運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2014-03-13 第186回国会 参議院 農林水産委員会 2号 公式Web版

  1. 平成二十六年三月十三日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月十一日     辞任         補欠選任      吉良よし子君     紙  智子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         野村 哲郎君     理 事                 猪口 邦子君                 山田 俊男君                 小川 勝也君                 紙  智子君     委 員                 金子原二郎君                 中泉 松司君                 馬場 成志君                 舞立 昇治君                 山田 修路君                 郡司  彰君                 徳永 エリ君                 羽田雄一郎君                 柳田  稔君                 平木 大作君                 横山 信一君                 山田 太郎君                 儀間 光男君    国務大臣        農林水産大臣   林  芳正君    副大臣        農林水産副大臣  吉川 貴盛君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       横山 信一君    事務局側        常任委員会専門        員        稲熊 利和君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       澁谷 和久君        国税庁課税部長  岡田 則之君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    蒲原 基道君        農林水産大臣官        房統計部長    坂井 眞樹君        農林水産省消費        ・安全局長    小林 裕幸君        農林水産省食料        産業局長     山下 正行君        農林水産省生産        局長       佐藤 一雄君        農林水産省経営        局長       奥原 正明君        農林水産省農村        振興局長     三浦  進君        農林水産技術会        議事務局長    雨宮 宏司君        林野庁長官    沼田 正俊君        水産庁長官    本川 一善君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (平成二十六年度の農林水産行政基本施策に  関する件)     ─────────────
  2. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十一日、吉良よし子君が委員を辞任され、その補欠として紙智子君が選任されました。     ─────────────
  3. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に紙智子君を指名いたします。     ─────────────
  5. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 農林水産に関する調査を議題とし、平成二十六年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 山田俊男

    ○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。  TPP交渉問題を始めとして、かつてない大きな課題を抱えた年であり、かつ国会になっているところであります。とりわけ東日本大震災、発災後三年を経過したわけでありますけれど、まだまだ農林水産の復興の面でも大きな課題を抱えるに至っております。本日テーマとなります大臣の所信の中におきましても大臣の決意が表れていたかと、こんなふうに思います。私は、大臣の所信を中心にしながら、本日は質疑をさせていただきます。  さて、その前に、北関東の各県を中心にしましてそれこそ未曽有の大降雪によります被害が生じたところであります。被害を受けられた皆さんにお見舞いを申し上げる次第であります。  ところで、この大雪害に対しましての農林水産省の取組は極めて迅速であったと、私はさすがというふうに申し上げるところであります。  ところで、今回の被災県におきます施設園芸ハウス等の共済の加入はどの程度だったのか、それをお知らせ願いたいと思います。
  9. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 園芸施設共済の面積ベースの加入率、これ平成二十四年度でございますが、全国平均で見ますと約四七%というふうになっております。  この加入率につきまして地域差が非常に大きくなっておりまして、新潟県ですと約九五%、それから秋田県ですと約八八%などほとんどの農業者の方が加入されている地域がある一方で、二割程度の加入率にとどまっているところもございます。いわゆるこの要因といたしましては、これまで雪害等の被害を受けることが少なかった地域では保険に加入する必要がないというふうに判断される農家の方が多かったのではないかというふうに考えているところでございます。
  10. 山田俊男

    ○山田俊男君 こうした緊急災害、いつ起こるか分からないからこの農業共済の仕組みがあるわけであります。共済加入の対策を日頃からしっかり整えておくということの重要性は言うまでもないというふうに思います。  ところで、ハウス等の撤去につきまして、共済加入者にもその費用が国から今度支払われると、国が全面的に支払うという形での対策を講じられたわけで、大変これも好評であります。ところが、この共済につきましては、約款におきまして撤去の部分について共済加入が、入っておられる人もおいでになるわけでありますが、どうもこの共済加入の撤去の部分について、国の助成とダブるから、この撤去の部分に関する共済の約款については一時支払を猶予しているといいますか、ちょっと控えているという情報があるんですが、この扱い、どうなっていますか。
  11. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 共済金につきましては、共済事故の発生によりまして生じた利益を差し引いた上で算定をするということを基本としております。  したがいまして、撤去費用の全てについて、ほかの事業、今回の経営体育成支援事業等によりまして補填をされる場合には、これに加えて更に共済金も支払うというのはこれはなかなか難しいというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、農業共済に加入している農業者が加入していない農業者に比べて不利益になるようなことにならないように、これは十分配慮してまいりたいと考えております。
  12. 山田俊男

    ○山田俊男君 局長、共済加入者は掛金払っているんですよね。約款に基づいて加入しているんですよね。ということであれば、今回こういうことにしているから、約款に基づいて支払義務があるにもかかわらず、これは払いません、控えていますというわけにはまいらぬと思うんですよ。今後とも、共済の加入推進を全面的に展開していくというときには、これはやっぱり約款に基づいて掛金を払っておられる加入者の皆さんにはちゃんと支払いますよというのはこれは原則でありますので、是非これは全額支払うということを進めてもらいたいというふうに思いますが、いかがですか。
  13. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 共済でございますので、掛金を払っていただいているのは事実でございます。一方で、その掛金の二分の一を国庫補助しているという事実もございます。そのことも踏まえまして、先ほど申し上げましたように、加入者が加入していない方に比べて不利益になったりすることのないように、これはきちんと詰めていきたいというふうに考えております。
  14. 山田俊男

    ○山田俊男君 加入者に利益になるような仕組みがないと、共済加入なんか勧められないじゃないですか。だから、これはメリットがあるんだからちゃんと払うんだよと。ましてや撤去費用を、そうはいったって様々な形があるはずですから、経費が掛かっているという事実もあるはずです。どうぞ、それはしっかり検討して、支払われるようにしていただきたい、このことを強くお願いしておきます。  さて、大臣は、攻めの農林水産業実行元年であるということを所信でおっしゃっておられるわけでありますが、強い農林漁業をつくるために農業、農村全体の所得を今後十年間で倍増させると、こういうふうにおっしゃってもいるわけでありますが、この所得倍増の概念といいますか内容といいますか、なかなか説明しづらくて、これは党で私なんかもそれなりに議論しながらつくってきたものだといえばそのとおりなんですが、なかなか説明しづらい。どうぞ、きちっとした説明の仕方、これをやはりやっていかないと不信を招くと、こんなふうに思っております。  大臣、この部分についての説明の仕方を工夫しなきゃいかぬというふうに思うんですね。大臣の御見解、お聞きします。
  15. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まさに今、山田委員がおっしゃっていただいたように、農業、農村の所得倍増目標、自民党の方でプランとしておつくりになって、それを我々も受け止めて、しっかりと実現に向けて努力をしていこうと。こういうことになっているわけでございまして、農地集積等による生産性の向上ですとか流通の合理化、それから、やはり高付加価値化をすることによって農業そのものからの所得を増大するということ。それに加えて、輸出を倍増する、観光業、医療、福祉産業との連携による六次産業の市場規模の増大ということで、農村所得の増大、こういうことを併せていくということが大事だと思っておりまして、具体策を昨年の十二月に農林水産業・地域の活力創造プランの中でかなり書き込ませていただいたわけでございまして、それに基づいて、今度は、この二十五年度補正それから現在御審議をしていただいています二十六年度予算案においても所要の予算を確保したところであります。  ここまではもう委員も御承知のところでありますが、この農村の所得が合わさって倍増するというところがひとつこの説明を工夫しなければいけないところかなと、こういうふうにも思っております。今後、食料・農業・農村基本計画、この見直しに着手をいたしましたので、ここでしっかりと審議会の専門家の皆様にも御議論をいただいて、そして現場における取組がもう少し具体的なイメージが描くことができるように、この農業、農村の所得倍増目標に向けた道筋、それから具体的な経営発展の姿などについてこういうところでも検討を深めていく。そういう材料でもっていろんな方に、いろんな方、相手を見ながら、こういう方にはこういうメニューがあるということが全く全国で統一ということでもないでしょうから、そういうものを用意しながらしっかりと説明ができるように更に検討を深めていきたいと、こういうふうに思っております。
  16. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうぞ、きちっと皆さんを説得できるという内容のものにしていくことが大きな課題だというふうに思います。  さて、大臣は、この所信の中でも、現場の宝、現場の声を大事にしていくんだというふうにおっしゃっておられますが、まさにそのとおりだというふうに思います。  ところで、地方にはやはり、農林水産省の政策がもう目まぐるしく変わっているという、これも大きな不安があるんです。政権が替わりましたので、そういう面では、経営所得安定対策、戸別所得補償制度の内容の見直し等、これがなされていますから、余計そういう感じかというふうに思いますが、農林水産省挙げて全国を巡回されるといいますか、その取組は私は大変いいというふうに思います。そしてまた、QアンドA、細かく課題を整理されて盛り込まれておるわけでありますから、これもなかなか好評だというふうに思います。  しかし、ここ大事なのは、例えば日本型直接支払に関わる農地維持、さらには資源向上、これの取組で具体的にその取組主体をどんなふうにつくるのかとか、それからさらに、事務上の問題でなかなか面倒なんだということがあったりして、なかなかこれは取組が難しいという声が聞こえてきます。  ここ大事なのは、市やそれから県の地方自治体がどれだけ積極的にちゃんと推進できるかというふうに懸かってきております。ところが、地方自治体は自治体で、いやいや、四分の一ずつの負担があります。ところが、その負担にはちゃんと特別交付税の措置が講じられているわけでありますが、十分、完全ではないんですが、ところが、このことについても特別交付税は別のところで使いますよということになったら、ここへなかなか手が伸びなかったりしているところがあるというふうに思います。  大事なのはまさに現場の宝、現場の声ということであれば、この自治体のないしは集落の実態に応じた弾力的な取組を何としてもつくってもらいたい、こんな思いでありますので、指導をしっかり強めていただきたい、このことをお願いします。
  17. 三浦進

    ○政府参考人(三浦進君) お答え申し上げます。  日本型直接支払につきましては、御指摘のとおり、地域の実情に応じて柔軟に活用できる仕組みとすることが重要であると考えております。このような観点から、多面的機能支払の対象活動について、国が定める活動内容に加えまして、都道府県知事が策定する基本方針で、地域の多様な実態を踏まえた取組内容の追加等を行えるようにすることとしております。また、交付金の使途につきましても、地域の自主性を生かした活用が可能とすることとしております。活動計画書に記載して自主性を生かして取り組めるということでございます。  また、お話のございました事務手続でございますけれども、交付金の交付手続ですとか書類の簡素化、それから実施状況の確認が必要ですが、そのための提出書類あるいは市町村の確認事務の簡素化といったことも行うこととしております。  これも御指摘のございました地方公共団体の負担についてでございますけれども、今回、普通交付税と特別交付税を組み合わせまして、現行の農地・水保全管理支払と同水準の措置が講じられることとされております。本制度につきましては、こういった措置によりましてできる限り現場で活用しやすい仕組みとしたいと考えておりまして、こうしたことを現場にも周知徹底いたしまして、事業の円滑な推進を図ってまいりたいと考えております。
  18. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣は先ほど、食料・農業・農村基本計画の改定を進めると、そのために十分な議論をして進めますよというふうにおっしゃっていただきました。  大臣、大臣が海外を訪問されてそれらの国々の首脳とお会いになるというときに、大臣は、日本の食料・農業・農村をこうして守っていくために日本はこういう取組をちゃんとやっていますよというふうにきちっと説明できる内容は、大臣、何ですかね。
  19. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) ちょっと通告をいただかなかったものですから雑感としてお聞きいただければと思いますが、特にヨーロッパの農業大臣などとお話をするときに私が説明用にちょっと使わせていただいているのは、コモン・アグリカルチュラル・ポリシー、CAPというのをずっとやって、デカップリングと呼ばれている政策をやってきております。  我々が今度進めていこうとしている全体の中で、今御質問いただきました日本型直接支払というのは、ある意味でこのデカップリングということに非常に理念が近いのではないかというふうに思っておりまして、主食の米に一万五千円をお支払いしていたというところを、これを削っていって、五年後になくなるわけですが、その代わりに、中山間地等支払に加えて今度新しく日本型直接支払が乗っかっていくと。  そういう意味では、作物と関連付けないこういう農地そのものを維持していただくための支払というような位置付けができてくるという意味では、このヨーロッパでずっとやってきたデカップリングに近いことになっているんだと。こういう説明をいたしますと、特にヨーロッパの方、それからほかの地域の方でも農業の政策をよく分かっていらっしゃる方には割と分かりやすい説明になる。こういうことでございまして、特にヨーロッパの皆さんは、よくそういう、何といいますか、大きな方向に入ってきたなと、こういうような評価をいただいております。  私は、その先に、大体おたくの国ではどれぐらいの年数を要してこの転換をやられましたかと言うと、様々ですが、やっぱり一年、二年でできるというような答えはやっぱり現実的にはなくて、五年ですとか十年ぐらい掛けてやっぱりじっくりと取り組むということが、この計画が、結局こういうデカップリングの方向に持っていくということがうまくいく秘訣であると、そういうことを皆さん振り返っておっしゃられておる。こういうことが大変印象的だったというふうに思っております。
  20. 山田俊男

    ○山田俊男君 まさに私もそのことが物すごく大事だと、こんなふうに思っておりますので、大臣がそうおっしゃっておられるというのは大変心強い限りであります。  かつては、日本の農林水産大臣が海外を訪ねたときは、日本は主食である米については食糧管理制度を持っています、それから食糧法、改正しましたが、食糧法できちっとこの需給の安定を図っていますというふうにおっしゃっていたと思うんですね。それは、それはしっかりやっておられるな、こういうことだったかというふうに思います。一体今、国民の主食である米について国がどう関与するのか、どんな仕組みで、かつどんな役割を果たしているのかというのを説明できるかといったら、なかなか今説明できないんですよ。  だから、私は、それこそ、この食糧管理制度、食糧法、大きく転換してきておるわけですし、現状も十分な役割を海外に行って説明できるような実情でもないというふうに思います。とすると、今まさにおっしゃった欧米、ヨーロッパにおきますCAPの制度、さらに、アメリカへ行きますと、その内容についてはいろいろ議論がありますが、しかし農業法に基づく固定支払、不足支払、それから収入保険の仕組みを持っているわけですから、こういう形のものを我が国の農業政策の基本に置かないといかぬというふうに思います。  どうぞ、食料・農業・農村基本計画の議論の中で、今大臣のおっしゃったことも含めまして、我が国の食料・農業・農村の根幹の仕組みはこれですよというものをつくり上げていく五年、十年の取組のまず初年度に今年は当たっているんだという覚悟でこれを進めてもらいたいというふうに思います。改めて大臣の決意をお聞きします。
  21. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まさに今委員がおっしゃっていただいたような方向で昨年まとめていただきました。与党内でも大変な御議論をいただいたわけでございまして、それを受けて、この食料・農業・農村基本計画、これを手続上は諮問したという格好になっておりますが、当然、十二月に決めていただいたプランを基に、今までやってきた政策、それから基本計画に基づいてどうだったかという検証から入っていただいておりますが、その当然前提には、昨年決めさせていただいたものが前提となって新しい基本計画を作っていくと。こういうことになろうかと思いますので、そういうことをしっかりと置いて、今まさにおっしゃっていただいたように、ヨーロッパにおけるCAPと、それからアメリカも農政改革ということでそういう方向になっておりますので、我が国も、別に同じにするとかまねをするということではなくて、我々としてしっかり考えた結果、こういう方向になったんだということ。それは非常に向こうにも、同じ言葉でというと、日本語でという意味ではなくて、共通言語としてこういうことで申し上げて、お互いになるほどということになるような方向性だと、こういうふうにも感じておりますので、しっかりとそういう考え方でこの基本計画の改定に取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
  22. 山田俊男

    ○山田俊男君 私は、大臣が衆議院の予算委員会におかれて、収入保険の仕組みについて、早ければ平成二十九年に法改正、法案を出して取り組みたいと、こうおっしゃったことは大変大事だというふうに思っておりまして、今大臣おっしゃった基本的な方向をつくり上げていく中において、ここの検討の位置付けというのも大変重要だというふうに思いますから、これもしっかり進めてもらいたいと思います。
  23. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 先ほど冒頭で共済の話が少し具体的な話としてございましたが、一般論として申し上げますと、今の共済制度が自然災害による今回のような収穫量の減少を対象としておりますので、価格の低下は対象となっていないということがあります。それから、収穫量の把握ができる品目にどうしても限定されている、加入単位も品目ごとということがあって、農業経営全体というカバーということがなかなか難しいと。こういうことで、全ての農作物を対象とした農業経営全体の収入に着目した収入保険が必要だと、こう考えまして、二十六年度の当初予算には調査費を計上をするところまで来たというところでございます。  この調査結果を踏まえて制度設計を行いまして、二十七年産について、今年、二十七年産については作付け前の加入があるわけですが、この納税申告、すなわち二十六年中に加入をして、二十七年に実際に作物をやっていただいて、二十八年にその結果に基づいて納税申告をする。これがワンサイクルになりますので、このワンサイクルのフィージビリティースタディー、これを実施した上で制度を固める、これが今の考え方でございます。  今から調査をしますので、現段階でこうだと決め付けるわけにはなかなかいかないわけでございますが、今申し上げたようなフィージビリティースタディーで調査検討、順調に進めば、二十八年の次の二十九年の通常国会に関連法案が出せると、こういうことになろうかということでございます。
  24. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうぞ着実に十分な検討を加えて実施してもらいたい、こんなふうに思います。  さて、続いて林業対策についてお聞きしたいんですが、二つの重要な課題があるというふうに思います。一つは木質バイオマスの取組についてであります。今ほどこれをきちっと進めていくチャンスはないというふうに思いますが、この取組の状況はどういうふうになっているのかという、これが一点。  それと二つ目は、今大きな話題になっております、そしてまた所信の中にも入れておられますCLTの普及、我が国の本当の山の問題を解決する、木材の問題を解決していく大きな二つの仕事だと、こんなふうに思っております。  特に、CLTの普及については、七年後のオリンピック並びにパラリンピック関連の施設等にもこれはもう使ってもらえるなら、こういう形で使っていけるぞという取組が私はあっていいんだというふうに思うんですが、何か具体的な動きがあるのかどうか、お聞きします。
  25. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘いただきました木質バイオマスとそれからCLTの関係でございますが、林業の再生、それから地域の活性化、森林整備にも大きく貢献するものというふうに認識しているところでございます。  バイオマスの関係でございますが、未利用間伐材を主な原料とする発電施設、現在二か所、福島県とそれから大分県でございますけれども、稼働しております。今月中に更に、岩手県の方でございますが、新たに一か所稼働を開始する見込みでございます。このほか、計画が具体化しているものが全国で四十か所ほどあろうかというふうに把握しているところでございます。  こういった木質バイオマスの発電施設の整備を推進するために、まず木質バイオマス関連施設の整備への支援、これを行っておりますし、また集荷するために、木質バイオマスの安定的、効率的な収集に必要な路網整備、それから施業の集約化、こういったものに対しても支援を行っているところでございます。しっかりと取り組まさせていただきたいと思っております。  それから、CLTの関係でございますが、大切なことというふうに認識しておりまして、私どもといたしましては、まず、CLTの品質等の基準を定めたJAS規格を昨年の十二月に制定いたしました。このJAS規格に適合したCLTの製品が早期に生産、流通されるよういろんな方面に働きかけを行っているところでございますけれども、今月、本年三月の上旬でありますが、高知県でありますけれども、国土交通大臣の個別認定を受けました我が国で初めてのCLTの建築物が竣工したところでございます。こういったことで、今後とも国土交通省と連携を取りながらしっかりとした対応に努めていきたいと思っております。  御指摘いただきました東京オリンピック・パラリンピックの関係でございます。この関連施設にCLTを活用することができれば、CLTの普及の強力な後押しになるというふうに考えております。大会関連施設の整備を行う東京都、それから文部科学省等の関係者、関係団体、今私どもの方といたしましても強く働きかけをさせていただいているところでございますので、今後とも実現に向けて努力させていただきたいというふうに考えているところでございます。
  26. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうぞ、これら二つの取組、財源の確保、税制対策も含めまして、しっかりやっていこうじゃないですか。どうぞ頑張りましょう。  続きまして、水産対策について申し上げておきたいと思います。  水産関係者にとっては愁眉の課題だった燃料の高騰対策について大変好評でありまして、しっかりやってもらったというふうに言われております。  ところで、農業もそうだし漁業もそうなんですが、とりわけ漁業は、漁船や水産加工において外国人研修生、技能実習生の確保が必要なんだという声が大きくあります。それは農業も同じなんですよね。規模拡大すれば規模拡大するほど、逆に言いますと、これは酪農なんか典型なんですが、規模拡大するとどうしても人手が必要になる。人手が必要になる分だけ、過疎化したかつ高齢化した地域には若い担い手なり雇用できる人がいないんだという声が大きくなっているから、今急速にこの技能実習、研修生が増えていると、またこの希望が強まっているということがあります。これは、競争力のある強い農業をつくるんだと、農林水産業をつくるんだといったら、それじゃそれは外国人研修生だと、実習生だという話で大丈夫なのかという心配があるわけですね。  規模の在り方も、適正な規模の在り方というのもあるはずでありますし、規模拡大だけではないんだという取組もあるはずであります。それから、国の在り方と絡む問題としても、これはやはり大変重要な課題だというふうに思いますので、どう対処されるのか、どんな検討をされているのか、お聞きしたいと思います。
  27. 本川一善

    政府参考人本川一善君) 御指摘のとおり、水産加工業などの多くは漁村地域に立地をしておりまして、都市部への人口の流出や高齢化によりまして慢性的な人手不足にあるという状況でございます。  北海道庁が平成二十四年度に行った調査によりますと、北海道内の水産加工業の方々が求人をいたしましても、その充足率は二八%ということで、十人あるとすれば二・八人しか雇用できないといったような実情でありまして、御指摘のように、実質的に外国人実習生に依存しているという状況にあります。  このようなことから、水産加工団体外国人技能実習制度について受入れ人数の拡大、それから在留期間の延長、こういったことを要望しておるわけでございます。  現在、法務省の方で懇談会を設けてこの制度の在り方について検討をしております。与党の方でも議論をしておられるというふうに聞いておりますので、私どもとして業界の要望をきちんと聞きながら適切に対応してまいりたいと考えております。
  28. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうぞ大臣所信の実現、しっかり実現に向けまして、共に頑張りましょう。  以上で終わります。
  29. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 自由民主党鳥取県選挙区の舞立昇治でございます。  では、私からも大臣所信について質問させていただきたいと思います。大きくTPPと、先ほどございました農林水産業・地域の活力創造プランについて説明を求めます。  まず、TPPでございます。  去る二月二十二日から二十五日、シンガポールで閣僚会合が開催されまして、日本からは甘利大臣が出席されたと。そして、昨日十二日未明からはアメリカのワシントンで日米の実務者協議が始まっているところでございまして、なかなかアメリカが原則として全ての関税撤廃を譲らないと、そういう状況の中で、非常に厳しい状況が続いておりますが、安易に妥協せず、これまで毅然と対処していただいていることに敬意を表させていただきます。  しかしながら、これまでマスコミ等において様々な話が出ておりまして、再度自由化率をどこまで引き上げられるか、そして、米や牛肉・豚肉等の関税率の引下げを検討するとか、タリフライン五百八十六項目のうち、輸入実績のない二百三十四項目は関税の撤廃もあり得るとか様々なうわさが流れているところでございまして、農業関係者の方に一層の不安を与えているところでございます。  そこで、二つほど確認させていただきたいと思いますが、一点目、重要五品目の関税の撤廃は論外といたしまして、衆参の決議には「十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。」とあることからも、このタリフライン五百八十六項目についても関税の撤廃はしないという理解でよろしいか、まずお伺いします。
  30. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。  先月、シンガポールで開催されましたTPPの閣僚会合におきましては、二国間の協議あるいは全体会合の場で、我が国は衆参の農林水産委員会の決議があって、農産品のいわゆる重要品目についてセンシティビティーのあることを粘り強く説明をしたところでございます。  また、閣僚会議に先立って開催された首席交渉官会合におきましては、この委員会の決議文、もう既に配付していたわけですが、改めて各国にお配りをしたというところでございます。  これまでも個別の品目に対する対応は申し上げてこなかったところでございますが、政府としては、引き続き、決議をしっかりと受け止めて全力で交渉に当たるという方針に変わりはないということで御理解を賜ればと思います。
  31. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 次に、二点目、米や牛肉・豚肉等のほか、タリフライン五百八十六項目のうち、輸入実績がないと言われている二百三十四項目について関税率の引下げを検討しているとの話は事実でしょうか。事実であれば、保秘義務があろうとも事前に一定の説明責任をしっかり果たしていく必要があると思いますが、現在の検討状況を伺うとともに、どのような点に留意しながら検討しているのか、お聞かせください。
  32. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。  いわゆる重要品目のうち、輸入実績がないタリフラインの扱いにつきましては、この委員会でも何度か御議論いただいているところでございますが、単純に輸入実績がないというだけで関税撤廃に応じられるわけではないということを林大臣始め答弁されているところでございます。  交渉の現場では、各国ごとにそれぞれの関心品目を中心に厳しい交渉が行われているわけでございまして、我が国が何か一方的に何かをまとめて撤廃とか引下げということを検討しているという報道は、これは事実ではないということを申し上げたいと思います。  いずれにしても、最終的に国会で御承認をいただけるような内容で合意をする必要があるということに十分留意しながら、全力で交渉に当たっているところでございます。
  33. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 ありがとうございました。引き続き毅然と対応していただきたいと思います。  特に、昨年、あの自民党の公約、そして衆参の国会決議、これを受けて七月の参議院選挙で戦った我々といたしましては非常に切なる思いがございますので、是非とも、何が何でも国益、聖域を守っていただくようにお願いいたします。保秘義務があるとはいえ、万一最終的に一定の妥協をせざるを得ない場合にも、しっかりと党や国民への説明責任を軽視しないように改めてお願い申し上げます。  続きまして、農林水産業・地域の活力創造プランについてお聞きします。  昨年十二月の十日にまとめられたプランについてでございますが、これ、いろいろと詳しく読んでみますと、冒頭の「はじめに」の部分で産業政策と地域政策を車の両輪として取り組むと記述されておりますが、その三点の基本的な考えを見ますと、地域政策の観点が少なく、産業政策、競争競争といった色彩が強いように見えまして、特に小規模農家の方を始め今後の農政改革に不安を抱いている方も少なくなく、現場を回っていますと、なかなか今回のプランはいま一つといった評価の声が聞かれるところでございます。  日本の農地面積は耕作放棄地の拡大等で減り続け、今では約四百六十万ヘクタール、日本の国土の一二%と。農水省に聞く限りでは、この面積ですと一人一日当たり二千キロカロリーの食事を賄うのに最低限必要な面積ということで、これ以上減らしてはならないと思いますし、少しでも耕作面積を増やし、水田のフル活用等を行っていくためにも、小規模農家も含め関係者一丸となって取り組む必要があると考えております。このように、今回の農政の見直しにつきましては、やる気次第で小規模農家にとってプラスになるということを丁寧に説明していく必要があると考えております。  この点、競争力強化必要だといたしましても、全ての農業関係者がその波に乗っていけるとは限らないわけでございまして、大地に根差して命を守り、環境を守る重要な役割を担っていただいていることには全ての関係者に変わりはなく、その重要な役割に着目した地域政策を拡充していく姿勢も必要でございます。これについては、多面的機能の確保に着目した新たな日本型直接支払制度の創設に関する法案の審議の際に具体的に質問していくとして、本日はそれ以外の点について質問したいと思います。  まず初めに、このプランの「はじめに」のところで、本プランは我が国の農林水産業・地域の活力創造に向けた政策改革のグランドデザインとして取りまとめたと記述されておりますが、このグランドデザインについて現場の農林漁業者の方にも分かりやすいように説明していただきたいと思います。
  34. 吉川貴盛

