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2013-06-07 第183回国会 参議院 災害対策特別委員会 5号 公式Web版

  1. 平成二十五年六月七日(金曜日)    午前十一時四十分開会     ─────────────    委員の異動  五月三十一日     辞任         補欠選任      足立 信也君     岡崎トミ子君      江島  潔君     尾辻 秀久君  六月五日     辞任         補欠選任      中原 八一君     小坂 憲次君  六月六日     辞任         補欠選任      尾辻 秀久君     中原 八一君      佐藤 信秋君     赤石 清美君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         牧野たかお君     理 事                 難波 奨二君                 藤末 健三君                 小坂 憲次君                 末松 信介君     委 員                 岡崎トミ子君                 那谷屋正義君                 西村まさみ君                 林 久美子君                 福山 哲郎君                 前田 武志君                 青木 一彦君                 赤石 清美君                 中原 八一君                 若林 健太君                 秋野 公造君                 渡辺 孝男君                 柴田  巧君                 平山 幸司君                 山下 芳生君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    参考人        公益財団法人ひ        ょうご震災記念        21世紀研究機構        副理事長     室崎 益輝君        一般社団法人日        本経済団体連合        会政治社会本部        長        斎藤  仁君        石巻市長     亀山  紘君        神戸新聞社編集        委員       磯辺 康子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○災害対策基本法等の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○大規模災害からの復興に関する法律案(内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、江島潔君、足立信也君及び佐藤信秋君が委員を辞任され、その補欠として小坂憲次君、岡崎トミ子君及び赤石清美君が選任されました。     ─────────────
  3. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事小坂憲次君を指名いたします。     ─────────────
  5. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 災害対策基本法等の一部を改正する法律案及び大規模災害からの復興に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  本日は、両案審査のため、参考人として公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長室崎益輝さん、一般社団法人日本経済団体連合会政治社会部長斎藤仁さん、石巻市長亀山紘さん及び神戸新聞社編集委員磯辺康子さんの四名の方に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見をお伺いし、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず、室崎参考人、斎藤参考人、亀山参考人及び磯辺参考人の順序でお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の私の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず室崎参考人からお願い申し上げます。室崎参考人
  6. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) 室崎でございます。今日は、お招きいただきまして、どうもありがとうございます。  最初に一言お断りをしておかないといけないんですけど、私はもう四十数年間、防災減災復興の取組に携わってきておりまして、復興とか減災とかあるいは防災全体に、私が言うのもあれですけど、とても熱い思いを持っているつもりでございます。そういう思いゆえに、いいところもすごくあるという発言になるかと思いますけれども、まだここはできていないということもとても目に付いてしまいますので、ちょっと失礼な発言が含まれるかもしれませんが、その点はよろしくお願いしたいと思います。  まず、私の提出レジュメの一枚目と二枚目でございます。今回のこの二つの法案に対しての基本的な意見という形でまとめさせていただいております。  先ほど申し上げましたけど、何十年もこういう防災をやっていて、ようやくここまで来たのかなという点が幾つかございます。例えば、復興法という、臨時的な復興法はその都度作られてきた経緯がございますけれども、非常に恒久的というか、一般的な復興の枠組みをしっかり定めた法律はずっと今まで日本にはなかったわけで、そういうものが新しく作られたという意味では、これはもうとても画期的なことだというふうに思っております。あるいは、これは、私は、厚労省さんが従来から災害救助法をずっとお世話いただいてきたことというのはとても大きな意味があったというふうに思いますけれども、防災対策全般の一元化、総合化という面でいうと、複数の省庁が場合によっては少しずれを伴った形で運営するのはとても良くないというふうに思っておりまして、それを内閣府に一元化されるということも、これも過去の歴史から見ると非常に画期的なことだというふうに思っています。  その他たくさんございまして、例えば要請主義というのも、我が国の防災対策でいうと過去ずっと貫かれた原則である。この要請主義も、それぞれの自治体の自治を侵さないという意味では、ある意味で要請があって支援に行くというのは正しいことでございますけど、そのことによっていろんな対応が遅れたり間違った対応が生まれてきたことも事実でありまして、そういう場合にはやはりその要請を待たずに必要に応じて支援を図るということも、これも従来の考え方から大きく変わるという意味で、そういう意味で随所にそういう改善がされているという面で、高くその点については評価させていただきたい。  とはいうものの、じゃ今回の改正で現時点で災害対策法制が抱えている問題が全て改善されたかというと、必ずしもそうではないというふうに思っております。  災害対策基本法は制定されてから五十年、かつ災害対策基本法は基本的なベースとしては伊勢湾台風を前提にしている法律でございまして、五十年の大きな期間が経由しています。災害救助法に至っては、ちょっと計算しないと分からないですけど、七十年程度の時間を経由していて、時代もあるいは国民のニーズも大きく変わってきています。あるいは、これから巨大な災害が次々やってくる、そういう状況の中でいうと、ある意味、根本から災害対策基本法なり災害救助法なりを見直して、一貫性のあるものにしていかないといけないというふうに思っているところでございます。  それにつきまして一言私が申し上げておきたいのは、過去から私は、まずベースに災害予防法、災害応急法、災害救助法、災害復興法という四つの個別法があって、その上に災害対策基本法が全体を統合するような形であるべきだという意見を持っています。  その点でいうと、今まで災害対策基本法が応急対応の部分をカバーしていたり、予防法がありませんので、まあ具体的な予防は河川法だとか消防法だとかいろんなところで実質的なところは果たしているわけでありますけれども、予防全体の、例えば防災教育の重要性といったところについて言うと、それをしっかり法制度で語られているところはないわけでありまして、そういう意味でいうと、将来はそういう形を目指していただきたいという思いの中で、ともかく復興法だけは今回新たに作っていただけたということで、これはとても感謝しているところであります。  そういうことでございますけれども、それからもう一点、二番目の大きな評価、二ページ目でございます。これも、とても難しい問題であろうかというふうに思いますけれども、要するに非常時と日常時の連関性と区別の問題だというふうに思います。  例えば、個人情報保護という点につきましても、人権をきちっと守るという意味ではとても重要な制度システムであります。日常時はそれはしっかり守らないといけない。ただ、非常時にもそれをかたくなに守っていると人の命が救えないと、これも東日本大震災その他ではっきりしたところでございます。  それはいろんな意味で、例えば基礎自治体の自治の原則というのもございます。これも、基本的には、特に防災というのは身近な自治体がしっかり責任を持つというのがとても重要なことでありますけれども、その自治体が本来の機能ができなくなったときにおいて自治を肩代わりするというか、ここはとても微妙なところで、自治を侵害することがひょっとしたら起きるかもしれない。あるいは、先ほどの個人情報の問題もそうでして、緊急事態だからといって、じゃ個人情報をいいかげんにしていいのかというと、そういうことではないわけですね。  今回の法律は、例えば個人情報についてもその点については慎重な配慮をしていただいております。緊急時は個人情報を必要な人たちに提供してもいい、だけど、その取扱いについては非常に厳密にすべきだということが言われている。  それと同じようなことを申し上げますと、自治の問題も、私は、本来はやはり自治体が被災地の住民に対してしっかり責任を果たす。果たせないときに、じゃ、ある程度その状況の中で政府都道府県が積極的に関与していくということはとても重要なことですけど、どの範囲でそういうことが許されるのかということはとても重要なことだと思います。そういう意味でいうと、自治体の支援というのは自治体に対して何か物を与えたり何か知恵を与えたりするということもとても重要ですけど、重要なことは、その自治体が自治体として機能できるように自治体の力を引き出すということがとても重要であります。  例えば、ですから、派遣職員を被災地に行っていただくということはとてもこれも重要なことで、これを否定するものではありませんけど、同時に、個々の自治体が独自に、要するに自治体の職員として何十年間復興に携わる責任と気概を持った人をしっかり雇用できるようなところでしっかり応援をしていって自治体がきちっと、だから、例えば瓦れき処理ができない、それは国が肩代わりするのは当然なんですけど、でも、瓦れき処理を自らでできるような力を自治体に与えるという形での支援をしていくという、ここがまさに自治とそれから国の支援との関係で、そこの関係をどう考えるか。  この点についても十分配慮されているわけでありますけれども、時間の関係で後の方で申し上げようと思っていたことを申し上げますと、例えば今回の復興法律案で申し上げますと、重要なことは、復興基本方針を国が定める、復興基本方針に基づいて都道府県基本方針を定める。「即して」という言葉は、従ってという意味なのか、それを配慮してという意味なのか、ちょっと私は法律用語よく分かりませんけど、「即して」という言葉は。じゃ、その基本方針というのは一体どこまで決めるのか。細かく、例えば高台移転にしなさいというようなことを一方的に決めてしまうと、自治体にとっては必ずしも、それは足かせになってしまうことがある。総論というか非常に基本的なところは基本方針で決めるけれども、個別具体的なところをある意味自治体に任せるということはとても重要だというふうに思います。  これは、今回の法律の中でも書かれていますけれども、じゃ、国が関与するというか、迅速な対応とも関係するんですけど、スピーディーな対応をするという場合に二つのことが重要です。  一つは、トップダウンです。トップが責任を持って速やかに決断をして実行する。これは、今回の法律の中にその精神はしっかり貫かれている。  それからもう一つ重要なことは、今度はフラットなシステムです。フラットなシステムというのは、現場に責任と権限を与えるということだと思うんです。例えば、避難所でトイレが汚れていて、心筋梗塞、脳梗塞で倒れていくという事態があったときに、それは上部団体とかそれぞれ順番に意見を求めるのではなくて、現場の責任者が、これは法律違反ですけれども、運動場に穴掘ってし尿を捨てるということをせざるを得ない。そういう一つの権限みたいなものを与えることによってスピーディーに事が進む、途中でそういう議論をしている時間によってなかなか前に進まないところがある。  そうすると、現場の意見をくみ上げるということは一体どういうことかというところがやっぱりとても重要な課題で、これは今後の運用の問題です、この法律が間違っているということを申し上げているのではなくて。運用面ではそこはすごく、人権の侵害、個人情報の問題もそうですし、あるいは場合によっては、みんなが買いだめをしてけしからぬ、国民は買うのを差し控えなさいといっても、ある人にとってみたら今そのペットボトルがとても重要なときに、買いに行ったら、それをやめなさいというようなところまで行ってしまうと、これは人権侵害になります。  だから、そういうところの問題というのは、やはり運用の問題というか社会の良識の問題の世界であるところを事細かくこういうことはしてはいけないというところまで決めてしまうと、これはやはり少し人々の人権の擁護と矛盾するように思いますので、そういうところを少し配慮していただきたいというのが基本的には私が今日申し上げたい全体像でございます。  あと細かなところは、三ページ目から少し書いてございます。  一枚目は、先ほど、迅速かつスピーディーというか、国とか都道府県がやはり基礎自治体の足りないところを補完する機能をしっかり果たすという意味でとても重要なことだというふうに思っているところでございます。  それから、その次の災害対策の総合化というところであります。ここについてもひとつお礼を申し上げたいのは、ボランティアについてしっかりと法律の中に書き込んでいただいたということであります。  ただ、ボランティアのことも、ただ単に連携を図るという程度でいいのか。防災というのは、本当は行政と地域コミュニティーと企業、民間企業と、それからNPOというかボランティアというかその中間層、この四者がしっかりスクラムを組む、対等の立場でスクラムを組むというところであります。そういう場合に、ボランティアと連携をするというときの国の対応とはどうあるべきかと。  これ運用の問題だと思いますけれども、例えば、前回の基本法の改正で重要な改善が行われて、市民の代表とか専門家防災会議に入れると。これはもう画期的なことです。今までは、行政だけでやるんだという、非常にそういう構えの中で防災会議のメンバーや災害対策本部のメンバーが決まっていました。だけれども、本来は災害対策本部にもボランティアの代表を入れるということがあってもいいんではないか。実は、これは中越沖地震のときに、刈羽村の災害対策本部にはボランティアの代表が正式のメンバーとして入りました。そのことによって被災者の支援は非常にスムーズに進んだという経緯がございます。  そういう意味でいうと、そのボランティアと連携を努めるという延長線上に、例えば防災会議のメンバーだとか災害対策本部のメンバーだとか、あるいは現地の対策本部のフロアの中にNPOのフロアがあって、赤十字のフロアがあって、政府のフロアがあってというような形での、やはりその在り方みたいなものも今後是非それも考えていく必要があるんではないかなというふうに思っています。  それから、復興法に関しても、取りあえず大きなフレーム、これは間違ったフレームではありませんで、僕は、復興法の今回の制度基本理念のところはとてもすばらしい、単に安全にするだけではなくて、地域の生活なりそういう経済なりの再建を図るということを、単に安全だけではなくて地域経済なりそういうものをしっかり見なさいという点ではとてもすばらしいです。  ただ、その理念の中に一つ抜けているというのは、これはひょっとしたら、先ほど言った厚労省さんが災対法から外れたという表現は良くないですが、きちっとやられるんですけど、とも関係するんですけど、個人という、一人一人の個人の復興というのはどう扱われているのかと。この復興法の原則のところで書かれているのは、地域の安全とか復興ということは書かれている。でも、その前提に一人一人の人間復興ということが当然あるわけで、やはりそういう全体で見たときに、例えば災害対策基本法の中でもいろんな改善が図られていますけど、例えばこれから重要になるであろうと思う住宅再建、生活再建のところです。  生活再建の中で罹災証明を出すこと、あるいは被災者台帳を作ること、これもとても重要なことで、これも画期的な改善だというふうに私は理解しておりますけど、じゃそれだけなのか。それをよく見ると、あと住宅再建とか仮設のところだとか、これは災害救助法に書いてあると言われればそうなんですけど、住宅再建はむしろそこから外に出たところである。生活のなりわいだとか生きがいだとか仕事だとか、そういう一人一人の復興というところに対しての、突っ込みというとまたこれも失礼な言葉ですね、切り込みがまだ弱いんではないか、これは次の課題として残っているんではないかというふうに思っておりますので、そういう点も御配慮いただきたいというふうに思っております。  その次の被災者保護のところはもう既に申し上げたとおりでございます。被災者台帳、罹災証明、これは私の個人的な意見ですけど、今回は作っても作らなくてもいいという表現じゃないんですが、作ることができるというような表現でありますけど、基本的には一人一人の個人の復興という面でいうと、一人一人の復興のプロセスを追求するという意味では被災者台帳はとても重要です。それから、罹災証明も生活復興なり住宅再建にとってかけがえのないもので、それをしっかりやるということはとても重要なことで、だからそれをどうやってその自治体はやっていくのか。  例えば、罹災証明を早く出せといっても今の現状では出せないです。非常に細かな基準があって、それを本当に理解した職員がいなくて、それにもう何日も何週間も忙殺をされて、ほかの復興復旧の事業が進まないというような状況の中で、そのシステムの、じゃその罹災証明もう急いでいいのかというふうに申し上げると、それは余りそういうこと、医師免許もないお医者さんに健康診断してもらっているみたいなもので、本来はゆっくり見て正しく判断をして、この家は建て替えることができるかと見てもらうという意味でいうと、急ぐだけではなくて、そこに質の問題を持ってこないといけない。そうすると、そういう罹災証明を出す人材育成、これも書き込まれています、今回の中に書き込まれていますけど、そういうところをもう少ししっかり詰めていかないと、多分これは言葉が出ても、あとなかなか実行に移されないんではないかというふうに思っておりまして、そういう点もよくお願いしたいということでございます。  時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。  御清聴どうもありがとうございました。
  7. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 室崎参考人、ありがとうございました。  次に、斎藤参考人にお願いをしたいと思います。斎藤参考人
  8. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) 座ったままで失礼いたします。  本日は、委員会の方にお招きいただきまして、大変ありがとうございました。  今週の火曜日、六月四日に経団連の総会がございまして、今年の活動方針というのを採択いたしましたけれども、その第一の方針として復興の加速化というのを挙げております。東日本大震災から二年以上たちましたけど、まだまだ復興はこれからということもございますので、経済界といたしましても、復興の加速に最大限協力し、日本経済の活性化に努めてまいりたいと思っておるところでございます。  本日は、お手元に関連する経団連の提言並びにアンケート調査結果をそれぞれA3の一枚物にまとめたものを三つほど用意いたしました。広範に係っておりますし、また必ずしも今回の法改正に直接関連しない問題もございますので、法改正にかかわる問題、テーマを中心に御説明をしたいと思っております。  今回の法律改正は、東日本大震災の際に、省庁間の縦割り、あるいは中央省庁地方自治体のコミュニケーションが必ずしもうまく取れていなかった、さらに官民の連携、あるいはNGOも含めた連携、そういったものが課題になったという反省の下に大改正というか抜本的な改正を二年越しで行うというものでございまして、経済界としては、この改正につきまして大変評価しているところでございます。中でも、今回、大規模広域な災害に対しまして即応力の強化ということで、平時規制の適用除外という考え方を入れていただいたということで、ひどく感謝しているところでございます。  と申しますのは、お手元の資料の二つ目になりましょうか、事業継続の障害となった規制の事例というのがお手元の資料の一番右下のところに事例を幾つか書かせていただいております。これは有名な話ですけれども、例えば石油がない、燃料がないといって、タンクローリーは東京にあるんだけれども、肝心の高速道路を通るのに許可証の発行が遅れたと。その点に関しましては、警察庁等の方で弾力的に形状だけで発行いただけるような制度というのを設けていただき、引き続き今後こういったことが起こったときもやっていただけるような動きもございます。  ただ、これは法律の問題というよりは局長の通達一つで解決できる問題でございまして、ある意味本部の方でしっかりと、こういうときは法律の弾力的適用をするように、制度、ルールを適用するようにということを特に政治家のイニシアチブで発揮していただければ即座に解決する問題でもございます。  そこで、私ども経済界といたしましては、今回いろんな規制が問題になっている部分につきまして、別途提言で五十項目ぐらい出してございますけれども、そういった内容につきましては日ごろからリスト化をして、次の災害が起こったときにこういったものはすぐ対応できるというようなルール作りをあらかじめ決めておくということが大事ではないかと。さもなければ、許可を得て判断するのに二、三日掛かってしまうと。この二、三日というのは人命にもかかわることですので、次の災害が起こったときはもうほぼ自動的にそういった法運用の弾力化ができるような体制というのを国として取っておくべきではないかというのが私どもの提言でございます。  その他、商品の不足等に伴いまして、ラベルの規則の弾力的運用でありますとか、安否確認の情報の弾力化というのがございます。特に、今回、法律の中で、個人情報の扱いにつきまして、特に災害弱者については、あらかじめ許可をいただいた方については共有できるような制度基本法の中に盛り込んでいただきました。これは、従来、個人情報保護の名の下に、本来の公共利益よりも個人情報保護が大事だというような、ある意味、室崎先生も御指摘いただきましたけれども、緊急時において何が一番大事なのかということを視野に入れた運用というのを是非やっていただけないかと思います。  それと、個人情報というのは必ずしも自治体だけが持っているわけではございません。例えば、今回、災害が起こりまして、損害保険でございますとか生命保険の支払という問題が起きたときに、各社全社員を総出で一人一人確認して、例えば損害保険でございますけれども、僅か一か月で一兆円を超える損害保険を払ったということでございます。そういった情報というものを外に出しますと、これまた個人情報の壁がございます。もしあのときそういった保険会社等が持っている情報を、国の他の支援制度がございます、見舞金の制度とかいろんな制度がございます、そこと共有できれば、例えば義援金の制度もございますが、一々義援金に半年、一年掛からなくても、企業が持っている個人情報を活用する、共有することによれば、一か月ぐらいで被災者の方にそういったお金も渡ったんではないかという問題もございますので、是非個人情報については官民の共有化という観点から相互に利用できるというような視点を取り入れていただければと思っております。  最後に、事業継続について。事業継続につきましても、このアンケートの表がございますけれども、その左下の方に事業継続計画の策定の有無とその適用範囲ということで経団連の会員企業に調査いたしました。これは発災直後でございますが、半数が策定済み、二割が策定中ですが、直近の調査ではもうほぼ一〇〇%の企業事業継続計画を持っております。  ただ、適用範囲ということで、次の棒グラフを見ていただきますと、企業単体にとどまっているという例がほとんどでございまして、もし必要な物資等を迅速にサービスを継続して行うということであれば、取引先も含めたサプライチェーン全体の事業継続ということが重要だと思っています。この点につきまして、今回、内閣府の方で事業継続ガイドラインの改正というのも行われましたけれども、そういったものを普及していくということで官民一体の取組が必要ではないかと思っております。  最後に、自治体との協定の関係について申し上げます。この同じ表で自治体との協定を締結済みの企業が一七%となっておりますが、これは今後、より増やしていくべきだということを我々としても会員企業に呼びかけておるところでございます。  一つだけ例を挙げますと、帰宅困難の対策ということで、今東京都の区でありますとか、一時滞在施設の提供ということの協定を企業に働きかけているところでございますが、一つ今障害となっておりますのは、備蓄に対する補助にとどまらず、責任の問題がございます。例えば、企業のビルの一階を開放した場合に、もし余震があってけがをしたときの責任が今の法体系ではビルの管理者ということになっております。この点、例えば行政と協定を結ぶんであれば、行政にお貸しするということで、そういったことが万が一起きたときの場合の補償についても自治体の方で、あるいは国の方でそういった制度ができていただければ、よりそういった協定の促進になるのではないかと思っておりますので、御検討のほどよろしくお願いいたします。  ほかにもいろんな課題がございます。今後、企業政府、あるいはNGOを含めた関係者の連携の強化という視点で様々な法律を作っていかれると思いますし、また実際の運用がなされると思いますが、是非そうしたステークホルダーを加えた形の協議体というのを国のレベルあるいは自治体のレベルでつくっていただければと思っております。  その点、今回、復興計画に対して法律が新たにできるようでございますけれども、特に復興計画に当たりましては、民間の知恵というか民間の持てるノウハウを、例えばICT等の技術を使いまして防災に強いスマートタウンをつくるというような取組というのも今後必要になってくると思っております。その場合に、これまでですとなかなか計画段階からそういった企業の関係者が入っていくということが余り行われていないと。例えば、PFI、PPP取っても、箱物を民間が造ってくれというような段階で発注が来ますけれども、むしろ、そうであれば面としてとらえ、地域の計画の中に初めから民間あるいはNGO等の関係者を加えた形で町づくりやっていくというようなことも今後必要ではないかと思っておりますので、これは法律ができたことをきっかけに是非関係の自治体等についても政府の方から周知いただければと思っております。企業としても、そういった面につきまして最大限協力していきたいと考えているところでございます。  ほかにも企業独自の取組ということで、BCPの強化でありますとか、社員のボランティア活動を促進するための制度の適用とか、様々な取組を行っております。そういった点につきまして、もし御質問があればお答えするということにさせていただきまして、本日は取りあえず私どもの考え方、多少時間が残っておりますけれども、ここでストップさせていただきたいと思います。  よろしくお願いいたします。
