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2012-07-13 第180回国会 参議院 本会議 20号 公式Web版

  1. 平成二十四年七月十三日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十号     ─────────────   平成二十四年七月十三日    午前十時 本会議     ─────────────  第一 社会保障の安定財源の確保等を図る税制   の抜本的な改革を行うための消費税法等の一   部を改正する等の法律案及び社会保障の安定   財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行   うための地方税法及び地方交付税法の一部を   改正する法律案(趣旨説明)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員及び裁   判官訴追委員辞任の件  一、裁判官弾劾裁判所裁判員等各種委員の選挙  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 平田健二

    議長(平田健二君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  橋本聖子君から来る二十二日から二十四日間、谷合正明君から来る二十八日から二十三日間、川田龍平君から来る二十一日から十日間、それぞれ海外渡航のため請暇の申出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平田健二

    議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。  よって、いずれも許可することに決しました。      ─────・─────
  4. 平田健二

    議長(平田健二君) この際、お諮りいたします。  草川昭三君及び平山幸司君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、友近聡朗君から同予備員を、中村哲治君から裁判官訴追委員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 平田健二

    議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。  よって、いずれも許可することに決しました。      ─────・─────
  6. 平田健二

    議長(平田健二君) この際、欠員となりました  裁判官弾劾裁判所裁判員二名、同予備員一名、  裁判官訴追委員一名、またあわせて  国土審議会委員一名の選挙 を行います。  つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、これを議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 平田健二

    議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、  裁判官弾劾裁判所裁判員小川敏夫君及び白浜一良君を、  同予備員に中村哲治君を、  裁判官訴追委員に森ゆうこ君を、  国土審議会委員に白眞勲君を、 それぞれ指名いたします。  なお、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、第二順位の森まさこ君を第一順位に、第三順位の加藤修一君を第二順位とし、中村哲治君を第三順位といたします。      ─────・─────
  8. 平田健二

    議長(平田健二君) 日程第一 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案(趣旨説明)  以上両案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。財務大臣安住淳君。    〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
  9. 安住淳

    国務大臣安住淳君) ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案の趣旨を御説明申し上げます。  本法律案は、世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することにより支え合う社会を回復することが我が国が直面する重要な課題であることに鑑み、社会保障制度の改革とともに不断に行政改革を推進することに一段と注力しつつ経済状況を好転させることを条件として行う税制の抜本的な改革の一環として、消費税法、所得税法相続税法等について所要の改正を行うほか、その他の税制の抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置について定めるものであります。  以下、その大要を御説明申し上げます。  第一に、消費税につきましては、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から、その使途を明確にするため、原則として、その税収制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てることを規定した上で、現行四%の消費税率を平成二十六年四月一日から六・三%に、平成二十七年十月一日から七・八%に引き上げることとするほか、事業者免税点制度等について所要の見直しを行うこととしております。  第二に、所得税につきましては、課税所得のうち五千万円を超える部分に対して四五%の税率を新たに設け、平成二十七年分から適用することとしております。  第三に、資産課税につきましては、相続税の基礎控除の引下げ及び最高税率の引上げ等の見直しを行うとともに、贈与税の税率構造の緩和及び相続時精算課税制度の拡充を行い、平成二十七年以後の相続又は贈与について適用することとしております。  第四に、その他の税制の抜本的な改革及び関連する諸施策について、政府は、本年二月十七日に閣議決定した社会保障・税一体改革大綱に示された基本的方向性に沿って具体化に向けて検討し、それぞれの結果に基づき速やかに必要な措置を講じなければならないことを規定することとしております。  このほか、附則において、消費税法等の改正に伴う経過措置を規定するとともに、消費税率の引上げに当たり、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて必要な措置を講ずる旨の規定のほか、消費税率の引上げ前に、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる旨の規定を設けることとしております。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして一部修正が行われております。  第一に、所得税法の一部改正に係る規定を削除するとともに、所得税の最高税率の引上げ等による累進性の強化に係る具体的な措置について検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずることとしております。  第二に、相続税法及び租税特別措置法の一部改正に係る規定を削除するとともに、相続税の課税ベース及び税率構造等の見直し並びに贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずることとしております。  第三に、税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置に係る規定について、低所得者に配慮する観点から、給付付き税額控除等及び複数税率の導入について総合的に検討する旨の規定を追加する等の修正をすることとしております。  第四に、消費税率の引上げに当たっての措置に関し、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する旨の規定を追加することとしております。  その他、題名の修正等の所要の修正を行うこととしております。  以上、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)     ─────────────
  10. 平田健二

    議長(平田健二君) 総務大臣川端達夫君。    〔国務大臣川端達夫君登壇、拍手〕
  11. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。  世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することにより支え合う社会を回復することが我が国が直面する重要な課題であることに鑑み、社会保障制度の改革とともに不断に行政改革を推進することに一段と注力しつつ経済状況を好転させることを条件として行う税制の抜本的な改革の一環として、地方における社会保障の安定財源の確保及び地方財政の健全化を同時に達成することを目指す観点から、地方消費税の税率の引上げ及び引上げ分の地方消費税についての使途の明確化を行うとともに、消費税に係る地方交付税の率を変更する等の必要があります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、地方税法の改正に関する事項であります。  地方消費税の税率を平成二十六年四月一日から消費税額の六十三分の十七に、平成二十七年十月一日から消費税額の七十八分の二十二に引き上げることとしております。これは消費税率に換算した場合、それぞれ一・七%、二・二%に相当いたします。  次に、地方消費税のうち引上げ分に相当する額に係る市町村交付金については、各市町村の人口で案分して交付することとしております。  また、道府県は地方消費税のうち引上げ分に相当する額から市町村に交付した額を控除した額を、市町村は当該引上げ分に相当する額として道府県から交付を受けた額を、それぞれ制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費その他社会保障施策に要する経費に充てることとしております。  第二に、地方交付税法の改正に関する事項であります。  消費税の収入額に対する地方交付税の率を平成二十六年度は二二・三%に、平成二十七年度は二〇・八%に、平成二十八年度以降は一九・五%に変更することとしております。これは消費税率に換算した場合、それぞれ一・四%、一・四七%、一・五二%に相当いたします。  このほか、附則において、地方税法等の改正に伴う経過措置を規定するとともに、地方消費税率の引上げに当たり、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて必要な措置を講ずる旨の規定のほか、地方消費税率の引上げ前に、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる旨の規定を設けることとしております。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、地方消費税率の引上げに当たっての措置に関し、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国の経済の需要と供給の状況、地方消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する旨の規定を追加する等の修正が行われております。  以上が、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)     ─────────────
  12. 平田健二

    議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。水戸将史君。    〔水戸将史君登壇、拍手〕
  13. 水戸将史

    ○水戸将史君 私は、民主党・新緑風会の水戸将史です。  ただいま議題になりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案外一件に対し、会派代表して質問いたします。  冒頭に当たり、昨日、熊本県、大分県を中心とした記録的な豪雨により、現時点で十八名もの方々がお亡くなりになりました。御冥福をお祈りいたしますとともに、いまだに厳しい状況下に置かれている被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。一刻も早い復旧に向け、適切な対応を求めてまいりたいと思っております。  今回の民主、自民、公明の三党の修正協議により消費税の増税だけが合意されましたが、まだ所得税や資産課税に関する議論には決着が付いておりません。そして、扶養控除及び配偶者控除の在り方については、各党における検討項目とされ、その規定は取り除かれました。  本年一月に出された内閣府による経済財政の中長期試算を御覧になれば分かるように、基礎財政収支の健全化は消費税増税のみに依存しても達成されないのは明らかです。財源調達機能や所得の再分配機能をより良く働かせるためには、所得課税、資産課税及び消費課税のバランスを最大限考慮した税体系を再構築していくべきと考えます。  総理御自身、バランスの取れた税体系の在り方や、我が党がかねてから主張している控除から手当方式への転換に関して、現段階ではどのような御認識なのでしょうか、答弁をお願いいたします。  今般の消費税増税に対する国民の率直な思いは、総理も御承知のとおり、増税の前にやるべきことはやってもらいたいというものです。与野党問わず、私たちはこの思いを真摯に受け止めなければなりません。政権交代後の約三年間、確かに私たち政府・民主党は、行政の無駄遣いの撤廃、コスト縮減を求め、不断の努力を積み重ねてまいりました。マニフェストには四年間で総額十六・八兆円の予算削減を唱えて順次取り組んでおりますが、とりわけ公共事業や人件費、補助金などの経常的に発生する歳出の削減額九・一兆円部分に関して、実現の見通しを項目別に説明する時期ではないでしょうか。当初案に比べて金額ベースでどの程度実現できたのか、仮にあと一年間掛けて行財政改革を断行したならば、どの程度の達成が見込めるかなど、総理の意気込みも含めて、つまびらかに開陳していただきたいと思います。  御案内のとおり、消費税は課税売上高から課税仕入れ高を差し引いた付加価値に相当する額に課税されます。ところで、この付加価値の中には賃金が含まれているため、経営上、事業者が賃金を増やせば増やすほど付加価値の課税ベースは広がり、消費税の納税額は増加していくことになります。もし事業主がこの負担を抑制しようとした場合には、支払う賃金や社員そのものを減らしたり、あるいは雇用の一部を外注化したりしてというような行動心理が働くと言われており、事業者の雇用意欲の減退が懸念されています。  一昨日、政府は、二〇二〇年までの成長戦略を盛り込んだ日本再生戦略を公表しました。環境や医療、観光など十一の分野で三十八の重点施策を掲げ、約六百三十万人の雇用をつくるというものです。しかし、再生戦略で掲げた具体策のほかにも、消費税増税後のあらゆる事態を想定して、消費に持続的な刺激を与えつつ、更に雇用の拡大につなげる必要があると考えます。より踏み込んだ対策と道筋について、総理の御見解を承りたいと思います。  次にお尋ねしたいのは、価格転嫁の問題です。  そもそも消費税は、消費者が支払うべき税金を一時的に事業者が預かるものです。この預り金的な要素を持つ消費税が、各事業者間における取引の段階で円滑に支払われれば何も支障はないのですが、立場の弱い事業者や商店主の場合は、どうしても商取引の過程で価格の値引き要求をされ、消費税の上乗せ部分は自ら負担をするという現象が生じます。すなわち、預かった消費税を間接的に納付するはずであった者が、自ら消費税を負担し納付する、つまり、間接税であるべき消費税が直接税の性格を持つことになるのです。当然、税率が上がれば上がるほど納税額は増加しますので、事業者の自己負担は重くなり、勢い滞納額の急増につながると言っても過言ではありません。  消費税が三%から五%に引き上げられた平成十年以降、自殺者の数はそれまで年間二万五千人以内で推移していたものの、一気に三万人を突破しました。偶然の一致と人は言うかもしれませんが、しかし、消費税増税が国民生活や事業活動に及ぼしたダメージは容易に予測されます。是非、平成二十六年度以降の追跡調査は行っていただくよう強く要望いたします。  政府は、価格転嫁の問題に関しましては、公正取引委員会の監視を強化するとか、税額表示方式をそれぞれの業界内で統一させるとかの対策を講じようとしているようですが、本当にこれで価格転嫁がスムーズに進行するのか、中小零細事業者の方々から不安の声が上がっております。  したがって、価格転嫁が難しい中小零細事業者に対しましては、政府が取ろうとしている対策とは別次元で何らかの事務負担の軽減策を設けるべきだと考えます。例えば、問題視されている現行の基準期間制度を廃止し、全事業者を課税対象者と位置付けた上で免税点を設けて、かつての限界控除制度を復活したり、また、納税額が計算されない事業者については不申告制度などを採用したりして中小零細企業の救済措置をとることを提案いたしますが、こうした価格転嫁に対する安住財務大臣の問題意識と、その救済策についてお聞きいたします。  ところで、この際、是非確認しておきたいのは、消費税増税は今回の二段階増税で終わりなのか、つまり再増税はしないのかということです。自民党は、基礎財政収支の黒字化が政府の目指す二〇二〇年度でも達成できそうもないことを理由に、一〇%に増税した後も更に税率を引き上げる必要があることを強調しております。つまり再増税を求めているわけでありますが、安住大臣は同調されるんでしょうか。これまでの審議の過程で、一〇%になった時点で新たな制度設計をしないといけないとの答弁をされておりますが、その真意をお聞かせください。  最後に、あえて強調しておきたいことがあります。  本院の存在意義についてですが、改めて言うまでもなく、本院は熟議の府、再考の府とされ、衆議院の行き過ぎなどをチェックする大切な役割を担っております。衆議院段階での三党合意を前提としましても、私たちは本院の独自性に基づいて合意内容を精査していきたいと考えております。  昭和五十四年当時の大平正芳首相が一般消費税を導入しようとして以来、今に至るまでの消費税の歴史を振り返りますと、時の為政者は政治的には非常に苦しく、厳しい立場に立たされてきました。今回、野田総理の確固たる執念で十八年ぶりに消費税増税に道を開いたこの後、国民生活の安心を将来にわたって確保できるか否かを注意深く見定めていく必要があります。  以上、私見も交えて何点か御質問させていただきました。  御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  14. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党、水戸将史議員の御質問にお答えをいたします。  まず、税体系の在り方や控除から手当への転換についてのお尋ねがございました。  所得、消費、資産等の各税目にわたる税制改革を行うに当たっては、社会経済情勢の変化に応じ、各税目の特徴を踏まえつつ、全体として整合性の取れた税体系の構築を図ることが重要であると考えております。  こうした考えに基づき、政権交代後の平成二十二年度税制改正大綱において、所得課税、消費課税、資産課税全般についての改革の方向性を示すとともに、既に二十四年度までの税制改正において、法人実効税率五%引下げ、給与所得控除の見直し、地球温暖化対策税の導入等の改革に取り組んでまいりました。また、控除から手当への取組については、これまでに、子ども手当、現在は新しい児童手当でございますが、その創設に合わせた年少扶養控除の廃止、高校の実質無償化に合わせて十六歳から十八歳に係る特定扶養控除の縮減などの改革が実現されていると認識をしております。  こうした中で、御指摘の所得税、資産課税については、見直しの方向性については三党とも合意に至ったものの、具体案については更に議論を尽くす必要があるとの認識であったものと承知をしており、その結果、改正規定は原案から削除することとされましたが、その一方で、所得税の最高税率の引上げなど累進性の強化に係る具体的な措置、相続税の課税ベース、税率構造等の見直し及び贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずる旨の規定が設けられております。  今後、この規定に基づき改革を実行していくこととなりますが、三党合意において、所得税については、累進性の強化の具体化に当たって、今回の政府案及び公明党からの御提案も踏まえつつ検討を進めることとされ、資産課税については、見直しの具体化に当たって、バブル後の地価の大幅下落等に対応して基礎控除の水準を引き下げるなどとしている今回の政府案を踏まえつつ検討を進めることとされており、こうした三党合意の方向性を踏まえ、二十五年度税制改正に向けて検討をしてまいります。  続いて、マニフェストの財源についてお尋ねがございました。  マニフェストに掲げた税金の無駄遣い根絶については、政権交代直後から事業仕分などにより全力を挙げて取り組んできており、また、公共事業関係費については、三年連続で減額を実現するなど、一定の成果は上げてきたところであり、それにより、新しい児童手当、農家戸別所補償、高校無償化等のマニフェスト施策を実現をしてまいりました。  また、特別会計等からの不要資産の返納等についても一定の成果を上げてきましたが、ただ一方で、補助金や人件費の削減、租特の見直しなどによる財源確保については、マニフェストで予定した金額に及ばず、その結果として、ガソリン税の暫定税率廃止など、マニフェスト施策で実現できなかったものもありました。昨年夏の中間検証でも認めたように、財源確保の実現可能性についての見通しの甘さがあったことは事実であり、この点については率直に国民の皆様におわびをしております。  同時に、リーマン・ショックに伴う経済状況の悪化により、税収が不可避的に九兆円程度落ち込んだところから政権を引き継ぐことになったことに加え、政権二年目に東日本大震災が発災し、復旧・復興に向けて政策の優先順位を抜本的に変更する必要が生じたことも事実でございます。  無駄遣いの根絶に向けた努力は不断の取組が必要であり、今後も引き続き全力で取り組み、成果を上げていきたいと考えております。  次に、日本再生戦略と消費、雇用の拡大についてのお尋ねがございました。  先日の国家戦略会議において原案を示した日本再生戦略は、東日本大震災、原発事故円高の進行等の新たな危機を乗り越えて、日本再生への道筋を示すものであります。我が国の新たな成長戦略として、これまでの新成長戦略の強化、再設計を行います。例えば、エネルギー・環境分野でのグリーンイノベーションや医療・介護分野でのライフイノベーションなどについて、新たな施策の導入、強化を図るとともに、若者の雇用や女性の活躍を促進するなど、御指摘の消費や雇用の拡大を目指してまいります。  また、今回の社会保障と税の一体改革は、社会保障の安定財源を確保し、安心できる社会保障制度を確立していくことによって、人々の将来への不安を減らし、消費を促す面もあると考えております。いずれにせよ、消費税率引上げ前後の消費動向を始め、経済動向について注視し、必要に応じて適切な対応を図る必要があると考えております。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
  15. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 消費税の価格転嫁対策事務負担の軽減策についての御質問をいただきました。  御指摘のように、基準期間制度を廃止し、現年度の課税売上高で判断することにつきましては、課税事業者であるか否かが消費税相当分の価格への転嫁の有無に影響を及ぼすことや、簡易課税制度を選択するか否かにより事業者の記帳義務の内容が異なること等から、事業者免税点制度や簡易課税制度の適用の有無は課税期間の開始前に確定していくことが必要であるというふうに今は思っております。ですから、御指摘ではございますが、慎重に検討すべきであると考えております。  また、御指摘の限界控除制度の復活や不申告制度の創設については、これは、平成九年に廃止された限界控除制度でございますが、本来納付すべき税額の全部又は一部を事業者の手元に残すという、いわゆる益税を認める制度であるということが当時強い批判がありました。この結果として廃止された経緯がある等を踏まえると、これも慎重に検討すべきであると考えております。  今回の改革においては、事業者免税点制度や簡易課税制度基本的に維持することにより中小事業者の事務負担に配慮しているところでございますが、今後、中小事業者にとって転嫁が行いやすい環境の整備を進めるとともに、事務負担等に配慮した必要な財政上、税制上その他の支援措置についても、関係省庁からの要求、要望も踏まえ、検討してまいりたいと思います。  次に、今回の一体改革後の更なる対応の必要性いかんということでございました。  今回の一体改革は、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩を踏み出すものであり、まずは、この実現に向け取り組んでいくことが重要であると思っております。その後、国内社会経済財政の状況、また、国際的な経済社会状況等とその見通しを踏まえた上で、社会保障制度の持続可能性を確保するとともに、二〇二〇年度までの基礎財政収支を黒字化する等の財政健全化目標を達成するという観点に立って更なる検討、議論を行っていくべきだと考えております。  以上です。(拍手)     ─────────────
  16. 平田健二