    ○副大臣(吉川貴盛君) 御指摘をいただきました点につきまして、私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。  舞立委員御承知のとおり、我が国の農業、農村は、農業従事者の減少、さらには高齢化が進んでおります。高齢化に関しましては、平均年齢が六十六・一歳というデータも出ておるところでございます。また改めて、改めてと申しましょうか、耕作放棄地の増大等の課題も山積をしておるところでございまして、我が国の成長の糧となる大きな潜在力を有していると考えております農政を改革をしていかなければなりません。国内農業の活性化を図っていくことは、もう待ったなしの重要な課題であると存じております。  そのために、昨年末には農林水産業・地域の活力創造プランを含めて今後の政策改革のグランドデザインとして取りまとめたところでございまして、それは、国内農業の潜在力を最大限に引き出すこと、そして、強い農林水産業とともに美しく活力ある農山漁村を実現していくためには、安倍内閣といたしまして急いで着手すべき農林水産行政の方針であると、このように考えております。  具体的に申し上げますが、まず一つ目でありますけれども、輸出促進や六次産業化の推進による付加価値の向上であります。そして二番目には、農地の集積による生産性の向上であります。三番目でありますけれども、多様な担い手の育成確保であります。農業に従事をする方々にも土曜日、日曜日があってもいい、そういうような精神が盛り込まれていると思っております。そして四番目には、美しいふるさとを守る日本型直接支払の創設でありまして、今申し上げましたようなこの四つの施策を組み合わせまして、今後、やる気のある担い手が安心して経営展開が図れますように、現場の声も十分に踏まえさせていただきまして、プランに沿ってこれらの施策を展開をしてまいりたいと考えております。
  35. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 どうもありがとうございました。是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。この農業の活性化を図っていくためにも、まずはしっかりと現状を把握していく、そこから適切な対応策を考えていく必要があると思っております。  続いての質問ですが、約二十年前の平成二年に比べて、農水省のデータによりますと、農業生産額は十三・七兆から九・四兆と約四兆円減少し、その中で農業所得も六・一兆から三・二兆と約半分の三兆円減少しておりますが、これらが減少した要因を具体的にどのように把握、分析されているのかをまずお聞かせください。
  36. 坂井眞樹

    ○政府参考人(坂井眞樹君) お答えいたします。  委員御指摘のように、農業生産額は平成二年度からの二十年間で約三割減少しております。この三割減少の要因ですが、これは品目によってもいろいろ事情がございますが、農産物全体として見れば、生産量の減少によるものがおおむね七割程度、残りの三割程度が価格の下落によるものということで把握をしております。  次に、農業生産額から生産資材費等の費用を控除したいわゆる農業所得でございますが、こちらは平成二年度からの二十年間でほぼ半減をしております。したがいまして、農業所得の減少率の方が大きくなっておりますが、これは生産資材費等のコストが、これは燃料費の上昇といったこともありまして一割の減少ということにとどまっている、こういった事情によるものと把握をしております。  以上でございます。
  37. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 ありがとうございました。生産量の減少が七割、価格の低下が三割と、そして所得につきましては資材費のコスト等も関係しているということでございました。  それを踏まえて、六兆から三兆に農業所得が減って、今、農業所得倍増計画を立てられているということで、二十年前の所得水準に戻していくというような計画を立てられていると思いますが、この所得倍増、本当になかなか現場では分かりにくいとの声があって、先ほども山田先生から質問がございましたように、工夫して分かりやすいように説明していく必要があると思いまして、これにつきましても質問しようと思いましたが、重複するのでこれは飛ばさせていただきます。  次の質問でございます。  これもプランの「はじめに」の中にあるところでございますが、若者たちが希望の持てる、そして強い農林水産業、美しく活力ある農山漁村、これをつくり上げて、その成果を実感できるものとするために、以下の三点を基本として検討という記述がございます。  その三点の中の一つに、チャレンジする人を後押しするよう、規制や補助金などの現行の施策を総点検し、農業の自立を促進するものへと政策を抜本的に再構築すること、何かエッジの効いたような記述がなされておりますが。  日本の国土面積、七割は中山間地域でございます。条件不利地域も多い中、自然を相手にしながら、国内の食料の安定供給、食の安心、安全を確保している農業につきましては、それをしっかりと守れるだけの補助金や規制があってしかるべき、海外もそうしたことをしていると思っておりますが、この点、海外のアメリカですとかアジア、EUとの比較で見た場合に日本の農業に対する規制や補助金というものは問題が多いと認識しているんでしょうか。  この農地転用に関する規制や農業委員会の在り方、そして国の農業予算に対する対GDP比など、具体的に幾つか参考となる事例やデータを挙げながら、農林水産省としてのこの日本の農業に対する規制や補助金についての基本認識を聞かせていただきたいと思います。
  38. 吉川貴盛

    ○副大臣(吉川貴盛君) もう委員御承知のとおりだと存じまするけれども、各国の農業は、地理的、社会的条件や生産構造も異なっております。  例えば、我が国では国土が南北に長くございまして、多様な農業がその中で行われている一方、急峻な国土条件により、今御指摘もいただきましたけれども、歴史的には水稲を中心とした小規模家族農業が営まれてまいりました。一方、米国等の新大陸におきましては、広大な国土を生かした少品目大量生産を特色とする農業が営まれるなど、我が国と全く異なる農業構造が一つあるのではないかと、こう思っております。  今、予算のことについても御指摘をいただきましたけれども、国家予算に占める農業関係予算の割合というのは、米国が三・七%、フランスが五・二%、ドイツが三・九%に比べますと、我が国は二・四%と、決して多いとは言えないと思います。ですが、この地理的、社会的条件や生産構造の違いから、予算の多い少ないで単純に私は比較はできないのではないかと、このようにも思っております。  これまでも我が国の農業政策はその時々の事情に応じまして、担い手の農地集積のための施策の集中化、価格制度の見直しや直接支払の導入など、必要な規制や予算等の措置を講じてまいりました。御承知のように、本年は農政の大改革の実行元年でありまして、このために、予算面におきましては、平成二十五年度補正予算や平成二十六年度当初予算におきましても、農林水産業・地域の活力創造プランを実行するための施策を盛り込んでおりまして、当初予算で見れば、実は十三年ぶりに対前年度比で増額を確保させていただいております。そして、昨年に続きまして、二年連続で増額とさせていただきました。  さらに、法制面のことでありますけれども、農地中間管理機構の創設をするための法律を制定をいたしましたし、さらに、この国会でも御審議をいただくようになっております経営所得安定対策の見直しや日本型直接支払制度の創設のための法案を本国会に提出の予定でもございます。  今後農政の大改革を進める中で、若い方が希望を持てる強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村をつくり上げまして、農業の成長産業化を我が国全体の成長に結び付けてまいる所存でございます。  少し長くなりまして恐縮に存じます。
  39. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 分かったようで分からない答弁でございますが、やはり私の認識といたしましては、日本の農業予算という、補助金面では非常に不足している、不十分だと考えております。  といいますのも、今の日本、社会保障、年金、医療、介護、三経費除くそれ以外の経費についての予算につきましては、対GDP比でいうとOECD三十四か国先進諸国の中で最低水準に落ちてきていると。本当、社会保障費の増大の一方でその他の経費を削り過ぎたというのがこの十年だと思いまして、そこは農業も公共事業も様々な予算が含まれておりますが、そうした中で、先ほど二・四%というので、国家予算に占める農業予算というよりかは、やはりGDP比での比較が適当だと思いますが、その辺は、農業予算といいますのは、直接そして間接的にやはり農林水産業関係者のところに行き届く施策が多いものですから、その辺は私はかなり関係があるというふうに考えておりまして、そこは申し入れておきたいと思います。  本年、所信にもございましたように、攻めの農林水産業の実行元年でございます。先ほどございました経営所得安定対策、日本型直接支払、中間管理機構、様々な大きな見直しが実施される年でございます。  見直しがうまくいくかどうかというのは、国の柔軟な対応に加え、まさに現場の生産者を始めとする農業関係者の理解と協力、頑張り次第でございます。飼料用米の増産に向けた日本海側の加工場の整備ですとか販路の確保等、適切な出口対策の実施のほか、農地中間管理機構、市町村、そして農業委員会、農協等による農地の円滑な集積、集約化など課題が非常に多くある中で、新たな制度に現場の皆さんが集中して取り組めるようにするためにも、規制改革等の分野で現場に無用な混乱を生じさせないよう、農水省としてもしっかり対応していただくようにお願いします。  続いての質問でございます。  この政府の活力創造プランにおきましては、大半を農業に費やし、林業そして水産業についての記述は少ないところでございます。農山漁村の活性化という記述についても、内容は農村を念頭に置いた記述が中心となっております。  そこで、このプランでは農業、農村の所得倍増目標にのみ焦点が当てられているように見受けられますが、私といたしましては、林業、山村そして漁業、漁村の所得倍増目標についても打ち出していく必要があるんじゃないかと考えております。この林業、山村、漁業、漁村の所得倍増目標は対象外と考えておられるのでしょうか、あるいは別途取りまとめる予定があるのか。姿勢として私は必要だと思いますが、そういう観点についてお聞かせいただきたいと思います。
  40. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まず林業でございますが、木材価格がなかなか低迷している状況で、林業所得が大体二千億程度で横ばいでございます。一方で、我が国の森林、これはずっと戦後の先輩方のおかげで人工林を造成してきましたので、今まさにこれが利用期になっているということで、成長産業化に非常に期待が掛かる、またそのことが林業所得を向上させることになる、こういうふうに思っております。  記述ぶりがまあちょっと少ないのではないかというお話もありましたが、この十二月のプランには、例えばCLT、直交集成板などの新たな製品、技術の早期実用化、木造公共建築物の整備等の支援といった需要面の取組、それから国産材の供給体制を構築する取組の支援、それからそれに関連して間伐等の森林施業や路網の整備等の推進と、こういうことを書き込ませていただいたところでございます。  この目標についてですが、林業の場合は、木材の価格が、国際相場それから為替レート、こういった外的な要因に左右されるということがまず一つあるということと、それから最大の国内における課題が、先ほど申し上げましたように、国産材の需要を拡大しつつ国産材の供給を増加させてその安定供給を確保すると、こういうことでございますので、この国産材の自給率の向上と、こういうことを目標に掲げておるところでございます。  現在の計画では、木材自給率、これを、足下二八%でございまして、これも最低は一八まで下がったわけですが、そこから戻してきているということではありますけれども、平成三十二年までにこれを五〇%に向上させようと、こういう目標にしておりまして、このことを通じて林業の所得を向上させるというのがこの林業政策の目標になっておるわけでございます。  続きまして、水産業の方でございますが、この農林水産業・地域の活力創造プラン、これは水産日本の復活ということを目標として掲げておるところでございまして、漁業でも六次産業化をやろうと、それから国産のものの輸出を促進しようということ、そしてサプライサイドですが、漁業生産コストの削減をしようと。こういうことで今後十年間で漁業者の所得を大きく増加させていく、こういうふうに期待をしていきたいと、こういうふうに思っております。  特に二十五年度の補正では、漁業者の所得向上を目指すために浜の活力再生プランというものをそれぞれ作ってもらおうと、こういう策定を支援する事業、これを新しく措置をしたところでございまして、こういったことを通じて水産業の活力強化を図っていきたいと、こういうふうに考えております。
  41. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 是非、農業以外の林業そして水産業についても重要な分野でございますので、やはり所得を増やしていく、若い人たちが希望を持ってその職業に就いていけるように、できるようにするために、是非是非よろしくお願い申し上げます。  一つこの林業、漁業につきまして、今回、農業で新たな日本型直接支払が創設されるのに合わせて、私も、森林は年間フローベースで七十兆円、そして海洋資源につきましては年間十数兆円と、多面的機能、経済効果を測れるものだけでも少なくともそれぐらいは年間フローで経済効果があるというふうに言われている中で、この林業や水産業についてもそういった多面的機能の確保、発揮に着目した直接支払等できないかなと考えておりますけれども、それについてはまた次の機会に譲りたいと思います。  続いて、このプランの中の「農地中間管理機構の活用等による農業構造の改革と生産コストの削減」、この記述の部分についてでございますが、その中で、「今後十年間で、担い手の農地利用が全農地の八割を占める農業構造の確立」と書かれております。これは、中間管理機構、都道府県ごとに設置される機構や、市町村が取りまとめる人・農地プランなどを有効活用しながら達成していくんだろうというふうに思っておりますが、この点、やはり都道府県任せ、市町村任せにしないで、しっかりと都道府県や市町村が迷わないように、全国で、国としてしっかり道筋を示して進んでいけるようにリーダーシップを発揮していくことが重要と考えております。  担い手に対して全農地の五割が現在集積されているという状況でございますが、その状況を国がきちんと認識した上で、これから各都道府県に一つずつつくるこの中間管理機構が中心になっていくわけですから、都道府県ごとに農地の集積が進んでいるところ、進んでいないところをしっかりと把握した上でめり張りを付けて支援していく必要があると考えております。  そこで、現在の全国平均五割の農地集積の状況につきまして、あらかた予想はできるんですけれども、最も集積が進んでいる県とその集積率、最も進んでいない県とその集積率を伺いますとともに、やはりその集積が進まない原因として何が考えられ、またそれについてどう対処していくのか、めり張り付けて支援していくのかをお聞きしますとともに、ちなみに、私の地元鳥取県、ある程度把握しておりますが、この鳥取県の状況についても聞かせていただきまして、有効なアドバイス等あれば是非お願いしたいと思います。
  42. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 農地の集積の関係でございます。  今御指摘ございましたように、担い手が利用している農地の面積の割合でございますが、現在、全国ベースでは農地面積全体の五割でございます。これを今後十年間で八割まで拡大をさせるということを目標にしているわけでございますが、現在のこの担い手に対する都道府県ごとの農地の集積率でございますけれども、これ現在、精査をしておりますので、概数でございますけれども、地域ごとにかなりな差がございます。北海道では約九割ぐらいまで到達をしておりますが、一方で、近畿地方ですとか中国地方、四国地方は低くなっておりまして、約二割ぐらいにとどまっているという状況でございます。  この農地の集積が進んでいない原因といたしましては、地域の事情によっていろいろでございますけれども、一般的には農地の出し手が不足をしている、これは特に信頼して貸せるところがないとかいろんなことがございますが、出し手が不足をしている。それから受け手の方が不足をしている。それから面的な集積が困難なので受け手がいてもなかなか受けられない、こういった事情がいろいろございます。  このために、こういった原因を解決をして農地の流動化を進めるための手法といたしまして、さきの臨時国会におきまして農地中間管理機構、これを整備をしていただきました。この機構は、出し手の方から見れば安心して農地を貸せるということになりますし、受け手の方から見れば集積された農地を安心して借りられるということになりますので、現在の集積が進んでいない理由、これを解消する大きな要因になるというふうに考えております。  今後は、整備をしていただきましたこの機構の法制度、それと予算上の措置、それから地域の関係者の話合い、地域の人・農地プランでございますけれども、これの作成、見直し、この三つをセットにいたしまして、担い手への農地の集積、集約化を十年間で強力に進めていきたいというふうに考えております。  鳥取県を含めまして、中山間地域での農地の流動化、これは平地に比べて難しいということはもう十分承知をしております。ただ、農家の高齢化ですとか耕作放棄地が増えているということを考えますと、中山間地域でありましても、この中間管理機構をうまく使っていただいて農地の集積、集約化をやはり進めていくという必要があるというふうに考えております。  特に中山間地域の場合には、担い手あるいは借受けの希望者が不足をしているということも多いわけでございますので、この地域で機構が十分に機能発揮をするためには、やはり地域が機構と連携をして借受け希望者の発掘に創意工夫を凝らすということが重要ではないかというふうに考えております。例えば、ほかの地域の法人経営の方、あるいはリースで参入をしたい企業の方々を積極的に誘致をする、あるいは放牧地としての活用を検討する、あるいは都市住民の方の市民農園としての活用を検討するですとか、あるいは新規就農者の研修農場としての活用を検討するとか、いろんな工夫が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
  43. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 ありがとうございました。やはり北海道と比べると、他のブロックではなかなか進んでいないという現状だと思います。  そうした中で新しい新農政スタートさせていくわけですから、非常に柔軟な対応としっかりとした予算措置が必要だと思っておりまして、この二年間で集積した場合には地域集積協力金を二倍、三倍、四倍とか、そういった誘導措置を設けられておりますけれども、是非そういうこともしっかりと丁寧に説明しながら、そして農政局の方々にも是非是非現場によく足を運んでいただいて、地域の方々と一緒になって取り組んでいただくようにお願い申し上げたいと思います。  あと二問残ってしまいまして、なかなか時間がないので一つに絞りたいと思いますけれども、最後、やはり私のちょっとこだわっている青年就農給付金と農の雇用事業の関係について、前回に続いて質問させていただきたいと思います。これにつきましては、担い手の育成という重要な柱の一つとして、私はなお一段の見直しが必要だと考えております。  昨年、昨年といいますか、今年度の補正から親元就農への要件を条件付で緩和していただきまして、本当にありがとうございました。現場でも大変喜ばれております。しかしながら、現場を回っていますと、やはり年齢要件緩和に対する要望も多く聞かれるところでございます。  大臣の所信におきましても、経営感覚に優れた農業経営体が大宗を占める強い農業を実現するとありまして、五十歳前後の人は長年の会社勤務を始め社会経験が豊富でございますし、商工業経験者など六次産業化には非常に重要な戦力になるということが期待されます。そして、実際、鳥取県でも、県独自で四十五歳以上の研修生、支援対象としているところでございますが、県で採択された研修生のうち二割強は四十五歳以上でございます。  そこで、政府のプランにおきましては、新規就農し定着する農業者を倍増し、これは年間一万人を二万人にしていくということで、定着する農業者を倍増し、十年後に四十代以下の農業従事者を四十万人に拡大という目標を掲げられております。これに対して、農水省の青年就農給付金、農の雇用事業の補助金では原則四十五歳未満のところで制限を掛けていると。むしろ取組主体の農水省の方が、世代間バランスだかうんとかかんとか言って呪縛に掛かって、政策推進に自らブレーキを踏んでいるように私は見られるのでございます。政府のプランと整合性を図り、この重要目標を早期に達成するためにも、早急にこの年齢要件を原則四十五歳未満からまずは原則五十歳未満に見直すべきと考えます。  この点に関しましては、前回も猪口先生が男女共同参画の観点の質問とかもされました。女性の力の活用にも資します。旦那さんが帰ってきて、そこで逆に奥さんの方が目覚めると。本当にJAの女性協議会の方々、すごい力がございます。そうしたことにも資しますし、息子さんもやがては農業に就農していくかもしれない、そういう可能性も高い。子供が農業を好きになって後継者になっていく可能性も非常に高いわけでございます。これは非常に、政治が決断すればすぐ見直せる問題だと思いますが、是非その見解をお聞かせください。前向きな答弁をよろしくお願いします。
  44. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃっていただいたように、今の足下を見ますと、四十代以下、すなわち四十九歳以下ということですが、一割ということであります。したがって、この新しい、青年層の新規就農者の確保、これが非常に大事であるということで、プランにも、十年後に四十代以下の農業従事者を四十万人に拡大と、こういう目標を書き込まさせていただいたわけでございます。この目標のために青年就農給付金、農の雇用事業等々を推進していこうと、こういうことなんでございますが、まさに今おっしゃっていただいたように、このスタートが四十五歳ということは、新規就農者、これが経営を確立しまして定着するまでに五年程度必要である。こういうことでスタートがそこになっておりますので、そういう意味ではこのプランの四十代以下の目標とそごを来しているということではないということがまず一つあるわけでございます。  原則四十五歳未満で就農する者を対象と、こういうことになっているわけでございますが、特別の事情があれば五十歳未満の方、これは給付対象とするように運用しているところでございまして、そういうことに相まってやっていくとともに、四十五歳以上の方でも、今まさにおっしゃっていただいたように、いろんなノウハウ等々持っておられるわけでございますので、地域農業の活性化には資するということで、この六十五歳未満の方に対する融資の支援ですとか、全国レベル、都道府県レベルでの新規就農相談センター、農業委員会等における農地のあっせん、こういうところは年齢に関係ないと。こういうふうにしておるわけでございまして、トータルでしっかりと支援をしていきたいと、こういうふうに思っております。
  45. 舞立昇治

    ○舞立昇治君 ありがとうございました。  経営確立まで五年掛かるということでございますが、五十歳未満のところで農業に携われば農業従事者と言えるわけでございますので、そこは非常に、七十五歳、八十歳の人でもまだまだ元気でやっておられる農家の方もたくさんございます。そうした観点で、できる限りこの年齢要件につきましては柔軟に見直していく必要があると思いますので、また是非是非、特別の事情がある場合にはオーケーということでございますが、そういうこともしっかりと確認しながら現場に説明していっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  以上で終わります。ありがとうございました。
  46. 中泉松司

    ○中泉松司君 自由民主党の中泉松司でございます。  二回目の質問の機会をいただきました。ただ、自民党三人目ということでありまして、なるべく重複しないように、大臣の所信に基づいて御質問をさせていただければと思います。また、毎週末地域を回っておりますと、特に稲作県秋田ということで、非常に皆さんから御意見を多くいただきます。そういったいただいた御意見を基に確認をさせていただく点、そして御質問させていただきますので、何とぞよろしくお願いをいたします。  まず初めに、東日本大震災から一昨日で三年が経過をいたしました。私も国会議員として初めて追悼式に参加をさせていただきまして、当時の記憶もよみがえりましたし、決してその記憶を忘れてはいけないという思いも持ちました。ふと気付くと、東北選出の議員はこの委員会では私だけなようでありまして、だからといって聞くわけではありませんが、秋田県も風評被害等々で、直接の被災県ではありませんけれども、非常にもがき苦しんでおりますし、直接の被災県に関しては非常につらい思いを今もされている方がたくさんいらっしゃいます。特に、農、食ということを考えても、いわゆる信頼の回復も含め、そしてまた農地の復旧復興も含め、大変まだまだ課題は山積していると思います。  そこで、この三年間を振り返って、今後どのようにして、農林水産省として、そして大臣として復興復旧に向け取り組んでいかれるおつもりか、これは質問というよりは決意のほどをお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
  47. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 東日本大震災は、広域にわたる大規模災害であったということに加えて、御案内のように原発事故による放射能汚染による被害も相まって、文字どおり未曽有の災害でございます。我が国の食料供給基地である東北地方を中心に、深い傷痕を残したわけでございます。  津波被災農地、それから漁港、水産加工施設の復旧、こういうものは計画どおりに進捗しているということはあるんですが、一方で、やはり被災された農林漁業者の方の中には、今なおやはり原発事故による風評被害、それから内外での販路の縮小、これ一回棚を失うとなかなかこの棚を取り戻すのが大変だと、国内での競争あるわけでございまして、こういうことに苦しんでおられる方も多くて、まだ復興の取組は道半ばであるということが事実であると、こういうふうに思っております。  三月十一日、委員も出席されました追悼式、この後、実は農林水産省として、地震災害対策本部と原子力災害対策本部の合同本部を開催させていただきました。この場において、復旧復興に向けたこれまでの取組と残された課題について改めて確認をするということと、それから、私から、課題もハード面からソフト面へ、それからより難しいものが残されておりますので、だんだんだんだん難しいことをやらなきゃいけなくなってくると、こういうことを念頭に置いて、省を挙げてこれまで以上に復興に取り組んでほしいと、こういう訓示をいたしました。  一方で、この三年を機に、風化ということが時々言われるようになりましたので、これを絶対に風化させないようにしっかりと刻み付けるということも大事であるというふうに思っております。  改めて、被災された方々の心情に寄り添って、被災地の農林水産業の一日も早い復興に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。
  48. 中泉松司

    ○中泉松司君 ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。  特に、人間はどうしても忘れる生き物ですから、決して風化をさせないといってもどうしても風化を少しずつしていってしまうのかもしれませんし、十年たったときに、七歳の子供がその体験をしているわけではありませんので、そういった意味では、どうしても物理的に難しいところもあるかもしれませんが、しっかりと風化をさせないように最大限の努力をしつつ、是非とも農林水産省としても全力を挙げて東北の復興に向けて、そして日本の復興に向けて力を尽くしていただきたいとお願いを申し上げます。  さて次に、雪害についてお伺いをいたします。  局地的、そしてまた集中的な豪雪によって、農業用ハウス、棚等の損害を始め、農作物で一千百七十八億円を超える被害、そして林業、水産も合わせると合計で一千二百二十九億円を超える被害が出ておりまして、特に農業用ハウス、棚の撤去、そして再建や修繕に関して、農家の皆さんの心配、ダメージも大きかった分心配も非常に大きいものとなっております。  そこで、大変迅速に的確にすばらしい対応をしていただいたことに感謝をしつつ、また秋田県もその恩恵に有り難いことに授かることができましたけれども、心から感謝を申し上げながら、以下について幾つか確認をさせていただきたいと思います。  まず、資材調達に関して、特に農業用のハウスの資材等に関して、これから撤去をして再建していく上で必要な量が確保されるのかという心配の声が上がっているということをよく聞くんですが、そこに関しての見通し、そして今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
  49. 佐藤一雄

    ○政府参考人(佐藤一雄君) 中泉先生の御質問にお答えいたします。  今回の雪害を受けまして、三月七日現在でございますが、二万五千二百八十七件のビニールハウスの損壊が報告されておるところでございまして、今後この被害状況が明らかになるにつれまして更なる増加があるというふうに考えるところでございますが、現時点でも、被害のあったハウスを全て再建するとした場合には、通常年の年間需要量、大体、鉄骨でございますが、六万トンでございますが、それと合算しまして約二倍のパイプの需要が見込まれている状況でございます。  このため、私どもといたしましては、国内の主要なパイプメーカーに対しましてパイプ等の骨材の円滑供給について協力要請をしてきたところでございまして、パイプメーカーにおきましては、四月から六月にかけての需要に応えるべく、この三月、四月は通常年の六割増の増産に努めるということになっておりまして、具体的に申しますと、月五千トンの生産量を月八千トンにするといったような回答を得ているところでございます。  こうした増産分のパイプが現場に円滑に供給されるよう、私ども農林水産省といたしましても、各県あるいは農協組織に対して、可能な限り、規格を統一した早期の発注やあるいは優先的に調達すべき資材の特定と、こういったものを急ぐように要請しているところでございます。  いずれにしましても、今先生のお話ございましたように、被害状況の詳細な把握に努めるとともに、いろいろと私ども聞いておりますと、ハウス栽培から露地栽培に切り替えるといったような動きも出てきておりますので、こうした切替えの動き、あるいは先生御指摘のいろいろな園芸団地構想とかいったような各地の施策の検討状況、あるいはパイプ等が必要となる時期等も踏まえまして、パイプメーカーや都道府県等との情報共有を密に行うことによって資材の円滑な供給に努めていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
  50. 中泉松司