  9. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 斎藤参考人、本当にありがとうございました。  では次に、亀山参考人にお願いをしたいと思います。亀山参考人
  10. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 宮城県石巻市長の亀山でございます。  今日は、このような貴重な機会を与えていただきました。誠にありがとうございます。また、議員の皆様方には、東日本大震災以降、発災直後から様々な支援をいただきました。心から感謝を申し上げます。皆様の御支援を心の支えにして復興に今取り組んでいるところでございます。引き続き、議員の皆様の御理解と御支援をよろしくお願いいたします。  それでは、この度は二つの法律案に関し、以下の四つの点について意見を述べさせていただきます。  まず第一点目は、大規模災害時における国の役割の重要性についてでございます。  今回の災害対策基本法等の一部を改正する法律案につきましては、国による応急措置の代行の仕組みが明文化されました。御案内のとおり、東日本大震災では、自衛隊を始め警察、消防、国土交通省のテックフォースのほか、在日米軍などの海外からの支援部隊などが、まさに私どもの要請が、待つことなくプッシュ型で被災地に入り、様々な救援救助活動を展開していただきました。今後の大規模災害時においても、国による応急措置の代行の規定が一層の実践的に運用されますことを望んでおります。  その上で、今回の東日本大震災における最大被災地の首長として申し上げさせていただきますけれども、今回こそ国が思い切って県庁所在地ではなく最大被災地域に常駐の現地対策本部を設置して、被災自治体とともに応急措置の一切を即断即決していく体制を取っていくべきだったというふうに痛切に感じております。  石巻市の被災規模につきましては、配付しました資料一ページと二ページに石巻の被害の大きさが数値とそれから棒グラフで示してありますけれども、人口約十六万一千人のうち、災害関連死も含めて約四千人の方の尊い命が奪われました。また、住家被害につきましては、二枚目の棒グラフにもありますように、全壊戸数は二万二千三百五十七戸、いわゆる岩手県全体よりも多い全壊戸数になっております。そのほか災害廃棄物発生量なども含めて極めて甚大でありますとともに、被災三県の中でも突出した被災状況になっております。そのため、これを石巻市の、これ表現の仕方なんですけど、職員一人当たりで換算してみますと、資料三から五ページに棒グラフで示してありますけれども、平常時の石巻市職員がカバーしている住民の人口や面積の大きさに比べて今回の被害が突出して大きいことがお分かりいただけると思います。  このような、発災から本当に極限状態が続きました。一々電話とかファクス、メールなどで報告、連絡、調整をすること自体が大きな事務負担となりましたし、逆に政府からの各種の連絡、通知などに落ち着いて目を通す時間的な余裕もなかったというのが実情でございます。  今回の震災の教訓は、国が自治体間や各防災機関との調整を円滑に行うというレベルではございません。今回の最大の教訓は、国が最も被災状況の厳しい地域に常駐していただいて、行政能力の低下した被災自治体と一蓮託生で応急措置を展開する、そのような災害対策基本法を運用することだと政府に深く認識していただくようにお願いをいたします。  次に、第二点目として、今回の災害対策基本法等の一部を改正する法律案におきましては、平素からの防災への取組の強化に係る項目が盛り込まれております。私どもとしては一定の評価をしております。  私は、今回のような大規模災害においては、住民の避難を安全かつ迅速に行うのは実際には大変難しいというふうに考えております。だからこそ、平素からの減災の徹底は大変重要であります。災害時の被害を最小化する減災の考え方を徹底させて、そして被災しても人命を失わないことを最重視し災害に備えるということが必要だろうというふうに考えております。  これを実効あるものとするために、二点申し上げさせていただきます。  まず第一点としては、やはり地震があった場合には津波の恐ろしさを正しく認識していただいて、それぞれがてんでんに、とにかくばらばらでもいいですから逃げていただくと、逃げるということがやはり一番大切だというふうに思っております。よく言われる津波てんでんこを徹底することの大切さをやはりしっかりと伝えていくことが必要だというふうに思っております。この徹底のためには、今回の法律案にもありますように、減災の考え方を防災訓練防災教育などを通じて繰り返し住民の認識として植え付けていくことが必要であります。  次に、第二点として、避難路の着実な整備の重要性です。今回、現在モータリゼーションの社会ですので、歩いて逃げろといっても、なかなかやっぱり車で逃げる方が相変わらず、その後の余震の場合でもやはり車で大渋滞を起こしている状況にあります。三・一一の東日本大震災では、大渋滞の中に取り込まれて、そして犠牲になられた方も大変大勢おります。そういった意味では、やはり避難道路の確保というのは重要な課題であるというふうに考えております。  今回の改正を実効あるものとするためには、減災意識の徹底と避難路の着実な整備の二点が特に重要であるというふうに述べさせていただきます。  三点目ですが、災害対策基本法等の一部を改正する法律案における住民等の円滑かつ安全な避難の確保についてでございますが、今回の法律案には被災者台帳、避難行動要支援者名簿の作成等必要な個人情報を利用できる旨の改正が盛り込まれております。これは、超高齢社会となる我が国の防災対策を進める上で極めて重要な改正であるというふうに高く評価をするものでございます。  と同時に、この点に関して一つお願いを申し上げさせていただきます。それは、被災地がこの仕組みを復興に直ちに活用できるようにすることも含めて、政府のガイドラインを改定してほしいということです。  現在の被災地の最大の課題は、住まいの再建のための復興事業を迅速かつ円滑に進めることだというふうに議員の皆様も受け止められていると思います。確かに、被災地の首長としても最優先課題でございます。しかし、震災発生から五年、いや、残念ながら、もう少し先の将来を私なりに見据えますと、もっと大きな課題が顕在化すると危惧しております。それは、現在、仮設住宅やみなし仮設にお住まいになっておられる高齢者や障害者、もちろん一部の若年者も含め、こうした方々が最後の一人までその心と体をいかに健やかに保ち、生きる希望と気力、体力を持って災害公営住宅などに移転していただいて生活を再建できるかどうかという課題であります。  震災発生から二年と三か月余りがたとうとする現在ですが、石巻市におきましては、仮設住宅及びみなし仮設におよそ一万二千世帯、二万九千人がいまだ不自由な生活を続けております。この中には、高齢者や障害者を中心に心身の健康を崩している方々が大勢おられます。若い方も含めて、生活不活発病や引きこもりなどになっている方々もいます。これは、今回の津波被害が余りにも甚大であったがゆえに、仮設住宅等の入居の際にコミュニティーから引き離されてしまったことにも原因がございます。現在はまだ深刻な社会問題とはとらえられておりませんが、ここ二、三年をピークに、元気で活力のある方々が災害公営住宅などに移転していったときに、心身の健康を崩している方々をどのようにケアしていくかということが重要になってまいります。  石巻市においては、こうした問題意識から、配付資料の最後のページになりますけれども、九ページにありますように、市内最大の仮設住宅、団地がございます。約二千戸を超える仮設住宅地域がございますが、この地域で入居する高齢者、障害者等の心身の健康悪化、若年入居者も含めた引きこもり、生活不活発病の増加が顕在化してまいっております。  そういうことで、今回、地域限定ですけれども、モデルとして包括ケア事業を進めることにいたしました。医師の大変な努力によりまして、ケアセンターを今回仮設の中に建設させていただきまして、設置することにいたしました。そして、このモデル事業を通じてできるだけノウハウを蓄積して、市内各地域地域包括ケアを本格展開してまいりたいと思っております。それによって、被災者が最後のお一人まで立ち直れる地域づくりを進めてまいりたいと考えております。  今後、政府によるガイドラインの改定に際しましては、どうぞ今後の被災者台帳、避難行動要支援者名簿の仕組みを活用させていただいて、市役所内部の防災福祉、町づくりの各部局が被災者の情報を共有して、その総力を結集することにより、被災者の救済といいますか、今後の健康維持に努めていきたいというふうに考えておりますので、今後、内閣府だけでなく復興庁とも調整をお願いし、被災者支援に直ちに活用できるものとしていただきますようにお願いを申し上げます。  最後になりますが、時間もありませんので、復興に当たっての国のスタンスについてですが、端的に申し上げますと、現場ニーズに合わせて各種制度を弾力的に運用し、被災自治体それぞれの創造的な復興を国自ら主導してほしいということでございます。  今回の大規模災害からの復興に関する法律案のように、復興基本的な枠組みをどうか事前に用意していただくことが必要だというふうに思っております。それにも増して国に求められるものは、被災自治体それぞれの創造的な復旧復興を国自ら主導するということも必要だというふうに思っております。新しい地域づくりあるいは町づくりの全く新しいモデルを創造するプロセスもしっかり組み込んでいただきたいというふうに考えております。  時間が参りましたので、以上で終わらさせていただきます。
  11. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 亀山参考人、ありがとうございました。  それでは最後に、磯辺参考人にお願いをしたいと思います。磯辺参考人
  12. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) 神戸新聞の編集委員をしております磯辺康子と申します。今日は、このような発言の機会をいただきまして、どうもありがとうございます。  阪神・淡路大震災が発生しました一九九五年の一月十七日以降、災害の取材を続けております。阪神・淡路の被災地だけではなく、国内各地の被災地に取材に伺いまして、特に被災者の生活再建、家族を亡くされた方々の復興の道のり、あるいはコミュニティーの再生というようなことに関心を持ってまいりました。十八年という歳月を振り返りながら、思うところを述べさせていただきたいと思います。  今回、大規模災害復興法案が国会で審議されているということに深い感慨を覚えております。復興という名の付く制度がようやく示された、十八年たってようやく示されたということにある種の喜びがございます。一方で、十八年もたってようやくということに怒りも感じております。復興に関する法の整備も、災害対策基本法の抜本的な改正も、阪神・淡路大震災以降、ずっと必要性が指摘されてきたものです。  十八年前に阪神・淡路大震災で六千四百三十四人の方が亡くなりました。その後も、孤独死あるいは震災関連死ということで亡くなる方がずっと続いています。そして、国内では、新潟県中越地震あるいは中越沖地震、能登半島地震岩手・宮城内陸地震、様々な災害が発生して多くの命が奪われてきました。この復興法案と災害対策基本法の改正というのは紛れもなく東日本大震災が、あの未曽有の大災害があったからこういうことが動き始めたということだと思いますけれども、私どもはこの十八年間、一体何人の人が亡くなれば制度とか法が変わるのかということをずっと考えてきました。  東日本大震災でこれほど多くの命が奪われてからようやく基本的な法の整備が進みつつあるということに、亡くなった方々には申し訳ないというようなことを思っております。そのことを冒頭、一言申し上げさせていただきたいと思います。  阪神・淡路大震災が起きた十八年前ですけれども、当然、日本には災害復興に関する法制度はありませんでした。あたふたと場当たり的な対応をする政府の下で、被災者はずっと苦しめられ続けてきました。その状況はその後の災害でも余り変わっていないように見えます。  二年前の東日本大震災が発生したときに、私は東京にたまたま勤務しておりましたけれども、政府はやはり混乱の中にありました。首都圏の計画停電であるとか帰宅困難者対策であるとか、そういうことに大変な労力を割いて、本当の被災地で何千、何万という人が亡くなっていっているということに、余り想像力がないんじゃないかというふうに感じた次第です。その後の被災者支援策、復興施策を見ていても、やはり場当たり的で被災者のニーズとかみ合っていないんじゃないかというふうに感じた次第です。  そういう意味で、今回、大規模災害復興法で復興の大枠を定めるということは大変大きな前進であると思っています。ただ、その内容についてはもう少しこれから踏み込んでいただければと思う点もあります。  これは、日本の復興施策全体に言えることですけれども、復興は被災した人々が中心になって進めるものだという観点がまだ薄いように思います。復興基本理念で、国と地方公共団体が「地域住民の意向を尊重しつつ協同して、」と書かれています。これは踏み込んだ表現だと思いますけれども、やはりもっと更に言えば、復興というのは被災者が国や自治体から意見を聞かれるんではなくて、被災者自らが自分たちの手でつくり上げていくものであって、そこを国が、自治体が後押ししていくという形でなければならないと思います。そうでなければ、被災者は自分たち自身の復興だという感覚を持ちにくいと思います。結果的に、復興した町を見て、こんなはずではなかったということになってしまいます。それは、阪神・淡路大震災でも起こっていることです。  復興法案には、「災害を受けた地域における生活の再建及び経済復興」ということ、「地域における」という文言が入っていますけれども、先ほど室崎先生が触れられたことにも共通しますが、私の考えとしては、やはり被災地域というエリアに限定せずに、被災した人間のそれぞれの生活再建という、そういうところに重点を置いていただくことが必要だと思っています。  阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも、災害に遭ってやむを得ず被災地を離れて暮らさなければならない人は大変な数に上ります。特に、福島県の場合は多くの被災者が全国に散らばっていて、被災地にとどまる人と被災地を離れる人には大変な分断といいましょうか、そういうものもあり、それぞれに大変苦しい思いを抱えておられます。  どこに住んでいても、何度避難をしても、被災者として復興の道のりを共に歩んでいけるという、あるいは必要な支援をどこにいても受けられるという、確実に受けられるという、そういうことが保障されている必要があります。阪神・淡路でも東日本でも、これまでの災害ではそこがしっかり保障されていなかったように思えます。ですから、支援の枠から外された被災者が孤立していって自立する意欲を失っていきます。被災者台帳を作れば済むというものではありません。そこにちゃんと人の支援のネットワークがなければ機能しません。そこの問題を是非考えていただければというふうに思います。  次に、災害法制全体の問題なんですけれども、室崎先生もおっしゃっていたことと重なるんですが、日本の災害関連法制というのは、災害が起きるたびに新たな法制度ができて継ぎはぎ状になっています。災害対策基本法、災害救助法、弔慰金法、それから生活再建支援法など、その時々、災害を契機に作られてきたという経緯があります。そのため、被災者の暮らしの再建を一本の道筋でとらえて支援するということができていないという状況にあります。短期あるいは長期にわたる被災者の生活再建の全体像をどう支援するのかという視点がなくて、被災者の方が制度に合わせていかなければならないという状況です。これでは被災者にとっては非常に苦痛です。大変な苦痛です。  その意味で、今回法改正で災害救助法を厚労省から被災者生活再建支援法などを所管する内閣府に移管するとか、そういうことは一歩前進であるというふうに思っています。ただ、これも阪神・淡路以降様々なところで指摘された問題で、やっと移管したのかという思いもあります。  また、災害救助法そのものの問題ですけれども、これもまだまだ改善の余地があろうかと思います。避難所や仮設住宅、あるいは救援物資遺体処理、住宅の応急修理などなど、救助法は被災者の生活再建にとって大変重要な支援を定めているんですけれども、その内容は通知などでがんじがらめにされております。大変被災者が使いにくい制度になっていると言わざるを得ません。一九四七年にできた非常に古い法律で、復旧復興が長期にわたるような大規模災害を想定しているとも余り思えません。この法律には被災者に現金支給を認める条文もあります。けれども、これまで政府はずっと現物支給にこだわり続けています。住宅の応急修理を受けると仮設住宅に入れないとか様々な運用があって、被災者にとっては疑問だらけです。この問題点も是非今後根本的に解決をしていただければと思います。  もう一つ被災者にとって大変重要な法律が被災者生活再建支援法です。これは阪神・淡路大震災を契機にできました法律で、被災者に現金支給をするという画期的な法律です。阪神・淡路大震災の被災者には適用されていません。けれども、阪神・淡路の被災者から、生活再建には最低限の資金が必要だという、公的支援をしてほしいという、そういう切実な声を受けて震災の三年余り後に議員立法成立したものです。  最初、この法律は支援金の上限が百万円でした。住宅再建に使えないという、住宅の再建をしたいのに住宅再建には使ってはならないという大変いびつな法律でした。その理由は、公金を使って私有財産である住宅再建を支援はできないというものでした。そのときには、年齢要件、年収要件もありました。その後、二度にわたる大改正があって、現在は支給額が最高三百万円になりました。しかも、今は使い道の制限がなく支給する形となって、年収や年齢要件もありません。  こうした法改正は、阪神・淡路大震災とか、その後の鳥取県西部地震とか、様々な被災地の声で大改正が成し遂げられてきたという経緯があります。  被災者生活再建支援法は、東日本大震災で財源の問題が指摘されて、今後の大災害に向けても財源の問題が懸念されていることと思いますけれども、この法律が被災者の血のにじむような努力でできてきたということを、それは忘れてはならないと思います。とにかく生活の基盤を立て直す最低限の支援が欲しい、資金が欲しいという被災者の声は切実です。それはどこでも、どの災害でも同じだと思います。被災者自身が苦労して訴えないと、そういう最低限の生活再建さえかなわないというふうな状況はもう終わりにしていただきたいと思います。  生活再建支援法も、半壊の住宅は対象にならないとか、店舗は対象にならないとか様々な問題がありますけれども、この法の成立過程を心にとどめていただき、被災者の切実な声を今後の災害法制の見直しの中で生かしていただきたいというふうに思います。  最後に掲げている長く過酷な復興の道のりという点なんですけれども、阪神・淡路から十八年、ここに新聞記事を幾つか御紹介しましたが、復興の道のりというのは大変厳しいものです。私が最も深刻に考えていること、とらえていることは、やはり震災関連死です。  阪神・淡路大震災の六千四百三十四人のうち九百人を超える人が関連死です。地震そのものではなくて、避難の途中であるとか、阪神・淡路の場合は避難の途中ということは余りないですが、避難所の環境の悪さとか、持病の悪化とか、そういうことで多くの人が亡くなっています。つまり、震災で生き延びた九百人以上の命が奪われたということになります。その多くが高齢者です。これほど発展した先進国で、震災を生き延びたのに、どうしてその後死なないといけないのかということをずっと思っています。  大災害が起きれば、こういう震災関連死の問題は発生するということは従来指摘されてきたわけですけれども、東日本大震災でもその発生をしっかりと防ぐことはできていません。もう既に二千六百人を超える震災関連死が発生しています。震災で助かったのに二千六百人の人が亡くなっている。これは、認められている数だけでそれだけです。  資料に、新聞記事に、お配りしたものにも関連のことがあるんですが、関連死というのはいわゆる災害弔慰金の支給が認められた人ということで、支給を認められていない人でもたくさんの関連死があります。仮設での孤独死とか、阪神・淡路の場合は二百三十人を超えましたけれども、こうした人々は関連死として公式のデータには上がってきません。自殺者も含まれていない人がかなりの数います。東日本大震災でも、実際に表に出ている以上に多くの人が震災の影響を受けて今このときも亡くなっているというふうに思います。実際、関連死であっても、弔慰金を申請する遺族がいなければ、全くデータには上がってきません。新聞記事にありますように、阪神・淡路の場合、災害公営住宅での孤独死は昨年までの十三年間で七百七十八人に上っています。これも把握できた数で、それ以上あるのかもしれません。  被災者にとっては、十年とか二十年という時間で震災あるいは復興は終わるものではありません。阪神・淡路は、仮設住宅の入居者がゼロになるまで五年掛かりました。東日本はもっと甚大な災害ですから、これ以上の年月を要するのかもしれません。被災したマンションには、十年以上たっても建物に全く手が着いていないというところもありました。区画整理事業は十六年でめどが付きましたけれども、再開発はまだ多くの問題を抱えて、終わっていません。  申し上げたいのは、復興に時間が掛かってはいけないとか、復興に時間が掛かるのが問題だとかそういうことではなくて、復興には時間が掛かるんだということを申し上げたいと思います。様々な利害調整があって大変長い時間が掛かります。当然、精神的な傷もずっと残ります。それを死ぬまで抱え続ける人もいます。  東日本大震災は、震災から二年ですけれども、まだまだスタートラインだと思います。被災した人としていない人の時間のとらえ方のギャップというのは大変なものがあります。被災地の外の人にとっては、二年たてばかなり復興が進んでいるのかなというような感じ方をされる方もあるでしょうが、被災地の中にずっと住んでいると、日々全てが生活再建の道のりです。そういう感覚を持って、今後の大災害でも事前の対策あるいは復興のプロセスというものを考えておく必要があるということを申し上げたいと思います。  法整備はこのように進んでいっていると思うんですけれども、重要なのは、その法整備が本当に被災者を救う力になるのかという、そういうことだと思います。その点を申し上げて、私の意見を終わらせていただきたいと思います。  御清聴ありがとうございました。
  13. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 磯辺参考人、ありがとうございました。  以上で参考人の皆様からの意見の聴取が終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。  なお、質疑は着席のまま行っていただいて結構でございます。
  14. 林久美子

