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2013-03-07 第183回国会 参議院 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 3号 公式Web版

  1. 平成二十五年三月七日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  二月二十七日     辞任         補欠選任      武内 則男君     加賀谷 健君      藤本 祐司君     白  眞勲君  二月二十八日     辞任         補欠選任      亀井亜紀子君     舟山 康江君  三月六日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     徳永 エリ君      石川 博崇君     竹谷とし子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         藤原 正司君     理 事                 江崎  孝君                 津田弥太郎君                 青木 一彦君                 松田 公太君     委 員                 尾立 源幸君                 加賀谷 健君                 加藤 敏幸君                 徳永 エリ君                 藤末 健三君                 安井美沙子君                 熊谷  大君                 島尻安伊子君                 野村 哲郎君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 若林 健太君                 加藤 修一君                 竹谷とし子君                 藤原 良信君                 紙  智子君                 舟山 康江君                 浜田 和幸君    事務局側        第一特別調査室        長        宇佐美正行君    参考人        独立行政法人国        立環境研究所理        事長       大垣眞一郎君        東レ株式会社フ        ェロー        内閣府「最先端        研究開発支援プ        ログラム:メガ        トン水システム        」中心研究者   栗原  優君        東京大学大学院        農学生命科学研        究科教授     鈴木 宣弘君        株式会社天水研        究所代表取締役  村瀬  誠君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する  調査  (「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、  世界の水問題への取組の課題及び在り方につい  て)     ─────────────
  2. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ただいまから国際地球環境食糧問題に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日まで、藤本祐司君、武内則男君、亀井亜紀子君、石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として加賀谷健君、舟山康江君、竹谷とし子君、徳永エリ君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。  本日は、「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、世界の水問題への取組の課題及び在り方について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  本日は、独立行政法人国立環境研究所理事長大垣眞一郎参考人、東レ株式会社フェロー内閣府「最先端研究開発支援プログラム:メガトン水システム」中心研究者栗原優参考人東京大学大学院農学生命科学研究教授鈴木宣弘参考人及び株式会社天水研究所代表取締役村瀬誠参考人に御出席をいただいております。  この際、御一言申し上げます。  各参考人におかれましては、御多忙のところ、本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  本日は、各参考人から忌憚のない御意見を承りまして今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず大垣参考人、栗原参考人、鈴木参考人、村瀬参考人の順でお一人十五分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、大垣参考人からお願いいたします。大垣参考人
  4. 大垣眞一郎

    参考人(大垣眞一郎君) 大垣でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私の関連の机上の資料が三つございまして、私が使いますスライドそのもののコピーと、それからこれはJSTの、科学技術振興機構の広報用のパンフレットでございますが、私の、CRESTの中で説明しているんですが、の広報、特集が入っておりますので、後ほどでも御覧いただければと思います。  それからもう一つ、A4で三枚つづりのものがございますが、これは実はこの事前配付の青い表紙を事務局からいただきまして、この中に私の関連で入っている資料を今日スライドでちょっとお見せしますので、そこに引用しておりますので、それで事務局の方で御用意いただいたものであります。  それでは、主にスライドに従って御説明を申し上げます。(資料映写)  世界の水問題への取組の課題及び在り方ということ、課題をいただきましたので、私の専門の範囲内でできるだけこの課題におこたえできればと思います。  次の二枚目のスライドでございますが、実は二〇一一年二月八日、大震災の一か月前だったわけでございますが、この調査会の方々の御視察を私の独法である国立環境研究所に調査会としていただきまして、その機会に水資源・水供給と気候変動適応策ということに関して御説明を申し上げました。その内容は、水の価格、それから世界の水供給の様々な姿、それから水供給の脆弱性と気候変動適応策ということに関してお話をいたしました。それは、今のA4のプリントの中に事務局がきれいにまとめていただいておりますので、後ほど御覧いただければ有り難いかと思います。  本日は、そこと余りダブらないようにということで、私の趣旨は、四つここに掲げてございますが、社会インフラとして水インフラは大きな産業領域であることの確認と、二番目は、水は社会の全てにつながっているというお話をして、地域社会の総合的な設計戦略が必要であるということを申し上げたいと思います。それから三番目は、今パンフレットをお配りしておりますが、JSTの水領域CRESTの簡単な御紹介をして、それを受けて、四番目に次の時代の水システムの開発と世界への提供ということに関して意見を述べさせていただきたいと思います。  四枚目のスライドは水インフラの表題でございますが、五枚目のスライドを御覧ください。  これは東京都中野区の某世帯の水使用料の例でありますが、実は我が家でありまして、五年前は子供が二人いたものですから四名の家でございますが、要するに実際に幾らお金を人間が払うかということであります。  これを御覧いただきますと、二か月間ぐらいで上水道で一万一千円、下水道で九千円で、余り節水していない家庭でありますが、まあこのぐらいのお金。それで、お金に直しますと、下の二行でございますが、水道料金として一日一人当たり四十五・七円払っていることになります。それから、下水道料金を入れますと八十二・二円ということで、一人一日八十円ぐらいのもので近代的な水を使う生活ができるというのが現在の東京の姿でございます。  これを強引に世界総人口に掛け算しますとどうなるかというと、現在、六十九億人ぐらいおりますが、この赤い字のところを見ていただきますと、一人八十円一日としますと一年間に二百一兆円の料金が発生する産業であるということであります。もちろん、全世界が東京と同じサービスを受けてそれに対価を払うということは架空の話でありますが、産業の規模の概念として仮の計算をするとこんなことになるということであります。  一番下の小さい字で書いてございますが、東京都水道局の予算が大体三千七百億円ぐらい。それから、下水道局も、料金収入としては同じぐらいで、ざっと東京都の運営のために七千億円ぐらいの産業規模になっている、こういうことであります。これが世界に広がる可能性があるということでございます。  それで、実は世界全体の水ビジネスに関しまして、これは二〇〇八年に産業競争力懇談会が出したレポートで、この委員会の委員長は、普通は産業界の方がやるんですが、私が頼まれまして委員長をしておりました。そのときのカテゴリー区分で、ここにありますA、B、C、Dとなっておりますけれども、Aは、お金もあるし、水もそれなりにある地域、それからBは、水はあるんだけれども、やや経済的に弱い地域、Cは、財政的には豊かなんですが、水がない地域、Dは両方ない地域というような形に分類して、それぞれが対応すべき戦略をその中でまとめていたわけであります。  ここで私がちょっと一つ加えておりますのは、大都市域という領域がありまして、これはA、B、C、どの領域にもありまして、インフラ整備が不十分な大都市域というのが大変多く世界にあります。ここは大きな需要がある地域であり、日本が得意とする地域ではないかということであります。そういう意味で御紹介しています。  次の話題として、水が社会の全てとつながっているというお話をしたいと思います。  この調査会でもバンコクの洪水の議論をされたと中間報告等レポートでは伺っております。これは、右の絵はバンコクアジア工科大学、私も大分前に、三十年ぐらい前にここで教えておりましたけれども、の教授が整理した地盤沈下の絵でありますが、バンコク周辺の、ここの左に書いてありますように、例えば工業化が進む、だけれども不完全な上水道工業用水道しかないというところだと、例えば地下水の揚水規制をしようとしても、工場が安定した水供給がないならば地下水がどうしても必要だというような議論になって、地下水の揚水抑制が利きません。そのような中で地下水位が低下しますと地盤沈下が起きて洪水が悪化する、浸水範囲が広がり長期化するという問題が起き、社会インフラ、水道や道路が壊れますので、地盤沈下に伴って。で、衛生環境も悪化しますし、都市活動が低下し、経済力は劣化するというような問題につながります。したがって、例えば水道を供給するということ自体が地盤沈下を防ぐことにもなるとか、そういう意味で様々なつながりがあるということであります。  今、不完全な水道ということを申し上げましたが、これはインドの例でございますが、英語のままになって恐縮ですが、この左のここの漏水率という、無収率というかお金を取れない水供給で、五七%とか五〇%しかお金が取れていない。漏れてしまったり盗まれちゃったりとかいうことですね。さらに、日本では考えられないんですが、水の利用できる時間が限られている。電力なんかも時間的に供給するわけですが、水もそういう状態である。こういうものであると、工場がこの水道を使うということは実質できないという問題になるわけであります。ここに大きな需要があるということであります。  それから、もう少し、都市化が進む問題として、日本でも直面していますし、世界の方々で直面するであろう問題は、非意図的な再生水の利用という問題であります。  この絵はちょっと、少々小さくて恐縮ですが、淀川の絵でありまして、よく言われるように、京都の排水は淀川に出ますが、下水処理水、大阪はそこを取水して飲んでいるわけです。  この絵にありますように、上に六つの下水処理場があって、下に八つの浄水場があるというような構造で、これ日々稼働しているわけでありますが、人口が稠密になって川の上下に人が広がるようになると、これは世界中の問題であって、下水処理水を飲む飲まないという意図とは別に、水を取って浄水を造るということは非意図的に下水処理水を飲むということになります。こういう特に確実な技術が要るということになるわけであります。  そこで、全体として、経済学の用語で言いますと社会的共通資本という概念がありますが、十二枚目のスライドです。自然環境と、それから社会的な物理的システムインフラと、それから制度としての資本がございます。水に関しますと、自然環境は当然水環境でありますし、社会システムは上下水道でありますし、三番目の制度としては水質監視制度とか様々な法律になります。  一番上の自然環境とわざわざ書いてありますのは、生態系の保全とか様々な自然保護あるいは環境自体を守る運動がありますけれども、社会のシステムを維持するためにはこの自然環境が重要で、この三つの要素をきちんと提案できないと、真ん中の水供給だけを提案してもこれからの世界に対するシステムとしては片手落ちということになるわけであります。  さて、JSTの紹介をいたしますと、十四枚目のスライドでございます。  このCRESTの略、元はコア・リサーチ・フォー・エボリューショナル・サイエンス・アンド・テクノロジーというもので、革新的な技術の研究ということでございますが、この表題は、「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」ということを研究しております。一番下の赤い字のところに書いてございますように、革新的な統合、異なる学術分野、空間・時間スケールの違い、それから要素技術とICT、産官学民、行政分掌などを統合するような水利用のシステム科学技術の面から研究しようということであります。  十六枚目は、時間も限られているので、ちょっと飛ばしまして、十七枚目に、このアドバイザー、総括アドバイザーで、私自身が総括でございますが、副総括に日立製作所の依田氏を迎えて、産官学の体制で、アドバイザーの中にも産官学の方がおられます。十七の研究代表者の下で六百名を超える研究者がこの研究に参画しております。  次のスライドは水の流れの中でどんな分野をやっているかという絵でありますが、飛ばしますと、次のスライドは、ここにありますのは、こういうことによって革新的な科学技術、それから実社会への貢献、それから産業の育成、貢献という三つの目的を、世界規模の水問題から小さな水質メーター、水質のモニタリングのための道具まで含めて、十七のチームが行っているということであります。  これ、次は日本地図で、十七のチームの関連フィールド等が書いてあります。  それから、海外もございまして、次の、これは中国ベトナムで具体的な都市に関するプロジェクトを現在進めております。  さて、時間も限られておりますので、最後、結論的なことを申し上げますと、二十二枚目のスライドを御覧ください。  これは、横軸に技術、システムとしての水に関連するシステムの、左側がやや簡単な方で、右に行くほど複雑であるというふうに並べております。例えば、国際的な活動といいますか、援助あるいはビジネスとしてのいろんなキーワードを縦に並べてみました。ベース・オブ・ピラミッドという概念、それからODA、それからビジネス、ウオータービジネス、グローバルビジネス、それから、実はそこにニューターゲットと書いているのは、これから日本が特に有利な領域ではないかということで、こういう新しい対象があるのではないかということを挙げております。  ここで挙げておりますように、下水再生利用とか海水淡水化など、非常に高度な水利用システムが更に統合された形で最適化された水システム、地域総合された水システムというようなものが世界で求められていると私は思っておりまして、例えば、右下の方に書いてございますが、世界の水の国際学会であるインターナショナル・ウオーター・アソシエーション、私はそこの副会長をしたことがございますが、そこでシティー・オブ・ザ・フューチャーというような概念が提案されて、水だけれどもシティー、その地域全体を考えないといけないという概念が世界で生まれております。そこへ向かって具体的な技術やシステムが提案できることが必要ではないかということであります。  次の二十三枚目の絵は、その技術的な中身はどんなものかという、一部分表したものでありますが、これ、縦軸に水を処理して飲料水、海抜ゼロメーターの高さの飲料水にするのにどれだけのエネルギーが要るかということを書いたものでありまして、水質のエネルギー表示というふうに私は呼んでおります。横軸は水の利用の流れでありまして、一番上の方にあります海抜百メーターのきれいな山の水というのは、実は高いところにありますので、位置のエネルギーを持っておりますので、水質としては海抜ゼロメーターの飲料水よりいい、まあ表現としてはいいことになります。それに対してやや質の悪い河川水というのは、浄水場で処理して飲み水にすると。質の悪い河川水の場合、実測的には約〇・五二キロワットアワー・パー、一立米当たりですね、ぐらい掛かるというふうにデータで出ております。それに対して、相対的に、使いますと、下水のように、下の方によりたくさんのエネルギーが必要ですし、下水処理をしますと、そこに、右上にありますように、活性汚泥処理下水処理水というものになります。さらに、三次処理、再生処理すると飲料水に近づくという、こういう構造になっております。それから、海水は、そこの下の方にありますが、塩分が非常に多いので、飲み水にするにはエネルギーが要るんですが、水がないところは海水しかないわけですから、これを使う。  こういう全体のエネルギーの水質変換のシステムを使って新しい地域社会システムを提案しないといけないのではないか、これが国際的なマーケット、次のマーケットとして重要ではないかということであります。  以上でございます。どうも御清聴ありがとうございました。
  5. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 大垣先生、ありがとうございました。  続いて、栗原先生、お願いします。
  6. 栗原優

