運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2012-02-08 第180回国会 参議院 共生社会・地域活性化に関する調査会 2号 公式Web版

  1. 平成二十四年二月八日(水曜日)    午後零時三十分開会     ─────────────    委員の異動  二月七日     辞任         補欠選任      徳永 エリ君     斎藤 嘉隆君  二月八日     辞任         補欠選任      斎藤 嘉隆君     小西 洋之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         直嶋 正行君     理 事                 中谷 智司君                 平山 幸司君                 石井みどり君                 岡田  広君                 横山 信一君                 上野ひろし君     委 員                 有田 芳生君                 池口 修次君                 小川 勝也君                 金子 恵美君                 小西 洋之君                 斎藤 嘉隆君                 芝  博一君                 難波 奨二君                 前川 清成君                 石井 浩郎君                 岩井 茂樹君                 大江 康弘君                 加治屋義人君                 高階恵美子君                 渡辺 猛之君                 田村 智子君                 福島みずほ君                 亀井亜紀子君    事務局側        第三特別調査室        長        野中 茂樹君    参考人        大阪大学学院        国際公共政策研        究科教授     山内 直人君        東京大学大学院        人文社会系研究        科教授     白波瀬佐和子君        産直グループ「        サンサンメイト        」会長      洞口とも子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○共生社会地域活性化に関する調査  (「地域活力の向上と共生社会の実現」のうち  、活力ある共生・共助の地域社会・まちづくり  ―被災地の復興に向けて―(共生・共助の地域  ネットワークの視点))     ─────────────
  2. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) ただいまから共生社会地域活性化に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として斎藤嘉隆君が選任されました。     ─────────────
  3. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) 共生社会地域活性化に関する調査を議題といたします。  「地域活力の向上と共生社会の実現」のうち、「活力ある共生・共助の地域社会・まちづくり―被災地の復興に向けて―」について調査を行うに当たって、本日は「共生・共助の地域ネットワークの視点」について参考人から意見を聴取いたします。  御出席いただいております参考人は、大阪大学学院国際公共政策研究科教授山内直人君、東京大学大学院人文社会系研究科教授白波瀬佐和子君及び産直グループ「サンサンメイト」会長洞口とも子君の三名でございます。  この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。  参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様方からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、参考人、質疑者とも御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、山内参考人からお願いいたします。山内参考人。
  4. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) 皆さん、こんにちは。大阪大学の山内と申します。(資料映写)  今日はソーシャルキャピタルと地域力ということで、十五分間お時間をいただいておりますので、まずお話をさせていただきたいと思います。  私は地域の持続的な発展とか再生をいろんな事例を調査してまいりましたけれども、非常に似通った例えば産業構造であるとか都市の規模であっても、ある地域は発展し、ある地域は衰退していくと。同じような危機に直面しても、ある地域はそれを乗り越えられて、ある地域は乗り越えられないと、それがなぜかというようなことを研究してまいりました。その過程でソーシャルキャピタルというものが非常に重要な役割を果たしているのではないかということで、今日はそのソーシャルキャピタルという視点、切り口からお話をさせていただきたいと思います。  ソーシャルキャピタルとは何かということなんですけれども、非常に抽象的な概念なんですが、人々の協力関係を促進し、社会を円滑に機能させるような社会組織の特徴というふうに一応定義いたしました。これは、その地域を運営するに当たっての潤滑油あるいは触媒のようなものというふうに考えられます。  具体的にどういう要素がソーシャルキャピタルに関係しているかということなんですが、一つは、人と人との間の信頼関係ということであります。他人をどのぐらいお互いに信頼できるかということですね。それから二番目は、これ互酬性の規範というふうに書いてありますが、ありていに言えば、困ったときはお互いさまと、要するにギブ・アンド・テークの関係が成立しているかどうかということです。それから三番目は、ネットワーク、あるいは社会的なつながり、人脈というようなものですね。そういうものがソーシャルキャピタルの三つの大きな要素だというふうに言われています。  後で少しお話ししますけれども、ソーシャルキャピタルには二つのタイプがあると言われていまして、一つは結束型という、ボンディングということですね、同質的な仲間の内向きの比較的強い結び付きのソーシャルキャピタル。それからもう一つは橋渡し型という、ブリッジングと言いますけれども、異なったグループ、異なった背景を持った人たちをつなぐ比較的弱い、しかしオープンな外向きの結び付きということが言われています。  ソーシャルキャピタルはいろんな、ソーシャルキャピタルが豊かな地域というのは例えば犯罪の抑止効果があるとか、あるいは今日のお話に関係するところで言うと経済発展を下支えする、あるいは地域再生を容易にする、起業を促進する、あるいは雇用を創出するというような効果があるというふうに言われています。このスライドにありますようないろんな側面にかかわっているんですが、特に市民活動あるいはNPO、NGOの活動とは裏表の関係にあるというふうに考えられています。  市民活動が活発になって、例えばボランティア活動にかかわっている、積極的に参加しているような人が多い地域に関してはソーシャルキャピタルをその活動が豊かにする。逆に、ソーシャルキャピタルが豊かな地域というのは市民活動が盛んになる素地があるということで、両者は表裏の関係にあり、かつ好循環の関係にあるというふうに考えられています。  非常にソーシャルキャピタルというのは抽象的な概念で、どの地域がソーシャルキャピタルが豊かで、どの地域がそうでもないかというのを少し数値化して分析をした方がいいだろうということで、ソーシャルキャピタルに関係する幾つかの具体的な指標をアンケート調査その他で取りまして、インデックスを作ってみたことがあります。  ここに九つの指標が書いてありまして、最初に申し上げました三つの要素にそれぞれ対応した指数を取っています。このときには全国で三千ぐらいのそんなに多くはないサンプルで分析をしまして、ここにございますが、例えば都道府県別にどういう地域はソーシャルキャピタルのどういう面が強くてどういう面が弱いかというような分析を一応することができました。  三つの都道府県を取っていますが、一つは岡山県で、このクモの巣グラフの一・〇というのが全国平均ということで、ですから岡山県の場合には市民活動が、あるいは地縁活動が全国平均より活発だということを示しています。一方、愛媛県です。愛媛県は私の出身地なので一応例として取り上げたんですが、例えば職場外での付き合いの程度とかですね、そういうのは比較的高い。それから、東京都というのは全体的にソーシャルキャピタルはそれほど強くはないですけれども、ある面は非常に弱くて、ある面は平均並みというようなところが分かると思います。こういうことで地域の特性を知ることができるという一つの例としてお示しをしました。  先ほどボンディングとブリッジングというのがありましたけれども、ここで取った九つの指標の中で地縁的な活動に近いものを一応ボンディングと考え、それからブリッジング、橋渡し型のソーシャルキャピタルとしては友人、知人との付き合いの程度とかですね、ボランティア市民活動への参加状況とかというのを取っております。  それで、都道府県別のデータでこういうグラフを書いてみたことがあるんですが、これによると、私の事前の予想では、地縁型のソーシャルキャピタルの強いところというのはブリッジング型、橋渡し型が弱くてというふうに考えていたんですが、このデータで見る限りは橋渡し型が強いところは結束型の方も強いという形になっておりまして、両方やはり地域の発展のためには必要なのではないかということが分かりました。  そういうソーシャルキャピタルの観点から地域の強み、弱みを分析することができるんですが、更にそこから踏み込んでSWOTという、これは組織分析なんかによく使われるんですけれども、その地域の強み、Sというのはストレングスで、弱みというのはウイークネスですけれども、を知ると。で、強みをどう生かすか、それから弱みをどう克服するか。それからもう一つ、外部環境ですね、Oというのは機会、オポチュニティーですけれども、外部のチャンスをどう利用するか。それから危機、脅威ですね、スレットですけれども、脅威としてどういうものが考えられて、それをどう回避するかというような観点から地域の分析をするということが役に立つのではないかというふうに考えています。  ここから幾つか事例を御紹介するんですが、一つは、皆さん御存じかどうか分かりませんが、福島県のいわき市の温泉リゾートでハワイアンズというのがあります。  ここは六〇年代から炭鉱が閉山された後の地域再生についていろいろ考えていて、炭鉱町から温泉リゾートへという転換を図った例としてよく取り上げられます。「フラガール」という映画になりましたので、見られた方はよく御存じだと思います。炭鉱町ですから非常に、社員が家族とともにそこに住んでいて七万人ぐらいの地域コミュニティーをつくっていると。炭鉱がなくなると一気に雇用が喪失されますので、その後をどうするかということでいろいろ議論をした。炭鉱からリゾートへというアイデアを出したのが中村さんというその当時の炭鉱の社長さんで、炭鉱で非常に多量の温泉が出るということに着目をして、それを利用したリゾートに転換をしたと。そのときに地域との共生を図るということで、例えば地元の従来からある旅館との共存共栄を図るとか、あるいはダンサーを地元で養成するとかという、地元の雇用創出にも非常に配慮したような形の開発に成功したということですね。ですから、そういう非常に、こういう危機に直面した場合にはキーパーソンとそれからアイデアが重要だということであります。  ここは東日本大震災で被災をしまして、三・一一でかなり壊滅的な打撃を受けたんですけれども、半年後に部分開業をして、ちょうど今日ですね、二月の八日に全面開業するというふうに伝えられています。