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2014-11-06 第187回国会 参議院 外交防衛委員会 6号 公式Web版

  1. 平成二十六年十一月六日(木曜日)    午前十時五分開会     ─────────────    委員の異動  十一月四日     辞任         補欠選任      山田 修路君     宇都 隆史君  十一月五日     辞任         補欠選任      宇都 隆史君     堂故  茂君      末松 信介君     堀内 恒夫君  十一月六日     辞任         補欠選任      小坂 憲次君     井原  巧君      堂故  茂君     滝波 宏文君      堀内 恒夫君     宮本 周司君      松山 政司君     長峯  誠君      吉田 博美君     酒井 庸行君      福山 哲郎君     野田 国義君      井上 哲士君     紙  智子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         片山さつき君     理 事                 北村 経夫君                 佐藤 正久君                 三木  亨君                 大野 元裕君                 荒木 清寛君     委 員                 井原  巧君                 小坂 憲次君                 佐藤ゆかり君                 酒井 庸行君                 滝波 宏文君                 堂故  茂君                 長峯  誠君                 堀内 恒夫君                 松山 政司君                 宮本 周司君                 吉田 博美君                 小川 敏夫君                 北澤 俊美君                 小西 洋之君                 野田 国義君                 石川 博崇君                 田中  茂君                 小野 次郎君                 井上 哲士君                 紙  智子君                 糸数 慶子君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     江渡 聡徳君    副大臣        外務副大臣    中山 泰秀君        農林水産副大臣  あべ 俊子君        防衛副大臣    左藤  章君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       佐藤 英道君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  横畠 裕介君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       武藤 義哉君        総務省自治行政        局選挙部長    稲山 博司君        外務大臣官房審        議官       中村 吉利君        外務大臣官房審        議官       下川眞樹太君        外務大臣官房参        事官       島田 順二君        外務省北米局長  冨田 浩司君        外務省経済局長  齋木 尚子君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       三宅  智君        農林水産大臣官        房総括審議官   今城 健晴君        農林水産大臣官        房審議官     池田 一樹君        農林水産省生産        局農産部長    柄澤  彰君        農林水産省生産        局畜産部長    原田 英男君        防衛大臣官房審        議官       吉田 正一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○連合審査会に関する件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○経済上の連携に関する日本国オーストラリア  との間の協定締結について承認を求めるの件  (内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、山田修路君及び末松信介君が委員を辞任され、その補欠として堂故茂君及び堀内恒夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  経済上の連携に関する日本国オーストラリアとの間の協定締結について承認を求めるの件について、農林水産委員会からの連合審査会開会の申入れがありました場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  6. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済上の連携に関する日本国オーストラリアとの間の協定締結について承認を求めるの件審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済上の連携に関する日本国オーストラリアとの間の協定締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  10. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 おはようございます。自由民主党の佐藤ゆかりでございます。  本日は、いよいよこの日豪EPA協定、七年越しの協定締約でございましたけれども、いよいよその承認に向けて国会審議の日を迎えたわけでございます。実際に、日本は既にEPAですとかFTA、スイス等十三か国・地域と締約をしておりまして、その中で、オーストラリアのような農業大国とEPA協定を締約するのは初めてであるということで、意義深い事案であるというふうに考えております。  ちなみに、おさらいになりますが、最終決着としての着地点、日本側は牛肉の関税、これまで三八・五%でありますけれども、その大幅な引下げに応じまして、冷凍牛の場合には十八年目で一九・五%、冷蔵牛の場合には十五年目で二三・五%までの引下げを確約したと。代わりに、欧州側は日本の自動車の関税、現在五%掛かっておりますが、排気量三千㏄以下の自動車については関税即時撤廃、そしてトラックなどの大型車でも三年で撤廃ということを確約を取り付けた次第でございます。日本からいたしますと、排気量の少ない中小型車というものをまずオーストラリアに輸出を促進したいという趣旨がありましたので、その意味では一部成功しているということだと思います。  この戦略としまして、この日豪EPAを今回締結をして、TPPに先立つことによりまして、特にオーストラリアの観点からしますと、豪州産の牛肉を日本で関税を引き下げて、豪州産牛肉の市場獲得を目指すということによって、TPP交渉でこの関税撤廃を強硬に求めているアメリカに対しても譲歩を引き出したいというような戦略もあるというふうに伺うわけであります。  そこで、岸田大臣にお伺いしたいと思いますが、仮に、今後妥結が予想されるTPP協定におきまして、日豪EPAよりも自由化率が高い内容、いわゆるレベルが高い協定内容になると想定する場合に日豪EPA協定を見直しすることになろうかと思いますけれども、その見直しによって日豪の関税等がTPP協定の内容に収れんする、高いレベルに収れんすると考えてよろしいでしょうか。
  12. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、TPPにつきましては今交渉中でありますので、内容について申し上げることは控えたいと思います。引き続き、国益にかなう最善の道を追求するべく努力したいと存じます。  そしてその上で、将来このTPPが妥結し、豪州と我が国が共に締約国となる場合、このTPPと日豪EPAとの間で同じ品目について異なる特恵関税を定めた場合ですが、そうであったとしても両協定は両立が可能であるということであります。その場合、どちらに基づく特恵関税を利用するかは実際に日豪間で輸入を行う事業者が選ぶ、こうしたことが想定されます。  また、TPPによって日豪EPA、自動的に書き換えられる、こういったことにはなりません。そして、見直し条項が置かれていますが、そうであったとしても、この見直しの結果、何ら予断されるものではありません、これは交渉の結果であります。  よって、収れんするのかという御質問ですが、今申し上げましたように、二つの協定は両立し得る、選択し得る、こういった関係にあるということでございます。
  13. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 協定の内容的には条約として収れんしない余地もあるというお答えだったと思いますが、市場メカニズムからしますと、民間企業の判断としては安い関税率の方に収れんをするということで、結果として民間の行為はそちらの低い関税の方に流れていくのだろうというふうに思われるわけでございます。  そこで、具体的に一つ事例を取ってお伺いしますが、牛肉の輸入に関するセーフガードでございます。  より高い関税自由化が達成された場合に、見直し条項というものが日豪EPA条約に入っているわけでございますが、仮にこの見直しを行った場合に、この牛肉の輸入に対するセーフガード措置、これは現在、条約の内容では、豪産の牛肉の輸入量が現在の輸入水準を超えた場合に関税引上げのセーフガードを導入するという内容になっているわけでありますが、このセーフガードもTPPの発効までの時限措置と考えてよろしいでしょうか。
  14. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、一般論として申し上げるならば、先ほども申し上げましたように、この日豪EPAとTPP、これは異なる協定であって、両者の間に法的な優劣関係は存在いたしません。一方での合意内容が他方の協定に自動的に反映され得るものではない、こうしたことであります。  そして、一般論として申し上げれば、セーフガード措置は、それぞれのEPAにおいて、それぞれの締約国の国内産業の事情等を踏まえ、その具体的な内容が定められております。お尋ねの牛肉の特別セーフガード措置についても、七年余りの交渉を重ねた結果、結論に至ったわけですが、日豪両国について、他の協定が発効したからといって直ちに自動的に廃止されるといった性格のものではありません。これは、見直し等につきましても、あくまでも協議ですから、我が国が合意しない限りこれは変更されることはない、こうした性格のものであると認識をしております。
  15. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 セーフガードの措置につきましても、より日豪EPA協定の中でその見直しをするという条項があります。それはいつまでのタイミングということにかかわらず、日本の国内の市場競争環境に重大な変更が生じたときには見直しをするという内容になっているわけでありますから、当然、TPP協定の締結というのは日本の国内市場参入における重大な変化というふうになるわけでありまして、当然その際には見直しが行われるものと思われるわけでございます。  つきましては、やはりより高い水準にこの日豪EPAの内容が見直しをされるということも想定に入れますと、やはり岸田大臣始め日本政府の皆様方にとりましては、TPP協定の交渉そのものにおいて、守るべきものは守る、攻めるべきは攻めるというしっかりとした姿勢で最後まで頑張っていただきたいというふうに思います。  次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、この食料自給率向上という農水省を中心に進めている政府の対策と今回の日豪EPA交渉による日本の農業の一部開放についての関係性でございます。  今年の八月に農水省が発表しました二〇一三年度の食料自給率は、四年連続で三九%という低水準のものにとどまりました。食料・農業・農村基本計画の策定を進めている農水省の審議会では、二〇二〇年度までに食料自給率を五〇%とする今の計画には目標として過大であり無理があるという意見で一致したということは報道で流されているとおりであります。  安倍政権の農業政策にとりましては、この食料自給率を上げるために今様々な農政改革もなされているところであります。そうした国内の農業生産力というものをいかに高めるかという国内政策上の重要課題を抱える中で、農業大国であるオーストラリアとのこのEPA、日豪EPAにおいて日本の農業分野が一部開放されるわけでございます。この農業改革を進める安倍政権下の国内農業にこの日豪EPAがどのように左右するのか。むしろ、市場開放によって農業が強い方向に向かっていくのか、あるいは一時的に農業が停滞するのか、その辺どのように左右されると影響分析をされているか、お伺いします。
  16. あべ俊子

    ○副大臣(あべ俊子君) 佐藤委員にお答えいたします。  今回の日豪EPAの合意内容に関しまして、衆参両院の農林水産委員会の決議を踏まえたところで政府一体となって粘り強く交渉を行った結果でございまして、米につきましては関税撤廃などの対象から除外をし、また、食糧用麦、精製糖、一般粗糖、さらには、バター、脱脂粉乳、将来の見直し、さらには、牛肉につきましては冷凍と冷蔵の間での四%の税率差と効果的なセーフガードの措置、チーズに関しましては一定量の国産品を使用することを条件にした関税割当ての設置などとなっておりまして、国内農林水産業の存立及び健全な発展と両立し得る合意に達することができたと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、農業従事者の高齢化を始め、我が国の農業、農村が抱える課題は山積しているところでありまして、農政改革を着実に実行していくことにより、農業を若者に魅力ある成長産業にしてまいりたいと思っております。
  17. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 是非、このEPA協定の締結が、日本の農業の産業としての育成にとりましても、むしろ強い基盤をつくるきっかけとして前向きに進んでいっていただきたいというふうに思うわけであります。  実際のところ、チーズにつきましても、最近はシュレッドしたいわゆるピザの上に乗せるようなチーズが日本でも需要が高まっている中で、その一定割合を国内産チーズを使うということを規定したことによって、逆にその組合せで豪州産のチーズを使うならば、その割合にのっとって日本の国産チーズも生産しなければならないということになっているわけでありまして、こうしたメカニズムというものをうまく組み入れながら、この外国との協定が国内農業基盤の強化拡充にもつながるような、うまい連携というものをTPP交渉に向けても行っていっていただきたいというふうに思います。  それでは、次の質問に入らさせていただきますが、原産地規則に関してでございます。  日豪EPA協定の第三章第十条におきまして、締約国の原産材料と非原産材料とで代替性のある材料が産品の生産に使用される場合、つまり同一産品を生産する場合でも、仕入れがその締約国の原産材料なのか、あるいは違う仕入れ国から取り寄せた異なる原産の物品、材料を使っているのか。その在庫の中には、最近はサプライチェーンがグローバルする中で、同じ材料、部品でも、国産物、外国産物、様々混ざっているケースもございます。こうした中で、こうした材料が混在している場合に、同一産品であっても、それが豪州産あるいは日本産の原産品か非原産品かの判断については、輸出締約国の会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定するというふうに第十条で書かれているとおりでございます。  具体的に、日豪両国でどのような在庫管理方式の仕様を想定しているのか。この日豪EPA協定の締約においてどのような在庫管理方式の仕様を想定して、そしてそれぞれの日豪における在庫管理方式で原産品の判断が徹底できるのかどうか。そしてまた、両国の方式にその在庫管理方式、会計基準の違い等で不公平が生じるような異なる在庫管理方式の基準や曖昧さがないのかどうか、その辺りを交渉で確認したかどうか、確認させてください。
  18. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の原産地規則章第三・十条の規定ですが、例えばサイロで保管される穀物のように原産地の異なる同種の貨物が混在して保管されるような場合には、その一つ一つの原産性を判断することは現実的ではないため、在庫管理方式を用いて原産品か否かを決定することができることとするものであります。  そして、実務上、この規定に言う在庫管理方式については、先に取得したものから順に払い出されると仮定する先入れ先出し方式、そして後に取得したものから順に払い出されると仮定する後入れ先出し方式、そして払出し数量の内訳が先に取得したものと後に取得したものの各数量の平均値であると仮定する平均方式、こうした方式が想定されています。  そして、各締約国においてそれぞれ一般的に認められている会計原則に基づくとしているわけですが、我が国においては、企業会計原則、企業会計基準等において各企業がそれぞれの業態に応じて今述べました三つの在庫管理方式の中から一つを選択し、それを継続して適用すべきとされています。そして、確認しましたところ、オーストラリアにおきましては、今申し上げました方式のうち、先入れ先出し方式と平均方式、この二つの方式の中から選択する、こういった原則に立っているということであります。  そして、それぞれの企業がそれぞれの国の会計原則に基づいてこの規定を実行していく、こういったことになると承知をしております。そうしたものがこの第三条十項の規定において確認をされているところでございます。
  19. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 そうしますと、今オーストラリアでは先入れ先出し方式若しくは平均方式が多いというお答えをいただきました。日本でも同等の基準でそこの競争性というものは担保されているということでよろしいでしょうか。
  20. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) それぞれの企業において、それぞれの国の企業会計原則、企業会計基準に基づいて対応する、こうしたことが想定されております。
  21. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 承知いたしました。  それでは、時間も限られていますので、次の質問で知的財産の保護のための税関差止めについてお伺いしたいと思います。  日豪EPA協定の知的財産に関する独立章十六章では、WTOのTRIPS協定を踏襲しつつも、更に一歩踏み込んだACTA協定に近い内容が記載されているとおりであります。特に、第十六章十八条では国境措置というものを設けてありまして、締約国の税関に知的財産侵害の模倣品の差止め権限を与えております。具体的には、締約国間で模倣品の輸入及び輸出の税関での差止めのみならず、例えば第三国へ向かって締約国において積み替えされる物品で特許、意匠又は植物の新品種などに関する権利を侵害する疑いのあるものを国境で税関が差し押さえることができる内容でございます。  そこで、第十八条四項にございます知財侵害の疑いのあるものの税関差止めに関する手続というものを各締約国で定めると記載があるわけでありますが、この適切な措置に期待が掛かりますと同時に、知的財産侵害の確認がこの手続によって迅速に行われる、例えばいつまでに、何か月の間に行うというような規定がないと、これは逆に権利者、いわゆる企業の申立てを乱発することによって、輸入を水際で恣意的に遅らせようという行為にも発展し得るという疑いがあるわけでございますが、税関での迅速かつ確実な決定を行うための国内法の整備をどのように考えておられるでしょうか。中山副大臣、お願いします。
  22. 中山泰秀

    ○副大臣(中山泰秀君) おはようございます。  日豪EPA第十六・十八条では、先生御指摘のとおり、各締約国は、自国の税関当局が、自国に輸入され、又は自国から輸出されようとしている物品であって、商標権、著作権等を侵害する疑いのあるものの解放を国境で停止すること、水際対策の手続を定めているところであります。  我が国の関税法上、商標権等の知的財産を侵害する模倣品は輸入及び輸出してはならない貨物として定められております。また、我が国の関税法上、商標権、著作権等の権利者は、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合、税関長に対し、当該貨物が輸入してはならない貨物に該当するか否かを認定する手続を取るべきことを申し立てる制度が導入されております。したがいまして、我が国の場合は、日豪EPA第十六章十八条を実施するために必要な国内法は既に整備されていると考えております。  よろしくお願いします。
  23. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 これは日本側で整備されているということでありますから、今後、日豪EPAのような条約、協定がほかの国でもなされる場合に、他国でも同じような迅速な、速やかな手続が取れるように、その辺は御確認をいただきたいと思います。  最後になりますが、政府調達において安全保障上重要な情報の取扱いについてお伺いします。  日豪EPA協定第一章第十条におきまして、安全保障上重大な利益に反する情報の開示は要求できないとされておりますが、政府調達において軍事装備品ですとか通信などの安保に関わる分野の取扱いはどのようになっているか、中山副大臣にお伺いします。
  24. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 中山外務副大臣、時間が過ぎておりますので、御簡潔にお願いいたします。
  25. 中山泰秀

    ○副大臣(中山泰秀君) 分かりました。  先生御心配の向き、よく承知をいたしております。安全保障という重要な国益に関わる事項には、我が国の政策的な裁量の余地を確保することが重要であるというふうに思います。  これまでのEPAにおいても、また日豪EPAにおいても、御指摘のいわゆる安全保障例外を始め、国の政策的裁量を守るため、各種の規定を置いてきております。お尋ねの政府調達に関しましては、防衛装備品については、附属書の十三において、防衛省が原則公開入札等を約束する対象物品を限定列挙し、その中に防衛装備品等を含めず、除外をしております。  通信分野も含めていろいろ御心配の向き、先生の方から御質問、またヒアリングをさせていただきながら、御指導にのっとって頑張ってやりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  26. 佐藤ゆかり

    ○佐藤ゆかり君 これで質問を終わります。
  27. 小西洋之

    ○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。  本日、日豪のEPAの条約の審議でございまして、私、かつて霞が関の総務省、経産省で働いていたときにも、直接ではございませんけれども、広くこの議論に関わったことがございまして、ひときわ感慨深いものがございます。ただ、その議論の前提であることを幾つか確認させていただかなければいけません。  まず、全ての国民にとって政治に対する信頼の基盤であります政治とお金の問題について、江渡大臣に伺わせていただきたいと思います。  資料を配付させていただいておりますけれども、江渡大臣が代表を務められます青森の政党支部でございますけれども、そこに、私の事務所で確認できた限りで、平成十六年から二十四年まで毎月二十五万円ずつ、合計年三百万円の寄附が政治団体ではない任意の団体、政経福祉懇話会という団体から寄附をされているという記載が収支報告書にございました。これについては、週刊誌の報道ですとか、あるいは衆議院の委員会でも質疑をされておりますけれども、私の方からも確認をさせていただきたいと思います。  今お手元にございますけれども、これ一枚目の紙は平成二十四年分でございますが、真ん中の六月が、六月分ということで同じ六月の二十二日に合計二回分、五十万円ですね、寄附を受けていて、次おめくりいただきまして、二十三年度は、八月に二十五万円掛ける四回、同じ八月二十二日の日付で四回、同じ日に二十五万円の寄附を受け取って、合計この月で百万円と。ただ、いずれにいたしましても、先ほどの平成二十四年も、あと二十三年も、次おめくりいただきたいと思うんですけれども、平成二十二年分、これは一月から十二月まで、まあ、ある意味規則正しくといいますか、毎月二十五万円ずつの寄附、これと同じ金額になっているわけでございます。合計は三百万円ということでございます。  江渡大臣に伺いたいんですけれども、この団体、江渡大臣は衆議院の答弁などで、江渡大臣の選挙区の地域の政治や経済やあるいは福祉について勉強をし、会員の親睦を深める、そういう任意団体であるというようなことをおっしゃっておりますけれども、この団体はほかの政治家にも寄附をなさっているんでしょうか。
  28. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) この団体がほかの政治家の方に寄附しているかどうか、私は分かりません。
  29. 小西洋之

    ○小西洋之君 衆議院の質疑で江渡大臣は、この任意団体に約百数十の会社が加盟していて、その中には大臣の支援企業がいらっしゃるということですけれども、ちなみにこの会長が、その任意団体の会長、一番偉い方が平成二十三年に替わられたので、この寄附の間で少なくとも二名いらっしゃると思うんですけれども、そのお二人は大臣の支援者である、あるいはそのお二人の方が経営されている会社は大臣の支援企業であるというふうに御認識されていますでしょうか。
  30. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 替わられた後の方は、私を支援していただいている方でございます。
  31. 小西洋之

    ○小西洋之君 その替わる前の方はいかがでございましょう。
  32. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 替わられる前の方は、特別私を支援しているという方ではございません。
  33. 小西洋之

    ○小西洋之君 江渡大臣は、この政経福祉懇話会の会員でいらっしゃいますか。
  34. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 私は違います。
  35. 小西洋之

    ○小西洋之君 この団体、百数十余りの企業、企業といいますか会員がいらっしゃって、そこから月二十五万円の寄附をつくろうとすると、お一人の会員が、簡単な計算をしても千五百円から二千円弱ぐらい、毎月、全員から集めてもですね、必要だと思うわけですけれども、それだけのことをする任意団体というものが大臣を支援、政治団体としていわゆる支援をしていないということは、なかなか通常でいうと理解し難いところがあると思うんですけれども。  では、もう一度伺わせていただきますけれども、先ほど新しい会長の方は支援者であるというふうにおっしゃっていました。大臣とは恐らく懇意の方なんでしょう。そういう方が率いる懇話会、かつ大臣の支援者がたくさん入っている懇話会がほかの政治家に寄附をしているかどうかということを、あるいは支援をしているかということを大臣は本当に知らないんでしょうか。
  36. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) あくまでもこの団体というのは、先ほど委員からもお話がありましたとおり、この政経福祉懇話会は、その規約によりますと、青森県の上十三地域の政治、経済、福祉等について勉強し、会員相互の親睦を図ることを目的とした団体であるというふうに承知しておりまして、ですからこそ、私自身、ここの団体に対してコミットしているわけではないものですから、ほかの方々にどのような形をしているかということは私は存じ上げていません。
  37. 小西洋之

    ○小西洋之君 今委員の皆様のお手元にありますこの大臣の収支報告書でございますけれども、寄附をいただいている懇話会、寄附をなさっている、ここの事務所の住所なんですけれども、実は大臣が代表を務める自民党の政党支部そのものでございます。これは衆議院でも答弁がございます。大臣が代表を務める政党支部の住所にその住所をまさに置いている任意団体から毎月二十五万円ずつ、途切れることなく十年以上、平成十四年もうちの事務所で確認しましたら寄附がございましたので、寄附を受け続けて、合計で三千万を超えるわけでございますけれども、これは政治資金規正法上の政治団体ではないと、大臣の政治活動を支援する政治団体ではないと、そのように考えられる理由は何でしょうか。
  38. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 先ほどもお答えさせていただいたわけでありますけれども、あくまでも、この政経福祉懇話会というのが、その規約の目的においては、青森県の上十三地域の政治、経済、福祉等について勉強して、会員相互の親睦を図るというような団体であるわけでありまして、ですから、そのことに対して、それが直接私の政治団体であるというふうには私は考えておりません。
  39. 小西洋之