    ○中泉松司君 済みません、まとめて答弁をいただいてしまいましたが。  今回の雪害に関して、本当に必要とされているところに資材を供給していただきたいというものもありますし、ただ農家の事情、また様々、先ほど局長からお話がありましたけれども、今後のことを考えて検討して決断をするという経緯もあるんだろうと思います。そういった中にあって、様々、個々の状況というものもあると思いますし、地域的な状況というのもあるのかもしれません。様々な状況に合った取組をしていただきたいと思いますし。  また、ちょっとお話をいただいたんですが、例えば私の地元の秋田県でも、いわゆる米からの脱却ということをずっと課題としてきていますけれども、園芸作物のメガ団地構想等、様々な取組をしようとしているところであります。そういったところの、いわゆる従来から議論をした上で、これから、この春から数年掛けて掛かっていくというようなところも多分全国的にはいろいろあると思いますので、そういったところにしわ寄せが行かないように是非とも御留意をしていただいた上で、早期の復旧復興に向けて取り組んでいただきたいというふうに思います。  また、今回、雪が局地的に降ってまたすぐ解けたというところであれば被害の把握というものは比較的簡単なのかもしれませんが、雪が春まで解けない、また春、本当に遅い時期まで解けてこない、被害状況が分からないというところもたくさんあると思います。そういったところに関しても、しっかりと漏れなく同様の対処をしていただけるようによろしくお願いをいたします。  そして、次に、この雪害に関してなんですけれども、今回本当に、冒頭申し上げたように、非常に迅速で手厚い支援をしていただきました。それのおかげで、農家の皆さん、かなり安心をして、課題はあるけれども安心をしてまた農業に取り組もうという思いを持っていただいたんだと思います。そして、自民党・公明党政権の下で迅速に対応していただいたということには心から感謝を申し上げますが、ただ一方で、今までの雪国でこういった災害が起こった際にここまで迅速な対応をしていただいたことがあっただろうかなということも率直に感じております。  これ言い方が難しいんですが、今回のことをやらなくていいという話では全くなくて、是非やっていただきたいですし有り難いと思っておりますが、雪が降る地域は備えるのが当たり前だというような、何かそういう空気もないわけではないんだと思います。そういった面では、今回のような、規模的にも非常に大きいものがありましたけれども、想定を超えるような災害等に関してはしっかりと、雪国であろうとなかろうと手厚い支援をしていただきたいというふうに感じておりますけれども、そこら辺の考え方をお伺いいたします。
  51. 吉川貴盛

    ○副大臣(吉川貴盛君) 雪国秋田県御出身の委員ならではのお気持ちだろうと、こう思っております。私も北海道でありますから、想定を超えるような雪が降る場合もございますので、お気持ちはよく御理解はさせていただいております。  この度の雪害につきましては、通常降雪量が少ない地域を中心に、地域の基幹産業である農業が壊滅的な被害を受けられた、そういう状況を踏まえて、産地の営農再開と食料の安定供給に万全を期するために、被災農業者向けの経営体育成支援事業を始めとする特例措置を講じたところでございます。もう御承知をいただいているとおりであろうかと思います。  今後、雪国であっても豪雪により想定を超える被害が出ることは十分に今御指摘のように考えられますので、個々の災害に対する対策につきましては、その被害状況を踏まえて適切に対応しなければならないだろうと、こう思っております。委員御指摘のことを踏まえながらしっかりと、雪国であったとしても、その豪雪に対する、想定外の豪雪があったとした場合にはしっかりと対応してまいりたいと存じます。
  52. 中泉松司

    ○中泉松司君 今回、雪の怖さというものがかなりの国民の方にも知っていただいたという機会でもあったのかなというふうに思います。  私もこの政治に関わってまだ日がそんなに長いわけではありませんけれども、この数年間、六年間ぐらいの地方政治に関わった経験の中でも、例えば、雪が予想されている、大雪が降ると予想されている、予報がそうなっている、そして親子でその農業資材の周りを一生懸命除雪をして対応を夜通しでしている、だけれども、その対応を上回るような大雪が降って、目の前でハウスが潰れていく、そのような経験をされたという方もいらっしゃいます。  ですから、今回のように特に山梨なんかは、雪が降るという想定自体、予報自体が雨に変わるというような話もあったようでありますけれども。想定を超えるような災害という意味では非常に今回すばらしい対応をしていただいたと思うんですが、想定を超えるではなくて、対応をも上回るぐらいのゲリラ的な豪雪というものは最近見受けられるように、ゲリラ豪雨と同じようにゲリラ豪雪みたいなものが見受けられるようになっていると思います。是非ともそういったところに御留意をいただいて適切に対応いただけますように、改めてお願い申し上げる次第です。  次に、日本型直接支払について幾つか確認をさせていただきます。  様々な議論を経て方向付けをされたこの今後の農政でありまして、是非ともしっかりと各地域にマッチングをして、そしてランディングをした上で、今後の農政の未来を切り開いていけるように進めていかなければいけないと私も感じております。  そんな中で、地元を回っていますと、現場では、この要綱、要領や申請の書式といった記載例等も示されておらず、現場で心配をする声が上がっております。現状と今後の見通し、スケジュールといったところに関して確認をさせていただければと思います。
  53. 三浦進

    政府参考人(三浦進君) お答え申し上げます。  日本型直接支払に関しましては、昨年十一月以降、農村振興局として、あるいは農林水産省として、ブロック別、都道府県別、さらには市町村段階の説明会を行いまして、現場へのきめ細かな情報提供を図ってきているところでございます。また、パンフレットですとか、制度の説明資料、あるいは現場での御質問や御意見も反映したQアンドAといった資料を広く配付するなどいたしまして、現場での御理解を深めていただけるような取組を進めているところでございます。  制度の具体的な詳細につきましては、こうした取組を通じて得られました現場からの御意見等も踏まえまして検討を進めているところでありまして、予算成立後できるだけ速やかに要綱、要領等によって通知をしたいと考えております。  今後とも、現場へのきめ細かな情報提供を行いますとともに、説明会に国の職員を派遣して丁寧で分かりやすい説明を行うことなどによりまして、現場で安心して取り組んでいただけるように本制度の周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
  54. 中泉松司

    中泉松司君 よろしくお願いをいたしたいと思いますが、以前もお伺いをしていますし、きめ細やかに対応をしていただくということで丁寧な説明をいただいているとは思うんですが、キャッチボールがしたいのではないかなと思うんです。  現場では、この制度が嫌だとかいう話じゃなくて、やっぱり不安ある中で、私たちの声も聞いてほしい、できるだけ簡素なものにしてほしい、参加しやすいものにしてほしい、そういうふうなことをやり取りを早くした上で自分たちも積極的に参加できるような状況をつくってほしいというような思いがあっての様々な声だと私は理解をしています。  そういった意味では、できるだけ速やかにそういったやり取りをした上で、お互いが納得できる、まあ納得できるといいますか、お互いが理解し合えるような制度をつくっていけるようにできるだけ速やかにしていただきたいと思いますし、早くそういうのをやりたいという思いもあるでしょうし、できるだけ簡素にしていただきたいという思いもやはり強く、様々回っていますと、伺います。できるだけ簡素なものにしていただきたいということも付け加えて要望させていただきたいと思います。  また、積極的にそういったところに取り組める地域であればいいんですが、非常に過疎が進んでいて担い手が少なく、そういった事務処理的なものも非常につらいというような地域も見受けられます。そういったところで、例えば土地改良区事務を委託できないかとか様々アイデアをいただくのですが、人手不足や事務処理になかなか苦労するということで二の足を踏むような地域に関して、そういったことが可能なのかどうか、どのようにして対応していくべきなのか、お考えを伺います。
  55. 三浦進

    ○政府参考人(三浦進君) お答え申し上げます。  まず、先生からキャッチボールというお話がございました。私どもも、現場での説明会等で出た御意見につきまして、既存のQアンドA等で触れていないというようなことがありましたらQアンドAに随時付け加えて再度配付したりホームページに掲載したりということも進めているところでございます。更に努めてまいりたいと思います。  それから、事務の件でございます。まず、事務処理の簡素化についてでございますけれども、これも説明会等におきまして大変多くの御意見、御要望等をいただいております。先生のお話にありましたとおり、高齢化等が進む中で、さらに今般初めて取り組むといった地域があるということにも配慮いたしまして、事務負担の軽減を図るということが大変重要であると考えております。このための現場での御意見、御要望等も踏まえまして、事務手続、多面的機能支払の実施に必要な事務手続につきましては、交付金の交付手続ですとか書類の簡素化を図る、それから書類作成のひな形を示して、併せてその該当項目にチェックを入れればいいというような様式を取り入れるですとか、あるいは実施状況の確認に必要な活動組織からの提出書類ですとか市町村の確認事務の簡素化を図るといったことを行うこととしております。  そういった活動組織が行う事務につきましては、例えば土地改良区ですとかJA等の団体、あるいは地方公共団体やそういった団体の職員のOBの方、こういった事務処理を適切に行える方に委託をするということもできるようにしております。こういったことにつきまして現場で周知徹底いたしまして、事業の円滑な推進を図ってまいりたいと考えております。
  56. 中泉松司

    ○中泉松司君 次に、中間管理機構について少し確認をさせていただきたいと思います。  先ほど舞立委員からも似たような質問があったかと思うんですが、中間管理機構に関しても、これから耕作放棄地をこれ以上増やさないように、そして担い手に集約していくという意味では大きな意味を持つものだと思っておりますし、是非これも成功していただきたいものだと思っております。ただ、様々これも御不安をお持ちの方がいらっしゃるというのは当然のことでありましょうけれども、その不安を解消しながら進めていかなければいけないと思っております。  まず一番最初に、各県、全国の準備状況といいますか、どの程度その準備が進んでいるのかについてお話を伺えればと思います。
  57. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 農地の中間管理機構につきましては、昨年、臨時国会におきまして関係法を成立させていただきまして、これが本年の三月一日から施行されているところでございます。  この機構につきましては、これまでも、制度設計の段階から関係の都道府県それから農業公社との意見交換を行ってまいりましたし、法律案の閣議決定の直後に都道府県に対して制度の説明を行っております。さらに、法案が成立した後、それから予算案が決定した後にも都道府県、関係団体への詳細な説明を行っておりまして、都道府県におきまして機構の立ち上げについての準備が進んでいるところでございます。  このために各都道府県とも非常に前向きに御検討いただいておりまして、本日までに既に三つの県では機構が指定をされております。ほかのところにつきましても、この三月から四月にかけまして相当数の都道府県で機構が立ち上がるというふうに見込んでいるところでございます。
  58. 中泉松司

    ○中泉松司君 是非速やかにスタートができるようにこれからも御対応をお願いいたしたいと思います。  先ほども中山間地等の話もありましたけれども、中山間地等では、やはり担い手の集約数が非常に低いというところもありますし、担い手不足というのも課題であります。そういった中で、そういった方々が持たれるイメージとしては、非常に条件のいい地域であれば今回の制度によって集約化は進むのかもしれないね、ただ、その代わり、我々のような中山間地というのは誰がやるんだいというような声も率直な声としてございます。  特に、私が若干危惧をするのは、数年間そこで機構が預かりますよ、預かって数年間たったときに借り手がいませんでしたよとなってしまうと、そこは条件が悪くて向かない地域なんだというふうなレッテルを貼られることになりかねないというような心配もしております。そうならないためにしっかりとマッチングをしていくということも大切だと思うんですが、様々な策を講じていかなければいけないんだと思います。そこら辺の対応について、是非とも意欲的なお答えをお願いをいたします。
  59. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 先生の御指摘のとおりだと思います。やはり平地に比べて中山間地域の方が農地の流動化は非常に難しい状況にあるというふうに認識をしております。特に中山間地域におきましては、担い手の方が十分いらっしゃらない、それから公募をしたときにも借受けの希望者が十分出てくるとは限らないといった状況もございます。そういう意味で、農地を本当にうまく流動化をさせるためには、借受け希望者のところをいかにうまく発掘をしていくかと、ここのところがやっぱり最大のポイントでございまして、機構と都道府県あるいは市町村が一体となってそこのところの創意工夫をいろいろ凝らしていく必要があるというふうに考えております。  例えば、ほかの地域の法人経営の方ですとか、あるいはリースで参入したい企業の方の積極的な誘致に努めるですとか、それから、これうまくいっている地域では放牧地として中山間地域を活用していただいているところもございます。この場合には管理コストがほとんど掛からないでその地域の農地が兼ねてきているということもございまして、これも一つの方法かと思っております。  それから、場合によっては、県庁所在地のような都市住民の方の市民農園としての活用ができないかとか、それから新規就農者の方、若い方の研修農場としてその地域の農地が使えないかとか、いろんな工夫をしていただく必要があるというふうに思っておりますので、国としても都道府県ともよく相談をしながら進めていきたいと考えております。
  60. 中泉松司

    ○中泉松司君 是非よろしくお願いをいたします。  時間がどんどんなくなってきておりまして焦っておりますので、若干はしょりますけれども、この中間管理機構に関して言わせていただくと、今後の農業を考えた上では、中間管理機構に限らずなんですが、地域のそれぞれの皆さんに自分たちの地域としっかり向き合っていただくということが大切なんだと思っております。人・農地プランもそうなんでしょうけれども、しっかりと自分たちの地域と向き合っていただいて、誰が担い手になるのか、その上でどのようにして私たちの農地を引き継いでいくべきかということを考えた上で結論を出していただかないと、そういう話をしっかりしないうちに話がどんどん進んでいくと、じゃ外から入ってくるのかと、横から来るのかというようなところも、横というか隣から来るのかみたいなところも否定的な意見が出やすいのかと思います。  しっかりと自分たちで話し合った上で、やっぱりこれは私たちの地域をつないでいくためにはそういうことも考えなければいけないねというような話になればそういったところも可能性としては出てくるのかもしれませんけれども、その話なしには多分進んでいかないんだろうと思っております。是非とも、そういったところも含めてスムーズに機能するように、そしてしっかりと皆さんの意図した機能が発揮できるように進めていただきたいと思います。  次に、飼料用米についてお話をさせていただきます。  米政策の大きな転換を図る上でこの飼料用米というものが大きくクローズアップをされておりまして、可能性も非常に大きいものがあるかと思います。特に、秋田県のような水田県に関しては、水田のフル活用という考え方というのは非常に有り難いところでありまして、そこがしっかりと満足のいく収入が得られるようなものにしていければ可能性としても非常に大きいものがあるんだと思っております。  主食用米の需要がどんどん減っている中で主食用米がどんどん植え付けられなくなっていく、そして転作の可能性も雪国であったりという様々な条件もありますので難しいところもある。そういったところにあっては、是非とも、様々なその場面場面によるミックスが必要だとは思いますけれども、可能性を切り開いていっていただきたいと思います。  ただ、日本海側には飼料用米工場というのは新潟ぐらいにしかないはずでありまして、かつては日本海側にも結構あったはずでありますけれども、コスト面等々で実際に今はないというのが現状でありまして、そういった現状が、チャレンジをしてみようと思う農家の皆さん、そしてそれを背中を押さなければいけない農協の皆さんといったところにためらい、ちゅうちょをさせているのも現実なのかなというふうに感じております。  震災のときには、日本海側から太平洋側で飼料工場が被災したところに飼料を運んでいって家畜の飢餓を防いだですとか、そういったところもありまして、リスク分散の観点から、そういったところは分散設置や飼料工場の計画的な再配備みたいなものも観点としては必要なのかなというふうに思っておりますし、政策の後押しとしてそういった考え方も必要ではないかと思っておりますが、そこら辺の考え方をお伺いできればと思います。
  61. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まず、飼料用米の本作化、流通体制の整備等ということでございますが、この整備をいろんな面でしなければいけないと、こういうことだと思います。  今、地域で直接供給してほしいという要望がある畜産農家、これは新たに七万トンの利用の要望が寄せられているということでございまして、こういう耕種農家との、こういう方とマッチング活動を行っていくと。それから、飼料工場を通じて供給する場合には、全国生産者団体、これが地域の飼料用米を集荷して広域的に工場へ持っていくと、こういうことが確立をされておりますので、各地の配合飼料メーカーと調整しつつ受け入れられる体制が整っている、こういうことをやっていきたいと、こういうふうに思っております。  例えば、秋田県で生産された飼料用米が、青森県の八戸ですとか茨城県の神栖市及び鹿児島県の出水市の配合飼料工場へ配送されると、こういうところまで来ているということでございまして、いろんなことを考えていかなければいけないと、こういうふうに思っております。  今後、主食用米の需要が今おっしゃっていただいたように減っておりますので、一方で、やっぱり水田をフル活用していくという意味では、加工用米やこの餌米、それから小麦、大豆等々で水田のフル活用、ひいては食料自給率、自給力の向上、これが大事だと、こういうふうに思っております。  潜在的には餌米四百五十万トンの需要があると、こういうふうに見込まれておりまして、まず主食用米と同じ作り方や機械が使える、それから、先ほど申し上げましたように耕種と畜産の地域内での結び付きもできる、それから全国への供給ができると。こういうことで、実は東北地方でも平成二十年では八百ヘクタールだったのが二十五年で七千八百ヘクタールとかなり増加傾向になっております。  いろんなこの米生産の、需要に見合った米生産の実現のための政策をより細かくやっていこうと、こういうふうに思っておりまして、そういう今回決めた米政策の見直しの中で目指すべき姿というものは、生産者の皆さんが主体的な経営判断によって最適な作物生産をすると。そのベースにはさっき言っていただいた人・農地プラン等の集落での話合いというのは基礎にあるんだと思いますが、そういうことをしていく中で、バランスよく需要に応じた生産、主食用米であれ飼料用米等であれ、こういうことが実現をしていく、これを目指していくと、こういうふうに考えておるところでございます。
  62. 中泉松司

    ○中泉松司君 まさにバランスよく、国としてこういう方向を決めて進めていくということであれば、国としてそれに誘導するような様々な策を講じていくべきなんだと私は思います。  なかなか民間の配合センターが立地できないということなのであれば、そこは、例えば皆さんの立場であれば、いや、強い農業づくり交付金等もありますのでという話になるのかもしれませんが、民間がそのコストを考えると成り立たないというところに、そういうことをやってくださいという話ではなくて、やはりそういうことを国が主導して進めていくことによって、もっと効率よくやっていけるんですよと、だから参加をしてくださいというふうな姿勢というものが必要なのではないかなと私は思っております。  これは、この後のいわゆる作付け等のバランスを見ていきながらの対応になるのかと思っておりますけれども、是非とも適切な対応をお願いしたいと思っておりますし、現状、やはり先ほど申し上げましたように、例えば秋田県でも、一次的な加工だけでも、一次的な作業だけでもできるようなものがあれば大分話がしやすくなるんだけどなというような声も行政からも伺っております。そういった要望も強いところであると思いますので、是非とも前向きに御検討いただけますようにお願いを申し上げます。  まだまだ聞きたいことがたくさんあったんですが、時間が来てしまいましたのでこれで終わらせていただきますけれども、また今後とも率直に意見交換ができますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  63. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 民主党・新緑風会の徳永エリでございます。  今日も、まずはTPPからお伺いをしたいと思います。  二〇〇八年ぐらいから水面下で動いていたTPPですけれども、TPP交渉参加検討表明が国会であってからもう三年以上が過ぎました。TPPのことを知れば知るほど、国益を守るとずっと言い続けてきておられますが、国益とは一体何なんだろうか。攻めるものは攻める、守るものは守ると言いながら、何を攻めているのか、何を守ろうとしているのかもよく分からない。TPPのメリットというのがどんどん分からなくなってくる。特に、農業にとってTPPはデメリットしかないと、私はそう感じています。農産物を加工して輸出を増やしていくということもあるのかもしれませんが、果たして農家の所得が増えるのかというと、そこは大きな疑問であります。そして、後ほどまたお話をさせていただこうと思いますけれども、TPP交渉に参加したことだけでも、実は北海道はもう大きな影響を受けています、ダメージです。  政府は、昨年中にこのTPPを妥結したいと妥結を目指していました。しかし、昨年はシンガポール交渉会合、不調に終わりました。恐らく、このまま新興国の抵抗もありますし、難しい分野もありますし、関税はなかなかまとまらないということで漂流するんじゃないかと、年明けは思っておりました。それが、二月になって甘利TPP担当大臣が譲歩案を持って渡米するということを聞いて、また緊張いたしました。もしかしたら、重要五品目、関税の引下げ、これをするのかなと。  私も二月の二十三日から二十六日まで玉木衆議院議員とともに党派遣でシンガポール交渉会合に行ってまいりました。本当に緊張して行ってきました。ただ、交渉会合が行われている会場に入った瞬間に、各国の交渉官の方々に全く緊張したムードが見られず、また日本からも農業関係の団体の方が多く行っておられたんですけれども、その方々を見ていても、今回はこれはまとまらないなという印象を受けまして、少し行った瞬間にほっといたしました。  ただ、甘利TPP担当大臣は相当にタフな交渉をなさったと思います。米国のUSTRのフロマン代表と二十二日と二十四日と日米の会談をいたしておりますけれども、二十二日は新聞にはけんか別れと書かれました。フロマン代表も大きな声を上げたそうですし、甘利TPP担当大臣も相当お怒りになっていたということも聞こえてきています。二十四日の会談の後は、記者のぶら下がりに対して甘利大臣が一言目、珍しく、疲れたと。二言目に何を言うかなとマイクを向けていたら、二言目も疲れる交渉だとおっしゃったそうです。  まあこれが現実なんだと思いますけれども、恐らく林大臣もこのシンガポール交渉会合でどういうことがあったのか、報告は受けていると思います。そして、USTRのフロマン代表の対応が大変に強硬であるということでありますが、シンガポール交渉会合、そしてフロマン代表のこの対応、林農水大臣はどうお感じになっておられるのか、まずは伺いたいと思います。
  64. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今、徳永先生から現場に行かれた実感に基づいてお話があったところでございますので、あるいはこちらで聞いているだけの私よりも臨場感があるんではないかなと思いながら聞かせていただきましたが。二十二日から二十五日のシンガポールの閣僚会合、これはルール分野、御案内のように、関税アクセス以外の、二十一引く一ですから二十分野では、いろんな進展があったというふうに聞いておりますし、それから市場アクセスでも、まさに今おっしゃっていただいたように、特に日米間の二国間交渉、二度にわたって大臣とフロマン代表はバイ会談をやられたということを承知しております。  まさに一回目はかなり激しいやり取りがあって、その後、余りの激しいやり取りだったんで、甘利大臣は寝付きが悪くて余り十分な睡眠も取れなかったと、こういうこともおっしゃっておられるぐらい激しいやり取りがあったと、こういうことではないかと、こういうふうに思っておりますが。  いずれにしても、双方の主張はまだ隔たりが残っているということでございますので、事務レベル等々で作業を継続しながら、双方が受入れ可能な合意を目指すと。それはどういうことかといえば、これはもう繰り返しになりますが、衆参両院の農林水産委員会決議を踏まえて対応すると、このことは変わらずにやっていきたいと考えております。
  65. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 シンガポール交渉会合、いつものように、政府から発表されることは余り重要な情報ではないわけでありまして、私たちはいつものように国際NGOの方と意見交換をさせていただいたり、今回は自民党の先生方とも一時間ほど意見交換をさせていただきました。大変にいい話ができました。  その中で、TPP馬車論という話が出てきました。馬がどのくらいの力があるのか、何頭立てかによってどれだけの積荷を積めるかということが決まってくるということが言われているそうで、その馬の部分が物品市場アクセスだと。特に、アメリカと日本の間でどうなるかと。ですから、今そのルールに関して進展があったということでありますが、この物品市場アクセスの部分が、特に日米間がはっきりしないことには荷を積めないというような話を多くの方がなさっているようであります。  十一日からワシントンでTPPの日米実務者会議が始まりました。四月のオバマ大統領の来日時まで交渉がどうなるのか、TPP断固反対の私たちにとっては本当に気が抜けないような状況なんですが、シンガポールでの交渉会合に臨む前に、甘利大臣が、重要五品目について、一つ残らず微動だにしないということでは交渉にならないとおっしゃっていました。  日本政府は閣僚会合を前に、米国が最も重視している牛肉そして豚肉、この関税を引き下げるなど、ぎりぎりの譲歩案を準備していたというふうに報道では言われておりますが、この点に関してはどうなんでしょうか、お伺いいたします。
  66. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 日米間で隔たりが残っていると先ほど申し上げたこの懸案の中には、牛肉・豚肉を含む重要五品目への対応、これが含まれておるわけでございまして、このことについても議論を行っておるわけでございますが、具体的な中身、これは交渉そのものでございますので、ここではお答えを控えさせていただきたいと思っております。  いずれにしても、先ほど申し上げたように、牛・豚を含む重要五品目の聖域の確保、これはやはりこの農林水産委員会の決議がございますので、これを踏まえて国益を守り抜くように全力を尽くしていきたいと考えております。
  67. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 具体的なことはさておいて、譲歩案を持って渡米された、あるいはシンガポール交渉会合でも譲歩案を提示されたということは事実ですね。
  68. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今申し上げましたように、その譲歩案なるものがあるのかないのか、それを持っていったのか提示したのかということが、まさにこの交渉の中身ということになりますので、そこは控えさせていただきたいと思います。
  69. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 新聞では牛肉の三八・五%を二〇%台まで引き下げるとか、いろんな話が出ておりまして、ステークホルダー会合というか、政府発表の席でも、農業関係の団体の方から具体的な数字に大変に懸念する声が上がっておりました。  もしこの譲歩案を持って交渉に臨んでいるのであるとすれば、国会決議の中では重要五品目についての関税撤廃の対象からの除外や再協議の対象とすること、その聖域が確保できない場合は脱退も辞さないもの、十年超の期間をかけた段階的な関税撤廃も認めないとしています。さらに、自民党のJ―ファイルでは、TPPについて重要五品目などの聖域を確保するとしています。となると、もし譲歩ということがあれば、これ国会決議違反でありますし、自民党の公約違反でもあると思います。  そして、菅官房長官は二月十八日の記者会見で、関税の引下げ譲歩に関して国会決議や公約違反には当たらないとおっしゃいました。絶対これ当たりますよ。これ大臣はどのようにお考えでしょうか。
  70. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これもこの委員会でも何回も実は御議論を重ねてきたわけでございますが、この決議はこの委員会それから衆議院の農林水産委員会で行われておりまして、いわゆる米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの重要品目の聖域を確保するということなどが決議をされておられるのは今委員がおっしゃったとおりであります。  これも何度か答弁をさせていただいておるんですが、まさにこの決議は立法府である両委員会の意思表示でありまして、この決議の意味するところについては両委員会でお作りになったので両委員会で御判断をいただくと、こういうことになりますので、政府の方で具体的に解釈をこの文言について示すというのは我々出過ぎではないかと、こういうふうに思っております。  また、公約のお話がございましたけれども、さきの参議院選挙では国益にかなう最善の道を追求するということをお約束をして選挙を戦ってきたわけでございますので、この選挙でお約束したことをたがえてはならないと、こういうふうにも考えておるところでございます。
  71. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 林農林水産大臣は農業者の味方だと思っておりますので、是非とも頑張っていただきたいというふうに思います。  この国会決議ですけれども、関税の問題だけではないということを確認しておきたいと思います。  食の安全と安心の問題もあります。TPA法案の中でも、紙議員が予算委員会の中でおっしゃっていましたけれども、遺伝子組換え食品の表示をなくせというような話もありますので、大変心配であります。  それから、四項目めの漁業補助金の問題なんですが、これに関しても、いつも私、政府説明会で質問したいと思いながらも、言わないでくれと、寝た子を起こさないでくれみたいな話がありまして、いつも質問ができなくていらいらしているんですけれども、環境分野も非常に難航しているということも聞いておりまして、漁業補助金、特に北海道、IQがしっかり守られるんだろうかということが大変心配ですので、ここもしっかりお願いしたいと思います。  それから、ISD条項について。これは鶴岡首席交渉官にブルネイ会合に行ったときに直接お聞きしました。日本はISD条項には賛成であると、これ入ったという情報もあるので、これも国会決議違反になるのではないかと心配しております。  それから、七項目めです。これが大事だと思います。交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること。これ情報提供全然されておりませんし、国民的議論なんか何もされていません。  いつも私が持って歩いているものがここに手元にあるんですけれども、これですね、平成二十三年の十月十七日、民主党が政権時代に経済連携PTで配付された資料なんですけれども、当時は二十一分野二十四章でした。今二十一分野二十九章と言われていますけれども、どういうことが交渉の中身になっているのか、項目とそれから政府として特にこの辺りを考慮しなければいけないというポイントも整理されているんですね。少なくとも、こういうものぐらいは国民の皆さんにも提示をして、例えばTBTとはどういうものであるかとか、政府調達とはどういうことであるかとか、難航している環境の分野はなぜ難航するのかとか。交渉の中でどんな話があるかはさておいて、そのくらい、TPPは農業の関税の問題だけではないということぐらいはきちんと国民的議論をするべきなんではないかというふうに私は思います。  それから、以前もこの農林水産委員会の中で、アメリカの議会においては、特定の議員が職員を全部排除した中でこの協定書を見ることができると。メモもできない、写真も撮れない、持ち出すこともできないけれども、見ることはできるという話もしました。それから、インドネシアではコーカスというものがある、秘密会議があるということはお話もしました、あっ、マレーシアですね。最近ではマレーシア政府がTPPの資料を公表したという農業新聞の記事がありました。ホームページの中で、これマレーシアの国際貿易産業省のホームページだそうですけれども、ここで、難航分野に対する同国の懸念、そういったものをきちんと載せているということでありまして、まあこれは秘密会議ですから、絶対に秘密を漏らしてはいけないということを首席交渉官が署名をして始まっているものですけれども、こういった動きが出てきている。  米国の中でも、TPA法案に書かれていますけれども、一部の国会議員ではなくて全ての国会議員に情報開示するべきだと。さらには、六百の企業の顧問はUSTRのホームページにパスワードを持っていてアクセスできるという情報もあります。  これはいろんなところから聞いたので本当かどうかという確認ができませんから、本当はファクトをお伝えしなければいけないんですが、そういう話も聞こえてきておりますので、日本もどのようにして情報公開していくかということをそろそろ検討しなければいけないのではないかと思いますが、この点に関しては、林大臣、どうお考えでしょうか。
  72. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) ここの部分については、私よりも本当なら内閣府の責任ある方にお答えをいただいた方がより正確だと、こういうふうに思いますが、私の知り得る範囲でお話しすれば、まず、交渉に実際に参加するに当たって、たしか守秘義務を参加する場合にはあると。ここがお出しいただいたときと少し状況が変わっているということは一つあるのかなと思っておりますが。一方でこの二十一分野があって、先ほど申し上げたように市場アクセスの分野、これもルール交渉とそれからアクセスと両方あるわけですね。それ以外にこういう分野があって、かつ今回のシンガポールではなくてその前のシンガポール前後で、大体整理が付き始めているところ、それからまだ難航しているところ、例えば知的財産ですとか今の漁業の補助金も含まれた環境ですとかというのが四つか五つぐらいだったと思いますが、こういうようになっていると。  こういうことは公表をきちっとホームページ等でしていると思いますし、私も講演等ではそういう説明をするように努めておるわけでございますし、また、現地でもステークホルダーの会合というようなことがあったというお話がありましたけれども、そういうところで直接交渉に当たっている者から情報供給をさせていただいていると。  こういうことで工夫をしてきているわけでございますので、更にどういう工夫ができるのかということは常に考えていかなければいけない問題だと、こういうふうに思っております。
  73. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 民主党としては、この国会決議の七番目をしっかり守ってもらいたいということと、情報公開をしてもらいたいということで、何か法案でも出そうかということを検討させていただいておりますことをお伝えしたいと思います。    〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕  それからTPA法案に関してなんですけれども、各国から、オバマ大統領がTPAを取得することができなければ、妥結、署名後に米国議会にかけられて修正や再交渉が求められるということを大変に懸念しているという声が上がっているそうであります。  一月二十九日にCSIS、米戦略国際問題研究所の会議で日本の佐々江駐米大使が、TPAがないと日本は協定にサインしないとおっしゃったということです。さらに、ベトナムやマレーシアも同じことを言っている。それから、これは自民党の先生から聞いたお話でございますが、カナダの首席交渉官も、TPAなしのアメリカと合意をして信頼できるかと聞かれて、ノーと答えたそうであります。  しかし、TPAに関しては、米国議会の民主党の百六十六名、共和党の二十八名が反対の書簡をオバマ大統領に送っているということで、これはUSTRのフロマン代表としては、まあオバマさんもそうですけれども、何としてでもこのTPAを取得しなければならないと思っているはずなんですね。ですから、フロマン代表としては、米国からTPAを付与されるために米国議会の要求を一〇〇%もう日本にのませるしかないと、百点満点じゃなければならないということでシンガポール交渉会合は大変にタフになったんだというふうに考えておりますけれども。日本政府としても、どうしてもこのTPPを妥結させなければならない、妥結させたいということになれば、今の状況は、日本の一〇〇%関税撤廃以外はあり得ないというふうに私は思っております。  これ、TPP妥結のためにアメリカの要求を全て受け入れるという可能性はあるんでしょうか。林大臣はどうお考えになりますか。日本政府が要求を全て受け入れる可能性について、お伺いしたいと思います。
  74. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 交渉の中身でございますから、具体的にどうこうということではありませんが、一般論で言っても、交渉というのはお互いが歩み寄るということですから、これはアメリカに限らずどこの国でも、マルチでもそうですけれども、誰かの言い分が一〇〇%通って、誰かの言い分はもう全く通らないということは通常考えにくいというふうに思います。
  75. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 でも、恐らく米国側は歩み寄ってこないと思います。フロマン代表はもうかたくなです。絶対に歩み寄らないと思います。ですから、一〇〇%関税撤廃なんてこと万が一にもなったら、これ与党内も大変なことになりますよ。もう農村も黙っていないと思います。今ちょっと静かにしておりますけれども、本当に大変なことになると思いますので、慎重に御対応をお願いしたいと思います。  そして、シンガポールでは、西川公也TPP対策委員長が、この国会決議文を各国の首席交渉官に自らお配りになったというお話も聞きましたけれども、いろんなところに西川対策委員長が登場してくるんですが、さらに豪州のロブ貿易大臣と会談もなさいましたよね。ロブ貿易大臣は、日豪EPAが四月に合意し、七月に批准したいとの日程感を示したという報道がありました。  オーストラリアの政権は昨年交代したわけですけれども、日豪EPA交渉がスタートして七年がたったわけなんですが、現在の日豪EPAの進捗状況と今後の日本政府の方針を大臣に伺いたいと思います。
  76. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今、四月、七月というのは報道ということでございますので、アボット首相が四月に来日されると。これはそういう方向で調整中であるというふうに申し上げておきたいと思いますが、その後、安倍総理が今度は訪豪される、オーストラリアへ行かれるということについてはまだ何ら決まっていないと、こういう段階であるというふうに聞いております。    〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕  日豪EPAについては、実は第一次安倍政権でスタートして、やはりそのとき、相手は大きな農業輸出国でございますので、今回のTPPの決議と極めて近い、ほぼ同じと言っていいと思いますが、そういう決議をしていただいた上で、ずっと双方に利益となる協定を実現すべく交渉を進めてきたところでございます。  昨年も、五月だったと思いますが、私も、当時のまだ労働党政権でございましたがエマーソンという貿易大臣とパリのOECDの閣僚会合の場を利用してお話合いをしたということも含めて、ずっとやってきたわけでございますが、どこまでに妥結をするというふうに時期を定めて交渉をしているということではないということは申し上げておきたいと思います。
  77. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 TPPじゃなくて日豪EPAだったらいいという話では絶対ないので、非常に日豪EPAも私の地元北海道にも大きな影響がありまして、反対運動も大変に大きかったわけでありますので、ここも慎重にお願いしたいと思いますが。  先ほどエマーソン当時の貿易大臣にお会いになったというお話がありましたけれども、その際に、林大臣の方から、牛肉の関税を三八・五%からおよそ三〇%に下げるという案が出て、協議されたんだけれどもまとまらなかったという話も聞いています。  そして、先日、栃木県で開かれた講演で西川委員長が、日豪間の交渉は先月再開し、今春の妥結を目指している、関税の引下げ率については、国内牛肉への影響が出るかもしれない、出ないかもしれないのぎりぎりの交渉をやっているのは現実だというふうにおっしゃっています。  これ、西川TPP対策委員長は交渉官でも何でもないわけで、どうしてこういう発言をするのか不思議で仕方がないんですが、ぎりぎりの交渉をしているのは現実だというのは現実なんでしょうか。
  78. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これも何回かこの委員会で答弁させていただいておるわけでございますが、この西川先生、今おっしゃっていただいたように、自民党の中のTPP対策委員長ということでございますので、今お触れになったところの報道、私も承知をしておりますが、党としての立場で行動をされておると。当然、おっしゃるように、ですから交渉そのものをやっておられるわけではないということでございますので、このコメントの一々についてコメントは差し控えたいと、こういうふうに思っております。
  79. 徳永エリ

