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2014-02-06 第186回国会 参議院 本会議 4号 公式Web版

  1. 平成二十六年二月六日(木曜日)    午後六時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第四号     ─────────────   平成二十六年二月六日    午後六時 本会議     ─────────────  第一 平成二十五年度一般会計補正予算(第1   号)  第二 平成二十五年度特別会計補正予算(特第   1号)  第三 平成二十五年度政府関係機関補正予算(   機第1号)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。  日程第一 平成二十五年度一般会計補正予算(第1号)  日程第二 平成二十五年度特別会計補正予算(特第1号)  日程第三 平成二十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長山崎力君。     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔山崎力君登壇、拍手〕
  3. 山崎力

    ○山崎力君 ただいま議題となりました平成二十五年度補正予算三案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。  補正予算三案は、去る一月二十四日に国会に提出され、三十日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院から送付の後、二月五日及び本日の二日間、安倍内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行ってまいりました。  質疑は、デフレの問題点と賃金上昇の動向、復興特別法人税の前倒し廃止の是非、簡素な給付措置実施の準備状況、総理の靖国神社参拝の考え方、特定秘密保護法の施行に向けた対応、集団的自衛権に対する考え方、沖縄の米軍基地問題と負担軽減のための取組、被災地復興と福島第一原発廃炉に向けた対応、非正規雇用の状況と雇用規制の見直し、東京オリンピック・パラリンピックの施設整備の在り方、エネルギー政策と原発再稼働への対応、住宅等における省エネ促進策、公共放送の経営の在り方、地方分権型社会に向けた取組など、多岐にわたりました。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して那谷屋理事が反対、自由民主党及び公明党を代表して秋野理事が賛成、みんなの党を代表して中西理事が反対、新党改革・無所属の会を代表して浜田委員が賛成、日本共産党を代表して大門委員が反対、日本維新の会を代表して清水委員が反対、社会民主党・護憲連合を代表して福島委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、平成二十五年度補正予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。石上俊雄君。    〔石上俊雄君登壇、拍手〕
  5. 石上俊雄

    ○石上俊雄君 私は、民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。  会派を代表して、ただいま議題になりました平成二十五年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行いますが、このことに先立って表明しておきたい点が一点ございます。  我々民主党は、反対のための反対、何でも反対、そのような単純な、時代遅れの行動原理は持ち合わせていないということです。最先端医療のように、複雑に入り組んだ病巣だけを切り取る一方で、健全な部分は大いに伸ばしていく、そうした国民にとって真の意味での責任政党の役割を今後も果たしていく決意であることをまず申し上げておきたいと思います。  さて、この補正予算ですが、評価できる部分が一部含まれているのは事実です。例えば、四月の消費増税に伴う家計負担の軽減策として、低所得者層に一人一万円ないし一万五千円を支給する臨時福祉給付金三千四百億円、児童手当受給世帯に子供一人当たり一万円を支給する子育て世帯臨時特例給付金一千五百億円、また、住宅取得者の負担を軽減するすまい給付金一千六百億円など合計六千五百億円は、消費税の引上げに伴って適切に行われるべきだと考えます。  消費税の引上げは、社会保障充実のためとはいえ、その負担増が重過ぎる方々を支える仕組みは当然必要で、これら低所得者層への影響緩和や駆け込み需要と反動減の緩和措置は、我々民主党オリジナルの主張に沿った内容と評価させていただきます。  しかし、そもそもこの消費増税は、民主党が政府・与党だった時期に、少子高齢化が進展する中、政治的には極めて苦しいが、この国の社会保障をどうにか持続できるようにしなくてはとの我が身を捨てる思いで決断し、国民の皆様に相応の負担をお願いしたものであります。  