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2011-02-23 第177回国会 参議院 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 2号 公式Web版

  1. 平成二十三年二月二十三日(水曜日)    午後一時一分開会     ─────────────    委員の異動  二月十六日     辞任         補欠選任      浜田 和幸君     佐藤 正久君  二月二十二日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     江崎  孝君  二月二十三日     辞任         補欠選任      佐藤 正久君     浜田 和幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         藤原 正司君     理 事                 外山  斎君                 米長 晴信君                 島尻安伊子君                 山田 俊男君                 加藤 修一君                 松田 公太君     委 員                 江崎  孝君                 大野 元裕君                 主濱  了君                 田城  郁君                 田中 直紀君                 谷岡 郁子君                 水戸 将史君                 室井 邦彦君                 有村 治子君                 岸  信夫君                 野村 哲郎君                 橋本 聖子君                 浜田 和幸君                 水落 敏栄君                 石川 博崇君                 紙  智子君                 中山 恭子君    事務局側        第一特別調査室        長        宇佐美正行君    参考人        東京大学大学院        新領域創成科学        研究教授    中山 幹康君        特定非営利活動        法人日本水フォ        ーラム事務局長  竹村公太郎君        グローバルウォ        ータ・ジャパン        代表        国連テクニカル        アドバイザー        麻布大学客員教        授        吉村 和就君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する  調査  (水問題への取組について)     ─────────────
  2. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ただいまから国際地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、浜田和幸君及び白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君及び江崎孝君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。  本日は水問題への取組について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  本日は、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授中山幹康参考人、特定非営利活動法人日本水フォーラム事務局長竹村公太郎参考人及びグローバルウォータ・ジャパン代表・国連テクニカルアドバイザー・麻布大学客員教授吉村和就参考人に御出席をいただいております。  この際、一言御挨拶申し上げます。  参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  本日は、各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず中山参考人、竹村参考人、吉村参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、中山参考人から御意見をお述べいただきます。中山参考人。
  4. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) ただいま御紹介をいただきました東京大学大学院新領域創成科学研究科の中山でございます。(資料映写)  本日、私は、国際河川の水資源をめぐる国家間の確執と協調についてお話しいたします。  日本は島国でございますから、河川あるいは湖沼をほかの国と共有するというそういう経験はございませんけれども、複数の国が河川の流域を共有するような川を国際河川と呼びます。川に加えまして、複数の国が流域を共有する湖もございますので、湖もやはり複数の国が共有する場合には国際湖沼と呼びます。河川と湖沼を合わせて国際流域と呼ぶこともございます。  世界中には、二つ以上の国が流域を共有している国際河川あるいは国際湖沼は二百七十ほどございます。国際流域は世界の陸域面積の約半分を占めており、ある統計によると、世界人口の約六割は国際流域に住んでいると言われております。  これは、東アジアから西アジアまでのどこに国際流域が存在するかという地図でございますけれども、例えば東南アジアのメコン川、南アジアのガンジス川、インダス川、そして中央アジアのアラル海、西アジアのチグリス・ユーフラテス川、ヨルダン川と、アジアには古来から水をめぐって国同士が争ってきた幾つかの河川がございます。  また、これは同様に国際河川及び国際湖沼がアフリカでどのような位置を占めているかについての地図でございます。  御覧のように、サハラ砂漠以南の人が多く住んでいるアフリカのほとんどは、国際河川あるいは国際湖沼の流域でございます。すなわち、アフリカに住むほとんどの人にとっては、国際河川あるいは国際湖沼の問題は自分たちの切実な問題であるわけです。  私の研究しておりますのは、水資源にかかわる安全保障であるという言い方をしてよろしいかと思います。  一般的な安全保障という概念が、例えば食料安全保障あるいはエネルギー安全保障というように、各々の資源についても、やはりその確保や環境の保全、改善には国家、地域、そして世界レベルでの戦略や協調が不可欠である、そのような認識が広まっております。  水資源につきましても、水資源の確保あるいは水資源の不足に起因します係争の回避のためには、国家、地域、世界レベルでの戦略、そして協調が不可欠ということが広く認識されるようになってきております。  国際機関もこのウオーターセキュリティーというものは重要性を認識するようになっておりまして、最近の国際機関の出版物でもウオーターセキュリティーという言葉が頻繁に使われるようになってきております。  これは、どのようなデータによるかということにつきましては詳細を省かせていただきますけれども、第二次世界大戦が終わりましてから二十世紀末まで、国の間で水をめぐる接触あるいは交渉、そういうものの回数を年ごとに示したものでございます。非常に面白いことに、冷戦が終わりましてから国家間における水をめぐる接触なり交渉というものは急に増えております。  ただ、これをどのように解釈するかということにつきましては研究者の間でも幾つかの議論がございますけれども、先ほどのこのグラフ、国と国との間が水をめぐって仲よくしようというそういう接触と、それから国と国の間が水をめぐって反発するような、あるいは係争を生ずるような、そういう接触の両方についてプロットしてありますけれども、少なくとも二十世紀の末までの状況を見る限りにおきましては、国と国との間の関係は友好的な関係の方が卓越しております。すなわち、水資源が世界の各地で逼迫していることは事実ですけれども、少なくとも二十世紀末までは国と国との間の水をめぐる関係はより友好的である、係争的であるよりもより友好的であるということが言えると思います。  これをどのように解釈するかはいろいろな解釈がございますけれども、一つの解釈は、水資源が逼迫することによって、国と国とは以前よりも貴重になった水資源をより大切に使うようにするために、国と国とが協調する方向に動いているのではないかという解釈もございます。すなわち、水資源が逼迫したことによって直ちに国と国とが水資源をめぐって争うのではなく、まずその水資源をどのようにより大事に使うかについて国と国とが協調する方向に動いているのではないか、そのような見方がございます。  ただ、今後もそれでは国と国との間が水をめぐって協調的な関係であり続けるかということにつきましては楽観できないと思います。現に、このグラフにつきましてより詳細に分析しますと、統計的に有為ではありませんけれども、国と国との間がより非友好的な接触が増えているのではないか、そのような見方をする研究者もおります。  このような国と国との間の水をめぐります接触のその回数について見ますと、これは圧倒的に北アフリカ、そして中東において水をめぐる国家間の接触が多うございます。すなわち、別の言い方を言いますと、中東がもしかしましたら一番危ない地域なのかもしれません。  研究者としての私の立ち位置について少しお話しいたします。  私は、大学院を修了しましてから、国際環境計画という国連機関で水資源を担当する計画官をしておりました。その当時、ザンベジ川、チャド湖、メコン川などの国際河川、国際湖沼の管理を業務として手掛けておりました。国連の仕事を辞しましてから、大学に戻りまして研究者としての生活を始めましても、研究者としましては、国際河川管理あるいは国家間での水争いを主要な研究課題の一つとしております。  私は、国際河川の研究については日本で五指に入る研究者であると自負しております。と申し上げますと、生意気なことを言うやつだとお思いになると思いますけれども、私がこう申し上げますのはかなり自信がございまして、国際河川管理を手掛ける研究者は日本では二、三人しかおりませんので、私を含めて国際管理を手掛けている研究者は必ず五指に入る、そのような極めてマイナーな領域の研究者であります。  しかしながら、それでは国際管理の研究は趣味的な、オタク的な研究領域かというと、私個人としてはそのように思っておりませんで、最後に述べさせていただきますけれども、日本の国益につきましても重要な研究であるというふうに自負しております。  さて、今世紀中に水資源をめぐる紛争が、あるいは戦争が起こるんではないかという予言をした人が何人かおります。それも社会的にかなりの信用を持たれている方々がこのような形で、水戦争というもの、特に中東での戦争というものを予言されております。  しかしながら、実際水戦争を警告する書籍というものは幾つも出版されておりますし、これは個人も含めてブログを水戦争というキーワードで検索してみたものですけれども、個人のブログのレベルでも水戦争という言葉が散見されます。それだけ水戦争という言葉が、あるいは身近なものとしてそういうものが実際に起こるんではないかという懸念を持っておられる方が多いのかと存じます。  ただ、これは研究者としての述懐でございますけれども、私を含めまして国際河川の管理を研究している研究者の多くは、水戦争にはどちらかといいますと否定的な見解を持っております。  その一つには、水戦争という言葉が安易に使われて信憑性を欠く議論が横行しているんではないかという懸念をこの領域を研究している研究者としては持っております。  また、別の言い方をしますと、水資源といいますのは、世界的に見まして七割から八割は農業生産のために使われております。いわゆるバーチャルウオーターという概念で明らかになりましたように、水資源というものは、水資源が足りなくても、それを農産物としてほかの国から持ってくることができれば、買ってくることができればそれは代替が利きますし、またもし本当に必要ならば、海水の脱塩淡水化ですとかあるいは排水の浄化のようなことで生産も可能な資源であります。  したがいまして、代替が利かない例えば石油ですとか鉱物資源とは性格が異なりますので、果たしてそういう資源を確保するために戦争を他国と交えるということはコストとして本当に引き合うのかどうかという懸念も我々は持っております。  ただこれも、政治家の皆様の前で申し上げるのは妙ですけれども、政界は一寸先はやみというふうに申されるそうですけれども、私の研究しておりますハイドロポリティクス、水政治の世界でも一寸先はやみでありまして、私は水戦争の可能性については予言を控えております。  といいますのは、過去に大失敗をした経験がございまして、一九九六年にインドとそれからバングラデシュの間の以前から確執が続いていたガンジス川につきまして、両国が最終的な合意に達する見通しは得られていないという論文を一九九六年の初頭に学術雑誌に公刊したんですけれども、その数か月後にインドとバングラデシュはガンジス川の水資源に関する三十年の協定を締結したということがございまして、それ以来、水資源の政治的局面については、私はこの手痛い経験から予言を控えるようにしております。  したがいまして、よくマスコミの方が水戦争の可能性についてどうお考えになりますかというふうに尋ねられるんですけれども、ちょっと研究者としてはお答えし難いところがありますというふうな、言葉を濁すことが常でございます。  では、それでは何が国際河川での問題を引き起こすのか。  まず第一には、水戦争というものをあおる人々が存在するなという気がしております。これはもちろん、マスコミの方々は、そういう水戦争というような非常に人々に強い印象を与える言葉が大好きだということもあるでしょうけれども、そういうマスコミの報道以上に、例えば国際河川の下流国の政治家にとっては、上流国が自分たちが必要としている水資源を勝手に奪ってしまう、あるいは奪ってしまうかもしれないというように上流国の横暴を非難することは自分への国民の支持を集めるための最上の手段の一つのようでありまして、そのようなやり方で上流国を非難することによって、明らかにこの政治家は自分への支持を国民から得ようとしているんだなと思わざるを得ない動きが歴史上何回もございます。  また、加えて、自分の国に洪水や渇水が起きたときに、それは自分の責任ではない、それは上流国の責任だというふうに言って自分の失敗を覆い隠して、国民の非難が上流国に向かうように誘導する、そのようなことも過去には行われておりました。  例えば、一九七〇年代にバングラデシュはガンジス川の大洪水に見舞われましたけれども、そのときにバングラデシュの為政者は、この洪水はインドがガンジス川の上流に造ったダムが引き起こしたというふうにインドを非難いたしました。  ただ、このインドがガンジス川の上流に造ったダムといいますのは乾季において水を取水するのが目的です。このダム、ファラッカバラージと申しますけど、これは、バングラデシュ、当時の東パキスタンですね、との外交的な折衝なしにインドが造ってしまったことによって外交的に大きな摩擦を呼びました。そのインドの行いの是非についてはいろいろ議論があるところですけれども。  ただ、このダムは、雨季にバングラデシュに洪水を起こすことはできません。そんな大きな容量を持っているダムではありません。しかしながら、このファラッカバラージというのは、バングラデシュの人々にとってはある意味インドの横暴の象徴みたいなものになっておりますので、洪水をこのファラッカバラージのせいにして、本来はもしかしたら国民が自分に向けるかもしれない怒りですとか非難をインドに向ける、そういうことが行われたことも過去にはございました。  また、国際河川での問題の何が原因になっているかにつきましては、一つは情報の透明性が欠如していることだと思います。過去に生じました国家間の係争を見ておりますと、上流国が下流国である自分の国に損害を与えるような計画を有しているというような下流国による疑念が発端となっていることが非常に多いです。これは、上流国の計画について正しく環境影響評価が行われ、その結果が下流国に開示されていれば少なくとも交渉の端緒にはなったはずです。ただ、実際には、下流国は疑心暗鬼のまま、さりとて上流国とは話合いが開始されないままに両国の間で係争が先鋭化した事例というものは歴史的に多々ございます。  また、残念なことに、そういうときに何らかの話合いの場が存在していればいいのですけれども、例えば流域国による流域協議会、そういう国際河川を共有する国同士の協議メカニズムというものが存在する国際河川というものはむしろ少ないです。あるいは、紙の上では存在していても実際には機能していない、そういうところも多々ございます。したがいまして、問題があってもそれを話し合うための場が存在しないがゆえに二か国あるいは多国間の関係が悪化してしまう、そういう事例が過去に多々ございました。  例えば、昨年、メコン川流域でも大渇水が起きたのですけれども、このメコン川流域の大渇水は中国のダムが原因だという論調が見受けられました。私は、昨年六月にカンボジアの非常にへんぴな漁村に行ったことがあるんですけれども、そこでその漁村の村長さんに今年の大渇水は何が原因ですかと尋ねましたら、中国のダムというふうにお答えになりました。  ただ、これは、次に述べますように、中国のダムはこの渇水を引き起こすような容量は持っておりません。すなわち、もしかしたらカンボジアにおいても本当の原因やあるいは自分たちの責任から目をそらしてほしい誰かがいるのかなという気が少しいたしました。  確かに、中国は上流部でダムを造っておりますけれども、これらのダムは発電用であり水を消費しません。また、メコン川委員会も昨年の渇水は自然現象であると明言しております。ただ、この大渇水を契機としまして、中国は下流国に河川流量のデータを提供することを確約しましたし、情報の透明性が少しだけ改善される役割を果たしたかなと思います。  また、日本を含めて海外開発援助が流域国間の係争を引き起こす可能性があることについては留意が必要だと思います。  中央アジアのアラル海は、上流部でかんがいのために水をほとんど使ってしまっているために、湖がほとんど干上がってしまい、この写真のように以前の湖の底に船が放置されている。こういう写真は過去に御覧になったことがあるかと思います。  このアラル海といいますのは、アフガニスタンとあともう一か国の高地からの雪解け水が主な源流です。もしアフガニスタンが紛争の後で食料生産のためにかんがい農業を展開すると、アフガニスタンはこのアラル海に流れていく水も使わざるを得ませんので、それはアラル海に流入する水が更に減るということになります。つまり、もし日本を含めて先進国が、あるいは援助国がアフガニスタンへの食料増産のための援助を行うと、それはアフガニスタンとアラル海の下流国、ウズベキスタンですとかトルクメニスタンですとか、そういう国との間の係争を誘発する可能性がございます。  これはアラル海の位置ですけれども、このように一九六〇年代には世界で四番目でしたか、に大きな湖だったのが、現在ではほとんど湖というものが消滅しております。アフガニスタンの雪解け水がこのアラル海の主要な水源の一つです。  ただ、二〇〇二年の一月に東京でアフガニスタン復興支援国際会議が開かれましたけれども、私の知る限り、アフガニスタンへの農業復興支援というものがアラル海の水資源に影響を及ぼすということについて、日本政府の関係者でこの問題に気付いていた方はいらっしゃらなかったような印象を持っております。  例えば、その場合、アフガニスタンに援助を与える場合には、下流国の方でより水が少なくても農業ができるような、そういう援助パッケージのような形で上流国と下流国の両方に援助を与えることによってこの問題は回避できるかもしれませんけれども、そのためには、アフガニスタンがアラル海の水を使っている、あるいは使う可能性が高いということを認識する必要があるわけでありまして、多分、そのために私のような研究者も少し役に立つのかなと思っております。  協調のための枠組みというものが国際河川においては欠如しております。一九九七年に国連は国際河川における水利用のための条約を採択したんですけれども、この条約はまだ批准する国の数が規定に達していないために発効しておりません。  ただ、私は、二〇〇三年の世界水フォーラムの特別セッション、「水と国会議員」のアドバイザーを務めたのですけれども、そのときにそれに出席された日本の国会議員の方の間では、国際河川で利害を有しない日本だからこそ率先して批准をして、国際社会にあるべき方向を示すべきではないか、そのような意見を承りました。  また、国際河川での開発計画には環境影響評価の実施と結果の公示を義務付けるという議論が主流になりつつあります。これはヨーロッパではエスポー条約という条約が定着しておりまして、ヨーロッパ以外でもカスピ海を始めとして幾つかの流域で同じような枠組みを策定する動きがございます。  最近、ウルグアイ川をめぐりまして、国際司法裁判所がある判決を下しました。国際河川につきまして国際司法裁判所が判決を下したのは、これが歴史上二回目です。国際司法裁判所は、国際河川での環境影響評価の実施と結果の開示が国際的なもはや慣習として認められるべきである、そのような意見を開示しております。すなわち、環境影響評価を国際河川の開発計画でも行うべきだという機運が高まっているものだと理解しております。  私の最後のスライドですけれども、日本が何をし得るか。  まず一つは、協調のための枠組みの確立のために援助ができるのではないでしょうか。日本は、メコン委員会、メコン川委員会を長年サポートしております。そのような流域協議会のような組織の設立と円滑な運営の支援に日本は貢献できるはずですし、また、あるいは国連の国際河川の利用に関する条約に日本自身が批准する、あるいはその批准をほかの国に促すことも有益でしょう。また、エスポー条約を模した環境影響評価を国際社会に定着させるための努力も日本としてなし得ると思います。  また、ODAの分野で申しますと、国際河川が絡む援助につきましては、日本の援助が流域国間での係争を誘発しないような配慮が必要だと思いますし、先ほど私は日本で五人もいない研究者の一人だと申しましたけれども、そのためには我々研究者も少しお役に立てることがあるかなと思います。また、そういう協調のための枠組みの必要性を流域国にいろんな形で周知して、その実現に向けた援助を日本が供与することもまた日本の果たし得る役割だと思います。  以上でございます。御清聴ありがとうございました。
  5. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 中山参考人、ありがとうございました。     ─────────────
  6. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) この際、委員の異動について御報告申し上げます。  本日、佐藤正久君が委員を辞任され、その補欠として浜田和幸君が選任されました。     ─────────────
  7. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 次に、竹村参考人から御意見をお述べいただきます。竹村参考人、お願いします。
  8. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) 日本水フォーラムの事務局長の竹村と申します。今日、お招きいただきまして、心から感謝申し上げます。  後ほど、討論のところで細かいことはお話ししますが、まず冒頭に、なぜ今、水ビジネスが国内外で話題になっておりますが、その背景を先生方に御理解願いたいと思って、主に写真をざっと流しますので、キーになる紙はプリントしてございますので、パワーポイントを見ていただければよろしいかなと思っております。(資料映写)  二十一世紀、私どもを待ち受けているのは温暖化の気候変動、地球環境の悪化、資源の逼迫、これはもうほぼ間違いなく来るであろうと考えております。でも、その危機は全て水の姿になって現れます。洪水、干ばつ、水質汚染、氷河融解、海面上昇、もう全ての地球上の問題は水の姿となって現れるということがポイントでございます。  人口はべらぼうに増えていきますが、これが一つの例でございますけれども、一九〇〇年から二〇〇〇年までの人口は約三倍に伸びたんですが、水需要は六倍に増えております。つまり、人口の増え以上にはるかに大きく水の伸びが多いということは特筆すべき事項だと思っています。  この中で、地球環境の悪化が極めて激しく行われています。今のアラル海の話がありましたのでこれはざっと流しますけど、私も、これがアラル海で、アラル海の近辺の方々が観光客に説明しているところですけど、こんなふうな大きな、琵琶湖の百倍のアラル海がだんだんなくなっちゃって、今はこうなっちゃっているということで、干上がってしまったということの、これは目の前にあるのは貝ですが、ちらっと見えるのはラクダですね、全く生態系が変わってしまった。  これは、上流で完全に取水を大量にしているからです。これは決して天然現象でも何でもなくて、人為的な営みです。べらぼうな水を引いていると。なぜこんなべらぼうな水を取水しているんだというのは、これ綿花です。主なことが綿花でございます。  ひどいことするなと日本人は簡単に思いますけど、実はこの綿花を利用しているのは先進国でありまして、我々のユニクロだとかH&M、今私は自分の人生の中で一番コットンが安い時代に生きているんじゃないかと。これほど安いコットンを僕たちは着ていいのかと思うほど安いわけです。その分どこかに環境負荷が掛かってくるのは当たり前でして、これが地球環境問題の一つ。  もう一つ、大陸の話がありますが、一個だけ海の話をします。一番日本に近い渤海という、中国の閉鎖性水域の渤海が死の海と化したという朝鮮日報の報道です。  クルマエビ、ハマグリ、スズキ、イカが一切姿を消しちゃったということで、それはなぜかというと、この黄河、黄河の入口は一九七九年の航空写真がこんなふうになっている。黄河だから砂が出てもいいじゃないかと。実は砂じゃなくて、この黄河流域からべらぼうな途方もない工場排水が出ている。つまり、この工場排水、重金属を含んだ途方もない大きな排水が流れてきてこの渤海が死の海と化してしまったというのが現状で、朝鮮日報の伝える話でございます。  じゃ、中国ひどいことするなというんですけれども、実はこれは、私どもは百円ショップで買っているわけです。あの百円ショップ、私も行きますけど、日本で作ったら五百円ぐらい掛かると思います、あるものが。じゃ、その差額の四百円は何かというと、その差額の四百円は中国の環境に負荷を与えているということでございまして、今僕たちが、先進国が文明を享受していることは実は世界の環境問題とまさにリンクしているということを御理解願いたいから、世界の水問題とか世界の環境問題は実は日本の問題であるということを御理解願いたいわけです。百円ショップ潰せということじゃありません。そういうことを知った上で百円ショップへ行こうよねという、その程度です。  この雪の景色は、雪じゃありません、ブラジルです。つまり、世界の食料基地はこのような形で環境に負荷を与えながら先進国に様々なものを与えているということでございます。ですから、世界の水問題は日本の問題であるという認識を是非取っていただきたいということです。  バーチャルウオーターを沖先生から話されたと思いますが、これは私は違った形で整理しました。日本の国内の農業用水の取水量、工業用水、上水道、これはもうはっきりデータで表れていますので、それにバーチャルウオーターを足してみますと、僕たちの日本国内の水の自給率は六〇%でしかなかったと。つまり、四〇%は世界の方々の水を食料を通じて飲んでいたということが明らかになってきました。  そして、僕たちの、日本人の役目は一体これから何かというと、資源をほかの国から買って付加価値を付けて、それを工業製品で大もうけして、そして、なおかつ水まで僕たちは世界に支えられていると。そして、今世界が水問題で苦しみ出してきたということで、日本のやることは何かというと、この水という分野で、持続可能で尊敬される水の国際貢献がしたいと。  なぜ持続可能かというと、ODAというのは持続可能じゃない、日本の国家の資源が、金という資源がなくなればもう続きませんので。ところが、水ビジネスというのは永続的な、持続可能な手法でございます。あるリターンを取りながら、その国の水ビジネスをやりながら、そして尊敬される国際貢献をしていきたいというのが水ビジネスに流れる根底だと私は思っております。  日本は本当にそんなことができるのかということなんですけれども、実は日本はできます。過酷な地形と気象を克服して、水紛争を技術で克服した唯一の私は民族だと思っています。もったいないという文化を持ち、物質循環の遺伝子を今でもまだ持っております。  これを、限られた水の分かち合いということですが、これが一つの例です。これは、渇水のときに日本も年がら年中、血で血を洗う水争いをしていたんですが、武田信玄が、一つの水が流れていまして三つの集落に対して均等に水を流そうと。渇水になっても同じように苦しめと、水があるときは同じように享受しろと。普通、水争いというのは社会的強者が必ず勝って社会的弱者は必ず負ける、世界中の一つの原則があるんですけれども、その原則を打ち破って、水は技術で解決しようと、水の分かち合いは技術で解決しようと言ったのは私は武田信玄が最初じゃないかと。もっと古いことがあったら是非教えていただきたいんですけれども、今探しているところですけれども、見当たりません。その後、日本は水の分かち合いというのを技術で克服しようと言ってきた民族でございます。  さて、このように、ちょっと前までは女性たちはこんなふうな過酷な、これは昭和三十年代です、筑後川です。