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2013-04-03 第183回国会 参議院 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 5号 公式Web版

  1. 平成二十五年四月三日(水曜日)    午後三時三十分開会     ─────────────    委員の異動  三月二十七日     辞任          浜田 和幸君  三月二十八日     補欠選任        江田 五月君  同日     辞任         補欠選任      藤原 良信君     主濱  了君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         藤原 正司君     理 事                 江崎  孝君                 津田弥太郎君                 青木 一彦君                 有村 治子君                 石川 博崇君                 松田 公太君     委 員                 江田 五月君                 尾立 源幸君                 加賀谷 健君                 加藤 敏幸君                 白  眞勲君                 藤末 健三君                 安井美沙子君                 熊谷  大君                 島尻安伊子君                 野村 哲郎君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 若林 健太君                 加藤 修一君                 主濱  了君                 紙  智子君                 舟山 康江君    事務局側        第一特別調査室        長        宇佐美正行君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する  調査  (世界の水問題と日本の対外戦略について)     ─────────────
  2. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ただいまから国際地球環境食糧問題に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る三月二十八日までに、浜田和幸君及び藤原良信君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君及び主濱了君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。  本調査会では、これまで三年間にわたり、「世界の水問題と日本の対外戦略」をテーマに調査を進めてまいりました。三年目の今期国会においても、四回にわたり参考人及び政府に対して質疑を行いましたが、その際に出された論点をまとめた資料を過去二年間の中間報告の要旨とともにお手元に配付させていただいております。  本日は、これまでの調査を踏まえ、最終報告書を取りまとめるに当たり、午後四時までをめどに、「世界の水問題と日本の対外戦略」について委員間の意見交換を行います。  発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。  また、委員の発言は三分程度となるよう御協力をお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、発言を希望される方は挙手をお願いいたします。  松田さん。
  4. 松田公太