    ○参考人(栗原優君) 東レの栗原と申します。  手元には、私の今日のプレゼン資料と、もう一つは今日のテーマに匹敵するような私のプレゼン資料をもうちょっと言葉で書いた形のものが置いてあるかと思いますが、参考にしてください。(資料映写)  私は、今日発表する人の中でも一番ビジネスサイドに近い形だと思いますが、最初のページに、若干、御質問等で参考にしていただくために履歴を申し上げます。  私、会社へ入ってからずっと研究者とか研究管理者とかも務めてまいりましたが、その間に、今日、私の話はメンブレン、逆浸透膜、膜という言葉が出てくると思いますが、その世界的な歴史は五十年しかない中の四十三年、私、経験をしております。研究者の領域を超えて、今、大垣先生はIWAをしまして、私はIDAという方で理事をやったりして海水淡水化の分野での国際的な理事活動等もやっております。そういう中での国際的なネットワークをよく知っておりますので、私の話の軸足が今日は海外の話が中心になるかと思います。  それから、身近な私の担当は内閣府でできました最先端研究支援プログラムで、ここでも日本の海水淡水化ビジネスをどうやって生かすのかというための研究をしております。  この図で、一九七〇年、下の図ですけど、八五年までは、皆さん御存じの民主党の議員であった川端達夫さんも私と一緒に十五年間海水淡水化を一緒にやった過去がございます。  世界の水問題で、先ほど大垣先生と同じ図を出していますが、これは大垣先生がリーダーで私ども民間も一緒に作成した図ですが、水問題の議論になりますと、いろいろ発散しますので、どこのポイントを話すかという意味で、このA、B、Cゾーンをいつも私は出しています。  Aゾーンは水資源が豊富でしかも技術的には従来技術が応用できるようなところというふうに位置付けられますが、今日、私のお話はCゾーンで、ミドルイースト、そしてノースアフリカというような砂漠地帯の海水淡水化ということを最先端技術でやるというので、私の話はこのCゾーン中心になります。ほかの今日の参考人はBとかDが入ってくるんじゃないかと思いますが、いつもここのゾーンということで明確にしたいと思います。  まず、世界の水問題を語るときにいろんな統計がございますが、五ページの上の図ですけれども、この赤マークのところがもう本当に水で困っているという地域でございまして、今問題になっているアルジェリアのようなノースアフリカとかサウジアラビア近辺、これは本当に砂漠地帯で水で困っているという赤で、ビジネスも活発でございます。  それに対してアメリカは、水に困っているカリビアンシーまで、これからですね。オーストラリアもこれから、今活発です。特に話題になるインド、中国はこれからだと思います。下の図でグリーンのところを見ていただきますと、そういう国々は国家計画として水をこれだけ欲しい、造らないといかぬというのが非常に国の方針として決まっておりますので、イコール・ビジネスチャンスになるわけです。  いつもこの水とエネルギーと食料というのは話題になりますが、実はこの図の骨格は安倍前内閣の当時に諮問委員会で作ったときの図でございますが、今や世界レベルで水とエネルギーと食料を一体で考えるということは常識になっておりますが、その原点の図でございます。  最近は何が問題になっているかというと、シェールガスですね。これはエネルギーを取るために水も必要、水を必要とするからエネルギーも必要ということで、これからのシェールガス闘争の中に、オイルの方にあるいはガスの方に、話題になりますが、水がそれだけ付いて回っていますということです。  次ですね、膜という話は単純に高分子で穴を空けるわけですけれども、穴の小さいものと大きなものがありまして、普通のろ紙でございますね。それで、左側にあります逆浸透とかナノフィルトレーションというのは目が細かくてイオンを分離するし、右側にあるのは粗いものです。ですから、これをいろいろ組み合わせますと、今や膜と膜の組合せでいろんな水に対応できます。一番上は海水淡水化、二番目は我々の飲み水を川水から得る浄水分野、そして、今日、是非御記憶いただきたいんですけれども、下水も最高の水資源ですよと、それも膜を使うことで飲み水レベルになりますよと、これはもう現実化してどんどん使われ始めていますということです。  こういう資料で、右上の図ですけれども、今までは水をきれいにして家庭や工場や農業で使った水をリサイクルはほとんどできない場合が多かったんですが、この膜を使いますと、下水からでも飲料水レベルに使えますのでぐるぐる回せる、一方では取水を少なくしてでも回せるということで、膜を使いますとリサイクルの話が中心にできるようになっています。  この図は、五十年の歴史の中で、一九七〇年ごろから物は世の中に出てきたわけですが、特に九〇年からマーケットが大きくなっております。ここにいつもケネディさんが出るんですけど、故ケネディ大統領も、一九六一年ごろ、こういう海水淡水化の研究をプロモートした最大の貢献者の一人でございます。彼が言っていた夢が今、世の中で実現していると思っております。  これは一我が社、一会社のあれですけど、世界シェアの三〇%を持っていますが、この世界地図を見ていただきますと、点が付いていますね、赤い点、これだけ世界中に使われております。今、大体七十か国ですか。そして、二千六百万トンというのは、人口七十億人の中の一・五%の人が今や新しい膜を使った水で生活しているという時代。ですから、この三倍ぐらいが今の現状の事情ということで考えていただきたい。  課題はこういうことです。  ビジネスの上で、左側の図ですけれども、強みは、こういう膜とかそういう部品では世界レベルで七〇%近くシェアを持っております、現在は。ただ、これ、ほっておきますと韓国や中国にどんどんキャッチアップされるという状況にあります。一方で、これだけ部品が強いんですけど、右側の図ですけれども、プラント全体になりますと日本の弱さが目立ちまして、どんどんどんどん弱くなっております。部品で強くてプラントで弱いという、ほかの分野と共通している面がこの水にもございます。ですから、膜の強さも生かしながらプラントも強くしたいというのがこれからの課題です。  じゃ、どうやってやるかという事例ですけれども、各国の国レベルで方針を決めて強く出てきています。左側の図の二〇〇二―二〇〇六年については、よくメジャー、メジャーと言われているフランスが強いんですね。それにスペインとか、いろいろありました。三菱という日本の代表的な企業も残っていました。だけど、直近の五年を見ると、フェードアウトして消えてしまっています。新しい国々が世界レベルでトップ企業になっているんですね。これは全部、国家戦略、国家支援とリンクしたイスラエルとかシンガポールとか韓国とか。ですから、今日の話題はこの辺かと思いますが。  これをいろんな視点で私なりに、自国に市場があって、それをステップにしているかというのが一番左側です。それから、技術があるかないか、自前技術。その次に、国家支援が強力かどうか。いろいろ時間軸がございます、総合力と書いています。  日本は、国内に海水淡水化という市場も経験も余りないわけですけれども、じゃ、もうこういうところに出られないかというと、部品はもう世界の六、七割を持っている、プラントで出られないはずないわけですね。そういう事例では近くに韓国がございますが、きちっとした国家戦略で世界のトップ企業になっています。ということで、この辺は見習うべき教訓があります。  それから、対外戦略では、今日、まとめて申し上げますと、膜や機器の高シェアは維持したい、そのために研究開発も維持したい、それに対してプラントビジネスは再復活しないといけないねと。特に、EPCという装置を納めるビジネスからSPCということで経営に、世界の水の問題のビジネスを、経営に参加しないといかぬということを言っています。  政府で取るべき支援のことで書いていますが、いろいろこの二、三年で手を打たれて、御支援もいただきながらやってきているんですけれども、ここで強調したいのは、まだ不十分ですと。先ほど言ったイスラエルだ、韓国だ、シンガポールのその動き方と、日本が始めている動き方に大きなギャップがございます。表面上はいろいろ動いているんですけれども、そういうステップ2ということで、もう少し中身の議論をしながら深めていただきたいというのがここに書いてあります。  それで、過去にいろいろ提案しましたが、これは省略します。二〇一〇年にもこういう機会がありましていろいろ進言、提言いたしましたが、それなりの効果があって動き出していますが、いろいろまだ実現しておりません。例えば、水は上下水道を一緒にして一か所の官庁でやったらどうですかなんというのは、全く、日本ではまだ全然難しいなという感じです。  一方で、研究開発がまた見直されて、国家レベルでやられる時代が来ています。ということで、これが、表にしていますが、日本も、お金をもらって大垣先生のプロジェクト、私のプロジェクトというのですごくやっていますが、これが日本だけやっているわけじゃありませんということですね、海外で競争していますということです。  これを私はメガトンということで、こういう形でいろいろ日本の大学あるいは会社の研究で、海水淡水化に絞って、そして部品は強くすることを維持しながらプラントビジネスで機会を得たいということで、ここに書いてありますように、海水を取水から海水を捨てるところまで、いろんな世界レベルの技術を開発してやっております。  そういうことで、それを生かしながらなんですけれども、この二十一ページの表の中で、特に政府が進めるべき取組の中で、話題の一つに、技術で勝ってビジネスで負けていますと、これが言われるわけですね。これは別に水だけじゃなくて、半導体でもいろいろ過去に起こってきています。ですから、私にいろいろ政府関係の方、お偉い方が言われるのは、この水や膜も半導体の道を歩まないでくださいよねと言われているんですけれども、それなりに過去の教訓を得ながら進めないといかぬと思っております。  特に、最後に、日本というのは、いろんなことで言われていると思いますけれども、ガラパゴス化で、日本が独り善がりしていてグローバルレベルでは離れ過ぎているなというので、これを良き教訓に変えていかないといけないなと。  どうも御清聴ありがとうございました。
  7. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  それでは、鈴木先生、お願いします。
  8. 鈴木宣弘