そして、水道が出ると、これは大阪ですけれども、こんなふうな形で私の母親なんかは洗濯しておりました。各戸に水道が入ると、今度は水がなくなって大渇水になったわけですけれども、ダム等のインフラができて、今洗濯はロボットがやっています。そして、女性たち、私の家内もそうですけれども、女性たちは社会参画をして、そして付加価値の高い活動ができるというのが今日本の姿ですけれども。  このように日本は、何を言いたかったかというと、インフラをきちんとやってきたと。自分たちの与えられた金をきちんとインフラに投資したということが今のこの日本を形成しているということでございます。  さらに、これは東京都の漏水率ですけれども、どんどんどんどん低くなって世界最低の漏水率をやっております。これは世界に誇れる一つの日本のシステムでございます。  このような、日本が水を分かち合って、そしてインフラをきちんとやってきて、そしてなおかつ水を大切にしているということを世界に広めていくことは絶対これは役に立つことだということでございます。そのためには、技術と社会制度、ガバナンス、インフラ整備、これが日本にはあったからなわけですけれども。  ただし、日本も大きなミスをしています。これは隅田川、昭和四十二年です。これが多摩川です、ごみです。そして、私が小さいころ、このような形で子供たちは遊んだわけですけれども、もう川に入るべからずという看板が立って子供たちは川に行かなくなったんですが、最近、多摩川で泳ぎ出しました、子供たちが。つまり、これは何かというと、もうお分かりのように、下水道整備とインフラができて、そして水に対する環境整備を国家として、また地方自治体挙げてやってきたということで、日本国がすばらしい国に、きれいな国に今戻りつつあるということでございます。  これが、工業用水が今まで排水、先ほどの黄河じゃありませんけれども、日本は非常に汚かったんですが、工業用水の回収率はもう八〇%になっていまして、つまり工業をする水の二〇%しかよそからもらわない、あと全部リサイクルしているということでございます。このような国は皆無でございます。  そして、子供たちは、水俣病で僕たちが苦しんだ一つの大きな失敗を今学びつつあるということでございます。このような、ここで言いたいことは、日本も失敗をしたんだと、つい最近失敗をしたんだということをきちんとお伝えすることが僕は大きな社会貢献だなと考えております。  さて、これからの大事なことは資源の再生利用ということでございますけれども燐鉱石がピークを打ってなくなっていきます。燐鉱石というのは、もうお分かりだと思いますけれども、一九九六年をピークにしてどんどんどんどんなくなっていきます。燐鉱石は化学肥料の原料ですので、これから化学肥料がなくなっていくと。今世紀中にはほぼ間違いなく化学肥料はなくなると思います。一体どうするんだと。この食料の一番危機のときに大事な化学肥料がなくなっていくわけですけど、もう既に中国は、これ朝日新聞ですけれども、今まで数%の関税を一一〇%にしちゃったということで、もうほとんど中国は輸出禁止に入ってきて、今大暴騰に入りつつあります。  じゃ一体何するといったら、僕たちのこのメモリーとしての自分たちの排せつ物を肥料にするんだと。こういう物質循環文明をもう一度つくっていけばいいんだという手法を知っていますので、これが、京都駅ですけど、つい最近までこのような形で僕たちの排せつ物は有機肥料として使っていたわけです。ですから、今の下水道システムをあれは肥料工場にすべきだという概念でインフラ投資していけば、技術開発をしていけば私は世界の肥料問題は解決すると、間違いなくそう思っております。  次に、これは御承知のとおり、GDP当たりの一次エネルギーの総量でございます。日本は圧倒的にエネルギー量は少ないわけです。圧倒的に少ないエネルギー量で生産をやっているという国でございます。このようなすばらしい日本が不足しているものがあります。それは行政と企業の枠を超えた連携です。そして、縦割り行政の物すごい壁です。そして、過去の昔の僕たちの伝統の知恵と先端技術を融合するシステム、そして未来への明確な道筋が明らかにされていないという、日本はすばらしいことはあるんですけど、不足しているものもあるということでございます。  僕は行政の縦割りは宿命だと思っています。これが縦割り行政を私が作ったモデルなんですけれども、この下に、コースターが所管法です、行政はその所管法の上にあります。この所管法から横へはみ出しちゃいけないわけです。はみ出したら余分なことであり、無駄な行政なんです。だから、各行政はこのコースターの上にずっと立っているわけです。そして国民はこの間に落っこって苦しんでいるわけです。どうしてもこのすき間に落っこって、助けてくれない。行政はますます今シュリンクしていますので、もう瓶の中に閉じこもっている。ちょっと前まではこの瓶から出てきて、こうやって救ってくれた部分があったんですけれども、今はもう全然瓶から出なくなってしまったということで、じゃ一体どうしたらいいのか。  僕たちはこの行政を否定するのではなくて、その行政の間に砂粒を入れて、そこに国民が落っこちないような社会システムをつくらなきゃいけない。それが一つのイメージでして、この砂をうずめるのは誰かというと、私は、民間企業、NPOであったり、政治的なリーダーであったり、学識者、様々な行政以外のセクターが力を合わせてこの砂粒を入れていかなきゃいけないと考えております。  そのために私どもは水に関してチーム水・日本という一つの運動体をつくりました。これは水の安全保障戦略機構と申しまして、バーチャルです、権力は一切持たないという約束です。これは故中川昭一先生の発想で私どもがお手伝いしてつくりました。これは超党派の国会議員と学識者と民間企業がみんな連携しようと。まさにこのイメージのモデルをつくろうと、水に関してですね、ということでございました。  このチーム水・日本、水の安全保障戦略機構はバーチャルであって、組織を持たない、法律も持たない、資金も持たない、つまり権力を持つのをやめようと。ただし、高い見識だけを持とうというようなスタートで始まりました。  これはぐちゃぐちゃしておりますが、要は行政と民間の方々の間をうずめる水の安全保障戦略機構で、民間と行政の間に立って三角の一つの軸になって民間の方々の、先ほど、すき間に落っこっている人たちを救っていこうというような作業です。  超党派の国会議員とありますが、おかげさまで、政局が自民党政権から民主党政権に替わって僕たちははらはらしたんですけれども、その政局の大混乱の中でも、実はこの水の安全保障戦略機構には超党派の先生が出席されていただきまして、あの中でも超党派の国会の先生がこの水の安全保障戦略機構に参加していただきまして、今でもこの水の安全保障戦略機構は政局ではないと、超党派で勉強していこうということでつながっております。  最近のこの新聞記事の報道でございますが、ブルーが水問題全体でございます。これは全体の話ですけど、急激に二〇〇六年、二〇〇七年、二〇〇八年と伸びております。この急激に伸び出したのが、水の安全保障戦略機構が言われたときから水問題がだんだん増えてきたんですが、特にこのチーム水・日本、そして水の安全保障戦略機構が設立して以降、水ビジネスという新聞記事が非常に多くなっております。これは四大紙だけ、メジャーの大きな新聞だけなんでございますけど、電通さんの分析によって得たデータですけど、このような形で水ビジネスが非常に多くなってきているということでございます。  私どものODAの限界、まあ限界があるということと、持続可能な国際貢献するには民間の力を借りるんだということでございます。この辺は、また後ほど御議論することによって、どうしても私がお話ししておきたいのは、最後の五分で、国内の水問題が大変なことになっていますので、それの話に行きます。  国内が今危機的な状況だという認識をしております。これは下水道の陥没の写真です。これはバスです。何で陥没しているのか。中が腐っているんです。そして、平成十九年の四千七百か所の陥没の分析してみると、三十年を過ぎたら途端に陥没が増え出すんです。三十年を超えると急激に腐っていくんです、硫化水素があって。  つまり、三十年、四十年たったものは更新していかなきゃいけないんです、コンスタントに。それができなくなっているんです。それがもう全くできない。つまり、三十年ってつい最近です。昭和二十年代、三十年代に造ったものはもうとっくに三十年過ぎていますので、そういうのがこれから大問題になってくるということなんです。  ところが、これは上水道も下水道も全く同じなんですけど、十万人以上の都市では百人以上の技術職員がいますけど、十万人以下の自治体は僅か五人です。五人の職員がやれって言ったって無理なんですね、これ。全部見回りをやったり料金を徴収したりですね。自分たちで水を守りたいなという悲鳴が、これは北海道の石狩市の職員のパワーポイントです。  中小規模は物すごい問題を抱えています。特に、職員の高齢化とか技術の伝統、予算の圧迫、維持管理費、更新施設の削減、どんどん削減されていく。つまり、当面首長さんは自分の時期の四年の中でやりたいこと、やれることは何かというと、分かりやすいことをやりたい。ところが、もう三十年前に造ったものを更新するというのは、そんなお金はないよと、そんな金使ったらほかのものは何もできないじゃないかということで、目に見えないインフラはどんどん先送りされています。  そして今、これからのテーマは何かというと、広域の上下水道管理が必要なんじゃないかと。今は各市町村単位が水を取り水を排水し、水を取り水を排水する、それを繰り返しております、大きな川では。それを一緒の、同じ水なんだから水を取るところも一か所にして、排水もきちんと計画的にやったらどうかと。どうせこの三市町村が同じことをやるんだから、上下水道の広域のセクターをつくったらどうだろうと。そのときには、これも水道の一つのイメージです。個別のばらばらでやっておるのをこのような連携をして、無人にするところは無人にして、そして有人のところは有人にするということをやったらどうかということです。  最後に、首長さんがなぜやらないかというと、この浄水場又は下水処理場を更新するとなると何十億掛かってしまうんです。何十億掛かってしまうやつを今自分のときにやったら、それでピーク立っちゃってほかのことできなくなっちゃうわけです。起債を取ろうといってもなかなかできない状況なので、じゃ一体どうしたらいいかというと、これからは、日本に大量に眠っている、民間資金がべらぼうに眠っていますので、優良な。その民間資金を投入することによって、そして三十年オーダーでそれを返していくと、民間資本に。そのときはやっぱり三%のリターンぐらいは付けていこうよということでございます。  これは私もファンド系、銀行系の方また証券系の方に聞いたんですが、日本国内だったらいつでも投資すると言っているんです。こんなリスクのない投資はないと。日本人は水も盗まない、お金もちゃんと払う。問題は人口予測だけをきちんとしておけば、今幾ら投資して、二%又は三%で二十年間三十年間、自分たちは投資できるんだと、そのシステムがないんだということの悩みが現在ございます。  これから関係者にお願い、支援づくりというようなことで、官民連携した環境、新しい形の公共事業をやっていかなきゃいけないなというのが、これはある地方の、やっぱりパワーポイントの、悲鳴でございます。  以上が私のプレゼンの内容でして、あと言い足りなかったところは、また後ほどのディスカッションの場でお話しする機会がありましたら御説明させていただきます。  ありがとうございました。
  9. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 竹村参考人、ありがとうございました。  次に、吉村参考人から御意見をお述べいただきます。吉村参考人。
  10. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) グローバルウォータ・ジャパン、吉村でございます。  今日は、三点、要点を絞ってお話ししたいと思います。  一つは、世界水ビジネス、これから百十兆円になろうとしているんですが、そこで世界の各国の戦略、そういう現状とその戦略。それから二番目については、日本には世界に誇れるいい技術があるんですが、なぜその技術で勝ってビジネスで負ける日本があるのか。三点目は、それでは世界で勝てる日本の水戦略について意見を述べさせていただきたいと思います。  三十四枚ございますので、ちょっと二倍速で参ります。あと、詳しい数字についてはお手元のを見ていただければなと思っております。  じゃ、始めさせていただきます。(資料映写)  当然のことながら、中山参考人からあったように、人間が必ず必要なものがなくなると、そこへは技術の発展とビジネスが生ずる、当たり前のことでございます。  これが世界の二〇二五年までのマーケットでございます。百十兆円と言われております。この中で一番大きいのが上下水道の事業運営、約百兆円。それから、それを造るためのプラントの建設が十兆円。それから、その部材として使われる、例えば膜、ポンプ、配管ですね、そういうものが一兆円でございます。  簡単に言いますと、日本の世界におけるプレゼンスはこの一兆円でしかないということです。したがって、世界のマーケット一〇〇%取っても、日本は百分の一のビジネスしかできていないというのが現状でございます。  その世界の中で一つの例でございますけど、例えば海水淡水化の膜、世界のマーケットの七〇%を日本製、例えばここにございます東レ、日東電工、東洋紡さんが押さえております。それから、下水の再利用に使われるような膜、精密ろ過膜、これも四〇%が日本製なんですけれども、しかしながら、売上げが伸びるに従って、これは部品として使われておりますので、欧米のプラントメーカーにたたかれて、どんどん売上げは伸びるけれども、単価が下がって、結果的には利益が日本には入ってこないと、こういう構造になっているわけです。  これは、水だけでなくて、例えば携帯電話の部品、それからスマートフォン、全て同じ日本の産業構造になっているんじゃないかなと思っています。簡単に言いますと、日本は部品立国であって、グローバルスタンダードに基づいた完成品を売らなければ大きな利益が入ってこない国に成り下がったということでございます。  じゃ、今現在、世界で誰が水で一番もうけているかということでございますが、これは、水メジャーと言われておりますヴェオリア、スエズ、それからイギリスのテムズウォーターでございます。  ぱっと見ていただきますと、フランスの二社、スエズ、ヴェオリア、これは一兆九千億、一兆六千億という非常に大きな水だけの売上げでございます。それから、もう給水人口が一億人を超えてございます。日本の給水人口一億二千四百八十万人でございますので、つまりヴェオリア一社に任せてもいいと、こういうふうな彼らは規模の拡大を持っているわけでございます。  じゃ、なぜそのフランス企業が強いのかというと、やはりこれは政治のトップの姿勢でございまして、シラク大統領、現在のサルコジ大統領が必ず大きなビジネスには最初に出ていって相手国と詰めていくということでございます。  それから、世界各国、私、国連におったんですけれども、国家元首あるいは大統領が動くときというのは、その下に経済使節団が百人ぐらい付いていくというのは当たり前なんですね。日本だけですね、全く付いていかないという、これでは世界の中から置いてきぼりになるというのが一つの日本の特徴じゃないかなと思っています。  フランスは、皆さん御存じのとおり大統領が動けば必ず経済使節団が付いていくということでございます。中国ではサルコジさんが初めてアジアでの外交で行って三兆円の注文書をもらって帰ってきたということでございます。  一方、日本はどうかというと、五年間で五人か六人、総理大臣替わりましたので、そういうふうなポリシーがないというのが一つと、それからODAでは、世界でお金では貢献しておりますけれども、その下に技術が付いていってない、これが国際的な評価でございます。  それから、先ほど百十兆円のマーケットということで、当然のことながら、これから広がるマーケットには世界的な企業、例えばGE、シーメンスが全社を挙げて取り組んでいるわけでございます。  GEは、もうとにかくそのスピードで勝負するために、そういう技術を持っている会社をとにかくどんどん買って、傘下に置いて、それでビジネスをしているということでございます。  それから、シーメンスの方は、少し技術の傾向がございまして、技術を持っている会社を買いまして、アメリカの民営化、それから旧共産圏の民営化に邁進しているところでございます。  それから、最近一番びっくりしたのは、何とあのITの王者と言われたIBMがこの水商売に乗り出したということです。特に、IBMは、これからの水管理は全て情報の管理であると。なぜならば、水のもとは雲ですね、雲の中が今度は水滴になってそれが降ってくるわけでございますので、水資源を管理するということは、つまり気象から全球的な気象の状態をつかまなければ駄目ということで、全世界にデジタルセンサーを置いて、それから、川、湖、あるいは最近では陸地の含水率まで測れるようなものを衛星に積んで、あらゆる水情報を集めようとしているわけです。それから、これを今度はクラウドコンピューターによって計数管理をして、いろんなところへ今度は、ある国あるいは地域に限って水の情報を提供しているということです。IBMは、水は将来巨大なビジネスになると、こう言い続けているわけです。  それからもう一つは、世界的に水が逼迫してきておりますので、国を挙げて取り組んでいるのがこのドイツ、シンガポール、韓国、それからEU諸国でございます。これについては具体的にこの後御説明したいと思います。  例えばドイツは、水関連産業を育成するためにジャーマン・ウオーター・パートナーシップ、こういうものをつくって、約二百四十社を束ねまして、何と環境省が窓口になって全世界に売り出しているというのがドイツでございます。  それから、韓国は、これも李明博大統領が最大のセールスマンとして活躍しております。皆さんおなじみのように、アラブ首長国連邦から原子力発電所、四兆円規模、最後のネゴのときに大統領が行って、分かりました、一〇%引きますと、その代わり六十年間のオペレーション、メンテナンスを下さいということでやったわけですね。それで、韓国では十二万人の雇用、それから将来の六十年間の原子力産業の安定化に役に立ったと、こういうふうに言われております。  李明博大統領は昨年十八か国を回って六兆円の注文書をもらってきたと、こう言われております。それに対して日本の総理大臣は幾らの注文書をもらってきたか分かりませんけれども、とにかく韓国は国を挙げてやっているということでございます。  それから、今週になりまして、欧州連合、EUとそれから韓国がFTA、今年の七月から発効するということでございます。これによりまして、関税五%から一〇%が全部撤廃になりますので、ますますヨーロッパの五億人のマーケットが韓国が先に手に入れることになるということです。  御存じのとおり、李明博大統領は民間の社長の出身でございますので、とにかく外貨を稼がなければ国は成り立たないということで、韓国株式会社のCEOということで頑張っているわけです。  それから、シンガポールでございまして、シンガポールも国を挙げて水ビジネスに取り組んでございます。ウオーターハブということで、世界の研究あるいはそのビジネスの中心になるということで、国が二百五十億円出してウオーターハブ、そういうものをつくってございます。  現在、シンガポール政府と全世界の水関係企業百四十社がアライアンスを組んでシンガポール政府でやってございます。この結果はどうなったかというと、二〇〇九年、シンガポールの企業は世界から約五千億円の水ビジネスを受注してございます。じゃ、二〇〇九年、日本は幾ら取ったかというと約千二百億円でございます。  ここで本当に残念なことは、シンガポールが海外から稼いできた海水淡水化それから下水の再利用、そこで使われている膜あるいはファンダメンタルな技術は全部日本から持っていったものでございます。つまり、それをEPCとして組み立てて大きくビジネスをしているというのがシンガポールということです。  じゃ、そういう中で日本の水戦略は一体あるのかということでございますけれども、日本の水技術、簡単に言いますと、例えば水道、これ二つに分かれます。ローテクだけれども世界一、それからもう一つはハイテクで世界一というのがございます。  ローテクとは何かと。例えば漏水の防止、日本の平均七%、それから東京都は最近三%の漏水率でございます。これは世界で最高の数字です。それから、不断水工法という水を止めないで工事をする方法。それから、浄水場、下水処理場の維持管理、これは世界で冠たるものがございます、コストを除いてですが。  それから、ハイテクで世界一は、先ほど言ったように海水の淡水化、それから下水の再利用、それから微量の分析の技術、そういうものは世界に冠たるものがございます。  それから、下水については汚水処理の人口普及率が八六%。それから、特に特筆できるのは下水の汚泥の資源化率でございます。これも世界で最高で七〇%。例えば、バイオガスにしたり、それから燐を回収したり、あるいは建設用の材料に使っていると。こういう水をきれいにした後に出てくる汚泥までもきちっと処理をしているのが日本でございます。  ところが、その日本の上下水道業界見ますと、平成九年がピークでございまして、現在はそれが約六〇%減でございます。現在、下水道の保有資産、先ほど竹村参考人からありましたけれども、下水道、昭和三十年代から投資してきた保有資産が約地下に八十兆円ございます。それから、浄水場は四十兆円。この百二十兆円がこれから更新しなければいけない。しかしながら、国にもお金がない、自治体にもお金がない。これをどうしたらいいかというのが今後の大きな課題です。  一方、民間の会社の方はこの二十年間、全く会社の数が減らなかったわけです。会社の数が減らないとなると、過当競争、談合とか、そういう問題が起きたわけでございます。これはきちっと国として方針を出さなければ、日本の上下水道業界、本当に大変なことになるということです。もうなっておりますけれども。  そういう意味では、これから、国内が駄目なら海外と、そういう話があるんですけれども、国内の決められた仕様書で動いていた日本の企業が竹やりを持って海外へ行っても負けるわけでございますので、この戦略をきちっと作らなければいけない、こう思います。  じゃ、日本の会社は全く駄目だったのかと、海外で。そうじゃなくて、これは湾岸諸国の発電造水と言われるものでございます。丸紅さんとか三菱商事、三井物産、住商さんですね、投資総額約三兆円ございます。つまり、商社とすればきちっとキャピタルゲイン、投資しての回収はやっておるんですが、残念ながらそこには日本の技術が全く入っていないと、買われているのは日本の海水淡水化の膜だけということでございます。  それからもう一つは、日本国が世界に誇れるのは水分野での貢献でございまして、世界最大の水と衛生に関するドナー国でございます。前は約四〇%あったんですが、最近では三六・七%。それから、世界への貢献として技術協力、無償援助、円借款、こういうものをやっているわけです。ただ、これを簡単に言いますと、お金では貢献しているけれども、そこに日本の技術が付いていっていないというところが問題でございます。その日本のお金で欧米企業がしっかりビジネスをしているということです。  それでは、なぜ日本はそういうふうなインフラビジネスで負けるのかということでございますが、日本はいい技術があれば勝てると思っている、ここにやはり大きな誤解があるわけです。それからもう一つは、いろんな戦略に指揮者がいないということです。メーカーが個別に行って個別にやっております。しかしながら、インフラというのは国と国との約束がございますので、やはり国の顔が見えなければ大きなビジネスができないということです。  それから、国の方も、とにかく外貨の獲得は国益であると、こういうことをきちっと打ち出さなければいけないんですけれども、ある企業とやるとすぐ癒着だとか談合とか、国内の論理を海外まで持っていって、どんどん日本の会社を応援する形にはなっていないと、こういうものは変えていかなければいけない。それから、日本には会社の数が多過ぎますので、ナショナルフラッグのような会社がないと。例えば、フランスですとヴェオリア、スエズ、それからシンガポールはケペル、ハイフラックスと、そういうものがあるわけでございます。  各省庁もこの水ビジネスをどうにか盛り上げようということで、国交省、環境省、総務省、厚労省、外務省、それから経産省、いろんな研究会をやってございます。私も複数の委員をやっておりまして、頑張れと、こう応援しておるんですけれども、なかなかそれが成果に結び付いていないということでございます。  その中で、特に経済産業省でやった水ビジネスの国際展開研究会の結論でございます。今後、日本が勝つためには三つのパターンがあるだろうと。一つは、国内企業と海外企業が組んでいきましょうと。それからもう一つは、国内企業が今度はお金で権利を持っている海外の企業を買って、まあ簡単に言うと、その実績で海外へ出ていこうと。それからもう一つは、国内企業と地方自治体が組んで共同事業会社をつくって海外へ出ていこうと。で、出ていったときに国は、例えば貿易の保険、それからNEXI、JBIC、JICA、そういうものできちっと応援をする形をつくるということです。  その中の一つのエグザンプルとすれば、荏原、日揮、三菱、この三社で新しい水事業の会社、水ing、これスイングと呼びますけれども、そういう会社をつくりまして、今年の四月一日から動き始めます。これは、日本では初めての国内それから海外での水事業会社を始めた例でございます。それに対して東京都水道局がこれから応援をするということでございます。  それからもう一つは、日立プラントテクノロジーさんは、モルディブで活躍している水道会社を買収して、モルディブにあります二百か所の海水淡水化、上下水道をこれからITを使ってコントロールをしていこうと。これはMアンドAの一つの例でございます。  それから三番目は、日揮とハイフラックス、これシンガポールでございますけれども、それがアライアンスを組んで中国の天津の海水淡水化に乗り出したと。それについてJBICが今度は金融の支援をするということでございます。こういうものも、本当に新しい形でやっと動き出したなという感じでございます。  それから、各自治体が地元の企業あるいは水会社と組んでいろんな水ビジネスの取組を始めました。大阪、北九州、横浜、川崎、名古屋、それから大きなレベルでは、東京都、福岡、滋賀、埼玉、広島と、こういうふうな自治体が地元の企業あるいは水企業と組んで海外水ビジネスに乗り出した。これは簡単に言いますと、やはり料金収入がこれから期待できない、それから地元の雇用の促進、そういうものを狙って今約二十の、政令都市を含めて現在動いてございます。  それから、なぜ、じゃ海外水ビジネスをやるのかということなんですけれども、実は底辺にありますのは、私が一番心配しておりますのは、日本の上下水道は今破綻寸前にあるということです。人間でいいますと、動脈硬化が進行して、いつ動脈瘤が破裂しても不思議ではない状態だということです。先ほど竹村参考人から、下水では四千七百か所道路が陥没していると、例えば水道では六千二百か所破裂しているんですね。もう本当にいつ破綻してもおかしくないというのが日本の上下水道でございます。このために、海外水ビジネスで、まず一つは料金収入、これの多角化、それから大事なことは人材の育成、それから地元雇用の促進、こういうものができるんじゃないかなと、こういうふうに思っております。  結論でございますけれども、水は国家の安全保障ということで、とにかく外貨の獲得は国益であるということで、国を挙げて水ビジネスに取り組んでいただきたいと。それから、勝てる戦略に国を挙げて、省庁を挙げていろいろ応援をしていただきたいと。結論は、水インフラの整備というのは国家繁栄の基礎でありまして、特に上下水道のインフラ、これをきちっとやっていただきたい。  私は国連におりまして一番気になったのは、安全な水が飲めなくてどんどん亡くなっていく乳幼児、これは二百万人とか四百万人と言われております。それから、水がなくて貧困から抜け出せない国、そういうものがたくさんございます。日本にはいい技術がありますので、そういうもので是非世界に貢献して、世界から貢献されるような日本になるべきじゃないかなと、こう思っております。  最後は、今月の初めにNHKの「クローズアップ現代」で中国の水ビジネスをつかめということで、スタジオゲストで述べさせていただきました。中国は今水問題で大変なんですけれども、これに日本全国、特に御婦人から水問題に対して非常にコメントをいただきました。つまり、水問題が今国民の最大関心事になっているということでございます。ですから、水問題をしっかりやっていただければ先生たちも次の選挙では大丈夫じゃないかなと、こう思っております。  これで終わらせていただきます。
  11. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 吉村参考人、ありがとうございました。  選挙の必勝法まで教えていただきました。ありがとうございます。  これより質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。  なお、質疑の際には、まず各会派一名ずつ指名させていただき、その後は会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと思います。  また、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるよう、かつその都度答弁者を明示していただきますよう、御協力をお願いしたいと思います。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。  それでは、外山さん。
  12. 外山斎

