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2012-02-29 第180回国会 参議院 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 3号 公式Web版

  1. 平成二十四年二月二十九日(水曜日)    午後零時三十分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         藤原 正司君     理 事                 大島九州男君                 外山  斎君                 島尻安伊子君                 山田 俊男君                 加藤 修一君                 松田 公太君     委 員                 江田 五月君                 玉置 一弥君             ツルネン マルテイ君                 友近 聡朗君                 白  眞勲君                 福山 哲郎君                 藤末 健三君                 舟山 康江君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 中山 恭子君                 野村 哲郎君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 若林 健太君                 石川 博崇君                 紙  智子君    事務局側        第一特別調査室        長        宇佐美正行君    参考人        横浜市大学特        任教授      井村 秀文君        株式会社エンビ        ズテック代表   服部 聡之君        中国研究者        慶應義塾大学東        アジア研究所研        究員       青山  周君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する  調査  (「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、  アジアの水問題(中国の水問題と我が国の取組  )について)     ─────────────
  2. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ただいまから国際・地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。  国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。  本日は、「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、アジアの水問題に関して、中国の水問題と我が国の取組について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  本日は、横浜市立大学特任教授井村秀文参考人、株式会社エンビズテック代表服部聡之参考人及び中国研究者・慶應義塾大学東アジア研究所研究員青山周参考人に御出席をいただいております。  この際、一言御挨拶を申し上げます。  各参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  本日は、各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず井村参考人、服部参考人、青山参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後二時五十分ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  先ほど申し上げましたように、今日は三時からQTがございますので、その点も御配慮いただければ誠に結構でございます。  それでは、井村参考人から御意見をお述べいただきます。井村参考人。
  3. 井村秀文

    ○参考人(井村秀文君) 井村でございます。それでは、意見を述べさせていただきます。  今日は特にパワーポイント等は用意してございません。お手元にこういう四ページほどの中国の水問題と我が国の取組についてという、ちょっと箇条書にしたメモと、それから地図等の説明資料二となっておりますが、付いておりますので、これを御参考にしていただきたいと思います。  中国の水に関する問題と、非常に範囲が広うございますので、今日どこに焦点を絞っていいかちょっと事前によくつかめませんでした。そういうことで、まず私はとにかく中国で、広大な中国でどういう水の問題があるのかということにつきまして大体概略を御説明して、あとお二人の方はもう少し詳しくトピックごとに何かお話しいただけるかと思います。  まず、メモの「はじめに」ですが、これは中国の環境問題と日本のことをちょっとまとめたものですが、環境問題いろいろございます。特に、中国と日本との間の問題としては、最近黄砂とか光化学スモッグが中国からやってくるというような、あるいは酸性雨というような問題もございますし、漂着ごみというようなものもございます。  それから、直接こういう汚染物質が来るというだけじゃなくて、貿易を通じて、例えば日本のいろんな、から出た廃棄物が中国から来たバイヤーが買っていくと、こういった問題もございますし、それから最近自動車なんかも、電気自動車の重要な資源でありますレアメタルが中国との間で貿易問題が起きているとか、あるいは地球温暖化問題ですとか生物多様性の問題となりますと、これは中国、日本とを問わず全世界的な問題でございます。  それから、日本と中国の関係について言うと、中国が急速に豊かになっているのに対して日本は何となく安定で、一応安定はしているんですけれども、ちょっと成長率が鈍っていると、こういう環境の中でいろいろ問題がございます。  それから、日本と中国の非常に重要な問題としては、対中のODAは完全に終わったわけではないんですけれども、ほぼ終了したと。こういう状況の中で日本と中国の環境問題をどう考えるかということが背景としてあるかと思います。  そこで、本題でございます中国の環境問題ですが、中国の水問題はまさに中国という国の命運を握る問題かと思います。現在、中国では三、三、二、二、一、一という言い方をされますけれども、三つの川と三つの湖と二大事業、それから二つの抑制区、控区と一市一海ということで、これを中国の重点環境問題としてずっと掲げているわけでございますが、その内容を見ますとほとんどが水の問題に絡みます。  まず、三つの川というのは黄河と遼河と海河という、これは非常に水が絶えないところでございます。それから、水の汚染ということで、太湖、テン池、巣湖と、この三つの湖の汚染。それから、二大事業というのは三峡ダムと南水北調という事業です。あと、両控区というのはこれは大気汚染に関係した問題です。それから、一市の問題というのは首都北京の問題ですが、この中には大きな水の問題が含まれます。それから、一海というのは渤海ですが、これは北京、天津辺りから出ます汚染物質が渤海湾に流れ込んで非常に海を汚しますので、ちょうど向かい側には韓国もあるわけでして、国際的な問題にもなりかねないところでございます。  それで、水の汚染でございますが、水の不足、水の汚染ということにつきましては、中国は決して全体には水が全くないというわけじゃないんでございます。ただ、南部と北部で全然状況が違うと。南の長江はむしろ水が豊富過ぎるぐらいあるんですが、北部の黄河流域あるいは海河流域というのは、海河というのは明確には大きな川がちょっと特定しにくいんですが、北京とか天津の辺りが海河の流域に属しております。ここはほとんど雨が少ないものですから、深刻な水不足に陥っています。特に首都の北京、それから大工業都市である天津が非常な水不足でございます。北京の場合、オリンピックのときにどうやってこれをしのぐかということがあったんですが、南水北調事業で水が少し南からやってきたということでまだ少し救われたということがございました。  それから、西の方に行きますと、新疆省とか内蒙古自治区に行きますとこれは完全な乾燥地帯でございまして、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠というような砂漠地帯になります。北の黄河につきましては一九九七年が一番深刻な事態でございまして、上流で農繁期にかんがいのために水を取っちゃうものですから河口で全然水がなくなるという、河口から七百キロぐらいまでのところが完全に干上がっちゃうという断流ということが起きました。これで中国政府も結構これは大変だということで対策を打ちまして、二〇〇〇年以降はこれほど深刻な問題は一応起きておりません。そういうことも一例としましてありますが、黄河を制する者が天下を制するということはずっと前から言われておりまして、この治水と利水と、これをどうするかということはこの国を治める上での大問題でございます。  一方で、長江の方は今度水があり過ぎることがありまして、一九九八年には大洪水が起きたわけですが、これにつきまして、三峡ダムの建設、これもいろんな、賛否いろんな議論があったんですけれども、この建設が進んできまして、現在は洪水の制御についてはうまくいっているという状況でございます。  こういうふうに、水をたくさんまた使いますと、地下水をくみ上げるものですから、地盤沈下は北京も天津も西安もどこでも大問題でございます。  それから二番目の、二ページ目に行きますと、水の汚染の方ですが、中国はやはり工業が相当発達してきました。特に田舎に行きますと、昔の人民公社で、昔は農業を中心にやっていたわけですが、そこで農民が工業もやるというふうなことになりまして、そういうのが郷鎮企業と言われるものでございますが、金属加工とかメッキ、繊維、皮なめしと、こういった工場がもう何千とあるわけでして、こういうのが非常にひどい汚染源となっています。特に、淮河という川がありますが、そこの流域などが大変な汚染問題になります。  一方で、どんどんまた都市に人口が集まっていますので、都市の生活排水もどんどん増えています。下水道がやっぱり普及しておりませんので、そういうふうに汚染が大変になります。  水の、飲み水の方ですが、水道はだんだん普及率は増してきました。ただ、日本と違って、蛇口をひねったらじゃあっといい水が出てきてすぐ飲めるという状況ではございません。蛇口から水は出ても、何か水に色が付いていたり、飲んでもちょっとにおいがしたりというのが実態でございます。  一方、下水道の方はこれは急速に整備が進行中です。一応、都市部では七〇%ぐらい下水道が普及しているという数字が出てくるんですが、ただ、日本と違いまして、ただ排水管がつながっていて一応そこに流すだけでして、必ずしもそれを下水処理場に集めてきれいに処理しているという意味での普及率ではございません。そういう意味ではずっとずっと低い状況でございます。  あと、飲み水の水源である河川水あるいは特に地下水ですが、砒素汚染というのが全国的に広がっておりまして、あるいは弗素の汚染というようなこともございます。いろいろなデータがありますが、相当、何百万とか何千万、正確にはつかめないんですけれども、何百万人あるいは何千万人という単位で多くの人がそういう重金属を含んだ水を飲まざるを得ないという状況に今あると。それから、水俣病などのような水銀の汚染の例もあるというような話もありますが、正確な情報は公開されておりません。  それから、天津の周辺など行きますと、農業の水がないものですから、下水の汚水をかんがいに使うというようなことも全くないわけではなく、まあ少し減ってはきたんですけれども、そういうことも一部行われていることもございました。  それと、中国独自の問題として、中国政府として非常に重要視しておりますのがこの水土流失という問題でございまして、これは中国特有の土砂流出問題です。特に、北部の水の少ない乾燥地帯、そこにいきなり雨が降りますと、木が生えておりませんので、特に黄土高原地帯ですが、雨の余り、元々少ないところで、木も少ない、草も少ないようなところで雨がどっと降ると一気に土砂が流れ出します。  そういうことが、非常にこれが全国的に問題が起きておりまして、これをどうコントロールするかということで中国政府がやっておりますのが退耕還林とか退耕還草ということで、農民がそこで何か畑を耕していると、そこの畑は耕作をやめろと、そこに一生懸命植林をするということで、木を植えてこういう土砂流出を防ぐという問題です。したがって、水の問題とこの土砂流出の問題とがセットになって中国全土で非常に重要な問題です。また、そういうところでの植林活動については、日本の草の根の援助というのがかなり活発に行われてきた実績もございます。  一方、二大事業でございます三峡ダムと南水北調事業ですが、三峡ダムについては、一九九三年に着工しまして二〇〇九年にもう完成しております。巨大なダム湖、六百キロぐらいの長さになる巨大なダム湖がありまして、ただここに重慶市、これは人口が三千万人以上と言われていますが、結構汚水が流れ込むものですから、ダム湖を汚染するんじゃないかという、そういう議論もあったんですが、今のところそれほどひどい汚染は出ていないようです。  ただ、このとき大体千八百万キロワットぐらいの発電能力がありまして、一九九三年の着工したときは中国の総電力の一〇%ぐらいこれで賄えるという話だったんですが、その後の経済成長が物すごく著しいものですから、正直言いまして千八百万キロワットを起こしてもほとんど中国の総電力需要の中では非常に微々たるものにしか実はなっていないという結果になっております。  この際、その周辺に住んでおりました多くの人々が強制移転されまして、これが三峡移民というふうな言葉で言われておりまして、その数は百万とも二百万とも言われております。  一方、南水北調の事業ですが、これは三つの線でやりまして、東、中、西と。中線の方は北京オリンピックを目指してある程度完成しまして、北京に水が行っております。東線もかなり工事が進んでいる、西の方はちょっと未着工と、こういう状況でございます。  あと、経済発展と水の関係ですが、やっぱり水の七〇%は農業用水でございます。したがって、農業と工業のバランスというのが非常に問題になります。中国はやはり農業を、食料自給のために農業は非常に力を入れておりますので、水がないと農業ができませんので、それで一方で工業用水や都市用水も賄わなきゃいけないということで、節水農業ということが非常に力を入れまして、かなり力を入れて、特に黄河の上流、中流域におきましては盛んに取組が行われております。  一方、都市の水ですが、これは大都市が多うございますので、とにかく人口が都市に集中してくる、そこで生活水が必要になってきます。それから、公園とか街路樹のためにも水が要るということでございます。  例えば、北京ですが、首都の北京では密雲ダムというのと官庁ダムという二つのダムがあったんですが、ほとんどこれでは水が足りなくなりまして、ほかから導水する、あるいは南水北調に頼ると、こういう状況になっております。それから、密雲ダムなどは元々農業の用水としては非常に貴重なものなんですが、周辺の農民はここから水を取ることが全く許されていないと、こういう状況になっています。  それから、南の上海の周辺、近くに、無錫市でございますが、ここには太湖という湖がございまして、非常に風光明媚で日本のちょっと琵琶湖とかあるいは霞ヶ浦のような感じですが、これは二〇〇七年にアオコが大発生して、もう水道の水が全然飲めないというふうな事故が起きました。  あと、工業用水については、内陸の方にも工業がありますので、こういったところで工業を起こそうとすると水がやはり必要と。特に、山西省の太原とか、こういうところがあります。  一方で、淮河とか太湖の流域が非常に汚染の企業が多いと、中小企業が多いということで、汚染の対策の重点となっております。二〇〇九年で六千か所以上の工場閉鎖をしたと。これは中国的なんですけれども、どういうふうに汚染を取り締まっているかというのは非常に興味深いところですが、最近のやり方としては、非常に徹底的に調査して、違反企業は徹底的に取り締まるということで、工場閉鎖を強制的にやらすというようなことが行われております。  一方、海洋汚染というのも大変でございまして、特に中国の場合は大きな川があって、水は全部東シナ海の方へ流れていきます。ということは、あの広大な陸上に流れた汚染物質は最後は海に流れていくということでございまして、渤海湾とか東シナ海でその汚染がたまりまして、赤潮、日本でも瀬戸内海でよく起きていますが、そういう赤潮が頻繁に起きております。そういった結果、漁業被害も出ております。  それから、ここで発生した汚染が黒潮によって日本近海にやってくるので、これがあの問題になりましたエチゼンクラゲの発生にも何か関係しているのかという議論がございます。ただ、ちょっと科学的に十分検証はされていない状況です。  中国の対策の現状ということですが、法律は一応できております。それから、罰金の制度ができておりまして、汚染を出すと罰金を取られると。  ただ、どういうふうにその法律とか基準が守られているかということのモニタリングは必ずしも十分ではないです。日本の場合は、自治体が、特に県が丁寧にモニタリングして、それから立入検査とかやっているわけですが、中国ではこの辺のモニタリングは必ずしも十分ではございません。  地方政府の能力が結構ばらばらでして、上海とか天津とかいうふうに大きな都市になるとしっかりしているんですけれども、地方のもっと小さな町へ行くと、必ずしもないと。それから、県とか市が開発主体になることが多いものですから、市長さんが優先的に、開発優先でやると環境を無視するというふうなこともございます。  ただ一方で、中央政府の指導によってかなり強権的に指導を強化するということもありまして、二〇〇九年では例えば六十万社を一気に検査して、違反には厳罰を付すると。こういうふうに、中国のやり方としては、一見、規制は緩いようなんですけれども、あるときには非常に強権的に発動して厳しく取り締まるというふうなことが行われます。  それから、新しい取組としては、生態環境補償制度というふうなものが試行されておりまして、例えば、三峡ダムの移民に対する補償とか、太湖湖岸の農民を移転させて、そこにいろんな開発行為を行う、その開発の利益でもって移転させた農民を補償すると、こういったいろんな取組が行われております。それから、水利権をお金で売買すると、こういうことも今認める動きで試行がされております。  それからあと、技術については、上水道についてはまだ水源が悪いので、さっき言いましたように、必ずしも蛇口をひねってもいい水が出るわけじゃないんですが、ただし、豊かになるに従って水の需要は増しますので、水ビジネスというのは非常に活発になりつつあります。特に、下水道とか海水淡水化というもの、それから上水道と下水道をパッケージにしてやろうというふうなこともございます。これは後の方がお話しいただけるかと思います。  したがって、中国は実は下水道も上水道も非常に巨大なビジネス市場がそこに存在し、中国国内ではこれに着目した活発なビジネスの動きがございます。そこにイギリスとかフランスの水の企業も進出して例えば水道、上水道を建設すると。この方式は民活方式でして、自治体と企業の連携といいますか、パブリック・プライベート・パートナーシップとか言われていますけれども、そういう動きで行われております。  日本のことですが、日本はかつて対中ODAをかなり投じておりました。ところが、二〇〇〇年代に入ってから対中ODAはほとんどやらなくなりましたので、いわゆる水ビジネスについても、上水道や下水道について日本の企業が何か出ていく可能性があるかということはよく聞かれるんですが、以前はODAを武器に日本企業は進出するという構図でしたが、なかなかその辺は難しくなっているということでございます。  それから、水のビジネスそのものが、昔は日本は、日本の装置を売るという、ODAを使ってそれを向こうに供与するというような形だったんですが、今問題なのはシステム技術でございます。これ、建設、維持管理と料金徴収、それから資金を返還する、借りた資金を返すという、こういう全体をパッケージとしたビジネスモデルが今求められておりまして、特に中国においては日本はちょっとこの辺は立ち遅れているかと思います。  それから、中国の上水、下水道について、これは以前の話になりますが、一九九〇年代、国際協力銀行がかなり大量の円借款を行いました。西部の陝西省、甘粛省等の都市の上水道は日本の援助でできたものが実は非常に多うございます。例えば西安市の水道ですが、これは九〇年代まで蛇口ひねっても水が出ない、一日に何時間も断水するというような事情だったんですが、日本のODAによって水道が完備したということで、実は西安市からはかなり感謝されています。それから、北京市の下水道も、一番最初の高碑店下水処理場というのは日本の円借款でできたものです。一九九〇年代です。しかし、二〇〇〇年代に入りましてからは、二〇〇二年の長春市の水道を最後にこういう動きは止まっております。  一方で、地方に行きますと、こういうシステマチックな上水道や下水道の建設はお金がなくてできませんので、もっと簡易型の水道とか合併浄化槽のようなものが普及する可能性がございまして、この辺についてはいろいろ日本の方々も関心を持って調査等をやっておられます。  私、大学の立場で、学術研究協力について言いますと、こういう水の汚染問題などについて、下水道とか水処理とか排水処理とかについての大学間の学術協力が非常に活発になっております。以前は日本が中国に教えてあげるというような感じだったんですけれども、今はそういう意味での、何といいますか、能力の格差というのは非常に縮小してきまして、中国側が独自に研究もやっておられます。  それから、資金面でも、以前は日本にお金を出してくれという話が多かったんですが、最近は中国側が独自に資金も、研究資金費も出して行うというふうに大体なっております。  一方、国家の科学研究費の総額でいうと、今や中国の方が日本を上回り始めているのではないかという状況でありまして、中国の先生方と話しても、研究費がないという話は余り聞かれなくなっているような感じです。  それから、環境関係のプロジェクトは中国政府も非常に重点を置きまして、もちろん下水道などもそうですが、地球温暖化対策のための低炭素都市だとか生態都市建設、これはリサイクルの建設ですが、そういうものを国家プロジェクトとして活発に推進しており、大学がそれと協力して研究を行うということも行います。  一方で、中国固有の問題としては、なかなかデータが取れないとかデータが自由に発表されないと。だから、現地調査へ行ってもなかなかデータが取れないというような問題もございます。  総じて言えば、ただ、中国自身が自分で問題を解決する能力も非常に高まっているということはしっかり念頭に置かないといけないのではないかと感じております。  ちょうど時間でございますので、これで話を終わります。
  4. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  次に、服部先生、お願いします。
  5. 服部聡之

