います。  それでは、まず質問ですが、今回の有期雇用の前に一点ちょっと質問させていただきたいことがあります。それはインフルエンザの予防接種についてでありますが、これからまたインフルエンザが流行していく季節であるというふうにも思っておりますので、一点質問させていただきたいと思います。  予防接種についてなんですが、例えばですけれども、医療福祉系の専門学校でありますと、教育の一環、現場実習等で、病院とか高齢者施設に行くこと、必ず行かないといけないわけですけれども、学校としてインフルエンザの予防を徹底しなければならないということがあります。  巡回診療については、昭和三十七年六月二十日付けで当時の厚生省医務局長から通達が出されておりまして、その中では、予防接種も含めて巡回診療は、医療法上、原則として診療所の開設に該当するものというふうにされておりまして、その結果、専門学校でドクターの方に来てもらって予防接種を含む巡回診療ができないということになっております。  まず、この通達につきまして、巡回診療が医療法上、診療所の開設に当たると、こう解釈する理由について、まずお伺いしたいと思います。
  111. 二川一男

    ○政府参考人(二川一男君) 医療法上の扱いでございますけれども、医療法上、「「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所」とされておりまして、診療所を開設する場合は届出等の手続が必要でございます。これは、診療所を開設した場合には管理者を明確化し、当該診療所における診療体制の確保、衛生管理、医療従事者の管理等の責任を明確化するという趣旨でございます。  お尋ねの、学校や企業等で臨時的に予防接種を含む診療を行ういわゆる巡回診療の場合も、その一定の場所で公衆又は特定多数人を対象とする診療を行うということに該当するものでございますので、医療を受ける方の安全を確保するため、原則として診療所の届出を行っていただき、衛生管理等の責任を明確化するとしておるものでございます。  ただ、無医地区など巡回診療によらなければ住民の医療の確保あるいは健康診断の実施等が困難であると認められる場合には、診療所の開設届出ではなくて巡回診療の実施計画等の提出でよいというふうにしております。したがいまして、開設届を出していただくか、あるいは巡回診療の実施計画の提出をいただくか、いずれかを提出をしていただければそういった予防接種等ができるということでございまして、それぞれのケースに応じた適切な運用がなされるように関係自治体などに助言をしているところでございます。
  112. 東徹

    ○東徹君 これ、無医村とか離島とかそういうところだったら巡回診療ができますというふうな話であるんですけれども、これ、本当に医療福祉系の専門学校だったら特に、まあ専門学校だけではないと思いますし、大学、学校機関なんかは特にそうだと思うんですが、やはり現場実習に行くことによって病院の患者さんにインフルエンザをうつしてしまう場合もあるだろうし、インフルエンザがまた逆にかかってしまう、また国家試験もある、そういった中でやはり徹底させたい。その中で診療所を開設しないといけないというのは、ちょっとこれ無理があるんじゃないのかなというふうに思っております。  是非これ、学校だけではなくて企業でもやっぱりインフルエンザの予防接種というものを徹底していく企業もあるというふうに聞いておりますので、是非とも学校や企業でも予防接種を含む巡回診療を認めるべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
  113. 二川一男

    ○政府参考人(二川一男君) 繰り返しとなりますけれども、巡回診療におきましても、その一定の場所で公衆又は特定多数人を対象とする診療を行うと、こういったものでございますので、医療を受ける方の安全を確保するためにも、原則として診療所の届出を行っていただき、衛生管理等の責任を明確化することは必要だと考えております。  ただ、その届出をするか巡回診療の提出をするか、いずれか、どちらの場合に該当するのかということにつきましてはそれぞれ地域のケースに応じて行っていただくものでございまして、私ども、関係自治体などに適切な助言をしているところでございます。
  114. 東徹

    ○東徹君 これは今までは専門学校でやっていたそうなんです。で、市の方から、いや、やっては駄目ですよと、これはこの通達があるのでできませんよというふうなことを言われてできなくなったということで、これ非常に、このインフルエンザの予防を、これだけインフルエンザ、予防、予防と言われておる中で、それを後退させるような制度でありますので、ここは、この通達、是非改正をしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、今回の専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案について質問をさせていただきます。  まず、今回の法案ですけれども、今回の法案が本当に企業のグローバル化が進展する中で産業の競争力を高めていくことに寄与していくということであれば、これは必要であるというふうに考えておるわけですけれども、あわせて、また、今回の法案によって高齢者雇用が進んでいくというのであれば、これも必要であるというふうに考えておるわけでございますが。  そこで、本年六月四日の衆議院厚生労働委員会で中野政府参考人は、無期転換権が発生しないような形態であれば雇用機会が広がることもあり得るというふうに答弁をされております。雇用機会の広がりを本法案を成立させるメリットとして述べられておるわけでありますけれども、どの程度の広がりがあり、それが我が国にとってどのような利益をもたらすというふうに考えているのか、まず見解をお伺いしたいと思います。
  115. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、二つのグループがこの対象になるわけでありますが、まず、高度専門職の対象者数でありますけれども、もちろん現時点でどのくらいの人数が増えるのかというのを見通すのはなかなかこれ難しいと思っておりますが、何度か御紹介申し上げておりますけれども、高度技能活用型の有期雇用労働者で年収一千万円以上の人数というのは一万一千人弱だと、こう言われているわけでございまして、なおかつそれに五年超のプロジェクトに従事する者が特例の対象になり得るというのが今回の法律の立て付けでございます。  企業へのヒアリングを通じて具体的なニーズも確認されるとともに、大手企業へのアンケート結果によりますと、二五%を超える企業が特例を活用する余地があると回答をしてきているところでございます。どういうところがあるかというのは、もう既にいろいろ先端的なところで、特に海外絡みのいろいろな特殊能力をお持ちの方々、あるいはライフサイエンスなどで専門分野でいろんな技術、能力を持っていらっしゃる方々などが主に対象になるのであろうと思うので、働く側も雇用する側もお互いに、まあ言ってみれば、考えが一致するという形で増えていくのかなと。  それともう一つは高齢者でありますけれども、高年齢者雇用状況報告、これによりますと、定年後、引き続き六年以上雇用できる制度を既に導入している企業というのは八・六%でございます。これらの企業で過去一年間に定年に到達し継続雇用された方々、今の会社の数でいきますと一万二千二百四十七社というのが八・六%なんですが、その中で継続雇用された定年に達した方は三万八百十一人に上っております。  これが一つの目安ではありますけれども、いずれにしても、高度専門職の多様な能力の発揮とか、あるいは継続雇用される高齢者の雇い止めの防止というのが期待をされて、競争力の強化あるいは活力ある社会の実現に寄与できるのではないかというふうに思っております。
  116. 東徹

    ○東徹君 私は、今塩崎大臣がそのように御答弁されましたけれども、この法案が仮に施行されたとして、実際に、そういった産業の競争力に寄与してきたとか、高齢者雇用というものがどんどんどんどんと進んできたとか、こういったことが検証できるような仕組みになっているのかどうか、その検証がすごく大事であるというふうに考えておりまして、この法案が成立した後、きちっとそういった検証をしていくことを考えているのかどうか、お聞きしたいと思います。また、考えているんだったら、どのようにやっていくのか、そこも併せてお聞かせいただければと思います。
  117. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今のこの法案の効果とかあるいはインパクトの大きさということなんだろうと思うんですけれども、それを検証をどうするのかということでありますが、この特例措置については、事業主が策定した計画について、先ほど来お話に出ている基本方針というのを厚労大臣が作るわけでありますけれども、それに沿ったものとして認定されて効力が初めて生じるということで、法案が成立して施行されると、計画の申請そして認定、この状況について随時把握ができるようになると。これを踏まえて、どの程度の企業において特例が利用されていくかなどの状況把握あるいは検証、今後の労働政策の検討に生かすべく、できる限りこの把握、検証をしていきたいというふうに思っております。
  118. 東徹