    ○小西洋之君 大臣、もう一度伺いたいんですけれども、先ほど会員ではないというふうにおっしゃっていましたけれども、それは会費を払っていないという意味であるかということが一つと、お答えいただきたいんですけれども、もう一つは、会費のお支払の有無にかかわらず、顧問ですとか、あるいはほかの肩書でも結構なんですけれども、この会に何らかの関わる属性を大臣はお持ちでしょうか。
  40. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 私は何らかの役になっているというふうには考えておりません。会費も払っておりません。
  41. 小西洋之

    ○小西洋之君 今大臣は、この定期的な、また金額的にも非常に大きな支援、しかも継続的な支援を受けているこの任意団体を政治団体ではないというふうにおっしゃいました。  資料を二枚おめくりいただきまして、政治資金規正法の逐条解説を付けさせていただいております。大臣が今おっしゃいましたのは、この団体というのは大臣の選挙区の地域なわけでございますけれども、そこの地域における政治や経済や福祉について勉強をする、あるいは会員の親睦を深めることを目的としている会であるからというわけでございます。  ただ、政治資金規正法のこの政治団体の定義でございますけれども、それにとどまらない定義がしっかりと書いてございます。つまり、これは大臣のことを悪く言うわけではなくて、法律の規定のことですけれども、表向きは、政治団体、ある政治家を支援するというようなことをその規約なりに書いていなくても、実態としてその政治家の政治活動を支援している実態があれば、それはもう政治団体であるということがこの規正法の三条の一項の第三号に書いています。次に掲げる活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体、すなわち特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することなんですけれども、その下のページ、ちょっと小さなコピーで、下のページは逐条解説の部分で、その次のページをおめくりいただけますでしょうか。  次のページをおめくりいただきまして、マジックで太い線を引いているところでございますけれども、今申し上げた部分の解説でございます。本来、政治目的以外の目的を掲げている団体、今、先ほどの大臣の御説明でございます、政治目的以外の目的を掲げている団体であっても、事実上本号に掲げる政治活動がその団体の活動の主たる部分を占めており、かつ、その活動が組織的かつ継続的である団体をいうと。主たる活動とは、分量的に見て、当該団体の活動の主たる部分を占めていることをいい、組織的には、継続的にはというそれぞれ説明がございます。  大臣に伺わせていただきたいんですけれども、この団体なんですけれども、大臣のホームページに大臣がこの団体に参加された模様というのが載っております。資料でも付けさせていただいておりますけれども、こうした活動以外に大臣が出席されているような活動、あるいは、出席できなかった機会もあるかもしれませんけれども、具体的にどういう活動を、さっきおっしゃったような政治の研究とかそういうのではなくて、具体的にどういう取組やあるいはイベントなどをやっている団体なんでしょうか。
  42. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) ここの団体が具体的にどんなことをやっているかは、私はつまびらかに存じておりません。  ただ、この団体から御招待いただいたりして、例えば、ゴルフコンペのときなんかに参加してくれないかとかあるいは講演会やってくれないかとか、いろんなことでこちらの方が招待を受けたりして、そうしますと、私も政治家ですから、いろんなところに顔を出して、そして政治活動をしなければいけませんものですから、そういう形では私も参加させていただいておりますけれども、ただ、私自身、ゴルフ自体ができないものですから、あくまでもそのコンペなんかに行っても始球式を行わせていただくぐらいのものでありまして、そういうような形では参加をさせていただいております。
  43. 小西洋之

    ○小西洋之君 懇話会と申し上げますが、この懇話会の活動でほかの政治家が出席された事実、これ政治の、私もまだ大臣に比べれば全くの若輩者でございますけれども、やっぱり自分が関係の深い団体にほかの国会議員が出席したというのは、それはそれだけで非常に政治的には重い大きな問題でございまして、そういう情報はすぐ入ってまいります。ましてや、先ほど大臣がおっしゃったように、現会長は大臣の支援者であり、この会の中には大臣の支援者もたくさんいらっしゃるわけです。  ほかの政治家がこの懇話会に出席されたこと、イベントに出席されたことというのはございますか。
  44. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  この地域選出の県会議員の方々あるいは市町村議員の方々も大勢参加させていただいているわけであります。
  45. 小西洋之

    ○小西洋之君 国会議員あるいは国会議員の候補者の方はいかがでしょうか。
  46. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 参議院の方々で参加した方は、私も一緒に会ったときはございます。
  47. 小西洋之

    ○小西洋之君 じゃ、先ほどの逐条解説のこの太い部分なんですけれども、組織的にの定義ですね。組織的に、実態として、ある政治家の政治活動を支援していた場合、その組織的にの考え方というのは、団体の意思決定に基づいて相当数の構成員が有機的に活動していることをいい、恐らく、月々二十五万円というその寄附金を捻出するために相当数の会員の方々がお金を出し合ってやられていることになるんだと思います。  次でございますけれども、継続的に。団体の性格、存立期間によって異なるが、通常年間を通じて活動している。年間を通じて、まさに定期的に毎月、しかも、どういう理由か分かりませんけれども、その月に寄附がなかった場合にはそれを埋め合わせる形で同じ月に、その穴が空いた月の分もきちんと払っていると。  常識的に見ると、この組織的かつ継続的にというのは大臣に対する寄附行為については該当するように思うんですが、いかがでしょうか。
  48. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 確かに寄附はいただいておりますけれども、だからといって、この団体が私は政治団体だとは考えておりません。
  49. 小西洋之

    ○小西洋之君 今大臣がお答えになりましたように、この団体が政治団体として認定されるかどうかに結局は帰着するわけでございますけれども、それはもう実態として判断されるというのが政治資金規正法の考え方でございます。  もし、実態としてそういうところに帰着してしまった場合には、第八条ですね、政治団体としての届出がない場合にいかなる団体も寄附行為をしてはいけない。これを仮にした場合は、政治資金規正法の二十三条、実はこれ、政治資金規正法で一番重たい罰則でございます。政治資金規正法というのは、まずはきちんと届けなさいと、届けて、その結果をきちんと公表して、国民の批判と監視を受けると、そういう制度でございますので、政治団体と届出をせずに寄附をした場合というのは一番重い罰則になります。かつ、この犯罪を犯してしまった方と共犯関係にあった場合は二十八条で公民権停止が適用されます。  もうこれで最後とさせていただきますけれども、私は、なかなか非常に難しい局面ではないのかなと。恐らく、これだけの寄附を定期的に十年以上にわたって月々二十五万円、年間三百万円、それを十年以上にわたって受け続ける、それが政治団体ではないということは、しかもそれが大臣の事務所にこの事務所を置いているわけでございますから、当然大臣もそれを御存じだったわけでございますので、非常に難しいことではないかというふうに思います。  ほかの政治資金問題、大臣が規正法上の違法行為である寄附を受けていらっしゃったんではなかったというのもずっとこの委員会でも質疑をされておりますけれども、そこも踏まえまして、是非、お考えをいただきたいというふうに私は思うところでございます。  以上で、政治資金の問題……
  50. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) よろしいですか。
  51. 小西洋之

    ○小西洋之君 結構です。
  52. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) いいですか。
  53. 小西洋之

    ○小西洋之君 はい。  では、以上で政治資金の問題、またこれ同僚議員、あるいはほかの各党各会派の同僚委員も質問いただけると思いますので、私の方は本論の方に参らせていただきたいと思います。  それで、EPA条約の審議でございますけれども、やはりその大前提として、この国会の委員会で条約を審議する大前提として、どうしても確認をしなければいけないことがございます。それは、先般の十月十六日のこの外防委員会で私が質問させていただいたことでございますけれども、実は今の第二次安倍内閣は、憲法の六十一条で定められた国会の条約承認権、それを潜脱するような行為をしている。まさに憲法違反の行為であると同時に、議院内閣制を否定し、ひいては国民主権を否定するような空前絶後の暴挙を私はやっていると考えております。  いろんな法律の専門家と議論いたしましたけれども、申し訳ございません、岸田大臣、岸田大臣が率いられる外務省だけでございます。いろんな法律の専門家と私はこれを議論をさせていただきました。誰が考えてもおかしいと、こんなことができるんだったら国会の条約承認権というのはもう全く意味を成さないというわけでございます。  お手元のこの一番分厚い配付資料、一枚おめくりいただいて資料二を御覧いただけますでしょうか。  前回も御説明したことでございますけれども、実は、日米安保条約第三条に、日本はアメリカのために集団的自衛権を行使しなくていいということが主権国家同士の条約の明文規定として規定されているわけでございます。我が国が憲法上集団的自衛権を、まあ私は行使できっこないと思っていますけれども、できるできないの話じゃなくて、主権国家同士の条約において、取決めにおいて、日本はアメリカのために集団的自衛権を行使しなくていいということが元々規定されているわけでございます。  ちょっと見にくくて申し訳ございませんけれども、左のページの下が日米安保条約第三条の条文でございまして、その上が、実は外務省のホームページに載っていましたこの条約の逐条解説でございます。  時間がございませんので私がその意味を御説明させていただきますけれども、アメリカの上院決議というものがございまして、その上院決議で、アメリカがある国と軍事的な同盟を結ぶ場合には、アメリカばっかりが負担するのではなくて、アメリカが他国を防衛する義務を負う以上は、その相手国も自らの国の防衛のために自助努力を行うと同時に、また、アメリカに対しても防衛面で協力する意思を持った国でなければならないという上院決議がありますので、アメリカ政府は、各国と軍事的な同盟を結ぶに当たりまして、そうした趣旨の条文を必ず入れてくれということをやっているわけですね。アメリカの、軍事的な同盟を結んでいる国の条約、私も幾つか見ましたけれども、全て同じ文言で入っております。  ところが、日米安保条約だけが全く違う特別の文言になっているわけでございます。具体的には下の小さな文字の、憲法上の規定に従うことを条件としてというのが入っているんですけれども、この意味は、上の逐条解説の下線部分ですけれども、我が国の場合には集団的自衛権の行使を禁じている憲法の範囲内のものに限られると、この相互援助を、アメリカを助けるということ、アメリカを援助していくということですけれども、明確にするためにこういう文言をわざわざ入れたと。アメリカのどこの軍事的な同盟を結んでいる国の条約でもこの文言はありません。  つまり、条約において、集団的自衛権は行使できないという国会承認、つまり、国会の憲法解釈の意思があるのに、勝手に内閣で集団的自衛権はできますというふうに解釈を変更する、それ自体がまず、条約と閣議決定だったら条約の方がよっぽど上ですので、無効の閣議決定というふうになります。  岸田大臣に伺わせていただきます。  この日米安保条約第三条、済みません、説明が長くなって申し訳ありませんけど、右の方を見ていただくと、これは実は七月一日の閣議決定以降の外務省のホームページです。先ほど申し上げました集団的自衛権の行使を禁じているという文言を早速削除されているわけでございます。まさに解釈改憲がどんどん、憲法の条文改正がなければできないことを、解釈改憲と言わせていただきますけれども、解釈改憲が、まさに恐ろしいものが進行しているというわけでございます。  岸田大臣に伺います。  これは国会の承認権を潜脱する憲法違反の、憲法六十条違反の行為であるというふうにお考えになりませんか。
  54. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、資料としてお示しいただきました部分ですが、この安保条約の第三条の条文と併せて解説についてお示しをいただいたわけです。  そして、この条文の部分を是非改めて見ていただければ分かりますように、これ条文においては、「憲法上の規定に従うことを条件として、」、この部分だけが明記されております。七月一日の閣議決定においては、我が国を取り巻く国際情勢が大きく変化する中で国民の命と平和な暮らしを守り抜くという観点から、従来の政府見解の基本的な論理の枠内で検討した結果、我が国に対する武力攻撃が発生していなくとも、新三要件を満たす場合には従来の政府見解の基本的な論理に基づく必要最小限の自衛のための措置として武力の行使が憲法上許容される、こうした判断に至った次第です。  ですから、この第三条の規定、憲法上の規定に従うことを条件としてとされておりますので、今申し上げましたような考え方に基づいて、憲法に対する考え方が変わったわけですので、それに従ってこの三条が適用される、こういった考え方に立ったならば、御指摘のようなことは当たらないのではないかと我々は考えております。
  55. 小西洋之

    ○小西洋之君 今の大臣の答弁は、憲法上の規定に従うという文言なので、実際の憲法の方が変わったので、これとは、構わないんだというのはそういう趣旨だと思うんですけれども、憲法上の規定に従うことを条件にしてというのは、まさに我が国は集団的自衛権を憲法上行使できないというその意味のみを書き表すためにこういう表現で書いているわけでございます。ほかのアメリカの軍事同盟にはどこにもない言葉でございます。また、そういう趣旨で入れたということは外務省のホームページにも書いてありますし、一九六〇年安保のときの国会の承認も、委員会の議事録でもしっかり残っているところでございます。  たまたま同じ文言だから変えるというんだったら、この憲法上の規定に従うあるいは法令上の規定に従うなんという文言は、我が国の法体系には山のようにあるわけでございます。特別の意味がある場合に、幾らでも解釈変更をして別の意味を込められるんだったら、議院内閣制なんかもう崩壊するわけでございます。とんでもないことだと思います。  大臣に伺いますけれども、今、憲法上の規定に従うことを条件としてとおっしゃいましたけれども、ほかにも幾つかの言葉が、特別の言葉が入っています。御存じですか、この第三条に。ほかのアメリカの軍事同盟にはない、日米安保条約第三条にしかない言葉が入っているのは御存じですか。
  56. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 済みません、そういった点があるということ、私はちょっと今承知しておりません。
  57. 小西洋之

    ○小西洋之君 それは、担当大臣がそれを知らないというのはとんでもないことだと思いますけれども、外務省は御存じですか。どなたか答弁できる方。
  58. 冨田浩司

    ○政府参考人(冨田浩司君) 今、日米安保条約に特有のというふうな趣旨のお尋ねだと思いますけれども、ただいま手元にアメリカとほかの国との軍事同盟に関する条約を持っておりませんので、この場では比較して御答弁することは差し控えたいと思います。
  59. 小西洋之

    ○小西洋之君 唯一、主権者である国民の持ち物である憲法を、勝手に内閣が解釈改憲を強行して、しかも、それは条約を踏みにじっているわけですよ、国会の条約承認権を踏みにじっているわけですよ。後で内閣法制局長官とたっぷり議論させていただきますけれども、普通は、憲法の解釈を変えるんであれば、それを変えることによって様々な条約や法律と矛盾、抵触しないか、その閣議決定が、七月一日の閣議決定が矛盾、抵触しないか徹底的に審査するんですよ、政府の中で。内閣法制局はそれをやるんですよ。  これは、もう既に国会の質疑、七月十五日の質疑で明らかになっていますけれども、結局、今回の解釈改憲で何を内閣法制局は審査したかというと、六月三十日に最終の閣議決定の案文が来て、一日だけ、まあ一日もなかったんだと思いますけれども、翌日の七月一日の午前中に電話で意見はありませんと、それだけしかやっていない。かつ、審査に使った資料というのは今申し上げましたその最終案文しかないと。何にもやっていないわけでございます。何で担当局長はそんなこと知らないんですか。  当時の議事録がございますけれども、今の、この小さな三条の文字ですね、「個別的に及び相互に協力して、」という文言があるわけでございますが、通常ここは、単独及び共同してという言葉なんです。後ろの方に、「武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力」という言葉がございますけれども、これは、個別的及び集団的の能力というのがアメリカのほかの国との軍事同盟で全て入っている文言なんです。今申し上げた言葉、単独及び共同して、あと、個別的の及び集団的の能力、これ全て、集団的自衛権を排除する、そのためだけに日本のこの日米安保条約第三条で固有に変えられた文言なんですよ。  つまり、「憲法上の規定」だけじゃないんです。この三条そのものが、国会の承認権、憲法上の承認権の下において、国会の憲法解釈として、集団的自衛権は憲法九条の下で全く許されないと、そのことを確定しているものなんですよ。にもかかわらず、内閣の解釈変更だけで何でこの条約を潜脱できるんですか。もうめちゃくちゃな、これはもう解釈改憲以下のクーデター改憲と前回も申し上げましたけれども、一体どこの国だと、そういうことを厳しく指摘をさせていただきたいと思います。  じゃ、この条約、今、残念ながら、大臣、局長からまともな答弁がされませんでした。条約の問題、もう国会の承認権自体が今揺らいでおりますので、EPAのこの条約に入る前に、この揺らぎの原因であります憲法解釈の内容、七月一日の閣議決定の憲法解釈の内容について確認をさせていただきます。  資料三を御覧いただけますでしょうか。これ、前回、横畠内閣法制局長官に質問を繰り返させていただいたものでございますけれども、憲法九条の政府の見解ですね。今回、新三要件において、国民の生命、自由及び幸福の追求、今後は国民の生命等というふうに略させていただきますけれども、国民の生命等が根底から覆る場合は、我が国に対して武力攻撃が発生していない、我が国と密接な関係国に対する武力攻撃が発生している場合であっても、つまり集団的自衛権を行使できるというふうにしたわけでございますけれども、今申し上げた、国民の生命等が根底から覆される、これ、いろんな言葉で言い換えがされているわけでございます。  一番上は、昭和四十七年、今回の解釈改憲の基にしたと言われる政府見解でございます。その次の平成十六年、これも安倍内閣を含め歴代の内閣が踏襲しているという中心的な解釈です。このときは、国民の生命や身体が危険にさらされると、この網掛けをしている部分でございます。じゃ、この四十七年の生命等が根底から覆されると、平成十六年の国民の生命や身体が危険にさらされるというのは要件として全く同一のものなんですかという質問に対して、一番下の質疑でございますけど、横畠内閣法制局長官は五月の二十二日に、「要件的には全く同じことを述べている」、まあ当たり前ですけどね、というふうにおっしゃっているところでございます。  ここからが確認なんですけれども、その次には七月一日の閣議決定の国民の生命等が根底から覆る、その次には解釈改憲の後の七月十四日ですね、国民に深刻、重大な被害が及ぶというふうに、これを更に説明をしておりますけれども、それぞれの言葉が、昭和四十七年と平成十六年と、あと七月一日の新三要件と、あと平成二十六年の七月十四日のそれぞれの言葉が要件的に全く同一かどうかというのを確認させていただかなければいけません。  資料の四を御覧いただけますでしょうか。資料の四。右上に表示がございます。  今御説明いたしました昭和四十七年の見解の国民の生命等が根底から覆るというのは、平成十六年の答弁書の国民の生命や身体が危険にさらされると同じことであるということを平成二十六年の五月二十二日に横畠内閣法制局長官は答弁をされています。  では、法制局長官に伺います。  七月一日の閣議決定の新三要件にある国民の生命等が根底から覆されるという言葉は、下の平成十六年答弁書にあります国民の生命や身体が危険にさらされると要件的に全く同一のことであると。ずれがあるんだったら、そのずれの要素が具体的に何であるかということも含めて明確に答弁ください。もうイエスかノーか、これだけを答弁ください。これ以外のことは、答弁し始めたら止めますから。
  60. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) お尋ねの昭和四十七年見解と平成十六年答弁書の内容が同じであるとお答えした趣旨は、いずれも我が国に対する武力攻撃が発生した場合におけるその被害、影響等について述べたもので、その意味で同じであると述べたものでございます。  一方、七月一日の閣議決定におきましては、他国に対する武力攻撃が発生した場合、これを契機といたします自衛権の行使というものについて言及しているものでございまして、その意味で、七月一日の閣議決定におけるものは他国に対する武力攻撃が発生した場合におけるものを含んでおりますので、平成十六年答弁書が、我が国に対する武力攻撃が発生した場合におけるものについてお答えしたものとは前提が異なる部分がございます。
  61. 小西洋之

    ○小西洋之君 そんな答弁拒否をしないでください。前提が異なるなんて分かり切っているじゃないですか。前提が異なることなんて聞いていないんですよ。法理として全く同一の要件ですか。ずれがあるんだったらずれがあるというふうに言ってください。かつ、そのずれを、ずれの要素を、具体的な要素を説明してください。  もう一度聞きます。前提のことなんか聞いていないんです。要件的に同一かどうかを聞いているんです。どうぞ。(発言する者あり)
  62. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 静粛に。
  63. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) 重ねてのお答えになりますけれども、前提が異なりますので、その点が違うということでございます。
  64. 小西洋之

    ○小西洋之君 前提が異なるのは分かりました。  じゃ、前提が異なると、要件的にも異なってくるんですか。要件的には同一ではないという理解でよろしいですか。どうぞ。
  65. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) この点もこれまでお答えしているとおりでございますけれども、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合で、我が国に対する武力攻撃がいまだ発生していない場合におきましても、我が国に対する武力攻撃が発生した場合と同様な深刻、重大な被害を受ける、そのような場合もある。そのような場合には、その状況の下、我が国として武力を用いた対処をしなければならない、そういう場合があるというのがこの要件であるということを御説明しているところでございます。
  66. 小西洋之

    ○小西洋之君 実は、前回の横畠長官の質疑は、内閣法制局長官による答弁拒否ということで結構ちまたでは今話題になっています。今もすさまじい答弁拒否を繰り返されています。  じゃ、重ねて聞きましょう。下にベン図を御用意させていただいています。もし、同一要件でないんであれば、七月一日の三要件の国民の生命等が根底から覆る、平成十六年答弁書の国民の生命、身体が危険にさらされる、これが要件的に同一でないんであれば、ずれがあるはずです。ずれがある場合には、この(A)か(B)ですね。七月一日の閣議決定の方が要件的に広いのか。つまり、守るべきものが多くて、守るべきもの、これを守るために実は我が国は武力攻撃をできる余地が広がっているのか。あるいは、その逆ですね、平成十六年の方が広いのか。もうこれは多分ないんだと思いますけど、どっちですか、ベン図で。イエスかノーかで、もうイエスかノーか以外は答えないでください、イエスかノーかで、どうぞ。
  67. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) お示しの資料四の(A)、七月一日閣議決定の方が広く、平成十六年答弁書の方が狭い、その図がございますけれども、その差分のところは、まさに我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合においても、我が国として武力の行使を行うことがやむを得ない場合があるという、その差分のところであろうと理解いたします。
  68. 小西洋之