    議長(平田健二君) 愛知治郎君。    〔愛知治郎君登壇、拍手〕
  17. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 自由民主党の愛知治郎です。  私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました消費税法改正案等について質問をいたします。  質問に先立ち、一言申し上げます。  九州地方を中心とする観測史上初めてという大雨で、多くの方がお亡くなりになっております。謹んで哀悼の意を申し上げますとともに、政府には、人命救助災害の拡大防止、復旧に全力で取り組まれるよう強く要望いたします。  さて、総理、総理は、就任時の所信表明演説で、東日本大震災からの復旧・復興が最大かつ最優先の課題だと宣言をされました。私もまさに正しい御認識だと思います。場当たり的な対応に終始し大混乱を招いた菅内閣を引き継いだ野田内閣の使命は、震災からの復旧・復興にほかなりません。  一方で、総理は、消費増税に政治生命を懸けると繰り返しおっしゃっています。そして、事実、衆議院では、特別委員会で百二十九時間にも及ぶ審議を行った後、一体改革法案を通過させました。日米安保条約の百三十六時間に次ぐ史上二番目の審議時間だそうです。しかし、総理、震災からの復旧・復興が最大、最優先の課題であるなら、本来そちらにもっと時間を使うべきなのではありませんか。余りに言っていることとやっていることが違い過ぎます。  また、総理は、消費増税に政治生命を懸けるとおっしゃいますが、震災復興には政治生命を懸けていないのでしょうか。それとも、総理の政治生命は幾つもあるのでしょうか。まさか、震災復興には一定のめどが付いた、一定の課題はクリアできたから次の課題に移ったとでも言うのでしょうか。  被災地には、まだまだ議論し、解決し、実行していかなければならない課題が山積しております。被災された方々の生活再建は進んでおりません。破壊された町の再建も進んでおりません。原発事故の賠償や除染も進んでいません。一方で、復興予算には、五兆円もの繰越しと一兆円もの不用額が出ております。必要なところに支援が届いていないのです。こんな状況で消費増税に時間を使っている場合なのでしょうか。  総理、御自身の最優先課題についてどうお考えなのか、被災地出身議員の一人としてお伺いをいたします。  私自身、若い世代として、将来に負担を先送りすべきではないと考えます。したがって、消費税の増税も避けて通れない課題だと考えております。しかし、同時に、被災者の立場からは、なぜ今なのかという思いも持っております。  例えば、一年でもいいので、待ってもよかったのではないでしょうか。一年後であれば、今よりも震災からの復旧・復興も進んでおり、消費税について議論できる環境もより整っていることでしょう。このような状況で、なぜ今どうしても消費増税なのでしょうか。今回の民主党政権による増税は、どんなに詭弁を弄したとしても、国民に対する裏切りにほかなりません。それは、大量の離党者を出して民主党が分裂したことからも明らかであります。  そこまでして、なぜ今なのでしょうか。今国会中に決めなければギリシャのように直ちに財政破綻に陥ってしまうとお考えなのでしょうか。総理、一年後でなく、今でなければならない理由をお聞かせください。  また、総理が政治生命を懸けると言ったからこそ、我々は真摯に協議をし、三党合意をするに至りました。ところが、民主党内のごたごたによって採決の日が当初より遅れてしまいました。さらには、採決で多数の造反者が出るという惨たんたる状態でありました。  先日の参議院本会議で、総理から、これらの不手際について謝罪をいただきました。しかし、その後も公認をめぐる問題等、発言等ぶれ続けているように思えます。  総理は夕刊を見てびっくりされたようですが、私も本日の朝刊を見てびっくりいたしました。  昨日の衆議院予算委員会で、我が党の茂木政調会長の次期総選挙の公認に関する質問に対し、増税はマニフェストに明記する、守れない人は公認しないと明確に述べました。  しかし、同じ日の民主党両院議員総会において、一般論で言った、誤解を与える部分があったと発言をされております。予算委員会の議事録を読む限り、一般論でなく、次の総選挙を指した発言で、誤解の余地はないと思います。一日のうちに全く違う趣旨の発言をされている。国民にきちんと御説明いただきたいと思います。  いずれにせよ、我々は、口先だけの謝罪ではなく、しっかりとした行動で示していただきたいと考えます。今回の造反者に対する処分は果たして十分だと言えるのでしょうか。我々に対する誠意を十分に尽くしたとお考えか、併せて総理の認識を伺います。  次に、法案について質問をいたします。  まずは、軽減措置の被災地への適用について伺います。  今回、低所得者の負担軽減や住宅、自動車に関する負担軽減など、各種の軽減措置についても議論がされました。しかし、家や仕事を失って仮設住宅で暮らす被災地の方々が増税の影響を最も受けます。そうした方々が今後家を建て、車を買うときも消費税が掛かりますが、これは震災がなければ必要なかった出費であります。これらの負担を軽減すべきではないでしょうか。  総理は先日の答弁で、被災地を対象とする負担軽減を検討するとおっしゃいました。そこで伺いますが、抽象論ではなく、具体的にどのような措置をお考えなのでしょうか。また、先日は住宅を例示されていましたが、自動車や生活必需品など、それ以外の対象はどのようにお考えなのでしょうか。総理から具体的な説明をお願いいたします。  次に、複数税率について伺います。  三党合意に基づく修正で、我が党が求めていた複数税率を総合的に検討することが明記をされました。しかし、実際に複数税率を導入する場合には法案の抜本的な改正が必要となりますので、税率を一〇%に引き上げた後でなければ導入は困難であるようにも思えます。今回の法案の趣旨として、一〇%引上げの前に複数税率を導入することも可能だと考えてよいのでしょうか。また、その場合に、具体的にどのような手続が必要になるのでしょうか。財務大臣の見解を伺います。  給付付き税額控除については、政府案では導入するとされていたものが、三党合意を受けて、複数税率と同様に、総合的に検討するとなりました。御承知のとおり、我が党は給付付き税額控除に反対をしてきました。仮にマイナンバーを導入したとしても、資産の正確な把握などが難しく、消費税の逆進性対策としては不十分だと考えるからであります。  一方、消費税の逆進性緩和には不適当である給付付き税額控除でありますが、勤労の促進や子育て支援という観点からは十分検討に値すると考えております。  まず、勤労促進の観点であります。現在の生活保護制度では、収入があるとその分の給付が減額をされるので、働くインセンティブをそがれてしまう状況にあります。しかし、給付付き税額控除を導入すれば、勤労所得が増えるほど手取り額も増える仕組みをつくることが可能になります。いわゆる勤労税額控除という方法で、アメリカ、イギリス、フランス、韓国など、既に十か国以上で導入されております。  また、子育て支援の観点から、給付付き税額控除も考えられます。子供の数によって税額控除の額が増える方法であります。これは、民主党子ども手当のように所得にかかわらず全員にばらまくということではない、効率的な給付ができます。児童税額控除と呼ばれ、アメリカ、イギリス、ドイツなどで導入されております。  生活保護や子ども手当をばらまくよりも、これらの給付付き税額控除制度を検討すべきだと考えておりますが、財務大臣の考えを聞かせてください。  次に、景気条項について伺います。  法案では、消費税の引上げを経済状況を好転させることを条件として実施するとして、経済状況等を総合的に勘案した上で、施行の停止を含め所要の措置を講じるとしております。  では、実際にこの条項に基づいて施行を停止するにはどのような手続が必要になるのでしょうか。法律に書いたことを実施しないわけですから、やはり法改正が必要になると考えますが、あえてこの点、財務大臣に確認をしたいと思います。  次に、消費税の使途についてであります。  消費税収のうち国に配分される部分は、年金、医療、介護、少子化対策社会保障四分野に充てられます。全て重要だと考えておりますが、その中でも特に介護分野への配分についてお伺いをいたします。  介護現場の現状は、大変に厳しいものであります。介護職員は給料だけでは生活できないほどの低賃金労働となっているのが実態であります。私の知っているケースでも、男性が結婚するときに、介護の仕事では生活ができないので仕事を辞めざるを得ないという話があります。  このような状況ですから、介護分野は慢性的な人手不足であります。これからますます需要が増えてくる介護の分野が、これでよいのでしょうか。消費税を増税するならば、介護職員の待遇改善にもっと大胆な配分を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。これは複数の大臣に関係いたしますので、総理に全体的な御判断を伺います。  次に、消費増税が円高に与える影響について伺います。  消費増税を行って財政が健全化の方向に向かえば、市場における我が国の信用は高まります。それ自体はもちろん悪いことではありませんが、その結果、円高を促進してしまうという可能性もあります。  言うまでもなく、円高は我が国を苦しめている大きな要因であります。今後、更に円高が進むようなことがあれば、産業空洞化が更に進み、我が国の経済は大変なダメージを受けることでしょう。  つまり、我が国の置かれた状況には、財政健全化の必要性と円高是正の必要性という、矛盾する二つの要求があるわけです。政府は、消費税を増税し、財政を健全化しようとしているわけでありますが、円高にはどう対応していこうと考えているのでしょうか、財務大臣に伺います。  次に、将来的な消費税率について伺います。  今回の法案では、税率を一〇%まで引き上げることを定めていますが、その先は明示されておりません。税率が一〇%ではプライマリーバランスの黒字化に不十分だということは、政府自身が認めております。ならば、政府・民主党は、一〇%の先に更なる増税を想定していると考えるのが自然であります。総理も、政治生命を懸けるとまでおっしゃっている重要課題である以上、まさかその先は知りませんということではないでしょう。  総理は、将来的な消費税率について、いつごろまでに何%まで引上げが必要とお考えなのか、伺います。  最後に、総理に申し上げます。  憲政の神様、議会政治の父と呼ばれた尾崎行雄先生が、投票の心得九か条というものを示し、その中でこうおっしゃっています。いやしくも公約を裏切った政党議員に対しては、次の選挙のときに絶対に投票してやらぬことを覚悟すれば、政党議員も完全に有権者によってリードせらるるようになると。総理、この言葉を踏まえても、今回、消費増税法案を通したら、堂々と国民の審判を仰ぐべきであります。そして、民主党が公約を裏切った政党かどうかは、国民が判断すればよいのであります。  また、総理は、消費増税に政治生命を懸けるとおっしゃいました。このことからも、政治生命を懸けた使命を果たしたならば、当然、総辞職か解散を行い、次の課題を担う政権を誕生させるべきと考えますが、いかがでしょうか。本法案成立後の総理の潔い決断を求めます。  もしその決断ができないようであれば、我々が後押ししてさしあげる用意があるということを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  18. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党、愛知治郎議員の御質問にお答えをいたします。  まず、震災復興が最大、最優先の課題ではないかとのお尋ねでございました。  内閣発足当初から繰り返し申し上げてまいりましたように、大震災からの復旧・復興はこの内閣の最優先課題であり、これまで復興庁を中心に内閣を挙げて全力で取り組んでまいりました。現在も、インフラの本格復旧を加速させるとともに、住宅再建や産業等の本格復興の促進に努めているところでありますが、被災地にはまだ解決されていない諸課題が山積をしていることは議員御指摘のとおりでございます。  先週、宮城県、そして福島県をお訪ねさせていただきましたけれども、復興に向けた取組が進んでいる部分もある一方で、被災者の生活再建や町の再建などが進んでいない地域もまだまだ多く残されていると実感をしております。  御指摘の除染や賠償も道半ばですし、復興予算の早急な執行も不可欠であります。引き続き、被災地に寄り添いつつ、復興特区や復興交付金などの枠組みを最大限活用しながら、内閣を挙げて被災地を支援をしていく方針であり、大震災からの復旧・復興を果たすということに対する強い思いは所信表明演説を行った当初から全く変わっておりません。ただ、社会保障と税の一体改革も待ったなしの課題となっており、一体改革の実現にも併せて努力していかなければならないことも御理解いただければと思います。  次に、消費税増税の必要性についてのお尋ねがございました。  いわゆる団塊の世代が六十五歳以上の高齢者世代に移行しているなどの急速な少子高齢化社会経済状況の変化の中で、世界に誇る我が国の社会保障制度を持続可能なものとし、将来世代に確実に引き継いでいくためには、従来のような、給付は高齢者に、負担は現役世代にという仕組みを改め、給付、負担両面で、世代間、世代内の公平が確保された制度とする必要があります。さらには、現在は将来世代のポケットに手を突っ込んで社会保障制度を維持している状況にあり、これを早急に改める必要があります。  また、我が国の財政状況は欧州各国と比べても極めて厳しい状況にあり、欧州債務危機は対岸の火事ではありません。最近の欧州債務危機をめぐる市場の動向を見れば、国の財政の持続可能性に対する市場の警戒感は高まっており、我が国の財政規律に対する市場信認を確保し、財政規律を守る国であることを行動で示すことが重要であります。  こうした状況を勘案すれば、社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時に達成するため、社会保障と税の一体改革は、どの政権であっても先送りすることのできない、待ったなしの課題であります。国民が安心で希望と誇りが持てる社会の実現を目指し、全力を尽くして取り組んでまいります。  続いて、昨日の予算委員会での答弁についてのお尋ねもございました。  昨日の予算委員会におきましては、マニフェストは所属議員の議論を集約して作成され、したがって、所属議員、候補者は政党本位、政策本位の選挙において、そのマニフェストを掲げて選挙を戦うのが自然な姿である旨、一般論として答弁したつもりでございましたが、若干、党の集会においては補足をしなければいけない、説明をしなければいけないと思い、両院総会でお話をいたしました。  両院議員総会においては、次期総選挙におけるマニフェストについては、今後党内で幅広く議論を積み上げていただくべきものであり、国民がいま一度民主党に信頼を託し、全党が一丸となって戦うことのできる政権公約づくりに努めていかなければならないと考えております。  なお、候補者の公認については、代表である私だけではなく、幹事長、選対委員長も含めた執行部として、各都道府県連の意見も含め判断すべきである、こういう問題であるという補足的な説明をさせていただきました。  続いて、一体改革法案採決と処分に関する御質問をいただきました。  民主党内の問題で御心配をお掛けし、御迷惑をお掛けしたことについては、国民の皆様に、そして野党の皆様に心からのおわびを申し上げました。  党議決定違反者に対しては、党のルールに基づき、厳正に処分をいたしました。処分が甘いとの御指摘でございましたけれども、例えば、除籍処分あるいは党員権停止処分が政党人にとりまして決して軽いものではないことは御理解をいただきたいと思います。  民主党は、処分者、離党者を出しましたが、公党間の確認、合意については参議院においても遵守をしてまいります。政府・与党として意思統一を固め、一致結束して、衆議院における修正可決を踏まえつつ、参議院での一体改革関連法案の成立を期すことで私の責任を果たしていくことを表明をいたします。  次に、被災地の方々への負担軽減についてのお尋ねがございました。  被災地の生活再建策等に関しては、これまでも住宅の被災に関して、被災者生活再建支援金の給付や住宅金融支援機構による災害復興住宅融資、住宅を再建する際の住宅ローン控除の控除可能限度額の引上げ、被災自動車に係る自動車重量税の特例還付や被災者の買換え車両に係る自動車重量税の免税措置、被災した家財等に係る損失の雑損控除について二十二年分所得での適用など、様々な支援措置を講じています。  その上で、今回の一体改革との関係では、法案の提出時に、消費税の税率の引上げに当たっても、住宅を失った被災者の方々が恒久的な住まいを確保する際には地域全体の町づくりを進める中で支援を行うなど、被災者の方々の負担緩和への配慮を行う、中長期的な視野を持って復興に取り組むため、福島県等における原子力災害や農産品等に対する風評被害を含め、復旧・復興の状況や被災地の要望も踏まえ、今後とも必要な税制上その他の支援を実施するという方針を決定をしており、具体的な支援策については、この方針に沿って税率引上げ時期を見据えて検討してまいります。  次に、介護職員の処遇改善についてのお尋ねがございました。  介護職員の処遇改善については、これまで処遇改善交付金などにより効果を上げてきました。平成二十四年度の介護報酬改定では、大変厳しい財政状況の中、一・二%のプラス改定を行い、同様の取組を介護報酬の中で行っています。  今後、一体改革の中で、サービス提供体制の重点化、効率化と消費税率の引上げを通じて必要な財源を確保し、介護職員の更なる処遇改善に取り組みます。  続いて、将来の消費税率の水準についてのお尋ねがございました。  今回の一体改革は、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩を踏み出すものであり、二〇一五年度段階での基礎財政収支赤字の対GDP比半減目標に向けて全力を挙げてまいります。その後については、国内社会経済財政の状況、また、国際的な経済社会状況等、その見通しを踏まえた上で、社会保障制度の持続可能性を確保するとともに、二〇二〇年度までに基礎財政収支を黒字化する等の財政健全化目標を達成するという観点に立って、更なる検討、議論を行っていく必要があると考えております。  次に、解散についてのお尋ねがございました。  今、政治に求められている解決するべき喫緊の課題について、国民に対する責任を果たすことが内閣の使命であります。大震災からの復興、原発事故との戦い、経済再生、デフレ脱却への取組は手を抜くことはできません。御審議をお願いをしている重要案件も多々あります。繰り返し申し上げていることでありますが、やらなければいけないことをやり抜いた後に、適切な時期に民意を問います。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
  19. 安住淳