    ○林久美子君 ありがとうございます。民主党の林久美子でございます。  参考人の先生方、今日はお忙しい中、こうしてお越しをいただいて、大変に有意義な御意見をお聞かせをいただきまして、どうもありがとうございました。  時間も限られておりますので、早速先生方に御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  先生方にとってはもう釈迦に説法で恐縮でございますが、今回の質問をさせていただくに当たって、東日本大震災におけるお亡くなりになられた方の状況を改めて確認をさせていただいてまいりました。  その結果、東日本大震災では、岩手、宮城、福島の被災三県でお亡くなりになった方のうち、先ほどもお年寄りと障害をお持ちの方のお話が出ましたけれども、六十五歳以上の方が五六・一三%、また障害のある方の死亡率は一・四三%で、全体の死亡率〇・七八%のおよそ二倍ということになっています。つまり、お年寄りや障害のある方がやはり多く犠牲になられたということかと思います。  避難に必要な情報が届かなかったとか、あるいは避難すべきかどうか判断できなかった、さらには介助をしてくださっている方も老老介護の状況で二人で逃げるだけの力がなかったとか、いろんな要因があったかと思うんですけれども、今回の法改正によって、こうしたお年寄りとか障害のある方とか弱い立場にある方たちがしっかりと、もちろん健康な方も含めてですが、救われるのかどうか、非常にこれは重要なことだと思います。  今回、法改正によって、こういう高齢者や障害のある皆さんを始めとする避難行動要支援者あるいは要配慮者について市町村に名簿の作成義務を課して、そのために、先ほども先生方からお話がありましたが、個人情報保護というのがある意味では見えない大きなハードルになっていたものですから、それについても目的外の利用も認めることとしておりますし、御本人の同意を得た上で慎重に消防機関や警察、民生委員などの関係者の方に名簿を提供することができるというふうにもなるわけでございます。  しかし、実は既に平成十八年に災害時要援護者の避難支援ガイドラインというのができていて、市町村に対しては全体的な避難支援プランと要援護者一人一人に対する個別計画を策定するように国はこれまで既に求めてきたわけでございますし、情報の共有化ということも福祉部局が持っている情報を例えば防災部局とかと共有するようにということも提唱をしてきているわけです。  にもかかわらず、現在、例えば個別計画の策定状況で見ると、個別計画を策定しているというところはまだ二八・八%、未着手が一二・三%もあるということでございます。そうした状況を見ると、今回法律ができて、それはそれで非常に重要なことだと思うんですけれども、いかにこれが本当にちゃんと機能するのかということに全てが懸かっているんだろうと思います。  そうした点において、いかにしてこうした実効性を、いざというときに動ける状態を担保するべきなのか、まずは室崎先生に御意見を伺いたいと思います。
  15. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) まず、大きく二点お答えをしたいと思うんですね。一つは、今御質問は、多分やっぱり、今までもそういう避難者のガイドラインが出ているのにどうして十分進んでいないのかと。その一点は、やはり個人情報の考え方が非常に狭く考え過ぎていて、現場サイドに行くとなかなかその情報が出てこないという実態があった。それはとても大きいと思うんです。ですから、その点につきましては、今回の改正で相当改善をされるのではないかという、まさに個人情報と避難との関係が明確にされましたので、これに基づいて進むのではないかというふうに思っています。  それからもう一点は、これはやっぱり我が事として地域コミュニティーが一人一人のお年寄りに手を差し伸べるという仕組みがないといけない。行政が、何か上からお年寄りなり要援護者の計画を作りなさいということではなくて、コミュニティー単位で、誰が誰を誰と一緒にどう行くのかというような非常に個別性、具体性を持った計画にまでしていかないといけないというふうに思っていて、そこの取組が今まではそれ不十分であった。  今回の改正でいうと、地区防災計画という中身がよく分からないところもあるんですけれども、でも、今までの行政単位の防災計画じゃなくて、小学校単位だとかコミュニティー単位でもう少し細かく作りなさいと。これは、地元の発意で作りなさいという形になっていますので、そのプロセスの中で、僕は、コミュニティー単位で、誰が誰を一緒に逃がすのか、どうするのかということを具体的に考える中で、やはりもう少しリアリティーのある問題、切実な問題として受け止めていただいて進むのではないか。ただ、それを単に、じゃ、今度はコミュニティーに押し付けてはいけないので、それを行政が後ろから上手に後押しをするという関係をどうつくるかということだろうというふうに思っています。  ちょっとお答えになったかどうか分かりませんが、以上でございます。
  16. 林久美子