    ○小西洋之君 じゃ、確認でもう一度聞きます。  要件的には、申し上げた七月一日の三要件の生命等が根底から覆されると、十六年答弁書の生命、身体が危険にさらされる、これは要件的にずれがあるということですね。ずれがあるということでよろしいですね。同一要件ではないと。要件的に全く同一ではない、ずれがあると。この(A)の方をお示しされましたから、七月一日の閣議決定の方が広いということですね。
  69. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) 繰り返しになりますけれども、七月一日の閣議決定におきましては、他国に対する武力攻撃が発生した場合における我が国としての武力の行使、自衛の措置というものについて、これも憲法上許される場合があるということを示したものでございまして、その意味で差があるというのは当然のことであろうと思います。
  70. 小西洋之

    ○小西洋之君 じゃ、この図の(A)ということでよろしいですね。要件的に(A)の方が、七月一日の閣議決定の方が広いと。要件的に同一ではないと。  私が言っていることを別の言葉でごまかして答弁をされているんですけれども、これを長官がなぜ答えられないかというと、これ法解釈なので客観的に答えられるはずなんですよ。なぜ答えられないかというと、これを答えた瞬間に安倍総理を始め自民党の皆様から怒られてしまうんでしょうね。  ただ、これはすさまじいことですよ。どういうことかというと、ずれがあるんだったら、別の法益、今までとはない、今までの憲法九条の下ではない法益を守るために我が国は武力行使ができることになるわけですから、基本的な論理がずれているわけですよ。基本的な論理が成立しないわけですよ。根本の要件が異なる。武力行使をするその究極の目的ですよね。目的のその要件が広がっているんですか。どうぞ。
  71. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) その目的につきましては、新三要件の第二要件におきまして、我が国の存立を全うし、国民を守るためやむを得ない措置ということを明記してございますので、目的、趣旨は同じでございます。  繰り返しになりますけれども、七月一日の閣議決定の方が広いという点は、まさに他国に対する武力攻撃の発生を契機とする自衛の措置というものが付け加わったからでございます。
  72. 小西洋之

    ○小西洋之君 もう完全な答弁拒否を繰り返していますけれども、私が聞いているのは、他国に対する武力攻撃が発生した状況でも今度は武力行使ができるようになったわけですよね、政府はそういうふうに解釈変更を強行されたわけですけれども。そうはいっても、基本的な論理を維持していると言っているわけです。基本的な論理は何かというと、全く同じ文言なんですよ、昭和四十七年と今回の文言は。国民の生命等が根底から覆される、この事態を排除して国民を守るためだけにしか、そのためだけにしか武力行使はできないと言っているんですよ。  じゃ、そのためだけの、ためだけというのは具体的にどういう要素、要件なんですかということを聞いているんです。それは、平成十六年の国民の生命や身体が危険にさらされるという要件よりも広がっているんですか、要素として。別の要素が入ってきているんですか、あるいは入っていないんですか。ずれがあるんですか、ないんですかと聞いているんです。  もう端的に聞きます。要件として同一なんですか。同一でないんであれば、ずれがあるということでよろしいですか。もう一度聞きます。
  73. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) 昭和四十七年の政府見解、これは維持しています。その前提の上で、これまでは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみ、今その要件に当たると理解していたわけですけれども、その認識を改めまして、他国に対する武力攻撃が発生した場合においても、その四十七年の基本的な論理に該当するものがあり得るという整理をしたものがこの七月一日の閣議決定でございます。
  74. 小西洋之

    ○小西洋之君 もう全くあきれます、これ。こんな答弁を法制局長官がするんだったら、我が国はもう法治国家として終わりじゃないですか。何ですか、その答弁は。  じゃ、こういう聞き方をします、ずれがあるんでしたら、具体的な要素、守らなければいけないその法益、具体的な要素について具体的に答弁してください。それが答弁できなかったら、ずれはないというふうにみなします。どうぞ。
  75. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) 我が国の存立と国民でございます。
  76. 小西洋之

    ○小西洋之君 我が国の国民が生命や身体が危険にさらされる、これ以外に要件があって、かつ、その具体的な要素があるんでしたら、それを説明してください。ないんであればないというふうに私は解釈するし、この片山委員長の下の委員会でそのように解釈をさせていただきます。具体的に答弁してください。
  77. 横畠裕介

    政府特別補佐人(横畠裕介君) 我が国の存立と国民を守るということは、この新三要件の第二要件に明記してあるとおりでございます。
  78. 小西洋之

    ○小西洋之君 もう何を聞いてもこの有様ですので、委員長、これ理事懇でしっかり協議して、また委員会、集中審議をこれで開いてください。法制局長官が答弁拒否をしていますから。
  79. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 後刻理事会で御発言の趣旨について協議いたします。
  80. 小西洋之

    ○小西洋之君 これ、今私が聞いていることはどういうことかというと、もう繰り返しになりますけれども、今までは、国民の生命や身体が危険にさらされる、それを守る、そういう究極の場合にしか我が国は武力行使ができなかったんです。ところが、それ以外の場合で、何か分かりませんよ、それは、経済的な権益かもしれない、あるいは日米同盟という外交上の問題かもしれない、そういうことで武力行使ができることになっている、そうとも捉えられかねない、そういうことになって、一番根っこのところですから。  それをどうしてもかたくなに内閣法制局長官は答弁をしない。何を首かしげているんですか、あなたは。まあいろんな内輪話も知っていますけど、これ暴露してもいいですけど。やりましょうか、本当に、そこまでやるんだったらと思いますけれども、すごいことですね。  一番下に、このページに付けておいていますけど、十月十六日の私の質疑ですね、今と同じ全く趣旨のことを聞いております。次のページに出てくるんですけれども、七月一日の閣議決定の新三要件の国民の生命などが根底から覆されるというのは、七月十四日の横畠長官の説明によって、国民に深刻な、重大な被害が及ぶと同じ意味だということをされているわけですけれども、じゃ、この同じ意味の中に、国民の生命や身体が危険にさらされるということは同義ですかというふうに聞くと、横畠長官は、三回聞いてようやく最後に、国民の生命が害されるという危険が含んでおりますというふうに答弁をなさいました。だから、国民の生命あるいは身体が害されるという危険は含んでいるんでしょう。  ただ、私が聞いているのは、それ以外のものも、それ以外の今までは誰も想定していなかった余計な要素というものが入って、法規範としてもう底が抜けたものになっているのかどうかを確認しているわけです。横畠長官はかたくなに答弁拒否をされましたので、もう法規範として成立していないと、これ法規範じゃないじゃないですか。  じゃ、こういう聞き方をしましょう。横畠法制局長官に伺います。  ある法令の解釈について書き表したその文言、これ閣議決定の文言だとしましょう。それの要件を個別具体的にきちんと説明できない、しかも、過去の解釈と同一の基本論理といいながら全く同じ文言を使っていて、普通だったら、常識的に考えて、全く同じ要件のはずなんですけれども、ずれがあるんですかと聞いたら、あるかないかかたくなに答えない。そういうものが法規範と言えるんですか。どうぞ。
  81. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 若干お尋ねの趣旨を理解しているかどうかは分かりませんけれども、法規範につきましては適正に解釈すべきものと考えております。
  82. 小西洋之

    ○小西洋之君 まあ、もうあれですけれどもね、こういうことをするんだったら、もう議会政治自体が成り立たないことになりますけれども。  理事はこれちゃんと答弁するように言ってもらえますか、その要件を。同一的な要件かどうか。イエスかノーかだけで分かる話ですから。園遊会があるから止める気はないんですけれども。要件的に全く同一かどうかというのをちゃんと答弁するように。
  83. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 速記止めてください。    〔速記中止〕
  84. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
  85. 小西洋之

    ○小西洋之君 今私がさせていただいている質問ですけれども、もうこれ法制局とはこの十一月の四日、五日、二日にかけてずっと議論を、それ以前からずっと議論をさせていただいております。法制局長官にそのたびに上げてもらって、長官に上げたということを確認して私のところに説明に来てもらっております。だから、長官は何もかも分かっているはずです。長官はこの要件が同一だということを、法理として同一だということも認識されているはずなんです。なぜならば、違うという説明ができないから、違うという説明がないから。にもかかわらず、要件的に同一だということは絶対言わないし、じゃ違いがあるんだったら具体的にその違いの要素を説明してくださいと言うとそれも説明しない。もうひたすら答弁拒否を繰り返している。  もう一回だけ伺います。  今回の七月一日の解釈改憲というのは、これまでの憲法九条のその政府解釈、その基本的な論理を踏襲したものというふうに言っております。今、この資料四に書かせていただいた一番上の(1)、昭和四十七年の見解ですけれども、灰色の部分、国民の生命等が根底から覆される、これは、我が国が武力行使をするに当たって、その武力行使をするその根拠となるものです。つまり、守るべきものです。国民の生命等が根底から覆される場合にこれを排除する、このためだけに、全てを禁止、武力、実力行使を禁止しているかのように見える憲法九条の下でもこのためだけにはできるという、そういう解釈でずっと来ました。  昭和四十七年の国民の生命等が根底から覆されるという言葉は、平成十六年の国民の生命や身体が危険にさらされると全く要件的に同一であるというふうに横畠長官は答弁を既にされております。であるならば、七月一日閣議決定の新三要件の言葉、国民の生命等が根底から覆される、これは昭和四十七年の政府見解を基につくったというふうに政府も言っており、閣議決定の文書にも書いております。全く日本語として同じ言葉なんです。だったら、七月一日の閣議決定の新三要件の国民の生命等が根底から覆されるというのは、平成十六年答弁書の国民の生命や身体が危険にさらされると要件的に全く同一ですねと。  で、ずれがあるのであれば、下の(A)、(B)、どういう形でずれが出ているのかをお示しください。かつ、このずれの部分はこの黒い部分ですから、具体的にこの黒い部分にどういう要素が入っているのか、経済的な権益なのか、外交問題なのか、様々なことが考えられるでしょう。どういうものが入っているのか、全て具体的に答弁ください。具体的に答弁されなければ答弁拒否をしたとみなすと同時に、説明ができないんであれば要件的に同一だというふうにみなさせていただきます。
  86. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 横畠内閣法制局長官、質問に端的にお答えください。
  87. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) この点はこれまでもお答えしているのでございますけれども、これまで我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみが、昭和四十七年の政府見解に言う外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に当たると解してきたわけでございます。  この認識を改めるわけでございますけれども、そのように解してきたことを踏まえますと、新第一要件の我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるとは、他国に対する武力攻撃が発生し、そのままでは、すなわち、その状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかであるということをいうものと解されるということは明らかであると考えております。
  88. 小西洋之

    ○小西洋之君 まあ、全く何にも答えてないわけでございますけれども。長官、資料の七、御覧いただけますか、資料の七。資料の七の一番下の括弧の中、長官の大先輩の元法制局長官です、ここの下線部分を読み上げていただけますか。
  89. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) このまま読み上げろという御趣旨でございますね。では、読み上げます。  法律上の意見の開陳は、法律的良心により是なりと信ずるところに従ってすべきであり、時の内閣の政策的意図に盲従し、何が政府にとって好都合であるかという利害の見地に立ってその場をしのぐというような無節操な態度ですべきではない。
  90. 小西洋之

    ○小西洋之君 今長官が読み上げられました、かつての長官の大先輩である内閣法制局長官のまさに法制官僚としての矜持ですよ。今、あなたの答弁姿勢、無節操な態度だと思いませんか。
  91. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘ではございますけれども、私も、先ほど読み上げた高辻元内閣法制局長官と同じ考えでございます。
  92. 小西洋之

    ○小西洋之君 まあ、それは全く違うんでしょう。なぜならば、まあ、余り多くを申しませんけれども、要するに、死ぬはずのない国民が死ぬことになるんですよ、こんな憲法解釈をつくると。我が国の経済権益や、あるいは外交上の問題、それで集団的自衛権を発動している国もありますよ。ただ、我が国は平和主義の国であって、国民の生命や身体が奪われてしまう、そういう究極の場合にそのかけがえのない国民を守る、そのため以外には武力行使はしないと、それ以外の理由によって自衛隊員は戦闘で死ぬこともないし、また、集団的自衛権の行使、武力行使をして反撃を受けて日本国民も死ぬことはない。まさに、そういう立憲主義と法の支配、それがもう根底から覆されてしまうわけですよ。  もう空前絶後の暴挙であり、まさに、立憲主義に基づくワイマール憲法があっても、それを骨抜きにしたもうナチスの手口と全く、ナチスの手口以上だと思いますけれども、そういうことが進行しているというふうに理解をさせていただきます。  じゃ、もう一つ重要な論点、資料の五を御覧いただけますか。(発言する者あり)  EPAというふうに理事も委員の方もおっしゃっていますけれども、さっき申し上げました条約の承認権を潜脱し、その根底になる憲法解釈をじゅうりんしている、そういう状態を委員会でたださなくてどうするんですか。こんな法規範の下で国民の命が失われていいんですか。委員会で、我々この立法府の在り方として。まあ、そう思われる方は不規則発言を続けてください。  では、資料の五、法制局長官、御覧ください。  この度の解釈の改憲ですね、あやふやな点が幾つかございますけれども、もう一つの重要な点を申し上げさせていただきます。  昭和四十七年の政府見解、上に載ってありますけれども、あくまで外国の武力攻撃によってというふうに網を掛けさせていただいております。つまり、これまでは我が国に武力攻撃が発生したとき、これは我が国が実際爆弾を受けて国民が死んでからではございません、我が国に武力攻撃がまさに発生する、相手国にその着手という状況に至れば、それを排除するために自衛隊は戦っていただけるわけでございます。ただし、我が国に武力攻撃が発生しない限り、我が国は武力攻撃はできないというのが憲法の解釈でございました。  ところが、どうも我が国に対する武力攻撃とは関係ないこと、具体的に言いますと、アメリカとイランが戦争して、イランがアメリカに対する武力行使として、イランの国民と国土を守るためにホルムズ海峡に機雷を敷き詰めたと。で、その機雷を掃海するために自衛隊を派遣することができると。イランは日本に対して武力攻撃はしていないのに、イランははっきり言って日本に対して敵意すら持っていないのに、そのイランの敷き詰めた機雷を排除しに武力行使をして、その過程でイランの軍人あるいは国民を殺傷することにもなるでしょう。そういうことができるというようなことを安倍総理は国会答弁で言っているようでございますけれども。  ポイントは、下に書かせていただいております、横畠長官の七月十四日のこの新三要件の考え方の答弁でございます。新三要件が成立する場合として、網掛けの部分ですけれども、我が国に戦禍が及ぶと、我が国に戦禍が及んで、それによって国民が被ることとなる犠牲の深刻性や重大性などから判断をする、新三要件の第一要件の生命等が根底から覆るというところですけれども、判断するということになっています。  ポイントは、我が国に戦禍が及ぶですけれども、ここの意味でございます。戦禍、戦の禍でございますけれども、この戦の禍、戦禍が及ぶとは、下に書いていますけれども、(A)ですね、我が国に向けられた武力攻撃という禍が及んでくることなのか、これのみなのか。あるいは、先ほど申し上げました、我が国に向けられた武力攻撃以外の禍ですね、広い意味での禍。アメリカとイランが戦争して、イランは日本には何の敵意もないんだけれども、イランが自分の国と国民を守るために敷き詰めたその機雷によって日本に向けたタンカーが来なくなると、そうすると日本は石油が足りなくなるような事態が起きるかもしれない、これも広い意味で禍というふうに読んだ場合に、そうしたものというのは、この戦禍、つまり新三要件の要件に当てはまるんでしょうか。  具体的に聞きます。  このベン図を御覧ください。(B)ですね。ベン図の(B)の中を読み上げさせていただきますけれども、武力攻撃以外の禍のところですけれども、具体的に、我が国に対して何の武力攻撃の意図もないイランが、アメリカに対して機雷敷設を行い、つまり、アメリカへの武力攻撃をやっているわけです。これを排除するのがまさに集団的自衛権なんですけれども、それにより我が国への石油運搬が困難となるケース。このケースは、法制局長官、新三要件において集団的自衛権を発動できる条件なんでしょうか、要件なんでしょうか。
  93. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) その具体のケースがこの新三要件に該当するかどうかは、実際にその事態が起こった場合において全ての情報を総合して客観的、合理的に判断すべきものでございまして、あらかじめ定型的、類型的にお答えすることは困難でございます。  その上でお答えいたしますが、センカのカが火という字を書く場合と禍という字を書く場合がございます。火と書く場合には、まさに我が国が砲撃を受けたり、あるいはミサイルが着弾をするといったようなことがイメージされるわけでございますけれども、禍という場合については、必ずしもそのような砲火を浴びるというような状況ではないものも含まれる場合でございます。  この点につきまして、前回もちょっとお答えいたしましたけれども、これは従前の政府の見解でございますけれども、我が国に対する武力攻撃の発生ということをめぐりまして議論がございまして、実際にその他国部隊が我が国に上陸してくる、あるいはミサイルを撃ち込んでくる、それはまあ典型でございますけれども、必ずしもそのような場合に限らず、いわゆる兵糧攻めというような形で、一発も弾を撃たない、そういう形でありますけれども、武力の行使をすることによって我が国に対する武力攻撃が発生するという場合もあり得るということをお答えしてございます。  さらに、我が国に対する武力攻撃以外の禍という御指摘でございますけれども、今回の新三要件の第一要件におきましては、あくまでも他国に対する武力攻撃はもう既に発生しているということを前提としておりまして、それの影響といいますか、被害といいますか、御指摘の資料五にも書いてございますとおり、事態の個別具体的な状況に即して、主に攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍、これは禍の方でございますけれども、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断することになる、そのように考えております。
  94. 小西洋之

    ○小西洋之君 もうすさまじいはぐらかし、ごまかし答弁をいただきましたけれども、ちょっと事実だけ伺いましょう。  今法制局長官が紹介された過去の答弁ですけれども、昭和二十九年の国務大臣の答弁ですね、木村国務大臣の答弁だと思いますけれども、これは個別的自衛権の行使の局面、つまり我が国に対する武力攻撃を発生しているということを述べている答弁ですよね。どうぞ。
  95. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 我が国に対する武力攻撃の態様について述べたものでございます。
  96. 小西洋之

    ○小西洋之君 ふざけたはぐらかし答弁をするんじゃないですよ。私は集団的自衛権の局面について聞いているんですよ。集団的自衛権の局面において戦禍が及ぶというふうに書いていますから、じゃ、これは、ここに書いてあるとおり武力攻撃という禍が及んでくることのみなのか、あるいは武力攻撃以外の禍が及んでくる、ここまで含むのか、ここまで含むとなると、これ基本的な論理をもうまるっきり逸脱することになると思いますけど。結構です、今、質問を重ねますので。  法制局長官は、砲火を浴びるような状況でないものも含まれるというふうにおっしゃいました。その例で個別的自衛権の状況をおっしゃいました。これは全くの答弁にはなっていません。そうですよね、武力をもって我が国を兵糧攻めにするのは、我が国を海上封鎖をして兵糧攻めにするのは、これは個別的自衛権の局面ですから、集団的自衛権とは関係ないんです。  地球の裏側でイランが自らの国民と国家を守るためにアメリカに対して機雷を敷き詰めている、日本に対する武力攻撃ではないし、日本に対する敵意もないわけですよ。そういう状況でイランが敷き詰めた機雷を掃海しに行くことは、この戦禍が及ぶという定義に合致して、集団的自衛権が新三要件の下で成立して、集団的自衛権を発動できるんですかと聞いているんです。これも具体的な事例で答えてください。
  97. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどのお話は、我が国に対する武力攻撃が発生した場合についての過去の答弁を御紹介しましたけれども、なぜそれに言及したかと申しますと、この七月一日の閣議決定につきまして、私どもは、他国に対する武力攻撃が発生した場合であっても、これに対して武力を用いた対処をしなければ国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況である、そういうのが要件であるというふうに御説明しているところでありまして、具体の当てはめについては実際の事態が起こってからの判断でございますけれども、仮にそのような、この要件を満たすような事態があるならば、我が国として自衛の措置をとるということもあり得べしということを述べているわけでございます。
  98. 小西洋之