    国務大臣安住淳君) まず、複数税率についての御質問でございました。  複数税率については、先般の三党合意に基づく修正案で、所得の低い方々に配慮する観点から、財源の問題、対象範囲の限定、中小事業者の事務負担等を含め様々な角度から総合的に検討するとの規定が盛り込まれたところでございます。今後、その規定に沿って検討を行っていく必要があると考えておりますが、この際、先ほど愛知議員からも御指摘がありましたように、複数税率を導入することについては、税率を一〇%に引き上げた後でなければ事実上導入することが困難であるとの御意見など、様々な議論があることは十分承知しております。導入に際しては、いわゆるインボイス制度を始めとする関連する諸制度の整備のための法改正が必要であることなどを念頭に、十分に検討を行う必要があると考えております。  給付付き税額控除制度についての御質問でございました。  給付付き税額控除制度については、政策目的を明確にするとともに、今回盛り込まれた低所得者対策等の効果を踏まえ、既存の社会保障制度等との関係を整理するなど、様々な論点について諸外国の例も参考にしつつ総合的な検討を行っていくことが必要であると考えております。  今般の三党合意に基づく法案の修正によりまして、低所得者への配慮については、今申し上げました給付付き税額控除及び先ほど御指摘をさせていただきました複数税率の各々について様々な角度から総合的に検討するということとされておりますので、この方向に沿って今後しっかりと御検討させていただきたいと思います。  景気条項について、確認の質問でございました。  附則十八条三項に規定されている所要の措置の具体的な内容については、経済状況等を総合的に勘案した上で判断することになります。仮に、本法案が定められた消費税率の引上げに係る規定の施行を停止し又は延期する場合には法律の改正が必要になるのではないかという御認識でございますが、私も全く同じ認識を持っております。  最後に、円高に対する対応でございますが、急速な円高の進行など、為替市場の過度な変動は我が国経済、金融の安定に悪影響を及ぼすものであります。引き続き、私としては緊張感を持って市場の動向を注視し、必要なときには断固たる措置をとることにしております。  あわせて、新産業の創出や非価格競争力の強化を進め、為替リスクに左右されない強靱な経済体質を構築するとともに、円高メリットを活用した海外MアンドAや資源確保を推進するなどの取組を総合的に進めていくことが必要であると考えております。  以上です。(拍手)     ─────────────
  20. 平田健二

