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2011-02-16 第177回国会 参議院 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 3号 公式Web版

  1. 平成二十三年二月十六日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         山崎  力君     理 事                 梅村  聡君                 舟山 康江君                 関口 昌一君                 古川 俊治君                 山本 博司君                 寺田 典城君     委 員                 郡司  彰君                 佐藤 公治君                 高橋 千秋君                 谷  亮子君                 津田弥太郎君                 平山  誠君                 藤田 幸久君                 増子 輝彦君                 松井 孝治君                 柳澤 光美君                 石井 準一君                 岸  宏一君                 中原 八一君                 牧野たかお君                 松村 祥史君                三原じゅん子君                 竹谷とし子君                 荒井 広幸君    副大臣        内閣府副大臣   末松 義規君        内閣府副大臣   平野 達男君        総務副大臣    鈴木 克昌君        財務副大臣    櫻井  充君    事務局側        第二特別調査室        長        近藤 俊之君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       道盛大志郎君        内閣官房内閣審        議官       香取 照幸君        内閣府政策統括        官        松山 健士君        内閣府計量分析        室長       岩瀬 忠篤君        総務大臣官房審        議官       平嶋 彰英君        総務大臣官房審        議官       滝本 純生君        総務省自治行政        局公務員部長   佐々木敦朗君        財務大臣官房審        議官       佐川 宣寿君        財務省主計局次        長        迫田 英典君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○国民生活・経済・社会保障に関する調査  (「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」  のうち、社会保障の現状と課題について)     ─────────────
  2. 山崎力

    ○会長(山崎力君) ただいまから国民生活・経済・社会保障に関する調査会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国民生活・経済・社会保障に関する調査のため、本日の調査会に政府参考人として内閣官房内閣審議官道盛大志郎君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 国民生活・経済・社会保障に関する調査を議題とし、「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」のうち、社会保障の現状と課題について、内閣官房、内閣府、財務省及び総務省からそれぞれ説明を聴取いたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  まず、内閣官房及び内閣府から、経済と社会保障について説明を聴取いたします。平野内閣府副大臣。
  5. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 内閣府副大臣の平野達男でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  私からは、経済と社会保障につきまして、新成長戦略における社会保障の位置付け及び強い経済、強い財政、強い社会保障の背景にある思想と政府の取組状況について御説明をさせていただきます。  お手元に資料がございますので、資料を見ながら説明をさせていただきます。  一ページ目を御覧いただきたいと思います。  初めに、昨年六月に閣議決定いたしました新成長戦略について、概要を簡単に御説明いたします。  新成長戦略の目的でございますけれども、まず、問題意識として、日本は九〇年代初頭のバブル崩壊から約二十年閉塞感が続いているという、こういう状況にあります。その主たる要因は、低迷する経済、拡大する財政赤字、信頼感が低下した社会保障であると考えております。こうした閉塞状況を打破するためには、強い経済、強い財政、強い社会保障を一体的に実現する必要があると考えております。新成長戦略はこの強い経済を実現するために策定した戦略でありまして、これを確実に実行することによって、二十年近く続く閉塞状況を打ち破り、元気な日本を復活させていきたいと考えております。  強い経済を実現するための基本的な考え方といたしましては、安定した内需と外需の創造、産業競争力の強化、富が広く循環する経済構造を築くことが必要としております。そして、需要を創造するための鍵が、課題解決型の国家戦略という位置付けをしております。すなわち、経済社会が抱える課題の解決を新たな需要や雇用創出のきっかけといたしまして、それを成長につなげようという政策ということであります。  こうした考え方に立ちまして、新成長戦略におきましては、重点化を図る分野として、一番下でございますけれども、グリーンイノベーション、ライフイノベーション、アジア、観光・地域、科学・技術・情報通信、雇用・人材、金融に関する戦略を実施することとしております。  二ページ目を御覧いただきたいと思います。  ここでは、新成長戦略に掲げられた目標について触れております。  まず、マクロ経済目標として、主に需要面の政策を実行することにより、二〇二〇年までの平均で名目三%、実質二%を上回る成長、それから二〇一一年度中に消費者物価上昇率をプラス、早期に失業率を三%台に低下させるという目標を設定しております。  さらに、新成長戦略の主要分野においても、二〇二〇年までに達成するべき目標として、需要と雇用の数値目標を掲げております。環境分野では需要五十兆円、雇用百四十万、健康分野では需要五十兆円、雇用二百八十四万人などとなっております。  資料三ページ目でございますけれども、ここでは本日のテーマでもあります新成長戦略における社会保障の位置付けを御説明いたします。  まず、基本的な考え方といたしましては、これまで社会保障は、少子高齢化を背景に負担面ばかりを強調され、経済成長の足を引っ張るものとみなされてきたという傾向があったように思います。しかしながら、医療、介護や年金、子育てなどの社会保障に不安や不信がある状況では、国民は不測の事態や将来への備えのために貯蓄をしなければならず、安心して消費をすることができないという問題があります。  また、社会保障分野には、介護や保育など雇用創出を通じて成長をもたらす分野が数多く含まれております。医薬品、医薬機器、再生医療など、今後飛躍的な成長が望まれる分野もあります。こうした社会保障分野を充実させることで、雇用創出と同時に成長をもたらすことが可能であると考えております。  こうした観点から、先ほど御紹介いたしましたけれども、新成長戦略においてはライフイノベーションを戦略分野の一つとして位置付けておるところであります。すなわち、高齢化という課題を、ライフイノベーションを力強く推進することにより新たなサービス成長産業を育てるチャンスであるととらえ、高い成長と雇用創出が見込める医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置付けることにしたものでございます。  そして、これを推進するための主な施策として、新成長戦略ではそこにあります五点、すなわち、医療・介護サービスの基盤強化、高齢者の安心な暮らしの実現、医療・介護と連携した健康関連サービス産業と雇用の創出、新たな医療技術の研究開発・実用化促進、ドラッグラグ、デバイスラグの解消、医療の国際化推進を掲げております。施策の詳細につきましては、資料の別添として、新成長戦略においてライフイノベーション分野の工程表を付けておりますので、後で御参照いただければ幸いと存じます。  資料四ページ目を御覧いただきたいと思います。  ここでは、強い経済を実現するとの観点から、新成長戦略における社会保障分野に関して御説明しております。  ここまでは強い経済を実現するとの観点から、新成長戦略における社会保障分野に関しての御説明をしてまいりました。ここからは、内閣の基本理念でもある強い経済、強い財政、強い社会保障の一体的実現に関しての御説明をしてまいります。  強い経済、強い財政、強い社会保障の一体的に実現することの背景にある基本的な考え方としては、持続可能な財政・社会保障制度の構築や生活の安全網の充実を図ることが、雇用を創出するとともに国民の将来不安を払拭して消費を喚起し、経済成長の礎となると考えております。そして、セーフティーネットの確立、経済活性化、財政健全化は一体の関係にございまして、強い経済、強い財政、強い社会保障の確保は互いに好影響を与えるウイン・ウインの関係にあると考えております。  具体的には、まず、強い経済と強い財政につきましては、経済成長による税収は財政健全化のために不可欠であります。他方で、経済成長のためには財政の持続可能性の確立が必須であり、新成長戦略においても、厳しい財政状況を踏まえ、真に効果のある施策に重点化することとしております。  強い経済と強い社会保障については、これまでも御説明したとおり、社会保障は重要な成長分野であり、雇用創出を通じて経済成長に貢献し、また安心できる社会保障を確立することによって国民は消費を拡大することが可能となります。また、経済の拡大は社会保障財源の原資ともなります。  最後に、五ページ目を御覧いただきたいと思います。  強い経済については、昨年六月に新成長戦略を閣議決定しておりますが、これを作っては終わりではなく、しっかりと実現するため、総理を議長とし官民学労で構成される新成長戦略実現会議を設置しておりまして、成長戦略の取組を推進しております。また、社会保障分野に関連しては、会議の分科会として医療イノベーション会議を設置し、医療分野における新成長戦略に関連する事項の実現に向けて取り組んでおります。  強い財政につきましては、平成二十三―二十五年度の歳入歳出の骨格を示す中期財政フレームを含み、中長期的な財政健全化の道筋を示す財政運営戦略を六月に閣議決定しております。この財政運営戦略に基づき、平成二十三年度政府予算案を編成したところであります。  強い社会保障につきましては、後ほど御説明があると思いますけれども、昨年十二月に社会保障改革の推進についてを閣議決定しております。四月ごろまでにあるべき社会保障の姿、方向性を明らかにし、六月までに具体的な社会保障制度改革案と消費税を含む税制改革の方針をお示しすることとしております。  簡単ではございますけれども、私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
  6. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 続きまして、末松内閣府副大臣。
  7. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 内閣府副大臣の末松義規でございます。  私の方からは、経済財政の中長期試算に基づく我が国の経済成長と現行社会保障制度の持続可能性についての見通し、これについて御説明申し上げます。  まず、その基となっている経済財政の中長期試算、このことから御説明を申し上げます。  この試算は、昨年六月にも同様の試算を公表しておりますけれども、今回、政府経済見通し、また平成二十三年度の予算、税制改正等を踏まえまして、改めて試算を行ったところでございまして、新成長戦略、財政運営戦略の進捗状況等を点検するための検証材料を提供するものでございます。  次に、今回の試算におきます経済の姿を御説明申し上げます。お配りしております経済財政の中長期試算ですね、この二ページ目をお開きいただきたいと思います。  一番上に実質成長率のグラフ、真ん中に名目成長率のグラフが載っております。グラフの赤い線が成長戦略シナリオ、強気の試算結果でございまして、青い線が慎重シナリオの試算結果でございます。成長戦略シナリオは、堅調な内外経済環境の下で、二〇二〇年度までの平均で名目三%、実質二%を上回る成長としております。また、慎重シナリオでは、内需、外需について慎重な前提の下で、二〇二〇年度までの平均で名目、実質共に一%台半ばの成長というものを考えております。  次に、この財政の試算についての、若干テクニカルでございますけれども、試算における前提について御説明申し上げます。  一ページの、このAの三というところで財政想定というのが書いてございます。そこを御説明します。  試算に当たりましては、二〇一二年度、二〇一三年度は、中期財政フレームに沿って国の一般会計における基礎的財政収支対象経費を二〇一一年度の約七十一兆円で横ばいとするという、その想定を置いております。また、二〇一四年度以降につきましては、社会保障歳出は高齢化要因で増加し、それ以外の一般歳出は物価上昇率並みで増加していくとの想定を置いております。また、税制につきましては、平成二十三年度税制改正大綱を反映し、改正後の税制がずっと継続するとの想定を置いております。  以上の想定を踏まえた上で、財政の姿を御説明申し上げます。  三ページ目を御覧いただきたいと思います。  この一番下に国、地方の基礎的財政収支の対GDP比のグラフを掲載しております。財政健全化の道筋を示すに当たりましては慎重な見通しを前提とすべきとされておりますので、青い線の慎重シナリオにおける財政の姿を見ますと、二〇一一年度の国、地方の基礎的財政収支のGDP比は六・五%の赤字となっております。これは、社会保障歳出を含む国、地方の政策経費が税収等によっては賄い得ていないということを意味しております。この赤字のGDP比は、二〇一五年度ごろにかけまして経済の回復に伴う税収の増加等によって徐々に減少はしていきますけれども、その後は税収の伸びが鈍化するということから横ばいで推移する姿となっております。  こうしたことから、国、地方の基礎的財政収支赤字のGDP比を二〇一五年度までに二〇一〇年度の水準から半減し、二〇二〇年度までに黒字化するという目標の達成には、それぞれ、二〇一五年度で対GDP比一%ポイントの程度、大体五・四兆円程度ですか、そして二〇二〇年度には四%ポイントの、大体二十三・二兆円ですが、その追加的な収支改善努力が必要になるという姿になっております。  そして、債務残高につきまして、四ページ目を御覧いただきたいと思います。この真ん中の国、地方の公債等残高のGDP比のグラフを掲載しておりますが、二〇二一年度以降において、国、地方の公債等の残高のGDP比を安定的に低下させることを目標としてはおりますが、試算の結果を見ますと、いずれのシナリオでも公債等残高のGDP比は増大を続けていくという、こういう姿になっております。  最後になりますけれども、今後の取組につきまして、こういった分析の下、社会保障、財政の持続可能性の確保に向けた対応として、デフレ脱却と経済成長の実現を確かなものとしながら、社会保障・税一体改革の実現に向けた取組を進めていくことが不可欠だと考えております。  以上です。
  8. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 次に、財務省から、国の財政と社会保障について説明を聴取いたします。櫻井財務副大臣。
  9. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 今日は、この調査会で説明の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。感謝申し上げます。  財務省に対しましては、社会保障を含む予算編成の現状と問題点、それから今後の社会保障関係費の見通しと財源の確保策の二点を説明するように御指示をいただいております。お手元の資料に沿って御説明をさせていただきます。  まず、一枚おめくりいただきまして、一ページを見ていただきたいと思います。赤い折れ線グラフが一般会計でございまして、それから太い紺色のラインが税収でございます。バブルのころには税収が六十兆円程度ございまして、国債の発行額、公債の発行額が七兆円前後ぐらいでございましたが、その後景気の悪化もあり、それから税収の落ち込みもありまして、近年では、その上のところに二十一年度決算等書いてありますが、一般会計の税収よりも公債の発行額が上回ってくるという非常に厳しい財政状況にございます。  一枚おめくりいただきまして、公債の残高の累積についてですが、年々どんどん増えておりまして、現在は、その左上に数字を記しておりますが、公債の残高が六百六十八兆円程度、それから長期債務の残高が、国及び地方の債務残高が八百九十二兆円となっておりまして、対GDP比で一八四%と先進国の中で最悪の水準になっております。  一枚おめくりいただきたいと思います。そのために財政の健全化目標を政府としては定めておりまして、ただいま末松副大臣からもお話がございましたが、収支の面で申し上げれば、遅くとも二〇一五年度までに基礎的財政収支、この基礎的財政収支というのは利払い等を除いた政策的支出についてでございまして、この額を二〇一五年度までには赤字対GDP比で半減する、それから遅くとも二〇二〇年までに黒字化するという目標を掲げております。それから、残高の目標でございますが、二〇二一年度以降において、国、地方の公債等の残高対GDP比を安定的に低下させるという目標を定めております。  それからもう一点、財政運営の基本的ルール、一番のところに書いてありますが、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則を導入して、これをきちんと守っていこうということが基本的な財政運営戦略の概要でございます。  一枚めくっていただきまして、その財政運営戦略の中では、こちらの資料四にありますとおり、中期財政フレームを定めております。中期財政フレームの中では、複数年度を視野に入れた予算編成を行う仕組みとして、三年間の国債発行額の抑制方針や歳出面の大枠などを定めたものでございます。  具体的には、国債の発行額について、平成二十三年度の新規国債発行額が平成二十二年度予算の水準を上回らないよう全力を挙げ、それ以降も着実に縮減させることを目指して抑制に全力を挙げることと定めております。  また、歳出面での取組としまして、国の一般会計歳出から国債費等を除いた基礎的財政収支対象経費について、前年度当初予算の規模を歳出の大枠と位置付け、少なくともこれを実質的に上回らないことと定めております。その結果、二十三年度の予算編成ではこれらに沿って、国債の発行額が約四十四兆円、それから歳出の大枠約七十一兆円を堅持すべく取り組んだものでございます。  一枚おめくりいただきまして、二十三年度予算の概要でございます。  そこに数字が記されておりますが、この予算の中身については、大事な点は以下の三つのポイントにございます。第一は、新成長戦略の着実な実施により成長、雇用を重視しているということ。第二に、マニフェスト工程表の主要事項を着実に実施していること。第三に、財政規律を堅持し、中期財政フレームで定められた歳出の大枠約七十一兆円、国債の発行額約四十四兆円を達成しているというところでございます。  一ページおめくりいただきまして、主要経費の分類がそこに示されております。  社会保障関係費は、一番上に記されておりますけれども、二十二年度予算と比較して一・四兆円の増加となっておりまして、合計として二十八・七兆円を占めております。これは人口の高齢化等に伴う自然増で、ここでお分かりいただけるとおり、大変大きな伸びになってきております。この伸びの関係もありまして、他の予算を大幅に減額しなければいけない、重点配分を行ってきているということでございます。  一枚めくっていただきまして、資料の七ページでございますが、主要経費別の歳出額の推移を示してきておりますが、ここからお分かりいただけるとおり、社会保障関係費が大幅に伸びてきております。その他の経費はおおむね横ばい、ないしは縮小傾向でございます。  一枚めくっていただきまして、直近の数字をお示ししたいと思います。  社会保障関係費ですが、二十二年度から二十三年度にかけては一兆四千三百九十三億円増加いたしまして、年金、医療、介護、福祉等、どの分野も二十二年度と比較して伸びてきているという数字をお示しさせていただいております。  一枚めくっていただきまして、これは社会保障関係費のマニフェスト主要事項について、九ページは子ども手当の増額、十ページは求職支援制度の創設について御紹介させていただいております。  十一ページをお開きいただきたいと思いますが、基礎年金国庫負担の取扱いについて示したものでございます。  国民年金法上、基礎年金の国庫負担については、税制抜本改革により安定財源を確保した上で、国庫負担二分の一を恒久化するということにしております。それまでの国庫負担割合は原則三六・五%でございますが、平成二十一年度、二十二年度は臨時の財源によって国庫負担を二分の一としております。平成二十三年度予算においても法的措置を要する臨時の財源二・五兆円をぎりぎりで確保させていただきまして、国庫負担を二分の一とすることとしております。他方、平成二十四年度以降は臨時財源頼りの対応を繰り返すことは限界であることから、税制抜本改革によって確保される財源を活用していかなければいけないというふうに考えているところでございます。  一枚めくっていただきまして、その基礎年金の国庫負担二分の一の財源をめぐる決定事項についてはそこに記載されているとおりでございます。  一枚めくっていただきまして、これから以降は、今後の社会保障関係費の見通しについて御説明をさせていただきたいと思います。  歳出の分の上から三段目になりますが、社会保障関係費、二十二年度が二十七・三兆円と示されているところでございますが、今後社会保障関係費は毎年これからも伸び続けていくものというふうに見込まれております。  一枚めくっていただきまして、人口ピラミッドの変化についてでございますが、二〇一〇年、二〇一五年、二〇二五年と、いわゆる高齢化率がどんどん高くなると予想されております。一番下の数字は、分母が六十五歳以上人口、分子が二十歳以上六十四歳以下人口でございますが、二〇一〇年には二・六、そして一五年には二・一、二〇二五年には一・八と、どんどんどんどん高齢化社会が更に加速するということでございます。  一枚めくっていただきまして、人口構成と我が国の経済の状況について示しております。  一九六五年当時はGDPの成長率は一一・一%、一九九〇年は八・六%と高い伸びの水準を維持しておりましたが、二〇一〇年には一・六%まで減少してきております。  この中で、総人口との関係を見てまいりますと、一番下のところにまた同じような数字が出ておりますけれども、一九六五年には二十歳以上の人口の割合が九・一倍と高かったわけですが、現時点では、二〇一〇年度では二・六倍と。今後ですが、先ほどと同じ数字になりますが、更に二〇五〇年まで進んでいっても一・二倍程度になっていくということで、高齢化がどんどんどんどん進展していくということでございまして、今後支えていくためには、持続可能性を確保していくために制度を支えていくような経済成長とのバランスを考慮していく必要性があるかというふうに考えております。  一枚めくっていただきまして、今後の社会保障給付費とそれから国民所得についての数字でございます。社会保障給付費は二〇〇六年度から二〇二五年度にかけて約一・六倍の増加を見込んでおりまして、国民所得が一・四倍程度でございまして、こういった点も考えていくと、社会保障制度の維持を図るためには効率化の努力を重ねていかなければいけないんだろうと、そのように考えております。  次に、安定財源の確保の必要性について御説明をさせていただきます。  一枚めくって十七ページのところに消費税の使途が書いてございます。現在の消費税の税収が十二・八兆円でございまして、そのうちの国の税額の分が最終的には七・二兆円というふうになってきております。この消費税収は地方交付税交付金を除いて基礎年金、老人医療及び介護の高齢者三経費に充てることが定められております。現時点での高齢者三経費、十七・二兆円に対して、現在約十兆円の財源不足が生じてきております。  一枚めくっていただきまして、ここしばらくの高齢者三経費と消費税収分の差額について示したグラフでございます。平成十一年当時は差額は一・五兆円でございましたが、現在は十兆円まで増加してきております。特に、二十年度から二十一年度にかけて急激に増えてきておりますけれども、これは基礎年金国庫負担割合を二分の一とした影響で一層拡大しているということでございます。  一枚めくっていただきまして、十九ページには所得税法の一部を改正する法律附則第百四条がここに示されておりますが、この規定では基礎年金国庫負担二分の一への引上げを始め、社会保障の安定財源確保に向けて平成二十三年度、つまり平成二十四年三月末までに消費税を含む税制抜本改革法案を提出することを政府に義務付けている規定でございます。  一枚おめくりいただきまして、資料の二十ページでございます。主要国の社会保障に係る給付と負担の姿をお示ししたものでございます。このことからお分かりいただけるように、社会保障に関する給付はこの五つの国の中では日本は下から二番目であり、なおかつその負担割合も下から二番目ということになっているんですが、これをよく分かるようにするために、一枚めくっていただきまして、今の資料の二十一ページのものを、横軸に国民負担率、それから縦軸に社会保障給付費でプロットしたものでございます。  その結果、ちょっと日本だけ一九九〇年、二〇〇〇年、二〇一〇年とございますが、これは日本一国だけ調べてみますと、何がこの点から分かるのかといいますと、国民負担率はこの二十年間で全く上がっていないわけですが、社会保障給付費のみがどんどんどんどん増えてきているということをお示ししているものでございます。  日本は、これほかの国々と同年の資料になりますと、この赤い部分に書いてある日本ということになるんですが、ここからお分かりいただけるとおり、日本の社会保障給付費というのはイギリスとほぼ同程度でございます。しかし、一方で負担割合はどうかというと、イギリスから比べるとかなり低い状態にありまして、こういったことも全部踏まえた上で、その社会保障給付、それから負担率という検討を図っていく必要性があると、そのように考えているところでございます。  一枚めくっていただきまして、資料二十二でございますが、昨年十二月には社会保障改革の推進についてということを閣議決定いたしまして、政府・与党においては、社会保障の安定強化のための具体的な制度改革案とその必要財源を明らかにするとともに、必要財源の安定的確保と財政健全化を同時に達成するための税制改革について一体的に検討を進め、その実現に向けた工程表と併せ、二十三年半ばまでに成案を得、国民的な合意を得た上でその実現を図るとしております。財務省といたしましても、積極的にその役割を果たしてまいりたいと思います。  最後に、二十三ページでございますが、先ほど末松副大臣からも同じような御説明がございました。この試算によりますと、二〇一五年までには、財政健全化目標を国単独で達成するためには二〇一五年度までには七・四兆円、それから二〇二〇年度までには二十五・八兆円の収支改善が必要とされてきております。このような財政健全化目標の達成は容易なことではございませんが、社会保障の安定強化とともに財政健全化を実現するようしっかり取り組んでいきたいと思っております。  以上でございます。
  10. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 続きまして、総務省から、地方行財政と社会保障について説明を聴取いたします。鈴木総務副大臣。
  11. 鈴木克昌