    ○林久美子君 ありがとうございました。  では次に、斎藤先生にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、実際に今お話がございましたが、地域のコミュニティーが大事だということですけれども、例えば夜中に大きな災害が発生をして、例えば耳の聞こえない方がお一人でお暮らしになっていて、家に鍵を掛けて寝ていらっしゃったと。じゃ、その人たちをどうやって助けに行くのかと。誰かがピンポン鳴らしても、耳が聞こえなかったら気が付かないし、寝ていたら目が覚めないかもしれない。じゃ、日ごろから誰かが鍵を持っていて鍵を開けるのかどうかみたいな話も含めて、実際に人を助けようと思ったときにどう動くのかというのは非常に実は難しいんだというふうに私は思っています。  実際に、今も、先ほどの名簿の話ありますけれども、今回もいろんな方に御本人の同意を得た上で配れるようになっていますが、ちょっと調べてみると、既に今九四・九%が民生委員の方なんかには名簿を渡しているわけですね。しかし、御存じのように、民生委員さんもいろいろ日常やらなきゃいけないことに忙殺をされていて、割とお年を召された方も多いですし、そういう中で、じゃ、どうやってそういう人たちを連れて逃げるのかと。  そこで、先ほど斎藤先生もおっしゃっていましたけれども、例えば名簿も官民で共有したらどうだみたいなお話もありましたが、ここで、例えば運送会社の方であれば、地域に物を配っていらっしゃって非常にどこにどういう方が住んでいらっしゃるかよく御存じかもしれない、まさに官民連携で具体的なアクションを起こすときにも大きな力を発揮いただけるのではないかと思いますけれども、その辺りについてのお考えをお聞かせいただければと思います。
  17. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) 官民連携、確かに大事ですし、神戸の地震の例ですと、人を助けた方の九割以上は民間人によって助けられていると。それも、日ごろ見守っていたコミュニティーほどそういったことが自発的に行われていたということは、我が国にとってそういったコミュニティーの一体というのは大事だと思っております。  ただ、もちろん地方もそうでしょうけど、都市部ですとなかなか隣近所が何をやっている人かというのが分からないというような問題もございます。そういったところを引き続き改善する必要があるのかなということは考えております。その中で、例えばICTの中で、最近はフェイスブックとかいろんな結ぶ手段がございますので、そういうバーチャルなコミュニティーの中でうまくそういった人たちを取り込めるような取組というのが逆に都市部ほど必要なのかなというふうに思っております。  それから、長くなりますが、帰宅困難の問題で、例えば企業に三日とどまれといっても、お子様が保育所でありますとか学校に預けておりますと、やっぱり子供が心配で帰らなければという人がたくさんいます。それで、そういったときは、学校単位あるいは保育所単位でそういった情報をうまく働いている方と共有できるというような仕組みというのもやらないと、ただ企業に三日とどまるようにといってもなかなかうまくいかないと。そういったような連携というのは今後必要ではないかと思っております。  お答えになったかどうか分かりませんが、よろしくお願いします。
  18. 林久美子

    ○林久美子君 ありがとうございました。  それでは次に、亀山参考人にお聞かせをいただきたいと思います。  まず、本当に被災地で大きなお力を発揮いただいて、今まさに復興に全力を尽くしていただいているということに改めて感謝を申し上げたいと思います。大変な想像を絶する御苦労の中で日夜業務に当たっていらっしゃるのではないかとお察しをいたします。  その中で、先ほども幾つか自治体のトップとして取り組まれているお話聞かせていただいたんですが、その中でちょっと是非教えていただきたいのが、避難路のお話がありました。東日本大震災以降、例えば学校を新たに耐震化するとか建て直すとかいうときにも、避難路の話は割とセットできちっとしていこうということで今やりつつあるかと思うんですが、実際に今現地でこの避難路の整備は進んでいるという実感がおありなのか。逆に、ないとすれば、どの部分がハードルになっていて、国はどういう具体的な制度改正をすべきだとお考えでいらっしゃるのか、お話をお聞かせいただければと思います。
  19. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 避難路については、実際にはやっと今回の六月の補正で道路整備をすると。今ある避難道路というか、道路を避難路にするために改修工事、それの予算化がこの六月の定例議会で提案するという状況にありますので、避難路の整備、確保についてはこれからでございます。  それから、これまで沿岸部で、石巻の場合には海岸沿いに東西に走る道路は整備されていたんですけれども、今回の津波災害を通して、やはり内陸部に逃げる道路を整備していかなきゃいけない。南北道路の整備が重要な今後の避難道路に位置付けておりますけれども、なかなか財政的な支援が、復興庁からの理解がまだ得られていないという状況にありますので、どうしても私どもとしてはこの避難道路の確保をするために引き続き要望していきたいというふうに考えております。少しずつ、今まで復興庁の場合には住宅の再建がどうしても最優先ということで、それは私どもも分かっておりますので、今後は、少しずつフェーズが動いてきていますので、やはり避難道路の確保のために財政的な支援を求めていきたいというふうに考えております。
  20. 林久美子

    ○林久美子君 ありがとうございました。  財政的な支援ということでございますので、これは与野党を超えてしっかりと取り組ませていただければと思います。  では最後に、磯辺参考人にお聞かせをいただきたいと思います。  先ほど、復興の陰で、そのときに災害で助かった命が災害の後でこれだけ奪われる国が先進国と言えるのだろうかというようなお話がございました。先生がお書きになられた記事の中で、お姉様が被災地から引っ越されて、最初喜んでいらっしゃったけど、その震災のことを話す相手がいなくなって自ら命を絶ってしまわれたというような記事も拝読をさせていただきました。  ここには、御本人が動きたいという意思が最初働いたり、いろんなことがあったんだと思うんですけど、寄り添いましょうとか、みんなできずなを深めましょうとかいうことは言えるんですけれども、じゃ、実際にどういう立場の人をどういうふうに被災者の方に寄り添っていただくようにすればいいのかという、非常にちょっとふわっとした質問で申し訳ないんですけれども、何か御示唆をいただけると有り難いと思います。
  21. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) ありがとうございます。  今回の東日本大震災でも阪神・淡路大震災でも、やはり民間の力というかボランティアの力というのは非常に大きなものがあったと思います。そういう人たちが自ら課題をどんどん発見していって、被災者の方に、自ら考えながら、こう寄り添ったらいいんじゃないかとか、こういう方法なら何かつながりが生まれるんじゃないかとか、そういうことを知恵をどんどん出し合ってやってきたということはございますし、それはこの十八年間、大変進んできたとは思います。  けれども、ボランティアというような、そういう形式張ったというか、そういう形ではなくても、今回、東日本から兵庫県にも多くの方が避難してきていらっしゃいますけれども、ボランティアというよりは一緒の地域の住民ですよねという形で、一緒にこの地域で過ごしていきましょうというような形で、かなりおせっかいな感じで声を掛けたり、そういうことをしていらっしゃる団体もたくさんあります。そういう人の輪というのは非常に被災者を救っているなというのが実感です。  一つ申し上げたいのは、やはり被災者の心情というのは大変揺れます。あるときはもう住宅再建するぞという非常に前向きな気持ちを持っていらっしゃっても、その二年後にはやっぱり無理だと非常に落ち込んだり、五年、十年、その流れの中で大変気持ちが変わっていかれます。その気持ちをただ横で寄り添って受け止めるという、そういうことだけでも随分被災者の心が軽くなるんだなというのがこれまでいろんな方と接してきて思うところです。
  22. 林久美子