    ○東徹君 特別措置法という形で今回やるわけですから、是非、この検証をやっていくことが非常に大事だというふうに思っておりますので、そういった評価の仕組みを検討していただきたいというふうに思います。  続きまして、ちょっと時間の関係もありますので一つ飛ばさせていただきまして、高度専門職の年収要件のことについてお伺いさせていただきたいと思います。  高度専門職につきましては、その対象を事業者と対等に交渉できる者に限定するため、一つの指標として年収要件を定めておるということでありますけれども、これにつきましては何度も議論がありましたが、労働政策審議会、労政審の建議では、労働基準法十四条の専門的知識等を有する労働者の範囲を定める大臣告示の中にある年収要件を、一千七十五万円を参考にすることが適当というふうなことにされております。  一方で、先日の参考人質疑でもありましたが、労政審における使用者側の代表である経団連の鈴木参考人からは、使用者側の意見として、一千七十五万円を参考にしながらも、一千七十五万円とする根拠の確認が必要であり、また、労働基準法十四条の大臣告示の中には年収要件を課せられていない業務もあることを勘案していきたいというふうなことを述べておられました。  鈴木参考人の意見からすれば、厚生労働委員会で年収要件を一千七十五万円以上であることが半ば前提として議論をしておっても、その前提が変わる可能性もあるのかなというふうに思われるわけでありますが、そこで、この高度専門職に関する年収要件を一千七十五万円以上とすることの妥当性についてお伺いをしたいと思います。
  119. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 確かに、労働基準法十四条の方の特例につきましては年収要件のあるものとないものがございます。ただ、今回の特例につきましては、提案する際の議論の過程の中で、全体として、一定の交渉力がある労働者に限るというための一つの手法として年収要件が必要だろうと、全体として必要だろうと、こういう議論になったところでございます。  その際の参考としまして、趣旨は違いますが、労働基準法の十四条にあります千七十五万円をベースにということは、私どもとしては、労使それぞれの思いの中ではありますけれども、最終的にはこれを参考にするということで、建議の段階ではある程度労使の考え方が整理されているというふうに思っています。  この額自体の適正性ということでありますが、やはりそれなりの高い水準ということは必要だというふうに思っておりますが、常時雇用される一般の労働者の平均年収が四百七十四万円であるというようなことでありますとか、あるいは有期雇用労働者全体に占める高度技能活用型の有期労働者、そのうちの年収一千万円以上の方の比率、これ二・一%でございます。そういった全体の状況を見ればそれなりの高い水準ではないかというふうには思いますが、いずれにしても、これらの経緯を踏まえながら労政審の中で最終的に労使で御議論いただきたいと、いただいた上で決めたいというふうに思っております。
  120. 東徹

    ○東徹君 最後は労政審で決めたいといういつものお答えになるわけですけれども、ちょっと時間がないので、続けて質問させていただきます。  高齢者の雇用促進についてでありますが、少子高齢化の進む我が国におきましては、高齢者にも社会保障制度を支える役割を担っていただく上で非常に重要だというふうに考えております。  安倍内閣は、日本再興戦略改訂二〇一四年の中で、高齢者の活躍促進に向けた環境を整備することというふうにしておりまして、具体的な目標として、六十歳から六十四歳の就業率を二〇一二年の五八%から二〇二〇年には六五%へ引き上げるというふうなことをしております。そして、その具体的な対策として、この特措法によって無期転換ルールの特例を設けることを掲げておりますが、これで対策として十分なのか、十分でないならばほかにどのような対策を講じていくのか、見解をお伺いしたいと思います。
  121. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) 御指摘のとおり、高齢者の雇用確保は極めて重要な課題であると認識しております。  そこで、厚労省といたしましても、高年齢者雇用安定法に基づく六十五歳までの雇用確保措置の履行確保を図るために、しっかりハローワークによる個別企業に対する指導をしてまいりますし、高年齢者の新たな雇入れや高年齢者の雇用環境の整備を行う事業主に対する助成を行います。また、ハローワークにおける高齢者の就労支援、こういったものに取り組んできたところでありまして、引き続きこの高齢者の雇用確保には全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  122. 東徹

    ○東徹君 是非とも高齢者の雇用促進に向けて取り組んでいただきたいと思います。  先日の参考人質疑で、新谷参考人からは、高年齢者雇用安定法の適用になるのは全労働者の七割を占める無期雇用の方で、残りの約三割の有期雇用で六十歳を迎える方には適用されないため、このような方の雇用を六十五歳までつないでいく手当てをしなければならないという趣旨の意見を述べておられました。我が国では年金の支給開始年齢が六十五歳まで段階的に引き上げられていくというところでありまして、六十五歳までの生活資金の確保の観点も非常にここは大事になってくるというふうに思います。  新谷参考人の言う手当てを行うことは非常に重要でありますが、厚生労働省としてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  123. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) 御指摘のとおり、高年齢者雇用安定法に基づく雇用確保措置の対象とならないような有期雇用労働者につきましても、安心して老後働き続けられることができるような雇用の安定措置が必要だと考えております。  そうした中で、先ほども申し上げましたけれども、高年齢者の雇用環境の整備を行う事業主への支援、これしっかりやらせていただきたいと思いますし、また、高齢者が働きやすい職場づくりに向けた事業主への相談とか援助、こういったこともしっかり取り組ませていただきまして、六十五歳以上の雇用継続というものを促進してまいりたいと考えております。
  124. 東徹

    ○東徹君 是非ともちょっと具体的な対応策を御検討いただきたいというふうに思います。  最後に、今回の法案については施行が二十七年の四月ということでありまして、既に半年を切っているわけでありまして、先日もちょっとお聞きしましたが、少なくとも各県で説明会を開催するという答弁でありましたが、説明会の開催以外にどのような、周知方法も含めてどのように周知していくのか、具体的にお伺いしたいと思います。
  125. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 先日答弁いたしましたように、各労働局では必ず説明会は開催いたしますが、それ以外にも、労使団体等を通じましての周知でありますとか、あるいはホームページやメールマガジン等もありますので、そういったものを含めて周知をしっかりやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
  126. 東徹

    ○東徹君 時間になりましたので、終わらせていただきます。
  127. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 午後四時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後四時開会
  128. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案を議題といたします。  この際、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
  129. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 午前中、石橋議員から、特定有期業務の期間中の雇い止めについての御質問がありました。その際、十分明確にお答えできず、貴重な質疑時間をこのやり取りに費やすことになったことをおわびを申し上げますとともに、改めてお答えを申し上げたいと思います。  専門的知識等を有する有期雇用労働者については、特定有期業務の期間中の雇用の安定や労働契約法第十九条の趣旨も踏まえて、合理的な理由のない雇い止めを回避することが望ましい旨、認定事業主に対し周知徹底してまいります。
  130. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  131. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  泉南アスベストの原告団と会っていただいたことはよかったというふうに思います。これ出発点ですから、あくまで。これは補償のために全力を挙げていただきたいというふうに思います。  今の大臣の発言を受けてお聞きしたいと思うんですが、先ほど議論もあったように、無期転換権を奪われながら有期で働いたら今度は雇い止め、こういうのは絶対に本来はあってはならない話だと私は思うんですね。  局長にお伺いしますけれども、今回の専門的知識等を有する有期雇用労働者については、これは五年を超える一定の期間の事業における契約になるわけですから、労働契約法第十九条で言う雇用契約更新の期待権はより高まることになるし、やっぱりこれ本来は認められるべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
  132. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 労働契約法第十九条におきましては、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されると期待されることについて合理的な理由があると認められるもの等については使用者が雇い止めすること、これにつきまして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときということで、そうした雇い止めが民事上認められないということになっております。  今回の特例につきまして、無期転換申込権発生までの期間を書面で明示するということでございますが、これは無期転換申込権の発生の期間ということでございますので、これをもって直ちに期待が合理的であるというところまではいかないわけでありますが、先生おっしゃいますように、全体の状況の中でそのことも含めて考慮する、勘案する一つの要素になっていくというふうに考えております。その上で、全体として、最終的には司法判断ということになるわけでありますが、私どもとしましても、労働契約法十九条がしっかり守られるということは非常に重要だというふうに考えております。  したがいまして、大臣から今申し上げましたとおり、専門的知識等を有する有期雇用労働者につきまして、特定有期業務の期間中の雇用の安定、あるいは労働契約法第十九条の趣旨も踏まえまして、合理的な理由のない雇い止めを回避するということが望ましいということを認定事業主に対してしっかりと周知して対応してまいりたいと、こういうふうに考えております。
  133. 小池晃

