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2014-06-10 第186回国会 参議院 文教科学委員会 17号 公式Web版

  1. 平成二十六年六月十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月九日     辞任         補欠選任      櫻井  充君     小西 洋之君  六月十日     辞任         補欠選任      小西 洋之君     櫻井  充君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         丸山 和也君     理 事                 石井 浩郎君                 二之湯武史君                 大島九州男君                 松沢 成文君     委 員                 上野 通子君                 衛藤 晟一君                 中曽根弘文君                 橋本 聖子君                 堀内 恒夫君                 水落 敏栄君                 石橋 通宏君                 小西 洋之君                 斎藤 嘉隆君                 櫻井  充君                 那谷屋正義君                 新妻 秀規君                 矢倉 克夫君                 柴田  巧君                 藤巻 健史君                 田村 智子君    国務大臣        文部科学大臣   下村 博文君    副大臣        文部科学副大臣  西川 京子君    事務局側        常任委員会専門        員        美濃部寿彦君    政府参考人        文部科学大臣官        房審議官     義本 博司君        文部科学省初等        中等教育局長   前川 喜平君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○派遣委員の報告 ○地方教育行政組織及び運営に関する法律の一  部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として小西洋之君が選任されました。     ─────────────
  3. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学大臣官房審議官義本博司君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  去る五日、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。二之湯武史君。
  6. 二之湯武史

    ○二之湯武史君 去る五日、名古屋市及び静岡市において地方公聴会を開催しましたので、御報告いたします。  派遣委員は、丸山委員長、石井理事、大島理事、松沢理事、堀内委員、石橋委員、斎藤委員、那谷屋委員、新妻委員、矢倉委員、柴田委員、田村委員及び私、二之湯の十三名でございます。  各市ともそれぞれ四名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。  まず、名古屋市での公述の要旨を御報告申し上げます。  最初に、愛知県東海市長鈴木淳雄君からは、首長と教育委員が日常的に共通認識を持てる仕組みが大事であるなどの意見が述べられました。  次に、岐阜県教育委員会教育長松川禮子君からは、教育現場での混乱を招かないよう総合教育会議の具体的な運用方針を明確にする必要があるなどの意見が述べられました。  次に、元名古屋市立小中学校長会会長・元名古屋市教育委員会委員長神谷龍彦君からは、新教育長の職責、実務的負担が重くなるため、人選や負担軽減の方策を十分考える必要があるなどの意見が述べられました。  最後に、愛知県小中学校長会長・岡崎市立井田小学校長岡田豊君からは、大津いじめ事件は突発的に発生した個別事案であり、教育委員会制度改革が必要な理由とはならないのではないかなどの意見が述べられました。  公述人の意見に対し、各委員より、教育委員会事務局職員の資質、能力の向上策、総合教育会議で首長と教育委員会の間で調整が付かない場合の対応、学校現場と教育委員会との連携に課題がある場合の解決策、教育長の計画的な養成及び研修制度に係る考え方、教育委員会の設置自体を各自治体の選択に委ねるとの案に対する感想、学校現場が求める教育委員会改革など、多岐にわたる質疑が行われました。  続いて、静岡市での公述の要旨を御報告申し上げます。  最初に、静岡県教育委員会委員・前静岡文化芸術大学理事興直孝君からは、総合教育会議において、首長の権限である予算についても取り上げられるであろうことから改正案を評価するなどの意見が述べられました。  次に、静岡大学大学院教育学研究科教授武井敦史君からは、総合教育会議において、教育委員会の所掌事務のうち調整が付かない事項が大綱に記載された場合、文部科学大臣は意味がないと答弁しているが、地域の住民にとって影響がないとは考えられず、実質上意味があるなどの意見が述べられました。  次に、静岡大学教育学部教授梅澤収君からは、首長の権限強化に対応するため、教育長の専門職性の担保をすべきであるなどの意見が述べられました。  最後に、静岡県知事川勝平太君からは、改正案に基本的に賛成であるが、同改正案では教育委員会事務局に一切触れておらず、教育行政担当者と教育者を峻別するという認識を共有願えると有り難いなどの意見が述べられました。  公述人の意見に対し、各委員より、教育委員の資質、能力向上のために国、自治体が取り組むべき方策、教育長に対する首長の任命責任の在り方、教育委員会事務局の機能強化のため日常業務に忙殺される現状を改革する必要性、総合教育会議の設置によって迅速な危機対応がなされなくなるのではないかとの懸念、地方自治の観点から自治体が責任を持って教育委員会の設置自体を選択するとの案への考え、教育委員会による教育長への指揮監督ができなくなることに関する見解など多岐にわたる質疑が行われました。  会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。  この場をお借りして、両地方公聴会に御出席いただいた各公述人の皆様に対し、改めて感謝を申し上げ、報告を終了いたします。  以上です。
  7. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。  なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。     ─────────────
  8. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 おはようございます。自由民主党の水落敏栄でございます。  久しぶりに質問の機会をいただきましたので、よろしくお願いいたします。しかしながら、時間が四十分でございますので、直ちに質問に入らせていただきたいと思います。  今回の教育委員会制度の改正案は、政府における議論、さらには自民党、与党における建設的な議論を経て、衆議院においても四十時間を超える入念な議論が積み重ねられて可決をされて、現在、参議院での審議が行われております。  学識経験豊かな方や実際に地方教育行政に携わった経験のある方たちからの貴重な御意見を賜るべく、五月二十九日には参考人質疑を実施し、貴重な御意見を賜ったところでございます。また、ただいま報告にございましたように、六月五日には愛知、静岡での両県で地方公聴会を実施し、地方教育行政の充実に関するこの法案の意義などについて公述人から貴重な御意見を聴取したところであります。  社会の要請にしっかりと応える教育を実現していくには、その基盤となる地方教育行政制度について、時代に合った形となるべく改革をしていかなければなりません。これまでの政府内、与党内、衆議院そして本院における議論を踏まえましても、今回の政府案はまさにこうした社会の要請に応えるものと認識しておりますけれども、まずは今回の地方教育行政制度の抜本的な改革についての大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと存じます。
  10. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 今回の教育委員会制度については、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、また、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、あるいは地域の民意が十分に反映されていない、さらに、地方教育行政に問題がある場合に国が最終的に責任を果たせるようにする必要があるといった課題があると考えております。  このため、改正案におきまして、政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地域の民意を代表する首長との連携の強化を図り、いじめによる自殺事案等の問題に対して国が最終的な教育行政の責任を果たせるようにすることなどによりまして、教育委員会制度の抜本的な改革に取り組んでまいりたいと考えております。
  11. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございました。  今回の政府案における主要な改正事項の一つとして、全国の都道府県、市町村において、首長が主宰する総合教育会議を設置することが挙げられております。  こうした課題が見られる中で総合教育会議を全国の地方公共団体に設置することについて、その意義はどのようなものなのか、見解をお伺いします。
  12. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 現行の制度におきましても、首長は私学や大学などの事務を所管としているものでございまして、予算の編成及び執行や条例案の提出を通じて教育行政には大きな責任もあるわけでございますけれども、やはり首長と教育委員会の意思疎通がやっぱり十分ではないのではないかと、そういう御指摘もありまして、地域の教育の課題やあるべき姿、そういう本当に地域の教育委員会が抱えている現実ですね、そういうものをもう少し意識の共有を図る、そういうことで今回のこの総合教育会議が設置されたものでございまして、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくため、そういうことでこの総合教育会議が設置されたものでございます。
  13. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございます。  総合教育会議においては、地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱の作成について協議することとされております。地方公共団体の首長が総合教育会議において教育委員会と協議して大綱を定めることが法定されることにより、全国各地の地方公共団体において、首長と教育委員会の連携による教育施策の強力な推進が期待されるものと思っております。  連携した教育施策を行うに当たっては、どのような内容が大綱に記載されるのか重要になってまいりますけれども、大綱については、具体的にはどのような項目が記載されるようなことが想定されるのでしょうか。文部科学省の見解をお伺いいたします。
  14. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 大綱とは、当該地方公共団体の教育の振興に関する総合的な施策につきまして、その目標や施策の根本となる方針を定めるものでございます。この大綱は、教育基本法に基づき策定された国の教育振興基本計画の基本的な方針を参酌して、総合的な施策について策定するものでございますが、詳細な施策の策定までを求めるものではございません。  大綱に定める事項といたしましては、主として教育委員会の権限に属する事項が対象となるものでございますけれども、例えば、目標年度までに全学校の耐震化を推進することでありますとか、学校の統廃合を推進すること、また少人数教育を推進することなど、予算などの首長の権限に係る事項が考えられるところでございます。
  15. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ちょっと分からなかったんですけれども、時間がありませんから次に参ります。  次に、全国学力・学習状況調査の結果の公表の取扱い、これについてお伺いしたいと思っております。  各地方公共団体においては、それぞれの地域において推進すべき教育に関する施策を総合教育会議において検討して、施策の目標や施策の基本的な方針が大綱の内容として定められるものと思っております。地方公共団体の中には、学力向上施策の推進を地域の優先課題として捉える団体が出てくることも想定をされます。  そこで、一点確認をしたいと思いますけれども、前回の委員会におけるやり取りでは、全国学力・学習状況調査の結果の公表の取扱いについては、大綱に記載する事項としてはなじまないという政府からの答弁がございましたが、これは、調査結果の公表は市町村が決めることであることから県の大綱に記載する事項としてはなじまないという趣旨であって、市町村の大綱であれば記載することはあり得るという、こうした理解でいいのかどうか、政府の見解をお聞きしたいと思います。
  16. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 先生の御指摘のとおり、小中学校を対象としております全国学力・学習状況調査の結果の公表につきましては、その実施要綱におきまして、小中学校を設置する各市町村の教育委員会が決定する事項とされているところでございまして、都道府県の大綱に記載される事項としてはなじまないものと考えております。  したがいまして、市町村において、自らが設置する小中学校の全国学力・学習状況調査の結果の公表について、教育委員会が大綱に記載してもよいと判断した場合におきましては、大綱に記載されることもあり得ると考えているところでございます。
  17. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございます。  次に、教育施策等に関する県から市町村への支援についてお伺いをいたします。  前回の委員会では、全国学力・学習状況調査の結果に応じて県が市町村立の小中学校に対しても予算を出すという議論もございました。その際に、市町村に関わる教育施策について県の大綱に記載することは越権行為であるという答弁がありましたが、これは、例えば全国学力・学習状況調査の結果の公表のような場合であれば県知事が大綱に記載することは越権行為であるという意味であって、県が市町村立学校における学力向上を支援するといった自らの教育施策の方針を大綱に記載することはあり得るという、こうした理解でよろしいのかどうか、これは大臣に見解をお聞きします。
  18. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 現行の地方教育行政法第四十八条に基づきまして、都道府県の教育委員会は市町村に対し必要な指導、助言、援助を行うことができるものでありまして、各県の教育委員会においては市町村立の小中学校の取組を支援する各種施策が行われているところでございます。したがいまして、御指摘のとおり、こうした施策について都道府県において大綱に記載することはあり得ると考えます。
  19. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございます。  政治的中立性についてお伺いをいたします。  総合教育会議の設置を始めとして、今回の改正案においては、教育行政に関わる地方公共団体の執行機関の連携を強化しつつ、教育委員会については引き続き執行機関とするという案となっております。改正案においても教育委員会を現行同様に執行機関としたことは、子供を対象とする教育の政治的中立性の重要性に基づくものと思っております。この点については、これまでのこの委員会の審議においても重ねて御議論があった部分ではございますけれども、非常に大事な観点でありますので私からも改めて確認をいたしますが、今回の改正案においても非常に重視されております教育の政治的中立性とは何なのか、大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
  20. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 教育の政治的中立性とは、教育基本法第十四条第二項が「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と規定しているなど、多数の者に対して強い影響力を持ち得る教育に一党一派に偏した政治的主義主張が持ち込まれてはならないことを意味するものであると理解をしております。具体的には、教育内容に関する政治的中立性、それから人事における政治的中立性、また日々の教育活動に関する政治的中立性が求められるところであります。
  21. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 やはりこの教育の政治的中立性、これは本当に担保しなければならないものでありまして、特に発達段階にある児童生徒の人格形成などへの影響がすこぶる大きいという教育の重要性に基づき、特に教育においては政治的中立性が求められているということを今確認をいたしました。  戦後の地方教育行政制度は、まさに政治的中立性を担保するためにも教育委員会制度が導入されて現在に至っていると認識をいたしております。教育委員会制度においては具体的にどのような措置によって政治的中立性が担保されるようになっているのでしょうか。その点を政府参考人からお聞きをいたします。
  22. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案におきましては、教育の政治的中立性を確保するという観点から、教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会の職務権限は変更しないこととしておりますことから、最終的な決定権限は教育委員会に留保されているわけでございます。また、教育長や教育委員につきまして、同一政党所属委員が委員会の二分の一以上を構成しないようにすること、服務等の規定の中で政治的行為が制限されていること、罷免要件を限定することによって身分保障が講じられていること、また教育委員は毎年一、二名ずつ交代し、委員が一斉に交代しない仕組みとすることなど、現行制度における政治的中立性等への配慮を定めた規定についても変更しないこととしておりまして、このような形で政治的中立性が担保されているものと考えております。
  23. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございました。しっかりとこの政治的中立性、担保していかなければならないというふうに思います。  次に、新教育長についてお尋ねをいたします。  改正案の新教育長は現在の教育委員長の権限と教育長の権限を一本化したものでありまして、これまでと比べて責任も重いという職となります。そして、地方教育行政における役割は極めて大きいものと思っております。  こうした新教育長については、その職を遂行するにふさわしい人材を適切に選び、任命する必要があると思いますけれども、新教育長に任命される人としては具体的にどのような人が想定されるのか、文部科学省の見解をお尋ねいたします。
  24. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 現在でも、教育長に民間の方を登用するとか、いろんな幅広く人材が登用されている例もございます。  今回、この改正案におきまして、教育行政に識見があるもの、このことにつきましては、教育委員会事務局や教職員の出身者と、そういう狭い範囲からだけではなくて、教育行政を行うに当たり必要な資質を備えていれば幅広く該当する、そういう見解でございまして、外部人材登用も大いにされるものと思っております。  新しい教育長は、首長から独立した教育委員会を代表する、その権限に属する全ての事務をつかさどるという重要な職責でございますので、これにふさわしい資質、能力を備えた幅広い人材、識見を持った方がふさわしいと思っております。
  25. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございます。  新教育長について、ふさわしい人材が任命された後においても、その職責を全うし、地域社会からの教育行政への期待にしっかりと応えることができるよう、絶えず資質の維持向上が図られていくべきだと考えます。  昨年十二月の中央教育審議会の答申においても、学び続ける教育長の育成の担保が必要とされております。新教育長の資質の向上について、国としてはどのような方策を図ることが必要と考えているのでしょうか、お伺いをいたします。
  26. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 改正案における新教育長は、教育行政に大きな権限と責任を有することになるわけでございますので、その資質、能力の向上は極めて重要な課題でございます。  先生の御指摘にもございました昨年十二月十三日の中央教育審議会の答申におきましては、「教育長には、強い使命感を持ち常に自己研鑽に励む人材が求められ、「学び続ける教育長」の育成を担保するため、国、都道府県、大学等が主体となって、現職の教育長の研修を積極的に実施することが必要である。」、その際、「教育の専門的知識だけではなく、福祉、雇用、産業、環境等様々な分野に関する知識の習得が求められる。」とされているところでございます。  教育長のリーダーとしての資質や能力を高めるための方策といたしましては、現在、国におきまして市区町村の教育長等を対象とし事例発表や研究協議等を行う研修会を実施しており、また、兵庫教育大学におきまして市区町村教育長のリーダーシップを支援することを目的とした研修プログラムが実施されているところでございますが、今後こうした取組について充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  27. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございます。  しっかりとした支援を行って、新教育長にふさわしい人が任命されることを望んでおります。  次に、新教育長のチェック機能についてお伺いをしたいと思います。  新教育長の権限が強化されたことを踏まえれば、新教育長が行う教育行政の事務執行を十分にチェックする機能が強化される必要もあると考えます。これまで本委員会においても何度も議論をされてきた点ではございますけれども、重要な点でありますので、改めて教育長の任期についてお伺いをいたします。  現行の教育長の任期は教育委員の立場として四年となっておりますけれども、改正案における新教育長の任期は三年であります。新教育長の任期を三年とした理由はどのようなものであるのか、お伺いをしたいと思います。
  28. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 教育長の任期につきましては、首長の任期四年より一年短くすることによりまして、首長の任期中少なくとも一回は自らが教育長を任命できるようにすること、また教育長の権限が大きくなることを踏まえまして、教育委員よりも任期を短くすることによりまして委員によるチェック機能と議会同意によるチェック機能を強化できると考えられること、また、計画性を持って一定の仕事をやり遂げるためには三年は必要と考えられること、こういったことから三年としたものでございます。
  29. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 分かりました。  教育委員会が合議制の執行機関として適切にその機能を果たすには、教育長以外の各教育委員においても適切な人材が任命されるとともに、教育委員としての在職中には教育委員としての資質や能力の維持向上が図られていくことが肝要だと思っております。  改正案においては、新教育長へのチェック機能を果たすことが更に求められていく中、教育委員の適切な任命及び資質、能力の維持向上に向けた取組はますます重要になってくると考えております。文部科学省においては、教育委員の資質の向上に関し、任命における工夫や研修についてどのようなお考えを持っておられるのか、お聞きいたします。
  30. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会におきまして地域の多様な民意が反映されるようにするためには、例えばコミュニティ・スクールでありますとか学校支援地域本部の代表を教育委員に選任するなど、地域の幅広い関係者から教育委員を人選する工夫を一層進めることが有効であると考えております。また、教育委員会における審議を活性化し、教育長及び事務局のチェックという重要な役割を果たすためには、教育に関する高度な知見を有する者も選任することも有効な方策であると考えております。  この点、昨年十二月の中央教育審議会答申におきましても、「現場の情報や専門的知識を有する教育長及び事務局に対しても臆することなく発言できるよう、専門家を含めて任命することも審議を活性化するために有効と考えられる。」と提言されているところでございます。  また、教育委員会の委員の人数につきましては、改正案におきましては四人を原則とするとなっているところではございますけれども、これは条例によりまして四人を超える人数とすることも可能であるというわけでございます。  今回の改正案では、教育委員の資格要件そのものは変更しておりませんけれども、今申し上げましたような趣旨を踏まえまして、今後、教育委員の人選でありますとかその人数について一層の工夫を行うよう、各地方公共団体に対して促してまいりたいと考えているところでございます。  また、教育委員の資質向上のために、現在、国、都道府県、市町村の各段階において研修が実施され、各教育委員会同士の交流や情報共有が行われているところでございます。  文部科学省におきましては、毎年度、都道府県、指定都市の新任教育委員に対しまして研修を行っているわけでございますけれども、これに加えまして、文部科学省と都道府県教育委員会の共催によりまして市町村教育委員会の委員等を対象とした研修会も実施しているところでございます。  また、都道府県におきましては、平成二十四年度の調査によりますと、全市町村の教育委員を対象とした研修を年平均一・二回行っているということでございますが、自ら教育委員に対する研修につきましては年平均七・一回行っているというデータがございます。市町村におきましても、自らの教育委員に対する研修を年平均で四・八回行っているわけでございまして、教育委員の研修につきましては、今後、各都道府県教育委員会等とも連携いたしまして、更にその充実方策について検討してまいりたいと考えているところでございます。
  31. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございました。  しっかりと研修等を行っていただいて資質の向上を図っていただきたいと、このように思います。  教育委員会が地域の期待に応えた教育行政を行っていくためには、教育長や教育委員会だけでなく、事務局スタッフの資質向上が図られていかなければなりません。教育委員会事務局に勤務する一般行政職の職員及び教員経験者の教育職の職員、それぞれが自らの職務に期待される役割を十二分に果たしてこそ地域の教育行政力が高まり、地域のニーズが満たされるものと考えます。  国としても、教育委員会事務局の職員の資質の向上に向けた取組について支援を行うことが重要と考えますが、文部科学省のお考えをお聞きをいたします。
  32. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会が自らに期待されている機能を十分に果たしていくためには、教育委員会を支えております事務局職員の資質、能力を更に向上させていくということが必要であると考えております。  教育長や教育委員を支える事務局職員の資質の向上に向けまして、教育委員会におきましては、教員出身者のみならず、教育行政の専門性を有する行政職員の計画的な育成が重要でありまして、一般行政部局との人事交流も含め、適切な人材育成が行われる工夫が必要であるというふうに考えております。例えば、京都市の教育委員会におきましては、行政職の職員を長期にわたって教育委員会事務局に勤務させ、教育内容や学校運営を理解し、教員出身の職員とともに政策立案、学校の指導ができる専門性を持った職員として育成しておりまして、こうした取組も有効であるというふうに考えております。  また、国におきましては、現在、様々な研修を実施しているところでございますけれども、例えば、兵庫教育大学におきましては学校管理職・教育行政職特別研修といった形で専門的な研修をしているところでございますし、また、政策研究大学院大学、ここにおきましては教育政策プログラム、上級プロフェッショナル養成研修、夏季集中セミナーというようなものを開催しているということでございまして、こうした大学の取組につきましても注目しているところでございます。  今後、各都道府県教育委員会や大学等とも連携をいたしまして、更にその充実方策について検討してまいりたいと考えております。
  33. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 やはり、教育委員会をしっかりと支えていく、そして機能をしっかりとしていくためには、やはり事務局職員の皆さんの助けといいますか、力が必要であります。したがいまして、職員の資質の向上に向けた取組をしっかりとやっていただきたいと、このようにも思います。  次に、教育行政への民意の反映についてお聞きをいたします。  真に地域住民に資する教育改革が実現されるには、地域住民の声を反映することを十分に意識した教育行政の運営が求められてきます。現行制度においても教育委員には保護者が必ず含まれるようにすることとされております。このように、教育委員会としての施策の意思決定には保護者が参画することになっておりますが、施策の点検や評価についても住民の声を反映していくことが望ましいと思います。  教育行政についての点検や評価に関して、教育委員会における地域住民の意見を反映する取組はどのように行われているのか、お尋ねをいたします。
  34. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会が、その権限に属する事務の管理及び執行の状況につきまして点検及び評価を行うに当たりましては、教育に関し学識経験を有する者の知見の活用を図るものとされているところでございます。これは、現行法の第二十七条の第二項に規定されているものでございますけれども、この場合におきまして、保護者や地域住民の声を聴くということも大変有効であるというふうに考えております。  また、各教育委員会におきましては、保護者や地域住民と意見交換をする機会を設けておりまして、教育委員会において保護者や地域住民の意見、要望、苦情等を聴取し意見交換を行う機会を設けた教育委員会、これは私どもの調査によりますと、都道府県指定都市では全体の五一・五%、六十六団体中三十四団体となっております。また、市町村では全体の三〇・六%、千七百二十団体のうち五百二十七団体となっておりまして、必ずしもこの数字は高いわけではございませんので、こういった取組が更に広がっていくように、文部科学省といたしましても、今後とも、各教育委員会に対しまして、広く地域住民の意見を反映できる機会を設けるように促してまいりたいと考えているところでございます。
  35. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございました。  教育に関する様々な課題を克服し、教育再生を実行していくには、保護者や地域住民の多様な声を反映できる教育行政の推進が求められております。  改正案が成立した際には、地域住民の声が一層反映される教育行政が実施されることになるものと考えておりますけれども、最後にその点について確認をいたします。  今回の改正案により、教育行政において地域住民の意見は具体的にどのように反映されていくことになるのか、下村大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
  36. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 今回の改正案では、地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせる体制を構築することを目的の一つとしておりまして、具体的には、現行の教育長と教育委員長を一本化した新教育長を首長が直接任命、罷免することができると、また首長が招集する総合教育会議を新たに設置をする、そして首長による大綱の策定を義務化する、こういうことを盛り込んだわけでございます。  さらに、総合教育会議を実効性あるものとするため、協議、調整を行うに当たって必要があると認めるときは、関係者又は学識経験を有する者の中から意見を聴くことができることとしておりまして、具体的には学校運営協議会委員やPTA関係者、地元の企業人等からの意見聴取が行われることも想定をしているところでもございます。  また、教育委員会において地域の多様な民意が反映されるよう、例えばコミュニティ・スクールや学校支援地域本部の代表を教育委員に選任するなど、地域の幅広い関係者から教育委員を人選する工夫を一層進めることが有効であるというふうに考えます。  文科省としては、このような方策を通じ、地域住民の声が地方教育行政に反映されるよう、各地方公共団体に促してまいりたいと考えております。
  37. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございます。  今の質疑を踏まえましても、今回の改正案が成立することによって地方教育行政制度の抜本的な改善が期待されるということを私は確信をしております。  用意した質問項目は以上でございますので、時間まだありますけれども、これで私の質問は終わります。
  38. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。  五月二十七日の質疑に続きまして、二回目、また質問の機会をいただきました。この間、委員会での質疑、また公聴会への参加を含めて、かなりこの法案に関する課題、焦点が明らかになってきたかなという気がしております。今日の質疑では、是非その辺、更に深掘りをさせていただいて、今後の地方教育行政の発展に資する形のやり取りを大臣とさせていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。  最初に、大綱とそれから総合教育会議の関係についてお聞きしていきたいと思います。  まず、大綱の中身なんですけれども、これは二週間前の質疑でも私も取り上げさせていただきましたが、改めて確認をさせていただきますけれども、大綱というのは、これ大臣、総合教育会議で調整すべきものとして位置付けられておられるんでしょうか。確認をお願いします。
  39. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 総合教育会議、主宰するのはこれは首長でありますが、首長とそれから教育委員が一緒になって総合教育会議を開くというのが基本的なパターンとしてあるわけであります。このことに対して、この総合教育会議において協議、調整を行うということでございますので、協議だけでなく調整というのも法律の中に入っております。
  40. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 そうしますと、第一条の三で大綱についての規定があるわけですが、第一条の三の第二項には大綱は、「総合教育会議において協議するものとする。」とだけ書かれておりますが、今大臣の答弁で確認をいただきましたが、大綱というのは単に総合教育会議で協議だけするのではなく、調整も行うんだということで、これはもう一回、確認だけ、お願いします。
  41. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 第一条三の第二項、「地方公共団体の長は、大綱を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、次条第一項の総合教育会議において協議するものとする。」と、この条文における内容は協議するということでありますが、大綱そのものについては調整というのもこれは入っているものであります。
  42. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 この第二項で大綱を定めということも入っていますので、大綱を定めるとき、変更するとき全て、今大臣、ここの条文では協議するものとしか書かれておりませんが、調整するということも含まれているんだと、そう読むんだということで今確認をいただいたということでよろしいですね。  とすると、この間、大臣、いろいろと、いや、そうはいっても、大綱というのは首長が主宰して決めるものであるから、仮に教育委員会との調整が付かなくても首長がそう決めれば大綱に書き込んでいいんだというふうに説明をされてまいりました。  しかし、今大臣まさに、いや、協議し調整するものだということを御確認をいただいたわけであります。であれば、私はやはりこれ調整が付いたもの、大綱というのは、やはり両者がこの総合教育会議で、協議、調整の場で位置付けておられるこの総合教育会議で、協議し調整して決定するものということで今大臣言っていただいたのであれば、やはり大綱というのは、これはお互いが協議して調整が付いたものをしっかりと地方の教育の方針として住民の皆さんや関係者の皆さんに周知し、それを決定を踏まえて両者がそれぞれの責任において真摯に尊重して実行していくべきものだということで明確に位置付けていただいた方が、現場の混乱が生じなくて済むのではないかということを強く思うんですが、大臣、その点、もう一回いかがですか。
  43. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 基本的な思いはそのとおりだというふうに思います。  ただ、首長とそれから教育委員会で職務権限が教育における部分においても異なっているわけでございます。その中で、今回の大綱の主宰者はこれは首長ということでありますから、首長が主宰者として総合教育会議を開催をするということの中で、この首長の思いというのが教育委員会と調整、協議しても調整できない部分も実際はあるかもしれないと、権限が異なっている部分はありますから。それを、権限が異なっているから調整が付かないものについては書き込まないということではなくて、書き込むことはできると。  ただし、御指摘のように、これは教育委員会に関する権限については、首長が書き込んだとしても、実際それを実行するかしないかの権限は教育委員会サイドの方にあるものについては、これは教育委員会が実行するかどうかを最終的には判断できるということでありますから、首長の思いはありますが、協議した結果を大綱の中で書くということは、それは望ましいことだというふうに思います。
  44. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、それ本当に混乱引き起こす原因の種になると思われませんか。首長さんが、仮に教育委員会が調整付かず納得されないことでも、首長さんの思いで大綱に書き込んでしまった。いや、それは教育委員会が執行しなくてもいいから、それはもう首長の責任においてやるべきと。  しかし、大綱というのは、この間議論してまいりましたが、四年間、五年間、その地方の教育について方針を定めるものですね。その方針を定める、それを見て地方の皆さん、教育関係者の皆さんもそれを参考にして子供たちのための教育をやる、その大綱の中に両者が合意していない事項まで含まれている、それによって地方の教育現場に混乱を引き起こしてしまう。教育委員会にとってみれば、自分たちが納得しなかった、オーケーしなかったことが大綱に書き込まれてしまう。それをやらなくていいんだといっても、結果、教育委員会、いや、大綱に書き込んであることをやっていないじゃないかというようなことが、二年たって三年たって四年たって起こるようなことも生じ得るかもしれない。これ、明らかに現場に混乱の種になるというふうに大臣は思われませんか。  だったら、先ほど来繰り返しておりますが、これ、まあ法律にはこういう書きっぷりになっておりますけれども、原則は、やはり調整をきちんとしていただいて、調整の場なんですから、調整をした事項について大綱にきちんと書き込んでください、ほしいということを、これ法案成立いたしましたら、その後の文科省からの各地方への要請においてしっかりと要請していただくべきではないかと思いますが、大臣、そう思われませんか。
  45. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、大綱を定めるに当たっては、首長と教育委員会の間でぎりぎりまで協議し調整を行うものでありますから、調整が付いた内容が記載をされるということが通例であるということは、そのとおりだというふうに思います。例外的に教育委員会と調整が付かない事項について首長が大綱に記載すること、これはあり得ないとは言えません。  それはどういうことかというと、予算の分野についてはこれは首長の権限分野ですから、これは教育委員会が反対するということは基本的にありませんので、こういう部分は調整が付くと思います。  一方で、教育委員会の権限については、首長がそれについていろいろと是非こうしてほしい、ああしてほしいと言うようなことが、総合教育会議の中で議論としては出てくることはあり得ると思います。しかし、それについては、教育委員会の執行機関としての権限の中で、それは譲れないというものもやっぱり出てくるかもしれません。その場合、しかし総合教育会議は主宰は首長ですから、それはやっぱり譲れないということで、その首長の立場の方から、これは調整付かないけれども大綱に書き込むという、その首長の思いというのはあるかもしれませんが、しかし、法律の立て付けとして、教育委員会における事務執行等の権限は執行機関として教育委員会が引き続き持っているわけでありますから、その大綱に書かれたことは拘束されないということであります。  これについて、混乱云々ということがあるのではないかという御指摘でありますが、そもそも総合教育会議は、これは公開されておりますので、地域住民の方々にはその辺の経緯等がお分かりになるというふうに思いますし、それから、記者会見とかホームページを活用して公表するようなことをそれぞれの自治体が判断をすることによって、そういうような、混乱とは言いませんが、調整が付かないことも大綱にもし首長が入れる場合には、そういうことでの説明責任は必要であるというふうに思います。
  46. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 いや、混乱が生じ得るということについては、これ、大臣お認めになるんだと思います。であれば、それ、混乱を生じさせないように、やっぱり大綱の位置付け、改めて協議、調整、しっかりしていただいて、その結果のみ大綱に記していくんだということは、これはやっぱりやるべきではないかと。  あの公聴会の中でも、現場の関係者もこの点について問題提起、心配の声を上げていただきました。恐らく現場はそういうふうに心配されていると思います、どうするのかと。だから、文科省、大臣としては、是非この大綱については、調整付いたもののみ、そしてそれがしっかりとその地域の本当の教育の方針、指針になって、それに基づいてそれぞれの職務権限の中で子供たちのための教育しっかりとやっていくんだと、そういう位置付けなんだよ大綱は、ということを明確にすべきだということをこれ重ねて指摘をし、要請をしておきたいと思います。  その上で、大臣、繰り返し、いや、公開の場だからとか言われますけれども、現実、今資料を見ても、教育委員会、公開されていても傍聴される方は物すごい少ないです。総合教育会議も公開の場といっても、毎度毎度、教育会議御覧になる方はもう恐らくなかなかそうはおられないんだろうなと。一方で、議事録も作成、努力義務ですけれども、義務付けられてはおりませんので、中には総合教育会議の議事録も作成、公表しない自治体も出てくるんだろうなというふうに思います。  そういった場合に、仮にこういう首長さんが教育委員会との調整が付かなかった事項を書き込んでしまったと、しかし、その議論の経緯も御覧になっていない方は分からない、議事録もないから分からない、どうやってチェックをするのか。これまた問題が生じるわけであります。  だからこそ、この間、前回私も指摘しましたが、そういう可能性もあるので、これはもし万が一、首長が首長の責任において大綱に教育委員会がよしとしなかったけれども私の責任において書き込んだということについては、それを公表時に明示するべきだというふうに思いますし、教育委員会側も、改めてそのことは大綱が公表されたときに、教育委員会としては、この点、この点、この点については、教育委員会としては納得しておりませんが首長が独自の判断で書き込みました、我々には執行義務はありませんということを、住民の皆さんに混乱を引き起こさないように明示させるべきだと思いますが、大臣、改めて、それ指導されるつもりはありませんか。
  47. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) まず、総合教育会議は、先ほど申し上げましたように、これは公開をする、また議事録についても公表すると。それから……
  48. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 努力義務、努力義務。
  49. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 努力義務。  それから、教育委員会が、議事録については努力義務ということでありますが、文部科学省としてはこれは通知をし、公表されていない自治体についても公表するように促してまいりたいというふうに考えております。  ですから、それぞれの立場で、そのようなことが当然、例えば総合教育会議の中で教育委員会側が調整、協議した結果、同意できなかったことにおいても、これは首長が大綱に書き込むということはあるわけですが、それに対して、なぜ同意しなかったのか、なぜ調整付かなかったのかということについては、当然教育委員会の場でも議論になってくると思いますし、それも公表をそれぞれされるということで、住民の方々にはその内容がそれぞれ明らかになるようにしていきたいと思いますし、努力義務ということでありますが、それについては、特にそういうような問題については、これは住民の方々が分かるような形で公表等、文部科学省としても通知の中で促してまいりたいと思います。
  50. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、なぜこれ問題にするかというと、前回の私の質疑の中で、第一条の四の第八項の調整の尊重義務との関係でお伺いしたわけです。そのとき前川局長は、これ、大綱も含まれるのかと伺ったときに、大綱において調整の結果記述された内容はそういうことでございます、つまり尊重義務に含まれると。調整の結果、大綱に書き込まれれば、それは尊重義務に含まれるので当然尊重義務になる、その尊重義務を果たさなかった場合には、これは義務違反になり得るということを前回答弁されているんです。  だから、ここを問題だと言っているわけで、これ明らかに、ここはどこが、もし仮にそういうことがあったときに、教育委員会もちゃんと調整ができて大綱に書き込まれている、全部が全部ならそうだけれども、大臣、そうではない可能性があると言ってしまっているので、じゃ、そうではない部分がもしあるとすれば、それはきちんと明示をしておかなければ、万が一にもこの第一条の四の第八項の調整の尊重義務に引っかかってしまえば、これ罷免事由になるわけでありまして、そこは明確にしておかなければ教育委員会の皆さんの、これは教育の中立性の観点からも相当に問題が生じ得るから、改めてこれ確認させていただいているんです。  議事録の作成、公表が義務付けられているのであれば、後から住民の皆さんが議事録見て、ああ、ここはというふうな確認ができるのかもしれませんけれども、一〇〇%でない以上は、その点について必ず、もし万が一そういう事項があればそれは明示しておくというのは、これ絶対にさせておかなければ、この罷免事由との関係、義務違反との関係からおいても不都合が生じ得るというので指摘をさせていただいているんです。  大臣、これとの関係において、是非それは明らかにしておくべきだと、何らかの形でということは是非指導いただきたいと思いますが、もう一回お願いします。
  51. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 今の石橋委員の言われていることは、それはそのとおりだと思います、教育委員会からしたら、やっぱり説明責任というのは当然問われますから。  文部科学省として教育委員会の議事録についての、努力義務としたのはそういう部分での努力義務ということではなくて、特に小さな市町村委員会等から、教育長とそれから事務局は一人しかいないというような、そういう小さなところもあるわけです。そういうところから非常に事務負担が大変であるというようなことの中で、努力義務というふうに配慮して今回記載するということにいたしましたが。  しかし、今のような事項については、これは努力義務の対象とは違って、それは罷免要件にもう当たるかもしれないということについては、当然教育委員会もそれは考えることであるでしょうから、こういうことについては自ら事前に住民の方々に説明をきちっと行うことによって後々誤解されないような努力をするということは、これはもう当然のことだというふうに思いますし、そういうことも努力義務だといえば、法律的の立て付けとしてはそうなんですが、文部科学省としては、特にそういう部分については、これは明らかに議事録作成をして地域住民の方々に説明を図れるような、そういう施行通知ということを具体的に挙げるわけではありませんが、しっかりするような対応は取るべきことは当然のことだと思います。
  52. 石橋通宏

    石橋通宏君 是非、その混乱生じないように具体的な方策、検討していただきたいと思います。  もう一点、地方教育振興基本計画との関係をちょっと確認だけさせていただきますけれども、この間、既に自治体で地方教育振興基本計画ができている場合には大綱は改めて作らなくてもいいとかいうようなお話、答弁がありました。ちょっと確認は、仮に、既に地方教育振興基本計画が策定をされている場合、それの上で大綱も作られた場合、つまり両者が共存する、併存する場合、この両者の間にもし不整合、そごがあった、方針においてですね、明らかに方針において不整合があった場合、これ、地方教育振興基本計画と大綱というのはどちらが優先されるんでしょうか。
  53. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 例えば、新たな首長が就任し、そしてそこで新たな大綱を定めた場合、その内容が既存の教育振興基本計画と大きく異なる場合には、これは当然新たな大綱の内容が優先するわけであります。新たな大綱に即してその自治体における教育振興基本計画を変更するということが望ましい方向性であるというふうに考えます。
  54. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 一つ教えてください。これ、地方教育振興基本計画というのは誰が定めるんでしたか。これ、局長でも結構です。
  55. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 教育基本法第十七条におきまして、これは地方公共団体が定めるとなっております。  したがいまして、これは首長が定めるということも可能ですし、教育委員会が定めるということも可能であるということでございますけれども、これは両者が意思を合致させて定めるということもできるというわけでございますので、大綱の場合と同様に、首長が定めるということも想定されているわけでございます。
  56. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 想定上そうだって、現実の運用がどうなっているかは御存じですか。これ、地方教育振興基本計画が策定されている自治体で、具体的に現実どういうふうに策定されるか。多くは教育委員会が策定しているんじゃないかなと思ったりもしたんですが、違いますか。
  57. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 計画が策定されているケースにつきまして、その名義がどの機関の名義になっているかということでございますけれども、大綱を策定しております都道府県が四十五ございますけれども、その四十五のうち二十二は教育委員会の名義になっております。また、都道府県と教育委員会という二つの名義になっているものが十八、都道府県、すなわち知事の方の名義になっているというものが五つでございます。指定都市につきましては、教育委員会の名義になっているものが十四、そして首長と教育委員会の両方の名義になっているものが四、首長の方の名義になっているものが二という形になっております。
  58. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 そうすると、現行上はやっぱり教委が決めておられる場合が多いという理解だと思いますが、そうすると、教委が中心に定めてきた地方教育振興基本計画と、今度は首長さんが主宰して決められる大綱と、これやはり、大臣先ほど大綱が後からできたら大綱だというふうにおっしゃいましたが、これ、定める主体になる人が違えば、残念ながら違ってしまう可能性がある。加えて、先ほど来申しております大綱に首長さんが教委が納得しないことでも書き込めるということにしてしまうと、これはそごが生じる可能性もやっぱり十分あり得るということも想定しなければいけないということだと思います。この辺も現場にとっては大変混乱が生じる一つの可能性になると思います。是非、この辺の地方教育振興基本計画との整合性取るための調整の在り方、ルール、そういったこともこれからよく協議していただいて、変な混乱を現場に起こさないように対応していただきたいということを是非要請しておきたいと思います。  それから次に、これちょっと質問の、私の通告にはなかったんですが、先ほど水落委員の質疑で若干疑問に思ったことがあるので、ちょっとそこを、これの関連で質問させていただきたいと思いますが、都道府県の大綱と市町村の大綱、教育方針との関係、先ほどちょっと質疑がありました。市町村教委に関わるところ、例えば学力テストの関係ですね。先ほど大臣答弁なさいまして、都道府県というのは市町村に対して指導、助言ができるということから、市町村に関わることでも都道府県が大綱に書き込んでもいいんだというような答弁だったというふうに理解をしています。  都道府県の大綱というのはこれは市町村教委を縛るんですか。都道府県の大綱に書き込まれたことによって、これは市町村教委の権限に属する事項にどのような影響を及ぼすという理解になるわけですか。
  59. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 都道府県の教育委員会が市町村に対しまして指導、助言、援助ができると、これは地教行法上の権能でございますけれども、この指導、助言、援助をどのように行うかということにつきましては、これは都道府県が行うことでございますから、都道府県の大綱に書くことができると考えております。  そもそも指導、助言、援助というのは、法的拘束力のない関与の形でございます。したがいまして、指導、助言、援助をどのようにするかということを都道府県が定めたとして、その指導、助言、援助に市町村が拘束されるということはございません。また、都道府県がその権能を越えて市町村が行うべきことにつきまして大綱で決めると、これはできることではないと考えておりますので、都道府県の大綱がそのまま市町村を縛るということはあり得ないというふうに考えております。
  60. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大綱は市町村を縛らない、しかし、指導、助言する内容について大綱に書き込むことは妨げられないということですか、ですか。
  61. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 指導、助言、援助をするということは都道府県の教育委員会として行うことができることでございますので、どのような指導、助言、援助をするかということについて、都道府県がその大綱に定めるということは可能であるというふうに考えております。
  62. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これまた混乱の要因になりませんか。大綱というのは、その都道府県の教育方針を定めるものですよね。その都道府県の方針を示す、これ都道府県民の皆さんにこの我が地の教育方針はこうであるということを示すものに、法的拘束力はないけれども指導、助言で書き込んで、それは従わなくてもいいけれども取りあえず大綱には書き込んでおけ、こんなことさせたら、これは住民の皆さんは混乱しませんか。どれがどれが方針で、どれがどれが指導、助言で、どれを守らなきゃいけなくて、どれを守らなくていいので、そんな混乱するものを作らせるんですか。これ、本当にそんなことをさせるんですか。
  63. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 都道府県の大綱において指導、助言、援助に関わることをどこまで書くかと。これは各都道府県の判断でございますけれども、例えば、都道府県が市町村に対しまして様々な財政支援をしているというケースもございますので、こういったことにつきまして大綱の中で、その援助の一環といたしまして記載するということは想定されるところでございます。
  64. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 都道府県の大綱もこれ教委との協議、調整の上で定められるべきものであるから、都道府県の教委がそれは方針として調整して合意したものだけが書き込まれるということであれば、それはそれとして一つの方針としてあり得るかなと思いますけれども。  都道府県の首長さんが教委が納得しないことでも書き込めてしまう。それが、じゃ教育、指導、助言に関わること、市町村の権限に関わることでも、都道府県の首長さんが大綱に書き込んでしまったというような混乱もこれまた生じてしまい得るということが今分かってしまったので、こうなってしまうと、大綱というものが本当に、これ教育方針の一元化、また教育の責任体制の一元化、このためにと言っておられますけれども、むしろ現場に混乱を生じさせる大きな原因、根本になってしまうその危険性が高まってしまうのではないかということを、今の質疑を通じてむしろ心配になってしまいました。  これ是非、この大綱、もう一回、私は繰り返し言いますが、やっぱり調整が付いた事項のみ大綱に書き込む、そうしておかないと、これはいろんなレベルで混乱が生じ得るということを重ねて指摘をしておきたいと思いますので、この点は是非しっかりと御議論いただければと思っております。  続けて、今るる議論をしてまいりました総合教育会議の協議調整事項ですね。これも確認ですけれども、要は、これまでの政府答弁でも、総合教育会議で協議すべき事項と調整すべき事項は明確に区別されて説明をされてきたというふうに理解をしています。我々、一般的に議論の中で総合教育会議の協議調整事項とさっと言っちゃいますが、実は協議すべき事項と調整すべき事項は違うんだということは、これはこれまでの政府答弁で確認をされているというふうに理解をしております。協議できる事項というのは、教育の振興に関する事項については幅広く協議はできるけれども、政治的中立性の要請が高い事項については協議の議題として取り上げるべきではないという見解が示されています。  この確認ですが、じゃ、政治的中立性の要請が高い事項について総合教育会議の協議の対象議題としても取り上げるべきではないというものについては、これは第二十一条の教育委員会の職務権限に属すべき事項とされているもの、これは政治的中立性が高い事項なので協議の議題として取り上げるべきではないと、そう読めるということでよろしいでしょうか。
  65. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) まず、今までの議論でありますが、石橋委員がかえって混乱になるんじゃないかということをおっしゃいましたが、混乱ではなくて、これは整理して考えていただきたいと思うんですが、総合教育会議で協議、調整という言葉を入れることによって混乱が起きるんじゃないかと、それから、その大綱ということについて混乱が起きるのではないかということでありますが、先ほど申し上げましたように、やっぱり首長が誰がなるかによって、その地方における教育行政については、総合教育会議を設けることによって大綱で書き込むことができるというところが今までと大きな違いであります。  ですから、この地方教育振興基本計画におきましても、当然、首長が替わったと、ですから新たな首長の下で大綱を作ると。大綱を作れば、当然、その大綱にのっとった地方教育振興基本計画を作り直すという意味では、ある意味では首長も替わったわけでありますし、自治体としては当然の流れであると思いますし、整理であると思います。それは混乱ではなくて、その民意によって、そういう地方自治体における体制によって、その時代に沿った、あるいはそのときに沿った的確な大綱なりあるいは地方教育振興基本計画を作るという、その自治体の判断であるということであります。  それから、都道府県と市町村における大綱でありますが、それはそれぞれ権限が、国とそれから都道府県、それから都道府県と市町村においてもそれぞれ権限が明確に分かれているわけであります。ですから、都道府県の知事がこの大綱に書いてあることについて、市町村の教育委員会に関することについては、それは書いても、市町村の教育委員会の執行機関としての中でやることについては、それは職務権限を持っているわけじゃありませんから、書いてもできることとできないことがあると、そういう法律上の整理がしているわけでありまして、これによって現場が混乱をするということは、これはあり得ないというふうに考えております。  それから、協議、調整の定義でありますが、まず調整とは、教育委員会の権限に属する事務について予算の編成、執行や条例提案などの首長の権限と調和を図ることが必要な場合に用います。一方、協議は、調整を要しない場合も含め自由な意見交換として幅広く行えるものとして整理しているところでありまして、ですから、総合教育会議の協議の場として全国学力テストについての議論をするということそのものを排除するわけではないということであります。
  66. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 そうすると、前回、前川局長答弁で、他方、政治的中立性の要請が高い事項については、教育委員会制度の趣旨に鑑み、協議の議題として取り上げるべきではないという答弁がありますが、これ大臣、今の答弁は若干これとニュアンスが違っておりますけれども、政治的中立性の高い事項についても幅広く協議ができるというふうに修正をされているということですか。どういうふうに理解すればよろしいですか。
  67. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 私が今申し上げた具体事例は学力テストについて申し上げたわけでありまして、学力テストについては、これは教育委員会のその執行権限の中に入っておりまして、首長の権限ではないわけでありますが、このことについて協議することを排除するものではないと。だからといって、協議事項については、前回、前川局長が答弁したように、政治的中立性に関すること何でも全て協議対象にしてもいいというわけではないということであります。
  68. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ちょっとかなり線引きが曖昧ですね。ということは、結局、首長の判断で協議に何でもかんでもできてしまうというようなことに読み取れる答弁ですが。  ちょっと前川局長、前回、政治的中立性の要請が高い事項については、教育委員会制度の趣旨に鑑み、協議の議題として取り上げるべきではないと。じゃ、この場合、政治的中立性の要請が高い事項というのをどう線を引くんですか。  だから、先ほど私の質問は、二十一条に記載されている事項、これ教育委員会の専権事項ですが、これは原則協議にはなじまないねということでよろしいかということです。
  69. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 改正案二十一条に列記されておりますのは教育委員会の職務権限の全てでございまして、これが全て協議の議題としてなじまないというわけではございません。その中で個別の、教職員の人事でありますとか教科書の採択など特に政治的中立性の要請が高い事項については、教育委員会制度の趣旨に鑑みて、協議の議題として取り上げるべきではないと申し上げているところでございます。
  70. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それは誰が判断するんですか、政治的中立性が高いから協議にはなじまないというのは。これは教育委員会側で、首長さんから例えば議題としての要請があっても、これは教育委員会の専権事項であり、政治的中立性を確保しなければいけないから、これは協議にのせるべきではないと教委が判断できるということでよろしいですね。
  71. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) この協議というのは、総合教育会議におきまして、首長と教育委員会という独立した執行機関同士で行うものでございますので、これは教育委員会として協議題として取り上げるべきではないという判断をする場合にはこの協議には応じないということになるであろうと考えております。
  72. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大事な答弁をいただきましたので、教育委員会としてなじまないと判断すれば協議に応じないことは可能であるということですので、この政治的中立性の要請の高い事項ということについて、協議になじまないという判断が教育委員会側でされれば、それは幾ら首長から要請があっても協議に応じないということは可能であるという答弁だったと思いますので、それは是非しっかりと運用の中で確認をしていただきたいというふうに思います。  それで、済みません、ちょっと時間が押してまいりましたので、若干飛ばしながらまとめて質問になってしまって大変失礼をいたしますが。  一つ、教育委員会に対する予算措置について、ちょっと今回事前に資料もいただきました。これまでの審議でも、今回の措置に伴って、例えば都道府県に対する指導主事の増員について、地財の中で算定してプラス措置をするという、これによって都道府県教委の体制強化も図るんだというふうな説明がありましたけれども。  一つ確認をしたいんですけれども、現在、教育委員会関連予算、地財でいろいろ措置をしていただいていると思いますが、これ、地財の教育委員会関係予算の執行率がどれぐらいになっているかというのは、文科省、確認をされていますか。
  73. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 教育委員会関連の地方財政措置としては、都道府県、市町村共に、教育委員の報酬や教育委員会事務局職員の給与、あるいは印刷製本費や備品購入費、旅費などの所要の経費について地財措置をしております。  その中で、各地方公共団体においてこれらの地財措置したものの経費を実際にどのように予算化するか、このことに関しては各地方公共団体において判断すべきことでありまして、その執行率については国としては把握しておりません。
  74. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大体どんな感じかも全く分からないということでよろしいですか。
  75. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) そのようなデータは取っていないところでございます。
  76. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 もちろん地財の位置付けとしては、これは今副大臣説明されましたように、地方で主体的にそれをどう執行するか考えていただく、決めていただくというものですから、国から必ずこれに使えというひも付きではないということはそのとおりであると思いますが、とすると、この間、指導主事、プラス増員する、措置、地財でやると。しかし、これも必ずしも、じゃ、その増員に使っていただけるかどうか、これは分からない、あくまで地方自治体に委ねられていると、そういうものであるのでということですか。これ、どう確保するわけですか。
  77. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、教育委員会の運営に係る地方財政措置の中では、指導主事を含む職員の配置について、その所要経費が算入されているところでございます。  この中で、教育委員会事務局の職員の配置状況、特に指導主事の配置状況につきましては、私どもとして、特にその状況を把握する努力をしているところでございます。
  78. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 努力をされているということは、じゃ、指導主事の措置については執行状況が分かっておられるということですか。
  79. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 一応のデータは持っているところでございます。
  80. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 どうなっていますか、今。
  81. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 市町村の人口規模別に見まして、教育委員会における指導主事、これは充て指導主事を含めているわけでございますけれども、その人数でございますが、全体としては各教育委員会平均して七・八人という数字がございます。しかしながら、これは、五十万人以上の都市でございますと四十人以上を超えている、しかし、五千人未満の市町村の場合ですと一・〇人と、このような数字があるところでございます。
  82. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 いや、人数をお聞きしているのではなくて、算定根拠と照らし合わせて執行率がどうなっているのか、つまり、それは算定根拠にある指導主事の数というものの一〇〇%、それは実際の方で人数手当てをしていただいているという理解でよろしいですか。それだけ答えてください。
  83. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 地方財政措置上は、標準的な自治体、十万人規模の市において、指導主事一人を含む教育委員会事務局の職員が配置されるだけの経費が、これは基準財政需要額に算入されているということでございますけれども、私どもは、それがどのような予算措置をされているかというところを把握しているわけではございませんでして、指導主事が配置されているかどうかということを把握するよう努めているところでございます。
  84. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 なぜ、これこだわるかといいますと、前回もこれも質問しましたけれども、今回の措置で、やっぱり教育委員会事務局の体制について、これ改めて今現状をもう一回きちんと把握をしていただいて、地方公聴会等でも、本当に現場、教育委員会事務局の皆さんも大変な状況だという声を聞かせていただいております。その上で、今回、総合教育会議の設置等々で更に負担が増えるのではないか。そういった中で、都道府県に対する指導主事プラスは地財ではやられるけれども、実際にそれがどう使われるか、これは現場に委ねられるということも含めて、今後、現場の体制が本当に重要だと思いますので、その点については、文科省としてもう少しきちんとモニターしてチェックして、体制強化のための国が何ができるのかということについては財政措置を含めて改めて検討いただきたいという趣旨でお伺いをしております。  その絡みで前回、総合教育会議の事務局について伺いました。総合教育会議の事務局は首長部局が担うんだと。これなぜ法律上明記しなかったのかなということが非常に疑問なんですけれども、総合教育会議は首長が主宰するから当然首長部局が担うんだという大臣御説明だったというふうに思いますが、これは今後の指導の中で恐らくその辺の指針はしっかり示されるんだろうというふうに思いますけれども、総合教育会議に係る予算というのはこれ何か地財で措置されるんですか。
  85. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議の開催及び事務局の運営に係る経費といたしましては、事務局の運営に当たる者の人件費でありますとか、関係者や有識者から意見を聴取する場合の謝金とか交通費等が想定されるわけでございますけれども、総合教育会議は、首長あるいは教育委員会が協議したい事項ができたとき、あるいは緊急事態が生じたときに随時開催されるというものでございまして、総合教育会議の新設によりまして大幅な事務の増加を伴うとは考えておりません。そのため、新たな地方財政措置につきましては、改正後の実施状況を勘案しつつ必要があれば検討してまいりたいと考えているところでございます。
  86. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 当面は措置はしないと、自治体で頑張ってほしいということですね。状況を見た上で必要とあれば将来的には算定考えていきたいという答弁だったと思いますが、それ是非現場の状況を見て財政措置を改めて検討していただければということでお願いをしておきますけれども。  これ一つ疑問なのは、総合教育会議の事務局を首長部局が担うと、補助事務で教育委員会事務局に委任することも可能だというような答弁でありましたけれども、我々、重ねて政治的中立性ということを議論して、今回、総合教育会議で首長の関与が強まるということについて、この政治的中立性の観点から心配だなという声をずっと受けて議論を重ねてきたわけです。この点において、まさに総合教育会議の事務局を首長部局が担うと、つまり総合教育会議の事前の準備、調整からその後のフォローも含めて、これは首長部局が担えると、担うということを考えますと、首長が要は総合教育会議やろうと思えばですよ、やろうと思えば、首長さんが総合教育会議の中身、完全にコントロールすることは十分可能な体制がしかれるということだろうなというふうに思うんです。  この点、どうなんですか。むしろ総合教育会議の事務局を首長部局が担えると、担わせるんだということを明確にすることによって、逆に教育の政治的中立性が脅かされる事態を招かないかと。これはレアなケースだとは思いますが、暴走してしまう首長さんが出ないとも限らないという状況の中で、まさにそれが担保できない状況を生み出してしまうのではないかということが懸念されるわけですが、大臣、この点についてどういうふうにお考えですか。
  87. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) まず、法律上、この総合教育会議につきましては、改正案第一条の四第一項におきまして首長が設け、招集するものと規定をされておりまして、総合教育会議の事務局については主宰者である首長の下に置かれることが当然であるというふうに考えます。一般に他の会議体を地方公共団体に設置する場合においても、恒常的な事務局を設置するものを除きまして事務局に係る規定を設けていないというのが通例であり、それで設けていないわけでございます。  ただ、危惧される点ではありますが、そもそも総合教育会議というのは首長とそれから教育委員会という執行機関同士の協議及び調整の場という位置付けでありますので、当然教育委員会に関することについては教育委員会事務局が事前に協議内容について、これはもう議題が出ているわけでありますから、用意をするということをしなければ、これはその総合教育会議そのものが活性化されませんので、首長部局だけがやるということではなくて、教育委員会事務局が関係するものについては協力するということは当然あることだというふうに思いますので、その辺は総合教育会議の中で柔軟に対応をすることによって、そのような危惧については払拭できるというふうに考えております。
  88. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、今の答弁も大変重要な答弁ですので、先ほど確認をさせていただきました件、前川局長から答弁いただいておりましたとおり、仮に首長さんがそう望んでも、教育委員会側が政治的中立性の要請の高い事項だと判断した場合には、協議事項として同意をしないということもできるんだという答弁を先ほどいただきました。だからこそ総合教育会議の事務局は、一義的には首長部局でということだけれども、今大臣答弁いただきましたように、協議すべき議題の調整ですとか、そういったそれぞれの所掌のところの事務の準備等々については、ちゃんときちんと調整して両事務局がやっぱり準備をすべきだということで大臣答弁だったと思いますので、それも是非、今後、運用の中では指導をしていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。  それで、時間があと五分ですので、ちょっとまとめて、これも重ねて、この間、当委員会でも議論してまいりましたが、新教育長へのチェック機能をどう確保するか、これは教育長だけでなく、私は教育長プラス教育委員会事務局も含めて、いかにこの権限が拡大する教育長のチェック機能を高めていくかということが今回の大きな柱の一つになるというふうに思っています。  この間、政府からは、るる、そのチェック機能について御説明をいただいてまいりました。首長の、今回、教育長任命責任もあると、さらには総合教育会議もあると、そしてまた教育委員会への報告義務もあると、議会への報告義務もあるという、種々いろいろと仕組みが組み立てられているのでチェック機能というのは大丈夫ではないかというふうな御説明でありました。  しかし、一つ心配しておりますのは、この間の大変残念ないじめ事件等々への緊急事態への対応も含めて、結局、問題の本質は、教育長ないしは教育委員会事務局が出すべき、報告すべき情報を出さなかったと、その情報が教育委員会に既にあることすら外部の人間には分からなかったということが問題でありまして、幾ら報告義務があろうが、幾ら説明責任があろうが、結局、報告された中身に報告されるべき内容が含まれていなければ、チェック機能というのは果たせないわけであります。  教育委員会に対しての報告義務も、教育長さん、これはしっかり本来やっていただくべきなんでしょうが、教育委員会に対して説明すべき報告の中身も、それは意図的に教育長さんが情報を出さないという判断をされれば残念ながら隠蔽しておくことが可能な仕組みになってしまっていると。  こういうことを考えますと、大臣、これ是非、教育長に対するチェックということでいけば、一つは教育委員会そのものがある、教育委員の皆さんがきちんと教育長に対して委任した事務に対するチェック機能を果たしていただくというのがありますね。議会が教育委員会の様々な事務に対して報告を受けて、それを審議する責任があるということが一つ。首長さんが首長さんの責任において、きちんと教育委員会、大綱の中の事項若しくは調整した事項、こういったことについて、首長さんからも教育委員会に対して様々な調整をするということも一つ。さらには、住民の皆さんが、教育委員会に対して、今日るる議論もありましたけれども、きちんと参加、参画をしていただいて、教育委員会の運営に対して住民も参加をしていただいて、チェック、確認をしていくと。少なく見積もってもこの四つ大きなチェック機能を強化するということができるんだと思います。  であれば、この四つのプレーヤーから教育長なり教育委員会事務局に対して正式に、法的に情報開示請求できる、そういう仕組みをこれ確保すべきではないかと思いますが、これは現行法上で既にそれが可能なのかどうか、可能でないとすると、今申し上げた四つの主要なプレーヤーから教育委員会に対して情報開示請求をできる仕組みを、これはきちんと担保すべきではないかというふうに思いますが、大臣、見解をお願いします。
  89. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) まずは、今回の大津のいじめ、それだけではありませんが、教育委員会が非常に形骸化、形式化して、そして事実上の隠蔽が行われたということの中で、総合教育会議を設けて、首長はいじめ等の緊急事態に講ずべき措置について協議することができるということで、これは改正案、今までと大きく異なる部分の対処の一つだと思います。  それから、教育委員会は、改正案第十四条に規定されている教育委員会会議の公開や議事録の作成、公表、また第二十六条に規定されている自己点検・評価の報告書の議会への提出と公表を通して、議会や住民に対して教育行政に関する説明責任を果たしていく必要があるということが入れております。  そして、議会は、本会議や文教委員会等において教育委員会の事務執行についての質疑を通して情報を求めていくことができるわけでありますが、さらに、地方自治法上、議会には教育委員会を含め地方公共団体の事務の執行の状況についての検査権や地方公共団体の事務に関する調査権が与えられており、記録の提出を請求することができるということになっております。  また、それぞれの地方公共団体において、情報公開条例が制定されておりまして、住民はこの条例に基づいて情報開示を請求することが可能であるわけでございまして、このような旧来の情報公開制度、それから、改正案を成立させていただければ、そういう仕組み等によって今までのような問題については解決をするという法的な手だては十分担保されているというふうに考えます。
  90. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 時間が参りましたので、これで終わります。積み残した点がありますが、あとは同僚の小西委員に譲りたいと思いますので、ありがとうございました。
  91. 小西洋之