    ○副大臣(鈴木克昌君) 今日は貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。  地方行財政と社会保障について、特に社会保障を支える地方の役割に触れながら説明をさせていただきたいと思います。  なお、配付資料の地方公務員共済組合制度については、資料の提出のみとさせていただきたいと思います。  まず、一ページ目をお開きいただきたいと思います。社会保障に関するサービスの実施体制を説明させていただきます。  資料ページ一は、国民に提供される社会保障サービスの実施体制を公費の負担ベースで示したものであります。この図によりますと、国が実施する年金を除く医療、介護、子育て等の社会保障サービスのほとんどは主に地方自治体が担っており、社会保障サービスを提供する上で地方の役割が大きいことが御理解いただけると思います。  具体的にどのような社会保障サービスを地方自治体が提供しているのかを、例示を右側囲みで示させていただいております。この御説明は割愛をさせていただけたらというふうに思っています。  続きまして、二ページでありますが、社会保障制度を支える地方の体制ということでございます。  資料ページ二は、資料ページ一で示した社会保障制度を支える地方の役割を図式化したものであります。地方自治体は、こうした住民向けの社会保障サービスを提供するため、保健所、保育所といった施設の運営や、保健師、ケースワーカー、保育士といった制度運営に必要なマンパワーの配置なども担っております。国民に必要な社会保障の水準は、給付費のみならず、制度を運営する上で必要な住民向けサービスの提供やマンパワーを配置することにより初めて達成されると考えております。  続いて、ページ三でありますが、ページ三は主な社会保障制度について誰がどのように費用を負担しているかを図式化したものであります。  国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険制度には保険料五〇%のほかに公費を五〇%投入しており、国と地方で応分の負担をすることで保険制度を支えているわけであります。また、生活保護制度や障害者自立支援も国と地方が費用を負担し合って制度を支えております。  これらのほかに、資料右下に示す公立保育所の運営や、予防接種のように一般財源化されたものや、地域のニーズに応じて実施され全国的にも広く定着している乳幼児医療費助成など、地方が全額負担している社会保障サービスがございます。  続きまして、ページ四でございますが、資料ページ四は社会保障関係費の将来推計を示したものであります。  この資料では、国と地方が負担をし合うことにより実施されている社会保障サービスのほかに、地方が全額負担している地方単独事業の社会保障サービスも含めて、社会保障関係費に係る公費負担の状況を示させていただいております。  社会保障関係費の自然増は、国費が約一兆円、地方費が〇・七兆円と、国、地方共に毎年度大幅な増額が見込まれているところであります。また、社会保障に関するサービス負担は、平成二十二年度で、国負担分が二十七・六兆円、うち九・九兆円は年金でありますが、これに対し地方負担は十六・八兆円であり、年金を除けば地方負担は国にほぼ匹敵する規模であります。なお、地方負担十六・八兆円には、医療、介護、生活保護、子育て関係など地方の負担が制度的に組み込まれているもののほかに、地方のみの負担により実施されている社会保障サービス、地方単独事業が約七兆円含まれております。  次に、ページ五を御覧ください。資料ページ五は資料ページ四の将来推計を国と地方の実施主体別に置き換えたものであります。医療、介護、子育て等の社会保障サービスを提供する地方自治体の役割は、今後ますます大きくなっていくものと考えられます。  続いて、これまで御説明をいたしました社会保障サービスにおける地方の役割の具体例として幾つか取組事例を御紹介をさせていただきたいと思います。  六ページをお開きください。まず、東京都稲城市の取組事例を御紹介をさせていただきます。  平成十九年度から導入された稲城市の介護支援ボランティア制度とは、六十五歳以上の高齢者の方々が介護支援にかかわるボランティア活動をした場合、その活動実績に応じてポイントを付与し、そのポイントを換金した交付金、年間最大五千円を交付する制度であります。地域で高齢者の社会参加を促し、元気な高齢者が地域で貢献する介護支援ボランティアをした結果、介護保険給付費や介護保険料の引下げ効果にもつながったということであります。  続いて、七ページをお開きください。高知県の取組事例、あったかふれあいセンターを御紹介をさせていただきます。  高知県は、平成二十一年度から地域の支え合いの拠点として、高齢者、障害者、子供、子育て中のお母さんなどを対象に、これまでの縦割りの行政サービスを超えて、小規模でありながらも地域に必要なサービスを一体的に提供できる支援拠点あったかふれあいセンターを県内市町村と連携して整備しております。このセンターはそれぞれの地域ごとに市町村や自治会、ボランティア団体などが主体となって、既存の施設や機能も活用しながら、高齢者、児童の見守りや一時預かり、配食サービスや買物代行、生活訓練や就労支援などの必要とされる支援サービスをワンストップ提供していく場であります。国の雇用創出の交付金を活用して、コーディネーターや生活支援員などのスタッフも配置することにより、中山間地域の雇用の創出にも貢献しているところであります。  ページ八をお開きください。横浜市における保育所待機児童対策を御紹介をさせていただきます。  横浜市は、保育ニーズの増大による保育所入所申込者の増加を背景に、平成二十二年四月現在の保育所待機児童数は前年度比で二百六十二人増加し、千五百五十二人となっています。その現状の中で横浜市は、従来から待機児童解消を重点施策の一つとして取り組んでおります。認可保育所の整備のほかに、市の単独事業として、市独自に定める基準により認可外保育所を横浜保育室として認定し、運営費を助成する事業を実施しているところであります。また、低年齢児を保育対象とする家庭的保育、保育ママ事業については、NPO法人などの保育に関するノウハウの活用により事業を拡充しているところであります。  続いて、あらかじめ調査会より御下問いただいている地方独自の乳幼児医療費助成及び市町村国保等の現状と問題点について御説明をさせていただきます。  ページ九をお開きください。資料ページ九は地方が独自に実施している乳幼児医療費助成の現状と課題についてであります。  現在、医療費の窓口負担は、健康保険制度の下では義務教育就学前までが二割負担となっておりますが、地方自治体は、地域の実情に応じて地方独自の施策として乳幼児に係る医療費に対し助成事業を行っております。一方で、国民健康保険においては、地方単独事業による窓口負担の軽減に伴う医療費の波及増分については、国庫負担金の減額措置が講じられているところであります。  乳幼児医療費助成事業は四十七都道府県全てにおいて実施されており、少子化対策として広く全国的に定着している事業であります。このことから、国民健康保険に係る国庫負担金の減額措置の廃止と併せて、少子化対策における現物サービスの充実の一環として乳幼児に係る医療費の窓口負担の在り方についても見直しを検討すべきと考えております。  最後に、十ページをお開きください。市町村国保の現状と課題であります。資料ページ十は市町村国保の現状と課題について御紹介をさせていただいております。  市町村国保は、加入者の高齢化や低所得者の増加、医療費の増大等により保険財政は厳しい状況にあり、また市町村単位で保険料に大きな格差がございます。こうしたことから、保険財政の安定化や保険料の平準化のために国保運営の広域化を推進していくとともに、今後も財政基盤強化のための支援が必要であると考えます。  ページ十一については、国民健康保険、介護保険に関する事務の広域化の状況を取りまとめた資料であります。  まとめといたしまして、現在、政府においては、社会保障と税の一体改革に向けて、まずあるべき社会保障の姿をしっかり議論し、その上で社会保障の安定強化のために必要となる財源の安定的確保及び財政健全化を同時に達成するため、消費税を含む税制改革について一体的に検討を進め、六月をめどに成案を得ることとされています。  国民の安心を実現する社会保障改革を進めるに当たっては、地方自治体が主要な役割を担う現物給付による社会保障サービスの在り方について十分に議論されることが必要であると思います。  以上であります。
  12. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 最後に、あるべき社会保障の姿と政府による社会保障改革の取組につきまして内閣官房から説明を聴取いたします。末松内閣府副大臣。
  13. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 御指摘ございましたあるべき社会保障の姿と政府による社会保障改革の取組について御説明申し上げます。  まず、これまでの社会保障改革の流れと今後の社会保障改革に向けた政府としての取組方針について御説明をいたします。  まず、これまでの社会保障改革の流れでございますが、資料の一ページ目をお開けいただきたいと思います。  この平成七年七月の社会保障制度審議会、そしてそれに続く社会保障関係審議会会長会議の報告書、これにおきましては、大体、ざっくり言うと、公的な介護保険制度の確立の必要性が指摘され、そしてそれが創設ということの提言を受けたということでございました。そして、その後、この社会保障構造の在り方について考える有識者会議からは、いわゆる構造改革路線の下、経費の削減あるいは効率化、負担の削減、こういったものが中心となって見直しが進みました。  そういったことで、例えば、この次の二ページ目をお開けいただきたいんですが、この制度の下で持続可能性というものを重視していって、例えば、この上の図を見ていただきたいんですが、この二〇二五年の時点で改革前と比較をして負担が百六十二兆円から百四十一兆円に削減、つまり二十一兆円の削減というものを実現するんだとか、あるいは、この下の左の図にありますように、平成十九年から二十三年の五年間で国と地方のこの負担、合わせて一・六兆円分、この伸びを抑制すると、こういったことが主に努力をされてこられました。そして、この下の右の表に書いてございますように、これを進める中でかなり顕在化してきた問題というものが出てきました。これが急速に進行する少子化への取組の遅れ、例えば待機児童、これがなかなか解決しないとか、そして産科、小児科を中心とする医師不足、あるいは地域医療の崩壊、介護分野における人材不足、こういった医療・介護サービスの提供体制の劣化とか、あるいは非正規労働者の拡大や格差の拡大、ワーキングプアといったセーフティーネット機能の低下とか、こういった問題が顕在化してきたものですから、これに対して対応が迫られると、こういう状況になってきたわけです。  次に、資料の三ページをお開けいただきたいと思います。  ここで、この社会保障国民会議、ここから、制度の持続可能性に重点を当てた改革から今度は社会保障の機能強化ということで大きな転換が図られてまいります。ここでは、公的年金に関する定量的なシミュレーションや医療・介護費用のシミュレーションを行い、社会保障の機能強化のための追加所要額を計算をするとか、あるいは社会保障機能強化のための高齢期の所得保障や医療・介護・福祉サービスの改革、少子化あるいは次世代育成支援対策などの改革が必要との提言がなされてきております。これが中期プログラムやあるいは二十一年度税制改正、こういったものを決めて、そして、平成二十一年六月に経済財政改革の基本方針ということでこれが結実をすることになります。  次に、資料の四ページをお開けいただきたいと思います。これが、現在そしてこれから行おうとしている社会保障改革に向けての取組についてでございます。  昨年の十月に政府・与党社会保障改革検討本部というものが設置されまして、社会保障改革について検討を開始いたしました。そして、昨年末には民主党の税と社会保障の抜本改革調査会におきまして中間整理が行われました。そして、さらに十二月には、社会保障改革に関する有識者検討会の報告がなされたところでございます。そして、五つの原則ということで、五原則、これについては後で御説明を申し上げます、それが定められました。そして、社会保障改革の推進についてということで、先ほども説明がございましたけれども、十二月十四日に閣議決定が行われております。これもまた、次のこの集中検討会議等はまた最後に御説明を申し上げます。  資料の五ページをお開けいただきたいと思います。これは、社会保障改革に関する有識者検討会の報告でございますが、これ内容について今から三枚ほどのページでございますけれども、報告をさせていただきたいと思います。  まず、現行社会保障制度と改革の課題ということで、日本社会の現状と社会保障改革の課題の中で、今まで日本の社会保障がどうやってきたのかということで、日本の社会保障が男性世帯主の安定的な雇用を前提としてきたため、非正規雇用の拡大等の社会の変化に対応できていないなど機能不全に陥っているということ。そして、これを克服するため、改革のビジョンを示して多くの国民の参加を得ながら改革を実行に移さなければならないと、こういった基本認識をここで書いております。  そして次に、では、いかなる日本を目指すのかということがこの(2)で書かれておりまして、ここで五つの日本の姿というものを明らかにしております。参加と包摂の日本、やや言葉がちょっと固いんですが、そういう言葉、そしてつながりと居場所のある日本、活力ある中間所得層の再生、アジアの中の安心先進国、責任を分かち合う日本、こういったことを示しております。  そして、この改革の方法と選択肢ということで(4)に書いてございますけれども、雇用、教育と連携するシステム改革、国民とともに進める改革、そして社会保障諮問会議ということで、与野党の議員で構成される常設の会議体を速やかに設置すべきだということが書かれているところでございます。  次に、資料の六ページをお開けいただきたいと思います。  ここで三つの理念、そして五つの原則ということが書いてございまして、理念については、この参加保障、普遍主義、安心に基づく活力と、ここに書いているような理念を掲げ、そして五つの原則、これがよくマスコミでも取り上げられておりますけれども、ここは読ませていただきます。一番目に、切れ目なく全世代を対象とした社会保障、全世代対応型の保障へ転換するんだということ。そして二番目に、子ども・子育て支援を強化し、未来への投資としての社会保障とするということ。三番目に、地方自治体が担う支援型のサービス給付とその分権的・多元的な供給体制を強調しております。そして四番目に、縦割りの制度を超えた、国民一人一人の事情に即しての包括的な支援、ワンストップサービスとかパーソナルサポート、こういったことが重要であるということ。そして五番目に、次世代に負担を先送りしない、安定的財源に基づく社会保障、こういったものを掲げ、そして緊急性の高い改革の各論を四つここで示しております。  七ページをお開けいただきたいと思います。  ここについて、社会保障負担の在り方ということで、ここで、公的負担と私的負担のバランスとか、あるいは世代間の負担のゆがみを是正すること、あるいは将来世代へ先送りをしないということ、さらに社会保険の揺らぎを税負担で補完をしていくということ、さらに社会保険制度を中核にしていくと、これは今後もきちっとやっていくということ、こういうものが書かれてございます。  そして、信頼醸成への道ということで、社会保障と税にかかわる番号制度、そして消費税の使途の限定、こういったことが重要でありますということが書かれております。特に、負担の公平性、あるいは無駄なく活用されると、こういうことがこのポイントになっております。そして三番目に、社会保障強化と財政健全化の同時達成ということで、ここでバランスを考えているわけですけれども、社会保障強化だけを追求すればいずれ機能が停止するだろうと。そして、財政健全化のみを目的に社会保障の質を犠牲にすれば、これは社会の活力を引き出せないということ、こういったことで、社会保障の強化と財政健全化が同時に達成されなきゃいけないと、こういう必要性が述べられ、そして次世代にツケを先送りしてはならないと、この社会保障が同時に求められているということでございます。  資料の八ページをお開けいただきたいと思います。  ここでは、社会保障改革を支える税制の在り方ということでございまして、これは詳しくは述べませんが、所得再配分機能を強化したり、消費税が基幹性を持っているということ、さらに、消費税の使途を明確化する必要があるということ、さらに社会保障の改革とそれを支える税制の改革の一体的実施が不可欠となってきているということ、さらに基礎的年金国庫負担、この二分の一確保のための安定的財源も必要だということで、さらに地方の財源確保も必要だということが述べられております。  そして九ページでございますけれども、以上、議論のまとめとして、まず優先課題というものをここで示しておりますけれども、子ども・子育て新システムの実現、これを早急にやるべきであるということ、さらに雇用について、この新規学卒者と若年層のための就労支援体制の強化、そしてさらに、議論の体制でございますけれども、与野党の国会議員や有識者で構成する社会保障諮問会議、これ仮称ですけれども、こういったものを設置して幅広い合意を形成する必要があるということでございます。  こういうことを通じまして、まとめになりますけれども、中規模の高機能な社会保障体制へということが述べられております。高福祉高負担ではない、そしてまた低福祉低負担でもない、中福祉中負担の中で高機能な社会保障体制を目指すということがここで結論付けられております。  最後になりますけれども、資料の四ページにお戻りいただきたいと思います。  ここで、これはもう何回も先ほどからこの説明がなされておりますけれども、この有識者検討会の報告を踏まえて、今年の四月ごろまでにあるべき社会保障の姿、方向性を明らかにしまして、六月までに具体的な制度改革案と消費税を含む税制改革の方針を示すという形のスケジュールになっております。そのために、社会保障改革に関する集中検討会議を設置しまして、先日第一回の会合も開催したところでございますけれども、幅広く各界から御議論をいただきたいということでございますし、また国民の皆様にも積極的に発信をしていくということをここでやっていっております。  御説明は以上とさせていただきます。  その他の資料につきましては、民主党の中間整理と、あと先ほど御説明した閣議決定、そして集中検討会議のメンバーのを参考資料として添付しておりますので、適宜御参照いただきたいと思います。  ありがとうございました。
  14. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 以上で説明の聴取は終わりました。どうもありがとうございました、各副大臣。  これより質疑に入りますが、その前にちょっと、調査会長としての個人的なことですが、聞いていてちょっと事実関係のところであれなんですが、最後の説明のところの二ページ目で、矢印の下の右側ですね、「改革を進める中で顕在化してきた問題」の中に、「急速に進行する少子化への取組の遅れ」の中で、「解消しない待機児童などサービス提供基盤の不足」ということの表現がちょっと分かりづらいといいますか、言っている意味がよく分からない、少子化の取組が遅れたからサービス提供の基盤が不足したというのがつながらないのが一点ございましたので、これ今気が付いた点、指摘させていただきます。後でもしお答えがあるなら、それはそれでお願いいたします。  それから、もう一つは、最初の説明のところで、どうも私、個人的な能力の問題かもしれませんが、外来語の片仮名が非常に多くて正確に理解するのが難しかった点、ほかの委員の方もいらっしゃるのではないかと思いますので、改善方ができればよろしくお願いしたいと思います。  以上、申し上げたところで質疑に入ります。  本日の質疑は、午後三時三十分を目途に、あらかじめ質疑者を定めずに行います。  その際、より効率的に調査を進めるため、まず、本調査会を代表して会長である私から、各委員の質疑の基礎となる総論的な質疑を行い、その後、各委員から質疑を行っていただきたいと存じます。  それでは、私から若干の質疑をさせていただきますが、答弁はできるだけ簡潔に、五分を目途にしていただければ幸いでございます。  それでは、質問をさせていただきます。  大きくくくって三問、それぞれ、内閣官房、財務省及び総務省、内閣府という形で質問させていただきます。  内閣官房に関しては、新成長戦略における社会保障の位置付けについてであります。  先ほど来の説明にもございましたけれども、社会保障の機能強化によって国民心理、そういったものの中で、生活不安、老後の不安というものが払拭されれば次のような効果が期待できるだろうと。過剰な貯蓄をする必要がなくなって消費に回るのではないか。あるいは、セーフティーネットが整備されればやり直しができるということで、そういうリスクを取ってのいろいろな事業、あるいは進取の気性に富んだ経済活動が期待できるのではないか。あるいは、年金がよくなれば、老後の生活というものに安心感を持つことになれば、非営利の社会活動に専念できる人々が増えてかえって経済を補完して活性化が期待できるのではないか。さらに、医療、介護、福祉などの分野で働く人々の待遇改善で高齢化が進む地方で更に雇用を増やすことができる、これはちょっと地域的な問題も含めますが、そういったことを、社会保障をうまく仕組めば実需、実際の需要に基づいた安定した経済成長に資するんではないかというふうな御意見だったように承りました。  ただし、その一方で、社会保障は成長戦略、経済学的に言う成長戦略にはなり得ないんではないかという、そういった、ある種学問的な面もあるのかもしれませんが、そういう見解も聞くところであります。  その辺のところの考え方についてどのようにお考え、あるいは反論されるのか、所見をまずお伺いしたいと思います。
  15. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 社会保障が成長戦略になり得ないという考え方の根幹にあるのは、一つは、医療、介護という部分が大部分が公的負担で賄われているということから、いわゆる所得移転が伴って、それをベースに成り立っている産業ではないかといった点。それからまた、あと、毎年度これ費消されるお金でありますから、費消というのは使い切るという意味でありますが、公共事業のように物が残るわけではない、そしてまた残ったものが効果を発揮するものではないというような観点から成長に余り貢献しないんではないかというような、多分そんな見方があるんではないかというふうに思います。  しかし、今委員長が申しましたように、大事な点は、まず社会保障制度がしっかりするということ、そのことによって将来に対しての生活の安心感が出てくれば、これも委員長が先ほど申されたとおりなんですけれども、お金が消費に回ってきて、それが経済の活動の、経済成長の基礎になるという点は、これは皆さん方御承知のとおりかと思います。  あともう一つ、雇用ということを菅総理も繰り返し言っておりまして、成長戦略も雇用を軸にある意味では組まれておるんでありますけれども、例えば介護の分野というのは、これも御案内のように、潜在的には非常に需要がありますけれども、供給が満たされていないということで、この部分のミスマッチを解消することによって雇用が生まれて、それによってそれがまた経済成長につながるという、そういう見方もできると思います。  あとは、もう御案内のとおり、医薬品あるいは医療機器、それからあと再生医療といった、最近非常に話題になっておりますけれども、そういった先端の分野はこれ成長産業というふうに見て差し支えないんだろうというふうに思います。この分野における成長を促すことで、これは国内の経済成長につながるというだけではなくて、さらに、日本は世界に先駆けて高齢化社会が進展しておりますけれども、アジアもじきに付いてくると、そういう前提で、例えば介護システムそのものが輸出品になり得るという可能性も出てきまして、いろんな可能性があるんだろうというふうに思っています。  そういった観点から、医療・介護分野におけるライフイノベーションを力強く推進するといったことは新たなサービス成長産業と新物づくり産業を育てることにもつながるのではないかということで、医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として位置付けているということであります。
  16. 山崎力

