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2013-05-22 第183回国会 参議院 憲法審査会 3号 公式Web版

  1. 平成二十五年五月二十二日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  四月三日     辞任         補欠選任      小川 敏夫君     大島九州男君  四月四日     辞任         補欠選任      江田 五月君     直嶋 正行君  五月十六日     辞任         補欠選任      衛藤 晟一君     熊谷  大君      佐藤 正久君     中原 八一君  五月二十一日     辞任         補欠選任      大島九州男君     白  眞勲君      榛葉賀津也君     斎藤 嘉隆君      谷  博之君     那谷屋正義君      片山さつき君     石井 浩郎君      中川 雅治君     上野 通子君  五月二十二日     辞任         補欠選任      白浜 一良君     竹谷とし子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         小坂 憲次君     幹 事                 小西 洋之君                 藤本 祐司君                 松井 孝治君                 上野 通子君                 西田 昌司君                 野上浩太郎君                 藤川 政人君                 西田 実仁君                 江口 克彦君     委 員                 足立 信也君                 北澤 俊美君                 斎藤 嘉隆君                 櫻井  充君                 玉置 一弥君                 樽井 良和君                 那谷屋正義君                 直嶋 正行君                 白  眞勲君                 福山 哲郎君                 前川 清成君                 増子 輝彦君                 水岡 俊一君                 石井 浩郎君                 磯崎 仁彦君                 宇都 隆史君                 熊谷  大君                 中原 八一君                 古川 俊治君                 丸山 和也君                 山谷えり子君                 魚住裕一郎君                 竹谷とし子君                 谷合 正明君                 松田 公太君                 佐藤 公治君                 井上 哲士君                 亀井亜紀子君                 福島みずほ君                 水戸 将史君                 舛添 要一君    事務局側        憲法審査会事務        局長       情野 秀樹君    参考人        駒澤大学法学部        教授       大山 礼子君        一橋大学大学院        法学研究科教授  只野 雅人君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○幹事補欠選任の件 ○参考人の出席要求に関する件 ○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基  本法制に関する調査  (「二院制」のうち、衆参両院の権限配分及び  参議院の構成について)  (二院制)     ─────────────
  2. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。  幹事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在幹事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  幹事の選任につきましては、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 御異議なしと認めます。  それでは、幹事に上野通子君を指名いたします。     ─────────────
  4. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のため、「二院制」のうち、衆参両院の権限配分及び参議院の構成について、本日の審査会に駒澤大学法学部教授大山礼子君及び一橋大学大学院法学研究科教授只野雅人君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題とし、「二院制」のうち、衆参両院の権限配分及び参議院の構成について参考人の方々から御意見を聴取いたします。  この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ本審査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。審査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  これまでの御経験を踏まえた忌憚のない御意見を賜り、今後の調査に生かしてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、大山参考人、只野参考人の順にお一人十分程度で順次御意見をお述べいただきました後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず大山参考人にお願いいたします。大山参考人。
  7. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) 御紹介いただきました駒澤大学の大山でございます。  本日は、お招きいただきましてありがとうございます。  時間が限られていますので、早速中身に入りたいと思いますけれども、最初にお断りしておきますけれども、本日は、私の方は憲法改正を視野に入れた改革をお話しするようにということで、只野先生の方は憲法の枠組み内でということで役割分担しておりますので、そのおつもりでお聞きいただければと存じます。  まず、レジュメのタイトルでございますけれども、「参議院の独自性を考える」ということで書かせていただきました。この独自性と申しますのは、これは国会が発足しました当初から、参議院改革の議論があると必ず出てくるキーワードと言ってよいかと思います。つまり、参議院がどのようにして独自性を発揮するかということが永遠のテーマになってきているのではないかと存じます。  ですが、では、その独自性というのは一体何を意味するのかということなんでございますけれども、ここにちょっと数式のようなことを書いておりますけれども、独自性というのは、いろいろ権限の分担の仕方などで独自性が出ることはあり得ると思いますけれども、やはり参議院が衆議院と異質であるということが独自性の条件になると思われます。それから、その異質性ということ、これは、やはり戦前からこれも何度も異質性が大事だということは言われてきたようでございますけれども、この異質性ということをどのように確保するかということになりますと、これも、審議の方法の質をたがえるというようなこともありますけれども、やはり構成が異なっているということが一番大きなことになろうかと存じます。  ということですので、独自性を発揮するためには、参議院が衆議院と構成を変えていくというのが一番早道になろうかと思います。  ですけれども、そうやって構成を変えることにいたしますと、今度は、下院と異質な上院、つまり参議院が例えば法案審議などについて拒否権を握ってもよいのかという問題が生じてまいります。  下院の方、日本では衆議院でございますけれども、この選挙制度というのは国民代表として民意を正しく反映させるべくつくられている、設計されているはずでございます。したがって、衆議院の構成というのも民意を反映すべく一番適切な構成になっているはずでございます。そういたしますと、その衆議院と構成が異なるということは、どうしても民意から少し遠くなるということにならざるを得ません。特に、議院内閣制の下では、衆議院の選挙制度というのは政権選択の民意を反映するようにつくられているという傾向がございます。  それで、その衆議院で示された政権選択の民意によって成立した内閣と参議院の関係をどう考えるのか、ここが一番重要なことになってまいります。この問題を言い換えますと、要は、国民の信託を受けて内閣が成立しているのであれば、その内閣の政策決定を参議院が阻害してよいのか、拒否権を行使してよいのかと、こういう問題になってくるわけでございます。  実際に世界の各国見ましても、上院の権限が強いと、下院とむしろ異質ではないことが求められる傾向にあろうかと思います。一番典型的な例はイタリアでございまして、ここは平等型の二院制なのですけれども、選挙制度も現在はどちらも完全比例代表制でなるべく同じようにしておりまして、しかも、こちらは両院とも解散制度がありますので、同時解散をすることによってなるべく異質にならないようにしております。それから、日本でも参議院のねじれが問題になってきましてから、同日選論というのがあることは御承知のとおりのところでございます。  そういうことで、独自性と強い権限というのはどうも相克、お互いに矛盾する関係にあるのではないかということが議論の論点になってこようかと思います。  そうしますと、独自性を発揮するためには、憲法を改正しまして参議院の権限を若干引き下げるというようなことを考える余地が出てまいります。しかし、そうなりますと、参議院の存在感がなくなってしまうのではないかという懸念が生じます。そこで、問題なのは、拒否権を行使する以外に存在感を発揮する方法はないのか、こういうことだろうと思います。  それは、私はあるはずだと思います。それはどういうことかと申しますと、そもそも国会審議の意義というのは結果だけではございませんで、当然その経過にもあるはずでございます。現代の政党政治におきましては、その審議の結果というのは政党によってあらかじめほとんど定まっているわけでございますけれども、だからといって国会審議に意味がないかというと、そんなことはございません。審議の経過途中において言論によって国民へアピールする、これが国会の非常に大きな役割のはずでございます。  確かに、衆議院の中においても、少数派である野党の意見が必ずしも数の力で通るわけではないのですけれども、もし野党の意見が的確なものであれば、内閣や与党もその意向を無視できなくなってまいります。同様に、参議院が少し権限が小さくなったとしても、参議院で非常に的確な議論がなされ、国民もそれを支持しているということになれば、これを衆議院及びその多数派を基礎に存続している内閣が無視できるわけではございません。  それから、もう一つ重要な点だと思うんですけれども、そうした言論によるアピール、言論の力で審議を充実させて何か新しいことをしていくという面において、現在の参議院というのは衆議院よりも充実しているというふうに私は思っております。  と申しますのは、衆議院はどうしても党派対立一辺倒の審議になりがちなんでございますけれども、参議院の場合はそこからちょっと距離を置いた超党派的な議論ができるところだと思います。実際に、調査会などにおいて長期的な視野を持った議論がなされておりまして、それに伴った成果も着実に上がっていると思います。ですので、こうした長所を更に伸ばしていくということによって参議院が存在感を高めていくという方法を選択してもよいのではないかというふうに私は思っております。  そう申し上げましたけれども、しかしながら、参議院の充実した審議というのは、残念ながら内閣法案の審議においてはこれまで十分に発揮されてこなかったように思います。議院内閣制下の議会、国会ももちろんそうですが、においては、一番大事な仕事というのは内閣法案をいかに精査するかということにあると存じます。最終的に内閣法案が通っていくにしても、その過程で国会が民意を反映する国民代表機関として必要ならば修正を加えていくということが、これが一番大事だと思うんですけれども、そういう面では、これは衆議院、参議院を問わず、国会は今まで甚だ弱い、国会の弱点であったというふうに考えております。  ですので、充実した審議によって存在感をアピールしていくということであれば、それを確保するための手続整備が必要になります。特に、各議院の審議において内閣と国会とが建設的な対話をしていくことが非常に大事だと思います。現在は、衆議院から回ってきた法案については、もう参議院の審議が始まりますと内閣は修正案を出せないというふうになっておりますけれども、少なくともこういったところを改めていって、参議院の中で内閣と議会が対話をして法案の内容をより良いものにしていくという審議が可能になるようにする、こういったことが非常に重要になってくると思います。  それから、仮に憲法を改正して参議院の権限を少し縮小するということにする場合には、衆議院が最終的に議決をするまでに参議院でどのように充実した審議をするか、これは参議院だけではございませんで、国会として充実した審議を実現するかという点が非常に重要になると思います。  例えば、参議院が否決した後、衆議院でもう一度可決するまでに少し時間的な余裕を取って審議時間を確保するとか、衆議院ではもう一度委員会レベルから審査し直すとか、それからこれは両方の委員会で合同会議を開催するとか、いろいろ考えられると思いますけれども、ただ単に参議院が否決したものをもう即日、翌日には衆議院が可決するというようなことでは、これはあってはならないことですので、そういった工夫をしていくことによって言論の力で存在感を発揮するというふうにできるのではないか、こういうのが私の考えでございます。  ちょうど時間のようでございますので、取りあえずここまでにさせていただきます。  ありがとうございました。
  8. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) どうもありがとうございました。  次に、只野参考人にお願いをいたします。只野参考人。
  9. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) 御紹介いただきました只野でございます。本日はお招きいただきまして、どうもありがとうございます。  実は、大山先生と私、前提を随分共有しているところが多いかなというふうに思っておりますけれども、私自身は今の憲法の枠の中でできることが随分あるのではないかと、こう考えておりますので、そうした立場からお話をしてまいりたいと思います。時間もございませんので、早速ですが本題の方に移りたいと思います。  まず、前提として二点ほどお話をしたい点がございます。  一つは、憲法の統治機構といいましょうか政治機構をどのように見るかと、こういうことでございます。  国会を始めとしました憲法の政治機構というものは、もちろん憲法のテクストによって縛られているわけでございますけれど、テクストによって記述されていない部分、余白といいましょうか、この部分が相当あるのだろうというふうに思います。そこに選挙制度ですとか政党システムですとか、あるいは国会の議事ルールですとか、そういったものを配置して憲法の機能が決まっていく。したがいまして、その同じテクストの下でも憲法の機能する姿というのは随分異なってまいります。これは、五五年体制の国会と現在の国会を見比べていただければ一目瞭然かと思います。  ただ、その余白を全く自由に使えるかといいますと、そうではないというふうに私思っておりまして、例えば参議院というような制度を組み込んだとしますと、やはりその制度から生じるある種の論理といいましょうか、実際の政治の在り方を緩やかにではありますけれども枠付けるようなある種の論理が生まれてくるのではないか。その論理を適切に見極めて制度設計をしていく、余白を埋めて憲法を具体化していくということが肝要ではないかと、こんなふうに考えている次第でございます。  ただ、この論理を見極めるというのはなかなか難しいところがございます。といいますのは、参議院もそうですけれども、第二院というのは大体妥協の産物としてでき上がっておりますので、当初どういう論理が入っているかと、なかなかこれははっきりしない部分がある。例えば、ねじれというような条件が出てきて初めて本来の論理が明らかになると、こういう部分もあるのかなというふうに感じております。  それから、その前提としてお話ししたいもう一つの点がございまして、これは大山先生のお話とも重なるのですけれども、その二院制というものが一般にどういう構成原理によって組み立てられているかということでございます。  非常に簡単に申し上げますと、民主的正統性と権限の相関関係、こういうことになるかと思います。つまり、強い民主的正統性を持っている議院により強い権限が付与される、逆に、強い権限を持っていればそれに相応した強い民主的正統性が求められると、こういうことでございます。  参議院について見ますと、普通直接選挙で選ばれている強い民主的正統性を持っておりますので、ある意味強い権限を持っているというのはそれなりに合理的な結果でありましょうし、逆に、その強い権限を持っているということになりますと、それ相応の民主的な基盤が強く求められると、恐らくこういうことになろうかと思います。  この権限関係を変えてみまして、例えば不対等型の第二院にするということになりますと、先ほどのお話にもありましたように、第二院が独自性を発揮して、しかし、その場合にはより民主的な第一院がそれを覆すような仕組みを設計すると、こういうことも考えられるかと思いますが、権限が不対等でございますので、どうしても独自性の発揮というのは難しい部分があるのかなと私自身は考えております。  この民主的正統性の淵源としてどういうものがあるかといいますと、一つは今申し上げたような普通直接選挙ということになりますが、最近ですと、特に最高裁判所の判例にもありますように、投票価値の平等というものが重要な要素として組み込まれているように思います。この辺りは、時間もございませんので、もし御質問があれば後ほど少しお話をしてみたいというふうに思います。  また、連邦国家などですと、民主的正統性とはやや違った形の正統性がハウスの強い権限を支えるということもあり得るかと思います。州を代表するといったようなことでございますけれど、日本国憲法の場合にはなかなかそういった構造を見出すことは難しいのかなというふうに私自身は考えております。  このように考えますと、日本の参議院につきまして問題になりますのは、これはできた当初からのことでございますけれども、民主的に選挙された、しかも投票価値の平等を原則にして選ばれているような議院を二つ置くことに一体どういう意味があるのかと、まさにその独自性をどこに求めるのかと、こういうことでございます。  それぞれ選挙されておりますので、この間のねじれなどが示しますように、両院が対立しますとなかなか調整が付きにくい、あるいは内閣が非常に不安定になると、当然こういう問題も出てくるわけであります。で、どうしたらよいかということになるのですけれども、改めてねじれということの意味についてここでは一言お話をしてみたいと思います。  通常、ねじれといいますと、両院の党派構成が異なっていると、こういうことをイメージしがちでありますけれども、実は別のレベルでもう一つねじれが生じているのではないかということが指摘されてまいりました。つまり、強い参議院というものを組み込んだ憲法の規範構造と、恐らくこの間ずっと追求されてまいりました二大政党間の政権交代とか政権選択といったものを基調としました議会制の運用ですね、この間にある種のねじれといいましょうかミスマッチが生じているのではないかと、こういうことでございます。  話は単純でございまして、この間の議会制の運用といいますのは恐らくイギリスをモデルにしていたと思われます。イギリスは、最近少し変わっておりますけど、二大政党の国であると、その間で政権交代が行われていると、こういう話でありますけれど、よく考えてみれば、イギリスには直接選挙された強い第二院というものは存在しておりません。イギリスの第二院は貴族院でございます。それであればうまくいくのですけれども、同じ政党システムを日本のような憲法の下に持ってきました場合、二大政党それぞれが衆参でイニシアチブを握りますと妥協というのは極めて難しくなります。  ですから、ねじれといいます場合、単に両院の党派構成が食い違っているというだけではなくて、憲法の規範構造が持っているある種の論理と実際の議会制の運用との間にある種のずれが生じてきたと、私はまずこの点を押さえるべきだろうというふうに考えるわけです。  そうしますと、一つの選択肢は、むしろその憲法の方を変えたらどうかと、こういう話でございますが、もう一つは、やはり憲法に合わせて運用を見直したらどうかと、こういう選択肢も十分あり得るのではないかと、これが私の立場でございます。  具体的にどうするかということになりますと、例えば二大政党の論理を少し緩和してみる。穏健な多党制というような言い方がよくなされますけれども、両院で多数が確保できるような連立政権中心の仕組みを考えてみると、例えばこういう方向性が出てくるわけであります。  当然、これは選挙制度の見直しなどともつながってまいります。衆議院の選挙制度をどうするかという問題もございますけれども、他方で参議院の制度をどうするかという問題にもなってくるかと思います。特に、投票価値の平等との関係で、今、都道府県選挙区の見直しということが一つテーマになっておりますので、今私が申し上げたような観点からも、例えば少数代表機能をもう少し強化したような選挙制度を考えてみるといったことも検討されてよいのではないかと、こう考えておる次第でございます。  最後にもう一点、今のような運用というのはある意味合意型というふうに言うことができるかと思いますが、そうした合意型の下で参議院の独自性なり存在意義をどこに見出していくのかと、こういう問題が出てまいります。これは大山先生お話しになったところと重なるのですけれども、まずはしかしその独自性という言葉の意味をはっきりさせておく必要があるだろうと思うわけであります。  先ほどのお話にまさにありましたように、独自性といいますと、まずは両院の構成を変えなきゃいけない、構成が違えば投票行動も違ってくると、普通はこう考えるわけでありますけれど、参議院が強いということを前提にしますと、まさにそこからねじれという深刻な問題が生じてまいります。  参議院の権限を弱くすればうまくいくではないかと、こういう御議論もあるかもしれませんが、その場合、参議院の独自性というものがどこまで発揮されるのか。特に、日本のように社会の多様性がはっきり表れにくいような社会の場合、果たしていかがだろうかと、私はやはり懸念をいたしております。そうしますと、やはりある程度似通った構成、あるいは両院に基盤を置いた内閣の下で国会制度を運用していくと、こういう選択肢を追求していくことになってまいります。  第二院の独自性といいますと、やはり第一院と違う独自性を強く出さなければいけないと、どうもこういうイメージになりがちでございますけれど、その強い第二院の独自性というのは、むしろ穏健な第二院といった機能の在り方にあるのではないかと、私は最近特にそんなふうに感じております。  そうした点から見ますと、実は、例えば立法手続などを取り上げてみましても見直すべき点がいろいろあるのではないかと、こういう感じがいたします。例えば、二院制を論じます場合に、よくシャトルシステム、あるいはフランス語ですとナベットというような言葉が使われます。これは両院の間で法案が行き来しながら修正を繰り返していくと、これを指す言葉であります。例えば、今の日本の国会制度なり運用を眺めてみますと、なかなかやはりそういった二院制本来の機能が想定されていないような仕組みになっているのではないかと、こんな感じを持つわけであります。  あるいは、これも憲法学の中ではずっと指摘されたことでありますけれども、憲法は衆参両院に議院規則の制定権といったものを認めております。言わば自主組織権を認めていると、こういうことでございます。例えば、委員会の構成といったようなことも本来は議院規則の射程に入ってくるのかなと私など思うわけでありますけれど、実際には、戦前からの伝統もありまして、国会法がかなり広い領域を規定していると、例えばそういったことを見直してみるというのも一つの在り方ではないかと、こんな感じがいたします。  委員会の構成を異ならせるといいますのはなかなか運用上難しいことは承知しておりますけれども、少し違った角度から同じ法案に光を当ててみる、そういったこともあるのではないか。よく多様な民意の反映というふうに言われますけれども、これは決して選挙だけのことではございませんで、審議の中でそういったものを考えてみるということの意義も決して小さくないのではないかと、こんなふうに思っております。  ちょうど時間も参りましたので、足りない部分は後ほどの質疑の中で補わせていただければというふうに思います。
  10. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) どうもありがとうございました。  以上で参考人の方々からの意見聴取は終了いたしました。  これより質疑に入ります。  お手元に配付をいたしております参考人質疑の方式に関する留意事項のとおり、本日の質疑は、あらかじめ質疑者を定めずに行います。質疑を希望される委員は、お手元にある氏名標を立ててお知らせください。そして、会長の指名を受けた後に発言をお願いいたします。  質疑の時間が限られておりますので、一回の質疑時間は答弁及び追加質問を含め八分以内でお願いいたします。すなわち、参考人の方々の答弁時間を十分に考慮いただき、質疑時間の配分に御留意ください。発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。  参考人の方々におかれましても、答弁はできる限り簡潔にお願いをいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑を希望される方は氏名標をお立てください。  それでは、最初に前川清成さん、どうぞ。
  11. 前川清成

