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2011-10-27 第179回国会 参議院 国土交通委員会 2号 公式Web版

  1. 平成二十三年十月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岡田 直樹君     理 事                 池口 修次君                 友近 聡朗君                 佐藤 信秋君                 吉田 博美君                 谷合 正明君     委 員                 植松恵美子君                 大河原雅子君                 白  眞勲君                 平山 幸司君                 藤本 祐司君                 藤原 良信君                 前田 武志君                 室井 邦彦君                 米長 晴信君                 岩井 茂樹君                 大江 康弘君                 小泉 昭男君                 伊達 忠一君                 中原 八一君                 渡辺 猛之君                 長沢 広明君                 上野ひろし君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   前田 武志君    副大臣        国土交通副大臣  奥田  建君        国土交通副大臣  松原  仁君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       津川 祥吾君        国土交通大臣政        務官       津島 恭一君        国土交通大臣政        務官       室井 邦彦君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        内閣府地域主権        戦略室次長    小鞠 昭彦君        外務大臣官房参        事官       宮島 昭夫君        厚生労働省労働        基準局労災補償        部長       鈴木 幸雄君        国土交通省都市        局長       加藤 利男君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        関  克己君        国土交通省道路        局長       菊川  滋君        国土交通省鉄道        局長       久保 成人君        国土交通省海事        局長       井手 憲文君        国土交通省港湾        局長       山縣 宣彦君        国土交通省航空        局長       長田  太君        国土交通省国際        統括官      前田 隆平君        観光庁長官    溝畑  宏君        海上保安庁長官  鈴木 久泰君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査  (ビジネスジェットの受入体制の強化に関する  件)  (災害に強い国土づくりをする上での国土交通  省の役割に関する件)  (しまなみ海道を始めとした本四高速の料金制  度の在り方に関する件)  (公共事業予算を引き上げる必要性に関する件  )  (日本海側拠点港に期待される役割及び国土交  通省の支援策に関する件)  (東日本大震災後の観光地における風評被害に  対する観光庁の対応に関する件)  (東日本大震災による宅地被害への支援策に関  する件)  (災害公営住宅の買取制度の弾力的運用に関す  る件)  (八ッ場ダムの再検証結果についての判断時期  に関する件)  (海上警察権強化のための法整備の必要性に関  する件)  (日本航空再建に伴う整理解雇等による安全運  航に対する懸念に関する件) ○委員派遣承認要求に関する件     ─────────────
  2. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  この際、室井国土交通大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。室井国土交通大臣政務官。
  3. 室井邦彦

    ○大臣政務官(室井邦彦君) おはようございます。  この度、国土交通大臣政務官を拝命いたしました室井邦彦でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。  主に安全、そして危機管理、さらには海上保安関係施策を担当させていただきます。並びに、住宅、そして海事、港湾、航空、そして観光庁関係の担当をさせていただきます。  どうか、岡田委員長始め、委員の皆様方の御指導と御協力を心からお願い申し上げまして、御挨拶といたします。  ありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  4. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府地域主権戦略室次長小鞠昭彦君、外務大臣官房参事官宮島昭夫君、厚生労働省労働基準局労災補償部長鈴木幸雄君、国土交通省都市局長加藤利男君、国土交通省水管理・国土保全局長関克己君、国土交通省道路局長菊川滋君、国土交通省鉄道局長久保成人君、国土交通省海事局長井手憲文君、国土交通省港湾局長山縣宣彦君、国土交通省航空局長長田太君、国土交通省国際統括官前田隆平君、観光庁長官溝畑宏君及び海上保安庁長官鈴木久泰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。  まず、前田大臣にお伺いをいたします。大臣は、先日、当委員会での御発言で、持続可能で活力ある国土と社会の実現を目指すとお話しされました。特に、具体的な内容についても幾つか例示をされたわけでございますけれども、これをどのようにこの東日本大震災の被災地に対してモデル的にお取り組みになるのか、まずはお聞かせいただきたいと思います。
  8. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。  東日本大震災の復興について今臨時国会において第三次補正予算に復興関係の予算を盛り込んでおりまして、特に基盤整備というものから大々的に始めるわけでございますから、我が国土交通省関係の施策というものが非常に多くあるわけでございます。そういったことで、インフラ、住宅、交通等を所管する国土交通省が先頭に立って東日本大震災の被災地においてモデル的に取り組んでいかなければならないと、このように思っております。  特に、住宅、建物関係においては、省エネ対策やCO2対策、官庁施設、国土交通省関係の官庁営繕なんかがやる建物等もありますし、またその他の省庁の建物等がありますが、こういった公的な建物において先導的に取り組んでいただきたいというふうに思っておりまして、できればエネルギーの単体ごとの省エネ、断熱ということも重要でございますが、それが集まった街区あるいは地区の断熱、言わばゼロエネルギーにまで持っていくというような目標を持って何かモデルができればいいなと、こういうふうに思っております。  当然、その場合には電池といったものもかなり大きな要素になってくると思いますし、自然エネルギーの利用、何も太陽光のみならず、地中熱であったり、風力であったり、小水力であったり、そういった東北等においては多様な自然エネルギーが広く分布しているわけでございますから、そういうものも取り入れた言わば低炭素・循環型の町づくりのモデルができていけば非常にこれからの日本の在り方について大きな見本ができていくのではないかと、こういうふうに思います。  こういうことで、官民の幅広い連携を図りながら省エネルギー・ゼロエネルギー化、ゼロエミッション化を通じて低炭素・循環型の社会を構築する、そして持続可能で活力ある国土の社会を実現する、そのモデルを是非実現していきたいと、こう思っております。
  9. 白眞勲

    ○白眞勲君 今大臣のおっしゃいました低炭素・循環型の社会、これ非常に重要なことであるというふうに思いますので、これはやっぱりオールジャパンでこれからも取り組んでいかなければいけないというのは私も一緒でございます。  さて次に、ソマリア沖の海賊の状況について外務省にお聞きいたします。  最近、海賊が活動する範囲が拡大してインド洋全体に広がっているとの指摘もあるわけですけれども、その点についての実態はいかがでしょうか。
  10. 宮島昭夫

    ○政府参考人(宮島昭夫君) お答えいたします。外務省の宮島でございます。  先生御指摘のとおりでございまして、事実関係を申し上げますと、ソマリア沖の海賊事案は二〇〇八年のころから急増いたしております。本年は既に二百八件の事案が発生しておりまして、これは昨年同期の約一・五倍と、このうち二十四隻が乗っ取られております。また、活動する海域も、ソマリア沖・アデン湾のみならず、ケニア沖やインド洋西部全体に拡大しておりまして、我が国及び国際社会にとって大きな脅威になっております。  以上でございます。
  11. 白眞勲

    ○白眞勲君 それに対して、日本の対応について国土交通省にお聞きしたいんですけれども、アデン湾では日本の自衛隊などによる海賊対処活動、これは海上保安庁も含めてですけれども、あるわけなんですが、それが及ばない範囲について外国ではどうしているかといえば、例えばフランスやオランダなどでは既に武装ガードを乗船させたり、アメリカでは民間軍事会社などの武装警護員を乗船させているとの報道もありますけれども、日本の対応というのはどのようにしているのでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
  12. 井手憲文

    ○政府参考人(井手憲文君) お答え申し上げます。  現在、武装ガードの乗船につきましては、船舶の旗国、登録をしている国でございますが、この法律によりまして武装ガードを乗船させることが認められている場合は、船会社の判断によって乗船をさせております。先生御指摘のとおり、各国の対応が様々な中ではありますが、御指摘のあったフランス、オランダ、それからアメリカにつきましては、何らかの形での武装ガードの乗員が認められているようでございます。  お尋ねがございましたいわゆる日本関係船舶、これは日本籍の場合とそれから外国籍の便宜置籍の場合がございますけれども、便宜置籍につきましては、旗国が武装ガードの乗船を認めておる国につきましては日本の船社の判断によりまして一部で武装ガードを乗船していると承知しております。
  13. 白眞勲

    ○白眞勲君 聞きたいのは日本の船舶なんですね。日本の船舶は武装ガードを乗せることができるのかどうか、それをちょっともう一回お聞かせ願いたいと思います。
  14. 井手憲文

    ○政府参考人(井手憲文君) お答え申し上げます。  現在、日本関係船舶のうちの日本籍船、日本籍船につきましては武装ガードを乗せることが認められておりません。理由といたしましては、銃刀法等についての関係があると承知しております。
  15. 白眞勲

    ○白眞勲君 外国の船には何らかの形で武装ガードを乗っけられるけれども、日本の船には銃刀法によってそういう武装ガードを乗せることもできないということは、ある意味、丸裸のままそういう海賊の出没する地域に船を出さなきゃいけない。これ非常にゆゆしき問題であるなと私は思っているんですけれども、大臣、どうでしょうか、そういった問題について、これ早急に対処していかなければいけない、そういうふうにも思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  16. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 今、武装警護についてのお尋ねであるわけなんですが、有効であるという一定の評価がある一方で、国際海事機関では海賊行為の凶暴化を招くおそれがあるというような問題点も指摘されているわけですね。日本においては、船内避難区域、シタデルというのを設置するなど、まず船会社による自助努力等をお願いをしているわけであります。  なお、今まで、海上護衛の関係なんですが、海上自衛隊の護衛艦に海上保安官が同乗して護衛をしておるわけでございますが、その対象船舶の今までの実績を見ておりますと、うまく機能している、一件も事故等はないというふうに承知をしております。
  17. 白眞勲

    ○白眞勲君 私も、先ほど申し上げましたとおり、海上自衛隊が活動できる守備範囲内というんでしょうか、についてはそういう状況だと思うんですけれども、要はその外側にある船であり、日本籍船をどういうふうにしていくかということがポイントだと思うんですけれども、その辺りについては、いろんなやっぱりその船会社のオプションということも考えていかなければいけないんではないだろうかという部分においては、日本籍船だけが銃刀法によって規制されているというのが果たしてどんなものなのかなというのはちょっと私は感じているんですけれども、その辺についての大臣の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
  18. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 船会社の今努力ということで、シタデルと言われる防御区域をつくって、そこで、襲われたときにもそこはもう絶対に入ってこられないような形に隔離されていて、そこで運転等を全て集中的にやれるようになっているようでございまして、その間に援護に来ていただくというようなことのようであります。  今、白委員の御指摘の件は、非常に有効だと思われる面があるんですが、我が国の今までの、言ってみれば基本的には安全保障の問題、自衛の問題ということになるかと思いますが、そこまでの、私自身、大臣としてというよりも政治家個人として考えると、そこまで国民が共有し得るかというと、まだまだそういうことには至ってないなというふうに思います。
  19. 白眞勲

    ○白眞勲君 次に、外国人観光客の誘致についてお聞きしたいと思いますが、去る三月十一日の大震災以降、外国人観光客が激減しているということですが、現状はいかがでしょうか。
  20. 溝畑宏

    ○政府参考人(溝畑宏君) 訪日外国人につきましては、三月十一日の大震災によりまして安心、安全のイメージが損なわれました。しかし、その後、政府、自治体、民間が一体となりまして、安心、安全のイメージの回復に努めております。  まだまだ本格回復とは至っておりませんが、三月、四月におけますマイナス六〇%強のマイナスから、九月はマイナス二〇%までに回復してまいりました。これを本格回復に戻すべく、今後オールジャパンで積極的に進めていきたいというふうに考えております。
  21. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、長官からもお話ありましたように、長官、観光庁も国土交通省も必死になって外国人観光客を呼び戻すために御尽力をされているわけですけれども、それについてはもちろん敬意を表したいというふうに思います。  また、報道にありますとおり、一万人の外国人を日本に招待して、その後、自分の国で日本について発信してもらおうというフライ・ツー・ジャパンというプロジェクトも私は大いにやってもらわなきゃいけないなというふうに思っているんですけれども、それとともに、もちろん人数もしかりなんですが、重要なのは、いかにこの国、日本にお金を落としてもらって、なおかつ日本の良さを知ってもらう、観光などをきっかけに投資などにも結び付けてもらおうじゃないか、そういうことで経済効果を得るというやり方もあると思います。  実際、政府はそういった関係から、観光立国推進計画で、今後五年以内に我が国における国際会議の開催件数を五割以上伸ばすんだと非常に強い意気込みを持っているわけで、私はそれ非常にいいと思うんですね。アジアにおける最大の開催国を目指すとも言っている。実際、それで会議件数というのは伸びているのかどうか、それをお話聞かせていただきたいと思います。
  22. 溝畑宏

    ○政府参考人(溝畑宏君) MICEにつきましては、議員御指摘のとおり、これ一人当たりの消費額が大きいこと、そしてまた新たなビジネスを創出する機会につながるということから、インバウンドの施策においても非常に重要な柱と位置付けております。  会議開催件数等につきましては、二〇一〇年のデータにつきましては現在集約中でございますが、目標を上回る勢いで増えていると。ただ、韓国、シンガポールが非常にMICEに力を入れておりますので、こういう競争力の中で今まで以上にこのMICEは強化しなくちゃいけないというふうな認識をいたしております。
  23. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、長官からも競争力の強化ということについての指摘がありましたけれども、もちろんこれ非常に重要なところだと私は思うんですね。もちろん、会議って数、これもそうなんです、会議を増やせばいいという問題じゃなくて、やっぱりその規模とかその重要性というのを、これを高めていくことによって、当然、世界の大企業のトップクラスの方の来る確率というのも高くなる。  ポイントは何かというと、私は、彼らは民間機で来ないんですね、結構やっぱりビジネスジェットで移動しているという部分がある。実際、日本国内で保有されているビジネスジェットというのは二〇〇九年末で五十五機。これはアメリカの一万七千九百五機や、まあこれは断トツにしても、カナダが千六十八機、欧米なんかはもう遠く及ばず、インドでも二百一機、中国も百二十二機という中で、極めて日本の状況というのは貧弱だと思いますし、やっぱりこれは受入れのポイントが私はあるんではないんだろうか。つまり、ビジネスジェットが着陸する場所がないんじゃないかという部分があって、もちろん政府もこの部分、国土交通戦略でこのビジネスジェットの誘致に本腰を入れたということは私、これも評価したいと思うんですね。  皆様のお手元に資料があるかと思いますが、この二ページ目の上の方に書いてあるんですけれども、昼に五分だけでも直接会いに行くことがビジネスには大変重要と書いてあるわけです。つまり、世界的な多国籍企業のCEOの皆さんというのは、ともかく、言ってみればすばしっこく動いているわけですよ。一日、二日で日本、韓国、中国などを次々と効率的に移動するというようなことも書かれている。やはり、私はそこの部分だと思うんですね。  今回、日本は震災の復興に取り組みつつ、また最近のこの超円高、いかに我が国をより発展させていくかというのはオールジャパンで考えていかなければならないわけで、その中で、我が国は今、いわゆる海外から原材料を輸入して付加価値の高い工業製品を輸出して外貨を稼ぐといういわゆる貿易立国というものには私自身ももう既に言えなくなってきているんではないんだろうか。つまりそれは、日本の取るべき道というのは、外国からの利益を国内に還流させて、雇用と所得を増やして消費に振り分ける環境、これを早く構築しなければいけないということなんだと思うんですね。  昔だったら、黙っていても多国籍企業のアジアの本部というのは東京に置かれるんですよ、置かれていたんですね。ところが、今はどうかといえば、私は余り悠長なことを言っていられないんではないか。今、韓国とかシンガポールという話もありましたし、やっぱり海外のCEOが乗っているビジネスジェットがさっさと、さっさとじゃいけないですね、さっと来れるような環境、これを早急につくることが重要だと思うんですけれども、御見解どうでしょう、松原副大臣、じゃ、お願いします。
  24. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) ただいまの白委員からの御指摘は極めて重要で、私も大変同感をするところがあるわけであります。かねてより、日本の繁栄のためにはアジアにおける人、物、金を一定日本に集めるということが大事だろうと、私もかねてより持論でございます。  その意味において、このビジネスジェットの受入れというのは大変に極めて大きなポイントだと思っておりまして、私たちとしては、国土交通省成長戦略において、昨年五月に取りまとめたこの戦略において、首都圏空港でのビジネスジェット受入れ体制の改善が課題と指摘されております。  こうした状況の中、成田空港では平成二十三年度のできるだけ早い時期を目途とした専用ターミナルの整備に向けた取組などを進めているところです。また、羽田空港において、平成二十二年十月の容量拡大を契機に、昼間時間帯における国際ビジネスジェットの運航が可能となるビジネスジェット受入れ体制を改善をいたしております。首都圏空港における役割分担についても考慮しつつ、ビジネスジェットの受入れ体制の改善について、関係省庁、関係者の協力の下、必要な施策を推進してまいりたいと思います。
  25. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、松原副大臣から、首都圏空港のビジネスジェットのいわゆる受入れの環境の改善というお話があったと思うんですね。首都圏空港というと、まあこれは成田と羽田になるわけなんですけれども、特に海外のCEOというのはやっぱり成田じゃないんですね、羽田なんですね。これは松原副大臣の御地元でもあるわけなんですけれども。そういう面でいうと、この羽田の受入れ体制というのは非常にポイントだと今は思います。今も羽田のことについても少し触れられましたけれども。  ちょっと航空局長に、これは質問レクしてないんですけど、ちょっとお聞きしたいことがありまして、これは、羽田のビジネスジェットの駐機場にトイレあるかどうか、もし知っていたらお答えください。
  26. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 現在のところ、羽田についてはビジネスジェットの計画はございませんが、現在、成田におきまして計画を進めているというところでございます。
  27. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私が聞いているのはトイレがあるかどうか聞いているんですよ。何か違うこと答えられても困るんですよ。もう一回答えてください。
  28. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 長田航空局長、質問に対して的確にお答えください。
  29. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 済みません。  その点についてはよく承知をしておりませんが、多分、現在は普通の場所といいますか、スポットはございますが、そこに施設はございませんので、そこに多分トイレはないと思います。
  30. 白眞勲

    ○白眞勲君 こんな下世話な話を聞いても申し訳ないかもしれないけれども、要するに航空局長さんでさえビジネスジェットの環境がどういう、まあ御赴任されてすぐだから分からないといえば分からないかもしれないけれども、やはりそこだと私は思っているんですね。つまり、やはりこのビジネスジェットの重要性というのは、ポイントはそこなんですよ。お客さんがこっち来たときに照明設備もないんですね、飛行機の。真っ暗な中でトイレもないようなところに置いてあるんですよ、今。実際もう八便、一日八便受け入れていますよね、ビジネスジェットは、羽田に。もっとこれ気合入れなきゃいけないんじゃないかなと私は思うんですね。  私は、そういう施設の貧弱、この特に空港の、その国の第一印象って皆さんも海外旅行すれば分かると思うんですけど、まず空港ですよ。空港でその国のイメージってある程度決まっちゃうところって私はあると思うんですね。そういう中で、このビジネスジェットの持つインパクトというのも、重要性については今、松原副大臣からも御認識いただいていると。その一機の持つ経済力のインパクトというのは、これジャンボ機一機分以上のやっぱり経済効果って私はあると思うんですね。やっぱりそれは、これ大臣にお願いしたいと思うんですけれども、施設の拡充、羽田空港の、と同時に、一日せめて一時間に一本ぐらい、つまり今八便ですけれども、二十四便ぐらいの枠は必要なんではないんだろうか、それを是非検討いただきたい、そういうふうに思うんですけど、大臣の御見解はいかがでしょうか。
  31. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 先ほど来の御議論を聞いておりまして、MICEあるいはIR等含めまして羽田というのが非常に大きな拠点になってくるというふうに思います。特に、ビッグサイトというようなああいう催物というところには世界のビジネスマンが集まってくる、日本はどうも面積でいうと韓国や中国よりも随分後れを取ってしまっている、そういう施設もできれば羽田に置いてくれというようなお話もあるぐらいでございます。  今、白議員の御指摘のとおり、松原副大臣がお答えさせていただきましたが、何とかそれも増強していきたいと思うんですが、例に取られたアメリカだとかカナダだとか欧米の場合には、非常に広い地域ですから、ビジネスジェットそのものが国内のビジネスそのものに必要な国柄ですよね。日本の場合にはやっぱり新幹線、それから結構、国内航空網も整備されております。そういった日本の公共交通のネットワークというのは、ある意味、世界に誇り得る基盤を持っておりますので、そことの調和ということも考えていかなければならないと、このように思う次第であります。
  32. 白眞勲

    ○白眞勲君 大臣、ありがとうございます。  まさにそのところだと思うんですね。やっぱり私は、別に国内のビジネスマンが利用するためのビジネスジェットではないんですね。やっぱり海外からお客さんが来たときに、今度は東京モーターショーがこの十二月でしたっけ、開かれる、ビッグサイトで開かれる。多くのCEOが来られるときに民間機ではなくてもうビジネスジェットでどんどん移動しているという部分をやはり国民的な関心事としてもっともっとこれを深めていく、そして同時に、羽田についての拡充をもっとしていくべきであるというふうに思います。  ちょうどその今、羽田空港の話がありましたけれども、一年が過ぎて、実際運用をしつつ、様々な改善点をしなければいけないところも見られるんではないのかなというふうに思いますが、その一つの大きなポイントというのは国際線の人気度の高さだと思うんですね。  で、質問なんですけれども、羽田空港の発着枠のうち、私は航空会社が発着枠の一部、もうどこに飛ばそうと勝手にさせるような、今はもう厳しく国内と国際と完全にたがをはめられていますから、少しやはりその辺にバッファーを付けてあげられるような、そういう自由度を付けさせてもいいんではないんだろうか、そういう枠を取るやり方もあるんではないんだろうか、そういうふうにも思うんですけれども、その辺りについて是非御研究願いたいとも思うんですけれども、これは松原副大臣、じゃ、お願いします。
  33. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 羽田の国際化が一年経過をしたわけであります。今後の羽田空港の昼間の時間帯における国際線については、国土交通省成長戦略において、三万回の増枠を基本とするとともに、アジア近距離便線に加え、アジア長距離路線、欧米路線を含む高需要・ビジネス路線を就航させることといたしております。  国際線の規模を更に増やすことについては、今後、首都圏における国内、国際の航空需要の動向等を総合的に勘案し、都市間競争力の強化に向けて、羽田、成田の両空港の活用方策を検討する中で結論が得られるものと考えております。  以上です。
  34. 白眞勲

    ○白眞勲君 副大臣ね、もちろんそのとおりなんですよ。でも、総合的に勘案しとか何かになっちゃうと、じゃなくて、副大臣の御意見をちょっとお聞かせいただきたいと思うんですが。
  35. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 私は、白眞勲委員の意見に極めて同趣旨の認識を持っておりますということは、このビジネスジェットを含めて申し上げているところであります。したがいまして、こうした観点から、なかなか難しい条件等もあろうかと思いますが、それを十分に検討し、そして日本の国の発展に寄与していきたいと、このように思っております。
  36. 白眞勲

    ○白眞勲君 松原副大臣、ありがとうございます。そのとおりだと私も思いますし、また大臣も何となくうなずいていただいているというところが有り難いなというふうに思うわけでございます。  そういう中で、日本の航空会社というのは極めて今経営が大変な状況になっているわけですが、その中で、また、例えば東日本大震災も起こり、私はその中でやはり日本の航空会社の重要性って私はあると思うんですね。あのときに、外国の航空会社の中にはしばらく日本に来なかった会社もあるわけなんですね。そういう意味においては、日本の航空会社がやっぱりそういう中でも歯を食いしばって頑張ってきているというわけですから、この何としても日本の航空会社を守るというスタンスからすると、やはり航空会社はもとより、我々全てがやっぱり努力していく、改善すべき点は改善していかなければいけないんではないんだろうか、その今までのシステムの中でですね。  ただ、何か日本の航空会社に対して、これ日本の航空会社というのは世界でまともに勝負している割には、日本の制度というのは余りにも航空業界に冷淡であるんではないんだろうか、そういうふうな気がしてならないんですね。その一つが、皆さんもよく御存じのように航空機燃料税であり、着陸料であり、そして空港ビルの賃貸料であると私は思っているんですね。  航空局にちょっとお聞きします。  今申し上げました航空機燃料税、着陸料、空港ビルの使用料、その中で、韓国の仁川やシンガポールのチャンギ、上海空港などよりも日本の方が値段の安い空港がありますか。項目。
  37. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 資料を今手元に持っておりませんので、申し訳ございませんが、それぞれの国のいろんな事情等を勘案して、着陸料あるいは燃料税あるいは使用料と、こういったものが決められているというふうに承知をしております。
  38. 白眞勲

    ○白眞勲君 質問の内容についてはちゃんとお答え願いたいと思うんですね。値段が安いものがあるのかどうかを聞いているんですね。それ、ちょっとお答えください。
  39. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 詳細について、今手元に資料を持っておりませんので、後日御報告したいと思います。
  40. 白眞勲

    ○白眞勲君 何か答えてくれないようですから私の方で答えますけど、一つも安いもの、いわゆる日本の航空会社の方が安い、項目の中で安いものはないはずですよね。それでよろしいですね。
  41. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 結構でございます。(発言する者あり)
  42. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 長田局長、もう一度明瞭にお答えください。
  43. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 比較する対象ということでございまして、確かに香港あるいはチャンギあるいは仁川に比べると全般的に使用料が高いというのは事実でございます。
  44. 白眞勲

    ○白眞勲君 私は議論はその先に進もうと思っているので、ここで止まっちゃうと先進めなくなっちゃって私も困っちゃうんですよ。  それで、今回は、その中で空港ビルの賃貸料について私はお聞きしたいんですね。  もう一回、航空局長、ちゃんと答えてください。航空会社が羽田空港のビル会社に支払う賃貸料、これどのように決定されているんですか。
  45. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 基本的には、ビル会社でございますので、空港建設に要した費用あるいは管理費用等々を勘案しまして、これらを適切に償還をしていく、償却をしていく、その中でスペースの場所、形状、あるいは建築年数等々を勘案して決定をしていると考えております。
  46. 白眞勲

    ○白眞勲君 ポイントは、今、民民だからということかもしれませんけれども、両者は対等の立場ではないですよね、これは。というのは、全くのビル会社というのは独占です。そういう中で、土地は国有地で、ビル会社は地代を払っている、といっても、そこで独占で建物を管理しているということになったら、ビル側の言い値で賃料を決定できると言えなくもないわけなんですよ。そういう中で、航空会社って嫌だから出ていくというわけにいかないわけですね、これ。このような場所で私は公正な競争原理が働くというのは極めて難しいんではないのかなと、これは一般論からいってもそうだと私は思うんですね。  そこで、私、航空局長に聞きたいんですけれども、国有地に建っている独占的な建物について、どのような航空局として公正な競争を働かせるようにしているのかというのを聞きたいんですけれども。
  47. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 委員御指摘のように、確かに空港ビルの場合は結果として独占的な形になりがちでございます。  私どもとしましては、そういうビル会社の公共的な役割ということで、四年前に空港整備法を改正をして空港法にしましたときに、現在の空港法の三十三条ということで、まず空港の利用に関する基本方針を定めまして、この基本方針に即しまして、指定機能施設事業者、これはビル会社のことでございますが、その設置、管理と密接な関連を有する者に対しまして、当該空港の効果的かつ効率的な設置及び管理を図るための必要な指導、助言、勧告をすることができることになっております。  私どもとしては、そういうビル会社が例えば独占を理由として過大な利益を取っているとか著しく高い賃貸料を取っているという場合については適切な指導をしてまいりたいと考えております。
  48. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、過大な賃料というのをどのように判断するのかというのがポイントだと私は思うんですね。これは世間相場ですよね、基本的にはね。世間の土地代に比べて建物の賃料がどの程度なのかというのは、世間一般のやっぱり常識の範囲内に比べてどうなのかというのが私はポイントだと思うんですけれども、今、私が調べて、これは国交省からのいただいた資料でやると、新千歳空港では土地代と賃貸料の倍率、四十倍ですね、四十倍を超えている。羽田でも四、五倍だと。これ、繁華街の相場ですと、地代と賃料って大体二倍程度と言われているわけであります。そういうことで、どの程度、今航空局はその賃料について調べて御答弁されているのか、お聞かせいただきたい。
  49. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 今先生御指摘ございましたが、私どもは、いわゆる成田、関空、中部、羽田と、こういった規模のクラスの航空会社に対する賃料等を見てまいりますと、おおむね平均的な賃料水準になっておるのかなというふうに思っております。それ以外の地方空港と比べるというのはなかなか難しいのかなというふうに考えております。
  50. 白眞勲

