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2013-11-12 第185回国会 参議院 国土交通委員会 4号 公式Web版

  1. 平成二十五年十一月十二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月七日     辞任         補欠選任      井原  巧君     森屋  宏君      室井 邦彦君   アントニオ猪木君  十一月八日     辞任         補欠選任    アントニオ猪木君     室井 邦彦君  十一月十一日     辞任         補欠選任      山口那津男君     矢倉 克夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤本 祐司君     理 事                 赤池 誠章君                 渡辺 猛之君                 田城  郁君                 広田  一君                 魚住裕一郎君     委 員                 青木 一彦君                 江島  潔君                 大野 泰正君                 太田 房江君                 北村 経夫君                 酒井 庸行君                 豊田 俊郎君                 中原 八一君                 野上浩太郎君                 森屋  宏君                 田中 直紀君                 野田 国義君                 前田 武志君                 矢倉 克夫君                 藤巻 幸夫君                 和田 政宗君                 辰已孝太郎君                 室井 邦彦君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   太田 昭宏君    副大臣        内閣府副大臣   後藤田正純君        国土交通大臣  野上浩太郎君    大臣政務官        外務大臣政務官  石原 宏高君        国土交通大臣政        務官       中原 八一君        防衛大臣政務官  木原  稔君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣官房総合海        洋政策本部事務        局長       長田  太君        外務大臣官房参        事官       山崎 和之君        国土交通海事        局長       森重 俊也君        海上保安庁長官  佐藤 雄二君        防衛省運用企画        局長       中島 明彦君        防衛省人事教育        局長       豊田  硬君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○海賊多発海域における日本船舶の警備に関する  特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  昨日までに、井原巧君及び山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君及び矢倉克夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通海事局長森重俊也君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 北村経夫

    ○北村経夫君 自由民主党の北村経夫でございます。  今日は質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。また、太田大臣におかれましては、二〇五〇年、人口減、高齢化が一段と加速であろう二〇五〇年を見据え、確固たる理念と構想力を持って国土交通全般にわたるグランドデザインづくりに取り組んでおられることに心から敬意を表しております。  時間も限られておりますので質問に入りたいと思いますけれども、本法案はさきの百八十三回通常国会に提出されまして、五月に衆議院で可決されました。しかし、参議院においては、残念なことに、安倍首相に対する問責決議案の採決が優先され、審議未了、廃案となりました。  そこで、この法案の質疑に入りますけれども、我が国は四方を海に囲まれた海洋国家であります。輸出入物資の九九・七%が海上輸送を通じて入ってまいります。特に、資源、エネルギーの九割以上、そして食料の六割以上が海外からの輸入に頼っていることを考えても、船舶の航行の安全確保は我が国の経済並びに国民生活にとって極めて重要であります。特に、この法案で対象となっておりますソマリア沖のアデン湾というのは、スエズ運河を経由してヨーロッパとアジアを結ぶ極めて重要な海上航路であります。このことから、この海域における船舶の安全確保は、我が国における喫緊の重要課題でもございます。  そこで、まず大臣の本法案の重要性についての認識を伺います。
  7. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) エネルギー資源の九六%を海外に依存する我が国にとりまして、日本籍船を含む日本商船隊による安全かつ安定した運送は、国民経済にとって極めて重要な役割を果たしているというふうに思います。  ところが、近年、ソマリア周辺海域では凶悪な海賊行為によって各国商船の航行に危険が生じ、資源輸送等が脅かされているという状況にあります。それに対しまして、各国の艦艇による護衛活動、商船の自衛措置、民間武装警備員の乗船警備等により対応しておりますが、その脅威は依然として継続をしているという状況にあります。  二〇〇九年四月に起きましたアメリカ船籍の船がシージャックされるということが、十月には本にも翻訳されてなりまして、船長の体験がそのまま書かれて、今月にはトム・ハンクス主演で「キャプテンの責務」という映画が出される、小説も、まあ小説というか記録ですね、読まさせていただきましたが、極めて衝撃的な、相当緊張して命懸けである意味ではやっているというような緊迫した状況が改めて感じたところであります。  このアデン湾だけでなく、近年はインド洋、アラビア海へ被害は広域化しておりまして、対応は極めて重要であるというふうに思っています。  また、夏季モンスーンが明けて海賊の被害が増加する時期に入ってきておりまして、しかも民間武装警備員が乗船する制度がないのは今や日本だけということになりました。日本だけということになりますと、日本だけが持っていないということになりますと、狙われるというような危機が増大しているという状況もございます。  そうした意味から、日本籍船への民間武装警備員の乗船を可能にするこの法案が早期成立を何としてもしていただきまして、この海賊行為に対して対処をしたいと考えておりまして、是非とも早期成立をお願い申し上げたいと思っております。
  8. 北村経夫

    ○北村経夫君 ありがとうございます。  今大臣が極めて重要な法案であるという認識を示されました。そして、主要海運国家で我が国だけが取り残されている、最後まで日本とともにまだ民間警備員を使っていなかったギリシャも最近採用したということでございます。  我が国にとりましてそういうふうな極めて重要な法案でございますけれども、二年前の東北大震災の際に起こった福島第一原発の事故によりまして、現在、原子力発電は全面的に停止しております。それだけに、約九割の石油、液化天然ガス、約三割でございますけれども、中東に依存している我が国にとってアデン湾を航行する船舶の安全確保は死活問題と改めて私は指摘をしておきたいというふうに思っております。  その上で伺います。今大臣も触れられましたけれども、アデン湾周辺地域における最近の海賊の発生件数、それと被害状況についてまず伺います。
  9. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  国際商業会議所国際海事局によりますと、世界全体の海賊事案発生件数は、二〇一一年には四百三十九件、昨年、二〇一二年でございますけれども二百九十七件で約三分の二に減少し、今年につきましては九月末までで百八十八件となっております。このうち、ソマリア沖・アデン湾におきます海賊事案の発生件数につきましては、二〇一一年は二百三十七件、昨年は、二〇一二年は七十五件で約三分の一に減少し、今年はこの九月末までで十件となっております。このように、ソマリア沖・アデン湾の海賊等事案の発生件数は減少傾向にはありますが、脅威は依然として継続していると考えております。  さらに、インド洋、アラビア海へと被害は広域化しておりまして、その対応が必要でございます。先月、この十月にも、日本船舶、日本関係船舶ではございませんが、ソマリア沖・インド洋におきまして香港籍の原油タンカーを含む二件の襲撃事案が発生しております。いずれも乗船しておりました民間武装警備員海賊を追い払ったと聞いております。  夏季モンスーンが明けて海賊被害が増加する時期に入っており、日本籍船への民間武装警備員の乗船を可能とする本法律案の早期成立について、よろしくお願いいたします。
  10. 北村経夫

    ○北村経夫君 ありがとうございます。  その民間警備員の乗船というのは日本だけが取り残されているわけでございますけれども、このアデン湾海域における海賊対策につきましては、平成二十一年から海賊対処法によって自衛隊と海上保安官が護衛活動をしております。こうした自衛隊の派遣を通じた我が国の海賊への対応は、国連やそして各国首脳を含む国際社会から高く評価されていると聞いております。また、国際海事機関、IMOからも我が国の派遣部隊が表彰されている、そういうことも聞いております。  そこでお尋ねいたしますけれども、海賊対処法に基づく民間船舶の護衛と本法案で規定する民間警備員の警備との分担、すみ分け等はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
  11. 長田太

    政府参考人(長田太君) お答え申し上げます。  今先生御質問の本法案海賊対処法との関係でございますが、平成二十一年に施行されました海賊対処法は、国連の海洋条約を踏まえまして、国籍を問わず海賊を処罰、取り締まることができるようにするということと、海上保安庁、自衛隊による海賊行為への対処等の措置を整備したものでございます。同法に基づきまして、ソマリア・アデン湾を通過する船舶につきましては、自衛隊の護衛艦による船団の護衛活動を現在も実施をしているところでございます。  その後、大臣のお話ございましたように、海賊の発生海域がこのソマリア・アデン湾にとどまらず、インド洋あるいはアラビア海まで広く拡大をすると。これらの海域を現在の護衛体制と同じように護衛するということは非常に体制的にも困難であるということ。一方で、日本を除く各国の船舶には民間の武装警備員の乗船が認められまして、現実に被害が減少するとともに、この民間武装警備員の乗船に関するIMOのガイドラインも制定をされたところでございます。  このために、現下の情勢に対応するためにどう対応すべきかということを政府内で、関係省庁間で検討をしました結果、この海賊対処法とは別に法律を作りまして、我が国におきましても、凶悪な海賊行為が多発する海域を航行する原油タンカー等につきましては、小銃等を所持した民間警備員による警備を認めるために銃刀法の特例を規定しようというのが今回の法案でございます。
  12. 北村経夫

    ○北村経夫君 ありがとうございます。  その関連で、海賊対処法で派遣されている自衛官と海上保安官、その武器使用について伺いますけれども、どこまで武器使用ができるのか、一方、民間警備員はそれと同じように、同様に武器使用ができるのかどうか、御所見を伺います。
  13. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) 海上保安官の武器使用につきましては、警察官職務執行法に基づいて武器を使用することとなっております。  一方、本法案におきまして武装警備員がどこまで武器を使用できるかという御質問でございますが、本法案におきましては、使用できる武器は小銃に限定しております。小銃の使用につきましては、法案第十五条各項の規定により、人命、財産の被害等を考慮し、段階的に行わせることとなっております。  具体的には、接近してくる海賊船に対しまして、無線あるいは拡声機あるいは旗旒信号といったような武器以外の手段を用いた警告を行った後に、小銃を顕示する、あるいは小銃を構える、あるいは上空又は海面への発射を段階的に行ってまいります。それにもかかわらず、海賊行為を諦めずに接近するような場合には、自己又は乗船者の生命又は身体を防護するために必要なときは相手船に対して射撃を行うことが可能でございます。この場合において、自己又は乗船者に対する急迫不正の侵害がある場合には海賊に対して危害射撃を行うことも可能となっております。  以上でございます。
  14. 北村経夫

    ○北村経夫君 そして、日本国内においていろいろ懸念されることがあるかと思いますけれども、一番懸念されることは、その武器日本国内に運び込まれる可能性があるかどうかという点だというふうに私は思っているわけでございますけれども、民間警備員は小銃に今限定するとおっしゃいました。小銃を所持して日本の船舶に乗船し、警備するということでございますけれども、その武器が持ち込まれるおそれはないのかどうか、あわせて、小銃の積卸しは具体的にどのような手順で行われるのか、お伺いいたします。
  15. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) お答えいたします。  武器の国内流入を防止するため、本法律案では、小銃等の所持や使用は海賊多発海域内においてのみ認めることとしております。  このため、まずは小銃等を積み卸す際の船長による立会い確認、それから船内での小銃等の使用及び保管に係る事項を記録した記録簿の備付け、そしてその記録簿への記載を船舶所有者に義務付けております。さらに、小銃等による警備が終了した船舶が最初に我が国の港に入港する場合には、船内に小銃等が残っていないことを海上保安官が立ち入って確認することとしております。  これらの措置により、小銃等が我が国に流入することがないと考えております。
  16. 北村経夫

    ○北村経夫君 よく分かりました。今の点について厳格な対応というものをお願いしたいと思います。  そして、次の質問でございますけれども、本法案の特定警備事業者、これはどういう会社を想定しておられるか、お伺いいたします。
  17. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 本法案の想定しております外国の警備事業者という御質問でございましたが、この法律案によりまして、資格能力を備えておる会社として大臣の認定する特定警備計画に基づくものであれば警備業務を行うことができるようになっております。  実際のところといたしましては、現在、日本の商船隊が外国籍日本商船に活用しておりますのが英国の警備会社でございます。当面はそういう会社を使うことが一つ考えられるものでございます。
  18. 北村経夫

    ○北村経夫君 今の説明によると、イギリスの警備会社を想定しているということでございますけれども、その武装警備のできる日本の民間警備会社、今はないわけでございますけれども、それを将来的に育成するお考えはあるかどうか、お伺いいたします。
  19. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) この法律案におきましては、警備を行う会社を今委員御指摘のように国籍で限定しておりません。外国の会社に限定しておりません。したがいまして、日本の警備会社が今回の法律に従いまして準備をいたしまして日本籍船に武装警備サービスを提供することは制度上は可能となっております。  先ほど御答弁申し上げましたように、日本の船会社は、自ら運航する外国籍船で利用実績のある外国の警備会社の中から当面は選定するものと考えられます。いずれにせよ、どのような警備会社を利用するかにつきましては、個々の船会社の企業判断によるものでございます。委員御指摘のように、日本の警備会社が将来利用されることもあり得るものと考えております。
  20. 北村経夫

    ○北村経夫君 将来あり得るというお考えでございましたけれども、私は、この日本の自衛官、階級にもよるんですけれども、働き盛りで若くして除隊を余儀なくされるわけでございます。外国の退役軍人と違い、日本の自衛官は身に付けた技能を生かす受皿がない、これが実態でございます。  私は、国家の財産でもある自衛官の技能国益に結び付けて活用していくのも大事なことだというふうに思っております。そういう意味で、今お伺いしたように、将来、日本の警備会社がこのような地域での民間警備、こういうのに活用されてもいいかなというふうに考えているわけでございます。  私の質問は終わるわけでございますけれども、海賊対策は、申すまでもなく、海上自衛隊や海上保安官の警備活動が大変重要でございます。その意味で、自衛隊の拠点となっているジブチの機能強化、これは不可欠だと私は考えております。それと同時に、武装警備員による警備を補完することも、本法案で示されておりますように必要であると私は考えております。そして、日本の船主、船主協会も強く希望しているというふうに聞いております。  ソマリア沖における海賊の発生は、冬のモンスーン、これから終わるわけでございますが、終わる二月以降に海賊もまた増えるというふうに聞いております。速やかに法案成立させまして、早く海賊に対処できる万全の体制を一日も早くつくることを私は切に希望し、質問を終えさせていただきます。  ありがとうございました。
  21. 広田一

