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2014-04-02 第186回国会 参議院 本会議 13号 公式Web版

  1. 平成二十六年四月二日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第十三号   平成二十六年四月二日    午前十時開議  第一 特許法等の一部を改正する法律案内閣   提出)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、新議員紹介  一、国家公務員法等の一部を改正する法律案(   趣旨説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) これより会議を開きます。  この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。  議席第二百七番、比例代表選出議員田中茂君。    〔田中茂君起立、拍手〕
  3. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、田中茂君を国土交通委員に指名いたします。      ─────・─────
  4. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) この際、日程に追加して、  国家公務員法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣稲田朋美君。    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  6. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) ただいま議題となりました国家公務員法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  現在、我が国は、様々な課題に直面しており、これらを迅速に解決し、強い日本を取り戻していく必要があります。このためには、内閣の重要政策に対応した戦略人材配置を実現し、縦割り行政の弊害を排して各府省一体となった行政運営を確保するとともに、政府としての総合的人材戦略を確立し、職員一人一人が責任と誇りを持って職務を遂行できるようにするための国家公務員制度改革が急務となっております。  このような観点から、政府は、幹部職員人事の一元管理等に関する規定の創設、内閣人事局の設置等に関する規定の整備を行うとともに、内閣総理大臣補佐官及び大臣補佐官に関する規定の整備等を行うこととする本法律案を提出する次第であります。  以下、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、幹部職員人事の一元管理等に関する措置を講ずることとします。  具体的には、幹部職への任用は、内閣官房長官が適格性審査を行った上で作成する幹部候補者名簿に記載されている者の中から、任命権者が、内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議に基づいて行うこととします。  また、幹部職員の任用を適切に行うため必要があり、一定の要件を満たす場合には、直近下位の職制上の段階の幹部職へ降任することができる特例を設けることとします。  さらに、管理職への任用に関する基準を定めて、その運用の管理等を行うとともに、管理職員の職責を担うにふさわしい能力及び経験を有する職員を育成する仕組みとして、幹部候補育成課程を設けることとし、併せて、官民の人材交流を推進するために必要な措置を講ずることとします。  第二に、内閣官房内閣人事局を設置することとします。  内閣人事局は、幹部職員人事の一元管理等に関する事務を担うとともに、政府としての人材戦略を推進していくため、人事管理に関連する制度について、企画立案、方針決定、運用を一体的に担うこととします。具体的には、国家公務員制度の企画及び立案、中央人事行政機関たる内閣総理大臣の所掌する事務行政機関の機構及び定員に関する審査等に関する事務をつかさどることとします。  このような制度設計に当たっては職員の適正な勤務条件の確保及び人事行政の公正確保に配慮し、採用試験及び研修等に関する政令等を定めるに当たっては人事院の意見を聴いて定めることとしており、特に、各府省等の職員の職務の級の定数の設定及び改定等に当たっては、人事院の意見を十分に尊重することとしております。  なお、内閣総理大臣は、人事院に対し、人事院規則の制定及び改廃を要請できることとしております。  第三に、内閣総理大臣補佐官の所掌事務の変更及び大臣補佐官制度の創設を行うこととします。  具体的には、内閣総理大臣補佐官の所掌事務は、内閣総理大臣の命を受け、内閣の特定の重要政策に係る内閣総理大臣の行う企画及び立案について、内閣総理大臣を補佐することに変更することとします。  また、大臣補佐官は、特に必要がある場合に、各府省に置くことができることとし、大臣の命を受け、特定の政策に係る大臣の行う企画及び立案並びに政務に関し、大臣を補佐することとするとともに、内閣総理大臣補佐官と同様、国会議員が兼ねることを可能とすることとします。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、雇用と年金の接続のための措置を講ずることの検討に関する附則の修正その他所要の規定の整理が行われております。  以上が本法案の趣旨でございます。(拍手)     ─────────────
  7. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。上月良祐君。    〔上月良祐君登壇、拍手〕
  8. 上月良祐

    ○上月良祐君 自由民主党の上月良祐です。  自由民主党を代表して、ただいま議題となりました国家公務員法等の一部を改正する法律案に対し、質問いたします。  本法案は、政治主導、官邸主導という行政改革の大きな流れの中にあるものと理解いたしております。国力の増進、国益の実現という大目標のために、いかに優秀な官僚機構を整備し、そして動かしていくか、そのための改革でなければなりません。現下の最重要課題は、少子高齢化の中で、いかにデフレを脱却し、成長していけるかです。政治家は、官僚組織を使いこなしながら、それを実現していく責任があります。  しかし、政治主導の名の下に、ただ官僚をたたけばいいわけではありません。役人をたたくなら、頭や頬ではなく尻をたたく必要があります。もっと言えば、たたかなくとも自らやる気を持って動くようにするのが官僚組織の動かし方ではないでしょうか。  さきの民主党政権は、官僚は政治家の決めたことに黙って従えという姿勢が顕著でした。それでは、官僚は皆、上の顔色を見ているだけで、自らチャレンジしていくはずがありません。政権交代の後は、やる気を取り戻し、霞が関にも活気が出てきました。どちらが優れた組織の動かし方か、一目瞭然です。たたき、削り、シュリンクさせる、そんなものは行革の名に全くふさわしくありません。  また、現場の声を行政に反映することも政治家の重要な役割です。官僚組織の中では、ろ過されたきれいな情報しか上がらないものです。現場の生々しい実態は見えません。それが見えるのは政治家であり、現場の情報で行政を正していくのは政治家の責務です。  政官関係がどうあるべきかという観点から、行政改革の責任者である稲田大臣御自身のお言葉で、現下の我が国が置かれた状況下における今次改革の理念をお聞かせください。  