    ○小西洋之君 具体的な内容について何ら明らかにしない、説明できないものって要件として成立しないじゃないですか、法規範じゃないじゃないですか。  この戦禍、戦の禍の言葉に、この武力攻撃と関係のないような禍、先ほど申し上げましたイランのケースですけれども、ホルムズ海峡の機雷のケース、これが入ってくるんだったらもう基本的な論理なんてとっくに逸脱しているじゃないですか。なぜならば、基本的な論理は、あくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、身体が、生命等が根底から覆される場合のみにできるはずだったものを、他国に対する武力攻撃でも生命等が根底から覆る場合があるというふうに言い始めて、やり始めているわけですけれども、だからといって、武力攻撃と全く関係のないことを原因として、それをこの戦の禍と位置付けて、それによって武力攻撃を解禁するなんということは、これはもう法規範として完全に逸脱しているじゃないですか。  前回、法制局長官は、日米安保が揺らぐだけでは集団的自衛権の行使はできないというふうにおっしゃいました。まさにそれと同じで、経済問題が起きただけでは集団的自衛権の行使はできなくて、国民の生命や身体にまさに危険が及ぶと、そういう社会的事実があると、そういうことがなければ集団的自衛権は行使できない、それが基本的な論理の考え方だというふうに私は認識をしています。その上でも、今回の解釈改憲というのは、憲法の平和主義などを切り捨てるなどして憲法違反の暴挙だというふうに思っておりますけれども。(発言する者あり)  ちょっとあえて申し上げさせていただきます。お名前は申し上げませんけれども、不規則発言をされている方、私が申し上げているのは、これ自衛隊員の命が懸かっているんです。日本の国民を守る、日本の国民の命や尊厳を守る以外の理由で自衛隊員が戦闘して死んでしまう、そのことを憲法のどこの条文を見てもそれ許容してないんですよ。そういうことがどうしてもやりたいんだったら、この国会で議論をして、三分の二の同意を得て、国民投票を行って憲法改正をすればいいじゃないですか。こんないいかげんな、法令解釈とも言えないようなもので自衛隊員を戦地に送り込んで殺してどうするんですか。そんなことをして許されるんですか。何を言っているんですか、本当に。安倍総理のようにお名前を出すことは、私はそんなことはしませんので、ただ思いだけは申し上げさせていただきました。  じゃ、資料六。もう一つ重要な論点を続けさせていただきますので。資料の六、これは前回、横畠長官に確認させていただきましたが、立法事実の問題でございます。  立法事実、我が国において、これは世界中どこでもそうですけれども、人間は、世界人権宣言にも書いてありますように自由でございますから、その国民の自由や権利を制限する場合には、社会的な事実、その制限がやむを得ないという社会的な事実の根拠が必要なんです。集団的自衛権も同じです。集団的自衛権をどうしても必要だというその根拠、もう一言で言えば、基本的な論理を踏襲するのであれば、集団的自衛権を行使しなければ守ることができない日本国民というものがいるのかどうかです。  六十年間以上、歴代内閣は、そういう日本国民をどうしても見出せませんというふうに言ってきました。憲法九条において集団的自衛権が憲法の条文を変えない限りできないと言われたたった一つの究極の根拠はこれなんです。我が国には武力攻撃は発生していない、我が国と関係のないところで戦争が起きていて、それによって日本国民の生命や身体が危険にさらされるということは論理的に常識としてあり得ないので、だから、そのあり得ない日本国民の生命を守るために武力攻撃をすることは、全ての実力行使を禁止しているかのように見える憲法九条の下ではどうしてもできませんと、そういう説明だったんです。  ところが、横畠内閣法制局長官は、七月十五日のこの参議院の予算委員会の審議において、こういう今申し上げました立法事実を、集団的自衛権行使の解釈の変更を行う立法事実を確認したのか、目的の必要性と手段の合理性、主張したのかという質問に対して、法制局として審査はしていませんと、そういう他国に対する武力攻撃があった場合でも、国民の生命等が根底から覆る場合があり得るということを国家安全保障局から聞いたので、それを具体的に確認せずに、それを丸のみして解釈の変更を許容しましたという空前絶後の答弁をされているところでございます。  いま一度、横畠法制局長官に伺います。  集団的自衛権を行使しなければ救えない日本人が、それは存在するかどうかということですね。つまり、我が国が攻撃を受けていない状況において、まず前提として、生命や身体が危険にさらされる日本国民というのが本当に一体存在し得るのかどうか。かつ、存在するとしても、その国民を救うために外交努力でも駄目、個別的自衛権でも、集団的自衛権の行使以外に手段がない。  この目的の必要性と手段としての合理性、(1)、(2)と書いていますけど、この二つを法制局、確認をしていないと言うんですけれども、確認をされましたか。確認をしたんであれば、どういう日本国民が存在して、なぜ集団的自衛権以外に手段がないのか、御説明ください。
  99. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘の日本国民が存在するしないという論点がいま一つ理解できていないのでございますけれども、これまでもるる御説明しているとおりでございまして、七月一日の閣議決定におきましては、これまでは国家の、我が国の存立あるいは国民の生命、身体及び幸福追求の権利を根底から覆される、そのような事態というのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると解釈していたわけでございますけれども、現下の国際情勢、その他諸般の状況を鑑みれば、他国に対する武力攻撃が発生した場合であっても、その状況の下、措置をとらなければ同じようなことになってしまう、そのような事態というのがあり得るという認識に至ったことから、この七月一日の閣議決定をしているものでございます。
  100. 小西洋之

    ○小西洋之君 最後の言葉、そういう生命等が根底から覆される日本国民がいるという、そういう認識に至ったというのをおっしゃいましたけれども、その認識に至った本人は横畠法制局長官ですか。長官もそういう認識に至っているんですか。
  101. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) もちろん、あり得ないことを前提にして閣議決定を行っているわけではございませんので、私自身も同じ認識でございます。  ただし、我が国を取り巻く安全保障環境の変化に対応して、どのような事態を想定し、あるいは想定されるか、そしてどこまでそれに備える必要があるのかといったことは政策の問題でございまして、それについて詳細を私はお答えする立場にはございません。
  102. 小西洋之

    ○小西洋之君 じゃ、認識に至ったと言うんでしたら、我が国に武力攻撃が発生していないのに生命や身体が危険にさらされる日本国民、具体的にどういう事態が起きて、どういう事実関係の下の日本国民なのか、具体的に説明してください。認識に至ったとおっしゃいましたよね。かつ、その日本国民の生命や身体を救うのに集団的自衛権以外に手段がない、それもなぜ手段がないのか、具体的に説明してください。認識に至ったとおっしゃったんだから説明できるはずですよ。
  103. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) ですから、国民の存否というより事態の認識、状況の認識のことでございまして、新三要件に該当するかどうかの判断につきましては、繰り返しになりますけれども、他国に対する武力攻撃でございますけれども、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的に、合理的に判断するということを申し上げているところでございます。
  104. 小西洋之

    ○小西洋之君 すさまじい答弁を連発していますけれども。  委員の皆様の御参考までに資料の七を御覧いただきまして、下から二つ目の括弧ですけれども、これ、先ほどもおっしゃった平成十六年の有名な政府答弁書ですけれども、ここの灰色の部分ですね、集団的自衛権の行使がなぜできないのか、「国民の生命等が危険に直面している状況下で実力を行使する場合とは異なり、」ということですので、国民の生命等が危険に直面している状況ではないということなんです。  つまり、我が国に対して武力攻撃が発生していないわけですから、そういう、していない状況においては国民の生命等が危険に直面し得るわけがないという事実認識、認識に基づいて、その認識を歴代の内閣法制局長官、これ、横畠長官もです、あなたはこの答弁、何度も何度も第二次安倍内閣になってから読み上げているんですよ。御自分も、日本に武力攻撃が発生していない状況においては、この生命等が危険に直面する日本国民はあり得ないという事実認識を持ってあなたも答弁をしていた。つまり、憲法九条によって集団的自衛権は行使できないという答弁をしていた。ところが、その事実認識が七月一日で変わったと言い始めたんですよ。じゃ、今まではあり得ないという認識を持っていたあなたが何であり得るというような認識を持つことになったんですかと私は聞いているんです。それがなぜ答弁できないんですか。  もう一度だけ聞きます。あなたはずっと、法制局長官に着任されてから、この平成十六年の答弁を繰り返し答弁をされていました。我が国に武力攻撃が発生していない状況においては、生命等が危険に直面する日本国民というのはあり得ないというふうにあなたは事実認識に基づいて答弁していたのに、なぜ、七月一日以降、あり得るというふうに認識を変えたのか。そういう国民の存在等、それを救うためには集団的自衛権以外に手段がないという認識を持ったからなんですけれども、じゃ、その日本国民というのはどういう日本国民ですか。なぜ、それ、集団的自衛権以外に手段がないんですか、具体的に説明してください。
  105. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘の平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書で記載されております国民の生命等が危険に直面している状況下で実力を行使する場合とありますけれども、従前は、このような場合に該当するのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると解釈されてきたところでございますけれども、この認識を改めて、他国に対する武力攻撃が発生した場合においてもそのようなことがあり得るという認識に至ったということでございます。
  106. 小西洋之

    ○小西洋之君 なぜ法制局長官自らがそういう認識に至ったのかを私は聞いているんですけれども、答弁はされませんでした。  答弁がもうめちゃくちゃずれちゃっているんですね、法制局長官。七月の十五日は、私はそういう認識には至っていませんと、そういう審査をしていませんとあなたはおっしゃっていました。国家安全保障局からそういう説明を受けたので、そういう事実があり得ると、そのような事実があり得るという説明を前提として法的な論理について検討したということでございますと言っているのに、先ほどは認識したと言い始めたんですね。じゃ、認識したんだったらどのように認識したんですかというと、答えられない。もうめちゃくちゃずれているじゃないですか。  両大臣にお聞きいただきたいんですけれども、こんな憲法解釈を引きずってこれから内閣を運営されるんですか。もたないですよ、こんなもの。もつわけないですよ。  あと、私は国会議員としてもういろんな活動を今やっていますけれども、これ、もちませんよ、こんなもの。やっているというのは解釈改憲を阻止する活動ですけれども。もつわけないです、こんなもの。法制局長官が国会議員から法律論を議論されて、全く答弁できないじゃないですか。ひたすら答弁拒否ばかりやっている。これをずうっと続けるんですか。今度、私、予算委員会のテレビ入りで総理大臣や各大臣にやらせていただきますよ。もつんですか、こんなもの。もたないんですよ。これ、めちゃくちゃなクーデターをやっているんですよ、誰が考えてもおかしい。  ちょっと何がおかしいか御説明します。このカラーの資料がございますけれども、これ一枚おめくりいただきますか。時間がないので結論だけ申し上げさせていただきますけど、なぜ、平和主義の憲法の下で、条文を変えない限りできないと言われていた、集団的自衛権の行使ができることになったのかと、これは大きく二つの暴挙を犯しているからなんです。  一つは、今追及している立法事実、でっち上げているからです。我が国に武力攻撃が発生していない状況では、生命や身体が危険にさらされる日本国民はいないとずっと言っていたのに、六十年間以上、歴代の内閣は誰も見付けられなかったのに、安倍総理大臣と横畠長官は見付けたと言い始めたんですね。じゃ、誰なんですかと聞くと答えられない。あり得ないものをあり得ると言った瞬間に、全ての法規範、それを擦り抜けることができるんですよ。  例えばこういうことなんです。私、かつて総務省で放送法を所管していました。放送ですね、広い領域に電波を持つ地上波と言われるものですけれども。憲法二十一条の言論、報道の自由がございます。原則自由です。ただ、国民に対していろんな影響がやっぱり起こり得るので、その言論、報道の自由の趣旨を踏まえた、つまり放送事業者の自主性を尊重した、そういう非常に緩やかな規制だけが入っています、入っている。  ところがです。総務省の官僚が内閣法制局に、新しい立法事実を発見しました、放送局の電波によって国民の思考回路が根底から覆される、そういうことを我々は発見しましたと言い始めたとします。すると、法制局長官が言っていることは、それを法制局は審査していないと、日本の地上波のテレビ局の放送によって国民の思考回路が根底から覆される、それって一体何なんだと、なぜ覆されるんだと、について法制局は審査していない。ただ、総務省がそう言うので、分かりました、憲法二十一条の解釈を変えて、放送の番組の個別の内容まで規制できるような、そういう憲法規範にします、その下でそういう法律を作ります、それと全く同じことをやっているんですよ。こんなことをやった瞬間に、憲法九条以外の全ての憲法の条文というのは滅んでしまうんですよ。  それが一つですね。このカラーの絵ですけれども、そのからくりですけれども、なぜ解釈改憲が可能なのか。一つは立法事実のでっち上げ。  もう一つは、このでっち上げをしても、なお我が国の平和憲法というのは、この平和主義の法規範によって集団的自衛権を排除できるはずだったんですよ。実は平和主義のこの基本論理というものを切り捨てているんですよ。内閣法制局においても、何の審査資料も持っていないし作っていない。かつ、国家安全保障局においても何の審査資料も作っていない。かつ、いろんなところに出回っています、私も与党協議の全資料見ましたけれども、与党協議の中にも、この平和主義の法理について何ら検討していません。全く検討していない。  平和主義の法理、前回の委員会でも申し上げましたけれども、三つ憲法の前文に書いてあるんですけれども、全世界の国民に対して、戦争の恐怖や欠乏から免れて平和のうちに生存する権利、全世界の国民に保障する平和的生存権を我が国の憲法は確認しているんですよ。にもかかわらず、日本に攻めてきていない国に、先ほどのイランのケースです、イランは日本に攻めてきていないのに、日本がイランまで自衛隊を派遣してイランの軍人や国民を殺りくして石油を確保する、全世界の国民に平和的生存権を確認する平和主義の国家がそんなことができるかといったら、できっこないんですよ。  あるいは、平和主義の、先の、第一の方ですね、こういうふうに書いています。日本国民は、政府の行為によって戦争の惨禍が再び起こることがないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定すると書いています。これは政府の国会答弁でも確立していますけれども、政府の行為によって戦争の惨禍が再び起こることがないように、つまり、政府が勝手に国民に無断で憲法上禁じられている戦争を起こすことがないように、二度とないように、過去の戦争のようなことがないように、だから国民主権を採用したんだと。  国民主権の究極の行使は憲法改正権ですよ、国民投票です。つまり、国民投票をやらずに集団的自衛権という新しい戦争を起こして、自衛隊員を死に至らしめて、かつ日本国民を戦争の惨禍で死に至らしめることを我が国の平和主義は許していないんですよ。こういう法理を全く検討していないから、こういう解釈改憲が実現できているんです、強行できているんですよ。その結果、下の絵ですけど、もう無限定ですよ、歯止めがない、恐ろしい、ぬえのような新三要件ですよ。そういうものであるということを御指摘させていただきます。  じゃ、資料の六、法制局長官、いいですか。法制局長官、さきの十月の十六日のこの外防委員会の審議で、資料の六ですね、先ほど申し上げました集団的自衛権の行使を、必要不可欠性を根拠付けるその立法事実、目的の必要性と手段の合理性について、一番下の(A)、(B)ですね。(B)しか確認していないと言っていた。(B)は我々も審査するのかどうか分からないですけど、(B)はあるんじゃないんですかと言うんですけれども、(A)ですね、我が国として国際関係において実力の行使を行うことを一切禁止しているように見える憲法九条のそういう文理を乗り越えて、集団的自衛権という新しい武力行使を可能にする解釈の変更が必要不可欠だと、そういうことを論ずる根拠、それが上の(1)、(2)になるんですけれども、それが必要なんですね、一つ、この解釈の変更には。  で、もう一つ。この我が国会、委員会で、今後、安倍内閣が強行する限りは、集団的自衛権を解禁する自衛隊法の改正等々の法案審議を、まあ我々としてはそれ以前に安倍内閣を打倒するためにもう政治生命を懸けて闘いますけれども、やろうとされるんでしょう。ただ、そうした場合でも、そういう法律が憲法九条に違反しないのか、そこも立法事実の問題になるわけでございます。それで、前回も申し上げました昭和五十年の最高裁違憲判決で、立法事実の不存在を理由として、ある法律、薬事法という法律ですけれども、違憲無効であるというふうに切って捨てられています。  法制局長官に伺います。(B)のところですね、集団的自衛権を行使することにより生命が失われる自衛隊員その他の国民との関係において、このように国民の権利を制限し国民に義務を課す法律を具体的に整備するときの、その立法の合憲性の根拠、これについては法制局は審査するということでよろしいですね。
  107. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 生命が失われる自衛隊員等々の御指摘がございますけれども、この新三要件の下におきましても、平和主義の原則、立憲主義、その他、専守防衛等々の憲法上の原則は全く変更がございません。また、我が国の平和と独立を守るという自衛隊の使命そのものも全く変更がございません。それが前提でございます。  今後の立法、法案の審査につきましては、まさに新三要件で示されております憲法九条の解釈、これに従って判断をしていきます。
  108. 小西洋之

    ○小西洋之君 ちゃんと答えてください。新三要件がつくれる根拠がこの立法事実なんですよ。この社会的事実、二つの立法事実ですよ。これがないんだったら新三要件はつくれないんですよ。それをつくることは憲法九条違反ですよ、憲法九条が禁止している新たな武力行使を勝手につくっているわけですから。かつ、平和主義にも違反しますよ。もう全くの、どこから見ても憲法違反ですよ。全く、法制局長官、この度の私の質疑でもう何も答えないという空前絶後のことが繰り返されておりますけれども。  資料十に、前回も御指摘しましたけれども、政府で、これ第二次安倍内閣も答弁していますが、法令解釈というのは一体何だということを言っています。論理的な追求でなければいけないと、法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、論理的な追求でなければいけないと。立法事実も確認していないし、平和主義の法理も確認していないし、何にも確認しない、かつ説明ができない、論理的、具体的な説明ができない、それはもう法令解釈じゃないんですよ。解釈改憲以下のクーデター改憲ですよ、これ。そうでないと言うんだったら、全ての私が言った質問に対して具体的に説明してください。  じゃ、岸田外務大臣に伺いますけれども、幾つかのこの立法事実ですね、我が国に武力攻撃が発生していない状況において生命や身体を侵害されてしまう日本国民の存在、一体それはどういう日本国民なのか、かつ、それを救うためには集団的自衛権の行使以外に手段がない、その立法事実について具体的に御説明ください。通告していますよ。
  109. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今の質疑における立法事実について答弁しろということでありますが、まず、国際的な安全保障環境は大きく変化をしています。また、グローバルなパワーバランスの変化、テロの脅威、あるいはサイバー等、新しいリスクも登場しています。こういった中にあって、一国のみでは自らの平和を守ることができない、こういった状況判断の下に様々な議論が行われていると認識をしています。  先ほどの議論の中においても、例えばホルムズ海峡の機雷掃海の話も出ておりました。その例におきましても、我が国のエネルギー安全保障の観点から考えましたときに、我が国の国民生活に死活的な影響が出る場合、こういったことが考えられないことはありません。これ、いずれにしましても、この新三要件を満たすかどうか、これがしっかり問われなければなりません。個別的な状況に即して、政府が全ての情報を総合的に、客観的に、合理的に判断する、こういった判断が求められると考えます。  様々な具体的な事例においても、この三要件を満たすかどうか、この点がしっかり問われなければならない、このように考えます。
  110. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 先生、質疑時間終了しておりますので、おまとめをお願いします。
  111. 小西洋之

    ○小西洋之君 今、立法事実についての答弁ですけれども、最高裁の判決はこう言っています。立法事実とは、単なる観念上の想定では駄目で、確実な根拠に基づく合理的な判断と言えるものでなければならない。観念上の想定では駄目なんです。ホルムズ海峡で何かが起きて日本が死活的に困るとか、そういうことではなくて、具体的に、日本国民にどういう被害が及ぶのか、生命、身体にどういう危険が及ぶのかを言えないといけない。  かつ、そうであっても、日本に対して何の敵意もないし、日本に対して武力攻撃も行っていないイランに自衛隊を派遣してそこの国民を殺りくするんだったら、憲法の平和主義を削る以外にそれはできない、そういうことをきちんと申し上げさせていただきます。  EPAについて十問質問を御用意させていただいておりましたけれども、申し訳ありません、私も経済産業省や総務省でこの取組をしておって、誠に遺憾ではございますけれども、法制局長官の繰り返しの答弁拒否のためにEPAの質疑は十分にできなかった。ただ、根本の条約承認権の問題と憲法の、今我が国に起きている法の支配、立憲主義の問題については質疑をさせていただきました。
  112. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) おまとめいただけますか。
  113. 小西洋之

    ○小西洋之君 はい。  以上で終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  114. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、総務省自治行政局選挙部長稲山博司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  116. 小野次郎

    ○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。  今日は、日豪EPAの審議ということでありまして、私もお聞きしたい質問を作りましたが、外務大臣、また外務省の方には恐縮ですが、その前に江渡大臣への質問ありますので、何とかたどり着きたいと思っていますが、場合によってはたどり着けないことがあるということをお許しいただきたいと思います。  なぜ私がまず江渡大臣の方にお尋ねするかというと、大臣の資質という問題はこの委員会にとってもやはり優先案件だと私は思うからです。  既に、この委員会だけじゃなく様々な委員会で江渡さんの政治資金をめぐる問題について議論されてきました。雇用保険は納入せず、源泉徴収は怠り、賃金台帳なども作成していない。その上に、政治資金をめぐる様々な疑惑の中で政治家が一番戒めなければいけないみっともない疑いってどういうことかというと、やはり政治資金というのは、税金であったり、あるいは政治活動に充てるために有権者の皆さんから寄附していただいたお金が原資になっているのに、それを自らの懐に入れたのではないかという疑い、これは最も忌むべき疑惑であり、それに対して政治家は最も真摯に説明責任を果たさなきゃいけない、果たせないんだったら自らの責任を明らかにしなきゃいけない、そういう案件だからでございます。  今、防衛省の、自衛隊の給与法なんかも審議を待っているわけでございますが、しかし、こうした自らの身の回りのところで、さっき申し上げた、雇用保険払わない、源泉徴収やらない、賃金台帳も作らない、そして自らが政治資金を懐に入れちゃったんじゃないかという疑惑を立てられている大臣がどうして、同じ人件費といっても、自衛隊員三十万人の福利厚生、人件費について我々に提案する資格があるのか、そういう疑問があるからこそ、この問題が優先案件だと私は申し上げているわけでございます。  問い一、江渡大臣は、聡友会の平成二十一年分政治資金収支報告の写しを速やかに委員会に提出すべきじゃありませんか。今日、理事会に一部出てきました。ツーレート、ツーリトルですよ。遅過ぎるし、十分じゃない。  なぜかといえば、全て出していただきたいと私は申し上げたい。しかし、少なくとも言えるのは、あなたは、平成二十四年分の修正のときには、この寄附の方の訂正だけじゃなくて人件費の方の訂正もしているはずです。だから、少なくとも、この二十一年について、該当する部分はこの寄附のページだけではなくて人件費の部分だってなきゃいけない。だから、私はツーリトルとも言っているんです。  是非、大臣には、御自身の疑いを晴らすために、出せるものは全部出そうという姿勢でなければあなたの疑いは晴れないし、大臣の資質についての疑いが晴れなければこの委員会の審議も進まないんだということをもう一度御理解いただきたいと思うんですが、大臣、お考えをお述べください。
  117. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 委員の御指摘、私自身もきちんと説明できることは今までもきちんと説明してきたつもりでありますし、そしてまた、出せる部分もきちんと出させていただくということで図ってきたと私は思っております。  その中において、今、二十一年分ということで要望があったものですから、その部分を出させていただいたというところでございます。
  118. 小野次郎

    ○小野次郎君 出させていただいたのが十分じゃないということを申し上げて、この件については、また引き続き理事会を通じて議論していただきたいと、委員長、お願いいたします。
  119. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 理事会協議を続行いたします。
  120. 小野次郎

    ○小野次郎君 じゃ、大臣、もう一度聞きますけど、平成二十一年分の収支報告のどこをどのように訂正したんですか、二十一年の方については。
  121. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  この二十一年部分というのは、法定の保存期間を過ぎておるものですから、この二十一年部分について訂正していますのは、収支報告書の要旨を掲載した官報の訂正というものを行ったことであります。
  122. 小野次郎

    ○小野次郎君 今日、総務省にお越しいただいています。選挙部長には急にお願いして大変恐縮でございますが、お尋ねしたいと思います。  この法定期間が終了して収支報告自体を処分しちゃった後に、これ記載内容の訂正というのはどのように行われるものなんですか。
  123. 稲山博司

    政府参考人(稲山博司君) お答えいたします。  収支報告書の保存期間は、規正法上、公表の日から三年を経過する日までとなっておりまして、その三年を経過した後の訂正につきましては官報に掲載されました収支報告書の要旨について訂正ができる取扱いでございます。その際、訂正の相手方から訂正願に基づきその訂正をする取扱いとしているところでございます。
  124. 小野次郎