    ○小池晃君 これはしっかりそういう趣旨なんだということをくれぐれも、労働行政の上でもやはりしっかり据えるべきだということを重ねて申し上げたいと思います。  定年後引き続き雇用される労働者の問題について聞きますが、そもそもこの項目は労政審で使用者側から突然出てきたもので、前回の委員会でメリットを聞かれて、基準局長は、無期に転換するとなると労使それぞれいろんな問題を生じる場合もあると。これでは分からないわけで、一体いろんな問題というのは何ですかと。無期転換権を剥奪してどんな定年後の労働者にメリットがあるのか、私には全く分からないので説明してほしい。
  134. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 前回、いろいろな問題という言い方をしてしまいましたが、具体的に使用者側から出た問題意識につきましては、六十歳で定年を迎えられる、その方を有期雇用で継続雇用していくといった場合に、五年を超えた場合には無期転換になるとした場合には、六十五歳までは高齢法に基づきまして継続雇用の義務があるわけでございますが、その時点で無期転換を避けるために雇い止めせざるを得なくなるという可能性があるんだというような問題意識を経営側が言ったわけです。  そういうことをその審議会の中で議論してほしいということがありまして、それを前提に労使で議論した結果、雇用継続を望む労働者の方、あるいは労働者の能力を継続的に発揮を望む使用者の双方のいろんな議論の中で、両方にとってそういう場合につきましては特例を設けるということが必要ではないかと、こういう結論になったということでございます。
  135. 小池晃

    ○小池晃君 無期転換を認めちゃったら雇用がしにくくなるという使用者側の言い分を認めちゃったら、これは労働行政敗北だと私は思うんですよね。しかも大臣は、都合がいい人もいると先ほど言ったけれども、これは権利なわけですから、あくまでも。義務じゃないわけですから。だから、無期転換申込権を付与されても全て申し込むとは限りませんし、いろんな事情があって退職することだってもちろんあるわけで、やっぱり逆に一律に定年六十歳超えというところで権利を奪ってしまうということがあっていいのかと。これはやっぱり事実上の年齢差別になるんじゃないかというふうに私は思うんですね。  それから、現実に正社員だといっても、結局リストラとか違法な退職勧奨が今広がっていますから、定年までなかなか働けないわけです。先ほどもあったように、たとえ定年にたどり着いても、一〇〇%の継続雇用にはなっておりません。これは義務化されたはずの定年後の雇用確保制度、いまだに七・七%、実数で一万一千を超える会社で行われてないわけで、希望しても再雇用されない労働者も年間四千四百三十一人もおられます。  私は、定年後の雇用確保を義務化するというなら、まずやっぱりこれを解決すべきなんではないか。希望者が六十五歳まで働くことができる継続雇用制度というのは、これは年金受給開始年齢を先送りしたことに伴う措置なわけですから、これは本来一〇〇%が当然なわけで、どうやって一〇〇%にするのか。厚労省としてはそこはどう考えているんですか。
  136. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) 委員御指摘のとおり、企業における高齢者雇用確保措置の実施状況につきましては、昨年六月一日現在で九二・三%となってございます。これにつきましては、希望者全員につきまして六十五歳までの雇用確保措置の実施を企業に義務付けた高齢者雇用安定法の改正が施行された直後ということもございまして、就業規則の改定等が間に合わなかったという原因があるんじゃないかというふうに考えてございます。  この問題につきましては、やっぱり一〇〇%の実施を目指す必要が当然あるというふうに思っておりまして、確保措置未実施企業に対しましては、改正高齢者雇用安定法に基づきます指導に従わない場合については、最終的には企業名公表の措置もあるということを念頭に置きながら、原則、全ての未実施企業に対して個別訪問指導を実施するなどして強力に指導していきたいと考えてございます。
  137. 小池晃

    ○小池晃君 企業名公表をやっていただきたいと思いますよ、これ本当に。しかし、やっぱりこういったことを解決することこそ私は先決課題だというふうに言いたいわけであります。  定年後働く理由については、前回の委員会でも、やっぱり生活の糧を得るためだと答えている方が本当に多いわけですね。定年後も働かないと家計は厳しい。そして多くの方は、定年前の企業に再雇用されても大幅賃金ダウンの上、有期雇用なわけですよ。実際にはいつ雇い止めになるか分からないという状況になっている、これが最大の問題です。  昨年の調査では、定年制廃止、それから六十五歳以上を定年制にしている企業は全体で一七・三%、中小企業では一八・六%まで来ています。私、エージレスな社会というのであれば、大臣、少なくとも継続雇用制度を、これを一〇〇%徹底するとともに、特に大企業を中心に六十五歳までの定年制の延長、これが最大の担保になるはずだと。希望者がやっぱり六十五歳まで働くことができる定年延長制広げていく、このことが急がれるんじゃないかと思いますが、大臣はいかがですか。
  138. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今、継続雇用制度について、本来一〇〇%であるべきだということを先生御指摘になられまして、私どもの方としてもできる限りそれを慫慂していくということが大事だというふうにまず思っていますが。  定年の問題は、先生先ほどちょっとおっしゃったんですけれども、米国のように年齢差別禁止法みたいなものがあって定年そのものがないという国もあるわけですけれども、我が国においては、定年の引上げということがずっと議論になってきて、取りあえず継続雇用制度ということで、こういう形で今来ているわけですけれども。  その引上げについて、一つは、現在六十歳の定年制が広く定着をして機能していて、企業の労務管理上の大きな影響を、仮に引き上げると及ぼすということ、それから、六十歳以降は働き方や暮らし方に対する働く側のニーズがこれまた多様であるということもあって、直ちに六十五歳に引き上げるということはなかなか難しいのかなというふうに考えております。この点については、雇用と年金の接続ということが課題になった高年齢者雇用安定法の平成二十四年の改正時の労政審の議論においても議論がかなり深められたところでありまして、労使の合意の下に現行の制度が導入されたということだと思っています。  一方で、御指摘のように、雇用と年金の接続というのが非常に大事でもありますし、この間の財政検証においてもいろいろなケースを出し、またオプション試算まで出しているわけでありまして、そういう意味では、六十五歳までの雇用確保が重要であると我々も考えているわけでありまして、六十五歳までは原則として契約が更新されるべきとの高年齢者雇用安定法の趣旨を没却することがないように、ハローワークにおける助言、指導等を更に徹底してまいりたいと思います。
  139. 小池晃