次に、幹部人事の一元化について伺います。  省庁の縦割り体質は、かねてから省あって国なしと言われてきました。しかし、今回、内閣による人事管理を局長級から審議官級にまで広げることは、使い方によっては大きなインパクトを与えることは間違いありません。すなわち、課長時代から省益ではなく国益を考えて仕事をする意識が生まれることになるかもしれないからです。重要課題を担当する審議官など、花形ポストに登用する際には、これまでの仕事ぶりも含め官邸がチェックできるのですから、その影響力は甚大です。  この仕組みをどれだけ効果的に使えるかがまさに政権の腕の見せどころとなるわけですが、稲田大臣は、幹部人事の一元管理拡大の意義とその仕組みを有効活用するための方策についてどのようにお考えか、お伺いします。  最後に、国家公務員制度改革基本法第十二条の、国民に開かれた自律的労使関係制度について伺います。  この、国民に開かれたとはどういう意味なのでしょうか。開かれているのですから、結果が詳細に公表され説明されるのは当然のことなのでしょう。自律的というのも、国会や国民との関係で、勝手に勤務条件を決定できるという意味では断じてないはずです。  基本法ができて五年十か月。この間には民主党政権の三年三か月も含まれています。これほどの期間がたち、また費用便益について国民に示したにもかかわらず、昨年の人事院報告でも、「十分な議論は行われておらず、未だ国民の理解は得られない状況にある」と指摘されています。  そして、この先、国民の理解が得られる見通しがあるのでしょうか。国民に開かれた自律的労使関係とは何かを理解し、この条文の意義を認めている人は国民の中のごく少数ではないでしょうか。そうであるならば、この規定は、その必要性自体も含め、抜本的に再度議論されるべきものと言わざるを得ません。  そもそも、行革の理念に照らしても、この自律的労使関係が前向きな意味を持ち得るのか、私には理解ができません。稲田大臣は、国民に開かれた自律的労使関係についてどうお考えなのか、行革の理念との関係をどう捉えておられるのかを伺い、また、私自身はこの自律的労使関係という考え方に強く疑問を呈しまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  9. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今回の国家公務員制度改革関連法案の理念について、政官関係の観点からお尋ねがありました。  政は、行政が公正かつ中立的に行われるよう、国民代表する立法権者として監視責任を果たし、官を的確に導くものであり、官は、国民全体の奉仕者として、中立性、専門性を踏まえて、法令に基づき、主に政策の実施、個別の行政執行に当たるものです。政と官は、それぞれの役割分担に基づき、政官一体、かつ霞が関が一枚岩となって諸課題に取り組むことが重要であると考えます。  今回の法案では、幹部職員人事の一元管理により、政官の接点にある幹部職員戦略人材配置を実現するとともに、内閣総理大臣補佐官大臣補佐官等、内閣の重要政策課題について総理や各大臣を直接支える体制を整備することで各府省一体となった行政運営を確保し、国益の観点から迅速に行動し実現する公務員制度を構築してまいります。  幹部人事の一元管理についてのお尋ねがありました。  今回の法案においては、国家公務員制度改革基本法に沿って、各府省の部長、審議官級以上の幹部職員人事に関し、適格性審査や幹部候補者名簿、任免協議といった法律に基づく仕組みを構築し、内閣で一元的に管理を行うこととしております。この一元管理の仕組みによって、内閣の重要政策に対応した戦略人材配置を実現し、縦割り行政の弊害を排して各府省一体となった行政運営が確保されるものと考えております。  また、新たな幹部人事の一元管理の仕組みを有効に活用できるよう、人事評価制度の適切な運用などを通じて、省益ではなく国益の立場を考える意識や自らやる気を持って行動する意識を醸成し、職員一人一人が責任と誇りを持って職務を遂行できるような制度の運用を図ってまいります。  自律的労使関係制度についてお尋ねがありました。  国家公務員制度改革基本法第十二条は、国会での修正により、政府に対し、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を国民に提示し、その理解の下に、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置する責務を課したものであります。  御指摘の国民に開かれた自律的労使関係に関して、私としては、公務員の労使関係は、国民に対する透明性が確保されなければならず、かつ、全体の奉仕者たる公務員地位の特殊性に鑑みれば、その勤務条件については国民代表から成る国会の関与が当然に必要となるものと考えております。  また、公務員制度改革を含む行政改革は、行政機能や政策効果を最大限向上させるとともに、政府に対する国民の信頼を得るために極めて重要な不断の取組であると考えております。  自律的労使関係制度については、これまでの経緯を踏まえれば、多岐にわたる課題があり、これを措置することについていまだ国民の理解が得られるような段階にはないと考えております。このため、ただいま申し上げた行政改革の理念との関係も含め、引き続き慎重に検討する必要があると考えております。(拍手)     ─────────────
  10. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 相原久美子君。    〔相原久美子君登壇、拍手〕
  11. 相原久美子

    ○相原久美子君 民主党・新緑風会の相原久美子でございます。  本日は、会派を代表し、国家公務員法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  今、日本の社会は大きな転換期を迎えています。日本経済がバブル景気とその崩壊を経て低成長期に至る過程で、急速な少子高齢化の進行、様々な格差の拡大など、社会構造は大きく変化しています。  このような時代を背景として、複雑化する様々な行政上の諸課題について、既存の公務員制度では対応が困難になってきました。このため、第二次臨時行政調査会から始まる行政改革から中央省庁再編に至るまで様々な統治機構の改革が行われてきましたが、十分な成果を上げるに至っていません。  本来、議院内閣制を取る我が国において、国会の信任を受けて行政権をつかさどるのが内閣です。この内閣の機能強化を目的として中央省庁再編が行われました。しかし、行政組織の根幹を成す公務員制度改革の本丸は手付かずのまま残されてきました。  一方で、天下りや官製談合などが広く国民の知るところとなります。誰のために何をなすことが行政としてのあるべき姿なのか。公務員制度全般に対する不信感が募ってきました。  このような、時代の変化と制度改革の流れ、そして行政と公務員に対する信頼の喪失を受け、いよいよ公務員制度改革が喫緊の課題となりました。国家公務員制度改革基本法の施行から五年を経て、昨年、四度目の正直となる国家公務員法等の一部を改正する法律案が国会に提出されました。民主党は、基本法にのっとり、公務員制度改革を前進させるために、衆議院において自民党、公明党との修正合意を図りました。そして、本日、修正された法案の審議が参議院でスタートすることになります。  ようやく緒に就いた公務員制度改革の柱は、何よりもまず、失われた信頼の回復です。そのためには、国益を担う国家公務員の疲弊感と閉塞感を払拭するために、人事制度を再構築することが必要です。さらには、縦割り行政を是正することによる内閣機能の強化。