    ○小野次郎君 私が聞いているのは、その訂正願が出てきたときに、その訂正しようとしている中身について、事実、真実であることを説明する領収書とか様々な資料というのは、提示を受けたりあるいは提出を受けたりするんですか。
  125. 稲山博司

    政府参考人(稲山博司君) 訂正願におきましては、訂正理由は書いていただいておりますが、何がしかの事実を疎明する資料等の提示を求めるものではございません。
  126. 小野次郎

    ○小野次郎君 じゃ、選挙部長にもう一遍聞きますけど、そうすると、この江渡さんの平成二十一年の収支報告書自体は訂正されたと言っていいんですか。それとも、それを官報に掲示した、官報の記載が変わっただけだと考えた方がいいんですか。
  127. 稲山博司

    政府参考人(稲山博司君) 御質問の趣旨がちょっと分かりかねますけれども、取扱いといたしましては、収支報告書本体はもう保存期間がございませんので、官報に掲載されました収支報告書の要旨につきまして訂正ができると、こういうことでございます。
  128. 小野次郎

    ○小野次郎君 そうなんですよ。  ですから、もう、いわゆる、私はあえて何責任とは言わぬけど、いろんなほかの法律上の責任の議論をするときの収支報告書に記載に問題があったかどうかということについて言えば、これはもう訂正のしようがないんですよ、もう処分されているわけですから。それと同時に、また、選挙部長がおっしゃったとおり、その訂正は本人の申出どおり訂正しているのであって、別に大臣がおっしゃっているとおり、訂正が認められたから、だから自分の言っている人件費支払が受理されたんですみたいな論理は全然通らない。大臣、そうお考えになりませんか。
  129. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思いますけれども、この二十一年部分のやつは、先ほどもお答えさせていただいたように、収支報告書の要旨の掲載というのを官報の訂正を行いました。  いずれにいたしましても、この収支報告書で、私への寄附とされていたものが職員の人件費であったということが確認されたからこそ訂正をさせていただいたというところでございます。
  130. 小野次郎

    ○小野次郎君 今日、四日の予算委員会の議事録、これ未定稿ですけれども、これを皆さんにもお配りさせていただきました。大臣もお持ちになっていると思いますが、それを御覧になって聞いていただきたいんですけれども、その議事録の七ページとなっているところを見てください。あなたは、予算委員会、NHKのテレビ中継入りのところで何を言っているかというと、まず、私自身、政治資金規正法に従いまして、従来から、登録政治資金監査人による政治資金監査を受けるなどして収支報告書をきちんと作成して、確認を適正に行ってきたと言っているんですよね、国民の前で。だけど、そうじゃないから訂正したんじゃないんですか。
  131. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  これまでもこの収支報告書の訂正の経緯ということは、私もるる各委員会においても御説明させていただいたとおりでございますけれども、まずは本年の八月下旬に大臣就任等の報道等もあったものですから、事務所の方で改めて収支報告書を確認したところ、記載に誤りがあったとの報告があったために、九月の二日及び十日に訂正を行わせていただいたわけであります。  御指摘のこの政治資金規正法に従いまして、従来から登録政治資金監査人による政治資金監査を受けるなどして収支報告をきちんと作成し、確認を適正に行ってきたつもりであると申し上げたのは、私といたしましては、従来より、この収支報告書が適正に作成されていると考えていたから述べたわけであります。特に、登録政治資金監査人による監査も受けていたからこそ、私は自分の考えを述べていたわけでありますけれども、しかし、このような訂正を行わざるを得ない事態になったということで、各所に御迷惑をお掛けしたということは大変遺憾であるというふうに私自身は認識しているところでございます。
  132. 小野次郎

    ○小野次郎君 前段のところだけこの間予算委員会で言われたので誤解を与えたと思うんですよ。だって、記載に誤りがあって、しかもその誤りの中身がそのままでは違法な寄附を受けたという記載になっているから訂正しておきながら、まずおっしゃる最初が、きちんと作成して適正に行ってきたと。そうじゃなかったから反省もされているんじゃないですか。
  133. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  繰り返しの答弁になりますけれども、先ほども委員にお話しさせていただいたように、従来からこの登録政治資金監査人による監査もしっかりと受けていたと、だからこそ私自身はこの収支報告書自体は問題がないというふうに思っていたわけです。しかし、事務所の方で調べていったところ、問題があったと。ですから、問題があったれば、それは直さなきゃいけないのは当然のことであります。だからこそ、九月の二日と十日に訂正をさせていただいたというところでございます。  ですからこそ、そういうところでの考えを述べさせていただいたということでありまして、ただ、このような形で訂正しなければいけないという事態になったということに対しては、私も本当にここの、参議院のこの外交防衛委員会のみならず、衆議院の安全保障委員会においても御迷惑を掛けているということは、それは私も遺憾であるというふうに思っているところでございます。
  134. 小野次郎

    ○小野次郎君 次に、この同じ七ページの黄色い線を引いた二か所目と三か所目を見ていただきたいんですが、あなたは予算委員会で、修正のときに仮の領収書があったればこそ、そのことが人件費とみなされた、修正は受理されたとお答えになったり、また次にも、この仮の領収書で人件費と認めてもらったから受理されたなどと繰り返し述べておられます。  しかし、この仮の領収書は、聡友会から江渡議員への金の支払と受領を証明する資料ではあっても、江渡議員が主張しておられるような他人への人件費支払の証明とは何ら関係ないじゃないですか。答弁のこの部分は意味不明か根拠のない話であって、大臣、どういう真意でこんなことを言っているんですか。
  135. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) 委員の御質問に対して私がこのようなお答えをしたことは事実でありますけれども、ある意味、私の言葉が足りなかった部分もあったのではないのかなと思っております。  この御指摘の答弁、仮の領収書が人件費としての支払を証明するものであるとの趣旨を述べたものではなくて、両職員に対し人件費としてのお金を払う際に対して私が借り受けしたあかしとして仮の領収書にサインをしたという、この人件費支払という経緯というものを、それらのことを説明したと、そのことが認められたがゆえに収支報告書の訂正が受理されたという、そういう意味合いで私はお話しさせていただいたわけであります。  ですからこそ、そういうことで、ある意味、委員にとっては誤解を招く表現があったのであれば私はおわびさせていただきたいと思いますけれども、修正時においてと私はきちんと述べております、修正のときもこの登録政治資金監査人に見てもらったわけでありましてと。ですから、それらのことを併せてるる説明して、そのことが理解を得られたからこそ収支報告書の訂正が受理されたというふうに私は理解していて、このような答弁になりました。  ただ、委員にとりまして誤解を招く表現があったということであればおわびさせていただきたいと思うわけでありますけれども、本件のこの収支報告書の訂正については適正に受理されたということはまず御理解いただければ有り難いなと思っております。
  136. 小野次郎

    ○小野次郎君 特に二十一年の方は、さっき部長も言っていたじゃないですか、言われたとおり直しただけですと、資料なんか見ていませんと。見ようがないわけですよ。だから、正確にお答えいただかなきゃ困りますよ。  次に、八ページ目……(発言する者あり)まあ次の答弁のときに言ってください。八ページ目見てください。同じ議事録の八ページ目に、こうも言っているんですね。所得税というものは申告納税制度を取っていることから、給与所得の源泉徴収票等の添付のない確定申告書が提出された場合であっても、当該申告は受理されているというふうに承知しているところでございますと言っていますが、当委員会で十月二十八日、国税庁から、皆さんも聞いているはずですよ、所得税法上、給与等の支払金額や源泉徴収税額が記載された給与所得の源泉徴収票を確定申告書に添付しなきゃいけないと国税庁の部長はお答えになっているわけで、まあそれは例外がないかどうか、私もそこまでは言いませんが、テレビ放映しているときに、受け取られるんですよと言ってしまっているのは、大臣、ちょっと不正確過ぎるんじゃないですか。添付書類がないまま常に確定申告できるかのような答弁は、極めて僕は不適切だと思います。  聡友会では、大臣の場合ですよ、聡友会ではかねてから職員への毎月の給与支払に際して源泉徴収を怠り、かつ給与支払を証明するそれ以外の資料も残っていないと大臣自ら言っているわけですから、今回問題となっている二か年の四回にわたる人件費支払についても、支払を証明する何らの資料も事務所から見付かっていません。そういう悪質なケースを含めて、常に確定申告に添付書類は不要であるというのであれば、国税庁の部長の答弁とも違うわけですから、大臣の方で有権解釈の根拠を明確にしてください。
  137. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  先生がマーカー引かれたその前の方も見ていただければ有り難いと思っておりますけれども、御指摘のこの答弁というのは、必ずしも私自身も確定申告について詳細というものを承知しているわけではありませんけれども、所得税というものは申告納税制度を採用していることから、給与所得の源泉徴収票等の添付のない確定申告書が提出された場合であっても、当該申告は受理されているというふうに承知しているところでございますと発言をさせていただいたわけでございます。  本件におきまして、人件費を受け取った本人たちは源泉徴収票等の添付なく税務申告を行ったと承知しておりましたけれども、私の発言は、源泉徴収票等の添付は必要はないという趣旨ではなくて、源泉徴収票等の添付がない場合であっても税務申告が受理され得るということを述べたものであるということを御理解していただければ有り難いなというふうに思っております。  また、前々からいろんな御指摘をいただいておりますけれども、源泉徴収を行う必要があったということは御指摘のとおりであるわけでありまして、現在、税務当局とも相談の上、適切に対応するように指示しているところでございます。
  138. 小野次郎

    ○小野次郎君 極めてその大臣の姿勢は、私は納得できませんよ。テレビで国民に放映しているときには調子のいいところだけ言っておいて、こうやって問いただすと、私の真意は、と理解している、私は思っていたんだと、理解していたというだけですよみたいな、それって言い訳でしかないじゃないですか。全く大臣の方から、この案件、疑惑を招いたことも大臣自らの方にあるんだと、我々が何もないところから疑惑だと言ったわけじゃないんですよ、この件は。それでありながら、あなたの方は何ら説明責任を果たそうとしないし、何かというと監査人のせいにしたり、何かというと国税庁も受けるんですよと言ってみたり、ほかの役所のせいにしてみたり、御自身の責任、御自身の不明というものをしっかりと自覚されているかどうか、私は極めて疑問でございます。  次に、Tさんの問題も同じなんですよ、高橋さんの問題。これ、高橋さんはあなたの秘書であり、また聡友会の会計責任者ですよ、この政治資金収支報告の責任者なんですよ。この方についてあなたは、理事会で防衛省の官房長を通じて、確定申告をした時期だとか、確定申告をした聡友会から支払われた給与所得の内容について、高橋さんからは情報提供、資料提供を断られたというふうに説明をさせていますけれども、あなた自身が高橋さんにそうやってお願いしてみたけど断られたという理解でよろしいんですか。
  139. 江渡聡徳

    ○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  この三連休のときにおいて私は何度も何度も電話をさせていただきました。その中において、Tさんの方からは、もう今自分は辞めている身でありますし、また、今現在、自分は体調も優れていなくて、そして病院通いもしているところであると、できれば、報道等でも名前も出たりいろいろしているところもあるから、そっとしておいてもらえないかという、こういうお話もありました。  ただ、それでも、私も委員以上に自分の名誉、潔白を晴らしたいという思いがありましたものですから、何度も何度もお願いをさせていただいているところでございますけれども、まだ今の段階でTさんの方から分かりましたというところまでの言葉をいただけていないということは、私自身も今つらい思いをしているところでございます。
  140. 小野次郎

    ○小野次郎君 今大臣のお話を伺えばこそ、なおのこと、江渡議員に関するこの疑惑を晴らすためには高橋さん本人からの資料提供が極めて重要になっています。それが今得られないということですので、私は、この高橋さん本人を当委員会に参考人としてお呼びいただき、説明を求めることを求めます。  そして、それは、この参考人招致がなければ江渡大臣の政治資金に関する集中審議を行うことはできないと私は認識していますので、是非理事会で協議していただくようお願いいたします。
  141. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  142. 小野次郎

    ○小野次郎君 それでは、外務大臣、大変お待たせして恐縮でございます。EPAについてお話しさせていただきますが。EPAではないんですけれども、PSIというのがありますね、拡散に対する安全保障構想、二〇〇三年に始まっていますが、日豪両国とも参加していますけれども、具体的にこれまでどのような協力を行ってきたか、お伺いしたいと思います。
  143. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のPSI、拡散に対する安全保障構想ですが、国際社会の平和と安全に対する脅威である大量破壊兵器、ミサイル及びこの関連物質の拡散を阻止するためのグローバルな取組です。そして、PSIは我が国の安全保障の向上に資する取組であり、我が国としましても、発足以来、共同訓練、オペレーション専門会合を主催するなど、積極的に参加しております。  そして、日豪のこの両国間の協力ということで申し上げるならば、過去に双方が主催した海上及び航空の阻止訓練、あるいはOEG、要はオペレーション専門家会合ですが、こうした会合へ互いに艦船等の装備や人員を派遣している、こういった協力を行っております。このOEGでは、日豪共に拡散の事態を想定した訓練実施計画の企画立案や法的問題の検討に積極的に取り組んでおります。  今後とも、日豪を含むこのPSI参加国と協力して我が国としましても積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。
  144. 小野次郎

    ○小野次郎君 僕は、このPSI自体はあくまでも法執行に関する国際協力の枠組みだと思っていますけれども、それでよろしいでしょうか。
  145. 中村吉利

    ○政府参考人(中村吉利君) 拡散に関します面におきましては、法執行ということで御解釈いただければよろしいかと存じております。
  146. 小野次郎

    ○小野次郎君 ありがとうございます。  我が国が集団的自衛権をその国のために行使する我が国と密接な関係にある他国というのは、これまでの議論の中でも必ずしも安保条約を結んでいる米国に限られないと政府は説明されていますね。オーストラリア、この我が国と密接な関係にある他国と考えることができるのかどうか、そのことをお伺いしたいと思うんです。  なぜかというと、今回またEPAで経済連携を深めていく。また、TPPも今協議中でありますけれども、両方とも当事国になっているわけでございまして、加えてこのPSIの共同行動、これは法執行面の協力ですけれども、もう十年以上の共同行動の実績がある。様々な分野で両国間の連携の積み重ねをしていくと、いつかどこかでこの集団的自衛権に関して、我が国と密接な関係にある他国としてオーストラリアを認識するという可能性が高まるのかなと、そういう、私は、危惧とも言いません、期待とも言いません、どっちとも言いませんが、そういう可能性があるのかどうか、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
  147. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 新三要件のうちの第一要件に言う我が国と密接な関係にある他国につきましては、一般に、外部からの武力攻撃に対し共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すとされていますが、具体的にどのような国がこの国に当たるか、これはまずあらかじめ特定されるものではないと考えます。武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるものだと認識をしています。  いずれにしましても、憲法上の武力行使が許容されるか否か、これにつきましては、この新三要件を満たすか否か、これによって個別具体的に総合的に判断する、こういったことになると考えます。
  148. 小野次郎