    ○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。本日は質疑の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  昨年の通常国会、六月の二十日でございますが、やはりこの委員会にお邪魔をさせていただきまして、議員立法によりますいじめ防止対策推進法の質疑をさせていただきました。この法律でございますけれども、民主党の中では那谷屋先生、また斎藤先生、また与野党協議の中では柴田先生、この委員会のメンバーでは出席をされた。そうした超党派の議員の立法によりまして、そして国会の成立でございますけれども、あの参議院選前の委員会でございましたので、政局模様になりつつある中、六月二十日の衆議院の本会議で上がった法律をすぐ六月二十日のこの参議院の文教委員会で審議をいただきまして、当時の水落筆頭理事、また民主党の林久美子理事、そして何よりも丸山委員長の御判断の下に、六月の二十一日の本会議に上げることができたと。二十二日以降はもう国会はほぼ止まりましたので、まさに子供たちを救う御判断を皆様にいただいたことは、心より敬意を表させていただきます。  その上で、この度の閣法の地教行法の改正でございますけれども、この大津のいじめの自死事件、今日はあちらに御遺族の方が傍聴にいらしておりますけれども、それが一つの大きな立法事実、いじめを始めとする子供たちの命に関わる残念ながら教育委員会や学校の不適切な対応というものが社会的な事実としてあった、それを解決するための立法であるというふうな御説明がいただいているところでございます。  ただ、残念ながら、私、先日、決算委員会の方で下村大臣、あと文科省の皆さんに御質問させていただいたんですけれども、今なお残念ながらいじめの自殺が止まらず、また残念ながら教育委員会を始めとする遺族の二次被害の問題というものが続いているところでございます。立法者の一人としては、実はきちんとした対策をしていただければそうした子供の自殺あるいは遺族の二次被害というものはとにかく防げるのではないか、そういう確信の下で、実は、また御質問させていただきますけれども、世界でももう随一のいじめ対策法を作らせていただいたというふうに思っているんですけれども、是非、文科省の方は、しっかりとした制度の正しい理解の周知に努めていただきたいと思います。  本日は、そうした閣法に盛り込まれております地教行法の改正事項が、既に成立しております、執行されていますいじめの法律の中で、よりどのようにいじめの法律を機能化あらしめていただけるものなのかどうかということについて質疑をさせていただきます。  初めに、下村大臣に伺わせていただきたいと思います。  この度の改正法の中で総合教育会議を設置した究極の趣旨、目的なんでございますけれども、今まで国会質疑の中などでこの教育会議の設置理由として、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進するというふうにおっしゃっております。ただ、更に掘り下げなければいけないのは、いかなる連携により、いかなる民意の反映の確保により、いかなる、どのような教育行政の推進を目指されているかということでございます。  大臣、四月二十五日の衆議院の文科委員会でございますけれども、大臣の御答弁の中にこの改正の趣旨として、大津のような問題は今までの制度で解決できるということであれば、この抜本的な改革案を今国会に出す意味はないわけでございます、今国会へ出しているというのは、当然、そういう問題を構造的な問題として捉え、解決するためにもそもそも法案を出している前提があるというような趣旨の御認識を示されております。そして、この改正法の目的というのは、子供の不幸を少しでもなくしていくことというふうに述べられているところでございます。  そうしますと、一層の民意の反映と言ったときのこの民意の意味でございますが、つまるところ、その民意というのは当事者としての民意、つまりいじめの被害者やその保護者ですね、いじめを受けたお子さんやその保護者、つまりいじめにより傷つけられ失われた尊厳の救済、つまりその尊厳を保持、回復することと同時に、また、この当事者以外の市民や住民の方々がそうした残念な、あってはならないいじめの事案、あるいはあってはならない教育関係者等の対応に対して、本来はこうあるべきだと共感し妥当と受け止めるであろう当然の社会的な通念、そうしたものがこの民意ということであると理解してよろしいでしょうか。
  92. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) まず、今、小西委員から御指摘がありましたが、あの昨年の通常国会でいじめ防止対策推進法、まさに超党派の議員立法で、非常に会期末成案が危ぶまれるような状況がありましたが、各党がそれぞれ努力をしていただいて法案成立をしていただいたことに対して感謝申し上げたいと思います。  それを受けて、文部科学省としても基本方針を定め、また各自治体においても条例等を制定をしてもらうことによって、もちろん学校現場は当然ですが、しっかり対応できるようなことについて、この法律が制定されたことによって大きく前進したのではないかと思います。  今回の地教行法の改正ですが、これはきっかけはおっしゃるとおり、あの大津市におけるいじめ事件でありますが、これだけではなくて、基本的にやはり教育委員会そのものが戦後構造的ないろんな問題点があるということが、大津だけでなくほかの部分でも、ほかの自治体においても指摘されたところでもありまして、そういう抜本改革をしていく必要があるのではないかという位置付けの中で、教育委員会が責任ある迅速で的確な対応をするための制度設計をどうするかということについて、これはいじめ問題以外においても対応していくという必要があるという認識の下で改正案を出させていただいているわけでございます。  今回の改正によりまして、御指摘の民意を代表する首長が総合教育会議を開催し、教育委員会と対処策についても議論することが可能とするような制度設計をすることによりまして、このいじめ事件のようなそういうことに対して迅速な危機管理体制の構築を図るということも的確にできるのではないかというふうに考えております。
  93. 小西洋之

    ○小西洋之君 済みません、ちょっと少し明確にいただけなかったかもしれないので、重ねて伺いますけれども、民意の反映というふうに趣旨を述べられておりますが、改正の趣旨を。その民意というのは第一条の四の第二号でございますけれども、まさに子供の命、身体に被害が生じる、あるいはそのおそれ、今いじめに限った御議論を申し上げさせていただいておりますけれども、そうした当事者の思いが、残念ながらまずはいじめによって死に追い込まれてしまった子供、また第二は、そういう本当にこの上ない悲惨を受けたにもかかわらず残念ながら適切な対応を教育委員会等が取らなかったために受けてしまった二次被害、そうしたものを二度と起こしていかない、つまり、そうした当事者のそういう尊厳を保持、回復するという意味での当事者の民意というのは間違いなく含まれているというふうに解してよろしいでしょうか。
  94. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) これは、いじめ防止対策推進法という一つのことに絞った法律ということではなくて、教育委員会制度の抜本改革でありますから、必ずしもそれだけを対象にした法案ではありませんが、民意ができるだけ反映できるようなそういう仕組みとしての、いじめ問題についても緊急対応ができるという意味での総合教育会議を設置したということもありますし、今までよりもより的確に反映できるような、そういう制度設計としての教育委員会制度改革であるというふうに考えております。
  95. 小西洋之

    ○小西洋之君 済みません、ちょっと一番大事なところですので重ねて伺いますけれども、第十一条の八項ですね、教育長が子供の教育を受ける権利の保障に万全を期すと、そういうことをあえてまた明文で入れておりますけれども、もちろん、日本国憲法あるいは教育基本法からある教育の一番の目的そのものでございますけれども、子供たちの教育の受ける権利というものを十全に保障していく、全ての教育に関する法制度はそのためにあるんだというふうに当然理解されるわけですけれども。  その中で、あえてこの総合教育会議を設け、かつ、第二号を設けて、申し訳ございません、最後に後で教育委員会制度全体の改革の御質問もさせていただきますので、前半はいじめの話に特化でお願いしたいんですけれども、そういう当事者の民意で、今までまず十分対処されなかった当事者の民意に対して適切にそれは対処していく。もちろん、当事者だけの、被害者だけでなくて、それは加害者も当然いますですよ、それはもう当然のことですけれども、少なくとも被害者の民意というのは、民意の一層の反映という改正趣旨の中には当然含まれているという解釈でよろしいでしょうか。
  96. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 第十一条の第八項、「教育長は、」、ちょっと間を抜いて、「第一条の二に規定する基本理念及び大綱に則して、かつ、児童、生徒等の教育を受ける権利の保障に万全を期して当該地方公共団体の教育行政の運営が行われるよう意を用いなければならない。」ということでありまして、必ずしも被害者に特化しているということではありませんが、幅広く、当然これは、児童生徒等の教育を受ける権利の保障に万全を期すという中には、できるだけ関係者の方々の意見も十分反映させるということは当然入っていることだと思います。
  97. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございます。  今大臣は十一条八項の教育長の、教育を受ける権利の趣旨について答弁をいただいて、その中には、幅広いという意味も含めて当然被害者、当事者の立場、民意というのが入ると。その教育長が参画するのが総合教育会議でございますので、そこの議題事項である第二号には講ずべき措置、第一条の四の二号には当然その被害者の民意というのが含まれるというふうに解させていただきます。  では、更にちょっともう少し具体的に質問をさせていただきたいと思うんですけれども、今般の法改正でございますけれども、既にある特別法であるいじめ防止対策推進法をより機能あらしめるためにもある立法だというふうに理解をさせていただいておりますけれども、文科省に伺わせていただきますが、いじめ防止対策推進法で措置されていますいじめの対策、そのいじめ対策の法律の規定事項、あるいは、大変失礼いたしました、下村大臣とあと上野政務官のお力によって法律の趣旨を本当に適切に反映していただいた、より具体的に、よりすばらしく反映していただいた国の基本方針を昨年十月にお作りいただきました。そうした国の基本方針、あるいは法律の成立時に成立している附帯決議があるんですけれども。  この法律の概要のポンチ絵を今配らせていただいておりますけど、一枚おめくりいただきまして、法律の附帯決議が付けられております。法制度全体の運用に係るような重要な部分に下線を引かさせていただいておりますけれども、例えば右のページの三という、これ参議院の附帯決議でございますけれども、いじめの被害者に寄り添った対策が講ぜられるように留意するというような言葉でしたり、あるいは左の五、これ衆議院でございますけれども、重大事態への対処に対しては、いじめを受けた児童等やその保護者からの申立てがあったときには適切かつ真摯に対応するといったような、制度運用全体に係るようなその理念が規定されているところでございます。  繰り返しですけれども、法律、国の基本方針、こうした附帯決議にうたわれている地方行政が関わるようなそのいじめの対策、その趣旨というのは、この今回の法改正の中にも当然に適用があるというふうに解してよろしいでしょうか、文科省。
  98. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。  総合教育会議につきましては、首長と教育委員会という執行機関同士の協議及び調整の場という位置付けのものでございまして、委員御指摘のいじめの対応等におきましても、いじめ防止対策法に基づき対応が行われるよう適切に活用されるものと考えております。  さらに、御指摘いただきましたこの法律の施行に合わせて決議されました附帯決議、あるいはこの法律の立て付けに基づきまして制定いたしましたいじめ防止基本方針につきましても、総合教育会議の運用に当たりましては当然踏まえるべきものと考えております。
  99. 小西洋之

    ○小西洋之君 答弁ありがとうございました。  審議官、今お手元のこの附帯決議のページで、必ずしもダイレクトに地方行政、教育行政に係るものではないとも思われるので、この衆参の附帯決議の中であえて必ずしもダイレクトではない、係るものではないかなと思われるもの、つまり逆に言えばそれ以外は全部この趣旨が及ぶということですけど、ちょっと挙げていただけますでしょうか。
  100. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) 例えばでございますが、参議院の附帯決議の二号で、いじめは学校種を問わず発生することから、専修学校など本法の対象とならない学校種においても、それぞれの実情に応じて、いじめに対して適切に対策が講じられるよう努めること、あるいは同じ附帯決議の四号におきまして、国がいじめ防止基本方針を策定するに当たっては、いじめ防止等の対策を実効的に行うようにするため、専門家等の意見が反映されるよう留意するとともに、本法の施行状況について評価を行い、その結果及びいじめの情勢の推移等を踏まえ、適時適切の見直しその他必要な措置を講じることなどについては、主に国あるいは一般的に定めたものと理解しております。
  101. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。私もおおむねそのような認識だと思うんですけど、ただ、四号の国の基本方針ですけど、地方の取組が駄目だったらやっぱり国の基本方針を見直す場合もあると思いますので、ここは是非積極的に理解をしていただきたいと思います。  では、更に改正法の内容について確認をさせていただきます。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕  第一条の四の二号で、児童生徒の生命あるいは身体に被害が生じた場合の一番最後の言葉ですけれども、「緊急の場合に講ずべき措置」の緊急の場合というふうな言葉がありますけれども、本日質疑の機会をいただくに当たって今までの衆参の質疑の議事録を私も目を通させていただいたんですけれども、この総合教育会議でいじめの事案について扱える事項で、例えば事案の再発防止策、あるいは首長のいじめ法の三十条の再調査の判断というふうなことがありますけど、いわゆる、事件が発生してからしばらく時間がたっているという意味で、切迫した時間概念に必ずしも拘束されないような事項についても、この緊急の場合という条件のところでもう議論ができるということにされておりますけれども、そうすると、この緊急の場合の解釈なんですけれども、言わば本来であれば緊急に対応すべき事象は広く含まれる、分かりやすくかみ砕いて言うと、教育委員会において、これ悪いケースですけれども、本来なすべき重要な措置がなされていないなどの場合も緊急の場合に該当すると解釈してよろしいでしょうか。
  102. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) 改正案第一条四の第一項第二号、今委員御指摘いただきました号でございますけれども、いじめ等により「児童、生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置」について総合教育会議で協議、調整を行うことと定めているところでございます。  この「緊急の場合に」でございますが、教育委員会が本来なすべき重要な措置がなされておらず、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生じているおそれが継続している場合も含まれていると解釈しております。
  103. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。  ですので、要するに切迫した時間概念拘束されるわけではなくて、一つの起きた事件をめぐるその後の新たな事態についても広く緊急の場合になるという理解をさせていただきます。    〔理事二之湯武史君退席、理事石井浩郎君着席〕  では、もう一つ、言葉の定義を確認させていただきたいんですけれども、「緊急の場合」の上にある、児童生徒等の生命などの被害が生ずるなどの場合等のこの「場合等」という言葉なんですけれども、いじめの法律の第二十八条に重大事態というものを定義しているんですけれども、この重大事態の定義には、例えば長期間の欠席、これも重大事態になります。また、生命や身体への被害ではなくて物を取られてしまう、いじめではよくあることですけれども、その財物に対する被害なども対象になっております。  そうした、いじめの法律では非常な特別の調査とあと再発防止をしなければいけない重大な事態であるというふうに認識をしているんですけれども、この「場合等」というのは、必ずしも生命、身体に限らないというふうに理解してよろしいでしょうか。
  104. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。  第一条四第一項第二号に規定する「等の緊急の場合」ということにつきましては、児童生徒の生命又は身体の保護に類するような緊急事態を想定しておりまして、例えばいじめにより児童生徒が長期間の欠席を余儀なくされている場合や、いじめにより児童生徒の財産への被害が生じている場合など、いじめ防止対策推進法第二十八条の重大事態の場合には該当し得ると考えております。
  105. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。  実際、その法律が成立された後の、これ、広島県のある市のケースなんですけれども、長期間の欠席が続いているんだけれども法律に基づいた対策がなされない、あるいはようやく、二十八条の組織ですね、重大事態のときの教育委員会に置く附属機関、第三者委員会ですけれども、それがようやく設置されたんだけれども、それも、いじめの法律に規定されている被害者に対する説明ですとか、あるいは被害者の意向を踏まえるといった、そうしたことが全くなされずに行われているですとか、まさに残念ながら教育委員会がきちんと機能しない場合。  私は、教育はやはり教育委員会が一義的に所管していることでございますので、まずはもう教育委員会にしっかり頑張っていただかなければいけない。それが何より、まさに子供たちは教育の現場におりますので、首長部局にいるわけではありませんので、やはり学校や教育委員会というのがしっかりしていただかなきゃいけないというんですけれども、まさにそういう緊急の場合、非常の場合にはこの総合教育会議などでもしっかり議論をしていただきたいというふうに考えます。  では、今答弁いただきましたこの「場合等」なんですけれども、どういう場合がこの場合等になるのか。もっと言うと、この二号の対象事項というのは何か、あるいはその一号の対象事項も含めですけれども、いじめについても、この一号についての、いじめの政策などは対象事項になりますので、そうしたものについて分かりやすいガイドラインのようなものを定めるということはございますでしょうか。
  106. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) 総合教育会議におけます協議事項などにつきましては、改正案の内容や運用の在り方につきまして、この国会の御審議の中で慎重に議論され、確認がされてきたところでございます。  今御指摘ありました長期欠席や財産への侵害の問題も含めまして、こうした重要事項につきましては、法案が成立した場合におきましては、施行通知や説明会等におきまして丁寧に周知してまいりたいと考えております。
  107. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。  では、今そういう法が成立した後に具体的な分かりやすい整理を現場にお届けするということなんですけれども、そうした一定の基準、定めた、をいただくんですけれども、さらにもう一つ確認すべき問題があるというふうに思います。つまり、どういう場合がこの招集の対象のケースに法律上なるということが整備されても、実際に首長がこの会議を招集、適切にしてくれるかどうかということを詰めていく必要があろうかと思います。  例えばなんですけれども、この二号の要件には該当するんだけれども、なぜか首長が招集しない場合、あるいは、いじめの法律では、第二十八条の重大事態に該当した場合は、仮にその重大事態がこの二号に該当するということになれば、二十八条の後の三十条の規定によって、重大事態が発生したことを教育委員会は首長に報告義務が、委員会でも何度か取り上げられていますけど、報告義務があるんですけれども、そもそも、そういう二十八条の重大事態に至らないような事案ですね、首長に報告されないような場合は首長はそれをどうやって把握するのか。あるいは、その二号の要件に該当するかどうか首長が判断に迷うような場合もあろうかと思います。  そうしたときに、先ほど冒頭に確認をさせていただいたこと、あと二つ目の質問でも確認をさせていただいたこと、一層の民意の反映と、あとこの特別法であるいじめの法律の中で、被害者に寄り添った対策、あるいは被害者からの要請の真摯なるその対処ということが規範として位置付けられております。  そうすると、首長が招集をするかどうかという判断のために、被害者あるいはその遺族から会議の招集を首長に申し立てる、そうしたようなことが一般的に認められるべきだというふうに運用として考えますが、文科省、見解いかがでしょうか。
  108. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) いじめによる重大事態の対処に当たりましては、いじめを受けた児童生徒やその保護者から申立てがあったときについては、適切かつ真摯に対応すること、これはさっき委員御指摘の衆議院の附帯決議で盛り込まれたことでございますので、この点は重要だと考えております。  総合教育会議を招集するかどうかにつきましては、第一条の四第三項によりまして首長が判断するものでございますが、首長が招集するに当たりましては、被害者遺族からの申立てにより招集を判断する場合もあり得ると考えております。
  109. 小西洋之

    ○小西洋之君 是非そうした運用を、申し上げましたように、私は、まず学校と教育委員会にもう頑張っていただいて、こういう不適切な対応が総合教育会議などで議論をされる必要がないように是非していただきたいんですけれども、実は残念ながら、そうしたことが今なお、いじめの法律だけで私はいじめ対策というのは十分完結するだけの内容を盛り込めているとは思うんですけれども、十分機能していないところありますので、この総合教育会議の招集に当たって、いじめの被害者あるいは当事者からの申立てを受けて、もちろん招集するかどうかは首長の専権的な判断事項ではございますけれども、そうした運用を一般化していただきたいと思います。  その関連でちょっと御紹介させていただきたいと思うんですけれども、下村大臣の下でお作りいただいた国の基本方針なんですけれども、重大事態と思われるようなケースが起きた場合に、学校や教育委員会は重大事態ではないと思うと。ただ、いじめを受けた当事者や保護者の方が、これは重大事態だというふうに思った場合、二十六ページにこういう記述がございます。「児童生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、その時点で学校が「いじめの結果ではない」あるいは「重大事態とはいえない」と考えたとしても、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる。」と。  こういうのが、まさにこういう具体的な、被害者に寄り添った、あるいは真摯な要請に対処するということが具体的に書かれておりますので、是非この趣旨を参酌して、首長への会議の招集のプロセスにおいてもこうした運用を是非一般的に認めて広めるように文科省も力を尽くしていただきたいというふうに思います。  では、更に質問を重ねさせていただきます。  もう少し言葉の定義でございますけれども、結果、今、「場合等」のケースに、必ずしも生命などに関わらなくても、いじめの法律の重大事態などのケースも入るというような答弁をいただきました。  では、重大事態などのケースが対象になった場合に、それに基づいてここの会議の場で議論をされる、会議の目的でございますけれども、講ずべき措置、何をこの会議として議論をして、役割分担を調整の下にやっていくかということでございますけれども、重大事態への対応については、いじめの法律の二十八条とあと三十条で教育委員会や学校の取組、特に教育委員会の取組がありますけれども、要するに、この二十八条、三十条で教育委員会の求められている取組、それが必ずしもうまくいっていないような場合はこの協議の対象になり、教育委員会がしかるべき対応をその議論の結果として、もちろんやるかやらないかを判断するのは教育委員会ですよ、制度上は、やると。  つまり、二十八条や三十条の教育委員会のいじめの法律で規定されているその対策というのは、この講ずべき措置として総合教育会議の議論の対象に全てなると、そういう理解でよろしいでしょうか。
  110. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。  総合教育会議におきましては、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、若しくはまさに被害が生じるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずるべき措置ということにつきまして協議、調整するということになっているところでございます。  いじめ防止対策推進法第二十八条に規定する組織によります調査、あるいは同法三十条に規定します首長による再調査等のいじめ防止対策推進法に規定する対処につきましては、第一条の四第一項第二号の講ずべき措置に該当するというふうに考えております。
  111. 小西洋之

    ○小西洋之君 答弁をありがとうございました。  つまり、二十八条、三十条の教育委員会の対応が適切かどうかを議論をしていくと。議論していくに当たっては、先ほど御確認をいただきました被害者に寄り添った対策あるいは真摯な対処、あるいは被害者に法的な説明責任を果たすということは、教育委員会が、教育委員会や学校が知り得たいじめの事実関係について、かつその調査して知り得たものについて、被害者への説明責任を全うするということもあのいじめの法律で規定されておりますので、そうしたことがちゃんと図られていくような教育会議の運用をやっていただきたいと思います。  この教育会議の運用の在り方ですけれども、第九項で会議の運営に関して必要な事項というふうにありますけれども、そうした被害者について十分配慮をした、寄り添った対策あるいはその運営をやっていくというようなことを会議の運営事項として定めることは可能であるということでよろしいでしょうか。
  112. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) 今委員御指摘いただきましたいじめ対策防止法二十八条による調査ですとか、あるいは三十条におきます再調査等の対処につきましては、被害者遺族の要望、意見を十分聴取するとともに、できる限りの配慮や説明を行うこと、あるいは被害者に適時適切な情報提供を行うことなど、いじめ対策防止推進法に則した対応を行うことは重要であると認識しているところでございます。  その上で、今御指摘いただきました地教行法の改正の第一条の四、九項の運営の事項でございますが、これは運営の一般的なルール、例えば首長又は教育委員からの協議議題の提示の手続あるいは議事録の作成及び公表、非公開とする議題等の指針などについて定めることを想定しておりますけれども、いずれにしましても、地方自治体の判断により適切な運営事項を定めものというふうに考えております。
  113. 小西洋之

    ○小西洋之君 いずれにいたしましても、判断で適切なものを定めていいということでございますので、別に否定もされていないということだと思います。まさに一層の民意を反映するためにわざわざこういう会議体を置く以上は、子供の教育を受ける権利というものを間違いなく担保していくために、こういう会議の運営方針、つまり被害者の意向などに真摯に対応していくと、そういう運営方針を是非いろんな自治体で定めていただきたいと思います。  では、もう少し、この会議がどのようにいじめの法律を機能あらしめていただけるものか、確認をさせていただきます。  四月十八日の衆議院の文教委員会での政府参考人の答弁によりますと、いじめが起きた場合の緊急事態、まさに時間的に切迫したときの緊急的なこの会議の対応として、学校や教育委員会の対応を検証すること、あるいは事件発生後の学校や教育委員会の対応方針を改めて検討すること、あるいは、これは少し時間たってやるかもしれませんけど、その他、当該学校あるいは自治体全体としての再発防止策の検討や立案について議論する、あるいは首長の再調査の必要性の判断などについてこの会議を活用することができるというふうにされているところでございます。  まさに、先ほどから申し上げております実際いじめの事件が起きた場合に、これ、いじめの法律が施行後なんですけれども、まだ残念ながら、どういう残念な対応がなされているかについて少し御紹介をさせていただきます。  済みません、三つ資料を配らせていただいておりまして、左上に国の基本方針というふうに記させていただいている資料の資料(5)というのを、ちょっと裏表のコピーで見にくくて恐縮でございますけど、ページの右上に資料(5)と、縦の右上にございますけれども、御覧いただけますでしょうか。  これは、今日、今まさに傍聴をいただいております大津の自死事件の御遺族の方が、私が決算委員会でいじめの法律の施行状況について質疑をさせていただいたときに、私が審議の参考に委員会に出せるようにということで私に出していただいた報告の文書でございます。  内容について少しかいつまんで御説明をさせていただきますけれども、上の下線を引いてあるところの真ん中ですけれども、残念ながら、学校や教育委員会においては、法律、基本方針、これは国の基本方針に沿った適切な対応がなされていないのが現状ですと。  その次の、二十八条の重大事態の対処のためのガイドラインの制定をというところの下線部分ですけれども、重大事態の対処を定めるいじめ防止対策推進法二十八条等の解釈を恣意的に歪曲した対応が学校や教育委員会においてなされていますと。  下の下線でございますけど、親の知る権利を実現するための法的な説明責任であるはずの情報も開示されず、被害者から見て公平、公正、中立、独立性が担保されたと言える第三者委員会、これ教育委員会に設置される附属機関ですけれども、弁護士などが参加するはずの、そうしたものの設置もままならない状況であると。  その下に具体的な、いじめの法律、また国の基本方針を作っていただいた後のケースを書いているところでございます。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  山形県のケースでございますけれども、教育委員会がアンケートの開示を拒んで、また先ほどから御紹介を申し上げています、遺族に寄り添った、あるいはその意向に真摯に対処する、そうした法律の方針というものを、規範というものを無視して、自らの判断で第三者委員会を設置する。これ、ちなみに市の顧問弁護士が調査委員会のメンバーに入ったそうです。こういうの、やはりなかなか公平、中立性というものが、にわかにうなずき難いということがあろうかと思います。  また、広島県のケースは先ほど御説明したケースでございます。  あるいは、この奈良県のケースでございますけれども、これ法律の成立前後で起きたものでございますけれども、これは残念ながら首長と教育委員会が同じような考え方の下に、やはり首長の顧問弁護士を委員に入れて、アンケートの開示に応じないというようなことが行われたものでございます。  また、これ法律ができる以前の話ですけれども、鹿児島県のケースでございますけれども、まだアンケートの開示がずっとなされず、開示請求をしたんですけれども及ばず、遺族は訴訟にまで追い込まれているということでございます。  それで、一番最後の二行ですけれども、新法の趣旨にのっとった実効性のある適切な対応がなされるためにも、国において速やかな具体的な実効性のあるガイドラインを策定していただきたいというような報告書が出されているところでございます。  今申し上げましたような教育委員会の残念な対応を是非総合教育会議の仕組みを利用することによって適正あらしめていただきたいというのが、私の今から伺わせていただきたいことでございます。  こうした残念な社会事実を基に、私もいろいろ法律を作り、またこういういじめの法律の逐条解説も実は書かせていただいたんですけれども、そうした中で、こういう事件が起きたときにやらなければいけないということが大体類型化が今されているというふうに認識をしております。  例えば、重大事態ですね、自殺等が発生したときに、まずその初動の対応、教育委員会や学校の初動対応が適切になされているか。アンケートの実施というものが適切な方法で適切なタイミングでなされているのか。また、そのアンケートの結果について、被害者遺族について適切な法的説明責任の最大限の全うがなされているのかどうか。  あるいは、その調査機関ですね、二十八条の下で教育委員会に設置される第三者委員会でございますけれども、その委員会の委員の人選、先ほど申し上げましたけれども、適切にそれがなされているのか。適切の意味というのは、被害者から見ても公平、中立、公正などの観点が確保されていなければいけないというのがいじめの法律の規範でございます。また、その第三者委員会の設置者、運営の要綱の策定について、あとさっき申し上げた委員会の委員のメンバーの人選もですけれども、被害者への説明責任やあるいは意向の把握、あるいはその尊重というものが適切になされているのか。  あるいは、実際、この委員会を動かすに当たりましても、残念ながら隠蔽をちゃんと防ぎ、かつ委員会の適正な調査を遂行することを確保しなければいけません。やっぱりそれに当たりましては、まずは被害者から見たときに、あるいは保護者、あるいは遺族の方から見たときに、どういう事件だったと認識しているのか、そういう被害者の方々のその意見というものをしっかりと把握をしていくということ。  あと、これ大津の御遺族の方も最も強調されておりますけれども、教育委員会や学校が持っている情報を二十八条の教育委員会の附属機関に必ず、まあ当たり前なんですけど、これやらなかったら明確な法律違反ですけれども、二十八条違反ですけれども、提供をすると。当たり前のことなんですけれども、そういう情報の提供をもう必ずやるんだということをしっかりこの総合教育会議の、事件があってすぐ招集されるその会議の中でそういう運用方針を確認していただく必要があろうかというふうに思います。  さらに、教育委員会や学校が持っている情報を二十八条の組織に提供するだけではなくて、先ほど申し上げました被害者遺族に対する説明責任も最大限に全うしていただかなければいけませんので、やはりそうした資料も、これ先ほど石橋委員が質問されていたことでございますけれども、これもやはりそういう被害者サイドに適切に提供していただくということでございます。  大津の御遺族が御自身の御子息様の事件で裁判をなさいまして、これは教育委員会の対応が不適切であったということについての裁判であったわけでございますけれども、結果、教育委員会は敗訴しまして、上訴をいたしませんでした。判決、確定しております。  そこでの判決の内容でございますけれども、遺族が子の自殺の原因を調査することは、子が自殺した親の心情としては理解しているところであり、遺族への情報開示に当たっては、遺族の子の自殺の原因を調査したいという希望について一定の配慮を行う必要があると。具体的には、安易に全てを不開示とするのではなくて、調査と関係のない第三者への情報提供を行わないとするような条件を付した上で、つまり、あらゆる限りの工夫をしろということです、あらゆる限りの積極的な工夫をした上で、その情報の開示、最大限の情報の提供、説明責任の全うをするということをしなければいけない。  あるいは、個人情報保護条例の運用に当たっても、全て駄目ではなくて、もう今申し上げたような、あらゆる工夫をしてもなお無理だというもの以外は出す、つまり、あらゆる工夫をしても出せないものを限定すべき注意義務、これ法律上の注意義務です、これをしなかったら、これは確定裁判ですから、一般的にも違法を帯びるというふうに私は理解させていただきますけれども、まあ、そういう理解で当然だと思いますけれども。  あるいは、石橋議員がおっしゃっていたことですけれども、そもそもどういう情報を教育委員会が、学校が持っているのか、それをまずはその当事者に、もう隠さずに明らかにする義務があるというふうに判示されているところでございます。  私も、立法者としてこの判決の考え方は、もう本法の趣旨に照らして正当なものであり、むしろ当然のものであるというふうに考えておりますし、そういうことを逐条解説にも書かせていただいておりますけれども、こうした、しっかりとした今までの、なぜこうした立法を行わなきゃいけないのか。もちろん、いじめの対策だけでもないし、被害者のためだけの法制度改革ではございませんけれども、一つの重要な立法事実であるということでございますので、であれば、こうしたことが起きないような総合教育会議のその運営方針というものを、しっかりと首長と教育長で議論をして、確認をして、かつ、それを当事者にも説明をする、もちろん、公表もされるわけですけれども、していただきたいと思います。  今申し上げました、その事件が発生したときの対応と、あと二十八条の調査が始まった場合にも、ちゃんと資料が適切にその二十八条組織に提出されているのか、あるいは被害者に対して適時適切なタイミングでそういう説明責任が全うされているのかどうか、あるいはその調査が完了した場合に、その調査が適切なものであったのか、あるいは首長の再調査ですね、再調査をするに当たってのその判断でございますけれども、例えば、総合教育会議の運用において、二十八条組織の中でそれに参画した弁護士の方ですとか学者の方ですとか、そういう方々をヒアリング、この法律の第一条の四の第五項に、学識経験あるいは関係者を意見聴取ができるようになっておりますから、そうしたことをやっていただく。あるいはその当事者ですね、その被害者の、あるいはその遺族の当事者の方をヒアリングに呼んでいただく。あるいは、なお十全にやるために、調査に関わっていない第三者有識者をこの第五項の規定に基づいて呼ぶ。そのようなことにして、二十八条の調査の適正性あるいは首長による再調査の判断の適正を確保すると。  以上、申し上げましたようなことについて、総合教育会議では当然議論はできるし、当然こういうことをそれぞれの事案対処の方針として定めることができるという理解でよろしいでしょうか。文科省、お願いいたします。
  114. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。  いじめ防止対策推進法に基づきまして、自治体あるいは学校を含めまして適切な対応がなされるように総合教育会議において協議を行っていくというのは一定の意義があると思っております。  委員御指摘の、例えば、アンケートの実施等、初動対応が適切になされているか。あるいは、いじめ防止対策推進法二十八条一項に定める組織による調査を行うための組織設置に向けた対応や、あるいは当該組織の運用状況について適切になされているか。あるいは、被害者遺族への適切な情報の提供がなされているか等について協議することは考えられたことでございます。
  115. 小西洋之

    ○小西洋之君 重立ったものを挙げていただきましたけれども、当然、さっき二十八条、三十条は全部取組は協議対象というふうにおっしゃっていただいていますので、当然協議できて、しっかりそうしたことを確認しながら進めていただきたいというふうに考えます。  済みません、ちょっと時間が迫ってまいりましたので、少し私の方で申し上げさせていただきますけれども、先ほど奈良県の例で、残念ながら首長、あと教育委員会が両方とも、これ結果は実は文科省の指導によってこの奈良県のケースは委員のメンバーが替わったんですけれども、私もお手伝いさせていただいたんですけれども、なので文科省から見ても間違っていた対応なんですけど、つまり首長も教育委員会も間違ってしまう場合があるわけでございます。こうした場合には、やはり遺族の、当事者の意向をもって、さっきの第五項で、本当に首長や教育委員会のやっていることが正しいのかどうか、そういう学識経験者あるいは関係者からのヒアリングをするというようなことをちゃんとやっていただきたいと思います。  あともう一つ、この総合教育会議の活用の仕方なんですけれども、重大事態が起きたときに調査をするわけなんですけれども、大津市の例を見ますと、有名な教育評論家の尾木先生や有名な弁護士の方々が参画されておりますけれども、あの方々が個別のデータを全部見て調査、それに近いことをやられたそうなんですけれども、ただそれを全部やり切るというのはやはり難しゅうございます。そうすると、どういうことかと申しますと、その調査委員会は要るんですけれども、その委員会を支える調査の事務スタッフ、これは若手の弁護士ですとかそういう方がなるようなケースが多いらしいんですけれども、そういう方々も必要だと。すると、当然予算が必要になりますので、まさにそうしたことをこの総合教育会議の中で首長と教育委員会の方でしっかり議論をしていただきたいということをお願いをさせていただきます。  あともう一つ、今回の法改正、仮に国会で成立した場合ですけれども、それ以前に起きた事件についても当然この会議の対象になるというふうに理解してよろしいでしょうか。イエス、ノーだけで、済みません、お願いいたします、結論だけで。
  116. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) 今御指摘いただきました法施行前に発生した事案につきましても、以前に発生した事案について、例えば施行後において教育委員会が本来なすべき措置がなされていないことによりまして児童生徒等の生命、身体に現に被害が生じ、又は被害が生ずるおそれが継続している場合には、総合教育会議の協議、調整の対象になると考えております。
  117. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。  実は、いじめの法律も過去の事案についての直接の適用規定はないんですけれども、さっきのこの法律の図の三ページ目を御覧いただきますと、左上の下線の部分ですけど、実は今御答弁いただいたものと全く同じ考えで、過去の事案についても適用の対象になるというふうにしてあるところでございます。起きた事件について子供の尊厳の回復がまだ図れていない、あるいはそれに基づく再発防止策がなされていない場合は当然に対応になると。なので、先ほどの鹿児島のケースですね、鹿児島のケースなどはまさに議論しようと思えばできるわけですので、そうした取組についても、文科省も、強力な指導権限は持っておりますけれども、それは別として一般の行政指導の範囲でも引き続きしっかりと対処をお願いしたいというふうに思います。  では、次に移らせていただきます。  今伺わせていただいたことでございますけれども、この総合教育会議の仕組みを使ってより実効的ないじめの法律の運用を、特に今まで残念ながら十分法律施行後もうまく適正に執行できていなかった部分が改善が得られるのではないかというようなことを確認をさせていただきました。  ただ、そもそも大事なことは、やはり教育委員会がしっかりと機能することであります。  このいじめについては、実は、このポンチ絵の絵を見ていただきたいんですけれども、この左側のこの図が教育委員会の図なんでございますけれども、教育委員会の中にいじめ対策の附属機関というのが置かれることになっております。これは何かといいますと、先ほどから申し上げております二十八条のときにここの教育委員会に置かれるのは、それはアドホックな、重大事態が起きたときのアドホックなものなんですけれども、それではない常設機関でございます。つまり、二十八条の重大事態が起きたときにその対処をすぐできるものでもあり、あるいは常日頃からその地域のいじめの防止と早期発見と事案対処を適切にあらしめるためのそういう附属機関というものが置けることになっております。下村大臣にお作りいただいた国の基本方針におきましても、この十四条の三項の教育委員会に置く常設の附属機関なんですけれども、非常にその意義を強調をしていただいているところでございます。  この十四条の三項でございますけれども、先般の決算委員会で私、参考人にお願いしました日本弁護士連合会、日弁連の子どもの権利委員会の幹事であり、いじめ問題対策PTの座長をされている村山先生という方から答弁をいただきまして、国の基本方針で、専門家の参画を求めるときは弁護士会等の職能団体に推薦を求めて、公平性、中立性を確保するように努めることとされていることの関係で弁護士会に推薦依頼が来るであろうということについて、法の趣旨や国の基本方針の内容の解説を添えて、全国の各弁護士会にそのための体制を整えておくように要請をしていると。私も伺うと、全国の各地域でこの取組を、つまり各教育委員会の附属機関に弁護士の先生、子供の権利の問題や救済の問題について理解あるいは経験のある方を今用意をしていただいているようでございます。  ですので、文科省に伺いますけれども、そもそもこの教育委員会会議にかからないように、あるいはかかったときも、教育委員会もあるいは首長もそのいじめの事件について適切な事実関係の把握をしないといけませんので、そうすると、やはりこの附属機関による調査、確認というのがもう当然の前提になりますので、そうしたことも踏まえてこの十四条の三項の設置というものをどんどんやっていただきたいと、それについて文科省も全力でサポートをしていくと。もうむしろ国の基本方針では設置していただかなければいけないぐらいの書きぶりになっているんですけれども、そうした理解でよろしいでしょうか。
  118. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。  いじめ防止対策推進法第十四条三項の機関につきましては、法律の立て付けとしてはできるということでございまして、必置ではございませんが、この組織自身が日常的な地域におきますいじめの予防ですとか早期発見等について実効性あらせるような取組をしていくというその重要性に鑑みまして、国の基本方針につきましてはその設置が望ましいという形でその考え方を明らかにしているところでございます。
  119. 小西洋之