    ○林久美子君 ありがとうございました。
  23. 末松信介

    ○末松信介君 自民党の末松信介です。  今日は、四人の先生方には大変貴重なお話をちょうだいをいたしまして、本当にありがとうございます。  最初に、室崎先生にお聞きをします。私、先生のお話を伺うんですけれども、先生は私のことを余り御存じないと思うんですが、よろしくお願いします。  災害対策基本法の一部を改正する法律案を読んだんですけれども、木を見て森を見ずと、細かくいいこと書いているんですけれども、なかなか全体像がつかめないので、ようやくこの一枚紙の最初の法律第一弾、第二弾の改正を見比べて分かりました。  それで、今回、コミュニティーレベルの計画として地区防災計画が市町村地域防災計画の中に定められることになったわけなんですけれども、私は、自助の精神というのを、つまり住民参加型の自発的な行動計画として位置付けられることというのは意義があると思うんですけれども、自助を強調し過ぎますと、自助の限界というのは大変早い段階で限界を露呈してしまうというんでしょうか、災害弱者、やっぱりしっかり見守ってやらなきゃならないということ、このことを感じるんです。  ただ、私、先生にお聞きしたいのは、その災害対応について、その時代のその時点の公助の限界というのはやはり国民に知らしめる必要があるのかどうかということを、このことを先生にお聞きしたいんです。高知県の黒潮町に三十四メートルの津波が来るかもしれないという想定がありますけれども、三十四メートルの堤防は造ることはできないと思うんです。やっぱり逃げる道を探すしかないと思うんですけれども、この点を一点お聞きをしたいんです。  それと──先生、続けてもよろしいですか。林先生もちょっと触れられましたが、私、緊急避難場所についてですけれども、一時的に難を逃れるのが緊急避難場所に対して、中長期的にわたって被災者が生活する場所が避難所とされているわけですけれども、ハザードマップ等を通じて周知徹底することがほぼ義務付けられているというように解釈しています。住民にその相違点を分かりやすく示す必要があろうかと思うんです。第一、この指定緊急避難場所と指定避難所は相互に兼ねてもいいということになっておりますので、余計混乱するおそれもあるわけなんですけれども。それと、今のお話にあった避難行動支援名簿の作成ですけれども、大変な作業が要ると思うんです、地道にやらなきゃならないという先生のお話があったんですけれども。どこかの新聞は、災害弱者名簿、形だけと書いているんですよね。大阪府〇・四、千葉県四%という、そういう記事もあったんですけれども。  私は、やはりこの法律案というのは、仏を作ってどう魂を入れていくかということになってくると。だから、いかに人材を育成していく必要があるかということに懸かってくると思うんです。これはもう政治家もそうですし、行政もそうでしょうし、民間もNPOも通じてなんですけれども、うまく運用できるポイント、先ほどお述べになっていただいたんですけれども、更に追加して、これだというようなことがありましたら、先生、御指摘いただけませんでしょうか。
  24. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) とても難しい質問なんですけれども。  まず一点目は、自助、公助、共助の関係をちょっと私の御意見を申し上げたいと思うんですけれども、僕は自助と公助はフィフティー・フィフティーだと思うんです。自助は自己責任、公助は社会責任で、これは責任と義務を伴います。だから、ただ、どちらが重要かとかどちらが余り大切じゃないということではなくて、僕はフィフティー・フィフティーでどちらもそれぞれが自分の持てる力を全て発揮して責任を果たすという。  なお、その上で、これは限界があるのは当然です。自助も公助も限界のないパーフェクトなものはなくて、大規模な災害になればなるほどちっぽけな人間の力って限られているわけですから、それを果たすことはできないわけです。その自助と公助の足りないところを共助とか互助とかそういうボランティアケアだとかコミュニティーケアで補っていく、あるいは、これは非常に人間としての助け合いみたいなもの、それがうまく組み合わせるということだと思うんですね。  そういう意味で、公助の限界を知らせるかどうかということにつきましては、これは二番目の御質問とも関係するんですけれども、やっぱり一人一人の国民の意識、考え方を、これはどう言ったらいいんですかね、啓発をしていくというか、正しい考え方、正しい理解、正しい知識を持っていただくようにやっぱり教育、研修をしっかりしていく。  ただ、それをするのは公の役割なんです。だから、学校の先生と生徒のような関係で、生徒自身は勉強する気がないといけないわけですけど、学校の先生が生徒の宿題をしてしまってはいけないわけです。ちゃんと力を付くように、地域のコミュニティーなり一人一人の国民が、しっかり災害危険性なり、そういう例えば避難場所と避難所の区別がちゃんとできるように、それはやっぱり繰り返し教育とそれから実際の訓練、コミュニティーレベルの訓練の中でそれは身に付けていく問題だろうというふうに思いますので、僕は、ハードウエア、ソフトウエア、そこにヒューマンウエアという、やっぱりそこの部分を忘れずにしっかり心掛けていかないといけない。  ただ、それは個人の問題にしてしまってはいけない。意識が低い、あなたは意識が低いから死ぬんだとかということではなくて、そういう意識の高い国民をどう育てるかということを公がやる、これについては公の限界は僕はないと思うし、しっかりサポートして国民を応援すればいいんではないかというふうに思っています。  以上でございます。
  25. 末松信介

    ○末松信介君 ありがとうございます。  次に、石巻の亀山市長さんにお聞きをしたいと思います。  私、兵庫県の選出の神戸市出身の議員なんですよ。阪神・淡路大震災のときは県会議員をずっとやっておりました。だから、復旧復興途上は見てきたわけなんですけれども、大変な御苦労をされておられますことに本当に感謝と敬意を表したいと思います。  私は、阪神・淡路大震災のときの焼け跡とかビルの倒壊跡を見て恐怖感を感じたんですけれども、石巻のあの状況を見て、瓦れきの荒野を見たら力がなくなる、虚脱感、脱力感を感じた、そういう大きな違いがございました。  三月の二十三日に石巻の市役所に行きました。待合室は避難者の方がもうおられまして、そこで一生懸命職員の方が仕事をされていたんですけれども、兵庫県の応援職員に会うことができたんですけれども、その方々といろんな意見交換を最近もずっとやっているんですが。  そこで、今日のお話はちょっと懸け離れるんですけれども、実は兵庫県から宮城県へ百三十人の職員が応援に行っておられます。兵庫県警の二十一名も合わせて、含んでおりますね。技術屋さんが不足しているとか、事務の方も不足しているという話も聞くんですけれども、自主的に兵庫県が応援に出しているというんでしょうか、行っている職員、つまり県が元々派遣している職員ですね、この方が一つ。もう一つは、被災地からの要望を取りまとめて総務省からの要請を受けて派遣している職員がおられるんです。市長御存じのとおり、任期付きでOBなど雇用をしております。兵庫県は三十名なんですけれども、県も行革を進めていますから、やりくり大変なわけなんですよね。  こうした大災害が起きた場合は、任期付職員の採用などはもう国が統一的に行って、そして割り当てていった方が効率的で効果的じゃないかということを、そういうことを言っているんですけれども、私は現場のことがよく分かりませんので、市長の御見解を伺いたいということ。これは、大規模災害復興に関する法律の五十三条、五十四条の職員の派遣の要請に関係してくる話でもあるわけなんですけれども、お教えをいただきたいと思うんです。  それと、相変わらず国への調整のための書類提出が多いという御意見もあるんですけれども、これは事実か否か、教えていただきたいということ。  それと最後に、市長が今、いろんな悩みがあるんでしょうけれども、一番悩んでいること、苦しみは何かということ、差し支えなければお話しください。三つです。
  26. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 発災から、たしか三月十一日から二週間後だったんですけれども、二十三日に関西連合の兵庫県それから徳島県、鳥取県の皆さんが石巻に入っていただきました。そういった、現在、もう本当に混乱している中で、避難所の運営とかあるいは罹災証明の発行とか、いろんな事業にお手伝いいただきまして、本当にありがとうございました。多くの職員の方々が震災に駆け付けていただきまして、いろいろと、今時点でも約百六十数名の方が、圏域外の職員の方々が復旧復興にお手伝いをいただいております。本当にありがとうございます。  そういった中で、やはり大規模災害になった場合に、こちらから要請したわけではなくて、本当にプッシュ型で入っていただいた職員の方々も大勢おりますけれども、これは、私、被災地からすると、やはりいち早くそういう任期付職員とかあるいは技術者を持った方々の雇用を進めていただいて、そして被災地に送り込んでいただくということが一番被災地にとっては有り難いと思っておりますし、効率よくできるんではないかというふうに考えております。  一点目はそれだったですね。二点目については……
  27. 末松信介

    ○末松信介君 二点目の質問は、まず、国への書類提出が多いかということと、お悩み、一番悩んでいる点、教えてください。
  28. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 二点目は、国との調整については、今、かなり国から担当の方が頻繁に入っていただいておりますので、そういう意味では、今は復興事業については非常にスムーズにいっております。そういう意味では、本当に、地元に入ってそして支え合っていただいているということで、大変有り難く思っております。  それから、今一番やっぱり私どもが苦労しているといいますか、住宅の再建を今進めているわけですけれども、やはり土地の買上げ、これがまだ石巻の場合遅れておりまして、どうしても、国土調査が終わった地域は間もなく買取りを始めるんですけれども、まだ国土調査が済んでいない地域が特に被災した南浜町とか中心部に多いものですから、そこのこれからの測量が入ってくるということで、買上げするまでにこれから一年近く更に掛かってしまうというようなことで、それが買上げが進まないとなかなか住宅の自立再建もままにならないというところもありますので、何とかその辺の進め方については、これまでも御指導いただいておりますけれども、自治体としてもとにかく加速していきたいというふうに、それが一番今課題として残っております。  以上です。
  29. 末松信介

    ○末松信介君 磯辺参考人にお聞きをします。  東京におられて東日本大震災災害取材もされましたし、阪神・淡路大震災からずっと災害の取材、報道を続けてこられたと。関西の新聞業界では大変著名であるということをお聞きをしております。  それで、私、お聞きしたいのは、非常に災害弱者の方に視点を置かれているということを感じるんですけれども、私が思うのは、どういうんでしょうかね、磯辺参考人が書いておられることで、特に日本の災害法制というのを、あるいは災害対策基本法、災害救助法、災害弔慰金法などパッチワークだとして、しかも防災対策や短期的な救援しか考えていない、中長期的な法制度が必要だということを述べておられるんですけれども、これはある面で一つのパッケージとして、災害に遭ってそして自立していくまでの法律をパッケージにしていった方がいいのかどうかとか、どういうようにしていくことが一番正しい方向性なのかということをお考えかということをお聞きをしたいと思うんです。  それと、復興は十年、二十年で終わらないということをおっしゃっておられます。正しいと思うんです。私の事務所に勤めている常勤職員も、長田区でケミカルシューズの経営をされていたんですけれども、工場が焼けて借金をして事業を再開したんですけれども、結局十年後に閉じてしまった、自主廃業してしまったんですよね。  非常にそういった方々がおられるんですけれども、やはり災害に対して被害に遭ったときの年齢、資産、被害の大きさによってこれ異なってきます。被害に遭っている場所によっても異なってくるわけなんですけれども、いろんな意味でのそういった災害の弱者という方がおられると思うんですけれども、どういう視点が今後起きてくる災害において考えなきゃならぬ視点になってくるかという点、高齢化はよく言われるんですけれども、この点、もし先生の方で考えられるものがありましたらお話をしていただきたいと思います。
  30. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 磯辺参考人、大変恐縮ですけれども、末松委員の質問時間超えていますので、簡潔に御答弁をお願いします。
  31. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) ありがとうございます。  一つの法、災害関連法制を一つのパッケージにしていくというのはとても大事なことだと思います。室崎先生も指摘されておられましたけれども、やはり災害法制を全体を体系化していくという視点が今後求められるんじゃないかなと思います。その形はどういうふうになるのかというのは、私はちょっと法律の専門家ではないので分からないんですが、やはり全体を見通した視点というのはとても必要だと思っています。  災害弱者のことについて言うと、やはり高齢者、障害者についてはかなり対策が進んできているようにも思うんですけれども、例えば首都圏などで大災害が起こった場合には、外国人の多さというのは大きな問題になるのではないかというふうに思います。阪神・淡路でもそうでしたけれども、やはり言葉の分からない方、なかなかコミュニティーに溶け込みづらい外国人の方々が支援の網の目からこぼれていったということがございます。そういう方々がたくさんおられるという、言葉が分からない方がたくさんおられるというようなことも考えていただいて対策をしていただくというのが必要じゃないかなと一点思います。  以上です。
  32. 末松信介