    広田一君 民主党・新緑風会広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。  本法案につきまして、私たち民主党は賛成であります。むしろ、本来でございましたら、この本法案はさきの通常国会、すなわちモンスーンが終わるまでに成立をさせなければならなかった法律だというふうに認識をしているところでございます。  この早期成立の必要性につきましては、前田元国交大臣、いろいろと御指導賜りました。さらには、当時の田中筆頭理事成立に尽力をしたわけでございます。かく言う私も、当時は民主党の参議院の国対委員長としてこの法案に携わらせてもらいました。  結果、先ほど北村委員の方からも御紹介がございましたように、当時の安倍総理に対しまする問責決議の関係、政局に巻き込まれて廃案になってしまった事柄について、私自身もじくじたる思いがございます。よって、この法律は一日も早く成立をさせなければならない、こういう気持ちでございます。  よって、本日は、現状の海賊対処について、並びに運用などを中心に確認をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。  先ほど御紹介がございましたように、我が国における輸出入物資の九九・七%は海上に依存をしているところでございます。よって、言うまでもなく、アデン湾・ソマリア沖を中心としました海上輸送の自由と安全の確保、これはまさしく国益でございまして、死活問題であります。こういった状況の中、先ほど太田大臣の方からも御紹介がございましたように、二〇〇八年からソマリア海賊の活動が急激に増加をしているところでございます。これに対して、二〇〇九年から我が国は海上自衛隊の護衛艦二隻、P3C二機を投入をして対処をしているところでございます。現在は、海上保安官八名と水上部隊約四百名、航空隊約百九十名の体制で海賊対処に当たっているわけであります。  三年前の十二月に、私はジブチの方を訪問をさせていただきました。当時はまだ拠点が完成をしておらず、更地でありました。十二月だったんですけれども、気温は四十度を超える大変厳しい過酷な状況、自然環境でありました。そういった中で、まさしく、先ほど申し上げたように、日本国益を守るために、海上保安官の皆さん、海上自衛隊、陸上自衛隊の皆さんが任務に精励されている姿を見たときに頭が下がりました。私自身もP3Cに乗りまして、どのような監視活動をしてるのかを見させてもらいましたし、当時、ちょうど日本の護衛艦とも遭遇をして、交信をしながら、現状についてのお話も聞きました。海賊ではありませんけれども何隻かの船にも遭遇をし、これはひょっとしたら海賊かもしれないなというふうな状況の中、大変緊張感がある現場というものを実感をさせてもらったところでございます。  そういうふうな中で、まずお伺いをしたいのが、現在までの護衛の船舶数と護衛回数、飛行回数、そして情報提供回数は一体どうなっているのか、現状についての御報告をいただきたいと思います。
  22. 木原稔

    大臣政務官(木原稔君) 広田委員におかれましては、元の防衛大臣政務官として、これまで法案成立に向けて御尽力をしていただいたことに対しまして厚く御礼申し上げます。また、この度は質問をいただきましたことに対しましても感謝を申し上げますが。  御質問の件ですが、自衛隊は、平成二十一年三月以降、ソマリア沖・アデン湾に海上保安官が同乗する護衛艦二隻を派遣し、本年十月末までに護衛回数五百八回、延べ三千二百五十六隻の船舶を護衛してまいりました。また、平成二十一年六月以降、P3C哨戒機二機により同海域で警戒監視飛行を実施しており、飛行回数はこれまで九百九十五回、諸外国艦艇等への情報提供はこれまで約八千六百回を行いました。その活動は、アデン湾における警戒監視飛行の約六割を占めているということでございます。
  23. 広田一

    広田一君 ただいま御紹介がございましたように、この自衛隊の活動、先ほど北村委員の方からもあったとおりに、本当に国際的にも大変高い評価をいただいているところでございます。こういったことを踏まえて、ソマリア沖そしてアデン湾における海賊の発生状況については、二〇一一年、二〇一二年、そして今年に入って激減をしていることについては、先ほど森重局長の方からも報告があったところでございます。  このことを踏まえて一点お伺いしたいのは、特に今年に入りましてから非常に海賊発生件数が激減をしております。この要因についてどのように分析をされているのか、お伺いをしたいと思います。
  24. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) 明らかに、世界各国が連携した艦艇による護衛活動、また、我が国においては自衛隊そして海上保安官を乗船をさせていただいて半年のサイクルで、過酷な状況のところ、私も送り出したり、また迎えたりというようなそうした活動、そして商船の自衛措置、民間の武装ガード、こうしたことによりましてこの事案の発生件数が減少傾向にあるということだと思います。ただ、海賊の脅威は依然として継続しており、そしてインド洋、アラビア海に拡大をしているという状況でもございます。  実際、先ほどもありましたが、十月にもソマリア沖・インド洋において香港籍の原油タンカーを含む二件の襲撃事案がございまして、十月十一日、十月十四日と二回あったわけでありますけれども、本船への射撃が行われて武装ガードが警告射撃もして海賊が撤退するというような事態もございます。これがどれだけ抑止力に現実になっているかという事案であります。  また、先ほど申し上げましたが、今まで被害に遭った人からの状況等を知りますと、もう船に乗っていく段階から物すごく緊張して、そして連携取って、来たらどうだろう、シミュレーションも様々していくということからいきまして、こうした備えていくということが極めて重要だというふうに思っておるところです。  モンスーンが明けまして海賊被害が増加する時期に入っておりまして、是非ともこの法案を早期成立させていただきたいというふうに思っているところです。
  25. 広田一

    広田一君 今、太田大臣の方から御紹介があった分析、そのとおりだというふうに思っております。ただ、これも大臣の方からも述べられておりますけれども、減っているからといって油断大敵であります。手を抜くと海賊たちは更に活動を活発化させるというふうに思いますので、この点については非常に留意をしていかなければならない、このように思います。  そういった中で、大臣から御紹介があったように、件数は減っているといえども、その中身をつぶさに見ていくと、私はむしろ悪質化しているんじゃないかなというふうな傾向も見て取れるわけであります。海賊も、今の自分たちの置かれている状況、なかなか襲撃しにくくなっているということは自覚をしていると思います。だからこそ、やる場合は何が何でも物にするという、これまで以上に必死になって襲撃をしてくるんじゃないか、こういうふうなことを思いますと、先ほど大臣からおっしゃったように、この法案、早く成立をさせていかなければなりませんし、さらに、今自衛隊等が実施をしている体制についても、当分の間は私は堅持をすべきだというふうに思っております。  こういった中で、今自衛隊が運用している海賊対処について、運用面では徐々に変化をしているというふうに認識をいたしております。本年の十二月からゾーンディフェンスへの参加を始めるというふうにお聞きをしておりますけれども、その理由は一体いかなるものなのか、お伺いをしたいと思います。
  26. 木原稔

    大臣政務官(木原稔君) ソマリア沖・アデン湾における海賊事案の発生件数については先ほど申し上げたとおりでございますが、各国の海賊対処活動等により減少させることができてはおりますけれども、各国が連携して効果的な海賊対処を継続しなければ再び海賊の活動が活発化するおそれがあるというのは委員の認識と全く同じでございます。自衛隊としましても、海賊対処の手を緩めることができる状況にはないというのも全く一致した見解でございます。  また、近年、海賊発生海域がオマーン沖やアラビア海まで拡散していることから、ゾーンディフェンスを実施するCTF151等の活動範囲が広がる傾向にあり、時期によってはアデン湾における諸外国の配備艦艇が減少することがあると承知をしております。  このような中で、本年七月、防衛省自衛隊としても、海賊対処を行う諸外国の部隊と協調してより効果的な船舶の防護に資するために、これまでの民間船舶の護衛に加えて、CTF151に参加してゾーンディフェンスを実施することに決定した次第でございます。
  27. 広田一

    広田一君 今政務官の方から、ゾーンディフェンスに移る理由、また情勢についてのお話があったわけでございます。ただ、一方で、やはり船舶側から見ますと、現在のエスコート方式の方が安心、安全だという、そういう率直な声もあるわけでございます。やはり、一緒になって千二百キロ護衛をしてくれる、これが非常に自分たちの安全、安心につながるという声が強いわけでございます。  そう考えますと、確かに活動領域の拡大に伴って各国が主にやっているゾーンディフェンスの方に参加していくという必要性は分かるわけでございますけれども、もっと丁寧な御説明をしていただくように、そして関係者の皆様方にもより一層周知徹底をしていただいて、このことによって航行される方々の安全が損なわれるものではないということをより一層明確にしてもらいたいなというふうに思うところでございます。  そういった中で、その一方で中長期的な視点に立ちますと、現在、防衛大綱の見直しをしているところでございますが、どこが政権に就こうが、誰が総理であろうが、避けて通れないのが今後の南西地域防衛の強化であります。そして、私自身も海上自衛隊の現場、幾つか訪問させてもらいましたけれども、非常にきついやりくりをして海上自衛隊、運用しているのが現状でございます。さらには、定数の増加ばかりに目が行きがちでありますけれども、定数というのは文字どおり椅子でございます。座る人員がいなければ、それは意味がありません。ですから、そこの実員というものを踏まえたときに、今の海上自衛隊の充足率というものは決して高くはないというふうな現状があります。  総合的に考えて、これから海上自衛隊全体の運用状況を見たときに、この海賊対処の体制といったところについても見直しの時期が来るんだろうというふうに思います。ただ、当面は、おっしゃったように、認識を共有しているとおり、この体制を堅持をしていかなければならないというふうに思いますけれども、もし体制を見直す場合、その判断基準は明確にしてもらいたいと思います。今回の運用を、一隻ゾーンディフェンスに参加させるというふうなことについても様々な考え方、意見等があろうかと思いますので、もし体制を見直す場合には是非とも不断の検討をしながら対処してもらいたいというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いします。
  28. 木原稔

    大臣政務官(木原稔君) 委員御指摘のとおり、この従来のエスコート方式、コンボイ方式とも言いますが、そこからこのゾーンディフェンスに移行するに当たっては、多くの関係各所また国民の理解を得るための努力を今後とも継続してやってまいることは申し上げておきます。  加えて、体制の見直しの話がございました。我が国周辺の特に島嶼防衛に対して、非常にこれは自衛隊としましても人員を割かなければいけないという状況もこれは承知した上で、しかしながら、このアデン湾・ソマリア沖についても平成二十三年度までは確かに高い水準であったことを踏まえて、現在は減少傾向にあるとはいえ、依然として予断を許さない状況にあるわけでございます。また、このソマリア沖・アデン湾が我が国及び国際社会にとって極めて重要な海上交通路であることにも何ら変わりはないことであります。  このような海賊事案に係る情勢やソマリア沖・アデン湾の位置付け等を踏まえれば、自衛隊としては、今後も引き続き海賊対処を実施する諸外国の部隊を含む国際社会と連携し、当該海域における海賊対処行動を確実に実施していく必要があると考えております。  非常にこれは国際的な評価が高いものでもありますし、諸外国とやはり連携をしていかなきゃいけないという側面、それとやはり国際貢献という我が国のプレゼンスを国際社会の中で示すという側面から、ただ件数の減少だけではなくて、そういうことを総合的に踏まえた上で、見直す場合にはそのようなことを検討していきたいと思っております。
  29. 広田一

    広田一君 今、木原政務官の方から決意の一端のお話がございましたので、是非ともその方向性で今後とも対処していただきますように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  それでは、法案の中身につきまして若干確認をしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  この本法案の必要性を説くときに、よくこのようなポンチ絵を使って皆さんは説明をされていたところでございます。先ほど来の御答弁で、いよいよ日本だけが民間武装警備員の乗船を認めていない国になってしまったというふうなお話があるわけでございますけれども、それまでは民間武装警備員の乗船を認める制度がない国はギリシャと日本だけだと。そして、そのギリシャは乗船を認める法案を国会に提出をすると。これを放置すると、このままだと日本だけが乗船できず、先ほど太田大臣の方からもお話がございましたように海賊の標的になりかねない、だからこそ早く法案成立を願う、こういった趣旨で各党の部門会議とか個々の議員のヒアリング等でも説明をしてきたところでございます。  結論はそのとおりだと私も思いますけれども、その一方のギリシャについて、実は国会図書館のイシュー・ブリーフという「海賊等被害の現状と対応策 民間武装警備員の乗船をめぐって」、これは本年の三月二十二日に出されているものでございます。それを見ますと、実はギリシャは既に民間の武装警備員は乗船可能となっている、こういうふうに書かれているわけでございますけれども、これどっちが本当なんでしょうか。
  30. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) 委員御質問のギリシャにおける民間武装警備員に関する取組について、外務省を通じまして同国政府に最新の状況を確認をいたしました。  それによりますと、現行のギリシャ国内法ではギリシャ国内での民間武装警備員の乗船は認められておりません。現在、ギリシャでは、この乗船を可能とする関連法案につきまして引き続き検討がなされているそうであります。他方、ギリシャの国内法では外国の港から出港するギリシャ船籍への民間武装警備員の乗船を認めており、実際、民間武装警備員がギリシャ船籍に乗船している事例があるそうでございます。  したがって、主要海運国では、公的武装警備員かあるいは民間武装警備員か、いずれか乗船させることができるわけでありますけれども、公的武装警備員が乗船しておらず民間武装警備員が乗船できないのは現時点では日本のみであり、本法律案の一日も早い成立が必要であると認識をいたしております。
  31. 広田一