    ○外山斎君 民主党の外山斎です。  今日は、中山参考人、竹村参考人、吉村参考人、本当に貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。  私の方からは吉村参考人の方に御質問をさせていただきたいんですが、先生も出演された「クローズアップ現代」を私も見させていただきました。その中で、日本としても各省庁が水ビジネスにおいて様々な団体を立ち上げているということがあって、しかしながら、その団体の方に参加されていた企業の方が、日本はいろいろと遅いから自分たちでやった方が早いんだということで、直接中国の方に行かれて中国会社か何かを設立されてビジネスが進んでいったというのがあると思いますけれども、一番、各省庁がつくっている団体ができているにもかかわらず、なかなか日本が国際的に水ビジネスで展開できていけないという原因は何が考えられるのかというのを教えていただけると助かります。
  13. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) ありがとうございます。  「クローズアップ現代」で述べさせていただいたのは、一つは四十の協議会があってもそれがきちっと働いていないということです。日本の企業に欠けていることは、一つはスピード感ですね、それから現地のニーズをつかむ努力をしていないと、トップ自ら、この二つでございます。「クローズアップ現代」の中では、大阪のナガオカという会社が、社長自ら例えば日立造船さんの社長も連れて現地を視察して農村部に行ったということです。  現在、水メジャーというのは、大都市、例えば中国においては、我々が知っている上海とか成都とかそれから香港とか、そういう大きなところをやっているんですね。それに対して今回の小さな会社は農村部にフォーカスを当てていったと。つまり、日本が勝つためには水メジャーと直接対決をしないというのが一つ。それから、相手国のニーズ、どのくらいで水道料金を決めれば買っていただけるか、やはり現地のニーズをしっかりつかむということが必要じゃないかなと、こう思っております。
  14. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。  質問をお受けいたします。  それでは、島尻先生。
  15. 島尻安伊子