    松田公太君 委員長、御指名ありがとうございます。  みんなの党の松田公太です。  本調査会を通じまして、我が国の水技術の高さと水ビジネスの市場のポテンシャル、そしてこれまでのJICA等を通じた技術協力や無償資金協力等によって築かれた人道的支援分野における日本の信用力の高さを改めて確認することができました。水ビジネスは百兆円産業になるという話は本調査会でも何度も出ましたが、この市場へのアプローチが我が国の対外戦略の柱となることは間違いありません。  今年に入ってからの調査会では、BOPビジネスにおける中小企業の目覚ましい活躍を確認することができました。それらの企業の経営者が共通して語っていらっしゃったのが、援助、支援からビジネスにつなげていくことの重要性であり、我々みんなの党の政策でもある、政府による介入ではなく民間の活力を引き出すことによる経済成長と理念を共有することもできました。我が国の貧困への取組はこれまでもすばらしいものでしたが、今後はこの視点を取り込むことで世界の中でも更に存在感を強めていけるのではないかと感じました。  一方で、官民連携というマジックワードの危険性もはっきりしたと思いました。企業やNGOが海外進出する際に、JICAによる支援やODAが重要な役割を果たしており、この意味での官民連携は今後も大切で、強化していくべきでしょう。しかし、上下水道事業といった公営企業に関しては、いまだ官庁会計を用いている事業体があり、財政状況も芳しくないことも調査会を通じて明らかになりました。こういった事業体を官民連携という名の下に無理やりほかの企業と一緒にパッケージ化してしまうと、動きが遅くなってしまうおそれがあります。これらの事業体は対外戦略以前に内部改革をまず断行すべきで、ODA予算をいたずらに浪費するものではありません。  同時に、シンガポール公益事業庁、PUBなどを見ても分かりますが、水問題を統括的に扱う部門の必要性も明らかになりました。ケア・インターナショナルのプレゼンテーションにもありましたが、まだ我が国のODA等には使いづらい面が多々あります。様々なアクターがワンストップで水問題にかかわることができる体制づくりが急務です。TPPになぞらえるならば、非関税障壁の撤廃といったところでしょうか。俯瞰的に見ることができる部門をつくることで、ステークホルダーのうちボトルネックはどこにあるのか、国の積極的な関与が求められる人道的支援や模造品等の分野と民間企業を後押ししていくべき分野の線引きをどこでするのか、あるいは両者をどうつないでいくのかといったことがきちんと分析するようになるべきだと私は思います。  最後に総括として、水問題へのアプローチは、ビジネスとしても、人道的支援の国際協力としても、我が国が本当に積極的に推進するべき重要課題であり、そのためには収益性と人道性、両方の明確なビジョンを持って、そしてそれを現実のものとするために全力で国を挙げて取り組む必要があると私は感じました。  ありがとうございました。
  5. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。  次に、発言を受けます。  加藤先生。
  6. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤でございます。  私は、国際的な視点と国内的な視点に分けて、自分なりに感じた点を申し上げたいと思います。  水問題は、言うまでもなく、人類の持続可能な開発にとって重要なテーマであると。国連の環境と開発に関する世界委員会は、将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく今日の世代のニーズを満たすような開発、すなわち持続的開発を打ち出し、西暦二〇〇〇年までに持続的開発の達成の長期戦略を提示しましたが、既に二〇〇〇年は過ぎております。持続可能な開発に関して、リオ・プラス20では、従来のGDPではなくグリーン経済、幸福な指標などの数値化の議論があり、水分野の在り方が大きく関係していると思います。  二点目は、国際的な各種の活動、例えばMDGsなどの展開には水問題が成否を握っております。例えば、ミレニアム開発目標の目標達成には、水問題が解決すると目標の三分の一は解決するとの調査があります。水へのアクセスが大きくかかわっており、優先的に扱うことではないでしょうか。  また三点目は、一極集中型の巨大なシステムの導入が議論されやすいのですが、雨水、天水、その利用あるいはナットウキナーゼなどの地域分散型の簡便な方法によるものを尊重し、普及拡大を考えるべきでないでしょうかと。すなわち、当該地域にとって何が中間技術、適正技術なのかを十分吟味することが優先されるべきであり、ODAについてもこの観点から十分議論し、普及拡大を図るべきだと思います。  国内的には、会長からの判断により、「水は誰のものか」というこの本が各委員の方に配付されておりますけれども、その中にも書いてありますように、立法府ですから、必要ならば水に関する法制化を行うべきであると思います。例えば、雨水については雨水利用推進法案、あるいは水循環基本法案、あるいは地下水の利用の規制に関する法案ということが検討されているわけでありますが、立法府として法案について一層議論を深めることが必要であると思います。  最後に、水関係インフラのアセットマネジメント、資産管理でありますけれども、これは予防防災の観点も含めて考えるべきだと思っておりますが、維持管理を円滑に推進し、地域の安心、安全を含めた安定した地域形成に貢献すべきだと考えておりますので、こういった面について普及拡大、そういう考え方を更に進めていくことが重要であると、このように水の観点から大事だと思いますので、御配慮が必要だというふうに考えています。