    広田一君 るる御説明がございましたけれども、要するに、これ間違っていたわけですね、国交省の資料が。
  32. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 先ほど政務官の方から御説明申し上げましたように、今回、臨時国会にこの法案を再提出するに当たりまして、改めまして最新の状況を在外公館を通じて外務省に調査いただきました。  その結果といたしまして、先ほど御説明いたしましたような、一つは、引き続き状況が変わっていないギリシャが武装警備員の乗船に関する法案をやっている、その内容が分かりました。ギリシャ国内で乗下船させるための法案を引き続き準備何とかやりたいというふうにやっていることが一つ分かりました。もう一つ、その際に併せて判明いたしましたのが、第三国間、第三国の港で乗下船する、つまりギリシャ国内乗下船でない場合にはできているということが改めて最新の調査で判明したということでございます。  前回の調査におきましてはそこまで判明しておらなかったということでございまして、当時、ギリシャ政府の状況も一つあるかもしれませんけれども、武装警備の導入に当たりまして、ギリシャは法案を準備し提出を予定しているというふうな情報がございましたので、それをもってそう判断したと、政府として判断したということでございます。  したがいまして、現時点におきましては、先ほど政務官から御説明申し上げましたように、民間武装警備員が乗船できないのは日本のみということが判明したということでございます。
  33. 広田一

    広田一君 局長、結論はいいんですよ。しかも、この法案、自分たちは賛成法案でありますから、これ以上突っ込む気はありませんが、しかしながら、だったら私たちは、党の中で議論するときも、そして承認をもらうときも、これは一つのキーワードになったんですね。ギリシャと日本しか、民間武装警備員の乗船を認める制度がない国はギリシャと日本だけなんだというふうな形で、皆さんも恐らく法案ヒアリング等のときには聞いていたんだろうと思います。  先ほど来の最新の情報というふうに言いましたけれども、この国会図書館の調査だったら既に今年の三月二十二日以前にこのことは分かっていたんです。分かっていたんですよ。ですので、結論からいうと、皆さんのこの資料というものは間違っているんです。だから、間違っていたら別に改めていただければそれでいいんです。なぜこのようなことになってしまったのか、そして今後はそういうことがないように努力をする。やっぱり正確な情報を自分たち国会の方には提供していただいて、それに基づいて私たちは議論しなければいけないんじゃないかな、こう思うわけでございます。  ですから、別に悪意を持ってこれを皆さんが書いていたなんて私は全然思いません。確かにそういう外務省情報のやり取りがあったんだろうというふうに思います。ただ、結果として間違っているんです。だから、間違っているものは間違っているというふうに認めた上で今後私は対処をすべきではないかなというふうに思いますので、これは、答弁はあえて求めませんけれども、十分よく御承知おきだというふうに思いますので、今後きちっとした対応をしていただきますように、よろしくお願いを申し上げます。  そういった中で、運用について太田大臣衆議院の質疑の中で、官による警備が行われているアデン湾において、特定船舶が護衛を受けている間については、小銃の携帯、使用は認めない、船長が保管をする旨の御答弁をされているわけでありますけれども、その理由は一体どういうことなのか、示していただきたいと思います。
  34. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) 委員御質問の点でございますけれども、本法律案は、警察力が及ばない公海上の海域におきまして、小銃等を所持して襲撃してくる海賊に対応するため、民間武装警備員日本船舶に乗船させるためのものであります。したがって、自衛隊の護衛艦による直接の護衛を受けている間につきましては、民間武装警備員は小銃を携帯してはならないこととする予定でございます。
  35. 広田一

    広田一君 本法案は、銃刀法の特例という意味でも非常に画期的であると思います。同時に、特殊性があるわけでございまして、運用については非常に厳格でなければならない、この点については私も理解をするところでございますが、そして確認なんですけれども、先ほどの中原政務官のお話だと、例えば他国からエスコートを受けている場合、去年一月から日中インドで護衛スケジュールを調整しているわけでございますけれども、この護衛は護衛には当たらないので武器は携帯できるという理解でよろしいんでしょうか。
  36. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  今、委員御指摘の御質問でございますけれども、自衛艦ではなくて各国の海軍艦艇による警護を受けている間の取扱いはどうかということでよろしゅうございますでしょうか。
  37. 広田一

    広田一君 はい。
  38. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) それにつきましては、私ども現在考えておりますのは、予定しておりますのは、先ほど政務官より御説明申し上げましたように、我が国の護衛艦によってエスコートされている場合には小銃の携帯をせずにそういう取扱いにするというふうにしておりまして、その場合を想定しておりまして、それ以外の他国の海軍艦艇等による警備の場合には、いわゆる通常の原則どおりの扱いというふうにしたいというふうに考えております。  その理由は、他国の各国海軍の艦艇等による警備というのは様々な状態が想定されますので、小銃の携帯が必要になるというケースも十分想定されますので、私どもの日本の護衛艦によるエスコートとはちょっと状況が違うんではないかということで、そのように予定しておるところでございます。
  39. 広田一

    広田一君 要するに、自分の質問したとおりということであろうかと思います。そうならそういうふうに答えていただければ構いませんので。  次に、先ほど木原政務官の方から、今年十二月からいわゆるゾーンディフェンスの方に日本の護衛艦も参加するということになりました。そうなりますと、日本の護衛艦がゾーンディフェンスをしている海域では、これは護衛には当たらないので小銃等は携帯できるという理解でよろしいんでしょうか。
  40. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) どなたですか。海事局ですか。質問聞いていましたか。  ちょっと速記を止めていただけますか。    〔速記中止〕
  41. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) では、速記を起こしてください。
  42. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) エスコートから一部ゾーンディフェンスというふうに警護の形態が変化したということとの関連でございますけれども、それを受けまして、その変化に対応して、先ほど申し上げましたような取扱いをどういうふうにしていくかはまだ決定しておるわけではございません。今後、状況を把握した上で対応を決めるようにしたいと思います。
  43. 広田一

    広田一君 自分が聞きましたこの二点の運用は極めて基本的なことでありますので、これについていまだに整理ができていないというのはいかがなものかなというふうに思ってしまいますので、早急に整理をした上で関係各位の方に周知徹底をしていただければと思います。  それでは、ちょっと最後に……(発言する者あり)あっ、そういうことで結構です。  それでは、最後になりましたけれども、本日は後藤田副大臣の方に来ていただいております。後藤田副大臣の方には、民間船舶に海上保安官や自衛官が乗り込んで警護するいわゆる公的ガードに対する見解と、そしてこれまで検討された経緯についてお伺いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  44. 後藤田正純

    ○副大臣(後藤田正純君) 御質問ありがとうございます。  ただいまの御指摘でございますが、もう委員も御承知のとおり、海賊事案がソマリア海アデン湾からアラビア海、インド洋の方に大変拡大しているという状況を受けまして、船主の皆様方から、公的武装警備員の乗船、これについての要望がなされたというのが背景でございますが、これを受けまして、海洋政策を担当する我々としては関係省庁ともいろいろ検討いたしました。  その結果として、やはり私的な経済・商業活動を行う個々の民間船舶の乗船警備は基本的に民間で努力するということでございますが、先ほど来議論になっているまさに海賊対処法のアデン湾の適用というよりは、やはり今の現状を考えますと、現状、アデン湾では日本船籍は百十五隻、直近のデータではですね。一方で、アラビア海を始めとしたまさに大きな範囲でいくと五百四十五隻、約五倍の状況になっている。これをやはりいわゆる公的ガードでやると、これはもう委員も政務官、もう大変釈迦に説法でございますが、先ほど来の議論のように、やっぱり自衛隊の隊員の問題、要員の問題、こういう問題が起きるということで、なかなかこれは困難だなという判断をいたしました。  その結果、まさに今の法律の議論に至っているわけでございますが、諸外国におきましても民間武装警備員が多くの国で認められておりまして、国際的な協調という意味でもIMOで様々なガイドラインが今策定されているということでございまして、今回は公的警備ではなくて民間警備ということで、私ども海洋政策を担当する部局としての判断といたしました。
  45. 広田一

    広田一君 どうもありがとうございました。
  46. 田城郁

    田城郁君 民主党田城郁です。よろしくお願いをいたします。  海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案について質問させていただきます。  私は、資源の大部分を輸入に依存する我が国として、安定した国民生活や活発な経済活動を維持することはもとより、海上の現場で働く船舶乗組員の安全確保という観点からも、本法案は極めて重要な法案であると考えております。  一方で、小銃を所持した民間警備員の乗船を認める措置を講ずることによりこれら船舶の航行の安全を確保するという本法案は、医療で例えればあくまでも対症療法であって、なぜ海賊が発生をするのか原因を突き止め、発生原因をなくしていく根治療法をしっかりと行うことと同時に進めなければ、海賊問題は永久に解決を望めないとも考えております。  御存じのように、ソマリア沖・アデン湾での海賊事案の発生の最大要因は、ソマリアが長年無政府状態であり、劣悪な治安状況の下、大量の難民及び国内避難民が発生をし、また干ばつの深刻化等によって食料不足が悪化する等重大な人道危機が生ずるなど、いわゆる貧困が大きな要因の一つであるというふうに言えると思います。  ようやく二〇一二年の九月には大統領が選出をされ、十一月には新内閣が発足をし、過去二十一年間で初めて統一政府が樹立をいたしました。しかし、現在も国内治安が極めて不安定な情勢であります。このような情勢が海賊発生の温床となっており、政府当局自身が海賊行為の摘発、防止、撲滅を十分にできない状況になっているとの基本認識に立って質問をさせていただきます。  まず、本年六月、我が国で第五回のアフリカ開発会議が開催をされ、それに先立ちまして、本年五月に、日本政府、ソマリア政府、アフリカ連合委員会が共同してソマリア特別会合を開催をし、ソマリアの国づくり、ソマリア情勢の安定化に不可欠な社会経済開発に焦点を当てた議論を行ったと発表をされております。その内容について報告を求めます。簡潔によろしくお願いいたします。
  47. 石原宏高

    大臣政務官(石原宏高君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、TICADⅤの前に、五月の三十一日にソマリア特別会合が横浜の方で開かれました。アフリカ諸国、国際地域機関、ドナー諸国から成る三十五か国また機関が参加をいたしまして、ソマリアの国づくりを後押しし、社会サービスの提供や経済復興など、ソマリア情勢の安定化に不可欠な社会経済開発の重要性について議論がされたところであります。  安倍総理も参加をされまして、安倍総理からは、我が国はソマリアに対する直接支援の再開をするということを安倍総理に表明をしていただきました。さらに、その人間の安全保障の視点をソマリアの開発課題に取り入れる必要性について強調いただき、引き続きソマリアの国づくりを支援する旨、表明をさせていただいたところであります。  同会合の結果も踏まえて、今後とも、我が国は社会経済開発や治安維持能力の向上を中心にソマリアの国づくりに貢献していく所存であります。
  48. 田城郁

    田城郁君 ありがとうございます。是非精力的にそちらの方も進めていただければと思います。  私は、九・一一のニューヨークのテロ、そしてアフガンへの一〇・八の報復爆撃以降、五年間アフガンの首都カブールに駐在をして復興支援にかかわった経験がございます。アフガニスタンの問題を解決するための根治療法は、やはり社会を混乱に陥れる貧困等の社会経済問題の解決にあると実感をしているところであります。  このような観点において、政府として、本来はソマリア海賊を発生させてしまう根本的な原因、つまり貧困等社会経済問題の解決のための支援こそが最重要であると認識をしているでしょうか。  また、現在、自衛隊が行っている海賊対処行動や、今回審議されている民間武装警備員の乗船について、あくまでも特別な措置、対症療法的な措置である、時限的な措置という位置付けであるとお考えでしょうか。当法律案の担当大臣であります太田国交大臣より御認識、御見解をお伺いをいたします。
  49. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) おっしゃるとおりで、特別措置法ということはそういう意味です。この事案についてということで特別措置法ということにさせていただいております。  二〇〇三年の五月にイラク戦争が終結宣言をされて、直ちに私は、国会議員の中では一番早かったんですけれども、イラクに入りました。非常にそのときに痛感したのは、民生の安定こそ平和の礎ということでした。私は、当時六月に自公政権の代表として本会議で立ちまして、民生の安定を急がなくてはいけない、そこをやらなければもう取り返しの付かない事態になりかねないということを自公を代表して本会議で発言をさせていただいたこともあります。  先ほど、石原先生からお話がありましたように、このソマリアの貧困等々についてどう対応するかということは極めて世界的に大事なことでございまして、我が国にしましても、対ソマリア支援は二〇〇七年以降、二億九千九百万ドル出してきている。  その上で、国交省としては、ソマリア周辺沿岸国の海上保安機関の職員を我が国に招聘して実施する海上犯罪取締り研修をしたり、あるいは海保OBをジブチに派遣して、現地に常駐するJICA専門家と連携して実施するジブチ沿岸警備隊の能力向上の支援等を行う。広範な意味で、単に乗船して対応するということだけではない対応を取っている。これは政府全体の考え方の上からやっているということだと御理解いただければと思います。  なお、先ほど、大変時間を使って申し訳ないんですが、広田先生の御質問に対して若干ちょっと答弁だけさせていただきたいと思います。
  50. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) それは田城先生の質問が終わった後、特別に認めますので、そのときに回してください。済みません。
  51. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) そうですか。はい。
  52. 田城郁