    ○白眞勲君 航空局長さんね、ほかの空港と比べるというのは何の意味があるんですか。  私が申し上げているのは、ほかの空港もみんな独占でやっているわけですよ。独占同士でやっているところで比べ合って、一緒ですから大丈夫ですなんて言うのは、私はそれは国民としては納得できない部分なんじゃないのかなと思うんですね。私も今申し上げたじゃないですか。繁華街の地代と、せめてね、賃料との比べをしているのかどうかというのを聞いているんです、私は、比較をしているのかどうかを。過去にしたことはあるんですか。それを聞かせてください。
  51. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) そういう意味ではしておりません。  空港ビルの場合、私どもが土地を貸しておるわけでございますが、あくまでもその当該ビル会社が空港利用者の利便等々を考えながら空港の施設の設計をしておりまして、そのために必要な建設費あるいは国に払う地代等を償還をしていくという観点から個別に決めておりまして、多大な利益を取っているというふうには私どもは考えておりません。
  52. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、ちょっと別の観点から聞きますけれども、羽田のビル会社に何人の国土交通省出身者がいますか。
  53. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 現在、政府全体の方針としまして退職職員の管理は行っておりませんので、正確な情報ではございませんが、日本空港ビル株式会社の役員名簿等を拝見をしますと、常勤役員十二名のうち国土交通省OBは一名でございます。
  54. 白眞勲

    ○白眞勲君 一人、役員で一人ですね。じゃ、職員は何人なんですか。
  55. 長田太

    ○政府参考人(長田太君) 現在、国家公務員法で定められております管理職員であった者が再就職した場合の届出、これは平成二十二年以降でございますが、これについては届出はございません。  ただ、それ以前に退職をしてビル会社に就職した職員が今どうしているかということについては、民間企業のことでございますので、現在承知をしておりません。
  56. 白眞勲

    ○白眞勲君 それはちょっと私としては納得いかない部分があるんですね。私も今与党だから余りここで……(発言する者あり)いいからと言われるんですが、そうもいかない部分があるんですが。  ただ、私、申し上げたいのは、それがどうであれ、国土交通出身者がその会社にいて、なおかつ、それが、今航空局長からも言われましたように、いわゆる独占的な仕事をしているわけですよね。全く競争原理が働かないという中で、だからこそ航空局がきちんとビル会社に対して世間並みの相場にするよう指導、監督する立場ではないんだろうかということなんですね。  もしそれができないんだったら、もっと根本的な考え方として、航空会社が何で自らビル経営をしていないんですかということなども私は考えられなくはないんですね。だって、鉄道事業者は駅経営しているんですから。何で航空の場合はそうじゃないんですかということにもなりかねない。それは過去の経緯があるからそうなんだといえばそうかもしれないけれども、やはり私は、そういう部分で、この辺りについて、空港ビルの賃貸料というのは、結局、航空会社は最終的には利用者である国民に運賃を転嫁していくということになるわけですね。  つまり、ちょっと極端なことを言わせていただけると、国有地、すなわち国民の財産で仕事をしている一部の独占企業が航空会社から世間の相場とは離れたべらぼうな金額を取っているかもしれない、そういう構造の中で結局そのツケが、もしそうであるならば国民がそのツケを支払わされているというふうに、こういうあってはならないことが起きる可能性があるということですね。そこにはもしかしたらまた天下りの構図が見え隠れしているということになると、国民の理解は得られないんではないんだろうか、私はそういうふうに思うんですね。  前田大臣、今までのやり取り聞いていただいて、ちょっと大臣の御認識をお聞かせいただきたいんですね。やっぱりこの点については、早急にやはり是正するなり、やっぱり管理監督をきちんとするなり、国民のみんなが納得するようなやはりその辺の構図、システムというものをつくるような気がするんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
  57. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 白眞勲委員の非常に幅広くまた深い御議論を聞いておりました。要するに、国際競争戦略、これは観光も含めて、やはり空港というのが非常に大きな役割を持っているではないかということを基本にしての御議論であったと思います。  もちろん、空港ビルの賃貸料等について独占的ではないかといろいろございます。ただ、繁華街の地代とテナント料といいますか、上物と比較できるかどうかというのは、また空港ビルの場合には非常に公共的なスペース等も必要なわけですから、必ずしもそのままの比較ということではないですが、やはり民の経済活動という意味においては性格的に同じ方向があると思います。そこで、来年度になるかと思いますけれども、関空と、それと大阪空港会社ですか、一つの経営になると。そういう中で、PPP的な考え方も導入すべきという議論も出ております。  今の白委員の御指摘は、まさしくもっと透明性を持って、経営というものが民の、本当の意味での民の持っている高度の資源というものをきちっと受け止めてやれるようにすれば相当違ってくると、天下り等人事の問題も含めてですね、というふうに受け止めさせていただきました。その方向で国交省も大きく変わっていかなければならないなというふうに受け止めました。
  58. 白眞勲

    ○白眞勲君 私は、国土交通省というのは非常に重要な私は政府のいわゆる省であるというふうに思います。そういう中で、やはりそこのいろんな施策を実行させていくためには、国民の皆さんの幅広い御理解というのが必要であるというふうに思います。今までの過去のいろいろなしがらみにそのまま乗っているというんであるならば、そこはどんどん改善をしていき、そしてすばらしい国づくりのためにみんなで一致団結して協力していくという必要性があると思います。  そういう観点から、是非この部分についても、私ももちろんこれからも注目していきたいと思いますが、大臣以下皆さん、是非よろしくこれからもお願いを申し上げて、私の質問とします。  どうもありがとうございました。
  59. 池口修次

    ○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。  まず、政務三役の皆さんには、大変課題が多い時期に政務三役として国交省の大役を果たしていただくということにまず励ましをしたいというふうに思います。  私自身もこの九月の二日まで国土交通副大臣ということで、貴重な時間というか貴重な体験をさせていただいたというふうに思っております。特に、三月の十一日の東日本の大震災以降、五月の連休前まで連日の災害対策本部というものを、ちょっと場所が遠くて大変だったんですが、十四階の防災センターでほぼ毎日、現場である東北地方整備局、さらには東北運輸局と情報を共有しながら、ある意味その時々の対策をやってきたというふうに思っておりまして、やはりある意味、私は国土を守るのは、国土交通省の、今回は東北地方整備局ですけれども、全国ということでは六万人の職員の、ある意味、私はプロの皆さんというふうに言っていましたが、プロの皆さんが国土を守っているというのを実感をさせていただきました。  そこで、余り例を挙げるというのも時間的にもあれですので、一、二例を挙げさせていただきますと、一つは、海上保安庁の皆さんは、今回、津波で海に流された方がおりますので、その生存者の救助ということで、自衛隊等が報道されていますが、海上保安庁も相当な活動をされたというふうに思いますし、くしの歯作戦ということですが、まずは津波で襲われた道を切り開いていかないと救助の人が入れないということで、ただ、そのときには多分マスコミの人は入っていませんから、その活動はテレビで放映されていませんが、私は、一番最初に活動をしたのは東北地方整備局が地方の建設業者さんと協力をして道を開いて、そこに自衛隊なり消防団の人が入って救助活動をしたということは忘れてはならないというふうに思っております。  さらに、コンクリートの部類に入るかもしれませんが、高速道路が比較的地震、津波の被害を受けなかったので、緊急車両については発災当時から通行ができたということがある意味、復旧には大変な役割を果たしたというふうに思っておりますし、それ以外でも、ある場所によっては、津波の、避難をした場所が高速道路があったために助かったということがあり、防波堤というか、に高速道路が機能を果たしたということもそのときに確認をさせていただきました。  そして、新幹線については被害が多少大きかったので少し時間は掛かりましたが、一つ特筆すべきことは、新幹線の相当な車両が走行中であったにもかかわらず一台も脱線をしなかったということは、どこかの国とは相当の違いというのを証明できたというふうに思っておりますし、新幹線、五月の連休前まで全線開通できませんでしたので、高速バス等で代替をして、高速バスの皆さんには大変私は努力をしていただいたというふうに思いますが、東北の皆さんはこの新幹線の全線開通を待ちわびていたということからいえば、新幹線の持つ意義というのも改めて見直しをされたというふうに私自身は思っております。  そういうことで、これからも復旧に向けて、若しくは復興に向けて国土交通省の果たす役割は大であるというふうに思います。法案が出ていますので、どこかで復興庁ということで東日本については一括して担当する庁ができるというふうに思いますが、ただ、やっぱり現場の仕事というのは当然あるわけですから、それは国土交通省が当然ながら担うということに私はなるというふうに思いますし、東北以外の国土、さらには国民の暮らしを守るというのは国交省の第一の役割ですから、これは引き続きいろいろな想定をしながらやってもらうということになりますので、是非、改めてですけれども、この東北大震災からの復興等、日本の国土を保全し、さらに国民の暮らしを守るということに対する大臣の決意をお聞かせ願えたらというふうに思います。
  60. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 池口委員におかれましては、まさしくこの発災当時、国土交通省の副大臣として陣頭指揮を執られ、現場を督励してスピーディーなインフラの復旧というものをやっていただいたわけでございます。まさしく御指摘のとおり、東北縦貫道を始め、基幹になる縦の線は発災たしかもう翌日には緊急車両等が通れるようになり、さらには四日後にはくしの歯作戦が実って沿岸部の拠点都市まで、被災を受けたあの拠点のところまでは通ずるようになったと、こう承知をしております。池口副大臣を始め、関係皆様の御苦労に敬意を表する次第でございます。  そして、御指摘があったように、地元の建設業者とあらかじめ防災協定を結んであり、その協定に基づいて地元の建設関係の方々が、まさしく自分たちが先頭に立って頑張らなければという、そういう気持ちで取り組んでいただいたということが非常に大きかったと、このように思います。  ところで、国土交通大臣としての決意ということでございますが、今回のこの震災、いよいよ復興段階に入ってきて、この三次補正の御議論の中でもいただくわけでありますが、いずれにしろ災害に強い国土というものを再構築していく、特に東北においてそれをモデル的に進めなければならないと思います。それが言わば持続可能な国づくりにつながると思います。  陸海空全般にわたるインフラ整備、社会資本整備、あるいはそれの維持管理といいますか、いかにその地域においてこの社会資本がその地域の経済社会、あらゆる活動に効率的に役に立っていくか、その責任を持っているのが国交省でございます。もちろん、観光関係であったり海上警備であったり、予知等の気象庁、地理院等もございます。あらゆる場面において言わば縁の下の力持ち、決して表に出て派手なことはやりませんが、この国の基盤を支えているという気概を六万の職員が全て持ってくれているわけでございますから、その誠に大きな責任を、時代の変化、そしてこれだけ災害の多い国において、災害に上限はなしと、人の命が第一であるという、そういう基本を胸に畳んで頑張ってまいりたいと、このように思っております。
  61. 池口修次

    ○池口修次君 縁の下の力持ち、まさしくそうであるというふうに思いますが、それは大事なんですけれども、ただ、やっぱり縁の下の力持ちとして頑張っているということを国民の皆さんに分かっていただかないと。今回の震災でも、本来、仮設住宅というのは国交省の本来の所管ではなくてこれは厚生省の所管ですが、どうしても前大畠大臣がいつまでに造るということになると、できてないじゃないかというようなことを言われるというのは、私はちょっとやっぱり国交省の仕事というのを、まあそれは被災者の方からしてみれば当然の話ですから私は甘んじて受けるわけですけれども、一方で、国交省これだけ頑張っているんだということもPRする努力というのも必要だというふうに思います。全員ではなかったんですが、前回の小泉委員長を始めとした理事の皆さんには防災会議に出ていただいて、よく頑張っているというのを認識していただいたという評価もいただいております。  そういう意味で、これからやっぱり国交の仕事というのもこういうことをやっているんだというのを是非どこかの形でPRをしていただくことは、やっぱりこれから国交省が大臣の決意に基づいて仕事をしていく上では大事なことになるんだろうというふうに思っております。  続いて、次の質問に移りますけれども、高速道路のあり方有識者検討委員会というので検討していきますよと、建設なり費用の点で検討していきますという所信がありました。  これは私は非常に大事なことだというふうに思っております。そういう意味で、是非この検討の中で十分議論をしていただきたいのは、高速道路の建設なり管理の費用を誰が最終的に負担をするのかというところが、今はミッシングリンクをなくすとか料金がどうとかいう話はありますけれども、最終的には財源が必要ですから、誰が負担をするかという話に最終的には帰着をするんだろうというふうに思います。  今はどうなっているかというと、受益者負担ということでなっておりますが、実際は料金で建設、さらには債務の返済、さらには管理費用を払うということになっておりますので、私は受益者負担というよりは利用者負担ということで思っております。ただ、冒頭で言いましたように、高速道路というのはいろいろ機能を持っておりまして、防災の機能を大きく果たしているということも改めて認識されましたし、元々高速道路を通ってある意味、地方から都市部に新鮮な野菜が届くということを考えると、やっぱり国民の食に関しては大変な機能を私は高速道路が果たしていると言っても過言ではないというふうに思っております。  そういうことから考えると、受益者負担というのはある程度私は、無料化ということとはちょっと別にして、受益者負担というのはある程度あっていいと思いますが、今はどちらかというと利用、交通、走る人だけが負担をするというのはちょっと再検討をする余地があるんではないかと。端的に言えば、一定の部分は税を投入をすると。小泉さんのときから税の投入はなくなったということになっていますが、国交省にある知恵者がおりまして、新直轄という形で年三千億程度は入っておりますが、これも新直轄ですから、田舎の方しか造れなくて、都会の道路には入れられないというのが若干矛盾を来しております。というのは、二車線化を四車線化にするとか、都会の高速道路を造るときには税金を入れちゃいかぬというようなことになっておりますので、これらも含めてやっぱりあり方委員会で是非議論をしていただきたいというように思いますが、副大臣ですかね、御見解をお願いします。
  62. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 我が国の高速道路は、厳しい財政事情の中、早期に整備を進めるため、高いサービス料を受ける利用者に対して料金による負担を求め、有料道路方式による整備を行ってきたところであります。  一方、有料道路事業による債務の確実な償還を図りながら、必要となる高速道路の整備を促進するため、有料道路方式による高速道路整備に加え、国と地方が負担する直轄方式による高速道路整備も活用いたしております。これらの事業手法を組み合わせて早期に高速道路ネットワークを完成させることが重要であります。  なお、今後の高速道路の整備、管理、料金、負担の在り方については、高速道路のあり方検討有識者委員会で検討しているところであり、委員会の意思を踏まえて整理してまいりたいと思います。  今先生おっしゃった部分というのは、まさに三・一一で大きくクローズアップされてきた部分だと思います。高速道路の上が被災から免れたというふうなことも含め、また、くしの歯作戦も考える上でも、そういった意味では、新しい着想というものが更にこういった舞台で議論されるというふうに確信をいたしております。
  63. 池口修次

    ○池口修次君 是非、再度言いますが、受益者負担を私は否定するものではありませんが、受益を受けている人は必ずしも高速道路を利用している人だけではないということも観点で議論をお願いをしたいというふうに思います。  もう一点だけ、ちょっと大事な点ということで、もう一つの自動車ユーザーの負担ということでお聞きをしたいんですが、車体課税の見直しというのが、来年の三月のエコカー減税が廃止されるまでに見直しをするというのが法律で決められております。それが時期として議論がする時期に思っておりますが、私は、特に車体課税の、自動車取得税でいうと、これは昔の物品税の流れの中で、本来消費税が創設されたときに整理されるべきものが残っているという認識をしておりますし、自動車重量税はある意味これ道路の損傷に応じたもので、ですから重さに応じた税率になっているということで、これある意味、道路特定財源のときはそういう説明ができたんですが、道路特定財源ということではなくて、いろいろな今、実はほかの方面で使われております。  ということは、やっぱりその根拠もある意味失われているということからすると、この車体課税の重量税と自動車取得税については当然また廃止するべきだというふうに思っておりますし、特にこの問題というのは、ある意味、保有段階での課税というのは、東北、今回震災に遭われた地方の人は一家で大体三台ぐらい持っておりますが、公共交通機関なり東京辺りは一家でコンマ三台ということで、十万円ぐらいの差がありまして、これは地方の人ほど負担をするということで、これが道路に、昔は地方の道路を整備するということですから地方の人もまあそれならしようがないなということで負担していたわけですが、今はその概念がなくなりましたので、どう使われていくか分からないということになると、私は、誠に不公平な税制ですから、三月末までに車体課税を見直すというのは誠にやるべき話だし、やっぱり二重課税若しくは自動車重量税の根拠というのを示さないのであれば廃止をされるべきというふうに思っておりますが、税制担当であります松原副大臣の見解をお願いします。
  64. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 委員御指摘の部分、もっともであろうと私も思っております。  国土交通省としては、自動車ユーザーの負担軽減のため、車体課税の簡素化、負担の軽減が重要と考えており、その中で、グリーン化の推進のためのエコカー減税等の特例措置の継続とともに、一定の先進安全自動車、バリアフリー車両の特例措置を創設するよう要望しております。  自動車取得税等については、消費税との二重課税であること等から廃止を求める意見があることは承知をいたしております。  一方、車体課税については、平成二十三年度税制改正大綱において、簡素化、グリーン化、負担の軽減等を行う方向で見直すとされております。国土交通省としては、平成二十三年度税制改正大綱に沿った要望をしているところでありますが、自動車取得税、自動車重量税の廃止も含めた車体課税見直しについて、平成二十四年度税制改正に向け、政府税制調査会で検討を進めていくことになると承知をしております。  これ、我が国土交通省だけではなく、今先生おっしゃった部分では他の省からもそういった御要望があるというふうに聞いております。また、これは税調で議論してまいりますし、同時に、特におっしゃった、地方に対して極めて高負担を求めることに結果としてなっているという指摘は極めて重要な指摘であり、私もその数値も拝見をいたしております。そういった問題意識を持って税制調査会で発言をしていきたいと思います。  ありがとうございます。
  65. 池口修次

    ○池口修次君 非常にいい議論ができたと思いますので、時間余しておりますが、これで私の質問は終わります。
  66. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 民主党・新緑風会の友近でございます。  池口理事に続きまして、民主党内、ネットワークでしっかりつながっているということで、道路のお話を引き続き御質問させていただけたらと思います。その中でも、特に本四のことについてお伺いさせていただきたいと思います。  東南海、南海、日向灘と、三連動、四連動とも言われる地震がここ三十年、五十年の間に六〇%、七〇%の確率で起こるというふうにも言われています。その中で、太平洋側に面した高知あるいは徳島、そして私の地元である愛媛とか香川の側にいわゆる本四の橋が三つ架かっています。ある意味ではこれもくしの歯のように架かっているというふうにもとらえることができますけれども、その本四の道路ですけれども、今は有料道路制度というのを活用しながら整備が進められておりますけれども、国土の均衡ある発展と瀬戸内海地域という特定地域の開発、そして地域振興に寄与するということで、国と地方が今出資をしているというのが現状だと思います。ただ、一方で、膨大な建設費を要したということで、ほかの高速道路と比較しても料金が割高ということもあって、なかなか結果として債務の償還が進んでいないというのが実情だと思います。  少し最近の経緯について振り返ってみたいと思いますが、平成十五年の道路四公団の民営化の際に、自立的経営が可能となるように有利子債務の一部が国の道路特定財源により早期に処理されたということ、そしてあわせて、平成十五年度以降も、基本料金の更なる引下げを実施するために、自治体の出資期間を平成二十四年で終了すると言っていたものを三十四年まで十年間延長したということになっているかと思います。  この出資の中身なんですが、国と地方が合わせて毎年約八百億円。そして、この内訳が、三分の二が五百三十億で国が出資しており、地方は三分の一の二百七十億円を出資しているということであります。その二百七十億円を十の都道府県と市などが出資をしているということではございますけれども、本四の更なる通行料金の軽減措置を継続するために、先ほど申しましたとおり、三十四年まで出資を延長するという、いわゆる地方の負担を十年間延長するということでございますが、各地方自治体の財政状況が逼迫する中で、これは地方にとっては非常に厳しい負担になるかと私自身も感じております。ある首長さんは、もう平成二十四年、来年度で終わりだと思っていたのに更に十年間延びたということで、声を大きくしてこの問題を取り上げられる方もいらっしゃいます。  前田大臣に単刀直入にお伺いしたいんですけれども、この国の負担割合を大幅に引き下げるということなど、地方の負担軽減をされるということができないかどうか、まず大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
  67. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 本州―四国の架橋のこの料金の問題でございますが、友近委員の問題意識というのはよく理解はできます。私も地元は海なし県ではありますが、この間被災を受けた、十二号台風の被災を受けた紀伊半島という日本一大きな半島の山奥にあるわけなんですが、どうしてもそういう島、半島、そういったところの基盤的な交通というものについてはなかなか、その整備も遅れるし負担も非常に大きいという問題があります。  ということで、この本四の問題については、国と地方の負担の割合について、高速道路のあり方検討有識者委員会において今議論が、特にこの料金体系についてなされているところなんですね。そういったことを踏まえて、地方とも調整しながら進めてまいりたいと、こう思うわけでございます。  ただ、現実的に言えば、一番最初のこの全国の高速ネットワークを構築、計画を作ったときに、この本四の間の三ルートというのが、必ずしもそういう中でオーソライズされていったというよりも、地元の非常に強い要望があって、あの当時のまた経済社会の背景もあったと思います。非常に元気な時代、ある時代ですから、三ルートというものを、これを高速道路のネットワークとは別に建設しようということになって、そのときの合意というものが基本にあるものですから、この時代になってどんどんどんどん高齢化も進み経済も落ち込んでいく中では、過重な負担にならざるを得なくなっているというところが苦しいところでありまして、その点、有識者委員会等でもその辺はよく受け止めて議論をしていただいていると思いますので、そういった結論あるいは議論の推移も見ながら検討をしてまいりたい、このように思う次第であります。
  68. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 ありがとうございます。大臣の御見解というのは私も理解できるところはございます。  少し地元の状況をお伝えしたいと思うんですが、例えば二百七十億円の地元負担のうち、私の地元の愛媛は五十三億円を負担しています。一番、割合でいうと二〇%と大きいわけではございますけれども、その愛媛県の財政力指数が、平成二十一年度で、全国平均の〇・五一を下回ります〇・四二、そして同じ五十三億円を負担している広島県の財政力指数は、平均を上回る〇・六一というふうにもなっております。これは四国、特に厳しい四国の四県の共通の課題でもあると思いますけれども、徳島は〇・三一、そして香川は〇・四八、高知〇・二四と、いずれも厳しい財政力指数ということで、この数字でも表れていると思います。  当初の、今大臣おっしゃられましたとおり、当初の経済状況や社会的要因というのは大きかったというふうに私自身も認識しておりますが、政権交代もありました。そして無料化社会実験の影響で、内航ではフェリー航路もなくなったりという状況も起こっています。  そういった中で、改めて有識者会議の御見解というのももちろん理解はできるんですけれども、国と地方の協議の場というのも設置されている方向になっていますので、そういった場で是非とも地方の皆さんと協議をしていただいて、御納得のいただける方向性を示していただきたいと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  69. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 委員御指摘のとおり、地方との協議の場ですね、そういったところを通じても、是非その解決の方向を見出していきたいと思います。要は、持続可能な国づくりという大きな方針を掲げてやってまいりたいと、このように思います。
  70. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 ありがとうございます。  それでは、次の質問に入らさせていただきたいと思いますが、橋の料金、通行料金のそのものの課題についてお伺いさせていただきたいと思います。  本四の料金が高いということはもう御案内のとおりでありますが、例えばNEXCOの高速道路が一キロメートル当たり二十四・六円であるのに対しまして、本四の場合は、現在適用されている新しい特別料金でも一キロメートル当たりの陸上部が二十八・〇八円、そして海峡に架かります橋梁部に至っては二百五十二・七二円ということで、NEXCOと比較してもかなりの割高であるということが数字の上からも分かると思います。  その中でも、愛媛に架かっているいわゆるしまなみ海道と言われるところに関しましては、島を点々と渡っていきます。広島まで愛媛から渡るのに十本の橋を渡っていきますけれども、その意味で、その周辺地域に、沿岸の島嶼部に約八万三千人の方が生活されておりますが、生活道の色合いというのが非常に濃い橋であります。  多額に上った建設費を償還するためということで、先ほどの出資の話ももちろん理解はできるんですけれども、この生活道が、生活の道としての色合いが非常に濃いこのしまなみ海道の料金形態について、距離別料金設定だけではなくて、例えば鉄道の定期券のように一定区間を一定期間定額で利用できるというような検討であるとか、生活者の負担軽減につながるような政策ができないものかということをお伺いさせていただきたいと思います。
  71. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) しまなみ海道は、本州側の広島県尾道市と四国側の愛媛県今治市を結ぶ全長四十六・六キロメートルの高速道路であり、途中の六つの島に九か所のインターチェンジを有し、島嶼部を連絡することにより島民の生活に密着した道路として活用されていると考えております。  現在、本四高速の料金については、利便増進事業を活用し、通勤割引や深夜割引等を実施しているところであります。  国土交通省としては、本四高速を含めた将来の高速道路の料金制度について、高速道路を有効活用し、地域と経済を活性化する観点から、高速道路のあり方検討有識者委員会において検討を進めているところであります。  今委員おっしゃった議論もこのあり方委員会で十分議論されるように、また私も発言をしていきたいと思っております。
  72. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 ありがとうございます。  是非こういった生活道の声というのも、先ほど申しましたとおり、国と地方の協議の場等で、有識者の声ももちろんでありますが、御検討いただきたいと思います。松原副大臣にも共通の御認識をいただけているものと理解させていただきまして、次の質問に入らさせていただきたいと思います。  今のしまなみ海道につきまして、実はほかの二本の橋と大きく違う特徴がもう一つございます。それは、当初、橋の計画にはなかった三番目の橋としての特徴を出すために自転車歩行者専用道路というのを造りました。いわゆる自転車で渡ったり歩いて渡ったりすることができます。私も二週間ほど前、しまなみサイクリングのもう十何年続いているイベントに自転車をこいで参加をして実際まいりました。  是非とも、皆さんにお配りしています資料の一枚目を見ていただきたいと思うんですが、これは新聞のランキングの順位でございますが、日本全体のお勧めのサイクリングコースということで、瀬戸内海の横断自転車道が何と一位に選ばれているということで、橋の高いところを走りますのでまさに空中サイクリングという言葉がぴったりだと思いますけれども、サイクリングのメッカで、平日はもとより休日なんかに物すごい数の皆さんが県内ではなく全国から集まっているというのが現状でございます。まさに、地域の皆さんの努力が、十年、開通してなりますが、まさに実ってきたというのが現状でないかとは思っています。  そして、今、愛媛県の方では、被災地の修学旅行に来てもらおうということで基金を積み立てまして、被災地の皆さんを愛媛に修学旅行に来てもらう。もう数校の、十校近い皆さんが愛媛に修学旅行に来てもらうということが決定しております。その中でも、こういったしまなみのサイクリングコースにも来てもらって、是非とも瀬戸内の多島美を、島が浮かんですごく景色もきれいですし、夕日も幻想的な光景が見えますけれども、そういったものも体験していただこうということを計画しております。  そういった中で、この自転車料金の、軽車両の無料化をしていく。今、さい銭箱みたいなのが置いてありまして、五十円、二百円と払っていきます。それが、橋の広島側まで渡りましたら五百円ぐらい掛かります。それを、昨年のちょうど、当時の馬淵大臣に予算委員会で説明させていただきました。そして、大臣の方から、自転車の部分については歩行者と同様に無料化できないかということについては今後本四の方に要請していきたいという明確な答弁をいただいたんですけれども、その進捗状況と、また大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
  73. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) このしまなみサイクリングコースというのがお勧めの一位に挙がっている。これはある意味で新しい観光の前線を開拓していただいているような感じすらするわけですね。  そこで、ここを無料化するということをお願いをしましょうということにはなってはおるんですが、明確ないい答えはなかなか出てまいりません。それはもう仕組み全体から見ると、確かに自転車から上がる収入というのはそれほど大きな額ではないし、せっかくこうやって若い人たち含めて活用されているんだからということはよく分かるんですが、さりとてこれを直ちにゼロということがなかなかできない。やっとで五〇%割引だとかいうようなことをやって、その成果は上がっているようなのですね。しかし、ある意味、このコストを払っていただいているということも、実はそれを通じてこの橋の在り方みたいなことを一般の方々にも認識をしてもらうわけであります。  そんな意味で、多少苦しい答弁なんですが、大いに利用を広げていただきたいなと、こう思う次第であります。
  74. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 ありがとうございます。  皆様にお配りしております資料の三枚目のところ、自転車の通行量調査、これは本四公団が実施したものですが、十九年と二十二年度、平均すると、結果から言いますと、これは原付等も含まれていますので、自転車の割合を平均しますと二〇%と二六%というふうに出てきます。そして、一枚戻っていただきまして、この料金形態の中身が出ておりますが、原付の自転車、歩行者、三番目のところですが、料金収入というのが約五年間の平均で年間三千二百万円あります。それを、先ほど申しました二〇%と二六%、掛け算しますと、大体自転車の無料化に係る料金収入というのは六百五十万から八百万程度だというのが見て取れるかと思います。  本四の高速全体収入額というのが五百五十七億円あります。その中でこの六百万、八百万というのは一%にも満たないということで、自動車の、軽車両からの料金を取る意味が余り私には理解できません。それよりも、観光庁の先ほどお話がございましたが、三千万人を目指すビジット・ジャパンの事業あるいはフライ・ツー・ジャパン事業。先般も、実は震災後外国の方が五十人ぐらい日本に来ていただきまして、コグウェイ四国というイベントをNPOの方が開催しまして、しまなみ海道から始まって四国を一周していただきました。すごくやはり印象的だったのが、そのしまなみの島が浮かぶ光景、そこにきれいな橋が架かっているというのが物すごく印象的だったということを私もその外国の皆さんから聞かせていただきました。  今、実は尾道大学で、例えばツール・ド・しまなみというようなイベントを二日間開催しようというときに、参加者が五千人、観客が十万人というような規模で試算したときに、経済効果が八億七千万あるというような試算も、地元の活性化ができるんじゃないかというような試算も出ております。  あともう一つ、いわゆる東京マラソンのように、しまなみ海道の自動車の部分を開放してサイクリングのイベントをやろうということで、一万人規模のイベントを開催したいというようなことが、台湾のジャイアントという自転車の大きなメーカーがございますが、そういったところからも全面協力を受けられるというような話も進んでいるということも聞いております。  こういった、世界中からサイクリストが集まって、世界との交流、観光の観点からも、私は全く観光庁の今取り組まれようとしている政策と合致するというふうに思っておりますけれども、ただ、この五百円といえども有料であるということは、この潜在性の高い観光資源の価値を私は半減させるものだというふうに思っておりますけれども、私は地宝創造、地宝のホウは地の宝と書きますが、その地域の宝を是非とも育てていただいて外国の皆さんにも来ていただきたいということなんですが、これはまさに政治主導のお話だと思います。是非とも、例えばそこに国費を投入するなど、大臣の政治主導でこの案件について前に向かって一歩ずつ進めていただきたいと思うんですが、大臣の御見解をもう一度お伺いさせていただきたいと思います。
  75. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 友近委員はサッカーをやられて、こういう非常にこの方面でリーダーシップも発揮をしていただいているわけでありまして、今のお話を聞きながら、まさしく観光立国ということを大いにこのしまなみ海道を通じてやっていただいているなというふうに思いました。  先ほどちょっと苦しい答弁をしたわけなんですが、しかし一方で、あれだけ立派な橋、もちろん生活道路として通学用の割引であったり、そういったことは講じておるわけなんですが、あの立派なしまなみの橋を渡るときに何がしかの有料を払っていただくというのも私は、まあこれはただで当たり前だと思って通っていただくよりも、観光あるいはそういうイベントで使う場合に何らかの私はメッセージ性もあるのではないかと、これまた苦しい答弁になるんですが、御理解をいただきたいと思います。
  76. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 ありがとうございます。  実は、これ愛媛から行きますと広島側の最後の橋は、これは本四が管理しているんではなくて広島の道路の公社だったと思うんですが、管理していまして、ここの橋は十円なんです。ですので、もうほとんど、本当は取りたくないんだけれども、法的に軽車両ということで十円仕方なく取っているというのが現実だと思うんですけれども、是非そういった面も踏まえてよく御検討いただきたいと思います。  それでは、ちょっと最後の質問にさせていただきたいと思うんですが、道路の新たな、済みません、せっかくなので、今の十円のことにつきまして、大臣、もう一言だけ御答弁いただけたらと思いますが。
  77. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 御質疑の趣旨はしっかりお伺いをいたしました。
  78. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 ありがとうございます。  それでは、次の質問に入らさせていただきます。  道路の新たな事業評価手法についてお伺いさせていただきたいと思います。  今般の三次補正の中で、特に三陸道路の事業評価をする中で、暫定的ではありますけれども、道路の防災機能を重視した評価手法というのが用いられて各事業、有効性を確認したとお伺いしております。先ほどから御案内のありますとおり、東日本大震災では、救助救援活動はもとよりですけれども、広域的な物資輸送、避難路として機能したというような副次的な機能もありますけれども、まさに命の道として道路が役割を果たしたということでございますが、この新たに導入した評価手法というものがどのようなものか、簡単に御説明いただけたらと思います。
  79. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 今まではBバイCという評価軸が一番大きかったわけですが、今回の災害、東日本大震災の非常に大きな悲しくも、しかも大災害の経験のときに、実はこの道路が非常に大きな役割を演じた。特に、できて間もない高速、三陸道ですか、あれがまた命を現実に救ったというような例もあります。十二号台風のときにも、あの紀伊半島の中で大変な惨事が起きたわけでございますが、ずたずたに断ち切られた中でやはり地域高規格道路で完成していた区間は全く無傷で、これまた救出、救援に大きな役割を演じたということがあります。  ということで、防災面の機能の評価について、これを評価軸の中に入れていこうという趣旨でございます。
  80. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 ありがとうございます。  今まで、いわゆる道路の実施事業に当たっては三便益、走行時間の短縮、走行経費の減少、交通事故の減少という事業評価がされていたということでございますが、今般、防災機能を重視した評価が必要であるという考えを暫定的に用いられたということだと思います。  先ほど申しましたが、将来、東海、東南海、南海、日向灘の四連動地震なども想定されておりますけれども、平成二十四年度の概算要求の中でも全国のミッシングリンクの整備の予算要求もされているというふうに認識しております。  こういった防災機能あるいは広域的なエリアで、費用対効果、ネットワークを重視した評価手法をこれから全国の高速道路の整備に適用すべきだと私自身は思っておりますが、大臣の御見解を最後にお伺いしたいと思います。
  81. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) ミッシングリンクの問題は非常に今回の経験を踏まえて大きな課題だと思っておりまして、だからこそ、今委員が御指摘のような評価軸を入れて対応をしてまいりたい、このように思います。
  82. 友近聡朗

