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2014-04-17 第186回国会 参議院 法務委員会 11号 公式Web版

  1. 平成二十六年四月十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月十五日     辞任         補欠選任      太田 房江君     吉田 博美君  四月十六日     辞任         補欠選任      宮沢 洋一君     酒井 庸行君      森 まさこ君     上月 良祐君      吉田 博美君     豊田 俊郎君  四月十七日     辞任         補欠選任      石井 準一君     大沼みずほ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         荒木 清寛君     理 事                 山下 雄平君                 若林 健太君                 有田 芳生君                 小川 敏夫君     委 員                 石井 準一君                 大沼みずほ君                 上月 良祐君                 酒井 庸行君                 豊田 俊郎君                 溝手 顕正君                 柳本 卓治君                 江田 五月君                 前川 清成君                佐々木さやか君                 行田 邦子君                 仁比 聡平君                 谷  亮子君                 糸数 慶子君    国務大臣        法務大臣     谷垣 禎一君    副大臣        法務副大臣    奥野 信亮君    大臣政務官        法務大臣政務官  平口  洋君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局家庭局長   岡 健太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        法務大臣官房司        法法制部長    小川 秀樹君        法務省民事局長  深山 卓也君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特  別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、太田房江さん、宮沢洋一君及び森まさこさんが委員を辞任され、その補欠として酒井庸行君、上月良祐君及び豊田俊郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小川秀樹君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 山下雄平

    ○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。今週も質問に立たせていただきます。  火曜日の委員会の趣旨説明で法務大臣は、谷垣大臣は、法律事務の国際化、専門化、複雑多様化により的確に対応するため、外国法事務弁護士による法人を設立することを可能にすると今回の改正案の趣旨を述べられました。ただ、この説明だけだと法改正の意義がいま一つ判然としません。  今までも外国法事務弁護士は日本で活動されてきたわけです。それが、法人をつくらなければならない、法人設立を政府として認めなければならないその理由というのを具体的にお聞かせ願えますでしょうか。
  7. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  弁護士法人の制度ができましたのは、日本の弁護士について平成十三年でございます。平成十三年の弁護士法人制度の導入の際には、外国法事務弁護士の法人による弁護士の雇用を認めるか、あるいは法人が取り扱うことのできる外国法の範囲をどのようにするかといった外国法事務弁護士に固有の問題がありましたことから、外国法事務弁護士による法人設立それ自体は見送られたものでございます。その後、弁護士の雇用の解禁などの外弁法の改正の状況ですとか内外からの要望などを踏まえて、平成二十年五月から二十一年十二月にかけて外国弁護士制度研究会において先ほどの問題点を含む外弁による法人設立に関する議論が行われた結果に基づいて今回の法改正に至ったということでございます。  具体的な理由でございますが、近年の我が国における法律事務に対する需要は著しく複雑多様化、専門化、国際化する傾向にありますところ、法人化が認められませんと、まず第一に、法人の形で複数の資格者が組織化することによって専門性の高い法律サービスを安定的に提供することができない、第二に、複数の事務所を設置し全国的なサービスの提供をすることができない、それから、業務提携の基盤となります財産関係の明確化といったこともできないということになりまして、こういった法人化に伴うメリットを享受することができず、そのことがひいては国民がより質の高い外国法に関するサービスを享受する妨げとなるといったことが懸念されたわけでございまして、こういったことによるものでございます。
  8. 山下雄平

    ○山下雄平君 今法務省から御説明がありましたように、法人設立によって活動の幅が広がるということだと思います。また、いろんな事務所が地方にも設立することができるということでありました。外国の法律事務所というのはどうしても東京が多いと思います。法人設立が認められることによって地方に支店が置けるようになれば、地方企業が海外に進出しようとされるようなときに手続の円滑化、利便性が高まるのではないかというふうにも推察されます。  外国法事務弁護士の需要は高まってきたと思いますし、これからも高まっていくんだと思います。今回の法改正が必要になった背景にはそうした社会情勢、経済情勢の変化があるんだと思います。  では、具体的に日本国内での外国法事務弁護士の数の推移はどうなってきているのでしょうか、お聞かせください。
  9. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 日本国内での外国法事務弁護士の数の推移について申し上げたいと思います。  この十年間、おおむね十年間ということで見てみますと、外国法事務弁護士の登録者数につきましては、平成十五年の登録者数が二百六名でございましたものが、平成二十六年一月一日現在では三百七十六名となっております。これは、外国法に関する法律事務へのニーズに対応した形で数としても推移してきたものというふうに承知しているところでございます。
  10. 山下雄平

    ○山下雄平君 平成十五年で二百六人、平成二十六年で三百七十六人、十年で二倍近く増えているという御説明でした。これからも外国法事務弁護士の需要というのはどんどん高まっていくのではないかなというふうに想像されます。  今回の改正案の基になったのが、法務省の御説明にもありましたけれども、外国弁護士制度研究会、これが二〇〇九年十二月二十四日に出した報告書であります。この研究会は、法務省と日弁連でつくられていたというふうに聞いております。この研究会が出した報告書において、外国法事務弁護士の法人設立を認めるように提言されております。ただ、この報告書では、今回の法改正では盛り込まれなかった、日本の弁護士と外国法事務弁護士が共同して法人組織をつくることも認めるように求めております。そして、共同法人を認めるに当たっては日本の弁護士業務に関して不当な関与を禁止するなどの規制も設ける、そういうふうにも書かれております。  今回はこの内容は法改正案には盛り込まれなかったわけでございますが、今後、更なる制度の見直しの過程で共同法人の設立を認めるかどうかというのも大きな論点になってくるんだと思いますけれども、こうしたこの報告書に書いてある弊害防止措置を講じても日本の弁護士への不当な関与への懸念は払拭できないと、そうしたような指摘もあるようでございます。共同法人設立の可否についての所見をお聞かせ願えますでしょうか。
  11. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山下委員が引かれた報告書、これは法務省と日弁連がやった報告書でございますが、確かにこの中では、今おっしゃったように、日本の弁護士と外国法事務弁護士が共に社員となる共同法人、いわゆるB法人ということでございますが、これについて、外国法事務弁護士である社員が社員又は使用人である弁護士に対する不当関与ということを、それに関して規制を設けることによって乗り越えていくといいますか、そういった提案がなされている、検討がなされていたことも事実でございます。  しかし、その後の議論で、このいわゆる共同法人については、御指摘のような弊害防止措置を講じても、外国法事務弁護士が法人制度を利用してというか、悪用してというか、権限外の業務を行うことを容易にしてしまうのではないかという懸念がまだまだ強かったと、完全にそれを払拭させるには至らなかったというのが今までの議論の実情でございます。  したがいまして、そういう共同法人について今後どう考えていくか。これは、今度の法改正でつくられる外国法事務弁護士のみが社員となる法人について、いわゆるA法人でございますが、そういう制度の利用状況あるいは活動状況、これを見極めた上で、必要に応じてまた適切に検討していくことなのかなと考えております。
  12. 山下雄平

    ○山下雄平君 まずはA法人ということだろうと思います。そして、その新たな制度がどういうふうな推移になっていくのか、また共同法人ということを望まれる声が今後どんどん強まっていくのかどうか、そうした状況を見ながら判断されるのだと思います。  過去の法律改正で日本の弁護士の法人を認められるようになり、そして今回、外国法事務弁護士の法人を認めるようになるという改正案が出て、徐々に徐々に制度が改正されていっております。  では、諸外国の制度というのはどうなっているのでしょうか。外国法事務弁護士というような制度がある国と、またそういった制度がない国という違いもあるとは思います。また、主要国の中では、外国の弁護士が法人をつくることが認められている、いや認められていない、そうした国の違いがあったりするんでしょうか。また、法人をつくることを認められるに当たっても、日本のように共同法人はまだまだ今後の課題だね、いやもう認められるよという国の違いがあるのでしょうか。諸外国での外国の弁護士法人に関する制度の現状についてお聞かせください。
  13. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  諸外国におきます外国弁護士の法人設立に関する制度は、それぞれの司法制度、弁護士制度の内容などに応じて異なるものでございます。  主な外国ということで幾つかの例をお示ししたいと思います。  まず、アメリカ合衆国でございますが、外国弁護士の受入れ制度という観点から見ますと、ニューヨーク州、カリフォルニア州などを始めとします三十州、それからコロンビア特別区で外国弁護士の受入れ制度がございます。そのうち、主要な州ということで調査いたしましたニューヨーク州、カリフォルニア州、コロンビア特別区におきましては、外国弁護士のみによる法人、弁護士と外国弁護士による法人、いずれの法人の設立も可能でございます。  次に、イギリス、連合王国でございますが、外国弁護士の受入れ制度がございます。外国弁護士のみによる法人、弁護士と外国弁護士による法人、いずれの法人の設立も可能でございます。  次に、ドイツでございますが、外国弁護士の受入れ制度がございます。弁護士と外国弁護士による法人の設立が可能とされております。  なお、フランスにおきましては、我が国のような外国弁護士の受入れ制度はございません。他方で、特別な試験によって弁護士と同等の資格を与える制度があるというふうに承知しております。  以上申し上げましたように、ただいま紹介いたしました各国のうち、外国弁護士の受入れ制度を設けている国や地域のうちの多くは法人化につきましても認めているものというふうに承知しております。  以上でございます。
  14. 山下雄平

    ○山下雄平君 今御説明があったように、もしかしたら細かな例外はあるかもしれませんけれども、諸外国の中ではこうした外国の弁護士を受け入れているところというのは法人の設立を認めているということで、日本も早くこうした制度をつくっていかなければならないということを私の考えとしてもお伝えし、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  15. 前川清成

    ○前川清成君 おはようございます。  山下委員が二回連続御質問ということですけれども、私も三回連続でございます。恐らく四回連続になる予定でございます。よろしくお願いいたします。  それで、今日は外弁法の議論をさせていただかなければならないんですが、前回、少年法の際に、少年審判を担当する裁判官の役割に関してちょっと余りにも議論が中途半端になってしまいましたので、冒頭、少しの時間だけこの問題を議論させていただきたいと思います。  前回も申し上げましたけれども、過去に起こした犯罪の罪の大きさ、過去の出来事を検証するというだけではなくて、将来の少年の更生可能性、そしてその更生のためにはどのような手段が相当かというのは、お互い神様でない身でありますから、大変難しいそういう裁判ではないのかな、こういうふうに思っています。この点、前回、最高裁の方から、少年審判を担当するのは部総括クラスの裁判官から判事補まで様々ですと、こういうふうな御発言がありました。  そこで、まずここで言う部総括クラスというのはどういう意味なのか、お尋ねをいたします。
  16. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) お答えいたします。  地方裁判所も家庭裁判所も同様なんですが、部が設けられている裁判所におきましてはその部を総括する裁判官ということが設けられておりまして、言わばその部の中で一番先輩格の裁判官ということになろうかと思います。
  17. 前川清成