    ○参考人(鈴木宣弘君) 鈴木でございます。よろしくお願い申し上げます。  私の方は、お手元に御配付いただいております「貿易自由化と食・農・環境(その一)」という資料に基づきましてお話しさせていただきます。  ほかの三人の参考人の皆さんとはちょっと私の方のお話は違いまして、私は水の専門というより食料需給とか貿易問題の専門でございますので、そのような視点からお話をさせていただきたいと思います。  それから、その二という資料につきましては、TPPの問題に関連する部分も非常に多く含まれておりましたので、後ほど配付ということにさせていただきました。  さて、このその一の資料の十四ページまで飛んでいただきまして、まず、事務局の方からバーチャルウオーターの概念について少し話してからという指示を受けておりますので、まず、十四ページの一番下から七行目の部分でございますが、バーチャルウオーターという概念は東大の沖大幹先生が提唱されておる概念かと思いますが、輸入している農産物を仮に日本で生産したとしたらどれだけの水が必要かと、こういうふうな仮の水の量を計算したものでございます。  具体的にこれを使ってイメージを考えるために、十六ページの表の七というのを見ていただきますと、これは日本が米の関税を完全に撤廃した場合にどのようなことが起こるかというのを試算したものですが、一番右端のWTOと書いてある部分、世界全体に米関税を撤廃した場合には、米の自給率が、上から五つ目、一・四%とほぼ壊滅的な打撃を受けると。そういう状況の中でバーチャルウオーターはどういう変化を示すかというと、現状の米輸入について計算すれば一・五立方キロメートルのバーチャルウオーターの量になりますが、米の消費量をほとんど輸入で賄うことになりますので、それが三十三・三立方キロメートルまで大幅に増加すると、二十二倍に増加するということでございます。  これがどういう意味を表すかといいますと、十五ページに戻っていただきまして、上から十行目ぐらいですか、バーチャルウオーターが一・五から三十三と、二十二倍に増加すると。これは二十二倍の水が日本で節約できるということを表しますが、世界的に見ますと、水の比較的豊富な日本で水を節約しまして、既に水が足りなくなっておるカリフォルニアとかオーストラリアとか中国の東北部等で環境を酷使するということになりますので、世界の水収支から見てこれは非効率であると、水収支を逼迫させるという要因になるということを示しております。バーチャルウオーターは、このような形でシミュレーションの中で食料の貿易自由化の問題と絡めても議論することができるということでございます。  私の方からは、次に、この資料の一ページまで戻っていただきまして、今後の食料需給全体がどうなるかということについても触れるようにということでございましたので、その点を次にお話ししたいと思います。  まだ記憶に新しい二〇〇八年の食料危機を思い出していただきますと、図の3―2と書いてございますが、ここに穀物の在庫率と価格との関係が示してございます。在庫が少なくなれば価格が上がるという関係で、このように大体右下がりの線が引けるわけでございますが、二〇〇八年というのはこの経験則で説明できないような激しい価格上昇、つまり、この右下がりの線から飛び出して上の方に行っております。  そこで、需給で説明できないこの危機が起こったということでございますが、この要因を考えてみますと、図の3―2の下にありますように、実は米については在庫水準は前年よりも改善していたわけでございますが、ほかの穀物の高騰で米にも影響が出るという不安心理が増幅されまして、自国優先で、米を輸出しないという国が増えました。そこで、ハイチやエルサルバドルやフィリピンで起こったように、高くて買えないどころか、お金出しても米が買えないという状況が広がりまして、そこで、もう関税を削減しろということで、どんどん穀物の関税を下げて米生産が縮小してしまっていた途上国が多くなっていた中で、主食が手に入らないということになって死者を出すようなことまで起きたということでございます。  そういうふうな状況を踏まえまして、今後の食料需給の逼迫についてどういうふうに考えるべきかという点での私の見方は、一般に挙げられているその食料需給の今後の逼迫要因というものはもうちょっと冷静に見ておくべき側面も多いというふうに考えております。  そういう点では、一方的に今後、食料需給が逼迫を強めて、価格がもう上がり続けて高止まりするとかいうようなことはないと。価格の上昇と下落は繰り返して、それが需給を調整していくというのが基本的な流れだと思うんですけれども、今回の経験で問題にしなきゃいけないことは、特にアメリカですが、アメリカはIMFの融資をする条件として、いろんな、各国に米の関税を撤廃しろとか三%まで下げろとか、非常に貿易自由化を条件としてそういうふうな融資を認めるというような形でたくさんの国の穀物、基礎食料の関税を引き下げさせてきました。それによって、基礎食料の生産をたくさんの国が減らしまして、逆に、少数の生産国、アメリカ等のですね、に食料を依存する国が増えてきたと。  こういう状況が広がってきておりますので、需給にショックが生じますと価格が上がりやすくなる状況になっております。それを見まして、高値期待から投機マネーが入りやすいと、不安心理から輸出規制が起きやすいということで、価格高騰が増幅されやすくなっていると。これによって、先ほどの図の3―2で見ていただきましたような需給要因で説明できないような価格高騰が起きたということでございますので、一番の問題はこの部分にあると。  じゃ、輸出規制を規制すればいいんだというような意見もありますが、本当に自国の国民が飢えるようなときに、それをさておいて海外に売ってくれる国はございませんので、そういうふうな甘い議論はできないと。ですので、今後の食料需給につきましては、一方的に逼迫していくという悲観的な見方をする必要はないですが、需給に逼迫が生じたときにこの価格暴騰が起きやすい市場構造を踏まえますと、数年間、輸出規制等によって米さえも輸入ができないような状況が続く可能性がありますので、それに備えなきゃいけないということではないかというふうに思われます。  二ページの注のところに、冷静に考えておくべき視点ということで、食料需給逼迫の要因についていろいろ言われている点については、もう少し違った見方というか、冷静な見方が必要だという点は、そこに小さな文字で書いてある部分、これは後で参考にしていただければと思います。  それで、じゃ、食料需給が逼迫して穀物が輸入できないような状況というものについてやはり我々は相当危機感を持って考えなきゃいけないという点で、その二ページの六行目ぐらいに、やはりアメリカは非常に戦略的に食料を考えているという点で、そこに事例が挙げておりますが、ウィスコンシン大学の教授が授業で、食料は武器であると。直接食べる食料だけじゃなくて畜産物の餌が重要だと。まず、日本に対して、日本で畜産が行われているように見えても、餌を全てアメリカから供給すれば完全にコントロールできると。これを世界に広げていくのがアメリカの食料戦略だから皆さんも頑張ってくれということを授業でも言っていたと日本の留学生の方が著書に書いております。原文では、君たちはアメリカの威信を担っている。アメリカの農産物は政治上の武器だ。だから、安く品質の良いものをたくさん作りなさい。それが世界をコントロールする道具になる。例えば、東の海の上に浮かんだ小さな国はよく動く。でも、勝手に動かれては不都合だから、その行き先を餌で引っ張れということですね。  御案内のとおり、ブッシュ前大統領も必ず食料関係の皆さんに演説するときに、ここには書いてございませんが、こう言っていました。食料自給はナショナルセキュリティーだと。それが常に保たれているアメリカは何と有り難いことかと。それに引き換え、どこの国のことか分かると思うけど、食料自給のできない国を想像できるかと。それは国際的圧力と危険にさらされている国だよねと。まあ、そんなふうにしたのも我々だけどな、もっともっと徹底しようということを必ず演説で言っていたと。  しかも、日本が貿易自由化を更に進めて、そういうふうな、こういう危機的な状況が起こったときに国民の命にかかわる問題が生じるということとともに、十六ページの先ほどの表の七をもう一度見ていただきますと、それはいろいろ付随的な問題も生じますよと。それが、一つは水問題であり、先ほど申し上げましたとおり、世界の水需給の逼迫を強める要因になって世界の人々を困らせますよと。  それから、例えば窒素の収支の問題でも、日本が輸入ばかりになって自国で生産しないということは、でき上がった食料における窒素分だけを輸入して自国でそれを循環できる農業が縮小しますから、窒素の過剰問題が深刻になりますよと。今でも、農地が受入れ可能な窒素量に対する窒素供給量は二倍に達してきております。一九二・三、約二倍。それが、水田が崩壊しただけでも三倍ぐらいまでなりますよと。  それから、環境の問題でいえば、カブトエビやオタマジャクシやアキアカネとか、そういうものが四億匹も死んでしまいます。  それから、フードマイレージの議論もよく行われますが、これも十倍に増えますよと。これでCO2の排出が米に関して十倍に増えてしまいますよと。  このような要因、金額換算しにくい部分はありますが、そのような要因、要素も考えますと、貿易自由化による問題というのはこういうふうな総合的な評価が必要だということがここで分かります。  それから最後に、この資料の二十四ページになりますが、食料の安全保障を確保するためにどうすべきかということで、よく、今、この前のような食料危機が起きたのは貿易の自由化が徹底されていないからだ、農産物の貿易量が少ないからこういうことになったんだから、もっともっと自由化を徹底すれば食料安全保障は確保されるんだ、価格は安定するんだという議論が一方で盛んに行われておりますが、それは現実に起こったことからすると間違いじゃないかと。食料貿易においての自由化の行き過ぎが、先ほど申し上げましたとおり、作れない国を増やし、いざというときに価格が高騰しやすく、それを見て輸出規制や投機マネーが入りやすい状況をつくり出したわけですから、これ以上の貿易自由化の行き過ぎというものはやはり食料安全保障を崩すと。  その二十四ページの一番下に書いてありますように、でも、関税は撤廃しても直接支払で補填すればいいんだから関税に頼る必要はないという議論がその次に出てきますが、経済学的には関税よりも直接支払の方がロスが、損失が少ないという議論は確かにありますけれども、実際問題として、じゃ、例えば米の関税をゼロにして直接支払で補填しようとしたら、毎年米だけで二兆円近い財政負担が掛かるかもしれないと。そのようなことは日本であってもほとんど不可能に近いわけでございますから、軽々しく関税を撤廃して直接支払に変えればいいという議論も現実的でないということかと思います。  ですので、ある程度の関税を維持して食料需給の逼迫時に備えるということがどうしても合理的であるというふうになろうかということでございますので、私の方からは、少し視点がほかの方とは違っておりましたが、御参考になればと思います。  ありがとうございます。
  9. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 鈴木先生、ありがとうございました。  続きまして、村瀬先生、お願いします。
  10. 村瀬誠