    議長(平田健二君) 浜田昌良君。    〔浜田昌良君登壇、拍手〕
  21. 浜田昌良

    浜田昌良君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました衆議院において修正された消費税関連二法案について質問いたします。  これらの法案衆議院を通過したのが六月二十六日、あれから二週間半が過ぎました。民主党の党内政局が生んだ、まさに政治空白であります。結局、民主党の責任者たる野田総理の統治能力の欠如の表れではないですか。冒頭、野田総理から国民への謝罪の言葉を求めます。  初めに、消費税引上げに当たっての措置について伺います。  法案附則十八条三項では、消費税率引上げに当たっての措置として経済状況の好転の確認を定めております。これは消費税率の引上げ半年前の二〇一三年秋時点の経済状況の好転が引上げの前提条件であり、仮にデフレの脱却ができず、多くの国民、事業者が税率引上げの負担ができないという状況であったならば、施行の停止、すなわち消費税率の引上げ停止措置を講ずる仕組みであることを改めて国民に明言していただきたい。その上で、同条一項に明記された名目三%、実質二%を目指して景気・経済対策を総動員する総理の決意を伺います。  明年秋に経済状況の好転の確認を行うとすれば、附則十八条二項に明記された防災や減災に資する分野への資金の重点化や成長戦略の実行が急がれます。民需を誘導するためにも、今年夏の概算要求において、各省庁がこうした取組に抜本的対応を行うよう具体的指示を行うべきと考えますが、総理の所見を伺います。  防災や減災等に資する分野への資金の重点配分においては、いわゆるばらまきとならないことも肝要です。  公明党は、七月十日に防災・減災ニューディール推進基本法案の骨子を発表しました。これは、社会インフラの何を補修し、何を建て替え、何を廃止するかなど、国や地方自治体等がしっかり点検し、計画を立て、アセットマネジメントを強化した上で資金の重点投入を行う、国民の納得と透明性を得るための法案であります。このような法制度の必要性につき、総理の認識を伺います。  次に、低所得者対策について伺います。  消費税率の引上げに当たっては、低所得者に対する配慮を欠かすことはできません。具体的な手法としては、簡素な給付措置、給付付き税額控除、軽減税率が規定されておりますが、こうした対策については、何をどのように行うかについて、消費税率引上げまでの間、十二分な検討が必要であります。  中でも、軽減税率については、制度の分かりやすさ等から、消費者から導入を望む声が多い一方、中小小売業を中心に事務負担が増えるのではないかと心配する声も多いのも事実です。  三党合意の結果、消費税率を八%に引き上げる段階からの軽減税率の導入も選択肢の一つに入りました。その実施に当たって必要となる環境整備を進める観点から、例えば、事業者負担の少ない簡素な日本型インボイス方式を検討するなど、国民的議論を早急に開始すべきと考えますが、総理の見解を伺います。  消費税の歴史を振り返ると、一九八九年の導入時、九七年の税率引上げ時には、増税だけではなく、各種控除の引上げや定率減税など、減税を先行して行いました。  一方、簡素な給付措置の財源については、政府から約四千億円といった規模が示されたとの報道もありますが、三党合意ではしっかりとした措置をとることが確認されていることから、こうした規模ではなく、十分な財源を確保すべきと考えますが、財務大臣の見解を伺います。  次に、複数税率と給付付き税額控除の二つの選択肢の関係について伺います。  例えば、食料品などに軽減税率を適用した場合、その恩恵は低所得者から中間所得層まで幅広く行き渡ることになりますが、給付付き税額控除や簡素な給付措置の対象を仮に市町村民税非課税世帯とした場合、限定的な対象となることから、政策選択において国民の間での意見の分断が懸念されます。  このような事態を回避するために、給付付き税額控除については、中間層以下に広く行うことを含め検討すべきではないでしょうか。また、仮に二つの政策の対象が大きく異なるという制度設計を行うならば、例えば、カナダが実施しているような軽減税率と給付付き税額控除の併用も積極的に検討すべきです。あわせて、一体改革担当大臣の見解を伺います。  また、簡素な給付措置については、今般の三党合意において、今後、予算編成過程において立法措置を含めた具体化を検討することとなりましたが、複数年度にわたる制度的安定性、非課税措置や受給権の保護の実現、制度設計において立法府の意見を反映する、こうした理由からも法的措置が不可欠と考えます。一体改革担当大臣の見解を伺います。  次に、中小企業対策について伺います。  まず、中小零細・下請事業者の価格転嫁を円滑に進めるための環境を醸成するために、本来、消費税は消費者に最終的に御負担いただくものである旨を総理自ら国民に語りかけてほしいとの切実な声を中小企業団体からいただきました。総理、中小零細企業のこのような思いに是非ともこたえていただきたい。  次に、三党合意の結果修正された法案には、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、独禁法や下請法の特例措置を講ずることが明記されております。  消費税導入時のような転嫁カルテル及び表示カルテルの特例や下請事業者の消費税転嫁に対する不利益行為禁止など、法的措置の具体的な在り方を早急に明確化し、必要な法改正を次期通常国会で行うべきと考えますが、一体改革担当大臣の見解を伺います。  総理、今回の社会保障と税の一体改革において、そもそも税制の抜本改革はどうなっているのでしょうか。  来年度税制改正に向け、所得税の累進性強化、格差是正や世代間の所得移転のための資産課税の見直しという基本的方向が弱まることがあってはなりません。総理の税制抜本改革についての決意と所見を伺います。  次に、自動車関係諸税について伺います。  三党合意では、自動車取得税及び重量税の抜本的見直しには廃止が含まれていると確認されておりますが、政府として同じ認識であるのか、まずは総理の御認識を伺います。  その上で、本年末の二〇一三年税制改正で抜本的見直しの基本的方向は確定すべきであり、地方税たる取得税は廃止、また、地方財源配慮のため、国税の重量税は縮減に合わせて地方税の自動車税に合体することを基本とすべきと考えます。  また、消費税負担を踏まえて、医療、住宅に関する税制上、予算上の対応についても、同様に、本年年末の税制改正、予算編成で基本的方向を示すべきであります。特に、東日本大震災の被災地からは、今後、高台移転や集団移転など、復興再生が本格化することからも、税制の被災地特例を検討すべきであります。  あわせて、財務大臣総務大臣の見解を伺います。  総理、増税する前に、徹底した行財政改革を断行しなければなりません。これが国民の声であります。  公明党は、公務員の給与削減や国会議員歳費削減の恒久化、私鉄パスの廃止、さらには、民主党政権によって水膨れした予算の見直し、歳出削減などを主張し続けておりますが、民主党代表たる野田総理は、一体どのようにお考えか、行財政改革の今後の方向性を含め、お答えいただきたい。  最後に、民主党内政局について一言申し上げます。  増税の前にやるべきことがある、国民の生活が第一、当然です。では、政権交代後、与党・民主党としてこの三年間、何をやってこられたのですか。国民の政治不信は高まる一方です。社会保障と税制改革、まさに、政局ではなく政策で党が競うべきときです。総理は民主党代表として、その責任を取り、政治不信払拭のために関連八法案成立後に速やかに衆議院を解散すべきであります。その決意を総理に求め、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  22. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党、浜田昌良議員の御質問にお答えをいたします。  まず、一体改革法案採決と国会日程に関するお尋ねがございました。  六月二十六日の一体改革関連法案衆議院採決の際に、民主党から多くの反対者、棄権者、欠席者が出て、そして、さらに離党を表明する議員が出ました。除籍処分をするように至りました。このような事態に至ったこと、極めて残念かつ遺憾であります。党の代表として責任を重く受け止め、国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。また、そのことによって国会日程等への影響も出ました。御迷惑をお掛けしたこと、公明党も含め、各党会派の皆様におわびを申し上げたいと思います。  御批判については真摯に受け止め、政府・与党として意思統一を固め、一致結束して、衆議院における修正可決を踏まえつつ、参議院での一体改革関連法案の成立を期すことで私の責任を果たしていく決意であります。  次に、税制抜本改革法案附則第十八条についてのお尋ねがございました。  法案附則第十八条第三項の規定は、三党合意の結果も踏まえ、消費税率の引上げに当たって、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、第一項に規定される経済活性化等に向けた各般の措置を踏まえると同時に、新たに追加された第二項に規定される資金の重点配分等の措置が消費税率引上げ後に実施される可能性があることをも踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、引上げの停止を含め所要の措置を講ずることとされております。  このように、消費税率の引上げに当たっては経済状況を好転させることを条件とされており、一体改革とともに、政策を総動員をして、デフレ脱却や経済活性化に向けた取組を全力で進めていく決意でございます。  次に、二十五年度予算の概算要求に関するお尋ねがございました。  税制改正法案附則第十八条第二項は、税制抜本改革の実施等により、財政による機動的な対応が可能となる中で、消費税引上げによる経済への影響等を踏まえなどとされており、消費税引上げ後の措置を念頭に置いたものでありますが、税率の引上げ前にしっかりとした検討が行われることになるものと考えております。  こうした状況を勘案しつつ、東日本大震災の教訓を踏まえ、また経済再生を図るため、現在、策定作業中の日本再生戦略の取りまとめ状況等も踏まえながら、平成二十五年度予算に係る概算要求組替え基準について今後検討させていただきたいと考えております。  次に、防災・減災ニューディール推進基本法案についてお尋ねがございました。  東日本大震災の教訓を踏まえ、防災・減災対策強力に取り組む必要があるという認識は共通をしており、これまでも御党の防災・減災ニューディール推進基本法案の骨子に盛り込まれている学校や病院などの耐震化を進めてまいりました。また、インフラ整備についても、真に命にかかわるインフラ整備を重点的に進めるとともに、既存のインフラの計画的な長寿命化に取り組み、防災・減災対策を推進することにしております。  その際、議員がまさに御指摘をされたように、ばらまきにならないことが肝要であるということ、また、例えば既存の施設において、補修するもの、建て替えるもの、廃止するものをしっかり精査した上で資金を重点投入するという考え方は、私もそのとおりだと思います。  防災・減災ニューディール推進基本法案は、こうしたばらまきの排除や資金の重点投入といった考え方を踏まえた法案ということでございましたが、御提起いただいたならば真摯に吟味をさせていただきたいと思いますし、国会に提出されたならば国会において十分議論していただきたいと考えております。  次に、複数税率とインボイス制度についてのお尋ねがございました。  複数税率の下で仕入れに係る消費税額を適正に計算し控除するためには、いわゆるEU型のインボイス制度の導入が必要であるものと承知をしています。いずれにせよ、複数税率については、先般の三党合意に基づく修正案で、財源の問題、対象範囲の限定、中小事業者の事務負担等を含め様々な角度から総合的に検討するとの規定が盛り込まれたところであり、インボイス制度の問題を含め、今後、この規定に沿って検討を行っていく必要があると考えております。  次に、消費税の価格転嫁対策についてのお尋ねがございました。  中小事業者の皆様が消費税分を円滑に転嫁していただくためには、今般の一体改革の意義を国民の皆様に分かりやすく説明することが重要であると考えております。このため、消費税収は現行の地方消費税を除き社会保障財源化して国民に還元されることや、消費税は転嫁を通じて最終的に消費者に負担を求める税であることを広く国民に理解していただけるよう、十分な広報活動に努めてまいりたいと思います。  次に、税制抜本改革についてのお尋ねがございました。  御指摘の所得税、資産課税については、見直しの方向性については三党とも合意に至ったものの、具体案については更に議論を尽くす必要があるとの考え方を踏まえ、原案から削除することとされましたが、その一方で、所得税の最高税率の引上げなど累進性の強化に係る具体的な措置、相続税の課税ベース、税率構造等の見直し及び贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずる旨の規定が設けられております。  今後、この規定に基づき改革を実行していくこととなりますが、三党合意において、所得税については、累進性の強化の具体化に当たって、今回の政府案及び公明党からの御提案も踏まえつつ検討を進めることとされ、資産課税については、見直しの具体化に当たって、バブル後の地価の大幅下落等に対応して基礎控除の水準を引き下げるなどとしている今回の政府案を踏まえつつ検討を進めることとされており、こうした三党合意の方向性を踏まえて、二十五年度税制改正に向けて検討してまいります。  また、その他の課題についても、法案の第七条に盛り込んだ基本的方向性に沿って、具体化に向けた検討に取り組むこととしております。  こうした方針に沿って、税制全体の抜本改革の実現に向けてしっかり取り組んでまいります。  次に、車体課税の抜本的な見直しについてのお尋ねがございました。  車体課税については、三党合意において、税制抜本改革法案第七条の規定に沿って抜本的な見直しを行うこととし、消費税率の八%への引上げ時までに結論を得るとされております。  これを踏まえ、同法案第七条の規定にもあるとおり、国、地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から抜本的な見直しを行ってまいります。  次に、行財政改革の今後の方向性に関するお尋ねがございました。  一体改革も含め、行財政改革はいずれも重要な課題であり、まさに同時並行でできるだけ多くの項目をやり遂げる所存でございます。水膨れとの御批判ではありますが、民主党政権は、政権交代直後から、事業仕分などにより税金の無駄遣い根絶に全力を挙げてまいりました。今後も歳出の見直しに全力を挙げます。また、国会議員関係経費の削減は、議員定数削減を含めて、消費税率の引上げ実施前までに必ず実現をしなければなりません。行財政改革は不断の取組が必要であり、全閣僚をメンバーとする行政改革実行本部を中心に、行政の無駄や非効率を排除し、総人件費改革を始めとする諸課題に邁進をいたします。  社会保障・税一体改革、行政改革、政治改革などの包括的な改革に取り組み、財政運営戦略に沿って財政健全化目標の遵守を目指します。  続いて、民主党政権の実績と解散に関するお尋ねがございました。  政権交代以来、社会保障予算、教育予算の充実、高校の無償化、農業の戸別所補償、NPO支援や雇用対策などが具体的に進んでいます。事業仕分の実施などによる歳出の見直し、一括交付金に象徴される地方財政改革も前進していると考えております。公明党や自民党の御協力もいただき、新しい児童手当以前に倍する恒久制度となり、派遣法改正、郵政改革法案成立なども実現をすることができました。大震災からの復旧・復興、原発事故との戦い、累次の景気対策、そして社会保障と税の一体改革も与野党の協力の下で進んでおります。  確かに、マニフェストで実現できていないものもあり、それは率直に認め、おわびをしております。しかし、民主党の力だけではなく、野党の御理解もいただき、与野党が協力して政治が果たすべきこと、決められる政治が現実に進んできていることを実感もしております。  こうしたことを積み重ね、やるべきことをやり抜いた後で適切な時期に国民に信を問いたいと考えております。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
  23. 安住淳