    田城郁君 三つ目の質問です。  まず一点目として、現在自衛隊は、アデン湾における国際推奨航路と、モンスーンでない時期においてはその東側に二百キロ延長した計千百キロの護衛艦や哨戒機の派遣を行っております。また、本年七月九日には、海賊対処行動を来年の平成二十六年七月二十三日まで延長することが閣議決定をされ、エスコート方式による船舶護衛に加え、多国籍海賊対処部隊である第一五一連合任務部隊に参加をし、本年十二月以降をめどに、同司令部との間で連絡調整を行いながらゾーンディフェンスを実施することとしております。このような動き等も踏まえ、本法案成立によって海賊対処行動自体は継続するとしても、護衛範囲の変更といったことは今後検討対象になるのでしょうか。  また、二点目として、海賊対処法に基づく護衛艦による護衛と本法律案による海賊多発海域における特定日本船舶の特定警備について、それぞれの連動性はあるのでしょうか。特定日本船舶が自衛隊による護衛を受けている場合、特定警備はどうなるのでしょうか。本法律による直接規定はないようですけれども、例えば特定警備実施要領などに定めるのか、太田大臣にお伺いをいたします。
  53. 木原稔

    大臣政務官(木原稔君) では、防衛省所管の一点目について御答弁をさせていただきますと、委員御指摘のとおり、防衛省としましても、この海上交通路であるソマリア・アデン湾におけるこの海賊対処というのは非常に重要なものであるというふうに認識した上で、これまで、平成二十一年より護衛艦、P3C哨戒機等を派遣して船舶の護衛及び海域の警戒監視を実施してきたところであります。  御質問は、護衛範囲の変更とか、又は活動区域の変更といったことだろうと思いますけれども、本法案が、このソマリア海賊の活動海域がソマリア沖・アデン湾からオマーン沖、アラビア沖まで広く拡散しているということを踏まえて、こうした状況に効果的に対応すべく諸外国で行われている民間武装警備員の乗船を日本船舶において認めるためのものであるということは承知した上で、こういったことを踏まえて、この法案成立後も、アデン湾が極めて重要な海上交通路であり、海賊による脅威の高い海域であることや、海運業界、日本船主協会などの要望等を踏まえ、防衛省としましては、海賊対処を実施する諸外国の部隊を含む国際社会と連携して、引き続きソマリア沖・アデン湾における自衛隊海賊対処行動を確実に実施する必要があると考えており、活動区域の変更は考えてはおりません。
  54. 野上浩太郎

    ○副大臣(野上浩太郎君) 後半の二点についてお答えを申し上げたいと思いますが、護衛艦の護衛を受けている場合、特定警備はどうなるかというお話でございましたが、自衛隊による護衛は海賊が最も多発するアデン湾を対象としておりまして、アデン湾において引き続き護衛が必要であります。  一方、本法律案による民間武装警備員の乗船は、このアデン湾の区間を含みます国際海事機関が定めたハイリスクエリア全体及びスリランカ沖を対象とする予定であります。このため、アデン湾航行時に、民間武装警備員が乗船している船舶が自衛隊による護衛を受けるという場合があります。本法律案は、公的警備が困難である状況を踏まえて、日本船舶における民間による武装警備を認めるものであります。  したがって、特定日本船舶が護衛を受けている間については、船長の管理の下、施錠した保管庫に小銃を保管することとして、乗船している民間武装員には小銃の携帯、使用を認めないとすることと予定をしております。そして、この徹底につきましては、お話ございましたとおり、国土交通大臣が本法律案に基づき策定する特定警備実施要領において規定をするということといたしております。
  55. 田城郁

    田城郁君 ありがとうございます。  海賊多発海域を政令で定めることとしている理由についてお伺いをいたします。  一点目として、一義的には国土交通省の判断において定められると思われますけれども、政府内ではどの関係省庁がかかわって判断され、手続がされていくのでしょうか。  二点目は、海賊母船として商船を利用するなど手口がますます巧妙かつ大胆になり、海賊の活動海域が拡散している中、ハイリスクエリア以外で増加傾向にある他地域での海賊被害に対してはどのように対応しようとしているのでしょうか、国交省にお伺いいたします。
  56. 野上浩太郎

    ○副大臣(野上浩太郎君) お答え申し上げます。  海賊多発海域は、銃刀法の特例として小銃を用いた警備を実施できる海域ということでありますので、これは閣議決定により定めるべき重要事項と認識をしております。このため、政令で定めることとしたものであります。  閣議決定に際しては、特に海賊の発生状況ですとか海賊対処法に基づく護衛活動との関係から、内閣官房ですとか外務省ですとか、あるいは防衛省などと十分な連携を取る必要があろうかというふうに考えております。  また、このハイリスクエリア以外の海賊については、東南アジア地域で発生している海賊、武装強盗事案というのは刃物を用いて乗員が所持する金品ですとか船舶の備品を奪取する事案がほとんどとなっております。そのほか、西アフリカギニア湾においては、これは海賊が発生しやすくなっておりますけれども、日本籍であって海賊行為の被害を受けやすい船舶はほとんど航行していないという状況であります。  このため、これらの海域については現時点では対象とする予定はありませんが、対象海域については海賊行為の発生状況等の情報収集を継続的に実施しながら、適切に定めてまいりたいというふうに思っております。
  57. 田城郁

    田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。  時間が迫ってまいりましたので、一つ飛ばします。  特定警備と警備業法についての質問をさせていただきます。  第二十条第一項において、特定日本船舶において実施される認定計画に係る特定警備については、警備業法の規定は適用しないものとされております。  一方、特定警備を行うことについて、日本の事業者が行うことも排除しないというふうにも言われております。例えば、日本の事業者がイギリスの会社と合弁で行う警備業者の海外子会社が事業を行うという事態になると、武器の使用も含め警備業をめぐる周辺状況が大きく変わり、警備業者の根本的在り方が問われてくる事態にもなりかねません。警備業法にも見直し等の影響を及ぼすことにならないでしょうか。武器使用がエスカレートするような事態も懸念せざるを得ません。  これらの観点への御見解と、本法案と警備業法との関係について、太田大臣にお伺いをいたします。
  58. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) お尋ねの本法律と警備業法の関係でございますけれども、警備業法は、警察力により治安が維持されている国内において、民間の警備業の適正な運営を確保する観点から定められております。  一方、本法律案は、警察力が及ばない公海上の海域において小銃等を所持して襲撃してくる海賊に対応するため、民間武装警備員日本船舶に乗船させるためのものであります。  このように、本法律案と警備業法は法律の適用の前提となる状況、業態等が異なっておりますので、本法律案に基づく特定警備には警備業法を適用しないこととしております。  本法律案においては、警備を依頼できる会社を外国の会社に限定していないため、日本の警備会社であっても日本籍船に武装警備サービスを提供することは可能であります。警備会社の国籍にかかわらず、本法律案に基づき警備会社や警備員の適格性について厳格に審査を行い、銃器の適正な使用の確保に努めてまいりたいと思います。
  59. 田城郁

    田城郁君 是非、国内でそういうものが拡散しないような状況も含めて徹底していただきたいというふうに思います。  質問を終わります。
  60. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) これで田城郁君の質問は終わりましたが、広田君の質問に対して追加の答弁の要求がございますので、簡潔にお願いします。
  61. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 先ほどの自衛艦による護衛中の小銃の取扱いについて、正確に御答弁を申し上げます。  まず、自衛艦によるエスコート護衛の間は、たとえエスコート艦が一隻であっても小銃は携帯できない、全てゾーン方式に変わった場合には、エスコート船がいないという状況になった場合には、必要に応じ小銃の携帯を可能とするように実施要領に定めることを予定しております。
  62. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案について質問をさせていただきます。  ソマリア沖・アデン湾、スエズ運河を経由してアジアと欧州を結び、世界の船舶が通航をしているわけでございまして、その一割、ほぼ一割が日本関係船舶であるなど、我が国にとって極めて重要な海上交通路でございます。特に、同海域においては、中東産の原油等のエネルギーの資源の安定的な輸送は非常に我が国にとって重要であるわけでございますが、近年、この海域における海賊によりハイジャックされる、商船がジャックされる、あるいは船舶が抑留、脅迫、殺害されると、そういった事案が多発しておりまして、この安全確保は我が国の経済又は国民生活、さらには我が国の経済安全保障に極めて重要であるわけでございます。  そんな中、この法案がさきの通常国会、今年の四月に提出をされまして、五月に衆議院が通過し、そして本院において残念ながら審査未了となったわけでございまして、あれから半年経過したという形になるわけでございますが、それまでの間に、民間武装警備員による特定警備を認めないことにより、日本船舶を狙って、日本とギリシャという形になったと思いますが、海賊行為の発生の可能性が高まって、この海域内における安全航行や船員の生命、身体に大きな脅威となっているというふうに判断するわけでございまして、今回この法案成立をいたしましたら脅威を払拭する効果があるというふうに考えるところでございますが、この法案成立した場合のメリットについて御答弁をいただきたいと思います。
  63. 野上浩太郎

    ○副大臣(野上浩太郎君) お答え申し上げます。  今、ソマリア沖・アデン湾では、各国の艦艇による護衛活動ですとか商船の自衛措置ですとか、あるいは民間武装警備員の乗船警備等によって海賊等の事案の発生件数自体は減少傾向にあります。しかし、一方、ソマリア海賊の活動海域はアラビア海またインド洋にまで広域化しておりまして、我が国のエネルギー供給を支える極めて重要な海上輸送航路である当該海域を航行する日本船舶に差し迫った危険が生じておるということであります。  しかし、当該海域は極めて広大であるため、各国艦艇による護衛活動には限界がありまして、主要海運国ではこの法律案にあるような民間武装警備員による乗船警備を認めておるところでございます。したがって、今委員からお話があったとおり、本法律案が成立をすれば日本船舶に民間武装警備員の乗船警備が可能ということになりますので、当該海域を航行する日本船舶の安全を確保することができるというふうに考えております。
  64. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 私も、国土交通委員会に入らせてもらって、この一日も早い成立をということで船主協会からの要請をいただいたところでございますが、二〇一一年の八月にこの船主協会から、日本船舶への民間武装警備員の乗船を可能とすること、また、自衛官や海上保安官などの公的武装ガードの乗船を可能にすることについて要望があったと思いますが、それに対応して、政府の方で検討を行った上でこの本法案となったわけでございますが、公的な自衛官あるいは海上保安官、公的な武装ガードで対応するということも考えられるわけでございますが、民間武装警備員の乗船を認めるというような、こういうふうなことにした理由は一体何なのか。それから、民間武装警備員の乗船を可能にすることを、銃刀法あるいは警備業法の一部改正ではなくして、新法の特別措置法として提出した理由というのはどういうものか、御教示いただきたいと思います。
  65. 長田太