非常に大きな危機、二回目の危機に直面していて、新たな危機を乗り越えられるかどうか非常に正念場だと思いますけれども、今後に注目をしているところであります。  その他、ふらの演劇工房の例。北海道の例を二つ挙げているんですけれども、ここは雪国で、大都市からの非常にアクセスが悪い。しかし一方ではウインタースポーツメッカだというところだったんですけれども、二〇〇〇年に富良野演劇工場という劇場を造りまして、脚本家の倉本聰さんの求心力あるいは人脈を活用して、都会から若い役者、演出家を呼んで、これだけの大都市から離れた地域であるにもかかわらず、あるいは雪国であるにもかかわらず、採算ライン以上の稼働率を維持しているという例。これもそのキーパーソンが非常に重要な例であるというふうに考えています。  それからもう一つ、美唄の例ですね。これも北海道炭鉱町ですけれども、ここの出身の安田侃さんという彫刻家ですね、イタリアで主として活動している方ですけれども、が地域再生ということで、炭鉱の跡、廃校になった小学校を利用して彫刻公園を造ったという事例がございます。  それから、震災の後よく例に出されますけれども、釜石の小中学校で震災の津波の犠牲者が非常に少なかったということで、日ごろからの避難訓練の成果が生かされた例ということで、よく釜石の奇跡と言われますけれども、あの関係者に聞くと、決して奇跡ではなくて、日ごろからの訓練の成果が出たというふうに言っておられます。これも、ソーシャルキャピタルが非常に豊かで、日ごろから熱心に訓練をしたことの成果が出たということですね。  この写真はよくネットとかでも出てくる例で、中学生が小学生を引率して避難に成功したということです。  それから、震災に関して言うと、仮設住宅のレイアウトの問題ですね。これも阪神・淡路大震災のときによく言われましたけれども、こういう仮設住宅に入っているときに孤独死をするような例が非常に多くて、仮設住宅に一定の交流スペースを造るとか、そういうことが提案されてきたわけです。これは釜石の近くの仮設住宅ですけれども、そういう配慮ができているところとできていないところが今回はあったようですけれども、やはりソーシャルキャピタルの観点から、そういう工夫をすることが重要だということですね。  少し時間がなくなりましたので少し飛ばしまして、最後、地域力、地域の問題解決力を発揮するためには、早くどういう危機が迫っているかということに気付いて、コミュニティーで問題を共有して、解決のリーダーシップを発揮するということが重要、そういう地域再生のPDCAをうまく回していくことが必要なのではないかというふうに考えています。  まとめますと、まず地域の特性、強み、弱みを知るということが大事。それを利用して、場合によったらSWOT分析のようなことが有効になってくるのではないか。長期的には、キーパーソン、社会起業家を育てることが重要であって、個性的なアイデアを出し合って、それを実行に移すような行動力が重要だと。最後に、今ソーシャルキャピタルを高めるような政策、どういう政策があり得るか、あるいはソーシャルキャピタルの破壊をさせないような政策はどういうものがあるかというのを吟味する必要があるのではないかというふうに考えております。  以上、簡単ですけれども、私からの報告にさせていただきます。どうもありがとうございました。
  5. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。  それでは次に、白波瀬参考人にお願いいたします。白波瀬参考人。
  6. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) 白波瀬です。よろしくお願いいたします。(資料映写)  今日は多様さを包み込む互恵社会の構築というテーマで、現在私自身が考えていることをということでお話をさせていただきたいと思います。  今日のキーワードは多様さということなんですけれども、この言葉はかなりいろんなところで使われているにもかかわらず、その中身というのはなかなか見えにくく、かつ、対策として具体的にどういうような政策がその多様さに対応できるのかということについてもまだ実は本格的には議論され尽くしていないというところであるかと思います。  それで、三つの点についてこれからお話を進めていきたいと思います。  今申し上げましたように、多様さというのは本日のキーワードで、実はたくさんいろんな人がいるという中身に格差が隠されているということです。専門は社会学の階層論なんですけれども、格差の前に階層、世の中が層化しているという話を実証データとともにお示しをしたいと思います。  そして、いろんな人がいるという中身は、実は量的なバランス、アンバランスということがございまして、少数派という問題はやはり避けては通れません。そういう意味で、少数派についての目配りが実は非常に重要なポイントとなってくるのではないかと。特に、互恵社会というようなものをつくり上げるには少数派への目配りが必要であるということをお話ししたい。  そして、最後には、いわゆるここの調査会の中心的なテーマであります共生社会ということなんですけれども、それについて、今、山内先生の方からもお話がちょっとあったんですけれども、お互いさまというような互恵的な関係性というのを制度としてつくり上げるにはどういうことを考えたらよろしいかということをお話ししたいと思います。  これは厚生労働省が行っております再分配調査の一九六二年から、今日持ってきたのは二〇〇五年、実は二〇〇八年のデータが公表されていますけれども、そこでジニ係数、これも一九九〇年代終わりに格差論がかなり活発化したんですけれども、そこで議論されたジニ係数ですね、所得としては再分配所得をベースとして測ったものであります。  一番新しい二〇〇八年調査についてはこの値が〇・三七五八となっているということなんですけれども、ここでのポイントは、実は実態と申し上げても、線形的な変化、つまり一様に格差が拡大しているというようなことは実はこの六〇年代からのデータを見ると余り見れない。その一方で、人々の気持ちというところでは格差に対して非常に敏感になっているということであります。ですから、全体としての指標がどうかということと世の中の人々の意識というのがどうであるかというのは、実は、リンクはしているけれども、必ずしも直接的には整合性がないということですので、例えば意識調査をした場合にその調査の結果をどう読んで政策的に反映するかという場合に、その読み込みするときにかなり注意が必要ではないかということであります。  ここで、その中身ということなんですけれども、多様であるということの背景には実は二つの大きなポイントがあります。一つは、個人の生き方、人々の生き方がたくさんに多様化してきた。つまり、特定の時期に予定された出来事が起こるとは限らないという状況であります。具体的には、私の世代だとクリスマスケーキなんて言われたんですけれども、二十五歳前に結婚しなければという話で、ある特定の時期になりますと親も焦ってきて、結婚しなさいというのがあったんですけれども、実はその時期もずれてくるし、ずっと結婚しないという人も現れてきたと。ずっと結婚しない、生涯未婚ということなんですけれども、その生涯未婚の人たちが実は経済的に非常に困難を抱えているという実態と密接にリンクしているということであります。  それと、その個人の生き方と連動して家族の在り方も一様ではないということです。具体的には、最近、貧困との関係で母子家庭ということも言われているんですけれども、子供がいる世帯については二人の親がいて子供がいるという状況が想定されたわけですけれども、実は一人で子供を育てているという状況があるということですね。ちなみに、五十歳時の未婚率をもって生涯未婚率というふうにいうわけですけれども、二〇〇五年時点で、一番新しい手に入る公表されたデータでは、男性生涯未婚率一五・九六%、一六%。女性の場合は七・二五%です。参考までに、一九六〇年、日本が高度経済成長で上向きになった時点での生涯未婚率は、男性は一・二六、十分の一ですね。女性の場合は一・八八、二%であったということであります。  こういう個人の生き方というのが世帯のありようとリンクしているわけですけれども、この図は世帯の種類別に年齢層を三つに分けて、ライフステージで、どういうような家族経済的な困難を抱える確率が高いかということを見たものなんですね。それで、ここで明らかなことは、いわゆる独り暮らし、あと一人親と未婚の子、まあ一人親世帯というふうに申し上げたいんですけれども、ここで相対的にどの年齢層でも高い貧困率が見られる。しかしながら、若い年齢層に至っては一人親と未婚子、代表的には母子家庭ですね、ここの貧困率が非常に高い。高齢期については独り暮らしなんですけれども、特に女性の独り暮らしの貧困率が非常に高いということがここで見えることであります。  ですから、経済的に困難を抱える人たちが増えているということと、生き方が変わってくる、高齢者になって息子夫婦と一緒に暮らすという状況が典型的ではなくなったところの人にとって高い経済格差、貧困率が見られるということがここでも明らかであります。  これは何回かいろんなところで話しているんですけれども、ある意味で日本の現状を示している図ではないかと思うんですね。これは何を言っているかというと、子供貧困率なんですけれども、二人親のいる子供貧困率と母子家庭子供貧困率の差が見れます。これを国際比較しました。そして、青い線グラフは全体世帯に占める母子世帯の割合を示しております。ここで日本が明らかなのは、二人親の子供貧困率と母子家庭貧困率の差が非常に大きいということと、それに比べてまだ母子世帯の割合は他国に比べると低いということですね。これをどう読むかというと、非常に少ない人に高い経済的な困難が集中している傾向がありますよということがここで言えるかと思います。  これが、一つの共生社会というのを考えるに当たってある意味でポイントではないかなというふうに思っているんですが、今までは経済格差とか経済的な困難、貧困率代表した経済的な困難というところで実態を見たんですけれども、これはいわゆる人々の気持ちということでの調査結果を持ってきました。これは二〇〇七年時点で二十歳から四十歳、若年あるいは壮年に掛かっている人を対象に、パネル調査の結果でございます。これは東京大学社会科学研究所が二〇〇七年から行っております働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査、二〇一〇年の調査結果なんですけれども、青いバーが将来の希望。あなたは将来の自分の仕事や生活に希望はありますかという問いに対して、希望があると答えた人の割合が線形的に、一律に下がっている。同じ個人の中で二〇〇七年と二〇一〇年の意識を比べると、こういうような傾向が見られるということです。それで、オレンジのラインは、自分自身の十年後の暮らし向きというのを考えた場合に、今よりも良くなっていますというふうに答えた人の割合なんですけれども、これについても、ある意味線形的に、一律に低下していると。つまり、将来の見通しというのが非常に悪くなっていて、このデータは二十歳から四十歳ですので、そのほかの年齢層と比べてどれぐらいこの将来への見通しが若年で悪いかということがここでは言えないんですけれども、いずれにしても総体的に将来への見通しは悪くなっているということであります。  実は、これは若干話がずれますけれども、いわゆる中規模、中層にいる、真ん中にいる人たちの問題ということで中間層の話ということと関連しているんですけれども、六〇年代の高度経済成長期は、やっぱり上向きというのが人の気持ちの上でもあったというのは非常に良かったんですけれども、現在においては気持ちの上で非常に上向きではなくなっているということです。  ここから考えると、では、その共生社会、共に生きる社会においてやっぱりいろんな人がいると。いろんな人をどう大切に育ててあげるかというのが、これからの社会を考えるに当たっては非常に重要であるということです。ですから、今申し上げたように、年齢によって、特に日本社会年齢によって非常に整然と規格化された社会制度というのが前提としてあったし、それがうまく機能していたという過去の事実があります。しかしながら、今は既存のスケジュールとは違うような人生設計を送っている人たちが増えているし、多分この数は増えるであろうと。