それまでの与党・自民党は、この点、何をしてきたのか。ただただ逃げて逃げ抜いた、そしてごまかしてごまかしてごまかし抜いてきたのではないか。結果、積み上がってきたのが世界で類を見ない大借金の山であります。これが日本政治最大の失敗の核心部分であり、もうこんなごまかしは二度と通用いたしません。しかしながら、性懲りもなく、今回の補正予算案もごまかしのてんこ盛りとなっております。  それでは、補正予算の問題点三点について端的に指摘させていただきます。  最大の問題は、安倍総理自ら、昨年の秋のレビューで、無駄な歳出や低い優先度の施策に税金が使われているとの批判を絶対に招かないようにとハッパを掛けてカットしたはずの平成二十六年度本予算案の中の無駄判定三十四事業四千六百億円のうち、驚くことに、金額ベースで三千六百億円、実にその八割もの内容がこの補正予算案に盛り込まれているのです。  一度は自ら国民の前で、税金の無駄をずばっと切って御覧に入れようとばかりの大見えを切った一方、僅か一月もたたないうちに、切り捨てたはずの予算をしれっと潜り込ませている。だますならもう少しうまくだましていただきたい。私たちの目は節穴ではないんです。  例えば、国土交通省の社会資本整備事業総合交付金です。この交付金の当初の要求額は一兆五百五十八億円でしたが、安倍内閣は秋のレビューで、このうち一千四百三十五億円を無駄だと判定し、削減しました。しかし、削減された一千四百三十五億円とほぼ同額の一千三百九億円は本予算とは別の補正予算に入っており、この二つを合計するとほぼ当初の要求どおりの金額になるではありませんか。これは出来の悪いミステリーですか。それとも、脱法的行為でも何でもやるぞとの強い意思表明なのでしょうか。  民主党で調べた結果、このような事例は経済産業省、厚生労働省などでも見付かり、全体の金額では削減したはずの四千六百億円のうち八割に当たる三千六百億円はそのまま補正予算に付け替えられていたのです。要するに、政治家は無駄遣い削減を表面的にアピールし、官僚は希望どおりの予算を手中にする。何ともまあ国民不在の予算案であることか。こんな子供だましみたいな手法は、いや、子供に失礼な表現でしたが、とても認めることはできません。  そもそも補正予算とは、財政法第二十九条の規定で、予算作業後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出のために編成するものです。緊要とは、各種国語辞典によると、非常に重要なこと、差し迫って必要なものとの意味になっております。政府の正式な点検作業で無駄と判定されたものが、どのように理屈を付けると無駄とは真逆の差し迫って必要なものに化けるのでしょうか。  また、安倍内閣は、今回の補正予算の財源は税収の上振れ分や前年度剰余金などで確保し、新規国債の増発は行っていないと財政再建に一定の配慮をしていると自負しておりますが、先進国の中で最も厳しい我が国の財政状況を考えると、当初の見込みより増加した税収は国債発行の減額や国債償還に充てるべきではないでしょうか。景気が悪くなれば国債を発行して財政を悪化させ、逆に景気が回復すれば増収分を歳出に回し財政再建を先送りしてしまうのでは、いつまでたっても財政再建は絶対に進みません。  二番目の問題点は、この補正予算の中に、我々日本人がこれまで大切にしてきた和の精神や心のきずな、また、お互いさまと他人を思いやる気持ちをないがしろにした何か堕落のにおいがする項目があることです。それは、復興特別法人税の前倒し廃止であります。  復興のための特別税は、日本国民がみんなで負担を分かち合い、東日本大震災から復興を成し遂げようと、民主、自民、公明の三党で合意し、導入したものであります。しかし、自公両党は、このような経緯を無視するばかりか、国、国民全体で被災地の復興を支援するというきずなも断ち切り、特別法人税を前倒しして廃止するという決定を行いました。この決定は、被災地に寄り添うとしている従来の安倍内閣の言動と矛盾するのではありませんか。  大義なき、モラルに反するこの愚かなる減税に断固反対をいたします。  政府は、この負担軽減は労働者の賃金、雇用の改善につながるとしていますが、その道筋は不透明であります。  民間企業へのアンケート調査の中には、税率引下げ分を設備投資など何かに充てることは特に考えていないという企業が全体の三割、賃金に充てるという企業は僅かに五%という厳しい見通しの調査も存在いたします。  雇用に関しては、現在、失業率は改善してきていますが、中身をよく見ると、正社員の採用は必ずしも増えておらず、伸びているのは非正規労働者の比率のみであります。男性では初めて非正規の方々の比率が全体の二割を超えました。非正規の方々は正社員に比べて一般的に所得が低く、その処遇改善が、デフレ脱却を目指す日本経済にとっては、正社員の賃上げ同様に、今後の最重要課題の一つであります。  最後の問題点として、公共事業について申し上げます。  今回の補正予算は、一兆三千億の公共事業が、消費増税後の景気の落ち込みを防ぐ名目で殊更に拡大しております。