    ○会長(山崎力君) これ以上質問してもあれなんですが、聞いていて基本的なところは分かるんですけれども、要するに、医療とか介護というのがいわゆる利潤を目的とするという考え方からいっていわゆる成長産業という産業化として見ていいのかどうかという考え方もあろうかと思いますので、その辺はあとほかの方の質疑に任せたいと思いますが、そういう点を感じました。  続いて、それを実際に運営する場合で、先ほど来の説明にもありましたが、総務省からの説明の中でもありました地方単独事業は相当やっているよということと、財務省からは全体的ないわゆる社会保障費の増大の対応策をどうしたらいいかという話がございましたけれども、結局最終的には、いわゆる地方自治体がやっていることであっても、どうしても補助金という予算面も含めて、国側の制度という中で現実的にやっているところが非常に多いと。あるいは、制度的にもいろいろ違いがある。  全部が国あるいは地方というのもあれば、比率がそれぞれの仕組みで今までの経過でそうなっているんでしょうが、さあ、それをどうしたらいいのかなというところがこれからの一つの我々の考えなければいけないところであろうかと思うんです。ですから、極端に言えば、もう最終的に国の補助金で全部やるというところもあれば、あるいは地方の財源の下に全部やるという考え方もあり、それぞれ一長一短あろうかと思います。  その辺のところ、その当然背景には財源をどうしなければいけないかと。割り振りもあろうかと思うんですが、それぞれその考え方、財源の確保策等を含めて、財務省、総務省から役所としての考え方をお伺いしたいと思います。
  17. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 今委員長から御指摘いただいた点というのは極めて大切な点だと思っております。  昨日御質問をいただいて、幾つかの制度について調べさせていただきましたが、国と地方の負担割合というのはもういろんな制度で全然違ってきています。その背景にあったのは一体何なのかということを確認いたしましたが、歴史的な経緯の中で、例えば一番分かりやすい例は、国と地方との財政状況の中でどちらがより多く負担できるのかとか、そういう中から決まってきていることが随分あったようにお伺いいたしました。  ですから、そういう点では、国と地方の、この社会保障に関して、今の在り方で適切なのかどうかについて、一度これはきちんと精査する必要性があるんではないのかなと、そう思いました。  しかも、現状の制度のまま国と地方の負担割合を検討していくべきなのか、それとももう少しシステムにまで踏み込んでやっていくべきなのかというのは、これは一度整理してから考えていかなければいけないことだと思っておりまして、これは別に財務省がやるとかやらないということではなくて、与野党これ全体で取り組んでいく課題になっていくんではないのかなと、そう思っております。  それから、もう一つ、国と地方との関係の中で考えていかなければいけないのは、地域間格差がどんどんどんどん拡大してきていることだと思っております。  例えば、委員長も青森県ですし、私も宮城県ですから、東北とそれからやっぱり東京と全然違ってきていて、そうなってくると、国が全部を一律にやっていくということについての限界というのはあるんだろうと思っておりまして、そうすると、地方の特色を生かして、それから、地域に対して必要なサービスをどう提供していくのかということも、これまた大きな課題として検討しなければいけないんではないかというふうに思います。  財源についてですが、ここも先ほど国の財政が非常に厳しいということを申し上げました。これは地方も同じような状況にあるかと思っておりまして、この財源確保については現在検討を進めている最中でございまして、六月までには一応の結論を得ることとしておりまして、現在鋭意検討を進めているところでございます。
  18. 鈴木克昌