    ○友近聡朗君 是非とも、こういった観点を踏まえたミッシングリンクの解消を、大臣の政治主導、大臣のお力で前に向かって力強く進めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございます。
  83. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。  尊敬する前田大臣始め、副大臣、政務官に初めての御質問を申し上げさせていただきますが、所信に対する質問でございますので話が少し広めになろうかと思います。その分だけ、一つ一つを突き詰めるというよりは、問題提起をさせていただきながら次なる展開に向かっていろんなことを御議論させていただきたいと、こう思うわけであります。  最初に、三月十一日の大震災発生以来復旧等が大変遅れている、こういう評価を国民からはいただいておりました。我が党はいろんな御提案を申し上げましたが、復興基本法を始め、議員立法のような形で瓦れきの処理法案であるとか、あるいはまた原子力の仮払い法案であるとか、それから二重ローン、これは残念ながらまだ成立していませんが、二重ローンの救済法案であるとか、いろんな御提案を申し上げました。そしてまた、多くは多少の修正をしていただきながら成立させていただいてきたところであります。  私自身は実は三月二十日以来、東日本大震災の被災地に、新潟、福島の水害も含めますと、合計で、大体週に一回、三十回ぐらいは行ってまいっております。そのときに市町村長や知事たちと話をしますと、やっぱり一番問題なのは、国が責任も費用もきちっと見るからやれることをやってくださいと、これがなかなか当時の政府、国から出てきてなかったと。遅れる一つの原因というのはここにあるんじゃないかなということで、ずっと地方の負担というものが大変厳しいから地方負担実質ゼロにしましょうよということを随分お願いも申し上げました。今度の三次補正で何とかそこをクリアしていただける、こんなふうな御答弁も総理からもいただきましたので、これはこうしたことを機会にこれから進んでいくことになるだろうと。  もう一つは、被災地の人たちは自分たちは頑張りますと、こう言っているんですね。全国元気で頑張っていただいて初めて自分たちも被災から復興へ向かうことができるだろうと、こういうこともありまして、公共事業等の五%留保というのも早めに解除すべきであると、こんなお願いも申し上げて、この十月初めに解除していただいたところであります。  そういう意味では、自民党としては、できるだけ政治的対立といいますか、そういったことよりはとにかく復旧復興第一と、こういうことで取り組んでこさせていただいたつもりでありますし、これからもまたそんな方向で一生懸命御協力できるところは手を合わせて御協力すると、これが基本の姿勢であります。  その中で大臣の御決意を一つ伺いたいんですが、予算の問題も大事なんですね。予算の問題も大事ですが、もう一つは、いろんな仕組みが十分に動き切れないというところもあるんですね。平時の動きで、平時の法律、平時の運用規則でやることと、今回のような大震災、原発事故、津波、こうしたことに対応してやろうとすることと、やっぱりどこか違うところがありますね、違わなきゃいけないところがありますねという問題がもう一つ、制度、仕組みとしてあるんだと思うんです。予算と制度、仕組み、これをそろえていって、復旧復興を大急ぎでやっていきましょうと、こういう議論だと思っています。  この前は大臣に高台への移転等について、集団防災移転事業や災害公営住宅事業をがっちゃんこした上で運用規則を少しずつ緩めていくと、新たな法律がなくても現地ではいろいろな工夫ができるだろうと、そんなこともお願い申し上げたところでありますが、大切なことは、そうした実際に現地が動けるような予算と仕組みをこれからも工夫していただくということが必要だろうと思っています。  そういう意味で、東日本大震災始め水害も、台風十二号、十五号もあります。そうした災害に対して大臣がこれからどんな御決意で復旧復興に向かわれるか、最初にその御所見をお伺い申し上げたいと思います。
  84. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) まさしく、この面では一番の専門家であり、むしろ先輩である佐藤委員からの御質疑であります。  まず、ちょっと具体的な制度のお話、私、これ非常にこの段階に来て、どういうような仕組みをいかに組み合わせて効果的にやっていくかというこの制度の問題というのが非常に重要になってきたと思います。先般の委員会でも御指摘されたようなことを応用編として是非やってまいりたいと思います。  それで、実際には、もちろん直轄事業的な基幹的なものについては、これは国交省東北地方整備局を中心に、もちろん全国が集まって、例えばテックフォースというようなよりすぐりの技術陣でバックアップもしますから、ここは万般大丈夫だと、むしろ既に先行的にどんどん成果を上げております。  しかし、何といっても地元の新しい町づくりといいますか、被災を受けたところが立ち上がってくるには、地元のその自治体の持っている力、それは潜在能力、大変な犠牲を出して、あの悲劇の中から立ち上がるわけですから、ここにどういうふうに制度、それを実行するというのは人事、組織ということにもなるわけです。予算はおいておいて、その仕組みというものをいろいろ考えております。既にやっているのは、結局はその自治体ごとの復興まちづくり計画というものについて、国交省からも専門家を送り込んで継続的に相談にあずかるというようなこともやっております。  そして、予算の面でも、御指摘のように、補助事業、この町づくり、復興というのは補助事業が非常に多くなるわけです。そして、復興庁という統括的な組織もできてまいります。この復興庁についての御議論もいろいろ特別委員会でなされているわけなんですが、私は、どうしても縦割りになっている国の機関というものを一つに調整する強力な機関として大きな期待が寄せられるわけですが、具体的に事業としてあらゆる面で下りていって、それを使いこなして町づくりをやるのが自治体でありますから、そこにはやはり国土交通省関係の、都市局関係であったり、あらゆる部局の、補助事業が中心になりますが、その支援というのが重要になってくると思うんですね。  それからもう一つ、その一つの町づくりの事業、例えば都市局関係を取ってみても、いろんな制度があり、またこの復興に対して法改正をやったりしております。自治体から見ると、制度が非常に複雑多岐で、何をうまく組み合わせて使えばいいかという制度的な面でかなり難しい面が出てきておるように思うんですね。その辺が本当に的確に利用できるように丁寧な具体的な支援をする必要があると、このように省内で申しておりまして、今のところはそういう専門家を送り込んだりしておりますが、何らかのもう少し組織的なものを考えたいと、このように思っております。  予算等についてはもう御承知のとおりでございます。しっかりこの三次補正の中で確保してまいる所存であります。
  85. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 ありがとうございます。  今度の三次補正に関連していろんな法律の改正等も御準備なさっておられるというふうにも聞いておりますので、できるだけ使いやすい、そして応用しやすいような制度、仕組みに是非変えていくべきものは変えていく、こういうことでお願いしたいと思いますし、必要であれば私どもも議員立法を用意させていただいたりしながらやっていきたい、そんなふうに思っております。  そこで、全国で元気を出さなきゃいけないと。ここの部分が、全国を回っていますと、今度は、いや、経済も大変だ、雇用も大変だと、大震災の被災地、あるいは被災地、水害等、予算等を寄せなければいけないというのは分かるけれど、元々が随分と公共投資削られてきましたと。そうすると、地域の経済、建設産業も含めて大変疲弊していますというのが、今度はまた大きな声で、全国を回りますと聞こえます。  ここはそのお願いで、資料の一にちょっと数字を用意しましたが、民主党は、マニフェストとしてはたしか四年間で公共事業を一・三兆削らせてくださいと、削りますよと、こういうお話だったと思うんですが、これは残念ながら一年目に一・三兆削って五・八兆にして、そして二年目はこれを更に五兆、一括交付金が〇・五兆ですから、この一括交付金抜けば二・一兆を切ってしまっているという。この一括交付金がインフラ整備といいますか、に回るんだと、同じように使えるんだというふうにしたとしても一・六兆のマイナスという状態でありますから、全国で、いやこれは大変だといって悲鳴が上がるのもこれはまたもっともな話なんですね。  私自身は、全国行かせていただきながら、被災地の皆さんが全国頑張ってくださいと、こう言っているんだから、みんなで遠慮せずにインフラ整備一生懸命やっていこうよという声を出しましょうと、こう申し上げています。  アメリカもこの前、九月ですか、リーマン・ショック以来、随分世界的に経済対策一生懸命やっていますが、アメリカ、この前も四千八百億ドルぐらいですかね、経済対策やると。その中で、まあ大体どのくらいの割合かはっきりしませんが、インフラ整備という観点から経済対策としての公共投資をやるんだと、こういうことを公表したりしています。  そういう意味では、実は資料の二に経年変化として、日本の場合にはインフラ、IGの部分が高過ぎるというんで、GDPに対して、削れ削れと、これは自民党政権時代にも毎年三%マイナスと、こんな感じでやってきたわけですが、世界中で比較しますと、いずれも、どこの国もこの割合というのは大体一定、あるいは増やしてきている。日本の場合には、大幅に下げ続けてしまって、平成二十年度の暦年ですが、二十の暦年ですが、三%を切ってと、こういう状態になってきて、世界の標準よりもこのままでしたらどんどん下がる。ところが、日本の場合には、それこそ防災対策、震災対策と、こういう面からいくと、あらかじめのコストというのが一%ぐらいはほかの国よりは必要だろうと。  したがいまして、私自身は、そういう面からいっても、三%から四%というのは必要最小限の、GDPに対してですね、IG、公的資本形成が要るんだろうと、そんなふうに思っておりますが、いずれにしましても、マニフェスト以上にお切りになっておられるんで、これちょっと戻していただくということが必要なんじゃないかと思うんですが、公共事業費ですね、大臣のお考えをお願いします。
  86. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 三次補正を含めて来年度の予算等具体的なお話と、マクロに長期の各国との比較の二点のお話がございました。  まず、前半について申し上げますと、三次補正等ではかなり目いっぱいの要求をしておりますし、また復興交付金等についても基盤が、基盤整備ということが、あるいは町づくりが中心になるんだから国交省で大いに取ろうと号令を掛けておりまして、どこかでそんなことをしゃべったところ、マスコミに何だというような批判をどこかでされたことも覚えておるぐらいでございまして、いずれにしろ、合計で前年度比一・二六倍、五兆三千七百八十三億円ですか、その程度の要求になっているかと、このように思います。いずれにしろ、所要の予算獲得に向けて頑張るつもりです。  それから、委員御指摘の、この表もこれ眺めていたわけなんですが、確かに平成八年を一〇〇とするともう五〇だと、先進国で一番低いんじゃないかという御指摘ですね。これはもう委員も御存じのように、九〇年代からあのバブルの時代と言われる時代、世界から、特にアメリカの景気がちょうどIT景気になる前で、もうアメリカの公共施設が傷んでいた、ニューヨークのリンクリン道路でさえ穴が空いていて通れなかったという時代ですから、前川レポート等で日本もっと公共投資やれと。たしか十年計画で、最初は四百三十兆円、続いて、それを改定して六百四十兆円だったですかね。まあ当時は事務次官、あるいはその枢要の場におられて、もうあっぷあっぷされるぐらいの予算が付いた時代なんですね。それから比べると、確かに今、日本は、もちろん財政の問題もありますが、維持、修繕、更新の時代に入ってきていて、こういうことにならざるを得なかったということは、いよいよ維持、更新という、また事業を長期化するということも含めて反転の時期が来ているのではないかと、私はそのように感じております。
  87. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 誠に同じ思いの部分の多い御答弁をいただきました。  そこでなんですね、実は、もちろん二十四年度も頑張っていただくという方向でしっかりとした、公共事業というとなかなか、なるほどと、こういう話にならない方が多いものですから、インフラ整備とか、インフラの整備管理のような言い方をした方がいいのかもしれませんが、いずれにしても予算科目としては公共事業費なんで、頑張って是非しっかり勝ち取っていただきたいと思うわけでありますが。  実は、資料の三に地域自主戦略交付金、いわゆる一括交付金というのの使い道を書かせていただきました。これは整理していただいたものを出しただけでありますが、内閣府の方でですね。これは、政策目的きちっと、こんなふうな政策目的で、目標がこうでというような形で使えていると、こういうふうに理解できるかどうか、内閣府の方でどうお考えでしょう。
  88. 小鞠昭彦

    ○政府参考人(小鞠昭彦君) 国庫補助金等の一括交付金化につきましては、地方公共団体の自由度を拡大し、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決められるようにする地域主権改革における重要な取組として導入したものでございます。対象事業につきましては、先ほど先生のお配りになった資料三に掲げてある九事業でございますが、この交付金につきましては、この対象となる事業の範囲内で、各府省の枠にとらわれずに地方が自由に事業を選択する仕組みとなっております。  そういうことで、また、配分につきましても、今年度は予算の九割程度は継続事業の事業量等も考慮して行っているところでございまして、これによって地域の実情に即した事業が実施されるものと期待しているところでございます。
  89. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 というのは、これは物の考え方はいろいろあるかとは思いますが、交付税とどういうふうに違っているかというような議論にだんだんなっていくんだと思うんですね、この一括交付金というのは。  もっとこういう形ではなくて交付税を増やせばいいんじゃないかとか、あるいは地方の市町村長、知事もそうですが、元々自分たちが言っているのは補助金の一括化というよりは財源移譲だと、地方にもっと財源下さいと、話はそこから出ているので、公共事業費を言ってみれば切り込んで一括交付金にしたと、こういう形に結果としてはなっているんですが、それは自分たちが望んでいる方向ではないよというのが正直な答えの首長さんたちが多いと、私はそういうふうに聞いております。聞いておるというのはいろんな知事や市町村長からですね。本音の部分はそうなんだ、財源移譲だよ、本当はと。それが、結果として公共事業費をこれだけ切られて、切られた中から更に切り出せと、こういうことで一括交付金だと言われても、それはうまくないなというのが本音と、こんなふうにも聞いています。  そういう意味では、内閣府の方でまずは制度設計しているわけですから、その中でこの一括交付金というものは政策目的をきっちりした補助金やあるいは社会資本整備総合交付金的に、目標はこれでこういうふうに近づいていきましょうというような交付金にするということが、私なんかには有効な予算の使い方としてはそっちじゃないかなと、こんなふうにも思うんですが、内閣府、検討状況はいかがでしょう。
  90. 小鞠昭彦