    政府参考人(長田太君) 今先生御質問の公的武装ガードの件でございます。  確かに船主協会等からは、当初、公的武装ガードの乗船に関する要望がなされていたことは事実でございまして、これを受けまして、政府内におきましても内閣官房を中心に関係省庁集まりまして、この公的武装ガードの措置も含めて日本船籍を防護するためにはどういう体制がいいのかということについて検討を実施をしたわけでございます。  その中で、海上保安官や自衛官を民間の船舶に乗せて武装をするということにつきましては、基本的には、民間の船舶でございますので、民間の側である程度御努力が必要だということと、日本の特に自衛隊の隊員なんかは、ふだん部隊で行動することが原則でありますので、分かれて民間の船に乗るという経験は余りありません。あわせて、先ほど後藤田副大臣から答弁を申し上げましたように、かなり膨大な海域につきましてこれを全てガードするということになりますと、膨大な数の要員あるいは装備ということが必要だということになりまして、体制的に非常に困難だというふうなことがなったわけでございます。  あわせまして、この間、世界の各国でいわゆる民間武装ガードを乗船させるような体制ができてまいりましたし、IMOにおきましてもそのためのガイドラインもできてきたと。そういうこともございまして、今回、民間武装警備員を乗せるという、その法制化を進めるということにしたということだと思います。  どうして銃刀法につきましてこちら側でしなかったかということにつきましては、本来、そういう民間武装ガードに対する様々な措置を検討する中で、そういう体制が取られれば銃刀法についてもこれは大丈夫だろうということで今回の法案になったというふうに了解をしております。
  66. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 委員御指摘の特別措置法によって対応している理由についてお答え申し上げます。  この法案は、世界的に課題となっているソマリア海賊の事案に対しまして、日本籍船の安全の確保を図るために、我が国から遠く離れた公海上の限定された海域におきまして、船舶の種類を更に限定した上で、既存の法令では想定しておりません民間人による警備目的での小銃の使用という特別の法的枠組みを特例的に認めるものでございます。したがいまして、こうした特別の状況に対しまして特例的な法的措置をとるものでございますので、今回、特別措置法の形を取っているものでございます。
  67. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 先行質問もございましたけれども、日本の警備会社を別に排除するわけではないわけでございますけれども、将来この特定警備に参加する、あるいは、直接行わないにしても外国の民間警備会社への資本参加を行うというような形で、何らかの形で参画する可能性があろうかと思いますが、この辺についての政府の御認識をお伺いをしたいと思います。
  68. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) この法案におきましては、警備を実施できる会社を、御答弁申し上げましたように、外国の会社に限定しておりません。日本の警備会社であってもこの法律案に従いまして日本籍船に武装警備サービスを提供することは可能でございます。  今、委員御指摘のように、例えば資本参加であるとか、あるいは外国に子会社をつくるとか、様々な可能性があり得ると考えますけれども、現時点においては関係法令の見直しについて検討する必要はないのではないかというふうに考えております。
  69. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 マスコミ等々で、どういう会社があるのかと、大体ロンドンで、イギリスで百社ぐらいあるよと、どういう人がこの警備員やっているんだと、それはイギリス軍の特殊部隊というかそういう経験を積んだ人たちだと、場合によってはインドの人もいるかもしれないとか、そんなことが言われているわけでございますが、どういう形でこの特定警備というのをやるのかという実施要領というのが非常に大事になってくると思うわけでございますが、具体的にこの準備というものはどの程度できているんでしょうか、お伺いをしたいと思います。
  70. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 特定警備実施要領というものは、この本法案に定められております民間武装警備員が小銃を用いた警備を実施する場合に適正に実施されることを確保するために遵守すべき事項を定めるものでございます。この準備に当たりましては、国際的なスタンダードとして、国際海事機構、IMOが二〇一二年五月に民間海上警備会社に関する暫定ガイダンスというものを定めておりまして、我が国としてもこれに沿って策定することとしております。この民間武装警備員を導入している他の主要海運国におきましても同様の対応を取っているものと考えられます。  この法案におきます特定警備実施要領でございますが、今後準備するものでございますけれども、第一に、基本原則として、海賊の接近度合いに応じました小銃の使用方法、それから段階的対処といいました武器使用の比例原則、第二に、小銃等の積卸し時の船長の立会い、船内保管設備への施錠保管、小銃の管理に関する事項、第三に、緊急時における国土交通省、海上保安庁や沿岸国への海上警察機関への連絡に関する事項等々の事項を定めることとしておりまして、そのための準備を進めていきたいというふうに、成立を進めていきたいというふうに考えております。
  71. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 民間武装警備員ということでございますけれども、あの辺の、イラクにおいても、警備員による、あるいは民間警備会社による不祥事というか不法行為というか、そういう発生したことが報道されたわけでございますけれども、やはり、その辺の適正性といいますか、それについてどのような認識をしておいででしょうか。
  72. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  警備会社が特定警備を適正に実施するに足りる能力を有することが大変重要でございます。これは日本船舶の所有者が作成する特定警備計画、これを大臣認定の要件といたしまして大臣認定をする仕組みになっておるわけでございますけれども、その要件といたしまして、社内に必要な教育訓練体制を有すること、それから役員が欠格要件に該当しないこと等を定める予定でございます。また、これらの要件につきましては、特定警備計画に記載されました事項や添付書類を審査、確認するとともに、必要に応じて実地検査等を行うことにより適合性を判断いたしたいというふうに考えております。  また、警備員に要求される能力等につきましては、安全かつ正確に小銃の操作や射撃ができる能力を有していること、我が国関係法令及び小銃の取扱いに関する知識に通じて、理解していること等を見ていくことになります。
  73. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 今のお話の中で、能力とか適正性、それは判断はそうだと思いますけれども、それはどうやって確認するんですか。その確認というのが非常に大事になると思うわけでございますが、具体的にその能力、実際に小銃を撃っているところを、一発撃って当たったとか、そういうような映像でそれで大臣が確認するんですか。ちょっとその辺の具体的なやり方というか、その辺も御答弁いただけますか。
  74. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) そういった警備従事者が適正な射撃ができるかどうかというものに関しましては、筆記試験や、あるいは今おっしゃいましたような映像で確認することにしております。  彼らが適正に武器を扱えるかどうかというのは、我々、平時から訓練をしておりますので、彼らが適正な運用ができるかということを映像等でチェックすることにしております。
  75. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 今、特定秘密保護法の中でも適性評価というのがあるわけでございますが、それと似たような、例えば飲酒癖とかいろいろあるかもしれませんけど、具体的に最終的にその適正性の判断というのは民間事業会社にも委ねるということなんですか、最終判断は誰が持つんでしょうか。  というのは、この閉じられた船舶で小銃を持って入るわけですよね。そのまま場合によっては彼らがハイジャックするかもしれないという危険性もあるわけですよね。だから、そこの部分の判断基準というか、その適正性という部分についての担保をどういうふうに考えたらいいんでしょうかという質問です。
  76. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  民間武装警備員の今委員御指摘のような事項につきましては、その適格性につきまして国土交通大臣により確認を受けることになります。具体的には、各警備員につきまして、小銃の取扱いに関する知識及び技能を有していること、犯歴等の欠格事由に、要件に該当しないことなどの確認を厳正に実施していくこととしております。  特に犯歴につきましては、公的機関発行の犯歴証明書の提出、これは外国の公的機関でございますが、を求めまして、法務省などの協力も得ながら国内外の関係機関への照会などを行うことによりまして万全を期してまいりたいと思います。万が一、民間武装警備員の申請に例えば虚偽の事項があった場合には、国土交通大臣が確認の取消しを行うことによりまして厳正に対応することになります。
  77. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 最後にいたしますけれども、この特定警備要領の策定、あるいは警備計画の認定、さらに今の警備員の確認など、本法に基づく様々な作業、手続については、各、国土交通省、海上保安庁にとどまらない省庁の連携協力が重要であろうかと思っております。小銃の法規制に関しては国家公安委員会警察庁、また、在外公館での民間武装警備員への試験の実施、あるいは、外交分野に関しては外務省、ソマリア・アデン湾での海賊対処行動として護衛活動との関連性に関しては防衛省などが挙げられるわけでございまして、本法律施行に当たっては、国土交通省がこれらの関係省庁と連携協力を強固にして関係省庁一体となって取組を進めていくべきと考えますけれども、国土交通大臣の御認識をお伺いをして、質問を終わります。
  78. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) 全くおっしゃるとおりで、これは対応しなくてはいけない事案でありますけれども、しかし、国交省だけでできるものではございません。そういう意味では、内閣官房、警察庁、そして先ほどありました犯歴の照会を始めとして法務省、そして外務省国交省、海上保安庁、防衛省、これらがよく会議を設置して議論を進めてきたところでありますけれども、さらに、今後具体的な推進に当たっては、要領の策定を始めとして、きちっとしたものにしなくてはならないというふうに思っております。  関係省庁との連携を緻密にして体制を整備したいと考えております。
  79. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 終わります。
  80. 和田政宗

    ○和田政宗君 みんなの党の和田政宗でございます。私は、本法案海賊対処法との関係性を中心に聞いていきます。  まず前提としてですが、現在、海賊対処法において自衛隊の護衛艦がアデン湾で活動をしていて、対海賊という面で大きな効果を上げていると聞いています。  民間船舶の護衛に当たっている自衛隊の護衛艦について聞きます。護衛艦について、日本国の艦船だと海賊等に認識させるためにどのような対応をしていますか。
  81. 中島明彦

    政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。  海賊対処行動実施中の自衛艦につきましては、自衛隊法百二条などに基づきまして艦尾に自衛艦旗を掲げておるところでございます。これによりまして、当該艦艇が我が国の自衛艦であるということを示しておるところでございます。
  82. 和田政宗

    ○和田政宗君 日本国の艦船と明確に認識させた方が、日本の商船は自国の艦船によって守られているので攻撃しない方がいいという認識になると思います。  国連海洋法条約二十九条の規定には、軍艦の要件として、当該国の国籍を有する船舶であることを示す外部標識を掲げるものとあり、これは自衛艦にも準用されていると思いますけれども、国旗日の丸の方が国籍を示す外部標識としてはより明確と思いますけれども、国旗は掲揚してないんでしょうか。
  83. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  海上自衛隊の船につきましては、港に停泊中につきましては、午前八時から日没までの間、日の丸を掲揚させていただいております。しかし、一旦航海ということで港の外に出ますと、先ほど運用企画局長から御説明させていただきましたとおり、自衛艦旗を掲げるということになっております。  この外部標識である自衛艦旗と同様に、他国におきましても同じように外部標識として掲げられているのは、通常、国旗ではなく別の旗が掲げられているというふうに承知しておるところでございます。
  84. 和田政宗

    ○和田政宗君 それでは確認しますけれども、あえて国旗を掲揚せず自衛艦旗を掲揚しているということは、その自衛艦旗は国旗と同等若しくは国旗に準ずる意味を持つものと政府は位置付けているんでしょうか。
  85. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 海洋法に関する国際連合条約について、先生御指摘のような軍艦の定義という規定があるわけでございます。こちらの方で、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げということでございますが、これは民間の船舶ではないということを示す必要があるわけでございますので、したがいまして、国旗とは別の外部標識を掲げるということになるかと思います。  先生御指摘の、国旗と同等若しくは国旗に準ずるかどうかという点については、それは、自衛艦旗はそういう形で特段の規定を設けておりません。あくまで外でオペレーションをやる際に必要だということで設けられているものでございます。
  86. 和田政宗

    ○和田政宗君 そうしますと、自衛艦旗は日本国籍を示す外部標識という要件も満たすということでしょうか。
  87. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  自衛艦旗につきましては、国連海洋法条約第二十九条において定められておるところの外部標識ということでございます。
  88. 和田政宗

    ○和田政宗君 確認ですが、日本国籍を示す外部標識という要件は満たすんでしょうか、それで。
  89. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 条約に書かれております、一つの国の軍隊に属する船舶であって、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げということでございます。この要件に該当するものというふうに考えております。
  90. 和田政宗

    ○和田政宗君 次に、海賊対処法による警備エリアについて質問をいたします。  海賊対処法七条二項に基づく対処要項において、海上区域を拡大して内閣総理大臣承認を得れば護衛艦による海賊対処行動をソマリア沖・アデン湾以外で行うことは可能でしょうか。
  91. 長田太

    政府参考人(長田太君) 今委員御指摘のとおり、七条二項で、自衛隊海外で活動する場合に対処要項を作成をして総理大臣承認を得るということになっております。その中に、対処行動を行う海上の区域、それから対処行動を行う自衛隊の部隊の規模、構成並びに装備ということがございますので、この対象の区域を変更すればそれは可能でございますが、その場合には、併せてその区域において活動する自衛隊の体制等についても記載をする必要があるというふうに考えております。
  92. 和田政宗

    ○和田政宗君 それに関連してですけれども、海賊の出現区域が変わってきたということで本法案の必要性が生じているのだというふうに認識しておりますけれども、海賊対処法の海上区域を広げることについてはこれまで検討されてきたんでしょうか。
  93. 中島明彦

    政府参考人(中島明彦君) 防衛省自衛隊といたしましては、これまでアデン湾が極めて重要な海上交通路でありまして、海賊による脅威の高い海域であること、委員御指摘のとおり、現在は減ってきておりますけれども、その中にはやはり各国、我が国も含めます各国による努力が寄与しているものと考えておりますけれども、それと、海運業界の方々からの御要望、それと、より多くの船舶を効率的にこの海域で護衛するといった部隊運用上の必要性などを踏まえまして、引き続き基本的にアデン湾の国際推奨航路におきまして船舶の護衛を行うことが適当という考えでございます。  したがいまして、自衛隊が活動する海域の拡大を特に具体的に検討したといったことはございません。
  94. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、広げられない理由というのは何かあるんでしょうか。
  95. 中島明彦

    政府参考人(中島明彦君) 一つには、元々この海域は非常に海賊の脅威が高かったということが一つと、もう一つは、部隊運用上の話と申しましたのは幾つかございます。一つは、広げますと、一航海当たりの護衛の濃度が非常に減ることになります。それから、もう一つは他国のアセットとの連携でございまして、広げて東側に行きますと他国とのアセットの連携が非常に取りにくいということ、それから、緊急時、例えば患者が発生したといった場合の対応が困難であるといったことが理由でございます。
  96. 和田政宗

    ○和田政宗君 民間の警備会社に警備を委託するということになるかと思うんですけれども、これ、船主の負担どれくらい増えるんでしょうか。
  97. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  民間武装警備員を乗船させる場合に、これは乗船日数であるとか、あるいは人数であるとか、あるいは会社によって違いはございますけれども、一般的には武装警備員四名、これが七日間乗船する場合で約六万ドル程度の、日本円でいいますと六百万円程度でございますが、負担となると聞いております。
  98. 和田政宗

    ○和田政宗君 そうしますと、この海域に一万隻が航行した場合には六百億円、その膨大なお金が現状では諸外国の警備会社に流れるということですけれども、これは自衛隊や海上保安庁の装備、人員を割けばその負担は軽減されるというふうに考えますけれども、我が国の国防ですとか海上警備上、やはりこれは無理なんでしょうか。
  99. 中島明彦