    徳永エリ君 TPPでもそうですけれども、以前も西川さんがタリフラインの細目を検証すると言い出したりとか、今回もこの西川発言というのは現場は物すごく混乱するんですよ。大臣が今、そういう発言に一々反応していられないというふうにおっしゃっていましたけれども、現場は反応するので、この辺、与党の中できちんと整理をしていただけると有り難いなと思いますので、よろしくお願いいたします。  それから、この関税の問題、TPPでは二国間で協議をしていて、米国の場合にはTPPより以前に結んだFTAを踏襲するというふうに聞いていますけれども、日本がこのTPPが妥結するまでに日豪EPAを妥結して批准をして、そうなった場合には、やはり同じように踏襲するということになるんでしょうか。
  80. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) ちょっと御通告がなかったものですから、一般論ということでお許しいただきたいと思いますが、いずれにしても、例えばアメリカと豪州もFTA結んでいるわけでございますが、そっくりそのまま、もうそれはTPPに何も議論せずにすっぽり入るかということではなくて、TPPの方でこういうFTAを踏まえてどうするかという調整は行われるのではないかと、こういうふうに思います。
  81. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 じゃ、この日豪EPAが浮上してきたのは、ここで、そのTPPで米国に圧力を掛けるためなんじゃないかというような話もありますけれども、じゃそういうことではないということ、全く別のものというふうに捉えてよろしいんですね。
  82. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これは日豪に限らず、例えば日中韓ですとかRCEPですとか、あるいはEUとも交渉をやっておりますので、やはりいろんな開かれた自由貿易の体制というものをこういうものを通じて更に強くしていくということにおいてそれぞれが大事であると、こう進めてきておりますので、どれをやったらどれにどう影響するかというのはそれぞれいろんな分析が可能かと思いますけれども、基本的にはこれ七年もずっとやってきたということでありますので、TPPにどう影響するかということを離れて、しっかりとこの日豪EPAはEPAとして対応していきたいと考えております。
  83. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ありがとうございます。  牛肉の二〇一三年の輸入量を見てみますと、豪州が二十八万六千五百四十六トン、そしてアメリカが十八万六千二十八トン、相変わらず豪州がトップなわけですけれども、ただ、豪州は一〇・一%輸入量が減少しているんですね。アメリカは四一・〇%、四一%増えているんですね。そういう中で、これ去年の米国産牛肉の輸入規制の緩和が影響しているんだと思いますけれども、豪州、オーストラリアも相当タフな交渉をしてくると思いますので、しっかりとお願い申し上げたいと思います。  そして、この関税の引下げの影響なんですけれども、畜産だけではなくて、乳製品、酪農といえば乳製品と思うかもしれませんけれども、やはりこの畜産の関税が下がると酪農にも非常に大きな影響が出るんですね。  北海道の場合は、特にホルスタインの雄に影響が出ます。北海道の十勝清水などでは、十勝若牛として地域で飼料の配合などを統一して、十三か月で出荷する取組を行っているんです、ブランド牛という形なんですが。この関税の引下げ率によっては、安価な輸入牛肉と競争にならずに壊滅してしまいます。  そうなると、畜産だけはなくて、今も酪農に影響出るとお話をしましたけれども、ホルスタインの雄牛に影響が出る、つまりぬれ子に影響が出てくるわけですね。ぬれ子というのは酪農家の方々の副収入であります。このぬれ子の価格の推移を見てみますと、一九九五年には四万二千円台、一九九八年には一万九千五百円台、これBSEの影響なんかもあるんですね。二〇一二年には三万一千九百九十一円、そして二〇一三年、去年の四月には五万八千二百五十八円と、もう価格が非常に大きく動いているんですね。これが関税撤廃になると、ぬれ子の価格も大きく下がるのではないかと。そうすると、酪農家の方々の収入が大きく減るということになります。  実は、先週、中標津に行きまして、酪農家の方々に十名ぐらい集まっていただきまして意見交換をさせていただきました。  今日はお手元に資料を配らせていただきましたけれども、北海道内の受託酪農家戸数であります。平成二十五年一月末の数字と平成二十六年一月末の数字を記載してあります。帯広、北見、釧路、中標津、この辺りは北海道でも有数の酪農地帯であります。増減の数を見てください。帯広、マイナス四十八、北見、マイナス四十二、釧路、マイナス二十四、中標津、マイナス三十一。一年間で全体では二百戸以上の酪農家が離農しているということであります。小規模の酪農家ではありません。中堅の酪農家です。  TPPでこれから先どうなるかという将来不安によって、投資マインドが冷え込んでしまったということもあります。それから、資材や飼料費、燃油代が高騰して、生産コストが上がってしまったということもあります。それから、四月から消費税も上がるということもあります。さらには、北海道は最近、夏、大変に気温が高く湿度も高い。そういう中で、乳牛がばててしまいまして、生乳を搾り切れていないということもあります。いろんな悪条件が重なっている。さらに、直接自分たちには関係ないんですけれども、水田農家の減反の廃止とか戸別所得補償制度の見直しとか、農政が大きく動くんだといういろんなことが影響して、私もTPPの勉強会で毎週末、全道各地二、三か所でお話をさせていただいておりますけれども、本当に北海道の中は久しぶりに今暗いです。農業地帯のムードが暗い。  もちろん、規模を拡大していって効率性を上げていく、競争に勝てる農業にしていく、強い農業にしていくという目標はあるかもしれませんけれども、そこまでの間にこんな勢いで離農が進んでしまったら、気が付いたら強くする前に農家がなくなっていると、極端な話、私はそんなこともあるんじゃないかというふうに思うんですね。  さらに、今、中国などの新興国の経済発展に伴って乳製品や乳飲料などの需要が大変増えていて、脱脂粉乳価格の国際相場も上がっていて、今チャンスなんですよ。チャンスが目の前にあるのに、生産は減産という深刻な状況であります。  ですから、何とかして酪農家の離農を食い止める対策や支援というものを早急に立てなければいけないというふうに思いますが、大臣にもこの状況は耳に入っていると思います。どのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
  84. 佐藤一雄

    ○政府参考人(佐藤一雄君) 徳永先生の御質問にお答えいたします。  今先生の方からお話ございましたように、北海道の酪農家の戸数でございますが、近年においては毎年二%程度ずつ減少するというような傾向にございまして、また、この生乳生産につきましても伸び悩んでいるといったようなことで、非常に生産基盤の強化といったことが大事かというふうに思っております。  このため、十二月のこの委員会でも御議論いただきましたが、畜産物価格の決定に当たりましては加工原料乳の生産者補給金制度、この対象にチーズといったものを加えまして、できるだけ安定的にしていくといったような措置をとらさせていただいたのがまず一点ございます。  それともう一つは、やはり離農の原因としましては後継者不足あるいは労働力不足と。非常に労働負担が酪農の場合は大きゅうございますので、やはりそれを支援していく組織といったものは非常に大事かと思っておりますので、酪農ヘルパーの充実、あるいはコントラクター組織、TMRセンターの強化といったようなことで、飼料自給力強化支援事業といった事業、これが百二十七億円あったわけでございますが、これを見直しまして、こうした労働負担の軽減、省力化のための対策等を始めまして各般の対策を講じることによって生産基盤の強化、これを図ることとしているところでございます。
  85. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 労働力の軽減という意味ではヘルパーさんも大変重要なんですけれども、ヘルパーさんを雇うだけの人件費も出てこないという声も上がっています。  それと皆さんが共通して言っていたのは、やっぱり規模拡大は良くなかったと言っているんですね。あの一九九一年の牛肉の自由化のときに、あれまでは、もうお乳が搾れなかった廃用牛を少し太らせて売れば、一頭三十万、五十万になった時代があったそうです。ところが、自由化以降、足一本五千円という言い方をしていましたけれども、もう極端に価格が落ちてしまって収入が激減してしまったと。だから、乳牛の頭数を増やして、もう搾れるだけ搾らなきゃいけないと思って頑張ってきたんだけれども、若くて力があって意欲があったときはよかったと。でも、だんだん高齢化してきている中で、家族の中で一人が病気で倒れたりすると、もう経営が立ち行かなくなると。どのくらいが適正規模というのはなかなか難しいんですけれども、今の政府は規模拡大を目指しているけれども、やっぱり家族経営の農業を守っていこうと思ったときには適正な規模を維持していくと。家族みんなで額に汗して働いて食べていける規模というものをきちんと守っていくのが営農の維持、継続につながっていくのではないかと、そういう声が上がっておりました。  二〇一四年は実は国連が定めた国際家族農業年であります。これも大臣に通告していなかったんですが、この国際家族農業年において、我々が何を確認しなければいけないのかというところをお話しいただきたいと思います。
  86. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この間、BSフジに出演させていただいたときに、その私の一時間の前が先ほどお話のあった西川先生とそれから御党の篠原先生が御出演されておられまして、篠原先生、昔からの御持論なんですが、今年は家族農業年だと。実はその前が協同組合年だったわけでございますが、やはり世界の、ベルリン等でも農相サミットというのがございましたけれども、そういうところでほかのいろんな、ヨーロッパにとどまらずほかの地域の農業の政策担当者ともお話をしておりますと、やはりいろんな要素をきちっとバランス良くやっていくということの大切さということを皆さんおっしゃいます。  アメリカのような規模が大きいところでもいろんな動きが出てきて、オーガニックと遺伝子組換えとどうなのかと、こういう議論があるように、どんどんどんどん、向こうでは工業化という言葉を使っているようですが、大規模にして工場のように生産していく農業だけでいいんだろうかと。こういう動きが出てきているということでありますので、やはりいろんな農業の持つ産業としての側面と、それから多面的機能、集落維持といった機能、何よりも食料を作るという大事な機能がございますので、こういった多面的な、多面的なというのは多面的機能の多面的なという意味もあるんですが、複眼的なやはり心構えでもって物を見ていくということは大変大事ではないかと思っておるところでございます。
  87. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ありがとうございます。  国際家族農業年というのは、食料の生産や安全保障、飢餓の根絶などに貢献できる家族農業の経営体を国際的に認識しよう、しっかり守っていこうと。地球規模での持続可能な農業の未来を切り開くのは家族農業だということでありまして、現政権の考え方に沿って大規模な集約化農業、それから企業農業に転換することを目指すのではなくて、やはり家族農業を含めた多様な農業経営体をしっかりと守っていくということは大変大事なことでありますし、そこが今危なくなってきているので、何としてでもこの離農を食い止める努力をしていただくこと。それから食料自給率をどう向上させるか、あるいは高齢化、担い手不足という中で、担い手をどのようにして育てていくかということを一番にやはり考えなければいけないのではないかというふうに思っております。  そういう中で、私だけかもしれませんが、いや、この委員会の中の皆さんは同じかと思いますけれども、果たして今の政府が目指している農業政策というのが本当に大丈夫なんだろうか、もっと多くの方の現場の声を聞いて、もっと細やかな調査をして、そして将来的な農業の在り方の設計をしていく必要があるのではないかというふうに考えますので、是非ともお願いしたいと思います。  そして、もう時間がなくなりましたけれども、今日はもう一つ、水田農業政策が変わるということで、私が心配しているのは、作り過ぎて米が余って価格が下がるんではないかということを心配しておりまして、生産と同時に米の消費をしっかり伸ばしていかなければいけないなと思っているんです。  一つだけ伺いたいと思いますが、今、米の消費、どのくらい落ちているのか、お伺いしたいと思います。
  88. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 佐藤生産局長、時間が来ておりますので、まとめてください。
  89. 佐藤一雄

    ○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。  昭和三十七年をピーク、一人年間百十八キログラムだったんですが、平成二十四年では半分程度の一人年間五十六キロと相なっておるところでございます。
  90. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 かつては二俵ぐらい食べていたのが今もう一俵ぐらいしか食べていないということで、やはりもっともっと国民がお米をしっかり消費するという対策をしっかり考えていかなければいけないと思います。ここにはいろいろ私も提案やアイデアがありましたので、また次回これについてお話をさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。時間になりましたので、終わらせていただきます。
  91. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  92. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、平成二十六年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次発言をお願いいたします。
  93. 小川勝也

    ○小川勝也君 午前中に引き続きまして、民主党・新緑風会小川勝也でございます。  前回の六年間の任期ではほとんど質問しませんでしたので罰が当たったのか、今日と来週の月曜日、質問の機会をいただくことになりました。また、先週でしたか、予算委員会でも林大臣と若干の議論をさせていただくことができました。今日もお付き合いをいただければというふうに思います。  当参議院農林水産委員会には北海道ネタという言葉がありまして、自民党さんからは今委員さんはおられません。紙さんは北海道、徳永さん北海道、横山政務官はこっちから向こうに行かれましたので、今日は横山政務官の思いを代弁して質問をさせていただきたいと思います。  まずは、水産に関わる海獣の被害であります。トド、アザラシ、いろいろあるわけでありますけれども、万般、いわゆる道漁連の関係団体の主催によります大変大規模な集会が札幌で行われまして、依然被害が深刻ということであります。  水産庁としても様々お取組をいただいているのは重々承知しておりますけれども、中間報告というか、取組、そして結果、どういうふうに改善されているのか、万般お答えをいただきたいと思います。
  94. 本川一善

    ○政府参考人(本川一善君) 北海道庁によりますと、平成二十四年度におきまして、漁具の破損あるいは漁獲物の食害によりまして、トドで約十六億円、アザラシで約四億円、オットセイで約三億円、合計で約二十三億円の漁業被害が報告されております。  水産庁としましては、トドを含む有害生物に対しまして有害生物漁業被害防止総合対策事業というのを実施をしておりまして、トドに関して申し上げれば、集中的に駆除を行うといったようなこと、それから一斉に追い払いをする、それから強化網を用意をさせていただいてそれを大規模に実証するといったようなことについて支援をさせていただいております。  さらに、トドの頭数が回復傾向にあるということでございますので、今後その捕獲頭数を見直していくということを行ってまいりたいと考えているところでございます。
  95. 小川勝也

    ○小川勝也君 引き続き、深刻な被害と。まあ漁師さんの気持ちはよく分かるんですね、網は破られる、漁獲物は食われる、おいしいところだけ持っていかれる。さんざん横山政務官も御理解をいただいておりますので、引き続き、大変御苦労いただいておるのは承知しておりますけれども、しっかりとした対策をお願いしたいと思います。  それから、襟裳岬を中心にゼニガタアザラシ、これは環境省との様々な折衝が必要という、またより一層深刻な案件であります。民主党政権から自民党政権に替わって、いわゆる現地の人たちの思いは施策が後退をしたということになっているところであります。  省庁間の交渉もこれあり、大変だとは思いますけれども、この海獣被害の中でもゼニガタアザラシについては現在どういう状況になっておられるでしょうか。
  96. 横山信一

    ○大臣政務官(横山信一君) ゼニガタアザラシにつきましては環境省が所管をしておりまして、農林水産省としましては協力をするという立場になるわけでありますけれども、環境省が保護管理対策を実施をしているという状況にございます。  昨年、それまで計画をしていた試験捕獲が中止になるという、そうしたことから現場においては混乱を生じたということでございまして、私自身もそちら側にいたときは質問させていただいたという経緯もございますが、農林水産省としましては、地元の漁業者の懸念を十分に踏まえて、これまで蓄積をしてまいりましたトド等の被害対策、あるいは被害防除技術に関する情報提供をする、あるいは専門家の派遣をするなどして環境省に協力をしてきたところでございます。環境省からは、ゼニガタアザラシの生息数などのデータ収集と分析を進め、結果次第では絶滅危惧種選定を解除して個体数管理ができる可能性があるというふうに聞いております。  今後とも、環境省と連携しながら海獣被害対策に取り組んでまいりたいと思っております。
  97. 小川勝也

    ○小川勝也君 政務官はもう百も御承知だと思います。徳永議員も現地に行かれましたし、私も現地の漁協関係者を連れて環境省に行って道を開いたうちの一人であります。  これはやはり政務が動かなきゃ駄目だと思います。大臣、副大臣、政務官、しっかり環境省との間で、高レベルで現状の話、科学的な話をして突破口を切り開いていただきたいと思いますけれど、いかがでしょうか。
  98. 横山信一

    ○大臣政務官(横山信一君) 繰り返しになりますけれども、環境省と連携をさせていただいておりますので、そうした中で私たちの意向もしっかりと伝えているところでございます。  現地の混乱を早く回避をする、そしてまたこの問題を早く解決をしていくという立場に立っておるわけでございまして、今後とも環境省と連携しながら海獣被害対策に取り組んでまいりたいと思っております。
  99. 小川勝也

    ○小川勝也君 種の保存等に無関心なわけではありませんけれども、我々も野党の立場で万般の後押しをいたしますので、横山政務官のまさに使命ですので、しっかり仕事をしていただきたいと思います。  それと、これは、林大臣は、衆議院の議事録を読みますと、大好物はウナギだそうで、平均の日本人の人たちが食べる数倍の量を召し上がっておられるというふうに答弁されておられましたけれども、少し資源が順調に戻ってきているやに聞いております。いわゆる池入れ量と価格の変化について御報告をいただきたいと思います。
  100. 本川一善

    ○政府参考人(本川一善君) 国内のウナギ養殖におけるニホンウナギの稚魚、いわゆるシラスウナギでございますけれども、そのまさに池入れ量でありますが、平成十年前後までは三十トンを超える年もありましたけれども、その後はおおむね二十トンから三十トンで推移し、一昨年及び昨年の池入れ量はそれぞれ十五・九トン、十二・六トンと非常に低水準にとどまっております。その影響もあって、昨年は一キログラム当たりで二百五十万円といったような価格で取引をされておったというようなことを報告を受けております。  今漁期の池入れ量につきましては、業界団体の調べによりますと、三月五日現在で既に十六・五トンということで、昨年、一昨年を上回るような池入れ量になっておりまして、価格の方も百万円を下回るような水準、もう少し下になっておるという報告も受けておりますが、今そのような状況で推移しております。
  101. 小川勝也

    ○小川勝也君 これは、ウナギの生態というのは解明の途上であって、なかなか、万般分かっているわけじゃありませんけれども、今年回復したからもう大丈夫だということにはならないんだと思います。  一昨年から昨年にかけて大変危機的な状況にあって、少しその危機的な状況を脱したということは誠に喜ばしいわけでありますけれども、一昨年から昨年にかけてのシラスの不漁はどういう理由だったと今のところ解明できているのか、その辺の御報告もいただければと思いますが。
  102. 本川一善

    ○政府参考人(本川一善君) 長期的に採捕量が減少している要因について明確な因果関係は分かっておりません。ただ、しかしながら、シラスウナギや親ウナギの過剰な漁獲、それから沿岸域や河川などの生息環境の悪化、気候変動などによる海流の変化、こういったものが減少の理由ではないかというふうに指摘されております。  日本のウナギがマリアナ海溝まで行って産卵をして、そこで生まれた稚魚が変態を繰り返しながら黒潮に乗って日本近海まで来ると。たまたま黒潮に乗ったがゆえに今年はそれなりの数量が戻ってきているということではないかと思いますが、基本的には今申し上げたような要因というのは長期的に見れば余り変わっていないというのが今の現状ではないかと考えております。
  103. 小川勝也

    ○小川勝也君 養殖、あるいは完全養殖確立に向けて大変いいところまで来ているというふうに伺っています。  せっかくいいところまで来たわけでありますので、研究費を予算化するとか、様々な工夫をしながらあと一押ししていただければと思いますけれども、研究の分野はどうでしょうか。
  104. 本川一善

    政府参考人本川一善君) シラスウナギの人工生産につきましては、平成二十二年に独立行政法人水産総合研究センター委託プロジェクト研究の成果として、実験室のレベル、大体十リットルぐらいの水槽でございますけれども、その中で完全養殖に成功しているということでございます。  さらに、平成二十五年、昨年には、新たに開発した大型水槽でシラスウナギの生産に成功したということで、着々と成果は上がっておるという状況でございますが、ただ、しかしながら、大量生産を実現をするということがどうしても必要でございまして、そのためには抜本的な省力化とか省コスト化、そういうことを図る必要があるということでありまして、平成二十六年度の予算におきまして、餌をやるシステムの改良とか、あるいは飼育する水の効率的な交換などの実証試験を実施をする、予算を用意してそういう実施をすることにしておりまして、今後とも大量生産システムの早期実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
  105. 小川勝也