    ○参考人(村瀬誠君) 十三年ほど前からバングラデシュで天水を生かして、アマミズは天水と書きますけれども、天水を生かして安全な飲み水を全ての人に提供すると、そういうプロジェクトに取り組んでおります天水研究所の代表の村瀬です。今日はよろしくお願いします。(資料映写)  本日は、天水活用の国際協力のこの事業をどうやってサステーナブルに展開していくのかという視点から、ソーシャルビジネスの手法についてお話をしていきたいと思います。最後に幾つか問題提起をさせていただきたいと思います。  バングラデシュは、このスライドにありますように、本当に開国以来、ちょうど去年で四十周年なんですが、もう深刻な水問題をずっと抱えているんですね。今でも大体六万人ぐらいの方が下痢で亡くなっております。一番右上のこの写真ですね、これ病院ですけれども、大体下痢患者ですね。昔はコレラだったんですけれども、最近は大腸菌だとか原虫類が多いですけれども、悲惨な状況があります。  それから、この赤いペンキは、実は井戸に赤いペンキが塗ってあるのは砒素で汚染されているということなんですね。有害な砒素です。これが六十六県のうち五十五県が汚染地区ということで、深刻な事態になっているんですね。この赤いペンキの井戸だけでも百四十万本ぐらいの井戸がこういう状態になっています。五万五千人ぐらいの方が砒素中毒の患者になっているということですね。こういうふうに、これはもう最終段階で、砒素の中毒って皮膚に沈着しまして、私は薬剤師なんですけれども、最終的にはがん化して亡くなる場合があります。治療が非常に難しいです。  もう一方、最近、これは今日のこの委員会にも関係すると思うんですが、気候変動で海水面がどんどん上昇していまして、塩害が深刻なんですね。ひどい場合は、海水が大体三万五〇〇〇ppmなんですが、ひどい場合は一〇〇〇〇ppmも超えるときがあります。私も実際飲んで、池の水がみそ汁のような味してしまうわけですね。当然、腎臓がやられてしまいます。  その一方で、この一番左の上にありますような水くみですね。近いところでも一キロぐらい、下手したら一日二回、もっと遠いところは四キロを毎日歩くわけですね。これは女性の労働に対して、子供たちにとっても大変な負担になっています。こういうふうに深刻な水問題を抱えているわけですね。  で、ほとんどこの状態が改善されていないんですね。この図は一九九〇年から二〇一〇年ぐらいまで取ってあるんですが、いわゆるその安全な水が確保されていない人たちの人口の割合が二三%ぐらいから、このグリーンのスポットですけれども、ほとんど変わっていないんですね。ダッカとかこういう都市部は水道が入って、まあ水道も完璧じゃないんですけれども、ほとんど農村地域ですね、こういうところでは一向に改善されていないままこういう現状になっているということです。これ、バングラデシュ政府が決めた目標と約一〇%ぐらいギャップになっているということがあります。なぜこういうことになるかというと、水道のインフラが来ない、非常に効率も悪いわけですね。ですから、今のような考え方でやる限り、多分これずっとこういう状態じゃないかと私は思っております。  そういう点で、私、今日申し上げたいのは、唯一の解決策は私は天水にあると思っています。天水ですね。この写真にありますように、空に無数の安全な蛇口があることに世界の人が気が付けば、飲み水だけですけれども、相当救えると思っています。発想の転換なんですね。  天水は、御存じのように、海の水や川の水が蒸留、大気中に持ち上げられたものですから、砒素も入っていないですし、もちろんふん便の汚染もありませんし、塩分の問題もありません。したがって、ある意味じゃ誰もが、本当に貧しい人からお金持ちの人まで誰もがアクセスできる、非常に簡単に、しかも設備も簡単に取り付けられる。水道設備のように配管も要りませんし、あるいは巨大な浄水処理装置も要らないわけですね。私は、このバングラデシュの農村部においては、塩分問題は特にそういう点からいえばもう天水しかないと思っております。  海水の淡水化というのも一つの方法としてあるんですけれども、これは膨大なお金が掛かります。それから、ここはしょっちゅう停電がありますので、こういういわゆる日本のハイテク技術はほとんど適用は難しいと思っています。メンテナンスの問題も含めていきますとコストの問題もかかわってきますので、そういう点では天水はただですから誰でも使えるということで、私は非常にメリットがあると思っています。  ただ、日本のように何でもかんでも天水で使おうとすると、これは無理です。バングラデシュの屋根もそんなに大きな屋根がありません。ただ、トタン屋根なんですけれども、通常の住宅の屋根ぐらいの大きささえあれば、年間降水量が二千ミリ近くありますので、東京の一・五倍ぐらいですね、一・五倍も行かないか、一・二五倍ぐらいでしょうか、ありますので、非常に天水のポテンシャルが高いと。飲み水だけであれば、質的にも量的にも賄えると思っているんですね。  これは、私、六年前に完成した、六人家族が一年間通じて飲み水を賄えるタンクです。大体四千四百リッターあります。これさえあれば乾季も乗り切れるわけですね。御存じのように、バングラデシュというのは雨季と乾季がありまして、半年間はほとんど雨降らないので、どうしてもこういうタンクが要るわけですね。私はこのタンクの普及をドネーションでなくて、このタンクを販売しております。  今日、一つ申し上げたいのは、今までの国際協力の基本はドネーションだったのですけれども、私はこの考え方を変えていかなきゃいけないと思っております。理由は幾つかあるんですね。  一つ目は、このドネーションというのは、ある意味ではオーナーシップが働かないんですね。ですから、いわゆる管理されていかないという問題点があります。このドネーションの中にはアフターフォローとかモニタリングの経費が入っておりませんので、私、数多く見てきましたけれども、これはバングラに限らないんですけれども、例えばひびが入ったり、あるいは故障、雨どいが外れたとしても修理されないんですね。結果的には使われなくなっている、そして放置されていくという事態がたくさんあります。これは大変な国際協力の資金がせっかく使われているのにかかわらず、建物が造りっ放しで、後は朽ち果てていくのをたくさん見てきました。これはまさに、こういう状態を突破するには、私はやっぱりドネーションだけのやり方は限界があるんじゃないかと思っているんですね。そういうことで、こういうソーシャルビジネスの方法に踏み切ったわけです。もう一つは、ドネーションによってオーナーシップが育まれるということですね。  もう一つの問題点は、ドネーションはずっと続かないんですね。通常、国際協力の資金の期限が大体三年なんですね。三年過ぎると、プロジェクトも終わると資金も切れて、結局、天水のプロジェクトそのものが消えてしまうという、これは天水に限らないんですけれども、そういうスタイルがあります。これは役所のスタイルなのかもしれないんですけれども、いわゆるサステーナブルじゃないわけですね。非常に無責任なわけです。私はそれを、何としてもその国際協力の枠組みを変えていかなきゃいけないと思っています。これは是非御論議いただきたいと思うんですが。  これは、この写真見ていただくと象徴的な絵ですよね。これ実は、私、百基ぐらいこれを付けたんですけど、通常こういうペインティングはしておりません。実は、ここの女性がこのペインティングしたんですね。私がこの現地に行ったら、済みませんと言うわけですね。村瀬さんのタンクに絵かいちゃいましたと言うんですね。どうしてかいたんですかと聞いたんですが、村医者の奥さんなんですが、自分自身この天水を飲むことによって下痢が止まった、それからもう一つは水くみ行かなくて済んだ、ですから、私は非常に天水に感謝しているんだと。その気持ちも込めて、天水は花を育むんで、命を育むんで絵をかきましたと言うんですね。それが一つの理由だと。  もう一つの理由があると。これは私は非常に感銘を受けたんですが、この地区は二〇〇七年にシドルという巨大なサイクロン、台風に遭いまして、村が全滅したんですね。池の水も全部海水が入っちゃいまして飲めなくなってしまったんですね。国連のユニセフが幾つか、たくさんじゃありません、幾つか無料でこの同じようなタンクを付けていったわけです。村人たちは、このお医者さんの奥さんのタンクを見て、あなたはお金持ちのくせに、ある程度お金あるのに、あなたはユニセフからもらったんでしょうというふうに言われちゃったんですね。この方はそれに対して、いや、そうじゃなくて、これはお金を出してでも自分の命を守る価値があるんだと、そういうことでこのタンクに絵をかいたというんですね。まさに私はこれはすばらしいオーナーシップの表れじゃないかと思いました。  これ、このコンクリートのタンクですね、大体二万タカ、今ちょっとレート変わっていますけれども、タカがほぼ同じ円と思ってください。これ大体二万円ぐらいします。今はセメント上がっていますから、三万円ぐらいするかもしれませんが、まあ二〇〇八年の時点では二万タカぐらいだったんですね。  ただ、いろんな人と話していると、いや、村瀬さんのタンクはいいんだけど僕らは買えないよという話があったんです、高過ぎると。もっと安いタンクを開発してくれないかという問題提起があったんですね。昔からバングラデシュの人たちは、モトカという、こういう素焼きのかめで飲んできた歴史があります、天水をためて。  これもちょっとお話の紹介で、是非紹介したいことなんですけれども、天水いっぱいにしても自分は飲んでないんですよ。なぜ飲まないんだと聞いたら、これ一番いい水なんで、お客さんが来たときとお友達来たときこれを飲ませるんだと言うんですね。自分たちは池の水で我慢する、ポンド・サンド・フィルターの砂でろ過した水で我慢するんだと。私はバングラデシュの農村の人たち、すごく優しいな、温かいなというふうに思いました。  何としても、この容量じゃしようがないんですね、百リッターぐらいですから。ただ、このモトカというのは素焼きですからすぐ割れちゃうんですね。ですから、これじゃしようがないと。ですから、何とか安くて、そして容量がもっと大きくて、これはモトカの、ジャンボモトカですね、そういうものはできないだろうかということで世界中調べた結果、結論は、タイにあったジャイアントジャーという素焼きじゃなくてモルタル製のかめなんですね。これを私はタイからバングラデシュに移転して、それを広げられないかと思って、バングラデシュの左官屋さんを二人タイに派遣しまして技術移転に成功しました。これがこの造り方のステップなんですが、マザーモールドという母型の型を造りまして、それを基にしてこの外枠の型を造るんですね、左側ですね。この型を立ち上げまして、そして泥を塗って、その上にモルタル処理して、乾いた後、この内側の型を抜くとでき上がるんです。ちょうどリンゴの中をくりぬいたような形、実だけくりぬいたような形で、非常に強固です。これはタイならではの技術ですね。ちょっと日本にもバングラデシュにもない技術ですけれども、この移転に成功しました。そして、現在、このAMAMIZUのプロダクションセンターをつくりまして、量産が始まっております。  これが設置風景ですね。非常にシンプルです。屋根に降った雨を、これはフレキシブルパイプといいまして、通常は、今これは外側に出してますね。ここはインレット、入口なんですけど、この白いパイプは外側に出しております。大体十分くらい外に水を流しっ放ししまして、きれいになった時点であの中に差し込めば、きれいな天水だけがたまるということになります。  これも、分割払でより多くの人たちが買えるようにということで、最初に二千タカ払ってもらいまして、ダウンペイメント、その頭金を払ってもらいまして、利子はありません、六か月間で返していただくと。大体住民の皆さんと議論すれば、三千タカぐらいなら何とか買えるかなという話がありましたので、まずそこを目指したわけですね。これで今現在動いております。  いろいろ、このプロジェクトはJICAの資金協力もいただいてやっているんですが、この準備調査の中で非常に興味深いデータを手にしました。このスライドがそうなんですけれども、私はお金なくて厳しいよという女性とか男性が言っているわけですが、実は、その方が一年間に払っている水のコスト、水くみに千二百五十タカ払って、実は下痢が一年間で五回ぐらい、平均です。そうしますと、千七百五十タカで、両方で三千タカ実は払っているんですね。もし、このAMAMIZUタンクを普及していけば、いわゆるこういうコストが削減されますし、いわゆる水くみからも解放される、下痢からも解放されるということで一石二鳥な効果が分かったんですね。  去年、雨季からスタートしまして、これ見て分かりますように、雨が降り出すと、皆さんどんどん欲しいということで、去年だけで約二百件付けております。これも非常にローテクです。運ぶのも、リキシャそれからエンジンボートを使って、こうやって運んでおります。エンジンボートも、いろいろ皆さんとこうやっていく中で九基まで運べることが分かったんですね。一個が二百五十キロありますので相当重いんですが、九個運べます。この積卸しをどうするんだっていうんで、ちょっと私も頭を悩ましたら、バングラデシュの人たち、村人たちがみんな参加で積卸しも協力してくれるんですね。非常に皆さんが協力的です。  あるいは、この左側は、十キロ離れますととても運び切れないので、サテライト工場とストックヤードを造っています。去年は、地元の小学校から運動場の半分を是非使ってください、村人たちの命を救うためなので使ってくださいということで、現在ここを拠点にして、サテライト工場が開いて、その近くにストックヤードもあります。現在、五百基ぐらいもう生産が進んでおります。  この技術がちょっと特殊なので研修が要るんですね。ですから、AMAMIZUの研修センターも去年つくりました。去年だけで九人卒業しまして、私の会社で雇っております。ですから、このように、こういうAMAMIZUを造り、トレーニングすることによって、地元の雇用機会にもなるんですね。  最後のスライドになりますけれども、今後、私自身やっぱりこれを持続的な取組にしていかなきゃいけないということで、まず現地で法人をつくろうと思って今準備しております。今月中に天水研究所の現地法人、スカイウオーター・バングラデシュが誕生する予定でおります。ここでこのタンクを販売、設置しまして、そこの得た収益の一部をNGOの雨水市民の会バングラデシュという、そこに還元しまして、そこで左官工の職業訓練とオーナーシップの育成を図るというふうな取組で現在プロジェクトを進めております。  それで、最後になりますけれども、国際協力、この私自身の経験から一つ結論といいますか、自分なりに得た経験から言えることをちょっと申し上げたいと思うんですが、やはりこれからの国際協力の支援の在り方、これをやはりドネーション一辺倒から、ソーシャルビジネスを含めた、インテグレートされた、そういう国際協力の在り方に転換していくべきじゃないかと思うんですね。これが一点です。  そのキーワードが三つあります。一つはサステーナブル。もう一つはアフォーダブル、つまり住民がアフォーダブルに受け取れるレベルですね。お金の問題もあるし、技術のレベルの問題もありますし、管理も難しいものじゃアフォーダブルじゃありません、非常にシンプルなものが必要です。それから、省エネであることも大事ですね。それからもう一つ、もっと大事なことはオーナーシップですね。この三つを挙げたいと思います。  こういう観点から、今までの資金援助の在り方なんですけれども、どちらかというと、資金援助の内容が施設の建設だけで終わっちゃっているんですね。やはり、これからはそれだけじゃなくて、いわゆるその設備、施設のメンテナンス、あるいはオーナーシップの育成、こういうところにきちんと国際協力の資金の対象にもしていって、フォローをしていくべきじゃないかなというふうに思っております。  御清聴ありがとうございました。
  11. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  これより質疑をお受けいたします。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに、各会派一名ずつ指名させていただきます。その後は、会派にかかわらず発言いただきますようお願いいたします。  なお、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言ください。  なお、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分以内といたします。  それでは、質疑を受けます。どうぞ。  じゃ、藤末さん。
  12. 藤末健三

    藤末健三君 民主党参議院議員の藤末でございますが、大垣先生に御質問させていただきたいと思います。  私、今、この今日お話を、見させていただきまして、水問題を総合的に科学的に取り組んでおられるということに非常に勇気をいただきました。  それで、一つお聞きしたいのは、私がいろいろ勉強させていただく中でありますのは、蛇口のところの先の部分が日本技術的に席巻しているという話がございまして、イオンの整水器とかございますでしょう。あれを聞いていると、テクノロジー的にはもう特許はほとんど一〇〇%日本だという状況にあるにもかかわらず、なかなか世界展開が進まない。なぜ世界展開が進まないかと聞くと、やはり技術標準などが海外にないがゆえに進まないということを聞いておりまして、先生の、全体の構造の中で、そういう蛇口の先のより付加価値が高い水をどう位置付けられるかということと、そしてまた国際標準などに、やはりテクノロジーだけを持っていても、結局最後は国際標準までに持っていかなければ、いかにいい技術であっても普及できませんので、そういう国際標準に持っていくまでの戦略をどういうふうにお考えかということをちょっと教えていただきたいと思います。  以上でございます。
  13. 大垣眞一郎

    参考人(大垣眞一郎君) 二点の側面がありますので、それでお答えします。  一つは、日本で売っているものは、水道水が供給されて、それを更にいい水にしたいというものでありまして、最も安全な、もう飲んでもいい水が原水というシステムです。したがって、このシステムを、水道システムがちゃんとない、私の講演での話にある不完全な水道供給しているところでは使えないという問題がある。それは、高度な既にでき上がった水道があるところでは売ることはできます。そういう技術的な、日本独特の、何というか、非常に高度な技術であると、高度な条件が前提の技術という問題がある。  もう一つ、国際標準あるいは国際基準の問題はまさに重要な問題で、水に関連する全てにわたってこれが課題であります。私が紹介しましたJSTのCRESTのプロジェクトでも、一つは日中韓で再利用水の基準、プロセスのつくり方のような基準は議論を始めたりしております。そこにかかわっている研究代表者もおります。国際標準に向けて日本全体が動いていくということは非常に重要なことだと思います。
  14. 藤末健三

    藤末健三君 先生、一つだけちょっとお伺いしたいのは、実はISOのもう調べているのがありまして、ISOの中にウオーターマネジメントのサブコミッティーというのがもうできています。そこが、今ドイツが全部押さえているんですよ、ヨーロッパが。そこに日本がどうにかしてテクノロジーコミッティーか何かでも押さえるということを今進めていますので、是非、先生、ちょっと連携させていただきたいと思いますので、お願いいたします。
  15. 大垣眞一郎

    参考人(大垣眞一郎君) アセットマネジメントなんかでも危機感を持っている専門家もおります。そのとおりです。
  16. 藤末健三

    藤末健三君 ありがとうございます。
  17. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 加藤先生。
  18. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。四人の参考人の皆さん、大変ありがとうございます。  村瀬参考人にお聞きしたいんですけれども、二〇一五年はたしかミレニアム開発目標ということで、それが最終年になりますけれども、二十の目標があって、多分水のアクセスが十分であれば三分の一ぐらいは解決できる、目標のですね、というふうにも言われているわけなんですけれども、前回の調査会の中で、大阪の企業が、ナットウキナーゼ、それを応用した、これは砒素も除去できるという水質浄化の方法としては極めて簡易な浄化技術ということで、非常にびっくりして聞いて実はおりました。  だから、巨大な浄水システム、それはそれとして当然必要な部分もありますけれども、村瀬参考人の提案のようなことは非常に私は重要だと考えておりますけれども、先ほど、ソーシャルビジネスへの展開とかオーナーシップ、そういうことが非常に重要だと、これをどう普及、拡大していくかということが極めて重要だという話がありました。私も全くそうだと思いますし、かつて適正技術とか中間技術という話もあった時代もありまして、それに似ている感じが私はしております。  それで、質問は、こういう分野の関係、こういうふうに進めていく内容の関係について、国際協力機関はどういう反応をしているか、とりわけJICAはどういう反応をしているかということですね。この辺どうかなということと、あと二点目は、砒素の問題というのはこういうことを通しながらどういう状況になりつつあるかということについて、二つ目の質問です。  以上、よろしくお願いします。
  19. 村瀬誠

    参考人(村瀬誠君) そうですね。天水ということに対して、実は今までも個別に対応してきた例があったんですけれども、いわゆる公共政策として、水道の一つとして位置付けるという視点がなかったんですね。個別に水がないところにAMAMIZUでも付けておけばみたいな、ポリネシアとか、離島とかそういうところではずっとあったんですけれども、私は、今のJICAバングラデシュと今やっているプロジェクトの中で、やはり砒素で汚染されていて、塩分がひどくてどうしようもないところについては、これはプライオリティーとして、飲料水源として、天水を水道水源の一つとしてきちんと位置付けていくということが私は非常に大事かなと思うんですね。  現在、JICAバングラデシュではそこら辺について非常に高い関心を示してくれまして、私も今一緒にやっておりますので、是非そこから突破できればなと思っています。  といいますのは、実はこの問題は、バングラデシュに限らず、インドネシアとかカンボジアとか、アジア全般にかかわってくる話だと思っています。特にモンスーンアジアですね、人口が一番多い地域ですね。そこは、やはり人口が多いということは水源が汚染されていくわけです。まあ、それは処理すればいいという話もありますけれども、私は飲料水源としてそれを確保していけば、かなりそれは軽減できるんじゃないかなと思っております。  それからもう一点、砒素の話は、これは残念ながら改善余りされておりません。実態は分かっておるんですが、最近の報告でも、アメリカのある病院のデータですけれども、死亡した患者の一万二千人ぐらい調べますと二〇%ぐらいが砒素汚染によるものだというふうに言われておりますので、私はできるだけそれを使わないようにしていく、口に入れるものについてはできるだけそれを使わないようにしていくしかないと思っているんですね。  私はさっき申し上げたように薬剤師なんですけど、キレート剤を入れれば砒素は体から抜けるんですが、完全に抜けないんですね。ですから、がんはひどい場合はもう進行していきます。特に、エイズの患者の方とか栄養失調の方は非常に砒素のダメージが大きいですね。弱者が大きいです。ですから、そういう点からいっても、私は、この天水は誰でも簡単に手に入りますし、貧しい人も簡単にアクセスできますので、加藤先生おっしゃったように、小規模分散型の水源として、一番安全な水源として私は使うべきじゃないかなというふうに思っております。  以上です。
  20. 加藤修一