より増えるであろうということになるので、この人たちを受け止める社会というのはどういう社会なのか。  で、そのためには、多分多層的な人材形成システム、つまり、今まで学歴社会と言われた背景には一発勝負で自分の将来が決まってしまうというのがあったんですけれども、そうではなくて、一回失敗をしてもまた頑張れるというチャンスを与えてあげる。  それと、もう一つはやっぱり評価システムですね。これは男女共同参画社会とも関係しているんですけれども、自分が男だから、女だから、あるいは外国人の子供であるから、あるいは貧しい家に生まれたからということで、スタートラインが凸凹であるということが最後まで影響を及ぼすようではもちろん人々の気持ちも士気も下がるであろうということですので、自分にやっぱり希望を持たせてあげるというのは非常に重要だと思います。  これは、やっぱり背景として、今申し上げたように、年齢層内、同じ若者の中でも、あるいは高齢者の中でも格差があるということ、それと、年金制度の背景にありますけれども、年齢層間で少子高齢化の影響として世代間のギャップがあるという世代階層間の格差、そしてジェンダーの格差というのがあって、これはやっぱり複層的な人材形成システムと、やはりスタートライン自体が凸凹ですので、これは事実ですから、これをできるだけなだらかにするようなシステムということ、あるいは、褒めてあげる、評価してあげるという昇進システムと報酬の保証というのはやっぱり組み合わせた形で人を育てていかなくてはいけないのではないかということです。  ですから、多様であるということを認識することの大切さなんですけれども、ただこれは、たくさんいるよというのは、言葉で言うのは非常に簡単なんですけれども、それを実感として納得するというのはそれほど簡単ではない。  で、やっぱり三つの点がここでは重要なのではないか。一つは、やはり意思決定の場に多様なメンバーを入れていただくということです。それはどういうことかというと、これも男女共同参画とも関係しているんですけれども、やっぱり様々な立場にある人が、意思を決定する、ある政策を決定する場に参画することによって、今まで気付かなかった点とか今まで見落とされていた点というのを声として上げられるということがやっぱり一番大きいと思います。  そして、やっぱり参画ということになりますと、実は既得権になるというリスクも入っておりますので、それはやっぱりその制度の中にも自浄機能を組み込めるような、組み込むようなことは必要であろうというふうに思います。  そして、自分が全てのことに当事者になれないというのは、これは現実であります。男が女になれないように女も男になることはありません。あるいは、障害を持つ人たちについても、もちろん生まれたときからというところもありますけれども、皆がそういうような状況の当事者になることはできないという限界をやっぱり認識するということです。  で、見えないことに対して非常にたくましい社会的な想像力が今すごく求められている。つまり、今回の被災についても、もちろん足しげく被災地に通うということは非常に重要なんですけれども、やっぱりその中で、私自身の個人的な気持ちとしては、やっぱり自分としてどういうふうに受け止めるべきかというのはすごく悩むところであります。ですから、それには社会的な想像力というのが、言葉で言うと非常に平たいんですけれども、やっぱりそれが鍵になるのであるし、そこに核になるのはやっぱり教育、幼い子供たちを、いろんな子供たちを含めた教育というのが非常に重要になってくると思います。  このように、いろんな人たちを包み込む共生社会なんですけれども、共生社会というのは、この一時点、横軸のところでいろんな人がいるということなんですが、ここでお互いさまという考え方をどうして持ってきたいかというと、時間軸の中で、人様からお世話になる時期もあるけれど、自分が人様にお世話をしてあげる時期もできる、つまり、時間軸の中でお互いさまの関係というのがあるんだよということです。  ギブ・アンド・テークというお話が今、山内先生からも出たんですけれども、やっぱりすごく働ける時期もあるんですけれども、なかなか時間的に制約されて働けない時期もあると。そういう時間軸の中で、やっぱり当事者になる時期もあるし当事者でない時期もある、あるいは、現場に常にいることができないということと、自分が少数派のカテゴリーに入るときと、そうじゃなくて多数派のカテゴリーに入るときもある。これは同じ自分という個人の機会の中で交差しているということであります。  ですから、こういう状況というのを常に制度の中でも自覚的に組み込んで、本当にいろんな人たちが、いろんなライフステージにいる人たちが生きる社会こそがお互いに恵み合うような社会ではないかというふうに思います。  私からは以上です。
  7. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。  続きまして、洞口参考人にお願いいたします。洞口参考人。
  8. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) 宮城県名取市から参りました洞口でございます。よろしくお願いいたします。  西には蔵王連峰、そして東には太平洋を望みまして、温暖な気候と肥沃な名取耕土を生かしまして、東北一のカーネーション、そして幻のメロン、ブランド化されておりますセリ、タケミョウガと農産物を生産いたし、東北一住みよい町でございます。  ところが、この度の東日本大震災におきまして、犠牲者九百名、そして被災農地が一千七百ヘクタール、被災建物が一万一千五百軒という甚大な被害を被りました。その折、全国の皆様から本当に温かい御支援を賜りまして心から感謝をいたしております。  私は、現在、市内の農業者二十六名から成る産直グループ「サンサンメイト」の会長を務めております。私の活動につきましては資料の二十ページにございますが、十八世紀の建造物で重要文化財にされております洞口家住宅を受け継ぎ、管理をいたしております。  昭和五十六年と五十七年の二年にわたりまして復元をいたしました。復元して十年間は見学のみで大勢の皆様においでをいただきましたけれども、稼働日数から見ますと大変少のうございます。住宅の管理上、問題がございましたので、どうしてもその活用ということを考えざるを得なかったんです。御存じのように、建物というのは人の出入りがないと傷みやすいんですね。ですから、とにかく常時皆さんにおいでをいただくような、そういう活用をと考えておりました。そのとき、農業改良普及センターからグリーンツーリズムの講座を紹介されまして、受講後、農家レストランであればその活用と併せて何とかできるんじゃないかなと思いまして始めたのが活動の始まりでございます。  それで、平成十一年、農家レストラン「たてのいえ」と直売所をスタートさせました。旬の情報館につきましては、名取市の農業後継者育成事業で海外研修がございました。それに参加をしたメンバーで立ち上げさせていただきました。おかげさまで大勢の皆様に、食と農はもちろんのことですが、歴史、文化もおつなぎするとともに、古民家でございますのでいろりがございます。そこのいろりを囲んでコミュニティーの場となり、地域社会の活性化の一端を担うようになりました。  それで、仙台近郊にこのような文化財があったのかということで、文化財の存在を知っていただくことができました。そのことによって、いろいろな波及効果も現れました。名取市はもちろんでございますけれども、近郊の小学校から、今、昔の生活の違いということで勉強しに来ていただき、学習の場としても提供いたしております。そのことによって、宮城教育大との連携をいたしまして、いぐねと遊びを通しまして昔の循環型生活を学ぶということで、いぐねからまきを拾い、それを燃料としてかまどで御飯を炊いたり、あるいは庭にある草木で草木染をしたり竹で水鉄砲を作ったりと、地域の皆様方の応援をいただきながら、いぐねの学校を毎年開催いたしております。  そのほかにもいろいろな波及効果はありますが、農家レストラン、旬の情報館は、文化財の活用とともに、地域の方々の御協力によりましていろいろな農村文化を皆様におつなぎしているところでございます。  ちょうどそのころ、市内の大型スーパーから、店内の産直コーナーに野菜を出していただけませんかという要請がありました。そのとき脳裏に浮かんだのが、海外研修で得た地産地消の推進、それを自分たちで実践できるチャンスととらえまして、直売活動している三グループ、十六名でサンサンメイトを立ち上げ、お引き受けをいたしました。  ちょうどそのころ、あのバブル期でございまして、使い捨ての時代で、ややもすると私たちの食卓に万国旗が並び、それが美徳のように思われる時代でございました。そのような中にあって、当時、三百六十五日、年中無休というインショップ型のはしりでございまして、誰が考えても女性だけで大変無理なことだと思われました。でも、私たちは、自分で作った新鮮で安全、安心なものを地域の人に召し上がっていただきたいという強い思いがありました。ですから、それまで夫の補佐役だった立場から、今度は生産、販売まで全部やらなければならないので、土づくり、肥料、農薬、栽培記録簿記帳等々の勉強を重ねました。この勉強によって、持続性のある農業を行うためには人にも環境にも優しい農業に取り組まなければならないということを学びまして、エコファーマー認証取得という目標が生まれました。  自分たちの持続性のある農業もしかりですが、お客様は新鮮で安全、安心なものを求めておられます。県の認証であるエコファーマーを取得すれば、お客様との信頼関係が一層構築できると思いまして取得いたしました。そのことによって、いつしか家族からも相談されるようになりまして、自信とともに自覚や責任にもつながり、魅力的な農業経営の確立と自分自身の位置付けを模索するようになりました。  ちょうどそのころ、お店が新しくなりまして、十六名から二十五名になりました。そのときに、エコファーマーは個人認証で自分の名前以外は使用できませんと言われまして、普及センターに相談しましたところ、家族経営協定を結んでいれば共同申請ができますよというお話をいただきまして、締結まで足掛け二年は掛かりました。締結の内容は健全な農業経営をするためのもので個々に違っておりますが、メンバーのうち二十人が締結でき、地元の農業委員会の会長さんや組合長さん、それから普及センター所長さん立会いの下に合同調印式を行うことができました。このことは、農業における男女共同参画のシンボル的な存在になりました。  持続性のある発展ということになりますと、もう一つ大切なことがあるのではないかなと思います。それは、連携ということです。サンサンメイトは、決して自分たちだけとは思っておりません。常に地域社会を見詰めております。それで、サンサンメイトが中心になりまして、市内に点在する産直グループを一本化するために産直ネットワーク「なとり」を立ち上げさせていただきました。この立ち上げに際し、今までのとにかく自分たちの殻を破り異業種の方々との連携を図りました。  産直グループの窓口が一つになることによりまして、商工業者あるいは観光業者等々の連携もスムーズな運びになりまして、一丸となったイベントが開催されることによって地域振興が図られました。とともに、ネットワークはイベントになくてはならない存在になりました。売上げも、サンサンメイトも活動の範囲も広がりまして、売上げが最初は三千万だったのが今は何千万という目標を掲げられるようになりました。  女性農業者だけのサンサンメイトがここまで来られたのは、資源があり、それを活用する人材が豊富であったということです。しかし、そうであったとしても、今度はそれをつなぐコーディネーターがいないと活性化にはつながらないと思います。ですから、人材の育成が必要かと思われます。それで、行政であれば、地域に密着した機関の充実を図るのが肝要じゃないかなと、そのように思います。  次に、東日本大震災のことでございますけれども、会員二十六名は無事でございました。しかしながら、十二名の方が農地や建物等々の被災を受けております。仙台空港近くのハウス団地で作業中に被災した方は、ハウス十五棟全壊、農業機械とか、それと家とも流失いたしまして一家離散となっております。また、閖上港近くの大型鉄骨ハウスで作業いたし被災した方は、ハウス二十アールと田四・五ヘクタール、機械は流失、家は全壊、そして一時は一家離散でございましたけれども、現在一緒に暮らしております。