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2014-04-08 第186回国会 参議院 農林水産委員会 7号 公式Web版

  1. 平成二十六年四月八日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月四日     辞任         補欠選任      安井美沙子君     羽田雄一郎君  四月八日     辞任         補欠選任      堀井  巌君     三宅 伸吾君      徳永 エリ君     榛葉賀津也君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         野村 哲郎君     理 事                 猪口 邦子君                 山田 俊男君                 小川 勝也君                 紙  智子君     委 員                 金子原二郎君                 古賀友一郎君                 中泉 松司君                 馬場 成志君                 堀井  巌君                 舞立 昇治君                 三宅 伸吾君                 山田 修路君                 郡司  彰君                 榛葉賀津也君                 羽田雄一郎君                 柳田  稔君                 平木 大作君                 横山 信一君                 山田 太郎君                 儀間 光男君    国務大臣        農林水産大臣   林  芳正君    副大臣        財務副大臣    愛知 治郎君        文部科学副大臣  櫻田 義孝君        農林水産副大臣  吉川 貴盛君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       横山 信一君    事務局側        常任委員会専門        員        稲熊 利和君    政府参考人        林野庁長官    沼田 正俊君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○森林国営保険法等の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る四日、安井美沙子君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  森林国営保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に林野庁長官沼田正俊君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 森林国営保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 古賀友一郎

    ○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。  今日は森林国営保険法改正案の審議ということで、当初、森林政策についてるる質問をさせていただこうと思っておりましたが、まずは、急遽予定を変更いたしまして、昨日大筋合意に至った日豪EPAの交渉の件から質問をしてまいりたいと思います。  まさにこれは急転直下という印象を私、受けたわけでございますが、七年に及ぶ交渉、かつ農業大国、我が国にとって重要な貿易相手国であるオーストラリアとの合意ということでございますけれども、昨日のこの交渉における合意内容について、まずは御説明いただきたいと思います。
  7. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 日豪EPAにつきましては、豪州側から当初、七年前からでございますが、関税撤廃、強く求められておりました。我が国としては、衆参農林水産委員会の決議を踏まえて粘り強く交渉してきたところでございます。  この結果、既に米については関税撤廃等の対象から除外。食糧用麦については将来の見直し、再協議。精製糖、一般粗糖については将来の見直し、再協議とし、豪州産高糖度粗糖が他国産より優位となるよう調整金徴収額に影響のない範囲で措置する等、現行の国境措置を基本的に維持することとしておりました。  また、牛乳、乳製品については、生乳需給の観点から最も重要なバター、脱脂粉乳については将来の見直し、再協議。ナチュラルチーズについては、シュレッドチーズ原料用及びプロセスチーズ原料用に限定して国産のナチュラルチーズとの一定比率での抱き合わせを条件とする関税割当てを設定することといたしました。  さらに、牛肉については、最終関税率に関し、国産牛肉への影響の差を考慮して冷凍と冷蔵の間に四%の税率の差を確保いたしまして、冷蔵牛肉は十五年という長期間を掛けて削減し、最終税率は二三・五%、冷凍牛肉は最終税率は一九・五%で十八年という長期期間を掛けて削減をしまして、さらに十二年目までは二五%を確保すると、こういうことでございます。冷蔵牛肉、冷凍牛肉それぞれについて、現状以上の輸入量となったときには関税率を現状の三八・五%に戻す効果的なセーフガードを確保することとしたところでございます。  以上のように、重要五品目を中心に国内農畜産業の存立及び健全な発展を図っていけるような合意内容であると考えておるところでございます。
  8. 古賀友一郎

    ○古賀友一郎君 ありがとうございました。  国内農水産業の存立及び健全な発展を図るということが可能であるというような御見識でありますし、米、麦等々、その関税撤廃が要求される中でのぎりぎりの交渉をされたということでありますけれども、やはり今回の合意のポイントは牛肉だろうというふうに思っているわけであります。  この国内の畜産業に及ぼす影響、これを政府としてどういうふうに評価をされた結果、今回の合意に至ったのか、どの程度の被害が及ぶ、影響が及ぶというふうに考えられた上での合意なのかということをお伺いしたいと思いますし、またもう一つは、これも重大な問題だと思いますけれども、衆参の農林水産委員会での決議との整合性であります。  牛肉を始め重要品目について除外又は再協議の対象となるよう交渉するということで国会は政府を交渉に送り出しているということであるわけでございまして、この国会決議との整合性、これをどういうふうに考えられて今回の合意に至ったのか、この辺について御説明をお伺いしたいと思います。
  9. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この畜産物に係る今回の合意内容でございますが、豪州側から一定の柔軟性を得ることができたという結果、我が国酪農・畜産業の存立及び健全な発展を先ほど申し上げたように図っていけるような内容であると考えております。  具体的に、牛肉でございますが、先ほど申し上げましたように、長期間を掛けた関税削減、冷蔵十五年、冷凍十八年、それから効果的なセーフガードの確保等の措置が盛り込まれておりまして、国内畜産業の健全な発展と両立し得る我が国としてぎりぎりの線は確保できたものと考えております。それから、乳製品については、バター、脱粉について将来の見直し、ナチュラルチーズについてプロセスチーズ原料用など一定量の国産品を使用することを条件にした関割りとなっておりまして、国内の生乳生産に影響を及ぼさない範囲の合意内容となっているものと考えております。  政府としては、衆参両院の農林水産委員会の決議、これを踏まえ真摯に交渉に対応してきたと考えているところでありますが、決議との整合性については両委員会が御判断をいただくものであると、こういうふうに考えております。
  10. 古賀友一郎

    ○古賀友一郎君 ありがとうございました。  まず、畜産業に対する影響ですけれども、今大臣は両立し得るというふうにおっしゃいました。どこまでの影響が発生するのか、まだ政府としてつかみ切れていないんじゃないかというふうに拝察したわけでございます。  本当に政府の言うように両立し得るのか、この辺の検証はこれからきっちりとやっていかなければいけないというふうに思いますけれども、いずれにしても、畜産関係者は本当に大変大きな不安を抱えていらっしゃると思います。政府は、全国の畜産関係者の皆様方にきちんと説明をしていくという責務があると思いますし、これから生じるかもしれない影響、この影響については万全の対策を講じる必要があると思います。また、将来、関税を引き下げていくということでありますから、将来に向けての競争力の確保、このための対策をしっかり取っていただきたいというふうに思っております。  そして、この国会決議の問題ですけれども、先ほど大臣は真摯に交渉したとおっしゃいました。それはそうだと思います。この七年間の間、いろんな御苦労があったと思います。しかし、私ども国会は、真摯に交渉をして、その結果、所期の目的を達成せんがためにあのための決議をして政府を交渉の場に送り出しているというような背景があるわけでありますから、政治は結果でございますから、これはこの後も各委員からいろんな御指摘があろうと思いますけれども、この辺についてもやはりしっかりと政府は説明をしていかなければならない。それは国会内のみならず、外に向けてもしっかりとした説明が必要だと思います。  これはやはり、他方でこれからTPPの交渉というものを控えておって、山場を迎えるというわけであります。このTPPの交渉についても、国会の決議をして、そして政府を、しっかり守ってくれということで送り出しているわけです。政府もこの国会決議をしっかり遵守をするんだということで今鋭意交渉に当たられているわけでありますから、今回のこのEPAの交渉結果を見ると、もう皆さん本当に不安になってくるというふうに思うわけであります。  だから、今度のTPPの交渉に与える影響というもの、私は非常に大きいというふうに思っていますが、今回の基本合意、これが今後のTPP交渉に与える影響というものを政府はどういうふうに判断をされておられるのか、そして、今後のTPPの交渉にどういうふうに当たっていこうと思われているのか、お伺いをしたいと思います。
  11. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この二〇〇七年に交渉が開始された日豪EPA交渉と、二〇一〇年に交渉が開始されて二〇一三年から我が国が参加したTPP交渉、これは基本的に別の交渉であります。日豪EPA交渉の合意内容いかんにかかわらず、TPP交渉においては交渉参加国であるほかの十一か国との間でそれぞれ合意に至る必要があるということであります。  したがって、日豪EPAの交渉の合意内容がTPP交渉へどのような影響を及ぼすか、これをあらかじめ申し上げることは困難であるということであります。
  12. 古賀友一郎

    ○古賀友一郎君 あらかじめ困難というのは、その事情は分かりますけれども、やはり私ども国会は政府を信頼して交渉に当たってもらっているわけですから、その信頼に応えていただきますよう、そして全国の畜産農家始め農業関係者の皆様方の期待に背かないように、是非ともしっかりとした取組を、交渉をお願いいたしたいと思います。  それでは、時間も限られておりますので、今日の本題であります森林政策について質問をいたしたいと思います。  まず、今回私が問題提起をしてまいりたいのは、森林政策とは何かということでございます。  森林政策の本質は何かということでありますけれども、森林は木材を始め様々な山の恵みを提供してくれるわけでありますから、それを活用しようというのは、これはごく自然なことで当然のことであります。ただ、それが度を過ぎると、山が荒廃をして保水能力が低下して災害が多発するというわけであります。  江戸時代初期の陽明学者熊沢蕃山いわく、山川は国の本なり、木草茂き山は洪水の憂いなしということでございます。江戸時代にも、幕府や各藩はこの森林対策については大変苦労をしていたようであります。明治時代には、近代化で増大する木材需要のため森林伐採が行き過ぎて災害が多発したため、森林法が制定をされたという経緯があります。戦中戦後も、大量の森林伐採によって大規模な災害に見舞われるようになったため、造林運動が展開をされました。戦後の高度成長期には、木材需要の増大に対応するために広葉樹に代わって針葉樹をずっと植えていったという歴史がございます。  このように、昔から先人はいかに森林を守って国土の荒廃を防ぐかに腐心をしてきたわけでありまして、そうした歴史をるる考えてみますと、森林政策の要諦というものは、やはり森林の国土保全機能、これをいかに維持するかにあったというふうに言えるのではないかというふうに思っております。  そういった趣旨は、森林政策の憲法ともいうべき森林・林業基本法にも表れております。森林政策の基本理念は、国土の保全や水源の涵養を始めとする森林の多面的機能の発揮であって、それに資するために、林業の発展、さらには林産物の利用の促進が図られなければならない旨規定をされております。  そうしてみると、この森林政策の本質という問いに対しては、林業振興、林産物の利用という要素は当然これはあるわけでありますけれども、やはり究極的には森林の公益的機能、新しくは温暖化防止機能というものもございますけれども、こうした機能を維持するための政策であるということが答えになるのではないかというふうに思っております。  そこで、まず、この点、林野庁長官にお伺いしたいと思いますけれども、この森林政策の本質についてどういうふうに捉えていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
  13. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 森林・林業の政策についての御質問でございますけれども、ただいま先生おっしゃられましたように、森林・林業基本法におきましては、国土の保全、水源の涵養、そして地球温暖化防止などの多面にわたる機能、こういったものを有する森林について、これらの機能が持続的に発揮されるよう将来にわたって適切な整備、保全を図っていくと、こういうことと併せまして、森林の有する多面的機能の発揮に重要な役割を果たしております林業について、その持続的かつ健全な発展を図っていくということにしているところでございます。  こういった基本的理念に立ちまして、私ども、今現在、農林水産業・地域の活力創造プランというものを昨年末に決定しておりますので、そういった考え方、森林・林業基本法の考え方に立ちながら、林業の成長産業化を実現するため、新たな木材需要の創出、国産材の安定的、効率的な供給体制を構築していくということで、今いろいろな施策を総合的に取り組まさせていただいているところでございます。
  14. 古賀友一郎

    ○古賀友一郎君 どうして私がこういう質問を今更のようにしたかといいますと、どうも近年の森林政策が、私の感じるところ、森林資源の利用に、言葉は何といいますか、はやるといいますか、利用にはやるが余りに公益的機能の保全という中心目的の影がちょっと薄くなっているんじゃないかなというふうな印象を受けるわけであります。  そう思ったきっかけは、実は私は、議員になる直前でありますけれども、長崎で副市長をやっておりました。そのときに農林水産部の職員から、今度制度改正があって、林班で二分の一以上の面積を施業する森林経営計画なるものを立てて搬出間伐をしないと、もう補助金がもらえなくなっちゃうんだというような報告を受けたわけであります。そのとき私は、そんなことは簡単にできるんだろうかと、下手をすれば林業離れを加速して荒廃した森林だらけになっていくんじゃないかという、非常にちょっと危機感を覚えました。  そういった、当時から甚だちょっと疑問に思っていたんですけれども、その政策転換については、どうやらたどっていきますと平成二十一年十二月に策定をされました森林・林業再生プラン、これが発端のようでございまして、それがその翌二十二年の六月に、経済成長に資するとして、当時は民主党政権でございますが、新成長戦略に位置付けられまして、さらにその同年十一月に、その実現に向けた検討結果として、森林・林業の再生に向けた改革の姿、これが提言をされたと。この提言を踏まえる形で森林法が改正され、そしてまたこの森林経営計画というものが登場してきたという流れのようであります。  この一貫した流れの中で通じてある理念は、森林資源の利用ということであります。もちろん、この森林資源の利用については、問題どころか、むしろしっかり進めるべきであるというふうに私も考えておりまして、持てる資源を有効に活用して木材についてもできるだけ国内自給できるようにしていくということに対しては、私ももちろん大賛成であります。しかし、どうも、思い余ってということだろうと思いますけれども、ちょっと無理をしているのではないかなというふうに見受けられるところがあるということであります。  先日は同僚の堀井委員もこの森林経営計画の問題点を指摘をされまして、当局の方からは、計画策定の要件にいろいろと批判の声が上がったということで見直しを行ったという答弁がございました。それはそれで大きく前進をしたということで本当有り難く思いますけれども、今日はそのほかにも私が懸念をしている点について順次質問をしていきたいというふうに思っております。  まず、間伐の問題でありますけれども、補助金の取扱いについて、これについてその交付基準がございまして、搬出間伐を一ヘクタール当たり十立米平均で行わなければならないという基準になっているようでありますけれども、ただ、現実を見てみますと、路網の整備でありますとかあるいは人手の確保等々、こういう間伐材を搬出する条件がやっぱり全国的に見てもまだまだとても十分とは言えないというこの現状下においては、そういう基準を一律に課すのはやはり林家にとって大変厳しいんじゃないかというふうに思っているわけであります。  今年度から新たに、比較的若い木あるいは小さい木については一部切捨て間伐も補助対象となったというようでありますけれども、むしろ大きい木の方が搬出は難しいわけでありますから、この搬出間伐の条件整備が進むまでの間はやはり切捨て間伐も広くこの補助対象としていくということが適当ではないかと思いますけれども、この点についてお考えを伺いたいと思います。
  15. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 森林整備事業におきましては、地球温暖化を防止するための間伐、こういったものを進めるとともに、国産材の安定供給体制を構築するということも目的といたしまして、間伐を実施する場合、一ヘクタール当たり十立方メートル以上を搬出するということを補助要件としております。通常の間伐でございますが、例えば四十年生ぐらいでございますと四十立方ないし五十立方の搬出間伐、丸太が生産されるということでございますから、そういった意味では十立方メートルは搬出してほしいということでございます。  ただ、この要件の適用に当たりましては、現場の声も踏まえまして、間伐材を搬出できない箇所が一部存在しても事業実施箇所全体で一ヘクタール当たり十立方メートル以上となっていれば補助対象とするなど、柔軟な対応を取っているところでございます。  また、搬出間伐のみならず、先生御指摘ございましたけれども、例えば七齢級以下の森林でありますとか、間伐木の平均胸高直径が十八センチ未満の森林、あるいは公的主体が行う場合は十二齢級以下の森林、こういったものに対するいわゆる切捨て間伐に対しても支援を講じているところでございまして、私どもとしても、きめ細かな取組を通じまして、地域の実情を踏まえながら適切な間伐の実施ができるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
  16. 古賀友一郎