    小川勝也君 引き続き重要な分野だと思いますので、よろしくお願いをいたします。  今日は時間をいただいて、森林・林業・木材産業の話をさせていただきたいと思います。  先日の予算委員会でも林大臣にいろいろな御答弁もいただきました。これはいわゆる、そのときも申し上げましたけれども、昭和三十年代、四十年代に切って植えた木が伐期を迎えてきているということと、アベノミクスの弊害はたくさん出ているわけでありますけれども、円安という面でいうと、いわゆる外材と国産材との競合でいきますと、いい情報の一つであります。今やらないでいつやるのかというのがいわゆる木材産業の成長戦略化だろうというふうに思います。  民主党政権でも、森林・林業再生プランから、いわゆる様々なあつれきがありましたけれども、ヨーロッパの先進事例のいいところを取り入れていこうということで、大変前向きないい実績を残したというふうに自負をいたしております。今日この席に座っております郡司大臣のときにも大変いい道筋を付けていただいたと思っています。それをしっかり林大臣にも受け継いでいただいて、まさにこの分野は数少ない成長が見込める分野だと私は確信をしていますので、頑張っていきたいというふうに思います。  木材の自給率を高めるというのは誰も異論を挟まないというふうに思いますけれども、私は、木材関係者を鼓舞するときにいつも大げさにチアしています。カナダとの戦いに勝つぞ、北欧との戦いに勝つぞ、こう言っています。  かつて南洋材の輸入というのがありました。いわゆるマレーシアやカリマンタン島から安い木材が入ってくる、これは仕方のないことであります。しかし、我々が今住宅用木材として戦っている相手は、カナダノルウェースウェーデンなどいわゆる先進国で、いわゆる人件費の高い国々がライバルであります。そして、高い燃油を使ってえっちらおっちら運んでくるのと我々の国産材が競合するわけであります。  まさに、様々な分野で外国産のものや外国製品との競合をするときに、やはり日本の高コスト構造がその障害になるわけでありますけれども、やればできる、その改革をやることによって、その運賃の分だけ最後は必ず勝てる分野がこの木材だと私は自負をしておるわけであります。  ですから、先日も申し上げました。道をしっかり造って、コストが下がるように、効率が良くなるように、最もふさわしいいい機械が山の上まで上がれるようにする、搬出コストを下げる、そういうことを積み重ねて、そして、いろいろとお話を伺っていますと、住宅メーカー、ハウスメーカーの方々も、いや国産材が供給されるなら是非使いたい、ロットと価格が折り合えばそれは幾らでも協力しますよということになっているわけであります。しかし、そこがなかなかつながらないのが現状であります。  まさに成長戦略というのは予算を重点配分していい私は分野だと思っていますので、まさに今この時期に、国産の住宅用木材がその自給率を高め、市場に活用していただけるように今やるときだと私は思っています。  まず、路網、作業道の整備、これからお伺いをしたいと思いますけれども、しっかりとした目標があるんだと思います。例えば、いわゆるドイツの路網密度、オーストリーの路網密度に関して日本がこうだと目標をしっかり定めているはずであります。その路網の整備計画と進捗率、あと何年でどのぐらいの費用を掛けて完成されるおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
  106. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  林業におきまして路網は、立木を効率的に伐採、収集して生産された丸太を適切に運搬するために不可欠なものでございますし、効率的な路網整備や生産コストの低減にとって極めて重要と考えているところでございます。  先生御指摘のように、例えばドイツでありますと路網密度は一ヘクタール当たり百十八メートル、それからオーストリアにつきましては八十九メートルでございますけれども、我が国におきましては、現在、一ヘクタール当たり十八メートルという水準でございます。  私どもとしては、こういった諸外国に比べますと低い、欧州に比べると低い密度ではあるわけでございますけれども、傾斜なり作業体系に沿った形で路網密度の目標というものを基本計画において定めているところでございまして、例えば、傾斜が中程度、十五度から三十度ぐらいの傾斜のところでございますが、そこの森林において車両を用いて間伐等を行う場合、一ヘクタール当たり七十五メートルというものを目標にさせていただいておりまして、地域の実情に応じて、簡易で丈夫な林道と森林作業道の適切な組合せ、いわゆる路網の体系でございますけれども、そういった効率的な整備を推進していきたいというふうに考えております。  進捗状況でございますけれども、以前に比べますとかなり路網の整備進んできておりまして、例えば二十三年、二十四年で比べますと、林道それから作業道を含めますと年間一万四千キロぐらい開設、整備をしていたわけですけれども、二十四年になりますとそれが七百キロぐらい増えていると。増加してきているという状況でございまして、私どもとしても、いろんな工夫をしながら、丈夫で簡易な道造りということを目指して路網の整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  107. 小川勝也

    ○小川勝也君 もう釈迦に説法ですけれども、この路網は大切な社会資本になります。それから、持続と循環で、この道が木を植えるときにも利用されますし、搬出のときにも利用されます。そのことによって、その場所に働く場所が未来永劫そこにできるということであります。  ですから、私たちの国は言うまでもなく社会資本整備が最も好きな国でありましたけれども、この森林における路網の整備とガスパイプラインの敷設だけは遅れていた、これは私の持論であります。今からでも遅くありませんので、路網をしっかり整備して、後代の私たちの国民にいわゆる化石燃料に対する依存度を最小限に抑えるようなこの国を残していく。そして、今、余計なことは申し上げませんけれども、アベノミクスが大変危ないわけであります。なぜかというと、貿易赤字がどんどん膨らんでいく、これはこの間も質問いたしましたけれども、化石燃料をたくさん輸入しているから赤字がどんどんたまっていく。そして、私たちの国はこんなに木が生えているのに木を輸入する、そこで赤字を膨らませている。こういうことを改めていく、これが大事だと思うわけであります。しっかりと路網を整備する。  それで、ありていに言うと、日本は林業機械も遅れています。タイヤの付いた速度の出る車で上まで上がれる方が、それはいわゆる作業効率もいいし、搬出効率もいい。だから、今まではキャタピラ型の林業機械が中心でありましたけれども、タイヤのいわゆる林業機械も入れる山にしていかなきゃならない。  かつての議論を蒸し返す必要はありませんけれども、かつて私たちの国では、いや、日本は急峻な山国だから、そんなきれいに道を造って搬出はできないんだよ、こういう議論がありました。しかし、オーストリーという、日本に比しても、日本よりすごいんじゃないかという傾斜のところで、いわゆる国策としてすばらしい輸出産業に木材産業をしている。その国をお手本にして、全てまねする必要はありませんので、やれるところはやっていこうということで議論をさせていただいているところであります。  それで、あとは、その丸太を切ることができたとしても、そこから住宅メーカーまでの間に加工が必要なわけであります。日本の住宅産業や、あるいはこれから少子化になります。どのぐらい住宅が売れて、どのぐらいの木材が必要になっていくということを逆算をして、そして流域や地域をしっかりと頭で計算をして、どこどこに製材所があった方がいい、どこどこにプレカット工場があった方がいい、どこどこに集成材工場を造るべきだという議論をして、まさに消費からこの木材産業を考えなきゃならないときです。  かつては、営林署は殿様商売。この木切っていいぞ、おう、持っていけ。この木切れたぞ、どうだどうだと。今は違います。木材産業はやっぱりユーザーの意見を聞いてどんどん計画をして実施をしていくという発想の転換が必要なときであります。  そのことについて、やはり切る場所、加工する場所の整備、どういうお考えでお取り組みいただけるのでしょうか。
  108. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、森林の方から、いわゆる川上側の方から川下の方にきちんと安定的に木材を供給していくということは極めて大切なことでございます。そういった中にありましても私ども一番気を付けなくてはいけないのは、やはり需要を拡大するということももちろんございますけれども、そういったのと併せて、例えば量、価格、質、こういったものについていわゆる住宅メーカーの方々の需要者ニーズに即した木材なり木材の製品を供給していくということが大変必要だと思っておりまして、そういった意味で、いわゆる路網整備、施業の集約化と併せて、民有林、国有林連携して供給可能量の拡大、それからそのために必要な例えばストックヤードを整備するとか、そういったこともやっております。  やはり地域レベルで、民有林、国有林連携して、あるいは県と市町村が連携して、例えば伐採量といいますか、木材がどのぐらい出てくるかという、そういった協議会なんかもつくらせていただいております。また、そういった協議会の中で、例えば新たに製材工場でありますとかいろんな工場を整備するということであればきちんと話をしていただくと。  補正予算でございますけれども、森林整備加速化・林業再生基金におきましては、そういったいわゆる協議会をつくっていただいて、その協議会の中できちんと決まったものに対していわゆる助成をしていくというふうにさせていただいておりますので、そういった意味で、地域合意の下に川上、川中、川下、一体感を持って取り組まさせていただきたいと思っておりますし、地域全体がそういう行動、そういう動きをして森林整備、林業の振興に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
  109. 小川勝也

    ○小川勝也君 何か従来と同じような答弁ですよ、これ。やっぱり今、これ爆発的に自給率を高めるチャンスなので、農林水産省の予算もいわゆる硬直化した予算配分をずっと続けてきましたけれども、ここは、林大臣、成長分野ですから、これは今やるときだと思う。  長官も全部分かっていますけれども、いっとき、昭和三十年代、四十年代までは全国各地のいわゆる製材工場は物すごく元気で、町の名士で力がありました。しかし、間伐あるいは輸入材、ちょこまかちょこまかやってきて、元気のある製材所や製材会社はほんの一握りです。ですから、協同組合なのか民間なのかは別にして、今、政府が後押しして流通の体系を再構築するぐらいのてこ入れが必要な分野だと思っています。  やはり、今やっている業者さんの発想や、あるいはここ数十年の経験の中で物事を組み立てたんじゃ、本格的に効率的な林業運営はできない。だから、今まさに、去年何やっていた、十年前何やっていたじゃなくて、理想はこうなんだと、そして何立米出すんだと、そして、需要を超える供給をする必要はありませんから、需要があるだけ国産材を供給するということから施策をプルダウンをしなきゃいけない。  じゃ、製材所を、あるいはプレカット工場をあるべきところにどうやって造るという手だてなのか、それをお伺いしたいと思います。
  110. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 今先生御指摘ございましたけれども、私どもとしても、地域全体、流域全体できちんとした森林整備、林業振興を図っていきたいというふうに考えているところでございます。  ただ、例えば工場の立地とかということになりますと、例えば企業経営者がどう考えるのかとか、理想的には確かにこういった、例えば集積地に工場が立地した方がいいだろうということは当然あろうかと思います。ただ、実際の土地問題でありますとか、いろんなそれぞれの地域事情等ございますので、なかなかそういうふうにならないというのが現状だというふうには認識しております。  ただ、そういった中にありましても、私どもとしては、やはりそういった前に進むんだと、地域全体として林業で元気になっていくんだということで、関係する皆さんがちゃんと話をして、ここならばみんなちゃんと材を集めてくれるよねとか、木材を出してくれるよねと、そういったことでやっぱり合意形成を図ってみんなが同じ方向で進んでいくということが大切なことだというふうに思っておりまして、ハード面の整備ももちろんございますけれども、そういったソフト面の支援も私どもとしては行わさせていただいているという状況でございます。
  111. 小川勝也

    ○小川勝也君 認識にやっぱり相当温度差がありまして、私らも地元で関係者を鼓舞して回るんですけれども、まだ丸太が売れて喜んでいる関係者やチップが取引されたということでほくほくだと言っている業者さんもいます。当然、小径木や間伐材をチップに利用していただくというのは大変大事なことでありますけれども、我々はあくまで本丸、これを大事にしたいというふうに思います。  ですから、もうちょっと林野庁として、全国の今関係者にいろんな共通認識を持っていただきたいというふうに長官からお話がありましたけれども、やはり林業を復活させるんだという大きな旗を掲げて、そしてきちっと国産材で住宅を建てられる国にする。そして、カスケード利用を含めて、全て林地残材も含めて利用するんだというメッセージをやっぱり高らかと今上げるべきだと思います。  逆に言うと、午前中も質問ありましたけれども、とにかく木質バイオマス発電、これは誰も否定する人はいません。しかし、大量のチップを供給するためには、まず木材の自給率を高めて必然的に副産物が出てくるという形が一番望ましいわけであります。そのやはりカスケード利用という認識を農林水産省や林野庁として共通認識にしてもっと全国に発信をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  112. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、いわゆる木材の利用につきましては、木質バイオマスの利用だけじゃなくて、付加価値を高めてできる限り有効していくと、そういったことが林業の成長産業化でありますとか林業の活性化につながるものというふうに思っております。  そういった意味で、木材をまずは柱だとか、いわゆるソリッドですけれども、そういった建築資材として使っていく、その次に例えば紙やボードとして使っていく。そういった、製品として高い順番に利用していって、最終的にはいわゆる端材等を燃焼させて木質バイオマスエネルギーとして利用すると。そういったいわゆる多段階の利用、カスケード利用でございますけれども、こういった取組というものは極めて大事なことでもございますし、私どもとしてもそれを推進しているということでございます。  私どもとしても、まずそういった需要を拡大しながら、例えば公共建築物でありますとか住宅とか、そういったマテリアル利用を推進して、さらに最終的には、いわゆる関係省庁と連携取りながらということになりますけれども、エネルギー利用も推進していくと。こういったことを通じまして、できる限り木材、いわゆる自然の恵みでございますので、こういったものを最大限活用できるように。  要は、私どもとしても成長産業化ということを今言わさせていただいておりますけれども、将来性はあると思っておりますし、それぞれの地域の中でもせっかく育ててきた木材資源を有効に活用して、全体としてその地域の振興にも努めていきたいというふうに考えているところでございます。
  113. 小川勝也

    ○小川勝也君 改めて御答弁いただきました。  CLTの議論もいろいろさせていただきましたけれども、いわゆる中高層となりますとそういう形になっていくんだと思いますけれども、やはり身近な個人住宅あるいは低層階は、もっと別な木材の利用の仕方になっていくんだと思います。無垢によっての使い方だけではなくて、やはり構造材としての合板や、あるいは、私も幾つかの工場を見させていただきましたけれども、集成材の技術もすごい進歩しています。ハウスメーカーやユーザーとやっぱりしっかりと議論をして、どの地域にどの材が出て、どういう加工をしてやはり流通ルートに乗せるかということを真剣に林野庁がリーダーシップを発揮していただきたいと要望しておきます。  それから、木質バイオマスの利用に関してでありますけれども、これは発電をするとエネルギー効率が悪くなるわけであります。木は、一番効率のいい利用の仕方は熱に変えるということであります。私は北海道でありますので、私のふるさとの和寒町や先進的事例の下川町などでは、いわゆるチップボイラーを利用した熱供給、これが、いわゆる農林水産省の予算をいただきながら頑張って実施をしています。発電をする前にやはりチップを熱に利用するとか、あるいは地域コジェネとか、もっと身近に利用するパターンがあっていいんじゃないかと思うんです。  そして、併せて要望と質問をさせていただきますけれども、そういった技術もいわゆるヨーロッパに比して相当遅れています。我々の国はやはり物づくりの国だというふうに自負をしていましたので、機械についても、あるいはボイラーについても世界で冠たる国だと思っていました。しかし、こういった分野でも大変遅れています。それで、私たちの国は木に恵まれている国でありますし、また、寒くない地域であっても必ずお風呂に入りますからお湯は必要なわけであります。そういう身近なチップの利用の仕方あるいはチップボイラーの普及、これはもう少し頑張っていただけるんじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  114. 吉川貴盛

    ○副大臣(吉川貴盛君) まず、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。  木質バイオマスの利活用に当たりましては、小川議員おっしゃるとおり、指摘のとおりだと、こう思っておりまして、熱供給の面におきましても取組を積極的に進めていかなければならないと思っております。極めて重要なことと認識をさせていただいております。  現在、木質バイオマスの熱供給施設は全国各地で約一千五百ございます、御承知のとおりかと思いますが。工場とか農業施設、宿泊・温泉施設、公共施設等に向けた熱を供給をいたしております。この度、北海道でも次世代施設園芸をいよいよ実施をすることになりまして、農林水産省としても支援をすることになっておりますが、この次世代施設園芸におきましてもこの木質バイオマスを使った燃料を使っての園芸を展開をしていくということでもございます。  当省といたしましても、路網整備や森林施業の集約化、木質バイオマス関連施設の整備、さらには相談等のサポート体制の構築、効率の良いボイラー等に関する技術開発を支援をいたしまして、ただいま御指摘をいただきました点を踏まえながら木質バイオマスによる熱供給の取組をしっかりと推進をしてまいりたいと思いますし、林業が最も盛んな御出身の小川議員のお気持ちにお応えをさせていただきたいと思っています。
  115. 小川勝也

    ○小川勝也君 かつて、木を切るというのは非常に悪いイメージを持ったキーワードでもありました。しかし、今私は逆に、木を切らないことが駄目だと思います。これはもう有識者の方は御案内だと思いますけれども、いわゆるCO2の吸収というのがありますけれども、木にも人間と同じように働き盛りというのがあるわけです。働き盛りのときにはCO2をたくさん吸収してくれますけれども、だんだん馬力がなくなっていきます。ですから、木を切らない悪というのもあります。  例えば、六十年で木が成長すると仮定した場合、いわゆる天然林を除いて、あるいは施業しやすいところだけを選んでいただいても結構です。六十分の一を切って必ず植える、そして、まず木材として使った後、カスケード利用ということを確認をさせていただきました。チップは畜産にも使われますけれども、最後は熱に変えることが可能です。そういうように、循環のまず最たるものがこの木材であり森林であります。ですから、六十年に一回切って、また植える、そしてそのことがいわゆる化石燃料の輸入や木材の輸入に資していわゆるお金を払う金額を下げてくれます。  そして、私は、やはり今、午前中の議論でもありました、農業を効率的な方に改革をしますと農業をやる人間が減っていきます。ですから、そのことだけで本当にいいのかという危機感を持っている中で、今林業を効率化することはまさに新しい雇用を生むことになります。これが成長戦略の最たるもののゆえんだと思います。  そして、林業のイメージも相当変わってくるはずであります。かつては、私たちのふるさとの農家の方々も夏は農業をして冬は冬山に入りました。いわゆる手拭いをこう、鉢巻きを巻いて、非常に凍えるマイナス何十度の中、山で伐採、搬出の作業にみんな加わりました。しかし、今まさにそういうきつい仕事を若い人たちにやっていただけるはずもないわけであります。ですから、この間も議論させていただいた高性能林業機械、全て機械がやってくれるというところまでは行きませんけれども、最近は物すごい進歩をしています。ですから、すばらしい機械のオペレーターとして、しっかりと教育訓練を受けていただいた未来、次世代の林業者が新しい木材産業の担い手になっていただけます。  通告していませんけれども、一点質問させてください。  そこに伴って必要なのが新しい時代の労働安全衛生の認識であります。かつてのチェーンソーで木を切る時代から、まさにヨーロッパ型の高性能林業機械を使っての施業が大事になってくるわけであります。数年前に私も指摘をして、林野庁の担当者とも意見交換もさせていただきました。新しい時代に新しい担い手を呼べる木材産業にならなきゃいけないし、そしてそのためには新しい労働安全衛生の基準、概念づくりも必要だと。  林野庁においては、どこまでその進捗が確認されておりますでしょうか。
  116. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答えを申し上げます。  先生御指摘のように、林業、全体的に、いわゆる傾斜があるだとか、それから一人作業が多いとか、そういったこともございまして、結構労働安全には細心な注意を払わないといけない職場だというふうに考えているところでございます。そういった意味で、できるだけそういう危ないところに対してはいわゆる危険予知をする、あるいは危ない箇所から離れるとか、遠くで作業するとか。  そういった意味で、例えば林業の現場なんかにおきますと、高性能林業機械を使って危ない箇所から離れて人間が作業するということは、これは極めて有効なことだと思っておりまして、そういった意味で、高性能林業機械ももう既に五千台以上入っております。そういった機械をオペレートする方というのは比較的若い方がどうしても多くなるわけでございますけれども、林業従事者は五万人おりますけれども、実は三十五歳以下の比率が今現在一八%でございます。まだまだ低いかもしれませんけれども、以前に比べると相当増えてきていると、そういった状況がございます。  そういった意味で、若い人が更に安心して、ないしはきちんとした形でそういった就職、林業に携わることができるように労働安全衛生の問題につきましても細心の注意を払っていきたいと思っておりますし、例えば、いわゆる作業するときの作業服といいますか防護服というものでありますとか、そういったことにもいろいろ気を遣いながら、私どもとしても、きちんとした形でそういった労働安全衛生の問題についても取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
  117. 小川勝也

    ○小川勝也君 成長分野としての木材産業、林大臣、頑張っていただきたい、一言いただきたいと思います。郡司さんも私たちも応援しますので、一言。
  118. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 予算委員会のときにも御質問いただいて、今日は更にかなり深掘りをしていただいて、いただいたバトンの中身を随分明らかにしていただいたと、こういうふうに思っております。しっかりと受け継いで成長産業にするように頑張ってまいりたいと思います。
  119. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  私の方からは、まず、先般の関東甲信地方並びに東北地方を中心とした豪雪によって被災された農業者の皆様に対する支援策についてお伺いをいたしたいと思います。  私は比例代表の選出でございますけれども、その主なフィールドとするところは関東甲信越という、これはこれで大変大きな地域なんですけれども、この関東甲信越を舞台に主に活動させていただいておりまして、今回の豪雪のまさに被災地そのものでございます。その中で、この被災の直後、まずは特に被害の大きそうなところ、大きな道路が通りました段階で私も真っ先に山梨県に駆け付けて、農業被害に関しては笛吹市を中心に何軒か現場の皆様とお話をさせていただきました。  まず、この豪雪の直後、現場の皆様とお話ししたときには、もう本当に肩を落とされて、特に笛吹市、ブドウですとか桃ですとかそういった施設園芸のまさに先進地域、そういったところで一生懸命、一房数千円もするようなブドウが実っていたと、これまで。そういったところが全て壊滅してしまったというところで大変肩を落とされておりまして、もうやめようかと、このままもうハウスそのまま潰してしまってもう離農しようかなというお話も実はいただきました。  そういうお話をいただく中で、特に、これからでももっと頑張ってもう一回再興したいとおっしゃっていた方たちが一番声を上げていたのがやはり、まず撤去については、これ継続していくところについても、それからもしかしたらやめてしまうところについても、ハウスの撤去ということをしていただかないと、その後、やめてしまったところが結局もう農地として使えないようなまた荒れ地になってしまう、耕作放棄地になってしまうおそれがあって、せっかく地域としてブランドもつくってきた、そういった取組が全部無駄になってしまうということで、こういった声お伺いをいたしまして、私も戻り次第、農水省にはその声お伝えしたわけでございますけれども。  その後、林大臣にも、この山梨県始め被災地に入っていただきまして、矢継ぎ早に支援策打ち出していただきました。二度にわたる追加支援もしていただいて、最終的には、特にハウスについては、撤去については農業者の負担ゼロ、そして再建については十分の一という、本当に先例のない支援策を打っていただきました。  本当に今、長野県、山梨県のそういった方たちにお話を伺いますと、最初に声を伺ったときとはもう見違えるようでして、本当に有り難いと。今までなかった、もう諦めていたんだけれどもやっぱり頑張ってみたいという、本当に評価する声をいただいております。私も、そういった現場の皆様を代表して、改めて御礼を申し上げたいと思います。  そうする中で、この大雪からおよそ一か月ぐらいが経過をいたしまして、次のステージに入ってきたのかなというふうに思っております。現時点で、あれだけ迅速に支援策打ち出していただいたわけですけれども、また今新たな問題が幾つか起きておりますので、まずその点について一つ一つお伺いしていきたいと思っております。  まず撤去についてでありますけれども、倒壊したハウスについては、基本的に定額助成ということで今回単価を示していただきました。これは、撤去について悪質な業者の方もいるということで、しっかりこの金額を決めた上で、その中で頑張って撤去していただくという趣旨だというふうに伺っております。  当初のテーブル、これ四つぐらい段階がありまして、覆っているところがガラスなのかプラスチックなのか、あるいは構造体の部分がいわゆる鉄骨なのかそうじゃないのか、そういったことで単価を平米当たりで分けていただいているわけでありますけれども、例えば、これ三つ目の類型、覆っているところがプラスチックで骨材の部分が鉄骨でないもの、これ平米当たり二百九十円という単価示していただきました。  実際に、現場の皆さんが、じゃ、いざ外部の業者に委託をしてどかしてもらおうということで見積り取ったところ、今の同じ二百九十円の単価出ているものについても、千円を超えるような見積りが実際に出てきてしまっている、しかも、一つではなくて大分複数出てきているという声を実際にいただいております。この中には懸念されていた悪質なものももしかしたら入っているのかもしれませんけれども、やはり数が複数出てきているということもございます。また、例えば同じ鉄骨でも、いわゆる鉄骨の太さ自体で相当どかす、撤去するコスト自体、労力自体も変わってくるということで、ここでまず一つお願いなんですけれども、一旦、特に今集中的に被災遭われた県、農業者の皆様がこの撤去の委託出しているところでもあって、需給も大変逼迫している。  そういった今の現状で、もう一度、この撤去の費用、具体的にどのくらい掛かるのか、再度調査していただいて、また、場合によってはこの単価自体を見直していただくことが必要なんじゃないかなというふうに考えているんですが、お考えいただけますでしょうか。
  120. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 倒壊したハウスの撤去の関係でございます。  これにつきましては、被災農業者向けの経営体育成支援事業、これにおきまして、農業者の負担がないように、地方負担含めまして十分の十相当の定額助成を行うということにしたところでございます。地方公共団体が二分の一相当を負担していただくことを前提にいたしまして、国の方が二分の一相当を補助すると。地方公共団体には特別交付税の措置が講じられておりまして、地方の負担分の八割を特別交付税で措置をすることになっております。  具体的には、先生今御指摘ございましたが、このハウスのタイプで幾つかに分けておりまして、例えば被覆材がプラスチックで骨材が鉄骨ではないもの、いわゆるパイプハウスがこれに該当すると思いますが、これの撤去の場合には、定額助成の単価といたしまして、一平方メートル当たり二百九十円、十アールですと二十九万円ということになりますが、という単価を設定をしております。この単価と撤去を行うために実際に掛かった費用、これを比較をした上で、いずれか低い額を支払額とするという仕組みになってございます。  この撤去費についての定額助成の単価につきましては、農林水産省の把握をしております機械等のリース代、あるいはオペレーター代、あるいは廃棄物の運搬費等の標準的な経費、これを基に算出をしておりまして、取りあえず実態を踏まえて適切に設定したものというふうに考えております。
  121. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  直後に、いわゆるそのときにあった時価というのが当然あるんだと思います。また、調査もしていただいた上で設定恐らくされたんだとは思うんですけれども、一方で、要は一割、二割ずれているのであれば、それはなるべく安いところから頑張っていただくということもあると思うんですけれども、二百九十円が千円超えてしまうとなると三倍、もうこれは当初農業者の負担ゼロというところからスタートした施策でございますので、是非、まずもう一度、今実際に山梨、長野、群馬、埼玉、こういった地域で具体的に幾らなのか、もう一度ちょっと調査是非していただいて検討いただけたらなというふうに思っております。  次の質問なんですが、今度は改植それからハウスの復旧の部分に当たるわけでありますけれども、これについて、ハウスの下というのが結局例えばイチゴだったところもあればブドウですとか桃ですとか果樹だったところもある、被害の様態が大分違うということ。その後、結局、改植した後に、一つここで問題にしたいのは、ブドウですとか桃、こういったものは改植してから実際に出荷できるようになるまで成木になってから大体五年ぐらいは掛かってしまうということでございます。  こういういわゆる長期にわたって生育しなければ再度出荷できないもの、こういったものについて、実は、ハウス撤去一回して改植をしても、すぐそのままハウスを造るわけではないというんですね。最適なハウスを造る時期というのは、大体成木になる直前、五年ぐらい掛かるものでありますと三年から四年後というのが一つの目安とされているわけでありまして、要は、今年度あるいは来年度、これ予算を付けていただいても、今じゃないんだという声が当然現場から今起きております。  これ、二十七年度以降も引き続き今回被災された農業者については支援していただけるんでしょうか、御見解お願いいたします。
  122. 奥原正明