    ○前川清成君 ありがとうございます。  大山さんにお尋ねをしたいんですが、後半部分の立論の前提として、まあ正確に聞き取れなかったのかもしれませんが、国会議員の仕事として内閣法案の審議が重要だと、こういうふうにおっしゃったと思います。ちょっと言葉が正確でもありませんが。  これがどういう意味でおっしゃっているのか、私はよく分かりませんでした。内閣法案、すなわち内閣提出の法案、役所が作った法案を審議するのが国会議員の仕事だと、こうおっしゃるのであれば、私は、憲法四十一条で定めているところの、国会は、国権の最高機関であって、唯一の立法機関という趣旨に大きく損なうのではないかと、こう思います。  言うまでもありませんが、大山さんが言うように、いや、そうでないのかもしれませんが、内閣法案の審議をするのが国会議員の仕事だというのであれば、政策は官僚がやって、国会議員は政局だけやれと、こういうふうな意味に私は取ります。そうではなくて、国会議員の仕事というのは、私は国会議員自らも、自らがと言わなかったんです、自らも法案を、法律を作ることではないのかなと、こういうふうに考えておりますので、その点、そもそも立場が違って議論の余地がないのかもしれませんが、一応、大山さんのおっしゃっていることをお尋ねしておきたいと思います。  以上です。
  12. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) お答えいたします。  私、議会研究者でございまして、比較議会制度等で議院内閣制下の議会というものを、よその国も含めて研究しております。  まず、内閣提出法案は官僚が作ったというのが、日本ではこれまでもしかしたらそうだったかもしれませんが、本来は内閣提出法案というものは、国民が選挙で選んで多数派を獲得した政党が、そのプログラムにのっとって政治的に判断をして内閣提出法案として提出するものであるべきだと考えております。  それに対して国会側は、もちろん国会議員が独自の政策をお考えになって立法なさることは結構なことでございますけれども、内閣が国民の信託を受けた内閣として出してきた法案について十分に精査するというのは、議院内閣制下の議会としては私は最も大事な仕事だと思っております。  と申しますのも、例えば大統領制のアメリカのようなところでも、実は、その体裁は全て議員立法なのですが、実際には大統領の側が作成した法案というのが多数ございます。そこからも分かりますように、やはり複雑なことを決める大きな法律案というのは、これは行政府の手を借りて、官僚を使いこなして政治家が作るべきだと考えております。  ですが、その法案について、それはその内閣の判断でお作りになったかもしれませんけれども、個々の国会議員の方々が、御自分の選挙区の事情であるとかいろいろなところの情報を得て、ここはおかしいんじゃないかということはやはり修正を加えていくべきだと思います。それが非常に大事な仕事であると私は考えております。  以上でございます。
  13. 前川清成

    ○前川清成君 何でもかんでも分かりやすく説明する池上彰さんという方がいらっしゃって、その方が「憲法はむずかしくない」という、高校生にでもよく分かるように憲法を説明した新書があります。その中で、国会議員の中には勘違いしている人がいるかもしれませんが、役所が作った法案を、法律を通すのは国会議員の仕事ではありませんと。イギリスで国会議員のことをローメーカーと言うように、国会議員の仕事は法律を作ることですというふうに書いておられるので、私は、議会の研究者だとおっしゃるのであれば、大山さんにその池上彰さんの本を一読されることをお勧めして、発言を終わります。  以上です。
  14. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは次に、西田実仁君。
  15. 西田実仁

    ○西田実仁君 お二人の先生には、大変にお忙しい時間、ありがとうございました。公明党の西田実仁でございます。  憲法について考える基本的な立場ということを申し上げますと、国民主権の徹底であるというふうに私は思っております。したがって、改憲ということでいえば、国民の皆様が何を望んでいるのかということが最重要になるんではないかというふうに思うわけであります。  今、様々なニーズはあろうかと思いますけれども、官僚支配の行政からいかに脱却するかというのは大きなテーマとして掲げられていると思います。仮に選挙を通じてねじれ自体が解消できても、例えば東日本大震災復興予算の流用問題などがあるように、こういうことでは国民の支持は得られませんし、政治全体への信頼というのも低下するんではないかと思います。  ただ、いわゆる官僚支配の行政から脱却といっても、単なる官僚バッシングでは仕方ないわけでありまして、そんなことを国民も望んでいないというふうに思います。真に公共の利益を実現するためには統治機構の本質的な問題を論じなければならない、真正面から議論すべきであるという立場であります。特に、立法府行政府の関係の問題に議論を深めていく必要があると思っております。  さきに産経新聞憲法改正要綱におきましては、参議院行政監視院を置くということが記されておりました。また、同要綱では、国会同意人事の先議権を参議院に付与するということも規定されておりました。行政組織あるいは人事に対する統制を参議院に行わせるという趣旨であり、いわゆる官僚支配の行政からいかに脱却するかということに貢献する一つの考え方ではないかというふうにも思うわけでございます。  そこで、お二人の参考人にお聞きしたいわけでありますけれども、この国民主権の徹底という観点からは国会行政監視機能をいかに高めるかということが一番問われていると思いますが、その視点での衆参それぞれの役割はどうあるべきか。権限を強める弱めるという、そういう切り口もあるかもしれませんけれども、私が申し上げたいのは、その役割分担というところで、特に参議院では組織あるいは人事といった行政監視機能をより強めて、そして衆議院の方はむしろ予算あるいは決算も含めた財政的な資金的な監視を強めるという役割分担という整理を自分の中ではしておりますけれども、お二人に是非お聞きしたいと思います。
  16. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、大山参考人から最初よろしいですか。
  17. 大山礼子