    ○島尻安伊子君 ありがとうございます。  大変に貴重なお話を伺わせていただきました。その中で、お三人の先生方に簡単にお答えいただければというふうに思うんですけれども、その前に、この上下水道のメンテナンスが今大変に重要だというお話を伺って、一方で、今、国の施策の中で一括交付金化というのがあるんですけれども、その中の一つの項目に、たしか水道施設の整備費が一括交付金の項目になってしまったというのをちょっと記憶しておりまして、この件に関して、地方の自治体の長がこの大事さというか、この上下水道のメンテナンスの重要性についてやっぱりもっと考えていただかなければならないのかなというふうに率直に思いました。  一方で、今いろいろなお話を伺う中で、日本全体のナショナルフラッグ的な企業がない、あるいはその全体のガバナンスといいますか、ある意味での指導力を持ったところが必要なのではないかということもお話を伺ったわけでありますけれども、将来に、その可能性といいますか、そういったそのイニシアチブを取るために、日本が取るために何が必要なのかというのをまずお聞きをしたいというふうに思っております。  その中で、例えばその世界観の中で見たときに、国連がこの今回の水問題とどのような連携を取っているのかいないのかというところからもお話を伺えればなというふうに思っております。  お願いいたします。
  16. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 島尻さん、それぞれの質問について、お三方からですか。
  17. 島尻安伊子

    ○島尻安伊子君 はい。
  18. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) それでは、中山参考人。  手短にお願いします。
  19. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) 地方公共団体の水問題につきましては竹村参考人、吉村参考人にお任せいたしますけれども、一番最後の国連のような国際機関がどのような役割を果たし得るかについてでございます。  例えば、国連は、通常の戦争につきましては、停戦の仲介をしたりかなり有意に機能しているんですけれども、残念なことに水をめぐる係争につきまして国際機関が有意な仲介役を果たして成功した例というのは余り知られておりません。私も多くの事例を調べましたけれども、私の結論としては、国連はそのように今まさしく起きている問題に対してその解決に役立つのではなくて、先ほど私の御説明の中でも申し上げましたような、枠組みをつくる、国と国との間で河川を共有するときにはどのような原理原則に立ってお互いに交渉するのか、あるいはそのためには例えば環境影響評価のようなものを国際的な義務として国が必ず行うことを規定するとか、そのような枠組みにおいてより有効ではないかと思っております。  先ほど私は一九九七年の国際河川に関する条約について否定的なことを申し上げましたけれども、現在、あの条約の中身は国際法の慣習法としてかなり定着しております。それからまた、国際河川におけます環境影響評価につきましても、国連のヨーロッパ経済委員会ですか、UNECEが規定しましたエスポー条約がやはり国際的な慣習法として根付きつつあります。そのような枠組みをつくるという役割において、国連を含めて国際機関は重要な役割を果たすという印象を持っております。
  20. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) それでは、前の二点についてお話しします。  一括交付金につきましては、今始まったばっかりなので今コメントできませんが、やはり心配しております。下水道、上水道というのは土の中にありますので、一番目に見えにくいところでございまして、見識ある首長さんがそれを目に見えないところでもきちんとやっていくんだと、着実にやっていくんだという判断をされるかどうか、まさにこれからそういう見識が問われているのかなと考えております。  次のナショナルフラッグにつきましては、これは非常に大きな問題でして、日本は戦後の成功体験に非常に今まずいところにあります。と申しますのは、今までの戦後で僕たちが成功したのは、全部エンドユーザーは個人だったわけです。トヨタであれ日産であれホンダであれ三菱であれ。ですから、各社が強引に、かなり強烈に世界のマーケットにそれぞれの社が行って、各個人に売っていたらよかったんですが、今私どもが議論しているのは、鉄道、原子力、水というのは、みんなエンドユーザーはシステムです。もっとはっきり言うと公共です。  公共の行政に売り込むときに、三菱だ丸紅だ、そういうところが同じところへいろんなルートからアクセスしたら、全く彼らは身を引いちゃいます。私、役人の体質から、同じ国から違ったルートで来られたら必ず身を引いちゃいます。ソウルならヒュンダイとか、一つのところがまとまって来るというと安心して話を聞ける。つまり、背景に国家がいるという安心感があると思います。  ですから、私のペーパーの中にもございますけれども、一つだけペーパーを御紹介させていただきますと、このぐちゃぐちゃ書いたやつなんですが、このチーム水・日本から始まる前は実は上の方の状態でした。つまり、ベトナムのホーチミン市にいろんなところからアクセスがあるんです、調べてみると。それは、民間企業だけではなくて、北九州からアクセスしたり、東京がアクセスしたりしていたんです。そのアクセスというのは、研修をしたり、何か技術協力なんですけど、同じ市と日本で二つの地方自治体がやっていたということがこのチーム水・日本で私どもが議論し出すと分かってきたんです。  そうしますと、自然とやはり、ベトナム全部を仕切ろうなんて誰も思いません。ベトナムのフエ市のこのプロジェクトは一番アドバンテージを持っているのは、例えば北九州市であり、北九州市と一緒にチームを組んでいる企業なんだ、じゃ、ここは北九州市さん頑張ってよと。又は、こちらは東京都が頑張ったらいいじゃないか、ここは名古屋が頑張ったらいいじゃないかというように、それぞれのチームがプロジェクトごとに日本から整理されて出ていくと。そうすると、実は外務省の在外公館も、そうやって整理されているんなら外務省の在外公館そのものが作戦本部になってもいいと言っているんです。それが、ばらばらチームが来るから、もうおっかなくて外務省も身を引いてしまう。  つまり、日本がきちんとしたビジネスをやるためだったら応援しますよということも外務省も表明していますし、だんだんこうやって各県が、又は各市が横の情報を実はお互いに流し合い始めました。ですから、これからやっと日本が分かりやすい形でそれぞれの各国の行政というシステムに対してプロポーズをしていく、オファーをしていくスタートがやっと切れたのかなというのが私の考えでございます。
  21. 吉村和就

    参考人(吉村和就君) 二つについてお話ししたいと思います。  一つは、社会整備一括交付金ですが、これが全国の自治体が今一番不安になっているところでございます。事業仕分によって、例えば、下水道の事業費五千五百億が国費から今度は一括交付金になるということです。  そうなりますと、今度は地方自治体が三年分の計画をして出してきなさいと、それについて国交省は査定をして予算を付けますと、こういうことになっているんですが、今千六百の自治体を見ますと、例えば、給水人口でいうと五万人以下のところが七割あるものですから、とても自分では計画ができないということですね。それから、水に関することなら何でもいいよと、こういうことでございますので、自治体の長とすれば、親水公園とか、ある意味では水族館とか、次の選挙で勝てるいろんな水ものをやるということでございます。  必要なことは、やはり社会整備、社会資本整備一括交付金でございますので、例えば、上下水道のパイプの更新率は現在一%でございます。一%ということは百年掛かるわけです。配管の耐久年数というのは今四十年と言われておりますので、最低でも二%にしなければ日本の水インフラは危ないということでございますので、先生方へのお願いは、それを計画するときに水インフラの更新率を二%と考えなさいと、その一つの縛りを出していただくということです。  それからもう一つは、私は国連におりましたんで国連と水との関係でございますが、これも、簡単に言いますと、ミレニアムゴールということで、二〇一五年までに安全飲料水それから衛生状態を改善するということなんですが、これが遅々として進んでいないということです。進んでいない理由は、一つは、対策よりも人口の増加が増えているということですね。それから、資金難でございますので、現在国連はあくまでもやりましょうという啓蒙だけに終わっているというのが現状でございます。  以上です。
  22. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  それでは、質疑、お受けします。加藤先生。
  23. 加藤修一