    ○参考人(服部聡之君) エンビズテックの服部でございます。  本日は、このような重要な会合にお招きいただきまして、ありがとうございます。一言御礼申し上げます。  私はこれから、中国を含めた各国の水ビジネス戦略ということでお話をさせていただきたいと思います。私がここでお話をする水ビジネス、従来の言葉で言うと水道事業、あるいは下水道事業というものでありまして、この事業は、歴史を遡りますと、古代ローマにその原型を見ることができる非常に長い歴史を持つ産業であります。ところが、ここ数年来、改めて水ビジネスというように呼ばれるようになって脚光を浴びるようになってまいりました。その辺の背景も含めまして御説明をさせていただきたいと思います。(資料映写)  既にPPP、井村参考人の方からもお話が少しありましたけれども、これパブリック・プライベート・パートナーシップの三つの頭文字を取ったものでありますけれども、日本語では官民連携などと訳されています。この言葉は既に御存じだと思いますけれども。この今示しているスライドは、このPPPの諸形態において、公共と民間の事業運営に対してのかかわり方をまとめた表であります。この表は、下の方ほど公共の事業運営へのかかわり方が高く、上の方に行くほど民間が事業運営にかかわる比率が高いというふうにまとめてあります。  御覧のとおり、表の一番上にあるのは所有権移転型の民営化であります。これは、言わば完全民営化であります。しかし、このPPPの諸形態の中には、この完全民営化以外にもコンセッションやリース、あるいは包括民間委託といった様々な運営形態が含まれます。経済性やサービスを向上するために、公共の事業の運営の一部を民間に開放して実施をする、これら諸形態を総称してPPP、官民連携と呼んでいます。  これからお話をする水道・下水道事業ですが、かつては、日本だけではなく諸外国においても事業の運営は公共が主体として実施をしてきました。しかし、一九八九年にイギリスではこの水道・下水道事業を完全民営化しています。そして、一九九〇年に入りますと、アルゼンチンのブエノスアイレス、あるいはフィリピンのマニラ、チリといった国々、都市がコンセッションやリースという形で水道事業の運営をする例が増えてまいりました。中国の例でいいますと、一九九八年に四川省の成都市、省都ですけれども、ここの浄水場の建設と、それから十八年間の運転、運営管理ですね、これを民間企業に委託をするというような形で始まっています。  つまり、これまで公共が中心であった上下水道の運営管理において民間の運営による選択肢が広がってきたということなんですね。これがPPP、これまで上下水道事業と呼ばれていたこの事業が改めて水ビジネスというふうに呼ばれるようになって脚光を浴びてきたことの本質であります。  さて、民間委託、このPPPが伸展をしますと、事業の運営方法に様々な変化が生じます。その典型例の一つがコストの回収方法です。ここではコストリカバリーということで書いてありますけれども。  私たちは、毎月あるいは二か月に一度、水道料金、下水道料金を支払っています。日本国民の中の多くは、この水道料金、下水道料金によって水道事業、下水道事業が全て賄われているというふうに思っていらっしゃる方も多いのではないかと思います。  しかし、日本の場合には、これはかなり違います。御存じのとおり、日本の水道・下水道事業というのは市町村が運営や管理を行っているわけですけれども、この市町村において発生している水道事業、下水道事業の費用のうち、コストのうち、水道料金、下水道料金で賄っているものは一部にすぎません。残りの少なからぬ部分は、こちらに示すとおり、地方債や一般会計からの繰入れあるいは国庫補助金という形で言わば税金を投入をして事業を運営しているわけです。  しかし、民営化、このPPPが一定レベル伸展しますと、こうしたいわゆる税金の投入というのはある段階から行われなくなります。つまり、上下水道事業は水道料金のみを原資として運転、運営管理されるようになるわけです。その結果、見かけ上、水道料金、下水道料金は値上がりをすることも起こり得ます。しかし、実質的な全体的に掛かっているコストを見れば、競争原理の導入によってコスト全体は下がっていくことが見込まれるわけであります。この図でいえば、丸全体の大きさが小さくなるということが期待されるわけですね。  今、このお話をしたコストリカバリーのことを念頭に置いていただいた上で、世界各国の国々でどのような形態で事業運営をしているのか、お話をしたいと思います。  このグラフは、前の二枚のスライドを重ね合わせて作ったようなグラフになっております。グラフの縦軸は、民間と公共の事業のかかわりの度合いを示しています。それから、グラフの横軸は、コストの回収において水道料金、下水道料金が占める割合を示しています。表は右の方に行くほど水道料金、下水道料金の比率が高く、左の方に行くほど水道料金、下水道料金のコスト回収に占める比率が低い、つまり料金以外の、言わば税金を投入をしているということを表しています。  さて、先ほど、イギリスでは一九八九年に水道・下水道事業、完全民営化されたということをお話をしました。このグラフの中では右の一番上の隅の辺り、この辺りの位置付けとなります。  それから、同じヨーロッパですけれども、フランス、スペイン、これは一世紀以上前から水道、下水道の運営において、コンセッション、リースといった事業形態を多く導入をしています。国民の約半数以上は民間企業からの水道サービスの提供を受けているというような状況であります。このグラフでは、やはり右の上の隅に位置付けられます。  それから、シンガポールですけれども、実は二〇〇〇年ぐらいまでには、シンガポールは水を隣のマレーシアから全量輸入してきたんですね。しかし、いろいろな問題があって、二〇〇〇年を境に自国内に産業を育成して、水道事業、下水道事業を運営していこうと、自分たちで運営していこうという戦略を取りまして、個別名称は今挙げませんけれども、今グローバル市場で存在感を高めている企業が国内の水道・下水道事業を行っています。このグラフでは、やはり右上のこの隅に位置付けられます。  これに対しまして、日本は、先ほどお話をしたとおり、水道・下水道事業は市町村が運営をしております。水道それから下水道、これ別々の運営をしていますので若干その位置付けは違うんですけれども、総体として見れば、このグラフの中では中央下、この辺りの位置付けというふうになります。  それともう一つ、ちょっと繰り返しになりますけれども、この水道、下水道にかかわっている事業の中で、料金による、水道料金、下水道料金によって回収している比率、これは先進国の中では決して高い方とは言えません。先進国の中ではということなんですけれども、決して高い方ではありません。  これに対して、途上国の多くは、この図で示すとおり、左側の隅の下の辺りの位置付けとなります。すなわち、水道・下水道事業は公営企業あるいは国有企業が運営を行っているわけです。そして、コストの回収は貧しい市民からの水道料金としてではなく、国費、税金を投入しておりますけれども、あるいは一部は先進国からの援助という形で事業を運営をしているわけですね。  しかし、一九九〇年以降、こうした途上国の中でもより高い経済成長率を達成しようとする国あるいは都市において、このPPP、民間の資本と運営ノウハウを使って水道・下水道施設を建設をしよう、さらにはその運営管理をしようという例が現れてきています。  例えば、中国もその一例の国ですけれども、中国で代表的なプロジェクトとしては、二〇〇二年、上海市の浦東地区、これビジネスエリアですけれども、ここの地区に、上海市が五〇%を出資をして、残りの五〇%はフランスのヴェオリアが出資をして、半官半民の事業体をつくって、この事業体に実に五十年間という事業運営委託権を与えて、現在、運転管理、二百万人弱の人口を対象にして水道の給水サービスを行っています。  ちょっと視点を変えまして、この水道事業なんですけれども、既に国際展開を成功している自動車あるいは家電といった産業と比べると三つの大きな異なる特徴があります。  その点についてお話をしたいんですけれども、まず一つは、購入をする人、調達をする人と言った方が適切だと思いますけれども、調達者は最終消費者ではなく相手の国の政府あるいは地方自治体であるということですね。これが一点目です。  それから二点目の違いは、自動車や家電と比べた違いは、製品を製造する製造者に加えて事業運営者が存在をするということです。この事業運営者は、日本では市町村というふうにお話をしましたが、イギリスやフランスでは民間企業であります。これが二点目の違いです。  それから三点目は、部品の供給、サプライチェーンが非常にシンプルだということです。自動車や家電の場合には、東南アジア一帯に、タイ、ベトナム、インドネシア辺りに部品のそれぞれパーツのサプライチェーンを形成して、それで最終商品を組み立てていくというようなビジネスモデルですけれども、水ビジネスに関しては、装置あるいは施設というのはタンクであったりパイプであったり、バルキーな構造体なんですね。あるいは、ポンプや攪拌機といった重厚長大な機械設備が中心です。言わば、ローテクパーツの占める割合がややほかの産業と比べると高く、したがってサプライチェーンもシンプルになるということなんですね。  こうした三つの特徴を持つ水ビジネスですので、ビジネス戦略を考えていく段階でも当然自動車や家電とは異なる戦略が必要となります。  まず、三つのうちの一つ目についてお話をします。  一点目は貿易問題に絡む問題です。  これは、相手国の調達者が政府だということをお話ししました、国や自治体だというふうにお話ししました。つまり、政府調達ルールというのが非常に重要になるということですね。相手輸入国においては、当然、産業育成という観点からは自国の企業あるいは地元の企業の保護を強く要請するわけです。これに対して、輸出国側は、当然外国の、その国にとっては外国の資本となる企業に対しての市場開放を要求するわけですね。当然、交渉はその両者のせめぎ合いとなるわけですけれども、妥協点としては輸出国と輸入国の企業同士がコンソーシアムをつくる、あるいは合弁企業をつくるといった形になります。  それから二点目ですけれども、輸出国の経済政策の問題です。  これまでは、輸出国の経済政策の中心は企業の自由な競争でありましたけれども、これからは、そうした動き、自由競争ばかりではなく、国営企業あるいは公営企業が自国内においては独占的な体制で事業を行いながら政治力によって海外展開を進めるという、こういう例も現れてくると思います。つまるところ、新自由主義対国家資本主義とでもいうべきイデオロギー的な対立も起こり得るということです。  それから三点目としては、ビジネスモデルの話になりますけれども、サプライチェーンがシンプルだというお話をしましたが、水の施設それから装置に関しては、輸入国の企業が製造、組立てを行い、輸入国で賄うと。それに対して、輸出国は運営事業者が資金とノウハウを提供する、事業運営に係るノウハウを提供するという二国間のシンプルなビジネスモデルとなるということです。  その際に、輸出国側が提供をするのは資金、つまり金と運営ノウハウというソフトウエアですので、この移動に関しては地理的な要因というのは余り支配的ではなくなるということですね。むしろ、言葉の問題を含めた文化的な要因あるいは歴史的な要因、そして政治的な要因がこの水ビジネスにおいてはより支配的になるということであります。こうした点に注意をしながら事業戦略を考えていく必要があるということであります。  最後に、日本が取るべき戦略ということで、僣越ながら私の個人的な意見を申し上げさせていただきたいと思います。  私の提案は、昨年四月に発表させていただいた「水ビジネスの戦略とビジョン」という、この著書の方に七つの提言ということでまとめさせていただいております。時間の都合もございますので、本日は詳細は省略をさせていただきますので、御関心がある方は是非著書の方を御覧いただきたいんですけれども。  提案の基本は、日本国内においてPPPをもっと推進をして民間企業を育成すべきだということであります。そして、力を付けた民間企業がグローバルマーケットに事業展開をすべきだということであります。  短期的には、現在日本が進めているオールジャパン構想ですね、つまり事業運営者である市町村と民間企業、装置を造っている民間企業が一緒になって海外に事業展開をすると、このオールジャパン構想はやむを得ないというふうに思います。しかし、中長期的に見れば、やはり急がば回れで民間企業の育成に力を注ぐべきだというふうに思います。  具体的に、そのPPPを促進するための提言としては、現在、市町村が運営をしているその事業運営に対して、技術ばかりではなく財務的、経営的な視点からも第三者が評価を行って、一定の水準に達しない場合にはPPPを導入をして民間のノウハウを導入するということを義務付けていくといったことも必要ではないかと思います。そして、そうしたことを突き詰めていくと、規制をする主体、つまり規制主体と、事業を行う主体、事業主体は完全分離をした方がいいのではないかということであります。  水ビジネスというのは、冒頭申し上げましたが、非常に歴史が長く伝統的な産業であります。公共公益事業という特性もあって、事業環境が毎日、日々目まぐるしく変わるという産業ではありません。しかし、シンガポールが二〇〇〇年から取り組み始めて、今グローバルマーケットで存在感を示す企業が現れてきているという事実を鑑みましても、十年単位で見ると事業環境というのは大きく変わります。  したがいまして、水問題は食料問題、エネルギー問題などと併せまして、並びまして、二十一世紀最大の問題の一つであるわけです。この分野で日本が貢献できることというのはまだまだ多いというふうに思います。したがいまして、五年、十年後を見越して、中長期的視点から国家戦略を作っていく必要があるのではないかと思います。PPPの促進、それから第三者評価の導入、そして規制主体と事業主体の完全分離という点を御提案をさせていただいて、私の発表を締めくくりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。
  6. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 服部先生、ありがとうございました。  それでは、最後になりましたが、青山先生、よろしくお願いします。
  7. 青山周