    ○小西洋之君 関連で、この十四条の三項の附属機関の設置については、この総合教育会議の第一号ですね、重点的に講ずべき施策としても取り上げることができるという理解でよろしいでしょうか、別に排除されていないと。
  120. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) 御指摘のとおり、総合教育会議におきましては、いじめの早期発見、再発防止等について協議、調整を行う場合につきましては、防止等のための対策を実効的に行うための当該附属機関、すなわち十四条三項の組織でございますけれども、その適切な設置と運営につきましても総合教育会議において議論することはあり得ると考えております。
  121. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。  では、続けて、もう一つの大切な取組、今いじめが起きた後の話を中心に申し上げておりましたけれども、いじめは予防と早期発見をすること、わけてもその予防が一番大事でございます。  いじめの法律なんですけれども、予防と早期発見についても、世界一の仕組みなんですけれども、つくっておりまして、この学校の箱なんですけれども、全ての学校に複数の教職員あるいは外部の方も参画するいじめのチームを設置して、子供たちから見て一番身近な学級担任を始めとする先生方が学校総掛かりで、大人挙げていじめの予防を子供たちと一緒にやっていると。そうした委員会の存在自体が防止にもなるし、あるいはそうした委員会の活動が子供たちから見て信頼、相談の窓口になるであろうというような方針でございます。  また、その上に、全ての学校でいじめの予防のプログラムを作っていただく。これは何か。A4の紙一、二枚とかいうものではございませんで、その後に具体的な群馬の高崎市の資料を付けさせていただいておりますけれども、あっ、失礼しました、これ別の組の方でございますけれども、国の基本方針の方の組でございますけれども、これは全ての学校教育課程を通じた体系的かつ計画的な一年間を通したプログラムを作っていただくことによって、単に一人一人の子供たちの情操や道徳心だけに期待するのではなくて、いじめが起きにくい、いじめが起こしにくい学級をつくっていくということでございます。  これについて、資料(3)、この国の基本方針と書かせていただいた紙の資料(3)の中で、これもいじめの御遺族でございますけれども、ジェントルハートの小森さんという方が、ちゃんとした国の、今申し上げました学校の中のチーム、あるいは学校のプログラムをやってほしいというようなことを書いております。  文科省、ちょっと簡潔で結構なんですけれども、こうしたいじめの予防ですね、早期発見、事案対処も兼ねますけれども、こうした法律で言うところの二十二条のチームや十三条のプログラム、こういう策定についてもこの総合教育会議の第一号の議題として該当すると理解してよろしいでしょうか。
  122. 義本博司

    ○政府参考人(義本博司君) お答え申し上げます。  総合教育会議の協議調整事項につきましては、今御議論いただきました一条の四の第一項の第二号の緊急の場合だけでなくて、第一号の教育を行うための諸条件の整備その他の地域の実情に応じた教育、学術、文化の振興を図るための重点的に講ずべき施策についても該当するところでございます。  その中で、例えば日常的な早期発見あるいは予防、あるいはその取組ということにつきまして、例えばでございますが、地方のいじめ防止基本方針、あるいはそれに基づきまして地域の所管の学校自身が計画的あるいは体系的にプログラムを作ったりとか、あるいは学校において組織的な対応を行うということができるようなことをしていくということにつきましても、重点的に講ずべき施策として総合教育会議において協議され、重大事案の未然の防止にも資するものと考えております。
  123. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。  済みません。ちょっと時間が押してしまいました。  大臣に伺わせていただきます。  今、いじめの対策を中心に伺いましたけれども、先ほど石橋議員の御質問にありましたけれども、教育の政治的中立性の確保、そのためにもまずは教育委員会にしっかり本来の機能を発揮していただく。よく指摘される例で福岡県の春日市の例などがございますけれども、そうした優れた先進例を基に文科省で有識者会議などを開いていただいて、教育委員会というのは本来こういう活用の仕方が、もちろん地域の事情に応じますけれども、あるんだと。本来のその機能を発揮していただく、ただし、それは教育委員会が本来の目的を発揮すると同時に、それこそが政治的中立性を、つまり制度の趣旨を担保するためだという方向性でお願いしたいと思うんですけれども、こうした先進例について文科省で議論をして一定のものを示す、ガイドラインなりを示す、そうしたお考えはございますでしょうか。
  124. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 教育活動を充実させるということにおいて、教育委員会の自主性や現場の創意工夫を生かす教育が展開されること、これは御指摘のように大変重要だと思います。  地域の多様な意向が反映されるよう教育委員会の活性化を図ることについては国も協力をしていきたいと思いますし、研修会等を通じた好事例の周知によりまして教育委員会活性化の取組を促すような、ガイドラインという話がありましたが、国としても、いい事例については是非全国の教育委員会に対して周知をするようにしてまいりたいと思います。
  125. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。  下村大臣の下で、いじめの対策あるいは教育委員会制度の改革について、適正な改革について取り組んでいただきたいと思います。  最後に、解釈改憲問題について一言申し上げさせていただこうと思いましたけれども、安倍総理を相手に頑張らせていただくつもりでおりますけれども、日本語が日本語である限り、あるいは世の中に論理がある限り、憲法九条から、どんなに頑張っても集団的自衛権の行使は読み取れないというのが政府の解釈でございました。これをやってしまうと、しかも国会の議論もせずに閣議決定だけでやってしまいますと、これはもう法治国家について恐ろしいことでございます。それは同時に、そういう法治国家に対する、世の中の法規範に対する考え方、あるいは子供の道徳に対する考え方、つまり、国民の命が関わる問題でございますので、それをこういう考え方、こういう手続でやってしまうのか。これ教育の在り方についても非常に重要な問題でございますので、安倍内閣の重要な閣僚であられる下村大臣におかれましては、どうか安倍総理をいさめる、閣議決定を止めるということをよろしくお願い申し上げます。
  126. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 時間です。お願いします。
  127. 小西洋之

    ○小西洋之君 質疑の機会をありがとうございました。
  128. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十八分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  129. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、小西洋之君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。     ─────────────
  130. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 休憩前に引き続き、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  131. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  今日は、総合教育会議についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず、大臣にお伺いいたします。総合教育会議の趣旨は、これまで何度も確認されておりましたが、首長と教育委員会の連携を図るという点であります。それで、そもそもなぜ連携が必要であるのか。裏を返せば、これまで連携がなかったことでどういう不都合があったのかという問いにもなると思いますが、その点について御所見をいただければと思います。とともに、過去に比べてより連携が必要となった事情があれば、それも併せて御意見をいただければと思います。
  132. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 首長は、現行制度におきましても、私学や大学等の事務を所管するとともに、予算の編成及び執行や条例案の提出を通じて教育行政に大きな役割を担っておりますが、首長と教育委員会の意思疎通が十分でないため、地域の教育の課題やあるべき姿を共有できていないという指摘があります。これは制度上はありませんが、実際は首長とそれから教育長、教育委員会メンバーが意思疎通をしている自治体もかなりあるというふうには聞いておりますが、制度上は担保されているわけではないということであります。  また、近年の教育行政におきましては、いじめや児童虐待防止、キャリア教育、地域における子育て支援、放課後子どもプラン、また、この四月からは、文部科学省、省令改正いたしまして、土曜学習、土曜授業の推進を教育委員会の判断でできるようになるということをいたしましたが、これは、首長がこれに対してどういう思いを持っているかどうかが、結果的にそこの教育委員会がどの程度実施をするかどうかにも相当影響しているところもございます。  こういうような分野において、首長の所管する行政分野と密接に連携する必要性が高まっております。こうしたことから、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつより一層民意を反映した教育行政を推進していくため、総合教育会議を設置することとしたものであります。
  133. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 大臣、御答弁いただいたとおりかと思います。連携がなかったことでまず形骸化が起こったという点もそうでありますし、今大臣から、キャリア教育や土曜授業等のお話もされておりました。  先週静岡で行われた公聴会においても、公述人のお一人が、生涯教育の比重等が高まったこと、これによって、これまで首長と教育委員会の権限がそれぞれ別にあったものが重なる領域もどんどん増えてきたと、これが今総合教育会議というものも求められる背景の一つであるという御意見がありました。今大臣がおっしゃった御答弁もそのラインに沿う部分であるかと思います。  それで、この総合教育会議において、これまで度々議論となりましたのが、調整事項とは何かという点であります。今申し上げた総合教育会議設置の趣旨から考えますと、調整とは、首長と教育委員会それぞれが権限に属する事項、これ重なり合う部分について双方同じ立場で協議をし結論を出すものという理解であります。つまり、首長から教育委員会への働きかけという一方向のものでは必ずしもないという理解をしております。  調整事項は何かという問いに対して、政府はこれまで、教育委員会の権限に属する事項のうち予算や条例等の首長の権限に関わる事項に限定されるという御答弁、何度もいただいておりますが、この発言の御意思もこの双方向性というものを踏まえたものである、このように理解もいたしております。後ほど、もし御意見があればいただければと思うんですが、そのまま続けさせていただきますけれども、事実、総合教育会議の機能としましても、教育委員会から首長に働きかけを行うことも期待をされているという理解もしております。  先日の地方公聴会でも、例えば、教育委員会が予算編成の過程においてもこれまで以上に関与することができるようになったと、これが一つ総合教育会議における意義であるというような発言も、興公述人であったと思いますが、発言もされておりました。  それで、問題は、この総合教育会議において、教育委員会が今言ったような主導権といいますか働きかけをするために必要な制度的担保がどのようになされているかという点であるかと思います。今現状の改正案では招集権や議題設定権は教育委員会にないわけですが、この前提で、教育委員会がその会議の場においても首長に対して働きかけをする制度的担保がどこにあるのか、この辺りを文部科学省から御意見をいただければと思います。
  134. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 改正案におきましては、教育委員会は、その権限に属する事務に関して協議する必要があると考える場合には、首長に対し協議すべき事項を示して総合教育会議の招集を求めることができるとしているところでございます。  総合教育会議は、首長の側からだけではなく教育委員会の側からも、例えば教職員定数の確保、教材費や学校図書費の充実など政策の実現に予算等の権限を有する首長との調整が特に必要と考える場合には、積極的に会議の招集を求めることができるものでございます。
  135. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 今挙げていただいた一条の四の四項は総合教育会議の招集を求めることができるという、これはできるという権限規定であり、これに対して、当然ですが、首長が応じる義務があるかどうかというところは明記はされておりません。これはいろんな配慮があってこのようにされていると思うんですが。九項において、前各項に定めるもののほか、総合教育会議の運営に関し必要な事項は総合教育会議が定めると規定もされております。  この点、その招集の在り方にしても、基本的には教育委員会の方から招集求めるような要請があれば基本は応じるというような形での運用も今後しっかりと文科省としても通知をしていただきたい。これは意見としてお伝えをしたいと思います。  今ありましたとおり、総合教育会議についてもう一点の不安は、首長による教育委員会への介入の場になるのではないかという点が一部あるわけですが、これを払拭し、会議が趣旨のとおり機能するためには、やはり必要なことは議事の公開であると思っております。  改正案は、議事録について、小規模自治体の負担を勘案し努力義務とすることとされております。通常、議事録という場合は、個々の発言を逐一記載するものである、このように理解をしております。そのような議事録であれば、この小規模自治体の負担軽減という趣旨、合理性はあるものと思っております。ただ他方で、詳細な議事録ではなく簡単な概要等を作ることは、これはできるのではないかと。あと、特に協議をした項目全て、こういう項目を協議したというようなことは、しっかりと記録に残して住民の方々全てに見ていただく。それを通じてしっかり透明性のある、また特に不当な介入等もない、しっかりした会議運営がなされていたということを住民の皆様を巻き込んで監視をするというような体制もつくる必要はあるかと思います。  この辺りの概要メモや協議の項目の作成について御意見をいただければと思います。
  136. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 教育委員会の議事録の公開につきましては、平成二十四年度の文部科学省の調査におきまして約半数、四八・七%の市町村教育委員会が公開をしておりません。全ての教育委員会に対して議事録の作成、公表を義務付けることは、先ほど先生がおっしゃったように、事務局人数の少ない市町村教育委員会においてはかなり厳しい事務負担となるだろうということで努力義務にとどめたわけでございますが、文科省の調査は議事録の公開状況のみを一応調査しておりまして、作成状況までは調査していないんですね。  そういう中で、実は現行の地教行法が成立いたしました昭和三十一年当時、文部省が各地方公共団体に示した教育委員会規則案においては、会議録、議事概要ですね、を作成しなければならないという規定が明記されておりますので、先生がおっしゃった簡単な項目をメモした議事録とか、簡単な議事録は恐らくある程度の教育委員会で作成しているだろうということは推測できるわけです。そういう中で、簡単な議事録概要のみを公開している市町村教育委員会が二三・一%、今でもあります。  そういうことでございますので、住民への説明責任をやはり果たしていかなければいけませんし、この教育行政の透明化、そういういろんなことは大変重要でございますから、法案が成立した暁には、やはり施行通知や説明会などの機会を活用いたしまして、可能な限り議事録を作成し、公表するように指導してまいりたいと思います。
  137. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  今、施行通知というふうなお話もいただきました。やはり、この総合教育会議、しっかり運営なされるかどうかというのは、議事等も公開した上で、住民の方を巻き込んでその監視の下に置くという部分は非常に大きな要素であるかと思います。引き続きよろしくお願いいたします。  次に、総合教育会議の機能について、具体例も挙げまして、空き教室を利用した放課後児童クラブの問題に関連をしてお尋ねしたいと思います。  安倍総理も先日、共働き家庭などの小学生を放課後に預かる放課後児童クラブの定員数をこの五年間で三十万人拡充するという方針を打ち出されました。その目的達成のためにも、先日も委員会で指摘させていただいたんですが、空き教室、これを利用して放課後児童クラブをこれ拡充していくということは非常に重要であるかと思っております。  ちなみに、平成二十五年五月時点で、放課後児童クラブとして空き教室が利用されている割合は二八・一%。これは、文部科学省所管の放課後子ども教室で空き教室が利用されている割合が七一・三%に比べると少ない数であるかと思っております。  この点、先日の委員会で大臣より、放課後児童クラブの空き教室利用が進まない理由は教育と福祉の意識の壁である、このように御答弁いただきました。ただ、大臣からまた、しかし総合教育会議を設けることによりこの壁を取り払う契機となるとの御趣旨の期待が述べられたと記憶をしております。  問題は、政府、これまで何度も空き教室利用ということを促進をいろいろ促してきた部分はあると思うんですが、なかなか先ほどの数字のような形の状態ではありました。これまでなかなか功を奏しなかったところが総合教育会議を設置することでなぜできるようになるのか、このような効果の部分を、総合教育会議の機能を明らかにする意味でも、大臣より御答弁をいただければと思います。
  138. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学校の余裕教室等の活用状況につきまして、現在、放課後児童クラブ全体の約五〇%、放課後子ども教室全体の約七〇%という数字になっております。  小学校の近くに児童館などがある場合には余裕教室等の活用が必要ないこともありますが、活用が進まない主な理由として、一つは、放課後児童クラブの多くは福祉部局が担当しており学校を所管している教育委員会との連携が必ずしも十分でないこと、また、学校施設の放課後の活動への利用が管理上の理由から教育委員会や学校の理解が得られにくいことなど、教育と福祉の関係者間における意識の壁があるのではないかと考えております。  文科省としては、ただいま御審議いただいている地教行法改正案において設けることとしております総合教育会議を活用し、首長と教育委員会が十分協議することによりまして、このような意識の壁を越え、児童や保護者など関係者の立場に立って連携を深め、放課後の活動について学校の余裕教室等の積極的な活用が促進されるものと期待をしているところでございます。  また、放課後児童クラブ等への学校の余裕教室等の活用につきましては、厚労省と共同で一体型を中心とした放課後児童クラブと放課後子ども教室の整備等を推進していく方向でありまして、教育委員会がその当事者となり一体型の運営に責任を持つようになるということによって余裕教室等の活用促進が一層図られるよう促してまいりたいと考えております。
  139. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 大臣、御答弁いただいたとおりであると思います。  意識の壁があった部分を、今回大臣から関係者の立場に立ってというお話がありましたが、やはり総合教育会議を設けることで、そこに様々な地域のボランティアの方であったりPTAの方であったり、そういう住民の方々をそこに巻き込むことで、これまで壁があったものを取り払う効果がやはり私はあるかと思っております。法律でも、一条の四の五項のところで、関係者からも意見を聴くことができると。この関係者としてまさに地域住民の方にその総合教育会議の場に入っていただいて、いかにこれまでなかなか壁があってできなかった空き教室の利用が大事なのであるか、その意識を教育委員会等もしっかりと理解をしていくという過程は非常に重要であるかなと私は思います。  他方で、放課後児童クラブを学校の、保育用に空き教室を利用するということは現場教員の負担を増やすことになるという懸念も一部ございます。それに対しては今後どのように対処されるおつもりであるか、また御意見をいただければと思います。
  140. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 放課後対策を学校の余裕教室で活動する場合でありましても、これは当然その実施主体が、あるいは責任は学校ではなくて、放課後児童クラブが市町村の首長部局、そして放課後子ども教室は市町村の教育委員会が言わば責任者ということでございますので、放課後児童クラブのそして指導をする方も専任の指導員がいらっしゃいますから、直接教員の負担になるものとは考えておりません。ただ、放課後に児童が校内に残っているということで、安全面などで学校から、教員の負担につながるのではないかと、そういう懸念の声があることも承知しております。  文部科学省といたしましては、厚生労働省と連携いたしまして、今後、一体型を中心とした放課後児童クラブと放課後子ども教室について学校内への整備などを推進していくに当たって、責任の主体をより明確化していくことが必要であると考えております。そのために、地方公共団体に対して実施主体や責任の主体が首長部局や教育委員会であることをより明確に示していくことによりまして、先生方の負担が増えることのないように留意してまいりたいと思っております。
  141. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 引き続き、よろしくお願いいたします。  引き続き、また総合教育会議の機能についてお尋ねいたします。  議論による首長との連携、これ教育委員会が通じることによって教育委員会が保有する情報が厚くなるとともに、教育委員会の視野が広がる、このような意見があります。先週の地方公聴会でも、こういう面がまた総合教育会議の機能であるというような意見が公述人からもございました。この件について大臣はどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。
  142. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 総合教育会議におきまして、大綱の策定を通じて、当該地方公共団体の教育の振興に関する総合的な施策の目標や施策の根本となる方針を首長と共有したり、重点的に講ずべき教育施策について、予算の編成・執行権限や条例の提案権を有する首長と教育委員会による調整や保育と幼稚園、青少年健全育成と生徒指導、放課後子どもプラン等の首長と教育委員会の事務の連携が必要な事項について首長や有識者等と議論をしたりすることによりまして、教育委員の視野の拡大や教育委員会の活性化そのものにも資するというふうに考えております。
  143. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 教育委員と首長それぞれが総合教育会議という場で連携し合うことで、お互いのノウハウを共有し合って能力を高め合うという意義は非常に大きいと思います。  そのような上のレベルにまた限らず、更にその下にある、例えば首長の下といいますか、スタッフとして頑張っていらっしゃるのは知事部局である、また教育委員会はこれから教育委員会事務局という形、それぞれがそのレベルでもまたしっかりと人事交流などで交流し合ってノウハウも共有し合っていくという、この方向性もまた大事であるかと思っております。  これについて、知事部局と教育委員会事務局の人事交流の必要性、どのようにお考えか、文部科学省より御意見いただければと思います。
  144. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 教育長や教育委員を支える事務局職員の資質の向上に向けまして、教育委員会におきましては、教員出身者のみならず、教育行政の専門性を有する行政職員の計画的な育成が重要であり、一般行政部局との人事交流も含めまして、適切な人材育成が行われる工夫が必要であると考えます。  今回の改正案が成立いたしました場合には、各地方公共団体の首長部局と教育委員会事務局との人事交流がより充実したものとなるよう取組を促してまいりたいと考えております。
  145. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  今、知事部局と教育委員会の事務局の人事交流について、一つ具体的なところからいくと、以前も私、委員会で質問させていただいた私学のいじめ問題について、現場の声の一つに、この私学のいじめの対処に当たってですが、教育委員会の管轄ではない、じゃ知事部局が管轄であるわけですけど、そこに相談を持っていくとどういう事態が生じるかというと、このいじめというものに対しての対処のノウハウがなかなか蓄積されていないというような現場のお声がありました。そういうような事案に対応する意味でも、やはり知事部局と教育委員会事務局の人事交流やノウハウの共有というのは非常に重要であるかとは思っております。  その意味で、大臣から、このいじめという観点からまた含めたこの人事交流の必要性についてどのようにお考えか、御意見をいただければと思いますが。
  146. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 私立学校におけるいじめ問題に的確に対応するためには、知事部局の私立学校担当部署に教育に関する専門的知見を有する職員を配置することが望ましいと考えております。このため、知事部局と教育委員会事務局の人事交流も一つの有効な方策であるというふうに考えます。  なお、平成十九年の地教行法改正におきまして、都道府県知事が必要と認める場合には、都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言、援助を求めることができるとされたところでありまして、この規定を活用することも可能でございます。
  147. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  148. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 本日は、総合教育会議そして緊急事態への対応、教育委員の資質向上、そしていじめ問題について扱いたいと思います。  今回、愛知、静岡に公聴会に行ってまいりました。その公聴会では、総合教育会議について様々な意見が出ました。  総合教育会議は、基本的には自治体ごと、つまり、都道府県そして市町村ごとの開催と承知をしております。しかし、総合教育会議で扱うべき議題の中には複数の自治体にまたがるものもあるのではないか、このように思います。  例えば、防災教育はどうでしょうか。共通の火山、原子力発電所の近隣区域、そして洪水が懸念をされる川の流域、こうした複数の都道府県や市町村にわたる広域の危険事象に対して防災教育の企画立案を検討する場合など、総合教育会議の在り方としてどのような取組が考えられるか、答弁を求めます。
  149. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 複数の地方公共団体に共通する事項というものは確かに存在するわけでございますので、そういった事項につきまして複数の関係地方公共団体の責任ある関係者が集まって協議をするというようなことは、大変有益なことであるというふうに考えております。  総合教育会議は、一つの自治体の中における教育に関する事項について、首長と教育委員会が協議、調整し、相互の連携を図るということを目的とするものでございますので、総合教育会議自体がそのような協議の場になるというわけではございませんけれども、御指摘のような会議は関係機関の事実上の協議の場として開催することが考えられるところでございます。
  150. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 総合教育会議を複数の自治体にまたがって開催する場合の具体的な在り方というのは、どういうふうにすればよろしいんでしょうか。
  151. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議自体は各自治体の中における首長と教育委員会との協議の場でございますので、総合教育会議を複数の自治体で共同で開くということは法律の想定しているところではございませんけれども、事実上の在り方といたしまして、関係自治体の首長と教育委員会が一堂に会するというふうな場を設けるということは考えられるところでございます。
  152. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 分かりました。  続きまして、愛知での地方公聴会におきまして、岐阜県の教育長である松川公述人に私からいじめ問題について質問をしたところ、私学も含めて適切な対応が必要であるとの回答をいただきました。これを受けまして、私の方から更問いとして、私学は首長の専権事項でありますが、こうしたお互いの、相互の専権事項をまたいで協議をするようなことが必要と思われるか、こうした質問を投げかけたところ、松川公述人の方からは、当然のことだと思いますという回答がありまして、両方が自分のテリトリーを守るということだけではなくて、相互に調整をして全体として県内の子供たちの教育の充実を考えていくという姿勢に立つことが大事だと、こうした意見が表明をされました。  ここで、私学を含めたいじめ問題、また保育園も含めた小一ギャップの克服、私学、保育園それぞれ首長の専権事項でありますが、こうした課題について首長の側から提案をして総合教育会議の議題とすることは差し支えがないかどうか、答弁を求めます。
  153. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議におきまして協議、調整を行う事項につきましては、改正案の第一条の四第一項第一号が「地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るため重点的に講ずべき施策」と規定しているわけでございます。この場合におきましては、教育委員会の権限に属する事務のうち、予算の調製、執行や条例の提案など首長の権限との調和を図ることが必要な事項でありますとか、また、今御指摘のございました私立学校と公立学校との関係あるいは保育園と幼稚園との関係など首長と教育委員会の事務の連携が必要な事項、こういったことにつきまして、協議、調整を行うことが考えられるわけでございます。  したがいまして、御指摘のような私学あるいは保育園に関する事項など首長の権限に属する事項が含まれていましても、首長の提案によりまして協議題とすることは十分可能であるというふうに考えております。
  154. 新妻秀規

    新妻秀規君 地方公聴会の質疑では、総合教育会議に対して、特に教育委員会側の専権事項に対して首長の側から権限が侵食されることがあるんじゃないか、こうしたことに対して一定の懸念が示されたわけでございますが、概して公述人からは好意的な反応が多かったように思います。一方、要望として、現場が混乱しないように具体的な運用方針を明確に示してほしい、こうした声が大きかったように感じております。  参議院の参考人質疑でも、参考人を務められました木村孝雄先生も公明党へのインタビューの回答の中で、両者の権限を明確にする細かい制度設計が必要である、このように意見表明をされております。こうした要望を踏まえまして、これまでの国会審議の中で明らかにされました協議、調整の対象項目、また、それぞれの専権事項の具体例など、運用方針に関わる事項についてできる限り多く施行通知に明記すべきと考えますが、どうでしょうか、答弁をお願いします。
  155. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 改正案が成立いたしました場合におきましては、各地方公共団体に対しまして、国会における御審議も踏まえ、総合教育会議における協議、調整の対象でありますとか、また専権事項への配慮など、運用に関する留意事項等につきまして、施行通知や説明会を通じまして丁寧に周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  156. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非とも細かい対応をお願いをしたいと思います。  また、似たような質問というか要望なんですけれども、今後、本法案が可決成立をしまして施行された後、総合教育会議がいよいよ運用され始めた後に、運用面の様々なやってみて分かる課題に伴う様々な質問が各都道府県、また教育委員会、また文科省に寄せられると思います。こうした質問や問合せに対して、例えば、文科省のホームページにFAQ、よく受ける質問のようなページを設けるなどして、現場からの運用面の質問に対応できる体制を整えるべきと思いますが、どうでしょうか、答弁をお願いします。
  157. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) ここは本法案の成立、施行後に、その施行通知でありますとか、あるいはQアンドAなどを作成しました場合には、速やかに文部科学省のホームページに掲載するなどいたしまして、各地方公共団体の御質問に適切に対応できる体制の整備につきまして、十分検討してまいりたいと考えております。
  158. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 検討の上、是非とも現場の要望に応えていただけるような具体的な対応をお願いをしたいと思います。  次に、地方公聴会におきまして、静岡の公聴会で民主党の大島理事より、総合教育会議に学識経験者を呼ぶなどして審議を活性化してはどうかという提案に対して賛同の声が大変に多かったというふうに感じております。このこと自体、私もすばらしいことだなと思っております。  ただ一方で、本来教育のことを議論すべき教育委員会の役割が損なわれてしまわないか、こんな懸念もあります。この両会議体、総合教育会議そして教育委員会、この望ましい役割分担について文科省の見解をお願いをいたします。
  159. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議は、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進するために設置することとしたものでございまして、首長と教育委員会という執行機関同士が協議、調整を行う場という位置付けでございます。  総合教育会議における協議は、首長あるいは教育委員会が協議、調整の必要があると判断した事項について行うものでございまして、教育委員会が所管する重要事項を全て総合教育会議で協議、調整しなければならないというものではございません。  今回の改正案におきましては、教育委員会は引き続き執行機関でございまして、教育委員会の権限に属する事項につきましては、教育委員会で責任を持って意思決定を行うとともに、必要に応じ、総合教育会議において首長と協議、調整を行うことによりまして民意を反映した教育行政がより効果的に行われていくことを期待しているところでございます。
  160. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 続いて、緊急事態について質問をさせていただきます。  静岡の地方公聴会では、川勝公述人より、浜名湖で女の子が溺れ死んでしまった事件、この事件では現場に急行したのは知事の一行でありまして、教育委員会は後日日にちを改めて現地を視察をした、こうした発言がありました。確かに、非常勤の委員長、委員から成る現行の教育委員会では、このような対応はやむを得なかったのかもしれませんが、残念な対応のように思います。本法案の成立、施行後は、常勤の新教育長が必要に応じて首長と連携をしながら緊急事態対応の前面に立つことになると考えます。  衆議院の質疑におきましては、これ大臣の答弁の中で、いじめ等の緊急事態の第一義的な責任者は教育長なので、首長の意向を踏まえつつ、最終的には教育長が判断をするというのが法律上の建前、立て付けでありますが、しかし、総合教育会議そのものを主宰するのは首長ですから、当然、首長の意向の中で協議、調整する中で、教育委員会の判断についての部分は、最終的に教育委員会、教育長が判断するということになるわけであります、こうした大臣の答弁がございます。  ここで確認なんですが、緊急時の対応を総合教育会議で検討をして協議が調わなかった場合、このような大臣答弁も踏まえまして、教育委員会側の判断を尊重するという理解でよいでしょうか。答弁をお願いします。
  161. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) いじめ等の緊急事態におきましては、学校現場の状況を一番把握している教育長が迅速に判断し、対応することが必要であると考えます。  総合教育会議におきましては、まずは学校現場の管理責任を負う教育委員会と住民の安全確保について広く責任を負う首長とが協議、調整を行うことによりまして一層適切な判断が行われるものと考えますが、協議が調わない場合には、教育委員会が所管する事項について教育委員会が判断することになるというのは法律上の建前でありますが、だからといって全部教育長が判断するということについては、それはいろんな情報が来ておりますから、総合教育会議で特にこういうことで基本的に意見が調わないということはあり得ないのではないかというふうに思いますが、法律上の立て付けとしてはそのようになっているわけであります。
  162. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 はい、分かりました。  大臣の答弁から教育委員会の判断を尊重するという理解をしているので、それでよろしいですか。改めて確認させていただきます。
  163. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 教育委員会が判断するということになります。
  164. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 明確な答弁ありがとうございます。  続いて、更に緊急時の対応について質問をさせていただきます。  緊急時の対応では、言うまでもないことでございますが、初動が命、このように考えてございます。ここでもたつくことがないように、緊急時の対応について、各自治体において総合教育会議やまた教育委員会で綿密に検討をして緊急時対応マニュアルを作成するなど、万全の備えをしていくことが望まれると考えますが、いかがでしょうか。  その際、教育委員会にあっては、本法案第二十五条に、教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その権限に属する事務の一部を教育長に委任をし、また教育長をして臨時に代理させることができるとあります。緊急時に教育長が迅速に初動を取れるよう、こうした委任についても各自治体の教育委員会で検討することが推奨されると思いますが、どうでしょうか。答弁をお願いします。
  165. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) いじめ自殺あるいは学校安全等の緊急時の対応につきましては、国におきまして指針や手引等を作成し、各地方公共団体に通知しているところでございまして、各地方公共団体におきましては、これらを参考としながら、緊急時における対応について事前に検討しておくことは大変有効であるというふうに考えております。  また、総合教育会議の構成員は首長と執行機関としての教育委員会の二者でありまして、教育委員会からは、教育長及び全ての教育委員が出席することが基本ではございますけれども、緊急の場合には、首長と教育長のみで総合教育会議を開き、協議をすることも可能であると想定しております。  このため、事前に想定することが可能な範囲で、教育長のみが出席することとする場合、また教育長のみが出席する場合の教育委員会としての意思決定方法、さらに具体的に教育長に委任することとする事項などにつきまして、あらかじめ教育委員会の中で検討しておくことも有効であるというふうに考えております。
  166. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 緊急時の対応では、やはり子供の命、こうした本当に大切にしなくちゃいけないものが懸かっている、こうした事態であると思いますので、とにかく現場が混乱をしないように文科省として打てる手を全て打っていただいて、現場が適切な、迅速な対応ができるような細かい手を打っていただきたいと要望をさせていただきます。また、説明会などでも是非とも取り上げていただきたいと思います。  次に、教育委員の資質の向上について質問させていただきます。  静岡の地方公聴会では、総合教育会議また教育委員会の審議の活性化のためには、昔と比べて複雑化、そして高度化している教育を教育委員一人一人にしっかりと理解をしていただくことが大事だ、こうした指摘がございました。審議の活性化については、これまでも衆議院、参議院を通した議論の中で、コミュニティ・スクールの経験者の登用のように、人選上の工夫など様々論じられてまいりました。教育の専門家だけではレーマンコントロールの趣旨を損なうのと同様に、せっかくの地域の代表、市民の代表でも、教育界の常識を過度に注入されてしまってはレーマンの良さが失われてしまうと思います。  静岡の公聴会では、興公述人より、教育委員は非常勤といえども常時教育委員であるとの思いで、かつ、あえて非常勤職で委員に充てられていることの背景からは高い識見で対応することが期待をされる、決して事務局主導で会議が取り進められるという性格のものではないことを肝に銘じて対応することと述べられまして、さらに、総合教育会議に臨むに当たっては、各教育委員は事前の調整なしに独自の立場で会議に臨むことが重要である、このような意見表明がございました。  このような意見を踏まえまして、教育委員会が、時には事務局主導、追認機関、このようにやゆをされる現状を克服して、教育の質的な向上を目指して、地域の方の様々な目線で中身の濃い議論を行うために、どのような教育委員の資質向上の取組が望ましいと考えられるか、見解をお願いをいたします。
  167. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案におきましては、教育委員会を引き続き執行機関として残しておりますことから、教育委員の役割や資質の向上は現行と変わらず重要でございます。  特に、今回、教育委員による教育長のチェック機能が十分に働くよう、教育委員による招集の請求に関する規定でありますとか、教育長に委任した事務についての報告に関する規定を盛り込んだところでございます。  このため、教育委員には新教育長の事務執行に対するチェック機能を果たす自覚と教育に対する深い関心や熱意が求められるところでございまして、教育に高度な知見を有する者を選任するなど幅広い人材を得ることが必要であると考えております。  文部科学省といたしましては、各地方公共団体における教育委員に対する研修の一層の充実を期待しているほか、現在、文部科学省において実施しております教育委員に対する研修の更なる充実方策を検討してまいりたいと考えているところでございます。
  168. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 この研修の中身とか、そういう具体的な本当に細かい実効性のある対応に向けた取組をお願いをしたいと思います。  最後に、いじめ問題について質問をさせていただきます。  地方の公聴会では、特に愛知の公聴会でいじめ問題について様々な取組の紹介がございました。今回の法案には直接関係がないことではございますが、いじめの根絶、これは首長、教育委員会共にほとんどの自治体で目標として掲げていることだと感じております。これは岐阜県の教育長の松川公述人の発言から、まずは現状を正しく把握をして、学校全体としてチームで取り組んで粘り強くフォローすること、これが重要だというふうに意見表明をされてございました。  いじめ問題に成果を上げた好事例、こうしたことについては、市区町村の教育長へのセミナーなどの各種研修や文科省ホームページなどで積極的に共有をすべきと考えますが、どうでしょうか。答弁をお願いいたします。
  169. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) いじめ問題に対する対策についての好事例を積極的に共有すべきということについては御指摘のとおりでございます。  文部科学省におきましては、今月五日に都道府県・指定都市等生徒指導担当者連絡会議というものを開催したわけでございますけれども、この場におきまして、都道府県教育委員会などから聴取いたしました小中学校におけるいじめの取組強化を図るための具体例を紹介いたしますとともに、各自治体において各学校の好事例を収集、発信することなどを通じて域内の学校におけるいじめ防止の対策が推進されるよう指導を行ったところでございます。また、教員研修センター主催の指導者養成研修、これを全国六ブロックで開催しておりますけれども、ここにおきましても、各地域ごとの取組事例に関する協議、情報交換等を行ったところでございます。  文部科学省におきましては、今後、これらの会議、研修や各地域の関係者の集まる普及啓発協議会などにおきましていじめ問題に関する好事例の収集、発信を行うほか、教育委員会、関係団体の各種会議や文部科学省のホームページなどを通じまして情報提供を積極的に進めまして、いじめ問題に関するより効果的な対策について情報発信に努めてまいりたいと考えております。
  170. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今おっしゃっていただいたような具体的な取組を続けることによって、本当にいじめがゼロになるような、そうした姿を目指して対応をお願いをしたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  171. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会・結いの党、藤巻です。  まずは、大津の事件についてお聞きしたいと思いますけれども、大津の事件がこの改正案をトリガーした、引き金になったわけではないとのことでございますけれども、当然のことながら、大津の事件というのはこの改正案に至った非常に大きい要因だったかと思います。  石橋委員、小西委員も先ほどちょっと述べられていましたけれども、大津の事件というのは、教育委員会がどのような情報を持っているかということを首長が分かっていなかったということが非常に大きい問題だと思っております。証拠物件が明らかになったのは警察による教育委員会等への家宅捜索です。つまり、大津事件では、警察の家宅捜索がなければ教育委員会の隠蔽体質が分からなかったということだと思います。  今回の改正案では、教育委員会の隠蔽を防ぐ方法が確立されたのでしょうか。また、そうでなければ何のための改正かということもよく分からなくなりますし、また、何か事件があったときに、どこまで、非常に細かいところまで、あの家宅捜索ではかなり細かいところまで情報が出てまいりましたけれども、そういう細かい情報まできちんと隠蔽されずに出るような仕組みは確立されているのかどうかということをまずはお聞きしたいと思います。
  172. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 改正案におきまして、首長は総合教育会議を設け、いじめ等の緊急事態に講ずべき措置について協議することができるとされております。そうした協議におきまして首長が教育委員会に対し情報の提供を求めることは当然考えられることでありまして、これにより情報の隠蔽が行われないと、そういう取組が進むことを期待しておりますが、これは、警察権力と首長の権力というのは相当違いはありますから、もう事件的な部分については場合によってはもう警察に依頼するということもあるわけで、総合教育会議ができれば全て解決するということではもちろんありませんが、しかし、緊急事態については、首長を含め対処することができるというところは今までと大きな違いであるというふうに思います。
  173. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 教育委員会というのは個人の損害賠償責任がないわけですね、メンバーとして。国家賠償法を改正しない限り個人的に損害賠償を負うことがないということであれば、極めて、悪いことを言えば、無責任になってしまうと。やっぱり、何か間違いをやって、個人的にその損害賠償をしなくちゃいけないという制約があれば、かなりその隠蔽なんかすることもないと思うんですけれども、現状の国家賠償法である限り、かなり隠蔽がまだ進む可能性もあるということで、この辺は是非文科省としてもいろんな指導等で隠蔽がないようにしていただきたいというふうに思っております。  次に、政治的中立についてちょっとお聞きしたいんですけれども、参考人からの意見聴取の際に、元明治大学教授で日本教育政策学会会長の三上参考人がこうおっしゃっているんですね。  それから、当時、第二国会になりますけれども、森戸文部大臣、当時の文部大臣が教育委員会制度の理念について説明しているんですけれども、新教育委員会法の制定過程では、教育の政治的中立性という事項がキーワードとしては必ずしも強調されていなかったとかおっしゃっているわけです。  そして、その三上委員からいただいた資料には、政治的中立という多義的で曖昧な概念は少なくともキーワードとして使用されていませんと書いてありました。  ということは、当時は、政治的中立という言葉が表面に出ていなかったのに、今は誰も彼もが政治的中立、政治的中立とおっしゃっているわけですけれども、まず教育の政治的中立とは何をいうのか、私もいつも質疑を聞いていてよく分からないんですけれども、明確に教育的中立とは何かということをお聞きしたいのと、それとその概念規定がどこか明確に書いてあるのかどうかということをお聞きしたいと思います。
  174. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 教育の政治的中立性については、教育基本法第十四条第二項が、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と規定をしております。  また、地方教育行政法第一条の二におきまして、教育行政は、教育基本法の趣旨にのっとり、公正かつ適正に行わなければならないことが規定をされております。  今回の改正案においては、政治的中立性の確保についての理念に、特に変更するということではございませんので、新たに教育の政治的中立性の概念規定は設けておりません。
  175. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今お聞きすると、特定の政党を支持しないことが政治的中立というふうにも聞き取れるんですけれども、そうだとすると、例えば自民党と我が党が憲法改正賛成と言えば、自民党という特定政党だけじゃなくて二党が賛成しているからそれについては書いてもいいという解釈でもよろしいんでしょうか。
  176. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 教育基本法第十四条第二項で、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と規定をしておりますから、支持だけでなく反対も含めて、教育における政治的中立性を担保する必要があるということであります。
  177. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 そうすると、政治的中立というのは余り広がっていないでかなり小さいのかなというふうに思うんですけれども。  それで、いろいろ今までの質疑等を聞いておりますと、先ほども、三上参考人がおっしゃったように、教育委員会制度の制定時にはキーワードとして入っていなかった、そして極めて多義的で曖昧な政治的中立という言葉なんですけれども、それが何か今回の質疑、それから今日、極めて金科玉条のごとくまずは政治的中立が大事だということで、全ての議論が進んでいるような気がいたしますんですが、そんなに政治的中立が重要であれば、何というのかな、教育というのは政治的中立のためにやっているような気がしてしまうわけですよね。だったとしたら、掛け算とかイロハだけ教えていればいいわけでございまして、やっぱり教育というのは、子供たちにいい教育をするとか、それからいじめをさせない教育をするとか、そういうことが第一義であって、政治的中立というのが第一義に出てきて議論をするというのはおかしいんじゃないかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。  特に、私のところにも随分陳情が来るんですけれども、大体、今回の法案は反対だと、政治的中立が守られていないからということばっかりが来るんですが、やっぱり教育の目的というのは、一番重要なのは子供たちにより良い教育をする、いじめもさせない、ここが重要だと思うんですが、なぜそんなに政治的中立、政治的中立で議論の中心がそこに行くのか、極めて疑問に思うんですが、いかがでしょうか。
  178. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) この政治的中立というのは、先ほど申し上げましたように、法律上はかなり限定した意味があるんですが、国会議論の中ではもっと広い意味で質問されていることが多いんですね。前回も、例えば高校授業料無償化とそれから全国学力テストについて政治的中立性云々と、つまり政権交代したのでそれを変えるというのは政治的中立性の問題からいかがなものかという御質問がありましたが、ああいうレベルは、これはこの教育基本法の趣旨にのっとっても政治的中立性の概念には該当しないというふうに考えております。  ですから、いじめ問題とか、それから道徳の中身はいろいろ議論がありますけれども、道徳教育そのものをするかしないかについても、これは政治的中立性に抵触することではなくて、あくまでも特定の政党を支持したり又はこれに反対するための政治教育、政治活動、そういうふうに限定している意味での政治的中立性でありまして、政策的なことが全てそれが政治的中立性に抵触するかどうかというようなことではなく、この教育基本法第十四条の第二項、それに限定した中での政治的中立性というふうに取っていただきたいと思います。
  179. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 広い範囲でいろいろ政治的中立性が議論されるということで、いろいろ狭いところで理解していただきたいというのであるならば、まさに法律にその政治的中立とは何なのかという概念規定を入れるべきではないかなというふうにも思います。  さらに、ちょっと聞いてしまえば、かなり狭い範囲の議論、政党、偏った政党、賛成、反対ということであるならば、まさに今回の議論で第一義になるようなことじゃないんじゃないかなと私は思います。  もう一つ、その中立性についてお聞きしますと、多少なりとも時の政権の教育をするというのは別にまずいことじゃないんじゃないかなと私は思うんですよね。政治的中立というのは、中立であろうと、右から見れば左に見えるんだし、左から見れば右に見えるのであって、極めて曖昧なというか、範囲のあるところなんですけれども、その範囲であれば時の政権に、まさに民意を反映して選ばれた首長がやる、若しくは文部省であれば安倍政権がやっているわけなんですから、そんなに政治的中立、政治的中立とがんがんがんがん言う必要もないのかなと私は思います。  昔もちょっと聞きましたけれども、中国とか北朝鮮とかロシアとかが政治的中立なんという教育しているわけがないので、じゃ、あの国々がとんでもない教育をしているかというと、そんなこと言うと怒られちゃうと思うんですよね。  ということで、ここまで厳密に政治的中立ということを言い張っている国というのは、これちょっと質問通告ないんですけれども、ほかにないんじゃないかなと私は思っておるんですが、そこまで政治的中立、それはもちろん軍国主義とか、それから無政府主義とか、それからまた逆の立場の政策を言うのはこれはまずいと思うんですけれども、それなりに範囲に入っているのであれば、それを第一義に考えないで、やっぱり一番子供たちにいい教育は何か、そして、いじめが、なくすには何があるかということを考えて制度設計をするべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
  180. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) それはおっしゃるとおりでありまして、例えば、私のときに領土教育、あの竹島、尖閣について我が国の固有の領土だと教科書できちっと明記するようなことについて、教科書改訂の中でそれを入れるようにお願いしましたが、これは政治的中立性とは違反しているという批判はどこの党からもないわけですね。他国から見たらいろんな意見はあるかもしれませんけれども、しかし我が国の国家を形成している三要素の中の一つについて、領土教育をきちっと教えるということは、これは当たり前の話であって、これが政治的中立性から見ていかがなものかという批判は当たらない。しかし、ほかの国から見たら非常に右傾化しているというふうに見られることもあるわけでありますけれども。  あくまでも、この教育基本法の第十四条第二項における正当性的なそういう主義、主張という意味での政治的中立性ということでありますので、国会議論でもそういうことであると思います。衆議院においても参議院においても、これまで自民党政権において、これがこの教育基本法の政治的中立性に違反をしているというような意見というのは、議論というのはなかったのではないかと思いますし、それから国は、直接児童生徒に対して教育をするということではなくて、学習指導要領を作ったりとか、それから平準的な国がやるべきことについてのことであって、このことについて政治的中立性に違反しているのではないかという議論はなかったと思うんですね。  ただ、地方自治体は直接生徒児童に関係している部分がありますので、これは十二分にこの教育基本法第十四条にのっとって抑止的に考えるというところが国と地方自治体の、それから、そもそも二元代表制であるというのと議院内閣制であるという、そういう制度設計の違いもありますが、その辺は国と同列に議論できない部分があるというふうに考えます。
  181. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 これは質問通告にないんですけれども、国と地方は二元、いろいろ制度設計が違うというふうにおっしゃいましたですけれども、やっぱり三上参考人のときにちょっといただいた資料の中に、その際、清瀬文部大臣は自らを党の決定に従う党の小使と広言し、政権政党に所属する文部大臣が大きな権限を持つ国の教育行政の政治的中立性問題については等閑視されていることについて、べらべらべらっと書いてあるわけですよ。  要するに、どっちにしたってやっぱり同じようなものだということをおっしゃっているわけだとは思うんですけれども、私は別に、安倍首相が下村大臣を選ばれてやっている今の文部行政を別に政治的中立であるとは決して思っていないんですよ。別にそれでいいと思っているんですけれども、それだったらば、今までの回答で何回も何回も国と地方は違うというふうにおっしゃっていますけれども、私は、その程度の違いであるならば、全く同じ仕組みを地方にも、国と同じ仕組みを、安倍首相が下村大臣を選んで、中教審は諮問機関であるというその仕組みをそのまま持っていってもいいんじゃないかと。  要するに、政府が政治的中立でないという批判が非常に大きいなら話は別ですけれども、別に誰も、先ほどおっしゃったように、一応文句は出ていないわけですから、だったら地方もそれでいいのかなと。なぜ教育委員会が執行機関である必要があるのかと、ずっと諮問機関であった方がよっぽどいい教育ができるんじゃないかなと私は思っております。これ、別に通告なかったのであれですけれども。  次の質問で、総合教育会議で教育長と首長の意見が対立した場合、どちらの意見が優先されるのか明確になっておりますでしょうか。なっているかどうか、まず取りあえずはそれをお聞きしたいと思います。
  182. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 総合教育会議では、首長と教育委員会という執行機関同士の協議及び調整の場という位置付けでありまして、これにより教育行政に首長が連帯して責任を負う体制の構築を図るものであります。  総合教育会議におきましては、両者の調整により方針が決定されるものでありまして、あくまで協議し調整を尽くすことが必要であります。具体的な事務の執行に当たっては、それぞれの役割分担の中で、改正法第二十一条に規定する教育に関する事務の管理、執行については教育委員会が最終責任者であり、教育に関する予算の編成、執行についてはこれは首長が教育責任者であり、そういうふうに役割分担がされているということでございます。
  183. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 大体、組織において、協議とか調整といって成功する組織がないと思うんですね。一番端的なのは国際連合、大体いつも常任理事国の誰かの反対で流れちゃうことが多いと思うんですけれども、きちんと誰かが責任を持って意思決定をしなければ物事は進まないと思うんですよね。  私は、総合教育会議では、やっぱり首長の権限が上でいいと思うんですけれども、法律で規定していないのならば、首長が教育長をいつでも罷免できる、いかなる理由でも罷免できるという仕組みにしてしまえばいいんじゃないかと私は思うんですけれども、下村大臣も安倍首相にいかなる理由、どんな理由であっても罷免されるわけですから、それと同じように罷免されてもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  184. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 私が罷免されるのは、これは安倍総理の判断でありまして、そういうことであればそれは従わざるを得ないという制度設計でございます。  藤巻委員の御質問は、本質的な御質問であることは事実でありまして、これまで与党の中において、あるいはそれ以前の中央教育審議会、そしてさらにその前の教育再生実行会議の中でずっと議論がされてきた部分でございます。  その中の象徴的な部分として、中央教育審議会ではA案、これはどちらかというと今藤巻委員が主張されている立場のような案、もうちょっと更に首長に権限を求める、教育委員会を執行機関として残すということではない案でありますが。しかし、それですと、先ほどからの議論である、特に地方自治体においては児童生徒に対して直接的な教育的な影響力が行使できる現場でもありますので、教育における政治的中立性や継続性、安定性は、じゃ、どこで担保できるのかということの中で、それはやはりA案だけでは担保できないのではないかということでB案が付記されたという経緯の中で、その後、自民党、公明党、与党の議論を、これ相当議論していただきまして、その中で、結果的にはA案とB案を両方ミックスしたような、全体的なバランスとしての総合教育会議という部分が出てきたという部分があります。  ですから、その国によっても歴史的な経緯がありますし、またそれぞれの国によっても行政執行の在り方というのは違いますから、今回については我々はベストの案だというふうに思っておりますが、いずれまた改正案が、議論の中において、またいろんな議論がされることもあるかと思いますが、現段階においては、やはり教育において首長が権限をより強化をするということになるとリスクがあるのではないか、そのリスクに対して誰が責任を取るのかということについて、四年に一度の選挙で住民がまた選び直せばいいではないかといっても、子供は中学三年生でしたらその間にもう卒業しちゃうわけですから、そんな無責任なことが分かっていて制度設計していいのかという部分から、現行制度のようなトータル的なバランスを取った案が出てきたわけでありまして、それが必要ではないかと思います。
  185. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 時間でございます。時間ですので。
  186. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 はい。B案の方は教育的中立の観点からするといいかと思うんですが……
  187. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 藤巻委員、時間が超過しておりますので。
  188. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 はい、分かりました。  A案の方がいい教育、若しくはいじめのないためにはA案の方がよろしいかなと思っているということだけ表明して、柴田委員に引き継ぎます。
  189. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕  まず最初に、居所不明の児童生徒の問題を取り上げたい、お聞きをしたいと思いますが、御存じのように、先般、神奈川県の厚木市で幼い男の子の白骨化した遺体が発見をされました。三十六歳の父親が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されたわけですが、本当に痛ましい事件がまた起きてしまったなというのが率直なところであります。  与えている食事が足りず、いずれは死んでしまうと認識していたと、この父親は供述をしているようですけれども、報道によれば、昨日もちょうどNHKの朝のニュースで特集でやっておりましたが、初めは三人で仲よく暮らしておったんだろうと思いますけれども、お母さんが訳あって出ていったと。お父さんと二人暮らしになって、お父さんには新しい彼女か何かができてお父さんもそのおうちに帰ってこなくなったということで、時たまその父親が子供に食事を運ぶ際に、子供がすがるように、お父さん、行かないでと泣いてすがったと報道しておりましたが、私も子供を持つ親の一人ですけれども、全くこの父親の気持ちが分からないというか、この行為は許されないものだと思いますし、このニュースに接するたびに胸が詰まるわけですが、同時に関係機関の対応の在り方も大変問題だと言わざるを得ないんだと思います。  この居所不明の児童生徒がいろんな事件とかあるいは死に至っているというのはもうこれまでも明らかになっているわけで、昨年にも福岡市で、もし生きていれば小学校二年生になる女の子が行方不明になっていることが分かって、これは結局母親が遺体を捨てたと自供したことを受けて捜したら頭蓋骨の一部が出てきたとか、あるいは、一昨年には大阪で、十二年前から、出生直後から行方不明になっている子供がいて、親族の申告によって明らかになったと。その間いろんなお金を両親はもらっていて、それでディズニーランドに行っていたとか、いろんなそんなようなことが続いていたわけであって、しかも児童相談所あるいは教育委員会なども、どうもそのおそれがあるという、あるいは姿、顔が見えないというのが分かっていながら今日に至るまでこの状況が分からなかったというのは本当に怒りを禁じ得ないところがあるわけであります。  市の教育委員会も入学の年に小学校に通っていないことを把握をしていたわけですが、中学に入学していないと分かった今年の春まで実は県警と連絡を取っていなかったということのようであって、大変ずさんな対応だと言わざるを得ないと思っておりますが、いずれにしても、この厚木市教育委員会の対応、サインを見落としてきた、あるいはやるべきことをやっていなかったということだろうと思いますが、大臣はどのようにお感じになったか、お尋ねをしたいと思います。
  190. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりに本当に痛ましい事件であったと思いますが、第一義的には、冒頭おっしゃっていたように、やっぱりそれは親の責任だと思います。そういう親が存在するということ自体がやはり問題だというふうに思いますが、私は、児童養護施設、福島へ視察行ったとき、そこにも寄って視察をしたんですが、福島の児童養護施設だけではありませんがもう全国、かつては親なき子が児童養護施設に入るということで戦災遺児、スタートしたわけですが、今は実際はほとんど親は存在しているんですね。しかし、子育て放棄をしているとか子供にDV与えるとか、いろんな問題があって児童養護施設に預けられているという実態が全国どこでもほとんどであると。こういう問題については本当にしっかりとした対処を考えていかなければならないと思います。  この度の厚木市の事案は、もちろん親が一番問題ですが、同時に、今御指摘がありましたように、小学校入学時に児童の所在が確認できなかったにもかかわらず、その後、長い間、児童相談所それから住民基本台帳担当、警察と連携を取らず、所在把握の努力を怠っていたと、そういう不適切な点が多かったことによって起きた事件とも言えるわけでございます。本事案については、神奈川県で検証委員会を立ち上げ検証作業を進めているものと承知をしておりまして、文科省としても、厚生労働省とともに、検証結果の報告を受け、今後必要な対応を検討していきたいと考えております。
  191. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  文科省の調査によれば、住民基本台帳で就学年齢に達しているにもかかわらず、保護者と連絡が付かない等の理由で住民票を残したまま行方不明、一年以上居場所が分からないという子供が平成二十五年度では七百五人と言われております。確かに、平成二十三年度が千百九十一人で平成二十四年度が九百七十六人ですから、減る傾向にあるといえば減る傾向に数字の上ではあるのかもしれませんが、これは、就学前は調査を当然していませんし、中学を出てしまうとこれまた実態把握がしていませんし、また、もっと厳密に言えば、居住実態がないと行政が職権で言わば削除する、学齢簿からも外してしまっているので、本当の実態が分からないというのが現状です。専門家などから言わせると、恐らく、七百五人という公表の数字になっていますが、公式的な数字になっていますが、数千あるいは万単位にも場合によるとなるんではないかという見立てもあるわけですが。  幼い子供たちが憲法や教育基本法で認められる教育を受ける権利が言わばなくしているという、またその生死がはっきり分からないというのは、本当に悲しいことだと言わざるを得ないわけでありまして、しかも子供が自発的にどこかへ行くわけじゃなくて、親の都合によってどこかに行ってしまっている、あるいはこの世にもしかしたらいないのかもしれません。外国籍の親だったら、自治体や学校に言わずに外国に行くということもあるでしょうし、金銭トラブルやあるいはDVなどによってどうしても身を隠さなきゃならぬということもあって居場所が分からないというのもあるんでしょうが、今回のように命に関わるようなことも十二分にあるわけですから、やはり関係機関は、国は、文科省も、それはもっと力をそこに注ぐべきだろうと思います。  これは、前に大臣にも一度、大臣が就任された際の所信の質問でもさせていただいた経緯があるんですが、また残念ながらこういうことが起きたということであります。したがって、大臣になられて昨年の三月に全国の教育委員会に事件性が疑われる場合は警察に相談するようにという通知も出されているわけですが、関係機関との連携を一層深めて情報共有に努めたり、また関係省庁との連携を一層図るなど、居所不明児童生徒の実態把握を急ぐとともに、対策の強化がやっぱり必要だと思いますが、大臣にお考えをお聞きをしたいと思います。
  192. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 御指摘の平成二十五年の通知では、市町村教育委員会及び学校に対し、事件性が疑われる事案の警察への相談のほか、住民基本台帳担当や児童福祉関係機関との連携、要保護児童対策地域協議会への参加など積極的に行って、居所不明児童生徒の把握の取組を充実するよう強く求めてきたところでありますが、今回の事案を受け、御指摘のように、関係省庁とも連携をしつつ、改めて指導を徹底してまいりたいと考えております。
  193. 柴田巧

