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2013-02-27 第183回国会 参議院 予算委員会 7号 公式Web版

  1. 平成二十五年二月二十七日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  二月二十六日     辞任         補欠選任      徳永 エリ君     福山 哲郎君     三原じゅん子君     塚田 一郎君      横山 信一君     西田 実仁君      田村 智子君     井上 哲士君      谷岡 郁子君     舟山 康江君      吉田 忠智君     山内 徳信君      荒井 広幸君     舛添 要一君  二月二十七日     辞任         補欠選任      櫻井  充君     大野 元裕君      福山 哲郎君     徳永 エリ君      中西 健治君     川田 龍平君      森 ゆうこ君     平山 幸司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井  一君     理 事                 小川 敏夫君                 小林 正夫君                 白  眞勲君                 松浦 大悟君                 青木 一彦君                北川イッセイ君                 山崎  力君                 谷合 正明君                 小野 次郎君     委 員                 大河原雅子君                 大久保潔重君                 大野 元裕君                 加賀谷 健君                 川上 義博君                 小西 洋之君                 田中 直紀君                 高橋 千秋君                 徳永 エリ君                 福山 哲郎君                 藤末 健三君                 牧山ひろえ君                 赤石 清美君                 岩井 茂樹君                 宇都 隆史君                 岡田  広君                 岸  宏一君                 末松 信介君                 谷川 秀善君                 塚田 一郎君                 中川 雅治君                 西田 昌司君                 野上浩太郎君                 山田 俊男君                 吉田 博美君                 草川 昭三君                 西田 実仁君                 渡辺 孝男君                 川田 龍平君                はた ともこ君                 平山 幸司君                 森 ゆうこ君                 井上 哲士君                 舟山 康江君                 山内 徳信君                 中山 恭子君                 舛添 要一君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        外務大臣     岸田 文雄君        文部科学大臣   下村 博文君        厚生労働大臣   田村 憲久君        農林水産大臣   林  芳正君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        損害賠償支援機        構))      茂木 敏充君        防衛大臣     小野寺五典君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣府特命担        当大臣(防災)        )        古屋 圭司君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(消費者        及び食品安全、        少子化対策、男        女共同参画))  森 まさこ君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(規制改        革))      稲田 朋美君    副大臣        財務副大臣    小渕 優子君        文部科学副大臣  谷川 弥一君    大臣政務官        外務大臣政務官  城内  実君        環境大臣政務官        内閣府大臣政務        官        秋野 公造君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  山本 庸幸君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 亮治君    政府参考人        外務省経済局長  片上 慶一君        防衛省運用企画        局長       黒江 哲郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○予算の執行状況に関する調査  (外交に関する諸問題に関する件)     ─────────────
  2. 石井一

    ○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石井一

    ○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  4. 石井一

    ○委員長(石井一君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、外交に関する諸問題について集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は二百四十分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会八十五分、自由民主党・無所属の会四十分、公明党二十五分、みんなの党二十分、生活の党二十分、日本共産党十分、みどりの風十分、社会民主党・護憲連合十分、日本維新の会十分、新党改革十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  5. 石井一

    ○委員長(石井一君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、外交に関する諸問題についての集中審議を行います。  これより質疑を行います。福山哲郎君。
  6. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。よろしくお願いいたします。  まず、安倍総理、日米首脳会談、本当にお疲れさまでございました。予算委員会のさなかの外遊ということで、本当に総理は激務だと思っております。本当に御苦労さまでございます。また、五年ぶりの総理就任もおめでとうございます。  それぞれの閣僚の皆様におかれましても、本当に、閣僚就任、是非日本のために御健闘いただきたいとお祝いをまず申し上げたいと思います。  私は、今日、実は四年ぶりの予算委員会の質問でございまして、いささか緊張しております。ひょっとすると与党ぼけをしているかもしれませんが、よろしくお願いをしたいというふうに思います。  まず第一番目、中国艦艇によるレーダー照射事案についてお伺いをします。この問題は、私は看過できない点が多々あると思いますので、衆議院でも議論がありましたが、この場面でも質疑をさせていただきたいと思います。  まず、一月の十九日と一月の三十日、二回にわたって中国の海軍艦艇による火器管制レーダーの照射がありました。私は、当時は相当緊迫した状態が自衛隊員の中に走ったと思います。これは実は大変なことだと私自身は思っていて、小野寺防衛大臣が言われているように、要は、国連憲章の威嚇になるのではないかというような類いの問題だと思います。  まず、防衛省、お答えいただきたいんですが、当時の現場の状況はどういう具体的な状況だったのか、短めに結構ですから、お答えいただけますでしょうか。
  7. 黒江哲郎

    ○政府参考人(黒江哲郎君) まず、一月十九日の事案でございますけれども、同日の午後五時ごろ、東シナ海の公海上で、警戒監視活動中の護衛艦「おおなみ」搭載のヘリコプターが飛行中に機内で火器管制レーダーの照射を受けた可能性があると、これを知らせます警報が鳴ったということでございます。同海域には中国海軍のジャンカイⅠ級のフリゲートが所在しておりまして、これからの照射が疑われる事案であったということでございます。  また、三十日の件は、午前十時ごろ、同じく東シナ海の公海上で、警戒監視活動中の護衛艦「ゆうだち」が同海域に所在しておりました中国海軍のジャンウェイⅡフリゲートから火器管制レーダーを照射されたということを艦内で探知をしたということでございます。  いずれの事案におきましても、先ほど委員御指摘のとおり、極めてこれは特異な事案でございますので、艦内、乗員は極めて強い緊張状態に置かれたわけでございますけれども、いずれの事案におきましても、機長及び艦長の指示に基づきまして状況を確認して適切な回避行動を取ったという、そういうことでございます。
  8. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ありがとうございます。  今の御報告のように、当日の状況は、両事案とも警報が鳴り、特に一月三十日の事案にわたっては、私の聞くところによると二百人以上の自衛隊員がいたと。これ、ロックオンされている状況だというのは恐らく事前の自衛隊員のそれまでの訓練も含めて分かっていますから、警報が鳴る中での大変な緊張感だったと思います。どういう状況になるのかについては、先ほどお話がありましたように、適切に対処いただいたと思いますが、この自衛官の極度の緊張、相当だったと。  この事案の重み、それから自衛官のそれぞれの思い、それから、今も海上保安庁の船も自衛隊の船も日本海を守ってくれています。こういう事案があった後の自衛官の皆さんは、それぞれ本当に家族も含めて緊張して職務に当たっている。このことについて、まず安倍総理からお言葉をいただけますか。
  9. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回のこのレーダー照射については、中国側の意図については、これは定かではないわけでありますが、意図いかんにかかわらず、不測の事態を招きかねない極めて危険な行為であり、遺憾であります。  本件を受けて、速やかに外交ルートを通じて中国側に抗議をし、遺憾の意を表明したわけであります。さらには、再発防止を強く求めたところでございますが、ただいま福山委員が御指摘になったように、海上保安庁、そしてまた自衛隊、海上自衛隊、また、空もそうなんですが、航空自衛隊もそうなんですが、相当この厳しい緊張感の中で本当によく任務を遂行してくれていると、このように思います。  そういう中において、中国には二度とこうした行動を取らないように申し上げたいと、このように思います。強く抗議をしたいと思います。
  10. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 中国の意図については後でお伺いをいたしますが、この一月十九日の事案については、もうこれまでも報道ありましたように、翌日に総理に報告が上がっているはずです。一月の三十日の事案については、何と総理に報告があったのは二月の五日。これは、遅いというよりも何をしていたんだという話です。  このことはそれなりの理由をつくられていますが、しかし、先ほどの緊張関係のような事案があったことをなぜ総理に報告できないのかと。これは私は大変問題だと思っておりまして、防衛大臣、短めに、これまでもこの話については伝わっておりますが、一応御答弁いただけますでしょうか。
  11. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 今回、一月十九日に初めてのヘリコプターに対しての事案がございました。三十日に、今度は我が国艦船に対しての事案がございました。その後、私どもに最終的に報告が来ましたのは、一月十九日の場合には、これはすぐに入りましたが、一月三十日の場合は二月五日に私どもに報告が参りました。  この間の経緯につきましては、私どもは、しっかりとしたデータを取って、情報を取って確実なものとしてということで事務方の方には指示をしておりましたが、後、国会でも総理が、私どもに御指示がありましたが、今後はこのような事案がありましたら速やかに私ども政治レベルに上げるようにという今指示をさせていただいております。
  12. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 こんなものは、指示があるもないも、すぐに報告しなきゃいけない問題じゃないんですか。先ほどのあの緊張感の話というのは本当に大変なことだと僕は思いますよ。指示するとかしないとかの話じゃないでしょう。通常の指揮命令系統でこういったものは上げなきゃいけないと私自身は思っているわけです。  私は、実は小野寺防衛大臣とは松下政経塾の同期です。私は、こういうやり取りをしていること、お互いが違う立場とはいえ、本当に時間もたったし、長い付き合いですからよく分かっていますが、ただ、大臣の人柄も信じていますが、こういうときですので少し厳しく言わせていただきたいと思います。  要は、これ、五日間も掛かると中国側にも国際社会にも日本は言ったんですよ、その証拠をしっかりと固めるのに。そのこと自身がまず外交的には課題だと、そして報告が遅れたことも課題だと、そう思うんですが、大臣、どう思われますか。
  13. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 温かいお言葉、ありがとうございます。  一月十九日に報告があったときには、これはもう私ども大変なことだと思いましたが、本当にこれは間違いないのかと、非常に特異的なことですので間違いないのかということを確認をさせていただきましたが、実はその時点ではしっかりとしたデータ、情報が我が方では記録をすることができておりませんでした。三十日の時点で記録を取ったということだと思いますが、私も後からちょっと事務方にお伺いすると、残念ながら、やはりしっかりとしたこれはデータを解析した上で報告しようということで私どもに上がってきたと思っております。  今後このようなことがないようにしっかり私ども指摘をしていきたいと思っておりますが、ただ、一つお答えをさせていただきたいと思えば、実はこの日程については、確かに、遠隔地にあってデータを運ぶ手段がほかになかったということで、今回は艦船を使って運ばせていただきました。そして、しっかり私どもとしては分析をさせていただきましたが、ただ、是非知っていただきたいのは、非常にこれは、例えば対外的に抗議をするにしても大変重い課題になります。ですから、最終的には、しっかり情報を分析して証拠をしっかり固めてから私どもとしては対応させていただくということだと思っております。
  14. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 実は、防衛省、二月五日の資料は何て書いてあるかというと、一月の十九日はレーダーの照射が疑われる事案が発生していると。これはヘリに対するレーダー照射ですから、なかなか特定しにくいというのは私分かるんです。  でも、黒江さん、あれですよね、船同士は、照射されているというのは、これは完全に分かりますよね。先ほど言っているように、二百人の船員が乗っていて、そして大変な警報が鳴っていると。これは証拠もくそもなくて、現場の自衛隊員からいえば、先ほどの話のように大変なリスクだという感じなわけです。そのことについて総理に上がってこない。ましてや、証拠調べだといって、そのことに対して何日も掛かる。  これ、黒江さん、あれですよね、艦内の船員、現場は、完全にそのことは理解していますよね。
  15. 黒江哲郎

    ○政府参考人(黒江哲郎君) 当日の状況等々につきましては、委員御指摘のとおり、艦内におきましてレーダー照射が探知されているということは当然理解をされておるわけでございます。他方、先ほど大臣から御答弁申し上げましたけれども、外交的な手段を取るということの前提として、極めて確度の高いデータであるということを検証するということも我々必要だというふうに考えまして、そういう意味で、私のところでこれについてまず判断をした上で御報告をしようということで判断をしたところでございます。  その件については、先ほど来大臣からも御指摘ございましたけれども、今後速やかな対応をするようにということで、その指示に従ってまいりたいというふうに考えております。
  16. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 まさに、十九日の事案があってちゃんとしっかり証拠を固めろと言われたから、あつものに懲りてなますを吹いた状態なんですね。イロハのイじゃないですか、これは。大変なリスクなんですよ、これは。  それともう一点。このことについては、これを言っても水掛け論になりますが、今後こういうことがないようにしっかりと対応していただきたいと思いますが、防衛大臣、いかがですか。
  17. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 総理の御指示もあり、しっかり対応させていただきたいと思います。
  18. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 総理の御指示じゃないんですよ。あなたの職務としてそれはやらなきゃいけないんですよ。総理に上げるなんていうのは、指示じゃないです、当たり前の話なんですよ。そこがそもそも間違っている。  もう一点。今回の二つの事案がありましたが、防衛省が把握している限りで同様の事案は過去にありましたか、防衛大臣。
  19. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしましては、総理に上げ、そして公表するような特異的な事例は過去にないというふうに思っています。
  20. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 これは重要なんですけど、二月七日のある報道で、政府関係者が、当時の野田首相や岡田副総理に、こういった事実があったけれども、野田総理や岡田副総理は日中関係を悪化させたくないとの判断で公表を避けたという報道が出ました。これ政府関係者が語るといって報道が出たんですね。しかし、今防衛大臣が言われたように、過去においてそういった特異な事案はないと。これまさに、遅れたということの批判を避けるために民主党政権ではこのことの公表を遅らせたと政府関係者が言ったとしたら、リークしたとしたら、これゆゆしき事態だと僕は思いますよ。  この関係者について、官房長官、特定はされる努力はされましたか。
  21. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 新聞の記事に対して、一つ一つ私どもで捜査するということはしておりません。
  22. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 僕は、このことを官邸がやったなどということを邪推してここで決め付ける気は毛頭ありません。しかし、こういったことが度重なれば、安倍政権自身のいろんな記事に対しても不信感が起こります。私は、その関係者を調べ上げて何とか首を出せとか、そんな下品なことも言うつもりはありません。しかし、官房長官、この問題は、民主党政権であっても、民主党政権であっても、一国の総理と副総理の判断をこういうふうにリークをした政府関係者がいるというのは、これ情報操作でいうと大変な問題です。  このことに対しては厳しく注意喚起をしておきたいんですが、官房長官、いかがですか。
  23. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 私どもからそうした情報を出すということは、これはあり得ないことであります。それは、民主党政権であっても私どもの政権であっても、新聞というのは真実に基づいて報道すべきだろうと思います。
  24. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ただ、政府関係者が複数にわたって発言していると新聞に出ているということは、政府の関係者ということは、官房長官、責任があるということなんです。だから、そのことについて注意喚起をするので、どうですかとお伺いをしています。
  25. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 私どもの現政府でそうしたことは私はあり得ないと思っておりますし、そうした新聞報道というのは、これ、委員も副長官やられました、当時、事実と異なることもたくさんあったんじゃないかなというふうに思っております。ただ、私どもはそうしたことが絶対にないように気を付けなきゃならないということは当然のことであります。
  26. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 さっき総理がお答えいただいたことについて、もう一度お伺いします。  二回続けて、国連憲章上、武器による威嚇とも取られかねないようなゆゆしき事態が日中間で起こっています。総理のお立場上、答えられないというふうに私も考えますが、しかし、例えば本当に一部の軍の跳ね上がりが突発的にというか偶発的にやったものなのか、どのレベルかは別にして、何らかの統一した意思、指導に基づいて行われたと考えるか、これは非常に重要な要素です。  このことについて、総理自身はどのようにお考えになられますか。
  27. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この事案については、このレーダー照射は二回にわたり行われたわけでありまして、しかも極めてこれは偶発的な衝突も招きかねないものであります。  我が方の自衛艦は、自衛隊は極めて冷静に対処したからこういう状況で推移をしたのでありますが、でありますから、我々としては極めて厳しく抗議を申し入れたわけでございますが、先方の意図については、これはなかなか推測するのは難しいんですが、しかし二回続けて起こったということは我々は極めて深刻に受け止めたところであります。
  28. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 極めて深刻に受け止めると言って踏み込んでいただいたので、それで結構です。しかしながら、この問題については、本当に私は、なかなか課題としては大きいと思っております。  一方、一月の十九日のレーダー照射については総理には報告が上がっています。そして、連立与党を構成されている公明党の山口代表は一月の二十二日から訪中をされています。このことについて、山口代表に、このレーダー照射事案があったということについては、安倍総理は山口代表にお伝えをされましたか。
  29. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私と山口代表の言わば詳細なやり取りについてちょっとこの場で申し上げることはできませんが、しかし、山口代表が与党の立場として訪中するに当たりまして、その状況での、足下での日中の状況、あるいは尖閣をめぐる状況について私の方から私の考えも含めてもちろんお話はさせていただきました。個々についてどういう話をさせていただいたかということについては差し控えさせていただきたいと思います。
  30. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 今非常に難しい表現をされました。  このレーダー照射事案という非常に大きな課題が一月の十九日にあったことについて山口代表にはお伝えをされましたかとお伺いしました。
  31. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個々の事柄については、これは私と山口代表、党首同士の話でございますから、この場でお話をさせていただくことは差し控えさせていただきたいとは思いますが、訪中するに当たりまして、現下の情勢についてはお話をさせていただいたということでございます。
  32. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 そのことに、言いにくいのも私も分かりますので、これ以上は突っ込みませんが、しかし、僕は山口代表が中国を訪中されたことをとやかく言っているわけではありません。ましてや、今の日中、懸案事項を抱えている、そのことは民主党政権も一定の責任を負っていると思います。前の政権も一定の責任を負っていると思いますから、そのことに対して日中の戦略的互恵関係をしっかりともう一度立て直すために山口代表が行かれたことは僕は理解をしています。  しかし一方で、総理は親書を渡されています、習近平主席に。この事案を理解しているにもかかわらず親書を渡されています。何らかの外交ルートでこの山口代表の訪中に対して政府側からこの問題について、別に山口代表に私は主席との会談で面と向かって言うなどという、そういう私は外交的には余りないような状況を求めているわけではありませんが、このことについて何らかのメッセージを出したという経緯はおありですか。
  33. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この十九日の事案については、先ほど防衛大臣から答弁をさせていただきましたように、これは中国側の照射であるということについて、我々が完全にその段階では、十九日の段階では、我々、言わば証拠として証明するということができるという状況ではなかったということもございました。  そういうことも含めて、当時、現下の状況についてお話をさせていただいたと、そういうことも頭の中に置きながらお話をさせていただいたということでございます。
  34. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 私は、その事情は理解をしますが、一方で、十九日に照射があった、山口代表が行かれた、総理からの親書もあった。もし中国が、仮定の話ではお答えにくいかもしれませんけれども、何らかの意図があったとしたら、三十日に、本当に日本は何も抗議してこないのかどうかも含めて、もう一度、実は二回目のことにこの流れがつながったこともあり得るなと思っているわけです。つまり、この二回の事案が起こったこと自身が、本当に適切な対応だったのかどうか。そして、先ほど総理は速やかに抗議をしたと言われました、速やかにと。  防衛大臣、あなた、二月五日に公表するときに会見の時間をずらしましたよね、十七時四十五分から七時に。何でずらしたんですか。
  35. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 五日に報告がありまして、その後、総理を含めて御相談をし、外務省と相談をし、最終的に公表して抗議をするということになりました。  当初の会見の時間、これはたしか五時半ぐらいに予定をしていたと思うんですが、この時点では、この抗議という方法が、日本の中国大使館、中国の日本にある大使館に我が省の方から大使を呼んで、そして抗議をするという事案で行いましたが、その後、やはりこのような重要な事案ですので、北京においても抗議をするべきだということで、北京の抗議を待って最終的に公表をさせていただきました。その点、ちょっと時間がずれてしまいました。
  36. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 大臣、駄目だよ、余りそういう、少し違うことを言っちゃ。  五時半ぐらいに、外務大臣、抗議どういうふうに行われましたか。
  37. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 当日の抗議、五時半ごろ、外務省中国・モンゴル第一課長から在京中国大使館参事官に対して抗議を行いました。その後、北京におきましても、十八時二十分ごろですが、在中国大使館次席から中国外交部アジア司長に対して抗議を行いました。
  38. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 これ、私の聞き及ぶところによると、中国・モンゴル課長から在京中国大使館参事官に電話で抗議しているんですよ。電話ですよ、総理、この事案で。こんなの速やかにじゃないんですよ、ばたばたなんですよ。記者会見を決めて公表すると、抗議していないと、抗議してからだと、連絡取ろうと思ったら連絡取れないと、じゃ、とにかく電話で抗議しておこうと。これが十七時四十五分の会見が十九時にずれたんです。これ、速やかに抗議をしたとかきっちりと抗議をしたというレベルの抗議じゃないんですよ、総理。
  39. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 外務省中国・モンゴル第一課長の抗議は、電話ではなくして、外務省に招致して在京中国大使館参事官に抗議をしております。
  40. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 さっきの大臣の答えとも違うんですけれども、要はどちらにしても課長レベルなんです。(発言する者あり)あっ、違うの。  とにかく、私が言うのは、じゃ、電話じゃなければ電話じゃなくても結構ですが、この事案で本当に課長レベルでいいんですか。私から言うと、このときの対応は、公表した、会見しようと、でも抗議していないと。本来なら、先ほど私が申し上げたように、きっちりと対応しなければいけないのを二月の五日まで遅れた、そして状況によっては二度もこういうことが重なったと、そしてこの結果、実は抗議のレベルも最初は課長レベルだったと、こういう話だと思うんですけれども、総理、どう考えられますか。
  41. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 二月五日の抗議につきましては先ほど御報告したとおりであります。それに対しまして、中国側が日本側が公表した事案の内容は事実に合致しないとする立場を表明しました。それを受けまして、私の指示によりまして、河相外務事務次官が程永華駐日中国大使を外務省に招致して、こうしたこの説明は全く受け入れられないと、レベルを上げて強く抗議をしております。
  42. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 そんなことは聞いていないですよ。最初の初動の速やかに抗議したということと、そのレベルがこのレベルでいいのかということを私は総理に聞いているんです。
  43. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 二月五日の抗議は、速やかに抗議する、こうした抗議の方針、これの下に最適の方法を選択したと考えています。
  44. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 これも水掛け論になりますが、現実はそういった状況だったということです。  二点目。これ、自衛隊ですけれども、自衛権の発動の要件は、現実の問題としていえば、我が国に対する急迫不正の侵害であること、この場合に、これを排除するために他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまること、これが自衛権の発動の要件です。今回は、レーダー照射はされたけれども目視をしたら砲口が向いていなかったということで、回避行動を自衛隊は適切にしてくださいました。本当に大変だったと思います。  でも、この状況では、部隊行動基準を見ても、見てもって、私は内規上ですからよく分かりませんが、なかなか現実の問題としては今の部隊行動基準だと限界があると。そうすると、先ほど申し上げたように、自衛隊も海上保安庁の職員もなかなか不安な状況だと。これは石破自民党の幹事長も前原前外務大臣からもお話がありますが、具体的に言っていただかなくても結構ですが、部隊行動基準、ROE、こういった事案が将来起こり得るということを前提に見直しの作業に入っていただけるというふうにお答えいただけますでしょうか。
  45. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の段階においても、部隊がどう対応するか、ROE、ルール・オブ・エンゲージメントですか、それは基本的に決めているわけでございますが、その中で自衛隊は冷静に対処しているわけであります。  ただ、大切なことは、こうした事案において、相手の意図を見誤ってエスカレートすることがないようにしておくという必要があるだろうと思います。ですから、その中において、こちら側の海上保安庁と向こう側の海監、あるいはこちら側の自衛隊と向こう側の軍の当局と常に連絡が取れるようにすると。今の段階では残念ながらそういう状況になってはおりませんが、そういうものを構築をしていく必要はあるだろうと、このように思います。
  46. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 次に、証拠の取扱いについてお伺いします。  防衛大臣、なぜあなたは、テレビ番組で開示をすると言ったり、次の日にやはり慎重に検討すると言ったり、こういった大事な事案の発表をした後、すぐに証拠の問題についてそういった立場をころころ変えるような発言をされたんですか。
  47. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 立場を変えていることはございません。  私は、冒頭からこの話については、政府部内で情報の開示については慎重に検討するということの話をしております。福山委員が恐らく先ほど来様々の報道のことについてお話をされておりますが、私自身は常にその一貫とした体勢で発言をさせていただいております。
  48. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 大臣はテレビで発言しているんですよ、そういったことをにおわす発言を。その後、すぐに慎重にと言って次の日に訂正をされるんです。  私、実はあの報道が出たとき、危ないなと思いました。まず、こちらの情報探知能力が相手に知れる、それから、こういった事案が将来起こったときには常に国際社会にそういった証拠を出さないと日本はアピールできない、この二つの要素で実はこの証拠の開示というのは危ないなと思ったら、次の日に、慎重にされる、それから各閣僚からも慎重だという話があったので私は一定安心をしましたが、しかし、事もあろうに防衛大臣が事の前後に軽々しく証拠を開示するという可能性があるみたいなことをにおわすのは私は問題だと思っています。
  49. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返し、この問題について証拠の開示ということで問われたときには、政府部内で検討して慎重に対応いたしますということしかお話ししておりませんので、一度も開示するようなお話はしたことがございません。
  50. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 でも、次の日に報道がいっぱい出ているわけですね。じゃ、あの報道は全て報道が間違っていると、大臣はテレビで出演して言われたのに言われるわけですね。  ただ、私は出さなかったことは良かったと思っているんです。しかし、尖閣事案が起こったときの自民党は、例のビデオの扱いをめぐって、我々はビデオの取扱いは船への乗組みの様子が明らかになるから控えたいと、海上保安庁の能力がこれも明らかになるので控えたいと言ったときには、自民党は、民主党は腰抜けだと、そして、出せ出せと大変なオンパレードだったんですよ。(発言する者あり)いや、恨みじゃない。私は今、出さなくてよかったと言っているんだ。要らないやじを言うな。要は、そういう状況の中でああいう軽はずみな発言は問題があると私は申し上げているんです。  それで、一個提案したいんです。一定、防衛大臣が証拠を出すかも知れないと言ったと。大変な事案だということから考えれば、国会の予算委員会の場では、秘密会でも結構ですから、そういった形で証拠の開示を、やはりああいった重要な要素なので、この理事会で協議をいただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをいただきたいと思います。
  51. 石井一