    ○参考人(青山周君) 青山と申します。本日はありがとうございます。  それでは、早速、お時間ございますので、私の方からは中国の環境政策と水ビジネスということで、環境問題、井村先生御発表いただきました内容とちょっと若干ダブるかもしれませんが、そこは飛ばさせていただきながら、水ビジネスについてお話しさせていただきます。(資料映写)  まず最初に、中国のINGということで、今いろいろ変わっている状況を簡単に御説明させていただきます。  中国五つのトレンド、めくっていただきまして一枚目でございますが、中国の変化の五つの化と書いてありますが、工業化、情報化、都市化、市場化、国際化、こういうように中国の人たち自身が、これは胡錦濤さんが五年ほど前の党大会で述べたことなんですけれども、中国の現在の状況を認識していると。  この状況を、よく私が皆さんに御紹介させていただくことが多い映像をちょっと眺めさせていただきます。環境問題、水ビジネスとちょっと関係がないように見えるんですが、最初に、このお嬢さんが三人マイク片手にお話ししていると。次に、何かプラカード、その子たちのプラカードを持った子たちが、次のスライドですけれども、集まっていると。その次は、何やら数字のプラカードを持って、そのさっきのお嬢さんの二人がお話しして、隣のお嬢さんが拍手していると。  これ、実は先ほどの五つのINGを象徴する番組なんですけれども、二〇〇五年、ちょっと前になりますが、「超級女声」、スーパーガールという番組の一シーンなんです。この番組は中国のちょうど毛沢東の出身の湖南テレビというところが二〇〇五年にブレークさせた番組なんですけれども、一年間で日本円で一兆円の売上げがあったと、広告収入があったという番組です。  これ、五つの化の中で国際化、「アメリカンアイドル」という番組ですね、アメリカでは十年ぐらいもうやっております。シーズン、多分今十二だと思いますけれども、うちでも眺めています。ハリウッドに行ってスターになれますよと、先ほどまでそこにいた、レジで、例えばセブンイレブンで働いていたアルバイトの女性がテレビに出て一躍スターになれると。これの中国版。  都市の文化、歌手になれると。それも、歌手になれるのが、昔でしたら、私どもの年代ですと桜田淳子さんとか、昨日番組ありましたけれども、「スター誕生!」という番組で審査員がいて選ぶと。ところが、今は携帯電話で選ぶわけですね。先ほどのシーンで、このプラカードはちょうどその得票を表している。三百二十万票。お隣の子がちょうど三百三十五万票ですから、三人合わせて一千万票。言いにくいんですが、中国でまだ選挙でこれだけの得票を得た人はいません。という意味で、非常に市場化が進んでいるわけですね。  先にちょっと進ませていただきますと、これが中国の主要メディアの広告収入ということで、グラフにさせていただいていますが、ネットの収入がずっと伸びておりますが、テレビで現在時点で八百億元ですから、ちょうど日本円で一兆円ぐらい。一兆円の売上げというと、電通さん、もうそろそろ後ろ姿が見えてくるなというぐらいの広告の収入になっています。  インターネットの利用者、先ほど携帯電話で申し込みますよと、都市らしい文化の中で歌手を選べる、憧れて皆さん自分のアイドルを見付けて追っかけちゃうと。先ほどプラカードを持っていたのは追っかけなんですけれども、そんな都市化の現象の中で、みんな携帯電話を持って、それで一千万票ですね、一つの番組の間中に得票があると。こんな状況に中国はなっていまして、インターネットの利用者は五億人を超えていると、昨年の末ですね。携帯電話の利用者は八億人を超えていると。こんな状況の中で今中国は大きな変化に直面している。これ、やはり環境の問題とか水の問題、やはり身近な問題ですから、後ほどちょっとまたお話に出てくると思います。  駆け足で恐縮なんですが、次のスライドが、じゃ水の状況はというと、先ほど井村先生に御紹介いただいたように、一言で言うと水の需要は非常に伸びています。都市化が進んでいるということで、工業化も進んで、水は足らないぐらい、もう幾らあっても足らないというんですが、中国は残念ながら世界的に水がたくさんある国かというと、四分の一強ぐらいの水しかないと。それも井村先生のお話にあったように北の方は余りないと。さらに、汚染されていると。  つまり、飲める水、地表水と書いてありますけれども、お水は大きく分けて地面の上か下かなんですけれども、地面の上にある水は半分しか残念ながら飲めないと。地下はというと、ここに北京大学の調査書いてありますけれども、三分の二が飲まない方がいいねと、ちゃんと処理しないと飲めないなと。こういう状況の中に今水をどうしようかという状況が、中国の人たち自身にも、えっ、この水飲んで大丈夫かななんていうのがやっぱりちょっと気になる時代になりました。  その端的な例が、これ、今年、次のスライドなんですけれども、これ真ん中にXINHUAって英語のローマ字で書いてありますが、新華社が伝えている写真ですから、全然秘密でも何でもございません。中国人ならみんな見ている光景。これはどういう事件かというと、長江で、鎮江という下流の一つの町でどうやら韓国の船が何か化学薬品漏らしちゃったらしいんですね。それで、その事件が報じられた後、下流にある南通というところで、どうも水道の水が臭いぞということで、どうなったかというと、スーパーマーケットのお水が全部売れちゃったという、こんな事件です。  ですので、中国の水というものを、じゃ中国の消費者の皆さんはどう考えているかというと、水、もしかしたら危ないという意識が非常に浸透しているという一例でございます。  次なんですが、お手元の資料、次のページに行きますが、中国の構造と制度。  ちょっとだけ頭の片隅に入れていただきたいのが、中国というのは今すごい中央集権国家で、中央集権ですから、中央政府は一つ。で、その次の一級政府が省とか自治区とか直轄市というんですが、それが数が三十四。その次の県というのが三千余り。で、郷、鎮という末端の組織ということで、憲法で決められた四層構造になっています。  ページの関係で裾野が、底辺がこれぐらいで収まっていますが、これ、正確に表すともっともっと底辺が、すごく裾野の広い三角形になるわけですね。こんな構造になっていますので、上から言ったことを浸透するのも大変なんですが、下から上に上げるのが更に大変と。現場で起こっていることは中央でなかなか上がってこないと、こんな構図になっています。  その次のページが、政策空間ピラミッドといいます。  じゃ、世論の形成というのは、中国でもそれなりに世論というものがあるんですが、つまり、上は中央でお役所にいる人とか政治の指導者などという方々が政策をいろんな意味で決めていくと。それに専門家である人たちがオピニオンリーダーとして政策をつくっていくという図式はあるんですが、断層が幾つもありまして、これも非常に裾野が広くて、最後、サイレントマジョリティーというのは、農村地域はほとんど世論が形成されない空間でありますので、そこで非常に大きな断層があるという構造になっています。こうした状況をちょっとだけ頭の片隅に入れていただいて、これが中国の一つの癖なんだと。  もう一つ申し上げたいのは、じゃ、市場化しているねと、市場化している国なんだから、日本と制度同じじゃないかと。政府との関係、企業との関係同じかなというと、政府、市場、企業の関係がどうなっているかというと、これ、温家宝さんが言った言葉なんですが、皆さん聞いてください。政府主導、企業主体、市場が有効に駆動すると、こういうふうに言っているんですね。これは中国語のそのとおりなんですけれども。  これで、じゃ市場は、企業は何をやっていいか悪いかということ、皆さんお分かりになられますでしょうか。私自身、専門で勉強しているんですが、これ何言っているんだかよく分からない。先ほど服部先生がおっしゃったように、政府はルールを作らなくちゃならない、企業はその中でプレーしなくちゃならないという区別が、中国の場合まだ未熟で癒着構造にあるわけですね。特に政府主導の色彩が非常に中国の場合濃いと。で、市場の中で企業がやっていいこと悪いことということも日本とはまた違うと。そうすると、CSRという考え方がなかなか根付かないと。  例えば、一つ、一例だけ挙げますと、企業がお水を汚しちゃったと、排水を川に流しちゃったというときに、一生懸命それを回収作業をするのが大体地元の政府であって、企業が責任をなかなか負わないんです。こういう中で、市場化をきちんと進めてもらう必要が中国にある。それは、市場経済の国にとって、中国で企業が進出する場合ももちろん重要ですし、中国自身の発展にとっても、政府主導、企業主体、市場が有効駆動では、企業も市場も消費者の皆さんも正常に生活しづらいわけですね。その方向性を決めていただきたいというのが私の主張であります。  ここからが水ビジネスのお話になるんですけれども、先ほど申し上げましたように、都市化が非常に進んでおります。現在の都市人口は、十三億人余りの中国人口のうち、二〇一〇年時点で四七・五%、約半分で、毎年都市化率は一%ずつ増えているということですから、大体一千万人都市が毎年合計で一つずつできているという計算ですね。ただし、その都市には、北京市や上海市のような都市もあれば体力のない地方都市もたくさんあるということです。今、都市と認められているのは大体中国で六百六十あります。この六百六十が、私どものこの水ビジネスの対象となるクライアントになるというふうに言えると思います。  投資需要。都市化が進んでおります。工業化も進んでおりますので、一見、インフラ投資五百四十億ドル、同じじゃないかと書いてあるんですが、期間を見ますと、九一から十五年間、一方は二〇〇六年から二〇一〇年で五年間ということで、インフラの投資総額が、これ世銀が挙げている数字なんですけれども、非常に、三倍に増えていると。  こうした中、じゃ、中国でネックは何かと。これ、結論となることを先に申し上げますが、一九九四年の税制改革で、中央が地方に与えた税の権限を吸収して、上が召し上げたおかげで地方政府が非常に財政が圧迫されております。財政力が低下していると。こうした中で、財政力が低下した人たちを一般的に相手に仕事をしなければならない。上海市、北京市はいいです、大企業や外国の企業もいっぱい集まってきて、土地の価格も上がって、土地から上がっている収益であるとか企業から出てくる法人税収があるんですけれども、そうしたものがないところにどうやって水ビジネスで浸透させていくかというと、どうしても相手が、体力がないところを相手にしなければならないと、こういう問題があります。  じゃ、水の価格は税金じゃなくて水自身で賄えばいいじゃないかということなんですが、中国では、中国の法律で価格法というのがありまして、価格法によって公共料金については、水の場合はそうなんですけれども、地方政府が公聴会を開いた上で価格を決定するという、非常に上昇を抑えてしまう。公共料金なので、社会主義の国だから貧しい人たちもいるからなるべく抑えちゃおう、抑えちゃおう。だけど、中央政府、温家宝さんはしきりに、今年二月の常務会議でも言っていますけれども、水価格を改革しよう、改革しようと言っている。改革しようというのに値上げしないのかというのが専門家の意見でございます。  スライド、次でございます。  では、その制度改革なんですけれども、ここに書いてあることで重要なのは、二〇〇二年、二〇〇四年と書いてあります、特許経営という言葉が出ておりますけれども、ちょうど日本も二〇〇二年に水道法を改正して水道事業への民間の参入を認める動きがあったのとちょうど同時並行的に、二〇〇二年、中国では中央レベルで、今まで水事業については地方政府がやっていたんだけれども、民間に開放してもいいんじゃないかというような決定がなされ、それに基づく管理弁法、法律がその後、法制化されていったという歴史をたどっております。  次のスライドでございますが、水ビジネスの概要。  ここは、財産権と経営権の分離。つまり、これからは水、水道事業というのは、下水道も含めまして、インフラ建設業じゃなくてサービス業として相手の市政府なり、あるいはそれを享受される水道利用者に対してサービスをしていくんだという方向性は業界や関係者の間ではかなりシェアされてきているんですが、ただ、ちょっとまだら模様であります。  こちらに参ります前に中国の統計法をちょっと眺めさせていただきましたが、中国の工業における産業分類の中に、三十九番目の業種として水事業が入っています。ということは、中国において、統計分野においてはいまだに水事業は工業の範疇にあると。ここら辺辺りが中国として、中央政府の中でもまだまだちょっと中途半端な位置付けなのかなというふうに考えています。  特許経営の登場は先ほど申し上げたとおりです。ただし、いろんな面で、服部先生がおっしゃったように、中途半端なところにある。顧客は地方政府ですよと、価格設定も地方政府がやるんですけれども、どこまでどういう形で参入が認められるのか、あるいはどれぐらいのことを公的機関が、例えば水源をきちんと確保するとか水源の水質を確保するとか、そうした役割分担するというところがまだまだ不鮮明なところがあるというふうに考えています。  次は、先ほど申し上げた五年ぐらい前に世銀がまとめた資料。  役所、当然、水、上水、下水ございますので、ちょっと中国語で恐縮なんですけど、衛生部であるとか建設部、建設部は最近、都市建設などちょっと名前が変わりましたけれども、環境保護部、水利部といったところで、もし工業に水道事業が入るということであれば工業信息化部といったところも中央政府の中では役割が求められているということで、多岐にわたる分野というふうに言えると思います。  次でございますけれども、水ビジネスの分野でございます。  これは上水、下水ございますけれども、例えば、やはり需要は増えておりますので、例で挙げております膜、日本も得意な分野でございますが、東レなど、中国でも売上げを伸ばしているという分野でございます。二〇一一年の売上げは四十九億元ということで、前年比三五%の伸びということで、やはり水の事業そのものは非常に伸びてきているということが言えると思います。  駆け足で恐縮です。二〇一一年度十大水企業と。  中国では、既に水企業の人たちが業界団体をつくって勉強会をしています。水網というサイトがあるんですけれども、そこで、毎年春になると、一月、二月に発表されて三月に大きなフォーラムを、みんな業界仲間で意見交換をするという、ネットワークを築こうという会議も開かれておりますけれども、そこで毎年発表される水の総合的な企業のランキング十社、中に、先ほどお話があったような中国とフランスとの合弁企業であるとかヴェオリアさんであるとかという外国の企業も入っている。これ、経済産業省などは、水のチームをつくって、できればここに、十大企業の中に日本の企業も入ってもらおうということで日夜苦労をされているというふうに理解しております。  次、じゃ、水ビジネスの、水企業全体の状況なんですけれども、世銀さんのレポートを出された時期、五年前ですけれども、その時点で六百六十都市に千社以上、最近のデータでも三千社ということで、需要が増えている分非常に多いんですが、まだまだ地方分断的で小さいところが多いと。最大手でも五年前で市場シェアがまだ三%と。まだ成長途上の時期なのかなということが言えると思います。データなど不足しているということも指摘されております。  次が(七)でございますが、水ビジネス業界の発展イメージという、これは世銀さんが二〇〇八年にまとめたもので、なるべく質を向上させたいというイメージを描いたものでございます。  次、めくっていただきまして、水ビジネスに期待される分野、環境保護であるとか健康向上であるとか安全な水が飲めるとかいろいろ書いてございます。  ここはちょっと飛ばさせていただきまして、九番、今後の方向としては、政府の管理であるとか企業としての財務内容の持続可能性とかという課題をクリアできれば、大いに中国でも水ビジネス、内外問わず、日本の企業を問わず発展するチャンスはあるというふうに思います。  (十)ですけれども、だんだんまとめに入りますが、水企業、中国において取り巻く環境は、まず、上水サービスをしたくても水が汚れていてなかなか使える水がないという水源汚染。それから、供給しようと思っても遅れた施設。水質基準は、そう言いながら、先ほどのこのミネラルウオーターの買占めではございませんけれども、住民の皆さんの不安を解消するために基準はどんどん強化しているということで、言わば企業としては板挟みの状況の中で取り組んでいかなければならないという状況です。  じゃ、日本の企業のチャンスということでまとめさせていただいておりますけれども、水企業として参入するチャンスももちろんございますし、現地企業や外資系企業と一緒にアライアンスを組むというふうなことも考えられます。  駆け足で済みません。時間が迫っております。  中国市場参入に向けてということで、まず一つは、重要なこと、中国のやはり参入すべき分野、あるいは中国全体の制度、政策に対する理解度の向上というのが非常に必要になると。特に今年は、中国の政権も動く年でございますので、どういった方向に動くのかなと。国有企業を優遇するのか民間企業を奨励するのか、そうしたところも一つ気になるところでございます。  それから、事業環境整備に向けた政策対話。日本政府としては、中国政府と各分野のいろんな政策対話があるんですけど、この分野も有望事業でありますので、大いに政策対話をしていただきたい。  その中で、中国の俗言なんですが、一流企業は標準を売って、二流企業はブランドを売って、三流企業は技術を売って、四流企業は製品を売るということがあるんですけれども、うまい形で中国の標準づくり、制度づくりに関与していくことが非常に、言いにくいんですが近道なのかなと。  そうした中で、お互いの資金協力、ODA、できれば円借款、駄目でもJBICのアンタイドローンとかJICAの投融資とかいうものを対中適用するということが重要かなと。システムを海外に売る場合、インフラを海外に売るというときに中国も範疇に入れてみるべきじゃないかなと。  特にこの水ビジネスの場合、六百六十の今ある都市には、地方政府ということで、中央には潤沢な資金があるんですが、地方政府には潤沢な資金がない場合が多いということで、日本の制度金融が大いに活用されるチャンスはまだまだあるんじゃないかなというふうに見ています。中央政府にお金貸すんじゃないと、中国の中央政府は保証してくれればいいと。困っている地方政府を助けるんだ、だからお金を貸してあげますという仕事のスタイルも一つあるのかなと思っています。  それから、日本企業については参入のために今からどんどん広告をしていく必要があるんじゃないかなということで、御紹介しますのが、日中グリーンエキスポといいますエコプロダクツ展を中国に展開してしまおうということで、毎年一回は、日本の企業、NGOの皆さん、自治体の方ももちろんなんですけれども、集まって、中国に行って、日本の環境すばらしいよと、日本の環境対応すばらしいよということを大いに中国に発信していくべきじゃないかなということで、去年の六月五日の世界環境デーに合わせて開催させていただきました。オープニングの写真、うちの会長とかも写っておりますが、唐家センさんも駆け付けてくれて、会場をみんなで眺めていただいたということで、展示会の、展示の風景なども載せさせていただいておりますけれども、二万人の方々が一回目やってきてくださったということで、今年は九月に上海で開催するという予定でございます。  いろいろあるんですけれども、熊本のラーメン屋さんの味千拉麺が中国で全国展開しているような世の中でございますので、まだまだ日本の企業の方々、日本人の方々の能力は中国において生かせる分野はたくさんあると、頑張れ日本ということを、日本人頑張れと言いたい気持ちでいっぱいでございます。  以上で説明を終わらせていただきます。
  8. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました、青山先生。  それでは、皆さんから質疑を受けたいと思いますが、従来と同じように、まず一回目は質問者の具体名を定めずに、まず各会派一名ずつ指名させていただきまして、その後は会派にかかわらず発言できるように整理してまいりたいと思います。  質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。  質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の御発言は三分程度となるように、また、その都度答弁者を明示していただきますよう御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方、お受けいたします。どうぞ。  加藤先生。
  9. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  まず、井村参考人、それから服部参考人、青山参考人、大変ありがとうございます。  まず、井村参考人にお尋ねしますけれども、水質汚染の問題が当然中国においてもあるわけでありますけれども、日本には合併浄化槽というユニークな技術が典型的にあるわけで、この生物処理に対して浄水を行うと。維持管理技術が当然ポイントでありますけれども、こういう合併浄化槽の国際基準規格化、こういうことを急いで国際競争力を強化拡充することが大事だと思っていますが、この点どうお考えかと。  それから二点目ですけれども、同じく井村参考人ですけれども、CO2だけが環境への影響を測ってよいのかと。カーボンフットプリントというのがありますけれども、水はやはり当然無限でありませんので、こういった面についてどう考えるか。  例えば、国連開発計画、UNDPは、水不足に直面する人口は二〇五〇年で十億人というふうに言っていて、これは省エネじゃなくて省水、水をいかに使用量を削減するかということで、ウオーターフットプリント、例えば牛乳一リットルつくるのに水が十トンとか、牛肉一キログラムつくるのに水十六トンとか、こういうウオーターフットプリントがあるわけでありますけれども、EU、欧州はこういうフットプリントの関係で十四項目ぐらい考えているんですね。これは恐らく将来ISOの基準になる可能性も決してなくはないと。これに対してどう日本が対応するかということを急ぐ必要があるのではないかなと思いますが、この辺どう思いますかと。  最後に、服部参考人にお聞きしたいんですけれども、PPPの関係は極めて重要な視点だと思っておりますが、国内外でこういうことを進めていくということが重要であると私も思います。  それで、参考人は、まず国内で推進し、民間企業の育成を先行させるべきだというふうにおっしゃったわけでありますけれども、このPPPを国内で促進させる上では、阻害条件って、阻害要件というんですかね、そういうのはあると思うんです。これ、どうやって資金を集めるかというのが当然ありますし、それから、投資をするのは、これ慈善事業で投資するわけじゃありませんから、アトラクティブな投資でないとなかなか難しいと。結果としてどうやって資金を集めるかというところにつながってくるんですけれども、参考人は規制主体と事業主体の分離ということも大事だというお話があったように思いますし、シンガポールの例を出して、いわゆる民間企業が台頭してきたということで、これは恐らくシンガポールの国家の考え方として水と安全保障上の問題であるということで相当力を入れたということだと思うんですけれども、PPPを本当に実効的にするためにはどうしたらいいのか。これは私も悩んでいる点で、国内でやっていく場合の阻害要件、そういった面についてはどうお考えか。  以上、三点お願いいたします。
  10. 井村秀文