    ○副大臣(鈴木克昌君) 委員長から御質問をいただきました。二点に大きくなるというふうに思いますが、国と地方の要するに役割分担をどういうふうにするかということ、もう一点はまさに財源をどうするかと、こういう点だというふうに理解をさせていただきました。  先ほど委員長も御理解いただきましたように、社会保障の現物給付のほとんどを地方自治体が担っているというのは現実でございます。それを踏まえて地方団体からは、実は国と地方の役割分担について、全国一律の現金給付については国に持ってもらいたいと。しかし、地域の実情、先ほどの地域間格差を含めて、地域の実情に応じて提供すべき現物給付については地方に担わせていただきたいと、こういう意見が実は地方団体から出ておるところでございます。  それで、いずれにいたしましても、昨年の十二月に取りまとめられた社会保障改革に関する有識者検討会の報告でも、やはり今、地方自治体が担う支援型サービス給付の役割が非常に重要なんだと、こういうような御指摘もいただいておるところでございます。  こうしたことを踏まえてまいりますと、繰り返しになりますけれども、保険制度のような根幹的な社会保障のセーフティーネットについては、財政措置を含め国が責任を持って対応する必要があるのではないかと。そして、その他の社会保障施策で特に地方が役割を担うべき支援型サービスについては、地方の自主性を高める、そしてまた地域の実情に応じたサービス提供ができるようにするということが一つの理想的な形ではないかというふうに思います。  それについては、やっぱり義務付け・枠付けを廃止をするということと、補助金等の特定財源によるのではなくて、一般財源である地方税や地方交付税により財源を確保していくというのが一つの望ましい方向ではないのかなと、このように思っております。  いずれにしましても、先ほど財務副大臣もおっしゃいましたように、今後この社会保障に関する地方の役割というのが整理をされて財源が検討されていくということだというふうに思っておりますので、地方消費税も含めて是非御議論をいただければ有り難いというふうに考えております。  以上であります。
  19. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 今、財務、総務両省から見解がありましたが、仲立ちというか、まとめ役である内閣府の方から何か付け加えるようなことございますですか。よろしいですか。
  20. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 今、そこがやっぱり担い手としての地方、そして財源を一番持っている国ですね、これは非常に大きな問題であるのはもう事実なので、与謝野大臣もここの点は特に慎重にまた綿密に議論をやらなければいけないなという御感想も漏らしていたと思いますけれども、まさしく集中検討会議でも、これから二回目以降始まりますが、そこでもかなり大きな議論になるのではないかと予想しておりますし、一方、そういった地方と国との議論がずっとこれからなされる予定でございますので、そこで最後に、六月にこのまとめに向けてしっかりとやっていきたいと、そう思っております。
  21. 山崎力

    ○会長(山崎力君) それでは、最後の質問になりますが、先ほど最後に配られた中規模の高機能な社会保障体制という言葉について、いわゆる、何というんでしょうか、高福祉高負担あるいは低福祉低負担、中福祉中負担とか、こういうのは今までよく言われてきたんですが、これを新しい言葉として織り込んだ真意といいますか、中身どこが違うんだいというのが一般の方の感想だと思うんですが、その辺の御説明をいただければと思います。
  22. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) その前に、委員長が先ほど御提示をしていただきました御質問で、この少子化への取組の遅れというのと、あと解消しない待機児童などサービス提供の基盤の不足と、これはどうもすぐには結び付かないではないかという御指摘でございますけれども、まずそこから私の方でお答えしたいと思います。  例えば、例を挙げれば分かりやすいんですが、特に都市部の方々で待機児童問題が非常に大きいんですね。そこで、いろいろと女性に聞いてみた場合に、やっぱり子供を産んでも仕事を続けたい、でも子供を産んでしまうと仕事が続けられない、そういった意味で保育所等があればそれはいいのになということで、それで保育所を増やして、まあ第一義的には両親の子育ての義務があるんですけれども、それを社会的全体で社会で負担するという中で保育所等が拡大していけば、それは子供を産むというインセンティブが御両親の間で生まれると、こういうことで少子化対策になると、こういうことと理解をしております。  それから、今の委員長の御質問でございますが、まず中規模というのは、国際比較の観点からいけば中福祉中負担ということでございます。高機能という言葉は、確かにこれは新しい言葉なんですけれども、これは人口動態とか社会経済の変化に対応せず、機能不全に陥った社会保障制度の機能を強化する。ちょっと分かりにくいんですけれども、要は、先ほど改革を進める中で顕在化してきた問題というのがございました。セーフティーネットの低下とか、あるいは医療・介護サービスの提供体制の劣化とか、あるいは少子化への取組の遅れとか、こういった問題を機能として新たにこれらに、解決するような、そういう高機能なことをこの社会保障ということに含めていくと、こういうのが私どもが使ってきたこの高機能ということだと私は理解しております。  そして、これをどういうふうに中規模、高機能というのを社会保障制度設計に取り入れていくのかということでございますけれども、もちろん無駄の排除とか効率化はこれは取り組むんですけれども、委員長が先ほどおっしゃられたように、低福祉低負担も無理だし高福祉高負担も無理だということで、ここで税制と社会保障の一体化、これを早急に取り組む必要があるということでございます。  さらに、この社会保障改革を具体化するに当たっての注意点ですけれども、先ほど申し上げましたように、全世代にわたって様々な問題が今出てきております。これに対するためには、やっぱり全世代対応型の社会保障としなければいけないということ、ここですね。特に、子供、子育てで今幼保一体化とかそういった試みもなされておりますけれども、こういった未来への投資とか、あるいは若者世代ですね、これが社会セーフティーネット機能の低下ということで、ワーキングプアとか格差の拡大とかあるいは非正規化とか言っておりますが、これらに対してもしっかりと対応していく、そういう高機能のものを目指していくと。特に、この社会保障については、単にツケを、若者とか子供の世代に負担を増やすということであれば彼らそのものが納得しないですから、まさしく未来への投資の、子供とかあるいは若者、こういった者がやる気をなくさせないような、そういう各世代にメリットとそれから恩恵があずかれるような、こういったものを重点としていくべきだと考えております。  以上です。
  23. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 私の方から議論をこれ以上してもしようがないので、私からの質疑は以上でございまして、引き続き、各委員からの質疑を行っていただきたいと思います。  質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を待って、着席のまま御発言くださるようお願いいたします。  なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁及び追加質問を含めた質疑時間がお一人十分以内となるよう御協力をお願いいたします。  まず、会派順で松井孝治君。
  24. 松井孝治

