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2014-05-21 第186回国会 参議院 消費者問題に関する特別委員会 5号 公式Web版

  1. 平成二十六年五月二十一日(水曜日)    午後三時開会     ─────────────    委員の異動  五月二十日     辞任         補欠選任      江崎  孝君     安井美沙子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         行田 邦子君     理 事                 青木 一彦君                 猪口 邦子君                 太田 房江君                 金子 洋一君                 魚住裕一郎君     委 員                 尾辻 秀久君                 金子原二郎君                 島田 三郎君                 鶴保 庸介君                 三木  亨君                 山田 修路君                 加藤 敏幸君                 斎藤 嘉隆君                 森本 真治君                 安井美沙子君                佐々木さやか君                 清水 貴之君                 山田 太郎君                 大門実紀史君                 主濱  了君                 谷  亮子君    国務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣消費者        及び食品安全)        )        森 まさこ君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        福岡 資麿君    事務局側        常任委員会専門        員        藤田 昌三君    政府参考人        消費者庁次長   山崎 史郎君        消費者庁審議官  川口 康裕君        消費者庁審議官  菅久 修一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正  する等の法律案内閣提出、衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として安井美沙子君が選任されました。     ─────────────
  3. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長山崎史郎君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。森内閣府特命担当大臣。
  6. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) ただいま議題となりました不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  食品表示等の不正事案の多発や高齢者等の消費者被害の深刻化などにより、消費者の安全、安心が揺るがされています。消費者の安全を確保し、その不安を払拭するためには、事業者の法令遵守意識を高めていくことに加え、地方を始めとする消費者行政の基盤を着実に強化していく必要があります。  このため、国及び都道府県の不当表示等に対する監視指導体制を強化するとともに、事業者に表示等に係る適正な管理体制の整備を義務付けるほか、地域の消費者を見守るため、関係機関の間で消費生活相談等により得られた情報を共有して利用できる仕組みを創設し、消費生活相談体制を強化するための所要の規定を整備するため、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に、不当景品類及び不当表示防止法に関しては、事業所管大臣等に対して調査権限を、都道府県知事に対して措置命令権限等を付与することができるものとします。また、事業者が表示等を適正に管理するために必要な体制の整備等の措置を講じることを義務付けます。  第二に、消費者安全法に関しては、地方公共団体が、見守り等の活動を行う消費者安全確保地域協議会を組織できるようにし、消費者の利益の擁護又は増進を図るための活動等を行う消費生活協力団体又は消費生活協力員を委嘱できるものとします。消費生活相談等の事務については、都道府県が、市町村に対して助言及び協力するほか、事務の共同処理等に関する必要な調整等を行うこととし、都道府県及び市町村が事務の一部を一定の基準に適合する者に委託できるものとします。消費生活センターについては、新たに規定する消費生活相談員資格試験に合格した者等である消費生活相談員が消費生活相談の事務に従事することとし、消費生活相談員資格試験を実施する登録試験機関制度を設けます。  第三に、不当景品類及び不当表示防止法につき、政府は、この法律の施行後一年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずるものとします。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要でございます。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようにお願い申し上げます。
  7. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 太田房江

    ○太田房江君 自由民主党の太田房江でございます。  本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。時間が限られておりますので、早速本題に入りますけれども、本法案審議の背景に、昨年発生をいたしました食品表示に関する一連の不正事案があることは言うまでもございません。これに関連して、私、大変すばらしい記述を食育基本法、平成十七年に施行された法律でございますけれども、この前文に見付けましたので、少し御紹介をさせてください。前文にこう書いてございます。  様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている。そして、国民一人一人が食について改めて意識を高め、自然の恩恵や食に関わる人々の様々な活動への感謝の念や理解を深めつつ、食に関する能力を身に付け、心身の健康を増進する健全な食生活を実践するために、今こそ、家庭、学校、保育所、地域等を中心に、国民運動として、食育の推進に取り組んでいくことが、我々に課せられている課題であると、このように書いてございまして、誠に今必要なことだというふうに私は考えます。  余談になって恐縮でございますが、私は大阪府知事時代に、平成十五年度から食育推進プロジェクトというのを展開させていただきました。子供たちには、野菜バリバリ朝食モリモリ、大人たちには、たばこバイバイ、歩いてスマート、自分からやれと言われそうですが、野菜バリバリ朝食モリモリ、たばこバイバイ、歩いてスマートと、これを合い言葉にプロジェクトを進めてまいったのですが、私は、こういった地域の活動が積み重なって平成十七年の食育基本法の制定につながったと、こういうふうに考えております。  ちなみに、平成十八年六月二十四日、内閣府主催で第一回食育推進全国大会を大阪で開催することができましたけれども、そのときに主催者として、内閣府少子化担当大臣でいらっしゃいました本委員会の自民党筆頭理事猪口先生から御挨拶をいただいたのを覚えております。  今や和食はユネスコ無形文化遺産に登録をされ、クールジャパンということで日本ブランドを海外に発信する事業も進められております。そういう中にあって、今こそ食育基本法にのっとった食育を更に進める必要があると、私はこう考えております。大臣の御意見もお伺いしたいと思いましたけれども、景品表示法の方の改正案について質問に入らせていただきます。要望にとどめさせていただくということでございます。  さて、景品表示法に関しましては、これまでもガイドラインやQアンドAというものが逐次整備されてまいりました。例えば、今回表示に問題があるとされました牛脂等注入肉に関しましても、二〇一一年八月の時点で公表されておりますQアンドAにおきまして、霜降りビーフステーキあるいはサシ入りビーフステーキと表示すれば問題となる旨表記をされております。このような取組がなされてきたにもかかわらず、今回のような食品表示問題が生じたということは残念なことだと思います。過去に整備をしたガイドラインやQアンドA、これらの周知徹底が適切に行われていれば、これほど問題が拡大せずに済んだのではないかというふうにも考えます。  景表法の運用において、消費者庁の方にももうひとつ努力をしていただく面があったのではないだろうかと、こういうふうに考えておりますけれども、まず、消費者庁の御答弁でお願い申し上げます。
  9. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  景品表示法の考え方につきましては、今もお話ありましたとおり、これまでも過去の執行事例を基にしまして各種のガイドラインを作成する、また説明会の開催などによりまして普及啓発に努めてきたところではございますが、今般の食品表示等問題におきましては、その背景の一つとして、景品表示法の趣旨、内容の不徹底もあったという指摘がされているところでございます。  御指摘のとおり、景品表示法の普及啓発活動、これは極めて重要であると考えております。消費者庁といたしましては、今後も引き続き、事業者団体が主催する説明会、またその他各種の説明会に講師として積極的に対応していきたいというふうに考えております。  また、平成二十六年度先駆的プログラム、これを活用いたしまして、ガイドラインの理解を推進するための映像、画像等のコンテンツの開発、こういった都道府県の取組、これを推進していくこと、また、併任発令を行いました食品表示Gメン等によります巡回調査の機会の活用をするなど、関係機関との連携も通じまして更に景品表示法の普及啓発を進めていきたいと考えているところでございます。  消費者庁といたしましては、これらの取組によりましてより一層の景品表示法の普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。
  10. 太田房江

    ○太田房江君 私は、今回の景表法改正案を、これが通りましたら、施行していくに当たっては、このガイドラインあるいはQアンドAの整備、それをしっかりと関係者に周知徹底していく、浸透していくという努力が不可欠だと考えておりますので、今後とも適切な対応をよろしくお願い申し上げたいと思います。  なお、せっかく持ってきましたので、さっき紹介するのを忘れたんですけど、私、知事時代にこのように野菜バリバリ元気っ子というようなパンフレット、それから野菜バリバリ元気っ子と称するこういう冊子を小中学校全部に配って、子供たちに食に対する意識をしっかり高めていただく活動をいたしました。消費者行政の一環であると思いましたので、ちょっと御紹介をさせていただきます。  さて、次の質問でございますけれども、今回、表示やメニュー等のネーミングについていろいろな規制がされるわけでございますけれども、製品についてのサービスの表示、あるいはメニュー等のネーミングといったことは、事業者にとりましては顧客を獲得するための重要な手段であることは言をまちません。そしてまた、同時に、消費者にとりましても製品やサービスを選択する際の重要な情報源であるわけでございます。  そういう中にあって、この度の食品表示問題への対処の一環として景品表示法を改正して事業者の襟を正していくということが必要であるということは、私は異を唱えるものではございませんけれども、これによって今申し上げたような創意工夫という面において事業者が必要以上に萎縮をするというようなことがあっては、逆に消費者の選択の幅を狭めてしまい、結局のところ消費者の利益を損なってしまうということにもなりかねないのではないかということを少々心配しております。この点について、大臣の御見解をお願い申し上げます。
  11. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 先ほどの太田議員の大阪府知事時代の食育の取組、大変すばらしいものだと思います。昨年も、先ほど御紹介があった食育推進全国大会、広島県で開かれまして、私も行ってきたところでございますが、こういった取組もしっかりと進めてまいりたいと思います。  御質問に対してでございますけれども、今回の景品表示法の改正は事業者に対して過大な負担を求めるものではございません。すなわち、新たに本法案で規定する表示等の管理上必要な措置は、不当な表示等を行わないようにしていれば現在でもおのずと果たされているはずの対応、これを促すため事業者がどのような措置を講ずればよいのか指針において明らかにしようとするものです。また、行政の監視指導体制の強化は、違反行為により他の事業者の顧客を不当に奪い消費者利益を損なう事業者に対してより迅速かつ的確な措置を可能とする一方、景品表示法を遵守している大多数の真面目な事業者にとっては、違反行為が排除された健全な市場環境の中で事業を行えるようになることから、むしろ事業意欲を増進させるものであり、消費者利益にかなうものと考えております。  なお、法改正により事業者が必要以上に萎縮することのないよう、事業者に対して引き続き景品表示法の考え方の周知を十分に行ってまいります。
  12. 太田房江

