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2012-04-13 第180回国会 参議院 決算委員会 3号 公式Web版

  1. 平成二十四年四月十三日(金曜日)    午前十時四分開会     ─────────────    委員の異動  三月九日     辞任         補欠選任      斎藤 嘉隆君     友近 聡朗君      外山  斎君     大久保潔重君      義家 弘介君     青木 一彦君      松 あきら君     横山 信一君  三月十二日     辞任         補欠選任      友近 聡朗君     斎藤 嘉隆君      安井美沙子君     小西 洋之君  三月十三日     辞任         補欠選任      小西 洋之君     安井美沙子君      熊谷  大君     山田 俊男君  三月十四日     辞任         補欠選任      山田 俊男君     熊谷  大君  三月十六日     辞任         補欠選任      若林 健太君     山田 俊男君  三月十九日     辞任         補欠選任      山田 俊男君     若林 健太君      井上 哲士君     大門実紀史君      又市 征治君     福島みずほ君  三月二十一日     辞任         補欠選任      安井美沙子君     外山  斎君      青木 一彦君     山田 俊男君      大門実紀史君     井上 哲士君      福島みずほ君     又市 征治君  三月二十二日     辞任         補欠選任      有田 芳生君     江崎  孝君      外山  斎君     安井美沙子君      山田 俊男君     青木 一彦君      横山 信一君     山本 博司君  三月二十三日     辞任         補欠選任      江崎  孝君     有田 芳生君      安井美沙子君     広田  一君      山本 博司君     横山 信一君  三月二十六日     辞任         補欠選任      広田  一君     小西 洋之君  三月二十七日     辞任         補欠選任      小西 洋之君     安井美沙子君  三月三十日     辞任         補欠選任      大久保潔重君     櫻井  充君      横山 信一君     草川 昭三君      井上 哲士君     大門実紀史君  四月二日     辞任         補欠選任      大河原雅子君     林 久美子君      金子 恵美君     大久保 勉君      櫻井  充君     大久保潔重君      加藤 修一君     横山 信一君      柴田  巧君     中西 健治君  四月三日     辞任         補欠選任      大久保 勉君     金子 恵美君      林 久美子君     大河原雅子君      草川 昭三君     加藤 修一君      中西 健治君     柴田  巧君      大門実紀史君     井上 哲士君      又市 征治君     吉田 忠智君  四月四日     辞任         補欠選任      吉田 忠智君     又市 征治君  四月十二日     辞任         補欠選任      大野 元裕君     田城  郁君      柴田  巧君     中西 健治君      井上 哲士君     大門実紀史君  四月十三日     辞任         補欠選任      田城  郁君     大野 元裕君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 順三君     理 事                 大島九州男君                 今野  東君                 舟山 康江君                 小泉 昭男君                 中川 雅治君                 加藤 修一君     委 員                 有田 芳生君                 大河原雅子君                 大久保潔重君                 大野 元裕君                 金子 恵美君                 斎藤 嘉隆君                 田城  郁君                 玉置 一弥君                 松野 信夫君                 安井美沙子君                 米長 晴信君                 青木 一彦君                 熊谷  大君                 塚田 一郎君                 二之湯 智君                 藤川 政人君                 森 まさこ君                 若林 健太君                 横山 信一君                 中西 健治君                 大門実紀史君                 又市 征治君    国務大臣        財務大臣     安住  淳君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        自見庄三郎君    副大臣        内閣府副大臣   中塚 一宏君        財務副大臣    藤田 幸久君    大臣政務官        復興大臣政務官  郡  和子君    事務局側        常任委員会専門        員        工藤 政行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       道盛大志郎君        金融庁監督局長  細溝 清史君        金融庁証券取引        等監視委員会事        務局長      岳野万里夫君        復興庁審議官   大森 泰人君        国税庁次長    岡本 榮一君        厚生労働大臣官        房審議官     蒲原 基道君        中小企業庁事業        環境部長     加藤 洋一君        中小企業庁経営        支援部長     徳増 有治君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   鈴木 繁治君        会計検査院事務        総局第五局長   川滝  豊君    参考人        株式会社日本政        策金融公庫代表        取締役総裁    安居 祥策君        株式会社日本政        策投資銀行代表        取締役副社長執        行役員      柳  正憲君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○平成二十二年度一般会計歳入歳出決算、平成二  十二年度特別会計歳入歳出決算、平成二十二年  度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十二  年度政府関係機関決算書(第百七十九回国会内  閣提出) ○平成二十二年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第百七十九回国会内閣提出) ○平成二十二年度国有財産無償貸付状況総計算書  (第百七十九回国会内閣提出)  (財務省金融庁及び株式会社日本政策金融公  庫の部)     ─────────────
  2. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を開会をいたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、義家弘介君、外山斎君、松あきら君、井上哲士君、大野元裕君及び柴田巧君が委員を辞任され、その補欠として青木一彦君、大久保潔重君、横山信一君、大門実紀史君、田城郁君及び中西健治君が選任されました。     ─────────────
  3. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に加藤修一君を指名いたします。     ─────────────
  5. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 平成二十二年度決算外二件を議題といたします。  本日は、財務省、金融庁及び株式会社日本政策金融公庫の決算について審査を行います。     ─────────────
  6. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) この際、お諮りをいたします。  議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  8. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  9. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 大島九州男

    ○大島九州男君 おはようございます。  決算の質問をさせていただきますが、本日の北朝鮮のミサイルの発射実験といいますか、それについての対応、また政府での情報が分かりましたら、是非国民にも、そして我々にも速やかに教えていただきたいということをお願いしておきます。  それでは、まず特別会計の剰余金の処理について御質問をさせていただきます。  二十一年度の特別会計の剰余金は全体で二十九・八兆円ありました。その処理を見てみますと、翌年度歳入への繰入れが二十六・四兆円と大半を占めた一方で、一般会計への繰入れは二・七兆円ということでございます。そして、その特別会計の二十二年度歳入に繰り入れられた二十一年度の剰余金の二十六・四兆円が、当然、二十一年度の剰余金でありますから二十二年度に活用され、使われているのかということを、確認を会計検査院がしておりますが、その会計検査院の試算によっては一兆八千三百五十九億円というのが二十二年度中に活用をされておらず、それがそのまた翌年の二十三年度以降に活用されているという、そういう現状でございます。  この翌年度に活用されていない一・八兆円という剰余金というものについてもっと有効に活用すべきではないかというような、そういう観点から質問をさせていただきたいと思うのですが、この二十二年度、今度は、二十二年度の剰余金は特別会計全体で四十一・九兆円というふうになっておりますし、そのうち三十七・二兆円が翌年度に繰り入れられているというふうに理解をしております。  また、そこで、先ほども指摘しました二十一年度の剰余金は一・八兆円、今回、二十二年度の剰余金では多分二・五兆円というのが使われずに温存されているような状況になっているんではないかというふうに思うんですが、そこの状況を教えていただければと思います。
  11. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 大島委員にお答えをいたします。  確かに会計検査院の報告において、二十二年度の繰越しに入れられた二十一年度の剰余金一・八兆が二十三年度以降に活用ということになっておるんですが、仕組みをちょっと申し上げますと、実は二十二年度予算編成時においては全部確定をしておりませんで、決算が確定をした段階で剰余金が存在をして数字が確定をされるということでございます。  決算委員会でこれまでも御報告してまいりましたけれども、各年度の剰余金というのは翌年度の七月の決算において金額が確定をすると。ですから、翌年度の予算編成をする時点では、多分このぐらいだろうと合理的に見込まれる範囲で翌年度の歳入として計上しておるという仕組みでございます。そこで時差があるわけでございます。したがいまして、決算時に見込んだ額を超えて発生した剰余金については、翌年度の補正予算がある場合には補正予算、あるいは翌々年度、ですから今回の場合は二十一年度の剰余金を翌々年度の二十三年度の当初予算において活用するという仕組みになっております。  したがいまして、もちろん、各年度に生じた剰余金が翌々年度にかけて活用されるということはやむを得ないわけですけれども、できるだけ剰余金が発生しないように予算編成における査定を適切にするというような形で、できるだけ剰余金が発生した場合には速やかに活用をすると、時差があるものですから、そういう形で対応しているという状況でございます。
  12. 大島九州男

    ○大島九州男君 今の御説明、十分理解はできるんでありますけれども、我々民主党政権になりまして、特別会計の部分、当然、特別会計独自で運営をされている部分については、しっかりと自分たちで予算を確保して支出を適切にしていくということはすばらしいことだと。じゃ、一般会計から繰入れをされている特別会計も当然あるわけであります。一般会計から特別に繰り入れられているそういう予算についても、いろんな研究開発の部分においてどうしても必要な部分というものも我々も十分理解をしております。  だから、全てが一般会計から繰り入れるような予算を付ける特別会計はけしからぬという発想はまるっきりないんでありますが、やはりいろんな努力によって、執行されなかった部分、無駄遣いを抑制した部分というものもあれば、また逆に執行されずに翌年度に繰り越したいという部分もあるとは思うんですが、百歩譲って、今おっしゃるような形で剰余金を、一・八兆円、二・五兆円という、ある程度そういう多額な金額でもございますので、少なくとも、一般会計から特別会計へ繰り入れているそういう部分について若干でも一般会計に繰り戻すというような形で、非常に財政厳しい折、一般会計の中で有効に活用をしていくというのも一つの手ではないかというふうに思うんですね。  当然、財務省もそういうことは考えていらっしゃるんでしょうが、具体的に、じゃ、そういうことを踏まえてどういう対応をしている、こういう対応をしているというようなことがあれば、それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  13. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  まさにそういった努力をいろいろやってきているわけでございますけれども、できるだけ剰余金発生の抑制に努める、それからその発生した剰余金をできるだけ、財源の特性があるわけですから、最大限一般会計の財源として活用するということでございますが、例えば、政権交代後の実績ということでございますと、二十二年度は七・八兆円を一般会計に、それから二十三年度は四・二兆円、これは、そのうちの一・三兆円は復興財源に組み入れております。それから、二十四年度は二・一兆円を一般会計に繰り入れて、それから一兆円は、これは復興債の償還財源としての国債整理基金特会に繰入れというような形にしております。  二十一年度の決算検査報告におきまして、一般会計からの繰入れを財源とする特別会計について、不用の発生が見込まれる場合にはその不用見込額について一般会計からの繰入額を抑制すべきだという議論がなされておりますので、それについては努力をしてまいりました。  実は、この一月に会計検査院の方で、執行状況の把握を徹底し予算管理に努めたということに関する報告が出ておりまして、平成二十二年度の場合ですけれども、十四の特別会計、三十二の勘定において不用と見込まれた八千三百六十一億円について一般会計からの繰入れを抑えることができたということで、これは剰余金を減らしたということで会計検査院の方から評価をいただいております。  具体的には、主なものですけれども、一般会計からの繰入れの抑制の結果として、国債整理基金が六千九百二十億円、労働保険が八百六十二億円、年金が百三億円、社会資本整備事業が三百九十四億円というような形での抑制ということで評価をいただいております。  できるだけ予算管理を適切にするということと、執行状況を含めて、できる限り剰余金の抑制に努めてまいりたいというふうに思っております。
  14. 大島九州男

    ○大島九州男君 今の取組については大変評価すべきというふうに思いますし、また二十二年度七・八兆円、二十三年度四・二兆円、特別会計の方からどんどん繰入れをしているということは評価ですが、だんだん、これ見ていきますと、もうそういう削れるのが少なくなってきたんだなというのが見て取れますので、今後更なる一層の努力をしていただきたいと。  財務省だけにそういうことを我々も言うんじゃなくて、国会も、じゃどういう努力をしなければならないかと。資料を一枚お配りしておりますけれども、予算・決算年間カレンダーということでうちの事務所で作成をしましたが、基本的には、下の表を見ていただくと分かるんですが、二十一年度、空欄になっているところ、二十二年度、空欄になっているところというのは、それは何かというと、本会議における議決がされていない。言うなれば、二十一年度はまだ衆議院の方ではこれが、決算の議決がされていないということですね。  十八年度、十九年度見ていただいても、参議院の方でやはり六月、七月になっていたりするような部分とか、これは最大の理由は、予備費の承認がなかなか、承諾が衆議院から回ってきていないというようなことがあったりすることで実は参議院の決算が遅れているというような過去の事実がございます。  そしてまた、参議院においては決算重視ということで、決算が早期に行われることによって、先ほど副大臣の方から御答弁もありましたけれども、確定しないからこそなかなか予算の不用額も見込めていかないという、そういったところにつながってまいりますので、更なる決算の早期処理、そしてまた議決が必要になるということも含めて、これは衆参国会でしっかり努力をしなければならない問題と理解をしておりますので、委員長、是非ここのところは衆議院との連携も図っていただきまして、国会の機能強化をお願いをしたいというふうに思っております。
  15. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) はい。
  16. 大島九州男

    ○大島九州男君 それでは、次の質問に移ります。  改正金融機能強化法について、震災が起こりまして、大変被災地の中では二重ローンに苦しむんではないかというようなことも、問題もいろいろ指摘をされて、それで政府の方もいろんな対応を図られたというふうに思うんでありますけれども、まず、この被災企業や個人に対しての復興資金の貸出しの体制を整えるために平成二十三年六月に金融機能強化法を改正して、被災金融機関への公的資金参加ということで資本参加をやられているというふうに認識をしております。実際、その資本参加をして金融機関にお金を投入した、じゃ、それが具体的にそういう被災地のいろんな企業にどういうような形で融資をされたりとか、この機能が発揮されているかという、ちょっとその現状をお知らせをいただきたいと思います。
  17. 中塚一宏

    ○副大臣(中塚一宏君) 昨年六月に国会でおまとめをいただきました金融機能強化法の震災特例でございますけれども、これまでに被災地の金融機関十先に対しまして総額で千九百十億円資本参加を実施をいたしておりまして、その千九百十億円の内訳は、いわゆる公的資金が千七百六十五億、それから信金、信組、これは協同組織金融機関でありますけれども、中央機関からの資金が百四十五億円ということになっております。この資金を活用いただいて、被災者の事業それから生活の再建に向けて金融円滑化に取り組んでいただいておると、そういうふうに聞いております。  この中で、具体的なお話を申し上げますと、仙台銀行と筑波銀行なんですけど、経営強化計画履行状況報告書というものを提出をいただいておりますが、それによりますと、仙台銀行三百億、そして筑波銀行三百五十億、資本参加をいたしました。昨年の十一月末までの数字ですけれども、仙台銀行は、被災者向けの新規融資二百三十三億円、千百二十二先でございます。貸付条件の変更につきましては、百六十億円、三百五十四先でございます。筑波銀行は、震災関連融資五百二十二億円、五千六百四十三件、貸付条件の変更は三百一億円、千二百十六件ということでございます。  昨年の末ですが、私も仙台、東北財務局の方へ参りまして、公的資金を申請をされた金融機関の経営者の皆さんともお話をさせていただきました。金融機関の経営者にとって、公的資金を申請するというのは非常に重い経営判断であります。場合によっては風評被害等もないことはないわけでありますが、その経営者の方がおっしゃっていたのは、公的資金を申請をするという決断をしたときに、やはり借り手の中小企業の皆さんあるいは地域の経済界の皆さんが、公的資金の申請というのは中小企業への貸出しに一生懸命取り組んでいるあかしであると、そういうふうに言ってくれたというような話も金融機関の経営者からお伺いをしたところでございます。  いずれにいたしましても、金融庁としては、今申し上げた経営強化計画の履行状況の適切なフォローアップを行いまして、金融機関が被災者の再生支援等に継続的に貢献していくようにしっかりと促してまいりたい、そう考えております。
  18. 大島九州男

    ○大島九州男君 今御答弁いただきましたけれども、実は我々も現地の中小企業から聞き取り調査をさせていただきましたところ、この約定変更、貸出しの条件の変更や約定弁済の一時停止については大変有り難く受けさせていただいているということで、有り難い声をいただいております。これについては引き続きしっかりやっていただきたいんですが、実はこれからが問題だと。それは何かと。  一つ例を挙げれば、商店街が壊滅状態になり、今お店はプレハブでやっていますと。しかし、それが今度、本格的な復興が起こって店舗をまたしっかりと構えなきゃならないといったときに、大きな借金をしなければならない。こういったときに、初めてこの二重ローンが重くのしかかってくるような経営判断をしていかなくてはならないということが大変大きい状況になってくるのではないかという部分も含めて、更にそこの金融、貸出しの部分についてはしっかりとフォローアップをして注視をしていただきたいということをお願いをしたいというのが一つ。  それから、実はこれ、被災三県のみならず、今非常に厳しい経営状況の中で、要は、一般的にリスケと言われる約定変更や貸出条件の変更、元本の返済を一時凍結するというようなことをやって、それで更なる、じゃ、次に追加で融資をしてもらいたいというふうに思って銀行を訪ねたところ、なかなか融資が行われない。これは非常に厳しい状況であるんですが。  先ほど、この質問の中でいろいろ聞かせていただくと、リスケだとかそういったものの受付は九七%ぐらいちゃんとやっているということをお伺いしたんですね。じゃ、その九七%をリスケされて有り難いなと思っている、ところが、じゃ、次に資金繰りが困ったときに、融資を申し込んだときにどれだけ融資が実行されているのかというのを問い合わせましたら、それは実はチェックしていないんだと、データがないんだということなんです。ということは、データがないということは、実際貸していないのかどうなのかというのもちょっとこれよく分からない。だから、確実にこれは金融機関に調査をしていただいて、まず、リスケをした企業、九七%に上るその受付を完了した企業がどれだけ追加融資を申し込み、そしてそれがどれだけ実行されたのかというのは是非これ調べていただきたいというお願いなんです。  実は、自見大臣にお伺いしたいんですが、先日、決算委員会のときに、是非、自見大臣にも御答弁いただきたかったんですが、時間の関係で聞けなかったものですから、大変失礼いたしましたが、私ども中小企業の経営状態というのは、まさしくお金を借りるときには担保を入れて、そして保証を付けてと。当然、会社が保証、借りるんですから会社が保証になるのは当然。そこに社長個人の保証も付けて、そしてまた、もう一人誰か連れてこいと言われて、確実に銀行は回収できるような体制を整えてからしか貸さない。それも、なおかつ担保で、例えば一億円の価値があるものでも六千万ぐらいしか評価をしない。だから、銀行の融資する担当者というのは、この六千万の枠で貸すと。もし地価が下がったり担保評価が下がるとその分また貸しはがしをするというのが、これが現状だと。  じゃ、今、保証協会を付けて、新しい制度をつくってこれで大丈夫だ、セーフティーネットでこれだけの政策をつくっているから金は中小企業に流れていくというふうに制度をつくった人は言いますけど、現状は流れていない。その最大の理由は何か。貸出しをする担当の窓口で、決裁をするその窓口の人が、言うなれば保証協会にボタをかぶらせるような融資をしたら査定評価に響くわけですよ、人事評価に。結局はそういうことにおびえて、そういった部分の決裁を上に回すことが現実的にはなかなかない。  だから、私はいつも言っているのは、担保を六掛けぐらいで評価しているわけですね。ということは、一億のものを六千万ぐらいで評価をしている。じゃ、それを逆に二倍の評価をして一億二千万の評価をしても、当然、その六掛けぐらいしか貸さないわけですから、そうすると、その部分でいきましたら、それが七千万の評価になったということになれば、そこに一千万の枠は空くわけですよね。そうすると、銀行の担当者なんというのはもう決裁も何も要らずに、枠がありますから、一千万の枠が増えましたからどうぞといってお貸しすると。まさしく、その中でいけば中小企業が大変資金繰りに助かるわけですよ。  だから、その評価の仕方を見直すと。今いう銀行の担保評価について、ここをやっぱり厳しくチェックをすることで、銀行はそれだけやっても余り腹は痛まないわけですから、是非そこのところは、僕はもうずっと言い続けているんですけど、大臣の所見をお伺いしたいと、よろしくお願いします。
  19. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) 大島委員に答えさせていただきます。  先生も私も福岡県の北部の出身でございまして、まさに石炭の町、鉄鋼の町でございまして、たくさんの中小企業があるわけでございまして、私のことを申して大変恐縮ですが、私は二十数年前、通産省の政務次官ということで中小企業の担当を中尾通産大臣と一年三か月やらせていただきまして、まさにあそこは、公的金融機関でございますが、公的、制度的な中小企業に対する融資が主でございますが、本当に先生も今、中小企業の実情、特にこういった景気の状況で苦労をしておられるということはよく分かるわけでございます。  また、今担保の評価額についてどうだと、こういう話でございますが、あくまで客観的、合理的な評価方法で算出するものであり、時価と懸け離れた評価を行う性質のものではないというふうに考えておりまして、先生よくお分かりのように、民間の金融機関というのはやっぱり人様からお預かりしたお金に適当な利子を付けてお返しをするというのが原則でございますから、そういった意味で、今信用保証協会のことを言われましたけれども、そういう民と官と相まって、ある意味でベストミックスですね、私は中小企業の経営にはやっていく必要があると、こう思っておりますが。  一方、まさに先生御指摘のような中小企業金融の円滑化は大変重要な課題であるというふうに認識いたしております。金融機関においては過度に担保に依存するのではなくて、債務者の技術力や成長性等や事業そのものの採算性、将来性を重視して融資判断を行うことが重要であると考えておりまして、今先生がいろいろ具体的に言われたわけでございますけれども、担保評価額はあくまで客観的、合理的な評価方法で算出すべきものでございまして、しかしながら、一方、今さっき言われたような問題もあるのもよく私も承知いたしておりまして、これは金融検査においても、例えばこれは検査マニュアルにはっきり明記しておりまして、過度に厳しい不動産担保の処分可能性見込みのみを根拠として融資を謝絶又は減額していないかなどについて検証するように今いたさせていただいておるわけでございます。
  20. 大島九州男

    ○大島九州男君 ありがとうございました。  今大臣が最後におっしゃっていただいた、過度にその担保を評価を厳しくしているということがほとんどの現状であるというふうに私は理解しておりますので、金融庁の皆さんにはそこら辺のところをしっかりとやっていただきたいというふうに思います。  中小企業の話になりましたから、そのままちょっと金融支援について質問をさしていただきますが、中小企業会計の割引制度というのがあって、中小企業の計算書類について税理士、税理士法人等が適正に処理した場合において信用保証協会の保証料の〇・一%割引が認められる、こういう制度があるんですね。これは平成十八年の四月からスタートして六年を迎え、中小企業の会計の質の向上を促す効果を高めて制度の適正化を図るために見直しがこの二月に行われているということなんです。これの実績もお伺いをいたしました。  それで、何が言いたいかといいますと、この保証協会の保証料というのは、さっきの話の続きになりますが、担保も取って保証人も取って、なおかつ保証料も取ると。何だと、これは。私どももその話をしたら、いや、今は第三者保証は取っていないんですよとおっしゃるんです。じゃ、第三者保証を取っていなくてどういう保証を取っているのと言ったら、会社の経営に携わっている人の保証を取っていると。第三者というのはその経営に携わっていない人のことを第三者保証というんですと言うんですが、私の理解は、借りる会社が、借りる会社の人は法人ですから、法人が、この人が借りるんですから、社長は別の個人ですから、その社長の別の個人というのは私はこれ第三者と理解をしているんですが、この第三者の定義を簡潔にちょっとお答えをいただきたいと思いますが。
  21. 中塚一宏

    ○副大臣(中塚一宏君) 監督指針におきましては、第三者の個人連帯保証というのは、融資に当たり、実質的に経営に関与していない個人からの連帯保証を受けることと、このように解しております。
  22. 大島九州男

    ○大島九州男君 現実的には、要は経営者個人の資産、そういったものも全て担保に入れて中小企業の経営者は経営に当たっているんだということなんです。だから、大企業の社長とは違うということを明快に理解をしていただいて、実は国会の議論でこういうのがあった。  交際費の部分について、この交際費の特例が、昔は幾ら使っても税金は取られない損金算入だったのが、今は四百万から六百万に上がりましたけれども、それでも一〇%取られるんです。だから、こういう一〇%、はなから税金を取られるような交際費は人はなかなか使わないんだから、その交際費の一〇%の枠を取っ払ってくださいというふうな話をしたら、ある先生はこう言ったんですよ。いや、中小企業の社長は家のテレビも経費で買うじゃないかと、だからこういうのは、交際費は認められないと言ったんだけれど。  中小企業の社長は家の資産や全てを担保に入れて経営に当たっているんです。だから、大企業とは違うんですから、中小零細、特にそういった企業の経営者の皆さんに対するその融資の保証をどう取るかとかそういった部分と、あとは交際費ですよ。交際費の枠も、〇・一%保証料を減らしてもらうためにそういう会計の努力をして、保証料を〇・一%下げてもらおうとかいう涙ぐましい努力をしているわけですから、こういう部分を評価したときに交際費の一〇%の枠なんというのは取っ払う必要があるんだと思うんです。だから、それで中小企業がそういう交際費を下町で使っていく、末梢神経に血液を流していく、こういうことが必要だということを私はずっと言い続けているんですけれども、是非そこのところの見解をお伺いしたいと思います。
  23. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  中小企業の皆さんの状況は一番経験のある大島委員よく御存じだろうと思いますが、したがいまして、中小企業についてはそうした政策的な配慮から、年六百万円に達するまでの金額の九〇%を損金算入できる特例が設けられているわけであります。  もちろん、この交際費課税制度の目的というのは余り濫用されてはいけないと。しかし、必要なことについては九〇%までは損金算入できると。ただ、一定の最低の部分については税負担をしていただこうということが法体系の仕組みになっております。それから、比較におきましても、ほかの国におきましても、損金算入の制限が設けられている国が多いといったことも言われているわけでございます。  実際、最近の状況を調べておりますと、平成二十二年度ですけれども、中小法人一社当たりの交際費の平均支出額が大体九十四・七万円と。それに対して不算入額というのは一〇%ですから、九万四千七百円ですか、したがって税負担が三〇%掛かっても二・八万円で、それに中小軽減税率一八%の場合は大体一・七万円というような状況でございます。しかし、実際にその中小企業の皆さんにおかれましては非常に厳しい経済情勢の中で頑張っておられるわけですから、どういった検討が可能かというようなことについて、そういった現状も踏まえながら、効果の検証も含めて検討が必要というふうに考えております。
  24. 大島九州男