    政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。  委員御案内のとおり、防衛省自衛隊といたしましては、今まで護衛艦二隻及びP3Cの哨戒機二機により海賊対処行動を実施してきているところでございまして、延べ三千二百五十六隻の船舶護衛、あるいは航空機による警戒監視活動の六割といった活動をしているところであります。  これについては、非常にこの活動自体が国の内外から高い評価を得ていること、それから海賊事案の発生状況、それから、先生今まさに御指摘いただきました警戒監視活動、これ護衛艦、P3C共に毎日運用されておりますけれども、そういう他の活動とのバランス等を勘案いたしまして、政府としては引き続き護衛艦二隻、哨戒機二機の派遣規模を維持するということとしたところでございます。
  100. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) 海上保安庁では、平成二十一年三月以降、ソマリア沖・アデン湾に派遣されている護衛艦に海上保安官八名を同乗させ、海賊行為の監視のほか、司法警察活動に従事させております。一方で、尖閣諸島の領海警備等、我が国周辺海域における他の重要業務が増大しておりまして、これに対応するため勢力を優先的に投入している現状では、ソマリア海賊への対処のため追加的に勢力を派遣することは困難な状況でございます。
  101. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、公海上における刑事管轄権について確認をいたします。  公海上で日本国籍の船に海賊事案、海賊が船員に危害を加えるなどの事案が発生した場合、我が国に刑事管轄権、あるんでしょうか。
  102. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。  公海上にある日本籍船上にある者の行った犯罪行為については、その者の国籍にかかわらず、当該行為の結果が船舶の外に及んだ場合も含めて刑法第一条第二項により我が国刑法が適用されます。また、国連海洋法条約第九十二条に基づき、船舶は公海において原則として旗国の排他的管轄権に服することとされております。  なお、被害を受けた者の国籍国もそれぞれ国内法に基づき管轄権を主張する場合も想定されますが、このような場合には、我が国とそれらの関係国との間で管轄権の調整が行われることとなります。
  103. 和田政宗

    ○和田政宗君 すると、海賊への対処が、例えば公道上における強盗などの犯罪を防ぐのと同じ行政警察活動と考えるのであれば公的な警察活動が主になるというふうに思いますけれども、公的な警察活動と私的な自衛活動、どちらが基本になるんでしょうか。
  104. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 今回対象となっております民間船舶、この民間船舶の安全の確保につきましては船舶所有者による自衛措置によることが基本と考えております。海賊対策におきましても、日本の船会社では、海賊の乗り込みを防止するため、船内の避難区画でありますシタデル、かみそり状の有刺鉄線でございますレーザーワイヤ、こうしたものを設置しております。  しかしながら、ソマリア海賊のように小銃、ロケットランチャーで武装した海賊に対しましては、こうした自衛措置のみでは限界がございます。ハイリスクエリアを航行する船舶の安全を図るために、この法律案によりまして民間武装警備員の警備を可能とする自衛措置が必要と考えております。
  105. 和田政宗

    ○和田政宗君 ちょっと関連して確認ですけれども、私的警備が基本でありますれば、なぜ海賊対処法で公的な艦船ですとか人員を出したんでしょうか。
  106. 中島明彦

    政府参考人(中島明彦君) まさに海賊ということにつきましては国際社会が全体として取り組む課題であるということで、当然その被害と申しますか、結果としては民間船舶に対する被害ということになるわけでございますけれども、そういう国際社会の観点からの取組ということにつきまして、我が国の貢献と申しますか活動として、より広く国の観点から海賊対処ということの法律を作ったものというふうに理解しております。
  107. 和田政宗

    ○和田政宗君 というふうに聞いておりますのも、やはり何としても日本国籍の商船は守っていきたいというふうに思っているからなんですけれども、海賊対処法ではいざというときは護衛艦の機関砲というのが使えるわけですけれども、今回の法案は小銃しか使えないという状況です。相手の攻撃力ですとか火力が強い場合はどう対処するんでしょうか。
  108. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) お答えいたします。  海賊に対する警備のポイントは、接近してくる海賊にこちらが武装警備をしていることを認識させ、それ以上の接近を諦めさせることにあります。このような観点から、比較的長距離の有効射程を有し、正確な射撃が可能な武器効果的でありますことから、小銃が有効であるというふうに考えております。  また、民間武装警備員が乗船する大型の商船は長さ三百メートル程度であり、海賊の使用する十メートル程度の小型船に比べて比較的安定しております。また、高さも最低でも八メートル以上の高さがございますので、高い位置から射撃を行うことになるため、有利な立場にございます。こうしたことから、海賊がロケットランチャー等で重武装していたとしても、小銃によって十分効果的に対処することができるものと考えております。  なお、これまでも、ほとんどの場合は警告射撃を行うまでの間に海賊が退散しているのが現状でございます。
  109. 和田政宗

    ○和田政宗君 そうしますと、この特別措置法案は現状の海賊の武装力ということで有効であるということだと思うんですけれども、やはり海外のテロリストですとか海賊というのはより重武装化しているというふうに認識をしております。  これ、より重武装化してこの特別措置法案で対処できないというようなことになった場合は、また別の枠組みということになるんでしょうか。
  110. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) どちら、どなたお答えになりますか。通告されているんですよね。
  111. 和田政宗

    ○和田政宗君 あっ、ごめんなさい、これ通告しておりません。関連で今聞きました。
  112. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 答えられますか。
  113. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 今回の法律案は現在の委員御指摘の状況を踏まえてその対応措置をとるものでございますので、まずはこの措置をとるということを行った後、将来の話につきましては将来の状況に応じてまた議論がなされる可能性があり得るものと思っております。
  114. 和田政宗

    ○和田政宗君 本法案と併せて、海賊対処法に基づきまして引き続きソマリア沖・アデン湾では護衛艦による護衛が行われるわけですけれども、現在行われているエスコート方式の護衛の制度、これはいかなる国際的枠組みそして取決めによりなされているんでしょうか。
  115. 中島明彦

    政府参考人(中島明彦君) アデン湾におきましては、我が国自衛隊のほか、中国、インド、韓国、ロシアなどの部隊が船舶の護衛を実施しておりまして、従来、船舶護衛を行う各国の部隊、これは特に協定とかというものがあるわけではなくて、その独自の判断によりまして出しておるわけですけれども、護衛スケジュールにつきましても独自に決定しているところでございます。  協力関係についてでございますけれども、平成二十四年一月以降、各国の護衛スケジュールの重複また特定の時間帯への集中、こういったものを可能な限り回避するという観点から、まず日中印三国間で護衛スケジュールの調整を開始したところでございます。同年十一月、二十四年十一月には韓国も加わりまして、現在四国間でこれを調整しながら実施しておるところでございます。  こうした護衛スケジュールの調整はこの海域におけるより効果的な船舶護衛に資するということで、海運業界の方々、国際社会からも評価されておるというふうに認識しておるところでございます。引き続き、諸外国の部隊と連携して海賊対処行動を実施してまいりたいというふうに考えております。
  116. 和田政宗

    ○和田政宗君 そうしますと、中国の軍艦が日本の商船を守っているという可能性もあるというふうに思うんですけれども、これ、尖閣諸島、我が国の固有の領土でございますけれども、そういったところに中国、艦船でちょっかい出してきていますけれども、中国艦船、しっかり日本の商船を守っているんでしょうか。
  117. 中島明彦

    政府参考人(中島明彦君) ちょっと今手元にデータがございませんので今的確にお答えできなくて恐縮でございますけれども、事例としてはあり得るということでございます。
  118. 和田政宗

    ○和田政宗君 最後になりますけれども、今回の質問について各省庁の皆さん、真摯に対応してくれたというふうに認識しておりますけれども、本法案ですとか海賊対処法、これ様々な省庁がもう入り組んでいるような印象というか実態を質問作成に当たって受けましたけれども、これ、いざというとき迅速な対応ができるんでしょうか。大臣、お願いします。
  119. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) 現場の状況というものはかなり急迫して、小さな船で四人とか五人でかなりのスピードで来る、そしてワイヤで上げて、そしてよじ登る、こうしたことに対して小銃を所持して威嚇をし、そして最終的には危害射撃もあるというような形です。  そこには銃刀法の問題もあり、そして外務省管轄するソマリアを始めとする諸国との関係もあり、当然防衛省との関係もあります。そこはしっかりと、ここはお互いにどこのということをやるとなかなか、球が真ん中に落ちてしまうというようなことがあるので、このことについては国交省が軸となり、そしてアデン湾自体の対処法については防衛省、それぞれ中心は一体どこかということを明確にして、そこで連携を取るということにさせていただきたいと思っております。
  120. 和田政宗