    ○太田房江君 ありがとうございました。大臣のお考え、よく分かりました。  次ですけれども、今回の法改正においては企業の表示管理体制の強化というものも求められております。食品に端を発した問題ではありますけれども、この管理体制の強化というのはそれ以外の業種も含めて幅広く求められている内容となっておりまして、今後多くの企業の方々が法令遵守のための取組を実施されていくことになります。  企業が自社の製品やサービスに関して消費者に正しい情報を提供するのは当然の義務でございますけれども、景品表示法に関しては、どこまでが正しい表示でどこからが不法な表示なのか分かりにくいといった声も依然としてございます。このため、特に中小企業や小規模事業者の中には今回の法改正に不安を覚えていらっしゃる方もおられる。今回の管理体制の強化はそういう中で行われるということでございますけれども、一方で、日本の景気は回復傾向にあるとはいえ、全国津々浦々の中小・小規模事業者にその恩恵が行き渡っているとまでは言えないという状況下でこうした管理体制の強化が求められるということは、中小・小規模事業者に過度な負担を掛けることにならないかという点について多少の心配をいたしております。  小さな会社に過重な負担を掛けないようにするための御配慮、このことを具体的にどのようにしていっていただけるのか、お答えを賜りたいと存じます。
  13. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 表示管理体制に関する指針の策定に当たっては、中小規模の事業者への配慮が必要と認識をしております。指針の策定に際しては、事業所管大臣と協議するとともに、事業者を始め関係各方面の御意見を幅広く聞きながら、指針の具体的内容を検討してまいりたいと思っています。  その中で、特に中小企業、個人事業者に対しては過度の負担とならないよう、例えば、代表者自らが表示を管理する担当者となることで足りるとすることや、中小事業者において取り組まれている優良事例を指針の中に盛り込むなどしてまいりたいと思っております。
  14. 太田房江

    ○太田房江君 まさに今大臣が御指摘になりましたように、中小企業の場合は、企画から販売からこういった管理体制の担当から、もう全てが代表取締役社長という一人の人間が行う場合が多いわけで、それは取りも直さずコストの上昇につながります。中小・小規模事業者にとってこの管理体制の強化が適切に行われるためにも御配慮をお願い申し上げたいと思う次第です。  次に、改正案におきましては、本法に基づく権限を複数の府省庁や都道府県が行使できることになっております。この場合、どの主体が法の執行を行うかということによって、混乱が生じましたり、法の執行にばらつきが出てくるというおそれが指摘されております。住んでいるところによって消費者保護がまちまちになるというのは、消費者にとって良くないということのみならず、規制を受ける事業者側にも混乱が起こるのではないかと思われます。この点について、消費者庁のお考えをお伺いしたいと思います。
  15. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、法執行におきましてばらつきが出てはいけませんということでございます。したがいまして、景品表示法の執行実務では、現在でも、消費者庁、公正取引委員会、そして都道府県、これが相互に連携しまして情報共有をする仕組み、これを整備いたしまして、これを活用して執行を進めているところでございます。そして、今後につきましても、各省庁や都道府県に対しまして、法運用の考え方、また具体的な執行事例の周知、そして消費者庁によります研修の実施、こういうことによりまして的確な運用が行われるよう尽力していきたいというふうに考えております。  さらに、本法案におきましては、国や都道府県等の関係者相互の密接な連携に関する規定も設けております。関係行政機関等の間で情報共有を一層密に行って、消費者庁におきまして十分な調整を行うことによりまして、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。
  16. 太田房江

    ○太田房江君 ありがとうございます。  少ない人数の中で消費者庁の側も都道府県の側もこれを執行してまいるわけでございますから、是非とも、ここぞというときに消費者庁が出ていっていただいて、ばらつきの生じないように、混乱が生じないように、法の執行をお願い申し上げたいと思います。  次に、本法案の四条、課徴金制度の導入についてお伺いをいたします。  先ほどの趣旨説明にもございましたように、「政府は、この法律の施行後一年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずる」ということにしています。  課徴金につきましては、この景表法が公正取引委員会から消費者庁に移ってきた時点におきまして、平成二十年の段階で導入が検討をされております。その際には、景品表示法の位置付けが、公正な競争を確保することを目的とした競争法体系から、一般消費者による自主的かつ合理的な選択の確保を目的とする消費者法体系に変更されたということを背景にいたしまして、課徴金導入の必要性を改めて整理することとされ、廃案になったという経緯がございます。  今般、課徴金に係る制度を検討するに当たりましては、こうした経緯も踏まえまして、消費者法体系の下で景表法に課徴金を導入する必要性というものをしっかり整理する必要があるのではないかと私は考えます。この点について、大臣のお考えをお聞かせください。
  17. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 一つ前の質問でございますけれども、事務方の答弁を少し補足いたしますと、今まで都道府県知事に全く権限がなかったわけではなくて、調査、指示できたわけでございますので、それにプラスをして今回は迅速にということ。それから、それぞれの地域の実情をよく分かって、調査までしたけれども、あとその後は消費者庁にということでは、かえってこれは迅速性や、また混乱もあるということで、知事会からの御要望もありましてこのようにさせていただきましたので、これが混乱のないようにするということは、知事会の協力も得ながら、地方自治体としっかりと運用に向かって進んでまいりたいと思います。  次の御質問でございますけれども、御指摘の平成二十年の改正法案につきましては、平成二十年三月に閣議決定、国会提出されたものの、一度も審議されないまま廃案となったが、平成二十一年二月、独占禁止法部分のみ切り出して、景品表示法への課徴金制度の導入は見送る修正を加えまして、改めて国会に提出されたものです。当時、景品表示法への課徴金制度の導入が見送られた理由としては、消費者庁の設置に伴い景品表示法が消費者庁に移管されることになったため、被害者救済制度の総合的な検討を実施する際に併せて違反行為の抑止力強化策を検討することが適切であるとされたためです。  消費者庁においては、設立以来、被害者救済制度の在り方を検討してきておりまして、例えば、平成二十三年十月に立ち上げた消費者の財産被害に係る行政手法研究会では、景品表示法への賦課金制度の導入の必要も含め、計十八回にわたって検討を行ってきております。  現在、課徴金制度について検討している消費者委員会においては、消費者庁から、廃案となった経緯や行政手法研究会における検討内容を含め、課徴金制度をめぐるこれまでの経緯について説明をし、これを踏まえた議論がなされております。同委員会が取りまとめた中間整理は、その後の検討を深めるために論点の検討状況を中間的に整理したものであるため、平成二十年改正法案の廃案等の経緯については特に触れられていないと、そういったことになっております。  課徴金制度の導入の必要性については、この中間整理におきまして、一つには、不当表示事案では民事的な被害回復が困難であるということから、措置命令のみでは事業者に不当表示で得た不当な利益が手元に残ってしまうため経済的な抑止力に欠けること、二つ目に、手元に残った不当な利益を吐き出させないと法令を遵守している事業者との間で不公平であることなどを主な意見として挙げつつ、現在の消費者法体系下の景品表示法について課徴金制度を導入する必要性が高いということについて委員の意見が一致をしているという旨取りまとめられております。  これらを踏まえて、具体的な法制化作業を鋭意進めてまいりたいと思います。
  18. 太田房江

    ○太田房江君 今回、この四条に、制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずるというところまで至ったことについては理解をいたしました。十分な検討が行われてきたということだと思いますけれども、課徴金の対象を含めまして、中身につきましては、やはり消費者法体系に変更されたということについて配慮をしながら検討を進めていただきたいということを要望させていただきます。  次に、今回の法改正は、先ほど来申し上げておりますように、昨年末の食品表示問題に端を発しておるわけですけれども、そもそも不当表示というのは、これは消費者庁がおまとめになった報告書の中にも記述がございますが、カルテルやインサイダー取引のように定型的に悪質性が高いというものではなく、詐欺的に行われる悪質なものから社会的に見過ごすことができないとまでは言い難い軽微なものまで様々でありますというふうに報告書にも一部記載がございます。  また、今回問題となっております外食産業や小売事業者の取引実態、これは日本の昔からの慣行でございますけれども、流通経路が大変複雑で多段階だというところは、多少短くなってきているとはいえ、まだまだそういう商慣行が色濃く残っているのが日本の流通経路の実態であろうかというふうに思います。そのような点を踏まえますと、川下の外食産業や小売事業者が全ての過程を把握して表示に不正がないように管理をしていくということは、事実上大変難しいという面も出てくるかと存じます。こうした状況を踏まえますと、不当な表示が見付かった場合に、仮に川下の事業者が十分な注意を尽くしていたとすれば、それらに課徴金を課すということは、法律上の用語で申しますと苛烈な措置ということにもつながるのではないでしょうか。  そういうことを踏まえますと、事実と異なると知りながら不正な表示を行う場合ですとか、行政の指導にもかかわらず不正な表示を繰り返すというなど、故意や重過失がある場合にのみ課徴金を賦課するという仕組みにするというのが妥当ではないかというふうにも思いますけれども、大臣はいかがお考えでございましょうか。
  19. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 不当な表示を信頼をした消費者を保護することがまず目標なんです。それを念頭に置いた上で申し上げますと、事業者が意図的ではなくてかつ十分な注意を尽くしていたにもかかわらず結果として不当表示を招いてしまった場合について、課徴金まで課すということは、これは事業者の事業活動に不当な影響を与えるおそれがあるという議員の御指摘、そのとおりだと思います。  消費者委員会においては、故意又は重過失の場合に限定して課徴金を課すことについては、軽過失か重過失かということの認定は、これは民事裁判実務においても困難である場合が多いという指摘がありまして、迅速な法執行の妨げになると意見が出ています。  また、今までの、現在ある措置命令ですね、これを出している過去の事例を見ていただければお分かりになるとおり、著しく優良であると誤認させる表示をした場合でございますので、著しく優良であると誤認させる、そういう表示をしている場合で措置命令を打たれている場合を見ますと、故意による事案又は社会通念上尽くすべき注意を著しく欠く事案というふうに考えられますという指摘がございます。原則、全ての不当表示事案を課徴金の対象とした上で、事業者が注意義務を尽くしていたことを立証できたときには例外的に除外する方向で議論されておりますので、そういった場合には救済措置が課されたというふうに言えるというふうに思います。  今までの消費者委員会の議論の紹介ですけれども、消費者庁としては、こういった消費者委員会における御議論をにらみながら、故意、過失等の主観的要件の要否や注意義務の内容について、事業者に過度な負担を課すものではなく、適切な要件設定となるよう検討を行ってまいりたいと思います。
  20. 太田房江