    ○大島九州男君 まずは交際費一〇%の枠を取っ払っていただくことと、この中小企業会計割引制度においてはもうちょっと、税理士がしっかりチェックをするから安くなるということですから、それだけリスクが減るということですから、これは保証協会の保証料を半分にするぐらいの思い切ったことをやっていただきたい。もう本来、保証協会に払う保証料なんて私は必要ないと、担保を取っているんだったらという、そういう思いですので、是非それはしっかりと要望したいと思います。  最後に、今いろいろちょっと党内でも議論されております競り下げ、この競り下げというものについて一言物を申したいと思っておりまして、競り下げの方法、どういうふうに競り下げをするというふうにやろうとしているのか、また、それに対する問題点、どういうのが問題あるのかというのをちょっと教えていただきたいと思います。
  25. 中塚一宏

    ○副大臣(中塚一宏君) 競り下げでございますけれども、これは別名リバースオークションとも呼ばれたりしておるようでありますが、競争参加者が入札額を一度だけ提示する、これが従来の封印入札ということでありますけれども、それとは異なりまして、定められた時間の範囲の中で最低の価格を確認をしながら何度でもそれより安い価格を提示をできるというのが、これが競り下げという手法でございます。  昨年の四月に行政刷新会議の公共サービス改革分科会で取りまとめられました公共サービス改革プログラムでは、調達分野によっては競り下げによって従来の封印入札よりも調達費用を削減できる可能性があると、そういうふうに指摘をされておったところでございます。
  26. 大島九州男

    ○大島九州男君 中小企業に対してどのように考えるかと。中小企業の定義がちょっとずれている人が多いんですけれども、基本的には本当に五、六人でやっているような零細の企業というものを中小企業と我々はとらえているわけですね。  中小企業団体中央会が先日、一括調達に対して、例えば印刷業では、示された発注仕様を正確に理解して確認できる営業マンが多くいる大手企業、そういったところが有利な制度じゃないですか、大多数の中小企業や共同受注を行っている組合が締め出されて公正な競争ができませんよということを言っています。それから、競り下げ方式については、中小企業基本法や官公需法、中小企業憲章、国等の契約の方針等と相反する方式だと。もっと言えば、中小企業協同組合法や中小企業団体の組織に関する法律等に基づく組合を根本的に否定する政策で到底容認はできませんよと。試行するに当たっても、デフレに拍車を掛けることになりかねない競り下げ方式の導入によって、厳しい経営環境下にあって懸命に仕事を探している地域の中小企業から仕事を奪うことになるんだと、中小企業のシェアが高い物品や役務等を対象外とすべきじゃないかと。少なくとも、国が中小企業の受注機会の増大を図るために指定した、印刷業などの中小企業官公需特定品目を対象にすることは絶対に容認できないという、そういう決議をされていますが、まさしくおっしゃるとおりなんです。  それで、問題を聞きましたら、システム会社が全てその入札の情報を知って、それで最後そのシステム会社の人がこう入札額を書いて箱に入れるんだと。まさにそういう、この入札方式には何か違反しないこういうやり方なんですということを言っていますけれども、これはもう中小企業にとって、本当に中小企業の現状が分かっていない制度だということを皆さんには是非認識をしていただきたいと。  こういうことを、ただ下げればいい、下げればいいなんということだけを言っているようなことであるから日本はデフレから脱却もできないわけでありますから、政府がそういったことを率先してやるということは、これはもうまさしく中小企業潰し、大企業の援護射撃というようなことであるということだけをしっかりと指摘をさせていただいて、質問を終わりたいと思います。  以上です。
  27. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。舟山康江君。
  28. 舟山康江

    ○舟山康江君 おはようございます。民主党の舟山康江でございます。  今日は、安保会議のため大臣が途中で退席をしなければいけないということですので、ちょっと質問の順番を変えて質問をさせていただきたいと思いますけれども、財務大臣はいらっしゃらないですか。──冒頭おられるということだったんですけれども。  どうなっているんでしょうか。
  29. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  30. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) では、速記を起こしてください。
  31. 舟山康江

    ○舟山康江君 改めまして、せっかく金融担当大臣出席いただいておりますので、順番どおり、まずは金融機関に注入した公的資金の回収見通しについてお伺いしたいと思います。  政府は、平成十年から十五年にかけまして、バブル崩壊後の不良債権処理に苦しむ金融機関に対して、早期健全化法に基づきまして、優先株等を引き受ける形で総額十二兆三千八百六十九億円の公的資金を注入いたしました。これまでに金額でいえば元本の九九%に相当する十二兆二千七百億円が回収され、国民負担が生じる事態は回避される見通しだということを聞いております。  一方で、この回収金額には売却益一兆四千八百億円が含まれておりまして、元本の九九%が戻ってきているわけではありません。投入元本の未返済分は二十三年四月時点で一兆五千億円、これ簿価ですけれども、ございます。やはり、本来ここをしっかりと返済してもらうという必要があると思っております。  このような中で、あおぞら銀行についてお聞きしたいと思います。  あおぞら銀行はまだ未返済分があると聞いておりますけれども、あおぞら銀行は日本債券信用銀行時代に国の公的資金注入を受けておりますけれども、その総額は幾らでしょうか。また、そのうち未返済金の総額は幾らでしょうか。参考人、お願いします。
  32. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) お答え申し上げます。  あおぞら銀行には、二回公的資金が入っておりまして、まず平成十年の三月に旧金融安定化法に基づきまして六百億、それから平成十二年の十月に早期健全化法に基づき二千六百億円の公的資金が注入されております。このうち、平成十八年十一月には千四十七億円が返済されております。したがいまして、公的資金の残額は二千百五十二億円でございます。  なお、旧安定化法に基づく六百億円につきましては平成十二年の十月に減資をしておりまして、それを考慮いたしますと残額は千七百九十四億円となるところでございます。
  33. 舟山康江

    舟山康江君 まだ残額が残っているということでございます。  あおぞら銀行は、今年三月期の業績予想で当期純利益を三百三十億円から四百五十億円に修正いたしまして、また、普通株式の年間配当予想も一株当たり三円から九円へ上方修正したと聞いております。  多額の公的資金、今のお話ですと千七百九十四億円ですか、多額の公的資金未返済金を抱えているにもかかわらず、普通株に多額の配当金を回そうとしているような、そんな現状でありますけれども、公的資金返済よりも普通株の株主を優先しているように見えます。これ、多分一般の人の感覚からするとそう見えると思いますけれども、モラルとしてこれで大臣、よろしいんでしょうか。
  34. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) 舟山議員にお答えをさせていただきます。  あおぞら銀行は昨年十月に業績予想と年間配当予測の上方修正を公表したことは承知しておりますが、個別の金融機関の配当政策に関する事柄でございますので、当局としてはコメントをすることは差し控えたいと思っております。  が、しかし、一般論として申し上げれば、公的資本増強行は経営の健全化計画を当然提出をいたしておりまして、その下で安定的な収益を上げつつ企業価値を上昇させることが求められておりますので、そういった時々の配当の具体的な水準は、同計画の履行状況や業績等を踏まえて、これは基本的な民間金融機関の大原則でございます、ある意味では自由主義経済の本質でもございますけれども、各行の経営判断により、当然、既に経営健全化計画は提出していただいておるわけでございますから、そういった中で経営判断によって適切に定められているものというふうに認識をいたしております。
  35. 舟山康江

    ○舟山康江君 基本的には民間金融機関ですから、経営判断ということで配当はどうあるべきなのかということでありますけれども、これ公的資金が入っているわけですね。通常は、普通の感覚であれば、それこそ身を削ってでも、自らの例えば報酬などを引き下げてでも何とか返していこうという姿勢が求められるのは当然だと思います。  それに加えまして、公的資金注入行のモラルハザードを回避するということも必要でありまして、そういう意味では、経営判断といえどもやはり金融当局が厳しい姿勢で監視、監督を行う必要があると思っております。その体制というのは十分なんでしょうか。
  36. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) 舟山議員にお答えをいたします。  金融庁といたしましては、公的資本増強を実施している各金融機関の経営の健全化計画等の履行状況について、半期ごとに報告を求めておるところでございます。必要に応じて、また必要であれば監督上の措置を講じているところでございます。  今後とも、その同計画の履行状況の適切なフォローアップ等を通じて、各金融機関に収益性や財務の健全性の維持向上のために取り組み、同時に、やっぱり経営者としては企業価値の向上にも努めねばなりませんし、また、財務の中長期的な健全性の維持にも目を配らなきゃいけませんし、当然その中で配当政策というのもあるわけでございますから、そういったことで、ビジネスモデルをきちっと確立していくように、少しお叱りはいただきましたけれども、大所高所に立って、銀行がきちっとやっていけることが、やっぱり私は、銀行というものに対して国家が免許を与えたわけでございますから、そのことが必要ではないかというふうに思っております。
  37. 舟山康江

    ○舟山康江君 金融機関は一般の企業に比べて、それこそ経済の血液のようなもので、そこがなければ経済が成り立たないという意味で、やはりそこは国がしっかりと、安易に潰れてしまって経済を破綻させないようにしていくというのは分かりますけれども、バブルのころ、こういったころに、やはりバブル崩壊後、民間の一般の企業というのはばたばたと、自ら身を削って血を流して、それでも埋め切れずに倒産した企業がたくさんあるわけです。そういう中で、収益が上がっているのにそこを株主だけに配当していると。やはりそこをきちんと返していくという姿勢を見せていただかなければ国民の納得は得られないと思いますし、それに対して金融当局がしっかりと本当、監視、監督、そういった体制も今まで以上に強化していただかないと、やはり何のための公的資金投入だったんだということになってしまうと思います。  これも、大分戻ってきたとはいえ、まだ残っている、投入元本の未返済分があるというところ、先ほども申しましたけれども、全体で一兆五千億ほどあると聞いております。ここの部分を、あおぞら銀行だけではなく、ほかの未返済金融機関からしっかりと返済してもらうような、そういう取組をなお一層大臣中心として取り組んでいただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  大臣におかれましては退席いただいて結構です。  続きまして、確定申告時の赤字会社に対する預金利子の源泉税還付につきましてお聞きしたいと思います。  赤字会社に対しても、赤字会社は当然法人税の納税がないわけですけれども、そういう会社であっても、預金利子、先に源泉徴収されていますので、その分が戻ってくるということ、そういった状況に今なっております。赤字会社がどのぐらいあるかと申しますと、法人税の申告を行っている法人が全体で二百七十六万二千件ございます。このうち、七四・八%、二百六万六千件は赤字若しくは売上げゼロということになっております。  一方で、今申し上げましたとおり、赤字会社でも、利子所得、預貯金の利子ですね、こういったものがあった場合に、原則として、その支払を受けるときにあらかじめ源泉税を、これ所得税一五%、地方税五%を支払っていますので、その税金が最終的に還付されることになります。この還付の金額、利子が非常に高いときには大きいのかもしれませんけれども、この低金利時代に非常に少ないわけですね。例えば、百万円預けても利子が六十円程度。そうすると、この源泉税が十二円ぐらいですか、国税九円、地方税三円。こういった、本当、円の単位で税金が発生しているということもありますけれども、こういう少額の場合にも還付をしております。  これは、少額だから還付をするなという意味ではありません。ただ、これが、極めて少額の場合でも、振込手数料、お知らせ通知、一件当たりの経費は大変ばかにならないと思うんですね。一円返すために数百円掛けているという事態が生じていると思います。  これが今、国税、地方税それぞれ別々に手続しているわけでありまして、当然今仕組みが違うので、法制度上別にこれがおかしいと言っているわけではありませんけれども、やはり私は、ここの経費の無駄を何とか削減できないのか、例えば一本化して徴収して後で案分するとか、何とか改善できないのか、そういった検討を是非していただきたいと思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
  38. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 冒頭、まず大臣の出席の件に関しまして御迷惑をお掛けいたしましたこと、おわびを申し上げます。その範囲で、私の方で残りの御質問についてお答えをさせていただきます。  今の法人所得課税についてでございますけれども、まず国税は税務署に申告納付をする、地方税は地方公共団体に申告納付するということになっておりまして、還付につきましても同様に、国税からの還付は税務署、地方税からの還付は地方公共団体というふうな仕組みになっているわけでございます。  したがいまして、できるだけ国税当局として地方税の当局と連携が重要だろうということで、いろんな情報提供等の共有をしております。例えば、国税当局から地方税当局に対して法人税の所得金額等のデータを提供していると。一方で、地方税の当局から法人税の申告書等の閲覧申入れがあれば税務署において対応しているというような形で情報の共有をしております。  じゃ、具体的には、国税及び地方税の還付手続の一括化については、どのような情報を税務署とそれから県なりとの間で共有するかと、それから、どのような形で今お話しになったような業務の流れを構築するかというようなことについて、御指摘いただきましたようなことについていろんな実現の可能性やそれから費用対効果、その辺も留意をしながらこれから検討していきたいというふうに思っております。  いずれにしましても、こういう効率化というのは非常に重要でございますので、その効率的な徴税の在り方について、今御指摘のような具体的なことについても御指摘をいただきましたので、検討してまいりたいというふうに思っております。
  39. 舟山康江

    ○舟山康江君 是非検討いただきたいと思います。  これ二百六万六千件の赤字申告、申告を行っている企業のうちこの赤字企業、ですから、この中の全てではありませんけれども、税金の還付を受けている、払うものはないけれども還付だけを受けているという企業は相当程度あると思っております。現に、私、地元の税理士さんにお話をお伺いしましたら、本当に数円の還付という事例が幾つも出てくるということでありました。本当に一部の話を聞いても幾つもあるということは、この二百六万のうちのトータルすれば相当の金額になると思いますので、是非これは、いや、国税と地方税、仕組みが違うからということではなくて、今副大臣に答えていただきましたけれども、本当にどういうことをすれば効率的な運用ができるのかということ。  さらに、場合によって運用だけではいかんともし難いのであれば、場合によっては法制度改正ということも含めて、本当にこれ、私は、今経費の削減とか行政コストの削減でいろんなところでぎりぎり身を削っていますけれども、非常に大きいと思うんですね。大きいところだと思いますので、是非ここはしっかりと検討をいただいて随時御報告いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、所得税の累進強化の必要性についてお聞きしたいと思います。  お手元の資料の一ページを御覧いただきたいと思いますけれども、これ先日、予算委員会で櫻井委員も使っておりましたけれども、これ過去二十数年間にわたる主な税目の税収の推移を示したものであります。  いろいろと数字の変遷がありますけれども、やはり一番目を引きますのは、所得税の税収が大幅に落ち込んでいる、そういう状況であります。平成の頭は少しバブルだということもありますので、例えばバブル前の昭和六十一年の所得税の税収額を見てみますと十六・八兆円ですね。これが、二十二年度決算額で見ますと、決算が出ているのは二十二年度までですので、二十二年度の数字で見ますと十三兆円となっております。  これ大分減っているというのがよく分かりますけれども、何となく一般的には、まあ景気が悪いからな、経済の規模も縮小してしまったからなと思われがちですけれども、実はこの間、GDPベースで見ますと、名目ベースで約四割拡大しているんですね。経済規模が一・四倍になっているのに税収が全く増えていないという状況がここで見て取れます。  なぜこれほどまでに落ち込んでいるのか、財務省の御所見をお聞きしたいと思います。
  40. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  先日、櫻井議員が御指摘いただき、そして今おっしゃっていただいたように、この昭和六十一年度から平成二十二年度まで、それだけ、十六・八兆から十三兆、それから名目GDPも増えたというのはそのとおりでございます。  一方で、実はいろいろな減税制度の改定が行われておりました。消費税導入直後の昭和六十二年、昭和六十三年、それから、平成七年に累進緩和を含む制度減税が行われました。それから、平成十六年度以降は地方へ税源移譲が行われております。つまり、所得税から住民税へでございます。したがいまして、累次の減税を含む制度改正を行ってきたということが税収が減少したということになって、そういう要因も大きな要因でございます。  六十二年、六十三年の累進緩和を含む制度減税で三・九兆円のマイナスでございます。それから、平成七年の所得税の累進緩和を含む制度減税が二・四兆円。それから、平成十六年度以降の所得税から住民税への減税、減った部分が三兆円と、そういったこともこの今御指摘のような数字の大きな要因になっております。
  41. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございました。  今お話がありましたとおり、減税、控除が拡大した、あとは累進緩和ということで相当大きく税収が落ち込んでいるという状況でございます。  続きまして、次の資料を御覧いただきたいと思いますけれども、国民負担率の内訳の国際比較となっております。これを見て分かりますのが、やはりヨーロッパは全体的に国民負担率が高い、これは一般的にも言われていることでありますけれども、これ見ると、実は日本は消費税率も決して高くはありませんが、所得税の割合が大変低いというのがよく分かると思います。所得税の負担率でいうとアメリカよりも低い。アメリカはどちらかといえば低福祉低負担と言われておりますけれども、低負担と言われているアメリカよりも個人所得課税の割合が非常に低いというのが特徴だと思っています。  リーマン・ショック後、ヨーロッパを中心とした主要国は、所得税の最高税率の引上げに踏み切るなど個人所得課税の累進性強化をしていまして、私はこれ、今や世界の潮流となりつつあると思います。所得の再分配という意味でも、やはり累進性強化というのは今、流れとしても世界どこでもその方向に行っているんじゃないかと思っております。  そういう中で、今回の社会保障と税の一体改革の見直しの中で最高税率を四〇%から四五%に引き上げるようでありますけれども、果たしてこの程度で所得税による所得再分配機能の低下を是正することができるのかなという疑問があります。かつては最高税率が七割という時代もありまして、大変高所得者には厳しい仕組みではありましたけれども、それでもやはりできるだけ所得の再分配をしていこうという、そういう狙いの中であのような、刻みも今の刻みよりも多い、現在六段階ですけれども、十段階ぐらいの刻みで所得税を課していたわけですけれども、この最高税率を五%上げるというだけで是正できるんでしょうか。更なる抜本改正が必要なんだと思いますけれども、副大臣の御所見をいただきたいと思います。
  42. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  今おっしゃっていただいたような状況でございますので、今度の法案の中でも、その格差是正や所得再分配機能の回復を図るためということで最高税率の見直しを行うということを決めておるわけでございます。  例えば、具体的には、今回の改正におきまして、課税所得五千万円以上について四〇%から四五%に引き上げますけれども、影響人員といいますか、具体的にはどんな方々が対象になるかというと、大体三万人程度、所得税の納税者全体の約〇・一%程度というふうに見込んでおります。増収見込額は四百億円程度ということでございます。  したがいまして、できるだけ高い所得階層に絞って負担増をお願いをするということでこれは再分配機能の回復に一定程度資するものと思っておりますけれども、今後の改革において更にその累進性を高めるというふうなことによって再分配機能を強化することが必要だろうというふうに思っております。そして、そうした中で税収の安定性の確保と、それから基幹税のバランスをどう考えるかというような観点から更なる努力が必要ではないかと思いますけれども、今回の最高税率の引上げに関しては先ほど申し上げたような状況でございます。
  43. 舟山康江

    ○舟山康江君 やはり、今この社会保障と税の一体改革の中では消費税だけが突出して議論されているかのような、そういう印象を多分多くの国民は受けていると思います。そういう中で、やはりここの所得税の負担の公平化というんでしょうか、いわゆる同じ税率にするんではなくて、やはり高所得者に対してどうしていくのか。様々、この二十年間でいろんな控除、減税行われてきましたけれども、こういったものをどう戻していくのか。更に言えば、相続税につきましても恐らく累進強化をしていかなきゃいけない。法人税についても、特定業界、企業向けの租特の見直しなども恐らく併せてやっていかなければ、なかなか消費税、本当、広く負担を求める、特に低所得者に負担が大きい消費税の増税というのはなかなか納得感が得られないんじゃないかと思うんですね。是非そこは、所得税につきましても更なる改正についてきちんと御議論をいただかなければいけないなと思っております。  そういう中で、今回の社会保障・税一体改革の内容を踏まえた場合に、国のそれぞれの税目についてどのような形で増減収が生じると予想しているのか、そういった試算は出しておられるでしょうか。
  44. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 今おっしゃっていただきました相続税の資産配分等についても検討しているところでございます。  それから、今の御質問でございますけれども、消費税に関しましては、これは国と地方併せた引上げでございますが、十三・五兆円程度、そのうちの国税が十・三兆円程度というふうに見込んでおります。それから、所得税の最高税率引上げが〇・〇四兆円、四百億円程度、先ほど申し上げたとおりでございます。それから、今ちょっと触れました相続税、贈与税の見直しが三千億円程度というふうに見込んでおります。それから、消費税については、今申し上げたほかに、課税の適正化措置として新設法人の免許事業者要件の見直し等による十四億円といったことも予想しております。
  45. 舟山康江

    ○舟山康江君 今お答えいただきましたけれども、やっぱりどうしても消費税に偏り過ぎていると、もっとほかの税目についての税収をどう上げていくのか。税率を上げりゃいいというものじゃないですけれども、そこのバランスもしっかりと考えて国民の理解を得るような努力をいただきたいなと思っています。  続きまして、今少し触れていただきましたけれども、いわゆる益税対策ですね、事業者免税点制度、簡易課税制度、今こういった制度によりまして様々な益税が発生していると。つまりは本来払うべき人が払っていない、課税逃れとも言い換えることができると思いますけれども、そういう事態が多々あるという指摘がございます。  今回、会計検査院の検査では、消費税の課税期間に係る基準期間がない法人、つまりは設立二年以内の法人について幾つか調査をしております。  この調査の中で、設立当初から相当の売上高を有する法人が相当数存在するとの指摘、また、個人事業者から、今まで課税対象となっていた個人事業者ですけれども、個人事業者から法人成りした後も相当の売上高を有しているのに資本金が一千万円未満ということで免税事業者となっている法人が相当いるとの指摘、それから、設立のときには資本金一千万円未満で、事業年度の途中、場合によっては設立登記をしてすぐに増資をして一千万円以上の資本金にしているという、ですから、当初その一千万円未満ということで免税事業者となっている法人が多くいるとの指摘、また、設立二年以内の事業者免税点制度の適用を受けた後に、以降の事業年度に解散等をしている、若しくは場合によってはまた新しく設立してずっと免税点制度を利用し続けている、免税点制度の悪用とも言えますけれども、こういう法人がいるとの指摘、こういう指摘をされた法人がたくさんあります。  検査対象となった千五百四十六法人のうち、納税消費税額の推計が可能な五百八十七法人の納付消費税額の推計額は合計で十七億五千七百十四万円となっております。つまり、本来払うべき金額がこれだけ徴収漏れになっていたということになっていると思います。  また、簡易課税制度につきましても、みなし仕入れ率が実態と大きく乖離しているという事例もたくさん見受けられるようでありまして、例えばみなし仕入れ率と実際の仕入れ割合とに二〇%の開きが見られる業種、これは金融・保険業、不動産業、多分仕入れというのは余り大きな額はないわけでありまして、こういったところは特に大きな開きがあるんじゃないかと言われておりますけれども、例えば課税売上額五千万円だとした場合に、一千万円分仕入れに差が出かねないという状況になっております。  こういう状況が見られますけれども、この益税、こういったものを解消することによって国の税収はどの程度増えると考えられますでしょうか。
  46. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) まず、先ほど免税事業者要件というところを免許事業者要件というふうに言い間違えてしまいましたが、免税事業者要件、十四億円でございますので、訂正をさせていただきます。  そして、今益税がどのくらいに廃止をすることによって増収となるかということでございますけれども、まず、税務署に納めてないという意味での事業者が、それが益税ということでございますけれども、これが価格への転嫁の程度によって変わってくるものですから、益税の額を定量的に計算するというのはなかなか難しいということでございます。  今回、中小事業者の事務負担に配慮するために設けられているわけですけれども、これらの制度を廃止した場合の増収額については、いろいろ前提を置いた上で試算をするわけですけれども、それぞれ事業者免税点制度の廃止においては二千億円程度、それから簡易課税制度においては一千億円程度というふうに見込んでおります。最後の質問に関してはそういうことでございます。
  47. 舟山康江

    ○舟山康江君 なかなか試算しにくいところもあると思いますけれども、これはある大学の教授の試算によれば、これをなくせば一・八兆円の増収が見込めるという試算もあるようでありますので、是非この益税対策、しっかりしていただきたいと思います。  今、少し言及いただきましたけれども、事業者免税点制度については課税売上高五億円超の法人の子会社については見直していくと。つまり、大手の子会社についてはこの免税点制度は適用しないという見直しをすると聞いておりますけれども、今の見直しについては、このほかにどのような見直しを検討しておりますでしょうか。
  48. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 今の大学の先生のお話でございますけれども、理論的にこういう可能性があるということをおっしゃっているようでございまして、必ずしも具体的な数値によって試算をするのではないという前提でその論文を書かれているというふうに伺っております。  そして、今後の対策でございますけれども、今までは六か月ごとに、中小企業の場合には──済みません、先ほどは関西大学の橋本教授の場合だろうと思いますけれども、いわゆるマクロの消費税の課税ベースから期待される税収と実際の税収の差額を出している試算というふうにおっしゃっておられまして、発生している可能性の最大限の数字と考えられるので、実際にはこの数字よりも益税の金額が少ないはずであるというふうにもおっしゃっておられますので、参考までに申し上げたいと思います。  それから、今後の対策についてでございますけれども、中小企業の場合に、六か月未満であっても税制改正において売上高の免税事業者の要件を判定する措置を講じたと。つまり、六か月未満であっても実際に計上すること、申出をしていただくことによって、手元にお金を置いておかなくても実際に反映をされるということにおいては、この益税対策については効果があるんであろうという対策を今回取るということでございます。
  49. 舟山康江