しかし、今日、問題は、人件費、資材費の高騰により入札不調となり、予定した公共事業が進まないという事態が全国で起こっているのです。  安倍内閣の公共事業に依存した景気対策は、国土強靱化や復興加速など勇ましい掛け声とは裏腹に、実際には公共事業費をつり上げただけで、本当に必要な被災地での公共事業などが阻害されてしまっているのです。その現状に補正予算を更に追加しても、非効率的な公共事業の大盤振る舞いとなるばかりで、積極的な意味を見出すことは極めて困難であります。  以上のように、消費増税を控え、補正予算は必要ではあるものの、このような補正予算ではかえって我が国にマイナスであり、到底賛成できるものではありません。このことを強く指摘し、私からの反対討論といたします。  どうもありがとうございました。(拍手)
  6. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 北川イッセイ君。    〔北川イッセイ君登壇、拍手〕
  7. 北川イッセイ

    ○北川イッセイ君 自由民主党の北川イッセイでございます。  私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十五年度補正予算案に対し、賛成の立場で討論をいたします。  御存じのとおり、本補正予算は、消費税の引上げが景気に与える影響をできるだけ軽くするとともに、持続的な経済成長につなげることを目的として策定、実行するものであります。  安倍政権は、昨年十二月五日、好循環実現のための経済対策を閣議決定しましたが、補正予算はその経済対策を財政面で裏付けするものであります。補正予算による五兆五千億の財政支出により、十八兆六千億もの事業が展開されることになるのであります。  消費税の引上げは本年四月です。もう二か月後に迫っております。増税前の駆け込み需要や、その反動による需要の減少を抑えるためには、四月になってから対策を講じるのでは遅く、本補正予算は、前倒しをして二十六年度予算と一体的に十五か月予算として執行する必要があります。  この補正予算に対しては反対意見があるようです。例えば、消費税を上げておいて補正予算を組むくらいなら、そもそも消費税を上げなければよいという見解であります。しかし、それは余りにも視野が狭く、偏向した批判であります。  消費税の引上げは、我が国の財政健全化にとって不可欠な措置であります。我が国の政治が国の内外に対して財政健全化に本気で取り組んでいることを示せなければ、我が国は世界から、そして市場から信用を失ってしまいます。今の我が国には、決められない政治、問題を先送りする政治をいつまでも続ける余裕はないのであります。  増税に反対する意見に耳を傾けつつも、国民に痛みをお願いし、財政再建の必要性を説得し、国の将来のために行動することが政治家としての責務であると考えます。  消費税の引上げを認める方の中にも、今回の補正予算に反対する声があります。景気を冷やさないためには、補正予算ではなく、所得税や法人税を下げればいいという意見を聞きます。  しかし、この補正予算は、震災からの復興、防災対策の加速、競争力の強化や地域づくりに使われます。所得税や法人税の減税は、確かに、個人消費を刺激し、特に企業の収益改善につながりますが、それだけでは、震災からの復興、全国各地で求められる防災・減災対策は進みません。また、公共事業に依存する地域経済や農林水産業にはお金は回りません。  今、我が国の喫緊の課題や社会全体のバランスを考えたときに、単なる減税よりも、必要なところに必要なときにお金を回すことができる今回のような大型補正予算が求められているのであります。  本補正予算は、財源についても最大限の工夫がされています。二十五年度の税収の増収分や前年度の決算剰余金を活用しており、国債の追加発行は行いません。この補正予算によって、景気の落ち込みを回避し、景気の持続的な拡大を実現していくことで、二十六年度の税収の増加に貢献しようとするものであります。  補正予算の内容を見ていきますと、まず競争力強化のため、設備投資の促進、科学技術イノベーションや技術開発の推進、日本企業の海外進出などに四千二百億円の予算が計上されています。  また、二〇二〇年に東京パラリンピック・オリンピックが開催されます。パラリンピックがオリンピック競技と同様に重要な大会であることを強く認識していただくために、私は、今あえてオリンピックとパラリンピックを入れ替えて申し上げました。それは、パラリンピックが将来の高齢化社会をにらんだ重要な大会であり、障害を持つ人たちがそのハンディをはねのけて懸命に頑張る大会であるからです。この両大会のために、競技施設の整備のみならず、交通・物流ネットワークなど都市インフラの整備などには一千億円以上の財政支出が予定されています。  一方で、東京のみを重視する予算ではなく、全国各地の景気回復を目指す予算にもなっています。地域づくり、町づくり、農林水産業の活力の再構築、中小企業、小規模事業の革新のため八千億円以上が計上されています。  