    ○加藤修一君 ありがとうございます。
  21. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 先生どうぞ。野村さん。
  22. 野村哲郎

    野村哲郎君 東レの栗原先生にお聞きしたいんですけど、ちょっとこの資料を見させていただいてびっくりしたんですが、我が国の技術的なのは非常に、日本の場合は、膜であるとか機械は非常に高いものを持っているけれどもプラントシェアが低いということで、十三ページを見ておりましたら国家支援のところがバツになっているんですね。だから、日本の、書いてありますように、技術で勝ってビジネスで負けるのは、やはり産学のこういった取組が、特に国の取組が弱いと、こういう御指摘なんだろうかなというふうに受け止めたんですけれども、ほかの国との比較において、どういうほかの、例えば二重丸が付いておりますようなイスラエルだとか、あるいはシンガポールだとかほかの国、どういった、そういった国としての取組がされているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。  それから、鈴木先生、まだ質問が行っていないお二人の先生を中心にお話を伺いたいんですが、鈴木先生のこの二ページのアメリカ食料戦略のところは非常に分かりやすく我々にも聞こえるんですが、確かに日本畜産は、これはもう米国が餌を供給をしなければ、これは日本畜産を牛耳っているわけでありますから、ただ、そこの中で、注のところでちょっと気になるというよりもお伺いしたかったのが、今非常にトウモロコシがやっぱり原料が高くなっていて、七ドルから八ドルぐらいになっているわけですね。それでもって、ずっと〇八年から高止まりしちゃっているわけですよ。  これはやっぱり我々はバイオとの関連だろうというふうに思っていて、そしてここに先生が、二世代の実用化が来ればこれも収束していくんだよということが書いてあるんですが、この期間というのは、実用化までの期間というのはどのぐらいをお考えになっているのか。そうしませんと、非常にトウモロコシが高いものですから、コスト高に日本畜産というのはなっているのはもう先生が一番御存じのとおりでありますので、ここのところをもう少し教えていただければ有り難いというふうに思います。  以上でございます。
  23. 栗原優

    参考人(栗原優君) これ、私の今まで海外で軸足を移してやっている感覚で書きましたので、国家支援の隣、左でも右でもいいんですけれども、営業力というか、そういうセールスアクティビティーも入れてもらったらいいんですけれども、ですから民間のセールスアクティビティーと国の支援ということで考えていただいていいと思いますが、とにかくいろんな世界の催物がありますけれども、日本に帰っての基調と向こうでの現実がすごく離れているんですね。  日本新聞では、日本ミッションが海外行った、すばらしい、すばらしいの新聞口調ですけれども、現実に向こうでは、ジャパニーズシンポジウムというのは日本人だけ集まっていて、向こうのトップとの話は全くされていない。非常に、いろんなところで起こっていますね。ですから、日本新聞基調で見ていますと、すばらしく日本のミッションが行ってやっているなということなんですけれども、効果がないと思っていますね。  ですから、そういうのをやること自体は今どんどん拡張していて、アクションは起こされているんだけれども実態は上がっていない。上げるべき工夫をもっとしないといけない。じゃ、シンガポールとかイスラエルとかそういう国はどうやっていますか、あるいは韓国どうやっていますかというと、大統領を含めた政府と民間が一体運営していますね。  そして、表面は見えませんけれども、まずトップの大統領とかそういうのは、どんどん向こうのトップと会ってやっています。そして、その後、民間が行ってどんどんやっています。例えば、パーティーがありますね、こういう懇親会とか。日本人日本人だけで同窓会をやっているわけですね、隅の方で。韓国とかそういう国々は、向こうの水電力大臣を囲んで、ばっと行くわけですね。その中に入り込んでいるわけです。ですから、そこに入り込んでいくだけでも、時間と人脈と長い経験がないといけないと思っていますね。  それから、ガラパゴス化で、日本の水のいろんな受注、発注の問題と海外とは全く違いますので、海外にいきなりもうどんどんどんどん行かないと、国際センスのビジネスができないと思っているんですね。ですから、今日、大垣先生とちょっと、多少ニュアンス違うかもしれないけれども、AゾーンとかBゾーンと書いたのはそういう意味なんですね。  海水淡水化というのは携帯電話と一緒で、日本で実績を積んでそれから海外へ出るなんてやっていたら、もう終わっちゃうんですね。もう、割とシステムはシンプルですから、携帯電話中国で電線を張らないで普及したと同じで、どんどん普及しているわけですね。そうすると、世界の先端の一番ホットなビジネスがどうやっているかというと、そういう中には国際ベルの、国を問わない、技術者もコンサルもいろんな人がチーム組んでいるわけですね。その中に入れずして水ビジネスはあり得ないと思っているんです。  ですから、よく国際標準という言葉が、先ほども出ていましたけれども、あれも日本の独り善がり的なところがあると思います。論理的には正しいんです。ですけれども、日本に、じゃ、国際標準つくって、私が言ったそういう中に入っていなかったら、幾らやっても効果が出ないと思いますね。  それで、マーケットオリエンテッドで技術のスタンダードが決まっていく現状もあるわけです。どんどんどんどん、カナダ技術、何々の技術です、もう世の中がマーケットシェア六、七割取っちゃったら、後から標準だなんて言ってみても、それは一部のローカルな国々に効くかもしれませんけどという側面もありますので。  とにかく、人脈というか、そういうものを、いろいろ分野、A、B、C、Dゾーンでそれぞれ攻め方が違うと思いますが、是非お考えいただけるといいなと思っています。
  24. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  もう一人、鈴木参考人。  それで、鈴木参考人、TPPは争点になりますから触れないでください。丸の人もいますし、ペケの人もいますから。
  25. 鈴木宣弘

    参考人鈴木宣弘君) はい。  御指摘いただきましたとおり、トウモロコシなどの餌穀物の値段が高止まりしたままで推移しているということで、この点については私の見通しが甘かったというふうに申し上げざるを得ないと思います。そういう点では、日本畜産農家の皆さんにも、もう少し我慢すれば下がってきますというようなことを私申し上げていたものですから、大変申し訳ないというふうに思っております。  それは、御指摘があったとおり、第二世代と言われるセルロース系、木くずや雑草を原料とするバイオ燃料の開発が思ったよりも実用化が遅れているということで、私は技術的にここが専門ではございませんので、十年以内というか、数年の単位でこれがかなり増やせるというふうにアメリカでも計画は立てていたんですが、そのとおりにいっていないというのが一つと、それから、トウモロコシなどについては相当なアメリカも税の免除補助金を使うことで何とか採算が取れると。ガソリンに比べて非常に割高なものですから、相当な補助金を使ってあの原油高でやっと採算が取れていたということで、それはそんなに続けられないと。原油も落ち着いてくれば、あと財政的にも補助金を維持することができないというふうに考えていたものですから、そこの点からもトウモロコシ使用が減ってくるというふうに考えていたんですが、その点もそんなふうにはまだなっていないということで、私が考えていたような状況が実は十分に進んでいないということで、あと何年とか申し上げることは差し控えさせていただきますが、大変その点ではまだ長く掛かっているということで、十分見通しを言えるような状況ではございません。ただ、長期的にはそういうふうなことが起こるというふうには思うんですけれども、私の見通しがそういう点ではちょっと甘かったということで、その点も含めましておわびといいますか、申し上げたいと思います。  御指摘ありがとうございます。
  26. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  次、お受けいたします。  どうぞ、紙さん。
  27. 紙智子

    紙智子君 四人の参考人の皆さん、どうもありがとうございます。  それで、私、まず鈴木先生にお伺いしたいんですけれども、この調査会で以前、バーチャルウオーターということで沖大幹先生にも来ていただいて話をいただいたことがあって、輸入製品を自国で作ったらどれぐらいの水が必要になるかということも議論になりましたし、日本食料輸入国であると同時に水資源でいうと輸入大国だという話もそのときされました。それから、一方で、世界的には土壌の劣化が進んでいて各地で砂漠化の深刻化ということも言われると。それから、投機マネーの問題や、この間新興国で穀物が上がっているという事態なんかもありますから、そういう点では、本当に日本食料自給率を高めていくということは国際貢献ということでも大事だというふうに思っていまして、その点で国内でやっぱり自給率を上げていくために必要なこと、ポイントとしてはこういう点ということを一つお話ししていただきたいことと、もう一つ、配付された資料の中に、水資源食料貿易ということで、水収支の点から見ると非効率という話が、先ほどもちょっと話があったんですけど、これについてもう少し詳しくお話ししていただきたいということが鈴木先生への質問。  それから、あと栗原参考人にお聞きしたいんですけれども、海水の淡水化のことです。  それで、海辺の干拓地で畑作や水田の水をどう確保するかというのが問題になっていまして、この海水を淡水化するプラント、大小いろいろあるのかと思うんですけれども、例えば一か月で百万トン、一か月百万トンの水を確保するとすると、淡水化の施設、小規模なものをたくさん造るというのでもいいんですけれども、どのぐらい掛かるものなのか、建設の時間ですとか、それから維持にどのぐらい掛かるのかということについてお聞かせ願えればと思います。  最後に、村瀬参考人にお聞きしたいのは天水ですね。  やっぱり、干拓地で、水がないところで天水を使って確保する場合に、少量の水というか、ぐらいしかたまらないのかなというように考えちゃうんですけれども、今言ったように、一か月百万トンとかという水の確保になると、どんなふうにしてそれやることができるかなということをお教えいただければと思います。  以上です。
  28. 鈴木宣弘

    参考人鈴木宣弘君) まず、食料自給率を上げていくための方策、ポイントということでございますが、まず食料自給率がなぜ下がってきたのかという理由を考えますと、それは農産物関税をどんどん日本は下げてきたということ、それから国内の農業支援策をどんどん切ってきたということによってもたらされていると。  そのために、実は日本の農業は過保護だというふうに一般には言われていますが、これは間違いだと思います。逆に、世界の農業に対する戦略的な支援から比べれば日本の農業は非常に所得が不安定な状態に置かれていると。  それは、直接支払という形の所得の補填割合は、日本では農業所得の二割にも満たない、しかし、例えばヨーロッパではこれが九五%も占めていると。それから、お米とかが価格が下がったときに、政府がそれを支えるために買い取ってそれで補助金を付けて援助したり輸出するというふうな、こういうふうな販路というか、はけ口をきちんと準備するのが世界の常識でございます。が、日本はそれをやめました。アメリカカナダヨーロッパ各国も、米も小麦も全て下がったら政府が無制限に買い上げます。そして、補助金を付けて処理します。それがまた食料戦略でもあるわけですね。どんどん作ってそれを世界に売っていくことで、あるいは援助することで、そして一番安い武器で世界をコントロールするんだというような考え方、アメリカ象徴されるような考え方、そういう食料戦略日本にはないということが一番の問題です。  だから、過保護だから自給率が下がったんでなくて、戦略的な支援が足りないから自給率が下がったんだというふうに考えますと、それをもう一度再構築するということが必要です。ですから、これ以上関税を下げるということをまずやめて、国内の政策についてももう一度支援体系を戦略的に見直すと、具体的な話はちょっとここでは省略させていただきますが、そういうふうな方向が本質的に必要なんだということを申し上げたいと思います。  それから、水収支が非効率になると、米がほとんど日本で作れなくなって、バーチャルウオーターでいうと二十二倍の水が節約されるということは、比較的水が豊富な日本で水が節約されますけれども、先ほど紙先生も御指摘のあったように、それはカリフォルニアオーストラリア中国東北部でその分の米生産を増やしていただくということになりますから、その辺りは、国々、その地域は既に水の不足で砂漠化が生じているわけでございますので、そういうところでそういうふうな砂漠化を更に進行させる、あるいはほかの分野との水の競合をもたらすということで、大変世界の水収支、いろんな面に迷惑を掛けるという意味合いでございます。  御指摘ありがとうございます。
  29. 村瀬誠

