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2013-05-27 第183回国会 参議院 本会議 23号 公式Web版

  1. 平成二十五年五月二十七日(月曜日)    午後三時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十三号     ─────────────   平成二十五年五月二十七日    午後三時 本会議     ─────────────  第一 成年被後見人選挙権の回復等のための   公職選挙法等の一部を改正する法律案(衆議   院提出)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のため   の消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関   する特別措置法案(趣旨説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 平田健二

    議長平田健二君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平田健二

    議長平田健二君) 御異議ないと認めます。国務大臣稲田朋美君。    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  4. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) ただいま議題となりました消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案の趣旨を御説明申し上げます。  昨年八月に成立した社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律などによる今次の消費税率の引上げは、二段階にわたるものであることもあり、中小零細事業者を中心に、消費税の価格への転嫁について懸念が示されています。  このため、今次の消費税率の引上げに際しては、これらの中小零細事業者等が消費税を価格へ転嫁しやすい環境を整備していくことが極めて重要な課題となっております。そこで、消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、消費税の転嫁を阻害する行為の是正、価格の表示並びに消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別の措置を講ずるため、ここにこの法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案について、その主な内容を御説明申し上げます。  第一に、今次の消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するため、特定の事業者による消費税の転嫁の拒否等の行為を迅速かつ効果的に是正するための制度を創設することとしております。  第二に、消費税の転嫁を阻害する表示を迅速かつ効果的に是正するための制度を創設することとしております。  第三に、事業者が、今次の消費税率の引上げに際し必要があるときは、一定の誤認防止措置を講じているときに限り、消費税法の総額表示義務解除することとしております。  第四に、事業者又は事業者団体が、公正取引委員会に届出をして行う一定の要件を満たす消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用を除外することとしております。  このほか、関係法律について必要な規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律案は、平成二十九年三月三十一日限り、その効力を失うこととしております。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、平成二十六年四月一日以後における自己の供給する商品又は役務の取引について事業者が禁止されることとなる表示に関し、その範囲の明確化を図るため、所要の修正が行われております。  以上、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)     ─────────────
  5. 平田健二

    議長平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。安井美沙子君。    〔安井美沙子君登壇、拍手〕
  6. 安井美沙子