    ○舟山康江君 大手の子会社については少し厳しくこの免税点制度の適用除外にしていくということですけれども、これだけではなかなか足りないのかなと思っております。  元々、資本金が小さい会社であっても、先ほどの会計検査院の指摘のような事例というのは、これ検査しただけでもこれだけあるわけですから、全国見ればもっともっとあると思いますので、なかなか多分、新設法人の場合に何を基準として判断するのかということ、それから、既設の法人であっても、今、前々年度の売上げをベースとして当年度課税するかどうかを判断しておりまして、前々年度売上げが低くても、今年、当年度は多い場合もあれば逆の場合もあります。そこの判断制度というんでしょうか、今の判断制度をどのように現実に近づけていくのかという、そういう制度の見直しも必要なのかなと思っておりますので、是非御検討いただければと思っています。  それから、消費税の滞納状況ですね。やはり、消費税の増税を検討している中で滞納をきちんと是正していくということも必要ではないのかなと思っています。消費税の信頼を確保するためにもしっかりとやっていく必要があると思いますけれども、今の消費税の滞納状況に対する認識と、どのような対策を実施、検討しているのか、お聞かせください。
  50. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  消費税のまず新規発生滞納額については、平成二十二年度は約三千三百九十八億円でございます。これは、新規発生滞納全体の約五割を占めております。ちなみに、平成二十二年度末における消費税の滞納残高は四千二百五十六億円でございまして、滞納残高全体の約三割となっております。  具体的には、期限内に納付して、それからこの滞納については、まずとにかく、事前に、そういう滞納状況がないための未然の防止策のための広報周知活動をチラシ等を作ったりして行っております。その上で、滞納になった場合には滞納者個々の実情に応じていろいろな対応をしているということでございます。  例えば、こうした取組を行った結果、平成二十一年度に徴収決定された消費税の九九・四%が翌年の二十二年度までに徴収されております。それから、二十二年度の消費税の滞納残高を見ますと、平成十二年以降、十一年連続で減少し、ピーク時に比べ三割以上減っております。  今回の税制抜本改革法案におきましては、中小企業の方々が計画的に消費税の納税を行うことができますように、確定申告を待たずに自主的に中間申告あるいは納税ができる制度を導入をしているということでございまして、滞納に関しましてはかなりの部分が実はカバーされておりますけれども、更に工夫をしながら滞納状況が減るような形でその未然防止等に努めてまいりたいというふうに思っております。
  51. 舟山康江

    ○舟山康江君 今のお答えでもありましたけれども、滞納全体に占める消費税の割合というのは非常にやっぱり高いわけですね。これはもう一貫して増加しているわけでありまして、消費税の信頼を確保するためには、特に悪質な滞納者についてはしっかりと支払ってもらうという対策は今まで以上にしっかりとやっていただかなければいけないと思いますし、これが、税率が上がるとなればますますその滞納額が大きくなるわけです、単純に言えば大きくなってしまうわけでありまして、そこはしっかり取り締まっていただきたいと思いますし。  一方で、中小企業に消費税の滞納が多いと。これが悪質な場合には中小企業といえどもしっかりと払うべきものは払っていただかなければいけないというのはもちろんでありますけれども、一方で、非常に大企業と比べて経済的立場が弱く、なかなか価格への転嫁ができない、本来価格転嫁しなければいけないその消費税の価格転嫁ができていない、だから払えないんだという現状も本当にあらゆるところで起きていると思っております。  増税を考えるに際しましては、この価格転嫁の問題、論点として出されていると思いますけれども、ここの部分についても十分に御検討いただいて、しっかりと消費税の信頼を上げる、信頼を向上させていくという努力を続けていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、税務大学校についてお聞きしたいと思います。お配りしております資料三ページ目、あと、これ表裏ですけれども、税務大学校の概要の資料を配らせていただいております。  税務大学校は本校が埼玉県にありまして、そのほかに全国十二か所、国税局単位で地方研修所というものがございまして、そこで研修を行っているようであります。概要、ここで、全体の予算が五十億円ぐらいでしょうか、研修コースたくさんございます。  まず冒頭に、この税務大学校の存在意義についてお聞きしたいと思います。
  52. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  税務署の職員というのはかなり高度な専門的な知識それから技能を有するということで、一般の高校や大学等で習得するいわゆる一般教養とか法律等の科目に含まれていない、税務の専門的知識あるいは技能を付与する研修が必要であるということでございます。
  53. 舟山康江

    ○舟山康江君 私も、この教育課程を幾つか見せていただきました。この中に、今幾つもの教育課程がありまして、例えば普通科と言われるものは、お配りした資料にもありますけれども、高卒程度の新規採用職員を対象に一年間、基礎的知識、技能を習得させるということでありますけれども、このカリキュラムの中身を見ますと、例えば、もちろん税務のその専門の勉強もありますが、そのほかに基礎的な例えば経済学入門ですとか法学入門、そのほか体育とかですね、行事、いろんなそういった専門知識とは必ずしも言えないものも入っておりまして、果たしてこれ全てがこの税務大学校で一年間掛けて、しかも全寮制で、相当な経費と資本を注入して全てをやる必要性が本当にあるんだろうかと、そういう疑問が湧いてまいります。  本来は、国家公務員試験を通った人というのは即戦力として使うべきでありまして、その中でやはり特殊技能を磨いていくために一定の研修が必要ということを、これ自体全て否定するわけではありませんけれども、これほど長く囲い込んだ研修が、またこれほど多岐にわたる研修項目が必要なんだろうかというのが通常の疑問ではないのかなと思っております。  普通は、何かの仕事に就きたいときには、自ら費用を負担してその専門学校に行くなり、大学に通うなり、専門技能を磨いてそれに合ったところに就職するわけでありまして、ここに関しては、それがなくても全て与えられているというのは、少しちょっと過剰だというふうにも受け取れるんじゃないのかなと思っています。  何となくこの時代、様々な、今、事業仕分等も通じていろんな省庁の大学校が廃止、縮小に追い込まれる中で、税務大学校だけは合計十三校もある、研修所含めて十三校もあるというのは非常に違和感があります。とりわけ、これ通学研修もあるんですけれども、通学者に対しては交通費まで出ているんです。当然、研修中にも公務員としての給与は出るわけでありまして、非常にこれ違和感があるわけですけれども、例えば研修所を廃止、地方の研修所をなくしていくとか、もう少しカリキュラムを縮小していくとか、そういう努力をしていく必要があると思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
  54. 岡本榮一

    ○政府参考人(岡本榮一君) お答え申します。  大変厳しい行財政事情でございますので、私ども研修に当たりましても、研修施設がより効率的、効果的になりますよう研修体系及び施設等について不断の見直しを行っておるところでございます。  例えば、御指摘のありました新規採用職員を対象とした研修につきましても、従来八研修所で行っていたものを四研修所にいたしまして、その敷地を縮小する等施設の集約化を努めておりますし、また研修期間やカリキュラムの内容についても見直しを行っておるところでございます。  普通科は一年間と長いのではないかというお話でございましたけれども、様々な事情で高校を卒業して国税を希望してくれる方々がいらっしゃるわけでございますけれども、そういった方々が第一線に配属されますと、税務調査や滞納整理などで社会経験豊かな企業経営者等々と対応していかなければならないということでございますので、その場合、単に税法等の専門知識、技能のみならず、まさに心技体にわたります総合的な人間力が必要とされてくるところでございます。  そういった意味におきまして、今後とも実施していくに当たっては、効果的な、効率的な研修が実施できるようカリキュラム等の不断の見直しを行っていきますけれども、国民の皆様に信頼される税務職員を育成するためには一定の時間とコストが必要なことは御理解賜りたいと思います。
  55. 舟山康江

    ○舟山康江君 全く今、私はこの場で全て廃止しろと言うつもりもありませんけれども、さっきも言いましたが、通常は自らのスキルアップには自らが投資して取り組むわけですよ。それを、これほどもう充実したカリキュラムがそれこそ全国どこでも受けられるというのは、やっぱりちょっとこの御時世に違和感があるということは是非強く御認識いただきたいと思います。  普通研修を行っている研修所を八研修所から四研修所に減らす努力はしているようでありますけれども、そもそも地方研修所、必要なんでしょうか。地方研修所の必要性そのものもしっかりと検証をして、国有財産の有効活用、処分、そういった努力をしていかなければ、財務省はほかの役所には非常に厳しい査定をする中で、自分は必要だからということで身を削らないというのは、なかなかこれは納得できないなと、少なくとも私は納得できないなと思っております。  研修項目につきましても、もう少し、効率化を図るとか、あとは一定程度の負担を求めるとか、そういったやり方の検討も必要だと思います。しかも、これ学生数で見た施設の割合が非常に大きい。つまりは非常に恵まれているんですね。一般の大学の恐らくこれフルタイムの学生で見ますと七倍ぐらい、校舎でいえば十倍ぐらい、非常にゆとりのある施設構成になっておりまして、そういう観点からも、地方研修所の見直し、廃止、縮小、しっかりと検討いただきたいと思いますけれども、これにつきまして副大臣の御見解をいただきたいと思います。
  56. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
  57. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) こういう流れの非常に重要な局面でございますので、具体的に御指摘いただいた点は非常に重要な点でございますので、非常に詳しく精査をして対応、検討してまいりたいと思います。
  58. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございました。
  59. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 暫時休憩いたします。    午前十一時二十八分休憩      ─────・─────    午前十一時三十五分開会
  60. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十二年度決算外二件を議題とし、財務省、金融庁及び株式会社日本政策金融公庫の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  61. 若林健太

    ○若林健太君 自由民主党の若林でございます。  休憩に続きまして質疑に入らさせていただきたいと思いますが、この休憩の間、安全保障会議が開かれたと、こういうことでございました。  今朝ほど北朝鮮が通告をされていたミサイルの打ち上げをされた、これに応じての安全保障会議だと思いますが、どのような内容を質疑されたのか、簡潔に安住大臣にお伺いしたいと思います。
  62. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 今日は、今、若林委員からありましたように、安全保障会議等がありまして、委員会の運営上、御配慮いただきましたことを心から感謝をまず申し上げます。  十一時から始まりました安全保障会議においては、北朝鮮からのいわゆる飛翔体が、事実関係として打ち上げがあって、その後、一定の期間を置いたところでそれが黄海の方に落下したと、そうした事実関係を踏まえて、今後、これに対してどういうふうに対応するかということについて議論がありました。  詳細については官房長官から間もなく会見をさせていただきますけれども、私も、財務省全般にわたって今北朝鮮に対する制裁措置等を行っておりますので、今後、国際社会の中で安保理等も開かれるということでございますので、そうしたことを踏まえながら様々な対応をしていかないといけなくなるかもしれないということを今考えております。  なお、国民の皆さんに対してのまた御説明等については、詳細は官房長官から一本化をして御連絡を申し上げるということでございます。  総理の方からは、引き続き、全省一体となって、各省ですね、この事態に当たってほしいと、それから北朝鮮の動向等について情報収集、分析に全力を挙げてほしい等々の御指示はありました。  以上でございます。
  63. 若林健太

    ○若林健太君 大変緊張感漂う国際情勢の中、再三の中止要請を振り切っての今回の暴挙でありますから、日本国政府としてきちっとした対応をしていただきたい、政府にはそのことをお願いを申し上げたいというふうに思います。  さて、決算委員会でありますから、通告させていただいた質問項目に従いながら御質問させていただきたいと思います。  午前中、大島九州男委員から、会計検査院の検査要請に従って様々な御質問をされておられました。当参議院決算委員会では、特別会計の改革の状況についてということで、平成二十三年二月、会計検査院に対して検査の要請を行い、今年の一月にその結果報告をいただいたわけであります。これに従って、それを受けて幾つか御質問させていただきたいというふうに思います。  いわゆる埋蔵金、まだまだあるぞと言う人もいるし、既に枯渇していると、こういうふうに言う人もございます。この点については、実は財政金融委員会で安住大臣とは既に一度御議論させていただいておりますけれども、会計検査院から御指摘をされた事項の中に、積立金の適正水準というものをしっかりと示すべきであるという報告をいただいております。現状は、適正水準について記載されている積立金もありますけれども、それらについて明細等をしっかりと示していない、そういう積立金もあるわけであります。  この点について、今後の検討どうされるか、お伺いしたいと思います。
  64. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) この会計検査院の報告書でも、国債整理基金特会や労働保険特会、雇用勘定などの積立金の必要な規模、水準を示されないものがあるので、こうしたことについてよく検討しなさいという御指摘をいただきました。  御存じのように、財金でもお話をしましたけれども、会計全体についての公表というのはしっかりやっておりますけれども、積立金等についてはその時々の雇用情勢等、また国債を取り巻く環境等によって定量的にしっかり示していくというのが難しい部分もありますけれども、しかし、必要な額等についてはしっかりとこれまでも説明をしてきたところでありますが、若林先生の御指摘というのは私も重々承知でございますので、今後できるだけ適切な情報開示等に努めてまいりたいというふうに思っております。
  65. 若林健太

    若林健太君 いろんな考え方、確かにあるものだと思いますけれども、政府としてそういった考え方の中でどういう選択をしているのか、これを明示する、ディスクローズ責任、大変重要だと、こんなふうに思いますので、御検討いただきたい。  この話の中で、財政投融資特別会計財政融資資金勘定、この積立金について具体的にちょっとお伺いしたいんですが、この保有するべき規模というのは、将来の大幅な金利変動に対して財政の健全性を保つ、その水準であると、そして予定貸借対照表上の資産合計額の千分の五十というのを一つの基準に示しているわけです。  しかし、実は近年、財政事情が非常に厳しい中で、これを取り崩して度々一般会計へ繰入れをするなどやっておりまして、現状既に枯渇していると、こういう話を財務省等で説明をされておられます。しかし一方で、二十三年度予算、剰余金が八千七百億出まして、これについてこの積立金として計上しているわけです。  一体、必要額というのをどういうふうに見ているのか。この今の水準、この一般会計に繰り入れているので十分と見ておられるのか、あるいはどういう考え方で千分の五十と見ておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  66. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  二十年以降、この一般会計の財政事情に鑑みて、臨時特例的な措置として総額十七・三兆円の一般会計への繰入れを実施しております。二十四年度には、この二十四年度末の積立金見込額の全額に当たります一兆円を復興債の償還財源として国債整理基金特会に繰り入れることといたしておりますので、今御指摘のような枯渇しているような状況でございます。  したがいまして、財投特会の財務の健全性を確保するため、できるだけ財投債の発行年限を貸付期間に合わせるように調整をする、そして資産債務管理、ALMに努めているということでございます。  そして、今度の特別会計の改革の基本方針におきましても、財投特会については、このALMの高度化のための施策を引き続き実施するということにしておりまして、できるだけ今後ともALMに取り組んで、財投特会の財務の健全性の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
  67. 若林健太

    ○若林健太君 ALMというのは、これは銀行や何かでもやっている財政の健全性を見るためのバランスの考え方で、千分の五十って、どうして千分の五十で金利の変動に耐えられるのかという質問には答えられていないと、こんなふうに思いますが、その点どうでしょうか。
  68. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えいたします。  将来金利の変動があっても赤字にならないようなための数字ということで千分の五十ということにしております。
  69. 若林健太

    ○若林健太君 それは何とかの問答みたいなもので、全然答えていないんですね。是非、千分の五十、どういう基準で、根拠でその数字を設定したか、改めて別の機会に教えていただきたいというふうに思います。  さて、これ以外にも様々な積立金があります。以前この決算委員会の中でも御指摘をさせていただきましたが、年金特別会計基礎年金勘定には実は昭和六十年からずっと残高が一緒の積立金があります。七千二百四十六億であります。これはいわゆる妻積みと、こう言われているものでありまして、これについて、なかなか制度改正の後、給付をする相手方が見付からないということで、政治的に決着ができないということで、ずっとその残高が放置されてきたものであります。この運用収益は既に七千八百億、両方合わせると一兆五千億にもなるというわけでありますが、これについて今回の被用者年金一元化の中で是正するべきであると、このことを前回の決算委員会で指摘をさせていただきました。この点、どうなっているか、お伺いしたいと思います。
  70. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えいたします。  昭和六十年代の国民年金に任意加入とされた被用者の被扶養配偶者が納付した保険料が積立金として管理されているということが今御指摘の妻積みでございますけれども、この積立金の運用収入が剰余金として積み重ねられているという状況でございます。  本日、閣議決定をされました被用者年金一元化法案におきましては、一つは、基礎年金勘定の剰余金について積立金に組み入れられるようにするということが一つ、それから二つ目は、基礎年金勘定の積立金を基礎年金の給付に充てられるようにすることということが特別会計法の改正で決められており、一・五兆円分につきましても基礎年金の給付のために順次活用していくということになっております。
  71. 若林健太

    ○若林健太君 先日指摘をさせていただいた項目でございます。剰余金として運用収益で上がっていたもの、これを元本と一緒に年金積立金の中へ組み込み、そして給付に充てていくと、こういうことだと思うんです。  これは、そうすると、今まで実はずっとそういう活用ができなかったというのは、任意段階での積立て部分について誰にそれを給付するのかというのがなかなか政治的に決められなかったと、こういうことでありまして、時が経て、ここで基礎年金積立金勘定の中に組み入れることによってそうした誰にやるということの議論を卒業したと、こういう理解でよろしいんでしょうか。この給付は一般の皆さんのところへ広くやると、こういう理解でよろしいでしょうか。
  72. 蒲原基道

    ○政府参考人(蒲原基道君) 先ほど副大臣の方から答弁がありましたとおり、この積立金につきましては任意加入の時代に積み上がったものという性格のものでございます。  先ほど委員御指摘の使い道のところでございますけれども、基本的には任意加入しておりましたサラリーマンの奥さん等が基礎年金を受け取るということになるということになりますので、全体的にはそういう、今話がございましたとおり、基礎年金の給付に充てる部分にこれを充てていくということで整理が付いているということでございます。
  73. 若林健太

    ○若林健太君 そうなんですね。  ところで、その給付は、具体的に、じゃ、積み立てていた奥さんに、奥さんというか、三号被保険者の方に個別に充てる、そういうわけではありませんよね。全体にプールして給付に充てると、こういうことでよろしいでしょうか。もう一度。
  74. 蒲原基道

    ○政府参考人(蒲原基道君) 委員御指摘のとおりでございます。基礎年金の給付費というのは、それぞれ各年金制度が拠出金という形で持ち寄ることによってその給付費を賄っていると、こういう構造になってございます。  したがいまして、今回のいわゆる妻積みと呼ばれているものについては、各制度が持ち寄る拠出金のところにそれを軽減する形で入れていくという形で基礎年金の給付、マクロ的に全体として基礎年金の給付に充てていくと、こういう整理でございます。
  75. 若林健太

    ○若林健太君 ありがとうございます。  実は今、AIJ問題というのが話題をさらってございます。これは巨額の詐欺事件でありますけれども、この詐欺事件の問題によって実はあぶり出された問題とすれば、やっぱり厚生年金基金の運用についての問題というのがあぶり出されたと、このように思います。いわゆるその代行部分と言われるものが基礎年金基金の実際の八割方を占めているという状況の中で、現在のこの運用環境の中で底を割り込んでしまっている、事実上、国から預かっている資産が割り込んでいる状態がずっと続いている、そういう年金基金が随分あるわけであります。  これは非常に問題視されて改正され、選択をすることによって確定拠出型に移ることができる。大企業はほとんど移りましたけれども、実は中小企業の総合型と言われるものについては、移るための体力がなくて、ずっと放置をされていた。その問題が、そういう年金基金が運用に苦しむ中でAIJに引っかかってしまうなんということが起きたんだと、このように思うんですね。  今、この厚生年金基金、今後の存続あるいは解散に向けて出口戦略を少し整理をするべきではないかと、こういう議論があると思いますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
  76. 蒲原基道

    ○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。  厚生年金基金制度は、先生御指摘のとおり、厚生年金、いわゆる公的年金の二階部分の一部を代行しているということでございます。委員御指摘のとおり、この代行部分を持っておりながらそのために必要な資金を持っていないと、こういういわゆる代行割れ状態にある基金が全基金のうちの約四割弱ということになっているわけでございます。こうしたことを今後どういう形で対応していくかということでございます。  先生御指摘のとおり、これは、できる限り今の基金を存続していくという観点からいくと、一つは、これはやっぱり事業主側に一定の追加的に掛金の拠出をお願いするといったことが一つ必要になろうかと思いますし、もう一つは、先生、出口戦略とおっしゃいましたけれども、なかなか将来に向かって難しいというような場合については、一定の要件はございますけれども、解散という形で対応していくと。ただ、その解散の場合には、足りない、言わば代行部分に不足しているものをどういうふうに誰が負担していくかということを併せて検討していくことが必要であるというふうに考えております。  実は、この問題についてはいろんな御意見がありますけれども、ちょうど本日から厚生労働省に有識者会議を設けまして議論をするということになってございます。これは六月中を目指して結論を出していきたいということになってございますので、そうした有識者会議の意見を聞きながらきちんと対応してまいりたいと、かように考えてございます。
  77. 若林健太

    ○若林健太君 今お話のあった解散時の代行部分の欠損部分ですね、これをどうするのか。これは、神戸のタクシー会社の事例などが指摘をされて、連帯責任を負わされた事業者が連鎖倒産をすると、こんな話が持ち上がっているところであります。損失の確定、それぞれの事業者の債務の確定をどこで認識をするのか、最後まで行くのか、あるいは解散時点で債務を確定するのか、こうした論点が一つあると思います。  もう一つ、今のスキームでいきますと、給付を受けている人たち、それから事業者が責任を負う、これはもちろんそれが原点だというふうに思いますけれども、一方で国は責任がないのかということが私はあるんだと思うんです。  といいますのも、厚生年金基金、運用状態がこれだけ悪くなっているという状況をずっと放置してきてしまった、解散するにもなかなか解散をするための制度がしっかりできていなかったのではないか、こういうことがあると思うんです。ある意味では三方両損のような知恵を絞らなければならないときに来ているのではないのかなと、私はこのように思うわけであります。財源がない、財源がないという話でありますけれども、先ほどの妻積みの部分などもひとつこういうことを考えるに値するのではないかと、このように思いますけれども、これはなかなか答弁は難しいかもしれませんけれども、ひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
  78. 蒲原基道

    ○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。  今話がございましたいわゆる代行割れしている部分の担当、どこに最終的に負担をしてもらうかと、できる限り事業主といった場合でもどうしてもできないところをどうするかという話でございますけれども、この部分について公費や保険料で補填するというのはなかなか難しいのではないかと。  というのは、一つは、基金に加入していない厚生年金被保険者との、その人たちの公平性の問題が一つございます。もう一つは、この代行部分というのは厚生年金の二階部分に当たるわけですけれども、二階部分には国費というのは投入されていないという状況になってございますので、そうしたことを考えると、なかなか保険料及び国費で対応するというのは難しいのではないかと考えております。  ただ一方で、先ほどお話がございました妻積み、これは先ほども御答弁申しましたとおり、この部分はあくまで基礎年金に充てるための言わば保険料財源ということになりますので、その妻積みを充てるというのは、今度は妻積みの側の元々の性格論からしても必ずしも適当ではないというふうに思っています。  ただ、代行問題への対応で、やはりここをどのように、形で対応していくかということは非常に大事な問題でありますので、先ほど申しましたとおり、本日設けます有識者会議の意見を聞きながら検討を深めてまいりたいというふうに考えております。
  79. 若林健太

    ○若林健太君 審議官にこの質問をしても大変難しいと思います。ここは政治がそれこそしっかり決断をして、大変広範囲です、私の地元でも、印刷、トラック、タクシー、建設、官公需と、大体地域の経済を支えている中小企業の皆さんほとんど入っていると、こんな状況になってございまして、大変大きな社会問題化しかねないことだというふうに思います。  是非、ここは早い決断、そして政治の決断が必要だと、このように思いますが、そのことは意見として申し上げさせていただきたいと思います。  次の話題に入りたいと思いますが、新聞報道を見ますと、どうも政府において交付国債の発行について少し検討する、変更するんだというようなことが報道されてございます。  このことについて、その真偽を安住大臣にお伺いしたいと思います。
  80. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 先週まで大変熱心に参議院の予算委員会をやっていただきまして、最大の争点の一つでございました。これは財金委員会で先生からも質問いただきまして、私は、現時点でも交付国債はベストであると自分では思っておりますけれども、しかし、現実には自民党の皆さんの方からつなぎ国債の提案も正式に党として提案をいただきました。これは大変私は消費税を前提とした前向きな提案であると。  私どもの交付国債と、国会の中でも再三答弁をしてまいりましたが、ほかの党の賛否はよく分かりませんが、自民党の場合はそういう対案まで出していただいて、私は政党間で、そうしたことでいえば、私どもの交付国債とそちら側のそういう提案というものも是非政策論議をやっていただいて、ゴールは同じでございますので、何とかその行く道筋について議論をしていただきたいと。私どもとしても、これから委員会が衆議院からスタートするんだと思いますけれども、交付国債をめぐる関係法案の質疑の中でこの必要性はお訴えをさせていただくと。  一方で、対案まで出していただいて、建設的な提案をいただいておりますので、そうした点では議論の、何といいますか、環境は十分整っておりますので、いろんな意味でプラス、マイナスの議論をいただければということをいろんな立場の方が多分申し上げていると思いますので、そうしたことを踏まえた話であって、何か撤回をしてということではございませんので、前向きな是非話合いをさせていただきたいということを目的にいろんなお話をさせていただいております。
  81. 若林健太

    ○若林健太君 ちょっとよく分からなかったんですけれども、交付国債を発行するか、つなぎ国債かというのは、これはもう決定的に私は違うというふうに申し上げてまいりました。それは、その金繰りからすれば似たようなもんじゃないかと、こういうお話をしているようにしか私は聞こえないんですね。  しかし、特別会計においてこの交付国債なるものを発行し、一般会計から消し去る三兆円規模のこの調達の仕方というのはまさに粉飾そのものだというふうに私は思っておりまして、そういう意味では、この改正について政府が検討するというのはあるべき姿だと思いますけれども、似たようなものだからと、こういうことではありません、正しい方向へしっかりと議論を進めることが必要だと。  しかし、それにしても、参議院の審議が終わって二日後に新聞に発表されるんですね。一体あの審議は何だったんだと。二日後に予算修正するのかねと、それだったらもっと前にそういう議論ができなかったのかと、参議院の審議が軽視されているんではないかと、このように憤ったものでありますが、その点について伺いたいと思います。
  82. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 逆でございまして、なかなかこれは認めていただく環境づくりをするのは難しいのではないかということも前提に新聞社の皆さんも私のところに質問をしてきて、また与党幹部にもですね。やっぱりこれ、率直に申し上げて、法案として成立をしなければ私どもの提案は成り立ちません。  ですから、そういう点では、やはりコンセンサスを得る努力を我々としては是非させていただきたいということなので、参議院でのやはりしっかりとしたこの一か月に及ぶ質疑の中で、率直に言って、交付国債はすばらしいから是非やれという御意見が自民党の中からもなかったことは事実でございますので、そういう中で、私も国会対策をやっておりましたが、やはり政党間でのこうした大きな話は、委員会での質疑も十分参考にさせていただく、また政党間での立ち位置も十分確認させていただきながら、やはり二分の一を、何といいますか、しっかり担保していく、確保していくということはコンセンサスは得られているんだと思います。  それから、あえて言えば、似たようなものだと私は思いません。ただ、消費税というものを念頭に、安定して二分の一のやはり財源の確保のためにというところも、そこは私は理解を得られているんだと思います。単に国債を発行するという、国債の将来のツケを回して、そこにただ国債を発行すればいいんだという御提案では全く自民党の場合もないわけで、将来に対する責任というのをしっかり御提示されたのでつなぎということをおっしゃっておられるということであれば、私は、そういう点ではそれぞれの立場が出そろった段階で是非大きな話として、私どもも審議もさせていただきますが、協議も是非させていただければということでございます。
  83. 若林健太