    ○政府参考人(奥原正明君) 今回の大雪対策でございますが、ふだん余り雪の降らない地域でかなり降りまして、産地が基幹的な産業であります農業が壊滅的な打撃を受けているということに鑑みまして、早急に産地の復旧を図る、それから食料の安定供給を図るという観点で、従来なかった特例的な措置を講じているものでございます。  このために、御指摘いただきました農業用のハウスの再建につきましても、被災農業者向けの経営体育成支援事業、これを使いまして、平成二十五年度それから二十六年度の予算を活用して復旧を速やかに進めていきたいというふうに考えております。  予算の年度の関係からいいますと、取りあえず今念頭に置いているのはこの二十六年度末までの事業ということになりますけれども、災害の対策でございますので、今後いろんな状況があるかと思います。この二十六年度末までで対応できないということがありますれば、そこは事情をよくお聞きをして検討したいというふうに考えております。
  123. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  財政の単年度主義の中で様々な施策を打っていただいている、そこについてまで踏み込んでお話しするつもりはないんですけれども、今後とも現地の方に是非耳を傾けていただいて支援の継続をお願いしたいと思います。  続きまして、ちょっとこの農業支援そのものとは外れるんですけれども、税務の申告についてお伺いしたいというふうに思っております。  ちょうど、被災された方たちというのは、今まさに撤去それから改植の作業に大わらわでありまして、その復旧の作業に追われている。この時期がちょうどいわゆる税務の申告の時期と今重なっております。  今、実は、公明党の議員の中でも市町村の議員さんたちが農家に行って大丈夫ですかとお話を伺うと、よく聞かれる質問というのが、実はもう申告の時期間近なんだけれども、それどころじゃなくて今準備できていませんと、ここって例えば期限先に延ばしていただけるのか、あるいは、万が一間に合わなかったときにペナルティーのようなもの、これを免除していただけるような、そういった措置って実際にしていただけるんでしょうかと、こういう質問をたくさん実はいただいております。  これは皆さんの頭の中にあるのは、恐らく東日本大震災のときに、国税庁の長官の方から、地域指定ということで地域一括でこの時期自体を実際に延期していただいた、こういう措置が頭にあって恐らく聞いていただいていると思うんですが、この点について国税庁として何か今対応を御検討でしょうか。
  124. 岡田則之

    ○政府参考人(岡田則之君) お答えいたします。  国税通則法におきまして、災害によって、例えば申告に必要な帳簿がなくなってしまったとか、あるいは交通途絶になって孤立してしまったといったことで申告納付をその期限までにできないというときには、その理由がやんだときから二か月以内に限りましてその申告納付の期限を延長することができることになっております。  このやり方については、地域指定、地域を指定して包括的に指定する場合と、税務署長の承認によりまして個別の人ごとに事情をお伺いした上で指定する場合の二つがございまして、委員の方から御指摘ありましたように、地域を指定した場合の例としては阪神・淡路大震災であるとか東日本大震災がございます。一方、個別の承認の場合としては、毎年のように、例えば台風であるとかあるいは大雨、今回のような豪雪などによって被災者の方から申請がありまして、それに対して指定するということがございます。  それ以外にも、申告はできるんだけれども、例えば災害によって財産被害を被って一時に税を納付するということが難しいという場合におきましては、税務署長の承認によりまして納税の猶予というのを受けることができます。  これ以外に、災害に遭った場合の税制上の救済措置といたしまして、例えば所得税法上で、家屋であるとか家財につきまして被害があったときに被害に応じて税の軽減が受けられる雑損控除、あるいは源泉所得税の徴収猶予等、様々な措置が制度的に用意されております。  こうした内容につきましては、国税庁のホームページ等において分かりやすく掲載しておりますほか、税務署にそれ専用のパンフレットを用意しております。そういう形で広報に積極的に努めているところでございます。  いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、先般の雪害で被害を受けた納税者に対しまして、個々の事情を踏まえて丁寧に対応していくということにしておりますので、まずは最寄りの税務署に御相談いただきたいと、こういうことでございます。
  125. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  個別指定といったそういったやり方もあると、あるいは丁寧に対応していただけるという御回答でございました。  これ、やっぱり、確かに孤立集落、途絶状況自体は解消を大分前にされたわけでありますけれども、その後、結局、改植、植え替えをしなきゃいけないところについては、特に果樹のような収穫できるようになるまで長年掛かるもの、これリミットが大体春先三月上旬までに植え替えなければ今年間に合わないというようなそういった事情もあって、今一生懸命そういったところ取り組まれております。そういった意味で、本当に私どもも、これ聞かれたときに、こういう個別の指定もしていますよということは当然お知らせしていきたいと思うんですが、是非丁寧な対応、またあるいは広報に努めていただきたいというふうにお願いをいたします。  続きまして、先ほども答弁の中で、結局倒壊してしまったハウス、全部で二万五千件でしょうか、超えている、またまだ把握できていない部分もあるという御回答がございました。  これ、余り実は知られていないんですけれども、農業者のハウス以外に、いわゆる高齢者ですとか障害者の方が仕事をされて、働かれている社会福祉施設のハウスといったものも実はございます。これまた、同じ地域にあったものについてはやはり大きな被害を今受けております。  ここについて、この撤去については、恐らく、これはちょっとまだ確定じゃないということなんですけれども、環境省さんの方の災害等廃棄物処置補助事業ですね、こちらの方で、恐らく市町村のこれ最後判断になるかと思うんですけれども、片付けはやっていただけそうであると。しかしながら、このハウスの再建、ここについては、結局これ農業者というわけではありませんので、この農水省の支援事業の対象ではないということでございました。  じゃ、結局何を頼ったらいいのかと。これ厚労省が管轄でございまして、厚労省の方の社会福祉施設の災害復旧、この事業の制度を使って復旧していただくしかないということなんですが、これやはり制度自体が違いまして、要件が、一つは一件当たり八十万円以上の被害が出ているということを証明しなければいけないと。さらには、この補助を受けても自己負担の部分は四分の一残ってしまうということでございました。  ここについて、是非、支援の公平性という観点から、厚労省として何か対策等を打っていただけないか、支援の拡充をしていただけないか、御回答をいただけますでしょうか。
  126. 蒲原基道

    ○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。  ただいまお話がございましたとおり、被災された障害者の福祉施設等についての災害復旧でございますけれども、通常の流れでいいますと、設置主体からの協議を踏まえまして行政サイドが実地調査を行います。その上で、被害額を確定した上で復旧に要する費用の一部を予算の範囲内で補助すると、こういう仕組みになっているわけでございます。  今お話がございました災害復旧費の補助要件でございますけれども、重大な被害について迅速に支援を行うという観点に立って幾つかの今委員がお話になったような基準が作られていると、こういうことでございます。これは、障害者の関係施設に限らず、実は介護だとか児童の社会福祉施設、さらには医療施設等、幅広く厚労省関係のところ、あるいは他省のものもございますけれども、そうした施設全体で基本的に一律の基準というふうになっていると、こういう状況でございます。  私どもとしては、まずはこの基準のところでしっかりと必要な対応を行っていくということでやっていきたいなというふうに今検討しております。
  127. 平木大作

    ○平木大作君 なかなかこの基準自体を変えるというのは難しいというのは重々承知しておるわけでありますけれども、例えば山梨県内の場合ですと、先ほどのように社会福祉施設、この倒壊したハウスというのが全部で今四十七件掌握されております。四十七件で先ほどの基準に見合うところ、今申請できているのは実は九件のみでございます。やはり残り、じゃどうなるんだと。社会福祉施設でありますので、ハウスの再建といったところはどうしても一番最後に回さざるを得ないというのが実情でございます。八十万円のそもそも基準を満たさないというのは、これ本当に農家の方がやっているハウスであれば八十万円というのは小さな金額、大きくやっているところであればまず間違いなく到達するわけでありますけれども、どうしても一つ一つの規模が小さいということがございまして、この八十万円という基準、クリアできないということでございました。  これ、例えば県内だけ全部でも四十七件、そして八十万円にも満たないところというところでありますので、是非これはひとつ、この制度の範囲内ということではなくて、もう一つ、災害に対する支援ということで改めて御検討いただけないかと、是非御検討を再度お願いして質問としたいと思います。  質問を続けさせていただきます。  こういった形で、昨年も、例えば霜の被害ですとか様々農業被害がございました。こういった天候ですとか自然環境に大きく左右される被害の状況を見るにつけて、改めて、やはり自然災害による損害だけでなくて、例えば価格の下落ですとか、そういったところによる収入の減少、こういったものもやっぱり含めてしっかり見ていかないと、なかなかこの農家の経営の安定というのは図っていけないんじゃないかなというふうに考えております。  そういったものに資する制度として、やはり収入保険制度、二十六年度の予算の中にも三億円ほど計上していただいているというふうに伺っているんですが、まずこの収入保険制度を現時点でどう評価されているのか、また今後どう検討されるのか、これは是非、林大臣に御回答をお願いいたします。
  128. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まさに今先生がおっしゃっていただいたように、また午前中の質疑でも取り上げていただきましたが、現在の農業共済制度は、自然災害による収穫量の減少が対象になっておりますので、価格の低下が対象になっていない。それから、対象品目がやはり収穫量の把握というものが客観的にできるものに限定されておりまして、加入単位も品目ごとということで、全体の経営をカバーするというふうになっていないと。こういう点が指摘をされておるわけでございまして、今まさに委員がおっしゃっていただいたように、全ての農作物を対象として農業経営全体の収入、農家から見れば自分の我が家の収入そのものがどうなるのかと、こういうようなところに着目した収入保険の導入、これが必要だろうと考えておりまして、調査検討のために二十六年度当初予算案においては三億強の調査費を計上させていただきました。  この調査費によって調査を行いまして、その結果に基づいて制度設計を行っていくと、こういうことになるわけですが、二十七年産、来年のものでございますが、これの作付け前の加入、それが二十六年、今年に起こるわけですが、そして作付け、それからまさに作物を作っていただいて、その後、その次の年に今ちょっとやり取りがあった納税申告というのがあるわけですね。ですから、この一サイクルが、二十六年加入、二十七年に作って、二十八年に納税申告、三年掛かると。こういうことを一つのフィージビリティースタディーとして実施をしまして、その結果に基づいて制度を固めていきたいと、こういうふうに思っております。  調査の結果がどう出てくるかというところもまだありますので、決め切ったわけではございませんけれども、こういう調査検討、順調に進んでいきますと、今言った三年のワンサイクルの後、二十九年の通常国会、これに関連法案を出していきたいと考えておるところでございます。
  129. 平木大作

    平木大作君 ありがとうございます。  午前の答弁でもございましたけれども、二十九年度の通常国会を一つの目安として検討を進めていただけるということでございました。  来年度のこの予算の中に三億円ほど調査の費用も計上していただけるんですけれども、これはこれで、検討をまず着手していただいているというところで本当に有り難いなと、すばらしい取組だというふうに考えているんですが。一方で、この今の取組、この予算の中身見ていきますと、いわゆる制度設計を進めるためのまず過去のデータを集めましょう、加入者の捕捉方法などに係る調査検討を業務委託によって行いますよというふうに書いてあるだけでありまして、これはまず取れるデータを取りあえず取ってみようとか、そういうことに是非終わらせずに、この収入保険自体は他国においても既に走っている制度でもございますし、改めてどういう制度であるべきかといったところも併せて検討しながら、是非、このデータだけ取りあえずまず今年度は集めればいいやということではなくて、前向きに検討していただければというふうにお願いを申し上げます。  時間が押しておりますので、次の質問に移らせていただきます。  東日本大震災から三年が経過をいたしました。次の質問は、被災した漁港、あるいは漁業水産業の再生についてお伺いをしたいというふうに思っております。  私たち公明党も、東日本大震災からの復興、これは二つの風との闘いであるというふうによくみんなで確認をし合っております。いわゆる風化とそして風評被害、この二つとしっかり闘っていかなければいけない。  そういう上では、議員一人一人がまずは被災地にしっかり足を運び続けることが大事であるということで、国会議員におきましても、全国会議員に、被災の特にひどかった三県、岩手、宮城、福島、この三県の各市町村の担当を割り当てまして、なるべく毎月通いながら今の被災地の現状を常にフォローアップしてまた復興に努めていくと、こういう方針で今取り組んでおるところでありまして、私も昨年から宮城県の仙南地域を中心にお伺いをしております。  現場にお伺いしてやはり感じるのは、インフラの復旧、確かに進んできているんですけれども、その差というのが顕著に現れている。特に、隣の村と町と、何でこんなに差ができているんだというところで現場の方が大変苦しんでいるという実情に直面をいたします。  そうする中で、先般、報道でもございましたけれども、特にインフラの復旧に関しては漁港に関する復旧が大変遅れている。報道では、二月末時点で四五%だったというふうにありまして、水産庁の方にお伺いしましたら、最新のものでは三月末で五四%、しっかり進捗していますよということであったんですけれども、まずこの現状と課題と今後の見通しについてお伺いいたします。
  130. 横山信一

    大臣政務官(横山信一君) 東日本大震災では、三百十九の漁港が被災をし、漁港機能の早期復旧を目指して関係自治体等とも全力で取り組んでいるところでございます。  全ての岸壁で陸揚げ機能が完全に回復した漁港、今お話がございましたとおり二月末時点では三百十九のうち百四十三の漁港でございまして、復旧率は四五%となっているところでございますが、三月末時点では復旧率五四%となる見込みでございます。これらを含め、約九割の漁港で部分的には水産物の陸揚げ可能な状況となっているということでございます。先ほどの五四%は完全復旧でありますが、一部水揚げ可能ということを含めると九割に達するというところでございます。  復旧工事に当たりましては、技術者不足、資材不足、復帰した漁業者の漁業活動との調整、台風等による海上工事の遅延など厳しい状況もございますけれども、今後とも関係省庁や被災自治体とも連携をし、平成二十七年度末までに被災した漁港施設を復旧できるように取り組んでまいります。
  131. 平木大作

    ○平木大作君 今答弁の中でも、一部の機能に限れば九割ぐらいの漁港が既に利用可能になってきているというお答えでございました。大変、現地にとっては、あるいは被災地のことを一生懸命見守っている日本全体にとっても非常に前向きな数字だと思いますので、ある意味この四五%みたいなものが独り歩きしないように、こういったところも是非どんどんどんどん発信していっていただきたいなというふうに思っております。  同時になんですけれども、一方で、この四五%、五十何%というのは、現場の思いとしてはやっぱり道半ば、割と実感に近い数字なんじゃないかなというふうに感じております。  一つの理由として、結局今、水産庁としても追っているのが、例えば今の漁港四五%、五四%という数字ありましたけれども、これあくまでも岸壁の部分がハードとして復旧しているかどうかというところだけでございます。ほかに追っているものも伺ってみますと、例えば漁船が何%戻ってきたかですとか、荷さばき所、加工施設、こういったものがいわゆる全体としてマクロでどのくらい戻ってきているのか、復旧できているのかというところがまず今主眼となっております。  これはこれで大変大事なわけで、一挙に全てを失ってしまったところからこれだけ全体としても戻ってきているというところをまず見ていただいてきたわけでありますけれども、やはり今後、少し復興のステージといったものが変わってきているのかなというふうに思っております。  実際に、現場の漁港行ってみましても、確かに岸壁戻ってきた、荷さばき所も先月できましたと。でも、例えばこの漁港に昔あった外灯のようなものが予算付かなかったのでこの漁港実は真っ暗なんです、早朝と夕方はこれ稼働できないんです、このままだと船戻してきてもやっぱり使えない漁港なんですと、こういった声を聞くわけであります。  結局のところ、この漁港を中心としたいわゆる漁業、水産業の地域のエコシステム、これ自体をしっかり再生するような目で、もっと地域の単位で見ていかないと今後は駄目なんじゃないか。あるいはハードじゃなくてソフトの部分、ここについても水産庁としてより一歩踏み込んで支援していただく必要があるかと思うんですが、この点、御見解いただけますでしょうか。
  132. 横山信一

    ○大臣政務官(横山信一君) 委員は毎月被災地に通っていらっしゃるというその実感を持っての質問だというふうに思いますけれども、現地では非常に厳しいという状況があるのは事実だというふうにも認識をしております。  その上で、農林水産省におきましては、水産庁本庁及び仙台漁業調整事務所の職員が頻繁に現地に赴いているところでございます。また、漁業関係者から様々な御意見、御要望を伺い、復興庁や被災自治体とも常に連携をして復旧復興に取り組んでおります。また、福島におきましても、水産庁職員が一名現地に常駐をしております。試験操業の円滑な実施に協力するなど、現地関係者と一体となって対応しております。  今後とも、復興庁を始め関係省庁及び被災地の自治体とも連携をして、被災地水産業の本格的復興に向けた取組を支援してまいりたいと思っております。
  133. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  時間が押しておりますので、最後に一問だけ。  結局、これもう被災地に限らず、やはり今漁業、水産業、岐路に立たされているというふうに思っております。先般の所信の中でも大臣から水産日本の復活ということをおっしゃっていただいたんですが、もう少し具体的な内容をいただきたかったなというのも思いとしてございます。今後の再生の展望について、大臣から一言お願いいたします。
  134. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 昨年十二月に農林水産業・地域の活力創造プラン、これを作らせていただいたときに、まさに漁業、水産業については水産日本の復活と、これずっと世界一位の漁獲高、養殖業の生産額を誇っていたわけでございまして、まさにこの復活を目指していきたいと、こういうふうに思ってこういう書きぶりにさせていただいたわけですが。  まさに被災地の三陸の海が世界三大漁場の一つと言われておりますように、そもそも我が国の周辺海域、豊かな水産資源に恵まれているという地の利がございます。したがって、これを生かして資源管理、それから、つくり育てる漁業の推進、こういうものによって水産資源をフル活用するということと、それからもう一つ、やはりどうしても人、すなわち担い手を確保する研修事業、こういうものを強化すると、こういうことを展開することがやはり極めて有効かつ重要であると、こういうふうに考えております。更に言えば、多様で高品質な国産水産物の消費拡大と輸出促進と。おすしがこれだけ世界中で売れているわけですから、そういうことも併せてこの輸出促進等々、消費拡大に努めていきたいと思います。  今申し上げたように、おすしも含めた和食はユネスコ無形文化遺産に登録されておるわけですが、和食文化の中核が魚であると、こういうことでございますので、しっかりとこういう追い風も力にして頑張ってまいりたいと思っております。
  135. 平木大作

    ○平木大作君 以上で私からの質問は終わります。  ありがとうございました。
  136. 山田太郎

    ○山田太郎君 みんなの党、山田太郎でございます。  今日は、大臣に対する一般質疑ということで、幾つかの質問、質疑させていただきたいと思います。  今回、大臣の所信表明を拝見させていただきまして、課題非常に網羅的でありますし、まさに日本の農業の置かれている現状、それから攻めの農林水産業ということを大変理解したわけでありますが、残念なのが、二点ほど欠けているなというふうに思っておりまして、その辺りを少しお聞きしていきたいと思います。  一点目は、農協に関することが一言も触れられていなかったということでありまして、これは先日の予算委員会でも少しやらせていただいたんですが、今日は少し踏み込んでその質疑させていただきたいと思っています。  もう一つ、ちょっと質疑通告していないんですが、一言だけいただきたいのは花粉病対策でございまして、私も農林水産委員になってから花粉病を積極的にやっておりまして、大臣とも何度か質疑しておりますので、まずちょっと最初一言ですね、花粉病対策、今回所信表明に入っていないんですが、これも大変な今の現代型の病気だということで、農水省の役割もあるかと思いますが、一言いただけますでしょうか。
  137. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これは、山田委員の多分この委員会でのデビュー戦で取り上げていただいて、たしか私もうっかりうちの家庭内事情も少ししゃべってしまったわけでございますが、そろそろやっぱりうちの妻によりますと花粉が出ていて、その影響がもう既に出ていると。雪害がこれだけやっているときにもう出ているのかと、こういう、私なんか鈍感で、全く花粉症ないものですからそう思ったわけですが。  やはりこれ、ちょっともう林野庁帰ってしまいましたけれども、いろんな対策を総合的にやっていくことによって、今年も、この間申し上げたと思いますけれども、苗木の安定供給推進事業、八千二百万円ほどを確保して、こういう中でしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
  138. 山田太郎

    ○山田太郎君 それでは、本題の農協の方に少し入っていきたいと思いますが、まさに農協の存在は農業政策においても切っても切れない大切な存在であるというふうに思っています。  まず、誤解がないように私どもの立場をお話ししておきますと、農業協同組合は非常に重要なものだと、農業生産者にとっては非常に重要なものだということの認識はありますし、より農協の経済事業に関してはしっかりやっていっていただきたい、こういう立場でございますが、ただやはり、その農協においても今はいろんな問題を抱えているのかなと。特に、農業が大きく変わらなければいけない状況下の中で農協の役割が大きくなったからこそ、今日は是非質疑させていただきたい。  それから、農林水産委員会、やはり農協さんから支持を得られている先生方も多いということでなかなか言いにくいこともあるかと思いますが、ここは積極的に、今後の農政のために、農業のために、生産者のためにということで質疑させていただきたいと思っております。  まず、立場というか方向感なんですけれども、今後の日本の農業の在り方、補助それから保護をしていくのか。一方で、自立を促さなければいけない。もしかしたら、このバランスの中に立っていかなければもはや日本の今後の農協はあり得ない。もしかしたら、今回の改革が、今度こそ、今度こそといって最後のチャンスになるかもしれない。こういう危機感を持って、是非質疑したいと思っておるんですけれども。  そのときに、特に自立を促す場合に、農業協同組合というのは非常に農業生産者の大きな役割を果たしていると、こういうふうに考えているわけであります。ただ残念ながら、その農協が今おかしくなっているんではないかという指摘も一つあるかと思っておりまして、先日、農協の不祥事に関してJAバンクさんの方から、これ農林中金ですね、JAバンクの不祥事に関する取組ということでプレスリリースが自ら出されております。二月二十四日のことでございます。内容は、JAバンクの横領事件、不祥事等、九年間で八百六十一件と、被害総額は百八十七億円に及ぶという記事を自ら出されております。  本件に関して、昨日レクをさせていただいて農水省の御担当の方にお伺いしたところ、昨晩になってやっとその記事を手に入れたという状況でございますが、果たして大臣の方はこのプレスリリース、いつ御覧になられたのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  139. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 二月二十四日付けで農林中央金庫がJAバンクの不祥事に対する取組についてと、こういうのを出されております。  委員が御質問していただいたので、この御質問に対するレクのときに読ませていただきました。
  140. 山田太郎

    ○山田太郎君 まさにこの報道が事実なのかということも把握したいわけでありますが、この農林中金が過去発表したという九年間又は十年間の間に不祥事としての全体像はどのように農水省として把握されているのか。これは農林中金さんが発表されたプレスリリースでございますが、農水省さんとしてはどんなことを把握されているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  141. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 農協においても、銀行や信用金庫等と同様に職員の横領等の不祥事件が発生した場合には所管の行政庁に届け出ると、これが法令で義務付けられております。  農協の所管行政庁は都道府県ということになりますので、農協を所管する都道府県において当該届出を受理することによって農協の不祥事件の状況を把握し、行政処分等の必要な対応を取ると、こういうことになります。  農林水産省においては、都道府県に対して不祥事件の届出を農協から受けた場合は速やかに農林水産省に報告をしていただいているところでございますが、公表しないことを前提として報告を受けているものであるということ、それから金融庁においても所管する銀行等の金融機関の不祥事件について集計して提供するということは行っていないと、こういうことから、当省としては農協の不祥事件の件数を提供することは差し控えることとしております。  金融庁においても、公にすることにより法人等の権利、それから競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものに該当する等々の理由で不祥事件の件数等は公表をしておりませんが、所管する金融機関の行政処分事例は公表をしておりまして、農林水産省としても、都道府県知事が農協の不祥事件について行った行政処分について都道府県から聞き取りを行って、山田議員のところに提出をさせていただいたところでございます。
  142. 山田太郎

    ○山田太郎君 随分質問の先までお答えいただいちゃったんですけれども。その中で御質問したかった、それでは、これだけの不祥事があるということで、このこと自身は農水省又は農水大臣の下に情報が上がっているはずだということになるわけですが、さて、じゃ、この行政処分というのがどれぐらい行われたのかということにおいて、過去十年間の数字を教えていただけますでしょうか。
  143. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 農林水産省が、先ほど申し上げましたように、農協を所管している各都道府県、これに聞き取りを行った結果によりますと、平成十六年度以降の十年間において都道府県が農協の内部管理体制の不備を理由として農協に対し業務改善命令等の行政処分を行った件数、これは公表されているもので三十四件であると承知しております。
  144. 山田太郎

    ○山田太郎君 今回、農林中金さんが自ら発表したのが九百件弱で、行政処分を行ったのは三十四件というのは、余りにも数が合わないというか腑に落ちないというか、そんなところがあるわけでありますが、ちょっとその辺りを少しこれからきっちしやっていかなきゃいけないのかなというふうにも思っております。  実際の不祥事事件というのも一つ一つが、実は拝見させていただきますと、これ過去十年間にわたっていろんな記事を集めさせていただいたんですが、かなり巨額でございまして、鹿児島県で三千八百万使い込み、東京で一億三千万横領、鹿児島県で四千万円着服、新潟県で一億二千万円横領、こんな形でもって、数を挙げるともう億単位のお金が次々とこの横領だとか不正事件で起こってしまっているわけですね。  ガバナンスという問題がどうなっているのかということに触れざるを得ないと思うんですが、多分、金融検査というのか、この農協を所轄しておりますのは農林水産省になりますので、農林水産省さんが金融検査をしているという、農協さんの場合は特に信用事業に対してはそういう構造があるのかと思っています。  そこで、例えば金融機関であればいわゆる金融庁さんがやっていると思いますが、農協は都道府県の職員が農水省の指導の下に金融検査に行っていると。この金融検査のマニュアルは、金融庁も農水省も実は同じものを使っているということだそうです。  ただ、残念ながら、まさに金融庁さんと違って、農林水産省さんの特に都道府県の職員はこの金融検査をするのに余り慣れていないんではないかと、こんな危惧もありまして、そこで、どんな教育を受けて、どんな研修プログラムなのかということで、これについても資料をいただきまして、いろいろ見ていったんですけれども、年間六回、合計二十六日間行っているということでありまして、特に金融庁の職員がレクチャーするのはそのうち一回だけだそうであります。まさに金融のプロが説明するのは一回ということなんですが、具体的に何時間の講義を受けているんでしょうか。その数も分かれば教えていただけますでしょうか。
  145. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 先ほどお話をしていただいたように、金融庁が来ているわけでございますが、実際には、この三日間で日程をやっている中で、金融庁の職員の方に最近の金融検査と検査結果事例ということがありますが、何時間というのはちょっと御通告なかったものですから手元にございません。
  146. 山田太郎