    ○政府参考人(小鞠昭彦君) この地域自主戦略交付金の来年度でございますが、来年度に向けましては、地域主権戦略大綱等に沿いまして、地域主権戦略会議での御議論を踏まえつつ、その拡充に向けて検討しているところでございます。  都道府県へのメニューの拡大や市町村分への導入など、今後の制度の在り方については地方からの御意見を丁寧に伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。
  91. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 お手元に付けましたけれども、これは衆参共に内閣府設置法の一部を改正する法律案に対してこの三月に附帯決議を付けているんですね。それで、参議院の方は内閣委員会で、その存続の是非も含めて平成二十四年度以降の取扱いについて検討して、二十三年中に結論を得る、こういうことで決議もなされているわけであります。  これの趣旨は、そのときはやっぱりみんなそれぞれ議員各位が思っていただいたのは、結局、どういうことにきちっと使っていこうよと、こういう部分が薄過ぎるというのか、まあ第二交付税というふうにして交付税を増やして配るのならともかく、公共事業費を削った上で政策目的が極めて曖昧になってしまっている。そうすると、例えばこの大震災等への関連した手当て、関連したですよ、復旧そのものは災害復旧費でやる、あるいは瓦れきの処理は廃掃法の世界でやる、それでいいわけですが、この関連したいろんな仕事をやろうとするときに、ふわっと一括でと、こういう形ではなかなか、逆に政策目的が明確でなくて、どれだけの有効性を持ち得るか、こういうような議論でこういう附帯決議が付いた、こういうふうに私自身は理解しています。  こんなことも含めまして、一括交付金の見直しそのものは、やはり国土交通行政としてもしっかり取り組んでいただいて、できれば社会資本整備総合交付金あるいは補助金と、こんな形でやり直していただくのがいいんじゃないかと、私なんかにはそう思えますが、政府の中でいろいろこれから検討されるんだと思いますが、大臣、一言御所見をいただければと思います。
  92. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 特に、東日本のこの復興段階においては、先ほど来の議論にありますように、地元自治体等においても相当その機能を毀損したり、低下した中で立ち上がってくるわけですから、ある意味、流用性というものもある程度指示、指示というわけじゃないんでしょうけれど、こういうことに注意をしなければならないよというようなことが必要だろうと思います。それはもう委員の御指摘のとおりでございます。  そういう意味では、この社会資本整備総合交付金と一括交付金が車の両輪となってそれぞれの特性を十分発揮していくことが重要であろうと、このように思います。
  93. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 是非、元に戻す方向とは言いませんが、社会資本整備総合交付金的に、政策目的をしっかりして、どこがどれだけ必要だと、目標をこうしようというような形でやれるように、これはもうお願いを申し上げておきます。  そしてなんですね、実は、先週ですか、十月の二十一日か、いろいろ地方支分部局、地域主権改革の推進等で、閣僚懇でいろいろ総理大臣からもお話があったと伺いましたが、出先機関の改革という議論、これが今度の大震災あるいは水害、台風、こうしたことを踏まえますと、まあ私どもはこれまでも根幹的な施設の整備であるとか、あるいは災害に対する手当て、復旧であるとか、あるいはまた広域的な行政としてという観点からいくと、出先機関を安易に廃止したり、あるいは、広域連合ですか、等に委譲すると、こういうことは、実は、実験としてやってしまって後でしまったということになっても困りますよねと、つくづく、前からずっとそう申し上げているところであります。  先ほど来の質疑の中でも、東北の整備局、今回の大震災でいえば東北の整備局、くしの歯作戦で実にしっかり活躍してくれたとか、あるいはまた知事さんたちにしてみますと、やっぱりいざというときには直轄頼りという部分があって、たしか宮城の知事が発災後しばらくして、海岸の防災対策といいますか、防潮堤等について直轄でやってくれないか、あるいはまたこの前の新潟、福島の水害では福島の知事が、河川の改修等について県でやっていた部分というのが、これはちょっと、まああれだけ災害が原発も含めて多発しますともっともなところがあるんですが、とてもとても自分たちの力ではできないので、やっぱり直轄でやってくれないかと、こういう御要請があったと。それで実際、事務委任というような形でやるんだというふうにも聞いております。  それから、台風十二号でいえば、土砂ダムと言えばいいんでしょうか、あれの扞止等について、やっぱりこれは広域で災害をしっかりと防御していこうと、事前も事後も。こんな観点からいくと、それはなかなか県、市町村の単位で、もちろん市町村はそうですが、県の単位でというのはなかなか難しいところがあるんだろうなと。  この平成になってからですよね、激甚災害、本激と言われる激甚災害、去年までに八件ですか、なんですね。つまり、広域で大変な被害を被る災害、今年はもう三件も出て大変な状態になっているわけですが。そういう意味では、一つの県で大体十年に一回とか二十年に一回とかいうような、本当の意味での大災害といいますか、はですね。  そうすると、どういう現象が起きてくるかといいますと、災害の発生当初はどうしていいか分からないというのが結構多いんですね。担当している人は十年前、十五年前ですから、そうすると、災害の救助から始まって復旧復興に向けて、こういうのが、制度の仕組みをどう運用していけばいいか、何をまずやればいいかというような辺りが最初の勉強課題になって、あっという間に二日、三日あるいは一週間たってしまう。  それから、実際に具体の復旧に向けてという作業をしていこうとすると、更にそこから時間が掛かってというような部分もありますから、どうしても遊軍的に、さっき大臣、テックフォースのお話もなさいましたが、全国でとにかくどこかで災害が起きる、そうしたら、常にそれを自分たちの組織のものとして、こういうことも実は大事な問題なんですね。  そうだとすると、そういう大災害に備えて、あるいは復旧に向かって、あるいはまた基幹的なネットワークといいますか、そんなことをきっちり整備し、管理していく、こんなことを考えますと、出先機関の安易な廃止等、あるいは移譲という形で言われているのかもしれませんが、広域連合への移譲と、こういうような形で、先週、閣僚懇でお話あったようですが、これはやっぱりよっぽど慎重にといいますか、むしろもっとどう活用していけばいいかというような観点から出先機関の問題は考えていくということも必要なんじゃないかと思っておりますが、ここは御所感といいますか御所見といいますか、大臣あるいは松原副大臣、どちらでも。
  94. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 多分ここは私がお答えした方がいいかなと、こういうふうに思います。  もちろん御承知のように、出先機関の移譲であり組織改革というのは、例の平成二十年の八月に出ていますね、当時、伊藤忠の会長をされていた、誰だったですかな、何とか宇一郎、丹羽宇一郎さんの委員会で答申を出されて、それが一つの方向付けになっているわけですね。それで、政権も交代して、いよいよ閣議決定の上、二十四年度に法制化するというところまで来ております。それが今の状況ですね。  私は今、委員が御指摘のように、この直轄の組織の実力部隊ですから、この頼りがいというのは大変なものがあります。東日本大震災における東北地整を中心とするあの活躍。しかし、それは東北地整のみならずテックフォースにしても、全国の地方整備局がそこにサポートをしてのオールジャパンの結果なんですね。そういう点からいうと、私はオールジャパンの、何といいますかね、神経中枢的なそういう組織は必要なんだろうと思うんですね。地方整備局というよりもオールジャパンの危機管理、この社会基盤のインフラの危機管理的なオールジャパンの制度と。  それからもう一方で、これをどのように生かしていくかという観点からすると、地方整備局があり、府県の土木部があり、そして市の建設部だとかいうのがあり、重層構造になっておりますが、実は御承知のように、相当空洞化してきていますよ。市の建設局、府県の土木部がどれだけかつてのピークのときのような資源を集めてやっていけるかというと、どんどん人口も減っていく、働き手が減っていく、そういう中でまさしく維持管理、更新の時代ということになると、その地域に合った施設というものの整備というものをやっていかなきゃいかぬし、あるいは、よく言われるように、道路だってその地域に応じたような道路を造るだとか改修するだとかいう時代になってまいります。そうなってくると、やっぱりブロック単位ぐらいで、この地方整備局の持っている実力というものがブロック単位でなければこの地域の本当の地域主権、何といいますか、地方分権といいますか、こういったものがなかなか進まないんじゃないか、大変なことになるんじゃないかということすら私は感じております。  一方、この地方整備局の組織というのは、もう委員十分御承知のように、明治時代の交通、通信、不便な時代につくった組織ですね、この実力集団というのは。今もずっとそれを踏襲していて、今のこの時代においては必ずしも全部そこを、現地に全てを持ってなければ国土交通行政というものが責任果たせないというわけではない。ブロック単位で本当に広域的なものがあるなら、むしろそれが自治体というような、自治というような格好であるならば、自治は経営体でございますから、要するに、民間も含めてあらゆる資源を取り込めるはずですよね。いわゆるPPPというようなのもその一つの手法だと思うんですが。アカデミーも建設業界も、それからもうあらゆる流通も含めてそういう民間の資源というのを取り込んでやっていくと、先ほどの社会基盤に割く財源が減っているというようなことも解消されて町づくりそのものが非常に大きな観点から、やっぱり国土交通省という国の組織であれば、もちろん法制度等からいって縦割りで封じ込められておりますが、そこが非常に大きな力が発揮できるのではないかというふうに思っている次第であります。
  95. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 今のお話から伺いましても、いや、多少私の勝手な思い込みの部分があるかもしれませんが、地方全体のブロックの在り方、道州制であるとか広域連合、きちっとしたものが意思決定の仕組みも含めてできてからとか、多分、出先機関だけをどこか実体のないところに移譲というのは、またこれも異常なお話に近いんじゃないかと思いますんで、そのように、大臣の意見もそうだというふうに私自身は理解させていただきます。  地方全体のブロックの在り方とか、そうしたことを踏まえた上で出先機関をどうしていくかと、こういう議論でないと糸切れだこになってしまう、行き場がない、こういうことになりかねないんで。  副大臣、一言あれですか、御意見があればお願いします。
  96. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 今大臣からの御示唆もいただいて申し上げますと、今委員おっしゃった部分を含め、しっかりとした受皿の制度設計に向けての課題、多くの課題がありますが、やはりそれをきちっと解決するということをしながら新たな広域行政制度についての議論に積極的にかかわっていき、結果として今大臣がおっしゃった方向に進んでいきたいと、このように思っております。
  97. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 ということで、受皿づくりといいますか、道州制等の議論をしっかりした上でというふうに理解をさせていただきます。  そこでなんですね、東日本大震災、建設産業が、先ほど来のお話でも地元の建設業が随分頑張っていただいている、なかなかこれが表に報道されることは少ない。確かに、すぐに出ていってその翌朝ですから、十一日の晩から招集して翌朝既に作業を始めているというような人たちが、十二日の朝ですね、早朝から、こういう方々が多くて、しかも自分たちのそういう活動している写真というのはなかなか撮らないんですよね。報道陣もまだ来ていない、自分たちの写真も撮らない。というようなところで広報に欠けているという面があろうかと思いますが、残念ながらそうしたいかに地元の建設業の人たちが活躍しているか、この報道がなかなか少ないという面はあるんですが。  もう一つ、実は現地に行きますと、いや、あと五年後だったらこれできなかったよと。つまり、建設産業が疲弊し切っていて、今除雪なんかがなかなかできないというのが全国的にかなり出てきているんです、機械を売り払ったりしているものですから。これは多分、奥田副大臣も御存じの話だと思いますよ。いいです、いいです、時間がなくなりましたので。  そこでなんですね、大変な状況だというのが、資料の五にも労務単価のお話をこれ載せさせていただいたんですが、平成九年度に比べると二十二年度、労務単価が平均で三割減なんですね。こんなに安くなって、しかも、実はこの一万六千四百七十九円と、年間何日働けるかと、こういう議論からいくと、二百日働けるかどうかと、こういう議論でありますから、ベテランの大工さんたちでも、あるいは熟練した基幹技能士さんたちでも三百万とか、前後と、こういうふうなことも多いと。建設産業の疲弊という問題が大変な課題でもあるわけであります。  そこでなんですね、時間がなくなりまして途中質問省略させていただいて、安ければいいということではない、いいものをしっかりつくっていただいて、そして建設産業が、地元の、地場の建設産業が頑張れるような環境づくりということをしていかなければいけないでしょうと。そのためには、今の公共調達の入札制度をいろいろな観点から変えていく必要があるんじゃないかと。  特に、これは前に池口先生が副大臣のころにも伺いました。積算とか予定価格というのは、これ何なんでしょうと。標準価格なんですね。百円掛かるという積算で、標準はそうだけど、九十円で済むときもあるし百十円掛かるときもあると。そうした面からいきますと、予定価格の上限拘束を外すと、こういう問題も含めて、今超党派で参議院の場合には勉強会を、議連をさせていただいているわけですが、この公共調達制度の適正化を図るべき、こういう時期に来ているんではないかなと。これだけ建設産業が疲弊してきますと、一生懸命したら、工夫をしたら少しは利益が残ると、残すことができるんだと、そういうようなことが発注者としての大事な責任じゃないかと、こんなふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  98. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 御指摘の面については、最低価格制度なんというようなのを、最低制限価格ですか、こういったものを設定したりしても、そこで集中して何かくじ引で決めるだとか、結果としてはデフレスパイラルをやっているみたいなもんじゃないかという御指摘なんだろうと思うんですね。私もそう思います。地域の優良な建設会社というのが実は維持更新して、社会基盤のお守り役をやってくれているわけですから、これは、東北震災においても、十二号台風等においても、まさしく即座に来ていただいて対応していただいた、まあ、もちろん協定を結んでの上の話なんですが。  ということで、品確法なんかを随分やられたのは何とかそういうものを解消しようということであったんでしょうが、現実はなかなかそのとおりにならないということで、今超党派的にこの面について、そういう優良な地域の建設業者そのものが存続し得るようなというよりも、本当にこの地方分権の時代、災害に強い国づくりという時代にその役割を演じてもらうような発注の在り方というものを是非御提言をいただいて、私どももそれを何とか前向きに進めてまいりたい、このように考えております。
  99. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 ありがとうございました。方向を同じくしてというお話でありますし、超党派である程度早急にまとめたいと思っておりますが、また御提案申し上げて、それで内閣としてお引き取りいただくということもまた可能であれば是非お願い申し上げたいと思っております。  最後に、済みません、ほかにも多くの質問を用意して、申し訳ありません、準備もしていただいて、時間がなくなってまいりましたので、多分これが最後の質問になるかと思いますが、資料の六を御覧いただければと思います。  実は、この大震災もそうなんですが、マグニチュード九・〇というような地震が起きるとは考えていなかった。これは今世紀に入って初めて、いや、今世紀じゃないですね、日本が成立してから初めてぐらいの大変な大きな地震でしたねと。ただ、過去に東海、東南海、南海あるいは首都直下、そして東北太平洋、連動して地震が起きてきたことが四回もあるから、またこれも気を付けなきゃいけませんよというような御議論を今朝も京都大学の藤井聡先生から伺ったところでありますが。  水の降り方の変化というのが私、大変気になりまして、これが資料の六なんですが、全国の平均の降水量は減っているんですね。統計を取ってみますと、百年に百ミリ減っているんです。それがこの資料の六なんですが。  それで、分散を出してもらったんです。この分散が実は増えているんですね。ですから、大ざっぱに申し上げれば、百年前は千六百ミリプラスマイナス三百五十ミリぐらい、経年変化がですね。三百五十じゃない、プラスマイナスでいうと二百ぐらいでしょうか。今千五百ミリぐらいになりましたから、プラスマイナスが倍ぐらいになっているんですね。つまり、年度のばらつきと地域のばらつきと雨の降り方が随分広くなっている。だから、今回の水害台風でも連続雨量で一千ミリ、計算によっては大臣の御地元辺りで二千ミリ、連続雨量で。これは一年分が全部降るんですね。そして、時間当たりでいきますと、百二十ミリ、百三十ミリというのがどんどん出てきているんですね。百二十ミリ、百三十ミリというのは、バケツをひっくり返しても間に合わないぐらい。  こういうのが例えば東京に来たら、八ツ場に来たら、群馬に来たら、こういうのが実はこの雨の降り方の異常さからいっても、八ツ場ダム、利水と治水を同時に考えると、これ両方考えなきゃ駄目なんですね。渇水のときはひどいですし、降るときはまた極端だ。こういう議論からいくと、是非八ツ場ダムの見直しを早く再開していただかなければ、これが多くの知事たちの、関係する知事たちの思いでもあり、また県民、都民の思いでもあるということを踏まえまして、大臣、いかがでしょう、早期再開につきまして。
  100. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 東日本大震災の教訓というものを社会資本整備審議会において導き出してくださいました。随分と議論を重ねていただいたようでございますが、災害に上限なし、そして命第一という二つの方向を示してくださったんですね。  今委員御指摘のことは、雨そのものは減っているということは、多分こういう施設計画をやる場合の確率洪水と、やれ二百年に一度だとかいう、その量自体はそんなに増えるというよりもむしろ減るかも分からない。しかし、一つの雨というのはとんでもない大きなものが来るよと、そういうものは計画論の中に余り反映されていないじゃないかという御指摘だと思いますね。  そういう東日本の体験も踏まえて、災害に上限なし、命第一ということで、国交省の中に事務次官を長とするタスクフォースを設置していただきまして、これは水管理・国土保全局とは遮断しております。その教訓をどう受け止めて、その受け止めた資料を有識者委員会の方に提供して、有識者委員会が最終的に評価をしてくださるわけでございますから、その評価資料として災害の東日本の教訓に基づく資料を提供しようと。  今の御指摘もその一つかなというような感じがいたしますので、事務方を通じてそのタスクフォースの方にこの資料を提供させていただきます。
  101. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいのでありますが、大臣には是非このそれこそ未曽有の危機的状況の中でしっかりとおやりいただけるということを期待申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  102. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ─────・─────    午後一時十五分開会
  103. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  104. 中原八一

    ○中原八一君 自由民主党の中原八一でございます。午前中の佐藤信秋委員に引き続きまして質問させていただきます。  今年は東日本大震災を始め全国各地で大規模な災害が発生し、多くの方々の住宅が流され、住民生活に甚大な被害を受けたほか、道路や河川、港湾、鉄道などのインフラが壊滅的な被害に遭いました。こうしたことから、インフラの早期整備と、被災した方々が一日も早く元の生活を取り戻すために国として全力を挙げて取り組んでいくことを切に願っております。  今年のこうした大災害を経験し、国民の皆様もまた災害に対する意識が高まり、災害に強い地域づくり、災害に強い国土づくりがより一層求められていると思っております。災害に強い国土をつくることは今や国民の願いであり、生命と財産を守ることであります。今後、災害に強い国土をつくるために国土交通省としてどのように取り組んでいくのか、大臣にまずお伺いします。
  105. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 中原委員の御指摘のとおりのことでございますが、東日本大震災という大津波、これは千年に一度だとか言われるようなことでありました。そしてまた、十二号台風あるいは十五号台風、あるいは新潟の豪雨というのもありました。こういったところでも土砂崩れ等が随分発生して、紀伊半島だけでも百人以上が亡くなっております。これは一種、山津波と言ってもいいかなと思います。  こういう災害に対して強い地域づくり、国づくりということになってまいりますと、基本的には持続可能なそういう地域づくりをやっていかなければならないと思うんですね。今日の午前中の議論の中でもちょっと私、あれは池口議員の御質疑に答えて、低炭素・循環型なんていうことまで申し上げました。今までだと、何だこの国土交通委員会においてちょっと夢みたいな話をしとるなということだったんだろうと思うんですが、実は三月十一日を境にして国会の議論も随分変わってきたと思うんですね。  当時、私、参議院の予算委員長をやっておりました。この予算委員会の与野党の激突というか、与党も野党も挙げて非常に厳しい議論があったわけですが、しかし三・一一を機会に国の在り方みたいなところについては、どの党もまさしく循環型と言われるようなそういう政策に、低炭素・循環型にならにゃいかぬということを具体的に自然エネルギー利用も含めて指摘されるようになりました。国民の意識が変わったからだと思うんですね。  そこで、災害に強いということの中身についてはそれぞれ御議論をしていただくわけでございますが、少なくとも持続可能というものの中身は低炭素・循環型ぐらいまでは合意を見ているのではないかと、このように思います。災害のときに自立できるぐらいの、しばらく、一週間ぐらいはエネルギーだってもつぐらいの、そのぐらいの粘り強い国土づくりをしていかにゃいかぬなと、こういうふうに思っております。  緊急対応等については、地方整備局なんかが中心になって、リエゾンと言われる専門家を地域に、自治体に送り込み、連絡調整等をやりましたし、テックフォースというような専門の技術者集団を送り込んで直ちに緊急復旧等に当たらせる、あるいは二次災害等に対して手が打てるような形を講じたわけでございます。  そんなことを含めて、これからの国土づくりというものが持続可能な災害に強い国づくりというものを目指していかなければならないというのは、委員御指摘のとおりだと共有をしております。
  106. 中原八一

    ○中原八一君 先ほど、午前中に佐藤信秋先生から我が党の姿勢についてお話がありましたように、東日本大震災の今後の復旧、それから今大臣から御答弁がありました持続可能な社会づくり、こうしたことにつきましては、先ほど佐藤委員からお話ありましたとおり、我が党も全面的にひとつ協力をさせていただきたいというふうに思っております。  大臣の御地元でも台風の被害がありました。私の地元新潟でも、例えば十日町市なんかにおきましては、今年は冬からの豪雪災害、それから地震、水害と全ての災害に遭っている地域がございます。この度の災害の教訓を、更に災害に強い国土づくりを行っていかなくてはならないと思っています。  しかし、民主党政権は、コンクリートから人へのスローガンの下、政権交代以降、公共事業予算を大幅に削減をしてまいりました。これでは災害に強い国土づくりはできません。こんなに全国各地で災害が頻発しているわけですから、コンクリートから人へというようなことでは到底国民の皆さんの信頼を勝ち得ることができないというふうに思っておりますが、大臣のコンクリートから人への認識について伺いたいと思います。
  107. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) それぞれ、民主主義国家でありますから選挙を経て選ばれる政治の世界におる我々でございます。その選挙ごとにいろいろと政策を非常に分かりやすい形で、象徴的な形で表現するということはよくあることでございます。  コンクリートから人へと言っているのも、これはコンクリート構造物で代表される公共事業が必要ないよというようなことを言っているわけじゃございませんでして、とにかく人間中心の地域づくりをやろう、人間第一という考え方でございまして、そのための施設、これは防潮堤であったり、いろいろ建物であったり、いろんなものもあるわけでございます。  特に、この七月の半ばに行われた社会資本整備審議会における三・一一東北大震災に対する集中的な審議、そこから導き出された教訓というものが人の命が第一、災害に上限はないという、そういう教訓を導き出してくれました。その方針をしっかり受け止めてやっていかなければならないなと、こう思っております。
  108. 中原八一

    ○中原八一君 コンクリートから人へという言葉が確かに選挙のときのスローガンだというお話ありましたけれども、この言葉を建設産業で働いている皆さんが、やはり自分たちは地域で汗を流して、そして地域の社会資本整備に協力をし、また災害が来れば災害にも協力をしている、であるのに、自分たちは民主党政権あるいは今の日本の国には必要性が低いんだと、こういうような受け止め方をしていることをひとつ大臣にお伝えをさせていただきたいと思います。  新潟県では、七年前の七・一三水害で甚大な被害を受けた後、災害工事を行っていただいたおかげで今回の豪雨では、七年前の約二倍の降雨量があったにもかかわらず、災害工事が終わった箇所は被害に遭わずに済みました。住民の皆さんから高く評価されております。必要なインフラや地方の生活基盤というものはやはりしっかりと整備しておかなきゃ駄目だと、こういう感を私は強くしているわけでございます。  是非、国民の生命と財産を守るために、コンクリートから人へなんと言ってないで、是非、余りきれいな言葉ではなくて、しっかりとひとつお取り組みをお願いしたいと思います。  午前中に建設産業の重要性についてもお話がありました。今回の東日本大震災におきましては、国道四十五号線が寸断され、くしの歯作戦が実施され、短期間で救援ルートが確保できました。その対応には地元の東北地方の建設業の力と頑張りがございました。東日本大震災ばかりでなく、今年発生しました全国各地の災害では、地域の建設業、この方々が力を発揮してくれたと思っています。しかし、こうした地域の建設産業も、公共事業が削減されまして経営が行き詰まったり倒産も少しずつ増えているわけで、とにかくこの厳しい冬の時代を何とかしのいでいるというのは大臣御承知のとおりだと思います。  建設産業が減れば、生活や産業面、そして困るのは市民、県民だと思います。社会資本の整備の上からも、また防災の観点からも建設産業の役割は大きいと私は考えますけれども、建設産業の役割と建設産業を今後どのように支援をしていくのか、併せてお伺いをしたいと思います。
  109. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 御質問の方、ありがとうございます。  まず、建設産業に働く人たちの役割という点でありますけれども、第一に、国土づくりに自らの持てる技術とそして知識を発揮して貢献していただくということになるかと思います。そしてあわせて、地域に根付いて仕事、従事をしていただいている方が多くございます。また、地域を支える力として、また地域の産業を支え、そして住環境とそして産業基盤をしっかりとつくっていただくという役割があるかと思います。  二つ目の、どのように支えていくかという御質問がございました。  今、建設産業の直面している課題ということについて、中央建設審議会の部門でも基本問題検討委員会というものを持ちまして、その課題について委員の方に真剣に議論をいただいているところでもあります。その中で、受注、発注量が減っているという中で疲弊している、入札制度を何とか変えていく中で地方の業者の出番が多くなるということはできないかということで幾つか、さっきの佐藤先生のお話にもありました標準労務単価という問題もありますけれども、まず入札の在り方として地域維持型の入札、メンテナンス、あるいは点検管理といった事業を地域の業者の方に受け取っていただく、そういった制度の在り方が構築できないかということを緊急の課題として投げかけているところでもあります。  融資の方でも国土交通省として協力をさせていただいているつもりでありますけれども、委員のおっしゃるように、頑張る頑張ると言ってもう十数年歯を食いしばって頑張るんだと、あるいは何くそという気持ちでやっているんだという声が数年前までは聞こえたんですけれども、最近は本当に何とか生き延びてやっているよという声をよく聞くというのも現状であります。
  110. 中原八一

    ○中原八一君 ありがとうございます。  私たちは、こうした建設産業の人たちがいることが当たり前のように思っていると思います。いざ、災害が発生すると当然のように復旧作業をしてくれるものと思っておりますが、災害が発生したときだけ助けてくれと、こういうことだけでは私は駄目で、ふだんからやっぱり建設産業が生きていけるようにしておかなければならないと思います。  午前中の佐藤先生からのお話もありました。今、副大臣からも御答弁ありましたけれども、私もまた次回の委員会では具体的な、そうした支援ができるような、支援についても御提言をさせていただきたいと思いますので、またよろしくお願いしたいと思います。  次に、被災地の復旧復興に万全を期すことはもちろんでありますけれども、国内のどこでも災害が発生する可能性があり、被災地以外でも今後起こるかもしれぬ大災害への備えとして、橋の耐震化ですとか液状化対策ですとか津波対策など、防災対策を進めていかなければならないのは言うまでもありません。  そこで、被災地以外、まあ被災地以外が、もちろん東日本大震災の復旧復興最優先とは思っておりますけれども、被災地を応援する意味でも、やはり被災地以外の皆さんが元気でなければ支援ができないということであります。  被災地以外の公共事業予算について、そういう意味で、今後頑張るんだと、一切削減しないということが重要だと思いますけれども、大臣の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
  111. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 公共事業そのものが随分と額が少なくなって疲弊しているという現状についても御指摘をされているんだと思います。日本の経済の再生や地域の活性化等につながる効果的な基盤整備事業を推進するために、所要の公共事業予算をきちんと確保していくということがまずは一番肝要だと思います。  御承知のように、さきに五%の執行を留保されていた二十三年度当初予算について、防災対策を進める観点からそれを解除いたしましたし、全国各地域に追加配分しておるわけでございます。さらに、今の三次補正予算、これから御審議いただくわけですが、これを速やかに執行するということでありますし、二十四年度の概算要求において最大限の要求を行って、所要の予算獲得について全力で尽力をしてまいりたいと思います。  更に申し上げれば、更に申し上げれば、低炭素社会というのも、実は地元の建設業を大きく需要を膨らます要素になると私は確信をしているんですね。日本の建物の断熱なんというのは全然なされていないも一緒ですよ。そこに、要するにドイツなんかはもう既に法制化しているわけですね。それで、実は毎年地域の建設業が断熱工事だけで随分回っているというんですね。そのことが意外と日本では今まで知られてもなく、進んでもいなかった。それはもう国民の意識がそれほどそこまで行っていなかったと思うんですね。三・一一以来変わったというのはそこのことを申し上げておりまして、今のところ住宅のエコポイント程度しかまだ出せないでいるんですが、本当はもう少しエネルギー効率というところまで踏み込んでいって、今ある建物の耐震と併せて断熱というようなことをやり始めると、地方都市クラスで随分と工事量が出てくるはずなんですよ。そんなことも実は頭に入れて、低炭素・循環型社会と、こう申し上げているわけであります。
  112. 中原八一

    ○中原八一君 今のお話、初めて聞かせていただきましたけれども、大臣が力を入れていらっしゃる低炭素を含めまして、被災地そして被災地以外がひとつ元気になりますように、今後、大臣から是非頑張っていただくことをお願い申し上げたいと思います。  次に、海岸堤防の復旧についてでありますけれども、東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島三県の海岸線の延長は一千七百キロメートル、そのうち海岸堤防の総延長は三百キロメートルあります。今回の災害により百九十キロメートルもの広範囲で被災したとのことであり、改めて想像を絶する被害だと思っています。これからの復旧には大変な時間と費用を要することになると思いますが、これをやはり早期にやり遂げなければなりません。  まず、今後、被災した海岸堤防の復旧の基本方針、これは決定されたのか、伺います。
  113. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 海岸堤防の復旧についての基本方針のお尋ねであります。  今お話にありましたように、海岸堤防三百キロのうち百九十キロが被災と、全壊、半壊という被害が出ました。そして、今現在、五十キロメートルの応急対策を九月末までに完了したというところでございます。  基本方針ということであれば、堤防の設定高、このことは、九月、そして一番遅かった福島の一部で十月たしか二十日だったと思いますけれども、その設定高を決めさせていただきました。県、市町村、そして港湾あるいは漁港、そういった関係者の皆さんの意見を踏まえ、そしてまた中央防災会議専門調査会の報告書を踏まえての堤防高の設定であります。  そして、このことをもって本復旧に順次着手し、仙台空港あるいは下水処理場など、復旧復興に不可欠な施設が背後にあるという区間を優先し、おおむね優先区間を二十四年度末を目途として完了すると、そしてその他の区間についてもおおむね五年の期間で工程を立てていきたいというふうに考えております。
  114. 中原八一

    ○中原八一君 これからの海岸堤防の復旧に当たっては、その高さが私は大変関心があることだと思います。津波を受けた直後は二度とこの地域に住みたくないと思った人たちが多かったものの、最近は元の地域に戻りたいと思う方々が徐々に増え、半々ぐらいになったというふうに地元の方々にお聞きしております。しかし、私は、国が本当に安心できる復興計画というものを早く出せば、元の地域に戻りたいと思う方々がもっと増えるというふうに思います。  被災した海岸堤防の高さについては、今、副大臣から御答弁いただきましたように、県と市町村が協議を進め、地域、海岸ごとに堤防の高さを決定されたそうであります。その高さの基本的な考えは、数十年から数百年程度の頻度で発生する津波を対象に設定しているとのことであり、原形復旧という言葉ではなくて、原形機能を復旧するとして既存のものよりも一段高い基準を設定しているものだというふうに思いますけれども、しかし設定された海岸堤防の高さが今回の東日本大震災での津波の高さより低いが、その高さで本当に大丈夫なのかと、こういう声がありますけれども、その点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  115. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) お答えいたします。  津波の、今回の大きな津波の高さに対して絶対大丈夫かと言われれば、なかなか絶対ということは言えないのが現実かと思います。それは、先ほど言いました審議会、調査会においても災害に限度がないという言葉があったように、今時点で、委員からも御指摘のありました数十年から百数十年といった中で一回考えられる、ある意味で私たちの知り得る経験の中で何度か繰り返されている、そういった津波を対象とした高さということになるかというふうに思います。発生頻度の高い一定程度の津波を対象という言葉で示させていただいております。  今回のような大きな自分たちの経験の中で最大クラスの津波に対しては人命保護ということを最優先に、ソフト、そしてまたハードを併せた中で津波対策を確立していくという考え方に基づいています。また、多重防御という形で津波防災の地域づくりを推進するということも考えており、津波防災の関係の法案を今国会の中でも国交省として、政府として準備をさせていただいておりますので、またそちらの方でも真摯な御議論をお願いしたいというふうに思います。
  116. 中原八一