被災したメンバーは、ゼロからではなく、いろいろなローンが残っておりますので、マイナスからのスタートです。  サンサンメイトは常に危機感を持って敏速な対応、いつも前向きに活動を行っております。被災して間もなく、被災した数人でいち早く農業委員会を通しまして畑の利用権設定を行い、女性だけでの集団土地利用へと敏速な行動を取るとともに、機械の貸し借り、また助け合いで回復がスピードアップし、出荷再開も早く、現在九割まで回復いたしております。  しかし、被災地の復興はまだまだでございます。そのような中、国が創設いたしました東日本大震災復興交付金の一つであります農山漁村地域振興基盤整備事業ということで、今、名取市において説明会が行われているところでございます。当然、区画の大型化や集団化を図り、農地の有効利用、効率的な低コストで生産ができるようにという事業だと思います。ですから、農業に従事している全ての住民が参加し、納得した上での生産効率化につながる農地の整備をしていただきたいなと考えております。それには、徹底した情報公開と、密室を開け放し、全員参加が原則にしていただきたいなと思っております。  今回のような想定外の出来事に対しては、法律や制度の改正や創設でスピード感を持った行政主導型でなければならないと思います。基盤整備後は、農業再生に向けて、技術指導だけではなくいろんな問題が生じてくると思います。そのとき、民間でやれることと行政との役割は違うと思います。それで、現場で加工や販売活動を行う場合には、合法的に進めていくためにいろんな法律も含めて正しい知識の下行わなければいけないので、それが行政では、社会全体に伝えることが必要かと思います。ですから、一番地域に根差し、地域の現状をよく把握している機関の充実を図っていただくことが肝要かと思います。  復興に当たって痛切に思ったこと、一つございます。それは、農地ボランティアの方々に協力をしていただきたかったということでございます。山と堆積したわらと瓦れきの前には到底太刀打ちできませんので、ですからそれらは行政の方でということになりますけれども、やはり自分の土地は自分の力で早く復旧したいと思い、私ども、瓦れき処理をいたしましたけれども、大量だったためにどうしても人の手を借りなければいけない。それ、行政のやるのを待っていたら時間がたってしまう。それで、市の方に農地ボランティアの方が協力したいんですけれどもとお願いしたところ、取り扱っていないということでございました。  想定外の出来事ですから、受入れ体制が整っていなくても仕方がなかったなと私は理解いたします。でも、農地復旧に協力したいというボランティアの人たちが現場に来ているんですね。私もとにかく早く復旧したいと思いまして、この文化財にかかわった宮城教育大とか実践大とかいろいろな方々に協力をいただきまして片付けてまいりました。  ですから、今後は、早い復旧を願う一人としては、今後、この農地ボランティアの方々の意向を取り入れたシステムづくりといいますか仕組みづくりを、つくっていただきたいと思います。  以上でございます。
  9. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。  それでは、時間が短くなって恐縮でございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑は、あらかじめ質疑者を定めずに行います。  質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。  一回の質疑時間は、答弁及び追加質問を含め最大十分としております。よろしくお願いいたします。  なお、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくよう御協力お願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。  平山幸司君。
  10. 平山幸司

    ○平山幸司君 民主党新緑風会の平山幸司です。  ただいまは、三名の参考人の皆様、本当に大変貴重なお話、ありがとうございました。事前に資料も興味深く見させていただきまして、本当にありがとうございます。  私の地元でありますけれども、青森なんでありますが、現在、青森に限らず地方においては高齢化が進んでおりまして、特に独り暮らしの高齢の皆さんに対する支援というものが、これがこの先も更に重要になってくると、このように感じているわけでございます。  そして、今、たった今日もそうでありますけれども、記録的な豪雪ということで大変な思いをしているのでありますが、特に独り暮らしの高齢者の方が大雪で買物に行けない、若しくは病院にも行けないと。家を出ると目の前が雪なわけでございますから、大変な思いをされている。  そして、独り暮らしの人に限ったことではありませんけれども、先ほど白波瀬参考人からも母子家庭の皆様等々のお話も出ましたけれども、こういった皆さんも、家の周りの除雪ができないとか屋根の雪下ろしができないとか、そういった問題が発生しております。  こういったことは、例えば雪に限ったことだけではありません。私、先般、桜島、鹿児島の方に行ってまいりましたけれども、そちらの方では火山の降灰、これを除去する作業で高齢者の皆さんや地域の皆さんが大変な思いをしているわけでございます。  日本各地でそういった様々な思いがあるわけでございますけれども、ちょっとここで、白波瀬参考人にまずお伺いしたいと思うのでありますけれども、これら独り暮らしの高齢者、若しくは参考人のお話で貧困率の高い母子家庭やそういった方々に対しまして何か、例えば雪の視点からでもいいんですけれども、何か手を差し伸べる、育てる社会の構築とか、お互いさまという観点から、何かこれまでの研究を踏まえて、地域として雪に対してこういう取組がいいんじゃないかというような良い方法があれば、是非教えていただければなと思います。  そして、山内参考人の方にもお伺いしたいと思いますけれども、除排雪に関しましては、高齢者の皆さんを始め、生活道路を維持する地域にとって極めて大変な作業なわけでございます。これまでも個人的に地域ボランティアの皆さんが一生懸命頑張って対応してきた面もあるわけでありますけれども、今年のような、本当に大雪、しかも広範囲にわたって降ることに対しましては、なかなかボランティアでも対応し切れていない。かといって、行政にもちろん頼るわけでありますけれども、地方でありますので財政事情も非常に厳しいわけでございますね。そういった中で、国も今、特別交付税などで手当てを決めておりますけれども、それでも自治体は迅速に対応するということが今のところ、雪の場合、目の前の話でありますので、できていないのが現状なわけでございます。  そういった意味で、山内参考人のこれまでの経験から、行政ボランティア、さらには例えば高齢者などの弱者という三者の役割等、これまでの震災等の経験も踏まえて、特にボランティアの広範囲にわたる組織づくり、若しくは先ほどお話しになりましたソーシャルキャピタルとの関連で何かアイデアがあれば教えていただければと思います。  ちょっと時間もありますので、洞口参考人の方は時間があれば後ほどまたお伺いさせていただきたいと思います。
  11. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) ありがとうございます。  雪の除雪の状況については私も細かいところは分からないんですけれども、確かに雪かきというのはすごい体力と危険を伴いますので、私も、これだけ毎日、テレビとか見ていて、独り暮らしの特に高齢の方、どうしているのかなというのが本当に心配なんですけれども。  そこで、具体的にどうということはなかなか言えないんですが、要するに、東北とかで非常に雪が多いところについてはお独りで暮らされる状況があるんですけれども、これも非常に難しいところなんですけれども、季節を限って一緒に暮らすとかというようなことがもし可能であれば。ただ、やっぱり一番自分の家に住みたいというのは御本人のお気持ちだと思いますので、そういう取組というのが果たしてどの程度うまくいくかどうかは分からないんですけれども、物理的には、やはり雪が本当にもう積もってしまって出れないという状況を考えると、医療のこととか、もしものときということになると、時間的に限って一緒に暮らされるのはどうかなというふうにはちょっと思うんですけれども。済みません、ちょっと素人的なんですけれども。  ただ、独り暮らしの高齢者については、私はやっぱり見守りというか、訪問型の声掛けが重要なのではないかと思います。  調査としてはかなり都市近郊なんですけれども、一番不安に思っていらっしゃるのが、やっぱり孤独死というか、誰も知られないときに何かあったらどうしようということなので、もちろん、おれおれ詐欺とかいろいろ、社会資本ということが信頼が低くなっているという状況はあるかもしれないんですけれども、そこはやっぱり立て直すというか、声掛け型の福祉サービスというのをうまく連携できないかなと思います。  それと、今、独り暮らしと母子家庭、確かに貧困率が高いという点で共通はあるんですが、ライフステージが非常に違いますので、特に人を育てるという点では、対策としては非常に違うものを組み込まなくてはいけないのではないかと。特に子供というところに焦点を当てると、いかなる人も、つまり、一人親の子供も億万長者の子供も、子供という視点でありますと、やはりできるだけ機会の平等を確保できるような育ちの環境の整備というのは必要だと思います。  それともう一つは、親の方に焦点を向けたときに、幼い子供を持っている親も手の掛かる子供を持っている親も、同じように、例えば自己実現というか、キャリアを形成する上においても、働けるような環境整備というのは多分必要ではないか。そういう意味では、広い意味の育ちということだと思います。  以上です。
  12. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) 御質問ありがとうございます。  先ほどの御説明のときに説明を省略しましたけれども、やはり防災、雪の問題を含めて防災の問題を考えるときには地縁組織、特に災害ということでは消防団が非常に大きな役割を今までは果たしてきたわけですね。それが、このスライドの二十ページ目にそのグラフを示していますけれども、やはり団員数が減少してきていますし、それから団員の高齢化も進んできていると。それに代わる、それをカバーするためにどうするかということで、自主防災組織を全国の自治体は整備を進めてきているわけですね。ですから、雪の問題に対しても基本的には地縁組織の強化、地縁関係の強化が非常に重要なのではないかというふうに考えています。  ボランティアに関しては、災害時あるいは雪かきもそうかもしれませんが、行政だけではできない部分が非常に大きいのでボランティアの力は非常に重要だと思いますけれども、本当に素人のボランティアでいいのかどうかということですね。  最近は、いわゆるプロボノと言われる専門的な技術を持ったボランティアも、特に東日本大震災の後に活躍したボランティアの中にはそういう専門知識を持ったボランティア、専門技能を持ったボランティアというのが非常に目覚ましい活躍をしていますので、そういうのを育成していくようなことも必要なのではないかというふうに思っています。  以上です。
  13. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) それでは、岩井茂樹君。