    ○小野次郎君 この点は前にも大臣と私がちょっと議論して、それがいいとは思わないんですね。  つまり、世界中のどこかでどんと何かあったときに、日本国民が、その国が我が国と密接な関係のある他国と言えるかどうかが事前には分からないでいて、どんと何か事件か戦争みたいなのが起きたときに、いきなり政府が緊急声明で、それはそういうふうに認定するんだと言われたら、それこそ国民は寝耳に水の騒ぎになりますから。  やはり何か私は、我が国と密接な関係にある他国というのは、安保条約を結んでいるアメリカみたいなのであれば一定の類推というか想定を国民もすることできますけれども、それに準ずるような積み重ねというんですか、国民にも理解をしてもらうような仕掛けをしないと、何か事件が起きたときに、その国はそうなんだといきなり政府が言い出したら、それこそ、この委員会だって何だってもう沸騰してしまって訳分からなくなってしまうと思うので、そこは、一般理論としてはそうかもしれませんが、やっぱり実際、政治的、国内の政治でいえば、少しその辺の、基準とまで言えるかどうか分かりませんが、国民にあらかじめある国と密接な関係にあるんだということについては説明しておく責任があるのではないかということを申し上げて、別に今日、答弁求めませんが、そこは是非引き続きお考えいただきたいと思います。  時間ですので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
  149. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後五時二十五分まで休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ─────・─────    午後五時二十六分開会
  150. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、福山哲郎君、堂故茂君、小坂憲次君、堀内恒夫君、松山政司君、吉田博美君及び井上哲士君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君、滝波宏文君、井原巧君、宮本周司君、長峯誠君、酒井庸行君及び紙智子君が選任されました。     ─────────────
  151. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 休憩前に引き続き、経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  152. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 今回の協定で、我が国は貿易ベースで約九三・七%が、品目ベースでも約八八・四%の関税を撤廃することとなります。既に日本が締結済みの他のEPAと比較した場合の自由化のレベルはどういうレベルにあるのか、まず御説明願います。
  153. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) お答え申し上げます。  この日豪経済連携協定に基づきまして関税撤廃を行うことにより、発効後十年以内に日豪間の往復貿易額の約九五・三%、日本からの輸出額の約九九・八%、豪州からの輸出額の約九三・七%が無税となります。  今申し上げました自由化率は、日本のこれまで発効いたしました十三本のEPAとの比較で申し上げますと、往復貿易額ベースで第七位、日本からの輸出額ベースで第四位、相手国からの輸出額ベースで第八位となっております。また、品目数ベースで申し上げますと、日本側の自由化率は約八八・四%、豪州側の自由化率は九九%以上になっております。  我が国の発効済みEPAとの比較では、日本側の自由化比率は日・フィリピンEPAと並んで最も高いものでございます。相手国側の自由化率の中で申しますと、豪州側の自由化率は第二位でございます。これまで我が国が締結をしたEPAの中で自由化率の高い協定の一つとなっております。特に、豪州が我が国にとり第四位、我が国が豪州にとり第二位の貿易相手国であるということにも鑑みますと、他の発効済みEPAと比較しても十分に意義のある高い自由化率のEPAであると認識をしております。
  154. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 日本側から見ても高い自由化率であるということでありましたので、発効後の様々な経済的な効果を期待したいと思います。  そこで、本協定の締結は、経済関係のみならない日豪関係全体にどういう効果があるのか、また、安全保障の問題に関して私も先般お聞きをしましたが、アジア太平洋地域や国際社会全体における日豪協力にどういう効果が期待できるのか、大臣の見解をお尋ねします。
  155. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 日本とオーストラリアですが、まず民主主義ですとか法の支配ですとか、あるいは人権といった基本的な価値を共有しています。そして、アジア太平洋地域、さらには国際社会において重要なパートナーであります。今年七月、安倍総理がオーストラリアを訪問させていただいた際にも、アボット首相との間において日豪が特別な関係である、こうしたことを確認した、こういった二国間関係です。  経済的にも、我が国が今日まで署名してきた二国間EPAの相手国のうち、このオーストラリア、最大の貿易相手国であります。こうした経済的意義はもちろんあるんですが、それに加えまして、今申し上げましたような基本的な価値ですとか、さらには戦略的な利益、こういったものを共有するこの豪州との間の関係を強化する、こういった意味は大変大きいのではないか、このように考えます。  そして、この日豪EPAにおいては、貿易、投資、知的財産、競争あるいは政府調達、幅広い分野が含まれています。地域のルール作りという意味においても、今回の日豪EPAは大きな役割を期待されていると考えています。もちろん、日系企業の競争力強化ですとか、日本の食料、エネルギー、鉱物の安定供給ですとか、そういった意味合いはありますが、今申し上げましたような地域における戦略的な意義は大変大きいものがあると認識をしております。
  156. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 今の日系企業の競争力強化という面では、私は愛知県を活動の中心地としているという、そのことを言うからではありませんが、完成自動車の約七五%について関税が即時撤廃されるというところに注目をいたしました。  お聞きをしますと、オーストラリアの現地の自動車メーカーはないということでした。そこで、このことによって我が国にはどういう自動車産業についてのそういう経済的な効果が期待できるのか。  また、既に豪州との間では米国とそれから韓国ですね、韓国もFTAを発効させたというふうに聞いております。当然、こういうアメリカ、韓国との自動車分野での輸出競争もあるわけでありますけど、そういう意味での相対的な地位の向上ということも含めて、この自動車という分野についてどういう効果が期待できるのか、お尋ねします。
  157. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) 委員が今御指摘なさいましたように、完成自動車の約七五%について関税が即時撤廃をされることになっております。現在、オーストラリアは自動車について五%の関税をしいておりますので、これは大変我が国自動車メーカーにとりましてコストが低減されるという意味で大きな、また直接的なメリットであると理解をしております。  さらに、関税の支払額ということで申し上げますと、年間約二百八十五億円の関税支払が発効一年間で自動車については減少し得ると試算をしているところでございます。  各社の経営戦略に直結する話でございますので定量的な評価は難しいところもございますけれども、今申し上げましたコスト低減による価格競争力の向上といったものは、市場シェアへのより良い前向きな影響として期待をできるところであろうかと考えております。  また、委員これも御指摘をされましたけれども、豪州は既にアメリカとの間でFTAを二〇〇五年、発効させております。また、韓国との間では、今年の四月に韓豪FTAが署名をされまして、発効に向けてオーストラリアと韓国がそれぞれ国内手続を進めているところでございます。したがいまして、アメリカから豪州市場に輸出をされる米国車の関税は既にゼロでございます。また、韓国車につきましても近い将来にゼロになる見込みでございますので、こうした状況の中、日豪EPAが速やかに発効することにより、日本のメーカーは、少なくとも関税の差を原因とするシェアの縮小のリスクから解放されるだけではなくて、各社の方針によっては豪州市場における日本車シェア拡大の、まさに攻めの経営を行っていただくことが可能になると考えております。
  158. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、午前中にも随分議論になりましたが、本協定には食料供給章というのが日本のEPAとしては初めて設けられました。また、エネルギー・鉱物資源章も設けられました。これらの規定はどのような経過により設けられ、またそのことによってどういう効果が期待できるのか、お尋ねします。
  159. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) 先ほど岸田外務大臣からも御答弁申し上げましたとおり、豪州は戦略的パートナーでございます。我が国がこれまで署名してまいりました二国間EPAの相手国のうち最大の貿易相手国であります。それに付け加えまして、豪州の特徴的なところは、我が国にとって大変重要な食料及びエネルギー・鉱物資源の供給国であるという点でございます。こうした認識を踏まえまして、委員御指摘のとおり、日豪EPAにおいては、食料及びエネルギー・鉱物資源の安定供給の確保の観点から、我が国が提案をいたしまして、この我が国からの提案に基づき交渉した結果、食料供給章及びエネルギー及び鉱物資源章を設けることができました。  それぞれの独立の章におきましては、一定の重要な食料及びエネルギー・鉱物資源物品に関しては、WTO協定に整合的であっても輸出禁止や輸出制限の措置を導入しないよう努めるという義務を規定しております。また、仮にそのような輸出禁止、輸出制限の措置をWTOにのっとって講じる場合であったとしても、日本という締約国に与える影響を考慮の上、必要な範囲に限定するよう努めるという点も規定をされているところでございます。さらに、新たな規制措置を講じる際の事前通報など、食料及びエネルギー・鉱物資源の供給に関する措置の透明性を確保することも併せ規定をしております。  このような食料供給章及びエネルギー及び鉱物資源章の規定により、我が国に対する豪州からの重要な食料及びエネルギー・鉱物資源物品の供給を妨げる措置が抑制されることを期待しております。  また、我が国と豪州側の関係者、関係機関の間のこういった食料供給あるいはエネルギー・鉱物の輸出入に当たっての協力関係の強化も期待をされるというところでございまして、総じて、この食料供給章及びエネルギー及び鉱物資源章の規定によりまして、豪州からの食料及びエネルギー・鉱物資源物品の我が国への安定供給確保に資するものと考えております。
  160. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 大震災後、エネルギーの安定供給ということが大きな課題になっている中でありますので、このエネルギー・鉱物資源章の新設は意義がある、このように思っております。  次に、本協定によりオーストラリアとの間で投資の自由化や保護を行うための法的枠組みが整備をされます。そこで、これまで日本企業が対豪州投資を行うに当たって何らかの不利益があったのか、あるいはトラブルになったことがあるのか。そして、本協定によりオーストラリア側の外資審査基準が緩和されますけれども、その具体的な内容はどのようなものであるのか。また、あわせまして、食料供給章に定められました食料分野への投資の促進・円滑化規定と相まって、日豪双方の投資促進にどういう効果が期待できるのか、お尋ねいたします。
  161. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) 豪州における日本企業の投資案件に関連しまして、国際協定に基づく紛争処理手続に至った事案はないと承知しております。  ただ、他方におきまして、当然のことでありますけれども、個別の日本企業が豪州で活動するに際していろいろな問題に直面することもございます。これは個別企業の今後の活動方針にも関わることでありますので、なかなか詳細をつまびらかにすることは難しい点もございますけれども、しかし、外務省といたしましては、こうした現地で展開をする個別企業の活動を積極的に支援をしたいと考えておりまして、企業側から個別に相談が寄せられる場合には積極的に在外公館及び本省を通じて支援、連携を行ってきているところでございます。  また、委員の御質問にございました、この日豪EPAによりまして豪州において事前審査の対象となる投資の基準額が変更になります。具体的には、これまで二億四千八百万豪州ドルでございました投資の基準額が十億七千八百万豪州ドルに大幅に引き上げられます。これにより、審査対象となる投資の案件が大きく減少することでございまして、日本企業が豪州において投資を行う際の手続的負担の軽減が期待をされます。  また、委員御指摘の食料供給章における投資についてでございますけれども、食料分野への投資に関心を有する企業等からの照会に対して回答を行い、適当な場合には関連情報を更に提供する連絡部局を指定するということも日豪EPAで明示的に規定をしているところでございます。  こういった本協定の食料供給章あるいは投資章を含むこの協定の締結によりまして、豪州の投資環境について国際法上の側面から一定の整備がなされることになりますので、我が国から豪州への投資が促進されることが期待をされていると考えております。
  162. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、先ほど農水委員会との連合審査も経たわけでございます。確かに、冷凍牛肉、冷蔵牛肉について関税が下がるということは事実であります。しかし、品目ごとに重要性を勘案をしまして、国内農業について十分に配慮して健全な発展を損なうような影響は回避したと、私はこのように考えております。そういう意味では、本協定の締結というのは、何もそういう農業分野に少し痛みを与えて、それ以外の分野について経済効果を期待するということではなくて、トータルで見て、地方も含めた我が国の経済や社会の発展とウイン・ウインの関係にある、私はこの条約を精査してそのように言っていいのではないか、セーフガードという仕組みもあるわけでございます。  そこで、そういうこの本協定の、地域まで様々な効果が期待できる、投資案件も増やしていただきたい、そういうこの条約の意義というのをもっと積極的に国民に訴えていくべきではないか。また、このことを通して、この日豪協定の意義をアピールすることを通して、成長戦略の中でFTAの締結促進が大きな意義があるんだということを国民の皆様に理解をしていただくべきだと思いますが、大臣のそうした国民各位へのアピールということを含めた決意をお尋ねします。
  163. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 日本経済再生のために自由貿易の推進、これは我が国の対外通商政策の柱だと考えます。力強い経済成長を達成するためにも、自由貿易体制をこれまで以上に強化して、諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があります。  そして、この日豪EPAにおきましても、御指摘のとおり、国内産業の健全な発展と両立し得る結果を確保しつつ、全体として国益にかなう、我が国にとって利益になる協定を実現したと考えております。そして、それに加えて、関税撤廃、削減ですとか、あるいは日本企業の豪州における円滑な活動環境の整備ですとか、あるいはエネルギー・鉱物資源等の安定供給の強化、こうした恩恵も期待されます。  こうしたことについて、御指摘のように、しっかりと情報発信していかなければならないと思いますし、またあわせて、このEPAの締結そのものについてもしっかり説明すべきではないか、こういった御指摘がありました。  御案内のとおり、今我が国におきましては、同時並行的に八つのEPA交渉を進めています。日本再興戦略においてFTA比率を七〇%に高めるという目標を掲げてきている、先ほども議論の中に出たとおりであります。こうした取組を通じまして日本の経済に諸外国の活力を取り込む、こういった努力を続けているわけですが、この意義は大変大きいものがございます。  情報発信のありようとしまして、ホームページですとかパンフレットですとか講演会等を通じて広報を行う、これは当然のことですが、例えば、地方を含む国内各地においてEPA活用セミナーというものを今開催しています。このセミナーにおきましては、中小企業を含む企業関係者を対象として、我が国のEPA政策からEPAで規定されている様々なルールや枠組みの内容、活用方法、さらには日本企業によるEPA活用の事例、こういったものを紹介することによって、よりこのEPAに対する取組に対しての理解を深めていくべく努力をしているところでございます。  引き続き積極的な情報発信に努めていきたいと考えます。
  164. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 大臣は今、各地域でEPA活用セミナーを開いていると、また、いきたいとお聞きをしました。  私も中小企業を回っておりまして、その相手がオーストラリアかどうかは別としまして、様々、海外市場に対する輸出、投資ということについて興味を持っている中小企業はたくさんあるんですね。しかし、そういうノウハウもないし、またそういうことをやる専門の人材もいないわけでありまして、そういう意味では、このEPA等を活用して中小企業が積極的に対外的にアプローチしていけるような中小企業支援策というのを、これは経済産業省だけではなく、外務省もしっかりやっていただきたいと思いますが、更に付け加えていただく点があればお示しいただきたいと思います。
  165. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 日本企業の海外進出につきましては、外務省としましても、経済外交を進める上でしっかり支援をさせていただかなければならない、こういった認識に立ちまして、昨年末には、外務省にこうした支援の支援推進本部を立ち上げさせていただきました。  そして、特に中小企業等においては、こうした海外への進出、取組を考えた際に相談をする窓口というものがどうしても必要になります。そして、特にワンストップで相談できるしっかりとした窓口が求められる、こういった考えに基づいて、外務省に、海外進出等を考える日本企業、特に中小企業、こういった方々の様々な相談を受けるワンストップの相談窓口を設ける、こういった取組も進めているところです。そして、在外公館においてもしっかりと相談に乗らせていただく、こうした丁寧な取組を続けているところです。  こうしたものも併せることによりまして、より分かりやすい、そして理解されやすい、外務省のこうした支援のありようをしっかりとPRしていきたいと考えます。
  166. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 これを最後にしたいと思います。  現在、我が国は、TPP交渉はもとより、東アジア地域包括的経済連携、いわゆるRCEP、あるいは日・EUのEPA交渉のような広域なEPA交渉を進めております。この時点での、そうした中での豪州とのEPA締結に至った意義は大変大きいと思っております。  豪州は、TPPあるいはRCEPの交渉参加国でもあるわけでありますが、今回、この豪州との協定締結、発効を機に、今後どのようにそういう大きな枠組みでの自由化交渉を進める上で豪州と連携していくのか、外務省、外務大臣の決意をお尋ねいたします。
  167. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども少し答弁の中で触れさせていただきましたが、日豪EPAは、経済的意義に加えて、アジア太平洋地域において基本的価値観、そして戦略的利益を共有する豪州との関係強化に寄与するものとして重要な意義があります。また、日豪EPAは、貿易、投資、知的財産、競争、政府調達等、幅広い分野が含まれております。日豪間でこのような包括的な協定が成立することにより、TPPですとかRCEPを含む地域の経済連携の活発化に寄与する、こうした期待もあります。  また、日本と豪州は、このアジア太平洋地域や国際社会において緊密に連携する重要な戦略的パートナーであり、アジア太平洋地域における経済連携を推進しています。TPPの早期妥結、あるいはRCEPの二〇一五年末までの交渉完了に向けて、首脳、閣僚レベルから実務者レベルまであらゆるレベルで、引き続き日本と豪州、緊密に連携していきたいと存じます。こうした姿勢でしっかりと両国の関係強化に努めていきたいと考えております。
  168. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 引き続き外務大臣には積極的な経済外交を推進していただくことを要請しまして、終わりとしたいと思います。
  169. 田中茂

    ○田中茂君 みんなの党の田中茂です。  今回の日豪EPA交渉大筋合意は大変意義のあるものであり、双方にとっても多くのメリットをもたらすことになるであろうという考えには基本的に同意いたします。また、オーストラリアは、先ほど大臣がおっしゃったように、アジア太平洋地域における日本の重要な戦略的パートナーであり、貿易、投資を始めとして関係を強化させることに、それにも同意いたします。  本協定交渉は、そもそも二〇〇三年に日豪EPAの共同研究が始まり、二〇〇七年に第一次安倍政権とハワード政権の間で交渉が開始されましたが、二〇〇七年四月から二〇一二年六月まで約十六回の交渉会合を重ねたが、合意には至りませんでした。それが、今年四月に大筋合意に至ったわけであります。まず最初に、そこに至るまでの七年の歳月にわたり多方面の交渉を重ねてきた関係者の方々の継続した粘り強い取組に感謝の意を表したいと思っております。  質問ですが、オーストラリアは、農産物、鉱物の輸出大国であり、二〇一三年度の統計を見ると、日本から輸出が一・七兆円に比べ、日本への輸入がそのほぼ三倍の五兆円となっております。EPAのこれまでの交渉相手国の中で重要品目の取引量が多い相手国であり、非常に重要かつタフな交渉であったと思われますが、合意に至るまでに足掛け七年も掛かった理由は何か、七月に署名に至った要因は何か、お聞かせいただきたいと思います。
  170. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、この日豪EPA、二〇〇六年十二月の日豪首脳電話会談において交渉の開始が決定されました。そして、その後、二〇〇七年四月から交渉がスタートして、七年間にわたり計十六回の交渉会合が開催され、非公式の実務者レベルの協議も含めまして精力的に交渉が行われてまいりました。  先ほども答弁の中で申し上げましたが、日豪EPAの中には、貿易ですとか、投資ですとか、政府調達、知的財産、あるいは競争、幅広い分野が含まれています。また、日本と豪州との間では多くのセンシティブな品目があって、国内産業への影響を極力回避しながら国益にかなう最善の道を追求しなければならない、こうした条件の中で長く厳しい交渉を続けてまいりました。  そして、七年の歳月を費やした後、この度合意に至ったわけですが、この合意のきっかけというものについては、具体的に何がきっかけだったかと申し上げるのはなかなか難しいとは思いますが、結果としましては、特に両首脳間で最も良い形で合意できるよう両国政府が精力的に取り組み、今年四月のアボット首相の訪日の際の日豪首脳会談において大筋合意を確認し、そして本年七月の安倍総理の訪豪の際の日豪首脳会談において署名を行った、こういったことでありました。このように、両国の首脳間の対話がこの日豪EPAの合意における大きな弾みになったというのが事実ではないかと考えます。
  171. 田中茂

    ○田中茂君 ありがとうございます。  確かに、二〇〇七年から二〇一三年の間は、豪州は日本と距離を置いていた労働党政権下であったわけですが、この間、豪州は重要品目の関税全廃を強硬に要求し続けたと記憶しております。このことが協定の作業がまとまらなかった一因ではなかったかとも推測されるんですが、今大臣おっしゃったように、今回、二〇一三年、アボット首相、自由党が政権を取って、安倍首相とアボット首相の友好関係はもちろん知られるところであります。  今回の協定がいい関係の更なる構築という流れに結び付くことは理解しております。政治が主導することで物事が決まることは適切なアプローチであるとも考えます。がしかし、戦略性がないと、後の始末に困ることもあります。  本協定への豪州の労働党から自由党への政権移行の影響があったように、今後の見直し作業に政治体制とそのタイミングが大きく左右されていく可能性もあると考えます。特に、日豪両国の関係は、経済協力と底辺でつながっている安全保障や軍事協力、さらにこれから豪州がEPAを結ぼうとしている対中国政策、これらに関わってくると思っております。当然、背後には米国の存在があり、米国の巨大な影響力の下に日豪の軍事協力関係も出てきていると私は思っております。  今回、日豪EPA条約と同時に、日豪の防衛装備品及び技術の共同開発も取り組まれております。この件でもアメリカは、潜水艦関係の共同研究に加わる可能性が出てきております。そういう報道があったのは記憶しておりますが、他国への実質的技術漏れなどの問題はないと思いますが、防衛装備移転三原則には、目的外使用及び第三国移転に係る適正管理の確保の項目に、原則として我が国の事前同意を相手国政府に義務付けることとするという記述があるものの、部品等を融通し合う国際的システムに参加する場合、部品等をライセンス元に納入する場合等においては、仕向け先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することも可能とするとなっております。  今回の共同研究などの場合、実質的に我が国からの管理はできない状態になり、技術の漏えいなどの懸念も想定されるのではないでしょうか。また、この点に関して、管理体制の確認とはどのような手続を想定しておられるのか、お聞きしたいと思います。  さらに、防衛省装備政策課は、新たな防衛装備移転三原則では、ライセンス元に部品を納入する場合、第三国への移転に日本の事前同意を義務付けていないと説明したという話もあります。また、三原則では移転を禁止する先として紛争当事国となっていますが、現時点でその対象となる紛争当事国とはどこを想定しておられるのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
  172. 左藤章

    ○副大臣(左藤章君) 今先生から御指摘がございました防衛装備移転三原則では、防衛装備の海外移転に際しては、原則として、国際約束により、目的外使用及び第三国移転について我が国の事前同意を移転先の政府に義務付けております。  なお、今お話あった豪州との間ですが、船舶流体力学分野に関する共同研究を今特定しております。その詳細については今検討中でございます。  そして、一般論として申し上げれば、外国政府との防衛装備に関する共同研究を行う場合も、防衛装備移転三原則に従って、目的外使用及び第三国移転について我が国の事前同意を移転先の政府に義務付けております。  また、先生御指摘のあった豪州との防衛装備、技術協力を進めていく上で、我が国の防衛技術が適正に管理されるか、これが大前提でございますし、相手国の戦略的な関係についても検討するなど、国家安全保障会議で審議をしっかりやって、そして政府全体としてしっかり対応をさせていただきたいと思っております。
  173. 田中茂

    ○田中茂君 最後の質問で、紛争当事国という、何かそれを想定されているのか、ちょっとお聞かせいただければと思うんですが。
  174. 吉田正一

    ○政府参考人(吉田正一君) お答え申し上げます。  四月一日に閣議決定されました防衛装備移転三原則では、紛争当事国ということで定義規定を置いてございまして、武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国連安保理がとっている措置の対象国をいいますというふうなことで定義をさせていただいてございます。
  175. 田中茂

    ○田中茂君 現段階では特定の国というのは存在していないということで、それであるならば、かえって技術漏えいなどの心配もされると思っております。  現在の良好な日豪関係が続くことが大変望ましいのですが、先ほど私言いましたように、今後、豪州は中国とのEPAを結ぼうとしております。そういうことも踏まえて、今後の見直し作業というのは、このような論点を踏まえた上でより包括的、戦略的に進めていただきたいと、そう思っております。  次に質問させていただきますが、この日豪EPAの大枠合意には、先ほど来から質問が出ておりますが、日本の市場における競争力に重大な変化がある場合には、オーストラリアの原産品に対して同等の優遇を与える観点から見直しを行うとの項目が盛り込まれております。  これは、TPP交渉等のように、日本が第三国と国際協定を結んだことによってオーストラリアの原産品に影響が及ぶということであると考えますが、そこで質問なんですが、TPP交渉では、二国間で決めた関税撤廃、削減の合意を他国に対しても与えるかどうかをめぐっていまだ各国が対立しており、結論が出ておりません。そこで、日豪EPAの見直し条項の、重大な変化のある、その箇所ですが、どのような経緯でこの規定が枠組み合意の中で盛り込まれる結果となったのか、また、何をもって重大な変化とみなすのか。当然話合いをされていると思いますが、定性的要件や定量的要件など判断基準があるのか、オーストラリア側とどの程度まで協議しているのか、お伺いしたいと思います。また、それとは別に、外務省としてどのような基準を想定しておられるのか、お聞かせいただければと思います。
  176. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) お尋ねの見直しの対象となった品目は、特に豪州の関心が高い品目であり、交渉の中で豪州側の要求、大変厳しいものがありました。このため、交渉の結果として、将来的に、我が国が第三国との国際協定に基づいて当該第三国に与えた特恵的な市場アクセスの結果として、豪州産品の日本市場における競争力に重大な変化がある場合には、協議結果が何ら予断されないとの前提の下、見直しを行うということを受け入れることとなった、こういった経緯がございました。仮に見直しを行うにしましても、これは協議を行うわけですし、結果につきましては協議の結果でありますし、その見直しにおいて何らかの変化が生じるとした場合にも、我が国が合意しなければその結果にはつながりません。  予断を持ってその結果について申し上げることは控えなければいけませんが、その上で申し上げれば、見直しを行う際には、我が国が第三国に与えた特恵的な市場アクセスの結果として、豪州産品の我が国における競争力の重大な変化があるか否かを、この産品をめぐる具体的状況に即して個別具体的に判断するということとなります。よって、具体的なケースをそれぞれしっかりと判断した上で我が国としての決断を行う、こういったことになると存じます。
  177. 田中茂

    ○田中茂君 協定には、食糧用麦、牛肉、乳製品、砂糖については、協定の効力発生の日の後五年目の年又は、先ほど大臣がおっしゃったように、両締約国が合意する他の年のいずれか早い年において見直しを行うこともあります。  これは、協定発効後五年目ではなく、両締約国が同意すれば協定が発効したその年からでも見直しが可能になると、そういうことであると思いますが、先ほど来言っておりましたが、政権の思惑次第では来年からでも見直しができると、まあそれは極端な話かもしれませんが、そうなると、TPP交渉が極めて重要な要因になってくると思いますので、この点注意深く対応していただきたいと思っております。  次に、オーストラリア産牛肉の安全性と関税率の引下げについてお聞かせいただきたいと思います。  今回のEPA交渉では、最重要品目であった牛肉の関税が段階的に引き下げられることで決着いたしましたが、この牛肉についてお伺いします。  オーストラリア国内では、成長ホルモン剤は安全で牛肉産業にとって有効であると国や食肉産業は主張しており、オーストラリアのMLAでは、安全性と品質が確保されており、ホルモン剤を使って育てられた牛の肉を食べても健康に影響はないと、そのように言っております。これが正しいかどうかは分かりません。正しいかもしれないし、そうでないかもしれません。EUでは一九八九年以降、ホルモン剤が使用された製品の輸入が禁止されており、中国でも食用の動物に使用することは認められていません。  そこで質問ですが、交渉過程でホルモン剤の使用についての制限等の話はなかったのか。EUでは成長ホルモンの使用は一切禁止されているため、先ほど言いましたように禁止されているため、オーストラリアがEU向けに輸出する牛肉に関しては、ホルモン剤を使用していないことを政府が保証したもののみとなっております。EUのように、ホルモン剤を使用しているか使用していないかをオーストラリア政府が担保するような仕組みをつくることはできないのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
  178. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) お答え申し上げます。  牛肉につきましては、豪州側の関心が交渉の中でも極めて高い品目であったこともありまして、日豪間の交渉において様々な論点について議論が行われました。しかしながら、具体的なやり取りの詳細について御説明することは、豪州側との信頼関係にも鑑みて差し控えさせていただきたいと思います。
  179. 田中茂

    ○田中茂君 これは極めて安全性に関わる問題でありまして、この日豪EPAの大筋合意の時期なんですが、これは、政府発表のとおり、日豪首脳会談の四月七日であります。それに先立つこと一週間前の四月一日に、ロシア政府は、豪州からの冷凍牛肉の輸入を四月七日以降停止すると発表いたしました。これは、ロシアで使用が禁止されているトレンボロンという成長促進ホルモン剤が豪州産牛肉から検出されたためと聞いております。今後どうなるか、いつまで輸入禁止となるか分かりませんが、ロシアに対する冷凍牛肉の輸出に赤信号がともり、オーストラリア政府としては何としてでも日本とのEPAを締結させ、牛肉の輸出拡大を図る国内的な必然性があったのではないかと疑うこともできます。  豪州内では、大手スーパーの一社が消費者の要望を受けて成長ホルモン使用の牛肉の取扱いをやめるなどの動きが出ております。安全性に対してより慎重な人々が増えていることが考えられます。ロシアの件も考えると、豪州としては国内で売れなくなりつつある成長ホルモン入りの牛肉の輸出先を何としても確保、拡大しなければならないという事情があったと見るのが自然ではないでしょうか。  ロシアの措置に対する豪州側の事情をどの程度酌んで交渉に当たっていたのか。八%の税率引下げは豪州側では思ってもみなかった収穫であるとロブ貿易・投資相が言ったとも伝えられております。それは、ロシアに売れなくなった牛肉の売り先がすぐに見付かったこと、しかも初年度、冷凍は八%、冷蔵六%も税率が下がる、願ったりかなったりという意味ではなかったのでしょうか。  そこで質問なんですが、EPAによって質の高い農産物が安価で手に入ることは、もちろん消費者たる国民には利益があるとは思います。ただ、これには安全性が大前提であります。成長ホルモンを使った牛肉の輸入を促進すること、それも国内で売れなくなりそうなものの処分先のようにも取られかねないと考えます。今後の交渉で安全性に関する何らかの担保を取ることが考えられるのか、この辺り、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  180. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) 日豪EPAにおきましては、衛生植物検疫に係る協力章という独立の章がございます。この衛生植物検疫に係る協力章において、日豪両締約国は、WTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定に基づく権利及び義務を再確認すると規定をしています。すなわち、これまで同様、我が国として必要と判断する場合には、衛生植物検疫措置の適用に関する協定に基づく措置をとることが当然できるということでございます。  また、さらに食の安全の確保の観点から必要が生ずる場合には、日豪経済連携協定の下で設置をされます衛生植物検疫に係る協力に関する小委員会で問題を提起し、協議することももちろん可能であります。こうした協定の規定、そして新しく設置される制度を踏まえまして、今後の日豪EPAの運用において、委員御指摘の食の安全の確保についてはしっかりと適切に対処してまいりたいと考えております。
  181. 田中茂