    ○中原八一君 今の副大臣のお話を、御答弁を聞きますと、何か現実は現実として受け止めなきゃ駄目な部分もあると思いますが、しかしその被災をした地域の皆さんからすると、あれだけ巨大な津波を受けてまだその恐怖感というものが拭い去れない中で、そういう御答弁だと少し何か安心ができないといいますか、不安を拭うことができないのかなと、正直そんなふうに思わせてもらいました。  堤防の高さについては、地元で景観や観光の立場から、あるいは生命の立場からということで地域でも意見が分かれているというふうに私もお聞きさせていただいておりますけれども、やっぱりしっかりと国が地元の意見を踏まえつつ、しかし国がイニシアチブを取って総合的に、しかも早く復興計画をまとめて、その復興計画の内容も地元の皆さんに安心、安全を与えられるようなものでなければならないと思います。その内容によって、地元の住民の皆さんが地域に戻ってくる、こういうことにつながっていくというふうに思っています。  次に、第二の堤防について伺いますけれども、私も四月の末に仙台市に視察に、隣におります岩井委員と一緒に視察に行かせていただきまして、仙台東部道路を視察をしました。道路の内陸部ははるかに海岸部より被害が少ないということを目の当たりにし、なるほど仙台東部道路などの盛土道路が防波堤の役割を果たしまして、多くの尊い人命を救って被害を最小限にしたと実感して帰ってまいったわけでありますが、仙台東部道路のような盛土構造の道路の津波防御の効果について、国交省のお考えを伺います。
  117. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 委員御指摘のように、内陸部といいますか、海岸から離れた地域の構造物、例で言えば仙台東部道路が一番脚光を浴びたわけですけれども、こういった盛土構造物が津波の浸水、そして浸出というものを軽減したということは確かなことだというふうに思っております。国土交通省の方でも、津波の浸水シミュレーションというものを行ったときにもその効果というのが確認をされているところでもあります。では、これからまた次の津波に対してそういった施設をどういうふうに生かしていくかということになるかというふうに思います。  ただ、課題としましては、こういった仙台東部道路におきましても、開口部、道路の交差部から道路の後ろの地域にもたらした浸水ということがあります。本来はそういう目的で造られたわけではない構造物ではありますけれども、津波に対してもその被害を軽減する、あるいは二重の防御によって後背地を何とか被害から守っていくという機能をしっかり持たせるように、付加機能といいますか、そういったことを支援していくということも国交省の方では考えさせていただいております。
  118. 中原八一

    ○中原八一君 今回の大震災で津波に襲われた仙台平野はなだらかなことが特徴であり、地域の復興を進める上で、このように近隣に高台地域がない土地にとりましては盛土構造による道路や鉄道の整備は大変有効だと思いますので、今後ともひとつ国土交通省で積極的に御検討をいただきたいと思います。  次に、日本海側拠点港について伺います。  近年、選択と集中ということで大規模港湾に重点投資がなされてきました。これはこれで日本を取り巻く状況としては致し方ない部分はあったと思いますけれども、日本海側の港湾からするとなぜ太平洋側だけなのかと、こういう疑問が事実ありました。しかし、今回、国土交通省が日本海側の幾つかの拠点港を選んで支援をしていこうと、これは国土交通省においても異例なことだそうでございます。  このことについて、手を挙げている港湾は大変大きな期待をしているわけでありますけれども、改めて日本海側拠点港の目的について、またどのように日本海側の港湾に大臣は期待をされているのか、伺います。
  119. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 中原委員の今の御指摘でございますが、確かにかつては、表日本というような言い方で経済成長を引っ張った産業拠点あるいは大都市拠点というのが太平洋岸に集中していたといったこともあります。世界の動線がそちらに集中していたということなんでしょうが、今や中国、韓国、ロシアと、まさしくその日本海側の対岸地域が非常に大きな経済成長を示し始めているわけでございますから、その成長を日本もしっかり受け止めて、日本の経済発展にもつなげていかなきゃならないという大きな意味が出てまいったと思います。  それからもちろん、先ほど来、津波の仙台東道路のお話がありましたが、太平洋岸においては東海、南海、東南海等の大きな地震が想定され、それが重なる可能性さえ言われているわけでございますから、そういうときにはまさしく、日本海側軸というんですか、日本海国土軸というんですか、そういったものも非常に大きな、持続可能な国づくりという面では重要になってくると。そんな意味で、日本海側の拠点港湾というのは非常に大きな役割を担う時代が来たと、このように考えております。
  120. 中原八一

    ○中原八一君 この選定につきましては、間もなく十一月中に決定するというふうにお聞きをしています。既に有識者検討委員会が評価結果をまとめまして、この検討委員会を踏まえまして政務三役が最終的に選考するということであります。  室井政務官は記者会見で、各地の市長や商工会議所が熱心に陳情に来ましたと、委員会の評価結果を基に地域の熱意や情熱も加えて総合的に判断すると述べたと報道されております。私は、熱意とは何を意味するのかちょっと理解ができなかったんでありますけれども、何を基に日本海側拠点港を選定するのか、また幾つするのか、伺いたいと思います。
  121. 室井邦彦

    ○大臣政務官(室井邦彦君) 中原委員の質問にお答えを申し上げます。  まず、選定基準、また併せて、選定の港湾数が決められているのかということについてまずお答えをしたいと思います。  先生も御承知かと思いますが、今回、それぞれの港湾の管理者の皆様方に、まずフェリーとかコンテナ、そしてそれにクルーズ、それぞれの特徴があるわけでありますけれども、その機能ごとに計画の募集を行わさしていただきました。その中でいろいろと選定をさしていただきたい、こういう方向で今進めておりまして、委員会の最終評価が検討委員会でなされております。さらに、あらかじめ選定数、選定港を決めているものではありません。そしてさらに、まず募集要領の中には選定基準というものを既に示しておりますので、それに従って委員会はその選定基準と示し合わせながら選定を行い、数値で最終的には答えを出さしていただいているということであります。  そして、先ほど先生もおっしゃいましたけれども、最終的には政務三役でしっかりと議論をさしていただいて結果を出すと。しかしながら、議論をなされている中でやはり一番大切なのは、今まで数回にわたって検討委員会が出されたこの結果を最大限尊重をしていくということが基本になると思います。  最後でありますけれども、その地元の熱意とはどういうことで測られていくのかという御質問でありますけれども、これまで地元の方々がそれぞれの委員会の場所でプレゼンテーションを行いました。そしてまた、その内容、説明をしっかりとしていただきましたけれども、検討委員会としてはその計画にまさに実効性が伴うのかどうか、そしてその意欲的な取組の提案などにしっかりと評価をさせていただいて決定をさせていただきたい。ですから、熱意というのは、私の思いはそういう表現でさせていただいたということでありますので、今後そういうことで陳情、要望に来ればそれを評価をされるのかということでは、今後の行動に対してはそういう評価といいますか、そういうことにはならないということであります。
  122. 中原八一

    ○中原八一君 地方の皆さんが陳情に来ることということは私たち政治の世界ではよくあることですけれども、今回、室井政務官が記者会見で言われたその熱意を加味をして総合的に結論を出すということに少し私は奇異な感じを覚えたところであります。けちを付けるわけではありません。熱意という意味を誤解されないように、やはりしっかりとした選定基準の下で今回の日本海側拠点港を選んでいただきたいという要望が一点と、そして今回のその熱意という意味をよく解釈すれば、今お話ありましたように、それぞれのジャンルをしっかりと、まあジャンルがあるわけですけれども、それを適切にしっかりと意見を吸収して評価をしようということであろうと思います。  たくさん選べば選ばれた人は喜ぶでしょうけれども、だけど日本海側拠点港としての価値という点ではどうなのかな、こんな思いもあるわけでありますけれども、選ばれます日本海側拠点港を是非価値のあるものにしていただきたいというふうにお願いをさせていただきたいと思います。  大臣から先ほど答弁ありました、日本海側はかつては裏日本というふうに言われまして、暗いイメージを私たち小さいときは持っていたんです。日本海側も雪というハンディを背負いながら頑張ってまいりましたけれども、ここに来てといいますか、だんだんと対岸の諸国が経済発展をしてまいりまして、まさに今回の日本海側拠点港の目的がその活力を取り込んで日本海側の経済を活性化をさせようということで、少し光が日本海側にも差してきたと思って頑張りたいというふうに思っておりますけれども、今後のまた国の御支援、選定をされてどんな御支援をいただけるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  123. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) この日本海側拠点港の形成については、二〇二五年を目標年次とした長期施策であります。その実現に向けて着実に取り組んでまいります。このため、計画の進捗状況の確認と目標の検証を継続的に行いながら、必要な予算や税制、規制緩和などの支援について港湾管理者とともに今後適切に実施できるよう取り組んでまいりたいと思います。  そして、また港湾、その狭い範囲の港湾区域ということだけではなしに、やはりこの港湾の持っている機能というものは、もちろん対岸どころか世界にも広がるわけでございますし、その拠点港湾を中心とするヒンターランドの関係もあるわけですから、そういったところの基盤整備といったものについても重点的な支援を行ってまいりたい、このように思う次第です。
  124. 中原八一

    ○中原八一君 最後に、新幹線について伺いたいと思います。  整備新幹線の未着工区間については、北海道新幹線の新函館―札幌、北陸新幹線の金沢から敦賀、九州新幹線の諫早から長崎の三区間があり、整備新幹線問題検討会議で検討され、着工されるかどうかの判断が先送りにされました。  昨年の十二月、当時の馬淵大臣が未着工区間の着工に当たっては建設財源や採算性など、基本的な五条件を示し、これを満たさないと着工しないとの方針を示しましたけれども、判断の材料は既にそろっていると思われますけれども、いつごろをめどに判断結果を出されるのか、見解を伺います。
  125. 久保成人

    ○政府参考人(久保成人君) 先生の御指摘のように、整備新幹線の未着工区間、新函館―札幌間、金沢―敦賀間、諫早―長崎間、これが未着工三区間でございますけれども、これについては、今御指摘の安定的な財源見通しや投資効果などの着工五条件、あるいはそれぞれの区間の課題の検討を今精力的に進めているところでございまして、できる限り早期に結論を得るということで、引き続き全力で取り組んでまいりたいと思っております。
  126. 中原八一

    ○中原八一君 時間が参りましたので、最後ですけれども、北陸新幹線についてなんですけれども、二〇一四年の完成を目指して現在建設をしていただいております。そうした中でありますけれども、私は地元が新潟でありますけれども、新潟県が独自の主張をしていることから、県議会や県民も国と県の動向について心配をしております。国の方も御努力をいただいているようであり、是非とも国と県において真剣に今後御協議をいただき、問題解決が図られるようにお願いをしたいと思います。これは御要望であります。  また、北陸新幹線は北陸地方の長年の悲願でありますので、是非とも予定どおり二〇一四年完成をしていただきたいと思いますけれども、御見解をお伺いします。
  127. 久保成人

    ○政府参考人(久保成人君) 今建設をしております北陸新幹線の長野から金沢まででございますけれども、予定どおりの完成、すなわち二〇一四年、平成二十六年度末の完成、開業を目指して関係県ともしっかりお話をし、着実に整備を進めてまいるという方針であります。
  128. 中原八一

    ○中原八一君 ありがとうございました。
  129. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) ただいまの中原委員の質問への答弁ですけれども、一部海岸堤防の基本計画ということについて答弁させていただきましたときに、最後に、基本計画高決めたのを福島県の一部というふうに申しましたけど、岩手県の一部ということで訂正させていただきたいと思います。
  130. 大江康弘

    ○大江康弘君 大江でございます。  今日は、一年余りぶりで帰ってまいりまして、あちらこちらへ、戻ってきた途端にこうして質問の機会を与えていただきました。吉田、佐藤両理事、また先輩、同僚の先生方、また他党の先生方にも感謝を申し上げたいと思います。同時に、帰ってまいりましたら大臣も替わっておりまして、前田大臣、日ごろ、隣の県で大変お世話になっております。また、顔見知りの皆さんが随分偉くなられたなと思いながら、本当にやっぱり、かつて先輩、仲間の皆さんがこうして偉くなっていくのを見るのは大変うれしく思います。国難のときですから、どうぞひとつ、余り民主党色にこだわらずに、ひとつしっかりと現場対応をしていただきたいというふうに思っております。  今日は久しぶりですから穏やかにやらせていただきたいなと、こんなふうに思っておりますけれども、やっぱりここに今立ちますと、やっぱりどうしてもまず触れなければいけないのは、この大震災、そして台風十二号、十五号という、我々、未曽有だとか想定外という言葉を非常に、言い訳ではありませんが、この言葉を三月十一日以来よく使ってきたわけでありますけれども、私も今回、台風十二号で自分の親戚の家が二軒全壊をした、また、その身内が三人行方不明になった。おかげさまで、田辺市の伏菟野というところですけれども、当時、谷垣総裁が現場にお越しをいただいた九月の十日に、御縁があったのかどうか、その日に三名見付かったというようなことでありまして、随分心を痛めました。東北大震災、別に人ごとで見ておったわけではありませんが、やはりそういう身近にということを感じますと、また見る視点が実は違ってまいったことを今思っております。  大臣、ちょっといろいろ話が前後しますからお許しをいただきたいと思いますし、佐藤先生、中原先生からも触れられましたけれども、質問の流れの中で重複することはひとつお許しをいただきたいと思います。それから、答弁ですけれども、私は余り難しいことは頭悪いんでよう聞きませんから、どうぞそれぞれ思ったことを簡潔に答弁していただいて結構であります。  私は、大臣、今回やはり教訓として学んだのは、やっぱり最後に日本の国民を救ってくれるのは自衛隊の皆さん、そして警察の皆さん、そして消防の皆さんだなと。確かにボランティアだ、いろんな地域の多くの皆さんがありますが、私はやっぱりそのことを国民も、しっかりいろんな映像を通じて、あるいは実感として分かってくれたんじゃないかということを実は私は教訓として感じましたけれども、この私の教訓を大臣はどう受け止められますか。
  131. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 東日本大震災の現場にも何度か行かせていただいております。そして、十二号台風の、今、大江議員が指摘された、まさしく私、大江さんとは隣同士でございまして、地域を共有していますゆえに、あの悲惨な災害の現場も見てまいりました。まさしく御指摘のとおりだと思います。  それに加えて申し上げると、自衛隊も消防も警察も、やはり国土交通省関係であったり、道を開いて、そしてやっとで行けるようになってくれた。東北もそうでございましたし、十二号の十津川筋もそうでございました。そういう意味で縁の下の力持ちと、こう申し上げているところでございまして、余り自衛隊、消防、警察、国交省ともそれほど派手ではございませんが、こういう活躍があって日本の国の安全が守られているとつくづく感じたところであります。
  132. 大江康弘

    ○大江康弘君 実は今、国交省のことは次の二番目にお聞きをしようと思っておりまして、大臣がいみじくももう先に答弁をいただいたんですが、先ほども佐藤先生からもありました。やはり、一番今回そういう災害の中で、お互い身近な災害もそうですけれども、やっぱり地域をよく知る、地元をよく知る、そして地元の人をよく知る、こういうことがやはり一番迅速なそういう手だてにつながっていくという。  私は、そんなことで考えますと、民主党政権で今、皆さんが政権を取る前から、先ほどもありましたが、各省庁の統廃合だとか、これをなくせだとかありますけれども、やはり今回も、近畿に特化をすれば近畿地方整備局、そして出先の和歌山紀南の河川国道事務所、そして維持出張所、本当によくやっていただいたというふうに思っております。  これは先ほども答弁あったので今日は、今聞こうと思っていたんですが、もうそれは省きますけれども、大臣、こういう危機管理という意味からおいても、いたずらにやはり統廃合というようなことをいとも簡単に進めていく。我々はどこかに保険を掛けておかなければいけないわけですから、ふだん無駄に見えても、ふだん要らないように見えても、やはりいざというときの私は地方にとったら国頼みなんですよ。困ったときの国頼みという思いがやっぱり地方にはあるということをひとつどうぞ胸に置いていただきたいと思います。  それから、後でまた申し上げますが、少しちょっと飛びまして、溝畑長官、今日は来ていただきましてありがとうございました。私は長官を大変尊敬しております。それはなぜかといいますと、本当に長官就任以来、現場主義を大事にされている。自分が体を運んで、やはり与えられたその職責の中で、インバウンド、取りあえず一千万、そして今度は三千万ということを掲げられた。今回、台風十二号のときもいち早く那智大社にも来ていただいて、あの悲惨な現場を見ていただいたわけでありますけれども、ただ、私も地元の白浜町の温泉、これは三月十一日以来、今回の台風十二号、十五号までの間、実は約一万九千人のキャンセルが出たんですね。これは白浜だけじゃありません。いろいろ観光地を抱える地域はいろいろと直接被害に遭ったりということがあった。  しかし、二次被害というか風評被害ですね、これがもう直接被害よりもひどくて、今はもう受入れ一〇〇%にもかかわらず、この風評被害で今申し上げましたようにこの十月の末近くで白浜温泉で一万九千人というのは、もうこれは本当にちょっと考えられない数字のキャンセルが出まして大変困っているんですけれども。白浜に限らず、こういう、東北三県もそうですが、やはり風評被害に対して私はもう少し、長官のところの国が、少しその風評被害というものを和らげていくという意味において、もう少し前面に出ていただけないかなということを実は思ってきたわけですけれども、ちょっと長官の思いを聞かせていただけたらと思います。
  133. 溝畑宏

    ○政府参考人(溝畑宏君) 私も先般、奈良県、そして三重県、それから和歌山、訪問させていただきました。前田国土交通大臣も十月行かれまして、いろんな意見を交わさせていただきました。  その中で感じましたのは、やはり観光というものが被災された地域を元気にしていくという上で極めて重要な役割を担っていくなということを強く感じました。そして、観光に携わる皆さんがおっしゃったのは、やはり風評被害に困っていると。ダメージを受けていないにもかかわらず敬遠されている傾向がある、キャンセルが出るという声をたくさん聞かせていただきました。一刻も早く安心、安全のイメージを定着し、風評被害を払拭する、これは極めて重要であるというふうに強く感じさせていただきました。  具体的に我々といたしましては、他省庁、そして又は地方自治体の皆さん、メディアの皆さんとも連携を取りながら、モニターツアー、これを積極的に実施していくこと、そしてまた、海外からこの三県、それぞれやはり海外からの観光客が多いところでございます。そういう意味から、海外からメディア、旅行会社を招聘する。そして、三点目といたしましては、日本在住の留学生を派遣して、留学生の目から安心、安全を発信してもらう。そしてまた、旅行業界とも連携を取りまして、この三県を積極的に送客する仕組みをつくる。そしてまた、五点目は、やはりイベントを実施して、これをメディアと連携をして、元気な姿を関西、関東のメディアでがんがん流す。こういうことを積極的に仕掛けなくちゃいけないというふうに感じております。  今後とも、十分に関係機関と連携を取り、全力を挙げてスピード感、現場主義を徹底して、一刻も早い観光需要の回復に努めてまいりたいというふうに考えております。
  134. 大江康弘

    ○大江康弘君 長官、ありがとうございます。  もう一つお礼を申し上げたいのは、実は今回の三月十一日の震災で台湾が約二百億円余りの義援金を募っていただいたということで、大変、これは金額の多寡じゃありませんけれども、やっぱり国民の皆さんにとっては、日本国民にとってはどの国の国民が友人なのかということを私は感じていただいたと思います。同時に、いち早い災害救助隊を送ってくれたり、また、三月十一日に震災が起こって、四月には王金平さんという向こうの立法院、いわゆる国会の議長が自らが団長になって、三百名、チャーター便を募って北海道まで来ていただいた。  実は、そういうことを長官に申し上げたら、もう十分分かっておるんだということで、八月に長官がわざわざ台湾、台北まで行っていただいて、そして向こうの復興航空という航空会社が東北三県に元気を与えようということで、今観光客を送るべくチャーター便を出していただいておる、そのセレモニーに長官がわざわざ台北まで行っていただいたということに関しても、私は改めてここでお礼を申し上げたいというふうに思っております。  どうか、今外国客のことにも触れていただきましたけれども、今後ともひとつ、お忙しいと思いますけれども、どうぞその現場主義を貫いていただいて、早くこの一千万、そして三千万のインバウンドの達成ということをやっていただきたい。我々も、微力ですけれども、ひとつ協力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  何かありますか、あれば。もういいですか。──ありがとうございます。  それじゃ、ちょっと災害に戻らせていただきますけれども、ちょっと地元のことに触れさせていただきます。  台風十二号で本激、いわゆる激甚地の災害指定をしていただきましたことに、改めてここでお礼を申し上げたいと思います。  今、奈良も、大臣の御地元の奈良もそうですけれども、いわゆる土砂ダムですね、河道閉塞、これが非常に住民にとってみては、いまだに今そこにある危機でありまして、大変悩ませておるわけでありますけれども、今のこの田辺市熊野の土砂ダムの現況というのはどうなっておるか、誰か分かりますか。
  135. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 大江委員にお答えさせていただきたいというふうに思います。  本当に大きな土砂崩れ、深層崩壊と言われるような中で河道閉塞、それも何か所も同時に発生するという事態でもありました。すぐに大臣の方からも直轄管理の指定をいただきまして、国交省の本当、技術陣の最優秀の人たちの下で監視、そして今の対応というものに取り組ませていただいております。  今、少し状況を常時監視できるという中で落ち着いてはきておりますけれども、御承知のとおり、その対応工事が完了しておると言うにはまだ程遠い状況でもあります。また、雨が降れば湛水位、水位というものが一気に上がってしまうというのも現状であります。  今現在は、九月十六日の緊急工事着手、これは熊野の方ですけれども、二十七日からずっとポンプ排水ということをやっております。今、仮排水路、これができましたら、少し安定して、皆さんに安心をお届けできるということで必死に対応させていただいておりますけれども、今かかっております五か所の河道閉塞のうち三か所は年内、できれば自治体の首長さんの判断によりますけれども、おうちに帰ることもできるような状況に、お正月は間に合うようにという思いで取り組ませていただいております。あと二か所、ちょっと仮設道路の方が大変困難な状況にあるというところにつきましては、一月若しくは二月にその仮設排水路が完了する、そういう目標を持って取り組んでいるところであります。
  136. 大江康弘

    ○大江康弘君 副大臣、ありがとうございます。  今ちょっと残念なのは、確かに分かるんです。仮排水路がしっかり安定をするまでとか、そういう前提条件というのは分かるんですけれども、大臣、福島もそうですけれども、いわゆる警戒区域の指定というのは当該自治体の首長がされるんですね。聞けば、災害基本法の六十三条というものがそれの法的根拠になっておると。そして、それを解除するには六十条に、もう危なくないから帰っていいよということであると。  実は私、ここは私の二十年やってきた県会議員の自分の地元だったものですから、町村合併して今、田辺市になりましたけれども、随分お世話になっておる方も多くて、早く帰りたいという実は陳情も受けた。それで、市長にも申し上げた。市長は、なかなかやっぱりこれだけの警戒区域というのは、もう誰も入るなと、入ったら何かこれ罰則もあるという非常に厳しい網掛けだということで。ところが、それを、やはりこれは当該の首長だといったって、本当にこれだけの被害で、これだけの現状の中でやはり解除をするときに、決めるときもそうですけれども、やはり首長一人にその責任を担わせていいのかどうか。  今、市長は、真砂市長っていうんですけれども、地元の人は早く帰らせてほしいと。もうやがて二か月近くになります。そして、国はやはりなかなか、今副大臣がお答えになられたような状況の中で、いい材料というもの、なかなかこの田辺市に示してやることができない。  ただ、大臣、私は、昔、私どもの地元で車の新車買うでしょう、車の新車買って、事故がしないように近くのお宮さんへ行くんですね、おはらいしてもらいに。そうしたら、神主さんが何て言うかといったら、天気予報、天気予報と言って拝むんですよ。それは何かといったら、昔、天気予報は当たらなかったんですね。だから、当たらないから事故を起こさないです。  ところが、今はもう御存じのようにぐるぐるぐるぐる気象衛星がいろいろ飛んでいますから、大体、お互いやはりもう一週間後、いろんな長期予報もできるようになった。だから、危ないといえば、もう地元の今避難しているところへは、それぞれの自宅から、地元の公民館ですから、一時間掛からない、三十分も掛からないんですよ。  だから、やっぱりこういう判断は、私はおとつい市長に聞けば、まあ国交省もよくやっていただいていると、余り先生、国交省には怒らぬといてよと言うから、俺は怒らないよと、俺は感謝しこそすれ怒らないですよと、そんなことはもう心配するなと笑いながら言ったんですけど。要するに、やっぱり市長にとってみたら、一生懸命やっていただいているけど、なかなか情報を与えてくれないというこの思いがあるんですね。ですから、判断をしろと言ったってなかなか判断もできない。今私が申し上げたように、そういう重い判断を自治体の首長がやっぱりしなきゃいかぬ。これは福島なんかもそうでしょうし、今警戒区域を与えている当該の自治体の首長は、私は同じ悩みを持っておると思うんです。  何かやっぱりここは、例えば大臣が、国土交通大臣がしっかり関与をして、共にそれを一緒に考えていってやるということをやっぱり考えていってやらないと、今、年末と言われた。正月には確かに帰れるかも分からないと副大臣おっしゃったけれども、まだ二か月あるんですよ。  都会の方には分からないかとは思いますけれども、やはり住めば都で、どんな災害いろいろあったって、やっぱり住んでいたところに帰りたいというのがふるさとに住む人、田舎に住む人の思いであって、少なくても家が現存して残っておるという形の中で、こういう天気に左右をされたり、今の副大臣が答弁をされたような一つのやっぱりこういう手順というものがあるから、仕方なく今まだ避難生活を送っておりますけれども、随分長々言いましたが、ここ、大臣、何とかなりませんか。
  137. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) そうですね、非常に事は重要かつ、これは人命にかかわる問題ですから、まずは基本的には慎重にならざるを得ないところがあります。  大江議員御指摘の田辺市は、あれは大塔村と言いましたか。
  138. 大江康弘

    ○大江康弘君 かつては大塔村です。
  139. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 大塔村ですよね。
  140. 大江康弘

    ○大江康弘君 熊野。
  141. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 大塔村熊野。その山を越えて奈良県側になると、これは十津川筋で、かつては吉野郡大塔村と言ったんですね。
  142. 大江康弘

    ○大江康弘君 大塔村。
  143. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 大塔村、大塔宮護良親王ゆかりの土地ですが。こういったところにも、赤谷という、今、五條市に合併されて。だから、よく似ているんですね、田辺市の土砂ダム、五條市の土砂ダム。何だか余り山奥の感じがしないわけですが、実は合併するまではもう本当に山奥のところでありまして、委員御指摘のことはよく分かります。  改正土砂法で、こういった土砂ダムができた場合、国が直轄で直ちに対応できるような制度もつくりました。それによって今この和歌山県側も奈良県側も入っております。そして、これまた、もう委員篤と御承知のように、多少慎重を要するというのは、まだ雨季が終わっていない、幾ら衛星で観測したとしても、局所的な雨というのは熱帯性低気圧がちょっと発生するだけで集中的に降るおそれがある。そして、何も大量の雨が降らなくても、閉塞して仮排水路がまだできていないものですから、ちょっと降るだけでもオーバーフローするおそれはまだなしと言えないんですね。その辺のところがあるから若干時間が掛かってきております。ただし、この土砂法の改正によって情報を国の方から提供できるということになっておりますので、その辺も踏まえた上で適時適切に情報提供をいたします。
  144. 大江康弘