    安井美沙子君 民主党新緑風会安井美沙子です。  本日は、会派代表して、消費税転嫁対策特別措置法案について、安倍総理と関係閣僚の皆様に質問をさせていただきます。  本法案は、今後の日本経済に大きな影響を及ぼす内容であり、衆議院でも長時間に及ぶ議論が行われたということです。いよいよ参議院での審議入りに当たって、総理の御見解をしっかり確認させていただく必要があると考えております。  本法律案は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保を目的とするものであり、民主党政権が推進した社会保障と税の一体改革の一環としてとらえるべきものです。  この社会保障と税の一体改革は、社会保障の安定財源の確保と財政健全化の同時達成を目指すものであり、三党合意に基づく関連法案成立によって進められています。消費税率の引上げの負担は消費者が負うこととなりますが、その負担は社会保障を通じて国民へ還元されるというのが基本的な仕組みです。したがいまして、本法律案は、この社会保障と税の一体改革という大きな仕組みの実施を円滑ならしめるための措置であるととらえる必要があります。  そこで、まずは、社会保障と税の一体改革に関連して質問いたします。  消費税率の引上げに当たっては、引上げによる増収分の使途である社会保障制度改革の全体像を国民に示さなければなりません。社会保障制度改革推進法に基づき、内閣国民会議が設置されておりますが、その議論の成果がなかなか見えてまいりません。設置期限が迫っておりますが、国民会議における審議の進捗状況は一体どうなっているのでしょうか、安倍総理に伺います。  消費税の引上げに当たっては懸念材料が幾つかありますが、中でも、逆進性対策についてはほとんど何も決まっていないようで、大変心配しております。  軽減税率だけはやめてくれという強い反対の声をあちこちからいただいています。実務上の煩雑さからくる中小企業事務負担増や、標準税率と軽減税率の適用判断の際の線引きの難しさ、さらに、富裕層にも恩恵が及び逆進性対策にならないことなどを考えれば、導入が望ましくないことは明らかです。そもそも、軽減税率の導入による税収減をどうやって補填するのか、財政健全化スケジュールに影響がないのか、慎重に考える必要があります。  政府は軽減税率の導入の可能性を今でも残しているのでしょうか、麻生財務大臣に伺います。  民主党は、一貫して給付付き税額控除の導入を主張してまいりました。先週、いわゆるマイナンバー法が成立しましたので、給付付き税額控除を導入するためのシステムインフラが整う見込みとなりました。政府として給付付き税額控除の導入を真剣に検討する意向があるのかどうか、麻生財務大臣の御見解をお示し願います。  さて、それでは法律案の中身に関して伺います。  本法律案は、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するため、消費税の転嫁拒否等を取り締まり、当該行為の是正、防止等の措置を講じるものです。税率が上がれば、負担増による経営や家計への悪影響を何とか回避したいと考えるのは自然なことです。しかし、消費税の場合、誰かが支払を回避すれば、必ずどこかにしわ寄せが行くことになります。  本法律案は、こういった事態を回避するために、考え得るあらゆる手だてを講じようとするもので、民主党政権でも真剣に検討してきたものですから、本法律案の方向性自体に異論はありませんが、幾つか気になる点がありますので、それらに絞って質問させていただきます。  まずは、消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置について伺います。  本案第八条は、消費税還元セールのように、消費税を転嫁していない旨の表示等を禁止することにより、消費者の誤認を防ぎ、消費税の適正な転嫁を促すものです。  歴史を振り返れば、平成九年に消費税が三%から五%に引き上げられた際に、大手流通チェーン各社が消費税五%還元セール等の名称で一斉に一週間前後のセールを行いました。今回も、増税による消費の冷え込みを少しでも軽減するために同様の対応がなされることが予想されますが、消費税の円滑かつ適正な転嫁に悪影響が及ばないようにするためには、どんな表示ならばセーフでどんな場合がアウトなのかを明確にする必要があります。第八条原案ではその判断がしづらいということで、衆議院経済産業委員会で大きな議論になったと聞いております。  その議論の過程で、政府側の答弁が二転三転しました。最初の答弁は、三%還元セールや全商品三%値下げ、価格据置きセールといった宣伝でも、消費税という文言は用いていないが、表示全体から見て禁止される場合があるとの内容でした。しかし、五月八日には一転し、消費者庁公正取引委員会総務省財務省経済産業省が出した統一見解では、消費税といった文言を含まない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ禁止される表示には該当しないと解釈を変更しました。しかし、それでもまだ明確とは言えないという意見が噴出し、衆議院において規制を消費税との関連性を明示しているものに限定するとの法案修正がなされた上で参議院に送られてきています。  このように政府の見解が二転三転したのは、政府与党の中で現場の実態を把握した上での議論が事前にしっかりできていなかったことに起因するのではないかと思っております。  本法案所管の主担当である消費者担当の森大臣公正取引委員会担当の稲田大臣に、この間の経緯と、それぞれのお立場において、第八条で誰を守り、どんな事態を防ごうとお考えなのか、伺います。  私は、自由商行為をゆがめるような規制は良くないと考える反面、政府の統一見解と衆議院修正によって第八条は骨抜きになってしまったと感じております。消費税と明示したらアウト、明示しさえしなければ何でもよいということになったのですから、小売業界は消費税と明示しないで値下げをする方法をめぐり、大いに知恵を絞ることでしょう。  例えば、消費税が八%に引き上がる二〇一四年四月一日の新聞折り込み広告で全商品三%値下げセールというチラシを見たら、百人が百人、消費税増税分の還元だと連想することは明らかです。これをもって表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかでないと政府が判断するとしたら、詭弁以外の何物でもありません。  私は、表示規制をあえて法案化したことがそもそもの間違いであると考えておりますが、結果的にそれが骨抜きになってしまったことがなおさら残念でなりません。政府はむしろ、小売業界にも御協力いただきながら、消費税社会保障と税の一体改革の実現のために消費者の皆様に御負担いただかなくてはならないことをしっかり周知すべき立場にあるのではないでしょうか。たかが表示、されど表示でありまして、私は、これこそ転嫁対策の肝であり、政府の姿勢を示すものであると考えます。  安倍総理には、国民消費税の意義を御理解いただくために、折々直接お訴えいただきたいと思います。この点について、総理の御決意のほどを伺います。  また、政府の責務はむしろ、消費税を引き上げる代わりに行政改革を断行し、無駄を省くことによって、国民の増税に対する納得感を高めることにあるのではないでしょうか。行政改革に対する総理の御覚悟とビジョンをお伺いします。  次に、総額表示義務の特例措置について伺います。  消費者向けの価格表示については、消費者への利便性の観点から、平成十六年に税込み価格での店頭表示、いわゆる総額表示が義務付けられています。しかし、今般、事業者による値札の張り替え作業などの事務負担に配慮が必要なこと、また、二段階にわたって消費税率が引き上げられることに鑑み、消費者に税込み価格であると誤認されないための対策を講じておれば税込み価格を表示しなくてもよいこととする、いわゆる外税方式を認める特例措置が設けられています。  先日、地元の愛知県西尾市で老舗のお茶屋さんにお話を伺ったところ、消費税引上げ時には外税方式を採用するとおっしゃっていました。例えば、今は消費税五%分込みで千五十円と総額表示していたものを、来年四月からは商品本体価格千円プラス消費税八十円、再来年十月からは本体価格千円プラス消費税百円と表示するということです。このお店の場合は、付加価値の高い商品を販売しており、指名買いが多いですから、常連さんに引き続き購入してもらうために外税方式を採用するという判断は十分理解できます。  この例が示すように、この特例措置については消費者の皆様に増税分を理解していただくために有効な方法だと思います。