    ○小池晃君 年金と接続していないわけだから、実態は、だからそこをつなげるためにいろんな知恵を出すべきだし、私は、やっぱり定年制を拡張していくということを真剣に考えるべきだと。  今回のやはり特例は、六十五歳までの安定した雇用の確保も、それ以降にきちっと安定した仕事に就くことの希望も、その保証も見出せないわけで、やっぱり労働者に付与したばかりの権限に穴を空けるということは私は許されないということを改めて申し上げたいと思います。  それから、雇用に関連して、雇用創出基金事業を活用した事業の問題について聞きます。  DIOジャパンという企業が、二〇一二年から同基金事業で一年間コールセンター業務の訓練を行いました。研修が終わった後はそのまま同社の一〇〇%子会社コールセンターでの安定した雇用につなぐといって、青森から、東北地方を中心に石垣島まで十県十九事業を受託した。使われた基金の総額は四十二億円に上ります。  ところが、研修を受けてコールセンターの社員として安定した雇用になるはずだったのに、一年間の研修期間の終了後に次々と子会社の事業所が営業不振で閉鎖されています。結局、この九月までに全ての事業所が閉鎖、譲渡となって、二千人に及ぶ人たちが離職を余儀なくされて、昨年末からは未払賃金問題も発生しています。また同社は、秋田、宮城、福島などから研修中の労働者を東京本社に送って、そこから福岡の楽天銀行などへ派遣労働させていたことも明らかになっています。高額リースや無償譲渡の形を取った不正な基金使用は、岩手県議会で今大問題になっています。  日本共産党は、現場の労働者とともに、未払賃金の事態が発覚した今年初めから繰り返し厚労省に問題解明と早期解決を求めてまいりました。  大臣、これは厚労省の雇用創出基金事業で多額の国費を投入しながら、大量の離職者と賃金未払というかつてない規模の被害を生んだわけで、あってはならないことだと私は思います。自治体の責任だけにはできない問題です。  大臣は、このDIOジャパンの事態をどう受け止めているか、なぜ一年近くたっても解明、解決ができないのか、お聞きします。
  140. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございましたDIOジャパン及びその関連子会社において、緊急雇用創出事業、これはリーマン・ショックの直後にスタートしたものでございますけれども、後の安定した雇用がうまくいっておらず、多くの離職者が発生し、また、今御指摘のように賃金不払が生じた。これは大変遺憾であり、問題だというふうに思っています。  今回の事案で離職を余儀なくされた方に対しましては、関係県及び市町村には労働局と連携をして必要な支援をするように指導しておりまして、引き続きしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
  141. 小池晃

    ○小池晃君 厚労省としての責任はどう考えていますか。
  142. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) 今回の事案につきましては、基金事業ということで、雇用創出を一時的にするという事業の活用後にDIOジャパン、それから関連会社から離職者が生じたという案件でございます。  これにつきましても非常に問題だと私どもも思っておりまして、今年の六月には各都道府県宛てに雇用継続に向けた努力をするように指示をいたしまして、それから、労働局の職業安定部長宛てに今年の八月には大量離職発生時の再就職支援の指示もいたしまして、雇用が確保できるようにという対応をいたしております。それから、基金事業、派遣事業を指導監督する立場としまして、都道府県労働局を通じた派遣事業に関する必要な指導も行ってございます。  これらを踏まえまして、適切かつ厳正な対応をしてまいりたいと考えてございます。
  143. 小池晃

    ○小池晃君 厚労省の責任があるからやっぱりそういう対応をしたということでしょう。これは明らかにやっぱりそういう問題だと思うんです。  今いろいろ対応しているとおっしゃるけれども、例えば宮城登米の株式会社東北創造ステーション、ここが八月にほぼ全員が解雇されて、九月に閉鎖しました。労働者は若い女性中心です。七十二名が労働組合を結成して、DIOジャパンと国、自治体に今解決を求めています。組合の委員長さんはこう言っています。仕事は順調で、利益も上がって、ようやくずっと働けるところに入れたと、ところが今年六月から突然賃金が未払になった、ここは被災地で元々求人が少なくて、若い女性が働ける仕事は本当に限られる、百名もの仕事が一度になくなるのは大変な問題だと、こうおっしゃっているんですね。  登米の労働者は、立替払制度は賃金の八〇%までしかない、何で満額もらえないのかと。これ、国の基金事業でやっている、国の事業だから安心ですよと言われて勤めたというんですよ。それなのにこういう事態になっている。  私は仕組みは知っていますよ。まあちょっと聞くと仕組みをいろいろ言うと思うけれども、仕組みは分かります。しかし、やっぱりこの事態の特殊性からいっても、特別な対応を、満額きちっと未払賃金払わせる、厚労省の責任でそういう仕事すべきじゃないですか。いかがですか。
  144. 生田正之

    ○政府参考人(生田正之君) まず、未払賃金の支払につきましては、当然、労働基準関係法令違反ということでございますので、厳しく対応していくということでございますけれども、未払賃金の立替払事業につきましては、緊急雇用創出事業の終了後に継続して雇用されていた段階での賃金未払あるいは解雇でございますので、公的な事業により失業した、要するに、公的な事業を実施中に失業したというふうには整理できないということもございますので、この事案の失業者のみに賃金の全額補償をする、立替払で全額補償するということにつきましては非常に困難だと思っております。  一方で、この事業の終了後に安定した雇用がかなわない人につきましてはきちんと支援しないといけないということでございますので、労働局、県、市町村が連携いたしまして必要な再就職支援をするということで、こういうことについて徹底してまいりたいと考えてございます。
  145. 小池晃

    ○小池晃君 この事態に、DIOジャパンの本門のり子社長というのは、公式には姿を見せないで、代理人が倒産手続を取る作業をしているとか、社長はスポンサー探ししているとか、支離滅裂な対応をしています。  塩崎大臣、愛媛一区選出です。DIOジャパンの本社は、これは松山に本店がある。愛媛でも著名な本門社長とは大臣も面識があるんじゃないですか。所管省庁の大臣として、これは本門社長に厳しく対決すべきじゃないですか。いかがですか。
  146. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) この方のお名前は今日、今日というか、今回、先生からの御質問をいただいて初めて知りました。
  147. 小池晃

    ○小池晃君 そんな、だって、愛媛で有名な人ですよ。自民党の、名前は言いませんけれども、別の参議院議員はブログにちゃんと、何か祝賀会に出たとブログに書いておられる方いますよ。これは私は、御存じないって、かえって問題じゃないですか、これ。ちょっと疑問です。疑問ですが、しかし、私、これは厚労省の長としてきちっと対応していただきたいというふうに申し上げたいというふうに思います。  大臣の個人的な問題に関わってちょっと聞きたいことがあるんですが、株式所有されていますね。大臣が所有している数ある株式の中で、時価総額、最も多い銘柄は一体何でしょうか。
  148. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 時価総額などを計算をしたこともないので、全く分かりません。
  149. 小池晃