    参考人(村瀬誠君) 天水というのは、もう集める面積とそれから降水量で決まってきます。ただ、元々日本にはため池というすばらしい天水利用の歴史があるんですね。瀬戸内海の方に行きますと、基本的には昔から天水で賄っていたわけです。当然それは限界がありますけれども、地産地消はそのことによってサステーナブルな社会がつくられていたわけですね。  その辺のところをまず私は、ちょっと状況がよく分かりませんので、いきなり百二十万トンというのはちょっとぴんとこないんですけれども、元々天水の活用の考え方というのは小規模分散型で地産地消であるということが原点だと思います。  例えば、私なんかは今、東北で被災なんかもあったんですが、例えば温室を造りますね。温室というのはたくさんの雨を集められるんですね。そういう天水を集めて、そしてそれをカスケードして、水の質に応じて何度も使っていく。ですから、いきなり百二十万トンじゃなくて、つまりこれは、必ず物には量と質の問題があります。ですから、何のためにどれだけの量を使うかということをやれば、一律に、例えば今の日本水道のように、うんこの流す水も飲み水も同じ水質で流す必要はないと私は思っております。ですから、そういう点からいうと、天水活用は一番ポテンシャルの高い水として使うべきであるというふうに思うんですね。  農業的には元々天水が基本ですから、ある意味じゃ昔から日本は天水で、田んぼが象徴ですよね、田んぼ、水田というのはもうまさに天水利用です、これは。ですから、それもやはり降水量で決まってきたわけですよね。ですから、基本的にはそのオンサイトでうまく使う仕組みをもう一回見直していっても、私は大いにいろんな可能性があるのじゃないかと思います。  ちょっと答えにならないかもしれませんけれども、もしそういう具体的な御提案があれば、たくさんの助言はしたいと思います。  以上です。
  30. 栗原優

    参考人(栗原優君) 海水淡水化について、今三万トン・パー・デー、だから月で、百万トン・パー月ぐらいの規模ですが、世界規模で、今話題になっている、問題を起こしたアルジェリアで世界最大の一つのプラントが五十万トン・パー・デーです、五十万トン。パー・デーですよ。それで、これは人間に何人に相当するかというと、大体四倍しますから、二百万人の人口都市に一つの海水淡水化プラントを造ると十分間に合うと、こういう現状なんです。ですから、これ、私どもは海水淡水化あるいは造水工場と言っています、ファクトリーと。  そして、世界がこれからの勢いで来ているのは、ほとんど大都市人口増は海辺で起こっていますよね。東京もそうだし、上海もそうだし、ニューヨークもそうだし。その百マイル近辺に人口がどんどん集中していますから、そうすると海水から真水を取るというのが一番手っ取り早くなってくるということで。  ただ、海水エネルギー使うとか高いとかいろいろな思いが、ほかの方法で比べればあります。ただし、お値段を見てください。日本で皆さんが得られている飲料水は多分百五十円ぐらいしているんじゃないかと思います、トン当たり。海外海水淡水化やろうとすると百円以下です、もう海水で。それで大量にできる。ですから、今、水問題が出るときに、日本の船で水を積んでいったらどうですかとか、船に海水淡水化装置を造って船の中から向こうにやったらどうですかとか、真水をパイプで運んだらどうですかといういろんなアイデアが出ていましたけれども、今はそこにプラントをぽっと造っちゃった方がいいですよという時代です。  ですから、日本人には想像つかないでしょうけれども、東京都で造った海水淡水化を京都まで運ぶという時代です、水を。京都、四百キロ、五百キロをパイプで水を運ぶと。だからこそ、アルジェリアでも海辺で造って内陸部に運ぶと、今度の日揮さんの問題出ちゃいましたけれども。リビアとかあの辺はもういっぱい注文が来ている状況ですね、砂漠で、お金があって水が欲しいという。  そうしますと、そういう規模感の話ばっかりしてもしようがないんですが、今の三万トンというのは、パイロットプラント的になるんですね。パイロットプラントというのはまあ実機ですけど、ちょうど日本が五万トンと四万トンがありますから、今、日本にある二つのプラントは、海外ベルでいうと、サイズでいったらそういうもう二十分の一ぐらいの規模になっている。ですけれども、貴重な二つのプラントです。  ただし、問題はプラントコストなんです。日本プラントコストは、海外標準でいいますと五倍高いんです。これはいろんな事情があってあれですけど、それが現実なんですね。ですから、日本のあのシステムを持っていったら、もうビディングに参加は全くできません。向こうの基準に合わせてやらないといかぬ。先ほど私、国際標準出ましたけど、そういう例もあるという典型的な例がこの海水淡水化です。ちなみに、三万トンですと四、五十億ぐらいのお値段で百円前後で得られると、非常に、そこから海水があったらということになると思うんですね。  そういう意味で、海水淡水化が、もちろん雨水、それから川の水、そういうものがあるところはまずそれは優先すべき、地下水も。ただ、そういう資源がほとんどない国で人口増が起こっているときに、今、海水淡水化は、先ほど来からアフォーダブルとかサステーナブルとかという言葉が出ていますけど、村瀬さんの、その当時からもう海水淡水化はそういうふうになっているんですね。そういう意味で、私も、メガトンではそういうところでまず闘うための次の技術ということでやっております。  よろしいでしょうか。
  31. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  舟山先生。
  32. 舟山康江

    舟山康江君 今日はありがとうございました。  まず、大変基本的な質問を村瀬参考人にお願いしたいと思います。  これ大変、かめというか、そのモルタルのタンクに水をためるという大変シンプルなシステムですけれども、これ、そのままためるだけなんでしょうか。何か中に浄化、ろ過のシステムが入っているのか、まあ本当に単純な質問ですけれども。だとすれば、やはり、雨水そのままもし飲めるとすれば、もう本当にこれは世界中どこでも、特にアジアモンスーンなどは雨が豊富ですから、そういった意味では非常にいろんなところに普及し得る、シンプルでお金も掛からず、簡単なシステムになるのかなと思いますけれども、まず、そこの基本的なところを教えていただきたいと思います。  それからもう一点、済みません、鈴木参考人に、先ほど紙議員からの質問にも若干触れられておられましたけれども、私、バーチャルウオーターを大量に輸入するというその問題に加えて、現実的に、特にアメリカなどは、もう水の制約で、果たして本当にそれこそサステーナブルに農業生産がこれからできるのかという大きな問題があると思います。今とにかく、その貿易自由化の議論の中には、お金を出せば買えるとか、特に輸出大国であるアメリカは、いつでも大量に輸出できるんだ、生産できるんだというのが大前提になっていると思いますけれども、やはり、地下水の枯渇ですとか地下水位の低減とかいろんな問題があると思います。  私は、現実的に、アメリカにそれほどの今後中長期的に生産力があるのかという、こちらの方が物すごい大きな問題なのかなと思っておりますけれども、その辺の問題につきまして、参考人の御所見をお伺いしたいと思います。
  33. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) それで、今の関係は、私が申し上げましたのは、TPPをめぐってはいろんな賛成、反対があるんです。それを言い出すと、この場、調査会はTPPの反対論……
  34. 舟山康江

    舟山康江君 済みません、私は、そのTPPとかではなくて、アメリカの生産、持続可能性について……
  35. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 農業の話をしているんでしょう。一緒なんです。
  36. 舟山康江

    舟山康江君 農業の持続可能性、水の制約の上での持続可能性についてお伺いしています。(発言する者あり)
  37. 村瀬誠

    参考人(村瀬誠君) まず、じゃ、天水のお話、よくある質問ですよね。  実は、天水というのは、大きな意味でいうと海水の淡水化なんですね。蒸留水として落ちてきますので、栄養素が非常に少ないんです。ですから、もちろん、最初の段階で土、土ぼこりとか若干の汚れが屋根に積もりますけれども、それはフラッシュアウトということで、十分ぐらい流しっ放しなんですね。そうしますと、ほとんど有機物のない、汚れのない水がフィルターを、フィルターって金網だけです。これは蚊の防止のために、あそこは原虫、マラリアの問題がありますので、それで入っていきます。  実際に私たちが調べてみても、例えばマイクロジーメンスという一つの単位があるんですね、いろんな中に溶けているイオンを測るんですけれども、東京水道水が二百二、三十あります。バングラデシュですと、例えば百を切ります。いい場合は二十、三十。ですから、そういう点からいうと非常に、まあ要するに汚染物質は少ないので、ある意味では菌が増えることはできないんですね。それが第一点です。  もう一つは、これは最近分かってきたんですけれども、私のちょっと専門でもあるんですが、バイオフィルムという形で、タンクの中に微生物の膜ができるんですね。それがまた、いわゆる元々の貧栄養という、貧しい栄養の水を更に栄養を取っちゃうんですね。それは、自分たちが生きるために、タンクの中の内壁面の微生物がそれを、栄養を取っちゃうんですね。結果的によりきれいになってしまうという。  その微生物の膜は定期的に入れ替わります。オーバーフローから出ていきます。ですから全くメンテナンスフリーになるわけですけれども。  元々、冒頭申し上げましたように、ふん便性の、空からうんこ落ちてくるわけじゃないんで、ある意味じゃ非常に安全性の高い水だということですね。菌量も非常に少ない。したがって、いわゆる通常のバクテリアは若干いますけれども、そういう点でいえば非常に安全性の高い水だと言っていいんじゃないかと思います。地元ではそのまま飲んでおります。私も飲んでおります。私の事務所も天水で暮らしていますんで。  それで、参考に、江戸時代に貝原益軒という人が「養生訓」という本を書いているんですけれども、そこにこう書いてあるんですね。お茶を煎じたり薬を煎じて飲む場合は天水とすべしと書いてあるんですね。彼は江戸時代に天水で暮らしていたわけです。ちなみに、千利休も天水でお茶をたてたわけですね。  我々は元々天水文化民族の末裔なんですね。大体離島なんかも、東京でいいますと式根島とか三宅島とか、もう本当に何百年という歴史があります。これは、天水でこういう飲料水に使ってきた歴史というのはローマ時代まで遡ります。実際に疫学的に、天水を飲んで大量の人が死んだとか、そういう例はありません。そういう点でいえば、ある意味じゃ一番安全な水と言って私はいいんじゃないかと思います。ただ、量がたくさん取れないということなんで、私は飲み水に最優先で使うべきだという話です。
  38. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 舟山先生、農業の問題で鈴木先生にお聞きになりますか。
  39. 舟山康江

    舟山康江君 アメリカの水制約についてだけお聞きしたいと思います。
  40. 鈴木宣弘

    参考人鈴木宣弘君) 御指摘があったのは、アメリカの水の制約で農業生産力そのものがもう厳しくなっているんじゃないかというお話でございましたので、その点についてお答えしたいと思います。  舟山先生の御指摘のとおり、それが一番大きな問題になっていると。そういう点では、私のシミュレーションは、まだ何とかアメリカが生産できるという前提でこのシミュレーションをしていることになりますが、そもそももうそのような米生産が難しくなるんじゃないかという点、そのとおりだと思います。そういう点を踏まえますと、世界の米の供給余力といいますか、特にアメリカ供給余力にそもそも問題があって頼ることができないという視点も重要な視点だと思います。  ただ、お米については、もう少し見ておくべき点としては、確かにカリフォルニアは非常に水が不足して、もう非常に、今でももうこれ以上生産が増やせないというような状況が広がっておりますが、アーカンソーにつきましてはまだ相当の水が余力がございますので、今アーカンソーの農家の皆さんがおっしゃっているのは、日本でジャポニカの需要が増えるようであれば、すぐにでも日本向けのジャポニカの生産に切り替えることは可能であると。それがどのぐらいできるかという点ですね。それから、あるいはベトナムなんかでもおいしいジャポニカを生産することは十分可能であると、そういうふうな点も指摘されておりますので、全体として世界的に日本輸入が増えるような場合にジャポニカの供給余力がどのぐらいあるかというような点については、そのような点も踏まえまして総合的に考えてみる必要があるんじゃないかなというふうに思っております。  御指摘ありがとうございます。
  41. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  では、次、質問を受けます。どうぞ。
  42. 松田公太

    松田公太君 みんなの党の松田公太でございます。  今日は、本当にためになる、参考になる話をありがとうございます。  私の質問は鈴木さんになんですけれども、鈴木さんはTPP反対の論客として知られておりますけれども、今日の私の質問はTPPに関してではありません。先ほどから藤原会長にもおっしゃっていただいておりますが、水の調査会でございますので、水についての質問をさせていただきたいと思います。  バーチャルウオーターという話が先ほども出ていますし、ページ十五の中に書かれた部分、御説明をいただきましたけれども、意見の中で、米生産が減れば何倍もの水が日本で節約できるが、地球全体の水収支には非効率と、そのようなことが書かれておりますけれども、本当に水についてだけの御質問なんですけれども、こういう言い方をすると何か世界全体のことを考えていないんじゃないかとかちょっと言われてしまうかもしれませんが、日本という立場から見れば、日本サイドから見れば、ということは、水にとってはプラスだということでよろしいですね。そしてなおかつ、オーストラリア中国に対して、我々が水ビジネス、パーツなのか、プラントなのか、そういったことも全部含めて、それを展開するチャンスになり得るということですね。こういうふうにとらえさせていただいてよろしいでしょうか。
  43. 鈴木宣弘

    参考人鈴木宣弘君) 貴重な御指摘をありがとうございます。  今、先生の御指摘のあったようなとらえ方をして、日本で節約できるのはプラスであると。逆に、その分で水収支が苦しくなる国に対しては、その分を日本からの水ビジネスで貢献するというふうなチャンスとして考えるというとらえ方も一つの考え方ではあるというふうに思いますが、私自身は、そういうふうな形よりはまず迷惑を掛けないようにする、世界全体で一番自然な形で、まず迷惑を掛けないように水収支を考えるというのが、まず考えるべき道筋ではないかなと。  ただし、先生の御指摘は非常に戦略的であって、そういうふうな考え方に立ってビジネス展開するということも確かに貴重な御指摘であるというふうには思いまして、参考になりました。ありがとうございます。
  44. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 浜田さん。
  45. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございました。  私の方は、大垣参考人に一つ、栗原参考人に二つ質問させていただきたいと思います。  大垣参考人には、このいただいた資料の中の海外フィールド分布図の中で、ベトナムに対する二十一世紀型都市水循環、さっきは時間がなかったのではしょられたと思うんですけれども、今年は日本ベトナムの国交樹立四十周年という記念すべき年で今様々な協力案件が出ています。ちょっと具体的にこのベトナムとの案件について御説明をいただけますか。
  46. 大垣眞一郎