    ○参考人(井村秀文君) 二点御質問を受けたかと思います。  一つは、合併浄化槽など、これは日本では、田舎では結構普及しているんですが、これの特に標準化というようなことも含めてどうかということですが、中国においても、ほとんど下水道というのは大都市ほど有利なのでして、しかし中国は非常に広大な地域に非常にたくさんの農村がありますので、そこまでいくとなれば合併浄化槽というのは非常に重大な選択肢だと思います。  絶対やらなきゃいけないんですが、今のところ中国では、今お話がありましたように、結構民間企業でやっているところが増えてきて、資本力もあるところはあるんですが、ほとんどそういうところは都市の下水道とかの方へ向かっていて、そういう田舎の合併浄化槽みたいな小さいところになかなかまだいっていないというのが現状かと思います。つまり、そういうところに適用できるモデルというのはやっぱり次の段階かなと思います。というのは、やっぱり経済の発展段階に応じて、まず都市で下水道をやって、それからという感じなんですね。日本でもそういうところがあったかと思います。  それから、スタンダードについては、やっぱり中国も北から南まで結構地域差があるので、寒いところから暖かいところまで。しかし、生物処理についても、それぞれちょっとずつは技術が違うので、何か一律にできるということは、寒いところのやつが暑いところでできるかというと、なかなかそうじゃなかったり、そういうところが非常に難しいところで、やっぱりその地域地域に応じてちょっといろいろきめ細かくやっていかなくちゃいけないなと、そんな現状かと思います。だから、何か日本のものをいきなり持っていってそこで使ったらすぐにできるというような、そういうところがちょっと難しいのかなというふうに思っています。  それから、二番目の水のフットプリントについては、全くそのとおりかと私も思っております。水がないところで無理に何かつくるということは、水という形じゃなくて、実は別のところでエネルギーをたくさん使ったりしますので、それはカーボンのフットプリントも実は多くなっているということもございます。  それから、水自身が非常に貴重な資源ですので、言われたように、EUとかあるいは国連なんかでも水のフットプリントを勘定すると。それから、製品の環境の優しさ度をそういうもので評価するという動きもISOなどのスタンダードの中でも検討されていると聞いていますので、先生の言われたような方向でこれからのいろんな議論がされていくのではないかと思っております。
  11. 服部聡之