しかし、本法律案平成二十九年三月までの時限立法であり、それ以降は総額表示に戻さなければなりません。一時的に外税表示が一部で行われ、しばらくしたら再び全てを総額表示に戻すことは、消費者に対して無用な混乱を招くのではないかと懸念されます。本法律案のように弾力的な運用を認め、その場しのぎの対応を行うのではなく、より深い議論が求められます。  政府は、価格表示の在り方について、現在の総額表示義務を維持するのか、あるいは本法律案をきっかけに再び外税方式に戻すのか、明確な方針を示すべきだと考えますが、消費者保護の観点から森大臣に見解を伺います。  次に、中小企業対策について伺います。  消費税の円滑な転嫁に関する中小企業に対する支援措置として、平成二十五年度の税制改正で、中小事業者等がレジスターなどの設備を取得した場合に、特別償却又は税額控除の優遇措置が認められることになりました。  しかし、これだけで十分とは言えません。中小企業の経営環境が依然として厳しい中、消費税率引上げをきっかけとする倒産が懸念されます。三月に金融円滑化法が期限切れとなり、中小企業の資金繰り上の特例がなくなりました。また、現在進行中の円安による燃料高、原料高でコスト負担にあえいでいる中小企業も少なくありません。さらに、TPP交渉が妥結すれば、業界にもよりますが、中小企業はより厳しい競争環境にさらされることが予想されます。その意味でも、今回の転嫁対策はまさに中小企業のためにあると言っても過言ではありません。  本法案に盛り込んだ様々な手だてを着実に実行し、中小企業を守り抜くという総理の御決意を表明していただきたいと思います。  全国四百二十万社の中小企業は、日本企業全体の九九・七%を占め、雇用の七割を担っている以上、中小企業の再生がすなわち日本経済の再生であると確信しています。私は、党のネクスト中小企業担当副大臣として、中小企業については与野党を超えて知恵を出し合い、まさに次元の違う政策をつくるべきだと考えております。  しかしながら、今のところ、アベノミクス成長戦略では、中小企業に対する明確な打ち手が特出しされているようには見えません。円安、株高で輸出型大企業を中心に収益が上がればおのずと下請の中小企業にもその恩恵が回ってくるという、一か八かのトリクルダウン効果のみに任せるのではなく、中小企業に直接効く活性化策が今こそ求められます。この点について総理の御所見を伺います。  どこに主眼を置いた経済対策を打つかで、日本の将来の姿は大きく変わります。アベノミクスは大企業にばかり目が行っていませんか。日本経済地域を支えている真面目な中小企業が、政策変更をきっかけとして経営がままならなくなるようなことがあれば、日本がこれまで積み上げてきた大切な財産を失うことにもなりかねません。中小企業が、本来は消費者が負担すべき増税分を押し付けられ、事業の継続が不可能なレベルにまで追い詰められるようなことがあってはなりません。  政府は、本法案日本経済に与える責任の重さを再認識し、法案を更に精緻化するとともに、現実に即した実行プランを詰めるなど、これから始まる参議院での審議を通して、本法案に魂を入れていただきたいと思います。  最後に、転嫁対策、特に中小企業を念頭に置いた場合の安倍総理の御決意を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  7. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 安井美沙子議員にお答えをいたします。  社会保障制度改革国民会議での審議の進捗についてお尋ねがありました。  国民会議においては、改革推進法に基づき精力的に議論が行われており、四月二十二日には医療介護分野について、五月十七日には少子化対策分野について、これまでの議論を一定程度整理したものと承知をしております。現在、年金の議論に入っており、今後、社会保障四分野の議論を一通り終えた上で、八月の取りまとめに向け、更に各分野の議論を深めていただき、改革の具体化を進めてまいります。  転嫁対策等の周知についてお尋ねがありました。  今般の一体改革による消費税率引上げは、増大する社会保障の持続性と安心の確保、国の信認維持のために行うものであり、税率引上げによる増収分は、全額社会保障財源化し、国民に還元することとしております。こうしたことについて、広く国民に御理解いただきたいと考えております。  消費税の円滑かつ適正な転嫁のためには、転嫁等に関する理解を深めていただくことが非常に重要であり、消費税率引上げの趣旨、意義や、価格への転嫁を通じて最終的に消費者に負担していただくことが予定されているという消費税の性格、本法案を含む転嫁対策等の取組について、様々な機会をとらえて丁寧に説明をしてまいります。  行政改革についてのお尋ねがありました。  行政改革は、行政機能や政策効果を最大限向上させるとともに、政府に対する国民の信頼を得るために極めて重要な取組であり、不断に進めるべきであると認識しております。こうした考え方に立って、政府としては、行政改革推進本部等を立ち上げ、無駄の撲滅に向け、これまでに行政事業レビュー等の方針を決定したところです。現在、特別会計改革や独立行政法人改革の議論を進めており、引き続き行政改革に全力で取り組んでまいります。  中小企業対策中小企業を守るための転嫁対策の取組についてお尋ねがありました。  中小企業者など、取引の立場が弱い事業者が消費税を円滑かつ適正に転嫁できるようにしていくことは、極めて重要な課題であります。この認識の下、本法案では、転嫁拒否等の行為を迅速かつ効率的に取り締まる仕組みなどの措置を盛り込んだところです。法案成立後、転嫁拒否行為等に関するガイドラインや調査マニュアル等を策定し、政府一丸となって中小企業を守るべく実効性のある強力な転嫁対策を実施してまいります。  また、中小企業・小規模事業者対策については、平成二十四年度補正予算平成二十五年度当初予算において、大規模かつ切れ目のない対策を講じています。例えば、ものづくり補助金を措置し、一万社もの、ものづくり中小企業・小規模事業者の試作開発、設備投資などを支援しているほか、約八千二百まで拡大した全国津々浦々の税理士弁理士等の認定支援機関がきめ細かく経営改善計画策定を支援していきます。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  8. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 本法案第八条についてのお尋ねがありました。  本法案第八条については、衆議院における御審議の過程で、同条で禁止されている表示の考え方について、政府としての見解をお示しいたしました。また、同条についての衆議院における修正の趣旨は、禁止される表示の範囲の明確化を図るためのものであると承知しています。  公正取引委員会を担当し、本法案全体を取りまとめる立場にある大臣として、消費税還元セール等の表示を規制する本法案第八条は、一般消費者の誤認を防ぎ、買いたたき等の未然防止に資することから、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するという法の目的にかなうものと考えております。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  9. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 低所得対策としての消費税の軽減税率及び給付付き税額控除についてのお尋ねがあっております。  消費税率の引上げに当たっての低所得対策につきましては、昨年六月の三党合意を踏まえ、八月に成立をいたしました税制抜本改革法におきまして、複数税率と給付付き税額控除が共に検討課題とされ、消費税率八%の段階からいずれかの施策の実現までの間の暫定的、臨時的なものとして簡素な給付措置を実施するものとされております。  このうち、給付付き税額控除の前提となりますマイナンバー法につきましては、御存じのように、先日、五月の二十四日、成立したところであります。  いずれにいたしましても、本年二月の三党合意におきまして、低所得対策につきましては引き続き協議を行うということとされておりまして、政府といたしましては、与党間及び三党間での議論を踏まえた上で検討を行っていく必要があろうと考えております。(拍手)    〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
  10. 森まさこ