    ○松井孝治君 四副大臣の皆さん、ありがとうございました。  調査会ですから、余り委員会のようなとげとげしいやり取りではなくて、できるだけフランクな、率直な御見解をいただきたいんですが、一人当たり十分以内ぐらいで全部終わるようにということですので、二回ぐらいに分けて、四人に伺ってもちょっとあれですから、櫻井副大臣を中心に伺わせていただきたいと思うんですが。  櫻井副大臣から御説明いただいた資料十六ページを拝見をすると、社会保障給付の見通しということで、これ二〇〇六年五月ですから古いのかもしれませんが、見ますと、医療が二〇二五年度には国民所得比八・八%、年金一二%というような数字が、棒グラフがあります。ただ、これ、前提として経済成長ケースになっていますから、先ほどの末松副大臣などの説明からいうと、これを前提にするのは、明らかに強い財政、強い社会保障、強い経済でいうとおかしいですよね。この数字自体も、何か統計の取り方が違うのか、そのちょっと後ろの二十ページの数字を見ると、二〇〇七年で日本の社会保障給付の対国民所得比は二六・一%となっていて、余りこの数字だけを議論しても何かつじつまが合わないような気もするわけですが。  櫻井副大臣に伺いたいのは、その細かい数字のそごみたいなことはいいんですが、そもそもこれで本当に収まるのか。あるいは、先ほど末松副大臣が高機能、高機能というんでしょうか、というふうなことをおっしゃいました。櫻井副大臣は、今の地域間の格差の問題もおっしゃいました。基本的に、社会保障ですから、セーフティーネット機能ですから、やはり地域間に大きな格差があるということはなかなか許容しづらいとしたときに、その高機能の社会福祉というものを実現するときに、本当にこの程度の国民負担で収まるんだろうか。  先ほど鈴木副大臣は、地方自身が、サービス給付の方は地方が担うわけで、もっと交付税なり一般財源を確保しなければいけない、そのときに、地方消費税という話があったときに、当然のことながら、先ほど末松副大臣の資料の中では社会保障の機能強化のための追加費用が十九兆円から二十兆円必要というデータがありました。  それ以外に、例えば地方財源を充実させるとか、あるいは国債費が、たしかどこかで、櫻井副大臣の資料の中で、横ばっていますね。横ばっているけど、GDP比で百八十何%の数字があって、いつこれ利息が、金利が上がるとも分からない中で、本当に櫻井副大臣が思われるような日本全国のあまねく高機能の福祉というものを維持しようとしたときに、この程度の国民負担で賄われるのかどうか。それはもう少し大きな負担が必要となるんではないかという現状認識と、それから、そのときに、本当にそれが消費税だけで、民主党の資料も配付されていましたが、基本的に高齢者の社会保障機能、高齢者三経費については消費税で充当するという考え方のようでありますが、それだけの高機能のものを充足するために消費税だけで賄えるのか。  それとも、櫻井副大臣の年来の御主張であるようなほかの経済活動ですね、例えば、若干、以前、非公式な場でギャンブルのような活動が本当に田舎でも活発に行われている、ああいうものを財源として考えられないかなんていうような御議論がどこかであるという御紹介があったように記憶しておりますが、そういうことも含めて、高機能の福祉をどうやって財源的に支えていくかについてできるだけ個人的に率直な御見解をいただきたいと、まずそれが一問目。  もう一つだけ、二問目がありますので、簡潔に。済みません。
  25. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) ありがとうございます。  これは、高機能な医療を実現すると全てが医療費が増えてくるのかというと、必ずしもそうではないと思っています。  例えば、私は元々循環器内科の医者でございますけれども、昔は例えばバイパスの、心筋梗塞なり血管が詰まった場合、全部開胸して、胸を開いてバイパスの手術をするなど、様々なそういう手だてを取らなければいけなかったし、それから、そのために、その手術ができないと心不全の患者さんたちが山のようにいたというのもこれまた事実でございます。  だけど、一方で、現在のようにカテーテルの検査が進んで、カテーテルでほとんどの患者さんの処置ができるようになってきた、こういう点でいえば、間違いなく医療は高機能になったわけです。高機能になりましたが、慢性心不全で苦しんでくる患者さんたちも減ってまいりますから、ですから、高機能イコールが医療費の増加につながっていくのかというと、必ずしもそうではないのではないのかというふうに考えています。  ですから、今後やはり我々が考えていかなければいけないのは、医療の開発を行っていって、どういう対象者に対して医療を行っていくのか、どの範囲の人たちに限ってやっていくのかということを限定しないと、今度は高機能の医療をどんな人たちにでも全部やっていくということになれば、今、松井先生がおっしゃるとおり莫大なお金が必要になってまいりますから、そことの兼ね合いになっていくんではないのかなと、そう思います。  それから、今ここにあります資料についてですが、正直申し上げて、国民所得がこの数字どおりにまずなってくれることを我々とすれば祈っているというよりもこれ以上になることを本当は望んでいて、実際のところ、二〇〇六年から二〇一一年で見てみるとこういうペースにはなってきていませんから、ここら辺のところも併せて考えていかなければいけないんではないのかなと、そういうふうに思っております。
  26. 松井孝治

    ○松井孝治君 済みません、もう一問だけ。一問というか、二つありますけれども。  今、私、質問した中での財源論についての、消費税の引上げというのはある程度必要性が認められると思うんですが、それはどの程度のものなのか。それは余り今おっしゃれないところもあるでしょう。  それから、もう一つ、以前ある場で櫻井さんが紹介されていた、そういう地域でのギャンブルのようなものが非常に活発に日本国内で行われるけれども、そこについての課税が甘いということについての指摘があるということを櫻井さんが御紹介されていましたが、それについての見解、これが一つ目の質問で、あと、最後の質問は、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則というのをどこかで、あれは平野副大臣のところだったか、どなたか政府側の御説明でありました。こういう状況の中でペイ・アズ・ユー・ゴーというのが本当に社会保障費についてあるのか。むしろ、大きく財源の組替えをしていかなければ、これからの日本の現状に強い経済、強い社会保障、強い財政の定立のためには避けられない中で、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則ってどういう意味で、どの範囲でペイ・アズ・ユー・ゴーなんだというのがよく分からないんですが、そこについて櫻井副大臣の見解を併せて伺いたいと思います。
  27. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) ありがとうございます。  その財源についてですが、資料の二十ページか二十一ページを見ていただいた方がいいのかと思いますけれども、消費税に限らず、我々考えていかなければいけないのは国民負担率ということではないのかというふうに思います。  どこまで国民の皆さんに負担をお願いするのかということでして、例えば、社会保障に関してだけ申し上げれば、現在もうイギリス並みまで給付は増えてきているわけであって、そうすると負担はイギリス並み、つまり国民所得に対して五〇%ぐらいまで御負担をお願いできるのかどうかということになると思います。その上で、消費税が一番いいのかどうか、それとも、ほかのものでもいろいろ様々、保険料もいろいろありますから、税負担だけではなくて、そういったことで、様々な形で御負担をいただくのがいいのかについて、まさしく今検討しているところなんではないのかと思っています。  今、松井委員からありましたとおり、例えば一つの例として、私は、ギャンブル税でも大衆娯楽税でも名前は何でもいいんですけれども、いずれカジノが合法化される方向で今与野党協議が始まっていますから、そうであったとすれば、現在パチンコのような、ギャンブルと言っていいのかどうか分かりませんが、きちんとした形で整備されて、そこに課税するようなこととか、様々な税収源を考えていくべきではないのかと、そういうことを申し上げたことはございます。  以上です。
  28. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) ペイ・アズ・ユー・ゴー原則の話が出ましたので、簡単に御説明いたします。  ペイ・アズ・ユー・ゴー原則につきましては、御案内のとおり、一義的には歳出改革のときにまずよく使われる概念で、歳出の規模を一定にしたときに、新しい政策を導入するときにその必要な金額はどこか削って持ってこいというのがまずペイ・アズ・ユー・ゴー原則ですね。それが同時に、これは税収の方にも使われておりまして、減税をする場合にはどこか代わりの財源として、でき得れば恒久財源として増税をやってくれという。税収ニュートラルという言葉にも使われますけれども、今回の櫻井副大臣の今までの説明と、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則というのは基本的には余り関係ないんだろうと思います。  先ほどの説明ありますように、消費税の収入は高齢者三経費に充てることとされているんですけれども、その経費と消費税の中のギャップが大きいと。そのギャップをどうやって埋めるかということでありますから、ここではペイ・アズ・ユー・ゴー原則というよりは、どこに不足している財源を、から持ってくるかという議論なので、ちょっとこれは松井先生も、よく委員も御承知のとおり、概念がちょっと違うんではないかというふうに思っています。
  29. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 続きまして、石井準一君。
  30. 石井準一

    ○石井準一君 自民党の石井準一です。それぞれの省庁の意見を拝聴させていただきまして、大変勉強になりました。  二十一世紀というこの時代を迎えて、公的な生活保障制度としての社会保障制度が崩壊の危機に瀕しているということは国民一人一人も理解を始めたんではないかなというふうに感じておる次第でありますけれども、社会保障が今後長期にわたって経済の伸び以上に続けるということはもう事実上不可能であると。ならば、今後は給付は厚く、負担は軽くというわけにはいかない。  国民の合意という言葉を皆様方よく使っておるわけでありますけれども、私自身は、やはりこうした深刻さを国民一人一人が十分に認識をしていかなければいけないと。だからこそ、社会保障制度というものは、その意義、役割、内容を国民一人一人にしっかりと理解をさせ、痛みを分かち合って制度を支える。このことがやはり理念として一番大切なことだと思うわけでありますけれども、ここに書かれていることは本当にごもっともなことだと思うわけでありますけれども、これを国民に向かっていかに発信をしていくかということが我々に課せられた大きな責任であると思うわけであります。  そうした中で、この社会保障の改革の中心的な狙いは何であるのか、これをやはり国民に発信していくことが大きな義務でもあり、責任でもあると思うわけでありますけれども、主に財源を乗り切るためなのか、今の制度そのものの給付水準をしっかり見直していかなければいけないのか。そうしたことに、どこにスタンスを置いて国民に発信をしていくのか、その辺をまずお聞きをしたいと思います。  内閣府の副大臣と櫻井副大臣にお尋ねしたいと思います。
  31. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) もうまさしく今、石井先生のおっしゃられたことが一番大きな今度の六月の眼目でございます。国民の皆さんに向かって、どこまで皆さんは給付していただきたいですか、そのためにどこまで負担の用意がありますかと、それを今幅広い国民的な議論を巻き起こして、そして一人一人の国民の皆さんに直接問いかけるというのがどこまで成功するかによって、この改革が成功か失敗かという話になろうかと思います。  社会保障費、今、石井先生が言われたように、例えば、ちょっと私の記憶間違っていたら御指摘いただきたいんですが、一九八〇年代にたしか二十五兆円程度が九〇年代に五十兆円程度になって、そして今度は、二〇一〇年にはもう百五兆円というか、物すごい大きな拡大をしていっております。それを財政で何とか支えられないかどうかというのを、やっぱりここを、消費税も含めたまずは税制で一体化の議論をしていくというしか今ないのかなと。これがもし失敗しても、また同じような課題が次の政治課題としてなってくるということですから、何としてもここは六月、まとめてしっかりやっていきたい。本当に与野党でやっていきたいというのが率直な思いです。
  32. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 石井先生がおっしゃるところは本当に大切な点なんだと思っているんです。今はこういう立場にあるので、結果的に、国家財政であるとか社会保障が持続可能なのかという議論だけしていますけど、実際のところを申し上げれば、きちんとした制度を提供することこそが国民の皆さんの幸せにつながっていくことになるんだろうと思っているんです。  例えば、社会保障制度がきちんと担保されていますからと。であるとすると、本当に今皆さんは将来の不安があって相当お金を貯め込んでいるわけですね。我々からすれば、それは経済の活性化のために使ってくださいとよく言っていますが、それ以上に大事なことは何かというと、皆さんが我慢しながら、将来の不安を抱えながら貯蓄をするような生活ではなくて、本来であれば、たまに温泉に行きたいなとかおいしいものを食べたいなと、そういう生活をいかに実現していただけるのかと、そういうことにも私はつながっていく問題だと思っていまして、そういう点で、社会保障を充実させていくということは、これはすごく大切なことだと思っているんです。  一方で、今先生からお話があったとおり、じゃ、国民の皆さんがどれだけその社会保障制度を理解してくださっているんだろうかと。例えば医療の分野だけ、ちょっと時間がないので申し上げれば、これは世界でナンバーワンだと言われているわけですね、日本の医療制度というのは。特に、高額療養費制度がありますから、例えば月に百万掛かろうが二百万掛かろうが、所得が五十三万円以下の方々であれば大体十万円ぐらい御準備いただければそこで終わってしまうわけですよ。ところが、残念ながら、そういったすばらしい制度がありながらそのことを御理解いただけないので、高齢者の方々がどうして貯蓄に走るのかというと、病気や不時の災害への備えなのだといって七〇%ぐらいの方々が貯蓄されていて、現在七十五歳以上の方々で二百兆円以上の金融資産をお持ちだということになってきています。  ですから、我々としてやらなければいけないことは、きちんとした制度があることについては正しく国民の皆さんにまず御理解いただくことだと思っております。それからもう一つは、そうはいっても必ずしも制度上十分でないものもあります。特に年金などは、これで十分なんだろうかとか本当にどれだけもらえるのかと、そういう不信感、これは多分政治に対しての不信感というところが一番強いんだと思いますが、こういったことについては我々、制度上の問題であるとか、それから政治に対する不信感を払拭していくとか、そういったことをきちっと発信していくということがとても大切なことだと思っておりまして、是非石井先生からも様々御指導いただきながら一緒にそういう大切なことについて取り組ませていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  33. 石井準一