    参考人大山礼子君) 行政監視機能というのもなかなかこれ、非常に重要なのですけれども、なかなか難しいところがあろうかと思います。  誰が担い手になるかということでございますけれども、野党による行政監視、これが、例えば少数者調査権というようなものがございますけれども、これも非常に一方で重要なんですけれども、もう一つ、与党行政に対して、こういうことをしなさいという、命じている法律を作った責任者でございますので、与党の立場からどのように行政を監視していくかということも一方で非常に重要な視点かと思います。  どういうふうに分担していくかという、なかなか、これはもっと細かく詰めていかなければなりませんけれども、衆議院も、衆議院の多数派が法律を作っていく責任者であるならば、その立場からの行政監視ということもあり得るんではないかというふうに思っております。
  18. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、只野参考人、お願いいたします。
  19. 只野雅人

    参考人(只野雅人君) なかなか一言でお答えするのが難しいところがございますけれども、議会一般の機能としまして立法政府に対する統制があると、これは広く言われているところでございます。  恐らく、先ほどの御発言というのは、参議院の方は内閣とはやや距離があるであろうと、したがいまして統制により適しているであろうと、こういう御趣旨が前提にあるのかなという感じがいたしました。確かにそういう面ございますけれども、他方で、やはり、先ほど申しましたように、参議院が強いというようなことを前提にしますと、その部分はある程度相対化されてくるのかもしれません。  ですから、一般論としましては、行政監視なり統制というような問題は、やはり両院共通の問題としてはまず考えてみると、その中でそれぞれの役割分担を考えていくと、こういうことになるのかなという感じがしております。  参議院独自なものとしてどういうものが適しているのかと、これなかなか難しいところがございますけれども、やはり、一つ手掛かりになるのは任期の長さということではないかなと思っております。少し長期的なスパンで仕事ができるということでございますので、そういった視点から、それにふさわしいような統制の在り方を考えていただくというのが一つあり得る視点かなというふうに思います。  取りあえず、以上でございます。
  20. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 西田実仁君、よろしいですか。
  21. 西田実仁

    ○西田実仁君 はい。
  22. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは次に、井上哲士君。
  23. 井上哲士

    ○井上哲士君 共産党の井上哲士です。  今日は、参考人の方、ありがとうございます。  まず、大山参考人にお聞きいたしますが、政権選択の民意によって国民の信任を得た内閣の政策を参議院が拒否してよいんだろうかというような提起がございました。今、特に小選挙区が導入をされて、大変、非常にこの民意が極端に出てくるという問題と、それから、この間の選挙でいいますと、シングルイシューで、それによって非常に大勝するということが何回か続きました。  そうしますと、衆議院と比べれば相対的に多様な民意を今反映をしている、選挙制度上もあった参議院が、それ以外の課題についてやはり国民の立場でしっかりチェックをし、場合によっては拒否をするということは私は重要なことではないかと思うんですが、そういう今の実態に合わせてその辺をどうお考えになるかというのが一点です。  それから、二つ目、拒否権以外に存在感を発揮する方法はないのかというお話がございました。我々の実感からいえば、圧倒的多数の部分でいいますと賛成している、与野党全会派一致の法案であっても、参考人質疑も含めて随分様々な議論をし、そして行政への注文も付け、場合によっては附帯決議なんかも付けておるんですが、マスコミは本当に対決した部分しか報道しないということで、そういうのがなかなか国民に見えないというのは大変いろんな思いがあるわけなんです。  大山参考人は、国立国会図書館にもおられて、国会に近いところもおられたわけで、そういう実際のいろんな充実した審議をしていることをアピールしていく上でどういうことが必要とお考えか、お考えあればお聞かせいただきたいと思います。  それから、只野参考人でございますが、憲法に合わせて運用を見直すことが必要ではないかというお話がございました。  穏健な多党制などを前提にした運用が必要ではないかというお話もあったと思うんですが、具体的にこの辺をもう少し詳しくお聞きしたいなと思っておりまして、例えば、両院協議会の在り方とか、今の与党の法案審査と国会質疑の在り方とか、この辺で見直すべき運用についてもう少し詳しくお伺いできればと思います。  以上です。
  24. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、大山参考人からお願いいたします。
  25. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) 最初の、衆議院の現在の選挙制度では民意がゆがんで伝わっているのではないかというような御指摘だったと思うんですけれども、それは私も、現在の衆議院の選挙制度にはいろいろ問題があると存じております。  先ほど申し上げましたのは、衆議院の選挙制度というのは本来そうではなくて、民意を正しく反映されるように設計されているべきものですので、もしそうであればということでお話ししたというふうに御理解いただければと思います。  それから、いろいろいい審議をしているのにどうしてなかなか伝わらないのかという、全くそのとおりで、私はマスメディアは困ったものだと思っておりますけれども、その点については全く同感でございます。  アピールの仕方なんですけれども、これも時々申し上げていることなんですけれども、日本の国会というのは情報発信が非常に弱いです。議事録はもう世界に冠たる議事録でございまして、第一回帝国議会から整備されているんですけれども、議事録以外の情報というのがほとんどございません。国会のホームページを見ても御挨拶とか紹介とかいうものばかりで、国民が本当に見たいのは、やはり法案をどういうふうに審議してどういう結論が出たかというところを委員会報告書などの形で知りたいと思います。そういうものがあればもうちょっと違ってくると思うんですけれども、要するに議事録しか情報がないものですから、そこが国会の非常に弱い点だと考えております。
  26. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、只野参考人、お願いいたします。
  27. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) 具体的に二点ほど御質問いただいたかと思います。  一つは両院協議会の在り方でありますけれども、これもかねてから議論のあるところでございまして、それぞれの議院から賛成会派の代表だけが出てくるということになりますと、なかなか妥協が得にくいだろうと。したがいまして、一つ考えられますのは、会派比例のような形で両院協議会を構成すると、こういうことに恐らくなるんだろうとは思います。  ただ、そうしましても、どうしても多数が優位になってしまうということになりますし、また、そこで成案を得ましても改めてこの両院で多数を得なければいけないということになりますので、なかなか難しい部分があるのかなというふうに感じているところではあります。特に、重要法案について、重要な修正案についての成案がそこから出てくるというのはなかなか難しいところがありますので、やっぱりある種補完的な役割というふうに考えていくことも必要かなと、そんな感じはしているところでございます。いずれにしましても、その構成の在り方については見直しが必要かなということになろうかと思います。  それからもう一つは、法案の審議の在り方ということでございますけれども、これは先ほど来の御議論ともかかわってまいりますけれども、私もやはり法案自体を審議するということに非常に重要な意味があるんだろうというふうに思います。先ほどは修正のお話をいたしました。両院で法案が行き来する中で修正が行われていくというのは、それだけいろんな意味での民意が反映されると、こういうことだというふうにとらえることもできるかと思います。  それから、その法文自体は変わらなくても、例えば質疑の中である一定の答弁を与党なり政府の方から引き出してくる、そうしますとその答弁が後々の法律の運用を縛ることになるわけです。公開の国会の場で行われた解釈なり限定というのはやはり非常な意味がございますので、そういった意味でも、そのアピールの仕方はもちろんございますけれども、法案の審議それ自体にやはり大きな意味があるということは確認しておく必要があるのではないかと、そんな感じがいたします。
  28. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは次に、佐藤公治君。
  29. 佐藤公治

    佐藤公治君 生活の党の佐藤公治でございます。  今日、お二方には、お忙しい中、参考人として御出席をいただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。  まず、只野参考人にお伺いをさせていただきたいかと思いますが、私が後ほど主張すべき二院制の在り方の多少抜粋したものを読ませていただいて、それに対して御意見を賜れれば有り難いかと思います。  抑制、均衡、補完という二院制の本来の趣旨、期待される機能を考慮するならば、例えば現在の同じような選出方法による制度については改善されるべき点も少なくないと考えているところであります。両院が同じような選出方法によって構成されることになると、結局、同じような物の見方になってしまうとともに、衆議院参議院政党状況の同質化というものが極端に進んでしまうことになり、十分なチェック・アンド・バランスの機能を果たせないことになりかねません。またちょっと飛びます。二院制そのものは維持するということを基本にした上で、国会議員の選出方法につきましては、両院の議員とも全国民代表するという性格は維持しつつ、その選出方法の理念、原則について改めて規定することが必要であると考えております。  私が御質問したいことは、先ほど只野参考人がおっしゃられ、質問があればまた後ほど御説明するという、一票の格差なのか、選出方法、選挙の在り方、これは憲法上、全国民代表するということと、まさに選挙といったものを見たときに、これが、今までこれも議論がいろいろとありましたけれども、現行の憲法において、ここら辺の解釈論にもなるんですが、今までのコンクリートされたものを、それはまあ前提としてあったとしても、この辺をどう今後、いい知恵というか考え方、選出方法として、まさに参議院衆議院選挙制度といったものを今議論している中にあって、この全国民代表するということと選挙といったものをどうとらえていくべきなのか、御所見をお伺いさせていただければ有り難いと思います。
  30. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 只野参考人、お願いいたします。
  31. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) 非常に重要な御質問かと思います。  まず最初に、第二院の役割って、一般にやはり抑制であるとか補完であるということがよく言われております。これは多分参議院ができた当初から国会でもずっと御議論があった点かと思いますけれども、やはり参議院について一つ難しいと思いますのは、先ほど大山先生の方からもお話がありましたけれども、権限がやはり相当に強いということであろうかと思います。もちろん、第一院の多数派を抑制するという役割は期待されてはいるのですけれども、不対等型の場合とはやはり少し違った仕組みを考えていかざるを得ない部分というのがあるのだろうと、特に権限にふさわしい民主的な基盤というのが強く求められる部分があるのだろうと、こんな感じがいたします。  その中身の一つとして先ほど直接選挙ということを申し上げましたけれども、もう一つやはり最近強く求められておりますのが投票価値の平等ということであります。  そこまで求めてしまうと両院の差が出ないではないかと、例えばもっと地方に手厚い議員配分なんかをすることで党派構成の違いを出す、そこに独自性を期待したらどうかと、こういう議論があることは私も十分承知しておりますけれども、やはり難しいと思いますのは、参議院がかなり強い権限を持っていると、こういうことでございまして、例えば五倍、六倍というような大きな格差の下でねじれが生じた場合、それがどこまで正当化されるのだろうかと、こういう疑問を持つわけでございます。  特に、最高裁判所が最近、参議院につきましても投票価値の平等を強く求めている背景にはそういう事情があるのではないか。それは、ある政治的な条件の下で生じたということではなくて、むしろ憲法自体に淵源を持つ問題でございますので、やはりそこはある程度同質性を強めるような要素が出てきてしまっても仕方がないのかなと。それ以外の部分で申しますと、例えば選挙区の規模を変えてみるとか、あるいは少し政党色を弱めるというふうなことは考えられるかもしれません。  ただ、いずれにしましても、比較的はっきりと相違が出にくい中でいかに独自性なり意義をつくっていくのかと、私の立場からしますと、やはりそういう方向で考えていくことになるのかなというふうに思います。
  32. 佐藤公治

    ○佐藤公治君 済みません、大山参考人にも、ちょっと今の同じ質問でどうお考えになられるのか、御意見を賜れれば有り難いと思います。
  33. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) ほとんど同じようなことでございますけれども、私も、構成を変える、異質なものにするというのは非常に二院制としては重要だと思いますけれども、それをするには強い参議院であることが障害になっているというふうに考えております。
  34. 佐藤公治