    ○末松信介君 斎藤先生、済みませんでした。時間なくなりました。
  33. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男と申します。  今日は、参考人の皆様から貴重なお話を聞かせていただきまして、大変有り難く思っているわけでございます。  それでは、早速参考人の皆様に更にお話を聞かせていただきたいと思うんですが、まず室崎益輝参考人にお伺いをしたいと思います。  先生から資料をいただいて、大変いろいろな防災の考え方といいますか、頭の整理ができて非常に有り難いなと思っておりました。特に、先生おっしゃっている四つの足し算というのは、時間の足し算、手段の足し算、空間の足し算、人間の足し算と、そういうことを頭で整理しながら対策をつくるのが大切だということで、大変参考になったわけでございます。  先生の論文等を見させていただいて、特に首都直下型地震の備えというのが非常に大事だということが書かれておりまして、その中で、特に出火防止を徹底するということが書かれておりまして、私どもも、公明党としても、木造密集地域の消火というか防火が大切だということで、消防バイク等をきちんと備えることが大事だというようなことを主張はしているんですが、先生の目から見て、首都直下型地震のときの出火防止対策というのはそのほかにどういうことが考えられるのか、どういうところをきちんと注意してやっていったらいいのか、その点お伺いをしたいと思います。
  34. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) 出火、首都直下の火災対策についての御質問でございますけれども、まず私がとても危機感を持っているのは、まさに東日本で最悪のケースを考えないといけない。東日本の場合は、まさに前例のない大きな津波がやってくるということですけれども、じゃ首都の場合、最悪のケースって一体何だろうかということなんですね。  それは、私は関東震災当時と現代を比べると、木造密集地は今の方がより広範に広がっているという現実があるので、決して安全にはなっていないと。そこで関東震災と同じようなことが起きたら一体どうなるかというと、東京中が火の海になってしまう。そのことによって、僕は、無数の命が奪われるし、それから、かつそのことが、そういう映像が世界中に広がったときに、日本のいろんな意味での経済的なダメージから始まって、いろんなところに非常に深刻なダメージが起きるであろうと。  そういう意味でいうと、やはりこの火災対策というのは相当思い切って力を入れないといけない。ところが、現実にそこで取られている対策というのは、例えばバケツリレーで、自主防災組織を組織してバケツリレーで消すんだとか、もう一つは耐震補強すれば火事がなくなると。これは限りなく間違いである、これは私の個人の意見ですけど、家が壊れるから火事が出るんではなくて、地面が揺れるから物が落ちたりして、あるいはガスの配管が壊れたりして火事が起きるんであります。そうすると、やはりバケツリレーだけではとても防げないということになっていきます。    〔委員長退席、理事末松信介君着席〕  じゃ、根本的には燃えない町をつくる、要するに不燃化を図るとか、それからグリーンベルトの遮断帯を縦横に配置をするというのが理想論ですけれども、これはとても、今の日本の実情からいうとやはり相当時間が掛かって、多分首都直下には間に合わないということになります。となると、最後に残されたのは火事を出さないという方法しかない、あるいは出たらすぐに消すという方法であります。  出たらすぐに消すというところは、やっぱり自主防災組織の問題もありますけれども、僕は消防団の役割はすごく強くて、やっぱりそういう、それだけのために消防団を増やせとはなかなか申しにくいんですけれども、地域でしっかり消せるようなそういう体制をつくることが一つと。  もう一つは、出さないようにということで、それはどうして火事が出るかというと、あと、いろんな原因を分析しないといけませんけど、ウエートが高いのは通電火災なんですね。直後にガスの配管が壊れてガスが漏れます。そこに大都市の場合は自動的に電気が自動回復をして戻ってきます。火花が出ます。一斉にそれが火が付くというのが阪神大震災のときの教訓である。  そうすると、出さない仕組みというのは、感震ブレーカーだとか感震コンセントだとか、まさにそういう火事を起こす火種を断つという技術をしっかり普及していけば相当数火事が減るわけです。減った部分を消防団とか地域コミュニティーで消していくということをしっかりやれば、火事の件数が減れば市街地全体が火の海になるということが防げるというふうに思っております。  以上でございます。
  35. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 次に、斎藤仁参考人にお伺いをしたいと思います。  一つ、今回の東日本大震災復興に当たって、課題として、資材が高騰してしまうということで、あるいは人件費等も高騰してしまうということで、それが一つの復興の足かせになっているという現場のお話を聞きます。  日本経済団体連合会としまして、こういう資材高を、ある程度上がるのは、少し上がるのはやむを得ないとしても、適切なコントロールができないものかという考えがあるんですが、この点もし何か御発言があれば、経済界の協力といいますか、そういうものがもし御意見がございましたらば、お聞かせいただければというふうに思っております。
  36. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) なかなか難しい問題でございまして、特に独禁法との絡みもありますので、マーケットエコノミーと違うことをやるからには、その辺も含めてある程度官民のがないと、なかなか民間だけ、あるいは一企業だけでできない問題であるとは思っております。  ただ、やはりこれ、建設業等が人手不足とかいろんな問題が言われていますが、長年の構造的な問題というのが結構あるのではないかと。特に、地方経済を見ていますと、なかなか、この十年間ぐらいに減ってきておりまして、そこに急に需要が起きても、それに対して当然応募できるのが限られていますから結構高くなるとか。  やっぱり、日本全体の経済構造、産業構造の中で、防災という観点も踏まえてやらないと、根本的な解決にはならないと思っております。直接的な解答は非常に難しいというのが回答でございます。
  37. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 続いて、斎藤仁参考人にお伺いしたいんですが、企業の方もいろいろ防災対策では御努力をされているということで、事業主の立場からすれば、会社員の方々がそういう防災対策に協力をしてボランティアとして応援をするということもいろいろあったと思うんですが、経団連としては、そういう会社の社員等がボランティアで行く場合の何らかのインセンティブ、支援措置というようなものをお考えになっていれば、またお聞かせをいただきたいと思います。
  38. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) 私ども、一%クラブというのがございまして、私、たまたま事務局長をしておりますが、企業ボランティアを派遣してほしいということで、いろいろNGOの方とも組みましてモデルのプログラムを幾つかつくりました。その後、企業の方が独自に直接、石巻でありますとか七ケ浜とかいろんなところに出向いて入っておりますが、その中で、企業として強制はできませんが、一番効果がありましたのは、社長とか役員が一緒になって行くと。そうすると、社員の方も非常に、社長がこれだけやる気なんだからということでたくさん行く。あるいは、研修の一環として会社がある程度費用を、交通費とか宿泊費も負担して行くというようなことも出されております。  私どもの調べでは、半年間で延べ十八万人が企業ボランティアとして参加し、そのうち八割以上の方はこれまで経験がなかった、しかも今回、三十代、四十代の働き盛りの方がそういったボランティアの活動に参加したというような資料も出ております。もし必要でしたら、詳しくまた先生の方にお届けします。
  39. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 ありがとうございます。  それでは、石巻市長亀山紘様にお伺いをしたいんですけれども、本当に石巻は大災害、被災が大きくて本当に大変だったというふうに思っております。私も、医師出身の議員でございますので、石巻の日赤病院の方に少し遅れてしまいましたけれども駆け付けて、皆さん必死で頑張っている状況というものも伺ったわけでございます。  それで、今回の地震、津波の関係の災害では、神戸、阪神・淡路とは違って、建物の崩壊でけがというか、そういう圧死あるいは圧迫での外傷というのはそれほど大きくなくて、津波による直接の溺水等々でなかなか救急というのは非常に難しかったと。その一方で、やはり高齢化が進んでおりますので、要支援者あるいは要介護者で施設に入っている方々等々の対応というものがやはり大事だということを認識をしたわけでございます。  それで、私は、DMATあるいはJMAT、様々な医療関係者が応援をするというものだけではなくて、そういう介護の関係の方々が被災地を支援をして、少し、亜急性期といいますか、一か月前後あるいは場合によっては数か月支援をすることが大事だということで、DCATというような形で、仮称で、国もしっかり支援をすべきだということを主張して、国の方も対応していただいているんですが、石巻あるいは宮城県でそういう介護関係の方々が災害時に応援をするという体制が徐々に整っているというお話を聞きましたけれども、石巻近隣ではそういう動きというのはどのような状況になっているんでしょうか。もし市長、御存じであれば。
  40. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 発災直後に、本当にDMATの皆さんが石巻赤十字病院を拠点に活動していただきました。救命活動、徹底してしていただきましたので、大変助かりました。  そういった中で、今仮設住宅に入っている高齢者の方々、あるいは今後、復興公営住宅に移動していく過程で、やはりその辺の、引き続き高齢者の方々を支えていくために、医師それから看護師、そのほか福祉士、いろんな方々との連携をすることによって、今後十年あるいはそれ以上の長期にわたって被災者の方々を見守っていきたいと、そういうふうに考えて、今地域包括ケアセンターをモデルとして立ち上げて、今後しっかりとその辺の連携とそれから課題の抽出に努めていきたいというふうに考えております。
  41. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今、先ほどもお話ございました地域包括ケアの推進ということで、包括ケアのモデル事業として仮設で頑張っておられると。今そういう事業を行っていて、課題といいますか、こういうところがちょっとやっぱり解決しなきゃならないというようなものを、もしございましたらばお伺いをして、解決に向けて私たちも努力したいと思いますが。
  42. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 実際に、市立病院も今回の大震災で被災しましたので、今市立病院の再建に向けて進めているところなんですが、やはり何といっても医師の確保、それから保健師の確保、あるいは福祉士の確保、そういった人材の確保が一番重要になってくるというふうに考えております。
  43. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 次に、磯辺康子参考人にお伺いをしたいと思います。    〔理事末松信介君退席、委員長着席〕  本当に、災害関連死をどう防いでいくのかということは非常に大事だと、そのように思っております。東日本大震災からももう二年数か月過ぎてしまったわけですが、この後やはりそういう災害関連死、心のケア等でどういうふうに持続的に支援をしていくべきか。また、私は、そういう心のケアの関係者というのは、いろいろな資格がございますけれども、前々から心のケアの専門家はやはり国家資格化をすべきだということで、心理職の国家資格化も進めていって、きちんとした資格を持ちながら、多職種の協働防災あるいは減災等にもいろんなアイデアを出していただいて、また災害が起これば支援をするということが大事だと思っておりますが、このような点につきまして、もしお考えあればお伺いをしたいと思います。
  44. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) ありがとうございます。  阪神・淡路のときには、こころのケアセンターという組織ができましたけれども、やはり中心となるのは精神科医であったり、臨床心理士であったり、看護師さんであったり、そういう資格を持った方が中心になって引っ張っていくということがございましたけれども、そういう方々のアドバイスを受けながら、そういう方々がスーパーバイザーとなって一般のボランティアの方が仮設住宅復興住宅に入り込んでいくという、そういう取組が大変有効であるというふうに思います。  専門家のお力だけではなかなか隅々まで、たくさんの被災者がおられるので、支援するという、見守りをするということはできないと思いますけれども、そういう、何というか、人のネットワーク専門家のアドバイスを受けながらつくっていくという体制がこれから必要になってくるんじゃないかと思います。
  45. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 ありがとうございました。
  46. 柴田巧

    柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。今日は、お忙しい中、参考人の皆さんには貴重な御意見をいろいろお述べいただきまして、大変参考になりました。私の方からも感謝を申し上げたいと思います。  まず最初に、斎藤参考人にお聞きをしたいと思います。  先ほども事業継続支援のことについてもお述べになりましたが、我が国の企業、改めて言うまでもありませんが、国際的に熾烈な競争をしているわけで、そういう自然災害などによって大変競争力の低下につながるということが考えられるわけですし、またその個別の企業の事業中断が、あるいは復旧の遅延がサプライチェーンのネットワークを非常に崩していく、それが大きな被害をもたらしていく、経済的な影響を及ぼしていくということでありますので、この事業の継続支援というのは非常に重要なことだと。そしてまた、経団連といいますか、経済界の皆さん、一生懸命取り組んでおられることに敬意を表したいと思っております。  その中で、ちょうだいした資料の中にもございますが、やはりそういうことを想定して日ごろから実践的な訓練などが大事だと思います。特に、太平洋側企業や工場などが集中をしているわけで、先般の東日本大震災の際にも日本海側を経由して物資を運ぶというようなことも実際起きたわけですが、そういう意味では代替輸送訓練といったことなどもしっかりやっていく必要があると思います。これから官民協力してやっていくということでありますが、むしろこういう実践的な訓練というのは民間主導でといいますか、経済界からいろいろ提案をされてやっていくことが大事なのではないかなと思いますが、こういう代替輸送訓練など実践的な訓練、こういうものがもっとあったらいいと、またやる必要があるというものがあれば教えていただきたいと思います。
  47. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) 今先生御指摘されたとおりでございまして、本日お配りした資料、先ほど余り説明できませんでしたが、企業の事業活動の継続性強化に向けてという中でも幾つか書いてございます。  特に強調したかったのは、やはりBCP、BCMというのは経営そのものだということで、まさに重要業務を絞り込んで、企業が生き延びる、社会が生き延びるために何が必要かというのを洗い出し、それに向けて常にPDCAを回していくという取組だということで、これは決してお金が掛かるという問題ではなく、むしろそれをやらないと企業が競争力に負けてしまうと、そういう認識の下でやっております。  その意味で、先生おっしゃったように、一企業だけではなかなか難しいサプライチェーン、あるいは行政との関係もございますので、是非その辺につきましては今後経団連あるいは関係機関とよく話し合って、そういった訓練というのを、図上でも構わないと思いますけれども、やっていくことが重要だと考えております。  ありがとうございます。
  48. 柴田巧

    柴田巧君 ありがとうございます。  今おっしゃったように、やっぱり日ごろからそういう訓練を積み重ねていくというのが重要なことだと思いますので、またいろいろ関係機関とも御相談をされてやっていただくのがいいかなと思います。  それからもう一つお聞きをしたいのは、その同じ資料にもございますが、今回災害対策基本法の改正に当たって、今まで基本理念というのはなかったんですが、基本理念の中に、いわゆる科学的知見を活用して減災防災に役立てていくんだというところが盛り込まれましたが、やはり我が国の最新の、最先端の技術というものが、もっと磨いていけば、それを実用化していくということによって減災防災につながるし、また世界のそういった減災防災の取組にも貢献できるものだと思っておりますが、とはいえ、なかなかそういう機械とかロボットとか、そういう類いのものは一般に売れるものでもありませんので、開発したくてもなかなか現実難しい面があると思うんですね。  したがって、何らかのインセンティブというか、政府からの支援策があればもっと容易にそういったものが開発できるんじゃないかと思いますが、あるいは先導的市場を確保していくということがあってしかるべきかなと思いますけれども、この日本のそういう技術を生かして、それはロボットに代表されるかと思いますが、災害対応に向けて日本のそういう技術あるいは企業の力を生かしていくということが大事だと思いますが、そのためにも政府に、国にもっとこういう支援策があればいいなと思うのがもしおありであれば教えていただければと思います。
  49. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) まさに先生おっしゃったように、今まさに競争力強化という観点から、日本の強みであります、そういった先端技術をいかに利用し、またそれを世界にどうやって活用していくかというのが重要だと思っています。  インセンティブ、確かに税制、財政ありますが、例えば、私聞いた話ですと、自動運転のできる自動車あるいはロボットというようなところを現場で実用実験をしようにも、今の法律だとなかなか一般の道路を走れないとかそういったような問題が起こるので、例えば人が入れなくても自動運転で駆け付けられるような、技術的には確立していても実際にそれが可能かどうかというのを、無人で自動車を一般の公道を走ること自体がいろんな法律の妨げがあってできないというようなのも現実でございますので、是非そういった規制の面も含めまして、これは決してお金の掛かる話でございませんので、インセンティブが必要ではないかと思っております。
  50. 柴田巧

    柴田巧君 斎藤参考人、ありがとうございました。  次に、磯辺参考人にお聞きをしたいと思います。  先ほどからもお話がありましたが、いわゆる災害関連死をどう防ぐかというのは非常に重要なことだと思います。せっかく避難所等に避難してきたんだけれども、そこで尊い命がなくなるということ、先ほど住宅の話もありましたが、避難所でそういうことが正直起きる可能性が極めて高いと思われます。実際にそういうことが起きているわけですけれども。特に、これから高齢化等が進む中で、いわゆる災害弱者をどう守るかというのは大変重要なことだと思います。  今回の改正案でも、「避難所等」というものが設けられていろいろ書き込んではあるんですが、しかし御案内のとおり、避難所についてはいろいろな、例えば備蓄が実は十分でないとか、非常用電源がしっかり配備されていないとか、いろんな問題が実はあるわけでありまして、特に先ほど申し上げました高齢者含め障害者、外国の方もそうかもしれませんが、そういう災害弱者にとってよりいい避難所にしていくためにはまず何が求められるか、今までの御経験、あるいは取材をされた中からあれば、また教えていただきたいと思います。
  51. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) ありがとうございます。  災害時の要支援者を守るために避難所、福祉避難所をつくるとか、そういうことも大分進んできているんですけれども、やはり最終的にはそこの場に避難している人たち同士の声の掛け合いであるとか、あそこにああいう人がいるからやはりここに、廊下ではなくて部屋の方に移動していただかないといけないとか、みんなで声を掛け合ってそういう人を助けるという気持ちが最後のところは人を助けるということは言えると思います。  ですから、ふだんから皆さんがそういう意識を持つ。まあ避難所というのは本当にもう座るスペースしかないというところもございます。そういうときに、高齢者の方、障害者の方はこちらの部屋でゆっくり休んでいただけるようにという配慮を、みんなが気持ちを持つということが大変大事だと思います。  それともう一点、本当に大変な人は避難所には行きません。段差のある小学校であるとか、それとかもうトイレもきっちり、障害者の方、高齢者の方が使いにくいようなトイレも多いですので、半壊あるいは大規模半壊でも自宅にとどまらざるを得ないという障害者、高齢者の方がたくさんいらっしゃいます。  ですから、避難所の整備も大事なんですけれども、研究者の指摘ではやはり災害関連死は自宅で多いというような指摘もありますので、在宅でとどまって物資ももらえない、そこで暮らしていらっしゃる方にどういうふうにアプローチしていくかという視点がこれからは欠かせないんじゃないかなというふうに思っています。  以上です。
  52. 柴田巧