    ○古賀友一郎君 ありがとうございました。  全体をならせば何とかなるんじゃないかというようなことだったと思いますけれども、是非この辺は現場の声をもっともっとよく聞いていただいて、本当に実情に応じたきめ細かい対策をやっていただきたいというふうに思います。  次に、森林経営計画の共同実施、これについても私、ちょっと懸念しているところであります。  この森林経営計画については、複数の施業主体が共同でこの計画を実施していくということが重要なわけでありますけれども、その場合、一部の施業主体が計画事業量を達成できないと他の主体がカバーしなければならなくなったり、それでも達成できない場合には計画の認定を取り消されたり補助金を返還しなければならなくなるという、これは事実上連帯責任を負っているような形になるわけでありまして、こういったことへの不安が計画策定を推進していかなければならないこの時期の支障になっているというふうに、そういう御意見を聞くわけであります。  そうした状況でありますから、今、本当にできるだけこの共同化を促進をして計画を策定していただくということが重要な時期でありますので、そうした現場の不安をできるだけ除去ないし緩和をしていくということが重要というふうに考えておりますが、そういった取組を是非やっていただきたいと思うんですけれども、御見解をお聞かせいただければと思います。
  17. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 森林経営計画制度でございますが、面的なまとまりの確保によります施業の集約化でありますとか効率的な森林施業の実施に必要な路網整備を計画的に推進すると、そういったことで平成二十四年の四月にスタートしたものでございまして、御指摘のように、単独又は共同で作成できるということになっております。  この制度の運用に当たりましては、やはり森林経営計画を作成していただける方の不安を取り除くようにいろいろな運用を図っているところでございます。例えば、森林経営計画制度の運用に当たりましては、施業履歴のある森林、成長が良くない森林等を間伐の面積要件から除外する、二つ目には、路網整備の状況や木材価格の動向など計画作成者の責によらない事由によりまして認定基準を満たせなくなる場合は計画の認定を取り消さないと、こういった現場の実情に応じた運用を行っているところでございますし、また、先ほど先生から御指摘ございましたように、本年度からでございますけれども、より効率的な森林経営が可能となるように、市町村長が新たに森林施業等を効率的に行うことができる範囲として定める一定の区域内におきまして三十ヘクタール以上を確保すれば森林経営計画を作成できると、こういった措置によりまして共同での計画作成を行いやすくしたところでございます。  私どもとしても、こういった運用の改善、こういった内容も含めまして現場に対しまして丁寧に説明していく、周知を図っていくと、こういったことを通じまして森林所有者の不安を取り除きまして、効率的かつ持続的な森林経営が図られるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
  18. 古賀友一郎

    古賀友一郎君 ありがとうございました。  制度制度としてやはりしっかりとやってもらう必要がある部分というのはこれは当然あるわけでありまして、ただ、問題は、制度というものはどうしてもしゃくし定規になりがちで、それは当然その制度の説明としてはそうなんですけれども、しかし、今重要なことは、そういう所有者の方々、施業者の方々が共同して一緒にやろうというムードをつくるといいますか、そういう枠組みを全国に展開していくことが重要でありますから、不安の方が先に立ってしまいますとどうしても所期の目的が達成しにくくなってしまうということでありますので、そこはきちんとした、何というんですか、メッセージを林野庁からも現場に出していただくということで、できる限り先ほど申し上げた不安を除去、緩和するような、そういう情報発信をお願いしたいと思います。  それで、次にお伺いしたいのは、施業を要するにもかかわらず森林経営計画に取り込めなかった、こぼれてしまった森林、これはどうしてもやっぱり出てくると思います。こういった森林をどうするかという点であります。これは一概に放っておいてよいというものではないと思いますし、特に市街地近郊の森林については防災上の観点からも特にその保全の必要が高いわけでございまして、そういったこぼれてしまった森林についての対策、これについてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
  19. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  森林経営計画が作成されていない森林ということでございますけれども、こういった森林、市街地近郊を含めましていろいろとあろうかと思っておりますが、特に手入れが必要な森林、こういったものにつきましては、私ども、森林整備事業の中でございますけれども、環境林整備事業によりまして、市町村森林組合等が森林所有者と協定を結んで実施する間伐等の森林整備への支援、こういったものがございます。また、森林・山村多面的機能発揮対策ということによりまして、例えば地域住民等が行う間伐や保育など、里山林の日常的な管理活動に対する支援等を推進しているところでございます。また、特に公益的機能が低下した保安林、こういうことになりますと、治山事業によりまして全額公費負担で森林の保全を図っているということでございます。  こういった取組によりまして、先生御指摘ございましたように、防災の観点も含めまして森林の有する多面的機能が発揮されるように、森林の整備、保全、これに努めてまいりたいと考えているところでございます。
  20. 古賀友一郎

    古賀友一郎君 ありがとうございました。是非細かい目配りをしていただいて、漏れた森林についても是非手当てをお願いしたいと思います。  私の今回の質問は、森林資源の有効活用、これは本当に重要な課題であるという前提に立ちながらも、あくまでやはり優先すべき課題というのは森林の防災機能でありますとかあるいは水源涵養機能の保全であって、それを阻害しないように無理なく資源を活用していくということが大切ではないかというふうな認識でございます。この森林資源の活用にとらわれて無理をしてかえって山が荒れるということがないように、そうなっては元も子もないわけでありますから、是非その点をお願いしたいというわけでございます。  こうした認識を踏まえて、これからも森林の保全と利用のバランスをうまく取りながら制度の運営を修正していっていただきたいというのが今回の一連の質問の趣旨でありますけれども、これまでの議論を踏まえまして、林大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  21. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 我が国の国土の七割が森林ということであります。しかも、戦後、先輩方のおかげで造成された人工林、本格的な利用期を迎えていると。これ、ほかの国に比べますと、これをずっと守ってきたということは大変大きな意義があると思っておりますし、一年間に実は一億立米の森林資源が増加をしております。我が国全体の木材需要量の七千万立米を上回る水準で実は森林資源が増加をしておるということでございまして、委員がおっしゃるように、多面的機能の持続的な発揮のためにも、やはりこの資源の循環利用ということをバランスよく考えていく必要があるということでございまして、私も木づかい運動というようなところに呼ばれていってよく講演することがございますが、森を守るということは、切らないということではなくて、木を切って使って植えていくということも森林を守るということになるんですよということをまず特に川下の方に御理解いただくということが大事であると、こういうふうに考えております。  したがって、この川上から川下に至る施策を総合的に推進するということで、成長産業化を取り組むことと併せて、森林の有する多面的機能の持続的な発揮、これを図っていかなければならないと考えております。
  22. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 古賀友一郎君、時間が来ておりますので、まとめていただきたいと思います。
  23. 古賀友一郎

    ○古賀友一郎君 ありがとうございます。まさに、循環することによって森林を保全していくということでございます。それはもう状況を見ながらアクセルを踏んでいただきたいということです。  今日は法案の審議ということでちょっと質問も用意しておりましたけれども、もう時間が来てしまったということでございまして、最後に一言、行革ということで移管をする、独法に移管をするということでございますので、是非、その行革効果、これをきちんと国民に説明できるようにしっかりと踏まえながら費用対効果を最大にするように取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  24. 小川勝也

    ○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。  ふだん温厚な私が前回捕鯨の問題で厳しい質問を余儀なくされましたけれども、今日もまた隣の紙理事と同じように怒りをあらわにして林大臣に立ち向かっていかなければならないことになりました。  様々な新聞が報じています。関税下げ、怒り渦巻く。怒りがしっかりと出てくれればいいなと私は逆に思っています。今、関係の農業者の思いはいかがなものかというふうに拝察をすると、多分、私も鉢巻きを締めて様々な行動をさせていただきました。TPP参加反対の鉢巻きを締めたり、行動をしたり集会に行ったりというそのやさきに、いつの間にか日豪EPAで関税下げという結論が出てきて、まさにTPPと立ち向かっているときに後ろから日豪EPAの関税下げで頭をぽかりとはたかれた、これが一部の農家の皆さんの思いだというふうに思います。  怒りがあらわになればいいですけれども、幾つか何軒かの農家の方にも今朝電話をさせていただきました。脱力感とか不信とかが渦巻いて、まさに徳永議員も懸念をしていたように、このことで離農が促進されるのではないかという懸念を多く持って、今日この委員会室に来ています。  物事というのは、政策の決定、いろいろ決断を迫られなければならないときがあるかもしれない。説得をして理解を求めなきゃならない場面が来るかもしれない。全てを否定するわけではありません。しかし、今回のこのEPA大筋妥結、余りにも関係者をばかにしているんじゃないか、そんな思いが拭い去れません。率直な感想を林大臣にお伺いをしたいと思います。
  25. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この日豪EPA、先ほど古賀委員の質問にもお答えをいたしましたが、七年ぶり、十六回に及ぶ交渉会合を重ねながら、全力を挙げて交渉を続けてきたところでございます。  今、小川委員がおっしゃったような思い、衆参両院の農林水産委員会の決議に入っていると、こういうふうに思いますが、これを踏まえて、先ほど申し上げましたように、我が国の農林水産業、農山漁村の多面的機能、それから食料安全保障の確保、さらに現在進めている農林水産業の構造改革の努力、悪影響を与えないように十分留意して粘り強く交渉に取り組んできたところでございまして、先ほど申し上げましたように、国内農林水産業の存立及び健全な発展を図りながら、食料の安定供給の章も設けておりますが、これにも資する合意に達することができたと、こういうふうに考えております。
  26. 小川勝也

    ○小川勝也君 古賀委員からも質問がありましたけれども、私からもあえて聞かせていただきます。国会決議との整合性であります。  大臣は先ほど古賀委員の質問に対して微妙な答えをされましたけれども、国会決議との整合性、衆議院の決議、参議院の決議を尊重していると言えるかどうか、ストレートな答弁をお願いをしたいと思います。
  27. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 先ほど答弁したとおりでございますが、二〇〇七年四月に交渉開始をしましてから、農産物の大輸出国で豪州はあります、したがって、そういうこともあって他の国とのEPAにはなかったような決議をそのときいただいて、それ以来、それを踏まえて政府一体となって七年の交渉をやってまいったところでございます。  次第に豪州側も我が国の主張に一定の理解を示すようになったと。当初は全部撤廃だと、こういうことであったわけですが、公式会合以外に様々なレベルで協議を重ねて、昨年五月に実は当時の向こうの政権交代前のエマーソン貿易大臣と協議を行ってまいりましたほか、この政権になってロブ貿易・投資大臣とは数次にわたって協議を重ねてきたところであります。  冒頭御説明したように、決議にございます米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖を含めて豪州側から一定の柔軟性を得ることができ、国内農林水産業の存立及び健全な発展を図りながら食料の安定供給にも資する合意に達することができたと考えております。  したがって、先ほど古賀委員のところでも申し上げましたように、最終的な決議に対する整合性というのは委員会において御判断されるものというふうに考えております。
  28. 小川勝也

    ○小川勝也君 日本語の読み方というのは幾つかあるんですけれども、除外か再協議を求めているんですね。これは何遍もこの委員会でも議論になっていますけれども、除外でもない、再協議でもないということは明らかな国会決議違反だと私は考えます。  与党の先生方、いかがですか。これで国会決議との整合性が取れていると思ったら国会は要らなくなる。決議違反だということは認めてほしいね、林大臣。
  29. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これは、決議は全体として、まず、「我が国と豪州は、経済関係のみならず、米国などと並ぶ我が国の友邦として深い関係がある。」というところから始まりまして、「記」ということで四項目掲げてございます。  したがって、我々としては、先ほど申し上げましたように、これを踏まえて、一定の柔軟性を得ることができ、この存立及び健全な発展を図りながら食料の安定供給にも資する合意に達することができたと、こう考えておりまして、これは常に日豪にとどまらずTPPについても申し上げているところでございますけれども、この農林水産委員会の決議、これを踏まえて交渉を行ってきたところでありますが、整合性については両委員会で衆参の御判断をいただくものであると、こういうふうに考えております。
  30. 小川勝也

    ○小川勝也君 そんなことばっかり言っていたんじゃ、いわゆる農政の現場においての政治不信がどんどん大きくなっていく、そのことを一番懸念しているわけであります。  お答えいただけるかどうか分かりませんけれども、今日の新聞で見たばかりですので、私もどこまで情報が入っているかというと少ないわけであります。冷蔵肉においては十五年後に二三・五%、冷凍肉においては十八年後に一九・五%、ここまでは報道がなされているとおりであります。しかし、その中身、一年後どうなのか、十年後どうなのか、十七年後どうなのかということについては詳細決まっているのか、それをこの委員会で全て明らかにしていただけるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  31. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 大部の合意でございますので、この詳細、五品目、それからそれ以外のものについては、昨日、四省で、これは経済産業省等も入っておりますが、詳細なブリーフィングをしておるところでございます。したがって、その範囲で先ほどお答えをしたところが今回の合意内容と、こういうことでございます。
  32. 小川勝也

    ○小川勝也君 あと、国内影響を徹底検証をという生産者団体からの強い要望があると思いますけれども、当然のことながら、交渉の途中からいろいろな影響を計算しているはずだと思います。今日、この委員会で公表できる影響調査の結果を御報告いただきたいと思います。
  33. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 特に、小売価格もそうなんでございますが、卸売価格、これが生産者から見ると近いところの価格でございますが、この豪州産輸入牛肉の卸売価格の低下、これが国産牛肉価格に与える影響については、関税のほか、他の外国産牛肉の輸入状況、それから景気動向、それから為替の動向など、様々な要因が影響を及ぼすことになりますので予測することは困難でありますが、生産者の皆様が引き続き意欲を持って経営を続けられるように、構造改革それから生産性の向上による競争力強化、これを推進してまいりたいと、こういうふうに思っております。
  34. 小川勝也

    ○小川勝也君 様々新聞報道がありますが、私がなぜ声を荒げるか。いろいろな立場の方がおられます。消費者には期待感、外食産業の関係者についても、いろいろなメニューを開発したり、キャンペーンやフェアの可能性が広がる、おおむね歓迎であります。松阪牛の産地では、コメントが朝日新聞に出ています。和牛ブランド松阪牛の産地、三重県松阪市では、「何も怖くない」、こう書いてある。では、影響を最も受ける北海道ではどういう見出しになっているのか。「畜産の未来 描けない」、こうなっている。  この特殊事情については、予算委員会でも林大臣にわざわざクイズを出して御確認をいただきました。豪州産の牛肉の関税が下がって最も影響を受けるのは、北海道産を中心とするホルスタイン種の肉であります。このホルスタイン種のいわゆる肥育は、酪農地帯においては欠かせないグループの一種であります。すなわち、酪農の収入は、いわゆる牛乳を搾って、販売価格がメーンであります。その副収入として、雌と同じ割合で生まれていた雄の販売、そして搾乳の終わった母牛の販売、このことによって経営が成り立っているわけであります。  昨今の事情は、いわゆる乳価、補給金単価のこともありますけれども、実際大変な苦労が現場では行われておりました。その主原因は、アベノミクスによる円安です。いわゆるエネルギー、灯油が高い、ガソリンも軽油も高い、電気料金も上がる、そして何よりも餌が高い。これが大変な状況で、何とか酪農家の方はしのいできました。徳永委員からも再三指摘があったとおり、いわゆる消費税が上がる駆け込み投資の中でも牛舎の建築が一件もなかった。酪農に未来はあるのかないのか、いわゆるところの投資意欲が減退をし、酪農家にあっては息子を継がせていいのかよくないのかという流れの中にあって、ぎりぎりの努力をしていた農家にこのメッセージが伝わったんです。  今、本当に苦しい中、野村委員長は一番御案内ですけれども、いわゆる子牛の価格が少し高い、このことを心のよりどころに苦しい経営をしていました。当然のことながら、これだけの関税を数年にかけて緩やかに引き下げていくということでありますので、国内対策を十二分にやっていただくのは、これは当たり前のことです。だから今、私は対策をしっかりやれなんということは言うつもりない。しかし、経営というのは銭、金だけでやっている話じゃないんですよ。どれだけの筆舌に尽くし難い歴史が北海道の酪農を支えてきたのかということを少しでも分かってもらいたくて、いろんなことを申し上げてきました。  私のふるさとは、現在、人口三千人台の小さな町です。開拓者の先人の苦労を忍ぶ、いわゆる町民の文集があります。私も寄稿させていただきました。私の町の文集の名前は「凍裂のひびき」というタイトルです。これは、しばれる、裂ける。これはどういうことかといいますと、冬、余りにも外気温が低下し過ぎると、木がパキーン、パキーン、余りにもしばれると木が割れるんです、裂けるんです。木の専門家である長官、聞いたことあるかどうか分かりません、私も聞いたことありません。しかし、私の祖父の世代は、そういったところに開拓に入って、木を切り、抜根をし、少しずつ畑地を増やしていく、そして草地を増やしていく中に現在の畑作や酪農があるわけです。  御案内のとおり、国策で酪農家を募りました。そして、様々な条件を国が提示をして、いわゆる原野に入植をしてください、ここで牛を飼ってください、日本国民にも牛乳を提供してくださいという国策で、少ない頭数と少ない草地面積からたくさんの方々が戦前戦後入植をした。しかし、今頑張っておられる方は、私の言葉で言うと、数々の数次のトーナメントを勝ち残ったごく僅かな方々が今酪農をしているんです。オーストラリアと比べちゃ駄目なんですよ、こんなのは、経営規模は。  私たちは、農業改革も否定はいたしません。府県の小さな兼業農家がまさに産業として農業を背負っていけるとは思わないからです。ですから、様々な法案の審議にも積極的に参加をして、府県でも本州でも少しは主業的な農家が頑張って経営をできるようにしていくしかないなと思っている。しかし、北海道はもう規模拡大が進んでいる。これ以上戸数が減るとコミュニティーが危ないんですよ。だから、北海道の農家は減らしちゃ駄目なんだということを、私も徳永委員も横山政務官も紙さんも訴えてきました。  でも、今回、EPAで多分いいこともあると思いますよ。自動車のこと、あるいは外食産業ですばらしい豪州産ビーフのメニューができて消費者が喜んでいただく、それは結構なことです。しかし、なぜこんなに北海道ばかりがこんな苦しい目に遭わなきゃいけないのか。日本の中で最も効率的な経営ができるのが北海道だということで、北海道の畑作も立派な畑作になったじゃありませんか。酪農もしっかりとたくさんの頭数を飼養していただいて、日本の中ではいわゆる経営効率のいい酪農になっているじゃありませんか。しかし、なぜそんなに北海道の酪農家を落胆させるようなことばかり政府はしなきゃならないのか。  北海道の酪農家の方に、林大臣が何かメッセージがあるとすれば、今この場でお伝えをいただきたいと思います。
  35. 林芳正