    参考人(大垣眞一郎君) これは個別の中の研究代表者で東京大学の古米教授が主に担っているものですが、例えば、今回のバンコク洪水が問題になりましたが、ハノイではしょっちゅう洪水がありまして、それによって衛生環境が非常に悪くなっております。水洗便所がない状況の中での、洪水のところでの飲み水の確保とその衛生の確保というようなことが都市システム全体を設計しないといけないわけですね。そのときに、どういう水システムと、それから現実に感染がどう広がるかというのを新しい技術できちんと押さえて対策を取らないといけないというような面があります。  ですから、社会衛生環境を水の面から確実にするにはどうしたらいいか、そういうものを将来、例えばベトナムのような、これから社会インフラを整備するところに科学的な根拠に基づいて提案できる、そういう研究かなと思いますが、そういうような説明でよろしいでしょうか。
  47. 浜田和幸

    浜田和幸君 分かりました。  私、例のその鉄凝集剤、ポリシリカ鉄凝集剤、PSIを栗原参考人以前からいろいろと研究されているということを承知しておりますもので、このポリシリカ鉄凝集剤の今日本での普及の度合いと、結構海外からもやっぱりそういう引き合いがあったという具合に聞いておるんですけれども、やっぱり日本発のそういう凝集剤がどれくらい今普及しているのか。そのことと、鉄分を含む凝集剤の農業への応用、東北大学で一時かなりそういう研究が進んでいるということを聞いたことがありますし、私も現地見たことがあるんですけれども、特に東北のああいう震災以降、こういう意味での凝集剤の再利用というのか、そういうのが今どういう形で取り組まれているのか、また関連して、その放射能の汚染の汚泥とか土壌、そういったところの対策上、栗原参考人が進めておられる膜の研究等が何らかの形で応用できるものなのかどうか、その辺りについてお教えいただければと思います。  以上です。
  48. 栗原優

    参考人(栗原優君) シリカの話は、浜田先生ともお会いしていろいろ話をお聞きしています。私も、今会社の中で一応いろんな情報は私のところにも来るようにはなっているんですが、私の理解では、その後、余り展開されていないと聞いています。もう少し普及してほしいなと思うんですが、それ以上、私も詳しくちょっと知らない状況でございます。  それから、凝集剤を含めて、そういう、水はきれいにして取る、我々が飲んだり、農業に、工業に使うというのでいいんですが、いつも話題になるのは、その濃縮された方の処分をどうするかですね。我々はブラインと称してみたりしているんですけど、実際、海水淡水化も、勢いよく私しゃべっていますが、いろんな問題抱えている。環境問題の一つは、今後ブラインをどうするかということなんです。  私、メガトンという国のプロジェクトでやっているのも、一切化学薬品は使わないで、水も取れるし、濃縮の方も取れる。そして、濃縮サイドの海水の中にいろんなミネラルがありますから、この中にリチウムとか、有効資源を活用しようという意味で一応取り組んでおりますが、こういう技術をどういうふうに普及していくかは今後の問題だと思います。ですから、海水淡水化一つ取っても、一方ではいいけど、一方では環境を汚染していくという問題を解決しないと、サステーナブルに、広くグローバルには受け入れられないと思っております。  それで、こういう汚泥処理を常に考えながら、ゼロディスチャージで考えていくのがこれからの基本だと思いますが、特に原子力につきましても、よく私もいろんな立場で聞かれますし、何か対策あるんじゃないのと言われておりますが、福島の問題につきましても、汚泥水の、最近また話題になっているようですが、最後の工程ですね、フランスアメリカ技術に加えて、汚泥を濃縮して最後に持っていくところには逆浸透膜は使われております、国産品でございますけれども。  これは一時、海水を封入した関係で汚泥水の中に塩分が含まれているということで、塩分を除くためには逆浸透膜いいねということで使われておったんですが、当初から予想されたとおり、放射性化合物と海水に含まれておりますナトリウムやカルシウムイオンサイズ的には同じなわけですね。ですから、基礎実験をやりましても放射性化合物もかなり取れます、膜で取れます。  ですけど、これ言いますと、じゃ、前のあれは要らないのかということでなくて、非常に高濃度の汚染のところは、現状でやられている吸着剤等でやるのが筋だと思いますが、かなり薄くなって、水に薄められた状態の中でもある程度落とす、除去するという意味では膜は有効かと思います。  ただ、その次の問題は、かなり取れて取れて、またここで濃縮サイドですね、濃縮サイドをどうするかといったら、海水と一緒ですから、ここについては、私の理解では、まだやはりああいう放射性化合物の濃縮化合物をある程度の濃度にすると持ち出せないとかいろんなルールがあるようですので、そこに関しては私ちょっとコメントできない状況でございます。
  49. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございました。
  50. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) じゃ、お受けします、新たな質問。どうぞ。  じゃ、全ての会派が終わりましたので、会派を超えてどうぞ。  藤末さん。
  51. 藤末健三

    藤末健三君 私、天水のプロジェクトについてお聞きしたいと思いまして、村瀬先生にお聞きしたいんですけど。  私、カンボジアに伺ったときに、カンボジアがもう既に天水を使っておられて、逆に今、井戸を掘ろうということをプロジェクトで進めていたんですよ。そうすると、先生御指摘のように砒素が出始めて、またどうしようかということで行き止まっているという中で、一つございますのは、やっぱり天水は相対的に池の水よりいいとは存じ上げているんですけど、それをまたもう一つ、何というかフィルター使うとか、あと腐敗防止するとか、あと虫が湧いたり何かカンボジアでされていましたので、そういう次の新しいステップをどういうふうにお考えかというのをちょっと教えていただきたいと思って、御質問させていただきます。お願いします。
  52. 村瀬誠

    参考人(村瀬誠君) 虫が入るのは、基本的には、そういういわゆる虫が入らないような構造にすればいいだけの話なんですね。ですから、多くは、蓋を開けっ放しでオープンだとそれは当然入っちゃいますよね、蚊も入っちゃいますし。ですから、私なんかの造ったやつは、きちんと、金網ですけど、いわゆるスクリーンをすれば、それは基本的にはカットできちゃうと思うんですね。  腐るというのも、これちょっと誤解でして、先ほど言いました腐るというのは、有機物が微生物が分解して腐っていくわけですね。ただ、そういう餌がないんで微生物が異常繁殖できないんですよね。逆にそういうことがあるとすれば、何らかの汚れた水が入ってきているということなんですね、天水以外に。だから、そこはもとを断てばいい話ですね。  ですから、これは私たちもう既に何百件もやっていますけれども、非常に、それはもちろん管理の話があります。ですから、雨季の前に必ず下の泥をさらいます。ほんの僅かですけど、やっぱり下にたまるんですね。それは自分のオーナーシップできちんと掃除していただくわけですよね。ですから、ドレーンというのが付いていて、泥抜きすれば全然問題がないと思います。
  53. 藤末健三

    藤末健三君 ありがとうございます。
  54. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) では、次の質問を受けます。  加賀谷さん。
  55. 加賀谷健

    加賀谷健君 参議院議員加賀谷でございます。  村瀬先生、与えるだけでは、やはり物を、設備を造ってそれを任せるだけでは駄目だと。やはりそのメンテナンスをする、自分のものだという気持ち、これが分かるんですね、オーナーシップでなければいけないということも言われましたけれども。  私もついこの間、昔のトラックですけど、ミクロネシア連邦へ行きましたら、やはりアメリカが返すときに道路や港を完璧に直してきれいにして渡したんだそうですけれども、二十五年たちますともうひどいことになっているわけですね。それはまさに、聞きますと、国民性といいますか、直そうとしないし、そのメンテナンスをして大事に使おうということをしないという。このバングラデシュの場合も何か、先生が言われたように、そういう傾向がやっぱり国民性の中にあると思うんですね。  ですから、それを与える、例えばODAで造ってあげるだけではやはり私も駄目だと思うんですけれども、経済的な部分でかなり厳しい人にはやはり何らかの形でそういう援助というのも必要なのではないかと思いますけれども、この辺の、何というんですかね、関係というか、はざまといいますか、村瀬さんは、どんなふうにやっていったらもっともっと普及していくのかなというふうにお考えか、教えていただきたい。
  56. 村瀬誠

    参考人(村瀬誠君) まず、メンテナンスの話で、ちょっと私も先ほど言い忘れましたけれども、地元のNGOの参加で定期的にモニタリングをしております。やっぱりそれは、モニタリングというのはすごく大事で、通常はこういう国連のプロジェクトにはモニタリングの経費が入っていないんですね。ですから、きちんとモニタリングして、住民と何か問題があればそこで議論して乗り越えていくと。つまり、住民の参加とモニタリングがあって初めてうまくいきます。ですから、そういう仕組みをつくることも本来は国際協力の事業の中に私は入れ込むべきだと思うんですね。それが今日言いたかったことのもう一つの点でもあります。  それからもう一つ、その経済的に非常に貧しい人をどうするんだという問題ですね。実は、私たちが今売っている値段ですと、やはりうんと貧しい人はちょっとアクセスが難しいことがあります。ですから、そういう点については、ある意味じゃ我々自身の、いわゆるビジネスサイドの、私個人企業として限界はありますけれども、やっぱりそれはそこの限界があるわけですね。  ですから、そういう点でいえば、いろんなドネーションをうまく回していく。今までのドネーションというのはもう使いっ放しですから、やっぱりそれを例えばそういう一つの基金に入れて、そしてそういう今のソーシャルビジネスの全体のそのファンドの中でうまく回していけばそのお金も生きてきますから、ですから、そういう点からいうと、私は決してドネーションは否定はしておりません。  実際に、いろんなNGO、例えば日本以外のいろんなヨーロッパのファンドなんかは、現地のNGOにお金を渡して貧しい人付けてくださいという話に今までなってきたんですけれども、それが、モニタリングなんかも全然入っていないんで、NGOも管理しないまま朽ち果てていったという問題がありますので、それの枠組みを中にうまく入れていけば、お金も有効に使っていくし、まさに私が冒頭申し上げましたサステーナブルに管理されていくと。結局、その辺のところは、やはり今のようなやり方をもう本当に変えていかないと私は駄目だと思いますね。
  57. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  次、質問を受けます。  それじゃ、藤原良信さん
  58. 藤原良信

    ○藤原良信君 今日はありがとうございました。  私はちょっと違う角度から、どなたでも結構なんですが、専門的立場で御示唆をいただければと思うんですが、昔、ローマ・クラブで「成長の限界」という、そういう本が出まして、人口の成長とともに食料の確保ということが明示された一つの研究書であったと思います。これ、水との比例があるなというふうには思います。このことはこのことなんですが、その中で、絶対数の水を確保するということは、これは大きな命題が一つございます。  しかしながら、その中で、いろんな食料がこれは世界中移動しておりますけれども、いわゆる日本基準という見方だけではこれはいかれないんだと思うんですが、不衛生な水で穀物を育てたり、あるいは畜産関係を、動物を育てた、そしてそれで肉が形成されていくと。それを食べた場合に、潜在的ないろんな蓄積がなっていって病気に発展する可能性もあるのではないかと思うんですが、こういうことに関しての、絶対数という命題はあるんだろうが、水のですね、だけれども、それを世界的に日本ほど完備をした水の衛生分野というのはそうないと思うんですが。天水はこれはそういうことはないとは思うんですけれども、一般的に、そういう面からいってどのくらい影響するものでしょうかね。  特に、発展途上国へ行きますと、例えば日本輸入しているウナギにしたって、発展途上国、ないかもしれませんけれども、台湾とか等々で見ると、本当にもうどぶの中で育てているような、そういう状況が見受けられます。それが日本輸入して入ってくるわけですけれども、それを食べていた場合、それを形成した肉そのものが人体にどんな影響を及ぼすものなのか。水の専門家である皆様方、どなたか御見解が。
  59. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) どなたでもいいんですか。
  60. 藤原良信

    ○藤原良信君 どなたでも結構でございます。
  61. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 大垣先生、済みません。
  62. 大垣眞一郎

    参考人(大垣眞一郎君) 最後の御質問のところは大変難しい問題なんですが、状況の御参考になる例をちょっとお話しさせて。  先ほどカリフォルニア州農業生産の話が出ましたけれども、あそこは南部の辺りは水が全くなくて、カリフォルニア州は下水の再利用を一生懸命やっています。今のような御質問で、例えば生のサラダに下水をまけば危険ですね。だけど、きれいに処理してきれいな水にすれば大丈夫。カリフォルニアは世界で一番厳しい下水の再利用基準を設けておりまして、それで利用することを確保しているというようなことをやっています。今の直接その関係ではありませんが。  日本は、例えば四国香川県の多度津町は、日本ですけれども、下水の再利用水を稲作に使う仕掛けをつくっています。これは、今度は渇水対策なんですね。ですから、常に水があるわけではないので、渇水があったときの安全保障としてそういう別の水源をつくるというようなことに投資をしているという部分があります。それが安全かどうかはちょっと、基本的には安全だと思います。  それから、今言われたメキシコや北京などは、下水をそのまんま農業用水に使ったりしていますのでそういう危険性はありまして、それはWHOなどで下水の再利用の基準等がありまして、それを守っているはずであります。ただ、医薬、いろんな抗生物質なんかをその水産に使ったのが安全かというのはまた別の食品の問題として、輸入品の安全性の問題というのはあると思います。
  63. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。  済みません。じゃ、これも触れますので、これ併せて参考まで御示唆いただければなんですが、おいしい水という定義がございますよね、地下水で。これは鉄分が入っているからおいしいんだということをよく言われることがあります。ですから、これは村瀬参考人には大変恐縮なんですが、天水はそういうのはないんでしょう。ですから、我々は今、スーパーで蒸留水を買って飲んでおります。蒸留水じゃない、何ていうんですか、あれは。(発言する者あり)ミネラルウオーター。要は、あれは味が、要するに不純物が少ないから味が少ないんだと思うんです。  ですから、おいしい水の定義というのはどんなところですか。
  64. 栗原優