    ○小池晃君 株のことはちゃんと調べておくようにというふうに質問通告はしているんですが。  先日の資産公開を見ますと、武田薬品工業株を三千六百三十株保有されています。先ほど調べましたら、株価は四千六百三十円です。時価総額では千六百八十万円です。武田薬品というのは、この委員会で何度も問題になってきた企業です。高血圧薬ブロプレス、臨床試験データ改ざん問題ですね。それから、武田薬品会長は御存じ長谷川閑史さん、残業代ゼロ法案を提案をされた。  大臣、厚生行政にも労働行政にも深く関わる企業の株を時価総額で千七百万円近く保有しているんですよ。これ今、宮沢大臣の東電株、問題になっていますけれども、大臣のこの武田薬品株の保有だって利益相反ですよ。重大な問題だという認識はございませんか。国民から疑念を招くんじゃないかということはお考えになりませんか。
  150. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) これは衆議院の厚労委員会では申し上げたところでありますけれども、私はなぜ株式をこのような形で、株数はそう多くないわけでありますけれども、割合たくさん持っているかといいますと、実は私の母の父、私のおじいちゃんですよね、が証券会社を地方で設立したものでありまして、実は私の小学校ぐらいからずっと生前贈与などを受けてきたのがほとんどの私の株の所有でございます。  したがって、私が自分で選んで買ったことは、一回だけ日銀に入って株を買えば毎日株式欄を見るので勉強になるから買えと上司に言われて一銘柄だけ最低単位買ったときがありましたけれども、それももうはるか昔に売ったというふうに思いますので、武田を、自ら今政治家として何か買ったというなら別ですけれども、そういうことでは全くないので、そういう問題には当たらないと思います。  そもそも貯蓄から投資へというふうに言っているときに株式を持つことは、何らそれ自体はおかしいことではなくて、意図的に買ったり売ったりするようなことはそれはおかしいと思いますけれども、それを持っているだけで問題だというのは少し違うのではないかなというふうに思います。
  151. 小池晃

    ○小池晃君 利益相反なんですよ、やっぱりこれは。やっぱりどういう株を持っているかというのは重大な問題で、買ったから、自分が買ったからどうこうという問題じゃない。そんな身の上話をされても、それは何の言い訳にもならぬ。やっぱり厚生労働大臣の任を受けるべきでなかったんではないかと私は思うし、やっぱり年金積立金を、それを株式運用するということを一生懸命これからやろうとしている。この問題はまたの機会にちょっと取り上げたいと思います。  終わります。
  152. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  専門的知識を有する有期雇用労働者に関する特別措置法についてなんですが、先ほど大臣が発言をされました。私は、そもそもプロジェクトチームとして八年、九年というふうに決まっているのであれば、仮に半年、一年の有期契約の更新を繰り返したとしても、期待権として自分は八年このプロジェクトをやるんだ、九年プロジェクトをやるんだというふうに思っていると思うんですね。  大臣、この期待権、プロジェクトの期間中は少なくとも雇い止めされないという期待権がある、そういう理解でよろしいですか。
  153. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど冒頭に発言申し上げたように、労働契約法第十九条の趣旨を踏まえて、合理的な理由のない雇い止めを回避することが望ましい旨認定事業主に対して周知徹底してまいりますということで、無期転換の特例をつくるという中で、このプロジェクトの存在の中で期間を設定する契約について、やはりこの十九条の趣旨はしっかり踏まえて、雇い止めを合理的な理由がないままに行われるようなことは、これは回避することが望ましいということは厚労省としてもしっかりとやっていかなきゃいけないなというふうに思っています。
  154. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、ちょっと違うんですよ。労契法十九条は、雇い止めをする場合には合理的理由がなければならないと書いてあるんです。それはそのとおりです。  しかし、私が言いたいことは、このプロジェクトチームでほかの労働者とは違う、無期転換権が剥奪されているわけだから、通常の雇い止めとは違って、そのプロジェクトの期間内は少なくとも雇い止めはない、仮に反復継続していたとしても、そのプロジェクトの期間中は雇い止めは基本的にないという期待権を持っているんじゃないかということなんです。  つまり、聞きたいのは、十九条よりもより保障されているんじゃないですかということなんです。だって、ほかの人は無期転換権を持っているんですよ。この人たちは持っていないんですよ、剥奪されるんですよ。だとしたら、十九条を超えて、というか、言っている論点がちょっと違うんです。十九条より重いんじゃないか。プロジェクトの期間中は、その間は雇い止めが起きないという期待権を持っているという理解でよろしいかということなんです。  いや、違う、大臣。ごめんなさい、岡崎さん、結構です。大臣、お願いします。
  155. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 十九条の中でどう判断するか。確かに、先ほども答弁いたしましたように、こういうプロジェクトでありますので、そういう状況であることも含めて全体として判断されるということでありますが、一義的に必ずそうなるということではないというふうに理解しているということであります。
  156. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 だったら踏んだり蹴ったりじゃないですか。だって、みんなは無期転換権を持っているんですよ、五年働いたら。この人たちはあらかじめ無期転換権を剥奪されるんですよ、法律によって、国会によって、厚生労働省によって剥奪されるんですよ。で、ほかのと一緒で一義的に言えないといったら、踏んだり蹴ったりじゃないですか。どうですか。
  157. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 法律の中では、こういうプロジェクト形式の場合に、五年を超えた場合でも十年の範囲内でということと、そのために必要な雇用管理をしていただくということで計画を策定すると、そういう中で今回の無期転換権の特例を認めたということであります。  ただ、全体としてそういう中で十九条をどう判断していくかと。それは最後は個別の状況に基づいてということでありますが、そういう状況であるということも含めて判断されるというのは、それはそれでまた当然のことと思いますし、そういう中で、特定有期業務の期間中の雇用の安定や労働契約法十九条の趣旨をも踏まえた対応はしっかりさせていただきたいと、こういうふうに思っているということでございます。
  158. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、根本的に駄目ですよ。だって、無期転換権は剥奪されて、でも私は九年のプロジェクトだと思って、無期転換権剥奪されて、五年と半年で、あなた悪いけれども雇い止めと言われたら、たまらないじゃないですか。  少なくともプロジェクトチームの期間中は雇い止めは基本的に起きない。じゃ、これでよろしいですか。
  159. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 再度の答弁になりますが、私どもとしては、特定有期期間中の雇用の安定ということは重要だというふうに思っていますし、そういう中で労働契約法第十九条の趣旨をも踏まえた合理的な理由のない雇い止め、これは回避するというのが必要だというふうに思っていますので、そういう対応をさせていただきたいと考えております。
  160. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 最後の答弁にならないですよ。  十九条は合理的でない雇い止めは駄目と言っているわけでしょう。今回はそれとは違ってまた例外を認めるわけだから、せめてプロジェクトの期間中は雇い止めは基本的にないということをしなければ全然守られないじゃないですか。だって、解雇はできるんですよ。その人の勤務態度が悪いとか、無断欠勤、無断遅刻とか、解雇理由に当たれば解雇できるわけで、その人は五年たっても無期転換権を剥奪されている、法律によって。にもかかわらず、十九条の解釈ですといったら何にもいいことないじゃないですか。
  161. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 剥奪されるというか、五年ではなくて、プロジェクトの期間の範囲内で十年以内ということで、無期転換権はそこの段階で発生する、これが法律の特例だというふうに思います。  そういう中で、必要な計画による雇用管理措置ということがある中で法律を提案しているということと、それから、再三申し上げますが、やはりそれは特定有期業務という中での雇用でありますので、その期間中の雇用の安定そのものについては非常に重要な要素だというふうにも考えているということも大臣からも答弁したとおりでございます。  ただ、そういう中で、期待権がこういう方について必ず一義的に生じるかということについては、そこはそうではないけれども、私どもとしては、合理的な理由のない雇い止めを回避する、こういうことが望ましいということでしっかりと周知、指導をしていきたいと、こういうふうに考えているということでございます。
  162. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、言質を取りたいので。このままでは大変なことになるので。  無期転換権が剥奪されているわけだから、通常の無期転換を持っている有期契約の雇い止めとは違って、より保護される、より期待権が大きいという理解でよろしいか。
  163. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 無期転換権がというよりは、そういうプロジェクトに雇用されるということもあるわけでありますので、そういう中で、再三申し上げますが、特定有期業務の期間中の雇用安定ということは当然一つの要素だというふうに考えておりますし、そういうことを含めて最終的な判断がされるということであります。  ただ、再三申し上げますが、そういうプロジェクトで有期雇用されるということでありますので、当然、そういう個別の状況にもよりますが、期待される場合が多いということは確かにおっしゃるとおりだというふうに思います。
  164. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 二〇一二年七月二十五日の衆議院厚生労働委員会で西村厚生労働副大臣は、有期契約労働者が、無期転換の申込権が発生する契約の締結以前に申込権を放棄することを認めることは、労使の交渉力の格差を背景として、使用者が事実上、権利の放棄を強要する状況を招きかねず、新設される労働契約法十八条の無期転換ルールの趣旨を没却するものとなる問題がある、このため、無期転換の申込権を事前に放棄する旨の労働者の意思表示は、公序良俗に反し、無効であると答弁をしています。  個別に放棄することは公序良俗に反し無効であれば、法律によって剥奪することも公序良俗に反し、無効ではないですか。
  165. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 法律で定めたルールの中で事前放棄を強要するということは公序良俗に反するということであります。  今回は、法律で新たに枠組みをつくるということでありますから、その法律に従ったということが公序良俗に反するということにはならないんではないかというふうに考えております。
  166. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 個別に剥奪したら公序良俗に反して、一括して奪ったら公序良俗に反しないということではないですよ。そもそも、この法律が公序良俗に反するんですよ。  お聞きします。  経団連の人は、年収が高ければ交渉力が高まると言いました。これはホワイトカラーエグゼンプションの考え方にも共通するんですが、私には分かりません。年収が一千万だったら、というか、年収が高ければ何で交渉力が高くなるんですか。
  167. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 年収につきましては、その労働者の職業能力を判断した上で年収が決まってくるということだろうというふうに思っております。  そういう中で、それなりに高い年収の方については、低い方に比べれば交渉力があるということであろうというふうに思いますし、そういう議論の中で、あの審議会の建議でも年収を一つの要件にするということになったというふうに理解しております。
  168. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 説明になってないですよ。年収が高ければ交渉力が高まるなんということは、労働法の考え方からはあり得ないですよ。何で年収が少し高いと交渉力が高まるんですか。全くこれは分からないです。年収が高い人は交渉力が高まるんだったら、労働法なんか要らないですよ。みんな一律に強行規定できちっと規制しているのが労働法じゃないですか。年収が高ければ交渉力が高くなるなんて、あり得ないですよ。  そもそも、この法律の射程距離というか立法理由が分からないんですね。オリンピックが二〇二〇年あるまでのオリンピックの選手という言われ方がされたり、いや、プロジェクトチームで二〇二〇年までのプロジェクトチームと言われたり、この間の経団連の参考人は、新規事業立ち上げの研究者、技術者、大型資源プロジェクトを受注した際の専門家、インフラ金融に関わるファンドマネジャー、海外の特定の国や地域の知見を持つ専門家という方々がなるとなっているんですが、一体誰を対象にしているのか。幾らでも広がるじゃないですか。どうですか。
  169. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 国家戦略特区等での議論の中でオリンピックという話もあったかもしれませんが、今回の法律については、そういう期限を切った法律として提案したわけではありません。  そうではなくて、企業が五年を超えるいろんなプロジェクトを行う場合がある、その場合に有期雇用の形で高度の専門職を雇って対応する必要があると、そういう議論の中で、労使の議論を含めまして、そういう必要性もある部分があるということで今回提案したということでございます。  やはり企業がそれなりにしっかりしたプロジェクトをやるためには、通常企業が雇っている方とは違う能力を持った方が必要だと、こういう議論であったというふうに理解しております。
  170. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 経団連の参考人の方が、対象労働者がどんどん拡大していくだろうと、より対象者は増えるのではないかというふうに思っていますというふうに言っていますが、これ、小さく産んで大きく育てる、派遣法が二十六業種で始まったのに、派遣法の改悪法が今日衆議院で本会議で質疑入りですが、その二十六業種すら取っ払う、つまり、小さく産んで大きく育てる。はっきりと参考人は、より対象者は増えるのではないかと言っていますが、こんなことで増えていいんですか。
  171. 山本香苗