    ○山田太郎君 まさに二十六日間やっている研修の中の三日間のコースの中の一日だけということでありまして、是非、これ都道府県の職員に教えるだけではなくて、金融庁のプロの職員を講師に据えた研修をもうちょっと増やして、きちっと検査していただいて、農協の信頼回復というか、こういった不祥事を、巨額不祥事なかなか後を絶たないようですので、是非なくしていっていただきたいなと。そうすることによって、やっぱり農業生産者にも改めて支持されると、こういうふうになってくると思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  さて、もう一つは、農協のいわゆる信用事業に対する在り方というのも少し触れたいと思っています。多くは予算委員会の方でもやらせていただきましたので、その他の部分で少しお話をしていきたいと思いますが、まず、農協の貸出資金は、集めたお金で八十八兆円、貸出資金は二十四兆ということで、六十兆は系統の上部構造、農林中金に向けて預託されるということになっています。  問題は、このJAバンクそのものがいわゆる貸し出している二十四兆円のうち、農業部門に対する融資というのが僅か一・五兆円しかないと。二十四兆扱っている中の、平成二十三年度で一・五兆円しか行っていないということなんですね。まさに貸出しの六・四%にすぎないということであります。  これは予算委員会の方でも少し質疑させてはいただいたんですが、大事な点だと思いますので、こういう状況下の中で、農協法の第一条における、まさに農協の意味というんですか、社会的立場ということが本当に趣旨からして健全な状態と言えるのかどうか、この辺りも少し大臣からコメントいただけますでしょうか。
  147. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今委員がお話しいただいたように、この八十八兆のうちの二十三兆、これが貸出金ですが、このうち、また農業融資が一兆五千億ということで六・四%にとどまっているということでございます。  農協系統の金融機関においては、こういう状況を踏まえて、やはり将来の地域農業、こういうものを支えていく担い手の確保、育成をサポートして、持続可能な農業を支えていくための農業メーンバンク機能の強化、こういうものを目指して、この担い手となる農業者への訪問活動、地域商談会、こういうことに対する支援活動を強化しようとしているという方向だと、こういうふうに承知をしております。  それから、大規模農業法人等については、農林中金が中心ですが、この大規模農業法人等向けに低利運転資金を融通する農業法人サポートローン、これ二十五年の四月が創設でございます。それから、アグリビジネス投資育成会社を介して出資する担い手経営体応援ファンド、これは出資でございますので直接融資というわけにいきませんが、金融サービス。もう一つ、六次化ファンド、これは例のA―FIVEの子ファンドを農協系統でつくったと。こういう取組を行っているところでございますが、数字ではまだこういう取組、先ほどの六・四%が倍、三倍になっていくという状況ではございませんので、やはり担い手農業者の期待に応えられるような金融サービスがしっかりと提供されるような体制、これを支援していくとともに強く期待をしたいと、こういうふうに思っております。
  148. 山田太郎

    ○山田太郎君 まさに農業は確かに設備産業型の産業であることもよく理解しています。機械も必要ですし、土地の改良のためにはお金が掛かるということで、かつ、農地法等によって必ずしも農地が担保にならないんで、一般金融機関がなかなか貸し出せない、そんな中で農業系の専門銀行が必要だという存在自身もよく理解しております。ただ、残念ながら、農協の役割というところから考えた場合には、少しこれは考え直すというか、是非農業事業にもうちょっと集中していただきたいなと、こんなふうに思うわけであります。  一方で、大臣の方からいろんな農業に対する金融施策についてお伺いしましたが、もう一方、資料の方を皆さんのお手元にお配りしておりますけれども、実は日本政策金融公庫も農業分野に関してのいわゆる融資を行っております。規模としては一兆四千六百億ということでありまして、実は農協さんとほぼ同じ額の金額が実は融資されているわけであります。  こういう状態になってきてしまいますと、果たして、厳しい言い方をすれば、農協さんの信用事業というのはこのまま農協事業の専業、専門として必要なのかどうかと。私どもの立場から言わせていただけば、この金融事業は分離することによって分かりやすくしていこう、そんなふうにも議論せざるを得ないわけであります。  ただ、今度そうなってくると、金融部門がないと農協の経済事業は成り立たない。実は経済事業、御案内のとおり、かなりな赤字を出しておりまして、それも理解しているわけであります。じゃ、今度そういった意味で、本来の、農協の本来業務と思われるこの経済事業、どうしてこんなに赤字なのかと、さっき言った自立ということを考えた場合に、農協さん自身がこの経済事業で何とか自立していかなければ非常に難しいだろう。  もう一つ、これは農水省さんも自らの農協改革について平成十七年度まとめている資料の中から指摘している事項ですが、農業者、特に担い手の中から、農協から購入する資材は割高ではないか、手数料を高く取られているではないかという不満の声も多いんだと、こういうことの、いわゆるこれは農水省さん自らがレポートの中でまとめられている農協に対する一つの声があるよということなんでありますが。つまり、この経済事業自身が改善していかなければ、当然割高ないわゆる飼料であったりだとか、販売も、有利に買ってくれない、手数料も高く取られているんじゃないかと、こういうことは払拭できないわけであります。  どうしてこんなに経済事業が赤字で成り立たないのか、この辺り、農水省さんとしてはどう把握されているか、お答えいただけますでしょうか。
  149. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まず、このお配りいただいた資料でございますが、委員多分御承知だと思うんですけれども、この政策金融公庫をつくったときに幾つかの政策金融機関を一つにしました。そのうちの一つが実は農林漁業金融公庫というのがあったわけでございまして、そもそも、じゃその農林漁業金融公庫と中金の関係いかにと、こういうこともあろうかとは思いますけれども、そういう経緯もあって、この政策金融公庫が全くゼロのところから来たわけではなくて、そもそもそこが行ったという背景があるということは御理解をいただけておると思っております。そういう前提で、この信用事業についてもお話がありました。  やはり組合員の設立をした、農業者が自主的に設立した協同組合ということで、この事業範囲も農家組合員の選択ということでございます。したがって、信用事業、共済事業は行わなければならないということにはなっていないわけでございますが、組合員の必要とするサービスを総合的に提供するという観点でこういうことをやっていると。  まさにこの分離等を強制しますと、経済事業の強化に必要な投資ができなくなったり、それから農村地域社会における金融サービスの提供が難しくなると、こういうところが懸念をされるわけでございます。しからば、農協の経済事業、なぜこう赤字なのかと、こういうことでございますが、全国平均で見ますと赤字なんでございますが、私の両脇に座っていらっしゃる副大臣、政務官のお地元の北海道、これは黒字なんですね。したがって、経済事業が必ずしもどうやっても赤字になるということではないということをこの北海道の例は示しているんではないかと、こういうふうに思っておりまして、やはり総合農協においては、収益の上がる信用事業等に職員を振り向けていると、こういうことから、農産物販売に十分な工夫がまだできていないケースがあるんじゃないかというふうにも考えておるところでございます。  特に、農協自身が独自の販売ルートというのを持たないで、ただ市場への出荷を中心とする委託販売、こういうものを行っている場合は、価格が結局その需給で決まってしまうということで、有利販売のためのなかなか工夫ができない結果、販売を委託している農業者の方も手数料を取っている農協にもメリットが出ないと、こういうような形になっていると。こういうことでございますので、やはり原点に返って、農協が有利で安定的な販路を自ら確保して、買取り販売、こういうものを拡大していくと、手数料でなくてですね、こういうことを真剣に検討していく必要があると考えております。
  150. 山田太郎

    ○山田太郎君 私もまさに大臣と同じ問題意識を持っておりまして、農協さん、是非、在庫責任を持って、販売責任を持って買い取って自らの責任でもって市場に売ると、こういうことを少し乗り出していただいてもいいのかなと。  実は、このことは、今の国会の中でも大事だと思っていますのは、いわゆる六次産業化の問題であります。私、六次産業化に関しては確かに必要だとは思いますが、このままで行くと、下手すると流通支配になりかねない。流通業、非常に大きなバイイングパワーを持っています。私なんかは、仕事上、製造業のサポートをずっとやってきましたので、いかに部品メーカーや下請がどういうふうな構造になっていっちゃうか。もし農業が生産者として六次産業化をどんどん進めていったときに、流通支配の下に入れば、これは部品メーカーのように、農業生産者、非常にもっと厳しい、コスト削減どころか、工夫ができるような農作物が作れるのかということまで至ると思っています。  そのときに、やっぱりあえていわゆる農業協同組合、まさに生産者の団体の役割というのは非常に大きいというふうに思っておりまして、この六次産業化に関しても、私自身は、農協さん、是非考えていただいて、今変革の中でまさに大臣が問題点として指摘したような販売事業に関する積極性というのを是非発揮していただきたいなと、こんなふうに思っているわけであります。  さて、そういったちょうど話も受けて、確かにJAさんも何もしないわけではなかったようでありまして、七日のちょうど予算委員会をやっている裏側で、全中の萬歳会長がJAグループの営農・経済革新プランというのを出されました。抜本的に農協をどういうふうに改革していくのか、大臣の言葉で言うと、自己変革のプランを農協は自らが出されたということであります。是非これについてもコメントと御評価を大臣の方からいただけますでしょうか。
  151. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今まさに委員がおっしゃっていただいたように、農業者の協同組織であります農協は、やはり農産物の有利販売、それから生産資材価格の引下げ、これによって農業者の所得を向上させて地域農業を発展させていくと、これが基本であると考えております。  三月七日に、まさに委員が予算委員会に立っておられるときに、まだ見ていないけれども今日発表された、ちょうどあのぐらいの時間だったと思いますけれども、自己改革案なるものが発表されましたが。四月の取りまとめに向けてこれから組織内で討議をされるということでありますので、担い手を始めとする農業者から評価をされ、農業の成長産業化に資するものとなるように更に検討を深める、また具体化されると、こういうことを期待をしたいと思っております。
  152. 山田太郎

    ○山田太郎君 その残念ながら農協なんでありますが、これまで組織力というか組織化率も下がってきているのが実は現状だと思っています。まさに農協さんが生まれ変わるためにはそういった不断の改革というのはこれから重要だと思いますが、実はこの改革案、今回が初めての話ではございません。平成十五年にも実は経済事業改革指針という改革案を全中さんの方で作っておりまして、同じようなことをと言うと怒られちゃうかもしれませんが、訴えているんですね。  特に、構造的な赤字対策の経済事業の収支を確立しなければならぬということを力強く訴えているんですが、この当時のプランと今回のプランとどこがどう違うというふうに見ているのか、もちろん農協にそれは聞けというふうなことかもしれませんが、大臣として、是非、御評価、またコメントいただけますでしょうか。
  153. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 詳しくは全中の方に聞いていただくということもあろうかと思いますが、平成十五年に、今委員がおっしゃったように、全中が経済事業改革指針を決定をしております。それから、まさに今、三月の頭に決めた自己改革案、これは共に経済事業の改革方針を決めたものという意味では目指すべき方向は同じであろうというふうに拝見をしております。  この十五年以降の取組ですけれども、農家所得の向上を図るという本来の使命に照らしてこれで十分かといいますと、本当に十分ならこの改革ということも出てこないわけでございますので、今回、前に比べて、方向は一緒ですけれども、どこが新しいかという観点でいいますと、担い手サポート型を主力とした営農・経済事業方式の確立、それから新たな販売事業方式の確立と、こういうものを打ち出しているところが新しいところかなというふうに見ておるわけでございます。  先ほど申し上げたように、これを具体化して検討を深めていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
  154. 山田太郎

    山田太郎君 全中さん、農協さんも四月に向けてまとめるということなので、この推移を見守りながら、是非、農協改革、まさに現場が中心となって農協を守り立てていく、いわゆる生産者のための団体というふうにもう一度かじを切っていただく、それができなければもしかしたら農水省さんもまた一緒になって改革に取り組まなきゃいけないと思うんですが、確かに自己改革というのは、まず自主的な協同組合だと思っておりますので、推移は見守っていきたいと思います。  ただ、一点、先ほどから御指摘しています気になる金融事業の在り方に関して、今後どのように考えていけばいいのか。私どもといたしましては、できれば分離をして、ほかの銀行と同じように競争していただいて、農協さんはいわゆる経済事業に集中されるというのが一番分かりやすいと、こんなふうにも思っているわけでありますが、その辺の大臣の所感もいただけますでしょうか。
  155. 林芳正

    国務大臣林芳正君) この農協の信用事業については、平成八年、それから平成十三年の農協法等の改正によりまして、単協、信連、農林中金、この三組が全体として一つの金融機関として機能するいわゆるJAバンクシステム、これが構築されて、健全性の確保が図られるとともに、銀行等と同レベルの規制、この前半で御質問いただいたようなことになったという改革が進んだところであります。  平成十五年、先ほど経済事業改革指針の中では、この農産物販売戦略の見直しとか生産資材価格の引下げ、拠点型事業、ガソリンスタンドとか生活購買店舗、こういうのの収支改善等を事業目標として改革に取り組むと、こういうふうにされておられたわけですが、今度の公表されたこのプランにも、十五年以降の取組が農家所得の向上を図るという事業の使命に照らして十分な成果が出ていないという状況にあることから、経済事業中心になってはおりますけれども、一方で、この連合会等による担い手へのファンド・融資の拡充、それから直接的な金融支援の実施等、農業支援機能強化に向けた信用事業に関する改革も盛り込まれているわけでございますので、この辺も併せて、先ほど来申し上げておりますように、検討を深めて具体化をしていただきたいと思っておるところでございます。
  156. 山田太郎

    山田太郎君 時間になりましたので質疑はこれぐらいにしたいと思いますが、本当に現場の生産者、私も回っていますと、もちろん半分は農協以外、直接やっている最近の強い農家、農業従事者は出てきていますが、やっぱり半分以上はこの農協に頼らなければ実際の売る先の確保、サポートをしてもらえないということであります。そういう意味で、この農協が元々協同組合として自ら自主的に産業組合としてつくってきた、これは前回の予算委員会でも、品川弥二郎さん、それから実は平田東助さんなんかも産業組合をドイツ等で見てきたということで立ち上げたというものでありまして、そこに頑張っていただかなきゃいけないと思っています。これは、もしかしたら、農水省さんに言うよりも、是非ここの支持を、農協さんの支持を得られてこられた議員の方々、厳しいようかもしれませんけれども、是非言っていただいて、本当に全農家から信頼され、農協が引っ張っていくような少し仕組みにできないか。  改革は何度もやっています。もう、この政府がやろうとしている改革に対して現場のことをサポートするの、もしかしたら農協ないかもしれない、それぐらいの気持ちで是非経済事業について取り組んでほしいということを厳しいようですけど言っていただければ幸いだと思っております。  本当に、農協と関係ない私なんかが農協の中を少し申し上げて、生意気なことを今日は言う質疑になったかもしれませんが、これは本当にみんなの農業のことを考えてやっていきたいと思っていますので、今日の質疑させていただきました。  本当にありがとうございました。
  157. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず、未曽有の大災害をもたらした東日本大震災と原発事故から三年が経過いたしました。そして、この冬、豪雪で多くの被害が出ました。お亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表するとともに、被害を受けられた皆様に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。  今日は、豪雪被害についてまずお聞きします。  私、先日、埼玉県の本庄市、深谷市、そして熊谷市に入りました。熊谷では、明け方になって雪がやんで雨になって、これで心配ないと思ったやさきに、この重みで目の前でハウスが潰れてしまったと、もうショックだったという方が何人もいらっしゃいました。多くの農業者は営農を続けられるかどうか悩んでいる状態です。  先日、農林水産省がそういう中で新たな対策を打ち出して、特に今までなかったハウスの撤去費用の支援とか、こういうのが出されて非常に画期的だと現地では歓迎をされているんですね。しかしながら、もっと踏み込んだ対策が望まれているというのが現場の声です。  まず、ハウスの撤去、整備、再建が急がれるんですけれども、現場に行きますと、撤去するための業者、それから人材が不足していると。それから、再建するためにも資材が不足していると。先ほどちょっとやり取りありましたけれども、これが本当に切実な声として出されていましたし、それから、被災農業者向け経営体育成支援事業というのがありますけれども、これも歓迎されてはいるんですけれども、農家負担がありますね。例えば、一千万円のハウスを再建する場合の負担なんですけれども、地方自治体の補助が十分の四という場合は農家の負担が百万円、十分の四は見ないよというふうになった場合は三百万円の負担になると。  地域で農業を支えている高齢者の方は、新たな融資を受けるというのは大変困難です。高齢であればあるほど貸してもらえないという状況があるんですね。自力で支援を確保できないということで、営農を諦めなきゃいけないという高齢の方がいらっしゃいます。  一方、共同利用を支援する事業として、強い農業づくり交付金というのが拡充をされたと。農家五戸以上が参加をして共同で利用する低コスト耐候性ハウスというんですかね、この支援をするということで、農協のリースハウスがあるというふうに聞きました。町もJAも、営農を断念する人が増えると、農業の将来、首都圏を支える農業の将来が憂慮されるというふうに言っています。  東日本大震災のときには、実は船を確保するために踏み込んだ支援が行われたと思うんですね。つまり、漁協が船をまず確保して、リースというか貸し出して、何年かやって個々人の者に売り渡すというような形を取ってやった対策があったわけですけれども、ちょっとそういうことなんかも踏まえながらリース事業を柔軟に活用するなど、もう一歩踏み込んだ対策が必要だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  158. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まず、今日、午前中、午後、それぞれの先生方から今回の対策についてお褒めの言葉をあずかって、紙先生からも一定の御評価をいただいたと、感無量でございますが。  その上で更に踏み込んだ対策と、こういうことでございますけれども、例えばということでリースのお話がございました。JAが所有する共同利用施設として助成可能な農業用ハウス、低コスト耐候性ハウスということで、強い農業づくり交付金で支援をしてきているところでございます。この低コスト耐候性ハウスというのは、JAが整備をした上で、複数、これは原則は五戸以上でございますが、複数の農業者に貸し付けるということも可能でございます。  したがって、今冬の雪害に対応して、平成二十六年度の強い農業づくり交付金二百三十四億円でございますが、二十億の雪害対応枠を設けまして、雪害を受けた産地に対して共同利用施設の整備を優先的に支援することにしておりますので、今後県等からの事業要望を踏まえて適切に対応してまいりたいと、こういうふうに思っております。
  159. 紙智子

    ○紙智子君 融資が難しい場合リースでと、そのことが、自分もやれるし次世代にもつなげられるということにもつながるわけですね。  先ほど言われた耐候性ハウスの問題も、今組んでいるんだけれども、やっぱりできるだけ対象を多く持てるようにというところで、是非柔軟な検討をしていただきたいなと思いますけれども、もう一言お願いします。
  160. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これ、今ある制度の御説明を原則ということでいたしましたけれども、今回、ほかのハウスの撤去ですとかそれから再建についても、かなり今回特例ということをやっておりますので、御要望に基づいて柔軟な対応をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
  161. 紙智子

    ○紙智子君 それと、地域農業の担い手になっている若い農業者は、二重ローンの問題で苦しんでいるんですね。  お訪ねしたキュウリ農家の方は、春に苗植えの準備をしていて、新しいビニールを張って肥料を入れて土を暖める作業をして、実は二月二十八日に苗が来る予定だったと。そのやさきに被災しちゃったわけですね。それで、その費用と当座の生活資金がないと。資材は早くても秋だというふうに言われているということなんですけれども、当面の生活資金がない上に、今の市場価格を考えたら新たな借金できないということで、東日本のときにも問題になりましたけれども、二重ローンの対策ということで支援を検討すべきではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
  162. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) まさに委員がおっしゃっていただいたように、今回の雪害の被災農業者の中には、これまでの投資によって既に既往債務を抱えていらっしゃる方、これ少なくないと、こういうふうに考えておりまして、再建に向けて新たな投資への負担をいかに軽減していくかが大事であると、こういうふうに認識しております。  特に、四月一日から消費税の引上げということもあって、ふだんの年よりもそういう方の割合が少し多かったという声も聞かれるわけでございまして、こういう状況を受けて、この大雪被害に関する農林水産省の緊急災害対策本部で、先ほど来御指摘いただいているように、まず再建の国庫補助率を十分の三から二分の一、地方公共団体上乗せ補助に対し七割を特別交付税と、こういうことをまさにやって、まずは、そもそも農家の方の負担を軽減をするということをやっております。  さらに、御本人の負担の部分の借入れについても、災害関連資金、農林漁業セーフティーネット資金等について、貸付け当初の五年間を無利子化すると、こういう措置を講じると同時に、償還期間、据置期間を極力長く設定をしていただくように関係金融機関に要請をしておりまして、残った部分の借入れについても農業者の負担軽減を図っておるところでございます。  それから、既に借りた二重ローンの最初のローンの方についても、この返済について、経営の実情に照らして償還猶予等、条件変更を適切に講じるよう、これも関係金融機関に要請をしたところでございます。  さらに、これは法人の場合ということになりますが、融資のほかに、アグリビジネス投資育成株式会社、これによる出資機能を活用いたしまして被災農業法人への支援を実施するということで、負債にならない出資という形でやるという方法も使いながらこの借入れの負担を軽減することを支援していきたいと、こういうふうに思っておりまして、トータルでこの負担軽減を図って経営再建をしていただくよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
  163. 紙智子

    ○紙智子君 やはり心配されるのは、農業者の高齢化が進んでいる中で、これを機にやめるという人が出てくるかもしれないと、耕作放棄地が増えるんじゃないかと。やっぱり農業者の皆さんが意欲を持って農業を続けられるように、是非踏み込んだ対策を強く要望しておきたいと思います。  続きまして、TPPについてです。  二月二十五日までのTPP閣僚会議は大筋合意にも至らなかったと。甘利大臣は、十五日から米国のフロマン氏と会った後の記者会見で、先ほども出ていましたけれども、関税で農産五品目一つ残らず微動だにしないというなら交渉にならないというふうにおっしゃった。一つも現状が変わらないと思っている人はいないとまで言われました。  この発言というのは、私は明らかに衆参の国会決議に反する発言だというふうに思うんです。重要五品目を守ると、かつて一ミリも譲らないというふうに言ってきたわけで、明らかにこれ公約違反だと。  更に付け加えれば、国民皆保険制度の維持の問題ですとか食の安全、安心、ISD条項の問題ですとか、自民党としては六項目を掲げていて、これが確保できないなら交渉から離脱も辞さないというのが決議だったわけで、林農水大臣は、これ決議に反するこういう発言に対しては本来きちっと批判をして、守れないというんだったら決議どおり撤退すべきじゃないかというふうに主張されるのが筋だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  164. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 甘利大臣が、先月の記者会見だったと思いますが、五品目中のタリフライン、一つ残らず微動だにしないということでは、これは交渉になりませんと、こういう発言をされたことは承知をしておるところでございます。  午前中か午後になってからかちょっと判然としませんが、前からお答えをしているように、この国会の決議、まさにこの委員会と衆議院の委員会での決議というものの解釈というもの、どういうふうなことがこれに当てはまるのか当てはまらないのかということについては、我々政府側として差し出がましいことを言うということは控えたいと、こういうふうに思っております。  何よりも、この決議を踏まえて、国益を守り抜くよう全力を尽くすということを重ねて申し上げたいと、こういうふうに思います。
  165. 紙智子

    ○紙智子君 解釈の話ではないと思うんですよね。これまでだったら何回も繰り返し大臣自身も、やっぱり決議は守るんだというふうに繰り返しおっしゃってきたわけで、なぜここに来て解釈については何も言えないんだというふうになるのかなと思うんですけれども、ここはやっぱりしっかり、この守れないという状況になったときに、農水大臣として絶対それは引けないという立場で頑張っていただかなければいけないわけですよ。  更に言えば、米政府がこれ全ての農産品の関税撤廃を強硬に要求してきたと。それで、米や麦や牛肉・豚肉、乳製品、砂糖など農産物の重要五品目の、言ってみれば政府の方としては部分譲歩ですよね、これを狙って日本政府が提案をやったわけだけれども、これを結局米国は拒否をして成立に至らなかったと。これは、安倍総理が昨年二月にオバマ大統領との共同声明で、聖域なき関税撤廃が前提でないことが分かった、互いのセンシティビティーについても認識を共有した、だからTPPに入るというふうに説明をしていたことが違っていたということじゃないかと思うんですよ。米国はあくまでも完全に撤廃なんだというふうに言ってきているわけで、これはやっぱり国民を欺いていることになるんじゃないかと思うんです。  安倍政権の閣僚の一員として、林大臣はこのことについて国民にどう説明をされるんですか。
  166. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これは、相手がどういうふうにおっしゃっているかそのものは交渉の中身でございますが、それが報道でどういうふうにされているかということがまた別にあるわけでございますけれども、いずれにしても、総理がそこでおっしゃったように、この日米共同声明だったと思いますが、聖域なき関税撤廃をあらかじめ約束をしないと、交渉参加に当たってですね。我々の公約もそういうふうになっていたわけですが。そのことを確認した上で共同声明というものを出して、その共同声明には、一定の農産物にはセンシティビティーが我が国にあるということまで明記をしておるわけでございますので、そのことを前提に交渉参加を決定され、交渉が始まっております。  したがって、この交渉方針については、何度も繰り返しになりますが、国会で御決議をいただいておりますので、これを踏まえて全力を尽くすと、こういうことでございます。
  167. 紙智子

    ○紙智子君 やはりTPP、元々原則は例外なき関税撤廃なわけですよ。それをそうでないかのように国民に向けて宣伝して交渉に入ったと。確かに文書で出したけれども、やっぱりやってみたら実態はそうだったんじゃないかということが改めてはっきりしたわけですよ。そうである以上は、もうこの局面ですから、やっぱり撤退する以外に道はないと、それが筋だということを強く申し上げておきたいと思います。  続きまして、農政改革に入ります。  政府の農政改革の発表がされたわけですけれども、四つの柱ですよね、農地中間管理機構の創設と経営所得安定対策の見直し、それから水田フル活用と米政策の見直し、そして日本型直接支払の創設と。  これを受けて、私、各地を歩いてきたんですけれども、どこに行っても、説明を聞いても煮詰まっていないことが多くて何をやろうとしているか見えてこないという声ですとか、所得倍増と言われるが、経営に与える影響は大きい、結局、農家の負担を農協が支えることになるとすれば農協が負担を抱えてしまいかねないという声ですとか、それから、農業経営の展望が持てないと、こういうふうに言われる、声が掛けられているわけです。  政府の方としてはこういうふうに打ち出しているんだけれども、現場歩くと、とにかく分からない、説明されるんだけれどもさっぱりこの中身が煮詰まっていないと、こういう状況を農水大臣としてどう思われますか。
  168. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) やはり、農政の推進をしていくに当たっては、現場の理解と協力、これはもう非常に大事であると、こういうふうに思っております。今回の農政改革、特に大きな改革ですから、きめ細かな情報提供を進める必要があると、こういうふうに考えております。  こういった状況を受けて、年明けから、ブロック別、都道府県別、六十回まずやらせていただきました。お地元の北海道は大きいものですからブロック別に何か所かやらせていただいて、それで六十回になっているわけでございますけれども。さらに、当省職員を派遣した市町村レベルの説明会、自主的にやられているやつがほかにもあるかもしれませんが、当省職員を派遣した市町村レベルでの説明会、二月末時点で約二千七百回開催をさせていただいているわけでございまして、ここに参加していただいた皆様の合計が十一万七千人を超える説明をしてきたと、こういうことでございます。  そこでやはり様々質問が出されますので、その回答をそこでお答えするだけではなくて、農林水産省のホームページに掲載するなど、広く配付をするということと随時更新していくということで現場の理解を深める取組も併せて進めているところでございます。  地域の実態、それぞれ、北海道から沖縄までございますので、そういう実態に応じた丁寧な説明と、それから、現場から出た声を踏まえて運用の改善を行うと。言わば、どなたかおっしゃっておられたように、キャッチボールをしながら、きめ細かくこの改革を実行していかなければならないと考えております。
  169. 紙智子