    参考人(服部聡之君) 御質問いただきましてありがとうございます。  非常に重要な問題でして、PPPを推進するための阻害要因に対してどうすべきかというようなことと資金の問題をどうすべきかと、この二点を御質問いただいたというふうに理解します。  阻害要因といいますか、PPPを促進するための法改正というのは日本は十分行われてきたと思うんですね。例えば、PFI法の導入、これは一九九九年、それから水道法の改正、二〇〇二年、あるいは市場化テスト、それから指定管理者制度の導入、指定管理者制度ですね。こういった形のその規制というのは、いわゆる規制緩和であるというふうに思います。つまり、こういうことをしていいですよという形の緩和型の、まあ太陽政策といいますか、こういうことをすると財政上いいですよと、有利になりますのでしてはどうですかということだと思います。このやり方でPPPが進まないことは、十年たって分かったわけですね。進まない理由は何かというと、私は二つあると思います。  一つは、地方自治体の仕事に対して、この水道事業に対してのモラールが非常に高い。何としてでも自分たちの手でやらなければいけないというこの強い責任感ですね。これが一つです。もう一つは、やはり雇用の問題というのがどうしてもそこに絡んでしまう。つまり、民間に委託をすることによって、民間の仕事はできるけれども公共としての仕事がなくってしまうのではないかと、こういう両方の側面があります。  地方自治体の方の高い責任感というのは、終身雇用制を前提にしてそういう中で培われたものなので、これは別の議論として分割することはできないと思うんですけれども、相互に関連する問題として、プラスの側面、責任感の側面と、雇用の問題というマイナスの側面があって、結局、規制緩和型の手法ではPPPは促進どうもしていかない、限界があるということだと思うんですね。  そこで、私が先ほど提案を差し上げたのは、第三者が一定の基準で評価をして、これは技術ばかりではなくて、財務、経営の観点から評価をして、一定の水準に達しない場合には強制的にPPPを導入しなさいと、こういう、ちょっと言葉はきついかもしれませんけれども、北風政策といいますか、強く背中を押してあげることが必要だというふうに思います。これは法制度の問題です。  それから、二点目の資金の問題ですけれども、これは確かに重要な問題でして、今、産業革新機構さんが、PPPを促進するということではないんですけれども、日本企業は出遅れ感がありますので、時間を買うということでMアンドA、海外に対して、事業を行っている企業に対して出資をする際の資金援助を一部するということで、具体的にはオーストラリアでのユナイテッドユーティリティー、これはイギリス民営化会社オーストラリアで事業を始めた会社ですけれども、ここを一昨年ですか、三菱商事さんを始め産業革新機構などが買収をしたというようなやり方ですね。チリでも同じような案件、丸紅さんが出資をした、それに産業革新機構が資金援助をしたというような形であると思いますので、これは時限立法といいますか、期限付の活動だと思いますけれども、こういうものを延長することは日本企業の背中を押す、後押しをするという意味で重要な問題だ、政策だというふうに思います。  以上です。
  12. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 服部先生、ありがとうございました。  では、質問お受けします。  舟山さん。
  13. 舟山康江

    ○舟山康江君 民主党の舟山でございます。今日はありがとうございました。  それぞれの皆様のお話の中で、非常に水の偏在が問題、水が足りない、絶対的に足りないという部分と、非常に偏在していると、偏在しているというお話がございました。それを解消する一つとして、例えば三峡ダムを造ったりとか、あとは、これ南水北調というんでしょうか、南から北に水を引くような事業もされているかと思いますけれども、やはり総合的な水の調整、大きなところは国が、中央政府がやっているのかなと思っております。  そういう中で、大きなプロジェクト、南水北調などのプロジェクトの成果がどれぐらい今上がっているのか、どれだけ偏在化に対して貢献をしているのかという点につきまして、井村参考人にお伺いしたいと思います。  それから、非常にこれだけ広い国土であって、やはり多分日本に比べれば水の絶対量が少ないという中で、本当に水利用の調整は非常に難しい問題なのかなと思っています。ここはやはり公の役割が非常に大きいわけであって、かといって中央政府が全部できるわけではないと。中央政府とその下のレベルの省、自治区の役割、それからその更に下の地域の役割というところがどういう役割分担になっているのか、その辺、お分かりになれば、服部参考人でしょうか、教えていただければと思っております。  そしてもう一つ、私もやっぱり民間の力を利用する、民間の能力を最大限活用するというのはそのとおりだと思いますけれども、一方で、水というのは、非常にこれ、ビジネスとしてやる必要もある一方で、命の水とも言われますけれども、ビジネスで割り切れない、もうかるからとかではなくて、やはり必要最低限きちんと供給していかなければいけない性質のものかなとも思っているんです。  そういう中で、日本では、もう水道事業というのは自治体が責任を持って今やっているというような状況ですけれども、こういう、中国などは本当に問題をたくさん抱えているからこそ、やはり今のお答えでもありましたけれども、やはり公、民間の、官民連携なんかの手法を利用しながらもやっぱり公がリードをしていかなきゃいけない部分が非常に多いのではないかなと私も思っておりまして、そういう中で、日本のその技術協力というのはやはり向こうの公的レベルとの連携の中でやっていくことになるのかななんて思っているんですけれども、その辺につきまして青山参考人にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
  14. 井村秀文

    ○参考人(井村秀文君) まず、中国全体の水の行政なんですが、御存じのとおり、黄河とか長江等あります。例えば、黄河の流域というのは、面積でいうと多分日本の、全国の二倍ぐらいあるし、人口も一億人を超すというぐらいのところです。そこが、大きな川が、いろんな支流が入り込んだ上で最後一本になって東シナ海に行くんですよね。そこの一本の川に一億人以上の人間が依存していると、非常にそういうところです。  したがって、中国では水利委員会というものをつくっていまして、黄河には黄河水利委員会というのがあります。これは国の機関なんです。日本だと川というのは建設省がいろいろやっているんだけれども、まあ建設省は一応川ごとに管理事務所を置いていますけど、中国というのは、黄河という単位の、流域という単位で水利委員会というものをつくって管理しているんです。だから、長江には長江水利委員会というものがある。これは国の機関です。  だから、そこには幾つもの省があります。ですから、今度はその水の配分はその水利委員会で、これは国ですが、各省ごとに、おまえのところはこれだけの水を使っていいぞと、言わば水利権のようなものを配分してきたんですね。だけど、これはもう随分前に決められた配分枠があって、しかし経済の発展に応じてその後本当の必要量は変わってきているんだけど、やっぱり日本の水利権と同じで、一回、既得権ですから、我が省はこれだけ、何億トン使うぞと言うと、なかなか手放さないわけですね。だから、これをどうやって調整するかと、これが非常に難しくて、黄河でもなかなかそれができないという状況です。したがって、今試験的に言われていますのは、それならお金使って解決するかと。ですから、水が使うところは、欲しければ、もし下流が水欲しければ上流にお金渡してそれで少し節水でもしてもらおうと、そんなようなことも今検討されています。いずれにしても、これは全部国で管理しているということです。  それから、南水北調とか三峡ダムも、これ国の大事業です。南水北調についてとか、これらの評価は非常に難しいかと思います。ただ、中国政府の公式的な見解ではいずれも成功ということですが、南水北調については、中線という真ん中の線は、北京に水をとにかくオリンピックに間に合うように送るという使命は一応果たしていると。東の方のもうちょっと山東半島の方に送るものは今建設中なんですけど、ここでは長江の、いわゆる揚子江の下流の方の水を送るんですね。下流の水というのは汚れています。もう一番汚れた水を北の方に送るわけですから、もらう方は汚れた水をもらうことになるわけですね。しかも、途中に結構いろいろ湖がありまして、その辺の湖も既に汚れていると。だから、もう何か汚れた水をもらうんじゃ困るなという。今完成している真ん中の線は割と上流の水なので、まあそんなに汚れていない水を北京とかに送っているんです。そういうことで、まだちょっと評価はもう一つ待たないといけないかなと。  それから、三峡ダムについては、当初はこれ、水利だけじゃなくて水力発電が大きな目的だったわけですね。したがって、大きな水力発電なんですけれども、一九九〇年代の初めに想定した需要よりかは電力需要がもう圧倒的に増えていますので、非常に巨大な水力発電所ではあるんですけれども、中国全体の電力需要の伸びに比べるとどれぐらいの効果があったかと。それに比べて、大きく失われた例えば歴史的なものとか、それから何百万人もの人が移転しなきゃいけなかったことというのをどう総合的に評価するというのは、これはかなり後世の判断に待たないといけないんじゃないかなと、そういうふうに思っております。  以上です。
  15. 服部聡之