    ○和田政宗君 終わります。
  121. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎でございます。  ソマリア沖・アデン湾において、武装した海賊が民間船を攻撃し、ハイジャックし、人質を取って身の代金を要求すると。こうした海賊行為は許されない犯罪であります。同時に、自衛隊の派遣や民間船舶の武装化など力で対抗するやり方では海賊問題を根本的に解決することはできない、こうした立場から質問をしたいと思います。  本法案は、海賊多発海域を航行する大型タンカーなど日本船籍に民間武装警備員を乗船させ、そして小銃などを用いた警備を認めるものであります。そして、この警備には主に外国の特殊部隊など軍隊出身者が当たるということであります。  そこで質問をいたします。  これまでに民間武装警備員武器の使用により海賊を殺害したケースが報道をされております。通常国会の衆議院の審議の際にも、御答弁では承知していないというものでありましたけれども、現時点でこのことについて把握をされておりますでしょうか。
  122. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  委員御指摘の民間武装警備員が、警備の結果、海賊を殺害するに至った事案については、現時点でも承知しておりません。
  123. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 承知をしていないということでありました。把握もしていないと。  二〇一〇年の三月に、ソマリア沖でパナマ籍の貨物船を停泊させようとした海賊を、乗船していた民間武装警備員が射殺をしたケースが報道をされております。イギリス海軍のスポークスマンが記者の質問に答えて、通常は警告射撃を行うけれども、海賊側が再度発砲してきた場合には撃ち返すと、こう答えております。  このケース、適切な銃撃に当たると判断しているのかどうか、これ、どうでしょうか。
  124. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) ただいまの件、ちょっと詳細にこちら把握しておりませんので、事件の概要というのをしっかり把握した上で検討をしなければなりませんが、一般的に今、委員御指摘のような話でございましたら、正当防衛という概念が適用される場合もあるかと思われます。
  125. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 このほかにも、例えば正規軍の兵士が商船に乗船して警備に当たっている、そういう国もあります。  二〇一二年の二月に、イタリアの民間船に乗船していたイタリア海軍の兵士がインドの漁船に発砲し、インド人二名が亡くなっています。なぜこういう事態になったのか、明らかになっていますでしょうか。このことを把握されていますか。
  126. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 今委員御指摘の二〇一二年二月、商船に乗船して警備中のイタリアの軍人がインド沿岸で銃を使用した事例については承知しております。
  127. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 なぜこういう事態になったのか、これはどうですか。なぜこういう事態になったのか。
  128. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) そういう事態になりました理由ということにつきましては、現在、この案件が現在インドとイタリアとの間でいろんな調査等、裁判等がなされている状況でございます。詳細については把握しておりません。
  129. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 つまり、なぜ誤って漁民を殺してしまったのか、また、これがどこに問題があったのかも現時点では明らかになっていないということであります。同じ事態が起こる可能性は否定できないと言えるんじゃないかと思います。  しかも、相手が海賊なら殺しても船を沈めても報告されないケースも想定されると。確かに、海賊行為というのは犯罪です。許されない行為でありますけれども、しかし、だからといって何でもやっていいというわけではありません。法に基づく対応が求められていると思います。これ、非常に検証が必要だと思うんですね。  同時に、質問しますけれども、今、日本の船の会社が導入検討しているのはイギリスの民間武装警備会社だということであります。そもそも海事系の民間武装警備会社は世界全体でどれぐらいの数あるのか、国ごとの数はどうなっているのか、この辺は把握されていますでしょうか。
  130. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  イギリスの海事系の民間武装警備会社、これにつきましては百社を超えるというふうに聞いております。他国の状況等につきましては承知いたしておりません。
  131. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 百社を超えると。先ほど、約四名の民間警備員が乗ると六万ドル、つまり六百万円の費用が掛かるという話もありました。  国連の作業グループの報告によると、インド洋地域で活動する民間海事武装会社が今激増をして、百四十社を超えているということであります。十一月四日付けの報告書では、民間軍事治安ビジネスがこの一年間で七・四%増大し、二〇一六年には二千四百億ドル、つまりこれは約二十四兆円の規模になると予測をしております。作業グループの議長は、民間武装会社の活動規制の必要性というのを指摘もしています。イラクでは、民間会社の武装要員による民間人の殺害が度々問題になってきました。海上でも同様の事態が懸念をされます。  先ほど来、IMO、国際海事機関ということが出てきておりますけれども、元々、このIMOは民間武装警備員の使用を推奨してこなかったわけであります。その理由については、こう述べております。商船による火器の所有、使用は事態をかえって危険にしてしまう、火器の操作は特別な訓練を必要とする、事故の発生の危険が高まる、正当防衛で火器を使用しても、それらが認められるような法制度が整っていないと、こういうことを言っております。  これは今も変わっていないわけでありまして、今IMOも、推奨はしないが、一方で民間武装警備会社が急速に増大をする中で、規制や業界の自主規制がないことが懸念材料の一つとなって、中には能力と熟練度に関して疑わしい会社があると、これ二〇一一年の九月の改定暫定ガイダンスでも述べております。  二〇一二年の五月には民間海上警備会社に関する暫定ガイダンスも改めて示されていますけれども、ここでちょっと質問をしますが、このガイダンスは、必ず守らなければならないという拘束力があるものでなく、あくまで最低限の勧告を示したものだと思いますけれども、そういう認識でよろしいでしょうか。
  132. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 委員御指摘のように、暫定ガイダンス、いわゆるIMOが策定しましたガイダンスでございますが、これは各国に対する強制力を持つものではございません。
  133. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 強制力はないということでありますから、このガイダンスは同時に、民間海上警備会社に関する国際的なガイダンスや基準が存在していなかった中で、こういったガイダンス示すことにより、海上におけるガバナンスを改善させ、潜在的な事故発生の可能性を減らして、適切で安全かつ法令を遵守した行動が促進されることになると思われると、こう書いているということなんですね。つまり、今でも民間武装警備会社のガバナンスには依然として問題があって、潜在的な事故発生の可能性があって、不適切で危険な、法令を守らないそういう行動があるということを示しているということであります。  そこで、改めて聞きたいんですけれども、今回の法案により民間武装警備員を乗船させる船、これ改めて、どういう対象船舶、どういうものかということと、その数がどれぐらいなのか、それをちょっとお答えしていただきたい。
  134. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) 今の御質問と関連いたしまして、先ほどの、私、強制力がないというふうに申し上げましたガイダンスにつきまして、補足の説明をまず最初にさせていただきたいと思います。  御指摘のありました関連のガイダンスが二つございます。  二〇一一年の九月のガイダンスが委員御指摘のガイダンスだと思います。このガイダンスは、当時、民間武装ガードを各国の導入をどのようにするか、各国の対応が大きく分かれておりました。そういう中で、武装警備会社を調査あるいは選択する際のいろんな評価、考慮項目を示したのがこの二〇一一年九月の委員御指摘のガイダンスでございます。各国の対応が分かれる中でIMOが中立的な立場を示したものとして、私ども等は推奨する立場にないというふうな表現を受け止めておるところでございます。  一方で、前通常国会でも議論ございましたけれども、御指摘ございましたが、もう一つのガイダンス、二〇一二年五月、私どもが準拠しております最新のガイダンスでございますが、これは民間警備会社に関するガイダンスでございますけれども、IMOは、その後の世界的な武装警備の導入、これの大幅な増加、非常に効果があると、しかも、導入する国が大幅に増えまして立場を転換いたしまして、IMO自身が言っておりますけれども、各国の政策形成を支援し各国間の政策協調を促進する立場からこのガイダンスを作ったということでございます。  したがいまして、二〇一一年のガイダンスは、各国の対応が分かれる中での中立的な立場からその表現を取った。それから、二〇一二年の新しいガイダンスには御指摘のようにそういう表現はないわけでございますけれども、それは、導入国が多数になって効果も明らかになったので導入をIMOとしても支援する、入れることを決めた国に対して、どういうふうに要件を、いわゆる国際標準を提供すると、そういう立場になったということでございます。補足させていただきます。  それから、委員、今御指摘ございました対象となる船舶の話でございますけれども、対象船舶の要件といたしましては、まず、原油その他の国民生活に不可欠で輸入に依存する物質を輸送する船舶としております。また、海賊行為の対象となるおそれが大きいハイリスク船であることも要件としています。具体的には、速力が遅く、海面から甲板までの高さが低いものを考えています。こうした要件を満たすものといたしまして、我が国の船会社が中東地域との間で運航しております日本籍の原油タンカー、これを想定しております。現時点で十六隻が運航されております。
  135. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 国際商業会議所、ICCの国際海事局では、今年十月のレポートで、今、商船だけではなく、とりわけ漁船やダウ船への海賊の警戒と対策を促しています。つまり、一部の船舶の武装化が海賊行為の対象を非武装船舶に集中させるおそれが否定できないと、こういうわけであります。  ソマリア沖・アデン湾では、二〇〇八年ごろから海賊事件、これが急増し、各国が軍隊を派遣し対応したと。しかし、その結果、海賊の発生地域は、軍隊が活動していないインド洋、アラビア海の広大な海域まで拡大をいたしました。  これは大臣に聞きたいんですが、今回の法案、民間武装警備員の乗船について、衆議院の審議でも、あくまで対症療法的な措置だと、こういう答弁がありました。  今政府がやるべきは、国際社会と連携して、ソマリアにおいて外国漁船による違法操業や有害廃棄物の不法投棄を取り締まるための対策であり、根本問題であるソマリアの紛争と貧困を解決するための外交努力と民生支援だと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。
  136. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) 現実に今モンスーンが終わって、本当にどうなるだろうということで準備をしたり対応したりと、出港するときの緊迫感、そういう中でこの数年、あそこを航行する船舶が、そして危機感の中であそこを走行し、それを世界こぞって対応するということで、アデン湾を中心にして対応しているがゆえにそうした事案が減ってきているというのが私は現実だろうと思います。それへの対処というのは極めて重要なことです。  先ほど私はまた答弁しましたが、なぜそうした貧困を始めとする事案の中でこうした海賊が発生するのかということは、それはそれとして長期にわたってやらなくてはいけない。日本が二〇〇七年から全部で二億九千万ドル出して、民生の安定が大事であるという観点に立って外交努力もしているというのが実態だろうと思います。
  137. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 辰已孝太郎君、時間が来ておりますので。
  138. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 はい。  ソマリアの紛争と貧困を解決するための外交努力と民生支援なくして海賊問題は根本的に解決をしないと考えます。自衛隊の派遣や民間船舶の武装化など、力で対抗するやり方は厳に慎むべきであるということを述べて、私の質問を終わります。
  139. 室井邦彦

    室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。よろしくお願いいたします。  大臣、先日はどうも御苦労さまでございました。大臣のお言葉に島民の皆さん方は勇気付けられておりました。御報告を申し上げておきます。  早速質問をいたしますが、海上保安庁、自衛隊によるそれぞれの武装警備に、またさらに、民間の武装警備員の乗船を認めるということは海賊を抑止する効果が更に高まる、このように期待をしております。マラッカ海峡におけるほとんどの海域は、シンガポール、マレーシア、インドネシアといった沿岸国の領海内に当たる、そういう状況の中で、沿岸国による対応を待たざるを得ないという状況、環境でもございます。  ソマリア沖海賊事件のような、身の代金目当てに乗組員を長期拘留する乗っ取り事件はほとんどなく、ほとんどが物品などの強奪を目的としたものと聞いております。この二〇一二年に東南アジアで発生した海賊などの事案件数は百四件と聞いております。前年度比二十四件増加と、三年連続して増加しているというように報告を聞いておりますが、日本関係船舶の被害はマラッカ海峡を中心とする東南アジア周辺海域でも発生をしておると。先ほど来、それぞれ委員の御質問にもありましたけれども。  そこで、このマラッカ海峡における海賊行為への対処に関して、関係国の海上保安能力ですね、関係国の、向上がまず必要と考えます。そして、海上保安庁では、これまでどういう、そういう国々に支援また協力を行ってきたのか、お聞かせ願えませんですか。
  140. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。  一九九〇年代の東南アジアでの海賊事案の増加を受けまして、二〇〇〇年、平成十二年になりますが、我が国が主導しまして海賊対策国際会議を実施し、アジア海賊対策チャレンジ二〇〇〇を採択いたしました。これを受けまして、二〇〇〇年以降これまで、巡視船を延べ三十回、航空機を延べ十七回東南アジア各国に派遣し、現地の海上保安機関との連携訓練等を通じ、能力の向上のための支援を行ってきております。  また、二〇〇四年以降、海上保安庁の提唱により、ほぼ毎年、アジア海上保安機関長官級会合を開催し、アジア地域の海上保安機関の長官級が一堂に会し、海賊等への対策や能力向上に関する分野について地域的な連携強化を図っております。  さらに、関係国の海上保安能力の向上支援のため、インドネシア、フィリピン、マレーシアへの専門家の派遣、関係国の合意に基づき設立された情報共有センターへの職員の派遣を行っているほか、外務省、JICAと協力して東南アジア各国等の海上保安機関の職員を我が国に招聘し、海上犯罪取締り研修やASEAN地域海上保安幹部職員セミナー等を行っております。  海上保安庁といたしましては、御指摘のとおり、関係国の海上保安能力の向上は必要不可欠と考えておりますので、このような協力、支援を引き続き行ってまいる所存でございます。
  141. 室井邦彦

    室井邦彦君 ありがとうございました。  佐藤さんは制服組というふうにお聞きをしておりますから、あえて少し御報告を申し上げたいんですが、私は、政務官をさせていただいているときに、海上保安庁を担当させていただいておりました。十次から十三次、四回にわたって、若い保安官たちがソマリア沖・アデン湾に命を受けて出発をされるときに、平均八人から十人まででしたか、政務官室に来られまして、今からいよいよ任務に就きますという報告に来られます。私も、若い人たちでありますから、一人一人握手をして、よろしくお願い申し上げますというふうに手を私の方からぐっと握って、そういう儀式が終わるわけでありますけれども、それから月日が流れ、半年たちます。そして、任務を遂行して帰ってまいりましたということで、また政務官室に御報告に来られます。そのときに、出発のときの私は彼らの目を見て頑張ってくださいと、こうするんですけれども、彼らが半年後帰ってきたときに、逆に私をぐっと見て、彼らの方からぐっと握手をされてこられるんですよね、こっちが圧倒されるような。この人たちは、命を張って、そうして厳しいところで船舶を守り、日本のために頑張ってきたんだなと。彼らが、もう体からその誇りと自信がにじみ出てきたんですよね。本当に頼もしく私は思いました。  これからも、そういう若い保安官たちがそういう任務に就いて、この日本の国を守っていくという気概というか、非常に私も感激いたしましたけれども、どうかまたこれを機会に、もう政務官という立場ではございませんので、皆さん方とお会いする機会はほとんどございませんけれども、是非また激励をしていただき、またそういう機会も近々あるようでありますので、また私も楽しみにしております。今後とも、よろしく御活躍を、日本経済安定のためにも頑張っていただけますように、お願いを申し上げます。  続いて御質問させていただきますが、これももうソマリア周辺海域の海賊、又は発生海域が非常に広範囲に広がってきている、このように聞いておりますが、二〇〇九年まではアデン湾を中心としていましたが、現在ではインド洋の西半分、そして紅海南部、ソマリア東岸、沿岸などに、全域がソマリア海賊の出没する海域、このようになっておりますが、先ほども海事局長から出ておりましたけれども、ロケットランチャーなど重火器武装をし、船員を人質に取って身の代金を要求する事案が多く、身の代金の金額は数億円に上ることもある、このような被害は深刻であります。  日本船舶警備特措法案は、海賊多発海域と日本船舶に限定し、民間警備員による警備を実施することができると、こう聞き及んでおりますが、今回の特措法案は公的武装警備だけでなく民間武装警備により実施しようとしておりますが、これで海賊対策として十分なのか、御説明をいただきたい。例えば、フランス、イタリア、オランダではもちろん公的武装警備による対応を取っているということでありますけれども、どうでしょうか、御説明いただけるでしょうか。
  142. 野上浩太郎

    ○副大臣(野上浩太郎君) 近年になりまして、商船に民間武装警備員を乗船をさせることが海賊の乗っ取り防止に非常に有効だということが認識をされてきました。これを受けてIMOは、民間武装警備員を乗船させるための国際的なガイダンスを平成二十四年の五月に取りまとめたというのも先ほどお話があったとおりであります。また、民間武装警備員乗船中の船舶が海賊に遭遇したいずれの事案でも、この警備員存在ですとか小銃の顕示ですとか、あるいは警告射撃等々で海賊は退散したと報告されておりまして、乗り込まれたケースや乗っ取りにまで至ったケースというものはないと承知をいたしております。  これらを踏まえて、我が国においても早期な法案化ということを進めることとしたものであります。また、本法律案も先ほど話のありました国際的なガイダンスに沿って策定をしているということでありますので、現在の海賊対処としては十分な体制を確保できると考えております。  なお、民間武装警備員は一般にチームリーダーを指揮者として四名一組で乗船をしておりまして、小銃を所持をして警備を行うということだというふうに承知いたしております。
  143. 室井邦彦

    室井邦彦君 ありがとうございます。  続いて質問をいたしますが、ソマリア周辺海域のみならずアフリカギニア湾でも海賊被害が増加傾向にある、このように聞いておりますが、タンカーが海賊に襲撃をされ、積荷のガソリンが強奪されたり、船員が殺害される事案も発生していると言われております。  この法案では民間武装警備員による特定警備の対象をソマリア周辺海域に限定するようでありますが、ギニア湾での海賊対策として同海域を特定警備の対象として指定する必要はないのかどうか、御説明をいただければ。
  144. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  海賊多発海域は銃刀法の特例として小銃を用いて特定警備の実施を認める海域でございますので、真に特定警備が必要な海域を定める必要がございます。このため、海賊が多発する海域といたしましては、IMO、国際海事機関が定めたハイリスクエリアを前提といたしまして、一つには銃を所持、使用しなければならないほど危険性が高い海域であるかどうか、またもう一つは、ふだんから日本船舶が航行しており、この日本船舶の警備を実施する必要性が高い海域であるかどうか等を考慮して定めることとしております。  御指摘の西アフリカギニア湾でございますけれども、海賊は発生しておりますが、日本籍船であって海賊行為の被害を受けやすい船舶はほとんど航行していないと承知しております。また、IMO、国際海事機関もこの海域をハイリスクエリアとして指定をしておりません。このため、現時点におきましてこの法律案の対象海域にギニア湾を含めておりません。
  145. 室井邦彦