    国務大臣林芳正君) この委員会北海道の方がたくさんおられるわけでございますが、今おっしゃった、先生がですね、皆さんに加えて、吉川副大臣北海道御出身であるわけでございます。  今回の合意内容でございますが、私もこの委員会で、あるいは予算委員会小川委員からいろんなことを教えていただいて、もう初当選以来十九年のお付き合いになるわけですが、この一年間大変濃密な御教示をいただいていると、こういうふうに思っておりまして、そういうことも頭の中に入れましてこの交渉をさせていただいて、一定の柔軟性を豪州から得ることができたと、こういうふうに思っておりまして、我が国酪農・畜産業の存立及び健全な発展を図っていけるような内容であると、こういうふうに考えておるということは申し上げたとおりであります。  小川委員からは、もう対策は当然だと、こういう言葉もあったわけでございますが、これまでも新マル緊などの経営安定対策の実施を始め、我が国の酪農、畜産に係る生産基盤の維持強化、これに取り組んできたところでありますが、やはり今委員がおっしゃったように、これからも生産者の皆様がやっぱり引き続き意欲を持ち続けられるように、そしてそういう意欲を持って経営を続けられるように、牛肉やナチュラルチーズの輸入動向等を注視しながら、今後とも構造改革、生産性の向上による競争力の強化、これを推進してまいりたいと思っております。
  36. 小川勝也

    小川勝也君 例えば、農業新規参入、たくさんの方々に入っていただきたいと思います。私もそんな意欲を持っている一人かもしれません。例えば、府県でハウスを数棟から始めたい、軟弱野菜トマトで勝負をするぞ、こういう方々はどんどん入っていただきたいと思います。  しかし、酪農がどれだけ参入ハードルが高いのか。五千万円じゃ酪農家になれません。今、一億円を投資して酪農家になろうという人はどれだけいるのか。今ある人たちを、今やってくれている人たちを大事にしないと本当にコミュニティーが守られなくなる。  御案内のとおり、学校病院やスーパーやコンビニやATMや郵便局、こういうところがないとアクセスできないわけでありまして、それはセスナや飛行機で行って耕作をするというオーストラリアにするというならば別ですけれども、私はまだコミュニティーをしっかり守っていきたいと思っておりますので、北海道におけるコミュニティーを壊さないために一軒の農家も落後させない、そんな思いを共有できれば有り難いなというふうに思っています。  さらに、このEPAにおいて牛肉関税が下がっていく。これは、私はあえてデフォルメしてホルスタイン種に触れましたけれども、これが交雑あるいは府県の乳用種、そしてブランド牛や黒毛和牛についても価格の関係で無関係でないことはこの委員会室にいる委員全てが承知しているところでありますので、きめ細やかな施策を当然打っていただくのは当たり前だということを申し上げたいというふうに思っています。  さて、本題に入っていかなければならないと思います。  まずは、先ほど古賀委員が最後に言いたかったことを私はスタートにしたいと思います。  今回の森林国営保険法の一部改正は、いわゆる行革的観点からなるべく効率的にということで今回の法案の提出になったものと承知をしております。行革効果、どのぐらい期待できるのか、お示し願いたいと思います。
  37. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  森林保険業務を独立行政法人でございます森林総合研究所に移管することとしておりますけれども、現在、国と都道府県が分担して行っております保険契約引受けや保険金支払等の業務を森林総合研究所が一元化して行うことによりまして、人件費と事務管理費をスリム化して事務費を一割程度削減し、保険料率の削減に資するということが一点ございます。あと、二点目は、予算面で柔軟な執行が可能な独立行政法人への移管によりまして、異常災害時の保険金支払が迅速化するということがございます。三点目には、国と都道府県の業務を一元化した新たな内部組織でございますけれども、損害保険会社等、広く民間からの出向受入れ、こういったことによりまして民間ノウハウの活用や職員の専門性が向上すると、こういったメリットがございますので、今回の法律改正によりまして森林所有者へのサービス向上というものにつなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  38. 小川勝也

    小川勝也君 御案内のとおり、この保険ですけれども、加入者がどんどん減少しております。せっかくの法改正でありますので、もし意義のある保険だというのであれば加入率が向上しなければならないと思います。どうやって加入率を上昇させようとお考えでしょうか。
  39. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 森林保険の加入率でございますけれども、植栽してから一年生から五年生までは九割以上が森林国営保険に入っておりますが、林齢が上がるに従いましてだんだん保険契約の件数は少なくなっていくということがございまして、トータルでいいますと、保険の加入率、一一%ぐらいということでございます。  私どもとしても、この森林保険、持続的な森林経営をやる上で極めて大切なことというふうに考えているところでございまして、そういった意味で、いろいろなPR活動を含めてやらさせていただいておりますけれども、特に、今後、例えば、いろんな補助事業をやりますと、森林組合がそういった補助事業を実施した森林所有者に対しましていわゆる加入してはいかがですかと、そういった取組を強化するとか、あるいはいろんな関係団体等を活用いたしまして、そういった森林保険の取組、森林保険の加入の強化がなされないかどうか、そういった点、私どもとしても、きちんとした形で、しっかりとした形で加入率の向上が図られるような取組を強化させていただきたいというふうに考えているところでございます。
  40. 小川勝也

    ○小川勝也君 私は提案をさせていただきたいと思います。  先ほどの古賀委員も示唆に富むやり取りを答弁席としていただきました。木材の利用が大事なのか、あるいは森林環境をしっかり整備することが大事なのか、歴史的ないきさつから導入をいただきました。  かつて、我々、子供のときに、まさに山にとってはいい時代がありました。どんどん木材が切られ、山元もにぎわいました。そして、古賀委員の言葉を借りれば、切り過ぎた部分もあったのかな。そして、その後、木材が足りなくなったり、あるいは外材の関税の問題があったり、輸入木材がマーケットを席巻したり、日本の森林はすばらしい環境にない時代が長くありました。先輩たちは何とか山を保全をしていかなきゃならないということで間伐の予算をキープしていただいたり、何とかここまで来ました。  私が提案をしたいのは、全て大臣の答弁の言葉の中にありました、循環することによって全てうまくいくということであります。循環、一億立方増えるその木材あるいは木質の資源を人間が使わせていただく、住宅を建てる、建築材料になる、そしてその一部が山元に返り、そのお金で植えたり、あるいは間伐をしたり下草を刈ったりという循環になる。このことをしっかりと持続的な、あるいは循環的なサイクルを今つくり上げることによって、森林環境も保全されるし、後で質問いたしますけれども、治山能力もマックスになるし、そして経済も循環もうまくいく。  そして、口幅ったい言い方ではありますけれども、民主党政権のときに、先ほど御批判もありました森林・林業再生プラン、私はこういう言い方をしています。古き良き日本の森林・林業から、不遇の時代にヨーロッパ等から学び遅れていた、その間に先進国はどんどん新しい林業経営を取り入れて、日本が追い付くのが大変になった。しかし、今まさに、利用期という言葉を大臣は使いましたけれども、伐期を迎えている。ですので、効率よく木材を切って搬出して利用するようなシステムを今つくっていかなきゃいけない。そのことによって、先ほど申し上げました森林の持つ多面的機能もマックスになるし、そして、木材が価値を持つということが再認識されると加入率も向上していくというふうになります。  今まさに森林・林業・木材産業の全体予算をしっかりと確保しなきゃならないんだという共通認識を、林大臣から御答弁をいただきたいと思います。
  41. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まさに委員がおっしゃるように、最近、生産活動の低迷、林業のですね、に伴って造林面積が少し減少しております。また、森林保険の加入率が高い幼齢林の面積もしたがって減少するということで、森林保険全体の加入率が低いということになっております。  先ほどやり取りしていただいたように、一年から五年までは九三・五%入っておられるのに比べて全体が一一・四と、こういうことでありますから、したがって、やっぱりこの森林保険制度の実施に当たっても、今おっしゃった循環、森林資源の循環利用、これを進めるための様々な施策をやっていかないとなかなか保険の加入率も上がっていかないと、こういうふうに考えておりまして、まさに委員がおっしゃるように、豊富な森林資源、これは先ほど一億立米と申し上げましたが、百メートル四方のところにスカイツリー十六個分の高さになるそうでございますが、それぐらいのものが出てきていると。  これは先輩方のおかげでありますから、これをやはり循環利用して林業の成長産業化をやっていくということで、農林水産業・地域の活力創造プランを昨年の十二月に官邸の本部で決定させていただきましたが、これにも、よくここで取り上げていただいておるCLTなどの新たな製品、技術の早期実用化、木造公共建築物の整備などによる需要の創出、拡大、それから、これに対応した国産材供給体制の構築、間伐等の森林施業や路網の整備等の推進、こういう施策に必要な予算をしっかりと計上いたしまして総合的に取り組んでいるところでございまして、今お話があったように、このことと多面的機能、これをバランスよくやっていくということが大事であると考えております。
  42. 小川勝也

    ○小川勝也君 先ほど、いわゆる林地残材の搬出が困難な場所がある、これはもう当たり前なんですよ、道がないんですから。だから、この道は急いで整備しなきゃならないから、路網、作業道の予算確保をお願いします。  それから、森林が自然災害によって被害を被るということもありますけれども、我々の国も気象、気候が大分変わってまいりました。爆弾低気圧とか局地的低気圧とか、様々な災害をもたらします。森林も国有林も時に加害者になることがあります。それは、北海道でも見られた例でありますけれども、間伐やあるいは整備がおろそかになっている森林地域は土砂をまとめる力が弱くなっている。ですので、地すべりや崖崩れを起こしかねないと思います。  本末転倒という言葉がありますけれども、本来、森林はしっかり山を守る主役なわけであります。先ほどやり取りにありましたように、好循環が崩れてしっかりと山が整備されないと集中豪雨等で山が弱くなるわけでありますので、しっかりと整備した山は治山能力をしっかり発揮するということを、改めて長官から御答弁をいただきたいと思います。
  43. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  森林でございますけれども、様々な機能を有しているわけでございますけれども、こういった森林の多面的機能を十全に発揮させるためには、例えば人工林でありますと、きちんとした手入れをすることが必要だということでございます。例えば、間伐を実施いたしますと、個々の樹木が成長いたしますし、また根の発達が促進されるということがございます。そして、林内に光が入りまして下層植生が豊かになると、こういったことがございますので、土砂の流出でありますとか崩壊等に対しましていわゆる自然災害に強い森林が整備されるということというふうに認識しているところでございます。  私どもとしても、日本の国土の七割が森林でございまして、傾斜もございますので、こういった森林をきちんと整備、保全していくというのは極めて大事なことというふうに思っておりますし、また、必要に応じてやはり治山事業というものも適切に実施をさせていただきながら日本の森林全体の整備、保全に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  44. 小川勝也

    ○小川勝也君 今まさに御答弁をいただきましたように、好循環の中にあって木材の価値がしっかりと共通認識となり、搬出をし、利用をする、植える、保全をする、整備をする、この循環の中で、私は確固たるものを、まさに切って五十年ほっぽっておくということではなくて、未来永劫切って植えて利用するを続けるという決意を今新たにする時期だと思います。  しかし、先ほど苦言を呈したように、この数十年間怠ってきたことがいろいろありますので、理想に近づくためには様々な困難を乗り越えなければなりません。  一つは、流通もありますけれども、人材です。木造建築が下火になってから、いわゆる木造、木質の建築に携わる設計技術者や構造計算を得手にしている方々の数が減少いたしました。これもしっかり回復をさせなければなりません。あるいは、伝統建築、注文建築に多大な貢献をいただきます昔の棟梁、こういう方々も激減をしているはずであります。人材が一番大事ですけれども、まずはやはり山の施業をしていただく人材です。  幾つか、この人材の確保が困難になるという話をさせていただいた経験があります。当然、今一番話題になっているのは建築現場で働く職人さん、型枠、とび、土工、鉄筋工の方々が足りない。介護分野の人材は百万人足りないというふうに言われていますけれども、私はこのままでいくと林業関係者も必ず足りなくなるときが来ると思う。ですから、先回りして先回りして人材を育成、確保するということが重要だと思います。  かつて全国に、高等学校に林科、林業科というところがたくさんありました。しかし、今残念ながら一県に一校ないしは二校、熊本県なんかは結構頑張っていただいています。そういうところはやっぱり大事です。第一希望だったのか、意に沿ってかどうかは分かりませんけれども、今、緑のデザイン科とか環境工学科とか名前はいろいろ変わっていますけれども、かつての林業科、ここに学生さんが学んでくれていますし、これからも入ってくれています。こういう間口やカリキュラムや人を大事にしていかなければならないと思います。  しかし、私が申し上げてまいりましたように、今世界の林業の趨勢が大きく変わりつつある中で、林野庁もいろんな新しい取組を考えていただいている中で、本当に大学の林学科や高等学校の林科、林業科がそれに追い付いているかどうか、本当に心配であります。ですから、カリキュラムや教える先生を含めて、しっかりと新しいものに変わっていただかなければなりませんし、新しい魅力ある林業現場ということになれば、新しく、その後で山田先生からも御指摘があろうかと思いますけれども、若者が、森に入って頑張りたいという子供たちが増えてもらえるようにしっかりと整備をしていただきたいと思いますけれども、高等学校のカリキュラムを中心としてどういった取組が必要なのか、御所見をお伺いをしたいと思います。
  45. 吉川貴盛

    ○副大臣(吉川貴盛君) 大変重要な御指摘を頂戴をいたしました。  どのような取組をするのかという前に少し説明をさせていただきたいと思いますが、小川議員からお話がありましたように、現在、平成二十三年度末でありますけれども、林業に関する学科、科目を設置している高等学校が七十校でございまして、毎年約二千名の学生が卒業いたしております。林業大学校はちなみに六校で約百名の学生が卒業ということになっておりまして。この卒業生の進路に関しましては、森林・林業関連以外の団体ですとか企業への就職が約五割、森林・林業関連以外への進学が約三割となっておりまして、森林・林業関連の団体、企業への就職や進学の割合は約二割と低くなっております。極めて残念なことでございます。ただし、林業大学校の卒業生の進路に関しましては、約七割が林業関連の企業への就職や進学をいたしているところでございます。  このために、私どもといたしましては、高等学校の林業科等を卒業した学生が森林・林業関連の企業等に就職できるように、緑の雇用事業によりまして、新規就業者を対象とした三年間の基本研修、さらには、林業の適性の見極めや林業実態等の理解を図るため三か月程度の短期の雇用も実施をいたしておりますし、さらには、高校生等を対象とした就業体験等を支援をいたしております。  これらの施策を通じまして、林業科等を卒業した高校生が学んだことを生かし就職ができるように、更に多くの皆様あるいは小川議員の知恵も拝借をしながら、しっかりとした体制というものをこれからも検討、研究もしてまいりたいと存じております。
  46. 小川勝也