    ○前川清成君 いや、それは分かっているんです。部総括とはと聞いていなくて、部総括クラスとおっしゃったので、部総括クラスというのはどういう意味ですかとお聞きしたんです。
  18. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 言い方を変えますと、判事補との比較でいえば、判事もいれば判事補もいると。判事の中でも比較的ベテランの部総括クラスと部総括でない判事がおりますので、そういう意味で幅広く裁判官が担当していると、そういう趣旨で申し上げたところです。
  19. 前川清成

    ○前川清成君 部総括クラスというのは、同期で任官したほかの裁判官が例えば大阪地裁の民事第何部で部長をしている、そういうぐらいの期数になってきた、経験年数になってきたと、しかし別の裁判官はどこどこの家庭裁判所で少年審判を担当していると、こういう意味なんですか。
  20. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 必ずしもそういうふうに限った趣旨ではございませんで、家庭裁判所におきましても部は設けられている裁判所はございまして、部総括という者が少年事件を担当している場合もございます。
  21. 前川清成

    ○前川清成君 それではお尋ねをしますけれども、地裁の刑事部の部長を務めた裁判官がその次の転勤でどこかの家庭裁判所で少年審判を担当する、そしてまた次の転勤で例えば高等裁判所の右陪席に転勤をすると、こういうふうな人事異動はよく行われることなんでしょうか。
  22. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 地裁の刑事部の部長、部総括を担当した方で家庭裁判所の少年事件を担当する例があることは承知しておりますが、それがよくあることかどうかということについては、ちょっとお答え控えさせていただきたいと思います。
  23. 前川清成

    ○前川清成君 江田元議長もお若いときに少年審判を御担当されたというふうにお聞きいたしましたけれども、外から見たイメージとして申し上げれば、例えば、最高裁の事務総局に勤務した経験のある裁判官であるとか、あるいは、今の最高裁長官がそうですけれども、法務省に長らく出向している裁判官、これは優秀な人で裁判所の中でも評価が高い。これに対して、少年審判を担当する裁判官というのは必ずしもそのような評価が裁判所内でない方、裁判所内ですよ、そのような私は人事が行われているのではないかと、こういうふうに思っているんです。そうであるとしたら、余りにも少年審判の機能の重要性というのを軽視しているのではないかと、こういうふうに思っています。それはそんなことありませんというふうにおっしゃって、押し問答になるかもしれませんが。  例えば、岡家庭局長は、「家栽の人」という漫画をお読みになったことはあるでしょうか。
  24. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 少し記憶は鮮明ではありませんが、比較的前の頃に出ていた漫画かと思いますので、恐らく読んでいるものというふうに思います。
  25. 前川清成

    ○前川清成君 漫画の話だと言ってしまえばそれまでなんですけれども、この「家栽の人」、家庭裁判所の裁くじゃなくて育てる方の栽という字を書いて「家栽の人」という漫画があって、この主人公の桑田さんという裁判官は、最高裁判事の息子。再三、優秀だから東京に転勤しませんか、こういうふうな内示を受けたけれども断る。最高裁調査官への転任の内示も受けたけれども、それも断ったと。自分としては是非、子供たちの更生、主人公としては子供たちの更生に使命を感じてその仕事をやりたいと、こういうふうに言っておられる主人公。  もう片方で、ヒラメ判事というあだ名を付けられた裁判官が出てきて、ヒラメというのは上ばっかり見ている、上昇志向が強いと、そういう意味ですけれども、その裁判官は、自分の出世につながらないから早く少年審判をやめたい、少年審判なんかやりたくないと、こういうふうに言っている。それぞれストーリーはあるんですけれども、登場人物の描写としてはそういうことになっているんです。  少年審判を担当する裁判官の実態としてこのようなことが私はあってはならないと思うんですが、最高裁、いかがでしょうか。
  26. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 個別の具体的な人事に関しましては、お答えを差し控えたいというふうに思います。
  27. 前川清成

    ○前川清成君 ということは、今、ごめんなさい、岡さん、私何か、前川裁判官はどういう人事ですかとか、岡さんは次どこの部長になられるんですかとか、個別の人事についてお尋ねしたことは一切ありません。一般論かつ物語の中の話をお聞きしているんですが、それがどうして個別の人事の話になるんですか。
  28. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 個別と申し上げましたのは、具体的に、現在、各庁の少年担当の裁判官にどういう裁判官が担当することになっているかということについては、お答えを控えたいというふうに思います。
  29. 前川清成

    ○前川清成君 どうして答えを控えなければならないんですか。
  30. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) どのような裁判官が担当しているかということにつきましては、実際お答えすることは難しいというふうに考えております。
  31. 前川清成

    ○前川清成君 最高裁が人事を担当するのであって、その最高裁が答えられないと言えば、少年審判の実態に関する議論もできません。お答えいただかないと、次の質問できません。
  32. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) どのような裁判官が少年事件を担当すべきかということにつきましてはお答えするのは難しいところでございますが、ただ、いずれにいたしましても、少年事件を担当する裁判官におきましては、事件を処理するために必要な法的知識に加え、少年の健全な育成を期するという少年法の趣旨を十分に理解して審判を運営することが求められているものというふうに考えております。(発言する者あり)
  33. 前川清成

    ○前川清成君 では、人事の方針をお答えください。
  34. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 人事の一般的な方針といたしましては、適材適所ということで考えているということでございます。  したがいまして、現在の少年事件を担当する裁判官がどういう方が担当すべきかということになりますと、実際問題としてお答えするのは難しいというふうに御理解いただければというふうに思います。
  35. 前川清成

    ○前川清成君 委員長、止めてください。答えさせてください。
  36. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) じゃ、ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  37. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) じゃ、速記を起こしてください。  岡家庭局長、もう少し質疑者の趣旨に沿って今のお話をお答え願えますか。
  38. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 前回も申し上げましたが、少年事件を担当する裁判官は各庁の裁判官会議で定める事務分配により決められております。  実際にどういう裁判官を担当すべきかということにつきましては、なかなか、そういうお尋ねになりますと、ちょっとお答えすることは難しいというふうに御理解いただきたいと思います。
  39. 前川清成

    ○前川清成君 例えば、A裁判所の刑事部に誰を配属させるか、どこどこ裁判所の民事部に誰を配属させるか、どこの家庭裁判所の裁判官として誰を赴任させるか、これを決めているのはどこなんですか。
  40. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 各地裁、家裁への補職という趣旨というふうに理解しておりますが、それは最高裁の裁判官会議で決められるものと承知しております。
  41. 前川清成

    ○前川清成君 その際には、すごろくを振って決めるんですか。
  42. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) それは、人事のことでございますけれども、その時々の諸般の事情、異動対象者の事情等を考慮して、適材適所ということで配置が決められているというふうに承知しております。(発言する者あり)
  43. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) じゃ、速記を止めてください。    〔速記中止〕
  44. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 速記を起こしてください。
  45. 前川清成

    ○前川清成君 今諸般の事情というふうにおっしゃいましたけれども、その諸般の事情についてお答えをいただきたいと思います。あわせて、その諸般の事情を決める際の基準があればお答えください。
  46. 岡健太郎

    ○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) 極めて一般論ということになりますので、その時々の異動先のポストの質、異動ポストの空き具合とか、あるいは異動する対象者の経験年数とかこれまでの経験とか、そういったものを総合して、その他の事情も総合して異動先というものは決められているものと承知しております。
  47. 前川清成

    ○前川清成君 外弁の議論ができませんので最後にしますが、どうして、優秀な裁判官も少年審判を担当しています、私のようなエリートも少年審判を担当してきました、刑事裁判も民事裁判も少年裁判も裁判所の出世コースにおいては全く意味がありませんと、そういうふうに否定できないんですか。今の議論を通して聞くと、優秀な人は最高裁や法務省で働きます、そうでない人は少年審判担当しているんですと認めたのと一緒ですよ。  この問題については、今度一般質疑もありますので、裁判所の人事全般について詳細な、徹底した議論をお願いしたいと思います。  その上で、外弁の質疑に移りたいと思うんですけれども、外国人弁護士、以下はもう長いので外弁というふうに呼ばせていただきたいと思いますが、先ほど山下委員からは、外弁の数も増えているし、役割も大きくなってきているんじゃないかという話がありましたが、白表紙を見ますと、平成二十二年に三百四十四人になって、そこからほぼ横ばい状態になっています。外弁がどのようなところで働いておられるかというと、東京三会でほぼ大半の方々が勤めておられる。沖縄県は国際結婚が大変多いというふうに聞いています。ハーグ条約も施行されました。そんなんもあって沖縄県にも外弁がいらっしゃるのかなと思うと、一名しかいらっしゃらない。  ついては、外弁とこう言っても、正直私でも余りなじみがありません。外国人弁護士が日本社会において、いささか抽象的な質問になりますけれども、どのような役割を果たしているのか、あるいはどのような役割が期待されるのか、大臣にお尋ねいたします。
  48. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 外国法事務弁護士、私も略して外弁と言わせていただきますが、これは、国際取引、国際金融あるいは国際投資などの国際的な案件に関しまして、それぞれの外弁の方は原資格国というものをお持ちでありますから、その原資格国法等に、ちょっと舌が回らなくなって申し訳ありません、原資格国法などに関する法律事務を提供すると、そういうことを通じて我が国における外国法に関する法律サービスの担い手として活動してきた、またそれが期待されているところであると思います。  それで、確かに、前川委員がおっしゃいましたように東京三会に偏っているとか、いろんな面がございますが、やはり国際取引も複雑多様化したり専門化してきておりますので、今後、このいわゆる外弁の方への、何というんでしょうか、需要というものも増えてくるのではないかと考えておりますが、質の高い法的サービスを提供していただくということを私どもは期待しているところでございます。
  49. 前川清成