    ○柴田巧君 その中で、先ほども申し上げましたが、中学卒業をしてしまえば今の文科省の調査の対象には基本的にならないということですが、今厚労省では、児童という概念がそれぞれ省によってちょっと違うのかどうかはあれですが、十八歳未満の子供たちの居所不明の実態把握をする、乗り出すということでありますけれども、文科省においてもやはり高校における居所不明の生徒の実態把握も必要なんではないかと思いますが、この点はどういうふうに考えておられるか、お聞きをしたいと思います。
  194. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 現在、文科省におきまして、義務教育段階の小中学校の児童生徒につきましては、学校基本調査の中で不就学の児童生徒について調査する中で、一年以上居所不明の児童生徒について調査を実施しているわけでございます。一方、義務教育を経た子供の進路は高校への進学だけでなく多様であり、高校生については就学義務の対象となっていないことからも、同調査は実施していないというところであります。  ただ、高校生についても、入学後に不登校となる生徒等につきまして各学校においてきめ細かく対応することは大変重要であり、また、入学後に突然不明となる等事件性が疑われる場合等は家庭や警察等の関係行政機関と連携し対応する必要があることは、これは当然のことだというふうに考えます。  現在、厚労省では文科省と協力して居住実態が把握できない子供の数について詳細な調査を実施中でございます。この調査におきまして、児童福祉の観点から十八歳未満とされておりまして、高校生も含まれるものとなっております。厚労省ではこの調査の結果を踏まえて更なる取組方針を策定する予定と聞いております。年内には結果が出るというふうに聞いておりますので、文科省としても、厚労省と協力して必要な対策について検討してまいりたいと考えます。
  195. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非、高校生の居所不明生徒の実態把握をやっぱりしっかり文科省としてもやってもらいたいものだと思います。いずれにしても、この居所不明児童生徒、子供たちの命が危険にさらされているという認識を持って真剣に取り組むべき課題だろうと思っております。  そのためにも、そういう子供たちの発見、安否の確認に全力を挙げていかなきゃならぬわけですが、現行法においてはその児童らの発見、保護のための調査権限というのはどこにも与えられているわけではないわけで、警察ですら犯罪の疑いがない限り、捜査活動として認められるいろんな事項の照会とか捜索、差押え等ができないというのが現状であります。されど、今回の事件を改めて考えてみると、やはり学校や教育委員会や市町村や警察等にその発見、保護に全力で当たることを義務付ける、あるいは事業者にも協力を求める、そしてその必要な調査権限を付与するというような法制度の整備が必要なんではないかと考えますが、大臣はどのように考えておられるか、お聞きをできればと思います。
  196. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 先ほど答弁申し上げましたように、現在厚労省で居住実態が把握できない子供の数、それから市町村の対応状況について、これも文科省も協力して詳細な調査を今実施中でございます。厚労省ではこの調査の結果を踏まえて更なる取組方針を策定する予定と聞いております。文科省としても、厚労省とともにどのような対策を取ることが最も適当か検討を行い、その上で、何らかの法整備が必要であればそれも考えていく必要があるというふうに思いますが、いずれにしても、一層の対策の充実についてしっかり検討してまいりたいと思います。
  197. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非、その法制度の整備も含めた有効な対策を文科省としてもよく考えていただきたいと思います。  そこで、先ほどから今日は総合教育会議、いろんな観点から質問が相次いでおりますが、改正案によれば、その総合教育会議における協議調整事項として、先ほどからも何回もありますけれども、児童生徒等の生命又は身体にまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合に講ずべき措置として協議調整事項として明記されているわけですが、これまでの答弁では、例えばいじめによる自殺事象であるとか、通学路での交通事故が発生した後の再発防止であるとか、さらには災害による校舎の倒壊が起きている場合などが示されておりますけれども、この居所不明もある意味、非常に生命、身体に被害が生じ得る可能性の高い問題であり、それこそ協議、調整が必要なものの一つではないかと思いますが、居所不明児童生徒の実態把握や対策、この総合教育会議の協議調整対象ではないかと思いますが、大臣はどういうふうにお思いでしょうか、お聞きをしたいと思います。
  198. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 居所不明の学齢児童生徒の把握や対策については、市町村教育委員会及び小中学校等においては市町村の住民基本台帳担当、それから児童福祉関係機関と情報共有を図り、相互に連携して適切な対応を図ることが必要であるというふうに思います。  こうした観点から、居所不明の児童生徒の対応については、御指摘のように、首長と教育委員会が連携の強化を図るため総合教育会議における協議、調整の対象となることは十分あり得ると考えます。
  199. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。いずれにしても大変深刻な問題だと思います。先ほど申し上げた、教育が受けられる権利が奪われて命さえどうなっているか分からないという状況をいつまでも手をこまねいているわけにはいかないだろうと思いますので、いろんな角度からの取組をしっかりやっていただきたいと思います。  この居所不明とある意味同様に大変子供たちの命に関わるのが、今日もいろいろ各委員の皆さんからも質問が出ておりますが、いじめの問題だろうと思っております。  さきにこれは衆議院の文教科学委員会で大臣は自民党の義家議員の質問に答えられて、教育長が隠蔽を図り、自らの判断で首長に報告しないような場合には、職務上の義務違反となることもあり得ます、虚偽の事実を報告するような場合には、職務上の義務違反となることもあり得ますなどと答弁をされているわけですが、だとすると、じゃ一体どうやって隠されている事実や情報の存在を把握するのか、それが分からなければそもそも隠蔽かどうかというのは分からないわけで、まずは、そうおっしゃるならば、どのようにその隠されている事実や情報の存在を把握すべきなのか、ここはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
  200. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) まず、いじめ防止対策推進法第三十条第一項によりまして、重大事態が発生した場合、学校は教育委員会を通じて首長に報告しなければならないものとされておりまして、仮に学校からの報告を教育長が自らの判断で首長に報告しない場合には、教育長の職務上の義務違反となり得ます。  重大事態の発生が疑われるにもかかわらず首長への報告が行われない場合、首長としては、まず法律に基づく報告を行うよう教育長に求めるとともに、必要に応じ総合教育会議を招集し、教育委員会との協議を通じて首長が関係する情報を共有していくことで隠蔽されている事実を明らかにしていくことが考えられます。  このような形で首長が正しい情報を把握することが可能になるものと考えますが、仮に警察の捜査あるいはマスコミ報道などによりまして事実の隠蔽が明らかになった場合、そういう形で、幾つかの形で事実の隠蔽が明らかになるという形になるのではないかと思いますが、そのような場合には、教育長に事情聴取を行った上で罷免要件である職務上の義務違反に該当するか否かの判断を行い、厳正な対応を行うことも考えられるということであります。
  201. 柴田巧

    ○柴田巧君 それにしても、先ほど石橋先生始めほかの議員からもあったかと思いますが、やはり法的な手続に、隠蔽を防止し、隠蔽がたとえ起きたとしても直ちにやっぱり是正できる制度的な担保というものはやっぱりしっかり必要なんだろうと思いますが、繰り返しになる部分もあるかもしれませんが、そこら辺はどういうふうに考えておられるのか、これは文科省にお聞きをしたいと思います。
  202. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 改正法におきましては、いじめ事案等の重大事案が生じた場合、首長が総合教育会議を招集し、教育委員会との協議を通じて首長が関係する情報を共有していくことで隠蔽されている事実を明らかにしていくということが考えられます。さらに、総合教育会議を非公開で行う場合でありましても、これらの必要な情報は首長が共有することとなり、首長が総合教育会議において適切なチェック機能を発揮することが可能であるというふうに考えております。  また、いじめ防止対策推進法におきましては、重大事態への対処又は同種の事態の発生の防止のため、必要がある場合、首長は教育委員会の調査の結果について再調査を行うことができるものでございますので、この再調査の中で様々な事実を解明するということも考えられます。  なお、教育委員会及び総合教育会議は原則公開とされておりまして、その議事録につきましても今回の改正において作成、公表が努力義務とされていることなどから、重大事案への対応状況につきましても可視化が進むものと考えております。  これらを通じまして、仮に教育委員会が情報を隠蔽しようとした場合におきましても、首長が是正することを可能とするような制度になっているというふうに考えているところでございます。
  203. 柴田巧

    ○柴田巧君 それとやはり併せて、先ほどからもありましたように、遺族や被害者家族の、保護者に寄り添ったものに、やっぱりいじめの基本方針を対策推進法にものっとってやっていくべきだろうと思いますが、これは確認でありますが、先ほども民意が云々という話がございましたが、改正案の第一条の四の五項においては、総合教育会議は、第一項の協議を行うに当たって必要があると認めるときは、関係者や又は学識経験者から協議すべき事項に関して意見を聴くことができるとしておりますが、このいじめ自殺の重大事案発生時の教育会議においては、そこは当然、遺族や被害者児童の保護者などから意見が聴取できるものというふうに理解していいんだと思いますが、これは確認の意味でお聞きをしたいと思います。
  204. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 首長が総合教育会議を招集いたしまして、いじめ事案等の緊急の場合に講ずべき措置について教育委員会と協議する場合でございますが、その場合に必要に応じて、この関係者といたしまして遺族や保護者等から意見を聴くということは十分考えられるところでございます。
  205. 柴田巧

    柴田巧君 ありがとうございました。  時間がおおよそ来ましたので、ほかにお聞きしたいこともありましたが、次回にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  206. 松沢成文

    ○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。  大臣並びに副大臣、政府委員の皆さんにおかれましては、この問題での質疑も日が重なっておりますので大分お疲れだと思いますが、是非とも三十分お付き合いいただきたいと思います。  私たちみんなの党は、もう御承知のとおり、教育委員会の抜本的改革を目指すのであれば、教育委員会の必置規制を外して、地方自治体に地方行政の仕組み、組織についてもどういう形で運営するのがいいか選べる、そういう選択制を導入すべきであるということで、今委員会にも修正案も出させていただいております。  またこの質問か、しつこいなと思われるかもしれませんが、実は大臣、なぜ私たちがこういう案を作ったかというと、この教育委員会の選択制という改革案には正当性があるんです、正当性。これ、なぜ正当性かといいますと、実は教育委員会の改革の議論というのは、確かに大津のいじめ事件であれだけ大きな教育委員会の機能不全というのが言われて、もうここがチャンスだと、きちっと改革しようということで、どっと話が進みました。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕  ただ、教育委員会の形骸化ですとか教育委員会が抱える様々な問題、例えば教育長と教育委員長で責任の所在が曖昧だと、首長との関係はどうなっているのかとか分かりにくいとか、あるいは充て職が多くて審議も形骸化してお飾りになっちゃっている、こういう教育委員会も多いんじゃないかと。こういう疑問があって、いろんなところから改革すべきだという声は上がっていたんですね。私もいろいろ調べましたけれども、十年前ぐらいから教育委員会改革論というのは様々な形で出てきております。  例えば、政府が抱える審議会でもいろんな議論があって、もう教育委員会、このままじゃ駄目だと、抜本的な改革が必要だということで提言がなされているんですね、答申と言いましょうか。せっかくなので、これをまず大臣にも、ちょっと私調べたので聞いていただきたいと思うんです。  まず、平成十六年、地方分権改革推進会議、これは内閣府の審議会ですね。ここで初めてこういう文言が出ています。各地域の実情に応じて地方公共団体の判断で教育委員会制度を取らないという選択肢も認めるべきである。地方分権の議論をする審議会で初めてこういう選択制のような、教育委員会制度を取らないということも認めるべきだと出てきているんです。  その一年後、第二十八次地方制度調査会、これは地方分権改革の議論をしていただく、これも内閣府の審議会ですが、ここで、地方自治体の判断により教育委員会を設置して教育に関する事務を行うこととするか、教育委員会を設置せずその事務を長が行うかを選択できるようにすることが適当である。より具体的な提言が出てきています。  こういう動きを受けて、地方自治体の長でつくる、つまり地方自治体のマネジメントをする皆さんですね、市町村長でつくる市長会、町村会でも具体的にこういう提言が上がってきています。地方行政全般に責任を持つ地方自治体の長が、一体的に教育行政に意向を反映させることができるようにするため、必置規制を緩和し、地方公共団体における教育行政の実施について、教育委員会を設置して行うか、長の責任の下で行うか、選択可能な制度とするよう要望が出てきております。  この市町村会の要望を受けて、実は私もその当時全国知事会にいましたが、全国知事会でも同じように、必置規制は外して各地方自治体の判断に任せるべきだと。こうやって地方自治体の地方行政を運営するトップリーダーたちみんながこういう要望を出してきているわけなんですね。  さて、今度は、政府の経済財政諮問会議、これ骨太の方針をつくる非常に政府にとって重要な会議でありますけれども、ここでもちょっと言葉は濁していますが、教育行政の仕組み、教育委員会制度について、抜本的な改革を行うこととし、早急に結論を得るべきだと、こういうふうになってきています。  これを受けて、これは民間の経済人も入っていますけれども、規制改革・民間開放推進会議では、これは平成十八年です、この中間答申でこう出てきています。首長への権限移譲にとどまらず、首長から独立した執行機関である教育委員会の必置規制を撤廃し、首長の責任の下で教育行政を行うことを地方公共団体が選択できるようにする方向で検討し、結論を得るべきであると、こう来ています。  ただ、この方針は、実は当時の佐田規制改革担当大臣が、教育にはこういう規制緩和はなじまないということで、最終答申では、教育委員会の抜本的改革を行うべきだと、こういうふうに少し変わってしまったんですが、こういう形で経済改革、規制改革を審議する会議からも提言が出てきているんですね。その後に、第三十次地方制度調査会でも同じように選択制を進めていくべきだというふうに出てきています。  恐らく、大臣もこういう各団体、つまり教育に直接、間接に関わる地方自治体の首長さんたち、それから規制改革や行政改革を審議する審議会の皆さんたち、さらには地方分権を進める地方分権推進会議、地方制度調査会、こういう各団体から、教育委員会の抜本的改革を目指すのであれば、教育委員会の必置制度を外して、そして地方自治体にきちっと教育委員会制度でやっていくか、あるいは首長の下でしっかりやっていくかを選ばせる、これこそが地方分権改革の面でも、規制改革、行政改革の面でも、あるいは地域からの教育改革を進めるという面からも望ましい改革なんだと、これこそが教育委員会制度の抜本的改革なんだと、是非とも政府はやるべきだ、ずっとこの十年間こういう答申が続いてきているんですね。  まず最初に、大臣、政府の審議会やあるいは経済界あるいは首長さんたちからもこういう改革案がずっと訴えられてきた。このことについて、大臣、どうお感じになられますでしょうか。
  207. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、地方制度調査会それから全国市長会、そういうところから地方分権の推進といった観点から教育委員会制度の選択制についての提言があったということは承知をしております。  なぜ教育委員会制度についての選択制がされたかという背景は、認識として、今までも何度も申し上げておりますが、教育委員長と教育長との関係が分かりにくいなど権限と責任の所在が不明確であると。また、直接選挙で選ばれる首長との意思疎通、連携に課題があるなど、地域住民の意向を十分に反映していない。さらに、教育委員会は事務局の提出する案を追認するだけであり、審議等が形骸化していると。また、非常勤の教育委員から成る合議体であり、迅速さ、機動性に欠けるといった課題が指摘されているわけでありまして、こうした課題が指摘される一方で、現行制度においても適切に教育行政が実施されている地方公共団体もあると、そういう自負があるのではないかと思いますし、事実、全ての教育委員会が今のような指摘について問題があるかというとそうではなくて、健全に機能している教育委員会も相当数あるというふうに思います。そういうことで選択制に関する提言がなされたのではないかというふうに思います。  しかしながら、教育委員会を選択制とした場合、地方公共団体によっては、執行機関としての教育委員会が廃止されるということになるわけでありますが、この場合、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保が困難になると思います。これに対してどう応えられるのかということについて、質問はできませんが、松沢委員にお聞きしたいところでありますが、これを、四年に一度の選挙で、そのときにもしそういう問題が出てくれば変えればいいではないかというような議論がそれぞれの審議会等の中でも行われたというふうには承知しておりますが、それでは子供に対して、現在いる小中学生等に対してはやはり無責任ではないかというふうに判断をしたわけでございます。  今回の改正案におきましては、全ての地方公共団体において同様の仕組みとした形で、首長から独立した行政機関としての教育委員会を引き続きやはり執行機関として、そういう、先ほどのような観点からやはり残すべきではないかということと、一方で、地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせる体制を構築する、そういうトータル的なバランスで、総合教育会議の設置等をするということも含めて今回の法律案として提出をさせていただいたわけでございまして、国が結果的に、それぞれの自治体の判断によって、すごくうまくいく自治体も例えば選択制にすることによってあるでしょうけど、一方で、先ほどのような指摘に対して、もしうまくいかなかったときに誰が責任を取るのかということについては、その自治体の住民が責任を取るべきだというような無責任な法律の立て付けについては国はくみすべきではないと、そういう判断であります。
  208. 松沢成文

    ○松沢成文君 今無責任だとおっしゃいましたが、この選択制を言っているのはみんなの党だから、みんなの党の案が無責任だとおっしゃったのか、それとも地方分権推進会議とかあるいは地方自治制度の調査会ですとか全国知事会、これみんな選択制が望ましいと言っているんですね、ですから、こういう教育に関係する団体の提言がみんな無責任だというふうにも聞こえますけれども、その辺はどうお考えになっているのか、後ほどお聞きしたいと思います。  その後、実はおととしですか、大臣が、今こそ教育委員会の抜本的改革をやっていこうということで、中教審に、教育委員会の抜本的改正をやりたいんでその案を考えてほしいと、こう依頼したんですね。それを受けて中教審は、もう皆さん御承知のとおり、A案、B案と出してきたんです。普通、大臣から抜本的な改革案を考えてくれと。抜本的な改革案はA案なんですよ、首長を中心に教育改革をやっていく。でも、首長が、先ほど言ったように政治的な中立性や、暴走をしないように、その歯止めはこういうところできちっと掛けていきますよというのを含んだA案でした。A案だけではまとまらない可能性もある。中教審も配慮してB案というのを作ってきて、B案は今の政府案に近い案になっているんですね。  私は、安倍総理も、そして下村大臣もやっぱり改革主義者ですから、教育委員会の問題点をずっと認識していて、教育改革の一環でこれやらなきゃいけないと思っていた。私は、政治家としてお二人は、むしろ中教審でいうとA案、これをきちっと改革の方針として打ち出したかったんだと思うんですね。ところが、その後やっぱり与党協議をやって、与党案をまとめなきゃいけない。その中で、やはり教育の政治的な中立性だとか継続性、あるいはこういうものが担保されない可能性もある、ここを考えると今の教育委員会制度は残した方がいいという意見に押されて、それで今回の政府案になってきたと思うんですよ。  ですから、これは両方のいい面を取ったと、折衷案だということにも見えますが、ただ私は安倍総理や下村大臣の改革姿勢からすると、これは与党内協議で妥協してトーンダウンしてしまったと、こうも見えるんですね。そこはいかがでしょうか。
  209. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 閣法ですので、与党協議は当然必要です。政府・与党として閣法を出すということでございます。  これは中教審の答申を受けてというよりは、その前から与党の中では、これは与党といいますか、自民党、公明党が野党のときから、大津のいじめ問題というのは、政権、我々が交代する前からの問題でもありましたし、同時に当時は大阪市における教師の体罰、暴力による生徒の自殺問題もありました。このときも大阪市の教育委員会が適切な対応をできていなかったと、そういう我々は認識を持っておりましたから、大津だけでなく、そういう教育委員会が全国にいろいろあるということの中で、個別具体的なそこの問題、もちろん人による問題もありますが、やっぱり組織的な同時に問題もあるだろうということで、教育委員会制度改革については我々は野党のときからずっと議論をしておりました。そのときから首長に対してもっと権限を明確にすべきだという議論は当然ありましたが、一方で、教育委員会そのものを廃止するという議論というのはそれほどあったわけではなかったんですね。  ただ、この教育委員会制度をどうするかという抜本改革の中での議論が、その後の政府に設けられた教育再生実行会議や、あるいは、それを受けて中教審に諮問をし、中教審で答申を受けたのが今おっしゃったようにA案、B案でありますが、なかなかそれぞれにおいても、やっぱり政治的な教育における中立性、安定性、継続性をどう担保させるかということについては首長に、首長部局に教育委員会を廃止してシフトするということになると、そのリスクについてはどうするかということがずっと議論されていたという経緯がありましたから、必ずしも中教審の答申を戻して与党で議論して、A案、B案の折衷案というか、B案に近いということじゃなくて、私は、両方のいいところをよく取って、そしてうまく与党がまとめられたのではないかと、そういうふうに思っております。  将来は、藤巻委員から質問がありましたが、我が国もそのときそのときの状況に応じてまた法律改正するということは出てくるかもしれませんが、現在における我が国の今の状況から考えると、政府案が最も妥当性を持った案であるというふうに認識し、国会に出させていただいているということでございます。
  210. 松沢成文

    ○松沢成文君 先ほど大臣が、首長主導型にすると、首長が暴走してしまったり、非常にリスクが否定できないと。だから、そういう意味では政治的な中立性や教育の継続性、安定性が担保されない可能性があるんじゃないかと、そういうところについて私に聞きたいぐらいだというふうにおっしゃっていました。  私も県知事を務めましたので、首長として教育委員会とも様々議論していろんな改革をやらせていただきました。高校日本史の必修化の改革なんかはかなりの議論がありましたし、あるいは県立高校の校長先生の一割を民間人で公募をするということについても、これ人事権でもありますからね、かなりもめました。  私は、首長が教育権限を握って教育政策の責任を持つとした場合に、じゃ、暴走が危ないとおっしゃいますが、地方には地方議会があるんですね。神奈川県にも県議会がある。そこには文教常任委員会といって教育問題を専門にする常任委員会があるんです。ですから、ここのチェック機能というのはかなり厳しいです。特に私に厳しかったのかもしれませんが、もう何か新しいことをやろうとしたらばんばん質問が来ますし、その成果が出ないとなったら、またばんばん言われますよね。  ですから、首長が自分勝手に好き勝手やって暴走するというのは、それはある意味で地方議会の権限というのをちょっと軽視し過ぎているのであって、やはり国会だって、大臣が何かやろうとすると、この委員会の先生方からばんばん質問が来ますよね。それで、与党内協議とおっしゃいましたけれども、お互いが満足できるいい方法を探そうじゃないかということになるわけです。当然、県議会でもそうなります。  特に、衆法で民主党と維新の会が出していた案は、議会だけじゃなくて、議会から選んだ教育監査委員会のような、かなりの権限を持った、教育行政をチェックできる強い権限を持った委員会もつくっていこうと。こういうものが議会とその上にまたできるわけですから、私は、政治的に首長が暴走する、そういう危険はそう簡単に起こらないというふうに思っているんですよ。  地方議員の皆さんも、これ正当性を持った住民代表ですね。そこでかなり文教委員会の先生方は専門的に教育のことも見ていますから、だからそういう意味で、何か首長を中心とした制度にすると首長が暴走して政治的な中立性がおかしくなる、だからリスクがある、危険なんだ、だからこれはやめておこうというのは、むしろ改革をやっぱりちゅうちょしちゃっているんじゃないかなと、私はそう思うんです。  ですから、衆法で出てきたあの案も一つの私は地方の教育制度の案として尊重していく、これが私は教育の多様性を認める上で、あるいは地方分権を認める上で重要な姿勢じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  211. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) どんな制度改革案も、この制度改革案になれば一〇〇%全てがうまくいくという、あるいはこの制度改革案はマイナスの部分だけ多いということはあり得ないわけで、相対的な部分というのがあるわけで、そのためには常により良い制度改革を志向していくということが必要ではないかというふうに思います。  その中で、現在出させていただいている政府案は現状における我が国の地教行法の中では最もよりベターな案であるというふうに私は考えて提案をさせていただいているわけでありますが、もし選択制にするということになったり、あるいは、衆議院で維新、民主党が出された教育委員会を廃止して監査委員制度にするという、首長に権限を持たせるということになると、例えば現行法でも、かつての話ですが、国立市におきまして時の市長の権限によって学校現場における日の丸・君が代問題があって、これを入学式や卒業式のときに斉唱なりあるいは掲示させないということで、結果的にこれがエスカレートして、小学校六年生が校長先生に土下座させ、無理やり校長先生が日の丸を掲揚したことに対してですね、というようなことがあったりとか、あるいは、福岡において新しい首長が選ばれたときに、それまでのスト等、教職員に対する、違反行為を解消させたというような問題があったんですね。  これが現行の教育委員会にあってもそういう状況がかつてはありましたから、もし教育委員会がなくなれば、もっとそれがあり得るかもしれないと。そのとき、法律上、国は何をもって責任を持って担保をするのかという問題はやはりあるわけでありまして、そういうことについて無責任で、それは国は、あとはその自治体の判断だということについての判断はすべきではないという考えで出させていただいているわけであります。
  212. 松沢成文

    ○松沢成文君 教育委員会は全国に幾つもあって、確かにうまく改革を地域の皆さんと一緒に首長と連携してやっているところもあるし、形骸化してそうでないところもあるんでしょう。多種多様だと思います。  私が特に心配なのは小規模の自治体なんですよね。やっぱり小さい規模の自治体だとなかなか教育委員会のなり手もいないので、大体充て職で、この分野の人って継続されちゃうんです。例えば校長会のOBですとか、あるいは地域の商工会議所のOBですとか、経済界代表して。その人たちが自然と順繰りになっていって、三人、四人のチームをつくると。中には外人部隊、つまり、自分たちの自治体の中に適任がいないから外から連れてきて、うちの教育委員会の委員やってくださいよとお願いしている、そういうところもあるやに聞いています。ですから、小さな自治体ほど人はいないし、非常に審議が形骸化してしまうんですね。  それで、これ学者の先生の、伊藤先生の一つの提案でしたけれども、例えば、教育委員会で人事権を持っていない小規模教育委員会、政令市以外は、市町村は人事権は県にありますから、教員の人事権、ですから仕事もぐっと少ないわけです。だから、そういう教育委員会においては、教育委員会を設置せずに首長を中心にやっていく、議会やあるいは監査委員会みたいなのをつくって、そのチェックを受けながらやっていく、そういう手法が考えられても私はいいと思っているんです。  全ての自治体にというよりも、こういう小規模自治体で人事権も扱わないような教育委員会に対して教育委員会を置くか否かについては選択制を取る、私はこれは地域の実情に合わせた現実的な改革路線だと思うんですが、いかがでしょうか。
  213. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) それは一つの考え方だというふうに思いますし、私も野党のとき自民党の文部科学部会長をしておりまして、そのときは広域の教育委員会制度ですね、小さな自治体は同じようなことがあるというふうに考えましたので、もうちょっと広域の、教育委員会については自治体を広げたものにして、それで対応すべきではないかという案を作ったこともあります。  ですから、いろんな創意工夫の中で、今回はこの政府案が、出させていただいている改革案で是非お願いしたいと思っていますが、今後、そのようなことも含めて、より良い教育の活性化、特にこれから我が国においては、やっぱり教育立国といいますか、人づくりが国づくりだというふうに思いますし、同時に、その地域における活性化はやっぱり人によってつくられるものであると思いますので、教育については、継続して更に教育委員会制度も含めて御議論をいただければと思います。
  214. 松沢成文

    ○松沢成文君 今の大臣の発言を私なりに解釈すると、教育の多様性、もう常に改革は必要だから、今後、今回はこの案で認めていただくとしても、今後は教育委員会制度の在り方、あるいは多様な自治体があって地域からの教育改革が必要ですから、地域に教育委員会の在り方あるいは地方行政の在り方を選ばせていくような選択制も含めて今後は検討していくべきだというふうに捉えてよろしいですか。
  215. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) いや、議会でそういう議論を積極的にしていただくということについて期待を申し上げたいと思いますが、政府として、先ほど申し上げましたように、教育委員会を選択する、存続させるか廃止させるか、自治体の大小を問わずですね、それは先ほどから申し上げているようにすべきでないというのが考え方であります。
  216. 松沢成文

    ○松沢成文君 じゃ、ちょっと話が変わりますが、もうあと二分なので大臣にお聞きしますけれども、教育委員会制度というのは、戦後の改革で、やはり教育の中央集権化がある意味で、アメリカから見るとですよ、連合軍から見ると、日本の戦争の原因の一つにもなったんじゃないかということで、教育の地方分権化、教育の民主化ということで、ある意味でアメリカの制度をどんと入れられたわけですね、日本なりの制度に改良はしてきましたけれども。  こういう中で、アメリカの制度をまねしてというか、アメリカに与えられた制度で今までずっと教育委員会制度をつないできたわけなんですが、教育の民主化、地方分権化、あるいは政治からの中立性、これを考えると、教育委員会制度というのは、アメリカが言うように、一つの日本のそれまでの制度の反動として、いい制度だったと思うんですよ。ただ、世界の国々の中で、世界の国どこも教育があるわけですから、教育の政治からの中立性というのはどこも重要でありますよね。日本だけの特殊事情じゃないですから。世界の中で、教育委員会制度というように政府の本体から少し独立させて教育はやっていこうという制度を取っている国というのはほとんどないんですね。先進国ではアメリカとノルウェーぐらいです。  国連の、何か教育のいろんな指数があって計算しているんですが、教育指数というのが、上位十か国、教育が進んで効果上げていますよという国でしょう。これの中で、教育委員会制度を取って教育を本体の地方行政なりから独立させて中立性を保っている、こういうようなことをやっている国というのはノルウェーとアメリカだけです。ノルウェー一位ですけどね。ほかの八か国はそういう制度を取っていないんです。  ですから、教育の中立性があるから、継続性があるから教育委員会制度を設けた方がいいんだというのはある意味で日本だけの言い方であって、ほかの国もみんな教育の政治からの中立性あるいは継続性というのは大事にしていると思いますが、教育委員会制度を取っていなくても工夫をしながらやっているわけですね。  ですから、こういう先進国の地方教育行政の在り方の中から、大臣はこの教育委員会制度をどうしても続けたい、どうお考えになりますか。
  217. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) それは、一概に比較をして、日本の方はマイナーだからそれはメジャーの方の制度に変えるべきということには私はならないというふうに思いますし、そもそも地方自治における形成そのものが大陸、ヨーロッパと我が国では大きく異なっている部分がありますし、首長も議会の公選から選ぶと、そういう国における自治体も相当あるわけでありますから、単純に比較はできないというふうに思うんですね。  要は、より良い子供にとっての教育がどうなされるかという点から議論を積み重ねていく必要があるというふうに思っておりますし、今現在における我が国の地方教育行政という視点から見ると、これは、教育委員会の廃止というのは、これはリスクが非常にあるというふうに私は思っておりますし、現段階においては、今回の政府案によって、より現状を要は打開する制度改革案でまずは着実にそれを実施するように是非お願いを申し上げたいという立場でございます。
  218. 松沢成文

    ○松沢成文君 ありがとうございました。時間ですので、終わります。
  219. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  初めに、今年一月八日、長崎県新上五島町で起きた中学三年生の自殺事件について一問お聞きします。  報道や文科省からの説明によれば、男子生徒は学校の中でもリーダー的存在だったが、あるとき、うざいなど本人に聞こえるように陰口が言われるようになり、昨年十一月にはLINEで、これで首つり自殺ができるかとロープの写真を流し、その後も死をほのめかすメッセージを事件当日まで発していたと。少なくない同級生、また中にはその保護者も男子生徒のメッセージを見ていたが、学校や男子生徒の家族には何も伝えられなかったと。  同町の教育委員会は、当初、アンケート調査を踏まえて、いじめはなかったと遺族に報告、その後、生徒たちの声から再調査が行われ、今度は、いじめはあった、しかし自死との因果関係は不明と報告をされた、第三者委員会の設置については決まっていないと、こういう説明を受けています。  私は、この自殺といじめとの関係を明らかにするためにも、また本人からメッセージが発せられていたのに命が救えなかったのはなぜかということを検討するためにも、専門的な調査が必要な段階ではないかと推察をしています。  一般論としてお聞きします。  こうした専門的な調査に取り組む場合、第三者委員会は有力な選択肢だと思うのですが、その際、場合によっては学校、教育委員会側の不十分な対応にメスを入れる必要性も生じるだけに、その構成員は学校や教育委員会との利害関係がないことが大切だと考えますし、同時に、遺族の要望を十分踏まえた人選とすることも必要だと思いますが、大臣に文科省の見解を伺います。
  220. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 昨年十月に文部科学省が策定したいじめ防止等のための基本的な方針におきまして、いじめによるものと疑われる自殺について背景調査を行う場合については、亡くなった児童生徒の尊厳を保持しつつ、その死に至った経緯を検証し再発防止策を講ずることを目指し、遺族の気持ちに十分配慮しながら行うことが必要であるとしまして、遺族が当該児童生徒を最も身近に知り、また背景調査について切実な心情を持つことを認識し、その要望、意見を十分に聴取するとともに、できる限りの配慮と説明を行うことを求めております。  一方、調査を行う組織について、同方針では、弁護士や精神科医、学識経験者、心理や福祉の専門家等の専門的知識及び経験を有する者であって、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有する者ではない者、つまり第三者について、職能団体や大学、学会からの推薦等により参加を図ることにより、当該調査の公平性、中立性を確保するよう努めることが求められるところであります。  文科省としては、引き続き、重大事態の調査を始めとするいじめ防止対策推進法を踏まえた対応が各地で適切に実施されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
  221. 田村智子

    ○田村智子君 それでは、法案についてお聞きします。  先日、名古屋市で行われた地方公聴会では、大綱について首長がどこまで書けるのか、決められるのか、これが明確ではないという懸念が何人もの方から示されました。この点について私は、五月二十三日の本会議の代表質問で、首長の判断で教育委員会の専権事項、例えば、愛国心教育に最もふさわしい教科書を採択するなどの内容まで書き込めるのではないかと質問をしました。安倍総理は、教育委員会が適切と判断した場合においては、教科書の取扱いに関することなど、首長の権限に関わらない事項について記載することも可能と答弁をされました。  教育委員会の職務権限、首長の職務権限は、現行法も法案も一字一句変わっていません。もちろん、教育委員会の権限に属することでも、新たな予算措置が必要な事項は首長の予算編成権と重なります。例えば、少人数学級の実施などは予算とセットでなければ計画ができません。しかし、教科書の取扱いに関することなど、新たな予算措置を必要としない事項は教育委員会のみの職務権限に属します。  総理の答弁は、こうした教育委員会の専権事項については、教育委員会が適切と判断した場合においてと限定して大綱に記載できるというものでした。ということは、教育委員会が適切と判断しない、同意しない場合は、教科書の取扱いなど首長の権限に関わらない事項を大綱に書き込むことはできないと理解をしますが、そういう認識でいいんでしょうか。
  222. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 大綱の策定に当たりましては、首長は総合教育会議において教育委員会と十分に協議し、調整を尽くした上で策定することが原則でございます。首長の権限に関わらない事項につきましても、教育委員会が適切と判断した場合に大綱に記載するということは十分考えられるところでございます。  一方、大綱を策定する権限は首長にございますので、教育委員会が合意しない内容を記載することが全くあり得ないとは言えないわけでございますけれども、教育委員会が合意しない内容を仮に大綱に記載したといたしましても、権限を持つ教育委員会が執行しない事項を記載するということは結果として意味がないことになるわけであります。  したがって、こうしたことがないよう十分に協議し、教育委員会の合意を得られるよう努めることが必要であるというふうに考えております。
  223. 田村智子

    ○田村智子君 端的に確認しますが、法案そのものによれば、教育委員会のみに権限が属することも首長の判断で大綱に書き込めるということなんですか、教育委員会が適切と判断しなくても。イエスかノーかで。
  224. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 大綱の策定権限が首長にあるということから、こういうことも起こり得るということでございます。
  225. 田村智子

    ○田村智子君 起こり得るというか、法案はそれを許しているという法案だということだと思います、起こり得るということは。これ、総理の答弁と百八十度違ってきちゃうわけですよ。  じゃ、もう一歩踏み込んで聞きます。  それでは、愛国心教育に最もふさわしい教科書を採択するなど教科書採択に関する事項も、特定の教科書を採択するということも、あるいは人事に関する事項も、総合教育会議で大綱案を協議さえすれば、教育委員会の判断のいかんにかかわらず、首長の判断で大綱に記載できるという法律上の条文になっているということですか。
  226. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 首長の権限である予算の編成、執行あるいは条例の提案等、関係のないような事項につきましても、教育委員会が適切と判断した場合には大綱に記載されることになると考えておりまして、教科書採択の方針や人事異動の基準についても記載するということはあり得ると考えております。
  227. 田村智子

    ○田村智子君 私が聞いているのは、教育委員会が適切だと判断しなかった場合はどうなんですかということです。
  228. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 首長の大綱を作成する権限ということがございますので、そういった事態も起こり得ると考えております。
  229. 田村智子

    ○田村智子君 これはもう総理の答弁と全く違うわけですよ。本会議で私は、法案の解釈として、愛国心教育に最もふさわしい教科書を採択するなど首長の政治的意向を込めた方針も書き込めるのではないですかという質問をしたわけです。総理は、教育委員会が適切と判断した場合においては、教科書の取扱いに関することなど首長の権限に関わらない事項についても記載は可能ですと答弁をされたわけです。  私は、この総理の答弁を委員会質疑でも確認しようと思ったんですよ、そうやって言うだろうと思って。法案がそうなっているんですねと、一体どこの条文からそう読めるんですかということを聞こうと思ったんです。ところが、今度は、法案上は教育委員会の判断にかかわらず記載が可能だと、それはあり得るというふうに答弁をされるわけですよね。  となると、一体総理の本会議答弁は何だったんだということになってしまうわけです、わざわざ限定をしたわけですから……(発言する者あり)そうです。衆議院の本会議では、下村大臣が我が党宮本議員に対して同じように、教育委員会が適切と判断した場合と限定をされる答弁をしている。  何で本会議と委員会で答弁が違うんですか。
  230. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) いや、これは全然違っている話ではないわけでありまして、先ほど愛国教育の教科書云々ということをおっしゃっていましたが、それを教育委員会も適切と判断した場合においては教科書の取扱いに関することなど首長の権限に関わらない事項について記載することも可能だということでありまして、つまり、先ほど局長が答弁しているのは、結論からいえば、総合教育会議の大綱の中において、協議、調整が調ったこと、あるいは調わないことであっても、大綱に書き込むことはいずれも可能なんです。いずれも可能です。  ただし、教育委員会の権限のある、教育委員会というのは執行機関というふうに残していますから、その権限の範囲内については、教育委員会の同意がなければ、教育委員会は大綱に書き込んであったとしてもそれを執行する責務は負っていないということでありまして、首長がある意味では勝手に書くのは可能であるということですが、できるだけ協議、調整をしていただきたいと思いますが、法律上そういうことでありまして、これは本会議答弁と委員会答弁は全く矛盾する内容ではありません。
  231. 田村智子

    ○田村智子君 いや、これが矛盾しないのかなんですね。  教育委員会の権限に属する事項は教育委員会が適切と判断した場合に大綱に記載できるというのと、教育委員会の権限に属する事項でも教育委員会の判断のいかんによらず大綱に記載できると、これがどうして一緒になるかなんですよ。同じだなんて言われちゃったら、これはもう法案の審議なんかできなくなってしまいますよね。法案の解釈に関することで、中心点なんですから。  これ、私も宮本議員も、まさに首長の独断的な教育への介入を懸念して質問を行っているんです。当然、教育委員会の合意がない下でどうなるのかということについて含んで聞いているわけですよね。その教育委員会の判断で適切ではないという場合においては、あえて答弁しなかったということになるんじゃないですか。どうですか。
  232. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 本会議の答弁とそれから衆議院の答弁をちょっと一緒にされていると、その内容によって、どう言われているのかというのを、詳細をちょっと読んでいただかないとちょっと明確に答弁できませんが、しかし、先ほど私が答弁したとおりであって、その場その場によって方針を変えているとか言い方を変えているということは全くございません。  ただ、この御懸念といいますか、五月二十三日の本会議において、大綱について、総理は、教育委員会が適切と判断した場合においては、教科書の取扱いに関することなど、首長の権限に関わらない事項について記載することも可能ですというふうに答えているから、判断しなかったら書けないんじゃないかと、そういう立場でおっしゃっているわけでしょう。でも、それはそういう意味での言葉ではないということを申し上げているわけであります。
  233. 田村智子

    ○田村智子君 もう法案の解釈に関わる問題なんですよ。  これ、大綱というのは、これ全自治体に策定が義務付けられるわけです。法案の条文に則して一体首長がどこまで記載が可能なのかというのをはっきりさせるというのはこの法案審議の中で当たり前のことで、だから、私は本会議の場でそのことを総理にお聞きした。そうしたら、教育委員会の判断で適切であると判断された場合と限定をされた。  公聴会でやはりこの点が集中したわけですよ。東海市の市長さんは、このことがはっきりしなければ混乱が生じると、首長がどこまで記載できるのか、そういう発言をされています。法律を理解している首長ならば、当然、自らの職務権限と教育委員会の職務権限とがどうなるか、こういうことは大きな疑問を抱かざるを得ないと思うんですよ。  教育委員会が同意していない下で首長がどこまで大綱に記載ができるのか、首長の権限に関わる範囲だけなのか、それを超えるものなのか、まさに法案の焦点なんです。教育関係者が一番懸念している点なんです。この重要な問題に対して、私は、総理の答弁はこれはごまかしだと思いますよ、わざわざ限定したんですから。これはやはり総理にこの答弁の真意をたださなければならないと思います。  改めて、総理の委員会への出席を求めたいと思いますが、理事会で諮っていただきたいと思います。
  234. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 後刻、理事会で協議します。
  235. 田村智子

    ○田村智子君 これ、それでは私、与党合意との関係でも見たいと思うんですね。  これ、法案は与党の側から審議を尽くして提出されたんだと、自民党の議員からはですね、法案審議の冒頭で強調されました。では、その与党合意ではどうなっていたのか。今日は、私、その与党合意の文書と別添資料というのを配付をしました。  この別添資料の図では、大綱、法律上の協議・調整の対象というのは予算措置が必要な事項、条件整備が必要な事項というふうに書かれていて、これは教育委員会と首長とで権限が重なる事項について大綱で定めるという範囲にやっているんですね。これと区別をして、教育委員会の権限に属すること、つまりは首長の権限には属さないことは教育委員会の判断を受けて書くことが可能だと、こう明記されているわけです。  これ見れば、大綱には、教育委員会の判断で適切ではないということになったら、それは大綱には書けないよなと、これ、図はそうとしか読めないと思うんですけれども、与党合意と法案というのはこれ中身が違っちゃったということなんですか。
  236. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会の権限に属する事項で首長の権限に関わらない事項、こういった事項につきましては、教育委員会が適切と認める場合にはこれを大綱に記載して、それを尊重して教育委員会が事務を執行すると、これは通常考えられるところでございます。  仮に、首長が教育委員会の了解のないものを、教育委員会の権限に属し首長の権限に関わらない事項であって教育委員会が判断していないものを記載するということがありましても、それは結局のところ、教育委員会はそれを実施するという意思がないわけでございますから、記載すること自体が意味がないということになりますので、そういったことは通常起こらないだろうと考えているところでございます。
  237. 田村智子