これらを中心に制度設計することが求められます。  また、この改革は、国家公務員のみならず、地方公務員にも大きな影響を与えるものです。中央政府の在り方は、取りも直さず地方自治の現場にも波及していく、そのような大きな改革であることを私たちは認識しておかなければなりません。  そこで、稲田担当大臣に伺います。  国家公務員法の目的は、国政の運営について、適材を公務に導入して、その能力を十分に発揮させ、安んじて職務に専念できるよう、待遇その他の条件を整備することにあります。つまり、国民に対して、公務の民主的かつ能率的な運営を保障するという行政制度の基盤的な性格を有するものです。公務員制度改革を行う上で、我が国を取り巻く急激かつ大きな情勢変化に対応する行政という視点から今回の改正内容は制度設計されたのでしょうか、また、国民にとって資するものは何なのか、御答弁願います。  次に、若手公務員にとって魅力ある職場とするための取組について伺います。  行政サービスを担う現場は、当然のこととして、幹部及び幹部候補生のみでなく、それを支える数多くの公務員一人一人の力を結集して成り立っています。政府案は、全ての国家公務員にとってやりがいのある仕事につながる内容となっているのでしょうか。  今回の制度改正の議論と並行して、稲田担当大臣の下で、若者にも魅力的な新しい公務員制度を目指して、今後の公務員制度改革の在り方に関する意見交換会が開催されました。若手職員からのヒアリングも行った上で、昨年五月には議論の中間整理を取りまとめています。  ヒアリング結果からは、国家公務員の仕事に対するやりがいや誇りをうかがい知ることができます。一方で、公務を取り巻く状況に対しては、幹部、中堅、若手の誰にとっても魅力的に見えない職場、働く意欲と能力の低下が危惧されている、公務員生活に見切りを付けた若手公務員の早期退職が続いているなど、現状と将来への不安が述べられていることが懸念されます。  そこで、稲田担当大臣にお尋ねします。  若い優秀な人材に公務員を目指すことを促し、国民サービスに資する公務員として、誇りを持って職務に邁進するための改革の視点は、今回どこに組み込まれているのか、そして今後、具体的にどのように取り組んでいくのでしょうか。  次に、男女共同参画の視点からお尋ねいたします。  男女共同参画社会を実現するためには、男女の区別なく、全ての人が働きやすく生きやすい職場環境、生活環境を整えることが重要です。そのために、政府は、民間に先んじて取り組み、社会への規範を示すべきだと考えます。  第三次男女共同参画基本計画では、社会のあらゆる分野における指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに三〇%とする目標を掲げています。国家公務員においても、幹部職員への女性の登用が図られつつありますが、昨年十月現在、本省の課長、室長相当職以上に占める女性の割合は三%にとどまっています。これは、転勤などの職務内容によるところもありますが、国会対応のための残業も小さくない要因と言えるのでしょう。女性が登用されにくい環境を私たち自身がつくり出している側面もあることを、自戒の念を込めて指摘したいと思います。  そこで、稲田担当大臣に伺います。  日本政府の上層部に占める女性の割合が低調であることは、国連の女子差別撤廃委員会からも指摘されており、改善すべき課題です。国家公務員法には平等取扱いの原則が明記されています。また、性別を問わず、能力・実績主義とする人事評価制度も、二〇〇七年改正によって組み込まれました。そして、今回の政府案では、「子の養育又は家族の介護を行う職員の状況を考慮した職員の配置その他の措置による仕事と生活の調和を図るための指針」が定められることとされています。具体的にどのような指針を作成されるのか、大臣の姿勢を含め、御答弁ください。  あわせて、国家公務員における女性の登用を更に進めていくためにどのような工夫が必要とお考えか、御所見を伺います。  関連して、仕事と家庭の両立支援のための制度の一環である育児休業の取得状況に関してお尋ねします。  男女共同参画社会の実現には、女性の職場での均等待遇だけではなく、育児や介護など、女性が家庭責任を過重に負っている状況を改善しなければなりません。そのためには、男性の男女共同参画社会への理解と、それを実行に移すことができる職場環境の整備が求められます。  二〇一二年度の一般職国家公務員における育児休業の取得状況は、新たに取得した女性が三千六百八人、取得率は九六・五%です。対して、男性は僅か二百八十六人、取得率は三・七%で、前年度と変わらず、依然として低い水準と報告されています。  そこで、田村厚生労働大臣にお尋ねします。  厚生労働省では、男性職員の育児休業取得率は、二〇一二年度で一一・三%となっています。これは他省庁と比べると高い部類の値です。さらに、厚生労働省では、二〇一四年度の取得率目標を一三%と設定しています。どのような工夫が高い取得率に結び付いているのか、お教えください。そして、その実践を他省庁にも広げていただきたいと思います。  次に、国家公務員における非常勤職員の課題についてお尋ねします。  非正規雇用として働く割合は、女性が七割近くを占めています。女性は男性と比較し、結婚、出産、育児などにより就業の中断を余儀なくされることが多いのが現状です。個々人が、能力や働き方に即して柔軟で多様な雇用形態が選択できることはすばらしいことです。しかし、様々な制約により非正規としてしか働くことがかなわない女性にとって、非正規雇用は雇用継続の不安定さや賃金面などで様々な課題があります。  そこで、新藤総務大臣に伺います。  国家公務員制度では、二〇一〇年に、これまでの日々雇用の非常勤職員についてその任用、勤務実態の見直しがなされ、新たに期間業務職員制度がスタートしています。期間業務職員が常時必要な補助要員であるとすれば、いわゆる顧問や委員といった本来の非常勤との区別を明確にするため、きちんと法律に位置付けるべきではないでしょうか。あわせて、同一価値労働同一賃金の原則を踏まえ、現在の日給制を改め、月給制とすべきであると考えますが、大臣のお考えをお伺いいたします。  次に、政府案の改正事項について、二点お尋ねいたします。  まずは、内閣人事局と人事院との関係について伺います。  今回の改正の最も重要な一点は、幹部職員人事の一元化など、政治主導による機動的な人事の断行です。しかし、政府案では、内閣人事局の行う各事務において、人事院の意見を聴取したり、その意見を尊重することが規定されており、実際の事務において改革が目指す理想を実現できるのか、課題があるものと思います。  行政コストの肥大化を抑止し、機動的な運用を行うよう、不断の検証と見直しが肝要と考えますが、稲田担当大臣の所見を伺います。  また、内閣総理大臣補佐官や大臣補佐官など、政務を支えるスタッフの拡充についてお尋ねします。  政治主導を強化するためには、その決断をなし得る政務一人一人のサポート体制の充実が不可欠です。複雑多様化する課題をスピード感を持って対処していくためには、新たな政治任用スタッフと既存の閣僚、副大臣、大臣政務官との役割分担の在り方や指揮命令系統について整理することが重要だと思います。稲田担当大臣の御所見を伺います。  最後に申し上げます。  公務員制度改革は、今回の法改正で全て終わるわけではありません。目まぐるしく変化する社会情勢に柔軟に対応できる制度改革が常に求められています。例えば、災害時の緊急事態に迅速に機能する体制づくり、そして、その後の復興には、省庁間協力を円滑に行うため、縦割り行政の更なる是正も必要です。また、国家公務員の定年の段階的な引上げと雇用と年金の接続についての検討は追加修正されています。