  7. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 加藤さん、ありがとうございました。  次に、発言を受けます。  どうぞ。
  8. 江崎孝

    江崎孝君 民主党・新緑風会の江崎でございます。  本調査会のテーマでありました世界の水問題と日本の対外戦略についての意見を述べさせていただきます。  委員長の方からもありましたとおり、平成二十二年の十一月に調査会が発足をして、世界の水問題をテーマに約二年半、三年近くにわたって調査を行ってまいりました。この間も、地球ベルで水資源をめぐる状況は深刻の度を強めています。  こうした中で、参議院の調査会が世界の水問題を取り上げ、かつ、この分野では知見、経験、科学技術の面で比較優位を持つ日本が率先をしてこの問題に対処していく方向でいかに対外戦略を展開すべきか、特に国際協力や官民連携による海外ビジネスの課題や可能性を始めとして様々な視点から調査を行ったことは、私は画期的であり、極めて意義があるものだったというふうに認識しています。  さて、調査会でも明らかになりましたように、成長著しいアジアでは、人口の急増や都市化、工業化の中で、水不足や汚染問題が一層悪化しています。他方で、上下水道インフラ整備が十分ではなく、今後相当規模のインフラ整備とそのための資金需要が必要とされています。これに我が国としてどう対処すべきかが大きな課題であります。  援助にしても水ビジネスにしても、その鍵は私は地方自治体の活用にあるのではないかと考えています。特に途上国では、河川等の水管理から配水システムの設計管理、料金体系の構築や徴収方法、さらには漏水対策等の保守管理など、まさに水源から蛇口、そして上下水道の一体のトータルマネジメントが要請される傾向にあります。こうした技術やノウハウを持つのは地方自治体であります。加えて、モンスーン・アジアという類似の気候風土の中でこれらの技術を蓄積してきた経験や、将来問題となる給水人口の減少や施設の老朽化など、課題先進国の日本の自治体が持つ知見などは欧米と異なる様々な優位点を保有しています。  既に技術協力といった分野で多くの国際貢献を重ねていますが、最近では上下水道海外展開を進める自治体も出ており、その後押しをすることが重要だと考えています。そのために、前回の対政府質疑でも申し上げましたとおり、官民連携の前に関係省庁間の官官の連携の強化、司令塔の創設が必要です。特に水循環基本法を制定をしようという試みの中で、水循環政策本部というような中央の施設、組織も非常に重要だろうというふうに考えています。  そのことを前提にして、本日は、特に自治体による言わば国際貢献ビジネスを画期的にいかに拡大するか、リスク管理にいかに対処するかの二点について意見を述べたいと存じます。  まずは、自治体の持ち味を生かすためには、途上国の地域を面的にとらえ、町づくり全体の中で現地の実情に合った水循環を実現することが必要であります。そのためには、前回の調査会で経産省の方からも指摘がありましたが、例えばミャンマーとかインドネシアのように開発政策の段階から関与していくことが必要であります。このためには、個々のプロジェクトのみならず、政府ベルによる援助全体の中での水インフラに関する相手国政府との政策対話が必要であります。JICAの一層の活用、さらにはアジア地域では、政策のみならず、資金提供元である世界銀行アジア開発銀行といった国際金融機関との連携も大きな課題であります。  次に、リスク管理の面でありますが、リスクを最小限にするために、当面、自治体設備投資には手を出さず、まずは設計、運営などのコンサルタント業務や事業運営のマネジメントなどに関して契約を結び、安定的な収入を得る方法で海外展開を進め、実績を積み重ねていくことも一つの選択肢ではないかと考えています。その場合には、設備投資には日本のODAを活用するなど自治体とJICAが連携を深めること、かつ日本の水関連産業が参入しやすい案件形成を進めていくことも肝要ではないでしょうか。  そして、こうした地方自治体海外展開を進めることが、高齢化が進む自治体職員の技術の継承や、国内で縮小傾向が進む上下水道事業の新規開拓、さらには、地元の水関連の中小企業海外進出に扉を開けることによって地域経済の活性化につなげるなど、国内で抱える課題にも大きなメリットがあるということも付け加えておきたいと思います。  少々長くなりました。以上が私の意見です。  ありがとうございました。