    ○加藤修一君 ありがとうございます。  三人の参考人の皆さん、非常に濃密な御説明をいただきまして、本当にありがとうございます。  中山先生には、流域ガバナンスの関係で国際河川の話がございましたが、私は、国内の河川においても、やはり上下流でそれぞれ利益の点で違う部分があると思うんですね。共通の利益が上下流を結ぶということで、環境が一つのファクターだという話があったように思いますが、森林は上流に当然あると。森林は様々な機能を持っていて、林業という観点で見ると年間七十兆円の経済的な効果があると、多面的機能の関係でありますけれども。  そういう中で、生態系の持っているサービスをどう下流の方から上流にもたらすようにするかということも極めて重要だと思うんですね。生物多様性の関係で、PESという生態系サービスをどう配分するか等々を含めて議論があったわけでありますけれども、森林環境税等を含めて、それが一部として実行されておりますけれども、この辺の考え方について、どうお持ちかという点が一点目です。  それから、竹村先生にお願いしたいんですけれども、超党派の議員連盟があると。水の安全保障戦略機構というのがあると。また、別にもう一つ、水制度改革議員連盟がございまして、そちらでは、今までの縦割りの行政ではいけないと、水に関してですね。それで、その関係も含めて克服しようということで、水循環基本法というのを作ろうということで今超党派で進めている最中なんですけれども、こういう基本法についてどういうふうにお考えかというのが一点。  二点目は、先生の資料の中で、循環する水エネルギーの日本列島であると、密度の濃いエネルギーをどう利用するかということが大事だという、そういう思いであろうと思いますけれども、私も全くそのとおりに思っておりまして、ただ、小水力発電等をやると相当規制があるわけですね、電事法とか河川法の関係等々含めて。そういう規制をやはり緩和しなければいけないというふうに思っておりますけれども、より一層小水力発電が進むためにはどういうふうに考えるべきかという、これが二点目です。  最後に、吉村先生に、ISOとTCの224の上水道部会長として日本代表で活躍されているというふうに伺っておりますけれども、日本の水に関するスタンダード、それがグローバルスタンダードになり得るのか、そうするためにはいかなる課題を克服しなければいけないのかというのが一点目ですね。  それから、先進国、途上国は上下水道が民営化になっているということなんですけれども、その背景は何なのか、日本でこれ民営化の方向性を持つことができるならばどういう課題を克服しなければいけないか、その辺についてよろしくお願いいたします。  以上です。
  24. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) それでは、中山先生、竹村先生、吉村先生、順次お願いします。
  25. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) 加藤先生の御指摘のように、上流、下流間での利害をどう調整するかということはもちろん日本国内でも重要な問題だと思います。  私の専門は国際河川でございますけれども、国際河川の場合には、それでは、上流が水源を保護したことによる便益を下流の国が受けるとしても、それを直ちにお金の形で上流国に渡すかというと、それはなかなか実現しかねることがございます。  ただ、私も含めまして、水資源を研究している人間は水だけをどうしても見てしまいがちになりまして、上流によって水資源が保護されるんならば、その下流の便益がお金の形で上流に渡るべきではないかというような考え方をしがちなんですけれども、先ほど私の説明の中でも申し上げましたように、地域でいろんなセクターの経済統合が進んでいる国際河川におきましては、流域国間の間というものはそうでない河川に比べてはるかに円滑です。  それはどういうことかといいますと、例えば、上流国が下流国に対して森林を保護する代わりに、下流国は水ではないセクターで上流国に便益をあげる、確保することもできるからなんです。現にそういう例で見ておりますと、それまでは上流、下流国の関係が良くなかったところでも、いろんなセクターでの経済的な、統合という言い方が正しいかどうか分かりませんけれども、経済的な交易が進むところですと、確かに目に見えてその両者の関係が良くなっているという例が幾つかございます。  したがいまして、加藤先生のお尋ねは、国内問題に絡めてのことだと思いますので、国内ですと確かに森林税とか環境税とかそういうお金による取引みたいなものがどうしても脚光を浴びてしまうんですけれども、多分それはお金によるものだけではないだろうと。国内の場合には、国際河川とは違って、セクター間、ほかのセクターのやり取りというものがうまく勘定できるかどうかというのは、何らかの仕組み、例えば流域基金をつくるとかいろんなやり方があると思うんですけれども、水だけのセクターを見ないでほかのセクターも眺めると、上下流間の間での利害の調整というものはより水だけを見るよりも可能でありまして、そういう方向でどのような調整が可能かというふうに考えることが国際河川でも国内河川でも有益ではないかという印象を持っております。
  26. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) 御指摘の水循環基本法でございますけれども、これは超党派の国会議員の先生方が御議論しているということは十分承知しております。  私どもがこの水安全保障戦略機構をスタートしたときには、一つの約束をしまして、権力にはなるべく手を触らないというようなことをしました。と申しますのは、権力とは何かというと、法律はもう厳然とした権力です。それに手を付けてしまいますともう途方もなく収拾もなくそれらと絡まなきゃいけない。関係省庁と限られた貴重な時間をああだこうだ、ああだこうだ何時間も何十日もやる、もうそんな余裕はない。目先の今みんなが困っていることをともかく当面解決していこうというようなところからスタートしまして、法律には手を触らないというような、そんなややこしいことやめようというところからスタートしたのを記憶しております。それは中川昭一先生の御指導もございました。  ですから、今先生方が水基本法をやっていらっしゃるのはもう是非それは進めていただきたいと思っておりますけど、私どもはもう少し問題解決型のテーマをやっているという役割分担でございまして、水循環基本法をやっている仲間と私どもはメンバーみんな入り乱れてやっておりますので、情報は十分やっております。  二点目の小水力の件、これはもう完全に規制を緩めないといけないと思います。明治の時代、グラハム・ベルが日本に来まして、何て日本はエネルギー国家なんだと、これほどエネルギーに恵まれた国はない。なぜかというと、太陽がさんさんと出て、それが雨になって落ちてくる。ただ雨がべたっと降りたら全然エネルギーじゃないんですけど、七〇%の山がその雨を集めてくれる装置になっていると。つまり、日本国土の七〇%が太陽エネルギーを集める装置になっているということで、グラハム・ベルが、この国はすばらしいぞと、物すごい発展するぞと予言しております。  私は今でもそれはグラハム・ベルの、あの方は電話を発見したと言われていますけど、実は地理学者でして、ナショナル・ジオグラフィックの編集長でございまして、編集者、オーナーでございました。彼の言ったことを今でも私はそれは正しいと思っています。  今御指摘のように、水循環のこのエネルギーを農業用水路とか、農業用水路で今農家の方が困っているのは、どうやって、石油が高くなっちゃったらビニールハウスの電気をどうするのかということが今困っているわけです。あの農業用水路にちっちゃな水車を置いて小さな小水力をどんどんやれば、彼らは自分でエネルギーが取れるわけです。そういうことでさえ規制があるということは、これはとんでもないことでして、これは国土交通省の河川局、農水省、そして経産省、全ての省庁が一緒になって規制緩和をしてやると、ありとあらゆる面で規制緩和をしてやるということが大事だなと考えております。
  27. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) 今、加藤先生から、我々水ビジネスに取り組んでいるので、非常に琴線に触れる二つの御質問をいただきました。  最初は国際標準化の問題でございますが、これは新成長戦略にも日本は国際標準で頑張れということでございます。  その中で、特に水はISOのTC224、これは上下水道の維持管理に関する国際標準なんです。私は五年ほど委員やらせていただきました。なぜ委員やったかというと、国連でいじめられたから今度はISOに行っていじめ返してこいというのでございまして、英語で机をたたきながら交渉せいということでございますので、恨みを晴らしに行ってまいりまして、おかげさまで五年間やって日本の水道ビジョン、下水道ビジョンをISOの附属書の中に入れることに成功いたしました。  五年間やってみた経験から言いますと、日本が弱いところは、まずISOのプロがいないと。プロというのは何かというと、やっぱり人脈ですね。ヨーロッパは大体そのISOだけで十年とか二十年やっているプロがおりますので、その業界だけ分かっていても駄目で、ISOの手順ですね、これを全部理解をしていると。  それから、最終的には多数決でございますので、いかに隣国と仲間をつくるかと、こういうことでございますので、むしろ会議よりも雑談あるいはディナー、コーヒータイムの方が、そこで人脈をつくって話していくというのが大事だということですね。その辺は、やはり日本のISOというのは会議に行ってさようならでございますので、これじゃ全く勝てないということですね。  それから、あと日本政府の姿勢でございますけれども、これも政府としてISOに対して今まで約八億円ぐらいしかなくて、このお金というのは簡単に言うとISOの英文を日本語訳して終わりというふうな、そういうところで終わっておりますので、とても戦略になっていないと。ですから、成長戦略とするためにはもっと人ときちっとお金を付けなければいけないんじゃないかなと、こう思っております。  それから二番目の、世界の上下水道の民営化について日本はどうあるべきかということなんですが、これは世界的にはやっぱり民営化には二つの流れがございまして、九〇年代からは例えば中南米とかいろんなところで民営化したために料金が上がったり、いろんな問題を起こしました。最近では、PPP、パブリック・プライベート・パートナーシップとか、そういう方法で水メジャーが取り組んでおります。  それから、日本については、やはり民営化というのはこれ私はやるべきではないと。日本がやるときは、例えばコンセッションという自治体あるいは公がきちっと所有権を持って、その下で汗のかく維持管理だけを民間に一括して委託をすると、こういうふうな公設民営方式にするのがいいんじゃないかなと、こう思っております。  以上です。
  28. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  では次、質問受けます。  みんなの党の松田さん。
  29. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  今日は大変貴重な話、ありがとうございます。  私は元々経営者なんで、御三方がおっしゃるように、もっとどんどん海外に水ビジネスを売っていくべきだというふうに思っているんですね。  いろんな問題が今日のお話を聞いて浮き彫りになって私も理解が進んできたんですけれども、水ビジネス、これを売っていきたいという中で現状ばらばらだと、そして指揮官が存在しないということも理解できたんですが、いずれにせよやはり政府がその指揮官の役割を担って今後やっていかなくてはいけないんだなというふうに思っていますけれども、その際に避けて通れない議論というのが一つあると私は思っていまして、それは水というものの意義ですよね。それが、国内的に見ると当たり前なんですけれども、これはヒューマンニーズだろうという話になると思うんですが、じゃ国際的に見たときは、それがじゃニーズなのかライツなのかという考え方に直面してしまうんじゃないかなと思うんですね。そのような考え方、理念、ビジョンというものを私は最初につくる必要があるんじゃないかなと、チーム日本をつくるためにはですね、というふうに考えております。  是非この機会に御三方の、水というものはヒューマンライツなのか若しくはヒューマンニーズなのかということを、お考えをお聞かせいただければと思います。
  30. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) 私の専門の国家間の水の問題についてお答えいたします。  例えば、上流国が下流国に対して何でもやっていいんだと、上流国は一〇〇%国際河川の水を使う権利を持っているんだという考え方が実はつい最近まで国際社会では当たり前だとされていました。ごく最近までというのは、国によっては一九六〇年代ぐらいまでそんな考え方を持っておりました。しかし、現在では、上流国は下流国に対して顕著な悪影響を与えてはいけないというふうに考え方がだんだん変わってきました。そうしますと、それは、上流国のニーズだけを認めていた時代から下流国のライツを認めるように議論が変化してきたということだと思います。  先ほどから何回かお話ししております一九九七年の国連が採択しました国際河川の水利用に関する条約もまさしく、上流国は下流国に対して顕著な悪影響を及ぼすような水の使い方をしてはいけないと、上流国のニーズだけを認めるわけではないという枠組みになっております。  しかしながら、そのような考えができましたのは、先ほど申し上げましたようについ最近のことでありまして、まだ多くの国は上流国は自分のニーズが優先されるべきだという考えに基づいて行動しているとしか思えない事例がまだ現在でもございます。ただ、そのように、ニーズからライツの方に議論が明らかに移り変わっているということは申し上げられるかと存じます。
  31. 竹村公太郎

    参考人竹村公太郎君) 水の安全保障戦略機構では水がニーズかライツかということは議論しておりません。と申しますのは、ニーズかライツかというのは非常に観念的な、権利か需要なのかという観念的な議論に陥りやすいので、我々はもっと現実的にどうしようというところからスタートしていますので、具体的にどういう言葉で僕たちは言い換えているかというと、相手国のその地域の状況に応じたビジネスをしようと。つまり、相手のその状況に応じた、その国でも、同じベトナムでもホーチミン市とフエ市と違う、又はもうちょっと農村部では違う。そこに応じた水ビジネスというか水の供給、水のまた処理のことをしていこうじゃないかということが私たちの合い言葉になっています。  それは、実はヨーロッパ欧米の合理主義とは全く違う、相手国に合わせた多様性の水ビジネスであり、水貢献であります。欧米諸国の合理主義的な考え方、一つの考え方でざっと押し通していくのではなくて、私どもは、いわゆるバイオダイバーシティーという言葉がありますけれども、バイオダイバーシティーというのは生物多様性なんですけど、リージョナルダイバーシティー、その地域の多様性なんだという言葉で表現しております。  それは、僕は、言い換えると、その地域の方々を尊重しながら、文化と伝統を尊重しながら日本は何を与えていこうかということをやれるのは、やっぱりヨーロッパの合理主義者じゃなくて、私ども日本人がやっていける得意な分野なんじゃないかなということでございまして、先ほど吉村参考人が言った農村部、つまり大都会と、メジャーと戦うんじゃなくて、そのすき間を入っていこうというのが実は私どもの作戦でございまして、ですから、そういう作戦ばっかりいつも議論しておりまして、観念の議論はしていないので、申し訳ありません。
  32. 吉村和就

    参考人(吉村和就君) 水が本当にヒューマンライツという人間の権利なのか、あるいは経済財なのか、もうこの論議だけで一九九二年から続いておりますけど、いまだに結論は出ておりません。それは、例えば国連とかNGO、そういうところはこれは人権であると、ヒューマンライツということでやっております。それに対して欧米は、特にフランスなんかは、これはきちっとある意味では経済資本財であるという裏付けでございまして、それはなかなか平行線になっておるというのが現状でございます。  それから、私自身どうかというと、やはり水というのは地産地消でございますので、水循環がきちっとできるところ、それから全くできないところと、地域限定で考えていかなければやはり誤るんじゃないかなと思っております。  観念的には、水は本当に全世界の人々のものだというんですけれども、人間が生きていくために必要なもの、例えば空気、それから水、この二つ考えますけれども、空気の場合は、パイプとか送る手段、ためておくことが全く必要ありません。しかしながら、水についてはためて処理をして送る、パイプを含めていろんなシステムが必要でございます。そうすると、最低でもそのシステムをきちっと動かすためにはお金が掛かるわけでございますので、やはりその地域に応じたことをやらなければ駄目だと、こう思っております。
  33. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  では、質問をお受けします。  紙さん。
  34. 紙智子

    ○紙智子君 三人の参考人の方、今日はありがとうございます。  私、二つ質問したいんですけれども、一つ目のところ、ちょっと時間もありますので、中山参考人と吉村参考人にお聞きしたいと思います。  それで、バーチャルウオーターの話が先ほども出ました。輸入製品を日本で作った場合にどれくらいの水が必要かという研究が行われているわけですけれども、食料を大量に輸入するためには輸送に掛かるエネルギー、それから温室効果ガスも出すと、それから生産国の土地や水資源にも負担を掛けるということになるわけです。  今、日本の食料自給率が四〇%ということですから、多くの食料を輸入に依存していますから、それだけ地球環境には多くの負担を掛けているということにもなるわけです。  例えば小麦なんかの場合でいいますと、年間の輸入量で五百四十万トン超えるということですから、そのためにバーチャルウオーターというのは大体九十億立方メートルというふうに言われているんですけれども、今穀物の価格も高騰するとか地球温暖化が進むという中で、いつでもお金さえ出せば食料が手に入るということではないわけですけれども、そういう意味では、地球環境の保全を考えたときには、この国土を生かした循環型の社会への転換が求められているというふうに思うわけです。  そこでなんですけれども、今、国としてでいえば食料自給率については五〇%に上げるという目標を持っているんですけれども、そのこと自身がやっぱり世界の水問題考えたときにはこれ国際貢献というふうになるんじゃないのかなと思うんですけど、この点についてお二方の御意見を伺いたいと思います。
  35. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) 余り明確なお答えができないと思うんですけれども、例えばカーボンフットプリントと同じような考え方で、ウオーターフットプリントという考え方がございます。ある同じ製品を作るときにどれくらいの水を使うのかと。例えば、地球温暖化という面を考えますと、世界のどこの国が製品を作っても同じ量のCO2を排出したら、地球温暖化への貢献といいますか、影響というのは一緒なんですけれども、例えばある製品を作るときに、日本でも、同じ農作物を北海道で作るのと沖縄で作るのとでは環境への負荷は随分違うと思います、同じ量の水を使いましても。  そういたしますと、私はバーチャルウオーターについては専門ではございませんけれども、日本の食料自給率を上げるということは確かに外国での水の使用量は下げますけれども、例えばウオーターフットプリントの環境への影響という考え方をすると、それが地球全体で最も賢明な答えかどうかということにつきましては、多分かなりいろんなことを考えないといけないことでありまして、残念ながらまだ我々はそこまで十分な知識を持っていないんではないかと。大変逃げたような答え方で失礼でございますけれども、そのように私は感じております。
  36. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) バーチャルウオーターの考え方については前回、東大の沖大幹先生がお話しなさったのかと思います。私も彼と共著をしましたので知っておりますけれども、簡単に言いますと、日本が海外から六〇%の食料と同時に六百四十億トンの水を輸入していると。つまり、日本は世界で最大の仮想水の輸入国となっているわけです。  それから、現在の政権では、食料自給率四〇から五〇%、一〇%上げるための水の資源、必要な資源量、約百六十億トンと言われております。この量は大体、日本人が一年間に使う生活用水量と同じなんですね。しかし、農業ですから、使うときと使わないときがありますので、どこかでためておかなければいけないと。  じゃ、今、現政権では例えばダムは要らないと。治山治水から見るとダムは要らないかもしれませんけれども、食料の自給率を一〇%上げるためには百六十億トンの水をどこかにためておかなければいけないと。富士山の保有水量というのは二十億トンでございますので、富士山の七つ分を日本国のどこかにためておかなければいけないと。ですから、ダム問題、ちょっと話それますけど、ダム問題も、治山治水だけじゃなくて食料の自給率、そういうところからも多面的に見なければ水政策は間違われるんじゃないかなと、こう思っております。  以上です。
  37. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 中山先生。
  38. 中山恭子