    国務大臣森まさこ君) 本法案第八条の趣旨等についてお尋ねがありました。  本法案第八条は、消費税の負担について消費者の誤認を防ぎ、納入業者の買いたたきや周辺の小売業者の転嫁が困難になることを防止するため、消費税分を値引きする等の転嫁を阻害する安売りの宣伝や広告禁止するものです。  当初の衆議院での審議において、本法案第八条で禁止される表示についての答弁が分かりにくいものであったことから、政府部内で同条の規定で禁止される表示についての考え方を整理し直し、消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方をお示ししました。また、本法案第八条の衆議院における修正の趣旨は、禁止される表示の範囲の明確化を図るためのものであると承知しております。  総額表示義務の特別措置についてのお尋ねがありました。  総額表示義務の特例は財務省の所管ではありますが、消費者担当大臣からの答弁が求められておりますのでお答えさせていただきます。  総額表示の義務付けは、消費者の利便性の観点から導入され、平成十六年四月から実施されているものです。他方、税率の引上げ時において総額表示義務を厳格に適用することは、事業者にとって値札の張り替え等に多大なコストが掛かり、ひいては円滑な転嫁の確保も困難になることが考えられます。  このため、政府としては、本法案において、消費者に誤認されないための対策を講じていれば税込み価格を表示しなくてもよいとするとともに、消費者にも配慮する観点から、できるだけ速やかに税込み価格を表示するよう努めなければならないとする総額表示の特例を、平成二十九年三月三十一日までの時限措置として設けることとしております。(拍手)     ─────────────
  11. 平田健二