    ○若林健太君 私は、その協議に当たって、前回、この決算委員会で交付国債について大臣とお話をさせていただきました。財政法の規律の問題を引き出して質問させていただいたわけでありますが、ああいうこそくな知恵というのは、やっぱり財政を運営していくに当たって取ってはならぬことだと、真っ正面、真っ向勝負をちゃんとするべきであると、こういうことを御指摘をさせていただいたわけで、そういう視点から是非建設的な回答が得られるようにしていただきたいと、こんなふうに思います。それをもし交付国債をつなぎ国債へ変更するとなれば、これは予算を補正しなければならぬと、こういうふうに思いますが、それでよろしいでしょうか、大臣。
  84. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) いや、この場でそれを前提にして答弁すると誤解を受けることもありますので、一般論として申し上げますと、二兆、まあ三兆円近いお金ですね、これを何らかの措置をするということは、当然その全体の枠組みにかかわってくることは十分想定し得ると思います。
  85. 若林健太

    ○若林健太君 もし交付国債をつなぎ国債にするということになれば、特別会計に計上されているその部分が一般会計に行くと、こういうことなんでしょうかね。いずれにしても補正をするということだと思うんです。  そこで、以前、財政金融委員会で大臣と質疑をした中で、私は是非、いずれもし補正を組むに当たっては検討していただきたいと、こういう申入れをさせていただき、大臣もそのことについて御理解をいただいた案件がございます。  これは、東日本大震災復興特別会計についての質疑の中で、実は、本来、特別会計というのは目的、ある一定の目的を持って、一般会計の中でやったんではなかなか分かりづらい、しっかりと個別に管理するべきであるという目的を持って設置をされるもの、これがたまたまその目的が終わってもずっと放置をされて、そこの資金が滞留しているんではないかという指摘があって特別会計改革というのが行われたわけでありますが、今回の東日本大震災は非常に未曽有の事故でもありましたし、これに対する対応はきちっと特別会計でやるべきである、その歳入歳出は全額を特別会計で充てる、管理をするべきであると、こういう趣旨で特別会計が設置をされたと、こういうことでありました。  しかしながら、今予算においては、本来、東日本大震災の復興に充てて、その歳入の財源として考えられていたJT株やメトロ株、この売却収益、大体六千億円ぐらいを予定されているということでありますが、これについては国債整理基金特別会計の方で収入計上をされてしまっている、復興特別会計からは外されちゃっていると、こういうことなんですね。  復興特別会計のその特別会計としての趣旨に照らし合わせれば、やっぱり全ての収入をしっかり計上するべきであると、こういう御指摘をさせていただき、その時点ではもう既に衆議院での質疑も終わり、そしてまさに予算成立を目前にしている中でありましたから、この件についてはいずれ補正をするときにしっかり検討しますと、こういうお話だったと思うんです。  今回もし補正をするとすれば、そのお約束しっかり果たしてもらえるかどうか、お伺いしたいと思います。
  86. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 私は若林先生に、若林先生の考え方は一つの考え方だと思うと申し上げました。というのは、いわゆる復興という視点から見れば、出と入りをきちっと管理をすると、その中にJT株、メトロ株の売却益を入れたら分かりやすいんではないかということですね。  一方、今私どもが、これは自民党政権期からもずっとやっているのは、これは国債整理基金での一元化なんですね。国債整理基金特会のいわゆる一般会計と特別会計の公債の出し入れについてはここで一元化をしているということなので、決して見にくい、何といいますか、透明度がないわけではなくて、会計上やっぱりそういうふうな管理をしていますので、国債の償還財源とされる政府保有株については全部これは帰属は国債整理基金にやりますと。ですから、当面それは、JT株も、それから仮にメトロ株も売却した場合はそこでの特会の扱いにしますと。しかし、先生の考え方も一つの見方、アプローチの仕方ですね。そういうことを私は申し上げました。  実は、昨年の秋の三党間での合意の中では、実はこうした議論もあって、しかし国債整理基金特会への帰属替えをやった方がよかろうということで今の結論に至っているんですね。ですから、当面これで取りあえずやっぱりやらせていただいて、累積のベースやこの出し入れについては明確にこれは国民の皆さんにお示しをしていくことで理解をしていただきます。  ただ、今後、先生の御提案の方が合理的で分かりやすくてその方がいいという意見が議会の中とか、我々も検討しますが、であればそれは考えなきゃいけませんが、取りあえずはやっぱり一元化を、こちらの側の一元化ということでこれをやらせていただくということにいたしました。  で……(発言する者あり)あっ、もう一回やってからやりますか。はい。じゃ、よろしくお願いします。
  87. 若林健太

    ○若林健太君 私は、前回の質疑の中でお話をさせていただいたんですけれども、国債整理基金特別会計の事情、それはそれで一つ理屈があるんです。であるとすればですよ、その両建てで復興特別会計の中にこの六千億を入れるべきであるということを言ったんです。そういう処理は、これ会計、できるんですよ。そして、そのことによって実は両特別会計の趣旨が全うできると、こういうことでありまして、私は、今回の、今の予算の復興特別会計の状態というのはもう率直に言って間違いであると、このように思っておりますので、是非ここは御検討いただきたいと、こんなふうに思います。
  88. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) それで、その後私も、じゃ、よく検討を取りあえずせよということで今も検討しているんですけれども、上がってきたそのメリット、デメリットあるんですね、やっぱり。  それで、先生の御指摘といいますか提案を受けると、メリットとしては総覧性の向上にはいいということなんですね。ところが、デメリットとしては、国債整理基金特会の言わば同歳入の二重計上ということになってしまうと。それからもう一つは、実際の資金移動がないものをあえて会計上認識させることになりかねないので、逆にちょっとそういうところの懸念が会計上あると。  ですから、メリット、デメリット、私のところで検討をさせておりますが、いずれにしても、これは、もしそうなるとすれば、やっぱり前の委員会でもやりましたけれども、法改正が必要となってきますので、やはり議会でのコンセンサスとか、そういう方向に行くのがよかろうという、まあ全体の方向が流れればね、そっちに、私は検討は引き続きそのためにすることはいいと思いますが、当面、決して粉飾とか隠しとか、そういうことは全くないので、取りあえずこちら側で一元化をさせていただいて、随時、情報というものはしっかり開示をさせていただくような形でやらせていただきたいと思います。
  89. 若林健太

    ○若林健太君 今のメリット、デメリットを解説すると、会計というのは、やっぱり見て、見ている人が分かりやすくするというのが大きな趣旨なんですね。開示義務を果たすということですから、アカウンタビリティーを果たすということですね。そういう意味では、総覧性というのがまさにメリットであります。デメリットで他勘定振替となるのはどうもややこしいというようなことを言っておったわけでありますが、他勘定振替なんということは会計上幾らでもあるわけでありまして、そのことをもってデメリットと言うのは、ためにする言葉であると、私はこんなふうに思います。  これは、是非これからもしっかりと我が党の中でもまた引き続き追及をしたい、間違っているというふうに私は思っておりますので、修正しろと、こういうことでございます、公認会計士でありますから。  話を変えますが、税制について少し、残りの時間、お話をさせていただきたいと思います。  先ほど舟山議員が所得税の改正についてお話をされました。  平成十二年の税制調査会の中間答申、ここに相続税と所得税について書いてありまして、個人所得課税を補足するのが相続税であると、こういうふうに言っているんですが、この所得税と相続税の相関関係について、ひとつ大臣にお伺いしたいと思いますが。
  90. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 一般論でいえば、所得税はやっぱりその時々に所得から利益を得た者に対して課税をさせていただいて、そのことで社会貢献をしていただくと。相続税というのは一定の制限を加えて、しかし相続の中で大きな部分を相続なさった方に対しては、やはりこれは課税をしていただくと。そういうことでの言わば相対的なバランスを考えながら課税をしていく、まあ一対といえば一対のものであると思います。
  91. 若林健太

    ○若林健太君 フローの所得に対して課税するのが所得税であり、その積み重ねのストックに対して相続税が掛かる、相続税は所得税を補完する機能を持っていると、こういうことだと思うんですね。  そこで、今回、先ほどその累進税率について、累進の機能を強化するということで、今回、所得税についても相続税についても五%ずつ上乗せをする、最高税率についてですね、そういう改正が出されているわけでありますが、この相続税について言うと、最高税率が五五%に今度なるという案が出されています。これは、五〇%を超えるか超えないかというのは、課税の議論の中ではこれは極めて重要な理念の転換だと、こんなふうに思うんです。  それは、平成十七年に、税制の基本的な考え方として当時の政府税調の石会長が、最高税率についての考え方について五公五民ということを引き合いに出して、国家がその権力によって個人の資産に対して課税をする、その権限によって課税をするというのは、まあ最高は五公五民、五〇%が一つの目安だろうと、こういうことを言っているわけですね。  この考え方、実は、じゃ今回、相続税を五五%にするという中で、そもそものこの理念を今回修正をしたと、こういうことでしょうか。その理念との関係についてお話を伺いたいと思います。
  92. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 石元会長の発言は、五公五民の話ですけれども、これは平成十七年の五月十三日、これは調査会の総会の後の記者会見で石先生がお話しなさっているんですね。ちょっと読みますと、今日、五公五民なんていう話が出ましたけども、五〇%が一つ限界的な、所得に対する半分は出してもらえるというところの限界のような気がしますけどねと。このことがいわゆる五公五民のお話になったわけであります。  それで、やはり所得税を考えるときに、過去のやっぱり累進税率をずっと考えないといけないと思うんですね。これは、やっぱり高過ぎるということで昭和六十年以降ずっと累進税率というのは緩和をしてきたと、そして今の現段階に至っていると。フラット化ということをずっとこれでやってきましたので、そのことによって、ある意味では経済的にも、高額納税者だった方々がいろんな意味でお金を使うことによって景気浮揚策等にもなると。また、逆に言えば、金融資産等に対する課税についても、本来の二〇%を一〇%にしたり、あらゆる意味でそういうことはやってきたわけです。  しかし、世の中がだんだん変わってきまして、私は、格差の是正や所得再配分機能についてもう一回やっぱり議論をした方がいいであろうという意思が国民の皆さんの中にも、私は財務大臣として申し上げれば、今のこのフラット化だけでは、やっぱり再配分機能というものに対する累進性というのを少し検討するということもあってもいいのではないかと思っております。そういう中で議論をした中で五%の引上げの提案ということになったわけですね。  ですから、我が国の場合、ちょっと五公五民の問題を言うときに、確かに税率だけ考えると、それでじゃ超えるんじゃないかという御意見なんですが、実効税率全体を考えたときはどうかとなれば、それより少し下がるわけですね。実効税率そのものについてはそれほど、それイコール反映されているわけではないものですから、だから、そういう点では掛け過ぎるのも問題ですけれども、今のようなフラット化に対して少し累進税率をまあ言わば少し考えるということは、今後、政府税調等の中でも私は是非議論をしたいというふうに思っております。
  93. 若林健太

    ○若林健太君 累進税率の見直し、この必要性については私も考えるところがあります。しかし、五〇%を超えるということについては一つ大きな壁があるということだと思うんです。そのことの議論をもっとしっかり深めていかなければならない。安易に今回相続税を五五にして、じゃ次は所得税を更に上げていくというようなことがあってはならない。これは、国家の猛烈に強い権限によってそれぞれ一人一人の国民のまさに財産に手を突っ込む、財産権に手を突っ込むということでありますから、そこは慎重に議論をしていかなければいけないことだと、私はこのように思います。  この件については、また改めて別の機会を使いながらゆっくり議論をしてまいりたいというふうに思います。  さて、今国会でも最大のテーマでもあります、様々な場面で大臣とも議論してまいりましたが、いよいよ消費税について、その法案が三月三十日閣議決定をしたということであります。様々なことがありましたね、自見大臣は本当に御苦労されたと思いますけれども。いろいろ騒動がありましたが、結果としてこの大綱、閣議決定した大綱と法案との間で随分この姿が変わってしまったなということがあると思うんです。その点について、その趣旨、意図をお伺いしたいと、こんなふうに思います。  まず、景気弾力条項、附則十八条ですね。これは、もう皆さんは御存じだと思いますけれども、消費税を引き上げるに当たって、経済状態を好転させることを条件、新成長戦略に掲げる二〇一一年度から二〇二〇年度までの平均で名目三%、実質二%程度の経済成長率を目指すと、こう書いてありますが、この三%、二%、これは消費税引上げの条件ということでしょうか、お伺いしたいと思います。
  94. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 一言で言うと、目標であって、前提とするものではございません。
  95. 若林健太

    ○若林健太君 目標ということは、それを実現しなくても消費税の引上げをする、そういう理解ということでしょうか。
  96. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) この附則十八条第一項は、今先生から御紹介をいただいたように、十年間の平均において、二十三年度から三十二年度ですね、名目成長率三%程度、実質成長率二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示して、望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるために、言わば新成長戦略や日本再生の基本戦略に盛り込まれた施策の実行を始め、デフレ脱却や経済活性化に向けて必要な施策を講じていく責務を課しているものであり、ですから、そういうことなので、そういう努力をいたしますと、しかし、消費税率引上げの前提条件としての数値目標を規定しているということではございませんということでございます。
  97. 若林健太

    若林健太君 大体、そんなものが法律の条文の中に入ってくるということがよく理解できないんですが。  安住大臣は、二月二十二日の衆議院予算委員会において我が党の田村憲久議員質問に答えて、現在のような状況であれば、この消費税増税する、実施することはできるのかと、こういう質問に対して、そういう環境にあるんではないかと、こうお答えをされていますが、今でもそれは変わりませんでしょうか。
  98. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 実は当時は、大綱を決定をして、その大綱の文言に従って、仮定の話であるけれどもということを私申しながら、あるいは予算委員会でも山本一太先生に質問をいただいて、その前提として私はそういう答弁をいたしましたというふうに答えております。  ですから、その大綱の決定をした文言が、今回、今、若林先生から御批判はありましたけれども、この一項と二項に分けて、努力目標を一項に書いて、それで二項でそれを受けてということになっておりますが、私が申し上げた段階のときには大綱としては一つだったんですね。著しい経済の変動等について留意をするということを書いておりました。ですから、その大綱に従えば、当然、私は引き上げることは可能だというふうな答弁をしたというふうに思っております。  なお、現在、じゃどうかということなんですが、様々な経済状況を勘案いたしますけれども、今現在、例えば経済が上向きつつあって、そして昨年に比べれば経済活動も非常に活発になってきて、そういうことが数字的にも顕著になってくれば、私は引上げのタイミングとしては決して引上げをしない状況ではないというふうに思っております。
  99. 若林健太

    ○若林健太君 今、確かに様々な経済指標が若干上向きつつあるようなことが出ております。しかし、安住大臣も御地元へお帰りになれば感じられると思うんだけれども、地方の経済はもう決してそんな状態じゃありません。マクロの数字が若干上向きであっても、引き続き激しいデフレ環境下に地域経済は置かれていると、こういうことだと思うんです。実際、現状のマクロ数字はデフレ状態、名目と実質の数字が逆転しているわけですからデフレ状態になっているわけです、今。この時点でこれを見てできると言うとすれば、一体この条項は何なんだと、こういうことになると思います。  本当に今のこの環境、要するにデフレ環境下なんですよ、名目と実質が逆転しているわけ。この状態を見ながら、この弾力条項、これ見て本当にできますかと、こういうことでありますが。
  100. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) デフレということは、この傾向というのは二〇〇〇年に入ってからずっと続いていると。デフレーターを見ても、御指摘のようにギャップがあると。しかし、じゃ、デフレだったらば消費税を上げられなくて、ちょっと逆説的に言いますと、インフレならいいのかと。私はそうじゃないと思うんですね。ですから、そういう点では、じゃインフレになったら消費税は上げてもいいような論戦に対しては私はくみしないんです。  デフレ下にあったって、ですから成長を堅調にしていた傾向というのはあるんですね。それは予算委員会で私、再三示しましたけれども、不良債権を処理して、まあ欧米の景気も良かったからですけれども、明らかに二〇〇六年、七年、五年ぐらいからですか、これは経済指標は好転しております、名目でも成長プラスになっていたりですね。しかし、全体のトレンドでは、それは小泉政権下から安倍政権下へとずっとなっていっても、デフレの構造的な問題というのは直っていないんですよ。  ですから、デフレだから私どもは駄目なんではなくて、経済の好転の中では引き上げるタイミングは慎重に考えますけれども、デフレをなお脱却する努力はするけれども、しかしその中でデフレが解消しなければ全く引き上げちゃ駄目だということは、これは経済的にはそういう論理というのはちょっと私は成り立たないと思っているんです。  むしろ、デフレを脱却する努力を前項に掲げて、そのために財政的にも金融的なことでも努力いたしますと、そうしたことを受けて、我が国の状況の中でやはり消費税を引き上げるタイミングというものを一四年に設定させていただくと、こういうふうな考え方だと理解していただければと思っています。
  101. 若林健太

    ○若林健太君 じゃ、一体この附則十八条というのは何なのかと、つくづくそう思うわけですね。  今のような経済状況の中で、これでもできるんだと、三%、二%なんというのはじゃ一体何の数字なんだと、全くもって空目標みたいなものになってしまっているのではないのかと、こんなふうに思います。元々、この条項そのものについては、こういったことを入れるのがいいのかどうかということの議論があると思いますけれども、非常にあやふやな項目だと、こんなふうに思います。  次に、時間があれですので、追加増税についてお話を伺いたいと思うんですね。  大綱では、今後五年をめどに所要の法制上の措置を講ずることを今回の改正法案の附則に明記すると、こういうふうに書いてありましたね。ところが、結局、法案になったらこの追加増税条項というのは削られて、ないと、こういう状況であります。  通常は、大綱、閣議決定している大綱、しかもここまで明記しておいて、法案に附則にやるというふうに書いてあるのに、何でこの法案が出てこないんだ、通常は、少し事を整理して、条項としてある程度整理するとかということはあるでしょうけれども、そもそも削られて、削除されてしまうと、そんなに大綱、閣議決定というものは軽いものだったのかと、このように思いますけれども、その事情についてお伺いしたいと思います。
  102. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) これは、確かに与党の中の議論の中で、まずとにかく優先すべきは提出する法案の中での五%の引上げというものを最優先すべきだということで、今後の五年間の見通しについては削除をいたしたことは事実でございます。  ただ、過去の例を全部ひもといているわけではございませんけれども、大綱からすんなり全部法案に行ったかとなれば、そこには、多分、自民党政権下でも、様々な法案で与党審議があって、その中で変更の部分があって、それで法案出してきたということは私は全くないとは言えないと思います。やはりそこは議院内閣制で、政権与党の中での議論の中で、むしろ国民の皆さんに、五年後の何か財政再建とかそれを放棄したということでは全くないんです、成長をしっかりやると。  先ほどの話で申し上げますと、私はデフレを全く肯定しているわけじゃないんですよ。デフレ脱却に向けて様々なことは金融、財政面から全力で取り組むということを掲げたということなんですね、一項で。そういうことを更にやって税収を増やす、更にやっぱり歳出の改革ですね、これをやって更に税収をどういうふうに図るかということは、当然いかなる政党が、誰が政権を取ってもやらなければ、二〇二〇年までにプライマリーバランスをプラマイゼロにしていくということは掲げているわけですから、御党も我々も。  しかし、まずは一五年にしっかりと一〇%にすることで、この言わばプライマリーバランスでいう目標を達成するために言わば集中するということを法律に掲げたということで、残りのところは削除に至ったというのが経緯でございます。
  103. 若林健太

    ○若林健太君 そうすると、今、税と社会保障一体改革の中で示されているいわゆる年金改革、この法案について、来年提出されますね。この財源というのはどうされるつもりなんでしょうか。
  104. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 今提案させていただいているのは、御存じのとおり、現行制度を前提にして二分の一の国庫負担等をやっていくということですから、新しい年金制度に見合った消費税の引上げを想定しているわけではないわけです。それは事実です。
  105. 若林健太

    ○若林健太君 税と社会保障の一体改革、こういう名の下に今消費増税についての議論がされています。多くの国民の皆さんは、やっぱり少子高齢化社会が進んでいく中で、年金制度の持続可能性、大変不安になっていて、このことに期待をしているんだと思うんですね。ところが、これについて財源を充てることを一切しないで今回のこの議論を進めていこうとする、これは非常に無責任な議論になってしまっているんではないのか、こういうふうに思いますけれども、その点についてどうですか。
  106. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) いずれ、これも委員会の中で大変な御議論になると思います。  ただ、問題は、今の制度であっても、これが四十年後、五十年後までシミュレートしていくと、今の消費税率では全然もう賄えないということは事実ですよね。ですから、我が党の掲げた言わば年金の一元化だけが消費税がたくさん取られて、それでその負担も増えるというふうな御議論が多いんですけれども、現行制度も、じゃ四十年、五十年たったら、見合いの財源というのを消費税に換算したときに幾らぐらいになるかということも私はテーブルに上げて議論していただいた方がよかろうと思うんです。  そういうことの中で、言わばコンセンサスづくりをしていくというか、だからそういう点では、今の私どもの提案というのは、やはり現行制度の維持、それから年金制度ですね、そのための言わば五〇%の見合い財源はやっぱり一%は消費税でということを提案していることは事実でありますけれども、本当に遠い将来に向けてどういう年金制度がいいのかということは、これは、過去も与野党間で年金協議会等をつくって、やはり各党間での協議というのは多少行われたこともあるんですけど、国民的コンセンサスを得るために、私は政党間で是非これは議論していただければと思っております。
  107. 若林健太

    ○若林健太君 協議という名の議論、協議という名の話にすり替えてしまっているように思うんですね。マニフェストに掲げた最低保障年金七万円、それを実現します、年金制度改革です、それは財源は全く今当てがないと、こういう状態にあるわけでありまして、ある意味ではもう最低保障年金なんというのは無理なんだと、旗を下ろしちゃった方がいいんじゃないのかと、こんなふうに思いますが、いかがですか。
  108. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) ですから、メリット、デメリットそれぞれあると思うんです。御批判もいただきました。しかし一方で、今の年金制度を本当に維持していくためのコスト、また若い人の未加入問題等を考えたときに、私は、いずれにしても、政党間というか議会の本当にコンセンサスで安心感をやっぱり年金制度に与えないといけないと思うんですね。  だから、そういう点では、議論をしていけば当然、少ない言わば負担でどれだけのやっぱり給付をちゃんとして、なおかつ税金でどこを負担するかということは、私は、お互いテーブルに並べて、言わば私どもの案と今の案というものの改良型といいますか、どちらがいいかというのは是非議論をさせていただきたいというふうに思います。
  109. 若林健太

    ○若林健太君 議論するのはいいんですけれども、しかし、我々は現行制度を前提としてやって、そして消費税は当面一〇%必要だと、これは論理として一貫しているんですよ。しかし、今政府がやろうとしているのは、一方で最低保障年金七万円、これを約束し、そして年金制度改革を来年法案出しますと、こう言いながら、その財源全く当てになっていない、全く想定されないと、こういう事態になっているわけです。一〇%、上げるんだったら、そこへ少なくとも何らかの足掛かりをするとかそういうことを本来やらなきゃいけない。国民はもしかしたら誤解しているんじゃないのかと、大変私は心配をするところであります。  そして、この再増税、追加部分の条項を削るというのはそういう意味でも大変無責任な姿勢だと、私はこのように思うわけでありまして、ここは今後もしっかり指摘してまいりたいと思います。  時間がなくなってまいりました。最後に、逆進性について一つ、一言検討状況をお伺いしたいと思います。
  110. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 今日も一部新聞等で出ていますけれども、具体的に検討に、何か具体の話が入っているわけでは全くございません。というのは、一部新聞で何か三千万人対象にお金を給付するみたいな話があったけど、そういうことは、政府としてはまだ決めているわけでも全くありませんし、検討の材料となっているわけでもないんです。  今、与党で作業チームをつくっていただいて、給付をどれぐらいのレベルにしていくかと。先生からもいろいろな御提案をいただいておることはもう重々承知でございますが、私も、真に必要な方々に対して、やはり国民の皆さんのコンセンサスの得られる範囲できちっとやらないと、いわゆるばらまきという批判をされないような基準をしっかり作ってやっていくということがこのことについては最も重要なことだと思いますので、本格的な審議が始まる前までには何とか私どもの考え方というのは取りまとめたいと思います。
  111. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 時間が来ておりますので、手短にまとめてください。
  112. 若林健太

    ○若林健太君 はい。これで質問を終わりたいと思いますが、消費税についてはやっぱり逆進性の問題というのが最大のテーマの一つだと思うんです。それを、現在その法案提出している段階できちっと制度設計ができていないというのは大変無責任なことでありまして、これは是非、今大臣おっしゃったように、本格的な質疑が始まるまでにしっかりとした案を出すべきであると、私はこう思います。  私は、段階税率の導入ということが必要だというふうに思っておりますけれども、一方で、今まだそういう環境にないとすれば、当初いろいろ案が出ておりましたけれども、四千億の総合対策の中でそれを財源として一つ考えるという考え方も、私、非常にいい考え方だと。やっぱり消費税の財源の中で……
  113. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 手短にお願いいたします。
  114. 若林健太

    ○若林健太君 そこをしっかりと担保するということが必要だということを申し上げさせていただきたいと思います。  以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  115. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      ─────・─────    午後一時十分開会
  116. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十二年度決算外二件を議題とし、財務省、金融庁及び株式会社日本政策金融公庫の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  117. 森まさこ

