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2013-11-27 第185回国会 参議院 本会議 10号 公式Web版

  1. 平成二十五年十一月二十七日(水曜日)    午前十時六分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第十号   平成二十五年十一月二十七日    午前十時開議  第一 安全保障会議設置法等の一部を改正する   法律案(第百八十三回国会内閣提出、第百八   十五回国会衆議院送付)  第二 裁判官の配偶者同行休業に関する法律案   (内閣提出、衆議院送付)  第三 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び   高等学校等就学支援金の支給に関する法律の   一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送   付)  第四 交通政策基本法案(内閣提出、衆議院送   付)  第五 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置   法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の   入港禁止の実施につき承認を求めるの件(第   百八十三回国会内閣提出、第百八十五回国会   衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、特定秘密の保護に関する法律案(趣旨説明   )  以下 議事日程のとおり      ─────・─────    午前十時六分開議
  2. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  特定秘密の保護に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣森まさこ君。    〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
  4. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) ただいま議題となりました特定秘密の保護に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを……(発言する者あり)
  5. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 静粛に願います。
  6. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君)(続) 目的とするものであります。  次に、この法律案の内容について、その趣旨を御説明いたします。  第一に、行政機関の長は、当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものを特定秘密として指定するものとしております。  第二に、特定秘密を保有する行政機関の長は、他の行政機関が我が国の安全保障に関する事務を遂行するために当該特定秘密を利用する必要があると認めたときは、当該特定秘密を提供することができるものとしております。  第三に、特定秘密の取扱いの業務は、原則として、適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者でなければ行ってはならないものとしております。  第四に、この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分配慮しなければならないとしております。  第五に、特定秘密の取扱いの業務に従事する者であって、その業務により知得した特定秘密を漏らしたもの等に対する所要の罰則を設けることとしております。  第六に、自衛隊法の防衛秘密に関する規定を削除するため自衛隊法の一部を改正するとともに、特定秘密の保護に関し、施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を内閣情報官に掌理させるため、内閣法の一部を改正するものとしております。  以上のほか、所要の規定を整備するものとしております。  なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとしております。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でございますが、この法律案は衆議院におきまして一部修正が行われております。  第一に、安全保障の定義及びこれによる特定秘密の範囲の限定についてであります。  安全保障を「国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障すること」と定義することにより、特定秘密の範囲を安全保障に関するものに限定することとしております。  第二に、特定秘密を指定することができる行政機関の限定についてであります。  内閣総理大臣が我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理に関する有識者の意見を聴いて政令で定める行政機関の長は、特定秘密の指定を行わないものとしております。  第三に、指定の有効期間の延長の上限についてであります。  指定の有効期間は、指定に係る情報を公にしないことが現に我が国及び国民の安全を確保するためにやむを得ないものであることについて、その理由を示して、内閣の承認を得なければ、通じて三十年を超えることができないものとすることとしておりますが、指定の有効期間を、通じて三十年を超えて延長することができる場合であっても、特に秘匿性の高い情報として限定列挙するものを除き、指定の有効期間は、通じて六十年を超えることができないものとすることとしております。  第四に、国立公文書館等への移管についてであります。  行政機関の長は、指定の有効期間を、通じて三十年を超えて延長することについての内閣の承認が得られなかったときは、その情報が記録された行政文書ファイル等の保存期間の満了とともに、これを国立公文書館等に移管しなければならないものとすることとしております。  第五に、特定秘密の提供の義務についてであります。  公益上の必要による特定秘密の提供に関する規定について、「提供することができる」から「提供するものとする」とするとともに、国会に対して特定秘密を提供する場合には、国会において定める措置が講じられるものとすることとしております。  第六に、特定秘密の指定等の運用基準の作成、運用状況の報告等についてであります。  内閣総理大臣は、特定秘密の指定等の実施に関する基準を定め、また変更しようとするときには、有識者の意見を聴いた上で、その案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすることとしております。  そして、内閣総理大臣は、毎年、特定秘密の指定等の実施の状況を有識者に報告し、その意見を聴かなければならないものとすることとしております。  また、内閣総理大臣は、特定秘密の指定等の実施が基準に従って行われていることを確保するため、必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出及び説明を求め、並びに改善すべき旨の指示をすることができるものとしております。  第七に、国会への報告等についてであります。  政府は、毎年、有識者の意見を付して、特定秘密の指定等の実施の状況について国会に報告するとともに、公表するものとすることとしております。  第八に、取得罪の目的犯化についてであります。  違法行為等による特定秘密の取得については、外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的で取得した者に限り処罰するものとすることとしております。  第九に、特定秘密の指定、適性評価の実施等を行う行政機関に関する経過措置についてであります。  施行日から起算して五年を経過する日までの間、特定秘密を保有したことがない行政機関として政令で定めるものを、特定秘密の指定、適性評価の実施等を行う行政機関から除外することとしております。  第十に、指定及び解除の適正の確保についてであります。  政府は、行政機関の長による特定秘密の指定及びその解除に関する基準等が真に安全保障に資するものであるかどうかを独立した公正な立場において検証し、及び監察することができる新たな機関の設置その他特定秘密の指定及びその解除を適正に確保するために必要な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講じるものとすることとしております。  第十一に、国会に対する特定秘密の提供及び国会におけるその保護措置の在り方についてであります。  国会に対する特定秘密の提供については、政府は、国会が国権の最高機関であり各議院がその会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有することを定める日本国憲法及びこれに基づく国会法等の精神にのっとり、この法律を運用するものとし、特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、国会において、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。  第十二に、別表に掲げる事項の明確化についてであります。  別表に挙げる事項のうち安全保障、特定有害活動の防止及びテロリズムの防止に関しそれぞれ収集した情報について、「その他の重要な情報」という文言を削り、より明確な表現に置き換えるものとしております。  これらのほか、所要の規定を整理することとしております。  以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)     ─────────────
  7. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。宇都隆史君。    〔宇都隆史君登壇、拍手〕
  8. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  私は、参議院自民党を代表して、ただいま議題となりました特定秘密の保護に関する法案等に対し質問をいたします。  第二次安倍政権が誕生し、安全保障政策に関して、これまで止まっていた時計の針が確実に動き始めたのを日々実感いたします。日本を取り戻すことに対し、国民が強い支持をしている今こそ、主権者の代表者たる私たち国会議員は、与野党の垣根を越えて、日本の国益を守るためという一点において結束し、国家の重要法案の成立に向けて建設的な議論を重ね、その成立に全力を傾注しなければなりません。  我々参議院自民党は、与党としての法案成立に万全を尽くすと同時に、送られてきた法案に対し、議論を通じて残された問題点を吟味し、より洗練されたものとして法案の最終的な成立を実現する使命を帯びています。残された短い会期の中での法案成立が、国民から成立ありきの拙速な審議とのそしりを受けぬよう、参議院各会派の議員の皆様にも、引き続き、建設的、積極的な国会論戦をお願い申し上げます。  では、質問をいたします。  本法案に対しては、海外の有識者や我が国の国民の間にもいまだ様々な不安や懸念の声があることを政府としては真摯に受け止めなければなりません。不安や懸念の根源は、なぜ現行法では不十分なのか、安全保障上の観点から本法案の成立が不可欠な理由が国民に対し説明し切れていないからではないでしょうか。  第一に、本法案は、日本の主権や国民の安全を守るために必要不可欠であるということです。安全保障にかかわる特定の情報を政府が適切に管理することは、一見、個人の知る権利の侵害のようにも映りますが、国民全体の安全を確保するためには、情報管理に対する一定のルールと秩序が必要であるということを国民に対し正面から訴えなければなりません。  第二に、各国から信頼され、尊敬される日本の外交を取り戻すためには、国のリーダーである総理大臣に重要な情報を集約させ、事態に応じた即時即応の国のかじ取りを行う必要があります。しかし、現行法では政治家の秘密漏えいには罰則規定がなく、国家の安全保障にかかわる重要情報は適時適切に必要とする政治家に提供されない可能性があるのが現状です。正しい文民統制を維持するためにも、主権者の代表者たる政治家に対し適切に情報が提供される必要があります。  第三に、それぞれの行政機関において情報保全措置に差があり、互いに情報を共有し合える体制になっていないという問題です。本法案は、省庁間に共通した情報管理のルールを定めることで、情報の縦割りの垣根を取り払い、外交・安全保障政策の推進に政府一丸となって取り組めるようにするものです。  本法案の意義を改めて総理の言葉で国民に示していただきたいと思います。  次に、特定秘密の範囲について伺います。  本法案に関する大きな誤解の一つは、この法案によって、これまで公開されていた一般に知り得る情報が新たに特定秘密に指定されるわけではないという点です。  この法律で特定秘密に指定される情報は、現在でも既に各行政機関において秘密の指定がなされている情報であり、その中でも安全保障にかかわる一部を新たに特定秘密として共有化し、その保護を強化するものです。国民の懸念を払拭するためにも、国民の知る権利の範囲が今まで以上に狭められるわけではないということを国民に正しく説明する必要があると考えますが、総理の見解を伺います。  また、政府に都合の悪い情報を恣意的に指定し隠蔽を図る行為は、特定秘密を漏えいする行為と同様に罪が重いと考えますが、政府の恣意的な隠蔽に関する罰則規定等の必要性について、総理にお考えを伺います。  次に、本法案では、特定秘密を指定できる行政機関は、原則全ての行政機関ということになっております。しかし、安全保障上必要な情報を内閣官房、防衛省、外務省、警察庁以外の行政機関が取り扱うことがあるのでしょうか。国民の中には、無秩序な特定秘密の指定を懸念する声があります。そのような心配を払拭するためにも、上記以外の省庁が扱う情報で、本案別表に該当する事項にはどのようなものがあるのか、具体的に御説明ください。  情報管理の必要性は多くの国民が理解をしています。しかし同時に、政府が管理する秘密は一定期間を経た後に主権者たる国民に公開され、後世の検証を可能とするルールを策定することこそが、成熟した民主主義社会を維持するための基本原則であるという有識者の声も少なくありません。  