    ○前川清成君 私も、とりわけ海外との貿易等々、取引においてあるいは出資等において外弁の皆さん方が様々な役割を果たしておられるんだろうと、そういうふうに思っておりました。  ただ、その点に関して申し上げますと、私も言いにくい、原資格国別の外弁の内訳でありますけれども、アメリカが二百七名。確かに、アメリカというのは経済においても日本にとって最も重要な二か国関係だと思います。アメリカが二百七名、イギリスが五十八名、中国が二十九名、オーストラリアが二十二名というふうに続きます。  しかし、日本との貿易等々の取引に関して申し上げれば、これは委員の皆さん方もよく御存じのとおり、アメリカが最上位の貿易取引国ではありません。二〇一二年の統計によりますと、第一位は中国の十一兆五千億円、第二位がアメリカ、韓国、台湾、タイ、香港というふうに続きます。ごめんなさい、今のは、言ったかもしれませんが、輸出に関してです。輸入に関して申し上げても、二〇一二年の段階で、中国が全体の二一・二%、十五兆三百億円、二位がアメリカ、六兆八百億円で八・六%、その後、オーストラリア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、韓国と、こういうふうに続きます。  そういたしますと、もちろん単純比較できないのかもしれませんが、経済的な結び付きの強い国の外弁が多く登録されているというのではない状況、貿易的な取引と外弁の人数とはいささか乖離した状況がございます。この辺がもしかしたら日本で外弁がどのような役割を果たしているのかの鍵になるのかなと、こういうふうに考えていたわけですけれども、この点について、分析というんでしょうか、がございましたら是非お聞かせをいただきたいと思います。
  50. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 今、前川委員おっしゃいましたように、一番多いのはアメリカでございます。それから、その次がいわゆる連合王国というかイギリスですね。それで、この二つで全体の四分の三ぐらいを、要するに、大きく言えば英米法系の弁護士さんで四分の三を占めているということでございます。更に英米法系はほかにもたくさんあるから、ざくっと申し上げるとそういうことでございます。  それでまた、なぜ英米が、要するに必ずしも経済関係だけではなくこういう数字になっているのかということに関しては、クライアントである企業のいろいろな取引の実態とか、あるいは担い手である外弁の様々な状況に左右されるので、なかなか私もクリアカットには理解しにくいところが正直言ってあるわけでございます。  それから、ですから、経済的関係だけではなく、我が国に進出している海外の大手法律事務所の多くがアメリカや連合王国をその本拠国としていると。私、実はこの答弁の前に少し中で議論して、まだ十分頭が整理されていないんですが、英米法系の力というようなものがあるいはあったりするのではないか。というのは、指摘される方によっては、金融に関しては例えばイギリス法系が準拠法とされることが多いとか、証券関係に関してはどこそこ法だというようなことがどの程度あるのだろうか、そういうことも少し今後分析してみなければいけないと思っております。
  51. 前川清成

    ○前川清成君 これは国策としてできることでないのかもしれませんが、例えば先日も、日本のメーカーの最先端の技術が韓国のメーカーによって、ちょっと言葉が適当でないかもしれませんが、言わば産業スパイのような形で、元技術者を雇用して、その技術者からノウハウを取得してというふうな事件も起こりました。にもかかわらず、韓国の、原資格国を大韓民国とする外弁の数は僅か二人。今や輸入、輸出とも最大の貿易国である中国の外弁が二十九名と。この辺、少し日本の経済の実態にも役立つような、そういう配慮も必要になってくるのかなというふうに思っております。これは指摘というか、感想にとどめさせていただきたいと思います。  その次に、外弁法人、今回の改正で外弁法人が認められます。先ほど小川司法法制部長から、平成十三年当時、弁護士法を改正して弁護士法人制度を導入したときには、外弁に関して共同事業、雇用などの問題がまだ解決されていなかったんだと、だから平成十三年には導入しなかったんだというお話でございました。しかし、その後、平成十五年に外弁法、前回の改正がございまして、その際に、この共同事業、さらには外弁が日本弁護士を雇用することも認めています。小川司法法制部長のおっしゃったところの様々な周辺の課題というのは、平成十五年の改正で解決されたわけです。  それにもかかわらず、平成十五年から今日まで十年以上、なぜかこの外弁法人の設置については手付かずのままだったわけです。そうなりますと、やっぱりなぜ見送ってきたのかなと。様々な解決すべき事情というのが解決しているのであれば、もっと早くにやってもよかったというふうにも思います。この点、いかがでしょうか。
  52. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと必ずしもそこのところは私よく分析できておりませんし、また、実はこの間余り私、法務担当をしておりませんでしたので国会内でどういう議論の状況だったのか必ずしもよく承知しておりませんので、少しまたそういうことも改めて勉強いたしたいと思っております。
  53. 前川清成

    ○前川清成君 それでは、次の質問に移らせていただきますけれども、私が弁護士登録をいたしましたのは一九九〇年、平成二年なんですけれども、その当時は、弁護士会館に行くと垂れ幕があって、拘禁二法反対だとかあるいは外弁絶対阻止とか、そういう垂れ幕があって、弁護士会的に言うと、この外弁反対というのが大きな課題でした。ところが、今般の改正において、もうそのような話はすっかり私の耳には聞こえなくなりました。  どうしてここまで関係団体の意向というのか意見が変わってしまったのか、あるいは、それに関連してでありますけれども、今回の改正に当たって日弁連その他関連団体がどのような意向なのか、お尋ねいたします。
  54. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、前川委員が弁護士になられた頃のその垂れ幕が張ってあった状況というのは、私も、このかいわいを歩きましても東京の弁護士会もそういうようなものを張り出しておりましたので、当時の雰囲気は記憶いたしております。  それで、その当時はやはり、何というんでしょうか、言葉が適切かどうか分かりませんが、黒船来るみたいなところがございまして、恐怖感というか、日本の弁護士についてもああいうのがどっと大量に入ってきたとき大変だぞというような恐怖感も相当あったのではないかなと、当時の雰囲気を顧みるとそう思っております。  それで、一番最初に入れたときは、もう委員も御承知のように、今から考えますとかなりいろいろな制限というか規制がございまして、そういうものを実際に移してみると、まあそれほど黒船と言わなくてもいいのかなというような変化があった。それから、やはりあれ以来日本の企業取引というようなものも相当変化してきておりますので、実際の需要というものもあったんだろうと思います。  それで、今各団体でございますが、日弁連はこの今回の改正案には賛成しておられると承知しております。それから、本法律案、この制定の過程では、A法人、B法人、いろいろ御議論がございましたけれども、現在、この出させていただいている案に関しましては反対する団体があるというふうには承知しておりません。
  55. 前川清成

    ○前川清成君 今大臣がおっしゃったように、私も、当時の弁護士の皆さん方には、黒船というか、大き過ぎる幻想を、恐怖心を持っておられたのが一つあるのかな。もう一つは、その外弁以上に、たかだかやってきたところで三百六十人、七十人の外弁に比べて、合格者三千人を目指す、あるいは合格者二千人となっているわけですから、それどころでなくなったというのが二つ目。もう一つは、規制緩和がある意味行き着くところまで行き着いたんじゃないのかなと思っています。  例えば、先ほど申し上げた共同事業、これも当初は禁止されておりましたが、平成十五年の改正、二〇〇三年の改正においては、共同事業のみならず、外弁が日本の弁護士を雇用することさえ認められています。あるいは、当初は職務経験要件、これが資格取得国において五年間でしたけれども、一九九四年の改正において、国内での事務員としての経験、これを二年を限度としてその五年の職務要件に算入する。あるいは、九八年の改正においては、当初五年だったものが三年に、しかも日本国において事務員として働くのは一年を限度としてこの三年に算入することができると。例えば、アメリカのニューヨーク州の弁護士さんも、ニューヨークで二年間弁護士をやってきたら、あとはもう日本でニューヨーク州弁護士として働くことができると。  私は、ある意味、規制改革、規制緩和がこれ以上ないところにまで行き着いている、今回の弁護士法人の設置、外弁法人の設置でもう完成したのかなと、こういうふうに考えております。この規制緩和に関してはいかがお考えでしょうか。
  56. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 谷垣法務大臣、時間が来ておりますので簡潔にお願いします。
  57. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) はい。確かに、委員のおっしゃったような面もあって、随分オープンといえばオープンになってきたという面はあると思います。ただ、もうこれで打ち止めかどうかは私分かりません。やっぱり具体的な、今度の改正案にしても、実施してみてまたその辺りを見ながら議論しなければならないことがあるかもしれません。やはり制度というのは常に見ていかなきゃなりませんので、そんな感じを持っております。
  58. 前川清成

    ○前川清成君 例えば、旧司法試験のときは二万五千人が受験をして五百人しか合格できなかったというふうな制度の国もあります。他方、中国は毎年十万人が弁護士になるそうですし、私の同期がニューヨーク州で弁護士資格を取ったときは、ニューヨークに行って半年間英会話学校に行って、一年間ロースクールに行って、それで合格したと。世界を見渡すと、弁護士といっても様々な仕組みがあろうかと思います。  したがって、この外弁制度を議論するに当たっても、もちろんグローバル化は大事でありますけれども、それぞれの国の弁護士制度のありようを考えた上で議論しなければならないと考えております。そのことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  59. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。どうぞよろしくお願いいたします。  今日議論になっております外国法事務弁護士制度といいますのは、外国の弁護士資格を有する者が外国法事務弁護士として我が国で登録をしまして、その外国法に関する法律事務の取扱いを認める制度でございますけれども、実際に外国法事務弁護士さんと接する機会があるという方は恐らく一部の方であるかと思います。ですから、多くの国民の皆さんには、外国法事務弁護士といいましてもなじみがないわけでございます。  そこで、改めましてお尋ねしたいんですが、この外国法事務弁護士というのはどういう業務を行うのか、具体的にイメージができるように御説明いただけると有り難いんですが、お願いいたします。
  60. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  まず、日本の弁護士は、日本法と外国法に関する法律事務を取り扱うことが可能でございます。これに対しまして、外国法事務弁護士が取り扱うことのできる法律事務の範囲は制限されております。  すなわち、第一に、原資格国法、これはその外国法事務弁護士が元々弁護士の資格を取った国の法律に関する法律事務を執ることができるというのが第一でございます。  また、指定法と言われておりますが、外国法事務弁護士が原資格国以外の外国の弁護士となる資格を有する場合などにおいて、その外国法について、法務大臣の指定を受けた場合、その指定法につきまして法律事務を執ることができるということとされております。  また、指定法以外の特定外国法、いわゆる第三国法を原資格国法とする外国法事務弁護士などの書面による助言を受けるということがありますと、これにつきましても法律事務を執ることができるといったことで、外国法に関する法律事務を執るというものでございます。  また、国際仲裁事件の手続代理につきましても可能でございます。  ただ、現在の外弁法におきましては、我が国の公益上の見地から外国法事務弁護士に取り扱わせることが相当でないとされております業務、すなわち国内の裁判所、官公署における手続代理及びこれらの機関に提出する文書の作成などについては取り扱うことができないとされております。
  61. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 今の説明を聞いてもなかなか具体的なイメージは難しいかもしれませんけれども、今回の法改正といいますのは、外国法事務弁護士の活動の基盤を整備をして、その業務の充実につながるものなのだろうというふうに理解をしておりますけれども、この外国法事務弁護士さん、要するに外国の弁護士さんなわけですが、日本の弁護士だけでなくて外国法事務弁護士の活動を我が国で充実をさせていくというのは、我が国、また日本企業にはどういうメリットがあるんでしょうか。
  62. 奥野信亮