さらには、自律的労使関係制度を含む労働基本権の回復も積み残し課題となっています。国民の益にかなうよう、的確な制度改正を今後とも不断の努力で続けていくことが必要です。  優れた公務員制度が構築され、有能な公務員が集結したとしても、それだけでは政治主導は実現しません。真の政治主導体制の確立のためには、国民の負託を受けている私たち国会議員一人一人の姿勢が問われています。政治と行政の関係を適正に保ちつつ、有能な公務員にその能力を存分に発揮してもらうために、常に襟を正していかなければならないことを肝に銘じつつ、私の代表質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  12. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 今回の公務員制度改革関連法案の理念についてお尋ねがありました。  社会情勢の変化に対応し、我が国が直面する様々な課題を解決するためには、公務員一人一人の職務意欲を引き出し、政府一丸となって国益や国民の声を迅速に実現できるようにすることが重要と考えています。このため、時代に応じた新しい公務員制度を構築すべく、学識経験者、職員団体、若手官僚などのヒアリングも行いながら丁寧な制度設計を行い、昨年の臨時国会に改革法案を提出したところであります。  本法案の成立により、内閣の重要政策の実現などのための戦略的人材配置や、公務員が責任を自覚し、誇りを持って職務を遂行できる体制が実現され、我が国の中長期的課題に対し、国民の声を十分に反映しながら、適切に対応できるようになると考えております。  若手公務員にとって魅力ある職場づくりについてお尋ねがありました。  我が国が直面する様々な課題に適切に対応するためには、国民全体の奉仕者たるにふさわしい、意欲や能力を有する多様で優秀な人材を確保し、活用し、育成することが不可欠です。  そのため、今回の法案では、例えば、幹部候補育成課程を導入し、採用試験の別にとらわれない幹部候補育成を進め、対象者に海外や民間等の多様な勤務経験を付与することや、内閣人事局が各府省が行う研修の総合的企画及び調整を行い、職員への幅広い視野、高い専門性、マネジメント能力等の付与等戦略的な人材育成を進めること、採用昇任等基本方針において、仕事と生活の調和を図るための指針等を定めることなどの仕組みを導入することとしています。  このような仕組みを通じ、やる気と能力ある職員を育成し、それらの職員が自らスキルアップを図りつつ、やりがいを持って職務に当たることができるようにしたいと考えております。  仕事と生活の調和を図るための指針及び国家公務員における女性の登用についてお尋ねがありました。  今般の法案においては、国家公務員制度改革基本法の基本理念を踏まえ、新たに仕事と生活の調和を図るための指針を採用昇任等基本方針の閣議決定に加えることを法定することとしております。  具体的な指針の内容は、内閣人事局発足後、関係機関と連携しつつ定めていくこととなりますが、今回の改革の狙いの一つである、若者や女性など全ての職員が意欲的に公務に関わることができるようにするための取組の一環として、職員の状況を考慮した配置や働き方など、各府省が職員の仕事と生活の調和を図るために取り組むべき指針を定めることを考えております。  また、内閣人事局では、安倍内閣が進める女性が輝く日本の実現に向けた取組の一環として、さきに述べた採用昇任等基本方針等により、公務における女性の活用や、女性が更に活躍できるような環境整備の取組を促進するなど、関係機関や各府省の人事当局と連携しつつ、中核的な役割を果たすことが期待されるものと考えております。  内閣人事局の事務の在り方についてお尋ねがありました。  今回の法案では、内閣人事局と人事院の事務の分担を定めるとともに、両者が互いに相手に意見、要請を行う旨の規定を設けております。これにより、中央人事行政機関の間の意思疎通が確保され、両者一体となって効果的、効率的に人事行政を遂行することができるようになるものと考えております。  御指摘のとおり、行政コストの削減は不断に取り組むべき課題であります。既に級別定数関係事務については、衆議院の法案審議において、その簡素化に関する私の見解を示させていただいておりますが、内閣人事局の発足後も、人事院と連携しつつ、その事務全般の運用状況について不断に検証し、簡素化、効率化に努める必要があると考えております。  新たな政治任用スタッフと既存の閣僚、副大臣、大臣政務官との役割分担及び指揮命令系統の整理についてお尋ねがありました。  現行制度において、内閣総理大臣は、内閣の首長として閣議を主宰すること等を、各大臣は、主任の大臣として行政事務を分担管理すること等を、副大臣は、大臣の命を受け政策及び企画をつかさどり政務を処理すること等を、大臣政務官は、大臣を助け政策及び企画に参画し政務を処理すること等をその職務とするものです。  他方、今回の法案において、所掌事務を改正する内閣総理大臣補佐官及び新たに設置する大臣補佐官は、総理や各大臣の命を受け直接補佐することを職務とする総理や各大臣の個人スタッフであり、総理又は各大臣の命を受けて職務を行う以外、組織内の指揮命令系統には位置付けられず、政策決定過程への直接の関与も行わないものです。このため、内閣総理大臣補佐官及び大臣補佐官は、閣僚等とは役割が異なり、総理及び各大臣の指揮下にあるものの、副大臣や大臣政務官の指揮命令系統の下にはないと考えております。(拍手)    〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕
  13. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 相原久美子議員からは、厚生労働省の男性職員育児休業取得率についてのお尋ねがございました。  厚生労働省における男性職員育児休業取得率は、平成二十四年度実績で一一・三%となったところであります。このため、平成二十六年度までの数値目標を、私が指示をいたしまして一三%に引き上げ、さらに平成三十一年度までに三〇%を目指すことといたしました。  現在、月に一回、全職員宛てに子育てメールマガジンを発行するとともに、私の発案による男性職員育児休業取得事例集の周知を行い、職場における育児休業への理解を深め、育児休業の取得を促進しているところであります。各省庁にも御利用いただければ有り難いというふうに思います。  今後、一層の取得率の向上につながるよう、新たな目標値や推進方策を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
  14. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 相原議員から、期間業務職員についてお尋ねをいただきました。  期間業務職員については、国家公務員法に基づく人事院規則等においてその定義、任免、勤務時間など必要な規定を設けており、法令上明確に位置付けているところでございます。  総務省としては、引き続き、各府省に対し、期間業務職員制度の適切な運用を促してまいりたいと存じます。  また、これまで、民間企業における同種の非正規従業員は一般的に月給制が取られていないことなどから、現在、期間業務職員には各府省において日給制で支給されていますが、こうした支給方法の在り方については、人事院において、今後の民間の状況等を見ながら必要な検討がなされるものと承知しております。(拍手)     ─────────────
  15. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 和田政宗君。    〔和田政宗君登壇、拍手〕