    室井邦彦君 ありがとうございます。  続いて、海賊対処に当たって質問いたしますが、武器使用をどのように位置付けるかという問題がまずあると思います。  停船信号などの警告措置を欠いて船舶への武器使用が行われたサイガ号事件について、国際海洋裁判所は、船舶の拿捕における武器の使用は可能な限り避けること、使用する場合も合理的かつ必要な限度内でなければならないこと、国際的に承認された停船信号などの警告措置をとることが必要である、こう判断をしております。  この法案においては、武器使用の必要性について誰が判断を行うのか、また武装警備員はどのような限度まで武器使用できるようになっているのか、最後に御質問をして終わります。
  146. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。  まず、民間武装警備員武器を使用する前に、その武器を携帯させることについての承認が必要となってまいります。民間武装警備員は、小銃を携帯しようとする場合には船長に携帯を申し出、船長がその必要があると認めたときに限り携帯を開始できることとなっております。  次に、実際の小銃の使用につきましては、民間武装警備員が判断して使用することとなりますが、先ほど来説明しておりますように、国際的なガイダンスをも盛り込んだ法案の第十五条各項の規定により、人命、財産への被害等を考慮し、段階的に行わせることとなっております。具体的には、接近してくる海賊船に対しまして、まず、武器以外の手段を用いた警告を行った後、小銃の顕示、小銃の構え、あるいは上空又は海面への発射を段階的に行います。それにもかかわらず海賊行為を諦めずに接近するような場合には、自己又は乗船者の生命又は身体を防護するために必要なときは相手船に対して射撃を行うことが可能であります。この場合において、自己又は乗船者に対する急迫不正の侵害があるときには海賊に対しても危害射撃を行うことが可能となっております。
  147. 吉田忠智

    吉田忠智君 社民党・護憲連合の吉田忠智です。  本法案は、海賊が多発する海域を航行する日本籍船において小銃を所持、使用する民間武装警備員の乗船を認めるものであります。  我が国は、諸外国に比べて銃器の所持、使用に極めて慎重な法体系を有しており、これに対する国民的なコンセンサスも存在しています。こうした中で、本法案は、国内法の適用のある場所で民間人による銃器の所持、使用を認める初めての法律であり、慎重な議論が必要だと考えます。これまでの政府内での議論はどのようなものだったのでしょうか。
  148. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) 委員御指摘のとおり、本法律案は、我が国の法令が適用される領域におきまして初めて自衛のための民間人による武器の所持、使用を認める法律でございます。このため、本法律案の検討に当たりましては、銃器の適正な所持、使用や国内への銃器の流入、拡散防止を徹底するため、関係省庁間で慎重な議論を行ってまいりました。具体的には、小銃を用いた警備を認める海賊船舶の考え方、警備会社、警備員の適格性の確保の方法、小銃の使用基準、国内への流入防止策等について慎重に議論をしてきたところでございます。
  149. 吉田忠智

    吉田忠智君 民間海上警備会社はいわゆる民間軍事会社の海上部門であることも多く、本法案民間軍事会社の我が国における社会的な認知につながることは否定できません。  民間軍事会社は、戦争の低強度化、軍事のアウトソーシング等により存在感を増す一方で、イラクにおける二〇〇九年の市民虐殺やアブグレイブ収容所の拷問事件など、国際的にも規制が求められている存在であります。民間軍事会社については、まだまだ国民的な議論がなされておりませんが、憲法を頂点とする我が国の法秩序においてどのような位置付けになるのか、大臣、お伺いをしたいと思います。
  150. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) 民間企業が行っている軍事業務については、国交大臣としてはお答えする立場にはないと思いますが。  今回の法律案はソマリア海賊に対応するもので、民間武装警備会社の活用については、これまでの各国の船への乗船実績によってその有効性が明らかになっておりまして、これまでのところ深刻なトラブルも発生していない状況です。国際海事機関もこのような現状を踏まえて昨年五月に先ほどから出ているガイダンスを合意しており、本法律案はこれを踏まえて作成したものです。  我が国が武器の使用ということについては非常に厳しい制限をしているということはよく御指摘のとおり、私もそういう考えは持っておりますけれども、今回についてはそうした制約条件もしっかり踏まえた上で対応すると。日本籍船や乗務員の安全確保を図る責務を有する国交大臣としては、凶悪な海賊からの脅威に対して民間武装警備会社を活用することは適切であると、こういう考え方を持っております。
  151. 吉田忠智

    吉田忠智君 衆議院では、自衛隊OBによる国産警備会社の育成を提案する質問も出る中、民間軍事会社をどのように考えるか国民的な議論が必要であります。  対象海域はソマリア沖・アデン湾と言われておりますが、法律上は具体的な地名は規定されておりません。国交省は、国際的に設定されたハイリスクエリアを前提に、一、海賊の手口の悪質性、二、日本籍船の航行実態により判断すると説明していますが、政令の対象海域が拡大する懸念はないのでしょうか。
  152. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  政令指定海域の問題でございますけれども、海賊多発海域は銃刀法の特例といたしまして小銃を用いた特定警備の実施を認める海域であるため、真に特定警備が必要な海域を定める必要がございます。このため、海賊が多発する海域といたしまして、IMOが定めたハイリスクエリアを前提としつつ、一つには、銃を所持、使用しなければならないほど危険性が高い海域であることが必要です。例えば、東南アジア地域で発生している海賊武装強盗事案につきましては、刃物を用いて乗員が所持する金品、船舶の備品等を奪取する事案がほとんどとなっております。  また二番目に、ふだんから日本船舶が航行しておりまして、警備を実施する必要性が高い海域であることが必要でございます。例えば、先ほど申し上げましたように、西アフリカギニア湾におきましては、海賊は発生しておりますが、日本籍であって海賊行為の被害を受けやすい船舶はほとんど航行しておりません。このため、現時点においては、海賊多発海域はハイリスクエリアの全て及びスリランカ沖を含めた海域とする予定でございます。  以上説明申し上げましたような趣旨を踏まえて、適切に運用してまいりたいと思っています。
  153. 吉田忠智

    吉田忠智君 次に、船長船員法に基づき、指揮命令権、航海の安全確保、船内の秩序維持等の職務権限を有しています。現場の船員の皆さんからは、航海の安全確保のために必要とする御意見とともに、これまでの船長をトップとする船員秩序が崩れるのではないかとの懸念もお聞きします。  これまでの船長をトップとする船員秩序が崩れることはないのか、特に小銃の所持、使用等について、船長の役割はどのようなものになるのか、伺います。
  154. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  船長は、船員法に基づきまして、船内秩序維持のための責務と権限を有しております。この法律案におきます特定日本船舶にも船員法は適用されますので、船長がこの船内秩序維持の責務と権限を有していることに変わりはございません。このため、特定警備従事者に対しましても、例えば船長は船内の安全確保等のために必要な命令を行うことができます。  このような船長の立場を踏まえまして、本法律案におきましては、小銃等の保管につきましては、海賊行為に対応する場合等を除きまして船長に委託しなければならないこととしておりまして、また、小銃の亡失時等の届出という制度を設けておりますけれども、これも船長の義務としております。さらに、特定警備従事者が小銃等の積卸し、携帯を行う場合には、船長の確認、これを要することを実施要領におきまして定めていく予定でございます。
  155. 吉田忠智

    吉田忠智君 次に、冒頭述べました民間軍事会社に対する規制が必要であるとの問題意識から、民間海上警備会社についても、先ほどから御議論がありましたけれども、二〇一二年五月にIMOによる暫定ガイダンスが作成されております。特定警備実施要領、特定警備計画、特定警備実施計画の策定に当たってはこれらの国際スタンダードが反映されるべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、特に民間武装警備員の適格性について、法令知識面での確認は技能面よりも困難ではないかと考えますが、国交省として具体的にどのように確認するのでしょうか。
  156. 森重俊也

    政府参考人(森重俊也君) お答え申し上げます。  海上での民間武装警備会社につきましては、委員御指摘のように、二〇一二年五月、IMOの海上安全委員会におきまして、民間武装警備会社に関する暫定ガイダンスが合意されております。このガイダンスにおきまして、民間武装警備会社は、旗国、寄港国及び沿岸国の適用法令を理解することが推奨されております。  この法律案におきましては、このガイダンスを反映という観点から、このガイダンスの内容も踏まえまして、特定警備従事者につきまして、我が国関係法令や小銃の取扱いに関する知識、技能を確認し、適格性を確保することとしております。特に、我が国の関係法令、こうした法令や小銃の取扱いに関する知識については、特定警備従事者に対する試験を行うことによりまして適切に確認することとしております。
  157. 吉田忠智

    吉田忠智君 ありがとうございました。  以上で質問は終わりますけれども、海上限定、しかも警察活動に類似した警備に限るということで、国交省とすれば慎重に検討を重ねた結果であろうとは評価をしております。しかし、本法案が民間警備会社に社会認知を与えることは否定できません。憲法九条と厳格な銃規制を有する我が国の法的、社会秩序に対する影響などについて、有識者会議などによる国民的議論を経ることなく政府部内の検討のみで法制化されたことは不十分であり拙速であると言わざるを得ません。このことを強調して、質問を終わります。  ありがとうございました。
  158. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  159. 辰已孝太郎

    ○辰已孝太郎君 私は、日本共産党を代表し、海賊多発海域船舶警備法案に反対の討論を行います。  法案に反対する最大の理由は、ソマリアの海賊問題は軍隊の派遣や民間船舶の武装化で解決できるものではないということです。海賊事件が急増した二〇〇八年ごろからソマリア沖・アデン湾に各国が軍隊を派遣し、日本政府も二〇〇九年以降、自衛隊を派遣してきました。しかし、こうした対応は、事件の発生場所を軍隊が活動をしていない海域に広域させただけでありました。このことは、武力による対応では海賊問題を解決することができないということを示しています。政府自身、答弁の中で、ソマリアの海賊根絶のためには、ソマリアの安定、民生の安定が根本的解決として必要であり、今回の法案が対症療法的な措置と答弁しているわけであります。  武力をもって事件の発生をしのぐだけでは問題の解決にはなりません。そのような中で、民間警備会社という軍隊の出身者で構成される武装集団を一般船舶に乗船させるという今回の法案は、海賊行為の対象を非武装船舶に集中させる事態すら招きかねません。ソマリア海賊問題の大本には、外国漁船による違法操業、有毒廃棄物の不法投棄の横行、欧米列強や隣国エチオピアによる植民地分割支配、独立後の米ソによる援助競争やアメリカ主導の国連平和強制部隊の派遣など、外部勢力による恣意的な介入があります。  政府に対し、国際社会と連携してソマリアの再建に向けた支援に本腰を入れて取り組むことを求めて、討論を終わります。
  160. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党護憲連合を代表して、反対の理由を述べます。  法案は、二〇一二年のIMO、国際海事機構暫定ガイダンスに準拠し、民間武装警備員の乗船に当たっての小銃管理、特に国内への小銃の流入防止、小銃使用に当たっての比例原則など、国内法との整合性など一定の配慮が見られます。しかし、真に必要ならば、過酷な勤務でありますけれども、警察活動を担う海上保安庁による公的ガードによるべきです。  我が国には、諸外国と比べ、銃器に関する極めて厳格な法体系とこれに対する国民的なコンセンサスが存在します。本法案は、国内法の適用のある場所で民間人による銃器の所持、使用を認める初めての法律です。国民生活にとって重要と認められれば小銃を備えた民間武装警備員の配置が許されるのであれば、国内の他の施設への武装警備への導入も懸念されます。  民間海上警備会社は民間軍事会社の海上部門であることも多く、本法案民間軍事会社の我が国における社会的な認知につながることは否定できません。民間軍事会社については、二〇〇〇年前後に英国の民間軍事会社がソマリアの海賊を訓練したと指摘されるほか、二〇〇九年イラクでの市民虐殺やアブグレイブ収容所の拷問などが問題になり、二〇〇八年のモントルー文書の策定や国際行動規範、ICOCの検討など、国際的に規制が求められています。国内においても、自衛官OBを組織して国産の民間軍事会社を育成すべきだとか、逆に自衛隊を効率化して民間軍事会社にアウトソーシングすべきとの議論もあります。ほかにも、対象海域が恣意的に拡大しないか、民間武装警備員の乗船が海賊の更なる重武装化を招かないか、船長をトップとする船員秩序が崩れるのではないか、民間武装警備員の適格性を確保し、小銃の所持、使用を適正化できるのかなど、懸念が払拭されておりません。  海賊行為の禁止は全世界が求めるところであり、国際社会協力しながら毅然と対処すべきです。平和憲法を持つ日本は、一、ソマリアの政治的安定、二、ソマリアとイエメン等の湾岸警備隊支援、三、海賊国際ネットを絶つための組織犯罪対策、四、先進国漁船団によるソマリア沖違法操業や産業廃棄物海洋不法投棄の規制にこそイニシアチブを発揮すべきです。  国交省の慎重な対応は一定評価いたしますが、第一に、国内法体系において民間人の銃器による武装を認める初めての法律であること、第二、民間軍事会社社会的な認知につながることに鑑みて多面的な検討が必要であったにもかかわらず、政府内での議論しかなされず、有識者を含めた検討会の設置もなかったことは極めて問題であると指摘して、本法案に反対の討論といたします。
  161. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  162. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  163. 藤本祐司

    ○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十分散会