    ○参考人(服部聡之君) 御質問いただきましてありがとうございます。  私への御質問は中央省庁と地方政府の役割というようなことだったと思うんですけれども、井村先生今お答えいただいた中に重複していますので、中国のことに関してですね、日本も同じように、日本のことについてちょっとお話をしたいのと、青山先生に対して御質問なされたビジネスとしてこの水ビジネスをとらえていいのかというようなことに関して、私、先ほどPPP促進ということで御提案しましたので、こちらの方もちょっとお答えさせていただいてよろしいでしょうかね。
  16. 舟山康江

    舟山康江君 はい、どうぞ。
  17. 服部聡之

    ○参考人(服部聡之君) 中央政府と地方政府の役割というのは、日本の場合、御存じのとおり、国が水道法、それから下水道法を作って、その実施主体が地方自治体、市町村にあると。で、市町村をまたがるその広域的な流域、下水道ですとかそういうものに関しては、あるいは水資源の開発、これは都道府県が行っているということで、この構造というのは中国も同じようなものだというふうに思います。  その水をビジネスとしてとらえることのモラール観、倫理観の問題、これを議論し出すと何日あっても足りない問題ですので、短時間でお答えするのは非常に難しいと思うんですけれども、一つだけ申し上げなければいけないのは、これは民間がやろうが公共がやろうが、公益事業であることには変わりないんですね。公共の利益のために行う事業であると。したがって、安易な参入や撤退、あるいは不法なといいますか、適切でないもうけを織り込むというような考え方というのは徹底して排除されるべきだというふうに思います。  ですから、金もうけのツールというふうに考えてはこれはいけないわけですね。あくまで公益事業として、公共の利益のために運営をしているんだと。事業の運営の仕方は、公共が行うか、民間が行うか、いずれにしても、公的な機関が規制強化をする必要がある、しっかり監視をする必要があるというのが基本的な私のスタンスです。  それで、その上で、公共と民間の役割ですけれども、公共が行うべき本来的な姿といいますか、一番重要な仕事は規制だと、監督だというふうに思います。事業運営に関しては、諸外国に見られる、特に先進国に見られるように、民間が行うことも十分可能であると。特に、日本の高い倫理観、職業倫理観を持ってすれば、諸外国でできないことも日本であればできるというふうに思います。その上で、公共が関与をして、しっかりと監視をしていくということが重要ではないかというふうに思います。  以上です。
  18. 青山周

    ○参考人(青山周君) 舟山先生、ありがとうございます。  中国で、もうもちろん水は非常に関心が先ほども申し上げたとおり強いわけでありまして、住民の方々の不安であるとか、高まっているわけですね。政府がやるべき仕事ということもございます。その中で、服部先生がおっしゃっていたように、効率性を求めなければならないという課題を抱えているのは中国も同じ状況。  ただ、中国の状況、先ほども申し上げた四層構造になっておりまして、中国、おかしな話でございますが、中央政府は省長さん、日本でいう知事に対して、知事は市長さんに対して、一つ上が一つ下をどういう形でコントロールするかというと、一年に一回、採点するんですね。まさに百点満点の中で、あなた省エネはこれだけやりましたかということで点数を付けるんです。中国は大学を卒業しても大学生みたいなもので、中央の国家指導者にならない限りずっと成績が付いて回るという、こういう形でコントロールしています。  ですので、非常に重要なことは、中国の中央政府あるいは地方政府と具体的に官同士でお話ししていただくというのは非常に重要です。中国政府もいろいろ悩んでいる、地方政府も悩んでいます。その中で官としての制度論とかしていただく。特に、服部先生が挙げられたこの日本の取るべき戦略という項目は、いずれも日本の水ビジネスが例えば中国に参入する場合、重要な問題を抱えておりますので、政策的な対話、政策対話が非常に重要になります。  日本と中国との間では、一番レベルの高い政策対話では日中ハイレベル経済対話がございます。こうした分野、あるいは各省庁でやっているもの、特に経済産業省がやっております環境分野、省エネ分野では、省エネルギー・環境総合フォーラムというのをもう既に六回、毎年開いて、経済産業省の方々、政府の方含めて、発展改革委員会であるとか企業の関係者も集まって毎年千人単位で交流していますので、これの水版ができないのかなというのは、非常に、それは中国にとってもニーズがある、高いことだと思っております。  それからもう一つ、やはり提起されますのは、環境省が十数年前に、九〇年代におやりになられました三つのモデル都市、この経験が非常に重要でございます。あの重慶であるとか貴陽であるとか。協力する前と後とではどういうふうに変わったかということをモデル的に行う、これを水分野でできないんだろうかと。  特に、先ほど申し上げましたように、現場の地方政府は格差が広がっております。上海のように高層ビルが三千も四千もあるようなところもあれば、地方政府に行くと、お金がないので水道が良くできないと、水道管も替えられない、水源も確保できないというようなところもございます。そこを資金的な協力も含めてモデル的に扱っていただいて、それを普及していい参考例にできないのかなということは日々考えているところでございます。  特に政策的な対話で重要なのは、私ども企業、経済界の方、企業でなかなか分からないことで、中国は計画経済でございますので、様々な国レベル、省レベル、市レベルで建設プロジェクトの案件を抱えているんですが、それを野方図に情報公開できませんので、政策的な対話を通じて、こういうビジネスあるよと、こういう建設計画あるよと、こういうやり方でやったらどうかと先方が相談をしてきて初めて分かります。これで日本の協力得られないだろうかというときに、それについてはこういう協力の仕方があるとか、こういう日本の企業で技術を持っているところがあるとか、こういうシステムが考えられますよという助言をしながら中国の産業や政策を望ましい方向に向けていくというのは、一つ水の分野、産業だけでなく、日本と中国との経済関係においても、ほかの社会分野においても、非常に重要な影響力を持つ政策じゃないかというふうに考えております。
  19. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  では、質問を受けます。  紙さん。
  20. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。  最初に、服部参考人にお聞きします。  ヴェオリア・ウォーター・ジャパンの役員をされておられるということで水戦略は詳しいと思うんですけれども、それで、この資料の中で、ヴェオリア・ウォーターが中国に進出をして、三千万人の中国市民にサービスを提供し、従業員数は九千人を超えると三十六ページに書いてあります。それで、ヴェオリア・ウォーターが海外展開するメリットというのはどういうことなのかということが一つと、それからもう一つは、中国で合弁形態という制約があると書かれているんですけれども、この規制についてどのようにお考えなのかということを教えていただきたいと思います。  それから、井村参考人には、中国の環境問題、今何が起こっているかというのが書かれてありますけれども、いわゆる水ビジネス、特に下水道の整備について、建設に必要な膨大な資金を調達するために、民間企業が建設をして、一定期間営業して利益を得た後に政府に移管するというビルド・オペレート・アンド・トランスファーという方式も今後現実化しそうだというふうにあります。それで、一定期間営業して利益を得た後というふうに書いているんですけれども、この利益を得るのにどのぐらいというか、何年掛かるのかとか、そういう、どういうイメージなのかということを教えていただきたいと。  それから最後は、青山参考人には、「中国の環境政策と環境ビジネス」というところがありますけれども、新成長戦略を踏まえてこれから十年間に日中両国合わせて百兆円を超える新しい市場が創出される、四十一ページに書いてありますよね。この水ビジネスなどのパッケージ型インフラ海外展開ということで、アジア新興国で急成長する需要を日本が取り込むことで日本が成長することができると言われているんですけれども、そうすると、百兆円を超える市場が生まれたとして、日本の成長がどの程度期待できるのか、日本の内需というのはどの程度増えるというふうに予想されているのか、お考えを聞きたいと思います。
  21. 服部聡之

    参考人(服部聡之君) 一点誤解があるといけませんので補足させていただきたいと思うんですけれども、まず御質問は、ヴェオリア・ウォーターがグローバル戦略展開をするメリットは何かということと、資料の中にあった、著書の中にあった合併、外資としての制約は中国において何かということだと思うんですけれども、御質問の冒頭にあったヴェオリア・ウォーターの役員は現在しておりませんので、ヴェオリア・ウォーターとは一切業務的な関係はございませんので、その点は御留意をいただきたいと思います。今はむしろ日本企業がいかにして海外に進出できるかという立場で活動させていただいておりますので、誤解がないようにお願いしたいと思います。  その上で、ヴェオリア・ウォーターがグローバル戦略展開をするメリットについてですけれども、私はヴェオリア離れておりますのでヴェオリアの極秘事項というのはお話し当然できないわけですけれども、一般的に、企業活動ですので、特に水ビジネスの場合には、水事業の場合には、水を安定して供給する、それから衛生上きれいな水をつくっていくというのが社会的な使命なんですね。これを自国内でも行いますし、フランスでも行いますし、その技術やノウハウが使えるところがあるならば、ニーズがあれば、そこに応じて自らのサービスを提供していくというのが、これが企業活動のあるべき姿であろうというふうに思います。  ですから、グローバル展開をするメリットというよりかは使命感でやっていると、企業活動の一環として当然あるべき姿で活動しているというふうに思います。これはフランス企業であっても日本のトヨタ、ホンダであっても同じだというふうに思います。  それから、中国で事業をしていく上での外資に対する規制というのはかなり緩くなってきていると思いますけれども、これは青山先生が更に詳しく御説明いただけるんじゃないかと思いますけれども、水道事業でいきますと、その管網の部分に関しては外資単独というのが、浄水場、水をつくるという部分と、配る、配水をする管網、二つありますけれども、この管網の部分に関しては外国資本が単独で運営管理をするということはできないというふうに思います。  ですから、あくまでも浄水場、水をつくるところは外国資本、あるいは水をきれいにするという下水道、この本体は外国資本でも単独でできると思いますけれども、一般の市民の方に対しての給水をする場合には地元の企業と合弁企業をつくる、合資をつくるという形でしか事業はできないというふうに理解しております。  私の方は以上です。
  22. 井村秀文

    ○参考人(井村秀文君) 御質問にお答えします。  まず、議論のときに、まず上水道と下水道と、同じ水道なんですが、かなり違うということをまず御理解いただく必要があると思います。水道は飲み水で絶対必要ですから、これはお金を出してもとにかく欲しいということになります。下水道は下手すると垂れ流しでもう済んじゃうので、かなり政府が厳しく、あるいは人々が水をきれいに、川をきれいにしようと、環境をきれいにしようという意欲とか、それから規制とかをきちっとやらないと、なかなか下水道の整備には行かないということです。  いずれにしても、上水道にしても下水道にしても建設にはお金が掛かります。それから、そこから収入の方法としては利用料金を取るわけですが、上水道の利用料金は取りやすいんですけれども、下水道となるとなかなかその料金で回収することが非常に難しいです。  したがって、例えば建設してトランスファーするという、BOTという方式で、民間が造って、ある程度民間で運営して、民間が利益が回収できたら政府にまた譲り渡すというような方式もあるんですが、そのための、それが成り立つための利益回収の年数ということについてはいろいろなところで検討されていますが、水道であれば短ければ十年とか長くても二十年、三十年で大体回収されます。これはいろんなケーススタディーがあって、大体そういうことで十分ビジネスになると。ところが、下水道となるとなかなかそううまくはいきません。したがって、本来ならば日本でも自治体で上水道、下水道は全然違うところでやっているんですが、本当ならば上水道と下水道を一体にしてやった方がいいわけです。  それから、もっと言うと電力とかガスのような公共サービスを全部一体にして、そういうユーティリティを一つにして、その料金をうまく合わせて全体の中で回収するというような方式が実はもっと効率的でございまして、日本などは都市の発展に応じてまず水道を造り、電気、ガス、そして最後に下水道と。できないところは合併浄化槽と、こんなような格好できたのでばらばらなんですね。中国なんかのは新しいモデルとしてでは、逆に新規に造る都市においては一気に上水も下水も電力もガスもインフラも一遍にやりますので、そういうところにはむしろ斬新なモデルが提案されております。非常に注目に値するかと実は思っております。  それから、中国においては、下水道においてなぜ民間活力が必要かというのは、造ったけれども、とにかく中国の技術で結構造ったんですね。だけど、運営管理の方がどうもうまくいかないと。それはいろんな理由があるんですが、技術そのものが未熟ということもあるけれども、運転管理の技術が未熟であると。そんなところで、そういう技術の豊富な例えば日本の、あるいは外国の企業が入ってきてその運営管理の方をしっかりやってくれないかと、こういう期待もあるわけです。ですから、それは運営の方だけを委託すると、こういうビジネスの形態もあると。これは非常に多様でございます、そういう意味で。全部やるのもあれば、一部だけ委託、民間の技術のあるところに頼ろうと。  いずれにしても、中国自身が力を付ければ自分の国内の多分技術でカバーできるし、そこにはやっぱり膨大な、装置だけでも膨大な需要があるし、そういう運営、維持管理の業務も、もし民間であればすばらしい、すごいマーケットがあることは確かだと思います。ただ、これを伝統的な政府がやるというやり方とどうバランスさせるか、これはこれから検討していろんなやり方が、アイデアが出てくるんじゃないかなと思っております。
  23. 青山周