    柴田巧君 ありがとうございます。  避難所に関連して、また今、最後にもおっしゃったことにもかかわるかなと思いますが、先般、南海トラフ巨大地震の最終報告で、非常に多くの人が避難所に来るであろう、あるいは被災者の数が非常に膨大なものになるだろうということもあって、いわゆる避難所トリアージの考え方が示されました。  しかし、これは何らかのやっぱり基準とか目安というものがなければ非常に混乱をするんではないかと思いますし、なるべく自宅で避難しろということになると、今おっしゃったように、支援物資がいざというときに届くのかというような懸念も出てくるだろうと思いますが、今回示されたそういう避難所トリアージの考え方についてどう思われるか。また、実際に取り入れるとすると、どういう問題をクリアすべきだとお考えか、教えていただければと思います。
  53. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) やはり先ほど言ったこととも関連するんですけれども、避難所だけを見るのではなくて、その地域全体の住民の状況を見るということがとても大事だと思います。避難所だけでトリアージをしても、そもそもそこに行かない、行けない人がたくさんいるわけですから、その地域全体で被災者の方の状況を把握できるようなシステムを、これは私はまだそれがどういうふうに具体的にできるのか分かりませんけれども、そういう視点を持っておくということが大事じゃないかなと考えているところです。
  54. 柴田巧

    柴田巧君 どうもありがとうございました。  続いて、室崎参考人にお尋ねをしたいと思いますが、参考人のお話を始め、今日いろいろお話をいただいたこと全てにみんな関連することかなと思ったりしますが、やはり我が国の場合、他国と比較して、防災を担う人材の育成確保あるいはその専門人材の配置というか、これがどうも十分じゃないというふうに感じられます。どんなに立派な法律や仕組みや制度ができても、それを実際に動かす、担う人がやっぱり育たないと、またそれを、法律をしっかり使いこなせないと、あるいはまた現場の対応力というものも磨かないと減災防災ということにならないんだろうと思いますが、我が国の防災にかかわる、担う人材の育成確保、これからどういうことを特にやっていく必要があるというふうにお考えでしょうか、教えていただければと思います。
  55. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) 基本的に言うと、財源も限られていますし、それから人的資源も限られている中でどうするかということだと。言うのは易しいんです、防災人材を育てろと言うのは易しいんですけど、実態はなかなか難しいと思います。  二つぐらい、私は思っていることがあります。  一つは、防災という狭い範囲だけかかわる特殊な人材を育てようとすると、それはまさにそのニーズが少ない。もっと防災という概念を広い概念として、日常の暮らしの中のやっぱりいろいろなところで遭遇する問題として、幅広いものとしてとらえると、あるいはリテラシーというか、みんなが共通して持っておく知識として、例えば学校教育だとか地域教育の中でしっかりそういうものを備えていくというような、幅広く、いつでも何でも役に立つような知識を与えるような人の育て方をするというのが一つです。  もう一方は、他方は、これは今度はその逆で、例えば職員教育でも、私が呼ばれると、防災の担当者だけ呼ばれて教育をしろと言われるんです。それは間違いで、市役所の職員全体に対して防災のことをきちっと教えていくというか、行政職員だけが知識が欠けているということではないんですけど、ありとあらゆるところでやっぱり防災に対してそれなりの力を持った人が欠けているところがあるので、やっぱり市役所は市役所企業企業の中というところ、それぞれのところで、あるいはある時間をきちっと確保してやっぱり防災教育をするという取組が必要ではないかというふうに思います。
  56. 柴田巧

    柴田巧君 時間が来ましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。
  57. 平山幸司

    ○平山幸司君 青森県選出の平山幸司です。どうぞよろしくお願いをいたします。  四人の参考人の皆さんには、大変貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございました。  私の方から二、三点、お伺いをさせていただきたいと思います。  これまでの議論の中でお話しになった、重なった部分もあるかもしれませんけれども、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。  まず一点目に、四人の参考人の皆さん全てにお伺いをしたいと思います。  今回の法律改正若しくは新しい法案を作るというのは、東日本大震災を受けてやはり必要な点ということで法律改正若しくは新しい法案を議論しているということだと思います。その中で、この本委員会でもこれまでも議論があったわけでございますが、復旧復興が遅いというお話、若しくは迅速な対応ができていないんじゃないかという批判も多々あったわけでございますが、主にどういったところが遅い若しくは迅速な対応ができていないという原因なのか、各々専門的な立場若しくは現場の立場から、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
  58. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 順番でよろしいですか。
  59. 平山幸司

    ○平山幸司君 はい。
  60. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) では、室崎参考人から順番に、済みません、よろしくお願いします。
  61. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) これは先ほど磯辺さんが言われたことだと思うんですけど、遅い早いというのは割合主観的、立場によって感じているところが違うんだろうということが一つです。  それから二つ目は、僕は、そんなに急がないといけないのかということだと思うんです。復興というのは十年、二十年、あるいは町づくりって百年の大計です。それを一気に三年、五年でやろうとするとやはり無理が出てきているので、やっぱりそこは非常に長いスパンで考えていきながら、ただ、めり張りを付けないといけないので、いつまでたっても復興の見通しが付かないということでいうと、それは遅いのかもしれないですけれども、最終的にゴールにたどり着くのはやっぱり五年、十年は掛かるんだというふうに考えないといけなくて、そのスピードというものの持っている意味をしっかりとらえないといけないと思います。  だから、急ぐものもあるんです。今、急がないといけないものはあるけど、全て急がないといけないかというと、そうではなくて、この急げ急げという大合唱の中で代表的なのは、一人一人の被災者の声を聞いていて合意を図っていたらいつ合意が取れるのかよく分からない、そんなことしている暇がないので、ともかくもうこれでいこうという形でむしろ合意を後回しにする、結局それはとても遅れてしまうわけですよね。  奥尻島が三年で復興を完了しました。どうして奥尻島復興がそんなに早かったかというと、それは行政の職員が一人一人の被災者の仮設住宅に毎晩毎晩行って、何時間も話し込んでみんなの意見を聞いてみんなの意見をまとめたわけです。それには、まとめるのはすごく時間が掛かりましたけど、まとまると、あとは一気に復興が進むということだと思うんですね。  これはちょっと、御質問でその遅れている理由は何かというところに、復興のビジョンだとか、あるいはみんな被災地が一体になるという一体感が、今日ちょっと市長さんがおられるので、一体感がないといったら怒られてしまうんですけど、ただ、なかなかそこの方向性が見えないというところが一つ大きな部分だと思うんですね。  それから、二つ目に復興が遅れているのはどうしてかというと、これも怒られてしまうんですけど、最終的に言うと、課題と資源の関係がアンバランスだということです。課題が余りにも大き過ぎて、他方でいうと資源が余りにも小さ過ぎるので、どうしてもそこにミスマッチが起きます。  では、どうするのかといったら、両方ですが、課題を少し見直して、少し小さくコンパクトにしてやるべきことをもう少し限定をする。他方でいうと、それだけではいけないので、資源の方は、やっぱり主として町づくりの人材もそうですけど、そういう人的な資源をしっかり入れることによって、そのギャップをできるだけ小さくすることによってスピードアップするということだろうというふうに思います。  ちょっとお答えになったかどうか分かりません。以上でございます。
  62. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) 早い遅いは見方にもよりますし、また諸外国と比べて日本は必ずしもそんなに遅いとは思っておりません。  ただ、これだけ遅い遅いと言われるには何か原因があるのではないかということで、たまたま今週の頭にロンドンの方でイギリス、アメリカ、ドイツの災害に対する専門家が集まりましてリスクマネジメントの会合がございまして、そこで話題になりましたのは、制度、法律、確かに大事ですが、一番大事なのはリスクコミュニケーション、すなわち行政が様々なステークホルダーといかにコミュニケーションを取り、正しい情報を流し、またそれからニーズを正しく酌み取るかという一連の作業をしっかりやることが最終的には防災力を高めるんだというような話を、これはアメリカ、イギリス、それぞれの専門家が言っておりまして、まさにそういうことじゃないかと思います。  だから、そこをしっかりやるというのは、ある程度時間が掛かるプロセスかもしれませんが、丁寧にやると急がば回れということもございますので、そういった法律作ることも大事ですが、いかにそれを実行していくかと、その話の中で、コミュニケーション、これが大事だと思っております。  以上です。
  63. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 今回の震災では、東日本大震災復興特別区域法、これが平成二十三年の十月に施行ですので、その後、各種制度が平成二十四年度になって運用を開始されました。被災自治体からすれば、平成二十四年三月に第一回目の復興交付金の内示がありました。そういう意味では、その後、二十四年からですから、一年たって、一年で膨大な作業、大体今、石巻市で抱えている復興事業が三百三十八事業あります。これをやはり職員は、非常に人材が不足している中で、昼夜を問わず、夜間、休日返上で今取り組んでやっとここまで、防災集団移転事業にしても、四十七地域、特に高台移転が四十六地域あるんですけれども、ここも全て大臣同意を得られましたので、これからが本当の復興が実感できてくるんじゃないかと。私どもしっかり頑張っていきたいと思います。
  64. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) やはり、私も、遅い、復興は大変長く時間が掛かるものだという大前提があるということですので、早く進めるというのは非常に難しいと思います。ただ、早く進めなければいけない、とにかく、当初の命を守る対策とかそういうところは特に早く進めなければいけないというふうに思っています。  私のこれまでの阪神・淡路大震災の経験でいえば、この資料の中にも入れさせていただいたんですが、例えば被災したマンションの再建をめぐって建て替えか補修かで住民が対立したときに、司法の判断が下りるのに非常に長い時間が掛かる。これはマンションだけの問題ではなくて、何か紛争が起きたときに、その答えを得るのに被災者は大変長く待たなければいけないということがございました。これは東日本大震災では少し改善されているかもしれませんが、このところは被災者にとっては大変な苦労になるということを一つ言わせていただきたいと思います。  以上です。
  65. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。  スピードという意味が、どういうふうにとらえるかというところが主なお話だったなと、こう思うんですが、それにしても、委員会でこれまで議論をしていると、その意味合いをどうとらえるかというのが確かに大事なんですけれども、それでもやっぱり遅いということ、これは各地域からも、報道でも随分と言われるわけです。  亀山市長さんの方から、遅いとまではお話しになりませんでしたが、御遠慮されているのかなとも思うのでありますけれども、やはり復興基本法、自分自身、賛成討論をやらせていただいたんですが、たしかあれは、あれから一年ぐらいたってからやっと与野党で合意して復興基本法も通せたというその思いがありますので、現場から見るとやっぱり遅いということは感じを受けているのではないかなというのが正直に自分が感じているところ、青森県も八戸の方は被災地でありますので、やはり言われてきました、遅いということですね。ですから、各専門家参考人の先生方は非常に優しいなと、こういうイメージも持たせていただきました。  一方で、いろいろなお話があったんですが、それでも原因がある、遅いということ、若しくは大きな問題点に対して何らかの原因があったんだと、こういうとらえ方はこの東日本大震災に対してあると思います。それに対して、今回の改正、若しくは新しい法律を作ることによって、その専門的な立場から、若しくは現場の立場から、今回新しく作ったことによって、これでその問題点、若しくは遅いというものが解決されていくかどうかという点に関しての御意見をお伺いできればと思います。  これも四人の参考人にお伺いしたいと思います。時間内でお願いいたします。
  66. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) 第一点目は、おっしゃるとおり、今回の復興に問題がなかったわけではなくて、いろんな問題がある。だから、その原因はしっかり分析をしないといけない。分析をした上で、僕は次の段階でこの復興法案の中に、やっぱりそこは出てきた問題を組み入れないといけない。今回は、やっぱりそこまで出てきた問題を全部取り入れたわけではない、大きな一歩ですけど、まだいろんな問題が残っていて、それは今回の復興のやはり遅れだとかいろんな問題の原因を分析しないといけないと思う。  二つ目は、僕は、いろんな災害シミュレーションをしないといけない。事前にこの巨大な災害が起きたらどういうことが起きるのかということをシミュレーションをして、事前にその場合どういう手順でどういうプログラムで復興するのかということをやっぱりきちっと検討しておいて、あらかじめ復興についての準備をしっかりしておくということがとても重要で、そういうことがこの復興案の中にも要るんだろうと思うんです。体制だけではなくて、事前のプログラミングがないと復興はできないというふうに思います。
  67. 斎藤仁