    ○委員長(石井一君) 一言まず、小野寺防衛大臣。
  52. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しますが、この開示の問題については政府部内で慎重に検討するということを私言っておりますので、開示をするとかそういうことを言ったことは一度もございません。
  53. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 では、テレビ発言の検証も是非理事会でお願いしたいと思います。  そして、委員長、今申し上げたように、秘密会で結構でございますから、証拠の開示について理事会で御検討いただきたいと思います。
  54. 石井一

    ○委員長(石井一君) それでは、取りあえず、後刻理事会で協議いたします。  続けてください。
  55. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 そして、総理や防衛大臣が幾つも言われているように、再発防止が重要です。両国がエスカレーションするようなことは避けなければいけないと思っています。  そのために海上連絡メカニズムが必要だということも私も全く一〇〇%同意をします。しかし、この海上メカニズムの問題も、実は二〇〇八年の福田政権、自民党政権のときにスタートしているんです。もちろん、我々の政権のときも努力をしていますが、今、この海上メカニズムの協議、中国、テーブル着いていますか、防衛大臣。
  56. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) この事案が発生しまして、私どもとしては、まず一番大切なのは、日中の海上連絡メカニズムをつくって、そしてホットラインをつくり、現場でも様々意思疎通ができる、定期的な協議を行う、こういうことを提案させていただいておりますし、これは前政権のとき、福山委員も外務副大臣でいらっしゃいましたから、このような内容をよく御存じだと思っております。それを続けておりますが、昨年の秋以来、実はこの実務者協議というのが止まっております。ただ、この事案が起きまして、直ちに私どもの方から是非この協議を再開したいという申入れを外務省を通じてさせていただいております。
  57. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 全くそうなんです。二〇〇八年、福田政権から御努力をいただいて、去年一定の合意があったんですけど、その後まだ止まっているんです。それは我々の政権にももちろん責任があります。しかし、よく安倍総理が、民主党になってから外交敗北だとかいろんなことを言われます。しかし、尖閣の領海に中国の船が来たのは実は麻生副総理が総理のときです。最近でいえばそれが最初です。そして、このメカニズムの議論も福田総理のときから仕掛品で我々は引き継いでいます。  別にどちらがいいとか悪いとかではなく、外交は継続をしています。このメカニズムについては、今申入れがあったと言われていますが、是非いろんな外交ルート、自民党なら大丈夫だと何度も言われていたわけだから、いろんな外交ルートをつくって具体的に早く進めていただきたい、それが私の強く望むところですが、総理、御決意のほどをお願いします。
  58. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは委員も副長官をやっておられたからよく御存じでしょうけれども、相手があることですので、私が幾ら力み返ってもできるものではないのですが、しかし、これは両国にとって必要なものであるということを相手側によく認識をさせたいと思います。これは日本側だけではなくて、中国側が万が一エスカレートすることになれば中国側も大変な打撃を受けることになるわけでありますから、そのこともよく中国側に理解をさせたいと、このように思います。
  59. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 次にTPPについて移ります。  オバマ大統領とともに共同声明が発表されました。そのことについては本当に敬意を表したいと思います。ただ、様々なメディアで聖域なき関税撤廃を前提にしなくなったからと、だから参加に前向きだというふうに言われますが、私はちょっと抵抗があります。  共同声明を出していただけますでしょうか。(資料提示)  一番重要だと総理が言われた、全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められているものではないことを確認すると。私はTPP交渉、ずっとかかわってまいりました。推進をしたいと思いました。国益にかなうと思っておりました。しかし、そのときに、全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束させられるなどという交渉は一度もありませんでした。外務省、間違いないですね、それで、外務大臣。
  60. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) これまでTPPに関しましては、二国間協議、また情報収集のための様々な協議を積み重ねてきました。そうした協議を通じて得られた情報では、このTPP協定については、基本的に全ての関税を撤廃することが原則となるというふうにされています。ただ、最終的に、即時撤廃になるのか、撤廃がどの程度になるのか、あるいは段階的にどれくらい時間掛けるのか、また関税撤廃の例外がどの程度見られるのか、こういったことについては現時点では明らかになっていない、こうしたことが確認をされています。
  61. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 そうなんですよ、事前に約束なんかさせられないんですよ、一方的に、これは。センシティブ品目も各国議論をしているし、どの程度の除外品目を議論するかも、交渉上に議論が始まっているんです。だからこそ我々は早く交渉に入るべきだと言っていた。もちろん我々の党がまとまらなかったことも大きな要因です。そのことも分かりますが、しかし我々はずっとその交渉については、こんなこと言われるような交渉じゃないんですよ、そもそもが。この一文をもって、自民党の公約はこれで果たされたからTPPは大丈夫だと。  じゃ、総理にお伺いをしますが、総理、第一パラグラフにある、全ての物品が交渉の対象とされることを確認していますが、これで総理はいいんですね。
  62. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この首脳会談のポイントは、確かに今委員がおっしゃったように、いろんな事前の交渉がなされていました。そこで、日米が合意をして文書に出すことなんですよ。それがいかに大変だったかということはよくそれは御承知のとおりだと思いますよ、米国はほかのTPP参加国と交渉しているんですから。こういうものが文書になるということについてはなかなか難しかったんですよ、それは。  ですが、その中において、第一パラグラフと、一番重要なのは第二パラグラフなんですがね、日本には一定の農産品と米国には一定の工業製品というように、両国共に二国間貿易上のセンシティビティーが存在することを確認しということが書いているわけでありますし、そしてまた、首脳会談の中において、私は、有権者に対して聖域なき関税撤廃が前提条件である以上交渉には参加しないということを約束して政権を取りましたと、このことについて、有権者に対して、国民に対して約束をたがえることはできませんということを説明して、これをまず口頭でもう一度確認をしたわけであります。  そして、そこで文章にさせてもらいたいということで文書になることになるんですが、そして同時に、私はこのことにおいて、聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上交渉には参加しないということを確信しましたということを有権者に説明しますよ、国民に説明しますよということについても確認を取っているわけであります。
  63. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、そもそも前提になってないんですよ、聖域なき関税撤廃なんて。前提になってないものをわざわざつくってここに入れたと。だから、答えてください。全ての物品が交渉の対象とされることを総理は納得されたんですねと。第一パラが重要なんです。
  64. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは共同声明ですから、納得しなければ我々も文書にしないわけでありまして、この三つが文書になったということであります。  それで、今、私も委員の御発言の意味がよく分からないんですが、そもそもそれは前提条件となっていないかどうかではなくて、我々は有権者との約束を大切にしていますから、その約束が果たされなければ参加できませんということを申し上げて、それが了解されたというふうに私は認識をしたわけであります。
  65. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 農水大臣、申し訳ありません、第一パラの全ての品目が交渉の対象とされることは、農水大臣は了解されたんですね。
  66. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今総理が御答弁されたとおり、その三パラグラフから成る日米の首脳会談においてTPPに関する日米共同声明が出されたということは既に承知をしております。今、どういう経緯で出されたかは総理から御答弁があったとおりでございます。
  67. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 そうなんです。元々、全ての物品が交渉の対象とされることがTPPの交渉で、そして聖域なき関税撤廃を前提なんというのは元々ないんです。だって、それは交渉の中でやるわけですから。  これ、実は、菅政権のときに決めたTPPに対する基本方針です。センシティブ品目について配慮を行いつつ、これは閣議決定しています、これは、センシティビティーが存在することを認識しつつです。そして、全ての品目を自由化交渉対象にする、それは先ほどの一パラです。高いレベルの経済連携を目指す、高いレベルの経済連携を目指す。実は何にも変わらないんですね、我々が閣議決定をしたものと。何が変わっているのか私は全く分からない。  更に申し上げれば、更に申し上げれば、自動車について日米で……(発言する者あり)
  68. 石井一

    ○委員長(石井一君) 静粛に願います。
  69. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 自動車について日米で課題があることをこれ認めちゃったんですよ、政府は。経産大臣、自動車は開放ちゃんとしてますよね、日本は。
  70. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、今お話、福山委員あった中で、決定的な違いがあるんです。第二次菅内閣での基本方針、これは、TPPについてではなくて、EPA、広域経済連携についての一般的な話であります。(発言する者あり)TPPではありません。  それからもう一点、その第二次菅内閣においての基本方針は勝手に政府が決めたんです。それに対して、今回は日米の首脳で合意して発表しているんです。そこが一番大きな違いです。
  71. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、日米で決めたことは、私は冒頭申し上げたように多としています。しかし、現実の問題として交渉のプロセスは何も変わってないということです。全然変わってない。  そして、自動車の開放度について経産大臣お答えになってない。
  72. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 我が国の自動車でありますが、一九七八年以降、これは自動車、そして商用車につきましても関税率がゼロでありまして、開かれた市場であると、このように認識をしております。  その上で、自動車市場に限らず、各国が市場環境の整備を進めるに当たってどういう制度が適切であるか、こういったことについては制度改革の議論を進めていくことが必要だと思っております。
  73. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 それは非関税障壁も含めて当たり前の話だと思います。  私も昨年、党に戻った後、訪米して、USTRのカトラー氏とも会談をして、日本の自動車は開放しているじゃないかと言いました。それはあくまでもアメリカの国内事情だという話をしていました。  これ、でも、この共同声明に書いたことで、この共同声明はあれですか、総理、アメリカ政府がこの二項目について了解をしないとアメリカ政府はアメリカ議会に通報してくれないという条件になったんですか。そのことについてお答えください。
  74. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 首脳会談での一々のやり取りについては相手があることですから今ここで述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、この共同声明でお示しをしたことが全てでございまして、その中において、日本側としては農産品についてセンシティビティーとして米国が認識をしたということについては書き込むことができたと、こういうふうに認識をしております。
  75. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 農産品についてセンシティビティーを確認されたと言いますが、じゃ、具体的な品目については確認をされたんでしょうか。
  76. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまだ交渉に参加をして交渉するということではございません。あくまでも我々としては、自由民主党としては、与党として国民との約束をたがえるわけにはいかないという中においての確認を重要視していたわけでありまして、そこでこうした文書、先ほど茂木大臣から申し上げさせていただいたように、文書として日米で共同声明を出したということは大きな成果であったと、このように思っております。
  77. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 自動車と保険については、総理、事前協議の対象から外すというふうに新聞報道は出ていますが、それは事実でしょうか。
  78. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども委員が御指摘にあったように、新聞報道ではいろいろと憶測として出るわけでありますが、基本的に日米で了承したことはこの共同声明が全てであるということであります。
  79. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 そうすると、なかなか時間が掛かるんですよね。ここから先、二国間で自動車や保険の協議をすると。これ、総理、今年中にTPPの協議はまとめようと各国、主張しています。三月に会合があります。それから、五月、九月と一応今予定になっています。しかし、総理がたとえ参加表明をしても、アメリカ政府がこの二つの懸案について了解をしないと、今度は議会に通報してくれません。  メキシコ、カナダは、参加表明してからアメリカ政府が議会に通報するまで八か月掛かりました。そこから三か月。実は十一か月掛かっているんですね、カナダ、メキシコは。ということは、総理がよしんばこの場で参加表明しても、今年の年末のTPPの全部妥結のときには日本は何も交渉に参加できなくなります。  私は、それでも一日も早く参加表明をされて具体的にアメリカとの交渉に入り、議会への通報を早くしてもらえるように努力していただくべきだと思いますが、総理はその時間軸を考えた上で、一体いつ参加を表明されて、そしてどのような形でこのTPP交渉にいつぐらいから参加していきたいという努力をされるおつもりか、お答えください。
  80. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党が政権に就いたのは二か月前でございまして、その間、二年間、民主党政権においてこれ時間が経過をしてしまったわけですよ、申し訳ないですけれども。そして、今おっしゃったような時間軸しか残されていない中において、我々は首脳会談においてこうした文書をまとめることができたわけでありまして、そこで、参加するかどうかについては、参加するかどうかについては今党内でも様々な議論があります。農業団体の皆さんにもいろんな意見があります。そうした御意見をまずは伺った上において、そして我が国に対する、我が国の様々な、農業も含め日本に対する影響、これは大きなものがありますから、この影響等をよく精査をした上において判断をしたいと、このように思います。
  81. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 他方、自民党は多くの議員がTPP交渉参加に反対しています。例えば、TPP参加の即時撤回を求める会には約二百四十人の会員がいらっしゃいます。現職の大臣が五人、副大臣が十六人名前を連ねています。  民主党政権時、判断する材料が不足している、判断する情報がない、情報公開をもっとしろ、交渉に参加していないにもかかわらず、交渉の中身をもっと教えろ、足らぬ足らぬと。これ自民党議員がずっと我々に言ってきました。これ、安倍政権になって新しい情報や何らかの情報が出てきているんでしょうか。自民党の議員が納得するような情報が出てきているんでしょうか。  もう一点申し上げます。  北海道、まさに畜産、酪農を始めとする北海道は、当選した議員、自民党候補者十四名中八名が参加すべきではないと反対しています。ひどいことに、自民党の公約の聖域なき関税撤廃を前提とするということに対しても、その自民党の公約どおりに答えた人は一人しかいません、一人しかいません。北海道のJAや有権者は、自民党はどう見てもTPPは反対だと思います。これはTPPだまし討ちです。この人たちも含めて総理に一任をするということを党が決められたんですか。そのことについて、党の代表として、総裁としてお答えください。
  82. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党は五十年以上政権を担ってきているわけでありますが、この長い経験によって培われた責任感というのはそれぞれの議員にあるんですね。それぞれの議員は地元事情を抱えています。その中において、選挙のためだけではなくてやはり実際に有権者に対して責任を持っておりますから、そこで様々な議論もしますし、自分の意向としてこういう方向で全力を尽くすという約束をすることもあるんですよ。  しかし、それは党全体で最終的に、私は総裁ですから、自民党の総裁が決めたことは最終的にそれは自由民主党はみんなが後で従っていく。それはみんなのみ込んだ上で次の選挙に臨むんですよ。それが自由民主党なんですね。  ですから、そういう議論を、ただそれは、だからといって私が総裁として強引に決めるということではありませんよ。しかし、その中において結果を出してきたと、こういうことではないかと思います。
  83. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、のみ込む、のみ込まないは党の事情ですが、現実に参加すべきではない、反対だといって有権者に投票依頼をしているんですよ、これを見れば。そのことについてどう責任を取るのかと申し上げているんです。  もう一点申し上げます。  稲田大臣、あなたは、私的な会合でも何でもないですよ、産経新聞のインタビューにこういう発言をしています。「TPPは米国の輸出拡大と雇用創出のためにある。普天間で怒らせた米国のご機嫌を取るために交渉に入るとすれば、政権維持のために国を売る暴挙だ。」、これは民主党に対する批判です。「米国で今、大きな社会問題になっているウォール街占拠デモは、米国の強欲資本主義の歪みによるもので、ある種の共感を覚える。」。次に行ってください。「日本は「儲けたもの勝ち」「何でもあり」を是正し、カジノ資本主義を正す責務がある。TPP参加は、そういう役割を自ら放棄することになる。なぜなら、TPPは米国の基準を日本が受け入れ、日本における米国の利益を守ることにつながるからだ。それは、日本が日本でなくなること、日本が目指すべき理想を放棄することにほかならない。TPPバスの終着駅は、日本文明の墓場なのだ。」と。  あなたは、これインタビューで答えているんです。このことと今の議論、我々が交渉してきたこととは余り大差のない共同声明の中身の中で稲田大臣はどのようにお答えをしますか。
  84. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 今委員御指摘の文章は、私が産経新聞の「正論」欄に執筆をしたものでございます。  民主党政権下においてTPP参加反対の立場から発言をしてまいりました。党内でも今御指摘になったような発言をして、J―ファイルの公約に結実をしたものと認識をいたしております。
  85. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 関税の話だけじゃないですよ、日本文明の墓場だと言っているんですよ。  実は、防衛大臣も私とテレビに出たときには反対の立場で出られて、そのときは関税の話だけじゃないです、いろんなことを言われました。いろんなことを言われました。二国間はいいけれども多国間は駄目だとか、いろんな二十一分野の問題があると言われました。そういったことについて、僕は自民党は国民に説明をする責任があると思います。  我々は、民主党政権の中で、いろんな慎重な意見はありましたが、TPPを推進したいと思ってやってきました。我々のやってきたことと正直申し上げると余り変わったことをしているとは思えないですし、現実には日米共同声明は中身は大して変わらないと思いますので、TPPについての論議をこれからもしっかりとしていきたいというふうに思いますので、今日はこれで質問を終わります。  ありがとうございました。
  86. 石井一

    ○委員長(石井一君) これにて福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  87. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、大野元裕君の質疑を行います。大野君。
  88. 大野元裕

    ○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  まずもって、先般、アルジェリアにおいて多くの邦人の方々が犠牲になられました。犠牲になられた方、人質になられた方、その御家族に対し哀悼の意とお見舞いの意を表明をさせていただきます。  本件に関連して、総理、お悔やみの電話をされたそうですね。そこについては私は高く評価をさせていただきたいと思っていますが、総理は対策本部長として、過去における在外の日本人の人質事件として最大の十人という犠牲を出したこの事件に対していかなる体制で臨まれたのかをお答えください。
  89. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、事件発生の報告を受けまして直ちに我が国政府の対応方針として、まず最初に、被害者の人命を第一にした対処を行うこと、そして二番目に、情報収集を強化し、事態の掌握に全力を尽くすこと、そして、当事国を含め、関係各国と緊密に連携することの三点を指示をいたしました。これは官房長官に直接指示をしているわけでありますが。その後、事態の推移に応じまして速やかに官邸対策室を設置をし、さらに私の指示の下で在アルジェリア邦人拘束事件対策本部を設置をして、全力で対応に当たったところであります。その中において政府としては一丸となって全力で対応したと、このように思っております。
  90. 大野元裕

    ○大野元裕君 実は私も、かつてリスクの高い国に勤務したことがあります。そういった中で自分で感じたのは、厳しい仕事をするときにも、公の仕事のためであれば危ない目も仕方がない、しかし万全な体制を後方でしいてくれなければ、正直、死んでも死に切れない、こういう強い思いがありました。  そこで、体制について、今総理の方からもありましたので、検証させていただきたいと思います。  まず、二〇〇四年にイラクで発生した五人の人質事件がありました。あるいは、香田証生さんという青年が殺された事件もありました。あのときに政府は、副大臣を速やかに派遣をして、可能な限り高いレベルから働きかけを行う、そういう体制をしかれましたけれども、今回、政務官という形で現地対策本部を立ち上げられた理由を御説明ください。
  91. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 城内大臣政務官が近傍にいたと、たまたま出張していたということで、速やかに派遣をするには城内大臣政務官がいいであろうということでありました。また、彼は元々外務省の職員であったということもございます。ということも含めて彼を派遣をしたところでございます。
  92. 大野元裕

    ○大野元裕君 それでは、現地の対策本部に対して、元々アルジェリアの大使館は非常に脆弱な体制でありますけれども、その後、応援を派遣をされました。  外務大臣、この応援を派遣をした人も含めて、アルジェリア大使館も含めてですけれども、その中にいわゆる現地の言葉、アラビア語を話すアラビストは何名含まれていましたか。
  93. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 現地には最終的に五十名を超える体制でこの対応をさせていただきましたが、アラビアにおきましては、政府との交渉、基本的にフランス語を使用しております。フランス語の専門家は十二名、この五十数名の中に入っておりますが、アラビア専門家はこの中にはおりません。
  94. 大野元裕