    ○参考人(青山周君) 紙先生、どうもありがとうございます。  百兆円の数字なんですが、済みません、ちょっとデータここに持っていなくて、うろ覚えで恐縮でございますが、さきの財政諮問会議で環境ビジネスの将来予測をされた数字がかつてございまして、その数字が私の記憶では四十数兆円、二〇二〇年に成長が期待されるという数字を算出していたと思います。  私の見るところ、第十一次五か年計画における環境ビジネス、環境産業ですね、環境保護産業、それに省エネルギー、新エネルギーを加えるとその成長スピードが非常に大きくて、日本の成長している姿とほとんど肩を並べるのが恐らく、専門家同士で議論していたところでは二〇二〇年ぐらいに市場規模として位置するのではないかというふうに見ました。ということで、両国合わせると、ちょっと乱暴な数字だったんですが百兆円規模ぐらいに、例えば風力発電なども含めた形で広い意味での環境ビジネスということで算出してみた数字でございます。  それからちょっと補足でございますが、先ほど服部先生からお話があった中国のジョイベン規制なんですけれども、中国は、WTOに二〇〇二年に参加したとはいえ、いろんな規制を掛けております。外資の中国市場参入については外資利用のガイドラインがございまして、どの産業も自由に参入できるというわけではございませんで、奨励と制限とそれから禁止分野があって、恐らく三分野だったと思いますが、分けております。  そのほか、産業政策というものをつくっておりまして、例えば自動車産業などは、企業は合弁で五〇%以下の出資比率で二社しかつくっちゃいけませんよというような規定を設けております。まあ言いにくいんですが、WTOのルールからすれば、あれだけ大きくなった市場においていまだに参入規制をしているのは、まあ自動車企業の方々御自身でなかなか言いにくいんですが、そろそろそうしたものはどんどん撤廃していただいていいのかなということで、産業政策をきつくしている。  かつ、外資規制は民間企業規制、私有企業の規制、私有企業の中に外資企業が入るという範疇になりますので、今大きく問題になって、先ほどちょっと申し述べましたが、国が進んで民が退くと、国進民退と言っておりますけれども、これが中国のエコノミストのこの一、二年のはやり言葉でございます。  国、国有企業が進出して民間が退く、市場化の中でこうした現象が起こっている分野が幾つかある、これは問題じゃないかというのが中国人のエコノミストの人たちの考えであり、我々海外にいる者にとっても海外の外資企業が国有企業の民業圧迫というとやはり同じように影響を受ける可能性がありますので、この政策の動きはちょっと新しい政権交代の中でもっともっと見極めていかなくちゃならない問題。ジョイベン規制は依然として中国には各産業、主要産業分野でも根強く残っているということを補足として説明させていただきます。
  24. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  では、質問を受けます。  水落さん。
  25. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 ありがとうございます。先生方、今日は本当に勉強になりました。  自由民主党の水落敏栄でございます。  青山先生のお話の中で、中国の六四%の都市の水が重度の汚染をされている、あるいは三分の二の都市が水が欠けている、欠水しているというふうなお話も承りました。そうした中で、中国の六百六十の都市が水ビジネスの対象になると。しかしながら、それらの自治体は財政が非常に低下しているんだと。そうした自治体を相手にしてのビジネスを展開しなければならないので非常に苦労があるだろうと思います。一方、中国には価格法というのがあって水の値段が抑えられているということも教わりました。  そうしたことから考えますと、例えば水道事業を展開する場合、その自治体との交渉なんですが、民だけではできないんじゃないかなと私は思うんですね。そこで、例えばJICAなど官と民間企業で共同で交渉に当たらなければこれはビジネス展開できないと思うんですが。そうした中で、中国のこの水ビジネスにおける官民の役割ですね、これもう一度ちょっと先生から教えていただきたいということが一点であります。  もう一つは、お話のように、価格法があって水の値段を抑えているということであれば、水道料金も低く設定しなけりゃならないんじゃないかなと思うわけです。したがって、そういうふうに低く設定すると、例えば日本でいう水道局などがあるように、その水の値段の採算が、水道局としての採算が取れるのかどうかという疑問があるんですが、単純な質問ですけれども、青山先生からその辺教えていただければ有り難いと、こう思います。
  26. 青山周

    参考人(青山周君) 水落先生、どうもありがとうございます。私も、先生と考え方同じです。  JICAが直接ビジネスの場に交渉するかどうかは別にしまして、JICAにはJICAで現場にネットワークがあるんですね。例えば、人づくりで専門家同士で交流をしていたり、JICAそのものに、恐らく中国で三百の大学と交流があると思います。人的ネットワークは友達の友達は全て友達になりますので、大学の先生たち、専門家の人たちは地方政府においても非常に重要な政策形成に役割を果たしている人も多いです。ということで、一端として、JICAさんを利用、活用しない手はないという、JICAにはそれだけの財産を持っているというふうに理解しています。  JICAの人たちを服部先生のような方々と一緒にこのネットワークを利用しながら、官民で、できれば、役所の人も重要なんですね。例えば、厚生労働省で、経済産業省の方々も含めて一堂に会して、皆さんがどういう問題を抱えているのか話し合うような、環境分野でいえば省エネルギー環境総合フォーラムのような場がありますと、中国の人たちも非常にインセンティブが湧きますし、中央政府も支援してくれているというような図式は非常に有り難いので、非常に好循環になる可能性がございます。  それからもう一つ、水道料金の設定は、これは言いにくいんですが、中国国家指導者はどこまで国家指導しているのかという問題に尽きるんですけれども、言いにくいんですが、価格を上げればみんなが節約しますし、使うのを節約しますし、水道局はそれなりに市場経済化するんですけれども、価格が上に上げにくい、今まで低く抑えられてきて。上げにくい状況ですと、なかなか市場経済原理が働きづらいというところがございます。そこの辺りをどういうふうに制度的に改革していくのか。  当然日本にも日本のいろいろ知見があり経験ありますので、ここら辺もお互いざっくばらんにどうなのという話を、意外と中国地方政府の人、中央政府の人は日本の状況を知らないことが多いですから、そうしてお話し合いいただく中で、いろんな政策的なつながりとかアドバイスができて、ビジネスにもつながっていく可能性が高いんじゃないかなというふうに考えております。  ありがとうございます。
  27. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  藤末さん。
  28. 藤末健三

    ○藤末健三君 民主党の参議院議員の藤末でございます。  私は、水に関するちょっと技術的な話を服部参考人と、もしあれでしたら青山参考人にお聞きしたいと思っています。  私は、会社はちょっとあれなんですけれども、言えないんですけれども、外国の水ビジネスをやっている方とお話ししていたときに言われたのが、大規模な水道、上下水道を途上国に導入する、又は新興国に導入するのは非常にビジネスとしては時間が掛かると。今、その方がおっしゃったのは、日本の浄化槽技術が非常に進んでいると。例えば、小さな町とか、あとはビルで浄化槽技術を発展させたものを造り、そのビル内で水を循環させる、足りないところだけを持ってくるというような仕組みがある程度できるんではないかなということをおっしゃっておりまして、一生懸命日本の連携先を見付けていたような状況なんですが。  そのとき思ったのは、外国の企業というのは割と名前が大きなところでございまして、また日本の例えばフィルターであり浄化槽技術であり、そういう部品は日本にあるけれども、仕組みとしてローカルな上下水道システムみたいなものが外国の方で全部組み立てられてしまうんじゃないかと。アイフォンという電話ありますけれども、あれ、初めは七割が日本の部品だったんですよ。ではなくて、アメリカが作った、設計してしまったというような状況になるんではないかなということを考えておりまして、もし両参考人の先生方が何か御存じであれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  29. 青山周

    ○参考人(青山周君) 藤末先生、ありがとうございます。  浄化槽、ビルの中で循環させる。私、済みません、技術非常に疎いもので、京都大学と勉強会させていただいたときもこんな方々がおられるのかというぐらいおられまして、過疎地域でのトイレの水の浄化から始まりまして、非常に日本の方々の上水あるいは下水、排水処理に対する視点というのは深いものがあるなといつも実感しております。  言いにくいんですが、中国の場合はまだまだそこまでなかなかどうやってやったらいいんだろうというところで、もちろん中国の研究者、大学、研究機関もそれなりに勉強はしているんですが、まだまだいろんな可能性があるものを探りたいという状況だと思います。ですので、こんなのは役に立たないかなと思われないで、どんどん中国と交流していただきたいというのが、展示会に展示してみるのも結構ですし、大学に持ち込んで一緒に共同研究してみるのも結構ですし、日本の大学に持っていけば、京都大学に持っていけば深センにちゃんと分校までございますから、今、日中間の時代でございますので、どんどん可能性を探っていただきたい。  先ほども申し上げましたように、熊本のラーメン屋さんが中国で大成功しているという時代でございますので、皆さんそんな、私の持っているものなんか何にも、ビジネスモデルを構築すればいいんだと思います。  それで、アイフォンさんの話、まさにそうですよね。システムをつくって売るのが、今中国人も標準を売るのが一流、ブランドを売るのが二流ですので、私、先ほど御紹介したエキスポ、グリーン、エコプロダクツ展をやるというのはブランディングですから、環境を売りにして日本企業を売っていくということですから、まあ、私的にちょっと控えめに言うと、まだまだ二流のお仕事しかさせていただいていないんですが、国も巻き込んで標準を取っていくというのはやはり死活問題として重要かなと。  例えば、今東京電力さん大変なことになっていますけれども、ウルトラ、例えば高圧電流の国際標準持っている会社ですから、まだまだ売れるものがいっぱいある。日本の企業はまだまだ持っているものがたくさんあるんですね。宝の山という都市鉱山ならぬ企業鉱山と言っていいんじゃないかなと。それを遠慮なさらずに中国の人に負けないぐらいどんどん売っていただきたいというのが私の気持ちです。  ありがとうございます。
  30. 服部聡之

    参考人(服部聡之君) 大変重要な御質問をいただきまして、ありがとうございます。  合併浄化槽、浄化槽の問題ですね。システムの問題でいくと、大規模集中型か小規模分散型かというようなことになりますけれども、これは国として見れば、当然ベストミックスが最適な解だというふうに思います。都市においては、大きな人数、大勢の人数が狭い箇所に集まりますので、当然大規模集中型というシステムが必要になります。この方が、単価ですね、一人当たりの単価にすれば安くなるので、大規模はどうしても大規模集中型になりますけれども、農村部、過疎の地域に行けば、当然分散型、小規模型、つまり浄化槽といったものが必要になるんですね。  それから、昔は日本、ごめんなさい、昔と言うとちょっと語弊があります、し尿処理ですね、いわゆる下水道施設のようにパイプを張り巡らせて、そこで集めてきて終末処理場で処理をするという仕組みではなく、車が走り回って、車でし尿をくみ集めてきて、そして集中的に処理をすると。これも集中型の一つではありますけれども、日本が培ってきた技術というのはあると思うんですね。  日本の例でいいますと、下水の汚水処理普及率というのは、日本全体でいうと八十数%になっていると思うんですけれども、この中で下水処理、いわゆる大規模集中型の下水処理場を造って、パイプを張り巡らせて、そこで処理をしているというのが七十数%であります。残りの一〇%ぐらいは、やはりし尿処理・浄化槽あるいはし尿くみ取りというシステムをつくっていますし、これは日本の強みでもあります。  中国では、青山先生、六百六十の都市がビジネスの対象となり得るということでしたけれども、六百六十どころか、この中国の小城鎮に行きますと、数が、正確ではない、数が青山先生の資料にありましたけれども、何万という小城鎮があるわけですね。人口の規模とすると、中国ですので何億人の人がそこに生活しているわけですね。ですから、そういうところに日本のまだまだ貢献できる技術を使える余地というのは残っていると思いますし、し尿を手掛けている企業というのは小さな企業が多いんですけれども、いろんな情報が入ってこないというような問題点はありますので、こういう情報が入る、そういう人たちにも情報が行き届く、こういうビジネスチャンスがあるんだよというようなことを先生方視察なんかに行かれたときに持ち帰って、マーケッターの一人としても是非この事業を応援していただければというふうに思います。  以上です。
  31. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  次に質問を受けます。  松田さん。
  32. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太と申します。済みません、ちょっと出たり入ったりしちゃって恐縮です。  服部参考人に御質問させていただきたいんですけれども、まずこのグラフ、四ページを見ての御質問なんですけれども、この中で、中国が、上海市がフランスのヴェオリアと合弁会社をつくられたというお話がありましたが、これは二百万人の人口に対して水の供給を行っているということですけれども、これの実績についてまず御存じでしたらお聞きしたいんですね。果たしてそれによってその地域の料金、これがどうなったのかどうか。ほかの地域と比較して、ほかの上海の地域と比較して安くなっているのかどうかということを是非ひとつお聞かせいただきたいのと、もう一つは、利益が果たしてこの合弁会社、ジョイベンが出ているのかどうか、御存じでしたら教えていただきたいのと。  あと、同じくこのグラフからは、シンガポール、こちらが二〇〇〇年からマレーシアから一〇〇%輸入していた水を自国でつくり始めたということなんですけれども、現状は何%まで自国でつくれるようになっているのか、これが一〇〇%を目指せるような状況にあるのかということと。  最後にですけれども、先生の個人的なお考えで結構ですが、この中で、グラフの中で、目指すとしたら、日本は、例えばプライベータライズ、完全にイギリス型の状況を目指すべきだと思われているのか、若しくはその中間にある例えばアルゼンチン形式、フィリピン形式、そこら辺を目指すべきだとお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
  33. 服部聡之