  14. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 それでは、三名の参考人の皆様に一つずつお伺いしたいと思います。  まず最初に、山内参考人にお伺いしたいんですけれども、いろいろこの資料を拝見をしておりまして一つ言えることが、人材ということが、その大切さが非常に重要かなと思いました。その人材を育てることも含めて教育という視点も必要ですし、その教育によって伝えるということも必要かなと思います。例えば、暗黙知のようななかなか数値とか表現できないものをどうやって伝えていくかというところについて一つお伺いしたいと思います。  そして次に、白波瀬参考人にお伺いをいたします。  多様という言葉は、すぐイメージする言葉でいいますと、例えば生物の多様性とか、最近でいうと、多様ではないんですけれども、交通の多重性といって高速道路をもう一本なんていう話があったりします。その裏を返すと、多様であることが強さを補完するのかなと。例えば、生物界でいえば、一つの種が危機に陥ったとしても全体として多様であれば生態系としてはつながっていくということが言える。防災についても、一つの道路が駄目であったとしても、多重であればつながっていくということがあろうかと思います。その辺の多様性と強さというところについて。  もう一個は、実は格差というのは違いと言えるとも思います。その違いを、あることがある意味多様なのかもしれません。その辺の整理というか、考えを教えていただきたいと思います。  そして三人目の参考人として、洞口参考人にお伺いをいたします。  いただいた資料の冒頭のところに、自助、共助、公助というフレーズがありました。お話の中で、民間で行うことと行政で行うこととのその線引きというか、違いが明確になった方がいいというようなことを言われていたかと思いますが、その辺りについて少し御説明いただければと思います。
  15. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) ありがとうございます。  ちょっとお答えになるかどうか分からないんですが、他人のことを思いやる心とか、あるいは社会全体のことを考える習慣とかというのは子供のときにかなり形成されるということが分かっていて、特に親の行動を見て子供は育つわけですね。ですから、ある調査によると、親が例えばボランティア活動に熱心であると、するとその子供ボランティア活動に早い時期から関心を持って活動を始めるという調査があります。  ですから、家庭内で親のビヘイビア、親が社会的な関心を持って行動しているかどうかというのは非常に重要ですし、同時に、学校教育、小学校、中学校での教育の中でボランティア活動とかあるいは公共目的のための寄附について何らかの形で教えるということは非常に重要なんではないかと思います。  アメリカでペニーハーベストという何か運動があって、子供たちが小銭を集めるんですね。小銭を集めて、一定期間の間に近隣の家を回って集めて、それを、その集めた金額を、じゃ、どういうふうにこれを使うかというのをみんなで話し合って決めるというような活動をしているのがアメリカで始まって、日本にも実験的に最近導入されているんですけれども、そういうような、例えて言えばそういうような活動を通して社会全体のことを考えて、そのために自分たちに何ができるのかというのを常に考えさせるというのが大事なんではないかというふうに思っています。
  16. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) ありがとうございます。  多様さと強さという御議論で、いわゆる進化論ということでも議論されることなんですけれども、何を強さと見るかということですね。強さを補完するための多様さということも、そういうふうにも言えるかもしれないんですけれど、本当に強い社会にするためには、まずしなやかでなくてはいけない。  どういう強さを求めるかというと、今までは多分ハードな、箱としては非常に頑丈なものをもしかしたら目指していたのかもしれないんですけれども、もちろんその目指すときに、目標を一つにしてみんなが同じように走るというのはある意味では非常に効率的ですから、それは見事に成し遂げた部分も多分この国はあったと思うんですけれども、ただ、それがずっと、もし、これから何百年という形の長期的な持続可能性というのを考えたときに、果たして現実的なモデルであるかどうか。実は、そこはやっぱりいろいろきしみが出てきているということだと思うんですね。  もちろん、今まで、例えば若い人たちももっとしっかりしていたし責任感もあったんだよと、今はいろいろ迷っていて何をやっていいか分からない子が多いよねという話もあるんですけれども、これは当然なんですよ。なぜかというと、今までは考えずにして、まあある意味で社会的な圧力をもって生き方というのを調整してあげていたという部分が制度的にもできたし、という部分もあったんですけれども、それを全部自分で選んで決めて進んでいかなくちゃいけないというのは、これは言うよりもやっぱりやるのは大変だと思います。  ですから、これから何ができるか分からない若い人たちが迷うというのはある意味で当然だし、それは一生を通じて迷うというのも当然なので、そういう意味では、強さというのはある意味で、私はしなやかな強さというのはこの国で持つべき強さだというふうに思っていて、そのしなやかな強さというのも、本当は一次元的に誰が強者で誰が弱者かというのはちょっと分かり得ないんですね。物すごく、例えば社会的弱者、余りこの弱者という言葉は個人的には好きではないので、つまりみんなとても強いものを持っていると私はどこかで信じているところがありまして、楽観的と言われることがあるかもしれないけど、だけど、やっぱりその強さというのをうまく出してあげるというのがやっぱり大人の責任だというふうに思うし、それがすごくいい社会の教育制度じゃないかと思うんですね。  ですから、一見すると例えばすごく障害のある子供がいて、強さがないのかというとそうではなくて、物すごく強いというか物すごくいいものをぴかっと持っているといったら、じゃそれをどうしてあげるかと。つまり、いろんな多角的な強さというのを最大限にもうこちらの方で包み込んであげるというのが社会としての貪欲さだと思うので、そういう意味では、例えば、語弊もあるかもしれませんけれども、アメリカなんかその貪欲さがすごくあって、優秀なのはお金で全部釣ってくると。日本はそういうところの貪欲さというのはある意味ではないかもしれない。だけど、そこはやっぱり日本がこれからの新しいモデルを出すときに、高齢者であっても何であってもやっぱり強いものを持っているという、弱さも強さになりますから、そういう意味で貪欲さというのをもっと出してもいいんじゃないかなというふうに思います。  それと、違いと格差なんですけれども、違いというのは確かに尊重すべきものということで位置付けられると思います。だけど、この違い自体に序列がありますので、何が望ましい違いかそうでないかと、これが格差に密接に関連しているということであります。だから、もしかすると駆けっこは駄目、勝ち負けは駄目ということは、ある意味では違いに対する誤解というのがそこであるのだと思います。つまり、勝ち負けというのはある意味であってもいいんですけれども、それが継続して人生の結果として出てくること自体が問題なのではないかなというふうに思いますので、それが格差であり、不平等の問題であると思います。  以上です。
  17. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) 私の事例を聞いていただいてお分かりのように、自助というのはとにかくみんなで、他人と他人がお互い助け合ってということでございます。そこに、いつも私たちの後ろには普及センターが付いていてくださって、本当にいろんな面での協力というか、情報提供とか何かしていただいたんですね。で、活動ができているわけでございます。あえて言わなかったのは、この事例を聞いていただければ分かるかななんて思いまして、最後、時間もございませんでしたのでお話はしませんでしたけれども、サンサンメイトからすればそういうことでございます。  それから、民間でできることと行政でできないことなんですけれども、やっぱり法的なこととか、特に私たち女性からすれば、加工とかそういう問題になりますとどうしても法律的なことも勉強しなければならないので、正しい知識を広く社会に伝えるのが行政のお仕事かななんて思いまして、だったらば、一番我々と密着した中にある、地域の現状をよく知っている機関の充実を図っていただきたいと、そのように思ってお話をさせていただきました。     ─────────────
  18. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として小西洋之君が選任されました。     ─────────────
  19. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) それでは、横山信一君。
  20. 横山信一

    横山信一君 キーパーソンというか、社会起業家という観点から三人の参考人の先生方にお尋ねをしたいと思いますが。  まず、山内先生のお話の中にも具体的に、常磐ハワイアンセンターの中村社長のお話とか、あるいはふらの演劇工房の倉本聰さんと言われるような、いわゆるキーパーソンの御事例も出していただきましたけれども、最初のソーシャルキャピタルと地域力の分析の中でボンディングとブリッジングの説明をされました。その中にこれを位置付けるとしたらどういうふうに位置付けられるのか、まずそこを教えていただきたいということです。  それから、白波瀬先生にお聞きしたいのは、ちょっと非常に私自身、頭の中で整理されないまま質問してしまいますので、先生に整理をしていただきたいなというふうに思うんですが、少数派への目配りの中で母子家庭の具体例をお話をいただいて、社会的想像力というお話をいただきましたけれども、その社会的想像力の中にいわゆる社会起業家みたいな、そういう社会を引っ張っていくような、そういうリーダーというのはどういうふうにとらえることができるのかというか、位置付けができるのかというか、そこのところをお聞きしたいというふうに思います。  あと、最後に、洞口さんには、まさに洞口さん御自身が社会起業家であるわけですけれども、先ほどのお話の中でも、恵まれていたという、いろいろ条件がそろっていたというお話もございました。しかし、しかしというか、これから国としても六次産業化とかいろいろな力を入れていくわけですが、そういった農家の六次産業化の中でやはり女性起業家というのは非常に重要な位置付けになってくると思うんですが、これから農家の御婦人たちが新しい何か、こういった農家レストランみたいなものを起こそうとするときに、なかなかきっかけがないとそこに踏み込めないと思うんですけれども、洞口さんの場合はこういう洞口家住宅というのがあったことがきっかけだったと思うんですが、一歩踏み出す何かアドバイスみたいなものがありましたら教えていただきたいと思います。
  21. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) ソーシャルキャピタルの中にはボンディングとブリッジングというのがあるというようなお話を差し上げたんですけれども、社会起業家がある何か新しいことを始めて例えば消費者と生産者を結び付けるというようなことを考えると、異なったグループの間の橋渡しをするようなキーパーソンというのがやはり非常に重要なんではないかというふうに思っています。例えば、大都市消費地の例えば料亭のおかみをよく知っているとか、同時に生産者側の生産者も直接知っているというような人が両者の間を結び付ければ新しいビジネスが始まるかもしれない。  そういう意味では、ネットワークのハブの中心にいて、かつ異なるグループの間の橋渡しができる、両方の言葉が分かってその間をつなぐような役割を果たす人がキーパーソンの中でも特に重要なんではないかと思いまして、先ほど具体名を挙げたキーパーソンというのはそういう役割を実際果たして、それで成功したんではないかというふうに考えています。