    ○田中茂君 ありがとうございます。  関税の引下げには一定の限度があり、数量セーフガード措置が発動されますが、それはあくまで輸入の増加に対する国内牛肉業者を守るための措置であります。国民の健康とは関係ありません。ホルモン剤投与の基準というのは、もちろんSPS協定上、科学的な証拠があることが求められること、また国内においては食品衛生法に基づいて安全性を評価した上で残留ホルモン剤の基準を設けていることは理解しております。  がしかし、EUは、アメリカで使用されている子牛への成長ホルモン剤は安全性に問題があるとしてアメリカ牛肉の輸入を禁止しております。もちろんこれに対してアメリカは、二十か国以上で使用されている、安全だと主張し、WTOへも提訴しております。そこで一審、二審共にEUの輸入禁止を違反との裁定が出ております。それも承知しております。しかし、EUは見直し勧告を受け入れていないんですね。それは、EUは勧告を無視し、まさに違法状態が続いたままでありますが、EUは全く受け入れていない。それはEU独自の考えであると思っております。  もちろんEUにはEU独自の酪農を守るという、そういう考えもあると思いますが、この点は、先ほど来から言っていますように、いずれ将来を担う子供たちが何らかの形で危害を与えられると、そういうことが決してないように、この辺は国民の安全性という面で更なる検討が必要だと思っておりますので、その点、よく検討していただきたいと思います。  次に、食用小麦の取扱いについて質問いたします。  今回のEPAでは農産物の中の重要品目である食用小麦は対象外でありますが、将来の見直し対象となっております。日本は小麦の輸入国としては世界有数で、輸入量は全輸入量の四・六%、輸入相手国の上位はアメリカ合衆国、五五・九%ですか、その後、オーストラリア、カナダとなっております。また、日本の小麦の自給率はほぼ一四%で、一般の食料自給率と比べてかなり低く、パンや麺類など大半を輸入に頼っていることを考えると、極めて重要課題と考えております。  今回の将来の見直しは、一定経過後に関税の取扱いについて見直すということですが、今後予想されるTPP交渉との絡みが、どのような方針を取るのか、そのタイミングとの兼ね合いについて外務省としての見解をお伺いします。
  182. 齋木尚子

    政府参考人(齋木尚子君) TPPでございますけれども、現在交渉中であります。TPP交渉の妥結のタイミングやその交渉結果を予断することは差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、そう申し上げた上で、仮にTPP交渉が妥結し発効したとしましても、TPPにより第三国に与えた特恵的な市場アクセスの結果として、豪州産品の日本市場における競争力に重大な変化がない限りは、日豪EPAの規定に基づく見直しの……(発言する者あり)申し訳ありません。  仮にTPP交渉が妥結しTPPが発効したといたしましても、TPPにより第三国に与えた特恵的な市場アクセスの結果として、豪州産品の日本市場における競争力に重大な変化がない限りは、先ほど委員言及の規定に基づいての見直しの対象にはならないということでございます。そしてまた、仮に重大な変化があったとして見直しが行われた場合でも、その見直しの結果というものは何ら予断をされていないわけでございます。  日本政府といたしましては、豪州との間でこの規定に基づいて見直しを行う際には、国内産業の存立及び健全な発展と両立し得るよう、また、生産者の皆様が意欲を持って経営を続けていくことができるように全力を挙げて見直しの協議に臨みたいと考えております。
  183. 田中茂

    ○田中茂君 ありがとうございます。  時間がないんでこれで終わりにしたいと思いますが、本当は酪農についてもちょっとお聞きしたかったんですが、今度の機会にさせていただきます。  ありがとうございました。
  184. 紙智子

    紙智子君 日本共産党紙智子でございます。  日豪EPA協定について、外務大臣にお聞きします。  日豪EPAは、協定案を見れば見るほど、これ日本の国益に反する重大な協定ではないかというふうに思います。そこで、冷凍牛肉の関税率ですけれども、締結後二年間で一〇%も引き下げられると。冷蔵牛肉の関税率締結後二年間で七%引き下げられるわけですけれども、なぜ、これ均等の引下げでやるのではなくて、この最初の二年間に急速に関税率を引き下げることになったのか、その理由について明らかにしていただきたいと思います。
  185. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 日豪EPA交渉においては、この牛肉について豪州側から当初よりこの関税撤廃を強く求められていた中、我が国としては、衆参農林水産委員会の決議をしっかり受け止め、畜産業の構造改革の努力に悪影響を与えないよう十分留意しつつ、粘り強く交渉したところでありました。  その結果として、この最終関税率に関して、国産牛肉への影響の差を考慮して冷蔵と冷凍の間に四%の税率の差を設けるとともに、冷蔵牛肉は十五年、冷凍牛肉は十八年と長期間にわたる、長期間掛ける段階的削減とする、こうしたことを確保した次第でした。また、冷蔵、冷凍牛肉それぞれについて、一定量以上の輸入量となったときに関税率を現行の三八・五%に戻す効果的な特別セーフガード措置を確保した次第です。  関税率の下げ幅につきましては、交渉の結果決定されたものでありますが、今申し上げましたように様々な努力をし、そして特別セーフガード措置もあり、関税削減に伴い豪州からの牛肉の輸入が近年の実績を超えて急増する事態は回避できるものと考えております。日豪EPAの交渉結果、これは国内畜産業の健全な発展と両立し得るものであり、我が国として受け入れられるものであると考えております。
  186. 紙智子

    紙智子君 今私がお聞きしました、締結後二年間で急速に下げる、均等じゃなく、一〇%、七%下げた理由についてはおっしゃらなかったんですけれども。
  187. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点も含めて、先ほど申し上げましたような様々な相手方との交渉、やり取りがございました。そして、その中において、我が国としてはこの冷凍、冷蔵の間の税率の差、あるいは長期間の確保、あるいは特別セーフガード措置等を確保いたしました。そして、今御指摘の点につきましては、この交渉の結果でありますが、それも含めて我が国としまして国内畜産業の健全な発展と両立し得る、こういった結果を確保できたと認識をしているところです。
  188. 紙智子

    紙智子君 十五年、十年掛けて少しずつ下げていくのでその間にいろんな対策をするから余り影響はないんだ、大丈夫なんだという宣伝をされているんですけれども、一遍に下げられるわけですよ。それで、今おっしゃらなかったんだけど、結局、オーストラリア側の要望であるということは、これは明らかなんだと思います。  豪州の食肉家畜生産者事業団は次のように述べていますね。豪州産冷凍及び冷蔵牛肉への関税削減は前倒し的に実施されます。つまり、大幅な引下げが協定後の最初の数年間で導入されることになります。また、重要なことは、豪州産冷凍牛肉に係る関税は、協定一年目に八%、冷蔵牛肉においては同じく一年目に六%引き下げられます。これは、日豪貿易協定発効の最初の年に貿易環境に大幅な変化がもたらされることを意味しておりというふうに極めて端的に述べているんですけれども、いかがですか。
  189. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 関税の引下げという点については、御指摘のように、様々な評価、見方はあると思います。しかし、この日豪EPAの影響については、それ以外の様々な要素、これを総合的に判断した上で影響を考えていくべきだと考えています。先ほど申し上げましたこの冷凍と冷蔵との間の税率の差ですとか、長期間のこの期間の確保ですとか、特別セーフガード措置など、これらと併せて関税の問題も考え、そして全体としてその意味を考えるべきだと考えます。その全体として、我が国として国益を守るべく最大限交渉に努めたということでございます。
  190. 紙智子

    紙智子君 そこでお聞きしたいんですけれども、仮に協定が一月に発効するとしますと、来年の三月三十一日までが一年目ということですよね。来年の四月一日が二年目に入るわけですね。来年の四月一日から、豪州産冷凍牛肉が関税率一〇%下がる、冷蔵肉は関税率七%下がることになるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。ちょっとこれ確認したいと思います。
  191. 齋木尚子

    政府参考人(齋木尚子君) この協定、日豪EPAにつきましては、国会で今御審議をいただいておりますので、政府の側から協定の発効の具体的な時期について言及することは差し控えさせていただきます。  その上で、今委員御指摘のとおり、協定の規定に照らして申し上げます。仮に協定が今年度中に発効した場合、一回目の関税引下げは協定の発効日、二回目の引下げは来年四月一日となります。その場合には、これも委員御指摘のとおり、二回目の引下げの際に、冷凍牛肉は現行より一〇%、冷蔵牛肉は現行より七%関税が引き下がることになります。
  192. 紙智子

    紙智子君 要するに、来年の四月一日から、日本の乳雄の牛肉と競合する豪州産冷凍牛肉の価格が一〇%下がると。冷蔵肉は七%下がるわけですね。当然これ、国内牛肉の価格が引きずられて同様に下がることになるというふうに思います。  今年の四月三日の日豪EPA全国要請集会で、自民党の農水戦略調査会長の中谷元衆議院議員がこう言っています。牛肉関税を引き下げれば、最も影響が大きいのはホルスタインの雄だが、我が国は有畜複合農業であると、基盤が失われれば地域への打撃は大きいというふうに述べたことが報道されましたけれども、私もまさにそのとおりだというふうに思うんです。  それで、外務大臣はそのことについてはどう受け止められますか。
  193. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 豪州産の牛肉については、冷凍牛肉は国産牛肉がほとんど用いられていないファストフードや加工等に主に仕向けられており、また冷蔵牛肉は、国産のホルスタイン牛肉とも若干競合しますが、主として米国産牛肉と強く競合していると聞いております。  豪州産牛肉の価格の低下が国産牛肉の価格及び生産者の収入に与える具体的な影響については、関税だけではなくして、他の外国産牛肉の輸入状況ですとか、景気動向ですとか、為替動向ですとか、様々な要因が影響を及ぼすので、予測すること、大変難しいところですが、いずれにしましても、この日豪EPAは、先ほど申し上げましたような長い期間ですとか、特別セーフガード措置ですとか、一定の柔軟性を得ることができた結果、我が国の畜産、酪農の存立及び健全な発展が図っていけるような内容になったと考えております。
  194. 紙智子

    紙智子君 アメリカの方が競合するという話があるんですけれども、私の出身北海道ですが、ここは酪農をやっている農家は、要するに乳雄ですね、これを子供のときに肥育して、そして肉牛にしていくわけですよ。例えば、全部乳牛としてもう乳を搾った雌牛などもやっぱり肉牛に回していくわけですね。そういうところとオーストラリアから入ってくる肉とがちょうどバッティングするという形になるわけですよ。そうすると、価格が暴落して、今までは副収入として得ていた酪農家の収入が得られなくなってしまうという可能性が大なわけですね。だから、みんな深刻に思っているし、もしこれが進むことになれば本当に続けられないと、そういう声を上げているわけですよ。ですから、緩和されるんだという話を盛んにされるんだけれども、決してそうじゃないんだということを是非知っていただきたいというふうに思うんですね。  来年四月から牛肉関税の大幅引下げ、これになぜオーストラリア政府がこだわったのかと。そこに私はTPP交渉とのリンクが見えてくるわけですね。早いうちにこの牛肉の関税を大幅に下げさせておいて、あとはTPPで更に大幅な引下げないし関税撤廃をさせればいいわけですよ。  そこでお聞きしますけれども、この協定の第一・十一条の他の協定との関係というのがありますけれども、この中で、この協定とその他の協定とが抵触する場合には、両締約国は、相互に満足すべき解決を得るために直ちに相互に協議すると書いていますけれども、その他の協定という中には、当然これはTPPも含まれますよね。
  195. 齋木尚子

    政府参考人(齋木尚子君) ただいま委員が言及をなさいました日豪EPA第一の十一条には、日豪EPAと世界貿易機関設立協定又は両締約国が締結しているその他の協定とが抵触する場合には、両締約国は、相互に満足すべき解決を得るために直ちに相互に協議すると規定しております。ここで言うその他の協定とは、両締約国が締結している日豪EPA以外の協定であります。したがいまして、TPPが日豪双方について発効すれば、理論的にはTPPはここに言うその他の協定に該当することになります。
  196. 紙智子

    紙智子君 つまり、このTPPが結ばれるということになると、それに基づいてこの条項が使われるということですよね。  そうすると、TPPで日本オーストラリア以外の国との間で更に例えば関税の引下げだとか、そういったことが議論になったときには、それについて合わせるための見直しなり、そういうことがやられるということですよね。
  197. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) TPP、現在交渉中でございますので、交渉の結果を予断することは差し控えさせていただきますが、その上で申し上げますと、一般論として、日豪EPAとTPPは異なる協定でありまして、両者の間に法的な優劣関係はありません。また、一方での合意内容が他方の協定に自動的に反映されるものではありません。  特に、委員御指摘の関税率ということで申し上げますと、仮にTPPにおいて日豪EPAと異なる関税率が定められたといたしましても、TPPと日豪EPAは法的に両立可能であります。したがいまして、第一の十一条2に言う抵触が生じてはおりません。したがって、この規定に基づく協議の対象にはならないと考えております。
  198. 紙智子

    ○紙智子君 もう一つお聞きしますけれども、第二の二十条の市場アクセス及び競争力の保護に関する見直し規定、ここでも、日本が第三国との国際協定に基づいて当該第三国に対して与えた特恵的な市場アクセスの結果として、1に規定する原産品の日本国の市場における競争力に重大な変化がある場合には、オーストラリアの当該原産品に対して同等の待遇を与える観点から見直しを行うというふうにしていますけれども、この問題でも論理的にはこの国際協定にTPPも対象になりますよね。
  199. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) 委員御指摘のとおり、日豪EPA第二の二十条に言う国際協定にはTPP協定も含まれ得ると考えております。  しかしながら、一点補足をさせていただきます。仮にTPP交渉が妥結しTPPが発効したとしても、TPPにより第三国に与えた特恵的な市場アクセスの結果として豪州産品の日本市場における競争力に重大な変化がない限り、この第二の二十条に言う見直しの協議の対象とはなりません。また、仮に見直しの協議が実際に行われることとなったとしましても、当然のことでありますが、その協議の結果は何ら予断されているものではございません。
  200. 紙智子

    ○紙智子君 しかし、協議の結果、可能性としてはどうにでもなるということはあるわけですよね。
  201. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) まさに協議の結果は予断をされておりませんので、それはいかなることもあり得ると。しかしながら、先ほど来外務大臣が御答弁申し上げているとおり、政府といたしましては、国内産業への影響等をしっかりと見ながら適切に交渉に臨んでまいりたいと考えております。  また、さらに、見直しの結果というものは、当然でございますけれども、国会にお諮りをすることになるわけでございます。
  202. 紙智子

    ○紙智子君 さらに、第十四・十九条の投資の見直し、ここでも、この協定の効力発生の後にオーストラリアが他の二国間又は多数国間の国際協定であって、オーストラリアと他の当該国際協定の当事国の投資家との投資紛争解決のための仕組みを規定するものを締結した場合にも、この協定の下に同等の仕組みを設立するため1に規定する見直しを行うとありますけれども、この多数国間の国際協定というのは、TPPは対象になりますよね。
  203. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) 委員御指摘のとおり、理論的には、この協定第十四・十九条に言う多数国間の国際協定にはTPP協定も含まれ得ると考えております。
  204. 紙智子

    ○紙智子君 今、それぞれ聞いてきましたけれども、仮定ではあるけれども、しかし肯定をされているということだと思います。  それで、日豪EPAの投資の規定ではISDが導入されていないわけですけれども、そのため、ISDの導入を検討しているTPPが成立したならば、それに合わせるという規定だと思います。ここでも、今回の日豪EPAがTPPとリンクすることを想定していることが明らかだというふうに思うんですね。  それから、今回の日豪EPAは、日本市場における豪州産の牛肉と市場を争っている米国産牛肉の競争条件の悪化を招くもので、米国政府のTPP交渉での譲歩を日本政府は狙って豪州とのやり取りをしたという報道もありましたけれども、米国政府は全くそれについては意に介さず、日本に対して強硬に農産物の関税撤廃の姿勢を崩していない現状にあると思います。その点では、日本政府の思惑というのは外れたんじゃないかなというふうに思っています。  結局、日本自動車工業会会長の豊田章男氏が、今回のことについて、大筋合意したことを歓迎するというふうにおっしゃっています。自動車業界としても、本協定を生かしてお客様のニーズに合った商品、サービスをより幅広く提供するという談話を発表しました。一方、北海道の農業団体が、これにより、道産牛肉の価格の低下など、本道の肉牛生産や酪農などに大きな影響が及ぶことが懸念されるという見解を発表しているわけです。  このように、これまで農産物の輸入自由化の歴史というのは、自動車などの工業製品の輸出のために日本農業が犠牲になるという歴史が再び繰り返されようとしているんじゃないか、それが今回の日豪EPAであり、それを更にTPPにつないでいこうとする協定ではないかというふうに思うんですけれども、外務大臣、いかがでしょうか。
  205. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の日豪EPAの交渉につきましては、我が国は、畜産、酪農の存立及び健全な発展が図っていけるような内容になるよう努力をし、そのような内容を実現したと考えておりますが、政府としましては、日豪EPAの締結の結果、影響に留意しつつ、生産者の皆様が引き続き意欲を持って経営を続けられるよう、畜産、酪農について構造改革や生産性の向上による競争力強化を推進していく方針であります。  そして、TPPにつきましては、今、交渉が引き続き続けられています。この内容につきましては今の段階で具体的なものを申し上げることは控えなければいけませんが、国益を確保するために全力で交渉に取り組んでいかなければならないと考えています。
  206. 紙智子

    ○紙智子君 総合的に見れば日本の経済に、その発展に寄与するという発言を繰り返し大臣されているんですけれども、先ほど紹介した中谷さんのお話からいっても、やはり地域経済などを支えている一次産業にとっては大変大きなこれダメージを受けることになるわけですね。  本当にこの経済の成長ということでいえば、やはりこうした一次産業にダメージを与える、まあ与えないようにいろいろなことが取られているとは言うんですけれども、実際にはそれは何ら担保されるものではない、証明されていないわけですね。そういう中で、こうした形で、それが実際の影響としてもどういう影響が出るのかということについても発表されていないという中で判断をしてこれに入っていくということ自体、私、本当にこれは許されないことだというふうに思うわけです。  それで、これまでの歴史で見ても、WTOのときもそうですけれども、農産物についてはやはり輸入自由化でもって大きな価格下落ということの中で非常に後退していく、地方が疲弊するということにつながっていったわけで、またそのことを繰り返すことになるんじゃないのかと、そういうことがあってはならないというふうに思うんですけれども、これについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  207. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、こうした経済連携交渉におきましては、我が国国内の一次産業を始めとする様々な産業の存立ですとか健全な発展、こういったものをしっかり念頭に置きながら交渉に臨んでいかなければなりません。そして、その結果をしっかりと出さなければならないと考えています。そして、その上で、引き続き国内の様々な産業の状況については注視をし、そして必要であるならば、国内において構造改革あるいは生産性の向上に向けて様々な施策を政府として打ち出していく、こうした責任があると考えます。  是非、こうした外交交渉の努力、そしてその後の国内における様々な政策、こういったものを併せることによりまして、しっかりと国益を確保するべく努力をしていかなければならないと考えます。
  208. 紙智子

    ○紙智子君 私は、安倍内閣が、今度の臨時国会でも、地方創生の、そういう国会にするんだという話がありましたけれども、やられていることは全く逆だというふうに思うんですね。  実際に地方創生、活発にする、元気にするということのためには、今行われている一次産業の各分野で、本当にこの価格下落の中で大変な苦境に置かれているわけで、そこに対しての対策や何かを取らずに、より一層それを悪化させるような、農産物でいえば関税を引き下げていくと。  それから、実はEPAもリンクするTPPということにもつながっていくわけですけれども、これによってその先行きについては全く先が見えないというふうに、現に全国各地でそういう不安を持っているし、それから、これまでも何度かにわたって地方議会で決議を上げる、あるいは意見書を上げてきているわけで、そういうことがちゃんと解明されて大丈夫だということにならない中で、影響調査も示されない中で今回こういう形でEPAに入っていくということには強く抗議を申し上げて、今日の質問を終わりたいと思います。
  209. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。  私、先ほどの連合審査に引き続きまして、沖縄のサトウキビについて質問させていただきたいと思います。  沖縄のサトウキビというのは、沖縄の農業そして経済を支える根幹であります。とりわけ離島県である沖縄にとりましては、この離島で生活している人たちにとっては、サトウキビというのは生命線と言えるものであります。他方、生産者の高齢化そして労働力不足、さらには沖縄は台風の常襲地です。そういう状況によってこれまでかなり台風がやってきておりますが、特に今回におきましては、三年連続の凶作など非常に厳しい状況に陥っています。  そこでお伺いいたしますが、砂糖は本協定において、一般粗糖や精製糖については将来の見直し、いわゆる再協議とされましたが、精製糖製造用の高糖度粗糖については糖度に応じた調整金の賦課による保護措置は付されたものの、関税は撤廃されます。本協定による合意内容は、沖縄の地域経済を支えるサトウキビの生産に悪影響を及ぼすことはないのでしょうか。また、糖度に応じた調整金の賦課を含む現行の制度は、本協定の下でも維持されるのでしょうか、改めてお伺いいたします。
  210. 柄澤彰