本法案の修正協議において、四条に規定する七項目に関する以外の情報は、通算六十年を超えて延長することができず、また、通算三十年を超えた延長については、内閣の承認が得られなかった場合、保存期間終了後、全て国立公文書館等に移管するとの修正がなされたことは、知る権利とのバランスを保つ上で評価に値するものと考えております。  安全保障会議設置法案の審議の中においても、後世の検証を可能とするための議事録の作成に関しては、総理も前向きに検討する旨の答弁をなされましたが、当時代の政治家や行政職員の英知を知的財産として後世に受け継ぐ必要性とそのための手法について、総理のお考えをお聞かせください。  本法案に反対する意見の中には、原発事故の情報が公開されなくなる、普通の人がある日突然逮捕されるといった、無知から生じる荒唐無稽な批判もありますが、日本ペンクラブの浅田次郎会長の、今は大丈夫でも、後世のカリスマ権力者にとって最大の武器となり、悪用される可能性は高いとの意見は傾聴に値すると思います。時代の権力者は、常に安倍総理のような強い正義感と深い見識に満ちたリーダーばかりとは限りません。  本法案の第十九条では、政府は、毎年、有識者会議の意見を付して、特定秘密の指定、解除及び適性評価の実施状況について国会報告をし、公表することとの修正がなされました。行政機関の行う特定秘密の指定に対し、国権の最高機関である国会がそのチェック機能を果たすことは、専制政治から民主主義を守る上で大きな意義があると評価します。  しかし、何が特定秘密に指定されているかのチェックに対しては、国会における保護措置、つまり秘密会の制度が確立されない限り機能はいたしません。国会における秘密会制度の確立は急務だと思われますが、総理の御見解はいかがでしょうか。  次に、知る権利と国防の責務の関係について質問をいたします。  私は、前職の自衛官時代、権限と責任の関係を、始めから権限が存在するのではなく、その職の責任に応じて権限が与えられ、それと同時に権限と同程度の義務を負うと習いました。このことは、知る権利も同様で、生まれながらにして何人たりとも全ての情報を国から知り得るべき権利を保有しているとは考えられないのではないでしょうか。  特に、本法案の別表に掲げられる安全保障にかかわるような情報は、それを扱う責務を有する立場の政治家や行政職員に限定して提供されるべきであり、それと同時に重い責任と義務を背負うのが当然です。情報管理の分野では、これをニード・ツー・ノウの原則とも言います。本法案二十一条において十分に配慮するとされている国民の知る権利及び報道の自由と、このニード・ツー・ノウの原則のあるべきバランスについて、総理はいかがお考えでしょうか。  最後に、昔から、情報を制する者は世界を制すと言います。  本法案は、我が国の国益と日本国民の安全を守るため、そして我が国が先進国の一員として世界の平和と安定に貢献するため、必要不可欠な法制度です。しかし同時に、日ごろからの情報収集・分析、政策への活用という一連のスムーズな活動がなされなければ、国の存続や地域の安定は図れません。そのためには、防衛省、外務省を中心とした情報にかかわる人的基盤を今まで以上に育成強化していく必要があります。  本年度に策定される予定の国家安全保障戦略や防衛計画の大綱において、情報機能に対してはより具体的な事項を明記するとともに、来年度の予算策定においては、情報分野における人員の一層の拡充に対し、総理の特段の御配慮を心よりお願いを申し上げ、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  9. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 宇都隆史議員にお答えをいたします。  本法案の意義についてのお尋ねがありました。  外国との情報共有は、情報保全が確立されていることが前提であり、また、政府部内の情報共有が促進され、特に安全保障会議の審議がより効率的に行われるためには、秘密保護に関する共通ルールの確立が不可欠です。しかしながら、これまで防衛分野以外の安全保障に関する秘密については一般的な国家公務員法の守秘義務の定めしかなく、また、適性評価等について規定する法律が存在しませんでした。  本法案は、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定め、その漏えいの防止を図るものであり、これにより我が国及び国民の安全を確保できるものと考えます。  本法案と国民の知る権利との関係についてお尋ねがありました。  特定秘密は、従来から秘密として扱われている情報のうち特に秘匿を要するものを指定するものであり、従来の秘密の範囲を拡大するものではありません。  国民の知る権利が憲法第二十一条の保障する表現の自由と結び付いたものとして十分尊重されるべきことは当然のことであり、本法案第二十二条では、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分配慮しなければならないとの明文の規定を置くなど、知る権利を十分尊重しつつ、特定秘密の保護を図ることとしております。知る権利が狭まることはありません。  情報の隠蔽に関する罰則規定の必要性についてのお尋ねがありました。  本法案では、特定秘密は、法律の別表に限定列挙された事項に関する情報について、外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて大臣等の行政機関の長が指定することとしており、特定秘密の恣意的な指定が行われることがないよう重層的な仕組みを設けております。  本法案に従って特定秘密の指定を行うことは当然のことであり、本法案に定める要件に適合しない情報を特定秘密に指定した者を罰する旨を改めて規定する必要はないと考えます。本法案が成立した際には、その規定に基づき適正な運用を行ってまいります。  内閣官房、防衛省、外務省、警察庁以外の行政機関が取り扱う情報についてのお尋ねがありました。  御指摘の、行政機関以外の行政機関が取り扱う情報で別表に該当する事項に関する情報としては、例えば海上保安庁や公安調査庁が情報収集活動を行っているテロリズムに関する情報があります。  政府の活動等を後世に受け継ぐ必要性等についてお尋ねがありました。  時々の政権は、その諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務を負っており、そのために必要な記録を残すことは重要なことであります。本法案により、特定秘密が記録された文書についても、公文書管理法の適用を受け、歴史資料として重要な文書は国立公文書館等に移管され保存されることとなります。  国会における秘密の保護措置についてお尋ねがありました。  修正案により、特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、国会において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされたところであります。本法案が成立した場合には、その規定に基づき、国会において講じられる保護措置の具体的な在り方について国会において十分な御議論がなされるものと考えております。  国民の知る権利及び報道の自由と秘密の保護の必要性のバランスについてお尋ねがありました。  我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものが知る必要のない者に漏れることを防ぐことは、我が国及び国民の安全を確保する上で重要であります。  他方、国民の知る権利や報道又は取材の自由に十分に配慮することも重要なことであると認識しており、本法案では、国民の知る権利に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならないこと、また、通常の取材行為は正当業務行為として本法案の処罰の対象とならないことを明記しました。これらの規定により、秘密の保護と知る権利への配慮のバランスを考慮した運用が確保されるものと認識しております。  以上であります。(拍手)     ─────────────
  10. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 櫻井充君。    〔櫻井充君登壇、拍手〕
  11. 櫻井充

    ○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました特定秘密保護法案について質問させていただきます。  本題に入る前に、国家戦略特区法案に関して質問いたします。  この法案は、現在、参議院で審議中です。であるにもかかわらず、甘利担当大臣は、講演で民間有識者に関して言及いたしました。これは参議院軽視ではないかと思いますが、安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。  さらに、その有識者の中に竹中平蔵氏が入っておりました。彼は、郵政民営化を主導するなど、問題の多かった人物だと私は認識しております。なぜ竹中さんが有識者なのか、私には全く理解ができません。甘利大臣の御見解をお伺いしたいと思います。  では、本題に入ります。  昨日、政府原案及び自民、公明、日本維新の会、みんなの党による修正案は、審議がまだ不十分であったにもかかわらず、衆議院特別委員会で強行採決され、衆議院本会議を通過いたしました。政府・与党の乱暴な態度は極めて遺憾であると申し上げなければなりません。  さて、我々は、国家が秘密を持つという必要性は認めています。そして、その秘密を適切に管理しなければならないことは当然のことですが、一方で、国民の皆さんには知る権利があり、そのバランスを取っていくことが、このかじ取りを行っていくことが国会の役割だと、そう認識しています。  今回の政府から提出されている法案と民主党が衆議院で提出した対案では、大きく二つの相違点があります。一つは、国会と行政機関との力の関係であり、もう一つは国民の皆さんの知る権利です。  政府の原案では、行政の力が限りなく強く、また、国民の皆さんの知る権利を抑え込んでいます。一方、民主党の対案は、国会の権限を強化し、国民の皆さんの知る権利を保障しています。この点だけでお分かりいただけるかと思いますが、民主主義の原理、国民の代表たる立法府の機能という両面において、民主党の対案の方がはるかに優れているということです。  さて、現在、我が国の国家秘密は、自衛隊法で規定される防衛秘密、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法で規定される特別防衛秘密、いわゆるMDA秘密、そして、政府のカウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針に基づき運用されている特別管理秘密の大きく三つに分類されています。この国家秘密の運営管理上、問題がなかったわけではありませんが、比較的うまく運用されていたと考えています。  これまでの国家秘密の管理運営上、現在の体系にどの点に具体的に問題があり、法律改正が必要だったのか、この点について安倍総理に御説明いただきたいと思います。  また、森大臣は、十一月十四日の特別委員会の審議において、諸外国から言われてこの法案を作るわけではございません、必要に鑑みて政府としてこの法案を提出するわけでございますと答弁されています。しかし他方で、私たちの対案に対する与党のコメントで、米国当局より、防衛秘密を含めて国の安全保障に関する統一的な情報保全法を求められているという現実があるという指摘があり、森大臣の答弁とは異なっております。十分に納得いく御答弁をお願いしたいと思います。  更に申し上げれば、森大臣は、民主党案では防衛秘密、MDA秘密、特別安全保障秘密、三つの概念に分けられており、統一的な情報保全を求められているという点において問題であるとコメントしていますが、政府原案でも、MDA秘密は単独で残し、防衛秘密と特別管理秘密の一部と更に新しい領域を加えて特定秘密と定義しており、統一的な情報保全にはなっておりません。明確な御答弁をお願いしたいと思います。  次に、国会と行政の関係についてお伺いいたします。  憲法四十一条により、「国会は、国権の最高機関」であると保障されています。しかし、今回の政府の原案では、行政側が必要であると判断した場合に国会に提出できるという規定になっております。これでは、行政側の判断次第で国会に情報が提供されないことになってしまいます。  我が党がこの問題点を指摘し、一説では、伊吹衆議院議長の御指導もあって、四党の修正案では、附則に、特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護の方策については、国会において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするという記述が追加されました。政府原案よりは一歩前進とは思いますが、特定秘密を提供するかどうかを行政の長が定めるという根幹は全く変わっておりません。この法案が閣議決定されるときに、大臣の皆さんは、これが本当に立法府と行政府のあるべき姿と判断されたのでしょうか。  民主党は、この点に大きな問題点があると考え、国会法の改正案を衆議院に提出いたしました。しかし、この改正案は委員会でいまだ審議されることなく、特定秘密保護法案だけが参議院に送られてまいりました。  是非、心ある国会議員の皆さんにお願いしたいことがございます。それは、立法府が主体的に政府から秘密の提供を求めることができるようにするために国会法の改正が必要だということです。これは、与党、野党の問題ではありません。立法府と行政府の闘いなんです。是非、心ある参議院の皆さん、このことについて御賛同いただきたいと思います。  繰り返しになりますが、行政府の言いなりになるのか、国会が、すなわち主権者たる国民の代表である国会議員が行政の情報を管理するのか、極めて重要な内容です。この点に関しては、内閣総理大臣として、また国会議員たる安倍晋三衆議院議員として、それぞれの立場から御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いします。  民主党の国会法改正案では、国会側から行政機関の長に情報を提供させるようにしています。もちろん、国家機密上難しいものもあると思います。こういった場合には衆参の議長及び副議長が判断することとしており、官僚が情報をコントロールするのではなく、国会が行政をコントロールする仕組みとしております。この民主党の対案についての総理のお考えをお伺いしたいと思います。  行政によるコントロールはこれだけではございません。特定秘密の運用基準について有識者の意見を聴くこととしていますが、これは、総理が任命権者であり、NHKの同意人事で見られるように、総理がよく知っている人、共感を持つ人だけを任命することが可能です。これでは、特定秘密の範囲は時の権力者によって恣意的に広げられるおそれがあります。  