  16. 和田政宗

    ○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。  私は、みんなの党を代表して、国家公務員法等の一部を改正する法律案について質問します。  まず、私の父は官僚でした。一生懸命に国のために働く姿を見てまいりました。そして、官僚には優秀な方々も多いと認識しています。  しかしながら、国家公務員制度は国家経営の根幹に関わるものです。このままでよしとするのではなく、将来にわたって日本国を発展させていくためにも、組織の硬直化を排除し、変えるべきところは変えるという制度改革が必要であると考えます。  東日本大震災で我が国は甚大な被害を受けました。この教訓をしっかりと生かさなくてはなりません。首都直下地震、東海・東南海・南海地震などの大規模災害はいつ起きてもおかしくない状況にあり、領空、領海の防衛が緊迫化する中、国家の非常事態時における危機管理の在り方が問われています。本法案によって、具体的にどのように機能強化が図られ、どういった効果があるのか、稲田大臣の明確な答弁を求めます。  国家公務員制度改革は、我が党の一丁目一番地の政策です。それは、官僚組織を真に日本国の発展に資する組織に改革しなければならないと考えているからです。守られ、硬直化した組織でなく、抜てきや適材適所の人材活用により、活力がみなぎり、柔軟な発想や対応ができる体制にしなくてはなりません。国家経営も企業経営と同じく、改革、改善ができなくなると衰退の一途をたどるはずです。  国家公務員制度改革基本法、以下基本法と呼びますが、基本法の施行から既に五年以上が経過しました。この五年の間に政権の枠組みに大きな変化があったことは確かですが、基本法は当時の与野党の垣根を越えて修正がなされ、多くの議員の賛同を得て成立したはずであり、改革の必要性は多くの議員が共有するところです。  しかし、基本法に基づく措置はこれまで全くと言ってよいほど講じられておらず、政府提出法案は既に三度廃案となり、時間ばかりが経過しています。このような事態になった理由を政府はどこにあると分析しているのでしょうか。  政府は、この五年間に国家公務員制度改革をめぐって起きたこと、それを踏まえて、国家公務員制度改革に反映しなければならないことをきちんと総括してこの法案を提出したのでしょうか。  さきの臨時国会においては、本法案の国会提出に先立って、政府に対し、まさにこの場で自民党の脇幹事長から同様のお尋ねがありました。その際は政府から明確なお答えはなかったように思います。改めて、どう総括されたのか、政府提出法案が三度廃案になった理由の分析も含め、稲田大臣の明確な答弁を求めます。  もし仮に政府がこの五年間をきちんと総括して本法案を国会に提出したのだとしても、本法案には我々が納得しかねる点が幾つもあります。  以下、時間に限りがありますので、数点に絞ってお尋ねいたします。  まず、本法案では、真に我が国のためになる人材を幹部職員に抜てきする大胆な人事を行うことは不可能であると考えます。抜てき人事を行うためには、抜てきするポストを何らかの方法で空けなければなりませんが、本法案には、四年前廃案になった、いわゆる甘利法案における幹部職員の特例降任規定が再度置かれています。甘利法案の翌年、当時野党の自民党と我が党は、幹部職員を特別職とする法案を共同提出し、抜てきや降格をしやすくする踏み込んだ内容のものでした。  しかし、本法案は、それ以前の甘利法案に逆戻りさせようというものです。つまり、抜てきするポストを空ける場合、降任させようとする幹部職員について、ほかの幹部職員に比べて勤務実績が劣っている、ほかの職員を任命した方が優れた業績を上げるといった基準に全て該当すれば降任できるという規定です。  しかしながら、そもそも現在そのような幹部職員がいるなら、その職員を現在の地位に置き続けているのは非常に問題であり、放置している各省庁の大臣は特に問題です。現在、そういう職員がいるのでしょうか。いないのなら、将来にわたってもそういった職員が生じるとは考えられず、この規定は実効性がない無意味なものなのではないでしょうか。さらに、もし仮にこの規定に該当する幹部職員がいたとしても、本法案では幹部職員の枠の中でしか降任ができない規定になっています。これは抜てきするためにポストを空けることは極めて困難と言わざるを得ません。  真に我が国のためになる人材を大胆に登用するため、幹部職員については、一般職に適用される国家公務員法の枠の中で曖昧な規定を設けるより、国家公務員法の規定が適用されない特別職とすることで柔軟な人事を行い得る制度に改めるべきと考えますが、なぜそうしなかったのでしょうか。  平成二十二年の自民党と我が党の幹部職員を特別職とする法案の提出当時と今の状況は変わりないと考えますが、政府は法案の内容が後退したことについてしっかりと説明をしておりません。稲田大臣の明確な答弁を求めます。  次に、本法案によって新たに設置されることになる内閣人事局への機能移管ですが、十分とは言えません。人事院、総務省などに関連機能をほぼそのまま温存し、さらに内閣人事局をつくることになっていますが、これでは三元人事行政体制が四元人事行政体制になり、ますます機能不全に陥ります。中でも、人事院から移管する事務については、甘利法案からも平成二十二年の自民・みんな共同提出法案からも、質、量ともに減少しており、内容が後退していると言わざるを得ません。  人事院から内閣人事局に移管する事務について、甘利法案、自民・みんな共同提出法案に問題点があったので本法案で手直しを行った、あるいは、問題点はなかったけれども、それぞれの法案の廃案から現在までの間に環境の変化があったので本法案に反映させた、一体どちらなのか、稲田大臣から明確な答弁を求めます。  また、本法案によって人事院から内閣人事局に移管される事務のうち、級別定数の設定及び改定については人事院の意見を十分尊重することになっていますが、人事院の意見と内閣人事局の意見が食い違ったとき、人事院の意見を全て受け入れないつもりなら、双方の食い違った意見を調整する仕組みが必要になると考えます。本法案にはそのような仕組みは見当たりませんが、本法案が成立した後、どのような仕組みをつくるつもりなのでしょうか。それとも、そのような仕組みは不要であり、つくる予定もないのでしょうか。稲田大臣から明確な答弁を求めます。  さらに、これまで廃案になった法案には、自公政権であろうと民主党政権であろうと関係なく置かれていた、内閣総理大臣による幹部職員の公募に関する規定が本法案にはありません。これも過去の法案に比べて内容が後退しています。なぜ規定を置かなかったのでしょうか。  もし、地方自治体における公募がうまくいっていないということを参考にして本法案に規定を置かなかったとするならば、国が地方の状況に合わせて制度を後退させるのではなく、これまでの法案に倣い、国が率先して幹部職員の公募制度を設け、地方を牽引していく必要があるのではないでしょうか。地方自治体における公募の現状を含めた稲田大臣の明確な答弁を求めます。  以上、数点に絞ってお尋ねいたしましたが、国家公務員制度改革基本法に基づく法制上の措置を講ずるに当たっては、基本法の規定を忠実に反映して立案するだけでなく、要らぬ妥協や抵抗を排除して、真に我が国の発展に寄与する国家公務員制度を構築することが重要です。しかしながら、本法案はそうした制度の構築には不十分であることを改めて申し述べ、私の質問といたします。(拍手)    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  17. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 緊急時の国の対応への公務員制度改革の影響についてお尋ねがありました。  今回の法案では、幹部職員人事の一元管理の仕組みを導入するとともに、必要な機能を有する内閣人事局を設置することにより、内閣の重要政策に対応した戦略的人材配置を実現するとともに、公務員一人一人が省益でなく国益の立場に立って行動できるようになり、様々な行政課題の迅速な解決が期待されます。御指摘の大規模災害時や緊急事態時においても、こうした考え方に基づいて機動的な人材配置が可能になるものと考えております。  また、手続上も、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害その他緊急やむを得ない場合において、幹部職員の配置に係る任免協議を事後的に行い得るものとする特例を設け、迅速な対応を可能とする仕組みとしております。  過去の政府提出法案が廃案になったことについてお尋ねがありました。  過去の法案は、いずれも様々な議論があって廃案となったものであり、その要因を特定して申し上げることは困難ですが、過去の法案提出時においても、その都度、公務員労働基本権人事院勧告制度について真摯な議論が行われ、結果としては合意に至らず、法案が成立しなかったものと認識をしております。  幹部職員の特例降任制度及び特別職化についてお尋ねがありました。  今般の公務員制度改革は、能力・実績主義の下、内閣の重要政策に対応した戦略的人材配置を実現し、縦割り行政の弊害を排するとともに、政府としての総合的人材戦略を推進しようとするものです。  今回の法案で措置する特例降任制度は、より適任者がいた場合に、成績不良ではない幹部職員を一定の要件の下に降任させることを可能とする制度であり、現時点で個々の幹部職員にこうした要件を当てはめて特例降任制度の実効性がないとの御指摘は当たらないと考えます。  御指摘の幹部職員の特別職化については、国家公務員制度改革基本法が求めるものではないと理解しております。また、そもそも国家公務員法の大原則である能力・実績主義や政治的中立性堅持などは幹部を含めた全職員に適用されるべきであり、したがって、幹部職員についても、こうした国家公務員法の規定が適用される一般職と位置付けることが基本となると考えております。  人事院から内閣人事局に移管する事務についてお尋ねがありました。  今回の法案の検討に際しては、政権交代等の経験も踏まえ、各方面から人事行政の公正確保や職員の勤務条件の確保の重要性に関する指摘が多くなされたことから、これらに対する配慮を法律上明確化するため、平成二十一年法案を基本としつつ、必要な変更を行ったところです。  具体的には、行政ニーズの変化に対応するため、優れた人材の養成及び活用の確保に関する機能は内閣人事局が担い、公正な任用の確保に関する機能は人事院が担うこと、級別定数を設定、改定する機能は内閣人事局が担い、その設定、改定に当たっては、職員の適正な勤務条件の確保の観点から行う人事院の意見を十分に尊重することとするなど、内閣人事局人事院との間で適切な役割分担をすることとしております。  また、内閣人事局の設置に当たっては、総務省が担ってきた国家公務員人事行政に関する機能は全て内閣人事局に移管すること、今後も国家公務員人事行政やこれに関連する機能を担う人事院財務省については、内閣人事局と連携しつつ一体となって機能が発揮できるよう、内閣人事局が方針策定、要請等を行うといった法律上の仕組みを新設すること、衆議院における法案審議の際に私から示させていただいた見解にもあるとおり、関係機関が重複して各省に説明を求め、行政コストが肥大化するといったことが生じないよう事務の簡素化を進めることから、人事行政の四元化との御指摘は当たらないと考えております。  人事院内閣人事局の意見に相違があった場合についてお尋ねがありました。  今回の法案に盛り込まれた内閣人事局人事院との間の意見や要請の仕組みは、いずれも両者の意思疎通を深めるための新たな法的枠組みであります。これらにより、中央人事行政機関の緊密な連携の下、より良い人事行政が実現するものと考えております。  この人事院の意見は、法的な拘束力があるものではありませんが、人事行政の公正確保や職員の勤務条件の確保の観点から尊重されるべきものと考えております。  また、この仕組みを通じて日頃から十分な意思疎通が図られるため、御指摘のようなケースは余り想定しておりませんが、仮に生じた場合は、人事院と十分かつ丁寧に議論を行った上で、内閣総理大臣が責任を持って最終判断を行うことになると考えております。  幹部職員の公募についてのお尋ねがありました。  公募については、今回の法案において、採用昇任等基本方針の閣議決定に職員の公募に関する指針を追加することを法定し、法律上明確に公募に関する根拠規定を置くこととしており、御指摘は当たりません。  他方、近年の地方公共団体等の公募をめぐる議論の中には、公募による採用制度の在り方など、必ずしも地方の問題の枠にとどまらない議論も行われていると承知をしております。  国家公務員制度改革基本法の策定に当たり、公募に関して様々な議論が行われました。例えば数値目標の導入がその一例ですが、目標があることで、その達成のため、必ずしも公募に付すことが適当でないポストまで無理に公募することも懸念されたところであります。  政府としては、こうした様々な議論を勘案し、公募については段階的な検証と実施を行いつつ取り組む必要があると考えております。  以上です。(拍手)     ─────────────
  18. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 山下芳生君。    〔山下芳生君登壇、拍手〕
  19. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、国家公務員法改正案について質問します。  まず、国家公務員制度改革の基本問題について質問します。  本法案は、二〇〇八年に制定された国家公務員制度改革基本法に基づくものとされています。我が党を除く与野党の修正合意で成立したこの基本法を始め、この間、国家公務員制度改革と称して進められてきたのは、第一に内閣一元管理という名の官邸の人事権の強化であり、第二に天下りの全面的な容認でありました。その一方で、公務員制度の根幹問題である労働基本権の回復は一切先送りされてきたのであります。こうした改革が何をもたらしたのか、今厳しく問われなければなりません。  第一に、内閣一元管理という官邸の人事権強化の問題です。  今回の法案に盛り込まれた幹部人事の一元管理は、議院内閣制の下、国家公務員がその役割を適切に果たすことを基本理念の第一に掲げる基本法に従ったものであり、内閣としての一体性を確保などを理由に、官邸の人事権の強化を目指すものであります。  ところが、今まさに問題となっているのが、この間の一連の安倍内閣の人事にほかなりません。安倍総理肝煎りで任命されたNHK経営委員とそこで選ばれた会長が、公共放送のトップとしての資格に欠ける言動を繰り返し、国民の強い批判を招いているのはその一例であります。その役職に求められる能力や識見ではなく、政権との近さを基準とした人事が何をもたらすかは明らかであります。  菅官房長官は、一年前の四月一日、内閣府の新入職員入府式で、国家全体の奉仕者として頑張ってほしいと言い、昨年九月の幹部職員セミナーでは、この政権の方向性を常に念頭に置いて取り組んでもらいたいと述べました。驚くべき発言です。安倍政権が求めているのは、国民に奉仕する公務員ではなく、政権に服従する公務員なのですか、お答えください。  