    ○石井準一君 それぞれ御説明いただきまして、ありがとうございます。  社会保障、社会福祉の原点が改めて問われている時代であります。私も、個人や所得格差というものは、個人の惰性が原因かとか、社会の矛盾が原因かとか、じゃ、それを克服するためには、自己責任によるべきものなのか、社会が責任を負うべきなのか、とりわけ国の公的責任により解消すべきものなのか、これも議論が大きく分かれると思うわけでありますけれども、その辺、やはりこれからの社会保障制度を前提にした、改めてそうした理念についてお一人ずつ簡単にお聞きをしていきたいなと思います。
  34. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 四人の方、順次でよろしゅうございますか。  それでは、平野内閣府副大臣から。
  35. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) よく社会保障制度の議論、私も野党時代にさせていただきましたけれども、自助、共助、公助という、私ども余り好きじゃないんですけれども、小泉総理がよく言っておられた言葉でありまして、しかし、やっぱり翻って考えますと、社会保障制度についても、あるいはいろんな社会システムについても、やっぱり自助、共助、公助、このバランスをどう取っていくかということだと思います。  さらに、私は出身は岩手県でありますけれども、この中で特に大事になってきているのは共助、地域コミュニティー、地域のつながり、こういったものをどのようにこれから維持していくか、それを大切にしながら地域の助け合いをやっていくということで、これがひいては社会保障制度の改革にもつながっていくと、あるいはその改善にもつながっていくと、そんな考え方をちょっとしております。  簡単でありますけれども、以上です。
  36. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 私も今の平野副大臣と大体同じような考えなんですが、私の方はちょっと角度を変えて、財源の問題がやっぱり一番大きな問題ですから。  社会保障というのは、何か起こったときに安心だよねというセーフティーネットなんですけれども、例えば医療保険なんか見たら、ちょっと私、個人的に思っているんですけれども、何も使わずに健康な人っておられますよね。こういう方々をもっと表彰するとか、本当は本来健康なのが一番幸せで、一切保険に掛からない、そういう負担に、そういったものにお世話にならない人をもっと日本で褒めて褒賞していくとか、あるいは未病の問題、未病ということで病気にならないという予防ですね、こういったものをまた更にもっと知恵を使っていくとか、あと、例えば経済成長をやっていくしかないという話になるんであれば、本当にイノベーションという、こういったものをどんどん何か国で後押しして、今やっていますけれども、そういったものをやるとか、例えば私の方で今担当しているのが、引きこもりというのを担当しているんですね。今七十万人から百四十万人ぐらい引きこもりがおられると。こういう方々は、本来は働いていただいて社会の担い手になっていただきたい、そういう方々が逆にいろんな形でそこは貢献されていないということなんで、むしろそちらをもっと働いていただくような何か大きな知恵を使っていくとか、こういう何か日本人の価値観を大きく変えていけば、社会保障というのがまた従来とは別の形で、いい形で財源的にはなっていくんだろうなと思っています。
  37. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 櫻井財務副大臣、時間の関係もありますので、できるだけ短くお願いしたいと思います。
  38. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) まあ何というんでしょうか、日本の風習というんでしょうか、お互いさまといったらいいのかどうか分かりませんが、やはり元気なうちは大変な人たちを支えていき、自分が衰えていったときには誰かに支えてもらうと、そういう社会をつくっていくことが大切であって、個人は個人の役割をきちんと果たしていただいて、それで果たせないところに対して周りの人が助ける、それができないことについて国がきちんと面倒を見ていくということが大切だと思っているんです。  これが成り立つためには、やっぱり義務と権利の関係というのがある程度あると思っているんですけれども、最近その義務を負わないで権利だけ主張する方が増えていまして、教育の在り方そのものを変えていかないとなかなか難しいのかなと、そう感じております。
  39. 鈴木克昌

    ○副大臣(鈴木克昌君) 簡単に申し上げたいと思います。  まず、しっかりとした制度設計するというのは、これはもうまず大前提なんですが、その中で、いわゆる先ほど御紹介をしましたような、いろいろな地域で新たな試みが出てきておりますよね。そういうようなものをやはりきちっと紹介をしながら、盛んにしていただくというようなことも併せてやっていかなきゃいけないということと、もう一つはNPOですね、これはやっぱり大いにこれから活躍していただけるような、そういう土壌もつくっていかなければいけないんじゃないかなと、このように思っています。  最近うれしいのは、伊達直人現象ではありませんけど、ああいうようなことが出てくると、私はやっぱり社会に非常にほのかな、何といいますか、温かみが出てくる、そういう社会になっていくんではないかなと、そんなふうに思っています。
  40. 山崎力

    ○会長(山崎力君) できるだけ、最後、簡潔にお願いします。
  41. 石井準一

    ○石井準一君 我が国は世界に冠たる長寿国となりました。人生百年社会を目指した、私自身は自助と自立を基調とした持続可能で安心できる制度を是非とも提示をしていただきたくお願いを申し上げ、意見とさせていただきます。
  42. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 続きまして、竹谷とし子君。
  43. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。  今日は、現内閣の経済、財政、社会保障に関する思想と今後の見通しについてお話を伺いまして、誠にありがとうございます。幾つも数字を出していただいて説明をいただいたんですけれども、ちょっと順を追って背景を確認させていただきたいというふうに思っております。  まず、内閣官房から出していただきました経済と社会保障の資料につきまして、七ページ目、健康大国戦略という資料のところがありますけれども、こちらで医療の市場規模が五十九兆円で介護の市場規模が十九兆円ということを二〇二〇年までに実現すべき成果目標として掲げられていますけれども、医療、介護というのは社会保障の大きな部分になりますけれども、市場規模がここまで拡大したときに、政府として社会保障給付費が医療、介護の部分で、五十九兆と十九兆円のうち幾ら公的支出が増えるというふうに見込まれていますでしょうか。
  44. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) これ、二〇二〇年までの実現すべき成果目標ということでありまして、規模の数字は、申し訳ありません、出ておりますけれども、国費が幾らか、あるいは保険料負担が幾らなのか、そこまで今の段階でちょっと手元で持ち合わせておりません。後ほど、あるかどうかも確認しまして、あれば提供したいというふうに思います。
  45. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 お願いいたします。  次に、済みません、それに関連いたしまして、内閣府から御説明いただきました経済財政の中長期試算、縦の資料についてお伺いしたいんですけれども、こちらは新成長戦略と財政運営戦略の参考として作成、公表されたというものなんですけれども、こちらの計数表のところが参考として付けていただいています。七ページ、八ページのところに数字が並んでおりますけれども、こちらで右側の八ページのところ、成長戦略シナリオということで数字出ていますが、こちらの成長戦略シナリオは、今、内閣官房から御説明をいただいたこの健康大国戦略の医療、介護の市場規模が拡大した場合の数字というのを前提にされているものなんでしょうか。
  46. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) どっちかというと成長戦略というのは、先ほど申し上げたように、内外の経済的な問題、非常にそこは好調にいっていて、一応名目GDPは三%、そして実質で二%と、これの前提の下で動いている話なんで、今の平野副大臣のやっておられる成長目標との関連性は特に私どもはないと考えております。
  47. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 じゃ、こちらの経済財政の中長期試算と成長戦略は関連性がないものという、そういうことでしょうか。
  48. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 私どもの方は、一応先ほど申し上げた想定ですか、前提の下で計数的にやっておりますので、そこに例えば政治的な意図といいますか、そういったものがあるという話ではございません。
  49. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 分かりました。  続きまして、ではまたちょっと数字の関連になるんですけれども、先ほど財務省の資料で、国の財政と社会保障についてということで、こちらでも幾つか数字が出ておりますけれども、十六ページのところに社会保障の給付の見通し、出していただいています。これは二〇〇六年の数字で古いものだというふうには思いますけれども、ただ二〇二五年度の推計が出ていまして、この中で社会保障給付費が百四十一兆円になるという、二〇〇六年に比べて一・六倍になるというふうに出ていますけれども、新成長戦略の先ほどの内閣官房の七ページのところの健康大国戦略、これが実現されたときに、どれぐらいこの社会保障給付が上乗せになるのかなというのは非常に気になるところではあるんですけれども、財務省としてはどのようにこの数字を考えていらっしゃいますでしょうか。
  50. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) これ、かなり難しい質問なんだろうと思うんですね。つまり、何をもってして医療の市場規模とするのかというところがあると思っているんです。つまり、先ほども松井委員からも質問があったところなんですけれども、医療の高度化を図っていくから果たして全部医療費が増えていくのかとか、それから高度医療、再生医療なりなんなり様々なものが進んでいくから全部の医療費が増えていくのかというと、どこの範囲の人たちにまでその医療を提供するのかによって全然違ってくるわけです。  そうすると、こう言った方がいいと思うんですが、経済的には、例えば新しい薬が開発され、新しい機械が開発されるというのは、新成長戦略に資するものだと思っています。ただ一方で、それをどの範囲の人たちに、しかもどういう診療報酬点数で提供するのかによって圧縮もできますし、それから拡張もできてくるということになってくるので、一概にそれがイコールになってくるということには必ずしもならないのではないのかと。ちょっと答えになっているかどうか分かりませんけれども、そういうふうになるんだろうと思っています。  それから、先ほど一問目に、国の負担は幾らぐらいになるのかと。あらあらの数字ですが、先ほどの総務省の説明資料の方の四ページを見ていただけますと、平成二十五年度、平成二十八年度の国の負担それから地方負担の中で、医療費とかそれから介護の費用などが一応、未定稿ではありますが示されておりますので、あらあらこのぐらいの数字になるかと思います。  あと残りの医療費の分について申し上げれば、医療保険の分と、それから患者さんたちの窓口負担がそこに加わってくるということになるんだろうというふうに思います。
  51. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 今ちょうど櫻井副大臣から地方負担を含めての四ページの資料の方をいただいたんですけれども、質問なんですが、こちらで出していただいている社会保障関係費、国庫負担と地方負担で両方出ていますけれども、こちらの関係と今の財務省さんの十六ページの資料の数字、これ何が入っていないんでしょうか。
  52. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 総務省さんから出ている資料は、これはあくまで国庫負担、地方負担でして、これは税金だけです。それから、我が省で出しました十六ページにある資料は、この中に保険料も含まれてきております。ここは、ここにありますとおり社会保障の給付費の見通しですから、あくまで給付であって、今平均すると窓口負担が一五%ぐらいですけど、それはここの中に入っておりません。
  53. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 分かりました。ありがとうございます。  これから六月に政府として今後の社会保障の在り方をまとめて国民の皆様に御提示されるということなんですけれども、そのときに、やはりどれぐらいの給付の内容でどれぐらいの負担をお願いするという数値で説明をしていくことになると思いますので、出てくる数値、将来推計も含めて統一したもので政府として説明をしていかなければそもそもの議論の前に混乱が生じてしまうと思いますので、内閣府なのか財務省なのか、いずれかで出す数値について前提を合わせていただいて、統一的なもので是非御議論をいただけるように工夫をお願いしたいというふうに思います。  ありがとうございました。
  54. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 今のいい指摘に対して、どちらがお答えになりますか。
  55. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 御要望は承りました。
  56. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 よろしくお願いします。ありがとうございます。
  57. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 続きまして、寺田典城君。
  58. 寺田典城