    ○佐藤公治君 最後にちょっと只野参考人に、多少時間がありますので簡単に御所見をお聞きしたいんですけれども、今議論していることは、国会そして院の在り方、でも逆の方向から見ると、政治家、それが政党又は個人で院を構成をしている。この今の現状の、実際問題、政治家や政党の在り方、バックアップ体制、これ実態的に機能し得る状況と思われているのか、まだまだ実際それがそうなっていないのか、ちょっとお考えなり御所見を聞かせていただければ有り難いと思います。
  35. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) なかなかちょっとお答えしにくい部分がございますけれども、一つは、やはり参議院も直接選挙されているということを前提にいたしますと、どうしてもある種の政党化というのは避けられないと、これは前々から言われてきていることでございまして、その枠の中でどう独自性を出していくのかと、こういうことになるのだろうというふうに思います。そうしますと、政党化をなくして議員個人を主体にしろというのはやはりなかなか難しいところがあるのかなと正直思っておりまして、若干トーンを変えるということはもちろん可能かとは思いますけれども。  もう一つが、やはり選挙の時期なり任期が違うということはかなり重要なのかなと最近私やはり思っておりまして、異なる時間の単位で民意を反映していくと、ここにある種、参議院の独自性みたいなものが一番表れやすいのかなと、こんな感じがしているところであります。
  36. 佐藤公治

    ○佐藤公治君 終わります。
  37. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) よろしいですか。  舛添要一君。
  38. 舛添要一

    ○舛添要一君 お二人の先生に同じ質問をしたいと思います。  まず、衆議院と参議院のねじれ、それほど悪いものなのかと、ねじれってそんなに悪いものなんですかと。私は、ねじれがあることを当然の前提として政治を行った方がいいという立場で、今お二方のお話にもありましたように、なぜねじれが生じるのかと。それは、選挙の時期が違うし、任期が違うわけですから、要するに、時期が違うときにどの政党が人気、国民の支持を得るかというのはまた異なってくるし、争点も違ってくるから、ある意味でねじれというのを前提にした政治をした方がいいんではないかというのが一つです。  それから、今の憲法を変えないで、憲法の枠内でしかしながらどういう改善策があるかということなんですけれども、只野先生は選挙制度との絡みをかなりおっしゃった。恐らくサルトーリなんかが頭にあるんだろうというふうに思いますけれども。しかし、結局は、選挙制度を決めるのは国会議員であるわけですから、衆議院の勢力が非常に強いときに、その彼らの考え方を完全に無視した形で参議院独自の選挙制度ができるのかなと。要するに、選挙法というのは法律ですから、両院で通らないといけない。  そういうことを考えると、選挙制度を検討する、考えることによって言わばこのねじれの解決をするというのは現実的には非常に難しいんではないかなと、そういうような気がしておりますので、まず第一点はその点です。  取りあえず、まずお二方にその点のお答えをいただければと思います。
  39. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、今回は只野参考人からお願いします。
  40. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) 二点御質問いただきまして、一点目は、ねじれが悪いことなのかと、むしろねじれを前提に運用を考えるべきではないかというのは、恐らくそのとおりではないかと思います。  といいますのは、二つ議院が置かれていますので、やはりずれが生じるということは当然あり得るわけですね。ただ、問題は、それをうまく国会全体としての政策決定につなげていくような運用をどうつくっていくかと、多分問題はそこなのだろうと思います。うまくやはり政策決定できないということになりますと、ねじれのマイナス面がどうしても強調して表れてくることになりますので、その適切な運用の仕方をどう仕組んでいくかと、こういう話になりまして、先ほどはそういう流れの中で選挙制度のお話をさせていただいたわけです。  今の御指摘がありましたように、選挙制度は多数派がつくるものですので、なかなかその多数派の意向に沿わない制度はできないではないかと、これは恐らくおっしゃるとおりかと思います。ただ、そうは申しましても、本来どうあるべきかという議論は大事かなというのが一つございます。  それからもう一つ、参議院について申しますと、先ほども少し触れましたけれども、投票価値の平等との関係で、昨年、最高裁がかなり強いメッセージを出しております。今の仕組み自体を見直すことが必要かもしれないと、こういうことでございますので、現実的には、やはり参議院の選挙制度の在り方を考えるというのが長期的には一つ選択肢としてなり得るのかなと、こんな感じを持っております。
  41. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 大山参考人、お願いいたします。
  42. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) 私も大体同じようなことでございますけれども、ねじれというのは衆議院と参議院が独自性をそれぞれ持つということですので、あながち悪いことではないと私も思います。  そのマイナス面をどうやって克服したらよいかということは、一つは、憲法を改正してもうちょっと両院の権限配分を考えるということがございますし、現在の憲法の枠内で考えるのであれば、もうちょっと両院間の協議を活性化する方法を考えるということかと思います。  そのためには、両院協議会の改革など随分議論されておりますけれども、私は、衆議院、参議院で、先ほどちょっと反論がございましたけれども、やはり内閣法案をどうやって審議していくかということを、もうちょっと実質的な審議を行っていかないと、両院協議会になったからといって急に実質的な審議はできないわけでございますので、その辺の、それぞれの議院の中での審議手続についても考えていくべきだというふうに思っております。  それから、二点目の選挙制度については、一つ付け加えるとしますと、私は、衆議院、参議院の選挙制度というのを両方をセットで考える組織というのを、両院の合同の組織をおつくりになるというのも一つの方法ではないかと考えております。  以上です。
  43. 舛添要一

    舛添要一君 そこで、憲法の枠内でということを先ほど申し上げましたけれども、できれば憲法を改正して、衆参の選挙方法であるとか役割分担論、つまり、一票の格差の問題が出ましたけれども、例えば道州制的なものを導入して、道や州の代表としての、つまりアメリカ上院的な参議院に変えることも十分可能だというふうに思います。  そうすると役割は随分変わるんですけれども、そこまでいかなくても、例えば今日、参議院本会議では決算決議がございました。我々は、衆議院予算が優越ならば決算参議院では一生懸命やろうということでやってきて、それはそれなりの成果が表れていると思いますので、今、大山先生がおっしゃった、審議時間を確保するとか両院での協議をもっとやるというのは非常に大賛成なんですけれども、そういう役割分担論的な形でいって何か御提言があれば、最後にお二方にお伺いしたいと思います。
  44. 大山礼子

    参考人大山礼子君) 役割分担というのは、なかなかこれも難しいところだと思うんですけれども、おっしゃいましたように、決算審議の充実というのは私も評価できることだと考えております。
  45. 只野雅人

    参考人(只野雅人君) 先ほども申し上げたことですけれども、やはり参議院の場合は長い任期があるということですので、もう少し長期的な視野から何か役割をお考えいただくのがよいのかなと思っておりまして、決算というのは恐らく多年度にわたって見ていくことになりますので、確かに一つの選択し得る領域だろうというふうに思っております。
  46. 舛添要一

    舛添要一君 終わります。ありがとうございました。
  47. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) では次に、福島みずほ君。
  48. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  お二人には心から感謝をいたします。  まず初めに、大山参考人にお聞きをいたします。  レジュメの中に、現在の参議院の審議も衆議院より充実していると言えるのではないかというくだりがあり、かつて調査会で、共生社会に関する調査会や国民生活に関する調査会や、いろいろ言及されていらっしゃいますので、そのことについて、参議院の特質ということで一言話をしていただけませんか。  また、レジュメの中に、各議院の審議において内閣国会との建設的対話を行う必要性と書いてありまして、ここがどういうことが可能なのか、是非お願いいたします。  それから三点目は、大山参考人ジェンダー、女性と政治参加の面で非常に研究をしていらっしゃる方なので、参議院が、例えば衆議院小選挙区制の問題点をもっと克服して、もっと比例を中心に、もっと女性が、あるいは、世界で日本は百二十二番目ぐらいの国会議員の比率ですから、クオータ制という提言も非常にありますが、女性の政治参画、その比率を高めるための努力、あるいはクオータ制を導入すべきではないかという意見もありますが、その点についてをお聞かせください。  そして、只野参考人には、先ほど穏健な多党制ということで、選挙制度について話をしてくださいました。二院制の問題と選挙制度と、そういうのは極めてリンクするわけですが、例えばドイツなどは非常に比例代表が強い。かつて社民党と緑の党連立政権の下で脱原発政策を取る、要するに、連立政権の中で、穏健な多党制の中でいい提案が出ていくというようなこともありますが、穏健な多党制というものと選挙制度はどうあるべきかということについてのサジェスチョンをお願いいたします。
  49. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、大山参考人、お願いいたします。
  50. 大山礼子

    参考人大山礼子君) まず調査会のことでございますけれども、私は、もう今までの調査会というのは随分いい仕事をなさっているというふうに評価しております。それは、衆議院ほど党派対立が表面に出ないという、そして長期的に考えられるという参議院の良い面が出ていることだと思います。それこそ、本当にもっとメディアにも注目してもらいたいところだなというふうに思っております。  それから、建設的対話の話ですけれども、これも先ほどのお話とも関係あるんですけれども、国会改革の議論というのは、どうもこれまでは議員立法をどう活性化するかというところに傾きがちでございまして、内閣法案をより良く審議するための改革案というのは意外に議論されてこなかったと思います。ですけれども、これからはそこのところを議論していく、そして、もうちょっと内閣法案をきっちり審査するためにはどのような改革が必要なのかということを考えていっていただきたいという趣旨でございます。  それから、最後に、女性の政治参加の話でございますけれども、私は以前地方議会だったかな、クオータ制についてどう思われますかと言われたときに、やはりクオータ制に頼らないで女性が増えればそれにこしたことはないとお答えしましたけれども、近年、もうクオータ制をした方がいいというふうに考えるに至っております。  以上です。
  51. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、只野参考人
  52. 只野雅人

    参考人(只野雅人君) 穏健な多党制と選挙制度と、こういう御質問だったかと思います。  私が先ほど申し上げましたのは、やはり強い参議院というのを前提にしますと、連立型の政党システムの方がうまくいく可能性が高いのではないかと、こういうことでございました。  そうしますと、当然、少数代表機能を強めるという選択肢になってまいりますので、例えば衆議院についても参議院についてもそれぞれ考えられるところはあるだろうというふうに思います。ただ、実際の政治状況を考えますと、先ほどの御質問の答えにもありましたように、やはり参議院を考えてみるというのが現実的な一つの選択肢なのかなと、そんなふうに思っております。  ただ一方で、穏健なというふうな形容詞をよく付けるのですけれども、やはりこれはこれで理由がございまして、合意型の政治考えていきますと、どうしてもやはり政権の不安定といったような問題にも突き当たる場合がございます。ですから、ある程度安定した形で連立型、合意型の政治を進めていく上では、そのさじ加減と申しましょうか、も考える必要があるのかなと。  例えば、比例代表といいましてもいろんなタイプの比例代表がございますので、これは恐らく政党の在り方とか政党状況をにらみながら具体的な選択肢を考えていくと、こういうことになってくるのかなというふうに思っております。
  53. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 もうちょっとだけ時間がありますので、大山参考人にお聞きをいたします。  先ほどクオータ制やるべきでないかというので、私も最近はそう思うようになったんですが、調査会での議事録を見ますと、例えば、小選挙区制が衆議院で強いとすれば比例代表をもっと参議院でやったらどうかという御提言をされていたり、国会の中でも選挙制度と相まって比例代表を削ろうという動きがあるんですが、比例代表を削ると、やはり女性が比較的出にくくなるとか、少数政党やマイノリティーが出にくくなるというふうに思いますが、この点について一言御教示お願いします。
  54. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) 私も全くそう思っております。やはり、比例代表制の場合は、全部男性の名簿を出すというのは余り格好のいいことではございませんので、女性議員が増える、マイノリティーが増えるというようなことがある、効果が期待されると思います。
  55. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 福島みずほ君、よろしいですか。
  56. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 はい、ありがとうございます。  どうもありがとうございました。
  57. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 宇都隆史君。
  58. 宇都隆史

    宇都隆史君 自民党の宇都隆史です。  発言の機会をありがとうございました。また、両先生、本当にお忙しい中、ありがとうございます。  事前にこの先生方のお考え等の配付資料を配られておりまして、それをちょっと読んだ上で、先生方のお考えにのっとった形の質問をお一つずつさせていただきたいと思います。  まず、大山先生にお聞きしたいのは、参議院の閣僚ポストの返上というのが先生の御持論の中にも一つあるかと思われるんですが、私もその方向性に関しては賛成をする方の一人です。その中で、より衆議院の優越を強化してもいいんではないかと私は思っているんですけれども、その場合に、参議院の在り方、逆に参議院で優越を持つ分野というのは何かあるべきなのかというところが一つと、それから、参議院の閣僚ポストの返上ということになってくると、党の代表というのはそのまま首班指名されて総理になるわけですから、参議院の党代表というのをどう考えていいか、あるいは、最近は地方議会で党の代表になられている方がいますけれども、それは議会制民主主義という意味でどのようにとらえたらいいのか、それを教えてください。  それから、只野先生にお伺いしたいのは、先生のお考えの中には一つ、職能代表制、今参議院比例区はそういう形になっている部分もありますけれども、この問題点を指摘されていると思うんですが、私、まさにその職能代表で選ばれている人間の一人でもあるんですが、私は、参議院のそれは特徴であり非常にいい効果をもたらしている面もあると思うんです、より専門的な観点から議論を深めていくという面では。これがどのように問題点があると御認識されているのかというのを御説明をお願いします。
  59. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、大山参考人、お願いいたします。
  60. 大山礼子