    ○副大臣(山本香苗君) 対象がどんどん拡大するのではないかということでございますけれども、これは本年二月の労政審の建議で示された考え方を踏まえて、法案成立後に労政審で検討を行うことは労使の共通理解です。したがって、対象者が労使のコンセンサスを超えて拡大することはないものだと、私たちはかねがね答弁しているところでございます。
  172. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 でも、厚労省の省令で決まるわけだから、拡大する可能性もあるじゃないですか。省令をどんどんどんどん変えていけば拡大しますよ。現に、拡大するだろうと参考人は言っているじゃないですか。  結局、無期雇用の転換権をこの国会が決めた、それに風穴を開けて、悔しいじゃないけど、風穴を開けて例外をつくっているというのがこの法律なんですよ。それはディーセントワークを実現するということに根本的に反していますよ。だから、これはやっぱり認めてはならない。  どうでしょうか、そのプロジェクトをつくる場合に、結局八年から九年の単位で雇ってあとは使い捨てということが起きるんじゃないですか。どうですか。
  173. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) これはそもそもそういう期限付のプロジェクトがあるかどうかということだろうというふうに思います。期限付でやるプロジェクトでもないのに、それをそのようなふりをしてということは、それはあってはならない話であるというふうに思います。  そこのところは計画を策定していただいて、厚生労働大臣が認定するということでありますので、それはそういう期限を設けて企業がやる必要のあるプロジェクトかどうかということを含めてしっかりと認定作業の中で対応していきたいというふうに考えております。
  174. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 期限のあるプロジェクト以外は適用されないということでよろしいですね。
  175. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 法律の構成上そういうふうになっております。
  176. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 私が経営者だったら、場合によっては全部期限付のプロジェクトにしますよ。そして、プログラマーでもシステムエンジニアでも三十代、四十代の元気で働き盛りで脂の乗り切った人たちを雇って、その人たちが定年まで働かないように、八年、九年単位のプロジェクトチームをつくって使い捨てにする。そんなことが起きるんじゃないんですか。  だって、ずうっと雇わなくちゃいけないんじゃなくて、そのプロジェクトの期間中だけ雇えばいいわけですし、場合によっては雇い止めをするということになってしまう。とすると、企業ってやっぱりたくさんのいろんなプロジェクトがあるので、その考え方でいけば、結局、正社員で雇うという人が少なくなる、定年まで働く人が減ってしまう、こういう批判についてはいかがでしょうか。
  177. 岡崎淳一