法案が導入する幹部人事の一元管理は、政府の幹部公務員候補を官房長官が審査し、その任免にも官邸が関わるものとなっています。こうした制度の下で、幹部になるために必要な能力は、その専門能力や国民目線ではなく、政権への近さ、果ては政権へのおもねりになっていくのではありませんか。これこそ猟官主義ではありませんか。  言うまでもなく、日本国憲法は、戦前の天皇の官吏から全体の奉仕者へと公務員制度の理念を百八十度転換しました。公務員は、憲法の国民主権の下、全体の奉仕者として、法律に基づき、職務遂行の中立公平が求められることとなったのです。  ところが、歴代自民党政権の下でこの理念はねじ曲げられ、大企業奉仕、日米同盟最優先の政治を担う官僚集団とされ、業界との癒着構造が形成されてきました。内閣一元制度の導入は、それを一層悪化させるものであります。求められているのは、現憲法の精神に沿った公務員制度の民主的改革であります。  第二に、天下り禁止の問題です。  公務員制度への国民の信頼を壊してきた最大の悪弊は、歴代自民党政権の下で繰り返されてきた官民の癒着、高級官僚の天下り、わたりであります。この悪弊を絶ち切るためには、天下り禁止を厳格に実施することです。  ところが、第一次安倍内閣は、二〇〇七年、天下りのあっせんを禁止するだけで、それまであった天下りそのものの原則禁止規定を国家公務員法から削除してしまいました。  その結果、何が起きたでしょうか。二〇一一年には、前資源エネルギー庁長官が東京電力に直接天下るという前代未聞の事態が起こりました。監督省庁から監督企業への最悪の天下りであります。三・一一原発事故と国民からの強い批判の中で、前長官は東電顧問を辞職し、経産省は幹部公務員の電力業界への天下りを自粛せざるを得なくなりました。数々の官製談合を繰り返してきた防衛省においても、関連企業への天下り自粛を継続しています。  官民の癒着を断ち切るためには、こうした自粛措置にとどまるのではなく、改めて天下りそのものを厳格に禁止することこそ必要なのではありませんか。  加えて、国土交通省の前事務次官自ら、所管する業界への天下りあっせん、口利きを行っていたことが大問題となりました。ところが、このトップ官僚による重大な国公法違反に対し、安倍内閣は何の処分も行っていないのではありませんか。こうした姿勢が公務員制度に対する国民の信頼を失っているとは思いませんか。  第三に、公務員の労働基本権回復の問題です。  日本国憲法は、そもそも、公務員を含む全ての労働者に基本的人権として労働基本権を保障しています。ところが、憲法制定の直後、一九四八年に、公務員の争議行為の禁止を日本政府に押し付けたマッカーサー指令によってこの基本権が公務員から剥奪され、以来、その回復が我が国公務員制度の根本的な課題となってきたのであります。  公務員は、国民の権利を尊重する立場で仕事をすることが求められます。そのためには、自らの人権が保障されていることが不可欠です。にもかかわらず、基本法には、「自律的労使関係制度を措置するものとする。」という不十分な規定が置かれただけでありました。労働基本権の回復こそ、公務員制度改革の根本に据えるべきではありませんか。  公務員の労働基本権の保障は世界的なスタンダードであります。ILOは、二〇〇二年、日本政府に対し、公務員の労働基本権に対する現行の制約を維持するとの考えを再考すべきであると求め、以後、一貫して公務員への労働基本権の付与を勧告してきました。  稲田大臣は、衆議院の法案審査において、これらILO勧告について、公務員制度改革について関係者と十分話し合うことと、改革の進展について情報提供を続けることの二つを要請しているとの認識を述べられていますが、これは一貫して労働基本権の付与を求めてきたILO勧告の核心からあえて目をそらすものではありませんか。  最後に、法案について具体的に二点質問します。  まず、人事の中立性、公正性の問題です。  法案は、幹部職員人事の一元化として、官房長官による適格性審査と幹部候補者名簿の作成を規定しています。政治家である官房長官による審査で中立公正な審査ができるのですか。  法案は、幹部職員の降任の条件として、当該幹部職員が他の幹部職員に比して勤務実績が劣っていることを要件にしていますが、稲田大臣は、衆議院の審議において、「能力が劣っていなくても、ほかにいい人を登用したいがために、一つポストを下げる、そういう特例の降任制度」と答弁されました。一体、ポストを下げる客観的な基準はあるのですか。幹部職員の登用においても降任においても、政権の意のままということですか、お答えください。  次に、人事院の代償機能の問題です。  設置される内閣人事局には、総務省及び人事院から人事に関する事務が移管されますが、その中には級別定数の事務も含まれています。勤務条件そのものである級別定数を、第三者機関である人事院から移管し、使用者中の使用者である内閣人事局が決定するということになれば、人事院の代償機能を後退させることになるのではありませんか。  以上、法案の徹底審議を求めて、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  20. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 幹部人事の一元管理についてのお尋ねがありました。  今回の公務員制度改革において導入を予定している適格性審査、任免協議等の幹部人事の一元管理プロセスは、能力・実績主義の下、いずれも各大臣の任命権を前提とする仕組みとしております。  その上で、適格性審査においては、人事評価結果等の客観的な資料により、審査対象者が必要な標準職務遂行能力を有しているかどうかという客観的な基準により確認することといたしております。  また、幹部職の個別の人事に係る任免協議においては、任命権者である各大臣が作成した人事案について内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議が行われるものであり、複数の視点によるチェックが行われ、公正性が担保される仕組みとしているところです。したがって、幹部職員になるために必要な要素が政権への近さや政権へのおもねりになっていくとの御指摘は当たらないものと考えます。  また、猟官主義とは、縁故や個人的なつながり等に基づいて任用を行う制度と承知しておりますが、幹部人事の一元管理は、能力・実績主義に基づいて適材適所の人事配置を行うものであり、猟官主義との御指摘は当たらないものと考えております。  天下りについてのお尋ねがありました。  国家公務員の再就職に関して、問題なのは、公務員OBの口利き、予算、権限を背景とした再就職の押し付け等の不適切な行為であります。平成十九年の国家公務員法改正により、こうした行為を直接的に禁止するとともに、規制違反行為に関する監視体制として再就職等監視委員会を整備したところであります。今後とも、再就職等監視委員会による監視の下、再就職規制の厳格な運用を通じて、国民の疑念を招く天下りを根絶し、再就職に関する国民の疑念を払拭してまいります。  公務員労働基本権についてお尋ねがありました。  憲法第二十八条に定める労働基本権は、勤労者に保障された権利ですが、公務員については、その地位の特殊性と職務の公共性から必要最小限度の制限が許容されていると解されております。  また、自律的労使関係制度の措置は、国家公務員制度改革基本法第十二条に基づき、公務員制度改革において政府に課せられた責務の一つではありますが、これまでの経緯を踏まえれば、多岐にわたる課題があり、引き続き慎重に検討する必要があると考えております。  