民主党案では、情報適正管理委員会を設置することを提案しています。そして、この委員会の人選は、国会が指名し、それに沿って内閣総理大臣が任命するというものであり、国民の代表者が人選を行うという点で政府の提出案とは根本的に異なっております。この我が党の提案に対して、安倍総理はいかがお考えでございましょうか。  また、四党の修正案では、総理の関与を強める条文が追加されました。修正提案者によれば、総理が第三者機関的に関与するという趣旨だとのことですが、内閣総理大臣は元々行政の長であり、行政を束ねている人であります。なぜこの総理が第三者と呼べるのか、私には全く理解ができません。ここで言う第三者とは何か、そして、行政の長でもある総理大臣がなぜ第三者と呼べるのか、さらに、総理大臣御自身、内閣総理大臣が第三者的に秘密保護に関与することが可能とお考えなのか、安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。  次に、特定秘密の取扱いと公益通報者保護制度との関係についてお伺いいたします。  政府案では、心ある官僚が、ある情報に関して特定秘密には当たらないと考えた場合でも、それについて申し出る手だては規定されていません。これに対して民主党案では、先ほど申し上げた情報適正管理委員会に申し出ることを義務付けるとともに、同委員会で処理することとしています。このときの官僚からの申出は、公益通報者保護制度と同じように扱われ、申し出た官僚が不利益を被ることはありません。このシステムがあれば特定秘密の範囲が拡大されることを抑制できると思いますが、この点についての総理の御見解をお伺いしたいと思います。  次に、特定秘密の範囲に関して質問いたします。  民主党案は、防衛秘密とMDA秘密に関しては現行法を生かし、特別管理秘密の一部、すなわち外交と国際テロに関して外国の政府等との情報共有に必要かつ不可欠な情報に限定し、特別安全保障秘密と定義し法制化いたしました。このことにより、新しい制度での国家秘密は限定されます。しかし、政府案では、行政の長の判断で特定秘密を規定することができるので、恣意的に特定秘密が拡大するおそれがあります。衆議院の審議で、政府からの説明では、この法律の目的は外国との情報共有の促進でした。であるとすれば、特定有害活動や国内のテロリズムまで特定秘密の中に加える必要はなく、民主党案のように範囲を限定すべきだと考えますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。  次に、政府案と民主党案の大きな違いである国民の知る権利に関して質問いたします。  政府原案はもちろん、四党の修正案によっても国民の皆さんの知る権利は保障されておりません。  第一に、政府案、修正案では、処罰の対象行為が曖昧なことです。両案共に、秘密を扱う業務者による漏えい行為とともに、情報を取得しようとする者に対しても厳しい罰則を科しています。その中で、修正案二十四条はスパイ行為などの目的に絞りましたが、二十五条においては、共謀し、教唆し、又は扇動しただけで処罰の対象となり、結果として秘密漏えいの事実がない場合でも逮捕され処罰されるおそれがあると法律家は指摘しております。これでは、取材や報道の活動が萎縮するでしょうし、公務員側が厳罰を恐れて情報提供しなくなれば、国民が知るべきことも知らされず、知る権利が侵されることになります。  民主党案では、二十四条は全文削除し、秘密の取扱者への罰則は現行の自衛隊法並みとし、また、不正取得への新たな罰則も全文削除して、現行の国家公務員法の範囲内としています。  政府・与党は、情報漏えいを防ぐためには、情報を漏らす側だけではなく取得する側も厳罰化する必要があるとの認識なのでしょうか。そして、政府案、修正案の罰則がないと情報漏えいを防げないとお考えなのでしょうか。安倍総理の御所見をお伺いしたいと思います。  第二に、現行の防衛秘密でも言えることですが、特定秘密の文書も、現行の公文書管理法のままでは、恣意的に廃棄され、国民が将来的に検証することができません。このことは、現に政府資料が廃棄されているという事実が証明しています。二〇〇七年から二〇一一年までの五年間で、約三万四千件の防衛秘密が破棄されています。私たちは、将来歴史的にきちんと検証できるように、いかなる秘密も公文書として適正に管理されるべきだと考え、公文書管理法の改正案を提出いたしました。  民主党案では、MDA秘密も含む全ての行政が扱う情報が公文書として管理下に入ることになります。将来、文書が検証されることになれば、恣意的な特定秘密の指定を極力抑制でき、また歴史の検証が可能になると考えております。改めて、公文書管理法の改正について総理のお考えをお伺いしたいと思います。  報道機関が実施している世論調査によれば、多くの国民がこの法案の内容を十分に理解できず、また慎重に審議するべきであるという声が圧倒的です。また、国会と行政のかかわり方の見直しや、第三者機関の役割や権限に関して法的根拠が必要になる等、法律案の更なる修正の必要性も指摘されております。要するに、欠陥法案だということです。それにもかかわらず、政府・与党は、国民の不安を無視し、無理やり衆議院を通過させました。しかも、情報公開法の改正は置き去りにされたままです。なぜこの秘密保護ばかり急ぐのでしょうか。どれほどの緊急性があると総理が認識されているのでしょうか、お伺いいたします。  最後に、総理は、国民の皆さんがなぜこの法案に不安を抱えているとお考えでしょうか。そして、この不安に対して政府は十分な説明を行っているとお考えでしょうか。正直にお答えいただきたいと思います。  安倍政権の支持率は、今は高いかもしれません。しかし、国民の皆さんの声を無視して暴走することになれば、早晩退陣に追い込まれることになるでしょう。参議院選挙までは、経済対策を中心に政策をつくって国民の皆さんの高い支持を得たのかもしれません。しかし、参議院選挙が終わってから、本性を現し、右傾化の危うい道を歩むのではないかと、国内だけではなくて海外からも不安視されております。我々民主党は、安倍政権の暴走をきちんとした形で食い止めていく、このことを国民の皆さんにお誓い申し上げまして、私の代表質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 櫻井充議員にお答えをいたします。  甘利大臣の国家戦略特区諮問会議の民間有識者に関する発言についてお尋ねがありました。  甘利大臣は、現在御審議いただいている国家戦略特区法案の国家戦略特区諮問会議の人事に関して、先日の講演において、法案が通ったらという条件付ではあるものの、参議院における法案審議の前に誤解を与えるような発言を行ったとして、昨日の参議院の内閣委員会で陳謝したと承知をしており、参議院を軽視するものではないと理解しております。  現行の秘密保全制度の問題点及び特定秘密保護法案の必要性についてお尋ねがありました。  これまで、防衛分野以外の安全保障に関する秘密については、一般的な国家公務員法の守秘義務の定めしかなく、また、適性評価等について規定する法律が存在しませんでした。外国との情報共有は、情報保全が確立されていることが前提であり、また、政府部内の情報共有が促進され、特に国家安全保障会議の審議がより効率的に行われるためには、秘密保護に関する共通ルールの確立が不可欠であります。本法案は、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定め、その漏えいの防止を図るものであり、これにより我が国及び国民の安全を確保できるものと考えております。  立法府と行政府との関係についてお尋ねがありました。  本法案は、国会の秘密会に特定秘密を提供するものとする仕組みが盛り込まれており、本法案が施行されれば、国会の求めに応じ特定秘密を提供することが可能となり、国会で必要な議論ができるようになると考えております。さらに、特定秘密の指定等の実施状況について、有識者等の意見を付して国会に報告するものとされており、国会が定期的に本法の運用状況をチェックできる仕組みとなっております。特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、修正案により、国会において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされております。  また、国会議員としての立場から申し上げますと、国会法の改正については様々な観点から議論していくべき事柄であると考えます。  民主党の国会法改正案についてお尋ねがありました。  現行の国会法及び議院証言法においては、内閣等が各議院等に対し、報告、記録等の提出を拒む理由を疎明した後に、その理由を議院等が受諾できない場合、さらに、記録の提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明を発出する手続が設けられています。  お尋ねの民主党案においては、このような内閣声明の手続をなくし、各議院の議長が国家の極めて重大な利益に回復し難い悪影響を及ぼすこととなるか否かを最終的に判断することとしていますが、行政運用上の重大な利益についての判断に関し、国会がどのように関与していくかについては慎重に検討されるべきものと考えます。  民主党案の情報適正管理委員会についてのお尋ねがありました。  民主党案は傾聴に値するものと考えますが、政府としては、特定秘密の恣意的な指定が行われることのないよう、専門的な識見を有する有識者を適正に人選し、その意見を踏まえ、実効性のある運用基準を作成することにより、本法案の適正な運用が確保されるものと考えます。  内閣総理大臣が第三者機関的に関与することについてお尋ねがありました。  例えば米国においては、省庁間上訴委員会や情報保全監督局が秘密指定に関して事後チェックを行うものと承知していますが、これら二機関は共に行政権の内部に置かれており、行政権から独立した立場にある第三者機関ではないものの、それぞれ一定の機能を果たしていると承知をしております。  今回の修正案により、例えば防衛大臣や外務大臣による特定秘密の指定、解除等が適切に行われているか否かを、有識者の意見を踏まえた上で、内閣の首長たる内閣総理大臣がチェックすることとなります。これにより、米国と同様、改めて確認を行うという一定の機能を果たすことが可能となるものと考えます。  公益通報者の保護についてのお尋ねがありました。  政府案において、違法行為を告発する行為や公益通報の通報対象事実を通報する行為が本法案の処罰対象となることはありません。また、犯罪行為等公益通報者保護法の通報対象事実について内部告発が行われた場合には、公益通報者保護法によって通報者は保護されます。  特定秘密の範囲についてお尋ねがありました。  特定秘密として保護すべき情報は、外交と国際テロに関して外国の政府等との情報共有に必要かつ不可欠な情報に限られるものではなく、情報活動等の特定有害活動の防止に関する事項や国内のテロリズムの防止に関する事項に関する情報のうち特に秘匿を要するものについては、常に外国等による漏えいの脅迫にさらされており、我が国及び国民の安全を確保するためにはその保護が必要です。  なお、本法案では、特定秘密の恣意的な指定が行われることがないよう重層的な仕組みを設けており、恣意的に特定秘密が指定されたり、拡大解釈されて広げて指定されるおそれがあるとの指摘は当たりません。  特定秘密の取得罪の罰則についてお尋ねがありました。  特定秘密の取扱いの業務に従事する者等による漏えい行為がなくても、暴行、脅迫、財物の窃取、損壊等の行為が行われることにより特定秘密が漏えいされることは否定できず、特定秘密の保護のためにはこうした取得行為を処罰する必要があります。  文書管理法改正についてのお尋ねがありました。  本法案により、特定秘密が記録された文書についても、公文書管理法の適用を受け、歴史資料として重要な文書は国立公文書館等に移管され、保存されることとなります。公文書が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であることを踏まえ、公文書管理法の適正な運用を図ってまいります。  本法案の必要性や緊急性、国民の不安を払拭するための説明についてお尋ねがありました。  情報漏えいに関する脅威が高まっている状況や、外国との情報共有は情報が各国において保全されることを前提に行われていることに鑑みると、秘密保全に関する法制を整備することは喫緊の課題であります。また、政府部内の情報共有を促進し、特に国家安全保障会議の審議がより効率的に行われるためには、秘密保護に関する共通ルールの確立が不可欠であります。  国民の皆様の中には、特定秘密の指定が恣意的になされるのではないかといった懸念を有する方もおられるとは承知をしておりますが、本法案には適正な運用を確保するための重層的な仕組みが様々に盛り込まれており、今後とも国民の皆様に丁寧に説明してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
  13. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 私の答弁と与党コメントについてのお尋ねがありました。  本法案は、我が国及び国民の安全を確保するために我が国が主体的な判断に基づいて整備するものであり、法案の提出は米国を含む外国政府から言われてやるわけではないということを私はこれまで御答弁申し上げてまいりました。一方で、与党コメントは、米国が我が国の秘密保全法制の整備を、その取組を歓迎している状況にあることを申し上げたものと理解しております。したがって、私の答弁と与党コメントの間に矛盾はないものと承知しております。  政府原案について、統一的な情報保全が図られていないのではないかとのお尋ねがありました。  本法案では、国の行政機関における秘密保護に関する共通ルールを確立するという観点から、防衛秘密を含め、本法案に規定する防衛、外交、特定有害活動、テロリズムという四つの安全保障に関する事項に関する情報を対象とするものであります。  御指摘のMDA秘密については、MDA協定に基づく特別な性格のものであり、本法案の対象とはしていません。(拍手)    〔国務大臣甘利明君登壇、拍手〕
  14. 甘利明

    ○国務大臣(甘利明君) 櫻井議員にお答えいたします。  私が国家戦略特区諮問会議の民間有識者の候補者の一人として竹中平蔵氏に言及したことについてのお尋ねであります。  竹中氏は、産業競争力会議の民間議員として国家戦略特区を提言いただくなど、御尽力をいただいたところであります。  国家戦略特区諮問会議の民間有識者の選定につきましては、国家戦略特区法案が成立した後に行われるものと認識をしておりますし、その旨発言もいたしました。  昨日の参議院内閣委員会でも申し上げましたが、改めて、先日の慶應義塾大学における講演におきまして、現在御審議をいただいております国家戦略特区法案にある諮問会議の人事に関して、法案が通ったらという条件付での発言ではありますが、参議院における法案審議の前に誤解を与えるような発言を行ったことについては心から陳謝を申し上げます。(拍手)     ─────────────