    ○政府参考人(岡崎淳一君) 企業の経営者が企業経営を考えていく場合に、いろんな手法はあるというふうに思います。ただ、全てをプロジェクトだらけにするということが本当にあるのかどうかということも考えなきゃいけないかなというふうに思っています。  いずれにしましても、そこが脱法的にプロジェクトのふりをするというようなものについては、それは認定の中でしっかりと対応させていただきたいというふうに考えております。
  178. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 プロジェクトだらけになるというわけではないが、結局その期間しかその人たちを雇わない、あとは使い捨てにする、無期転換にならないようにするんだと。例えば六年プロジェクトでもいいわけじゃないですか。五年五か月プロジェクトもいいわけじゃないですか。物すごく優秀な人は、自分でその人間は雇うとか別のプロジェクトで採用する。幾らでもできますよ。ちゃんと長期に定年まで無期雇用で働かせるという、そういうことと反するじゃないですか。  無期雇用の方が有期雇用よりもディーセントワークだと。人間あと八年働けると思っても、その後自分が失職するかもしれないと思ったら、展望見えないですよ。子供が大学に行くときに自分は首になると思って、安心した働き方というふうに言えるでしょうか。やっぱりこれは邪道だというふうに思います。  大臣は午前中に、その人にとって都合がいいとおっしゃったんですよね。でも、その人にとって都合がよければその人がずっと有期契約で働き続ければよくて、問題なのは、労働者がやっぱり使用者よりも力が弱くて、というか、この法律の問題点は、無期雇用の転換、やりたくなければやらなきゃいいんですよ、権利なわけだから。私はこの会社を五年しか、四年しかいたくないと思えば無期雇用の転換なんてやらなければいいわけですよ。でも人々は、無期にしてもらいたいから無期雇用の転換、言うわけじゃないですか。  つまり、何が言いたいかというと、誰からも引く手あまたでどこでも働ける人は、むしろこういうのは要らない。でも、ほとんどの人たちは無期雇用の転換権を望んでいる。だから、その人にとって都合がいいなんということはないんですよ。いかがですか。
  179. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) やはり世の中はいろいろな方々がおられて、それで、先ほど、いろいろプロジェクトだらけにして自分だったらやるとおっしゃったんですけれども、企業もやはり評価を受けるわけで、世の中から、その評価に堪えられない企業はやはりなかなか長続きしないと私は思うんですね。  したがって、この会社は働く人たちを、今先生おっしゃったような極端な形でのプロジェクトに全部押し込んでいくみたいなことをやるような企業であれば、恐らくそういう評価しか受けなくなるので結局うまくいかないし、また働いている人たちだってやる気がなくなってしまうならば、つまり自分の意思に反してそんなことになるんだとすれば、それはもうやる気のないということはいい仕事ができないということだと思うので、私は、これはもう何度も答えていますけれども、高度技能活用型で年収一千万円以上で有期の雇用労働者数というのは一万一千人弱で、なおそれを今度五年超のプロジェクトに従事する者ということで更に絞っていくとなると相当限界的な数になるわけですね、全体の就業者数からしてみれば。  ですから、そんなに御懸念のことは私はないし、むしろ自分で選んでこういう方がいいという人たちは必ず私はいると思いますし、しかしそれはずっと、年齢にもよると思うんですね、働いている人たちの。ある一定のところまで行ったら、やっぱりちゃんと無期転換してそのまま正社員でいきたいという人たちだって多いと思うので。だから、それはいろいろな年齢とかあるいは能力とか、そういうものによっていろいろなものを用意しておくということの私は一つではないかなというふうに思っています。
  180. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 今は雇用がとても劣化して雇用条件が悪いので、悪いところが没落してという話ではなく、どこも問題が生ずる。今の話でも、一割ぐらいのホワイトカラーというか年収が高い人たちはまた絞り込まれるというけれど、今後何が起きるかというと、貧困も増えるが、ホワイトカラー層というか、中間層の没落が始まるんですよ。こういう人たちが将来の展望が見えなくなったら本当に困ったことになると。  大臣は、泉南アスベストに関して、ちゃんと原告に会っていただいて謝罪していただいて、これからスタートということについては感謝をいたします。でも、労働法制に関して、午前中、民事契約だとかいう認識は間違っています。民事契約というか、労働契約ですよ。民事契約でやれるんだったら労働省要らないですよ。労働省は何のためにあるか。労働法を、労働者を、労働契約を、通常の民事契約とは違って保護しなくちゃいけない。労働者のために頑張る省がなかったら困るじゃないですか。  ということを強く申し上げ、この法案の欠陥を申し上げ、質問を終わります。
  181. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  182. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。  私は、会派を代表し、議題となっております専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案に対し、反対の立場で討論を行います。  以下、反対の理由を具体的に申し述べます。  第一に、今回の法案にそもそも立法事実が存在していないことです。  五年無期転換ルールを導入した改正労働契約法は二〇一三年四月に完全施行になったばかりで、実質的にはまだ誰も無期転換ルールの対象となっておらず、具体的、客観的な問題は発生しておりません。しかるに本法案は、労働契約に関する基本的な民事ルールを定める労働契約法に行政側が個別法をもって例外を設けるもの。つまり、本来、労働契約関係にある全ての労働者にひとしく適用されるべき無期転換申込権を対象となる二つのカテゴリーの労働者について権利制限してしまうものです。  昨年の臨時国会で成立した改正研究開発力強化法に続いて、立法事実もないままにまたもや今回例外を設けようとすることは、有期雇用契約の濫用を防ぎ、労働者の保護、利益を強化することを目的とした改正労働契約法の趣旨を損なうものであり、認めることはできません。  第二に、今回、無期転換ルールの見直し議論に至った過程に深刻な瑕疵があることです。  今回の見直しは、昨年、国家戦略特区ワーキンググループの議論で突然飛び出してきたものですが、労働者の代表が一人も含まれていない会議体で、雇用の在り方の原則にも関わる重要案件について勝手に意思決定を行うことなど言語道断であります。これは、雇用労働政策に関する議論は三者構成の労働政策審議会で行うという基本原則を踏みにじるものであって、断固容認できません。  第三に、本法案は、本来ごく限定的かつ厳格に定めるべき専門的知識等を有する労働者の具体的要件を法律の条文で明確に定めることなく省令等に委任をしており、将来的にその範囲が拡大され、制度が濫用されるおそれがあることです。  加えて、本法案の趣旨からいえば、対象となる高度専門労働者の処遇は、同一労働に従事をする一般労働者に比して均等以上のものが保障されるべきであり、かつ中途の雇い止めは原則禁止されるべきですが、そのことが法文上は一切担保されておりません。これでは制限される権利の内容と比して適切な保障がなされているとは言えず、到底認められる法案ではありません。  第四に、定年後の継続雇用労働者に対する例外措置については、それが同一事業主の下で異なる権利を持つ高齢有期雇用労働者を存在させ、かえって雇用継続や処遇などにおける差別的取扱いなどの混乱を現場に生じさせてしまうおそれがあることです。  今やらなければならないのは、改正高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえ、希望者全員の六十五歳までの継続雇用を確実に確保することであり、六十歳定年以前から有期雇用であった高齢者への対応を含め、政府としてその対策を強化することであり、本法案はその観点からも賛同できるものではありません。  以上、四点に絞って本法案に対する反対理由を申し述べました。  良識ある本委員会の委員の皆様方が立法府の意思としてそろって反対していただくことを要請し、私の反対討論を終わります。  ありがとうございました。
  183. 小池晃