なお、御指摘の争議権を含めた労働基本権の回復が公務員制度改革の根本的な問題との御指摘は当たらないと考えております。  労働基本権に係るILO勧告についてお尋ねがありました。  ILOからは、我が国の公務員労働基本権制限に関して勧告されていますが、勧告は、基本的に、公務員制度改革について関係者と十分話し合うこと、改革の進展について情報提供を続けることの二つを要請したものと認識をしております。  自律的労使関係制度については、民主党政権下の平成二十三年六月に国会に提出された国家公務員制度改革関連四法案が廃案になったことなど、これまでの経緯を踏まえれば、引き続き慎重に検討する必要があると考えております。  適格性審査及び幹部候補者名簿の作成について、中立公正の観点からお尋ねがありました。  適格性審査においては、人事評価結果等の客観的な資料により、審査対象者が必要な標準職務遂行能力を有しているかどうかという客観的な基準により確認することとしております。また、幹部候補者名簿については、適格性審査の結果、標準職務遂行能力を確認された者を幹部候補者として記載する仕組みであります。  このような適格性審査、幹部候補者名簿の作成は、客観的な判断材料、客観的な判断基準に基づいて行われる能力・実績主義の下での仕組みであるため、公正中立性は確保されており、御懸念は当たらないものと考えております。  特例降任制度について、職員を降任させる場合の客観的な基準についてお尋ねがありました。  現行国家公務員法においても、成績不良の場合であれば降任は可能でありますが、今回の法案においては、適材適所の幹部人事を実現するため、成績不良の場合でなくても、一定の要件の下に降任を可能とする新たな制度として特例降任制度を設けております。  具体的には、特例降任においては、同じ組織で同じクラスの他の幹部職員と比較して勤務実績が相対的に劣っていること、その人に代えて、そのポストに任命すべき適当な者がほかにいる場合であること、他のポストに転任させることができない等、降任以外に方法がないこととの三つの要件を満たした場合に降任を可能とする仕組みとしております。また、より詳細な基準については、人事院規則において定めることといたしております。  幹部職員の登用及び降任についてのお尋ねがありました。  今般導入する適格性審査や任免協議等の幹部人事の一元管理プロセスは、各大臣の任命権を前提として、能力・実績主義に基づく客観的な人事評価の結果と、幹部職に係る標準職務遂行能力の有無や、それぞれの官職ごとに求められる専門的な知識や経験等の有無を考慮した適性に基づき判断を行うこととしております。  また、同じく新たに導入する特例降任制度は、能力・実績主義の下、弾力的な人事配置の実現のために、成績不良の場合でなくとも一定の要件の下に降任を可能とする制度であり、その要件は本法案において客観的に定められているものであります。  このように、幹部人事の一元管理プロセスや特例降任制度は、能力・実績主義に基づいて幹部職員の適材適所の人材配置を実現するためのものであり、総理大臣等の意向で誰でも登用したり降任させたりできるものではないため、御指摘は当たらないものと思います。  級別定数に関する機能を内閣人事局が担うことについてお尋ねがありました。  級別定数は、職責によるポストの格付を踏まえ、職員の勤務条件の確保の必要性を考慮して設定、改定されるものですが、今回の法案の検討過程で、この職員の勤務条件の確保の重要性について各方面から指摘をいただいたことを踏まえ、法案では、内閣総理大臣人事院からの意見を十分尊重してその設定、改定を行うこととしております。  このような仕組みにより、今回の法案による改正後も、人事院が、労働基本権制約の代償機能を担う第三者機関として、職員の適正な勤務条件を確保するため、引き続き重要な役割を果たしていくことといたしております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
  21. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 公務員のあるべき姿についてお尋ねがありました。  現在、我が国が直面する様々な課題を解決していくためには、内閣の重要政策に対応した戦略的人材配置を実現をして、縦割り行政の弊害を排し各府省一体となって行政運営を確保するとともに、政府としての総合的人材戦略を確立をし、職員一人一人が責任と誇りを持って職務を遂行できるようにするための公務員制度改革が急務であります。  このような観点から、幹部職員人事の一元管理を行うことによって、政官の接点にある各府省の幹部職員について戦略的人材配置を実現するとともに、職員一人一人が省益ではなくて国益を考え、自らやる気を持って国民のために職務を遂行することが可能になるものと考えております。  天下り禁止の問題について発言がありました。  御指摘の事案については、再就職等監視委員会による違反認定時には対象者が退職後であったために懲戒処分は行われておりませんが、同委員会において談話を発表し、各府省に対して再就職等規制の周知徹底を依頼したものと承知をいたしております。  今後とも、同委員会による監視の下、こうした不適切な行為を厳格に規制していくことで天下りを根絶をし、再就職に関する国民の疑念を払拭をしてまいります。(拍手)
  22. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  23. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 日程第一 特許法等の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長大久保勉君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔大久保勉君登壇、拍手〕
  24. 大久保勉

    大久保勉君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、我が国産業競争力の強化に資するため、特許法における手続期間に関する救済措置の拡充、意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定の実施のための規定の整備、色彩、音等の新しい商標保護対象への追加及び弁理士の業務追加等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、特許等の審査体制の充実の必要性、新しい商標保護対象の範囲及び基準の在り方、地域団体商標の適用拡大の意義及び品質維持の在り方、弁理士の使命の明確化と業務の拡充による効果営業秘密の流出防止策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  25. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  26. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  27. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成           二百二十八     反対               一    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  28. 山崎正昭

    議長山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十五分散会