    ○寺田典城君 どうも、寺田でございます。よろしくお願いします。  内閣官房で書いている中なんですが、私、持続可能な経済社会と社会保障という、これ、どうしたらこのままこのとおりできるだろうという、実行できるだろうという、そのことで毎日念仏みたいにして頭の中でぐるぐるさせているんですけれども。  それで私、内閣官房で書いている、これ非常に、まあ言葉では浮き上がっちゃっている形なんですね、実際。そしたらどうするのかという、本当に強い意味というのはどうやってやるの、強い経済ってどうするんですか、強い財政ってどうするんですかと。  私は、これは人材だと思うんですよ、はっきり言って。どのレベルの人材を日本の国がつくれるかによって強い経済だってあり得るでしょうし、簡単に言うとそういうことだと思うんです。  そうすると、簡単な言い方すると、幼児教育の中で、幼稚園出て小学校に入る人と保育園から小学校に入る人で五ポイントぐらい違うというんですよ。それから、あとは高等学校卒業してどうなるんですかと。  私は、自分で自慢するつもりはないんですけど、秋田県なんて昔、教育なんか四十数番目で、今はトップです。あれはやっぱり力入れたからです。たったそれだけなんですよ。教育力なんです。大学だってそうなんですよ。卒業時点でTOEFL六百点というと一流企業に全部入れますよ。  だから、こういう経済を強くするにはどうするのかということを、やっぱり内閣官房でもう少しここ辺りは案を作るべきだと思うんです、私は。それが抜けているんじゃないかなと思うんです。  あと二つ続けて聞きます。  それと、財務省では、簡単な言い方すると、一九九〇年には六十兆円も何か収入もあったし、それから借金は百七十五兆円だか二百兆円以内だったと。今は六百何十兆円で、地方も国も合わせれば九百兆円ぐらいになって、そして税収は四十兆円行っていないと。あの当時、一九九〇年というと、高齢化率が一二%ぐらいであったと。現在は二二%で、二十年間で一〇ポイントも増えたと。  医療費はあの当時はどのくらいかというと、簡単な言い方をすると二十兆円ぐらいであったですよ。今は三十五兆円になっちゃうと。年金はどうなるんだろうと。一九九〇年は二十四兆円が、今は五十兆円です。そして、二〇二〇年になると、それこそ物すごいスピードで医療費は五十兆円にもなっちゃうんであって、そして年金は六十兆円にもなるんだと、そのような数値が出ていることは出ていますね。  私、財務省に率直に言うんですけれども、入りと出と考えていただきたいんですが、入りは例えば六十兆円、今は四十兆円しかない。出がこのとおりやって、高齢化になって、このとおり活力なくなって社会保障がたくさん掛かっていくということなんですが、私は、今日午前中の参議院の本会議でもしゃべってきたんですけれども、主計局の在り方が問題だと思うんですよ。だから、主計局の次長に聞きたいんですよ、主計局の在り方。こんなに借金作ったのは確かに国会ですよ、それは、みんな予算通してきたんだから。だけれども、財務省が変わらない、主計局が変わらなければ、日本の財政ははっきり言って健全化にならないと思いますよ。査定なんか、もうそういう時代じゃないんですよ。部局別、全部、各省庁別予算、金預けたらみんな辛抱して使いますよ。重点事項だけ査定すればいいんであって、国の、そして、結果はどうするのかというと、率直に言って、使ったことについて事業評価すべきなんですよ。そういう考え方していかなきゃもうやっていかれない時代なんですよ、それは。そうなるとコストも削減できます。  それから、主計局があれだけ予算査定するのに何ぼ人使っているか、地方から含めて。それ考えたことありますか、主計局の次長。だから、変えることを考えたことあるかというんですよ、はっきり言って。自分たちのやり方を変えるという考えを持ったことありますかという、その二点聞きたいです。
  59. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 強い経済、強い財政、強い社会保障、言葉はいいけれどもどうやって実行するんだということがまず一番目の御質問だったと思います。  これは概念上の整理だということはもうお分かりのとおりだと思いますけれども、まず成長戦略では七分野二十一の国家プロジェクトということで、これをきちっとした工程表組んで、今のところほぼそのスケジュールどおり進めているなというふうに思っています。足下の問題としてはそれをしっかり進めることだというふうに思います。  それからあと、委員のおっしゃったように、人づくりということはやっぱり大事だということについては私も異論を挟む余地はないと思います。具体的な問題で、三十五人学級、小学校の一年からつくりましたとか、いろんな予算上の中で来年度予算にもいろんなことが入っておりますが、いずれこの人材育成ということについてしっかりやらなくちゃならないということについては私も同意をいたします。  簡単ですけれども。
  60. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 済みません、私の方で足りなければあと次長の方から答弁していただきますが、寺田先生がおっしゃるような疑問を私は財務省の中に入って持ちました。  まず、査定をやって何をやっているのかというと、単年度の財政再建だけを目指しているわけですよ。ところが、じゃ三年後、五年後どのぐらい税収が上がってくるのかとか、この政策を実現したらどう社会が変わっていって税収がどう上がってくるのかとか、そういうことについてこれまで本当にきちんと議論していたのかというと、必ずしもそうではありませんでした。  ですから、例えば今回は、経済産業省に対しての予算というのはあくまで国の投資であって、そうすると、そこのところで金を稼いでもらえなければ税収も上がってこないわけですよね。ですから、この仕事をやったら一体どうなってくるのかということを全部きちんと見た上で、まあそれは査定するのがいいかどうかは別ですが、査定をいたしました。  それから、過去のことについても今回はきちんと調べさせました。例えば、今先生が人材育成だというお話がありました。私もそのとおりだと思っています。そういう中で、例えば研究開発予算について、今年は総合科学技術会議の委員の方にも御協力いただいて相当絞ったんですが、だけれども、なかなかそれでも優先順位付けられなかったんです。そこで、文部科学省に、この五年前に付けた予算で研究がどれだけ進んでどういう雑誌に載ったのかという結果を全部出させました。  それから、もう少し申し上げれば、現在の研究が世界のレベルでどこにあるのか、それから、そこの中でトップなのか、それとももうちょっと頑張ればトップになれるのか、それともまだまだ全然駄目なのかとか、そういうことについても全部きちんと出させて、その上で今回予算査定をさせていただいています。そして、これは必ず、こういう目的で使っているんだから、何年後にどういう結果が出たのかというのをきちんと調査することにさせていただきました。  ですから、今日の本会議の中でも、当たり前のことなんですが、決算のところできちんと見たもの、そのものが反映されるというのは、今先生がおっしゃっていること、僕はそのものなんだと思っているんですね。ですから、これからまず将来を見据えた上での予算査定をすることと、それからその結果を受けて自分たちにどこが問題があったのかということをちゃんとフィードバックして予算をちゃんと作っていくような、そういう方向に今変えているところでございます。  もし足りなければ次長から答弁させますけれども。
  61. 寺田典城

    ○寺田典城君 どうしてもやっぱり次長の声聞きたいですね。主計局の次長の考えを、変わろうとしたことあるかないか含めて、今の査定の在り方がどうなのかと、エネルギーがどのくらい掛かっているのか含めて事務レベルで答えてください。それからもう一つ後で質問させていただきます。
  62. 迫田英典

    ○政府参考人(迫田英典君) 主計局次長の迫田でございます。  今年度の予算編成に当たって、従来とは随分違う切り口できっちりとやるようにというのは、今、櫻井副大臣の御紹介あったとおりでございまして、野田大臣以下含めて、従来ややもすれば我々が前例踏襲といいましょうか、弊習に基づいて単に査定といった作業、いわゆる事務作業に陥っていたのではないかという反省をしながら、ずっと今年は特に取り組んできたと思います。  もう少し事務的な目で振り返れということでいえば、今日の午前中の御審議の中で先生からお話があった決算について、これは私ども若いころから、先輩からは、単純に前年度当初予算と比較するだけじゃ駄目で、ちゃんと予算を付けたそれの執行状況はどうなのかというのを確認しろということは常に昔から言われていたことではあるんでございますけれども、そこが振り返ってみて十分であったかどうかということは、少なくとも私の個人的な感想で申し上げれば、やや、そういうことが従来はややもすると危なかったところあったと思います、率直に申し上げて。  ただ、特に国会、なかんずく参議院の方で決算重視という話がこの数年特に取り上げられてまいりまして、いろんな形で、いろんな新しい資料の作り方とか提出時期とかというのを工夫をしてまいりました。そういった中で、今までも言われていたことでありますけれども、例えば決算一つ取っても、きちっとそれを見て予算査定に反映するようにというふうな事務方の中での意識の動きというものは明らかにこの数年あると思っております。  そういう意味では、従来ややもすれば足りなかった部分が改善の緒には就いていると思いますし、特に今回の予算編成過程においては、先ほど副大臣から申し上げたようないろんな切り口での取組というものをやっておりますので、また引き続き御叱正いただきながら改善に努めてまいりたいというふうに思っております。
  63. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 寺田典城君、時間でございますので、まとめていただければと思います。
  64. 寺田典城

    ○寺田典城君 はい。やっぱり役人答弁だなと思いました。今度はもっと切り込んで話してください。  もう一つ、最後なんですが、内閣官房の方にお聞きしますが、今非正規雇用の方々が約三〇%おりますね、千八百万ぐらいですね。その中で、毎年三十万人ぐらい新卒の人方の中で大体就職率が七割ぐらいですから、残りの三割というのは百五十万ぐらいの、それこそ言葉で悪いがアンダークラスみたいな形で入っちゃうということ。これどうするかというと、高等学校を卒業してもうすぐそのような形になっちゃうんですね、三割と。その人方がフリーターになったりすれば、本当のワーキングプアになっちゃったりして、年金とか医療にも、そういうもの、世の中に入っていけない、そういう社会になってきていることは事実なんですね。  それを、例えばアメリカの場合なんかは、これをまねしてくださいというわけじゃないけれども、コミュニティーカレッジで高等学校出たら徹底した職業能力開発だけの教育しちゃうと、二年間なら二年間、公費で。地域で公費でやっちゃうという、そういうカレッジもあるんですけれども。  私は率直に、やっぱりそのぐらいのことをして、グローバルな対応をできるような例えば進め方をここにしていかなければ、強い経済とか強い何々とかというのは無理だと思いますよ、そういう基礎をつくらない限り。その辺を内閣官房の方にお聞きしたいです。
  65. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 時間も延びておりますので、短く。
  66. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 先生御指摘のとおり、職業訓練なりなんなりのことについて今回予算措置もさせていただいているんですが、それ以上に、先生、高校なり大学なりの教育の在り方そのものを変えて、今の先生の御指摘のとおり、むしろ地域に役立つ人たちを育てていくということの方が大事ではないのかと思っているんです。  それからもう一点、今回、財務省として工夫させていただいた点がありますので御紹介させていただきたいのは、実現はしなかったんですが、中小企業に対しての就職率に応じて私学助成金を決めようと、そういう提案をさせていただいておりました。結果的にどうなったかというと、ジョブサポーターが大学に行きまして中小企業の案内をするなど、今までは就職というと卒業した後にどうするかという議論だけなされていたわけですが、就職前、大学を卒業するところで大学の意識改革もやっていかないと、大企業や公務員に対しての就職のあっせんは随分しますが地元の企業に対してはそれほどではないので、そういう取組も今内閣の方でさせていただいているということを御紹介させていただきたいと思っております。  ありがとうございました。
  67. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 短く、本当に済みませんが。
  68. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) ちょっと内閣府の取組も御紹介しますけれども、雇用促進税制ということで、企業でもたしか五人以上雇っていけばそれが企業に対して一定のメリットを与えると。これは世界でも初めての税制なんですけれども、そういうことも今年から新たにやり始めたということを御紹介させていただきます。
  69. 寺田典城

    ○寺田典城君 どうもありがとうございました。
  70. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 続きまして、三原じゅん子君。
  71. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 自由民主党の三原です。質問の時間いただきまして、ありがとうございます。  先ほども新成長戦略の一つとして取り上げられておりましたゲノム、再生医療についてお聞きしたいと思います。内閣官房で八ページの方にあるかと思うんですが。  昨年、政府で平成二十三年度の予算決定プロセスにおいて元気な日本復活特別枠に関する評価会議というのを開催しまして、各府省からの要望ヒアリングを行った上で優先順位を付け、最終的に配分が決定なさいました。その際、厚生労働省はES細胞そしてiPS細胞などを用いた再生医療技術の臨床実現化のための研究やがんワクチン療法の開発などで健康長寿社会実現のためのライフイノベーションプロジェクトとして二百三十三億円を要求したんですが、政府案では百三十一億円しか予算を付けておりません。  今では諸外国、特に米国なんですが、オバマ大統領は二〇〇六年にゲノムと個別化医療法案というのを提出いたしまして、大統領就任後にもゲノムと個別化医療を国家戦略として位置付けて取り組んでおられます。また、中国もこれ国家戦略としてゲノム解析に取り組んでおります。  我が国は現時点では世界的に研究をリードしているこのiPS細胞、がんワクチンの分野を国家戦略として取り組むべきだと考えておりますが、厚労省の要求額を減額した政府案を見るとどうなのかなというところ、ちょっとその辺を、どのように支援を行っていく方針なのかというところをお聞かせ願えますでしょうか。
  72. 山崎力