  22. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) ありがとうございました。  私がうまく理解しているかどうかは分からないんですけれども、確かに少数派という点ではリーダーは少数派ですので、違った意味、つまり数的に少ないものが常に弱くて多いものが強いという、そういう構図は全ての事象に当てはまらないというのはまさしくそのとおりだと思います。  ちょっとそこからずれて、リーダーということになりますと、やはり政治、先生方を前に大変恐縮なんですけれども、やっぱりリーダーというか物事は決めていかなくてはいけませんので、リーダーというのは最終的には物事を決める人。で、決める権限を持つということはそれだけに責任を持つ人ということですよね。ですから、ウェーバーの「職業としての政治」ではないですけれども、やっぱり結果をもってのみ評価される立場にある人だというふうに思います。  そういう意味で、じゃ、誰がリーダーになるかということですね。特別の人じゃないとリーダーになれないのかということなんですけれども、これに関しては私は、要するにリーダー教育をするとかエリート教育ということも多分議論としてはあるかもしれないんですけれども、ちょっとここは考えどころだというふうに思っています。  つまり、ある意味でチャンスを与えることによってリーダーになり得るというふうに思えていますので、生まれながらにしてリーダーであるというのは極めて少ない例ではないかというふうに思いますから、そういう意味で世の中が、多様な人が参画する、つまり意思決定のと言ったときには、やっぱりそれなりの意思決定権を持つ人を誰にあげるかといったときに、生まれながらにリーダーの人だけねではなくて、やっぱりある時期においては、過渡期においては特に、ある意味で、クオータ制ではないですけれども、数的に多様さというのをとにかく意識的に出してやってみると。そこの中からやっぱり次の世代あるいは次々世代においてそういう同じ場でいろんな人たちが競争できるような場というのを最終的にはつくってあげるというのが多分いいんじゃないかなというふうに思います。  以上です。
  23. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) ありがとうございます。  六次産業化に向けて女性が起業するときということでございますけれども、私も農家レストランを始めるに当たりまして、何だ、文化財を使って金もうけをするのかと言われたんですね。それで、このレストランを開くまですごく迷いました。しかしながら、行政のある方から、文化財に人が来ていただくための手段でしょう、もうけじゃないでしょうと肩をぽんとたたかれて、それで農家レストランを始めたということでございますので、やっぱりこれから起業なさる方には、誰でもいいですから肩をぽんとたたいてあげる方がいらっしゃるといいのではないかなと、そのように思います。  以上でございます。
  24. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) 上野ひろし君。
  25. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 上野ひろしでございます。三人の先生方どうもありがとうございました。  まず、山内参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、ソーシャルキャピタルというとらえ方をどう活用したらいいのかということなんですけれども。私は、地元、群馬でございまして、いただいた資料の中で結束型も橋渡し型も非常にソーシャルキャピタルが低い数字だったんですけれども、これをどうとらえたらいいのかということなんですが、例えばソーシャルキャピタルを増加をさせていくようなことを志向していくのがいいのか。一方で、ソーシャルキャピタルの形成というのはいろんな要件があって、歴史的な経緯があったり地域の事情があったり、なかなか一律に議論できるものでもないような気もするんですけれども、どう取り扱ったらいいのか。また、ソーシャルキャピタルを仮に増加させていくとするとどういう政策を取っていったらいいのか。いただいた資料の最後に、ソーシャルキャピタルを高める政策、破壊しない政策の吟味という話があったんですけれども、具体的にどういう取組をしていったらいいのかというのをまずお伺いをしたいと思います。  次に、白波瀬参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、共に生きる互恵社会をつくっていくと、お互いさまという話もありましたけれども、日本社会は、元々は多様性を受け入れたり弱者をコミュニティーで支えていくという、そういう環境があったのではないかと思うんですけれども、それが社会構造の変化で失われていって、先ほどのソーシャルキャピタルという話とも絡むのかもしれないんですが、そういう中で、我々が、では今後どういう互恵社会を目指していったらいいのか、また、そのためにはどういう取組が必要なのか。先ほど教育という話もありましたけれども、教育は大変重要だと思うんですけれども、一方で、教育というのは効果を上げるのは非常に難しい面もあるのではないかなと思うんですけれども、では具体的にどういうやり方をしていったらいいのか。また、教育以外で、こういった例えば制度的な取組をしていったらより良くなっていく、そういう御提言があったら是非いただきたいと思います。  最後に、洞口参考人にお伺いをしたいと思います。  直売のグループ「サンサンメイト」をされて非常にうまくいっているんだと思うんですけれども、そのうまくいった要因というのをお聞かせをいただければなと思いまして、直売の、同じような取組をされている方々も多分全国たくさんいらっしゃって、うまくいっているところもあればうまくいっていないところもあると思うんですけれども、先ほど、いろんな資源があった、人材が豊富だったという話もありましたけれども、どういう、要件といいますか、取組をされるとうまくいくのかといったことを御経験を踏まえて一言お伺いできればと思います。
  26. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) ソーシャルキャピタルというのは人々の生活様式そのものであったり物の考え方そのものであったりするので、政府、行政が何か直接介入するのは十分用心した方がいいと思っています。それが基本的な考え方で、余り不用意に介入すると、要するに行政のおせっかいだというふうに言われかねないので。  一つ考えられるのは、ソーシャルキャピタルを高めるということが大体分かっているような活動を活発化させる。例えば、チームスポーツを振興するというのはソーシャルキャピタルを高めるということが研究で分かっていますし、それから、ボランティア活動を振興するというのも、そのボランティア活動を活発化させることを通じてソーシャルキャピタルを豊かにするということが分かっていますので、そういうスポーツを振興したりボランティア活動を奨励したりするような政策を通じて間接的にソーシャルキャピタルを高めるということが可能なのではないかというふうに思っています。  それからもう一つは、実際に、現に取られている政策が何か意図せざるソーシャルキャピタルの破壊につながっている可能性もあります。例えば都市の再開発であるとか道路の付け替え一つにしても、コミュニティーを分断するような形になるとソーシャルキャピタルを破壊しますし、そういう意味では、ソーシャルキャピタルというレンズを通して政策を再評価してみるというのは重要なのではないかと思います。  あと、震災との関係で、先ほどの御説明の中でちょっと言いかけたんですけれども、例えば避難所から仮設住宅に移って仮設住宅から復興住宅に移るような過程でも、できる限り元のコミュニティーを維持できるような形に十分配慮すべき、それもやっぱりソーシャルキャピタルを破壊しないという観点から考えるべきことで、先ほど仮設住宅の写真をお見せしましたけれども、仮設住宅の造り方というのは大体入口が同じ方向に向いていてコミュニケーションが取りにくいような設計になっているところが多いので、そういうコミュニティースペースを一定戸数に一つ設けるとか、玄関を向かい合わせにするとか、ちょっとした工夫がそのコミュニティーの中の付き合いと交流を活性化するのにつながったりしますので、そういう意味では、ソーシャルキャピタルの維持というのは非常に微妙な問題を含んでいるんですけれども、政策的にやはりそれを破壊しないように十分注意することが重要なのではないかと思います。
  27. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) とても難しい質問をありがとうございます。  具体的にどういうふうにするかって本当に難しいことだと思うんですけれども、ただ、互恵って、お互いに恵むということをあえて出したのは、やはり自分にもいいことがあるというのをどこかでちゃんと落としておかないと、あと、これは世の中のためになりますよとかというところではなかなか続かないんじゃないかということですね。ですから、今、年金をやるのは自分がお年寄りになったときにこんなにいいですよという説明だけでは多分なかなか納得してもらえないところがあるのかなということに通じるかもしれません。  今、上野先生の方からとてもいいポイントが出たのは、実は日本は元々、本当はそんなに同質社会ではなくて多様だったんじゃないかという御指摘なんですけれども、まさしく同質社会から多様社会へとか、一億総中流社会から格差社会へという構図自体が非常に短絡的ですので、それは確かにそのとおりだと思います。  だから、そういう意味では、少なくとも五〇年代後半から六〇年代以降の高度経済成長を成し遂げた背景に強い企業力がありましたし、その強い企業力を支える家族というのを一応誰もが持っていたと。だけど、もう今、日本、データ的に見ると、その標準的な家族を持たない人の経済的な困難が物すごく高いということは、今まで多分その家族とかあるいはその地域とかで囲んであげていてそのクッションとなっていた機能を取り払われたときに突然もう困難に陥るということですので、意識的に家族を超えた要するにサービス主体というのを公共的につくっていかなくちゃいけない時期にあるということは、それは事実だと思います。  ですから、そういう意味で、多様性というのを自覚しなくてはいけないし、多様性で、特にその不条理な多様性を直接的に受けている人の困難を誰が分かち合ってあげるかというときに、自然発生的に家族の中だけではということはないと思います。  あともう一点。家族ということに対しても、実はそんなに安易に、何というか、理想化しては厳しいという状況も実際にありますので、家族があるから良いとか、未来永劫的にこの家族が、地域が存続するというところで、人々の困難なり、その困難になった状況を評価してはいけないのではないかなというふうには感じます。  そして、想像力、共に生きる、教育だというふうに言ったんですけれど、その教育の在り方も、実は私は、子供たちにはある意味で教養教育というのが物すごく重要で、今実践教育が非常に主になっているんですね。もちろん生きていくこと、働くことというのをできるだけ早い時期から自覚させるというのは一つの点だと思うんですけれども、ただ、やっぱりそのベースとなる、読み書きではないですけれど、芸術も含めて、やっぱりそれは人となる力になっていきますから、そういう、何というのか、柔軟な力というのは、即戦力という点ではなくて、やっぱり公教育というか、社会の中で育て上げることが必要なのではないかなというふうに感じます。  以上です。
  28. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) ありがとうございます。  うまくいっている要件ということでございますけれども、私たちも、始めたころは本当に心が一つになっていなくて大変でございました。しかしながら、一番最初の十六名で行ったときには、普通、当時としては、産直やるにしても農協という事務局が付いていたんです。ところが、私たちは付いていないんですね。農協に相談しましたところ、いや、三百六十五日、大変じゃないかと言われまして、でも、私たちはやりたかったものですから始めたわけですね。  そうして、じゃ、しからば、これ継続してやるにはどうしたらいいかと考えたときに、やっぱり一人一人の意識を高めなければならないということなんですね。それで、なかなかなかなか、その意識を高めるといっても、やっぱりリーダーの私が言ってもなかなか理解していただけないところがあったりもしたんですけれども、そういうときには、全員参加の下にいろいろな講習会とか研修会なんかに参加をいたしました。  というのは、少数でございますからそれでも可能でございましたので、そういうふうにしてだんだんだんだん意識を高めていって、この十六名、とにかく企業との連携ですから、何とか継続してやっていかなきゃならないなという思いでおりましたので、とにかく広く社会を見詰めて、いつも危機感を持って行動いたしておりました。それでサンサンメイトうまくいったような気がします。  それと、やっぱり文化財を拠点にいろいろな展開をいたしております。それは、自分たちだけじゃなくて、私たちは大曲なんですけれども、その大曲の地域の人たちの、特にお年を召したおばあちゃん方の力を借りたりしまして活動いたしましてこのように発展していったのかなと、そのように思います。  以上でございます。