    ○大野元裕君 フランス語でできるからアラビストは送らなかったという御答弁だと私は理解をいたしました。しかしながら、政府の対応方針として、万全な体制をしく、情報収集をしっかりやる、こう総理はおっしゃっておられました。  実際、例えばイナメナスという言葉、大臣、どういう語源か分かりますか。分からないでしょう。アラビア語が分かる人間なら分かるんです。これは、アイン・オンム・アン・ナース、元々、人々の母の泉、つまり砂漠の真ん中にあるということは言葉聞いただけで分かるんですよ。つまり、アラビストが行けば、例えば人質の交渉をする、現地における情報の収集を近くの近傍の町でやる、こういったことが可能になるんです。  つまり、最初から相手はアルジェリア政府、BPあるいは日揮さん、こういった上のところしか見ていないんじゃないんですか。しっかりとした体制、アラビストを送れなかったんではないでしょうか。いかがですか。
  95. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 現地の体制は先ほど申し上げたとおりですが、加えて、フランス語、アラビア語両方を解する現地職員が存在いたします。また、外務省本省、また近隣公館、アラビアを専門とする職員、こうした職員も存在いたします。こうした体制でフォローしてきた次第であります。
  96. 大野元裕

    ○大野元裕君 現地職員でいいということであれば、日本から送る必要など、大量に送る必要など私はないと思いますよ。  例えば、もう一つお伺いしますけれども、現地の体制として、例えばですけれども、イギリス、アメリカ、地図を出してください。(資料提示)イナメナスというところは、アルジェ、首都から千キロ以上離れたところですよね。ここで相当、確かに情報収集に苦労されたと私も思います。しかしながら、この地域、アメリカやイギリスは比較的イナメナスに近いところに早くから人を送っていたというふうに報道では伝えられています。  その一方、我が方で考えると、ちょうど真ん中ぐらいの地域、ガシュトゥーユというところに日揮さんの事務所がありますね。あそこで人を張り付けることはできたわけですけれども、なぜ我が方は大使館の人間なり政府の人間をいち早く現場にたどり着けるような真ん中の地域まで張り出さなかったんですか。
  97. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 現地におきましては、まず情報収集に全力を努めたわけでありますが、御指摘のように、この現地、首都から一千キロ以上離れた地域にあります。また、この現地におきましては、アルジェリア軍によりまして空港が閉鎖されている等々、様々な条件の中で最大限早く現地にたどり着く方法を模索した。結果として、城内大臣政務官が他国に先駆けて現地に到達した、こうした経緯であります。
  98. 大野元裕

    ○大野元裕君 現地ってどこですか。アルジェですか。  アルジェリアというのは、今、アフリカの中で、スーダンが分割されて以降、最も大きな面積を持っている国ですよ。このガシュトゥーユあるいはイナメナス、そこまでは、イナメナス行けないとしてもそこまでは、ガシュトゥーユまでは行けたんじゃないんですか。ほかの国は行っていますよ。  ちょっとクロノロジーを出してください。そのクロノロジーをしっかりと御覧いただくとお分かりになると思いますけれども、例えば、イギリスの航空機は現場には行けなかった、しかし、百六十キロ地点には十八日の夜の時点で行っていると言われています。あるいは、C130が、アメリカの航空機が早くから出ていますけれども、なぜその地域に、まさに近くのところに可能な限り早く行ける手段を模索したのであれば、日揮さんの事務所だったら行けるんじゃないんですか、いかがですか。
  99. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど、まず現地と申し上げたのはイナメナスのことであります。  どの時点で情報収集をし、そして対応するのか、現地においては様々な検討を行った次第ですが、二十日から二十一日にかけて、初めてイナメナスに入れた外国政府高官、これは城内大臣政務官、これが初めてだと承知しております。こうしたことを考えますと、我々としては、最大限努力した結果、御承知のような結果に結び付いたと考えております。
  100. 大野元裕

    ○大野元裕君 それでは、政府専用機についてもお伺いをしたいと思っています。  防衛大臣、報道によれば、アルジェリアの政府からの許可を待たずにイギリスは航空機を出した、百六十キロの地点ですね。また、米軍も医療機器を搭載したC130を日本よりもはるかに早くイナメナスの空港に送っていると言われています。このクロノロジーでいうと真ん中辺りです。ところが、日本の政府専用機が来たのは、このクロノロジーに入らない、ずっと後の方であります。  どのような形で、いつアルジェリアにこの政府専用機が行ったのか。そして、これだけ遅れてしまった、アルジェリア政府を説得できなかった理由は何だとお考えですか。
  101. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 私ども防衛省が政府専用機についての検討を始めましたのは一月十六日夕方、この事案が起こったことが分かった直後に、私の方から、防衛省内で、これはまだ政府内で指示はありませんが、省内としてはどのような想定をして、どのような状況ができるか、関係省庁として連絡を取ってくれということを伝えました。その後、私どもとしましては、最終的にはこの政府専用機、準備をさせていただいて、外務大臣の方から、これは自衛隊の邦人輸送につきましては外務大臣の要請があって初めて私が命令を発出することができますので、その発出を待っていた中で、二十一日十五時四十分過ぎに外務大臣から発出がありました。私の方から速やかに当該輸送の命令を出しまして、当日夜には千歳の方から羽田の方にこの政府専用機は到着をしております。
  102. 大野元裕

    ○大野元裕君 それと、外務大臣、先ほど政務官は外国の高官として初めて入ったというお話をされましたが、イギリスの外務大臣が十九日の、日本時間、夜の時点で、イギリスの大使館、政府関係者のスタッフは現場に到着をしたと、また二十日の朝には、外務大臣自身が言っているんですよ、これ、私、ユーチューブで見ましたけれども、我々の大使が現場に入ったと、これ二回に分けてお話をされておられますけれども、事実関係は確認されておられますか。
  103. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点、確認しておりません。いま一度確認いたします。
  104. 大野元裕

    ○大野元裕君 それでは、本邦の、我が日本における体制についてお伺いをさせていただきたいと思っております。これ、早急に対策本部を立てられたということでしたけれども、総理はちょうど外遊中でした。そういったときに不幸な事件が起きたというのは大変なことだとは思いますけれども、なぜ安倍総理は外遊を早くに切り上げなかったのかを是非お伺いしたいと思っています。  というのは、十七日の時点でイギリスの外務大臣も首相も外遊を取りやめておられます。我が国の場合、例えば、ベトナムからタイに行かれるときがちょうどいいタイミングでもしかしたらあったのかもしれないと思いますけれども、いかがでございますか。
  105. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、まずこの事案に対して全力で取り組んでいくという指示をいたしました。そして、今私は何ができるかということにおいてベストの選択をしなければならないと、こう考えたんですね。  そこで、ベトナム、タイ、インドネシア、日本にとっては極めて重要な国であります。そして、この訪問については相手方も、インドネシア側も、そしてタイ側もずっと長い間準備をしてきたわけであります。そして、この首脳会談によって得られる成果もあります。そして一方では、私が帰らなければ日本側でオペレーションができないのか、そういう姿勢を示すことだけが大切なのかという判断をしなければいけません。  そこで、実質を考えれば、言わば訪問先からにおいても、私はキャメロン首相ともアルジェリアの首相とも電話で会談を行いました。それによって英国側から様々な情報の提供もありましたし、便宜の提供もあったわけでありますから、言わばタイに行ったことによって、あるいはインドネシアに行ったことによってのマイナスは全くなかったというふうに認識をしておりますし、そしてまた、テロによって日本の外交自体が言わばばたばたするような形で影響を与えられてはならないと、このように考えたわけであります。
  106. 大野元裕

    ○大野元裕君 なるほど。テロによってイギリスの場合にはばたばた影響が与えられてしまったと、こういうふうにも理解ができるお話でございますが。  安倍総理、たしか二〇〇四年の人質事件のときに、私も随分かかわらせていただいた事件でございましたけれども、たしかあのとき、第一報が入られたとき、総理は小泉総理と会食をほかのメディアの方とされていたと、私はその出席をされたメディアの方からお伺いをしていて、その、幹事長としてです、第一報が入ったときには、三人の人質の事件のイラクのときです、二〇〇四年の、と思いますけれども、たしかあのとき、一時間近く時間がたってから第一報が小泉総理に伝えられたと。そのときには、幹事長であった安倍総理に第一報が伝わったんだけれども、そこからは行かなかったということを情況証拠として御参加された方が言っておられました。私は、その真実についてはもちろん分かりません。  ただ、何が申し上げたいかというと、初動の体制がそのときには疑問として付されたんだと私は思います。総理が対策本部長としておられなかった、日本に。改めてお伺いしますが、そのことによって万全な体制をしくことができなかったとはお考えではないということでよろしいですか。
  107. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員は、全く憶測に基づいて当時の事案について話をしておられます。それが事実かどうかということを今いきなり聞きましたから私は確かめようもないわけでありますが、あのときは、言わば小泉総理は適切に私は対応されたと思いますよ。あのとき、私は政府のメンバーではなくて幹事長でありますから、言わば政府のメンバーとしてオペレーションに参加する立場ではないということをはっきりと申し上げておきたいと思います。  と同時に、今回の事案において、イギリスとも綿密に連絡を取ったわけでありますし、そして、先ほど大野委員はイギリスあるいは米国の対応を挙げられたわけでありますが、英国も、イギリスも軍事オペレーションが可能なわけです。これ決定的に違うんですよね。軍事オペレーションが可能で、そして、今つまびらかにお話をすることはできませんが、言わば彼らも、この人質解放において軍事的な作戦ということも選択肢として考えていたわけでありまして、そのことについても私は話をしました。  その中において展開をしていくということであって、日本ができることとは、これは全然残念ながら違うんですよ、今の日本とは。そこはよく押さえておく必要があると思いますし、そして、アルジェリアに行った人たちにおいては、これはただ民間人が行ったということでは全くないわけでございますから、そこを我々の行動と分けて考えていく必要は当然あるんだろうと、このように思うわけであります。  その中において、私は外遊を続けていく中において適切に対応しているわけでありますから、そこで私が外遊をやめて帰ってくることによって事態に全く変わりはないだろう、残念ながらですね、というふうに思っております。(発言する者あり)小野次郎委員、静かにしていただけますか。済みません。よろしいですか。
  108. 石井一

    ○委員長(石井一君) 静粛に願います。
  109. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) その中において我々は適切な行動を取ったと、このように思っております。
  110. 大野元裕

    ○大野元裕君 適切な行動、適切な体制ということを多分御強調されたんだろうと私は思います。アラビストは出さない、現地の近くの地域には行かない、そして今、軍事上のオペレーションの話をされましたけれども、実は現在の自衛隊法でも、もう先ほど、実際出しているとおり、飛行機は、航空機は出せることになっています。そんな中で、結局命令が二十一日まで出せずに二十二日に到着をしたということでは、やはりそこに私は現実に差があったのではないかと思いますよ。  そして、イギリスとの協調もしっかりされたということをおっしゃっておられました。まさに城内政務官がヨーロッパを回っておられましたけど、ちょうどあのとき、アメリカはパネッタ国防長官がヨーロッパを訪問されていました。そのときには、実は切り上げられずに、ほかの欧州諸国と調整をされたというふうに私は聞いています。  そんな中で、イギリスに人質になった方が出国をされた報道を読みました。その報道の中で、様々な御苦労の中で、私があれっと思ったのは、イギリスに出国した方が警察に出頭をして、そこで事情聴取を受けているときに、そこにはアメリカのCIAだか国務省の人間だか、そういった方も来ていて話を聞いていたと書いてありました。  調整をされたということは、当然、日本も最大の被害国ですから、そういった調整も済んでいたという理解でよろしいんでしょうか。これは岸田外務大臣でしょうか、お願いいたします。
  111. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) インテリジェンスについてはここでつまびらかにお話はできませんが、英国との間においても、これは私がキャメロン首相に情報の詳細等について日本に提供するようにお話をしております。その上において、当局間においてのやり取りがございました。  米国に対しても、岸田外務大臣がその後国務長官と会談を行っているわけでありますが、米国側とも、これはどういう情報の言わば交換をしたということはここでは申し上げられませんが、適切に対応しているということでございます。
  112. 大野元裕

    ○大野元裕君 外務大臣、同席されたということでよろしいですか。
  113. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 関係国との情報共有につきましては、私も、英国、フランス、そしてノルウェー、アルジェリア、こうした各国の外相と情報共有をしてまいりました。またあわせて、今総理からありましたように、アメリカに赴きまして、クリントン長官ともこの事件に対する連携を確認したところであります。  そうした細かい情報のやり取りについては申し上げられませんが、こうした首脳レベル、また外相レベルにおいても、各国の連携、しっかりと確認をし、作業を進めていった次第であります。
  114. 大野元裕

    ○大野元裕君 質問に答えていません。情報の中身について答えろなどと言っていません。捜査官が同席したんですか。そこについて答えられるのであればお答えください。
  115. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 各国との連携の中身についてはこの場で申し上げることはできません。
  116. 大野元裕

    ○大野元裕君 そういうふうに最初から言ってください。  だとすれば、各国との連携について是非お伺いしたいと思いますけれども、アルジェリアで確かに本当に苦労されたと思います。情報錯綜する国です。実際それもうかがい知れました。  そんな中で、テレビを見ておりましたら、城内外務政務官が日本テレビに対して、軍のオペレーションは秘密ですから、アルジェリア政府ですら承知していないんですよというふうに述べておられますけれども、これはどういう意味だか、おられますか、お願いします。
  117. 城内実

    ○大臣政務官(城内実君) 大野委員にお答えいたします。  御指摘の発言につきましては、私が一月十七日からアルジェリアに入りまして事件への対応に当たる中で、その首都アルジェから約一千キロ離れたイン・アメナスの現場におきまして、アルジェリア軍による制圧作戦も含め情報が大変錯綜しておりまして、情報収集が困難を極めたことについての私の率直な印象を述べたものであります。  こうした中、私としては、アルジェリア政府閣僚等との会談、関係各国との連携、イナメナス訪問等を通じて、邦人の安否確認を含め情報収集に全力を挙げたところであります。  引き続き、我が国としましては、武装勢力の侵入を許した原因や救出作戦の詳細など、事態の全容についてアルジェリア政府に対ししかるべく説明を求めていく考えであります。
  118. 大野元裕

    ○大野元裕君 いや、ここでおっしゃっているのは、アルジェリア政府の関係者ですら、軍事オペレーションですから軍のことは分からぬとおっしゃっているわけですけれども。実はその後、二十一日、サラール首相が記者会見の席において、これはモーリタニア通信がそこで全部、全文書いていますけれども、大統領は、現地の特別部隊による治安作戦については、毎時間ごとに情勢を直接フォローしていたとはっきり記者会見で述べておられます。これは首相が、このサラールさんという首相がうそつきなのかどうか私には分かりませんけれども、少なくとも最初お話しのこととは随分違う。パネッタ、先ほど取り上げたアメリカの国防長官は、情報の収集に関しても、アルジェリア政府を、強く圧力を掛けている、プッシュしているという言い方をしておられました。そういった意味では、日本の政府の情報収集、若しくはアルジェリアに対する働きかけが私は弱かったのではないかと強く感じている次第であります。  それに、情報に関してもう一つ申し上げると、三十キロ圏のみが、先ほどの地図お願いいたします、これまでいわゆる退避区域でありました。その情報が、確かにこれ、安全情報が出されたのは民主党政権時代も一緒ですから、我々も反省するべきところ大だと思っています。  しかしながら、その後にも様々な情報が積み上がっているんですね。例えば、お隣のチュニジアとの国境では、アルジェリアの地図や武器を持った、こういった勢力が直前、一か月ぐらい前ですかに拘束をされています。あるいは、リビアの国境の閉鎖があったのは、これちょうど事件の朝だったと私は思います。それどころか、イギリスの、これ聞いたことあるでしょうか、エクスクルーシブ・アナリシスという会社は、アルジェリア政府と並んでイナメナスを名指しにした上で、イスラム勢力が攻撃や誘拐の対象としているということをこれレポート出しているんですけれども、こういった情報、外務省としてお持ちだったでしょうか。外務大臣、お願いいたします。
  119. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) こうした危険情報につきましては、こうした地域に対してしっかり情報を提供することを心掛けなければなりませんが、あわせて、スポット情報あるいは広域情報、こういった形で累次にわたりアルジェリアを対象とする注意喚起、こうしたものを発出しております。  そうしたものの積み重ねによって注意喚起行ってきた、こうした次第であります。
  120. 大野元裕

    ○大野元裕君 情報を御存じでしたか。
  121. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) そういった様々な情報を踏まえてこの注意喚起に努めてきた、こうした御答弁であります。
  122. 大野元裕

    ○大野元裕君 全然答えてないと思いますけれども、いかがですか。
  123. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) こうした情報を踏まえた上で注意喚起に努めるのが我々の……(発言する者あり)であります。  事務方においては、当然、様々な情報を収集した結果がこういった注意喚起だと認識をしております。
  124. 大野元裕

    ○大野元裕君 三十キロの危険区域が設定され、その先は注意喚起になっていますけれども、このイナメナスというところはリビア国境から三十数キロという、まさにすぐ外なんですよ。そういった意味では、我々が適切な情報を提供し、安全情報を告げるということは、外務省としての私は責任だと思っています。  そういった意味で、是非、総理、これ最後の質問の、アルジェリアに関してはなりますけれども、実は総理、今回の十名の犠牲になった方のうちの一名は、私がカタールというところで御家族付き合いをさせていただいた方であります。子供同士のお付き合いも大変深い方でありました。  そういった中で、私自身、大変申し訳なかったなと思っているのは、やはり万全な体制をしけたかどうかというところの一点に懸かると私は思っています。結果的に確かに十人の方は救えなかったかもしれない。しかし、万全な体制をしくということが私はとても大事だと思いますけれども、今の安全情報、さらには現地における体制、そしてアルジェリアに対する働きかけ、こういった意味で、私は、自衛隊法の改正とかそういったことを言う前に、我が方の交渉能力や情報収集能力、現地の体制、こういったものについて反省をする必要があると思いますけれども、総理、最後、まさにお亡くなりになった方に対してもそうですけれども、どのような御自戒の念をお持ちか、お答えをいただきたいと思います。
  125. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になった点も踏まえて、官房長官の下で今後こうした事案に何ができるか、反省点も含めて検討を進めなければならないと、このように思っております。
  126. 大野元裕

    ○大野元裕君 是非よろしくお願いしたいし、そのときには、先ほどの、イギリスで捜査官が同席をするように、ほかの国でもしっかりとした体制をしいていただきたいと思います。  もう一点、先ほど同僚からあった中国の管制レーダーの照射事件についても、お話を少し若干聞きたいと思っております。  七日に小野寺防衛大臣は、今般の中国政府による火器管制レーダーの照射事件は国連憲章の禁止する武力による威嚇に当たると答弁をされておられますが、総理の御認識、いかがでございましょうか。
  127. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 委員の御指摘ですが、二月七日、私は、武力の威嚇に当たるのではないか検討するべきである旨ということでお話をさせていただきましたが、その日も同じような質問がございましたので、重ねて、その検討には、当該行為が行われた全般的な背景、当該行為の主体の目的や意図がどのようなものであったか、当該行為の対象がそれをいかに認識したかということを総合的に判断する必要があるということで考えております。
  128. 大野元裕

    ○大野元裕君 武力による威嚇というのは、政府の答弁書が出ています。平成十四年には、現実にはまだ武力を行使しない、しかしながら、自国の主張、要求を入れなければ武力を行使するとの意思、態度を示すことにより相手国を威嚇することをいうとされています。この武力による威嚇に当たるんでしょうか、当たらないんでしょうか。総理はいかがでございますか。
  129. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大野委員が指摘されたように、武力による威嚇ということについて定義を示しておりますので、行為の目的、意図などに照らして今回の事案については検討が必要であります。  ただ、今回のことについては中国側は根っこからそれは否定をしているということでございまして、その中でなかなか直ちにこれが、意図あるいは行為の目的ということは測り難いところがありますが、しかし、いずれにせよ、今般の事案は不測の事態を招きかねないわけであって、その照射を受けた自衛隊員には極度の緊張を強いたのは事実でありますから、私としては、これは極めて危険な行為であり、断固としてこれは抗議をし、そして再発防止に心掛けていただかなければならないと強く要求するところであります。
  130. 大野元裕

    ○大野元裕君 行為の目的ということであれば、実は共産党の機関紙に、十八日付けですけれども、中国軍の軍の少将が、もしも日本の艦船などが警告に従わずに中国の艦船を追跡する場合には、日本の艦船へレーダーを照射した上で、危険な行動に出れば断固として自衛すると、行為の目的を述べています。  これ、威嚇に当たらないんでしょうか。さらに、もしこれが威嚇に当たるとすれば、二回の、十九日、三十日、そして今回のこと、国連に対して通報すべきではないんでしょうか。というのは、国連の憲章の第二条に反するものであった場合、第六条に書いてありますけれども、これを執拗に繰り返す場合には、国連はその加盟国を除名することができるということになっていますけれども、我が国としては、これは黙ったままなんでしょうか、それとも国連に通報するべきでしょうか。
  131. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 国連につきましては我が省の所掌ではございませんが、先ほど私がお話をした武力による威嚇ということでお話があっておりますが、基本的には、当該行為がどのような全体背景、当該行為の主体の目的や意図がどのようなものであったか、当該行為の対象がいかにそれを認識したかということを総合的に判断するということに尽きるんだと思っております。
  132. 大野元裕

    ○大野元裕君 時間がないので次の質問に移りますけれども、先ほどのお話にもありました三十日の事件、これが五日に報告が上がった。これは外務省に対しても五日だったというふうに私は理解をしています。  これ実は、五日の報告が上がる直前の午前十時半ですけれども、外務省の齋木審議官は中国大使を呼び出して抗議していますが、これ抗議した内容というのは三十日の件ではなくて、二月四日の中国の海洋監視船が尖閣諸島付近の領海に十四時間とどまった、これについて抗議をしているんです。  要するに、中国側からすれば、中国側は知っていたかもしれない、外務省は知らされていない形でこれを抗議した。これは要するに、誤ったメッセージを与えたことになりかねないと思いますし、中国に対して、私は正直、外交上なめられてしまうのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでございますか。
  133. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 二月、この午前中のその抗議については、御指摘の趣旨で抗議を行いました。そして、このレーダー照射事案につきましては、外務省としましては、この第一報を受けて、最大限迅速に抗議を行う、これで努力をし、この抗議を行った次第であります。
  134. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、よく分からないんですが、適切というようなお答えなんでしょうか。  実はその後、中国の大使館のホームページを見たら、ぬけぬけと、中国の海洋監視船は正常な権益維持パトロールの公務を執行していると、この公務を妨害することを停止するよう日本側に求めたということがホームページに書いてあります。これを会談で言ったというんですよ。つまり、そこで言ったかどうか私には確認するすべはありません。ホームページでは書いてあります。それで、逆に我が方がレーダー照射を知っていて、このことを言っていれば違ったのでは私はないかと思います。  最後にもう一つだけお伺いしたいんですけれども、実はその後、五日の夜には中国大使館の新年パーティーがあって、そこで御党の高村副総裁がお出になられています。ただ、そのときはまだ第一報だったからいいかもしれません。八日、その三日後ですよ、わざわざ大使館を高村副総裁が訪れて、在京大使に対して抗議をしているということなんですが、これ、呼ぶことと行くことって全然違うと思いますけれども、しかも夜ですけれども、中国大使館に訪れていってこれを行うということは外務省として適切だというふうにお思いでしょうか。
  135. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 高村副総裁は元々、二月八日夜に在京中国大使館を往訪する予定であったということでございます。そして、予定どおり訪れたところ、本件事案の公表を受けて、往訪した際に程永華大使に対して抗議を行った、こうした次第であります。
  136. 大野元裕