    ○会長(山崎力君) どちらから。
  73. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 内閣官房です。
  74. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 政策コンテストの話出ましたので、たまたま私が座長をやらせていただきましたのでお答えさせていただきますが、今ちょっと個別の話なので正確にはちょっと覚えておりませんが、たしかそのiPS細胞の研究につきましては総合科学技術会議というのがございまして、そこでの評価について、ちょっと中身がまだ十分詰まっていないんじゃないかというお話、それからあと優先順位からいってまだほかの研究に比べてちょっと優先順位が低いんじゃないかといったような、そんな評価が出ておりまして、それを踏まえて評価をしたという記憶がございます。  ちょっと今正確な記憶がございませんが、いずれにせよ、冒頭申し上げましたけれども、医療再生技術、後で櫻井副大臣に補足していただければ有り難いですけれども、最先端技術については総合科学技術会議の方においても、あるいは厚生労働省の方においても大きな関心を持ってこれを伸ばすということについて今いろいろ政策を考えているということは事実でございます。
  75. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 財務省の方から何かございますか。
  76. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) ちょっと繰り返しになるかもしれません。後で詳しく調べて御報告させていただきますが、私もすごく大事な分野だと思っておりますし、それから議連の会長もやらせていただいていましたので。ただ、たしか私の記憶が正しければ、総合科学技術会議の評価が高くなかったんです。それがCですね。総合科学技術会議の評価がSからA、B、Cになっているんですね。SとAだけで八十数%あったんです。ですが、この分野はなぜかCだったんですよ。そういうこともあって、ですから、ちょっと総合科学技術会議の方と話をして、後で先生の方に御報告をさせていただきたいと思います。
  77. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 ありがとうございます。  そして、近年、日本の研究者の研究成果に基づく治験や、先ほど会長御指摘のその産業化というのが日本ではなくて海外で行われるケースが非常に増加しているというのが実情でありまして、このことが新たないわゆるドラッグラグやデバイスラグを惹起するのではないかと懸念されております。  私は、医薬品の特許は、我が国に莫大な利益をもたらすとともに、周辺産業の活性化も期待できると考えております。幸いなことに、現時点において、このiPS細胞あるいはがんワクチンの分野は我が国の研究者が世界的に研究をリードしているのではないかと思っております。  この治験の体制強化、そして産業化ということの環境整備を、一刻も早く特許を取って我が国の産業を活性化すべきだと思っておるんですが、この我が国におけるiPS細胞、がんワクチンの分野の治験や産業化についてどのように取り組んでいくのか。保険償還への対応も含めて具体策を是非聞かせていただきたいと思います。
  78. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) ちょっと分野は違うんですが、私の方から答弁させていただいてよろしゅうございましょうか。  例えば再生医療で申し上げると、角膜などの再生医療を今実はチームがフランスに行ってやっております。それはなぜフランスに行ってやっているのかというと、日本ではその法律の整備すらでき上がっていないんですね。ですから、法律の整備ができ上がっていないことによって、何かをやると大体聞けば駄目ですと言われてしまって進まないということでフランスに行っております。フランスの制度は非常に厳しいんですが、制度ができ上がっているので、それでそのルールにのっとってやれば安心ですから、それでフランスに行って今研究が進んでいるという状況にございます。  まさしく今のようなことを三原委員は御心配されているのかと思っておりまして、まず病院内でのルールを、たしか私の記憶が正しければ、二十一年度内に決めると、それから今度は、その材料を持ち出していって、それから民間の企業が参入するようなルールを二十二年度までに決めるというふうになっていたのではないのかというふうに思っています。ちょっとこれ、後でまた調べさせてください。  その上で、今度は治験のことについても本当に大事な視点なんです。治験のところでいうと幾つかの問題点があって、御案内のとおり、PMDAの審査が遅いとか、それから、特になぜ遅いのかというと、寺田先生ではありませんけど、そこの分野の人材がいないと。ですから、そういったところを変えていかなければいけないと思っていますし、それから、その治験を進めていくような、本当にその臨床の現場でやっていく医者がどれだけいるのかと。それから、もう一つ申し上げると、患者さん方でどれだけ協力をしてくださる方がいるのかということももう一つあるんです、実を申し上げると。というのは、アメリカの場合には無保険者が四千六百万人ぐらいいまして、その方々からしてみれば、どういう形でも医療を受けた方がいいと。ところが、日本の場合には公的皆保険制度があって非常に恵まれていますので、リスクを冒してまでという方々がなかなかいらっしゃらないとか、実は様々な問題点があります。  ですから、こういった点を一つ一つ実は早急に解決しなければいけないと思っていますし、それこそ成長戦略の中に医療の分野が入っているというのは、今、三原委員がおっしゃったようなことを実現していくために成長戦略の中に入れているので、早急に整備していきたいと思っていますし、是非委員からも様々な御意見があるのであればお聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  79. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 ありがとうございます。  今本当に櫻井副大臣がおっしゃったように、PMDAの人材の増員というのは取り組んでいらっしゃるということは存じ上げているんですが、その質の高い人材を是非審査官に配置していくということが重要だと考えておりますので、その辺のところ、人材発掘、育成について、これからそういう具体策があるのかどうかということもまたお聞きしてもよろしいでしょうか。
  80. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) ちょっと私が答える立場にあるかどうか分かりませんが、まさしくそこのところが大切なところでして、薬の分野について言うと、例えば薬剤師さんであるとか、そういう免許を取っている方々がこれから多く出てこられるので、薬のことについてはある程度やっていけるんだろうと思っているんです。  問題は、医療機械であるとか、それから今のような再生医療とか、先端医療のことについてどれだけ分かっている人たちがいるのかなんです。  今のPMDAの中では、薬のほかに医療機械もあります。そこの医療機械の分については実は人材がまだまだ不足しておりまして、ただ、そういった人たちを育成すべく、東北大学などでは医学部と工学部と一緒になって医工学科のようなものができ上がってきていますから、そういう点ではこれから何年かたてばその人材が育ってくるんではないのかというふうに思っています。  それから、もう一つは、医療業界からこの中に入ってくると賃金が大幅にダウンしてしまうという問題もあるんですね。ですから、そこの処遇などの改善なども併せてやらないと、なかなか人が入ってきてくれないのかなと、そう思っていますが、いずれにしろ、ここが改善しない限り先には進みませんので、きちんとやれるように財務省としても努力をさせていただきたいと思っております。
  81. 三原じゅん子

    ○三原じゅん子君 ありがとうございました。
  82. 山崎力

    ○会長(山崎力君) それでは、続きまして荒井広幸君。
  83. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 まず、内閣府にお尋ねをいたします。  この経済と社会保障の持続可能性の見通しというものがございますが、実は、この三十年以内に首都直下型を含めて地震が起こる確率というのは十一の地区で七〇%を超えるんです。これは、各省に先々週から四十ページにわたる資料を、私の拙いものですが、お渡ししているんですが、この御報告をいただいた中には、二〇二三年までしかありませんけれども、三十年以内のそうしたいわゆる天災、火事、こういったことを含めて、織り込んでこれを見ているのかどうかという、そういったところを、事務方でも結構ですから、その辺をお聞かせいただきたいと思うんです。
  84. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 今事務方にも確認したんですけれども、そういった想定はやっておりません。
  85. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 内閣府にお尋ねしますが、例えば、人の命を守るということは極めて重要なことですが、仮に、建物の被害という意味でいいますと、これは先生方にも御共有いただきたいんですが、私、カラーでお渡し申し上げました一ページ目でございますけれども、一ページ目の一番右上、被害総額というのは百十二兆円、建物だけで五十五・二兆円、これは首都直下型の場合です、首都直下型の場合。建物だけで五十五兆円です。この五十五兆円という数字があるわけですけれども、こうしたことが、国民の財産、命は今別として、失われるわけですね。  私が提案しているのは、その前に約六十兆円、五年間で、約十二、三兆円前取りしていわゆる耐震補強に使った方が、いわゆる国家財政として見ても、被災後の後のお金ってべらぼうに掛かるんです、被災後は。個人の財産のみならず、被災後の過去の例を調べてみてください、国家で出しているものを。大変ですよ。そういったことも考えると、まず、今前倒しをして対応した方が物理的な面、かなりの部分安上がりに付くんですよ。  こういう計算をしているのかどうか、これを財務省、総務省は特に地方財政と消防を持っていますけれども、この資料は皆さん、これは内閣府が出した資料ですよ。防災、どうでしょう。
  86. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 今事務方に確認しましたが、財務省ではそういう試算をしていないそうです。
  87. 鈴木克昌

    ○副大臣(鈴木克昌君) 所管の総務省の中の消防の方で、もちろんそういった長期的なものも検討しておるわけですが、今日お示ししたこの資料の中に具体的に反映をされておるということはありません。
  88. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 私の認識が違っているかもしれませんけれども、いずれにしても政府関係が出している数字なんですね。その政府関係が出している数字が、これは今までの政権の課題でもあり、今度の政権の共通する課題だと思うんですが、ある一方のところではそういう数字を出していますね。それに対する、命でいえば、今度は、例えばけがの手当てから始まってもっと重大な危篤の状況の対応まで、そういったいわゆる持ち出しというのが出てくるわけですよ。保険にも非常にこれは影響が出てまいりますね。建物もそうです。  そうしたものを共有しておかないと、三十年以内に来る確率が、十一か所のところ、ほとんど七割ぐらいなんです。あってはならないんですが、これを減災をしていくという対応に今政府全体がなっていないということです。その体制を取らないと、この委員会での国民生活の安定や社会保障の持続性というものに最大の変数項、これ入っていないんです。ここを是非御検討いただきまして、財務省も総務省も全てきちんとこれらに対する被害に対して現在対応できる範囲をやったらどれぐらいになるのか、もちろん命は助かるわけですから、そういったものを共通して御認識をいただくようにお願いして、終わります。
  89. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 荒井先生、一昨日ですね、一昨日の決算委員会でもこの問題を指摘されていたんではなかったかと思いますが、野田大臣の方からそのときに、新しい制度なので勉強させてくださいと御答弁申し上げているかと思っております。そういう点で、繰り返しになりますが、きちんと研究をさせていただきたいと思っております。
  90. 山崎力

    ○会長(山崎力君) それでは、山本博司君。
  91. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。  一問だけお聞きをしたいと思いますけれども、一つ先に感想といいますか、鈴木副大臣から稲城市の介護支援のボランティアのボランティアポイントのお話ございました。公明党も新しい福祉ビジョン、介護ビジョンの中でもこのボランティアポイントということをやっぱり国の制度としてやるべきだということを言っております。  もう一つ、末松副大臣からも、元気な高齢者の方々に対して褒賞的なものをというようなお話ございましたけれども、公明党はお元気ポイントという形で、そういう元気に介護保険を使われないでこられている方々に対して介護保険を安くするとか、何らかのそういう制度が必要ではないかということを一応ビジョンとして言っております。それが一つでございます。  質問は、実は、十二月十四日の社会保障の推進という中で番号制度のことがございます。このことに関して質問をしたいと思います。  この社会保障と税にかかわる番号制度、実務検討会等行われて、これから今年の秋の法案提出ということで推進をされるということですけれども、今まで前政権でもこうしたことに関して推進をしておりました。ただ、費用対効果がどうなのかとか、プライバシーの問題がどうなのかと、こういった形で民主党の方も批判的な方がいらっしゃったと思います。そういう中で、前政権では社会保障カードということを予算として計上をしておりましたけれども、現実的に政権交代した後、事業仕分でその予算が返上になってしまったという経緯もあります。  こういう共通番号制度という形で民主党の中でどうそれが変遷をしてきたのかということと、それからもう一つ、今民主党のマニフェストの中で年金通帳ということをうたっていらっしゃいます。その年金通帳をやめられるのかどうか。そういう共通番号という形の流れの中で、民主党の政策がどういう位置付けなのかというのが、ちょっと私も分からなかったものですので、お聞きをしたいという点でございます。
  92. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 共通番号制度につきましては、まず、これどこまでその利用を拡大するのか、例えば年金、医療のような社会保障制度あるいは税収、そういったものの範囲に限定するのか、あるいはもっと先の国民IDカードみたいな何でも使えるような、そういった共通番号制度にするのか、そういったところについても今、私もメンバーの一人なんですが、今議論中であります。  基本的には、まずコンパクトなものから始めようということで、今の段階では社会保障制度、税ということを念頭に置いて制度設計するのかなといったことの議論が進んでいて、最大の関心事はやっぱりセキュリティーの問題でありまして、このセキュリティーをどうやって確保していくかということを議論すると同時に、あと共通番号制度につきましては、まだまだ本当に必要性、本当に必要なのか、それから、先ほど委員から出ましたけど、費用対ベネフィットの話が出ましたけれども、そういった点について社会的な認識がまだ得られていないという問題意識も持っておりまして、そういった点での有識者ヒアリング等々もやって今検討を進めているということなんですが、基本的には導入を前提とした基本法を次の、秋の国会に出すことを念頭に置いて今議論を進めているということであります。
  93. 山崎力

    ○会長(山崎力君) それでよろしいですか。
  94. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 年金通帳につきましては、ちょっと……
  95. 山本博司

    ○山本博司君 年金のことの関連性。
  96. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 済みません、担当でないのでちょっと分かっている範囲でだけ申し上げますと、年金通帳に対しての予算が二十三年度で六千万計上されています。それは、アンケート調査を実施するということなので、それによって導入するか導入しないかというのを決めたりとか、どういう形がいいのかということのアンケート調査なのかよく分かりませんが、一応そういう予算は計上されております。
  97. 平野達男

    ○副大臣(平野達男君) 補足させていただきますと、例えば、そのほかの年金手帳とか住民基本台帳とのその兼ね合いをどうするかとか、そういったことも検討のテーマにはなっています。まだ結論は出ていないというふうに理解しています。
  98. 山崎力

    ○会長(山崎力君) よろしゅうございますか。
  99. 山本博司

    ○山本博司君 結構です。この後はまた委員会等で質問したいと思います。
  100. 山崎力

    ○会長(山崎力君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時二十七分散会