    ○小川勝也君 特に今、体を使うハードな仕事や寒い仕事やきつい仕事、汚い仕事に若い人たちが就きたくないという傾向があるようであります。林業分野は大変ハードな仕事でありますけれども、それを少しでも機械化によって低減をしていくという努力が必要かと思います。やはり、チェーンソーで木を切る、鎌で下草を刈るという時代から、もっともっと機械を利用していく、それが重要だと思います。  そんな中で、今後人材の確保は困難だろうなというふうに思われる分野にやはり植林、下草刈りがあります。しかし、多くの研究者も、いわゆる架線系、タワーヤーダーを利用して、今、これだけコンピューターが万能の時代であります。いわゆる製造業にはロボットなどもたくさん出てきています。植林ロボットじゃありませんけれども、いわゆる斜面でしっかりと植林できるような機械化も研究をしているようであります。  そんな中で、林野庁もいろいろ研究をしていただくわけでありますけれども、そこでやはり大事になってくるのが、今回の保険を所管するいわゆる森林総研の役割だろうというふうに思います。これは研究と実務と今度は保険という三種の大きな流れの中で仕事を背負っていただくところになるわけでありますけれども、まさに現場も持って研究機関も持っているわけでありますので、私はこの森林総研が負わなければならない役割は非常に大きいと思います。  二点まとめて質問をさせていただきますが、一つは、今申し上げました、人材の確保が容易になるような困難な仕事の機械化について、林野庁と森林総研が研究やその研究成果を統合する役割を果たしていかなければならないという点が一点。そして、もう一点は、大臣から答弁もありました、新しい木質を利用した技術にCLTがあります。また、林野庁から提出をいただいた様々な新しい事例を見させていただきますと、いわゆる鉄骨と木材のコラボレート、あるいは木材の中にモルタルを注入していわゆる難燃性の確保をしたり強度を上げたりということで、様々な先進事例をいただいています。私は、このCLTや集成の未来も、国産材の樹種のいわゆるコラボや、あるいはその樹種の特性に応じて杉と外来種のミックスとか、いろんな研究が必要だというふうに思っています。  森林総研及び林野庁のそういった研究の重要性について御答弁をいただければと思います。
  47. 横山信一

    ○大臣政務官(横山信一君) まず初めに、森林総研の役割についてお答えいたしますが、人材の確保、林業労働条件の改善の観点からも、林業の機械化を推進し、危険な箇所から離れて林業従事者が作業するなど、より安全を確保することが極めて重要であると考えております。  このため、森林総研では、欧州を始めとする先進的な林業機械及びこれを活用した作業システムの導入事例を収集しております。これらの知見を活用して、我が国の地形条件等に適した機械化の推進と安全確保を図るための研究開発に取り組んでおります。  具体的に申し上げますと、林業生産現場におきます安全確保のためのチェーンソー用防護服の開発、低コスト林業システムにおけるコンテナ苗の活用を念頭に置いた自動植付け機械の開発等に取り組んでいるほか、北海道下川町においては、伐採後の林地にある枝等を粉砕する機能を持った先進林業機械とコンテナ苗を活用して低コスト化と労働安全性の改善を図る技術開発など、現場と一体となった取組を進めているところでございます。  そしてまた、新たな建材ということについてでございますが、委員御指摘のとおり、新たな建材、CLTのみならず、様々な建材が今開発をされております。木材の特徴といたしましては、軽く加工性が高いこと、また単位密度当たりの引っ張りや圧縮強度が高い、そしてまた調湿機能やぬくもり、安らぎ効果など健康に良いといった優れた面がございます。一方、鉄骨については、単位断面積当たりの強度が高く、小さい部材で強度を確保できるなど優れた面があることから、木材の良さと他の建材等、こうした鉄骨等との組み合わせで新たな用途を開発していく、こうした取組が重要だというふうに考えております。  このため、農林水産省では、モルタルを埋め込むことで耐火性能に優れた集成材、また、集成材と鉄骨を組み合わせることで耐火・耐震性能を確保しつつ木の質感を生かす建材、そしてまた、比較的軽い杉と比較的強度のある米松を組み合わせた軽くて強度の高いハイブリッド集成材などの新たな建材の開発に対して支援をしております。  このような新たな建材が今まで木材の使われていなかった商業施設等にも使われてくる事例が増えております。今後とも、関係省庁と連携を図りながら、木材の新たな用途の開発に努めてまいりたいと考えております。
  48. 小川勝也

    ○小川勝也君 様々新しい事例が出てくると同時に、建築に利用されるということになりますと、様々な基準と法律をクリアしなければなりません。いわゆるおおとよ製材の社員寮のCLTは、国土交通大臣の大臣特認という形でスタートをいたしました。汎用のいわゆる商業施設や住宅や建築物が、新しい技術がいわゆる国交省管轄の基準をクリアできるように、しっかりと連携をしつつ、早く研究成果が日の目に出るように、絶え間なき努力をお願いをしたいというふうに思っているところであります。  それから、大臣が先ほど言っていただきましたように、一億立方増えるのを全て使えばいいんですけれども、そこまで我々の国に用途がないとすれば、人工林の在り方についても様々ゾーニングが必要な時期に来ているのではないかと思っています。  かつて私も全国の森林を視察させていただくと、山の上の方に人工林があります。かつて先輩がしょいこに苗を入れて急峻な山を登っていって杉を植えた。それは、将来あれが、木を切ってどうやって下ろすのかはどう想定していたか分かりませんけれども、へそくりになるなという思いで植えたんだろうというふうに思います。しかし、今、それを切って下ろしてくるツールはありません。  ですから、人工林に適したところはしっかりその木材の需要のために利用していくのは当たり前ですけれども、かつてはまさに人工林としてやっていた場所でも、一回切って今度は天然林や、あるいは、これもまた森林総研で研究していますけれども、複層林、針広混交林、こういうのに変えていくということも含めて検討をすべきだと思います。  また、その中には、広葉樹の役割、これは、いわゆる特殊な建築物に必要な樹種を植える、あるいは野生鳥獣のために資する、いい針広混交林含めて、新しい森についても森林総研と林野庁で検討をいただけないかと考えています。御答弁をお願いしたいと思います。
  49. 吉川貴盛

    ○副大臣(吉川貴盛君) 今後の森林整備の推進方策をどのように考えるかという御指摘だろうと、こう思っておりますけれども、お話がありましたように、森林の有する多面的機能を将来にわたって十全に発揮させていくためには、多様で健全な森林の整備を適正に進めていくことが必要であろうかと思います。小川議員の御指摘のとおりであります。  そのためには、まずは、面的なまとまりを持った人工林につきましては、自然地形を生かした路網整備と利用間伐を一体的に進めることで施業のコストダウンを進めていかなければなりません。なお、条件不利地等におきましては、立地条件に応じて、今御指摘をいただきましたように、針広混交林化や広葉樹林化も進める必要があると思っております。  このように、多様な森林整備を推進をしまして、国土の保全や生物多様性の保全など、森林の有する多面的機能の十全な整備をしっかりと図ってまいりたいと思います。
  50. 小川勝也

    ○小川勝也君 終わります。
  51. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  本日の議題である森林保険、これは林業にとっていざというときのための安全装置なわけでありますけれども、林業の現状、これはこの安全装置を作動させる以前の問題として大変厳しい、このように今認識をしております。  そこで、この森林保険法の内容に入る前に、林業経営をしていく、そのしっかり支えていくための国産木材の需要喚起策について何点かお伺いをしたいというふうに思っております。  まず初めにですが、現在、木材利用ポイント、これが大変好評だというふうにお伺いをいたしました。この現在の利用状況、あわせて、国産材の利用促進における意義、効果、これをどう考えるか、御答弁いただけますでしょうか。
  52. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  木材利用ポイント事業でございますけれども、平成二十五年四月にスタートいたしまして、今年の四月四日までの数字でございますけれども、累計で五万件強でございまして、約百三十五億円の申請があったところでございます。  この事業によりまして、国産の杉、ヒノキ、カラマツ、こういった木材をより一層活用した木造の住宅、こういった建築でございますとか、あるいは床板等を初めといたしましたいろんな製品開発ということが進んでおりまして、いわゆる新たな木材需要が生まれてきたということがございます。また、各種メディアやイベントなどの関連広報によりまして、木づかいの大切さなどに対する理解が深まってきたのではないかというふうに思っております。  こういったように、木材の利用促進に関しまして様々な効果が見られるところでございまして、私どもとしても、こういった取組を通じて国産材の利用というものを促進していきたいというふうに考えているところでございます。
  53. 平木大作

    平木大作君 今御紹介いただきましたけれども、この木材利用ポイント、それ以前にもいわゆる何とかポイント制度というのはあったわけですけれども、そういったものと比べても大変有意義な制度であるなというふうに今感じております。  例えば、家電ポイント制度、これは例えばテレビですとか冷蔵庫ですとかそういったものはいずれ買わなきゃいけないと、その需要の先食いでしかないということ、よく批判としてあったわけでありますけれども、この木材利用ポイントに関しては、ある意味コンクリートになったかもしれない、もっと別のものであったかもしれないものを、ポイント制度があることによって、じゃ、リフォームを木質のものでやってみようか、あるいはストーブを木質のもの、まきのストーブ、そういったものに替えてみようか、そういったことを気付かせてくれるという意味でも大変有意義な制度であるなというふうに感じております。さらには、この獲得したポイント、これが全国の御当地物、おいしいものに換えられるということで、二重の意味で喚起策になるな、大変すばらしいというふうに今実感しております。  しかしながら、これ、今もございましたけれども、大変大きな予算を付けてやっている取組、ずっと永続的にできるわけではない、短期的な取組であるというふうにも理解しておりまして、この短期策でしっかり需要を喚起しながらやはり中長期の取組もやっていかなければいけないというふうに思っております。  その核になるのが、この委員会でも度々取り上げられておりますけれども、CLTの実用化、これに当たるのかなというように思っております。  昨年末、農水省また林野庁に大変御努力いただいてこのJAS規格がようやく策定を見まして、現時点では、いわゆる建築基準、構造基準ですとか防火基準、こういったところの策定ということで主にボールが国土交通省に渡ったと、そういった状況にあるのかなというように今思っております。当然、このまま行きますと、国土交通省によりますと、順調に行けば二〇一六年度の早期に実用化が始まると。つまり、あと二年ほどあるというわけでありますけれども、この二年間というのをどう使っていくかというのが大変大事であるなというふうに考えております。  私も、これ、以前この委員会の中でも取り上げさせていただきましたけれども、例えば、農水省としても、この二年待っているだけではなくて、CLT、じゃ、実際に国内でどのくらいの需要が見込めるのかと、こういった試算を作っていく。あるいは、もう既に海外では実用化されているわけですので、海外のものと今日本にある試作品、これを比べてみて、生産コストの構造、どこに何を、どう違うのか、どれだけいわゆる今もう既に実用化されたものに近づけていけるのか、また追い越していけるのかと、こういったことを是非取り組むいい期間であるなというふうに思っているんですが、この二年間、どう取り組まれるおつもりなのか、御答弁いただけますでしょうか。
  54. 横山信一

    大臣政務官横山信一君) CLTの普及のために、農林水産省としましては、品質基準を定めたJAS規格を昨年十二月に制定するとともに、JAS規格に適合したCLT製品が早期に生産、流通されるように関係団体に対して働きかけております。  また、国交省とも連携を図りながら、建築基準の整備など、CLTを活用しやすい環境の早期実現に向け、建築関係の一般的な基準の策定に必要となる強度データの収集、CLTを用いた建築物を実証する取組の支援等に取り組んでおります。  これらに併せまして、国産材CLTの本格的な普及を図るために、需要に応じたCLTの生産体制を整備していくことが重要と考えております。実証事業の取組状況等を踏まえつつ、CLTの需要見込みの把握を進め、そしてまた、効率的、安定的に供給できる加工流通設備の整備に取り組んでまいりたいというふうに思っております。  参考までに、国内需要の見込みについても、CLT協会が進めております。高知県大豊町の事例などを踏まえて、今後、この中高層建築物の木造化が進むことによりましてCLTがどこまで需要が見込めるかということでございますが、十年後の二〇二四年までに五十万立方メートル程度まで増加するというふうに試算をしているところでございます。  今後とも、実証事業を通じたCLTの施工性の把握や普及、そしてまた国交省と連携をした建築関係基準の整備等を進めつつ、関係団体と連携をして将来の需要見込みの精度を高めてまいりたいと考えております。
  55. 平木大作