  15. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 矢倉克夫君。    〔矢倉克夫君登壇、拍手〕
  16. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  ただいま議題となりました特定秘密の保護に関する法律案につき、会派を代表し、質問させていただきます。  情報化社会は、経済活動の更なる創造性を育み、国民生活の利便性を向上させる一方、国民の安心、安全に係る機密事項が瞬時にテロリストを含む不特定多数に拡散してしまう危険性を増幅させました。したがって、国民の安心、安全を守るため、一定程度の情報の秘匿は必要です。他方、行き過ぎた情報秘匿は国民の知る権利を侵害いたします。権力には濫用のおそれが付きまとう、それが歴史の教訓であり、それを不断にチェックすることこそ民主主義の歩みでした。これを支える権利こそ知る権利です。  本法案は、まさにその情報秘匿の必要性と、報道の自由や国民の知る権利とのバランスをいかに図るかの観点から議論すべきものです。私は、このバランスを図るべく、有益な議論を通じ、国民の本法案に対する理解を深めるべきと考えます。この立場から幾つかお尋ねをいたします。  まず、本法案の必要性についてです。  多くの国民は、なぜ今この法案が必要なのか、総理のより明快な説明を求めています。総理は、他国から情報提供を受けるため強い情報保護法制が必要であること、これまで縦割りであった政府部内での情報共有に資することの二点を強調されました。公務員秘密漏えい罪を始めとする我が国の現行秘密保護法制の何が他国からの情報提供の妨げとなり、本法案がいかにそれを改善するのか、また、秘密保護を目的とする本法案がなぜ政府部内の情報共有に資するのか、総理の御答弁をいただければと思います。  次に、行政による特定秘密指定についてです。  重要なことは、恣意的指定の余地はない、そう言えるほどの客観ルールが存在するかです。この点、衆議院修正により、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関する基準は、内閣が策定し、内閣総理大臣が運用改善を指示する旨明記されました。これは、特定秘密の指定について内閣総理大臣が責任を負うことを更に明確にしたものです。  総理、恣意的な秘密指定を防ぐために必要な基準とは何か、最終責任者として御答弁をお願いいたします。  関連し、特定秘密内容の定義の明確性についてお尋ねいたします。  特定秘密の定義中には、安全保障や安全を害するおそれという主観的基準が存在いたします。例えば、特定秘密たる特定有害活動防止に関する措置のうち、いわゆるスパイ活動防止措置とは、第十二条二項及び別表を併せ読む限り、我が国安全保障に支障を与えるおそれのある非公知な情報を外国の利益を図る目的で取得するための活動で、我が国及び国民の安全を著しく害するおそれがある活動を防止する措置を意味します。基準の大半が安全保障や安全を害するおそれの存否であり、判断の裁量の余地が大きく、結果、スパイ行為と言えない情報収集活動にまで影響の出る事態も想定し得ます。かかるおそれの判断基準、手順も秘密指定に関する基準に盛り込むべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。  更に関連し、特定秘密指定の延長についてお尋ねいたします。  衆議院修正により、指定の有効期間の上限は原則六十年とされました。これは、六十年を超えれば原則公開される趣旨と理解してよろしいでしょうか。また、六十年を超えてなお秘密指定される情報として、現在の外交交渉に影響を与える情報や、六十年を超える指定を条件に外国から提供された情報など、範囲が一概に明確でないものも存在いたします。六十年を超えた指定延長が無限定に広がらないための方策について、総理、御答弁いただきたく思います。  次に、処罰範囲、特に特定秘密範囲の明確性についてであります。  総理は、衆議院本会議において、特定秘密が記録された文書にはその旨の表示がなされることから、何が特定秘密かは公務員等にとって明確、したがって、公務員の取材への対応に支障を及ぼすことはないと御答弁されました。裏を返せば、秘匿されるべき特定秘密とは、表示あるいは通知という第三条規定の処置を施した媒体に記載された情報のみであり、それ以外の情報の漏えい行為が関連情報を漏えいしたなどの理由により処罰されることはないと理解してよろしいでしょうか。総理、御答弁をよろしくお願いいたします。  関連し、過失による漏えい行為の処罰についてお尋ねいたします。  過失行為は類型化が難しく処罰範囲が広がるおそれもあり、その結果、過失処罰を恐れる公務員等が情報提供に過度に慎重となることも考えられます。処罰範囲を明確化する観点からは、故意に準ずるものとして重過失処罰に限定することも考えられますが、過失を処罰すべきとした御趣旨を森大臣、御答弁いただきたく思います。  次に、国権の最高機関たる国会との関係についてお尋ねをいたします。  衆議院修正案は、国会への特定秘密提供義務を、一定要件の下、行政機関の長に課しましたが、他方、行政機関の長が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれのないと判断することも提供の要件としており、裁量の余地は残ります。国会法第百四条は、国政調査権に基づく情報提供要請を拒否できるのは内閣の声明があるときのみといたしますが、本法案には内閣の声明は明記されておりません。国会への情報提供が不当に妨げられることのないよういかに対処すべきか、森大臣の御答弁を求めます。  最後に、内閣の情報管理についてお尋ねをいたします。  秘密業務を行う各行政機関が、特定秘密保護法案の存在そのものを奇貨とし、情報隠しに走らないよう、各行政機関への監視を内閣が確実に行う必要がございます。内閣が行政を一元管理することができて初めて、議院内閣制下での内閣を通じた国会による行政に対する民主的コントロールが確保されます。各行政機関による情報隠しを排除することに向けて、総理の御決意をお伺いいたしたいと思います。  国民の本法案に対する不安を取り除く丁寧かつ誠実な説明が今、政府に求められております。このことを強く申し上げ、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  17. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 矢倉克夫議員にお答えをいたします。  本法案の必要性等についてお尋ねがありました。  外国との情報共有は、情報保全が確立されていることが前提であり、また、政府部内の情報共有が促進され、特に国家安全保障会議の審議がより効率的に行われるためには、秘密保護に関する共通ルールの確立が不可欠であります。しかしながら、これまで、防衛分野以外の安全保障に関する秘密については、一般的な国家公務員法の守秘義務の定めしかなく、また、適性評価等について規定する法律が存在しませんでした。  本法案は、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定め、その漏えいの防止を図るものであり、これにより我が国及び国民の安全を確保できるものと考えます。  恣意的な秘密指定を防ぐために必要な基準についてのお尋ねがありました。  本法案では、特定秘密の指定等の統一的な運用を図るため、安全保障に関する情報の保護や情報公開、公文書管理の分野の有識者の御意見を内閣総理大臣が聴いた上で、案を作成し、閣議決定により特定秘密の指定等の基準を定めることとしています。  当該運用基準においては、法案の別表に限定列挙する事項の細目や特定秘密の指定解除手続等について規定することを想定しております。議員御指摘の、おそれの判断基準等も含め、当該運用基準をできるだけ具体的かつ詳細に定めることにより恣意的な指定を排除し、本法案の運用の統一を図ってまいります。  特定秘密の指定の有効期間についてお尋ねがありました。  修正協議を経て、特定秘密の有効期間は原則三十年を上限とし、その延長について内閣の承認を得たとしても、暗号や人的情報源に関する情報等、例外中の例外を除き、通じて六十年を超えることができないことといたしました。これにより、原則として一定期間経過後は全ての情報が公開されます。  また、修正協議により、有識者の意見を踏まえ、内閣総理大臣が指定や解除について行政機関の長に対し改善すべき旨の指示をすることができるようになるなど、適正な運用がより一層確保されることとなったところであります。  漏えい罪の対象となる情報についてお尋ねがありました。  特定秘密である情報は、御指摘のように、表示あるいは通知の措置が講じられており、これらの措置が講じられていない特定秘密でない情報を漏えいしたとしても、本法案の漏えい罪により処罰されることはありません。  特定秘密に関する内閣の情報管理についてお尋ねがありました。  特定秘密の指定等の統一的な運用を図るため、有識者の御意見を内閣総理大臣が聴いた上で、案を作成し、閣議決定により特定秘密の指定等の基準を定めることとしています。また、内閣総理大臣が指定に関し行政機関の長に対し改善すべき旨の指示をすることができることとされ、内閣総理大臣が指定等について指揮監督を行うことが明確となっております。  本法案が成立した際には、政治のリーダーシップを発揮をし、内閣として秘密保護に関する共通のルールの適正な運用を図ってまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
  18. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 過失を処罰する趣旨についてのお尋ねがありました。  特定秘密の取扱いの業務に従事する者等は、業務上正当に特定秘密を知得する以上、その秘密が漏えいすることを防止すべき注意義務を負っているのであって、この義務を怠るときは過失の責任を免れないと考えます。なお、自衛隊法に基づく防衛秘密制度やMDA秘密保護法においても過失による漏えい等の処罰が規定されております。  国会への特定秘密の提供についてのお尋ねがありました。  本法案が施行され、国会において特定秘密を保護するために必要な措置が講じられることとなれば、国家の重大な利益に悪影響を及ぼすものではないとして、国会法第百四条第三項に基づく声明を出すことなく国会の求めに応じて秘密会に特定秘密を提供することとなり、これまで以上に国会で必要な議論ができるようになるものと考えております。(拍手)     ─────────────
  19. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 真山勇一君。    〔真山勇一君登壇、拍手〕
  20. 真山勇一

    ○真山勇一君 みんなの党、真山勇一です。  特定秘密保護法案について、みんなの党を代表してお尋ねをいたします。  みんなの党は、アジェンダの中で、戦略的な外交安全保障体制の構築が必要であることを国民の皆さんに訴えてきました。日本版NSCの創設を目指す今回の国家安全保障会議設置法案は、激動する国際情勢の中で、的確な国家戦略を打ち出し、国民の平和と繁栄を確保するというみんなの党の主張に沿ったものと言えます。  そして、この新たな仕組みを機能させる血液のような重要なものが情報です。政府全体の情報収集能力を高めてインテリジェンスの集約・分析機能を強化するとともに、正確な情報が即時かつ適切に政府首脳に伝わる体制を構築する必要があります。国際紛争やテロなど、我が国を取り巻く脅威が複雑化、多様化している今、諸外国との協力が必要です。しかし、一方で大切な秘密が漏れっ放しというのでは、国と国民の安全は危機にさらされ、どの国からも日本は信用されなくなります。  こうした意味で、日本版NSCと特定秘密保護法の二つがそろってこそ、ようやく我が国は一人前の国に向けて一歩を踏み出すことになると言えるでしょう。だからこそ、私たちみんなの党は特定秘密保護法案の修正を政府にお願いしてきたのです。  しかし、これに水を差すようなことが起きてしまいました。衆議院での採決のやり方です。特定秘密保護法案の疑問点や問題点に国民の皆さんが不安を抱き、丁寧な説明を求めている今、国会は急がずに徹底的に審議をする責任があります。同僚参議院議員の皆さん、これからの参議院の場では誠実に審議をしていこうではありませんか。  一人前の国になるには、当たり前の民主主義がきちんと確保されていることが絶対の条件です。日本国憲法に定められた三権分立のチェック機能が働き、政府や役人の暴走は絶対に許されないこと、国民の知る権利、そして報道の自由が最大限に守られていること、国民の基本的人権の侵害はいかなる意味でもあってはならず、万一、行政側の不届きな行為で不利益を被る国民があれば、適切に司法的救済が受けられること、さらには、後世の日本人への責任として、一旦秘密指定された情報は確実に保全され、将来的に必ず公開されること、こうしたことは当たり前の民主主義国家であれば当然のごとく確保されているはずです。  まず、総理にお伺いします。  重ねて確認いたします。特定秘密の範囲が際限なく拡大され、本来であれば秘密とすべきではないようなことまで特定秘密にされてしまうことは絶対にないのでしょうか。  また、それぞれの行政の長がばらばらに特定秘密を指定できるというのも問題です。秘密の指定、期間の延長、解除、そして情報の破棄が行政機関によって恣意的に行われない仕組みをつくると約束していただけるでしょうか。政府の中は秘密の城だらけとなり、縦割り行政の弊害が更にひどくなるようなことはないか、総理、保証できるでしょうか。  また、人間は必ず間違いを犯しますし、中には不届きな者も出てきます。あってはならない形で特定秘密の指定がなされたり情報が破棄されたりしないよう、政治主導で内閣がしっかり関与する仕組みは確保されるのでしょうか、総理、お答えください。  さらに、行政にとって都合のいいようにこの法律が利用されることがないよう、立法府がチェックする仕組みを必ずつくると約束していただけるでしょうか。  そして、どんな制度も運用するのは人です。特定秘密に指定され得る情報の収集やその管理を行う職員がきちんと倫理の保持をするために政府はどのような措置を講ずるか、総理のお答えをお願いします。  この法律について国民が最も不安に思っていることは、民間人が処罰され得ることです。