    国務大臣安住淳君) まず、簡素な給付措置の財源についての御質問をいただきました。  この簡素な給付措置については、三党合意文書において、真に配慮が必要な低所得者を対象にしっかりとした措置が行われるよう、今後、予算編成過程において立法措置を含めた具体化を検討するとされております。政府といたしましては、この三党協議における議論を踏まえ、財源の問題も含めて具体化に向けた検討を行い、消費税率が八%に引き上げられる時点から実施してまいりたいと思います。  次に、自動車関係諸税の抜本的な見直しについて私の方にも質問をいただきました。  車体課税については、総理から御答弁させていただいたとおりでございますが、三党合意を踏まえまして、税制抜本改革法案第七条の規定に示された方針に沿って抜本的な見直しを検討してまいりたいと思います。  その際、見直しの内容につきましては、国、地方の財政状況や地球温暖化対策との関係なども踏まえつつ、車体課税のみならず、エネルギー課税を含めた環境関連税制全体の再編を図る中で、法案第七条の規定にもあるように、安定的な財源を確保することと併せて検討していく必要があると考えております。  次に、医療と住宅、そして被災地の復興のための税制の特例を設けたらどうだという御提案でございました。  先般の三党合意において、医療につきましては、消費税率の八%への引上げ時までに、高額の投資に係る消費税負担について、医療保険制度において他の診療行為と区分して適切な手当てを行う具体的な手法について検討し、結論を得るとともに、医療に関する税制上の配慮等についても幅広く検討を行うとなっております。  また、住宅については、平成二十五年以降の税制改正及び予算編成の過程で総合的に検討を行い、消費税率の八%への引上げ時及び一〇%への引上げ時にそれぞれ十分な対策を実施することとされた趣旨を踏まえ、今後、具体的な検討を行ってまいりたいと思っております。  また、被災地の生活再建策に関して、これまでも様々な税制上の特例措置や被災者生活再建支援金、災害復興住宅融資等の様々な予算措置を講じています。  その上で、今回の一体改革との関係では、法案の提出時に、消費税の税率の引上げに当たっても、住宅を失った被災者の方々が恒久的な住まいを確保する際には、地域全体の町づくりを進める中で支援を行うなど、被災者の方々の負担緩和への配慮を行うことや、中長期的な視野を持って復興に取り組むため、福島県等における原子力災害や農産品等に対する風評被害を含め、復旧・復興の状況や被災地の要望を踏まえ、今後とも、必要な税制上その他の支援を実施するという方針を決定しておりますので、御指摘をいただきましたが、この方針に沿って復興に向けて、ちょうど消費税が引き上がるときが住宅再建の時期と重なるということもありますので、特段の配慮をしてまいりたいというふうに思っております。(拍手)    〔国務大臣川端達夫君登壇、拍手〕
  24. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) 浜田議員から、自動車関係諸税の抜本的な見直し等についてお尋ねがありました。  自動車取得税は、平成二十四年度で約二千百億円の税収が見込まれ、地方団体の貴重な財源となっておりますので、その存廃が論じられる場合には地方財源確保の観点からの論議が不可欠であります。  また、議員からは、地方財源配慮のため、国税の重量税は縮減に合わせて地方税の自動車税に合体することを基本とすべきとの具体的な御指摘がありました。確かに、車体課税の見直しに当たっては、国、地方間の税源配分を見直す必要があるほか、自動車関連税制の在り方についても幅広く検討する必要があります。  このため、今回の法案においては、車体課税について、国、地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から見直しを行うこととしているところでございます。その方針に沿って、今般の三党合意を踏まえ、抜本的見直しを行い、消費税率の八%への引上げ時までに結論を得るよう努めてまいります。  このほか、医療、住宅に関する税制上の対応についても、今般の三党合意で示された方針に沿って取り組んでまいります。  また、東日本大震災については、被災者等の負担の軽減や復興に向けた取組の推進を図るため、四度にわたり地方税法を改正し、被災代替家屋に係る固定資産税、不動産取得税の軽減措置等の特例措置を講じております。  その上で、今回の法案の提出時に、復旧・復興の状況や被災地の要望も踏まえ、今後とも、必要な税制上その他の支援を実施するとの閣議決定を行っており、引き続き被災地の皆様の声に耳を傾けながら取り組んでまいります。(拍手)    〔国務大臣岡田克也君登壇、拍手〕
  25. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私には三問御質問をいただきました。  まず、軽減税率や給付付き税額控除の検討の方向性についての質問であります。  低所得者への配慮については、三党合意に基づく法案の修正により、給付付き税額控除及び複数税率の各々について様々な角度から総合的に検討することとされました。政府としても、こうした三党合意の方向性に沿って今後しっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。  御指摘の給付付き税額控除について、中間層以下に広く行うことや軽減税率と給付付き税額控除を併用することについて検討するべきではないかということでありますが、その場合、例えば財源をどうするのか、執行面での対応は可能かといった観点からの検討も必要となります。  いずれにしろ、給付付き税額控除を導入する場合の対象範囲や軽減税率と給付付き税額控除の関係についても、御指摘の観点を含め、しっかりと検討を行っていきたいと考えております。  第二に、簡素な給付措置についての御質問をいただきました。  簡素な給付措置については、真に配慮が必要な低所得者を対象にしっかりとした措置が行われるよう、今後、予算編成過程において立法措置を含めた具体化を検討することが三党で合意されたところです。  政府としても、真に配慮が必要な低所得者の方々にしっかりと対応できるよう、立法府の御意見もいただきながら、具体化に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。  消費税の価格転嫁に関する御質問もいただきました。  消費税の価格転嫁対策については、政府として、対応の方向性を中間整理として取りまとめたところであります。この中で、第一に、いわゆる転嫁カルテル、表示カルテルについて、必要に応じ、独禁法の適用除外とするための法的措置を検討すること、原則として消費税の転嫁の拒否やこれに類する行為を行い得ないような立法措置の在り方について更なる検討を行うこととしております。  さらに、先般の三党合意に基づく修正案において、独禁法、下請法の特例に係る必要な法制上の措置を講ずる旨の規定が追加されたところです。  政府としては、これらの方針に沿って早急に具体策の検討を進めているところです。法改正が必要との結論に達したときは、次期通常国会に御指摘のように所要の法案を提出したいと考えております。  以上です。(拍手)     ─────────────
  26. 平田健二

    議長(平田健二君) 中村哲治君。    〔中村哲治君登壇、拍手〕
  27. 中村哲治

    中村哲治君 国民の生活が第一の中村哲治です。  会派代表いたしまして、政府が一体改革と主張し、民主、自民、公明の三党が大連立かのように三党合意の下でお進めになっている増税先行の一体改革税制法案について質問をいたします。  質問に先立ちまして、九州地方水害で多大な被害を受けられている方々に心からお見舞いを申し上げます。  野田総理、十年前の二〇〇二年、民主党代表選挙のことを覚えていらっしゃるでしょうか。私は、当時、初当選をして三年目の衆議院議員でした。野田先生に代表選挙に出ていただけませんかとお願いに参りました。  そのとき野田先生の下に集う若手議員の思いは、野田代表を誕生させ、ドスンパンチと評された野田先生の突破力で、民主党が選挙で勝ち、野田総理の下で徹底的な行財政改革を行うところにありました。私たち若手議員がそのように思ったのは、野田先生が千葉県議会議員のころから一貫して強大な既得権益と一体化したいわゆる自民党型政治に反対し、御自身一人からでも自民党に代わり得るもう一つの新しい選択肢をつくるという姿勢を貫かれてきたからです。十年たって状況は変わったんだよと総理はおっしゃるのかもしれません。  今回の消費税増税は、自公政権時の平成二十一年度税制改正法附則百四条に基づくものです。言わば自民党の御方針です。三党合意の内容を見れば、更に自民党の御主張を大胆に取り入れ、民主党が持っていた旗を降ろされたのは明白です。鳩山元総理は、自民党野田派と評されました。  主権者である国民の皆様が自身の政治権力を行使できる唯一の機会は、選挙です。政治家が選挙のときに国民の皆様と約束を守らなければ、主権者である国民の皆様は何を信じて一票を投じたらよいのかということになります。  主権者との約束を破り自民党化した民主党に私はいることができなくなりました。民主党結党から十四年、民主党をつくってきたという自負もある自分が、このような形で民主党を去ることになったことは、とても悲しいことです。  この点に関係して、まず野田総理に、この税制法案の正統性について伺います。  政府から見れば一体改革、私から見れば増税先行法案について、選挙のときに約束していなかったにもかかわらず、今回、消費税増税を強行する理由についてお答えください。その際、簡素な給付措置など、消費税増税に伴う様々な問題の解決を後回しにしている理由も併せてお答えください。  二番目の質問は、本当に日本財政危機なのかということでございます。  五月二十二日に、昨年度末における日本の対外資産負債残高の概要が財務省から発表されました。対外資産は五百八十二兆円、対外純資産は二百五十三兆円で、二十一年連続世界一になりました。  対外資産五百八十二兆円のうち中長期の債券は、政府の持つ外貨準備百兆円を除いても二百八兆円あります。これに対して、対外負債である中長期の債券は四十五兆円しかありません。これでは、外国人が円を売り浴びせようとしても、必ず、まず日本人から円を借りてこなくてはならず、結局、決済期に円を調達して日本人に返すということになり、円の買戻しが入ります。この構造から、過去、幾度もヘッジファンドが円売りを仕掛けてまいりましたが、膨大な円買いが湧いてきて、結局失敗するということになっているのは周知の事実です。ボルカー・ルールが適用されるようになると、商業銀行はヘッジファンドに投資できなくなり、ますます投機的な行動はしにくくなります。  過去に破綻をしている国というのは、自国の通貨が国際的には信用がなく、自国通貨建てでは償還時にどのような価値になっているか分からないので国債が発行できないという国です。フローでは経常収支が赤字の国、ストックでは対外負債の方が多い対外純負債国です。  日本は、長年にわたる貿易黒字により、対外純資産を積み上げ、近年では、その結果の所得収支の黒字だけでも月に一兆円もある国です。その結果、円高、国債の低金利となっております。そのような日本が、どのようにしたら他の国から取立てに遭うようになり、通貨安、債券安になるのか。政府から論証をしていただかなければ、総理がおっしゃる、消費税増税待ったなしという言葉を理解することはできません。総理は、衆議院で江田憲司議員の質問に対して、政府の収支だけをとらえて答弁されておりますけれども、政府、家計、企業、金融機関の四つの経済主体の収支の合計を基にしなければ、円建ての債券の信用度は判断できないはずです。私は、民主党参議院会派の政審会長代理、民主党の政調副会長でした。民主党の政策責任者の一人として、何度も民主党内で以上の点を質問いたしました。しかし、政府からきちんとした回答はありませんでした。  本当に日本財政危機なのか、経常収支、対外資産負債という国際収支の観点から、明確な答弁をお願いいたします。  三番目の質問は、消費税が本当に公平な税制なのかということでございます。消費税導入の際、当時の竹下総理が昭和六十三年三月十日の衆議院予算委員会で述べられた、消費税に対する六つの懸念について、野田総理の御認識と評価を伺います。  四番目の質問は、その六つの懸念のうちの一つ目、逆進性な税体系となり所得再配分機能を弱めるのではないかという論点です。  社会保障と税の一体改革というのであれば、社会保障の所得再分配を機能させるため、社会保障の財源としては、累進度の高い所得税や相続税を強化して財源に充てることが原則でなければなりません。なぜこれを年末の税制改正に先送りするのか、野田総理の御認識を伺います。  五番目の質問は、六つの懸念のうちの二つ目、結局中堅所得者の税の不公平感を加重するのではないかという論点です。  消費税の逆進性というのは、低所得者だけに影響があるのではなく、中所得者にも影響が及びます。野田総理は分厚い中間層の復活とおっしゃっておりますけれども、消費税増税はもろに中間層に打撃を与えることになります。しかし、大綱に見られるように、政府は逆進性対策をするにしても低所得者に限ると考えているようです。この機会に、改めて、中間層に対する逆進性対策を行わない理由は何なのか、野田総理に伺います。  六つ目の質問は、消費税増税は未来の世代のためにあるという御主張についてです。  四月の民主党内での簡素な給付措置及び給付付き税額控除ワーキングチームに提出された政府資料を見れば、消費税の逆進性対策は住民税の非課税世帯に限ると政府はお考えのようです。  しかし、それでは、二十代、三十代の独り暮らし若者では、収入が百万円を超えると給付の対象者ではなくなります。もろに消費税の増税を背負うことになります。政府は、将来の負担を減らすため、将来の社会保障を守るためとおっしゃるのでしょう。しかし、この十年余りの間で三十代の若者の給料は一人当たり年額で八十万円程度も減り、若者は、こんな給料では、結婚もできない、子供も持てない、家も買えないと言いたくなるような状況にあります。そこで、将来の社会保障のための消費税増税と言われても、若者は、その年齢まで自分は生きているかどうかも分からない、今の政治家はどうせ自分たちのことを分かってくれていないと絶望をしております。  なぜ消費税増税は未来の世代のためなのか、改めて野田総理に見解を伺います。  消費税増税がもたらす経済への悪影響など、まだまだ伺いたいことはございますが、続きの質問は特別委員会でいたします。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  28. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 中村哲治議員から六つの御質問をいただきました。  まず最初に、一体改革を行う理由等についてのお尋ねでございます。  急速な少子高齢化社会経済状況の変化の中で、世界に誇る我が国の社会保障制度を持続可能なものとし、将来世代に確実に引き継いでいくためには、従来のように、給付は高齢者に、負担は現役世代にという仕組みを改め、給付、負担両面で世代間、世代内の公平が確保された制度とする必要があります。今回の一体改革では、このような観点から、社会保障の充実、安定化のため、消費税率を引き上げることとしております。  衆議院総選挙の時点で消費税率引上げについて約束していなかったとの御指摘でございますが、税収の大幅減、東日本大震災の発生、毎年度一兆円単位で増加していく社会保障の財源問題、さらには欧州におけるソブリンリスクの顕在化などを踏まえ、もはや先送りできないと判断をいたしました。  消費税について衆議院選挙の時点で明確に方向性を示していなかったことについては、真摯に反省し、おわびをしながら、国民の皆様に御理解いただけるよう努力を重ねていく決意であります。  また、簡素な給付措置などの低所得者に対する配慮等の消費税引上げに伴う様々な課題については、法案及び民自公の三党合意に基づく修正案等で示されている検討の基本的方向性やスケジュールに沿って実際の税率引上げまでに具体化すべく検討に取り組むこととしており、問題の解決を後回しにしているとの御指摘は当たらないと考えております。  続いて、我が国の財政状況に対する認識についての御質問をいただきました。  我が国の対外純資産や経常収支黒字は、あくまで民間部門を含む我が国の居住者と海外との関係を取り出した評価であり、我が国政府が民間部門に対して負っている債務を考慮していないなど、政府の信用という観点からの評価ではないことから、これをもって財政状況を楽観視することは適当でないと考えております。  我が国の財政は、ストック面では債務残高対GDP比が主要先進国中最悪であり、フロー面でも国の一般会計税収が歳出の半分も賄えないなど、国際的に見ても極めて厳しい状況となっております。  また、我が国の国債の国内消化を支えてきた国内貯蓄が伸び悩む一方、政府の債務残高は増加の一途をたどっており、国債をめぐる状況は変化をしてきております。  これらの状況を踏まえ、国債市場の環境が安定している今のうちに、社会保障と税の一体改革などを通じ、社会保障の安定財源確保とともに、財政健全化に一刻も早く取り組むことが必要と考えております。  次に、竹下総理がおっしゃった六つの懸念についての認識と評価に関する御質問をいただきました。  六つの懸念とは、消費税を導入する前年の昭和六十三年三月に、当時の竹下総理がいわゆる大型間接税について国民一般に懸念を呼んでいる点として示されたものと承知をしております。  竹下総理は、あえて踏み込んでこれらの懸念を示した上で、できる限り多くの国民が納得し得る税制を確立するため、こうした懸念に対し、十分配慮していきたいと述べられておりました。私は、政策の問題点をあえて明らかにし、オープンな議論の中で国民にきちんと説明をしていくことが重要であるとの竹下総理の考え方に共感をしております。  今回の一体改革についても、国民の皆様に御負担をお願いするに当たっては、一体改革の意義を分かりやすく丁寧に説明し、国会でのオープンな議論はもちろんのこと、対話集会やテレビ等への出演なども通じて国民の疑問にきめ細やかに答えていくことで、国民の理解を深めていただくことが何よりも重要であると考えており、そのように努力をしてきたつもりであります。  参議院での御審議も始まりましたが、引き続き、国民の皆様の御理解が深まるよう、一体改革の必要性や意義、内容などを分かりやすく丁寧に説明をしてまいります。  続いて、所得税や相続税の改正等に関するお尋ねがございました。  御指摘の所得税、資産課税については、見直しの方向性については民自公の三党とも合意に至ったものの、具体案については更に議論を尽くす必要があるとの考え方も踏まえ、原案から削除することとされましたが、その一方で、所得税の最高税率の引上げなど累進性の強化に係る具体的な措置、相続税の課税ベース、税率構造等の見直し及び贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずる旨の規定が設けられており、この方針に沿って具体化に向けた検討にしっかり取り組んでまいります。  なお、社会保障の財源となる税収については、高い財源調達能力を有し、経済の動向や人口構成の変化に左右されにくく安定していることが求められます。また、高齢化が進む中で、保険料や所得税など、勤労世代など特定の者への負担が集中しないものである必要があると考えます。消費税は、これらの特徴を有することから、高齢化社会における社会保障の安定財源として適切であると考えております。  続いて、中間層に対する対策についてのお尋ねがございました。  今回の一体改革においては、社会保障の安定財源を勤労世代に集中させることなく国民の皆様に幅広く御負担いただくとともに、社会保障の充実策として、保育の量的拡充、質の改善等による子育て世帯に対する支援や、働く希望を持つ全ての人に対する就労促進策の強化、短時間労働者に対する厚生年金及び健康保険の適用拡大などを盛り込んでおり、勤労世代を中心にいわゆる中間層の方々にも配慮した施策を講ずることとなっております。  最後に、一体改革と若年世代についてのお尋ねがございました。  急速な少子高齢化経済成長の停滞など、社会経済状況が大きく変化する中で、若い世代から将来に対する不安の声があることは私も実感をしています。こうした状況の中で、社会保障制度については、従来のような、給付は高齢者に、負担は現役世代にという仕組みのままではいられず、給付、負担両面で世代間の公平を確保することで、私たちの世代の責任として若者に安心のメッセージを発することが必要であります。  このため、今回の一体改革において、給付面では子ども・子育て支援や若者の就職支援を充実させるなど、人生前半の社会保障を手厚くし、全世代型の社会保障制度へと転換することとしています。また、負担面では、先ほども申し上げましたとおり、保険料や所得税など、若者を始めとする勤労世代など特定の者への負担が集中しないものとするとともに、国債発行により社会保障関係費の相当部分を将来世代の負担にツケ回ししている現状を改善することとしています。  こうした改革により、高齢化が一層進んだ社会においても、現役世代の方々にもメリットを感じていただけて、納得感のある社会保障制度を実現をすることとなると考えております。(拍手)     ─────────────
  29. 平田健二