    平木大作君 ありがとうございます。  今初めて伺ったのでちょっとびっくりしたんですけれども、需要予測等も進められているということで、五十万立米、なかなかいいオーダーの数字だなというふうに思いました。  例えば、私も存じているところですと、構造体に使えないわけですけれども、軽量発泡コンクリート、これって国内の大体需要は年間百五十万立米ぐらいなんですね。同じように高層建築に余り使えないというものなんですけれども、それでも現在百五十万ぐらいあると。五十万にもっともっと上乗せしていけるんじゃないかなというのを今何となく感じましたし、五十万ほどあれば一つの市場としてはそこそこの規模がやっぱりあって、これから例えば建材参入していこうというメーカーにとっても魅力的ないいスタート地点になるんじゃないかなというふうに思っております。  今後、是非、また更に精査していただいて、新たな取組、引き続きこの二年間、大事に使っていただきたいなというふうに思っております。  また、先ほどちょっと小川先生の質問を聞きながら思い出したんですけれども、私も、このCLT、大変興味を持ちまして、先日、岡山県の銘建工業まで行ってまいりました。中島社長といろいろお話をさせていただいて、そこでこの社長からやっぱり教えていただきましたのが、国内でこの二年後、実用化をやっぱり待っているわけにはいかないということで、今、社長も海外様々飛び回っていらっしゃっておりまして、例えば、オーストリアドイツの方でまた新たに出てきたLVL、新しい木材ですとか、あるいは、CLTの中にも、いわゆる木質のものではなくて鉄板みたいなものを間に挟んだらどうなるのかと、こんな研究も今進んでいるというように教えていただきました。  現在、JAS規格の中でも使える木材というのを指定して規格自体は組んであるわけでありますけれども、この実用化を別に待つ必要ないというふうに思っていますので、新たなまた可能性のある組合せですとか建材、これ開発できたらまたどんどんどんどん次の手を打っていっていただきたい、是非お願いをしたいというふうに思っております。  もう一つ、最後、CLTに関してお伺い、追加でしたいところがございます。それは、結局、海外産材との競合についてでございます。  これも御案内のとおりでありますけれども、既に海外のCLTメーカーというのは実際に日本国内に参入してきております。構造体としてのCLTはまだ使えないわけですけれども、海外で実際にもうCLTを作って売っている、そういう会社、例えばオーストリアに本社がありますKLHマッシブホルツ社、これはもう東京にオフィスを構えて、実際にこの木材、出荷しているわけであります。CLTもばんと正面に掲げて、いつでも出せますよという体制でこの日本の中にオフィスを構えているわけでありまして、これ、実際に実用化されたときには、これまでの生産実績もある、大規模な生産ラインも持っているという意味では、やっぱりこのままでいきますと、大きなアドバンテージを持ったまま海外勢がスタートを切るということになるというふうに考えております。  そういった意味で、今後、特にフェアな市場環境、競争環境というのが求められる中で、どうやって国産材の利用促進にこのCLT、実用化をつなげていくのかと、ここについてもお伺いできますでしょうか。
  56. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) ただいま御指摘いただきましたように、国産材のCLTを普及させるためには、やはり先行している欧州等の輸入製品に対しまして、価格、質、安定供給の面でしっかりと対抗していく必要があるというふうに思っております。  私どもとしては、輸入製品に比べまして資源消費地が近い、こういった利点を生かしまして、国産材CLTの効率的、安定的な供給体制を図っていくということが極めて大切なことというふうに思っております。  そういった意味で、いわゆる低コストで効率的に木材を収集、運搬するための簡易で丈夫な路網の整備でありますとか施業の集約化、こういった川上対策と併せまして、やはり品質、性能の確かな製品を供給する拠点として木材加工流通施設の整備、CLTのいわゆる加工施設の整備でございますけれども、こういった川中、川下対策というものが必要だと思っておりまして、それに取り組んでいきたいというふうに思っております。  CLT、実際に国内で、今先生、構造体として扱わなければ今でも使えるという話がございましたけれども、確かにそのとおりでございまして、少なくとも三社はCLT、国内でも作れるようにはなっておりますけれども、ただ、まだまだ数が足らないと思っておりますし、CLT協会に加入したいという会社も例えば百社とかそういった水準であるというふうに聞いておりますので、私ども、先ほど申し上げましたような川上から川下まで一貫した施策、取り組む施策を通じまして、さらには国産のCLTがきちんと実際に市場で評価されてきちんと定着するように、私どもとしても努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  57. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。二年間という時間は本当に長いようで短い、やるべきことはたくさんあるというふうに思っておりますので、是非今後とも御努力いただきたいというふうにお願いを申し上げます。  それでは、国営森林保険法の改正に関して、本題に移らさせていただきます。  私、今週末、この週末ですね、長野県の愛知県境にあります平谷村というところに行ってまいりました。ここはもう人口五百人を切っている大変小さな集落でございまして、隣が根羽村、いわゆる根羽杉というブランドの木材を搬出してきた場所、またさらに隣の村は売木村、木を売る村と書いて売木村なんですけれども、それこそ、本当に僅かな観光業とそれ以外は林業しかないという場所でございました。  この現地で林業に取り組んでいる方ともちょっとお話をさせていただきまして、今一番課題は何ですかと、このようにお伺いをいたしましたら、真っ先に返ってきたのが、今年の二月半ばにありました豪雪、あれによって結局木が大分やられてしまったと、曲がってしまったり根返りをしてしまって、もう売るに売れないような状況になってしまったというお返事でありました。  当然、ちょうどこの森林保険法の話を検討しているさなかでしたので、森林保険というのは皆さん入られていないんですかというお尋ねをしましたら、結局、この根羽村の皆さん、周りで入っている人知りませんという御回答でございました。  これ、結局のところなんですけれども、やはり一割程度、全体ならしたときですけれども、一割程度の加入率、これでは、結局のところ、例えば災害を受けた場合に林業の生産活動をしっかり地域で継続させる、さらには、森林が地域に有する公益的機能、多面的機能、これを維持するというそもそも保険に与えられた制度の使命というんでしょうか、これをやっぱり果たすことができないんだなということを改めて思ったんですね。  これまでは、例えば御説明を伺いまして、植えてから一年から五年ぐらいまでの若い木というのは九割以上入っているんですよと、それがある意味、だんだん木が丈夫になって太くなるにつれて加入率が落ちていくんだと。この説明を伺ったときには、当初はこれは林業の経営者の合理的な判断でそうされていくんだろうと何となく納得していたんですけれども、実際のところは必ずしもそうでないのかなと。  当然、まだまだ制度趣旨を理解していただいていないところもあるとは思うんですね。しかしながら、成木になって経済的な価値が出てきたときに保険を外していってしまうというのはやっぱり合理的な選択であるはずがなくて、この売木村の方にお伺いしたときにも、やっぱり最後はもうこれ経済的にかつかつで保険に入っていられないということでございまして、結局加入できなかったということでありました。  そういった意味で、改めてこの制度、やっぱり一番何を充実させるべきか。それは、この加入率をなるべく引き上げていって、今後、一割とかいったレベルではなくて、日本、全体的に結局のところ林業をしっかり存続させる、さらには森林の多面的機能を存続させる、この二つ貫徹するために、加入率の向上、これがやっぱり一番肝腎なんだと思うんですけれども、この点、どういった取組をされるのか、もう一度お伺いいたします。
  58. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 委員おっしゃるように、この保険の運営を安定的に行うということの上で、やはり加入率の向上というのは大変大事なことであると、こういうふうに考えております。  よく災害は忘れた頃にやってくるという言葉もありますが、一方で転ばぬ先のつえという言葉もあるわけでございまして、しっかりと意識を持っていただいて、この移管後は加入促進活動というのをやっていかなければならないと思っておりまして、植栽、保育、間伐など補助事業を実施した森林所有者に対して森林組合等から加入の働きかけを強化する、それから、日本林業経営者協会、こういう団体がございますが、こういう団体を通じて広報をするということ、さらには製紙会社など森林を所有する民間企業へも働きかけていくということ等々でこの保険についての普及活動を進めていく考えでございます。  先ほど小川委員とのやり取りでも申し上げたように、やはり林業の成長産業化、なかなか苦しいのでこの保険に入れないんだという今お声の御紹介がありましたが、やはり成長産業化に取り組んで林業の売上げが山へ戻ってくると、こういうことも併せて進めながら、こういう施策と併せて、今申し上げました森林保険に対する加入の促進と普及活動をやっていきたいと、こういうふうに思っております。
  59. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  是非お願いしたいと思いますし、また、今回、国から森林総研の方にこの運営の主体が替わると。当然、今まさに移さなければいけないそのときというのは、しっかりとこの制度を新しい主体に移していく、そこが重点になるんだとは思うんですけれども、やはり、せっかく担い手が替わっていくというタイミングでもありますので、同じものを同じように存続させるだけではなくて、是非とも、この加入率の向上もそうですし、サービス、あるいは保険料の更なる低減、こういったところに意欲的に取り組んでいただきたい、これを重ねてお願いをしたいというふうに思っております。  ちょっと時間が押してきましたので、先に、順番をちょっと変えまして、補償の履行についてお伺いをしたいというふうに思います。  現行の森林国営保険、これでは災害の発生から保険金の支払まで、これ一体どのくらい平均して時間を要しているのか。特に、過去の事例を調べてみますと、平成十六年台風二十三号の災害では災害の発生から保険の支払まで三年掛かった、このような報告もいただいております。  何が支払を遅らせたのか、これと併せてお答えいただけますでしょうか。
  60. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  現行の森林国営保険でございますけれども、災害の発生から保険金の支払まで、これまでの事例を見てみますと、おおよそ約十か月というのが実情でございます。損害の発生から現地調査を経て保険金の支払までに至るまでの間ということでございます。  これは、災害によりましては、林道等が被災して現地への立入りが困難になっている、それから森林所有者からの損害発生の通知でありますとか都道府県による被害の調査、こういったものに結構時間を要するといったことがあろうかと思っております。そしてまた、大きな災害になりますと、これはどうしてもやむを得ないことかもしれないんですけれども、いろんな保険金支払のための事務処理が集中してしまうというようなことがございます。  そういった意味で保険金の支払に時間を要する場合があるというふうに考えているところでございますが、私どもとしても、今の森林国営保険におきましても、できるだけ速やかに被害の調査を行いまして迅速に保険金が支払われるようにしていきたいと思っておりますし、また、移管後でありましても、こういったことをきちんと取れるような体制にしていきたいというふうに考えているところでございます。
  61. 平木大作

    ○平木大作君 今の御答弁の中で、大体平均すると十か月ぐらいかなというお答えでありました。これ、もうちょっと短縮できるんじゃないかなというふうに率直に思いました。災害の規模ですとか様々なこと、個別のことあると思うんですけれども、できれば、保険のサービスというのは結局何なのかと、いろいろあると思うんですけれども、いかに事故対応をしっかりしてくれるか、特に早く支払が行われて林業存続に支障なくお金が回るようになるかというところは大事な点であるというふうに思っておりますので、ここも是非チャレンジしていただきたい。  あわせて、大きな事故の場合には事務処理に大変時間が掛かるということでありますけれども、やはり三年は掛かり過ぎな気がいたします。特に、こういったもの、結局、大きな災害が起きたときにやはりパンクしない事務処理といったものをあらかじめつくっていただく、その中で日々の業務をこなしていただくというのが本来の在り方かと思いますので、この点も重ねて改善をお願いをしたいというふうに思います。  次の質問、最後になるかと思うんですけれども、平成二十三年、このときに森林保険制度に関する検討会ということで、実際に民間の損保会社も加えてヒアリングを実施されているようなんですけれども、このヒアリングの中で、今後のこの森林保険制度改善のための何か示唆ですとかアドバイス、もし得られたものありましたら御紹介いただけますでしょうか。
  62. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  私どもでは、平成二十三年の二月でございますが、有識者から成る森林保険制度に関する検討会を設置いたしまして、民間の損害保険会社に対するヒアリングも実施したところでございます。  このヒアリングにおきましては、民間の損害保険会社から、一つには、気象害、噴火災が森林国営保険の対象には含まれておりますけれども、年ごとの損害発生状況に変動がございまして、時に大規模損害が生じる危険があるということが指摘されております。また、巨大自然災害への対応に備えて、一定額を超える損害について国が補償するような再保険制度が必要ではないかという指摘もございました。また、損害認定、損害額算出等を行うため専門性を有した社員の配置が必要と、こういった意見をいただいたというところでございます。  今回の制度改正に当たりましては、こういった損害保険会社からの意見も踏まえまして、国による再保険と実質的に同等のリスク補完機能を持ちます政府債務保証というものを措置いたしますとともに、森林保険事業を森林総合研究所に移管するに当たって、森林保険に関する知見を有する、例えば林野庁の職員を森林総合研究所に出向させるなどの措置を講ずると、こういった方向で検討をしているというところでございます。
  63. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。是非、こういったいわゆる民間の損保会社から得た示唆も今後のサービス活用に是非生かしていただきたい。  今回、私がこの法案でいろいろ考えて一番やはり思い至ったのは、この今ある制度をそのままそっくり引き継げばいいということではなくて、運営主体が替わるこのタイミングで、是非とも、もっと改善できる点はないのか、向上点はどこなのかと、これを一旦全部洗い出していただいて新たな挑戦を開始していただきたい。そうすることによって、改めてですけれども、加入率の向上、そういったものにもつながっていくというふうに思っておりますので、是非とも今後ともそういった点、御努力いただきたいということを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  64. 山田太郎

    ○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。  今回は、森林国営保険の件と明日の明るい林業を考えるという観点から少し質疑させていただきたいというふうに思っております。    〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕  今回の森林国営保険法の改正の件でありますけれども、まさに行革の一つでありまして、我が党としても大変評価できる動きであるなというふうに考えております。いろいろお伺いしてきましたら、最後は民間に移したいということをかなり努力されたということですが、なかなかそれもかなわなかったということで、一生懸命やった結果、こういった形で独法の方に移すということで、これは本当に評価できる一つの動きだというふうに考えております。  合理化のメリット、それから加入率の低さ、いろいろあるとは思いますが、これも平木議員それから小川議員の方から相当質疑されてしまいましたので、少しこの内容は飛ばしていただいて、ちょっと別の点、少し行きたいと思っております。  今回の改正後、加入率の低さということもあるので、どうやって増やしていくかなんということがずっと今委員会の方では議論になってきたと思いますが、この加入促進をやっていくのは組合、森林ネットワークが担っていくことになるだろうと、こういうことだと思います。そういった意味では、この森林組合の組織率というのが少し気になるんですけれども、その辺りの組織率、今どれぐらいあるか教えていただけますでしょうか。
  65. 横山信一

    ○大臣政務官(横山信一君) 森林組合の加入率は、民有林面積に占める組合員所有森林面積の割合で見ますと、平成二十三年度で六九%となっているところでございます。
  66. 山田太郎

    ○山田太郎君 この森林組合も通じて是非加入率を増やすというPRをしていただければなと思います。PR不足ではないかということに関しても、かなり平木議員の質疑で随分お答えを大臣の方からいただいたみたいなので、これも全く質問することがなくなってしまったものですから割愛させていただいて、次の話題に行きたいというふうに思っております。  この法案、実際、森林総研の方に移すということでありますが、この森林総研、関連としては花粉症対策というのもやっております。花粉症対策、私もずっと、ライフワークというわけではないですけれども、森林の話が出るたびにきちっとこれ詰めてやっていきたいというふうに思っております。今日も委員の各先生の中にはマスクをされております。花粉症かどうかは分かりませんが、結構やっぱり多くの方々がこの時期になると花粉症ということなんだと思います。聞いた話では総理自身も実は花粉症だという話もうわさとして聞いておるんですけれども、まさにそういうことで国政が間違った方向に行っては良くないというふうに思っておりますから、是非この花粉症、まさに今国民病ということで取り上げていきたいなと思っております。  これは前もやりましたが、医療費だけでも三千億円、観光とか買物の手控え、どうも杉を見ると外に出る気にならぬ、杉が生えている地域には観光したくないなんということで、いろんな試算があるのでありますけれども、五千億から七千億円以上の損失があるんではないかと。いろんな研究がありますけれども、一兆円以上の経済損失だという計算もあります。  そこで、まずお伺いしたいんですが、農水省さんはこの辺りの花粉症の経済損失に関してどんな試算をされているのか、又はどのように考えていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
  67. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この花粉症が国民経済に与えている経済的損失の全体については、農林水産省も含む政府として把握したものはないわけでございますが、今委員がちょっとお触れになっていただいたように、平成十二年、省庁再編前ですので科学技術庁でございますが、これが公表した報告書によりますと、花粉症患者に係る医療費、労働損失額が年間二千八百六十億円と、こういう推計がございます。一方、平成十七年の民間シンクタンクの発表によりますと、花粉の飛散量が多くなりますと、レジャー関連を含む教養娯楽費などにおいて最大で消費を約七千五百億円押し下げるという試算も示されておりますので、これら調査による試算を足し合わせますと、余りダブるところはないと思うんですね、消費が減るということとそれから医療費や労働損失額ということですから、足しますと経済的損失は一兆円に及ぶと、こういうことになるわけでございまして、この花粉症、やはり経済に大きな影響を与えているというふうな認識をしておるところでございます。    〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕  したがって、原因究明、予防治療、花粉発生源に関する取組など対応すべき課題、多岐にわたっておりますので、我々としても、厚労省、文科省、気象庁、環境省、こういう関係省庁と連携をしてしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
  68. 山田太郎

    ○山田太郎君 まさに省庁横断で対応していただきたいということで、昨年の本委員会でも、たしか五月だったと思いますが取り上げまして、実は今回の保険受入れになります森林総合研究所がまさにこの花粉に対して対策をしている研究所だということで、関連があるかと思っております。  平成二十五年度に質問してからどんなことをされてきたのかなということでいろいろお聞きしましたらば、例のカビ菌をうまく使って雄しべを殺してできるだけ花粉が飛ばないようにしようということをもう随分進められているということでありまして、その研究成果としては、薬剤の基になるカビは杉の雄花のみに生存して枝とか葉だとかの他の部分では生存できないとか、薬剤は杉の成長には問題がないとか杉以外の植物には寄生しないということで、かなり有効であるということが研究で進んでいるそうでございます。  ただ、二十六年度ですね、平成二十六年度の予算措置の状況、それから、まだまだ研究課題があるかと思いますが、これに関しても森林総合研究所交付金の中から配分額が五月に決まるということであります。私としては、先ほど大臣がおっしゃっていたように、一兆円以上の経済損失があるかもしれないということであれば是非十分な配慮をしていただきたいというふうに思っておりますけれども、この研究成果、今後の課題、それから予算配分についてどのような対策をされていくのか、お答えいただけますでしょうか。
  69. 林芳正

    国務大臣林芳正君) 今お話ししていただきましたように、独立行政法人森林総合研究所は、自然界に存在をいたしまして杉の雄花だけを枯死、枯れて死ぬということですが、させる菌、シドウイア・ジャポニカと言うそうです、カビの一種でありますが、これを添加した薬剤を用いて杉花粉の飛散の防止の技術の開発を進めているところであります。  昨年度、この杉花粉飛散防止薬剤の効果安全性の調査を行いまして、まず、薬剤は雄花のみで生存し、枝や葉など雄花以外では生存していないこと、それから、杉の雄花が形成されている枝葉に薬剤を散布しても杉の成長には悪影響を与えないこと、それから、ヒノキ、松類、桜、ナラ類、クヌギ類、こういうものに薬剤を散布しても被害を与えないことと、こういうものが確認できたということでございます。  森林総研は、今年度も引き続き、この技術の実用化に向けまして、杉花粉飛散防止剤の製品化に向けた研究開発、それから杉林でのこれをどうやって効果的にまくかという散布手法の開発、それから散布翌年における雄花及び花粉の発生抑制効果、これの調査、それから人や動物への影響調査、こういうことに取り組むことにしておりまして、我々としてもこれは大変に大事な課題だと考えておりますので、森林総研に対して関係予算を拡充するなど重点的に取り組むように指導をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
  70. 山田太郎

    山田太郎君 ありがとうございました。大変に一つでも前に進むということを期待しております。  ただ、事務方に聞きますと、この薬剤の実用化には五年掛かると言われております。一年でも二年でも早く前倒しして是非進めていただきたいんですが、その辺りも、大臣、時間の問題もありますので、経済損失を毎年垂れ流しても仕方ありませんから、その御決意もいただけますでしょうか。
  71. 林芳正

    国務大臣林芳正君) おっしゃるように、大きな経済的な影響が出ておるわけでございますし、山田委員の御質問からも切迫した感じが伝わってくるところでございまして、しっかりと前倒しも含めて指導してまいりたいと、こういうふうに思っております。
  72. 山田太郎

    山田太郎君 一方で、この花粉対策、花粉の飛散防止剤だけではなくて、花粉杉の植え替えということも大事かと思っております。ただ、残念ながら、少花粉杉の多分苗木の生産が間に合っていないということだと思いますが、まだ全体の杉苗の苗木生産が一割にとどまっているということだそうです。平成二十四年度の資料によりますと、全体では杉苗の生産量は千五百万本ということでありますが、少花粉杉はそのうち百六十万本でしかないと。いまだに一千万本以上の杉花粉の発生する植林が続いているという深刻な状態であるかなというふうに思っております。  そこで、農水省さんは平成二十九年度には少花粉杉苗を一千万本供給するということを発表されておりますが、あと三年しかありません。現在百六十万本からどうやって一千万本に増やしていくのか、その辺りの算段について教えていただけますでしょうか。
  73. 林芳正