  9. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  次に、発言を受けます。  どうぞ、主濱さん。
  10. 主濱了

    ○主濱了君 生活の党の主濱了であります。  実は、本調査会、三年ぶりの復帰でございます。新しい調査が始まりまして三年目と、こういうことでありまして、復帰した途端に終盤を迎えていたと、こういう状況でありますが、この中で初の意見を述べさせていただきます。私、水問題についてバーチャルウオーターの観点から意見を述べさせていただきたいと思います。  バーチャルウオーターとは、輸入農産物を国内で生産した場合に必要になる水の量であると、こういうことで、これまでの中で鈴木東大教授が講演をされていたものも参考にさせていただきました。日本で米の関税が完全に撤廃された場合、米の自給率は一・四%となって、そのバーチャルウオーターは二十二倍に増加すると、こういうふうに試算されているとしております。世界的に見て水の豊かな日本で水を節約し、カリフォルニア、オーストラリア、それから中国のように水の少ない地域の水を使うと、こういうことになってしまうんだと、世界の水収支から見て極めて非効率ではないか、こういったような指摘があったというふうに記録を見させていただきました。  調べてみますと、日本は世界一の農産物の純輸入国であります。既に食料の六〇%を海外に依存をしております。自給率四〇%ですから依存率は六〇%、こういうことになるわけですが、関税が撤廃されますと食料の七八%を海外に依存することになってしまうと、こういうことでございます。  他方、地球上の人口は既に七十億人を超えていると。毎年毎年五千万人ずつこの地球上の人口が増えておりまして、二〇五〇年には九十億人になると、こういうふうに予想をされているところであります。FAO、国連の食糧農業機構ですけれども、FAOでは、食料を今後六〇%の増産、これが必要であると、こういうふうなことを言っております。  これらを考え合わせますと、世界の水問題に寄与あるいは貢献すると、こういう観点から端的に意見を述べさせていただきますと、もう一つですね、食料の安全保障の観点からも意見を述べさせていただきますと、できる限り食料の自給を高める政策、これを推進すべきではないだろうか、こういうふうに思っております。この調査会は今回の水問題のみならず食料問題も含まれておりますので、いずれ食料の自給を高める政策、これを私どもは推進することによって世界の水状況の緩和に少しでも寄与すべきであろうと、こういうふうに考えているところであります。  以上です。
  11. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  次、発言受けます。  舟山さん。
  12. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございます。  いよいよ取りまとめということでありますけれども、やはり水問題、これは、生命の源であり経済発展に欠くことができないものだということ、裏を返せばこの水の問題が様々な経済発展の制約要因にもなり得るという意味では、大変重要なものだと思っております。  国内的には、いろいろ議論を繰り返す中で、やはり水問題、政府から説明を聞くときにも非常に多くの政府の関係者が来たということは、つまりは多くの役所にまたがっているということだと思っております。例えば、河川や下水道は国土交通省、農業用水は農林水産省上水道が厚労省、水質や生態系環境省、また、上水道の供給というのは大体地方自治体ですので総務省だということで、やはりこういったことが各省庁ばらばらで、なかなか連携が取れていないのではないかというふうに思っております。  そういう中で、なかなか、この水循環に関する基本法の制定の必要性が叫ばれる中でまだ制定に至っていないということでありますので、私はこの調査会で、まずは、先ほど加藤委員からも指摘がありましたけれども、やはり法制化に向けての提言、法制化を急ぐような提言をこの三年目の節目としてしっかりとうたい込んでいく必要があるのではないかと思っております。水循環基本法。  