    ○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。  昨年の三月十一日、本委員会の開催中に東日本大震災が起こりました。改めまして、お亡くなりになった方と被災者の皆様方にお悔やみを申し上げます。そして、一年たってなお一向に進んでいない復旧復興の現状を見て、政府には猛省を促したいと思います。  さて、今朝、北朝鮮がミサイル発射を行いましたが、失敗しました。自由民主党は声明を発表いたしました。  我が国及び米国、韓国を始めとする国際社会が北朝鮮に対し再三にわたり強く自制を求めていたにもかかわらず、発射を強行したことは、我が国のみならず東アジア地域全体の平和と安全を大きく損なう行為であり、断じて容認できるものではありません。  さらに、今回のミサイル発射は、政府の情報収集及び把握、国民に対する迅速で的確な情報提供という点で不安を露呈いたしました。政府は、七時四十分に飛翔体が発射されたことを認識していながら、その二十三分後にエムネットで発射を確認していないとの情報を流しています。  政府が第一に心掛けることは国民の安全です。東日本大震災に伴う原発事故の際にも、避難途中の被災者の皆様方に正確な情報が伝達されることがありませんでした。SPEEDIによる放射性物質の拡散状況が米国側には提供されていたにもかかわらず、避難者に提供されていませんでした。そのことをもって、私どもは国会で何度も政府に対して国民の安全を第一に考えて的確な情報を迅速に提供するようにお願いしてまいりましたが、今回もその経験が生かされていなかったことを大変残念に思います。  それでは、質問に入らせていただきたいと思います。  まず初めに、被災金融機関に対する公的資金の注入状況等について金融大臣に御質問いたします。  東日本大震災により、東北地方を中心に、地域金融機関にも被害が発生しております。これを受けて国会は、被災金融機関の自己資本比率を高め、被災企業や個人に対して復興資金を貸し出す体制を整えるため、全会一致により、昨年六月に金融機能強化法を改正し、被災金融機関に対する公的資金注入の条件を大幅に緩和いたしました。改正後は、特例として、資本注入した金融機関の経営責任を問わないほか、資本注入時に引き受ける優先株の配当利回りも法改正前の三分の一程度に抑えたり、信金、信組には、将来の再編等を条件に返済を実質免除したりなどしております。支援を要請する金融機関にとって、公的資金を受け入れやすい仕組みになっていると思います。  この公的資金の注入は、昨年九月時点で九機関、総額一千八百四十億円に上ったと報道されておりますが、金融大臣から、この現状とそれから実績、そして現在の課題と見通しについて御説明を伺いたいと思います。
  118. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) 森まさこ議員にお答えをさせていただきます。  ちょうど一年前の三月十一日でございますが、参議院の決算委員会、この場でございまして、先生自身も福島県の御出身でございますから、本当に犠牲になられた方々に心から、本当に心からお悔やみ申し上げると同時に、まだまだこの地震、津波、原子力発電所の事故の被害が甚大であります。本当に我々も、国の政治を預からせていただいている人間というのは、もう命懸けでこの復旧復興、また経済の復興もなしていかねばならないというふうに思っております。  今、森まさこ議員からお話がございました金融機能強化法、これは本当に全党一致で、六月だったと思いますけれども、非常に早く認めていただいたわけでございまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。  この金融機能強化法の震災特例について、今までどれだけ実績があるのかという御質問だと思いますが、被災地の金融機関十先に対しまして総額千九百十億円の資本参加を実施しており、このうち国からの資金、公的資金は千七百六十五億円となっております。何で差ができるかといいますと、もう先生御存じのように、国の公的資金が千七百六十五億円でございますが、信金、信組は中央機関がございますから、その中央機関から百四十五億円のお金を入れておりますので、合計資本参加額が千九百十億円になるわけでございまして、地銀三つ、信用金庫四つ、それから信用組合三つだというふうに認識をさせていただいております。
  119. 森まさこ

    ○森まさこ君 今般は、大震災という不測の災害が発生したために経営環境が急転した金融機関を支援するために、それをもってまた企業さんたちを救うために公的資金が投入されているわけですが、その一方で、過去には、我が国の金融機能を維持するために、経営を失敗した金融機関に対しても公的資金が投入されてきました。この点に関して午前中に民主党の舟山委員からも御質問があったところでございますが、これらの公的資金については速やかな回収が図られるべきだと思います。  あおぞら銀行、旧日債銀でございますけれども、ここに関して、筆頭株主が米投資ファンドのサーベラスで約五五%の株を持っているということで、公的資金の返済よりも配当を重視しているということが問題視をされております。  国は株主でございますので、この点に関して普通株主としての議決権を適切に行使をしていただきたいと思いますけれども、改めて金融大臣からこの点の御答弁もいただきたいと思います。
  120. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) 今御指摘のございました、また、今さっき午前中、舟山議員からも御質問ございましたあおぞら銀行でございますが、昨年の十月、業績予想と年間配当予想の上方修正を公表したことはもう承知しておりますが、個別の金融機関の配当政策に関する事柄は当局としてコメントすることは差し控えたいと思っております。  しかしながら、一般論としては、公的資金が投入されている公的資金の増強行でございますから、経営の健全化計画、これは経営健全化計画を出さねばならないというふうになっておりまして、先生御存じのように、その下で安定的に収益も上げねばなりませんし、それから企業価値を向上させることも求められておりますが、その時々の配当が、具体的な水準は同計画の履行状況や業績等を踏まえて、そういったいろんなファクターがあるわけでございますが、当然、先生御存じのように、銀行というのは銀行法でも、公益性をきちっと持ちなさいということを銀行法にも明確に書いてあるわけでございます。同時に、民間経済の、やはり何といいましても、金融機関というのは人からお借りしたお金を一定の利子を付けて返すというのが民間金融機関の基本でございますから、そういった中で、物すごく大きな力も経済の発展には持っておられる、持っているところもございますから、そういったこともきちっと利点も強調しつつ、なおかつ公的資金を我々の税金できちっと入れたわけでございますから、それ相応のやり方があるというふうに、それはもう当然、これは基本的に企業の、民間の経営者の判断でございますけれども、各行の経営判断に適切に定められるものだというふうに考えております。
  121. 森まさこ

    ○森まさこ君 今大臣おっしゃったように、国民からすれば潰れそうな銀行を助けるために国民の税金を入れたということですので、そういった国民の意思に反することがないように今大臣の御判断をお願いしていきたいと思います。  さて、先ほども申しましたように、被災金融機関を助けるために公的資金を注入いたしました。それは、被災金融機関が被災企業や個人に対して復興資金を貸し出す体制を整えるためでございます。この分野で政府に是非とも頑張っていただかなければならないのが二重ローン救済法、正式名称は株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法でございます。  このいわゆる二重ローン救済法の目的は、この法律の第一条に書いてありますとおり、大震災の復興のため、被災地域からの産業及び人口の流出を防ぐことにより、被災地域の経済活動の維持を図ること、そのために過大な債務を負っている被災事業者であって、被災地域において事業の再生を図ろうとしているものに対して債権買取りなどによって債務の負担を軽減しながら再生を支援することという目的になっております。ところが、実務はそうなっていない。現実にはそうなっていないということを今日ただしてまいりたいと思います。  本日皆様にお配りをしてあります資料の一でございますけれども、相談申込書があります。この左上のところに書いてある福島県産業復興相談センター、このセンターのところに相談に行って二重ローンの救済を受けてくださいというふうになっているんですが、福島県の企業さん、特に浪江町、大熊町などの警戒区域から避難をしてきている企業者の皆さんが、事業を再開して福島県の中で頑張っていこう、そうしている中で二重ローン救済法の説明会を受けて、よしと相談センターに申込みに行きますと、もう冷たくされるわけでございます。そして、これは全く警戒区域内の企業には適用されないんだ、もう駄目なんだということで帰ってきてしまう、そのような声が私の元に何十社も上がってきているんです。  そこで、私はこれを所管している復興庁の方に説明に来てもらったんですけれども、窓口でどういう説明をしているんですかということで聞いたんですけれども、最初は官僚の方が、そういったことがないように機構の方には伝えています、行き違いがあると思います、企業の方もせっぱ詰まっているので誤解があるんだと思いますというようなお答えでありました。それで、私も更に踏み込んで質問してみたんです、あなたは窓口に行って見てきたことがあるんですか。そうしたら官僚の皆さん、いや、私は見ていません、でも、一般的な、この法律のこの第一条の、事業を再生する方を救っていくんだ、そういう話をしているはずですと言うんですね。  確かに、ここに行けば借金が全部棒引きにされてあとは賠償金で寝て暮らそうなんていう人は駄目ですよということはきちんと説明すべきだと思うんですが、そうではなくて、また同じような事業又は違う事業でもいいんです、やっていこうと思っている人も全て追い返されるような形で戻ってきているから、私は、一般的な話というが、具体的にせりふで何を言っているのか、それを、官僚の方が現地に行ったことがないんだったら現地に問い合わせて、そしてもう一回、二時間後に私のところに来て説明してくださいよと言ったんです。  そうしたら、驚愕の事実が発覚したんですよ。官僚の皆さんが、そこでですよ、それまでは機構によく言っていますと説明していたのに、私が現地に聞いてここに答え持ってきてくださいねと言ったら、そこまで言ったら初めて、済みません、現地に聞くことができないんです、現地の窓口はうちの所管じゃないんです、現地のこの資料一に書いてある産業復興相談センターは復興庁の所管じゃない、経産省の所管なんです、だから窓口でどういう説明しているのか分からないと言うんです。  だから、私も怒ったんですよ。あなた、さっきは窓口でちゃんと説明するように指導をしていると言ったじゃないですか、でも実際、現実にどういうせりふで言っているんだ、メモして持ってきてくれと言ったら、窓口、別の所管だと言うんです。  私は、これではこの法律の趣旨が生かされない。企業の方、復興庁が所管する法律で、窓口でどういう説明しているか分からないのでは、そして、私のところにいっぱい苦情が来ているのにその苦情の実態も分からないのでは、この法律の趣旨どおりに企業さんを助けて、そして地域経済を復興させることができないと思うんです。  そこで、復興庁に質問したいんですけれども、窓口がどうして別の省庁の所管になっているんでしょうか。
  122. 大森泰人

    ○政府参考人(大森泰人君) お答えいたします。  支援機構に先立ちまして各県ごとに相談センターというものが設けられたという経緯がございまして、せっかく金融あるいは事業再生が分かる人々をお集めいただいているということでありますので、支援機構の活動に際しましても、もちろん直接事業者から御相談をお受けいたしますけれども、先立って設けた各県の相談センターも支援機構の窓口の役割を果たしていただくことになっているということでございます。
  123. 森まさこ

    ○森まさこ君 つまり、こういうことだと思うんですね。私どもがこの二重ローン救済法を震災直後に国会に提出しました。七月のことでした。三か月後に提出したんです。それはもう本当に、避難している方のあの体育館に行ったら、企業者の方がみんな心配していたからです。ローンどうしよう、返済できない。その二重ローンの問題が非常に深刻だから、これを救済するシステムつくらなきゃならない。七月に出しました。  ところが、当時、政府はこう答弁していたんです、現行のシステムで何とかそれは助けます、助けられます。それで、私たちの出した法案は二国会をまたいで三国会目に、なかなか審議してもらえないで三国会目にやっと審議していただいて、やはり現行のシステムでやってみたけど全然実績出ない、企業さんたちどんどん倒産している、自殺者も出るということで、十一月にやっと成立をさせていただきました。そして、この三月五日からスタートしたんです。  政府が最初に言っていた、現行のシステムでやりますと言ったのが、今復興庁の方が御説明した、そしてこの資料一に書いてある産業復興相談センターというところでやっている二重ローン相談なんですよ。ここでも既に二重ローン相談がされていたんです。だけど、実績がなかなか上がらない。私もここに見に行きましたが、やはり元銀行員の方がいて、どうしても貸し手目線で、回収できるかどうかというところに力点が置かれる。回収できるかどうかじゃないんです、再生できるかどうかなんです。それがこの法律に書いてあるんですけれども、なかなかそういう頭にならない。  ということで、やっと新しいシステムが、新しい法が通ったのに、政府の方ではこの新しい方の窓口も従来どおりのこの窓口の同じ人間にやらせているんですよ。だから何にも変わらないんです。私はこれは、窓口は二重ローン救済法独自の窓口をつくらないとワークしないと思いますが。  これを実際、今所管しているという経産省さんにお聞きしたいと思います。経産省の方、いらしていますか。この相談窓口、二重ローン救済法、これ適用を受けたいんですという方が行ったときにどういう受け付け方をしているんですか。
  124. 徳増有治

    ○政府参考人(徳増有治君) お答えさせていただきます。  先生御指摘の相談センターにおきましては、相談者が見えていただきますと、センターの支援業務、復興機構及び支援機構における買取りスキームを説明をさせていただきまして、事業の再開を前提とした債権の買取り支援が可能である場合には、復興機構、支援機構、いずれの対応となるかは別途御相談をさせていただく必要があるというふうな形で御案内をさせていただいているところでございます。
  125. 森まさこ

    ○森まさこ君 よく分かりませんが、こういうことだと思うんです。  資料二を御覧ください。  私、先ほど、十時にレクを受けて、十二時にもう一回来てくださいよと言ったら、復興庁の方が、いやいや、来れませんと言うので、じゃ窓口を所管している経産省さんと一緒に来てくださいと言って、来てもらいました。その経産省の担当官の方に、窓口どうなっているんだ、窓口に行った警戒区域内の企業さん、またその周辺の企業さん、みんな追い返されてくると言って私のところに悲鳴が上がってきているから、どうなっているんですかと。そうしたら、調べて、真面目に調べて、ちゃんとこうやって書類で回答をいただいた。  これを見るとまたまた驚愕の事実が発覚いたしましたけれども、この従来のシステムから新しい支援機構に引き継ぐ場合の対応は現在検討中ですと。三月五日からスタートして、法律が通ったのは十一月ですよ。それが今現在検討中なんですね。そして、復興庁は中企庁じゃないと答えられないと言っていたのに対して、今度、中企庁は、今後の対応は復興庁から報告してもらうと。何だかなすりつけ合っているんですね。  そして、これ、資料一の相談申込書は、見ますと、新しい法律、二重ローン救済法の適用を受ける申込書になっていないんです、古いやつですね。新しいやつがない。そうしたら、その新しいやつは、古いのに、申込書に変更を加えることによって対応してまいると。パンフレットについても、織り込んだ改訂版を作成する必要がありということで、まだ作っていないということが、驚愕の事実が発覚したんですよ。  だから、みんな窓口に行って追い返されてくるんじゃないですか。追い返されてきて、もう一回行くと思いますか。行きませんよ。もう絶望して、このシステムは利用できないんだ、オールドローンの返済は金融機関がどんどん迫ってくる、そしてニューローンも借りられない、潰れるしかないんですよ。せっかく福島県の中で頑張っていこうという人たちにもう潰れるしかないという絶望を与えて、逆に復興を逆行させているような、人口流出を防ぐとか言って人口流出を促進させているような、そういう運用になってしまっているんです。  ですから、私はこの事実をここで指摘をして、政府を責めるんじゃなくて、良くしてもらいたいんです。改善の方法を考えてきなさいと、私、復興庁と中企庁に指示をしました、レクをしてきたときに。これじゃ駄目だから改善の方法を考えてきなさいと。私は、窓口を、この法律の第一条の目的をたたき込まれた人たちの窓口をつくるしかないと思っていますが、この改善方法について復興庁と中企庁の御意見を伺いたいと思います。
  126. 大森泰人

    ○政府参考人(大森泰人君) お答えいたします。  事業者の方が支援機構に直接来られた場合も、あるいは従来から存在しております各県の相談センターに来られた場合も、支援機構に関するきめ細かい助言が受けられるように相談センターと十分に連携いたしましてしっかり対応してまいりたいと存じます。  また、事業者が相談しやすい体制につきましては、不断の工夫改善を図ってまいりたいと考えております。
  127. 徳増有治

    ○政府参考人(徳増有治君) お答えさせていただきます。  委員御指摘のとおり、事業者にとって分かりやすい親身な説明、対応に努めることが大変重要であるというふうに認識しております。中小企業庁の職員を現地に派遣し、これまでも職員に対する研修などを行ってきたところでございますけれども、御指摘を踏まえまして、復興庁との連携も深めながら、より一層の業務向上に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  128. 森まさこ

    ○森まさこ君 今、中小企業庁の方が現場に職員を派遣して研修をしてきたとおっしゃいました。私のところにレクに来た方もそうおっしゃっていたんです。私が、自分が足を運んで現場を見ています、職員を研修しています。私、このレクの内容を録音して全部字に起こしたんですよ。ですから、詳しくこれ覚えているんですけれども。  そこで、私は聞いたんですよ、あなた、現場に行ったとおっしゃっていますが、福島県の置賜町も行きましたか。行きました、そこには毎週のように行きましたと。じゃ、そこに行って何を見ていますか、つまり実際に相談している現場を見ていますか、相談者と話しているところを見ていますかと言ったら、また驚愕の事実なんです。毎週ですよ、国民の税金で交通費払って、多分新幹線に乗って行っている方が答えたには、さすがにですね、相談員さんが事業者さんと話しているところに一緒に入るのは難しいと思っています、ですからそれはやっていませんと。これで何で現場の現状が分かるんでしょう。  それで私が、相談員さんが事業者さんと話しているところに難しいのはなぜですかと聞いたんですよ、何見に行っているんですかと。そうしたら、いや、事業者さんの同意があればできるかもしれませんが、センターの職員に主体的に動いてもらいたいので、そういった教育的観点から入っていませんと言うんですね。  教育的観点もよろしいかもしれませんが、そのことによって、現場で全く被災者事業さんの状況を把握できていない。現場からこの霞が関に上がってきていないんです、幾ら足を運んでも。元々私は復興庁が霞が関にあるのは大反対してきたんですけれども、どんなに言っても無理だと思います。  私は、この二重ローン救済法、早くワークしないと手遅れになると思っています。ですので、今日は復興大臣がいらっしゃらないので、これ以上事務方の方に聞いても話が進みませんので、また復興委員会等で復興大臣に進言したいと思いますけれども、窓口は復興庁で一貫して、所管するところが一貫してやっていくということを意見として申し上げたいと思います。  次に、同じような事例があるので質問したいんですけれども、グループ補助金でございます。  この震災で、被災三県の中で福島県は、復興交付金の採択も最低、二重ローン救済法の成立件数も最低、グループ補助金の金額も最低でございます。私からすれば、福島県は地震、津波にプラスして原発被害があるんですから、こういった国からの補助はほかの県よりも多くなっておかしくないと思うんです。この全てが最低であるということについて官僚に聞きますと、それは公平にやっているからですと言うんですけれども、いや、逆に原発被害があるということを考えたら、それが本当に公平なんだろうかと私は思います。  グループ補助金についてですけれども、これ、申請通らなかった方からたくさんの苦情が来ています。ぎりぎりの期限まで役所とやり取りして、ここを直してくれ、いろんなやり取りはしていても最後のときには駄目になる。いろんなグループで、被災している現状の中でみんな時間をつくって話し合ってやってきているんですから、また次に申請してくれと言われても、もうその体力や気力が残っていないんです。  福島県は、最初の申請が一回遅れでしたので、最後一回プラスしてもらって、同じ回数、四回やっています。それでも最低なんです。どこが駄目かも分からない。そこで、今日はこの国会で、この企業者の方々が分かるように、どういう視点で選定をしているのか、そこを気を付ければ今度は採択していただけるのかどうかという、その分かりやすい説明が現場ではないというので、こちらで説明をしていただきたいと思います。お願いいたします。(発言する者あり)
  129. 徳増有治

    政府参考人(徳増有治君) お答えさせていただきます。  これまでグループ補助金では、全国で百九十八のグループ、三千二百八十九の企業に対して国費と県費を合わせて二千二百二億円の支援を行ってきているところでございます。  福島県については、今委員御指摘のとおり、第一回目になかなか体制が整わなくて参加できなかったということでございまして、本年に入って福島県についてのみ一月十日から三十一日にかけて追加的に三回目となる公募、全体では四回目でございますが、させていただきまして、この結果、先月二十一日に二十八のグループ、四百三十五社の採択をさせていただいたところであります。  結果といたしまして、全体としてグループ数でいうと八十グループ、これは被災三県の中でも一番多いグループの数になっております。対象企業社数も一千社ということでございまして、宮城県に次いで二番目に多い。ただ、額については、委員御指摘のとおり、三百八十九億円、県費、国費合わせて三百八十九億円ということでございますので、三県の中では一番少ない。これが今の現状でございます。  このグループ補助金につきましては、個々の企業の復旧ということではなく、中小企業がグループとなって復興のリード役となるということを主眼に置きまして、共同事業を行っていただくということに対して補助をしているものでございまして、簡単な類型でございますと、経済取引の広がりから、地域にとって非常に重要な産業のクラスターを形成をして、地域雇用でありますとか経済復興に大きな役割を担うグループでありますとか、地域で重要な、地域で中核となる企業及びその周辺企業でたくさんの雇用というものを復旧復興していく、そういったようなグループでありますとか、我が国全体の中でも非常に重要なサプライチェーンを形成しておりまして、このグループが復興することがその地域及び国経済全体にとっても重要である、こういったような場合、さらには、地域のコミュニティー、地域の再生にとって非常に中心的な役割を果たしていただきます、生業を中心とした商店街等、こういったような人たち、企業の方々がグループを組んで、個社では実現できない先進的な、先駆的な取組をしていただくと、こういったような場合にグループ計画を認定させていただきまして補助金を交付をしている、こういう仕組みでございます。
  130. 森まさこ

    ○森まさこ君 今、やはり聞き捨てならない発言があったんですよ。民主党議員さんから、場外から、福島県知事を呼べ、福島県知事に答弁させろ、そういう話がありました。こういう認識なんです。  私は県知事とお話をしました。国の官僚を呼ぶと、県が悪い。県知事とお話ししましたけど、県庁の職員はもう大変疲れています。地震、津波プラス原発事故、そして夏の豪雨災害に秋の台風です。福島県、災害続きで、福島県庁に行ってみたら分かります。当時の現地対策本部が撤収されずにまだありますが、そこも、それから県庁の中ももう段ボール箱でいっぱいです。いろんな資料が、原発事故のときの資料がまだなお整理もできずに廊下にいっぱいあふれている。その中で、疲れた顔して県庁職員がやっているんです。  私は、国が、県から上がってきた書類がなっていないんだ、駄目なんだなんというのはおかしいと思う。国が県庁職員を指導して丁寧に支援してあげたらいいじゃないですか。それを、被災三県同じように公平にやっていて、福島県の書類はちゃんとしていないんですよなんという言い訳をするのはおかしいですよ。  私は、福島県の企業さんたちが、地震、津波だけじゃないんです、原発事故の実害と風評被害と闘いながら頑張っていこう、地域づくりをしようと思って今なお被災した状況の中で頑張ってこういう申請をしているときに、それを通してあげようと、国が、県のせいになんかするんじゃなくて、ちゃんと現場の企業さんのところまで手を差し伸べて支援をしてほしいと思うんです。最近の野田総理の発言もマスコミの報道も震災のことが非常に少なくなっている。それが本当にこういう一つ一つの官僚の意識まで及んでいるんじゃないですか。  もう一度政府に質問いたしますけれども、今後この状況を改善していくために県内で、県庁職員だけじゃなく、被災企業者さんに対して直接どういう趣旨の補助金でどういう申請をしたらいいのか、説明会等をきめ細かく開いていく御予定がございますか。
  131. 徳増有治

    ○政府参考人(徳増有治君) お答えさせていただきます。  これまでにも福島県内各地におきまして、県と協力して説明会等を開催させてきていただいております。特に、警戒区域におられて今避難されている方等に対しても説明をさせていただいているところでございますが、委員御指摘のとおり、県の方も業務が大変複雑かつ多様でございまして、県に任せきりということではなく、我々も一緒になって被災者の方々の救済に向けて取り組んでまいりたいと思います。  よろしく御指導いただきたいと思います。
  132. 森まさこ

    ○森まさこ君 それでは、最後になりましたが、財務大臣の方に御質問させていただきたいと思いますけれども、特別会計における剰余金等について御質問したいと思います。  特別会計については、これまで様々な問題が指摘されて、今日の審議の中でもございましたけれども、自民党、公明党は特別会計の問題を解消するために特別会計に関する法律の下で改革に取り組んでまいりました。しかし、改革の方向性を示しても、各省庁にとっては痛みを伴う改革であるがゆえに、改革が成功するかどうかは政治家が官僚を適切にコントロールできるかという点に懸かってくると思います。  そこで、改革の進捗や成果を検証するために、参議院の当決算委員会は昨年二月に会計検査院に検査を要請し、去る一月、その検査の結果が報告されたところです。この検査結果踏まえますと、特別会計において多額の剰余金が発生しており、財政資金が効率的に活用されていないのではないかという疑問が生じてまいります。このような状況が今も続いているとすれば、政府として早急に改善すべき課題であると考えます。  まず、特別会計の中に一般会計からの繰入れを歳入としているものがありますが、この種の特別会計においても多額の剰余金が発生しています。一般論として、一般会計からの繰入れを歳入としている特別会計においては、多額の剰余金が発生している場合、剰余金のうち歳出が不用となったことで発生した分だけ一般会計からの繰入額に反映すべきと考えますが、財務大臣の見解を伺いたいと思います。
  133. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 基本的には、委員の問題意識を私も共有はしております。  それで、会計検査院の報告書について申し上げますと、二十二年度の歳入に繰り入れられた二十一年度の剰余金のうち一・八兆が二十三年度以降に活用されているということなんですね。繰入額全体は二十六・五であると。この剰余金の存在というのは、常々いろいろ御指摘があります。今回の場合は年金特会が七千二百億、それから外為が三千三百六十五、交付税の特会が二千二十三億となっております。  こうしたことを計上しておりますけれども、それぞれやはり発生した剰余金等について、しっかりとこれは活用をしていかなければならないというふうに思いますと同時に、できるだけ剰余金が発生しないような努力というものもしていかなければならないと思っております。
  134. 森まさこ

    ○森まさこ君 ここの検査結果報告書において会計検査院が指摘をしておりますとおり、今大臣おっしゃった六特別会計九勘定、予算執行の過程で不用見込額を把握しているにもかかわらず、一般会計からの繰入額を反映させているんですね。  このことについて会計検査院が指摘を行っています。厚労省、農水省、国土交通省に対して改善を促していますが、この指摘に対して各省がどのような措置を講じたか、また抑制措置によりどれだけの財政資金の繰入れが抑制されたか、会計検査院から説明を伺いたいと思います。
  135. 鈴木繁治

    ○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。  特別会計改革の実施状況等に関する会計検査の結果についての報告書においても記述しておりますが、会計検査院は、平成二十二年十月に、特別会計における歳出予算の執行過程で把握された不用見込額を一般会計からの繰入額に確実に反映させ、繰入れを抑制することにより、繰入れを適切かつ効率的なものとするよう意見を表示するなどしたところでございます。各府省では、二十二年度では、一般会計から繰り入れた額を財源とする十四特別会計三十二勘定で、不用見込額八千三百六十一億円を一般会計からの繰入額に反映させ、繰入れを抑制しており、同額の剰余金を縮減させております。  なお、報告書において、一勘定で、二十三年九月現在、会計検査院の指摘の趣旨に沿った方策の検討には至っていない旨の記述をしておりますが、二十四年度予算においては一般会計からの繰入れが予定されていないなど、一定の取組が行われたと聞いており、引き続き検査を行っているところであります。  会計検査院といたしましては、特別会計全体の見直しに関する進展を注視するとともに、特別会計における改革の実施状況等について、今後とも多角的な観点から検査を実施してまいりたいと考えております。
  136. 森まさこ