    議長平田健二君) 荒木清寛君。    〔荒木清寛君登壇、拍手〕
  12. 荒木清寛

    荒木清寛君 公明党荒木清寛です。  私は、公明党、自民党を代表し、ただいま議題になりました消費税転嫁特措法案について、総理並びに関係大臣質問を行います。  本法律案は、平成二十六年四月と同二十七年十月の消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁を図ることを目的とするものです。消費税消費者が負担するものではありますが、消費税を納めるのは事業者であることから、消費者へ至るまでの転嫁が円滑になされる必要があります。  自公連立政権の力強い経済対策により、一部の業種において明るさが見られるものの、中小事業者の経営環境は依然として厳しい状況に置かれており、消費税が円滑かつ適正に価格に転嫁できるかどうかが中小事業者の最大の懸案とされているところです。  こうした状況を踏まえれば、過去に見られない強力な転嫁対策が必要です。手引にすぎないガイドラインではなく、法律で措置しなければなりません。  具体的には、中小企業関係団体などの意見を踏まえ、保護の対象を資本金等の額が三億円以下の全事業者に拡大し、一律に保護対象とすること、納入事業者が税抜き価格での価格交渉を求めた際に買手の拒否を禁止すること、さらに、現行の総額表示義務では増税前の値札の張り替えなどの事務負担が重いことから、税抜き価格の表示を許容することなどを法律に盛り込むことを公明、自民の与党両党は求めてきました。  本法律案は、こうした与党の提案にこたえるとともに、事業を所管する大臣にも権限を付与し、規制体制の強化を図るなど、消費税の円滑かつ適正な転嫁に向けて評価できるものとなっております。この上は、一日も早く法律案成立し、国民への周知を強力に推進することが最大の転嫁対策になることと思われます。  そこで、本法律の早期成立に向けた決意、国民に対する広報の在り方について総理にお尋ねします。  次に、転嫁拒否等の行為の是正措置についてお尋ねします。  本法律案では、減額、買いたたきなど四つの類型を禁止行為と定めるとともに、その取締りを行うことにより、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することとしております。違反行為効果的に取り締まるためには、組織的に万全な体制を構築することに加え、取締りに当たる専門的人材の確保が必須のことと思われます。そのような組織人事にわたる体制整備をどう構築するか、稲田内閣府特命担当大臣にお尋ねいたします。  また、本法律案では、公正取引委員会中小企業庁のほか、事業を所管する大臣にも調査等の権限を付与するなど規制体制の強化を図っております。さらに、内閣官房に司令塔機能を担う消費税価格転嫁等対策推進室を置き、加えて、本法律案では、内閣府政府共通の相談窓口として消費税価格転嫁等総合相談センターを設置することとしております。  しかしながら、多くの行政機関が関与することにより、縄張争いや責任の押し付け合いなど、縦割り行政と批判されるような事態が起きるのではないかと危惧しております。そうした批判を招くことのないよう各行政機関が連携して事に当たる必要がありますので、各行政機関の連携の在り方について稲田内閣府特命担当大臣にお尋ねいたします。  次に、価格の表示に関する特別措置についてお尋ねいたします。  いわゆる消費税還元セールのような消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する表示に関し、衆議院において様々な議論がなされたと承知しております。質疑の過程において、政府の統一見解が示され、さらに、規制する表示の範囲について、その明確化を図る観点から、消費税との関連を明示しているものに限ることとする修正が行われました。こうした衆議院修正の趣旨を踏まえた上で、禁止される表示の内容についてはガイドラインにおいて具体的かつ明確に示す必要がありますので、この点につき、森内閣府特命担当大臣の考えをお尋ねいたします。  次に、総額表示義務の特例措置についてお尋ねいたします。  今般、小売店の値札張り替え作業など事務負担の軽減が必要なこと、税率が二段階にわたって引き上げられることを考慮し、店頭での価格表示について外税方式を認める特例措置が設けられています。一方で、総額表示の義務付けは、消費税込みの総額を表示することで消費者の利便性を確保することを意図するものであります。小売店と消費者双方の利益の確保のためには両者のバランスが重要となるところ、本法律案ではどのように対応しているか、麻生財務大臣にお尋ねいたします。  また、法律案では、九十八円などといった値ごろ感のある価格の表示について、税込み価格が明瞭に表示されているときに限り本体価格を強調して表示することが可能となっております。この明瞭とはどのようなものか、森内閣府特命担当大臣にお尋ねします。また、明瞭か否かの判断に当たって、恣意性を排除し、公正であることが求められます。公正公平な判断手続の在り方について、同じく森大臣にお尋ねいたします。  次に、消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別措置、いわゆる転嫁カルテル、表示カルテルについてお尋ねします。  本法律案では、転嫁カルテルと表示カルテルについて、消費税導入時と同様の独占禁止法の適用除外制度を設け、中小事業者が消費税を転嫁しやすい環境を整えることとしております。このうち、転嫁カルテルについては三分の二以上が中小事業者であることが要件とされているところ、三分の二以上とする理由は何か、これによって中小事業者にどのようなメリットがあるのか、お尋ねいたします。また、このような決定ができることについて、中小事業者に周知できなければ意味がありません。中小事業者への周知の在り方について、稲田内閣府特命担当大臣にお尋ねいたします。  次に、公共料金への消費税転嫁についてお尋ねします。  これについては、便乗値上げを防ぐとともに、地域交通など事業者の経営を圧迫することのないような配慮が必要です。  政府は、各公共料金に共通する消費税の価格転嫁に関する基本的な考え方を整理し、公表するとしております。公共料金に対する消費税の転嫁は、事業者におけるシステム改修の負担を考慮する必要があるとともに、転嫁に伴う消費者への影響についても慎重に考える必要があります。こうした公共料金への価格転嫁についてどのような点が問題になるか、お尋ねします。また、早期に方針を示すことが事業者、消費者の双方に必要と思われるところ、現在の検討状況はどのようになっているか、森内閣府特命担当大臣にお尋ねします。  最後に、消費税率の引上げによって得られた税金は、社会保障に充てられ、国民に還元することとなっております。本法律案は、言わば国民に円滑に還元するための措置とも言えます。政府一丸となった実効性のある転嫁対策の実施を期待し、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  13. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 荒木清寛議員にお答えをいたします。  消費税転嫁対策特別措置法案の早期成立に向けた決意と広報の在り方についてお尋ねがありました。  消費税率の引上げに際して、多くの中小企業者の方々から消費税の価格転嫁について不安の声が寄せられており、本法案により転嫁対策にしっかりと取り組んでいくことが極めて重要であります。本法案の早期の成立をお願いをいたします。  また、消費税の円滑かつ適正な転嫁のためには転嫁等に関する理解を深めていただくことが重要であり、消費税率の引上げの趣旨、価格への転嫁を通じて最終的に消費者に負担していただくことが予定されているという消費税の性格、本法案を含む転嫁対策等の取組について、徹底した周知、広報を行ってまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  14. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 違反行為効果的に取り締まるための人材の確保、体制整備についてお尋ねがありました。  今般の消費税率の引上げが二段階にわたって実施される予定であることを踏まえ、転嫁対策にしっかりと取り組むためには、十分な監視、取締り体制を整備することが重要と認識しております。公正取引委員会では、平成二十五年度予算において、新たに転嫁対策調査官などとして百十九名が手当てされているところ、職員の採用に当たっては、公正取引委員会の元職員を含め、類似の調査業務の経験がある方、法律や税務等に明るい方、事業者間の取引実務に精通している方などを中心に十分な選考を経て採用することといたしております。  また、新たに採用した職員については、十分な研修を行うだけでなく、独占禁止法や下請法の検査に従事している既存の職員とともに調査を行うなどの実地研修によって調査ノウハウ等の習得を図り、その上で監視、取締り業務に当たらせることといたしております。  各行政機関の連携の在り方についてお尋ねがありました。  本法案では、公正取引委員会中小企業庁のほか、事業を所管する省庁にも調査指導権限を付与しており、関係省庁間でのノウハウの共有及び執行の統一を図り、政府一丸となって転嫁拒否等について実効性のある監視、取締りを徹底していくことといたしております。  このため、公正取引委員会がその経験を生かして調査、指導等に関するマニュアルを作成し、関係省庁職員に対しても当該マニュアルを示すとともに、関係省庁への研修会への講師派遣、個別事件の調査処理の相談対応、指導結果の共有などを行うことにより関係省庁で調査ノウハウを共有し、実効性のある調査を実施していきます。  また、内閣官房に置かれた消費税価格転嫁等対策準備室において、相談情報として寄せられた転嫁拒否事案が所管省庁に適切に通知され、処理されるような仕組みを検討しているところであり、政府全体として効果的な連携体制の構築及びその運営に努めることといたしております。  転嫁カルテルについてのお尋ねがありました。  今般の消費税率の引上げに際して、転嫁カルテルについて独占禁止法の適用を除外していることとしているのは、取引上立場の弱い中小事業者が消費税を円滑かつ適正に価格に転嫁できるような環境を整備するためであります。  この趣旨を踏まえて、中小事業者のみを構成員とする事業者団体等が行う転嫁カルテルに限って独占禁止法の適用除外とする考え方もありますが、その場合、多くの事業者団体が転嫁カルテルを行うことができなくなるおそれがあります。したがって、中小企業団体の組織に関する法律において、中小企業団体である商工組合について、その総組合員の三分の二以上が中小事業者であれば、これを設立して共同経済事業を行うことができるとされていることに倣い、本法案においても、参加事業者の三分の二以上が中小事業者である場合に転嫁カルテルを認めることとしたものです。これにより、その構成員全てが中小事業者でない中小企業団体であっても転嫁カルテルを行うことができるなどのメリットがあります。  また、中小事業者への周知につきましては、本法案成立後、ガイドラインを作成、公表するとともに、事業者の方々に対してパンフレットの配布や業者向け等の説明会を開始するなど、徹底した周知、広報を行ってまいりたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
  15. 森まさこ