それから、雨水につきましても、国内でもまだまだ利用の余地があると思いますし、海外での協力案件についてもこの雨水の利用というのは古いようでなかなかまだまだ進んでいないという、まだ取り組む余地があると思っておりますので、この雨水についてもやはり法制化というものをしっかりと提言をしていくというのがこの調査会に与えられた一つの大きな役目ではないのかなと思っております。  それから、この水問題について、是非、水源林のいろんな買収の問題なんかも指摘されておりますけれども、やはりこの水源林、水の供給を、豊かな水を育んでいる農山漁村部、水源地に対してやはり一定の多面的な役割を評価する中で、しっかりとそこに対して税の還付のようなこともやはりこれから考えていかなければいけないのではないかと思っております。  例えばですけれども、地方交付税の基本的な考え方は、財源の豊かな都市部から財源の少ない地方部へお金を回すということですけれども、そうではなくて、積極的にプラスの役割をしている農村部、農山漁村部、水源林地域に対して、そこから供給できる役割をしっかりと国が税金で還付するというような、そういう仕組みというのも提言できるのではないかと思っておりますので、是非盛り込んでいただければなと思っております。  それから、国際協力の面ですけれども、私は、やはり官民連携というのは非常に大事な視点だと思っていますけれども、一方で、やはり途上国、特に途上国におきましては、なかなか民間ベースでビジネスに乗せていくだけでは難しいのではないかと思っております。  上水道、とりわけ飲み水の供給に関してはやはり公が絡んでいく必要があると思っておりますので、その点、日本は、この上水道事業については公営企業という、多分これは世界でも非常にうまくいっている事例ではないのかなと思っております。この日本の公営企業の仕組みというのは、技術の提供と加えて、途上国での安定的な水供給という意味では、この公営企業としてのビジネスモデルのようなものも併せて途上国に供与するということをやはり是非取り組むべきではないかと思っておりますので、是非、これから日本の世界に向けての一つの大きな貢献の可能性というものをここからしっかりと引き出していければと思っております。  以上です。
  13. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 舟山さん、どうもありがとうございました。  次に、紙さん、お願いします。
  14. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  この三年間、様々な角度から水問題について議論してきましたけれども、三点に絞って意見を述べたいと思います。  一つは、農産物の輸入はその生産に要した水も一緒に輸入しているという、バーチャルウオーターという、言い方を変えればですね、そういうことがあります。世界で水の枯渇や土壌の劣化、砂漠化が深刻化し、穀物価格が高騰していると。まず初めに、この世界の水資源と日本のかかわりはどうあるべきかということです。  参考人からは、日本は政策的な切替えを行って、生産力を引き上げるために、農地も水も人材地域コミュニティーも森林も、地域資源を丸ごと保護、保全していくことが必要だですとか、日本は農業に対する戦略的な支援が足りなかったから自給率が低下したと、それを再構築することが必要だなどが述べられました。  食料を輸入に依存する国の在り方を変えて、日本の食料自給率を高めることが極めて重要になっていると考えます。  次に、水ビジネスについてですが、私は、水道事業の海外展開で利益が生まれるかどうか、自治体のかかわり方や雇用対策などについて繰り返し聞いてきました。  参考人からは、水道事業の海外展開で維持管理を入れてリターンがあるかといったら、そんなにないとか、人件費プラスアルファぐらいが稼げればいいかとか、大きくもうけるようなビジネスではないなどが出されました。また、雇用についても、現地企業との競争になる、安くて良い技術を調達するには資材や雇用は現地人材を活用する、雇用対策にはなかなかならないということも述べられました。  技術を海外で生かす方法を考える必要はありますけれども、こういう問題とともに、日本の企業や自治体が運営する海外公共事業で赤字が出たら国民の税金で補填するというのは良くないと思います。  加えて、水を商品ととらえるか、権利ととらえるかということも重要な角度です。国連は、二〇一〇年の七月に水と衛生に対する人権について決議を採択しました。これは、水を商品ととらえて水道の民営化を進め、水メジャーが利益を優先する動きの中で住民の反発を受けるなど、水問題をとらえ直す動きの中で採択されたものです。人間にとって安全で清潔な水は生きるための万人の権利です。この点を踏まえた国内外の対策が必要になると考えます。  最後に、水にかかわる大規模災害対応についてです。  