    ○田村智子君 これ通常行われないかどうかじゃないんですよ。法案がどういう中身になるかというのの図なんですよね。だから、これ私、与党議員の中にもこういう答弁に驚く方がいらっしゃるんじゃないかと思うんですよ。どう考えたって、教育委員会の判断を受けて書くことが可能というものと、教育委員会がどう判断しようと書くことが可能というのは、これ百八十度意味が違ってきちゃうとしか思えないですよね、法案の説明ですから。文科省がこうやって運用してほしいというイメージじゃないんですよ、法案についてのものなんですから。これは、与党合意と法案というのは、法案の大事な点で違うものになっちゃったんだというふうに私言わざるを得ないんですね。与党の皆さん、このままでいいんでしょうかということを私は問いたいぐらいなんですよ。  この合意の文書を見ても、会議においては、これ総合教育会議ですね、予算の調製、執行や条例制定など首長の権限に属する事項等を協議の対象とするというふうに書いてあるわけですから、これは首長の権限に属さないことは基本的には協議の対象外と、そうとしか読めない書き方になっているわけですよ。この「等」の中にまさか首長の権限に属さないことが入りますなんて説明されちゃったら、もうこれ何でもありという話になっちゃうわけですね。  この文書と資料というのは自民党のホームページに掲載をされていまして、今回の法案を国民に知らせるものともなっているわけです。実際、この資料を見て、教科書採択や人事など、教育委員会の専権事項は首長の判断だけでは大綱に記載できないんだと、こう理解している教育法の研究者が何人もおられるんです、私も話をして。だから、そのことを確認する委員会の質問を準備したら、いや、そうじゃないんだという答弁返ってくるわけですよ。  これ、首長が自らの権限に属さないことまで自分だけの判断で総合教育会議の協議事項にできるのか、大綱に書き込めるのか、これは教育の自主性、教育の政治的中立性に直接関わるまさに法案の核心部分です。それを国会にも国民にもごまかしてきた、隠すようにして議論を進めてきた、こういうやり方は極めて重大だというふうに私は指摘をせざるを得ないんです。  なぜ私がそう言うか。それは、実際に首長の権限に属さない事項でも協議を行って大綱に書き込みたいんだという、そういう首長が現におられるからなんですね。いるんですよ、想定外のことじゃないんですよ。  これ、静岡市での地方公聴会で、静岡県知事は、全国学力調査、いわゆる全国学力テストですね、この結果の取扱いについて、協議の対象とし大綱に書くつもりがあるというふうに表明をされました。この発言が翌日の地元紙でも大きく報道がされましたように、全国学力テストが総合教育会議や大綱でどう扱われるのか、これは大変大きな問題になってくると思います。  静岡県知事は、昨年四月実施の全国学力テストで、小学校六年生の国語A問題で正答率が全国平均を上回った学校の校長名を県教委との協議は行わずに公表しました。知事は当初、成績下位百校の校長名を公表しようとしたのですが、県教委だけでなく県民からの批判や、下村大臣もそれはふさわしくないと記者会見で話をされたと、逆に平均点を上回った学校の校長の氏名を公表したということなんです。しかし、地元紙では校長名に学校名を付記して報道をしたので、これは市町村教育委員会の了承もないままに部分的とはいえ学校にランクを付けるという結果になってしまったわけです。  さらに、昨年十月二十四日には、県教育委員会主催の学力向上集会で、ここに来賓として知事が出席をして、小中学校の校長先生らを前に、学力の推進校に指定されていた二校が全国平均を下回っている、問題だと、二校の県内順位まで明らかにしたというんです。  こういう下で、この知事の圧力で県教委もテストの点数を上げるんだという教育方針にかじを切ることになっちゃった。五年生では一日使って試験対策、六年生になってからも全国学力テスト直前に一日試験を行うなど、必要な授業が全国学力テスト対策の試験に置き換えられてしまいました。  これは静岡だけではありません。沖縄県、学テ対策が激しく行われています。県教委は、全国順位を意地でも上げると言って、学校に次々と通知を出して、授業時間を増やすため学校行事は簡素化せよ、十二月までに終われ、一月から三月は学テ対策強化期間、四月に行われてきた家庭訪問の時期を見直せと、こういうことを相次いで求めていったわけです。那覇市では、実際、特別期間には、朝、昼、放課後、補習を実施をし、総力戦、動員令、こういう言葉まで飛び交っているということなんです。  これ、強弱はあれ、こうやって学テ対策というのは今各地の自治体で指摘がされています。中には、四月に新学期が始まっても、四月下旬の全国学力テストの日までは国語も算数も過去問題の練習だと、こういう学校まで出てきています。こういう実態をどう見るか。  学力テストの実施要領には、「序列化や過度な競争が生じないようにするなど教育上の効果や影響等に十分配慮する」とありますが、既に県ごとの順位競争が引き起こされているんじゃないかと思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
  238. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) まず、今回の地教行法の改正はこの法案が全てですから、これに対して今まで何か隠すようなこともそもそもしていないわけですし、衆議院でも四十時間の議論がされ、参議院においても相当な議論がされているわけでありまして、これは質問されれば、それに対してきちっとお答えしているということであります。  それから、本会議とか、それから衆議院と参議院で説明が異なっているということは全くないわけでありまして、これは当然法の立て付けの中での議論についてきちっと答えているというふうに考えております。  それから、学力テストについては、基本的に学力を上げるということは、これは何ら否定すべきことではないと思います。ただ、その方法論については、これは過剰にならないような配慮は必要だというふうに思いますし、それから、そもそも勉強だけできればいいというようなことであってはならないわけでありまして、知徳体あるいは食育を含めたバランス的な教育というのは人格の陶冶ですから、トータル的に子供を育むためにどうしていったらいいかということについて、各教育委員会についてはそういう配慮もしながら、学力テストは学力テストとして有効に活用していただきたいと思います。
  239. 田村智子

    ○田村智子君 先ほどの法案の答弁については、是非総理に対して私もただしたいというふうに思います。  学力テストなんですけれども、この都道府県の教育振興基本計画、今度は大綱にどう書かれるかということになるんですけれども、その目標をずっと調べてみたものも、これも資料でお配りしました。その目標には、全ての正答率が全国平均を上回るとか、全国の平均プラス三%など、目標設定が次々と出てくるわけです。これ、全ての都道府県が平均点を上回るなんてことはあり得ないわけですね。となれば、これ、果てしのない競争地獄になっていくことになる。  ところが、文科省は、今年実施の学力テストから、これまで学校の同意を得なければ平均点の公表をできないという要件だったのを、これ、小中学校を管理する教育委員会の判断で学校ごとの平均点の発表を可能だというふうにしてしまった。都道府県の平均点を発表するだけでも、さっき言ったような競争の激化が起きている。これに輪を掛ける、子供たちと学校が競争の激化の中に投げ込まれることに私はなってしまうというふうに思うんですね。  文科省は教育的判断と説明責任ということを教育委員会に求めているんですけれども、それでは、子供に重大な悪影響を与えると、こういう判断があったとしても、説明責任ということを問われれば、例えばそういうことを首長が圧力掛ければ、これは学校ごとの平均点というのは公開しなければならないということになるんでしょうか、局長。
  240. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 本調査は、保護者や地域住民の関心の高い学校教育の改善のために実施しているものでございますので、適切に説明責任を果たすということは重要でございます。一方、序列化や過度の競争による弊害が生じないようにするなど、教育上の効果や影響等に十分配慮することも重要であると考えております。  このため、今年度の実施要領におきましては、個々の学校名を明らかにした公表を行うことについてはその教育上の影響等を踏まえ必要性について慎重に判断すること、公表内容や方法等は教育上の効果や影響等を考慮して適切なものとなるよう判断すること、児童生徒個人の結果が特定されるおそれがある場合は公表しないなど児童生徒の個人情報の保護を図ること、学校や地域の実情に応じて個別の学校や地域の結果を公表しないなど必要な配慮を行うことなどを示しているところでございまして、これらに従って学校の設置管理者である教育委員会が判断することとしているものでございます。  これらに基づきまして、各教育委員会におきましては、結果の公表について、教育上の効果や影響等を踏まえて、その必要性を含めて適切に判断していただきたいと考えているところでございます。
  241. 田村智子

    ○田村智子君 これは、序列化や過度な競争の懸念があると判断すれば学校ごとの平均点の公表を見合わすべきだという答弁だったというふうに受け止めます。  これが、首長の関与を強める今回の法案によって、首長の圧力で無理やり公表させられるのではないかという懸念がやはり生じてくるわけです。私は、昨年静岡で起きたこともしっかりと法律に照らして見る必要があるというふうに思います。  これも確認ですけれども、全国学力テストの平均点、これを公表するかどうか、その判断をする権限は首長に属するものではないというふうに理解をしますが、根拠法令と併せて説明してください、端的に。
  242. 前川喜平

    ○政府参考人(前川喜平君) 全国学力・学習状況調査は、現行法でいきますと第二十三条、改正案でいきますと二十一条の第十七号「教育に係る調査及び基幹統計その他の統計に関すること。」の規定に基づきまして教育委員会が行う職務でございまして、文部科学省が定める実施要領により市町村教育委員会が結果の公表の判断を行うこととしております。  改正後におきましても、全国学力・学習状況調査の事務が教育委員会の職務権限に属するということは変わりませんので、教育委員会が結果の公表の判断を行うということに変わりはないわけでございます。
  243. 田村智子

    ○田村智子君 これは大臣にもちょっとお聞きしたいんですね。  学力テストの結果の取扱いは、一歩間違えれば過度な競争や序列化を生み、学校の授業や行事にまで悪影響を与えます。そうである以上、これを公開するのかどうかということはすぐれて高度な教育専門的な判断が不可欠だと考えます。また、学校ごとのテスト結果の公表の是非は学校の教育課程にも大きな影響を与えるだけに、これは市町村だけでなくて、学校との密接な意思疎通、連携、これを前提にして判断することが望ましいと思いますが、いかがですか。
  244. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) 全国学力・学習状況調査の結果については、国として、我が国の児童生徒の学力等の状況について説明責任を有していることから、国全体の状況に加え、都道府県ごとの公立学校全体の状況を公表しております。これは、都道府県教育委員会は教職員の給与等を負担し、広域で人事や研修を行うとともに、市町村教育委員会に対し、市町村の教育に関する事務の適正な処理を行うため必要な指導、助言、援助を行うなどの役割と責任を有しているためであります。  各都道府県においては、全国学力・学習状況調査の結果等を踏まえ、他の都道府県における実践について学んだり教職員を派遣したりすることなどによりまして、他の都道府県の優れた取組を取り入れ、教育施策の改善充実を図っており、都道府県ごとの平均正答率の公表が過度な競争を招いているとは考えておりません。  また、市町村の教育委員会については、それぞれの市町村の教育委員会で判断すべきことであるというふうに思いますが、基本的には、学力も、これまでのような暗記、記憶中心ではなく、児童生徒の創造性、クリエイティブ、企画性、そういうようなあるべき方向性の目指すべき学力に合ったような試験内容と、それから、そういう意味での競争というのは、これは一人一人に結果的には必要なことであるというふうに思いますが、ただ単に点を比べるという意味での過度の競争原理を促進させるようなことについては、それぞれの市町村教育委員会については十分な配慮を行う必要はあると思います。
  245. 田村智子

    ○田村智子君 時間ですので終わります。
  246. 丸山和也

    ○委員長(丸山和也君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時五十九分散会      ─────・─────    〔参照〕    名古屋地方公聴会速記録  期日 平成二十六年六月五日(木曜日)  場所 名古屋市 名鉄ニューグランドホテル    派遣委員     団長 委員長      丸山 和也君        理 事      石井 浩郎君        理 事      二之湯武史君        理 事      大島九州男君        理 事      松沢 成文君                 堀内 恒夫君                 石橋 通宏君                 斎藤 嘉隆君                 那谷屋正義君                 新妻 秀規君                 矢倉 克夫君                 柴田  巧君                 田村 智子君    公述人        愛知県東海市長  鈴木 淳雄君        岐阜県教育委員        会教育長     松川 禮子君        元名古屋市立小        中学校長会会長        元名古屋市教育        委員会委員長   神谷 龍彦君        愛知県小中学校        長会長        岡崎市立井田小        学校長      岡田  豊君     ─────────────    〔午前九時十五分開会〕
  247. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ただいまから参議院文教科学委員会名古屋地方公聴会を開会いたします。  私は、本日の会議を主宰いたします文教科学委員長の丸山和也でございます。よろしくお願いいたします。  本日の地方公聴会に参加しております委員を紹介させていただきます。  まず、私の右隣から、自由民主党の石井浩郎理事でございます。  同じく二之湯武史理事でございます。  同じく堀内恒夫委員でございます。  公明党の新妻秀規委員でございます。  同じく矢倉克夫委員でございます。  次に、私の左隣から、民主党・新緑風会の大島九州男理事でございます。  みんなの党の松沢成文理事でございます。  民主党・新緑風会の石橋通宏委員でございます。  同じく、地元と聞いております斎藤嘉隆委員でございます。  同じく那谷屋正義委員でございます。  日本維新の会・結いの党の柴田巧委員でございます。  日本共産党の田村智子委員でございます。  次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。  愛知県東海市長鈴木淳雄公述人でございます。  岐阜県教育委員会教育長松川禮子公述人でございます。  元名古屋市立小中学校長会会長・元名古屋市教育委員会委員長神谷龍彦公述人でございます。  愛知県小中学校長会長・岡崎市立井田小学校長岡田豊公述人でございます。  この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  皆様には、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。  当委員会におきましては、目下、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査を行っておりますが、本日は、本案について皆様方から貴重な御意見を賜るために、当地において地方公聴会を開会することといたしました。  皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の法案審査の参考とさせていただきたいと思っております。何とぞ、そういう趣旨でございますから、よろしくお願い申し上げます。  次に、本日の議事の進め方について申し上げます。  まず、鈴木公述人、松川公述人、神谷公述人、岡田公述人の順でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。  御発言は着席のままで結構でございます。  まず、鈴木公述人にお願いいたします。鈴木公述人。
  248. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) ただいま御紹介をいただきました愛知県東海市の市長を務めさせていただいております鈴木と申します。  本日は、このような発言の機会をいただきましたことを大変光栄に思っておるところでございます。  私は、市長として今四期目で、今年で就任から十四年目を迎えるところでございます。  東海市を御存じでない方のために、若干、東海市を紹介をさせていただきます。  本市は、知多半島の付け根、名古屋市の南に隣接する人口十一万二千人の都市であります。市の北部を第二東名高速道路が走り、西には名古屋港、また南へ十五キロ下りますと中部国際空港といった交通の要衝の地にあります。また、二〇二七年に開業を予定されておりますリニア中央新幹線が開通いたしますと、東海市から東京まで一時間の距離となることもあり、今、市の玄関口であります太田川駅周辺の整備など、リニア新時代に対応した町づくりを進めているところでございます。市の西部には港に面して名古屋南部臨海工業地帯が連なり、中部圏最大の鉄鋼基地でもあります。また、キャロライン・ケネディ・アメリカ駐日大使が、父であるジョン・F・ケネディ元大統領が尊敬していたと言われる米沢藩を一代で立て直した上杉鷹山公の師であります江戸時代の儒学者、細井平洲先生を生んだ町でもあります。そして、東海市は、今年、市制四十五周年を迎えた都市でございます。  さて、今国会で審議されております地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について意見を申し上げる前に、本市における教育委員会の状況について若干お話をさせていただければと思います。  本市では、本年度より第六次総合計画をスタートし、今後十年間を見据えて、「ひと 夢 つなぐ安心未来都市」を将来都市像として各種の政策を進めていくこととしており、あわせて、「心そだて 人そだて 夢そだて」をテーマとするとうかい教育夢プランⅡを策定し、学校教育、社会教育、スポーツ、文化に関する政策の方向性を示しているところでございます。  まず、学校教育でございますが、市内の小中学校につきましては、小学校が十二校で児童数が七千十六名、中学校が六校で生徒数三千二百八十八名となっております。生徒数は現在微増しておるところでございます。  内容に関しましては、特に体験学習に力を入れております。中学生二年生全員による沖縄での体験学習のほか、海外体験学習や姉妹都市の交流など、私の意向も取り入れた事業の展開を図っております。特に、沖縄体験学習では、渡嘉敷島と姉妹都市の沖縄市を訪問しており、地元である中部国際空港の積極的な活用を図って、文化や歴史、自然が全く違う場所での体験をしております。その中でも、帰ってきた子供たちが最も印象に残ったこととして、平和の大切さと戦争の悲惨さがあります。戦後六十九年が経過し、学校の教員では戦争体験者やまた戦後の体験者がいないこともあり、現地へ行って実際に体験をした方の話を聞くことは、子供たちの心に強く残っていくようであります。  また、子供たちが自分の学校に愛着と誇りが持てるように、各小学校の創意工夫を生かした教育活動を支援する輝く学校づくり事業を実施をしております。例えば、猩々という地域に伝わる厄払いの伝統文化を学び、地域の行事への参加を通して地域の人々と交流を図る取組を行っております。これにより、子供たちが自らの生まれた郷土への愛着の心を育て、地域の方々にとっては、地域の中で誇れる学校という意識が醸成されることを期待しておるところでございます。  社会教育では、先ほど申し上げました郷土の偉人、細井平洲先生を生かした取組を進めております。全国には、それぞれの自治体に大切な偉人がおり、それぞれに、今の時代に、今の教育に生かしております。そうした自治体が連携して、地方の元気を発信していく嚶鳴フォーラムを東海市が主唱し、全国十四の自治体と先人を生かす教育に取り組んでおるところでございます。また、学校教育の中でも「道徳 平洲先生」という副読本を作って教えを学ぶとともに、中学校の修学旅行では、姉妹都市の一つであります山形県米沢市の平洲先生ゆかりの場所を訪れ、郷土の偉人のより深い学びができるように取り組んでおります。  私は、市長に就任した平成十三年から、町が元気になるためには、若い人たちにとって魅力のある町にならなくてはいけないと取り組んでまいりました。若い世代が働き、子供を産み育てやすい町を目指し、お話しした教育への取組を含め、様々な施策を展開してきた結果、平成二十四年度の合計特殊出生率は、全国一・四一に対して一・八八と沖縄市に近い率となり、人口減少社会の中でも東海市の人口は毎年増加をしているところでございます。また、独自の子育て支援策や、教員には教える力を高めてほしいと同規模の自治体では珍しい教員研修センターを設置するなど、子育てするなら東海市、教育を受けるなら東海市をキャッチフレーズに進めているところでございます。  次に、今回の法律案に対する意見を申し上げます。  法律案では、昨年度の教育再生実行会議の提言を受け、中央教育審議会で審議され出された答申、今後の地方教育行政の在り方を踏まえ、現行の教育委員会制度におきます課題解決のために策定されたものと認識をしており、法律案では、執行機関である教育委員会制度は残しつつ、地方公共団体の長と教育委員会と日常的に連携を強化し、緊急案件に対して迅速な危機管理体制の構築を図るとともに、責任体制を明確化するということが改正の主な目的であると理解しております。  まず、新たな教育長を置く点について申し上げます。  本市の教育委員については、皆非常に熱心に行っていただいております。しかし、教育委員会の代表者が委員長になっていることについて、日々行われる教育行政について全て責任を負えるかという点については、別に仕事をお持ちの方である非常勤ということを考えると、なかなか難しいというのが現実ではないかと思います。このことは、日常的な業務では見えにくく、緊急の対応が必要になった場合に表面化するというふうに思っております。  このため、常勤である教育長が教育行政に責任を持つのは自然な流れかと存じます。その点でいえば、法案で言うところの新教育長というのは、責任の明確化とともに、特に緊急的な対応を必要とする危機管理の観点で適切な制度と考えます。  次に、新たに設けられる総合教育会議について申し上げたいと思います。  現行制度において教育委員会の弱点といいますか、教育委員会の立場に立った場合、予算権がないということが大きいかと思います。  現在、予算要望の際には教育委員長から説明を行っていただいており、その際には私の教育に対する思いの部分も話し、教育委員との認識の共有が図れるようにしておりますが、法令上担保されているものではありません。  大きな財政負担を伴うような施設設備整備や大きな事業について適切な判断を行うには、予算要望のときだけではなく、日常的に市長と教育委員会が共通認識を持てるような仕組みが大事かと思います。  本市では、学校教育と社会教育の壁を乗り越えて教育施策全般について有識者等に審議をしていただく教育ひとづくり審議会を設置しております。この審議会では、教育委員会からだけではなく、市長からも諮問ができる形になっております。例えば、幼児期から小学校低学年期における子育て支援の在り方等については私の方から諮問させていただいております。  このように、本市では既に市長と教育委員会が協力し行政を行っている自負はございますが、総合教育会議という場が法令上に位置付けられることにより、認識の共有が更に効率的、効果的に行うことができることを期待しております。  一方で、総合教育会議の中でどこまでが協議、調整する事項であるかについては、国会でも例示を挙げて答弁されておりますが、実際に運用するに当たって、首長及び教育委員会双方で異なる解釈をし、共通認識が得られないことによって各地の教育行政が混乱はしないだろうかという心配もしております。国の法律の運用に当たっては、そのような点に配慮をした対応が必要ではないかと思います。  本市の教育委員は、教育長を含め六名の委員で構成されております。委員会は男女同数となっており、それぞれ異なるバックボーンをお持ちの方々によって構成されております。他の自治体と同様に定例教育委員会を毎月一回開催しておりますが、委員の活動は活発なものがあり、各種事業へも積極的に参加をいただいております。また、委員会終了後には必ず教育委員会事務局を交えた相互勉強会を開催し、各種施策等に対する意見交換をしております。また、先ほど説明しました体験学習事業の実施に当たっても、教育委員が実際に現地へ行って計画を立てるなど、教育委員が積極的な関わり合いを持って進めております。  このような本市のこれまでの教育委員の活動と教育の政治的中立性や継続性、安定性を考慮すると、執行機関としての教育委員会制度は引き続き残すことが私としてはよいのではないかと思います。  以上、法律案に対する意見を申し上げましたが、整理すれば、まず、新たな教育長制度が設けられることにより、教育委員長と教育長が一本化されることにより、責任の明確化と緊急対応が迅速にされる体制が構築されることは意義あることと思います。  次に、首長が主宰する総合教育会議を設置することにより、大きな方向性や条件整備等について教育委員会と正式な場で協議、調整を行うことが全国のどの自治体でも行われるようなことになり、法律により全国の全ての自治体で設置されるこの会議で、首長と教育委員会の協議や調整を通して様々な先進的な取組が生まれる可能性を秘めており、各地方自治体における教育への取組が活性化されることが期待されます。このような点から評価し得る内容と思います。  さらに、教育委員会を執行機関として残したことにより、政治的中立性や継続性、安定性といった部分についても配慮が行われることで、バランスの良い案になっていると思います。  最後になりますが、いつの時代もそうですが、次代を担う子供たちの人材育成は大変重要であります。特に、少子高齢化の時代の中でますますその重要性が増していると思います。今回の法改正を一つの契機として、教育委員会と協力しながら子供たちの育成に努力してまいりたいと思います。  以上をもちまして、私の意見とさせていただきます。
  249. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  次に、松川公述人にお願いいたします。松川公述人。
  250. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 改めまして、おはようございます。岐阜県教育委員会教育長の松川でございます。  本日は、現職の教育長として公述人に御指名いただいたものと承知しております。私は、平成十九年から現職に就いておりますけれども、教育長になる前は岐阜大学教育学部で三十年ほど教員養成に携わっておりました。  それでは、早速でございますが、教育委員会制度改正について意見を述べさせていただきたいと思います。  教育委員会制度につきましては、これまでも、分かりにくい、かなり複雑な制度であるということ、それから形骸化しているのではないかというような議論がありましたけれども、今回の法改正につきましては、平成二十三年の大津市のいじめ事案におきまして、教育委員会の対応に対して厳しい批判がなされたことが直接の契機であるというふうに認識しております。その際、特に権限と責任の明確化という点、それから危機事案に対する迅速な対応に問題ありというふうにされたところでございます。  そもそも教育委員会制度でございますけれども、教育委員会制度は、教育に求められる要件であります政治的中立性の確保、継続性、安定性の確保、地域住民の意向の反映の実現のため、首長から独立した執行機関として様々な意見や立場を中立的に集約するための合議制とされたものであるというふうに理解しております。また、そのために、教育行政を教育や行政の専門家だけに任せるのではなくて、幅広い視野を持った地域の方に教育委員として就任していただくことにより、地域住民の意向の反映を期待されているだけでなく、全体の議論に対するチェック、いわゆるレーマンコントロールが期待されているところでございます。  本県岐阜県におきましては、私以外に五名の教育委員さんがいらっしゃるわけでございますが、直接間接、教育に関係のあるバックグラウンドを持っているのは私だけでございまして、その他の五名の方は、経済界、森林環境、スポーツ、地域文化、それから生徒の保護者の方というふうに多様な分野の方が教育委員に就いていただいておりまして、定例の委員会などを通じて様々な御意見をいただいておりますし、活発な議論を重ねてきているところでございます。  しかしながら、近年の少子高齢化、情報化、グローバル化の進展により社会が大きく変わっている中で、子供たちの学力や体力の向上、いじめ問題や不登校児童生徒への迅速な対応など、教育をめぐる課題も複雑化、多様化しているのが現実であるというふうに思っております。  当県におきましては、本年、これらの課題や変動する社会情勢に対応して教育を推進していくための方針といたしまして、知事部局とも緊密に連携を取りながら、岐阜県として第二期教育振興基本計画であります第二次岐阜県教育ビジョンというものを策定したところでございます。  今申し上げましたように、社会の変容に対して人々の教育に対する意識も大きく変わっておりまして、教育制度においても変えるべきことは変えていくべきだというふうな基本的な認識は持っております。  ただし、変えるに当たっては、教育委員会の果たすべき役割やこれまでの経緯を十分に把握し、現状の問題点及び変えることによって起きる問題も検討した上で進めるべきだというのが私の考えでございます。  さて次に、改正案に対しての思い、要望等を述べさせていただきたいと思います。  私、実際に教育行政事務を執行している立場といたしましては、現行の制度は、権限の抑制、均衡が図られた、複雑であるがよく考えられた制度であるというふうに考えております。その上で、改正案について三点ほど申し上げたいと思います。  まず一点目でございますが、責任の明確化について、常勤の教育長と非常勤の教育委員長の関係が県民には分かりにくいといったことが言われております。  私、教育長になって八年目でございますが、いろいろなところで御紹介されるのに、教育委員長というふうに紹介されることは少なからずあるわけでございまして、一般の方には教育長も教育委員長もよく分からないということは事実だというふうに思っております。また、教育長の任命は教育委員の互選になるということになっておりますけれども、そういう建前と実態が相違しているということは事実でございます。  そういう意味で、教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者を置くことにより、責任の明確化が図られたという点については評価をしているところでございます。  二点目に、危機事案への対応についてでございますが、いじめ問題など重大事案に迅速に対応できないという問題については、事案が発生した場合に、教育長、教育委員、そして首長と密な連携を図り事案に対応することが何より重要であるというふうに考えております。  今回、重大ないじめ事案が学校で起きた場合、首長が総合教育会議を招集するなど、首長がリーダーシップを持って迅速な対応ができるよう制度改正されたことは評価ができるというふうに思っております。  ただし、制度を改正しても、各自治体が制度を適切に運用していく責任を果たしていかなければ意味がないわけでございまして、いかにこの制度を各自治体が適切に運用していくかということが重要であるというふうに考えております。  三点目に、いろいろ論議がありました政治的中立性をどう担保するかという問題についてでございます。  現行の制度では、首長から独立した合議体の教育委員会を執行機関とすること、教育委員は同一政党に所属する委員が過半数を超えないようにすること、それから、首長との役割分担の中で教育委員会の専決事項を定めることなどにより、その確保が図られているというふうに承知しております。  改正案におきましても、教育委員会が引き続き首長から独立した執行機関とされていること、教科書採択や教職員の人事等が教育委員会の専決事項として留保されていること等、政治的中立性の確保に配慮しているものと考えております。  また、幅広い視野を持った地域の方が教育委員として全体の議論に対してチェックするレーマンコントロールがしっかり行われていくことが教育の政治的中立性に重要であると考えておりまして、その点も引き続き担保されているというふうに考えております。  ただ一方で、総合教育会議については、いまだ具体的な運用方針が明らかでない点がございます。  例えば、総合教育会議で調整、協議する内容について、国会の議論を伺っておりますと、総合教育会議における調整は予算の編成、執行や条例提案などの首長の権限と調和を図ることが必要な事項とされておりますが、どこまで調整を要するかは首長の判断となっていることから、予算の編成、執行や条例に関する全ての事項が総合教育会議の調整の対象となり得るのではないかと考えられます。  また、団体によっては、首長と教育委員会が総合教育会議の場において対立する場合もあり、総合教育会議において調整が付かなかった場合の対応が不明確でありまして、混乱を招くおそれがあるというふうに考えております。  本県では、現行の制度におきましても、これまで知事と教育委員会は綿密な連携を取ってきておりますし、定期的に意見交換は行ってきております。今後も、総合教育会議における知事と教育委員会の議論を踏まえて、お互いの信頼関係の中で教育行政を進めていくことが重要であるというふうに考えております。そういった意味で、現場で混乱を招かないよう、具体的な運用方針を早急に明確にしていただくことが大事だと考えております。  いずれにいたしましても、教育行政の第一の目的は子供たちの教育の充実でありますので、地方教育行政体制について考える際も、どのような体制が子供たちの教育の充実につながるかという視点で考えていくことが重要であると考えております。  以上で私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。
  251. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  次に、神谷公述人にお願いいたします。神谷公述人。
  252. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) おはようございます。ただいま御紹介をいただきました神谷でございます。  ここへ来るときに、名古屋駅のコンコースで子供たちがたくさん並んでおりました。私も昔、教員をやっておりましたので、そばへ寄ってみますと、私の後輩が校長で、今日から修学旅行に出かけるということでした。修学旅行、二泊三日、たくさんの子供たちを連れて、そして安全に修学旅行を行う。彼らは恐らく二日間は徹夜で修学旅行の引率をしておるのだろうと思うと、気を付けて行ってらっしゃいというふうな言葉を掛けました。それを見て、私も十年前の自分の教員生活を思い出しました。余分なことを申し上げました。  私は、教員生活を三十八年間送り、最後の年には名古屋市の校長会会長、それから退職後は名古屋市の教育委員並びに教育委員長をさせていただきました。これらの経験を踏まえまして、教育委員会制度改革案についての所感を述べさせていただきたいと思っております。  名古屋は人口二百二十七万人。名古屋市教育委員会は、幼稚園二十三園、幼稚園児は二千名です、小学校が二百六十四校、児童が十一万名、中学校が百十一校、五万二千名、高等学校十四校、一万三千名、特別支援学校四校、千名、そういうところを所管をしております。  まず、今回の教育委員会制度改革案について、私はこのような考え方を持っております。名古屋の教育現状を見たときに、なぜこのような制度改革が必要なのか、まだ十分理解をしておりません。今回の改革案の理由が、様々な教育課題に迅速に対応する、あるいは教育行政の責任者を明らかにする、首長に執行機関としての権限を持たせる、これらのことが理由であるならば、名古屋を含めて多くの自治体で現状を改善するための理由にはならないと考えております。  いじめなどの重大事件が起きたとき、制度改革の前と後で対応のスピードに変化があるとはとても考えられません。仮にこのような状況が各教育委員会で見られたとしたならば、それは制度上の問題ではなく、教育委員会の姿勢、体質、運営上の問題というふうに考えます。  そもそも教育委員会の役割は、いじめなどの問題解決に迅速に対応することも大切なことではありますが、各学校は、子供と教師の信頼関係が保たれ、子供が安全に過ごし、子供の能力が伸ばされ、将来、国をしょって立つ国民の育成をするところであり、そのような学校の支援、指導が大きな役目だと思っております。  したがって、制度を改正するよりももっと大切なことは、学校現場の支援であり、そのための学校現場の実態把握であり、日常の学校現場と教育委員会の意思の疎通であります。  今回の改革は、首長と教育長あるいは教育委員との関わりなど行政側からの視点が多く盛り込まれた改正案となっていますが、現場をどう支援するか、地域の関わりをどう進めていくか、子供の命をどう守り、教師の健康をどう守っていき、教師と子供の信頼関係をより進め、より進んだ教育活動をどう進めるかの議論が深まっていないのが残念であります。このような視点に立ったとき、現状の名古屋の学校教育において、教育委員会制度を改正しなければならないほどの状況にはないと思われます。  また、いじめなどの対応についても、不幸にして名古屋でも昨年の夏に大変痛ましい事故が起こり、全国にその情報が流れましたので、皆さんも御承知のことと思います。しかし、このときの名古屋市の対応は、事務局が教育委員会と連携を保ちながら情報を公開し、事務局一丸となって迅速に対応し、収束を図ったことは御承知のことと思います。その後、市長との協議もあり、検証委員会を設置し、事故の原因を明らかにし、いじめ対応マニュアルを全校・園に配布するなど、再発防止に向けて取組をしたところであります。  私は、教育再生実行会議の第二次提言で、関係者のたゆまぬ努力と相互の親密な意思疎通により適切な教育行政が行われている地方公共団体があることも事実であるとあるように、現在の制度においても、教育委員会、事務局が教育を大切にするという使命感と教育委員会の持つ役割をしっかり認識し、しっかりとした危機感を持ち、情報を公開し、迅速に対応することにより問題解決を図ることは十分できることだと考えております。そのためには、日頃の、教育委員会委員長を始め教育委員、教育長を始め事務局の職員の高い意識の継続が大切だと思われます。  なお、市長との日常の協議はどこの方面でも既に行っているのが現状です。あえて規定することの意味も理解し難いところであります。  次に、政府案について意見を述べさせていただきます。  教育行政の政治的中立、継続性、安定性を確保しつつ、総合教育会議という場で首長と教育委員会がより連携を取る体制が構築できるという意味で評価するところではありますが、教育委員会の実務を経験した身から具体的に考えると、懸念を感じる部分があります。  第一点、新教育長について、責任体制の明確化ということでは分かりやすくなりましたが、権限の強化、職責や実務的負担についてはかなりのものになると思われます。そのためには、チェック機能をどうするか、その人選や実務的負担の軽減の方策は運用の中でしっかりと考えていく必要があるのではないでしょうか。  第二点、総合教育会議については、協議、調整の場ということでありますが、協議の対象となる事項、調整の対象となる事項、それぞれ考えられますが、その線引きが曖昧になると、教育委員会の職務権限に属すること全てが首長の意向にのみ込まれる可能性を含んでいることが懸念されます。  第三点、大綱については首長が作成することになっていること自体は、首長が教育委員会と連携して教育に責任を負うことの具体化と思いますが、首長と教育委員会が折り合った事項のみを掲げるという規定ではないため、場合によっては教育行政推進の妨げにならないかと思います。そうならないためには、教育長や教育委員の資質向上はもちろんのことでありますが、首長の側にも教育行政に対する見識がより求められることになろうかと思います。  なお、名古屋市教育委員会では、現在、教育基本法に基づく教育振興基本計画を作成中であります。二十七年度から新計画により施行を展開していく予定であります。  このような状況の中で今回の制度改革があり、二十七年度に入ってから策定される大綱、そして教育振興基本計画との相互の関係に不明瞭な部分があり、計画の策定作業をどう進めるべきか、大綱を想定しながら策定作業を進めていくべきなのか、戸惑っている状況をお伝えしておきます。  次に、衆議院に提出された野党提出案について述べさせていただきます。  今回、参議院には提出されておりませんが、教育委員会をなくすという抜本的な改革案であると認識していますが、教育には長期的な視点に立った継続性や安定性が必要であると考えており、首長にその地域における教育行政の全てを託すという制度には、やはり危険を感ずる次第であります。  最後に、世の中が日々動き、進んでまいります。したがって、それに合わせた改革の必要まで否定するつもりはありません。しかしながら、学校現場では、教師と子供、教師と保護者の信頼関係を大切にしながら、現行制度の下、正常な教育活動が展開されていると思います。改革による急激な変化は学校現場にもたらす影響は大きく、教師と子供の信頼関係まで崩すとしたら大変であります。したがって、改革はしっかり子供の実態を見極め、改革すべきであります。  また、教育は国家の将来を担う人材の育成という国家の最重要な仕事であります。間違いは許されません。そのためには、じっくり腰を据え、子供と一番近い距離にある方々の意見をしっかり参考にして事に当たることが大切であります。  こうした点でいえば、昨今の教育改革は矢継ぎ早であり、中央の議論や改革プランによって学校現場や地方の教育行政がそのたびごとに対応に困惑し、多忙な状況に拍車を掛けることも事実です。  どうぞこの点を配慮していただき、拙速ならざる改革を切に望むところであります。どうぞよろしくお願いいたします。  以上です。
  253. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  次に、岡田公述人にお願いいたします。岡田公述人。
  254. 岡田豊

    ○公述人(岡田豊君) ただいま御紹介をいただきました愛知県小中学校長会の会長を務めております岡崎市立井田小学校長の岡田豊でございます。今回、公述人として意見を述べさせていただく機会をいただきましたことを大変光栄に思いますし、感謝を申し上げたいというふうに思っております。  私は、これまで三十八年間、小中学校の教師として歩んでまいりました。その間、岡崎市の教育委員会に二年間、愛知県の教育委員会に八年間勤務し、また校長として三校、八年間勤めてまいりましたので、学校現場の切実な声を申し上げるということが私の立場であろうかというふうに思っております。よろしくお願いをいたします。  さて、平成二十三年十月に大津市内の中学二年生がいじめを苦に自宅で自殺するに至った事件、学校現場に限らず大きな衝撃が走りました。誠に痛ましく、子供の命を守るべき学校におきまして決してあってはならない出来事であり、教育に携わる者として痛恨の極みであります。事件の詳細を知るにつけまして、学校が一人の子供の命を守るために正常に機能していないと言わざるを得ません。被害者からいじめの相談や暴力行為の報告を受けていたにもかかわらず、適切に対応していないというのは批判のそしりを免れません。  愛知県では、いじめの認知件数が全国一でございます。これは、学校においてどんな小さないじめも見逃さないという早期発見の大切さを認識し、隠すことなく解決するまで丁寧に対応しようとする表れと捉えております。県内各学校におきましては、定期的にいじめ調査をするとともに、形は違いますけれども、いじめをなくすための取組を行っております。  私が以前勤務しておりました中学校では、いじめ撲滅集会を開きまして、子供と保護者、教師が本音をぶつけ合いながら語る時間を取っております。子供たちは、いじめは悪いことだよとは分かっているけど、でもといった心の奥にある気持ちを出し合う中で、みんなが楽しく学校生活が送れる、そんな学校にしようと涙ながらに語る生徒もおります。  私は、なぜ被害者の命を助けてやれなかったのか、もう悔しくてなりません。また、その後の学校や教育委員会の対応のまずさも信じられません。隠蔽することで組織を守りたいという意識が働いたことは想像に難くないし、私にその気持ちが理解できないというのはうそになるかもしれません。  しかし、最も私たちが忘れてはならないこと、それは一人の大切な子供の命が失われたという非常に重い事実、その事実に真摯に向かうという教育者以前の人間としての誠意の問題ではないかというふうに私は思います。  この事件がきっかけとなって、今回の教育委員会制度の見直しに拍車が掛かったというのは明らかでありますが、では、今回の改革案が学校現場から見てどうなのかといった視点で意見を述べさせていただきます。  まず、現行の教育委員会制度について概観しておきたいと思います。  これは、戦前の中央集権的な教育行政への反省から、昭和二十三年、首長から一定の距離を置いた、いわゆるレーマンコントロールと呼ばれる教育の専門家でない非常勤の委員による合議制の執行機関でありまして、教育の政治的中立性、安定性を確保し、社会の良識を教育行政に反映させようという、そういう制度でございます。そして、教育委員の任期を四年、そして委員ごとに改任時期をずらすということで教育の安定性、継続性が図られていると認識をしております。これで教育委員の中から教育委員長が互選をされて、そして教育長は委員長以外の教育委員の中から任命されるということでございまして、極めて強力な執行権限を持つ首長一人の判断によって教育内容等が大きく左右されることのないように今の教育委員会制度が設けられているというふうに私は理解をしております。  それでは、今の教育委員会制度の何が問題とされているのかといったようなことで改めてその見直しの議論が高まって、幾つかの問題点が指摘をされたところでございます。  例えば、権限と責任の所在が不明瞭ではないか、あるいは地域住民の意向を十分に反映していないのではないか、あるいは審議等が形骸化しているのではないか、迅速性、機動性の欠如があるのではないか、危機管理能力が不足していないかといった指摘でございます。  中教審の答申では、こうした問題点に対しまして、教育長及び教育委員会の権限と責任の明確化、政治的中立性、継続性、安定性の確保、首長の責任の明確化という三点に基づいて改革案が示されました。そして、その後、教育長と教育委員長を統合して新教育長とする、そして新教育長は首長が議会の同意を得て任命、罷免するということ、任期を三年とすること、新たに首長が主宰する総合教育会議の設置を義務付け、大綱的な方策を決定するといった政府での閣議決定法案が示されたわけでございます。  このように、閣議決定された改正法案は、地方教育行政の大綱的な方針の策定について首長が主宰する総合教育会議の権限としたり、教育委員会に総合教育会議の調整結果の尊重義務を課している、そして、新教育長の任命権、罷免権を首長に付与しつつ、その任期を三年ということで教育行政に関する首長の権限を強化する、そういう内容となっております。  さて、教育再生実行会議の第二次提言におきまして、教育委員会制度の現状について、責任の所在の不明確さ、審議等の形骸化、危機管理能力の不足などの問題点があるとの指摘がございました。しかし、これらの問題点が真実なのかという検討がどのようになされたか、それもそもそも私には疑問でございます。  責任の所在の不明確についてでございますけれども、当然のことながら、現行の教育委員会制度におきましても、教育委員会、教育長、教育委員長の権限及び責任は地方教育行政法で明確に定められているわけで、提言で挙げられている責任の所在が不明確であるという点は当たらないというふうに考えます。  それから、教育委員会が非常勤の委員から成る合議制の機関だからという、そういう理由であるとするならば、これは合議制のいろいろな行政委員会があるわけでございますので、教育委員会のみにその理由を当てるというのもおかしいというふうに言わざるを得ないと思います。  それから、審議等の形骸化という点でございますけれども、中教審の検討においても形骸化が裏付けられているというふうには思いません。ただ、私が教育委員会事務局に在籍していた経験から申しますと、確かに事務局の主導によって実質的な審議が実現されていないということもございました。それをもって形骸化と言わざるを得ない場合もあることは否定できませんけれども、それに対して教育専門性を備えた委員をより配置するというようなことでの対処が可能であるというふうに考えます。  それから、危機管理能力の不足についてでございますけれども、大津市でのいじめによる自殺事件への教育委員会の対応を見ますと、確かにこうした批判を受けてもやむを得ないというような点も多々ございます。もちろん、こうした痛ましい事件が起きないように最善の取組をしていかなければなりませんけれども、果たしてどこの教育委員会でもこのような重大事案に発展してしまったかというと、決してそうは思えないわけであります。この問題は、突発的に発生した個別事案であるというふうに捉えなければならないと思います。  それから、いじめ防止につきましては、昨年六月に制定されましたいじめ防止対策推進法におきまして、いじめにより児童生徒の生命、身体、財産への重大な被害が生じたり、相当期間の不登校が生じたりした疑いがある場合を重大事態として、地方自治体の長への報告を義務付けております。  危機管理についてはこうした具体的な対策こそが必要でございまして、かつ有効に働くものというふうに考えております。したがいまして、危機管理能力の不足そのものが教育委員会制度改革が必要であるという根拠にならないというふうに考えます。  そもそも学校現場におきましては、目の前の子供たちの健全な成長を願いながら、校長の明確な教育方針の下で安定した教育が施されるということが肝要であると考えます。また、教育は人格の完成を目指して行われるものでありまして、その内容は公正中立であるということが極めて重要であります。  しかしながら、昨今の国内の状況を鑑みますに、教育への危機感を感じざるを得ない事例が生まれております。  全国学力・学習状況調査の結果公表をめぐりましても、静岡県の知事が学力テストの成績下位校の校長名を公表するというようなこと、それから、大阪市においても体罰自殺のあった高校の体育系学科の入試中止を求めたりしたこと、それから、本県におきましても、かつて犬山市におきまして、全国学力テストへの参加を争点としての市長選が繰り広げられまして、市長と教育委員会が激しく対立するといった過去の歴史もございました。最近におきましては、松江市での漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を求めた、そういう問題もございました。  こうした状況を見るにつけまして、首長の教育への政治的介入がいかに学校現場を混乱させて不安に陥らせているか、また、それに対して教育委員会の役割が有効に働いたというような事例が全国でも多くあるということを是非知っていただきたいというふうに思っております。  政治的中立性と併せて、子供たちの健全な成長のために不可欠なのは、一貫した教育方針の下で継続的、安定的に教育が行われなくてはならないということでございます。校長は、学校経営の方針転換、慎重に行う必要がございます。子供たちの実態、地域、保護者の願い、そしてその学校がこれまで培ってきた歴史、文化を大切にしながら、中長期的な視点で教育方針や施策等の計画を立て、明確な信念の下に学校経営はなされております。校長が変われば学校も変わるとよく言われますけれども、学校の現場監督である校長の裁量を広げるということで、特色ある元気で生き生きとした学校はつくられるということであります。  それは、教育行政の方針が安定しているということが前提でございまして、子供たちに継続的な教育を施すということが可能となり、教育効果も高まります。首長の交代等によって急激に教育施策の転換が起こるようなことになれば、学校への信頼は崩れ、教職員のモチベーションも低下し、学校力そのものが弱体化する危険性をはらんでいるというふうに私は思います。  確かに、大津のいじめ自殺事件は不幸な出来事でございましたけれども、それをもって現行教育委員会制度そのものが全否定され、直ちに戦後まれに見る大きな改革へと向かうのは余りにも拙速でありまして、無謀であります。これまで培ってきた大切なものを見失う危険性があるのではないかと思います。もし制度疲労があるとするならば、その綻びを繕う知恵を出し合うということこそ肝要であるというふうに考えます。  少なくとも、本県においては、首長と教育委員会が連携を密に取り、互いの役割を自覚しつつ協力して教育行政を行っております。それが教育愛知を築いてきたというふうに私は自負をしております。  以上、私の意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
  255. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。  それでは、これより公述人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。  なお、質疑及び御答弁は着席のままで結構でございます。
  256. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 おはようございます。自由民主党の堀内恒夫でございます。  本日は、公述人の皆様におかれましては、大変お忙しいところ貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。  では、早速質問に入らせていただきます。  初めに、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保についてお伺いします。  中教審や与党協議等、政府案が提出される過程において、この点が検討の大きなポイントとなったと認識しております。  そこで、鈴木公述人にお伺いします。  地方自治体の首長の教育行政に対する権限が強まることに対し、教育の政治的中立性等の観点から懸念する声がありますが、首長として留意すべきこととしてどのようなことがあるとお考えか、お伺いしたいと思います。
  257. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) 先ほども申し述べさせていただきましたが、子供たちの人材育成はいつの時代も大変重要であるという気持ちは、私も、また教育委員も共通認識であるというふうに考えております。  私が市長になりましたのが、平成十三年に市長になりまして、教育行政に対する私の基本的な姿勢は、政治的中立性を一番大切にし、この法二十一条の教育委員会権限に関する大体三号から六号、学校現場に関わる事項については、私が任命した教育委員を信頼し、余り口出しはしない、そして子供たちの学力や人材育成に関わることは教育委員会とよく協議し、しっかり予算を付けるという姿勢で取り組んでまいりました。特に、学校現場、教室の中で学ぶことができない例えば沖縄体験学習等に予算を付け、これは大変保護者からも評価をいただいております。  このように、これからも教育委員さんを信頼し、政治的中立性に大事に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  258. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございます。  それでは、松川公述人にお伺いします。  教育委員会として、首長と連携を密にしつつも、主張すべきところは主張し、自らの権限と責任に基づいて主体的に判断を行ってほしいと考えます。そのためにはどのようなことが大切だと思われておりますか。
  259. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 改正案におきましても、教育委員会は、引き続き教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保するために、首長から独立した合議体の執行機関とされているというふうに認識しております。ただ、その執行機関として今後も存続するということに甘んずるのではなくて、教育長と教育委員という教育委員会を構成するメンバーそれぞれが自らの責務を果たす熱意と能力を持ち続けるということがまず必要だと思います。  また、教育委員会が主体的に判断し主張していくためには、客観的なデータや現場の声を集めて詳細に分析した上で教育委員会で議論し、本質的な課題、問題点、原因等を見極めて、首長にきちんと説明していくことが大切だというふうに考えております。
  260. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。  次に、総合教育会議を通じた教育委員会と首長部局との連携について、鈴木公述人と松川公述人にお伺いします。  従来、教育委員会と首長部局との連携が課題として指摘されているところですが、総合教育会議ができることによって、首長に対し必要な予算措置を直接求めることも可能となると思いますが、いかがでしょうか。教育だけではなく、スポーツや文化の振興の観点からもお考えをお聞かせいただければと思います。
  261. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) まず、今回の改正で総合教育会議が法で位置付けられたことは、私は大変すばらしいというふうに評価をしておるところでございます。これは、全国どの自治体でも重要な教育施策等について首長と教育委員会が協議、調整を、話合いが行われることによりまして、様々な自治体で先進的な取組が生まれる可能性があり、教育への取組が活性化されることを期待しておるところでございます。  特に、スポーツの観点で申し上げますと、二つ何かやりたいなというふうに教育委員会と今話をしておりまして、一つは、二〇二〇年に東京オリンピックが東京で開催されることが決定がされまして、私どもも大変うれしく思っております。この東京オリンピックに東海市から十名ぐらいひとつ選手が出場できるような、そんな一つの施策として、実は将来のアスリートにスポーツの奨学金制度もひとつ教育委員会の中で検討していこうというふうなことも今話し合っておるところでございます。  もう一つは、これは、スポーツ力の向上ばかりではなくて、高齢者の健康づくりをして元気な高齢者をたくさんつくる、そんな高齢者づくりを教育委員会と考えてまいりたいと思います。ひとつ、スポーツを通してシルバー健康スポーツフェスティバルというような催物なんかもこれから大々的に取り組んでいきたいなというふうに思っております。
  262. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) これまでも、知事とは必要な予算措置の協議も含めて綿密な連携を取ってきたところであります。これまでは、教育委員会の総意を受けて、端的に言いますと知事と教育長で予算協議を行ってきたところでありますけれども、改正案におきましては、総合教育会議において教育委員が直接知事と協議する場が設けられるということでありますので、より一層知事と綿密な連携を図っていけるものと考えております。  先ほども申し述べさせていただきましたけれども、本県におきましてはスポーツ、文化に精通した教育委員がいらっしゃいますので、そういった場で知事と直接意見交換、議論が交わされるということは大変有意義なことだというふうに考えております。
  263. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。  引き続き、松川公述人にお伺いします。  松川公述人は、大学人としてのキャリアを重ねてこられ、これまで教職経験や行政経験を持たずに教育長になられたとお聞きしています。教育職や行政職出身の方とは異なる視点から、教育委員会事務局組織の在り方についてこのように改革した方がよいと感じられる点があれば、お聞かせいただきたいと思います。
  264. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 御指摘のありましたように、私は行政経験というもの全く皆無で現職に就かせていただきました。それで曲がりなりにも務まっておりますということは、教育委員会事務局という組織が大変有能な職能集団であるということの一つはあかしだろうというふうに思っております。  教育委員会事務局には、御承知のように、現場をよく知っている教職員、これは義務教育学校の教員、それから県立高等学校の教員と、それから政策立案にたけた行政職の人が混在しているわけですけれども、それぞれが垣根をつくらずに風通しのいい集団として議論していくということが大事だと思います。  それぞれしょっているものが違いますので、なかなか、教員であれば教員でどうしても前例踏襲になりがちでございますけれども、それぞれが違ったものを、バックグラウンドをしょいながら活発に議論するということ。それから、私のような異分子がおりますので、大変、分からないことは分からないと言うので、きちんと説明していただくように言うということ。それから、事務局の内部だけで固まっているのではなくて、現場主義と申しますか、それぞれの教育現場を見るように、私自身も大学の経験しかございませんでしたので、着任してから各学校でスクールミーティング等を重ねまして、児童生徒の皆さん、教職員の方、それから保護者の方、地域の方々と直接意見を伺うような機会を持ってまいりましたし、事務局もそういう外の風を柔軟に入れるような組織であるということが今後とも大事なことではないかというふうに思っております。  以上でございます。
  265. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。  それでは、教育委員会事務局の人材育成について、岡田公述人にお伺いします。  今回の改正案では、引き続き教育委員会が執行機関として残されることになっていますが、教育委員会の事務局職員の専門性、資質、能力を向上させるためにどういった取組が考えられるでしょうか、御見解をお伺いします。
  266. 岡田豊