さらに、安倍内閣の重要政策である女性の社会進出を強力に推進する内容にもなっています。女性の活躍の促進、子育て支援、少子化対策、また若者の就農支援、就農は農業の農であります、を始めとした雇用対策など、手厚い対策が盛り込まれています。  復興の遅れが言われていますが、その点での対策もしっかりと取られています。東日本大震災の被災地の復旧・復興に約二兆円、国土強靱化や原子力防災対策に一兆円強の予算が盛り込まれています。  そして、四月からの消費税率引上げが低所得者に与える影響を緩和するため、二千四百万人に対して一万円を支給するなどの臨時福祉給付金や子育て世帯への臨時特例給付金などを計上しています。これだけで消費税対策は十分とは言えませんが、財政事情も考慮しつつ、必要不可欠な措置がとられたものと評価されます。  最後になりますが、民主党を始め、その他野党の方々に申し上げます。  参議院は変わった、野党も大人になったと、大多数の国民から信頼される国会を共に構築しようではありませんか。国民のために、良い補正予算には堂々と賛成してください。我々与党とともに、本補正予算を成立させ、日本を新たな成長ステージに高めるのに貢献しようではありませんか。みんなで憲政の王道を歩み、反対のための政治ではなく、国民のための政治を胸を張って行いましょう。  良識の府である参議院の議員の皆様に、大局的な見地から補正予算に賛成していただくことを呼びかけ、同時に、一刻も早い成立と施行により日本経済が力強く拡大することを確信しまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  8. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 中西健治君。    〔中西健治君登壇、拍手〕
  9. 中西健治

    ○中西健治君 みんなの党の中西健治です。  私は、みんなの党を代表して、平成二十五年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。  みんなの党は、そもそも、デフレからの脱却も達成できていない、また、賃金上昇もいまだ予断を許さない現下の経済状況を勘案すれば、とても四月からの消費税増税は実施する状況にないとの立場であります。  我々は、増税の前にやるべきことがある、すなわち、増税の前にはデフレとの戦い、社会保険の徴収、給付の不公平との戦い、政治家、公務員自ら身を切る戦いをやらなければならないと訴え続けていますが、安倍政権の取組はいずれも不十分なものであります。  加えて、米国の量的緩和の縮小、出口戦略に端を発した新興国の通貨安、世界同時株安といった現下の世界マーケットの状況を見れば、前回消費税を三%から五%に引き上げた一九九七年当時の消費税増税と、その直後に起こったアジア通貨危機のダブルパンチによる経済への大打撃同様のショックを全くの想定外としておくわけにはいきません。  消費税増税法附則第十八条では、経済財政状況の激変に柔軟に対応する観点から、ぎりぎりまで増税施行の停止を含めた措置を講ずることができるようになっているということを、是非、安倍総理には再度思い起こしていただきたいと思います。  それでも、どうしても政府が既に決定してしまったこととして消費税増税を四月から実施するということであれば、当然、景気の腰折れを防ぐための経済対策は必要ですが、その手法は、従来から行われてきた財政出動を柱に据えた景気対策ではなく、可処分所得を維持するための所得税や法人税の減税措置あるいは追加の金融緩和といった金融政策こそ中心とすべきであります。  抜本的な成長戦略のためのアベノミクス第三の矢がなかなか効果的に放たれない中で、第二の矢の財政出動に頼るばかりでは真の経済成長にはつながりません。安倍政権は、第二の矢を一体何本放ち続けるというのでしょうか。  こうした基本的な考え方に関する認識の違いに加え、財政出動主体の本補正予算は、その中身においても問題があります。  財政法上、補正予算は緊要なものに限定すべきであるにもかかわらず、初めから四月以降の支出を前提としている不要不急のもの、本来は当初予算で確保すべき、経済効果がすぐには出現しない長期間にわたるプロジェクト資金を基金として積んでいるもの、来年度当初予算で無駄として削減されながらも補正予算で復活しているもの、毎年二から三割程度執行残が発生している公共事業について執行可能性に疑問のあるものなどが多く含まれています。これではとても四月からの景気の落ち込みを下支えすることはできず、実質的に効果が出現するのは更に先、七月以降というものが大勢ではないかと思われます。  本補正予算は、好循環実現のための経済対策と言いつつ、実は、七月以降の経済指標を持ち上げ、七月から九月期のGDPを見せかけ上良くすることによって、年内に判断すると総理が明言している来年十月の更なる消費税の一〇%への増税に向けての道筋を付けるための補正予算なのではないでしょうか。安倍政権は、増税が悲願の財務省の描くシナリオにまんまと乗せられているのではないでしょうか。  本補正予算案は、また、財政規律の観点からも問題です。  