    国務大臣森まさこ君) 価格の表示に関する特別措置についてお尋ねがありました。  本法案第八条の修正の趣旨は、禁止される表示の範囲について明確化を図るものであると承知しています。  政府としては、どのような表示が禁止の対象となるかについて、できるだけ明確で分かりやすいガイドラインを策定するため、現在、事業者や事業者団体に対して具体的な表示例に関するヒアリングを行って事例を収集しており、引き続き、事業者の意見を十分に聞いた上で、具体的な事例を含めたガイドラインを策定してまいりたいと考えております。  本法案における税込み価格が明瞭に表示されている場合についてお尋ねがありました。  税込み価格に併せて税抜き価格を表示する場合に、税込み価格が一般消費者にとって見やすく、税抜き価格を税込み価格であると誤認されないように表示していれば、税込み価格が明瞭に表示されていると言えます。  事業者の予見可能性を高めるため、事業者からの意見も十分に聞いた上で、明瞭に表示されていると言える場合の具体例も含め、できるだけ明確で分かりやすいガイドラインを策定し、法律公布された後、パブリックコメント等の所要の手続を行った上で、可能な限り速やかに公表してまいりたいと思います。  公共料金への消費税転嫁についてのお尋ねがございました。  公共料金に共通する消費税転嫁に関する基本的な考え方については、現在、内閣官房公共料金所管省庁とともに検討しているところです。この検討に当たっては、今般の税率引上げが段階的に実施されることに留意していく必要があると考えております。  消費者庁としては、こうした点を踏まえ、基本的な考え方の整理に向け、関係省庁と連携の上、適切に対応してまいる所存です。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  16. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 総額表示の特例についてのお尋ねがあっております。  御指摘のありましたように、価格表示の在り方を検討するに当たりましては、いわゆる事業者からの視点と消費者からの視点の両面からの検討が必要であろうと考えております。  このため、今般の法律では、平成二十九年三月三十一日までの間におきましては、消費税の円滑な転嫁の確保や事業者による値札の張り替えなどの事務負担への配慮の観点から、消費者に誤認されないための対策を講じていれば税込み価格を表示しなくてよいというものにしております。  同時に、消費者への配慮の観点からは、事業者はできるだけ速やかに税込み価格を表示するよう努めるということにいたしております。(拍手)     ─────────────
  17. 平田健二