    ○太田房江君 ありがとうございます。  最後に御指摘いただきました、事業者に過度な負担となることなく要件設定をしっかりやっていただけるということでございますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、現在消費者委員会で進められております議論においては、景品表示法第四条第二項の不実証広告規制に係る表示を課徴金の対象とするという意見があるというふうに聞いております。この景品表示法第四条第二項の趣旨は、合理的な根拠が提示されない表示を迅速に措置命令の対象とするために優良誤認表示とみなすというものであるというふうに理解をいたしております。  課徴金制度はそもそも違反行為の差止め等を目標とした緊急性を要する措置ではございませんし、また、不実証広告規制に係る表示を課徴金の対象とすれば、実質的には不当表示と確定していない表示に課徴金を課すことになりますので不合理ではないかというふうに指摘をしておられる方も多くおられます。この点について、消費者庁の御意見をお聞かせください。
  21. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  消費者委員会におきまして、御指摘の不実証広告規制、これについての議論も行われております。効果、性能に関する表示を対象にしたものが不実証広告規制でございますが、措置命令におきまして、不実証広告規制により不当表示とされるもの、これを課徴金賦課の対象とすべきかという議論があったところでございますけれども、積極的に否定する意見は見られなかったということが本年四月一日の中間整理において取りまとめられているところでございます。  消費者庁の設立からこれまで不当表示に対する措置命令事件というものでございますが、これの適用状況を見ますと、優良誤認表示の措置命令件数は百十二件ございます。このうち三十一件が不実証広告規制の適用によるものということでございます。そして、これら不実証広告規制が適用された事案につきましては、その後にその合理的な根拠を示す資料が備えられたという例はこれまでのところないという状況でございます。また、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料がなくて行っている表示、これは実体法的にも不当表示である蓋然性が高いものとも考えられます。  中間整理の公表の後、御指摘のような点も含めまして、消費者委員会におきまして更に御議論が進められまして、現在では、措置命令において不実証広告として規制される表示をそのまま課徴金賦課の対象とするのではなく、課徴金制度に見合う新たな手続規定を設けて対象とすべきという方向で検討されているものと承知しております。  消費者庁といたしましては、今後の消費者委員会におけます御議論、これをにらみながら、立法事実等も検証しつつ、適切な制度設計となるように検討を進めていきたいというふうに考えております。
  22. 太田房江

    ○太田房江君 一部の経済界の中にはこの点についていろいろと御意見を持っておられる方も多いようでございます。どうか業界側の意見も聴取していただきながら、的確な審議を進めていただきたいと思います。  次に、課徴金制度導入と消費者被害の回復ということを結び付ける意見というのが消費者委員会を始めとして出ておるようでございます。本来、被害回復といいますのは、言うまでもないことですけれども、民事訴訟手続に委ねるのが本来であり、また昨年十二月にはいわゆる集団訴訟法というのが成立をしたわけで、この役割も期待される中でございますので、私としては、課徴金制度導入と消費者被害の回復を結び付けて、例えば課徴金の取扱いをそちらの方に振り向けていくということについては妥当な考え方ではないのではないかというふうに思っております。加えて、独禁法あるいは金融商品取引法など他法令とのバランスというものもあり、他法令に基づく課徴金が国庫に納付されているということについても考慮する必要があるのではないかというふうに思います。  この点について、大臣のお考えをお聞かせください。
  23. 森まさこ

    国務大臣森まさこ君) 先ほどの太田議員の御質問の中で、法案が廃案になった経緯というのがございましたけれども、そのときに消費者庁に移管されたと、そこで、今後は消費者法体系の中で位置付けるんだというような御答弁を申し上げました。まさにその問題なんだろうというふうに思っております。  不当表示の事案というのは、違反行為者は、本来実現できなかったはずの売上げによる不当な利益を手にすることになります。この利得は、違反行為者が保持する合理的な理由はございません。しかしながら、不当表示事案というのは、個々の消費者が実際にどの程度の損害を被ったのかを算出することが困難であるなど、その特性上、民事訴訟になじまない場合も多く、消費者裁判手続特例法に基づく裁判手続を含め、民事訴訟手続による対応だけでは十分とは言えないというふうに考えられます。  そこで、現在検討している課徴金制度には被害回復という要素も織り込み、消費者裁判手続特例法と相互補完の下で消費者被害の回復を促進することはできないかと考えております。なお、消費者法分野においては消費者被害の防止とともに救済が重要であり、消費者法たる景品表示法において課徴金制度の検討にあり、独占禁止法金融商品取引法にはない被害回復という要素を入れることも、これは可能でございます。  これから海外消費者法体系とも様々な検討をしていかなければならないと思っていますが、一つには、OECDからも、消費者のための紛争解決及び救済の国内における枠組みとして、個人団体による仕組みのほか、行政消費者のための救済を行い、又は救済を促進するための仕組みを設けるように勧告をされております。先進国においては、行政による消費者被害の救済を促進する流れにあります。  私もゴールデンウイークにアメリカのFTCに行ってまいりましたけれども、行政消費者被害の中で特にこういった表示部門とか、なかなか個人消費者が被害を回復できない仕組みについては、行政の方が積極的に動いていくというような流れにあります。  消費者庁としては、消費者委員会における御議論をにらみつつ、適切な制度設計となるように検討を行ってまいりたいと思います。
  24. 太田房江

    太田房江君 ありがとうございました。  もうこれ以上申し上げますと私は経済界の代弁者ではないかと思われるかもしれませんので、ここで課徴金についての意見を交えながらの質問はここまでとさせていただきますけれども、私は決して経済界の代弁者ではございません。  心配しておりますのは、景気回復、経済再生にとって、今大変重要な局面であると、それから、日本が、中小企業を含めて、稼ぐ力を再生しなくてはならない局面であるということを強く感じている者の一人でありますので、今回の景表法改正がそういう局面にふさわしい、あるいはまた、そういう局面でのいわゆる経済社会インフラとしてしっかり定着するようにという観点から申し上げさせていただいたつもりでございますので、よろしく御理解をお願い申し上げます。  そして、もう一つ、これから消費者委員会での議論等々進んでいくと思いますけれども、課徴金の導入についてるる申し上げましたことを含めまして十分議論を尽くしていただくよう、あるいは様々な関係者の意見を聞いていただきますよう、併せてお願いを申し上げます。  次に、消費者安全法改正案についてお伺いをいたします。  私は従前、経済産業省におきまして消費者行政に携わったことのある人間でございますけれども、その際に、消費生活相談員のみならず、様々にこの消費者の利益を保護するために活動をしてこられた方々と意見交換やお付き合いをさせていただきました。  今回の法案では、消費生活相談に必要な知識技術等を十分に担保するための新たな資格が創設されることになっておりますけれども、一部の消費者団体からは、もう少しこういうふうにしていただけないかというような要望も出てきているというふうに聞いております。すなわち、これまで消費者をめぐる経済社会の実態や法制度などについて自己研さんを重ねて、既存の資格制度を保持し、活動してこられた方々、あるいは資格を取得して多岐にわたる消費者相談に真摯に応じてきた方々、こういう方々が新しい資格制度の下でも十分な経過措置やその他の配慮などによって引き続き活動が保障されるようにお願いをしたいというふうに考えるわけでございます。  消費者庁の御意見はいかがでございましょうか。
  25. 川口康裕

    政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。  現在、消費生活センターなど消費生活相談の現場で活躍される相談員のうち多くの方々は、現在、内閣府令で相談について専門的な知識及び経験を有する者として列挙された三つの資格のいずれかを保有していらっしゃいます。新しい制度の下でも、こうした方々に引き続き活躍していただくため、本法案附則第三条において経過措置を規定しているところでございます。  具体的に申し上げますと、附則第三条第一項におきましては、内閣府令により消費生活相談等の実務の経験に関して基準を設けまして、その基準を満たす者については、相談の実務に従事する中で消費生活相談員として必要な知識コミュニケーションスキル等の技術が養われているというふうに考えられますので、新たにつくります消費生活相談員資格試験合格者とみなすというふうにしております。  また、第二項では、こうした実務経験に乏しい方々でございますが、こうした方々につきましても、内閣総理大臣が指定する者が実施する講習会を修了した場合には、施行後五年に限り、同試験合格者とみなすという規定を置いているところでございます。  先生御指摘のその他の配慮についても、関係者の御意見を伺いながら検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。
  26. 太田房江