実際に情報を取得したり漏らさなくても、教唆、共謀、扇動の容疑で人を逮捕できるのであれば、大変な人権侵害につながるおそれがあります。  森大臣に伺います。報道の自由と知る権利の問題です。  正当な取材活動は処罰されないとされてはいますが、報道の現場に萎縮は起きています。報道の自由と国民の知る権利は本当に確保されるのでしょうか。それは、フリージャーナリストや政党、宗教団体などの機関誌記者、また学術的研究に従事する人々も同じように認められるのでしょうか。何をもって正当な取材活動というのかの明快な定義も含めて、森大臣、国民に分かりやすく説明をお願いします。  次に、谷垣法務大臣に伺います。  特定秘密の内容はそれを指定した行政機関にしか分からず、一旦指定された情報はどこにも開示する必要がありません。それどころか、秘密指定した事実そのものを行政の判断で、なかったことにできるのです。言ってみれば、政権にとって都合の悪い人間がいたら、その人間を消すのにこれほど便利な法律はありません。証拠を捏造、隠蔽、破棄できれば、冤罪は簡単につくり出されてしまいます。たとえ公判が維持できなくても、逮捕、起訴をするだけで、民間人や対立する政治勢力を威圧する手段にもなり得ます。政府は、絶対に冤罪事件を起こさないこと、そして国策捜査や政治裁判が生まれる可能性を完全に排除することを約束していただけるでしょうか。  また、この法案では、行政側に弁護士や裁判所に必要な情報を提供する義務があるとは書かれていません。これでは、特定秘密に関する罪で不当に逮捕、起訴された場合、本人も弁護士も何の嫌疑で逮捕されたのか分からず、確たる証拠もないまま、自白の強要と外形立証だけで犯罪者にされてしまうおそれすらあります。いかなる場合であっても正しい司法的救済が確保されるために政府はどのような措置を考えているのか、谷垣大臣、お答えください。  ほかにも不安な点はたくさんあります。  森大臣、公益通報者、すなわち内部告発者はその身が無制限に守られるのでしょうか。また、特定秘密の取扱者に対する適性評価では、本人のみならず家族や交際相手に至るまで、機微に触れるプライバシー情報が詳細に調査されます。これは、公務員だけではなくて、民間人も対象になっているんです。適性評価の調査内容が適正に管理をされ、プライバシー侵害を引き起こさないと約束できるのか、森大臣に伺います。  公務員であれ民間人であれ、親族や姻族、交際相手に特定の人種、あるいは思想信条の持ち主がいることで、行政機関や特定企業への就職、昇進などで不利益を被るとなれば、社会全体で偏見、差別が助長されかねません。そうしたことがないようにいかなる手だてを取られるのか、森大臣、伺わせてください。  最後に、歴史への責任についてお尋ねします。  一定期間、特定秘密に指定されるべき情報とはいえ、それら全て国民全員の貴重な財産です。アメリカやイギリスを始めとする世界の先進国では、全ての国家機密は保存され、いずれ公開されることが原則となっています。我が国の閣議やNSCの議事録はきちんと作成、保存、公開されるのでしょうか。されないとしたら、なぜなのですか、菅官房長官、お答えください。  後世の日本人がより賢く強くなるために、成功も失敗も含めて、全ての情報を次世代に引き継ぐ歴史的な責任が私たちにはあるはずです。総理の考えをお聞かせください。  私たちの国の当たり前の民主主義が確保されないのであれば、それはもう一人前の国ではありません。前時代的で古色蒼然たる統制国家です。そんな国は誰からも信用されず、必要な情報も手に入らないでしょう。大切な基本的人権が大幅に制限された上に、国民の命を守るための貴重な情報も集まらないというのでは、国民は踏んだりけったりです。  これから始まる参議院の審議では、国民を不安の船に乗せたまま出航していくことのないように、良識の府としてふさわしい質疑を誠実に、徹底的に行うことを強くお願いをいたして、答弁をお待ちします。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  21. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 真山勇一議員にお答えをいたします。  特定秘密の範囲の際限ない拡大や指定等の恣意性や縦割りを排除する仕組みについてお尋ねがありました。  特定秘密は、法律の別表に限定列挙された事項に関する情報に限って大臣等の行政機関の長が指定するものであり、かつ、その指定は外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて行われることとなります。また、御党等との修正協議により、別表の事項を絞り込むとともに、指定する行政機関の限定を可能とする仕組みや、内閣総理大臣が指定に関し行政機関の長に対し改善すべき旨の指示をするなどの改善策も盛り込まれました。したがって、特定秘密の範囲が際限なく拡大することや、恣意的で行政機関ごとのばらばらな運用が行われることはありません。  政治主導による内閣の関与についてお尋ねがありました。  特定秘密の指定等の統一的な運用を図るため、有識者の御意見を内閣総理大臣が聴いた上で、案を作成し、閣議決定により特定秘密の指定等の基準を定めることとしています。また、有識者の意見を踏まえ、内閣総理大臣が指定に関し行政機関の長に対し改善すべき旨の指示をすることができることとされ、内閣総理大臣が指定等について指揮監督を行うことが明確となっており、内閣として適正な指定等の確保を図ることとされています。  立法府がチェックする仕組みについてお尋ねがありました。  本法案には、国会の秘密会に特定秘密を提供するものとする仕組みが盛り込まれており、本法案が施行されれば、国会の求めに応じ特定秘密を提供することが可能となり、国会で必要な議論ができるようになると考えます。さらに、特定秘密の指定等の実施状況について、有識者等の意見を付して国会に報告するものとされており、国会が定期的に本法の運用状況をチェックできる仕組みとなっております。  職員の倫理保持の在り方についてお尋ねがありました。  政府による情報収集活動については、法令を遵守して適正に行うことが当然であり、情報収集を行う各機関は、常日ごろからその点を踏まえ情報収集に当たっております。情報収集活動に従事する者の倫理保持については、今後、情報機能強化の在り方を検討していく中で、情報収集活動の適正の確保がより一層図られるよう対応を行っていく必要があると認識しております。また、情報の管理を行う職員については、定期的に研修を実施することなどにより、その倫理の保持を図ってまいります。  情報を次世代に受け継ぐ責任についてのお尋ねがありました。  特定秘密が記録されている文書についても、国の諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるよう、他の行政文書と同様に、歴史公文書等は国立公文書館等に移管されます。また、三十年を超える指定の延長について内閣の承認が得られなかったときは、保存期間の満了とともに全ての文書を国立公文書館等に移管することとする修正が行われたところであります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
  22. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 報道の自由と知る権利についてお尋ねがありました。  本法案では、国民の知る権利に資する報道又は取材の自由に十分配慮しなければならないことを明記しております。  また、本法案第二十二条第二項では、出版又は報道の業務に従事する者の通常の取材行為については、正当な業務による行為として本法案の処罰対象とならないことを明らかにしています。出版又は報道の業務に従事する者とは、不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることや、これに基づいて意見又は見解を述べることを職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う者をいい、フリーのジャーナリストもこれに含まれます。  また、政党や宗教団体等の機関誌の情報発信については、通常、報道に該当し、出版又は報道の業務に従事する者の取材行為として処罰対象になるものではありません。学術的研究に従事する方の調査行為等については、当該研究者が不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることや、これに基づいて意見又は見解を述べることを職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う場合は該当します。  正当な取材行為とは、専ら公益を図る目的を有し、かつ法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められないものをいいます。  公益通報者の保護についてお尋ねがありました。  違法行為を告発する行為や公益通報の通報対象事実を通報する行為が本法案の処罰対象となることはありません。また、犯罪行為等公益通報者保護法の通報対象事実について内部告発が行われた場合には、公益通報者保護法によって通報者は保護されます。  適性評価の調査内容の管理についてお尋ねがありました。  適性評価の調査結果等は、各行政機関の適性評価を実施する部署で必要な期間適切に保管することとしています。適性評価の調査結果等の管理のルールについては、今後定める運用基準の中で明らかにしてまいります。  適性評価の結果と人種、思想信条への差別等との関係についてのお尋ねがありました。  適性評価の調査事項は、本法案に規定する七つの調査事項に限られており、人種や個人の思想信条は調査事項には含まれておらず、適性評価の実施に当たり、これらを調査することはありません。また、本法案では、第十六条で特定秘密の保護以外の目的のために適性評価に関する個人情報を利用又は提供することを禁止しており、適性評価の結果を特定秘密の取扱いに関係しない不利益な取扱いに利用することはそもそもできないこととされております。(拍手)    〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
  23. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 真山勇一議員にお答え申し上げます。  まず、冤罪、国策捜査及び政治裁判の防止についてお尋ねがありました。  御指摘の冤罪については、法務省として、その定義について特定の見解を有しているものではございませんし、国策捜査や政治裁判の意味するところは必ずしも明らかではありませんが、いずれにしても、検察当局においては、法と証拠に基づき、厳正公平、不偏不党を旨として、刑事事件として取り上げるべきものがあればこれに適切に対処するものと承知しております。  次に、特定秘密に関する罪の刑事訴訟手続における司法的救済の確保についてお尋ねがございました。  特定秘密に関する罪についても、憲法、刑事訴訟法等に定める適正手続の保障の下で手続が行われることは当然のことであります。また、いわゆる外形立証とは、秘密の種類、性質等のほか、秘密にする実質的理由として、当該秘密文書等の立案、作成過程、秘指定を相当とする具体的理由等を明らかにすることにより、実質秘性を立証する方法を指すものと承知しておりますが、これまでも、例えば、いわゆる外務省スパイ事件の東京高裁判決等において、外形立証による有罪立証が肯定されているものと承知しております。  このように、当該特定秘密の内容そのものを明らかにすることなく実質秘性を立証する方法が取られるとしても、検察官の側で合理的な疑いを入れない程度の証明をしなければならない立証責任を負っていることは言うまでもなく、およそ刑事訴訟において求められる手続的な保障は十分に図られるものと考えます。(拍手)    〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
  24. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 閣議や国家安全保障会議の議事録についてのお尋ねがありました。  閣議の議事録を作成をし、一定期間経過後に公開するための公文書管理法改正案については、明治以来、議事録を作成してこなかった我が国の閣議の在り方にもかかわる問題であるため、政府部内で必要な調整、検討を行った上で提出することとしたいと考えております。  国家安全保障会議の審議内容は機微な情報も含むものであって、公表の在り方や関連文書の作成及び取扱いについては、国家安全保障会議の性質を十分に勘案しつつ、国の安全保障を損ねない形でしっかりと検討してまいります。(拍手)     ─────────────
  25. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 仁比聡平君。    〔仁比聡平君登壇、拍手〕