    国務大臣林芳正君) この少花粉杉等の花粉症対策苗木の生産ですが、平成十四年度、ちょうど十年ちょっと前ですが、八万本でございます。これが平成二十四年度には今お話のあったように百六十万本ということで、二十倍に増加をしてきているということで、シェアも〇・四から一〇・四ということでございます。  今、少花粉杉等の花粉症対策品種、この種ですね、それから穂木、こういうものを得るためのミニチュア採種園、採穂園の整備を積極的に推進しておりまして、こういうことによりまして、平成二十九年度に一千万本という供給のために、平成二十七年度までに必要な種子等の供給体制が構築できると、こういう見込みになってきております。この一千万本の目標を達成するために、採種園、採穂園、こういうところで種子等が計画的に供給できるように採種木や採穂木を適切に育成すること、それから苗木の生産事業者が苗木を効率的かつ大量に生産できる体制を整備することが大事であるということであります。  花粉症対策苗木の需要を高めることも重要な課題の一つでございまして、この需要サイドの対策として、都道府県森林組合協力して、花粉症対策苗木のシェア拡大につながるように森林所有者への働きかけを強化するということが一方で大事だと、こういうふうに思っております。  この杉の植え替えを一層推進するために、やはり、先ほどの話と関わってきますが、木材の需要拡大、これ木を切って植えるということでございますので、やはりこの需要拡大も非常に大事でございます。これを努めるとともに、花粉症対策苗木の生産量の拡大の実現に向けて、都道府県に対する指導助言、事業者の取組に対する支援、適切にやっていきたいと思っております。
  74. 山田太郎

    山田太郎君 今大臣がおっしゃいましたように、まさに出口戦略の方も重要だということだと思います。これも昨日、事務方の方とお話ししたところ、花粉症対策をやるにしても、その木材の方の需要がしっかりなければ入れ替わらないということでありまして、その辺りについても少し質疑していきたいと思いますが。  実は、公共建築物木材利用促進法という中で、特に学校なんかは木材建築を中心にということをやっておるようでありますが、首都圏のいわゆる利用率というのは非常に少ないというような指摘も聞いております。そこで、一気にこの木材利用を日本でも盛り上げていくために、是非、二〇二〇年の東京オリンピックでもこの木材利用を積極的にしてはどうかというふうに思っております。  これ、前回ここの委員会でもそんなような質疑あったかと思いますが、じゃ、どれぐらい木材を使った場合に建物のコストが違うのかなということを実はお伺いしましたところ、お手元の資料の方、お配りしておりますけれども、鉄筋コンクリート造で一平方メートル当たり二十万から二十五万、木造だと二十万から三十万ということで、これ学校のケースではあるんですけれども、大体同じぐらいでやれるという御回答もいただいております。そういった意味で、まさにそのオリンピック関係で木材を、コストの面で合うのであれば是非使っていっていただきたいと、こういうふうにも思うわけですね。  特に、余り空中戦をやっても具体的に促進しないでしょうから、是非、オリンピックの中でも一つは選手村にこれを使えないだろうかと。まさに、選手村の方は将来そのまま集合住宅としていわゆる転換、売却されるということでありますから、そこを見越して、いい和風のいわゆる木材のものをやる、これは非常にシンボリックな意味もあるかと思います。  そういった意味で、農水省ではこれの扱いをどのように考えているのか。一方で、国立競技場の方もそうですね、国立競技場の整備に関しても木材利用ができないかどうか。これ、ひとつ農水省さんの考え、それから国立競技場を所管する文科省さんも今日来ていただいておりますので、その辺り、それぞれ御意見というか方向感、お聞かせいただきたいんですが、いかがでしょうか。
  75. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まず私から、じゃ、お答えさせていただきたいと思いますが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会での今お話しの選手村、それから競技施設等もそうですが、大変大きな注目を集めるということでございまして、その建築資材、内装などに木材を利用することは、やはり国内外の多くの人々に対して木の良さ、木の文化の伝統を保つ日本のすばらしさ、技術力、こういうものを実感する機会を幅広く提供することができると、また木材の特性、木材の利用の促進についての理解の醸成を図る上で大変大事だと、こういうふうに思っております。  一九六四年のオリンピックは、私も生まれて間もないので余り記憶が鮮明ではありませんが、どちらかというと、外国から人が来るので外国の方に合ったような、例えばホテルでベッドを入れるとか西洋料理を供するとかということがかなり意を用いられたと、こういうふうに聞いたことがありますが、今回は、もうこういう時代でございますので、日本の和の良さをしっかりと発信する、こういうことが非常に大事だと、こういうふうに考えております。そういう意味で、この大会関連施設の整備を行う東京都、また文科省の関係者、関係団体との連携を密にして木材利用の促進に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
  76. 櫻田義孝

    ○副大臣(櫻田義孝君) お答えさせていただきます。  二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の主要施設に木材を利用するということは、多くの方に対して木の良さを実感する機会を提供し、木材の利用についての理解を深めることになると思っております。  東京都では、選手村のオリンピックビレッジプラザの設計に日本の伝統的な建築様式を取り入れ、木材を使用する予定と聞いているところでございます。また、国立競技場の整備に当たりましては、独立行政法人日本スポーツ振興センターにおきまして、建設費用、設備の性格や利用形態などの様々な要件を考慮しつつ、木材の利用についても今後の実施設計段階において検討することとなっております。  これらオリンピック関連施設において積極的に木材の利用が図られるよう、東京都や日本スポーツ振興センターともよく連携してまいりたいと思っております。  以上であります。
  77. 山田太郎

    ○山田太郎君 ありがとうございます。前向きな答弁をいただきましたので、是非これ形にしていただければなと思っていますので、引き続きやっていきたいと思っています。  もう一つ、オリンピックにこだわって、これはお手元の資料を見ていただきたいんですけど、長野オリンピックでは実はメダルにもしんちゅうの部分が使われておりまして、漆加工を施した非常に和の雰囲気を醸し出したメダルが実は作られています。  まさに農林水産といった場合に、東京オリンピック、世界に発信する非常にチャンスだと思っております。農も水産も、食の文化ということ、和の文化ということはおいしいものを来ていただいて食べていただいて発信できるんですが、特に林業の場合、建物の話もしましたが、是非メダルなんかも、もしかしたら日本らしく、まさに国土の七〇%が森林だという、実は我が国は森林大国であるといったメッセージも伝わるかと思っております。  そういった意味で、このオリンピックのメダルを作製しているのはこれは財務省だということでありますけれども、ひとつ当時の長野のやっぱり経緯なんかも教えていただくことで参考になるかと思っておりますので、この漆のメダルが作られた経緯、そして技術的に木を使ったメダルというのは可能なのかどうか。あわせて、今回のオリンピックでも、もし東京都あるいは主催者のIOCの方からそういう話が出てくればそういう対応ができるのかどうか。是非、財務省のお考えもお聞かせいただきたいと思います。
  78. 愛知治郎

    ○副大臣(愛知治郎君) メダルについて御質問をいただきました。  平成十年に開催された長野五輪冬季大会の入賞メダルは、長野五輪組織委員会の決定により、当時の大蔵省造幣局が製造した、金属部分と木曽漆器を組み合わせたものとなっております。この写真のとおりでございます。  平成三十二年に開催を予定されている東京五輪の入賞メダルについても、これまでの五輪と同じく、メダルの大きさ、素材、デザイン等の形式については東京五輪組織委員会において検討され、国際五輪委員会、IOCの承認を得て決定をされることとなっております。また、メダルの製造受注先についても東京五輪組織委員会において決定されるものと承知をしております。  この入賞メダルの製造を独立行政法人造幣局が受注する場合には、東京五輪組織委員会で定められた大きさ、素材、デザイン等の形式に応じて対応していくことになると考えております。ちなみに、三十九年の東京大会、四十七年の札幌冬季大会においても、御指摘のとおり造幣局がメダル製造を受注をしております。  長野についてなんですけれども、平成十年でありましたが、契約は平成八年、二年ほど前なので、多分、三十二年の東京オリンピックについては三十年頃には契約をしていただき、製造するということになると思いますけれども、いずれにせよ、東京五輪組織委員会において決定をいただいて、受注をしてから、またそのデザインについても検討していくということになると思います。  以上です。
  79. 山田太郎

    ○山田太郎君 まさに、これ東日本大震災の被災地の例えばヒノキなんかを使われればまた大きなメッセージにもなるかと思っております。ちょっと東京都も含めて働きかけることによって、我々の知力を使って、全ての力を使って産業を守り立てていきたいというふうにも思っております。  さて、時間がなくなってきましたので、最後、映画の方を少し、担い手の話でちょっとお伺いしていきたいと思っております。  まさに、委員会の方でも、担い手が今後問題だということで、林業を誰がやっていくのかということが問題だと思います。本当にこの担い手というのは大切なんだなというふうに思いますのは、私、実は先月の末は帯広の方にお伺いいたしまして、まさに有名な帯広農業高校、何で有名かというと、「銀の匙」という漫画がありまして、それが映画実写版ができたということで今大変話題になっているということで、ちょろちょろっと変な若者、変なと言うと怒っちゃいますね、若者がやってくるので、外からちょっとばい菌を要は農業高校の中に持ち込むと困るということで、そういったこともあるんだなというぐらいに盛り上がっているということであります。  考えてみれば、昔、「海猿」なんというのもありました。あれで海保に来る若者が増えたなんという話も聞いておりますが、まさに今、「WOOD JOB!」というのが、これ五月の十日でしたか、封切りになるというふうに聞いておりまして、農林水産省さん、林野庁さんですね、後援というか推薦ということでやられるそうであります。  若者に対するイメージ戦略ということ、本当に重要だと思っておりますが、なかなか楽しさだとか林業の面白さ、ちょっと中身については、私、見れていないものですから分からないんですけれども、これ、政務官を始めとして何人かの政府関係者の方は事前に封切り前に見られたということであります。ネタばれをしちゃうとまずいのでありますが、それ以外の部分で、御感想というか、是非宣伝の方を、いい機会だと思いますのでしていただければと思っております。どんな感想をお持ちになったか、教えていただけませんでしょうか。
  80. 横山信一

    ○大臣政務官(横山信一君) 私、吉川副大臣とともに見させていただきました。映画を見る前に原作の三浦しをんさんの「神去なあなあ日常」も読ませていただきまして、大変楽しませていただきました。  映画、内容は触れませんけれども、携帯もつながらない、コンビニもないところに染谷将太さん演じる勇気さんが行って、映画では緑の研修というふうに紹介をされておりますが、これは緑の雇用事業をモデルとしたものでありますけれども、そこに行って、次第に、何もない、若者には何の魅力もないような村でありながら、だんだん林業の魅力に取りつかれていくという、そういう映画でありますが。  ここに流れている、いわゆる緑の、映画の中では緑の研修というものでありますけれども、これがまさに林野庁がやっている緑の雇用事業をモデルにしているものでありまして、林業がいかに若者にとって魅力であるかということがよく表現されている、そしてまた、都会にはない価値観が映画の中で様々な形でそれは表現をされているということで、大変に好感を持ち、また、なおかつ大変楽しめる映画だったというふうに思います。  ちなみに、このポスターが出てから、緑の雇用事業に対してのアクセス数が非常に増えておりまして、最大で月間七万件を超えるアクセスがあったということでございまして、大変な効果が出ているということでございます。
  81. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 山田太郎君、時間が来ておりますので、まとめてください。
  82. 山田太郎

    ○山田太郎君 はい。時間がなくなりました。  最後に、お配りしていた資料、映画とのタイアップ、文科省がいろいろこれまでやってきたものがあります。「宇宙戦艦ヤマト」、「魔女の宅急便」等、いろいろやって成功してきたと思っています。  もう時間ないんですけれども、一言だけ、文科省にも協力いただきたいと思っておりますので、一言いただけませんでしょうか。
  83. 櫻田義孝

    ○副大臣(櫻田義孝君) しっかりと受け止めて、趣旨を踏まえた対応をさせていただきたいと思います。
  84. 山田太郎

    ○山田太郎君 ありがとうございました。
  85. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 午後三時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十一分休憩      ─────・─────    午後三時開会
  86. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として三宅伸吾君が選任されました。     ─────────────
  87. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 休憩前に引き続き、森林国営保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  88. 紙智子

    紙智子君 日本共産党紙智子でございます。  まず、法案の前に、昨日の日豪EPAについて林農水大臣にお聞きいたします。  安倍総理とオーストラリアのアボット首相とが東京都内で会談をして、大筋合意ということで報道されております。主に、外食産業向けの冷凍牛肉を今の三八・五%から冷凍肉で一九・五%、冷蔵肉で二三・五%に半減させるということで大筋合意したと。  そこで、大臣にお聞きしますけれども、先々週の質問でも二〇〇六年の国会決議紹介をし、これを遵守するのかというふうに私が質問したのに対し、大臣は、決議を踏まえ真摯に交渉に取り組んでいるというふうに答弁をされましたけれども、その結果がこういうことでは全くこれは国民の願いに反するというふうに思うんです。  決議では、農林水産物の重要品目が除外又は再協議の対象となるよう全力を挙げると、そして、十分な配慮が得られないときは中断も含めて厳しい判断をもって臨むと、こういうふうになっているわけで、この決議に明らかに反しているんじゃありませんか。決議のとおりやるということは、これ、交渉中断とか中止ですよ。それなのに、これ関税を半減で合意するというのは一体どういうことなのかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  89. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この日豪EPAにつきましては、二〇〇七年の四月の交渉開始以来、農産物の大輸出国であります豪州に対しまして、今委員からもお話のありました衆参両院の農林水産委員会の決議を踏まえて政府一体となって粘り強く交渉を行ってきました結果、交渉は七年の長きにわたり、その間、十六回に及ぶ交渉会合を重ねたところでございます。  次第に豪州側も我が国の主張に一定の理解を示すようになったことから、公式会合以外にも様々なレベルでの協議を重ねまして、私自身も昨年の五月に当時のエマーソン貿易大臣と協議を行ったほか、現政権のロブ貿易・投資大臣とは数次にわたる協議を重ねたところでございます。  その結果、決議に明記してあります米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖を含めまして豪州側から一定の柔軟性を得ることができ、今回、国内農林水産業の存立及び健全な発展を図りながら食料の安定供給にも資する合意に達することができたと、こういうふうに考えております。  現在、食料の安定供給にも資する合意に達することができたと考えておりまして、このことは午前中も申し上げましたが、安定供給については一章を割いてこの資する合意を盛り込んだということでございます。
  90. 紙智子

    ○紙智子君 長年にわたって交渉してきて柔軟を得たと言いますけれども、実際にはこれ関税は半減しているわけですからね、このことの与える影響というのは本当に大きいわけですよ。  先々週、私は影響についても指摘をさせていただきました。肉牛農家はもちろん、酪農も重要な副産物の収入があって、乳雄、それから子牛や老廃牛やF1などを売って収入にして、ぎりぎりのところで何とか収入にしてきたわけですけれども、この収入が大幅に減るということについても紹介をしました。  大臣は、北海道を始めとして我が国の農林水産業に与える影響に留意をしながらと、留意をしながら衆参決議を踏まえて真摯に取り組むというふうに言っておられたわけですけれども、一体どこに留意をされたんでしょうか。
  91. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今般大筋合意をされました日豪EPAにつきましては、豪州側からは、冷蔵、冷凍の差は認めない、関税率は半減すると、これを強く求められていたところでございます。我が国としては、この今お触れになっていただいた決議も踏まえて、畜産業の構造改革の努力に悪影響を与えないように十分留意しつつ、豪州産牛肉のうち冷蔵牛肉、これがホルスタイン種去勢牛を中心とした国産牛肉とより強く競合することを踏まえて、粘り強く交渉をしたところでございます。  この結果、大筋合意の内容は、最終的な関税率については、国産牛肉への差を考慮しまして冷蔵と冷凍の間に四%の税率の差を確保いたしました。それから、冷蔵牛肉については、関税は十五年と長期間にわたる削減、それから最終的な税率は二三・五%ということで、これは先方要求の五〇%削減に対して三九%削減に相当でございます。それから、冷凍牛肉については、最終的な税率は一九・五%ですが、関税は十八年の長期間にかけて削減をするということと、それから十二年目までは二五%を確保するということにいたしました。  それから、冷蔵牛肉、冷凍牛肉それぞれについてセーフガードを設けております。現状以上の輸入量になりましたときはこの関税が三八・五%に戻ると、こういう効果的なセーフガードを確保させていただいたわけでございまして、以上のような大筋合意によりまして、国内畜産業の健全な発展と両立し得る我が国としてぎりぎりの線は確保できたと、こういうふうに考えております。
  92. 紙智子