    議長平田健二君) 藤巻幸夫君。    〔藤巻幸夫君登壇、拍手〕
  18. 藤巻幸夫

    ○藤巻幸夫君 みんなの党の藤巻幸夫でございます。  私は、ただいま議題となりました消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案につきまして、会派代表して質問をいたします。  まず初めに、稲田大臣にお伺いいたします。  本法律案は、平成二十六年四月と平成二十七年十月の消費税率の引上げに際し、減額、買いたたきなどの行為を取り締まること、また、消費税還元セールのように、価格に消費税が転嫁されていないと消費者が誤認するおそれのある表示を規制することなどを定めることにより、消費税の円滑かつ適正な転嫁を図ることが目的であるとされています。  しかし、そもそも、消費税率が引き上げられるか否かにかかわらず、消費税分を買いたたくなどの行為があっていいはずはありません。消費税は円滑に転嫁しなければならないものであって、現行の独占禁止法や下請法でも、優越的地位濫用や買いたたきなどは禁じられている行為であります。それにもかかわらず、あえて特別措置法で対処しなければならない理由は何なのでしょうか。  下請法は一定の委託取引のみをその対象とし、通常の売買取引には適用がないことなどが法律案を制定する理由の一つに挙げられておりますが、これはおかしな話であります。下請法に足りない点があるのであれば、下請法を改正し、強化するのが道理ではないでしょうか。本来なすべきは、特別措置法の制定ではなく、下請法の強化のはずであります。特別措置法を制定する理由と下請法の強化の必要性についてお伺いいたします。  次に、消費税の転嫁の拒否等の行為の是正に関する特別措置についてお伺いします。  法律案第三条では、買いたたきなどの四つの行為禁止し、それらの違反行為を防止し是正するため、必要な指導助言を行うこととしております。しかし、衆議院における参考人質疑で有識者も指摘しているとおり、買いたたきか自由な価格交渉の結果か、その判断は至難のことと思われます。八%に税率が引き上げられた際、メーカーと卸と小売とで一%ずつ、言わば痛み分けのように増税分を負担する場合や、家電量販店のように日々、本体価格の見直しを行っている場合には、税率引上げ時の前後の納入価格を比べたとしても、買いたたきか否かを判断するのは実質的に不可能であります。どのような場合に買いたたきと判断するのか、その基準をお伺いいたします。  また、今般、公正取引委員会のほか、主務大臣にも指導助言を行う権限を付与し、幅広い事業を対象にするとしておりますが、従来、この種の規制の運用を担ってきたのは第三者機関である公正取引委員会であります。事業を所管する大臣第三者機関とでは、その役割は本質的に異なりますが、そうした差を考慮することなく一緒にしてしまってよいのでしょうか。事業を所管する主務大臣を運用主体とした妥当性についてお伺いします。  さらに、違反行為の監視要員として非常勤職員の採用も選択肢の一つであるとされています。しかし、専門的、技術的判断が必要とされる職務を非常勤職員で賄うのは実効性を無視したものと言わざるを得ません。人材がそろわなければ規制の効果を上げることは不可能です。人材獲得の在り方と規制の実行可能性についてお伺いします。  次に、転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置につきまして、森大臣にお伺いいたします。  法律案第八条では、消費税還元セールのような消費税を転嫁していない旨の表示は行ってはならないとされております。この狙いは、大規模小売店の周辺で営業する中小事業者が消費税相当額の値下げを余儀なくされることを防ぐためのものと説明がされておりますが、この点、事業者の有力な販売戦略である表示を規制することに合理性があるのか、様々な意見が出されているところであります。そこで、衆議院において、消費税との関連を明示しているものに限ることとすると修正が行われましたが、修正の結果どうなったのかが判然としておりません。消費税との文言を含まない表示であっても規制対象となるか否か、お伺いします。  仮に、消費税という言葉を使わなければその表示は禁止されないとなれば、ほとんどの安売り広告は規制されません。政府が意図した周辺中小事業者の保護骨抜きということであります。表示を規制することにより法益は得られないと考えますが、見解をお伺いいたします。  次に、総額表示義務の特例措置につきまして、麻生大臣にお伺いいたします。  本法律案では、事業者の値札張り替え作業などの事務負担を考慮し、消費税込みの価格を表示する総額表示義務に特例を設け、いわゆる外税方式を認めることとしております。しかし、総額表示義務では、レジでの会計を終えるまで金額が分からないといった意見や、外税と内税が混在すると価格の比較が行いづらいといった意見など、消費者の意向を踏まえ、利便性を考慮して導入されたものであります。本法律案の場合、外税方式を取る事業者と、そのまま総額表示を続ける事業者が混在することになり、消費者の利便性を損なうばかりでなく、混乱も予想されます。  特例として外税方式を認めるメリットは何なのか、消費者に十分配慮されたものなのか、お伺いします。  また、この法律が効力を失う平成二十九年三月以降、再び総額表示が義務付けられることになります。消費者ばかりでなく事業者の混乱も予想されますが、そのような混乱にどう対処するのか、お伺いしたく存じます。  次に、転嫁カルテル、表示カルテルについて、稲田大臣にお伺いします。  本法律案では、事業者等が行う転嫁カルテルと表示カルテルについて、平成元年の消費税導入時と同様に独占禁止法の適用除外制度を設けることとしております。しかし、このことは、平成九年の消費税率引上げ時にはカルテルは認められなかったということを意味しております。その理由として、平成九年当時は、消費税国民の間に定着し、転嫁に関する理解が深まっているため、現行の独占禁止法の枠内において消費税の適正な転嫁が可能であるとされていました。  平成九年当時より消費税に関する理解が深まっているはずの平成二十六年四月に転嫁対策が行われるのは奇妙としか言えません。なぜカルテルが復活したのか、整合性のある説明を求めます。  次に、転嫁対策に必要な費用について、安倍総理にお伺いします。  本法律案予算関連議案とされており、本法施行に要する経費として約三億六千万が内閣府予算に計上されております。一方で、本法律案は、国民に対し徹底した広報を行うこと、情報収集、指導助言を行うための万全の体制を整備することなどを国等の責務として定めており、それを実行するための予算が必要なはずです。一例を挙げると、公正取引委員会は二十五年予算に四億三千万円、中小企業庁は二十四年度補正予算で約四十二億円、二十五年度予算で約二十二億円計上しております。このほか、表示規制を担う消費者庁、事業を所管する各省大臣も経費は必要なはずであります。政府は果たして転嫁対策全体として必要な経費を把握しているのか否か、全体が幾らになるのか、お伺いします。  以上述べたように、本法律案に基づく規制の効果は極めて低いと言わざるを得ません。それにもかかわらず、分かる範囲でも約七十二億円の予算が計上されています。転嫁対策中小企業向けの施策であるならば、最初からその予算中小企業向けに使うべきではないでしょうか。予算の使い方として不合理であると考えますが、総理の意見をお伺いします。  そもそも、消費税の転嫁についての根本的な解決策は、景気を良くし、日本を元気にすることであります。まずはデフレから脱却し、日本経済を成長軌道に乗せることを最優先にしなくてはなりません。  アベノミクスの三本目の矢は成長戦略とされております。限りある予算クールジャパン、私はクリエーティブジャパンと申しておりますが、物づくりやデザインサービス産業など、付加価値を付けて日本のGDPを押し上げる努力をしている分野にこそ注ぐべきではないでしょうか。効果が不確かな施策に莫大な予算をつぎ込むことに合理性はないことを指摘し、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  19. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 藤巻幸夫議員にお答えをいたします。  転嫁対策予算等についてお尋ねがありました。  転嫁対策にしっかりと取り組むため、平成二十四年度補正予算では、中小企業団体が行う相談窓口の設置等の経費として、中小企業庁において四十二億円、平成二十五年度予算では、相談体制の整備、調査、監視体制の強化、広報等の経費として、中小企業庁公正取引委員会内閣府農水省等において合計三十億円を計上しているほか、関係省庁において計上している広報関係予算等の一部が転嫁対策等にも使用されることとなります。  中小事業者など、取引上の立場が弱い事業者が消費税を価格へ転嫁しやすい環境を整備していくことは極めて重要な課題であり、計上した予算は実効性のある強力な転嫁対策を実施するために必要なものであります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
  20. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 消費税の引上げに伴う買いたたきなどに対して、下請法の強化ではなく特別措置法で対処することについてのお尋ねがありました。  下請法は、製造委託など下請取引のみを対象としているため、通常の売買取引には適用はありません。また、下請法の運用主体は、公正取引委員会中小企業庁長官だけとなっております。  他方、今般の消費税率の引上げは、一年六か月の間に二回にわたって引上げが予定されており、その際には消費税の転嫁拒否等の行為が集中的に多数発生するおそれがあるなど、中小事業者を中心に消費税の価格への転嫁について懸念が示されています。  このため、下請法の対象となる下請取引だけではなく、広範な取引において集中的に多数発生するおそれのある消費税の転嫁拒否等の行為に対して、公正取引委員会中小企業庁長官だけでなく、事業を所管する大臣にも調査の権限を付与し、政府一丸となって実効性ある監視、取締りを行うため、特別措置を講ずることとしたものです。  買いたたきの判断基準についてお尋ねがありました。  今般の消費税率の引上げに際し、税率引上げ前の取引価格に消費税率引上げ分が上乗せされていない場合には、違反の疑いのある特定事業者から当該行為について特段の事情があることの説明がない限り、買いたたきに該当します。  特段の事情とは、例えば、原材料価格等が客観的に下落しており、当該原材料価格等の下落を反映した価格交渉が行われた結果、取り決めた単価が従来の単価よりも低くなる場合などが想定されますが、取引の実態を個別に調査し、確認することとします。  本法案において、事業を所管する主務大臣についても運用主体としたことについてお尋ねがありました。  消費税の転嫁拒否等の行為については、二度にわたる消費税率の引上げ時に集中的に発生することが懸念され、これを迅速かつ効果的に是正するため、公正取引委員会の限られた人員だけで監視、取締りを行うのではなく、中小企業庁長官や事業を所管する主務大臣においても積極的な情報収集や調査を行い、政府一丸となって実効性のある監視、取締りを徹底することが必要です。  このため、本法案では、公正取引委員会だけではなく、中小企業庁長官や事業を所管する主務大臣においても調査や指導を行う権限を付与することといたしております。  人材の獲得の在り方と規制の実行可能性についてお尋ねがありました。  今般の消費税率の引上げが二段階にわたって実施される予定であることを踏まえ、転嫁対策にしっかりと取り組むためには十分な監視、取締り体制を整備することが重要と認識しております。  公正取引委員会では、平成二十五年度予算において新たに転嫁対策調査官などとして百十九名が手当てされているところ、職員の採用に当たっては、公正取引委員会の元職員を含め、類似の調査業務の経験がある方、法律や税務等に明るい方、事業者間の取引実務に精通している方などを中心に十分な選考を経て採用することとしております。  また、新たに採用した職員については、十分な研修を行うだけでなく、独占禁止法や下請法の検査に従事している既存の職員とともに調査を行うなどの実地研修によって調査ノウハウ等の習得を図り、その上で監視、取締り業務に当たらせることとしております。  消費税転嫁のためのカルテルについてのお尋ねがありました。  消費税を導入した平成元年においては、消費税は我が国にとって極めてなじみが薄かったことから、政府として万全の対策を期するため、事業者や消費者消費税制度に慣れるまでの暫定的措置として、転嫁カルテル及び表示カルテルについて独占禁止法の適用除外としました。  消費税を引き上げた平成九年の段階では、消費税が我が国に定着していたことなどを踏まえ、同様の立法措置は講じていません。  今般の消費税率の引上げは二段階にわたり実施されるものであるため、特に価格交渉力が弱い中小事業者の方々から消費税の価格への転嫁について懸念が示されておりますので、平成元年の消費税導入時と同様に、転嫁カルテル及び表示カルテルに関する特別措置を講じることによって、これらの中小事業者の方々が消費税を価格に転嫁しやすい環境を整備していくことといたしております。(拍手)    〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
  21. 森まさこ