    ○森まさこ君 今、会計検査院が一定の措置がとられたとおっしゃったんですけれども、例えば、農水省が所管している食料安定供給特別会計の農業経営安定勘定においては、指摘された一般会計からの繰入れについて会計検査院の趣旨に沿った方策の検討を行っておらず、二十二年度においても九百六億円もの多額の剰余金を発生させているんですね。これは、言ってみれば、これによってもしかしたらできたかもしれない他の政策を犠牲にしているとも言えるものでございますので、やはり厳しくここは見ていく必要があると思うんです。  今、会計検査院がおっしゃったことがこのことかと思うんですが、農水省は、二十四年度予算では、先ほどの農業経営安定勘定、これに対して一般会計からの繰入れを行わず、繰り入れられた前年度の剰余金によって賄うと、そう説明している。だけど、これは場当たり的なものであって、対症療法的なものであって、恒久的な改善策ではないと思うんですよね。  ですから、これは一つの例ですけれども、このほかにも、現在もなお一般会計からの繰入れの減額が柔軟に行われていない、多額の剰余金が発生している特別会計があるということが報告されていますので、財務大臣にお伺いしたいんですけれども、こういう場当たり的な対策ではなくて一般会計における予算査定を厳格に行うべきではないかと思いますが、御見解をお願いいたします。
  137. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 先生始め参議院の皆さんからも御指摘をいただき、また会計検査院からもそうしたことがあって、今報告がありましたように八千三百六十一億円のこれは一般会計からの繰入れが抑制されたと。短期的な措置でないかという御指摘でもありますが、この額は非常にやっぱり大きくて、御指摘をいただいたことが政策反映をしている証拠だと思います。  もっと突き詰めれば、やはり、先生、特会の本数を減らして勘定も減らして、時代に合わなくなったものをやめていきながら、一般会計でできるだけ透明化といいますか見える化をしていくというのは重要だというふうに思っております。  そうした点からいうと、自民党政権下でも特会を十七に大幅に切り込んだんですね。今回それの延長で私どもは十一に今度は特会をすると、社会資本整備計画等これまで日本の、言わば国土交通行政にとって大きな柱だったそうした特会も廃止をするという改革を打ち出しております。やはりそういうことを順次行うことで、できるだけこうした剰余金等の発生を防いで一般会計によるやっぱり分かりやすい予算化というものに引き続き努力をしていきたいというふうに思っております。
  138. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございます。  それでは、今の点で最後にお伺いしたいんですけれども、更に切り込んでいきたいと言われることですけど、具体的にお伺いすると、特定財源等である電源開発促進税と石油石炭税の税収、それぞれ一般会計を経由して必要額がエネルギー対策特別会計に繰り入れられる仕組みとなっていますけれども、歳出予算の執行状況にかかわらず、毎年度予算額と同額が繰り入れられているんです。その結果、二十二年度においても多額の剰余金が発生しておりまして、電源開発促進勘定では五百五十五億円、エネルギー需給勘定では二千百五十億円にも上っているんです。  この両特別会計において発生している剰余金、減少させる必要があると考えますけれども、御認識を伺いたい。そして、その具体的な取組を検討していれば、その説明を伺いたいと思います。
  139. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) エネルギー特会は、やっぱり率直に言って、原子力政策と、またその立地に対する様々な施策のためにこれまでずっとこの特会というものを使ってきたり、また旧石油特会、それから電源特会というのがありました。  もしかすると、これは私の推測ですが、やはりこの原子力の事故等あって、このありようについても見直すべきではないかという御趣旨でお話しであれば、私も、これは財務大臣というよりは、やはり時代に合ったやり方、それからいわゆる最近の報道を見ていると、やはり原子村等非常に不透明な部分もあるんではないかというような御指摘があることも事実でございます。  ですから、そういう意味では、私は、与野党を挙げてこのエネルギー特会の在り方についても是非御議論いただいて、国民の皆さんに納得していただくやはり会計の在り方というのは、それはもう検討していただくことについては私も前向きに考えております。
  140. 森まさこ

    ○森まさこ君 財務大臣としてのお考えはいかがですか。
  141. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 財務大臣としては、今ある特会の適正な運用に是非努めていただきたいということに尽きるんだと思うんですね。  ただ、実は剰余金についての御指摘もいつもいただいております。そして、会計の仕方が、一旦一般会計に留保して、また再びこの勘定に入れていくという、こういうやり方です。多少余分があったらやっぱり一般会計でこれも使わせてもらいますよと、しかし基本的にはもう一回そこに落としていくというやり方なわけですね。  こうしたやり方は、長年の言わば慣例的なやり方でやってきて繰入れというものを行ってきたと思うんですが、こういうことについても今回の様々な事故等を含めて御議論のあるところでしょうから、是非そこは私は議論していただければいいというふうに思っております。
  142. 森まさこ

    ○森まさこ君 財務大臣、議論していただければいいと思いますという御答弁なので、最後にもう一回聞きたいんですけれども、財務大臣として何か検討をしているということはないんですか。
  143. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 所管官庁がありますので、所管官庁の意見を無視して財務省が何らかのことを申し上げるというわけにはいきません。  ただ、十七を十一に思い切ってこれは今回改革をいたします。その先、更にこの十一の特別会計の在り方については十分議論が必要であると思いますので、そこは森先生、私の気持ちも、今の特会を全部正しいとか、必要だとは思いますけれども、しかし改革をしなければならない部分かなりあるんではないかという認識は持っていますので、そういう問題意識を持ちながら関係所管省庁とも話合いをさせていただきたいと思います。  なお、このエネルギー特会については多分大きな議論になると思いますし、今後、この夏に向けまして政府部内で出す方向に沿ったありようというのは、当然この特会の在り方にも跳ね返ってくるのではないかと思っておりますので、そうしたエネルギー政策全体の方向、推移というものも見守りたいと思っております。
  144. 森まさこ

    ○森まさこ君 政府全体又は国民全体に向けて投げかけた御答弁で、大変残念であるということを申し上げまして、ちょっと時間早いですけれども、終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。     ─────────────
  145. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、田城郁君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君が選任されました。     ─────────────
  146. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。又市征治君。
  147. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今日は、公明党さん、みんなの党さん、共産党さんの御厚意によりまして先に質問をさせていただきたいと思います。  今ほどもありましたが、特別会計が国民に開かれ、国民のための財政に役立つような見直しということについては、私自身ももう再三にわたって取り上げてきたわけでありますし、また当委員会でも長年にわたる課題になっております。したがって、当委員会が昨年の二月に会計検査院に対して特別会計改革の実施状況について検査を行うように要請をして、今年の一月にこの報告が出されました。  そこで、財務大臣にまずお伺いいたしますけれども、特別会計法の制定から五年がたちました。本委員会が会計検査院にこのような検査を要請しなければならないような特別会計改革の遅れといいますか、そういう停滞というものをどのように御認識なされているかというのがまず一点。あわせて、検査院の報告はかなり膨大で、かつ厳しいものがあると思うんですが、この報告をどのようにお受け止めになっておるのか。この二点、まずお伺いしたいと思います。
  148. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) やはり、自らそういう改革の流れに沿って自主的に思い切った改革等を進めていけば私はよろしかったんだろうとは思いますけれども、今先生から御指摘のように、会計検査院や立法府の方から御指摘を受けて改善をするところが出てきたということは、私としてはやっぱり残念なことだと思います。  今後、様々な御指摘をいただいておりますので、政府としては、できるだけそうした御指摘の中で改革を迫られるものについては随時それを行っていきたいと思います。  私の個人的な、先生、ちょっと、個人的というのはないですね、明治以来の少しやっぱり歴史を考えないといけないと思います。  聞くところによると、この特別会計というのは、別途会計仕組みとして造幣局が明治二年にできたときから始まったと。会計法の制定が明治二十二年ですから、言わば議会の始まる前なんですね。そこから始まってずっと来まして、最大ピーク時が六十の特別会計を実は明治三十九年につくっております。これは、そういう点からいうと、戦後も四十五の特別会計をつくって、塩川元大臣じゃありませんけれども、離れをどんどんつくることで、まあすき焼きをずっと食べているとは言いませんが、言わば、国民や議会の中で一般会計の審議をしっかりやっていただくのとは別に、やはり特会というのは言わば別の勘定として存在をしたと。  ここにやっぱり不透明感が出てきたことは事実ですから、しかし、そういう点からいうと、四十五あった特会を十七まで切って、なおかつ今回十一まで変えていくということですから、元からやっぱりそうやって断っていって、時代の中で、特に高度成長期で必要だった、例えば道路特定財源に伴う例えば建設関係の特別会計等も今回なくすということにしましたので、御批判もあるかもしれませんが、大きな改革と、それからしっかりと国民の皆さんに透明感を持った特別会計の運営というものに努めていきたいと思っております。
  149. 又市征治

    ○又市征治君 つまり、これまでの、特別会計改革なんとはいいながらも実際上はなかなかこれは進めてこなかった。これまで明らかにされてきたような特会の不合理性であるとか、あるいは不透明性であるとかという、こういうことの解消努力というのは不十分だったということだと思うんですね。  ところで、財務省はこの一月に特別会計改革の基本方針を閣議決定をされて、先月、特会改革法案を国会に提出をされました。そこで、会計検査院に伺いますが、この法案が検査院の指摘事項を十分に反映して実を上げ得る、こういうふうに評価をされているのかどうか。とりわけ、検査報告でも取り上げられているわけですが、財政健全化に向けた剰余金や積立金等の活用問題について、これの所見をまず伺っておきたいと思います。
  150. 鈴木繁治

    ○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。  政府におきまして、国会等における議論、本院の検査結果等を踏まえ、全ての特別会計を対象として一般会計と区分して経理する必要性並びに事務及び事業の経理の在り方について抜本的に見直し、特別会計及びその勘定について廃止、統合等の措置を講ずることなどを内容とする特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を提出していることは承知しているところでございます。  会計検査院といたしましては、従来より、一般会計からの繰入れを財源とする特別会計の剰余金について、国の財政状況が厳しい現状に鑑み、剰余金のうち可能な部分については一般会計に繰り入れるなどして財政資金をより効果的に活用する取組を更に進めていくこと、特別会計の積立金等について、その適正な規模、水準等を具体的に示すことを検討する必要があると考えており、各府省において剰余金、積立金等の活用に取り組んでいると認識しておりますが、今後とも、引き続き特別会計における改革の実施状況等について注視してまいりたいと考えております。
  151. 又市征治

    ○又市征治君 これからもしっかりと検査院の使命を果たしていただくようにお願いしておきたいと思います。  若干具体の問題について伺ってまいりますが、先ほど来も出ているんですが、この特別会計の剰余金問題ですが、二十二年度に一般会計から特会への繰入額は五十三兆二千九百六十億円ありました。一方で、特会は、それの八割相当の四十一兆九千百九億円を剰余金としてためて、投じているわけですね。つまり、年度のスタートの時点で一般会計からの繰入額を大ざっぱに算定をして、過大になっていると言わざるを得ない、悪く言えば一年分の利ざや稼ぎになっているんじゃないのかとさえも言いたくなる。  そこで、財務省の文書、特別会計改革の基本方針についてでは、剰余金について、積み立てる必要がない金額は毎年度の予算編成に当たって一般会計の歳入に繰り入れる、こう書かれましたね、大臣。特会に無用の金額を年度を越えてキープさせる、こんなことやめて、収支両面共にスリム化すべきじゃないのか。この点、どうお考えですか。
  152. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) いや、もう基本的にはそういう方向でいきたいと思っております。  ただ、この四十一・九兆の実はその大宗が、国債整理基金特会の前倒し債の発行額の十六・九と基金残高の十三・七だから、これでもう三十・七いっちゃうんですね。そのほかにも、これ社会資本整備特会の剰余金が実は約〇・五、これは翌年度に事業を繰り越される場合の財源となるものです。それから、先生、実は労働保険特会の剰余金がこれ四千億ほどありまして、これは保険事故に伴う保険金支払に充てられるものとしての支払の準備金だということなんですね。  だから、決して余ったお金ではないんですが、やはりそういう点では、御指摘のようなこともありますので、最大限、我々としては今御指摘のような一般会計の繰入れ等について国民の皆さんから批判を浴びないような努力をしていきたいというふうに思っております。
  153. 又市征治

    ○又市征治君 予算で一般会計から多くを受け入れた特会が、決算で剰余金が出て、それを返さずに翌年へキープする、違うはずだ、どう考えたっておかしい話ですよ。いろいろな努力のあった、八千三百億余りだったですかね、これを減らしたというのはそれは評価をいたしますが、まず特会への無用な繰り出しをしないということ、その後、特会で余ったらすぐにやっぱり返すということが大事で、ましてや翌々年度以降に支出する予定だから自分でキープしますなんというのは、特会といえども、基本的には財政単年度主義というのは、この原則はやっぱり守る努力をすべきなんであって、これは大変問題があると思うんですね。  この是正を一体具体的にどう進めるのか。例えば、二十三年度で一般会計に戻した剰余金というのは二兆七千億円余あるわけですが、例えば努力するとして、こういうのはどのぐらいに減らせるというふうにお考えなのか、これからということなのか、これ、お伺いしたいと思います。
  154. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 今のお話は全体としてはそうなんです。ただ、ちょっと言い訳に聞こえるかもしれませんが、それぞれやっぱり理由はあるんですね。それぞれの理由の中で正当性が例えばあるかどうか、そういうことを私どもとしてはやはりチェックをさせていただいて、その上で、今言ったように、一般会計への繰入れをできるだけやっぱりやってくださいということをやっていきたいというふうに思っています。  ちょっと時間の関係もありますから、例えば個別のことは、会計はいいと思いますけれども、方針としてはそういう方針でやっていきたいと思っています。
  155. 又市征治

    ○又市征治君 申し上げた趣旨は十分御理解いただいているわけですから、是非、これはもう何度も指摘している問題ですから、若干ずつ是正はされてはいるけれども、もっとやっぱり本格的にやるべきだということを申し上げたい。  次に、特会の積立金の問題を伺います。  先ほどもお話しになっていますが、特会には三十四の積立金が設置をされておって、そのうち、外国為替資金と財政融資資金を除いた三十二積立金の総額は、大分活用して二十年度末以来微減傾向にあるとはいえ、二十二年度末でも百七十四兆円余あります。もちろん、これは積み立てておかにゃいかぬ大事なものが幾つかあることは総枠で申し上げました。  検査報告では、積立金等の保有すべき規模や水準に関して、三十二のうち六つの資金では金額が具体的に示されているが、他の資金では明らかにされていない、したがって、財政統制が機能しにくいことから、積立金等の適正な規模や水準等を具体的に示すべきだと、こう要請されているわけですね。ところが、これに対して財務省は、先ほどの引用した文章でいうと、真に必要な規模、水準について再検討を行うとともに、その必要性、積立基準等について適切な情報開示を行うとして、この検査院の指摘よりも抽象的なわけで、どうも逃げ道を空けているんじゃないかという感じさえ受けかねない。  五年前の特別会計法制定の前にも積立金の適正規模論が強く叫ばれたわけですけれども、結局特会法では二つの特会ぐらいしか明示をされなかったんですね。財務省の言い方だと、今回も特会ごとの適正規模や水準は示さなくてもよいということになるのではないか。そういうことでいいのか。それとも、具体的に二十四のどの特会についてどこまで具体化をするという考えなのか、またそれによって積立金の削減はどの程度になろうとしているのか、あるいはしようとしているのか、その点のお考えをお伺いしたいと思います。
  156. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 一言で言うと、各省に対してしっかりと要請をして積極的な働きかけをしていきたいと思っております。  それで、必要な水準を上回る積立金などが生じた場合には、それぞれの財源の性格をよく踏まえた上で適切な対応を図るなど速やかに対応してほしいということを申し上げておりますので、私どもが何かそうしたほかの特会を守るとかそういうことではなくて、きちっと私どものできる範囲で情報公開やその必要性、これは全部の特会について、いわゆる全て具体的に情報開示をせよということに対してこたえていない部分もあるのではないかという御指摘でございますので、そこは私どもとしてもそれぞれ持っている所管の省庁に対して要請をしてまいりたいと思います。
  157. 又市征治

    ○又市征治君 それじゃ次に、外為特会の問題点もこれまで何度か指摘をしてまいりました。しばらくは差益で財政に貢献をしておりますが、元々ちょっとアメリカべったりというか、百兆円近い莫大な外貨準備をほとんど米国国債で抱えているので、最近は急激な円高の下で巨額の為替差損が出ているのではないのか。  そこで、これは事務的にお伺いをしますが、平成二十年度と二十二年度の間でどれだけの損失が出ているのか、まず第一点。あわせて、この外為特会の改革はどのように検討される、これは大臣からお答えいただいた方がいいのかもしれませんが、外為特会の改革点、こういうことは改革していきたいということの概要。この中身はもっといろいろと私も指摘したいと思うので、今日はその概要だけをお伺いしておきたいと思います。
  158. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 又市先生にお答えをいたします。  為替差損の状況でございますけれども、外為特会、御存じのとおり運用とコストと両面がございまして、剰余金の方はこの外貨資産と円建ての政府短期証券の金利差、これ内外金利差から生じるわけですが、この金利差というのは、将来、外国通貨、例えばドルが減ってしまうと、それによって生じるという関係があるわけです。  外為特会は、基本的に、過去に為替介入を行ってきた結果として、平成二十二年度決算時点におきましては、これは一ドル八十三円で換算をしておりますけれども、約八十兆円の外貨資産を保有しており、三十五兆円の為替差損益が発生しているというところでございます。  ただ一方で、金利差によって毎年剰余金を生み出しておりますので、これまでに五十二兆円の中から三十一兆円を一般会計に繰り入れてきたという面もございます。
  159. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 今御指摘のとおりで、私の立場で申し上げると為替介入についてのいろんな賛否あると思いますけれども、私はやっぱり必要なことだと思っています。  ですから、そういう点での手段として今までやってきた中で、為替の状態によってはそういうふうに一応赤字になることもあるし、しかしまた、これが円の為替によっては収益性が上がってくることだってあり得るわけですけれども、先生の御指摘というのは、その運用をもうちょっとアメリカの国債以外のものや様々な流動性を持ったものも少し工夫したらどうかということだと思うんですね。  基本的には、これドルに対する、やっぱり円とドルの関係に対する介入が多うございますから、どうしてもその対象はドルということになるんですが、私も財務大臣になってから、やはり少しそういう点では安定運用を心掛けながら、幅を少し増やしながら、様々な運用のための、例えばアメリカのそういう国債以外にも、国際機関の出すものや他国の出すもので安定性の見込めるものについては少しずつ比率は増やしていきたいと思っております。
  160. 又市征治

    又市征治君 これは、日本の外貨準備というのは非常に世界各国と比べて大き過ぎるという問題がこれあり、それから今大臣そのものもおっしゃったように、まさに米ドルばっかり重視しているがゆえに大変大きな問題が起こってくるわけで、これのやっぱりチェック機能という問題、まあ全部財務省任せということになっていることも果たしていいかどうか。その種の問題、更に引き続き決算委員会で議論はしてまいりたいと思います。  そこで、時間の関係もありまして、自見大臣に若干お伺いいたしますが、先ほど来から出ております、舟山さんや森さんからも先ほど出ました、金融機関に注入した公的資金の回収問題ですね。公的資金を民間企業に一体全体なぜ注入するのか。その企業の救済ではなくて、企業倒産などによって社会的な悪影響が出ては困ると、そのことを避けるためにやるわけですよね。  先ほどから出ていますように、九八年から二〇〇三年にかけて金融機関不良債権処理の加速のために十二兆三千八百億円の公的資金が注入をされて、昨年の三月末までに八七%が回収をされたと。しかし、昨年四月時点で残り一兆四千億円が未返済であり、また多額の含み損がある、回収の見込みがまだ立っていない。ところが、その中で、先ほど来問題になっているあおぞら銀行、以前の日本債券信用銀行ですけれども、これは未返済金が二千百五十二億円あるにもかかわらず、今年三月期に純利益の三一・四%を普通株の配当に回す予定だと、こう言われています。ほかにも、この未返済資金がある銀行で純利益の一二%とか一八・九%とかあるいは一九・二%を配当に回すという、こういう報道もあります。  これ、大臣に聞くよりも先に事務的にお伺いしますが、こういう今申し上げたようなことは事実としてあるのかどうか、その点をまず確認しておきます。
  161. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) お答え申し上げます。  あおぞら銀行は昨年の十月に、この二十四年三月期の業績予想及び配当予想につきまして上方修正を公表しております。この公表した資料を基に計算しますと、ただいま委員御指摘の当期純利益に対する一株当たりの配当の比率、これは三一・四%となります。  それで、ほかの数字もおっしゃいましたので、それは新生銀行あるいは三井住友トラスト・ホールディング、りそなホールディングのことだと推察いたしますが、それぞれについても、昨年の九月期、二十三年九月期の決算で公表している資料に基づいて同じように計算しますと、御指摘の比率となるというふうに承知しております。
  162. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、大臣、今あおぞら銀行というのは、株主、大株主は米国ファンドでしょう、簡単に言うと。つまり、国民から出しているこの国庫資金を返済もしないのに、株主へ他の銀行よりも高い、つまり自力で頑張ってきた銀行よりも高い配当をやります、だけどまだ未返済です、これ、国民感情として理解されますか。  私は、こんなことをやっていたら、いざとなったときに、じゃ銀行、救済やりましょうよと、もし万が一起こったときですよ、これは国民はこんなことを理解しませんよ。冗談じゃないと、こうなると思う。さっきおっしゃったのは、理屈は分かりますよ。返済積立金が健全化計画の額を上回っているから、それ以上は経営判断でしようがないんだとおっしゃるが、私は、その域を超えて、やっぱり金融大臣として、こういう指摘が国民から多い、そういう点では、まず返済を優先してくださいよということは指摘なさって何も問題がないんじゃないですか。そういう点の努力をしてもらいたい。この点を決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
  163. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) 敬愛する又市先生にお答えするのは大変心苦しいところもございますが、やはり金融機関というのは、基本的にあおぞら銀行について、個々にコメントすることは差し控えたいというふうに思っております。  それで、一般論として言えば、公的資金の増強は、今さっきも答弁申し上げましたが、やっぱり経営の健全化計画の着実な履行が求められており、内部留保についても同計画に沿って充実させていく必要がある。その時々の配当政策といいますか、配当の具体的な水準は、同計画の履行状況や業績等を踏まえた上で各行の経営判断に適切に定められておるものと考えておりますが、先生、私は、一九九七年、第二次橋本龍太郎内閣で閣僚をしておりまして、当時、先生御存じのように、消費税を三から五に上げまして、どおんと北海道拓殖銀行が倒産し、山一証券が破綻したときのたまたま閣僚をさせていただいておりまして、それから大体百八十近い金融機関が破綻あるいは合併等々しまして、先生もよく御記憶あると思いますが、当時、もう大変金融機関がそういった状況になりまして、私もたまたまこの職にならせていただきまして、経済の一つの大きな基本はやっぱり金融機関なんですね。ところが、その金融機関というのは、きちっとやっぱり……
  164. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 自見大臣、時間が来ておりますので、手短におまとめください。
  165. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) ああ、そうですか。  やっぱり規制と緩和を実にうまくやらないとうまく機能しないというのが、アメリカのリーマン・ショック、あるいはその後のドッド・フランク法を見ましても、そういったところ、なかなか、お叱りはいただくんですけれども、やはりそこら辺はきちっと、ある意味で、感情的には大変お叱りいただきましたけれども、理性的に、きちっと合理的にやっぱり行政をしていかなきゃいけない部分もございますので、そこを是非御理解、長いよと言って財務大臣から怒られておりますけれども、御理解をいただければと思っております。
  166. 又市征治

    ○又市征治君 しっかりと是非そういう銀行に対して物を言っていただきたいと、その努力を求めて終わりたいと思います。
  167. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。横山信一君。
  168. 横山信一

    ○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  まず、財務省にお伺いいたしますが、公共調達のことについてでございます。  これは、平成十九年の随意契約見直し計画を策定をいたしまして、競争性のない随意契約を競争性のある契約方式に速やかに移行するということになったわけであります。しかし、競争性のある契約方式に形式上移行しても、一者応札が増加をする、あるいは落札価格の様々な弊害があるわけであります。  先月、国と独立行政法人の二〇一〇年度の競争入札の状況が発表されました。これによると、三割超の入札で一者応札が見られると。そしてまた、こうした現象というのは、新規事業者の参加を妨げる障壁があるからではないかというふうにも言われております。すなわち、事業者が見積りを作るための期間が十分に設定されていない、あるいはシステムの仕様など見積りを作る際に参考にすべき情報開示が不十分、こうしたものがあるというふうにも言われておりますが、政府は随意契約から競争入札への切替えというふうに言っているわけですけれども、実際のところはこの競争は進んでいないということが明らかになっているわけです。  各省ごとにそれぞれ様々なことがあるわけですけれども、例えば厚労省でいえば、これは高齢・障害者雇用支援機構の地方業務を委託する競争入札。そうすると、これは四十七都道府県全て同じところが落札をしたということでございまして、厚労省としては、これはほかのところでは参加しにくい条件があったようだというふうにコメントをしているわけですが、結局、十二道県で再入札を実施をしております。また、国交省については、これは一般競争入札が増えておりますが、これはもう一つの工事に数十社が応募をするということで、非常に過剰競争の結果、低価格競争になってしまっている、利益が非常に生じにくい、そういう状況をつくり出しているということであります。  こうした状況に対して、財務省として、この一者応札の増加、そしてまたこうした低価格競争、こうしたことに対してどう対処するのか、お伺いいたします。
  169. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 横山委員にお答えをいたします。  政府が行う随意契約については一般競争が原則との基本でございまして、平成十九年の一月に各省庁において随意契約見直し計画が策定されたわけであります。したがいまして、随意契約によることが真にやむを得ないということ以外は、順次一般競争入札に移行しているということでございます。  ただ、従来随意契約としていた契約のみならず、競争入札を行った結果、競争に参加する者が一者となるいわゆる一者応札が生じているということでございます。この一者応札全てが問題であるとは言い切れないわけでございますが、同じ受注者が繰り返し一者応札により受注しているといったものについては、運用に課題があるんではないかということから、一者応札となる原因に応じた改善を図ることが必要だろうというふうに思っております。  具体的には、一つは、例えば過剰な数量を調達しようとしていないかという数量の見直し、それからオーバースペックとなっていないかというような仕様の見直し、それから調達情報の周知徹底、つまり競争性を高める工夫といった観点から、昨年の四月でございますが、行政刷新会議の公共サービス改革プログラムに基づいて、昨年十二月に内閣府から各省庁に対して発出された調達改善計画の指針というものがございまして、これが策定をする具体的な改善策が盛り込まれておりますので、こういったことに応じた取組を行っているという現状でございます。
  170. 横山信一