    ○副大臣(奥野信亮君) 部長の話を聞いてもお分かりにならないというか、皆さん方釈然としないところがおありのようなので、私の経験を含めて、一つの事例といいましょうか、それをお話をさせていただきたいなと思います。  皆さん方御承知のように、今企業は非常にMアンドA等が盛んになってきて、かなり国際化、グローバル化が進んでいるわけであります。私も実は企業におりましたときに、今から十五年ぐらい前でありますけれども、あちこちの企業を買収するというようなことを試みて、成功したものもあります。そういう中で、外国企業の買収をするときには、やはり外国の法律に堪能でないと間違った道を歩んでしまう、そんな意味で、日本の弁護士さんにも随分力を貸していただきましたけれども、必ずしもそれで十分であったというわけではなかった。そんなことから、コンサルタントを通じてかなり外国の弁護士を使った経験がございます。その当時はまだまだ、共同化といいましょうか、外国人弁護士は企業化できない状況にあったわけでありまして、その都度外国とコンタクトをしたわけであります。  そうして、一つの例で申し上げますけれども、日本の企業が例えば多国籍企業をMアンドAするという、そんなような場合、Xという企業がYという企業を買収するというようなケースがその例でありますが、そのYという企業は、アメリカ、特にニューヨークに本店があった、そして支店がイギリスにあった、そして例えば特許権はアメリカやフランスのものを使っていると、こんな大変、コングロマリットといいましょうか、そんな企業を買収するときに、外国人弁護士、外国法事務弁護士といいましょうか、そういった方々が一つの企業体の中に、日本の中に法人化されているならば、非常にXという企業にとっては利便性が高いと、こういうことが言えるわけであります。  そして、その外国人弁護士が集まった企業体の中では、日本において支店も出せるということになれば、Yという企業は、買う方の企業の支店を見たいというようなとき、そのときに外国人弁護士に見に行ってくれと、例えば大阪にあったというと大阪の弁護士の事務所が見に行ってYに報告をすると、そういうようなこともできるわけでありまして、非常に利便性が高いのかなと、こんなふうにも感じるわけであります。  そんな中で、特に外国人弁護士が企業体を構成しているという場合には、いろいろ交渉をする中で、弁護士としてAという人が交渉の当事者になっていても、その人がどうしても都合悪いというときに代替でBという人がいろいろと支援をしてもらえると、こういうことならばいろいろな交渉をスピーディーに進めていくことができる、Aが駄目ならBの人にやってもらおうじゃないかと、こういうようなこともできるわけでありまして、非常に私どもとしては利便性も高いなと、こんなふうに感じるわけであります。  それともう一つは、外国人弁護士が個人で対応してもらうと、万一ミスった場合の賠償能力なんかは、企業体であるならば企業体が賠償能力をかぶるわけでありますから、そういう意味では非常に賠償能力も大きくなってくると、こういうこともありまして、私は、外国人弁護士が企業体を形成するということについては、日本の企業、これから国際化をする企業体にとって非常に利便性の高い一つの方向性ではないかなと、こんなふうに感じるところであります。
  63. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 副大臣の御経験も踏まえての御説明、ありがとうございました。  ちょっと時間の関係もございますので一つ質問を飛ばさせていただきまして、海外進出を計画するような中小企業に対する法的サポートの体制という点について御質問をしたいと思っております。  この外国法事務弁護士の制度は、外国法事務弁護士の顧客というのはやはり基本的には大企業中心なのかなと思います。ですから、この外国法事務弁護士の日本での活躍が必ずしも中小企業の海外進出についての法的サポートの体制の充実にはつながらないのではないかというふうにも私は感じておりまして、しかしながら、このサポート体制きちっとしていかなければならないと思うんですが、法務省はこの点についてどのように取り組んでいくおつもりでしょうか。
  64. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 法務省では、法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会、それからその下に海外展開に関する分科会を設けておりまして、そういった場で中小企業の海外進出に資するため様々な方策を検討しているところでございます。  特に、日弁連とも密接に連携を取りまして、法曹有資格者の海外展開を促進するための取組を行っております。その試行方策の一つといたしまして日弁連が実施しております、海外への事業展開などに係る法的支援を希望する中小企業、こういったところに初回無料の法律相談などの支援を行う制度がございまして、その制度の実効性などについて分析、検討を行っているところでございます。  また、法務省では、我が国の法曹有資格者の海外展開を促進する方策を検討するために、東南アジアの三か国、具体的にはインドネシア、タイ、シンガポールでございますが、この三か国における日本企業や在留邦人への法曹有資格者による支援の在り方などについても調査を行うことを予定しております。  我が国の国際競争力及び経済力の強化という観点からも、中小企業の海外進出を促進するための法的支援を充実させることは重要であると認識しておりまして、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
  65. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 我が国における法律事務の複雑多様化、また専門化、国際化ということに対応していくためには、外国の弁護士さんに日本にいていただくということも大切ではあるんですけれども、やはり日本の弁護士がより国際的、専門的能力を身に付けていく、海外に拠点を設けて活躍していくと、このことも重要であると思っております。  この日本の弁護士の国際的分野での活動領域拡大というところについては、先日、公明党の方で大臣に法曹養成に関する緊急提案というような形で活動領域の拡大についても申入れをさせていただいたんですけれども、この点についての今後の取組、御決意について、大臣に最後お伺いしたいと思います。
  66. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 弁護士に限らず、日本の法曹有資格者と申しますか、法律家が国際的なあるいは専門的能力を身に付けて海外に拠点も設けて活躍する、そういう活動領域を広げていくということは我が国の企業の海外進出を支援する上でも大変重要でございますし、それから昨今の事例では、捕鯨に関して国際司法裁判所で残念ながら負けてしまいました。ああいうものを支える法律家といいますか、国内でいえば私ども法務省には訟務という部門がございますが、ああいうもの、例えば国際訟務というようなものもあるいは考えていったときに、やはり、弁護士だけではないのかもしれませんが、日本の法律家の活動領域の拡大という意味で今の問題を取り上げていくことは極めて私は大事ではないかと思います。  こういう問題意識の下で法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会というのを設けまして、その下で法曹有資格者の海外展開に関する分科会を設けております。ここでは日弁連とも連携して、法曹有資格者の活動領域の拡大をどうやって促進していくか、それから官民の関係機関との連携と、こういったことも含めて今検討を進めていただいております。  先ほど日本の企業と申しましたが、佐々木委員が指摘されましたように、中小企業なんかも随分、大きな企業ですと商社の支援を受けるとかいろんなやり方があると思いますが、中小企業等々でやっぱり海外進出をしたい、こういう企業もたくさんございます。そういった方々にどう対応していくかということも含めて検討を進めてまいりたいと思っております。
  67. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 以上で終わります。
  68. 行田邦子

    ○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  先ほどからの質疑でちょっとかなり質問が重複してしまいますので、大臣への一番目の質問は省かせていただきます。済みません。  二番目の質問から行きたいと思います。  この度の改正法案というのは、外国法事務弁護士による法人制度を設けるということで、外国法事務弁護士のみが社員となるものでございます。一方で、これまでの外弁法の何回かの改正によって弁護士と外国法事務弁護士の共同事業というのが認められているわけです。平成十五年の改正によって自由化されました。  そこで、まず政府参考人、部長に伺いたいんですけれども、この共同事業の届出状況や、また業務提携の傾向などについて教えていただけますでしょうか。
  69. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 外国法共同事業の推移について申し上げたいと思いますが、平成十七年四月一日現在、これは共同事業に関する規制が廃止された改正法が施行されたときでございますが、平成十七年四月一日時点では、外国法共同事業の数は十九、それから被雇用者も含めた外国法共同事業に関わる弁護士の数は三百十二名、被雇用者も含めました外国法共同事業に関わる外国法事務弁護士の数が九十九名でございまして、これは届出によるものでございます。  これに対しまして、平成二十五年の四月一日時点におきましては、外国法共同事業の数は三十六、被雇用者を含めました外国法共同事業に関わる弁護士数は六百七十七、被雇用者も含めました外国法共同事業に関わる外国法事務弁護士の数は百二十五ということでございまして、この間、増加傾向にございます。
  70. 行田邦子