東日本大震災から二年がたちました。五百を超える自治体水道事業体の職員は、いち早く現地に駆け付けて、命の水を届ける応急給水や水道施設の復旧支援を行いました。  水道事業については、一九九五年の阪神・淡路大震災を経て都市間をつなぐ災害応急体制が確立されましたけれども、当時から職員は十万人から五万人に減り、民間委託などのアウトソーシングが進んでいます。  東日本大震災においてこの災害応急体制は生かされたのかを聞きましたが、政府は混乱があったことは認めましたが、手引を見直すというふうに言っています。検証なしに見直すのではなくて、しっかり検証した上で見直しを行うべきだということを述べさせていただきます。
  15. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  では、次に、御発言をお受けします。  どうぞ。
  16. 青木一彦

    青木一彦君 自民党の青木一彦です。  これまで、本調査会では、藤原会長のイニシアティブの下で、いろいろな専門家の方や関係省庁から意見や説明を聴取するなど、活発に調査を行ってまいりましたが、人がやはり生きていく上で欠かすことのできない重要な資源である水は、食料やエネルギーと密接な関係にあるなど、水問題は非常に幅広く、かつ奥が深いものであり、国として真剣に取り組む必要のあることがよく分かりました。特に、本調査会の調査テーマである「世界の水問題と日本の対外戦略」については、日本が優れた技術や経験を生かして世界の水問題解決のために取り組むことが力強い日本を取り戻すためにも大変重要であると感じました。これまでの日本の取組は、水と衛生分野での世界のトップドナーとして各国から高い評価を得ています。  しかし、一方で、昨今の厳しい財政状況などに鑑み、ODAの財源だけでは世界の水問題解決に取り組むことは困難になっているのではないでしょうか。せっかくODAで水道などの施設を造っても、設置後の維持管理を現地に委ねているためにうまくいっていない事例も多く見受けられ、改善を図ることが必要であると思います。日本にある多くの水関連企業は非常に高い水処理の技術を持っていますが、それによって日本では優れた上下水道施設と上水道の高い水質などを維持することができています。  しかしながら、日本では上下水道事業を地方自治体が担っており、業務の民間委託も進んでいないため、企業に水道施設の維持管理の経験に乏しく、どんなに優れた技術を持っていても単独では海外の水ビジネス市場に参入することは容易ではありません。栗原参考人も指摘していましたが、海外での水市場は年々競争が激しくなっており、シンガポールや韓国などで、幾つかの国では国による明確な水戦略を持って海外での水市場に乗り出しています。日本と同様に、海外でも上下水道を始め水市場の多くが公営であることなどもあり、企業と地方自治体が連携しただけでは、国家戦略を持って海外での水市場に乗り出していこうとした国々にはとても太刀打ちできません。  そこで、政府による明確な海外水戦略と基本方針の策定が不可欠であると思います。例えば、内閣官房に水問題担当大臣など司令塔を置くことも検討に値すると思います。また、単に海外展開インフラパッケージの中に上下水道等を位置付けるだけではなく、アジア新興国を中心に、今後高度経済成長が予想される国々でのスマートシティーづくりの中核に上下水道施設等を位置付けて、それに国の戦略として取り組むことが重要ではないかと思います。  このように、世界の水問題に取り組むには、政府、企業、自治体だけではなく、大学やNGO、さらには一般国民も含めて、オールジャパンでの取組が必要であると思います。是非、政府には国民への啓発も含めてその旗振り役をお願いしたいと思います。  以上です。
  17. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 青木さん、どうもありがとうございました。  次の発言をお受けします。  尾立さん、どうぞ。