    ○大江康弘君 大臣、ありがとうございます。  ひとつ情報提供だけは密にしてやっていただきたい。二日前に国交省から情報をいただいたということなんですが、結構、間が空いていまして、田辺市は困っていました。ですから、どんな小さなことでもいいですから、やはり絶えず意思疎通をしていただきたいということを要望をさせていただきたいと思います。  それと、今言った熊野のダム、土砂ダムもそうですし、熊野川の水系にもやっぱり幾つかそういうものがあります。これは何とか直轄でしっかりとやっていただくということをもう一度ちょっとここで申し上げますので、お願いします。
  145. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 既に、熊野ダムを含めまして五つのダムについて直轄で対応するように指示をしてありまして、現実にそうなっております。そういう意味で、まずは仮排水路、そこに重機を入れるのですらもう大変なことでありまして、重機を分解してトラックに積んでというような状況なんですね。したがって、その仮排水路を造るということについて多少時間が掛かっているということは、現場の非常に奥地であり道路は寸断されてしまっているということも含めて御理解をいただきたいと思います。
  146. 大江康弘

    ○大江康弘君 なかなかもうこの今の不透明な時代は経験則というのがもう通用しない時代になってしまったので、そういうところもやっぱりあろうかと思いますが、よろしくお願いしておきます。  次に、大臣の所信について少し質問したいと思いますが、先ほども中原先生からあったと思うんですが、災害に強い国土構造の再構築や危機管理体制の強化に努めていくという。  午前中、池口さんの質問を聞いておったら三年前の道路特定財源のときを随分思い出しました。私が人生が変わった瞬間でありましたけれども。暫定税率の問題から目をつぶって聞いておったら、もう少しあの主張を三年前に池口さんもしっかりやってくれていたらなと思いながら聞いておったわけでありますけれども。私はやはり、コンクリートから人へという、これは先ほど選挙でというお話も大臣されていましたけれども、やっぱりその方向性だとか、あるいは事業仕分だとか、あるいはもう道路は無駄だなんてことで、実は当時、ガソリン値下げ隊で和歌山の勝浦へ三人の民主党の国会議員、川内さん中心に来られたわけですね。初めて和歌山へ入った、そして初めて那智勝浦へ入って、こんな道路は無駄だ、まさにルイ・ヴィトンだ、グッチだ、エルメスだみたいな、そんなぜいたくだということを言われて帰ったんですけれども、今回の台風十二号で、御存じように那智勝浦の町長が奥様やお嬢様を亡くされて、それだけではありませんが、多くの被害を被ったわけですけれども、その後まさに命の道路として国道四十二号線よりも主要道路となっているのがあの那智勝浦道路ですよね。  だからやっぱり、むやみやたらに余り、人の選挙区へ来て、知らないのに無駄だ何だと言うようなことは私はやっぱり慎むべきであるということを当時も申し上げましたけれども、私はやっぱりこれはしっかりと、民主党の皆さん全部じゃありませんが、やっぱり反省をしていただきたいと、こんなふうに思っておりますけれども。  果たして民主党の党として言われておる方向であれば、私はやっぱり大臣が言われておる、こんな災害に強い国土構造だとか、そんな災害に強いインフラの強化、危機管理なんかできるのかなと。しかし、俺は俺でまた違った考えでやるんだと言っていただけるんだったら私は安心もしますけれども、ここは大臣、どうですか、これ。
  147. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 大江議員とは、あの当時同じ場でそんな議論もしたこともあると思いますね。中にはしつけもされていないのもおったかも分かりません。少なくとも私が大臣でいる限り、しっかりやらせていただきます。
  148. 大江康弘

    ○大江康弘君 大臣、ありがとうございます。  そこで、ちょっと道路のことに触れたいんですけれども、道路に限らず、私はやはり、ちょっと本を読んでおったら、アメリカの三十年前にパット・チョートという経済博士が、だんだんだんだん予算が少なくなっていく、そして公共事業を減らしていく、しかしこのままじゃアメリカはもう潰れてしまうということを実は書いた本を、三十年前に書いたやつがなかったので、国会図書館行ったらちょうどあったのでこれを読ませていただいたら、まさにこれはアメリカを日本に置き換え、そしてこの本の中にある各州を日本の各県に置き換えたらもうぴったり当てはまる本であるんです。  当時、私は三年前も申し上げました。造ることだけが我々は目的じゃない、百二十万キロも道路を造り上げてきて、これをどうやっぱり維持していくのかということを我々は片っ方でも考えていかなきゃいかぬと。今、十五メートル以上の橋が日本で約十五万六千橋あるけれども、あの〇七年にミネソタ州のミネアポリスで落橋した橋というのは、原因はハトのふんだったということ。そういうことを考えたときに、いかに維持管理が大事かという、あとこれ四年、五年もしないうちに、そういう日本でも橋がもう約八千橋近くなってくるという、こういう数字を見たときに、我々は、ややもすれば自分の身の回りのことであったら古くなることを考えますよね。車古くなったらどうしよう、家古くなったらどうしようと。ところが、社会資本となったら、古くなったらどうしようなんというお互い知恵はなかなか働きにくい。  ですから、そこは国がしっかりとやっぱりそういうことをリードをして、やはり造ることも大事だけれども、維持管理、まさに更新投資ということも大事なんだということは、もうそろそろ大臣、これは我々やっぱり声高に言い続けていき始めなければ、本当に日本自体が我々は崩壊していってしまうというふうに思うんですけれども、そこは大臣、どういう。
  149. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 全く同感でございます。アメリカの後を何十年か追っかけているような感じがいたします。  私自身も、今から三十年前に初めてニューヨークに行ったときに、午前中も触れたかも分かりませんが、リンク道路が途中で通れなくなっていたんですね、穴空いたままで、マンハッタンのですね。いや、こんなことがあるのかと思いましたよ。  そういうことにならないように、実はこれは我が国土交通省においても反省が必要であります。いつまでたってもミニストリー・オブ・コンストラクション的な、そういうどんどん造っていくということに組織、人事が偏りがちでございます。そこをもう一度、こういう持続可能な国づくりという観点から、維持管理、今ある施設をいかに効率的に使っていくか、補修していくか、更新するか、そういった体制が必要であろうと、こう思っております。
  150. 大江康弘

    ○大江康弘君 大臣のところの御地元の山添村でも橋が一つ今通行止めになっているんですね。これ、もう四年ぐらい前からなっているわけであります。ですから、そんな橋はもう全国で幾らでもあるわけですけれども。  最後に、BバイC、よくこのことを私も議論をしました。今、三便益でBバイCを測っておりますけれども、もう私はそんな時代じゃないと思うんです。今回、まさにこれ災害であったりとか、あるいは医療であったりとか、観光であったりとか、そういうことも勘案をした中でやっぱりBバイCというものを、そしてもう一以下は無駄なんだなんていう、もうこんな、大臣、議論やめましょうよ。これ、誰がそんな基準を決めるんですか。よく三年前、民主党の馬淵さんなんかよく言っていましたけれども、私、やっぱり地域にとっては、その地域の人にとっては無駄な道路なんて一本もないんです。  ですから、この災害を機会に、ひとつどうかそういうBバイCの基準値というものの見直しもやっぱり進めていただきたいというふうに思います。最後にちょっと、それ答弁してください。
  151. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 大江委員にお答えいたしますが、御案内のように、今回の三・一一東日本大震災、九月の台風十二号、こうしたものを見たときに、救助救援活動、緊急物資の輸送や、またその道路自体が避難の場所になったというような経験を含め、このような防災面の効果は現行の三便益、BバイCだけでは十分に評価できないと認識しております。  このため、道路事業の目的効果に見合った多様な評価手法を追加し実施することとし、今般、防災面の機能の評価手法について暫定的に取りまとめ、三陸沿岸道路等の新規事業評価に適用したところであります。  今後とも、社整審の道路分科会事業評価部会等のこの委員会の意見も踏まえ、評価手法の充実を図ってまいります。
  152. 大江康弘

    ○大江康弘君 今、松原副大臣答弁いただいたんで、道路担当ですから、東京は一メートル一億の道路を造っているんですね。御存じのように、中央環状の新宿線。これは大臣、私は当時、三年前に現場を見に行って、本当に日本の技術というのはすごいと。要するに、丸ノ内線と大江戸線の間の三十メートルの間に道路を造っているんですよ、四車線の。そして、丸ノ内線との間の距離というのは僅か二メートルだと。いや、日本の技術というのは大したものだ。それはやっぱり、公共事業が駄目だ何だっていうふうな、そんなことを言うとったらこんな技術はでき上がっていかないんです。なぜ日本は省エネ技術が世界一になったかといったら、あれはやっぱり石油が来なかったからでしょう。あれで日本人が一念発起をして、世界一の省エネをつくった。  ですから、松原副大臣、東京の皆さんは当時は道路反対しました、みんな。無駄な道路、あんなもの要らぬ、暫定税率やめろって。だけど、一番道路にお金を使っているのはやっぱり東京だということをこの際、副大臣として御認識いただいて、また今答弁をいただきましたけれども、ひとつ今後とも地方の道路にもしっかりと目をやっていただきたいということを最後に要望して、終わります。  ありがとうございました。
  153. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合です。  今日は所信質疑ということでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  大臣は所信の中で、災害に強い国土構造の再構築ということで述べられました。まず、私もその点から御質問をさせていただきたいと思います。特に、社会資本整備の中でも道路の話は午前中の審議の中から繰り返し出ているところであります。  私も東日本大震災の現場に赴いておりますけれども、特に三陸縦貫道では多くの住民の方から、この道路がなかったらどんな大変なことになったか分からないという証言ですね、生の証言を聞くたびに本当に命の道路だったんだということを再認識したわけであります。  この三陸道は、当然地元の方々にとってみると、防災という観点からも必要性というのは十分理解されつつも、しかしながら大きな交通量というのは、ああいう地域ですから大きな交通量は見込めないということで、これは最初の開通から三十年たちますけれども、約五〇%の供用というところで今終わっているということでございます。  そこで、ひとつこれからの高速道路を含めた道路の在り方ですが、先ほど費用対効果の話も出てまいりました。この費用対効果というのは、計算される効果はほとんど交通量ということで、裏を返せば交通需要の大きさで道路整備の可能性、整備速度を決定していくわけでございます。ところが、もう少し別の視点というのが必要ではないかというのが繰り返し議論になったと思うんですが、今日はお手元にまず配付させていただいている資料がございます。高速道路ネットワークの形成による東京―青森間のルートということでございますが、いざというときに道路がないと災害復旧にも使えないということでございまして、また、仮に道路が寸断されたとしても違うルートを確保していると、そういう補完性とかいうことも大事だと思うんですね。  そういう意味で今、これは例示ですけど、東京から青森に行くまでに高速道路を使って何通りの行き方があるのかということで、今二十四通りあると。ただ、これ、よく見ますと、郡山までで二十四通りでございまして、郡山から先は、青森まで二十四通りということは、すなわち一通りしかないということでございます。フルネットでネットワークが整備されますと、現在二千五百二十三キロですが、これ三千三百六十一キロ、フルネットで企画されますと、二五%の延長によって実は東京―青森間のルートは一万四千二百四十ルートということで、非常にネットワークという観点からすると極めて飛躍的に拡大するわけですね。  これを分かりやすくネットワーク効果ということで図表に示したのが二枚目でございます。私もこれを見て改めて認識したわけでありますが、A点からF点に行くのに何通りの行き方があるのかと。一番左の図では、これは当然一通りです。ところが、環状線ができるとAからFに行くのには十七通りがある。ところが、環状線の一つの区間で未着工のところがあると、AからFに行くのが実は六通りに減るんだと。これは改めて、私、分かりやすく、図表だったんですけれども、この効果の意味というのを認識したんですね。  そこで、大臣にまずお伺いしますが、災害に強い国土構造の再構築に関して、費用対効果偏重から改めて、私が申し上げましたこのネットワークの代替性とか補完性といった、余裕性というんですか、リダンダンシー、これを十分考慮していくべきではないかと思っておるんですが、大臣の御所見を伺います。
  154. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 委員お示しいただいたこのネットワーク、非常に示唆に富んでいるなと改めて見せていただいております。  十二号台風、私の地元のことに例を引いて恐縮なんですが、紀伊半島というのは、とにかく半島というのはどうしても交通関係というのは後手に回りやすいところなんですが、紀伊半島を縦貫して新宮に至る道路というのは百六十八号一本しかないんですね。多少バイパス的なのがもう少し紀伊半島の大台ケ原と言われる三重県寄りのところに百六十九号というのがありますが、やがてこれは百六十八号と合体して新宮に行く一本と言っていいでしょう。ここに三重、奈良県、和歌山を通じて何本かあるんですけれども、まさしくこういったことででして、今回、十二号台風で百六十八号が寸断されると至る所に孤立集落ができました。その孤立集落、高齢化しておりますから、一週間ももたないんですね。本当に人命にかかわるような話になります。なかなか復旧ができないんです、こういう多重性というのがなかなか確保できていないために。これはもう本当に私も身にしみて感じたところであります。  ところで、この一ページ目に戻りますと、これまた東京から青森まで二十四ルートが一万四千二百四十ルート、このリダンダンシーが確保されると同時に、多分ここに新たな観光開発というか、観光の上からいってもいろんな可能性が出てくるのではないかと思います。さらに、このネットワーク効果ということについては、首都圏においても何十年たってもつながらないような環状線もあるわけで、これが本当に人というような非常に経済社会の一番中心になっているところでどのくらいの大きな経済的損失が今まで重ねられたのかなと思ったりもしながら見ておったところでございます。  ということで、結論として、もちろんBバイC、これは一つの基準として三つのBバイCというのは基本としておりますが、加えてこの多重性であり、そして何といっても災害に強いということがこういうことも意味しているかと思います。つながるということが命の道だというふうに感じております。
  155. 谷合正明

    ○谷合正明君 大変にありがとうございます。  我が国はほかの諸外国と比べて道路整備がネットワークという観点で未整備な状況がございます。ところが、我が国というのは災害発生、頻繁に起こる国でございます。そういう観点からして、もう一度改めてこの三・一一の教訓というものをしっかりと私たち国会議員がこれを感じ取って行動に移さなければならないんだと思っております。  次に、具体的な震災関係の質問に移らせていただきます。  防災集団移転促進事業です。これも三陸海岸の自治体関係者から、私、直接、先週だったでしょうか、伺ってまいりました。  この事業については、国土交通省所管で、例えば実際の自治体の負担をこれ事実上なくしていくという改正であるとか、あるいは一戸当たりの移転費用の上限をこれ撤廃するとか、その大きな要望はクリアしたけれども、今自治体から上がっている声として、小規模な集落の移転にこの事業が当てはまるのかどうかという話と、自力で移転するという方に対してどれだけ支援の手が伸ばせるのかという、そういう声に集約されました。  今回の防災集団移転促進事業で移転先の住宅団地の規模要件の緩和がなされる、十戸から五戸になるわけでありますが、具体的にそれでは、その五戸未満の小規模集落などが高台移転したいといったときに、この本事業では適用できるのかと、私、できるようにすべきだと思いますが、まず確認させていただきたいと思います。
  156. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) こういった災害、防災に関しては、できる限り細かい、きめ細かな支援が必要であろうということは共通の認識であろうと思います。  東日本大震災の被災地における防災集団移転促進事業については、移転先の住宅団地の規模要件を十戸から、委員御指摘のように、五戸に緩和する措置を第三次補正予算において盛り込ませているところであります。  御指摘のように、更に小規模な高台移転に対応するため、移転先の住宅団地の規模を更に引き下げることについては、移転先地の地域コミュニティー等を勘案し、今般の制度拡充案に盛り込んでおりませんが、例えば小規模な複数の集落の移転先を集約して五戸以上の住宅団地とするなどの工夫により実質的には対応できる場合もあることから、地方公共団体のニーズに応じて、制度の運用面での工夫を今後検討してまいりたいというふうに思います。
  157. 谷合正明

    ○谷合正明君 是非工夫していただきたいんですが、もう少し聞きますと、例えば小規模集落が今言われたような適用に向けてなる場合に、そうはいっても小規模集落が何戸以上あるのかと、二戸以上必要なのかとか、あるいは全戸の同意を必要としているのか、この辺りはどういうふうに今検討されているんでしょうか。
  158. 加藤利男

    ○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。  防災集団移転促進事業を始めるに際しましては、集団移転促進のための事業計画を策定するということになっておりまして、その中で移転促進区域を決めていただくということになります。  今、副大臣から御答弁がございましたが、例えば小規模な複数の集落に移転先を集約して一つの住宅団地を形成する場合にあって、お尋ねのような五戸未満の小規模な集落についても全ての住居が移転すること、災害危険区域に指定されることを前提に事業計画上も妥当であるというような場合には、移転促進区域に指定されることがあるというふうに考えております。したがって、そういうような条件が整えば、防災集団移転促進事業が実施できるものと考えております。  なお、お尋ねの住民の合意形成についてでございますが、これは今申し上げましたように、移転促進区域が定められますと、移転促進区域内にあります全ての住居を移転していただくということになっております。また、災害危険区域に指定されるということが前提となっておりますので、そういう意味からすれば、区域内にお住まいの方々の居住の在り方などに大きな影響が及ぶものでございますので、集団移転を円滑に進めるという観点からは、住民の総意に基づく合意形成がどうしても円滑な事業執行という面からは必要になってくるのではないかというふうに考えております。
  159. 谷合正明

    ○谷合正明君 また、更に確認ですけれども、総意ということでございましたが、ただ、こういうある地域の中で総意というのはなかなか難しいと思うんですね、合意形成図る。一つの世帯が、いやどうしても残りたいということになると、残りの地域だけでこの移転促進区域を定めるということにして総意という考えが成り立つんでしょうか。
  160. 加藤利男

    ○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。  実際上の事業の運営としては、今お尋ねのように、移転をされるという方々を前提とした区域取りを行うということになろうかと思います。ただ、そういうことからすると、当初は本来的には移転促進区域を掛けて集落の移転、集落全体の移転を図る必要があるというようなケースであっても、今のように当初の段階ではなかなかちょっと思い切れないと。したがって、移転促進区域には入りたくないというような方がいたとした場合には、それを外して先行的に事業を実施することは可能です。  ただ、その場合であっても、後から移転促進区域に、何というんですかね、いろいろ御検討をされまして、その後移転しても構わない、あるいは移転したいといったような場合には、改めて移転促進区域の範囲を変更していただくというようなことで事業計画を変更していただくと。そういうことでもって円滑な集落の移転の促進というのが図れるものだと考えております。いろいろ運用上の工夫をしていきたいと思っております。
  161. 谷合正明

    ○谷合正明君 もう一つ、別の観点ですが、自力移転、自力移転の定義もあるんですが。例えば、その移転促進区域からこの促進事業によって整備する住宅団地、その住宅団地以外の地区に自力で移転する場合、費用の支援はあるのか、まずこの点について伺いたいと思います。
  162. 加藤利男

    ○政府参考人(加藤利男君) 防災集団移転で整備される住宅団地以外のところに移転をされる、自力で移転される方についての助成の内容についてどうかというお尋ねでございますが、その他の地区に、移転促進区域が掛かりましてその他の地区に移転される方に対しましても、助成内容としては移転促進区域内の農地や宅地の買取りに要する経費、移転者の住居の移転に対する補助に要する経費については助成ができるというふうになってございます。
  163. 谷合正明

    ○谷合正明君 それでは、その移転促進区域に指定される前に自力で移転している場合に、今言われた土地の買収費だとか引っ越し費用の支援というのはあり得るんでしょうか。
  164. 加藤利男

    ○政府参考人(加藤利男君) 移転促進区域に指定される前に自力で移転された場合ということでございますが、その場合、引き続き移転促進区域内の土地を保有されているということでございますれば、移転促進区域内の農地や宅地の買取りにつきましては同事業による補助の対象とすることは可能であるというふうに考えております。
  165. 谷合正明

    ○谷合正明君 ちょっと今、引っ越し費用については出てこなかったんですが。  それで、先ほど同意、まあ総意ということで、移転促進区域に指定されないというケースが出たとした場合に、ただ高台に移転したいというふうに希望される方が出たら、その方にはまず費用の支援というのは出ないということですか。出るんでしょうか。
  166. 加藤利男

    ○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。  この制度は、移転促進区域を掛けたことをスタートにして円滑な移転を進めるという事業でございますので、移転促進区域内に、前後を問わずですが、移転促進区域に掛かっていないものについては本事業の対象にはならないというふうにお考えいただければと思います。
  167. 谷合正明

    ○谷合正明君 いずれにしましても、今やり取りしている話というのはもうちょっと先、実際具体的には現場では先の議論かとは思うんですが、市町村は、今この事業については本当にこれ市町村任せで大変じゃないかという声も実際あるわけでございまして、土地区画整理事業であるとかこの本事業であるとか、そういったマンパワー、人的支援についても、是非国交省の方でもこの体制の在り方というのを見ていただきたいというふうに要望させていただきたいと思いますし、これから市町村と頻繁にやり取りされると思いますので、そうしたこともしっかりとコミュニケーション取っていただきたいと思います。  もう一つ、宅地被害について伺います。  先日、私、仙台市の泉区の宅地被害の現場を訪れました。宅地被害については、液状化の被害以外の宅地被害ですが、仙台市に集中しているわけですね。仙台市で二千件、戸数ベースでいうと四千戸以上あるんじゃないかと言われていますが。通常時の国の補助事業だと、仙台市の場合、約四割の世帯しか補助対象しかならないんじゃないかというので、過去の特例に倣って制度改正してくれという要望があったわけですね。過去の特例、中越沖地震とかを参考にして特例を準じたとしても、それでも約七割ぐらいの宅地被害にしか対応できないんじゃないかと。  ところで、やはりその残りの三割を支援したいということで、今回大幅な要件緩和等、自治体から要望が出されていたと思います。造成宅地滑動崩落緊急対策事業、この度創設されるということですが、この特例措置によって被災した地域全てが救済の対象になり得るという認識でよろしいんでしょうか。
  168. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) このいわゆる宅地の被害、これをどのように支援するかというメニューでありますが、東日本大震災において内陸部の造成宅地において広範かつ多数の被害が生じ、復興を推進するに当たって重要な課題の一つであると認識しております。  宅地被害への支援として様々なメニューを用意しております。  今般の第三次補正予算案において盛土造成地が滑動崩落した地区に対応するための事業として、今委員御指摘の造成宅地滑動崩落緊急対策事業を創設いたします。また、住宅の宅地擁壁被害に対する事業として災害関連緊急傾斜地崩壊対策事業、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業に特例措置を講じ、従来は自然斜面だけでありましたが、擁壁等の人工斜面への適用も図ることにしております。このほかこれらの事業の対象とならない被災宅地については、第一次補正予算で創設した災害復興宅地融資制度の活用が可能となっております。  国土交通省といたしましては、引き続き被災地の地方公共団体との連携を図りつつ、これらの事業の円滑な実施を支援することにより一日も早い復興が図れるよう努めてまいります。  メニューがたくさんある中で、おっしゃったこの造成宅地滑動崩落緊急対策事業で全てがという議論には一義的になっておりませんが、幅広くメニューを出して御支援をするようにというふうに努めてまいります。
  169. 谷合正明

    ○谷合正明君 必要な支援、まあ支援を必要とする方には当然支援が行き渡るようにというのが当たり前だと思いますので、その漏れがないような今後の対応というのをしっかりとこちらもチェックさせていただきたいと思います。  ところで、宅地被害を受けている住民の方々の声としては、例えば対症療法的に宅地の被害を直すということもさることながら、かなりこの十年の間で大きな地震を経験してきて、今回の地震だけじゃなくて、前回、前回というのは宮城県沖地震とか、そういったときにも実は少ない規模の被害ですけれども、あったんだということで、実は調査をしっかりしてほしいということと原因究明をしっかりしてほしい、そして根本的な対応をしてほしいという話なんですね。  聞くところによると、平成以降に宅地造成した地域というのはこれまでの大災害の中では被害がないとは聞いているんです。昔、宅地造成したところで起きているわけでして、そうした方々、住民が、今の現行の制度上、私が申し上げたような調査であるとか原因究明、根本的対処というのは、そういった支援ができるようになっているのかと、この点について確認させていただきたいと思います。
  170. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 第三次補正予算案において創設することとしている造成宅地滑動崩落緊急対策事業は、被災した造成宅地の単なる復旧ではなく、再度災害防止を目的とした制度となっております。本事業において、滑動崩落の原因究明につながる地盤調査及び設計に要する費用についても交付対象とすることとし、調査の結果を踏まえ、適切な工事を施行することが可能となっておりますということで、御案内のように、このいわゆる設計のための様々な費用に関しても交付対象といたしているところであります。
  171. 谷合正明

    ○谷合正明君 時間がないので次の質問に移らせていただきますが、今申し上げた宅地被害であるとか防災集団移転促進事業については、引き続き、また国交委員会、復興特等で取り上げさせていただきたいと思います。  それで、別の質問というのは、地域振興、観光振興についてなんですが、午前中も瀬戸内海の話が出ました。私も瀬戸内海について取り上げたいと思います。  瀬戸内海の景色はもうこれは世界一の景色だという、これはもう歴史的に様々な文献の中でそういう記述が出ているんですね。例えば、一六〇七年から一八一一年まで朝鮮通信使が十二回日本を訪れていますけれども、日本を訪れた中で、いろんなところに行ったけれども、瀬戸内海の景色が一番優れているという文献を残しております。  一八二六年にはドイツのシーボルトが船で瀬戸内海を往来するわけですけれども、このとき言ったのは、これまで日本で見た景色で、見た最も美しい景色の一つだと、そこまで言っている。  それから、このシーボルトがそういうことを書いて、おかげで欧米人の間で瀬戸内海見ようじゃないかというブームが起きて、十九世紀幕末から明治時代の終わりに、欧米人がこぞって瀬戸内海を航行されると。やはり、こうした中でもこういう表現があるんですね。長く曲がりくねった瀬戸内海の航路は、完全に美と魅力のためだけにあり、これに匹敵するものは世界にないと、そこまで書かれている。  一九三四年に日本初の国立公園、制度ができまして十二か所できた。吉野熊野も入っていますけれども、この中に唯一の海域を定めた国立公園が瀬戸内海の国立公園だということでございます。  現在も、実はクルーズ船で外国の方が瀬戸内海に来て、こんなすばらしい景色はないと。ただ、クルーズ船が停泊する港が少ないので、実は瀬戸内海の離島の一つを使ってある日本の実業家の方がホテルとか整備して泊められるようにしたと。世界の富豪が来て、最近の話ですけれども、泊まって、こんなすばらしい景色ないと、ぽんと五百万円を置いていった。そういうエピソードがあるぐらいに、この瀬戸内海のブランドというのはあるんだと私は思っている。三年後には瀬戸内海国立公園制定八十周年です。  ところで、観光庁ですが、瀬戸内海海域に来訪する観光客数についてデータを把握しているのか。私は、瀬戸内ブランドを再構築して、国内のみならず、戦略的にアジアからの誘客を図っていくべきであるということを申し上げたいと思いますが、観光庁長官、いかがでしょう。
  172. 溝畑宏