    ○大野元裕君 時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、適切であったかどうかについては改めて私は審議をする必要があると思いますので、委員長に対して、是非とも次回また、高村副総裁を呼んでいただいてお話をしていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  137. 石井一

    ○委員長(石井一君) はい、承りました。  ただいまの大野君の質疑の中で、官房長官が御退席中でしたが、アルジェリアの問題について、官房長官の下で今後検討を加えるという、そういう議論がありましたので、議事録に御注目いただきたいと思います。  以上で大野元裕君の質疑を終了いたします。(拍手)     ─────────────
  138. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、塚田一郎君の質疑を行います。塚田君。
  139. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。よろしくお願いを申し上げます。  安倍総理、改めまして、総理御就任おめでとうございます。応援団の一人として心よりお喜びを申し上げる次第であります。また、第二次安倍内閣の発足も改めてお喜びを申し上げます。  私は総裁選で安倍総理を応援をさせていただきました。それは、まさに現下の外交そして内政のこの状況を打破する強い日本のリーダーとして政治家安倍晋三しかいないと、そういう思いを強く思ったからであります。改めて総理にはその期待が大きく国民からも寄せられているわけであります。  総理は総裁選のときに、まさにその自らの挫折をばねにしてもう一度再チャレンジをするという熱い思いを語られたわけでありますけれども、改めて、この二度目の総理御就任に当たり、強い日本を再生する、そのリーダーとしての覚悟をお聞かせいただけますでしょうか。
  140. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、私に与えられた使命は、まず、危機を突破をしていくということだろうと思います。経済においては、長引くデフレの中において低迷をしています。頑張る人が報われる社会、真っ当な経済を取り戻していくことがまず第一の使命であろうと、このように思っております。  その上において、外交、安全保障をめぐる状況は厳しさを増しているわけでありまして、我が国の国益をしっかりと守っていく、そのために強い外交そして安全保障における発信力を強めていかなければならないと、こう思っているわけでありまして、まずは一つ一つ結果を出していくことに全力を傾けていきたいと決意をいたしております。
  141. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。  昨日の参議院の本会議、総理の目前で採決が行われました。僅か一票という大変に僅差で参議院において補正予算案が可決をし、成立をしたわけであります。まさに薄氷を踏む思いと総理もおっしゃっているわけでありますけれども、ねじれ国会においてこうした結果が出たということは大変大きな意義があるというふうに思いますが、総理、率直に、昨日、その予算の成立を見てどのようにお感じになりましたか。
  142. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日の参議院本会議において政府の提出をした補正予算案に対して賛成をしていただいた全ての皆様、各党各会派に心から御礼を申し上げたいと、このように思います。  六年前の参議院選挙で私が総理・総裁のときに自民党は惨敗を喫しまして、自来、ねじれ国会が続き、なかなか決められない国会、決められない政治ということを極めて国民の皆様から指摘され、批判をされてきたところであります。それが結果として国の停滞を招いていることは事実であり、私には大きな責任があるわけでありますが、まさに昨日は、たった一票の差ではありましたが、この一票差というのは、決められない政治から決めることのできる政治への大きな一歩となったのではないかと、このように思います。  補正予算が成立をしました。言わば三本の矢の二本目の矢が放たれたわけでありまして、一日も早く執行できるように全力を尽くしていきたいと思います。
  143. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 次に、今回の訪米について御質問をさせていただきたいと思います。  まさに日米同盟というのは、我が国外交、安全保障にとって大変根幹を成すものだということは、総理が常々おっしゃっているとおりであります。今回、安倍総理はオバマ大統領と初めてお会いになったんだと思いますけれども、最初にオバマ大統領の印象をちょっとお伺いしたいんですが、大統領は非常にクールでビジネスライクな人だという評がありますけれども、どんな印象を大統領にお持ちになりました。
  144. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずは、大変若々しくて、エネルギーに満ちあふれた、エネルギーと自信に満ちあふれた方だなと、このように思いました。と同時に、言わば首脳会談、限られた時間の中でできる限り多くの課題について処理をしていこうというスタイルであると、このように思いました。  その結果、首脳会談においては、当初予想されていたよりも多くの議題について率直な意見交換もできましたし、成果が出たのではないかと、このように思っております。
  145. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 それでは、具体的に、今回のこの首脳会談を含め、訪米の成果を総理に御説明いただきたいと思います。
  146. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の首脳会談においては、米軍再編等の安全保障の課題、そして北朝鮮などの地域情勢、特に北朝鮮についてはミサイル発射、そして核実験がありました。日米で言わば共有する課題、脅威でもあります。この北朝鮮に対する国連の決議あるいは日米間で行える制裁等についてかなり突っ込んだ話ができたのではないかと思います。    〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕  そして、TPPを含めて経済の課題、そしてテロ対策。アルジェリアで悲しい出来事がありました。ああいう、テロに対する日米の協議をスタートしていこうということでも合意をしたわけでありますが、そうしたことも含めてグローバルな課題について議論をすることができました。そしてまた、食事を共にする中において個人的な信頼関係も構築し得たのではないかと、このように思います。  その意味におきましては、日米において強いきずなとそして協力関係が完全に戻ってきたと、こう宣言できる会談ではなかったかと思います。
  147. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 オバマ大統領も安倍総理に対して、同盟国の大統領としてしっかりと支えていくという強いメッセージをお出しになっているようですし、これからも緊密に連携をして頑張っていただきたいというふうに思います。  安倍総理は今回の首脳会談の中で、集団的自衛権あるいは防衛費の増額、防衛大綱の見直しなど同盟強化に向けた取組を説明されたということですが、特に集団的自衛権の行使については非常に私は大きな意義があることだと思います。  今回、あえて首脳会談でこのことを言及をされたということは、対米での公約という位置付けになったという理解でよろしいでしょうか。
  148. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、首脳会談において、強い日本は強い米国につながっていく、そして強いアメリカは強い日本につながっていくんだというお話をさせていただいたところでございまして、その中で、日本も日本としての責任を果たしていく、日本が責任を果たしていくことによって言わばアジア太平洋地域はより平和で安定的な地域になっていくというお話をしたのであります。  その文脈の中で、日本は自助努力として防衛費を増強した、そして、日米同盟関係がもっと機能を発揮できるようにするためにも、集団的自衛権の行使、解釈の見直しの検討をしていくことを私は必要だと思っていると、そのことによって地域はより安定し、平和を守っていくことにつながっていくという話をしたのでありますが、これは米国に対して約束をすることではなくて、まさに日本として、そしてまた、私は日本の総理大臣として何を考えているかということについて説明をしたということでございます。
  149. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 いずれにしても、この安倍内閣において集団的自衛権の行使について結論を出すという私は総理の意気込みの表れだと思います。具体的には、総理は、有識者の懇談会、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会を再度設置をされております。  第一次安倍内閣の有識者懇談会では四類型についての憲法解釈変更を含めた議論がなされていますが、まず少なくともこの四類型については実現できるように検討していくべきだと思いますけれども、そのことについて、また今回の懇談会を含めていつまでにこの集団的自衛権行使の結論を出されるつもりか、それについて御説明願います。
  150. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 塚田さんがおっしゃったように、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会を再開をいたしまして、ここでまさに、四類型を含めて、変化した安全保障環境の中において何が必要かということについて議論をしていただいております。  この四類型でいえば、例えば、公海上でアメリカの艦船と日本の艦船が並走して走っていて、相当距離があったとしても並走して走っていて、もし米国の海軍の船が襲撃を受けて、日本の海上自衛艦がそれを助けることができるのに全く助けることをしなかったならば、その段階において日米同盟関係は大きなこれは危機に直面することになるんだろうと思います。  また、別の類型においては、ミサイル防衛において、日本に飛んでくるものは落とすけれども、これは例えばグアムに飛んでいくものは、落とすことができてもそれはパスをしてしまう。これでもう相当たくさんの方々が、死者が出るわけであります。恐らく、そうした選択を本当に行ったとすれば、これはもうまさに、日米同盟はその段階において大変な危機を、終わるかもしれないという危機を迎えるのではないかと思います。そういう観点からしっかりと専門家の間で協議をしていただきたい。  ただ、私が余り予断を与えることを今申し上げるべきではないだろうと思いますので、この程度にさせていただきたいと思いますが、しっかりと、何が必要か、日米同盟なくして日本の安全はないわけでありますから、そのために何が必要かということも含めてしっかりと議論していただきたいと、このように思っております。
  151. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 いや、まさに総理おっしゃるとおりで、アメリカが日本を守るということは非常に大きな意義がある、しかしそこには大きな代償が付いているということだと思います。  総理は今回、アーリントン国立墓地にも行かれたというふうに報道がありました。私もかつてアーリントンの国立墓地を訪れたことがあります。ここに、いろんなセクションがあるんですけれども、最近の戦いで亡くなった犠牲者が埋葬されている場所があります。アメリカの友人の案内でそこを訪れました。ちょうどそのとき、アフガニスタンの戦地で亡くなったアメリカの兵士のお墓の前で、御家族の方がまさにその思いを涙ながらにという光景を私は目撃をしたわけであります。まさにアメリカは自由と民主主義というこの価値を守るために自国の若者の血を流して、その犠牲を払ってそれをやっている。そして、その代償として日米同盟、この日米安保ということが成り立っていると、このことを絶対に我々は忘れてはいけないというふうに思います。  したがって、日本ができること、まさに集団的自衛権の行使というのはその最もできることの一つでありますから、何としても安倍総理、この政権において実現をしていただきたい。これ、私自身強くお願いをさせていただきたいというふうに思います。  今回、北朝鮮問題についても、総理、いろいろと議論をされたということでありますけれども、このことについてお話をさせていただきたいと思います。  今から三十五年前、私は新潟市立寄居中学というところに在学をしておりました。当時、同じ学校に横田めぐみさんが一級下の学年に在学をされていました。私は十四歳、当時、横田めぐみさんは十三歳であります。もう既に三十五年の歳月が流れました。現在私は四十九歳、めぐみさんは四十八歳になられたわけであります。実に多くの歳月が流れたということを御理解をいただけると思います。めぐみさんの現在の年は、当時の横田早紀江さん、お母様の年よりももう年を重ねられていると。本当に長い間御家族の皆様は拉致被害者の帰国をずっと切望しているわけで、私自身にとっても、横田めぐみさんを含む全ての拉致被害者の一日も早い帰国、これは悲願であります。  総理は、今回、就任に当たりまして、改めて安倍内閣において完全に解決をすると、この拉致問題について強い意気込みを語られているわけでありますけれども、安倍総理のこの強い思いをもう一度聞かせていただきたいと思います。
  152. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 塚田委員も、そうした関係もあり、ずっと一緒にこの問題を解決をするために御努力をいただいてまいりましたが、ちょうど小泉総理が訪朝する際、私は官房副長官でございました。そして、北朝鮮側から、五名生存、そして八名死亡していると、こう告げられたわけでございまして、そのことを私が政府を代表して次の日に、その段階でお伝えはしているんですが、もう一度正式にお伝えをしに行くことになったわけでありますが、その後、十月に五人の被害者の方々が帰国をされました。しかし、八人の方々は死亡していると言われておりますから、帰ってくることができない。飛行場にはめぐみさんの御両親、早紀江さん、滋さんが来ておられまして、家族会の会長としてその場を記録にとどめるために写真を撮っておられた。でも、二人は泣きながら写真を撮っておられまして、めぐみさんがそこにいない、私は本当にどんなにつらいかと、このように思いました。そこで、そのとき、めぐみさんを何とかお二人の手で抱き締める日がやってくるまで私の使命は終わらないんだと、こう決意をしたところであります。  あれから十年が経過をして、いまだに解決できない、本当に申し訳ない思いであります。だからこそ、安倍内閣において何としてもこの問題を解決をしたいと、こう決意をしているところでございます。
  153. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 思いは私も総理と同じであります。一日も早い拉致被害者全員の帰国に向けて政府一丸となって、また、我々も、与党でありますけれども、拉致対策本部という立場で、今回は超党派で政府との連絡協議会も設置をしていただきましたので、そういったことをしっかりと踏まえながら解決に向けて全力で取り組んでいきたいというふうに思います。  今回、総理、オバマ大統領に拉致問題について言及をされたということですが、オバマ大統領からはどんな反応、どんな受け答えがあったのかをお聞かせいただけますか。
  154. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) オバマ大統領とは北朝鮮の問題について議論をいたしました。核の問題、ミサイルの問題、そして私からは、日本においては十三歳の少女を含む多くの人たちが北朝鮮によって拉致をされたと、この問題を何としても日本は解決をしなければならないと考えているという、そして、安倍政権の間にこの問題を解決をしようと私は決意しているんだという話をいたしました。そして、日本のこの拉致問題について、日本の立場に対して理解をしていただき、支持をしていただきたいと、このように思うというお話をさせていただきました。基本的に、日本の立場を理解をしていただき、支持をしていただいたと思っております。
  155. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 アメリカにもスネドンさんという、北朝鮮に拉致をされたんではないかという疑いの強い方がいらっしゃいます。こうしたことも含めて、我が国の問題だけではない、国際社会で多くの拉致被害者を抱える国があるわけですから、そうしたところとの連携をしっかりと強めて問題解決に取り組んでいっていただきたいということをお願いをさせていただきます。  安倍政権においては、国連に北朝鮮に対する人権調査委員会の設置をするという政策決定を既に行っていただいているわけで、この動きについて、国連の中で国際社会がしっかりとこのことに連携をしていっていただきたいと思いますが、外務大臣にお尋ねしますが、アメリカを含む関係国、この調査委員会設置について今どのような反応なのか、御説明いただけますか。
  156. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) この拉致問題の解決を含めて人権状況の改善を北朝鮮に求めていくため、政府としましては、現在ジュネーブで開催されております国連人権理事会で、新たな人権調査メカニズムを設置すべく関係国と協議を行っているところです。これは、例年行っている北朝鮮人権状況決議を共同提案しているEUあるいは米国は、既にこの正式な新たな調査メカニズムの設置を推進する方針を固めたと承知しております。  政府としましては、今後も北朝鮮に対して拉致問題の解決に向けた具体的な行動を強く求めていきたいと考えております。
  157. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非、国際社会の中でこの拉致問題ということが、より多くの国がこの問題解決に向けて取り組んでいっていただくこと、これに向けた動きを加速をしていただきたいということをお願いをさせていただきます。  追加制裁についても、安倍総理、オバマ大統領と議論をされたという報道があります。過去に一番効果的だったと言われるのがアメリカによる北朝鮮への金融制裁、バンコ・デルタ・アジア、BDAの資産凍結ということでした。これに関連をして、総理は安保理以外の制裁も含めて日米で協力をしていきたいと述べたとされていますが、総理、今回、日米首脳会談でその金融制裁などについて具体的にどんなようなお話があったのか、お聞かせいただけますか。
  158. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 制裁の中身については、首脳会談で交わされた議論について、詳細についてお話をすることはできませんが、しかし、首脳会談の前、核実験のあった後の電話会談において私から、バンコ・デルタ・アジアに対する金融制裁について、口座凍結等について、これは効果があったという経験を話をさせていただきました。  今回においても、こうした金融制裁も含めて、国連による制裁とは別に、日米で制裁を行うことにおいて協議をしていきたいというお話をさせていただいたところでございます。
  159. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 これに関連して、菅官房長官は、日米関係で更に必要なら法律を作り対応したいと、これ制裁強化に向けてだと思いますが、御発言をされています。  日米で効果的な金融制裁を講じるとしたら、どのような手段を今念頭に置いて政府で検討されているのか、立法の必要性もあるかもしれませんが、その辺りについて政府として御説明いただけますか。
  160. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 金融面の制裁については、国連安保理の決議に基づく資産凍結があります。決議がなくても両国間でそうしたことができるのかどうか、法改正も含めて今検討しているところでありますし、また、自民党の拉致対策本部から再入国禁止措置を更に広げるべきだという提案もあります。核やミサイルに関する技術者、こうしたことも今視野に入れて検討しております。
  161. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 今まさに官房長官からお話がありました、さきの三回目の核実験の後、自由民主党の拉致問題対策本部としても、新たな追加制裁のオプションとして再入国禁止対象者の拡大ということをお願いをしております。これは、北朝鮮総連関係の核あるいはミサイル等の技術者が出入国をしているという、そうした情報が寄せられている中で、こうした対象者も含めて拡大をしていくべきだということをお訴えをさせていただいています。  既に政府は、五人の北朝鮮総連の副議長についての再入国禁止の対象拡大をされていますが、その効果と、今後またそうしたことを、今お話があったとおり拡大をしていく中で、どういったオプションを検討されているのか、改めて御説明いただきます。
  162. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 北朝鮮に意思決定をできる総連の、かつて四人の人の再入国を禁止しました。さらに、そこを補助する五人の方の再入国を今度禁止する措置をとりました。ここはやはり北朝鮮からの様々な指令が当然あっただろうと思いますから、そうしたことを遮断することができるのではないかなというふうに思いますし、今委員からお話がありました、この核やミサイルの技術者、こうした人間も再入国禁止ということに、今視野に入れてこれを検討させていただいていますけれども、そういうことによってこの核やミサイル、そうした実験等に大きな影響を与える、打撃を与えることができるんだろうと思っております。
  163. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 念のため、ちょっと確認なんですが、副議長に対象を拡大したというのは、これはポストに対しての拡大ですか。それとも、特定の個人に対するもの、つまり役職が離れたらばその人は対象外になるということでは効果がないわけで、その点について確認させてください。
  164. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 現在はそのポストにある五人に新たにこの再入国禁止を行ったわけですけれども、そこをどういう形で相手が逃れるか、もうこれ分かりませんから、そうしたこともやはり視野に入れながら、しっかり実効力のあるものにしたいと思います。
  165. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非、法執行上も実効力のある形をしっかりと担保していっていただきたいと思います。  北朝鮮に関する問題は拉致問題だけではありません。特に、核、ミサイルといったことは大変な脅威でありまして、今回の核実験によりいわゆる核の小型化が進んでいるともしすれば、まさに我が国そして米国に対する核ミサイルの脅威が現実味を帯びてきているということです。  今回の首脳会談で、弾道ミサイルの防衛協力を進めることで一致をしたというふうに報道されています。首脳会談では、米国のXバンドレーダーを我が国へ追加配置する方針で一致をして、追加配備されるのは京都ということが発表があったということでありますけれども、その場所を選んだ理由も含めて、今後どういうこうしたミサイルの連携を行っていくのか、防衛大臣から御説明願います。
  166. 小野寺五典