    ○横山信一君 会計法があって、結局、その会計法そのものは非常に価格に比重が置かれているという、そういう法律でございますので、言ってみれば、公共調達そのものが、安ければいいという、そういう考え方に引きずられてしまうといいますか、そういう傾向がやはりあるのではないかと思うわけです。  言ってみれば、競争性の確保というのは、何というか、お題目だけというか、小手先というか、そういうふうにも見えてしまうわけでありまして、この価格重視の発注の結果、今、少し触れられましたけれども、結局、公共サービスの成果、品質の向上に様々な問題が出てくるのではないかと。そういう意味では、随意契約の見直しの成果というのをどう考えているのか、また、安ければいいという発想からの転換が必要だと思わないかという、この点について質問いたします。
  171. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  先ほど御質問ありましたいわゆる一者応札とは反対に、随意契約を競争入札に移行したことによって、今御指摘ありましたような、価格競争が激しいんではないかと。そのような競争というのは、これはその適正な品質とか履行が確保されないおそれが生じるわけですので、これについては検討が必要だろうということでございます。  それで、価格競争をできるだけ競争方式としているわけですが、これは前提として適正な契約内容を履行する、それを確保するということが前提でございます。そういう意味では、適正な契約内容の履行の確保を実現するために、現在の会計法令では、著しく低い価格の入札があった場合には、これを調べた上で、もしその価格では契約の完全な履行が確保できない、したがって、国に損害が生じるおそれがあるといった場合にはこれは契約の相手方としない制度ということで、会計法の二十九条の六でございますが、低入札価格調査制度というものがございます。こういったものも参考にしながら、この随意契約というものあるいは競争入札というものは問わずに、いずれにしても税金等を財源に使う公共調達でございますから、適正な履行を確保するような入札制度というものが必要だろうということの観点から検討していきたい、対応していきたいということで取り組んでいる状況でございます。
  172. 横山信一

    ○横山信一君 今日ここで公共調達を取り上げるのは、要するに、今、景気がデフレの状態にあって、地方は非常に深刻です。  そういう中にあって、地方経済では、やはりこの公共調達、公共事業に非常に熱いまなざしがあるわけですね。ほかにどこにも、何か景気を刺激するような材料というのがどこにもないわけですから、非常に苦しい。そういう地方の陥っている現状の中で、今おっしゃられた適正な履行という、国民の税金を預かって、それを公共調達をするわけですから、そういう意味では、価格の適正な履行ということはもちろん大事でありますが、同時に、その公共調達の持っている役割として、やはり今の日本の置かれている、特に地方の置かれている経済状況の中で果たすべき役割というのがあるのではないかと、そこはやっぱりしっかり考えて公共調達を考えてもらいたいというふうに思うわけです。  欧米では、公共調達の目標というのは政府支出の価値の向上にあるというふうに言われているんだそうでございます。我が国ではそのような公共調達が実現しないのは、いわゆる公共調達の専門人材がいないからだというふうにも指摘をされております。  それから、これは政府の行政刷新会議の分科会でも検討されたようでありますけれども、発注者と企業がコミュニケーションを取りながら受発注者双方の課題の解決を話し合っていく、いわゆる競争的交渉方式という、そういうものが日本にはない、十分に機能していないという、そういう指摘もございます。そういう意味で、デフレ経済からの克服を考えても、やはり公共調達というのは重要な国家戦略だと私は思っております。  この競争性のある契約方式を言葉だけにしないで、是非、国民から徴収をした税金で賄われるその公共調達が単に節約効果にとどまってしまわないように、その現状を変えるべきだというふうに思うわけですけれども、大臣にお伺いいたします。
  173. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 歴史を少しやっぱり考えないといけないと思うのは、談合の問題等が物すごく取り上げられまして、やっぱりそうした構造問題にメスを入れるべきだという流れが非常に強い中で、政府も、随契の、例えば防衛関係の関係なんかでどうしてもこれはもう一者しかできないとかというものを除けば、基本的には一般競争入札でやっていきましょうということになったわけです。  これがまた、都道府県の入札もそれに合わせて、私の宮城県なんかも、汚職等がございましてから物すごくその競争入札をやったんですね。ところが、それが大体全体の流れだったんですが、それが全く、今度は応札価格が低過ぎて利益が全く上がらなくて、一気に地元、地方の構造不況の言わば呼び水みたいになってしまったと。こうした流れがあって、今の先生のお話に行き着くんだと思います。  一言で言うと、非常に難しい問題だと思います。納税者の理解を得ながら適切な競争をしていただいて、健全な入札、応札をしてもらうにはどうしたらいいかということだと思うんですね。  だから、そういう中で、例えば品確法とか様々議員立法も出していただきながら、できるだけ優良な企業が国民の皆さんから見て納得感のある応札がしてもらえるような努力というのは、いろいろ議会でもやっていただいているということは、また国交省の中でも努力しているとは聞いておりますけれども、今のお話を聞いていると、一者応札が三割近い状況であると、片方で今度は随契の問題も、指摘するところも逆の意味でありますから、そういう意味では、やっぱりこの入札をどういうふうに適正化をすることで、今おっしゃっているように、地元を含めて、北海道もそうだけれども、私の東北もそうなんですが、やはりこれだけの公共事業の発注というのは、減ってはいるものの民間でこれだけの工事を毎年出すところはないという意味で、非常にこれは重要だよという御指摘であると思いますので。  なお、やっぱり今後、適正な入札の在り方等については関係省庁の中で是非議論をしていただきながら、まあお金のことばっかり言うなという御指摘もあるかもしれませんが、納税者からお預かりした大事な税金ですので、ただ、これを、納税者も企業がひたすらダンピング競争をやって安かろう悪かろうを造ることを望んでいるとも私全く思っておりませんので、適正な競争というのはどこら辺にあるのかよく考えながら、一本一本の入札について丁寧な対応というものをやっていっていただきたいというふうに思っております。
  174. 横山信一

    ○横山信一君 非常に大事なことなんですが、大事であると同時に、これは余り時を置いて考えてばかりいられないわけでありまして、予算は執行されていくわけですし、問題点を残しながら執行していくということにはならないわけですから、なおかつ、今大臣が御指摘のとおり、宮城県でもよく御実感をされているというふうにも思っておりますけれども。  本当にこの公共調達に皆さんが非常に期待を掛けているという部分もあると思うんです。言ってみれば国の命運が懸かっていると言ってもいいと。だからといって、今のその入札を大幅に大きく変えろということではなくて、先ほどおっしゃられた談合の問題が出てくる、そういうことも背景にはあるわけですから、そこをやはりバランスを取りながら、今の日本のこのデフレ経済を脱却する一つの大きなツールとして活用していくように財務省としてもお考えいただきたいということであります。  次に、政投銀の方に移ってまいりますが、JALの問題であります。  簡単に振り返りますと、これは二〇〇八年以降のリーマン・ショック、そしてまた新型インフルエンザの流行ということが理由とされておりますけれども、これによって航空需要が減って、二〇〇九年の三月期の連結決算で赤字に転落したと。それに追加融資をすることになったわけですが、六百七十億円、政投銀が融資をいたしました。その後、会計検査院によって、そのうちの八〇%が危機対応業務として出したもので、日本公庫を通じて出したものだったけれども、これが政府が損失補償をするものだったと。ごめんなさい、四百七十億円ですね、会計検査院によって国民負担が四百七十億円であることが明らかにされたということであります。  この融資については、JALの経営悪化が国際金融危機を伴うものではないから危機対応業務とするのは適切ではないと、そういう批判もあるわけでありますけれども、経営危機が生じた場合の危機対応業務に該当する要件とはどういうものなのか、お伺いいたします。
  175. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  危機対応業務というのは、内外の金融秩序の混乱あるいは大規模な災害等に対応するため、主務大臣による危機認定がされた場合に、主務大臣の指定を受けた金融機関、これは日本政策投資銀行ほかでございますけれども、これが日本政策金融公庫からの信用供与を受けて事業者に対する資金の貸付けを行うということでございます。  その要件とすれば、一つは、金融秩序の混乱や大規模災害等によって一時的に業況又は資金繰りの悪化を来していると。それから二つ目の要件とすれば、中長期的に業況又は資金繰りの回復が見込まれることということが要件となっております。
  176. 横山信一

    ○横山信一君 先日、予算委員会で同僚の竹谷議員がこの問題について質問いたしました。政投銀そして日本公庫は、国民の税をもって融資を続けるということであれば守秘義務をもって情報を閉ざすべきではないという主張もさせていただきました。  会計検査院によって明らかにされたこの四百七十億円の国民負担という損失、このことが明らかになっている以上、やはりこれは速やかに企業名を公表するべきではないかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
  177. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 政投銀は債務者との間の守秘義務がございまして、その観点から個別企業名の情報開示は基本的には行っておりません。ただし、債務者の了解が得られ守秘義務が解除された場合等においては個別企業名等の情報開示が行われているというふうに承知しております。例えば、日本航空及びエルピーダメモリへのいわゆる大企業向け融資については、情報の公知性が向上したことや、融資先の経営に与える影響等を総合的に考慮した上で政投銀及び日本政策金融公庫において情報開示が行われたと。したがいまして、財務省とすれば、今後も適時適切に情報開示が行われるということを期待をしております。
  178. 横山信一

    ○横山信一君 これは速やかに情報開示をするべきだというふうに思うわけですけれども、政投銀によるJALへの融資問題があったときから、政投銀はどの企業を支援するのかという、その線引きが曖昧だという指摘は随分なされてまいりました。この融資という銀行にとって非常に重要な経営判断に官が影響力を及ぼしているから、だから曖昧になっているのではないか、あるいはまた、天下りポストを維持するために国が支援を行っているんじゃないかという、そういう指摘もなされているわけであります。  そこで、政投銀への天下りの実態はどうなっているのか、そしてまた、政投銀から次に天下る、いわゆるわたりですね、これがどうなっているのか明らかにしていただきたいと思います。
  179. 柳正憲

    ○参考人(柳正憲君) お答えします。  当行役員のうち省庁別の出身者は合計五名ということでございますが、内訳を申し上げますと、財務省の出身者が二名、国土交通省の出身者が一名、それから経済産業省出身者が一名、金融庁出身者が一名ということでございます。なお、国土交通省からの出身者一名については現役職員の出向という形になっております。  それから、後の方の御質問でございますが、当行を退職した省庁の出身者は、過去五年では合計八名でございます。ただ、再就職先については当行としては詳細は承知しておりませんが、公表資料等によれば、内訳で申し上げますと、民間の株式会社に再就職した者が七名、再就職していない者が一名ということでございます。
  180. 横山信一

    ○横山信一君 これは正確に言うと天下りというふうに言えないのかもしれませんけれども、このわたりの実態ももう少し明らかにしていただきたいなというふうに思うんですが、政投銀の前の日本開発投資銀行、これは一九八〇年代、航空関連に融資を拡大させました。羽田空港、成田空港、関西国際空港、この整備に融資をしてきたわけであります。関空については長期借入金の債権者ということで、これはそれこそ民主党の皆さんの事業仕分で取り上げられて、この利子補給金というのは凍結をされているわけであります。  この三空港の施設を運営している空港施設株式会社というのがございます。ここの現職の社長は国交省出身と、しかも政投銀の理事を経由しているということでありまして、分かりやすく言えば、従来から指摘されていたように、政投銀は関空の長期借入金の債権者であるために、国から関空に支出される利子補給金、それは結局政投銀に還流するという、そういう流れになっていると、その流れというのは天下り人事によって守られているというふうにも見えるわけです。  そういう意味で、少しちょっとお聞きをしますけれども、この政投銀理事が何で空港施設株式会社の社長になったのか。どうでしょうか、柳副社長。
  181. 柳正憲

    ○参考人(柳正憲君) あくまで退職者と再就職先との関係で、当行からお答えすることは適当でないと考えますが、あえて申し上げれば、あくまで退職者本人の資質及び能力に基づいて再就職先の判断として就任しているものと認識しております。
  182. 横山信一

    ○横山信一君 資質、能力という、それはどこに就職するのでもそういう表現になろうかと思うんですが、これはどう見てもやっぱり非常にダークなイメージを持つわけですよ、ここはね。  そういう意味で、この政投銀がどういうところに出資をする、あるいは融資をするという、そういうところのやはり基準が曖昧なために、本来正当な再就職だったのかもしれませんが、そういうふうに見えてこないという実態があるわけです。  同僚議員の竹谷さんが、この政投銀の出資基準を聞いたんですね。そのとき、柳副社長のお答えなんですが、我が国の成長戦略の実現やリスクマネーの不足している資本市場を第一義的にというふうにお答えをされているわけであります。しかし、民間企業とはいえ、まだ完全に民間には移行しておりませんが、原資が税金である以上、やはり曖昧なこうした基準では国民は納得できないわけであります。  政投銀が深くかかわっているこの空港施設株式会社ですね、この空港施設株式会社の主な取引先というのは空港ビル会社になるわけです。この空港ビル会社、ここの空港ビルの給排水施設はどういうわけか国交省が所管しているんですね。それを運営しているのは空港施設株式会社ということになっているわけです。竹谷議員がそこで明らかにした新千歳空港が唯一この空港施設株式会社から一般競争入札で別の会社に替わった。その結果、新年度から一体幾ら安くなったのかというと、給水では一六%、排水では一七%が下がったということでありまして、いかにこの空港施設株式会社がぼろもうけをしていたかということがよく分かる。言ってみると、空港ビルでレストランに入って食事をすると非常に高いわけでありますけれども、言ってみれば、その高さの原因が実はこの給排水にあるんじゃないかなというふうにも見えてくるわけであります。  こういう利権の構図に、中心にあったのが政投銀というふうに見えてしまうわけですね。ですから、政投銀の融資基準というのを明確にすべきだというふうに思うわけですが、いかがですか。
  183. 柳正憲

    ○参考人(柳正憲君) 当行自身の融資判断ですが、融資先企業の業況あるいはその対象とするプロジェクトの性質などに応じて判断をいたしますので、極めて個別性が強くて一概には言えないと。  ただ、総じて申し上げますと、今お話のございましたように、私ども、株式会社として自律的な経営判断を行うことを前提としております。その中で、融資の経済性あるいは融資をした場合の償還の確実性などを踏まえて判断を行っております。  あわせて、先般お答えいたしましたように、我が国の成長戦略の実現とか、あるいは長期資金、リスクマネー等が不足しております金融資本市場の課題等も念頭に置きつつ判断を行っているということでございます。
  184. 横山信一

    ○横山信一君 我が国のという言葉を言うのであれば、やはりこういう今申し上げたような、これは一例だと思いますが、空港施設株式会社、そしてまた政投銀がそこに深くかかわる、そして空港ビルという、こういう流れの中にあって、そこに融資をどんと入れるという、そういうものではなくて、やっぱりはっきりとしてもらいたいわけですね、ここは融資基準を。そうでないとやはり国民が納得できないわけであります。  公共インフラを担う企業、ちょっと話変わりますけれども、経営環境が悪化した場合、金融支援の在り方はどうであるかということを考えたときに、特にその公共インフラの中でも、特に過疎地域、離島のような、そういうところでは公共交通機関というのは限られていますから、その交通機関を支えている企業が経営難に陥ると、それは離島の住民も含めて大変な目に遭ってくるわけです。  本来、やっぱり政投銀というのは、今、副社長がおっしゃられたように、我が国の成長戦略等というのであれば、こういった離島航路のような、あるいは地方の本当に地域のコミュニティーを守るためのような、そういう公共交通機関を担っている、経営難で苦しんでいるところもいっぱいあります。そういうところをしっかりと支えていくということが大事だと思いませんか。いかがですか。
  185. 柳正憲

    ○参考人(柳正憲君) 御指摘のように、当行は、前身であります日本開発銀行あるいは北海道東北開発公庫の時代から、基幹交通分野を含む我が国の社会インフラ整備を金融面で支援してきたという実績がございます。したがって、当行としては、先ほど申し上げました融資基準を前提とはなりますが、これまでの経験でつくってきたノウハウに加えて、当行の特徴と考えておりますが、長期の資金供給力あるいは中立的立場を生かして、引き続き社会インフラ整備に支援をして取り組んでいきたいと考えております。
  186. 横山信一

    ○横山信一君 これはもう是非大臣にもお聞きをしておきたいんですけれども、こうした今政投銀が答えた、政投銀なりのそういう制約はあるのは分かりますが、しかし、その政投銀が今まで担ってきた役割というのがあるんですね。これは二〇〇二年に「日本開発銀行史」というのが出ておりまして、その中にもコミューター航空事業へのかかわりということが書かれております。そういう意味では、基幹交通機関をしっかり守っていくということがやはり政投銀に課せられた重要な役割だというふうに私は思うわけですけれども、大臣、どう思われますか。
  187. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) いろいろるる副社長からもお話ありましたけれども、公共インフラの整備というのは事業内容の大きな柱の一つだとは思います。収益性のところがやはりそういう意味では税金の投入が多いわけですから、それは国民全体に対しての収益性の確保は必要だと思います。  ただ一方で、この銀行のなりわいを考えれば、やはり適切な審査を行われることを前提としても、今後、今御指摘のような離島航路等を含めた公益性の高いインフラの整備が図られるということは私は期待をしております。
  188. 横山信一

    ○横山信一君 是非、そういう実現に向けて御努力をしていただきたいと思うわけであります。  私も、被災金融機関のことについて若干、最後になりますかね、個人版私的整理ガイドラインについてお聞きをしておきたいと思います。  いわゆる二重ローンが、これは被災者の住宅ローンに関しても二重ローンが問題になっております。この問題に対して、法的手続によらず、これは債権者と債務者の協議により債務の減免を行うという、個人版の私的整理のガイドラインが策定をされました。昨年八月にこの私的整理の申出が開始されて、今年四月六日時点で相談件数が千八百七十八件という報告を受けております。  元々これは年間一万人程度の利用を見込んでいるということであれば、ちょっと利用状況は低調ではないかというふうにも思うわけでありますけれども、この利用が低迷している原因、そしてまた、これからどういうふうにしていくのか、お伺いいたします。
  189. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、私的整理ガイドラインの個別相談事例は、この四月六日時点で千八百七十八件でございます。その次の段階といいますか、申出に向けて登録専門家を紹介して準備中だという案件、あるいは債務整理開始を申し出た案件、これ合計で五百五十六件でございます。これらが債務整理に向けての手続中であると聞いております。  被災者の中には、地域の復興計画や原子力損害賠償の動向等を見極めており、ガイドラインの利用を控えておられる方もいらっしゃるというふうに承知しておりますが、必要な方々には是非ガイドラインを利用していただけるように、引き続き関係者と緊密に連携して周知等について努力してまいりたいと思っております。
  190. 横山信一

    ○横山信一君 以上で終わります。
  191. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。中西健治君。
  192. 中西健治

    ○中西健治君 みんなの党の中西健治です。  まず金融庁の監督局にお伺いしたいと思うんですが、今日の朝刊によりますと、SMBC日興証券処分勧告がなされるということですが、これはかねてから指摘されています、日本の資本市場において新株の引受増資をめぐってインサイダー取引など不透明な取引が行われているのではないかというものにメスを入れるというものだと思いますが、本日のSMBC日興証券に関しては、メガバンクと鉄道会社の増資情報が公表前に証券会社の投資銀行部門から営業部門を通じて投資家の方に渡ったということが処分の対象となるということのようですが、一方で、三月には中央三井アセット信託、こちらに課徴金が課されるということが決められました。こちらは、やはり増資情報を使ってインサイダー取引ということで、これは投資家側が処分を行われるということでありますけれども、まずお聞きしたいのが、この新聞報道、事実関係についてお答えいただきたいと思います。
  193. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 今朝の報道は承知しておりますが、私ども、まだ証券監視等委員会から勧告を受けておりません。
  194. 中西健治

    ○中西健治君 勧告は受けていないということですけれども、これまで金融庁、証券取引等監視委員会が処分勧告を行うときには、その日の、当日の新聞にはリークをしておいて、そしてその当日に、午後に処分を行うということですから、多分もうあと数分か一時間か、そういったところで処分勧告は受け取るということですから、知らないということはないですよね。
  195. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 恐縮でございますが、現時点でまだ勧告を受けておりません。
  196. 中西健治

    ○中西健治君 新聞社にはリークをしておいて、国会では知らない、答弁をしないというのはおかしいんじゃありませんか。
  197. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) リークをしたかどうかも私は承知しておりませんが、証券等取引監視委員会の勧告を我々はまだ受けていないということでございます。
  198. 中西健治

    ○中西健治君 勧告は受けていないにしても、事実関係については御存じでしょうか。
  199. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 個別の事実関係についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
  200. 中西健治

    ○中西健治君 もう本当にあと一時間以内の話なんじゃないかなと思うんですが、御答弁いただけないというのは、国会を軽視しているんではないかなということを申し上げておきます。  今回のケースでインサイダー取引に関与した投資家がいるのかどうか、こうしたことについても今後お伺いしたいと思いますが、今日の時点では何もお答えいただけないと思います。  では、前回、三月の中央三井アセット信託のケースでは、主幹事証券、多分野村証券ということだと思いますが、こちらについての処分は考えていらっしゃるんでしょうか。
  201. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 個別の取引関係にわたることでございますので、コメントは差し控えたいと思います。
  202. 中西健治

    ○中西健治君 日本市場の信頼を回復するためには、金融庁及び証券取引等監視委員会がやらなければならないことはたくさんあるわけでして、これは証券会社側そして投資家側双方をしっかりとメスを入れていただかなければいけないと思っています。  今日、処分勧告がなされるのかどうか分かりませんが、そちらはリーク元、証券会社側だけ、若しくは三月の中央三井アセット信託に関しては投資家側だけということではおかしいのではないかというふうに思っている、そういった問題点だけをまず指摘させていただきます。  それでは、財務省及び安住財務大臣にお聞きしたいんですが、外為特会の運用についてお伺いいたします。  安住財務大臣、外為特会で中国の国債を購入する枠というのを中国政府から受けたということを発表されております。金額は八千五百億円ぐらいというふうに承知しておりますが、これ、私はかねてから外為特会、通貨分散するべきだということを御提言申し上げているので、私自身は歓迎しておりますけれども、財務大臣の考える意義についてお伺いしたいと思います。
  203. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 何回か御指摘いただきまして、御評価もいただいて、感謝いたします。    〔委員長退席、理事中川雅治君着席〕  中国国債への投資というのは、やはり経済関係が非常に強まってきた、そしてまた情報交換等の促進も進んでまいりまして、私も二月に王岐山副総理との会談をし、また先週は謝財政部長以下、日中財務対話で来日をなさっております。日中間のそういう意味での経済交流から考えると、やはり元と円の関係の強化というのも必要になってきますし、これは先生から随分指摘をいただいたわけですけれども、私は、そういう点では、例えば決済についても、これまでやっぱりドル経由でほとんどの決済が行われていますけれども、でき得れば円元決済みたいなものが企業間で随分進んでいけば、その分利便性というのは相当高まると。しかし一方で、我々も、同様に中国に対して、やはり流動性というようなものも、柔軟性というものも、それは求めていかなければならないことも一つ言えるのではないかと思います。  今後、御指摘もいただいておりますが、私としても、ドルの重要性が変わるわけではありませんけれども、やはりその購入枠というものを一定程度確保しながら運用というものもしっかりやっていきたいというふうに思っております。
  204. 中西健治

    ○中西健治君 まさにそのとおりであろうというふうに思っておりますが、私自身は、一昨年になりますが、一昨年の九月の財政金融委員会で、私議員になって初めての一問目の質問というのがこの外為特会、通貨分散をすべきである、貿易相手国ですとか決済通貨に応じて通貨分散を図るべきであるということを当時の野田財務大臣に提言を申し上げたところ、そのときには野田財務大臣は、流動性とか安定性というものを勘案しながら検討をすべきものであると言って、非常に否定的なニュアンスで答弁をされました。  結果としては中国国債を購入する枠を得たということで、方向としては歓迎していると申し上げたとおりですが、この流動性ですとか安定性ですとか、どういう整理を財務省は行ったんでしょうか。
  205. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  まず、中国国債は日本の国債と同等の格付、安全性を有しております。例えばS&Pでもムーディーズでもフィッチでも同じ実は格付をしております。それから、発行残高も、日本国債を除けばアジアで最大でございます。今年の二月時点で約一・一兆ドルと。したがって、流動性も徐々に向上しているというふうに認識をしております。  今回、外為特会から予定している投資に当たっては、安全性と流動性の観点から問題があるとは考えておらないと、非常に向上しているという考えでございます。
  206. 中西健治

    ○中西健治君 向上しているとはいっても、今おっしゃられたように、残高で一・一兆ドルということでありますので、まだまだ小さい市場であると言わざるを得ないと思います。  私、日本の投資家にいろいろ聞きましたけれども、日本の投資家も銀行、保険会社はまだ中国国債への投資は行っておりません。ごく少ない投資顧問会社だけがそういう中国国債への投資を行っているという状況の中で、流動性があるということは言えないというふうに私自身は考えております。  となりますと、やはり外為特会のガイドライン、運用ガイドラインを見直す必要があるのではないか、流動性という言葉が対象の国債等について入っておりますけれども、これを見直すべきなのではないかというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
  207. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 今、外為特会の保有する外貨資産の運用については、日本の通貨の安定を実現するために必要な外国為替等の売買等に備え、十分な流動性を確保するということを目的としておりまして、この流動性、それから償還確実性が高い国債等によって運用しようというふうに考えております。  先ほど申しましたように、格付が相当高いということと、それから、少ないとはおっしゃいましたけれども、日本国債を除けばアジアでは最高の額であるということで、したがって、今回、外為特会が予定している投資に当たっては、この流動性の観点ということに関しては徐々に向上しているということで、今回も非常に適当であるというふうに考えておるという状況でございます。
  208. 中西健治