    太田房江君 どうもありがとうございました。  以上で私の質問は終わります。
  27. 金子洋一

    ○金子洋一君 お疲れさまでございます。民主党の金子洋一でございます。  景品表示法についてお尋ねをさせていただきたいと思います。太田先生の御質問となるべくかぶらないような形でやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  この改正法案の第四条に、施行の一年後以内に課徴金制度を導入をするということであります。私も、この課徴金制度、大変大きな意義を持つということの裏面に、やはりいろいろ気になさる特に中小の事業者の皆さんがおいでになるということが非常に気に掛かっております。  法律というのはアンチビジネスであってはならないと思っております。中小の事業者がきちんと納得がいく、そして法律が守ることができるということになって初めて法律として効果が出るんじゃないかというふうに思っております。特に、中小の事業者あるいは中小の事業者団体を中心にかなり不安感あるいは抵抗感というものが強いというふうに聞いております。ですから、衆議院の附帯決議でも、「事業者の経済活動を萎縮させることがないよう配慮する」というような記述もあるわけであります。  現在の検討状況をいろいろとお聞きをいたしますと、果たして本来のこの改正案の考え方、どこを向いているのかということがきちんと事業者の皆さんに理解をされているのか、そういうことについて若干疑問なところがございます。元々、この景品表示法は公正取引委員会が持っていた法律で、これが平成二十一年に消費者庁に移管をしてきたということであります。本来は、公正な取引、要するに市場での売買を円滑に行うことができるようにするという法律でありますので、ある意味では、事業者がやる気を出して、悪質な事業者は余りやる気を出さない、良質な事業者についてはやる気を出していただく、そして、たくさんいい品物を工夫していただいて供給をして、ですから、安い品物あるいはサービスが大量に安価に提供される、それを消費者の方も喜んで購入をするという、消費者も事業者にもメリットのある形を目指していたものだというふうに思っております。  これが消費者庁に移管をされて、まずお尋ねをしたいんですけれども、どこか具体的に変わったところというのがあるわけでしょうか。特に、事業者が事業活動を行う上でこういう点が変えなければいけないというようなことを要求される改正があったのでしょうか、大臣にお尋ねをします。
  28. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  公正取引委員会から消費者庁への移管に伴いましての景品表示法の改正点でございますが、第一には、それまでの独占禁止法の特例法としての位置付けから、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保することにより、一般消費者の利益の保護を目的とするものであるということを目的規定として明確にするという改正が行われております。もう一つは、行政処分の権限の行使主体、これが公正取引委員会から内閣総理大臣へ変更するという、そうした内容の改正でございます。  したがいまして、改正点は、これらの法律の位置付け、そして行政処分等の権限の行使主体の変更についてというものでございますので、御指摘のような、事業者に対する規制内容の変更を伴う改正というのはこのときは行われていないということでございます。
  29. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございます。  となりますと、特に事業者から見ると大きな改正というのは全くなかったということなんだろうというふうに受け止めさせていただきましたけれども、じゃ、なぜ、事業者の方からいまだにいろいろな疑問、あるいはこれをどうにかしてくれという声が上がってくるのかということを考えてみなきゃいけないと思っております。  私は、その大きな原因が、事業者の側の意見をきちんと聞き届けていただいているという感覚を当の事業者の方が持てていないからではないかというふうに思うわけです。特に具体的に申しますと、じゃ、どこのどういう組織で事業者の意見を吸い上げているのかと。具体的な作業をなさっている専門調査会、私も委員の名簿をいただきましたけれども、この中には、一体何人のいわゆる事業者の経験のある方あるいは事業者団体の御出身の方という方がおいでなんでしょうか。
  30. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) お尋ねは、消費者庁ではなく消費者委員会の方の専門調査会の経済界出身の委員の数ということでございますが、消費者委員会の本体の方には経済界で御活躍の経歴をお持ちの委員が複数名いらっしゃいます。そして、その下に設けられておる専門調査会にはいわゆる経済界出身の委員は含まれておりませんが、ヒアリング等でこれまで開催された十一回のうち四回、事業者団体の方から直接御意見を聞く機会が設けられたと承知しております。こちらは消費者委員会の方でございますが、消費者庁の方は、これまで行政手法研究会の中で行政による被害者救済の制度が研究されておりましたが、十八回ほど開かれておりましたけれども、その中に経済界出身の委員の方がおられました。
  31. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございます。  ただ、消費者委員会の委員の名簿をいただきましたけれども、複数の方がおいでになるというんですが、その中の例えばお一人の方は、役所生活を三十年以上なさって、それから民間企業に行かれた方なんですね。この人を民間企業出身の方としてカウントするのはいささか、何というんでしょうか、おかしな感じがいたしますし、もうお一方、この方はメーカーの御出身で、今大学でいろいろ教えておられるという方ですから、こうした方ならそういう事業者側の方だと言っていいんでしょうけれども、その専門調査会、消費者委員会の専門調査会の方は、これを拝見しますと、これはもうみんな学者さんなんですね。  これ、例えば昔の経済審議会で申しますと、経済審議会本体あるいはその下にある部会の中に必ず、例えば労働組合の代表者とかあるいは消費者団体の代表者、一方で経団連の代表者、大きな事業者の代表者といった方が入っていたわけです。それから見ますと、やはりこういったところに、きちんと作業をされる場で事業者出身者を入れるべきじゃないかと思うんですが、これ、大臣、いかがお考えでしょうか。
  32. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 金子委員、消費者庁と消費者委員会、別の組織でございまして、これは経済産業省の中の審議会とは全く別の位置付けでございますので、消費者庁の方から消費者委員会の委員構成について口出しをするということは、これは厳に控えたいというふうに思います。  消費者庁としましては、行政手法研究会の中でも経済界の委員を、しっかり聞いてまいった経緯もございますし、その経緯を踏まえて消費者委員会の方に今御審議いただいているわけでございますが、消費者委員会の方の報告書が出ましたら、今度は消費者庁の方で制度設計に入っていくわけでございますが、事業者を始めとした様々な立場からの御意見、これは消費者庁としてはしっかり伺ってまいりたいと思います。
  33. 金子洋一