    参考人(栗原優君) じゃ、二つ。  最初の「成長の限界」の話で、大垣先生の後に私がちょっと思った、いろいろな情報ですけれども、今日、私もいろんな話をしましたが、こういう論争でまだ、農業用への水というのは余り、莫大に伸びるんだけれども、ちょっと頭に入って、そういう中で、これから二〇二五年ぐらいまでのグローバルな人の成長、人間の増加と水の不足を関連付けますと、国としては中国インドを考えておけばいいね、二〇五〇年までになると、もうほとんどアフリカ人口増に対する対応策を取らないといかぬねというのが世界の水フォーラムレベルでの国連のコンセンサスだと思いますね。  そういう中で、今度はビジネスサイドで、フランス代表するヴェオリア社の会長とかそういうのが、今後どうしていったらいいんでしょうねという、そういう議論をすることがあるんですが、一つ宗教問題がちょっとありまして、私、今日お話もしたように、下水から飲み水ができるようになっているんですね。下水を二回、膜通せばいいんです。そうするともう飲み水です。ですから、シンガポール行ったら、ニューウオーターといって、ここにあったペットボトルは、もう下水から造った水をあえて飲んでくださいと置いてあります。今のミネラルウオーターの代わりです、もう全く。私、中身知っていますから飲むことありますけどね。  そういうことなんですが、世界で御承知のように宗教問題というのは、イスラム圏の人口が多いわけですね。特に、サウジアラビアや砂漠の地帯を中心にイスラム圏ですね。イスラム圏の宗教の中に、おしりから出たものを口に入れるなという宗教規律があるそうですね。ですから、世界の水問題、食料問題を解決する上では、イスラム圏の人々に、一般にイスラム圏の方が貧しいですよね、そういう人たちが下水の再利用でその水を口にし、農業へ使ったりもするという意味の教育というか、その考え方を変えていくことをやらないといかぬね、これは時間掛けてでも、大きな課題ですねという議論をされていますね。  それから、極端に今、水のおいしい話は、私も十年前ぐらいに会社からおいしい水を造ってくれやというテーマをもらって、大垣先生の知っている有名な先生方に聞いたんですけど、おいしい、おいしくないは、一つは舌のセンサーの問題ですから、それを科学的に何を入れたらおいしくなるか、ならぬかというのはちょっと非常に難しいんじゃないかと。  ただ、RO水というのもほとんどミネラルを取ってしまうんですね。ですから、RO水、逆浸透膜から造った水を直接口に飲むと骨粗鬆症になりますといって、一時そういううわさを立てて普及を、中国でもサウジアラビアでも起こったんですが、今やミネラルを全て水から取る時代は去っていまして、これだけ裕福な食料の中、ミネラルはそちらから取って、水は水で飲む。超純水は無理ですけど、純水ぐらいは問題ないという時代で、例えば中国ホテルで安く出るのはほとんど今RO水です。アメリカでもそういうものは普及していまして、ミネラルの、エビアンとかなんとかだけがもうミネラル定義ではなくなってきていると思いますが、これは私のちょっと感触です。
  65. 藤原良信

    ○藤原良信君 ありがとうございます。
  66. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 浜田さん。
  67. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございます。  追加で栗原参考人に二点、質問させてください。  資料の十二ページ、これで、二〇〇二年から二〇〇六年、日本の三菱がフランススペインと互角の戦いを演じていたのに、今ではもう名前が出てきていませんよね。これは、世界に冠たる三菱がどういう理由でこういう決定的な敗北に至ってしまったのか、これが知りたいということが第一。  それと、その逆に、例えばシンガポールのハイフラックスですとか韓国のドーサンですとか、特にシンガポールの場合、いろいろと話を聞きますと、元々東レさんとか日東電工さんの持っていた膜の技術を、要するに特許権の侵害をしているんじゃないかとか、要するにそういうものを、元々日本のものをうまく利用してこれだけの市場を拡大するまでに至ったんだと。要するに、日本技術特許権をきちんと守るという観点でやはり弱点があったんではないかという指摘を聞くんですけれども、その辺りの知的所有権保護の問題ですとか、そういう形でどういう対策を今講じておられるのか。実際そういうようなことが起こったのかどうか、その辺りについてお聞かせいただければと思います。  以上です。
  68. 栗原優

    参考人(栗原優君) この十二ページの件数は、私もこういう資料はない時代からこういう感覚を持っていましたら、正式にこういうのが発表になって、三菱さんが一時強かった。これ、過去に遡れば遡るほど強いんですよね。だんだんこうなってしまったというのは、私の国のプロジェクトのメガトンという中でも一つの教育材料というか、今後の教訓を得るためにももっと解析しないといけないという宿題になっているテーマでございます。  それで、いろいろ三菱の実際担当している方たちに聞きますと、いろんなあれがあるんですけれども、例えばグローバルに展開していないんですね。サウジアラビアならサウジアラビアという限定でビジネスやっていたと。ですけれども、いつの間にか世界中に海淡のビジネスが普及していた、世界レベルでの海淡のビジネスは違っていたと、それに付いていけていなかったというのが一つありますね。そういう点で、いろいろ三菱さんも我々も、日本国としてプラントビジネスで出るためには、三菱さんも日立さんも一体運営していかないといかぬというスタンスで今交流しております。  それから、ハイフラックス、ここが日本のものというんですけれども、彼らはこう考えておるわけです。部品は全部日本製を買うわけです。ですから、うちの、東レのも入るし、日東電工のも入りますと。物を買う時点でそれを作る製造権の話は各社が持ちますから、もうプライスになって売りますから、知財権ないわけですね。それで、今度トータルの運転をするときに、ある特殊なパテントがあればそういうことで普及できるんですけれども、今の時点でそういう運転のあれはありませんので、特に知財権起こっておりません。  それで、これがシンガポールのやり方なんですけれども、運転を誰がやるか、図面を誰が引くかというのは、あれは結局、今アメリカの、先ほど大垣先生の言われたカリフォルニアのオレンジカウンティーでもう全然、もうモデルをやっているんですね。そのモデルの人材から一式合財の財産ハイヤーしちゃってシンガポールへ持っていくわけです。そうしますと、そのコピー品が素直にできちゃうわけです。もう、はい、前処理はこうしてこうして、それを担当した人まで、人ごとかっさらうわけじゃないですけれども、ですから、頭に入っているし図面もあるし、しかも、そこに関係するコンサル会社も一式持っていくわけです。  ですから、私が言っている国際ベルというのはそういうことなんですね。いつまでもオールジャパンで、日本教育してという時代じゃなくて、これはアメリカのどこどこ、これはイギリスのどこ、世界の一流を全部組み合わせてそばに並べて、そしてやるというやり方なんですね。部品は日本が強い、買えばいいじゃないか、そういうことでやっています。ただ、一部メード・イン・シンガポール、メード・イン・ハイフラックスというのもあるんですね。それは我々も心配していますが、やっぱりトラブルは起こっているように聞いています。  そういう問題でよろしいですか。
  69. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  では、最後に江崎さん。
  70. 江崎孝

    江崎孝君 ありがとうございました。  それぞれお聞きしたいんですけれども、もう最後ですので、栗原参考人にお聞きしたいんですけれども、大垣先生もお話しできたらお願いしたいんですが、十七ページに水行政の一元化というのを書かれていらっしゃいます。国際競争力含めて、外に出ていくということを前提にしたときに、どういう今の縦割りが問題が発生をするのか、あるいは、仮に水行政の一元化をするという場合に、先生方から見てどのような一元化、率直な意見としてお聞きいたしたいと思います。
  71. 栗原優

    参考人(栗原優君) よろしいですか。  これは二〇一〇年から同じ、これはそのまま書いてきました。これ非常に難しいのは十分十分承知の上です。  ただ、水が国の、いろいろ政治の中で大事な国となりますと、一つはサウジアラビアですね、電力と水の水電力大臣、これがばしっといるわけです、専門家で。これが相当ランキング高いです。上から三つ目ぐらいのポジションを占める。で、現役というか現場育ちの人ですけどね。そういう水電力大臣がいるということがまずあれですね。  中国でも最近いろいろ、私もいろんなトップの人と交流していますと、そういう動きの方向に行って、やはり中国であれだけ水問題があるんだから、日本と同じように縦割り行政しているんだけれども、できるだけこういうふうにしていこうという動きが中国であります。  もうシンガポールはそのものですね。PUBが全部仕切っています、研究開発からもう。ですから、その方がディシジョンも早いし。特に大事なのは、先ほどの、日本のユアサにも通ずるんですけれども、リスクテーキング。プロジェクトでリスクテーキング取るときに、先ほど三菱さんがちょっといろいろと、一つはそれがあるんですと。どういうことかというと、非常に、将来二十五年ぐらいのビジネスをやる上で弱いときに、一企業でもたないときに、バックに政府が付いていて、いいじゃない、将来赤が出たら国が面倒を見てあげるからというのがあってディシジョンするのと、それは全て日本の場合は民が全部やってくださいよねとなると、いろんな条件で法的にし、それやっているうちにどんどんガードが固くなっちゃって踏み切れないんですね。このリスクテーキングの差が、やっぱり、だから行け行けどんどんで行っちゃうのがシンガポールであり、隣の国、韓国ですね、この辺も。  ただ一方で、今日は私は余りけなしてばっかりいるわけじゃなくて、日本の良さの中に技術プラスファイナンスがありますね。非常にファイナンス、JICAさんとかああいうファンドが今機能し始めまして、そういうファンドで動き出しますと日本の製品を三割ぐらい入れなさいということになりますから、日本のあれも潤う、そういうあれもあります。  ですから、ファイナンスがあって、技術があって、営業があって、ガバメントがあってという、そういうコラボレーションが必要だと思っています。
  72. 大垣眞一郎

    参考人(大垣眞一郎君) 今の御質問の、栗原さんの十七ページの二の縦割り行政云々というところなんですが、これは話を二つに分けないといけないと思いまして、一つは日本国内の縦割り、横割りの問題というのが存在している、話題になっていることは確かです。それともう一つは、それを国際的に展開するときの縦割りの弊害という。  国内の現在の縦割り、横割りの、横割りというのは、国と地方との関係等はちょっと非常に大きな話になってしまいますので取りあえずおいておいて、国外、海外日本の水ビジネスが展開するときの縦割りをできるだけなくす仕掛けでやっていくとすると、やはり民間を中心にして、そこに国がどれだけ支援ができるかと。その支援する、何というんですか、SPCをつくってもいいんですが、特殊な組織が、特別の組織があってそれで海外へ支援をするというのが一つの方法としてはあるかなという。  ただ、個別の会社は個別の展開をされていますので、それを今度は逆に妨害するようなことはかえって良くないので、先ほどのシステム全体として売り出すときの取りまとめる会社といいますか、組織が必要かなという気はしていました。  国内の問題はもちろんいろいろありますけれども、それぞれの行政分掌の責務の下で組織ができ上がっていますので、一概に、単に一つにまとめればいいという問題ではないんじゃないかと私は感じていますが。
  73. 栗原優

    参考人(栗原優君) 済みません、もう一つ。  今、大垣先生からも言われた、私の十五ページで、先ほど簡単に言われたんですが、SPCという言葉をちょっと御説明させていただきます。  これは部品を売るビジネス、膜とかポンプ、これが一つですね。その次に、EPCというのは、エンジニアリング・プロキュアメント・コンストラクションということで、あるものを、装置プラントを造って、それを売ったらもう一回引き揚げちゃうわけですね。工場を造って、はい、動き出したら引き揚げちゃうと、そういうビジネスなんです。  今、もうこういう段階を超えまして、プラントは大体二十五年から三十年間ぐらい責任持って政府とあるいはユーザーと契約を結ぶ時代なんです。ですから、初期に赤字が出ても、二十年か二十五年の間に黒字経営して取り返せばいいやという時代なんです。  それで、部品を選んだり、それからコンストラクションのEPCを頼んだりするのは全てスペシャル・パーパス・カンパニーというのが仕切るわけです、これホールディングカンパニーみたいなものですけど。ここは、国によって違いますが、政府と民間会社が出資して会社を経営するわけです。ですから、ここがもうける会社になるように運営するので、そこに日本企業参加しないといけないわけですね。今はもう商社さんが最近の動向ではここに入るのに意欲的です。  これは一つのステップで大事だと思いますし、今後ここにマニュファクチャリングを担当している東レとか日立さんとか三菱さんとかという、そういう会社もそこに入っていくと、日本雇用まで、生産も日本でやりますから、そういう問題で、是非、今まで部品やパーツを売っている時代から、水の海外での経営をやる、会社をつくる、そこは日本だけでつくるということはもうあり得ませんから、現地の政府なり現地の企業とのコラボレーション、そういう意味で、これ、SPCと言っています。
  74. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  それでは、予定されておりました質問も出尽くしたと思いますので、参考人に対する質疑はこの程度といたします。  一言、御挨拶申し上げます。  大垣参考人、栗原参考人、鈴木参考人及び村瀬参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、おかげさまで大変有意義な調査を行うことができました。調査会を代表し、各参考人のますますの御活躍を祈念いたしまして、本日のお礼とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十二分散会