    ○中西健治君 この流動性に関してはちょっと無理があるのじゃないかなというふうに思います。  安住大臣、今回は中国国債ですけれども、今後、韓国ウォンなどの他の通貨を保有する可能性は排除しないということでよろしいでしょうか。
  209. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) 現時点で何か具体的な検討をしているわけではないんです。安定性、運用の中でやっぱり一定の収益をきちっと確保して、国民の皆さんから見てもなるほどと思われるような運用対象にやはり投資をするということだと思うんですね。  流動性のことなんですけど、促していく効果というのも大きいですから、それは今あるものだけでなくて、やはり日中の関係は非常にそういう点では経済的な意味合いというのはあるので、私としては判断したんです。ですから、野田総理もそういうふうなことを様々勘案した上で、実は先生に対してネガティブな話をしているんじゃなくて、受け止めて検討するとおっしゃっていたんですね。私、それを引き継ぎましたのでこういう結論に至ったことだけは御理解いただきたいと思います。
  210. 中西健治

    ○中西健治君 理解いたしました。  そして今、促していこうかということを財務大臣おっしゃいましたけれども、是非ともほかの投資家にも促していきたいなということなんじゃないかと思います。今回、財務省が中国国債を買うのであれば、それを契機に本邦の投資家ももっと投資しやすくするべきなんではないかなというふうに私自身は思っておりまして、日本の投資家が中国国債を投資しにくい一つの大きな理由として、中国国内での適格機関投資家の申請が非常に煩雑であるということがあります。この申請手続を何とか簡素化してくれというようなことを日本政府から中国政府に働きかけるというようなことが必要なんではないかと思いますが、それについては金融庁ですか、お答えいただきたいと思います。
  211. 中塚一宏

    ○副大臣(中塚一宏君) お答えいたします。  我が国としても、これまで累次の機会をとらえまして、中国国債を含め我が国の投資家が中国への投資機会の拡大をできるよう、いろいろなレベルで要望してまいりました。昨年十二月の日中首脳会談においても、円建て、人民元建ての債券市場の健全な発展支援、その他いろいろな取組に関する議論を行ってきたところでございます。  御指摘の適格外国機関投資家でありますけれども、この首脳会談の際にも当然のごとく要請をいたしました。また、二月の八日のことなんですが、中国の証券監督管理委員会の主席で郭さんという方、郭主席という方が金融庁においでになられまして、私、お目にかかりましたが、今先生の問題意識を直接お願いをしたところでございます。  四月の三日なんですけれども、中国の金融当局から、我が国の投資家の要望の一つであった投資枠の拡大、これが発表をされました。今後も、それこそ手続の問題も含めて、中国への投資機会の拡大に必要な要望事項を積極的に中国に提起してまいりたい、そう考えております。
  212. 中西健治

    ○中西健治君 是非とも今後とも進めていっていただきたいと思います。  朝霞の公務員宿舎問題についてお伺いいたします。  随分前のことになりましたけれども、昨年の十二月の財政金融委員会で私は安住大臣に質問させていただいて、公務員宿舎、違約金が発生するということですので、この違約金の金額が幾らになるのか、そしてそれが決まったらすぐ発表するかということについて、公表されるということでしたので、今どのようになっているのか確認したいと思います。
  213. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 公務員宿舎問題は、私、安住大臣の任命で座長で取り組みましたのでいろいろ対応しておりましたけれども、この違約金については、まさに事業者と交渉中でございます。それで、まだ確定しておらないためお答えできないんですが、と申しますのは、これPFIの事業契約でございますので、これ設計から建設、維持管理まで非常に広範にわたっております。したがって、事業中止決定に伴っていろいろな交渉項目が非常に多いということがございます。  他方、これは国の負担が最小限になるような、事業者と厳しく交渉せざるを得ないということで、まだ交渉が続いているということでございまして、とにかくこの事の本質からいいまして、国の負担が最小限になるように厳しく事業者と交渉してまいりたいと、そういう状況でございます。
  214. 中西健治

    ○中西健治君 二十四年度予算において公務員宿舎建設経費は、新規建て替えが凍結されたということで七一・五%、約二十億円減額されたということになっておりますが、この違約金の交渉次第では、元々総工費が百億円掛かるということでしたから、その一割、二割掛かってしまうということになってしまいますと、せっかくの予算の減額措置が丸々吹っ飛んでしまうということになりかねないということですから、しっかりと交渉していただきたいと思いますし、我々自身も関心を持っていきたい、注視していきたいというふうに思っております。  財務大臣、財務省に対する質問はここで終わりますので、委員長の許可があればお引き取りいただいて結構でございます。  金融庁に引き続き質問をさせていただきたいと思います。
  215. 中川雅治

    ○理事(中川雅治君) 安住財務大臣、どうぞ。
  216. 中西健治

    ○中西健治君 これまでも質問が今日は幾つか出ておりますけれども、金融機関へ注入した公的資本の回収についてお伺いしたいと思います。  平成十年から十五年にかけて金融機関に注入された十二・四兆円のうち約一・五兆円分がまだ未回収ということになっておりますが、これまで資金回収を行った際に損失が発生したことがあるはずですけれども、どこで発生しているかお答えいただけますでしょうか。
  217. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) これまで資金回収を行った際の損失が発生した事例でございますが、早期健全化法に基づきまして引き受けましたあしぎんフィナンシャルグループの株、これが千五十億円ございましたが、これにつきましては、平成十六年の三月に当社の会社更生手続が決定されたため、整理回収機構において損失処理を行ったものと承知しております。
  218. 中西健治

    ○中西健治君 実現損が生じたのは足利銀行ということですけれども、含み損ということであれば幾つかほかにもあると思いますが、そこをお答えください。
  219. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 含み損ということは時価と簿価の差ということだろうと思いますが、その銀行株の時価によって日々変動いたしますので、ある時点をとらえて確定的に述べる性格のものではございませんが、あえて一定の仮定、例えば昨日時点での時価を基にあえて一定の仮定を置いて機械的に換算しますと、未返済の銀行株一・五兆円につきましては時価は約八千九百億円となっております。
  220. 中西健治

    ○中西健治君 一・五兆円に対して八千九百億円ということですから、六千百億円、今評価損が生じている、含み損が生じているということであります。  そんな中で、例えば元々優先株で入れて、そして優先株が普通株に転換されてしまうと、あとはもう何もしようがありませんから、株式市場がどう動くのかというのを見ているということしかできないんじゃないかと思いますが、じゃ、新生銀行について言いますと、簿価が幾らで、そして今の時価が幾らになっているか、お答えいただけますでしょうか。──用意がないようであれば、また後日教えていただく。今答えられますか。じゃ、答えられないようであれば、また後日教えてください。  先ほどおっしゃられたとおり、大きな含み損が生じているという状況でありますけれども、その中で私がやはり問題にしなければいけないなというふうに思っているのは、元々の優先株から普通株への転換日までにやはり回収をしっかりとしていかなければいけないということなんです。  あおぞら銀行について、何度も出ていますが、お聞きしますけれども、優先株が普通株に転換されるのはいつになっていますか。    〔理事中川雅治君退席、委員長着席〕
  221. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) あおぞら銀行に対しましては二回注入しておりまして、まず早期健全化法によります注入額千五百五十二億円が平成二十四年の十月、それから旧安定化法による六百億円が平成三十年四月に一斉転換日を迎えるということでございます。
  222. 中西健治

    中西健治君 そういうことなわけで、平成二十四年十月ということですともう時間がないということになりますし、平成三十年四月というのも当然意識していかなければいけないということですので、今日いろんな委員から、舟山委員からも指摘ありました、それまでに必ず回収していく、返済を迫っていく、そうしたことをしていかなければいけないんじゃないですか。そこら辺に対する、期日に対する意識というのはどういうふうに持っていますか。
  223. 細溝清史

    政府参考人(細溝清史君) まだ完済していない各金融機関、これはあくまでも一般論で申し上げさせていただきますが、それらは経営健全化計画に掲げました各種施策の実施を通じて、収益性や財務の健全性の維持向上に努めながら返済に向けて取り組んでいるところと承知しております。  それで、まだ完済していない、しかも優先株のところにつきましては、普通株式への一斉転換日までの期間や普通株式へ転換された場合の国の潜在的な議決権保有比率等、自らの置かれた状況を十分に踏まえつつ、公的資金の返済に向けた適切な経営判断を行っていくということが重要だろうと思っております。
  224. 中西健治

    ○中西健治君 自らの判断ということだけではなくて、当然、国民の税金を使っているわけですから、やはり優先株であるうちに金融庁は何らかの強い処置をしていかなければならないということなのではないかというふうに私自身も考えております。どうぞ。
  225. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) この経営健全化計画の履行状況につきましては、私どもも半期ごとに報告を求めておるところでございます。また、必要に応じて監督上の措置も講じてきているところでございます。  こういった履行状況の適切なフォローアップを通じて、各金融機関における収益性や財務の健全性の維持向上のための取組、あるいは企業価値の向上につながるビジネスモデルの確立等を促してまいりたいと思っております。
  226. 中西健治

    ○中西健治君 今日ずっと出ているのは、あおぞら銀行に関しては配当率の引上げなどが行われてしまっているのが問題なのではないですかということが指摘されているわけです。そして、転換日が平成二十四年と平成三十年にある、それまで優先株であるならば、そこで何らかの処置をしていかなければならないんじゃないかということは繰り返し指摘されているわけですから、やはりそこはしっかり、一般論ではなくて、受け止めていただきたいというふうに思います。  では、もう一つお伺いします。  地方銀行の中で千葉興銀、千葉興業銀行というところには六百億円優先株の形でお金が入っております。この六百億円に対して今時価はどれぐらいになるんでしょうか。
  227. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 昨日時点の株価で計算しますと、時価は二百六十三億でございます。
  228. 中西健治

    ○中西健治君 六百億が二百六十三億、半額以下になっているということでありますが、それにしても、この二百六十三億若しくは六百億にして、どちらでも結構ですけれども、二百六十三億の方がいいですね、今の時点でこれが、優先株が普通株になったとして、政府は議決権の保有割合、どれぐらいになりますか。
  229. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 時間が来ておりますので簡潔にお願いします。細溝監督局長。
  230. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) あくまでも機械的に計算させていただきますと、転換価額には下限が付いてございますので、下限転換価額で優先株から普通株に転換されたとした仮定を計算しますと、千葉興業銀行に対する転換株、転換型優先株六百億円については五三・九五%の議決権割合になると推計しております。
  231. 中西健治

    ○中西健治君 もう終わりますが、政府が過半数を持つというような状況になりかねないということですから、国営銀行にもなりかねないということです。そうした銀行についてしっかりと経営健全化をさせていかなければいけないということを申し上げて、私の質問は終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  232. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。大門実紀史君。
  233. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門でございます。  午前中もありましたが、AIJの問題を取り上げたいと思います。  これは、言うまでもなく金融行政の決算総括上大変重要な問題でございます。この問題は、今資料をお配りしておりますけれども、大変複雑怪奇な問題でございまして、まだまだ解明されておりません。今日も衆議院で証人喚問がまだやられている最中でございます。  最大の疑問は、なぜAIJが長期にわたりうその報告を行って顧客をだまし続けることができたのかと、なぜこんなに長期にわたって発覚しなかったのかというのが最大の疑問でございます。この点では、実は今から三年前に、二〇〇九年の二月の二十三日でございますが、金融庁はこのAIJと一心同体でありますアイティーエム証券を検査しておりました。どういう検査でどういう結果になったのか、簡潔に説明をしてください。
  234. 岳野万里夫

    ○政府参考人(岳野万里夫君) 先生御指摘がございましたように、二〇〇九年の二月、アイティーエム証券に対しまして立入検査を実施しております。  このときはアイティーエム証券に対する単独の検査でございまして、これまで、証券会社の検査でございますので、通常の市場仲介者としての内部管理体制、法令等遵守体制、リスク管理体制などの検査を行っているところでございます。仮に行政処分の勧告を行った場合には公表しているわけでございますけれども、当時そういった公表は行っておりません。
  235. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 つまり、おっしゃったのは通常の関東財務局の検査であって、問題がなかったということでございます。  ただ、二〇〇九年のこの時期というのは、アイティーエムが関与する今回の詐欺事件が既にもう進行していたわけでございます。なおかつ、当時は、関係者の間でこのAIJというのは大丈夫なのかと、それと、AIJとこのアイティーエムがもう一心同体というのは業界の関係者みんな知っております。そのAIJが大丈夫なのかという話が既に広がっていた時期でございます。ちなみに、二〇〇九年の二月十六日号の「年金情報」という雑誌がありますけれども、これは年金関係者はほとんど読んでおりますが、その中に既にもう、実名は挙げておりませんが、日本版マドフという記事が載りまして、AIJのことが業界の中では大丈夫なのかということが大きな話題になっていた時期でございます。その最中に、金融庁は、このAIJの投資信託、専門に販売しているこのアイティーエム証券に入られたわけでございます。  虚偽、粉飾の仕組みが一切発見できなかったという方が私は不思議なんですけれども、どういう検査をやったんですか。
  236. 岳野万里夫

    ○政府参考人(岳野万里夫君) まず、今回の不正事案と申しますか、AIJ投資顧問によります今回の問題につきましては、御案内のとおり、今回のAIJ投資顧問とアイティーエム証券に対する検査におきまして、AIJがファンドの基準価額の改ざんを行っていたこと、アイティーエム証券はAIJ投資顧問から渡された基準価額を受けて顧客に対する販売を行っていたこと、アイティーエム証券はファンドの監査報告の内容を確認せずに、AIJに言われるままにAIJの方に回付して渡していたと、こういったような事案でございます。  こういった中で、先生から先ほど来、アイティーエム証券の平成二十一年の検査は何を見たのかということでございますが、先ほど申し上げましたように、市場の仲介者としての証券検査を実施した次第でございます。
  237. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 だから、なぜ発見できなかったのかということを聞いているわけです。  専門家というか、関係者のところではみんなAIJとアイティーエム証券は一心同体というのは知っておりましたし、そのAIJがまさにうわさになっていたその最中の検査でございました。  あれですか、ひょっとして、そもそもAIJとアイティーエムの関係そのものを知らないで検査に入って、検査終わっちゃったということですか。知っていたら、当然もっと入るはずなんですけれども。
  238. 岳野万里夫

    ○政府参考人(岳野万里夫君) アイティーエム証券につきましては、平成十年に設立されまして、その後いろいろなビジネスの変遷がございまして、前回検査に入りました時期におきましては、AIJ投資顧問の運用しております海外私募投信の販売を中心として行っているブローカーであると、こういうことは認識した上で検査には当然入っていたと思います。アイティーエム証券がそういったビジネスをしていたこと自体は何ら秘密でもなく、当局でも事前に分かることでございますので、そういう意味でのブローカーとしての検査に入ったということでございます。  ただ、振り返ってどうだったかということで、今後のために先生の御質問もされていると思いますけれども、当時、私どもはアイティーエム証券に対しまして継続的な検査を続けてきておりました。そういった中で、AIJ投資顧問との関係あるいはさっき申し上げましたような今回のような不正の構図、そういったものを意識して検査に入っていたわけではございませんでしたので、先ほど申し上げましたように、今回の構図というのは、非常にAIJ主導の、まあアイティーエムもそれに結果として加担をしてきたということではございますけれども、アイティーエム証券の通常の証券検査の過程では、今回の全体の構図をつかむ端緒を把握するには至らなかったということでございます。
  239. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 私、事前にレクを受けたとき、これは何日間検査されたのかと聞いたら、大体一か月ぐらいじゃないかという話を聞いたわけですが、私が調べてみたら、これはそんなにやっておりませんね。僅か九日間ですね。  つまり、これはもう、何というかな、通り一遍の順繰り、定期的な検査の一つであって、特にこのときに問題になっていたAIJの情報とか、そういうものをきちっとつかんだ上でやっていないですね。見過ごしちゃっていますね。そういうことじゃないですか。僅か九日間の検査というのは、そういうことでしょう。通常、今、今回のやつは四十日以上やられましたですね、検査ですね。全然違いますよね。つまり、そういうさらっといっちゃったということだと思います。  当時から、何度も言いますけど、もう関係者の間では、AIJとこのアイティーエム証券はもう、AIJが実質支配しておりますから、一心同体というのはみんな知っていたわけでございまして、逆に言うと、そういううわさがありましたから、AIJ危ないと、怪しいと。逆に、この金融庁の検査が注目されていたんですよ、皆さんの結果が。それが、わざわざ白だということをやっちゃったものだから、これが、この浅川は逆に心配していた人たちとか年金基金の人たちに対して、どうだ、大丈夫だったろうと。金融庁が来たって白と出たんだと、全然大丈夫なんだということで逆宣伝に使われたんですよ。で、この後、V字回復しているわけですね。この雑誌が出たころは解約したいという年金基金が幾つも出たんだけれども、金融庁の検査で白というふうに出たものだから、浅川はもう強気で営業をまた展開してV字回復しているわけですね。  これは皆さんが、意図的とは言いませんけれど、ぼけたことをやったものだから、それがもう使われちゃったんですよ、白だということで。その後、二年間だけで五百億以上の損失を出しておりますから、このときにつかんでいたら、この五百億の損失は、少なくともその後の二年間のはなかったということになるわけでございます。  大臣、いかがお考えですか。金融庁のやっぱりミスがあったんじゃないかと思いますが。
  240. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) 前も国会で御答弁させていただいたんですけど、二〇〇九年、今先生が御指摘されたAIJ投資顧問に対するヒアリングを実施したことは事実でありますが、これは、外部からの情報提供に基づき、事実を確認するために行ったものであること、そして、その時点では残念ながら不正の端緒や心証は得られなかったとの報告を、これは証券等監視委員会は基本的に金融庁から独立した独立性のある機関でございますから、そういう報告を受けております。  先生から今大変お叱りをいただきましたが、例えば、私、これ、日本経済新聞、大変権威のある新聞ですが、最大の株主でございます。これ、「年金情報」という、この業界では大変有名な週二回出す雑誌がございまして、これは「年金情報」にこの順位というのを実は付けているんですね。そうしますと、これ、二〇〇七年から、今先生が言ったように二〇〇九年含めて、二〇一〇年、一一年までですね、五年連続このAIJがアクティブ運用能力の定量評価では一番なんですよ。これ、いや、だから、何を言いたいと……(発言する者あり)ちょっと待ってください。  それで、それよくお分かりになっていただきたいと思います。これ、ゴールドマン・サックスとか住友信託銀行系よりも上なんですよ。そして、また、これまたほかの……
  241. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 大臣、答弁は簡潔にお願いいたします。
  242. 自見庄三郎

    ○国務大臣(自見庄三郎君) ですから、いろいろなこの業界、情報があるんですよ。ただし、これは非常にやっぱり権威のある、ある意味でそういう、これを信じた人もおるわけですからね。だから、後から、結果からしたら確かに、私は、いろいろあったけれども、やっぱりそういう五年連続、日本経済新聞が一番の、この年金情報誌では五年連続一番だったということもこれ一方あったわけですから、そのことも御理解をいただければと思っております。
  243. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 もう大臣、ふだんから財政金融委員会でやっていますから、今日は決算委員会でまでお会いしたくなかったんだけれども、聞くしかないから聞いたけれど、聞いたことだけ答えてくださいね。「年金情報」が、その前にアンケート調査ですよ、アンケートで一位になりますよ、利回りいいから、それを掲載しただけですよね。しかし、そうはいってもおかし過ぎるというんで調べて、さっき言った二〇〇九年の二月号に書いたわけでございまして、何の話をしているのかさっぱり分からない。私が聞いたのは、責任がないかということを聞いているだけですよ。何で「年金情報」の話をしているんですか、あなた。聞いたことに答えなさいよ。何言っているんだ、本当に。  もう一つありまして、参考人質疑で私が浅川社長に聞いたんだけれども、この同じ二〇〇九年の二月か三月の時期に浅川社長が金融庁からヒアリングを受けたかどうかと、浅川ですよ、AIJの浅川がヒアリングを受けたかどうかと。で、受けたということを彼が言ったわけですね。この同じ時期に浅川社長が、このアイティーエム証券とは別の話なんですけれども、ヒアリングを受けたと言ったわけですね。  これは、時期が全く同じなんですけれども、アイティーエム証券の検査と関連があるんですか。
  244. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 委員御指摘のとおり、二〇〇九年の初めごろにAIJ投資顧問に対して金融庁がヒアリングを実施しておりますが、これはたまたま同じ時期だったということでございまして、関連はしておりません。
  245. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ということは、さっきも言ったように、アイティーエム証券は定期的な順繰りの検査だったと。特別にAIJの浅川社長に金融庁がヒアリングをするというのは、これはふだんない特別なことだと思います。  そうすると、なぜそういうことをやるのかというと、やはりあのころですから、AIJは怪しいんじゃないかと、調べた方がいいんじゃないかと、そういう外部からの情報が寄せられたからヒアリングをされたんじゃないんですか。
  246. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 御指摘のとおり、外部からの情報提供に基づきまして、その事実を確認するため行ったものでございます。ただ、その時点では不正の端緒や心証は得られなかったとの報告を受けております。
  247. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 これも、聞きましたら、浅川社長にのらりくらりと逃げられたと、かわされたという話ですが、やはりこの時期に浅川社長を呼んでおいて、呼んでおいて逃げられちゃうと、かわされちゃってそれっきりと。  今日、実は衆議院の証人喚問で、我が党の佐々木憲昭議員がこのことを浅川社長に聞いたんです、金融庁からヒアリングを受けた様子について。そうしたら、金融庁から運用報告書の提出を求められたと、自分はないと言ったと、そうしたら金融庁はああそうですかということで終わっちゃったということですね。これ、証人喚問での浅川社長の発言ですから、ほとんど真実だと、重いと思わなきゃいけないと思いますね。  このときに、運用報告書の提出をきちっと求めるとかなぜ出せないのか理由を聞くとか詰めていれば、三年前ですよ、この事態をつかむことができたのではないですか。
  248. 細溝清史

    ○政府参考人(細溝清史君) 当時の担当者に確認いたしましたところ、当時の記憶によれば、AIJ投資顧問に対して運用報告書についてやり取りを行ったことはないというふうに聞いております。  それで、なぜその運用報告書のやり取りにならなかったかということでございますが、ヒアリングの場におきましてAIJ側から、AIJ投資顧問の運用手法はファンド等を活用した手法ではなく直接運用を行っている、直接オプション取引等を行うなど直接運用を行っている手法であるという旨の趣旨の説明を受けたというふうに記憶しておるということでございます。
  249. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 そうしたら、あれですか、浅川さんは証人喚問での発言はうそを言ったということになるわけですか。そういうことになりますね、そんなこと求めていないと担当者がはっきり言うんだったら。これは後ではっきりさせてもらわなきゃいけないと思います。  いずれにせよ、細溝さんが言われたとおり、外部からの情報があって浅川を呼んで、しかもそれを、単に運用報告書を求めた、求められたけど、僕は浅川さんが言っている方がこれは正しいと、証人喚問で言っているわけだから、と思いますが、で、そちらはむしろ記憶がなかったみたいな話をするんじゃないかと。実際、ペーパー残していないわけですよね、そのときのやり取りをですね。だから、担当者に今ごろ思い出せって聞いているわけでしょう。そんなレベルですよ。浅川さんの方ははっきりと証人喚問の場で言っているわけだから、向こうが私はこれについて言えば正しいと思います。それがどうかということは別として、きちっとなぜそのときに浅川社長にもっとたださなかったのかということが非常に問われるわけでございます。  ですから、私は、金融庁として、もちろん今後に生かしてほしいから質問しているわけですけれども、最初のアイティーエム証券の検査の問題、そして外部情報に基づく浅川社長へのヒアリングの問題、この二つで見過ごしていると、見過ごしてきたと、三年前に。その三年間で五百億以上の年金基金に穴を空けていると。これを考えると、やっぱり金融庁が、いろんな情報にしろ検査にしろ、もっときちっとつかんでやらなければいけないと思います。  もちろん、体制が非常に不十分だというのもよく承知しておりますけれども、そういうこともやっぱり真摯に、今反省するならすると、総括するなら総括すると。それで、やっぱりこんなこと起きないように体制増やしてくれとか堂々と、やっぱり反省するところは反省して、なおかつきちっとした体制を求めるというふうにやってほしいわけです。こういうことをうやむやにして、誰かのせいで済まさないでもらいたいなというふうに思って質問しております。  もう一点、今回の発見を遅らせたものの一つとして、私、これ大変大きいことだと思うんですけれども、監査報告書は偽造されていたと。これは資料の二枚目の左下でございますけれども、虚偽の基準価額を、お客さんが、年金基金が、AIJ大丈夫かと、ちゃんとした報告書を見せてくれと言ったときに、虚偽の運用報告書、監査報告書付きのものを提示していたわけでございます。これがもしも虚偽のものを出せないとかいうことだったらここで発覚したはずですね、年金基金幾つかこれを求めたわけですから。ところが、虚偽のものが作成されてしまったと。これ普通あり得ないことなんですね。  それで、調べてみましたけれども、浅川社長にこういう監査報告書を作成する実務能力はございません。専門家が関与しているはずです。率直にお聞きしますが、株式会社会計情報センター、これは実はこの新規契約と解約との転売といいますか、このからくりに使われた投資事業組合の監査をしているところでございますけれども、この会計情報センターの人間がこの虚偽の監査報告書付きの運用報告、これをお客さんに渡していたわけですが、この報告書、虚偽の報告書を作ることに関与したんではないですか。金融庁、つかんでおられますか、そのことを。
  250. 岳野万里夫

    ○政府参考人(岳野万里夫君) 参考人質疑におきましてAIJ投資顧問の浅川社長が、知人の公認会計士に私が水増しのNAVの数字を渡して作ってもらったといった趣旨の答弁を行ったことは承知しております。  また、私どもの監視委員会が行いました検査におきまして、浅川社長が主導して虚偽の基準価額の算出等を行っていたことは確認しているところでございますが、今御指摘のありました公認会計士がどの程度関与していたかどうか、あるいはその他の者も含めてプロの共犯者がいたかどうかにつきましては、現時点で明確に確認されているわけではございませんし、個別のことでございますので、ここでのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
  251. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 時間が参りましたので今日は終わりますが、監査人が文書偽造までやるようになっちゃったら、もう幾ら外的な規制強化やろうがこんなこと幾らでもやられてしまうわけでございますので、これはきちっと本人に、名前も私分かっておりますが、ちゃんときちっと聞き取って、決定的な重要人物の一人でございますので、その調査きちっとやってもらうことを求めて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  252. 山本順三

    ○委員長(山本順三君) 他に御発言もないようですから、財務省、金融庁及び株式会社日本政策金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十四分散会