    ○参考人(服部聡之君) 三つほど御質問をいただいたかと思うんですけれども、まず一点目の利益に関しては、ちょっと企業秘密の部分もあろうかと思いますのでストレートボールを投げ返すことはできないんですけれども、当然企業活動ですので、これ五十年という契約ですので、短期的な価値が出ることもありますし短期的な利益が出るということもありますけれども、五十年の中で回収していくという特性を持っています。  その点が一つということと、利益、これ、まあ中国だからということではなく、この公益事業の特性として、もし、もうけとかいう言葉でイメージされるとちょっと誤解があるかもしれませんけれども、皆さんが想像されるほどの利益というのは出ないんですね。費用を補ってそれで継続的な事業を実施していけるだけの回収ができればいいということでありまして、なおかつヴェオリアの場合にはフランスが本拠地でありまして、多くの事業はヨーロッパで行っています。七割の売上げは、五割強がフランス本国、それから残りの二割強がヨーロッパ、そしてそれ以外がアジア、中国を含めたアジアが一〇%で、北米、南米が一〇%ぐらいと、こういう事業構造になっています。これで事業というのは成り立っているわけですね。  ですから、一つの上海のプロジェクトで利益が幾つ上がったと、北京のプロジェクトで利益が損をしたと、こういうような話というのは、個別の話は差し控えたいと思うんですけれども、その中で事業を運営しているということが一つ目の回答で、ちょっとストレートな御回答難しいんですけれども、御勘弁いただきたいと思います。  それから、二点目のシンガポールの水の自給率ですけれども、かつてはマレーシアからほとんどの量を輸入していたということなんですけれども、二〇〇〇年に政策を変えて、現在は、自給率、ちょっと正確な数字は私覚えていないんですけれども、かなり高いんです。かなり高いというのは、四つの蛇口戦略と呼んでいまして、一つ目はまず貯水池を造るということですね、自国内に貯水池を幾つか、マリーナとか造って、そこで水をためてその水を使うということと、もう一つは皆さん御存じのニューウオーター、下水処理の水を再利用して飲み水まで使えるようにするというのが二つ目なんですね。三つ目が、海水淡水化です。海の水を膜を使って、それで水をつくっていくというものを、取組をしています。これもシンガポールの企業が独自に、日本の技術なんかを使いながら、運営をしています。そして、残る四つ目が、元々からあったマレーシアからの輸入による供給ということで、この四つを組み合わせてかなりの自給率まで上がっているというふうに理解しています。  それから、三点目の、このマトリックス図の中での日本が取るべきポジショニングということなんですけれども、私の個人的な意見をお話しさせていただきますと、PPP促進によって民間企業を育成すべきだというのは、まさにこのマトリックス図の中で現在の中央下にある国家のポジショニングを右の上の隅にポジショニングを変えるべきだというふうに思います。その中で、右の上の隅にも幾つかのエリアが、セグメントを切れると思いますけれども、どのセグメントが日本に向いているのかということで、個人的な意見としては、中央よりやや下、一番右側よりというような、つまりコンセッションやリースといった形での、完全民営化ではなくコンセッション、リース型というのが日本には合っているのではないかと。これ、現時点での考えです。また将来的に変わるかもしれません。  それはなぜかというと、イギリスの民営化の、一九八九年に民営化をして二十年たっていますけれども、いろんな現象が起きておりまして、大きなトレンドとしては、国外に進出をしたというのが一つのトレンドなんですけれども、もう一つは、海外からも入ってきたという、この双方向なんですね。それから、三つ目としては、吸収合併がそれぞれの企業同士で起きたと。  民営化当時は、水道、上下水道会社が十社、それから水道会社が十九社、二十九社ありましたけれども、現在は二十二社、企業同士が合併をしたということで二十二社になっているんですけれども、そのうち外国の資本によって買収をされたというのが三分の一ぐらいあります。つまり、イギリスの水道はフランスのヴェオリアが運営をしていたり、最近は中国の、香港系の投資会社ですけれども、ノーサンブリアンウォーターという企業を昨年の八月に買収をしました。イギリスはこれをよしとしています。つまり、外国の企業を使っても安くて安全な水が手に入るのであれば、逆に外国の企業を利用して自分たちの水管理を行うという選択肢を取っているんですね。  しかし、日本の風土を考えますと、やはりかなり保守的ですし、水道施設というのは国家の重要な施設ですので、これを民間に、民営化をして、完全民営化をして、その施設を外国の企業が所有をするというのはかなり抵抗があるのではないかというふうに思います。つまり、コンセッションやリースというのは、最終的な施設の保有者は国、自治体であります。ただし、十年、二十年、三十年、四十年にわたって事業運営権を民間企業に委ねるという手法ですので、そういう手法を日本でも導入した方がよろしいのではないかというふうに思います。  以上です。
  34. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 服部先生、ありがとうございました。  あとお一人、質問を受けたいと思います。どうぞ。  野村先生。
  35. 野村哲郎

    野村哲郎君 自由民主党の野村でございます。  今の服部先生の、参考人の話を聞いておりまして、ちょっと危惧の念を持ったといいますか、この表を見させていただいて、私どもはどうしてもやっぱり公共、公営事業体というのが水は一番ふさわしいんだろうなと、こう思っていたんですけれども、先ほどのイギリスの例をおっしゃいまして、やっぱりそうなっていくのかと思いましたのが、三分の一は海外からの参入なんだという話もありました。  やっぱり考えるのは、一つは、コストリカバリーの話がありますけれども、本当に民間になった場合にコストは下がるのかどうか、下がったとするならば、それは水道料金に跳ね返っていくのかどうか。ということは、受益者も非常にメリットがあるんだろうと思うんですけれども、先生のこの表を見ますと、何かコストが半分ぐらいに、上下水道の料金が半分ぐらいになるような感覚でこのグラフを見てしまうんですが、相当下げられるものなのか、コストダウンができるのかどうか。  その反面、もう一つの一番大事なのは水の安全性の問題ですね。このことがおろそかになりゃせぬのかという危惧を抱いたわけです。特に、先ほどのイギリスみたいに、完全民営化したら海外からの参入が入ってくると、この安全性というところがきちっと守られるのかどうかというのを危惧をいたした次第でございます。  そこで、先生は、日本のポジションとしては右上の下ぐらいだということで、PPPがいいんだろうと思うんですけれども、その場合の官と民のすみ分けですね、どういう役割を担うのかというところを先ほどの安全性の問題も含めて教えていただければ有り難いと思いますが。
  36. 服部聡之

    参考人(服部聡之君) 大変重要な御指摘をいただきまして、また御懸念の点をお話しいただきましてありがとうございます。私もまさに同感のところがございます。  それで、この問題を話し始めると恐らく何か月も費やすんですけれども、いただかなければいけないんですけれども。まず、そういう話に向かうということは重要だと思います。こういう話をせずに、まず公共ありきということで進んできたのがこれまでのやり方ではなかったかと思います。  それで、その中で、民営化をする、公共と民間の役割というのは先ほどもお話ししましたけれども、これは民間がやろうと公共がやろうと公益事業ですので、安定的に、持続的に安心して人々が飲める水あるいは河川環境というのをつくるために、公共の関与というのはいかなる場合にも絶対不可欠であります。  そして、公共が果たすべき役割は、繰り返しになりますけれども、事業を規制する、監督をするということでありまして、私の考えでは。事業をするのは民間であっても公共であってもどちらでもいいのではないか、むしろ公共がやることによって、事業に踏み込むことによって自らに規制を掛けることがしづらくなるのではないか、つまり規制が働かなくなるのではないかというような懸念も同時にあると思います。したがって、役割分担としては、公共は規制をする、民間は事業を実施をするというような形が今の時点では良いのではないかというふうに思います。  民間がやるとコストが半分になると、こちらのグラフはコストが半分になるということを示しているのではなくて、これは現状なんですね。公共が、つまり市町村が事業を行いながらこの掛かっているコストの半分ぐらいを水道料金で回収をしているということで、また、その次のページは、競争原理によって水道料金が、ただし、これは税金を投入できなくなりますので、つまり水道のコストの回収というのは水道料金と税金で組合せなんですね。水道料金だけを見ていると、この料金と民営化後の料金を比較をすると、この税金の部分が抜け落ちることになりますので、民営化前と民営化後の比較、この水道料金だけの比較をするとミスリードが起きます。コスト全体の比較をする必要があるということなんですね。  イギリスの例ですけれども、民営化直後、一家庭当たり年間にたしか二百四十ポンドだったと思います、民営化会社が、全国の平均が。一ポンド百三十円で計算しますと、三万、四万円弱ですか。今、三百四十ポンドぐらいになっているんですね。百ポンド上がっています。  これは、当然物価上昇もありますし、必要な投資を、そのときに行われていなかった投資を追加をしたために、そのコストが水道料金として、税金ではなく水道料金に全額跳ね返ってきますので上がってきているということも考えなければいけないので、一概にこの民営化によって水道料金が上がったということは言えないと思います。  一つ参考になる例としては、この水道料金、三百四十ポンド、四万円強ですけれども、これ、水道と下水道料金全て入っています、税金を投入せずに。日本の一家庭がどのくらい掛かっているか御存じでいらっしゃいますかね。恐らく七、八万円掛かっていると思いますけど。まあ、一つの家庭が、一人で住んでいるのと四人家族で住んでいるのと違いますけれども、まあ一家庭に二・三人ぐらいとして計算をすると、一トン百五十円ですから、三十日、三百六十五日倍すれば値段が出てくるわけですね。これは水道料金ですね。下水道料金は同じ分、三百円として計算すると計算できると思いますけれども、恐らく日本の水道料金の方がやや高いのではないか。これは、当然水質も違いますので、日本の水道は蛇口ひねるとすぐ飲める、きれいな全国一律ですばらしい水道だと思います。料金はやや高いのかもしれません。  一つ、規制の在り方として面白いお話をちょっと時間の許す限りお話ししたいんですけれども、イギリス民営化しておりますが、一番高い水道料金を設定している会社と一番安い料金を設定している会社、この差、内々価格差といいますけれども、国内での価格差ですけれども、一・六倍です。日本の市町村、水道料金です、下水道料金は別として、水道料金の内々価格差、御存じでいらっしゃいますですか、実に九倍なんですね。高い市町村と安い市町村、九倍の差があるんです。これは、平均的には一トン百五十円ぐらいですけれども、高いものが五百円近くになりますし、安いものは五十円ぐらいで済むということですね。これは、経営の効率が、東京都のように大規模で行っているところと一万人を切るような中小規模で行っている市町村との差がここに現れるわけですね。それで、これに対して、地方自治体が条例によって水道料金を決めていきます。厚生省が監督をしておりますけれども、これはあくまでも届出制であって、料金の規制はしていないんです。  イギリスは、この民営化をすると同時に、水道料金の規制官庁としてオフィス・オブ・ウオーター、OFWATといいますけれども、OFWATですね、こういう機関を設置をして、各社の水道料金に規制を掛けています。プライスキャップ制といって、上限を決めるんですね、これ以上にしてはいかぬと。これは、規制の公共の在り方の一つではないかというふうに思います。  日本では、この水道料金内々価格差、いろんな問題があります。ただし、まだ問題としては解決をされていないというような状況であります。  済みません、長くなりまして。以上です。
  37. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  予定の時間までまだ少し時間がございますが、今日最初に申し上げましたように、この後、党首討論も控えておりますので、参考人に対する質疑はこの程度といたしたいと存じます。  一言、御挨拶を申し上げます。  井村参考人、服部参考人及び青山参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、おかげさまで大変有意義な調査を行うことができました。調査会を代表し、各参考人のますますの御活躍を祈念申し上げまして、本日のお礼とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十三分散会