    ○小池晃君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案に反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、本法案が労働契約法改定による非正規雇用から正規雇用への僅かな流れを壊すものだからです。  有期雇用五年後の無期転換申込権は、安心して働き続けたいという有期契約労働者の要求を反映し、全ての有期契約労働者を対象としたもので、専門的知識や年収などの特定の条件を付け、制限することは認められません。元々、無期転換権は、労働者が行使しなければ発生せず、五年を超えても必要な期間だけ働くことを妨げるものではなく、特例を設ける必要はないものです。  また、定年後の継続有期労働者への制限は、定年後働く全期間で制限されますが、定年後の労働者の六割は有期雇用で、働く理由も経済的理由が最も多く、安定した雇用の確保が求められるのは当然で、年齢によって申込権を奪う特例は許されません。  第二の理由は、改正労働契約法の施行から僅か一年半しかたっておらず、五年後の無期化の事実もなく、特例を設ける立法事実がないことです。  効果も検証できない下で特例を設けることは、労働関係法では前例がなく、異常極まりないものです。無期転換に関する企業調査では、四割は何らかの形で無期化を検討しており、この流れの加速こそ求められています。  第三に、特例の対象を国会審議なしに省令で変更可能としており、その対象がなし崩し的に拡大する懸念が大きいことです。  厚労省は、特例対象を労基法十四条の専門的知識を有する一千七十五万円の年収以上の者を参考とし、具体的には労政審で審議するとしていますが、要件がこれ以上広がらないという保証はありません。国会の審議を経ずに全ての労働者に付与された無期雇用申込権の権利制限を行政が行える仕組みであり、この方式が広がれば、労働時間法制や解雇規制でも悪用されることが懸念されます。  最後に指摘したいのは、本法案が、労働政策立法は公労使三者協議を経て決められるというILO条約の大原則を踏みにじって提出されたという事実です。  労働者代表が入らない国家戦略特区ワーキンググループという政府に都合のいい人物だけで構成した組織が出した結論を基に成立した特区法の附則の規定を理由に立法化を労政審に押し付けたもので、こんなやり方は戦後の労働立法の中で初めてのことです。  あるべきルールも無視し、その内容も安定雇用、正規雇用の流れに反する法案は廃案以外にはないということを述べて、反対討論とします。
  184. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 私は、社民党を代表して、専門的知識を有する有期雇用労働者に関する特別措置法案に反対の立場から討論をします。  そもそもこの法案の成り立ちそのものに極めて問題があります。参考人の新谷参考人もおっしゃいましたが、二〇一三年の四月に無期転換ルールについて労働契約法の十八条が施行されましたが、その施行が現実的に効果を出す前に有期特措法の論議が始まりました。施行されてから間もないときで、このような議論の仕方そのものが大問題です。  また、国家戦略特区ワーキングチームの中で、労働者の代表が一人も入っていない中で重要な見直しが行われたことが契機であるということも極めて問題です。また、定年後引き続いて雇用される者についても特別に無期転換権を制限するという提案がなされたということについても、国家戦略特区が要請をしていた範囲を明確に逸脱しています。  さらに、新谷参考人が参考人質疑で述べたとおり、雇用の安定を図る全ての民事ルールに適用される労働契約法がこういう形で特例扱いが設けられるということに関しても極めて問題です。  そもそもこの法律には立法趣旨がありません。なぜ限られた労働者が一般法の労働契約法の適用がないのか、説明がありません。また、専門的知識を有する労働者の範囲に関して指針で定めるということになっており、その中身が明らかではありません。また、専門的知識というものがなぜ無期転換ルールから排除されるのか、全く理解ができません。また、経団連の鈴木重也参考人が、より対象者が増えるんではないかというふうに思っているところでございますと述べていることも重大です。  小さく産んで大きく育てる、派遣法が極めて例外的、専門的な業種に限るとしていたものが今回の派遣法改悪法案で二十六業種を全て撤廃するとなったというように、例外が小さいかのように思われながら対象の範囲が拡大をしていくのではないかと大きな危惧を持ちます。  さらに、プロジェクトという名の下に五年から十年の有期契約にして、システムエンジニアやデザイナーや事務職などの人々を五年から十年の使い捨てにしてしまうのではないでしょうか。結局、プロジェクトという名の下に終身雇用をさせないための仕組みになってしまうのではないでしょうか。  無期転換権があらかじめ剥奪されているという問題だけではありません。この有期労働契約の期間中、賃金の上昇や、産休や育休を取るということが困難になる労働者になってしまうのではないでしょうか。プロジェクトという働かせ方に根本的な問題があると考えます。これが横行すれば、企業の中で終身雇用でまともに働かせるということがなくなってしまいます。  労働者は、収入が若干高くても、いかに専門職でも、企業と対等な立場にはなりません。対等な交渉力を持っている労働者など存在しません。だからこそ、労働者に労働基本権が与えられ、労働法制は強行規定であるのです。例外を設けることは、労働法制に対する冒涜です。  この法案は、労働法というよりも企業の便宜のための法律ではないでしょうか。ホワイトカラーエグゼンプションの先取りとも言える悪法です。雇用を壊すこのような法案には賛成することはできません。  以上で反対討論といたします。
  185. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  186. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、津田君から発言を求められておりますので、これを許します。津田弥太郎君。
  187. 津田弥太郎

    ○津田弥太郎君 私は、ただいま可決されました専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党及び維新の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、民事上のルールとして定められている無期転換ルールについて行政の関与の下に特例を定めることはあくまで例外であることに鑑み、特例の対象となる専門的知識等を有する有期雇用労働者の具体的要件については、無期転換ルールによる労働者保護の趣旨が損なわれることのないよう、慎重に検討を行うとともに、労使のコンセンサスを得た上で決定すること。その際、特に年収要件については、一般の労働者の賃金水準と比較して相当程度を超える額に設定すること。  二、専門的知識等を有する有期雇用労働者については、本法の特例の対象となることで、本来全ての労働者に等しく保障されるべき無期転換申込権が制限されることに鑑み、その処遇及び雇用管理については、契約締結時の年収水準以外の社会保険、諸手当、福利厚生、企業内職業訓練等についても、一般の労働者との均衡を考慮したものとなるよう、認定事業主に対し周知徹底を行うこと。  三、専門的知識等を有する有期雇用労働者については、特定有期業務の期間中の雇用の安定や、労働契約法第十九条の趣旨も踏まえて、合理的な理由のない雇止めを回避することが望ましい旨、認定事業主に対し周知徹底すること。  四、特定有期雇用労働者の雇用管理に関する措置についての計画の認定手続については、事業主に過大な負担が生じないよう簡素な仕組みとするとともに、労働者の意見がその計画に適切に反映される仕組みについて十分な検討を行うこと。  五、基本指針の策定に当たっては、女性の活躍推進に向けた就労支援の充実が求められているにもかかわらず、有期雇用労働者の育児休業取得率がいまだ低い状況にあることに鑑み、雇用管理に関する措置の内容に関する事項として、特例の対象となる女性有期雇用労働者の産前産後休業及び育児休業の取得が促進できる環境整備を図ることを明確に示すよう検討すること。あわせて、女性有期雇用労働者に対する妊娠、出産、育児休業取得等を理由とする雇止めの実態について、十分な調査を行い、その結果に基づき適切な対応策を遅滞なく講ずること。  六、無期転換ルールの本格的な適用開始に向けて、労働者及び事業主双方への周知、相談体制の整備等に万全を期すとともに、無期転換申込権発生を回避するための雇止めを防止するため、実効性ある対応策を講ずること。特に、六十歳未満から有期労働契約を反復更新しており、高年齢者雇用安定法における高年齢者雇用確保措置の対象外となる労働者については、引き続き無期転換ルールにより雇用の安定が図られることが重要であることに十分留意すること。  七、高年齢者については、事業主が継続雇用制度を導入し、定年後に有期労働契約によって引き続き雇用する際は、原則六十五歳までは契約更新がされるものであるとの高年齢者雇用安定法の趣旨に沿った適切な雇用管理がなされる必要がある旨の周知徹底を強化するとともに、違反事業主に対する指導等を通じて制度の適正な運用確保に努めること。その上で、本法の特例の対象となる定年後に引き続き雇用される有期雇用労働者の雇用管理については、六十五歳以降においてもその雇用が継続できる環境が整備されるよう、認定事業主に対して必要な指導等を行うこと。  八、雇用労働政策の決定や法律の制定改廃に当たっては、ILOの三者構成原則の趣旨を十分に踏まえ、公労使の三者で構成される労働政策審議会において十分な時間を掛けた議論を積み重ねるという原則を変更しないこと。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  188. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) ただいま津田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  189. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 多数と認めます。よって、津田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
  190. 塩崎恭久

    ○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
  191. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 丸川珠代

    ○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二分散会