    ○金子洋一君 消費者委員会の話ですということですので、私としては、是非ともそういった方を入れるべきだというふうに申し上げたいと思います。  あと、さらに、審議の過程で、先ほどの太田委員からの御質問の中にもちらっとあったような気がするんですが、被害回復の視点も盛り込みたいという御発言が多々あったと思います。これについて、もうちょっと具体的に御説明をいただけないでしょうか。
  34. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 被害回復についての御質問にお答えします。  不当表示事案では、その特性上、民事訴訟になじまない場合も多く、消費者裁判手続特例法も含め、民事訴訟手続による対応だけでは十分と言えません。このため、民事訴訟手続では回復されない消費者の損害を課徴金制度において政策的に回復させる仕組みを構築できないか考えているところでございます。  具体的には、不当表示事案において、違反行為者が手にした不当な利得を剥奪しつつ、国庫に納付される前に消費者に還元する手法として、違反行為者が自主的返金を行った場合や、それが困難なときには、一般消費者への利益の還元と擬制できるような団体に対して寄附を行った場合に課徴金額から控除する制度などを検討をしております。  このような制度の設計に当たっては、課徴金から控除する返金の対象や金額、寄附対象その他の事項についてそれぞれ検討が必要であり、消費者委員会においても御議論をいただいておるところでございます。  消費者庁としては、消費者委員会における御議論をにらみながら、適切な制度設計となるよう検討を行ってまいりたいと思います。
  35. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございます。  その点、やはり私は大変重要だと思うんです。消費者が被害を受けると、それを直接回収、回収、何と言うんでしょうね、回復、被害を回復することができるという仕組みをつくっていただくというのは、これはこれまでなかなかなかったことでもありますけれども、諸外国を見てみますと、越境取引、国境を越えた取引でもそういったことを是非とも可能にしようじゃないかとか、そういう検討が多くなされているわけです。  ですから、今大臣がおっしゃったような内容、そこに事業者としてその経済活動を萎縮をさせるということがなるべくないように、かつ、きちんと被害を受けた皆さんの被害も回復できるようにということで、自主的というお言葉をお使いになりましたけれども、そうしたことにしっかりと私は取り組んでいただきたいと思います。国庫に戻っていってしまったのでは、やはり消費者として納得感がないんだろうと思うわけです。そこを是非お願いをしたいと思います。  あと、いろんな中小の事業者の御意見を聞いておりますと、景品表示法の違反要件が明確ではないとおっしゃる方が大変多いわけです。これ、昔をたどれば公正取引委員会の時代から消費者庁に至るわけですけれども、違反要件が明確ではないから、課徴金制度が導入をされると、なかなか、企業として経済活動に、あるいはいろいろな表示とか広告の活動に制約がはめられてしまう、そうなると大変困るなという御意見なわけです。  ただ、先ほどお尋ねをしましたように、この法律としての性格というのは基本的に変わっていないということになりますと、公正取引委員会にあった時代からずっとそれこそ何十年にもわたって、この要件が明確ではないとずっと言われ続けているわけです。これは、やはり公正取引委員会、消費者庁、それを併せた政府として非常に責任があるのではないかと私は思います。それをどうやって克服をしていこうとしておられるのか。  特に、例えばですけれども、課徴金制度の導入前にガイドラインを、非常に具体的なガイドラインですね、ガイドラインをきちんと作っていただいて、その広報とか宣伝に力を入れていただく。つまり、予算をきちっと付けてそういうことをやっていただく。または、事業者がこんな感じでいいんでしょうかということで相談できる窓口、消費者の相談窓口もこれ増やさなきゃいけませんけれども、事業者が相談できるような、言わば事業者の動きを読めるような窓口というものもつくっていくというようなことを考えていくべきではないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
  36. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 今般の食品表示等問題の発生を受けて、平成二十五年十二月九日に食品表示等問題関係府省庁等会議において取りまとめられた「食品表示等の適正化について」においても、問題の所在として議員御指摘のような景品表示法の趣旨、内容の不徹底が指摘されたところでございます。  消費者庁としても、これまで景品表示法の普及促進のため、同法説明会への講師の派遣など積極的に対応をしてきておりましたが、今般の食品表示等問題の発生及び上記指摘を受けまして、直ちに過去の処分事例を取りまとめて事業者団体へ手交して、そこからの事業者の皆様への徹底も要請したほか、メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法の考え方を整理したガイドラインを三月二十八日に公表をし、また、これに係る講師派遣要請に対しても積極的に対応してまいりました。  こうした景品表示法の普及啓発により同法の理解促進に努めることは、課徴金制度の導入に当たっても重要な課題であると認識しておりまして、地方公共団体や事業者団体の関係機関等の連絡なども通じて、景品表示法の趣旨、内容を中小企業を始めとする事業者の方々に一層浸透させる方策を積極的に推進してまいりたいと思います。  その意味で、今委員から御提案のあった広報をしっかりと予算を立ててしてまいるとか、それから事業者からの相談窓口をしっかり設置を、今現在も設置しておるんですが、しっかりとそれに対応していくということを行ってまいりたいと思います。
  37. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございます。是非お願いをしたいと思います。  やはりこの景品表示法の問題、例えば街角でお総菜を作っているような、まあパパママストアとまでは言いませんけれども、そういったお店も対象になってくるということになりますと、大企業のように立派な法務部があって、そして何かやっていく、動いていくというわけではありませんので、ここの広報というのは、もう実質的に消費者の皆さん相手の広報と同じぐらい手間が掛かるんだと思います。ところが、消費者庁というのは余り予算がないと。じろっとにらまれてしまいましたけれども、昔、私も消費者行政やっていましたけれども、そのときに消費者の窓というホームページを作ろうとして、予算がないので四苦八苦をして、なるべく安いところにお願いをしようということになったら余り大したものができなかったというようなこともございます。そういうふうにならないように、これはもう本当に、直接課徴金を掛けると、掛けられたら大変なことになるわけです。  そういうふうにならないようにするにはどういうふうにやればいいのかということを、良心的な事業者の皆さん、多くは小さいところに是非とも広報をしていかないと大変なことになってしまうというふうに私は思いますので、その辺はきちんとやっていただきたいと思います。  あと、もし時間があれば、消費者安全法の方で、窓口に立っておられる相談員の皆さんの処遇改善の問題についていろいろとお願いをしたかったんですけれども、全く時間が足りませんのでまた別の機会に回したいと思いますが、処遇改善の問題でもきちんとお願いをしたいと思います。  私からは以上でございます。
  38. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。本日は質問の機会をいただきましてありがとうございました。  景表法に絞って質問させていただきます。  今回の景表法改正は、昨年秋以降のホテル、レストラン等における食品表示偽装事件を契機としてこの機運が高まりまして実現したものです。これにより消費者団体等が長年待ち望んでいた課徴金制度についても検討が始まったことは、我が党からの要請でもあり、一定の意味があるというふうに承知しております。しかし、本改正案を含む政府の現在の取組では食品偽装表示問題の根本的な解決につながるかどうか私は疑問に思っておりまして、今日はその点について質問させていただきます。  景品表示法は全消費財及びサービスをカバーするものであります。それがゆえに、皮肉なことに、この食品偽装表示の根絶という観点からはなかなか万全とは言えないのではないかというのが私の仮説でございます。どんな業界の、どんな業種の、どんな規模の事業者にとっても万能な施策を考えようとすると、中小・小規模事業者に過度な負担にならないようにと、こういう発想になりますので、また、一番問題となる現場向けにカスタマイズしたものではないものですから最適な効果は見込めないと、こういうことになりがちであります。  今までの委員の方々も似たような観点を指摘されていたと思うんですけれども、実際、先般の食品偽装表示事件においては大手ホテルチェーンレストランの事案が多かったわけですね。規模が大きいがゆえに現場が分断されておりまして、厨房、ホール、仕入れ、経理、広報などの機能が分化しているものですから、情報が断絶していたことが結果的に相互チェックを難しくしてしまうと、これが大規模チェーンレストランが抱える独自の構造的な問題なわけです。  先ほどのちょっと意見とは異なるかもしれませんけれども、先ほど法務部などがしっかりしているという点も、それも確かなんですけれども、規模が大きければ大きいほど企業体としてしっかりとコンプライアンスが万全だということは必ずしも言えない。大規模外食チェーンではマニュアル作りや教育をかなりしっかりしないと、アルバイトにまでこの情報伝達をしっかり徹底することは難しいと、こういう点もございます。  一方で、皆さんも想像していただくと分かると思うんですけれども、私がよく行くおすし屋さんなんか、そういう大将なんか想像しますと、もう仕入れから食材管理から調理から顧客対応まで、接客ですね、全て切り盛りしていて、食材を見てにおいを嗅げば、そして見ればその鮮度などはもう賞味期限を見なくても分かるものですから、その食材の鮮度に応じてフレキシブルに、柔軟にそれをうまく使い回すと。こういう人は、目の前にいるわけですから、お客としても、これどこの原産地とか、どういうものなのということも気軽に聞けると。こういうところは実は説明責任とか食の安全の問題が逆にないと、こういうこともあり得るわけです。  今回の景表法改正案の中で、事業者が講ずるべき指針というのを設けるというふうになっておりますけれども、この指針についても、業種、業態、規模、そういった別のパターンを幾つか用意するなど是非工夫をして実効性のあるものにしていただくようにお願いしたいと思います。この点については、私は大臣も消費者庁も同じように考えていただいていると思っておりますので、答弁は求めません。  そして、私の今回の一番関心事項であります優良誤認を判断するための基準について、金子委員が違反要件というふうにおっしゃっていましたけれども、この点について今日は深掘りをさせていただきたいと思っております。  食品偽装表示事件を受けて、今年三月に消費者庁が、メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について、いわゆるガイドラインを公表し、優良誤認に関する全体的な考え方と三十四の事例を掲載されております。  これらの事例なんですけれども、この景品表示法の施行においてどのように位置付けられて、どのように活用されるのか、ここを教えていただきたいと思います。
  39. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  御指摘いただきましたガイドラインでございますが、これは今般発生しました食品表示等問題におきまして、まさに景品表示法の趣旨、内容の不徹底が見られたと、そういうことでございましたので、この景品表示法の基本的な考え方、それとメニュー表示に関するQアンドAと、そういう形でメニュー・料理等の食品表示に関します景品表示法上の考え方を整理いたしまして、事業者の予見可能性を高めるということを目的として作成したというものでございます。  このガイドライン、消費者庁としましては、このガイドラインを活用することによりまして、事業者の景品表示法の理解が深まりまして適正な表示が行われるということを期待しているところでございます。そのために、既に説明会の要請数々ございますけれども、そういう説明会の要請に積極的に講師を派遣して対応をする、そうしたことによりましてこのガイドラインの普及に努めているところでございます。
  40. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 予見可能性を高める、そうおっしゃいましたけれども、その割にはガイドラインは三十四しか事例がありません。その中身は、肉類が六、魚介類が十五、農産物が五、小麦製品、乳製品、飲料に関するものが八と、こういったことになっておりますけれども、外食店あるいは中食ですね、こういったところで提供されるメニューの膨大な種類を考えますと、どう考えても物足りないというふうに思います。  いずれこれを改定、加筆などしていく予定はあるのでしょうか。また、最終的にはどんな完成形を目指しているのでしょうか。
  41. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  現在は、このガイドラインにつきましては、先ほど申しましたとおり、事業者団体等からの説明会の要請などがございまして、こういうものに対しまして積極的に講師を派遣して対応しているところでございまして、この普及に努めているところでございます。また、事業者からの問合せなどもございまして、そういう対応もしているところでございます。  また、業界におきましては自主ルールの策定などの動きもあるところでございまして、まずはこうした業界におけます自主的取組を支援していきたいというふうに考えております。我々、説明会に行った際に事業者団体の方とお話をしておりましても、まずは、事業者団体の方としても、このガイドラインの事例がどんどんどんどん増えていくということがむしろないように自主的な対応をまずやっていきたいということを申しているところもございますので、そうした取組を支援していきたいということを考えているところでございます。  こうした業界の取組を促進していきたいと思っているわけですが、その上でも更に様々な御意見をいただく、そうしたことがございまして、必要が生じる場合にはガイドラインの改定、加筆という検討もしていくことになるものと考えているところでございます。
  42. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 今の御答弁によりますと、様子を見ながらと、今最終形のイメージがあるわけではないと、こういうふうに理解をさせていただきました。  ガイドラインを読んでも分からない例えば事業者、これは表示として適切なのかどうかということを問い合わせる窓口として、そのガイドラインの紙面上に書いてありました、消費者庁表示対策課指導係というのが問合せ先になっておりましたけれども、実際に事業者の相談を受ける人というのはどんな専門性を持った人なんでしょうか。
  43. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) 受けておりますのは消費者庁の職員又は相談を受ける職員として採用をしている職員の方々が電話を毎日受けてお答えをしているというところでございます。
  44. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 今のお答えからしますと必ずしも食のプロではないと、こういう感じがいたします。消費者庁はカバーする業種、業態が全部広いですから、食の専門家がこの事業者の問合せの表示に対する疑問に答えるわけではないと、これ非常に不安な気持ちになります。事例に出ていないケースのお問合せが来たときに、これどう答えるのかなと思います。  事例が今三十四あるわけですけれども、こういったものから類推して、聞かれた表示のケースがセーフですよ、それはアウトですよと、そういうことを答えるのか、あるいはほかの答え方があるのか、どんなふうに考えていらっしゃいますか。
  45. 菅久修一

    政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  事業者の方々からの相談の状況を簡単に御説明させていただきますと、事業者からのお問合せの多くのものは、一つは、将来行おうとする広告の表示、これが具体化される前の企画の段階での相談でありますとか、またその広告や表示の一部に用いようとします用語についての相談であったりする場合が多いという状況にございます。  このため、実際の相談におきましては、景品表示法の基本的な考え方をこちらから説明しつつ、自己の供給する商品、役務の実際の内容と、その商品、役務に関する広告、表示、これを事業者の方が作られるわけですが、その全体を見たお客様が持つ印象、認識、これが異ならないようにするということが基本でございますので、このことを指摘するということなどによりまして、またこの際に、公正競争規約でございますとか品質表示基準でございますとか、こういうものがあるものもございます。これらについては、これらも参酌いたしまして、事業者の方が実際に行う広告、表示、これが景品表示法上問題とならないように、説明し回答をしているということでございます。  少し具体的に申しますと、例えば広告、表示の内容が相当に固まっているという場合の相談でございますと、景品表示法上の問題点につきまして、より具体的に説明できるということになりますが、広告、表示の企画の初期の段階の相談ということでございますと、むしろ景品表示法そのものの考え方というのをしっかりお伝えするということに重点を置くことなど、その事業者からの相談の内容によりまして適切に対応するよう努力しているところでございます。
  46. 安井美沙子

    安井美沙子君 それでは、今の完成形に近いといいますか、表示のあるいは広告イメージがもうある程度固まっている場合、これはアウトかセーフかという判断をしていただけるんでしょうか。
  47. 菅久修一

    政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  広告、表示、つまり表示全体を見なきゃいけませんのに、なかなか、相談される方は、本当の最後、でき上がりがこうでございますという相談は実は少ない状況にございます。むしろ、最終的には事業者の方が、まさに自分の御存じの商品、役務の内容と、実際に作り上げた広告、表示から、最終的にお客様が誤解するか、それとも大げさになるかということを、最後は御自身で考えているということが多いようでございますが、先生御指摘のとおり、仮に、本当に最終的な形でこうですというのが来れば、かなりはっきりとお答えができるものというふうに考えております。
  48. 安井美沙子