    ○政府参考人(溝畑宏君) 瀬戸内でございますが、私も瀬戸内の大ファンでございまして、兵庫県、そしてまた岡山、そしてまた広島、香川、愛媛、どの県から見ましても景観が美しく、そこには芸術、文化、歴史が子細に刻み込まれております。委員御指摘のとおりでございまして、観光庁といたしましても、この瀬戸内のブランドは大いに世界のブランドであるというふうに考えております。  具体的な数字を申し上げますと、平成二十二年四月から十二月までの観光入り込み数、これは一億百六十五万というふうになっております。  観光庁におきましては、この観光圏という二泊三日以上のそれぞれポイントを結んだ観光圏を、例えば香川せとうちアート観光圏、瀬戸内しまなみ観光圏など、こういう広域連携ということを制度的にバックアップいたしております。  特に、昨年、ここでありました瀬戸内国際芸術祭、直島は世界的な評判を博しました。世界的なブランドは宝の本当に玉手箱のごとく散らばっているふうに我々は感じております。  また、今このエリアでは積極的な国際便の誘致、クルージング船の誘致も懸命に努められておりまして、昨年はここで、今年、高松―上海便が新規就航をいたしました。このような海、空の新規就航の誘致のバックアップ、そしてまたメディア、旅行会社の招聘、そしてまた現地での旅行博、各国へ行きまして旅行博のアピール、こういったことを国、地域、連携いたしましてタイアップしてアピールし、議員御指摘の瀬戸内ブランド、アジアからの誘客を積極的に進めていきたいというふうに考えております。
  173. 谷合正明

    ○谷合正明君 最後に、大臣にお伺いしますが、公明党に瀬戸内海フォーラムという組織をつくったんですね。これは要するに、瀬戸内海というのは複数県にまたがっておりますので、それぞれの県はそれぞれ頑張ってやっているんですけれども、どうしても広域的な視点が不足しているんだと思っております。  これは行政についても当てはまりまして、例えば国土交通省は離島を管轄しております。ところが、離島振興法上で離島となっている瀬戸内の島というのは、これ全部が全部そうじゃないわけですね。私は経済産業政務官をやっておりましたけれども、じゃ経産省がこの瀬戸内海の成長戦略を考えてやっているかというと、そういう部署はないわけですね。国交省の出先も中国と四国で分かれてしまって、瀬戸内海といったときにどこも私の責任、所管じゃないという話になっちゃってですね、という話になっちゃう。  だから、一体的な広域な振興策とか縦割り行政を超えた視点というのが必要だと思うんですが、少なくとも国土交通省の中で瀬戸内海を広域的にとらえていくという視点を今後持っていくべきじゃないかということを申し上げたいと思うんですが、大臣の見解を伺います。
  174. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 非常に心強い御指摘をいただきました。広域連携ができるような組織というものも是非つくってまいりたいと思います。  実は私も、あの藻谷さんって、政投銀行の、よく御存じの、がシンガポールに駐在しているときにちょっとシンガポールを案内してもらったことがあります。そうすると、世界の大富豪たちがクルーズ船をシンガポールのあの港に持っているわけですね。前田さん、こんなシンガポールに持っていたって、周り見るところないんだよと、これは瀬戸内海だとか平戸湾だとか松島だとか、日本に来たらもうよだれを垂らすようなシーンがいっぱいあるのに、今全然その資源を世界にアピールしていないねと、こういう御指摘をいただきました。  そのことを思い出しながら、今委員御指摘のこと、観光庁長官もファイトマンでございますから、しっかり受け止めてやらせていただきます。
  175. 谷合正明

    ○谷合正明君 終わります。
  176. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  まず、大臣に八ツ場ダムの問題について一言、一つだけお伺いしたいと思います。  前任の大畠大臣、またその前の馬淵大臣の際には、この八ツ場ダムの問題について予断を持たずに検証するというような発言がずっと続いてきたというふうに思います。  前田大臣になられましていよいよ判断を迫られるということになろうかというふうに思いますけれども、大臣の場合は、ここに更に事務次官の下に三・一一の教訓を整理してと、こういうふうなことをおっしゃって、実はこの部分が前田大臣になられて八ツ場ダムの問題について新たに付け加わった要素になっております。これによって、大臣の判断がいつごろ、一体何を基に判断をされることになるのかということがややちょっと見えにくくなったものですから、改めて大臣はこの八ツ場ダムの問題について、いつごろの時期に一体どのような要素、何を基に、基準に判断をされるのか、もう一度改めて分かりやすく整理していただければ有り難いと思います。
  177. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 何度か申し上げているんですが、一言で申し上げれば、大畠大臣、馬淵大臣が言っておられたことと一切これは矛盾はありません。そのスキームの中でやらせていただいております。  秋までにということが随分表に出てしまっているんですが、よく見ていただくと、二十四年度予算に反映させることを前提にということを言っているわけですね。私自身も二十四年度予算に反映できるようになるべく早く結論を得たいと、このように申し上げております。  一方で、昨日の委員会等でも、これは衆議院であったわけなんですが、パブリックコメント等今やっておりまして、これが十一月の四日と、水管理・国土保全局長がおりますので、その辺のところはちょっと補足させますけれども、きちっと、この期間については今までのとおりでございます。  ただ、何か加えてというふうに見られているわけですが、何度も申し上げておりますが、この三・一一の東北大震災の体験というのは、これは我々は必ずきちっとやっぱり受け止めて、反省というものをどこかで入れないと、逆に言うと、この反省なくして社会整備資本を進めるということは私はあってはならないと思うんですね。そういう意味で、それをどういうふうに受け止めるか、新たな何か余計なものを付け加えるということではなしに、最終的には有識者委員会という非常に見識のある方々が集まった委員会でこの検討の場の結果も評価していただくわけですから、そこへ資料として届ける。ただし、届ける資料を集める部局は、直接の当事者である水管理・国土保全局とは遮断をして、事務次官の下にタスクフォースをつくって、そこに集めて有識者委員会に届けると、こういうスキームでございます。
  178. 長沢広明

    ○長沢広明君 分かりました。ちょっとこの問題、またいろんな形で今後もお伺いしたいというふうに思っております。  今日は、災害の復興に関連をしまして、災害公営住宅の問題をちょっと取り上げたいと思っております。  阪神・淡路大震災のときにも、やはりまず最初は被災者の方は避難所、そして避難所から次に仮設住宅へと、仮設住宅からその次に災害復興公営住宅へと、このように移っていったわけであります。全体として町づくりの中にそれが収まっていくと。最終的に、阪神・淡路の場合は、仮設住宅の入居者がゼロになって、災害公営住宅の建設が二万五千戸ぐらいだったと思いますけれども、全てでき上がるまでに五年十一か月ぐらい掛かっておりますね。この一連の避難所から仮設へ、仮設から公営住宅へという、この一連の流れが一つの復興プロセスでもあるというふうに言ってもいいわけであります。  この災害復興住宅、公営住宅について、一次補正予算では一万戸の供給ということが盛り込まれておりました。この三次補正予算では災害公営住宅の供給事業はどのように盛り込んでいるのか。そして、被災地の被災自治体からは公営住宅についての建設計画の戸数はこの三次補正の予算規模で十分対応は可能なのかどうか、その点を確認したいと思います。
  179. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 長沢委員にお答えいたします。  災害公営住宅の事業、一次補正については委員からお話がありました。三次補正については、復興交付金制度の中の内数という形になっております。この交付金は約一・六兆という規模でありますけれども、この公営住宅については二万戸の規模を確保しての予算を提示しているということであります。  それで足りるんだろうかという御質問でありますけれども、現在、こういった被災県の計画では、岩手県で四千戸から五千戸、そして宮城県では一万戸の公営住宅の供給を予定しています。福島県の方はまだ集計というのはできておりませんけれども、市町村によってはもう独自に着工を始めるというところがあるということを御報告させていただきます。
  180. 長沢広明

    ○長沢広明君 この復興住宅については、やはり被災地の自治体の方からも非常にニーズは高くなっているというふうに思います。福島がまだそこまで計画が組める状況にないということで、今の段階では一万四千、計算すると一万四千戸。しかし、二万戸の分の補正予算を組んでいるということですので、対応は可能かなとは思いますが、これからの一つ一つの計画になると思います。  この復興公営住宅を建てるということは必要なことなんですけれども、逆に公営住宅を持つというのは、自治体にとってはそれは後々に重荷になってくるという問題があります。維持管理についてやっぱり自治体の重荷になるということがあると。同時に、被災地で持家を流された人たちが、公営住宅に入り、もう一度持家を持ちたいと思ったときにそれが可能になるような道筋というものを用意していくことが必要であると。  私たち公明党は、この五月に提言をした震災復興のための第三回の提言の中で、いわゆる木造の一戸建てとか、買取り可能な公営住宅の建設を進めるべきだということを御提案をさせていただいてまいりました。災害復興の公営住宅を建てて、そこに住んでいる方が生活が安定したときにその家を自ら買い取って持家にすることができると、こういう道筋を持てば、御本人たちにとっても持家に帰ることができますし、自治体にとっても公営住宅を持ち続けるという重荷から解放されることがある。その道を用意しておく必要があるということでございます。  元々、公営住宅法の中には、公営住宅を払下げできるという要件が幾つか入っております。今日は、委員の皆様方にお手元に参考で資料を配らせていただきました。私は、この公営住宅法の中に払下げできる要件がありますけれども、非常に細かい規定があって、これを弾力的に運用しなければ逆に足かせになってしまう問題が幾つかあるというふうに思うんです。  三点、できれば見直すべきだということを提案させていただきたいというふうに思います。  一つは、公営住宅法の一枚目の資料の下の段、公営住宅法施行令、「公営住宅等の処分」第十二条、ここには、「耐用年限の四分の一を経過した公営住宅を引き続き管理することが災害その他の事由により不適当となり、」云々と書いてあります。つまり、払い下げることが可能になるのは、耐用年限の四分の一を経過したときということになっております。  木造の住宅の場合、耐用年限は三十年ということになっておりますので、四分の一ということは七年半、七・五年必要と。つまり、災害公営住宅を建設してそこに入居した人がその家を買い取れるまでに七年半の時を必要とするということです。もうちょっとこれを短くできないかと。できるだけ早く買い取ってもらえる、払い下げられるというふうにした方が自治体にとっても負担が軽くなるということがありますので、この払下げ可能な時期というものを前倒しして短くすべきではないか、その辺の弾力運用をすべきではないかということがまず一点でございます。  それからもう一点は、売却価格の算定方法です。  次のページ、二枚目を見ていただきますと、売却する価格についてはこれは自治体が決めることができるんですが、しかしその計算式が書かれております。いわゆる複成価格と。推定再建築費-(年平均減価額×経過年数)、このうち推定再建築費は云々と、こう書いてありますが、結局、時価に近い数字に最終的になるんですね。  経過年数を、今例えば七・五年必要なものをもう少し短くするべきだということを申し上げましたが、これが短くなれば、当然、売却価格は上がるわけなんです、高くなる。それは余りよろしくないのではないかと。なので、この売却価格の算出方法のこの数式についても弾力的に考えるようにしなければ今回の震災の復興にはそぐわないのではないかというのが二点目でございます。  それから三点目は、一ページ目に戻っていただきまして、この上の段、公営住宅法の第四十四条の二項でございますが、売却した場合の譲渡した対価の使い道、使途についてまでこの公営住宅法で厳しく決められておると。公営住宅を譲渡した対価は、政令で定めるところにより、公営住宅の整備若しくは共同施設の整備又はこれらの修繕若しくは改良に要する費用に充てなければならないと。つまり、公営住宅を払下げしたその対価はやっぱり公営住宅の修繕とか維持に使わなければいけない。これは、払下げする自治体の側の足かせになってしまう。  逆に、復興に資するということを考えれば、払い下げた対価については地域の居住の安定に使うことができるぐらいのちょっと幅の広いものにするとか、あるいは、公営住宅に入った人は払下げを受けられるけれども、入らなかった自力で再建している人たちの方が負担が重くなると、その自力再建している人たちの支援にそのお金を回すことができるとか、こういうふうにすると、更に復興のスピードアップというか、進めることができると。  この三点、買取りの時期、売却価格の算定、それから譲渡した対価の使途、こういうことを見直す必要があると。今申し上げたとおりこれ法律の部分もありますので、法改正も視野に入れて検討すべきではないかというふうに思いますので、見解を伺いたいと思います。
  181. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 長沢委員におかれましては、かねてより御提案をいただいておりまして、私どもも是非それを参考にさせていただき、特区法案ですね、東日本震災特区法案の中に盛り込むべきところは盛り込んでいきたいと思います。  特に、期間の短縮、これは四分の一を六分の一にということを考えておりまして、御指摘のように、木造三十年であれば七・五年が五年になるというようなことになります。  それから、譲渡価格、これは逆に今のように短くすると確かに高くなる、それを何とか未償却分というようなことに論拠を置いて、時価にというようなものを頭にしながら何とか抑えられるようにしていきたいと。  それから、使途の拡大ですね。譲渡対価の使途の拡大ということも考えたいと思います。  いずれにしろ、こういうことで、持続可能な震災復興の新しい町づくり、地域づくりというものに資するようにしたいと、このように思います。
  182. 長沢広明

    ○長沢広明君 大変前向きな、私、六月の復興特でもこのことを提案させていただきましたので、そこからいろいろ検討いただいたということもあるかもしれませんが、大変前向きなお答えをいただきました。是非、法改正というところまで一歩踏み込んででも、復興を早めるために大事な措置ですから、進めていただきたいというふうに思います。  もう一点、今日はちょっと別のテーマで、脳脊髄液減少症という病気についてちょっと触れたいと思います。  余り知られていないんですが、脳脊髄液減少症という病気、まあ病気というより障害ですけれども、最近注目されてきております。これは交通事故のむち打ち症によって起きる頻度が高い障害でございます。人間の脳みそとか脊髄というのは、脊髄液の中に浮かんでいる形になっています、水の中に豆腐が浮かんでいるようにですね。普通は硬膜によってそれは守られているわけですけれども、事故やあるいは運動の障害等によってその髄液が何かによって漏れ出す。そうすると、大変な頭痛それから吐き気、目まい、こういうものに襲われて立っていられなくなるという障害が起きます。しかし、これ医学界でずっと認められないできました。髄液が漏れるということはあり得ないんだというのが医学界の定説でありました。したがって、むち打ち症の後遺症でこういう病気があるといっても、なかなかそのことが補償につながらなかったり、訴訟がそれが次から次へと起きていったりした問題があると。  私が出会ったある患者の青年は、小学生のときに学校での運動での事故でこの起立性の目まい、頭痛、脳脊髄液減少症になり、立っていることができなくて学校に通うこともできず、当然、就職することもできず、何と二十七歳までほぼ寝たきりだったという青年がいらっしゃいます。ブラッドパッチ療法という療法が開発をされて、自分の血液を漏れているところに注入して、固めてそれを止めるというのがやや効果があるということが最近認められてきたんですが、これは一回や二回で効かない人が多い。しかも、一回この療法をやるのに三十万円掛かる。大変な負担に耐えながら十年以上ほぼ寝たきりの生活をしてきたという方がいらっしゃる。  例えば、二〇〇七年に練馬のある小学生がこのことで裁判を起こし、損害保険会社を訴えたことがあります。その判決が今年の三月に出ました。その損害賠償を求めた判決に四年間掛かっている。最終的にこの三月三日に判決が出たんですが、七百万円ほどの治療の損害賠償は認められましたけれども、結果的には、脳脊髄液減少症というのは医学界で認められていないといって、これは訴えを退けられたんです。  厚生労働省に研究班が設けられて、今年の六月、中間報告が出て、脳脊髄液減少症という症状があることは確認できた、これがもう突破口になりました。確認できたと。で、この十月に初めて診断基準というのが発表されました。これによって患者の救済の環境は大きく変わりました。そこで私が一つ確認をしたいのは、自賠責保険の対象になっているのか。救済できているのか。救済できないのであればどこに原因があるのか。そのことについてちょっとお答えをいただきたいと思います。
  183. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 大変ちょっと痛ましいお話を例にして、また御提示いただきました。  この結論から言えば、自動車事故との因果関係というものが認められれば、これが脳脊髄液減少症ですか、この病気であるないにかかわらず保険の補償の対象になるということであります。  ただ、委員が皆様に教えていただきましたように、大変この症状というもの自身を診断できるという方も少ないというのが現実ですし、医学の世界ではっきりとしたこれがこの症状なんだと、脳脊髄液減少症なんだと、髄液が減る、あるいはそういった症状にも幾つか種類があるということも聞いております。この病気だと診断したから補償されるというのではなくて、事故との因果関係ということになるかと思います。  そして、今言いましたむち打ち症というものも、この自賠責の中でむち打ち症という症状で表されているわけではなかったと思います、神経症状という中で示されているかと思います。  以上です。
  184. 長沢広明

    ○長沢広明君 済みません。時間がなくなってしまいましたので、これに終わりにします。  一つだけ申し上げさせていただきますが、自賠責保険の後遺障害等級の中に、きちっとこの起立性の頭痛、目まいというものを明記をしてもらいたい。それには例えば労災保険の方も変えなきゃいけないとかということもあるんです。難しいけれども、長年苦労されてきた患者の皆様の救済の道を確保するというために、国交省としての所管の範囲の中でできる限りの努力をしてもらいたいと。これ改めてまたどこかの機会で議論させていただきたいと、こう思いますので、よろしくお願い申し上げます。  終わります。
  185. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 上野ひろしでございます。よろしくお願いします。  昨日の衆議院の国土交通委員会でも随分御議論あったかと思いますけれども、私も地元でございまして、八ツ場の問題について幾つかお伺いしたいと思います。大臣も先般現地を訪問されていろいろお話を聞かれたという話も伺っております。是非、誠実な御答弁をお願いしたいと思います。  まず、先ほど長沢委員の方からもお話ありましたけれども、検証結果を得る時期についてお伺いをしたいと思うんですが、大臣の方からは予算に反映させる時期というお言葉がございました。一方で、前任の大畠大臣のときは、秋までに結論を得る、できる限り前倒しをするということでございました。これは、予算に反映をさせる時期ということで、確認をして、議論の中でそれは秋なんだという御答弁があったというふうに記憶をしてございます。  前田大臣になられてから、秋までにというのは前任者までの話なんだというコメントをされたというような報道も私見ておりますけれども、大臣が替わるたびに対応の方針が変わったり、秋までというふうに言われていたのが秋には出ないような報道もされるということで、随分地元、現地も混乱をしているということではないかと思うんですけれども、実際に前任の大畠大臣のときからなぜ遅れることになったのか、また何が変わったのかということについて、まず大臣にお伺いしたいと思います。
  186. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 時期の問題についてのお尋ねでございます。  ちょっと報道等に誤解があったと思います。一切その時期のことについて、私自身、遅れるとかそういうような言い方をしているわけではございません。あくまでも二十四年度の予算に反映させる、そのためになるべく早くという言い方をしております。  ちょっとここに、見ておりますと、これは馬淵大臣のときですね、まさに反映される時期、二十四年度予算に反映させる、される時期というのは、年末が予算編成の最終ですから秋ということになりますという文脈で言っているわけで、大畠大臣もこの二十四年度予算に反映させるということを言っておりまして、時期の問題でいうと私もそれを踏襲しております。
  187. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 時期についてはまた後で具体的に確認をさせてもらいたいと思うんですが、先ほど、東日本大震災の発生も踏まえて検討を進めるという話がございました。  以前、私はこの委員会で大畠大臣に質問をさせていただいたことがございます。五月十九日ですけれども、そのときに大畠大臣からは、東日本大震災の発生によって結論が得られる時期が変わることはない、遅れることはない、それはいつなのかという話をさせていただいたときに、それは秋までに結論を得ますと、できる限り前倒しをしますということでございました。  五月の時点で、検討の前提に大震災の発生というのも踏まえて秋までに結論を出すという話を委員会の御答弁でいただいておりますけれども、それから考えると、大臣のトーンが変わっているのではないかという気もいたします。一方で、東日本大震災が発生をしたという状況は変わっていないわけで、検討のスキームといいますか、手順にどこか変更を加えられるということなのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  188. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 変更を加えたというつもりはありません。  ただ、その後、七月半ばに社会資本整備審議会が、特にこの東日本大震災からどういう教訓を導き出すかという、主にこれをテーマにして議論をしてくださいました。その結果導き出されたのが、何度か申し上げておりますが、災害に上限はない、そして命が第一なんだという、そういう教訓を導き出してくださったわけです。もちろん、その社会資本整備審議会というのは国土交通省のインフラ整備における一番権威といいますか、一番有識者が寄って基本的なところを考えてくださる、議論してくださる委員会ですから、その結果というものをどう受け止めるかということが一つありました。  それから、私自身も九月二日に就任いたしましたが、東日本の現場も見せていただきました。そして、実は私自身も防災についてはかなり関心の、まあちょっと深いと言っちゃなんですが、面があります上に、ちょうど就任したときにあの十二号台風というのがまともに地元紀伊半島を襲いました。そういったことから、やはりこの日本の国、国土の在り方というのはもっと素直に、素直にといいますか、その実態というものを、一言で言うと、私は若々しい、まだこの日本の列島というのは非常に変化の激しい動いている列島なんだということをきちっと受け止めておかにゃいかぬなということを随分気持ちとしてあるわけです。  そういう中で、八ツ場ダム、やはりこの審議会の結果も踏まえて何らかの教訓を、この有識者委員会の方々にその教訓も踏まえた上で評価をしていただきたいという意味で、そういう資料を提供するスキームとして事務次官を長とするタスクフォースをつくったというわけです。あくまでも資料を提供するという立場ですから、検討の場の地方整備局、上がってくるのが水管理・国土保全局ですから、その当事者である水管理・国土保全局とは遮断をして客観的につくってあると、こういうことであります。
  189. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 検討の基本的な流れは変えていないということなんだと思います。一方で、五月の時点で震災の発生も踏まえて検討の遅れはないんだという答弁もあったところですので、是非検討を急いでいただいて、一刻も早く結論を出していただきたいと思います。  その上で、具体的な時期についてお伺いをしたいと思います。  予算に反映させる時期ということでありますけれども、これは十二月までに結論を出されるということでいいのかどうか、改めてお伺いしたいと思います。
  190. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 一方で、関東地方整備局に設置されております検討の場において幹事会も含めますと何度も検討を重ねてきていただいていて、そこに一都五県の代表の方々も参加して、もちろん一都五県の知事さん方もそこに入って検討されたわけです。そして、選択をされたということは承知しておりますし、その結果を踏まえて、パブリックコメントというのを今一斉にオープンにしております。そういったことのスケジュールといいますか、そんなことも一つはあるかと思います。  そして、そのパブリックコメントに対する評価といいますか見解といいますか、これもまた検討の場でこれは出すんだろうと思うんですが、その辺は水管理・国土保全局長がおるのでちょっと補足をさせますけれど、そんなことも踏まえた上で、しかし二十四年度の予算に反映させるような時期までに結論を得たいと、このように思っているわけでございます。
  191. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 ありがとうございます。  二十四年度の予算に間に合わせる時期ということですけれども、昨日の委員会では年を越えることはないだろうという話がありましたけれども、それはそういう認識でよろしいでしょうか。
  192. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) ちょっとそのタイムスケジュールのことについては、検討の場、水管理・国土保全局長から若干答えさせます。
  193. 関克己

    ○政府参考人(関克己君) 現在、中間取りまとめに基づきまして関東地方整備局で検討を進めているところでございます。  こういったものを含めまして、大臣からの御指示を受け、平成二十四年度政府予算案に反映させるということを一つの重要な目標としまして、それまでに検証、それから有識者会議からの御意見をいただくと。こういったものをシリーズで、さらにパブリックコメントと並行で、学識経験者の御意見を伺う、あるいは地域の自治体からの御意見、こういったものも含めまして順次進めまして、平成二十四年度政府予算案に反映させるということで進めてまいるということで現在取り組んでいるところでございます。
  194. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 二十四年度予算に間に合う時期と言ってもいろいろ解釈があるんだと思うんです。大臣は常識的に考えてという言葉を随分言われていると思うんですけれども、七月二十五日、私が災害対策特別委員会で当時の三井副大臣に質問させていただいたときに、平成二十四年度予算に間に合う時期というのは概算要求の時期まで、九月ということでいいでしょうかというふうにお伺いをしたら、そのように努力をしますと三井副大臣が言われたという経緯もございます。  予算に反映させる時期というのは、政府予算案に盛り込む時期、通常、十二月ということだと思うんですけれども、政府予算案に盛り込む時期までという理解でいいかどうか、お伺いします。
  195. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 今、水管理・国土保全局長の御説明申し上げたようなことも踏まえて、検討の場から上がってくる、この本省に、そしてパブコメもやり、有識者の御意見も聴取する。一方、最終的には有識者委員会に評価をしていただくわけです。そこに三・一一の反省というものも提供するということでございまして、予断のない検証を重ねてというのは、まさしくこういった意味で、私自身も、国交省の責任として、何とか、どういう結果を私自信が決断しようと、もちろんいろんな立場からのお考えはあるわけですが、しっかり検証ということについては、予断なき検証を重ねてきたと批判に耐え得るようにしたいと、このように念じております。しかし、その結果としては、二十四年度予算に反映できるということでございますから、昨日、衆議院の国土交通委員会では、年を越えることはないだろうと、このように申し上げました。
  196. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 ありがとうございます。年を越えないように政府予算案に盛り込むということなんだと思います。是非早急に、もちろん前倒しをできるところは前倒しをして結論を出していただきたいというふうに思います。  次に、八ツ場ダム自体の完成時期についてお伺いをしたいと思います。  八ツ場ダムの完成予定時期は平成二十七年度、二〇一五年度ということだと思います。ただ、一方で、この検証作業、もう二年以上経過をしておりまして、随分時間を費やしてしまっているということかと思います。先般出された八ツ場ダムの建設事業の検証に係る検討報告書の中で、結論が得られてから完成までの必要な工期は八十七か月というような記述もありまして、政府として、それも含めて八ツ場ダムの現時点での完成予定時期をどう考えているのか、お伺いをしたいと思います。
  197. 関克己

    ○政府参考人(関克己君) 八ツ場ダムについての今後の工期という御質問だというふうに受け止めさせていただいております。  これにつきましては、八ツ場ダムの検証のプロセス、中間取りまとめに基づきます検証のプロセスにおいて、工期、これは事業を継続するかどうか、あるいは中止するかどうかとは一切関係なく、とにかく点検を行うということでございまして、総事業費と併せまして工期というこの二つの項目についても点検を行っております。その中で、本体工期、仮に本体工事から計算しますと、本体工事の入札公告から計算いたしますと、試験湛水の終了までに八十七か月を要するというものが一つの点検の項目として出されている、そういう数字であるというふうに理解しております。  なお、一般論として申し上げましたので、これは事業を継続するかどうかとは一切関係なく検証したというものでございます。
  198. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 その八十七か月というのを踏まえて、完成時期というのは、今、いつぐらいになるとお考えでしょうか。
  199. 関克己

    ○政府参考人(関克己君) これにつきましては、現在、一切予断を持たずに検証ということを進めておりまして、その検証の結果に基づきましてその後も適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  200. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 これは以前、大畠大臣のときに、この八十七か月というのを踏まえて平成三十年度になるという話があったかと思います。そのときからもう既に随分時間も経過しておりますので、単純に平成二十四年度予算に予算を盛り込んで、八十七か月掛かるとすると平成三十一年度まで掛かるということなんだと思います。  その上で、それは仮の数字ということだと思うんですが、追加的な費用が掛かる可能性というのはもちろんあるんだと思いますけれども、公共工事を前倒しをして実行している例というのは随分たくさんあると思います。二〇一五年度、これは当初の完成予定時期であります。是非、遅らせることなく、工期を前倒しする努力をしていただくべきなんだと思いますけれども、考え方をお伺いしたいと思います。
  201. 関克己