    議長(平田健二君) 上野ひろし君。    〔上野ひろし君登壇、拍手〕
  30. 上野ひろし

    上野ひろし君 みんなの党の上野ひろしです。  ただいま議題となりました消費税増税関連二法案について、会派代表して質問を行います。  これらの法案は、六月二十六日、衆議院本会議において賛成多数で可決されましたが、我々は、両法案について、今後に禍根を残す、大きな問題を有するものであることから、一貫して反対をしてまいりました。  本院では、この本会議、また特別委員会等の場において、改めてその問題点を明らかにし、国民の皆様方のためにならない法案は絶対に可決をさせない、そういった思いを持って議論をしてまいります。  順次質問を行いますので、野田総理から御答弁をお願いいたします。  まず、この法案は、どのようにして中長期にわたり安定的な社会保障制度を実現するのか、その具体的な姿を明らかにしないまま、先行して増税という負担を国民に強いるものであります。  総理は度々、社会保障・税一体改革大綱に言及されますが、そこでも持続可能な社会保障制度の姿は明らかにされず、抽象的な表現のみで、その内容の議論は先送りされております。本来、どのような社会保障制度が実現されるのかがきちんと示されなければ、そのために必要な財源としての消費税増税の可否は議論できないと考えますが、いかがですか。そもそも総理は、具体的にどのような社会保障制度の姿を目指していくおつもりですか、考えをお聞かせください。  関連して、年金制度についてお伺いいたします。  少子高齢化により人口構成が大きく変化している現状においては、例えば、積立不足分を長期で償却するなどの措置をとることを前提に、現在の賦課方式から積立方式に移行する、そのことによって年金制度を持続可能なものとし、また、世代間の格差を是正をすべきではないかと考えますが、いかがですか。  次に、総理の景気認識についてお伺いいたします。  我々が地元を回っていると、多くの方々から、依然として景気が悪い、回復してきているといっても一部の地域業種だけで、この状況で消費税を増税されたら売上げが減って事業が成り立たなくなるといった悲痛な声を聞きます。  総理は、現在の我が国の経済の状態をどう認識しているのか、この状況での増税は地域経済に致命的な影響を与える可能性もありますが、こういった国民の皆様の思い、痛みを認識して、それでも政治生命を懸けて増税するとおっしゃるのか、考えをお聞かせください。  また、とりわけ厳しい環境に置かれている中小企業の方々に消費税増税が与える影響は大きなものがあります。現行制度の性格上、なかなか転嫁もできず、弱いところにしわ寄せが来ているという状況です。税率が上がれば更に状況が悪化することとなり、もう廃業せざるを得ないという方もおられます。特に、中小企業の方々への消費税増税の影響と対策についてどのように考えているのか、お伺いいたします。  次に、附則第十八条第一項の経済成長率についてお伺いいたします。  ここでは、名目三%、実質二%成長という数字が示されております。新成長戦略にも同様の数字がありますが、これまで民主党政権になってから、名目三%成長という数字は一度たりとも達成できておりません。政府が自ら行った新成長戦略のフォローアップにおいても、全項目のうち成果があったとするものは、一割にも満たない僅か三十六項目でありました。  総理は従来から、我が国の経済成長に向け全力で取り組むと言ってきているわけですが、これまでやるやると言ってできなかったことを今後どう実現していくのか、我が国を取り巻く環境が厳しさを増す中、どのような具体的な施策をもって経済成長を達成するのか、お伺いいたします。  また、附則第十八条第二項においては、消費税増税により増加した税収を基に財政措置を行う旨が規定されております。そもそも、わざわざ増税で景気を悪化させた後に増えた税収で景気対策を行うのであれば、増税などせずに、まず我が国の経済を活性化させることを優先させて、最初から景気回復による増収を目指すべきではないですか。総理の考えをお聞かせください。  税制、社会保障制度の議論を行うこと自体については多くの国民が理解を示しているものの、最近の世論調査の結果を見ても、今回の法案に対しては依然として過半数の方が反対をされております。まず、率直にこの結果について総理はどうお考えになるか、お伺いいたします。  我々は、従来から、増税の前にやるべきことがあると訴えてまいりました。国民の皆様が今回の法案に賛成しない大きな理由の一つも、国の予算の無駄遣い、経費の削減が進んでいないことにあるのではないかと思います。  民主党は、政権交代前のマニフェストにおいて、無駄遣いをなくせば十六・八兆円の財源が出てくると説明をしておりました。この国民の皆様に対する約束を守らずに、マニフェストに書いていなかった消費税増税を強いるというのでは、理解が得られないのも当然だと思いますが、この点について、総理はどう説明をされますか。  特に、国民に負担を押し付ける前に、本来であれば、まず国会議員歳費カット、定員の削減、国家公務員の人件費の削減、天下りの根絶といった国会議員、公務員が自ら身を切る改革を進めることが消費税に関する議論を進める前提となるのではないかと思います。これらの点について、総理はどう取り組んでいくおつもりなのか、お伺いをいたします。  また、今回の消費税増税、さらには、家計に影響を与えるものとして復興増税、保険料の増額などがありますが、これらを合わせてどれだけ負担が増えるのか、具体的に説明をすべきではないですか。民間の試算によれば、年収五百万円の四人家族で、五年後には今より年間三十三万円も負担が増えるという結果もあります。増税しようとするならば、そういった数字をごまかさず正直に示した上で、理解が得られるのかどうか議論を行うべきであると考えますが、いかがですか。  さらに、今後どれだけ増税が行われるのかも不明確であります。二〇二〇年にプライマリーバランスの黒字化を目指すとしておりますが、その道筋と、それを消費税増税で賄うとした場合に、今後何%の追加的な増税が必要なのか、明らかにすべきではないですか。  これも、民間の試算では、今後、税率を二〇%、場合によっては三〇%にしなければならないという考え方もありますが、総理はどう評価されますか。今後の見通しを示さないまま、取りあえず五%だけ上げさせてくださいというのは無責任ではないですか。お答えをお伺いいたします。  さて、我々は、従来から道州制の導入を訴え、また、それに伴い、一定の財政調整制度を設けた上で、消費税は全額地方の財源とし、併せて地方交付税制度も見直すことを提案してまいりました。  年金等の事業を引き続き国が担うこととしても、国と地方の税の配分全体について整理をすることで財源を確保することは可能であります。消費税は、税収が安定的であること、地域偏在性が小さいこと、また、応益性という観点からも地方の財源にすべきであると考えますが、総理の考えをお伺いいたします。  最後に、国民に信を問うための解散・総選挙についてお伺いいたします。  仮に消費税を増税するということであれば、どういう社会保障の姿を具体的に実現するのか、そのためにどれだけの負担を国民一人一人が負う必要があるのか、それを国民の皆様方に対して示し、丁寧に説明した上で理解を得るというプロセスが必要不可欠であります。  そもそもマニフェストに記載がなかった消費税増税は、国民との契約違反であります。当時、野田総理御自身も、マニフェストにはルールがある、書いてないことはやらないんです、とおっしゃっております。総理が言及された民主党政策集、インデックスでも、現行の税率五%を維持する、増税を具体化する前に引上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受ける旨の記載があります。  任期中には施行されないからマニフェストには違反していないというような詭弁を弄するのではなく、この文言に従えば、消費税増税法案を採決する前に国民の審判を受ける必要があると考えます。  速やかに解散・総選挙を行い、この法案に対してイエスかノーか、消費税増税にイエスかノーか、国民の皆様に信を問うべきであると考えます。総理にそのおつもりはありますか。消費税増税という総理が政治生命を懸けた政策課題について、国民に対して誠実に対応する、国民の皆様の意見を真摯に聞く、そういう思いがあるか否かをお聞きをして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  31. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 上野ひろし議員から十二問のお尋ねがございました。  まず最初に、社会保障制度の目指す姿についての御質問でございます。  一体改革大綱では、社会保障全般にわたる改革の全体像と実施時期などを示しております。また、衆議院での審議や三党合意により、年金や子育て支援の分野で安定財源の確保とともに具体的な前進を見ており、社会保障議論の先送りとの御指摘は当たりません。  今回の一体改革では、子育て支援の強化など、人生前半の社会保障を手厚くし、全世代対応型へ転換する、幅広い世代が負担する消費税の税率を引き上げ、社会保障の安定財源を確保する、こうしたことにより、社会保障の充実、安定化と財政健全化の同時達成の第一歩を踏み出し、安心で希望と誇りの持てる社会の実現を目指しております。  次に、年金制度の積立方式への移行に関する御質問がございました。  現在、賦課方式を基本財政運営されている公的年金を積立方式へと移行することには、現役世代のいわゆる二重の負担や、運営に必要な多額の積立金をどう適切に運用するかという問題があり、困難であると考えております。  なお、積立不足分を長期で償却するという御提案は、伺う限りにおいては、将来世代も負担するという点で賦課方式を基本とする現在の方式とほぼ同じ方法ではないかと思われます。  次に、現在の経済状況の認識と中小企業の方々への消費税率引上げの影響についてのお尋ねがございました。  マクロで見れば、我が国の景気の現状は復興需要等を背景として緩やかに回復しつつありますが、実際には多くの方々が御苦労をされているということは十分認識をしております。社会保障と税の一体改革は待ったなしであり、不退転の決意で臨みますが、そのためにも経済の再生が不可欠であり、新成長戦略の加速、日本再生戦略の策定、実行など、デフレ克服と経済活性に向けた取組に全力を尽くします。  また、中小事業者が消費税分を価格に転嫁しやすい環境を整備していくことは極めて重要な課題と考えております。  政府としては、これまでの消費税の導入時、引上げ時を上回る十分な転嫁対策の実施に向け具体策の検討を進めてまいります。  続いて、新成長戦略と経済成長に関するお尋ねがございました。  成長目標の実現のためには、新成長戦略に盛り込まれた施策を着実に実行することがまずは重要であります。このため、新成長戦略の実施による成果をあえて厳しく検証し、これにより見出されたボトルネックの解決策を近くまとめる日本再生戦略に反映をいたします。  具体的には、医療・介護分野でのライフイノベーションにおいて、新薬開発加速のための大学と企業の橋渡しを行う創薬支援ネットワークの早期実現等に取り組んでまいります。また、エネルギー・環境分野におけるグリーンイノベーションにおいては、次世代自動車での世界市場獲得のため、電気自動車の航続距離向上のための技術開発等に取り組んでまいります。さらに、競争力向上の基盤となる人材を育成するため、国立大学大学学部の枠を超えた連携、再編成等を促すとともに、秋入学を含めた日本大学教育の国際化を進めます。  これらの施策を日本再生戦略に盛り込み、我が国の力強い成長を実現をしてまいります。  次に、消費税率の増収分で景気対策を行うのではないかというお尋ねがございました。  まず、今回の社会保障と税の一体改革では、消費税率の引上げ分は全額社会保障財源化し、全て国民に還元することとしており、消費税の引上げ分が景気対策など他の目的に使用されることはございません。  その上で、消費税率の引上げに当たっては、経済に配慮することが必要であり、先ほども申し上げましたように、新成長戦略の加速、日本再生戦略の策定、実行など、デフレ克服と経済活性化に向けて全力で取り組んでまいります。  続いて、世論調査の結果についてのお尋ねがございました。  今回の一体改革は、消費税率の引上げにより得られた安定財源を全額社会保障財源化し、全て国民に還元するもので、官の肥大化には一切使いません。  日本社会保障制度は、社会経済の状況が大きく変化する中で、給付、負担両面で、世代間、世代内の公平が確保された制度とする必要があります。また、社会保障に係る負担を将来世代に先送りし続けることは、社会保障の持続可能性の観点からも、財政健全化の観点からも困難であります。国民の皆様に対しては、このような一体改革の必要性や意義、内容、さらには経済の成長戦略や政治改革、行政改革など、身を切る改革をも包括的に取り組むことなど、分かりやすく丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。  続いて、マニフェストに掲げた無駄遣い削減と消費税増税についてのお尋ねがございました。  マニフェストに掲げた税金の無駄遣い根絶については、政権交代直後から事業仕分などにより全力を挙げて取り組んできており、一定の成果は上げてきたものと考えますが、マニフェストに掲げた金額に及ばないことも事実であります。無駄遣いの根絶に向けた努力は、今後も継続をしてまいります。  衆議院総選挙の時点での消費税率引上げについて約束していなかったとの御指摘でございますが、税収の大幅減、東日本大震災の発生、毎年度一兆円単位で増加していく社会保障の財源問題、さらには欧州におけるソブリンリスクの顕在化などを踏まえ、もはや先送りできないと判断をいたしました。  消費税について衆議院選挙の時点で明確に方向性を示していなかったことについては、真摯に反省し、おわびしながら、国民皆様の御理解をいただける努力を重ねていく決意でございます。  