    安井美沙子君 これは、事業者の判断に任せるということは、これから課徴金制度なども考えられている折、非常に問題があると思っておりまして、基本的には、私は、消費者庁の窓口にちゃんとプロがいて食品表示基準やそれから公正競争規約などにも精通していて、これはセーフだ、アウトだときちんと責任を持って答えられるような体制になっていないといけないというふうに思っております。是非、判断に安定性を持って事業者が混乱しないように、ここは留意していただきたいと思っております。  資料を配らせていただいております。一ページ目に、まさに今御指摘のありました品質表示基準なども書いてあるんですけれども、このガイドラインの事例集の中の三十三番というのと三十五番というのを引き出させていただきました。三十三の清酒、純米酒の例の下線のところに、清酒の製法品質表示基準というのを参照していることが明記されております。そして、三十五の方のフレッシュオレンジジュースの方も、下線の下のところに果実飲料品質表示基準ではというふうに参照がされておりますので、これ事実上、このガイドラインにおいて品質表示基準を参照して判断しているということが分かります。  来年の食品表示法施行に向けて、現在、食品品質表示基準を鋭意準備されていることと思いますけれども、これまでの措置事例等の寄せ集めにすぎない三十四しかない事例集よりも、表示のことはおおよそ網羅的に定めているこの品質表示基準、これを常に参考にするという方が判断に安定性が出てくるんだと思いますが、いかがでしょうか。
  49. 森まさこ

    国務大臣森まさこ君) 景品表示法の趣旨ですけれども、消費者がお買物をするときに選択をする、その選択の自由消費者権利、四つの権利のうちの一つと言われておりますが、そのときに判断の材料になる表示についてうそがあってはなりませんよというところから来ておりまして、著しく優良と誤認させる表示をしているかどうかというところが判断基準になります。そういう意味で、一般消費者の認識というところが判断の基準になってまいります。  JAS法において定められている食品の品質表示基準は、その基準に基づいて表示された食品が流通し、それによって一般消費者の認識が形成されているということも考えられることから、参考になる場合が多いとは思いますが、イコールではないというふうに思います。そういう意味で、委員の問題意識は非常によく理解できるんですけれども、完全にイコールでないというところが悩みでして、そんなところをどのように、事業者に混乱がないようにというふうにおっしゃいましたので、しっかりと検討して、先ほどの窓口の担当者のスキル等についても、御提言のあったことをしっかりと検討してまいりたいと思います。
  50. 安井美沙子

    安井美沙子君 イコールではないということも、私も理解できます。ただ、三十四しか事例がなくて、それ以外のものが相談係の方の判断に任されるというところが非常に不安な気がいたします。そこをこれからガイドラインをもうちょっと精緻にしていく、あるいは、そのガイドラインの事例を集めていく中で、この品質表示基準あるいは公正競争規約など、既存で既にこの当該業界が整備している、こういったものを使わない手はないというのが私の問題意識でございます。  もう消費者庁が対象範囲が広くてお仕事も忙しいということは私理解しておりますが、景品表示法はそういった全業種に対する取組としては本当に格段の一歩を踏んでいると思いますが、食品というのは特に健康被害につながるという意味で厄介なものでございますので、これについてはやっぱりそれなりに特段の取組が求められると思っているわけでございます。  これは、そしてもう答弁は求めませんけれども、既にこのガイドラインのQアンドAの中で、食品品質表示基準、JAS法、あるいは清酒に関しては清酒の品質表示基準がここで参照されているというこの事実に基づき、是非これは、どこまでこれが使えるのかということをこれからも追求していただきたいですし、資料の次のページに今度は公正競争規約というのの例を挙げさせていただいたんですけれども、これはナチュラルチーズの例です。非常に、ナチュラルチーズというのはどういうものかというのが、この公正競争規約、これは政府が決めているものではなくて業界の自主的な基準になります。これを政府が公認するということになるわけですけれども、大多数の良識を商慣習として明文化し、この商慣習を自分も守れば他の事業者も守るという保証を与え、とかくエスカレートしがちな不当表示や過大な景品類の提供を未然に防止するという目的で作られているというふうに承知しております。  ですから、このチーズの項を見てみますと、ナチュラルチーズとはどういうものかというのが、この公正競争規約、この裏に、これのまた参照元になります大変古い省令ですけれども、昭和二十六年の省令、これの二条十七項に成分規格が定められておりまして、何をナチュラルチーズといっていいのかというのがこれで分かるわけですね。  こういうものを是非、表示、広告のときにも参照するようなことを少しお考えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  51. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) おっしゃるとおり、公正競争規約は業界の自主ルールでございます。ただ、これは消費者庁が認定したものでございまして、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するために適切なものということで認定したものでございますので、この公正競争規約の方は合理的な選択を確保するためにということで認定しているということから、景品表示法の判断を行うに際して当然参考になるものというふうに思います。  ですから、これで著しく優良と誤認させるものというふうに、イコールで違反になるかどうかというところがイコールではないんですよということをしっかりと説明しながら、これを参考にしていただくというような取組を前向きに検討してまいりたいと思います。
  52. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 ありがとうございます。  ここからは、今の大臣の答弁、消費者庁の考え方を私は了とした上で質問させていただくんですけれども、さきの臨時国会で私、この偽装表示の問題に対応するために議員立法を出させていただきまして、次の資料の最後のページに付けてありますけれども、JAS法及び食品表示法の改正案というものです。これは、外食、中食を含めた飲食料品の原産地等についての虚偽の表示を禁止しているものであって、違反に対して罰則を科すものであります。  外食、中食というのに対して食品表示法の表示義務を課すこと、適用することは余りに現場の負担が重いというふうに考えておりまして、今回これを見送っているんですけれども、虚偽の表示はいけませんよと、うそをついてはいけませんよというのをJAS法の中に埋め込んだと、こういうことであります。こうなりますと、例えば松阪牛を使っていないのに松阪牛とメニューに表示するといった虚偽の表示をしたら罰則が科されるわけですが、別に何々牛というふうに表示をしなさいというふうには義務付けないわけです。  消費者としては、選択に資する情報はできるだけたくさん欲しいわけですけれども、そこを、現実的な対応としまして、少なくともこれによって、表示してあることはうそではないと、こういう担保がされると、こういうところで、ある意味妥協の産物ではあるんですけれども、こういった対応を先国会で提案させていただいたところであります。  実はこれ、二月の予算委員会でも森大臣に提案したんですけれども、食品表示法というのは景品表示法と法の目的、趣旨が違うということで一蹴されたというふうに思っております。確かに法律の目的や趣旨は違います。だけれども、それが違っても使えればいいんじゃないでしょうか。私は、消費者の保護のために使えるものは全て使いたいと思っています。  景品表示法というのは義務付けの表示であるかどうかにかかわらず不当な表示を禁止するもの、一方で、このJAS法、食品表示法というのは表示を義務付けるもの、これ目的が異なるからこそ相互補完的に食品偽装表示の根絶のために力を発揮できるのではないかというふうに思っています。  そんなわけで、この議員立法ですけれども、検討する価値があるかないか、御見解をお伺いしたいと思います。
  53. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 安井委員の予算委員会での質問でございますが、食品について、景品表示法については改正をせずに、こちらの安井議員がその前の国会で提出をしたJAS法の方で虚偽表示について、外食、中食については虚偽表示について禁止をするというふうにするのか、それとも景品表示法も改正をして、こちらも更に追加で改正をするのか、ちょっと質問の趣旨が前回は明確に理解できなかったんですが、私は別々のものというふうに理解をして答弁をいたしました。  今聞いておりますと、両方やるという趣旨なのかなというふうに理解をいたしましたが、両方やるという前提で御答弁申し上げますと、これは混乱をするのではないかなというふうに思います。景品表示法では違反でもありJAS法の方でも違反であるというときには、どちらで執行するのか、また事業者の方としてはどちらで執行されるのかということについても混乱すると思いますが、そういったことについてどのようにしていくのかということについては、私はちょっと疑問があるなというふうに思います。  また、JAS法については義務付けをするものでありますが、そのようなJAS法の中で、外食、中食についてだけ義務ではないけどうそをついてはなりませんとすることで、更にこれは法の目的、趣旨又は条文の内容が事業者にとっても消費者にとっても分かりにくいものになるのではないかというような疑問を今感じたところでございます。  いずれにせよ、消費者庁としては、今般の景表法の改正を通していただきましたら、事業者の方に趣旨を徹底し、食品についても虚偽表示がないようにしっかりと執行してまいりたいと思います。
  54. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 両方執行する場合にどうなるか、そういった混乱が起きないのかというところはまだ検討の余地があると思います。しかしながら、私が申し上げておりますのは、景品表示法の改正、これは食品のみにかかわらず、全業態、業種、対象商品、サービス、こういうものを考えたときには大変すばらしい第一歩だと思うわけですけれども、事食品に関しては、健康に直接影響するという意味で本当にややこしい、そしてこの品質表示というものが難しい、このような理由から、更に上乗せしてもう一つ消費者保護を図るための施策が必要なのではないかと、こういう提案でございます。  引き続き、私の方も研究を続け、また御提案をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  最後に、アレルギー表示についてなんですけれども、このアレルギー表示というのが、また外食、中食にこの表示が課されていないということで今大変な問題になっておりまして、消費者庁の方でもこれ検討いただいていると思うんですけれども、この表示を課すということは事業者に過度な負担を掛けますので、私も、なるべく外食、中食については思い切ったことはしたくないというふうに正直思っているんですけれども、今回の偽装表示事件におきまして、ステーキというふうに、一枚肉のステーキというふうに表示しておきながら牛脂注入加工肉を提供していたというこの事例においてアレルギーが起こらなかったことというのは、本当に不幸中の幸いであったなというふうに思っています。  今後、景品表示法による対応では、結局後手後手に回ってしまう、何かあったときにそれに対処する、それから抑止力を働かせるという非常に間接的なアプローチなんですよね。そういう意味では、アレルギーだけはこれは別なのではないか、やはり外食、中食にも現実的な方法で表示を促していくような施策が必要なのではないかなというふうに思っております。  このことについての御見解をいただきたいと思います。
  55. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 食物アレルギーは、特定のアレルゲンを摂取することでアレルギー症状が起こり、場合によってはアナフィラキシーショックにより命に関わることもありますので、アレルゲン情報は適切に提供されることが望ましいと思っております。  今委員御指摘のとおり、外食では注文に応じて様々なメニューを手早く調理することも求められ、調理器具等からのアレルギー物質の意図せぬ混入防止対策を十分に取ることが難しいという現場の課題等も指摘されておりました。昨年成立した食品表示法の検討過程においても、外食等によるアレルギー情報の提供の重要性が指摘をされております。さらに、昨年の食材等の偽装問題において、消費者に対して十分な情報提供がなされないまま、アレルゲンを含む成形肉を使用した料理が提供されていた事例がありました。実は、この事例については昨年だけではなくその前もあり、行政処分もされてきたわけでございますが、依然としてなされているという看過できない事態にあるわけです。  これらを踏まえて、外食等におけるアレルゲン情報の在り方検討会というのを立ち上げました。本年四月二十一日に第一回の会合を開催いたしました。本検討会を進める中で、食物アレルギー患者や事業者団体等から幅広く意見を聞き、アレルギー患者にとって分かりやすく、そして外食等の事業者が実行可能なアレルゲン情報の情報提供促進のための方策を検討してまいりたいと思います。
  56. 安井美沙子