    ○行田邦子君 この弁護士と外国法事務弁護士の共同事業という制度は一定程度ニーズがあって、また増加傾向にあるということであります。  そこで、この度の改正法案に関係する法人制度についてとそれから共同事業について、その違いについて伺いたいと思うんですけれども、まず、今回の改正法案が提出をされることに先立ちまして、日弁連と法務省の共同による外国弁護士制度研究会というものが設けられていたと承知しています。  そこで、平成二十一年の十二月二十四日に出された報告書の中では、いわゆるA法人、今回の改正法案で盛り込まれた、外国法事務弁護士のみが社員となる法人を認めるというA法人、それだけではなくて、いわゆるB法人と言われているものですけれども、弁護士と外国法事務弁護士が共同で法人をつくるということ、これも必要であるといった提言になっているわけであります。ただ、結果として、今回の改正法案というのは、B法人は認めずA法人のみということになりました。  そこで、伺いたいんですが、共同事業というのは一定程度ニーズがあり、また増加傾向にあると、共同事業は一定程度増加傾向にありニーズがあるという状況の中でのこの共同事業と、それから外国法事務弁護士と弁護士の共同法人、この違いなんですけれども、外国法事務弁護士による権限逸脱行為、またそれから弁護士への不当関与、こうしたものの防止という観点で、共同事業はよくて共同の法人は駄目という理由は何なのか、その違いについて教えていただきたいんですが。
  71. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) いろんな制度、なかなか長い名前になっておりまして時々舌をかむことがございますので、弁護士と外国法事務弁護士が共に社員となる共同法人というと長過ぎます、いわゆるB法人というふうにこちらの方は申し上げたいと思います。  それで、いわゆるB法人の社員である外国法事務弁護士がその地位を利用して権限外の法律事務を取り扱うおそれというのも今まで指摘されてきたわけですね。これは、外国法共同事業の場合と比較して類型的に高いとまで言うことは難しいんじゃないかという御指摘もあることはあるわけです。ただ、いわゆるB法人は、法人内部の業務執行権や代表権の範囲も明確になってまいります。それから、組合契約である外国法共同事業と比較してより強固な組織であると、その点は先ほど副大臣も答弁をされたわけでございますが。法人の業務範囲も、弁護士法人と同様に法律事務全般を取り扱うことが可能であって、法人名義で契約の主体になることができると。それから、法人として法律事務を行うこともできる。外国法共同事業とはかなり質的に異なっている面があるわけですね。質的に異なるというふうに考えることもできるんだろうと思います。  こういうふうに、共同法人の制度につきましては、外国法事務弁護士が法人制度を利用して権限外の業務を行うことを容易にするのじゃないかという懸念が示された。そういう弊害が生じないような規定を設けることを検討してはきたんですが、その懸念を払拭するところまでは、残念というのかどうか、至らなかったというのが今まででございます。そういうことがあって、本法律案においては共同法人の制度を導入することはしなかったと。  いずれにせよ、共同法人制度の導入につきましては、今般の法改正によって設置されます、創設されます外国法事務弁護士のみが社員となる法人制度、いわゆるA法人の利用状況や活動状況を見極めた上で、必要に応じて今後また議論をしなければならないと考えているところでございます。
  72. 行田邦子

    ○行田邦子君 そこで、次の質問は、これは確認なんですけれども、外国法共同事業では行えないけれども共同法人化することによって行える事務というものがあるのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
  73. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 今回の改正、つまり法人化は、外国法事務弁護士に対して法人を設立することを許容するものでございまして、法人化によって法律上認められる業務範囲を拡大するというものではございません。
  74. 行田邦子

    ○行田邦子君 共同事業ではできないけれども法人化だとできる新たな事務というのは特にないということを確認させていただきました。  そもそも、平成二十一年の外国弁護士制度研究会では、一旦は提言として、A法人だけではなくB法人も認めるべきではないかといった報告書になっているわけであります。今後、まずはこのA法人のみを認めるという法改正案でございますけれども、制度の運用の状況を見ながら、また、中にはB法人について否定的な意見もあったと承知していますけれども、そういった団体等の意見も踏まえながら、今後、B法人というものをどういうふうに認めていくのかということも検討していくべきではないかなというふうに思っております。  そこで、次の質問に移りたいと思います。  今回の改正法案の施行期日なんですけれども、公布の日から起算して二年以内において施行となっています。ちょっとこれは何か、二年以内というのは長いのではないかなという印象を受けるんですけれども、施行に最長二年を要する理由と、それから施行のめどを教えていただけたらと思うんですが。
  75. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 本法律案の公布後、日本弁護士連合会と各単位弁護士会、これは弁護士法人ができました際に日弁連と単位弁護士会に加わるわけでございますが、この日弁連と各単位弁護士会におきまして、新たに設立される外国法事務弁護士法人についての会規あるいは会則を定める必要がございまして、そのために所要の準備期間が必要であることから公布日から二年以内と定めたものでございます。  法務省といたしましては、今後、具体的な準備事項やそれに要する合理的な期間などにつきまして、実際に外国法事務弁護士を監督する日本弁護士連合会の意見を聞いた上で、適切な時期に施行できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
  76. 行田邦子

    ○行田邦子君 よろしくお願いします。  それでは、外国法事務弁護士の登録それから監督について少し伺いたいと思います。  平成二十五年、昨年九月に規制改革会議の中の貿易・投資等ワーキング・グループの議論が行われました。そこでの議事録概要を見ますと、外国法事務弁護士の方からの要望として、外国法事務弁護士の承認手続の迅速化を求める、そのような声がありました。書類が整っていても大体四か月ぐらい承認されるまで掛かってしまうというような声もありました。これではビジネスのスピードに間に合わないといったことでの迅速化の要望でしたけれども、そしてまた規制改革検討項目の一つにも挙げられることになりました。  申請から承認までに要する処理期間が今は大体どのぐらい掛かっているのかと、それから簡素化、迅速化が可能なのかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。
  77. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 法務大臣によります外国法事務弁護士の承認手続は、申請者が承認をするための基準に適合しているかどうかを個別的に審査する手続でございまして、その審査の内容も一様ではないわけではございますが、法務省では、外国法事務弁護士の承認手続の標準的な期間、処理の期間といたしまして、承認申請受理票を交付した日、つまり承認の申請を受理したときから二か月以内というふうに定めております。  法務省といたしましては、これまでも承認申請手続の合理化に取り組んでまいりました結果、最近の承認手続はおおむね円滑に進んでいると認識しているところではございますが、様々な御意見ございます。引き続き必要な改善に努めてまいりたいと考えております。
  78. 行田邦子

    ○行田邦子君 改善されているという御答弁ではありましたけれども、こうした意見が出されたのは平成二十五年、つまり昨年の九月、十月なわけですね。半年前にも更にこれは迅速化できないかという要望が出されているわけでありますので、制度としてこういった外国法事務弁護士というものが認められているわけですので、それはそのニーズに応じて的確にまた承認をすると、いたずらに時間を要するようなことがないように制度の運営改善にも図っていただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。  そこで、最後の質問になります。  これ非常に素朴な質問だと思うんですけれども、外国法事務弁護士の承認というのは法務大臣が行うことになっています。一方で、その監督というのは日弁連が行うということになっているんですけれども、日弁連というのは弁護士からすれば身内である、また見方を変えると競合他社でもあるというわけであります。身内でもあり、また一方で競合他社でもある日弁連が外国法事務弁護士の監督を行うと、承認をしている法務大臣ではないというふうな制度にしたのはなぜなのでしょうか。
  79. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) まず日本の弁護士の方から考えますと、弁護士法におきましては、法律事務を取り扱う弁護士としての資格を認めるか否かは司法試験などによって国が行うこととしている一方で、いわゆる弁護士自治を認める観点から、日本弁護士連合会と各単位弁護士会に日本の弁護士についての監督権が認められております。  外国法に関する法律事務を取り扱う外国法事務弁護士、それから今回の改正によりますと法人につきましても、同じ観点から、法務大臣がその承認を行うこととする一方で、日本弁護士連合会と各単位会が監督を行うこととしたものでございます。
  80. 行田邦子

    ○行田邦子君 外国法事務弁護士の承認というのは制度上法務大臣が行うということになっているわけですので、実質的な監督を日弁連にお願いすることがあったとしても、やはりその監督責任というのも法務大臣が負うべきではないかなという私の意見を述べまして、質問を終わらせていただきます。
  81. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  外国法事務弁護士法人を認める外弁法改正案は、今回の改正内容にとどまる限りでは特に問題とすべき規制緩和ではなく、弁護士会への入会と監督の下に置くものであり、賛成をいたします。  今日は、戸籍事務の民間委託について伺いたいと思っています。  戸籍法は、戸籍事務管掌者を市区町村長とし、一般職公務員が首長の補助者として証明や届出に関する事務を担当することを想定をしているわけです。そこで、まず戸籍窓口業務の複雑さと重みについて民事局長に確認をしたいと思うんですが、闇金被害などで、信用を偽装する虚偽の養子縁組というのが大問題になってきました。この虚偽の養子縁組ではないかと疑わしい、例えば縁組届の養親、養子の年齢差が僅かで、例えば二、三歳しかない、戸籍を見ても短期間で何回も縁組をしているということが分かる届出などがあります。これに窓口でどう対応するかについて、二〇一〇年の十二月の通達で、書類が整っていれば受理するしかないという形式的審査主義ではなくて、市区町村の実質的審査権を明確にして、状況によっては踏み込んで審査をする、疑義ある縁組届は法務局に受理照会をするという運用が行われて、抜群の効果を上げているわけです。  この審査について、一昨年、平成二十四年の一月に東京戸籍住民基本台帳事務協議会の場で民事第一課長が講演をしておられまして、この市区町村の審査について、当該届出が虚偽であると担当者が疑義を抱いても法律上本当にこれは何もできないのか、何もしようとしないのか、そうではないのだと。実際に、審査の対象は、届出に記載漏れがないかどうかというようなことだけではなくて、縁組を成立させることができない障害事由、法律上のもの、それから主観的な要件としての身分行為に伴って発生するような権利関係を享受するという意思、効果意思があるかどうか、ここに関わるものなのだと。そうした審査の対象とすべき資料についても、まず、審査の過程で偶然入手できた情報、当事者から聞き取りをした内容、あるいは市区町村がそれまでずっと延々と実務をやってきて構築している、入手して持っているそうした情報、こうしたものもしっかり踏まえてやるべきものだという趣旨の講演をなさっています。  例えば、届出人がすぐに縁組後の戸籍が欲しいとか、住基カードが欲しいとか、これも今すぐ急いでくれとか、こうした届出人の挙動といいますか、そうしたものも含めて実質的審査の対象になるし、積極的に受理照会してくれという、そうした趣旨だと思うんですが、それはそのとおりですか。
  82. 深山卓也