  26. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、憲法の基本原理を踏みにじる希代の悪法、特定秘密保護法案の乱暴極まる衆議院採決を強行した安倍内閣及び衆議院与党の暴挙に、満身の怒りをもって抗議し、安倍総理に質問いたします。  およそ国の行政機関が保有する情報は、主権者国民のものであります。その国民世論を見るなら、総理、何が何でも今国会で成立させるなど、もってのほかではありませんか。  先週、本法案の廃案を求め日比谷公園を出発したデモは、一万人を超え、夜十時過ぎまで国会を包囲しました。日本弁護士連合会、日本ペンクラブ、テレビのキャスター、出版人、演劇人、憲法・メディア法・刑事法・歴史学者など、これまでにない広範な人々が反対の声を上げ、日本新聞協会や日本雑誌協会、日本民間放送連盟も強い危惧を表明しています。どの世論調査でも、反対の声は急速に広がって半数を超え、今国会で成立させるべきではないという声は八割に上っています。  あなたは、さきの参議院選挙でも一切この法案に触れることはありませんでした。にもかかわらず、何を目的にここまでして強行しようというのですか。  国連人権高等弁務官事務所の表現の自由担当特別報告者は、国際人権条約に照らし、本法案は、秘密に関し大変広範かつ曖昧な領域を規定するのみならず、深刻な脅威を含んでいると、法案段階で異例の懸念を表明しました。国際ペンも反対し、日本外国特派員協会は法案の全面撤回を勧告しています。総理、あなたはこの国際社会の批判にどうこたえるのですか、明確に答弁いただきたい。  本法案に、立場を超えてやむにやまれぬ反対の声が噴き上がっているのは、法案の骨格そのものに、国民主権、言論、表現の自由を始めとした基本的人権の保障、平和主義という、侵してはならない憲法原理とおよそ両立し得ない重大な危険性があるからであります。  第一に、特定秘密は、我が国の安全保障にとって著しく支障を与えるおそれがあるなど、広範かつ曖昧な要件で政府が指定し、何が秘密かも秘密とされることです。  森担当大臣は、原発の情報は秘密とならないと繰り返す一方、原発の警備の実施状況は特定秘密足り得ると答弁しました。ところが、テロ防止の警備態勢と一体のはずの原発の脆弱箇所や侵入可能経路など、テロリストが知れば資する情報は特定秘密になるのかについての答弁は支離滅裂です。総理、一体どうなるのですか。  総理は、同盟国との情報共有を言いますが、米国の国際法に違反する通信傍受によって得られた情報など、違法に収集された情報も特定秘密にするのですか。森大臣は、違法に収集された情報の秘密指定は無効などと答弁していますが、そこにいう無効な秘密指定が誰によってどのように正されるというのですか。正されないなら何の歯止めにもなりません。個別の秘密指定については何のチェックも働かず、国民に指定解除の権利も認めないのはなぜですか。  これまでも政府は、軍事、外交、原発、TPPを始め、国民が強く求める情報を秘匿、隠蔽し墨塗りにしてきました。その上、法案によるなら、政府当局の恣意的判断で秘密は際限なく広がることになります。しかも、秘密指定は政府の判断で更新でき、解除しても廃棄でき、修正合意では指定期限が六十年と延長されるなど、事実上いつまでも秘密となるのではありませんか。  国民の知る権利を奪い、政府が情報を独占して権力の集中を図る、我が国をそんな国に断じてしてはなりません。  第二に、本法案が懲役十年以下の重罰と威嚇の対象とするのは、限られた公務員の殊更な漏えい行為だけでなく、広く国民の普通の日常とその自由だということです。  一般の国民も、特定秘密を保有する者の管理を害する行為により特定秘密を取得したとされれば、たとえ秘密が漏えいされなくても、未遂、共謀、教唆、扇動も広く処罰されます。この点で、森大臣が、一般の国民が特定秘密と知らずに情報に接したり、その内容を知ろうとしたとしても一切処罰の対象となりませんとした答弁は、密室の取調べで自白を強要してきた刑事司法の現実にあえて目を背けさせるとんでもない詭弁であります。  総理、法案が規定する罰則違反の容疑があり、その事件で必要であれば逮捕、勾留しての取調べ、捜索、差押え、起訴されて被告人として刑事裁判にさらされることはあり得ますね。報道機関や取材の自由に配慮がなされたとしても、個別の事件捜査に必要であるなら強制捜査はあり得ますね。  しかも、逮捕、勾留や捜索、差押えの令状にも起訴状にも判決にも、一体どんな情報に近づいたことが罪とされるのかさえ明らかにされないのではありませんか。これは憲法が保障する国民の裁判を受ける権利、弁護を受ける権利を踏みにじり、裁判の公開原則を侵すものにほかなりません。そんな暗黒社会を断じて許すわけにはいきません。  総理、何が秘密かも分からないまま被疑者扱いされ、適切な弁護も受けられずに、最終的には刑事裁判で無罪とならなければ処罰の対象となるかどうか分からない、そんな重罰法規を作るなら、それだけで民主主義社会の基礎である知る権利、言論、表現の自由は萎縮させられ、取り返しの付かない傷を負うことになるのではありませんか。  第三に、政府が秘密を取り扱う者に行う適性評価の名の下に、家族、父母、子、兄弟姉妹、配偶者の父母、子、同居人の氏名、生年月日、国籍、住所に始まって、犯罪、懲戒の経歴、薬物の影響、精神疾患、果ては飲酒の節度や借金など信用状態まで、広く国民のプライバシーを根こそぎ調べ上げる国民監視の仕組みがつくられることです。その対象も、公務員のみならず、国から事業を受注して特定秘密の提供を受けた民間企業やその下請企業で働く労働者、派遣労働者も含まれるのです。  その調査と評価について、森大臣は、各大臣が当該行政機関の職員に行わせると言いますが、具体的にどのような体制で調査し、収集した情報はどのように扱うのですか。法案に言う必要事項の照会や関係行政機関の協力の名の下に、公安警察や、既に自衛隊に置かれその活動が地方裁判所で違法とされた情報保全隊などによって行われることになるのではありませんか、明確にお答えください。  重大な人権侵害法案と処罰規定がかくも曖昧かつ広範で、質疑を行えば行うほど適用範囲が逆に曖昧になっていくところに法案の危険な本質が現れています。  総理、法案準備過程の審議内容を明らかにすべきではありませんか。それさえ墨塗りにした上、担当大臣の答弁が二転三転と迷走しています。これでは、法案を現実に運用する行政機関、そして捜査機関の恣意的濫用を野放しにすることになるのではありませんか。それとも、あえてそれを狙っているのですか。法案準備過程にも関与せず、法案所管部局への指揮命令権限さえ持たない大臣を担当大臣に任じた総理の責任は重大です。どう考えているのですか。  なぜ安倍政権は、何が何でも今国会で成立をと暴走するのか。安全保障のためなら秘密にして当たり前だというなら、大本営発表で国民を欺いたあの戦争の誤りを再び繰り返す道です。あなたがまずやるべきは、大量破壊兵器があると米国の誤った情報をうのみにして強行したイラク戦争への自衛隊派兵を徹底して検証し、猛省することではありませんか。米軍とともに海外で戦争をする国に変える、そのために国民の目と耳そして口をふさぐ秘密保全体制をつくろうというのが本法案強行の狙いであります。  同僚議員の皆さんに警鐘を鳴らしたい。この法案は国会議員をも処罰の対象としています。たとえ政治的立場は違っても、国民を代表し、巨大な行政権力、官僚機構に断固として迫ってこそ国会議員ではありませんか。憲法と相入れない法案の危険は、衆議院における修正によっていささかも減じられていません。これを国民に押し付ける資格など、政府にも、国会にもありません。まして、会期末まであと一週間しかない今国会で強行しようなど、国権の最高機関たる国会の自殺行為は絶対にあり得ない、参議院がそうした道をたどってはならない、断固廃案にするほかないことを厳しく指摘して、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  27. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仁比聡平議員にお答えをいたします。  本法案成立の必要性、目的についてのお尋ねがありました。  本法案は、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの漏えいの防止を図り、我が国及び国民の安全の確保に資することを目的としています。  情報漏えいに関する脅威が高まっている状況や、外国との情報共有は情報が各国において保全されることを前提に行われていることに鑑み、また、政府部内で情報共有が促進されるためにも、秘密保全に関する法制を整備することは喫緊の課題であります。政府としては、早期に本法案が成立するよう引き続き努力してまいります。  本法案に対する国際社会の批判についてお尋ねがありました。  特定秘密は、法律の別表に限定列挙された事項に関する情報について、外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて大臣等の行政機関の長が指定することとしており、特定秘密の恣意的な指定が行われることがないよう重層的な仕組みを設けております。したがって、特別報告者の懸念は当たらず、その旨、先方にも速やかに回答いたします。  さらに、政府として、本法案の必要性や、本法案に定める規制が必要最小限のものであること等について説明を尽くし、広く理解が得られるよう努めてまいります。  特定秘密の内容についてお尋ねがありました。  特定秘密は、本法案の別表に限定列挙された事項に該当するものに限って指定するものであり、御指摘の、テロリストが知れば資する情報が全て特定秘密に該当するわけではなく、支離滅裂との御指摘は当たりません。  なお、警察が行うテロ対策の情報については、特定秘密に当たり得ることを申し添えます。  違法に収集された情報についてお尋ねがありました。  違法に収集された情報は特定秘密の対象とはなりませんが、外国から提供を受けた情報についても同様です。  なお、特定秘密は、行政機関の長が責任を持って指定するものであり、本法案では、内閣総理大臣の行政機関の長に対する指揮監督権限を明示し、内閣として適正な指定等の確保を図ることとしております。無効な指定がなされることは想定しておりませんが、万一、無効な指定であることが明らかとなった場合には、行政機関の長が指定を解除するなど適切な措置を講ずるものと考えます。  国民による指定解除についてお尋ねがありました。  個別具体的な特定秘密の指定や解除は、専門的、技術的判断を要することから、原則として、行政機関が、有識者の意見を反映させた基準を踏まえ、これを行うことが適当であると考えます。  恣意的な秘密の指定や延長に関する懸念についてお尋ねがありました。  本法案では、特定秘密の恣意的な指定や延長が行われることがないよう重層的な仕組みを設けております。  また、修正協議を経て、特定秘密の有効期間は原則三十年を上限とし、その延長について内閣の承認を得たとしても、暗号や人的情報源に関する情報等、例外中の例外を除き、通じて六十年を超えることができないことといたしました。これにより、原則として、一定期間経過後は全ての情報が公開されます。  特定秘密に関する罪における強制捜査や刑事訴追の可能性についてお尋ねがありました。  これらは捜査機関において個別具体的な事案に即して判断すべき事柄であり、一概にお答えすることは困難ですが、一般論として申し上げれば、捜査機関は、厳格な刑事訴訟法の規定に従って、裁判官の発する令状により逮捕、勾留の上での取調べや捜索、差押えを実施するものと承知しており、また、検察官は法と証拠に基づいて公訴を提起するものと承知しております。  いずれにしても、特定秘密に関する罪の捜査等が行われる場合には、本法案二十二条の趣旨等を踏まえ、報道又は取材の自由に十分な配慮がなされるものと認識しております。  特定秘密に関する令状等の記載内容についてお尋ねがありました。  御指摘の令状等においては、特定秘密の内容全てを明示しなくとも、例えば暗号に関する特定秘密というように、その内容を明らかにすることが考えられ、どのような罪で捜査や訴追の対象となっているのか明らかにされるものと考えます。  本法案の罰則による影響についてお尋ねがありました。  本法案第二十二条には、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分配慮しなければならないとの規定を置いており、本法案の解釈適用に当たる当事者全てが、国民の基本的人権への不当な侵害がないかどうか、報道の自由等に十分に配慮がされているかどうかを判断し、留意することとなります。  なお、特定秘密を漏らした公務員等にとっては、自らが取り扱う特定秘密が何であるか十分分かっており、また、違法に特定秘密を取得した罪に問われる場合は、取得者は自らが取得したものが特定秘密であることを認識していなければならず、知る権利、言論、表現の自由が萎縮するとの指摘は当たりません。  適性評価の体制、情報の取扱い、照会等の調査手法についてのお尋ねがありました。  適性評価の実施については、各行政機関においてこれを担当する部署を定めて行うこととしており、適性評価により収集した情報は、適性評価を実施する部署で管理責任者を定め、適切に保管し、保存期間経過後、確実に廃棄することを検討しております。また、公私の団体等への照会については、適性評価を実施する行政機関の長が必要な範囲内でこれを実施します。  法案策定過程における審議内容の情報開示についてのお尋ねがありました。  情報公開法に基づき、適切に対応してまいります。  担当大臣についてお尋ねがありました。  本法案は、秘密の範囲や罰則を含め様々な論点があり、また国民の知る権利や取材の自由等を十分に尊重する必要があるところ、弁護士でもある森大臣が適任であると判断して担当大臣をお願いをしております。森大臣はこれまで、そのリーダーシップの下、修正案を含め本法案を取りまとめるとともに、国会審議等でも本法案に理解を得るべく説明を尽くされており、引き続き尽力いただきたいと考えております。  イラク戦争の検証についてお尋ねがありました。  二〇〇三年のイラク戦争に関する我が国の対応については、前政権下で外務省が検証を行い、昨年十二月にその結果を発表しました。我が国が武力行使を支持するに至った当時、査察への協力を通じて大量破壊兵器の廃棄を自ら証明する立場にあったイラクが、査察受入れを求める安保理決議に違反し続け、大量破壊兵器が存在しないことを自ら証明しなかったことが問題の核心であったと考えます。  他方、事後的に言えば、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったことの事実については厳粛に受け止める必要があると考えております。  このような認識も踏まえながら、引き続き、情報収集・分析能力の強化にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。  以上であります。(拍手)
  28. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  29. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 日程第一 安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案(第百八十三回国会内閣提出、第百八十五回国会衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。国家安全保障に関する特別委員長中川雅治君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔中川雅治君登壇、拍手〕
  30. 中川雅治