    ○安井美沙子君 アレルギー患者の皆さんや事業者のヒアリング、これがガス抜きに終わらないかという懸念の声が聞かれます。確かに難しい課題であるということは承知しておりますけれども、消費者庁は消費者を守る省庁ですから、是非これ、前向きに御検討をお願いしたいと思います。  二〇〇〇年代から食にまつわる様々な不祥事が起こって、あの中国産の毒ギョーザ事件、この頃から私は食の問題に取り組んでいるわけですけれども、このことから分かったのは、私たちの食がグローバル化しているということ、そして原材料の追跡が非常に難しくなっているということなんですね。  ここ四十年間、ちょうど私が育ってきたこの間で、家庭の台所というのが食品工場に置き換わりました。そして、家庭の食堂が外食に置き換わりました。食がつまりビジネスになってしまったと。なってしまったと悪い言い方をしてもいけないんですけれども、この現実をいいとも悪いとも判断する、これを言っていても仕方ありませんが、健康に直結するものだからこそ、安全を守るための方策というのは万全を尽くさなければいけないと思っています。  景品表示法の中でも、この食に関しては、もっともっとその万全の方策を尽くしていただいて初めて消費者が守れるものだと思いますので、どうぞ引き続き熱心なお取組をお願いして、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  57. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。  今日のこれまでの議論を聞かせていただきました中で、今回の法改正によって事業者の適切な経済活動が不当に萎縮するようなことがあってはならないと、こういった御指摘がございました。私もそのとおりであるというふうに思います。  しかしながら、今回の法改正の背景には、これまでも話題になりましたが、昨年十月以降に発覚をいたしました一連の食品の不当表示の問題があるわけでございます。日本の食に対する国内外の信頼を揺るがしかねない重大な事態でございました。こういったことが起こらないように、そして消費者の食に対する信頼を回復をするためにということで今回の法改正案が提出をされたと理解をしております。したがいまして、やはり違反行為の事前抑制、また防止、被害者の保護という観点も非常に重要ではないかと私自身は思っております。  そして、この一連の食品の不当表示といいますのは景品表示法違反行為でございまして、これに対する理解がしっかりとなされていればこういったことは起こらなかったのではないかと思わざるを得ない点もあるわけでございます。  そうした事業者のコンプライアンス体制、この確立について今回の法律案でも問題となっておりますけれども、事業者がとるべき措置についての指針の内容については本会議の方でも質問させていただきました。事業者のコンプライアンス体制の確立の前提といたしまして、しっかりと景品表示法について理解をしてもらうということが重要であると思います。  景品表示法は、あらゆる事業者、またサービス、商品に適用されて、その範囲が非常に広範であると、さらに優良誤認の判断基準、こういったものも曖昧で分かりにくいと、こういう指摘もあるところであります。  事業者に対する分かりやすい説明、また基準の周知徹底ということがこれまで以上に行われなければならないと思います。また、事業者からの問合せがあった際にも、行政の方でもこれまで以上に丁寧に対応していただきたいと思います。こういった取組についてどのように行っていくか、まずお聞きをしたいと思います。
  58. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  景品表示法の考え方の普及啓発、これは非常に重要なことでございますので、従来からガイドライン、説明会、様々な取組をしてきたところでございますけれども、御指摘の昨年秋からの食品表示等問題、ここでも景品表示法の趣旨、内容の不徹底という指摘がございました。  そこで、この食品表示等問題への対応といたしまして、事業者向けの食品表示問題相談窓口を設置いたしました。これは、従来から事業者からの相談受付を行っているわけでございますが、この食品表示問題の相談窓口ということで特に広報したものでございます。それから、さらにメニュー、料理のガイドライン、これを公表し、それについての現在普及のため説明会への講師派遣、そういったことを行っているところでございます。  今後とも、引き続き、様々な機会を活用いたしまして景品表示法の理解が深まるよう努力を続けていきたいというふうに考えております。
  59. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 相談体制、また分かりやすいガイドラインの作成、是非お願いをしたいと思います。  しかし、非常に外食、例えば外食産業のメニューというのは多様でございますし、日々いろいろな食品も出てきますし、また技術も変わっていきますので、全ての場合についてガイドラインを徹底して作るというのも、事前に作るというのも私はなかなか難しい面もあるのかなと思っております。そう考えますと、そういった取組と同時に、やはり事業者の皆さんの自主的な取組、法令遵守のコンプライアンスの意識、これをしっかりと持っていただくということが重要であると思います。  こういった事業者の自主的な取組というところに関連をいたしましてお聞きをしたいのが、景品表示法上の公正競争規約制度というものがございます。これについて、まずどのようなものなのか御説明をお願いしたいと思います。
  60. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  公正競争規約でございますが、これは景品表示法に基づきまして、事業者又は事業者団体が消費者庁長官と公正取引委員会の認定を受けまして、表示又は景品類の提供に関する事項について自主的に設定する業界のルールということでございます。この公正競争規約は、その業界の商品特性また取引の実態に即しまして、より具体的かつきめ細かい内容を規定することが可能となっております。このため、また、公正競争規約の規定、これはまさに消費者庁長官それから公正取引委員会の認定を受けたというものでございますので、この規定に従いまして表示や景品類の提供を行っている場合には景品表示法に違反することはないというものでございます。
  61. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 この公正競争規約制度、自主的な業界でのルールということでしたけれども、現在どういった業種でどれぐらい活用されているものなのでしょうか。
  62. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  公正競争規約は、本年の四月一日現在、景品類につきまして三十七件、それから表示につきまして六十七件、計百四件が設定されております。具体的には、食品一般、酒類、不動産、家電製品、自動車などの業界で設定されておりまして、例えば食品一般につきましては、景品類について十一件、それから表示について三十七件、合計四十八件の公正競争規約が設定されているところでございます。
  63. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 この自主的なルール、食品に関してもある程度設定をされているということでございました。しかしながら、外食、中食というところについては活用が不十分であるというふうに聞いております。  この公正競争規約制度、事業者の自主的なコンプライアンスの取組として、外食、中食も含めまして幅広くより活用をされていくことが望ましいのではないかと考えております。  こういった点について消費者庁としても方策を検討していっていただきたいと思いますけれども、この点について大臣のお考えを伺います。
  64. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 外食及び中食について公正競争規約は設定されていないと承知をしております。事業者の自主的な取組として公正競争規約を設定し、これを遵守することは、業界の公正な競争と消費者の自主的かつ合理的な選択を両立させるものであり、消費者利益の擁護及び増進に非常に重要な役割を果たしていると思います。  今般の食品表示等問題を受けて、業界においても自主ルールを策定する動きが見られるところでありますので、消費者庁としては、そうした業界に対してその取組を積極的に支援していくほか、公正競争規約が幅広く活用されるように同制度の普及啓発にも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
  65. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。  次に、課徴金制度についてお聞きをしたいと思います。今日も度々議論となりましたテーマでございます。  この課徴金制度については、私は画期的な制度であると思いますので早期の導入を期待したいと思っておりますけれども、重要でありますのは、事業者に対する、特に小規模事業者に対する過度な萎縮となってはならないですし、しかしながら他方で、やはり消費者被害の防止、また被害の回復という観点も重要であると思います。この二つについてどうバランスを取っていくかという問題であるというように理解をしております。  景品表示法における課徴金制度については、現在、専門調査会の方で議論がなされていると承知しておりますが、この課徴金の対象につきまして、小規模、少額な場合をどうするのかと、こういった規模基準についても検討をされていると聞いておりますが、現在の検討内容、状況というのはどのようなものなのでしょうか。
  66. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  御指摘の規模基準、いわゆる裾切りとも言われておりますが、それについてでございますけれども、消費者委員会におきます議論では、こうした規模基準を設けるべきではないという意見もありましたものの、執行の負担等も考えて一定の裾切りは必要とする方向でおおむね意見の一致が見られまして、中間整理が取りまとめられたものと承知しております。
  67. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 この裾切りをするかどうかという点については、今お話もありました執行の負担というところもあると思いますし、余り小さいものについて課さないということの合理性についても私も理解をしているつもりではありますけれども、しかしながら、やはり悪質な業者ということを考えました際に、例えばこういった規模基準を設けた場合に、比較的少額の取引について何件かその規模基準を満たさない程度の悪質な違反行為を行って、その対象の金額に近づいたところでまた例えば手口を変えてまた違う商品にするとか、やはりそういった心配もあるわけであります。  消費者被害といいますのは、必ずしも被害金額自体は大きくはない。なので、訴訟手続などに訴えることもなかなか消費者としては難しいと。そういった事後回復が困難という事情がありますので、こういった課徴金制度による違反行為の事前抑制ということが重要になってくるのではないかと思っております。  そういった観点から、小規模、少額の場合、裾切りをするということになりますと、違反行為の事前抑制の実効性、どこまで影響があるのかなと私は思っておりますが、こういった点について、規模基準について大臣のお考えを伺いたいと思います。
  68. 森まさこ