    参考人大山礼子君) まず、閣僚ポストの返上でございますけれども、やはり参議院が独自性を発揮するには内閣から距離を置くということが大事だと思いますので、そういう意味で閣僚ポストを返上してはどうかということを書かせていただいているわけでございます。  その次の御質問で、では、参議院権限を強めていく方が良い分野ということだったかと思いますが、特に参議院の方を強くするというのまではなかなか難しいと思うんですけれども、要するに、逆に権限を引き下げるとすれば、その引き下げない分野といいますか、あくまで衆議院参議院が対等であるべき分野というのが残っていくということだと思います。  そういう面で申しますと、例えば法案審議の、内閣法案についてはもし仮に優越するとしても、議員法案については違ったことが考えられましょうし、要は、現在も、現在の比較的緩い衆議院の優越ですけれども、それも全部にかぶさっているわけではございませんので、それ以外の分野というのは当然対等のまま維持されることになるのではないかというふうに考えます。  それから、参議院の議員の方が党の代表になることについてどうかということですけれども、これは、直ちにその党代表が首相を目指すというようなことを考えない政党というのも当然あり得るわけですので、それはその政党の御判断でしょうし、ひいてはそれに投票する有権者の判断ということになるのかなというふうに考えます。  以上でございます。
  61. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) 職能代表についての御質問をいただきました。  これは実は非常に大きな問題でございまして、参議院の発足時にも随分、選挙制度の在り方とかかわって議論されたのは御承知のことかと思います。  元々、普通選挙というものと不可分に出てきた議論でございまして、普通選挙というのは一人一票を原則としていると、その等価値な意思を積み上げて多数決で決定をするということになりますと、やはりそこではくみ上げられない民意というのがいろいろあるであろうと。そういう中で出てきたものの一つが職能代表という考え方で、これは職業といったような物差しで代表を測っていこうと、こういうことでございますけれども、やはり本質的に一番難しいと思いますのは、適切な指標といいましょうか、職能的な多様性をくみ上げるような指標を見出すことができるのかと、恐らくこういうことになろうかと思います。  普通選挙ですとか平等選挙という枠の中でなかなかそれを具体化するのが難しいであろうと。そこで、現実に取られるようになったのが、例えば比例代表と、こういう仕組みということになりますので、正面からやはり職能代表的なものを取り込むというのは正直なかなか難しいのかなというふうには思っております。そうしますと、事実上の問題として、その多様な民意をどう組み立てていくのかと、そういう枠の中で恐らくお考えいただくことになるのかなと、こういうふうに考えておる次第でございます。  ですから、直接の第二院の構成原理として考えることはやはり難しいだろうと。むしろ、選挙区制なり政党の中での候補者の選定なりの中で多様な要素を考慮していただく中で考えていただくと、恐らくこういうことになるのかなというふうに考えております。
  62. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 只野先生にもう一度確認なんですけど、その先生がおっしゃられている職能代表というのは、もうあらかじめこういう職域というのを決めておいてそこから選出するという意味であって、現在の参議院の比例のように、それぞれの職域の専門の方々が自分たちの組織だったり団体を背景に勝ち上がっていくと、それとは別の話だという認識でよろしいんですか。
  63. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) そのとおりでございます。  私が最初に申し上げましたのは、代表原理の基盤としてそういうものを取ってよいかどうかと、こういうことでございますので、事実上の問題というのはもちろんまた別にございます。
  64. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 ありがとうございました。
  65. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 次に、小西洋之君。
  66. 小西洋之

    ○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。  本日は本当にありがとうございます。両先生にそれぞれ二点ずつ伺わせていただきたいと思います。  私は参議院は必要だと考えておりまして、その必要性の最も私が重視しているのが慎重審議でございます。私が経験した何本かの法律でも現に、衆議院では到底このままでは確定する法律はできないような深刻な瑕疵があるものを参議院の審議によって埋めたというような経験がございます。原子力規制委員会といった法案ですとか復興の法律ですとか。そうした点に照らして、私は、慎重審議が確保しなきゃいけない、そのために二院制が必要であると思っております。  ただ、他方、ねじれの問題がございますので、それは先ほど大山先生がおっしゃいました両院協議会の改革が意義があるのではないかと思っておりまして、それについて両先生のお考えをいただきたく存じます。どのような改革をすればいいかということ。  二点目でございますけれども、あっ、じゃ、先にここで、会長。
  67. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) そうですか。  それでは、大山参考人。
  68. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) 私も慎重審議のために二院制の方が良いというふうに基本的に考えております。  それで、両院協議会のことですけれども、私は両院協議会だけをいじっても余り実りのある改革にはならないのではないかというふうに考えています。それはいろいろなケースがございますけれども、両院協議会にかかるのはやはり内閣法案なんですね。内閣法案についてそこの両院協議会の場でどうやって建設的な議論をするかということになりますと、衆議院、参議院でそれぞれ建設的な議論をし、妥協をし、というようなことをやってきませんと、急にその両院協議会になって建設的な議論に衣替えするというのは難しいのではないかというふうに考えております。
  69. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) 両院協議会については先ほどお答えしたとおりになるのですけれども、やはり私も、大きな相違点がある法案についてそこで調整するというのはなかなか難しいのかなと、こういう感じがしております。  そうしますと、どうするかということになりますが、今のお話とも重なるんですけれども、やはりある程度国会両院の中で何回かはその法案を行き来させていただく中で相違点絞り込んでいくと、多分そういう運用が考えられるのかなというふうな気がしております。もちろん、そのためには現在の議事ルール等を少し見直す点も必要かなと、こういうことになろうかと思います。
  70. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  両先生の今のお答えを踏まえつつ、参議院の独自性ということで第二問、二つ目を伺わせていただきたく存じます。  私も大山先生の御指摘のとおり、国会に至るまで、特に国会に至るまでの、今、政党政治でございますので、各政党政策調査会には衆参の国会議員参加して議論をしております。なので、端的に申し上げますと、衆議院にしろ参議院にしろ、国会法案の審議が始まる段階ではほぼ全てのケースにおいてその法案の大局的な帰趨は決しております。しかし、国会審議というのは、国権の最高機関の場として、法案解釈ですとか、あるいは執行上、行政にしっかりと守ってもらうべきことですとか、そういうことをこの議事録にしっかり残すという間違いのない機能があるわけでございますけれども。ですので、それぞれの、国会法案、具体的な委員会にかかるまでのプロセスをどう実質化するかということが私は重要であると考えております。  その上で、先ほど只野先生がおっしゃられました参議院の任期の長さというのが、実は本質的に物すごく重要なことではないかというふうに思っております。私自身の経験でございますけれども、今の小選挙区制におきましては、衆議院の先生はやはりどうしても日々の地元での政治活動ということが大変でございますので、六年間の固定した任期、また、六年後まで選挙はないということでのその日々の安定性、そうしたことに基づく法律やあるいは様々な政策に携われる、もうこれはやはり参議院でなければ到底できないというものではないかというふうに私は実感をしております。  もう一つ、さらに、政策的に考えても、大抵の行政の計画は五か年計画なんですけれども、参議院議員ですとちょうど任期が六年ございますので、ある段階で自分が手掛けたある法律基本計画を、その進捗をしっかりと監視しながら、また、次の見直しのときに行政にしっかりその計画を見直しを働きかけていくことができるという、そうした実質的な役割もあろうかと思います。  こういう実質的な役割を、参議院の任期の長さを踏まえながら、それぞれ政党の場面、また国会審議の場面で果たしていくというのが参議院の独自性を発揮する一番の実は実質的なやり方ではないかと思うんですけれども、両先生の御意見をお願いいたします。
  71. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、只野参考人
  72. 只野雅人

    参考人(只野雅人君) 今の御質問にあったとおりかと私も考えておりまして、例えば先ほどちょっとお話に出ました調査会の仕組みなんというのも、そうした点からしますと非常に面白いんじゃないかなというふうに思うんですね。  なかなか短期間では結論の出にくい事柄について、少し超党派でいろんな角度から御議論をいただいた上で、可能であればその法案準備していただくと、これなんかは多分参議院にとっては非常にふさわしい役割というふうに言えるのではないかというふうに思っております。
  73. 大山礼子

    参考人大山礼子君) 私も全く同感でございますけれども、もう一つ付け加えさせていただきますと、任期が長いということのために、選挙制度はほとんど同じであっても違うタイプの議員が出てくるということがあろうかと思います。それによって参議院の審議がより充実した長期的視野を持つものになるという可能性があるので、その辺はもっと追求していっていいことかなと思います。
  74. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 小西君、よろしいですか。あと少しありますよ。
  75. 小西洋之

    小西洋之君 じゃ、一言だけ。  今の参議院議員が実質的な働きをするために、国会議員を支えるシステム、先ほど生活の党の佐藤先生もおっしゃっておられましたけれども、私、元霞が関の出身なんですけれども、辞めるときの課長補佐で、私、部下が六人おりました。ところが、当選すると公設秘書は三人でございます。これで一体どうやって立法活動をやれというのだというのが正直なところなんですけれども、先生方の御意見をお願いいたします。
  76. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、只野参考人。
  77. 只野雅人

    ○参考人(只野雅人君) 先ほどの御質問ではちょっと十分お答えできなかったところがあるんですが、恐らく現在の制度自体は政党を中心につくられているのかなと、こういう印象を持っておりまして、むしろ政党の中でサポートシステムをつくっていくというのが恐らくもう一つの考え方かなというふうに思っております。  よくアメリカが引き合いに出されますけれども、アメリカの場合、大統領制で議員の独自性が非常に強いというようなこともありますので、個々の議員に対するサポートというのも非常に重要ですけれども、同時に、政党自体の政策立案の仕組みですとか個々の議員へのサポートということもやはり自律的に考えていただく必要があるのかなと、こんな感じがいたします。
  78. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 大山参考人、何かございますか。
  79. 大山礼子

    ○参考人(大山礼子君) ちょっと違うことを一つだけ付け加えますと、前に委員会のお話で、衆議院、参議院が両方とも国会法で規定されているので違いが出ないということが出ましたけれども、議員の待遇も実は衆議院と参議院と同じにする必要があるのかというのも考えていいかと思います。衆議院の方が会派のサポート中心であるのなら、参議院はもうちょっと会派からの拘束から離れた行動をもしなさるのであれば、もうちょっと参議院では個人へのサポートを強めるというようなこともあり得るかと思います。
  80. 小西洋之

    ○小西洋之君 ありがとうございました。
  81. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、藤本祐司君。
  82. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。  今日は、大変お忙しいところ、ありがとうございます。  若干気になるといいますか考えたのは、現実と、どうしてもあるべき姿というところがございまして、その距離感が長いのと短いのとというところが少しあるのかなというふうに思ってちょっと聞いておったんですが、ただ、現実だけを直視して現実がこうだからという話になると余り進歩がしないということもありますので、あるべき姿というのを見ながらやっていかないといけないんだろうというふうに思ってはおります。  大山参考人の中で、拒否権行使以外に存在感を発揮する方法はないのかという、先ほど井上委員も発言をされておりましたけれども、実際に我々が政権取る前の野党のときは、実は八割方、閣法には賛成をしておりまして、まあほとんど、八割というか、になれば賛成をしているということになろうかと思いますが、それともう一個、もう一方で、拒否権というのでは、いわゆる審議時間を引き延ばすとか審議をしないとか、こういったことはやっている部分があって、これは通年国会にしていくとか様々な方法で考えられるのかもしれませんが、こういうことを今後考えていかないといけないのかなというふうには思いました。  大山参考人が国民は国会の審議を知りたいというお話をされましたが、八割賛成をしていながら我々、我々というか野党が反対をしているかのように思われるのは、やはり、先ほどマスコミの報道ということもありましたが、本当に国民が国会の審議を知りたいというのであればマスコミも本来はそうするべきなんでしょうが、マスコミ側に言わせると、国民はそんな細かいこととか審議は余り聞きたいと思っていないので、我々は興味のあることだけをやっているというような発言がよくあるんですね。この辺りについて、お二人、どのようにお考えになるかというのが第一点です。  第二点目は、内閣法の審査が重要だということで、前川委員からも別の意見が出されましたが、恐らく、イギリス辺りでいうとマニフェストというのがあって、マニフェストをきちっと出して勝った政党というのは国民に支持をされた政党だということで、野党側はむしろマニフェストで明確にしたことに対しても余り反対も、足を引っ張るようなことは自重するというのがイギリスであって、日本はマニフェストで勝ってもそのマニフェストをたたくという、そういう実際イギリスと日本の違いというのがあるんだろうと思います。  そのマニフェストで出した、その政権を取った政策がいわゆる閣法として提案されていると。中身は、恐らくテクニカルには官僚が作るんでしょうが、考え方は与党がつくっているという意味では、ちょっと私は前川さんの意見とは違いますけれども、やはり閣法を審議する、つまり政権を取った衆議院のマニフェストで出したものに対しての、テクニカルには官僚がやっているけど考え方とか政策は与党が考えたという点では、そこはやっぱり大山先生がおっしゃるのも一つ、一理あるのかなというふうには思っています。  ただ、その一方で、やはり少数意見が反映されないということは不幸なことでありますので、我々民主主義の中で政治をやっている上では、やっぱり議員立法を提出して、それを審議をすると。だから、与党の方も、やはり少数意見を尊重するという意味では、議員立法を積極的に審議をするという姿というのを出していかないといけないのかなというふうには一方で思いますが、その辺りについてのお考えをいただきたいということと、あと、マニフェストでいうと、マニフェストは政権を決める政策ですので、衆議院では細かいのを出すけれども、参議院では余り細かくがちがちに出していく必要性がないという意見もあります。まあ私は実はそっちの方なんですが。その辺りについての御意見をいただければと思います。
  83. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) それでは、大山参考人
  84. 大山礼子