安倍総理は、繰り返し経済成長と財政再建の両立は特に重要と発言されており、我々もまさにそのとおりだと考えています。しかし、残念ながら、本補正予算において、安倍総理のそうした信念は具現化したものとして感じることができません。  例えば、復興法人税を前倒しで廃止するに当たっての財源であります。復興特会の中身を精査すれば、全体の支出の総枠を維持した上で、復興所得税や復興法人税の税収増、あるいは復興予算流用の返還金や前年度剰余金など、復興特会の中でその財源を賄うことができるにもかかわらず、一般会計から八千億円もの予算を追加で拠出することは、本来法人から徴収するはずだったものを、復興所得税や復興住民税で既に負担をしている国民から更に追加で負担を求めることを意味しており、合理性はありません。  また、今年度の自然税収増や税外収入は、本来であれば今年度の決算剰余金として、来年度に少なくともその二分の一以上は国債償還に充てられるはずのものでありますが、五・五兆円の財源があるからとして歳出規模を決め、その大半を使うことにしています。経済成長の果実を収穫したそばから口に入れてしまうのでは、財政規律に対する姿勢が甘いと言わざるを得ません。  みんなの党は、衆議院において、ただ反対というだけでなく、責任ある野党として、唯一、政府案を改善する組替え動議を予算委員会に提出しました。残念ながら動議は否決されましたが、野党各党の討論では、趣旨は理解する、傾聴すべきところがある、趣旨や内容に賛同するところが多くあるといった意見もいただきました。  みんなの党は、これからもデフレ脱却最優先、民間主導の真の経済成長の実現、国民の生命、財産、領土をとことん守るを旗印に、政府案に対して、賛成すべきものは賛成、反対のものは具体的な対案、提言を示しながら真摯に国会審議に臨んでいくことを申し上げ、反対討論とさせていただきます。(拍手)
  10. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 辰已孝太郎君。    〔辰已孝太郎君登壇、拍手〕
  11. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。  私は、日本共産党を代表して、二〇一三年度補正予算三案に反対の討論を行います。  反対する最大の理由は、本補正予算案が、好循環実現のための経済対策といいながら、実際には更に経済格差を拡大し、経済の土台を冷え込ませるものになっているからであります。  アベノミクスが開始されて一年余り、円安誘導により一部の大企業や大株主は巨額の利益を上げていますが、一方、中小企業や国民は、所得が増えないのに原材料や生活物価が値上がりし、暮らしはますます苦しくなっています。この十年来、格差と貧困の広がりが問題になってきましたが、アベノミクスはこの格差を更に広げてしまったのです。  にもかかわらず、本補正予算案は、さらに、大企業向けの減税や大型開発への財政支出を行う一方で、消費税増税、社会保障改悪などの国民負担を増大させるものになっています。これでは、好循環が生まれるどころか、国民生活を疲弊させ、消費を始め国内景気はますます落ち込んでしまうのは目に見えているではありませんか。  以下、具体的に指摘をいたします。  本補正予算案は、大企業が負担する復興特別法人税を一年前倒しで廃止し、復興財源八千億円を新たに補填するものとなっています。  被災地復興のため、総理は、今を生きる世代が連帯し負担を分かち合うと言いました。そのため、大企業にも復興特別法人税として三年間で二・四兆円を負担してもらう、これが当初のスキームでした。しかし、実際は法人税の実効税率を五%引き下げた後に復興特別法人税を課しており、実質大企業の負担はなかったのです。にもかかわらず、安倍政権は復興特別法人税の一年前倒しでの廃止を決めました。  日本経団連は、平成二十六年度税制改正に関する提言において、法人課税の改革は避けて通ることができず、実効税率については、復興特別法人税の課税期間が終了する平成二十七年度以降の検討課題とされているが、遅きに失すると述べています。まさにこの提言に忠実に応じたのが本補正予算案ではありませんか。  大体、法人税を安くすれば賃金が上がる、このトリクルダウン理論は既に破綻をしています。減税分は、ため込まれた二百七十兆円もの内部留保に更に上積みされるだけではありませんか。  他方、国民はどうでしょうか。復興特別所得税は二十五年間、住民税は十年間の増税です。つまり、大企業には今後二十三年間で約二十兆円の恒久減税、同時期に国民や中小零細業者には八兆円の増税になります。一体誰のための政治かと言わなければなりません。  加えて、昨年の社会保障プログラム法成立を踏まえて、社会保障給付減、国民負担増の実行が本格化いたします。既にこの間、子ども手当は減額され、ゼロ歳から十五歳までの年少扶養控除は廃止、年金・医療・介護保険料は引き上げ、年金額は減額、国民負担増は二兆円にも上ります。しかも、安倍内閣は、それら保険料を更に引き上げる検討をすると表明もしています。  