    国務大臣森まさこ君) 本当に一番悩ましいところをずばっと指摘されたんですけれども、消費者被害の救済、防止、これが一番の目的なんでございますが、消費者被害というのは、やはり必ずしも金額が大きくない場合もあるんです。  不当表示規制の実効性をより確保する観点からは、不当表示規制に違反したという事実がある以上、賦課金額が少額となる場合も含めて課徴金の対象とすることも考えられるというふうに思いますが、他方で、行政資源の効率的な活用により必要十分な抑止効果を確保する必要があること、すなわち、規模基準を設けず対象とする事案の範囲に少額事案を含めるとしても、十分に執行ができなければ不当表示に対する抑止効果が不十分となることや、賦課金額が少額の場合は不当表示に対する抑止効果が小さいことなどという意見も消費者委員会の中では出されたというふうに承知しております。また、事業者からのヒアリングで、課徴金制度の導入に当たっては、売上額が少額となる中小事業者には十分配慮してほしいとの意見も出されたところです。  確かに、真面目な中小事業者に萎縮させるようなことはあってはならないと思うんですが、過去の措置命令出された事案を見ますと、個人でやっている方や小規模の方でも、これはひどいじゃないのというような悪質な事案もあったんですね。そういう事案は今後も措置命令自体は出されていくと思います。  その措置命令を出した以上に、更に課徴金を課すかどうかというところの議論なんでございますが、消費者庁としては、こうした二つの側面からの要請を消費者委員会において御議論をいただいている、その御議論をにらみながら、規模基準の要否を含め適切な制度設計となるように検討を行ってまいりたいと思います。
  69. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 ありがとうございます。  消費者被害について知識も経験も深い大臣でございますので、是非、良い制度になりますように、引き続き御検討をお願いをしたいと思います。  また、この課徴金制度におきましては、消費者被害の回復という視点を何らかの形で入れていくべきではないかと、この点についても本会議質問でも指摘をさせていただきました。この点、消費者庁では、違反事業者による自主的な消費者への返金対応、これが行われた場合に課徴金の減額などのそういった案を検討しているというふうに聞いたんですが、この内容を御説明お願いしたいと思います。
  70. 菅久修一

    政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  不当表示事案におきまして、違反行為者が手にした不当な利得、これを剥奪しつつ、国庫に納付される前に消費者に還元する手法ということで消費者庁で検討しておりまして、その手法といたしまして、違反行為者が自主的に返金を行った場合、また、自主的な返金ということが難しい場合もございますので、そのようなときには、例えば一般消費者への利益の還元と擬制できるような団体に対する寄附、こういうものを行った場合、こういう場合に、最終的に賦課する課徴金額から控除する制度というものを検討しているところでございます。このような内容について消費者委員会に御説明し、議論を行ってもらっているところでございます。  また、こういう制度設計に当たりましては、返金の対象金額、また寄附の対象、その他様々検討すべき事項がございますので、そうした面について現在消費者委員会において御議論いただいているところという状況でございます。
  71. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 自主的に消費者に返金をした場合に課徴金が減額されるとなれば、そういった返金を促す効果があると思いますので、良い考えではないかなと思っております。  この案について、ちょっと確認なんですが、消費者に返金をすれば課徴金は減額をされるということでありますけれども、逆に、課徴金をもう納めてしまったと、課徴金を納めたからといって個々の被害者損害賠償請求若しくは代金返還の義務を免れるものではないと、こういう理解でよろしいでしょうか。ちょっと確認のために。
  72. 菅久修一

    政府参考人(菅久修一君) そのように考えております。
  73. 佐々木さやか

    佐々木さやか君 そうしますと、消費者からすると、課徴金が課されたことで、何といいますか、やり得ということではなくて、利益が事業者に残らないという意味では、消費者としても、何といいますか、直接的な返金はなかったとしても、もちろんないよりはいい制度であると思いますけれども、しかしながら、その徴収した課徴金が消費者に分配されるわけではありませんので、課徴金を納付した後に例えば消費者が損害賠償請求権を行使をして何年か後に裁判で勝訴をして執行しようと思った、しかしながら、課徴金を納付例えばしたことによって、その損害賠償債務、代金返還請求債務などを履行する資力がなくなってしまったとか、そういったこともあり得るんじゃないかと思ったりするんですが、こういう心配はないということでよろしいんでしょうか。
  74. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  そのような御懸念については議論の対象となっているところでございまして、一つ考えておりますのは、先ほど申しましたような、消費者庁検討しております控除の仕組み、違反行為者が自主的返金を行った場合などに課徴金額から控除する制度、これが活用されれば、消費者の被害回復というものが課徴金賦課よりも優先されるということになりますので、御懸念のような事態が生じないということも考えられるかと思っております。  また、ただ、こういう自主的対応が行われなかった場合、この場合には、御指摘のような点も踏まえる必要がございますので、例えば、事業者の倒産手続におきまして課徴金の請求権を劣後的に取り扱うようにする、消費者の損害賠償請求権が課徴金の請求権よりも優先することとなるようにする、そうしたことも考えておりまして、課徴金制度による違反行為の抑止、それから消費者利益の保護の調和、これが図られるものとなるようにしたいというふうに考えております。
  75. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 この課徴金制度における被害回復の視点の在り方については、本会議でも質問させていただきましたので大臣にも答弁をいただいたのでございますけれども、改めて、どのようにお考えになるか、お聞きしたいと思います。
  76. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 徴収した課徴金の使途ですね。  不当表示事案では、その特性上、民事訴訟になじまない場合も多く、消費者裁判手続特例法も含め、民事訴訟手続による対応だけでは被害回復の観点から十分と言えないと考えることから、課徴金制度に、違反行為者が手にした不当な利益を剥奪しつつ、国庫に納付される前に消費者に還元する手法を導入できないか検討をしています。  すなわち、課徴金を徴収してから特定の目的に使用するのではなく、自主的返金等により直接被害者に還元することを原則としつつ、それが困難な場合には、寄附等を通じて広く一般消費者に還元することで被害の回復に言わば擬制する仕組みを創設できないか消費者委員会で御議論をいただいております。その場合、例えば寄附先をどこにするのかといった多くの論点を検討していく必要があるというふうに思います。  特に、表示の違反の場合には、個々の消費者が被害に気付いていないという場合もありますし、ダイレクトな被害の回復ということができない場合も多いと思います。そういうときにどのように消費者に還元するような擬制する仕組みをつくっていくのかということについて、消費者庁としては、消費者委員会における御議論をにらみながら、適切な制度設計となるように検討してまいりたいと思います。
  77. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 違反行為の事前の抑制、若しくは事前の防止というところで申しますと、適格消費者団体による差止め請求権というものが景品表示法上ございます。この制度も今回法律改正案の中にございますが、この制度の内容と、また今回の改正の内容や理由についてまずお聞きしたいと思います。
  78. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  御指摘の適格消費者団体によります景品表示法上の差止め請求の制度でございます。これは、行政によります不当表示排除の仕組みに加えまして、複線的に不当表示を排除する仕組みといたしまして平成二十年に導入されたものでございます。  今回の一連の食品表示等の不正事案に限らず、不当表示は依然として様々な商品、サービスで行われておりまして、多数の消費者に急速に拡大する被害をもたらすものでもあります。そこで、適格消費者団体による差止め請求制度につきましても、これをより活性化させることで不当表示の速やかな排除、そして抑止力の強化を図ることが望ましいと考えております。  適格消費者団体によります景品表示法上の差止め請求の制度につきましては、立証の困難ということが指摘されております。このため、適格消費者団体への情報提供手段を拡充しまして、民間の側からの景品表示法違反事案への対処を支援し、不当表示の速やかな排除と抑止力の強化を図るべきと考えております。このため、本法案におきましては、消費生活協力員等が適格消費者団体に対しまして差止め請求権を適切に行使するために必要な情報を提供することを認める規定を設けることとしたというものでございます。
  79. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 この差止め請求権のより活用が期待されるわけでありますが、その前提として、これまではどれぐらい活用されてきたのか、そうした状況、実績についても教えていただけますでしょうか。
  80. 菅久修一

    ○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。  適格消費者団体によります景品表示法に基づく差止め請求の件数でございますが、不当表示に対して差止め請求ができるようになりました平成二十一年四月一日から本年の三月三十一日までの間で合計三十九件でございます。  具体的な例といたしましては、例えば美容外科クリニックが行いました確実に若返る効果が得られるような表示でありますとか、腫れがなく翌日から洗顔やメークが可能であるかのような表示、また、健康食品会社によります健康食品を摂取することで症状が改善されるかのような表示でありますとか、また、インターネット接続サービスとパソコンのセット販売というのがございますが、このときに、パソコンを百円と格安で購入できること、それだけ表示をして、購入者が後でいわゆる加入しなければいけないインターネット接続サービスの月額料金など、そうした購入者の負担が記載されていない表示、こうしたものが具体的にはございました。
  81. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 これまでで三十九件ということでございましたが、これは景品表示法全体についての件数でございまして、食品表示に関する違反だけでもかなり多いことを考えると、十分と言えるのかどうか少し疑問もあります。  今回の法改正は、立証の困難というところの問題について情報提供の制度を整えることでこの活用を促進をしていくという法改正であると理解しておりますけれども、そのほかにも消費者団体の体制面また資金面などいろいろな課題があるかと思います。  この差止め請求権が今後十分に活用されるように消費者庁としても取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、この点について最後に大臣にお聞きしたいと思います。
  82. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 不当表示の速やかな排除と抑止力の強化を図るためには、適格消費者団体による差止め請求もより活発に行われることが重要であると認識しています。  消費者庁としては、適格消費者団体による差止め請求制度について一層の周知を図りつつ、今回の景品表示法改正案において消費生活協力団体等による適格消費者団体に対する情報提供の規定を御指摘のとおり新設をいたしました。それとともに、消費生活相談情報を迅速に活用できるようPIO―NET端末の団体への設置に向けた検討を進めるなど、適格消費者団体に対する情報面での支援策を拡充してまいりたいと思います。
  83. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 以上で終わります。  ありがとうございました。
  84. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  85. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 行田邦子

    ○委員長(行田邦子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十九分散会