    国務大臣森まさこ君) 消費税との文言を含まない表示であっても本法案第八条の規制対象となるのか否かについてお尋ねがありました。  本法案第八条の衆議院における修正の趣旨は、禁止される表示の範囲の明確化を図るためのものであると承知しています。したがって、消費税といった文言を含まない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、禁止される表示には該当しません。  表示を規制することによる法益についてのお尋ねがありました。  本法案第八条の規定は、消費税の負担について消費者の誤認を防ぎ、納入業者の買いたたきや周辺の小売業者の転嫁が困難になることを防止するため消費税を値引くなどの表示を禁止するものであり、景品表示法では規制できない表示についても規制するものです。  したがって、第八条の規定は、本法案目的である消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するために必要な措置であると考えます。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  22. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 総額表示の特例及びその影響についてのお尋ねがあっております。  今般の法案に盛り込まれた総額表示の特例により、値札の張り替えなど事業者の事務負担が軽減され、ひいては消費税の円滑な転嫁にも役立つものと考えております。  他方、本特例は、消費者にも配慮する観点から、消費者に誤認されないための対策を講じているときに限り認められ、また、できる限り速やかに税込み価格を表示するよう努めなければならないということにいたしております。  本特例の導入と失効ということに伴います消費者や事業者の混乱をというお話でしたんで、混乱をできるだけ防止するため、事業者など関係者の御意見を聴取をいたしております。その上で、値札表示の具体例などを今後作成いたしますガイドラインで分かりやすくお示しをいたしたいと考えております。  また、消費者及び事業者に対し、本特例の期限平成二十九年三月までであることなどをしっかりとこれ周知をさせなければならないということで、一層広報に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
  23. 平田健二

    議長平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  24. 平田健二

    議長平田健二君) 日程第一 成年被後見人選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長轟木利治君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔轟木利治君登壇、拍手〕
  25. 轟木利治

    ○轟木利治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、成年被後見人選挙権等を回復するとともに、あわせて、選挙等の公正な実施を確保するため、代理投票における補助者の要件の適正化等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、発議者を代表して衆議院議員逢沢一郎君から趣旨説明を聴取した後、成年被後見人選挙権等回復に係る検討経過、成年被後見人選挙権訴訟控訴取下げに係る見解、代理投票制度における選挙人の意思確認のための方策、不在者投票の公正確保のための具体策、障害者の投票権行使に係る実務上の課題に対する対応策等について質疑が行われました。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  26. 平田健二

    議長平田健二君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  27. 平田健二

    議長平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  28. 平田健二

    議長平田健二君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          百七十八     賛成            百七十八     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  29. 平田健二

    議長平田健二君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会