    ○紙智子君 いろいろと今言われましたけれども、実際農家の皆さんに話を聞くと、この関税半減によって大変大きな収入減になることは避けられないと、またしても車の犠牲に我々されるんじゃないかという声ですよ。オーストラリアの後にはアメリカが控えていると、TPPとの関係でも更に一層日本は攻められるんじゃないかと非常に不安な思いだということを訴えています。  一体これから日本の酪農や畜産をどう考えているのか、政府はと、こういう声ですよ。この日豪の交渉がアメリカの譲歩を引き出すための手段などという話もあるわけですけれども、そういうやり方というのは、やっぱり日本の農業、農民の願いを踏みにじるし、国民の願いを踏みにじるものだと。私は絶対許されないと思いますし、決議の整合性の話を先ほど聞かれたときに、それは両院の判断だというふうに言われたけれども、これはもう開き直りだなと思いますよ。そんな、国会の批准なんてできないものだということを私は強く申し上げて、この後の法案の方に入ります。引き続きやらせていただきます、これは。  森林国営保険法改正についてですけれども、森林国営保険は戦前から運営をされて、昭和三十六年からは森林火災だけではなく気象災害も対象になって、昭和五十三年からは噴火災害も対象となるなど、民間の森林保険ではカバーできない、極めて重要な保険です。  それが今回、国営保険を中止することになるわけですが、それは行政刷新会議で森林保険特別会計を廃止と決められたからですけれども、取りまとめの内容を見ますと、特別会計の廃止とするのが実際には五名、それから現状の制度を継続するというのが四名ということで、必ずしも特別会計廃止が全会一致で決まったわけではありません。  結局、これ、特別会計廃止ありきで今回の事態を招いたのではありませんか。
  93. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 経済財政運営と改革の基本方針、これは平成二十五年の六月十四日に閣議決定をしておりますが、特別会計改革については国が自ら事業を行う必要性の検証等の方針の下で改革を実現すると、こういうふうにされております。  この閣議決定に沿いまして森林保険特別会計について検討を行った結果、森林保険は国の一定の関与が措置されれば国自らが実施主体となることは必ずしも必要ではないことから、国以外の者に事業を移管した上で特別会計を廃止することとしたものでございまして、特別会計の廃止ありきで検討を進めたものではないということであります。  また、森林総合研究所は森林・林業分野で唯一の独立行政法人でございまして、森林の自然災害に関する専門的知見を有すること、それから全国をカバーする地方出先機関がございまして、異常災害が発生した場合の損害査定等に対する基本的な体制が整っていることなどから、森林保険業務の移管先として適切と考えておるところでございます。
  94. 紙智子

    ○紙智子君 その後、森林保険の受皿をどうするかということが議論になったわけですけれども、結局、民間の保険会社からもこの森林保険の受入れを断られて、全国森林組合連合会からも受入れを断られたわけですけれども、そのことの経緯について明らかにしていただきたいと思います。
  95. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この森林保険事業の移管先でございますが、今委員がおっしゃっていただきましたように、民間の損害保険会社、それから全国森林組合連合会、こういうところなどへの移管の可能性も含めて検討を重ねてきたところであります。  民間損害保険会社との間でも移管について意見交換を重ねてきたわけでございますが、自然災害を対象とする森林保険はリスクが極めて高い保険であること、それから市場規模が小さく参入する魅力に乏しいこと、それから業務に必要な技術的な知見や人員を有していないことから、自ら森林保険を引き受けようという会社がなかったところでございます。  また、全国森林組合連合会でございますが、平成三年の台風災害等に伴う森林共済事業の共済金支払、これの影響によってこの全国森林組合連合会の財務状況が悪化をいたしまして、系統組織全体に負担を強いるとともに、平成十七年度には森林共済事業を停止するに至ったという事実がございまして、再度森林保険の実施主体となることについては組合員を始めとする関係者等の理解が得られず、平成二十五年十月の都道府県森連代表者会議において、森林保険については独法に委ねるよう決議がなされたところでございます。  こういう経緯がございまして、これを踏まえて、先ほど申し上げましたように、十二月二十四日、昨年の十二月二十四日に独立行政法人改革等に関する基本的な方針が閣議決定をされまして、森林保険特別会計を平成二十六年度末までに廃止をしまして、森林保険事業は独立行政法人森林総合研究所、これに移管をすると、こういうふうにされたところでございます。
  96. 紙智子

    ○紙智子君 今御説明あった、つまり、民間の保険会社からは気象災害や噴火災害を対象とする現在の森林国営保険がとてもリスクが高くて引き受けられないと、全国森林組合連合会も共済事業が財政状況の悪化ということでとても引き受けられないというふうになったわけですね。このリスクが高く民間ができないから国が実施してきた、元々、わけですけれども、それを民間にといって受けられるはずがないと思うんですよ。  結局、受け手がないために、窮余の策としてこの研究独立行政法人の森林総研に森林保険を押し付けたということじゃありませんか。
  97. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、この森林総合研究所でございますが、これは森林・林業分野で唯一の独立行政法人でございまして、森林の自然災害に関する専門的知見を有しております。それからもう一つは、全国をカバーする地方出先機関を持っておりまして、異常災害が発生した場合の損害査定等に対する基本的な体制、こういうものが整っておるということなどから、森林保険の移管先と、こういうふうにしたところでございます。
  98. 紙智子

    ○紙智子君 今いろいろ言われたんですけれども、当初からこの森林総研に移管することを検討したわけではなかったと。窮余の策としてこの森林総研に森林保険を押し付けたということは明らかだと思うんですよ。  現在の森林国営保険の最終責任者というのは農林水産大臣ですよね。法改正後は、森林保険の最終責任者は森林総研の理事長になるわけです。理事長は、研究独立行政法人であるだけに研究者なわけですね。現在の理事長もドクターなわけです。その方に森林保険の全ての責任を負わせるわけですから、これはなかなか酷なことだと思うんですね。その辺はどう受け止めておられるんでしょうか、農水大臣。
  99. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  私どもといたしましては、森林総合研究所が森林保険を担うということになりましても、きちんとした運営がなされるような仕組みを取らさせていただいているところでございます。例えば、森林総合研究所が行う長期借入れに対しまして政府が債務保証をすること、それから、資金の調達が困難となった場合に財政上の措置を講ずることとしておりまして、森林総合研究所自体、保険業務を安定的に運営できる仕組みということが今回の制度改正の中で明らかになっているというふうに考えております。  私どもとしても、森林保険の企画業務につきましては引き続き林野庁が責任を持って実施していくと、ただ、法律に定められた内容で森林保険を実施するに当たっては独立行政法人である森林総合研究所がきちんと運営をしていただくということで考えておりまして、私どもとしても、よく森林総合研究所と連携を保ちながら、森林保険自体がきちんとした形で運営されるように努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  100. 紙智子

    ○紙智子君 先日の国立環境研が発表していました、「地球温暖化「日本への影響」」というのが出されていますけれども、非常に衝撃的です。洪水被害額は現在の三倍、当然、気象災害が増加することになるわけです。森林の生育域も大きく変わることになります。これらのことは森林保険に大きなリスクをもたらすことになると。  さらに、現在の森林保険が加入率の低下を続けている中で、その本格的な拡大こそ求められています。そこで、森林保険のリスク拡大対策や加入率の向上対策など、本来国が本腰を入れて取り組むべき課題を森林総研に丸投げするということは、これはとても合理的な判断とは思えないんですけれども、いかがでしょうか。
  101. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 若干繰り返しになって恐縮でございますけれども、私どもとしては、森林保険自体、これは持続可能な森林経営を実施していく上で必要な仕組みだというふうに考えているところでございます。  そういった中で、やはりいわゆる国自らが実施主体となることは必ずしも必要でないと、こういった枠組みの中で、国自ら実施するのではなくて独立行政法人できちんとした運営をやるという考え方の下に今回の制度改正ということを検討させていただいたわけでございますので、私どもとしては、全体として森林保険について、企画部門についてはやはり林野庁がきちんと責任を持ってやると、実際の森林保険の運営に当たりましては森林総合研究所が適切に実行していただくということで、全体としてきちんとした運営、仕組みがなされるように努力してまいりたいと考えているところでございます。
  102. 紙智子

    紙智子君 国が全面的に支援するというふうにおっしゃっているんですけれども、法案には実は国の責任については一言も明記されていないんですね。そのことを指摘して、次の質問に移りたいと思います。  二月の豪雪で山林の被害が深刻です。今まで経験したことがない被害だと。  栃木県の関係者にお聞きしますと、山で今まで聞いたことがないようなうねる音がするので、次の日に山に行ったと。雪の重み、寒さで山ごと山林が倒壊している感じ、道の脇、それから林道もないところも倒壊していると。枝折れというレベルではなくて、何か鉛筆を削ったようなということなんですけれども、そういう折れ方であると、枝や葉が下に落ち、はげ山になっていたと。こういう証言がありました。  これ、栃木だけではなくて、豪雪被害は従来にない山林被害という認識があるのかどうか。同時に、対策が必要なわけですけれども、民有林が多く手入れができていない、後継者がいないので自治体が悩んでいることなんですけれども、農水省としての支援策について検討すべきではないでしょうか。
  103. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  今年の冬の大雪によります森林被害でございますが、現時点におきましては六県から報告が上がってきておりまして、立木の折損、倒伏による被害が発生して、被害面積が約一千ヘクタール、被害額が十一億五千万円との報告を受けております。ただ、被害の全容の判明は、いわゆる山地、山の方におきます雪解け後になる見込みでございます。  今回の森林被害でございますけれども、ふだん雪が余り降らない地域で発生しておりまして、私どもとしても、被害が今のところ一番大きい報告が来ておりますのは栃木県でございます。栃木県佐野、鹿沼、日光という地域だというふうに承知しておりますが、そういった箇所につきましては、担当官を派遣したり、それからよく打合せをした上で被害状況の把握と復旧対策について意見交換をさせていただいているところでございます。  これらの森林被害につきましては、被害森林公益的機能の維持確保を図るために早期に復旧することが重要だと考えておりまして、私どもといたしましても、森林整備事業や治山事業などによりまして、被害木の搬出、そして再造林の実施等について可能な限りの支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
  104. 紙智子

    紙智子君 豪雪に関連してなんですけど、前回ちょっと質問できなかったことについて、併せて質問します。  この間、私たちのところに幾つか問合せがあって、その都度農水省に問い合わせてきたんですけれども、その中でも重要な問題幾つかあって、一つは予算上の問題です。  被災農業者向け経営体育成支援事業、農業用ハウスの再建、修繕、それから撤去についてそれぞれ国の補助率が二分の一になっているんですけれども、被害県では、国の予算措置状況が僅か五十二億円だと、被害額は一千億円以上に上るとされている中で五十二億円の予算措置で果たして補助がされるんだろうかと、条件を厳しくされるんじゃないかと不安に思っていて、まだ被害農家に申請を促すということにもなっていないという問題があるんです。  国としてこの予算措置を、ほかの予算を流用しても確保するとの担当者の話はあるんですけれども、大臣として、この点を明らかにして被害県の不安を一掃していただきたいと思います。それから、この事業には当然畜舎も対象になるのかどうかというのもあって、その点も併せて明らかにしてください。
  105. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この大雪による農業用ハウス、棚、それから畜舎の損壊被害は、三月二十八日現在の各都道府県からの報告によりますと、件数で二万八千三百四十二件、被害金額は約一千四億円と、こういうふうになっております。  これらの大雪による農業被害を受けた農業者の農業用ハウス、棚等の撤去、再建に要する経費については、被災農業者向け経営体育成支援事業により支援を行うこととしたところでございまして、国が二分の一を再建については助成をする、撤去についても農業者負担のないよう定額助成として国がその二分の一を助成することとしておりまして、これらの支援対象には畜舎も含まれております。  この被災農業者向け経営体育成支援事業については去る三月三十一日から要望調査を始めておりますが、現時点で必要額は明らかではまだありませんけれども、被災農業者が今後も意欲を持って農業を継続していけるようにしていく必要があると考えておりまして、予算の流用等も含めて適切に対応してまいりたいと、こういうふうに思っております。
  106. 紙智子

    ○紙智子君 よろしくお願いします。  もう一つあるんですけれども、支給対象の経営再建の認定の柔軟性についてなんです。  それで、具体的には、標高の低いところで営農を再開する際も支援事業の対象になるということなんですけれども、このような認定の柔軟性についてはすごく大事だと思うんですけれども、まだ現場では知られていません。はなから駄目だろうと諦めて申請しないということがあってはならないと思うので、農水省として周知徹底が必要だと思います。それも分かりやすいパンフレットのようなものを作成、配布するということでやっていただけないかと、そういう考えはあるかということについて、最後に御答弁をお願いいたします。
  107. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この支援対策でございますが、二月二十四日、それから三月三日、この当日、決定をした当日ですが、記者発表をしまして、報道各社に対して積極的な報道をお願いをいたして、各地方農政局に対し、都道府県を通じて関係市町村に速やかに周知されるよう指示をいたしました。また、直接、日本農業法人協会等の団体を通じて傘下の会員に周知されるように依頼をいたしまして、うちのホームページにも掲載をすることによって速やかに農家に情報が行き渡るよう努めてきたところでございます。  また、三月七日から二十六日にかけて、埼玉、群馬、栃木、長野、山梨、千葉において現地説明会を開きまして、県、市町村、JA等の関係者に対して本省の担当官が直接、支援対策を説明してきたところでございます。これらの際に、今委員がおっしゃった、別の場所に移転して農業用ハウス等を再建する場合も支援の対象となるということについて説明をしてきたところでございます。  さらに、三月二十八日にはこの育成支援事業の実施細目を定めた通知を発出したところでありまして、これを受けて、四月三日から四月中旬にかけて改めて関係都県を対象として説明会を開催することとしておりますので、今お話があったように、パンフレットなどの分かりやすい資料も使いながら、引き続き、事業内容が農家の方に正しく早く伝わるようにして、知っていたらやったのにということがないように、しっかりとやっていきたいと思っております。
  108. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 紙智子さん、時間が来ておりますので、まとめてください。
  109. 紙智子

    ○紙智子君 はい。よろしくお願いいたします。  質問を終わります。     ─────────────
  110. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君が選任されました。     ─────────────
  111. 儀間光男

    ○儀間光男君 日本維新の会の儀間光男でございます。  しんがりを務めさせていただき、本日は森林保険法に関する質疑でございますが、森林・林業関係全般についても少しくお尋ねをさせていただきたいと思いますことから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  皆知ってのことなんですが、我が国は先進国の中でも豊かな緑に恵まれ、国土の三分の二を森林が占めている、いわゆる森林大国であります。森林は、住宅などに使う木材を生産するだけでなく、きれいな空気や水をつくり出す、さらに、山崩れなど災害を防ぎ、豊かな栄養分を川や海に送り出し、命を育む、極めて重要な私たちの社会の共有財産であります。全ての命が森とつながる、関係なしではおられません。ですから、この大事な森を守り、育て、生かしていく、そして子や孫の世代にまで引き継いでいく、このことが今生きている我々に課された大きな責務だと考えております。  しかしながら、この豊かな森も、私たちの先輩たちがおられて、たゆまぬ努力により、もちろん額に汗をいっぱい流されて、頑張ってこられて形作られたものであります。戦中戦後、日本の森林は過伐により荒廃をした時期も続いておりました。その荒廃した国土に、苗木を背負い、険しい傾斜道を奥山まで歩き植林をしてきた、そのような取組があったからこそ、今豊かな森の恩恵を私ども享受することができているというふうに思います。  さて、森林・林業をめぐってはこれまでも厳しい状況が続いてまいりましたが、高度経済成長を背景に山村地域は過疎化、高齢化し、木材価格は低迷し、農林水産業の元気をそいできたと言っても過言ではなかったかなと思います。先日も農林水産委員会で、本委員会で私はお尋ねをし、いろいろと議論をさせていただきましたが、現在、日本の森林は本格的な利用時期を迎えており、林業を活性化し、森林を再生するチャンスだと考えております。この森林の抱える課題、これに真摯に向き合い、国民を挙げて頑張り、豊かな森を育て、生かしていくことがなおなお大事なことだとも思います。  そこで、森林・林業について幾つかお尋ねをさせていただきますが、まず、森林保険についてでありますが、私の地元沖縄は台風銀座とまず言われるほど台風が多いわけでありますが、沖縄県に限らず、日本は台風や大雨などの自然災害が非常に多い地域でもあります。大雨による洪水なども発生し、大変な被害を被るのが我が国の現状でございます。このような災害が起これば森林も大きな被害を受けることとなり、そのような意味では、この森林保険は森林所有者等の安全、安心を確保するための重要なセーフティーネットだと認識をいたしております。  本法案では、行政のスリム化、特別会計改革の観点から必然だったという説明も受けましたが、森林保険の実施主体を国から森林総合研究所に移管するとしておりますが、このような見直しについては必要だとは理解いたすものの、研究所に保険業務を移すということ、いささか疑問に感じてならないのも事実であります。このような見直しについては必要なことだと思っておりましたが、本来、こうしたセーフティーネットは国が担っていくべきものだというふうに思えてならないのであります。  このため、保険業務を森林総合研究所に移したとはいっても、今申し上げたように、法案にはないのでありますが、しっかりと国が関与をしてセーフティーネットのセーフティーネットをつくっていくというようなことが大事だと思いますが、お聞かせをいただきたいと思いますが、さらには、保険対象事項の見直しでございますけれど、昨今、野生鳥獣の生息域の拡大などによる鹿や熊等の野生鳥獣の食害やあるいは剥皮被害、皮を剥ぐ被害が深刻化しておりますが、同被害も含めて保険の対象としてはいかがかと思いますが、お答えいただければ有り難いと思います。
  112. 吉川貴盛