    ○中山恭子君 ありがとうございます。  今日は非常に貴重なお話伺いまして、ありがとうございます。  中山先生に先ほど国際河川の問題、お話しいただきました。私、中央アジアに三年間おりまして、シルダリヤとアムダリヤの国際河川化をという話をウズベクの人々と話をしたりしておりました。非常に国をまたぐ川の問題というのが機微な問題であって、難しい問題だということは痛感しておりました。たしか二〇〇二年に、五か国、これはアフガニスタン入っておりませんですが、五か国の大統領が集まって二、三日掛けて議論した後、出てきたものがタシケント宣言という、ただ具体的な国際河川化というのには程遠いような、それぞれの大統領が持ち帰って国際河川化の検討をしようというようなものがやっと出てきたというところでございました。  こういった国際河川化をしていくときに、先ほど竹村先生おっしゃいましたが、ヨーロッパの合理的な考え方ではなくて、日本のサポートというのは非常に価値があるのではないかと思っておりまして、そういったことが日本として貢献できるのかどうかというようなことを期待を込めてお教えいただきたいと思っております。  水をダムで止めたり、又は突如として門を開けて洪水が出るというようなことがよく起きておりまして、その返しにガスを止めるとか非常に大きな問題があるということは痛感しております。  あと、お二方にお願いがございます。ずっとお話しいただいておりますが、やはり、ダムそれから上下水道の更新というのは、ほっておくととんでもないことが起きてくる。中央アジアもそうですが、ソ連のときのそれぞれの国々が上下水道とももう四、五十年前の施設で、とても飲めない水が水道から出てくるという状態になっております。日本もほっておいたらそういうことになる恐ろしさというのをやはりもっともっと多くの日本人が知っておく必要があると思いまして、この更新というものは決して甘く考えないで、公共事業、インフラ整備として計画を立ててしっかり行っていく必要があると考えておりまして、特に今の政権の皆様にお願いがございます。公共事業を小さくせずに、このインフラ整備というものは徹底して行っていただきたいと思っています。  また、上下水道を整備するときに、上下水道だけではなくて共同溝として整備していくということをお考えの中に入れていただけたらと思っていますが、そういったことについてのお考えをもう一度お願いいたします。
  39. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) 中央アジアの国際河川についてお話しいたします。  中央アジアの一つの問題は、中山先生よく御存じだと思いますけれども、中央アジアの国の力関係がバランスが取れていないものですから、大国は小国の権利をどうしてもないがしろにしがちになると。ただ、しかしながら、水源は小国である上流国が持っているという極めて問題の解決が難しいような地政的状況がございます。  ただ、私はいろんな国際流域を見ておりますけれども、一つはっきり確信していることがございまして、それは情報の透明性が確保されている、例えば川の流量のデータが公開されている流域、メコン川流域などがその例ですけれども、そういう流域の方が、情報の透明性が確保されていない流域に比べて流域国は明らかに潤っております。潤っているという意味は、援助の供与ですとかそういうものがはるかに盛んに行われているということです。  河川の流量というのは、例えば川の水が少ないときに、もしかしたら国境の河川を戦車が渡っていけるかもしれないとか、そういう状況で国家機密になっている国が多いんですけれども、開発援助を呼び込むとかあるいは経済開発による投資を呼び込むという観点から見ますと私は情報の透明性は引き合うんではないか、それは情報の透明性を担保した流域の方が得をしているんではないかという意見を持っております。例えば、それは情報の透明性が確保されているメコン川と、そのすぐそばにあるそうではないガンジス川などを比べてみると自明なのです。  情報の透明性の中で一つ重要なのは、流域に降る雨量のデータあるいは河川の流量のデータです。これは日本が得意とする部門です。そしてまた、もしそういうデータというものを一括したデータセンターとして集めて、それが誰でも使えるように公開すれば、それは投資する人間も安心して投資できますし、また我々研究者もそのデータを基に、その国から見れば無料でいろんな研究をして提供することもできると思います。  したがいまして、日本の貢献というのはいろいろなやり方があります。メコン委員会のように日本の優秀な人材をコンスタントに送り続けて委員会の運営を活性化するというのも一つですけれども、もう一つは、正しい情報をそれを必要とされる人に提供するための枠組みと、それから具体的なメカニズムの作成、そのための支援、これは日本が多分強みを発揮し得る分野だと思いますので、私はこの分野での日本の貢献というものがもっと積極的に行われていいんではないかと、そんな印象を持っております。
  40. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) 更新は非常に大切なことでして、先ほども申しましたが、優れた首長さんの判断が是非とも必要だということでございますが。  一つだけお話ししますと、インフラレッドという言葉があります。これは赤外線です。光の波長としてあるんだけど、赤から外れた目に見えない不可視光線です。インフラソニックという言葉もあります。それは、音としてあるんですけど人間には聞こえない、音波としてあるんだけど聞こえない不可聴音です。ということは、インフラストラクチャーというのは人々には見えない構造物ということでございまして、インフラというのは元々人々には見えない宿命を持っております。それの一番の典型が地下の中にある下水道と水道だと思っております。  それを見えるような形で住民や議会に説明できる首長さん又は行政、地方の行政が今本当に求められているなと思っておりますので、今日、このような場で国会の先生方に、先ほどの陥没の状況、これほどまでにひどい状況になっているんだということをお話しできたことを非常に私有り難く思っております。
  41. 吉村和就

    参考人(吉村和就君) やはり、水インフラというのは国家基本だと思いますのでしっかりやらなければいけないなと、こう思っております。それから、やらなければやはり日本の存続が危なくなっていると。  ちょうど東京大学名誉教授で藤田賢二先生というのが、私の会社上司でもございましたし東大の名誉教授ということで、ハルピン生まれでございます。最近、先生といろいろお話しした中で、例えば、今日、今から一分後に上下水道インフラが全部止まったらどうなるかということです。先生のお話によりますと、先生はハルピン生まれで、とにかく満州の水に携わってまいりました。  それで、日本昭和五年から昭和二十年にかけてとにかく理想的な水インフラを造ろうということで満州国に対して水の技術者、結果的には昭和二十年の当初には、安全な水、それからトイレはほとんど水洗トイレまで完備したと。ところが、ロシアが参戦して最初に彼らがやってきたことは、発電機と浄水場のポンプを全部取っていったと。それで、終戦になった途端に水が全部止まって、下水も処理できなくなった。その結果、一週間後に全てシラミが出て、二週間後からは腸チフスが蔓延して、自分の身の回りで何万人と死んでいったと。こういうことを絶対に許してはいけないと、そういうことを述べておりましたので、今本当に、皆さん湯水のごとく使っておるんですけれども、それが今危機的な状況になっていると。したがって、上下水道インフラは、やはり国がきちっとやらなければ国家の根幹にかかわることじゃないかなと思っております。  以上です。
  42. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  それでは、会派一巡いたしましたので、自由に御質問を受けます。  それでは、大野先生。
  43. 大野元裕

    ○大野元裕君 今日は三参考人、本当にありがとうございました。  私の方からは、中山先生に一問、吉村先生にシンプルな質問を一問させていただきます。  中山先生におかれましては国際河川についてお伺いしたいんですけれども、これまで冷戦後の紛争の件数が多くなったというのは、これは本当にそうかどうかは別としても、地域紛争の時代に入ってから多くなったのではないかという印象を持っておりますけれども、特に例えばシリア、トルコそれからイラクというユーフラテス川の場合などを見ておりますと、イラクに制裁が掛かって以降トルコの開発が極めて進んで、それまでの三か国間の協議が、対話が途絶して、結果としてその十数年間のパワーバランスの変化が、結果として制裁が解除されると、石油生産のウオーターインジェクションができない、農地が塩害で悪くなってしまう、そういった形で彼らのまた力が上がってくると恨みが再び戻ってくる。  さらには、ティベリア湖を水源とするイスラエルとヨルダンの問題も同じ現象が起きていて、水ワーキンググループが機能していたときとしていないときという政治的枠組みが非常に関係している気がいたしますけれども、そういった政治的な枠組みを超えた言わば技術的な観点からのこういった地域でのイニシアチブというものに対して、日本が果たすべき役割というものはどういうところにあるかをまず教えてください。  そして、吉村先生、非常にシンプルな質問ですが、先ほど日本は水の国際的なニーズが分かっていないと、こういう御指摘がございました。その一方で、私の知る限り、フィリピン、中国、ベトナム、シリア辺りにはJICAの専門家として地方の水道局の方々がたくさん出ておられたと理解しています。こういった方々がたくさん出ていたのに、なぜそれらの方々は地域の水ニーズ、情報を日本側にフィードバックができていないのか、それを、多分三十年ぐらいだと思うんですけれども、そこの事情、問題点を教えていただきたいと思います。
  44. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) まず、一番最初のお尋ねの、どうして冷戦以降に国際河川をめぐる国との折衝が増えたかということですけれども、私を含めて多くの国際河川の研究者は、多分、冷戦時代は西側ブロックも東側ブロックもお互い自分の身内同士の争いというものは起こさないようにしようという自制心が働いていたんだというふうに理解しております。と申しますのは、先ほどのグラフを三つの期間に分けまして、冷戦以前、冷戦中、冷戦以降というふうに三つの期間に分けますと、冷戦中が一番国同士の水をめぐる折衝というのは少ないんですね。これはやはり、東西ブロックが自分たちの不協和音は見せないようにしようと、そういう自制心が働いていたのが、冷戦が終わって、国と国とが好き勝手にとは申しませんけれども、より、何と申しますか、自由にいろんな交渉をやるようになったということではないかと思います。  それからもう一つの、政治的ではなくて技術的な面で日本がどういう貢献ができるかという御質問だと理解してよろしゅうございますでしょうか。  私もささやかな試みをやっております。私、チグリス・ユーフラテス川を手掛けておりますけれども、大学の研究者として、チグリス・ユーフラテス川の流域国、トルコ、イラクそしてシリアの三か国から大学の研究者を半年に一回東京に招きまして、もしこの流域について、水資源状況について、三か国からの研究者が日本及びその流域以外の研究者を交えてこういう枠組みで解析すれば、どこの国にとっても認められる研究の枠組みである、それは水資源のその量ですとか使い方ですとか、いろんなものに対するある種の数学的モデルみたいなものだと思っていただければよろしいんですけれども、それを半年に一回ずつその三人の方に東京に集まっていただいて議論したことがあります。そうしますと、実に簡単なことでお互いの意思の疎通ができていないということが分かりました。  例えば、一番最初の会議で何があったかといいますと、シリアとそれからイラクはアラビア語が言語です。トルコはトルコ言語です。そうしますと、まず最初にその三人の研究者は、アルファベットで書かれた川のある地点がどこなのかということで共通認識がなかったんですね。最初の一日ぐらいはみんなで、このスペルで書いた地域というのは、そのスペル自身が、まず合意するのが結構時間掛かったんですけど、これはここのことを言っているんだとかこのスペルの地域はここだとか、そういうことを延々とやっていました。ああ、そういうレベルですらこの三か国の間は共通認識を持つ基盤がなかったんだということをよく感じました。  それから、それは我々大学の研究者ですからいわゆる正式な外交チャンネルではない、あえて言えばセカンドトラックの貢献でございますけれども、我々のそういうささやかな貢献でも、それを水資源に関する解析ですとかあるいは水資源の利用に関する数学モデルのような研究ですけれども、かなりの貢献ができるのではないかという気がいたしました。  したがいまして、もちろん我々大学の研究者だけではありませんけれども、外交チャンネルではなかなかうまく機能しない場合でも、それ以外のチャンネルでいろんな貢献ができるのではないかということが私のささやかな経験からも言えると思いますので、日本もそのようないろいろな形での、正式な外交チャンネル以外のチャンネルでの貢献というもので何ができるのかを考え、それを実施していくということが大切ではないかという気がしております。
  45. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) 今、大野先生からありましたとおり、東南アジアで例えば水道事業を成功させるためには三つの条件がございます。  まず第一は、漏水の防止、水を漏らさないという。次は、盗水の防止、水が全部盗まれるんですね。東南アジアでは必ず水が盗まれるんです。トウナンアジアというぐらいでですね、まあそれは冗談なんですけれども。それから三番目は、不払の防止でございます。  日本の水道事業体は、先ほど竹村参考人からありましたとおり、盗水と不払、これはないんですね。ところが、東南アジアで本当に必要なのはこの盗水と不払の対策をどうするかと。日本が出している技術者というのはみんなパイプとか設備のプロでございますけれども、水道事業の経営そのものにかかわる盗水の防止、それからもう一つは不払ですね、本当はここを教えなくちゃいけないんですね。  ただ、日本はこれから、今までいろんな技術者を教育してまいりまして、私も各国を回りますと、あの人にはお世話になった、ところであの人は今何をしていると聞かれたときに、せっかく日本で学んで、その人が今局長になっていてコンタクトを取りたいと思っても、ヒューマンネットワークが全くその場限りで消えてしまっているということですね。こういうのも日本の一つの弱点じゃないかなと、せっかく教えていながらその後のヒューマンネットワークが全部途切れているということですね。  それからあともう一つは、ニーズのとらえ方でございます。  あの地ではほとんど停電というのは毎日ございますけれども、日本の水道というのは停電を余り考えていないんですね。あっても短時間で復旧すると。それによりまして、水というのは容量があるので、処理をした時間にまた今度は濁水ができて、またそれを処理をするというふうな、やはり相手国のインフラの状況に合わせたきちっと指導をしていかなければいけないと。  それから、おいしい水を必要としているんじゃなくて、二十四時間絶え間なく送ってくれる連続した水が欲しいというところですね。そういうところが日本のいろんなODAとかそういうところに少し欠けているんじゃないかなと、こう思っております。
  46. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  有村先生。
  47. 有村治子