    参考人大山礼子君) 最初の、マスコミが国会の細かいことを報道したがらないということでございますけれども、全くそのとおりで、国会報道というのは量的にもずうっと戦後一貫して減り続けていると思います。ですけれども、そういう傾向というのは日本だけではなくて、議会の審議内容を細かく報道するということはだんだんなくなってきているかと思います。  それで、じゃ国民にどうやって伝えるかということなんですけれども、ただ審議こういうふうにしましたということだけでは国民は読んでくれないと思います。もうちょっと、関連資料を一緒に付けて手に取りやすいものにして出すとか、それからそういうものがネット上で取れるとか、そういう、いろいろな工夫の仕方がありますけれども、もうちょっと情報発信の工夫というのが必要なのではないかとかねて思っております。  それから、議員立法のことですけれども、一つは、議員立法を出してもなかなか審議されないというのは非常に大きな問題でございまして、その点については、例えば参議院では会期のうちある週は議員立法の審議に充てるというようなことをお考えになってもよいのではないかと思います。そういったことはよその国の議会ではよくやられていることでございます。  それから、マニフェストですが、マニフェストについては、私は、政党状況がイギリスと違いますので、そもそも衆議院選挙においてもイギリスと全く同じようなものを作る必要があるのかというのはやや疑問に思っているところでございまして、まして参議院選挙においてそんなに詳しいものを作る必要はないのではないかと私も考えております。
  85. 只野雅人

    参考人(只野雅人君) 幾つかちょっと私の方からも簡単にお答えをしたいと思います。  何をどう伝えるかというお話、やはり非常に重要だというふうに思うんですけれども、国会審議に関する資料って非常にやっぱり膨大でございますので、一番事情をよく知っている方が適切に取捨選択をしていただくということが非常に重要なのかなと。そうすると、やっぱり現場にいらっしゃる議員の皆さんが何か工夫をしていただくということが大切なのかなという気が特にいたします。  法案審議って非常にテクニカルな点がございますので、その中に非常に重要な問題が含まれているというような場合も少なくないかと思うんですね。ですから、むしろそういう点にフォーカスして発信していただくような工夫というのはあってよいのかなと、こんな感じがいたしました。  それから、議員立法についてですが、参議院の独自性の一つとしてそこに少しウエートを置いてみるというのは当然考え得ることかなと、こんな感じはいたします。ただ、同時に、先ほど来出ておりますように、誰が出したかということももちろん大切なのですけれども、中身をどう審議するかというのがやはり非常に重要な部分がありますので、実質的な審議をやはりしっかりやっていくと。修正がなくても答弁をきちんと引き出していくとか、やはりその部分が非常に重要かなというふうに思います。  最後に、マニフェストということでございますけれども、これうまくいくと非常に好ましい部分もあるのですけれども、この間何回かの選挙を見ておりますと、やはり一貫性のあるマニフェストを作るのは非常に難しいと、こういう印象を改めて私感じております。矛盾するものがマニフェストの中にワンパッケージで含まれているということも少なくないように思います。ですから、ある程度それはそれで大きなものは出していただいた上で、やはり国会審議の中で修正をしていく、議論をしていくと、この部分が非常に大事なのかなということは特に最近感じているところでございます。
  86. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  他に御発言はございませんか。──他に御発言もないようですから、以上で質疑を終了いたします。  この際、一言申し上げます。  本日は、大山参考人、只野参考人には、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。審査会を代表いたしまして心から御礼申し上げます。(拍手)  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  87. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  88. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) これより、「二院制」に関する自由討議に入ります。  本日は、各会派一巡による意見表明といたします。  時間が限られておりますので、委員の一回の発言時間は五分以内で願います。発言時間の経過につきましては、終了時間になりましたらベルを鳴らしてお知らせいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、順次御発言願います。  松井孝治君。
  89. 松井孝治

    ○松井孝治君 御指名ありがとうございます。  私は、民主党代表して、この二院制についての見解を申し述べたいと思います。  民主党は、二院制を堅持しつつ両院の機能、役割分担を明確にし議会の活性化につなげること、そのことが基本的に必要だと考えております。その際、予算衆議院、決算と行政監視は参議院といった役割分担を明らかにして、各院の選挙制度もその特徴を反映したものとするよう再検討が必要だと考えております。  以上が党としての見解でございますが、若干個人的見解を交え、もう少し詳細に申し上げます。  もう先ほど来の参考人質疑でも明らかになっておりますように、衆議院参議院基本的な成り立ちが違う。それはもちろん選挙も違いますし、衆議院議院内閣制内閣不信任案を院として決議できて、そしてそれが内閣として解散権を有するということと、参議院はそういうものがない、問責決議案も法的拘束力がないということから見ても、やはりいわゆる議院内閣制衆議院の特徴であって、参議院は本質的に議院内閣制的特徴を備えていない。  それが、民意が揺らぎがある中で、別の選挙がある中で、極めて類似の役割、機能を担っていると、当然のことながら、その民意の揺らぎ、これは当たり前の話でありますが、その中でなかなか意思決定ができないし、国会審議が充実しない。我々は、やはりそこをブレークスルーするために、参議院衆議院の機能を、きちっと明確な機能分担が必要だと思います。  まず必要なのは、衆議院、これは執行の院ですね、参議院はやはり執行というよりは、どちらかというとチェックとか再考の院だと思います。そういう意味で、予算衆議院が中心、これは予算関連法案とか公債特例法のようなものをどう考えるかということも含めて、それはやはり衆議院に譲るべきではないかと。そして、その代わり、参議院は決算あるいは行政監視といったような機能をより高めていくべきではないか。  先ほど来、同僚議員からもありましたが、例えば行政監視院という構想、アメリカのGAOのような存在、あるいは両院で合意してつくった原発に関する国会事故調査委員会のような機能ということも含めてそれは考えられるのではないかと思います。  二つ目は、人事であります。国会同意人事をめぐるいろんな混乱が問題視されておりますけれども、例えばこういう同意人事も、むしろさっきのようなお話の執行とチェックということであれば、むしろ参議院がしっかりとその人事の審査ということもやっていいんではないかというふうに考えます。今、内閣が、裁判所人事なども内閣の任命になっていますけれども、例えば最高裁の判事や長官、この任命権を例えば立法府が持つとするならば、それは例えば参議院のような存在が持つという考え方もあり得るんではないかと思います。  三点目の特徴でありますが、地方財政、今総務省の自治財政局が担っているような地方財政調整というのが、本当に行政部局の一部局が担うのがいいのか、あるいは国と地方の協議機関というようなものを置くとしたらば、それは参議院のような場がふさわしいんではないかという議論もあろうと思います。  四番目の点として、長期的な調査あるいは推計のようなことですね。参議院に特異なものとして調査会活動というのがありますが、例えば年金基礎基礎付けるような長期推計のようなものを政府がやるのがいいのか、それはちょっと政府とは独立したところで第三者機関のようなものをつくってやるとするならば、私は参議院がそういう機能を担うということもあり得ると思います。  五番目として、例えば先ほども同僚議員から提起されましたが、そういう機能を果たす参議院が本当にその執行の部分にどこまで関与するかということを、自制というものも求められるかもしれません、そういった点。  あるいは、今後の問題点として、例えば国際的な取決めが多様なものが出てくるかもしれません。そこと主権国家としての対応の調整というようなものも参議院の長期的な役割として考えられるかもしれません。  それ以外の点で若干補足しますと、やはり選挙制度的には、これは非常に難しい問題ですが、参議院は、多様な民意を調整する、多様な利害を調整するということがよりやりやすいような選挙制度が好ましいのではないかと思います。  そして最後に、会議の持ち方、議論の仕方について若干申し上げるならば、今までの日本のこの国会機能不全というのは、対政府質疑で閣僚の時間を取って日程政治と言われるような中で、会期が不継続の原則がある中で、日程で追い込まれていくから議員同士の熟議ができないと。そこをどう考えていくかという意味では、対政府質疑以外に議員同士の質疑をより多く持つような形、あるいは場合によっては党議拘束はより参議院において緩めるような考え方、あるいは会期不継続の原則を見直す、一部アメリカなんかは導入しておりますが、立法期制度という選挙の期間期間のはざまを会期とするような考え方、そういうような考え方も参議院主導で議論を提起していくことが必要だと考えます。  以上です。
  90. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 野上浩太郎君。
  91. 野上浩太郎

    ○野上浩太郎君 自由民主党の野上浩太郎でございます。  二院制につきましては、平成十七年四月に憲法調査会で調査報告書が取りまとめられまして、全会派が二院制を堅持することで一致した経緯があります。しかしながら、昨今のねじれ国会が生じる状況の中で、やはり二院制、一院制の議論が活発化をしまして、参議院においても責任ある議論が必要であると、昨年の憲法審査会の幹事会で各会派の意見が一致いたしました。  自民党においては、昨年四月に憲法改正草案を発表いたしました。二院制について様々な議論がありましたが、この草案におきまして、基本的に二院制は維持をすることと提案をしております。また、衆議院の優越についても基本的に現行の立場を踏襲しています。  当憲法審査会では、今国会において三回にわたって様々な議論がなされましたが、国会の構成は民主主義の根幹にかかわる問題であり、二院制の存在意義自体を根本に戻って考えるべきであります。  二院制のメリットとしては、国民の多様な意見や利益をきめ細かに代表し得ること、また、一時の風潮の中でポピュリズムや独断専行に走らず慎重な審議をし、チェック・アンド・バランス機能を果たすという再考の府、良識の府としての役割は大きく、議院内閣制において二院制という統治の仕組みは健全だと考えます。  また、世界の趨勢も重要な視点です。  まず、G8参加国については全ての国が二院制となっています。また、現在、人口一億人以上の国は十一か国ありますが、そのうち八か国が二院制、三か国が一院制です。その三か国のうち、中国は事実上共産党による一党体制であり、インドネシアは国会と地方代表議会があって二院制的な側面があり、バングラデシュは二〇〇六年に選挙実施をめぐって非常事態が宣言をされるなどの混乱が起きているという特殊な事情があります。つまり、一億人以上の多くの人口を抱える国は、国民の多様な声を多角的に吸収し得る二院制となっている国が大半と言えます。  また、更に範囲を広げ、先進国であるOECD三十四か国を見てみますと、人口約一千万人以上の国では十五か国が二院制、四か国が一院制となっています。逆に、人口一千万人未満の国では二院制が四か国、一院制が十一か国となっています。つまり、民主化が進んでいる先進国では、人口約一千万人未満の国では一院制が多いが、それ以上の人口を有する国では二院制が圧倒的に多いことも明確に表れています。  このような世界の趨勢もしっかりと見詰め直す必要があります。  しかしながら、一方で、今の日本の政治状況を鑑みますと、ねじれ国会の状況の中で停滞なく政治を前に進めることは国民的な要請でありまして、このことに対して明確な答えを出していかなくてはなりません。  様々な対応が考えられますが、私の考えとしましては、まずは両院協議会の在り方を改革すべきであると考えております。両院協議会の構成や運営、あるいはメンバーについて有効に機能し得るものにするということにより、ねじれ状況を打開する取組を検討すべきだと思います。例えば、両院協議会の構成を会派勢力を反映したものとして、成案を得るための議決要件を緩和するという構成及び運営方法の改革ですとか、メンバーについて各党の党首クラスや政策立案責任者、実務者等、実質的な権限を持ったメンバーにより議論をし、政治的な調整、決着を図るということも考えられます。  さらには、二院制においては、参議院の特性、独自性を生かした取組が重要です。この憲法審査会での議論でも多々ありましたが、例えば基本法や年金、教育の問題など長期的、基本的な課題を重点的に行うという視点も考えられます。また、再考の府、チェックの院として決算審査を重点的に行い、その内容は次の予算を拘束する効果を持たせることや、行政監視、政策評価機能を強化すること等も考えられます。  いずれにしても、ねじれ国会を背景として短絡的に一院制が良いという議論ではなく、二院制の存在意義を十分に踏まえた成熟した国会、政治を実現することを考えるべきであるということを申し上げて、私の意見表明とさせていただきます。  ありがとうございました。
  92. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 魚住裕一郎君。
  93. 魚住裕一郎