  29. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) 田村智子君。
  30. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  お一人お一人に時間内でお聞きしたいと思います。  まず、山内参考人、先ほどの御質問のお答えにもあったんですけれども、ソーシャルキャピタルを破壊しない政策の吟味という提起はなかなか意味が深いなというふうに思っていまして、それは、これまでの例えば阪神・淡路大震災の後に様々取られた政策などで、これはソーシャルキャピタルを破壊してしまったんじゃないだろうかというような、何というんでしょう、お考えもあっての提起なのかなというふうにも感じたんですね。  そこで、そのソーシャルキャピタルを高める政策として今こういうことが必要なんじゃないか、あるいはこれは破壊してしまった政策として反省が必要じゃないかと思うようなことがございましたら、ちょっと具体に幾つか事例いただけたらと思います。
  31. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) そうですね、阪神・淡路大震災の後、いわゆる孤独死とか、いわゆる震災で直接亡くなった方に加えて、震災後にいろんなネットワークが破壊されて孤独感を感じて亡くなるという人が非常に多かったと。そういう反省もあって、そのときの研究で、先ほども少し申し上げましたけれども、例えば仮設住宅のレイアウトの仕方に関しても少し工夫をして、例えば三十戸に一つとか二十軒に一つとかのコミュニティースペースを造るとか、相談員を置くとか、あるいは玄関を向かい合わせにしてできるだけ顔の見えるような近隣関係を人工的につくってやると、そういうことが重要だと言われて、一部今回の東日本大震災でもそういうふうなことが配慮されている仮設住宅もあるんですけれども、やはりいつまでにこれだけ造らなきゃいけないという目標もあって、必ずしも徹底はしていないと思うんですね。  そういうことがあるので、特に災害からの復興過程においてはソーシャルキャピタルは破壊されやすいので、そういう意味で特に注意した方がいいというふうに私は考えています。  これは、例えば高台移転をするかどうかとかそういうときの意思決定にも、やはりソーシャルキャピタルを維持できるかどうかというような観点を盛り込むべきで、これ日本だけに限らず、例えばインドネシアのあの津波の後の住宅の再建なんかについても、非常に高台に移転して非常に立派な住宅街が海外からの援助によってできているところがあるんですけれども、しかし全く最初のコミュニティーと違ったコミュニティーが人工的につくられていて、一旦移った人がまた出ていって空き家が多くなったりしているようなところもありますので、そういう意味でソーシャルキャピタルの維持というのは非常に重要な観点ではないかというふうに思っています。  復興の過程で、やはりソーシャルキャピタルが元々豊かであった土地というのは復興も早いし、災害の前後の人口の動きとかを見ていると、そういうのが、ソーシャルキャピタルとその後の発展というのはかなり相関があるというのが、これは日本だけではなくて、例えばハリケーン・カトリーナの被害の後の町の復興なんかの研究でもそういうことが言われていますので。
  32. 田村智子

    ○田村智子君 先にちょっと、洞口参考人にお聞きしたいんですけど、サンサンメイトに農家の女性だけが加わる。面白いなと思ったのは、事前にいただいた資料の中で、その女性たちが、サンサンメイトが産直の商品を売るために家族協定を結んで、自分も農家の経営者の一人であるという自覚とそれから物理的な変化も持ってやられているという資料をいただいたんですけれども、この家族協定で言わば自分の休みを決める、労働報酬を決める、これがその農家の女性の意識やあるいは地域の中での農家の女性の立場で何か変化をもたらすようなことがありましたらお答えいただきたいなと。
  33. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) やっぱりこの家族経営協定を結ぶことによって、より以上に意欲的にこの活動ができたということですね。
  34. 田村智子

    ○田村智子君 地域の中での女性の立場の変化というのは何か。
  35. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) 地域での変化でございますけれども、地域ではまだまだ男性社会でございまして、この家族経営協定を結ぶに当たりましても二年間掛かったということなんですけれども、それはやっぱりなかなか男性の理解が得られないところもあって二年掛かったということでございます。やっぱりこういう家族経営協定を結ぶことによって地域の目が変わってきましたね。本当に私たちの意見も少しずつは地域に取り入れてもらっているというようなことでございます。  そして、一番うれしいのは、今回のこの支援事業で女性がプランづくりに三割入ると太く赤い文字で書いてあったのがすごく私たちにとってはうれしいことでございます。
  36. 田村智子

    ○田村智子君 最後に、白波瀬参考人に。  今のような意思決定過程に多様な人が入ると。これがなかなか、ずっと問題提起されながらうまくいっていないんですよね。男女共同参画の指標なんかでも、女性議員が何人になったかみたいな指標はあっても、それが、それはもう本当に意思決定過程を見る物差しの中のもう枝葉の中の葉っぱの先っぽ部分でしかないだろうと思っていまして、その意思決定の場に多様な立場の人がというときに、もっと踏み込んでこういうことが必要じゃないかという、具体的にですね、こういう地域の中で工夫が必要じゃないか、あるいは国政レベルでもこういうことが必要なんじゃないかというふうに問題意識お持ちのことがありましたら是非お聞かせいただきたいと思います。
  37. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) 多分強いプッシュが必要なんだと思います。ですから、そういう一つの手は、多分、数字、数値として出すというのも一つの手かもしれません。ただ、自然にということになりますとなかなか難しいので、やはりそこは、何か半強制的に多様な人になるような、何というか、制度というのはもしかしたら重要だとは思いますけれども。
  38. 田村智子

    ○田村智子君 ありがとうございます。
  39. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) それでは、福島みずほ君。
  40. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。今日はどうもありがとうございます。  私も時間の範囲内でそれぞれにお聞きします。  まず、山内参考人にお聞きをいたします。  ナオミ・クラインさんの「ショック・ドクトリン」という本が非常に私は興味深くて、惨事便乗型資本主義という。被災地の皆さんの話を聞くと、政治がなかなか冷たいと、行政が冷たい。利権などもどんどん復活しているというような悩みも聞くんですね。ですから、その惨事便乗型資本主義と戦って、どうやってやるかというヒントをちょっとお聞かせください。
  41. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) 済みません、惨事便乗型資本主義と、もうちょっと具体的に教えていただけますか。
  42. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 先ほどおっしゃいましたカトリーナ台風のときや、それから阪神大震災の後なども、例えばビルがばあんと建つと、あれ長田地区ですか、なかなか入れないというような、例えば今まで長屋だったら入れたのに、ビルになるとなかなか入れないと。  ですから、巨大資本が入っていって開発をやってしまうので、実は住みにくくなるというふうなことです。
  43. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) 分かりました。  そういう問題は阪神のときにもありましたし、恐らく今回もあるのだと思いますが、例えば公共事業の入札をするときに、そういう地元業者に対する配慮とかというのは平時以上に必要なのではないかと思いますね。  平常時だと、そういうことをやり過ぎると非常に競争制限的になるとかという問題があると思いますけれども、災害の後のあの復興過程においては、やはり地元の産業が早く復興するようにということをまずは第一に考えなければいけなくて、特に今回は基幹産業が破壊されたと、阪神のときと違ってですね。で、雇用がかなり失われたということがありますので、そこの再建が非常に重要なのではないかというふうに考えています。
  44. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 次に、洞口参考人にお聞きをいたします。  私も震災直後に名取市に行きまして、名取市長とも会い、いろんな要望をもらい、かつ水田が塩害に遭っていて、ポンプでくみ出す作業や非常に被害を受けていらっしゃる名取市の現状を見たので、今日改めていろいろ思うことがありました。  今までの活動に敬意を表すると同時に、復興についてなんですが、復興で例えば地域の声や女性の声を生かすべく、行政や政治はこういう配慮をしてほしいというのがあったら、このことを教えてください。
  45. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) 私たちの声を拾い上げてくれる、そういう情報開示が欲しいなと思うんですね。  こういう事業をやるに当たっても、どうしても男性の方々ばっかり行っちゃうんですね、会議の中に。だから、広く女性も入れるような、女性だけじゃなくって広くみんながその話合いの場に参加できるようなシステムがあればいいなと思います。旧態依然としたやり方ではいけないと思うんです。
  46. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 次に、白波瀬参考人にお聞きをいたします。  いただいた資料の中の「縮む中間層」といったことにすごく共感を感じていますし、先生がおっしゃっている所得再分配や、どうやって中間層をつくっていくかは、もう本当に必要なことだと思っています。  白波瀬さんが、下を引き上げ上を引き下げる、所得再分配のことを書いていらっしゃるんですが、所得再分配のためにとりわけ今何をしたらいいのか。雇用の問題はありますが。  もう一つは、ずっと所得再分配とか言われながら、なぜ日本でそうならないのか。新自由主義に懲りたはずなのに、何でいつも新自由主義的な政策国会で出てくるのかというのは、実は私は不思議に思っていることなんですね。公共サービスぶった切れというのがいつも人々の共感を得て、所得再分配の政策を言うことが、社会民主主義的なことが余り共感を呼ばないというのも実に残念なことで、何でだろうと実は素朴に思っています。  それから、消費税についてどう思っていらっしゃるか、教えてください。