次に、議員歳費・定数削減、公務員人件費削減、天下り根絶についての御質問をいただきました。  御指摘の歳費削減については、二年間で五百四十万円の削減を国会において各党会派でお決めをいただきました。また、議員定数の削減については、一票の格差是正、選挙制度改革と併せて各党で御協議をいただいておりましたが、衆議院段階において協議が調わず、先般、民主党として各党の御主張にも配慮した法案を提出をいたしました。  公務員人件費については、国家公務員給与を平均七・八%削減する措置を既に実施しております。引き続き、行政改革実行本部を中心に、政府一丸で総人件費改革に取り組んでまいります。  天下りの根絶についても、政権交代直後、府省庁による天下りあっせんを全面禁止するなど大いに取り組んできたところであり、国会に提出している公務員制度改革関連法案では、先般立ち上がった再就職等監視委員会の監視機能を強化することとしています。  このような身を切る政治・行政改革については、更に前進させていく必要があると考えており、社会保障と税の一体改革とともに、どちらが先ということではなく、まさに同時並行で、包括的に取り組んでまいります。  続いて、復興増税や一体改革の家計への影響についてのお尋ねがございました。  お尋ねの点について、復興増税の世帯ごとの負担額については、昨年秋の政府税調においてお示しし、社会保障保険料負担の見通しについては、二〇二五年度までの負担見込み総額と、一定の前提を置いた場合の保険料水準の見通しを本年三月に厚生労働省よりお示しし、消費税率引上げの影響については、家計の収入階級別の実収入に対する税率引上げ後の負担額を機械的に試算をした資料を財務省よりそれぞれお示しをしております。  ただし、復興増税は被災地の復興のための費用を賄うものであり、また、保険料や消費税引上げ分は全額社会保障財源として国民に還元をされます。このため、家計への影響については、負担のみに着目するのではなく、その使途についても併せて見る必要があり、既に公表している資料を含め、今回の改革を国民の皆様にしっかり御理解をしていただけるよう、分かりやすく丁寧な説明に努めてまいります。  将来の消費税率の水準についての御質問をいただきました。  今回の一体改革は、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩を踏み出すものであり、二〇一五年度段階での基礎財政収支赤字の対GDP比半減目標に向けて全力を挙げてまいります。その後については、国内社会経済財政の状況、また、国際的な経済社会状況等、その見通しを踏まえた上で、社会保障制度の持続可能性を確保するとともに、二〇二〇年度までに基礎財政収支を黒字化する等の財政健全化目標を達成するという観点に立って、更なる検討、議論を行っていく必要があると考えております。  消費税の地方への移管及び地方交付税制度の見直しについての御質問をいただきました。  人口構成が大きく変わっている状況下で社会保障を持続可能なものにしていくためには、高い財源調達力を有し、勤労世代など特定の国民に負担が集中しない消費税を社会保障の安定財源に充てることが重要と考えています。その消費税を全額地方に移管するのであれば、年金、医療、介護、子育てといった社会保障について地方に大きな責任を担っていただく必要がありますが、これは結果的に大きな地域格差を生じさせることにもなりかねず、果たしてそれで国民の理解が得られるか、疑問であります。また、仮に消費税を地方に移管する一方で、年金を始めとする社会保障の根幹は国が担うとすれば、その財源を現役世代に負担が集中する所得税や保険料などで確保することは避けられず、世代間の公平の観点から問題があると考えています。  次に、地方交付税制度については、地方税収について地域間に大きな格差がある中にあって、地方団体に必要な財源を保障する重要な役割を担っています。政府としては、地域主権戦略大綱に沿って、地方税等と併せ、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額の適切な確保を図ることとしています。  最後に、マニフェストと消費税についてのお尋ねがございました。  先ほど申し上げたとおり、社会保障・税一体改革の実施については、税収の大幅減、東日本大震災の発生、毎年度一兆円単位で増加していく社会保障の財源問題、さらには欧州におけるソブリンリスクの顕在化などを踏まえ、もはや先送りできないと判断をいたしました。消費税について衆議院選挙の時点で明確に方向性を示していなかったことについては、真摯に反省をし、おわびをしながら、国民の皆様に御理解いただける努力を重ねていく決意でございます。  本院で審議中の法案では、消費税率の引上げの実施時期は衆議院選挙を経た後となっており、やるべきことをやり抜いた後に、適切な時期において国民の皆様の審判を仰ぎたいと考えております。  以上、答弁を終わります。(拍手)     ─────────────
  32. 平田健二

    議長(平田健二君) 市田忠義君。    〔市田忠義君登壇、拍手〕
  33. 市田忠義

    市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、総理に質問します。  先日発表された国民生活基礎調査によりますと、二〇一〇年の一世帯当たりの平均所得が五百三十八万円と、前年と比べて十一万六千円も減りました。二十三年ぶりの低水準であります。消費税が今の五%に引き上げられた一九九七年に比べると、実に百十九万七千円も減っています。所得が減ったところに増税を押し付ける、一番やってはならないことではありませんか。  消費税を実際に納税するのは事業者です。中小企業団体の調査では、一〇%に増税されたら、売上高五千万円以下の事業者のおよそ七割が身銭を切って納税するか廃業に追い込まれると述べています。ちまたでは、とどまるところを知らない熾烈な価格引下げ競争が行われているときに、どうして五%もの価格引上げができるというのですか。中小企業者に一円も身銭を切らせないと約束できますか。  一方で、輸出大企業は、輸出先には消費税を転嫁できないからという理由で消費税を戻してもらっています。その額は、年間、トヨタ自動車二千二百四十六億円、ソニー一千百十六億円など、莫大なものです。これらは本来、全額下請や取引企業に消費税分として支払われているべき金額です。ところが、大企業による厳しいコスト削減要求の前に、これらの中小企業は消費税分の上乗せなど到底望むべくもない経営を強いられています。つまり、一部の輸出大企業は、払ってもいない消費税を返してもらうという究極の益税を享受していることになるのではありませんか。輸出大企業の益税を許さず、全額下請・取引企業の手元に戻す措置をとるべきではありませんか。  総理は、消費税増税の根拠を財政危機に求めています。しかし、消費税の大増税で国民に押し付けられる負担増は十三・五兆円、年金、介護などの負担増と合わせると二十兆円にもなります。あの東日本大震災の被害総額は、政府の試算で十六兆円です。それを上回る負担増が毎年毎年国民に押し付けられたら、消費は落ち込み、日本経済が立ち行かなくなり、その結果、更なる税収の落ち込みと財政危機の深刻化につながることは明らかではありませんか。  財政を理由にするのなら、まず、所得が一億円を超えたら税負担が軽くなるという逆転現象の原因の一つである証券優遇税制の廃止、資本金十億円以上の大企業の負担する実際の税率が中小企業と比べ、はるかに低い原因である研究開発減税などの特権的減免税制度を、そのことこそ直ちに廃止すべきではありませんか。  参議院に送られてきた案には、当初あった所得税の最高税率の僅かばかりの引上げが、民主、自民、公明の三党合意によって削除されています。金持ちが外国に逃げていくというのが理由だと言われていますが、税金を払うのが嫌で外国に逃げ出すような人々を守り、逃げようもない庶民に増税を押し付ける、総理は恥ずかしいとは思いませんか。  社会保障財源といいながら、本法案の附則には、消費税を、防災に名を借りた大型公共事業に重点的に配分することが三党合意で書き込まれました。政府は、衆議院を増税案が通過するや否や、凍結されていた整備新幹線にゴーサインを出し、自民党は二百兆円とも言われる国土強靱化計画なるものをぶち上げました。まさに、庶民増税の打ち出の小づちを手にして新たな無駄遣いをやろうという宣言ではありませんか。  我が党は、消費税に頼らないで、暮らしと経済、そして財政の再建を進める別の道を提言していますが、そうした道を探求することこそ政治の果たすべき責任であることを指摘して、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  34. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 共産党の市田議員の御質問にお答えをいたします。  最初に、社会保障と税の一体改革の家計への影響についての御質問がございました。  消費税率の引上げは、その負担の面だけを取り出して見るべきではなく、引上げ分が全額社会保障給付として国民に還元されることも併せて考える必要があります。また、今回の一体改革では、現役世代に実感をいただけるよう、子育てや若者就労への支援の強化など、社会保障制度を全世代対応型へ転換することとしています。さらに、低所得者に対しては、厚生年金健康保険の適用拡大や保険料の軽減措置を行うとともに、消費税率の引上げに伴い、給付付き税額控除及び複数税率の検討や、暫定的、臨時的な措置としての簡素な給付措置を実施することとしております。こうした施策により、家計への影響も十分配慮しながら一体改革に取り組んでまいります。  続いて、消費税の価格転嫁対策についてのお尋ねがございました。  中小事業者が消費税分を価格に転嫁しやすい環境を整備していくことは極めて重要な課題と考えております。先般の三党協議を踏まえた修正案において、独占禁止法や下請法の特例に係る必要な法制上の措置を講ずるとの規定が盛り込まれたところでもあり、政府としては、この規定に沿った法制上の措置も含め、これまでの消費税の導入時、引上げ時を上回る十分な転嫁対策の実施に向け具体策の検討を進めてまいります。  続いて、消費税の輸出免税等についての御質問をいただきました。  輸出取引については、消費税を免税とし、仕入れに係る消費税額を還付するという仕組みは国際的に共通しているルールとなっており、輸出企業に益税が生じているとの御指摘は当たらないと考えます。  他方、輸出企業と下請事業者との関係を含め、消費税の円滑かつ適正な転嫁を実施するための対策は重要な課題と考えており、これまでの消費税の導入時、引上げ時を上回る十分な転嫁対策の実施に向け具体策の検討を進めてまいります。  続いて、社会保障と税の一体改革と経済との関係についてのお尋ねがございました。  消費税率の引上げに当たっては経済に配慮することが必要であり、新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行を始め、デフレ脱却や経済活性化に向けた取組を全力で進めてまいります。  また、一体改革の家計や経済への影響については、先ほども申し上げたとおり、消費税引上げ分が全額国民に還元されることや、子育てや若者就労への支援の強化を盛り込んでいること、貧困・格差対策を強化し、きめ細やかな低所得者への支援を盛り込んでいることも併せて考える必要があります。  なお、年金や介護の負担増については、年金の特例水準の解消等の給付の重点化、効率化は、社会保障を維持可能なものにするための必要な改革であり、また、保険料負担の増加は、社会保障の充実や高齢化に伴う自然増といった形で給付の増加を伴うものであり、こうした点については国民の皆様に丁寧に説明をしていきたいと考えております。  続いて、証券税制及び法人税についてのお尋ねがございました。  上場株式の配当、譲渡益等に係る軽減税率については、経済金融情勢が急変しない限り、平成二十六年一月から確実に二〇%の本則税率とすることとなっております。  また、大企業の税負担が中小企業よりもはるかに低いとの御指摘については、研究開発税制は中小企業も多数適用を受けていること、その他大企業優遇と御主張される措置には二重課税回避等のために行う措置もあることなど、その論拠には問題があるものと考えます。  なお、租税特別措置については、今後も租特透明化法に基づく適用実態調査の結果も活用しつつ、見直しを徹底をしてまいります。  次に、所得税の最高税率引上げについてのお尋ねがございました。  三党協議では、所得税の見直しの方向性について合意に至ったものの、具体案については更に議論を尽くす必要があるとの認識であったものと承知をしています。その結果、所得税の改正規定は原案から削除することとされた一方で、最高税率の引上げ等による累進性の強化に係る具体的な措置について検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずるとの規定が設けられたところであり、修正案が成立すれば、この規定に基づき改革を実行してまいります。  最後に、無駄な公共事業についてのお尋ねがございました。  まず、今回の社会保障と税の一体改革では、消費税率の引上げ分は全額社会保障財源化し、全て国民に還元することとしており、消費税の引上げ分は公共事業を含めた他の目的に使用されることはありません。  また、三党協議の結果、議員修正により附則十八条新二項が追加となり、無駄な公共事業につながるのではないかとの御指摘でございますが、政権交代以降、民主党政権下では公共事業予算を大幅に縮減をしてまいりましたし、また、国民生活の安全、安心に資する真に必要な社会資本整備に重点化してきたところであり、御懸念のような事態に及ぶことはございません。  以上でございます。(拍手)     ─────────────
  35. 平田健二