    ○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  二院制につきまして意見を申し述べるものでございます。  かつての憲法調査会において一旦決着を見たといいますか、全会一致、当時の全ての会派が一致して、この二院制の存在が必要であるということで一致していたわけでございますが、憲法調査会の報告書が提出されてから既に八年経過いたしました。この間、政治の世界は大きく変わり、また一院制論につきましても活発に議論がされるようになってきたところでございます。公明党の党内におきましても逐条的に議論をしてきたところでございますが、公明党、私ども公明党、二院制を継続をしていくということで、全く今も揺るぎのないところでございます。  まず、衆参ねじれということについてコメントさせていただきたいと思いますが、先ほども民意の揺らぎという言葉もあったわけでございますが、多くは同じ時期には選挙は行われませんので、当然、政権交代があると、少なくともある程度の期間いわゆる衆参ねじれの状況を伴うことになるわけでございまして、かつての議論では、衆議院の勢力が大きく変わっても、それに対して参議院が激変緩和の役割を果たすのだというふうにされてきたところでございまして、これはある意味では積極的な評価というふうに言えると思います。  これとは反対に、このところ続いているこの衆参ねじれという評価、言い方は、ある意味では政治が前に進まないという意味での否定的な評価というふうに考えるところでございますが、ただ、この問題は政党の在り方とも関連するところでございまして、全て、前に進まないといいますか、それを衆参ねじれというところに逃げ込まないようにしていく必要があろうかと思っておりまして、良識の府、理性の府である我が参議院において合意形成にそれぞれが努めていくということが肝要かと思っております。  二院制というものにつきまして、私ども公明党は、三権分立の中で議会の行動を慎重にして、抑制とチェック・アンド・バランスでございますが、その機能を果たすという点、それから、先に審議をするという意味の先議院の審議を補完し再考を促すという観点が依然として重要であるというふうに考えております。また、参議院の権限縮小論につきましても、衆議院に対する効果的な抑止力が発揮できなくなるという観点から、賛成するものではございません。  この二院制の下におきましては、衆参の役割分担ということが重要であると考えるものでございまして、従来から決算審査あるいは行政監視機能の重視が本院のスローガンとなってきたわけでございまして、別にこれは衆議院との差別化を図ろうという意図でやってきたことではございません。政権創出機能を持つ衆議院には行政に対する十分なチェック機能を期待することができないわけであって、それは参議院が本来的に担わなければならないということを確認する必要があろうかと思っております。すなわち、議院内閣制の下では、三権分立のチェック・アンド・バランスの趣旨を実現するためには必然的に第二院の存在が必要だということでございます。  幸いにして参議院では、行政に対するチェック機能の強化を打ち出すことにつきましては、従来から与野党の枠を超えた共通認識の下で努力がなされてきたところであるというふうに承知をしているところでございます。  なお、ねじれの改革案の一案として、先ほど来から両院協議会の改革ということがあるわけでございますが、私どもも、今のようなスタイルではなくして、やはり与野党それぞれの党議を形成できるような責任ある立場の議員が両院協議会のメンバーとなるように、そういうような改革が必要であるというふうに考えているところでございます。  以上であります。
  94. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 江口克彦君。
  95. 江口克彦

    ○江口克彦君 ありがとうございます。  みんなの党の江口克彦でございます。  二院制の問題について意見を申し上げたいと思います。  以前にも申し上げましたとおり、みんなの党は、結論から申し上げまして、衆参両院の統合による一院制の導入を強く主張いたしております。もちろん、二院制であってもメリットは私はあると思います。すなわち、第一院の衝動的な行動をチェックすることができるとか、あるいはまた立法府が全能となることを抑止できるということなどを挙げられるというふうに思いますけれども、そういうことは承知しておりますけれども、他方、そのデメリットとして、両院の機能が重複していること、すなわち両院が、衆議院も参議院もほとんど同じことをやっておるということであります。そのことによって、審議の無駄と時間的無駄、経費の無駄、そして議決のそごのいずれかが発生します。二院制を選択することは、そのどちらかを覚悟しなければならないということになります。  審議の無駄、時間的無駄というのは、その間でそのことにつきましては慎重に審議しているという、そういう理屈も、説明もできると、いわゆる正当化することができるということでしょうけれども、しかし、衆参ねじれで議決のそごの状況になると政治は一歩も進まない、すなわち決められない政治、決定できない政治となりまして、国民に多大な不幸と迷惑を掛けるということになります。一院制にすれば効率的な審議に迅速な政策決定、経費の削減などが実現できますし、特にグローバリゼーションが進展し社会の変化が激しいこの時代には、とにかく迅速に決められる政治というものが私は絶対条件だというふうに強く思っております。  一院制に移行することに不安を感じる方もおられると思いますけれども、政府に対するチェック機能が果たせるのか、多様な国民の意見を反映できるのかという、そういう指摘に対しましては、制度設計の中で対応が十分私は一院制でも可能だというふうに考えております。  例えば、先ほど来出ていますけれども、行政監視院とか会計検査院の機能を、その機能を一院制の中に持ち込めばいいと、強化していくことで可能であると。行政監視院やあるいはまたこの検査院、国政に有効に反映させて必要な改善を効果的に行わせていくべきというふうに考えております。このように、立法の行政監視機能の権限強化を図っていくことで政府並びに議会に対するチェック機能を十分果たしていけるものというふうに考えております。  このように、時代にかなっているだけでなく国費の節約にもかないますし、それから、迅速で能率的な国政を運営することによって、決められる、とにかく迅速に決定できる政治を実現していくと、することができるという意味では、一院制を選択していくということは極めて私は、今、国民の要望、時代の要望にかなっていることではないだろうかというふうに思います。  先ほど野上さんが、G8は事実上ほとんどが二院制だということを言われましたけれども、しかし、確かに日本とイタリアは二院制ということになっているわけですけれども、両院で権限に差があったり機能が分かれたりして、事実上一院制の国ということは多いんですね。イギリスとかドイツとかフランス、カナダ、ロシアは、第一院は直接選挙でやっているんです。だけれども、第二院は任命制や世襲制や間接選挙になっているわけですよ。  選挙も同じやり方、それから首相の施政方針演説も同じ内容、同じことを何で衆議院と参議院と二院でやっていかなきゃいけないのか。そういうようなことを考えると、実際に私は無駄なことをやっているというふうに断ぜざるを得ない。一院制を是非実現すべきだと強く主張いたしたい、こう思います。  以上です。
  96. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 佐藤公治君。
  97. 佐藤公治