  18. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。  民主党の尾立でございます。  最後の方にこの調査会に参加をさせていただきまして、水問題の重要性、また奥深さを痛感した次第でございます。その中で二点、簡単にコメントをさせていただければと思います。  一点目は、舟山議員からも指摘がございましたように、この調査会であれだけ水にかかわる省庁がたくさん来て水を縦割りにしている、なかなか水を縦割りにするのは難しいんですけれども、現状ではそうなっておる。やはり、ここは我々の、議員の努力で、水循環基本法のような一つの筋の通ったこういう法律があって、それを中心に水政策を考えていくということが私も大事ではないかと思っております。  二点目は、これは加藤議員の御指摘にもございましたが、今現在世界で取組中のMDGs、ミレニアム開発目標においてもこの水の果たす役割は大変重要だという認識があります。  そこで、二〇一五年にはポストMDGsというものを世界で作っていかなければなりません。我が国は、御案内のとおり、人間の安全保障ということを中心に考えておりますので、このまさに人間の安全保障には水は大事ですし、特に、いい面ばかりではなく洪水のような災害もコントロールすることも含めて安全保障だと思っておりますので、これは政府に対する要求になってくると思うんですが、我々の調査会のこの意見をしっかり政府に取り入れてもらって、ポストMDGsの議論の中に大きな項目としてこの水問題を取り入れていただくような要求をすべきだと思います。  以上です。  ありがとうございました。
  19. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 尾立さん、どうもありがとうございました。  次の発言をお受けします。  藤末さん、お願いします。
  20. 藤末健三

    ○藤末健三君 委員長、ありがとうございます。  民主党・新緑風会の藤末でございます。  今、本当に藤原委員長の指導の下にこうやって議論をさせていただきまして、最終局面を迎えていることを非常にうれしく思います。  私自身も、例えば先ほど御発言のあった尾立委員とエジプト水道局を伺いまして、実際に日本のODAがどう使われているかと見てきましたし、またカンボジア、ベトナムなどにも直接伺いまして、実際にODAで掘られた井戸がどうなっているか、実際に汚染された井戸を見てまいりました。そういう中で、いろんな議論する中で、今回、皆様の委員の仲間と一緒に議論ができ、我々日本が持っているいろんな技術力でありビジネスを構築する力がまだまだ世界に役立つということが明確になったんではないかと思っております。  先ほど、加藤委員、舟山委員、そして尾立委員からもお話がありましたように、私もこの国会で議論した成果を次につなげるために、やはり立法府である我々が法律を作るなりのことを、次のアクションまでつなげられたらいいんではないかということを一つ思います。  また同時に、二つのことを考えておりまして、今までのこの議論は、今の日本の技術力が世界のこの水問題にどう対応するかということを一つまとめたと思いますが、恐らくこれから先のことを考えますと、二つあると思います。一つは、やはり我々の日本のこの技術力をもっと高めていくこと、それが必要ではないかと。例えば、私この委員会で御提言申し上げましたのは、今までは水道の蛇口までの議論だったんですけれど、我が国が独占している技術の一つに蛇口の先にある整水器、水をもっときれいにして逆に健康に役に立つようにする水の技術は日本しか今持っていません。そういうものをどうやってこれから開発していくかということも必要ですし、同時に、このイノベーションではなくこの技術をまた世界にどうやって展開していくか。そのときもやはり途上国だけということではなく、やっぱり先進国も含めて世界全体に対して我々の技術をどう役立てるかということが必要になってくるんではないかと思っております。  そういう意味でも、今回の、松田議員からも指摘がございましたけれど、各省庁やはりばらばらに活動しているという状況は否めないと思いますので、そのような政府の体制を統合していくこと、そしてまた我々がトータルのパッケージとしてこの法律などを作り、力強く推進していくことを提言できればと思います。  以上でございます。
  21. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 藤末先生、どうもありがとうございました。  では、次、御発言をお受けします。よろしいですか。  今ございました舟山先生、それから藤末先生等、立法作業をしてはどうかというお話もございました。その点につきましては、両筆頭、それから事務局、私含めてちょっと一任いただけませんか。どういう形で立法作業ができるのか、現行は法律はどうあるのかということも含めてちょっと検討させていただいて、またレポートをどうせ出さないけませんから、そのときにお諮りするということでよろしいでしょうか。(発言する者あり)ありがとうございます。  皆さん、発言ございませんか。  それでは、調査会を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。    午後四時四分散会