    ○公述人(岡田豊君) 教育委員会事務局、私もおりましたんですけれども、まず前提になるのは、教育者としての資質をしっかり備えているということであるかというふうに思っております。  その上で、やはり先ほども御意見ございましたけれども、行政職としてのそういった専門的なものを身に付けるということになるかというふうに思いますけれども、現在、教員の研修制度というのはいろいろなところでしっかりと制度化されて行われておりまして、教員の資質、そういった向上について図られているところでございます。  事務局につきましては、ある程度そういった資質等を見極めて選ばれてくるということを思っておりますけれども、人間的な総合力、そういったものを備えた者が事務局に登用されるというふうに考えております。  以上です。
  267. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
  268. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆でございます。地元の選出でございまして、大変お世話になっております。今日は、堀内さんの先発の後を受けて、リリーフを務めさせていただきたいと思います。  今日、四人の公述人の皆さん、大変貴重な御意見を頂戴をしました。国会内で議論をしておるよりも、僕はより地域に、あるいは現場に近い声がたくさんいただけたなというように思っております。  その上で、それぞれの方に一問ずつお伺いをしたいというふうに思います。  まず、鈴木市長にお伺いをしたいと思います。  市長、大変市長として卓越した行政手腕をお持ちであります。僕の知るところでは、市債なども随分圧縮をされましたし、東海市が冒頭のお話にもあったように大変発展をしておると。駅前の開発等も順調に進んでおりますし、大変御実績をお持ちだというふうに思っています。    〔団長退席、石井浩郎君着席〕  市長は、市長として様々な公約を選挙のときにお持ちであろうと思います。そこで、ちょっと具体的にお聞きをしたいんですけれども、仮に、先ほどお話がありました総合教育会議の場で協議、調整をする中身として、例えば市長の教育に対する公約について話合いがなされたと、しかし調整が付かないということも、当然でありますが、これは東海市に限らず、あろうかというように思います。そうすると、市長は、行政全般に執行責任を持つお立場として、あるいは選挙民への選挙公約という観点からいって、それを一定やっぱり守っていく義務もあろうかと思うんですね。  そこで、いろんな意味での考え方の違いというものが出てくる可能性もありますが、そういった場合に、具体的にどのように調整をされていかれるのか、あるいは調整が付かなければ、たとえ公約であっても、その施策についてはもう一旦引くというようなことになるんでしょうか。
  269. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) ただいまの御質問でございますが、今までの制度の中でそういう調整、調整というより、教育委員会と私の公約等について実現できなかったということはありません。  特に、先ほども申し上げましたように、東海市の姿勢として、子育てするなら東海市、教育を受けるなら東海市といって、若い世代の人たちを東海市に住んでもらう施策をいろいろ行ってまいりました。特に、子供たちの人材育成については、先ほども言いました沖縄体験学習だとか、また教育の環境整備に力を注いでまいりました。特に、これは私の公約もそうですが、教育委員会も今までは予算権がないわけなんですね。そこで、教育委員会から出てくるいろいろな案件なんかも子供たちの教育にとっていいということは一緒にやっていくという姿勢でおります。  今回の総合教育会議で、これが法律が改正されていきますと、私はすばらしいと言っておりますのは、千七百の自治体がこの教育に関していろいろ調整、協議がされてきて、そこの中でいろいろな事案が出てきて、それを参考にできるということもあります。  先ほどの公約の話ですが、私は基本的に子供たちの、先ほど言いましたように、政治的中立性の問題は公約の中には入れておりません。できるだけ子供たちの教育現場に関わるようなことは私が任命した教育委員さんに責任を持ってやっていただくという姿勢でありますので、そうそごをするような事案は今まではありませんでした。
  270. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 それでは、松川公述人に同じような質問でありますけれども、先ほど、公述の中で総合教育会議についても言及をされていらっしゃいましたが、この総合教育会議で協議、調整すべき案件として協議をされた内容について、教育長さんとしてのお考えと、それから首長さんとのお考えがうまく調整ができないというようなケースは、当然、これもあろうかと思います。  その場合に、教育長さんというお立場で首長さんのそういう意向にあらがえるか。特に、任命権のあるそういう首長さんの御意向にあらがえるのか、あるいは一定その御意向も踏まえながら協議、調整を進めていくというような状況になるんでしょうか。具体的な運用面でどのようにお考えでしょうか。
  271. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 総合教育会議でございますけれども、現状でも、私学や大学、それから福祉等の事務を所管して、知事部局の方はですね、そして予算の編成、執行権限、それから条例の提出権限というのを持っていて、現行でも首長というのは教育行政に対して大きな役割を担っているわけです。そういう首長と教育委員会が、これまでも連携を図っていましたけれども、そういう会議の場で直接教育に関する重要な課題を検討できるということは、非常にある意味でオープンにもなることですし、大事なことだと思っています。  その中で、今の委員の御質問の案件でございますけれども、これまでも、いろんな案件で知事と教育長の意見がぴったり合うというようなわけにはいかないわけで、予算の協議の中でもその優先順位だとかというものはありますけれども、本当に私というか教育委員会がやりたいと思うことを、例えば岐阜県の場合ですと、これまで、特別支援学校をとにかく広い圏域の中で全てその地域の子供たちが地域の特別支援学校に通えるようにということで最重要課題として、なかなか県の財政状況が厳しい中で、箱物は造らないとおっしゃる中でもここは強く申し上げてきたところでありますし、喫緊でいえば、グローバル人材の育成ということについて、やっぱりそれなりの知見を持っていただくようにということで、今までは余り御関心がなかった分野についてもかなり強力に申し上げてまいりました。  最終的に、どうしても今は駄目だ、もう少し先に行かなくては駄目だというような場合もありますけれども、これはもう私だけの意見ではなくて、教育委員会の委員の皆様の総意で、今、子供たちにとって、地域の子供たちにとって何が最も大事なことなのかということについてやっぱり徹底的に意見を交わす、また、そういう信頼関係を持っていくということが何より大事なことでありまして、最終的に決着が付かないというときはどちらが折れるのかということはなかなか難しいところでありますけれども、知事はもちろん政治家でもありますし、何というんですか、地域住民の代表でもあります委員さんたちの切実な意見というものに耳を傾けてくださる姿勢は十分お持ちだし、そういう議論がまた総合教育会議の中でオープンになるということが、私は、非常にある意味で画期的なことなのではないかというふうに考えているところです。
  272. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。  それでは、神谷公述人にお聞きをしたいと思います。  私、かつて当市で、名古屋市で教員をしておりまして、若い頃、二十年ぐらい前に、教育委員会の委託を受けて自分の学級の子供たちで研究授業をさせていただいたときに、先生覚えていらっしゃらないかもしれませんが、私の授業を御覧いただいて、大変厳しく御批評をいただいた記憶がございますけれども、教育委員長さんというお立場で一点お伺いをしたいと思いますが、新教育長さんには大きな権限が行く、そして教育委員長さんという存在はもうなくなるわけであります。ここのところで、それぞれのいわゆるチェック機能が働くのかとか、いろんな危惧をする声があるんでありますけれども、教育委員長さんとして、これまで教育長さんと日常の教育行政を進めていくに当たってどのような関係でやり取りをしながら進めていらっしゃったのか、少しお伺いをしたいと思います。
  273. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) 私も今から四年ほど前、教育委員長をやっておりまして、そういう中で、教育長というのは現在でもすごい権限を持っています、情報量も多いし。そういう中で、やはり教育長というのはこれ以上権限を強化していいんだろうかと。これは、やっぱり事務局内でも教育長と教育委員長、権限としては教育委員長の方が上なんです、教育長より上なんです。ところが、教育長は、実質的な権限はすごく大きな権限を持っている。  ということはどういうことかといいますと、そのバランスが教育委員会事務局の非常に大事な部分だろうというふうに思ってはおるんです。ある程度、教育長、現実問題として権限を持っていますので、その権限をどうチェックをしていくかというのは、現在では教育委員長の責任なんです。そういうことを考えたときに、そのバランスをどう取っていくかということが非常に重要な要素を持っていますので、それを今回、教育長が権限をすごく持ってきますと、そのバランスが崩れるおそれがある。  したがって、それをどうチェックしていくかというのがこれからの課題でありますが、私の場合は、やはり教育長のその権限のチェックをすることと同時に、教育長がやはり教育委員長と相談を掛けたりなんかするということも大事なことに当たりますので、私は、教育委員長として教育長といろんな場面で話合いをしながら名古屋市の教育行政を行ってきたということで質問に答えたいというふうに思います。  以上です。
  274. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。  最後に、じゃ、岡田公述人にお伺いをしたいと思います。  現場の現職の先生にお越しをいただくというのはなかなか珍しいということで、そんな意味で、私は、今回の制度の改革が現場の支援につながらないような改革であってはならぬと思っています。それは、先ほど公述人の御意見にもそのような趣旨があったかというふうに思いますけれども、子供と相対している最前線は学校でありますので、今の教育現場の生の姿、実情、それから今回の制度改革によって、現場として行政に対してどんなことを具体的に望まれるのか、そんな点を期待も含めてお伺いをさせていただきたいと思います。
  275. 岡田豊

    ○公述人(岡田豊君) 学校現場の今の実情についての御質問がございました。  まず一言で、学校は多忙であります。これはもう本当に今に始まったところではございませんし、かつて私が若い頃でもその多忙化については問題になっておりました。  よく、先生なんて教えるだけの仕事なのに一体何の仕事がほかにあるのというような質問を受けることがあるんですけれども、確かに疑問に思う人もいるかもしれませんが、これは、ある中学校の先生の仕事ぶりなんですが、部活動が例えば五時半に終わるとすると、それから例えば職員会議のレジュメ作りをやる、校務分掌に当たっていたレジュメ作りをする、それから学級通信を作る、それからその人が持っている例えば部活動の地方大会の対戦の組合せを作成したり、その後ようやく授業の準備をするというようなことでありまして、この人が決して多くの校務分掌が付いているというわけではなくて、普通にある職員の姿でございます。  子供たちが学校にいる時間帯にはこういった仕事というのはできませんし、できるだけ子供と一緒にいたいといいますか、向き合ってやりたいということでございますので、どうしても子供たちが下校してからの仕事になってくるということでございまして、大変多忙であるということは確かでございます。  それから、我々が若い頃と今と最も違うのは何かといいますと、やはり発達障害の子供たちが増加しているということがあろうかということを思っています。軽度のものから重度のものまでありますけれども、そういった子供たちが増えることによって、先生方がその子供に向かう時間が増えてくるということがありますし、それから、そういった子供が席を離れて授業にならないというようなときにほかの先生が付いていくというようなことで、どんどんそういった忙しさが加わってくるということがあるわけでございます。    〔団長代理石井浩郎君退席、団長着席〕  それから、昔より確実に保護者や地域からのクレームが増えているということもあろうかということを思っております。こうしたクレームにも対応していかなければならないということで、多忙な生活の中で仕事をしているということがあるかと思います。何人かの先生はやはり心を病むというような事態もあるということをお伝えしておきたいというふうに思っております。  それから、今回の制度改革で現場としてどのようなことを望むかというようなことでございますけれども、私は校長として一番望むことは、是非、校長としての裁量、それを増やしてほしい、広げてほしいということであります。  校長は、自分に任せられた学校を、自分の信念で理想とするそういう学校づくりをしたいというふうに思って日々学校経営をしております。もちろん、校長には人事権もありませんし、予算権もございません。それでも、校長となった限りは自分の理想とするそういう特色ある学校をつくりたいという、そういう夢を持っているわけでございます。
  276. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございます。
  277. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
  278. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 それでは、最初にまず神谷公述人と岡田公述人にお伺いをします。  お二人とも、学校教育の現場でこれまで最前線で教育に携わっていらっしゃったというふうに今伺いました。その中で、お二人とも、やはり大切なことは学校の現場と教育委員会との緊密な連携にある、こういうふうにおっしゃっていまして、今、岡田公述人おっしゃいましたように、校長の裁量の拡大も重要な課題であるというふうにおっしゃいました。  そこで、ここでお伺いをしたいのが、現状、学校現場と教育委員会の連携について、今の現状で十分なのか、それとも課題があるのか。もしも課題があるのであれば、それをどういうふうに解決していくのか。そしてさらに、現在、学校現場と首長の対話の場があるのか。もしもなければ、やはりそういう場合は望まれるのか。これについてお伺いをします。
  279. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) まず、学校現場と教育委員会の関係は、私は、教育委員会というのは、管理監督そして学校の教育活動を助言する、サポートする、このバランスがしっかりしていないと、やはり学校現場は非常にやりにくくなるということを思います。  それには、教育委員会はやはりその学校現場の情報をしっかり収集をすること、そしてもう一つは、やっぱり教育委員会が教育信念はしっかりして学校現場を指導する、そういうバランス感覚を持って教育活動を進める、それから教育行政を進めるということが非常に重要ではないかなというふうに感じます。先ほども岡田公述人が申し上げましたように、今学校現場は非常に多忙化で、多忙化によって、先生方がしっかり物を考える、そして子供たちに教育するという部分が非常に弱くなっているというふうに思い、危機感を持っています。したがって、そんなことが必要ではないかと。  ただ、首長は、名古屋市の場合は学校へ出かけていって子供と、また先生方とお話しする機会を時々設けてみえるようですが、もちろん大事なことだというふうに思います。現在、名古屋ではそんなような状況になっているということです。  以上です。
  280. 岡田豊

    ○公述人(岡田豊君) 学校と教育委員会との連携ということでの御質問かということでございますが、今、神谷公述人もおっしゃられましたように、教育委員会は学校に対して指導、助言をするという、そういう立場でございますけれども、学校として、こういう学校にしたいからこういうことを要望したいんだという声は必ず教育委員会には言うようにしております。それを、もちろん限られたものもございますけれども、教育委員会はその意を受けて予算を付けてくれるというようなこともございます。  それから、定期的に校長会議といったようなものもございまして、そういった中で、教育長や教育委員会事務局がそこに同席しますので、そこで声を伝えていくというようなシステムもございます。  以上であります。
  281. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 もう一度確認なんですけれども、じゃ、現状、教育委員会と教育現場の連携については、今のところ、神谷公述人そして岡田公述人とも満足な連携が取れている、こういう御認識でよろしいんでしょうか。
  282. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) 私の場合はそのとおりだと思います。そのことでもって、先ほどお話をさせていただきましたいじめによる大変な事件が起こったときの対応が非常に迅速に行われたということであります。
  283. 岡田豊

    ○公述人(岡田豊君) そのように思っております。
  284. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 分かりました。  次に、じゃ、いじめ問題について、松川公述人にお伺いをします。  先ほど松川公述人は、重大ないじめ事案について、制度そのものを変えるよりも、やはり制度の改正を受けて自治体はそれをどのように適切に運用していくかが課題だ、このようにおっしゃったと認識をしております。  松川公述人は、様々なレポートの中でも、このいじめという問題は早い時期からの対応が必要である、そうした幼児期からの取組を主張されまして、幼稚園、保育園の連携、また私立、公立の連携、こうしたことも実はやった方がよかったんじゃないか、このようなことをレポートの中におっしゃっていたと、このように認識をしております。  こうしたところから、このいじめの事案に対して運用面で適切に対応していく、その松川公述人が考えられているポイントについて、こういうところがみそだというところについて、御意見を頂戴できればと思います。
  285. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 岐阜県におきましても、私が就任する直前の平成十八年度というのも、前回かなり全国的にいじめ事案があった年だったんですけれども、大変岐阜県の中でも大きな事案がありました。  その後を受けて私は就任させていただいたわけでして、その頃から岐阜県では大変重く受け止めて、まず毎年発表されますいじめの認知件数というのがあって、文科省が調査を年に一回発表いたしますよね。それで、岐阜県は毎学期それを全ての学校でやっているわけです。どんなささいないじめでも、本人がいじめられたと認識したらばということで、驚くべきほどの数字が上がってまいりまして、全国一位とか二位とかということですけれども、それを恥だと思うのではなくて、やっぱり掘り起こすと。とにかく小さいうちに未然防止するということが大事であって、そのことはもう私が就任したときからずっとやってまいりました。そして、大きな事案があってマスコミで騒がれた後は、その調査の数値がまた一段と上がるんですよね。  やっぱりそういうことをきめ細かに対応するということ。よく学校がゼロだということが誇らしいことであって、一件でも出てくるとその管理者の恥だというような認識はなくしてもらうということを徹底するようにやってまいりました。  それから、未然防止で小さいうちに解決すればいいわけですけれども、いじめが解消されたかどうかという解消率というのも統計が出ているわけですが、岐阜県は必ずしも高くありません。簡単に仲直りして解消したというほど単純なものではなくて、本当に解消したかどうかということを見極めることが大事だということも徹底しているところでございます。  ですので、いたずらに数値に、その数値というようなものは首長にもその都度上げております。大変数が多いということを危惧もされておりますけれども、隠すのではなくて、早期に対応するということが何より大事であって、どんな制度にしろ、まずそれを上げていくと。学校でもその担当の先生一人で抱え込むのではなくて、学校で集団で対応するということを何より大事にするということを徹底しているわけでございまして、そういう意味では、何か会議をやって上げればいいとか、もちろん今度法案もできまして、それぞれの自治体あるいは学校で対処するようになっておりますけれども、形式的にそういうものができるだけではなくて、末端からきめ細かく見付けてみんなで情報共有していく、学校でも情報共有するし、市町村教委でも情報共有するし、教育事務所でも、あるいは県教育委員会でも、知事部局とも、共に重大案件は私学も含めて共有するという、そういう意識を養っていくということが何より大事だなというふうに思っております。お答えになっておりますか、どうですか。
  286. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 分かりました。  今の松川公述人のお話で、まとめると、やはりまず現状をきちんと正しく認識をすること、それをきちんとフォローアップをチームとして対応すること、これがポイントだということでよろしかったでしょうか。
  287. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) はい。ありがとうございます。
  288. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 引き続き、松川公述人にお伺いをしたいと思うんですが、今、私学も含めて適切な対応が必要であるというふうにおっしゃいました。  今度、総合教育会議、これが設定をされますと、それぞれ協議、調整の事項というのは首長の専権事項、そしてまた教育委員会の専権事項があります。それにまたがって様々な協議をすることもあるんですけれども、厳密に言うと、私学、これは首長の専権事項になると思います。  こうした、首長の専権事項にまたがるし、また教育委員会の専権事項にまたがる、こうしたことも幅広く協議をする必要があるというふうに思われるかどうか、これについて御認識をお伺いします。
  289. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 当然のことだと思います。現状で、もちろん私学に関しては、あるいは大学教育に関しては知事部局というふうに分かれておりますけれども、全てそういうものはつながっておりまして、例えば入試に関しても、高等学校の入試についてもその公私の比率だとかということは常に公立学校と私学との間で協議もなされておりまして、私学も公立学校も全て県内の学校でありますので、それを総合的に調整していく場というのが総合教育会議の場で、はっきりと位置付けられるということはある意味で非常に大事だと思っております。  これから、どの県もそうだと思いますけれども、少子化がますます進んで行く中で、私立学校と公立学校の関係というのは大変微妙な段階も迎えてくるわけでございます。それを狭い範囲でやるのではなくて、オープンなところでやはり議論するということがますます大事になってくると思いますので、当然のことながら、両方が、それぞれのテリトリーを守るという姿勢だけではなくて、相互に調整して全体として県内の子供たちの教育の充実を考えていくという姿勢に立つ意味では、非常に大事なことだというふうに認識しております。
  290. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 ありがとうございました。  鈴木公述人にお伺いをします。  鈴木公述人は、市長として、これまで授業の改革、これをテーマに掲げまして、明確な教育基本方針の下に成果を上げられて、子供を育てるなら、教育を受けるなら東海市、こうしたことで人口が増える、そうして出生率も上がるという卓越した成果を出されていると、本当大変に尊敬をしております。ここで、こうした教育において結果を出されてきたこの根本には綿密な教育委員会との協議があったというふうに認識しておりますが、その際に、教育委員会との、教育ひとづくり審議会ですか、この場において鈴木公述人が心掛けてきたことは具体的にどんなことがおありだったのか、具体的にお示しいただければと思います。
  291. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) 今の教育ひとづくり審議会は、私どもの方の機関ではなくて教育委員会がつくった機関で、しかし市長の方からも人づくりについては諮問ができるという、そういう機関でございます。  それで、先ほども申し上げましたが、幼児期から小学校に上がるいろいろな課題があるわけですが、どういうふうに、保育園、幼稚園から小学校に上がるときに問題なくできる一遍方策をみんなで考えていただきたいという提案をさせていただきました。  その中で二つ出てきたわけですが、まず保育園から、これ実態のことですが、保育園から小学校一年生に上がるときに、トイレが保育園と小学校では大きさが違って、ただトイレの大きさだけの問題でなかなかもう一年生、小学校行くのが嫌だという、こういう意見も出て、私ども、その意見に対して小学校の一年生のトイレを改修をしたということ。  もう一つ、もうその当時から保育園については延長保育というのが七時まで行っておりました。そして、それまでは児童館で、小学校三年生までは児童館で学童の放課後の子供さんたちを預かるよという制度でありましたが、やはり学校から児童館まで移るという交通の問題が心配、できるだけもう動かない方がいいだろうということで、よその市も行っておりましたが、その自分の学校の教室、どっかの教室を改造して、放課後児童のクラブをつくってほしい、そしてまた、今働き方も変わってまいりまして、夜七時まで見てもらえるようにというような、そういう提案もありまして、この学童保育のクラブを全ての小学校に各教室を改造して実施をしております。そして、東海市の場合には費用も負担をいただかない、無料で行うというような、そういう提案をひとづくり審議会の中でいただいて、改正をしてきたという実態もあります。
  292. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。
  293. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 ありがとうございました。  貴重なお時間ありがとうございました。終わります。
  294. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。  今日は、公述人の皆さんにはお忙しい中本当にありがとうございました。私からも感謝を申し上げたいと思います。  まず最初に、松川公述人にお聞きをしたいと思います。  先ほどからも話が出ておりますように、いわゆる教育長と教育委員長が一本化をされて、改正案では新教育長がつくられるということです。そして、これまで以上に大きな責任、権限を持つということになるわけですが、とすると、やはりこれまでの教育長の研修制度はもちろんありましたが、特に新任の場合ですね、その在り方も見直していく必要があるのではないか。また、将来をにらんで、将来の教育長候補というものを早い段階から計画的にやっぱり養成をしていくという必要性が高まってくるんではないかと思っております。  聞くところ、アメリカなどでは、将来の教育長候補というのは、学校でもちろん教鞭を執り、管理職になり、また四十代で大学院で学んで教育行政学の博士号を取得をし、当初は小さな町などの教育長などをやって、問題解決に貢献すれば大きなところの教育長になっていくというような仕組み、システムを取っているようですが、アメリカのその仕組みをそのまま取り入れる必要もないかとは思いますけれども、いずれにしても、計画的な教育長の候補の養成ということ、また、この教育長の研修の在り方を含め、そういう研修の仕組み、システムの見直しが余儀なくされるんではないかと思いますが、教育長を実際やっておられてどういうようなお考えを持っておられるか、まずお聞きをしたいと思います。
  295. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 現職の教育長として、なかなか新教育長がどのような人が望ましいかとか、どのような在り方がとか、あるいはどのような研修かというのはなかなかお答えしにくいところでありますけれども、改正案によりますと、新教育長というのは、当該地方公共団体の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから首長が任命するということになっているわけでございますね。現行の教育委員長とそれから事務局を統括する教育長を一本化した新たな職を設けるということから、教育行政に識見があるものということが要件であるというふうには一般論として思います。  国会の議論を伺っておりますと、教育行政に識見があるものというのはどういう人かということですけれども、教育委員会事務局や教職員の出身者ではなく、今委員がおっしゃったような行政職プロパーのような専門職、あるいは教育長専門職のようなそういうシステムが日本の場合はなかなかありませんので難しいと思いますけれども、そういう研修とかあるいは養成というのも一定の必要性はあると思います。  ただ、教育行政を行うに当たり必要な資質というのは何かということは、私自身はもう少し幅広に考えてもいいのではないかというふうに思っております。最終的には教育長というのは責任を取るわけですけれども、教育委員会、特に事務局が行う事務というのは膨大なものでありまして、その全てに精通しているということはなかなかあり得ないわけでありまして、さっき申し上げたように、一般的に言って教育委員会事務局には優れたスタッフがいるわけですので、それを十分統括して最終的には責任を取れるような識見を持った人ということでは、どういう人を選ぶのかというのはそれぞれの自治体の実態に応じて私は幅広に考えていくのがいいのではないかと。  研修というのは、私もなったときに全然受けておりませんので、日々議会でしごかれたりそういうことが実際には研修になっているわけでして、机上の研修というのだけではなくて、実務の中でもまれて、マスコミにももまれ、議会にももまれ、いろいろなところで頭を下げというようなことの中で育っていくわけですので、なかなか難しいところがあるなというのが実感でございます。余りお答えになっておりません。
  296. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  次に、神谷公述人にお聞きをしたいと思いますが、そうやってある意味巨大化していく教育長がこれから出現をするということになろうと思われますが、そうすると、先ほどもたしか言及されたと思っておりますが、その教育長をチェックする機能をやっぱり高める必要があるんだろうとおっしゃいましたが、例えばどういうようなやり方でその職務執行をより良く点検、評価すべきか、何かお考えが特にあれば、お教えをいただければと思います。
  297. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) これからどういう組織をつくるかということは少しおいておきまして、現状のままの状況で考えれば、チェックを機能するのは四人の教育委員さんだというふうに思います。そのためには、やはり先ほど来から話があります、その教育委員さんが教育長をチェックできる能力をどう育てるかということがその死命を制するのではないかというふうに考えます。  したがって、それを研修するとかそういうことではなくて、一番私は大切なことは、教育委員会の仕事はたくさんありますが、一番中心は学校教育を正常に動かすということではないかなということを考えたときに、ある程度の教育論を持ち、そして子供を大切にして育て、その子供たちが将来、日本の国をしょって立つ人間になるという意識を持ってやるべきではないかなというふうに考えます。  以上です。
  298. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  それから、神谷公述人に引き続いてお聞きをいたしますが、先ほどもおっしゃいましたように、学校のいわゆる現場力を高めていく、また学校と地域との信頼感といいますか、それが大事だとおっしゃいましたけれども、ちょっと恥ずかしながら名古屋の状況が分からないのでまずお聞きをするわけですが、そういう意味でも、学校運営に住民の声をより反映していく、民意を反映していくということからも、いわゆるコミュニティ・スクールの推進が大事なのではないかという立場に私は立つんですが、名古屋での状況がどうなのかということも含め、そういったコミュニティ・スクールを推進をしていく難しさとか課題とか、もしこういうものがあると、これを克服しなきゃならぬというのがあれば、お教えをいただければと思います。
  299. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) 一つは、その地域の教育力というのをやっぱり学校教育の中に入れ込むべきだという考え方があるんです。ところが、名古屋においても教員組織というのはどっちかというと少し自分の学校の中で固まる、そういう傾向がある。それにどう風穴を空けるかということが今私は名古屋の教育にとって大切なことだというふうに考えています。  ただ、今回、名古屋においても、そういう施策として、施策を設けながら、例えばスクールカウンセラー、アドバイザー、それからスクールポリスというのを入れながら、そして少しでも学校教育が外部の方の力も借りながらやるという方向性は少しずつ出てきておるというふうに思っておりますので、やはりそれをもっと拡大する必要があるのではないかなというような考え方を持っています。  以上です。
  300. 柴田巧

    ○柴田巧君 どうもありがとうございました。  続いて、鈴木公述人にお聞きをしたいと思いますけれども、総合教育会議がつくられるということで、肯定的な評価をされておられるようにお聞きをしておりましたが、私、正直懸念をするのは、この総合教育会議でいわゆる緊急対応なども議論するといいますか、ことができるということには一応なっているわけですが、となると、逆にそれがあるがゆえに迅速な対応ができない、機動性が発揮できないという場面も、懸念もあり得るのではないかと思うんですね。首長さんが、市長さんが迅速にこうやりたいと思っても、その総合教育会議があるがゆえに教育委員会といろいろ調整、協議をしなきゃならないということによって、逆にそれが遅れるという可能性もあるのではないかと思いますが、そこら辺の御懸念はおありでしょうか、どうでしょうか、お聞きをしたいと思います。
  301. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) 私は、緊急性の問題について、そんな懸念は持っておりません。逆に、そこら辺のルールづくりをこれからつくっていくときにしっかりして、特にいじめだとか命に関わるそういう緊急事案について、どういう場合のときに、すぐ、どう対応するかというような、会議の開き方も含めてルール決めをしておけば、その緊急性の懸念というのは私はないというふうに思っております。
  302. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  それから、鈴木公述人にお聞きをしたいと思いますが、市長さんをしておられて、恐らくこれは特に市長が替わられたというときなどに起きるんではないかと思いますが、大変教育長は強い権限をこれから持ちます。新人の候補が当選された場合は、その教育長は前の市長が言わば任命した方になるわけで、当分そういう状態が続く。ある意味、新市長さんと考えがかなり違う教育長が、しかも強い権限を持った教育長が存在するというのが何年か続くということがあり得ると思いますが、そうなると、大変混乱が生じるんではないかということなどを心配をするんですが、そこら辺はどういう率直なところとしてお考えをお持ちでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
  303. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) 自分が任命した教育長であればこれは問題ないかというふうに思いますが、市長が交代したときに、前の市長が決めていった教育長の今の課題だというふうに思いますが、そういったところも配慮されて、四年が三年になったということも一つ議論の対象になっておったんではないかなというふうに思います。これは、逆に言えば、また教育長のそこで働くという任期の問題からいっても重要な問題がありますので、これは、今のどれだけの期間がどうだというふうな問題等についてはまあ致し方ないんじゃないかなというふうに思っております。
  304. 柴田巧

    ○柴田巧君 以上で終わります。ありがとうございました。
  305. 松沢成文

    松沢成文君 みんなの党の松沢成文と申します。  公述人の皆さん、お忙しいところ、御協力ありがとうございます。  これまで、今回の政府案の問題点、大きくは、例えば総合教育会議の在り方とか、あるいは新教育長の在り方ですとか、あるいは学校現場でのいじめ等への対応みたいなところで、同僚の議員の皆さんからも様々な角度から質問をいただいて、私はいつも小さな政党で順番が遅いんで、ほとんど質問が出尽くしちゃうわけですけれども、私は実は、いつも視点を変えて、全ての公述人の皆さんや参考人の皆さんに、私どもの考えるちょっと政府案とは違う改革案について現場で頑張っている皆さんがどういう印象を持つか、その感想をお聞きするようにしているんですね。同僚の委員の皆さんにはもう耳にたこですけれども、ちょっとお許しいただきたいと思います。  実は、私たちみんなの党は、今回の教育委員会制度改革において、各自治体が自分たちが一番この制度ならうまくやれるという制度を選択できる、この選択権、自主決定権を与えていかないと、地方分権は進んでいかないし、本当に地域が自立して自分たちの意思で改革を進めようとするインセンティブが働かないんじゃないかという問題意識を持っているんです。  まず一つは、今、日本には千八百とかそれぐらいの自治体があるわけですね。同じ自治体といっても、小さな市、町ではもう人口千人とか二千人の小さな自治体から、神奈川とか愛知のように何百万といる自治体まである。もう多種多様であります。人口規模だけじゃなくて、人材あるいは文化、特に教育文化も多種多様ですよね。それを国が全部制度をまた決めて、この制度はうまくいかないから新しい制度はこれだと、はい、全ての自治体、それに従ってやりなさいということで、全部上から下ろしてくるんですね。これで果たしてうまくいくかと。やはりその自治体にもう少し合った制度を自分たちで考えさせてくれ、選ばせてくれというのは、やっぱり地方自治を求める側からすれば、私は当たり前の要求だと思うんですね。  今恐らく日本人のコンセンサスは、やはり中央集権体制のままじゃ駄目だと、もっともっと地方分権を進めて、地域でいろんな地域づくりをやれる体制をつくろうじゃないかというのに反対する人はかなり少ないと思います。  ただ問題は、国の側も地方の側もそれがいいんだと言いながら、国は相変わらず自分たちで画一した制度をつくって地方に押し付けている、地方も、地方分権を望むと言いながら、その方が楽ですから与えられた制度でやって、うまくいかなきゃ国の責任にもできますしね。自分たちで制度をつくって、そこでうまくいかなければ自分たちが責任を負うんですね。大変厳しい状況にもなりますから、ある意味で依存していた方が楽だという甘えもあるように思うんです。  さあ、今回この教育委員会制度の改革において、地方教育行政というのは地方の自治事務なんですね。ですから、地方が自分たちで自らやっていかなければいけない。その中で、全てを国に一律で決められて、それに従えというのは、私たちはおかしいと思っているんです。ただ、じゃ全て自治体に全部自由で、おまえらが全部一から決めてやれと言っても、それはそれで混乱しますよね。ですから、国はナショナルスタンダード、こういう標準でやりなさいというのを地方に提示して、その中から地方が、我が町に一番合った制度はこれかなと地方が議論をして決めて、採用して、運用していく、結果も地方が責任を持つというのが本物の私は地方自治だというふうに思っているんです。  そこで、今回、三つの大きな制度の提案があると思うんですね。  一つは、これまでの教育委員会制度、形骸化しているだとか、責任の所在が不明確だとかいろんな批判もあるけれども、自分たちの町はこれでかなりうまくやってきた、改革もしてきたよと、だから今の教育委員会制度をそのまま続けていこうという自治体があってもいいと思うんです。  それから逆に、いや、この制度だと相当批判も強いと、もう少しリーダーシップ重視で、やはり一番民衆から選ばれているというその地域の代表の正当性があるのは首長ですから、首長中心に教育の運営もやっていけるように、首長が教育長を任命するみたいな形でやっていこうと。ただ、ここで皆さん、これだと暴走する暴走すると言うんですが、ただチェック機関はあるわけですね。まず、地方議会を忘れちゃいけません。地方議会だって首長が勝手に変な改革をやり始めたら相当なブレーキを掛けますよね。それから、今回国会の方で出た首長中心型の制度で維新さんと民主さんが出している案でも、地方議会の中に、あるいは地方議会が選んだ教育監査委員会というのをつくって、そこで厳しく首長や教育長がやっている行政をチェックできる仕組みもつくろうと、これ併せて提案されています。こういう首長にリーダーシップを置く制度。  そして、今回の政府案のように、これどちらもいい面、悪い面ある、その両方をうまく合体させて、悪く言えば妥協の産物ですけれども、良く言えば教育委員会制度のいい面と首長のリーダーシップ型のいい面をうまく合体させる形で総合教育会議を置いたり、あるいは新教育長をつくったりする政府案というのも出てくるんですね。  こういう三つの案の中から、例えば、その地方自治体がうちの自治体にとって一番いいのはこの制度じゃないかというのを議論して、これはまた首長さんが勝手に決めちゃ駄目です、首長と議会とそして地域住民も入って議論して、それで選択をしていく。これが本当の地方分権改革であり、地方自治の進展につながるというふうに思っているんですね。やはり与えられた制度で改革といっても、これなかなかうまくいかないところもあります。自分たちで議論して、自分たちが選択した制度で、その中で自分たちでいい運用をやっていくんだと、ちょっとおかしいところがあったら自分たちでチェックをして直していくんだと。やっぱりこの自立心がなければ、本当の地方、地域からの教育改革というのは進んでいかないというふうに思っているんです。  実は、今回の国会でも私たちみんなの党は修正案を出させていただいて、将来的にはこの三つの制度の中で地方自治体が選択できる、そういう形にしていくのがいいんではないかという提案もさせていただいているところなんですね。それで、それぞれ現場で頑張っておられる四人の皆さんに、もう私ちょっとしゃべり過ぎましたので、こういう考え方、案についてどのような感想をお持ちか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
  306. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) 全員に聞かれますか。
  307. 松沢成文

    ○松沢成文君 はい。
  308. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) じゃ、時間の関係がありますので、簡潔に、端的にお願いしたいと思います。
  309. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) 地方分権は私も大賛成ですが、ただ、この教育の問題に対して、子供たちの教育に関しては、先ほどもお話があったように、今、日本に千七百の自治体がある。これも三百六十万から一万人を切るというような、そういう自治体がある中で、果たして先ほど言われたような話がうまくいくだろうかというと、なかなか難しい。  例えば県費負担の教職員の問題も、これは政令指定都市やこれから中核都市なんかに移っていくという、これは部分でありますが、これは本当に一部だけであると。もう全ての自治体が先生たちは県費負担の教職員として県が人事権を持っているというような、こういう制度の中で、地方分権を各自治体に全て持っていくというのはなかなか難しいという私は判断をしております。  そして、今回の改正は、私はそういうものを大体含めたいい改正だというふうに思います。
  310. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございます。
  311. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 本当に岐阜県というと白川郷の白川村のような小さい村立の、村の教育委員会から県の教育委員会のような、それを全て一律の制度でやるということの問題点とかそういう御指摘、あるいは選択制の議論があったということは承知しております。  ただ、私はあえて、自治体の規模の大小はあっても、それが同じ制度で行われて、そしてその教育委員会会議の内容がもちろん違うわけです。白川郷の教育委員会で議論されているのは本当にそこの何軒先の子供の人名まで分かった議論がされているようなところから、全然違うところまでありますけれども、それがいろいろある中で、やっぱりひとしく子供たちの教育の充実を地域住民が担っていくという制度は、私は逆にいいのではないかなというふうに思っております。
  312. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。
  313. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) 基本的には賛成です。ただ、そういうことをするには、言い方がちょっと御無礼かもしれませんが、その地域住民がそこまでの意識、レベル、そういうものを兼ね備えてこそそういうものができるというふうに思います。将来的には私はこの問題はそういう方向に進めなきゃいかぬ。教育の問題でいえば、例えば学習指導要領でも同じような部分があるというふうに思います。そういうものがそろってやはり地方の教育がきちっとした形で進めると思います。  以上です。
  314. 岡田豊

    ○公述人(岡田豊君) 私は、これまで日本がやっぱり学習指導要領に基づいて全国一律にそういう形で教育がなされ、非常に大きな成果を上げてきているというふうに私は思っております。  ただ、現場におりますと、いろいろな国からの施策が大きな波のように押し寄せてきます。例えば、今、土曜授業にしても、それから道徳、それから小学校英語の教科化にしてもそうでありますし、それから全国学力・学習状況調査の悉皆の調査云々にしてもそうだと思いますけれども、そして、果たして全国一律にやらなければならないのかなという、そういう部分での疑問はありまして、今委員さん言われるように、やはりいろいろな実態がある自治体ございますものですから、そういったようなものを踏まえて教育がなされるべきであろうということを思います。愛知でも、あいちの教育に関するアクションプランというのを作りまして、愛知の実態に即した教育をしていくというようなことでしておりまして、ある程度の統一した部分の中でどれだけそれぞれの自由が求められていけるかという、そういった部分での議論は必要かということを思っております。  以上であります。
  315. 松沢成文

    ○松沢成文君 ありがとうございました。
  316. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  今日は本当にありがとうございます。  まず、岡田公述人にお聞きします。  先ほどの意見陳述の中で、責任の所在は法的には明確だと。私は、この御指摘は全くそのとおりだと思っておりまして、教育に関する事務の執行は教育委員会全体が責任を負っていて、教育長というのは委任によって事務の執行の第一義的責任を負う。これは法案でも変わらないということを考えてみても、なぜこういう改革になってしまうのかなということを私も大変疑問にこの法案については感じているところなんです。  お聞きしたいのは、それでは本当に求められる教育委員会の改革とはどういうものなのかということなんです。大きな話でなくていいんです、学校の現場が求める教育委員会の改革とはどういうものか。  というふうにお聞きしますのは、この間の教育改革の中身がかなりトップダウンという形でずっと行われてきたように感じます。それは、教育という分野だけではなくて、今研究をどうしていこうかとか、産業競争力どう付けていこうか、あるいは子供に関わることも人材づくりという名前で、トップダウンの改革案というのが矢継ぎ早に今もどんどん提案をされているところなんですね。しかし、本当に学校現場が求めるのはボトムアップ型の改革ではないのかなという問題意識を持っています。  校長先生も経験をされて、学校の側から見て教育委員会はこういう改革が必要じゃないかという御提言をいただければと思います。
  317. 岡田豊

    ○公述人(岡田豊君) 全くそのとおりでございまして、是非現場の声を吸い上げられるようなシステムにしていただきたい。これはもう教員もそうでありますし、それから保護者や地域の方々が求めるその地域の教育はどういうものなのかというようなこと、これは全国一律に全てが同じものではないわけでございますので、その地域に必要なもの、求められるものは何かということを是非声が届くような、そういう委員会制度にしていただきたいというふうに思っています。  総合教育会議が首長さん主宰をしてやられるということでありますけれども、そういったものが、権限やあるいはシステムについて具体的なところは私も分かりませんけれども、是非そういったものを、どういう形でも結構でありますので、声が吸い上げられるような、実のあるそういう会議にしていただきたいというふうに思っています。
  318. 田村智子

    ○田村智子君 神谷公述人に次にお聞きしたいんですけれども、今度は教育委員会の側から見てということでお聞きをしたいんです。  私は、今度の法案の中で、教育委員の皆さんの活動が活性化していくような中身というのはちょっと読み取ることができないんですね。質問を先日行いましたら、議事録の公開がそれに当たるんだということが言われたんですが、それは、議事録を公開して住民への説明責任という意味では確かに改革の一つだろうとは思うのですが、今様々に教育委員の皆さんも自分のお仕事も持ちながらの活動、だけど、学校現場で様々な問題への確かに迅速な対応を求められている。そういうときに、教育委員の皆さんの活動を活性化する、支援する、そのための条件整備であるとか予算であるとか、そのほかでもいいんですけど、こんな改革が必要ではないだろうかという御意見がございましたら、また、法案の中にも、いや、それに役立つのを自分は読み取ったよというところがもしもあれば、そのことについてもお聞きしたいと思います。
  319. 神谷龍彦

    ○公述人(神谷龍彦君) 非常に難しい質問だというふうに思います。  率直に言って、教育委員は非常勤であります。そういう中で、非常勤の教育委員がその活性化を行うということについては、今のままの制度上では非常に難しいことではないかと。  そうなりますと、やっぱり選ぶときにそういう資質のある方を選び、そして、あとはその教育委員さんが学校にどう目を向くかということが一つの大事な要素ではないかなと思います。  簡単に言いますと、例えば昨日、名古屋の愛教大附属小学校の発表会がございました。そのときに名古屋の教育委員さん、教育委員長と、あと弁護士さん、それから商売をしてみえる委員さん、三人がその附属小学校の発表会に出てみえました。そういうことをしながら、やっぱり現場の様子をしっかり捉えるような少しでも方策を考えるということが今重要ではないかなというふうに思ってはおります。  以上です。
  320. 田村智子

    ○田村智子君 ありがとうございます。  次に、ちょっと法案の中身にも関わることでお聞きしたいんですけれども、先ほど皆さんから、法案に対して評価をいただいている方からも、総合教育会議とこの大綱が、どこまで協議、調整事項がその中に入ってくるのかということについて懸念の意見が表明されたというふうに理解をいたしました。  そこで、松川公述人には是非お答えいただきたくて、ほかの方も御意見ありましたらちょっと挙手いただいてお答えを時間の中でいただけたらと思うんですけれども、私、やっぱり予算であるとか条例提案というのは確かに知事さん、首長さんなど長の権限に属することで、そのことを総合教育会議の中で教育委員の皆さんと一緒に協議をする、これはとてもある意味大切なことだというふうには私も思うんです、必要なことでもあろうというふうに思うんですね。  ただ、問題になるのは、皆さん懸念を表明されたのは、教育委員会の権限に関わることが果たしてどこまで協議の対象となり、それが大綱にどのように書き込まれていくのかというところでの懸念だというふうに思うんですね。  例えば、この間いろんな自治体で問題になっているような事例を挙げても、どのような教科書や教材を使用するのかということとか体験学習や修学旅行の在り方とか、東海市がとてもうまくいっているというのは理解の上でなんです、ほかの自治体で、そこに対して、こういうところに行くのはいかがなものかというような議会の中での追及が行われているような県があるわけですね、そういうこととか、あるいは学力テストの扱いをどうするかと。こういう言わば教育委員会に、まさに法律によってそれが教育委員会の権限であると定められていることが、長が主宰する総合教育会議の中で長がどのように提案するのか、どう協議するのか、大綱にどう書き込まれるのか、ここが非常に焦点になってくるというふうに思うんです。  この点について御意見あるいは懸念に思われていること、こういう歯止めが必要じゃないかというようなことなど、松川公述人、皆さん、ちょっとお答えいただければと思います。
  321. 松川禮子

    ○公述人(松川禮子君) 委員が御懸念の教科書問題だとか、それから人事に関しては、改正後も教育委員会の専権事項というふうになっております。  ただ、総合教育会議の詳細な運用方針というのははっきりしていなくて、まず、会議自体をどの程度の頻度開催するのかというような問題もありまして、緊急の場合を除いて定例会をどのくらいやるのかということ、それから、調整、協議を図る重点的に講ずべき施策については、耐震化の推進とか教職員の定数改善というような例が示されているのにすぎないわけでして、重点的に講ずべき施策というのは何でもありといえばありにも取られるわけで、どこまでその調整、協議を図るかは首長の判断によるわけです、首長が主宰するわけですので。そこら辺の詳細な運用方針が不明確であるというのは課題であると思います。  それから、大綱というのがどの程度の内容が、先ほども岐阜県で申しましたような教育振興基本計画と同じものなのか、また違うものなのかという問題点もあります。  それから、もう一つ非常に問題だと思うのは、総合教育会議は原則公開でありまして、個人の秘密を保つ必要があると認める場合はその限りでないというふうに言われているわけですが、いじめ問題など個人に関わる案件を協議する場合はどの段階で非公開にするのかというのはなかなか微妙な問題で、これは詳細な基準ができないと各自治体でやっぱり混乱する可能性があるという意味で、なかなか総合教育会議というのは、教育委員会と首長との連携をもっと密にするという意味では私は評価しておりますけれども、実際の運用についてはまだ不明な点が非常にあるということで、仮に、法案が通ってから予定されている施行日まで余り日数がないわけでございまして、その間にその辺がどのくらい詰められるのかというのは、私は大きな課題だなというふうに認識しているところでございます。
  322. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) 先ほどの陳述のときにもお話をさせていただいたように、この法律が施行されるまでにどういうことをするかというルール決めを一つ出していただかないと、なかなか地方の方で混乱するんじゃないかなと。  もし、私どもの方にまだそのルールがされないというふうであった場合、私がこれ今思っておりますのは、やはり政治的中立性の問題を含めて、教育委員会の権限の三号から六号は、ちょっと国のルールが決まらなかった場合にはそれは除いてやろうというふうに思っております。
  323. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ほかの公述人、御意見ありますでしょうか。特にないようでしたら、田村先生。
  324. 田村智子

    ○田村智子君 最後にもう一問だけお聞きしてもよろしいですか。  鈴木参考人にもう一問だけお聞きしたいんですけれども、私たち、資料で東海市の学校教育の基本方針というのをいただいています。  私、文部科学省に聞きましたら、大綱というのは知事が主宰をして知事にその決定の権限があるので、案を作るのは、法律上は、知事とか市長さんですね、知事や市長の事務局の側になるだろうというんですね。恐らく、この教育の基本方針というのは、教育委員会の事務局の側が案を作り、教育委員会の中で検討をされ、市長さんともすり合わせを行ったんじゃないかというように思うんですけれども、この大綱は市長や知事の事務局が案を示すということについてはどのようにお考えになられますか。
  325. 鈴木淳雄

    ○公述人(鈴木淳雄君) 今の内容は、これはまだ法の前ですから教育委員会が作ったもので、私どもの方が関与しておるものではありません。  これからこの大綱をどう作っていくかということも、この法律が通って内容的なものも施行令や何かで出てくるというふうに思っておりますので、早くやっぱり、私は総合教育会議はすばらしいというふうに思っておりますので、これが上手に運用できるような内容をきっちり政令なりいろいろなもので決めていただきたいというふうに思います。
  326. 田村智子