    議長(平田健二君) 福島みずほ君。    〔福島みずほ君登壇、拍手〕
  36. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党を代表して、野田総理に質問をします。  二〇〇九年九月九日、民主党、社民党、国民新党は、政権交代後の政権を担うための三党合意をつくりました。この中で、消費税については現行の消費税五%は据え置くこととし、今回の選挙において負託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引上げは行わないと明記しました。これは、三党だけではなく、国民の皆さんに対する約束です。なぜ国民の皆さんとの約束を破るのですか。  国民に問うことなくして消費税増税法案を成立させることは、民意を踏みにじる行為です。この法案を成立させたいのであれば、なぜ堂々と総選挙で国民に問わないのですか。国民が消費税増税を了としないことが分かっているからではありませんか。消費税増税法案を成立させる前に民意を問うべきだと思いますが、いかがですか。  増税の前に、新幹線の延長、環状線道路の建設や米軍への思いやり予算、IMFへの巨額の出資などになぜメスを入れないのでしょうか。消費増税五%のうち、社会保障の充実のために使われるのは一%にしかすぎません。結局は、政官業の癒着を支えたばらまき財政の穴埋めを消費増税という形で国民に強いることであり、そのようなことは許されないと考えますが、いかがですか。  社会保障と税の一体改革と言ってきましたが、これでは社会保障と税のばらばら改悪でしかありません。国民が求めてきたのは、年金や医療を含めた社会保障の再構築でした。しかし、国民が安心できるような社会保障のビジョンは今もって示されていません。約束してきた最低保障年金も、後期高齢者医療制度の廃止も先送りです。社会保障のビジョンなくして増税はあり得ないと考えますが、いかがですか。  また、税の抜本改革といいながら、消費税増税だけが残りました。相続税の課税引上げや所得税の累進課税の引上げは先送りです。なぜこれらは法案から削除されたのでしょうか。なぜ不公平税制の是正をしないのでしょうか。  また、消費税の国税に占める割合ですが、消費税五%の日本では二四・四%であり、消費税二五%のスウェーデンの一八・五%やイギリスよりも高いものです。これは、日本が法人税や所得税など高額所得者の課税率を引き下げ続けてきたことや、日本が消費税軽減措置をとらない一律課税のため、国税に占める消費税の割合が既に高くなっているのです。消費税を一〇%にすれば国税に占める割合は三七%となり、ヨーロッパの国々に比べても突出して消費税に大きく依存する国となります。このような消費税に偏った税制の在り方は国民の生活を圧迫させると考えますが、いかがですか。  これまで消費増税を行う際には他の税の減税措置もとられてきました。今回の増税は初めて純増税となります。国民生活への圧迫は大きいのではありませんか。  ところで、輸出大企業は輸出還付金がもらえるために消費税増税でも全く困りません。現在、輸出還付金は二兆六千億円です。一〇%の消費税になれば、単純計算で約五兆二千億円、輸出大企業に還付されます。他方、困るのは、この国の企業数のうち九九・七%を占める中小企業です。現在、消費税を払えず、借金をしてでも延滞税一四%を払っている中小企業も多いのです。消費増税すれば、多くは消費増税分を価格に転嫁できないため、自らがかぶり、物は売れなくなり、倒産に追い込まれる企業が増加するのではありませんか。  更に困るのは、被災地の人たちです。私が被災地を訪れた際にも、消費増税に耐えることができないと多くの人から訴えられました。首相は、この声をどう聞かれますか。被災者の皆さんに御答弁ください。  今、政治がやらなければならないことは、東日本大震災や原発震災からの復興であり、脱原発を具体的に実現していくことです。そして、成長戦略、雇用政策、社会保障政策、税制、加えて教育の在り方など、総合的な国家ビジョンをはっきりと提示することです。それにこそ全力を尽くすべきであり、消費税増税ではありません。さきの国家戦略会議フロンティア分科会の報告書にあるような、有期雇用を基本とする、四十歳定年制などと発表すれば、国民は安心感を得られるはずがありません。いかがですか。  また、自民党、公明党、民主党の密室談合政治は民主主義を踏みにじるものです。民主党内の消費税増税に反対する議員と議論を尽くそうとしないのですか。自分の党の議員を説得できないのに、国民を説得できるのですか。  自民党政治を変えると言いながら、自民党と手を結び、自民党の政策を実現しようとしています。それはまさに、政権交代を期待した国民への裏切りです。  社民党は、消費税増税に反対する全ての皆さんと力を合わせ、消費税増税を廃案にするため全力を尽くすと申し上げ、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
  37. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社民党、福島議員から十問の御質問をいただきました。  まず最初に、民主、社民、国民新党の三党合意と消費税に関する御質問でございます。  今回御審議いただいている法案では、前回の総選挙で負託を受けた任期中に消費税引上げは行わず、現在の任期終了後、国民の信を問うた後の一四年四月に税率引上げを行うこととしておりますが、御批判は真摯に受け止めます。社会保障と税の一体改革はもはや先送りできないと判断をしているからでございます。消費税について衆議院選挙の時点で明確に方向性を示していなかったことについては、真摯に反省し、おわびをしながら、国民の皆様に御理解いただけるよう努力を重ねていく決意でございます。  続いて、一体改革法案成立の前に信を問えとの御質問でございましたが、これは先ほど来ずっとお答えをしておりますとおり、解散につきましては、やるべきことをやり抜いた後で、適切な時期に国民の信を問いたいと考えております。  続いて、消費税の引上げがばらまき財政の穴埋めに使われているとの御質問でございます。  まず、今回の社会保障と税の一体改革では、消費税率の引上げ分は全額社会保障財源化し、一%を充実、四%を安定化に向けることとしており、消費税の引上げ分は他の目的に使用されることはありません。その上で、公共事業については政権交代以降大幅に予算を縮減をしてまいりましたし、真に必要な社会資本整備に重点化してきたところであり、御指摘のあった新幹線の延長、環状道路の建設については、そのような中で事業を進めているものであります。  また、在日米軍駐留経費負担については、抑止力を維持する等の観点から、在日米軍の安定的な駐留を確保するために必要な経費でありますし、IMFへの出資については、通常の歳出のような財政負担を伴うものではございません。  続いて、社会保障のビジョンについてのお尋ねがございました。  一体改革大綱では、社会保障全般にわたる改革の全体像と実施時期などを示しております。また、年金や子育て支援の法案は、財源である税法と一体で御審議をいただき、具体的な前進を見ています。社会保障と税のばらばら改悪との御批判は当たりません。御指摘の最低保障年金や後期高齢者医療制度については、三党合意や改革推進法案の枠組みの中で、これまで民主党として主張してきた提案に理解を求めていきたいと考えております。  続いて、相続税や所得税の改正、不公平税制の是正等に関して御質問をいただきました。  相続税、所得税の見直しの方向性については三党とも合意に至ったものの、具体案については更に議論を尽くす必要があるとの考え方も踏まえ、原案から削除することとされました。その一方で、相続税の課税ベース、税率構造等や贈与税の見直し、所得税の最高税率の引上げなど、累進性の強化に係る具体的な措置について検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずることとしており、税制全体としての再分配機能の回復を図るべく、具体化に向けた検討に取り組んでまいります。  次に、消費税収税収全体に占める割合についてのお尋ねがございました。  社会保障の財源となる税収については、高い財源調達力を有し、経済の動向や人口構成の変化に左右されにくく安定していることが求められます。また、高齢化が進む中で、勤労世代など特定の者への負担が集中しないものである必要があります。消費税は、これらの特徴を有することから、高齢化社会における社会保障の安定財源として適切であると考えております。  なお、御指摘のスウェーデンにおける消費税収の国税収入に占める割合の計算方法や出典が分からず、御指摘の数字は理解できませんが、スウェーデン等においても付加価値税収が国税において大きな位置を占めているものと認識をしています。  次に、消費税の価格転嫁対策についての御質問をいただきました。  中小事業者が消費税分を価格に転嫁しやすい環境を整備していくことは極めて重要な課題と考えております。  先般の三党協議を踏まえた修正案において、独占禁止法や下請法の特例に係る必要な法制上の措置を講ずるとの規定が盛り込まれたところでもあり、政府としては、この規定に沿った法制上の措置も含め、これまでの消費税の導入時、引上げ時を上回る十分な転嫁対策の実施に向け具体策の検討を進めてまいります。  続いて、消費増税に対する被災地の声についての御質問をいただきました。  大震災からの復興は、この内閣にとって最優先の課題であり、内閣を挙げて全力で取り組んでいるところであります。被災地の生活再建策に関しては、これまでも様々な税制上の特例措置や予算措置を講じているところであり、また、今回の一体改革との関係でも法案提出時に支援の方針を閣議決定をしており、それに沿って必要な支援を実施をしてまいります。  被災地の皆様を始め、国民の皆様に一体改革の必要性や意義、内容を御理解をいただく努力を積み重ねていくことが重要と考えており、対話集会の実施など様々な努力を通じて、引き続き御理解が深まるよう全力を尽くしてまいります。  最後に、総合的な国家ビジョンに関するお尋ねがございました。  先般の国家戦略会議において原案を示した日本再生戦略は、東日本大震災、原発事故円高の進行等の新たな危機を乗り越え、まさに総合的な国家ビジョンとして日本再生への道筋を示すものであります。その中では、社会の多様な主体がその能力や資源を最大限に引き出し、新たな価値を創出していく共創の国づくりを目指し、活力あふれ、世界を魅了する日本、居場所と出番がある社会の実現に取り組んでいくこととしています。  なお、御指摘の報告書は、国家戦略会議のフロンティア分科会において、各界を代表する有識者からの御提案を取りまとめたものであります。その中で、四十歳定年制の可能性などの問題提起が行われたものと理解していますが、これが直ちに政府の方針になるわけではありません。  済みません、ちょっと抜けたところがあったみたいで、ごめんなさい。  消費税増税の国民生活への影響についてのお尋ねのところでありますが、消費税率の引上げは、その負担だけではなくて、引き上げた結果、どうやって国民に還元されるかということも併せて考える必要があると思います。これ、大事なところであります。  今回の一体改革では、現役世代に受益を実感をしていただけるように、子育てや若者就労への支援強化など、社会保障制度を全世代対応型へ転換することにしておりますし、低所得者に対しても種々の様々な考慮をした対応をしておりますので、こうした施策により、家計への影響も十分配慮しながら一体改革に取り組んでいきたいと考えております。  以上、答弁を終わります。(拍手)
  38. 平田健二

    議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会