    ○国務大臣(小野寺五典君) 御案内のとおり、昨年十二月十二日の北朝鮮のミサイル事案において、北朝鮮のミサイルの能力が向上しているということ、これは我が省の方からも分析をさせていただいております。  そのようなことも受けて、二月二十二日の日米首脳会談において、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射などの対応も考えながら、日本国内に二基目のXバンドレーダーを配備して、弾道ミサイル防衛により万全を期すという方針で一致したということが決まっております。  追加配備の場所でございますが、これは米側とも協議をしつつ検討を重ねてまいりましたが、その結果、京都府京丹後市の航空自衛隊経ケ岬分屯基地が、この理由でございますが、一つは、我が国及び米国に飛来する弾道ミサイルの探知・追尾能力の向上を図ることが可能な位置にあるということ、そして、レーダーの照射面、これが日本海側でありまして、遮断するものがなく見通しがいいということ、そして上空に民間の航路がないということ、電波環境が良いということ、このような事案で今回この場所を選定させていただき、そして、地元自治体にも昨日、我が省の事務次官が参りまして、申入れを実施させていただきました。  経ケ岬分屯基地にXバンドレーダーを配備することにより、我が国及び米国に飛来する弾道ミサイルについて探知・追尾能力の向上を図ることが可能となるため、日米双方の更なる弾道ミサイル防衛能力向上に寄与するものと考えておりますが、いずれにしても、今後、地元の御理解が得られるように、関係自治体に対して丁寧に説明をしていきたいと思っております。
  167. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  改めて、今回の北朝鮮の三度目の核実験という暴挙を受けて、安保理での更なる非難・制裁決議ということを今政府は求めていると思います。  今回の首脳会談でも、新たな強い決議を採択することに向けて大統領と認識を共有されたというふうに報道されていますが、どのようなお話をされたのか、御説明願えますか。
  168. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般の北朝鮮の核実験について、私から、国連安保理決議を通じて、国際社会が明確なメッセージを発するべきであるというふうに申し上げました。安保理が新たな強い決議を採択をし、制裁の追加、強化をすることが重要であると、我が国としても協力をしていきたい旨述べたところでございます。  残念ながら我が国は安保理の中に今入っていないわけでありますが、こうした制裁を含む強い決議が採択をされるように日米で協力をしていきたいということを申し上げたわけであります。そしてさらに、こうした決議の採択も含めて、断固とした措置をとるべく緊密に連携をしていくことで確認をいたしました。
  169. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 よろしくお願いします。  関係各国と緊密に連携を取って、是非、新たな強い制裁決議も含めて、国連でしっかりと結果が出せるようにお願いしたいというふうに思います。  次に、TPP交渉の関連について御質問をさせていただきます。  今回、まさにセンシティブ品目についての配慮ということがこの日米会談の中でしっかりと明文化されたということは、大変に意味のあることだと思います。まさにセンシティブなイシューでありますので、総理にはそのことをしっかりと国民にこれから御説明をしていっていただかなければいけないと思いますけれども、私も、ふるさと新潟県は農業県でありまして、米どころでありますから、この問題については非常に慎重な姿勢を取らせていただいています。  総理に改めてお伺いをしたいんですが、さきの選挙で、聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP交渉参加に反対というのが我々自民党の国民との約束であります。今回の首脳会談の共同声明によって、その約束を守る前提ができたと総理は考えていらっしゃるのか、この点について御説明を願います。
  170. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、塚田委員が述べられたように、聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対する、これは自由民主党の公約でありまして、この公約を掲げて我々は政権を奪還をしたわけでございます。  オバマ大統領に対しましては、首脳会談においては、まず、この公約の意義について説明をいたしました。それに併せまして、自民党は、それ以外にも五つの判断基準を示したわけでございますので、この五つの判断基準についても話をしたわけでございまして、その上において、オバマ大統領との間で、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティーが存在をするということ、そして最終的な結果は交渉の中で決まっていくということ、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求められていないとの三点を明示的に確認をして日米の共同声明としたわけでございまして、これを踏まえて、私は、TPPでは聖域なき関税撤廃が前提とされるものではないとの確認に至ったわけであります。  しかし、さらに党内において様々な議論がございます。昨日も今日も熱心な議論がされてきたところでございますから、私はそういう議論を十分に踏まえながら、皆様からそうしたお話も伺いながら、最終的には判断をしていきたいと、このように思っております。
  171. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 今五つの判断基準についても言及をしたという総理の御答弁でしたが、これは、国民皆保険制度を守るですとか、その五つの項目を、これを具体的にオバマ大統領との話の中で内容についても触れられたということでよろしいんですか。
  172. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、五つの項目について具体的にお話をさせていただきました。
  173. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 分かりました。大変今の発言は重要なポイントだと思います。しっかりと国民との公約をどういうものだったかということをオバマ大統領に示して、その上で合意文書ができたということでありますから、その点については非常に重要なことだと思っております。    〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕  しかしながら、総理、まだ心配をされている声はたくさんあります。JA全国中央会の萬歳会長の声明では、TPPに参加した場合、分野ごとのメリット、デメリットに関する政府統一の試算もなく、六項目にわたる政府公約がきちんと満たされたと確認できず、このまま政府が拙速に交渉参加を判断すれば、国益を毀損することにつながると、このように述べられているわけであります。  やはり、国民とこうした声、産業界の声をしっかりと理解をするために丁寧な説明が不可欠だと思うんですね。こうした声を、懸念の声を受けて総理はどのようにこたえていかれるつもりなのか、それを御説明願います。
  174. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今日、この予算委員会の後、衛藤征士郎会長から、昨日の、また今日の議論についてお話を伺うことになっております。そこで、決議がなされたというふうに伺っておりますが、その決議についてお話を伺うことになっております。  そこで、やはりこうした判断をする上においてはどういう影響があるか、萬歳会長もそのことを心配をしておられるんだろうと思いますが、どういう影響があるかということについては、今官房長官の下で試算をしているところでございますが、そういうことも判断をしながら、もちろんこの試算等についてもお示しをさせていただきながら判断をしていきたいと、このように思っております。
  175. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 総理、是非、必要があれば、総理自らしっかりとこうした心配、懸念の声にこたえて説明をしていただく、それがまず非常に重要なことだと思います。  今回の指摘の中でも、政府の統一試算がまだ出ていないと、これでは判断をすることができないという声がありますが、官房長官、政府統一試算はいつごろ公表されるおつもりですか。
  176. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 試算については、現在、精査、分析をいたしておりまして、いつ公表するかということはまだ決定をしておりませんけれども、総理自身がこの参加、交渉するかどうかというまだ御判断をされておりませんので、そうしたことも踏まえながら今研究を重ねているということです。
  177. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 この統一試算をしっかりと示すことによって国民の理解も深まるわけですから、是非そのことは早くこうしたことを出せるような形を取っていっていただきたい。その上で、総理が御判断をするということが私は必要なことだということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。  改めて、総理、日本の国益である農業分野など、国益をどう守っていくかという、その覚悟を改めてお聞かせいただけますか。
  178. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) このTPPについては、国益にかなうかかなわないか、これが全ての判断基準であります。  そして、当然、まずは交渉に参加するかどうかという判断があります。そこで、もしそういう判断をした場合は交渉が始まっていくわけでありますが、その中におきましても、塚田委員が言及をされました農業というのは国の礎でありますし、まさにこれは産業面だけではとらえられないものがあります。多面的な機能があります。美しい日本の田園風景、これを守っていくのは私たちの責任なんだろう、これを次の世代に引き継いでいくのも私たちの責任だろうと、こう思っています。それができるかどうかということも大きな課題ではないかと、このように思うわけであります。
  179. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 まさに安倍総理の政治のテーマ、美しい日本、これは、こうした農業も含めた、国を守っていくということだと思いますので、そのことをしっかりと政治の中で、政府としても実現をしていっていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。  麻生副総理、お尋ねをさせていただきますが、韓国の朴大統領の就任式、御出席をされました。お疲れさまでございました。大統領とも会談をされたということですが、就任式も含めて、どのような会談の内容だったのか、それについて御説明いただけますか。
  180. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 予算委員会で一回も立つ機会がない財務大臣というのはなかなか辛抱が要るものだなと思っておりましたが。  財務大臣としてではなく、副総理として訪韓をすることになりました。その後、二十五日、朴槿恵新大統領とも個別に会談をさせていただいております。私の方からは、当選をされて、これ選挙は結構激しい、五一・五対四八・五ぐらいの選挙ですから、あれは結構厳しい選挙だったんだと存じますけれども、とにかく就任をされて、祝意を申し述べ、安倍総理からの祝意も併せてお伝えをしております。  内容、我々は、少なくとも基本的価値、民主主義とか市場経済とか法の支配とか、そういった価値観を共有しております隣国としては最も大事な韓国という認識が一番大事なところなんだと思っておりますが、とにかく、この両国が、いろいろ問題はあるにしても、とにかく協力をしていかない限りはこの地域の安定というものと繁栄というものもあり得ないという点に関しては、李明博大統領の時代から間違いなくそういった認識を共有しておると思っておりますので、その認識が新大統領の下においても引き続き継続されていくことが大事なのであって、共に未来志向に立ってやっていかねばならぬのだということを申し述べさせていただいておりますが。  いずれにしても、隣国でありますので、一千数百年の長い時間がずっと変わらず続いておりますので、その間、問題はいろいろあるにしても、基本としては未来志向というのに立って両国の手を携えていくということが、結果として両国の繁栄につながり、同時にこの地域の安定につながっていくという問題意識を共有させていただけたと思っております。
  181. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  今、大変高い支持率であります。大変有り難いことだと思いますけれども、そういうときこそより慎重な政権運営ということを総理に心掛けていただくことを最後にお願いをして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  182. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で塚田一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  183. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、谷合正明君の質疑を行います。谷合君。
  184. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合正明です。  まず、総理、日米首脳会談、大変にお疲れさまでございました。大変大きな意義があったと私自身も思っております。  今日は、北朝鮮の問題、また、我が国の農業政策についてから質問をさせていただきたいと思っております。  まず、今月十二日に、北朝鮮が三回目の核実験を実施いたしました。このことは、国際的な核不拡散体制を脅かすものとして断じて容認することはできません。安倍政権におきましては、独自の追加制裁を決定したところでございます。  先ほど、日米連携による制裁の話もございましたが、質問を安保理の方の決議に絞ってお聞きしたいんですが、現在、この安保理の中で決議案をめぐってアメリカと中国でいろいろとやり取りをされていると承知しておりますが、現状、もしお分かりの範囲であれば教えていただきたいんですが、この安保理の行動について、先ほど、重なるかもしれませんが、オバマ大統領に何を訴えて、米国はどのような認識であったのかと。  そしてもう一つは、現在でも、安保理決議においては北朝鮮に対する経済制裁措置というのは発動されているわけでございます。効果的な措置がとられていくためには、中国を始めとする関係国に制裁措置の徹底強化を求めていくということも極めて必要な問題でございまして、国際社会の協力を得るためにどのような外交努力を行っているのかと、この二点について伺いたいと思います。
  185. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私からは首脳会談でのやり取りをお話をさせていただきまして、詳細は外務大臣からお答えをさせていただきたいと、このように思います。  まず、オバマ大統領との間においては、安保理決議、制裁を含む安保理決議について、これが採択されるよう日本も協力をしていきたいし、日米で協力をしていきたいと、こういうお話をさせていただきました。その際、北朝鮮への断固たる措置をとっていく上においても、まずは日米韓でも協力をしていく必要があるということもお話をいたしました。その上において、中国は極めて大きな影響力を持つ国でありますから、この中国が、安保理決議においても協力をするし、北朝鮮に今取っている政策を変えさせる意味において影響力を行使させるように、するようにしていくためにも、日米で、あるいは日米韓で協力をしていこうという話をさせていただいたところでございます。  具体的には、外務大臣からお答えをさせます。
  186. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 安保理のこの決議の協議の状況ですが、今、まだ現在、この安保理のこの協議、引き続き協議を行っている、こういった状況にあります。  その中にありまして、我が国としては、より制裁強化を含む強い効果的な内容の決議を採択することが重要だと考えております。そのために、先日首脳会談を行ったアメリカとも連携していく、当然でありますが、今月は安保理の議長国が韓国でございます、韓国、さらには中国、ロシア、英国、フランス、こうした安保理の理事国と外相の電話会談等を積み重ねながら、連携協力を行っているところでございます。  是非、より強い決議採択のために、現在、我々は安保理の理事国ではありませんが、我々の立場からしっかりと努力をしていきたいと考えています。
  187. 谷合正明

    ○谷合正明君 安倍内閣におきまして、国連人権理事会において拉致問題を含む北朝鮮における人権問題を調査、査察する国連調査委員会、英語ではコミッション・オブ・インクワイアリーと言いますけれども、その設立を、その実現に向けて今動いているところでございます。先ほど各国の状況については御答弁ございましたけれども、初めてです、この国連人権理事会で北朝鮮に関しての人権問題を調査するCOIができるということは。是非これを実現してもらいたいと思っております。  このときに重要なのは、国連ですから、コンセンサスを得るということが重要になってくると。今、日本政府が提案中の決議案の内容を是非維持をしてもらいたい。これからいろんな国々が決議案の内容を弱めたいと。例えば、先ほどコミッション・オブ・インクワイアリーと言いましたけれども、それより格下のファクトファインディング・ミッションとか様々な名称の委員会名があるんですけれども、国連人権理事会ではCOI、これが一番の重要な委員会でございますので、是非政府としても調査委員会の設置のために引き続き外交努力を行っていただきたいと、拉致問題解決のためにも是非この努力を続けてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
  188. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 国連の人権理事会におきまして調査委員会の設置を行うということ、これにつきましては、現在ジュネーブで開催中のこの理事会で新たな人権調査メカニズムを設置すべき、関係国と協議をしているところでありますが、内容については、御指摘のように今調整が行われています。より強力な、効果的な形を実現するべく、しっかりと努力をしていきたいと考えております。
  189. 谷合正明

    ○谷合正明君 重ねて申し上げますけれども、核・ミサイル問題に加えまして、北朝鮮の人権問題というのはアメリカの中でもこれ注目されている懸念事項の一つでございます。拉致問題を抱える日本と米国には共通の利害が存在していると思っております。  改めて、総理、今回の日米首脳会談の中で、オバマ大統領に対してこの拉致問題、北朝鮮の人権問題に対し、どのようにお話をされて、どのような言葉をいただいたか、そのやり取りを披瀝をしていただきたいと思っております。
  190. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 核問題、ミサイル問題については、米国は、先般のミサイル発射は米国本土を射程に入れるものでありましたから、言わば自国の問題として今とらえて、自国への脅威としてとらえているわけでありますが、残念ながら、一般的にこの拉致問題についての理解は、我々努力をしているわけでありますが、アメリカにおいては低いわけでございますので、この首脳会談においてしっかりと、オバマ大統領にこの拉致問題の存在をしっかりと認識をしていただき、日本がどれぐらい重視をしているかということを理解をしていただこうと、このように思いました。  ですから、十三歳の少女、横田めぐみさんを含む多くの方々が拉致をされたということについてはっきりとオバマ大統領に申し上げ、そして、この問題を解決をしなければならないと、日本としては、この問題を解決をしなければ、言わば日朝国交正常化も含め日本と北朝鮮の間が正常化することがないという考え方の下に、安倍内閣の下においては、この問題を安倍内閣において解決をしたいという決意を伝えたところでございます。  その上において、オバマ大統領には日本の拉致問題に対する立場について理解していただけたのではないかと思います。
  191. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど国連の人権理事会における取組は御答弁申し上げたとおりですが、その中で、しっかり取り組めという御指示をいただきました。先日、あべ外務大臣政務官本人がこの理事会に出席をいたしまして、我が国の姿勢をステートメント、表明させていただいております。しっかり対応したいと存じます。
  192. 谷合正明

    ○谷合正明君 朝鮮半島の非核化は国際社会の最重要課題の一つであります。  今回の北朝鮮における核地下実験でございますが、核保有に向けた挑発的行動など、北朝鮮、イランの核開発問題も含めて、国際的な安全保障環境というのは実はますます厳しさを増しているとも言えます。核軍縮・不拡散の進展にとってはまさに正念場を迎えているわけでございますが、しかし、唯一の被爆国日本として、これまで以上に軍縮・不拡散に向けた取組を強化していかなければならないわけであります。  その核軍縮の打開策として、我が党も主張してまいりましたけれども、核兵器の非人道性、ここに注目をして、核兵器の非人道性を基礎にした核廃絶の議論を、国際的な機運を高めていく必要があるのではないかと思っております。  今、日本とオーストラリアが中心となって立ち上げております軍縮・不拡散イニシアチブ、NPDIというものがございまして、私は、本年四月、オランダのハーグで開催されますNPDIの外相会合に広島を地元とされる被爆地出身の岸田大臣自ら御出席いただいて、来年二〇一四年には広島でこのNPDIの外相会合が予定されております、環境整備に主導的役割を果たしていくということが重要であると思っております。さらには、被爆七十年となります二〇一五年にはNPTの再検討会議も開催されます。そして、二〇一六年には日本でG8サミットが開催されると。  こうした機会を通して、是非とも核軍縮、核廃絶の国際的な機運を高めるための日本のイニシアチブを発揮していただきたいと。  安倍総理と岸田大臣の決意を伺います。
  193. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま谷合委員がおっしゃったように、我が国は唯一の被爆国として核兵器のない世界を目指しているわけであります。現実かつ漸進的なアプローチを通じて、NPT体制の維持強化に努めてきているわけであります。  今後とも、国連総会への核軍縮決議の提出や、今委員がおっしゃった軍縮・不拡散イニシアチブの推進などの取組を通じ、この分野で国際的取組を主導していきたいと、このように思っております。
  194. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 私も、被爆地出身の外務大臣として、核軍縮、積極的に取り組んでいきたいと考えております。  御指摘いただきましたNPDI、軍縮・不拡散イニシアチブ、これは四月に外相会合がハーグで予定されていますが、この会合直後に予定されておりますNPT運用検討会議第二回準備委員会に提出予定の作業文書を始め、グループの具体的な貢献について議論する重要な会合だと認識をしております。  是非、このNPDI、このグループの主導国としてしっかりと議論に貢献していきたい、このように思っています。  また、この非人道性についても先生御指摘をいただきました。我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器使用の悲惨さをどの国よりも深く理解している国だと認識をしております。非人道性についてもしっかり訴えていきたいと思いますが、三月にオスロで予定されております核兵器の人道的結果に関する国際会議、この会議にも政府代表を派遣する考えでおります。  二〇一四年のNPDI、広島外相会合につきましても、被爆地で開催する意義を積極的に打ち出していきたいと考えております。
  195. 谷合正明

    ○谷合正明君 それでは、我が国の農政の方に移らさせていただきたいと思います。  TPPの交渉参加に関しましては、既に我が党の代表から安倍総理の方にも伝えさせていただいたと思いますが、一つは、情報を国民に提供し、国民のコンセンサスをつくり、国益を最大化すると、そういう努力だと、もう一つは、特に農業の多面的機能、食料自給率、ここの配慮だと、これを前提としているわけでございます。  そこで、農業政策について伺いたいと思います、林農林水産大臣。  民主党政権下では、もうかる農業の構築のために、平成二十三年十月に策定されました我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画、この中では、土地利用型農業について、平地では二十から三十ヘクタールの経営体が大宗を占める農業構造を目指すとしております。  安倍政権になりまして、民主党政権のこの基本方針・行動計画を踏襲するのか、あるいは新たな方針を打ち出すのか明言しておりませんが、どのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お聞かせください。
  196. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。  今委員お話がありましたように、農業で特に土地利用型の農業が持続可能になっていくためには、やはり担い手への集積化、農地集積というのが大事だというふうに思っております。  実は、既に、法人経営体が増えます、それから家族経営体も増えて、二十ヘクタール以上が実は三割になっている、面積ベースでですね。ということで、これを加速していく必要があると思っておりまして、民主党政権下で、我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画、二十三年の十月にまとめられておりますが、ここでも、農地の集積を促す仕組み等により農地集積を加速化し、農業の競争力、体質強化を図るということで、目標としては、少し高い目標だと思いますが、平地で二十から三十、中山間地域で十から二十ヘクタールの規模の経営体が大宗を占める構造を目指すと、こういうふうにされておられます。  今後、先ほど申し上げましたように、農地集積を加速化して農業の競争力や体質強化を図るという方向性は基本的に同じだというふうに考えております。一月二十九日に私を本部長とします攻めの農林水産業本部を設置して、そこで具体的には検討していくというふうに考えておるところでございます。
  197. 谷合正明

    ○谷合正明君 基本的に同じだということでございますが。  それでは、総理は今、攻めの農林水産業の展開ということをうたわれておりますけれども、野田前総理も農業を二十一世紀の成長産業というふうに位置付けられてきたところでございまして、これ、総理の言われる攻めの農林水産業の展開というのはどういうことなのかと、農業を成長産業とすることに向けた国の覚悟についても、併せて総理にまず伺いたいと思っております。
  198. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の地元でもそうなんですが、だんだん若手の人が農業を志さなくなってしまった、農業者の高齢化が進んでいるわけでありまして、やはり若い人たちが農業分野に進んでもらうためには、自分たちの情熱や能力で新しい地平を切り開いていくことができると、そういう分野にしていく必要があると、こう考えたわけでございまして、生産額の減少や担い手の高齢化、そうした課題もございますが、同時に、今言ったこともありますが、国民に食料を供給する、そして地域経済を支える重要な産業でもあります。  その中において、我々は農業分野を成長分野と位置付けまして、農業の構造改革の加速化、そして農産品、食品の輸出拡大といった取組を推進し、農業を魅力ある産業としていくこととしておりまして、こうした取組を通じまして、同時に、さっきちょっと触れました、言わば食料の安全保障を支える、あるいは美しいふるさとと国土を守るというこの多面的な機能も大切にしていきたいと、こう思っております。  今先ほど農林水産大臣から答弁をさせていただいたように、現場の実情に即した攻めの農業の検討を踏まえながら、今、産業競争力会議においても議論を進めているところでございますが、何とかこの農業を成長分野にしていきたいと、こう決意をしております。
  199. 谷合正明

    ○谷合正明君 総理の方から、攻めの農林水産業の中で、同時に多面的機能を大切にしていきたいということを言われました。その上で、林大臣に伺いたいと思います。  ただ、正直、農村、漁村地域を回っておりますと、これから十年、二十年先、この地域はどうなるのかという声をたくさんちょうだいいたしますし、私自身も人口減少・高齢化時代に農村、漁村というのはどうなるのか、どう対応していくべきなのかということを常に模索しております。  農林水産業の、いわゆる成長産業ということで、産業政策の部分が強化される一方で、いわゆる地域政策とか環境政策の部分、多面的機能の部分と言ってもいいかもしれませんが、そういった部分が弱くなってしまうんじゃないかと。農村、漁村の展望なくして私はTPPというのはないと思います。  その意味で、林農林水産大臣に、今後、農村、漁村はどうこの人口減少・高齢化時代に向かっていくべきなのかと、向かえるのかと、この展望をお聞かせいただきたいと思います。
  200. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 先生御指摘のとおりでありまして、食料・農業・農村基本法、これはもう平成十一年に作った法律ですが、そこにも多面的機能ということで一条設けまして、これは非常に大事なので守っていかなければいけないと。また、五条で農村についても振興を図るべきだということにしております。  こういう基本的なスタンスを踏まえまして、やっぱり地域住民が生活する場で農林漁業が営まれていると、これが農山漁村であると。したがって、食料の安定供給という言わば産業的な側面に加えて多面的機能、国土保全等の発揮という面からも、地域コミュニティーを維持し活性化していくことが重要であるというふうに認識をしております。  具体的に、やはり、例えば条件が不利な中山間地域等に対する直接支払の仕組みですとか、水路、農道等の地域の資源を共同で管理する活動に対する支援、それから、都市住民と農山漁村の農業者とが交流するといいますが、そういう交流のための施設整備や交流活動に対する支援等々の施策を今までも講じてきておりますし、また、今後も予算措置を通じて支援をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  201. 谷合正明

    ○谷合正明君 是非、攻めの農林水産業の展開の中に、今申し上げました農村、漁村というその地域のコミュニティーということも正面から入れていただきたいと思っております。  難民支援制度について伺います。  今月六日にUNHCRのハイコミッショナー、一番トップの方ですけれども、来日をされました。私もお会いしまして、我が国の難民支援に対しての感謝の言葉ということも表明をされておりました。  そこで、まず総理に伺いたいんですが、一昨年の二〇一一年に、我が国、難民条約加入三十年を機に、衆議院、参議院の両院で難民支援に関する決議というものが全会一致で可決されました。これは世界でも初めての例と言われておりまして、国際社会に大変いい影響を与えたわけでございます。  改めて、我が国が難民支援を行う意義、また、日本の中にも難民いらっしゃいます、この国内受入れをする意義について、総理の認識を伺いたいと思います。
  202. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、谷合委員の御指摘の国会決議は、我が国の難民問題に対する決意を示すものとして重要であると考えております。  世界の難民をめぐる状況は依然として厳しく、そして、難民支援は我が国の外交政策の柱の一つである人間の安全保障を推進する観点から重要であります。また、地域の平和と安定に資するものと考えています。  政府としては、今後とも国際機関やNGO等と連携を強化して、難民支援を継続をしてまいります。
  203. 谷合正明

    ○谷合正明君 難民問題の解決策は三つあると言われておりまして、一つは、自発的に帰還すると、戻るということでございますけれども、もう一つは、第一次の庇護国での定住、そして三つ目は、第三国での再定住と言われております。  我が国では、実は麻生政権時代にアジアで初めての第三国定住ということを、これはパイロット的にですが、始めました。この制度に基づく受入れが今続いているわけでありますが、詳細は省きますが、現在その岐路に立たされております。  というのは、その受入れの条件等様々、まあパイロットということもあって、制約もございます。また、実際に日本に来た後の再定住の仕組みも、試行錯誤しているということもあって、なかなか難しい問題もはらんでおりますが、しかし、この第三国定住、私は、一流の国日本としてこれは続けていくべきであると思っておりまして、有識者会議でも、この制度の見直しの議論はほぼ尽くされております。  是非、あとは政治判断を待つ状況ですので、あとは政治の判断として、国内でのこの第三国定住の受入れの抜本強化を図って継続していくべきであると思っておりますので、官房長官の前向きな答弁をお願いしたいと思っております。
  204. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 今委員から提案のありました、第三陣の受け入れる人数がゼロになったと、そういうことで、この有識者会議の意見を踏み入れて、今年予定、第四陣の受入れに向けて、現在、今省庁間で検討しますけれども、その後についても、有識者会議における意見を踏まえながら、今委員の発言というものを私ども受け止めさせていただきながら方向を出していきたいと思います。
  205. 谷合正明