    ○田村智子君 ありがとうございました。
  327. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) 以上をもちまして公述人に対する質疑は終了いたしました。  この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  また、本地方公聴会のために、多忙な中、種々御尽力を賜りました関係者の皆様に、この場を借りまして厚く感謝申し上げます。  これにて参議院文教科学委員会名古屋地方公聴会を閉会いたします。    〔午前十一時三十四分閉会〕      ─────・─────    静岡地方公聴会速記録  期日 平成二十六年六月五日(木曜日)  場所 静岡市 静岡グランドホテル中島屋    派遣委員     団長 委員長      丸山 和也君        理 事      石井 浩郎君        理 事      二之湯武史君        理 事      大島九州男君        理 事      松沢 成文君                 堀内 恒夫君                 石橋 通宏君                 斎藤 嘉隆君                 那谷屋正義君                 新妻 秀規君                 矢倉 克夫君                 柴田  巧君                 田村 智子君    公述人        静岡県教育委員        会委員        前静岡文化芸術        大学理事     興  直孝君        静岡大学大学院        教育学研究科教        授        武井 敦史君        静岡大学教育学        部教授      梅澤  収君        静岡県知事    川勝 平太君     ─────────────    〔午後二時開会〕
  328. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ただいまから参議院文教科学委員会静岡地方公聴会を開会いたします。  私は、本日の会議を主宰いたします文教科学委員長の丸山和也でございます。よろしくお願いいたします。  本日の地方公聴会に参加しております委員を紹介させていただきます。  まず、私の右隣から、自由民主党の石井浩郎理事でございます。  同じく二之湯武史理事でございます。  同じく堀内恒夫委員でございます。  公明党の新妻秀規委員でございます。  同じく矢倉克夫委員でございます。  次に、私の左隣から、民主党・新緑風会の大島九州男理事でございます。  みんなの党の松沢成文理事でございます。  民主党・新緑風会の石橋通宏委員でございます。  同じく斎藤嘉隆委員でございます。  同じく那谷屋正義委員でございます。  日本維新の会・結いの党の柴田巧委員でございます。  日本共産党の田村智子委員でございます。  次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。  静岡県教育委員会委員・前静岡文化芸術大学理事興直孝公述人でございます。  静岡大学大学院教育学研究科教授武井敦史公述人でございます。  静岡大学教育学部教授梅澤収公述人でございます。  なお、静岡県知事川勝平太公述人につきましては、所要により遅れてお見えになりますので、御了承願います。  この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  皆様には、御多用のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。  当委員会におきましては、目下、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査を行っておりますが、本日は、本案について皆様方から貴重な御意見を賜るため、当地において地方公聴会を開会することといたしました。  皆様方から忌憚のない御意見を頂戴し、今後の法案審査の参考にいたしたいと考えております。何とぞよろしくお願い申し上げます。  次に、本日の議事の進め方について申し上げます。  まず、興公述人、武井公述人、梅澤公述人、川勝公述人の順でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。  御発言は着席のままで結構でございます。  まず、興公述人にお願いいたします。興公述人。
  329. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 本日、このような機会をお与えくださいまして、誠にありがとうございます。  お手元に、本日、私の意見を用意させていただいております。  私は長く国家行政に関わった者でございますが、静岡県において静岡大学と静岡文化芸術大学に奉職する機会を得、更に静岡県の学術教育政策顧問として参画することができました。また、静岡県が設けました教育行政のあり方検討会の委員、座長として九名の方々とともに検討を進めてまいりまして、昨年の三月に意見書を知事に提出したところでございます。  また、その後、教育委員会事務局組織改革の作業部会の顧問として、教育委員会並びに知事部局の事務局の方々と御一緒して、その検討の機会に参画することができました。昨年十二月には静岡県の教育委員会委員に就任することともなったのであります。  地教行法は、長い関係者の取組の結果、すばらしい法律としてでき上がったものと評価しております。今回、改正法案が審議されているところでございますが、これまでの経験から得られましたことに立脚して、よりすばらしい地方教育行政の充実強化が図られるよう、その思いから意見を申し上げさせていただきたいと思います。  まず、一としまして、現行法の改正の必要性とその検証ということで用意をしました。  その必要性については、これまで巷間、多くのいろんな問題点が指摘されてございます。権限と責任の所在が不明確、地域住民の意向の反映がどうなのか、教育委員会の審議等が形骸化しているのではないか、迅速性、機動性の欠如などが指摘されております。  これについては、私としては、二ページにございますが、教育問題については、基本的に社会総掛かりで取り組む工夫が求められているのであって、教育現場の抱えている諸問題を顕在化、共有化させる努力が本当に払われてきたのだろうか。  また、教育行政に関する権限と責任は一体のものであって、教育委員会の教育長への指導監督、さらには業務点検、評価は極めて重要なものである。この点検、評価の結果から教育活動の実態が浮き彫りにされ、理解につながってきたのだろうか。同時に、教育長は、教育委員会の指揮監督の下、全ての事務をつかさどられるわけですが、教育委員会会議における議事についての助言が求められております。両者の緊張関係の下での機能が発揮されてきたのかどうか。この辺りの検証が必要だろうと。  あわせて、教育委員会の委員が非常勤の委員ということで、実際上、私も委員となってみまして、単に会議だけのみならず、種々の業務執行に追われている実態がございます。レーマンコントロールという視点の意義、非常勤職という意味が何であるかをきちんと考えて、そういう認識に立って教育委員が所掌を果たすことが必要だろうと。その実態はどうなのか。  教育委員会事務局の機能は極めて重要である。ところが、その中には、教育委員会の指導主事の活動の実態、そういう成果が教育委員会の審議に生かされてきたのかどうか。また、事務局機能を発揮させるために教員の貢献は大きいのでございますけれども、それが結果として、教育現場の活動の制約とか、あるいは教育事務職員のモチベーションに影響を来してきたのではないか。現状把握に基づく抜本的な取組の可能性の検討が必要だろうと思われます。  また、議会の教育委員会活動に対する役割は重要であって、教育委員会がそういう形で議会に対し、問題を顕在化させて議会に報告ができるような点検、評価をきちんと行ってきたのかどうか。かつ、監査委員による行政監査等は、これまで余り注目されておりませんが、教育活動にとどまらず全ての分野にわたって行われているものでございまして、そういう意見をきちんとしんしゃくする必要があるだろうと。  これらの検証に基づいて具体の運用取組の改善策を講じることがなければ、今回の改正法案が仮に図られたとしましても、期待されるレベルの意義が発揮できないのではないかと考えてございます。  改正法案国会提出に至るまでは、中教審等の議論などを踏まえながらも、与党協議によって現行法の枠組みを生かした形の法案提出となったところでございまして、その取組の意義というのは十分に考えなきゃいけないだろうと思います。  大綱の策定等におきます首長と教育委員会との関係でございますが、総合教育会議において協議した上で大綱が定められる、首長が定めることとなってございます。これにつきましては、首長と教育委員会の現行法の所掌事項と権限を尊重した形となっていること、また、既に各地域において教育振興基本計画等の策定に当たって首長の役割が高いという実態があること、そういうふうなことに加えまして、総合教育会議の審議を通じて、首長の権限でございます予算についても当然取り上げられることが可能である、そういうふうな意味では改正法案は評価されるべきものと考えてございます。  首長の教育行政への介入が危惧されるという声がございますので、これにつきましては四の中で触れさせていただきます。  総合教育会議の役割と運用の在り方の問題でございますが、まず重要なのは、首長と教育委員会の連携協力がなければ教育行政を進めることができないということでございます。  そういう中にあって、教育委員会にとって施策の推進には先ほど申し上げました予算の措置と人員の確保が必要であって、教育委員会の予算のうち、教育に関する事務につきましては、首長は教育委員会の意見を聞くことが法定化されております。また、私立学校につきましても、事務の管理と執行に当たり、必要に応じ、専門的事項について教育委員会の関わりを求めるということも首長の事務と権限としてございます。あわせて、スポーツと文化に関しましては、首長若しくは教育委員会の所掌の在り方が法定化されているわけでございまして、連携協力が不可欠でございます。  このほか、総合教育会議の設置によりまして、教育長に種々、補助執行事務が付与されている問題も含めて、広くその場において知事と首長と教育委員会の委員が審議することが可能になるだろうと思っています。同じ構成員として協議する機会が設けられ、その後の構成員としての事務の調整が図られると申しますのは、むしろ積極的に評価すべきことと思料してございます。  一方、教育委員会の所掌事項については、首長の政治的な介入が危惧されるとの指摘がございます。総合教育会議の公開が規定されており、かつ議事録の作成と公表が努力規定とされていることを評価してはおります。個人的には、議事録の作成とその公表は遅滞なく行われるべきものと規定されてしかるべきであったのではないかと思っています。しかしながら、現行法に規定されている学校運営協議会が期待されているほどには導入されていない実態を教訓として捉えれば、今次法案において努力規定ぶりを新たに設置される総合教育会議の円滑なスタートを図る上で考えられましたのは、現実的な規定ぶりとして思料せざるを得ないと考えてございます。  総合教育会議の審議の場は、その後に教育委員会の会議の場が期待されていること、手続的なものにはしないような努力が両者の間に必要だろうと思います。実質的な審議を総合教育会議の下で、しかも公開の場で行っていくことが必要だろうと思います。教育委員会各委員として独自の立場で会議の場に臨むことが必要であると考えています。事前に調整する必要はないと思います。構成員の一人一人としてそうした思いを持って、新たに設けられます総合教育会議のシステムの整備に努めていかなければならないと考えています。  現行法の検証の観点から、先ほど申し上げました改善の問題でございますが、これは私個人の見解として今日この場にしたためて書き物にしてございます。  まず、教育委員会の審議の場の透明性の確保についてでございますが、十分に図られてきたとは必ずしも言い難いのですが、よく進んできたと思っています。報道関係者の方々の会議を取材される努力やそうした方々への説明だけでは社会総掛かりの取組に向けての一歩にしかすぎない、したがって一層の取組の工夫が必要と考えています。  教育委員会の点検、評価の取組は今でも行われておりますが、極めて重要な意味があるにもかかわらず、それによって個々の教育取組の評価の集合として出てはおりますけれども、教育取組全体としての点検、評価につながってきたのかどうか。これについては、やはり教育の現場の抱えている諸問題の問題点をちゃんと顕在化させて関係者で共有する努力が一層必要だろうと思っております。  教育委員会と教育長の両当事者がこれまでの取組を真剣に受け止め、一層の取組の改善の努力を払っていくことが必要でございます。非常勤といえども教育委員は常時教育委員としての思いで、かつ、あえて非常勤職で委員に充てられているという背景には、その人でなければならない高い見識で対応することが期待されるのであって、おざなりの教育委員では困ります。そういう意味で、教育長を指揮監督する立場の者という認識の下で現行法では会議の場に臨み、的確に対応していくことが必要であり、決して事務局主導で会議が取り進められるという性格のものとは一切考えておりません。  教育長は、他方、議事について助言することが求められており、事案を取り巻く背景、必然性、広範な視点からの助言が期待されており、教育委員会委員と同様に一層の取組の努力が必要と考えております。  今、首長の教育委員会委員の議会の同意手続に当たり、首長の人選こそが重要であると思います。教育委員会委員に内諾を求められる方々にあっては、仮に非常勤であっても万難を排して所掌を果たす思いを持てるかどうか、その思いで引き受けていただくべきだと思います。  事務局機能の充実強化は、教育委員会の機能を発揮させる上で不可欠でございます。専門家集団として教育事務局に変貌することが必要なことでございます。現実的な取組も必要でありますので、体制整備に向けてステップ・バイ・ステップの工夫が必要だろうと思います。従来の人事の体系に縛られずに有為な人材が事務局スタッフとして活躍できる工夫が求められます。具体の例として研究者の登用等を指摘しております。  議会の議員の方々に対しましては、教育委員会における教育取組の全貌が掌握できるような点検、評価を含めた活動実態を適時的確に説明することがまずは肝要であります。他方、監査委員の声に対しましては、教育委員会として真摯に対応していくことが必要だろうと思います。  最後に、教育委員会制度の法的整備と並行的に、現下の改善の取組が教育委員会の中で真剣に審議されるようになれば、おのずとすばらしい教育取組が見られるものと確信してございます。  以上、私の意見でございます。
  330. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) 時間も厳守いただいてぴったりで、ありがとうございました。  次に、武井公述人にお願いいたします。武井公述人。
  331. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) それでは、私の方から、私の今回の地教行法改正に関する意見を述べさせていただきます。  資料の方、平成二十六年度地教行法改正による新教育委員会制度に関する私見と書いてありますが、それと別途、その裏に資料と書いたものがございます。そして、これらは分けられるようになっていますので、両方見比べながら見ていただければ幸いです。  それでは、早速、私の考えを述べさせていただきたいと思います。  まず、現行の教育委員会制度、大きく分けて二つの論点があろうかと思います。一つは、今の教育委員会制度の基本になっております中立性の問題、それから継続性、安定性の問題、それから住民の意思の反映という、この三つの問題について今回の新制度がどのように影響するかというような問題です。それから二点目に、教育委員会制度が新しくなることによって、果たして教育現場が実際に本当に良くなるのかと、この点に分けて論じさせていただきたいと思います。  まず、制度原則についてですが、中立性については現行制度でそれほど多くの問題があるとは考えておりません。私、静岡県下、四つの自治体で点検、評価や教育振興基本計画の策定に関わってきましたが、その中でもイデオロギー的な対立というのは非常に弱くなっていると。そういう意味で、現行制度では問題が少ないのに加えて、新制度になることで、首長が三年ごとに教育委員長兼教育長を任命できるようになりますが、これによって若干の影響は、全くないとは言えませんが、しかし、現行どおり教育委員会は執行機関として残ります。ですから、問題はこれについては極めて限定的というふうに見ております。  第二に、安定性、継続性の問題ですが、教育委員会制度がつくられた当初と比べると、各自治体で教育振興基本計画というのが教育基本法の改正以来作られるようになっております。加えて、その振興基本計画に基づいて点検、評価をほとんどの自治体でやっておりますので、安定性は以前以上に高まっているというふうに考えます。首長交代による影響が若干強くなっているというふうには考えますが、直ちにこれによって大きな問題が生じるというふうには私は考えておりません。  そして、三番目に、住民の意思の反映ですが、現行でも制度の趣旨というのは私は守られておると思います。しかし、現実問題としては、教育委員がいわゆる住民の教育意思をどのようにしてつかんでいるか、それから学校の実態をどのようにして把握しているかということを考えますと、この点は現行制度下でも既に問題があるというふうに考えるべきだというふうに思います。  こちらの資料の方の一番最後のページをちょっと御覧ください。資料三と書いてあるところ、その下の方の十一と書いてあるところです。これは、指定都市教育委員・教育長協議会の分科会の資料から持ってきたものですが、これを見ても分かるとおり、例えば保護者や地域住民と意見交換会のようなことを行っている自治体は、政令市の場合であっても非常に限られております。もちろん、教育委員さんたちは各学校訪問等は非常に頻繁に行って、そこでは見てきておりますが、当然のことながら、教育委員さんたちが学校に来るとなれば、学校側は入念に準備いたします。そういうような目を通して把握した姿が本当の学校現場の姿かということを考えれば、当然そこには一定の限界があるというふうに考えるべきであろうというふうに思います。  したがって、住民の意思、特に住民がどういうことを教育に望んでいて、それが学校現場で本当に行われているのかと、これを検討するという面から見ると現行制度でも限界はあると。そして、その意思の反映で、教育長が教育委員長を兼ねることで形式的には教育長の力が強まるので、委員が相対的には少し制度上はやや薄れるというふうに考えますけれども、制度変更による影響はそれほど大きくはないものというふうに私は考えております。  そして、二番目に、行政機能の発揮についてです。  まず首長との連携についてですが、私の方で用意した資料一を御覧ください。これは、二〇一三年に教育委員会制度について首長、教育長の意識と評価を、東大の村上先生を中心とした研究グループ、調査してもらったものです。一枚めくっていただくとその調査結果の概要が出ておりますが、この中で、おおむね一般にマスコミ等々で報道されていることとは若干異なる傾向が出てきております。  まず、二ページ目の中段の辺り、教育委員会が首長部局から独立していることが首長にとって制約となっているというふうな質問がございますが、首長、教育長共にそう考えるのは少数派です。そう思わない方の方がはるかに多いと。合議制であるために事務執行が停滞しがちであるというのについても、そうは思わないという回答が多くなってきています。  ちょっと飛ばしていただいて、三ページ目になりますが、市町村教育委員会制度は制度の趣旨に沿ってよく機能しているというような質問についても、教育長、首長共に過半がそう思う、そう思わないと答えるのは首長で二割以下、教育長では八%にとどまっております。現行の教育委員会制度を変更する必要はないと考えているのも、賛成、どちらとも言えないで三分の二程度が占められております。そして、現行の教育委員会制度の廃止については、ほとんどの首長も教育長も反対という声の方が大きいと、これが現状であります。  続いて、二〇〇四年と二〇一三年の比較がされていますが、これを少し細かく説明している時間はないので割愛させていただきますが、総じて、若干、よく機能しているように変化してきているというような調査結果が出ています。  まず、こうした資料から言えることは、現在の状況で、大多数の自治体、特に小規模の自治体ではそれなりに良好な関係を保っているということが言えるかと思います。そして、今回の法改正によって総合教育会議が設置されますので、調整が必要な事項については連携が加速できるものというふうに考えております。  しかし、首長の意向と教育委員会の意向が食い違い、総合教育会議で調整が付かない場合、この場合には、衆議院の議論で下村文部科学大臣が、教育委員会の所掌にあることが総合教育会議による大綱に書かれた場合でも意味はないという言い方をされていますが、意味はないといっても実質上意味はあると思います。というのは、首長が教育の大綱として出されたものに一定の方針が記載されるわけですから、これが地域の住民等にとって影響がないということはまず考えられないと。ただ、これは非常に例外的な事柄で、こじれると少し厄介ではありますが、一般にはほとんどの場合は円滑にいくだろうというふうに思います。  そして、次に危機管理の問題ですが、今回は文科省や教育長がリーダーシップを発揮できるような法改正がなされておりますので、大津いじめ事件などのような素人の教育委員ではちょっと手に余るような事態については改善が期待できるものというふうに考えております。  そして、最後に学校改善に向けたリーダーシップですが、現在でも自治体の実は規模による人的資源の格差は非常に歴然としております。  資料の最後のページの資料三の一番上のグラフを御覧ください。人口規模別に見た教育委員会数と指導主事の配置率というのがあって、指導主事が配置されていない自治体が特に一万人以下の自治体では非常に数が多くなっております。そして、指導主事や充て指導主事を置く教育委員会数というような、指導主事の人数に関して見ると、大体五十万人以上の政令市とそれ以下の三十万人以下の市ではその数は歴然とした差があります。五十万人以上ですと四十・一人、三十万人以上五十万人未満では十七人、十万人以上三十万人未満では八・三人です。こうした人的資源の差は、恐らくこれからそのまま教育委員会の行政に関するノウハウの差となって表れることが想定されています。  加えて、この資料三の裏側を、一番最後のページを見ていただきたいんですが、教育委員の発議によって開始されたり展開している事業や事例というのを見ると、政令市でさえ非常にまれであることがうかがわれます。政令市で教育委員の発案により開始、展開している事業があると答えた自治体は、ここで七つの自治体しかないわけですね。ということは、ほとんどの自治体において、教育委員が実際に発議して、そして学校教育に具体化している例は非常に例外的であるというふうに考えることができると思います。  今回の法改正によって、既に関係が良好な自治体では恐らくほぼ現状のままで推移するであろうというふうに思われます。というのも、今の現在の教育委員会制度で、教育委員の発議がなかなかなされない状況、それから学校改善に向けてリーダーシップが発揮されない状況の一番根本がどこにあるかというと、恐らくそれは人的資源が量的にも質的にも足りないからだと。例えば、今朝の新聞で報道されていましたように、義務教育学校という制度ができて、そして各自治体の裁量で小中の区分を調整できるというようなことが実現した場合、どういう状況でならうまくいくのか、どういう状況ではうまくいかないのかと。うまくいくとしたら円滑に進めるためにはどのような手だてがあり得るのかと。そして、それに必要な予算措置を、例えば競争的資金配分のような形で取ってくるにはどうしたらいいかと。こうしたノウハウを持っている自治体と持っていない自治体の格差は歴然として表れるだろうと。そうした意味ではこれこそが非常に重要な課題でありますが、今回の制度改正ではこれそのものに切り込むような切り口というのは薄弱であるように思います。  ただし、総合教育会議が、運用次第では私は非常に可能性もあるのではないのかと。つまり、この総合教育会議ということが教育委員会のブレーンのような形で、そこに学識経験者等も必要に応じて参画できるということになっておりますので、これが有効に機能して、そして教育委員会をうまく支援できるような形がつくられれば、この総合教育会議が教育委員会制度をサポートするような可能性というのは持っているのではないのかと。しかし、それは今後打たれる施策次第であると、このように考えます。  以上です。
  332. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  ただいま川勝公述人が到着されましたので、御紹介いたします。  静岡県知事川勝平太公述人でございます。
  333. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 遅刻しまして誠に失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
  334. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ただいま途中から来られましたので、この際、一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙中のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。  忌憚のない御意見を拝聴し、今後の法案審査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  それでは続きまして、次に、梅澤公述人にお願いいたします。梅澤公述人。
  335. 梅澤収

    ○公述人(梅澤収君) 本公述人は、教育行政学を専攻し、教育行政、教育法や教育政策、制度に関する研究を主たる対象としております。研究初期にはフランス義務教育制度の成立史の研究を行い、その後、子供の権利、生涯学習政策、地方分権の教育政策を中心に研究してまいりました。  また、平成十八年の教育基本法改正の成立過程や、富士市の教育委員会の外部評価委員、それから学校評議員等も務めてまいりました。また、近年では、教育学部長として、そこにあるような教員養成の新しい仕組みづくり、あるいは取組をやってまいりました。とりわけ、それとの関連でインドネシアの教育大学との共催による教員養成国際シンポジウム、それから教師教育・教育委員会に関する日米教育改革交流シンポジウム等を行ってまいりました。  これらを通じて私が今考えている考え方、基本的な立場は、権利論をベースとした歴史的社会構造改革主義の立場を基本としておりますが、告発型課題提起で終わることなく、制度の改革、再設計に生かしていくという、そういうことを重視しております。それから、社会実践的な観点からは、共同あるいは公論の場の設定とその理論的枠組みづくりの構築ということを重視しております。歴史的時間軸を長く広く取り、ウオッチし検証し、共同の場で議論していくということを大切にしております。  以下、以上のような足跡と立場を踏まえて、今回の法律改正案について所見を述べたいと思います。  まず、静岡県の場合によりますと、新聞報道で三つのことが昨年度から注目されております。一つは全国学力調査問題、それからもう一つは教育行政のあり方検討会の報告書ということで、今年度から教育委員会の大幅な見直し等が始まっております。それから第三に、高校と大学の連携・接続のあり方検討委員会というのが取組として検討されているということでございます。  次に行きまして、この三つの提起は隣にいらっしゃる川勝知事の強い個性の面があろうと思いますが、根本的には、グローバル化や知識基盤社会に対応する教育制度の改革が急務であるとの状況認識があって、今の地方教育行政が的確にスピード感を持ってこれらの課題に適応できているのか、対応できているのかという疑問が投げかけられているというふうに思っております。これは、大阪府、大阪市で成立した教育関連条例や大津市のいじめ事件への対応問題等に通底した基本構図であると考えております。  そうなってきますと、歴史的、これからの方向みたいなのを制度的に考えてみますと、これまでの教育の自主性、自律性原則、つまりオートノミーの基本原則のみによる制度設計に対して、教育委員会あるいは学校の説明責任、アカウンタビリティーというのを組み込んで、この両者、教育の自主性、自律性とアカウンタビリティーを両立させた制度設計やマネジメントの構築が求められているというふうに考えております。既に学校教育法、地方教育行政法ではこの観点は部分的に入っていますけれども、よりトータルに行って、かつ、教育改革と評価を一体化させて、見える化、可視化する制度デザインが求められているというふうに考えております。  このアカウンタビリティーの概念というのは、的確かつ誠実に応答するということが内容に含まれるし、それから事実に基づいて公表、説明、その意味で可視化、透明性も含まれていると。これらが教育専門職の自律性とステークホルダーの参加という両者の合意形成の基盤の条件となると考えます。私は、このような教育専門職の自律性、自主性と、ステークホルダー、生徒、保護者、地域住民等の参加と、そのエンパワーメントを両立させる仕組みというのを構築していく必要があると思います。この基本発想については、今、イギリスとか欧米ではインテリジェントアカウンタビリティーという概念で理論構築というか、枠組みが提起されております。  二、地方教育行政制度の歴史的な理解についてです。  教育基本法の下で、一九四八年、教育委員会法というのは、アメリカの当時の教育委員会モデル、レーマンコントロールとプロフェッショナルリーダーシップを参考に、政治を教育から分離し、教育の地方自治及び地方教育行政に関する直接民衆統制、これはかなり徹底しておりまして、住民の選挙で教育委員を選ぶ、それから教育長免許のある者から教育長を教育委員会が選ぶ、さらに、教育委員会の教育予算編成権及び議会に対する教育予算の先議権というのを内容としておりました。ここでは、教育行政の一般行政からの独立を図る構成となっておりました。  これが特に重要視されなきゃいけないのは、旧教育基本法十条の原則ですけれども、下に資料として載せましたけど、下線のところの、国民全体に対し直接に責任を負って教育は行われる、教育行政は、その自覚の下に、目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標としなければならないという、この構図です。これは、憲法、教育基本法の基本精神、原則からして、現行法制でも貫かれていると考えております。ただし、下記に示したように、平成十八年の教育基本法の教育行政と、十七条、教育振興基本計画に沿った形で、地方公共団体も地方の教育振興施策をどう総合的に構築するのかというのが課題となっております。  その他、一九五六年、今度は教育行政の一般行政との調和というのが重視されまして、教育長の専門職性の後退、これは教育長の免許状制度というのはなくなったわけですね。それから、中央集権化が図られたと。特に教育長の任命承認制というのが行われたということでございます。  これが、一九九九年の地方分権一括法で、より地方分権を進めるという意味で任命承認制というのはなくなりました。さらに、教育基本法の改正を受けて、三点、そこに書きましたように、教育委員に必ず保護者を含むということ、それから教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検、評価、いわゆる学校評価と同じように教育委員会の施策についても評価をするようにという項目が加わったわけでございます。  次に参りまして、じゃ、今回の改正案に関する評価をどう考えるかということですけれども、基本的にはA案、B案というのがありましたけれども、その間を取ってC案というものになったというふうに聞いております。教育委員会を執行機関として残す場合の改革案、C案として日本銀行型というのを日本教育新聞で知りましたが、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会は日銀総裁を含む九人が議決権を持つ合議制の組織で、総裁が提示した議案を審議する制度設計である、この日銀型ならば機動性を持ちながら首長の訴えた教育方針も反映できるというふうにして、この趣旨の下に法案が作られたというふうに承知しております。  私としては、先ほどの一と二の論点というか考え方からしますと、このC案は、A案とB案それぞれの基本的内容を加味しつつ、教育基本法十六条、教育行政と、第十七条、教育振興基本計画の地方版ですね、それに沿った制度デザインとなっており、より望ましいというふうに評価しております。もちろん、先ほどお二人の公述人が言われたように、いろんな心配やらおそれというのがあるわけでございますが、新しいステージでこういう形でより前向きな教育行政なり首長と教育委員会の関係を構築していくということが重要というふうに考えております。  しかし、教育の自主性、自律性とアカウンタビリティーを両立させた制度設計やマネジメントという観点からすると、首長の権限強化、それから教育長の役割を非常に強化したわけですけど、それだけでは不十分であると思います。政治と教育の分離を前提としておりますが、首長と教育長、教育委員会との関係、自治体の一般行政施策、経営とその教育施策、経営の良好な協力関係、パートナーシップというのを構築するようにしていくには、やはりそれを支えるというか、それと一緒に地域住民、保護者の教育参加とその力量形成というのが不可分であるというふうに考えております。  そこで、終わりに当たり、二つの課題が残されていることを提起したいと思います。  一つは、今回の法案における首長の権限強化に対応するというか、それと対抗できる教育長の専門職性の保証の課題です。この点は、教育行政専門職としての教育長免許状の復活ということを提案したいというふうに思います。今回の首長の権限強化に対して、教育長はその専門職性を担保することで首長との交渉力、調整力を強化する必要があると考えます。  この点は、今年三月、私たちが行った、教師教育・教育委員会に関する日米教育改革交流シンポジウムで、アメリカのウィスコンシン州の教育長制度が参考になると思います。なお、これについては、後ろに資料としてアメリカのウィスコンシンの教育委員会の構造なり教育長の役割等についての資料を載せましたので、参考にしていただければと思います。  ここでは、教育長は免許状資格がなくてもいい、州教育長はなくてもいいということになって、結構政治的なやり取りがあるので、教育委員同士でかんかんがくがくの議論になるというのは避けて、教育長は選挙で選んで、その人が州の知事とマネジメント力、調整力を発揮してやっていくということになっていますが、地方学区の教育長は教育長資格、免許状を必須とし、WSDAという専門職協会に登録してその専門職的な自律性を担保しているということでございます。  どんな仕事をしているのかというのは、基本的には、やはり週の大部分を学区の訪問に充てて教育委員会と教育長に学校経営に関するワークショップ等を行っていて、その経費は学区教育委員会や企業からの寄附金で行っているということでした。  第二は、ステークホルダーの考え方ですけれども、まず、これが参加できる制度デザイン、それから、その参加を支援するエンパワーメント、力量形成する体制というのが必要と考えます。  富士市の外部評価委員をやらせていただいていたんですが、保護者の方も、自分は親等からこういうことをやってほしいとか議論してほしいというのを思うけれども、いざ教育委員会の席で言うにはかなり勇気が要ると。つまり、自分の役割というのを認識しながらもなかなか言えないというか、それはやはりお互いにどういう考えがあるのかをワークショップ等で力を付けていく、その作業が必要というふうに考えております。  そこに書きましたように、それなので、静岡大学、資料のように、今年度から教員養成・研修高度化推進センターというのを立ち上げたんですけれども、そういうものでやはりコミュニティ・スクールの実質化等を念頭に置いて、保護者や地域住民が学校の活動に参加しながら児童生徒の成長支援者としての専門性を高め、参画能力を高めていくというようなことを考えて取り組もうとしている次第でございます。  以上、簡単ですけれども、終わりにいたします。
  336. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  では、続いて、最後に、川勝公述人にお願いいたします。川勝公述人。
  337. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 川勝平太静岡県知事でございます。今日はお招き賜りまして、ありがとうございます。私は、この度の法律案に基本的に賛成する立場から意見を述べたいと存じます。  まず、先ほど別の公述人からございました、昨年の学力テストの結果につきまして、平均点以上の学校の校長名を公表いたしまして、これが県内外に大きな波紋を投げかけました。その校長名を公表する際に添付した資料をお手元に配付いたしましたので、後ほど御高覧賜ればと存じます。基本的には、この件を通して教育委員会、正確には教育委員会事務局の隠蔽体質というものを県民がひとしく知ったということでございます。  もう一つ、昨年五月、この学力テストが社会問題になる以前に、私ども、教育改革に関する提案というのをまとめまして、既に下村文部科学大臣、また山中伸一文部科学事務次官にお届けしてございます。これが静岡県における教育に関する基本的な考え方を書いてございますので、それをお手元に配付いたしました。教育改革に関する提案、平成二十五年、昨年の五月、静岡県と表紙に印刷してあるものであります。僅か四ページのものでありますので、若干それについて申し上げます。  まず、一ページでございます。六三三四二三制のうち、高等教育部分の抜本的見直し。義務教育は一切タッチしないと。しかしながら、高等学校以上はこれは義務教育ではありませんので、飛び入学なども可能にする、そういう方向での抜本的見直しを提案するもので、静岡県では、有馬朗人元文部科学大臣を委員長に、遠山敦子元文部科学大臣、本庶佑元内閣府総合科学技術会議常勤議員などの有識者、本県大学、高校関係者等による委員会を設置いたしまして、静岡型飛び入学の導入を図ってまいりますとこの文書には書いてございますが、図るようにという御提言をいただきました。  ちなみに、飛び入学を静岡で実践するには、対象者及び受入れ大学に係る要件並びに高等学校卒業程度認定試験の取扱い等、様々な問題がございます。  なかんずく、十六歳で受験できる高等学校卒業程度認定試験の合格者について、現行制度の年齢ではなくて、合格しさえすれば、中学卒業であれば、それで大学受験の資格が得られるというように制度改正を求めるものであります。  ちなみに、高等学校卒業程度の認定試験というのは、英数理国社と、この五科目が受験科目になっておりますが、しかしながら、高等学校で教えている科目は、体育、美術、音楽等ございます。スポーツも、ただに体育と言いましても、堀内先生のような野球、あるいはバスケットボール、フットボール、水泳、フィギュアスケート、様々なものがございます。さらにはゴルフというのも入れてもいいかもしれませんけれども、こうしたものが一切勘定に入れられないと。  あるいは、音楽、演劇、美術、こうしたものも試験科目にならないというのは、人間の能力の多様性というものを一部においてしか評価しないということで、誤っているというふうに思っておりまして、高等学校卒業程度認定試験は、それを受けた後、受け入れる大学の方は体育大学あるいは芸術大学、様々なものがございまして、一芸に秀でた者を入学させるようになっておりながら、英数国理社の五科目だけでもって高校卒業程度認定試験を受けさせて、それでなければ学力として中卒になってしまうというような、非常にアンフェアな制度がまかり通っているということに対する抜本的見直しをお願いしたものであります。  それからまた、二ページにおきまして、新しい実学の奨励というふうに言っておりますけれども、これは、農業、工業、商業、こうした本当に体で覚えるべき学問を高等学校で勉強している青年たちがいます。こうした者に対してもう少し温かい目が必要であると。農林水産業、商業、工業のみならず、演劇、舞踊、音楽、芸術、スポーツ、こうしたものにおいて、若者の資質や才能を伸ばすことができる二十一世紀型の実践的な学問教育を奨励したいというふうに思っているわけであります。  そして、三ページ目は、今回の教育委員会に関わる我々のこれまでの考え方であり、それがこの度の改正と平仄を合わせているというふうに考えるものであります。  読みますと、静岡県では、遠山敦子元文科大臣を座長にお迎えし、理想の学校教育具現化委員会の提言を受け、徳のある人の育成を進めています。  静岡県では、先生と生徒の触れ合いを重視する観点から、少人数学級を促進し、国に先駆けて、平成二十五年度、すなわちもう昨年度に、義務教育全学年、小学校一年から中学三年生まで三十五人以下学級編制を実現いたしました。  また、教育委員会と教育行政組織の在り方につきましては、興先生今日お見えでございますけれども、教育行政のあり方検討会を設置いたしまして、先ほどきっと御報告があったと存じますけれども、教育行政における責任の所在を明確にしなさいという御提言をいただいているわけでございます。この度、教育長、教育委員長と今まで分かれていた責任を新教育長に一元化するということは、その方針とぴたっと合うものと存じます。  それからまた、事務局組織と学校経営におけるマネジメントの向上とありますが、これは、静岡県の場合には四百数十名の教育委員会事務局があります。そのうち、今年でこそ五十数%になりましたけれども、昨年は二百七十二名、六〇%もの教員の方々が事務局をしていると。まるでトラバーユであります。全く違う仕事を、子供たちから引き離されて、しかも教育の主事になるときには校長先生なり教頭先生なりが、こちらの業界用語では肩たたきと言うそうですけれども、君は非常に優れているから教育委員会事務局にいらっしゃいということで現場から引き離される。ノーと言うことができません。そのような乱暴なことが行われているということでございます。  私は、教員の仕事は生徒と向き合うことだというふうに存じまして、文部科学省、大学の先生や高等学校の先生が事務局を担っているわけではありません。教育行政のプロが文部科学行政をなさっているわけでございます。同じように、それは地方においてもできるはずで、二百七十二名もの人たちが、しかも優れた先生だということで、管理職になるがためにそういう教育行政の仕事をしているのは本末転倒も甚だしいというふうに考えておりまして、この人々はすべからく子供たちの現場に戻りなさい、戻らなければあなたは先生ではないというふうに言える自由が欲しいと、それは私は思っているわけでございます。そうしたことを含めて、事務局組織と学校経営における教育行政のマネジメント力の向上というものが、我々がいただいた報告書の提言でございました。  それから、一番最後には、これからの子供たちは国際的な観点が、あるいは国際的な感性が必要でございますので、できれば私は、学校の先生が、大学の教育学部を出て、教員免許を持って、教員採用試験を受けて、そしてもうすぐに教室に入るということから、どうしても狭い経験の中で子供を教えることになると。しかし、社会はグローバル化しておりまして、スポーツにしても芸術にしてもそうでございますが、学問は言うまでもありませんけれども、国際化していると。  そうした中で、せっかく青年海外協力隊というすばらしい組織があり、本来ならばこれは人材の養成としてやっているんですが、文部科学省がやっているんではなくて外務省が所轄されているために、向こうに行って二年間、必死でいろいろと現地のためになることをしても、それは一切評価されていないので、そういう人たちをきちっと評価するように、言わば生活環境や自然環境を良くするための仕事をしているのがJICAの青年海外協力隊でございますから、マスター・オブ・エンバイロンメント・アドミニストレーション、これは、MBAというアメリカがビジネスを中心にした修士号をつくりましたけれども、日本は二十一世紀の環境の世紀にふさわしいように環境経営学修士というようなものを差し上げるのがよいと、そうした経験を先生方が踏むというようなことを奨励していただきたいというものでございます。  以上、私は、教育行政におきましては三つの原則を守りながら申し上げたつもりであります。一つは、教育の内容には立ち入らないということでございます。したがって、政治的な中立性、政治的、イデオロギー的、宗教的なそうした圧力を教育の中身に及ぼさないということ、これを原則にした上で今申し上げたことを申し上げました。それから、第二には、やはり子供のための教育行政でありますから、行政は継続していかなくてはならないということで継続性、それから三つ目には、教育行政は安定していかなければ子供たちにとって迷惑になりますので安定性と、こうしたことを前提にした上で、以上のような改革をできるというふうに確信している次第でございます。  ちなみに、教育委員会、もう数十年の歴史をけみしてまいりましたけれども、教育委員長と教育長の区別をできない人の方が多いというふうに存じます。したがって、結果的には教育長が実権を握っているわけでございますけれども、教育委員長が形骸化しているという実態がもう数十年にわたって実証せられている以上、こうしたものは一元化する方がよろしいということでございます。  一方、どの首長もあるいはどの大人もそれぞれ小学校、中学校の義務教育は経ているので、また自分の子供がいればその子供を立派になるように子育てをしているわけですから、それなりの教育論というものを持っているわけでございます。そうした有権者によって選ばれているのが首長でございますので、そういう首長の意見、これは教育に関わる社会全体の意見であるということで、そういう首長が主宰するような総合教育会議というのを立ち上げられて、そしてそこで全体としての教育指針を皆様のお知恵を拝借しながら決める、そしてそれを事務局が実行をするということ。ただし、教育に関しては教育委員会の、先ほどの、非常勤で、しかしながらそれなりに立派な見識を持った方々が教育委員会の委員に選ばれているわけでございますから、その方々たちのアドバイスを得ながらやっていくというのが現実に合っている正常な在り方であろうと。  以上のような観点から、教育長と教育委員長を一体化して新教育長にすると、そして首長を主宰者とした総合教育会議というのを立ち上げて、県、市、それぞれの地方自治体の地域に応じたそういう教育指針というものを定めて、それを県民全体の、私の場合ではそうですけれども、総意としてそれを子供たちのために形にしていくというのが望ましい、そうした観点でこの度の法律案に対しまして基本的に賛成するものであります。  しかし、先ほど来申し上げておりますように、これは教育委員会の事務局には一切触れておりません。私は、国と同じように、地方自治体においても、先生を養成するやり方におきまして教育行政と教育者というのとは峻別して、教育者は教育現場に戻るという、そこのところについての御認識も併せて共有していただければ有り難く存じます。  以上でございます。
  338. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。  それでは、これより公述人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。  なお、質疑及び御答弁は着席のままで結構でございます。
  339. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 自由民主党の堀内恒夫でございます。午前中に続き、登板させていただきます。  本日は、公述人の皆さんにおかれましては、大変お忙しいところ貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。  では、早速質問に入らせていただきます。  まず初めに、総合教育会議大綱について興公述人、武井公述人にお伺いします。  今回の改正案では、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくため、総合教育会議を設置することとしていますが、この総合教育会議の場を具体的にどのように活用していくことが望ましいとお考えになりますか。  また、改正案では、大綱の策定や総合教育会議を通じて首長が教育に積極的に関与する仕組みとなっているため、政治的中立性、継続性、安定性の観点から懸念する声があります。どのような点に留意すべきだとお考えになりますか。お願いします。
  340. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 堀内委員の御質問に対してお答えをさせていただきます。  まず、総合教育会議のありようの問題でございますが、今御指摘なさいましたようなことを考えますと、基本的に総合教育会議は透明性の下で審議を進めていくことが極めて重要だろうと思います。そうした意味では、先ほど私も申し上げましたが、まず議事録を、基本的にはともかく早期にこれを出すことというのが必要だろうと思います。そうすることによって、首長と教育委員会との間がいわゆる誰から見ても分かるような審議が進められていく、それが元々、総合教育会議に期待されていることだろうと考えてございます。  憂慮する声は多々ございますけれども、先ほど申し上げましたように、総合教育会議はむしろ積極的に社会に対して何をしていくのかというメッセージを発する場であろうと考えています。そのために、総合教育会議の場は、事前の調整は一切抜きにして、教育委員が個々の教育委員のお立場で議論し、首長の御意見もお出しいただきながら、教育委員会として何をすべきかを明確にし、その上で議長がそれぞれの構成員の調整をすることが求められるだろうと思います。  当然、この中には、調整の対象には、教育委員のみの調整事項ではなくて、首長としての所掌が当然出てくるだろうと思われます。そういう意味では、相互に牽制し合うことが期待される、そういう性格のものにしていく必要があるだろうと思います。そういう場の設営を努めていくことが一義的に必要なこと、このように考えています。
  341. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) 私は、この総合教育会議というのが今回の改正の中で一番可能性の大きいものであるというふうに考えております。  まず、首長が教育に関与すること云々という話がございますが、事実上は、今までの教育体系が生涯教育体系に移行していくということは、おのずと首長が管轄する領域と教育委員会が管轄する領域の重なる部分が非常に増えてくるということは、これは自然な流れであると思います。加えて、現在でも予算権等を首長が持っておりますので、当然そこに入念な議論が必要であることは言うまでもないことであろうというふうには思います。  問題は、この総合教育会議の場がどの程度実効性を備えたものになるか、これに尽きるのではないかと。このためには、恐らく、総合教育会議の準備段階において、例えば、どのぐらい、どの程度の資料をきちんと双方が把握するのかと、学校現場の状況を、教育行政に関わる者であれ学校現場に関わる者であれ、どうやって客観的かつ子供の実態に即した形で把握するのかと、そうしたノウハウをこれからどれだけ高めていけるかと、これに総合教育会議の成否が懸かっているのではないかと、私はこのように考えます。
  342. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。  次に、教育長へのチェック機能、教育委員の資質について、まず興公述人にお伺いします。  今回の改正案では、教育長の権限がほかの委員よりも強くなることとされていますが、教育長の暴走を防ぐため、教育委員から教育長へのチェック機能についてどのような工夫が可能かとお考えになりますか、お伺いしたいと思います。
  343. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 現行法令では、教育委員会が教育長を指揮監督した上で業務が執行されるという形になってございます。今回の改正法案では、教育長が委員長の役を担い、全体として教育委員会として執行していくという形になるわけでございます。そうしますと、非常勤の教育委員が、教育長以下行われるであろう個別の具体の執行状態、それをどう掌握できるか、そこのところが教育委員として極めて重要な問題だろうと思います。  そういう意味では、先ほど申し上げましたように、教育委員が単なる名誉職的なものではなくて、常時教育の在り方を考えられ、かつ、いつでも参加できるような思いを持った、そういう方が教育委員に選ばれるべきであって、その役割はむしろ首長の責任であり、かつ、受ける立場の者もそういう思いでこの職を受けられるかどうかを判断すべきもの、このように考えてございます。  以上でございます。
  344. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。  武井公述人にお伺いします。  教育委員会を活性化させるためには、教育委員がその責任を十分自覚し、役割をしっかりと果たしていくことが重要であると考えます。教育委員にはどのような資質を持った人が選任されるべきか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  あわせて、委員の資質、能力向上のために自治体や国はどのような取組を行っていけばよいでしょうか、お考えをお伺いしたいと思います。
  345. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) まず教育委員ですが、先ほど興公述人の方からもありましたとおり、教育長、教育委員長と、それから教育委員の関係が若干変わってまいりますので、教育委員の果たす役割はますます重要になるというふうに考えます。  そして、教育委員が持つべき資質としては、大きく分けて二つあると思います。一つは、学校教育、公教育の中身について十分に知っていること、知悉していること。そしてもう一つは、教育行政の動きについても非常に十分な知識を持っていること。しかしながら、現状の情勢下、特に小規模自治体においては、その二つの資質、力量を兼ね備えた人物というのは事実上限られております。ですから、現段階でできることとしては、まず最大限、そうした方々を教育委員として選ぶのに加えて、総合教育会議でこれをサポートすると。  それから次に、長期的には、恐らく教育委員をきちんと育てていかなければならないというようなニーズが喫緊のニーズとして生じるであろうというふうに思います。この場合に、例えば現在進められているコミュニティ・スクール、こうしたものが一つの手掛かりになるのではないのか。つまり、コミュニティ・スクールのような形を取って、学校外の教育専門家として学校を組織運営するためのそうした資質、力量を育てていく、そして、長期的にはそうした方々が中心となって地域の教育行政を支えていくと、こうした長期的な視野に立った施策が必要であろうかと思います。もちろん、そのために大学であるとか教育センターのような支援機関がなし得ることは最大限やるべきであるというふうに考えます。  以上です。
  346. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 ありがとうございました。  続いて、総合教育会議を通じた教育委員会と首長部局との連携について、興公述人と川勝公述人にお伺いします。  従来、教育委員会と首長部局との連携が課題として指摘されているところですが、総合教育会議ができることによって、首長に対して必要な予算措置を直接求めることも可能となると思いますが、いかがでしょうか。教育だけでなく、スポーツや文化の振興の観点からもお考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
  347. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 先ほど申し上げましたように、総合教育会議の場は、まさに基本的には予算とか人の問題であるとか、その辺りが当然首長の所掌事項ということに関わるわけですが、総合教育会議の場で議論されないわけはない。むしろ、していくことが必要であり、教育委員会といたしましては、当然、場合によってはその場で徹底的に議論を極めていくことが必要だろうと思います。  あわせて、先ほども申し上げましたが、スポーツであるとか文化とか、現在の地教行法で、知事部局であれ教育委員会サイドであれ、どちらでも設置が可能な形になっている内容につきましては、私思いますに、現在いわゆる知事部局と教育委員会サイドの連携強化が十分ではない。それが結果としてこういう分野のいわゆる充実した取組をもたらしてきてはいないだろうと、こう考えてございます。そういう努力が、総合教育会議の場にかかることによってもっと進められてくる、その期待値の方が高いものでございます。  以上でございます。
  348. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 総合教育会議というのは、文字どおり総合でなければなりませんので、教育委員会ですと今回五人ということでございますけれども、五人でもって社会全体の様々な教育に関わる御提言というものを体現することはなかなかに難しいと思いますし、これまでも決して、卓越した教育委員がいらっしゃる場合は別でしょうけれども、実効性が上がっていなかったと存じます。  それゆえに、総合教育会議のような、この人数はそれぞれの自治体によっても違うかもしれませんけれども、私は、もう既に地域とともにある学校づくり検討委員会というのを立ち上げまして、日本一になったスポーツ界の代表、日本を代表する音楽家、あるいは日本を代表する芸術家、そしてまたコミュニティ・スクールを実際に運営している地域の方々、そして、そこに、目下のところは教育委員会の代表は教育委員長でございますので、教育委員長にお入りいただきまして、もう早速にそういう検討委員会を立ち上げ、会議を経験いたしました。私が座長ではありません。招集はいたしましたけれども、座長は民間でかつて多くの日本の人材を育ててきた企業のトップを経験された方でございます。  そこで、やはり演劇や音楽や、あるいはスポーツを通してやれるというか、学校で気が付かなかったことがたくさんございます。例えば、学校でスポーツをするのに野球部がある。しかし、野球の専門家が学校の先生の中にいなければ、部活というのがなかなかにできません。野球は別かもしれませんけれども、ソフトボールだとかテニスだとか卓球だとか、そういうことになりますと、全く素人の先生が部長を兼ねざるを得ないと。  しかしながら、今、こうしたいろいろなスポーツにおいて日本を代表するような青年たちが育っています。そうなりますと、やはりこの地域を、全体をまとめるようなスポーツクラブというようなものがあって、そうしたところでいろんなスポーツを子供の能力に応じて、また子供の好みに応じて選ぶことができると。そこには、日本を代表するようなそういう選手たち、選手経験者たちが指導をするということができると。  こうしたことは、今の教育制度の中ではできませんが、教育委員会の中からこういう思い切った提言はできませんし、仮にやったとしても、それを実行するだけの責任を持った意見にはなかなかなりにくいということで、私どもはもうこの教育委員会というのが実質形骸化し、どなたか公述人が言われましたごとく、言わば名誉職というようなこととして受け入れられた面もございますので、これはしかし、教育長を日常的にチェックするという、そういう役割は持つと思いますけれども、県全体の、あるいは地域全体の子供の教育ということになりますと、文字どおり総合的に様々な人たちがそこに集えるような総合教育会議というものがあることが望ましいと。  遅きに失したかというふうに思っておりますが、そこにおいて、私もまた出席をして、首長も出席をして、その意見を加えた形で予算を組み、それを諮るというふうにできるのではないかと期待いたします。
  349. 堀内恒夫

    ○堀内恒夫君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  350. 大島九州男

    ○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。  今日は、四人の公述人の皆様、本当にありがとうございます、公務お忙しい中。そして、川勝知事におきましては、本当は今日公務で出席できないところを、無理無理調整をしていただきましておいでいただいたことに、心から感謝を申し上げます。  まず、今日は総合教育会議一点について質問させていただきたいと思いますが、実は下村文部大臣にも私は委員会で、総合教育会議のメンバーは首長と教育委員会の皆さんだけでいいのかと、いやいや、それはもっともっと本当に現場の声、そして地方の声を反映するには、それこそコミュニティ・スクールの運営者だとか学校地域支援本部に関わっているような人を入れることが望ましいんじゃないかという話をしました。それは望ましいと。答弁、是非確認していただければいいんですが。  そういう考え方を持っているんですが、四人の皆さんに端的に、その考え方はどうかということをお答えください。
  351. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 今の大島委員のお話につきましては、基本的に今の構成員がいわゆる首長と教育委員という形ではございますけれども、十全な議論を考えるとしたら、当然のことながら多くの方々の参画が必要だろうと思います。    〔団長退席、石井浩郎君着席〕  ただし、どういう事案がかかるかによってその方々の顔ぶれは当然変わってくるだろうと、こう思いますので、そういう制度、そういう枠組みは議事運営上可能でございますので、思い切って各般の方々の御意見を出していただいて、場合によっては審議そのものに大きな貢献をしていただくような配慮が必要だろうと、こう考えてございます。
  352. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) 端的に、多くの方、様々な方が関わるのは賛成です。  ただ、結果として、多くの方々が様々な意見を出せば、当然、議論を集約して形にするまでには時間が掛かります。ですから、その時間的なゆとりも確保した上で、そこにきちんと時間的な資源を投入するという前提でそうしたことをされるのは非常に前向きな方向であるというふうに考えます。
  353. 梅澤収

    ○公述人(梅澤収君) 私は、首長それから教育委員のメンバーで交渉するというか、そういう形でいいんじゃないかと。  ただし、その前提として、住民の要求とかをアンケート調査だとか、それから、さっきの教育委員会の管理の状況とか執行の状況についての毎年度評価をやられるわけですから、それに基づいての意見集約、そういうPDCAサイクルというのをしっかりと事務局で確立して意見をそこに上げていく、それを基にお互いが協議して合意していくという形がいいんじゃないかなというふうに考えます。
  354. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 大島先生の御発言、記録を拝読しておらず、失礼いたしました。しかしながら、全く同じ考えをお持ちの方がこの参議院の文教科学委員会にいらしたということで、今私が始めましたものはまさにそれ自体でございますので、大変頼もしく、また有り難く存ずる次第でございます。
  355. 大島九州男