    ○有村治子君 今日は、お三方の先生方、本当に示唆に富むダイナミックなお話を拝聴して、心から敬意を持って有り難く伺いました。敬愛する藤原委員長のリーダーシップにも改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。大好きな藤原委員長ですから、はい。  その上で、それぞれにお話を伺ってまいりたいと思います。  中山先生、先ほどおっしゃったODA、海外開発援助が流域国間の係争を引き起こす可能性があるというのはすごく皮肉だし、もったいないことだし、日本がそれに結果的に加担するとしたら大変残念なことだと思います。  一つの切り口は、やはりそういう上下流の関係を是正するためにも環境アセスメントだと思うんですが、同時に、本当に環境アセスメントだけでその因果関係が解決できるのかというところでは、まだ私は疑問視しております。  例えば環境影響評価、誰がそのお金を払うのか。また、環境影響評価をしたところで、研究者とそれから政治家たち、意思決定者は必ずしも同じではないですし、それにお金を払う人たちも違う。利害関係が絡まる中で、本当にこの環境影響評価が双方にとっていいふうに使われるということができるのかどうか、現実的な御示唆をいただきたいと存じます。  続いて、竹村先生にお伺いします。  上下水道広域化セクターなどで、盗水のない、また漏水のない、しっかりお金を払う日本というのは、民間資本、資金をもっと流すべきだというのは一定説得力を持ち得るんですが、でもやっぱり北海道債とか、彼らは実際二%、一・五%の利息を出していますし、もう少し、どうやって民間資金をどのような配分でどの人たちがどのような回収をもくろんでやっていくのか、その仕組みを教えていただきたいと思います。  民間資金が入ったところで、その上下水道のメンテナンスコストが自由化みたいになったり、あるいはその価格を、これは凍らないようにするためだ、地震に強いようにするためだというふうにオンされていけば、かなりそのしっぺ返しを食らうのは地元住民じゃないかというようなところの懸念をどう払拭されるメカニズムをお持ちなのか、教えていただきたいと思います。  三番目に、吉村先生にお伺いしたいと思います。  吉村先生、なぜ日本がインフラビジネスで負けるのかというところで、ナショナルフラッグの企業がないというところをパワーポイントの二十三ページで御指摘いただいていますが、先ほど竹村先生も少しおっしゃったんですが、日本はある意味でナショナル企業が多過ぎる、ナショナルカンパニーが多過ぎるから、国内市場でもある程度、三社、四社あっても生きられるがゆえに韓国みたいな、これだけが、この会社だけがナショナルフラッグを背負っていくんだという企業の統合ができない。できなくても何とか食っていけるだけの市場があった。だからこそ経済産業省も一社に絞ることができない。重工とか自動車とか製鉄とか精密機械ということも、三社、四社、まだまだあります。  そういう意味で、外務省も経産省も結果的に一社だけ引き上げることはできないということでがんじがらめの呪縛に陥っているような、そんな認識を持ちますけれども、では、ナショナルフラッグの企業をつくるために、その解決策として吉村先生は、企業を統合せよ、事業部ごとに企業の強みをチャートして、利益を出さないところはやはり変えなさいと、企業形態を変えなさいというふうに、本当に国主導でその企業の存亡にまで手を突っ込むべきだと、それが結果的に国民の食いぶちを維持することになるとお考えになるのか。それとも、それ以外の、国がそこまでのリーダーシップを取らなくて、三社、四社、タケノコのようにあっても国際市場で競争でき得るというふうに考え続けられるのか、その辺の御見解を賜りたいと思います。  以上です。
  48. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  それぞれ参考人の方は質問が違いますので、まず、中山参考人からお願いします。
  49. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) まず、有村先生御指摘の環境影響評価、本当に役に立つかどうか。当事者の信頼がないところでは、環境影響評価は役にもちろん立ちません。ただ、私が国際河川の問題につきまして環境影響評価に発言しておりますのは、エスポー条約との絡みです。  エスポー条約というのは、河川だけではなくてあらゆる種類の複数の国が関与する環境問題を扱う条約ですけれども、エスポー条約は、環境影響評価について会議するとともに、国際河川の場合ですと、上流国は、上流国の国民が上流国で行われる開発計画について政府から情報を得るよりも、逆の言い方を言いますと、政府が国民に知らしめるよりも、同時かあるいはそれよりも早く下流国に対してその計画を通告しなければいけないというふうに義務付けております。  私は、エスポー条約に注目しておりますのは、私の発表でも申し上げましたけれども、これまでのところ、下流国の疑心暗鬼が上流国との関係を悪化させたことが非常に多いものですから、極端に言いますと、環境影響評価の中身について上流国、下流国の間で十分な信頼関係が仮になくても、上流国がこういうことをやろうとしているということが下流国に通告されるだけでも、それは現状に比べると大きな進歩だと思っております。  したがいまして、環境影響評価の中身につきましては、私は、それが直ちにそれを基盤として有意な交渉がどこでも始まるということは期待しておりません。そうではないような関係の国が多いことも多々承知しております。ただ、上流国での計画されている何らかの開発計画が必ず下流国に通知されて、そしてエスポー条約は、下流国はそれに対して、上流国に対して意見を述べるという権利を担保しております。そういう枠組みができるだけでも、現状に比べるとはるかに国際河川における物事の円滑化に進むんではないかと思ったので、ちょっと私はエスポー条約との絡みで環境影響評価の方ばかり強調してしまったかもしれませんけど、そういう全体的な枠組みとして有意な機能をしてくれるものではないかというふうに、エスポー条約と同じ精神の枠組みがいろいろな国際河川でつくられつつあることに対しては非常に期待を持っております。そういう意味でございます。
  50. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) 民間ファンドの投入に関しての御説明をさせていただきます。  先ほど吉村参考人が申しましたように、私も全く同感でございまして、施設そのものはその地域の流域の財産、これはもう一切不変でございます。民間の財産になるということじゃございません。  問題は、今各市町村が非常に小さな行政単位になって担当者がいなくなってきた、そして資金を、それをコントロールというかマネジメントする人がいなくなってきたということで、民間の知恵を借りていこう、民間の力を借りていこうということでございます。  もう一点。団塊の時代の優秀な職員たちが今もうリタイアして社会に隠れようとしています。まだまだ彼らはあと十年、十五年平気で働けるわけでございます。彼らが長年培ったそういうタレントを、彼らの活躍する場としても、彼らは海外へ行けと言っても無理ですので、その地域の、自分の知っている地域で彼らが活躍するような場をつくるというのはかなり広域的なシステムが必要なんじゃないかということでございます。  そのためには、まず民間資金をどうやって入れるのかを検討が始まったところでございまして、確かに各地方債があると思いますけど、もっと自由にオープンな形で、条件としてはオープンな形で情報公開をしながら、地元の大手企業、地元の銀行がきちんとその地域のためにファンドを組んでいく、そしてそのファンドがきちんとそこに、地域にいる方々を組織化して、一番効率的な、ビジネスとしてのセンスを入れた運営をしていくということでございます。  具体的に一つだけ言いますと、今の水道、下水道の方は減価償却という概念がありません。これはとても大きな問題でございまして、民間だったら当然減価償却という概念があるんですけど、もう現時点の断面でしかないんです。今年ペイしているからいいと。それじゃもう全然駄目なんで、今後、あと二十年後、三十年後、自分の資産がどんなふうに減っていって、それをどうやってまた更新するときの積み立てなきゃいけないかという概念も取り入れていかなきゃいけないということを思っています。  今議論が始まったばかりでございまして、地方に眠っているファンド、その地元の銀行の皆様方が活躍できるような仕掛けというのは、民間の方々はどういうふうなところで活躍できるのか、又は問題は何かということをチーム水・日本の水ファイナンスチームというところを中心として議論が始まったところでございます。また、いろいろな情報を先生方からいただきながら検討していきたいと考えております。
  51. 吉村和就

    参考人(吉村和就君) 今、有村先生からあったように、日本ナショナルフラッグの会社をつくるべきではないかというお話なんですが、平成九年に水の関係で海外で活躍できる大きなエンジニアリング会社が十一、それからそれに準ずるのは五十四社、それから日本国内でいろいろ水ビジネスというのをやっているのがプラント関係で百五十四社、維持管理をやっているのは二百五十四社ございました。ところが、例えば昨年見ても、じゃその会社の数が減ったかというと、ほとんど減っていないというのが現状ですね。  ですから、これは何かというと、先ほどあったように、韓国は四千八百万人で、まあIMFの管理で、国を挙げてとにかく海外だということで、例えば輸出比率、海外が六八%、日本がたしか一八%ぐらいだと思うんですけれども、まあその中で日本はやはり一億という人口があるんで、取りあえず死なないように食ってはいける会社がほとんどでございますので、とても海外に行って立ち向かうというのがないと。ですから、今後、じゃどうしたらいいかというと、やはり企業連合と企業合併、こういうものが必要かなと。  過去五年間見てみますと、二つだけその企業合併あるいは統合の動きがございました。先ほど説明した荏原、それから三菱商事日揮との水ingという会社、それからもう一つは、日本ガイシと富士電機がやったメタウォーターという会社、大きな動きはこの二つだけなんですね。ですから、この二つを合わせても全く、とても一兆円なんて行く会社ではございません。例えば荏原の会社でも一千二百億ですね。メタウォーターさんの売上げも一千二百億ぐらいでございます。海外に比べるともう十分の一以下ということなんで、ある程度の事業をやるためには資本力を持っていかなくちゃいけないと。ですから、企業統合が必要と。  それからもう一つ、国の動きでございますけれども、国がどうこうして民間会社を左右できるような今日本ではございませんので、まあどこかの国なら別でしょうけれども、あの明るい北朝鮮と言われているシンガポールでさえも、例えばハイフラックスとかケペルとかセムコープ、三社をナショナルフラッグの会社にしているわけですね。ですから、日本もやはり三社ぐらいはきちっとつくらなければいけないなと。そのためには国がリーダーシップを取ると。  じゃ、どういうふうにリーダーシップを取るかというと、日本はいつも指揮者のいないオーケストラと私は言っているんですけれども、第一バイオリンも第二バイオリンもそれぞれのプレーヤーは物すごい能力を持っているんですが、いい指揮者がいなくて、それが全部不協和音で日本国中鳴り響いているのが、今のあらゆる、水だけじゃなくて産業構造にあるかなと思っています。例えば原子力発電所にしても、東芝、日立、三菱とあって、ベトナムでは何か注文を出すといっても、じゃ日立にやらせようか、三菱にやらせようか、これさえもまだ決まっていないわけですね。ですから、やはり国と企業連合がきちっとナショナルフラッグという方向を出さなければ駄目なんじゃないかなと、こう思っております。
  52. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  会長の方から一言お願い申し上げます。  四時をめどにこの調査会をというふうに申し上げておりましたが、四時から党首討論がございます。委員を兼務されている方もございますので、できれば三時五十分をめどにこの会を終了したいと思いますので、皆さん方の御協力をお願いします。  では、質問を受けます。谷岡さん。
  53. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 今の吉村参考人のお話がまさに私がお聞きしたい点でございます。  この指揮者と言われました点、あるいはプロジェクトリーダー、プロデューサー、何でもいいわけなんですけれども、これは本来、国ということでいえば官僚の皆さんがおやりになるんだろうと思います。ところが、日本の官僚というのは法学部が中心の出身者であって、法学というのは基本的に、ある体系、既存の体系の守りが中心であって、そういう攻めであったり、新たなチームを組み上げてプロジェクトを計画し推進していくというような、ある種デザイン的なものというものが足りないんじゃないのかなと。言ってみれば、社会のシステム工学的なもの、先ほど物づくりを売るということについて日本が大変優秀であったということを言われた部分もありましたけれども、これはその物というものと様々な集合のシステムというものの違いであって、それだけ多重的なものに対するコーディネーションの力が必要になるということだろうと思います。  しからば、そういう人材を例えば日本が育てていくということを考えた場合に、必要な例えば仕組みは何なのか。それから、そこに行くためのカリキュラムが何なのか。それと同時に、それをその教育方法としてどういうことが実際問題考えられるんであろうか。要するに、それを今後担っていって指揮者になっていく人たちを私たちはどう育てられるのかということを、それぞれ皆さん三人、大学ともかかわっていらっしゃるということがありますので、それぞれのお考えをお聞かせいただけたらと思います。
  54. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  お三方の参考人から簡単にお願いします。
  55. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) 私が勤務しておりますところは、国際協力学専攻というところでございます。学生によく私はロールプレーといいますか、いろんな役割を与えて、それで討論させるという授業をやります。そういうときに非常に大事なのは、テーブルの相手側にいる人間がどういう考え方をするかということを学生が理解できることだと思っております。  ですので、よく、はい、じゃあなたはA国の人間、B国の人間で議論しなさいと。学生には全く予告せずに、はい、じゃ今度は立場を入れ替えて議論しなさいと言うと、かなりの混乱が起きたりします。ただ、それは、相手の国がどういうことを考えるか、それを見越してリーダーシップをどう発揮できるかということが極めて大事だからと思ってやっているわけですけれども、多分、自分の国がこう考えると同時に相手の国はどういう発想をするからそういうことを言うだろう、あるいは言うんだということを理解するということがやっぱり今までの教育では少し欠けていたのかなという反省がございます。  私はささやかな教員としての貢献しかできませんけれども、そのような意識を教育者が例えば大学院の教育によって持てば、少し今先生が懸念されたようなことについても使い物になる陣営が、まあそれが理系から出るのか文系から出るのか、私も理系出身ですからちょっと理系から出てほしいとは思いながらも余り楽観しないんですけれども、理系でもそういう発想ができて交渉の舞台でまさしく役に立つ人材を育てていくことにつながるんではないかと、そういうふうに考えております。
  56. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) 水に関してのお話に絞ってお話ししますと、各企業、日本の企業はすばらしい先端エッジを持っています、技術の。それを上手に取りまとめて一つのシステムにしたのは、各地方自治体の水道及び下水道の行政官たちがやっておりました。日本国内ではそのシステムをつくるのは、地方の公共団体の職員たちが極めて優秀な形でやり遂げていました。  ですから、そのまま各企業が世界に向かってこのエッジを、先端技術を突き付けるんではなくて、この地方公共団体の優秀なシステム屋、いわゆる構想屋、社会システムをつくる人間たちがコアになって、そして各企業の先端エッジを組み込んでシステムとして出ていくということがとても大事だと思っていまして、私は政治のガバナンスと言いましたけど、あるリーダーがやれと命令を掛けるということではなくて、各地方公共団体が情報を持ちながら自分たちが自らやっていくという気持ちになっていくことが大事だと思っています。もういるんです、既に、そういう人間は。  ということでございまして、今なぜそれができ出したかというと、そういうことをやっていいんだということが地方公共団体の職員たちは分かってきたんです。それまでは、二年前まではこの水の安全保障戦略機構で議論したのは、なぜ地方公共団体の職員たちが、自分たちはその地方のためにやれという命令されていると、なぜそんな国際ビジネス、国際貢献しなきゃいけないんだという、その議論を実はしていたんです。それは非常に大きな議論だった、重苦しい議論でした。自分たちは市町村に帰って議会なんかにとても説明できないという話でしたが、でも今の、二年後となっては、今となっては政令指定都市ぐらいの水道・下水道部局は、海外、国際貢献するのは当たり前だというところに今がらっと変わっております。  ですから、私は、ある強力なリーダーがいるということは必要なくて、みんなが情報を共有してそういう方向に行ってもいいんだということをみんながエンカレッジしてやれば、自ら進んでいくエンジンはいっぱいあると思っています。そういう社会的な風潮というか社会的な背景をどうやって私ども、そして国会の先生方が、リーダーになれという、一個一個のプロジェクトのリーダーになれということじゃなくて、そういう日本の方向性をエンカレッジしていく、していっていただければ、私は、人材はいる、それも可能性があると思っております。
  57. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) 今、谷岡先生から、指揮者をどうやって育てたらいいかと。二つあるかと思います。  一つは、オーケストラでおなじみの例えばバーンスタインとか小澤征爾とか、長年そこにやって楽団員が何をやるか全部頭に入っていて、そういう人が中心になって指揮棒を振ると。これはやっぱりうまくいくわけですね。ただ、今後の世界に出ていく水インフラの中でそういう人というのはちょっと期待できないなと。  じゃ、日本はどうしたらいいかというと、やはり権威あるいは権力を使った動きかなと。最近の、この二年を見ておりますと、例えば国交省では、前原さんが例えばベトナムのODAで最初に造った下水処理場を視察していただいたり、それから馬淵さん、三井さんが国際会議でその水を飲む。そうすると、下の法学部出身でもきちっと、ヒラメの方が多いものですから、上を見て動く人ですね、本当に真面目にやってくれるんですね。  ですから、私の提案とすれば、各省に副大臣が二人ぐらいいらっしゃいますので、一人は海外要員で常に海外に行ってビジネスをプロモーションすると。副大臣が、まあ大臣は無理でしょうから、副大臣が海外のその窓口になるということをきちっと示していただければ、下の法学部であろうが何でも優秀な官僚が全部付いていくんじゃないかなと、これも一つの指揮者の現れ方じゃないかなと思っております。
  58. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  浜田先生。
  59. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございました。  吉村参考人に一つお伺いしたいんですけれども、今盛んに環太平洋戦略的経済連携協定、TPPですね、この中にも水の問題が含まれているわけですよね。  そこで、今、吉村参考人が作っていただいた資料で、世界水ビジネスを狙う巨大企業、アメリカのゼネラル・エレクトリックだとかIBMのお話をされましたよね。こういうところが日本のあるいはアジアの水ビジネスに、これからアメリカという国のバック、アメリカの水のシステムを、あるいはそのビジネスモデルをどんどん売り込んでくる。そういうことに対して、例えばP4のシンガポールなんかは、これはとんでもないことだと、自分たちの水というのは生命維持に欠かせない公共財なんだから、そういうところにアメリカのビジネスモデルを持ってきてもらうのは困ると言って例外扱いにしようとしているわけですね。  これは同じことは日本にも、これから六月をめどにTPPへの参加をどうするか決めると言っているわけですから、その辺り、とても重大な決断を迫られることになると思うんですが、吉村さん、いろいろと御覧になっていて、この水の問題と、このTPPという名前の下でのアメリカのシステム、これに日本とすればどういうような姿勢で臨むのが一番国家戦略上得策なのか。日本の国益を守るために、このシンガポールの例が参考になるのか。あるいは、やはりアメリカとの関係を考えれば、GEやIBMが日本の水企業の持っている技術やマーケットをどんどん侵食することもこの際もう受け入れるという形で国を開くということが得策なのか。  その辺り、ちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  60. 吉村和就

    参考人(吉村和就君) 国際政治学者の浜田先生から聞かれると弱いんですけれども、簡単に言いますと、やっぱりTPPの中でそういう動きが確かにございます。  ですから、日本は単なる水ビジネスということじゃなくて、例えばアジアモンスーン日本は端っこにございます。特に、アジアが抱えている問題というのは、アジアモンスーン気候の中での農業の問題がございます。御存じのとおり、水循環の七割は農業利用でございますので、つまり水循環全体を日本が応援していくような形で信頼感を得ないと、やはり日本アメリカと同じように排斥されるかなと。  ただ、それと違うのは、やはり同じような肌の色と目の色でございますので、それから、裏切らないという信頼感というのはやはりアジアの人が日本に対して持っておりますので、そういううまく理解と誤解の間を利用して日本が進めていけばいいんじゃないかなと、こう思っております。
  61. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 主濱さん。
  62. 主濱了