政府の経済見通しによれば、消費税三%増、そして金融緩和による物価上昇圧力が加わり、来年度名目三・二%の物価上昇となるとしています。国民の実質平均賃金と可処分所得が低下する中、消費税を増税すれば景気を更に冷え込ませることになるのは明らかです。  日本共産党は、消費税に頼らずとも、大企業優遇税制を是正し、富裕層への応分の負担を求めることなどで、十二兆円から十五兆円の財源を確保できると試算をしています。私たちは、暮らしも経済も財政も破壊する消費税増税の中止を広く呼びかけるものであります。  世界に名立たる大企業さえブラック企業化していることが社会問題になっています。ブラック企業が若者に長時間労働やパワハラなど、違法な労働を強いることができるのは、辞めても幾らでも代わりはいるからです。ところが、政府は、労働者派遣をどんな業務でも無期限に使えるようにして、不安定で低賃金の非正規労働者を更に増加させようとしております。  補正予算案では、リストラを進める企業を応援する労働移動助成金を計上しています。政府は、非正規雇用を増やし、格差と貧困を広げたこれまでの労働政策を全く反省していないではありませんか。総理の言う世界で一番企業が活動しやすい日本は、世界で一番労働者が苦しめられる日本にほかなりません。  総理は、アベノミクスで雇用が増えたとも言っています。しかし、その多くが非正規雇用であり、有効求人倍率で見ても、正社員に対しては〇・六三にすぎません。  低賃金の非正規労働者が増えるばかりでは景気も良くなりません。今こそ、労働法制の規制緩和ではなく、労働者を保護し、正社員を増やし、若者を始めとする誰もが安心して働ける方向にかじを切るべきではないでしょうか。  大規模開発も問題です。  本補正予算案は、競争力強化、国土強靱化と称して、三大都市圏環状道路や国際コンテナ戦略港湾、空港整備などに三千億円以上の税金を注ぎ込みます。  しかし、笹子トンネルの事故の教訓からも、今求められているのは、国民に巨額の負担を押し付ける新規の大型開発ではなく、老朽化したインフラの補修、安全対策に一層の力を注ぐことです。  原発再稼働の姿勢も許せません。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、今でもふるさとに帰れず、なりわいを奪われ、家族が引き裂かれたままの人たちがいます。事故から三年。どの世論調査でも、原発をなくしてほしいという声が多数を占めています。  福島原発事故は、収束もしていないし、事故の全容さえ明らかではありません。原発事故に対する東京電力やその株主、金融機関の責任を明確にし、原発の再稼働、海外への輸出はやめる、この政治決断こそ、福島の方々の声に応えるものではないでしょうか。  軍事費の一千二百億円も、南スーダンPKOとソマリア沖派遣の経費計上など、自衛隊の海外派兵を強化するものであり、憲法上認めることができません。  TPP推進を前提にしているのも重大です。TPP交渉は、国民の目が届かない秘密交渉であり、国会議員でさえ真実を知らされないままです。  日本共産党は、日本の農業や医療、ひいては国民経済に壊滅的な打撃を与えるTPP交渉からの撤退を強く求めます。  以上述べたように、この補正予算案は、国民と日本経済を更なる悪循環に陥れるものであり、到底認められません。  本当に経済の好循環をつくり出すなら、庶民いじめの消費税増税を中止し、大もうけを上げている大企業や富裕層に資力に応じた税の負担を求め、非正規雇用ではなく正社員を増やし、中小企業支援とセットで最低賃金を引き上げるなど、国民の懐を温める経済政策に……
  12. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 辰已君、時間が超過をいたしております。
  13. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君(続) 転換すること、この道しかない、このことを述べて、反対討論を終わります。(拍手)
  14. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  15. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより三案を一括して採決いたします。  三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  16. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  17. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十一     賛成            百二十九     反対              百二    よって、三案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  18. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十七分散会