  47. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) 手短に答えなさいという注意があるので、最初から何かとても緊張しているんですけれども、おしゃべりで済みません。  どうして所得再分配がうまくいかないのかということなんですけれども、確かに数値的に見ると、かなり欧米との比較で見ると、中間層のところの再分配が非常に低いということなんですけれども、もっと中間層の話を、もう一回戻すと、中間層の話を出した瞬間覚悟してもらいたいという強いメッセージが、実は日経のところでも出したんですけれども、つまり本当に中間層を増やしたいと思うのであれば、もちろん貧困の問題は民主政党になって非常に注目はされているんですけれども、忘れていけないのは、上からもたくさんいただかないと真ん中のところは膨らまないわよと、そういう話です。だから、そのことを実行する腹をしっかり決めてくださいという、そういうのがちょっとメッセージとしてはありました。  ですから、多分スウェーデンなんかですと、どこからお金を取っているかって、数の大きいところからやっぱり取っているんですよ。だけれども、戻っているので、それはやっぱり取られても戻る、納得ができていると。じゃ、日本をスウェーデン型にするかというと、スウェーデンにはならないと思いますね、いろんな意味で。ですから、そこは日本型というのをどこかでつくらなくちゃいけないということですので、やっぱり所得の話、あと遺産相続の話、ストックの話を含めて、もう一回所得再分配については考えなくてはいけないのではないかと思います。  新自由主義的な議論が台頭しているという、ちょっと内容が分からなかったので、済みません、そこはちょっと共有できなかったんですけれども。  消費税については、もちろんそれを励行しないということはないかもしれない。ただ、消費税を上げることによって全てが解決するほど根は浅くありませんので、消費税だけが前面に出て、つまり、究極的には今の問題は多分説明責任の話じゃないかというふうに思っているんですね。  ですから、どうも説明がちゃんといかないので国民としては非常に唐突に見える。実は、水面下では皆さんそれぞれ議論されているんだと思うんですけれども、やっぱり消費税というのがばんと出て、それはもちろん働かない人が人口的にも多くなりますから、消費税で見た方が財源的にもぐっと増えますから、それは大局的に見て非常に分かるんですけれども、何かやっぱり今のその議論についてはちょっと納得いきかねる部分がありますので、もう少し説明の部分で工夫をお願いしたい。
  48. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 どうもありがとうございました。
  49. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) 亀井亜紀子君。
  50. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 国民新党の亀井でございます。  済みません、皆様のプレゼンテーションの時間帯にちょっとこちらにおりませんで、資料をベースに質問をさせていただきます。  お一人お一人質問をさせていただきたいんですが、初めに、山内参考人にお伺いいたします。  NPOの専門家でいらっしゃるのでお伺いしたいんですけれども、ソーシャルワーカーという肩書がございます。よく海外の人が、何の仕事をしているんですかと聞くとソーシャルワーカーですと答えるんですよね。それに対して、日本でいうとソーシャルワーカーというのはどういう仕事の範囲の人に当たるんだろうかと説明に困ったことがあります。ですので、先生のお考えになるソーシャルワーカー定義ですとか、教えていただきたいんです。  そして、なぜこのような質問をするかといいますと、NPO法が改正になって市民公益税制も導入して、私、NPO議連におりまして、かなりいろいろと努力はいたしました。  昔から、海外はNPOが強くて活動的で、日本は資金集めで苦労しているのでなかなか思うような活動はできない。その中で、社会起業というのを一つ発展した形で、社会のためになることで、ボランティアというのではなくてお金を稼いで何が悪いという、一段高い発想なのかなと、現実的な、と思っているんですけれども。いわゆる有償ボランティア、無償ボランティアというような言葉もあったり、有償だったらボランティアではないではないかという議論等々、昔からございますけれども、ソーシャルワーカーというのはどのような人たちだと思われますか。
  51. 山内直人

    ○参考人(山内直人君) 私、ちょっと専門ではないので的確にお答えできないんですけれども、まず、NPOに関して、恐らくNPO法ができたころは、何かボランティア団体なのにお金を取るのというような、あるいは給料払うのというようなことが随分言われたと思います。それはさすがに最近は少なくなってきているのではないかと思います。  実際、社会起業家と称する人たちも、法人形態としてはNPO法人でやっているところが多くて、アメリカなんかでも、社会起業家という営利と非営利の境界領域で活動しているような人のかなりの割合はアメリカの法律でいうところのNPO法人ですので、そういう意味で、法人格の区別とかというのはだんだん曖昧になってきているのかなというふうに思っています。  ソーシャルワーカーについて、確かに欧米では私はソーシャルワーカーですという人が多くて、大学の学部の構成なんかもソーシャルワーク学部というのがかなり多くの大学にあって、日本だと恐らく、そうですね、社会福祉学部のごく一部だったりすると思うんですけれども、職業として日本では余り十分確立していないのかなという印象は持っていますけれども、ちょっとそれ以上のことは今はお答えできませんけれども。
  52. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 済みません。漠然とした疑問というか、私の中に常にありますので伺いました。  じゃ、次の質問なんですけれども、白波瀬参考人にお伺いいたします。  いろいろと論文等を読ませていただいて、家族の形態が変わってきたと。私、社会保障の政府の会議にもかかわっておりましたからその中身については分かっているつもりですし、私が率直に感じることは、今高齢化社会の入口なんですよね。つまり、団塊の世代がどんどん年を取っていって、もしこの方たちが九十ぐらいまで長生きしたときには日本社会保障はどうなるかということも考えながら、制度設計、本当は抜本的に変えていかなきゃいけないだろうと思うんです。  そして、高度成長期に田舎から若者が都会に行ってそして定職に就けた時代から変わってきていると。私、地元、島根県なんですけれども、典型的な過疎、高齢化の場所ですが、若いシングルマザーが多いんですね。つまり、結婚が早くて離婚も早いんです。それで、ただ、それほど貧困というのは私の周りでは多く見られませんで、大体実家に帰って、おじいさん、おばあさんが面倒を見て、仕事に出るというパターンが多いんですね。いわゆる単身者に対して、若年層であれシングルマザーであれ、社会がとにかくその財源を見付けていろいろと手を差し伸べなければというのはあるんですけれども、その方向だけで進んでいくと怖いところがあると。  つまり、私が申し上げたいのは、家族、三世代同居なら三世代、二世代なら二世代同居、人がたくさん住むことによってやはり回る、家族によって支えられてきた社会保障というその面を少し見直して、戻していくことも同時に必要なんだろうと思うんですね。単身の若者は必ずしも幸せであるわけでもないんですよね、孤独と向き合っていますから。それは例えば税制などで優遇して、何人以上同居しているところは何か優遇しますよとか、そういうことでももしかしたら誘導できるのかもしれないなんて考えたりもするんですけれども、そういった方向の努力ということについてどのようにお考えでしょうか。
  53. 白波瀬佐和子

    ○参考人(白波瀬佐和子君) ありがとうございます。  実は、実証レベルで、確かに、三世代世帯と独り暮らしの間では経済的にもちろんそのリスクをプールする機能自体が違いますので、たくさんいろんな人と暮らしている方が安定しているということは実際に言われていることなんですけれども、さあ、これをどうするか。  つまり、意識調査で、今の壮年層で将来になって子供と一緒に暮らしたいかというと、意識の上では一緒に暮らしたくはないというふうに答える人も多いわけです。ですから、一緒に暮らす相手を親とするのか、あるいは何か友達と一緒にするのかというのはまた次の問題だと思うんですけれども、その制度の前提としての家族をどう持ってくるのかという話と、実際に今のその同居か別居かというところの実態の話とはある意味で区別しなくちゃいけないということと、政府として方向性を示すときに、今までの同居というのを一つのモデルとしてやっぱり見直しましょうという方向を出すことが果たしてできるのかどうか、現実問題それができるのかどうかというのはやっぱりちょっと考えどころかなというふうに思います。  あと、若いシングルマザーということで皆さんが貧困ではないというのはまさしくそのとおりで、実は日本では、親元に帰る、言葉としては本当に好きじゃないんですけれども出戻りの場合については、経済的にそれほど困難に陥らないというケースは非常に高いです。ですから、そういう意味で、親と同居しないで働いているシングルマザーについての貧困率が非常に高い。いわゆるワーキングプアと言われるところが問題になっていますので、言い換えれば、親が、要するに家族が見ているというところですね、じゃ、見ている家族がいなくなったらどうしましょうかという話で、それを同居の方に引くような制度というのが望ましくて、どうかというのは考えどころだと思います。
  54. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 同居の方に引き戻す政策というのはいかがかというのは確かに視点としてはあるんですけれども、ただ、現実的のような気もいたしまして、ちょっと今いろいろと地元を見ながら考えております。その同居している家族が不幸せかというとそんなことはなくて、おじいさん、おばあさんも幸せそうですし、それはそれでその形としてあるんだろうなと思っております。  最後、洞口参考人にお伺いしたいんですけれども、私も、地元に女性農業者の会というのがあって時々意見交換をいたします。兼業農家についてどうあるべきかというような話もするんですね。六次産業化も私はすごく力を入れて、そうやって農家レストランされるの、すごくいいことだ、たくましいと思いますし、今農家は作る以外に、今までは農業半分、例えば建設業半分という、その半分の仕事、公共事業がなくなる中で、その半分を何で補うべきかという話をしております。その一つの形はそのような農家レストランなのかもしれませんし、何で補うかという議論をずっとしているんですけれども。  兼業農家の在り方、難しいテーマですけれども、なぜこんなことを伺うかといいますと、今いろいろなTPP等々で専業農家を強くするべきである、彼らがもうかって産業になるべきであるという意見が強い中で、やはり地元で聞きますと、兼業農家を潰したら多分山は荒れるし、人が住めなくなると。農業の多面的な役割とよく言いますけれども、だから兼業農家を全く力を入れなくするのは間違いであるという声がかなり強いんですよ。  ですので、兼業農家がどう生き残っていくべきかということについて何かもしお考えとかアドバイス等ございましたらお伺いしたいと思います。
  55. 洞口とも子

    ○参考人(洞口とも子君) 私のような考えでどうかなと思うんですけれども、兼業農家の場合には、私は、今お話ししているのは、若いうちは外に出て働いていいと思うんですね。それで、じゃ地域の農業を誰が守るかといったら、やっぱりお仕事終わった世代の方々で、それで、今私も大型化とかと言いましたけれども、やっぱり今おっしゃられたとおり、その農業に従事する人が決まってきちゃいますよね。だから、そこのところを、今度みんなが参加できるような、そういう六次産業とかやらなければならないとは私も思っています。  だから、本当に兼業農家の場合には、とにかく若い人と我々みたいにリタイアした者がやっぱり農業を支えていくべきなのかなと。若い人は働いていいと思う。それで、そのお仕事終わったらすぐに農業に従事するようなシステムを今つくらなければいけないなと私は思っています。  以上です。
  56. 亀井亜紀子

    ○亀井亜紀子君 ありがとうございました。
  57. 直嶋正行

    ○会長(直嶋正行君) 他に御発言もなければ、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  参考人の皆様方には、長時間にわたり貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。本調査会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時二十九分散会