    ○中川雅治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国家安全保障に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、現行の安全保障会議の審議体制等を見直し、もって我が国の国家安全保障に関する機能等を強化するため、安全保障会議の名称を国家安全保障会議に改め、その審議事項を国家安全保障に関する重要事項に拡充し、国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針等の一定の事項について内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣及び内閣官房長官により審議を行うことができることとするほか、内閣官房に国家安全保障局を設置すること等について定めるものであります。  委員会におきましては、政府から趣旨説明を聴取するとともに、衆議院修正部分について修正案提出者から説明を聴取した後、菅内閣官房長官、岸田外務大臣、小野寺防衛大臣、森国務大臣等に対し質疑を行い、さらに、安倍内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行ったほか、委員外議員による質疑、三名の参考人からの意見聴取を行うなど、慎重かつ熱心な審議を行いました。  質疑の主な内容は、国家安全保障会議創設の意義、四大臣会合及び緊急事態大臣会合の設置の理由、九大臣会合と文民統制機能の維持、国家安全保障会議への各省庁の情報提供、内閣官房の危機管理に関する体制の在り方、国家安全保障局の体制、国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官の役割と国家安全保障局長との関係、国家安全保障会議の議事録作成の必要性、政府の情報収集・分析機能の強化、本法律案と特定秘密保護法案との関係等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の仁比委員より反対、民主党・新緑風会の大野委員より賛成、社会民主党・護憲連合の福島委員より反対、公明党の石川理事より賛成、みんなの党の小野委員より賛成する旨、それぞれ意見が述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し四項目から成る附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  31. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。井上哲士君。    〔井上哲士君登壇、拍手〕
  32. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、国家安全保障会議設置法案に反対の討論を行います。  本法案によって設置される日本版NSCは、日本の外交・安全保障の司令塔だとされますが、検討されている国家安全保障戦略や防衛大綱の見直しの中身を見れば、首相の下に戦争、軍拡の司令塔をつくるものにほかなりません。秘密保護法と一体で主権者国民を罰則で脅し付けながら、あらゆる情報を隠しつつ米国との情報共有を行い政策決定を進めるものであり、集団的自衛権の行使に向けた検討と併せ、憲法に反する、海外で戦争をする国への体制整備にほかなりません。  国家安全保障戦略で名実共に武器輸出国になるための検討がされていることは重大です。  これまで、武器輸出三原則は様々な抜け穴がつくられ、紛争当事国であるイスラエルへの輸出につながることを承知で、米国等とのF35の共同開発にまで乗り出しています。さらに、総理のトップセールスの下で、トルコ軍の戦車のエンジンの共同開発のために合弁会社まで設立をされます。加えて、政府は、米国の国防高等研究局、DAPAをモデルにした新組織を発足させ、政府が資金援助をして革新的な防衛技術の発掘を進めようとしています。国会決議され、国是とされてきた武器輸出三原則を公然と投げ捨て、防衛産業の国際競争力強化を掲げ、武器輸出で成長する国に進むことなどは絶対に許されません。  さらに、ジブチの基地の拡充を始め、国際平和協力活動のためとして、自衛隊の海外基地の整備を図ることが検討されています。日本防衛とは全く無縁であり、世界の警察を自認する米国をまね、それに付き従って海外での軍事行動を広げるための検討にほかなりません。今や外国に軍事基地を置く国は、巨大な基地ネットワークを持つ米国以外、イギリス、フランスなどが僅かに持つだけです。軍隊の外国駐留が縮小の道をたどる大戦後の世界の流れにも逆らうものであり、このような検討は直ちにやめるべきです。  NSCにより米国との情報共有を強化するとしています。しかし、日本政府がイラクの大量破壊兵器保有の証拠だとする米国の捏造情報を、真偽を我が国として確認できない部分がほとんどとしつつ、米国との信頼関係が基本だとうのみにし、国際法違反の戦争を支持をしたことについて、まともな検証を行う意思も反省もないことが審議を通じて改めて明らかになりました。  米国との間には、情報保全についての日米協議、BISCが二〇一〇年に設置され、今年七月までに四回の協議が行われています。その米国がやっていたことは何か。ドイツなどの首相や日本の在米大使館を対象にした盗聴です。  米国家情報長官クラッパー氏は、十月二十九日、アメリカの下院で証言し、情報機関に最初に学ぶ基本は指導者の考えをどう知るかということだ、どんな指導者でも対象になると述べ、同盟国を含む外国首脳の通信傍受を正当化しています。ところが、政府は、米国との意思疎通を図っているなどと繰り返すだけで、事実解明の要求も抗議もしていません。一体これでどうして主権を守ることができるのでしょうか。  同盟の強化だとして情報共有を強化することは、米国への従属を深め、イラク戦争と同じ過ちを繰り返すだけです。政府には、イラク戦争への対応について正面から誠実な検証を行うとともに、盗聴による主権侵害に対して毅然と対応し、同盟ありきの外交判断と政策姿勢を根本的に改めるよう強く求めるものであります。  以上、反対理由を申し述べ、討論を終わります。(拍手)      ─────・─────
  33. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 御紹介いたします。  本院の招待により来日されましたASEAN議員会議、AIPA議長御一行がただいま傍聴席にお見えになっております。  ここに、諸君とともに心からなる歓迎の意を表します。    〔総員起立、拍手〕      ─────・─────
  34. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 討論を続けます。小野次郎君。    〔小野次郎君登壇、拍手〕
  35. 小野次郎

    ○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。  私は、本日の議題である安全保障会議設置法等改正案について、みんなの党を代表して、賛成の立場から討論を行います。  四年半にわたり安全保障・危機管理担当の総理秘書官を務めた経験を通じて、私は、我が国の国家安全保障上の三つの大きな課題を実感してまいりました。  課題の第一は、千差万別な態様の緊急事態、すなわち、国家の危機に当たって機動的な対応を取れる体制の確立であります。第一報がアリの一穴のようなささいな内容から国全体を揺るがす一大事が始まることもあります。しかし、実際には、天下の一大事と思われた事件も、終わってみれば、あれって何だったのだろうと顔を見合わせて苦笑いするケースの方がずっと多いのです。  危機管理の要諦は、最初に最大、最悪の事態を想定するとともに、臨機応変な対応で最小限にまとめることであります。外国からの直接侵略のケースを除けば、国家の危機も、多くの場合、ミリタリーかシビルか、つまり、軍事なのか非軍事なのか判然としない、また、途中で事態の性格自体が変質することも想定しなければなりません。非軍事の緊急事態であっても、複数の事象が同時に発生した場合には、政府部内で主管官庁が重なり合ったり、あるいは途中で変遷することがあり得ます。  その意味で、国家安全保障に関する政府の司令塔は、どんな事態にも臨機応変かつしなやかに対応できるものでなければなりません。そのためには、省庁の縦割りを徹底的に排除する必要があります。同時に、少数の省庁の縄張争いの場にしてしまうことも避けなければなりません。私たちは、まさに官邸主導、なかんずく総理主導の危機管理体制を確立しなければならないのです。  さらに、総理と各省大臣の間に指揮監督関係があっても長年にわたり克服できていないのが情報の内閣一元化であります。国家安全保障に関しては、つかさつかさで機密情報を管理し、情報を出し惜しみする傾向が根強い官僚組織の抵抗を押し切って情報の一元化を実現する必要があります。  課題の第二は、国家安全保障に関して、官僚主導を排除して、政治指導者のリーダーシップが発揮される仕組みの実現であります。危機に際して不確実な重大事態に対処する以上、常に空振りや失敗のリスクを覚悟しなければなりません。国民は、政府の対応によって、一時的な自由の制約ばかりでなく、生命、財産にまで取り返しの付かない損害を被る可能性があります。  我が国の官僚は、個人としては知識と技術において優秀な方々であります。しかし、集団となれば、無謬性、匿名性、個人無答責を組織原理としてきたことも否定できません。判断の誤りを認めたり個人責任を自ら認めることを期待することは困難です。逆に言えば、彼らには後で個人の責任又は失敗の責任を問われるような決断を行うことは難しいということを意味します。  危機管理のシミュレーションは官僚の方が得意かもしれません。しかし、本番は、責任とリスクの伴う決断ができる真の政治家でなければ国家の重大危機を乗り切ることはできません。結果の責任は自分が取る覚悟を持った総理大臣や関係閣僚が政治的なリーダーシップを発揮できる、政治家主導でトップダウンの体制の構築が求められています。  最後に、私が長年実感してきた第三の課題は、国家安全保障における意思決定プロセス及び責任の明確化であります。  緊急事態にあって、国民の皆さんは、一時的とはいえ、かけがえのない生命、財産、自由と安全を政府の判断と指示に委ねざるを得ないのです。  しかし、国民の負託を受けて多くの同胞の運命を預かる立場に立つ政治家や官僚が、危機に際して密室の中で記録を残さない形の方が自由に議論ができて最善の結論が出せるなどと考えるのは大きな誤りであります。公表する時期については別途考慮するにしても、何を考え、何を議論したのか、責任者個々の関与を明確にして、つまびらかに記録に残すことは至極当然のことであります。逃げ隠れできない状況に置かれて初めて、指導者は覚悟を持って重大な決断を行うことができ、官僚もまたそれを確実に実施に移す責任感が生まれるのではないでしょうか。  本法案の採択に当たって、自らの経験に即して所感の一端を申し上げました。本法案は、我が国国家安全保障の司令塔となる組織、つまり入れ物を用意するだけのことであります。  本法案は、今回衆議院の審議を通じて加えられた修正部分を含めて、これまでの課題を克服して、国家安全保障の充実に大きく寄与することができる内容であると考えます。今後、国民の期待にこたえて十全の機能を発揮するためには、常に迅速的確な意思決定がなされるよう、情報の内閣一元化を一層進める必要があります。
  36. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 小野君、時間が参りました。簡単に願います。
  37. 小野次郎

    ○小野次郎君(続) また、意思決定プロセスの記録を残す仕組みを前提にした上で、政治家も官僚も各々の責任をしっかり果たさなければならないという点も最後に申し添えます。  以上、みんなの党を代表して、本法案に対する賛成討論といたします。(拍手)
  38. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  39. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  40. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  41. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十一     賛成            二百十三     反対              十八    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  42. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 日程第二 裁判官の配偶者同行休業に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長荒木清寛君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔荒木清寛君登壇、拍手〕
  43. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、裁判官が外国で勤務等をする配偶者と生活を共にするための休業に関する制度を設けようとするものであります。  委員会におきましては、本法律案提出の経緯と成立した場合の制度利用の見通し、同行休業取得の要件が一般の国家公務員と裁判官とで異なる理由、同行休業中の自己研さんの必要性とその支援策、裁判所における女性の活躍の推進等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  44. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  45. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  46. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十一     賛成           二百三十一     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  47. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 日程第三 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長丸山和也君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔丸山和也君登壇、拍手〕
  48. 丸山和也

    ○丸山和也君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を適正に行うため、高等学校等就学支援金の支給について、所得制限を行う等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、本法律案と国際人権A規約との関係、所得制限導入により捻出される財源の使途、地方公共団体の事務負担増加への対応等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して大島理事より反対、日本共産党を代表して田村委員より反対の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、法律案につきましては附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  49. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。大島九州男君。    〔大島九州男君登壇、拍手〕