    ○谷合正明君 終わります。
  206. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で谷合正明君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  207. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田君。
  208. 川田龍平

    ○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。  安倍総理が訪米の際に強調されたという強い日本について質問させていただきます。  三・一一の原発事故以降、我が国は、国内だけでなく諸外国からも政府による情報隠蔽について厳しい指摘を受けてきました。そして、御存じのとおり、それは、震災以降、諸外国の日本に対する信頼を傷つけ、貿易にも大きな損害をもたらしています。しかしながら、総理は強い日本にしていくために経済成長戦略の一環として輸出の拡大と農業の強化を掲げていらっしゃる。  そこで、まず、林農水大臣にお聞きします。  政府は、日本の経済再生のために、今後、農林水産品や食品輸出額の目標を現状の二倍以上にする輸出拡大政策を打ち出しています。しかし、実際は倍どころかマイナスである現実を認識されているでしょうか。  原発事故から間もなく二年がたとうとしていますが、いまだに日本の農産物の輸入停止措置をとっている国が非常に多いです。その後、解除した国でも検査数値の添付義務付けや現地での検査が必要になっています。EUを除いても四十三か国で輸出のためのハードルが非常に高くなったままです。いまだに日本の農産物の輸入を拒否している国や地域がこんなに多い理由は、大臣、なぜだと思われますか。
  209. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) 今先生が御指摘がありましたように、まずは農業が成長産業になっていく上では、アジアを始めとして、ここは四十億人になると言われておりますが、輸出の拡大に取り組むということが大事だと思います。  御指摘のように、原発事故に伴って四十四の国と地域で我が国の農林水産物、食品に対する輸入規制を行っている状況にありましたが、モニタリング結果等の科学データの提供を、きちっと提供していくということで、政府一体となって輸入規制の緩和、撤廃に努めているところでございます。  今お触れいただきましたけれども、十か国が輸入規制はもう撤廃と、それからEU等が放射性物質検査証明書の要求地域を縮小ということで徐々に少なくなってきているところですが、主な輸出先、農林水産物でいいますと、香港、台湾、中国といったところがまだ一部輸入停止という状況にございますので、やはりこれはもう粘り強く科学的データに基づき働きかけを行っていくと、これに尽きるのではないかというふうに思っております。
  210. 川田龍平

    ○川田龍平君 それだけではありません。理由は三つあります。一つには、今も収束していない原発事故の影響による食品の安全性への懸念、二つ目に、我が国の基準値が今も国際標準よりも高いこと、そして最後に、震災直後からの日本政府の情報隠蔽体質のせいです。日本国内でも、全く同じ理由から国民が食に関して不安を抱えています。検査体制が徹底しておらず、産地偽装のニュースはしょっちゅう出てきます。幾ら農業を強くしても、信頼されない今のやり方で日本の農産物の輸出先をどうやって拡大するのでしょうか。輸出拡大政策の明らかな障害であるこの現状に対してどういう対策を立てていくのでしょうか。
  211. 林芳正

    ○国務大臣(林芳正君) これは、我が省独自でやるということよりも政府全体としてやっていくべきこともあると思いますけれども、やはりいろんな問題が生じたときに、きちっとそれを解明し、そしてそのことに対する説明をきちっとしていくということに尽きるというふうに思っております、先ほど科学的データと申し上げましたが。  したがって、どういう国でも、これは我々の国もそうですが、国の規制でこういうふうになった、それが緩くなったからといって、最終的に物を買われて食べられるのは国民の皆様、消費者ということですから、やはりそういう方がきちっとそういうことを信頼して購買して消費していただけるということにしていくということが非常に肝要だというふうに考えております。
  212. 川田龍平

    ○川田龍平君 この食品の検査手段について次に田村厚労大臣に伺いますが、貿易の障害になっている日本製品の輸入停止措置ですが、そもそも日本が掲げているこの数値自体が問題です。例えば、日本の乳幼児食品の放射性セシウム基準は五十ベクレル・パー・キログラムですが、レバノンでは十五ベクレル・パー・キログラムです。また、多くの諸外国では全食品基準値百ベクレル以下に定めている放射性沃素、これを日本が暫定基準値で五百から二千ベクレルと非常に高くしていたことも信頼を失った原因となりました。  日本政府は適正基準値だと主張していますが、肝心の輸出先である海外はそれが信用できないから、いまだに輸入停止措置になっているんではないでしょうか。特に食品は、売ってしまえば後は知らないと言えない、人の健康と命にかかわるものです。日本政府にとっての適正ではなく、相手国が安心して輸入できる国際的な安全基準値にすることは、今後の貿易における拡大戦略にとっても、自国民の命と安全にとってもとても重要だと思いますが、食の安全と命を守る厚労大臣として、大臣はどう思われますか。
  213. 田村憲久

    ○国務大臣(田村憲久君) 今委員から暫定基準のお話が出ましたけれども、昨年の四月一日から施行しております食品中の放射性物質の基準、これは食品の国際規格を作成している国際機関のコーデックスですね、この一応指標、これに基づいて年間一ミリシーベルトを超えないというような一つの基準で作成をしておるわけでございます。  そういう意味からいたしますと、EUでありますとか、あとベラルーシ、ウクライナ、こういうところと比べても同じような基準でありますし、アメリカは五ミリシーベルト以内ということでありますから、そういう意味から比べると、アメリカから比べれば厳しい基準であるということであります。  今お話がございましたレバノンでありますが、乳幼児用の食品一キログラム当たり十五ベクレルということで、確かに日本の五十ベクレルよりもこれは基準は厳しいわけでありますが、ところが一方で、その他の食品は百五十ベクレル、一キログラム当たりでありまして、日本はこれは百ベクレルでございますから、そういう意味では、この部分では日本の方が厳しいということでございますので、国際標準に今合致しておるという点から考えれば、日本の食品に関して安全は御認識いただけるのではないかと、このように思っております。
  214. 川田龍平

    ○川田龍平君 これは、やはり消費者庁の問題にもかかわるんですけれども、消費者庁では食品と放射能に関する消費者理解増進チームを立ち上げ、四月をめどに風評被害対策をまとめるそうですが、この風評被害対策については業者の意見を聞いて数値は公開しないと言っていますが、何のためにあんなに苦労して、森大臣、一緒に子ども・被災者支援法を作ったのでしょうか。何のためにやったのか。  この子ども・被災者支援法は、一昨年、みんなの党が提出し、食品の徹底検査と表示を義務付ける子どもと妊婦を守る法案と、森大臣御自身が子ども保護法案と、民主党の法案と、三つを合体させて、ようやく超党派で去年の六月に成立させたものです。それを政府の基準値以下なら安全ですからと言うのでは、法律ができる前の政府の対応と変わりません。わざわざ子ども・被災者支援法を作った意味がないではないですか。森大臣、いかがですか。
  215. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 就任直後に消費者の理解増進チームを立ち上げました。風評被害の払拭のためには、徹底した検査と検査結果の表示、それとともに検査をしたことに対する消費者の信頼というものが大事です。両方とも必要だと思います。  検査について言えば、例えば毎日食べるお米、福島県では全袋検査をしております。実は全袋検査ではなくて、三段階、更に三段階の検査をしているんです。つまり、生産の段階、出荷の段階、それから流通、消費の段階です。  生産の段階では、農地の除染とその検査、さらに、出荷の段階で全袋検査をして、そして流通するときには加工食品のゲルマニウム検査機にも掛け、それから消費をする段階、各御家庭で消費をする段階には、私の消費者庁の下の国民生活センターで検査機器を全国に三百九十台、福島県内だけで百五十台以上を貸与しております。ですので、消費者が安心して、その検査結果を知ることができる体制を整えております。  さらに、川田委員の御意見を踏まえて、検査、表示、そしてそれに対する消費者の理解を得るべく取り組んでまいります。
  216. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非、これは業者を守るためだけではなく、子供を守るために是非やっていただきたいと思います。  子ども・被災者支援法は子供の命と健康を国が守るための法律です。風評被害の話ばかりではなくて、やはりこの子供の健康をどうか守るためにやっていただきたいと思います。数値も公開をしていただきたいと思います。  そして、安倍総理に伺います。  食品だけでなく、自動車を始め日本からの輸出品に対し、EUのほか二十四の国と地域で放射線量の検査や証明書添付など厳しい状況です。昨年、ロシアでは日本の複数の港から輸出された車の部品から放射性物質が検出されたとして輸入停止措置がとられています。食品についても工業製品についても、日本製品に対する国際的信頼をどう取り戻そうとされているのでしょうか。
  217. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十四年四月から施行している食品中の放射性物質の基準については、国際機関の考え方に基づいて十分に安全な水準で設定をしております。この基準に基づき、各地方自治体で食品の品目や地域も考慮してモニタリング検査を実施し、基準値を超過した食品が市場に流通しないように努めております。また、安全な食品を安定的に供給するため、生産現場における農林畜産物の放射性物質の吸収抑制対策等を徹底しつつ、農地の除染等を実施をしているところでございます。  今後とも、食品の安全性と信頼性を確保するため、政府と地方自治体がしっかりと連携して、国民への周知も含め適切に取り組んでいきたいと思います。  また、今御指摘のございました工業製品については、国内外での説明会の実施等により我が国製品の安全性等に関する情報発信を行って、そして国際的な信頼を構築してきたところでありますが、今後とも、相手国政府に対して我が国としての取組をしっかりと説明してまいりたいと思います。
  218. 川田龍平

    ○川田龍平君 昨年末、アメリカ軍の兵士が東京電力に対して起こした訴訟では、損害賠償以外にも、原告だけでなく、日本の被災者などの医療費として一億ドルのファンド立ち上げの要求もありました。事実でしょうか。
  219. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の事案については、私も報道を拝見しています。承知しております。ただ、これは私人間の民事訴訟にかかわる事案ですので、政府としてコメントすることは控えるべきだと思っています。
  220. 川田龍平

    ○川田龍平君 これは、日本がきちんと被曝による健康被害対策ができていないことのあかしじゃないでしょうか。  現在、国は、福島県が県民のみを対象にした健康調査以外には被曝健康対策を何もしていません。秋野環境大臣政務官も発議者でいらっしゃる子ども・被災者支援法では、予防原則として国民の健康調査を国の責任で行うことを義務付けています。例えば、子供たちに心配されている甲状腺がんの対策に早期発見、早期治療が最適措置であることは、御自身が甲状腺に詳しい医師でもある秋野政務官なら十分御承知だと思います。秋野環境大臣政務官は、この法律の発議者であるだけでなく、国による健康調査法案も自民党やみんなの党などとの共同提案で提出をしていました。  新しい安倍内閣が放射能の健康被害から子供たちを守ってくれるのかどうか、本当に多くの国民が、母親が心配をしています。子ども・被災者支援法の発議者として、与党の政務官として、国が責任を持って子供たちの健康調査を実施するのかどうか、テレビを見ている全ての国民に向かってお答えください。
  221. 秋野公造

    ○大臣政務官(秋野公造君) 川田委員にお答えを申し上げます。  まず最初に、私、子ども・被災者支援法の発議者となっておりませんので、まずそこの御確認だけをさせていただきたいと思います。  福島県の近隣県におきましては、事故後、各県が主体となりまして有識者会議が開催をされ、健康影響が観察できるレベルがないことから、科学的には特段の健康管理は必要ないという結論が出ていると承知をしております。  他方、福島県の近隣県の方の中に大きな健康不安を持つ方がいることを認識しておりまして、国としては、昨年五月、健康不安対策に関するアクションプランを決定しておりまして、放射線による健康影響等に関する知見の統一的な基礎資料の作成などの取組を確実かつ計画的に実行していきたいと思っています。  なお、子ども・被災者支援法につきましては、法に基づく基本方針の策定を始めとする取組を政府全体として進めていくこととしておりまして、健康調査といった個別の施策についても政府全体の検討作業を踏まえつつ進めていきたいと思います。
  222. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非よろしくお願いいたします。済みません、失礼いたしました。  さて、今度は、この関連で、被曝による健康被害について田村厚労大臣に伺います。  通常ですと、健康診断は保険が使えません。しかしながら、御承知のように、今我が国は通常の状態ではありません。緊急事態下にあります。収束していない原発事故によって通常とは違う危機対応が必要です。毎時一千万ベクレルが放出している放射性物質の健康への影響は計り知れません。このまま危機対策を何もせずに健康被害が重症化してから対応するのでは、国民を守ることに加えて医療費が膨大になり、財政面でもリスクが大き過ぎます。  子ども・被災者支援法に記載した健康診断は、今の緊急事態に対応したリスクマネジメントとしても入れたのです。健康診断にも健康保険を使えるようにするというのはいかがでしょうか。
  223. 田村憲久

    ○国務大臣(田村憲久君) 委員も御承知のとおり、医療保険制度というものは疾病に対する療養、治療、こういうものに給付をされるわけでありまして、疾病に対する治療に必要な検査という意味では、これは給付の対象になるわけでありますけれども、予防に対する検査は給付の対象にならないということが前提でございます。  今、担当の環境省の方からもお話がありましたけれども、環境省と連携しながら、専門医の確保でありますとか、あと、人的また技術的ないろんな支援の方はこれからも行ってまいりたい、このように思っております。
  224. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非お願いします。  例えば、健康保険適用にすればレセプトチェックなどもあり、検査結果も第三者の目を入れられて、今親たちが心配しているデータの改ざんなども防げます。子ども・被災者支援法を機能させるには、国民の命と健康を守る厚労省の力なしではできません。  是非とも、この予防医療の原則に沿って、被曝影響が疑われる国民の健康調査を国の責任でやるのかどうか、お聞きしたいと思います。厚労省単体ではなく、この学校健診についてもそうですが、厚労省に、是非保険以外で、単体として、事業として、厚労省行えないか。
  225. 田村憲久

    ○国務大臣(田村憲久君) 環境省が担当でございますので、環境省の方と議論をさせていただきたいというふうに思います。
  226. 川田龍平

    ○川田龍平君 実は、厚労省だけではなくて、学校健診を管轄する文科省にもしっかり子ども・被災者支援法に沿って子供の健康被害対策をやっていただきたい。  例えば、学校検査に甲状腺検査や血液検査など被曝由来の健康チェックも入れて心電図の分析などもするべきだと思いますが、下村大臣、いかがでしょうか。
  227. 下村博文

    ○国務大臣(下村博文君) お答えいたします。  福島県民などの健康管理については大変重要な課題であるというふうに思っておりますし、環境省を中心に政府全体として対応を行っているところでございます。  文部科学省としては、環境省等における対応を注視しつつ、子供の健康の保持増進を図るという観点から、福島県や県外の自治体において学校健診の中で放射線検査を実施したいという意向があれば、必要な協力を行ってまいります。
  228. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございます。  環境省がやっている子供たちへの有害化学物質の影響を調べるいわゆるエコチル調査も子ども・被災者支援法に沿って被曝由来の健康調査の一部が担えますと思いますが、秋野政務官、いかがでしょうか。
  229. 秋野公造

    ○大臣政務官(秋野公造君) 子どもの健康と環境に関する全国調査、いわゆるエコチル調査は、現在、全国十五地域において十万組の親子に協力をいただきまして、環境中の化学物質と子供の健康の関連について長期間追跡をするものでありますが、エコチル調査では、福島県におきまして、平成二十四年十月より対象地域をこれまでの十四市町村から全県の五十九市町村に拡大をさせていただいたところでありまして、県民健康管理調査の被曝線量推計データを活用させていただきまして、放射線を含め環境要因が子供の健康に与える影響について解析を行ってまいりたいと思います。  放射線を含めた環境要因が子供の健康に与える影響に関する調査を進め、安全、安心な子育ての環境を実現していきたいと思います。
  230. 川田龍平

    ○川田龍平君 最後に、総理にお聞きします。  昨年末、トモダチ作戦に従事した米兵が東京電力に対し、情報隠蔽により危険レベルの被曝をさせられたと訴訟を起こしました。情報開示の問題は、このように諸外国との摩擦を起こすだけでなく、国が最も守るべき命の切捨てにつながります。  国と企業による情報隠蔽で薬害の被害に遭った私は、かつて自民党政権下で福田元総理が尽力された公文書管理法と情報公開法の進展に大変期待をしていました。薬害エイズのような被害を繰り返さないためには、徹底した情報公開なしには不可能だからです。残念ながら、原発事故の際、民主党政権下でその教訓は生かされず、命にかかわる情報の隠蔽によって国内外の信頼を大きく失いました。だから、命を守ることと徹底した情報公開が柱である子ども・被災者支援法を作ったのです。  自国民、特に子供の命と安全を守らない国は、本当の意味で強い国にはなれません。世界は震災後の日本をじっと見ています。原発事故を起こし、今も収束していない現実は、マスコミが報じなくなったとしても、なかったことにはできないのです。子供を持つ母親や被災者にとって、今も日常の不安と苦しみは続いているんです。いつまでも徹底した情報開示をせず、諸外国や自国民から信頼を得られないままで、どうやって強い外交や貿易大国を実現できますか。  輸出拡大と経済成長を掲げ、日本の復活を目指すなら、まず、地に落ちた政府への信頼を復活させてください。日本の製品を世界に向かって堂々と輸出するためだけではなく、国民の命と安全を守る国へと復活をするために、子ども・被災者支援法に本気で取り組むことを約束していただきたいと思います。  今、この映像を見ている全国民に向かってお答えください。
  231. 石井一

    ○委員長(石井一君) 安倍総理、一言答弁を願います。
  232. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子ども・被災者支援法については多くの方々が参加をされて、安倍内閣における森大臣も発議者の一人でございますが、成立をしたものでありますが、その意を体してしっかりと我々も対応していきたいと思います。
  233. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  234. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、はたともこさんの質疑を行います。はたさん。
  235. はたともこ

    ○はたともこ君 生活の党のはたともこでございます。  TPPの日米共同声明について、今日は総理に御質問させていただきたいと思います。  私たち生活の党は、TPP交渉参加には反対でございます。生活の党の基本政策の中でTPP交渉参加に反対することを明確にしております。ただし、自由貿易のためのFTAやEPAは積極的に推進することとしております。また、我が生活の党の基本政策には、日本の安全保障の根幹は日米同盟である、日米両国の信頼関係を築き、対等な真の日米関係を確立するとも明記しておりますことを冒頭申し上げたいと思います。  私は、米国の利益にはなっても日本の利益には反する、例えば日本が世界に誇る国民皆保険制度が破壊されてしまうことにつながる、あるいは、これも日本が世界に誇る食の安心、安全が守られないことなど、異質な協定であるTPPには参加せず、日本が提案してきたRCEP、東アジア地域包括的経済連携、すなわちASEANプラス6、ASEAN十か国と日中韓、そしてインド、オーストラリア、ニュージーランド、この六か国を合わせた十六か国をまとめ上げて、いずれはこのRCEPとTPPとを統合して、FTAAP、アジア太平洋自由貿易圏を構築することが日本の正しい国家戦略であると考えております。  中国やインド、インドネシアなどが参加しないTPPでは、アジアの成長を取り込むことはできません。TPPは九億人市場ですが、RCEPは三十四億人市場です。  日本と米国の経済協力については、例えば日本政府が保有する百兆円の米国債を担保にしてドル建ての海外投融資基金五十兆円を創設をして、実は私はこれをドル・ドル基金と呼んでいるのでありますが、米国の製造業の再生などにも日本が協力するなどの方法があると考えております。  そこで、安倍総理に御質問させていただきたいと思います。  外務省のホームページに掲載されております二月二十二日の「日米首脳会談(概要)」という文書に次のように書かれております。TPP交渉に関しては、さきの衆院選では、聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉に反対をするという公約を掲げ、また、自民党はそれ以外にも五つの判断基準を示し、政権復帰を果たした等の状況を説明した、このように書かれているわけですが、総理はオバマ大統領に対して聖域なき関税撤廃という言葉を使って説明されたのですか。
  236. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は首脳会談において、冒頭、自由民主党は、そして私は、聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上TPP交渉には参加をしないということを公約として掲げ、そして選挙で勝利を収め政権に就いた、これは国民との約束であるのでこれをたがえるわけにはいかないと御説明をいたしました。
  237. はたともこ

    ○はたともこ君 では、外務省に伺いたいと思います。  聖域なき関税撤廃という言葉はオバマ大統領に対して英語でどのように通訳をされて説明をされたのでしょうか。
  238. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) お答え申し上げます。  英語ということでございますが、首脳間のやり取り、その逐一あるいは具体的な表現、こういったものをつまびらかにすることは、これまでもそうですが行ってきておりません。また、今回の首脳会談を含め、一般的に会談の英文の記録は策定していません。行われた発言は通訳を介し、発言、考え方が正確に伝わるような形で伝達しています。  なお、聖域なき関税撤廃ということにつきましては、エリミネート・タリフス・ウイズ・ノー・サンクチュアリー。エリミネート、撤廃、タリフス、関税、ウイズ・ノー・サンクチュアリー、聖域なきという言葉を必ず使うようにしているところでございます。
  239. はたともこ

    ○はたともこ君 では、更に外務省に伺いますが、このエリミネート・タリフス・ウイズ・ノー・サンクチュアリーという言葉ですが、この英訳は、一月の岸田外務大臣とクリントン国務長官との会談で既にこの英訳が使われたと聞きましたが、そのとおりでしょうか。
  240. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) お答え申し上げます。  済みません。私自身、今手元に記録がないのであれでございますが、基本的にこの聖域なき関税撤廃を英訳するという形ではこのエリミネート・タリフス・ウイズ・ノー・サンクチュアリーという言葉を使っていたものと思っております。
  241. はたともこ

    ○はたともこ君 総理は訪米直前の本委員会で、我が生活の党の青森県選出の平山幸司議員の質問に対して、聖域なき関税撤廃、そしてそれ以外の五項目ですね、この五項目において、言わばそれについて五項目が守られないことが明らかになれば、それは参加はできないということでありますが、そういうことも含めて頭に、念頭に置いて、これは当然聖域なき関税撤廃なのかどうかということを確認しなければいけないと思いますと答弁されました。そして、この答弁について、今私が総理大臣として申し上げておりますので、それが、私が述べたことが統一見解でございますと発言され、この答弁が政府統一見解であると言明されたわけでございます。  総理、オバマ大統領との首脳会談で、自民党の総合政策集J―ファイル二〇一二に書かれてありますTPP交渉参加の判断基準六項目のうち、聖域なき関税撤廃以外の五項目について説明したということでございますが、一つ一つ確認をしていきたいと思います。  まず一つ目、「自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。」と首脳会談で発言されましたか。
  242. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に両国間のやり取りをつまびらかにすることはできませんが、ただ、これについては、先ほど答弁いたしましたように、私は五項目について、J―ファイルに書いてあることを読み上げたということであります。
  243. はたともこ