    大島九州男君 それはなぜそう言うかといいますと、今回、首長が教育長を任命する。今までも、結果、現実的にはそうだった。これがちゃんと実態に合うようになった。今後も、そのことについては、当然これが確立していくわけですよね。そうすると、例えば自分の意向に合わない人は指名しないわけですから、だから、もう既に教育長と首長は一体なんですよ。そうすると、間違えた方向とは言いませんが、ブレーキを掛ける人がいない。まさに広くそういう人たちの声を聞くという、そういう総合教育会議でなければならないという考え方が一つ。  それと、もう一つは、六十年ぶりの大きな改革だと、じゃ、この総合教育会議がどういう役割を果たして、それでどういう変化をするのかというのを明快にしてもらわないと、大臣、私は腹に落ちませんよという話をしたんです。  それは何かと。例えば静岡だったら、これ大綱で、お茶のことをみんなで勉強する、必ず茶摘みをしよう、地域の特産だからと。そのことを通じて、茶摘みをするのは大変だと、じゃこれはどういう機械を使うといいなといって、何かそういう機械を考えるような研究開発をする子もいれば、いや、これはもっと、気候に即しても、何かバイオでもうちょっとうまく収穫できないかと考える子がいたりとか、一つのことを通じてどんどん発展していくんですよね。だから、それがそれぞれの地域の山の山間部だったり海だったりして大きく変化していくと。  だから、まさにそれが日本のこれからの大きな教育の変革の源になる、そういうものにすると言っていただければ、六十年ぶりの改革だというのは納得できるけれども、ただ首長が教育長を選んでいくというようなことだけでは駄目でしょうと。  それは何が言いたいかというと、現実的に首長は今、民意を代表して上がってきている人だと言いますが、極端な話、経済を争点にして選挙して当選したら、まるっきり違うことを思い切り進めるようなのが今、日本のはやりですよね。だから、そういうことになっていくことが往々にしてある。特に、地方の首長さんはそこまで教育に熱心だったり知見が深かったりしない、そういう人が選ぶ縁で来る人たちも余りそういう教育に見識があるというのは難しい部分もあると。そうなったときに、やはり本当に現場でしっかり関わっていらっしゃる人たちをその総合教育会議の中に入れていく仕組みはもう全国に発信するべきだと。  そして、なおかつ、コミュニティ・スクールなんかも全然進んでいない県がある。そういう地域のところを、しっかりと受け取れるようにしていただくことによってコミュニティ・スクールも進みますよということを、文科省の推進する政策の中にも当たるんだから、そういう発信をした方がいいですよと言っているんですね。その件について、武井公述人、ちょっと御意見を。
  356. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) 私も全く同感であります。  この総合教育会議のいいところは、基本的に議事録が公開されると。一応留保は付いてありますけれども、基本的に公開であると。ということは、長期的に見れば、たとえ何か道を外れるとか暴走するようなことがあったとしても、おのずと議論の中でどこがどういうふうに道を誤ったのかということはつまびらかにされていくということなんですね。  ですから、この総合教育会議がうまくいけば、それこそ現行の教育委員会制度を通して学校現場や地域社会を活性化する道が開かれると。しかし、それには、それを積極的に活用しようとするだけの意欲がまず首長の側にないと、これはどうしようもないわけですね。  現状でも、大抵の場合、首長と教育委員会の関係というのは悪くないわけですから、一応地方が作っている教育振興基本計画でこれでいいということを、人を集めて首を縦に振ればいいですよということにならないとは限らないわけですね。ですから、ここのところにどれだけ力を入れられるか、これが一つのポイントになってくるんではないかと私は考えております。
  357. 大島九州男

    ○大島九州男君 民主主義が成熟すると時間が掛かるんですよ、いろんな人の意見を聞かなきゃならないから。だから、そういうものであるという認識でいくのと、いやいや、俺が選挙で勝ったんだから俺の言うことをみんな聞くんだというような運営をされたら困るわけですよね。今までは、それこそ自分が選んでいない、言い訳もしたりとかね、何か問題があったときは逃げた。今回も確認したのは、首長が直接選ぶんだから任命責任は重いですよと。だから、これは国民に、首長、あなたがこの地域の教育に対してこれだけの責任を持つんだと、何かあったらあなたが責任があるんですよということを明快に発信しましょうよということも伝えていますし、そういうことも答弁をいただいています。  だから、そういった意味も含めて、ちょうど今日は川勝さんと興さんとそういう関係でしょうから。何が言いたいかというと、川勝知事が、いや、何かちょっとこれは興公述人からしたらおかしいなというときにはしっかり物を言っていただきながら、そして、そのときに川勝公述人が、いやいや、僕が任命したときには興さんはこうだったけど、何か最近、私の言うこと、ちょっと何かずれているなと。そうしたら、それは、じゃ興さんちょっと辞めてもらおうかみたいなことではなくて、しっかりそのことを受け止めて、そして周知の中で議論をして決めていくという総合教育会議であってほしいと、私はそういうふうに思うんですが、興さんと川勝公述人とちょっと御意見を。
  358. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 今、大島委員からそう言われましたが、私、事実、知事の方から要請を受けて検討会のメンバーとして座長をやりました。あわせて、教育委員会事務局組織体制の在り方ということで、知事部局と教育委員会事務局との一緒になる場で、そこの真ん中に入って顧問役もいたしました。どちらかと申しますと、外から教育行政の改革を担った者でございます。図らずも、去年の十二月、教育委員会の委員になることになったわけでございますが、そのとき、やはりどういう立場で私がやるべきなのかということは真剣に考えました。しかし、私は、知事から要請を受けたから、知事の思いを具現化するためにあの職務に当たったわけでは一切ない。知事の思いは十分受け止めながらも、教育はどうあるべきかということを考えて具体の対応を取ってきたところです。  具体的に一言、一例を挙げて申し上げますと、教育行政のあり方検討会ということで、知事のイニシアチブで知事部局に設置されたわけでございますが、現行の地教行法を考えますと、なぜ知事部局にそれを設けるのかと、端的に言えばそういう疑念が生じております。したがいまして、座長としてこの問題を取り扱って意見書を出そうとする過程では、ここに触れられている事項は全て教育委員会が真剣に受け止めていただきたいと。その上で、知事としてはこれをどう具現化するかという観点から知事としてのいろんな対応を取っていただきたい。  したがって、知事から要請を受けたのですが、ボールを戻した先は教育委員会に戻したつもりでございます。その点については知事も十分受け止めていただいて、その後の対応が見られると思います。そういう意味での緊張感のある取組が極めて重要だろうと、このように考えてございます。
  359. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 教育長というのは、教育委員会における事務執行のトップであります。しかし、実質的には教育長が教育行政のトップとしての辣腕を振るわれるわけですが、もし難しい問題が生じた場合にはこれは教育委員会に持ち帰りますということになりますので、今度は教育委員会のどなたが責任を持つかといいましても、教育委員長なのか教育委員会なのか、はたまた教育長、やっぱり彼自身なのかということがなかなか不明確でございます。そうした反省に立ちますれば、総合教育会議というのは首長が出席すると、そして先生おっしゃっているように、様々な方々が出席をして意見を言うと。    〔団長代理石井浩郎君退席、団長着席〕  同時に、これは記録をされるというふうに書かれていますけれども、記録どころか、私は、名前では違いますけれども、地域とともにある学校づくり検討委員会というのは全部オープンです。一切、何といいますか、秘密にしないと。  これは、今までの教育委員会、特に教育委員会事務局というものの閉鎖性ということに対して、教育は全ての子供たちのために、誰が何を言ったのかということも含めて分かる、そして同時に、最終的に予算を組むときにそれがどういう根拠によってなされるのかということは、ジャーナリストも含めて全部が知っているという形でやるべきだと。まさに、社会総掛かり、地域総ぐるみでやるのがこれからの教育でなければならないというふうに思っております。  ですから、総合教育会議におきましては、仮に十数名としましても、例えば農業については、先生おっしゃいましたような、静岡県では農業経営士というのがいます。言わば農業のプロフェッサーです。漁業経営士、あるいは林業については林家というようなそういう資格を差し上げているわけですが、これらの人たちは必ずしも上手な言葉で話せないかもしれませんけれども、体でその技術をお持ちでありますので、そういう方の意見も総合教育会議にお招きして聞くと、それを教育の現場に生かしていくと。  じゃ、生かすようにというふうに総合教育会議でお決めになれば、そういう方向でよろしいかというふうに私以外の、座長がお決めになれば、知事、よろしく、来年度の予算でどういうことができるのか諮ってくださいと。私がそれを事務局に投げかけまして、そしてもう一度総合教育会議に諮って、こういう形でやりたいということをすればよろしいわけですから、文字どおり責任の所在が明確になるということで、ただに教育長というのが事務執行のトップにあるとはいえ、責任が明確になったということにおいて恣意性が働くことがそれほど大きくはないのではないかというふうに思っております。
  360. 大島九州男

    ○大島九州男君 最後になりますが、川勝知事が主導する総合教育会議が日本のモデルになるような、そういう総合教育会議をやっていただいて、そうしたら我々がそれをしっかり全国に発信をさせていただきたいと思いますので、頑張ってください。  以上でございます。
  361. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) ありがとうございます。
  362. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  四人の公述人の方々、お忙しいところ、本日は大変にありがとうございます。  私の方からは、まず武井公述人にお伺いをしたいんですが、教育委員会を語るとき、レーマンコントロールという理念がいつも語られる。その役割を言えば、住民の意思の反映という部分、機能としては当然あると思うんですが、先ほど公述人、この住民の意思の反映というものについて、現行制度でもやはり限界があると、改正になってもほとんどもう影響はない、要は限界があるという状態は変わらないということだと思うんですが。  そもそもこれはなぜ限界があるのかの理由をちょっとお伺いしたいんですけど、例えば一つ考えられるのは、教育委員会の資質、教育委員の資質がそれの機能を果たすのに足りないということなのか、それとも、資質はあるんだけど、現行の法体系の中ではその行為を行う権限がまだ足りないのか、それとも、権限も資質もしっかりあるんですが、その具体的な住民の意思の反映は、やはり少人数の非常勤の方ですから、それをしっかりと吸い上げる、手足になる方が、事務局がいなければいけないと思うんですけど、それが動いていないのか、それ以外なのか、より具体的に原因を教えていただければと思います。
  363. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) 私は、その最大の原因はどこにあるかといえば、これは資質の問題ではなくて、恐らく、非常勤の教育委員というものが得られる言ってみれば情報の範囲が限られているというところにあるというふうに思います。  というのも、教育委員会制度の根本にはレーマンコントロールということがありますが、レーマンであり、かつ、教育委員は教育の中身を知悉していなければいけないわけですよね。しかし、この教育委員会制度が、かつての教育委員会制度がつくられた五〇年代と現在とでは、教育行政を執り行うのに必要な専門知識の量が格段に増加しております。今まで教育に関わったことがない人がちょっと一週間かそこら勉強をして分かるほど単純なことではまずなくなってきているということが最大の原因としてあります。加えて、学校現場の状況も非常に複雑化しております。情報についてももちろんそうですが、例えば特別支援等、一定のやはり専門性を高めることなくしてはなかなか学校現場の情報も分かりにくくなってきていると。  さらに、川勝知事、隠蔽体質というふうに言われましたが、隠蔽であるか否かはともかくとして、やはり学校にとってマイナスの情報は出しにくいという心情が働いているのは、これは事実です。ですから、教育委員等が学校の現場を知りたいと思っても、学校には当然、いついつ行きますと、そうなると、じゃ、教育委員さんが来るので、これこれこういうところをお見せしたらいいんじゃないのかというふうに、当然組織の中では緊張感を持って迎え入れるということになるわけです。すると、果たしてその像が子供の実態を反映しているものであるかと、これはやはり少しそのままの姿ではないというふうに考えるのが現状として必要なんではないのかと。  ですから、そうした状況が重なって、制度の趣旨は守られておりますが、客観的な状況が変化してきておりますので、住民の意思の反映ということがそのままの形でダイレクトに反映できるようなものでは社会情勢がなくなってきていると、こんなふうに私は考えております。
  364. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 また武井公述人にお伺いしたいんですが、先ほど御見解いただいたときに、総合教育会議の役割を非常に重視されていらっしゃいましたが、御重視されている理由の一つは、今指摘があった教育委員の情報が限られている部分を補足する意味合いもあるという御趣旨でよろしいんでしょうか。
  365. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) もちろんその情報についてもありますし、それからいわゆる政策知識と言われるものですね。例えば、コミュニティ・スクールというのが何であるのか、学校運営協議会が何であるのかということ自体を、恐らく現状では、多くの事務局が教育委員にレクチャーをして、そして研修先を事務局が選定して、そして教育委員をお連れして、それで分かっていただくというような形になっていると思うんですね。そういう形ではなくて、本来であれば、主体的に事務局に指示を出して自らの意思で情報収集できると、そういうような形に持っていくべきだと。それには、総合教育会議が言ってみればそのブレーンのような形で動けるのではないのかと。  ですから、学校現場の情報をお伝えするということが一点と、それからいわゆる教育行政に必要な専門知識を提供すると、その両面から恐らく役割を果たせるのではないかというふうに考えております。
  366. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  今事務局のお話も出てまいりまして、総合教育会議等の役割の今後の発展の仕方もあるんですが、やはりレーマンコントロール、住民からの意思、情報の集約のために、事務局のやっぱり活性化という部分も非常に大事であるかなとは思っておりますが、この次はその観点から興公述人にお伺いしたいと思うんですが、公述人は、事務局、現状なかなか活性化しない理由の一つに人事体系の問題をおっしゃっていたと思います。  人事の交流がなかなかないことで、やはりある意味、事務局の構成員にも偏りがあるというところを御指摘だと思うんですが、他方で、この部分も一面あると思うんですけど、もう一つ例えば考えられるのは、その事務局の業務というものが非常に事務処理的なものも多くなっていて、本来であれば、予定されている政策立案であるとか、そういうところに発生する、そのために必要な時間もないというような部分もあるかと。  具体的には、各学校の予算の執行とか、その辺りも結局教育委員会の事務局がやるということで、その処理に忙殺されるであるとか、そういう部分の問題もあると思うんですが、その辺りの観点で、事務局の活性化のために、この業務の改革という部分の観点もあるかと思うんですが、御意見をいただければと思います。
  367. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 事務局機能の強化の一番のポイントは、やはり事務局が専門性、高い視点で教育行政をどう持っていくべきなのかという思いを持つ、そういう職員がどれだけ育つかということに尽きるんだろうと思います。  先ほど川勝公述人の方から話がございましたが、現在、教育委員会事務局にいわゆる指導主事と称して二百五十名前後の方々がおいででございます。基本的には非常に積極的に役割を果たしていただいているわけでございますけれども、その結果として、いわゆる教育事務、いわゆる教育委員会に入って教育を専らやろうとする方々にとっては、そういう政策遂行事項であるとか政策の企画立案に関わるような業務がこれまでほとんど参画できなかった。彼らがやりますのは、どちらかというと庶務あるいは秘書、あるいは予算の積み上げとか学校の具体の管理だとか、そういう形でございましたので、やはりそういう事務職員の方々の将来にわたってのキャリアパスをどう構築するかというのが極めて重要だろうと思います。  ただし、教員の方々が参画してきたものの、どうやってつないだらいいかというのは、私申し上げましたように、ステップ・バイ・ステップでやっていかないと、教育委員会の体制、いわゆる教育行政を実施するポテンシャルが低下します。そのためには、思い切って新しいポストとして研究マインドの高い人を教育委員会事務局に登用する。そのほか、例えば、やむを得ざる事情で家庭に入っていらっしゃるような、そういう方々が教育委員会事務局に入って指導主事として関わってくる。そういう方々に対する期待値は、一つは、問題を顕在化させようとする思いがとても強くて期待できるだろうと。そういう方々と一緒に事務職員の方々がいろんな意味での教育機会を得るのであれば、いわゆるポテンシャル、集団としての事務局のポテンシャルが上がってくるだろうと思います。  あわせて、もう一つ大事なのは、教育委員と事務局との関わりの問題でございますが、今回、教育長がこういう形で位置付けられるということになれば、従来持っていた教育長の会議における助言機能というのが、場合によっては、教育委員自身が教育政策についての助言意識というか、教育長を始めとする執行組織にもっとストレートにこうすべきだという思いが、それが結果として重要な成果、いわゆる組織のパワーアップにつながってくるようなものになるだろうと期待しております。  そういう観点から、教育委員会サイドと事務局サイドが緊張感のある関係をつくっていくことが重要だろうと思います。
  368. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  今、興公述人から教育委員会事務局を活性化させるための一つの視点が示されたわけですが、改めて武井公述人にお伺いしたいんですが、先ほど、総合教育会議に期待をされる機能、今、興公述人が言ったような形での事務局の再生というのが図られれば、それは事務局でも機能できるものなんでしょうか。
  369. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) ちょっと現在リアリティーが、まだやっていない制度なのでいかんとも言い難いですが、可能性としては十分にあり得るんじゃないかというふうに思います。
  370. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  次に、川勝公述人にお伺いしたいんですが、事務局に教職の方がいっぱいいらっしゃる、現場に戻った方がよいという御意見、やはり教職の、教員としての知識、経験を現場の子供に直接渡すという部分での役割というのは、非常に確かにその部分はあるなという思いは私もあります。  他方で、裏を返してみると、事務局の立ち位置というのが、現場とそもそも離れているということが何か前提に聞こえてしまうかのような部分もあったんですが、公述人が、事務局を含めた教育委員会に、より良い教育をつくるために果たすべき期待する役割というのはどのようにお考えか、御意見いただければと思います。
  371. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 矢倉先生にお答え申し上げます。  文部科学省の官僚の方々は大学の現場を知っているわけではありませんけれども、日本の文部科学行政、大学院まで含めてなさっておられるわけですね。ですから、初めから分かれているわけです。  一方、静岡県ほか地方自治体におきましては、教員の特に優れている方たちが指導主事ということになります。そうしますと、いわゆる事務職員の方との関係ですけれども、どうしても事務職員の方が教員から来られたそういう主事などのような方々に対して敬意というか、結局、心理的なものだと存じますけれども、先生の方が上だということになりますので、なかなかにチェック機能が働かないし、言い換えますと、事務職員の能力が上がりにくいというところがあります。  今、静岡県におきましては、ついこの間までほとんどの課長は皆、校長先生経験者ということでございました。そうした方々の手足となっているのが事務職員です。ですから、私はこれは違うというふうに思っておりまして、そしてその課長の上にいるのが教育長ですから、その教育長はそういう課長を経験して、もう今まで四半世紀、一度も現場に戻ったことがない。果たして先生かと私は思うのですが。そういう意味での事務職ですけれども、元々立派な高校の校長先生を務められた方だということになりますれば、なかなかに事務職員の能力というのは上がりにくいものです。ですから、地方においても、国のように若い文部科学省の課長さんが碩学に対しても堂々と意見を言うというような矜持を持てるようにすることが大事だという意味におきまして、地方の教育行政において事務局、教育行政能力を持つ事務局員を高める必要があると。  差し当たっては、先生は何のために教員免許状を持っているのかということを改めて考えていただいて、その主事としての仕事は現場でしていただければよろしいと、場所がないということであれば廊下でもよろしいというふうに思っております。廊下に机を持って、そこで現場で指導されれば、マニュアルを事務局で書いて、誰も読まないようなマニュアルを各学校に送って、そして年に数回学校を訪問して、そして学校は掃除だ、出迎えだ等々で忙殺されて、大名行列に、まあ殿のお成りにどのように迎えるかということで忙殺されるというのが実態であります。ですから、指導主事が本当に現場を知っているということであれば、現場にいなさいと、そこで指導なさいと。  ちなみに、一度くらい授業を見て、どうしてそれについて助言を与えられるでしょうか、子供の名前と顔が一致していない、そして子供からも信頼されていないにもかかわらず。そこでもちろん父兄でも分かる程度のことは言えるかもしれませんけれども。  ですから、現場を知った、あるいは現場を知っている、あるいは現場を見たといっても、実際は見ていないに等しいような形で、現場との関係が離れているのが教育事務局にいる教員上がりの先生方だと思っています。
  372. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) ありがとうございました。  矢倉君、時間です。
  373. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 はい。  事務局も現場と接するということが非常に重要な視点であると思います。  ありがとうございます。
  374. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。今日は公述人の皆さん、本当にどうもありがとうございました。  まず最初に、梅澤公述人にお聞きをしたいと思いますけれども、この改正案では、教育長と教育委員長が一本化をされて新教育長ができるわけです。そして、先ほどからも梅澤公述人お話しされましたように、その質の保証が求められるだろうということ、同感をするところでありますが、一つには、先ほどもお話ありましたが、教育長の免許状の復活ということを具体的に提案をされましたが、それをしていく場合にどういうようなことをやっていけば実際にいいのか。またもう一つは、将来にわたって、教育長候補の養成の在り方、先ほどのアメリカの事例などもお話をされましたが、日本版、日本型でそういうものをつくっていく場合、どういうふうに進めていけばいいとお考えか、まずこの点からお聞きをしたいと思います。
  375. 梅澤収

    ○公述人(梅澤収君) お答えします。  一九五四年に廃止された校長免許状の運用まで含めた法規をもう一回おさらいすると、やはり校長をやっていた人が候補者というか、何というんですか、仮免許状ですね、そういう形になって、一定の教育長の仕事とそういうのを組み合わせて免許の資格を得ていく。つまり、教員から校長へ、校長から教育長へというのをそうやって免許制度で保障しながら、経験はやっぱり教育界の経歴というか教職歴がないと上に行けないようになっています。その辺のところが、やはり教育のことをちゃんと知っている人が教育行政を担っていくプロセスは今と同じようなんですが、今それは免許状システムで担保されていませんから、結局、教育界の中で選ばれし者が上に行って、そこに何か資質とかなんとかというそれを担保するものがあるわけではないと。これがやはり専門職性というのをこれからしっかりと、教職プラス教職から上がっていく校長、それから校長から教育長へと、そういうやっぱり育っていくというか、そういう観点が必要なんじゃないかなと思っております。
  376. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  同趣旨の質問を武井公述人そして興公述人にお聞きをそれぞれしたいと思います。お願いします。
  377. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) 現在でも、例えば、教育長の育成プログラムのようなものを例えば兵庫教育大学のような大学は既に持って、試行的に進めております。諸外国の事例や何かを見ますと、多くの場合には、免許とは言わなくても、やはり一定期間の専門的なトレーニングを必要とするというような形になってきているということはそのとおりであると思いますので、免許というのは、その免許を持たない者はやってはいけないという意味ですから、免許とは言わなくても、やはり一定レベルの研修を課すということは当然の責務としてあってもいいんではないかというふうに思います。  加えて、当然、教育長だけの問題じゃなくて、教育長の質を上げるということは、同時に教育委員の質も上げていかなければならないですから、それと一体的に考えていかなければならないということは付言させていただきます。
  378. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 教育長の育成プログラムという観点から御質問いただいたんですが、私は、特に免許状の問題とかいう形で縛られることなく、そもそも、教育長を始めとする事務局サイドというんですか、事務局を総括するような方々が何を期待されるのかという視点から御説明させていただきたいと思います。  現下の教育問題は、極めて社会と共にあるような形で動いているものでございます。したがいまして、教育コミュニティーだけの問題ではなくて、社会が今何を期待しているのか、さらには日本全体、世界全体としてどういう趨勢にあるかという問題を考えられるような資質を養成していく必要があるだろうと思います。  それには、教育分野のみならず、行政が何であるかということをやはり熟知できるような人が重要だろうと思っています。行政は、私も長く行政をやってまいりましたが、そのグループだけでやるわけじゃなくて、意見を異にする方々と対面をしながら議論をしていくわけでございまして、自分たちの主張を理解してもらうというふうなことではなくて、主張される方々同士でそれらからどういう解決の道が一番適切なのかを考えることが行政の一番重要な問題だろうと思います。  そういう意味で、社会と共にある教育は何であるかということを考えられるような、そういう資質向上、そういうことができるような体制を、あるいはプログラムを考える必要があるだろうと思ってございます。  以上でございます。
  379. 柴田巧

    ○柴田巧君 それぞれにどうもありがとうございました。  次に、川勝公述人にお聞きをしたいと思いますが、今、先ほども御説明がありましたが、教育委員会の事務局組織の体制の見直しに取り組んでおられると。指導主事というか、先生には現場に戻ってもらおうと、そして教育行政のプロを育てていく必要があるというお話、御認識でありましたが、それを、いわゆる教育行政の力量の向上といいますか能力の向上をしていく場合に、特に国にはこういうことをお願いをしたいとか、こういう支援があったらいいというようなお考えがあればお示しをいただければと思います。
  380. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 御質問ありがとうございました。  文部科学省に、課長職は全部差し上げるので下りてきてくれと言いましたところ、人数が不足して足りない、一人しかいないということでございまして、そのように、教育行政のプロも国においても人数的に不足しているかということを知りました。また一方で、一人で十人分働けるだけの人間がいるからそれを使ってくれということでございましたので、そういう能力のある人が国にいるということでございますね。  私は、教育長が校長経験者である必要はないというふうに思っています。例えば、個人名を出して恐縮ですが、門川京都市長というのは、専ら事務局から教育長になって、そして人材育成という観点から広く社会全体の人材の能力を上げていくということで、今、市政をあずかっておられるという例もあります。しかも、その教育改革というのが評価せられて、第一次安倍内閣のときの教育再生会議委員のお一人でありました。  ですから、いろいろな能力のある人がいるので、これが一つのキャリアだというふうには言えないのではないかというふうに考えております。
  381. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  そして、何よりも、学校の先生が子供たちと向き合って学校の先生としての能力を最大限に生かしていくためにも、先生自身の質の向上と、やっぱり教育現場の負担感ってすごい重い、先ほどもお話があったかと思いますが、それを軽減していく策というのもこれから併せて大事になってくるんだろうと思いますが、川勝公述人から見られてどういうバックアップが必要だと、政策が必要だとお考えでしょうか、お聞かせをいただければと思います。
  382. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 現在、ほとんど全ての方々が高校に行かれます。そして、高校を卒業した後、二人に一人が大学に行くという、そういう現状が平成に入って恒常化しているわけでございます。  したがって、学校の先生、小学校や中学校の先生になりたての方たちの親御さんは、先生よりも学歴が高いか、あるいは変わらないと、親御さんお二人のうち一人は似たような経歴をお持ちであると。そうすると、なかなかに先生への、例えば私が若かったりいたしますと、敬意というものを持ちにくい。したがって、時としてモンスターペアレンツにもなりかねないということがございます。  したがって、子供を預けているわけでございますから、先生が資質を向上するための機会をもっとあげないといけないと。特に、自然科学の場合には、あるいはもちろんスポーツもそうだと思いますけれども、何事によらず、より高いものを目指すと。例えば修士号を持つとか、あるいはJICAの青年海外協力隊で二年間ほど研修するとか、様々な道があるかと存じますけれども、そういういわゆる留学というか、国内留学でもいいと存じますけれども、そのようなことを通して、またそのような方たちに資格を差し上げて、最低でも自然科学系ですと修士号ぐらいは持っていないと親御さんからは尊敬されないしという社会的な状況がございますので、先生のために何ができるかという意味におきましては、やはり学位をあげていくと。  また、ポストドクターがたくさんいますので、その辺の人たちに、専門性を高めると同時に、自分の高い学識を子供たちに還元するということで、そうしたポスドクの方たちをもう思い切って学校現場にお招きすると。その人たちは必ずしも教員免許を持っていないということですけれども、私は、そういう道を非常勤でやりながら、おのずと免許が取れるような、そうした融通性を持たせることを通して、学校の先生方の資質を資格を通して上げていくと。  それで、今はいわゆる研修を受けさせるということで何となく駄目教師を排除するような、そういう兆候がややもすると見られますけれども、そうではなく、先生方のやる気を喚起するためのそういうプロジェクトを委員の先生方で起こしていただけますると、現場の先生方は喜ばれるであろうというふうに存じます。
  383. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  最後になろうかと思いますが、もう一つ川勝公述人にお聞きをしたいと思いますが、先ほどからおおむね総合教育会議は皆さん肯定的で、もしできるとうまく機能していけばいいとは思いますが、ただ、一つ懸念をしますのは、ああいう会議というのはいわゆる危機対応とか緊急対応にはどうも向かないんじゃないかというのを非常に心配をするわけで、特に、この静岡もいつ何どき大きな地震に見舞われるか分からないところの一つだと思いますが、逆に、それがあるがゆえに危機対応が遅くなったりするという懸念がおありかどうか。また、そういうことを解消していくために、やはりいろんな施行規則で細則なんかをやっぱり国がしっかり示すべきだと私は思うんですが、そこら辺どういうふうにお考えか、お尋ねをしたいと思います。
  384. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 浜名湖で一人の女の子が溺れて死にました。そのときに、最初に駆け付けたのは私どもです。教育委員会は、日程を合わせて、そしてその後に行かれたということがございました。  ですから、危機対応というのは、教育が社会総掛かり、地域総ぐるみでやるということの、それを体現しているのが総合教育会議であるといたしますれば、全員でやっているんだということで、知事部局、教育長、新教育長を含めてすぐに対応できると。特に地震のようなものは、これはもう職業とか地域を問わないでいつどこにやってくるか分からぬということで、その意味においては社会全体での防災力を上げなくちゃいかぬということであります。  同じように、教育につきましても社会全体が責任を持っている。言い換えると、大人全てが教育者としての背中が見られる存在だという、そういう自覚を持たせるために、選ばれた教育委員というよりも、総合教育会議というものがそういうようなものとして育ちますと、その総合教育会議と教育委員会との言わば役割分担というものも次第に明確になってきて、総合教育会議の本来の趣旨というのが生かされる。そのときに、対応が遅くなるというふうなことは差し当たって、今例示に挙げられました防災などにつきましては、これは老若男女、職業を問わず全体でやっておりますので、この点についてはそれほど心配はしておりません。
  385. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  時間が来ましたので終わります。
  386. 松沢成文

    ○松沢成文君 みんなの党の松沢成文と申します。  公述人の皆さん、今日はお忙しいところありがとうございます。これまで同僚議員の皆さんからこの法案の中身について様々質疑がございまして、大変参考になりました。  私も隣の神奈川で知事をやっておりましたので、地方分権改革にずっと取り組んできたんですが、これがなかなか進んでこないと。今日は、地方の教育の改革と併せて地方分権の視点からこの法案の在り方をちょっと探ってみたいなと思って質問させていただきたいと思います。  最初の質問を川勝公述人と興公述人にお願いしたいと思うんですが、実は、私たちみんなの党は、この政府の法案そのものに真っ向から反対ではないんです。ただ、そもそも論として、なぜ地方自治体の自治事務である地方の教育行政の仕組みを決めるのに、国が一つの制度に絞って、はい、これで決めたから全て自治体はこの制度に従いなさいというやり方でやってくるのか、ここに疑問を持っているんですね。  実は、自治体には、静岡県もそうでしょうが、もう百万、二百万の政令市もあれば、あるいは千人、二千人の小さな市町もあるわけです。ここは、人口規模だけじゃなくて人材という面からも、あるいは教育文化という面からも多種多様で、それぞれ違いがあるわけですね。  今回、中教審からも二つの案が示された。そしてまた、与党の中で政府と調整して第三案が示されて、これが今日議論になっているわけなんですが、それぞれの案にメリット、デメリットがあるわけです。  例えば、プロフェッショナルリーダーシップとレーマンコントロールという言葉が出てきましたが、レーマンコントロールを重視すれば教育委員会制度をうまく運用していけばいいんじゃないかという考えもあるでしょうし、プロフェッショナルリーダーシップというかリーダーシップを重視すれば、首長、教育長に教育行政を任せて、教育委員会は附属機関としてチェック機能でやればいいんじゃないかと。あるいは、両方のいい面を取って悪い面をできるだけ少なくするためには、両方の案を併せて、今回の総合教育会議のような政府案、これもいいんじゃないかと、こういう三つの案が出てきているわけですね。  そうであれば、地方自治体に、その地方自治体の規模とか、あるいは地方自治体の文化とか、あるいは行政のこれまでの経験だとか、そういうものを勘案させて地方自治体に議論させる。つまり、首長と議会と住民が、うちの自治体はどの仕組みでやるのが一番教育行政がうまくいくか、それを徹底して議論させて、決めさせて、それで運用させて、もし何かおかしいところがあったら、自分たちで決めたんですから、責任は自分たちであるから自分たちで改善しよう、これが私は本当の地方自治だと思うんですね。  ですから、私は、今回みんなの党として選択制という修正案を出しているんです、この政府案に対して。まあこの修正案は恐らく通ると思いますが、あっ、修正案じゃなくて法案が通りますので、近い将来、やはり今言った三つの制度を国は地方自治体に提示して、その中から最もその地方に合った制度を地方自治体に選んでもらって責任を持って運営してもらう、これが本当の地方自治だというふうに思ってこういう案を出しているんですね。  地方教育行政は地方自治体の自治事務ですから、国がスタンダードは示す必要があると思いますが、その組織や運営についてはあくまでも地方の選択権だとかあるいは自主性を重視する、こういう方針について両公述人はいかがお考えか、御意見をお聞かせいただければ幸いです。
  387. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 松沢先生、御質問ありがとうございました。  基本的な精神は先生と同じでございます。  静岡県には静岡県特殊の事情がありまして、昨年、小学校の国語の成績が全国最低になりました。突然なったのではありません。平成二十一、二十二、二十四、二十五と毎年落ちていきまして、ついに底を打ったということでございます。こうしたことから、教育委員会はまともな機能を果たしていないということで、今、改革に取り組んでおります。  そうした中で出てきた総合教育会議というのは、文字どおりその総合性を、したがって、先ほど大島先生が言われましたような、社会各層の方たちを通してそこで議論をしていただいて方針を決めると。まさに我々の地域性が人において代表されるような方を通して、教育の予算配分などというものについて納得ずくめでやっていけるということで、なるほどこれはたまたま上からといいますか国の方から提示されたものでありますが、今の教育委員会制度よりもはるかにいいと。  そして、今の教育委員会制度は、教育長と教育委員長の役割が明確でないだけではなくて、世間についに六十年たって浸透しなかったということで、破綻したと。それは今回の我々のこの静岡県における経験においてはっきりしたと。  そしてまた、なるほど法律に対しては牙をむくわけにはいきません。しかしながら、何を重点にするかと。スポーツだ、芸術だ、あるいは農業、工業、物づくり、そうした実学だということについて総合教育会議で出されれば、そちらの方に思い切りシフトをしていって、その実績を上げれば、例えば知事表彰はもう普通科の高等学校には出しません。農業とか物づくりとか工業とか、そういうところでしっかりと体に身に付けた、そういう青年たちに知事表彰を出すというふうにして軸足を移しておりますが、これも一種の我々の地域なりの個性を上げるための試みであります。  精神は一緒で、今のところ、私は現行制度よりは今度の法律案の方が静岡県にとってはベターであるというふうに考えております。
  388. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 地方分権、あるいは地方主権、地域主権という観点から捉えたときにどうすべきかというふうなことについてなんですが、現状でも、各地方がどういう取組をしているかという実態を考えてみますと、ほとんど教育委員会が機能していない可能性のあるところもあるんだろうと、こう考えてございます。  今、静岡県の教育委員会としては、移動教育委員会という形で、地方に入っていろんな議論を触発をしてございます。その場合に、当然、公立の、いわゆる県立の学校に入る場合はそれは単独で構わないんですが、いわゆる義務教育段階、すなわち市町の教育委員会が所掌しているような学校を視察する場合に共同で議論をしていくような機会が本当は必要なんですが、これまでそういうところであっても県の教育委員会がどちらかというと直接入り込んでやってきたところがございます。地教行法ではやはりそれぞれ独立に、市町の教育委員会と県の教育委員会は独立の組織でございますので、そういう意識をちゃんと醸成していく努力が現実的にはまだ必要な段階だろうと思います。  ただし、既に市町においては首長と教育長とが密接な形で連携を取られているところが多くて、教育委員会のプレゼンスがやや希薄なところが多いと思います。衆議院の参考人質疑等を見ましても、そういう議論が結構専らあったかと思います。  そういう意味では、やはり実態に合うような制度設計が長期的には考えられることについては私は現実的な対応策だろうと、こう考えてございます。
  389. 松沢成文

    ○松沢成文君 次は、武井公述人と梅澤公述人、専門家の立場でお伺いしたいんですが、確かに教育の地方分権もいろんな姿では進んではきているんですね。ところが、やっぱり仕組みとしてなかなか下りてこないというか、進んでいかないのは、私はやはり先生、学校というのは子供のためにありますが、もう一人の主役は先生ですよね。  全国中の義務教育の学校にはもう何万、何十万、何百万という先生がいるわけですが、この先生の在り方を考えて、まずお給料の三分の一は国が負担するんですね。市町村の職員なんですよ。先生は市町村の職員だけど、お給料の三分の一は国から来て、三分の二は県から来るわけです。自分たちでお給料は出していないわけですね。それから、人事権は、今度、小さな市町村、政令市以外は県が持っているわけですね、政令市は移譲されていますけれども。そうやって、先生は市町村の職員なのに、お給料は国と県から、人事権は県から握られている。これはなかなか国も手放さないんです。  私も知事のときに、もう先生のお給料はどんどん下に下ろさなきゃ駄目だと、そうじゃなければ地域で自分たちの責任感は生まれませんからね。そうしたら、やっぱり文科省は最後まで三分の一は取っておきたいと、半分から三分の一にするのはいいけれども。それは、お金を出しておけばいろいろとコントロールできるからなんです。地方を差配できるからなんです。もしかしたら県が市町村に人事権を下ろすのも、まあ私はどんどんやっていきましたが、それに渋っている県があるとしたら、それはそれでやっぱり市町村の教育委員会をうまく人事権を使ってコントロールしたいというのもあるでしょう。結局、上意下達なんですね。  ですから、本当に教育の地方分権を進めるとしたら、小さな自治体なんかは特別教育行政区みたいなものをつくって、そこで人事なんかやればいいわけですよ。そうやってお金と人事の問題を一番現場に近い市町村に移していかない限り、これは教育の地方分権というのは根本的に進まないと思うんですが、お二人の先生方に是非ともそういう面についての見解を伺いたいと思います。
  390. 武井敦史

    ○公述人(武井敦史君) お答えいたします。  松沢先生の方から言われたとおり、実際、人事、予算の面、この二つが国と県が強く関与するものになっているので、実際には小規模な自治体ではなかなか分権化が進んでいかないと。  更に加えて言えば、教員の養成も、教員の免許までは一律な基準で養成されますので、ここの部分も全国一律に養成される。そうすると、結果としては、それほど地域の色を出したいと思っても出せないと。更に加えて、学力テストのような形で一律の尺度で測定されるというふうになれば、更に地方色というのは出しにくくなると。まさにこうした構図にあるかと思います。  静岡県では、人事や予算権を小規模自治体にという議論がございましたが、その際に一番やはり反対したのが小規模の自治体なんですね。小規模の自治体は、一つには、予算的な裏付けが弱いので、そこの部分、相当程度に裏付けをプラスしないとやはりどうしても不利な立場に置かれるということが一点。それからもう一つ、教員の成長という点から見ると、これも相当程度の人事交流等の試みをしないと、狭い地域でずっと育っていくということが、結果として、地方分権化の結果、起こるかもしれないと。すると、様々な情報や刺激にあふれたところで教員として育つのと、それから、落ち着いてはいるかもしれないけれども余り変化のないところで教員として育つのでは、やはり当然差が出てくるというのは大学の学生を見ていても感じるところです。  ですから、それらをトータルでひっくるめて、地方分権化をどう行っていくかというデザインをつくるべき時期に今来ているんではないかと思います。その具体案は、私もこれぞというものを持っているわけではないので、ちょっとまたの機会にさせてください。
  391. 梅澤収

    ○公述人(梅澤収君) 私は地方分権の立場を取っている者なんですが、この点については、やはり県が全体的な人事のバランスとかそういうのを取っている。それから、財政が乏しいので、県が過疎地等の学校というのをしっかりと質の保証という意味でやっている面があるんですね。これって、東南アジアとか何かそういうところに行くと、学校のないところというのは結局そういう仕組みがないので、各村の責任で学校は造らなきゃいけないと。そうすると、もうお金がないから造らない、造れないという、そういう状況なんですね。だから、それを日本はうまくそういう仕組みをつくってここまで発展してきた面があると思います。  今も過疎地の中でそういう人たちに対してどういうふうにやるかといううまいルールがあれば、地方分権、先ほど先生が言われているような形は必要だと思うんですが、もしそうなってしまうとやはり都市部にみんな集中するみたいな議論になってしまうので、何かうまいデザインがない限り、なかなかこれは賛成というわけにはいかないというのが私の考えです。  以上です。
  392. 松沢成文

    ○松沢成文君 どうもありがとうございました。
  393. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。大変長時間になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。  まず、興公述人にお聞きします。  教育委員会と教育長の関係についてお聞きしたいんですが、先ほど、良い緊張感を持ってと、事務局に教育委員の側も意見を言い提案もすると、こういう緊張感を持った関係が必要なんだということで、私もそのとおりだと思います。いただいたレジュメの中でも、そのためにもやはり教育委員会の教育長への指導監督と業務点検、評価は重要だということが書かれています。  この点で、私はちょっと法案に疑問があるのは、やはり教育委員会が教育長への指揮監督権限を持つという、この条文がなくなるということなんですね。それで、これがなくなって、じゃ、どうやって指導監督がこの条文の中で残るだろうかと思って読んでみると、現行法で言うと二十七条、改正法で言うと二十六条でしょうか、教育委員会の担っている事務、これの点検、評価、そして報告、これをまとめると。その中で教育長に委任した事務についても点検、評価を行うというふうに読むことになるんですが、これは議会に報告をまとめるためのものでもある。そうすると、教育長に対するチェック機能、指揮監督というのは、法制度上やはりどう担保していくかというのが一つの課題になると思いますが、御意見をお願いします。
  394. 興直孝

    ○公述人(興直孝君) 今、田村委員から御指摘されましたのは、私自身も、果たしていわゆる現行法第二十七条、改正法の第二十六条の意義は何だろうかというふうに思っていた次第でございます。  強いて第二十六条がそのまま残った理由は、今委員おっしゃられましたように、教育長に委任した事項を含むと、こういう規定されてございますので、少なくとも委任した事項については一切教育委員会として承知し得ないことだと、その問題について点検、評価することは当然必要なことだろうと思われます。  では、それ以外の事項について果たして教育委員会が、教育委員が実効性あるような点検、評価が可能なのかどうかと。そういう点については、場合によっては、私はここのところは全部削除してもあるいは法律的には意味を持つのではないかというふうに考えたこともございます。ただし、点検、評価を必要とするかしないかの問題は、誰がするしないは別として、教育政策を明らかにしていく取組は絶対必要でございます。  そういうふうな意味で、教育の成果を教育委員会として承知をする仕組みが重要なのであって、これから変わる第二十六条の趣旨は、教育長を指揮監督する観点ではなくて、所掌事務を預かっている教育委員会として教育の実態を掌握をして、それに対する取組を県民の前に知らしめることが、知っていただくことが大事だ、そのステップとしては当然議会に報告をするわけでございます。  私、そのレジュメの方にも書かせていただきましたが、個別事項の集合体系として点検、評価がある、そういう実態であるとしたら、教育の実を掌握できるシステムにはなり切っていない、このように思ってございまして、今、最後にまとめました五でしょうか、五ページ、六ページのところは現行法体系を前提として書いたのであって、それを少なくとも明確に執行することによってこれからの新法体系に生かされてくるだろうと、こう書きました。  それで、今委員がおっしゃられました教育委員会の教育長への指揮監督という機能は、権限はなくなるわけでございますので、そうしますと、教育長が教育委員長として全体を総括する立場、強いて言えば合議制の委員会であると。その場合に、果たして教育委員が高い観点から教育行政を総括できるかどうかが問われるだろうと思います。そのためには、教育委員の質の向上が不可欠であって、そういう観点から、教育委員が、先ほど私申し上げましたが、場合によっては、従来、教育長が期待されていた審議におけるいわゆる助言機能、そういうものを大所高所からいろんな問題を提起できるポテンシャルが教育委員に具備されなきゃいけない。そういう観点から適切な執行ができるようにすること、そこのポイントがまずあって、その上で業務の点検が総括をすることによってどこが弱いのかというふうなことを顕在化させることだろうと思います。  よく静岡県が、知事が先ほど来おっしゃいましたが、二百七十名ぐらいの教員の方々が指導主事として内局にいらっしゃいます。その方々を現場に戻すことだけが政策的によく言われますが、それは私は結果であって、大事なのは現場の教育の実態が何であるかを明らかにして、そのために必要な措置を顕在化させることであると。それが結果として多くの指導主事が現場に戻るようなことにつながってくるだろうと思います。そういう意味で、指導主事も、充て指導主事は実際は現場の負担の下で充て指導主事を充てているわけでございますので、そういう意味で現場を重視した取組を教育委員会が行えるかどうかがこれからのポイントになってくるだろうと思っています。  以上でございます。
  395. 田村智子

    ○田村智子君 ありがとうございました。  川勝公述人に、せっかく静岡での公聴会ですので、学力テストをめぐることについてお聞きしたいと思います。  私も、いただいた資料も読みまして、一つどうしても疑問に思うのは、最初、最下位百人の校長名を発表するぞというふうにおっしゃられた。それで、結果として何日か後に八十六人の平均点以上の校長さんのお名前を発表されたと。こういうことが、教育委員会との協議、調整がどのように行われた上でのことなのかということをお聞きしたいと思います。
  396. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 御質問ありがとうございました。  八月の末に新聞で全国学力テスト最下位が出まして、そのデータを、教育委員会と協議をして、いただきたいと言ったところ、ずっといただけないまま、まだ文科省にそのデータがあるということだったわけですね。  そして、それから十日余りたった記者会見の席で、そこにたまたま教育委員会の事務局の方がいらっしゃいましたので、これはいつそのデータがありますかというふうに聞きましたらば、九月中旬に入ってくるということだったわけです。それで、それじゃ、九月中旬までまだないということですというふうに記者会見で答えましたところ、記者会見にいた記者の方たちが文科省にお問い合わせになったところ、既に八月の末にはデータは静岡県に差し上げていたということになったわけです。  では、どうしてうそをつかれたのかということになります。  したがって、これは不分明ではありますけれども、私は、この時点で、教育委員会の、いわゆる五人の先生、六人の委員の方々とは別に、教育委員会事務局というのはこれみんな先生方が基本的に業務を仕切っている、先生上がりの方たちが仕切っておられますので、やはりなかなか中をかばうというふうなことがあって、恥ずかしいデータはなかなか出さないということだったので。しかし、責任は誰にあるのかということはやっぱり明確にしないといけないと一貫して思っておりました。  そして、全国学力テストが最下位になった後、慌てたのは教育委員会事務局です。つまり、先生方が慌てたんです。子供は慌てていません。そして、いろいろな施策を講じられて、また受けるとお決めになったのも教育委員会事務局です、あるいは教育委員会です。したがって、これは子供ではないんですよ。子供の能力を上げることを仕事にしているのが先生ですから。したがって、先生に責任があるのだというふうなことを明確にするために、小学校の場合ですから、これは特定の科目を教えているのが小学校の先生ではありません、音楽とか体育を除けば。したがって、全体を取り仕切られている校長先生に今回の子供の成績が下であることの責任があると、そのことを明確にするために。  ところが、それが学校名と同じだというふうに言われたんですが、学校名も、それから校長名も、四月の人事異動、全部、全国どこでもそうですが、発表されています。それほどに学校の先生というのは公共的存在であります。そういう意味におきまして、私は校長先生の名前を発表すると。ただ、平均点以下がもう八〇%以上でございましたので、発表してもそれは意味がないということから、私はいかに上の者が少ないかということで上位の百弱の校長先生の名前を発表したと。趣旨は同じです。
  397. 田村智子

    ○田村智子君 そうしますと、教育委員会との協議や調整を行ったのではなくて、知事としての権限で子供たちのためにということで行ったということだと思うんですが、それでは、これから総合教育会議というのは、まさに知事さんや市長さんたちの権限に属することと教育委員会の権限に属することとがどのように協議をされてどのように調整されるかということが大きな焦点になってくるというふうに思うんですね。そうすると、この法律が施行された場合には、このように学力テストをどう取り扱うかというのは率直に申し上げますと法的には首長さんに権限のないものであって、むしろ教育委員会の権限に属するものだと、法律的には私は明確に分かれているというふうに理解をするんですね。  そうすると、今度は総合教育会議で、やはり学力テストについての取扱いはこうしたいんだということを知事さんの方から、いや、いわゆる知事さんの権限にはないことについても総合教育会議には提案をし、そのことについて協議をするというお考えでしょうか。
  398. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 法律に触れるようなことはいたしません。
  399. 田村智子

    ○田村智子君 ちょっと聞き方がいけなかったですね。  総合教育会議では、市長さんの、知事さんの権限で会議が持たれますので、どういうことを協議するのか、それから大綱にどういうことを書くのかというのは知事さん、市長さんにその権限があるというのが文科省の説明でもあるんですね。  そうすると、この法律の下で、今後もその学力テストの取扱いのことなどは知事さんの方から積極的に提案をされて、そして大綱の中でどう書くかということなんかも今後考えていくおつもりがあるのかどうかというのをちょっと確認したいなと思ったんです。
  400. 川勝平太

    ○公述人(川勝平太君) 考えていくつもりはあります。  ただ、総合教育会議というのは私の権限で全てを決められるような筋のものではありません。そして、この総合教育会議は教育委員会と協議をしながら大綱を決めるということでございますから、したがって、私が言わば恣意的に、一方的に私の意見を押し付けるということができるというふうには考えていません。
  401. 田村智子

    ○田村智子君 突っ込んだ質問で申し訳なかったんですが、ありがとうございました。今後の審議の参考にしたいと思います。  もう一点だけ、梅澤公述人にお聞きしたいんですが、梅澤公述人は教員の養成に関わる研究もされておられるので学校現場にも足を向けておられるかなと推測する下で、この校長先生のお名前の公表ということが学校現場や先生方や子供たちに与えた影響というのを、もし何か感じていることがございましたらお聞かせください。
  402. 梅澤収

    ○公述人(梅澤収君) これは、下位を出すというのはかなりすごい学校に与える影響は大きいなと思いましたが、八十六名の上位、平均点以上の人を公表するという形になったということで、これだと顕彰というか頑張ったところを褒めるみたいな形になったので、結果的に私はよかったというふうに思っていました。  文科省は、今年度からは、それを各自治体で判断できると、教育委員会で判断できるという形になりましたので、これは恐らく文科省もその辺のところをもう見越して、こういうトラブルが余り起こらないように、各自治体の判断でやっていいというふうに今年要項を変えておりますから、そういう意味ではこの点についてはよかったというか安心しました。  私が言いたいのは、総合教育会議は対立するならむしろ交渉して調整するということができると思うんですが、これが対立も全くなくて、先ほど言ったように、首長さんが選んだ教育委員と教育長で会議をやったときに対立が生じるのか。だから、それをうまくやれるのが首長のマネジメント力であるし、バランス力であるし、結果的にそこをうまく人組みをしないとうまく機能しないということも確かなので、これはもう完全に性善説に基づく法制度というふうに考えております。  以上です。
  403. 田村智子

    ○田村智子君 ありがとうございます。  終わります。ありがとうございました。
  404. 丸山和也

    ○団長(丸山和也君) 以上をもちまして公述人に対する質疑は終了いたしました。  この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  また、本地方公聴会のために、多忙な中、種々御尽力を賜りました関係者の皆様に、この場を借りまして厚く感謝申し上げます。  では、これにて参議院文教科学委員会静岡地方公聴会を閉会いたします。    〔午後四時三十一分閉会〕