    佐藤公治君 生活の党、佐藤公治でございます。  二院制に関する意見を申し述べさせていただきます。  まずは、日本国憲法に対する基本的な姿勢について再度述べておきたいと思います。憲法は、国民の生命や財産人権を守り、平和な暮らしを実現するための共同体のルールを定めたものであり、時代や環境の変化に応じて必要があれば改正すべきものであります。しかしながら、国民主権基本的人権の尊重、平和主義国際協調という日本国憲法の四大原則は、今後とも守るべき普遍的な価値であり、引き続き堅持すべきと考えております。  同様に、統治基本的構造、とりわけ国会の位置付け、役割については、その基本的な枠組みは維持した上で、行政監視機能の強化、緊急事態への対応措置を始め、より機能する方向で改良していくことが重要ではないかと思います。  本題の二院制につきましても、二院制を維持すべきであると考えております。すなわち、二院制立法府における抑制、均衡、補完の機能を確保しようとするもので、権力分立という近代立憲民主主義思想を背景に歴史的に発展、確立してきたものであり、このような制度が世界的に採用されてきていること、特に先進諸国の大半が二院制を採用し、維持し続けていることの意味は非常に大きいと考えられます。これに加え、我が国の歴史政治文化というものも念頭に置くならば、やはり二院制そのものについては堅持することが適当であると考えているところでございます。  もっとも、現在の制度のままでよいとは考えておりません。抑制、均衡、補完という二院制の本来の趣旨、期待される機能を考慮するならば、例えば現在の同じような選出方法による制度については改善されるべき点も少なくないと考えているところであります。  両院が同じような選出方法によって構成されることになると、結局、同じような物の見方になってしまうとともに、衆議院参議院政党状況の同質化というものが極端に進んでしまうことになり、十分なチェック・アンド・バランスの機能を果たせないことになりかねません。また、このような議員の選出方法の問題に加え、両院の権限の問題もあります。両院の権限が全く同じというのであれば、仮に大きなねじれが発生したような場合、国政の停滞が深刻化する可能性がございます。これは昨今の政治状況からも十分観察されたところであります。  以上のようなことから、我が党の結論といたしましては、冒頭申し上げましたとおり、二院制そのものは維持するということを基本にした上で、国会議員の選出方法につきましては、両院の議員とも全国民代表するという性格は維持しつつ、その選出方法の理念、原則について改めて規定することが必要であると考えております。  また、両院の権限の在り方につきましても、両院に求められる役割、性格を明記するとともに、そのような役割、性格の違いを反映させる一環として、法律の制定に関する衆議院の優越規定につき、衆議院で可決し参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の過半数以上の多数で再び可決したときは法律となるとする方向で改正を検討する必要があるのではないかと考えております。  このほか、両院での意思統一のための工夫として、現在形骸化甚だしい両院協議会を、より実効的で強い決定権を持つ機関として改革するということも有効であると考えているところでございます。  二院制は、歴史と経験によって裏付けられ、今なお世界の多くの国々で採用されているシステムであり、まさに立憲民主主義思想に適合的な仕組みであると言えるでしょう。ただ、申し上げました方向で改革を行っていくならば、必ずやその機能を発揮し、基幹的な統治システムとして更に発展していくことになるものと確信いたしております。  以上でございます。
  98. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 井上哲士君。
  99. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党井上哲士です。  今回の二院制に関する議論は、九十六条改正論議の中で行われたのが一つの特徴でありました。憲法とはそもそも何々なのか、日本国憲法がどのような理念の下に制定されたかに立ち返って二院制を考えたいと思います。  憲法は、国民権力を縛るものであります。それは王政の時代の古い議論だという声も政府の一部からもありましたが、議会制民主主義の時代でも多数党で構成された政府の暴走があり得るわけで、それを国民憲法で縛ることは近代立憲主義基本中の基本だと思います。その角度から二院制の位置付けをどう見るのかと。  当審査会では、国家緊急権の議論も行いました。戦前の緊急勅令につながるような国家緊急権の規定を置かなかった理由として、憲法制定議会での憲法担当大臣が、行政当局にとっては緊急権は重宝だが、国民意思をある期間有力に無視し得る制度であり、民主政治の根本原則を尊重するかの分かれ目だと答弁をしております。  憲法は、大震災によって、大災害によって衆議院選挙ができずに任期が切れた場合も、参議院での緊急集会によって国会が機能できるように定めております。つまり、国会の縛りなく政府の暴走を可能にすることを認めておりません。  さらに、憲法二院制を取ることによって、一院の多数派とそれに基づく政府の暴走を抑制する仕組みを取り入れていることも重要であります。そして、その上で、衆参の多数派の議決であってもこれは決して侵してはならないということを定め、縛りを掛けているのが憲法でありまして、二重三重に主権国民を離れての権力の暴走に縛りを掛けております。二院制についてこの角度から論ずる必要があると思います。  時の政府の提案を効率よく速やかに成立させることこそが国会の役割とする角度からの議論は日本国憲法基本とは相入れませんし、決めればよいということではなくて、間違ったことは決めてはなりません。その点で、二院制憲法価値をどう考えるか。  まず、選挙そのものです。参議院には解散がありません。三年ごとに必ず選挙があります。国民の側から見れば、三年ごとに参議院選挙を通じて政権の政治のありように異議申立てが可能になっております。しかも、内閣政治的に利用し得る解散権が参議院には及びません。今、時の政権が有利な時期に解散をし、特に最近は、特定の政治課題だけに絞った争点を設定をし、それが小選挙区制の害悪と結び付いて極端に選挙結果が偏るという事態が起きております。それに対して、参議院には解散権が及びませんので、言わば定点観測的な幅広い国民世論の反映が可能になっております。  そして、審議そのものの重要性です。二重の意味での再考の府の役割があると思います。異なった時期と異なった選挙制度選挙される議員を持つ衆参両院で同じ議案を二度審議することを通じて、国民意思をより正確に、より積極的に国会に反映をできます。そして、解散がなく、六年の長期的な展望を持った審議が可能であって、一院だけの審議による不十分さや欠陥を補い、誤りがあれば正すことができます。実際、衆議院の審議を通じて国民が問題を知って、その後に世論が大きく広がって、その声が参議院段階の審議で反映をされ異なった議決をした場合もありますし、様々な附帯決議参議院で新たに付けたという場合もあります。議論を通じて法案の問題点をより深め、議事録は法案を執行する場合の重要な指針となるわけでありまして、大変重要な立法政策上の課題を示すこともありました。  問題は、こういう二院制存在意義にふさわしい運営や審議になっているのかということだと思います。国民の民意を正確に反映をする選挙制度への早急な改革であるとか、少数会派の議論の確保や議員提出議案の審議の促進など、国民の多様な民意をより反映をする議会運営などが課題だと考えております。  以上です。
  100. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 亀井亜紀子君。
  101. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 二院制について、みどりの風の見解を申し上げます。  みどりの風は、参議院で会派としてそもそも結成をされました。その名前をかつて参議院で存在した緑風会から取っております。緑風会のように、本来、参議院は党派対立を超えた良識の府であるべきと、その思いを強く持っておりまして、本来の参議院の良識の府としての立場を取り戻すべく参議院改革を提唱しております。  この憲法審査会で明らかになったことですが、憲法制定時に参議院というのは日本側の修正によって設置されました。GHQの原案は一院制でありました。このことを踏まえますと、今、現行憲法は押し付け憲法なので改正すべきである、前文から全て書き直す、自主憲法の制定をもって独立国家となるのだという意見もありますけれども、果たして本当に押し付け憲法であったのかというのは立ち止まって考える必要があると思います。二院制は、憲法制定時に米国占領下にありながらも当時の日本側が強く主張して入った制度でありますので、その制定時の意思を私たちは尊重したいと思います。  また、この六年間にも二度の政権交代がありました。衆議院の与野党の入れ替わりが激しく、毎回新人議員も多く誕生しております。その点、参議院は六年というしっかりとした任期の中で経験を積むことができますので、やはり議員経験を、年数を重ねたベテランの議員による参議院における審議というのは、私は議論が偏らないということでも必要ではないかと思っております。  今、ねじれ国会が問題視され、このねじれ国会が悪であるかのように言われておりますが、政府が決定をしやすいように権力側が憲法を変えるというのはそもそも立憲主義の考え方から逸脱をしておりまして、ねじれ国会が悪いのではないと思います。ただ、それを克服する知恵がないというのが問題だと思います。  解決方法としては、他党からも提案がありましたけれども、両院協議会の構成の見直し、各党の責任ある立場の方に出席をいただくということ、それでも調整が付かない場合には、例えば二回目の投票を党議拘束をなしで行うというようなことも方法の一つかと思います。そもそも参議院は党議拘束はなくてもよいのではないかと考えております。そのため、みどりの風も党議拘束はない政党にしております。  ただ、一点問題なのは選挙制度のことです。  参議院は職能代表という位置付けがありまして、衆議院よりも早く比例代表を取り入れている関係上、政党名で当選している議員が多い、そのことと党議拘束をどう整理していくのかという、その問題点があるかと思います。  一方で、では、医師の代表、農業団体の代表が、外交等全部の省庁にかかわるものについて意見が同じであるかというと、これも大変不自然でありますから、比例代表で職能代表の人が選出はされておりますけれども、やはり党議拘束はなるべく外していくというのが望ましいと思います。また、政治権力から一線を画すという意味で、参議院から大臣は出さないということも提案をしたいと思います。  その他、衆議院は予算に関して優越があります。参議院はやはり決算重視で行くべきである、それから、長期的視野に基づいて議論すべきもの、環境問題でありますとか外交政策、特に議員交流などは参議院において活発に行うべきであると考えております。  以上です。
  102. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 福島みずほ君。
  103. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  社民党の見解を申し上げたいと思います。  憲法は基本的人権を保障するためのものです。統治機構もこの考え方に立脚をすべきです。基本的人権を保障するために国家権力を制限するのが憲法であるという立憲主義の考え方が重要です。社民党は、この立憲主義の考え方からすれば、二院制を維持すべきだと考えております。  徹底的に国会で議論をすることが必要です。私自身の経験によっても、衆議院を通過し、参議院の中で論点や問題点が多く出てくるということは数多く経験をしております。もし一院であれば、問題のある法律が迅速に通過してしまう危険性が大です。間違った立法、問題のある立法をさせてはなりません。ですから、ねじれ国会の弊害ということが言われます。しかし、徹底的な議論をすること、違う角度から論点を議論することが必要ではないでしょうか。二院制の方が立憲主義に資し、十分な議論とチェックができます。  「あたらしい憲法のはなし」、文部省の昭和二十二年八月二日も二院制について説明をしています。  なぜ二つの議院が要るのでしょうか。皆さんは野球やそのほかのスポーツでいうバックアップということを御存じですか。一人の選手が球を取り扱っているとき、もう一人の選手が後ろに回って間違いのないように守ることをバックアップといいます。国会は国の大事な仕事をするのですから、衆議院だけではなく、間違いが起こるといけないから参議院がバックアップする働きをするのですという旨があります。  私は、バックアップ以上の機能を参議院が果たすべきだというふうに考えておりますが、この考え方は堅持すべきだというふうに考えております。  先ほども同僚議員からありましたが、GHQは一院制を主張をいたしました。戦前は貴族院でしたので一院制を主張するという意味もあったのかもしれませんが、むしろ日本の中で二院制を維持すべきだという議論があり、二院制を実現したということも私たちは大きく考えなければならないと思っております。参議院が異なる角度から多様な民意を反映し、審議を慎重に行い、衆議院に対する抑制と均衡の機能を果たす点は二院制の存在意義があります。  幾つか述べたいと思います。  まず、長期的な視野に立って、解散を持たない参議院が安定的に議論ができる。衆議院と参議院で選ばれる時期が多くの場合はずれているために、そこで違う多元的な価値を表明できるという点があります。  次に、決算審議の充実をすることにより違いを表明できるということもあると思います。  三点目は、調査会の存在です。衆議院になくて参議院があるものに調査会があります。先ほど大山参考人からもありましたが、この調査会の意義をもっと強めるべきだというふうに考えております。国民生活に関する調査会は高齢社会対策基本法案を成立をさせました。共生社会に関する調査会はドメスティック・バイオレンス防止法を成立させ、党利党略ではなく超党派で極めて長期間議論をしながら立法につなげるという点は調査会の意義ですし、もっと活用すべきだというふうに考えております。  そして四点目は、議員立法です。衆議院でももちろん議員立法はありますが、また党派を超えて落ち着いて議員立法をするというアドバンテージは参議院でより高いというふうに考えます。  五点目は、選挙制度の問題です。今日も選挙制度と絡めた議論がありました。二院制が維持すべきだと社民党が考える根本的な理由は、多元的な価値、多様な意見をより反映すべきだという点です。選挙制度はどうあるべきかということについても、多元的な価値、多様な意見が反映される、少数者の意見も反映されることが必要で、比例区を重視した選挙制度が衆参で、とりわけ参議院で必要だというふうに考えております。  以上が見解です。
  104. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 水戸将史君。
  105. 水戸将史

    ○水戸将史君 日本維新の会の水戸将史でございます。  日本維新の会といたしましては、決められない政治からの脱却を最大のテーマとして、首相公選制と一院制の導入を主張してまいりたいと存じます。  そもそも決められない政治とは、国会と内閣での意思決定が適切に行われていない状況のことをいうのではないでしょうか。そして、その内閣の適切な意思決定を妨げているのは、明治以来続いている官僚支配にあるのではないかと思います。なぜなら、明治以来の伝統を引き継ぐ内閣法を中心とする行政組織に関する古い法制が弱い内閣を前提としており、行政の官僚支配を可能にしているからです。  そうした官僚支配から脱却するためには、内閣法以下の行政組織法について、国民主権を徹底しながら強い内閣をつくる方向での改正が必要であり、そのためには国会を含む統治機構全体について法制度の抜本的改革が求められます。その最も効果的な制度が首相公選制と一院制であると考えます。  御案内のとおり、首相が直接国民から選ばれた場合、首相は、一義的には国民に対して責任を負い、与えられた任期において最大限の使命を果たす努力が求められます。選ばれた首相自身、自ら掲げた政策のイニシアチブを取ることが可能となり、国民の支持の下で強いリーダーシップを持つ首相が誕生することが期待されます。また、官僚人事を完全に掌握することとなるために、前述した行政の官僚支配は起きる余地はないと思います。  一院制につきましては、世界の趨勢が一院制にシフトしていることから、首相公選制を前提とするならば、一つの国家の意思を二つの院の意思で決める制度の合理的な理由がないと思われます。従来より、衆議院及び参議院とも与党が過半数を制していれば参議院は衆議院の焼き写しと言われ、逆にねじれていれば再考の府というよりも妨害の府というデメリットが散見され、決められない政治が度々繰り返されてきました。  社会が目まぐるしく変遷する時代、まさに政治判断が要求されております。それなのに、我が日本の政治は余りにスピード感がなさ過ぎると言っても過言ではありません。したがって、一院制にした方が、責任を問われた場合にも分かりやすく、より政治の的確性や透明性が高まるものと期待できます。  なお、ここで、日本維新の会の考え方として、一院制を導入する際には衆議院と参議院を廃止し、新たな一院制の国会を創設することを標榜いたします。そして、首相公選制を採用する場合、日本国の象徴である天皇との関係についての議論が出てくるものと想起されますので、憲法第一条を改正し、天皇が日本国の元首であることを明確にする必要性も付言させていただきます。  以上であります。
  106. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 舛添要一君。
  107. 舛添要一

    ○舛添要一君 新党改革の考え方を述べさせていただきます。  二院制については、これを存続すべきという考え方であります。特に、参議院については、慎重審議の府、そして大所高所から国益を考えるという意味で衆議院と違った大きな役割があるというふうに考えております。  昨今は、ねじれ、衆参のねじれという現象をとらえて二院制の問題点を批判する声が多くありますけれども、言わば任期が違う、つまり選挙の時期が違うこの二院の多数派が異なることは言わばある意味で当然だというふうに考えてもいいわけでありまして、ねじれを前提とした政治の運営ということをもう少し真剣に考えるべきであろうというふうに考えております。  その前提を基にした上で、しかしながら、より良い形での二院制の発展ということを考えた場合に幾つかの改革が提案できるというふうに思います。  第一は、役割分担論であります。現在、決算や行政監視について参議院が重要な役割を果たしておりますけれども、どのような形で衆議院と異なる参議院の特色を出すのか、どのような優先権を参議院に与えるべきなのか。これは、国会議員の間で広く議論を進めた上でこの役割分担論を更に検討していく必要があろうかと思っております。  それに加えて、憲法改正という視点を前面に出したときには、衆議院と参議院の性格について憲法上の規定を変えることも考えていいと思います。特に、道州制の導入ということを考えた上で、参議院については地域代表の特色を持たせる。具体的には、アメリカの上院のように、人口に基づかない形での一票の価値ということを考える。つまり、地域代表としての参議院の性格をもっと前面に出していいのではないかというふうに考えます。  そうしますと、衆議院と参議院、全く違った形での代表原理に基づく二院が存在する。それによって、例えばフランスで行われていますように、地方自治については優先権を上院、つまり参議院の方に持たせると、こういう大胆な改革ができるわけであります。つまり、憲法改正までを視野に入れたときには、更に二院制をより良い形へと発展させることが可能だというふうに考えております。  いろんな点で改革すべき点はあると思いますけれども、二院制を存続させるという上で、まず第一段階、現行憲法の枠内で何ができるか。そして、第二段階として、憲法を改正した上でどういう形の統治機構に変えることができるか。こういうことを二段階で考えることによって、二院制、さらには参議院の大きな役割の発展ということについて議論を重ねていきたいと思います。  以上でございます。
  108. 小坂憲次

    ○会長(小坂憲次君) 以上で自由討議は終了いたしました。  本日はこれにて散会することとし、次回は新しい人権をテーマにいたします。  ありがとうございました。    午後三時十三分散会