    参考人(斎藤仁君) 今回の改正で大きな点は、これまでボトムアップという基本の考え方、リクエストがないとできないというのを、トップダウンということで必要な措置をやると。まさにそれができるかできないかは国のイニシアチブに懸かっているということだと思いますけど、制度的にはそれは大きな進歩だと思っています。  それから、官民連携あるいはNGOを含めた連携という考え方を、防災は国だけでやるのではなく、共助を中心にやるべきだということを法律の中にはっきり盛り込んだということは大きな進歩だと思いますが、これも今後どうするかという実際の運用に懸かっているんじゃないかと思っております。  以上です。
  68. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 今回のような大規模災害からの復興に関する法律案のように、やはり復興基本的な枠組みが事前に用意してあるということは、今後、大規模災害が起こる場合に、今回のような、遅い遅いと私も実際に言われているんですけれども、そういったことのないような体制を取っていただきたいと、そうなるんじゃないかと期待しております。
  69. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) 復興が遅いと言われる部分は、やはり常に問題が起きてから制度を考えるということがこれまで繰り返されてきたからではないかと思います。災害が起きてから復興基金をつくる、災害が起きてから被災者支援制度をつくる、そういうようなことがずっと繰り返されてきましたので、そのところを復興基本法案で大枠だけでもつくっておくとか、そういう取組が進んでいることは進歩であるというふうには思います。  ただ、災害は一つ一つ違いますので、そのたびに新たな課題が出てきますので、それを取り入れて、新しい視点を取り入れて、常にリバイスしていくというか、制度を見直していくということが大事だと思います。  以上です。
  70. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございました。  四人の参考人の皆さんからお話を聞きまして、今回の改正若しくは新しい法律に関しては、大枠で、これで今後の大規模な災害等々に対応できるのではないかという力強いお話をいただきまして、本当にありがとうございました。  最後に、感想ですけれども、特に斎藤参考人の方から一番最初にもお話があったとおり、いろんな制度とか仕組みがあったとしても、トップダウンで政治家のイニシアチブが非常に大事だよと、そこでぐやぐやぐやぐややっていると時間が掛かってしまうんだと。自分自身も、先ほど申し上げましたとおり、復興基本法案を成立させるまでにかなりの時間が掛かったなというイメージも持っておりまして、その部分が、やはり国を動かす、そしてまた地域のために、現場のために国会議員が何をするべきかということが非常に大事だなと今日は感じました。本当にいいお話、ありがとうございました。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  71. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  四人の参考人の皆様から、未曽有の大規模災害の現場に身を置かれた、あるいは今も置かれている立場から、大変重要な御意見を伺うことができました。一言一言胸に迫ってくるものがありました。ありがとうございました。  まず、磯辺参考人に伺います。  どれだけ多くの命が奪われれば法や制度は変わるのかと感じてきた、それから、被災者の血のにじむような努力で、生活再建支援法だと思いますが、作られたことを忘れてはならないと、大変思いのこもったお言葉でした。私も共感するところがあります。血のにじむような被災者の努力で生活再建支援法ができたということについて、もう少し詳しく、思いも含めて聞かせていただければと思います。
  72. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) 阪神・淡路のときには、今のような生活再建支援法がなくて、災害救助法も政府の方では現物支給が基本ということですので、被災者が取りあえずの生活再建を進めていくための資金が欲しいというのは、やはり義援金とか保険とか、そういうものに頼らざるを得ませんでした。それ以前は、義援金の額に対して被災者の数が少ないという災害が割と多かったですので、一世帯当たりの義援金がかなり多額であったということがございますが、阪神・淡路の場合は二十万円、三十万円というような非常に少ない額になってしまいました。  やはりその義援金頼みの生活再建では無理だということで、皆さん、被災者の方が多く疑問を持たれて、署名活動をして、生活再建支援法が三年以上たってようやくできたということなんですね。その間、いろんな運動をされた方がいらっしゃって、それによって、最初は百万円でしたけれども、非常に貴重な現金支給の法律ができたということで、小さく産んで大きく育てる法律にしようということで、今ようやく最高三百万円まで支給される法律になったということで、このプロセスは私はとても大事なことだというふうに思っています。  以上です。
  73. 山下芳生

    ○山下芳生君 ありがとうございます。  私も、阪神・淡路大震災の年に初当選させていただいて、被災者の皆さんと一緒に、生活再建に対する公的支援をどう実現するか、立法府に身を置く者の一人としてかなり当時の政府の立場と板挟みになって苦悶いたしましたけれども、やはり被災者の皆さんの運動、今、磯辺参考人からたくさんの運動があったというふうに紹介されましたけれども、その運動に支えられて一緒に作ることができたと思っております。で、終わりじゃないと。やっぱりどんどんどんどん災害被災者の皆さん、新たな被災者の皆さんと一緒にこれを前進させていく、発展させていく、やはり常に運動、闘いと私は思っておりますけれども、そういうものがあって被災者制度というのは前進するんだと思っております。  それで、もう一つ磯辺参考人復興には時間が掛かるんだとお話しされました。いろんな課題がまだ阪神・淡路の被災地でも残っているんだと思います。その一つとして、僕が非常に今危惧しているのは、借り上げ公営住宅の二十年の期間期限の問題です。多くの高齢者の方々が、あと何年かで期限が来るので、公営住宅なんだけれども出ていかざるを得ない状況に追い込まれている。これは人道上も問題だと私も思っているんですが、この問題についてどういう見解をお持ちでしょうか。
  74. 磯辺康子

    参考人(磯辺康子君) ありがとうございます。  民間住宅を借り上げて公営住宅扱いにして被災者の方がそこに入っておられて、民間住宅ですので、そこも二十年たつと返さないといけないという問題が今阪神・淡路の被災地で起きているという御指摘だと思うんですけれども、非常に高齢者の方が多くて、なかなか引っ越しするのが大変だ、引っ越しするのが大変というよりも、そこのコミュニティーでこの十数年築いてきた人間関係であるとか、そういうもの全て失うのは非常に、ある意味生命にかかわるという方もおられます。ですから、そのところはしっかりと配慮してやっていただかないといけないなというふうに思っております。  以上です。
  75. 山下芳生

    ○山下芳生君 ありがとうございました。  続きまして、室崎先生に伺いたいと思います。  私は、室崎先生も被災者の立場に立って支援の内容を前進させるために闘った学者の代表格だと思っております。そこで、先生、先ほどの意見陳述で、今度の法改正を評価しつつも、残された課題がまだあると。生活再建や住宅再建への踏み込みが弱い、特に住宅再建への踏み込みが弱いという御指摘だったと思いますが、どのような問題がまだあると認識されているのか。  私は、先ほど磯辺参考人も少し述べられたんですが、例えば被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給限度額が三百万円ですけれども、津波で根こそぎ住宅が失われた東日本大震災の皆様にとって三百万円では、阪神にはゼロでしたから、これ大きな支えになっておりますけれども、やはりこれでは不十分ではないか、五百万円に当面引き上げる必要があるんじゃないかとか、先ほどお話があった半壊や一部損壊も対象にするべきではないか、店舗もするべきではないか、こういう問題があるんではないかと。  それから、災害救助法関係では、被災者の生活を中長期的に再建していくことにつなぐという観点から、例えば仮設住宅建設に際して将来的に災害公営住宅や個人の住宅に転用可能な木造の戸建ての仮設住宅建設する等の問題もあるんじゃないかなと、これは私が思っているんですけれども、室崎先生の住宅再建についてのもっと踏み込んだ支援が必要だという点はいかがなものでしょうか。
  76. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) まず第一点は、これは従来の住宅再建の常識というものをやはり変えていかないといけないというふうに思っています。それは災害復興公営住宅で被災者を救済するというのは主要なルートでありますけど、それにこだわり過ぎると必ずしも、例えば公営住宅を造ってもそこに入る人が意外に少なかったとか、空き家になったまま放置をされるとか、やっぱりそういう問題が出てくるわけですね。  今回の東日本の場合ですと、自分の土地にやっぱり住み続けたいという人がとても多い、あるいはほかの周りの人と一緒に住み続けたいと。そうすると、既にこれは実行されていますけれども、木造の公営住宅を造って何年間で払下げをする、それは個々の敷地に造って隣同士で一緒に住めるような形にするというような、形でいうと従来の公営住宅の概念を少し変えていかないといけない。あるいは、一戸建ての公営住宅でもいいよとかというようなことだとか、あるいは住宅再建でいうと、最初は小さな住宅を造るときに対してしっかりサポートするけれども、将来にわたって増築をしていくところのプロセスについてもそのプログラムを持つというような形で、少し住宅再建の多様な在り方というか、実態に応じて少し考えていくというようなことをしないといけないというのが一点目です。  それから二点目は、いわゆるこれ阪神のときは仕事を失って大変な人がたくさんいてたんですけれども、大半の人たちは大阪に勤務していてサラリーマンだったので、問題は主として住宅であった。だからこそ、住宅の再建ということで非常に取り組んで、生活再建支援法等というのは形の上では住宅制度ではありませんけれども、実質的には住宅再建の支援制度として生み出されたわけです。  ところが、今回の東日本を見ていると、住宅も重要ですけれども、まさに生業というかなりわい、暮らし、生きがいとか暮らしだとか、その支えがないと住宅が戻ってもやっぱり住み続けられないと。そうすると、住宅再建だけではなくてそういう生業再建みたいなものも要るし、さらにはもっと言うと、コミュニティー再建だとか、その再建を全体で考えていかないといけないので、いわゆるそれを住宅再建という狭い範囲で考えていると、やっぱりなかなか復興はうまくいかないので、少しその辺りのことも、だから生活再建支援法というもののフレームをどういうふうに考えて、その中に生業支援もはめ込むのか、別途、生業というか、中小企業だとか商店の人たちが立ち上がるところに別の制度を作るのか、これはちょっと検討していかないといけないだろうというふうに思っています。  最後、三点目ですけど、これは私に三百万では少ないと言わせようとしているのかもしれませんけれども、私は三百万論者なんです、増やす必要はない。それはどうしてかというと、一つのフレームは、まさに自助、共助、公助の関係をどうとらえていくのかということだと思うんです。だから公助の公的支援だけではなくて、やっぱり自助というと、これは保険の問題だとかいろんな問題がありますし、共助というのは義援金だとか、あるいは事前に兵庫県がやっているフェニックス共済のようなもので支え合うシステムというものをしながら、トータルで組み合わせてしっかりつくり上げていくということだと。  ただ、そのうちの自助で、自助の力がどうにもならない人がやっぱり世の中にはいるわけです。その人たちに自助であなた三百万貯金していないのが悪いと言うわけにはいかないので、その部分については別途、福祉的な視点というか災害保護的な視点で何か別途考えないといけないと思いますけれども、少し自助、共助、公助のバランスの中で公助の責任というのはどこまでかということを考えていかないといけないというふうに一つは思っているわけでありますし。  それからもう一つは、先ほど出たことと関係するんですけれども、生業支援とかそういうもののところをもっと手厚くして、トータルとして再建できるように考えるということは必要ではないかというふうに思っています。  以上でございます。
  77. 山下芳生

    ○山下芳生君 やはり阪神・淡路と東日本の大きな違いは、住宅再建だけでは済まないという、生業支援がどうしても、漁業ですとか農業、林業とのかかわりで住宅がセットにならないと、家だけでは何ともならないというのはおっしゃるとおりだと思っております。  それと、その上で、私、阪神・淡路以来、被災者の願いの前に壁のように立ちはだかった理屈の一つが、私有財産制の国では個人の財産は自己責任が原則だという、この論法でした。ただ、これはもう僕は事実上、その後の被災者の支援の拡充によって住宅再建に三百万円出すことができるようになったということで突破されてきつつあるんだと思っているんですが、いまだにいろんなことでこの考えがしっぽとして残っていまして、いろんな、例えば住宅地の改良ですとか集団移転のときの問題ですとか液状化対策ですとか、そういうものになると必ず個人の財産はというのが付いて回るんですね。しかし、そのときにやはり理論的な整理が必要ではないかと。  僕は、住宅というのはもちろん個人の財産という側面があるけれども、同時に住宅なしに人間らしい生活を営むことはできない、したがって、これは必要不可欠の生活基盤の一つ、その破壊された生活基盤を再構築するために必要な支援という側面が一方であると思うんですね。単に財産という面だけ見て、私有財産云々というのは当たらないと。そこをはっきりしないと曖昧で、何かのときにそれがまたもたげてくると。  室崎先生にこの辺りの考えについて少し整理いただければ有り難いと思います。
  78. 室崎益輝

    参考人(室崎益輝君) 先ほどの質問とも関係すると思いますけど、だから個人財産としての住宅で、確かに全てが、でも、公共性を持っているわけではないと思っている。私は、やっぱり自助、個人の財産としての部分と、それからもう一つは公共的な部分と、両方相併せている。それは、例えば町並み、景観をつくるということもそうですし、あるいは住宅が早く建つことによって人口の回復が早くて地域経済が早く元に戻るというようなこともあります。そういう意味では、公共的な側面があるし、他方でいうと、でも個人財産で、やっぱりそれを維持し管理するのは個人の責任だという部分があるわけです。だから、そういう意味でいうと、その割合というかバランスをどう考えるかということだと。  そういうことでいうと、どの部分が公助かというのはしっかり議論をして早くきちっと決めた方がいいと。公的な性格はここ、この部分に対して公として支援をすると。そうすると、額の問題も僕はおのずから決まってくるんだろうというふうに思っています。
  79. 山下芳生

    ○山下芳生君 ありがとうございました。  石巻の亀山市長に伺います。  市長も、現在最大の課題は住宅再建だというふうにおっしゃいました。それで、一万二千世帯、二万九千人が仮設住宅になおお暮らしだと。この方々が今からどう仮設から出ようとされているのか。先ほどちょっと土地の買上げの問題が言われましたけど、少し教えていただきたいのは、一万二千世帯が今後恒久住宅に移っていく上で、自力再建、自宅を自力で再建される方がどのぐらいいて、それはなかなか難しいだろうから公営住宅に入っていただこうと、そしてそれがどのぐらいの、あと何年ぐらい公営住宅だとか自力再建というのが掛かるのか、大体のところ、どんなふうに御覧になっているんでしょうか。
  80. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 今議員御指摘のように、全体として仮設住宅にお住まいの方、みなし仮設も含めてですけれども、一万二千世帯。大体七千世帯は自立再建していただけるんじゃないかと。ですから、あと四千は公営住宅建設を目標としてこれから建設していくという状況にあります。
  81. 山下芳生

    ○山下芳生君 大体、公営住宅建設のめどというのは付いているんでしょうか。
  82. 亀山紘

    参考人(亀山紘君) 公営住宅につきましては、民民のケースではもう入居が始まりましたので、公営住宅についてはできるだけ早く、二十六年度には入居できるような状況まで持っていこうと。目標としては、今年が百六十九戸、来年が二千戸、そして再来年が、達成目標ですけれども、三千三百戸ということで、四千戸は二十七年度までには確保していきたいというふうに考えております。
  83. 山下芳生

    ○山下芳生君 時間が参りました。  ありがとうございました。
  84. 牧野たかお

    ○委員長(牧野たかお君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。皆様の御意見は、今後の審議の参考にさせていただきます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十五分散会