    ○政府参考人(深山卓也君) ただいま指摘がありました平成二十二年の三二〇〇号通達というものですけれども、この民事局長通達の趣旨は、戸籍の窓口で縁組をする意思があることが疑わしい、縁組意思がなければもちろん縁組は無効ですけれども、そういった兆候のある届出がされた場合に虚偽の縁組がされることを防止するために、疑わしい届出を類型化した上で、こういうものについては市区町村長は受理、不受理について法務局に照会をする、そのことによって虚偽の養子縁組を防止しようと、こういうものでございますので、一定の類型化をしてお示しをしておりますが、全ての類型を書き切ることはこの種のものですからできないので、最終的には総合的に疑わしい客観的事情があるというものについて受理、不受理の照会をしていただくと、こういうことになります。
  83. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そうした客観的に疑わしいということを判断するのが市区町村の窓口であるということなんですね。  この講演の中でもう一点、今局長もおっしゃった類型化をする通達は、戸籍事務に携わる高度の専門的知識と経験を持っておられる戸籍の実務家の皆さんに対するアンケートで作られたものであるというお話があります。皆さんが実際の窓口に立たれて、これは絶対にそうだなと思ったものとしてどんなものがあるのか、フリーハンドで書いてもらう欄を設けていろいろ書いてもらった、それがこれですと。皆さんの深い経験と知識に基づいて、戸籍に携わっている健全な良識からして、こういうケースは絶対におかしいなと思われるもの、これを抽出し類型化をしたのが通達であり通知の中身なんですとお話しになっていますが、これはそのとおりですか。
  84. 深山卓也

    ○政府参考人(深山卓也君) そのとおりでございます。全国の法務局を通じて各市区町村の戸籍窓口のそういった実例についての知見を集めて、それを法務省の方で類型化をして通達として流したものでございます。
  85. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 私は、戸籍の証明や届出、あらゆる業務について、こうした審査によって、戸籍事務の根幹であるところの国民の親族、身分関係を登録し公証するという、この根幹への信頼が維持をされてきたのだと思うんですね。  そうした戸籍事務にも、全国およそ九五%の市区町村でコンピューターが導入をされています。今度調べて知ったのですけれども、コンピューターといっても、ワープロで文字や数字を入力するというそうした話ではないんですね。戸籍情報システムというふうに言うそうですが、民事局の通達でも、可能な範囲で戸籍を編製する自動記録機能と併せて自動審査機能を備えなければならないとされておりまして、これは、戸籍の届出は、届出書などの記載が適法かどうかということを審査しなければ受理をしてはならないということとされていて、複雑な法律的判断を要するわけですが、その審査事務に当たって、コンピューターに審査機能を持たせて、職員が端末画面と対話形式で行えるようにすることでミスや漏れを防いで正確性を確保しようとするものだと、そういうふうに書かれています。  例えば、出生届の入力をしていこうとしますと、生まれた子が婚姻後四か月以内ですがよろしいですかとコンピューターが聞いてくるわけですね。それは、婚姻から二百日以内の出生は嫡出子の推定を受けないからです。このメッセージに対してオーケーだと、続行しますというクリックをすることは、推定されない嫡出子として受理をするという法律上の判断をしていることになります。  さらに、母に前離婚の歴がないかといったメッセージも出ます。これは、前に婚姻関係があり、離婚もしているというようなことがあれば、その前婚の嫡出推定を受けないかが問題となるからですけれども、その審査に当たっては母の本籍市区町村に直接問い合わせることが必要で、電話を掛けて前離婚の有無や内容を確認をするということになるわけですね。  そうした審査を経て、最後に行われる受理、不受理などの処分決定が行政処分そのものであるということはもちろんですが、窓口で受付した届出書をこうした対話をやりながら戸籍情報システムに入力する一連の業務は処分決定と密接不可分の判断が必要な業務だと思いますが、局長、いかがでしょう。
  86. 深山卓也

    ○政府参考人(深山卓也君) 処分に至る全体を見ると、判断が必要な事務であることはもちろん明らかです。ただ、コンピューター化されている戸籍事務における届書の入力業務自体、要するに文字を電子データとして入力するということ自体、これ自体は、届書を受け付けた後、受理、不受理の判断を行う前に、そういう法的な判断の前に行われる事実上の事務ですので、それ自体、入力事務自体は法的な判断を要しない事実上の行為ということになりますので、市区町村の長あるいはその職員が最終的に受理、不受理の決定処分をするということと関係はしますが、その前提となる事実上の業務ということで区分することができる業務だと思っております。
  87. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 入力自体というふうに、そんなふうに分けることが現実的ですかね。今のお話だと、極めて膨大な戸籍届、届出に限ったってあるわけでしょう。  私、弁護士になったときに、この戸籍実務に関する争点、先例やあるいは判例集というのを、こんなに膨大なものがあるのを見て驚いたことがありますけれども、身分関係の得喪に直接関わる戸籍だからこそ、様々な形で不服申立てや裁判も行われているわけですね。つまり、この戸籍の信頼性が確保されるというのは本当に根幹の問題であるし、そもそも入口として、入力するという話になるのかと。出生届に限って言っても、親子関係の不存在確認だとか胎児認知だとか国籍法などが関係する場合などはそもそも自動審査機能は働かない、そういうふうになっていると思います。  結局、そうやって切り分けていくということ自体が非現実的だし、入力の際に、先ほどの例でいいますと、母に前離婚歴がないかといったメッセージが出たときに、本籍地に問い合わせないと先には進めないわけですよね。これを先に進んでしまって最後の決定だけ判断すればいいということには私はならないと思います。一々メッセージが出るたびにそうしたら権限を持っている区職員にこれを直接尋ねるんだということになれば、それは一々指示を仰ぐということで偽装請負ということにもなるわけですよね。  そうした中でいうと、このやり方を分解すれば可能だというのは非現実的だと思われませんか。
  88. 深山卓也

    ○政府参考人(深山卓也君) 実際のシステムでは、今委員御指摘のとおり、そういう自動審査機能が働いてポップアップが立ちます。しかし、それを仮に請負した業者がその作業をやっているとなると、そこ、判断権限や、判断をすることはできませんので、全てイエスという形でどんどん先へ進んでいく、文字の入力だけしていって、請け負った業務としては入力は終わりましたということで、権限ある区の職員にそのデータを引き継ぐ。区の職員は、文字データだけは入力されているけれども、もちろん全部、そのポップアップはもう一度全部見直すことになっています。そういうシステムになっていますので、全部自分でチェックをして、これでいいのか、イエスということで全部押し切って仮の形でデータ入力は終わっているけれども、そのデータ入力が法律に照らして正しいのかどうかは、それはもちろん区の職員が一件一件全部判断をして処理をすると、こういうことでございます。
  89. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 コンピューターシステムは、元々その職員の業務を支えるものとしてこれまで構築されてきたと思います。ここを今のようなお話で変えてしまうおつもりなのかと。そんなこと私はあってはならないと思うんですね。  これからも、戸籍の性格上、紛争だとか脱法だとかというのは窓口で起こり得るわけですよ。この届出は虚偽ではないかというのは、窓口のあらゆる対応情報というのは、先ほど縁組の問題で指摘をしたような、そういうあらゆる情報をつかむ力が求められるわけで、私は、こうした戸籍業務は本来責任を負う公務員によって行われるということがありようだと思います。  そうした中で、今年一月に足立区が戸籍の証明届出を含む窓口業務の民間事業の外部委託を始めました。東京法務局は現地調査の上で三月にこれでは駄目だという通知を行って、それを受けて、三月末に足立区は業務改善報告を出しているわけです。  ところが、これ見ますと、戸籍のシステム上の入力と最後の受理判断や処分決定を峻別して、入力は全部委託業者が行う、受理判断以降を区に回すというふうになっているんですが、こうした峻別って、ありとあらゆる戸籍の業務についてそんなことできますか。そんなことできるわけないし、結局法的な判断を必要とするということだと思うんですよね。  こうした足立区の業務改善報告について法務省はどう今お考えなのか、最後に聞かせてください。
  90. 深山卓也

    ○政府参考人(深山卓也君) 足立区のケースについてですけれども、今御指摘のあったような日時の経緯で三月の末に足立区長の方から業務改善報告を受けております。  これが本当に、書面で受けておりますが、実際の現場でどうなっているのかということを、現在監督している東京法務局において近々、現場に臨場した上で、この切り分けがきちっとできているか、書面どおりですね、ということを調査をするということになっておりまして、現在調査中でございます。  したがって、このケースが問題があるかなしかということについて、問題はないという報告は書面で受けておりますが、それを今確認をしている、調査中ですので、確定的に調査結果が出る前にこれが問題である、問題でないというのを断言することは、ちょっと差し控えさせていただきます。
  91. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 時間になりましたので、終わります。     ─────────────
  92. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、石井準一君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほさんが選任されました。     ─────────────
  93. 谷亮子