    ○はたともこ君 では次に、「国民皆保険制度を守る。」と首脳会談で発言をされましたか。
  244. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは五項目の中に入っていることでありますから、五項目読み上げております。
  245. はたともこ

    ○はたともこ君 では、「食の安全安心の基準を守る。」と首脳会談で発言をされましたか。
  246. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのように私は五項目発言をしております。
  247. はたともこ

    ○はたともこ君 では、四つ目です。「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。」と首脳会談で発言をされましたか。
  248. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はそのように発言をいたしております。
  249. はたともこ

    ○はたともこ君 最後、「政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。」と首脳会談で発言をされましたか。
  250. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 五項目を私最初に申し上げておりますから、そのように発言をしております。
  251. はたともこ

    ○はたともこ君 それでは、外務省に伺います。  首脳会談で総理がオバマ大統領に対して発言をされた自民党の聖域なき関税撤廃以外の五項目は英語でどのように通訳をされてオバマ大統領に伝えられたのか、説明をしてください。
  252. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) お答え申し上げます。  今の五項目に関しましては、現場において通訳を介し正確に伝わるように伝達しているところでございます。冒頭申し上げましたとおり、英文の記録というものは作っているわけではございません。
  253. はたともこ

    ○はたともこ君 委員長、安倍総理がオバマ大統領に説明をされた我が国のTPPの交渉参加の判断基準六項目は誠に重要な発言だと思います。これらがオバマ大統領に対してどのように伝わったのかを確認する必要があると思います。通訳の発言記録を当委員会へ提出することを求めます。お取り計らいをお願いいたします。
  254. 石井一

    ○委員長(石井一君) 通例、公式の記録がないと述べておられますが、前例がどうなっておるか、理事会において協議させていただきたい。私に取りあえず引き取らせていただきたいと思います。  質疑を続行してください。
  255. はたともこ

    ○はたともこ君 さて、総理、総理の答弁、政府統一見解ということですが、聖域なき関税撤廃とそれ以外の五項目が守られないということが明らかになれば、それは参加はできないということですが、仮に総理が交渉参加を表明された後、米国議会の九十日の承認手続やその他の国々の承認を得て正式に交渉参加をする前にこれら六項目が守られないということが明らかになれば、交渉参加をしないということでよろしいでしょうか。
  256. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自民党の公約について正確に申し上げますと、聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上交渉には参加をしないということであります。  そして、それは政権公約の中にありまして、あとの二番目から六番目、つまり、ほかの五項目については、これはJ―ファイルということでございますから実は扱いは違うんですが、この五項目については基本的に、言わば参加の条件では実はないんですが、参加の条件ではなくて、それは必ず守らなければいけないということとして列挙しているわけであります。  だからこそ、私は国会において、それが明らかに守られないようであれば、それは参加をしないということを申し上げたわけであって、それを念頭に入れていくと、こういうふうに答弁したわけであります。
  257. はたともこ

    ○はたともこ君 もう一つ確認しますが、ではさらに、仮に交渉参加をした後、協定締結前に六項目が守られないということが明らかになれば、交渉から離脱をするということはあり得ますでしょうか。
  258. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まだこれは交渉が始まっておりませんし、参加をするということ、参加するかしないかもまだ決めておりませんから、今憶測で発言することは差し控えさせていただきたいと思います。
  259. はたともこ

    ○はたともこ君 では、今日はちょっとパネルを用意させていただきました。(資料提示)お手元の配付資料を御覧いただきたいのですが、日米共同声明を御覧ください。  第三パラグラフに青い線で囲ってありますが、「両政府は、TPP参加への日本のあり得べき関心についての二国間協議を継続する。」とありますが、この日本のあり得べき関心とは具体的には何を指しているのか、外務省、説明してください。
  260. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) お答え申し上げます。  今御指摘のありましたTPP参加への日本のあり得べき関心、これは、TPPについては国益にかなう最善の道を求めていくという従来の政府の立場であり、現時点で我が国としてまだTPPに参加するかどうか、これについて判断を行っていない状況ですので、このような記述がなされているというふうに承知しております。
  261. はたともこ

    ○はたともこ君 さらに、外務省、「自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処し、」とありますが、この残された懸案事項とは具体的に何を指しているのか、説明してください。
  262. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) お答え申し上げます。  今御指摘のありました自動車部門、保険部門に関する、それらに関する残された懸案事項、これらについては、これまでのところアメリカ側から関心を示されてきた事項というふうに理解しております。
  263. はたともこ

    ○はたともこ君 アメリカが日本に要求をしてきた事項だと今おっしゃったというふうに私は理解をいたしました。  では次に、「その他の非関税措置」とありますが、具体的に何を指しているのか、局長、説明してください。
  264. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) 同じような答弁になって恐縮ですが、現時点で、その他の非関税措置、これについても、これまで米側から関心が表明されてきた事項というふうに理解しております。
  265. はたともこ

    ○はたともこ君 もう一つ、「TPPの高い水準を満たすことについて作業を完了する」とありますが、具体的にどういうことを意味するのか、局長、説明してください。
  266. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) 御指摘のTPPの高い水準を満たすことについての作業ということは、これまで日米間でアメリカ側から日本の現在の様々な制度の状況、そういったものについての情報交換を行ってきております。アメリカ側から見て、恐らく日本の現状というのを知りたいという作業で、これらの作業については引き続き行っていくという状況でございます。
  267. はたともこ

    ○はたともこ君 さらに、外務省にもう一つ伺いたいと思います。  この日米共同声明の第三パラグラフの、日本のあり得べき関心、そして二国間協議の対象、残された懸案事項、その他の非関税措置、なされるべき更なる作業が残っているの中に、自民党の政権公約六項目の聖域なき関税撤廃以外の五項目の確認は含まれていますか。昨日の外務省の説明では、それは含まれていないということでしたが、改めて説明をしてください。
  268. 片上慶一

    ○政府参考人(片上慶一君) お答え申し上げます。  今の時点では、これらの項目の中に自民党の公約の五項目が含まれているという情報はございません。他方、それぞれ一つずつについてはまだ具体的なことは必ずしも全て分かっているわけではないというのが現状でございます。
  269. はたともこ

    ○はたともこ君 総理、総理の御見解はいかがでしょうか。この第三パラグラフに青い線で囲ってある中で、「日本のあり得べき関心」の中に自民党の政権公約六項目の中のその他の五項目の確認は含まれていないということでございましたが、総理の御見解、いかがでしょうか。
  270. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁いたしましたように、明らかにこの五項目に反するということではないというふうに今私は認識をしているところでございます。  そこで、この中に入っているかいないかということについては、ずっと今までも交渉してきておりますから、外務省が答弁したとおりだろうと、このように思います。
  271. はたともこ

    ○はたともこ君 昨日の外務省の説明では、この第三パラグラフには自民党政権公約六項目のうちその他の五項目の確認は含まれず、専ら米国からの対日要求についての協議、対処の作業が残されているということでございました。この英文を見ていただきましても、この表現は私も明らかにそのような書き方であるというふうに思います。  しかし、自民党政権公約六項目は、総理が政府統一見解であると国会答弁をされている、言明をされているTPP交渉に参加するかしないかの判断基準です。当然、二国間協議の対象としてその他の五項目が含まれるのか含まれないのか確認する必要があると思いますが、総理、いかがでしょうか。
  272. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは今外務省から御説明をさせていただいたような解釈でございますが、五項目について、現状の日米のやり取りの中において、では国益を損なうようなISD条項という、そういうことにはまだ全くなっていないわけでありますし、皆保険について、日本の皆保険が崩されるということにも全くなっていないわけでありますから、当然それは、さらにこれは参加ということを日本がもし判断をした場合は、交渉の中で更に明らかになっていくと、このようなことだと思います。
  273. はたともこ

    ○はたともこ君 総理、共同声明の英文に、御覧ください、「more work remains to be done,」とあります。外務省の日本文仮訳には、赤字の部分でございますが、「なされるべき更なる作業が残されている。」とあるわけですが、残された作業の中に自民党の政権公約六項目の中のその他の五項目が守られているかどうかの確認作業は含まれなければおかしいと当然思うわけですが、いかがですか。
  274. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども自民党の公約について整理をさせていただいたんですが、六項目について、言わば最初の聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上交渉には参加をしないというのが、これが言わば公約集に載っていることであります。そして、それ以外の五項目については、これはJ―ファイルというもの、つまり自民党の目指すべき方向というものについて書いてある中に記述されているものでございます。そして、交渉参加の条件としては、交渉参加の条件としては、聖域なき関税撤廃かどうかということであります。そして、TPPについて、TPPについて、その後、参加を、交渉して、最終的に条約として批准する中において、この残りの五項目については、それはこれがしっかりと排除、こういう状況であってはならないと、このような立て付けになっているということであります。
  275. はたともこ

    ○はたともこ君 つまり、五項目は参加の条件ではないということでございますね。  私は、日本のあり得べき関心といえば、例えば著作権法の問題、著作権の保護期間の延長、あるいは非親告罪化、法定損害賠償などについても大きな関心事項だと思っております。インターネットも含めて、ユーザーの公正な利用の権利が侵害されるようなことがあってはなりません。  自民党の政権公約六項目のほかにも、これらも含めて日本の国会は、日米両政府及び米国議会、そしてさらにはアジアの太平洋の国々、世界の国々の議会や消費者、エンドユーザーに対して働きかけをしていかなければならないと思います。「more work remains to be done,」、なされるべき作業が残っている、これはまさに私たち日本の国会と日本の国民にこそ当てはまる言葉であると申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。
  276. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上ではたともこさんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  277. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上君。
  278. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  日米首脳会談におけるTPPに関する日米共同声明についてお聞きをいたします。  総理、これは総選挙のときの自民党議員が当選した山形の第二区で張り出されていたポスターであります。(資料提示)TPP断固反対、ウソつかない、ブレないと。この候補の応援には総理自身も石破幹事長も行かれておりました。有権者はこれを見て投票しているわけですから、ウソつかない、ブレない、公約を守る、そういう答弁を求めたいと思います。  共同声明は、まず、全ての物品が交渉の対象になるとしております。そして、TPP交渉参加国が二〇一一年に発表したTPPのアウトラインで示された包括的で高い水準の協定を達成するということも確認をしております。包括的で高い水準の協定とは何かと。このアウトラインでは、関税及び物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃するとしています。つまり、関税と非関税障壁を撤廃をするということが明記をされております。  これは二〇一一年の十一月に発表されておりますが、それ以降、この内容は変わっていないということでまず確認をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  279. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) TPPのアウトラインですが、二〇一一年十一月に、TPP交渉参加国、当時は九か国ですが、その首脳が発出した文書であります。TPP協定の特徴、範囲、交渉の進捗状況等を示すものでありますが、TPP交渉自体はその後も進展しておりますが、TPPの輪郭、内容自体は変更されたとは承知しておりません。
  280. 井上哲士

    ○井上哲士君 変わっておりません。  つまり、共同声明は、TPPについて、全ての物品を交渉の対象にすると、そして、関税と非関税障壁を撤廃する協定の達成を確認をしたと。つまり、聖域はないということを私はまず確認をしている、このことを指摘したいんですね。  ところが、総理は首脳会談において、聖域なき関税撤廃が前提でないことが明らかになったと、こういうふうに発言をされております。しかし、この関税を撤廃するというアウトラインを達成するとしながら、聖域なき関税撤廃が前提でないということは、これは矛盾するんです。本来成り立たない話なんですね。  そもそも、共同声明には、前提でないなどという文言はどこにも書いてありません。総理がそのように認識をしたと記者会見で言われているだけでありまして、共同声明に書かれているのは、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないとしているだけですね。これはつまり、交渉の場で例外を主張することは妨げないという程度のことであって、すぎないものであります。  交渉の結果、関税撤廃の例外が認められる、そういう何らかの保証が一体あるんでしょうか。
  281. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この共同声明において、日本には一定の農産品、そして米国には一定の工業製品というように、両国共に二国間貿易上のセンシティビティーが存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであると。  つまり、自由民主党の公約というのは聖域なき関税撤廃を前提条件にする以上交渉には参加をしないということでありますから、もう全く関税撤廃はないんだということを約束をしなければ交渉参加ということにはならないということであれば、それは交渉には入れないということでありまして、今申し上げましたように、このようにセンシティビティーが存在をするということは、聖域なき関税撤廃ではないというふうに私は認識をしたわけでございます。
  282. 井上哲士

    ○井上哲士君 JAの会長も、このアウトラインを達成するとした以上、TPPの特徴である例外なき関税撤廃を前提にしたものとしか解することができないと、こういう声明を出しております。その中で、今総理言われましたけど、日本の農産品についてセンシティビティーが存在することが認識されているけれども、関税撤廃対象から除外することを確認したわけじゃないじゃないかと、こういう談話を出していますよ。つまり、聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった、とても言えないんじゃないですか。
  283. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど委員がおっしゃったように、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められていないということは、言わば前提として全ての関税撤廃ということを約束をしなければいけないということではないということでありますから、聖域なき関税撤廃ではないと、このように私は理解したわけでありますし、首脳会談において、先ほど申し上げましたように、自由民主党が、そして私がどのように党として約束したかという中において、聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上交渉には参加できないということを約束をしましたよということを申し上げたわけでありまして、その上において、この共同声明の中における第二パラグラフを申し上げまして、これを文章化をしてもらいたいということを申し上げた。そして、その上において、有権者に対して聖域なき関税撤廃ではないということを説明していきますがそれでいいんですねということも申し上げたということも申し上げておきたいと思います。
  284. 井上哲士

    ○井上哲士君 つまり、例外措置がとられる何らの保証はないんだということを事実上お認めになりました。  これ、一からの議論じゃないわけですね。最初のパラグラフで、全ての物品を対象として関税を撤廃するというアウトラインを達成すると、これを認めている。つまり、この枠内での交渉で、その交渉の中で別に主張するのは構いませんよということを確認しているにすぎないわけですよ。  元々、TPP参加は、アメリカだけではありません、全ての加盟国の承認が必要です。そして、最初からの加盟国であるニュージーランドは例外措置を認めておりません。二国間だけで確認をして、そして聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったと、私、こういうことを言うのは国民を欺くものだと思いますよ。  しかも、TPPに関する自民党の選挙公約は、先ほどもありましたように、これ以外もあります。六項目、トータルであるわけですね。食の安心、安全の基準を守る、国民皆保険制度を守るなどなどあります。首脳会談前の予算委員会で総理は、六項目を全て守るのかという我が党議員の質問に、国民との約束はしっかり守っていくと答弁をされました。ところが、先ほどの議論にもありましたように、この共同宣言の中では、関税以外の関心事項について二国間協議を継続するとあるだけであります。これで参加を表明をするなどと言えば、結局、六項目の公約はほごにすると、そういうことになるんじゃないですか。
  285. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 六項目に書いてあること、食品の安心、安全を守っていくというのは当然政府にとっては責務でありますから、こうした点において、我々が言わばそれを犠牲にするということはあり得ないわけであります。そのことははっきりと申し上げておきたいと、こう思うわけであります。  そして、首脳会談においては、聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上我々は交渉には参加できないということを申し上げたわけでありますが、それと同時に、残りの第二項目から第六項目まで、つまり五項目についても私はお話をしているわけであります。
  286. 井上哲士

    ○井上哲士君 話をしただけなんですね。  自民党のTPP政策作った責任者である林農水大臣、この委員会でも答弁をされましたけれども、六項目に明白に反することがあれば交渉に入っていくのは難しいと答弁しているんです。つまり、交渉の中で議論をすることじゃなくて、交渉に入る前にそのことが、確かめなければ駄目だということを言っているんですよ。それがないじゃないですか。この答弁とも食い違っているんですよ。私は、これは国会をも欺くようなことだと思います。  このポスターは、結局、六項目の公約を守るならばTPP断固反対という結論しかないということを自民党自身が認めていたということですよ。有権者はこのポスターを信じて投票しているわけであります。ですから、ウソつかない、ブレない、これ今必要なんですよ。  自民党は交渉参加について総理に一任したそうでありますが、有権者は公約違反を一任をすることなどできません。しかも、TPPへの参加による問題は、自民党が掲げた六項目だけじゃありません。日本の経済主権を奪って、農業や食の安全、医療、経済も根こそぎ壊すものですよ。私は、まさに亡国のこういう方向について、絶対に参加をすべきでないし、公約をしっかり守り抜けと、そのことを改めて強く求めまして、質問を終わります。
  287. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  288. 石井一

    ○委員長(石井一君) 時間が非常に追っておりますので、時間厳守で御質疑をいただきたい。委員長より強く要請をしておきます。  次に、舟山康江君の質疑を行います。舟山康江さん。
  289. 舟山康江

    ○舟山康江君 みどりの風の舟山康江です。  今日は、訪米前に引き続きまして、TPPについて総理にお伺いします。  日米首脳会談におきまして、民主党政権下で得られた情報、状況と何が変わり、どのように事態が進展したのか。つまり、今回新しく得られた追加情報と今までとの状況の変化、その部分についてお答えください。
  290. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今回の首脳会談では、先ほど来議論になっておりますこの共同声明の内容、特にこの三点を明示的に確認して、そして共同声明という文書を発出した、こうしたことであります。  従来も様々な二国間交渉、情報収集に努めてきたわけですが、今回は対外的に文書という形で日米の首脳間が確認をした、こういった点で大きな前進だと我々は考えております。
  291. 舟山康江

    ○舟山康江君 今御説明いただきましたけれども、内容は変わっておりません。明示的に文章で確認したということが大きく違うんだと思っております。  パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)  この文章をよく読みますと、赤で色を入れたところがポイントだと思っておりますけれども、まず、全ての物品が交渉の対象とされるということ、それからTPPの輪郭、これは当時の参加九か国で合意したものでありますけれども、そこで示された包括的で高水準の協定を達成していくこと、これも以前と変わっておりません。そして、これ中身は何か。先ほど井上議員からもありましたけれども、その中身が書いてありますけれども、その中身は、関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃するということであります。つまり、関税撤廃と書いてあります。  先ほども指摘がありましたけれども、あくまで原則、前提は、聖域なき関税撤廃なんです。その上で、交渉次第で、それも次ですけれども、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであると、その上で、前提は聖域なき関税撤廃だと、その上で、交渉次第で何かが取れるかもしれない。そういったレベルのものでありますので、聖域なき関税撤廃を原則とするものではないということにはならないと思っておりますけれども、そういう中で、何を根拠に聖域が取れたと、聖域なき関税撤廃が前提ではないとお感じなんでしょうか。総理、お願いします。
  292. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が党の公約は聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上交渉には反対すると、交渉参加には反対すると、こういうことでありまして、そのことについては、まず冒頭オバマ大統領に、我が党はそれを公約として、私もそれを公約として選挙を戦い政権を取ったという話をしました。そして、この国民の皆様との公約はたがえることはできないということもお話をし、そして六項目について話をしたわけであります。  その中におきまして、さらに、この共同声明における第二パラグラフについてお話をいたしまして、そしてそれを文章化をしていこうということになったのでありますが、そこで出てきたのがこの共同声明でありますが、この共同声明の中において、一定の農産品、そして米国には一定の工業製品というように、両国共に二国間貿易上のセンシティビティーが存在することを認識をしつつということが書き込まれておりますので、これはまた、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められていないということでございますから、これは聖域なき関税撤廃を前提とはしていないと、こう判断をしたわけでございます。
  293. 舟山康江

    ○舟山康江君 センシティビティーが存在することを認識するということと、センシティビティーを認めますということとは違うと思います。例外品目を認めますとはここには一言も書かれておりません。その存在をお互いに認識しましょう、主張はしてもいいですということだけでありまして、それが認められるということはここには何も書かれておりません。  それでは、総理は、日本は例外が認められなければ交渉には参加しませんとはっきり表明したのでしょうか。
  294. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 要するに、交渉の中において言わば例外となる品目を勝ち取ることができないということになっていれば、それは当然交渉には参加できないわけでありますが、しかし、それは交渉次第ですよということになればこれは参加できるという判断になるわけでございますが、つまり、聖域なき関税撤廃ということは、全く全て関税を撤廃することはできませんよ、それが参加の前提条件ですよということになればこれは参加できませんねと、これがまさに聖域なき関税撤廃であって、私はそうではないと、つまり交渉によって例外品目を勝ち得ることも可能であるという認識の下に聖域なき関税撤廃ではないという認識に至ったわけであります。
  295. 舟山康江

    ○舟山康江君 そのレベルでいえば、民主党政権下でも全く状況は同じでした。交渉次第で例外は勝ち得ることができたかもしれない、だけど、そこの確信が持てないということでずっと検討を続けて、最終的には交渉参加に踏み切らずに終わったということだと思っております。最終的な結果は交渉次第だということは、これは以前から書かれておりますし、今回の訪米で総理が初めてその言葉を勝ち取ったわけでもなく、状況は何も変わっていない。  繰り返しになりますけれども、原則、前提は例外なき、聖域なき関税撤廃だと、その上で、交渉の中で何かが取れるかもしれないというその程度でありますので、これだけで大丈夫だと、聖域が取れる、公約が守れるということはとても言えないということを強く申し上げたいと思います。  そして、この共同声明の三パラ目を御覧いただきたいと思います。  TPP参加への日本のあり得べき関心について二国間協議を継続するとありますけれども、これは事前協議のことでしょうか。
  296. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) この三パラ目のTPP参加への日本のあり得べき関心という言葉ですが、分かりにくい言葉ではありますが、この意味は、日本は今まだTPP交渉に参加をしておりません、この交渉参加に関心を持っている日本の関心、この関心そのものを言っているわけで、具体的な何か事項をここで指しているというものではありません。
  297. 舟山康江

    ○舟山康江君 これ、文脈を見ておりますと、これは日本の関心というよりは、アメリカから何を言われているのか、それに対してどういうことができるのか、そういったことの関心ではないかと読めると思っております。中身的には、自動車部門、保険部門、こういったものが取り上げられておりますし、そのほかについても非関税措置、それを日本がどこまでやる用意があるのかというような文面だと思っています。  そして、更に大事なのは、「協議は進展を見せている」と書いております。そういった関心事について協議がどのぐらい進展しているのか。具体的には、前政権のときから、自動車について、保険について、また牛肉、この三分野については具体的に様々な意見交換していた、何をアメリカが関心を持っているのか、そのアメリカの得心を得るために頑張っていると、そういう答えを当時の政府からいただいておりましたけれども、どこまで進展しているんでしょうか。
  298. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、この三パラグラフ目ですが、御指摘のように、先ほど私が説明したのは、一行目のその文言についてでありまして、三パラ全体を考えますときに、アメリカの関心事であるということ、これはそのとおりでありますが、これは内容については従来からも日米間で協議はずっと続けてきました。そして、その協議を今後も続けていく、こういったことを確認した部分だと我々は理解しております。
  299. 舟山康江