    ○副大臣(吉川貴盛君) 儀間議員から御指摘をいただきました森林保険につきましてのセーフティーネット、国がしっかり関与すべきではないかという御指摘をまず私から答弁をさせていただきたいと思いますけれども、政府といたしましては、引き続き森林保険の企画立案業務を行いますとともに、適正な保険料率の設定など、森林総合研究所の保険業務の運営に対する監督をしっかりと行うことといたしております。さらには、保険業務を安定的に運営できますように、研究所が行う長期借入れ等に対しては政府が債務保証をすることや、資金の調達が困難となった場合に財政上の措置を講ずるなど、政府が一定の関与をすることといたしております。  このような措置を適切に講ずることによりまして、森林所有者の安全、安心を御指摘いただきましたように確保するとともに、森林の多面的機能の維持増進を図ってまいりたいと思っております。  二問目の野生鳥獣による森林被害につきましては、林野庁長官から答弁をさせていただきます。
  113. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 野生鳥獣によります森林被害について、保険との関係を含めてどうするのかということについてお答えさせていただきたいと存じます。  現在の森林国営保険でございますけれども、火災、気象災、噴火災ということでございまして、あらかじめ被害を受けることが極めて予測困難な災害を対象にしております。一方で、鳥獣被害の関係でございますが、一つには被害の地域格差が大きい、二つ目には防護施設の有無等により被害の大きさが異なると、こういった特徴がございまして、保険の制度設計が不完全なまま保険対象に加えるということは、健全な保険運営に支障を来すおそれがあるとともに、森林所有者等が鳥獣被害の拡大防止に対する努力を怠ることを誘発しかねないというふうに考えているところでございます。  こういったことで、今回の法律改正におきましては鳥獣害を保険対象には追加せずに、今後、国として鳥獣害を保険対象に追加するための検討に必要な基礎データの蓄積などの調査研究、こういったものを進めていく考えでございます。  鳥獣被害、大きな被害が発生しているということは承知しておりますが、まずは、私どもとしては、防護施設の整備、捕獲と、こういった鳥獣被害の対応につきまして、補助事業を含めてきちんと対応していきたいというふうに考えているところでございます。
  114. 儀間光男

    ○儀間光男君 私は熊の生態はよく分からないんですが、ヤギ、鹿類、私の地元でも、沖縄でもそういうことはあるんですけれども、里山にどんどん下りてきまして、イノシシも一緒ですが、食う草を失うと、ヤギなどは木々の皮まで全部剥いでしまうんですね。そこで枯らせてしまうという害が実際出ておることから、是非とも何らかの方法でこの対策を立てていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  次に、少し視点を変えて伺いたいと思いますが、貴重な森を守るという観点からお尋ねをいたします。  森林保険の対象は人工林が中心だと思いますが、私の地元沖縄県は、自然林というか天然林が多く、貴重な資源が残されております。例えば西表島でございますが、国指定特別天然記念物のイリオモテヤマネコ、さらにはカンムリワシを始めとする貴重な野生動物が生息をし、周囲の海にはサンゴ礁、河口にはマングローブなどが広がっております。その豊かな自然を求め、多くの方々がこの西表島を訪れ、自然等を楽しんでいる現況にあります。  この島の実は八割強が国有林だと伺っております。したがって、人工林のみならず、このような天然林もしっかりと保全していくべきだと考えますが、取組方について見解を賜りたいと存じます。
  115. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  沖縄県の八重山地方に位置いたします西表島でございますが、島の面積の八五%、約二万四千ヘクタールが国有林になっておりまして、我が国最大のマングローブ林や亜熱帯性の広葉樹林が生育するとともに、今先生おっしゃられました特別天然記念物のイリオモテヤマネコ、カンムリワシ等の貴重な野生生物が生息しております。  国有林におきましては、原生的な森林生態系や希少な野生生物が生育、生息する森林を保護林に設定して厳格な保全管理を行っておりまして、西表島の国有林の約八五%、二万ヘクタールにつきましては保護林の中でも特に厳格な保全管理を行う森林生態系保護地域と、こういったものに設定いたしまして、原則として人手を加えずに自然の推移に委ねることとしているところでございます。  また、西表島の貴重な森林生態系を保全管理するために、西表森林生態系保全センターを設置いたしまして、マングローブ等の生育環境調査でありますとか森林環境教育等を行っているところでございます。  私どもといたしましても、この西表島のような貴重な天然林の保全にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  116. 儀間光男

    ○儀間光男君 長官、山に手を加えないという方針だとおっしゃるんですが、山は人が入って手を加えていかぬと育たぬのですよ。そんなことをおっしゃっては、後から来る質問に困るんですが。そういうことじゃなしに、山は人が入って初めて育っていくということを共通の認識にしていただきたいと、こういうふうに思います。  それでは、森を守り、育てるという観点から、あるいは生かすという視点に軸足を置いて少し尋ねたいと思います。  冒頭申し上げましたとおり、日本の森林は本格的な利用期を迎えております。今が林業を活性化し、林業を再生させるチャンスでもあるというふうに思います。そのことによって、五齢級の樹木を育てて、保険の加入者も増やしていくということにもつながっていくわけでありますから、是非その切替え時期を、今までもたくさんの人がおっしゃっていましたけど、生かす方法を考えていただきたいと思います。  先日も本委員会において森林の現状や林業経営の状況などをお尋ねをいたしましたが、やはり木材を使うということから始まらないというと林業はなりわいとしてはなかなか育ちにくい。  そういうことから、多くの提案もありましたが、私、答弁聞いておりませんので、どうぞ、どういう方法でなりわいとして林業家を育てていくか、いま一度御答弁いただければと思います。
  117. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  私どもとしても、林業を復活させて地域社会、地域経済を活性化させるためには、まずは先生おっしゃられましたように、木材の需要拡大と、こういったものを図っていくことが重要であると考えているところでございますし、また、せっかく育ってきた森林資源を循環利用いたしまして林業の成長産業化を実現する、そして森林の多面的機能の維持向上を図っていく上におきまして、伐採や保育などを行う現場の技術者を確保、育成していくということは重要な課題というふうに認識しているところでございます。  そういった意味におきまして、私どもとしても、こういった人、技術者を確保、育成していくという意味におきましても、緑の雇用事業ということで、例えば新規就業者が伐採作業や高性能林業機械の操作を安全かつ効率的に行うのに必要な技術を習得するための三年間の基本研修、そして現場作業班長等の養成に向けたキャリアアップ研修、そして森林作業道の作設でありますとか、あるいは索張りと申しまして丸太を搬出するときにワイヤーを張る技術でございますけれども、こういった技術を習得するための研修に対しまして支援を行うなど、林業技術の進展に即した形で現場技術者の確保、育成を図っているところでございます。  私どもとしても、こういった取組を通じまして、今、全体、日本の林業就業者五万人でございますけれども、こういった方たちがきちんとした形で仕事ができるように現場技術者の確保、育成に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  118. 儀間光男

    儀間光男君 ただいまは木材の利用拡大を、いかにして林業者のなりわいを確立していくかを問うたわけでありますが、人材についてはまたこの先にちょっと出るんですよ、先に答弁をされてしまいましたけれども。とにかく、林業をなりわいとして成り立たせる、これには市場拡大しかないわけですから、これへ腐心していただきたいと思います。  木材は、使う現場だけではなしに木材を生産する現場でも、今長官お答えになった、技術は進展しております。昔はのこぎりや大なたを持って使いこなして人力で木を切り出していたわけですが、現在では作業道を整備したり高性能林業機械を使ったりして木を切り出すことが一般的でありまして、このことで伐採作業の効率は上がり、コストが低減されていくということになっていると思います。  林業だけではなく、社会を支えているのは人でありますから、昔は山仕事をする人がたくさんおったんですね。それで守ってきたんです。林業が廃れることのないように、伐採など、現場の林業技術者をしっかりと確保していくことが重要だと思うのであります。そのために何がハードルになっているのか、何がネックになっているか、それを克服するためにどのような取組を行っていくのか、それを聞くところでありましたが、先に答弁がありましたから答弁はいいと思います。  さて、先ほども言いましたが、沖縄県が古く琉球王朝を形成していた頃、劣化した森林資源の回復を図るため、王府の派遣した山師や山工人、きこりと同義でありましょう、山工人というのは山の耕作人、山師は山師です、が、そま山の伐採などの管理に当たり、その保護育成を図ってまいりました。戦前戦後においても、集落では山係りなどを置いて入会林の境界管理や計画的な伐期の判断を行うなど、多くの人々が森林管理に携わってきたのであります。  つまり、沖縄では、山師はヤマシーとそのままですが、山工人は人を取って濁点付けてヤマグーと、こう言っていますね。敬意を持ってこう呼ばせていただいておりますが。その人々がおって山全体が育っていくということでございますから、是非とも国におかれてはそういうヤマシー、ヤマグーを育てて、これからも長官がおっしゃったような手の触らない、入れない山にはしないで、そういう人たちをそろえて、天然林人工林を含めて山全体を管理していくヤマシー、ヤマグーを育てるべきだと思いますが、御見解をいただきたいと思います。
  119. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたけれども、森林資源を循環利用いたしまして林業の成長産業化を実現する、そして森林の多面的機能の維持向上を図っていくと、こういった上で、各地域におきまして将来の森林の姿を描く人材育成、確保、これは極めて重要な課題というふうに考えているところでございます。  そういった意味で、農林水産省といたしましては、森林経営計画の認定、そして市町村森林整備計画の策定、そして地域の森づくりや地域林業木材産業の活性化を専門的な立場から例えば市町村等を支援する、こういった人材が必要だというふうに考えているところでございまして、今、森林総合監理士、フォレスターと言っておりますけれども、こういうものを制度化させていただいているところでございます。そしてまた、施業の集約化、そして木材の安定供給に必要となる森林経営計画の作成の中核を担う技術者でございますけれども、森林施業プランナーと呼んでおりますけれども、この制度も運用しているということでございます。  私どもとしては、今、儀間先生がおっしゃいましたように、地域全体を見る、山全体を見れる技術者という方々を育成していくということは極めて重要というふうに考えておりまして、こういった森林林業の現場をリードする人材育成というものに努めていきたいと考えているところでございます。
  120. 儀間光男

    儀間光男君 時間も押してきておりますので、最後の質問になると思いますが、森林・林業に対する私見、思いを少し述べさせていただいて、大臣の壮大なる、山に対する、林に対する、御自分に対する壮大なる夢とロマンを語っていただいて、さっき政務官から報告のあった、緑の雇用に年間七万件余のアクセスがあるという方々に夢と希望を与えて、ロマンを与えて、山に入る人材を育成すべく、最後に問いたいと思います。  大臣、昔から、水を制する者、国家を制します。治山治水を制する者、国家を制すると言います。どうぞ、大臣は今の地位にとどまる人じゃありませんから、水を制して、もう一つの大きい山、総理大臣まで上り付くように壮大なお話をいただければと思います。真剣なんですよ、本当に。どうぞお願いいたします。
  121. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) お褒めにあずかって大変恐縮でございますが。  森林、森は海の恋人と、こう言うように、森林があって、そこから川が流れて最終的には豊かな川や海を育むと、こういう森林の機能というのはもう人類が登場する前からずっとあったんだろうなと、こういうふうにも思っておるわけでございまして。  今日、多面的機能とそれから林業を成長産業化することについて、先生方が示し合わせたわけじゃないんだと思うんですけれども、かなり議論が深まったなというふうに聞かせていただいたわけでございまして、このバランスをきちっと取って、決してこれはトレードオフではなくて、一方をやれば他方も両方進んでいく、こういう関係であると、こういうふうに思っておるわけでございまして。そういう意味で、国づくりに大切なのは教育だと、こういうふうに言いますけれども、更にこれより長い年月が掛かるのが山をつくる、森林を植えて循環させて、そして植えていく人の思いというのは、まさに次の世代ですね、これを引き継ぐという思いでやっていらっしゃると。こういう思いをしっかり持って、そして、その一方で若い人にも入ってもらえるようにしていくということが大変大事であると、こういうふうに思っておりまして、おかげさまで三十五歳未満の林業従業者、非常に増えてきております。  先ほど映画の話もありましたけれども、多分この最初のトライアルの雇用というところが例の映画のモデルになったようなことではないかなと、こういうふうに思いますが、時代の変わり目でございますので、将来の世代の方にこういうところに大きな関心を持っていただけるような、また飛び込んでいただけるような環境づくりにしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
  122. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 儀間光男君、時間が来ておりますので、まとめてください。
  123. 儀間光男

    ○儀間光男君 はい。次の芽出しのために三十秒ぐらいいただきたいと思います。  海は何とかの恋人とおっしゃったけど、私は海は恵みの母と言っているんですよ。対して、山は恵みの父。この恵みの母と恵みの父が相まって初めて豊かな環境を育み、新たな生命を育んでいくと思います。そして、守っていくと。そういうことですので、この続きは次にしたいと思います。  どうもありがとうございました。委員長、ありがとうございました。
  124. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  125. 紙智子

    ○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、森林国営保険法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。  反対の第一の理由は、森林保険特別会計の廃止です。  森林保険は、これまで特別会計の下で国の責任において実施されてきました。今回の改正は、この特別会計を廃止するという行政刷新会議の結論においてなされるものですが、特別会計全てを問題であるとして廃止することは形式的なやり方であり、国民の利益に反するものです。必要な特別会計は残し、国の責任において管理すべきものであり、森林保険特別会計はまさに必要な特別会計であり、存続すべきものです。  反対の第二の理由は、よりによって森林保険を研究独立行政法人森林総研に押し付けようとしている点です。  森林保険は、火災のみならず気象災害、噴火災害までをカバーしている総合的な保険です。それだけにリスクは高く、民間の保険会社も余りにリスクが高いために引き受けなかったほどのものです。さらに、森林保険の加入率は低下して、その加入率の引上げが大きな課題になっている下で国が本腰を入れて取り組むべきものです。そのような森林保険を研究を第一として位置付けられている研究独立行政法人森林総研に運営させるということは、森林総研に大きな負担を課し、最終責任者になる森林総研理事長に過酷な責任を負わせるものであり、賛成することはできません。  法案は、債務は政府が保証するとしながら、保険の経理、業務運営は独立行政法人で行うとしています。政府が債務保証する以上、政府が運営にも責任を持つべきであり、特会廃止の数合わせに森林保険を巻き込むことは全く無責任です。  以上、討論を終わります。
  126. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  森林国営保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  127. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
  128. 小川勝也

    ○小川勝也君 私は、ただいま可決されました森林国営保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     森林国営保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  森林保険は、火災、気象災及び噴火災による損害を填補する総合的な保険として、林業の再生産の阻害防止と林業経営の安定に重要な役割を担ってきたところであり、今後とも、その安定的で効率的・効果的な運営を確保することが求められている。   よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 独立行政法人森林総合研究所が、移管される森林保険事業の業務を主体的かつ安定的・効率的に運営することができるよう、必要な人材の確保、業務委託等の事業実施体制の整備を速やかに図るべく、適切に指導・監督すること。その際、国との保険契約が円滑に承継され、被保険者の利便性の低下を招くことのないよう、十分留意すること。  二 新たな森林保険制度の実施に当たっては、施業の集約化、地域の条件に応じた低コスト・高効率な作業システムの構築及び国産材の安定供給の確保等、林業の成長産業化に向けた関連施策の実施と連動して加入率の向上に取り組み、ひいては、林業の再生産の確保及び林業経営の安定につなげること。  三 国際社会にとり重要かつ喫緊の課題である地球温暖化防止のため、京都議定書の第二約束期間に係る目標の達成に向けて、間伐や植林等の森林吸収源対策を着実に推進するとともに、これに必要な安定的な財源を確保すること。  四 地球温暖化や厳しい自然条件の影響による災害発生リスクの増大等を踏まえ、適時適切に本法の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  129. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  130. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、林農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林農林水産大臣。
  131. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、関係省庁とも連携を図りつつ、適切に対処してまいりたいと存じます。
  132. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十八分散会