    ○政府参考人(関克己君) 現在、一切の予断をなく検証を進めさせていただいている段階でございますので、一般論として、申し訳ございませんが、申し上げさせていただくと、検証の結果に沿って、どのような対策を実施する場合におきましてもコスト縮減あるいは工期短縮については最大限の努力を行っていくことは当然だというふうに考えているところでございます。
  202. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 大臣にお伺いしたいんですけれども、今一般論ということでお話をお伺いしましたけれども、八ツ場ダムについても、一般論はそういう考え方なんだと思うんですが、同様に工期の短縮それから費用の縮減努力をされるということでよろしいでしょうか。
  203. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 予断のない検証を重ねた上で結論を付けさせていただきたいと思います。
  204. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 済みません、工期についてはいかがでしょうか。
  205. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) その結論の結果について、継続する場合もあれば、あるいは中止をする場合もあります。しかし、いずれにしろこれは非常に大きな影響をここまで、地元に御迷惑も掛けやってきたわけでございますから、いずれにしろ、対応すべきその後の事業というのはあるわけでございますから、その事業のやはり工期の短縮だとか、あるいは工費の縮減だとかいうのは当然のことかと、こういうふうに思います。
  206. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 ありがとうございます。是非、工期短縮をしていただいて、一刻も早く完成をさせていただきたいと思います。  最後に、予算についてお伺いしたいと思います。  大臣は、予算に反映させるという話を随分いろんなところでされていると思いますけれども、国交省の平成二十四年度概算要求においてダム建設の予算千八十五億円が計上をされているところだと思います。これは、前年度、平成二十三年度に比べても大幅に減額をされているということでありまして、これでは到底、八ツ場ダムの建設というのはできないということなんだと思います。  確認ですけれども、検証の結果、八ツ場ダムを建設をするということになった場合には、平成二十四年度予算に追加的に本体工事の予算を盛り込むということでよろしいかどうか、お伺いしたいと思います。
  207. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 何度も申し上げておりますが、予断のない検証をして、そして結論を得るわけでございますから、今から予断を持ってするような答えは申しかねます。
  208. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 八ツ場ダムを造るという結論もあると思いますし、代替案という話もあるんだと思います。  いずれにしろ、予算に盛り込む、予算に反映させる時期までにということでありますので、何らかの対応は当然その平成二十四年度予算において必要なんだと思いますけれども、仮に八ツ場ダムを造るということになった場合には、本体工事予算を計上をされる、もちろん代替案をとるということになった場合には代替案に関する予算を計上をされるということでよろしいですか。
  209. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 何度も申し上げておりますが、今の段階で仮定のことについてはお答えしかねます。
  210. 上野ひろし

    ○上野ひろし君 時間ですのでここで終わりますけれども、また改めて議論させていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  211. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 大臣に対しまして質問をさせていただきますが、先日の所信表明と申しますか、その中でいろいろ重要なことをおっしゃっていますが、一番最後のパラグラフなんですが、海洋政策、そしてまた海上保安庁における海上警察権の充実等々について触れられておりますけれども、これ非常に大事なことでありまして、実は私、ちょうど一年前、私もこの委員会で何度か質問をさせていただいております。  ちょうど一年前でした。昨年十月二十一日、二十八日、十一月十一日と。そこで、なぜその質問をしたかといいますと、あの例の尖閣諸島に中国の漁船が領海侵犯して、我が海上保安庁の巡視船に体当たりして逮捕するという大事件が起きたわけであります。そこでいろいろ検証がされたわけですけれども、大変、海上保安庁の職員、体を張って、命懸けで領海を守っているという、そういう実態がビデオ等々からも国民の皆さん方にかなりショッキングな形で披瀝をされたことが記憶がまだ新しいところだと思っております。  そこで、我が国の法整備を調べてみますと、こうした違法な漁船あるいは領海侵犯に対する法律、法的な整備が非常に未熟であると。要するに、何といいますか、外国人漁業規制法であったりだとか、あるいは入国管理法で取り締まる、体当たりしてきましたので公務執行妨害ということで逮捕したということになりますけれども、いずれにしましても法整備が非常に未熟であるということで、私自身、これは領域警備法なるものを、これは仮称ですけれども、早急に整備すべきではないかという質問をさせていただきました。  当時の大臣は馬淵国交大臣であります。その後、大畠国交大臣に替わり、今度、前田国交大臣ですから、一年の間に三人、国交大臣が替わっておりますので、こうした我が国の領土、領海を守るための基本的な考え方について、そして、私の質問があったからというわけではありませんけれども、政府としましても、当時の菅内閣にいたしましても、何とかこれしなきゃいかぬということで、馬淵国交大臣、当時の、肝煎りと申しましょうか、中長期的なことを踏まえて、海上警察権の確立について基本方針を今年の一月七日に発表されたわけであります。  そこで、それに基づいて、今日は鈴木保安庁長官がいらっしゃっておりますけれども、長官が議長となって精査して、今後の警察権の在り方について去る八月に中間取りまとめというのが発表されたわけであります。これは非常に大事なことが書いてありまして、まだ大臣、就任して間もないころですからどこまで精査されているか分かりませんけれども、しかし今後のやっぱり日本の領土、領海を守る、また安心して漁業が営める、そういったことを含めて、この中間取りまとめに対して前田大臣は、基本的にこれをしっかりと維持し、そしてまた、馬淵当時の大臣以降、この現内閣でもそうした基本姿勢については守っていく、そういったことについての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
  212. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) まさしく、その基本的な考え方を守って受け継いでやってまいりたいと思います。  私自身も昨年の臨時国会以降、参議院において予算委員長を務めておりましたが、予算委員会における議論はまさしくこの問題が非常に大きな比重を占めていたと、このように記憶をしております。そういう中で、この「海上警察権のあり方について(中間取りまとめ)」というのが八月二十六日にまとめられたわけでございます。  もちろん、領土は狭い日本ではありますが、領海という意味では世界有数でありますし、ここがまた日本のフロンティアであると同時に、日本の主権というものが守られるかどうかということはこの海上保安庁が非常に大きな責任、役割を背負っているわけでございますから、法制度の問題とそれから制度面の拡充、特に法制度において海上警察権、御承知の一番の中心になっているのは、海上においては警察権を持っていますが、海の中の島というようなところ、陸上ということになるとそれが及ばないというような、いささか問題があるわけでございまして、その辺のところについてはきっちり体制をしてまいりたいと、このように思っております。
  213. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 そこで、今大臣が言及をされましたけれども、法改正という部分からいきますと、いわゆる外国船舶の航行法の改正であるとか、あるいは海上保安庁法の改正というのがこの中間取りまとめの中にも具体的にいろいろ出てきているわけでありますけれども、今度の臨時国会でこの法整備をして国会へ提出なんということはとても無理だということは分かっておりますけれども、しかしこれはせっかくの取りまとめ、特に海上保安庁長官の認識、私のこれは認識ですけれども、どういう認識か分かりませんが、中間取りまとめという形になっていますけれども、私は海上保安庁としては最終的なむしろもう答申であるというふうに思っておりまして、他省庁とのいろんな調整があるから中間取りまとめという形になっているんじゃないかというふうに私は理解しております。これは私の解釈ですけれども。  しかし、そういう意味では、これに基づいてやっぱり法整備を進めるためには次の通常国会辺りで、これについて、海上保安庁法の改正だとか外国船舶の航行法の改正ということについて国会へ提出する、そういった気持ちはおありでしょうか、どうでしょうか。
  214. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 今、藤井委員からお話がありましたように、日本は海洋国家でありますから極めて重要な議論であります。昨今、日本、その近海を様々な不審船が行き来をしているという現状を考えたときに、こういった法整備をきちっとすることは喫緊の急務であるというふうに思っております。  海上保安庁では、本年八月に発表した海上警察権のあり方についての中間取りまとめに基づき、海上保安庁の執行権限等の充実強化のため、次期通常国会への法案提出を念頭に現在作業を進めているところであります。  法改正の内容としては、領海内で徘回等を行っている外国船舶に対し、立入検査後に退去命令を行っている現行の制度に加え、立入検査が困難な場合においては立入検査を行わずに退去命令を発出できるような制度について検討しているほか、遠方無人島における海上保安官による法執行、海上保安庁の任務、所掌事務規定の見直し等についても併せて検討を行っております。  法改正に当たっては、現場の意見を踏まえながら、事案に即した機動的、効果的対応が可能となるよう検討を行っておりますが、あわせて、海上保安庁の体制の整備や装備の充実等も図りつつ、領海警備業務に遺漏なきよう適切に対処してまいりたいと思います。よろしくお願いします。
  215. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 大変前向きな答弁ありがとうございました。大変心強く思います。  是非、次の通常国会にこの法改正をしていただき、そして海上保安庁の職員が本当にもう我が国の領土、領海を守る。今、副大臣おっしゃったように、国土自体は三十八万平方キロメートルの国土ですけれども、いわゆる海洋域といいますと、国連法の海洋域からいきますと、経緯からいきますと、四百四十七万平方キロという世界でも六番目ぐらいから七番目ぐらいの海洋国家ですから、その警備を守るためには是非そうした法整備を早急に国会に提出していただければと思っております。  そこで、今、副大臣の方からも個別な話がありましたけれども、私も、このいろんな今の現行法でいろいろ対処していますけれども、いかに、何といいますかね、未整備であると。これは、実は皆さん方も御存じかどうか分かりませんが、私もずっとこの今の現行法調べていきますと、海上保安庁はこれまで領海警備というのは当たっているわけですよ、先ほどから申し上げている。しかし、海上保安庁法には領海警備という文言がないんですよ。領海警備をしているのにもかかわらず領海警備という文言すら入っていない。また同時に、先ほど大臣もおっしゃいましたように、陸上警察官と海上警察官、これ海上警察官もいわゆる警察官として海上保安庁の職員は閣僚とか総理大臣とかまた皇室とかというのをやっぱり皆さん方も警護しているわけです。しかし、海上保安庁法の中にも警護という言葉もないんですよ。領海警備という言葉もないし警護という言葉もない。  ですから、結局はいろんな法律を組み合わせた中での解釈法で一生懸命いろんな解釈で対応しているわけです。ですから、私から言いますと、その中国の漁船が来た、最初はたしか入国管理法か何かで対応していたんじゃないんですか、あれは。そして、それで体当たりしてきたんで公務執行妨害で逮捕することになったと。  今、副大臣がおっしゃられたその一つの中で、今後は、立入検査をしてから退去命令を出すという今現行法でいくとそういう処理の仕方を、立入検査せずに、ある程度警告を発して、そしてもう立入検査をせずに退去命令できるような、そういうふうに変えていくという、一つ一つ細かく見ていきますと大変これ大事なことが全然今の現行法ではなされてないということなんです。  それからもう一つ、それに加えて申し上げたいのは、一応武器使用というのはあるわけですけど、これも非常に極めて限定的になっておりまして、ほとんどこれ武器使用を緩和するということになりますと、これ大変難しい解釈が出て、漁業違反であるとかあるいは武力行使の場合とかいろんな、海洋の場合いろんなケースが考えられますので、一概に日本の海上保安庁の巡視船が武器使用をするというのはなかなかこれ難しいところでありますけれども、しかし、そのほかゴム弾であるとか放水銃であるとかかなりのいろんなものを整備しているわけですね。  しかし、これすらも使用するのにかなりのいろんな制限があって、装備は持っているけれども、それをすぐ即時の判断で使用できるということにまだ私は問題が、今の現行法では問題があるんじゃないかと思うんで、この武器使用の緩和と申しましょうか、ただ武器を使えばいいというもんじゃないんですけれども、こうしたいろんな装備を持っているにもかかわらずそれがなかなか今の法体系ではできないということは、私はそういうふうに今解釈しておりますので、その点についても副大臣から答弁いただけたら結構ですけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。
  216. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 今委員御指摘の部分でありますが、この武器使用については警察官職務執行法第七条ですか、の規定を準用し、相手の抵抗の程度に応じて実力を行使するとの警察比例の原則に従うこととされているため、極めて限定的であります。  今後は、早期の段階で外国船舶を退去させ、違法状態が解消するために、武器には至らないより緩やかな物理的実力である放水銃やLRAD、これは長距離音響発生装置ということでありますが、こういった新たな手段を活用するための方法等に関する内部規則を整備することといたしております。  何とかこういったことをして、有効な手法を確立していきたいと思っております。
  217. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 是非そういったまさに海上保安庁の警備している皆さん方が、やっぱりそのときそのとき即時に対応できる、少なくともできる法整備、制度の改正というのをお願いいたしたいと思います。  それから、これはもう一つ、領海警備の取締りというのは非常に、何度も申し上げましたように、今法整備が非常に未熟であると、未整備であるということなんですが、特に国連海洋法条約というのがあって、その中で国連海洋法条約第十八条に関連して外国船舶航行法が制定されているわけですね。そこの中の海洋法第十九条の無害でない通航を規制する法律については個別に規制しているだけなんですね、個別に。これはなかなか難しいんで、海上保安庁が今後、法整備をするときに、これは多分、外務省が主管になるんだろうと思うんですけれども、海上保安庁法に領海警備を、任務規定を追加することと併せて、国連海洋法条約第十九条に基づいていわゆる領海侵犯を取り締まる法律を整備すべきではないかなと思っております。  これは今申し上げたように外務省の管轄だと思うんですけれども、長官でも結構ですが、大臣でも結構ですが、この点についてどういうふうに基本的に考えておられるか、お聞きしたいと思います。
  218. 鈴木久泰

    ○政府参考人(鈴木久泰君) 今、先生御質問でございますが、まず私どもの所掌事務につきましては、先生おっしゃるように、昭和二十三年に海上保安庁ができてからもう六十年以上がたちます。最初のやっぱり所掌事務を書いたのから少しは手を入れておりますけれども、なかなか今の状況に応じた形になっておりませんので、今回、法律改正をする機会に、領海警備と正面から書けるかどうか分かりませんが、何とかそれに近いような言葉をいろいろ入れて工夫してまいりたいと思っております。  それから、今の御質問の海洋法条約の無害通航の関係でありますが、無害でない通航、無害かどうかという判断はやはり個別法できちっと決めてそれぞれ手当てすることにしておりますが、これにつきましては、海洋本部ができておりますので、海洋本部を中心に関係省庁が集まっていろいろそれぞれ議論をしておるところであります。  ただ、先ほどお話がありました外国船舶航行法につきましては、これは航行かどうかというところをつかまえておりまして、無害通航というのは黙って通り過ぎるということでありますから、徘回をしていたり停留をしていたり、用もないのにうろうろしているというのは無害通航じゃないということで、それを早く追い出すために立入検査なしで退去命令に至るような手段も今検討しているところでございます。
  219. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 今年三月十一日に東日本大震災が発生し、原発事故が起きて、大変な災害復旧復興というのをやらなきゃいけない、これはもう先ほどいろんな先生方からも質問がありました。何か一年前に起きたこの尖閣諸島、これは尖閣諸島だけに限らず日本の領海をどうやって守るかというのは、これはまさに日本の国益を、また生命、財産を守るという大変国家としては基本的な考え方で、私は、馬淵交通大臣はよく決断をして一月の初めにこの基本方針を決められた。そして、大畠大臣にもこのことで質問しました。やっぱりそれを継承していくということでありますし、そして今、前田大臣からもそれを踏まえて、そしてまた今、副大臣からも次の通常国会へ向けて法整備、あるいはまた、そのことによって予算が伴いますから、そうすると、この所信にも大臣が言われているように、警察権を充実させるためにはやっぱり巡視艇とか巡視船あるいは航空機の整備の充実というものが、その法律をしっかりと作れば当然そこにそういった予算という措置もしなきゃいけない。こういったことは、やっぱり国益として我が国の生命、財産を守る、そういった基本的な考え方から、是非今後ともこの気持ちを、最後に前田大臣の改めての決意をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
  220. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 藤井委員の問題意識、我々共有しておりまして、松原副大臣あるいは鈴木保安庁長官の答弁したとおりでございまして、法制度の改正ということについては来年の通常国会を目指しますし、そして来年度の予算には制度の拡充といいますか、船であり航空機等も含めて拡充をしてまいりたい、このように思っております。
  221. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 ありがとうございました。  終わります。
  222. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  最初に、TPPの建設業への影響について質問をいたします。  社民党は、去る二十四日、TPP交渉への参加を見送るよう総理に求めたところであります。  多くの国民が危惧する中、野田内閣はTPPに非常に前のめりになっております。現状の建設業における国際入札範囲は、WTO基準で、中央四百五十万SDR、約六・九億円、地方千五百万SDR、二十三億円であります。ところが、TPPに先行するP4においては、これをそれぞれ一律に五百万SDR、約七・七億円にまで引き下げています。このような国際入札範囲の大幅な拡大が実施されれば、特に地方の建設業は安価な海外企業との競争にさらされることになるわけであります。また、英語での募集が必要となり、案件の長期化も懸念をされます。地方の建設業は、本日も議論がありましたけれども、雇用の受皿というばかりではなくて、災害時には自治体との防災協定などを通じて救援、復旧に大きく貢献していることは今次の震災対応においても明らかでございます。  大臣は、先日、この影響にはプラス、マイナス両面があり、まだ判断できないと発言されておられますが、マイナス面を具体的にどのように認識されておられるのか、まずお伺いします。
  223. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 今、吉田委員が御指摘のように、二十三億円だったですかね、今は、それが七・何億円かになるといったようなことで、安価な海外建設業が参入してくるんではないかという御懸念でございます。  この辺についても今分析をしているところなんですが、一方で、今日、ここずっと議論をしておりますように、今の課題というのは要するに地方公共団体の発注の問題にかかわってくるわけなんですけれども、地元の建設業の役割というのは相当明らかになってきたように、これからの持続可能な国づくりのある意味、社会基盤整備を担っていく重要な存在、プレーヤーでありますから、そこは守るというよりも、そこがちゃんと本当に社会基盤整備に貢献していただけるように制度をしっかりやっていくのが我々の務めであるという意味で、超党派的に発注の問題も御検討いただいております。  加えて、私が常に申し上げているのは、もう少し発注者側に見識を持てと、こう申しております。要するに、地方の事業というものは、社会資本基盤整備的なインフラにかかわる事業というのはその地域の独自性というものがあって、固有の場所にその施設ができるわけでありますから、その地域の建設関係の方々が一番よく知っておられる上に、そのできた施設の機能発揮についてはその近くでそれを言わばフォローもしてくれる存在であるわけであります。ということは、発注省庁においてもっとそこを特別仕様書か何かで明記をすべきじゃないかと。そこを何だか一般論みたいな発注仕様書にするものだから、あっちこっち入ってくるというようなことで、今の御懸念というのは、この発注側の見識とそれからもう少し我々の努力でちゃんとその地元の優良な建設会社がきちっと責任を果たしてもらえるような制度をつくっていけば、かなりのところクリアできるのではないかと、このように感じております。
  224. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 私の質問にはストレートにはお答えいただいていないのではないかと、そのように思いますけれども、地方の建設業をしっかりこれから地域で力を発揮できるように対策を講じるというのは、それはもう当然のことで、重要な課題でありますけれども、これから入ってくる外国企業の競争とどのように打ち勝っていくかということももちろん大事でありますけれども、しかし一方で、それぞれの国柄がありますから、しっかりそれを守っていくということも大事ではないかと思いますが、いま一度大臣にお伺いしますけれども、しっかりこれから、どうも聞くところによれば、APECまでに総理は結論を出していきたいような感じで、七日にも山が来ると、そのように言われておりますけれども、関係閣僚会議において、まさに国土交通大臣として、地方の建設業に影響を及ぼすという立場で意見表明をするお考えはありませんか。
  225. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 委員にそのように御指摘されると、実は片一方では、成長戦略の中に、日本の持つ建設関係の高度な技術力を含めて、組織力、この言わば資源と申しますか、こういうものを活用して、日本のこのインフラといいますか、こういったものを海外にも展開しようという大きな政策もあるわけでございます。その辺の両にらみということになってくるのではないかと、こう思います。
  226. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 よく言われますように、情報開示も極めて不十分でありまして、是非引き続きオープンな国民的議論を行いながら、時間を掛けて判断をしていただくように要望しておきたいと思います。  次に、交通基本法の制定について質問をします。  誰でも、どこにでも移動でき、ゆとりと豊かさを享受できる公共交通施策の確立を目指す交通基本法は三月八日に閣議決定されましたが、いまだ成立しておりません。社民党は与党時代に民主と国民新党とともに法制定を推進してまいりました。大臣の所信でも表明されておりますけれども、改めて交通基本法制定への御決意を伺います。
  227. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 持続可能な地域ということになると、特に交通手段というものについて、公共交通を含め、もちろん道路を使っての私的な車による交通というものもありますが、この特に公共交通体系の確保といったことも含めて、交通基本法というものの制定を是非推進、実現したいと、このように思っております。
  228. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 これがしっかり国会において議論されて成立をするように、大臣始め政務三役の皆さん、是非動いていただきたいと思います。  次に、日本航空の再建問題について質問します。  日本航空については、昨日、衆議院におきましても穀田委員、中島委員から現状の指摘がございました。なぜ一民間企業にすぎないJALへ公的資金が投入されたかといえば、昨年一月十九日の閣議了解にもあるとおり、JALは我が国の航空ネットワークの重要な部分を担っており、運航の継続と確実な再生を図る必要があると政府が考えたからであります。このように、公的に支援する以上、違法、不当な行為があれば、国土交通省としてはきちんと指導監督すべきであります。  JALは昨年末、パイロット、客室乗務員百六十五名を整理解雇しました。しかし、稲盛会長が裁判所でも認めているとおり、雇用を継続することは不可能ではありませんでした。また、八月には、更生の過程で会社側が違法な不当労働行為を行ったことが東京都労働委員会で認定され、救済命令も出されています。こうした整理解雇、不当労働行為や安全軽視、利益最優先の企業風土、新人事賃金制度による大幅な賃下げなどが将来不安やモチベーションの低下を招き、中堅、若手の人材、乗員、整備士が大量に自主退職し、流出し、安全への懸念に拍車を掛けております。  二月から三月にかけて国交省も臨時の立入検査を実施し、JALの安全アドバイザリーグループも、会社の急激な変化により、職場には心理的、生理的な緊張感、疲労感が見られると懸念しています。確かに、短期的には乗務員、整備士一人一人の努力で安全がぎりぎり保たれるかもしれません。しかし、長期的に見て、輸送の安全確保を最重要とする航空運送事業者として持続可能かといえば、甚だ疑問であります。  こうしたJALの人員削減や人材流出について、航空安全行政の責任者としての大臣の御認識をまずお聞かせください。
  229. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) JALが、先ほどの、空の交通手段としては、やはり公共交通とは言えるかどうか知りませんが、一つの大きな国にとっては基盤的な交通手段でありますから、これは国民の税金までいただいて再建をしようという国会、国民の意思があったと、このように承知をしております。そして、あくまでも空の航空会社でございますから、何といってもこれは安全がまずは前提でございます。その安全をしっかり確保していく上で国土交通省の責任、監督責任というものがあるかと思います。その面から、そうやって立入検査をしたり、あるいはアドバイザリーグループのお話を聞いたりしてそのフォローをさせていただいているところであります。  一方で、御指摘のようなそういったことがあり、訴訟にまでなっているということも承知をしております。  一方で、一旦破綻のふちに沈みかけたJALの経営の再建ということについて、今名前が出てまいりましたが、稲盛さんがお引き受けいただいて、経営者としては非常に尊敬すべき実績のある方でございます。何とかここまでJALの再建やってきていただいて、先に明るさが見えるところまで来た。その中で、これはもう今までの歴史のある会社、非常に輝かしい歴史とともにまた破綻のふちに沈む、あるいは御巣鷹山のああいう事故もあったという歴史を刻んだ上での破綻からの回復でありますから、全てが理想どおりには必ずしもいっていないとは私も思います。  そういう意味で、行き過ぎがあるような場合には国土交通省として監督すべきところはしっかりと対応してまいりたい、このように思います。
  230. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 やはり、この整理解雇の問題も含めて行き過ぎが明らかにあっているわけですから、監督責任が十分果たされていないという認識で今日は質問をしているわけですね。整理解雇の問題がまさにJALの安全運航にとって根本的な問題であると、そのように考えております。  JALは、震災の影響で売上げが落ち込んだ本年四―六月期にも百七十一億円の営業利益を上げました。皆さん本当に御努力をされたと、そのように思います。人員削減による被解雇者の人件費は年間十四・七億円でございます。整理解雇の回避は今からでも十分可能であると、そのように数字的には出ているわけであります。  そもそもJAL破綻の原因は、旧経営陣の投資やホテルリゾート開発など本業以外の失敗、また旧政権時代の航空行政による過剰な航空機の導入や空港乱造に伴う高い着陸料の強要などと言われています。過去の航空行政も破綻の一因と、そのように言わざるを得ません。  大臣として重ねてお伺いしますが、JALに整理解雇の撤回に向けて裁判外での和解を働きかけるお考えはありませんか。
  231. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 今、司法の場でこういうことが行われて、訴訟が提起されて司法の場で今実際のプロセスが行われているところで、それを慎重に見守っているところなんですが、正月明けには何か結審が付くというようなことも聞いております。  今の御指摘も頭の中に入れながら、今後の事態をしっかり見守って引き続き必要な監督及び支援を行ってまいりたいと、こう思います。
  232. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 安全運航ということを考えると、やっぱりひとときも放置ができないと、そのように思います。もう裁判などやめろと、東京都からも東京都の労働委員会からも厳しい御指摘があっているわけですから。  そこで、やっぱりここは、過去の責任も含めてしっかり踏まえて国土交通省として、国としてやっぱりもっと前に出るべきだ、そのように思いますけれども、重ねてお伺いします。
  233. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 省内でも議論をしているところでございますが、今の段階でまだ委員がおっしゃるようなところまでの踏み込みが私自身が今、大臣としてまだ言える段階ではないというのは誠に恐縮なんですが、もう少し時間を掛けて見守り、その中で何とかJALそのものがいい形で労働問題も含めて解決の方向に持っていきたいと、このように思います。
  234. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 しっかり指導監督、過去の責任も含めて指導監督責任を果たしていただきたい、そのことを強く要請しておきますし、これから推移を見ながらまた議論をさせていただきます。  最後に、高速道路の空白地帯とも言われる中九州地域について質問をさせていただきます。  人流、物流に複数のルートを確保することが、人命救助のみならず、被災しなかった周辺地域も含めた生活復旧に決定的に重要であることが今次の震災の貴重な教訓であります。今日もるる議論がございました。国交省の災害に強い国土づくりへの提言でも、ネットワークの代替性、多重性の確保が挙げられております。大分を含む東九州では現在、ミッシングリンクとなっている東九州道の整備が進められております。今日はこのことについてはもう質問をしませんけれども、ミッシングリンクの解消というのはもちろん国土交通省の重点課題でもございます。前田大臣も述べられておるところでございます。是非、一刻も早くミッシングリンクを解消されるように強く要請をしておきます。  一方、大分―熊本間を結ぶ地域高規格道路の中九州横断道路はまだまだ整備が進んでおりません。災害に強い広域交通基盤の整備の観点からも中九州横断道路の整備が急がれますが、大臣の見解を伺います。
  235. 前田武志

    ○国務大臣(前田武志君) 今委員御指摘のこの中九州横断道路ですね、これについては地域高規格道路として整備を進めておりますが、まさしくこの九州の一つのリンク道路として早くつなげることが重要であると、こう思っておりまして、とにかく直轄代行等も含めて早くつながるように頑張らせていただきたいと思います。
  236. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 是非積極的に進めていただきますように要請をしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  237. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  238. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災により被害を受けた社会資本の復旧・復興状況等の実情調査のため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  239. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  240. 岡田直樹

    ○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十九分散会