    ○谷亮子君 生活の党、谷亮子です。  本日の議題であります外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案、閣法第三四号について質問させていただきます。  この法律は、昭和六十一年五月二十三日、法律六十六号として成立をいたしまして、翌年、昭和六十二年四月に施行されました。この趣旨は、日本と諸外国との人的、物的交流の活発化の進展に伴って国際的法律事務が増大し、外国の弁護士となる資格を備えて外国法について専門的知識を有する弁護士が、我が国において外国法に関する法律事務を取り扱うことができる道を開き、その法律事務の取扱いを規律するというものでございます。本法はその後、平成六年、平成八年、平成十年、平成十五年と四回改正をされまして、平成十三年には弁護士法の一部改正により弁護士法人制度の創設がされております。  これまでの政府の方針といたしましては、平成十六年三月十九日に閣議決定されました規制改革・民間開放推進三か年計画の中で、国際化時代の法的需要への対応の中におきまして、今後の我が国における国際的な法的需要の動向や外国人弁護士の登録数、また外国人弁護士と日本弁護士との外国法共同事業の実態等も考慮しつつ、外国人弁護士事務所の法人化について検討を行い、結論を得ると定められまして、平成十九年六月二十二日に閣議決定されましたけれども、さらに、平成二十三年三月三十日に取りまとめられました構造改革特別区域の第十九次提案等に対する政府の対応方針におきましても、今後検討を進める規制改革事項に外国法事務弁護士事務所の法人化がこれは盛り込まれておりました。  以上のようなことを踏まえまして、現在、経済界で国際化が進展をいたしておりますけれども、先ほど奥野副大臣からもお話がございましたけれども、特に外国企業との合併や買収といったMアンドAを通じた国際化を進めている経済環境にあるという現状もございます。また、独自で海外に企業展開される中小零細企業の方々もいらっしゃいますし、またそうした海外展開を求めていくという中小零細企業の方たちも今後増えてくるのではないかということも十分考えられるわけでございます。  こうしたことに対しましては、従来、外国のコンサルタントを雇い入れて外国の法制を任せるということもやっていたようでございましたけれども、今回の法改正で共同経営して企業化をすることで、多国籍企業をMアンドAするときには企業の利便性が非常に高くなることがこれは期待をされているということもあると思います。また、今回の法改正で支店ができるということになると思いますので、いろいろな場所で弁護士企業にアクセスできるようになるのではないかというふうに思われます。  そのほかにも、継続性であったり賠償能力といった点でもこれは期待できるのではないかなと思われますけれども、そこで、今回の法改正により外国法事務弁護士の法人制度が設けられることで、外国法事務弁護士事務所にとってのメリット、そして利用するユーザーにとってのメリットというのはどのような点にあるのか。両方からのメリットについてお伺いさせていただければと思います。
  94. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) ただいま御指摘ございました外弁の法人制度でございますが、まず弁護士法人制度そのものを考えてみますと、メリットといたしましては、弁護士法人が受任主体となることから、例えば弁護士法人の社員の一人が死亡、脱退などによって欠けた場合でも、弁護士法人によって引き続きその受任事務が処理されるため依頼者の地位の安定強化が図られること、また、法人化により事務所規模の拡大を図り、優秀な人材を確保することなどが容易になること、さらに、法人名義での財産の保有、借入れなどを行うことも可能となりますので、業務提供の基盤が拡大強化されることなどが法人化のメリットとして指摘されるところでございます。  今回の法改正で外国法事務弁護士の法人制度が設けられることによりまして、外国法事務弁護士につきましてもこれと同様のメリットを享受することができるようになるということでございます。  また、外国法事務弁護士による法律サービスを受ける側の方から見ましても、外国法事務弁護士が法人化することによりまして業務の共同化、分業化、専門化が進み、利用者に質の高い多様な法律事務を受けることが可能となるということが期待されるわけでございます。
  95. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございました。  今のお話にもございましたけれども、より継続性が増すと、そして共同的に作業していくことで非常にまた利便性等も確保されていくという点にあったというふうに思います。  そして、やはり今回の改正におきまして、中小零細企業等がこれは海外へ進出をしようとする際に、各国においての法律の解釈であるとか、あとはやはりその法律の構成といったものがどういったものなのかということを事前に知って行くということが非常に重要なことになってくると思いますので、その点をしっかりと確保していかなければならないと思います。そしてさらには、海外の外国の企業から日本に来る場合も、日本に需要があるぞと思って来る場合もこれから増えてくると思いますので、そういったところへの対応というのも同時に行っていかなければならないというふうに思います。  続けて伺ってまいりますけれども、二〇一三年度は日本企業が海外企業を合併、買収をした件数が過去最多になったと、これは報道ベースでございますが、統計が出されておりました。二〇一三年度は五百二十七件で、これまで最多だった二〇一二年度の五百一件をこれは上回っておりました。これを牽引したのはアジア企業へのMアンドAでございまして、これは二百二十六件ございまして、全体の四割超を占めているということでありました。この背景には、円高が進んだことと手元流動性の積み上がりで、日本の企業は最大のペースで海外企業の買収を進めているという状況にございます。  また、これは二〇一三年に大きく取り上げられた案件でございますけれども、総合商社の大手の一社は、二〇一三年の七月にアメリカ大手穀物商社を、これは総額五十六億ドル、日本円で、当時になりますけれども、約四千四百八十億円での買収を完了いたしておりました。そしてまた、ほぼ同じ時期に、日本のたばこ産業が欧州の手巻きたばこ大手会社、こちらを六億ドル、当時の換算にしますと百二十億円で買収したほか、さらには食品関係では大手飲料メーカー等、また玩具メーカー等が、従来は国内向けの市場を対象としていた企業が企業買収を通じて海外に進出を果たしておりました。  これによりまして、過去多額の買収資金を海外に提供してきていたイギリスと中国を上回る資金のサプライヤーに、供給源に今日本はなっているという現状でございます。これは過去の日本企業の海外進出とは経済背景が根本的に異なっているところもあろうかとは思われますけれども、低成長そして高齢化の進展で国内の需要が縮小に進むという不可逆的な変化に、企業が日本国内にとどまらず海外進出を仕掛けていくという状況にあるというふうに思います。  また、こうした経営者の方々におかれましては、過去の海外企業買収の成功と失敗から多くを学ばれまして、条件交渉にも厳しく臨んでいると。そしてさらには、対象企業の選定にも時間を掛けて慎重に選定する等、明らかに買収の手法というのも進歩してきているんだということでございました。そして、ここに企業買収に特化した、また海外法制に熟知した国際法務サービスの需要が国内において伸びてきているという状況に日本は置かれていると、私は同時にそう感じております。  そこで、お伺いいたしますけれども、企業の海外展開が進むことで日本の法律事務所も海外展開していく可能性が高まってくることが予想されます。また、今後も専門性の高い司法サービスの拡大が求められ、企業合併、買収などの専門分野に特化した弁護士の方の活躍する機会が増えていくことになると思われます。このようなことを踏まえた上で、今回の法改正は、弁護士個人あるいは既存の日本の法律事務所にとりましてどのような機会拡大として捉えられるのか、また、利用する日本企業にとりましてどのようなビジネス的メリットがあるのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
  96. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 今回の法改正について見ますと、外国法事務弁護士に法人制度の創設を認めるというものでございますが、これは外国法事務弁護士がこれまで以上に複雑多様化、専門化した外国法に関する法律事務へのニーズに対応できるようにすることを目的としたものでございます。  特に、外国法事務弁護士は、一般に国際取引、国際金融、国際投資など、日本企業の国際的な活動に関わる法律事務を提供することを通じて我が国における外国法に関する法律サービスの担い手として活動していることからいたしますと、今後、外国法事務弁護士が法人制度を活用することを通じ、日本企業の国際競争力の強化に資することが期待されるところでございます。  また、当然のことながら、日本の弁護士あるいは日本の法律サービスを提供する者についても、同様の活用によりまして国際競争力の強化に資することが期待されるところでございます。
  97. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。  今お話ございましたけれども、やはり日本の法律事務所がグローバル化をしていくというためには様々なこれは課題があるというふうに思いますけれども、やはり日本の若手の法律家やそれを目指す方々にとりましては、資質や素養を磨く機会が今後増えると同時に、道を開くものにつながってくるというふうに私は思います。  この十年ほどで日本の法律に関するマーケットが変わったと言われておりますけれども、近年、MアンドAや企業再生、不動産投資などの証券化、株主代表訴訟などの案件が増加いたしまして、これは急増してきているという状況もありまして、その案件も非常に複雑化そして大型化してまいりました。このことによりましても、弁護士の方の専門的な、そしてまたより高度な判断に対しての需要と地位向上がこれは図られてきているとも思います。また、法律事務所が大型化をして、弁護士の方が四百人超を擁するという事務所が登場したのも、やはりその時代に即応したためであろうかというふうにも私は感じております。  また一方で、国際的なローファームに求められる機能といたしましては、必要とされる分野のあらゆる国、地域の法制に精通した専門家を内部に抱え、グローバルな規模で電話一本でそれぞれの国のパートナーに尋ねて最新の情報が得られ、世界中に展開しているネットワークを顧客のために機動的にこれは活用できなければなりません。また、企業合併、吸収等を成功させるためには、世界的な資産をうまくこれは組み合わせて、解決策を総合的に創出できる機能が必要であろうとも思います。  私は、是非日本の弁護士の方々に国際的な場でも御活躍していただきたいというふうに思っております。そのために海外のローファームと日本の法律事務所で相互交流が図られていくという試みもあってもいいのではないかなというふうに思っているんですけれども、そこで、今後、日本の企業が海外進出を様々な態様で進める上におきまして、日本の法律事務所が国際的に規模を拡大し、また弁護士の方々も国際弁護士として御活躍をしていただく機会が増大することが考えられます。  このことにつきましての御所見と、これを後押しする方針、施策をお持ちであるのかをお尋ねしたいと思います。
  98. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 今、谷委員がおっしゃいましたように、日本の法律事務所が国際的にももっと進出していくと、そしてまた日本の弁護士が国際的ないろいろな法律事務を処理する能力を更に高めていって、日本の企業の海外発展、これは大企業というだけではなく、中小企業でもそのような能力を持ち、また志望を持っておられる方々がありますので、そういう方々に適切な法的サービスを提供していく、極めて大事だろうと思います。  ただ、かなり明るい材料もいろいろあることは事実でございますが、先ほども佐々木委員の御答弁の中で申し上げたことでございますが、先頃、国際司法裁判所で調査捕鯨に関して日本は敗訴いたしました。あの事例などを見ていると、ああいう国際分野で、あのような分野で活動し得る日本の法律家の層の薄さということも物語っているんじゃないかなと私は思っているところでございます。  それから、私は、法務大臣になりまして、もちろん日本の法律家がばんばん活躍するということは大事でございますが、やはりこれから発展途上の国々に法制度支援をしていくことは極めて大事である。それは、その国の言わば道路とかそういう意味でのインフラではありませんが、その国が発展し、法の支配を確立していく極めて大きなインフラであるというふうに思います。そこに日本のノウハウを提供できるということになりますと、その両国間の関係の安定に資する、関係改善に資する、あるいはその地域の安定に資するということもございますが、さらに、そういう問題がありますと、法律家の養成ということもお手伝いをしなければうまくいかない。  しかし、こういうことが本当の意味でうまくいくためには、日本の法律家の姿なんか見たこともないというようじゃやっぱり駄目だと思うんです。至る所で日本の法律家が立派に仕事をしているところを海外の方が御覧になるというようなことが、やっぱり日本の、何というんでしょうか、国力といいますか、そういうものにつながってくる面があるのではないかと思っておりますが、現状は、明るい材料もありますが、叱咤激励して頑張らなきゃならない面もございます。  それで、法務省では、法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会というのをつくりまして、その下で法曹有資格者の海外展開に関する分科会というのも設けておりまして、今集中して議論を行っていただいているところでございます。これは大きな意味での法曹養成制度あるいは司法改革の一環でもあるわけでございますが、是非そこで力を込めた議論をしていただいて、その成果を具体的に生かしていくということに全力を傾けたいと、このように思っております。
  99. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 谷さん、時間が来ております。
  100. 谷亮子