    ○政府参考人(柄澤彰君) お答え申し上げます。  砂糖分野の合意内容につきましては、今ございましたように、精製糖、一般粗糖につきましては将来の見直し、再協議の対象としまして、現行の制度を維持することとした上で、豪州産の高糖度の粗糖につきましては、国内精製糖企業が輸入する際に他国産に比べて優位となるような措置を講じることとしたところでございます。  このような措置によりまして、タイ産などの粗糖の一部が豪州産の高糖度の粗糖に置き換わることが想定されるところでございますけれども、現行制度は維持されておりますので、沖縄県産などの国内生産には影響しないというふうに考えております。
  211. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄のサトウキビの生産者にとりましては、先ほども申し上げましたけれども、実際のその生活、それからその経済、とりわけ離島においてのこのサトウキビの分野に関しては現状維持を是非ともしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。  さらに、この協定には、砂糖を含む農林水産分野の重要品目において、協定発効後、これ、五年目の年又はそれより早い年において見直しをし、さらに、日本がオーストラリア以外の国に特恵的な市場アクセスを認めた結果、競争力に重大な変化がある場合には見直しを行う旨の規定があるわけですが、その際、オーストラリア側に更なる開放を求められることはないのでしょうか。政府はその際、どのような姿勢で臨むのか、お伺いいたします。
  212. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 沖縄におきますこのサトウキビ産業の重要性、私も、かつて沖縄担当大臣を務めさせていただいた際に多くの離島も歩かせていただきました。各地歩かせていただく中で、沖縄の皆様方のこのサトウキビに対する思いですとか、あるいは重要性、さらには御苦労、こういったものを強く感じたところでございます。  この日豪EPAにおきましては、御指摘のように、砂糖につきまして見直しを行う、こういったことになっております。協定発効後五年目又は両締約国が合意する他の年のいずれか早い年に、市場アクセスについて両国間での見直し対象となる品目に砂糖を挙げている次第です。  しかしながら、見直しの内容については両国の協議の議論で決まるものであります。協議の結果は予断されていないわけですし、しっかりと我が国として協議に臨まなければなりません。そして、仮にこの豪州との間で見直しを行うことになる際には、国内産業の存立あるいは健全な発展と両立し得るよう、また生産者の皆様が意欲を持って経営を続けていくことができるよう、これは政府としまして全力を挙げてこの交渉に臨まなければならないと考えます。  是非、こうした沖縄の皆様方のこの思いもしっかりと受け止めながら、見直し交渉があった際には全力で交渉に臨んでいきたいと考えます。
  213. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、豚肉の関税削減についてお伺いをしたいと思います。  本協定では、この豚肉の関税引下げが差額関税制度という保護措置を付した上で行われることになりました。豚は、サトウキビや肉用牛と同様に、これも沖縄県にとって重要な農産物でございます。我が国の豚肉輸入量に豪州が占める割合は平成二十五年度の金額ベースで約〇・九%にとどまり、本協定の締結による国内への影響は小さいとされています。しかし、日豪両国が参加しているTPP交渉において、我が国の豚肉輸入相手国として第一位の米国や第二位のカナダが本協定と同程度若しくは上回る水準で関税の引下げを強く求めてくることは必至であります。  私は、農業を始めその地域や国の経済、そして社会基盤を損ねるTPP交渉からは速やかに撤退するべきという立場ですが、本協定での豚肉を始めとする肉製品の扱いは、現在進められているTPP交渉においても我が国の立場を著しく弱めたのではないでしょうか。沖縄の豚肉生産にも悪影響を及ぼすのではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。
  214. 原田英男

    ○政府参考人(原田英男君) お答えします。  日豪EPAに限ってお答えしたいと思いますけれども、豚肉の合意につきましては、今先生からお話あったように、差額関税制度を維持した上で関税割当てを設定しまして、枠内税率につきましては今の従価税分を半分にするということで、四・三%から二・二%ということにしております。  差額関税制度は維持されますし、今お話もありましたように、全世界から二十四年度に百万トンの豚肉が我が国に入っておりますけれども、オーストラリア産分はそのうちの七百トンということでごく僅かでございまして、沖縄県を含めまして我が国の豚肉生産への影響はほとんどないと考えております。
  215. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 TPP交渉においては今お立場的にはお話がないということでございましたけれども、私は、先ほども申し上げましたように、TPP交渉においても撤退をすべきだという立場でありまして、沖縄の農業、本当に零細農業が大変多いところで、サトウキビを含め、豚肉を含めて、これからお伺いいたします牛肉の関税制度についても、やはり立場が大変弱いところに対してどのように国が交渉を展開していくのか不透明な段階で、大変不安な思いでいっぱいであります。  そこで、その牛肉関税の削減と特別セーフガード措置についてお伺いしたいと思います。  牛肉の関税引下げによる国内への影響についてですが、日豪EPAの締結によって豪州産の冷蔵牛肉に係る関税が現行の三八・五%から段階的に引き下げられ、十五年目に二三・五%となります。豪州産の冷蔵牛肉は国内産乳用牛の雄牛の肉と肉質が競合します。また、安い豪州産牛肉が流通することで国産の牛肉価格が全体的に下がるとの指摘もあります。  沖縄県におきましても牛肉の生産者への影響が懸念されるわけですが、政府は日豪EPAでのこの牛肉関税の引下げが沖縄を含む国内農業に与える影響についてどのように認識をしているのでしょうか、お伺いいたします。
  216. 原田英男

    ○政府参考人(原田英男君) お答えいたします。  日豪EPA協定の中の牛肉の合意内容につきましては、今先生からお話ありましたように、冷蔵と冷凍を分けて、冷凍と冷蔵では四%の税率の差を設けております。また、十五年、十八年という形での長い間時間を掛けて下げていくということでございます。  今特に御指摘のありましたセーフガードにつきましては、直近の輸入量を余り超えない水準での量を掛けておりまして、それを超えたら三八・五%へ戻るということで、これはかなり効果的なセーフガードを導入できたんではないかなというふうに考えております。  豪州産牛肉につきましては、冷凍につきましては、どちらかというと、ハンバーガーパテのようなファストフードで使っているお肉でございます。冷蔵につきましては、今、ホルスタインとの競合を先生御指摘ございましたけれども、そういったものもあるかもしれませんが、アメリカ産牛肉との競合というのがかなりあるのではないかということで、アメリカ産牛肉の置き換えというのが進むのかなという見方も業界ではございます。  いずれにつきましても、和牛につきましては相当すみ分けが進んでおりますし、今回の協定が沖縄産も含みます和牛につきまして与える影響というのはかなり限定的なものではないかというふうに考えております。  以上でございます。
  217. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 本協定による牛肉関税の引下げは、今後我が国が畜産物の輸出国との間で締結するEPAの交渉にどのような影響を及ぼすと考えていらっしゃるのでしょうか。
  218. 今城健晴

    ○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。  国内への影響ということについてはただいま答弁がありましたので省略しますが、日豪EPAの合意内容ということ、これを踏まえて、今後のEPA交渉等についてどのような影響があるかというお尋ねでございますが、まさに今後のEPA交渉ということについてはこれから行っていくということになると思いますので、それが具体的にどのような影響を及ぼすのかということはなかなか一概に申し上げにくいことであることを御理解いただきたいと思います。  いずれにいたしましても、相手国がどのような牛肉の需給事情にあるのか、生産力があるのか、輸出余力があるのか、そういうことをよく見極めながら、我が国の生産者の方々に不安を与えないよう、生産にしっかり取り組めるよう、悪影響を与えないようしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。
  219. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 本協定によって導入された特別セーフガード措置に関する規定は、協定発効後十年目の年又はそれより早い年に見直しの対象となるとされております。  この見直しは、市場アクセスを改善する観点から行われることとされていますが、見直しにより牛肉の関税が更に引き下げられ、国内生産者に悪い影響を及ぼす懸念はないのか、改めて伺います。
  220. 今城健晴

    ○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。  おっしゃるとおり、日豪EPAにおける牛肉の特別セーフガード措置、これにつきましては、協定発効後十年目又は両締約国が合意する他の年のいずれか早い年に両国間で見直しの対象となるということとされております。  ただ、この見直しは、例えばセーフガードの発動水準の引上げ等の措置を通じて、市場アクセスを改善する観点から行われることというふうにされておりますが、これはあくまでも見直しの観点でございまして、見直しの結果自体は何ら予見されておりませんで、かつ十一年目以降の例えば発動水準につきましては、両国間の交渉で合意が得られない限り十年目の発動水準が適用されるというようなこととなっておるということでございます。  いずれにしましても、豪州との間でこの見直し再協議を行う際には、国内農林水産業の存立及び健全な発展と両立し得るよう、また畜産に携わっている生産者の皆様が意欲を持って経営を続けていけるようしっかり全力を挙げて交渉に臨みたいというふうに考えております。
  221. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、食糧用麦などの重要品目に関する五年目の見直しについてお伺いいたします。  本協定は、食糧用麦を始めとする我が国の農林水産物の重要品目について、協定発効後五年目の年又はそれより早い年に見直しを行うこととしているほか、日本がオーストラリア以外の国に特恵的な市場アクセスを与えた結果、競争力に重大な変化がある場合には見直しを行う旨を定めていますが、どのような経緯を経てこの規定が盛り込まれたのか。また、協議の結果は予断されていないとのことでありますが、オーストラリア側の要求に沿い、我が国の農産物市場をより一層開放する方向で見直しが進められるのではないかというふうに懸念しております。  そこでお尋ねいたしますけれども、我が国の農産物市場をより開放する方向で見直しが進められていくのかどうか、この件についてお尋ねいたします。
  222. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) 今、五年目の見直し、ないし両国が合意するそれより早い年、又は重大な影響が日本の市場において生じた場合の見直しについてのお尋ねがございました。  委員が御指摘のとおり、その結果については何ら予断されておりませんので、政府といたしましては、国内の関係業界の健全なる育成と、皆様が安心感を持って今後もしっかりと生産に携わっていただけるように適切に交渉を進めてまいりたいと考えております。
  223. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、食料供給章についてお伺いいたします。  本協定には食料供給章が設けられ、牛肉、バター等の特定品目の輸出又は輸出のための販売の禁止や制限を回避するよう努めること、輸出制限を導入する場合にも、制限を限定し、協議等を行うよう定めています。  どのような経緯により我が国の締結するEPAに初めて食料供給章が盛り込まれたのか、導入の意義や期待される効果は何か、本協定は輸出制限の回避等に努めるべき重要な食料を牛肉等に限定しておりますけれども、これらの食料に限定された背景は何か、外務省にお伺いいたします。
  224. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 日豪EPAには、御指摘のように、我が国のEPAとしては初めて食料供給に関する章を設けました。  豪州は、我が国にとって重要な食料供給国です。食料供給章を設け、この分野における日本と豪州の関係を強化し、安定性と信頼性を高める措置を導入する、このことは両国にとって有益であると考えています。  そして、本章の規定により、豪州から我が国に対する重要な食料の供給を妨げる措置が抑制されることが期待できるほか、我が国との豪州側の関係者、機関間の協力関係が強化されることも考えられます。これらは、豪州からの食料の安定供給確保に資するものと考えております。  そして、牛肉、バター、砂糖等、重要な食料の対象品目ですが、我が国の国民の食生活上の重要性ですとか、当該品目への貿易依存度ですとか、さらには相手国産品の我が国におけるシェアなど、こういった諸点を勘案しつつ交渉した結果、定められたものであります。
  225. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、エネルギー・鉱物資源章についてお伺いをいたします。  我が国の締結済みのEPAのうちに、日・インドネシアEPA、それから日・ブルネイEPAにもエネルギー・鉱物資源章が設けられていますが、本協定のエネルギー・鉱物資源章による規定は、これらのEPAにおけるものとどのような差異があるのでしょうか、お伺いいたします。
  226. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、エネルギー・鉱物資源章が今回日豪EPAに置かれております。  これまで十三の国・地域と我が国はEPAを結んでまいりましたが、その中で、日・インドネシアEPA及び日・ブルネイEPAにエネルギー・鉱物資源章が置かれております。  今回、日豪EPAにおきましては、新しい強い規定を置くことができました。具体的には、WTO協定に整合的であっても、エネルギー及び鉱物資源の輸出禁止や輸出制限の措置を導入しないように努めるということを法的な義務として規定をしております。これは日豪EPAに新しい点でございます。  また、適用対象となる鉱物資源の範囲の拡大をいたしました。鉄鉱、石炭、石油ガスといったものに加えまして、日・インドネシア、日・ブルネイの間のEPAには適用対象となっておりませんでした石灰、ステアタイト、アルミニウム、コバルト、こういった物品を新たに適用対象として鉱物資源の範囲を広げ、エネルギー・鉱物資源章を大変充実した章とすることができたと考えております。
  227. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 エネルギー・鉱物資源章には、輸出又は輸出のための販売の禁止、制限の回避に努める等の規定に加え、エネルギー・鉱物資源規制措置についての定めが盛り込まれていますが、ここに言うその規制措置には具体的にはどのようなものが盛り込まれるのでしょうか、伺います。
  228. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) エネルギー・鉱物資源規制措置とは、エネルギー・鉱物資源物品の探査、採掘、加工、生産、輸送、分配又は販売に直接影響を及ぼす一又は二以上のエネルギー・鉱物資源規制機関による措置を指しております。イメージで具体的に申し上げますと、例えば、外資参入を規制する措置、事業実施地域を地理的に制限するような措置などの規制措置が考えられます。  日豪EPAの第八の六条は、一方の締約国がこのような新たなエネルギー・鉱物資源規制措置を導入する場合には、他方の締約国に対し、要請に応じた情報提供や協議の実施、また問題となる規制措置の通報などを行うことを定めております。
  229. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、投資の自由化、保護と投資紛争の解決についてお伺いいたします。  本協定により、オーストラリアとの間で投資の自由化や保護を行うための法的枠組みが備えられています。これまで我が国の企業が対オーストラリア投資を行うに当たって何らかの不利益があったのか、投資紛争案件が発生したことがあるのでしょうか、お伺いいたします。
  230. 齋木尚子

    ○政府参考人(齋木尚子君) お尋ねの豪州における日本企業の投資案件に関連して、国際協定に基づく紛争処理手続に至った事案はないと承知しております。  ただ、申すまでもございませんけれども、大変多くの個別の企業が豪州で活躍をしておられます。その活動の中でいろいろな課題に直面をされるときには、外務本省としまして、また在外公館といたしまして、こうした日本企業の海外における活動を積極的に支援をしたいという方針で戦略的な経済外交を進めております。その意味で、いろいろな心配な点、あるいはどうしたらいいかと疑問に企業の方が思われて、在外公館、また外務本省に御相談にいらっしゃるということはございます。  そういう意味で、投資の後押しをできる限り日本政府、外務省として行っていきたいと考えているところでございます。
  231. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 通告はいたしましたけれども、同じ質問がありましたのでちょっと割愛をいたしまして、今後のEPA締結方針についての質問に行きたいと思います。  現在のFTA比率、約一八%、二〇一八年までに七〇%以上に引き上げるには、いわゆる環太平洋パートナーシップ、TPP協定の交渉を始め、我が国の重要五品目の関税撤廃や大幅な引下げを余儀なくされるEPAの締結が不可避となると思いますが、沖縄県を始め、農林水産業が地域経済を支える地域への対策をどのように講じていくつもりなのか、これは外務省、農水省、両方にお伺いいたします。
  232. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、日本経済再生のために自由貿易を推進していくということ、これは我が国の対外通商政策の柱です。力強い経済成長を達成するためにも自由貿易体制をこれまで以上に強化し、そして諸外国の活力を地方を含む日本経済全体の成長に取り込む必要があると考えます。  こうした観点から、閣議決定した日本再興戦略においても、FTA比率を二〇一八年に七〇%に高める、こうした目標を掲げ、EPAを同時並行的に進めているところですが、こうした取組について、しっかりと国民の皆様方、地方を含む幅広い関係者に対してしっかりと説明をし、そしてEPA等を活用していただく、こういった視点は大変重要だと考えておりますし、また、政府としては、このEPAの利益を国内全体に及ぼすこうした取組に加えて、引き続き、地方経済への影響等にも留意しつつ、国益にかない、全体として我が国にとって利益になる協定の実現を目指し、EPA交渉に取り組んでいかなければならないと考えます。
  233. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 佐藤農林水産大臣政務官、時間が過ぎておりますので、御簡潔にお願いいたします。
  234. 佐藤英道

    ○大臣政務官(佐藤英道君) 農林水産省といたしましても、経済連携は国際的な経済活動の基盤となるものであり、戦略的に対応する必要があるものと考えております。  このため、今回の日豪EPAと同様、今後のEPA交渉におきましても、国内農林水産業の存立及び健全な発展と両立し得る内容となるよう、また生産者の皆様が意欲を持って経営を続けていくことができるよう全力を挙げて交渉に臨む方針であります。  今後、日豪EPAを含む各EPAについて、協定締結後の結果、影響に留意しつつ、農畜産業について構造改革や生産性の向上による競争力の強化を推進してまいる所存でございます。
  235. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございました。終わります。
  236. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  237. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  私は、会派を代表して、日豪EPAの承認に反対の立場から討論を行います。  農産物の輸出大国との初めてEPAとなる本協定の交渉をめぐっては、交渉開始の前から、国内の農業に及ぼす影響を心配する全国の農業者、地方からの危惧、反対の声が大きく広がりました。  衆参両院の農水委員会は、政府に対して、重要品目が除外又は再協議の対象となるよう全力を挙げること、WTO交渉や米国、カナダとの農林水産貿易に与える影響に十分留意すること等を求める決議を行いました。  こうした経緯に照らせば、当然慎重審議が行われてしかるべきです。にもかかわらず、僅か一日の委員会質疑で承認を急ぐことは許されません。審議は全く不十分であることを初めに強調しておきたいと思います。  本協定の内容は、広範な農林水産品目について、日本市場へのアクセスに係る関税の撤廃、削減等を認めたもので、危惧されたとおり、国内の農業に極めて大きな打撃を及ぼすものとなっています。重要品目のうち除外となったのは米のみで、牛肉、乳製品で大幅な関税削減、関税割当てを認めるもので、とりわけ牛肉関税の大幅削減によって、北海道、東北、九州を中心として、畜産、酪農及び関連業種が深刻な影響を受けることは必至です。  この結果は、米国等のほかの農産物輸出国に対しても同等以上の譲許を要求する根拠を与えるものであるとともに、国会決議に反することは明らかです。政府が、自動車関税撤廃と引換えに、農産物の輸出大国を相手に食料主権をないがしろにして国内農業を窮地に陥れる約束を行ったことは重大だと言わなければなりません。断固抗議するものです。  さらに、政府が協定によって生じる影響の試算を全く明らかにしようとしないことは、農政の責任放棄というべきものであり、到底看過できません。具体的な影響試算を速やかに公表するとともに、それに基づく対応策を提示するよう強く求めます。  本協定は、米国が主導するTPP協定につながるものであり、国内の農林水産業に一層重大な結果を及ぼす事態を呼び込むものです。  本協定には、日本が第三国に特恵的なアクセスを認めた結果、日本市場における競争力に重大な変化がある場合には、オーストラリアに対して同等の待遇を与える観点から見直しを行おうとする条項があるほか、重要品目に関する見直しが明記されています。他国との交渉次第でオーストラリアから農産品の受入れの拡大を迫られ、譲歩の連鎖に陥りかねません。日本農業の存立を脅かす事態を断じて招いてはなりません。  自民党選挙公約によって、国民を欺いて参加に踏み切ったTPP交渉からの撤退を直ちに決断するよう強く求めます。  以上を申し述べ、討論を終わります。
  238. 三木亨

    ○三木亨君 私は、自由民主党及び公明党二会派を代表して、議題となっております経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、賛成の立場から討論を行います。  本協定は、日本とオーストラリアとの間において貿易及び投資の自由化、円滑化を進め、経済効率の向上やビジネス環境の整備などの強力な推進のため、幅広い分野で枠組みを構築するものであります。特にオーストラリアは、我が国がこれまで署名してきた二国間EPAの相手国のうち最大の貿易相手国であり、また、本協定が発効いたしますと、これまでに我が国が締結したEPAの中でも最も自由化率の高い協定の一つとなります。  このことから、日豪EPAは、戦略的パートナーであるオーストラリアとの経済連携を強化し、二国間関係の緊密化に寄与する重要な意義があるものと考えております。  実際に、オーストラリア市場へのアクセスは大幅に改善され、我が国の関心品目である自動車について、完成車輸出額の約七五%が即時関税撤廃、残りの完成車も三年目で関税が撤廃され、また、自動車部品についても主に三年目以内に関税が撤廃されます。二〇一三年の日本政府の推計では、自動車関税として約四百三十六億円が支払われましたが、本協定が発効すれば、この関税分が直接我が国のメーカーのコスト低減につながるという効果があります。  他方、日本側の農産品につきましては、米については関税撤廃等の対象から除外し、牛肉については、長期にわたって段階的に関税を引き下げるものの一定の関税率を維持し、さらには、輸入量が一定量を超えた場合に関税率を引き上げる特別セーフガードを導入いたしました。そのほかにも、乳製品における関税割当て制度の活用、また砂糖における調整金制度の維持など、我が国の農林水産業の存立と健全な発展が図っていける内容になったと評価できます。  あわせて、オーストラリアは我が国にとって重要な食料供給国であります。今回の日豪EPAにおいては、オーストラリアから我が国への食料安定供給の確保の観点から、我が国のEPAとして初めて食料供給に関する章が設けられました。これにより一定の重要な食料について輸出の禁止や制限措置を導入しないよう努めることを法的な義務として規定されたことは、協定交渉の大きな成果であったと考えます。  なお、エネルギー及び鉱物資源に関する独立した章も設け、同様の法的義務を規定しております。  このほかにも、本協定には、投資、知的財産、競争、政府調達など幅広い分野が含まれ、日豪EPAはアジア太平洋地域における経済連携のルール作りに寄与することが期待されます。  そして、最後になりますが、本協定の署名に先立って安倍総理はオーストラリア国会で演説し、EPAによって経済連携を深めた日本とオーストラリアが地域と世界の秩序をつくり、平和を守っていくことに言及されました。日豪両国の信頼関係が強まり、両国が一層緊密に協力していくことは、我が国のみならず、地域と、そして世界の平和と繁栄に大きく寄与することを強調しておきたいと思います。  以上を申し上げまして、私の賛成討論を終わります。
  239. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  240. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  241. 片山さつき

    ○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時十九分散会