    ○主濱了君 今日は、本当にお三人の参考人の皆様、貴重な御意見、ありがとうございました。  端的にお伺いします。  これは国土交通省の資料に基づいて伺うわけなんですが、地球上の水の量というのは海水がほとんどであります。そして、淡水の中でも地下水とそれから表流水があるわけであります。地下水は〇・七六%あると言われている。それから、表流水というのは〇・〇一%。  今日のお話はこの表流水〇・〇一%の部分が中心であったと、こういうことなんですが、これは竹村先生には別の場所で一回お話しさせていただいたことがあるわけですが、まず地下水の利用についていかがお考えになるのかというのが第一点目です。それから、地下水利用についての問題点。それから、地下水を利用していくことについての将来の、何といいますか、展望といいますか、その辺をいかがお考えになっているか、端的にお教えいただければ幸いでございます。  以上です。
  63. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) お三方ですか。
  64. 主濱了

    ○主濱了君 はい。
  65. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) それでは、中山参考人からお願いします。
  66. 中山幹康

    ○参考人(中山幹康君) 分かりました。  国内の問題につきましてはお二人の参考人にお任せいたしますが、国際流域の中には国際地下水層あるいは帯水層も当然含まれます。ただ、現在のところ、地下水帯水層をめぐる国家間の話合いというものはほとんど進んでいないのが現状です。  それはどうしてかと申しますと、河川の場合ですと、上流で水を使えば確かに下流で水が減るというのは極めて自明なんですけれども、地下水層の場合、例えば地下水層を共有している二つの国が、こっちの国がどれくらい水を使うとこっちの国にどれくらい影響があるかということが明確に分かっているところがないので、明確な根拠なしに議論は、してしまうこともありますけれども、有意な根拠は、有意な議論はできないので、残念ながら、我々が持っている科学的な知見がまだ不十分なゆえに、地下水利用について国と国との間での有意な話はできていない事例が多いです。ただし、幾つかのところでは地下水について国と国との間である種の条約が結ばれたりしているところもありますので、そのような必要性が認識されているところは増えておりますし、これからも増えると思います。  地下水の場合、日本も含めて、地下水に関するデータというものは、特に国際河川、国際流域としての地下水ではデータの蓄積が十分でないところが多いので、もう少し有意なデータが集まれば何らかの国家間の交渉が始まるんじゃないかと期待できるところは幾つかありますので、ちょっと質問の御趣旨とは違うかもしれませんけれども、もし日本がそういう面で貢献できるのであるならば、それは地下水の利用というものを、より、国と国との間の摩擦を起こすのではなくて、国と国との間が、うまく共有する地下水を使う方向での話合いが行われる、そういう手掛かりを与えるものとして日本の貢献になり得るのではないかと思っております。
  67. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) 大変うれしいというか、質問をしていただきまして、心から感謝します。  私が用意してきたもので、この図がございます。(資料提示)  現在、地方で大変なことが起きております。これは神戸市と横浜市の実例でございますが、なぜ神戸市か、横浜市かと申しますのは、神戸市も横浜市も平成十二年、十三年をベースにして人口がどんどん増えているところです。増えているところ、そこが白の方ですね、それに対して、水道の料金ががた減りなんですよ。人間が増えているのに、水道料金ががた減りなんです。これは、人口が減っているところは余計分からないんで、人口が増えているのに料金が減っているなんてあり得ないことなんです。どんな節水機器が出ようともあり得ないことなんです。なぜかというと、これは地下水の利用なんです。  新しく建設する病院、大学、スーパー、ガソリンスタンドもそうですね、そういう企業が、本来なら水道管を持ってきて、水道を布設させるんですよ、病院又は大学を造るとき、大きな管からずっと持ってこさせます。当然の権利ですから。で、基本料金だけ契約して、あとは自分で地下水を掘っちゃうんです。今、膜技術が非常にすばらしいので、水道の水質より自分の地下水で膜処理した方がはるかにきれいな水ができちゃうということで、基本料金だけ払って使用料は払わないんです。  そうしますと、どういうことが起きるかというと、水道事業全体のいわゆる減価償却、施設の減価償却は基本料金と使用料で払おうという計画になっているわけです。その基本料金の三〇%ぐらいを払ってくれるのはいいと。でも、残り七〇%の使用料の中で減価償却、浄水場とか下水処理場とか、下水もオンしていますので、水源の使用料、又は太い配管の、根幹の配水管、それを償却しようと思っているのに、大手企業は、大手の事業者はそれをもう払わないわけです。結局、住民に全部負荷が行っちゃっているわけです。お分かりですね。今日、図を持ってこなかったんですけれども、当然分かっていただけると思うんです。  つまり、これは人口が増えている神戸、横浜だからこんな明快な数字が出たんです。横浜だと平成二十年で二十億です、減額が。そのぐらい膨大なお金が実は減りつつある。どんどんそれが激しくしている。それが例えば地方の、旭川市とか、それからまた地方の、鹿児島、宮崎でもいいですけれども、地方に行けば行くほどそういう事態が、ダメージが大きくなるわけでございます。  そうやって地下水をみんなが自由に取っていくのは各個人の権利なので、それは否定できませんけれども、一体どうしたらいいんだろうかというところが今水道業界では一番の難しいテーマになっております。  水の安全保障戦略機構、チーム水・日本では、一つだけ提案をしております。次のページの下のところで、法律でいくと大変厄介なので、一つの考え方として、流域協議会というのをつくったらどうかと。ある川ごとの流域協議会をつくって、そこで地下水を取っている方々は、本来、水道料金を一〇〇払うところを、一〇%から三〇%、これはつかみ金ですけれども、基金を、CSRという思いでその流域に基金を積んだらどうかと。そして、そういう地方自治体の方々もそういう基金を入れて、また、大企業の方も、もしそこで活躍しているならCSRとして基金を入れて、その基金でもって地方自治体上水道への支援だとか、その流域又はその地方の水循環のための何か方策を、支出していくと。それを流域のみんなが考えていくシステムができないかということを提案しております。  実際、一例だけ一個あります。山梨県の北杜市です。山梨県の北杜市が、北杜市環境基金という条例を作りました。条例を作って、北杜市の中で地下水を上げている企業さん、調べていただければ分かるんです。これは、これ議事録になりますので特に言いませんが、もう有名な飲料水メーカーが、それは分かったと、自分たちはこの北杜市で活躍させてもらっている、そして地下水をいただいている、だからその分の基金を出しましょうということで、その企業が基金を出し、北杜市も基金を入れて、その基金でもって、何がその地域で使っていいのかということを流域単位で考えているということが芽生え出していくということが大事だなという提案を現在しております。  税金、増税とかなんとか言い出すと大騒ぎになっちゃいますので、もうとても何年かの議論待っていられませんので、できるところからそういう流域単位での協議会をつくっていったらどうかということの提案でございます。
  68. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。神戸市に成り代わりましてお礼申し上げます。
  69. 吉村和就

    参考人(吉村和就君) 今、水源林とそれから地下水の問題がございまして、本当に今、地下水が全部、一坪でも持っていれば全部地下水はその土地所有者になっているということですね。ですから、結論から言いますと、やはり私水の、私の水の制限、これは公共水として使えるような法体系に変えていかなければいけないんじゃないかなと。それについては、今、水循環基本法ですね、それからもう一つは民主党の中にも水政策議員連盟なんかで討議されていると思います。やはり、地下水については国民全体の財産ということで法律的な裏付けがなければいけないんじゃないかなと、こう思っております。  今、水道の方を見ますと、竹村さんから先ほどありましたけれども、日本全体を見ますと、例えば十年前に日本全国の一年間の水道料金約二兆八千億円ございました。ところが、昨年は二兆五千億円を切っております。簡単に言うと三千億円減収となっていると、十年間でですね。一方、ペットボトルの売上げは昨年約二千億でございますので、やはりどんどんどんどん水道使用量が減っていく、それから料金収入が減っていくと。  じゃ、それで今のところは地方自治体公営企業法で水道というのは地方自治体がしっかりやれということになっておりますけれども、金も入ってこない、それから人もいなくなると。そういう状態でどうやるかというと、やはり官民連携という形になるかなと思っておりますけれども、その中で特に山梨なんかは、米長先生の選挙区でございますが、四一%の、二千億のうちの四一%は全部山梨県の水でございますのでね、やはりある基金、あるいは、もう一つは日本携帯電話と同じように、公衆電話を守るためにユニバーサル料金というのを付けております。やはり、日本の水についてもそのユニバーサル料金的な考え方をこれから入れなければいけないんじゃないかなと、こう思っております。
  70. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございます。  では、もうあとお一人お願いします。それで、余りたくさんに指名なさらないように、よろしくお願いいたします。  それではお願いします。紙さん。
  71. 紙智子

    ○紙智子君 先ほどちょっと時間がなくて聞けなかったんですけれども、去年六月に新成長戦略でパッケージ型インフラ海外展開を進めるというのがあるんですね。そこに、自治体の水道局等の公益事業体の海外展開策を策定・推進するといって、二〇二〇年までに十九・七兆円の市場規模を目指すということが掲げてありますよね。  それで、そこを読みますと、経済戦略として水をとらえてビジネスにすると。お金もうけもしようということなわけですけれども、その水ビジネスの利益を得ようということなんですけれども、今もちょっとお話出ていたんですが、水道事業の巨額の利益が生まれるのかなというのは実は非常に疑問も持っていて。  今、お話もありましたけれども、水道事業が赤字で、水道料金の値上げが問題になっている側面もあるわけです。浄水場とかそれから水道管ですね、などの整備や更新などに多額の費用も掛かるということで、これは海外で事業展開する場合に相手国のやっぱり自主的な自発的な発展で役立つ取組が重要なんですけれども、どういうふうにこれを展開するのかということで御意見を、ちょっと先ほど聞けなかったので吉村さん、それから竹村さん、お願いします。
  72. 竹村公太郎

    ○参考人(竹村公太郎君) 私どものODAの議論の中で一番反省するのが、ODAで浄水場を造ったと。水源と配水管、導水管と浄水場を造って、インドネシアの例ですけれども、で帰ってきちゃった。つまり、日本の政府は、維持管理についてはODA対象外と、それは運営は各国がやれということで、みんな私どもは造りっ放しで帰ってきたと。で、今インドネシアはどうなっているかというと、日本が造った、ODAで造ったところを、ヴェオリアという名前があって、フランスの企業が維持、運営、管理している。そうすると、インドネシアの方々は、ヴェオリアさんが水を配ってくれているという概念で今思っているんです。これは事実でございます。  こういうことが本当に、ちょっと悔しいなという思いから最初来たんですけれども、そうじゃなくて、今御質問のありましたように、本当にそういう維持管理に入っていって、私たちがリターンがあるのかといったら、そんなにないと思います。せいぜい人件費が出たら御の字ということでして、要は、団塊の時代の方々が社会から隠れようとしている、その人たちの活躍する場としての、そのもろの各地方自治体の方々が行くという以上に、彼らが、その下部組織としての経験者たちが株式会社をつくって、地方自治体の経験がつくった株式会社が次は民間の方々とタイアップして、その知恵を使いながら外へ出ていくと。  しかるべきリターンがあれば、僕は国際貢献、先ほど言いましたように、べらぼうなもうけというより、国際貢献という非常にパブリックな形をにおわせた持続可能な国際貢献というと、先ほど言ったODAだと出しっ放しですので、リターンがある、リターンがあるようなシステムをつくっていきたいなというのが私の考え方でございます。
  73. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) やはり、海外で水ビジネスで、水商売のようにがばっともうけるか、あるいはもう失敗していくかどっちかでございますけれども、海外の水は、今、竹村参考人言ったように、私も適切な対価がなければやっぱりビジネスはできないということですね。ですから、欧米のように、もうけるか、あるいは損したらぱっと退却すると、そういう姿ではなくて、ある程度お金の回る仕組みが必要ということ、これははっきりしていると思います。  それから、やはり日本がなぜ信頼が得られるかというと、やはりうそをつかないということと急にあしたからいなくなるということがないという信頼感がありますので、そういう意味では水ビジネスは今後伸びていくなと。  東南アジアを見ますと、とにかく、都市化率を見てみますと、今大変なことになっているわけです。平均で今や、都市化率が二三%が二〇二五年には四十何%に、これ平均値ですね。それから、中国については、今、都市化率が四二%が今度六五%と。何といったって、人口百万人以上がこれから二百二十、中国でできるというんですね、現在は百十八でございますけれども。そうなりますと、とても自社の技術者、それから企業だけではできないということでございますので、アジアの人口増加、都市化率の増加のところへ日本のいろんなビジネスチャンスがあるということでございます。  しかし、そこでどうも大もうけはできなくて、現地に技術的なトランスファーをして、最後は少し、まあ人件費プラスアルファぐらいが稼げればいいかなと、こう思っております。
  74. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) 当初、もうこれで終わる予定でしたが、まだ十分ほど余っておりますので、どうしてもという方がございましたら、質問をお受けします。  どうぞ、水落先生。
  75. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 どうしてもじゃないけれども。  確認の意味でちょっと吉村先生にお聞きしたいと思いますけれども、昨日でありますけれども、藤原委員長と一緒にODAの視察で名古屋の中部JICAに参りました。そこで、中部経済界の代表の方々とお会いして懇談したんでありますけれども、本日、本調査会で勉強している水の問題、特に水ビジネス事業を中部経済界が産学官一体となってこれから展開していくんだと、こういうお話でした。  すばらしいと思ったんですが、まず最初の事業として、スリランカに上水道を造るんだと、こういうことでしたけれども、ところが、ただいまお話を承って、こんなに自治体や企業が海外におけるビジネスをやっているなと思って驚いているんですけれども、お話の中で、彼らが言うには、スリランカ、その相手国の国情とか法律について余り詳しくないのが問題点であると、こういうお話でした。  したがいまして、こうした海外水ビジネスを成功するに当たって、先ほど先生から、外交チャンネルがないとか、指揮官がいないとか、トップセールスが必要なんだとか、こういうお話を承りましたけれども、確認の意味でいま一度、こうした海外ビジネスを成功させるにはどのようにしていったらいいのか、何が大事なのか、確認の意味でもう一度お話しいただきたいのと、JICAなど、国としてのかかわりをどうしていったらいいのか。その辺、ポイントを教えていただきたいなと、こう思います。
  76. 吉村和就

    ○参考人(吉村和就君) 確かにJICAはきちっとやっておりますけれども、これは、ただやはり、彼らは決められたことをきちっとやるのが仕事でございますので、実は大事なのはそのコンセプトと、それはやはり外務省が決めております。それから、要請主義ということでやっておりますので、一番大事なことは、やっぱり現地の法律あるいはニーズをきちっとつかむということですね。  これは逆に、先ほど大野先生から質問ありましたけれども、外務省にお強いようでございますので、今度外務省はインフラ担当官で、一月の二十七日に百二十一人制定したわけでございますので、そういうインフラ担当官をきちっとやっぱり使うような形にしなければいけないんじゃないかなと、こう思っております。  現地のその法律あるいはニーズ、在外公館を使ってこれから外務省は応援すると言っておりますので、是非皆様方からむちを入れていただいて、しっかり情報を集めてこいと、その上で動くんだということにしていただければなと、こう思っております。
  77. 藤原正司

    ○会長(藤原正司君) ありがとうございました。  よろしゅうございますか。  それではもう、まだちょっと時間ありますが、以上をもちまして、本日の調査会を終わらせていただきたいというふうに思います。  一言、御挨拶を申し上げたいと思います。  中山先生、竹村先生、吉村先生におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、おかげさまで大変有意義な時間を過ごすことができました。調査会を代表して、心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。(拍手)  今後、三先生方のますますの御活躍を心からお祈り申し上げます。ありがとうございました。  以上をもちまして、本日の調査会を散会いたします。    午後三時四十二分散会