    ○紙智子君 説明はして歩いているということなんですけど、例えば水田対策について、先ほどもちょっと出されていたんですけれども、例えば飼料米の生産について、作ってもそれが需要に合うのかどうか分からないと。    〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕  水田フル活用ビジョンの目玉とされる飼料米の生産では、これまでも十アール当たり七万五千円が交付されていたと。それを収量に応じて十アール当たり五万五千円から十万五千円の範囲で支給するというふうになっているんですけれども、この十万五千円の方だけが独り歩きしているという面があって、需要に見合う生産を考えようとすると、実際には主食用の一・三倍以上の収量が必要なんですね。相当の量を作らないといけないというふうになっていて、なかなかそんないい条件のところというのもないんですよね。そうすると、やっぱり収入を得られる、増えるという保証はないと。しかも、飼料米の需要については、鳥や豚の飼育が中心ということですから、地域での需要というのは限られると。畜産のない地域で飼料米にシフトできるのかどうか。  それから、コンタミ問題もありますよね。それから、流通における主食米との混入問題。それから、主食用米の品質劣化という問題も避けられなくなると。飼料に加工する、加工場の話もさっき出ましたけれども、この体制も不十分だと。  だから、作りなさい、作りなさいと言うんだけれども、作ったはいいけど、結局、はけていかないというふうになるんじゃないかと。これをどうするのかというのも出されておりますけれども、どのように対応していますか。
  170. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) この飼料用米については、マクロで申し上げますと畜産側で約一千万トン、トウモロコシが輸入されておりますが、これと同等の栄養価だと、こう評価をされておりますので、輸入トウモロコシと変わらない価格での供給ができれば四百五十万トン程度の潜在的な需要、今のどれぐらい混ぜられるかというデータに基づいて推計しても、これは改善していくと思いますが、今のデータに基づいてもそれぐらいの潜在的な需要が見込まれると、こういうふうに考えております。  実際には、地域で直接供給してほしいとの要望がある畜産農家から新たに七万トンの供給希望、既に寄せられておりまして、生産要望のある耕種農家とのマッチング活動、こういうものを行っております。  それから、配合飼料工場経由で供給する場合は、全国生産者団体が地域の餌米を集荷しまして配合飼料原料として飼料工場へ広域的に供給する仕組みによりまして、各地の配合飼料メーカーと調整しながら受け入れる体制が整っているということでございまして、各地で生産された飼料用米を安定的に流通させていくことが可能であると、こういうふうに考えております。  したがいまして、農林水産省としては、各地域において農家が安心して餌米を生産できるように、引き続き配合飼料工場での長期的、計画的な供給、活用のための情報提供、それから生産要望のある耕種農家と利用要望のある畜産農家との直接の取引のマッチング活動、こういうようなことなどによって餌米の利用拡大、これを推進していきたいと、こういうふうに思っております。  この主食用米とコンタミになるではないかということでございますが、この多収性専用品種としては主食用の品種よりもおくての品種を選択して作期を分散させると、すなわち餌米の方が遅く生育してくるということ、それから圃場の団地化を図るということを防止策として考えております。さらに、播種・育苗段階で種子や育苗箱の個々の品種名、これが特定できるようにいたしまして、品種の取り違い、他品種の種子の混入、こういうものがないように品質管理を徹底すると。さらに、収穫段階でございますが、品種ごとに収穫をして、品種の切替え時にはコンバインの清掃、細かい話かもしれませんが、こういうものを徹底するということ。そして、乾燥調製段階においては、一系列一日一品種の荷受け、これを基本としまして、品種の切替え時には、これもコンバインと同様、乾燥調製施設の清掃、また空運転を徹底をすると。こういうことをきちっと組み合わせてコンタミのリスク低減を図っていくと、これが重要であるというふうに考えております。  したがいまして、農林水産省として、こういう飼料用米の基本的な栽培方法やコンタミ防止対策を記載した飼料用米栽培マニュアル、これを作成をいたしまして、全国の普及組織等に対する各種説明会等で説明を行っておりまして、各関係機関と連携して、本マニュアルを活用しながら現場への指導を徹底してまいりたいと、こういうふうに思っております。    〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕  ちょっと長くなりますが、さらに、餌米の円滑な流通・加工体制、この整備のために、餌米の生産量の増加に伴って相対的に生産量が減少する主食用米の保管スペース、これを有効活用することが重要でありまして、所要の予算を確保しておるところでございます。
  171. 紙智子

    ○紙智子君 今ずっと今言われたことというのは時間が掛かるんですよね。生産現場は今すぐどうなるの、本当に受皿できるのかといって悩んでいるのに、しばらく掛かるものをこうやる、ああやると言われても困るというのが実際の声ですよ。  それから、ちょっと時間が来てしまうので飛ばします。経営安定対策なんですけれども、そもそも民主党政権の時代に戸別所得補償制度の導入のときに、コスト割れをするから一万五千円というふうに説明があったはずだと。コスト差は解消していないはずなんだけれども、今回の、何で半減するのかという積算根拠ですね、これについて説明をしてください。
  172. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 民主党が平成二十二年度に導入をされました戸別所得補償制度モデル対策におきましては、米は恒常的なコスト割れを起こしているということで、標準的な生産に要する費用、平成十四年から二十年産の七年中の中庸五年平均でございます。七中五ということですが、それと標準的な販売価格、これは平成十八年から二十年産の三年平均、この差額を基に算定した十アール当たり一万五千円、これを全ての販売農家に対して一律に交付をしたというところでございます。  しかしながら、米は、麦、大豆等と違い、高い国境措置、これが設定をされておりますので、諸外国との生産条件の格差から生じる不利がないということ、それから、全ての販売農家に対して生産費を補填することは農地の流動化のペースを遅らせる面があること等の政策的な問題があったために、昨年の農政改革の議論の中で廃止することを決定したところでございます。  なお、米の直接支払交付金ですが、これまで四年間交付されてきております。したがって、この交付金を前提に機械、施設の投資を行ってきた農業者もおられるということに鑑みまして、直ちに廃止ということではなくて、経過措置として二十六年産米から単価を削減した上で、二十九年産までの時限措置とすることにしたところでございます。
  173. 紙智子

    ○紙智子君 この問題はちょっと現場では本当に大問題になっていますよ。一万五千円で来ていたものが七千五百円になって、どうやって倍増なんかできるんだと。非常に不安が広がっていますし、この問題、また後でも議論させていただきますけど、非常に重大な問題だというように思っています。  もう一つ、ちょっと質問しておきたいんですけれども、中間管理機構の問題です。補正予算で四百億円、予算を付けているんですけれども、現状がどうなっているのか、実績ですね、これまずちょっと紹介してください。
  174. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これは耕作放棄地に関連してという御質問だと思いますが、耕作放棄地の調査……
  175. 紙智子

    ○紙智子君 いや補正で付いた実績、四百億、ざくっとでいいです。細かくなくていいです。
  176. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 四百億全体の、はい、失礼しました。  平成二十五年度補正は合計四百億円を計上しておりまして、業務運営に対する支援が百三十七億、機構への農地出し手に対する支援、機構集積協力金が百五十三億、農地集積、集約化の基礎業務への支援が百十億円ということになっております。取りあえず。
  177. 紙智子

    ○紙智子君 今の数字だけ聞いても、余りみんなよく分からないかと思うんですけれども、まだ本当に動いていないですよね。まだ動いていないんですよ。やっぱりこの間現地にも行ってきたけれども、ほとんどまだ分かっていない状態で、やっぱりやり方が余りにも拙速だというのが現場の声です。それから、このシステムで耕作放棄地の解消できるのかというのも併せて出ていたんですね。それで、ちょっとこれ飛んでしまうんですけれども、それはちょっと後からまた聞きます。  それで、予算を詳細に見ていくと、早く農地を中間管理機構に出すとお金が多く付く仕組みになっていると。しかし、農地の受け手がなければお金が出ないと、受け手が出ないということになると、集落は混乱を来すわけですね。これ、どうですか。
  178. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これは必ずしもちょっと御質問の趣旨を正確に把握しているかどうか分かりませんが、出し手の方は県のしっかりしたところがやるということで、出し手もこの賃料が入ってこないというリスクを余り心配しなくてもいいと、こういうことでありますし、それから今度は、受け手の方はこの出してもらったものをある程度集約して、土地改良なんかもやってそれから出してもらえると、こういうメリットがありますので、そういうところをきちっとこの中間管理機構で対応していく必要があるということだと思っております。
  179. 紙智子

    紙智子君 仕組み的に、そうやってとにかく早く出せ出せとやるんだけれども、受け手がない場合はこれ土地どうなっちゃうのかということがあるんですよね。これも本当にどこまで煮詰めて考えられているのかということが問われている問題ですし、それから、機構が対象となる農地の借り手の名前だとか農用地の利用配分計画にまとめて、知事の認可を受けて公告する仕組みになっているわけですけれども、問題は、最も地域を知っている農業委員会許可が要らなくなると、今回の仕組みで。あっ、時間オーバーですね。じゃ、これはまた後ほどやらせていただくということで、取りあえずのところは、今日のところは終わります。  ありがとうございました。
  180. 儀間光男

    儀間光男君 不動の最終バッター、日本維新の会の儀間でございます。  質問に入る前に、沖縄の林業について、通告はしてありませんが、林業らしき林業はないんですけれども、一つ紹介して認識をいただきたいのがあるんです。  沖縄に杉の木が、五十齢級、六十齢級あるということを知っておられたでしょうか。いや、答弁はいいです。これは紹介したいんですね。昭和三十年代前半から、屋久島杉、鹿児島県の屋久島杉を沖縄で育てようと一生懸命やったんですが、育たなかったんですね。ところが、不思議なことに、秋田県の当時の県知事さん、小畑さんだったか、ちょっとど忘れしましたが、この小畑さんが沖縄へ御来県されて、一木一草ない焼け野原に何とか緑を回復しようよということで、時の琉球政府の大田政作という、知事さんとの間で、主席さんとの間でいろいろやり取りされて、さんざん苦労した挙げ句、角館の杉が活着したんです。不思議ですね。当時の学説は、杉は南限が種子島である、屋久島であるということであったんですが、学説がひっくり返されたんです。あれから五、六十年たって、今、やがて製品として出荷しようと。間伐等もいろいろありましたから、当時二万本ぐらいはあったんですが、今何千本残って出荷を待っているかはよく分かりませんが、沖縄にも杉山があるということだけをお知らせをしておきたいと、こう思います。  さて、通告に従って質問に入りますが、おおよそ地球環境の自然のサイクルは、山であり川であり海であり、はたまた太陽のエネルギーであるというふうに認識をするところであります。この四つのサイクルから成っていると言っても過言ではないと思うんですが、さて、今日はその構成の一つである山、つまり森林、林業について、私らしからぬテーマでお尋ねをしたいと思います。その現状と将来性、あるいは担い手の育成など幾つかについて、政府の施策をお尋ねしたいと存じます。  まず、我が国の国土面積の実に三分の二に相当する約二千五百万ヘクタールを森林が有していると資料はうたっております。そのことから、木材の供給はもとより、国土の保全、私の地元沖縄においては長年水不足で苦労してまいりましたが、その涵養林としての水の確保の役割、あるいは森は豊かな川や漁場を育むと言われているなど、森林は多くの公益的機能を有していると認識をいたしております。  我が国の森林は戦後に植えて育てた人工林を中心に毎年成長しており、現在は、資料によりますと、四十九億立方メートルの木材資源として充実してきていると資料は書いてあります。引き続き間伐等の手入れが必要な段階のものがあり、多くの森林がいよいよ本格的に木材を生産する段階を迎えつつあると言われております。  また、森林の持つ多面的機能は、国土の保全はもとより、先ほど申し上げましたが、水源の涵養、生物の多様性の保全、地球環境温暖化の防止、特用林産物の供給などの機能を有し、適正な整備保全の維持向上が重要だと認識をするところでありますが、ここでお尋ねをいたしたいと思います。森林の現状についてお聞かせください。
  181. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃっていただいたように、森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止、こういった多面的な機能を有しているとともに、まさに林業はこの森林の有する多面的機能の発揮や地域経済の活性化、大変大きな役割を果たしているところでございます。  特に近年、戦後造成された人工林、これが本格的な利用期を迎えております。先ほど数字も出していただきましたが、私がいろんなところで御説明するときには、大体百メートル四方の面積のところに東京スカイツリー十六個分の高さ、これが毎年増えているということで、それだけ増えているということは、これぐらいは切って使ってもいいと。先ほど小川委員も、切って使うことが森を守ることだとおっしゃっていただきましたが、まさにそれをどんどんどんどん使って、そして森林資源を循環利用する、このことが大変に林業の成長産業化にとっても重要な課題になっておるわけでございます。  したがって、昨年の十二月の官邸で決めました農林水産業・地域の活力創造プランでも、この成長産業化の実現のため、新たな木材需要の創出、国産材の安定的、効率的な供給体制の構築、こういうことを書かせていただいたわけでございまして、これに基づいて現在審議をお願いしております二十六年度予算案においても、これに必要な予算を計上してしっかりと取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
  182. 儀間光男

    ○儀間光男君 今、私手元に林野庁の資料を少し手にしておりますが、これを見ますというと、現状は林大臣のおっしゃったとおりでありますが、これからの課題が多くあるように思います。成長産業に成長させていくには、どうしてもこれからの課題を克服しなければなかなか難しいように思うのでありますが、今十齢級を収穫して、それから更に植林をして、継続的に持続的に林業がなりわいとして成立していくには、更なる大変な努力が必要だと思うんですね。  ここでちょっとお尋ねしたいんですが、森林資源は人工林を中心に多くありますが、人工林と自然林、それから私有林と国有林、その割合がどうなっているかをお示しをいただきたいと思います。
  183. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  いわゆる人工林と天然林でございますけれども、森林全体は二千五百万ヘクタールでございますが、約四割の一千万ヘクタールが人工林でございまして、残りがいわゆる天然林ということでございます。  それから、所有区分別ということになりますと、いわゆる私有林というものが、個人とか会社が所有している森林でございますが、約六割ございまして、国有林が三割で一割ぐらいがいわゆる県有林、市町村有林という状況になっております。
  184. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。  内訳は大体分かったんでありますが、それでは、国有林と私有林、この面積の割合は何%ぐらいの割合で分けられておるのかをお示しいただきたいと思います。
  185. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) ちょっと重複するかもしれませんけれども、森林面積二千五百万ヘクタールございまして、私有林が大体約一千四百五十万ヘクタールございます。これに対して、国有林が約七百六十万ヘクタールあるということでございまして、残りの約二百九十万ヘクタールぐらいがいわゆる公有林ということでございます。割合から申しますと、繰り返しになって大変恐縮でございますが、私有林が約六割、国有林が三割、公有林が一割ということでございます。
  186. 儀間光男

    ○儀間光男君 確認したんですが、忘れていました。  それで、今、十齢級を迎えた材木として出荷する木々があるわけでございますが、政府発行のこの統計で見ますと、八齢級から十一齢級まで、これが多くの面積を示しておって、これがいよいよ製品として出荷されるだろうと思うんですが。八齢級が百十一万ヘクタール、九齢級が百五十六万ヘクタール、十齢級が百六十三万ヘクタール、十一齢級が百四十七万ヘクタール、あとは急激に下がっていって、ゼロに近くなっていくんですよ。そのことは、いわゆる皆伐をして出荷をして、その跡に再度の植栽がなされていなかったんではないかというように、この資料の一齢級からの数字を見ているというと、次の五、六十年後にこの産業は成り立っているかどうか、少し心配でならないような棒グラフがあるんですが、この辺はいかがでしょうか。
  187. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 御覧になっている資料は、いわゆる人工林の齢級別の面積のグラフかと存じます。これは、齢級、私ども、五年を一つの単位にいたしまして、例えば八齢級でいいますと、三十五年生から四十年生というような形になるわけでございます。  今、現実は、八齢級、九齢級、十齢級、十一齢級と、そういったところが、いわゆる五十年生前後、植栽後五十年ぐらいの山が一番ピークになってきているというような状況でございます。そこから上の齢級になりますと、いわゆる本格的な伐採が可能な林齢、森林の年齢になりますので、例えば六十年ぐらいになりますと、十二齢級、十三齢級になりますと、伐採しますと、例えばその後植えるということをやりますと、そこの場所の森林の林齢、年齢というのは、また植えた段階で一年目ということで、いわゆる一齢級の方にグラフが移っていくというようなことでございまして、今現存する人工林の齢級別の面積ということでこういう山型の棒グラフになっているわけでございます。  それで、なぜこういうふうになったかということでございますが、特に昭和三十年代から四十年代にかけまして、いわゆる拡大造林と申しますけれども、木材の需要が急速に伸びたという時期がございまして、そういった時期に我が国におきまして積極的に造林をしたということでございまして、その結果がこういう資源構成になっているという状況でございます。
  188. 儀間光男

    ○儀間光男君 この作付面積が、今の八齢級から十一齢級までの統計を見ていますというと、一齢級の作付けが、まあ人工林ですけれど七万ヘクタールとか、あるいは二齢級が十一万ヘクタールとか、極端に少ないんですね。サイクルとして、その場に来たときのこれぐらいの作付面積で一体なりわいが立つような収穫というか商売としてなっていくんでしょうか。
  189. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 今の、これは端的に、私ども日本の森林、林業の現状を端的に表している数字ではないかなと思っております。  要するに、せっかく木材資源、森林資源、豊かになってきたわけでございますけれども、まだまだ、切って使うというふうにまだ完全に移行していないと。まだなかなか切られないというような状況があろうかと思っておりまして、そういった意味で、今例えば皆伐をして植栽をするということになると、年間二万ヘクタールちょっとが、一年間のいわゆる植栽面積、造林面積でございますので、そういったことで非常に若い年齢の森林の面積が少ないという構造になっております。  私どもとしては、こういった、今現時点が、現在が本格的な利用段階を迎えてきておりますので、資源的にですね、先ほど大臣も申し上げましたけれども、いわゆる循環利用というもののサイクルをきちんとやっていく、確立していくということが大切だと思っておりまして、皆伐したら、切ったら跡には必ず植えるということを徹底させていきたいというふうに考えているところでございます。
  190. 儀間光男

    ○儀間光男君 是非そうあってほしいんですが、過日、林業関係者の方と会ってお話を聞くことがありました。  彼たちが言うには、人工林において皆伐の後は天然林でしていくというようにするんだと。そうしますというと、今は大体十齢級あるいは十二、三齢級で製品として出ますけれども、そうなると百年ぐらい掛かるというんですね、百年ぐらい。恐らく、山の国日本が、しかも木の文化の誇り高い日本がそういう林業施策でよいのだろうかというような疑問などもあったものですから確認したんでありますが、ただいまの御答弁をいただきますというと、どうもそういう心配しなくてよさそうですね。百ヘクタール皆伐すると百ヘクタール植え込んでいくと、こういうことで理解していいんでしょうか。
  191. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  私も、いわゆる循環利用、非常に大切なことだと思っておりまして、きちんとやっていきたいと思っておりますが、そういった切った跡にいわゆる再造林するわけでございますけれども、林野庁といたしましては、森林整備事業によりまして、その再造林について国と県合わせて七割を補助いたしております。また、造林のコストを低減させるために、コンテナ苗と申しますけれども、低コストで作れる苗でございますけれども、それと成長に優れた苗木とかそういったものの活用に取り組んでいるところでございます。  そしてさらに、実は平成二十三年の森林法改正でございますが、伐採後の確実な再造林が行われますように、無届けの伐採に対して市町村長が伐採の中止や造林命令を発せられる仕組みというものを新たに措置したところでございますので、こういったことと併せまして、伐採後の再造林が確実に行われるよう努めていきたいと考えているところでございます。
  192. 儀間光男

    ○儀間光男君 是非そういうことを促進していただきたいんですが、とはいっても、これにはどうしても人手あるいは人材の育成、こういうものが確保されていかなければならないと思います。  農林水産業を問わず、各界で担い手の不足、特に農林水産業においては担い手不足が各分野であるんでありますが、山の人材もなかなかその確保が難しいというふうに聞いております。どんどんどんどん減り続けて、昭和五十五年頃には十五万名も就業者がおったように伺いますが、今は下げ止まりで五万名ぐらいに減っているというような状況を聞くのでありますが、これについてお聞かせいただきたいと思います。
  193. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  森林資源の循環利用そして林業の成長産業化ということになりますと、やはり林業の現場の担い手の確保、育成していくということは非常に大切な課題だというふうに考えております。  今先生御指摘ございました昭和五十五年ですね、木材価格、一番高い時期でございますけれども、そのときは林業従事者十五万人おりました。それがだんだん減ってまいりまして、最近、ここ五、六年は横ばい状態でございますが、五万人という数字でございます。  私どもとしては、少なくともこういった林業従事者の方を確保、育成していくということは極めて大切でございますので、緑の雇用事業といたしまして、新規の就業者が間伐等の森林整備を安全かつ効率的に行うのに必要な技術を習得するために三年間の基本研修をやる、あるいは現場の作業班長、こういった方々、大切なんですけれども、そういった方の養成に向けたキャリアアップ研修、そしてさらには林業への就業前の青年に対する給付金事業と、こういった支援をしているところでございますので、こういった事業を通じて林業の現場の担い手の確保、育成というものに努めていきたいと考えているところでございます。
  194. 儀間光男

    ○儀間光男君 例えば緑の雇用でありますが、このための教育、育成、教育制度、こういうものは、例えば今お話あったキャリアアップの問題、それからどうもこの業界、キャリアアップでいい人材をつくったら別の業界に引っこ抜かれたりして更に人材が不足してしまうと。せっかく育てた人材を、待遇面かあるいは危険性の面かよく分かりませんが、建設業界を中心に別個の業界に根こそぎ持っていかれた例もかなりあるようでありますが、現状としてはそういうことはどうなんでしょうか。
  195. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 現場段階ではいろいろな問題も当然のことながらあるんだろうと思っております。  ただ、私どもとしては、やはり今の森林整備の水準をきちんと確保して、いわゆる循環利用を推進して林業の成長産業化を図っていくということになりますと、今いる五万人の林業従事者の確保というのはもう絶対必要なことだと思っております。  さらに、いろんな林業の生産性を向上させるということになりますと、路網を整備し、機械を入れていくということが必要になりますけれども、そういうためには、高性能林業機械を使うためには、やはりどちらかというと若い方の方が入りやすいというようなこともございます。五万人の林業従事者の中で三十五歳以下の比率と申しますのは現在一八%でございますが、五年前は一四%でございまして、だんだん若い方の比率が増えてきているというのが実態でございます。  私どもとしても、是非そういう若い方々が定着するように、林業をきちんとした形でいわゆる成長産業として皆様に認めていただけるような存在になれるように努力させていただきたいというふうに考えているところでございます。
  196. 儀間光男

    ○儀間光男君 是非頑張っていただきたいと思いますが。  間伐を終えて植栽を今度やっていく。聞きますというと、高技能者が育って、いわゆる枝打ちから間伐、枝打ちあるいは伐採、チェーンソーやその他の機械類を使う人材は育っているのでありますが、どうも下ごしらえをして植栽をする、つまり一般労働者が非常に少ない。山の特に多くは斜面ですから足場が悪くてなかなか危険な職場であるだけに、陰になってというか目立たない仕事というか、こういう仕事に従事する人が極めて少なくて再植栽が難しくなっているというような状況等も聞こえるのであります。  例えば、春夏秋冬でいいますというと、伐採の後、植付けの準備を、地ならしをしていきますね。準備をしていって、新しい苗木を植える作業、この人たちが問題だと、こう言っているんですね。なかなか確保できない。それから苗木の育成を妨げないようにするために雑草木を刈り取りする作業、ここまでがなかなか難しい。あとは、除伐をしたり、枝打ちをしたり、間伐をしたりということで、何というんですか、技術を持った職人がおりますからこれはうまく確保していくんですが、再生につながるところの下ごしらえと苗の植え込み、苗にうまく光が届いて光合成が活発になる、生育を助けるためのこの目立たない作業をする側の人々の労働力が非常に不足をしているというようなこと等も伺うのでありますが、実際の問題として、その辺いかがでしょうか。
  197. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) 先生御指摘のように、いわゆる地ごしらえ、植栽して下草を刈っていくわけですけれども、正直申し上げまして、なかなか機械化が現場の方で進んでいないというのは実態としてはございます。ただ、そういう中で、地ごしらえなんかにしても大型機械を入れたり、あるいは下刈りのやり方もいわゆる刈り払い機なんかを使うのが一般的なんですけど、そういった少しでも機械力を使うというようなことで生産性上げるような努力はしているかと思っておりますし、また続けていきたいと思っております。  私ども、先ほど緑の雇用のお話を申し上げましたけれども、確かに実際の作業の実は中心がどうしても今間伐が多くなっているのは実態ではあるんですけれども、そういった研修の中でも、例えば刈り払い機の取扱いでありますとか、あるいはもちろん植栽のやり方とか、そんなことも含めて研修の中身に入れさせていただいておりますので、そういった、トータルとして、いわゆる伐採して地ごしらえして、木を植えて下草を刈って、その後、除伐、間伐やっていくと、こういった一連の森林整備の流れがありますので、これをトータルとしてちゃんと現場で仕事がきちんとできるような林業従事者を育成していきたいと考えているところでございます。
  198. 儀間光男

    ○儀間光男君 いわゆる春から秋口にかける作業員が少ない、確保しづらいというようなことを現場で聞いたんでありますが、今おっしゃったような地ごしらえから植え込み、あるいは下葉刈り、除伐、その辺での人が非常に確保しづらいというようなことを林業者から聞いておることから尋ねたわけであります。どうぞひとつ頑張っていただきたいと思います。  時間もそんなにないんですが、緑の雇用、これの効果を少し聞かせていただけませんか。
  199. 沼田正俊

    ○政府参考人(沼田正俊君) お答えを申し上げます。  緑の雇用を平成十五年頃から実施をさせていただいておりまして、約十年間たってきております。最初の頃は、始める前は林業の新規就業者の方というのが毎年二千名程度だったわけですけれども、緑の雇用事業をやることによりまして千名から二千名の範囲で毎年新たに追加して入っていただけるようになったというようなこともございます。そういったのが結果として、減少傾向にはあったわけでございますけれども、緑の雇用事業が始まって以降、ほぼ五万人の水準を維持しているというような状況でございます。  それから、先ほども申し上げましたけれども、三十五歳以下の林業従事者の割合というのはこの五年で一四%から一八%というようなことでございまして、いわゆる若い方も入ってこられるようになったということでございますので、私どもとしても、緑の雇用事業として成果は上がってきていると思っておりますので、更にそれを進めて、林業のしっかりとした担い手が確保、育成されるように努力していきたいと思っております。
  200. 儀間光男

    ○儀間光男君 最後になりますが、なぜ私が素人でありながら小川先生みたいなプロがいらっしゃる前で私はこれに果敢にチャレンジしたかというと、山は全ての産業を助くる力があるからなんです。関係なしとする人はいませんね。高いところから低いところへと水が流れて、その間に川を育み、水生物の連鎖を促進し、さらに栄養分を運んで海へと流れる。海にプランクトンを発生させて、海の生物が生命の連鎖を盛んにしていく。そして、太陽のエネルギーを受けて水分が蒸発していって、雨となって降雨をもたらす。それを山が涵養して、タイミング良く川に流して、全て循環して地球が形成される。こういうことが興味があったことで、これに着眼したのでありますが、その結果が、これからもずっと林業がなりわいとして生産できていって、生業できていって、なりわいとして経営できて、そして日本の豊かな木の文化、薫り高い木の文化、これが継承していかれることを祈念したからであります。  まとめに、大臣の御所見を賜りたいと思います。
  201. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 先生は素人だと自らおっしゃっておられますが、東京農業大学農学部御卒業でいらっしゃいますので、そういう専門的な知見から、今日はすばらしい御質問をいただいたと思っております。  まさに、木を切って、使って、循環させて、そのことが森を守り、山は海の恋人だと、こういうふうに言われるそうでございますけれども、山にとどまらず、川そして海と、全てを滋養に満たしていくという意味でも、しっかりと林業の成長産業化、森林の多面的機能の促進、こういうものに取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
  202. 儀間光男

    ○儀間光男君 終わります。ありがとうございました。
  203. 野村哲郎

    ○委員長(野村哲郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時四十二分散会