    ○谷亮子君 はい。大変貴重で今後実効性のある御答弁をいただきました。  今やはり谷垣大臣からお話ございましたように、法曹の養成の制度というのが今後求められていくということで、今まさにその国際分野のスペシャリストを目指す法律家のためのセミナー等が、これは日本弁護士連合会主催の下、法務省そして外務省が共同してセミナーを開催されていらっしゃいます。ここでは、主に国際分野で活躍するプランを設計するための取組が実施されているという取組もされていらっしゃいますので、今後更なる期待と、更に今回の法改正と併せてその取組が進められていくことを望みまして、私の質問を終わらせていただきます。
  101. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数です。よろしくお願いいたします。  外国弁護士法改正について、まず一点目に、弁護士法人の実情と今回の法改正の意義についてお伺いをしたいと思います。先ほど何度も質問の中に出てはおりますけれども、改めてまたお伺いをします。  弁護士法人制度が導入されてから十年以上が経過し、弁護士法人の数も一定数あるようですが、その内訳を見ますと、最も多いのは弁護士一人の法人であり、次いで弁護士二人の法人が続き、この両者が法人の大半を占めています。弁護士法人制度は大手の事務所にとっては余り魅力のない制度となっているのか、現在の弁護士法人の状況について法務省としてどのように評価されているのか、お伺いをいたします。
  102. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  法務省といたしまして、弁護士法人の実情の詳細を把握しているというわけではございませんが、平成二十五年三月三十一日現在の統計によりますと、六百四十六法人ございまして、その六百四十六法人のうち、所属する弁護士が一人又は二人であるものが二百三十五法人ございます。他方で、五十名以上の社員によって構成される弁護士法人も複数見られるところでございます。  これらの弁護士法人は、言わばそれぞれの規模に応じて法人化のメリットを生かして法的サービスを提供していると考えられるわけでございまして、弁護士法人制度の利用によりまして複雑多様化する国民の法的なニーズへの対応が図られているものと認識しているわけでございます。
  103. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今回の改正によって外国法事務弁護士も日本の弁護士と同様に法人化が認められるようになるわけですが、一人あるいは二人による法人が多いという現在の、今お話ありましたが、弁護士法人の実情を踏まえた場合ですが、外国法事務弁護士にとって実質的にどのようなメリットがあるのか、お伺いいたします。
  104. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 外国法事務弁護士事務所の法人化のメリットでございますが、複数の資格者が組織して法人化することによりまして、業務の共同化、分業化、専門化が進み、利用者に質の高い多様な法律事務を提供することが可能となること、また、複数の事務所を設置することが可能になりますので、これによりまして法律サービスを全国的に提供することが可能となります。さらに、法人が受任主体となることにより、業務担当者の交代を円滑に行うことができるなど継続的、安定的な法律事務の提供が可能となります。また、社員が法人と連帯して責任を負うことから、依頼者に対する事務所の賠償能力が強化され事務所の信用が増大する。こういった点が利点としては考えられるところでございます。
  105. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 この質問も先ほども何度も出たわけですが、改めて伺いますが、弁護士の国際化の中で、地方の中小企業から見た場合について、海外からはこの外国法事務弁護士についてもその支店を設けられるようにとの要望もあるわけですが、今回の法改正によって外国法事務弁護士も法人組織とすればその支店を設けることが可能となるわけですが、現実問題として、地方にそれほど外国法事務弁護士の支店が設けられるかどうかは疑問でもあります。  現在、地方の企業も海外へ展開することは珍しくありません。海外において法的トラブルを回避するために、もちろん専門家の知見を利用したいとの声は高まっているものと考えられますが、このような場合、その方法としては、外国法事務弁護士を利用する、あるいは直接海外の弁護士に相談をする、あるいは大企業であれば企業内の弁護士を使うということも考えられるわけですが、中小企業の場合、地域の弁護士を頼らざるを得ないという実情があるということも聞いております。  他方で、地方の弁護士、例えば語学力が不足している、あるいは海外取引の知識が不足している、また海外の法制度の知識の不足といった理由から、海外に関する案件についてはなかなか受任が難しいという声も現実にあるようです。  そこで、現在、法務省において、法曹有資格者の活動領域の拡大について有識者懇談会が設けられて検討が進められている、先ほど御答弁もございましたが、その中で法曹有資格者の海外への展開についても分科会が設けられ実践的な取組を企画立案、実施するというふうになっています。  中小企業が海外展開する場合の法的支援について、現在どのような点が問題であるというふうに認識をされていらっしゃいますか。そして、有識者懇談会や分科会における議論も踏まえて、法務省に御見解を伺います。
  106. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 御指摘いただきました点につきましては、外国の法制についての専門知識、それから語学力を備え、海外への進出について法的な支援を行うことのできる弁護士が限られているということですとか、この結果といたしまして、日本国内で外国法に関する質の高い多様な法律サービスを受けることができる機会が限られ、そのため、海外進出を望む中小企業が弁護士あるいは外国法事務弁護士といったところから支援を受ける機会が十分でないなどの問題があるというふうに認識しております。  そこで、このような問題点を踏まえまして、法務省では、御指摘ございました法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会と、その下に設置されました海外展開に関する分科会におきまして、日弁連とも密接に連携し、法曹有資格者の海外展開を促進するための取組を行っております。  特に、試行方策の一つといたしまして、中小企業の関連で申しますと、日弁連が実施しております、海外への事業展開等に係る法的支援を希望する中小企業に初回無料の法律相談などの支援を行う制度がございまして、この制度の実効性などについて有識者懇談会や分科会で分析、検討を現在行っているところでございます。
  107. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございます。  次に、企業活動以外の分野についてでございますが、まず、現代においては、経済活動を行う上で諸外国との交流は避けて通れないという状況になっています。それに伴いまして人の移動もやっぱり活発になっておりまして、個人も国境を越えた法律紛争に巻き込まれる可能性も高いものがあるわけです。  今や国際結婚は珍しくありません。昨年の通常国会におきましては、先ほど前川委員からもございましたが、国境を越えた子の連れ去りに関するいわゆるハーグ条約、これが審議されたところでありますが。そこに関しまして、まず、外国法事務弁護士は原資格国法に関する法律事務を行うことができるわけですが、親族関係に関する法律事件については、その当事者として日本国民が含まれるものについての代理及び文書の作成について、これは弁護士と共同し、又は弁護士の書面による助言を受けて行わなければならないというふうにされております。これ、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第三条二項にございますが、なぜこのような取扱いになっているのか、まず確認をしたいと思います。  例えば、アメリカに帰った父親に対して養育費を請求したいので相談をしたいといった場合、具体的にどのような取扱いになるのか、この点についてもお伺いいたします。
  108. 小川秀樹

    ○政府参考人(小川秀樹君) 御指摘ございましたように、外国法事務弁護士につきましては、親族関係に関する法律事件で、その当事者として日本国民が含まれるものについての代理及び文書の作成については、これは日本の弁護士と共同し、又は弁護士の書面による助言を受けて行わなければならないとされております。これは、やはり日本の文化、慣習に必ずしも精通しておらない外国法事務弁護士については、日本の弁護士との共同としての業務を求めるという趣旨だというふうに説明されております。  今委員御指摘ございました事例などにつきましては、いずれにせよ、準拠法がどこになるのか、あるいは国際的な裁判管轄がどこになるのか、さらには訴訟などの手続を利用するのかどうかによって、様々な前提によって左右されるものでございますので、直ちにお答えすることはできませんが、今申し上げましたように、我が国の外弁法の下では、親族関係に関する法律事件については、その当事者として日本国民が含まれるものについての一定の制限がございます。
  109. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今、一定の制限があるというお答えでございましたけれども、実際には、沖縄におきまして随分この種の相談の案件がございます。  実際にハーグ条約締結されたわけでございますので、やはりこの要件に満たせるような活動を是非やっていただきたいというふうに思いますし、これまで、警察の方へ行ったり、あるいは弁護士事務所へ行ったり、いろんなところでたらい回しにされて、実際に子の養育費を要求したい、それからアメリカに帰った父親を、居どころを探すということに関しましては、外務省も含めて様々な検討をこれからしていただきたいと思います。  実際にはかなり国際的にも日本がハーグ条約に加盟するまでには随分時間が掛かっていたわけですが、現実の問題として締結されたわけでございますので、その様々な案件に対する前向きな取組を今後やっていただくように要望したいというふうに思います。  それから、最後になりますけれども、例えば、企業活動であれば契約であらかじめ紛争に対する備えをしておくということが通常でしょうけれども、家族に関わる問題はあらかじめ準備しておくというわけにはいかない面もあり、紛争が生じた場合、突然複雑な法律関係に巻き込まれるという事態になりかねません。ですから、このような場合、国民としてはやはり地域の弁護士を頼らざるを得ないと思うわけですが、現在、日本の弁護士が国境をまたぐようなこういう案件に関しまして実際に難しいという面もあるわけですが、弁護士自身が、外国法に関する知識の蓄積やあるいは国際的なネットワークの構築など、能力の向上を図ることも期待されているところです。  企業活動以外の分野においても質の高い法律サービスを提供するために国としてどのような方策を行っているのか、また今後行っていこうとしているのか、大臣にお伺いしたいと思います。
  110. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 今日の御質疑の中で何人の先生かから、海外からもちろんいろいろな弁護士が見えて法的サービスを充実させるというのに加えて、日本の法律家自身がこの海外展開というものをもっと推し進めて、日本人の経済生活等々にもっと良質なサービスを提供できるようにせよという御指摘をいただきました。  それで、今、糸数先生がおっしゃったことは、日本人の経済活動、企業等々の経済活動が活発になって、それを支えるものももちろん必要であるし、特に中小企業等々にもきちっとした法的サービスが届くようにしなきゃいけない。しかし、それと同時に、そういうグローバル化が進んでまいりますと、個人の生活もグローバル化するといいますか国際化してまいります。そこで、やはり家庭の紛争あるいは私的紛争も国際性を帯びてくる面がある。それに対して、やはり日本の中で日本の法律家がきちっと法的サービスが提供できているのかと、こういうことが委員の問題意識におありだろうと思います。  今、国際展開に関する懇談会、その下でまた分科会も設けていると、先ほど先生からも御指摘をいただきましたけれども、そこで今いろいろ御議論をいただいておりまして、しっかり議論をして、そこで煮詰めていただいたものは実現に向けて法務省としても頑張っていきたいと、このように思っているところでございます。
  111. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 大臣の前向きな御答弁、そして、先ほども申し上げましたけれども、やはり地域によってもいろんな地域事情があり、そしてグローバル化したその中でのあらゆる課題もございますので、是非頑張っていただきますようにお願いを申し上げまして、時間になりましたので終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  112. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 荒木清寛

    ○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三分散会