  50. 大島九州男

    ○大島九州男君 私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提出の公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場で討論をさせていただきます。  二〇一〇年に民主党が恒久法として実現した高校無償化制度の理念は、保護者等の所得に影響されることなく、全ての子供たちが平等に教育を受ける権利を保障していくことにありました。改正案に盛り込まれた所得制限の導入によって、全ての子供たちが支援金を受けられないことになれば、そもそも法制定の理念を大きく後退させるものであり、日本の人材育成に大きな影響を与えることは間違いありません。  本改正案に反対する第一の理由は、世界的に見ても、ほとんどの主要先進国でいわゆる高校授業料は無償であります。更に言えば、無償とされている国々では所得制限は課されておりません。この改正案の成立が、中等・高等教育無償化の漸進的導入を定めた国際人権A規約の趣旨に逆行し、世界に向けて、日本の教育、人権政策は後退したとのメッセージを発信してしまうことにあります。  第二の理由は、制度変更等の影響により、進路選択の時期に当たる中学三年生や、既に現制度で子供の公立高校授業料無償で家族の生活設計を行い、既にそれを実行している世帯における影響が懸念されること。  第三の理由は、就学支援金の受給資格の認定に当たって、保護者の所得を明快に把握し、申請を行わないと受給資格の認定が下りないことから、複雑な家庭環境の生徒や定職に就けないでいる保護者の家庭の生徒に多大な精神的負担を与えるおそれがあること。  第四の理由は、突然の家庭における経済環境の変化に制度が追い付いていないため、受給資格の認定に長期間時間を要する事態が起こり得るなど、制度の想定していない現実が起こる可能性が大きいこと。  第五の理由は、所得制限の導入により捻出される財源については、奨学のための給付金の創設、公私間格差の縮減等の教育費負担軽減施策に用いると説明を受けましたが、現実にその予算の獲得が確実に実行される確証がないこと。  第六の理由は、現在も都道府県が独自に私立高校生に対して行っている授業料減免補助について課題が残ることです。  そもそも、今回の就学支援金の加算拡充により、都道府県が行っている授業料減免補助がどの程度軽減されるのか把握されておらず、さらには、加算拡充に伴い、地方自治体独自で手当てしていた低所得者支援の予算が今回の改正で国に肩代わりされ、地方で使われていた教育予算がほかに流用される可能性が指摘されています。  国においても、特に増大する事務処理のために四十億から五十億もの事務費の予算が計上されていますが、この予算も所得制限導入によって捻出される授業料から手当てされることを見ても、地方の教育費の他への流用が懸念されること。  第七の理由は、そもそも今回の所得制限の導入は、年収九百十万円以上の世帯の子供に充てていた予算を削り、その削った予算を年収二百五十万円以下の世帯の子供に回すという単なる予算内での調整であり、教育予算全体を増やす努力をしていないこと。  以上、私は、本改正案に対して反対の理由の一部を述べましたが、本改正案における低所得者支援のための奨学のための給付金の創設や公私間格差の是正、専修学校一般課程、各種学校への支援の拡大、特別支援教育就学奨励費の拡充については大いに賛成をさせていただくところであります。  この国の将来を担う人材を育成していく最も大切な仕事をリードするのは文部科学省であります。その省庁としての責任は、新たな財源を確保し、全ての子供たちがどんな環境に生まれようとも平等に教育を受ける制度を確立し、安心して学べる社会をつくり上げることが本来の使命であります。  我が国の教育政策の根幹にかかわる問題を、拙速に所得制限導入という手法による改正によって行うのではなく、与野党で、我が国の教育の在り方、人への投資の重要性をしっかり議論し、それを受けて、我が国全体の予算配分を見直し、教育予算を充実させることによって高校無償化制度をより良いものとしていくことこそ我々国会に課された使命ではないでしょうか。  我が国は人材こそが資源であり、教育は未来への投資であります。政府・与党は、国土強靱化の名の下に公共事業関連予算を増額させる一方、国家予算が逼迫していることを理由に、この法律に所得制限を導入し実質的に教育予算の削減を行う対応は、現政権の我が国人材育成に対する消極的姿勢が表れていると言わざるを得ません。  国をつくっているのは国民一人一人であります。その一人一人の国民に投資をし、そこで学んだ一人一人の国民がそれぞれの役割で家庭、社会で活躍して国家を支える、そんな国を目指して、私たち国会議員は国民一人一人を家族と思う心で政策を立案していくことが国会の本来の仕事であると考えています。  この改正案が、本当に国民のため、国家のためになる改正案であるかどうかは、私たち議員一人一人が、政策を立案する際、党利党略でなく、本当に心から国民の健やかなる生活を願い、立法した法律であるかどうかに懸かっています。その結果は必ずその心にふさわしい結果として現れます。  私は、そのことを肝に銘じ、今後の国会活動を皆さんと心一つに真摯な姿勢で行うことをお誓いし、世界の平和をリードする日本の人材の育成を目指し、全ての国民に平等な教育の機会を提供できる社会づくりに取り組んでいくことを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。(拍手)
  51. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 田村智子君。    〔田村智子君登壇、拍手〕
  52. 田村智子

    ○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部改正法案に反対の討論を行います。  本法案は、公立高校の授業料不徴収の条項を削除し、公立高校にも授業料を発生させた上で就学支援金を支給するというものです。  公立高校の授業料は都道府県の判断で決定されるため、就学支援金の額を超える授業料を決めた場合、その差額を高校生から徴収することになります。現に、東京都には今も都立高校授業料を年額十二万二千四百円と定めた条例があり、留年などにより現行法の対象外となった高校生はこの授業料を負担しています。その年額は現行の就学支援金の支給額を上回っており、このままでは、来年度四月から新入生の多くが授業料の一部又は全部を負担することになってしまいます。  公立、私立共に高校無償化が求められている下で、このように公立高校の授業料不徴収を僅か四年で廃止することは断じて容認できません。  さらに、本法案は、就学支援金の支給に所得制限を設けるとしています。文部科学省の試算で二二%もの高校生を就学支援金支給の対象外とすることは重大です。  所得制限を実施するには、全ての高校生について保護者等の所得の把握が必要です。そのため、法案では、高校生に保護者等の収入を届けることを義務付け、届出がなければ就学支援金の支給を差し止めるとしています。現役の高校生全てに法に基づく行為を義務付ける法律はほかにはありません。  公立、私立共に授業料負担を前提とし、就学支援金を受けたければ経済的支援が必要であることを証明せよと高校生に義務付ける、このような法制度が国際人権規約、社会権規約に定める中等・高等教育の授業料無償化の漸進的実行に逆行することは明らかです。  保護者等の収入は課税証明書によって確認することになりますが、これは、社会的に孤立した家庭、複雑な事情や困難を抱える家庭ほどハードルが高くなってしまいます。雇主が源泉徴収書を出さない場合、ネグレクトなどがある場合、家庭の不和から親を頼らないことを選択した高校生などの事例についてただしましたが、こうした場合にも、保護者等の課税証明書の届出ないし届出ができない理由を都道府県が確認することが必要との答弁にとどまり、就学支援金の差止めを防ぐ具体的な対策は示されませんでした。  文部科学省は、所得制限によってつくり出す予算を就学支援金の加算に充てると説明していますが、それは本来概算要求で増額要求すべきです。そうしなければ、OECD諸国の中で最低ランクの我が国の教育予算割合を増やすことなどできるはずがありません。  来年度、文部科学省が想定する私立高校生への就学支援金加算の総額は一学年分のみで二百五十億から二百六十億円、これを増額要求することがなぜできないのか。高額所得者への負担を求めるならば、所得税、住民税の最高税率を一九九八年水準に戻せば六千から七千億円の増収となり、就学支援金の加算のみならず、教育予算の拡充に十分な財源となるではありませんか。  最後に、今年五月、子どもの貧困対策法制定を求める集会で、私は下村大臣と御一緒いたしました。その中で、働きながら夜間定時制に通う高校生はこう発言をしました。授業料無償に所得制限を付けようという話が出ていると聞いています、それは多分高校生の願いに反することだと思います、学校に通うことを私たちの権利にしてほしい、小中学校に授業料という言葉がないように、早く高校にも授業料という言葉がなくなり、教科書代、実習費という言葉も生徒会費という言葉もなくなっていくことを望みます。こうした高校生の声にこたえて、全ての子供たちに教育を受ける権利を保障するために全力を尽くす決意を述べ、反対討論を終わります。(拍手)
  53. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  54. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  55. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  56. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十一     賛成            百五十四     反対             七十七    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  57. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 日程第四 交通政策基本法案(内閣提出、衆議院送付)  日程第五 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(第百八十三回国会内閣提出、第百八十五回国会衆議院送付)  以上両件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長藤本祐司君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔藤本祐司君登壇、拍手〕
  58. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ただいま議題となりました両案件につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず一点目、交通政策基本法案であります。  この交通政策基本法案は、交通に関する施策について、基本理念及びその実現を図るのに基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより、交通安全対策基本法と相まって、交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進しようとするものであります。  委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、本法案の基本理念を踏まえた交通行政の在り方、地域公共交通への国の支援の必要性、交通における大規模災害対策及び安全対策の推進等について質疑が行われました。その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して辰已委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。  採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。  二つ目でありますが、これは、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件は、平成二十五年四月五日の閣議決定に基づき、平成二十七年四月十三日までの二年間、引き続き、北朝鮮船籍全ての船舶の本邦への入港を禁止することについて、国会の承認を求めようとするものであります。  委員会におきましては、国土交通大臣より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  59. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。  まず、交通政策基本法案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  60. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  61. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成            二百十七     反対              十二    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  62. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 次に、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件の採決をいたします。  本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  63. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  64. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成           二百二十八     反対               〇    よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  65. 山崎正昭

    ○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会