    ○舟山康江君 そこにちゃんと対処をしなければいけないということです。何らかの回答を持たなければいけないということだと思っています。つまり、TPP交渉に入る前に、事前に入場料、何らかの妥協をしなければいけない、何らかの回答をしなければいけないと、そういう事前約束がこの三パラ目だと思っています。  これは、アメリカとの、他国との交渉の中でよく存在するものでありまして、例えば、米韓FTAにおいても、韓国では先決事項と呼んでおりましたけれども、先決事項として、協定に入る前に幾つかの懸案について事前に要求をのんで、それにこたえていくという約束をしているということであります。  これは、まさにその先決事項、入場料を事前に払うということにほかならないと思っておりますので、まさに聖域なき関税撤廃を前提としておりますし、様々そのほかの非関税分野に対してもいろんな懸念が残っている、いろいろ解決しなければいけないことが残っているということで、現段階でTPP交渉参加に対しては、断固反対、できないということになると思いますけれども、それ、いかがでしょうか。
  300. 石井一

    ○委員長(石井一君) 簡潔にお答えください。
  301. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申しましたように、この三パラ目は、今までもやってきた日米間の協議を引き続き協議を行うという趣旨であります。そして、協議をしていくこと、対処するということ、これは当然あることだと思います。結論を出すというのではなくして、対処していく、これは協議を続けていく以上、それは当然ある話だと思っています。
  302. 舟山康江

    ○舟山康江君 以上で終わりますけれども、大変な問題を抱えているということがよくお分かりになったと思います。  以上で終わります。
  303. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で舟山康江さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  304. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、山内徳信君の質疑を行います。山内君。
  305. 山内徳信

    ○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。  私は、幾つかの基本的な問題を総理大臣にお伺いしたいと思います。  政治の基本は、国民を平等に扱い、民意を尊重するのが現在の民主主義の政治と思っております。そういう観点に立って安倍政権は政治を進めると考えたいわけでございますが、基本的な認識をお伺いいたします。総理。
  306. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、まあちょっと今質問の趣旨がよく分からなかったんですが、基本的な安倍政権の方針としては、日本国民の言わば富を守り、増進し、さらに未来に向けて若い人たちが夢を持てる国にしていきたいと、こういうことでございます。
  307. 山内徳信

    ○山内徳信君 そういうことを私は聞いておるんじゃないんです。  政治の基本は、国民を平等に扱い、民意を尊重するのが基本だと思っています。現在の安倍政権はそういう基本認識に立って政権を進めておると受け取ってよろしゅうございますね。
  308. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、我が国においては憲法上も日本国民は平等でありますし、政府として当然平等に扱う、これは当たり前のことであって、今進めている成長戦略においても、この果実が広く国民に均てんされるよう努力をしていきたいと思っております。
  309. 山内徳信

    ○山内徳信君 民意の尊重も私はお伺いしておるんです。民意というものを尊重する政権であると受け取ってよろしゅうございますね。
  310. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民意ということにおいては、日本は民主主義の国でありまして、そして、衆議院、参議院、それぞれ選挙があるわけであります。まさに、そこで信を問う、国民の声を聴くということになるわけでありまして、そういう民意においては、直近の民意としては、先般行われた衆議院選挙の結果こそがまず直近の民意であろうと、このように思うわけであります。  しかし、だからといって、我が党が大きな議席を獲得したからといって、我が党だけの考え方で物事を進めようと考えているつもりでは毛頭ないわけであります。その際、議会運営においては謙虚に多くの政党会派の声にも耳を傾けていきたいと思っておりますが、同時に、選挙において我々が様々な公約をしております。その公約を進めていくことにおいても我々は責任を負っていると、このように思っております。
  311. 山内徳信

    ○山内徳信君 二月二十二日の日米首脳会談は日本の将来を占う極めて重要な会談だったと私も考えております。TPP問題、尖閣問題、そして県民の厳しい抵抗に遭っている名護市辺野古への新基地建設問題など、極めて困難な問題が話合いされておると思います。  安倍総理は、オバマ大統領に対して、辺野古新基地建設についてどのようなことを申し上げられたのか、そのことを伺っておきたいと思います。
  312. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私からは、辺野古については、まず普天間基地が固定化されることはあってはならないというお話を申し上げたわけでありまして、そして、この普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編について、現行の日米合意に従って作業を進め、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減を実現していく旨述べたところでありまして、そして、オバマ大統領と普天間飛行場の移設及び嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めていくことで一致をいたしました。  また、普天間飛行場の辺野古移設について沖縄には厳しい声が存在することは受け止めているわけでありますが、先ほど申し上げましたように、飛行場の固定化はあってはならないと思っております。私自身、沖縄を訪問した際には、仲井眞知事を始めとする関係者の皆様と率直な意見交換をさせていただいたところでございます。
  313. 山内徳信

    ○山内徳信君 新しい基地を造るとか、国家的なプロジェクトを進める場合には、必ずそこには当事者がおります。辺野古新基地建設、沖縄の基地問題を推進していくためには当事者は日米両政府だけでいいと考えていらっしゃるのか。少なくとも、私は、辺野古新基地建設の当事者は三者、日本政府とアメリカ政府と沖縄側がおると考えておりますが、この当事者は三者であるという認識でよろしゅうございますか。
  314. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米軍再編においては、日本政府と米国政府が合意をしたものでございますが、この合意を進めるに当たっては、沖縄の皆様の、そもそもこれは沖縄の負担軽減のために進めていくものでありますし、そして普天間の固定化を阻止をする、言わば普天間の移設を進めていくためのものでもあるわけでありますし、今申し上げましたように、負担軽減するために嘉手納以南の返還、土地の返還ということも、これは当然進めていく。  そして、今回、首脳会談においてもそれは私の方から取り上げたわけでございますが、当然、そうしたことを進めていく上においても、沖縄の皆様とお話をしていくことは極めて重要であろうと、そしてまた信頼関係を構築するということが大切だろうと、このように思い、また我々も努力をしているところでございます。
  315. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、官僚が書いた答弁を、このような答弁は何度も聞いております。したがって、新しく総理になられた安倍総理の新鮮な感覚から出てくる回答が欲しいと思って、お尋ねしておるんです。  次に進めてまいりますが、辺野古新基地建設問題は、当事者は沖縄県民、沖縄県であるということをお忘れになっておるから、十八年たってもこの問題は前に進まぬのです。そのことを肝に銘じていただきたいと思います。  そして、もう時間でございますから、最後に、昨日、仲井眞県知事は県議会の中でこういうように答弁しております。普天間飛行場移設・返還問題について、地元の理解が得られない移設案の実現は事実上不可能だ。政府に対し、日米共同発表を見直し、県外移設に向けて取り組むよう強く求めてまいりますと。これが沖縄県知事の答弁でございます。  したがいまして、こういう視点に立たれて、是非、安全保障とか国益とおっしゃるならば、日本全体で対応していってほしい。何ゆえに、四分の三を沖縄に基地を押し付けておいて、新しい辺野古の基地を造る。  県民の要求を全く無視したのが、一月二十八日の沖縄から参りました、建白書を携えて百三十名が総理に直訴に来られました。総理は、その建白書を官邸で受け取られました。私もその中におりましたが、本当に総理はこの建白書を重く受け止めると、こういう姿勢で代表の那覇市長、翁長雄志さんから受け止めておられました。  そういうこともオバマ大統領にも伝えていく。そういうふうにして、日米間、沖縄の訴えておることを是非アメリカ側にも伝える努力をしていただきたいと思います。  以上申し上げまして、私の質問を終わります。
  316. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で山内徳信君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  317. 石井一

    ○委員長(石井一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山さん。
  318. 中山恭子

    ○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。  今日は、外交との絡みで、北朝鮮による拉致問題を中心にお伺いいたします。  先日の米国御訪問は良い成果を収められたと考えておりますが、その中で、北朝鮮拉致問題に関して、先ほど塚田委員等の御質問の中で安倍総理とオバマ大統領との間での拉致問題のやり取りのお答えがございました。伺っておりまして、日本側が日本として、国家として被害者をしっかり取り戻すという強い意思を示されるということがかえってアメリカからの協力を得られたという実感をお持ちなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  319. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) かつて私が官房副長官当時、内閣参与であった中山委員とともに当時のブッシュ政権に対して、この拉致問題に対してブッシュ政権の理解を得て、そして強い支持を表明してもらうために努力をしたことを思い出しているわけであります。  米国の政権において、新しいこのオバマ政権において、言わばこの拉致問題についてしっかりと認識をしてもらう必要があるわけでございまして、その意味においては、既に例えば核の問題とかミサイルの問題は、米国自身の、あるいは国際社会全体の問題として共有をしているわけでありますが、残念ながら、拉致問題への理解というのは、新たに政権に就いた、まあオバマ政権はもう既に四年間たっておりますが、十分な認識がないかもしれないという中において私の口からはっきりと申し上げておいた方がいいと思いまして、十三歳の少女も含め多くの日本の罪もない人たちが拉致をされていると、この問題は必ず安倍政権のうちに解決をしていきたいというお話をさせていただきました。  また、その後、CSISで講演をした際にも、この拉致問題については時間を割いてスピーチをしたところでございます。
  320. 中山恭子

    ○中山恭子君 やはり、北朝鮮と日本との国家間の問題でございますので、国際社会の理解を得るということは非常に重要であろうと考えております。  北朝鮮による日本人拉致問題は、さらに、日本の人々に国家というものを考えるきっかけとなったと思っております。日本はなぜこの拉致を防げなかったのか、他国の工作員が日本に入り国民を拉致していくことを防げなかったのか、なぜ他国に拉致された日本人を長期間放置してしまったのか。  二〇〇二年十月十五日、拉致被害者五人が日本の土を踏みましたとき、今のお話にも絡んでまいりますが、担当者の間で、その五名を再び北朝鮮に戻すかどうかという激しい議論がございました。あのとき、官房副長官であった安倍総理が、日本に残す、とどめるという決断をしてくださり、日本政府が五名を日本にとどめるという政府方針につながりました。あのときは心から有り難く思い、日本もこれでほんの少し救われるとほっとしたことを記憶しております。あのときの判断は間違っていなかったと考えておりますが、いかがでしょうか。
  321. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 五人の被害者が帰国をした際、今から十一年前でございますが、この五人の被害者を北朝鮮に帰すかどうかということが議論になりました。当時、官房副長官であった私の部屋で関係者が集まって議論をしたわけでありますが、当時、私と中山参与が、これは帰すことはできないという主張をし、最終的にその方向に決まったのでありますが、その際、中山恭子委員が、これは御本人の希望でもあったわけでありますが、これは御本人の希望ではなくて国家としてそういう判断をしたということを外に向けて発表すると、そういう進言がございまして、私もそのようにしたわけであります。  これは政府内でも相当実はあのとき議論があって、むしろ反対する人も多くいたわけでございますが、それは、つまり個人の意思を超えて国家が個人が帰る帰らないを決めていいかどうかという議論でありまして、しかしそこは、我々の判断は、誘拐された子供が帰ってきたときに、戻る戻らないということを聞くのは極めてばかにしているということで、なおかつ、この五人の被害者を守るのは彼らが生まれ育った国が責任を持っているという判断をしたのを覚えているわけであって、あのときの判断は今でも間違ってはいなかったと、このように確信をいたしております。
  322. 中山恭子

    ○中山恭子君 日本では敗戦の後、国家という単語を使うことすらタブーという、そのような、国家というものから目を背けてきていたと考えております。やはり日本が国家という意識をしっかり持って、日本の国民を政府が守るという意思をはっきり打ち出すことによって、かえって国際社会の信頼を得られるものであると考えております。  いずれにしましても、まだたくさん北朝鮮に拉致被害者が残されていると思われますので、北朝鮮に監禁されている被害者を救出することが急務でございます。  二〇〇四年五月の第二回小泉・金正日会談で、金正日総書記が起点に戻って再調査しようと発言したと伝えられております。金正日総書記の遺訓と言ってもよいものであろうと思われますし、また、今の金正恩体制は、この拉致に直接かかわっていない人々でつくられていると思われますので、是非、今、ある意味ではチャンスかもしれません、この問題を国家の最重要課題と位置付けて救出に当たっていただきたいと思いますが、その決意を改めてお知らせください。
  323. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この拉致問題、そしてこの北朝鮮による言わば拉致のオペレーション、作戦自体には、現在の金正恩第一書記はかかわっていないわけであります。つまり、自分自身がやったことを否定することにはならないわけでありますから、つまり、かつての間違った行いを正すことによって北朝鮮は未来を勝ち取ることができるわけでございます。  日朝国交正常化をすることによって、北朝鮮は日本の協力、そして国際社会に復帰をすることによって、まさに未来に向けて国を建設をしていくことができるわけでありますから、そういう決断をしてもらうために、対話と圧力の政策でもって大きな決断を迫っていきたいと、このように思います。
  324. 中山恭子

    ○中山恭子君 現在、政府が認定しております拉致被害者は、十二件十七名でございます。しかし、特定失踪者問題調査会の調査ですとか、政府が被害者の家族から直接ヒアリングをしている、そういった情報から、ほかにも北朝鮮に拉致されているであろうと思われる人々がたくさんおります。  この北朝鮮による拉致の可能性が高いと考えられる事案につきましては拉致被害者の認定を広げてもよいのではないかと考えますが、国家公安委員長でもある古屋拉致担当大臣のお考えを伺います。
  325. 古屋圭司

    ○国務大臣(古屋圭司君) 安倍内閣において、拉致対策本部、強化しました。そして、その一つの具体的政策の中で、北朝鮮による拉致の可能性を否定できない事案については徹底した調査、捜査を行う。その一環として、実は過日、拉致が否定できない方々、八百六十六人がいます。しかし、この中で、否定できない方がいらっしゃいます、そして具体的には、その中でも告訴、告発があった件を中心に六十件についてはDNA鑑定をしておりまして、これ公表しました。要するに、今委員が御指摘のように、今後このいわゆる特定失踪者の皆様が本当に拉致をされたということがはっきりしてくれば、我々としてもその政府の認定をしていく、こういうスタンスで取り組んでおります。  したがって、拉致認定被害者、認定被害者はいろんな対応がありますけれども、残念ながら特定失踪者に一切政府としてのそういう対応がありませんので、そういったこともしっかり、御家族の皆様のお気持ちも勘案しながら真摯に対応していきたいと、こういうふうに思っております。
  326. 中山恭子

    ○中山恭子君 時間が来ております。  警察の無線傍受、沖に船があるというような情報もございますので、その辺りを勘案して是非進めていただきたいと考えます。  ありがとうございました。
  327. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  328. 石井一

    ○委員長(石井一君) 十分程度遅延いたしておりますが、中継は続くものと期待いたしております。  十分以内に舛添要一君、よろしくお願いします。
  329. 舛添要一

    ○舛添要一君 安倍総理、今日は、大変今悪化しています日本と中国との関係、これどうすれば立て直すことができるかと、このテーマに集中して御議論申し上げたいと思います。  まさに安倍総理のときに、二〇〇六年十月、中国にお行きになって、そして戦略的互恵関係ということを定められて、その後、翌年、温家宝さんが来られる。大変、日中関係がいい方向に向かっていった。その後、ずっと悪化をしてきた。麻生副総理もそこおられますけれども、その後、福田総理、麻生総理の下でも日本と中国の間の戦略的互恵関係とずっと言い続けてきたんです。  ところが、この言葉が呪文になってしまったということで、この呪文という言葉は私が使ったんではありません、野田総理です。昨年の一月三十一日のこの予算委員会で私が質問しましたら、こういうふうにおっしゃった。昨年暮れの日中首脳会談で戦略的互恵関係の話をしました、これを呪文のようにお互いに唱えながら。私が中国の要人と話しても、必ず戦略的互恵関係やりましょうと、そこで止まっちゃうんですね。これは、麻生副総理が韓国へ行かれて未来志向、私たちも常に韓国とは未来志向、その言葉で止まってしまう。  ですから、安倍総理の大きな仕事は、二〇〇六年十月に打ち立てられた戦略的互恵関係というのが、時の総理が、しかも相手のカウンターパートがお互いに呪文のように唱えてそれで終わってしまう。そういう状況になっているということをどういうふうにお感じになっているか。  そして、これは安倍総理、大きな責任がおありだと思いますので、この言葉で始めた日中関係がここまで悪くなった、是非これ立て直すために、一つは、もうこの言葉を使わない、ほかの言葉を新たに作るというのも一つなんですけど、しかし、これは悪い言葉ではないし、意味するところはいいことなので、後ほどまた御質問しますけれども、どうすればいいかということで、まずはこの立派な言葉が時の総理が呪文と言うまでおとしめられたことについての御感想をお伺いいたします。
  330. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 野田総理が呪文というふうに言われたということを私は寡聞にして存じ上げなかったんですが、しかし、それが呪文であったとしても、それを唱えることによって、言わばそこでそれ以上悪化する歯止めになるのであれば、私はそれでいいと思うんですね。  つまり、戦略的互恵関係とは何かといえば、今まで友好第一で来た関係、これは、やはり友好は本来手段であって目的ではない、目的は国益を守る、それは日本も中国も同じであります。日本も中国も外交上だけではなくて、特に経済上では切っても切れない関係にあるわけでありますから、この関係を維持していくことはお互いにとって国益だねということを理解し合っていく、これは相互の国益だ、そして、それはまさに戦略的な関係、それを認識することは戦略的な関係であろうと。  つまり、国境を接していますから、いろいろなこれはぶつかり合いもありますし、認識の違いも生じるけれども、そういうことが起こったとしても、戦略的互恵関係というのは常にお互い全面的に関係を悪化させない、つまりお互いがそれを悪化させては困るであろう経済の関係においては影響させない、これこそが戦略的互恵関係なんだろうと思います。  かつて中国国内において日系企業が襲われた、これはまさに戦略的互恵関係を損なうものでありますから、原点に立ち戻って、今こそ、こういう課題があるからこそ様々な言わばルートで対話をする、様々なクラスにおいて対話をし、そして高レベルの対話、政府間の対話も今こそするべきだろう。  私はいつも申し上げているんですが、日本としては、日本政府としては、ドアは開いている、対話のドアは常に私の方の側では開いているということを申し上げているところであります。
  331. 舛添要一

    ○舛添要一君 この三月の半ばには全人代が終わりまして、習近平体制が人事を含めて固まるので、是非その後に本格的なこの戦略的互恵関係の再構築をやる必要があると思っています。  二つやっぱり注意する必要があって、まず第一に、具体的に何をするかということなんですけれども、二〇一〇年九月の中国の漁船のあの蛮行というか、こういうことから非常に東シナ海をめぐって悪くなりました。ただ、いろいろやれることがありまして、一つ具体的な提案といえば、今大気汚染が非常に中国大変になっています。麻生副総理や私の里の福岡県というのはまさにその影響も受けているわけですから、我々は大気汚染対策、環境、それから例えば原発事故に対する対策、こういうノウハウを持っているわけですから、是非、例えばこういう環境面での協力を進めることによって少し互恵関係を進めるのはいかがかと思いますが、この提案に対していかがでしょうか。
  332. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、舛添委員が御指摘になった原発の安全性向上と、あるいはまたPM二・五の問題、これは日本にもやってきているということもありますし、そもそもこれは中国にとっては深刻な問題なんだろうと思います。日本にとっては、それを解決をしていく技術、ノウハウもありますから、是非そういうところから協力をしていく、今の御指摘はまさにそのとおりだろうと、このように思います。
  333. 舛添要一

    ○舛添要一君 それからもう一つ、これは情報面での協力として、今北朝鮮が核実験を更にやる、またミサイルを飛ばすというようなことをやっておりますけれども、そういう軍事的な挑発に対して、中国はやっぱり北朝鮮の言わば後見役として非常に大きな影響力と情報を持っていますから、是非、そういう軍事的な面での戦略的対話を通じて北朝鮮が暴発しないように日中で協力すると、これは一つの大きなカードになり得ると思いますが、総理はいかがお考えでしょうか。
  334. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界で北朝鮮に対して最も影響力のあるのは中国でありますし、また安保理の決議を行うためにも、拒否権のある常任理事国である中国は決定的な力を持っているわけでありまして、その意味においても、中国の協力を得ることができるように努力をしていかなければならないと思っております。
  335. 舛添要一

    ○舛添要一君 我々は、日韓関係でも日中関係でも、もう二国間関係だけを考えて、例えば尖閣の問題、これはもう我が国益にとって大変ゆゆしい問題ですけど、そこに集中しちゃうと、この国際関係の中における二国間関係という視点がなくなってしまっちゃう危険性があるわけですけれども、中国は片一方で平和的発展と言いながら、片一方で核心的、コアですね、利益と言う。こういう矛盾をたくさん抱えている中で、やはり例えば総理が日中で首脳会談をおやりになるようなときには、東アジアの安定というのは、実は世界の経済にとっても世界の平和にとっても根本的に重要なことだということをしっかりと中国の指導者と議論して、そのことを確認し合うことが重要だと思いますが、その点はいかがお考えでしょうか。
  336. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、舛添委員がおっしゃったことこそ私は戦略的互恵関係なんだろうと思います。  朝鮮半島の平和と安定を守っていく、あるいは東アジアの平和を守るために日中が協力をすることによってお互いが国益を確保する、これを認識し合うということが戦略的互恵関係であって、両国が両国の関係を生かして戦略的に協力をしていくということこそ大切なことであり、それこそが戦略的互恵関係だろうと思います。
  337. 舛添要一

    ○舛添要一君 最後に、世界経済にとりましても、やっぱり世界の成長センターはアジアであるわけで、日中間の経済的な関係の深さを考えると、それを犠牲にしてまで冒険的なことをやるべきではないというふうに思っておりますが、時間が限られていて、御答弁の時間短くて恐縮でございますが、時間内に、委員長、収めるために私の質問はこれで終わりますが、最後にその点についての御答弁をお願いいたします。
  338. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中国は世界の成長センターでありますし、先ほど申し上げましたように、日本は中国に投資をし、利益を上げておりますし、また中国に輸出をし、大きな利益を上げています。  一方、中国は、日本からの投資によってたくさんの雇用をつくっているわけでありますし、日本にしかできない半製品を中国に輸入をし、それを加工して世界に輸出することで大きな利益を上げている、つまりそれこそが切っても切れない関係であって、これを認識することが大切なんだろうと思います。  その中において、ああいう例えば尖閣で問題があったからといって、日系企業に対して言わば向こうでのビジネスを阻害する、襲撃をしたり不買運動をするということになれば、日本は投資を控えるわけでありますし、世界はそれを見ていて、これじゃ安心して投資できないなと思うんですね。これは、中国の経済にとって著しいこれは毀損をする、被害が出てくることになる。そのことも中国に、よく認識をして国際社会においてちゃんとマナーとルールを守る国だと示すことこそが中国の未来につながっていくということを我々もよく話をしていく必要があるだろうと思います。
  339. 舛添要一

    ○舛添要一君 終わります。どうもありがとうございました。
  340. 石井一

    ○委員長(石井一君) 以上で舛添要一君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて外交に関する諸問題についての集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十一分散会